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初等中等教育分科会(第122回) 議事録

1.日時

令和元年5月8日(水曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省旧庁舎 6階第2講堂

3.議題

  1. 学校における働き方改革の取組状況について
  2. 新しい時代の初等中等教育の在り方について

4.議事録

【荒瀬分科会長】  おはようございます。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまから第122回中央教育審議会初等中等教育分科会を開催いたします。
 本会議は、初等中等教育分科会運営規則第5条により公開を原則としております。また、第6条により会議を撮影、録画、録音する場合は、事務局が定める手続により申請するとともに、分科会長の許可を受ける必要があります。申請がない行為は行うことはできないことはもちろん、会議の進行や他の傍聴を妨げる行為を行った場合は退場を命ずる等の適切な措置をとることもありますので、あらかじめ御了承ください。なお、個人を特定するような撮影及び録画は御遠慮くださるようお願いいたします。
 それでは、議事に移ります。前回2月20日に第10期中央教育審議会発足と同時に任命されました委員のみで第121回初等中等教育分科会を開催し、分科会長の選任、分科会長代理の指名、部会の設置や運営規則の決定等を行いました。改めまして分科会長に選任されました荒瀬でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、分科会長代理として天笠委員、加治佐委員に御就任いただいております。よろしくお願いいたします。
 本日は、新たに委員に任命された方々も含めた初めての会議となります。後ほど時間の許す限り皆様に御発言いただきたいと考えておりますが、まず事務局から委員の皆様を御紹介いただきたく思います。それではよろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  事務局、教育制度改革室長の田中でございます。着席のまま失礼いたします。
 それでは、今回、本分科会委員に御就任いただきました委員の先生方を座席順で御紹介申し上げます。
 戸ヶ﨑先生の方から始めさせていただきます。
 まず、戸ヶ﨑勤委員でいらっしゃいます。
【戸ヶ﨑委員】  戸ヶ﨑です。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  鶴羽佳子委員でいらっしゃいます。
【鶴羽委員】  鶴羽でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  角田浩子委員でいらっしゃいます。
【角田委員】  角田です。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  種村明頼委員でいらっしゃいます。
【種村委員】  よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  田中雅道委員でいらっしゃいます。
【田中委員】  田中です。どうぞよろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  篠原文也委員でいらっしゃいます。
【篠原委員】  よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  貞広斎子委員でいらっしゃいます。
【貞広委員】  貞広です。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  笹のぶえ委員でいらっしゃいます。
【笹委員】  笹でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  坂越正樹委員でいらっしゃいます。
【坂越委員】  坂越です。どうぞよろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  桑山一也委員でいらっしゃいます。
【桑山委員】  桑山でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  岸田ひろ実委員でいらっしゃいます。
【岸田委員】  岸田でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  梶田叡一委員でいらっしゃいます。
【梶田委員】  梶田でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  柏谷弘陽委員でいらっしゃいます。
【柏谷委員】  柏谷でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  岩本悠委員でいらっしゃいます。
【岩本委員】  岩本です。どうぞよろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  市川伸一委員でいらっしゃいます。
【市川委員】  市川です。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  堀田龍也委員でいらっしゃいます。
【堀田委員】  よろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  長谷川敦弥委員でいらっしゃいます。
【長谷川委員】  長谷川です。よろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  西橋瑞穂委員でいらっしゃいます。
【西橋委員】  西橋です。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  今野享子委員でいらっしゃいます。
【今野委員】  今野でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  天笠茂委員でいらっしゃいます。
【天笠分科会長代理】  よろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  それから司会をしていただいております荒瀬克己分科会長でいらっしゃいます。
【荒瀬分科会長】  荒瀬でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  清原慶子委員でいらっしゃいます。
【清原委員】  こんにちは。清原です。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  竹中ナミ委員でいらっしゃいます。
【竹中委員】  竹中です。ニックネーム、ナミねぇ です。よろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  橋本幸三委員でいらっしゃいます。
【橋本委員】  橋本です。どうぞよろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  東川勝哉委員でいらっしゃいます。
【東川委員】  東川です。よろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  道永麻里委員でいらっしゃいます。
【道永委員】  よろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  牧野光朗委員でいらっしゃいます。
【牧野委員】  牧野です。よろしくお願いします。
【田中教育制度改革室長】  山本聖志委員でいらっしゃいます。
【山本委員】  山本でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  それから、ちょっと遅れていらっしゃいますけれども、吉田晋委員がいらっしゃる予定でございます。
 若江眞紀委員でいらっしゃいます。
【若江委員】  若江でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  渡邉正樹委員でいらっしゃいます。
【渡邉委員】  よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  なお、本日は御欠席の予定でございますけれども、加治佐哲也委員、小川正人委員、奈須正裕委員、八並光俊委員が本初中分科会の委員に御就任されております。
 それでは続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 官房長の生川でございます。
【生川官房長】  生川でございます。よろしくお願い申し上げます。
【田中教育制度改革室長】  初等中等教育局長の永山でございます。
【永山初等中等教育局長】  永山です。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  総合教育政策局長の清水でございます。
【清水総合教育政策局長】  清水でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  それから、大臣官房審議官、初等中等教育局担当の矢野でございます。
【矢野大臣官房審議官】  矢野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  それから、大臣官房審議官、総合教育政策局担当の平野でございます。
【平野大臣官房審議官】  平野でございます。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  社会教育振興総括官の塩見でございます。
【塩見社会教育振興総括官】  塩見と申します。よろしくお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  課長以下は省略させていただきます。
 それではここで事務局を代表いたしまして、初等中等教育局長の永山より一言御挨拶をさせていただきます。
【永山初等中等教育局長】  それでは、失礼いたします。このたびはお忙しい中、初等中等教育分科会の委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。
 本分科会は幼稚園から高等学校に至るまでの初等中等教育分野の重要事項について御審議をいただく場でございます。4月17日の中央教育審議会総会におきまして、「新しい時代の初等中等教育の在り方について」、柴山文部科学大臣より諮問させていただきました。本諮問は初等中等教育における様々な課題を克服し、新しい時代を見据えて教育の質を高めるために総合的な検討をお願いするものでございまして、これからの教育、ひいては我が国の未来を左右する非常に重要なものと考えております。
 初等中等教育に関する知見を有する委員の皆様におかれましてはどうぞ積極的な御議論を賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございます。
 続いて、本日の配付資料について御説明をお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  事務局でございます。本日の配付資料につきましては、お配りの議事次第にありますとおり、資料として、資料1、資料2-1から資料2-6、資料3-1、3-2、そして参考資料1から3をお配りしております。不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、本日最初の議事に入ります。まず議題(1)の学校における働き方改革に関する対応状況について、事務局から御説明をお願いいたします。
【合田財務課長】  失礼いたします。それでは、資料1に基づきまして学校における働き方改革の取組状況について手短に御説明をさせていただきたいと思っております。
 まず、今日御欠席でございますが、小川先生をはじめとして第9期の中教審の先生方には熱心に御審議を賜りまして、1月25日に答申をおまとめいただいたところでございます。心から感謝を申し上げたいと存じております。
 まず、この資料の1枚おめくりいただきまして、1ページをごらんいただければと思っております。この勤務実態調査から見られる先生方の勤務実態、小学校であれば、夏休みをならして月59時間、中学校であれば81時間という状況でございます。1ページ目の右側の上の方にございますように、10年前に比べて増加した原因としては、若手教師の増加、総授業時数の増加、それから、中学校における部活動時間の増加というものが挙げられるということでございます。
 2ページをごらんいただきますと、若手教師の増加でございますけれども、上の方のグラフをごらんいただいたらお分かりのとおり、小学校、中学校ともに30歳以下の先生方の割合が10%程度上昇しているというのがお分かりいただけると思います。また、その下をごらんいただきたいと思います。教師の年齢構成というところでございますが、特に顕著に小学校に現れておりますが、率直に申し上げて、大変ベテランと若手が多いという、極めて不健全なフタコブラクダになっているということがお分かりいただけると思います。大量退職、新卒大量採用時代というものを迎えているという状況でございます。後ほど話がございますけれども、小学校の採用試験の倍率は2000年には12.5倍であったのが、2017年には3.5倍まで下がっておりますけれども、これの主たる原因は、受験者数自体は2000年に比べまして6,000人ほど増えているわけでございますが、最大の原因は採用者数が3,700人からオールジャパンで1万5,000人とほぼ4倍になっているということでございます。65歳定年を見据えた再任用の徹底でありますとか、ちょうどへこんでおりますミドルリーダーを教育界内外から確保する、そのための免許制度の在り方などを検討することは、学校の持続可能性の観点からも大変重要だということになってまいろうかと思っております。
 そのような観点も踏まえまして、2ページの下側にございますように、答申をおまとめいただいたところでございますが、その内容といたしまして、3ページ目をごらんいただきますと、学校における働き方改革、これはとにかく子供たちに対して効果的な教育活動を行うためだという原点を明確にした上で、その次の枠でございますが、今回の働き方改革の重要なトリガーとして勤務時間の上限に関するガイドラインというものを定めたところでございます。超勤4項目以外の時間も含めて、在校等時間ということで管理すると。それを月45時間、1年間360時間以内に収めるということで、ガイドラインを定めさせていただいたところでございます。
 4ページにございますけれども、これを実現するためには徹底した業務の明確化、あるいは適正化が必要でございます。4ページの上の方に三つほど枠囲みがございますけれども、そもそも学校が行うべき業務なのか。それから、学校が行うべき業務であっても教職の専門職たる先生が行うべき業務なのか。それから、先生が行う業務ではあるけれども、ほかの専門職と連携することによって効率化できないかということで、徹底的に業務の明確化・適正化を図っていくということが大事だろうというふうに思っております。4ページ目の下にございますように、具体的に日々の先生方の勤務の在り方というものを変えることが年間で言えば100時間単位、200時間単位の時間外勤務の削減につながってくるという御議論を賜ったところでございます。
 5ページ目をごらんいただきたいというふうに思っております。この答申を踏まえまして、私ども、様々な取組をさせていただいておりますけれども、上の丸の一つ目のポツでございますが、①とございます。働き方改革の趣旨等を分かりやすくまとめた明確で力強いメッセージの発出ということがございます。5ページの下でございますけれども、学校の働き方改革という映像がございます。これは本分科会の若江委員、長谷川委員にもお加わりいただきまして、17分ほどのプロモーション動画というものを作らせていただきました。本日現在、2.4万回程度と、政府のこのようなプロモーション動画では珍しく、かなり多くの方にごらんいただいているわけでございますし、東川委員とも連携して、保護者の方々に届くような情報発信というものを引き続きしっかり取り組ませていただきたいと思っております。
 また、上に戻っていただきまして、④というところに学校に新たな業務を求める場合のスクラップ・アンド・ビルドの徹底ということがございます。これも例えば過日、野田市の事件を受けた緊急調査というものをさせていただきましたけれども、その際に改めて緊急調査を行っていただく場合に、家庭訪問などを行う場合には短縮授業を行うなどの時間割上の工夫を行うこと。あるいは災害とか流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態によって標準授業時数を下回る場合であっても、標準授業時数を満たすことのみを目的として年度末に授業を新たに行う必要はないということを明確に、同時に事務連絡を出させていただくなどの取組を行ってございます。当課の業務改善専門官が日々省内の各課が何か業務を学校にお願いする際には、それは本当に必要か、あるいはもっと効率的にできないかということをチェックさせていただいているところでございます。
 そういった取組の中でこの枠囲みの真ん中辺りに「例」とございますけれども、夏休み期間のプール指導ですとか、早朝練習の指導、形式的な研究指定校としての業務、運動会等の過剰な準備といったようなこと。みんなが同じことができることに大変大きな価値があった時代から、違うことにも大きな意味がある時代の中でプライオリティーを組み立て直して、徹底した見直しを行う必要があるというふうに思っております。それには社会の協力も欠かせないということで、積極的な取組を引き続きしっかりとさせていただきたいと思っております。
 6ページ目にございますように、これは前回の初中分科会でも御報告を申し上げましたが、令和元年度予算にも学校をしっかり支える条件整備の予算を組ませていただいているところでございます。
 7ページ目をごらんいただければと思っております。今年1月にまとめられた働き方改革の答申の中でも教育課程の在り方、あるいは教員免許制度の改善といったことが今後の検討課題として必要だという御議論をいただいているところでございます。その観点は二つあろうかと思っておりまして、一つはこの働き方改革を今後学校任せ、教育委員会任せにはしないということが大事かと思っております。文部科学省として引き続き取組を進めていくということでございます。
 それから、二つ目でございますけれども、学校を取り巻く足元、環境、特に足元を見詰め、制度改正などの手だてを打たなければ働き方改革も数字合わせに終わるという危機感でございます。足元という観点について、働き方部会の内外で御指摘があったことにちょっと触れさせていただきますと、やはり子供たちや学校を取り巻く社会的な環境の激変というものが我々の予測を超えた規模とスピードで生じているという御議論がございました。特に情報環境や家庭環境が変化している。大人自身が本来ツールである情報端末に振り回される中、子供たちの語彙や読解力にばらつきが生じている。あるいは小学生の暴力行為が急増しているという御議論がございました。先ほどの小学校教員採用試験の倍率の著しい低下という御議論もあったところでございます。小学校の高学年の現在の発達の段階を踏まえると、一人の学級担任が全てを受け持つことが難しくなっているのではないかですとか、あるいは少子化と過疎化による少人数学校というものについてどう考えるのかという御議論も働き方部会内外であったところでございます。大変高い成果を上げている我が国の学校教育を持続可能にするためには、小学校の低中学年における語彙、読解力などの確実な習得のための教育課程の重点化でございますとか、定数改善に加えまして、自治体や小中学校を超えた教職員配置の流動化による小学校高学年の教科担任制の本格的な導入、教科の本質に根差した教職の専門性の再構築と多様な経験や職歴を持つ適任者を広く教育界内外から確保するための仕組みの確立などを真剣に検討しなければならないという御議論が第9期もあったところでございまして、今回、教職員配置、教育課程、免許制度を一体的に見直すということを、御検討をお願いしているという次第でございます。
 なお、8ページをごらんいただきますと、これらの取組状況というものを一番上にございますけれども、市区町村ごとに把握し、公表する。それから、前回は10年前、10年間隔でございましたけれども、3年後をめどに勤務実態の調査を行うということで、私どもこれらの取組というものの可視化、そして、自走する仕組みの確立ということに取り組ませていただきたいと思っております。
 なお、その下にございますように、給特法の今後の在り方、特に教職調整額4%という水準をどう考えていくのか。あるいは一年単位の変形労働時間制というものの導入。あるいは給特法を含めた教師の働き方、労働環境についての法制的な枠組みということについても、引き続き、これらの勤務実態という確かなエビデンスの上での御議論を、中教審でも御検討いただければというふうに思っている次第でございます。
 8ページ目の一番下にございますように、第9期の答申におきましては、我々の社会が子供たちを最前線で支える教師たちがこれからも自らの時間を犠牲にして長時間勤務を続けていくことを望むのか、又は心身ともに健康にその専門性を十二分に発揮して質の高い授業や教育活動を行っていくということを望むのか、その選択が問われているというふうに社会に対して中教審が問い掛けていただいたところでございます。
 今後とも、私ども文部科学省といたしましては、教師が誇りを持って専門職として全力投球できるよう、眦を決して取り組んでまいりたいというふうに考えてございますので、中教審の先生方におかれましても御指導賜れればと存じております。
 以上でございます。
【荒瀬分科会長】  合田課長、ありがとうございました。
 本件につきましては次の議題とも関連しますので、御質問については後ほどまとめてお願いしたいと思っております。
 それでは、議題(2)の「新しい時代の初等中等教育の在り方について」に移ります。4月17日水曜日に開催されました中央教育審議会総会におきまして、文部科学大臣から「新しい時代の初等中等教育の在り方について」諮問が行われました。諮問内容や本分科会における審議体制の案などについて望月初等中等教育企画課長から御説明をお願いいたします。
【望月初等中等教育企画課長】  それでは、失礼いたします。今の合田課長から議題(1)で御説明させていただきましたところとも少し重複するところがございます。分科会長からもございましたけれども、これまでの中教審における議論、あるいは答申で提言された内容を踏まえまして、4月17日に柴山文科大臣より「新しい時代の初等中等教育の在り方について」諮問させていただいたところでございます。
 諮問文につきまして、資料2-1をごらんいただければと思っております。なぜこうした諮問に至ったのかということでございます。諮問の理由、2ページ目をちょっとたどっていきたいと思っております。先ほどから出てございますけれども、新しい時代、情報化社会の進展のみならず、社会が大きく、AI、あるいはビッグデータ等の先端技術が高度化していく中において、社会の在り方そのものが変わっていく、Society5.0の時代の到来が予想されているところでございます。このような急激な社会的な変化、現在も進行中でございますけれども、このような中にあっても子供たちが自分たちで物を考え、そして判断することのできる力、これまでの学習指導要領を進行していく中において、各学校にて実践されているところでございますけれども、更にこうした子供たちが前向きにこうした変化を受け止めて、持続可能な社会の作り手として予測不可能な未来社会を自立的に生きていく、あるいは社会的に積極的に参画することのできる、そうした資質・能力を確実に育成していくこと、これが我が国にとって必須であるというふうに考えております。そのために、学校教育においても変化していくところがあろうかというふうに考えてございます。
 我が国の学校教育の現状は、これまでの学校の様々な御努力によりまして、また、日本型の知徳体を一体で育むといった、すぐれた日本型の教育の成果として随分着実に成果を上げてきているところでございます。一方で、文章を正確に読み取る力など、子供たちの語彙力や読解力については課題も指摘されていることもございます。高等学校につきましては、義務教育を終えた後の初等中等教育段階での完成形の学校段階として生徒の多様な能力、あるいは個性を伸ばすという観点から高等学校の多様化を平成時代、ずっと進めてまいりました。その中で大学や産業界との連携の中で様々な高等学校での改革も進められ、あるいは地域社会の課題解決にも大きく貢献するような活動も実践をされてきた。そうしたケースも見られているわけでございますけれども、一方で、後でちょっとデータを見ていただきますけれども、高校生の学校外での学習時間の減少、あるいは学習意欲が低下しているといった、そうした生徒が多くなっているという、そうした状況もございます。大学入学者選抜の改革ということも一方で進んでございますけれども、一方で今後の社会の変化を見据えたときに、いわゆる文系、理系といった科目のうち大学受験に最低限必要な科目以外の科目については生徒が真剣に学ぶ動機を低下させているというような状況も見られるわけでございます。
 こうした課題を踏まえながら、平成28年に、この中教審における審議の答申の中で出た様々な方向の改革が、新しい学習指導要領で結実いたしまして、各学校、2020年以降、小学校を皮切りに実施されて、今、準備や移行措置の期間に入っているところでございます。
 一方、野田市の残念な虐待事件などもあるように、いじめの重大事態、あるいは児童虐待相談件数が過去最多となるなど、児童生徒の生命・身体の安全確保に関して課題が生じているところでございます。また、障害のある児童生徒への対応、不登校児童生徒への対応、増加する外国人児童生徒など、特別な配慮を要する児童生徒も増えている。誰一人置き去りにしない教育を実現するために、これらの児童生徒への支援体制を整えていくことも引き続き早急に求められているところでございます。
 一方で働き方改革に大きく通じるところで、これまでのところで議論もあったところでございますけれども、これまでの我が国における質の高い学校教育は教師の努力によって支えられているところが大きいわけでございますけれども、教師が子供たちにしっかりと向き合える時間というものを確保できているかどうか。教師の長時間勤務の実態というものが先頃の働き方改革の答申でも出ている状況がございます。また、教師の採用選考試験の競争率の減少も顕著でございまして、先頃出ました平成30年度の文科省からのデータによりますと、30年度には3.5倍から3.2倍、小学校での採用選考試験の競争率も3.2倍となっているところでございます。非常に志ある、能力のある方々が教師の道を選んでいただき、持続的に我が国の学校教育が今後とも発展し、質の高い教育を、そして何よりも子供たちにそれがしっかりと伝えられていくということに関しては教職の魅力を高め、学校における働き方改革を格段に進めていくことが必要であるという状況でございます。
 そのためにもこれからの時代は授業の仕方を変えていく。そして、教師を支援し、教育の質を高めるツールとしてICT、あるいはAI等の先端技術を大いに学校教育にも活用していくことが必要でございますけれども、こうした学校のICT環境は総会でも、先般、御意見が出ましたけれども、かなり脆弱であり、地域間格差も大きいなどの状況が現れているところでございまして、学校における先端技術の効果的な活用に向けて、ICT環境の整備を着実に進めていく必要があると考えているところでございます。
 また、こうしたICT環境の整備とともに、教師の学校における集団、チーム学校としての学校運営を進めていくことによって、学校が地域社会、保護者、そして、教師以外の事務職員、あるいは専門的なスタッフと一緒になって、つまり、多様な背景を持つ外部人材とともに学校運営を展開することによって、学校の教育力を高め、そして、子供たちに対する教育力を高めていくことが必要だと。現在進めているところでございますけれども、これも今後とも格段に進めていく必要がある。そういった中において、我が国では人口減少、少子高齢化、過疎化などの進展によって、御案内のとおり、非常に小規模化した学校も増えてございまして、1市町村1小学校1中学校等、既に統廃合すらなかなか難しいといった自治体も10%を超えているといった状況があるなど、児童生徒数の減少に伴う教育環境の変化にも看過できない状況が生まれているところでございます。
 こうした現在進めている教育環境の改善とともに、学習指導要領の進展あるいは改善と学校における御努力、そして、チーム学校の推進、学校における働き方改革の推進といったこと、そして、第3期教育振興基本計画の実行、こういったことを総合的に進め、4ページにありますけれども、教育再生実行会議において議論が進んでおります高等学校改革の議論の状況、また、技術革新の状況、その後の検討状況も踏まえまして、以下の事項を中心に御審議をお願いしたいということでございます。
 以下の点、4点ございます。第一に、新時代に対応した義務教育の在り方についてでございます。第二に高等学校教育の在り方。第三に増加する外国人児童生徒等への教育の在り方。そして、第四にそれらを通じる教師の在り方、教育環境の整備についてでございます。繰り返しになりますけれども、繰り返しをなるべく避けながら、少しだけ説明をさせていただきます。
 第一の義務教育の在り方についてでございますけれども、まず、基礎的読解力などの基盤的な学力の確実な定着に向けた方策について御議論いただきたいと思っております。資料2-3、横のカラーの資料を見ていただきますと、7ページをごらんいただけると思いますけれども、学校教育におけるこれまでの成果において、基礎的な学力は向上している一方で、読解力の結果分析、PISA2015などを見ていただきますと、我が国の学校教育においても、正確に情報を読み取って、あるいは文章を読み取って、それを考察していく力、あるいは課題の情報を整理しながら読んでいく力というものが、課題があるといったことが出ているというのがこれまでのPISAの3年に1回行われている調査でも、経年でもよくなっている部分はございますけれども、まだ弱いといった状況がございます。
 それから、義務教育の在り方の二点目、義務教育9年間を見通した児童生徒の発達の段階に応じた学級担任制と教科担任制の在り方や、習熟度別指導の在り方など今後の指導体制の在り方についての具体的な審議に関しては、今の資料の次のページ、8ページを見ていただきますと、現在、各自治体において既に専科教員の導入というのが自治体で進んでいる状況がございます。例えば小学校の5年生や6年生のところでは、音楽や理科、あるいは家庭科、図画工作、外国語活動、今後2020年度以降、外国語科になりますけれども、こういったところでは専科教員がかなり進んでいるといった状況がございます。後ほど出てきます教師の在り方の免許制にももちろん関係しますけれども、こうした教科担任制の在り方、あるいは進んでおります習熟度別指導の在り方など、教育の効果を高めるための指導体制の在り方についても御議論を賜れればというふうに考えてございます。
 また、それとも関連しますけれども、義務教育の在り方の三点目の教科担任制の導入、先端技術の活用など多様な指導方法、指導形態を踏まえた年間授業時数や標準的な授業時間等の在り方を含む教育課程の在り方、また、特定分野に特異な才能を持つ者や障害のある者を含む特別な配慮を有する児童生徒の指導の支援の在り方など、一人一人の児童生徒の能力や適性等に応じた指導の在り方についても御議論を賜れればと思っております。
 第二に、新時代に対応した高等学校教育の在り方についての具体的な審議事項でございますけれども、今の資料2-3の14ページ、あるいは15ページ辺りを見ていただきますと、高校生の学習時間・学習意欲の状況についてのデータがございます。例えば15ページの高校1年生の相当学年において、ふだん授業の予習や復習などを家や塾でどのくらいしていますかという問いがございます。全くしていないといった、赤で塗ったところでございます。中学校3年相当のところが平日6.0%の状況がございますけれども、これが高等学校高1段階では25.4%になっているというような状況もございます。
 それから、19ページ、あるいは20ページの資料のところでは高等学校の生徒のいわゆる文系・理系と言われているところの選択状況では、高校の3校に2校では、65%が文系・理系のコース分けを大学入試という中においてしていて、高校3年生のうち理系コースで履修する生徒の割合が32%、文系コースで履修する生徒の割合が68%。つまり、文系コースでは高校2年の段階から実際選択科目となっている理数系の科目というものが、履修が非常に少ないといったような状況が現れてございます。こうしたことから、審議事項の、生徒の学習意欲を喚起し、能力を最大限伸ばすための普通科改革などの学科の在り方。学科については今の資料の18ページ、随分、総合学科によって改変もございまして、職業学科、いわゆる専門高校の割合が平成30年度は18.3%。一方で普通科では73.1%となっている状況がございます。
 それから、いわゆる文系・理系の類型に関わらず学習指導要領に定められた様々な科目をバランスよく学ぶことやSTEAM教育──STEAM教育とは、Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsなどの各教科での学習を実生活での課題解決に生かしていくための、教科横断的な教育をいいますけれども、こういった教育の推進。
 そして、定時制・通信制の在り方や高等学校の役割としての、あるいは今後の方向としての地域社会や高等教育機関との協働による教育の在り方、そして、義務教育にも通じますけれども、特定分野に特異な才能を持つ者や障害のある者を含む特別な配慮を有する生徒に対する指導や支援の在り方など生徒一人一人の能力、適性に応じた指導の在り方でございます。
 第三に、増加する外国人児童生徒等への教育の在り方でございますけれども、資料2-3の37、38、39ページ辺りをごらんいただきたいと思ってございます。このデータにも表れていますけれども、非常に外国人児童生徒等が増えているのみならず、日本語指導が必要な児童生徒も増えている。これは小中高を問わず増えている状況でございます。こうしたことから、外国人児童生徒等の就学機会の確保、あるいは外国人児童生徒等の進学・就学継続のための教育相談などの包括的支援の在り方について。また、公立学校における外国人児童生徒等に対する指導体制の確保や指導力の向上、あるいは日本の生活や文化に関する教育などの多文化共生の考え方に基づく教育の在り方について御審議を賜れればというふうに考えてございます。
 第四でございます。これら、第一、第二、第三の課題とも通ずる、あるいはベースになるものとしての教師の在り方、あるいは教育環境の整備についてでございます。先ほどから出ている教師の在り方の中では、質の高い教師を確保し、資質向上を図るための養成・免許・採用・研修、そして、働き方にも通じる勤務環境、あるいは人事計画等の在り方についてでございます。採用試験の倍率については資料2-3の43ページをごらんいただければと思っていますけれども、最新の平成30年度の調査結果も入れた資料になってございますけれども、平成12年の非常に高い、例えば小学校における採用選考試験の倍率が12.5倍だったものが平成30年には3.2倍、全国平均になっています。これは県別で見た場合、例えば新潟県では1.3倍といった状況もございます。こういった採用選考試験の倍率でも現れてございますけれども、今申し上げました養成段階から人事計画の在り方も全て一気通貫して教師の在り方について御議論を賜れればと思っています。そのときに免許更新講習等、研修等の位置付けの在り方などを含めた免許更新制の実質化や、あるいは学校以外で勤務してきた経歴や専門的な知識を有する者など、多様な背景を持つ人材によって教職員組織を構成できるようにするためのチーム学校とも通じますが、免許制度や、教員の養成・採用・研修・勤務環境の在り方についても御議論を賜れればと思ってございます。
 また、丸の二つ目では、先ほど義務教育のところで課題として申し上げました義務教育9年間を、学級担任制を重視する段階と教科担任制を重視する段階に捉え直すことのできる教職員配置や教員免許の在り方についても御議論を賜れればと思ってございます。
 それから、第四は幅広く課題を挙げてございますけれども、幼児教育の無償化というものを今国会で御議論いただいているところの一方で、幼児教育の質の向上、あるいは義務教育を全ての児童生徒等に実質的に保障するための方策。いじめの重大事態、あるいは虐待事案等に適切に対応するための方策。先ほど申し上げました小規模化した学校が全国でも増えているといった中において、児童生徒の減少による学校の小規模化を踏まえた自治体間の連携、あるいは小中一貫教育が既に制度化されて進んでいる状況が資料2-3の60ページ、61ページでもございますけれども、小学校と中学校の連携等を踏まえた学校運営の在り方。また、これらを踏まえたチーム学校の実現等に向けた教職員や専門的人材の配置。教師を支援し、教育の質を高めるICT環境や先端技術の活用を含む条件整備の在り方について御議論を賜れればと思っております。このICT環境や先端技術の活用を含む条件整備については資料2-3の46、47ページについて各都道府県の状況、あるいは国における教育のICT環境に向けた環境整備の5か年計画について資料がございます。
 また、資料の3-1は新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(中間まとめ)として3月にまとめたものです。教育の質を高め、教師を支援する今後の先端技術の活用の推進方策として文科省がまとめました。目指すべき次世代の学校教育現場の在り方を踏まえた今後の教育環境の新しい方策について、今、最終まとめについて議論を続けていますけれども、中間まとめについて今回の資料としていますので、御参考にしていただければと思っております。
 以上が当面御審議をお願いしたい事項でございますけれども、これらに関連する事項を含めて、今後の初等中等教育の在り方について幅広く御検討を賜れればというふうに考えてございます。また、これらの課題は広範多岐にわたるものでございまして、審議の状況に応じまして、審議の区切りがついた事項から逐次答申をお願いしたいということもこの諮問文の中に明記しているところでございます。
 諮問の内容及び理由につきましては今簡単に御説明したとおりでございますけれども、関連しまして、多岐にわたる事項の審議の在り方につきまして、先頃4月17日の総会におきまして、この諮問内容は非常に多岐にわたる内容になってございますので、当面は総合的に議論をいたしまして、その後各論で議論することが必要ではないか、あるいは初等中等教育分科会の下に特別部会を設置して、論点整理を示せるような仕組みが必要ではないかといった御意見を頂いてございます。
 これを踏まえまして、諮問内容につきまして集中的に審議を行う特別部会を初等中等教育分科会に設置してはどうかと考えてございます。その提案をお示ししたものが資料2-4、2-5でございます。資料2-4では、規定でございますけれども、新たな部会の設置として常設の教育課程部会と教員養成部会と並んで新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を設置したいというふうに提案申し上げたいと思っております。
 また、資料2-5では今後の検討の進め方の案といたしまして、諮問事項全体については非常に関連する事項がございますので、横断的に議論する必要があろうかと考えてございます。新しい時代の初等中等教育の在り方の特別部会を設置して、横断的に検討し、何回か議論した後に、初等中等教育分科会、この分科会で特別部会における審議の状況を踏まえて、更に議論いただき、その中で教育課程部会、それから、教員養成部会にそれぞれ特に集中的に審議をお願いしたい事項を初等中等教育分科会の方から常設の両部会に審議をお願いし、その結果をまた特別部会の方に返していただき、特別部会で横断的に議論し、またそれを本分科会に戻して議論するといった形での体制をとってはいかがかというふうに考えてございます。
 また、審議のスケジュールにつきましては、まずは2020年末頃までに可能な範囲で取りまとめていただくことを目途に御審議いただきたいと考えてございますけれども、繰り返しになりますけれども、内容が広範多岐にわたるものでございまして、その前でも、審議の状況に応じまして、一部まとめをしたり、あるいは2020年末を越えて審議するものもあろうかと思います。これは分科会長とも御相談しながら、審議の区切りが付いた事項から逐次答申していただくことも含めて、審議を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 少し長くなりましたけれども、事務局からの御説明は以上としたいと思います。よろしくお願いいたします。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。広範にわたるご説明をいただきました。
 それでは、御質問、御意見等頂戴したいと思います。二つの内容を今まとめてお二人から御説明いただいたわけですけれども、まず、最初の方の教員の働き方改革に関する取組状況、対応状況に関することを中心に御意見、御議論いただければと思っております。ただし、当然のことながら、議題(2)の初等中等教育全般に関わる話とも関連いたしますので、明確な区別をするというわけではなくて、最初は主として働き方改革に関することについて、御質問とか御意見がおありの方、お願いしたいと思います。
 御発言の際は、大変恐れ入りますが、名札を立てていただきまして、私がちゃんと順番を認識できるかどうかは不明でございますけれども、それで御発言の順を決めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
【天笠分科会長代理】  失礼いたします。大変御丁寧な、それぞれ現状説明等々、あるいはこれからの私どもに課せられた課題等々についてということで御説明いただいたかと思うんですけれども、一、二申し上げさせていただきます。
 まず取組状況の働き方改革ということについてなんですけれども、私もさきの特別部会でその末席に座らせていただいた立場からしまして、先ほど御説明いただいたような、こういうことについての課題をそこで明確にし、そして、それを今期部会が引き継いだという、そういうことで、先ほど説明があったということで、これをどう誠実に実施していくのか、具体化していくのかということが私どもに課せられているんだと、そういうふうに個人的には認識しております。
 その上なんですけれども、ごらんのとおりだと思うんですけれども、極めて多岐に広範にわたってというのが全体的な印象だというふうに思います。それに対して、私どもは、ある意味、非常に限られた時間の中で事柄を審議していかなければいけないという。そして、一定の方向性とか、結論を出していくということで、どういうふうな形で課題を選択するとか、あるいはまとめていくとか、焦点化していくとか、そういうことが問われているように思います。ですから、ごらんのとおり、一つ一つあれだこれだということについても当然そこから議論をいろいろ始めることができると思います。それはそういうことで議論の進め方はあり得ると思うんですけれども、どういう形で焦点化していくか。そういう意味では、私は優先順位を認識するとか、全体的にどこのところを重視するかという、そういうことの働き方改革の具体化のためのある種の戦略とか戦術というのが、私ども審議する立場からも問われているように受け止めさせていただきました。そういう点では、従来のこの種の説明のための資料にはいわゆる工程表というのがついていたように認識しているんですが、今回の場合はそういうことも含めて差し控えられたところもきっとおありなんじゃないかというふうに思っておりますけども、限られた時間の中で求められている改革を何をどういうところに手を打っていくのか。それは早急に行政の立場から手を打っていただかなくちゃいけないものもこの中にはたくさんあったんじゃないかと思いますし、それとともに、私どもとして、何を審議しなければいけないのかどうなのか。それは当然いろいろと考え、思いがあると思うんですけれども、それをある程度集約して、整合して、こんなスケジュール感で、こういうふうにやっていくんだというふうなことという、そういう工程表が必要なんじゃないかと思います。ですから、粛々として、文科省の立場から今手を打っていただきたい、打たねばならないというものはかくかくしかじか、私どもとしてそれに関わりながら、あるいは更にその先を含めて、こういう課題について具体的に審議していくということの、そういう全体像というか、スケジュール感というものも1枚のある種の、工程表という言い方になるかどうかはあれですけれども、そういうものの必要性というのがあるんじゃないかというふうに思います。
 ですから、そういう点からすると、先ほどの御趣旨のように、この後、とにかく総論的に話を始めて漠として進んでいくという、そういうことは議して決せずじゃないですけれども、そういう心配もあり得るんじゃないかと思いますので、そういう点からすると、少しその辺りのところを、全体像をある程度描き、それで何をどういうふうにしていくのか、どうなのかという辺りのところを知恵を絞っていくということが大切なんじゃないかと思うので、そういう点で、この働き方改革の具体化、その後に続くもう一つの義務教育改革の見直しというのも、その辺りのところについてポイントを絞る、あるいは明確にするというふうなことを是非とも一緒に知恵を絞らせていただければというふうに思います。
 私の方からは以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。今のお話で合田課長、どうでしょう。
【合田財務課長】  天笠先生、御指摘のとおりでございます。働き方改革につきましては第9期の中教審の答申にも、答申としては異例でございますが、工程表というのを付けていただきました。それに基づいて私どもも工程表を作らせていただいて、先ほど申し上げましたように、社会に対する積極的な情報発信ですとか、ガイドラインですとか、ガイドラインの法令上の根拠をどうしていくのかということについて、今、私ども全力でやらせていただいているところでございます。
 他方で、先ほど天笠先生からおっしゃっていただきましたように、本当に小学校の高学年で中学校のような教科担任制を導入していくということをやっていくとすれば、これは小学校と中学校で明確に分かれている免許制度をどうしていくのかですとか、教職員の配置をどうしていくのかですとか、あるいは教育課程をどうしていくのかといったような教育制度の根幹を議論していただかざるを得ないというふうに思っておりまして、その点について、しっかりと中教審で御審議を深めていただくということと、働き方改革の推進というものは車の両輪であると。そのことを私ども事務的に明確にお示しをさせていただきながら御議論賜れればと考えている次第でございます。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。どう実質化していくかということが非常に重要になってくるということであろうかと思います。
 では、今、名札を立てていただいています清原委員、よろしくお願いします。
【清原委員】  ありがとうございます。清原です。私は9期に「学校における働き方改革特別部会」のメンバーとして議論させていただいた経験から、今回丁寧に御報告いただいたことによりまして、その答申を踏まえて、具体的に文部科学大臣を本部長とする文部科学省の体制が整えられていること、しかも、今回の初等中等教育の在り方に対する新しい諮問に具体的に学校における働き方改革特別部会で審議された問題の所在が集約されて、分科会の新たな課題に位置付けられていることを大変重要だと認識しております。その視点から幾つか申し上げたいと思います。
 1点目に、私は「学校における働き方改革特別部会」の検討の中で、改めて問題の所在を整理することができましたし、その議論の優先順位について、天笠委員が御指摘されたような点につきましても当初から議論し、まず緊急的に問題提起をすることができましたし、少し時間をかけて後半議論することもできました。したがいまして、本日、資料2-5で御提案の「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」を設置することについて大いに意義があると賛同いたしますし、まずはこの特別部会で重点的に大きく四つ示されております審議の項目において関連性を整理するとともに、優先的に議論する内容についてもまず当初御検討いただくことが適切ではないかなと考えております。
 2点目に、「学校における働き方改革」を議論する際には、あえて「教員の働き方改革」という名称にしなかったにしなかったという特徴があります。すなわち児童生徒中心の教育の質の向上を図るということを念頭に置いた学校における教員及び関係する他の職種においても、あるいは保護者の働き方改革についても視点を広げながら議論ができたことが有意義だと思っています。その中で、圧倒的に優先順位が高く議論されたのは、一方で、コミュニティスクールを基盤とした小中一貫教育など、小学校、中学校のカリキュラムや、教員との関連性についての検討の意義が確認されたということです。したがって、免許制度におきましても、小学校と中学校を分けていることについての問い直しがあったこと。それから、いわゆる担任制と専科の教員をどのように組み合わせていくかということも重視されました。したがいまして、初等中等教育分科会の今後の特別部会においてもそうした教員制度、あるいは養成から採用、さらには研修のプロセスについて、一定の議論がされることを期待したいと思っています。
 3点目にICTにつきましては、既に「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」なども中間まとめとしてまとめられておりますし、この間、文部科学省でも多く議論がされてきました。それはいかにICTを活用するかということが相対的には重視されてきたかもしれません。しかしながら、ICTが普遍化し、多様化する時代において、改めて小学校における語彙や読解力が問題提起されてきたということは、現代社会の象徴的な課題認識だというふうに思っています。有意義にICTを活用することで障害者も自立することができますが、併せてそのことによる心理的、精神的な弊害も言われている中、このことについても重要な今後の教育環境の整備と教育課題とのテーマになっていくと思います。
 4点目に「チーム学校」という言葉が非常に多用されています。しかし、その内実を初等中等教育でいかに具体化していくかということが重要であり、校長、副校長のガバナンス、管理能力が軽視されるわけではないと思いますし、「学校における働き方改革」においても、特に管理職はどのような役割を果たすべきなのかということが問い直されたと思っています。特に主幹教諭についての注目もなされた経過があります。したがいまして、「学校における働き方改革」で勤務時間の上限をいかに抑制できるか。その上でいかに教育の質を上げられるかというときに、管理職の役割、在り方、責任の所在についても当然議論がされていかなければならないと思っています。
 今、課題を例示させていただいたにすぎません。このような課題が「学校における働き方改革」から今回の諮問へと継承されているのではないかなと感じているところです。
 最後に、私は、天笠委員がおっしゃいましたように、いかに限られた時間の中で優先順位を決めながら、効率的、効果的に委員の皆様の御発言をまとめて、具体的なアクションを途中でも示していけるかということが極めて重要だと思います。これは前期の「学校における働き方改革特別部会」の経験の中で実感していることです。今期も大変多岐にわたる課題が示されてはおりますけれども、恐らく委員の皆様との協議の中で一定の優先順位と先に取り組むべきものが今期の中でも具体化して示されていければなと願っています。いずれにいたしましても、大変多岐にわたる課題でございますので、是非皆様と気持ちを合わせながら、心合わせをしながら、児童生徒のために良い教育の在り方が今後具体化できればと願っております。
 以上です。ありがとうございました。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。では、今、札を立てていただいています山本委員、角田委員、篠原委員の順番でお願いしたいと思います。山本委員、お願いします。
【山本委員】  ありがとうございます。山本でございます。現場から見た場合に大変大きな風が吹いているなというふうに感じています。この風は間違いなく追い風であって、追い風にうまく現場も、私は校長ですけれども、教員も含めて、乗っていかなければいけない、まさにその時代だなというふうに考えています。
 働き方改革の部分で、資料の中にも明記されていますけれども、外形的に把握できる在校等の時間、勤務時間について、一つの目標にしていくということが書かれていますけれども、ここのところで、注意も必要かなと思っている部分があります。時間を短縮することばかりが成果目標に、必ずしもそういうことだけではなくて、いろいろな配慮点も書かれているんですが、時短ばかりが成果目標になってしまうと、今、掛け声が掛かっていて、自治体のレベル、学校のレベルでの現実の取組が始まっている中で、それだけではないのではないかなという部分も実は聞こえてきます。
 先日、若手の教員が言っている言葉ではっとしたんですけれども、自分たちが専門性を身に付けることが急務であると。専門性を身に付けるためだったら、自分たちは時間は問題ではないというふうに考えていると。周りはよかれと思って、早く帰りなさい、学校にいてはいけないということを言うんですけれども、もっと切実な問題が、若手教員が増えている中では実はあるんだというところも押さえておかないと、大きく大切なことをいろいろと投げ掛けているところがありますので、そういう現場の切実な気持ちというのも是非この議論の中で拾い上げて、時には軌道修正したり、あるいは目標の部分について考え方を改めて説明したりということが必要になってくるのかなというふうに考えています。
 業務量の軽減は不可欠で、スクラップとビルドの考え方についても明確に資料に示していただいていますが、例えばですけれども、今仕事を持ち帰るなということで、働き方改革を進めていこうというような向きもあるんですが、この言葉自体も実はそうじゃないよねと言いたい方もたくさんいるんですね。今、個人情報の観点から余り個人の、児童生徒の名前の入ったものを家に持ち帰って作業するということはほとんどしてないというか、禁じられているんですけれども、中には保育の世代なんかは、実はまず家に帰って、自分の子供の世話をしてから、男女を問わずですけれども、それからゆっくり仕事をしたいんだなんていう方もいるんですね。となると、これまでよかれと思っていろいろとやってきた取組も、この流れの中では見直すべき内容も、あるいは見直してあげなければ動かない内容も中にはあるかな。中には仕事を持ち帰ることをしたい、することがだめなんじゃなくて、持ち帰りたい人もいるということを念頭に置く、あるいは許容するというような考え方も、実際に進めていく上では必要になってくるかなというふうに考えています。
 先ほど財務課長の方から御説明があった資料1の7ページのところに教育課程の在り方という言葉がさりげなく入っていますけれど、3月末に教育課程の在り方について通知が出されたときには現場では激震が走りました。この授業時数の確保について、それこそ我々は必死になって上回るように確保してきたんですけれども、それも場合によってはそうじゃなくてもいいよということを言っていただいて、私たちの考え方が違っていたのか、それとも、これからはそういう新発想で行くんだということを言っていただいているのか、この辺りについてもしっかりと浸透させていくとなると、これまでよかれと思って積み上げてきたビルドをスクラップしていく考え方も道筋としては見えてくるのかなというふうに考えているところでございます。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。今のお話を承っておりますと、先ほど清原委員がおっしゃいました管理職のガバナンスというのが一層重要になってくるというふうなことを感じました。ありがとうございました。
 それでは、角田委員、よろしくお願いいたします。
【角田委員】  働き方改革につきましてお願いがございます。ずっと議論も施策も、高校や私学が脇にやられているなというような印象がありました。今回のまとめもそうなんですけれども、実際高校の先生方の意識改革、そんなに進んでないなというふうに思いますし、私立につきましては先般残業代要求の報道などありましたように、勤務実態がブラックボックス化しているという事例がまだあると思うんですね。高校と私学についてもきちんと明示して改革を進めていくようにしていただきたいなというふうに思っています。
 8ページにフォローアップ施策なんですけれども、市町村ごとに把握して公表するというのは小学校、中学校のことだろうなと思いますので、高校も入れていただきたいということと、3年後をめどに勤務実態の調査を行うとしてありますが、今回の調査は高校は入っていませんでした。次回は是非入れていただきたいと思います。前回やったはずですので、その比較ができるのではないかと思います。学校段階全てにおいて働き方改革が進んでいくようにお願いしたいと思っております。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、篠原委員、お願いします。そして、鶴羽委員、その後お願いいたします。
【篠原委員】  今、角田さんのお話を聞いてて、僕は取り下げようかと思ったんですけど、実は同じようなことで、このガイドラインですね。私立の学校についてはどういう措置がとられているのか。その1点だけをちょっとお聞きしたいと思います。取組状況全体はよく分かりました。その1点だけ。ほぼ共通の質問になるかと思います。よろしくお願いします。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございます。合田課長、お願いします。
【合田財務課長】  私立につきましては、一度篠原先生からも御指摘をいただきましたけれども、御承知おきのとおり、私立の学校の先生方には労働基準法がそのままストレートに適用されるということになってまいりますので、労働基準法の基本原則に従って対応なさっているということだと思います。今回、中教審の9期の議論におきましても、私立学校も視野に入れながら御議論いただいたところではございますが、先ほど来議論がございますように、基本的な労働環境、勤務環境に関する法制的な位置付けが、公立学校と私立学校で大きく違っているということと、私立学校におきましては建学の精神を含めた様々なそれぞれの独自性というものがございますので、その点をもう少しきめ細かく見ていかなければならないという御議論をいただき、答申としてまとめていただいたところでございます。ですので、ストレートに申し上げますと、このガイドラインというのは公立の学校に対して発せられたものであるということでございます。
【篠原委員】  ちょっと一言いいですか。法律上のたてつけも含めて、その仕組みはよく分かるんですけど、子供たち、公立だけじゃなくて、国立や私立に行っている子供はたくさんいらっしゃるわけですから、その状況を是非フォローしていただきたい。労基法の下でどういう働き方改革になっているのか。公立だけを調査するんじゃなくて、ほかの形態の学校についても是非調査をして、そういう資料を提示していただきたいなというふうに思います。よろしくお願いします。
【荒瀬分科会長】  では、御検討よろしく。お話がございますか。
【合田財務課長】  御指摘は踏まえさせていただきたいというふうに思っておりますが、答申全体の枠組み自体につきましては、先ほど申し上げたように、公立の学校についてしっかりと受け止めて把握していくということでいただいております。ただ、先ほどお話がございましたように、この働き方改革というのは子供たちのためであるということ。それから、そのことを前提にした上で、学校において、先ほど山本委員の御指摘もございましたけれども、勤務時間管理というのはそのこと自体が目的、それは目的ではなくて、手段でございますけれども、その手段を通して、学校において時間というものが大変重要なリソースであると。それを効果的に配分するためには先ほど荒瀬分科会長もおっしゃいましたように、管理職も含めたマネジメント能力が問われるということは共通だというふうに思っておりますので、その辺も踏まえて取り組ませていただきたいと存じます。
【荒瀬分科会長】  よろしくお願いいたします。
【吉田委員】  すみません。その辺の話ですが。
【荒瀬分科会長】  はい、吉田委員。関連してお願いいたします。
【吉田委員】  すみません。遅参してきて申し訳ございません。今の件、私学ということですので、私学の立場として一言お話しさせていただきますと、この働き方改革につきましては、私立学校が労働基準法の下にある学校であるということも事実でございますし、公立学校と違うというのも事実ですけれども、実質、教育という内容、そして、働いている仕事という部分で言えば、基本的には同じ状況になっています。
 そういう中で、今、公立学校ですと4%の手当ということでカバーされてきているわけですけれど、私立学校でも実は7割方の学校がそのやり方を使っています。自分のところですから、はっきり言って例にすると、うちは10%にしています。そして、年間で休めるときには極力休むという一種の変形労働制的な要素でやっています。それから、夕方も早く帰すというようなことでしっかりやっているわけですけれど、子供を中心に考えたときに働き方改革をそのまま安易に移すことはできません。つまり、例えば今回の10連休一つとりましても、我々は休ませたくても、部活動の試合とかは全く変わっていません。連休中でも行われます。それから、夏休み等も行われます。そういう部分での総合的な変化をさせていただかない限り、できない部分がある。そうすると、部活動を指導したからということで、平日の授業の日に代休を取るということによって今度はほかの子供たちの教育に対して影響が出てくるということにもなります。ですから、その部分で総合的に判断していただきたいこと。
 それと、私立学校は現在ほとんどの学校が先ほど言いましたような形でやっていますけど、それこそ労働問題等が起きている学校というのは、何らかの形で教職員と理事会等がもめているとか、そういうところが労基との問題が出てくるような形が多いのではないかなと。ただ、それによって残業手当を支払ったことによって、5年ぐらい前の話ですけれど、ある学校が年間だけで2,000万円を超える残業手当を出さなくてはならないということで、それも3年分さかのぼって云々ということで、結局、その学校自体が超縮小して中学校をなくすとか、そういう結果になりましたけれど、そういうことが起きているのも事実だということを御理解いただきたいと思います。
【桑山委員】  財務課長のお答えに対して。
【荒瀬分科会長】  では、どうぞ。桑山委員、お願いします。
【桑山委員】  すみません。先ほどお答えいただいた公立学校の中には特別支援学校や高等学校ももちろん入っているという理解をしているのですが、それでよろしいでしょうか。
【合田財務課長】  仰せのとおりでございます。ただし、答申におきましては公立の特別支援学校、あるいは高等学校についてはそれぞれの位置付けとか、特徴があるので、そういうことを踏まえた対応が必要だという答申を第9期で頂いたところでございます。
【荒瀬分科会長】  よろしいでしょうか。
【桑山委員】  はい。
【荒瀬分科会長】  では、全体をよく見ながらやっていくということが大事であるということの理解をしたいというふうに思います。
 鶴羽委員、お待たせいたしました。鶴羽委員、戸ヶ﨑委員の順でよろしくお願いいたします。
【鶴羽委員】  私は、部活動の件について、吉田委員もおっしゃっていましたけれども、私には中学生の子供がおりますが、10日間の連休で7日間、部活動がありました。ほかの保護者にも聞いてみましたけれども、普通にあったということでした。先生に働き方改革、大丈夫ですか。先生の御家庭はということを伺いましたら、1日、2日ぐらいだったら親が見ますよということをお伝えしましたら、それは教員が、顧問が出ないと、中学校の部活動の決まりですから、仕方がありませんというお返事でした。やはり外部指導員の人材確保とともに、指導ができなくても、見守りであれば、PTAのお手伝いということもできるのではないかなというふうに思います。PTAの仕事に安全パトロールというのがございますので、そういった形の関わり方というのも一つのアイデアではないかなというふうに思いました。10日間のうち7日間、そのうち3日間は大会でありましたので、いろいろな競技団体ですとか、連盟との調整ということも併せて必要なのではないかなというふうに感じました。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、戸ヶ﨑委員、よろしくお願いします。
【戸ヶ﨑委員】  まだ勉強不足で資料も十分読み込んでないのに発言するのはいかがかなと思ったのですが、先ほどの働き方改革の取組状況についての御発表を聞いて、私なりに感じた、三つの「じ」、つまり、自走と、自前主義と、人材確保ということについて簡単に申し上げたいと思います。
 一つがこれだけ文科省、また中教審の皆さん方が思いを込めて、魂を込めて、いろいろ御議論されて、まとめられているということ自体が果たして学校現場、教育委員会などにどのように落とし込みがされて、さらにそれが自分たちの問題としてきちっと自走できるかということが今後問われてくるんだろうと思います。その際に大事なことは、新たな取組等は決まったものが演繹的に下におりてきて、それから初めて動き出すという習慣というのが特に教育委員会なんか多いんですけれども、そうではなくて、いかに国レベルと並走できるかというようなことをこの働き方改革などでは考えていかないと、全て請負に終わる可能性があるんじゃないかなという危機感があります。やっぱり国で動いているものは、基礎自治体でも同時に動いて、国に提言するぐらいの気持ちでやっていかなくちゃいけないんだろうなということを感じました。
 それから二つ目の自前主義という部分については、特に日本の教育の今までのやり方というのがそうなんだろうと思うんですけれども、150年間、教師の思いというか、様々な教育関係者の思いというのが自分たちでどうにかしっかりやらなくちゃいけないんだというプライドや責任感がどうも強くて、そこから脱していかなくちゃいけない。つまり、脱自前主義という形でやっていく。借りられる力はどんどん借りるんだと。自分たちでできないものはどんどん外の力を借りるんだという、そういう気持ちでやっていかないといけないと思っています。教育課程も、社会に開かれた教育課程ということで言われていますので、是非そういうところも脱自前主義みたいな形で進めていく必要があると思います。
 最後ですけれども、人材確保ということですが、先ほどの話の中にも出ていますけれども、志が高くて、能力の高い、そういう教員が入ってくるという、この大事さというのは、本当に日々教育委員会の立場として感じています。極論すれば、一を聞いて十を知るような人間が集まっていれば、働き方改革だって一気に改善されていくんじゃないかなと思うんですね。それがなかなか一を聞いて、一、場合によっては一を聞いて0.5しか分からないということになると、何度も何度も繰り返さなくちゃいけない。能率も悪い。失敗も起きる。研修もそうですけれども、後になってから改善していこうというよりも初めから優秀で能力のある人をいかに採っていくかに力を注いだ方が効率的です。教員の魅力というものを大いに発信していくということは非常に重要なことで、そのことで志と能力の高い教員の採用が実現できていれば、働き方改革なんかそんなに言われなくても、どんどん学校が自走し能率的に進んでいくのではないかと思っています。人材確保については、少し肝いりで知恵を出していった方がいいのかなというようなことを感じました。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。働き方改革は、いわば始まったばかりであります。これからどう展開していくのかというのをしっかりと、今おっしゃいましたように、教育委員会も現場も、あるいは教員一人一人も考えて、また、保護者、地域なども巻き込みながら進めていく必要があるということを確認できたのではないかと思います。ありがとうございました。
 働き方改革につきましては、お話の中でも二つ目の議題の初等中等教育の全体的な在り方についての諮問とも深く関わるところがありますので、そちらの方で御意見、御質問等ございましたらお願いしたいと思います。
 非常に多岐にわたる諮問があったということでありまして、初等中等教育全体をどうしていくのかという大変重い課題があるということでありますが。では、桑山委員、田中委員、種村委員、角田委員の順で、岸田委員、それから岩本委員、お願いいたします。
【桑山委員】  全国の特別支援学校校長会の会長をしております桑山でございます。全国には種別の異なる特別な配慮を要する子供たちを教育する特別支援学校として1,135校カウントされております。そこでは、子供たちが障害の改善・克服のためにとても頑張っていることについては、皆さん御存じのことと思われます。
 実は、今回の学習指導要領の改訂は、どの教育機関、校種にあっても、配慮が必要な児童生徒にとっては、こんな中身を指導した方がいいということが学習指導要領に盛り込まれているという、とても画期的なものでございます。これが移行期を経て完全実施になると、指導の内容等が学習指導要領で示されることによって配慮を有する子供たちの自己表現がかなりできてくる。インクルーシブ教育システムの構築体制が整っていくということで、とてもうれしく思っております。
 実は、それを実現していくためには、教員の専門性や、資質が一番大事なところであると思っております。現在は、どの教育機関にあっても配慮を要する子供たちが目の前にいるという現実がありますので、特別支援教育に関する高い専門性を備えた教員の養成について、教員養成部会や新たな特別部会の中で、精力的に検討していただきたいというのがお伝えしたい中身であります。
専門性に対する教員の養成については各特別支援学校がどんなに頑張ってもできないところでありますので、この機に指導の中心になる教員の資質についても検討していただきたいと思います。特に通常の教育と特別支援教育を分ける大きなものとしては、自分の障害の改善・克服のための「自立活動」があります。そこをしっかりと学ばせることができる教員の養成が、とても大事なことだと思っております。よろしくお願いいたします。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、御発言の順ですが、田中委員、種村委員。角田委員は2回目になりますので、ちょっと後に回させていただきます。鶴羽委員と清原委員も申し訳ありませんが、後に回させていただきまして、田中委員、種村委員、岸田委員、岩本委員の順でよろしくお願いいたします。では、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  私、私立幼稚園幼児教育研究機構の田中と申します。従来の学力観が9年間通してという部分もありますけれど、認知レベルの学力観というのから脱し切れてない。世界の特に大学の中で強調しなければならない、社会の中で重要とされている能力というのは、例えば継続して取り組む力であるとか、チームで妥協しながら良い物を作り上げていく力であるとか、こういう部分に関して言うとほとんど幼児教育が原点であるというのが証明されている時代に、それをまだ中教審、この前の教育課程部会のところでは非認知という形でまだ曖昧に定義していますけれど、この部分の能力が、実は社会の中の非常に重要な能力と結び付いているという部分の、その点を入れた議論というのをどこかでしていただきたいというふうに思います。
 その中の一つの特徴なんですけれど、学校教育法の中で、幼児教育のみが満3歳から入れるという学齢と教育課程と違う発想の学校教育観を持っています。満3歳からというのが今回特にクローズアップされまして、学校教育の無償化、幼児教育の無償化という対象は、当然学校教育法の中の満3歳からという形になっていますので、学齢と違う発想の学校教育というものが教育課程の全体としての教育課程の議論と満3歳になった時点で学校に入ってくるわけですから、個別指導との関連性であるとか、そういうものがまだまだ議論されていなかった部分もあります。ここの部会でするべきものなのか、幼児教育という、ある意味、特殊な部分もありますので、別の議論の場を設けるべきなのか、それはちょっと分かりませんが、全体の中に新しい概念というのを特に幼児期からの接続の中で言うと、つないでいかなければならない学力観というものが重要になってきているということも是非議論の中で入れていただきたいと思っております。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、種村委員、お願いいたします。
【種村委員】  全国の小学校長を代表して出席させていただいています種村でございます。今回の諮問を見させていただいて、本当にきめ細かい事項まで挙げていただいて、ありがたいなと思っています。特に第一の中にあります年間授業時数や標準的な授業時間等の在り方。これは簡単な問題ではなくて、様々な問題を解決しないといけませんが、これを挙げていただいたことを高く評価しています。第四のところの教育環境整備のところも本当にきめ細かく挙げていただいたなというふうに思っています。ただ、これを具体的にどうしていくかという、天笠委員からありましたように、タイムスケジュールは大きな課題だなというふうに思っています。具現化できるよう是非お願いしたい。
 そういう中で一つだけ質問させていただきます。小学校は新学習指導要領を踏まえて、来年度から完全実施になってきます。新学習指導要領の中の総則を見ますと、今回、出ていますSociety5.0時代の中に読解力というのが入っています。その総則の中には読解力が入っていません。言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力は入っています。読解力が課題だというふうに捉えて、各都道府県、若しくは各市町村教育委員会が読解力の育成にかなり力を入れてやっているところもあります。ですから、これは各都道府県、各市町村の裁量でやっているんだなというふうに思っていますが、現場の校長としては読解力が課題という認識を持っている校長は多いです。そういう中で、これから校長は教育課程編成していきますが、新学習指導要領を踏まえながらやっていきますが、その中に読解力というものがありませんので、それをどういうふうに校長として教育課程を編成する際にさばいていけばいいのかということをどこかしらしっかりお伝えをしていただく必要があると思います。是非よく吟味していただいて、早い対応が必要かなと思っていますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 以上でございます。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、岸田委員、お願いいたします。
【岸田委員】  岸田と申します。私自身が今こうやって車椅子に乗っているんですけれども、実は息子が今23歳で、ダウン症がありまして、重度の知的障害がありましてということで、ずっと特別支援学級、特別支援学校でお世話になっていたんですが、それゆえにといいますか、先生方との関わりが物すごく深くて、それがゆえに先生方のあり難さというか、責任感の大きさというか、また一方で、大変さというのは息子を通して知り得た機会が長かったかと思っています。
 もう一つ、私の友人にも小学校の教師がいたり、高校の教師がいたり、息子のお世話になった先生方も今もずっとつながっていたり、お話を聞く機会もたくさんありまして、また、仕事としてもユニバーサルデザインの話だったりとか、いろいろな話を先生方向けにさせていただいたり、またそこでいろいろな話をさせていただたりということで、共通して皆さんおっしゃることが、働き方改革の話にも通じるんですけれども、実際に先生方が働きやすいようにとか、新しい制度とか、取組が学校に取り入れようということになるんだけれども、教師、先生方の思いと制度がうまく一致していなくて、山本先生がおっしゃったように、早く帰りましょうという流れなんだけど、実際に帰りたくなくて学校でまだまだやりたいことがあるんだけれども、制度としてそんな制度になったから、帰らなくちゃいけない。仕事が進まない。生徒と関われない。そんな悩みもたくさん聞くことがあって、そのほかにもいろいろ聞くことがあるんですけれども。
 ただ、制度ができていても、実際にそれができる仕組みができていなくてとか、また、ICTとか、AIの導入に関しても、やりたい先生、できる先生とそれができなくて使えない先生の差も大きくて、使いましょう、入れていきましょう、取り入れましょうとなっても、実際学校の中でも取り入れたいけれども、できる先生、できない先生がいて、実際に活用できていないという現場もたくさんあるように感じています。もちろん子供たちが学校においてより良い教育を受けるとか、そこで心も体も成長していく大切な現場であることはもちろん大切なことなんですけれども、やはりどんな先生に関わってその先生に何を教えてもらうかで、その子たちの将来というものが変わってくると思うんですね。
 今は私自身の障害、息子もいるんですけれども、働いています。企業様でも就労支援のコンサルティングなんかもさせていただくんですけれども、そこで感じるのは、学校のときにどんな教育を受けたか。どんな先生にどんなことを教えてもらったかということで子供が社会で活躍できるか、できないかというか、どんなふうに生きていくのかとか、生き方を変えていくと思うんですね。ですので、是非先生方が働きやすいというか、学校にちゃんと仕組み、制度はもちろんなんですけれども、そういった制度が活用できる仕組みを落とし込めるようにするのか。分かりやすいような指針が提示できるような、そんなふうな、ここで会議で考えて、しっかりと現場に活用できるようなことを提示していきたいなというふうに思っています。
 私の場違いな意見かもしれないんですけれども、初めての発言をさせていただきました。ありがとうございます。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、この後ですが、岩本委員、渡邉委員、貞広委員、柏谷委員の順でお話しいただきまして、後、角田委員、鶴羽委員、清原委員にも御発言いただきたいと思います。私の進行がまずくて、だんだんと押し迫ってまいりましたので、手短にお願いできれば大変幸いでございます。済みません。御発言の前にこういうことを申しますが、よろしくお願いいたします。
【岩本委員】  それではよろしくお願いします。岩本と申します。今回、諮問が広範、多岐にわたるという中では、先ほど話にありましたけれども、課題の優先順位ということと、もう一つ、具体の議論を始める前に解決策の方向性を確認することが大事かと思います。解決策は様々、いろいろな方向性でそれぞれ検討できるわけですけれども、それが個別ではなく、全体としてこれからどういった共通の方向性に向かって議論を進めていくのか。そういったところに関して、今日の話と資料を読み込ませていただいた中で、二つ大きなポイントがあるのかなというふうに感じましたので、その共有をさせていただけたらと思います。
 方向性の一つは新時代、新しい時代というのがキーワードに出ています。これが一体何を指しているのかというのを簡単に一言で言うと、キーワードは何かと考えると、「多様性」だというふうに読み取れました。国籍も含めた多様性だとか、子供の様々な支援だとか、必要性を含めた多様性、価値観の多様性、こういった多様性が拡大、多様化していく社会の中で、子供たちも多様化していく中で、どうそこに学校や教育課程や教員が対応していくのか。言い方を換えれば、学校の多様性、教育課程の多様性、そして、教員の多様性をどのように作っていくのかというのを一つ共通の大きな新しい時代に向けてという中では方向性として今も議論の前提にあるんですが、この資料に出ているのではないかというのがポイントの一つ目です。
 二つ目は、そういう多様性が高まっていく時代や社会に向けて、我々は様々な議論の先には子供の姿があるわけで、どういう子供を育てるための学校や教員の在り方等々を議論していくのかという、その目的地とか、方向性を改めて確認してみたところ、これも今まで議論の中に再三出てきていますけれども、一つ目はキーワードとしては「自立」です。言い換えれば自己実現かもしれません。多様化していく社会の中で、子供たちが自己実現を果たしていける、自立していける力を育てていくというところが一つ大きなキーワードで上がってきているかと思います。
 二つ目は「協働」というところ、社会参画していく中で、チームでという話もありましたし、ともに生きる共生というところ、若しくはともに価値を創造していく共創という、こういった協働していくような力を付けていくという、協働というキーワード。
 三つ目が、「探究」というところが出ているかと思います。継続してとか、学び続けるという部分、若しくは粘り強く挑戦していく。若しくはその探究の中でも試行錯誤していく。こういう自立、協働、探究。言葉としてはいろいろあるかもしれませんが、要素としては大体こういったものがこれからの大きな共通の議論の方向性の中で子供たちの姿として書かれているのではないかというふうに読み取れました。そうしたときに、自立、協働、探究が学びの在り方というところにおいては、自立の基盤になる主体性の「主体的」で、協働の基盤になる「対話的」な、そして、探究の基にある「深い学び」と。こういう形で学びの在り方を次の指導要領において明確にキーワードとして示されたわけですが、では、次は自立や協働、そして、探究できる学校の在り方。若しくは自立していく、協働していく、探究していく。教員の在り方とは何なのかというようなところがこれからも共通の議論の先にある方向性なのではないかということで、多様性という社会、時代に向けて、我々が育てていきたい子供たちの姿、そこに向けた学校や教員の在り方というところをある程度これから部会に分かれると思っているんですけれども、その中でも、そういった方向性をその中で議論していけるといいのかなというふうに感じた次第です。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、渡邉委員、お願いいたします。
【渡邉委員】  渡邉でございます。3点ほど手短に話させていただきます。一つは子供たちの資質・能力の育成ということ、求められている資質・能力を育成するということが大切なわけですけれど、今回、様々な資料を提示していただきましたけれど、一部の教科の内容ですね。実際には今回の検討課題の中に様々な科目を学ぶことの重要性が指摘されているように、幅広くいろいろな教科、科目のことについて具体的にデータに基づいた分析をしていただきたいと思っています。例えば国立教育政策研究所は、校種ごと、教科ごとに児童生徒の調査をやっていますので、そういったものを踏まえていって、それで子供たちの資質・能力の育成につながっているのか、つながるのかどうかという分析をしていただければと思っています。
 2点目は、多様な背景を持つ人材の活用のことですが、これは多分、今回始まったことではなくて、これまでも様々な経験がある方が、例えば管理職で入られたりとか、そういったことはあったと思います。それが効果的であったのか、あるいは課題があったのかどうかということを検証していかないといけない。これまでと同じようなことが言われていたというようなことがあったと思うのですね。これまでの取組を検証しないと先に進まないということがあるかなということがあるので、これを是非お願いしたいということ。
 3点目は、総会の主な意見、資料2-6をちょっと拝見していて、その他の中にあったことで、例えばがん教育を含め、健康教育が重要だということの指摘があったのですけれど、全くそのとおりだと思います。また健康教育だけじゃなくて、例えば日本では防災がすごく重要なので、防災を含む安全教育の推進ということが行われているわけですが、そういったことが見落とされてしまうのじゃないかという、それが気になりました。教科ではないので、カリキュラムマネジメントが必要になってくるのですけれども、これらも外部人材の活用ということが可能ではないかと。例えばいろいろな研究機関とかのアウトリーチであるとか、出前授業などもできるかと思いますので、そういうようなことも含めて議論していただければと思います。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 あと御発言をお待ちいただいていますのが、貞広委員、柏谷委員、牧野委員、橋本委員、そして先ほどからずっと待っていただいています角田委員、鶴羽委員、清原委員、失礼しました、先に梶田委員ということで、時間の関係でそちらまでということにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。またたびたび申し訳ありませんが、合計8人の方が御発言なさいますので、その辺りのことを御勘案いただきまして、御発言いただけると幸いでございます。よろしくお願いいたします。
【貞広委員】  ありがとうございます。今回の諮問、大変多岐にわたっていて、おのおのがそれぞれ関連しているものですので、どれかを特出ししてお話しするというタイプのものではないかと、この段階では思いますが、我が国の高い教育の質を維持した持続可能な教育制度を未来に向かって再構築していくという意味で、2点申し上げたいというふうに思います。
 まず、今回の諮問に当たって個人的に基礎となるであろうと思いまして、注目しているのは、新たな教職員配置と指導体制の在り方です。特に小学校段階での教科担任制の導入、又は学校規模の分散が非常に大きいということに対応して、単位学校をまたいだ、又は場合によっては自治体をまたいで、新たな教員、教職員の配置を行っていく制度の構築というところが非常に重要になってくるかなというふうに思っています。
 また、これは将来に向かって、年齢構成のゆがみを生まないような人事計画の在り方とも関連していますし、学校内、学校間での先端技術の活用ということとも関連していて、非常に重要な課題になってくると思われます。こちらが1点目でございます。
 そして、2点目でございますけれども、こちらの会議の議論でも、又は教育政策の立案においても、新たな追加的な物事、例えば授業時間数を増やす、英語を導入する、プログラミング教育を導入するという新たな物事を行うのであれば、必ず追加的なリソース、それは人であり、予算であり、時間でありということだと思いますけれども、追加的なリソースが必要であるという当たり前を共有しつつ議論するべきだということを確認するべきではないかということでございます。
 以上、簡単ですが、2点、申し上げました。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございます。大事な点を御指摘いただきました。皆さんの御議論はいずれも、そういったところからの御発言かというふうにお聞きしております。
 では、続きまして、柏谷委員、お願いいたします。
【柏谷委員】  全国町村教育長会の柏谷です。町村の教育委員会では財政のありようが一人一人の子供たちの教育の差にならぬようにということで、全国一丸になってやろうということを目的にしております。人生100年時代を鑑みて、私は子供たちには良い生活習慣と学習習慣さえあれば、あんまり心配ないよということもこの中で訴えていただきたいなと思っています。家庭教育の重要性を訴えずして、どの子にも長い人生を生きていく力を付けていくことは不可能だということを私は言っていただければあり難いなと思いますので、発言させていただきました。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、牧野委員、お願いいたします。
【牧野委員】  長野県飯田市長の牧野でございます。私の方からは高等学校教育の在り方について少し思っていることをコメントさせていただきます。この高等学校教育の在り方について、文部科学省さんの方でこういった形で打ち出していただきましたことにつきましては、私の立場で申し上げますと、内閣府の経済財政諮問会議の専門調査委員としてずっと高校教育改革について進めていくべきだということを申し上げてきた立場と、今年で8年目になりますけれど、地域の現場におきまして、高校と大学と地域が協働して地域人教育を進めてきた立場の、その二つの立場から大変期待しているところであります。今日は時間がないので、余り踏み込んで申し上げませんが、人口減少、少子化、高齢化が進む今の地域にとりまして、地域社会や高等教育機関と協働しながら、地域の将来を担い得る人材を育てていくということは大変大きな課題でありまして、高等学校教育の重要性というものはしっかりとこの場で議論していただきたいと思っております。また、4月の中教審の方でも意見が出ているようでありますが、これは単に地域の将来を担い得る人材の育成のみならず、Society5.0社会の到来を見据えたときに、そうした時代をたくましく生きる人材育成にもなり得るということがこれまでの私どもの地域の経験からも出ているところでありまして、是非そういった観点からも高等学校教育の在り方についての議論が深まっていくことを期待するところであります。
 以上であります。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、橋本委員、お願いいたします。
【橋本委員】  4月の総会で申し上げた意見については資料2-6に全て書いていただいておりますので、それ以外について、簡単に2点だけ申し上げたいと思います。
 1点は高等学校教育の在り方についてであります。特に普通科改革などの学科の在り方、あるいはSTEAM教育の推進といったことを考えていく上で、どうしても高校教育は大学入試に規定される部分が大きいということで、今も高大接続改革あるいは大学入試改革、進められておりますけれども、この議論を進めていく上で、また、若干入試についての見直し等も議論としては出てくるんじゃないか。あえてそれを避けずに議論していただけたらなというふうに思います。
 それからもう1点は、外国人児童生徒等への教育の在り方に関してですけれども、今実態としてはかなり夜間中学で指導等が行われているということがあります。したがいまして、この議論を進めていく上で、夜間中学の在り方に関しても議論していく必要があるのかなと思いますし、併せて教育相談等の包括的支援の在り方というのも事項として書かれておりますが、こうした問題については、必ずしも教育、学校のところで、全て解決を図っていくということではなくて、もう少し幅広い解決の手法もあるんじゃないか。そういう幅広の議論をすべきじゃないかなというふうに思います。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、梶田委員、お願いいたします。
【梶田委員】  もう既に話がほとんど出ております。私、今御発言があったことに関わって、グローバル時代というように、日本の社会はグローバル化が進んでいるものですから、多文化共生の教育というのが本当に大事になってきて、目下の急務になっていると思うので、急速に普通の学校に外国籍の子供が増えて、特に大都市圏、大阪ではそれが非常に顕著です。ただし、総論は皆さん、できるんですよ。お互いにそれぞれの文化を持ってきているんだから学び合おうよねとか、それからもう一つは、日本の大事なこと、単なる同化教育じゃなくて、日本人と同じにしていくという意味じゃなくて、しかし、日本のこれまで大事にしてきたことは外国から来た人にも伝えたいし、同時に、それを通じて、日本の今までの子供たちにも再認識してほしいよね。和魂化教育と我々は言っているんです。こういうことが大事だ。ただ、これをやっていく上では幼小中高大と学校現場の皆さんの意識改革というか、新たな学びというのが必要だなということが、私どもの周りで非常に出ております。同時に、意図的には教員養成と教員研修の中にそれをどう入れていくか。これをかなり意図的に入れていかないと対応できないんじゃないかということが出ております。是非これも御検討いただきたい。
 ありがたいことに、文科省はここのところ、外国人の子供たちの指導のため、特別人員枠を要求していただいて、十分とは言えないでしょうけれども、ある程度確保できつつあります。これは大事なんだけど、それをきちっとやれる人を、せっかくの人員枠はあっても、これをきちっとやれる人を何とか養成する、研修するということが不可欠だろうと思いますので、是非と思います。
 最後に一言だけ。ちょうど1か月前ぐらいに私の大学に来ている若いペルー籍の女子教員がおります。ロサ・オチャンテさん。これは中学生のときに日本に来て、夜間高校を出て、奨学金をもらって、大学に行って、大学院を出て、うちの専任講師をしております。これは1か月ぐらい前に朝日新聞が1ページ大でインタビュー記事を出してくれておりますので、その中に自分の育ちの中での苦しいあれが、いじめもいっぱいあるわけですよ。そういう話もいっぱい出していますし、同時に、今彼女が取り組んでいるのは、自分と同じように外国から来た労働者の子供たちとか、家族たち、この子供たちにどう日本の社会がトータルで、あるいは学校現場がトータルで手を差し伸べるかということを、1ページ大の朝日新聞のインタビュー記事ですが、1か月ぐらい前、ロサ・オチャンテさんのやつ、是非お読みいただいて、これも皆さん、審議の一つの参考にしていただけたらなと、そういうふうに思います。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、最後にお待たせいたしました、角田委員、鶴羽委員、清原委員の順でお願いいたしたいと思います。角田委員、どうぞ。
【角田委員】  失礼いたします。諮問の中でも今注目が高まっている高校の普通科改革につきまして先走って意見を言わせていただきたいと思っています。普通科は画一的と言われていますけれども、全くそうではないですね。県で一番の進学校から中退者がたくさん出る指導困難校まで、本当にこれが同じ普通科の高校の先生のお仕事だろうかと思うくらい、課題と取組が違います。でも、だからといって、普通科を細分化したり、類型化という言葉が出ておりますけれども、そうしていこうというのは、私は方向性がちょっと違うのかなと思っています。普通科のボリュームゾーンの子たちは、自分が何をやりたいか分からないという子たちだと思うんですね。その子たちにとっての一番の問題とは入学したらすぐに秋までに文系か理系か決めろと迫っていく。その後の人生がはっきり文系と理系で分かれるかのように保護者も錯覚してしまうような、そういった指導がなされていくことだと思っています。ですので、ボリュームゾーンの自分がやりたいこと、そしてこれから先のことが見えていない子たちが迷いながら何か見付けていけるような柔軟なカリキュラムを是非議論していただきたいなと思っています。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、鶴羽委員、お願いします。
【鶴羽委員】  私からはお願いが二つありまして、一つはICT環境の改善です。資料2-1の3ページにありますけれども、1市町村1小学校1中学校等という市町村が232団体、13.3%あるとありますが、北海道は42団体あります。パーセンテージにすると、23.5%です。やはりICT環境を整えていただかないといろいろな幅広い情報というのは行き渡らないということもございますので、是非お願いしたいなということが一つ。
 もう一つは、角田委員のおっしゃっていたことがそのままなんですけれども、私は、中学校の段階で教員の先生方に広い視野と情報とコーディネート力で子供たちに進学の情報だけではなくて、生涯を見据えた高校の情報をお伝えしていただきたいということが一つです。中学校の子供たちは進学のための情報しか与えられていません。それで高校を選びます。入ったらすぐ半年で文系、理系という選択しかないんですけれども、例えば私が中学校3年生の子たちによく聞かれるのは、商業高校って何とか、農業高校って何とか、そういった情報は全く届いていません。そういういろいろな職業がありますし、やれることも広くなってきていますが、学校の先生方が実際にそういった専門の高校の体験がありませんので、そういったところを広く子供たちに伝えてあげてほしいなというふうに願います。
 以上です。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 では、清原委員、お願いいたします。
【清原委員】  ありがとうございます。清原です。既に多くの委員の皆様が仰った御発言と重なりますが、意を強くしてもう1度発言します。
 1点目は、本日資料2-3に関係資料として国際比較や実態調査などをまとめていただきました。渡邉委員も言われましたけれども、私も「エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング(E.B.P.M)」が望ましいと思いますので、今後もできる限り私たちが議論させていただくときに、このような客観的なデータ等を御準備いただくとありがたいです。
 2点目に、その中で特に私が、新発見いたしましたのが「高等学校の生徒の意欲の減少傾向」です。牧野飯田市長が実践に基づいて言ってくださいましたように、まさに高校と地域社会の関係、あるいは高等教育機関との協働が必要だということがこの満足度調査が明らかに示しているように思います。私は、高校というのは大学進学への準備期間だけではないと思っていますので、是非自治体、あるいは地域社会との連携が必要と思います。
 3点目に岩本委員が言われたことと同感でございまして、なぜ地域社会との連携が必要かといいますと、小学校、中学校ではコミュニティスクールがありますが、高校になるとその点が希薄化してしまう傾向があります。しかしながら、「多様性」と「多世代交流」、そうしたことを認識するためには地域社会との交流が高校こそ必要かもしれません。そして、職業イメージや進路イメージを潤沢にするためにも必要だと思います。「SDGs(持続可能な開発目標)」は「誰一人として取り残さない」ということを明示しています。文部科学省においてもそれを意識されたので、「障害がある者を含む特別な配慮を要する児童生徒」という文言を随所に入れていただいています。特別支援教育の充実はもちろんでございますけれども、「地域との交流」の中で、障害のある人もない人も、そして男性も女性も、またLGBTの皆さんも含めて、是非、「多様性」という視点が、とりわけ義務教育のみならず高校教育に必要なのではないかなと痛感し、「大学分科会」や「高大接続の取組」との一層の連携が必要と思います。
 最後に、今回、「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」が設置されるということで、それが「教育課程部会」や「教員養成部会」、「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ」と密接に関わりながらという図式を2-5に示していただきました。今日、委員の皆様のお話を伺っていて、これらの組織の相互連関性が強まることで問題がより鮮明になり、課題解決の方向性が示されるのではないかなと感じました。
 以上です。よろしくお願いします。ありがとうございました。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。
 まだ御発言いただいておりません委員もいらっしゃいますし、ICTのこともたくさん出ましたので、堀田委員にも御発言いただければと思っておりましたが、時間の関係で、御発言の方はここまでとさせていただきたいと思います。
 今、清原委員もおっしゃいましたし、御意見の中にも出ておりましたけれども、事務局から御説明いただきましたように、今回の諮問に関しまして調査、あるいは審議を行うために、資料2-4のとおり、中央教育審議会令第6条第1項等に基づきまして、この初中分科会の下に新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を設けることにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【荒瀬分科会長】  ありがとうございます。それでは、新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会を設置いたしまして、まずこの特別部会において諮問事項全体について横断的に、かつまた先ほどからのお話ですと、何に優先順位を置くのかとか、どういう関わりを持つのかとか、どういう方向性で議論していくのかといったようなことも踏まえて議論し、その議論を踏まえ、本分科会におきまして審議をお願いした上で、必要に応じて各部会における具体的な検討事項を整理するといったような流れで進めてまいりたいと思います。
 なお、この特別部会に属する委員につきましては、中央教育審議会令第6条第2項の規定に基づいて、分科会長が指名することとなっております。部会の委員の人選につきましては私の方でさせていただこうと思いますが、それもよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【荒瀬分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、時間もほとんどいっぱいになりました。この辺りで今日は終わりたいと思いますが、最後に次回以降の日程につきまして事務局からお願いいたします。
【田中教育制度改革室長】  事務局でございます。次回の初等中等教育分科会の日程につきましては、荒瀬分科会長と御相談の上、追って御連絡をさせていただきます。
 また、本日の資料につきましては机上にお残しいただけましたら、郵送させていただくことが可能ですので、よろしくお願いいたします。
【荒瀬分科会長】  ありがとうございました。いろいろと成果が出ているというのは間違いないことで、そこに自信を持ちつつ、課題があるということも事実でありますので、それにどう取り組んでいくのかということを御一緒に今後議論してまいりたいと思います。今日はありがとうございました。これにて閉会いたします。


―― 了 ――

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