資料2−2
中央教育審議会大学分科会
制度部会(第14回)平成16年11月11日 |
大学評価・学位授与機構の実施する大学及び短期大学の評価に関する主な論点(案)
1 |
大学と短期大学の評価基準はほぼ同様の構成となっているが、それぞれの教育目標に応じた評価の観点や評価者についてどのように考えているか。 |
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大学評価・学位授与機構の実施する認証評価は、各大学及び短期大学の個性や特色が十分に発揮できるよう、各大学及び短期大学の目的を踏まえて実施することとしており、各基準、観点においてもその点を配慮している。
また、評価の実施体制としても、教育研究活動等を適切に評価するため、大学または短期大学の教育研究活動に識見を有する者によるピア・レビューを中心とした評価を実施することとしている。
さらには、評価結果を公表する際に、単に基準を満たしているかどうかのみではなく、優れた取組、改善の必要がある取組を指摘することとしている。
このように、大学評価・学位授与機構としては、大学及び短期大学の特徴を踏まえた、個々の大学及び短期大学の個性を生かす評価が実施できるものと考えている。
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《参考》認証を行う際の基準1−(2) |
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大学評価基準において、評価の対象となる大学における特色ある教育研究の進展に資する観点からする評価に係る項目が定められていること。 |
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2 大学全体としての評価と各学部・研究科ごとの状況との関係について
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(1) |
大学全体としての評価をどのように行うのか。 |
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(2) |
一部の学部・研究科等で評価基準を満たしていない場合、大学全体としての評価結果はどのようになるのか。 |
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(1) |
大学評価・学位授与機構は、11の評価基準ごとにその内容及び基本的な観点に従って、大学全体の教育研究活動等の状況を分析することとしている。その際、基本的な観点の内容によって、必要に応じ学部・研究科等の状況の分析を踏まえ、大学全体としての評価を行うこととしている。
なお、同機構においては、これまで、「教養教育」や「国際交流・連携」等の全学的なテーマを設定し、試行評価を実施してきた。これらの評価においては、学部・研究科ごとの分析を踏まえて、大学全体としての評価を実施しており、同機構は、全学的な評価である認証評価において、このような経験を十分に生かしていくこととしている。 |
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(2) |
大学評価・学位授与機構の評価において、評価基準を満たしているかどうかの判断は、大学全体の教育研究活動等の状況を総合して行うこととしている。したがって、一部の学部・研究科等について、ある基準を満たしていない状況があった場合においては、そのことを含め、大学全体としての状況を判断することになるものであり、直ちに基準を満たしていないと判断されるものではないとしている。
ただし、例えば、専任教員数が恒常的に不足しているなど、明確な法令違反の状況にあるときには、一部の学部・研究科等において基準を満たしていない場合でも、大学として基準を満たしていないと判断することになると考えられるとしている。 |
3 |
大学評価・学位授与機構は、我が国の大学評価における中核的な機関として、大学の組織的な活動を適切に評価する上で積極的な役割が期待される。そのような観点から、例えば、各学部・研究科等の活動が大学または各部局の方針に基づいて実施されるよう、学長が恒常的に全学的な状況を把握し、責任ある組織運営システムを確立しているかについて評価を行うことが考えられるのではないか。 |
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大学評価・学位授与機構の役割は、その設置の目的にもあるとおり、「大学等の評価を行うことにより、その教育研究水準の向上を図り、我が国の高等教育の発展に資すること」であり、同機構としても常にそれを意識し、評価を実施することが重要であると考えている。
例えば、責任ある組織運営システムの確立について、評価基準11(基本的な観点11-1- )において評価を実施するなど、ご指摘の趣旨については、個々の評価基準を適用していく中で対応が可能としているが、実際の評価に当たっては、その点を十分に踏まえて実施することとしている。また、大学評価・学位授与機構としては、開放的で進化する評価を目指し、評価の経験や大学等の意見を踏まえつつ、常に評価システムの改善に努めることとしている。
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《参考》基準11 管理運営 |
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11-1 |
大学の目的を達成するために必要な管理運営体制及び事務組織が整備され機能していること
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基本的な観点 |
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11-1- |
大学の目的を達成するために、効果的な意思決定が行える組織形態となっているか。 |
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