初等中等教育分科会(第111回) 議事録

1.日時

平成29年4月18日(火曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省旧庁舎6階 第二講堂

3.議題

  1. 第8期初等中等教育分科会の審議の状況について
  2. 「義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律」及び「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」について
  3. 「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」について
  4. 「フリースクール等に関する検討会議」の報告について
  5. 幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等について
  6. その他

4.議事録

【小川分科会長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第111回中央教育審議会の初等中等教育分科会を開催いたします。
 まず、開会に当たりまして、会議の公開について御説明いたします。
 机上配付として、参考資料2に初等中等教育分科会運営規則というものがございますけれども、本会議は、初等中等教育分科会運営規則第5条により、公開を原則としております。また、第6条により、会議を撮影、録画、録音する場合は、事務局が定める手続により申請するとともに、分科会長の許可を受ける必要があります。申請がない行為をすることはできないことはもちろん、会議の進行や他の傍聴を妨げる行為をされた場合には、退場を命ずるなどの適切な措置を取ることもありますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。
 なお、個人を特定するような撮影及び録画は、御遠慮くださるようにお願いいたします。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 前回、3月6日に第9期中央教育審議会発足と同時に任命されました本分科会の正委員のみで、第110回の初等中等教育分科会を開催し、分科会長の選任、分科会長代理の指名、そして、部会の設置や運営規則の決定などを行いました。改めまして、私はこの分科会長に選任されました小川でございます。よろしくお願いいたします。
 また、分科会長代理として、隣の無藤委員に御就任いただきました。
【無藤分科会長代理】 よろしくお願いします。
【小川分科会長】 よろしくお願いします。
 本日は、新たに臨時委員に任命された方々も含めて、初めての分科会の会議になります。後ほど、時間の許す限り、皆様に御発言を頂きたいと考えておりますけれども、会議の冒頭でもございますので、最初に、事務局から委員の皆様を御紹介いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 教育制度改革室長の常盤木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、第9期の委員の皆様を、お座席順に御紹介させていただきます。
 渡邉正樹委員でいらっしゃいます。
【渡邉委員】 渡邉です。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】  若江眞紀委員でいらっしゃいます。
【若江委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】  宮本久也委員でいらっしゃいます。
【宮本委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 船橋力委員でいらっしゃいます。
【船橋委員】 お願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】  鶴羽佳子委員でいらっしゃいます。
【鶴羽委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 田中雅道委員でいらっしゃいます。
【田中委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 髙岡信也委員でいらっしゃいます。
【髙岡委員】 どうぞよろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 坂越正樹委員でいらっしゃいます。
【坂越委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 加治佐哲也委員でいらっしゃいます。
【加治佐委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 市川伸一委員でいらっしゃいます。
【市川委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 米田進委員でいらっしゃいます。
【米田委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 時久惠子委員でいらっしゃいます。
【時久委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 篠原文也委員でいらっしゃいます。
【篠原委員】 篠原です。よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 帯野久美子委員でいらっしゃいます。
【帯野委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 分科会長代理、無藤隆委員でいらっしゃいます。
【無藤分科会長代理】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 分科会長、小川正人委員でいらっしゃいます。
【小川分科会長】 小川です。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 天笠茂委員でいらっしゃいます。
【天笠委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 清原慶子委員でいらっしゃいます。
【清原委員】 清原です。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 寺本充委員でいらっしゃいます。
【寺本委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 善本久子委員でいらっしゃいます。
【善本委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 荒瀬克己委員でいらっしゃいます。
【荒瀬委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 大橋明委員でいらっしゃいます。
【大橋委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 菊池桃子委員でいらっしゃいます。
【菊池委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 貞広斎子委員でいらっしゃいます。
【貞広委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 竹中ナミ委員でいらっしゃいます。
【竹中委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 角田浩子委員でいらっしゃいます。
【角田委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 奈須正裕委員でいらっしゃいます。
【奈須委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 堀田龍也委員でいらっしゃいます。
【堀田委員】 よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 八並光俊委員でいらっしゃいます。
【八並委員】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 なお、本日は御欠席でございますが、伊藤幸子委員、横倉義武委員、榎本智司委員、土屋智義委員、中島幸男委員、吉田晋委員が本分科会の委員に就任されております。
 それでは、続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 初等中等教育局長の藤原でございます。
【藤原初等中等教育局長】 藤原です。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 大臣官房審議官、瀧本でございます。
【瀧本審議官】 瀧本です。どうぞよろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 大臣官房審議官、白間でございます。
【白間審議官】 白間でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 以下、座席順で紹介させていただきます。
 国際教育課長の小幡でございます。
【小幡国際教育課長】 どうぞよろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 特別支援教育課長の丸山でございます。
【丸山特別支援教育課長】 どうぞよろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 幼児教育課長の先﨑でございます。
【先﨑幼児教育課長】 先﨑でございます。よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 児童生徒課長、坪田でございます。
【坪田児童生徒課長】 坪田です。どうぞよろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 初等中等教育企画課長、矢野でございます。
【矢野初等中等教育企画課長】 どうぞよろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 文教施設企画部長、山下でございます。
【山下文教施設企画部長】 山下でございます。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 財務課長、伊藤でございます。
【伊藤財務課長】 伊藤です。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 初等中等教育局企画官、黄地でございます。
【黄地初等中等教育局企画官】 黄地でございます。よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 教職員課長、佐藤でございます。
【佐藤教職員課長】 佐藤でございます。よろしくお願い申し上げます。
【常盤木教育制度改革室長】 スポーツ庁学校体育室長、八木でございます。
【八木スポーツ庁学校体育室長】 よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】 主任視学官の清原でございます。
【清原主任視学官】 清原でございます。よろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 また、このほか、文部科学審議官の小松、教育課程課長の合田が遅れて出席させていただきます。
 事務局を代表いたしまして、初等中等教育局長の藤原より、一言御挨拶させていただきます。
【藤原初等中等教育局長】 皆様、本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、今期の初等中等教育分科会の委員をお引き受けいただきまして、重ねて御礼(おんれい)を申し上げたいと思います。
 本日は、臨時委員の皆様方もおそろいの中での第9期の初等中等教育分科会の初回ということでございまして、その開催に当たりまして、私から一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 まず初めに、このたびの文部科学省の再就職規制違反に関しまして、文部科学行政に対する信頼を著しく損ねたことに対しまして、改めて教育に関わる皆様方に深くおわびを申し上げたいと思います。私自身も処分を受けましたし、文部科学省の幹部、多くの人間、現職の幹部が処分を受けました。また、OBの方々もいろいろな処分の相当を受けておりまして、今後は、みんなで再発防止に向けてしっかりとその取組を着実に実行いたしまして、信頼回復に努めていきたいと考えておりますので、引き続きの御支援をどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 この初等中等教育分科会でございますが、皆様方御案内のとおり、幼稚園から高等学校までの重要事項について御審議を頂く場でございます。非常に大きな社会の変化の中で、教育の在り方について様々な課題がありまして、それへの対応が早急に求められているという中で、初等中等教育の専門家であられます皆様方の御指導を頂きながら、全ての子供たちのために、文部科学省として尽力していきたいと考えておりますので、いろいろ御指導をお願いしたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては、初等中等教育の充実に向けて、今後2年間、この分科会において、積極的な御議論を賜るように、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、第8期における審議の状況、あるいは最近の初中教育をめぐる状況について御報告を申し上げたいと思います。是非忌憚(きたん)のない御意見を頂ければと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 それでは、今日の議題に関わる資料について、事務局から資料確認をよろしくお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 失礼いたします。
 議事次第と併せまして御覧いただければと思います。本日の配付資料につきましては、議事次第にありますとおり、資料として、1から5-5まで、そして、参考資料といたしまして、1-1から3-2まで配付させていただいているところでございます。
 この中で、資料3-1でございますが、本分科会を始め、中教審で御審議いただいた「第2次学校安全の推進に関する計画」につきまして、この答申に基づき、平成29年3月24日に閣議決定されたものを添付させていただいております。よろしくお願いいたします。
 不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 それでは、これから議題に入っていきたいと思います。今日は、第9期の初中分科会の最初の会議でもありますので、議事次第にもありますとおり、前期、つまり第8期で、この分科会で取り扱った審議の状況と、初等中等教育に関わる近年の重要な法令並びに様々な報告等々について、事務局から御説明を頂き、皆様から御意見を伺いたいと思います。
 それが終わった後、後半で、今日は最初の分科会ですので、初等中等教育分科会のこれからの進め方並びに初等中等教育全般に関わって、皆様から御意見があればお伺いするという機会にしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、最初の議題に入ります。
 まず、第9期から委員に任命された方もいらっしゃいますので、議題1として、初等中等教育分科会の第8期の審議の状況について、事務局から御説明をお願いいたします。
【常盤木教育制度改革室長】 それでは、資料1に沿いまして、第8期におけますこの初等中等教育分科会の審議状況について御説明申し上げます。
 資料をご覧ください。まず、答申として取りまとめいただいたものについて御報告いたします。
 1つ目、「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」です。平成26年7月の諮問を受けまして、養成・採用・研修を通じた教員の資質の向上の方策や、学び続ける教員を支えるキャリアシステムの構築のための体制整備等について御審議いただき、平成27年12月に答申をおまとめいただいたものでございます。これを受けまして、昨年の臨時国会で、教育公務員特例法等の一部改正法が成立いたしまして、この4月1日から施行されたところでございます。
 2つ目でございます。「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」です。平成26年7月の諮問を受けまして、チームとしての学校の在り方や、その実現のための具体的な改善方策について御審議いただき、平成27年12月に答申をおまとめいただいたものでございます。
 3つ目、「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」です。平成27年4月の諮問を受け、今後のコミュニティ・スクールの在り方等について御審議いただき、同年12月に答申をおまとめいただいたものでございます。
 ただいまの2つの答申を踏まえまして、教職員定数の改善や充実、そして、学校教育法、地方教育行政法、社会教育法などの改正を含む義務標準法の一部改正法が、この3月末に国会で成立いたしまして、4月1日から施行されたところでございます。
 4つ目、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善及び必要な方策等について」です。平成26年11月の諮問を受けまして、何ができるようになるか、何を学ぶか、どのように学ぶかを一体として検討し、学習指導要領等の改善の視点を御審議いただき、昨年12月に答申をおまとめいただいたものでございます。答申を踏まえまして、この3月31日に、次期学習指導要領等が告示されたところでございます。
 最後の答申でございますが、「第2次学校安全の推進に関する計画の策定について」です。平成28年4月の諮問を受けまして、第1次の計画期間中の取組状況の検証や、社会状況の変化に基づく改善策等、第2次の計画に盛り込むべき事項について御審議いただき、この2月に答申をおまとめいただいたものでございます。
 このほか、平成27年10月の中央教育審議会総会における「教職員定数に係る緊急提言」に関して、多様な教育課題や地域のニーズに応じた確固たる教育活動を行うため、必要な教職員定数の戦略的な充実や確保について御議論いただきました。
 ただいま御紹介させていただいた各事項につきましては、参考資料として概要を付けてございますので、適宜御参照ください。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 今の事務局からの説明については、第8期の分科会での審議状況ですので、何かこの内容について、御質問や御意見があれば、後半のところで意見交換の時間を設けますので、その際に御発言いただければと思います。よろしくお願いします。
 次に、議題2に入らせていただきたいと思います。議題2は、「義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律」及び「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」について、これは矢野初等中等教育企画課長からよろしくお願いいたします。
【矢野初等中等教育企画課長】 それでは、資料2-1から資料2-2、2-3をお手元にお配りしておりますので、これに基づきまして御説明申し上げます。
 まず、資料2-1でございます。先ほど、常盤木室長からお話し申し上げました、第8期の3つの答申、教員の資質向上、チーム学校、地域からの学校改革・地域創生という答申を踏まえまして、昨年1月に「次世代の学校・地域」創生プランというものが策定されております。この地域創生プランに基づきまして、左側、教員の改革については、教特法、免許法、教員研修センター法、あるいは学教法、地教行法、標準法、そういった法律が、この3月、あるいは昨年末に改正されまして、施行されているところでございます。その俯瞰(ふかん)をすると、こういうペーパーになるということで、御参照いただければと思います。
 具体的な内容につきましては、資料2-2をお開きいただきたいと思います。まず、義務標準法等の改正、義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律の概要でございます。これまで義務標準法の改正ということについては、教職員定数を改善するという単独の改正法が多かったわけですが、今回の法律につきましては、学校の指導・運営体制の充実、あるいは地域との協働・連携を含めた学校運営の改善も併せて図ることによりまして、複雑化、困難化する諸課題に対応する学校の機能強化を一体的に推進するという形、学校をトータルで改善していこう、教職員定数だけではなくて、運営体制を充実していこうという発想の下にこの法律案が策定されております。
 具体的な中身につきましては、その下に書いております。まず、学校の指導・運営体制の充実につきましては、例えば、障害に応じた特別な指導(通級による指導)のための基礎定数の新設。日本語能力に課題のある児童生徒の指導のための基礎定数の新設。あるいは、初任研のための基礎定数の新設。少人数指導等の推進のための基礎定数の新設。教職員定数の加配事由に「共同学校事務室」を明示したといった改善を図ったところでございます。初中分科会の先生方にも、この期間、大変に後押しを頂戴いたしました。改めて御礼(おんれい)申し上げたいと思います。
 また、その次、義務教育費国庫負担法の一部改正につきましては、前年の12月に通りました、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律を踏まえまして、義務教育費国庫負担法の改正を行ったものでございます。
 具体的には、現在、市町村立の不登校児童生徒を対象とする学校、あるいは夜間中学校については、国庫負担の対象になっているわけでございますが、この4月からは、それに加えまして、都道府県が設置するそれらの学校についても国庫負担を行う。そうすることによって、広域的な対応も可能にすることを目的としたものでございます。
 続きまして、黄色いところでございます。学校教育法、地教行法の一部改正。
 1つ目が、学校の事務職員が主体的に校務運営に参画するような職務規定の見直し。すなわち、今まで事務職員につきましては、学校の事務に従事するという、比較的受け身の書き方がなされていたわけですが、これをつかさどると改めて、積極的に校務運営に参加してもらうということ。あるいは、学校事務を共同して処理する「共同学校事務室」。これは、もう既に40%を超える市町村で実際には動いているわけですが、それに法的根拠を与えるということで、「共同学校事務室」を設置することができるという規定を設けたということでございます。
 さらに、学校教育法を改正いたしまして、学校の運営協議会、コミュニティ・スクールについて、大きな前進が見られております。資料2-2の5ページをお開きいただきたいと思います。資料2-2の5ページ、学校運営協議会、第47条の6関係であります。
 学校運営協議会に関して、今までは運営に関して協議する機関とだけなっていたわけですが、学校運営協議会の機能といたしまして、運営への必要な支援に関しても協議するということ。そして、今までは「置くことができる」という「できる」規定だったものを、「置くように努めなければならない」という努力義務にしたこと。そして、今までは、学校に1つという考え方であったわけですが、2つ以上の学校についても、1つの学校運営協議会を置くことができるということに改めております。
 新第2項関係といたしまして、運営協議会の委員として、地域学校協働活動推進員、これは同時に、社会教育法を改正いたしまして位置付けたものであります。要するに、ボランティアのコーディネーターといった方々にも運営協議会に入っていただこうということ。
 また、校長先生の権限といたしまして、委員の任命に関する意見を教育委員会に申し出ることができるということを規定いたしております。
 また、協議の結果に関する情報を積極的に提供する。ディスクロージャーを進めようという規定も新設されております。
 それと、最後に新第7項であります。当該指定学校の教職員の採用その他の任用に関する事項について意見を述べるというところにつきまして、かなり現場レベルでは、この規定について抵抗感があったと聞いております。そこより建設的な意見を反映させられるように改正いたしまして、対象学校の職員の採用その他の任用に関して、教育委員会規則で定める事項について、任命権者の意見を述べるという改正を行ったということでございます。
 その次の6ページをお開きいただきたいと思います。社会教育法の一部の改正でありますが、先ほど申しましたボランティアのコーディネーター、地域学校協働活動の推進を法的に位置付けたということでございます。
 最後に、そのページの一番後ろでございます。学校運営協議会の在り方の検討ということで、この法律の施行後5年を目途として、学校運営協議会の活動の充実及び設置の促進を図る観点から、運営協議会の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講じるという附則で宿題を頂戴しているということでございます。
 資料2-3をお開きいただきたいと思います。法律改正でありますが、省令改正が2点ございます。
 1つは、2ポツのスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーについて、学校教育法施行規則を改正いたしまして、スクールカウンセラーは、学校における児童の心理に関する支援に従事する、スクールソーシャルワーカーについては、児童の福祉に関する支援に従事するという職務内容を規定したところでございます。これも4月1日に施行されております。
 続きまして、2ページをお開きいただきたいと思います。もう一つは、部活動指導員でございます。部活動指導員は、中学校におけるスポーツ、文化、科学等に関する教育活動に係る技術的な指導に従事するという規定が差し込まれております。
 2ポツの(2)部活動指導員は、実技指導のほか、学校外での活動、大会・練習試合等の引率等、あるいは校長先生は部活動指導員に部活動の顧問を命じることができるという中身に改正されているところでございます。
 今後、3ポツでございますが、学校の設置者におかれては、部活動の指導員の身分、任用、職務、勤務形態、報酬及び費用弁償、災害補償、服務及び解職に関する必要な事項を定めていただくということになろうかと思います。
 4ポツに書かれておりますとおり、部活動指導員に対して、設置者、学校は、事前研修を行うといういろいろな準備が必要になると考えております。
 施行日は4月1日ということで、以上、この4月1日から、かなり大きな制度改正を行ったということでございます。
 私からは以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 今、初等中等教育に関わる5つの重要な法令の一部改正と、学校教育法の施行規則の2つの改正の説明がありました。皆さんから何か確認したい点や疑問、御意見があればお伺いしたいと思います。発言の際には、恐縮ですけれども、前の名札を立てていただければ助かります。いかがでしょうか。何かございますか。
 なければ、1点だけ教えていただきたいのですが、学校運営協議会の新しく第7項に採用その他の任用に関して教育委員会規則で定める事項について、意見を述べることができるとあります。この点、いろいろな選択肢があっていいと思うのですけれども、教育委員会の規則を定めないという選択肢も当然あるわけですよね。
【矢野初等中等教育企画課長】  今回の改正は、学校運営協議会が教職員の任用に関する意見を一切述べることができないものとすることを認めるものではありません。各教育委員会におかれては、地域の実情等に照らして、当該意見の対象となるべき事項を適切に御判断いただいた上で、規則を制定いただきたいと考えております。
【小川分科会長】 はい、分かりました。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、議題2については、これで終わらせていただきたいと思います。
 それでは、続けて、議題3「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本方針」及び議題4の「フリースクール等に関する検討会議」について、まとめて報告を受けたいと思います。これは、坪田児童生徒課長より説明をお願いいたします。
【坪田児童生徒課長】 議題3でございます。資料3-1をご覧いただきたいと思います。
 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が平成28年12月14日に公布されております。この法律は、概要の最初の枠の総則にございますように、教育基本法及び児童の権利に関する条約等の趣旨にのっとり、不登校児童生徒に対する教育機会の確保、夜間等において授業を行う学校における就学機会の提供その他の義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等を総合的に推進することを目的とした法律でございます。
 その下の基本指針、第7条と書かれていますが、ここに「文部科学大臣は、基本指針を定め、公表する」ということになっております。この規定に基づきまして、このたび、パブリックコメントや各関係団体等からのヒアリングで頂いた御意見を踏まえまして、平成29年、本年ですが、3月31日付で、この基本方針を定めさせていただきました。
 それが、資料3-3でございます。資料3-2に、法律の本体が付いておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 資料3-3でございます。おめくりいただきまして、まず、「教育機会の確保等に関する基本的事項」として、総論が書かれております。
 (3)「基本的な考え方」として、法第3条に書かれております基本理念を枠囲みで示しつつ、その下の本文でございますが、「この基本理念を踏まえ」ということで、各種施策の総括をしております。
 ここで大事なところは、いくつか論点があるわけでございますけれども、「問題行動であると受け取らないよう」というのが3段落目、「不登校は、取り巻く環境によっては」という段落にございます。そして、「児童生徒の最善の利益を最優先に支援を行うことが重要」としております。
 また、「多様な学習活動の実情を踏まえ」ということで、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援が行われる、個別対応であるということを書いております。
 次に、4行ほど飛びますけれども、「社会的に自立することを目指す必要がある」。
 また、その後のなお書きで、「これらの支援は、不登校児童生徒の意思を十分に尊重しつつ行うこととし、当該児童生徒や保護者を追い詰めることのないよう配慮しなければならない」としております。
 あわせて、就学に課題を抱える外国人の子供に対する配慮も必要とされました。
 また、この法律のもう一つの大事な部分でございます。「また」以降ですけれども、「夜間中学等における就学の機会の提供」ということで、夜間中学校の設置促進に取り組む。夜間中学校における受け入れ対象者の拡充を図ると、総論でしているところでございます。
 続けて、3ページからが、それぞれの各論に入っていきます。
 まず、2ポツの事項の(1)。まず、児童生徒全体、不登校の子に限らず、全ての子供たちが安心して教育を受けられる魅力ある学校づくりが必要であろうということです。その中でも、更に各論で、魅力あるよい学校づくりをしていくということ。
 そして、2番目として、いじめ、暴力、体罰などがある学校には行きたくないわけでございますから、それを許さない学校づくりをしていく。いじめ、暴力行為という、児童生徒からはもとよりですけれども、教職員による体罰や暴言、不適切な言動や指導は許さないということでございます。
 続きまして、○3で、児童生徒の学習状況に応じた配慮ということです。これは、全体としてのトーンもそうなのですけれども、個別にいろいろ事情が違うわけですから、個別の対応、学習支援をしっかりしていこうということでございます。
 続きまして、4ページ目にいっていただいて、今度は不登校になってしまった子供への効果的な支援の在り方ということでございます。その中の○1、個々の不登校児童生徒の状況に応じたということで、繰り返しになりますけれども、本当にその要因、背景が多様、複雑でございます。決め付けて、こうすべきだという対応ではなくて、一人一人に寄り添った対応が必要であるということです。プライバシーの保護に気を付けながら、また御本人や保護者の意思を尊重しつつも、家庭訪問も必要に応じてやっていくとか、状況把握などをしっかりと学校や教育委員会でやっていくことも必要である。
 また、(イ)のところでは、担任の先生が1人で悩むのではなくて、組織的・計画的な支援をやっていくということで、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった専門スタッフと教職員がしっかりとチームを組んでやっていく。また、必要な福祉、医療、民間の団体等、関係機関ともしっかりと情報共有し、連携し、また小学校と中学校、中学校と高校などの引継ぎをしっかりとやっていくということを書いております。
 (ウ)登校時における支援。不登校の子供たちが自らの意思で登校してきた場合の対応でございます。まずは、温かい雰囲気で迎える。様々な配慮をしていく。まずは保健室、又は学校図書館から始めるといった段階的な対応も必要であるということを書いております。
 次のページでございます。多様で適切な教育機会の確保ということでございます。学校の外の皆さんともいろいろ連携してやっていくということでございます。学校そのものでもございますけれども、特別な教育課程に基づく学校ができることになっております。我々は特例校と呼んでおります。カリキュラムも非常に弾力化したり、始業時間を遅くしたりなど、様々な工夫を凝らした学校を認めることができます。この特例校の措置を促進していこうということと、これまで適応指導教室と呼んでいた教育支援センターについて、これを更に広げていくということですけれども、単に待ちの姿勢だけではなくて、訪問支援、通所ができない子供たちに対しての訪問支援をやっていく。要するに、アウトリーチについてもしっかりやっていこうということでございます。
 続きまして、教育委員会や学校とフリースクールなどの民間の団体との連携をしっかりやっていこうということでございます。フリースクールについては、後のフリースクールの検討会議の報告で詳しく述べますが、我々は民間の団体という呼び方をしております。そことしっかり連携していく、情報を共有していく。そして、取組について、様々なやり方があると思いますけれども、連携協議会というものを設置していただいて、公と民による連携活動を具体化していただいたり、公と民との連携で、施設の設置・運営をしていただく。そういうことを進めていくということでございます。
 続きまして、(ウ)家庭にいらっしゃる不登校児童生徒に対する支援についても、信頼関係を保護者、当該児童生徒と構築しつつ、必要な情報提供や助言をしていく。また、ICTを通じた支援をしていく。また、必要に応じて、家庭訪問による支援を充実していく。また、場合によっては、福祉機関と緊密な連携をして対応していくということが書いてあります。
 続きまして、(エ)の部分です。こちらも法律の文言では非常に重要な、休養の必要性というものに触れております。多様で適切な学習活動の重要性及び休養の必要性を踏まえた支援ということで、状況によっては休養が必要な場合もあることも留意しつつ、学校以外の多様で適切な学習活動の重要性も踏まえて、個々に対応していこうということを書いております。
 次のページでございます。前ページから掛かっておりますけれども、いじめなどの緊急避難としての欠席が弾力的に認められてよいということにも触れております。しかし、その場合には、学習に支障がないように、しっかりとした対応を配慮することが必要としています。
 あと、民間の団体に通う場合などでの経済的支援が必要ということ。
 また、そもそもの情報提供がないと、どのように民間の団体などに頼っていいかも分からないということ。また、出席扱いなどが、学校外でもできる場合がある。このような情報についても、しっかりと情報提供していく。
 あと、教育相談体制をそもそも充実するということで、○3です。教員、カウンセラー、ソーシャルワーカー、関係機関が連携して教育相談体制をしっかり構築するということになっております。
 3ポツが大きな部分であります、夜間中学校の各論でございます。総論でも申しましたように、夜間中学校の設置はまだまだでございまして、これを促進していくということでございます。
 現状、平成28年度現在、夜間中学校は8都府県、25市区、31校の設置にとどまっている。全ての都道府県に少なくとも1つは夜間中学校が設置できるように支援していこうということでございます。
 7ページになります。そして、既にある夜間中学校についての教育活動も充実できるようにしていこうということ。
 あと、自主夜間中学という民間の取組がございます。こういう方々につきましても、必要な措置が検討されてよいのではないかということでございます。
 また、夜間中学校において、様々な方々が学ばれております。それについて、更に本人の希望を尊重した上で、不登校の子供についても夜間中学校で受け入れるということも可能でございますので、そういうことも示しているところでございます。
 続きまして、最後でございます。その他必要な措置ということで、しっかりと実態を調査する必要性や、そもそも国民の理解を増進させる必要性、支える人材の確保、そして、学習支援の在り方、教材の在り方、そして、学校に限らず、地域全般での相談体制の整備、これらについて述べているのが基本指針でございます。
 続きまして、資料4-1の「フリースクール等に関する検討会議」の報告の概要でございます。中身としては、先ほどの説明と密接に関係しているところでございます。
 フリースクールにつきましては、これまで14回にわたる審議を経て、平成29年2月13日に取りまとめられた報告でございます。
 1ページ目をご覧いただきたいと思いますが、報告では、「学校以外の場での学習等に対する支援の必要性」として、不登校の要因・背景は様々であり、一層多様化・複雑化しているということ。対応に当たっては、学校の取組の一層の充実が必要ということ。同時に、長期に不登校となっている児童生徒の学校以外の場での学習等に対する支援を行い、社会的自立や社会参加を目指すことが必要であること。そして、市町村教育委員会が、国や都道府県教育委員会と連携し、学校と緊密な情報共有を図りながら、支援を推進する役割を担うことが必要と指摘しております。
 これらを踏まえて、方向性として、「教育委員会・学校と民間の団体等が連携した支援の充実を図ること」「家庭にいる不登校児童生徒への支援の充実を図ること」「支援のための体制整備を図ること」の3点を挙げているところでございます。
 この3つの基本的な方針について、報告では具体的施策が提言されています。
 概要のまま説明いたしますけれども、まず、第二章では、「教育委員会・学校と民間の団体等の連携等による支援の充実」としています。
 国は連携推進のモデル事業を推進すること。教育委員会は、地域の実情に応じた連携に向けた取組を段階的に推進すること。また、民間の団体等の活動の充実のため、国は民間の団体等や研究機関に委託することなどにより、民間の団体同士の相互評価や中間支援組織の在り方などに関する調査研究を実施することなどを提言しております。
 次、2ページ目をご覧いただきたいと思います。裏でございますけれども、第三章では、「家庭にいる不登校児童生徒への支援の充実」として、国は訪問型支援を推進するためのモデル事業の実施や教育支援センター等の整備を図ること。教育委員会は、不登校の保護者の会の情報提供等の支援方策を充実することなどが提言されています。
 また、第四章では、「支援体制の整備」について、国は自治体での支援体制を整備するモデル事業を実施すること。教育委員会は、地域の実情に応じ、支援体制を整備することなどが提言されています。
 最後に、第五章についてでございますが、「今後の検討課題」として、制度上の位置付けや経済的支援を掲げています。
 以上、検討会議の報告について、御報告をさせていただきました。今後、この当該報告の内容、先ほど説明した基本指針等を踏まえまして、国として不登校児童生徒への支援体制を整えてまいりたいと思っております。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 それでは、議題3と議題4の説明の内容で何か御質問、御意見がございましたら、お伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
 では、帯野委員、お願いします。
【帯野委員】 質問なのですが、不登校の児童生徒に対する学習支援のICTの活用というのは、本当に画期的で大きなことだと思うのです。具体的な支援の内容をお伺いしたかったのですが、この報告を見ると、十分に活用されていないということ。それから、教員が十分に関わっていないICTの活用については、出席扱いが困難であると。つまり、これは電子メールによる教員とのやりとりが可能になる学習ソフトの活用ということで、例えば、スカイプを使った遠隔授業はなされていないのか。あるいは、私はスカイプを使った同時学習支援というのは、すごく大きなことだと思うのですが、今後、そういうことが視野に入っているのか。その場合は、国として、教育委員会として、どういう支援をしなければならないのか。国は、そのことに対してどういう支援を行おうとしているのか。そういうところがもし明確になっていれば教えていただきたいと思いますし、そもそも学習支援というのが、スカイプを使った授業ということが含まれているのかどうか。そのあたりのことも少し教えていただけたらと思います。
【小川分科会長】 よろしいですか。お願いします。
【坪田児童生徒課長】 ITを使った支援。今も不登校の子供たちについては、家庭にいながらの子供についても、指導要録上の出席扱いについて、様々な形でできるようになっております。自宅においてITを活用した学習を行った場合、指導要録上出席扱いとすることができる。成果を評価に反映することもできるということで、平成17年度の通知から示しているところでございます。
 実は、この実態について、平成17年度に想定していたITを活用した学習と、先生が御指摘のように、スカイプを活用したようなもの、あるいはオンデマンド型の映像授業というのも、様々な民間事業者から提供されておりますので、どのような形でそれが進化していっているのかということを追っていないのです。最初に想定したのは、恐らくメール等で学習の状況等をやりとりする。多分、質問などを学校が受け付けて、それを返していく。又は、今日はこういう計画で学習するから、これでいいかというやりとりをしていくということが想定されたと思います。まさにおっしゃったようなオンデマンド型やスカイプというものが発展していると思いますが、近年の実際の様子については、正直なところ、実態把握ができておりません。
 ですから、こういうものについて、今後、好事例というもので把握して、普及させていくようなことも、今は課題と認識しております。
 実際のところ、出席扱いにするかとか、どのような成果まで評価に反映できるかは、各校長先生が判断することになっておりまして、それについて若干進んでいる、要するに、積極的に認定しようとするところと、そうではないところもあると聞いております。ある程度、こういうものについては可能だとか、こういう事例は好事例だというものを、今後把握してやっていく必要性を感じております。最新のIT等を活用した学習事例というものを、今後検討していきたいと思います。ありがとうございます。
【小川分科会長】 御質問の中に、そういうICTの機器の整備充実等々については、国の財政的な支援はあるのかどうかということがあったと思うのですが。
【坪田児童生徒課長】 失礼いたしました。
 現在、モデル事業をこの中でやろうとしている中で、タブレットをわずかに数台使って試してみる程度なのですけれども、そういうものを試しながら、どのような学習形態まで可能か。また、遠隔で学習しているものを、どこまで学校がきっちりと全体を把握して評価認定できるかについて、今回、試行事業としてやろうと思っておりますので、その成果をしっかりと検証していきたいと思っております。
 全般的な支援というものは、その成果を踏まえて、今後、考えていく課題だと思っております。
【小川分科会長】 帯野委員、よろしいですか。
【帯野委員】 御説明分かりました。
 本当にスカイプを使った遠隔授業というのは、一番適切でもあるし、また費用面でも、学校にもICTの支援はありますけれども、やはり費用的に考えると一番効率性が高いと思いますので、是非スカイプを使った遠隔事業の支援の検討を進めていただけたらと思います。
【小川分科会長】 ありがとうございます。
 では、続けて、清原委員、そして、鶴羽委員の順でお願いします。
【清原委員】 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。
 このたび、資料3-3に示されましたように、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」がまとめられたことは、大変有意義と認識しております。
 特に不登校をはじめとする困難に直面した児童生徒の支援ということについて、具体的な方向性が示されておりますが、4ページの「不登校児童生徒に対する効果的な支援の推進」についてお伺いいたします。
 三鷹市でも、かねてよりスクールカウンセラーの取組を20年ほど前から始め、数年前からはスクールソーシャルワーカーの活躍を経て、まさに不登校児童生徒及び保護者に寄り添う取組が進んできていると思っています。そこで、この4ページの(イ)に「組織的・計画的な支援」ということが示されておりまして、校長のリーダーシップの下、学校や教員がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門スタッフ等と支援をする、まさに「チーム学校」の整備が重要であること。さらに、「必要に応じて、福祉、医療、及び民間の団体等関係機関との情報共有や引継ぎが重要」であり、その手法の1つとして、「『児童生徒理解・教育支援シート』等を作成することが望ましい」とあります。しかも、これは既に昨年の9月14日付の初等中等教育局長通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」にも示されているということでございます。
 教育委員会、学校を中心とした支援のみならず、首長部局の福祉、保健、医療等の支援との連携がますます重要になってくる中、この「児童生徒理解・教育支援シート」の意義と、具体的に何らかの取り組み事例が既に進んでいらっしゃるかどうか。このことについて、もう少し詳しく教えていただきますと、多職種連携による不登校児童生徒、保護者への支援が、より丁寧に進められるのではないかと感じましたので、御説明よろしくお願いいたします。
 以上です。
【小川分科会長】 分かりました。
 では、これも、課長、よろしくお願いします。
【坪田児童生徒課長】 この「児童生徒理解・教育支援シート」は、まさに横の連携、縦の連携、引継ぎとも言いますけれども、これを縦横でしっかりと築いていこうという狙いで、我々としてフォーマットを示させていただいた。ただ、フォーマットを示すに当たっては、実際に東京都で少し違いますけれども、概括的にやられようとしている取組や、あるいは、東京都内ですと福生市で実際に独自のシートを作られて、引継ぎなど、福祉も含めて共有されているというものをヒアリングさせていただいて、そこでの成果も吸収させていただいて、全国的に使えるものということで示させていただいたと思っております。
 具体には、このシートを使う、使わないに限らず、福祉と連携して、がっちりとやっていくところ。幼少期から始めて、発達障害の対応も含めて、連動してやっているところについては、非常にうまく行っていると。このうまく行っている成果がなかなか出しにくいもので、結構総論を越えない部分もあるのですけれども、恐らくそういうことをやっていなかったら、もう少し不登校が多くなったのではなかろうかという含みも含めた成果を頂いているところでございます。
 ただ、難しいのは、個人情報の取扱いや、どこまでの情報を共有していいのか、そこから第三者にどう漏らさないようにするかという課題があるということは、議論を詰めるときに非常に大変だったところでございます。ただ、かなり細かいところ、細かいといっても、負の部分だけではなくて、こういう支援をしたら有効だったということを教育の世界、また、福祉の方々の専門性も寄り添って、これをベストミックスしてやっていくことによって、子供が救われていく。もし不登校になったとしても、早く立ち直れるということが得られるのではないかという仮設を基にどんどん進めていった。
 実際、福生市などの手応えも把握しながらやっていったということですので、恐らく去年9月にこれを示させていただいて、平成29年度から本格的にこれを導入して取り組まれたところが多いのだと思っております。そういうものを、近くの東京都内はもとよりですけれども、全国的にこれを使い出して非常に成果が上がっているところは、逐次足を運んで、その成果をまた持ち運ぶ。フォーマットの改善も含めてやっていけたらと思っております。また、使い方についても、まだおっかなびっくりなところがありますので、こういう使い方をしたら大丈夫だった。周りの理解も得られたし、保護者も理解をしながら、まさにチームで支援が進んだというものを普及できたらと思っております。
【清原委員】 よろしいですか。
【小川分科会長】 どうぞ、続けて。
【清原委員】 御説明ありがとうございます。
 三鷹市では、平成18年から「コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育」を始めさせていただきましたら、不登校の児童生徒が急激に減少したということがございます。しかしながら、ゼロではございませんので、やはり先ほどおっしゃった横連携、縦連携を、プライバシー、個人情報を保護しながら、関係者が教委等を中心として、保護者の理解を得ながら、いかに進めていくかが重要かと思います。
 特に就学支援で、発達障害のある児童等を含め、小学校に上がる段階から、幼稚園、保育園、小学校、教育委員会との連携は、既に始まっているわけでございますので、そうした中で、いかにこのような手法が皆様と共有され、定着していくかということです。理念は正しいことはいっぱいあるのですが、手法についても今後丁寧な検討が進んでいけばよろしいのかなと、改めて思いました。どうもありがとうございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 鶴羽委員、どうぞ。
【鶴羽委員】 質問ですけれども、私は北海道で教育委員をしております。3月まで4年間、教育委員の会長を続けていたのですが、私の子供が通う学校にも、不登校の子供たちがたくさんいました。一度不登校になると、なかなか学校に行けないのですが、その中の現実的な課題というのは、学年をまたいだときに、担任が代わることです。
 何の情報もないまま赴任してきた、異動してきた先生が、その不登校児に関わるというのがどれだけ大変なものかということをそばで見てきました。毎日の電話、訪問、放課後の訪問には、先生の車の音を聞いたら子供が逃げるということで、先生が自転車で通うようになった。そういうことを踏まえながらも、もちろん外部の方々の意見も借りたのですけれども、そういった先生方への支援体制というのは、どのように行われるのでしょうか。
 これだけ新しい取組を入れるということは、負担感が増すことは間違いありません。その点についてお聞かせください。
【小川分科会長】 よろしいですか。よろしくお願いします。
【坪田児童生徒課長】 まさにその部分が大事な部分でございます。我々としては、今回、法令にも位置付けられたスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとの連携と単に言っているだけではなくて、いろいろな子供の悩みを受ける、いじめの対応をすると、役割はたくさんあるのですけれども、この不登校の支援についても、まさにチームの中で、例えば家庭訪問について、基本的には、まず担任が声を掛けて、行っていいかという了解を得ながら家庭訪問をして、状況を聞いてということでケアをしていくのです。担任の先生だけではなくて、スクールカウンセラーとセットになって行っていただいて、あるときはスクールカウンセラーだけで子供の心理的な状況を把握したり、悩みを受け止めたりしていく。
 もちろん、その情報は持ち帰って、1つのチームの中で、また共有していくということで、全てを担任の先生がやるだけではなくて、スクールカウンセラー、ある意味、家庭のいろいろな課題も関わっている場合は、スクールソーシャルワーカーが家庭訪問する。そして、それが家庭における様々な問題を背景にしている場合でしたら、福祉とつなぐ。児童相談所とか、家庭教育支援センター、福祉のセンターとつないで、そのセンターの職員と一緒に家庭訪問していただいて、その結果をまた学校に戻してもらって、校長のリーダーシップの下で共有して、対応を考えるという形で、多くの方々が関わって、専門的な分野、また、福祉も乗り越えていくことによって、一人一人の負担は、最初の立ち上げるときの負担などはあると思いますけれども、結構長い期間支援していくに当たっては、結果的に私は、一人ずつの負担は軽減できるのではないかと思っております。
 ただ、まだまだカウンセラーもソーシャルワーカーも、配置状況が、やっと1人が1週間に1度ということですから、今後これを2日、3日とか、課題が多いところについては、たくさんの日数を配置できるようにというめりはりを付けていくというこれからの拡充策がどうしても必要になってくるというのが現実だと思います。それも配意しながら、今後の支援体制を考えていきたいと思います。
【鶴羽委員】 ありがとうございます。
 是非多くの方々に関わっていただけたらなと思います。実際、子供が不登校になったときに、家の中で完全に親も子供も孤立してしまって、どこにも出られないケースと、何かの活動で運動したり、文化的な活動をしている子供は、それでも救いがありました。この資料3-1にあります3の4に、学校以外の場における学習活動などを措置していくとか、資料4-1の裏面の第五章の学校以外の場での学習等がどのように充実されるかということも大変重要なことだと思います。
 まだ学校にこの辺の理解がないのも事実なのですね。学校には来ないのにスポーツには行っているといって、逆に否定的な見方をされて追い詰めているということもありますので、是非周知していただければなと思います。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございます。
 時間もありますので、最後、荒瀬委員、よろしくお願いします。
【荒瀬委員】 ありがとうございます。
 長年、高等学校教育に関わってきた者として、これは非常に丁寧に作られていて、大変よろしいのではないかと思うのですが、この子たちが高等学校進学を考えたときに、不登校生徒というのは、中学校から高等学校に送られる報告書において成績が付かないということで、将来に向けての不安が大きいのではないかと思うのです。
 中学校や小学校にいる段階で、きめ細かに対応できるというのは、本当にすばらしいことですけれども、この子たちにとって、将来に向けた希望が持てるような形を考えていく必要があるのではないかと思います。多くの高校入試が中学校の成績を重視するというのは、当然のことではありますけれども、こういった子供たちは、その部分の成績が出ないので、そのあたりをどうしていくのかというのは、今後検討していく必要があるのではないかなと思いました。
 以上です。
【小川分科会長】 特に説明を求めるということではないですね。
【荒瀬委員】 もしよろしければ、各都道府県の入試制度などを調べていただくと、中学校までの成績がどの程度の割合で合否に影響するのかと見ていくと、これは文部科学省から何か言っていただくということにはならないのかもしれませんが、なかなか厳しい面があると思うのですね。それを、何か乗り越えるような方法はないのかなということを思った次第です。
【小川分科会長】 では、坪田課長、何かございましたら。
【坪田児童生徒課長】 一般的にですけれども、高校入試に当たっては、調査書の中で、9教科の成績が内申点と言われますけれども、掛ける1なのか、掛ける2なのかということで、当日の成績と合算されて合否判定されるというものです。その他、総合評価として、出欠の状況、あるいは部活動、生徒会活動など、様々なことが総合評価されて、入試の合否判定がされていると、我々は把握をしております。
 その中で、教科の成績が付かない場合、要するに、斜線のようになってしまうという場合に、それが合算できないときに、当然持ち点として不利になってしまう。そうなると、行けない学校が、そもそもの段階で出てきて、希望を失うということは、まさに御指摘のとおりでございます。
 先ほどの、そもそも学校に行けていない場合でも、教育支援センターに行っている場合、あるいは一定の条件の下で民間団体や家庭で学習する場合は、出席扱いにはなるということで、従来、こういうものを示す前、平成3年には、実はこういうものは実際に示していなかったので、扱いについては全くなかったのですけれども、平成4年以降、出席扱いについて、順次、通知なりで具体的に示しています。そういう意味でも、完全に出席が足りなくて成績が付かないという状態は、かなり縮減はしてきているのではないかと思いますけれども、そういう実際の実態と高校入試の判定。
 また、一方では、積極的に不登校になった子供を受け入れる学校も公立で整備されてきているという現実。また、通信制、様々な機会も設けられているということも踏まえながら、全般について把握に努めながら、より不登校の子供たちに寄り添って、どのような改善対応ができるかについて考えていきたいと思います。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
【宮本委員】 すみません。今のに関連していいですか。
【小川分科会長】 すみません。時間がありませんので、後で意見交換の時間を設けますので、そのときに発言をお願いできれば幸いです。よろしいですか。すみません。
 では、時間もありますので、続けて、議題5の幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等について、これは合田教育課程課長、説明をお願いいたします。
【合田教育課程課長】 失礼いたします。それでは、平成26年11月に私どもの文部科学大臣から諮問させていただきました学習指導要領の改訂につきまして、本中央教育審議会において、足掛け4年にわたる御審議を賜りました。昨年12月21日に中央教育審議会として答申を頂いたところでございます。
 その後、パブリックコメントなどを経て、本年3月31日に幼稚園教育要領、小・中学校の学習指導要領を公示させていただきました。その間、本日お集まりの多くの先生方の大変な御尽力を頂きましたことを心から感謝申し上げたいと思っております。
 そのもの自体は、資料5-2が幼稚園教育要領、5-3が小学校学習指導要領、5-4が中学校学習指導要領でございます。大変大部なものでございますので、資料5-1に基づきまして、その概要をごくごく簡単に御説明させていただきたいと思っております。
 資料5-1、「学習指導要領について」という資料を、1枚おめくりいただければと思います。スケジュールがございますけれども、これまで御説明申し上げておりましたとおり、3月31日に改訂できましたので、幼稚園教育要領につきましては、平成30年度から、小学校につきましては、平成32年度から、中学校につきましては、平成33年度から新しい学習指導要領が全面実施になる予定でございます。
 特別支援学校の幼稚部、小学部、中学部につきましては、近々、公示をさせていただく予定でございます。
 また、高等学校学習指導要領及び特別支援学校の高等部の学習指導要領につきましては、また1年ほどお時間を頂きまして作業させていただき、本年度内に公示させていただきたいと思っております。
 3ページをご覧いただければと思います。今回の改訂の大枠のポイントでございます。1ポツの「今回の改訂の基本的な考え方」の2つ目の○にございますように、知識及び技能の習得と思考力、判断力、表現力等の育成のバランスを重視する現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で、知識の理解の質を更に高め、確かな学力を育成するという基本的な方針で御審議を賜り、作成させていただいたところでございます。
 総論に関わります大きなポイントが3つございます。その下でございます。1つ目は、「何ができるようになるか」の明確化でございます。コンピテンシー、あるいは資質・能力で教育課程を捉えるという議論が、世界の教育課程に関する潮流でございますけれども、社会において必要な力を作り上げて、そこから教科の在り方を指図するということではなくて、我が国の130年に及ぶこれまでの学校教育活動の蓄積をつぶさに見てまいりますと、ここに書いてございますように、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」、それから「学びに向かう力、人間性等」という3つで整理することができるという御議論を賜ったところでございます。
 例として、中学校の理科で、生物の体のつくりと働き、生命の連続性などについて学ぶ際には、その科学的な知識。それから○2にありますように、観察、実験などを通じて、生物の多様性に気付くとともに、規則性を見出(だ)したり、表現したりする力を養う、「思考力、判断力、表現力等」。それから、○3として、科学的に探求する態度や生命を尊重し、自然環境の保全に寄与する態度を養う、「学びに向かう力、人間性等」ということでございます。
 これを全ての教科で整理させていただきますと、これまで学校教育が何のために教育を行ってきたのか。ただ単に知識、技能を習得するだけではなくて、思考したり、判断したり、表現したりする力、あるいは、ここで申しますと、生命を尊重し、自然環境の保全に寄与する態度といった、「学びに向かう力、人間性等」にまでウイングを広げて、日本の学校教育は取り組んできたという全体像が今回見えたということでございます。いわば、トップダウンではなくて、ボトムアップで資質、能力の議論を中教審でしていただいた。そのことを、指導要領でも明確にしたということでございます。
 2つ目のポイントでございますが、その下に、「我が国の教育実践の蓄積に基づく授業改善」というところがございます。アクティブ・ラーニングの視点に基づく授業改善でございます。これも、新しい教育方法、革新的な教育方法をどこかから持ってこなければならないという話ではなくて、第2パラグラフにございますように、小学校・中学校においては、これまでと全く異なる指導方法を導入しなければならないと浮き足立つ必要はなく、これまでの教育実践の蓄積を若手教員にもしっかりと引き継ぎつつ、授業を工夫・改善する必要があるという観点で整理させていただきました。
 その下に括弧でございますように、「語彙を表現に生かす、社会について資料に基づき考える、日常生活の文脈で数学を活用する、観察・実験を通じて科学的に根拠を持って思考する」といった我が国の大変大事にしてきた教育実践を、特に今、若い先生が増えている中で、確実に伝えていくということを取り組ませていただくことが大事だと思っております。
 その際には、先ほど、矢野からも御報告を申し上げましたように、※がございますけれども、16年ぶりの義務標準法改正による計画的な教職員定数の改善などの条件整備、あるいは業務改善というものが何よりも不可欠であると考えております。また、髙岡理事長がお見えでございますけれども、教職員支援機構などにおいて、すぐれた取組を集約、共有化する取組も不可欠だと思っております。
 そのためにこそ、一番下でございますけれども、各学校におきまして、カリキュラム・マネジメント、特に時間と教育内容をどう組み合わせて成果を最大化するかという観点でのカリキュラム・マネジメントが重要であるということで、今回、中教審の御議論を指導要領の形にさせていただいたところでございます。
 4ページ目をご覧いただければと思います。今回の主な改善事項でございますが、1つ目の「言語能力の確実な育成」というところだけ触れさせていただきたいと思っております。
 既に家庭環境や情報環境の中で、子供たちの語彙の定着が不十分ではないか、あるいは、文章を構造的に捉えるという力が十分身に付いていないのではないかという御指摘を中教審でも頂いたところでございます。今回の指導要領におきましては、語彙の確実な習得、意見と根拠、具体と抽象などを押さえて考えるなど、情報を正確に理解し適切に表現する力の育成というものを、国語の知識、技能に位置付けて、これまで以上に意識をして指導していくということを重視してございます。
 以下、「理数教育の充実」など、今回の指導要領の大きなポイントを整理させていただいております。
 5ページをご覧いただければと思います。その他の重要な事項ということでございます。上から3つ目に、本審議会でも篠原先生を始め、指摘を頂いております主権者教育などにつきましても、高等学校だけではなくて、小学校の段階から順を追って、しかも社会科だけではなくて、各教科横断で取り組んでいくということを、消費者教育や防災、安全教育なども含めて位置付けさせていただいているところでございます。
 それから、一番下でございますが、子供たちの発達の支援ということでございます。先ほどもお話がございましたけれども、学級経営、生徒指導、キャリア教育、あるいは特別支援教育、あるいは日本語の習得に困難がある児童生徒や夜間中学といったことにつきまして、小・中学校の学習指導要領の総則に規定をし、体系的な支援を充実していくという中教審の議論を位置付けさせていただいたところでございます。
 以上、大変簡単ではございましたけれども、報告をさせていただきました。先ほども申し上げましたように、今回の学習指導要領は、大きな構造、枠組みにおきまして転換を図っておりますが、それは、我が国の長い間蓄積した学校教育のよさをもう一度引き出して、可視化して、共有し、つなげていくということにほかならないと思っております。そのためには、条件整備、あるいは業務改善、それから、特に時数が増えます小学校の中学年、高学年におきます時数確保のための工夫ということにつきまして、引き続き、中教審の先生方にも、是非いろいろ御検討、御指導を賜りながら、しっかり施策を前に進めさせていただきたいと考えている次第でございます。
 簡単ではございますが、以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 次期学習指導要領等々については、第8期の最重要課題の1つということで、第8期から継続されている委員にとっては、これまで何度も意見交換してきたテーマです。この件について、何か御意見等々があれば、一、二、受けたいと思いますけれども、何かございますか。
 すみません。米田委員、どうぞ。
【米田委員】 米田です。意見ということではないのです。今日の資料の中に、パブリックコメントで、114の項目に分けて、いろいろな質問、意見に文部科学省としての回答を出されております。この後、例えば都道府県、あるいは区市町村単位でいろいろ研修をして、この趣旨、内容の徹底を図っていく段階で、この後、解説等も作られるわけなのですが、それとともに、文部科学省の回答を研修等で使って構わないのでしょうか。そこを確認させていただきたいと思います。
【小川分科会長】 どうぞ。
【合田教育課程課長】 大変重要な御説明が漏れておりまして、失礼いたしました。
 今、教育長がおっしゃいましたように、私ども、これから、幼・小・中の学習指導要領について、その趣旨をしっかりと御説明させていただきたいと思っております。従来の教育課程説明会だけではなくて、今回は私どもや、あるいは今日御出席の委員の先生方にも御出演を頂きまして、校内研修に直接使っていただけるような映像をYouTubeなどに載せて、100万人の全ての先生方が直接ご覧いただけるようなものも作らせていただきたいと思っております。
 その際には、教科調査官にも、個別の教科に触れるような形で、情報を直接発信するということに、是非私どもはしっかり取り組ませていただきたいと思っております。
 御質問いただきました、このパブリックコメントに対する回答でございますが、これも御説明が漏れていて恐縮でございますが、今回のパブリックコメントは1万1,000件を超える、かなり多くの御意見を頂きました。パブリックコメントとしては、やはり非常に多いというわけでございます。
 その中で、要素を114に整理して作らせていただいたものがこれでございます。こちらは、既に3月31日付で文部科学省のホームページで公表させていただいておりますので、もし必要がございましたら、都道府県教育委員会におかれましても、説明等で御活用を頂ければと思っております。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 米田委員、よろしいですね。
【米田委員】 はい。ありがとうございます。
【小川分科会長】 帯野委員、どうぞ。
【帯野委員】 私も第8期の学習指導要領は各委員が精力的に議論したものを、事務局が大変な御苦労でまとめていただいて、満足度の高いものができたと思っています。
 ただ、1つだけ、ずっと気になっていたことで、発言する機会がなかったので、今更ですが教えていただきたいことがあります。今回、小学校からの英語の教科化というのは、非常に大きな第一歩だと思うのですが、特別支援学校で英語の教育がどのように取り扱われているのか。私の記憶では、2011年の外国語活動が必修化されたときに、特に知的障害を対象にした特別支援学校では、中学校でも必修化されませんでしたよね。
 「設けることができる」ということは、「設けなくてもよい」という現場の解釈もありますし、関西のある地域の調査を見てみると、小学校では81%が行っていない。高校によっては、28.1%、30%近い高校では行われていません。そこで、今回の知的障害児を対象とした特別支援学校で、英語の教育がどうなっているのかというのを、まず確認させていただけたらと思います。
【小川分科会長】 では、合田課長、よろしくお願いします。
【合田教育課程課長】 先ほど少し御説明申し上げましたように、特別支援学校の小学部、中学部の学習指導要領につきましては、現在、同様にパブリックコメントにかけさせていただいておりまして、4月中に公示の予定でございます。
 これについては、改めて本分科会にも御説明させていただきたいと思っておりますけれども、特別支援学校の小学部の学習指導要領におきましては、外国語教育について、今、先生がおっしゃっていただいたような形で「扱うことができる」という規定になってございます。それが、どういう位置付けなのか、あるいは、どう施策を進めていくかということにつきましては、大変恐縮でございますが、一度、また改めて、担当課から御説明させていただきたいと思っております。
【帯野委員】 もし、まだ時間的な余裕があるのであれば、多分ないと思うのですが、やはり算数、国語、理科、社会。社会で生きていくために必要な力を、必修化しているわけですから、是非知的障害の子供たちにも英語を必修化するという方向で御検討いただけたらと思います。英語教育は、世界のリーダーになるための教育ではなくて、自国の文化を理解したり、あるいは違った言語や文化を持つ人と共働、共生していくことの尊さを教えるものが目的だと私は思っていますので。
【小川分科会長】 ありがとうございます。
 それでは、時間も迫っていますので、後半に入っていきたいと思います。
 最初に申し上げましたけれども、今日は第9期の正委員・臨時委員の皆様が揃(そろ)った初めての分科会の会議となりますので、今後の本分科会の進め方、また、初等中等教育全般に関する御意見などがございましたら、御発言いただきたいと思います。
 発言の際には、恐縮ですけれども、名札を立てていただければと思います。よろしくお願いします。
 宮本委員、先ほど挙手されておりましたけれども、その点も含めて何かございましたら、よろしくお願いいたします。
【宮本委員】 先ほど、荒瀬委員からの御意見に対する答えですけれども、いわゆる不登校の生徒を高校でどう受け入れるかは、非常に大きな問題です。東京都においては、チャレンジスクールという形で、中学校までの調査書を見ないで、受検生意欲を評価して高校に入学させるという新しい仕組みの学校ができていて、ある一定の成果が出ています。そういういろいろなタイプの入試ができる高校がもっとできてくれば、中学までいろいろな理由でなかなか学校に行けなかった生徒も高等学校に進める。そして、そこで学べるということができるのではないか。そういうことをお話ししたかったということです。
【小川分科会長】 荒瀬委員、どうぞ。
【荒瀬委員】 ありがとうございます。宮本先生の今おっしゃったことは、本当にすばらしくて、どんどん進めていただければと思っております。
 一方で思いますのは、私がおりました高校は、今はそうではないのですけれども、かつては中学校の成績を一切見ないという入試の方法を取っていた時期がありました。小学校の3年生か4年生から、全く学校には行けなかったという子も、中学校卒業であるということを前提として、受験の機会を用意していました。そういう生徒が受験して、合格し、その後大学を卒業して、今は元気に働いています。
 私が思いましたのは、全ての高等学校にそういう道が作れないものかということです。不登校であるというのは、様々な理由で不登校になっているわけで、その子たちが、ほかの生徒たちと同じように、どういう選択をするかは、その子の判断であるということを保障できるようなことが可能になればいいなと思って申し上げました。宮本委員のおっしゃることは大変よく分かりますし、とてもすばらしいと思います。それを高校全体に広げられないかなということです。
 以上です。
【宮本委員】 分かりました。
【小川分科会長】 ありがとうございます。
 それでは、今後2年間の本分科会の進め方や初等中等教育全般に関わって、何か今後の審議に関わって、御意見等々があればお聞かせいただければと思います。
 では、市川委員、どうぞ。
【市川委員】 先ほど、地域との関係のところで質問をしそびれてしまったのですが、時間がなければ、また後で教えてくださっても結構です。
 まず、今度の指導要領は、大変社会に開かれた教育課程でものすごく大きいところを狙っているわけですが、それはなかなか学校だけで単独にできることではないので、地域の社会人との連携は不可欠だと思うのです。
 ただ、その中で、今回、社会教育法も改正されて、地域学校協働活動推進員というものができたと。これは、大きな一歩ではないかなと思っています。
 それから、もう一つは、部活動指導員ですね。私も中学校部会の主査として、部活動のことはかなり話題にはなったのですけれども、教育課程外のことでもありますし、そんなに今回の答申、指導要領そのものには盛り込めていないのですが、やはり20年、30年掛けて、こういう地域と学校が押し付け合いにも引っ張り合いにもならずに、連携して部活動を盛り上げていく。その第一歩として、これもすばらしいと思いました。
 伺いたいのは、今の2つです。部活動の指導員と地域学校協働活動推進員。これについて、それぞれ2つのことを伺いたいのです。
 まず、どんな資格や経歴を持った方がふさわしいのかということについて、国で何らかのガイドライン的なものが示されるのか、それとも全く自治体なり、学校なりで自由に考えて決めてくださいというものなのか。
 もう一つは、完全なボランティア、無償のボランティアなのか、あるいは何らかの対価をお支払いしてやっていただくものなのか。これについても、国で何らかのガイドラインのようなものが示されるのか、自治体や学校が自由に決めて、すぐにでもやりたいところはやって結構ですというものなのか。
 これは少し気になりましたので、どちらも非常に有効な制度で期待されると思うだけに、どういうものなのか。もし時間があれば、今の2点を伺いたいです。
【小川分科会長】 重要な今後の施策にも関わることですので、今、事務局で何かお答えいただけることがあれば。
 では、よろしくお願いします。
【八木スポーツ庁学校体育室長】 スポーツ庁でございます。部活動の方でお答えさせていただきます。重要な御指摘ありがとうございます。
 部活動指導員につきましては、この4月1日から施行されたところでございます。その際に、施行通知といいまして、国から各都道府県教育委員会等に対して、留意事項としていくつかお示ししております。
 それで、まず、部活動指導員の資格でございますが、資格については、既にそれぞれの自治体で取組が進んでいるということもございます。ただ、任用に当たっては、単に指導するスポーツや文化活動に関して専門的な知識を持っているというのみならず、あくまで部活動という学校教育の一貫でございますので、学校教育に関する十分な理解を持っている方を任用してくださいというお願いをしているところでございます。
 それに関連して、当然研修をやっていただくことをお願いしまして、事前に設置者又は学校で研修をしていただく。1回限りではなくて、その後、フォローアップ的な研修もしていただくということをお願いしているところでございます。
 また、直接の資格ではないのですが、日本体育協会という全国的な組織がございまして、これは都道府県の組織もありますが、こちらで公認の体育の指導者制度を持っております。これに実際、部活動で関わっている方は少ないという話もございますので、今後、こうした体協の資格を持った方に行っていただく仕組みというのも、体協と連携しながら考えていきたいなと思っております。
 また、ボランティアか、対価についてはどうかということでございますが、実際調べてみますと、本当に交通費程度の1回当たり1,000円というところから、きっちりしているところだと、1回当たり5,000円とか、単価で言うと時給3,000円とかでやっているところなど、まちまちでございます。
 ただ、今回の部活動指導員に関しては、きっちりと身分保障をしていただくということを考えておりますので、当然、その中で報酬や費用弁償を設置者で定めることをお願いしておりますので、基本的には、額はいろいろ違いはあるかと思いますが、対価を払うということを想定しております。
 以上でございます。
【小川分科会長】 市川委員、よろしいですか。
【市川委員】 また、推進委員のことも、時間があれば後で教えてください。
【小川分科会長】 はい、どうぞ。
【市川委員】 すみません。
【小松文部科学審議官】 すみません。今、たまたま御指摘の地域学校協働活動推進員の担当部局がおりませんので、私から説明させていただきます。生涯学習政策局が担当でございますけれども、今日お配りしている資料の資料2という束がございます。よろしゅうございますでしょうか。
 カラフルなものがあって、資料2-1ですね。この右下の「地域学校協働本部」。これは、従来は「学校支援地域本部」でしたけれども、地域の中の学校、あるいは地域と学校の連携・協働という形で、地域の方々による地域学校協働活動を育てていこうということからこうなりまして、この中で社会教育法を改正したわけでございます。したがって、学校教育法ではなくて、社会教育法を改正して、地域の方々による地域学校協働活動を学校と協働してやるためにそれを推進する人について、まず位置付けをしたということです。
 その位置付けにつきましては、資料2-2の6ページを見ていただきますと、「附則」という前のところに(2)で「地域学校協働活動推進員」というものが出てまいります。ここで、どういう資質の人かということが、まず法令的に規定されているわけでございます。それから、役割。つまり資質を見るための基になります役割がここに書いてございます。
 これに基づいて、具体的にどうするかということについては、実務的に現在、文部科学省でガイドラインを検討しております。これについては、有識者の方々に集まっていただき、一定期間を掛けて検討いたしましたので、この4月から法律が施行になりましたから、それが早急にワークするようにガイドラインを取りまとめて、この春のうちに、まだ今日時点では完全に出来上がっていないのですけれども、うんと早い機会にまとめた上で、教育委員会の御担当へ説明会をして、事例なども付けて、具体的にどう議論してやっていっていただいたらいいかというガイドラインを示す予定でございます。
 ただ、これは詳細を縛ってしまいますと、社会教育や生涯学習や学校支援の性格上、かえって弊害も出てまいりますので、ガイドラインという方法を取らせていただく。その代わり、丁寧にやる。こういうことを考えております。また次の機会にでも、恐らく御報告ができるかと思います。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 また、まとまりましたら、分科会に報告いただければと思います。
 加治佐委員、どうぞ。
【加治佐委員】 先ほど御報告、御紹介があったところなのですけれども、不登校及びそれを受け入れているフリースクールについては、検討会議が3年ぐらいありまして、私もその委員だったのです。正直申し上げて、報告書も出て、それなりの対応がなされるというところには至ったのですけれども、私を含めて、ほかの委員の方もそうだったと思いますが、少し不満足なところがあるわけです。
 と申しますのは、この報告書の最初と最後に書いてありますように、検討課題というのが3つありまして、1つが12万6,000人も義務教育段階での不登校の子供が定常的にいるという状態を、義務教育の制度としてどう考えるべきかというところがあったと思います。ところが、それについては、全くと言っていいぐらい言及がないということです。
 それから、もう一つは、学習支援ということです。学校外での学習支援をどうするか。この部分については、報告書にありますように、かなり踏み込んだ形でできたと思います。
 それから、3つ目が、経済的支援の在り方です。こちらにつきましても、モデル事業を始めたというぐらいにとどまっているし、今後に期待するということになっているわけです。
 ですから、この3つのうち、十分というか、ほとんどできなかった残りの義務教育制度上の位置付けと経済的支援の在り方というのを、是非これから本格的に検討していただきたいと思うところです。
 フリースクールに関する検討会議の中では、委員の方は実際にフリースクール等を運営されている方、NPOの方、あるいは適応指導教室、教育支援センターを運営している教育委員会の方々などの当事者の意見からすると、経済的支援の必要性というのは、実によく分かります。さらに、日本の学校教育法で規定する就学義務という在り方が、かなり限界に来ているというか、本当に本格的に考え直すというところに来ているのだと感じました。
 実は、これは始まるときもそう思っていたのですけれども、ほとんど進みませんでした。是非、次の段階としては、それをやっていただきたいと思います。
 とは言いましても、ちゃんと法律もできましたし、そのための基本指針もできて、確実に学習等々の支援が進むことは間違いありません。さらに、それを進めていって、制度あるいは支援の在り方を本格的に検討していただきたいという要望です。この検討会議はまだ残るということですので、そういう期待も込めております。
【小川分科会長】 今の発言に関わって、第8期の初中分科会の最後で、私もこの点については少し触れて、今後の検討の進め方について確認をお願いした経緯があります。この義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の附則の中に、政府はこの法律の施行後3年以内に法律の施行の状況について検討を加えて、その結果に基づいて、教育機会の確保の在り方の見直しを含めて、必要な措置を講じるという記載もあるわけです。ですから、恐らく、今、加治佐委員が述べられたことは、そういう附則の条文に関わることだと思うのです。
 これに関わって、今後、どういう体制で進めていくのでしょうか。もし今の時点で御説明できる点があればよろしくお願いいたします。
【坪田児童生徒課長】 ありがとうございます。
 経済的支援の必要性などについては、先ほども出ましたけれども、平成29年度のモデル事業等でいろいろ検証を深めていきたいと思います。また、平成29年度、1年間、又はその次と、PDCAを回しながらと言いますか、いろいろ検証しながら、支援策の充実を予算的にも考えていきますし、今後、法律施行後3年の見直しという使命のときには、3年間の施行状況や、実際にこの法律の意図するところがちゃんとできたか、また、更にどのような支援の課題があるかということを検証しながらやっていくことになろうかと思います。それをどのような体制でやるかについては、今後検討していきたいと思います。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 加治佐委員、よろしいでしょうか。
 もし他の委員から今現在御意見がなければ、私も分科会長として、なかなか発言する機会がありませんので、今日は発言させていただきたいと思うのですけれども、よろしいでしょうか。
 第8期の最後の中教審総会でも発言したことなのですが、第9期の初中分科会のスタートということで改めて発言をさせていただければと思います。第8期では、「チーム学校」の答申をまとめて、そこで教員の働き方の見直しなどについて、今後、いろいろな取組が期待されているわけですが、そうした教員の働き方の見直しの1つの大きな問題として、皆さん共通に認識されているのは、やはり長時間の時間外勤務の問題です。第8期の最後の中教審総会の際には、ちょうどそのときは官邸の下に「働き方改革実現会議」が設置されて、日本の長時間労働の見直しをどうするかということが議論されましたし、その中の重要な課題の1つとして、長時間の時間外勤務については、上限規制を設けるという議論が、進行中だったので、政府の働き方改革の中に教員の長時間労働の見直しもしっかり含めて取り組んでほしいという発言をしました。皆さん御存じのとおり、「働き方改革実現会議」の最後の第10回の会議が3月28日に開かれて、そこで働き方改革実行計画を決定しまして、基本方針と工程表というものが公表されています。
 私も非常に関心があったので、1回目から10回目の会議の議事録を全部読ませてもらったのですけれども、残念ながらと言っていいのかもしれませんが、幾人かの民間委員から、教員の長時間労働について言及があり、是非、公務員の働き方を議論する際には、教員の働き方、特に長時間労働の上限規制についても検討してほしいという意見が、一、二あったくらいでした。
 また、文部科学大臣からは、学び直しのための教育環境の整備ということを中心にして、文部科学省の様々な考え方が、その会議の中でお話されていました。学び直しのための教育環境の整備という課題は、これは当然、働き方に関わって重要な施策ですけれども、残念ながら、文部科学大臣からは教員の働き方、特に長時間労働についての積極的な言及は、なかったように思います。
 そうした「働き方改革実現会議」の審議の状況でしたので、3月28日にまとめられた実行計画の中には教員に対する言及はありませんでした。ただ、注目したいのは、教員と同様に、適用除外とされてきた、例えば自動車の運転業務や建設事業や医師、あと新技術や新商品などの研究開発に関わる業務については、上限規制を設けるのは確かに難しいけれども、例外とはせず、今回の実行計画では、具体的には言及しませんけれども、今後、一定の期間をめどに、規制の具体的な在り方や、労働時間の短縮などについては検討すると書かれています。
 つまり、職務の特殊性から、時間外労働の上限規制を設けることが難しいと言われてきた、今言ったような業務についても、今回の実行計画では、今後2年から5年をめどに、具体的な規制の在り方や労働時間の短縮策等々についても検討するということが実行計画の基本方針の中に明確に規定されていました。
 それと比べて、同じ職務の特殊性という理由から、時間外勤務に関して労働基準法の一部適用除外を受けている公立学校の教員については全く言及がなく、工程表の中に、今後、教育委員会の業務改善や部活動の適正化とともに、働き方や業務の在り方については、教育再生実行会議で検討して、その検討を踏まえて、教員の長時間労働を是正すると記載されていました。
 今日、お聞きしたいというか要望ですけれども、今後、公立学校の教員以外の私立の先生方は、当然民間ですので、恐らく今回の実行計画に基づいて、上限規制等々の形でいろいろ検討が進むと思うのですが、公立学校教員については、教育再生実行会議で検討を行うとは言っていますけれども、初等中等教育に関わる審議の基本的組織は本分科会ですので、是非、教育再生実行会議で議論してもらうとともに、並行しながらでも、初中分科会や中教審できっちり議論すべきではないのかと、私自身は考えています。
 その点について、教育再生実行会議でこのテーマを議論していくといった際には、まだ方針は定まっていないのかもしれませんけれども、どういう方向性で教育再生実行会議で議論していくのか。さらには、中教審等々でこの問題について議論されていくのか。今後の方向性や、今お考えになっていることが事務局であれば、少しお聞かせいただければと思います。
【瀧本審議官】 失礼します。初中審議官の瀧本です。教育再生実行会議の担当室長も兼ねてやらせていただいておりますので、お答えさせていただきます。
 今、小川会長から言われた点については、私ども文部科学省もほとんど同じような思いで、危機意識を持って受け止めています。今の学校教育が、何とか回っているのは、現場の一人一人の先生方の懸命な働きぶりのおかげだと思っておりますが、そこに甘えてばかりというわけにはいかないと思います。
 既に御承知の方も、あるいは御指導いただいてきた方もいらっしゃいますが、10年ぶりの教員の勤務実態調査というものを、昨年度にさせていただきました。今、鋭意集計中でございますので、まだ、いつ公表できるかということはまとまっておりませんが、その成果も踏まえながら、教育再生実行会議でも大きな方向性については、何とかこの問題について改善していくためにどうしていったらいいかという大きな方向について議論することになると思います。
 それを踏まえて、当然ながら、初等中等教育の専門家の方々は皆様でございます。それも踏まえて、教員の勤務実態調査も、再生会議の方向も踏まえて、こちらでまた改めて現場を改善していくために、どういうことを関係者が知恵を出しながらやっていくかということについては、この場でも議論をお願いすることになると思いますので、その際には、またどうぞよろしくお願いいたします。
【小川分科会長】 ありがとうございました。審議官の御発言をお伺いをして少し安心しました。
 それでは、名札がかなり上がっていますので、こちらから船橋委員、鶴羽委員、そして清原委員、善本委員、角田委員、堀田委員という順でさせていただきます。
 それでは、よろしくお願いします。
【船橋委員】 長年、小・中学校の学校現場に関わる仕事をしていた中で、学校の教員の負担軽減に動いているということは、すごくよかったなと思っています。
 ただ、今日は初回ですので、ここから2年ということなので、あえてお話をしたいと思うのですけれども、今の小川分科会長がおっしゃった働き方改革に関してです。私は、その流れと同時に、もう一本違う議論を並行で進めた方がいいと思っています。
 それは何かというと、今から10年以内に65%の仕事がなくなると言われ、47%の仕事が自動化、ロボット化される。今年のダボス会議でも、ほとんどの議論がシンギュラリティ、第四次産業革命、AIのような流れでした。
 何が言いたいかというと、今、働き方改革を進めなければいけないのですけれども、もしかしたら、10年以内には、やることがなくなる。例えば、私は文部科学省でプロジェクトオフィスを持っているのですけれども、ほとんどの国会答弁は、もしかしたらAIでできるのではないかという議論も、多分出てくると思うのです。
 そういう意味では、2年たってから、また実行に移動するというのは、常に時間が掛かるなと思っているのです。同時に、相当効率化されるのではないかと。AIを導入したらどうなるのだとか、あえてAIの専門家などもここに呼びながら、ここ数年は、働き方改革をするのでいいのですけれども、もしかしたら、非常に効率化される。だとしたら、先生はもっと子供たちに向かい合う時間を作れるのではないかとか、同時並行で、もっと時代の先を読まなければいけないのではないかと思っています。
 私がショックだったのは、今年のダボス会議でほとんどそういう話題だったというときに、実は2011年に第四次産業革命のレポートは、とっくにドイツなどで出ていて、それが各国の国家戦略に反映されている。日本は、2011年に震災があったわけです。震災の復旧・復興に手いっぱいだったので、なかなかそこに考えが至っていなかったから、4年遅れているとはっきり言われたのです。
 なので、私の提案は、今の議論は進めながら、もう一本違う軸で、5年後、10年後を見据えたときの学校現場、教員の在り方、もしかしたら教員の仕事がなくなるかもしれないぐらいの前提で議論を進めた方がいいのではないかという提案になります。
【小川分科会長】 ありがとうございます。
 名札が多く立てられておりますので、少し時間を配慮しながら御発言いただければと思います。
 では、鶴羽委員、どうぞ。
【鶴羽委員】 私は質問なのですけれども、資料2-2の5ページの新第1項のところで、学校運営協議会を二以上の学校について一置くことができるというところに注目しています。この二以上の学校という学校のカテゴリーは、小・小でも、小・中でも、小・中・高でもいいということでよろしいのでしょうか。
【小川分科会長】 質問に対する事務局の回答については、後でまとめてさせていただきます。
【鶴羽委員】 と言いますのは、コミュニティ・スクールについて、2年前にここで説明を伺ったときに、私が衝撃を受けたのは、北海道はまだ3%もないという状態だったのです。知事との総合教育会議が始まった夏に、コミュニティ・スクールを教育委員会だけではなくて、知事部局も応援してほしいということをお願いしましたところ、秋に北海道総合教育大綱で、コミュニティ・スクールを北海道に広めようということをしっかりと位置付けていただきました。
 結果、どうなったかと言いますと、2年間で37校が91校まで増えて、今も加速しています。3%にいかなかったのが5%を超えるようになっていて、その視察に行くと、必ず皆さんがおっしゃるのは、北海道は地域が小さいので、人材が限られていて、小学校、中学校、高校でそれぞれが設置というのがすごく難しいということで、またいでできないのかということを何度も聞かれたのですね。
 ですので、こういったことができるのであれば、早く周知していただければ歓迎されるのではないかなと思いました。
 以上です。
【小川分科会長】 時間がありませんので、後で質問等々に対する事務局からの御説明や回答については、一括してお願いします。
 清原委員、どうぞ。
【清原委員】 ありがとうございます。清原です。
 第8期初等中等教育分科会では、教員養成部会で、これからの学校教育を担う教員の資質、能力の向上について検討がされました。そのことを踏まえて、小川分科会長から「働き方、多忙化の実態を踏まえた今後の教員の在り方」についてもテーマとすべきということに賛同いたします。三鷹市議会でも、複数の市議会議員が教員の多忙化ということについて、問題意識を持って質問されています。
 今回の学習指導要領の改訂の中でも、子供たちといかに主体的、対話的で深い学びをするかという「対話」ということが重視されています。また、コミュニティ・スクールをさせていただいておりますと、子供たちに向き合うとともに、保護者、あるいは地域とも、教員がコミュニケーションしていくという時間が十分必要となってまいります。
 従いまして、船橋委員も言われましたけれども、今回の学習指導要領は、人工知能が進化する背景というものを認識しつつ、今、学校で教えていることも大きく変化するということを認識しつつ検討されてきたと思います。是非、小川分科会長の提案を受けまして、「教員の質の向上を実現するための環境整備」について、第9期は検討をできたらよいと、賛同の意見を申し上げます。
 以上です。
【小川分科会長】 ありがとうございます。
 善本委員。
【善本委員】 公立の中高一貫教育校の立場から、是非この視点をということで申し上げたいと思います。
 外国語活動の教科化に見られるように、グローバル人材の育成ということが、大変喫緊の課題になっています。また、先立って公表された中高生の英語力も、目標に大きく及ばないということで、私ども現場でも、かなり必死になってやっているところではあります。
 また、具体的にどのようにして英語力を高めていくかという検討も必要ですが、一方で、私は日頃から生徒に話をしているのは、ツールとしての英語力の向上が大変重要だけれども、グローバル化の時代を生きるには、とにかくダイバーシティの視点が大事だということを常に話しています。
 最近、生徒は私の顔を見ると「ダイバーシティ」と言うのですけれども、そういった意味で、このダイバーシティの視点というのは、今はあまり入っていないように思いますが、キャリア教育とも関わり、また教員の人材育成、そして、先ほど来、話題になっている働き方改革の問題とも関連がございますので、是非今後の議論の中で、その視点を入れていただければということを要望いたします。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございます。
 角田委員。
【角田委員】 ありがとうございます。
 質問と提案をさせていただきたいと思います。
 この9期の初等中等教育分科会は、いま現在9期としてのテーマはあるのでしょうか。普通、会議というものは、着地点のようなものや、いくつかの具体的な課題があって、それを話し合うつもりで参加するものですが、前もってそれは示されていないのですね。
 それならば、本日はこれから話し合いたいことを話す場だったのかということも、分からなかったのですが。
私としては、この分科会では今後不登校の方も含めたキャリア教育を、話し合えたらいいと思っています。
 もう一つ話し合いたいテーマとしては、少し大き過ぎますけれども、教育格差について、例えば公私の格差です。今、中学入試がすごいことになっていて、21世紀型能力を問うような、新学習指導要領や、高大接続改革までも通り越したようなところまで目指した入試が行われています。中高一貫の私立では更にそれを育てようとする教育が行われようとしているときに、公立の教育はどうしていったらいいのだということを本気で話し合っていければよいかと思っています。
 以上です。
【小川分科会長】 最初の質問は、中教審は文部科学大臣の諮問機関ですので、大臣が諮問した事項について議論するということになります。第9期の初中分科会においては、第8期からの引継ぎの審議事項、例えば、第3期教育振興基本計画の策定に係る初等中等教育関係の審議等もありますし、恐らく、これから大臣から中教審にいろいろな新しい課題が諮問されるかと思います。その諮問事項の中で、初等中等教育に関わるテーマについては、この分科会が責任を持って審議を進めていくということになると思います。
 では、堀田委員、どうぞ。
【堀田委員】 第8期からお世話になっております、東北大学の堀田でございます。私の専門は情報教育でして、その観点から少しお話ししたいと思います。
 ちょうど今4月ですので、お子さんが新しい学校に入学したお母さんたちが、たくさんの帳票に全部手書きで、そして同じようなことを何度も書くという辟易(へきえき)した声を聞きます。学校のホームページを見ても、いろいろ知りたい肝心な情報はあまり公開されていないとの声もあります。学校の説明会に行くと詳しいことが聞けるのだけれども、仕事の関係で必ずしも説明会に行けるわけでもない。時期的にはこの後、遠足があるわけですが、遠足の写真は学校の廊下に張られていて、平日の日中に行かないと購入申請ができない。ウエブで何とか買えないのかという意見をよく聞きます。
 今のような話は、全て学校の情報インフラが非常に脆弱(ぜいじゃく)で、そのため情報サービスが社会から見て立ち遅れているということだと思います。
 文部科学省でも、この辺は校務の情報化という概念で施策を進めてきているわけですけれども、基本的に公立学校を情報化する財源は地方交付税交付金になっていますので、各学校へのICT整備は各自治体の判断で行うということになっております。
 次期学習指導要領では、児童生徒がICTを用いて、情報活用能力を学習の基盤として各教科等の学びを深めていくということになっています。よく話題になる教員の多忙化は、紙で提出されたものを全部打ち直すところから始まっているわけです。これらのことを考え合わせますと、学校の情報化、情報インフラの整備を、地方自治体任せにするのではなく、もっと強い力でしっかりと進めていくような何らかの動きを作っていく必要があると思います。それが、先ほどから出ている不登校の児童生徒の学習権の保障にもつながりますし、教員の多忙化解消や労働時間の短縮にもつながろうかと思うところでございます。
 意見でございました。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 この後、時間もあまりありませんので、八並委員、若江委員、そして篠原委員で終わらせていただきたいと思います。ほかにはよろしいですね。
 では、八並委員、どうぞ。
【八並委員】 初めまして、東京理科大学の八並です。私の専門は生徒指導です。その観点からのお願いです。先ほどの学習指導要領で、今後解説が出てくるだろうと思います。生徒指導に関しては教科等の領域でないので、学習指導要領には出てきませんが、例えば小学校の学習指導要領の9ページの「総則」の「第4 児童の発達の支援」の「1 児童の発達を支える指導の充実(1)」の3行目に、今回初めてガイダンスとカウンセリングというものが併記されました。ガイダンスに関しては、この定義から言うと、集団を対象に指導・援助するのがガイダンスです。カウンセリングに関しては、一人一人の子供たちを対象に、課題に対応した指導です。「援助」という言葉は入っていません。
 このガイダンスとカウンセリングに関しては、今後総則の説明等で、定義と具体例を出していただかないと、恐らく現場はかなり混乱するだろうと思います。アメリカの場合は、スクールカウンセラーが、例えばいじめの予防教育を教室に来て、授業型のガイダンス・カリキュラムというものをやります。個別の対応もやります。そういう意味では、ガイダンスとカウンセリングの定義、それから、その具体例を今後説明していただければという要望です。
 もう一点は、先ほどから「グローバル化」とでています。特に、小学校の外国語教育、グローバル化も含めてのお願いです。インターナショナルスクールは、人口は多くはないと思いますが,インターナショナルスクールに通う子供たちの課題も,焦点化していただけないかという要望を持っています。
 例えば、学校教育法の一条校ではないので、そこを出ても多くは卒業にならない。あるいは、東京を例にすれば、定期券です。定期券は、もちろん学割のとれるインターナショナルスクールもありますが、大半は学割は使えません。学校教育での英語教育とともに,ネイティブのいるインターナショナルスクールには,あまり光は当たっていないような気がします。少しインターナショナルスクールの研究といったものも,必要ではないかと思っています。以上です。

【小川分科会長】 ありがとうございます。
 若江委員、どうぞ。
【若江委員】 ありがとうございます。
 8期からお世話になっておりますが、今日、いろいろお聞かせいただきましたように、新しい学習指導要領を実現するに当たって、資料2-1の表にありますように、「チーム学校」であるとか、コミュニティ・スクール、そして、地域学校協働本部、教員改革、いろいろなことが同時に行われなければいけないわけです。そのときに、やはり校長先生のリーダーシップというものが不可欠になっています。
 質問が1つ。校長先生への正しい理解を促していくのに、従来のような研修というアプローチではなく、もっと今までとは違うアプローチを何か考えておられるのかどうかということが1つ。
 それともう一つが、8期のときからも話題になっておりましたように、こうやって社会総掛かりとなった場合には、保護者や地域の人、そして産業界に教育の変革をどのように伝えていくかという広報が非常に大事だと言われていました。そのことについて、具体的にどのようになっていくのか、それらを検討していくことが、この分科会でできるのかどうかということをお聞きしたい。
 それと、少し不安に思いましたのが、先ほど、小松文部科学審議官からお話がありましたように、その重要な役割を担っていく、学校と社会をつなぐ役割として、地域学校協働活動推進員というものが新設されるということでした。
 頂きました資料の、先ほど御説明がありました資料2-2の6ページのところの地域学校協働活動推進員の○2です。「地域学校協働活動推進員は、地域学校協働活動に関する事項につき、教育委員会の施策に協力して」とうたわれております。
 となると、教育委員会の考えによって、いろいろな解釈や展開になってしまうのではないかという懸念を感じます。例えば地域学校協働活動推進員に退職校長先生や社会教育主事を当てようとお考えの教育委員会も多いと聞いております。それで、本当に社会とつなぐことができるのかどうかといった懸念も感じております。そのあたりを、これ以降、お話を進めさせていただければなと思いました。
 以上です。
【小川分科会長】 では、最後、篠原委員、よろしくお願いします。
【篠原委員】 先ほど、小川さんから話があった教員の長時間労働のことです。あれは、私も先般の中教審の総会で、この問題を質問させていただきました。そのときのお答えは、先ほど、瀧本さんがおっしゃったように、労働規制の適用対象にはなっていない。ただ、実行会議でそういうものを取り上げていると、同じような説明があったように記憶しています。
 そこで、1つ提案ですけれども、実行会議でやって、こちらでまた取り上げるという形を取るよりも、もう少し連携してやったらどうか。一度、意見交換会みたいなものを設けたらどうでしょうか。私は今までずっと中教審の委員をやってきて、大体が実行会議が打ってきたものを、こちらで制度化、具体化していくという流れがほとんどだったのです。この問題については、両方で連携してやっていったらいかがかなと。前に1回か2回、やったことがあると思います。実行会議との意見交換会というものをやったことがありますけれども、そのような形をやって、両方でそれぞれ別々にやるというのもどうでしょうかという感じがいたします。
 これは提案です。よろしく。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 時間もありませんので、今日はこの辺で終了させていただきたいと思います。
 残り1分ぐらいしかないのですけれども、今いろいろな御質問や要望がありました。今の時点で、何か事務局からお答えできることがあれば、時間もありますけれども、簡単にお願いできればと思います。
【瀧本審議官】 鶴羽先生から御質問のございました二以上の学校の関係です。一応、法律ないしはそれを受けた省令通知の中で、「2つ以上の学校の運営に関し、相互に密接な連携を図る必要があるとして省令で定めた場合に」となっております。
 具体的に省令では、例えば小中一貫教育であったり、中高一貫教育を施す場合、その他複数の学校について、運営協議会が一体として協議を行うことが、当該学校の運営の改善に資すると教育委員会が認めた場合など、それぞれの地域で一体的にやることがプラスになるというケースについて、2つ、場合によっては3つで、1つ置いていいですよと。
 今までは、学校ごとでしかできなかったものを、ある意味弾力化したという御理解を頂けたら有り難いかなと思っております。
 それから、篠原先生の御提案については、受け止めさせていただいて、中で相談をさせていただきたいと思っております。いずれにしても、教員の勤務改革と言いましょうか、勤務時間の軽減に関しては、松野大臣の大きな関心事項でもあります。
 すみません。先ほど、小川先生の御発言に答えるときに、少し言い忘れてしまいましたが、政府の働き方改革実行会議の中で、大臣もこのことについては発言をしていて、教育再生実行会議でも取り上げて議論していくということを申し上げさせていただいているところであります。非常に重要な課題ですから、いずれにしましても、先ほど申し上げた調査結果がまとまった以降、またいろいろ御相談させていただきながら、取り進めさせていただきたいと思っております。
 また、その他、いくつか御指摘がありましたAIの活用の関係ですとか、ダイバーシティの重要さ、学校の情報設備の充実など、我々もやりたいけれども、なかなか進んでいないところもありますが、皆さん方の意見を十分踏まえながら、できるだけ制度であったり、あるいは予算であったり、現場を支援するような仕組みづくりであったり、提言であったり、ガイドラインであったりということを連携、協力しながら、取り進めていけたらいいなと思っております。
 とりあえず、事務局から、今日のところはこんなところです。
【小川分科会長】 ありがとうございます。
 時間が過ぎてしまっていますので、委員お一人お一人から頂いた質問や要望について、事務局から一つ一つ説明いただく時間を設けることができませんでした。その点はおわびいたします。一応、今日準備していた議題については、これで全て終了しましたので、この辺で閉会としたいと思います。
 次回の分科会について、事務局から何か御連絡があれば、よろしくお願いします。
【常盤木教育制度改革室長】  次回の日程につきましては、また皆様と調整させていただいた上、追って御連絡させていただきます。
 また、本日の資料は大部になってございます。机上に置いておいていただければ、郵送させていただきます。
 以上でございます。
【小川分科会長】 ありがとうございました。
 それでは、今日予定した議事は全て終了しましたので、これで閉会といたします。ありがとうございました。


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