初等中等教育分科会(第125回) 議事録

1.日時

令和2年4月27日(月曜日)14時00分~15時00分

2.場所

文部科学省旧庁舎6階第2講堂
東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 全国の学校教育関係者のみなさんへのメッセージ(案)について
  2. その他

4.議事録

【荒瀬分科会長】 では,ただいまから第125回中央教育審議会初等中等教育分科会及び第7回新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会の合同会議を開催いたします。
本日は,新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中,子供たちの学習機会の保障や心のケアなどに取り組んでおられる全国の学校教育関係者の皆様に対し,中央教育審議会初等中等教育分科会及び新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会としてメッセージを発信していくことについて,委員の皆様から御意見を頂きたく,大変急ではありますが,会議を開催することとなりました。皆様には御予定を調整していただき,本当にありがとうございました。
感染拡大を防止するため,また,今後の会議形態を考慮するため,試行的に時間を短縮してではありますが,ウェブ会議方式にて開催させていただきます。私も現在,自宅で参加しております。初めての試みで,事務局で様々に御尽力いただいておりますが,万が一何かのトラブルがありました場合は,会議の進行の全てを事務局にお任せすることにしています。その点,御承知おきいただきたいと思います。
では,まず,本日の資料につきまして,事務局から御説明をよろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】 事務局,教育制度改革室長,田中でございます。委員の皆様におかれましては,大変お忙しい中,また,大変急な案内であるにもかかわらず御参加いただきまして,心より御礼申し上げます。
本日は,試行的にウェブ会議方式で開催させていただいております。初めての試みで,御不便をおかけすることもあろうかと存じますが,何とぞ御理解のほど,よろしくお願い申し上げます。
資料につきましては,メールで送らせていただきましたけれども,メッセージ案というものがメインとなります。それから,参考資料,岩本委員,今村委員から参考資料ということで御意見を出していただいているところでございます。
本日,ウェブ会議を円滑に行う観点からお願いが幾つかございまして,御発言に当たりましては,インターネットでも聞き取りやすいよう,はっきり御発言いただくなど,お願いいたします。また,御発言のたびに名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。
また,御発言のとき以外は,今,皆様がしていただいているように,マイクをミュートにしていただくようにお願いいたします。また,御発言に当たりましては,「手を挙げる」ボタンがございます。挙手ボタンがございますので,こちらを押していただければと思います。
通常でございましたら,荒瀬分科会長のほうで司会進行するところでございますけれども,今回,この挙手機能を把握する機能,こちら,事務局にしかございませんので,便宜的に,今回に限りまして,私,田中のほうで順次当てさせていただきたいと考えております。御不明な点等ございましたら,どうぞお申しつけください。
【荒瀬分科会長】 どうもありがとうございました。
それでは,本日の議題に入りたいと思います。「全国の学校教育関係者のみなさんへ」のメッセージにつきまして御議論をいただきたいと思っております。今,画面で資料を出していただいております。急ぎ足になりますが,少しだけ御一緒に確認していきたいと思います。
まず,この件につきましては,本当にお忙しいところ,急なお願いにもかかわらず,様々に御意見を頂戴いたしまして,本当にありがとうございました。頂きました御意見を反映する形で,もちろん全てではなく,大変申し訳ないのですけれども,まとめたものとして,この案ができております。
今映っております冒頭の部分でありますけれども,この間,お亡くなりになりました方々でありますとか,あるいはまた,生活や事業,あるいは治療生活といったようなことで大変困難な状況におられる方々に対しての言葉をまず述べさせていただいております。
その後,この状況が必ずしも短い期間に終わるのではないということで,じゃ,どうしていくのかということを考えるということで,今,画面に出ております枠囲みの中の3点につきまして,まず1点目は,主に学校関係の皆さんと,教育委員会を含めた設置者である皆さんへのメッセージ。2点目といたしまして,こちらは文部科学省に対するメッセージ,要望であります。3点目,それらを受けまして,今進められているGIGAスクール構想を本当に早く定着させていくということと同時に,だからといって,学校が要らないわけではない,教員が不要なわけではないということで,改めて,これからの学校がどのようにあるべきかということについて,全国の学校関係者の皆様と一緒に考えたい,そういう内容を込めております。こういったことにつきまして,今日,本当に時間のない中ではございますが,御意見を頂戴できればと思っております。
先ほども申しましたし,田中さんからもございましたように,具体的な進行は文部科学省でやっていただくことになるわけでありますけれども,既に御意見は出していただいておりますが,今日改めて,もう一度御意見を頂く,あるいはまた,参考資料を出していただいております岩本委員と今村委員につきましても,御意見,更に御説明含めてございましたらお願いしたいと思います。
それでは,田中教育制度改革室長,よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】 荒瀬分科会長,ありがとうございました。それでは,御発言のあります方は,お手元の挙手ボタン,「手を挙げる」ボタンを押していただければと思います。恐縮ですが,私のほうで順次御指名申し上げます。
では,戸ヶ﨑委員,お願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】 戸田市教育委員会の戸ヶ﨑でございます。
まず,2ページの5行目です。「社会のセーフティーネットとしての役割をも果たしている学校」という文言を入れていただきました。これまで学校は,「学びのセーフティーネット」とは言われてきましたが,今般,学校は子供の受入れなど,献身的に「社会のセーフティーネット」としての役割も果たしています。今後は,アフターコロナの際も,さらなる家庭の経済格差が懸念されますので,家庭の社会・経済的な背景,いわゆるSESというものの格差を乗り越えられる「効果のある学校」になる必要を込めて,ここに入れさせていただきました。
次に,17行目です。「学校再開後を見据えた授業の質や量の確保のための指導計画の見直し」という部分です。恐らく今後,授業時数の確保に関して,学校や教育委員会からは,「弾力的に柔軟に対応させて欲しい」とか「量の確保もよいが質の確保こそ大切である」という声が多くなると思います。しかし,質の確保が定量化できずに曖昧なものでしかない以上,まずは量の確保に向けても,この際,あらゆる教育活動のゼロベースからの抜本的な見直しの機会と捉えるなどして,学校も教育委員会も最大限の努力が必要であると,自戒を込めて考えておるところでございます。
それから21行目です。ここは新たに申し上げる内容ですが,「教職員の安全・健康を守って頂く」に続く文言として,「とともに,特に児童・生徒の学びの保障や心のケアなどに向けた学校の取組に十分な支援をお願いします。」と,教育委員会に対するメッセージということで入れていただけるとよいと思いました。
続きまして3ページです。3ポツの8行目です。「更に踏み込んで家庭のICT環境の充実を支援することが不可欠です。」と付け加えていただきました。今般,GIGAスクール構想の一層の重要性が再認識されました。その一方で,その設計についても一部見直しが必要になったように思います。具体的には,学校のICT環境整備は,オンラインの家庭学習との接続を設計に入れて整備する必要性です。更に,今般の感染予防等を鑑みると,これからは「教師の自宅から子供たちの家庭へ」という設計も必要になってくるのではないかと思います。ここの部分については,たくさん言いたいことがありますが,時間の関係でこの辺でやめておきたいと思います。
続きまして,4ページです。10行目です。ここも追加をお願いしたいと思います。追加をお願いしたい文言は,「今般,オンライン学習が大変注目を浴びていますが,ICTで置き換え可能なことと,困難であると思われることも見えつつあります。学習意欲の喚起やつまずきへの対応など,先生方の教育支援も引き続きよろしくお願いします。」この文言を是非入れていただきたいと思います。
最後です。4ページの下から5から4行目です。「誰一人取り残さない個別最適化された学び」とありますが,これまで文科省が様々な資料等で述べてきたものとの整合性を考えると,「誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学び」となっていたほうがよいのではないかと思います。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 戸ヶ﨑委員,ありがとうございました。
続きまして,八並委員,お願いいたします。
【八並委員】
日本生徒指導学会の八並です。私の方から,3点あります。第1点目は,2ページの下から2行目です。文部科学省の支援ですが,「文部科学省におかれては」の後に,「既に,臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト『子供の学び応援サイト』など開設されておりますが」という文言を入れてはどうかと思います。
第2点目は,少し飛びますが,4ページの上から3行目のところで,「人を育てる営みであり,『場』や『間』という余白と」という表現があります。この「場」や「間」,「余白」という表現が,具体的にイメージできないような気がします。これについては,何か少し表現上の工夫をされてはどうかと思います。
第3点目は,同じ4ページの第2段落,4行目です。「対話的,協働的な学びを実現し」の後ですが,これは子供たちにという対象を入れたほうがいいと思います。「子供たちに,問題発見や解決に挑む資質・能力を育成する」という意味で,「子供たちに」という対象を少し入れてはどうでしょうか。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 八並委員,ありがとうございました。
続きまして,岩本委員,お願いいたします。
【岩本委員】 岩本です。私から,参考資料2で提出させていただいた提出資料を基に,3点ほど絞って意見を述べさせていただけたらと思います。入れるかどうかということは,一任します。文字が多くなったりする等ありますので。ただ,強調しておきたい点,3点,話をさせていただきます。
1点目は,提出資料の2ページ目の一番下のところです。「高まるリアルな地域社会の価値」という項目がありますが,オンライン化とこういったものが進めば進むほど,リアルの価値というものが高まっていくという部分です。ICTや先端技術なんかも活用した,いわゆる未来社会に開かれた教育を,この際しっかりと実現するというのは大切ですし,ただ,それと同時に,自然や文化だとか,そういったちゃんと五感で感じられるリアルな教育資源にあふれている,そういう地域社会にも併せて教育を開いていって,そうした中で,手触り感があり五感で感じられるオーセンティックな体験とか学びというのを同時に取り入れていくということが,これからのAI時代において,必要な感性もそうですし,今であれば,子供たちの心身の健康とか心のケアを考えたときに,オンラインだけではなくて,ちゃんとそういった五感体験だとか自然・文化をちゃんと生かしてやっていくという点においても非常に重要だということで,ここが1点目であります。
2点目は,最後,4ページ目,「今,これから必要なこと」ということで書かせていただいているところの一番上ですけれども,この状況において,今,もう学校だけで全てを解決するというのは非常に困難な状況になっているところですので,今こそ,学校が家庭や児童福祉機関,また社会教育機関などと,そういった地域社会と連携・協働して,多様な専門職なんかも含めたチーム学校として,正に誰一人取り残すことなく,どんな子供であっても社会とちゃんとつながって包摂され,守られていくというようなことを,このときだからこそ,そういった形で社会全体で守っていってもらいたいという点が2点目です。
最後,3点目は,この文章の一番下,文部科学省や教育委員会をはじめ学校設置者の皆様へのお願いというところですが,再三書かれていますけど,情報機器をはじめとした物的資源,それに加えて人的資源を十分に確保ということとともに,やはり現場の創意工夫をできる限り可能とするような柔軟な制度的な支援,また,現場の教職員の視点に立った分かりやすい制度説明だとか情報支援をしていただく,また,同じ都道府県であっても,学校だとか地域によって状況が今,本当に様々ですので,一斉一律だけではなく,本当に多様な現場,一つ一つの実態に寄り添う,現場においても個別最適化された伴走支援というのを,子供ファースト・現場ファーストで是非取り組んでいっていただけるように心からお願いしたいというところが,私,強調させていただきたい3点であります。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
続きまして,篠原委員,お願いいたします。
【篠原委員】 4ページ目のところが先ほどから議論になっていますけれども,全体の趣旨としては,私が申し上げた意見も入っているとは思います。ただ対面による授業が学校教育の基本なんだというところを,もう一段明記されたほうがいいんじゃないかなと。
なぜそんなことを私が申し上げるかというと,今回のコロナショックで,ICTによるオンライン学習の重要性が非常に高まっています。また,それが非常に役立っているということは私も理解をしております。これをきっかけに,こういう学習方法が,どんどん強化されていく流れが予想されます。
であるがゆえに,逆に対面,もっと言えばアナログ的な授業,学びの場を確保するとか,みんなで交流し合うとか,そういうようなことがおろそかにされて,じゃ,もうICTを使ったオンラインでできるじゃないかというふうに流されていくことを私,大変懸念しておりまして,そこはそうじゃないんだというところを,もう一つ押さえていただくと有り難いかなと,こういうふうに思います。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 すみません。お待たせしました。ありがとうございました。
続きまして,堀田委員,お願いいたします。
【堀田委員】 堀田でございます。今回の休業中の学習保障の関係で,在宅でのオンライン学習等について,必要性が非常に高まっておりまして,マスコミ等でも連日報道されているところです。うまくいっている例が幾つかあるわけですけど,そういうところはほとんど,これまでに児童・生徒に1人1台の端末を配布すると同時に,それを用いた学習経験を日常の授業の中でそれなりにやっているところが多く,平常時のICT環境と経験によって,非常時に対応できているという気がします。
このことについて,1番と3番のところに意見があります。まず,3番のGIGAスクール構想のところなんですけど,このたびの補正予算で,GIGAスクール構想と,更に追加のコロナ対応の補正予算で,合計すると約4,600億円ぐらいの予算がついているわけですね。これは非常に緊急性を意味していることだと思います。これに対して,自治体や教育委員会の方々には是非確実な推進というのをお願いしたいということを,ここで改めて示すべきではないかと思います。
その確実な推進というのは,導入はもちろんなんですけども,その後の授業での積極的な活用とか,子供たちの学習経験を豊富にすること,更に,先生たちがICTを活用した様々な授業形態の経験をしていただくということを,今後,コロナが長期化することも見通して行うべきではないかと思います。3番のところに,そういったことを書いていただきたい。
もう一つ,1番のところですが,1番のところは現状ですので,GIGAスクール構想は間に合わなかったわけです。そういう現状ですので,家庭の端末とかWi-Fi環境を使ってオンライン授業をお願いしているということです。これについては,いろんな戸惑いが,御家庭にも,あるいは学校現場にもあったわけですけど,4月21日付での丸山局長のお名前の通知で,平常時のルールにとらわれることなくと強く書かれておりまして,現場はこの通知を見て元気づけられていると,私のところには連絡があります。校長先生をはじめ,先生方が子供たちのために何かしようと取り組もうと思っているときに非常に追い風になった通知かと思いますが,残念ながら,1つの学校だけを認めにくいという教育委員会の縛りというか,それこそ平常時のルールだと思うんですけど,オンライン授業をやれそうでもできないというところがあるのも正直なところです。是非教育委員会におかれましては,各学校の現場の判断に任せて,できるところからやっていただいて,うまくそういう状況が整ってない御家庭にこそ,人手によって何らかの形で手厚く対応するというような形をお願いしたいと今思っております。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
続きまして,吉田晋委員,お願いいたします。
【吉田(晋)委員】 ありがとうございます。今,お話を伺っていても思うのですが,最初にまず,事務局にお尋ねしたいのですけれど,このメッセージというのは,「全国の学校教育関係者のみなさんへ」ということですけれども,内容的には,何かこう,文科省ももちろんですけれど,要望書的な要素というか,いかにもICT環境も全て整っているような感覚にというか,ない方は家庭にあるどうのという話が、堀田委員のお話でもありましたけれど,そういうものも全くそろってない家庭もあるわけですし,今,私は教育においては格差が広がっている一方だと思っています。そういう中で,このメッセージが一体どこに向かって出されるものなのかというのを最初にちょっと伺いたいのですけれど,お答えいただけますでしょうか。
【田中教育制度改革室長】 事務局,失礼いたします。今回,メッセージ案につきましては,今御指摘ありましたように,文部科学省も含めて,学校現場,それから教育委員会,学校法人,学校設置者も含めて,全ての我が国の教育関係者に宛てたメッセージであると事務局としては理解しているところでございます。
【吉田(晋)委員】 ありがとうございます。ただ,これ,文科省が逆に言えないことを,財務省とか経産省に我々が言うべき内容なのではないかなと。本当にこれだけのことを言ってくださっているのだったら,本当にこれだけの費用がついてくるのか。実際に,このZoomでの会議もそうなんですけれど,今回,コロナがあって初めてこういう形が取られていますよね。それまで全くなかったわけですよ。この会議に参加している先生方は,みなさんがこの環境を持っているからできています。だけど,子供たちにこれが全部できるのかどうか。
東京都内でも,はっきり言って,私立学校で,私どもはできていますけども,萩原先生の公立学校も含めて,できていても,多分2割ぐらいしか,このICTを活用したオンライン授業とかできているところ,ないのではないかと思います。そうすると,その残りに対して,今更,これに書いてあるようなことを言っている前に,まず準備することが大事なのではないか,そこだけ是非強調させていただきたいと思います。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
【荒瀬分科会長】 ありがとうございます。ちょっといいですか。
【田中教育制度改革室長】 お願いいたします。
【荒瀬分科会長】 吉田先生,ありがとうございます。先生がおっしゃること,大変よく理解できます。ただ,一方で,どちらかからでもこういったことを投げかけて,少しでも進めたいということで,こういうメッセージを出してはどうかなということですので,その点で御了解いただければと思いますが,いかがでしょうか。
【吉田(晋)委員】 ありがとうございます。私も賛同ですけど,是非文科省止まりではなくて,内閣府まで含めて,もっと広くにこのメッセージを回していただければという思いでございます。
【荒瀬分科会長】 その点,十分了解いたしました。ありがとうございます。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。事務局としてしっかり承りたいと存じます。
続きまして,天笠委員,お願いいたします。
【天笠委員】 今,吉田委員からも御意見がありましたように,私も,全体を通してそういうことを,まず感じました。ICT化ですとか,それに伴う環境整備の必要性は既に前々から指摘されたとおりですし,それについてもそれなりに進めてきたという,まず,そういう認識を持っていますし,また,この方向性は必要だと思っております。
ただ,今回のこの事態に対応して,全国の先生方にメッセージを打ち出すということがこの趣旨だとするならば,随分それはICT化に対して前のめりのような印象を与える,そういうことを全体としては感じました。ですから,趣旨としては賛成,異論はないんですけども,ただ,今,この状況において全国の先生方に頑張っていただいているということについて,思いを伝えるということについては,その部分だけが随分特化されたような,そういう印象を全体としては持っております。
その上で,1点だけ申し上げさせていただきたいと思うのは,2ページのところなんですけども,2ページの1のところに書かれているんですけども,真ん中の段のところなんですけども,そこのところで,創意工夫を凝らして対応を行っていただくようにという,そのことですけど,私は全てここに尽きるんじゃないかと思っております。どうぞ全国の先生方,創意工夫を凝らして,この困難な事態に向かってくださいという,その創意工夫という中に全てが込められていると思っております。
そういう中でいきますと,ICT化もさることながら,今,学校が持っている様々な資源を様々な形で活用するというのも,この創意工夫の中に入っているんじゃないかと思います。例えば,学校の図書室にある図書,それを家庭にいる子供たちに貸し出すとか渡すというのも,また,1つの創意工夫ではないかと思います。既に現実にそういう取組等々を行っているところもあるかもしれませんけども,それらも子供たちに手の届くところに渡して,そしてそれを1つの学習の素材にしてもらうというのも,また検討すべきというか,提起すべきものとしてあっていいんじゃないか。
ですから,そういう意味で言うと,創意工夫の前のところに,例えば,図書室にある図書を図書室に置いておくのではなくて,それぞれの家庭の子供たちに配るような,そういう創意工夫というのも,この現状の実情からするならば考えられていいものではないかと,そういうメッセージを送るのも,また,この1つではないかと思います。
私から以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
続きまして,喜名委員,お願いいたします。
申し訳ありません,音声が入らない状況ですので,別の方に御発言いただこうかと思います。では,続きまして,市川委員,お願いいたします。
【市川委員】 市川です。これまでの先生方から出たこととも一部重複しますけれども,まず,誰に向けてのメッセージかというときに,私は最初,保護者とかPTAの方々も入るのかなと思っていたんですけれども,先ほどのお話ですと,これは入らないと思って割り切ってよろしいんでしょうか。
私は,この中教審が出すメッセージとしては,子供向けというのはちょっと表現が難しいにしても,やっぱり保護者とかPTAというのも学校教育に深く関係している,むしろそれを受けている側の人たちに対して,何か勇気づけというようなメッセージが中に入っているほうがいいのではないかなと。先ほどのお話ですと,教育をする側であって,学校,教育委員会,行政などであって,保護者,PTAなどは入らないということで一応割り切ってよろしいですか。
【田中教育制度改革室長】 その点につきましては,是非御意見を頂ければと思っております。
【市川委員】 それがこれの趣旨だと思いますので,もし入れるのであれば,私は入れたほうがいいのかなという気はしました。それは御検討ください。
2番目に,やはりICT色がちょっと強過ぎるかなという気はしました。やはりICT,非常にこういうときにこそ有効だというのはよく分かりますけれども,これが逆に,ICTがうちは入ってないから何もできないんだみたいに受け止められると非常にマイナスになってしまいます。
例えば,今回のコロナのようなことが20年前に起きていたら,恐らくICT環境,ほとんどないけれども,学校の先生は,これはもう一緒の夏休みのようなものだと思って,いろんな工夫をなさったと思うんですね。先ほど天笠先生がおっしゃった,本を使うとか,もちろん教科書などもあると思います。ペーパーベースのいろんなドリルなども夏休みの宿題としては出されます。そういうものでできる限りのことはするけれども,更にICTがあれば,もっと効果的にできるというくらいのニュアンスにしておかないと,ICTがないと駄目なんだという受け止め方をされてしまわないように,ICTがなくても,それぞれの工夫できることはたくさんあるという感じがもう少し出ているといいなと思いました。
3番目に,地域との関係で,これは先ほど岩本先生もおっしゃって,私も非常に大事なことだと思っています。何も今回のことに限らず,学校にICTがどんどん入ったからといって,あるいは学校教育がどんどん強力になったとしても,やっぱり地域との関係,今,地域というのは教育を分かち持つ学校のパートナーですよね。ただ,学校を支援するというだけではありません。しかし,今の現状を見ると,今回のことで一番壊滅的に打撃を受けているのは私は地域教育だと思っているんですね。学校教育のように,何とか先生方が努力して子供とつなごうということがほとんどできなくなっていて,地域教育は割と体験的な活動が多いです。ですから,子供たちを集めるわけにもいかないし,かといって,オンラインという,そういう技術を持っている地域の方も決して多くないので,地域の人たちがどうやって子供たちの教育に関わるか,非常に困っていると。これは,岩本先生からも,こういうふうにすると,今の状況でも地域の人たちと関わることがこんなふうにできているところがあるというような情報,具体例があったら是非教えていただきたいと思います。基本的には私は大事なことだと思いますが,学校以上に地域が子供と結びつきにくくなっているということですね。
それから,最後は小さなことですけれども,これも,先ほど御意見が出ました4ページ目の3行目から「『場』や『間』という余白と,そこに内在する未知や可能性が人を育てる」というところが,ちょっとほかと比べて哲学的といいますか,文学的といいますか,ちょっと言葉が深遠過ぎて分かりにくいかなという印象を受けました。「直接人を育てる営みであることに留意する必要がある」ということでも,十分分かっていただけるのではないかと思いました。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 市川委員,ありがとうございました。
続きまして,恐縮ですけれども,時間も限られてきましたので,できましたら,なるべく手短に1分程度で御発言いただければと思います。
では,続きまして,毛利委員,お願いいたします。
【毛利委員】 みどりの学園の毛利と申します。
4ページの真ん中に,「教師には,先端技術を活用しながら,対話的,協働的な学びを実現し,多様な他者とともに問題の発見や解決に挑む資質・能力を育成することが求められると考えます」。僕は全くそのとおりだと思っていまして,こういう事態になって,やはり慌てる部分が多くなると思うんですけれども,本校の先生方,ふだんからICTを上手に使っていただいて,日常的に使っていただいているおかげで,子供たちに教材は配布しているけども分かりづらいところは動画でやろうというと,どの学年も1日でアップされたり,フィードバックするために確認の問題とか,そういうのができるといいねと言っても,みんなで,じゃ,こうしましょうと前向きになるんですね。
やっぱりそれはふだんからICTを使っている大切さというのが,本当に今回改めて感じました。現在,どう取り組まなければいけないというのは,やっぱり地域や学校ごとに違うと思うんですが,やはり今後再開した後,過ぎたからもういいやじゃなくて,その次にやってくる何か大きないろんな出来事のために,我々は,もちろんICTだけではありませんが,ICTも含めて,いろんなものを常日頃上手に利用しながら授業を改善していくというのが大事なので,この意見には私は賛同します。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
続きまして,牧野委員,お願いいたします。
【牧野委員】 ありがとうございます。首長の立場ということで少し申し上げさせていただきたいんですけど,今の新型コロナウイルスの感染拡大を抑制していくという,そういった状況というのは危機管理の世界だと思うんです。ですから,危機管理に対して,文科省としてどういった対応を取るのかということに対して,もう少し明確なものを出していく必要があるんじゃないかなと。
少なくとも,ここに書かれている,教育現場への徹底した支援という中で,私が危機管理的に一番お願いしたいのは,現場の声をちゃんと聞きます,相談に乗りますという,そういったスタンスだと思うんです。だから,文科省としては,ちゃんと相談体制を整えておりますと。現場から本当に困った話がたくさん出てきているはずなんで,その相談にちゃんと乗りますということを明確に,やはりメッセージとして出すべきじゃないかと思います。
どういう書き方をするかはお任せしますけど,そういったことがないと,結局,現場の声をちゃんと聞くということが,全国の学校教育関係者の皆さん方に伝わらない。いろんな議論あると思うんですけれども,一番大事な部分としては,やはり皆さん方の相談にちゃんと文科省は乗りますということを前面に言うべきではないか。
以上,私の意見であります。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
続きまして,角田委員,お願いいたします。
【角田委員】 角田です。3点あります。今現在,全国の先生方は大変奮闘していらっしゃるので,そちらに対して,ありがとうということと,あと,全力で支援しますということをお伝えするメッセージでありたいと思っています。
また,ICT化はもう一刻も早く進めなければいけないのです。今,格差が浮上して,それが更に開いているという状況があるわけですから,不慣れな先生,そして,家庭環境が整っていない生徒たちへのサポートをしますということを明言して,実際に進めていくことが必要だと思っています。
一方で,大量に宿題を出したり,オンライン化であっても一方通行の授業のみであったりということが多くなっており,主体的な学びから逆行しているという状況もあります。目指したいのはそうではないということも強調していただきたいと思っております。
それから,高校生へのメッセージもあってよいのではとちょっと思っています。後出しで申し訳ありません。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
続きまして,喜名委員,もう一度お願いいたします。難しいようですので,田村委員,お願いいたします。
【田村委員】 田村でございます。特別支援学校の校長として委員になっております。
今回のこの案の中で,「特別な配慮を必要とする子供」,これが2ページの中段,それから,4ページ目の最後のところで「特別な支援を必要とする子供を含め」と,2つここに,小中高,特別支援学校を含めて,特別支援の必要なお子さんを含めて書いていただいていると理解しました。
初等中等教育の全体像を審議している場ですから,障害のお子さんだけを抜き出してではなくて,全て含めてということで理解はしているのですけれども,現状で言いますと,例えばプリントを配る,マークシートをする,本を読む,こうした学び方そのものが難しいお子さんが実態として特別支援学校には多数います。今,本校では,毎週レターパックの3センチ厚までの中に,プリント類だけでなく教科書を入れて,それから学校図書も3月から入れて配っています。親は楽しみだと言ってくれますけれども,休業が2か月に迫る現在,ペーパーによる自習型では難しいお子さん,双方向性でやりたいお子さん,他のお子さんや先生の様子を見て学びながらやりたいお子さんに関しては非常に厳しい状況が続いています。
そうした状況下です。この文案がややICT色が強いのはその通りですが,全部の学校で台数がそろって,小中高,特別支援含め完全な使用ルールができてからでは間に合わないです。この連休が明けてから,もう動かし始めないと大変厳しい学びの状況ですので,是非この提言では,管轄の審議会として,国難ですから,全国の全校全部がそろったところでルールをつくるのではなくて,やれるところからすぐにどんどんやってくださいと発しましょう。個別に難しいところは,またそれはそれでそれぞれ対応しましょうと。校長に対しても,今回はルールだけでは言ってはいられないところですと。公立学校だから公平性が大事なのはよく分かるけれども,今は緊急時だと。やれるところからやって,やれないお子さんには,相談支援システムをつくって,学校にある機材,教育委員会の機材も活用できる物は全部家庭に送って,セッティングも応援していくこともしないと、今家庭学習が機能しない方もいるのです。
人の関わりが,今できない難しさがあるからこそ,ここを今推していくしかないところです。もし長期化するのであれば,これが整っていかなければ,1学期,あるいは1年間の学力に関して特に障害があるお子さんのダメージがすごく大きくなります。是非ここのところを盛り込んでください。教育委員会に向けては,平時のたがを外すメッセージ,それから校長もそれを踏まえて,思い切ってリーダーシップを発揮していいとのメッセージ,そして,児童・生徒,すぐにもっと学べるように整えるから待っていて!,保護者の皆さん,今すぐに動きます!とのメッセージを込めてほしいと願っています。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。恐縮ですけれども,残り10分で10人手を挙げていらっしゃいますので,本当に恐縮です,手短にお願いします。
では,鶴羽委員,お願いいたします。
【鶴羽委員】 鶴羽です。よろしくお願いします。保護者の立場から2つお願いがあります。
1つ目は,一刻も早く先生と,クラスメート,同級生がつながるということをやっていただきたいということです。子供が高校1年生になりましたが,メールで2日置きに学級通信が届きます。それだけでもうれしいんですけれども,先生がLINEを使ってホームルームを先週実施しました。みんな,本当に声が聞けて,顔が見られてよかった,安心したという声が多く,明日は先生,初めてZoomで授業にも挑戦するということなんですが,子供の表情が変わったなと思うところは,何か落ち着いたなという安心感です。
オンライン,遠隔で授業をやるというのは難しいというような環境もたくさんあると思うんですけれども,つながるということはできるんじゃないかなと。それだけで,先生と同級生の声が聞けただけでも安心します。つながるというところと学力を保障するというところを分けてメッセージを送るということも大事なのかなということが1つです。
2つ目は,保護者の話を聞いてみますと,学年によって不安な要素が違います。まず,1年生,始まってないので,そこが不安だと。間の学年は,2月,3月に残したものがどう保障されるのかと,この後どうなるのかという不安があります。最終学年は,もちろん受験です。ですので,ここは,全ての学年の先生方が1つにならないとうまくいかないのではと思います。そのあたりに対するメッセージというところも考えていただけたら,現場の先生方も保護者も安心するのではと思いました。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
続きまして,吉田信解委員,お願いいたします。
【吉田(信)委員】 吉田でございます。
まず,先ほど,天笠先生から,ICT化について前のめりになってはどうなのかというお話がございました。私も,ICT化,是非進めるべきだと思って,これまで運動もしてきたわけでございますけども,このコロナの状況を考えますと,実は先ほど鶴羽委員からお話があったように,まず,先生とお子さんがつながるということは非常に大事だと思っております。現場の先生等にいろいろお話を聞いてみますと,例えば個人のタブレット等では,これまで,親御さんとつながるということ自体が推奨されてこなかった。いろんな問題もございますので,先生の個人のタブレットでなく,例えば,これから学校にタブレットを配置するんであれば,まず,先生からタブレットを配置して,そして親御さんは,例えばLINEであってもいいですし,いろんなツールがあると思うんですけど,まずは,お子さんと先生がつながるということから始めてみてはいかがかなと。そこから,いろんな面でICT教育の第一歩が始まるのではないかなと思っております。
そのためのツールをどういうふうにしようか,いろんな議論があると思いますけども,先ほど教育長からもありましたように,是非そういった面では地方の声を聞いていただいて,必要な支援をやっていただければ。まず,先生とお子さんをつなげるということ,先生にタブレットを配布するもよし,そこから始めるというのもいいのではないかなと考えております。正に創意工夫というのが2ページに書いてありますけども,この創意工夫を現場でしっかりやるための御支援をお願いしたいということです。
もう1点,もうすぐ終わりますけども,全国市長会の社会文教委員の各市長さんからお話があるのが,このコロナが一体いつ頃終息していくのか見えない。先が見えないんだけど,例えば1つの例として,もし夏頃に何とか抑えることができてきたんであれば,いっそのこと国際標準で,学校,9月スタートをしてみてはどうかというような意見もございます。これはいいかどうかというのは,まだいろいろ議論のあるところではございますけども,半年間,みんなでブランクはしようがないとして,秋から用意スタートでもいいんじゃないか,そんな意見も頂いておりますので,この際,ここで御紹介をさせていただきます。
私からは以上でございます。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
続きまして,清原委員,お願いいたします。
【清原委員】 皆様,こんにちは。清原です。お久しぶりです。3点申し上げます。
1点目,それは私たち,初等中等教育分科会,そして特別部会の皆さんから「学校教育関係者」に発信することの意義です。この間,会議は開かれませんでしたけれども,荒瀬分科会長にお願いして,できる限り私たちが「情報共有」をしたいとお願いしましたら,事務局から早速,定期的に情報を頂くことになりました。しかも,一番大切なのは,私たちは,「これからの初等中等教育の在り方」について審議しているわけですから,今のこの現状を踏まえて,しっかりと提案を発信していく必要があります。
その際,1ページ目の,今回のメッセージの冒頭にはこのようにあります。「全国の学校現場の教職員の皆様,保護者の皆様,学校を支える地域の皆様」,そして「教育委員会,設置者の皆様」となっています。したがいまして,私は,是非このメッセージは,幅広い「学校教育関係者へ」ということで,保護者や地域の皆様にも,初等中等教育分科会,特別部会の委員の気持ちとしてお伝えし,発信していくことを提案します。
2点目でございます。今回はいろいろな課題がある中,3点に絞って提起しています。まずは「多様な手段による子供の状況把握,学びの保障,心のケアなどの対応」とあります。「学びの保障」,この言葉が大切です。そして,私たちにとって大切な今の状況の中で,2ページ目には,後半に,「感染者等に対する偏見や差別の防止,学校再開後を見据えた授業の質や量の確保のための指導計画の見直し」とありますように,「感染者に対する偏見や差別の防止」という人権に関わることを書いている点,また,「文部科学省による教育現場への徹底した支援」の後半には,「子供たちや保護者の不安に向き合い,安全・安心を確保する観点から,学校健診に必要な資材の用意を含め」とあります。ここで提案ですが,「公衆衛生」上の観点から,牧野委員も「危機管理」というキーワードを言っていただきましたように,「学校が感染症の現場になってはいけない」という不安感をお持ちの方は大変多いので,ここはしっかりと,「公衆衛生上,感染防止の対策もしていきます」というような,文部科学省だけではない,国への力強い支援の要望を明記したほうがいいかなと思っています。
最後に,これからの初等中等教育分科会及び特別部会の運営に対する提案なんですけれども,今回,Zoom会議をさせていただいて,これまで本当に皆様の御意見もよく伺うことができました。今後,こういう形式でも会議を重ねる中で,時系列的な提案ができればなと思います。すなわち,今,「臨時休業,臨時休校が行われている段階の提案」,そして「再開後の提案」,そして,「これらの経験を踏まえた未来に向けた初等中等教育の提案」の検討については,オンゴーイング(進行中)で,皆さんと御一緒にこれからも議論を継続していきたいと思います。このZoom会議は事務局には御苦労だと思いますが,是非継続していただければなと,これはお願いです。荒瀬分科会長をはじめ,皆様,こういう機会をつくっていただきまして,ありがとうございました。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。いよいよ時間もなくなってまいりました。残りの方,できれば30秒ぐらいでポイントをお願いいたします。
では,二見委員,お願いいたします。
【二見委員】 私,925の町,村の代表として,教育委員会の代表として出ております。戸ヶ﨑委員から,ICTの悩みについて随分お話しいただきましたが,家庭のICT環境というものは大変厳しいものがございます。特に高校は90数%,中学校60%から70%,そして小学校ではそこまでいかない,5割程度のタブレット,あるいはスマホだと思いますが,ICT環境で言えば,Wi-Fiが飛んでいない小学校の家庭は3割から4割,いくら学校で用意しても届きません。一方通行でホームページを見てもらうだけです。そういう点で,是非,この部分に国として急いでいただくことを,この中に入れていただければ有り難いと思っています。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
では,残り,神野委員,今村委員,松尾委員,山中委員,香山委員の順でお願いいたします。
では,神野委員,お願いいたします。
【神野委員】 お時間ない中,ありがとうございます。30秒でお話しします。
今,私,現場の先生方から聞いている中で,1つ,今までのお話でなかった点で言うと,受験生の保護者から,私立はオンラインでがんがん学習しているけれども,公立が止まっている中で,今年度の受験どうするのというのはすごいクレームで来ているという話をよく聞きます。そこに関しても,やはり今回のこの通知の中で,私たちが文科省に何かしらの回答を求めていくというところは入れたいなと思っていて,その上では,1つ目は正にICT環境ということをちゃんと整えていくし,田村委員がおっしゃっていたように,とにかくできるところからでも始めてくれというメッセージと,あとは,GIGAの環境というのを一日でも早く整えるということのメッセージを入れたいと思っています。
もう一つ最後に入れたいのは,じゃ,今年度の受験というものがどうなるのかというところも,今後ちゃんと検討していかなければならないです。平時のときの受験の在り方とは違う在り方を検討しなければならないのではないかというところも,また,このメッセージの中に入れられるのでは入れていきたいと考えています。
以上です。ありがとうございます。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございます。
では,今村委員,お願いします。
【今村委員】 資料提出をさせていただきました。その中から,先ほどの方にかぶってしまったら申し訳ないんですけれども,今,先生方から具体的に聞いているポイントで,何がハンデになっているのかというと,結局,自分の私的なツールを使ってはいけないとされているという,その前提が,皆さん,生徒と個別にやり取りするということに大変苦心されていると聞いています。
もう一旦,このタイミングは平等性も何もなくて,とにかくできることからやるということで,個々人の持っているGmailとかヤフーとかSNSとか携帯,自分の電話すらも,職員室の2回線しかない電話にみんなで並ぶんじゃなくて,使っていいということを具体的に伝えてあげないと前に進まないなと感じております。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
では,松尾委員,お願いいたします。
【松尾委員】 松尾です。皆さんの御意見を聞いていて,本当に感じるところがいっぱいあるのですけれども,地方の一校長として現場の様子をお伝えする中で私の発言とさせていただきます。例えば私の市でも,やっと1児童1アカウント,今回配布して,オンライン授業に向けて,双方向のつながりを持てるようにというところに来てはいます。
現場としては,やはり子供のこと,教職員のこと,保護者のこと,それぞれがとても心配です。教職員の負担もとても大きくなってきていますし,教師の経験値によってICT環境や使い方なども違うんですけれども,やっぱりチームになって何かをやり遂げていこう,みんなで頑張って研修していこうというところが,今回すごくよかったなと思うところで,1点私が思うのは,命,心という面,学力保障という面,それから子供の居場所づくりという面学校とはということ,そういった3点から,私も今回のことを考えるんですけれども,学校の意義として,エンパシーというか,相手に思いを馳せるとか友達の背景を想像するといった学校の空間としての役割も忘れてはならないところだなと思っているところが今の考えているところです。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
では,山中委員,お願いいたします。
【山中委員】 山中です。よろしくお願いします。
私も小学校の校長です。この案の中にはICTの環境のことが随分盛り込まれていて,それが大事なことはとても分かるし,誰しも分かることだと思います。それ以外で,今,緊急なのは,心のケアに関することです。1番には入っていますけれども,心のケアについてもっと触れていただきたいと思います。
学校が再開されても普通に始まるわけにはいかないでしょうし,多くの子供が今,長い時間,家庭にいる状態で活動が制限されています。また,テレビをつければコロナウイルスについて不安な情報の中にさらされています。そういった中で,子供たちは表情が乏しくなり,感情のコントロールが難しくなっている状況もあります。心が健康でなければ学習も進まないので,心のケアということは重要だと思います。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。
では,最後に香山委員,お願いいたします。
【香山委員】 本文の少しの訂正については,後ほどメールをいたします。
私のほうから,最後に是非考えてみていただきたいのは,やはり学習者主体の学びということが,この分科会では協議してきたことですので,小学生,中学生,高校生に対しても呼びかけてはどうか。この本文とは別に呼びかけてはどうかと思います。
この本文も恐らく公表されると思いますので,保護者とか地域の皆様も目にする本文になるだろうと思いますので,じゃ,一体僕たちはどうなのかという,子供たちに対するメッセージも併せて発信したらどうかと思います。
そのときに注意しないといけないのが,市川先生もおっしゃったように,ICTが整っていない子供たちも決して取り残さないぞという強いメッセージ,そして,ICT環境が整いつつある子供たちに対しても,一方通行に慣らされてはいけないよ,自分たちが主体的に学ばないといけないよというような発信,そのあたり,二段構えで発信してはどうかなと考えました。
以上です。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。喜名委員におかれましては,うまくつながらず申し訳ありませんでした。また,よろしければ,後ほど書面で事務局まで御意見を頂ければと思います。
では,私が不慣れで時間をオーバーしてしまいましたけれども,荒瀬分科会長,お願いいたします。
【荒瀬分科会長】 荒瀬です。どうもありがとうございました。大変たくさんの御意見を頂きまして,今回,このメッセージというのは,宛先がよく分からないという御意見もございましたが,初等中等教育分科会,それから特別部会として今,本当に現場で日夜というか,それは働き方改革ということで言うと本当に申し訳ないことなんですけれども,奮闘していらっしゃる学校関係者,また,保護者ももちろん含まれるし,いろんな方が入ってくるだろうとは思うんですけれども,そういった方にともかく頑張ってくださいということとともに,御自分の健康が一番の教育条件なので,そこのところも忘れないでくださいということと,それから,具体的にそれを支えるためには,設置者である教育委員会であるとか,あるいは文科省に対してもこのようにしてくださいということを言わなければならないだろうということで,こういったような形のものになっています。
ただ,当然のことながら,これ,答申ではございませんし,文科省が発出する文書ということでもございませんので,その辺を含めて,今日頂きました御意見を,このベースに乗せるといいますか,学校関係者の皆様へ送るメッセージとして,最大公約数的なものとしてお送りするということで御了解をいただければと思います。あとは文案を御一任いただけましたら,事務局と相談しながら,私は今日のメモを取っておりますし,それに基づいて作ったものをもう一度確認をしていただいた上で発出していきたいと思いますが,よろしいでしょうか。
では,御異議ないということで承りました。ありがとうございます。それでは,そのような形で進めさせていただきたいと思います。
では,最後に,次回の予定につきまして,事務局からよろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】 ありがとうございました。不慣れで御迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。
次回の分科会及び特別部会の日程につきましては,先日,事務局より御一報させていただいておりますけれども,今の状況を踏まえまして変更となる可能性もございます。改めて事務局から御連絡申し上げます。
【荒瀬分科会長】 それでは,今日の議事はこれで終了といたします。本当に急なことでしたのに,たくさんお集まりいただきまして,ありがとうございました。また,今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

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