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株式会社立大学の現状について
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平成15年の構造改革特別区域法の改正により、学校設置主体の特例として、株式会社(学校設置会社)による学校経営への参入を容認。 |
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学校の公共性、継続性・安定性を確保する観点から、財産や役員に係る要件を課すとともに、学校設置会社による情報公開、経営破綻時における特区自治体によるセーフティネットの構築などを義務づけ。 |
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学校設置会社が大学を設置する場合、一般の私立大学と同様、大学設置基準等の適用を受け、大学設置・学校法人審議会の審査を経、認可を得ることが必要。認証評価機関による第三者評価を受ける義務を負うことも同様。 |
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平成16年度の2校の開設を皮切りに、設置認可申請が順次行われ、18年度現在では6大学が開学(不認可又は取り下げは3大学)。いずれも専門職大学院を有し、うち4大学は大学院大学。通信制を一部又は全部に取り入れているものは2大学。この他、19年度開設を目指して、1大学(4年制のインターネット大学)が設置認可申請中。 |
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政府方針により、特区の特例措置については、実施状況の評価(特区評価)の結果、弊害が証明されなければ全国解禁(弊害があれば廃止)することが原則。16年度及び17年度の特区評価では結論が見送られ、18年度下半期に改めて評価を実施する予定。 |
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株式会社の学校経営参入を支持する意見の背景には、米国における営利大学の先例が存在。既存大学のニッチ(隙間)として、社会人を主対象に実務教育を提供。営利大学の機関数・学生数は大きく伸びているが、学生数全体の5パーセント程度。相当数は、学位を授与しない短期(2年以下)の職業訓練機関(最大手の営利大学であり、適格認定を受けたフェニックス大学などは一般的事例にあらず)。
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公共性、継続性・安定性に対する懸念は日米共通に指摘。1〜2年しか存在しない事業者も相当数存在。営利大学による学位授与や学生への奨学金給付に制限を課す州も存在(例:ロードアイランド州、デラウェア州、モンタナ州)。 |
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営利大学の教員団にはパートタイム型の実務家教員が多数。大手の営利大学では、博士号又は修士号の所持者が中心。フェニックス大学では、常勤・非常勤とも相当期間の事前訓練を義務付け。 |
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フェニックス大学は、オンライン教育を提供し、各地にブランチ・キャンパスを展開。他の大手営利大学もブランチ・キャンパスを保有(人口集中地域でレンタル)。北中部協会(NCA)の適格認定を受けた営利大学が、全米各地に進出し、学士以上を授与するキャンパス数ではNCA認定が全体の約65パーセント(「NCAの全国アクレディテーション団体化」、地域アクレディテーションの原則の危機)。 |
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米国の動向については、以下の資料を参照(敬称略)。 |
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森利枝「米国における営利大学のキャンパス展開と地域アクレディテーション」『第9回日本高等教育学会発表要旨集』、2006年 |
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吉田文「フェニックス大学はなぜ強いのか」『カレッジマネジメント』133号、2005年 |
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吉田文「米国の株式会社立大学は日本での先例になるのか疑問」『週刊教育資料』2005年10月10日号 |
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読売新聞「特区の学校 理想は「良質」&「黒字」」、2005年7月30日 |
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清成忠男「米国で拡大する営利大学」日本経済新聞、2005年3月5日 |
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山田礼子「株式会社立大学で先を行くアメリカの現況」『カレッジマネジメント』124号、2004年 |
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丸山文裕『私立大学の経営と教育』東信堂、2002年 |
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