2.高等学校教育の課題

○ 高等学校教育においては、このように生徒の学びについての選択の機会を広げてきたにもかかわらず、様々な課題が指摘されており、例えば、高等学校教育全体を通じて、将来の進路等との関連を意識して学びに取り組む態度や、社会の一員として求められる意識・態度の育成、また、特に学習時間の減少に指摘される学習意欲の減退が課題となっている。

○ また、この時期の生徒は、家族や友人との人間関係をはじめ、自己の進路、将来の生き方などの青年期特有の問題に直面することとなるため、こうした青年期の生徒が、自己を見つめながら自我を確立し、人間としての在り方生き方についての自覚を深め、人間性を豊かに育むことができる教育の実施も必要になっている。

○ 更に、進学率の向上と多様化の進展により「高等学校」として一括りに現状を分析したり課題を捉えたりすることが困難になっており、職業との関連が深く実践的な教育を行う専門学科では、産業構造の変化や技術革新・情報化等により必要とされる専門的な知識・技能が拡大・高度化していたり、生徒の7割を占める普通科でも、生徒の興味・関心、能力・適性が義務教育段階よりさらに多様化していることから、それぞれの課題は異なっている。

○ 例えば、生徒の進路に着目すると、その特徴に応じて、具体的には以下のような課題が見られ、このような生徒の多小により、各学校の課題も異なっている。

● 選抜性の強い大学へ進学する生徒

  • 学習内容の受験対策への偏り
  • 優れた才能を伸ばす教育を受ける機会の不足
  • グローバル化に対応した人材育成の観点の不足等

● 選抜性の強くない大学へ進学したり専門学校へ進学したりする生徒

  • 大学入試の選抜機能が低下したこと等に伴う学習時間の不足
  • 将来の職業生活等を念頭に置いた教育を受ける機会の不足等

● 就職する生徒

  • 社会や産業構造の変化に対応した教育を受ける機会の不足
  • 職業に関する技術・技能と教科・科目の関連性が曖昧等

○ また、上記の区分にかかわらず、不登校、中退、発達障害等の障害のある者など特別な支援を必要とする生徒が存在しており、以下のような課題が見られる。

  • 義務教育段階での学習内容の定着不足
  • 不登校・中退者等への対応が不十分
  • 発達障害等の障害のある者への対応が不十分等

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室義務教育改革係

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室義務教育改革係)

-- 登録:平成24年09月 --