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教育分野における株式会社等の参入【平成15年度中に検討・結論】
株式会社など国・地方公共団体や学校法人以外の民間主体による教育分野への参入については、会計制度などによる情報開示制度、第三者評価による質の担保及びセーフティネットの整備等を前提に、教育の公共性、安定性、継続性の確保に留意しつつ、特に大学院レベルの社会人のための職業実務教育等の分野について、その在り方を検討すべきである。
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コミュニティ・スクール導入に向けた制度整備【平成15年中に検討・結論】
新しいタイプの公立学校であるコミュニティ・スクールを導入することの意義は、教職員人事を始めとする運営・管理及び教育の実施等について、学校、保護者、地域の独自性を確保する一方で、地元代表や保護者の代表を含む「地域学校協議会(仮称)」に対しアカウンタビリティを負うことにより、社会や地域住民・需要者のニーズに応じた多様で機動的な学校運営を可能とし、独創性と創造性に富んだ人材の育成に資することにある。これらの点を踏まえ、コミュニティ・スクール導入のための制度整備に関しては、例えばコミュニティ・スクールの設置手続、「地域学校協議会(仮称)」の設置と機能、都道府県教育委員会、市町村教育委員会及び地域学校協議会の教員任免等に係る権限の在り方等の点について、法令上の規定を設けることを検討すべきである。
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学校法人の要件緩和【平成15年度中に検討・結論】
学校法人の設立要件については、構造改革特区における特例措置として校地・校舎の自己所有要件の緩和が認められたところであるが、学校教育の安定性・継続性の確保を前提に、全国的な緩和について、特区における状況も十分に踏まえながら検討すべきである。
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私立学校設置促進のための施策
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都道府県の私立学校設置認可審査基準等の見直し促進【平成14年度中に措置】
私立学校の設置を促進するため、平成14年4月に小学校設置基準(平成14年文部科学省令第14号)及び中学校設置基準(平成14年文部科学省令第15号)が制定され、教育上及び安全上支障がない場合には、廃校となった公立学校等を供用又は借用することができることが明確になったところである。小・中学校設置基準策定の趣旨を踏まえ、各都道府県の私立小・中学校の設置認可審査基準等における校舎や運動場の面積基準等の要件見直しを各都道府県に促すべきである。
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私立学校審議会の見直し【平成14年度中に検討・結論】 私立学校審議会は、私立学校の自主性を確保する観点から、私立学校行政に関する所轄庁の権限行使に当たり、私学関係者の意見を反映するために設けられており、現行の私立学校法(昭和24年法律第270号)第10条は、私立学校関係者以外の民間有識者等を同審議会の構成員数の4分の1以上にしてはならない等と規定している。しかし、この規定は、各都道府県の私立学校行政を過度に規制しかねない可能性もあることから、例えば、上記規定の在り方や、構成員・運営を含む私立学校審議会の在り方を検討すべきである。
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教育への外部資源の積極的活用【平成15年度措置】
現行、既に総合的学習の時間において、学校外の教材や学習環境の積極的活用が図られているところであるが、そうした取り組みを促進するとともに、さらに民間企業やNPO等など学校以外の主体が保有する教育資源の有効活用等の観点から、例えば外国語やIT教育などの授業において、各学校の判断で外部人材や学外の学習環境の活用が推進されるよう、ガイドラインの策定や体制の整備等を図るべきである。
また、現在PFI方式により学校施設等の維持管理と温水プールの地域開放時の運営や水泳教室・フィットネスの運営などが行われている例が既にあるが、学校運営のアウトソーシング促進の観点から、PFIによる学校施設運営が可能である範囲について明確化を図るべきである。
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インターナショナル・スクールに関する制度整備【平成14年度中に措置】 インターナショナル・スクールについては、その定義を明確化した上で、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に基づく私立学校に準じた取扱いとなるよう各種の支援措置が検討されるべきである。また、インターナショナル・スクールの卒業者に対して、我が国の大学の入学については、大学入学資格検定を受検しなくとも、入学資格を認められるようにするとともに、高等学校の入学については、例えば中学校卒業程度認定試験の受験資格を拡大する等により、大学や高等学校への入学機会を拡大すべきである。
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海外から進出する大学など高等教育の国際的展開に対応した質の保証のあり方【平成15年度中に検討】 海外から我が国に進出する大学は、我が国の学生にとっては国際化に対応した教育の選択肢のひとつであるとともに、海外からの学生受入数拡大の観点からも有意義である。しかし、これらの「大学」は、我が国の大学としての認可を受けておらず、消費者の混乱を招いている面がある。
したがって、大学の質保証及び消費者保護の観点から、例えば、国内の第三者評価機関が海外大学についても評価し得るようにするなど、高等教育の国際的展開に対応した質の保証の在り方について検討すべきである。
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