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「新時代の大学院教育(答申)」の提言内容に対応する学士課程段階での設置基準の改正についても、当部会で議論し、大学設置基準の改正につなげていくべきである。
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大学審議会の時代から何度も大学設置基準を改正しているが、一部には改正した事項が実態に合わなくなってきているものがある。再改正が必要と思われる事項がどれくらいあるか一度整理すると、課題が明らかになるのではないか。また、大学設置・学校法人審議会では審査に当たってどのような課題を抱えているのか等、現行基準の問題点を明確にすると良いのではないか。
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産業界あるいは社会全体に対して大学卒業者がどのように貢献し得るのか、それに対して、高等教育はどのように質の保証ができるのかといった背景の部分の議論も必要ではないか。
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現在、既設学部等の直近の平均入学定員超過率が1.3倍を超えた場合に新たな設置認可を認めないこととしているが、高等教育の質保証について長期的に考えた場合、定員割れが常態化しつつある点をどのように考えるか等、大学の定員の在り方についても議論する必要がある。
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「大学院等の設置の弾力化」として、基礎となる学部等の設置から2年以上経過しなくても大学院の設置が認められるよう制度改正を行うとしても大学院の質保証の仕組みの在り方については、さらに議論を深めていく必要がある。
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現在の高等教育状況を取り巻く全体の流れは事前チェックから事後チェックへという流れであるが、しかしながら事前チェックにおいて国の関与を全て否定するような風潮があることは大いに疑問を感じる。
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準則主義化により設置審査の簡素化が進み,事前チェックが機能しないとの懸念を持つ者も多数いる。「法令で禁じていないことは何をやってもよい」という考え方が流布しているのではないか。重大な問題を抱えている事案であっても,準則主義に基づき認可せざるを得ない状況にも直面している。
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教員の構成については、個々の教員が教授するに相応しい能力と資質を持っていたとしても、大学全体の教員組織としてのバランスが著しく崩れているのであれば、問題であるとしか言いようがないのではないか。
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大学というコミュニティとしての文化が崩壊しつつある現在,公正な競争のため,また,質保証のためにも様々な基準等の曖昧さを改め,抽象的な表現を補い,より公正なルールを整理する必要があるのではないか。
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大学施設、教育課程など様々な問題の中で、専任教員の要件については,さらに明確化が必要であり,早急に具体的な議論する必要があるのではないか。さらに,事前チェックで指摘した事項について,完成年度を過ぎた後にフォローする明確な仕組みが現在ない状況であることからも、一貫した継続的な仕組みを作る必要があるのではないか。
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認証評価制度について、今後、どのように動いていくのか。制度を全体的にとらえ、制度上の問題点等を洗い出し、議論することも必要ではないか。
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認証評価が平成16年度に制度化され、現在5つの機関が評価機関としての認証を受けている。約1,200の大学・短大が7年に一度評価を受けることとなっており、進行状況も見ながら、必要に応じて議論する必要がある。
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設置認可と認証評価の二重構造化で米国同様、日本でも多様なステークホルダーとの調整の問題が起こっている。アウトカムに注目した評価の開発が課題であり、特にディグリメントについての情報等は日本でも情報提供の保護請求する必要があるのではないか。
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日本では、自己点検・評価を行っているが、同時に指標づくりを行うことで、評価の正確性や意義付けを意識した改革につながっていくのではないか。
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アクレディテーションも第三者評価も基本的には目的理念があり、学生がその目的を達成できているか、あるいは大学のステークホルダーの要求に沿った学生が育っているかが基本ではないかと感じるが、これでは、大学という組織体の基本的な最低レベルの保証をすることでしかなく、一方で質をどのように保証するのかという問題が出てくる。
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アクレディテーションについての議論は、欧州のようにボローニャプロセスの量的なものと合わせながら質的な基準をどこでとるか、もしくはアメリカのように様々な尺度のランキングと比較することで質的な基準をとるかという視点があるが、日本でもそういった視点で議論を始めるのがよいのではないか。
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評価機関の認証に関する審査委員会における議論では、認証評価が円滑かつ確実に実施されるよう、可能な限り早急に自己点検・評価を実施し、認証評価を受けるよう促すことが必要とされた。また、評価団体は評価結果の公表に当たり、課題を明確化にするなど一層の配慮が求められるとともに、各大学は評価結果の基となった資料を出来る限り公表することが望まれるとされた。専門職大学院の認証評価については、評価団体が早急に整備されることも今後の課題とされた。
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認証評価制度の課題としては、 複数の認証評価機関の不揃いさ、 認証評価制度の社会的質保証のレベルの不明瞭さ、 既存の市場の評価への対抗、 大学の質的向上に資するのかといったことが課題である。
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今後、認証評価制度の目指す方向として、機関評価で最低基準の確保を目指すのか、世界レベルの競争を目指して教育研究の質を問うのかを考える必要がある。
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認証評価システムの課題は、 自己点検評価の実質化、 評価過程の整備、 大学人としての視点を超えた評価委員としての視点の育成などが考えられる。
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評価が信頼を得るためには、より精緻なものが必要ではないかとの意見もあるが、評価機関内部では、むしろ如何に簡素化するかを議論している。沢山の方々に評価を理解していただくには、むしろ簡素化しなければならないと考える。
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アメリカのアクレディテーションの試行錯誤の歴史を見てもわかるように、日本においても徐々に仕組みを作っていく必要がある。その意味では、大学分科会等で、何が最低限必要なのかを議論する必要がある。
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評価を簡素化すると、社会からの信頼が得られなくなることから、ある程度細かく評価せざるを得ないのではないか。現在の認証評価システム自体が労力を使う方向に向いていることから、大元に立ち返って議論する必要があるのではないか。
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アメリカでは、アウトプットのみならず学生への大学に対する大規模な意識調査を行うことが、何百もの評価委員を訓練するより有効とされる州もあり、日本においても、複雑で労力のかかる現行制度よりも柔軟な方法もあるのではないか。
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認証評価の根本である自己点検評価の方法が、実施当初のころから比べ、合理化や改善がなされてきたのかと疑問を感じる。各大学の自己点検評価の継続的な実施が、評価委員の訓練には効果的ではないか。
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認証評価の問題は、国際的な質保証の流れの中で、多様な機関が関わるべきであり、その上で簡素化も求められ、錯綜しているが、全体を眺めながら良い案を作ることが制度部会の役割ではないか。
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認証評価については,評価機関が複数存在していることから,ある機関では大学として認めるが,他の機関では認めないということが起こり得る。それ故、「大学とは何か」ということを一義的に決めてしまうのは問題があるのではないか。「大学とは何か」という問題は,結局は認証評価機関の多様性の中に求められている問題ではないのか。
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日本の大学評価機関が国際的なレベルに並ぶには時間がかかるが、それ以前の問題として、積極的に、国、評価機関、個々の大学が連携をし、良質で正当な情報提供を迅速・適切に行うことが大事。
ランキングの正当性の問題に対しては、それを否定するのではなく、諸外国の例を参考にしながら至急にデータベースの構築等を行い、ランキングをされても十分に対応できる良質の情報を提供していくことが大事ではないか。
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情報発信については、長い歴史のある設置認可ですら必ずしも浸透しているとはいえないと感じる。スタートしたばかりの認証評価と併せて、国・評価機関・大学は、日本の大学の質をどう今後どう保証していくかを情報発信すべき。
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評価の問題は国内以上に国際的なものが重要性を増しており、どのような手法で質の担保をしているのか発信し、日本の認証評価機関の特異性を国際的に理解してもらう必要がある。併せて、米国で見られるように評価機関を統一しようとする動きがあ る中で、日本で今後増えていく評価機関をどう捉えるのか議論する必要がある。
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今後、認証評価を受ける大学が増加することが予想されることから、評価機関にとって評価委員の効果的な人的配置や評価の一貫性・均一性を保つことが大きな課題となる。
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複数の認証機関が不揃いという問題に対して、評価委員のトレーニングや情報交換などを目的とした評価機関同士の連携や協議会のようなものを自主的に立ち上げるか、あるいは国としてバックアップして育成するといった対策が有効ではないか。
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機関別評価については国際的な質保証を考慮すると、機関別評価と分野別評価やプログラム評価の分担、教育の質の向上の評価など、さらに細かいところに入らざるを得なくなる。また、評価機関が正確な評価をしないと評価機関の社会的な地位が下がる恐れもある。評価機関に対する評価を行わなければ、民間が実施する評価でも構わないという社会的評価が生じる恐れがある。
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