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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 中央教育審議会初等中等教育分科会 > (第16回)及び教育行財政部会(第14回)議事録・配付資料 > 資料1


4章 その他の検討課題について

 学校の管理運営の在り方については、ここまで述べてきた方策以外にも、例えば以下に示すような様々なものが考えられる。これらについては、必要に応じ、今後の審議において更に具体的に検討することとしたい。

 多様な主体による学校の設置について

 学校は公の性質を有するものであり、その設置と運営は、国家、社会として責任をもって取り組むべき、極めて公共性の高いものであるとともに、子どもたちの就学の機会を確保するため、継続性・安定性が不可欠である。このような公共性、継続性・安定性を担保しつつ、民間の主体が参入するための制度として学校法人制度が設けられているものであり、学校の設置主体としては、国、地方公共団体及び学校法人が基本である。

 一方で、株式会社やNPO法人のまま学校を設置したいという構造改革特別区域に関する提案に対応し、平成15年度から、地方公共団体が教育上又は研究上「特別なニーズ」があると認める場合には、株式会社に学校の設置が構造改革特別区域において認められることとなった。また、同様に、地方公共団体が、不登校児童生徒等を対象とした教育について「特別なニーズ」があると認める場合には、そうした教育を行うNPO法人であって一定の実績等を有するものの学校設置が認められることとなった。
 なお、いずれの場合においても、学校としての公共性、継続性・安定性を確保するため、学校の経営に必要な財産を有することなどの要件や情報公開が設置者に課されており、また、特区認定を受けた地方公共団体には、学校の評価の実施や学校が破綻した場合のセーフティ・ネットの構築など必要なシステムを整備することが求められている。

 このことを踏まえて、平成15年10月に行われた構造改革特別区域計画の申請においては、株式会社による学校設置について、計3件の申請があり、いずれも認定されたところである。その内訳は、中学校及び高等学校の設置に係るものが1件、大学の設置に係るものが1件、専門職大学院の設置に係るものが1件であり、今後、それぞれの学校設置に向けた所要の手続きが進められることとなっている。

 なお、このような多様な主体による学校の設置を、新しい学校の管理運営の在り方の一つとして今後全国で認めていくかどうかについては、構造改革特別区域における取組の状況を踏まえつつ、引き続き検討することが必要である。

 学校外の外部資源の活用の在り方について

 外部の人的・物的資源を学校教育に積極的に活用する試みは、例えば、地域の人材に特別非常勤講師として学校教育に参画してもらう、博物館等でその資料を活用した授業を行うなど、これまでも様々な形で広く行われてきたところである。特に、高等学校については、大学・高等専門学校等における学修の成果や一定の技能審査の合格に係る学修を高等学校の単位として認定する仕組みや、定時制・通信制の課程におけるいわゆる技能連携制度など、学校外の外部資源を活用した取組がすでに多く実施されている。
 また、学校の施設等の物的管理については、PFI方式により外部の機関に行わせている例が現在でも見られるところである。

 学校が、多様な要請に応えつつ、特色ある教育を推進していくためには、外国語やIT教育などをはじめとする教育の様々な分野において、学校外の外部資源を広く活用することも有効と考えられ、こうした取組を通じて、学校と学校外の社会の連携・協力が強化され、開かれた学校づくりが促進されることも期待されるところである。
 今後、このような取組についてのガイドラインの策定や体制等の整備に向けて、必要な検討を更に進める必要がある。