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18歳人口の減少や女子の4年制大学志向の高まりなど、短期大学を取り巻く社会や時代の変化の中で、短期大学は他の高等教育機関と異なる個性・特色の明確化に一層努める必要がある。 |
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従来から、短期大学の課程の機能としては、 教養教育と実務教育が結合した専門的職業教育、 より豊かな社会生活の実現を視野に入れた教養教育、 地域社会と密着しながら社会人や高齢者などを含む幅広い年齢層に対応した多様な生涯学習機会の提供等が挙げられてきた。昨今の各種職業資格の高度化の動向を勘案すれば、 と の機能は事実上一体化(教養教育機能)しており、 の機能(生涯学習機能)も引き続き挙げられる状況にあると考えられる。 |
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短期大学の課程の教養教育機能は、ユニバーサル段階の身近な高等教育の一つとして、また、米国のコミュニティ・カレッジのように地域と連携協力して多様な学習機会を提供する生涯学習機能は、知識基盤社会での土台づくりとして、それぞれ新時代にふさわしい位置づけがなされるよう、積極的な短期大学の課程の教育の改革が期待される。 |
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学位取得のための教育と技能・資格取得のための教育の性格の違いを内容面から特徴づけるのは教養教育であり、短期大学における教養教育は、4年制大学における教養教育と同様に、自己の人間としての在り方・生き方に関わる教育であると考えられる。短期大学の課程の教育上の特色は、こうした「大学における教養教育」を幅広い学習需要に的確に対応したアクセスしやすい形で提供する点にあると考えられる。 |
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また、短期大学を含めた大学における実務教育・職業教育は、教養教育の基礎の上に立ち、理論的背景を持った分析的・批判的見地からのものである点で、他の機関により提供される実務教育・職業教育とは異なる特徴があるものと考えられる。短期大学関係者は、4年制大学の学士課程に準ずる実質を備えた短期大学の課程の教育上のこうした特徴を一層明確化するよう、教育の充実に不断の努力を傾注する必要がある。 |
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短期大学は、今後とも、教育内容・方法や経営状態に関する積極的な情報開示や充実した事後評価の仕組みの確立等による社会的信頼・評価の確保に努める必要がある。 |
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以上の点を踏まえつつ、短期大学における教育の課程修了を制度上の学位に結びつけることについて、国際的通用性にも十分留意しつつ、検討すべきである。
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