現在、我が国では、約800の大学(大学院を含む)、短期大学に教職課程が置かれており、また、現状では、学部段階の教員養成が中心となっていることを踏まえれば、まずは既存の教職課程、特に学部段階の教員養成教育の改善・充実を図ることが重要である。
学部卒業段階で、教員として必要な資質能力を確実に身に付けさせ、学校現場に送り出すことが、本来、教職課程に期待される役割であり、そのことが国民や社会の要請に速やかに応えることにつながるものと考える。
近年の社会構造の急激な変化や学校教育が抱える課題の複雑・多様化等に伴い、より高度な専門性と豊かな人間性・社会性を備えた力量ある教員が求められている。このような要請に応えるためには、高度専門職業人の養成に特化した専門職大学院制度を活用して、レベルの高い教員養成教育を行うことが必要である。また、このことは、教職課程改善のモデルを提示するものとして、既存の教職課程の改善・充実を促進するものでもある。
学校教育が抱える課題が恒常的に変化している今日、養成段階で確実に身に付けた教員として必要な資質能力を、教職生活の全体を通じて保持していく必要性が高まっている。このためには、教員免許状の取得後も、その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、制度的な措置を講じることが重要である。
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室
-- 登録:平成21年以前 --