学部、短期大学、高等専門学校、専門学校についての大学分科会における主な意見
大学(学部)
- 学部では広い意味での教養を身に付けるべきであり、専門知識は大学院で学ぶようにすべき。
- 学部における教育は単なるスキルを教えるのではなく、ものの考え方といった基盤的なことをしっかりやるべき。スキルなど変化するものは専門学校で教育するということにすれば、学部との棲み分けができる。
- ものを考える力や問題点を分析する力、抽象化して一つの概念とする力が必要だが、特に抽象化する力が弱い。
- 理工系は専門化しすぎて基本的なものが身に付かないようになっているのではないか。
- 社会科学系は高等普通教育になっており、ベーシックに経済、法学等を身に付けさせる必要がある。
- あらゆる企業を考慮に入れた専門教育はあり得ないので、具体的な達成目標を与えてそのプロセスの中で人格を統治するのが教養教育だと考えている。
- 今後も学部の最低修業年限は、4年間でいいのか検討すべき。
- 分野にもよるが、学部と大学院修士課程を通して一貫教育にするということも考えられる。
- 修業年限については、本来4年間でやれるのに学部教育の密度が薄いためできないという面があるのではないか。教養教育にしても密度の濃いものにする必要 がある。
- 社会からの要請に応じた即戦力になる実務者養成に学部教育が引っ張られている感じを受ける。
- 産業界は大学に専門学校と同じような人材養成を期待している。その要求だけを受け入れていくと、専門学校との違いがわからなくなる。
- 大学院を重点化した大学は、学部の規模を縮小すべきではないか。
短期大学
- アメリカでは短期の高等教育の機会が、あらゆる人に低い学費で保障されている。日本でも短期大学を最初の学位とし、様々な学習機会を提供できるようにしなければならない。
- 地方公共団体との連携という視点も重要。
- 大学の本質から言えば、普遍化、脱地域ということになるのではないか。短大における地域との関係や貢献のあり方を検討すべき。
高等専門学校
- 高等専門学校は、もともと中堅技術者の養成からスタートしたが、現在は、専攻科を設けて高度な技術者を養成するという方向になっている。しかし、本来の現場技術者養成に特化すべきではないか。
専門学校
- 学部における教育と専門学校における教育とはどう違うのか。
- 今すぐ必要なスキルについての教育は専門学校で行った方がよい。