初等中等教育分科会(第153回) 議事録

1.日時

令和8年1月26日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省(※対面・WEB会議の併用)
(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 三党合意に基づく令和8年度以降の高校教育等の振興方策について
  2. 三党合意に基づく学校給食費の抜本的な負担軽減(いわゆる給食無償化)について
  3. その他

4.議事録

【貞広分科会長】  皆様、こんにちは。ただいまから第153回中央教育審議会初等中等教育分科会を開催いたします。
 本日も御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 まずは、本日の会議開催方式及び資料につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
 
【草野教育制度改革室長】  おはようございます。草野でございます。
 本会議、ウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催させていただきます。会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、委員の皆様におかれましては、御発言のとき以外はマイクをミュートにしていただくようにお願いいたします。カメラにつきましては、御発言のとき以外も含めて、会議中はオンにしていただきますようにお願いします。
 本日、報道関係者と一般の方向けに、いつも通りでございますが、本会議の模様をYouTubeにて配信してございますので、よろしくお願いいたします。また、本日、事前にも御連絡差し上げましたが、年明けから文部科学省のネットワークが不調になっておりまして、Zoomを通じた文部科学省からの通信が一時不調になる場合がございます。別のネットワーク回線を利用したバックアップ体制も整えておりますが、オンライン参加の委員の皆様におかれましては、このような事象が発生した際には、速やかに御報告、進行についてアナウンスをさせていただきますので、退出せずにそのままお待ちいただければと思います。対面参加の委員の皆様におかれましては、このような事象が発生した際のマニュアルを机上に置かせていただきます。アナウンスをさせていただきますので、御対応よろしくお願いいたします。
 また、本会議をYouTubeにて傍聴されている方々におかれましては、現在、配信のURLに変更はございませんので、そのままお待ちいただけますと幸いでございます。
 次に、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は議事次第にございますとおり、今、画面にも写ってございますけれども、資料の1及び資料の2でございます。議題の1と2の関連資料として、参考資料の1から参考資料の3となってございます。また、昨年末に令和8年度予算案が閣議決定されましたので、参考資料の4から6として配布をしてございます。参考資料の7につきましては、昨年10月末に公表しました児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査、問行調査でございます――の結果につきまして、本分科会でお示しをしておりませんでしたので、参考資料として配付をしてございます。
 また、併せて、今般のSNS上における児童生徒による暴力行為等の動画の投稿、拡散といった事案を受けまして、学校における児童生徒の暴力行為、いじめへの対応につきまして、参考資料の8として御用意してございます。
 最後でございます。幼稚園設置基準の見直しについてでございますが、昨年1月の本分科会において、検討状況を御報告させていただきました。こちらを踏まえまして、省令改正に向けた作業を進めているところでございますので、最後、参考資料の9という形で御用意してございますので、御報告でございます。
 以上でございます。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。本日は議題に記載していただいていますとおり、議題2つでございます。時間の御都合で御発言いただける委員に限りが生じてしまう場合もあろうかと存じます。その場合は、会議の後に事務局宛てにメールをいただければ、議事録に掲載反映していただけることとしたいと思いますので、あらかじめ御了承いただければ幸いです。
 では、議題1、三党合意に基づく令和8年度以降の高校教育等の振興方策についてです。こちらは前々回の初等中等教育分科会において、いわゆる高校無償化をめぐる動向について御説明、御議論いただきましたが、その後の状況につきまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。それでは、事務局の担当者の方、お願いいたします。
 
【西川教育改革調整官】  先生方、おはようございます。初中局教育改革調整官の西川と申します。
 それでは、いわゆる高校無償化の動向につきまして、御説明をさせていただければと思っております。今、分科会長からお話ありましたように前々回、7月25日の分科会におきまして、その時点の状況について御報告をさせていただいておりました。その後、政党間の協議が12月まで行われまして、政府としても、令和8年度予算案として、新たな制度をまとめるに至りましたので、その内容について御報告をさせていただきます。
 まず、資料2ページになります。初めに、いわゆる高校無償化、これは高等学校等就学支援金制度でございますが、平成22年度に創設をされております。創設時の制度設計等について、簡単に御紹介をさせていただきます。まず当時、公立高校等の授業料を無償、不徴収とし、私立高校等の生徒については、所得に応じて加算がされるというものでございました。この図でいうと、黒い階段になっております枠でございます。その後、平成26年度には、当時の与党プロジェクトチームにおいて検討が行われ、低所得世帯における教育費負担が大きいこと等を踏まえまして、所得制限を導入した上で、私立高校等への生徒への加算を拡充するとともに、授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金の創設をするなど、制度の見直しが行われております。この図でいきますと、赤い枠で加算が拡充をされるというようなことをされているところでございます。現在の制度は、令和2年度に年収590万円未満世帯を対象として支給上限額を引き上げた形、この図でいきますと青い枠になりますが、こうした制度で現在、今年度まで実施をされているところでございます。
 3ページでございます。今般の制度見直しにつきましては、まず、昨年2月のいわゆる三党合意によりまして、令和8年度から、収入要件を撤廃して、加算額を45.7万円に引き上げる。低中所得層への高校生等奨学給付金の拡充や、公立高校などへの支援の拡充を行うことが合意をされております。この合意を受けまして、制度設計に向けて政党間の協議が重ねられまして、年末まで3回の取りまとめがされておりますので、少し経緯の御紹介になりますが、ポイントを順次御説明させていただきます。
 4ページでございます。昨年6月に「大枠整理」と呼んでおりますが、合意がまずされております。この整理では、収入要件の撤廃ということを前提として、支援対象者の範囲の考え方について、論点と検討の方向性が示されているところでございます。すなわち、外国籍の生徒や、インターナショナルスクールなどいわゆる外国人学校につきまして、どのように考えるかということの検討がされているところでございます。少し具体的に文面の御紹介をさせていただきますが、今マーカーをさせていただいているところでございます。
 今般、多額の国費が投じられる追加支援に際し、外国人生徒を対象としていくことについて、現在の支援状況や諸外国における支援の状況とともに、日本社会に根づいて生活をする外国人や日本の産業を支える外国人の子弟が安心して学べる環境を保障するといった観点等を踏まえてどう考えるか、整理が必要だというようにされています。
 その上で、外国人生徒については、授業料等が高いインターナショナルスクールに通う高所得世帯や、授業料等が比較的低廉な民族学校に通う低中所得世帯、我が国に継続的に在住、在学してきた者、高校留学のために初めて来日する者など、状況が様々な中でどのように扱うべきか、関連政策も含めて検討することが必要と指摘がされております。
 また、こちらの抜粋には掲載しませんでしたが、大枠整理の中で、就学支援金制度のいわゆる代理受領の仕組みについては維持されることが確認をされています。この大枠の整理の取りまとめに当たりましては、関係団体、有識者からのヒアリングも行われておりまして、本分科会の委員の先生方の中にも御対応いただいた方がいらっしゃると承知しております。
 続きまして、10月の合意になります。5ページでございます。2回目の10月の合意で、制度の大体の内容が整理されているところでございます。この合意では、タイトルが「三党合意に基づく令和8年度以降の高校教育等の振興方策について」というようにされているとおり、令和8年度からの就学支援金制度の姿と、高校教育の振興について、それらを両輪として進めていく方向性が示されているところでございます。就学支援金制度につきましては、(1)外国籍生徒、外国人学校の扱いとして、現行制度の受給資格を見直し、在留資格を要件とする制度を導入すること。具体的には、高等教育の修学支援新制度と同様に、留学等我が国に定着することが見込まれない在留資格者は対象外とする。また、各種学校のうち、外国人学校を指定する制度については廃止をするとされています。その上で、在校生、これは留学生を含めます――については、在学関係が続く限り、現行制度による支援を継続する。新入生については、従前の制度では支援対象となっていた者、これは留学生を除きますが――には、収入要件の設定を含めて、現行制度による支援と同等の水準で支援を行いまして、留学生については留学生政策等の観点から別途の支援を行うというような整理がされているところでございます。
 また、この中では、(2)として、支給上限額の引上げなどについても確認されています。また、(4)新たな制度の検証として、3年以内の期間に十分な検証を行った上で、必要な制度の見直しを行っていくことというようにされているところでございます。高校教育の振興に関わっては、公立高校や専門高校等への支援の拡充として、特に高校教育改革に関するグランドデザインの提示、各都道府県における高校教育改革実行計画の策定、交付金等、新たな財政支援の枠組みによる実行計画の実施に対する支援を行うこと、さらに高校生等奨学給付金の拡充についても方向性が示されているところでございます。
 6ページをお願いいたします。最後に、12月の合意におきましては、就学支援金制度につきまして、その経費、これまで国が全額負担をしてきたところでございますが、都道府県が高校教育の提供に責任を有していること等を踏まえまして、地方における安定的な財源の確保を前提に、4分の1の都道府県負担を導入すること、地方負担につきましては、全額を基準財政需要額に算入をして、地方団体に見える形で普通交付税を算定することが確認をされております。
 7ページをお願いします。こうした3党の議論を踏まえまして、年末には国と地方の協議の場も開催をされております。新たな制度の内容について、地方団体とも協議をされました。それを基に、関係3省で方向性を確認したところでございます。その内容について、7ページでお示しをさせていただいております。政府としては、これを踏まえまして、令和8年度の予算案の編成を行いました。
 予算案の概要について9ページから御紹介をさせていただきます。以下、令和8年度予算案における高校生の修学支援事業の概要となります。まず、就学支援金制度につきましては、所得制限を撤廃し、支給上限額を45万7,200円に引き上げます。また、国と地方の役割分担の在り方を踏まえまして、これまで10分の10国負担だったところを4分の1の都道府県負担を導入いたします。対象者、特に外国籍生徒の扱いにつきましては、我が国社会を担う人材育成に資する制度とするという考え方の下で、新たな要件として在留資格を導入することとしています。
 次の10ページ、11ページは、新たな就学支援金制度における支給上限額の一覧でございます。
 13ページをお願いします。先ほど御説明申し上げた3党の合意におきまして、外国人学校については、法律上の支援の対象外としつつ、これまでの支援から後退させないこととされておりまして、それを踏まえまして、新制度の対象外となる外国籍生徒、留学生は除きますが、及び外国人学校の生徒に対しては、法律上の支援とは別に、現行制度と同等の水準で予算上の支援を実施することとしております。13ページにお示ししております高校生等・新修学支援事業、こちらが今申し上げた、新たな予算上の支援事業になります。
 14ページをお願いいたします。また、授業料以外の支援を行う高校生等奨学給付金につきましては、低中所得層まで支援の対象を拡充することとしておりまして、現行は生活保護世帯、住民税非課税世帯が対象であるところ、年収目安で490万未満世帯まで広げることとしております。
 以下、15ページ、16ページには、その他の高校生向けの修学支援事業について添付をさせておりますが、内容についての紹介は省略をさせていただきます。
 次に、高校教育改革について御説明をさせていただきます。18ページをお願いいたします。10月末の3党の合意におきまして、国として、高校教育改革に関するグランドデザイン2040、仮称でございますが、令和7年度中に提示をすることとなっていることを踏まえて、松本大臣の下に設置した人材育成システム改革推進タスクフォースにおいて検討を行っておりまして、昨年11月28日には、その骨子を公表しております。骨子について御紹介をさせていただきます。初めに、グランドデザインの背景として、社会状況の大きな変化として、2040年には少子高齢化、生産年齢人口の減少、地方の過疎化が一層深刻化するとともに、産業構造や社会システムの変化を踏まえて、労働力需給ギャップ、あるいは理系人材の不足の可能性が指摘をされております。そのような社会を見据えまして、高校教育改革の方向性として、AIに代替されない能力、個性の伸長、我が国の経済社会の発展を支える人材育成、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会、アクセスの確保の3つの視点を示しております。
 次に、2番の高校改革の方向性におきまして、取組の方向性をお示ししております。視点1では、今ありましたAIに代替されない能力や個性の伸長について知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成するとともに、情報活用能力や問題発見・解決能力等の育成、探究的な学び等の学習観の転換、生徒の好きを育み、得意を伸ばす多様な経験を通じた生徒一人一人の能力の伸長、主体性の涵養が必要だとした上で、教育課程の柔軟化、高校教育に係るPDCAサイクルの構築に取り組むことが示されております。
 19ページをお願いします。視点の2では、我が国社会・経済の発展を支える人材育成について、2040年にはいわゆる文系人材の過剰、あるいは理系人材の不足、地域の経済・社会を支えるエッセンシャルワーカーの不足が懸念されます。こうしたことを踏まえ、これらの分野を支える人材育成と併せて、最適な資質・能力の涵養を図ることを重視した上で、専門高校の機能強化、高度化、理数系やデジタル人材の育成に資する普通科改革の推進、また、グローバル人材の育成に向けて取組を行うこととしております。
 視点3では、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保について、少子化が加速する地域における高校教育の維持や学びへのアクセスの確保、多様な背景を有する生徒の増加を踏まえ、全日制、定時制、通信制、いずれの課程でも柔軟で質の高い学びの選択肢を保障することが必要とした上で、生徒の地理的アクセスを確保しつつ、小規模校を含む学校間連携、遠隔授業の推進、通信制高校の管理運営の適正化等に取り組むこととしています。
 最後に、高校教育の充実に向けた支援についてです。公立高校は、地域における高校教育の普及や機会均等を図る重要な存在でございます。高校無償化に伴う影響等を考慮しまして、公立高校への支援を拡充するという基本認識の下で、このグランドデザインを踏まえて、今後、都道府県における実行計画を策定し、安定財源を確保した上で、交付金等により支援を行うことを検討してまいります。
 21ページをお願いします。この交付金の対象となる取組については、先ほどの視点1から3を前提として、専門高校の機能強化、高度化、普通科改革を通じた特色化・魅力化、地理的アクセス、多様な学びの確保に関する取組を基本とすることを考えております。また、交付金の創設に先立ち、令和7年度補正予算においては、高校教育改革を先導する拠点のパイロットケースの創出に関する支援を計上させていただいております。
 22ページをお願いします。2040年を見据えた社会や産業構造の変化、いわゆる高校無償化による影響を考慮すると、2040年に向けて、ネクストハイスクール構想実現はまさに一刻一秒を争うものと考えております。そのため、都道府県の実行計画の策定を前に、国としてグランドデザインに沿った緊要性のある取組を先行的に支援するため、令和7年度補正予算によって、2,955億円を計上させていただいております。本基金では、改革を先導する拠点の創出を3つの類型に応じて支援をすることとしております。具体的な拠点のイメージについては、資料中段を御覧いただければと思います。
 最後に、23ページをお願いします。また、令和8年度の地方財政対策について、地域の実情に応じて、公立高校等における今後の社会経済の発展を支える人材育成に向けた取組を進められるよう、令和8年度から令和13年度までを事業期間として、元利償還金に対する地方交付税措置のある高等学校教育改革等推進事業債を創設することとされています。都道府県等において、この事業債を活用した施設設備の整備を進めることが期待されるところでございます。
 以上、昨年夏の御報告以降のいわゆる高校無償化、あるいは、高校改革の振興についての動向について御報告でございました。よろしくお願いいたします。
 
【貞広分科会長】  御説明いただきまして、ありがとうございます。
 ただいまいただきました御説明に対して御質問、御意見を承ります。御質問、御意見がある方は挙手ボタンを押していただければと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。では、御指名申し上げます。渡辺弘司委員、お願いいたします。
 
【渡辺委員】  日本学校保健会、日本医師会の渡辺でございます。こんな格好で申し訳ございませんけども、御勘弁いただきたいと思います。
 多額の予算を用いた非常に難しい施策に対して、文部科学省の方が大変御苦労なさっておられることがよく分かりますし、その活動に対して敬意を表したいと思います。ただ、せっかく実施されるのであれば、児童生徒、今回は高校無償化ですから生徒にとって、良い施策となっていただきたいと思っております。
 高校の無償化等、いろいろ御説明いただきましたけど、お願いしたいのは施策の効果も含めた調査、検証です。当然効果を見据えたものであるとは思いますが、どのような弊害も生じないとは言い切れないと思いますし、修正すべき課題も途中で生じる可能性があると思います。医薬品の場合は、第3相というところまで治験をして、詳細な効果、副作用を検証した上で保険収載されますが、それでも市販後調査が行われます。治験を行わない施策に対しては、より慎重に対応する必要があると思います。高校の無償化においても、例えば地域の公立高校の運営はどうなるか、私立高校を選択する上で地域格差は生じないのかなど、都会と中山間地域での選択肢は変わってくると思いますし、交通事情も変わります。生徒の進学の選択肢が狭まるようなことはできるだけ避けていただきたいと思います。
 また、そういう点でいうと、グランドデザインの運用というところにも関係すると思います。何が公平か、都道府県間で大きな格差は生じないかなどの調査検証を行い、是正すべき課題が明確になれば早急に対応する構想が必要だと思います。新たな施策を受けた生徒が残念だったということにならないように、ぜひ生徒の視点で調査、検証をお願いします。
 私からは以上でございます。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。大変重要な点を御指摘いただいたと思います。先ほどの御説明の中にもPDCAサイクルという言及がありましたので、ぜひ引き取っていただければと思います。
 ほかにいかがでしょうか。戸ヶ﨑委員、どうぞ。
 
【戸ヶ﨑委員】  社会全体がこれから大きく変化していく中で、地域や日本社会を支えて、次代のイノベーション人材を輩出する基盤となるのが高等学校教育だろうと思います。しかし、現在、少子化や施設の老朽化、統廃合等が進む中で、高校教育の質の低下につながる懸念もあり、高校教育改革の実現は一刻一秒を争うものと思っています。各自治体は覚悟をもって臨む必要があり、子供たち一人一人が未来のために希望する学びを実現できるよう、どのような高校が望ましいか、これまでの発想にとらわれずに新たな構想を打ち出すことが求められると思っています。
 国においては、先ほども御説明ありましたが、高校教育改革促進基金や交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築などを通じて、新たな挑戦に果敢に取り組もうとする自治体にしっかりと財政支援していただけるとありがたいと思っています。
また、高校教育改革の議論は、現在検討が進んでいる次期学習指導要領の議論にも通底する点が多々あると思います。学習指導要領の改訂では3つの基本的な方向性が打ち出されていますが、その一つにFeasibilityがあります。どれだけ立派な学習指導要領ができても、それを受け止める器、つまり、教育委員会や学校側の実現準備がなければ、画餅に帰してしまう可能性があります。高校教育改革も同様で、どんな素晴らしいグランドデザインを描いても、実効性が伴わなければ夢物語で終わってしまう可能性があります。各自治体は、都道府県教育委員会が今後中心になると思いますが、首長や地域を巻き込み、高校教育改革を地域活性化の起爆剤にしていくべきと思っています。
 また、文科省においても、言わば前例のない高校教育改革のFeasibilityをいかに確保していくかについて、財政面の支援だけでなく実現に向けた指導・支援と見届けをしっかりお願いしたいと思っております。
 以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。この後、今村委員、岩本委員の順番で御発言いただきます。では、今村委員、どうぞ。
 
【今村委員】  今村です。高校無償化のみならず、公立学校の質的な改革にも多額の予算を獲得して取り組まれることはすごく御苦労なさったという経緯を感じております。
 その上なんですけれども、今回、モデル校への重点投資案がこのように示されているようにお見受けしたんですけれども、私も高校ワーキング、高校の懇談会のほうに入っているので事前にもちろん聞いていたので、そのときに申し上げるべきだったなと思っているんですけれども、1校につき、ならすと20億という予算が、均等にはないにしろ、各都道府県に3事例ずつ、パイロットケースとして下ろされるということが、どれぐらいそのほかの公立学校への波及効果を持つのかというところがかなり不明確だなと思っています。
 これ、AIが入ってきて学校はさらに今どのように変わっていくべきなのかということについて混乱している中で、決定的にインフラが欠けているのはどこも同じで、重点投資をすることは重要なんですけれども、取り残されていく学校にも何らか手を打たないと高校無償化で、私立にどんどん人が流れていくかもしれない。また、中退率が上がり、その子たちが広域通信制に移っていくという中で、各地の公立学校がどういう福祉的な役割を含めて果たしているところにどのような手だてを打っていくのかというところも併せて、波及効果のところにもネクストハイスクール構想のビジョンを持って取り組むべきだと思っております。
 私からは以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。では、岩本委員、どうぞ。
 
【岩本委員】  よろしくお願いします。参考資料の10という形で出させていただいたんですけど、それを出していただいてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。ここまでの文科省の取組に本当に敬意と感謝を持っております。この取組、ぜひ進めていただきたいなと思います。その上で、何点か申し上げさせていただけたらと思います。
 資料の次のページをお願いしてもよろしいでしょうか。今回の高校無償化、いわゆる高校無償化と併せて、質の向上というところにハードとソフトの一体的な充実、また、3年程度の短期間の予算ということではなくて、継続的、また計画的に取り組めるような、1,000億から2,000億の交付金というような形で、2040年に向けて取り組んでいくというところをぜひ実現していただきたいと思っているところであります。
 次のスライドをお願いいたします。その際に、話にもありましたけど、ぜひ今、動いている大学、大学院の改革、それとともに学習指導要領の改訂を含めて中高の接続、または高大の連携というところ、一体的に取り組んでいくというところをぜひ進めていただけたらと思っているところであります。
 その際に、グランドデザインを描かれているかと思うんですけども、初中分科会、その下にできたワーキンググループで2年超かけて、昨年の2月に今後の高校教育の在り方という審議のまとめをしたところであります。その第1の柱が小規模校の教育条件の改善、魅力化というようなところが出ておりますので、グランドデザインの視点の中にも、こういった本分科会で取りまとめた審議の、特に小規模校の教育条件の改善というところは視点のところに明確に位置づけていただいて、しっかりとそれを進めていけるようにお願いできたらと思っています。
 その上で、グランドデザインの中身に関してですけども、先ほど申し上げた小規模校の教育条件の改善のところで書かれていたような施策なんかには当然使えるというのはあるんですけども、先ほどの今村委員がおっしゃられていたことと非常に共通するところではあるんですけども、一つ一つの学校、そこを拠点といったときに、学校に対しての支援は当然必要なわけですけども、1校、2校、3校というだけでは、抜本的な高校教育改革の質の向上だとか多様な選択肢、多様な学びへの対応というのはできません。特に私立高校と公立高校の大きな違いは、公立高校というのは各学校で教職員の採用をやっているわけでもありませんし、一つ一つの学校を見るだけではなくて大きな、ここでは共通基盤「オペレーションシステム」のようなものと書かせていただいてもらっていますけども、高校入試の仕組みも、例えば教職員の採用とか育成とか人事というものだとか校務の支援システムとか、こういったものは都道府県単位で動いているものです。
 このオペレーションシステム自体が従来の古いままで、表面に出ている一つ一つの学校のハードとか教育課程を変えたところとて、それだけでは動かないというのが公立高校のシステムですので、そこをしっかりと踏まえた上で、オペレーションシステムである共通基盤にちゃんと、ここのアップデートにしっかりと予算も使えるような形に、グランドデザインにおいては描いていただいて、入試改革だとか教職員や、そういった人材の募集、育成だとか校務支援システムとかDX化とか働き方改革、こういったところに抜本的なメスを入れていけるリソース、圧倒的に足りないですので、ここにも活用できるようなところはぜひお願いできたらと思います。
 最後、次のスライド、お願いいたします。また、こういった予算がばらまきになってはいけないというのは当然そうだと思います。その際に、しっかりとした目標設定だとか評価改善、そのサイクルをしっかりと回せるような体制をつくるというところは非常に重要だと思いますが、目標とか評価改善のサイクルをしっかりやれば、お金の使い道のところ、使途に関しては、各都道府県だとか学校や現場の意欲とか創意工夫を最大限に引き出して、成果を最大化していけるように、使途を過度に限定しない運用の弾力性というところをしっかりと確保した制度設計だとか、弾力的な運用というところはぜひお願いできたらと思います。これは今、非常に多くの都道府県から今回の基金含めて、使いにくい形になっているのではないかとか、結果的に使えないような形にして、ほら、こんな予算は使えないじゃないかというような形になって、次の交付金とかにもつながらないような、そういった術に陥っているのではないかとか、本当に多くの声が今、聞こえてきていますので、ここら辺、現場の創意工夫が引き出せるような弾力的な運用というところは、ぜひ制度設計の面においてもお願いできたらと思います。
 以上でございます。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。では、桑原委員、お願いいたします。
 
【桑原委員】  桑原です。将来の日本地域をつくる人材づくりのための施策になってもらいたいと願っております。一方で、地方の公立校より都会の私立校への流入が起きてしまう、また、需要が多くなる都会の学校の値上げ原資になってしまうという議論もあったかと思います。
 本質的に考えてみますと、公立と私学の教育の品質と授業料と運営コストの問題であるように思います。私としては、応能負担は原則であるとは思います。過度な教育の質や余裕のある家庭への支援に偏らないように配慮が必要かと思います。高校前の中学、小学での教育に連鎖しての質の高い教育を受け続ける対象に支援が偏重し過ぎると、もともとの目的であります家計の苦しい家庭への支援とならないように思いますので、その辺の配慮が必要かと思っております。
 また、運営の効率化でしたり、お話にありました質の向上についての改革も手を入れていただければと思います。責任ある積極財政とはいえ、最少の経費で最大の効果と言いますように、コストを抑えながら高品質な教育ができるような施策や基盤整備のほうに手を入れていくような施策も進んでいかれることを願っております。
 以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。これまで御質問、御意見をいただきましたが、議題1、もう少しお時間ございます。ほかに御意見ある方がいらしたら挙手をいただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、事務局の西川教育改革調整官のほうから何かコメントがあれば、お願いいたします。
 
【西川教育改革調整官】  ありがとうございました。高校教育改革支援について、あるいは基金、あるいは今後の交付金の在り方について、様々な御意見をいただきました。ありがとうございます。これらは今、まさに検討させていただいているところでございまして、ぜひ今いただいた意見についても、しっかり踏まえた準備をしていきたいと思っています。
 1点だけ御紹介でございますが、冒頭、最初に渡辺先生から効果検証についてということで御指摘をいただいておりました。今般、取りまとめられた3党の合意の中でも、新たな制度の検証についても指摘をされているところでございます。幾つか視点も含めて、今、出た意見であれば、例えば地方への影響であったりとか、そういったことも含めて分析をして検証していく。そして、3年以内に必要であれば制度の見直しをしていくんだということも示されているところでございますので、そうした御意見を十分踏まえて検証作業もしていきたいと思います。ありがとうございました。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございました。どうぞ。今井審議官、お願いいたします。
 
【今井審議官】  失礼いたします。事務局から補足で、私のほうから御説明させていただけたらと思います。今、西川調整官のほうから三党合意の御紹介ありました。ほかの先生方からも教育内容のところで幾つか指摘をいただいておりますので、少しだけ付言をさせていただけたらと思います。
 例えば戸ヶ﨑委員より御指摘をいただいた点、今回の高校無償化の取組、次期学習指導要領というお話をいただいております。これは、私ども初中局の中でもその議論をさせていただいておりまして、どんなに高校教育の施設とか設備をよくしても、教育内容がどうなるかというのは大事だろうということであります。また、特に専門高校をどのように変えていくのかということでは、学習指導要領の中でしっかりと見ていこうということで議論していきたいと考えておりますので、そういった視点を忘れないようにしたいと思っております。
 また、首長や地域を巻き込んでというのはもう全く私どもも同じ思いでございます。この後、つながってまいりますが、今回の大きな改革は教育委員会だけでやり切っていただくというのは多分無理だろうと私ども思っております。教育委員会は学校を設置して運営していく、いわゆる基盤的組織でありますので頑張っていただくというのは大前提なんですが、そうしたところを中心に、首長部局であるとか、例えば特に専門高校とか、新しい社会との接合を考えれば、例えば、経済部局でありますとか、農水部局、もしかしたら福祉、いろんな部局と連携を取っていただく、その上で、地域においても、地域経済会がございます。それから、コミュニティー等々ありますし、高等学校が設置されている市町村とも連携を取っていただかなければいけないと思っています。なので、今回の大きな基金、それから交付金の関係は、必ずそうした強い連携を取って取り組んでいただくということが大事だというのがポイントになっております。
 その上で、今村委員と岩本委員からそれぞれ小さな学校をどう考えるのかというところで、いろいろ御指導いただきました。大変大事な指摘だと思っております。ただ、ここで大事だなと我々も思っておりますのは、今回、基金約3,000億円を令和7年度補正で計上させていただいたところではあるのですが、先ほど今村委員が言われたように、平均で割ると確かに先ほどの数字、3校で1校当たり20億円かとなるのですが、我々、それを必ずそう配るというつもりは全くないということだけは、これは各都道府県の皆様にもお伝えをしております。場合によっては、そういった今回の改革でありますとか、近年の公立高校の難しい状況の中で、本気で考えていただけるところにしっかりとお付けをしたいと考えています。
 我々としては、専門高校、普通科改革、そして、地域の中で必要だという高校であれば、それぞれそういった立場の中で、先ほど申し上げた関係機関と連携を取って、緊密な中で取り組んでいただきたいというところでありますので、これからの基金につきましては、公募要項なども示して本格的な審査に入ってきますので、あまり強くは申し上げられなくなってまいりますけれども、今、我々が都道府県とかいろいろ質問いただいているときには、そうした配ることを前提の基金ではなくて、本当に私どもの危機意識をともに感じ取っていただいて、地域の中で歯を食いしばって関係者と連携を取ってやっていただける、そんな高校改革であれば、しっかりとした額がつきますという御説明をさせていただいているところであります。
 ただ、先ほどありましたように、岩本先生からもありましたように、公立高校の大きな側面というのは、地域配置、いわゆる高校標準法などにもあるように、しっかりとした配置を考えていくというのはありますので、何でもかんでも潰してしまったらいいとは全く考えていないというのも、これは併せてお伝えしたいと思います。
 そういった意味で、公立高校は県がしっかりと考えていただくというのも大事ですので、なので、先ほどのグランドデザインの骨子の中にも実施計画の策定が埋め込まれております。なので、グランドデザインというのは大きな方向性だけ示されますが、我々考えておりますのは、各都道府県でこれから当該都道府県における実行計画、実施計画をつくっていただく中で具体的なものが見えてくると思っておりますので、そうした実行計画づくり、これをベースに交付金、次は基金から、今度は交付金に取り組んでいきたいと思っておりますので、計画がしっかりしていれば、また、その他交付金での支援がある、そうしたトータルのシステムを考えていければと考えております。なので、先ほどの中でもあったPDCAサイクルとか、そういったものもその中に入ってくるだろうと考えているところであります。
 そして、運営の効率化、それから質向上というのは、先ほど桑原先生からも御指摘ありましたように、全く我々も同じ思いでおりますので、先ほどの大きなトータルシステムの中で、高校教育改革をしっかり進められるよう取り組んでいければと思っております。ただ、なお道半ばというところでございますので、具体的な話はこれから、今こういう状況、政治状況でございますけれども、まずは法律案をしっかり通していくこと、その上で、来年度、令和9年度以降の体制に向けては、また、こちら、中教審の中でも先生方から御指導、御意見賜りながら、具体化を進めていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。1校当たり20億円で、3校だから3校の案をつくればいいやというのではなく、委員の中にも御指摘ありましたけれども、波及効果も見据えて抜本的なしっかりとした案をつくっていただきたいというメッセージであったかと思うんですけれども、今村委員、併せてお願いいたします。
 
【今村委員】  ごめんなさい、重ねて、私が勘違いをしていたかもしれないので、質問なんですけれども、ということは拠点校……、私、マイクをオンにしたほうがいいでしょうか。したほうがいい、ごめんなさい。私が勘違いをしていたかもしれないので、再度確認なんですけれども、これは拠点校としての3類型に基づいた拠点校1校ずつを各県、拠点校として申請するというよりは、その県における高校を、例えば3類型に全体を分けて、その3類型、幾つかの高校に割り振られる予算がビジョンにのっとって使われるということも、今回の計画では対象となっているんでしょうか。それとも、拠点校1校の改革案を想定しているんでしょうか。
 
【貞広分科会長】  今、岩本委員も手を挙げてくださっていますので、恐らく、併せての御質問かと思います。こちらの御質問も承った後に事務局にお返ししたいと思います。岩本委員、どうぞ。
 
【岩本委員】  すみません、くしくも同じ、ほぼ質問に……。
 
【貞広分科会長】  なるほど。
 
【岩本委員】  やはり今井審議官を含めて、すごく今の思いだとかも伝わってきましたし、ぜひそのとおり進めていただけたらと思うんですけども、1校の話なのか、先ほど学校間連携だとかそういった話なんかも出てきている中で、専門高校もそうかもしれないですけど、特に3つの類型の3つ目、一つの高校だけではなくて、学校間で連携しながら学びを共有していくだとか共によくなっていくという動きがある中で、1校単独という話だけではなくて、ネットワークスクールのような形でも支援できるような形で、基金・交付金も併せて組んでいただけるとありがたいなというようなところです。
 
【貞広分科会長】  御質問と御意見を重なっているようなところだったかと思いますが、今井審議官からお答えいただけますでしょうか。お願いします。
 
【今井審議官】  今村先生、岩本先生、御質問ありがとうございます。資料は先ほど西川調整官から御説明させていただいた資料1の22ページ、御覧いただけたらと思います。
 こちらにございます、まず、基金のお話だけ先にさせていただきますと、真ん中ほどに出てまいりますけれども、今回の基金事業につきましては、各都道府県に条例に基づく基金を設置していただくということが一つポイントとなっております。
 その上で、ここに例示で書かせていただいている3つのポイント、類型に応じて、高校教育改革を先導する、私どもはここをあえて拠点のパイロットケースを創出していただきたいとお願いをしております。恐らく、実際に予算を執行するときにはコアとなる学校というのが出てくると思いますので、それで1校、1つの学校をイメージしていただいている場合もあるのですけども、例えば分かりやすい場合でいくと、一番右側の緑のところで、例えば地域の人口減少を意識したときに、遠隔授業などを使ってとなったときには、恐らく拠点校はしっかりとつくり込んでいって、そこにいろいろなコーディネーターをおつけになったり、いろいろな教育プログラムを開発していくような機能を持つのがあったとして、そこから、例えば、各その他都道府県内での別の高校にそういった支援をしていくというスキームは十分あり得ると思っております。
 また、これ、アドバンスドエッセンシャルワーカー等の育成支援とか、理数系人材育成支援というのは、必ずそれ1個で、単独でやってくれということでも実はない形にしたいと思っていますので、そこは混ざり合っていくこともイメージをしております。なので、ここから先は各都道府県が、先ほど本気になってしっかり考えてくれというのは、多分各校、都道府県では、既にいわゆる再編計画であるとか高校改革のいろんな基本計画をお持ちだと我々も認識をしております。
 そういった中で、こうした今回の我々の基金の中にしっかりと当てはまるようなもの、もしくは当てはまりそうなものを今回、この計画の中でも、基金の提案の中でもお考えいただくことがあろうかと思っておりますので、恐らく執行上は学校数というのが見えてきますが、それが1校だけよくなればいいという立場には私ども立っていないということで、そこはお話をしていきたいなとは思っております。
 さらに、これはあくまで基金ですので、非常に限られた支援になるだろうという御指摘も我々、重々承知しています。なので、これはあくまで改革を先導するパイロット、そういった拠点づくりができる高校ですので、これから先は、また財政当局とか関係のいろんな状況とも御相談になりますけれども、我々、来年度以降、できればということですけど、次にやってくる交付金制度の中では、もう少し広く支援できるスキームというのも考えられるんじゃないかと思いますが、まずは何よりも基金、これをしっかりと取り組んでいくのが今、大事ではないかということで、その取組を進めていければと考えているところでございます。
 
【貞広分科会長】  まさにアイデアのありようですということだと思うんですが、改めて見ますと、パイロット校とは書いてないんです。パイロットスクールじゃなくて、パイロットケースと書いてあるので、このケースをどれだけ独創的にしっかりと案をつくれるかというところということだと思います。今村委員と岩本委員の御質問は、きっと各都道府県の教育委員会が聞いてくれてありがとうと思った御質問だったのではないかと思います。今井審議官も御丁寧にお答えいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、議題1の質疑応答、意見交換はここまでとさせていただきます。次の議題に進みます。議題2は、三党合意に基づく学校給食費の抜本的な負担軽減についてです。それでは、事務局御担当者の樫原健康教育・食育課長、お願いいたします。
 
【樫原健康教育・食育課長】  総合教育政策局の健康教育・食育課長をしております、樫原と申します。私のほうからは、三党合意に基づく学校給食費の抜本的な負担軽減について御説明をさせていただきます。
 それで、資料の順番前後して恐縮ですけど、6ページを一旦御覧いただけますでしょうか。6ページですけれども、こちらも高校のほうと共通しますが、令和7年2月のいわゆる三党合意に基づく施策でございます。この中で、教育無償化の項目自体が、全ての若い世代に対して多様で質の高い教育を実現するとともに経済的事情による教育格差を是正し、子育て世帯への支援を強化する観点から以下の改革を実現するということで、丸2として、いわゆる給食無償化と書かれております。その際には、まずは小学校を念頭に、地方の実情等を踏まえ、令和8年度に実現する。その上で、中学校への拡大についてもできるだけ速やかに実現するというように合意がされておりまして、各論点につきましては、ローマ数字の4の2ポツ、並びに5ポツで書かれているとおりでございます。
 次、7ページを御覧ください。こちらが令和7年12月18日にいわゆる3党で合意をした内容でございます。その趣旨について御説明をさせていただきます。趣旨のところですが、いわゆる三党合意については、子育て世帯への支援を強化する観点から、令和8年4月から小学校段階における、いわゆる給食無償化を地方の実情等を踏まえて実施することとしている。この点を踏まえまして、今回の取組については、三党合意を踏まえ、保護者負担の軽減を通じた子育て支援に取り組む自治体を支援する、つまり、個人支援ではなくて、あくまで自治体支援だというように位置づけられたところでございます。
 一方で、題名になっておりました、いわゆる給食無償化という表現については、これは後ほど御説明しますが、食材費の額が地域によって事情がある中で、ある基準額というものを設けて支援する。結果、その基準を超えた部分の扱いをどうするのかといったときに、この表現が完全な学校給食費の無償化を想起させ、自治体の財政負担の増加を招いたり、逆に予算制約により給食の質の低下につながったりする、こういったことが懸念されるため、今回の取組の趣旨が保護者負担となっている学校給食費の抜本的な負担軽減であることを明確化する必要がある。この点については、責任を持って正確な趣旨の周知に取り組むと、このようなことで書かれていたところでございます。
 続きまして、支援対象の範囲ですけれども、給食実施が学校設置者の努力義務とされていること、今回の措置が子育て支援に取り組む自治体への支援であるということから、給食実施をする公立小学校(義務教育学校前期課程及び特別支援学校小学部を含む)を支援対象とし、所得制限というのは設けないんですが、生活保護及び要保護、これは法律に基づく要保護ですので、いわゆる準要保護というものは新しい予算のほうで手当てすることになりますが、ですとか、特別支援就学奨励費の対象となっている児童については、現行制度を優先するということになっております。給食未実施校については、今回の支援対象の範囲から外れますが、完全給食実施に向け、これらのところについては、施設整備等について先行的に支援を実施するということで、後ほど御紹介する補正予算が措置されているところでございます。
 それから支援の基準額については、完全給食実施校については、令和5年の実態調査による平均額が4,688円だったんですけれども、近年の物価動向、例えば1年当たりの食品でいいますと大体5%ぐらい上がっておりますので、それを踏まえるとおり、7年の段階で、五千百数十円という段階になりますので、それを踏まえまして、一月当たり5,200円とする。また、毎年給食費に関する調査を実施し、その上で、基準額については、今回の取組状況や物価動向等を踏まえて適切な額を設定するものとするというようにされているところでございます。
 また、基準額を超える部分については、引き続きこの後、学校給食法の改正は行いませんので、学校給食法の原則に基づき、保護者からの給食費を徴収することを可能とする。その代わり、それを自治体が負担するということも妨げないということになっております。非喫食者の扱いですけれども、基本的に積算上の考えとしては、非喫食者も含めて在籍者で計算します。ただし、この人たちに対する支援を行うかどうかについては、学校設置者の判断に委ねるということにしております。
 実施方法と学校給食法との関係ですが、先ほど申し上げましたように学校給食法の改正は行わないということ、金額については、食材費相当額掛ける在籍児童数という考え方に基づくということ、公会計を行う自治体については財政的な支援をすると。ただし、公会計化が実施されているか否かによって今回のことを措置の支援条件とはしないと書かれております。
 その後、次のページを御覧ください。安定財源の確保ですが、こちらも高校と一緒ですけれども、既存の教育財源を原資とすることなく、国と地方の関係について整理しつつ、その財源の在り方と今回の措置を一体的に整理をするということでございます。
 質の向上については、特に国として一律に方針を示すのではなく、各自治体の取組を尊重すると。その中で、農水事業なんかも活用しながら横展開、好事例の収集などを進めていくというところでございます。
 それから、国と地方の関係という話がありましたが、今回の趣旨を踏まえまして、今回、国が2分の1、都道府県が2分の1の範囲で基本的には措置をするということになっております。これが食材費相当額の部分ですけれども、一方で、給食については、人件費ですとかその他、運営経費などは市町村が負担するということに、そこは引き続きなっておりますので、全体で見ると国、都道府県、市町村が一定の役割分担の下、協力して実施する体制が確保されると。地方負担分については、地方財政計画の歳出に全額計上するとともに、地方の安定財源を確保した上で、一般財源を増額確保する。または個別団体の地方交付税の算定に当たっても地方負担の全額を基準財政需要額に算入するということになっております。これも先ほどの高校と同じですけど、目に見える形で普通交付税を算定するということになっております。
 こうした施策合意の中身を踏まえました予算の概要が、戻りますけれども、1ページでございます。このような形になっておりまして、国から給食費負担金交付金、いわゆる全部の事業費の2分の1を交付金という形でお渡しをし、都道府県に地財措置されたものと併せて、市町村に、まさに給食実施校の在籍児童数掛ける基準額掛ける11か月の金額が渡るということになります。基準額については、国として定める上限になりますので、各都道府県のほうで、もしこれより低い金額で申請したら、その金額ということになります。
 それから、2ページを御覧ください。2ページのほうで、学校給食費公会計化等推進事業ということですけれども、会計処理を行う上では公会計化が適切だということは従来から、文部科学省としても関係省庁とともに申し上げていたところでございますが、ここでネックとなっているのが業務システムの導入改修経費ということで、ここの部分について支援を行う。具体的に申し上げると、令和7年度補正予算において、いわゆるシステム経費の2分の1を支援させていただくとともに、小さい自治体ですと、給食費の公会計化のノウハウというものもなかなか少ないということですので、地方会計システム等に専門的知見を有するアドバイザーを希望する自治体へと派遣をするという事業を進めることによって、まさに今回の給食費負担軽減というわけで公費が投じられますので、そこの部分の扱いも含めて、できるだけ透明性を確保するということで、給食費の公会計化を併せて進めていきたいと考えております。
 私のほうからは以上になります。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございました。それでは、御質問、御意見を承ります。御質問、御意見のある方は挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。渡辺弘司委員、どうぞ。
 
【渡辺委員】  日本学校保健会、日本医師会の渡辺でございます。様々な環境が異なる中で全国共通の支援額を定めて、事業のいわゆる無償化を進めるということは大変難しい施策だということは、出産費用の無償化と通ずるものがあって、樫原課長の御苦労は大変なものだと推察されます。
 その中で、細かいことをお聞きして恐縮なんですけれども、アレルギーや宗教などの理由で給食が受けられない児童に対して、個人の給食費の費用を当該児童に返却するか否かという判断は自治体が行うと伺っております。当該児童にとって自分が属している自治体は給食が受けられなかった場合に、実費分が返金されているかどうかという情報について知る権利があると思います。自治体ごとに対応が違うということ、つまり、お金が返却してもらえる自治体とそうじゃない自治体がある、住んでいる地域によって差があるというのは、あまりいいことではないような気がします。各自治体には、その自治体の対応について当該児童生徒の保護者に通知して、情報を徹底していただくように、ぜひ御周知いただきたいと思います。実際にこうしろという権限がないのは重々承知しておりますけれども、自治体に自主的に住んでいる児童生徒の保護者に対しても、どういう対応しているかということは説明する責務があるように思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 以上でございます。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。後で事務局のほうにお伺いしたいと思います。
 ほかの委員の方々いかがでしょうか。戸ヶ﨑委員、今村委員の順番で御指名申し上げます。戸ヶ﨑委員、どうぞ。
 
【戸ヶ﨑委員】  文科省においては、今日まで大変様々な並々ならぬ御労苦があったものと推察いたします。市教委としても、様々対応に苦慮してきた、している立場で、あえて厳しめの意見になってしまうと思いますが、何点か気になったことを申し上げたいと思います。
 まず、学校給食費の抜本的な負担軽減については、政治サイドで様々な議論が続いていました。この間、報道等では、「いわゆる給食無償化」と呼ばれていましたが、「いわゆる」の捉え方がまちまちで、保護者はもちろん、関係者も給食費は全て国が負担してくれるという受け止めをしてしまっている方も少なくないと思っています。
結果として、いわゆる基準額を超える部分というのは保護者負担が必要になり、物価高が続く中で、市町村によっては、当然保護者に負担を求めるところも出てきます。その場合の説明を行うのは市町村です。耳触りのよい表現だけが切り取られて広まることは一般的に世の常ですが、結果として、子供たちや保護者に不利益が生じることはあってはなりません。大変僭越ではありますが、文科省には、今後マスコミへの伝わり方や発信時の言葉の使い方にはくれぐれも御留意いただきたいと思っています。
 今回、様々な議論があり年末になってようやく制度の具体像が示されました。正直なところ、制度の最前線で実施する市町村の声としては、もっと早くから意見を聞く機会を設けていただきたかったと思っています。
一方で、本市のような交付税の不交付団体の実情も踏まえながら、どの自治体にとっても、ある程度納得できる案でまとまったと受け止めているところでございます。
私はこれまで何度も述べてきましたが、子供の安全や食を含めて、命に関わることについては自治体間の競争をさせるべきではないと考えています。国には引き続き、地域間格差が生じないようイニシアチブを取っていただいて、給食実施者が安定して給食提供を行えるような設備や人件費等についても支援の充実に取り組んでいただきたくお願いを申し上げたいと思います。
 今回の議論によって、給食費に対する世間の関心も非常に高まっています。給食を提供する市町村の立場としては、単に財政負担の議論にとどまらず、給食の質を担保して高めていくということが議論の中心であるべきと考えています。今後も子供たちが健康で健全な食生活を営むことができるように取り組んでいかなければならないと考えておるところでございます。
 以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。最初の御指摘は、今日の資料にも抜本的な負担軽減についてと明示されているんですけれども、なかなか伝わり方は難しいということでございました。ありがとうございます。
 では、今村委員、お願いいたします。
 
【今村委員】  給食費無償化について、発言させていただきます。私も子育てをしているので、もちろん給食費の無償化といいますか、給食費の負担軽減について、社会情勢の中で予算を投じていただけるのは大変ありがたい話ではあるんですけれども、そしてまた、戸ヶ﨑先生から自治体間格差が、既に給食に関してはあるという御指摘もあって、確かにそこも現在地だとは思うんですけれども、どうしても私には今回の急速な意思決定が政治主導のパフォーマンスに見えてしまうというのが感じているところです。
 一応といいますか、文科省の主導をする長期目線でのビジョンを策定する計画は教育振興基本計画だと思うんですけれども、そこには給食費の負担軽減というのは出てこなかった。本当にあくまで今回は政治が決めたものを受けたということに見えます。就学援助で既に困っている御家庭に関してはサポートがある中で、1,649億円という大変大きなお金が、どういう戦略性の中で今回、突然動くのかということ。心配しているのは、もちろんこれもあって、福祉もあって授業改善もあって教員の多忙化も改善されるならもちろんいいと思うんですけれども、ほかのことの優先度が食い合いにならないものなのか、そこがどうも分からないと思っています。もちろん三党合意なので、本当に政治の意思決定なのでしようがないのかもしれないんですけれども、とにかく私としては、関心があるのは今、学校に行けなくて困っている子たちに対する福祉的なケアが何よりも優先すべきかと思っています。そういった子たちの食生活も、給食が食べられないという家庭の子たちもどうなっているのか、食のところでいうと、そこは心配です。
 なので、この大きな予算の使い方が本当に正しかったのか、政治主導であっても、そこに対して、何らか文科省としての長期目線での戦略性でどう位置づけられて、この意思決定がされたのかというところに意向を持たないと、何のための計画だったんだろうか、何のための審議会なんだろうかということも不安を感じる面があるんですけれども、そこが私としてはどうも納得がいかないというのが、この予算に関する感想です。
 以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。では次に、阿部委員、お願いいたします。
 
【阿部委員】  こんにちは。全事研の阿部です。よろしくお願いいたします。
 今回、物価が高騰する中だったり、また、公会計が進まない中で、小学校の給食費の負担軽減が交付金創設で行われることに、学校に勤務する1人として感謝申し上げます。その中で、交付金と地方交付税だったり、就学援助費と特別支援教育就学奨励費などとの関係性について、学校現場ではまだ十分な説明が行われてないというようなところも実感として感じたり、見受けたりしております。どのようになっていくのかというような不安な声も聞こえておりますので、特に就学援助費や就学奨励費、生活保護世帯と要保護世帯への対応について、最終的には同等の負担軽減が行われることとなっておりますが、新年度に向けて、混乱や不安が生じないような学校への十分な周知というものが必要ではないかなと思っているところです。文科省の皆様のサポートもこれからよろしくお願いしたいと思っているところです。あわせて、中学校の給食費についても、実施状況が様々な中で対応が難しいと思いますが、引き続き御検討の加速化をよろしくお願いしたいと思っています。
 それから給食費の公会計化の取組を行う自治体に対して、システム改修の費用経費については国の予算で支援されるということになっておりますけれども、給食費の公会計化を前提に、給食費以外の学校徴収金のシステム開発にも国の財源を使うことができるようになっていたかと思います。給食費以外の学校徴収金の公会計化がなかなか進んでおらず、特に滞納家庭への対策に苦慮していたり、担当している教職員の事務負担が大きくなったりしておりますので、学校徴収金の公会計化も給食費と同様に推進されるよう、引き続きより一層、文部科学省様からの各自治体への働きかけをお願いしたいと思っているところです。御説明でもいただいたところではありますが、重ね重ねよろしくお願いいたします。
 以上です。
 
【貞広分科会長】  では、続きまして、桑原委員、どうぞ。
 
【桑原委員】  自治体目線からは、無償化からいわゆる無償化へと変わってきたように思う流れがある中で、実際のところ、地方の小さな自治体ほど財政的な影響が大きくなっております。食料品やエネルギーのインフレが顕著でありますので、その動きと無償化や費用負担の取組にギャップが出ないようにしなければ、自治体や事業者などの負担が大きくなり、仕組みそのものが成り立たなくなってしまう、そういったことも考えられますので、樫原課長、見直しをかけていくとおっしゃってくださいました。非常に心強く思いますが、その辺のところを引き続き御配慮いただけるとよいと思います。よろしくお願いいたします。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。では、堀田委員、どうぞ。
 
【堀田分科会長代理】  堀田でございます。今、資料の11ページにある公会計化の件について、阿部委員の御意見と重なりますが、一言申し上げたいと思います。
 この表を見ますと、令和4年度で学校給食の公会計化が済んでいるところは34.8%、3分の1程度だということが分かります。公会計制度そのものを導入しているところもまだ5割にいっていないというのがその下にございまして、つまり、ほかのところは、教員が徴収していたり、お金を直接扱って、合わせたらいくらとか計算するわけですよね。学校事務の方も大変御苦労をされますし、場合によっては未払いの御家庭への督促も一番関係がある担任がやるみたいなことも起こっていると報道されていて、その手のお金のやり取りの件はトラブルになりやすいという部分かなと思います。
 様々な形で効率化とか透明性の問題とかいろいろあって、公会計化が進むべきところかと思うんですけども、各地方の財政力によってはシステム化できずに、結局、今いる人がやるみたいなことの慣習が続いてしまっているのではないかと思います。そういう意味では公会計化、難しい部分がいろいろあることは地方の実態からいって分かりますが、地方も人口減少でどんどん疲弊していく現実がありますので、公会計化全体を、学校給食費も含めて、国から強い働きかけをして、できるだけ働きやすい方向に持っていくという全体の考え方の中で、それが進むような形で、今回は学校給食のことですけど、あらゆる形で公会計化を進めるという方向でやっていかないと、例えば教育課程の検討が今されていますけど、いろいろな弾力的運用とか、それに伴う時数がどうだとか、あるいはそこに伴う予算のこととかがいろいろまた書類が増えていってどんどん大変になるみたいなことがあるように思うので、この手のことを考えたときに、地方のこういうシステムの重要性というのを押さえておきたいと思いました。
 私からは以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。それでは、澤田委員、どうぞ。
 
【澤田委員】  先生の幸せ研究所の澤田です。私も公会計化のところについて、お二人の委員がお話しされたことと重なる部分もあるんですが、お伝えさせていただきます。
 今、2ページ出していただいていた、学校給食費を含む徴収金の公会計化推進事業というところの最後の行の成果の部分には、学校給食費を含む学校徴収金の事務処理の負担を軽減し、学校における働き方改革が促進されるとあるので、そこについて非常に期待をしています。2ページです。これを機に、公会計化がまだの自治体はぜひ導入してほしいなと思います。
 阿部委員もおっしゃっていたかと思うんですけども、学校給食費を含む学校徴収金ですとか、あとシステム導入だけではなくてシステム改修も含んでいるとありますので、業務改善にも生かせる一石二鳥となる良い機会とできるということだと思っています。そうであれば、補助金は各自治体では既に公会計化している自治体であっても、ばらついているシステムをまとめるということですとか、あるいは学校事務職員に過度な負担がいっていないかなどという見直しの機会としても積極的に活用してもらえるのかなと期待をしています。新規導入をするにしても、システム改修にしても、ある時期から一斉に域内全校ドーンというのは学校数が多い自治体であれば難しかったりもすると思うので、アドバイザーも活用できるということなのでスムーズな導入に関しても、アドバイスをもらいながら進めてもらえるということも期待しています。
 アドバイザーに期待することなんですが、例えば支払い業務は公会計化であっても現場の業務負担が増えるという可能性もあったりしたり、あとは、ものによっては学校事務職員が支払い業務に、ノータッチにするような制度設計もできるかなと思いますので、その辺り、本当にアドバイザーにも期待をしたいなと思います。
 以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。この後、樫原課長にお返しをするんですけれども、今、途中から入られた方がいらっしゃいます。田名部委員ですけれども、田名部委員、今ちょうど給食費の抜本的な負担軽減について、議題2の御意見を承っているところですけれども、田名部委員も御意見がありましたら承りますが、また、前半の議題1でも結構です。いかがでしょうか。
 
【田名部委員】  全高P連の会長の田名部でございます。すみません、遅くて……。
 
【貞広分科会長】  突然申し訳ありません。突然御指名申し上げて。
 
【田名部委員】  とんでもないです。遅れて申し訳ございません。基本的には、方向性については、我々保護者の立場からすると非常にいい方向に向かっているかなと思いますので、皆様方の御意見をお聞きしまして、改めまして、我々の考えを述べる機会がありましたら、お話しさせていただければなと思います。
 以上でございます。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。本当に申し訳ありません、突然御指名申し上げまして、失礼いたしました。
 では、複数の委員の方から御意見や御質問をいただいておりますので、樫原課長のほうから応答いただければと思います。お願いいたします。
 
【樫原健康教育・食育課長】  御意見、御質問いただきまして、ありがとうございます。
 まず、初めに戸ヶ﨑委員、それから桑原委員をはじめとして、あと、今日はまだ御出席をされていないかもしれませんが、髙島委員ですとか、まさに自治体関係者の皆様に今回の導入に関して、かなり短時間での御議論をお願いしてしまった件につきましては、政府としても、資料の4ページのほうに記載がございます。4ページは、三党合意の政党間合意を行った後に、3省で確認文書という形で取りまとめたものですが、その過程においては、全国知事会長、市長会長、町村会長をはじめとする地方団体の皆様と12月19日に会合を開かせていただきまして、意見交換をした上で取りまとめたものでございます。
 この中でも、その他の2番目のポツにありますけれども、今回の進め方を前例としないようにとの指摘を真摯に受け止め、今後、地方にとって重要なテーマについては関係する自治体と十分な時間的余裕を持って丁寧に協議をすることとする、その部分の上にもありますけど、子育てに関するナショナルスタンダードの観点も踏まえて、地方団体と協議をしながら検討をする、それから、具体的な事務に当たっても地方団体、もしくは地方自治体の意見を聞きながら取組を進めるとか、そういったことをやっていきたいと思っております。その過程の中で、伝わり方の話が戸ヶ﨑委員からございましたけれども、まさに今回の措置が「抜本的な負担軽減」であるということは、今、政府内でもいろいろ広報の手段などは調整をしているところですが、しっかり政府全体を挙げてやっていきたいと思っております。
 それから、今村委員から御意見のありました、まさに1,649億あれば、ほかのことにというところでございます。そのことについては、私どもとしての論評はなかなか難しいところではあるんですけれども、まさに財源確保のところであっては、4ページを御覧いただければと思います。まさに今回の財源というのは国の歳出改革や租税特別措置の見直し等によって捻出することを想定するということで、先ほどの政党間合意のほうにもありましたけれども、ほかの教育財源に手をつけないということになっており、まさに今回の予算案の仕上がりを見ると、他の教育予算を削ってこちらのほうに回したということがないという形には予算が仕上がっているのではないかと思っております。あと、1,649億円は地方分も合わせると約3,300億ということになりますけれども、この予算を給食の質の向上も含めて有効に活用すべく、政府としてもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、阿部委員から御質問がありました。その中で、さらに現場レベルでまだ説明が届いていないというところで、特に先ほどの生活保護ですとか要保護ですとか特別支援就学奨励費との重なりの部分をどう扱うかという御質問などもございました。現在、説明のスケジュールとしましては、先々週の金曜日に都道府県向け説明会を開催し、その後、先週の月火水の3日間において、市町村の事務担当者、1,700の自治体につきまして、ブロックに分けまして、市町村向け8ブロックの説明会を開催させていただいたところでございます。その中でも、まさに既存の制度との重複ですとか、例えば、生活保護を代理受給してどうするんだとか、そういった御質問をいただいております。今、QA集も1回、地方自治体向けには送付をさせて、その後改定して送付するという手続をさせていただいておりますが、特に事務の部分で、学校事務職員の皆様にも特に重要な影響があるところでございますので、そういった方々への説明なども今後検討してまいりたいと思っております。
 中学校につきましては、まさに先ほど今出していただいている4ページのところについて、中学校給食についても小中学校の給食実施状況の違い等も含めた課題の整理を行った上で検討と書いております。中学校はデリバリー給食、選択制などをやっている自治体も数多くございますので、小学校とは少し異なった観点も検討が必要になろうかと思いますが、こういった記載になっております。
 その上で、あと公会計について、堀田委員、澤田委員、そして、阿部委員からも御質問、御意見を賜りました。2ページを御覧いただければと思いますけれども、まさに今回の事業ですけれども、基本的に学校給食費のことを全く含めないという形であると、なかなか予算を使うことは難しいんですが、学校給食費を含めた形でありましたら、その他の公会計化についても活用可能ということで、その点はしっかり自治体向けにアピールをしていきたいと思います。
 それで、今回の給食費の抜本的な負担軽減を検討するに当たって、特に市長会、町村会辺りで、公会計をしないと支援対象にならないんだという情報が流れ、その部分は条件とはしないというように政府文書等では書かれているところでございますが、一方で、大原則としては、地方自治法210条に基づいて公会計をするということ、つまり、歳入歳出に計上するということ、ないし、その事務を学校ではなくて自治体の事務とすること、これを併せて「公会計化等」という言い方をしておりますが、この2つを進めていくことは大変重要であると考えております。
 ある意味、今回、令和7年度の補正予算で緊要性のある取組として、今回、措置をさせていただいたところでございますが、逆に言うと、自治体が今回条件じゃないから公会計化は先送りにすればいいんだというような誤解を持たれても、我々としても本意ではないので、まさに今回、補正予算が手当てをされているうちに、しっかり各自治体には公会計化に取り組んでいただきたいと思っておりますし、これがあくまで本当に補正でございますので、パーマネントに続くものではないという前提でしっかり取り組んでいただければということを私たちとしても周知をしていきたいと考えております。
 以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございました。今、課長のほうから応答いただきましたけれども、途中から入られた委員の方々も、ほかにもいらっしゃるようですけれども、追加の御意見ありましたら承りますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、ひとまず、議題2の質疑応答、意見交換はここまで……、あ、髙島委員、どうぞ。失礼いたしました。
 
【髙島委員】  失礼いたしました。芦屋市の髙島です。よろしくお願いいたします。昨年7月の第151回初等中等教育分科会でもこの無償化の話、私からも発言をさせていただきました。改めてこういう形で一つ決着がついたというか、固まったということで、その中で、様々先ほどもいろんな経緯ありましたけれども、私も3党のヒアリングの中にも参加をさせていただきまして、給食については意見を申し上げてきました。
 今回改めて感じるのは、当然子育て世帯の経済的な負担軽減は重要だと思います。ここはすごくありがたいと思います。一方で、その議論の中にどれだけ子供の視点があったのかということ、子供にとって何が最も良いかを考えて政策を詰めるということが本当になされていたのかというところ、ここには改めて大いに懸念が残る中でのこの間の議論だったかなあというのは思います。特に給食に関して言うと、当然無料になったらうれしいみたいなことを否定する人はいないと思うんですが、一方で、その中で、中身について、質についての担保がきちんとなされているのかということについては、なかなか最後まで、きっちりと議論の中でメインテーマになっていたのかというと、そうでない部分もあったかなと思います。この間、最後の最後、それこそ基礎自治体は子供たちの健全な発達に責任を有する立場ですので、そこの意見が最終的にはきちんと考えられて、例えば保護者負担を上乗せするということも含めて議論が落ち着いたことは非常によかったと思いますが、今後はいろんなことあると思いますけれども、改めて子供の視点を忘れないということ、教育は中身が大事ですので、質についてこだわるということ、この2点は、この件に限らず、高校無償化の話もそうですし、給食の話もそうですし、それ以外のことについてもぜひ考えて議論をしていただければなと思っております。
 特に給食に関して、芦屋市は非常にこだわっていまして、例えばうちは自校調理でやっているということ、そして全校で給食の栄養士さんがいらっしゃってやっているということもそうなんですが、これ実は最近、ロサンゼルスの教育委員会でも芦屋の給食の取組、注目をされて、給食担当者のセミナーも開催をされている状況です。そう考えると、給食、これは日本の誇るべき文化だと思いますし、給食以外にも日本の学校教育って本当に世界に発信できるすばらしい価値を持っていると思います。そういうところが毀損されないよう、中身、質、こだわってこれからも議論されればなと思います。
 最後に蛇足かなと思うんですが、151回でも話した内容をもう1回話して終わりにしたいと思います。結局何で無償化の話ばっかりになるかというと、私は本質的な議論が全然伝わっていないところに帰着すると改めて思います。基本的に教育委員会、文科省がニュースになることってやはり悪いニュースのほうが多いと思うんです。日頃の頑張りをどう世間に伝えていくか、これはつまり、学校関係者じゃない人たち、保護者じゃない人たちにどう伝えるかということ、これは極めて大事だと思います。この間、学習指導要領の改訂もそうですけれども、いろんな中身についての議論、行われています。今回、結構発信頑張っているんじゃないかと思うんですが、より学校関係者以外にも伝わるように、どれだけ現場が頑張っているか、どれだけ文科省が未来を見据えて考えているか。我々、中教審もそうですけれども、議論の発信というのも引き続きやっていただければと思いますし、私も微力ながら貢献したいと思っております。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。最後は、今回の議題2だけではなく、議題1も含めて、また、もう少し広い範囲の取組を含めての大事な御意見をいただいたところでございます。ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本日議題2つの御意見をいただきましたが、この辺りにさせていただきたいと思います。
 最後に次回の予定につきまして、事務局から御説明お願いいたします。
 
【植阪委員】  すみません、そのほかということで、いただいた資料について、ほかの点について、コメントすることは可能でしょうか。
 
【貞広分科会長】  よろしいですか。
 
【草野教育制度改革室長】  大丈夫です。
 
【貞広分科会長】  すみません。私のほうで議題だけを取り上げましたので、では、議題以外ということで、植阪委員から御意見があるということでございます。よろしくお願いいたします。
 
【植阪委員】  すみません、もう終わりかけのところに恐れ入ります。丁寧にさまざまな資料を付けていただき、ありがとうございました。拝見していて、皆さまが本当にご苦労されながら検討を進めてこられたことが伝わってきました。せっかくですので、資料を拝見して感じたことを、いくつかお話しさせてください。大きく4点ございます。
まず1点目です。教育の充実について、非常に多くのことを考えていただいている点に、まず感謝を申し上げたいと思います。特に、学校の先生方が大学と連携しながら教育の質を高めていくための機会保障や支援について、ぜひ引き続き検討していただければと思っています。
 これは先ほどの議論1ともつながる話ですが、私は静岡市内の公立高校に、いわゆる無償化が導入されて以降、8年ほど関わってきました。無償化が始まって以降、率直に申し上げますと、公立高校において「しんどい層」が増えたという実感があります。立地条件のあまりよくない地域では、これまで公立に進学していた層が一気に私立へ流れ、その結果、もともと存在していた困難を抱える生徒層のボリュームが増した、という感覚です。
 その学校では、授業改善、学習方法の改善、生徒自身の学び方の改善といった、教育の質を何とか高めなければ高校教育として立ち行かない、という状況に直面し、大学と連携するようになりました。学力を保障しつつ、生徒に楽しく学んでもらうために、大学とつながりながら必死に取り組んでいる学校の姿があります。
 近年、自己調整学習や学習方略など、教育心理学の知見がカリキュラムの中にも入り込んできていますが、これを先生方が深く理解し、実践し、教育の質を高めていくためには、学校だけの努力ではどうしても限界があります。大学とつながること、また大学と連携している他校の先生方の実践から学ぶことは、非常に大きな力になります。学校だけに「頑張れ」と言っても、どうすればよいのか分からず、現場はとても苦しくなってしまいます。
 世界的にも、大学と現場が連携して新しい知見を教育の質向上につなげる、いわゆるリサーチャー・プラクティショナー・パートナーシップは非常に重視されています。スウェーデンやオランダでは、国が多額の予算を投じてそれを推進している例もあります。先生方が「支えられている」と感じながら質の向上に取り組める環境づくりは、極めて重要だと思っています。
 関連して、ある大田区の小学校の先生が、「教職大学院ではなく、大学で学びたい」と考えて修士課程に進学された事例があります。現在は千葉大学に通われているのですが、フルタイムで教員をしながら大学で学ぶことは非常に大変です。それでも、校長先生などの理解や時間的配慮を得ながら学び続けた結果、その学校全体が大きな推進力を得て、教育の質の向上につながっています。
 このように、意欲ある先生が教職大学院に限らず、いわゆる通常の大学、大学院とつながれる仕組みは、日本ではまだ弱いと感じています。先生でありながら研究者でもある、いわばティーチャー・リサーチャーを支える制度的な後押しは、ヨーロッパでは現実的に進んでいますが、日本では依然として難しい状況です。制度面も含めて、ぜひバックアップしていただきたいと思います。これはデジタル活用を進める上でも、非常に重要な点だと考えています。
 2点目です。資料6の17ページについてです。ここでは英語力の課題が予算項目として挙げられていますが、私自身、日本の子どもたちの英語力の問題は非常に大きいと感じています。赤ちゃんが言語を学ぶ場合はインプットを増やせばよいのですが、大人が学ぶ場合にはそれだけでは難しい。基本的な文法事項や発音ルールをしっかり教えた上で、それを使う機会を保障するカリキュラムが、まだ十分に整っていないように思います。
 以前、ドイツの先生方が学校見学に来られたことがありました。60人ほどいらっしゃったのですが、ほとんどの教科については好意的な意見を持たれた一方で、英語だけは「なぜこんなに発音しないのか」と強く指摘されました。これは日本の英語教育の大きな問題だと思っています。入試制度とも深く関係しており、学校単体の問題ではありませんが、教えた上で使う機会を保障し、「使える状態」まで持っていくカリキュラムが必要です。使う練習を通して文法や発音を学び直す側面もあると思いますので、ぜひ検討をお願いしたい点です。
 大学入試についても大きな課題があります。外部試験の導入が頓挫した現状を踏まえると、外部試験に頼らずとも、高校卒業時にCEFRの 一定基準(例えばB2相当)を学校として認定し、それを大学入試で求めるといった仕組みも考えられるのではないでしょうか。外部試験は経済的負担の問題もありますので、学校や校長の認定でも構わないと思います。高校までの英語教育を受けた結果として、それが保障される環境をぜひ整えていただきたいと考えています。
 3点目です。資料6の28ページ、大学への支援についてです。支援を増やしていただいたことは本当に大変ありがたく思っております。大学におりますと、円安の影響を強く感じます。学術論文の購入コストが大幅に増え、大学の実質的な研究力が圧迫されている側面があります。大学が引き続き社会と連携し、リソースを提供していけるよう、継続的な支援をお願いできればと思います。
 最後に4点目です。外国人の子どもへの日本語教育についてです。資料では41~42ページあたりになります。外国人の子どもに対する日本語教育の重要性は言うまでもありませんが、私が特に気になっているのは、日常言語ではなく学習言語の問題です。日常会話はできても、きちんと書いたり説明したりすることが非常に難しい子どもたちが多くいます。
 さらに研究から分かってきたのは、発達に遅れがなく、日本語を母語とする子どもであっても、学習言語が弱いために授業についていけないケースが少なくないということです。文科省のデータでも、6.5%から約10%の子どもが該当します。これは国語だけでなく、社会など他教科の学習にも大きな影響を及ぼします。
 学習言語を外国籍の子どもに対する「特別な支援」としてではなく、学校教育のカリキュラムの一部として位置づけることは、日本語母語話者の子どもにとっても大きな意味があります。小学校段階でのケアが、中学校・高校での学習を支える上でも極めて重要だと感じています。
 長くなってしまい、失礼いたしました。以上です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。それぞれとても大事な御指摘なのですが、今日、御担当官のそれぞれの方がいらしていないんですよね。これ、ぜひ議事録にも反映されるということだと思いますので、それぞれの課にしっかりとお伝えをいただくということ、どなたかから応答されますか。では、今井審議官、お願いいたします。
 
【今井審議官】  失礼いたします。お答えできる中で2つほど、4点の中の2つです。大学との連絡の連携と、それから大学への支援のところで、ここは初等中等教育分科会でございますので、高校との絡みで御説明させていただきたいと思います。
 まず、最初のお話は、資料1をお開きいただけると、ページ数は18ページをお開きいただけたらと思います。先ほども御紹介させていただいた高校教育改革に関する基本方針、グランドデザインの骨子でございますけれども、実は高校教育改革というグランドデザインになっておるんですが、18ページ、もしお開きいただけたら左側、まさに背景の中で、社会状況の大きな変化、2040年に向けて、これから長期的に取り組まなきゃいけないことを書いておるんですけれども、2つ目の黒ポツを御覧いただきますと、グランドデザインのまさに基本的な考え方の中に埋め込んでおりますが、今後の高校改革に取り組む3つの視点、それを整理した上で、その後でございますけれども、高校から大学、大学院に至るまで一貫した教育改革により、強い経済や地域社会の基盤となる人材育成を実現する。これが第一前提となっています。なので、高校だけの話ではなく、高校から大学、大学院を意識しております。
 その上で、例えばなのでございますけれども、19ページを御覧いただきますと、視点2、これはまさに我が国の社会経済を支える人材育成という、今後、日本が2040年に向けて取り組まなければいけない点の中に、実現する取組、方向性とございますが、それの黒ポツ4つ目のところでございますけれども、国内外の大学、高校とも連携しながら、社会的課題の解決に向き合う学び、また、グローバル人材の育成というのを埋め込んでおりますので、先ほど先生から御指摘いただいたように、我々、常に大学との連携というのは意識をしております。具体的な連携の仕方については、これから基金でありますとか、それから交付金の制度が立ち上がってくると、そういったところもまた、より具体的なもの出てくると思いますけれども、今回の改革は高校だけではなくて、大学との連携、そういったものは強く意識している改革だということはお伝えをさせていただきたいと思います。
 その上で、20ページを御覧いただきますと、先ほどグランドデザインの中での支援で公立高校支援というのがございますけれども、あわせて最後、20ページの(1)番の2つ目の箱、実行計画の策定、実施及び支援方策の黒ポツ5、一番最後でございますけれども、ここの中には、大学、高専に向けては現在設定されています基金、大学・高専機能強化支援事業等を支援によって促進するというのもございますので、これは初中局、高等局、それぞれの立場で連携を取りながらも、高校の支援、それから大学等への支援、これをセットしていくということは、グランドデザインの中で触れておりますので、そういった点、強く意識して進めていければと考えております。
 私からは以上でございます。
 
【貞広分科会長】  では、堀野審議官、お願いいたします。
 
【堀野学習基盤審議官】  担当外も含めて一言。大学との連携につきましては、現在、教員の養成課程の議論も行われておりますけれども、その中で、今後の大きな方向性として、あまり教職課程そのもののハードルが高いと、なかなかいろんな人が入ってこられない。そこはコアを絞りつつ、一人一人違う強みを生かしていくという方向性で議論がされておりますが、それも入る最初のときだけではなくて、教師になった後もずっと強みを高めていったり、より強くしていったり、そういったものを大学の力も借りながらグレードアップしていくという方向性の議論が今行われておりますので、引き続き全体として大学との連携は重要だということで進めていきたいと思います。
 あと、初中局じゃないですけれども、国立大学予算につきましては、今年、当初予算で180、今までずっと横ばいだったのが、188億当初予算でついたというのはかなり画期的な変化でありますし、補正予算で486億ついているというのも、もうかなり頑張ったというところでございまして、ここは引き続き高等局、頑張っていただけると思います。
 あと、外国人の日本語教育につきましても、日本語教育だけじゃなくて、学校の中でしっかり自信を持って活動していくために、中身のほうについてもしっかりやっていけるようにということについては、総合教育政策局のほうで、有識者会議の議論が進められていると承知しておりますので、そちらも着目していただければと思います。
 以上でございます。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございました。丁寧に応答いただきました。では、植阪委員、もう一度、何か。
 
【植阪委員】  すみません、一瞬だけ。ありがとうございます。先生自身が探究をする、生徒だけではなくて先生の探究をバックアップする。先生になってからのトレーニングが日本の特徴だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 大学の件について、ありがとうございます。失礼いたしました。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。では、続きまして、八並委員、どうぞ。
 
【八並委員】  日本生徒指導学会会長の八並です。私のほうから参考資料の7の生徒指導上の諸課題に関する調査結果、及び参考資料の8のSNS上の暴力行為の動画の緊急の対応要請について、参考意見を述べたいと思います。
 その前に参考資料7の令和6年度の生徒指導調査では、皆さんも既に御存じだと思いますが、いじめやいじめ重大事態、不登校、暴力行為は最多になっています。また、自死に関しては413名ですが、警察庁の統計では528名です。このような生徒指導の諸課題に関して、私自身は国家的な危機ともとれる状況だと思います。
 なお、不登校といじめの関係については、注意が必要だと思っています。今回の生徒指導調査では、「不登校児童生徒について把握した事実」において、「いじめの被害の情報や相談があった」というのは、小中合計で1.4%と非常に低いです。ところが、文部科学省の「令和2年度不登校児童生徒への実態調査」では、当事者の児童生徒は、最初に学校へ最初行きづらいと感じたきっかけは何ですかという質問に対しては、「友達のこと(特に嫌がらせやいじめがあった)」と、小学生が25.2%、中学生が25.5%、回答しています。いじめにおける不登校重大事態も考慮すると、いじめ、不登校、暴力行為というのは三つ巴で関連している可能性が大きいということを認識していただくのがよいと思います。その上で、参考意見を2つ述べます。
 第1は、暴力行為、あるいはいじめに関しても、未然防止と再発防止が重要になってくると思います。そのためには、入学時や1学期の早い段階で、各学校が公開している学校いじめ防止基本方針の周知徹底が必要です。自校のいじめへの認識、未然防止や早期発見、対応、重大事態等について、児童生徒や保護者に周知することが非常に大事になります。
 この点に関しては、既に文部科学大臣決定による「いじめの防止等のための基本的な方針」というのがあります。これは2013年10月に公表され、最終改定は2017年です。同基本的な方針の25ページの中で、「策定した学校いじめ防止基本方針については、各学校のホームページへの掲載その他の方法により、保護者や地域住民が学校いじめ防止基本方針の内容を容易に確認できるような措置を講ずるとともに、その内容を、必ず入学時・各年度の開始時に児童生徒、保護者、関係機関等に説明する。」となっています。したがって、学校いじめ防止基本方針の周知は、マストということです。
 しかし、長年の教員研修の講師やいじめ重大事態調査の第三者委員会の経験から申し上げると、確かに学校いじめ防止基本方針はホームページで公表はされていますが、児童生徒たちがその基本的な方針を知らない、あるいは学んでいない。特に、いじめ重大事態調査では、関係する児童生徒も保護者もそのようなものがあることすら知らないという状況がよくあります。したがって、入学時や1学期の早い段階で児童生徒への学校いじめ防止基本方針の周知のみならず、学級活動等を活用して、学校いじめ防止基本方針そのものを教材として学習することも必要だと思います。
 他方、保護者へは学校いじめ基本方針に関する説明文の配布、あるいは、2022年に文部科学省が公表した『生徒指導提要』デジタルテキストの閲覧啓発をするのがよいと思います。同デジタルテキストは、学校教職員向けの基本書ではあるものの、今、関係機関等の多くの方に読まれています。『生徒指導提要』の中で、特にいじめ、不登校、暴力行為に関する基礎知識を啓発していくことも大切ではないかと思います。具体的には、第4章「いじめ」、第5章「暴力行為」、第6章「少年非行」、第10章「不登校」、第12章「性に関する課題」を扱っています。保護者に学校の生徒指導を理解していただくと同時に、お子さんに対する責任に関しても認識していただくのがよいのではないでしょうか。
 第2は、学校と関係機関等の情報・行動連携によるネットワーク型の地域支援体制の構築が必要ではないかと思っています。これは学校警察連絡(連携)制度、いわゆる学警連とは異なります。現状での暴力行為の深刻さやSNSでの拡散等を考慮すると、暴力行為やいじめが、児童生徒の命、人権、未来に及ぼす負の影響は甚大です。取り返しのつかないことになります。とりわけ学校や教育委員会が少年非行事案として、あるいはいじめ重大事態として動き出すタイミングにタイムラグが起きてしまい、事案の重篤化し、学校内外からの厳しい批判を受けています。
 いじめ防止対策推進法・第23条の第6では、「学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。」と規定されています。
 暴力行為やいじめ重大事態等への迅速な組織的対応や未然防止・再発防止を考えると、学校や教育委員会だけでは難しくて、平素から中学校区を基本に、学校と関係機関等による情報・行動連携によるネットワーク型の地域支援体制の構築が必要ではないかと思います。なお、いじめ防止対策推進法・第14条のいじめ問題対策連絡協議会は、「地方公共団体は、いじめの防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、条例の定めるところにより、学校、教育委員会、児童相談所、法務局又は地方法務局、都道府県警察その他の関係者により構成されるいじめ問題対策連絡協議会を置くことができる。」となっており、必置ではありません。
 参考になるのは、古い話ですが、2004年に学校と関係機関等の行動連携に関する研究会による「学校と関係機関等との行動連携を一層推進するために」というものがあります。当時、私は有識者として関わっていました。全省庁挙げて、これに取り組みました。前年の2003年の時点で、国が「青少年育成施策大綱」、あるいは「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」というのを出していました。したがって、当時の行動連携というのは主に少年非行に力点があり、なおかつ、ネットの普及状況も全く異なります。しかし、考え方や連携フロー等は、今も参考になるのではと思います。
 これに関連して、2011年に国立教育政策研究所生徒指導研究センター、現在は生徒指導・進路指導研究センターですが、「生徒指導資料第4集 学校と関係機関との連携-学校を支える日々の連携」というのがありますので、御一読いただければと思います。
 以上、参考意見です。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございます。こちらにつきましても御担当官いらっしゃらないんですが、堀野審議官が応答してくださるそうです。お願いいたします。
 
【堀野学習基盤審議官】  御意見、御指摘ありがとうございました。暴力、いじめについて非常に重要な、深刻な問題が続いております。今、御指摘のありましたとおり、学校いじめ防止基本方針というものが児童生徒、保護者に周知されていないという部分、具体的な御経験からの御指摘だと思いますので、我々のほうも、そこはそういうことがあるという認識を持って、今後しっかり周知を進めていくように働きかけていきたいと思います。
 また、学校と関係機関のネットワーク、非常に大事な御指摘でございます。今回のSNS事案につきましても、参考資料8の丸2のところで書いてありますとおり、警察との連携した対応をためらわないということをしっかり書いて、関係機関と御相談しながらやっていくというものを前面に出して、通知もしているところでございまして、しっかりネットワークで、学校だけで抱え込まない、地域の関係機関と連携しながらやっていくという方針を、しっかりまた周知徹底していきたいと思っております。御指摘どうもありがとうございます。
 
【貞広分科会長】  ありがとうございました。私のほうで先走ってしまいまして、意見を頂戴しそびれるところでございました。申し訳ありません。大変失礼いたしました。
 それでは、終了時刻が迫っておりますので、まだ御意見あろうかと思いますけれども、本日はこちらで終了ということにさせていただきたいと思います。
 最後に、次回の予定につきまして、事務局からお願いいたします。
 
【草野教育制度改革室長】  事務局、草野でございます。
 次回の会議の日程につきましては、また追って事務局から御連絡をさせていただきたいと思っております。以上です。
 
【貞広分科会長】  それでは、本日、予定した議事は全て終了いたしましたので、これで閉会といたします。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
 
■会議後に頂戴した御意見
 
【藤田委員】
 本日の「資料1」の「高校改革の方向性~2040年に向けた高校の姿~」の「<視点2>我が国の社会・経済の発展を支える人材育成」と、「参考資料8」の「SNS上における暴力行為等の動画の投稿・拡散を受けた各教育委員会に対する緊急の対応要請について」の「暴力行為・いじめを許容せず、児童生徒が声を上げられる環境整備」について、「教育委員会等による取り組み」の充実が要請されていることについて意見を申し上げたいと存じております。
 戸ヶ﨑委員や文部科学省今井審議官からも御発言があったように、教育委員会における安全で安心な学校環境の整備の充実に加えて、現在進行中の次期学習指導要領の検討において、教育課程企画特別部会の各教科や総合学習(探究)の時間、道徳、特別活動などのワーキングの中で、「児童生徒の安全・安心を確保するための教育活動」の取扱いとして、特に、事件事故や災害による児童生徒や教職員、さらには家庭や地域の学校関係者の被害の発生を予防するとともに、「協働を基盤とする安全で安心な学びの確保」の視点から、高齢化・少子化による未来の地域の安全や安心に関わる課題の解決を担う中核人材を育成する観点を、次期教育課程の検討内容に含めて御議論いただきたいと思っております。
 
【青海委員】
 2040年には、理系やデジタル分野、地域産業を支える人材、エッセンシャルワーカーの大幅な不足が見込まれる一方、AIやロボット等による業務効率の向上に伴い、人材が余剰になるなど、求められる人材像の変化と加速化する人口減少を踏まえれば、抜本的な高校教育改革の推進に異議はありません。ここまでの文科省の御尽力に敬意を表します。
 そして、高校教育改革の基本方針には、社会構造の変化を見据え「専門高校の機能強化や高度化」「普通科高校の改革・また理数の強化」「地域唯一の高校の魅力化」は、大切な切り口です。私立高校は、大学附属などもあり、独自の校風、特色ある教育プログラム、充実した施設・設備など、公立高校にはない魅力があることも事実であり、生徒にとって重要な選択肢の一つです。高等学校等就学支援金制度の見直しを通じて、生徒は公立・私立の特色を比較検討し、より主体的な進路選択を行うことが可能になります。
 こうした中、いわゆる高校無償化が、進路選択の幅を広げるという大きな意義をもつ一方で、一部地域においては、公立高校の入学者数が減少し結果として入試倍率の低下や、それに伴う生徒の受験に対する危機感の低下、さらには学力低下が懸念される現状があります。 
 高校無償化が、各地域における唯一の高校や、地域産業を支えてきた専門高校等を衰退させ、地方創生の流れに逆行することがあってはなりません。地域の産業を担う人材育成に重要な役割を果たしている専門高校の多くが公立高校であることから、公立高校離れは地域の産業にも大きな影響を及ぼすものと考えられます。
 公立高校がこれまで培ってきた地域社会への貢献や、多様な生徒のニーズに応える教育を提供し続けるために、十分な予算を確保し、専門高校を含む公立高校の魅力を向上させるための施策を講じる必要があります。グランドデザインの実行計画、具現化に期待します。
 最後に、令和7年度補正予算における高等学校教育改革促進基金の設置により、2040年向けたネクスト(N-E.X.T.)ハイスクール構想として、改革を先導する拠点への支援が動き出すことは大変評価できます。
 一方、補正予算による基金設置は改革への第一歩であり、今後は現場の実情等を踏まえた実効性の高い基本計画の設計と、一過性の支援に留まらず真の教育改革につなげるための令和9年度からの交付金の構築が必要だと思います。以上です。
 
【緒方委員】
 高校無償化を柱として、全ての生徒が自らの希望に応じた教育を選択でき、とりわけ、特別支援学校高等部が支援金制度の対象として明確に位置付けられ、所得制限の撤廃により安定的な授業料支援が行われることは、障害のある生徒とその保護者に大きな安心感をもたらし、教育の機会均等の理念を前進させるものであると考えます。
 ただし、特別支援学校は、専門的な教職員の配置、施設・設備の整備、医療的ケアや個別支援体制の構築など、高等学校と比較しても多額の経費を要します。都道府県の負担が新たに生じるとのことですが、自治体の財政状況によって教育環境や支援の質に格差が生じることがないよう要望します。
 また、今後、実施状況の検証の際、特別支援学校に在籍する生徒の学習環境や進路実現への影響についても丁寧に検証し、特に、障害のある生徒や保護者等の当事者の声を制度改善に反映させていただくことを望みます。
 さらに、高校改革については特に異論はありませんが、現状、中学校の特別支援学級から高等学校へ進学する生徒もいます。
 現在実施されているインクルーシブな学校運営モデル事業などの成果も踏まえ、インクルーシブ教育システム促進の視点も今後の高校改革の中で検討していただけると幸甚です。
 
【髙島委員】
 資料1の18ページのグランドデザインについて、1点申し上げます。
 「AIに代替されない能力や個性の伸長」とありますが、この「AIに代替されない」と言わない方が良いのではないかと考えています。
 「AIに代替されない」ではなく、「AIに代替されたくない」「AIに任せたくない」を考えるべきではないでしょうか。
 AIの技術はどんどん進んでいます。具体的に「代替されない能力」として例示されている内容は数年後に代替されているかもしれないし、そもそも「代替されるなら不要」というわけではないと思います。
 代替されるかどうかではなく、代替されたくないか、という人間の意思みたいなものを大切にすべきではないかと考えます。ぜひ、今後の議論をする際に念頭に置いていただければ幸いです。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)