令和8年9月1日(火曜日)16時00分~18時00分
文部科学省(※対面・WEB会議の併用)
(東京都千代田区霞が関3-2-2)
【貞広分科会長】 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第154回中央教育審議会初等中等教育分科会を開催いたします。本日も御多用の中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
議題に入ります前に、前回1月の開催以降、初等中等教育分科会に新たに御参画いただきました委員がいらっしゃるとのことです。また、事務局にも人事異動があったとのことですので、事務局から御紹介をどちらについてもお願いいたします。
【山田初等中等教育企画課長】 8月より初中企画課長に就任しました山田でございます。よろしくお願いいたします。
まず、前回以降、新たに本分科会に御参画いただきました委員を御紹介いたします。
寺島委員でございます。ミュートを御解除いただきまして、簡単に御挨拶をいただければと存じます。よろしくお願いします。
【寺島委員】 全国高等学校長協会の寺島と申します。所属は都立国際高等学校でございます。どうぞよろしくお願いします。
【山田初等中等教育企画課長】 ありがとうございます。
なお、本日の参考資料7といたしまして最新の委員名簿をお配りしてございますので、併せて御覧いただければと存じます。
続けて、事務局にも人事異動がございましたので、私の方から御紹介を申し上げます。
文部科学審議官の望月でございます。
【望月文部科学審議官】 局長で2年お世話になりました。ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
【山田初等中等教育企画課長】 学習基盤審議官の常盤木でございます。
【常盤木学習基盤審議官】 会計課からまた初中局に戻ってまいりました。皆様、御指導よろしくお願いいたします。お世話になります。
【山田初等中等教育企画課長】 審議官の黄地でございます。
【黄地審議官】 黄地でございます。初等中等教育企画課から8月に審議官を拝命いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。
【山田初等中等教育企画課長】 なお、局長の茂里と文部科学戦略官の三木につきましては、用務の関係で遅れての出席となります。
以上でございます。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。
続きまして、本日の会議開催方式及び資料につきまして、引き続き事務局より御説明をお願いいたします。
【山田初等中等教育企画課長】 本会議は、ウェブ会議と対面を組み合わせましたハイブリッド形式にて開催いたします。
会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、委員の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願い申し上げます。
なお、本日は報道関係者と一般の方向けに本会議の模様をYouTubeで配信しておりますので、御承知おきください。
次に、資料の確認をいたします。本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1から3までとなっております。
次に、参考資料でございますけれども、参考資料1、2といたしまして、8月28日に公表いたしました令和9年度概算要求に関する資料を配付しております。参考資料3、4は、7月21日に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針と日本成長戦略に関する資料でございます。外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議につきましては、昨年7月の本分科会におきまして会議の概要や検討事項について参考資料として配付しておりましたけれども、本年6月に報告書が取りまとまりましたので、参考資料5、6として配付をしております。
以上でございます。
【貞広分科会長】 ありがとうございました。それでは、議題に入ります。
本日は、次第に記載のとおり、三つの議題がございます。時間の都合で御発言いただける委員に限りが生じてしまう場合もあろうかと思いますが、その場合は会議の後に事務局宛てにメール等をいただければ議事録に掲載することとしたいと思いますので、あらかじめ御了承いただければ幸いです。
議題1でございます。議題1は部会の設置について、議題2は第4次学校安全の推進に関する計画の策定についてです。
本件につきましては、先月21日に開催されました中央教育審議会総会におきまして、文部科学大臣から「第4次学校安全の推進に関する計画の策定について」として諮問が行われました。諮問の内容や初等中等教育分科会における審議体制等について、事務局から御説明をいただきたいと思います。
それでは、事務局よりお願いいたします。
【山田初等中等教育企画課長】 まず、資料1を御覧ください。初等中等教育分科会における部会の設置についてということで、現在、三つの部会が設置されてございます。これに、分科会長からお話もございました学校安全部会という部会を一番最後、4として付けまして、第4次学校安全の推進に関する計画の策定について御議論いただく体制にさせていただきたいと考えております。
具体的な審議内容につきましては、総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課長の西川より御説明申し上げます。
【西川男女共同参画共生社会学習・安全課長】 総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課の西川と申します。私の方から、学校安全の推進に関する計画の策定につきまして、御審議いただきたい事項について御説明申し上げます。お手元にお配りをしております資料については、資料2-1から2-4まででございます。
まず、資料2-2を御覧いただきたいと思います。資料2-2の上段でございます。学校保健安全法第3条におきまして、国は、学校安全の推進に関する計画を策定するとされております。その下にございます現行の計画でございますけれども、現行の計画は今年度末をもって現在の第3次の計画期間が終了するということに伴いまして、令和9年度以降を対象とする次期計画の策定に向けて、去る8月21日、中央教育審議会総会にて大臣より諮問をさせていただきました。今後、具体的にはこの分科会の下に先ほど資料1にて御説明をいたしました学校安全部会を設置いただきまして、御審議をいただきたいと考えております。
諮問させていただきました内容の御説明に入る前に、第4次の新規の計画の策定に当たりまして、近年発生いたしました児童生徒や学校を取り巻く事故事案、それとその対応について簡単に御説明をさせていただきます。資料2-3、横置きの資料を御覧いただきたいと思います。
3ページ目でございます。まず、校外活動における安全確保に関してでございます。一番上の四角囲みにございますように、本年3月、京都府内の高等学校におきまして、校外活動中、具体的には研修旅行中に重大な事故が発生いたしました。これを踏まえまして4月7日に、校外活動における安全確保の徹底のために配慮いただきたい点などを全国に通知を発出いたしました。校外活動に当たっては、マニュアルの点検とか、その必要な改定、さらにはその徹底ということはもとより、事前の準備の段階から事故防止に向けての十分な計画・検討をお願いしております。
このページの一番下、赤文字の矢印で書いておりますが、こちらについてはフォローアップもお願いをしておりまして、設置者又は設置校における管理体制について改めて見直す又は徹底する機会としていただいております。
続きまして、4ページでございます。4ページにつきましては、部活動を含む移動時の安全確保についてでございます。こちらも一番上の点線囲みを御覧いただければと思います。本年5月でございますけれども、部活動の遠征のためのバス移動中に重大な事故、こちらも具体的には磐越道で発生したバス事故を受けまして、国土交通省との間で連絡会議を立ち上げ、部活動を含む学校教育等に関する移動時の安全確保に向けて、6月30日に安全確保のための対策を取りまとめました。こちらにつきましては、学校の設置者の責務とか学校の管理職の責務など、そのガバナンスの徹底とか、適切な事業者の選定又は契約の透明化など、児童生徒の安全が確保されるよう対応の徹底をお願いしております。
続きまして、7ページでございます。防火防災に関してでございます。こちらにつきましても、上の四角囲み、本年6月19日、都内北区の小学校におきまして複数の児童や教職員が負傷する火災が発生いたしました。このことを受けまして、全国の学校における防火防災に係る安全点検の実施とか、児童生徒等の安全確保を徹底するよう通知をさせていただいております。地域の消防署などとも連携をしながら実効性のある取組を進めて、安全管理が徹底されるよう対応をお願いしております。
最後に、8ページでございます。クマの被害防止ということです。資料のとおりでございますが、上の表にございますように、昨年度については全国で、クマの出没、また、被害者、そして死亡者がいずれも過去最多となっております。今年の春先にも引き続きクマ被害が発生をしております。
次のページの9ページにございますように、一番上の白丸でございますが、クマ出没時を想定した登下校時における子供たちの安全確保に必要な携帯品への補助を再周知する、また、児童生徒向け又は保護者向けの動画やリーフレットを作成し周知をするなど、被害防止に向けた取組を実施しております。
以上が近年発生いたしました児童生徒、また、学校を取り巻く事故事案でございますが、こうした事故事案も踏まえまして、今回の計画の諮問について、その主な論点などを御説明させていただきます。
諮問の概要資料は、先ほどの2-2の資料を御覧ください。中段にございます第4次計画策定に向けての論点(案)の部分になります。
一つ目の四角囲みの部分でございます。現行の計画期間中の取組状況の検証に加えまして、先ほど御説明をした種々の社会状況の変化、又は近年の災害の激甚化、それからSNSに起因するような犯罪被害、そうしたものも含めた社会状況の変化を踏まえた対応が一つ大きな論点だと考えています。その中でも特に、東日本大震災、能登半島地震、それから熊本地震、それから、先日ございました千葉、また、北陸地方、福井での大雨等の災害の激甚化を踏まえた、地域と連携した実践的な防災教育についての検討が必要と考えております。
また、次の矢印にございます、児童生徒等が被害を受ける事件・事故の発生又はクマなどの鳥獣による被害の恐れも懸念されております。一層の事件・事故防止、安全確保策の検討が必要だと考えております。
それから加えて、SNSに起因する犯罪被害、それから性被害・性暴力への対策など現代的な課題への対応も必要だと考えております。特に児童生徒が性犯罪・性暴力の加害者・被害者・傍観者にならないための生命(いのち)の安全教育について全国の学校での実施が求められております。
さらには、学校での働き方改革又は先端技術の活用による効果的・効率的な安全教育・安全管理の在り方についても検討していただきたいと考えております。
二つ目の大きな論点としましては、下の左側でございます。教育活動全体を通じた安全教育の取組の推進と、全国的な質の向上についてでございます。一つ目の矢印でございます。安全教育においては、災害安全、生活安全、それから交通安全の三領域、それから先ほど申し上げた現代的な課題への対応も含めた安全教育の教育活動全体を通じた実施が求められております。次の矢印にございますが、一方で指導時間の確保、それから全国的な取組の質の向上に向けて、学校安全計画の位置付けとかその内容の在り方についても検討課題だと考えております。さらには、実践的な教育内容の充実のための学校と地域の関係機関との連携強化、そうした方策についても検討が必要であると考えております。
それから最後、三つ目の論点、その右側でございます。安全教育・安全管理を適切に行うための組織体制の整備や、教職員の資質、また、能力の向上に関する論点でございます。
一つ目の矢印にございます、校外活動・部活動も含めた全ての教育活動、移動も含めた教育活動における学校安全の確保の徹底が、先ほど御説明した近年に発生した事件・事故事案ということもありまして、そうした徹底について御議論いただきたいと思っています。
その中でも、その次の矢印にございます、学校安全の中核を担う教職員の配置、そうしたものの組織体制の整備についても御議論いただきたいと思っております。
さらには、その下にございますコミュニティ・スクールの仕組みの活用とか、セーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れた取組の充実など、学校と家庭・地域、それから警察・消防などの関係機関などとの連携による持続的な学校安全の確保といった点についても御検討いただきたいと考えております。
最後は、教職員の資質・能力の向上方策の充実についても検討が必要だと考えております。
大きく三つの論点を御説明させていただきました。総合的に御議論いただきたいと考えております。
最後に、今後のスケジュールの案について御説明をさせていただきます。資料2-4でございます。この分科会におきまして部会の設置をお認めいただけましたら、今月から学校安全部会を開催させていただければと思っております。計6回程度御審議をいただきたいと考えております。その上で、年明けには御議論をまとめていただきまして、我々の方でパブリックコメントを実施し、必要な手続を経て、来年の3月までには閣議決定をしていくというスケジュールとなっております。年度末の計画策定に向け、こうしたスケジュールの案で進めていただけたらと我々どもは考えております。
私からは以上になります。
【貞広分科会長】 ありがとうございました。議第1と2につきまして、併せて御説明をいただいたところでございます。
ただいまの御説明に対しまして、御質問、御意見を承ります。御質問等がある方は、Zoomの挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。
では、順番に御指名申し上げます。まず、会場から渡辺弘司委員、お願いいたします。
【渡辺委員】 日本学校保健会並びに日本医師会から参っております渡辺でございます。
学校安全の計画に対して、前回のときも同じような意見が出たような気がすると思うんですけれども、作っただけでは駄目でやはり実行しないと駄目だとか、実施内容とか実施状況も把握する必要があるという意見が出ましたし、今回もそのような御意見になろうかと思います。例えば先ほどの資料2-3のように新たに四つの課題が提示されており、また、資料2-2にもございますけれども、これらの重要な課題も加味して検討するということになりますと、どこまで学校ができるのかという逆の視点が必要かなと思うんですね。
学校の先生方が大変お忙しい中で学校安全を進めていただくには、その安全計画を100%対応すれば大丈夫というようなものは恐らくないにしても、学校の先生方の御負担が増えないように、かつ実行可能なものをお示しして、その上でやはり実施しない学校に対しては指導するというような形じゃないと、とても実行できないようなものを提示してもなかなか、作っただけということになりかねないと思いますので、是非そのような視点で会議を進めていただければありがたいという、これは希望でございます。よろしくお願いいたします。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。しっかりと現実的にワークするものを作ってください、そのための道筋を示してくださいという御意見だったかと思います。ありがとうございます。
では、戸ヶ﨑委員、どうぞ。
【戸ヶ﨑委員】 日々様々な事案が発生する学校現場の実態を俯瞰すると、各種マニュアルや計画は整備されても、必ずしも実効的な取組や意識改革に結び付いていないという本質的課題が依然としてあります。マニュアルは基礎基本を言語化したものです。何よりそれを基に訓練を通して応用力を付けることが大切です。
私は、いつもマニュアルについて、二つのことを強調してきました。一つは、「マニュアルどおりに動くのではなく、マニュアルを理解して迅速適切に動けるようになる」ということ。もう一つは、「マニュアルは、宿根草ではなく一年草だと考えること。放っておいたら翌年は花は咲かない。毎年そこから種を取り植え替えていく、つまり逐次更新の必要がある。」ということです。第4次策定に当たっては、これまでの成果を継承しつつ、現場のリアルな課題に根差した実効性と持続可能性を兼ね備えた計画となることを求めたいと思います。
今、学校現場が抱える最大の懸念は、学校安全の重要性が高まる一方で、それが教師不足や学校における働き方改革が指摘される中、教職員の新たな業務負担となってしまうのではということです。第3次では、学校安全の中核を担う「学校安全主任」等の人的体制の明確化や教職員研修の充実が掲げられていますが、これらが一部の教職員への過度な業務偏重を引き起こすことは避けなければなりません。
第4次においては、学校のみに全ての役割を背負わせない「チーム学校・地域協働」の社会教育的アプローチの推進に強く期待いたします。地域学校協働活動やCS等と連携し、学校・家庭・地域が「子供の安全を守る」という共通目的の下で役割を適切に分担できる支援が必要です。併せて、人の力だけではなく、AIやデジタルを積極的に活用し、安全管理や安全教育の質を高めていく視点も重要と考えます。
言うまでもありませんが、子供たちが安心して学び、豊かに過ごすための安全確保は、学校教育の揺るぎない大前提です。昨今の様々な事故等の教訓は、マニュアルの文字を行動に変え、設備点検を形式から実効へと高めることの重要性を指摘しています。第4次の計画策定に当たっては、学校現場への単なる義務や役割の追加ではなく、ハード面での確実な財政支援と、地域や専門家とつながり合える組織体制の構築を両輪とした、持続可能で「命を守るための一体的な支援計画」となることを強く期待いたします。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。この後も順番に御指名申し上げますが、会議の途中で御都合で退席される御予定をお申出の委員の方もいらっしゃいますので、一部順番を変更する場合があることを御了解ください。
ではこの後、藤田委員、お願いいたします。
【藤田委員】 大阪教育大学の藤田です。私からは、特に3点についてお願いしたいと思っております。
まず第1に、安全管理、安全教育、組織活動を一体的に推進することの重要性です。学校安全は、施設・設備の点検や危機管理体制の整備などの安全管理だけで実現できるものではありません。また、子供たちの危険を予測し回避する力を育む安全教育だけでも十分ではありません。学校全体として安全に取り組む組織的な活動が機能してこそ、実効性のある学校安全が実現されるものと考えます。そのため、第4次計画においては、安全管理、安全教育、そして教職員や関係機関が連携して取り組む組織活動を相互に関連付けながら推進するという考え方を、これまで以上に明確に示していただきたいと思っております。
第2に、働き方改革を踏まえながら、学校安全の質を向上させる視点についてです。学校現場では、限られた人的・時間的資源の中で持続可能な取組を構築していくことが求められています。そのため、学校安全についても、教職員の努力や経験のみに依存するのではなく、DXの活用や地域との連携を積極的に進めていくことが重要です。
例えば、デジタル技術を活用した安全点検や情報共有、各種の訓練の高度化、学校管理下の事故情報の分析などは、安全の質の向上と業務の効率化の両立に資するものと考えます。また、コミュニティ・スクールの学校運営協議会の枠組みなどを利用して、地域住民、保護者、関係機関、専門家との連携を強化し、学校だけで抱え込まず、地域全体で子供たちの安全を支える仕組みを構築することが重要です。第4次計画においては、働き方改革の推進と学校安全の充実を対立的に捉えるのではなく、DXや地域との協働を通じて両立を図るという視点を重視していただきたいと思っております。
第3に、教職員の安全に関する知見や専門性の確保についてです。教職員は、自らの安全を確保しながら、災害や事件・事故等の緊急時には子供たちの命を守る重要な責任を担っています。そのため、安全に関する知識や技能を身に付けていくことが不可欠です。さらに今日の学校安全は、単に子供たちに自分の身を守る方法を教えるだけではなく、安全で安心な社会の実現について主体的に考え行動できる人材を育成することも求められています。そのような教育を実現するためには、教職員全員が学校安全に関する確かな知見を有していることが前提となります。教職員研修の充実や教員養成段階における学校安全に関する学びの強化など、教職員の学校安全に関する専門性向上に関する取組についても第4次計画の中にしっかりと位置付けていただきたいと思っております。
以上でございます。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。ではこの後、阿部委員、緒方委員の後に、田村委員に先に御発言をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
では、阿部委員、どうぞ。
【阿部委員】 全国公立小中学校事務職員研究会の阿部と申します。学校に勤める者の1人として意見を述べさせていただきます。
学校安全教育の充実と財政面の大きく二つの面からお話しさせていただきます。学校では、年間計画に基づいて避難訓練等を実施しておりますけれども、行事としての訓練ではなく、子供たちや教職員の命を守るための訓練であることを改めて学校が認識できる計画になってほしいと思っています。訓練していたから、シミュレーションしていたから、いざというときに行動することができたということは既に実証されています。様々な事象を想定した訓練を行うこと、常に自分事として捉え行動することの大切さをうたっていくことが重要だと思っています。ある学校では、子供たちが地域の防災リーダーとなって学校内外で誇らしげに活動しているというような話も聞いたこともあります。
一方で、いざというときに正常化バイアスが働いてしまうということもあります。大人になると正常化の偏見を排除することが難しくなるということも耳にしますので、子供の頃からの、考え、訓練し、また考える、そして自分事としていける教育が一層必要だと思っているところです。
それから、財政面からですけれども、安心・安全な環境を整えていくためには財源も重要となるところです。例えばで幾つかお話しさせていただきますけれども、校舎の非構造部材の点検は、日常的には学校の職員が行うということになっておりますけれども、専門家による点検、法的点検が適切に行われるような体制づくりや予算化がとても重要だと思います。
また、安全・安心な修学旅行だったり校外活動などの十分な下見に対する旅費の予算の確保が難しいという現状もありますし、部活動においては、貸切バスの高騰化、それから教職員の交通費の自己負担問題等も発生しております。
また、私が勤務するところではクマの出没もあるわけですけれども、実際に保護者へ安全に引き渡すために、保護者との連絡ツールである学校の連絡網自体を新しいものへとバージョンアップさせるというようなこともしておりますが、そういったことも、学校に予算、財源がなければ、保護者負担になったりということも発生しております。
それから、最近の報道でいうと、東京都の方では学校行事の警備なども外部委託されているということで、3分類の中でも、学校行事の準備とか警備は外部委託が適切ではないかというようなことも出ておりますけれども、そういったことを進める上でも財源ということがとても重要になってくるのかなと思います。学校安全を守っていくためには、様々な面で財政的な課題に直面することがたくさんあります。財政面での今後も引き続き国からの支援について計画の中で明確にしていくことが重要だと思っているところです。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。では、緒方委員、よろしいでしょうか。
【緒方委員】 全国特別支援学校長会の緒方でございます。少々細かな内容になりますが、特別支援教育の視点からお話をさせてください。
まず、前回の第3次計画の中では、特別支援学校における安全教育の好事例や福祉避難所としての役割には触れているものの、障害のある児童生徒、また、様々な支援が必要な通常の学級にいる児童生徒への実態に応じた具体的な安全対策、特に、昨今では医療的ケア児への災害時の対応、避難時の対応、そして医療機関との連携体制、さらには視覚障害・聴覚障害も含めたコミュニケーションに配慮した児童生徒に対する避難訓練の実施とか、こういったものが新たに設けられてもいいのかなと思っています。
そういうことが設けられることによって、障害がある児童生徒への具体的な安全対策や防災教育、医療的ケア児への支援等を位置付けることは、特別支援教育における基礎的環境整備を充実させる取組にもつながりますし、また、障害特性に応じた避難方法や情報提供を明記することは、個々の教育的ニーズに応じた合理的配慮の提供にもつながることだと思っています。別の部会ですが、学習指導要領の改訂でも重視された多様性の包摂の視点を学校安全においても含んで、障害の有無だけでなく多様なニーズを必要とする子供が存在しているということを前提に、そして様々な委員からも出ていますが、実現可能性の確保の視点を持って検討していただければと思っております。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。では、田村委員、よろしいでしょうか。
【田村委員】 御配慮ありがとうございます。これまで委員がおっしゃったように、安全な教育活動を実施するための条件整備、そして役割分担という観点を是非重視していただきたいと思います。例えば、校外活動や部活動等の移動では、安全管理を厳格にするということはもちろん必要なのですが、教員への過度な期待といいますかそういったものから、教員がバスや自家用車を運転し、安全上のリスクまで引き受けるというようなことは避けなければなりません。教員が危険を引き受けなくても安全な教育活動を実施できる条件を整えることが非常に必要なことかと思います。
そのためには、学校が何を担い、家庭や地域、関係団体が何を担い、国や教育委員会が何を保障するのかという役割分担とともに、部活動等において遠征の距離や頻度、費用、安全で持続可能な活動とするための一定の目安を検討するということも必要かと思います。また、安全には一定の費用が掛かります。それを家庭の負担能力や自治体の財政力に委ねてしまえば、子供の教育機会の均等というところで差が生じかねません。そういう機会均等という観点から安全を保障するための財政的な裏付けというところまで含めて、第4次計画で検討していただきたいと思います。
以上でございます。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。では、八並委員、どうぞ。
【八並委員】 日本生徒指導学会の八並です。生徒指導の観点から2点だけ少しお願いしたいことがあります。
第4次計画の論点の中で、特にSNSに起因する犯罪被害や生命の安全教育は、現代的課題です。ここの部分は是非、第4次計画のときに少し具体的に検討して書いていただけないかと思います。
既に、小学校中学年以降ぐらいでSNSを利用して、性犯罪に結び付く、あるいは性的ないじめに結び付く事案が起きています。動画や画像で拡散してしまいます。彼らに関しては、少年法での対応という形になるので、関係機関の中でも、日頃からの警察との連携が必要だろうと思います。
現代的課題への対応に関しては、令和4年に『生徒指導提要』が刊行され、起きてからどうするかという以上に、起きないようにどうするかという、プロアクティブな視点を強調していただければと思います。
また、今年の4月1日から自殺対策基本法の中で、学校の責務が明記されています。さらに、12月25日からいわゆるこども性暴力防止法が、施行されます。
そういう点では、一つは死関係に関しても触れていただければと思います。こども性暴力防止法と関連すれば、教員のわいせつ行為も非常に多発しているので、教員の服務に関しても触れていただければと思います。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。では、岩本委員、どうぞ。
【岩本委員】 ありがとうございます。私の方から手短に3点ほど。
一つ目は、もうほかの委員の方が再三言われましたけれども、学校の教員だけに押し付ける形ではなく、教員がやるべきことは当然やるにしても、地域との連携、家庭、そして技術の活用等、こういったところは重要になってくるかと思います。地域との連携と技術の話、DXとかその話は先ほども何人も言われていましたので、一つだけ加えて言うと、家庭ですね。保護者さん含めてやっぱり子供の命を一番心配するのは基本的には御家庭だとか保護者さんだと思いますので、こことしっかりと連携・協力しながらやっていくと。例えばですけれども、PTAなんかも様々な研修だとか活動をされていますけれども、PTAみたいなところともしっかりと連携・協力して、教員だけではない体制を作っていくというところを今回の計画に是非しっかりと盛り込んでいただけるといいのかなというのが1点目です。
2点目は、これも何人も言われていましたけれども、やはり子供が守られる対象としてだけではなく、もちろんそうなんですけれども、自らの命を自ら守っていく、そして周りの命を守る、そしてそういった安全な社会を創っていく創り手であるというところから、教科・科目、保健体育、家庭科、情報・技術、様々な中でもしっかりと安全教育の視点なんかも、今回の学習指導要領を踏まえて充実させた形で子供たちがしっかりと主体となってできるような形というところは是非盛り込んでいただきたいというのが2点目です。
最後、3点目が、基本的には義務教育中心で考えると、通学している、登校しているが大前提のイメージで作られる部分があると思うんですけれども、例えば高校段階でいえば、子供たちの1割は今、通信制というところで学んでいるという、いわゆる通学や登校を前提にしていない、前提にしていないと言うのはちょっと語弊があるかもしれないですけれども、子供たちがいるというところの中での学校の在り方もそういった形で多様でありますので、できれば、通学・登校が大前提、中心になると思いますけれども、そうじゃない学校種だとかそうじゃない状況の子供たちにも少し配慮された計画であると、より範囲が広くなるかなと。取り残さないというような形で御配慮いただけるといいかなと思います。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。次に、入室いただいてすぐになりまして大変恐縮ですけれども、髙島委員、お願いいたします。
【髙島委員】 お世話になっております。髙島です。よろしくお願いします。
私からは1点だけ述べたいと思います。この間に様々議論があった、いじめもそうですし、災害もそうですし、過去に発生したそれ以外の痛ましい事件・事故の教訓を踏まえて児童生徒等の安全を着実に守るというのも、まさにそのとおりだと思います。とても大事だと思います。
一方で、だからといって、学校が中に閉じよう閉じようとするのがいいかというと、そうではないよなというところは認識をみんなでしておいた方がいいかなと思います。豊かな学び、深い学びをしていく上では、やはり外にある程度開くということも大事というところは忘れてはならないのではないかと思います。
諮問文の中にこんな一節がありました。学校は人と人との触れ合いにより人格の形成がなされる場であり、児童生徒等が生き生きと学び、自己実現に向かうために安全で安心な環境であり続けることが必要です。まさにそのとおりだと思います。この人と人との触れ合いというのは、単にいわゆる同級生とか、先生と子供だけじゃなくて、地域の人やそれ以外の人も含むと思うんですね。そういう意味では、子供の安全確保というものを前提にしつつも、学校を地域に開くための条件整備をどうできるかということを是非考えていただけたらいいなと思います。
今後、財政措置をお願いするというのが基本的にいろんな自治体の中で起こると思うんですが、その際の参考になるんじゃないかなという観点を1点だけ提示したいと思います。少子高齢化時代において公共施設の最適化というのは、これはもう全国様々な自治体全部の課題じゃないかと思っています。
その中でどのように限りある資源を有効活用するかと考えると、私は学校は鍵なんじゃないかなと思うんです。校区、学校区という地域の分け方がありますが、学校は地域コミュニティの核じゃないかと思います。特に公立の小学校はそうなんじゃないかと思います。そういう意味では、学校を地域に開いていくというのは当然子供の豊かな学びに資するという点や、地域コミュニティを豊かにするという点にも資すると思いますが、更に言うと、これは財政部局からすると公共施設をどう最適化していくかというところにも資するような動きとしても捉えることができるんじゃないかなと思います。
そう考えると、学校に投資するというのは、単に子供のためだけではなくて、まち全体、地域コミュニティ全体に対する投資にもなるんじゃないかと思っています。そういう意味では、まさに安全確保を前提としつつも、学校を地域に開くための財政措置という切り口を持っていただくというのも一つあるのではないかと思います。そのために、例えばどういう動線を確保しなきゃいけないのか、動線をどう分けなきゃいけないのかとか、具体的にどうすれば地域に開く中でも大前提の安全確保ができるのか、そういうところに立った議論をしていただけるといいのではないかなと思っております。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございました。
ほかに今の時点で手を挙げてくださっている委員の方はいらっしゃらないのですけれども、よろしいでしょうか。
それではまず、議題1の部会の設置について決定したいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 (「異議なし」の声あり)
【貞広分科会長】 ありがとうございます。中央教育審議会令第6条第2項の規定に基づきまして、各部会に所属し専門的な審議に当たっていただく委員につきましては、分科会長から指名をするということになっております。本部会の委員の選任につきましては、分科会長である私に御一任いただきたいと思いますが、この点についてもよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【貞広分科会長】 ありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。
また、議題2のこの計画の策定、この部会の進行につきましては、今、委員の方々からるるいただきました御意見をしっかりと引き受けていただければと思います。よろしくお願いいたします。
では、議題1、2の質疑応答の意見交換はここまでといたします。
次の議題に進みます。議題3です。議題3は、令和8年度全国学力・学習状況調査の結果等についてでございます。本年8月に公表した令和8年度全国学力・学習状況調査の結果や令和9年度の本調査の調査事項・日程等につきまして、まず、事務局より御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【佐藤学力調査室長】 総合教育政策局学力調査室の佐藤と申します。私からは、令和8年度全国学力・学習状況調査の結果等について御説明をいたします。
資料の2ページを御覧ください。こちらは今年度の全国学力・学習状況調査の概要についてまとめたものになります。中ほど、調査概要と記載をしておりますが、調査対象は全国の小学校6年生、中学校3年生となっております。教科調査としては、毎年度実施している国語と算数・数学に加え、今年度は3年ぶりに中学校調査で英語を実施いたしました。また、その下に今年度の調査の特徴として記載しておりますが、今年度の中学校英語では4技能、聞くこと、読むこと、書くこと、話すことの全てをCBT方式で実施しました。
右側に結果公表のスケジュールを記載しておりますが、3段階に分けて結果公表を行っております。まず、7月16日に正答率やIRTバンド分布などの全国平均を公表しております。また、8月3日に全国データに基づく分析結果を公表しておりまして、9月30日に都道府県・指定都市別データに基づく分析結果を公表する予定でございます。本日は第2段階の結果公表に基づいて御説明を申し上げます。
資料の3ページを御覧ください。こちらは今年度、中学校調査の英語についてCBT方式で実施しましたが、その実施状況をまとめた資料です。
(1)の学校単位の実施状況のところでございますが、当初から調査への参加を予定した学校のうち、ネットワーク・端末を理由として実施できなかった学校はなく、準備面の理由で実施しなかった学校が1校ございました。このほか、対象となっていた子供たちの体調不良等を理由に実施できなかった学校はございましたが、全体としてはほぼ全ての学校で調査を実施することができた状況です。これは関係する皆様方に丁寧に事前準備等を進めていただいたおかげと思ってございます。調査の円滑な実施に御理解と御協力いただいた皆様方に改めて深く感謝申し上げる次第でございます。
また、(3)配慮版プログラムの使用状況について、全国学力・学習状況調査では、障害のある児童生徒や日本語指導が必要な児童生徒が調査に参加できるよう、調査開始以来、拡大文字問題、点字問題、ルビ振り問題を作成しているところです。CBT方式による実施でも同様の取扱いとしまして、中学校の英語では記載のとおりの使用状況となっています。
続いて、4ページを御覧ください。教科に関する調査の結果のうち、特徴的なものについて少し御説明します。まず、国語につきましては、小・中学校に共通して、自分の考えとその根拠となる本文の情報を結び付けて表現することに共通して課題が見られたところです。
具体的な問題を用いて御紹介させていただきますと、左側が小学校国語の問題です。涼しく過ごせる衣服の色は何色かについて、本文の情報を抜き出して、それを基に自分が考えたことを記述するという問題です。この正答率が33.6%、約3分の1でございました。下に誤答例を記載しており、多く見られた誤答としては、考えたことを記述することはできているのですが、本文の情報を抜き出して記述することができなかったというものが29.1%ございました。
右側が中学校国語の問題ですが、擬態語が表す様子について記述するという問題です。こちらも、自分の考えを記述できているものの、その効果について本文中の言葉に基づいて説明するということに課題が見られたところです。
これらのことから、小・中学校に共通して、自分の考えを伝える際に、考えとその根拠との関係を明確にして両者を区別して表現することが重要であるといったことが示されたと捉えているところです。
続いて、5ページが算数・数学について特徴的なものをまとめたものです。立方体の体積の求め方、量と割合の関係、直線が平行になるための条件などに課題が見られましたが、ここでは真ん中の問題を御紹介します。これは小学校の算数の問題ですが、赤いテープの長さが白いテープの長さの1.5倍になっている図を二つ選ぶという問題で、正答率が34.5%でした。正答はアとオですが、多く見られた誤答はイとエを選んだもので、35.7%と正答率よりも高い誤答でございました。このイとエは、白いテープの長さより赤いテープの長さが、1.5倍ではなくて1.5目盛り分長くなっているというものでした。
ここから見られた課題としては、割合と量の関係を区別することができず、基準量と割合から比較量を捉えるということに課題が見られたと捉えております。この問題ではテープを用いていますが、量と割合の違いにつきまして、日常生活の様々な場面と関連付けたり、図などで関係を表しながら理解させたりすることが重要であることがうかがわれたと捉えています。
続いて、6ページは3年ぶりに実施した中学校の英語について御紹介します。ここでは書くことの問題と話すことの問題の二つを取り上げておりますが、自分の考えを示す際にその理由を適切な英語で伝えることに課題が見られました。
右側の問題を御紹介しますと、この問題は、留学生と仲よくなるために一緒にしたいことを一つ取り上げて、その理由を話すというもので、正答率は53.5%でした。多く見られた誤答としては、誤答例に示しておりますが、留学生と一緒にしたいことについては話すことができているものの、その理由について適切な英語で伝えることができなかったというもので16.8%ございました。
左側の書くことの問題でも同様の傾向が見られたところで、自分の考えを英語で書いたり話したりする際に、読み手や聞き手に伝わるようにするためには、理由も示すことが重要となりますが、自分の考えと理由を併せて示すことを意識させることの重要性について示されたと捉えているところです。
続いて、教科調査とともに、子供たちと学校への質問調査を実施しておりますが、この質問調査結果の概要についてまとめたものが7ページ、8ページです。何点か取り上げて御紹介します。
まず、7ページの左にありますように、約8割の子供たちが「主体的・対話的で深い学び」に取り組んだと考えている状況です。また、そのように考えている子供たちほど、各教科の正答率・スコアが高い傾向が見られたところです。
真ん中がICT機器の活用についてまとめたものです。ICT機器の活用について、「楽しみながら学習を進めることができる」「友達と協力しながら学習を進めることができる」と考えている子供たちが約9割となっています。ICT機器が子供たちの日常の学習に定着してきている様子がうかがえたと捉えております。
また、右上にありますように、ICTを活用する自信がある児童生徒ほど、各教科の正答率やスコアが高い傾向が見られました。一方、右下にありますとおり、SNSや動画視聴の時間が長い児童生徒ほど、各教科の正答率やスコアが低い傾向が見られたところです。これらはデータの相関関係を示したものでございまして、直接的な因果関係を示すものではありませんが、こうしたことも踏まえつつ、ICTを受動的に利用するにとどまらず、主体的・能動的に活用できるよう、授業などを通じて情報活用能力を育成していくことが重要と考えております。また、SNS等の利用時間に関するルールづくりを促していくなど、インターネットの適切な利用に関する教育や啓発活動を行っていくことの重要性が示されたと捉えています。
続いて、8ページの左上のとおり、「授業の内容がよく分かる」と考える児童生徒ほど、各教科の正答率やスコアが高い傾向が見られました。また、真ん中の上のところですが、中学校の英語について、授業において言語活動に取り組んだと受け止めている子供たちほどスコアが高い傾向が見られました。また、右側でウェルビーイングについてまとめていますが、「先生は、自分のよいところを認めてくれている」と思っている児童生徒は、「学級で人と違う意見を言っても否定されない」と回答する傾向が見られたところです。学級内での意見表明のしやすさや心理的安全性に関わるものを示していると受け止めています。
続いて、9ページが、本調査に関連する文部科学省の主な取組についてまとめたものですが、本日は時間の関係で説明を割愛させていただきます。
続いて、10ページから、来年度以降の調査も含め、今後の調査のCBT化について御説明します。本調査ではCBTとIRTの段階的な活用を進めているところですが、その意義についてまとめたのがこの資料です。
左側がCBTを活用する意義です。例えば丸2のとおり、昨年度は中学校の理科、今年度は中学校の英語でCBTを実施いたしましたが、例えば理科の問題では、観察・実験などの場面を動画で出題することができ、また、今年度の中学校の英語では、動画や音声を活用するなど、聞くこと・話すこと調査において多様な方法での出題・解答が可能となりました。このように様々な方法で調査することにより、子供たちが身に付けた力をより多面的に測定するできるようになることが一つの意義だと考えております。
また、丸4のとおり、学校外での調査への参加が可能となることにより、不登校の子供たちなど、子供たちのそれぞれの状況に応じた調査への参加がよりやりやすくなることが意義として考えています。
また、右側にIRTを活用する意義についてまとめておりますが、丸1のとおり、IRTを活用することにより、異なる日時や異なる問題で実施した場合でも、統計的にスコアを算出することにより、共通の尺度で比較することが可能となります。このことを生かしますと、丸2のように、これまでよりも幅広い領域での問題の出題や、より幅広い内容での調査の実施、それに伴うデータの把握・分析がより可能になります。
また、丸3のとおり、異なる日時・問題でも統計的に同じものと評価できますので、年度をまたいだ学力の変化も把握できるようになります。この3点がIRTのメリットとして挙げられます。
CBTやIRTの意義を申し上げましたが、CBTやIRTを導入することにより、これまでの調査の目的が変わるというものではなく、調査の可能性を広げて、結果の分析や活用の充実につなげてまいりたいというのが私どもが考えているところでございます。
続いて、11ページを御覧ください。こちらがCBT化の工程表でございまして、段階的にCBT化を進めているところです。教科調査では、令和7年度は中学校の理科、今年度は中学校の英語をCBTで実施しました。また、児童生徒の質問調査では、段階的にCBTを導入してきており、令和6年度より全面オンライン方式に移行しているところです。来年度、令和9年度の調査では小学校の国語・算数、中学校の国語・数学をCBTで実施することとしております。調査の円滑な実施に向け、サンプル問題による準備などを今年度も進めてまいります。
続いて、12ページを御覧ください。来年度の調査の日程などをまとめたものです。教科調査の日程については、中学校調査は4月13日から16日、小学校調査は4月20日から23日のそれぞれ4日間を実施期間としております。また、各実施期間内に例えば学校行事で実施できない場合なども想定されますので、予備日としてそれぞれ3日間設けています。また、この予備日も含めた通常実施ができない場合でも、5月10日までを後日実施期間としています。
最後、13ページについて御説明します。10ページでも少し触れましたが、CBTでの実施により、後日実施の期間中に、自宅や病院、教育支援センターなど学校外においてもオンラインで調査に参加することが可能となっており、周知を図ってまいります。
今後とも全国学力・学習状況調査が子供たち一人一人の学びや学校における指導の改善につながるよう取り組んでまいります。説明は以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございました。主に第2段階の公表の内容についてと、来年度の予定等について御説明をいただきました。
御質問、御意見を承りたいと思います。御質問等がある方は挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。
では順番に、渡辺弘司委員、戸ヶ﨑委員、堀田委員の順番で御指名申し上げます。渡辺弘司委員、お願いいたします。
【渡辺委員】 渡辺でございます。佐藤室長、いつもお世話になります。同じようなことをいつも聞いて恐縮なんですけれども、7ページの右の学校外での過ごし方の解釈の仕方を教えていただきたいです。スマートフォン等を持っていないというのは、前回の調査のときに、SNSや動画のサイトに入れない状態というふうに僕は理解していたんですけれども、端末は恐らく配布されているから持っているということを考えたら、この「スマートフォン等」というのは何を意味して、スマートフォン等を持っていない子は、動画やSNSを視聴していないというふうに解釈していいのかどうかというところを教えていただきたいと思ったんです。
前回のとき、たしかこれはスマホ等を購入できないような家庭環境にあるのではないかというような解釈もあったような気がしたんですけれども、どういう子供さんをスマートフォン等を持っていないと示しているのかというのを教えていただけるとありがたいなと。
【貞広分科会長】 今、渡辺委員から御質問いただいたんですが、ほかの委員の方も御質問もあるかもしれませんので、この後、戸ヶ﨑委員、堀田委員まで御発言いただいた後に佐藤室長にお返ししたいと思います。
では、戸ヶ﨑委員、どうぞ。
【戸ヶ﨑委員】 今回の結果について意見を述べると長くなるので、この全国学調の役割についてのみ意見を申し上げます。
この全国学調は毎年、積極的な改善を加えてきており、振り返ってみると全国学調が始まった平成19年度の頃は、知識重視の学校現場では、いわゆるB問題に大きく戸惑っていました。今、この戸惑いはほぼ皆無で、求められる学力を学校現場に浸透させる上で全国学調は大きな役割を果たしてきました。
また、自らの指導が子供の学習成果につながっているか等、教師が日々の指導を見直し改善する姿勢にも役割を果たしてきました。相変わらず平均点や順位に一喜一憂する一部の姿勢は憂慮すべきですが、全国学調の問題や結果が公表されていることが大きいと思います。結果、都道府県間の平均正答率の相対的な差が縮まってきており、学力の底上げも図られています。さらに、高等学校入学者選抜にも思考力等を問う問題が出題されるようになるなど、全国学調の「教育指導の目的」は一定の成果を上げており、学校現場に根付きつつあります。
さらに、いわゆるSESが低い家庭環境を乗り越えられる学校教育の研究など、様々な教育研究の進展にも寄与してきました。CBTやIRTの導入なども画期的ですが、何より全国学調で出題される問題の質は極めて高く、その質を維持した問題を各自治体で作成することはまず不可能です。求められる学力の現場への浸透や、教師の授業改善(教師の成長・アップデート)など「インプットの改善」に全国学調が果たす大きな役割については、地方学調との役割分担もしつつ、今後も維持してほしいと思います。
今後に向けて簡潔に3点だけ申し上げます。
次期学習指導要領の趣旨・ねらいの普及と見届けの観点から、その成果や課題をよりよく可視化できるよう調査問題や質問項目質問等の一層の改善を。
次期学習指導要領の「統合的な理解・総合的な発揮」による構造化と全国学長の調査問題の連関を教師が瞬時に把握でき、育成すべき資質・能力を具体的にイメージできるようにする仕組みづくりを。
全国学調のデータを国の分析結果に一喜一憂しているだけでなく、真に授業改善につなげるには、教育委員会職員と教師、更に言えば、教員養成段階でのデータリテラシーの育成が必要です。全国学調のデータを読み取り、要因分析、授業設計するといった3段階でのデータ活用研修やBIツールの導入なども検討をお願いいたします。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。では、堀田委員、どうぞ。
【堀田分科会長代理】 堀田でございます。今の戸ヶ﨑委員の御発言と重なる部分がございますが、10ページにおいて御説明いただきましたCBTやIRTを活用する意義のところです。これは大変画期的であると同時に、OECD等の調査もこういう方法でやっておりますし、また、世の中の様々な資格試験等もこういう方向になっているということを考えれば、子供たちの学習経験としても非常に意味のあることだと思います。
質問が1点あります。それは、こういうCBTやIRTによって様々なデータをビッグデータとして蓄積できるということと、これまで全国学力・学習状況調査で行われてきたであろう、この学力・学習状況調査以外のデータとの関連、例えば学校規模とかクラスサイズとか、地域の財政力とか、例えばICTの整備状況とか、様々なそういうほかのデータとの連関について今後このビッグデータを用いて分析していくという見通しのようなものがあるのかどうかということについて、もしあるようであれば教えていただきたいということでございます。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。
桑原委員、御質問ですか。
【桑原委員】 意見です。
【貞広分科会長】 では、一度事務局にお返ししたいと思います。渡辺委員から、スマホを持っていない子供たちをどういう像として考えているのかということと、堀田委員からは、データのマージ、それぞれ結合、突合した分析をする方向性をお持ちなのかどうかということが御質問として出ました。室長、お願いいたします。
【佐藤学力調査室長】 ありがとうございます。
まず、渡辺委員から御質問いただいた7ページの件ですが、資料上「スマートフォン等」とまとめておりますが、実際の調査項目では「1日当たりどれくらいの時間、スマートフォンや携帯電話、パソコン、タブレット、ゲーム機、テレビ等でSNSや動画視聴などをしますか」と、スマートフォンや携帯電話だけではなく、パソコン、タブレット、ゲーム機、テレビ等と聞いております。
「持っていない」と回答した割合について、小学校で4.5%、中学校で1.0%の子供が「持っていない」と回答しています。過去にも同様の質問項目で調査をしておりまして、令和6年度調査で「携帯電話やスマートフォンでSNSや動画視聴などをしますか」と尋ねた場合は、「持っていない」という割合は小学校で21.1%、中学校で3.4%となっていますので、令和8年度の調査結果の割合より大きくなっており、令和8年度は令和6年度よりは少なくなっている状況でございます。
タブレットもゲーム機もテレビ等も持っていないと回答した子供たちの家庭状況までは分析はできていませんが、例えば全国学力・学習状況調査ではSESについても分析をしており、家にある本の冊数をSESの代替指標として設けております。そういったものとのクロス集計などをすると見えてくるものもあるかと思っております。来年度以降の分析や調査設計に御指摘を踏まえて生かしてまいりたいと思っております。
また、堀田委員からいただいた10ページのところでございます。ビッグデータとして収集できたものについて、ほかのデータとの統合をするのかという御質問ですが、全国学力・学習状況調査では、子供たち一人一人の個人に関する情報は取っておらず、自治体等に関する情報は分かるというものでございます。そうしたものと、ほかの例えば学級サイズや財政力などをどう組み合わせられるかについては、例えば学校基本調査と学校コード等で結び付けてできる余地はあると思っており、そういったところについても、より分析を深めていくという視点も持ちながら調査の設計等に当たっていきたいと思っています。
以上でございます。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。恐らくそういう方向性をしっかりお持ちいただければという御意見だったかと思いますので、御検討いただければと思います。
では、お待たせしました。桑原委員、どうぞ。
【桑原委員】 桑原です。今まで親目線で一喜一憂しておりましたけれども、政策目線で見まして、大変勉強になったところです。私、今回の結果について示唆があるなと思いましたので、言及させてください。
これからAIが一般的になっていく社会を考える上でも大変示唆があるように思います。AIが計算や文章を作成してくれるから基礎学力は必要なくなるとは思いませ。むしろAIが出してきた答えが正しいのか、どの情報を信頼するのか、自分はどう考えるかを判断するためにも、読み書きや算数をはじめとする基礎的な力は重要になると思いました。
一方で「何を基礎学力と呼ぶか」については、少し広げて考える必要があるのではないかとも思いました。知識を持っていることに加え、問いを立てるとか、情報を比較する、根拠を確認する、人に説明する、人と協力して問題を解決する、AIを適切に使うといった力も、これから基礎的な力になっていくように思います。
私は、幼児期から小・中学校、高校、大学、そして社会人になってからの学び直しまで一つの連続した教育システムとして見る必要があると思っております。例えば企業では、社会人になった人に対して、問題の設定、コミュニケーション、データ分析、デジタルやAI、リーダーシップなどを改めて教育しています。これは企業のための人材を学校で育てるべきと言いたいわけではありませんで、社会人になってから何を学び直しているのかを見ることで、逆に、子供時代に何を基礎として身に付けておくことが重要なのかという示唆も得られるのではないかと思います。中教審でも、学校教育から高等教育、産業界、社会人のリカレント教育までつなぐ議論は進んでおりますので、もう一段接続して考えてもよいのではないかと考えます。
また、今回、質問調査を見ますと、主体的・対話的に学んでいると感じている子供ほど正答率が高い傾向があり、ICTを使って楽しく学んだり、友達と協力したりできると感じている子供も多くいます。また、先生がいいところを認めてくれると感じることと異なる意見を言いやすい学級環境との関係も示されております。もちろんこれは相関関係であって因果関係とは限りませんけれども、子供の成長を考える上で重要な情報だと思います。
このたびの学力・学習状況調査についても、平均点や順位だけを見るのではなく、これからの社会で必要となる力のうち、この調査では何を測っているのか、そしてここでは測れない力を質問調査や別の評価、学校や地域での活動も含めてどのように見ていくかという整理を是非継続していただければと思います。
最後に、地域の実感について少しお話しさせていただきたいです。地域社会を見ていますと、学校時代の成績だけでは測れない力で地域を支えている方々が大勢いらっしゃいます。一方で、その方々も仕事や地域活動の中ではずっと学び続けています。ですから、私は、「何歳のときに何点を取ったか」だけでなくて、「必要なときに学び直せる力をある人をどう育てるか」という視点も学力を考える上で重要ではないかと思っております。
至らぬ点もありましたが、以上でございます。よろしくお願いします。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。ちょうど今の学習指導要領の改訂の方向性とも軌を一にするような御意見をいただいたかと思います。ありがとうございます。
ほかに御意見ある方、いらっしゃいますでしょうか。今のところ手を挙げていらっしゃる方がいらっしゃらないんですけれども。
緒方委員、どうぞお願いいたします。
【緒方委員】 どちらかというと感想に近いんですけれども、これは全国特別支援学校長会の会長としてではなく私個人の感想ですが、やはり全国学力・学習状況調査のCBT化やICT活用の推進については、障害のある児童生徒の学びの可能性を広げる重要な取組だと私は評価しています。
ただ一方で、障害の状態や特性に応じたもうちょっと配慮したプログラム等の充実をしていただけるとありがたいなと思っています。さらに、これは我々の問題でもあるんですけれども、障害のある児童生徒は、特に学力の一側面のみで評価することなく、主体的な学びやウェルビーイング、自立と社会参加に向けた資質・能力を総合的にやはり我々教員が捉える必要があるかなと感じました。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。では、青海委員、お願いいたします。
【青海委員】 ありがとうございます。調査の目的は様々ありますが、中でも学校現場にとっては、学習指導の充実や学習状況の改善、いわゆる授業改善に資する効果はとても大きいと思います。目の前の生徒にこのような問題が解けるようにするにはどうしたらいいのか、自分の授業にどんなことが足りないのか、授業を振り返る材料として、学校現場にとても有効な調査となっています。
また、CBTについてですけれども、中学校では昨年、理科、今年度は英語で実施しまして、電子データで問題を配信、その解答を回収するのが可能となるため、次年度から中学校では全ての教科において、CBTで実施する調査には、不登校など学校での実施が困難な生徒が多い中学校現場では、自宅や各自治体の教育支援センター、民間の機関などで実施することが可能になるということには大いに期待しています。以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。では、秋田委員、どうぞ。
【秋田委員】 学習院の秋田でございます。本日遅れての参加となりまして、既に皆様の御意見と重なるところがございましたら申し訳ございません。
既に委員でいろいろなお話があったところであり、質の高い問題が出されて、これをうまく学校で改善に活用するというようなサイクルについて、うまく進んできたのではないかと思います。
一方で、先ほどから何人かの委員が言われているように、この学力で測れるものと測れないものがあります。その一つに、例えばこの全国学力・学習状況調査は、あくまでも個人ベースで何か問題を解決するという意味での学力を測っています。しかし、そして、その結果は、学校で教師にフィードバックをされて、学校の先生方がそれを検討するということがあるわけですけれども、実際には、この問題を協働で学校で授業等で後日使ってみてどういうふうに解けるんだろうかと行ってみることが大切と考えます。これだけ質のいい問題なので、そうした活用というような、子供たちはデータを取られて測定をされる、そしていずれは自分たちに戻ってくるというだけではなく、本当にこの問題こういうことなんだ、あーって子供たちが分かるような、そういう解説や利用というようなものの在り方について、特に協働なら、みんなでこうやって検討すればできるねとか分かるねということも、これからの学ぶ力としては、個人学力を頭から出してCBTで測るだけではない、そうした学力というのも、ヴィゴツキーの言う発達の最近接領域で、今のところは一人でこうだけれども、集団でとか小グループやペアであったらこんなふうに私たちは解けるねというような教育の活用にも利用していただけるとよろしいのではないかと考えているというのが1点目でございます。
そして、2点目といたしましては、この質問調査に是非今後、先ほどからの委員でも御意見がございました、今後の学習指導要領との絡みで、例えば自己調整学習のようなものについてはやはり今後の学習指導要領で重視しておりますので、そうしたところについては、CBTでは、通常の問題では届かないところですが、どういうふうにそうした学習方略が身に付いていくのかというようなところについて是非質問等で調査ができるような形にしていただけると、より学習指導要領とこの学力・学習状況調査の関連や連動というものが見えてきやすくなるのではないかと考えるところでございます。
また、3点目としては、先ほど学力調査室長からお話があった例えばSESの違いというものを是非やはり検討していただきたいんですが、SESも、蔵書量で測ってきた時代から、今は大人も家に本がなくなっているというような時代に大きく変化しております。そのときに何がSESを測るために最も妥当な指標になるのかというのも時代とともに変わってくると思いますので、御検討をいただけるといいと思います。
私にとっては、あと、学校規模がコードで結び付くことによって、例えば、どのような構成の、規模だけではなくて、教員構成がやはり学力を上げるのか、恐らく今、教師不足で時間講師等も増えています。そうではなくてやっぱり定数を改善して、フルに研修も関われるような教師が大勢いる学校がやはり学力も高くなるんだというようなところが出せるような連動が生まれてくるといいなと、夢のようなことではございますけれども、私自身はそうした大きなデータの連動の中で、教員データと、個人の教員をどうこう言うわけではありませんけれども、それとこの調査との関係も是非見ていただける機会があると、教員の政策にもつながることができるのではないかと考えているところでございます。
以上になります。ありがとうございます。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。そうですよね。SESの代替指標については、もう何年も議論して検討してくださっているところなんですけれども、引き続き御検討いただければと思います。私もその委員の一人なんですけれども、考えたいと思います。ありがとうございます。
では、岩本委員、どうぞ。
【岩本委員】 よろしくお願いします。この学力調査の知見だとか積み重ねというのは、本当に日本の教育にとってのものすごい財産にもうなってきていると今日の報告をいただいて感じるところです。今後の可能性、ノウハウの活用の可能性の一つとしてちょっと申し上げておきたいことというのが、高校の入試改革への活用の可能性というところです。
今、高校入試に関しては、各都道府県が多大な労力を掛けて、それぞれの都道府県ごとに公立の場合は作っているというのが実態であります。非常にこれは陰で大変な労力が掛かっているというところであります。大学入試の場合は、共通試験が、かつてのセンター試験含めて全国で行われている、義務教育の小学生、中学生もですけれども、これは全国でこういった調査が行われている。高校入試は、各都道府県ごとで各都道府県がものすごい時間と労力を結集して国語と数学と、それぞれ作っているというところです。
今後の可能性の一つとしては、要は、義務教育段階で身に付ける学力というのは、本当に各都道府県ごとで身に付けるべきものはそんなに指導要領上違ったかというと、恐らくそうではない。全国共通のやはり身に付けるべき基礎的な学力というものがあると。中学校3年生が受ける高校入試で基礎的な学力をある程度見るだけであれば、本当に各都道府県で作らせる必要があるのか。
それは場合によっては、例えば今回あった学力調査のようなものを、うまく知見を活用しながら全国的にして、恐らく各都道府県ごとで見たい学力の差異というのはそんなに大きくなくて、それよりも実は各高校ごとで見たい学力が違うわけですね。同じ県であっても、普通科進学校と専門高校と通信制、定時制でそれぞれ見たい学力だとかは違うということを考えたら、各都道府県ごとに作るのではなくて、全国で基礎的なものは見た上で、各高校ごとでスクールポリシーに基づいて必要であれば、プラスのところでその他の資質・能力を見ていくというふうにやっていけるようにしていくというのも、日本全体のコストの効果的な活用という意味でも、やっぱりいろんな都道府県でそういった意見なんかもありますので、今後、高校入試改革の議論の中で、場合によってはこの学力調査でのノウハウだとかやり方、仕組みというのが、今後は高校入試の方にも何か生かせるものがあるのではないかというような可能性の一端を今日感じさせていただいたというところで申し上げておきます。
以上です。
【貞広分科会長】 ありがとうございます。これは室長が「はいはい、分かりました」とは言えないと思いますので、事務局全体で課題として聞き取っていただければと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
では、時間的にかなり余裕はありますけれども、議題3の質疑応答・意見交換はここまでとさせていただきます。貴重な御意見もいただきましたので、事務局の方で引き取っていただければと思います。
また、御意見の中にも出ていましたけれども、本当に昨年も今年もとても問題が良問で、学力の凸凹も含めた現在地の測定が非常に明確にできる問題を作っていただいていますし、戸ヶ﨑委員もおっしゃっていたように、まさに付けてほしい資質・能力観のメッセージにも毎年なっていって、非常に我々にとってこのデータは資産だと思いますので、いかにそれを生かすかというような御意見をいただいたかと思います。ありがとうございました。
では、よろしいでしょうか。よろしいですか。
では最後に、次回の予定につきまして、事務局からお願いいたします。
【山田初等中等教育企画課長】 次回の会議日程については、改めて先生方に御連絡を申し上げます。
以上です。
【貞広分科会長】 それでは、本日予定した議事は全て終了いたしましたので、これで閉会といたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室