資料2 |
今回の検討課題はいずれも重いテーマであり、軽々に扱えない。義務教育の性格・位置づけについての変遷、子どもの発達段階の変化などさまざまな論証・データを踏まえて、慎重に検討を進める必要があると考える。とりわけ、何らかの制度変更をする場合、想定し得る副作用や弊害など二次的効果を補うための配慮が不可欠であることは言うまでもない。このことを前提にした以下の問題提起は、教育問題を担当してきたジャーナリストの「目」によるものであることをお断りしておきたい。
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就学機会の弾力化について 欧米や戦前の日本のように、例外的に学校以外の場をも認める方向を検討する。
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就学時期の弾力化について 現行の就学年齢を原則にした上で、プラス・マイナス1歳の幅で、就学時期を保護者の選択の余地が入るようにすることを検討する。 いわゆる「早生まれ・遅生まれ」の問題は、かねてより経験則的に語られてきた。中には、医師と相談の上であるいは医師に勧められて出生日を「虚偽申告」する例も現実にあると聞く。また、医学の発達や栄養状況の改善などによって、心身の発達段階がかつてと大きく変わってきてもいるだろう。逆に発達が未成熟のまま学齢期を迎えるという事例も少なからずあると聞く。 そうした、医学的・栄養学的・教育心理学的データを詳細に分析した上で、弾力化の方向を探れないか。 また、少子・高齢化がさらに加速されることを考えると、数の少なくなる子ども一人一人のポテンシャルを高め伸ばしていかない限り、社会の活力は維持できない。子どもの自己実現をサポートする意味も含め、可能な限り発達状況に応じて就学時期を決めるという考え方も成立するのではないか。 ただ、就学時期の決定に際しては、保護者の意思の表示をベースにした上で、例えば医師、心理学の専門家、教員などで構成するティームの意見・判断を参考にするなどの枠組みを用意することが必要になると考える。 |
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多様な学校間連携 現行の学校体系の枠組みの中で積極的に進め、将来的には学校の区切りの変更につなげることを模索する。 歴史に「もしも」は禁句だが、いわゆる四六答申が打ち出した「先導的試行」が全面的に実施されていれば、現在の学校体系はかなり変わっていたと思われる。 四六答申は、幼・小一貫教育のほか、小学校と中学校、中学校と高等学校の区切りを変えることによって、各学校段階の教育を効果的に行うことをねらいとして、先導的な試行に着手することを促した。しかし、83の研究開発指定校の10年間にわたる取り組みは、ことごとく「点」の研究実践にとどまり、その後の学校制度の改善にほとんど生かされなかったという経緯がある。 幼小連携や小中連携は、現在一部で実践が進められており、これをさらに促すことによって、将来の学校体系の変更を検討する際の参考とするのはどうか。とりわけ、幼小連携は、生活科の授業を合同で行うなどの実績が各地にあり、もっと広がっていい。 |
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