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教育課程部会(第3期第16回 平成17年10月31日)配付資料

教育課程部会の当面の検討課題(例)における論点についての整理の例(試作)

教育課程部会・専門部会におけるこれまでの主な意見(例)
  社会の形成者としての資質の育成 豊かな人間性と感性の育成 健やかな体の育成
知識・技能
 例えば、都道府県の名称と位置、主な国々の名称や世界の地域構成などは、確実に定着させる必要がある。

 国民主権や、基本的人権の尊重など、日本国憲法の基本的な原則を確実に定着させることが重要である。

 例えば、学習面では地図帳を用いて地名を検索できること、国語や外国語に関して日常的に辞書を活用する習慣を身に付け正しく言語を使うことができることが重要である。

 社会のルールやマナーの基本を理解し身に付けていることが重要である。

 家庭生活面では日常の基本的な調理ができることなどが求められる。

 民主主義、公正さといった基本的な概念について体験的に理解することが、実生活への活用を視野にいれた場合、特に重要である。

 社会の激しい変化の中で、子どもたちが学ぶこと、働くこと、生きることの尊さを実感し、豊かな人間性をもち感性を高めながら主体的に生きていくことができるようにすることが重要である。そのためには、子どもたちがしっかりとした価値観と自主的・実践的態度を形成する必要がある。

 人間や文化・芸術の美しさや尊さ、生命のかけがえのなさなどについて実感的な理解をもつ必要がある。

 乳幼児や人生の先輩たちと触れ合ったり、医師や看護士などから生命に関する話を聞く機会を持ったりすることが重要である。

 小さい頃から国民が広く親しんでいる文章や歌を音読したり暗唱したりするなどして、自然や芸術作品の音、形、色の美しさなどについて実感を持って理解することが重要である。

 早寝、早起き、朝ご飯などの生活のリズムを身に付けることが重要である。

 体力の面では瞬発力や持続力、柔軟性や巧緻性などの身体能力を身に付けることが重要である。

 心身の健康、安全、防災に関する基本的な知識や適切な性教育、喫煙、飲酒、薬物乱用の心身への影響に関する知識などが重要である。

思考力(感性)・判断力・表現力等
 国家・社会の形成者として、積極的に参画していくために必要な力を育てる必要がある。

 例えば、各種の資料や新聞記事などから必要な情報を読み取ること、社会的な事象について調べたことを年表や地図にまとめて発表すること、自分の考えやその根拠を具体的・論理的に説明できることが重要である。

 家庭の一員として衣食住や消費などの生活を自分で管理できること、身近な人々と協調性を持って責任ある行動をとることができることなどが重要である。

 子どもたちの実情を踏まえると、自他の生命を尊重し、学習や生活などに前向きに取り組む力を育てることを重視し、その前提となる健全な自尊感情や人間関係を築く力などを高めることが求められる。

 人生を豊かなものとするため、集団活動を通して自分自身の良さや個性を見出すこと、学びや生活の目標を立てたり、その実現に向け粘り強く取り組んだりすることが重要。

 豊かな人間関係を構築するため、他者を思いやったり、他者に感謝したり、協力したりすることが重要である。

 自然や芸術作品、人間の気高い行動などの美しさを感じとること、感じ取ったことを基に、自分の思いや意図を持って言葉や歌、絵、身体で表現することが重要である。

 生涯にわたって運動・スポーツに親しむための基礎的な身体能力、健康に関する情報を正しく理解し、判断し、行動に結びつける能力が重要である。

意欲・関心・態度
 民主社会、経済社会、文化社会、あるいは家庭や学校の一員として主体的な生活をおくるとともに、職業生活についての前向きな見通しを持ち、社会、国家、ひいては国際社会を理解し、そこに積極的に参加し貢献していく意欲を育てることが必要である。

 学ぶこと、働くこと、生きることなど人生についての前向きな見通し他者への思いやりをもって、身近な人々との豊かなかかわりを持つことができるようにすることが必要である。

 自然や美しいものなど人間の力を超えた崇高なものに対する畏敬の念を持つことも重要である。

 健康の維持や体力の向上に前向きに取り組むことが重要である。

 スポーツを通じて、チャレンジすること、フェアプレー、チームワーク、連帯感の育成などを図ることが必要である。


  国語力の育成(1 理数教育の改善充実(1 外国語教育の改善充実(1
知識・技能
 国語力は生活や学習の基盤となる力であり、また、幼児期や小学校低中学年期において身体的・情緒的な活動と関連しつつ獲得することに適していると考えられることから、そうした特質に適う指導が必要である。

 特に小学校段階においては、読むことについて体験的に身に付けるために、音読や暗記・暗唱が指導上有効であると考えられる。その際、児童生徒が古典や漢文、名作に触れ我が国の言語文化に親しむ機会とすることも重要である。

 漢字の読み書きなどの基礎的な事項についても、その活用を視野に入れながら、反復学習などていねいな繰り返し指導を通じて定着を図るとともに辞書を日常的に活用する習慣を身に付けることが重要である。

 国語に関する知識を実生活において活用するために必要な技能として、描写、要約、説明、記録、報告などの基礎的な言語活動を行う力を確実に身に付けさせる指導の充実が望まれる。

 計算力や図形の認識などの算数に関する知識技能は、生活や学習の基盤となるものである。具体物を用いた実感的な理解、実生活への活用を考慮に入れつつ、反復学習などていねいな繰り返し指導により確実に定着させることが必要である。

 TIMSS調査の小学校理科において実体験が裏付けとなっている設問において正答率が低い傾向が見られる。我が国の子どもたちがかつては身近なものであった自然現象に今日実際に接する機会が乏しくなっている状況を踏まえて、自然事象の体験的な理解を重視する必要がある。

 小学校低学年の生活科については、体験的・主観的な理解を重視しているが、中学年以降の理科の学習に向けて、児童生徒が自然事象について客観的な視点から科学的な理解に至ることができるよう必要な指導を組み込むことを検討する必要があるのではないか。

 TIMSS調査の中学校数学が前回との比較で、教育課程実施状況調査の中学校数学が前々回との比較で低下傾向にある。算数・数学や理科については、教育内容が積み上げ型になっているので、発達段階に応じた反復(スパイラル)のなかで確実に定着させることができるよう教育課程の工夫が必要である。

 外国語の修得という観点から、基本的な英語の音声の特徴をとらえ、正しく聞きとり発音することができること、文字や符号を識別し、正しく読み、書くことができること、基本的な語、連語及び慣用表現の意味と使い方がわかることなどといった知識・技能を確実に定着させる必要がある。

 国際コミュニケーションの観点から、英語の必要性はますます高まることが予想されるが、国民の英語運用能力は国際的に見て十分でなく、英語教育の充実が必要である。

 中国・韓国など近隣アジア諸国を含めて、小学校段階における英語教育を実施する国が急速に増加している。我が国も国家戦略として取り組むことが必要ではないか。

 小学校段階では、国語力の育成が重要であり、英語教育によって言語力や思考力が影響を受けないようにする必要があるのではないか。

 例えば英語を聞く力や話す力を高める上で、英語活動を通じて小学校段階の子どもたちの柔軟な適応力を生かすことが有効である。

 小学校段階では、音声やリズムを柔軟に受け止めるのに適している。音声を中心とした英語のコミュニケーション活動や、ALTを中心とした外国人との交流を通してスキル面を中心に英語力の向上を図ってはどうか。

 小学生にとっては実際にスキルを活用できる場面が限られていることから、多くの児童にとって、中学校に入学するまで英語に興味関心を持続することができにくいのではないか。

 小学校の英語については、言語力の育成との関連を検討するとともに、具体的な教育目標や内容、開始学年、教材や指導者の確保等の条件について具体的に検討する必要があるのではないか。


  国語力の育成(2 理数教育の改善充実(2 外国語教育の改善充実(2
思考力(感性)・判断力・表現力等
 PISA調査の読解力において低下傾向が見られる。具体的には、文章や資料の解釈・熟考・評価や、論述の設問形式に課題がある。

 教育課程実施状況調査についても、全体として正答率は高くなっているが、国語の記述式については低下傾向にある。より詳細に分析すると、比較的自由に自分の気持ちを表現する設問については正答率が上昇しているのに対して、しっかりと文章を読んで分析的に理解してその上で記述するという設問では正答率が下がっているとの傾向が見られる。

 児童生徒の社会的自立のために必要な力として、国語力について考えると、「読む力(読解力)」と関連付けた形で、「書く力(論述力)」を充実していく必要がある。このため、例えば、文章や資料を読んだうえで、A4・1枚(1000字程度)で自分の考えをまとめて表現することができる力を身に付けさせることなどが重要である。

 教科国語を中核としながら、国語以外の教科・領域と連携して、すべての教育活動を通じて育成していくプロセスを明確化することが必要である。

 都市化や核家族化、情報メディアの発達の中で、子どもたちが集中力を持って相手の話を聞く機会が乏しくなっていることから、相手の気持ちを理解しながら「聞く力」を育てる指導や、同じく「話す力」を育てる指導が重要である。

 現行学習指導要領においても、数学的な見方や考え方、科学的な見方や考え方を目標として設定しているが、PISA調査の数学的活用能力や科学的活用能力の領域設定に見られるように、算数・数学や理科で身に付けた知識や技能を実生活に具体的に活用することができるような力を身に付けさせることが課題である。

 PISA調査の科学的活用能力は国際的に見て最上位水準にあるが、数学的活用能力は低下傾向にある。数学、科学を通じて、解釈や論述に課題がある。

 算数・数学や理科においても、分数や少数の計算の意味や、関数や確率、粒子やエネルギーなどの基本的な概念について体験的に理解し実生活に活用することが重要である。

 様々な数量的なデータを分類整理し比較したり、グラフ化すること、仮説を立てて実験し評価し改善することといった、論理的な理解・思考・表現の力を算数・数学、理科のなかで確実に育成することが重要である。

 外国語教育においては、簡単な表現を用いて外国語によるコミュニケーションが図れることが重要である。

 小学生は、言語や文化に対する関心や意欲を高めるのに適しているので、英語や国語を通じて言語や文化に対する理解を深めたり、外国人との交流を通して、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、国際理解を深めることを重視してはどうか。

 英語の学習時間が多くなればともかく、一般的には、国語と英語は、言語教育としての共通の理念・目標の下に行なうことで、むしろ相乗効果を期待することもできるのではないか。

 コミュニケーションを図ろうとする態度や国際理解は、客観的に測定したり検証したりすることが難しいので、成果が見えにくいという問題がある。

 小学校における英語教育の充実を考える場合には、中学・高等学校における英語教育を視野に入れて検討する必要がある。

意欲・関心・態度
 朝の読書や学校図書館の充実などにより、幼少期からの読書習慣を確立する必要がある。

 PISA調査2000によれば、我が国の国語の授業では、生徒に自分の意見を述べさせる機会が少ないとされている。児童生徒に自分の意見を述べたり書いたりする機会を拡充していくことが必要である。

PISA調査等でも国際的にも低い数学や理科への関心や好きという意識を高めることが重要である。

実生活と関連付けた指導の充実を図り、数学についての有用性を実感する機会を持たせることが重要である。

 

国語,外国語,社会

  国語 外国語 社会
義務教育修了段階において子どもたちに身に付けさせたい基礎的・基本的な知識・技能等      
  社会的に自立していくために,実生活において不可欠な知識・技能
(小学校)
日常生活や社会生活で必要とされる,要約・紹介・説明・記録・報告・対話や討論などの言語活動ができる。
 A4一枚(1,000字程度)で,自分の考えをまとめることができる。
 話合いの目的や内容を正確に理解しながら,話したり聞いたりすることができる。
   
表現したり理解したりするための基礎となる言語事項を身に付けている。
 常用漢字の大体が読め,そのうちの1,000字程度の漢字が書けること。
 聞きやすい速度や音量,適切な間の取り方で話せること。
 文字の形,大きさ,配列に注意して,調和のとれた文字を,正しく,読みやすく,速く書けること。
 
都道府県の名称と位置及び我が国が47都道府県で構成されていることを知ること。
国民の食料確保の現状,国民のニーズに応える食料生産の工夫・努力,生産地と消費地を結ぶ運輸の働きなど,国民の食料を確保する我が国の食料生産の役割を知ること。
基本的人権の尊重,国民主権,平和主義など,日本国憲法の基本的な原則について知ること。
(中学校)
自分の気持ちや身の回りのできごとなどの中から簡単な表現を用いて外国語によるコミュニケーションを図れること。
 あいさつ,自己紹介,電話での応答,買い物,道案内などができること。
 説明したり,質問したり,礼を言ったりすることができること。
主な国々の名称と位置など世界の地域構成を知ること。
日本の歴史について,世紀などの年代の表し方や時代区分を知ること。
約束や取り決めをしたり,ルールをつくるなど,法とは何かを知ること。
義務教育段階及びそれ以降の学習を進めていく上での共通の基礎となる知識・技能
目的や場に応じた言葉遣いをすることができる。
 日常よく使われている敬語の使い方を理解している。
 共通語と方言の違いを理解し,必要に応じて共通語で話すことができる。
 敬体と常体との違いに注意しながら文章を書くことができる。
   
文字や表記を正しく用いることができる。
 漢字を適切に用いた読みやすい文章を書くことができる。
 送り仮名,仮名遣い,句読点,改行などを適切に用いて文章を書くことができる。
 日常目にする程度の簡単なローマ字の読み書きができる。
 毛筆を使用して字配りよく書くことができる。
   
表現したり理解したりするために必要な語句を身に付けている。
 それぞれの語句の性質や役割を理解することができる。
 調べたい文字や語句を国語辞典・漢和辞典で探し出し,必要な情報を得ることできる。
   
文や文章の構成の仕方を理解し,表現に役立てることができる。
 文と文とのつながりを考えながら指示語,接続語を使うことができる。
 文章全体における段落の役割を理解することができる。
基本的な英語の音声の特徴をとらえ,正しく聞き取り,発音することができる。
 英語の特徴的な音声,語(句)の強勢,文の強勢,イントネーション,文における区切りなど。
   
文字や符号を識別し,正しく読み,書くことができる。
 アルファベットの活字体の大文字,小文字。
 疑問符,感嘆符,終止符など基本的な符号。
   
基本的な語,連語及び慣用表現の意味と使い方がわかる。
 can, you, whatなどの文を構成する上で必要な語,及び,季節,月,曜日,時間,天気,数,家族などに関する基本的な語など900語程度。
 look at, get upなどの基本的な連語。
 excuse me, thank you, you're welcomeなどの基本的な慣用表現。
 主語+述語の語順,修飾方法などの英語の基本的な文構造。
   
辞書の初歩的な使い方ができる。
 調べたい単語を辞書で探し出すこと。
 見出し語から必要な情報を得ること。
<小学校>
地図帳を用いて地名を検索する方法に関する知識を身に付け,地名を検索できること。
   
<中学校>
都道府県の地域的特色をとらえる視点や方法について知ること。
都道府県の地域的特色をとらえるために,地図や統計その他の資料を収集し,地図の読み取り,統計のグラフ化や地図化などを通して,学習に役立つ情報を適切に選択して活用できること。
年表や歴史地図など各種の資料を有効に活用して,歴史上の事実について調べたり確かめたりすること。
情報化や国際化など現代社会の特色を明らかにするために過去と現在を比較するという方法があることを知ること。
義務教育修了段階において,子どもたちに身に付けさせたい能力      
  知識・技能を実社会の中で活用する能力
日常生活や社会生活で必要とされる,要約・紹介・説明・記録・報告・対話や討論などの言語活動ができること。
 A4一枚(1,000字程度)で,自分の考えを,使用する目的や場面に応じて,筋道を立ててまとめたり,要点を簡潔にまとめたりすることができる。
 話合いの目的や内容を正確に理解しながら,論理的に話したり聞いたりすることができる。
   
文学や言語文化に親しみ,創造したり演じたりするのに必要とされる,音読・朗読,読書,鑑賞,創作などの言語活動ができること。
 有名な古典の一節や,和歌を暗唱できる。
 一か月2〜3冊程度の読書をすることができる。
   
現実的,社会的な状況の変化に対応しながら,言葉を介して人間関係を築いたり,社会と積極的に結び付きをもったりすることができること。
 相手や目的に応じてふさわしい形式や文体を工夫し,伝えたい内容の中心をはっきりさせた文章を書くことができること。
 学校生活について様々なメディアや方法を用いて,地域の人とコミュニケーションすることができること。
   
調査・研究するために,自分で課題を設定したり課題を追究できること。
 様々なメディアを活用したり様々な意見を聞き合ったりすることによって,課題を多角的に探究できること。
 広い範囲から材料を収集し,客観性・妥当性のある材料を選ぶことができること。
   
読んだり聞いたりしたものについて,評価したり応用したりするなどができること。
 文章を読んで,筆者の主張とその根拠となっている事実の妥当性を吟味できること。
 複数の人の話を比べて聞いて主張の違いを整理し,自分の考えに生かせること。
 文章を読み,内容にふさわしい表現方法がとられているかどうかを評価できること。
事実関係の伝達,物事についての判断,さまざまな考えや意見等についてコミュニケーションを図れること。
 1分間150語程度の速さの標準的な英語を聞き取ることができること。
 与えられたテーマについて,1分間程度のスピーチができること。
 300語程度の英語を読んで,概要をとらえることができること。
 与えられたテーマについて,短時間で5文程度のまとまりのある英文を書くことができること。
   
コミュニケーションのツールとしての英語を使った発信力。
 相手とe-mailの交換ができること。
 英語でshow and tellなどのプレゼンテーションができること。
 与えられたテーマについてディスカッションができること。
<小学校>
情報の新しさ,重要性,正確さなどの知識を活用することができること。
 例えば,「放送開始直前に,別のニュースが飛び込み,放送する内容を一部入れかえることがあるのはなぜか」ということを考えることができること。
   
我が国の歴史上の主な人物の業績に関する資料を収集・活用し,その歴史上の人物が国家・社会の発展に果たした役割を考えることができること。
 例えば,江戸幕府の始まり,大名行列,鎖国に関する資料を収集・活用し,家康や家光が身分制度の確立や武士による政治の安定のために果たした役割を考えることができること。
   
節水がなぜ必要かということを飲料水が人々の手によってつくられたものであることや限りある資源であるという知識をもとに伝え,あるいは表現することができること。
   
<中学校>
歴史に関する各種の資料を読み取り,その時代の特色を考察することができること。
 例えば,大日本帝国憲法の条文とその発布式の絵から読み取ったことを基に,この憲法やその頃の政治にみられる特色を主権の所在などの観点から考えることができること。
   
経済に関する新聞記事を収集し,その記事内容の意味や事実と事実との関連を考察することができること。
 例えば,「台風,長雨で野菜高騰」という記事を取り上げ,台風,長雨という原因で,野菜が高騰するという結果が起こった記事を読み取り,原因と結果の関連を需要,供給,価格という概念でとらえることができること。
   
身近な地域の地域的特色を追究し考察した過程や結果を,地図化したり報告書にまとめたり,発表したりすることができること。
   
身近な地域の歴史について調べたことを,年表や地図にまとめてわかりやすく発表することができること。
   
どのようなことを考え,どのような根拠で結論を導き出したかを,具体的,論理的に説明できること。
 例えば,模擬選挙の授業などで,立候補役の生徒がそれぞれ考えた公約がなぜ大切か,政治や経済の知識をもとに考え,根拠を挙げながら説明することができること。
関心・意欲・態度など
自ら進んで様々な本や資料を読もうとする態度。
 学校図書館や公共図書館を定期的に利用しようとすること。
 自分のお薦めの本を紹介しようとすること。
   
国語や言語文化に積極的にかかわろうとする態度。
 辞書などを用いて,古典の言葉と現代の言葉とを比較し,国語の変遷や特質についての関心をもとうとすること。
 興味・関心や課題意識に基づいて,同じ作家や思潮の作品等を系統的に読み進めようとすること。
自ら進んで外国語を使ってコミュニケーションを図ろうとする態度。
 外国人との会話の機会があるときなどに,積極的に外国語を使おうとすること。
   
世界や我が国の生活や文化についての理解,言語や文化に対する関心,国際社会に生きる日本人としての自覚。
 日本の文化や日本人の考え方を積極的に外国人に知らせようとすること。
 外国の歴史,伝統,風俗習慣やものの見方などに関心をもち理解しようとすること。
社会的事象に対する関心を高めること。
意欲的に追究すること。
広い視野に立って,よりよい社会を考え公民としての自覚をもって責任を果たそうとすること。

算数・数学,理科

  算数・数学 理科
義務教育修了段階において子どもたちに身に付けさせたい基礎的・基本的な知識・技能等    
  社会的に自立していくために,実生活において不可欠な知識・技能
(小学校)
【数と計算】
整数,小数,分数の意味がわかり,数量の大きさを表すことができる。
数量の関係を式に表したり,式をよんだりすることができる。
かけ算九九を暗誦できること。
整数,小数,分数の四則計算(たし算,ひき算,かけ算,わり算)の意味がわかり,筆算や暗算,見積りをすることができる。
   
【量と測定】
重さ,角度,時間など身の回りにある量の単位と測定の意味がわかる。
長さ,面積,体積などの意味や求め方がわかる。
速さや人口密度などの意味や求め方がわかる。
   
【図形】
三角形,四角形,円などの図形の性質がわかる。
形が同じであるという認識ができる。地図を見て,図形の縮小や拡大がわかる。
   
【数量関係】
棒グラフ,折れ線グラフ,円グラフなどの意味や平均の意味がわかる。
パーセントを用いたり,比で表したりするなど,数量の関係を表すことができる。
一方が変化すると他方も変化するという関数のとらえ方ができる。比例の意味がわかり,変化の様子を調べることができる。
【生命】
ヒトや動物の基本的なつくりについて知ること。
植物の基本的なつくりである根,茎,葉,花を知ること。
   
【物質】
水の三態変化(氷,水,水蒸気)を知ること。
物が燃えるとき,酸素が使われ二酸化炭素ができることを知ること。
   
【力やエネルギー】
豆電球の明るさが電流の強さに関係していることを知ること。
てこが釣り合うときには一定のきまりがあることを知ること。
   
【地球や宇宙】
方位磁針を用いて,四方位をとらえることができること。
川の増水などにより,土地の様子が大きく変化する場合があることを知ること。
(中学校)
【数と式】
数値を介して理解したり表現したりするために,正の数・負の数を用いて身の回りの事象を表し,四則計算ができる。
   
【図形】
他者とのコミュニケーションをより円滑に行うために,仮定と結論の意味を理解し,数学的な用語,記号を適切に用いて,演繹的な推論ができる。
   
【数量関係】
現状を把握したり,未来を予測したり,原因を推測したりするために,一次や二次などの各種のグラフを作成したり,代表値などの統計的数値を求めたり,意味を解釈したりすることができる。
不確定な事象に対する自分の判断を適切に下すことができるように,確率の意味を理解し,確率を求めることができる。
【生命】
自分自身の体のつくりとはたらきについて知ること。
植物は光エネルギーを使って二酸化炭素と水からデンプンをつくり,酸素を放出することを知ること。
   
【物質】
身の回りの物質(砂糖,食塩,鉄,アルミニウムなど)の性質について知ること。
主な気体(酸素,水素,二酸化炭素など)の性質について知ること。
   
【力やエネルギー】
力を働かせると物体の速さや向きが変わることを知ること。
エネルギーには様々なもの(電気や光など)があることを知ること。
   
【地球や宇宙】
地震のゆれの大きさが震源からの距離に関係していることを知ること。
前線の通過に伴い,気温,湿度,天候が変化することを知ること。
   
【科学技術と人間とのかかわり】
新素材やバイオテクノロジー等の科学技術が生活に生かされていることを知ること。
義務教育段階及びそれ以降の学習を進めていく上での共通の基礎となる知識・技能
【二次方程式を解くことができること,またそのために必要な知識・技能】
<小学校>
四則計算の性質について理解している。
<中学校>
正の数・負の数の計算ができる。
事象を文字記号を用いて表し,計算することができる。
一次方程式,連立二元一次方程式を解くことができる。
連立二元一次方程式は,一方の文字を消去し既知の一元一次方程式に帰着させれば解けることを理解している。
   
【相似な図形の性質及び三平方の定理を理解すること,またそのために必要な知識・技能】
<小学校>
簡単な平面図形や空間図形の名称や性質について理解している。
<中学校>
「作図」の方法で,垂線や角の二等分線などを作図することができる。
見取図と展開図の意味や役割を理解している。
推論の過程を的確に表現することができる。
「三角形の内角の和は180ドである」を示そうとすると演繹的な方法によらざるを得ないことを理解している。
多角形の内角の和を三角形に分割して調べるなど「既知のことに帰着して考える」ことの意義を理解している。
一辺の長さがが1の正方形の対角線の長さは有理数では表されないことを理解している。
   
【関数ワイ イコール エイ エックス 二乗の特徴を理解すること,またそのために必要な知識・技能】
<小学校>
数量の関係を表やグラフに表すことができる。
<中学校>
座標の意味を理解している。
比例や反比例の関係,一次関数について理解している。
連立二元一次方程式を用いて,一次関数のグラフの交点を求めることができる。
関数の特徴をとらえるためには,表,式,グラフが有効であることを理解している。
<知識の例>
【生命】
細胞が生命の基本的な単位であること。
生物は,子孫をつくることで生命の連続性を保っていること。
   
【物質】
物質は粒子からできていること。
物質が化学変化しても,物質全体の質量は保存されること。
   
【力やエネルギー】
電気エネルギーが光エネルギーに変換されるなど,エネルギーは様々な形に変換されること。
エネルギーは保存されること。
   
【地球や宇宙】
現在の地球が誕生するまでには長い時間がかかっていること。
水の循環は,太陽エネルギーにより引き起こされていることを認識すること。
月,地球,太陽などの大きさや位置関係を把握していること。
   
<技能の例>
正しい目盛りの読み取りができること(温度計,メスシリンダーなど)。
主な器具の扱いができること(顕微鏡,ガスバーナーなど)。
基本的な単位を使って,量を表すことができること(ミリアンペアキロメートル毎時など)。
安全性に配慮しつつ,計画に基づいた実験を実施できること。
実験結果等を表に整理できること。
身近な物質を化学式で表し,代表的な化学変化については化学反応式で表せること。
義務教育修了段階において,子どもたちに身に付けさせたい能力    
  知識・技能を実社会の中で活用する能力
物事を観察する場面などで,数,量,形などに着目して,簡潔,的確にとらえることができること。
1つのグループを2つに分ける場面などで,奇数・偶数を用いるなど,物事を考えるに当たって,あることに着目し,もれなく,重複なく場合わけをすることができること。
グランドにスポーツのコートをつくる場面などで,三平方の定理をもとにして直角を作る方法を考えることができること。
コピーで拡大や縮小をする場面などで,数の平方根を用いてA判やB判の紙の大きさの特徴等を考察することができること。
携帯電話の通話時間と料金の関係を考える場面などで,一次関数や関数ワイ イコール エイ エックス 二乗など,ともなって変わる数量の関係を見いだし,変化や対応の特徴をとらえることができること。
様々な情報をもとに,判断を下す場面などで,与えられた情報の中から必要なものを適切に選択したり,それらを組み合わせたりすると共に,自分の判断の適否を振り返って考えることができること。
科学的な知識を日常生活に活用することができること。
 寒冷前線が通過した後は,気温が下がると予想し,上着をもっていくなどの対応ができること。
   
証拠に基づいた結論を導くことができること。
 集めたデータをもとに,傾向を読み取ったり,予想を立てることができること。
 条件を意識し小規模での実験を行ったり,シミュレーションしたり,資料を整理したりし,その結果から判断できること。
 結果をグラフ化してまとめ,考察できること。
   
得られた結論を評価し,人に伝えられること。
 実験の結果や資料等の考察から得た自分なりの結論を評価し,結論付けた根拠などをグラフや図などを用いながらわかりやすく表現し伝えること。
思考力・表現力等
<小学校・中学校>
ものごとを筋道を立てて論理的・創造的に考えることができること。
把握する…数量や図形などに関する関係をとらえ,合理的に考えることができること。
解決する
帰納的に考える…帰納的に考えて規則性を見出し,一般性に気付くことができること。
類推的に考える…類推的に考えて,同じような性質やきまりを導き出すことができること。
演繹的に考える…前提を認めるならば結論もまた必然的に認めざるを得ないという演繹的な推論によって考えを進めることができること。
反例を挙げて否定する…誤った命題について,反例を挙げることができること。
振り返る
整理する…問題解決を記録し,解決過程や結果の意味を考えることができること。
補正する…問題の解決過程に間違いがあればこれを自分で発見し修正していくために振り返って考えることができること。
統合する…個別の事実を束ね,統合して考えることができること。
発展させる…問題の条件を変えたり,結論から逆に考えたりして,新しい問題を自らつくり出すことができること。
   
用語や記号,式,図,グラフなどによる数学的な表現を解釈し,自分の考えと比較検討する。
数学の用語や記号,式,図,グラフなどを用いて,自分の思考の過程や結果を他者に伝えるために的確に表現することができる。
<小学校>
自然の事物・現象を差異点や共通点という視点から比較できること。
 モンシロチョウとバッタを比較し,体は頭,胸及び腹という共通のつくりをしていることを見いだせること。
   
自然の事物・現象の変化に着目し,変化とそれにかかわる要因を関係付けられること。
 星の観察において,星の位置を時間と関係付けて調べ,星の集まりは並びを変えずに位置を変えていることを見いだせること。
   
実験などを行う際,制御すべき要因と制御しない要因とを区別できること。
 糸につるしたおもりの1往復する時間を測定する実験において,おもりの重さを変える場合,糸の長さや振れ幅など他の条件をそろえられること。
   
見いだした問題を多面的に追究し,考察できること。
 水溶液の性質について,酸性,アルカリ性及び中性か,気体の溶解の有無はどうか,金属を変化させるかどうかなど,多面的に追究し,結果を考察できること。
   
<中学校>
課題を見いだし,仮説を設定することができること。
 自分や他人の素朴な考えや予想を,実験によって調査できるような形に表現できること。
   
実験を計画し,実行すること。
 探究しようとする事象に,どのような条件が関連しているかを検討し,条件を制御することができること(例えば,デンプンが糖に変化するのは,だ液のはたらきであることを確かめる実験を設定できること)。
 証拠の確からしさを高めるために,どの程度の回数と範囲での実験が必要かを考えられること。
 必要に応じて,観察や測定を繰り返すこと。
   
実験結果を考察し,結論を導き,それらを表現できること。
 得られた結果を,表やグラフなどを用いて適切に表現できること(例えば,電流と電圧の測定結果をもとに電流−電圧グラフを作成できること)。
 結果における特徴や傾向を比較し考察できること。
 得られた結果について,結論付け表現できること。
関心・意欲・態度など
根拠を明らかにして自ら考え判断し,真理を追究しようとする態度を身に付ける。
自分の考え方や結論については自分で責任を持つという態度を身に付ける。
数や図形に潜む性質など,その神秘性や数学的な美しさに触れ関心をもつ。
実生活の事象の数理的な把握や解明を通して,数学の有用性に関心を持ち,自ら活用しようとする態度を身に付ける。
数学的な表現を用いて表現し他者とコミュニケーションしようとする。
生命を尊重する態度を育成すること。
自然を愛する心情を育成すること。
防災に対する意識や態度を育成すること。
環境保全に対する意識や態度を育成すること。
自然事象への好奇心を持続させること。

音楽,図画工作・美術,家庭,技術・家庭

  音楽 図画工作・美術 家庭,技術・家庭
家庭分野 技術分野
義務教育修了段階において子どもたちに身に付けさせたい基礎的・基本的な知識・技能等        
  社会的に自立していくために,実生活において不可欠な知識・技能
(小学校)
音素材(音楽の素材としての音)/音楽の諸要素(様々な音楽に共通するもの)/曲のしくみ。
 身の回りの音や自分で工夫してつくった音,沈黙など/リズム,旋律,強弱,速度,音の重なりなど/クライマクス,反復,対比など。
   
音楽の諸要素の働きとそれらの関連,諸要素と曲のしくみとの関連を知ること。
 リズムと旋律とのかかわり,旋律と副次的な旋律のかかわりなど。
   
国歌「君が代」についての知識と技能。
 国歌「君が代」の歌詞の意味を正しく理解し,歌唱する技能を身に付けるなど。
   
歌唱共通教材の暗唱。
 「もみじ」「冬景色」「ふるさと」等の文部省唱歌を中心とした歌唱共通教材をしっかりと覚えて歌うなど。
形や色に特徴があることを知る。
 色の柔らかい感じ,形の配置による動きの感じなど。
   
人によって表したいことが異なることを理解する。
 表現する人の思いや感じ方など。
ご飯やみそ汁などの日常の基本的な調理ができ,食材や日常的なマナーを知ること。
朝食のとり方や食品を組み合わせて食べることが分かること。
日常着の着方や手入れの仕方が分かり,簡単な補修の仕方が分かること。
家族の一員として家庭の仕事に協力できること。
身の回りのものの選び方が分かり,金銭の計画的な使い方が分かること。
 
(中学校)
音素材(音楽の素材としての音)について知ること。
 風,せせらぎ,鳥の声等,自然の音に耳を傾けて,そこに意味を感じるなどの,我が国の伝統的な音の感覚があることなど。
   
音楽の諸要素の複合的な関連,音楽の背景となる風土・文化・歴史を知ること。
 声や楽器の音色,リズム,旋律,音階,音と音とのかかわり合い,形式,速度や強弱の変化,それらの組み合わせによって,様々な音楽の特徴があることなど。
 音楽は,「祭り」など,人々の生活と結び付いて生み出されてきたことなど。
形や色彩,材料,光などがもたらす性質や感情を理解する。
 明るさ,あざやかさなどの色に関する基本的な事項,材料の特性や質感の理解など。
   
対象の見方と形や色彩の表し方などの技能を身に付ける。
 思うような形がかける,遠近の感じや立体表現ができる,思うような色がつくれるなど。
   
生活におけるデザインや工芸の働きについて理解する。
 生活用品や建物,ポスターなど,生活におけるデザインの働きを理解することなど。
栄養素の働きやバランスのよい食事を摂るための食品の選択について知り,日常食の基本調理ができること。
衣服の目的に応じた着用や衣服の選択・管理ができること。
住居の機能と安全で快適な室内環境の整え方が分かること。
自分自身や幼児の心身の発達を知り,家族の関わりの重要性が分かること。
自分の身の回りの地域の生活や環境・福祉について知ること。
販売方法や消費者保護について知り,商品を購入するための表示等を知ること。
【材料加工の技術】
材料の種類と目的に応じた加工法について知ること。
製作に適した材料や加工法を選択できること。
費用や安全,作業時間などの条件を踏まえて製作物を構想できること。
   
【情報処理の技術】
ハードウエア・ソフトウエアの種類と構成を知ること。
情報の性質と目的に応じて,処理の方法を選択できること。
情報が社会生活や家庭生活に及ぼす影響を踏まえ,情報モラルやセキュリティの必要性を知ること。
   
【エネルギー変換・生物育成の技術】
エネルギー変換や動力伝達の種類について知ること。
エネルギー変換の特徴(変換効率や損失等)を判断し,適切な機器等を選択できること。
作物の種類について知り,それらの性質や環境条件に即して栽培する作物を選択できること。
   
【技術と社会・環境】
人間は生活を向上させるために,自然界の制約や社会的な制約の中で,物質やエネルギーの利用,情報の処理などについて工夫してきたことを知ること。
省資源・省エネルギーや品種改良等,社会からの要求で発達した技術について知ること。
人類が永年かかって開発してきた技術の歴史や,我が国の先人の知恵を知り,その価値(知的財産)を認めること。
  義務教育段階及びそれ以降の学習を進めていく上での共通の基礎となる知識・技能
<小学校>
楽譜について知ること。
 音符,休符,ト音・ヘ音記号,強弱記号など。
   
表現(音楽づくり)のための技能。
 例えば鍵盤ハーモニカやリコーダーなどの様々な楽器の演奏技能,発声,音楽を創作する技能など。
   
<中学校>
歌唱,器楽,創作で音楽を表現するための発声,楽器の奏法,作曲などの技能。
 音楽の種類(我が国や諸外国の様々な音楽)に応じた発声,和楽器を含む楽器の基礎的な奏法,歌詞や楽器にふさわしい旋律を創作する技能など。
   
音楽用語や楽譜(読譜・記譜)について知ること。
 奏法や発想を表す用語の意味と効果,幹音と派生音,調号,様々な楽譜など。
<小学校>
材料や道具を自分の目的に応じて使うことができる。
 はさみ,のり,水彩絵の具,簡単な小刀など。
 土,木,紙,厚紙,粘土など。
   
いろいろな表し方の違いが分かる。
 木をつなげて並べる,間を空けて並べるなどから生まれるリズムや,安定感。
 表現方法にはいくつも種類があることなど。
   
<中学校>
意図に応じて材料や用具を生かして使う。
 イメージに合わせて,水彩絵の具のぼかしやにじみなどの効果を生かして描くなど。
   
デザインや工芸における美と機能性の調和などを理解する。
 ハサミなどの製品のデザインにおいて,形,色,材料と機能がどのように調和しているかを理解することなど。
<小学校>
衣食住の生活で用いる主な用具の基本的な扱い方ができること。(包丁や針の使い方など)
   
<中学校>
食品の組み合わせによって栄養素を適切に摂ることができることを知ること。
幼児の心身の発達にとって,子どもが育つ環境としての家族の重要な役割があることを知ること。
生活に必要な物資・サービスを選択,購入,活用できること。
環境や資源に配慮した生活ができること。
<基本的な技術を適切に使用するための知識と技能の例>
縮尺を考慮した設計図が描けること。
簡単な手工具を安全に使用できること。(のこぎり・ドライバー・はんだごて等)
情報の収集と処理のために安全にコンピュータの使用ができること。(情報モラル・著作権への配慮等)
家庭における電気機器等を安全に使用できること。(たこ足配線の危険性,日常で使用されている記号の意味 等)
簡単な生物生産ができること。(栽培の目的に適した条件 等)
義務教育修了段階において,子どもたちに身に付けさせたい能力        
  知識・技能を実社会の中で活用する能力
知識・技能を生かして,感性を高め,思考・判断し,表現する力
<小学校>
音楽の諸要素のもつ音楽的なおもしろさを感じ取り,声や楽器等を用いて表現する力。
 弾むリズムにのって身体表現すること,リズムやふし,音の重なりなどのおもしろさを感じ取り,歌ったり楽器で演奏したりすることなど。
音楽の諸要素の関連,諸要素と曲のしくみとの関連を感じ取って,思考・判断しながら曲を表現したり,新しい音や音楽を創作したり,曲を解釈しながら鑑賞したりする力。
 音楽の諸要素のかかわり合いを感じ取り,自分なりの発想や思いをもって,歌や合唱,器楽アンサンブルを仕上げていく力など。
 音楽の諸要素のかかわり合いを感じ取り,曲のしくみを把握しながら,自分なりの発想や思いをもって,音楽を味わい聴くことなど。
楽譜の知識を生かして,音楽を豊かに演奏する力。
 作曲者の思いを楽譜から読み取ったり,楽譜にそいながら自分の発想や考え,思いを歌や楽器で表現するなど。
   
<中学校>
音素材,音楽の諸要素の関連を知覚し,曲想の美しさなどを感じ取る力(知覚・感受力)。
 オーケストラを聴いて,楽器の音色を聴き分けたり速さの変化を聴き取ったりして,そこに心地よさや雄大さ,高揚感などを感じ取ることなど。
知覚し感じ取ったことを基に,自己の思いや意図をもって,歌唱,器楽,創作で表現する力(表現力)。
 諸要素の働きと曲想,歌詞の意味や言葉の表現を生かして,自然や四季の美しさを感じることができる歌曲(例「花」「夏の思い出」など)を工夫して歌うことなど。
知覚し感じ取ったことを基に,音楽に対する自己の価値観をもって批評する力(鑑賞力)。
 曲についての自分なりの解釈をもち,音楽の味わいなどを批評文に書くことなど。
   
知識・技能を生かして,音楽文化等のよさなどを味わったり理解したりする力
  <小学校>
国歌「君が代」についての理解と歌唱の技能を生かす力。
 日本の伝統的な旋法による「君が代」の美しさや自国を尊重するこころをもつなど。
歌唱共通教材についての知識・技能を生かす力。
 我が国独特の音楽のよさを感じ取り幅広い地域や年齢の人々と歌い継いでいく力。
それぞれの地方に伝承されている音楽への知識や理解を生かす力。
 我が国独特の音楽の美しさを感じ取りながら,味わう力や歌ったり楽器を演奏したりする力。
   
<中学校>
我が国や諸外国の音楽における歌唱表現や楽器の音色・奏法の特徴,それぞれの音楽の背景となる風土・文化・歴史などから,音楽の多様性を理解する力(文化理解力)。
 和楽器(箏,三味線,篠笛など)によって,我が国の伝統的な音の感覚などの特徴を生かした演奏を工夫することなど。
 郷土の民謡や長唄,ナポリ民謡などの声が,それぞれ独特の持ち味があることなど。
 歌舞伎,オペラ(歌劇),ミュージカルなど,音楽と他の芸術等とが融合した総合的な芸術表現に共通点・相違点があることなど。
創作活動によって,音楽文化をあらたに生み出していく力(構想力・計画力)。
 日本語の言葉の抑揚や意味内容を考えて,その詩に合ったまとまりのある旋律を創作したり,いろいろな音素材を用いて,即興的に音楽を構成したりすることなど。
   
知識・技能を生かして,他者と共感し,生活を明るく潤いのあるものにする力
他者の心情や意図に共感し,互いのよさを認め合いながら音楽活動を行い,人々が協調し人間関係を築くための基盤となる力。
 合唱や合奏,アンサンブル,創作の活動で,表現したいイメージを共有しながら,互いに音を聴き合って,全体の響きの調和を作り上げることなど。
感性や思考力・表現力等
<小学校>
自分の表したいことを思い付く力。
 色や形,材料などから発想する(流木の形の特徴から動物を連想する,かすれた色から恐竜の化石を思い付くなど)。
 見たこと,感じたこと,想像したこと,伝えたいことから表したいことを見付けるなど。
表したい感じが表れるように材料や表現方法などを工夫する力。
 色や形による構成の美しさ,材料の特徴の感じなどを考える。
 冬の雪を表すために,絵の具,色紙,綿などを選ぶなど。
つくり,つくりかえ,つくり続ける力。
 表す過程で,自分らしい感覚を働かせ,表したい感じになるまでつくる。
 自分の表現を振り返って,新たなものを加えたり,部分を取りかえたりするなど。
表現の意図や特徴をとらえる力。
 友だちの作品をいろいろな角度から見る,表し方に共感するなど。
   
<中学校>
主題を発想し,構成の仕方,材料の組合せなどを工夫し,構想を練る力。
 夢や希望などを主題にして心の世界を表現するために,構成や材料の組み合わせを工夫し,構想を練ることなど。
目的や条件を整理し,伝えたい内容をイラストレーションや図などで分かりやすく美しく表現する力。
造形的な美しさ,材料や用具の生かし方などを総合的に考え,創意工夫してつくる力。
つくりながら発想に変更,修正を加えてよりよい表現にしていく力。
自他の作品などに対する自分の価値意識をもって批評し合い,よさや美しさを幅広く味わう力。
作者の心情や意図と創造的な表現の工夫などを感じ取る力。
 その作品によって何を表現したかったのかという作者の意図と,それがどのように表現されたかという創造的な表現の工夫などを感じ取るなど。
美術文化等のよさなどを味わう力
  <小学校>
我が国や諸外国の親しみのある美術などを自分らしい見方で感じ取ること。
 時代や地域によって表し方が異なることをとらえるなど。
   
<中学校>
日本の美術や文化と伝統に対する理解と愛情を深めること。
日本及び諸外国の美術の文化遺産の表現のそれぞれのよさや美しさ,創造力の豊かさなどを感じ取り味わうこと。
文化遺産を尊重するとともに,美術を通した国際理解を深めること。
各自の衣食住や消費などの生活を自己管理できる能力。
よりよい生活に関心をもち,学んだ知識や技能を活用すること。
自分でできることは自分でやろうとする意欲をもつこと。
自分の生活が環境に与える影響について考え行動すること。
   
家族の一員として,家族や地域の人びとと豊かな人間関係を育み,よりよい家庭生活を工夫しようとする能力。
よりよい家庭生活に関心をもち,学んだ知識や技能を活用すること。
環境や資源に配慮した生活を工夫しようとすること。
家族の一員としての役割に気付き,自分にできることを実践しようとすること。
家族関係をよりよくする方法について考え行動しようとすること。
子どもが育つ環境としての家庭や家族の大切さを考え行動しようとすること。
技術の利用法や製品に対する技術的な評価力。
技術の不適切な使用によって発生する問題を予測し,制御すること。
便利という理由だけで技術を利用するのではなく,技術がどのように利用されているかを本質的に評価し,思いやりのある技術の利用を考えること。
社会生活や家庭生活における課題を解決するために,費用や環境に配慮して適切な技術製品を選択できること。
   
生産,消費,廃棄に対する技術的な倫理観。
技術の進歩による便益と将来生じる可能性のあるリスクとのトレード・オフを考えること。
生産者,管理者,消費者すべてが持つべき技術のモラルについて考えること。
   
技術に関連した仕事に対する理解力,職業に対する判断力。
製作(制作・育成)という作業の価値について考えること。
技術に関連した仕事の社会的な役割について考えること。
感性や思考力・表現力等
生活の課題を解決するための工夫・創造できる能力。
<課題の把握>
自分の家庭生活の実態について,食生活の実態調査などから把握し,何が課題なのかに気付くこと。
<解決のための計画>
複数の調理方法を比較したり,衣食住の生活と家族や環境などとのかかわりを考えたりして,解決のためのよりよい方法を見つけること。
課題解決のために,時間的効率や手作りのよさ,家族との団らんなどの何を優先させるか意思決定すること。
いつ,何を,どのように行うのか計画を立てること。
<計画に沿った実践>
計画に沿って,目的に応じた必要な材料などを選択すること。
例えば,段取りよく,製作や調理(省エネクッキングなど),作業,かかわりや行動,管理などを行う。その際,身に付けた知識や技能を応用したりすること。
<評価と改善>
家庭生活上の課題が解決できたか評価し,更に改善するもの,応用・発展できることを考えること。
実際の活動を通して体得したものや環境等への影響についても評価すること。
  <生活における実践>
実生活に生かす工夫をし,家庭生活の中で工夫し生かし続けること。
技術的な課題を解決するための工夫・創造できる能力。
<発想・動機>
生活上の課題を認識し,技術を用いて解決することの必要性を把握できること。
課題解決のために必要となる情報を収集できること。
<設計・計画>
課題解決に必要となる技術を選択できること。
活動を見通した上で,製作(制作)物を構想・設計したり,栽培計画を立案できること。
<製作(制作・育成)>
安全に配慮するとともに,活動の段取りを考え,効果的,効率的に製作(育成)できること。
メディアに適したソフトウエアを選択し,効果的に表現・発信できること。
システムやプログラムを理解し,目的達成の障害となっている部分を改善(トラブルシューティング)できること。
<評価>
課題解決についての評価とともに,環境や社会等への影響についての評価ができること。
関心・意欲・態度など
様々な音楽に興味・関心を広げるとともに,自分なりの価値観を形成する。
生涯を通じて音楽を愛好し親しもうとする態度をもつ。
音環境に対するモラルなど。
これまでの音楽文化の優れた面を継承するとともに,次代の音楽文化を創造していく態度をもつ。
<小学校>
つくりたいものを自分の表現方法でつくりだす喜びを味わおうとする。
我が国や諸外国の親しみのある美術,暮らしの中の美術などに関心を持つ。
   
<中学校>
自分のよさを生かして表現や鑑賞の活動に主体的に取り組む。
自然や身近なもの,美術作品などのよさや美しさに関心を高める。
美術文化の継承と創造への関心を高める。
よりよい価値を認識できる力(価値観)。
ねばり強く実現しようとする態度。
協力して実現しようとする態度。
文化伝統を大切にし伝えようとする態度。
計画的・継続的に製作(制作・育成)に取り組む態度。
自分の手で時間をかけて製品を完成させるなどの活動を通して,世の中には堅実な努力が必要であり,見通しを立てて進めなければそれまでの苦労が徒労になることを実感すること。
製品を苦労して開発し,製造してきた技術者やシステムを維持・管理している人々の仕事の意義を認めること。
   
他者と協力して仕事に取り組む態度。
協調し,他人を思いやりながら製作(制作・育成)すること。

生活,総合的な学習の時間

  生活 総合的な学習の時間
義務教育修了段階において子どもたちに身に付けさせたい基礎的・基本的な知識・技能等    
  社会的に自立していくために,実生活において不可欠な知識・技能
(小学校)
学校生活のリズムを身に付け,規則正しい生活をすることができる。
家庭において,自分のことは自分でしたり,お手伝いをしたりすることができる。
地域の人に対して元気に挨拶をしたり,用件を正しく伝えたりすることができる。
約束やルールがあると楽しく遊べることが分かる。
自分の成長を支えてくれた人々の存在に気付き,感謝の気持ちをもつことができる。
 
(中学校)    
義務教育段階及びそれ以降の学習を進めていく上での共通の基礎となる知識・技能
身の回りには,みんなで使う物やみんなのための施設があることが分かる。
季節によって,自分たちの遊びや生活,町の様子などが変わることに気付く。
木の実や草花,風や雪など自然の特徴を生かした遊びをつくりだすことができる。
動物や植物は生命をもっていることや成長していることに気付く。
 
義務教育修了段階において,子どもたちに身に付けさせたい能力    
  知識・技能を実社会の中で活用する能力
対象に直接働きかけ,主体的にかかわることができること。
例えば,学校を探検する活動を通して,学校には自分の生活を支えてくれている多くの人がいることを実感し理解する。
   
事象を自分自身の生活と関連づけて考え,生活に生かそうとすること。
例えば,町探検を通して雪囲いなどの準備に気付き,自分の身の回りに冬が近づいていることを知り,動物の世話の仕方を変える。
   
自分を見つめ自分のよさや可能性に気付くことによって,意欲と自信をもてること。
例えば,遊び場づくりの活動の中で,ドングリごまチャンピオンになり,クラスの友達によく回るドングリごまのつくりかたを積極的に教える。
   
自分の成長の喜びや感謝の気持ち,これからの成長への願いなどを表現することができること。
例えば,誕生からの成長の記録を調べる活動を通して,父母や祖父母,親戚など多くの支えがあったことに気付き,自分の成長を支えてくれた人々に対する感謝の気持ちを表す。
   
幼児や高齢者など,相手に応じて接し方を考えることができること。
例えば,地域を探検する活動の中で,身近な幼児や高齢者,障害のある人などと触れ合う場面で,相手に応じて言葉遣いや話し方,対応の仕方などを考え行動に移す。
自分を取り巻く事象に関心をもち,問題や調べたいことを見付け,課題を決めること。
例えば,地域の環境問題を考える活動を通して,川の汚染など地域の環境問題に気付き,指標生物の調査や流域別の水質調査などの追究課題を決定する。
   
多様な方法で計画的に調べ,必要な情報を収集すること。
例えば,町づくりや町おこしの活動に参画する中で,過去の事例や他の地域の取り組みを新聞やインターネット,書籍などの多様な媒体を使って調査し情報収集する。
   
体験や調査,他者からの情報などを比較・整理し,自分の考えをもつこと。
例えば,福祉施設でのボランティア活動において,自分の経験と他のグループの経験を情報交換したり話し合ったりすることを通して,障害のある人への接し方を考える。
   
追究を通して明らかになったことを,相手に応じて分かりやすく伝えること。
例えば,現代社会の食問題を考える活動の中で,「我が国や世界の国々の食糧自給率と食生活」や「孤食と栄養摂取」などの問題について明らかになったことを,グラフや図表などを使って分かりやすく表現し相手に伝える。
   
振り返り気付いたことから,これからの自分の生き方や在り方を考えること。
例えば,社会で働く人の生き様を学ぶ活動を通して,生きがいややりがいをもって働くことの価値に気付き,レポートにまとめ発表したり討論したりして自分の日々の生活や将来の在り方を考える。
   
各教科等で身に付けた知識や技能等を学習や生活に生かしたり,獲得した知識を相互に関連させたりすること。
例えば,住みよい町づくりを考える活動の中で,自然環境や人口の推移,産業構造,市民意識などを調査し関連付け,自分たちで考えた都市計画を市議会などに提案する。
例えば,地域の祭りに皆で参加する中で,地域に伝わる踊りやお囃子などに触れ,地域のよさを感じ取り,その発展に貢献しようとする。
関心・意欲・態度など
身近な環境や自分自身に関心をもち,進んでそれらとかかわり,楽しく学習や生活をしようとする。
学校の施設,学校生活を支えている人々や友達及び通学路の様子などに関心をもち,楽しく学校生活を送ろうとしている。
家庭生活に関心をもち,自分の役割を積極的に果たそうとするとともに,規則正しく健康に気を付けて生活しようとする。
地域の人々や様々な場所に親しみをもってかかわり,自分の生活を広げようとしている。
地域や社会に関心をもち,主体的にかかわろうとすること。
積極的に追究活動に取り組み,粘り強く問題を解決しようとすること。
自分自身の生き方や在り方を考えようとすること。

体育・保健体育

  体育・保健体育
体育 保健
義務教育修了段階において子どもたちに身に付けさせたい基礎的・基本的な知識・技能等    
  社会的に自立していくために,実生活において不可欠な知識・技能
(小学校・中学校)
身体能力
短時間に集中的に力を発揮する身体能力。
全力で加速した後,数十メートルは最高スピードを維持して走ることができること。
全身を使って,その場で高く,あるいは遠くへ跳ぶことができること。
持続的に力を発揮する身体能力。
一定のペースで数分間以上走り続けることができること。
自分の体重と同じ程度のものを,一定時間以上支えたり,運んだりすることができること。
柔軟性を発揮する身体能力。
膝を伸ばしたまま上体を一定の深さまでまげること。
巧みに身体を動かす身体能力。
水の中で浮いたり,潜ったり,進んだり,息継ぎをすることができ,二つ以上の泳ぎ方で一定の距離を泳ぐことができること。
身体を,柔らかく動かしたり,力強く動かしたり,リズムを取って動かすことができること。 など
   
運動やスポーツ,健康・安全に関する知識
運動やスポーツの動き,学び方などに関する知識。
健康に生活するために必要な体力に関する知識。
けがや障害(骨折,捻挫,脱臼,創傷)に関する知識。
健康・安全に運動することに関する知識。
健康に関する情報を正しく判断し,行動に結び付けるための知識
【心身の健康に関する知識】
基本的な体の機能と発育・発達に関する知識。
食事,運動,休養,睡眠などの基本的な生活習慣に関する知識。
心の発達,心と体の関連性,欲求やストレスとその対処の仕方に関する知識。
喫煙,飲酒,薬物乱用の心身への影響に関する知識。
主な病気の発生要因,症状に関する知識。
医薬品の有効性と副作用,保健・医療制度及びその役割に関する知識。
   
【環境と健康に関する知識】
身の回りの環境を衛生的に保つための様々な手立に関する知識。
環境への身体の適応能力と至適範囲,適切な温度,湿度,明るさ等に関する知識。
働く人の健康管理に関する知識。
空気,水,食品の衛生的管理,生活に伴うゴミ等の衛生的処理,環境汚染の健康影響に関する知識。
   
【安全に関する知識】
身の回りの危険,事件・事故の発生要因に関する知識。
自然災害の発生とその対処の仕方,避難の方法,応急手当の意義と方法に関する知識。
  義務教育段階及びそれ以降の学習を進めていく上での共通の基礎となる知識・技能
身体能力
生涯にわたり運動・スポーツに親しむための身体能力。
 
多くのスポーツに共通した要素を持つ運動種目や広く普及している運動種目等を通して,生涯にわたり運動・スポーツに親しむための基礎となる技能を習得すること。
 
   
運動やスポーツ,健康・安全に関する知識
運動やスポーツの意義,歴史等に関する知識。
   
運動やスポーツに関する思考・判断
運動やスポーツの様々な場面で,自分や他人あるいは物体の動きを見て,分析的に考え,判断することができること等。
ヘルスプロモーションの考え方を生かし,生涯にわたり健康に関する情報を正しく判断し,行動に結びつけるための知識
義務教育修了段階において,子どもたちに身に付けさせたい能力    
  知識・技能を実社会の中で活用する能力
身体能力
生涯にわたり運動・スポーツに親しむための身体能力。
 
多くのスポーツに共通した要素を持つ運動種目や広く普及している運動種目等を通して,生涯にわたり運動・スポーツに親しむための基礎となる技能。
 
   
運動やスポーツに関する思考・判断
運動やスポーツの様々な場面で,健康・安全に関し,科学的に考え判断することができること。
運動やスポーツのルールを変えたり,練習の場を作ったりするなど,創意・工夫ができること。 等
健康に関する情報を正しく判断し,知識を行動に結び付ける能力
【心身の健康】
食事,運動,休養,睡眠などの重要性を理解し,自らの基本的な生活習慣を見直すことができる。
自分の年齢,生活活動に応じて必要とする食事の量や質について理解し,適切な食事を摂ることができる。
心と体の密接な関連性を理解し,様々な欲求やストレスに対して,自分に合った適切な対処ができる。
生活習慣病や基本的な感染症に関する知識を持ち,個人でできる予防手段を講じることができる。
人間関係の理解の下に,性感染症等についての基本的な知識を持ち,性的接触を避けるなどの行動選択ができる。
喫煙,飲酒,薬物乱用の有害性について理解し,喫煙,飲酒,薬物乱用を促す要因に気付き避けることができる。
自分の体の状態を理解し,病気にかかった際に,症状を的確に説明できる。
医薬品の有効性や副作用を理解し,正しく医薬品を使うことができる。
様々な保健・医療制度や機関などについての知識を持ち,適切に活用できる。
   
【環境と健康】
身の回りの環境を健康的に保つことの重要性を理解し,良好な環境を維持又は改善することができる。
適切な温度,湿度,明るさ,換気などについての知識を持ち,必要に応じて調節することができる。
水や食品の安全性についての知識を持ち,安全な水や食品を選択したり,衛生的に取り扱うことができる。
   
【安全】
身の回りの危険,交通事故や自然災害,犯罪等の潜在的な危険を予測し,それに対する予防手段を考え,的確に対処できる。
災害等の危険な状況において自分の身を守り,応急手当など被害を最小限にするための行動ができる。
関心・意欲・態度など
態度
「運動やスポーツ自体」の価値に対する態度。
運動やスポーツを「する」ことや「見る」「支える」ことへの関心があること。
「チャレンジすること」の価値に対する態度。
次の課題にチャレンジしようとする意志があること。
「運動やスポーツを継続すること」の価値に対する態度。
生涯にわたって運動やスポーツに取組もうとする意志があること。
「フェアプレー」に関する態度。
結果にかかわらず相手を認めるなど,共に運動やスポーツを行う仲間を尊重し合おうとする意志があること。
「協力・責任」に関する態度。
お互いの合意に基づいて仲間と助け合う,自分の責任を果たすなど,仲間と協力しようとする意志があること。
【心身の健康】
健康の保持増進や健康的な生活習慣の手立てを考えようとする。
自己の成長や発達を肯定的に受け止め,状況に応じた対処法を探そうとする。
健康を阻害する要因を批判的に考え,病気の予防手段や症状を改善する手立てを考えようとする。
医薬品の正しい使い方,保健・医療制度,医療機関について知ろうとする。
   
【環境と健康】
身近な環境衛生活動を知ろうとする。
環境悪化を予防しようとする。
環境を改善するための活動に取り組もうとする。
   
【安全】
自己統御しようとする。
安全な環境に配慮しようとする。
状況に応じた対処法を探そうとする。
自他の安全に配慮しようとする。

道徳,特別活動

基盤となる確かな価値観や自主的・実践的態度の形成のための基礎的・基本的な内容や「力」等
かっこ 各視点ごとの専門部会のキーワード
※: 学習指導要領よりのキーワード
道徳 特別活動 各教科等
知識・判断力 心情・実践意欲・態度 知識・技能 能力(自主的実践力) 直接体験活動
1自分自身に関すること
自尊感情
  (自己肯定感,自己有用感,自己効力感,忍耐力チャレンジ精神)


※道:
  向上心,目標,自律の精神,誠実さ,真理愛,個性の伸長等
※特:
  役割遂行,個性の発揮,自己表現,将来設計等
人それぞれに必ずその人のよさがあることを知る。
自分自身のよさや個性を見出すことができる。
今の自分を好きだと感じる。
よりよく成長する自分が楽しみや喜びとして感じられる。
自分の個性を伸ばし,充実した生き方をしようとする。
集団の中での人間的な触れ合いを通して自他のよいところを具体的にみつけることができる。
目標や将来の夢をもったり,将来設計をしたりすることの大切さについて理解することができる。
学ぶこと,働くこと,生きることの意義について理解することができる。
集団の中で個性の伸長を図り,自他のよさを生かし合う力。
学びや生活の目標を自主的,主体的に立てる力,将来設計をする力。
学び,生活,進路などについて自己決定した目標について,困難を乗り越えて達成する力。
ボランティア活動など社会奉仕に関する体験活動。
勤労生産や職業に関する体験活動。
交流に関する体験活動。
役割遂行など自治的な体験活動。
児童会,生徒会などの学校貢献の体験活動。
クラブ活動等の異年齢の体験活動。
自分の考えたことを大切にし的確に話したり聞いたりすること。(国語)
課題追究的な学習における達成感。(社会,理科,総合的な学習の時間等)
基礎的な内容について繰り返し学習を重ねて感じる達成感や充実感。(国語,算数,数学等)
ねばり強く考え抜くことによる達成感や自信。(算数,数学)
自分のよさや可能性への気付きと自信。(生活)
自分の方法で表現したり協力したりしてつくり出し,互いのよさを認め合うこと。(音楽,図画工作,美術,体育,保健体育等)
演技の中で互いのよさの認め合いと協力。(体育,保健体育)
心身の発育・発達と個人差。(体育,保健体育)
仕事の楽しさや完成の喜びの体得。(家庭,技術・家庭)
自分の考えや気持ちが相手に正しく伝わるよう話したり書いたりすること。(外国語)
自分のよさに気付き,自信をもち,自己の生き方について考えること。(総合的な学習の時間)
 
基本的な生活習慣
(心の健康,自制心,継続する力)


※道:
  健康安全,節度,自立,反省等
※特:
  集団生活,自主的学習態度健康の保持増進等
望ましい生活習慣には,心身の健康の増進,学ぼうとする意欲や習慣,時間や物を大切にすることなどが含まれることを知る。
様々な場面や状況において,健康で活力ある生活や人生を送るための望ましい生活習慣を判断できる。
規則正しく節度のある生活に気持ちよさを感じる。
節度・節制を心がけ,心身の調和のある生活の実現に努めようとする。
生活,学習,食事等に関する基本的な習慣の在り方がわかる。
基本的な生活習慣の具体的技能を身に付けることができる。
生活,学習,食事等に関する基本的な習慣を身に付け,よりよく改善することができる。
儀式に関する体験活動。
勤労生産や職業に関する体験活動。
清掃や美化に関する活動。
各教科の学習規律を身に付けること。
体験的な活動の中での習熟や維持。(算数)
毎日の健康生活のための食事,運動,休養,睡眠等の調和のとれた生活。(体育,保健体育)
健康・安全への理解と自己管理。(体育,保健体育)
健康や安全に気をつけた規則正しい生活。(生活)
日常生活に必要な知識や技能。(家庭,技術・家庭,理科)
2他の人とのかかわりに関すること
思いやり,共感する力,協力する力
(思いやり,感謝,人間関係を築く力)


※道:
  礼儀,信頼友情,男女の理解,立場の理解,寛容さ等
※特:
  望ましい人間関係,男女の協力,信頼確保,集団行動等
人間は互いに助け合い協力し合って生きていることを知る。
相手の状況を思いやり,どのように行為することがよいか判断できる。
人間に対する深い理解と共感をもつ。
他者からの思いやりのある行為に感謝の念を抱く。
感謝と思いやりの心をもって人に接しようとする。
好ましい人間関係のつくり方や多様な他者との接し方を知り,体得できる。
直接的な人間的な触れ合いを通して,友の頑張り,思いやり,苦しみなどに共感できる力。
異なる他者とも仲よく生活できる力。
児童会,生徒会などの学校貢献の体験活動。
交流に関する体験活動。
役割遂行など自治的な体験活動。
ボランティア活動など社会奉仕に関する体験活動。
勤労生産や職業に関する体験活動。
相手の立場や考えを尊重し話したり聞いたりすること。(国語)
使用する者の気持ちを考えた創意工夫。(美術)
互いに相手を尊重した練習や試合。(体育,保健体育)
自分の成長を支えてくれた人に感謝の気持ちをもつこと。(生活)
友だちとかかわり合いながら造形活動をする。(図画工作)
積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度。(外国語)
3自然や崇高なものとのかかわりに関すること
生命を尊重する心
(共存,畏敬の念,感動する心,死)


※道:
  自然愛,生きる喜び,気高さ等
※特:
  自然や文化と触れ合い,自己理解,人間尊重
生命には限りがあることを知る。
どの生命も代替不可能であることを知る
生命あるものは互いに支え合って生かされていることを知る。
様々な場面や状況において,生命尊重の視点から人間としてどのように行為することがよいか判断できる。
生命の尊さを感じ,生命を愛おしむ。
生きていること,生かされていることに感謝する。
生命の誕生を喜び,死の重さを感じて悲しむ。
生命あるものすべてを大切にしようとする。
自他の生命を尊重し,力強く生き抜こうとする。
命と関係づけて健康や安全,食に関する基本的な知識がわかる。
美しいもの,優れたものを鑑賞する行事や自然の中で集団生活する活動を通して,そのよさの味わい方がわかる。
飼育栽培に係る学校分担の活動を通して草花や小動物の命についてわかる。
衝動的に暴力などせずに,がまんしなければならないことがわかる。
自他の命の重さを感じながら,健康や安全,食事に気をつけたり,仲よく生活したりすることができる
美しいもの,優れたものに触れて心から感動できる力。
草花や小動物を愛おしみながら飼育栽培できる力。
我慢したり,冷静に行動したりする力。
健康や安全,食に関する体験活動。
自然や動植物と触れ合う体験活動。
交流に関する体験活動。(多様,異年齢等)
係や当番などの活動。
生命を尊重する心,美しいものに感動する心を育てる教材。(国語)
人間の生命の尊さ,平和の尊さの自覚。(社会)
飼育栽培を通しての生き物の生命への愛着。(生活)
飼育していた動物の成長と死。(理科)
生命を尊重する態度や自然に対する畏敬の念。(理科)
健康と自他の生命の大切さ。(体育,保健体育)
幼児や高齢者と触れ合う体験(生活,技術・家庭)
環境保全のための国民一人一人の協力の必要性。(社会)
環境保全に関する意識や態度。(理科)
美しいもの,優れたものに触れて心から感動できる力。(音楽)
4集団や社会とのかかわりに関すること
共生,規範意識,帰属意識
(ルール,マナー,法,社会性,人権感覚,よりよい社会をつくる力,集団の一員としての自覚)
  (スクールアイデンティティ,郷土愛,伝統文化の尊重,日本人としてのアイデンティティ等)


※道:
  役割責任,公徳心,公共心,規則,勤労,差別,公正公平,権利,義務,家族愛,愛校心,郷土愛,国を愛する心,国際理解等
※特:
  望ましい集団活動,よりよい集団生活を築く,連帯感,公衆道徳,規律と責任,社会貢献等
人間は様々な集団や社会の一員として生活を営んでいることを知る。
社会には法やきまりがあることを知る。
社会の秩序と規律を守ることで個人の自由が保障されることを知る。
様々な場面や状況において,社会規範を大切にするとう視点からどのように行為することがよいか判断できる。
マナーを大切にし,きまりを守ることで気持ちよさを感じる。
自分が所属する集団や社会に愛着をもつ。
自他の権利を尊重し,自らに課せられた義務を果たそうとする。
社会の秩序と規律を自ら高めていこうとする。
自分が所属する集団や社会をよりよいものにしようとする。
集団生活や社会における協調性や規律,規範など,望ましい行動の在り方,社会の一員としての自覚と責任がわかる。
生活上の問題を話合いによる合意によって解決するための方法や手順,役割分担,情報の収集の方法などがわかる。
学級や学校,地域への貢献の意義がわかる。
リーダーシップやフォロアーシップの在り方がわかる。
愛校心と連帯感のかかわりについて理解することができる。
話合いを通して自己の生活改善の方策を自己決定できる力。
自治的な話合いを通して学級や学校の充実・向上のための課題を集団決定できる力。
自己の役割を果たし,協力してよりよい集団生活を築く力。
学級や学校,地域のために貢献できる力。
リーダーシップやフォロアーシップが発揮できる力。
愛校心をもち,学校代表の活躍を願って応援などの行動ができる力。
集団生活体験活動。
役割遂行など自治的な体験活動。
勤労生産や職業に関する体験活動。
児童会,生徒会などの学校貢献の体験活動。
儀式に関する体験活動。
クラブ活動等の異年齢の体験活動。
個人の尊厳と人権の尊重の意義。(社会)
法の意義。(社会)
自由・権利と責任・義務。(社会)
勝敗に対する公正な態度。(体育,保健体育)
練習やゲームの中で進んで規則を守り互いに協力して責任を果たすこと。(体育,保健体育)
家族の一員としての実践的態度。(家庭)
地域の様々な人々と適切に接すること。(生活)
我が国の古典や歴史,伝統文化などへの理解と愛情,継承・創造への関心。(国語,社会,音楽,図画工作,美術等)
国旗と国歌の意義の理解と尊重する態度等。(社会,音楽)
外国語を通しての言語や文化についての理解。(外国語)
世界各地の多様な生活・文化への理解,世界平和の実現と人類の福祉の増大。(社会)


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