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大学分科会制度部会審議事項に関する大学審議会等の提言(抜粋)

学部と教育の在り方について

21世紀の大学像と今後の改革方策について(平成10年10月26日 大学審議会答申)

(課題探求能力の育成)
 今後、高等教育の普及が一層進むことを踏まえると、卒業時における質の確保を重視したシステムへの転換が必要である。このため、学部段階においては、初等中等教育における自ら学び、自ら考える力の育成を基礎に「課題探求能力の育成」を重視するとともに、専門的素養のある人材として活躍できる基礎的能力等を培うことを基本として、教育内容の再検討を行い、あわせて教員の意識改革、責任ある授業運営と厳格な成績評価の実施などを推進するための具体的仕組みを整備する必要がある。
 また、今後、専門性の向上は大学院で行うことを基本として考えていくことが重要となることを踏まえ、大学院については、その一層の高度化と機能分化を図っていく観点から、制度上の位置付けの明確化を図るとともに、目的に応じた教育内容・方法等の整備、国際的に評価される卓越した教育研究拠点を形成していくためのシステムの導入等を図る必要がある。

教育改革国民会議報告「教育を変える17の提案」(平成12年12月22日)

(リーダー養成のため、大学・大学院の教育・研究機能を強化する)
我が国には、政治、経済、環境、科学技術、その他新しい分野で世界をリードし、社会の発展に寄与していく高い志と識見を持ったリーダーが必要である。また、博士号や修士号などを有する専門家が活躍する諸外国と伍していくためには、今以上に高い専門性と教養を持った人間の育成が求められている。そのため、大学・大学院の構成と役割を改革すべきである。
 提言
(1)  学部では教養教育(リベラルアーツ教育)と専門基礎を中心に教育を行うこととする。大学院へは優秀な学生が学部の3年修了から進学することを大幅に促進し、このようなことがごく普通にみられるようにする。なお、学部で卒業する者は4年でさらに専門的な学習をし、社会に出てすぐに活躍できるよう、産業界などとの連携交流を図るインターンシップ(企業や行政機関、教育機関、NPOなどにおける就業体験)などを積極的に実施する。
(2)  大学院には、社会で必要とされる実践的な専門能力を身につけるためのプロフェッショナル・スクール(高度専門職業人養成大学院)と、研究者養成のための大学院(研究者養成大学院)とを多様な形態で設けることとする。

新しい時代における教養教育の在り方について(平成14年2月21日 中央教育審議会答申)

第2節 青年期における教養教育
3 大学における教養教育
(1)  大学における教養教育の課題
 社会が複雑かつ急激な変化を遂げる中で,各大学には,幅広い視野から物事を捉え,高い倫理性に裏打ちされた的確な判断を下すことができる人材の育成が一層強く期待されている。
 専門性の向上は大学院を主体にして行うのが今後の高等教育の基本的な方向となりつつある。その先駆けとして,法科大学院等の高度専門職業人養成型大学院(プロフェッショナル・スクール)の整備等も進められている。このことを踏まえれば,今後の学部教育は,教養教育と専門基礎教育とを中心に行うことが基本となり,各大学には教養教育の在り方を総合的に見直し,再構築することが強く求められる。
 新たに構築される教養教育は,学生に,グローバル化や科学技術の進展など社会の激しい変化に対応し得る統合された知の基盤を与えるものでなければならない。各大学は,理系・文系,人文科学,社会科学,自然科学といった従来の縦割りの学問分野による知識伝達型の教育や,専門教育への単なる入門教育ではなく,専門分野の枠を超えて共通に求められる知識や思考法などの知的な技法の獲得や,人間としての在り方や生き方に関する深い洞察,現実を正しく理解する力の涵養など,新しい時代に求められる教養教育の制度設計に全力で取り組む必要がある。

法科大学院の設置基準等について(平成14年8月5日 中央教育審議会答申)

(3) 法学部教育との関係

法科大学院導入後,各大学の法学部・法学科等においては,法科大学院との役分担を工夫するものや法学基礎教育をべースとしつつ幅広い教育を目指すものなどそれぞれが特色を発揮し,独自性を競い合う中で,全体としての活性化が期待される

 今後,法曹も含め高度専門職業人を養成するためには,学生に,幅広い知識を身に付けさせた上で,職業上必要な高度の専門的知識・技術を習得させることが重要である。このため,学部段階では広い視野を持った人材の育成を目指す教養教育を中心とした教育プログラムを提供し,大学院段階では高度で専門的な教育プログラムを提供することなどが考えられる。
 法学分野においても,法科大学院制度の導入後は,法曹養成に特化した専門教育は法科大学院で行うことになるため,学部段階においては,例えば,法的素養を中心とした教養教育に重点をシフトするもの,米国の主専攻,副専攻のように複数の学部・学科の専門科目を同時に履修できるようなカリキュラム上の工夫を行うもの,法曹以外の法律関係専門職の養成を中心にするものなど,多様な教育プログラムの展開が考えられ,法学部等が従来果たしてきた法的素養を備えた多数の人材を社会の様々な分野に送り出すという機能の一層の充実が期待される。
 また,学部段階においては,優れた成績を収めた者に対して,大学院への学部3年次からの飛び入学や学部4年未満での卒業など早期に大学院に入学できるような仕組みが既に開かれている。ただし,これらの者について法科大学院での3年未満での短期修了を一般的に認めると,学部段階において法曹に必要な幅広い教養を身に付けることがおろそかになるおそれがあり,適当ではない。

短期大学等の在り方について

21世紀の大学像と今後の改革方策について ―競争的環境の中で個性が輝く大学―
(平成10年10月26日 大学審議会答申)

 高等教育に対する社会の多様な要請等に適切にこたえていくためには,大学・大学院,短期大学,高等専門学校,専門学校という各学校種ごとにその求められる役割を果たしていくのみならず,各学校種の中においても,個々の学校がそれぞれの理念・目標に基づき様々な方向に展開しつつ,更にその中での多様化・個性化を進めていかなければならない。
 大学は,それぞれの理念・目標に基づき,総合的な教養教育の提供を重視する大学,専門的な職業能力の育成に力点を置く大学,地域社会への生涯学習機会の提供に力を注ぐ大学,最先端の研究を志向する大学,また,学部中心の大学から大学院中心の大学など,それぞれの目指す方向の中で多様化・個性化を図りつつ発展していくことが重要である。
 短期大学は,高い教養を培うとともに職業における専門的能力を育成する教育機関として多様化・個性化を図り発展していくことが期待されるが,制度上の位置付けなどについて今後検討が必要との意見もあることから,更なる本審議会での検討が必要である。
 高等専門学校は,発想力豊かな実践的技術者を育成する教育機関としての機能を引き続き果たしながら,多様化・個性化を図っていくことが期待されるが,教育の在り方などについて今後検討が必要との意見もあることから,更なる本審議会での検討が必要である。
 専門学校は,実際的な知識・技術等を習得するための実践的な教育機関として定着しており,今後とも社会の変化に機敏に対応しながら,主に産業社会の求める人材の養成機関として一層の多様化・個性化を進め,更に発展していくことが期待される。

グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について(平成12年11月22日 大学審議会答申)

 短期大学及び高等専門学校については、その制度上の位置付け等について別途検討を行っているが、その際にもこのようなグローバル化時代への対応という観点を踏まえて検討する必要がある。

 第7期(平成11月10月〜平成13年1月)大学審議会の下におかれた短期大学及び高等専門学校の在り方に関するワーキング・グループで議論が行われたが、結論に至らなかった。

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