令和8年4月30日(木曜日)16時00分~18時00分
11F省会議室(WEB会議)
【貞広主査】 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第5回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程ワーキンググループを開催いたします。
まず、事務局から会議の開催方式につきまして御説明をお願いいたします。
【大城法規係長】 会議の進め方等について確認させていただきます。
本日の会議は、ウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催いたします。御発言の際は、画面下部のリアクションボタンによる挙手ボタンを押していただき、併せてマイクをオンにし、御発言が終わったら、マイクをオフにしていただきますようお願いいたします。
【貞広主査】 本日も、まず資料に基づきまして、事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。それでは、大学院新教育課程等の概要(案)を中心に説明させていただきたいと思います。
まず、繰り返しになる点はございますけれども、参考資料2でございますが、論点整理で示された多様な社会人等が参入しやすくなるような制度の在り方ということで示されている方向性について、特に大学院での段階での学修を踏まえて免許状が取得できる仕組みということを御議論いただいてきた経緯でございます。その主な論点については、参考資料1ということでお示ししてきたわけでございます。
前回、大学院新教育課程等の概要、たたき台ということで、これまでの御議論を踏まえてまとめさせていただいたものを基に御議論いただいておりました。今回、この内容については、前回、委員からいただきました御意見を踏まえて、改めて追記等をしたものが本資料でございます。全体を御覧いただきますと、1ページ目から4ページ目までございますけれども、1ページ目、まず全体像ということで、大学院新教育課程、またそれ以外も含めての方向性をお示しした上で、IIということで、大学院新教育課程についてということを書き、その上で、4ページ目でございますけれども、その他多様な専門性や背景を有する社会人等が入職しやすくなるような制度の在り方ということでまとめているという資料になってございます。
それでは、最初から少し追いながらと思います。特に、前回たたき台を御議論いただいたときとの変更点を中心にお話をさせていただければと思います。
1ページ目にお戻りいただきまして、まず全体像でございますけれども、Iというところでございますが、この新課程の設計については、多様な社会人等が免許を取得するための既存の制度でしたり、また教職課程の見直しの方向性との整合性を踏まえて行っていくというのが大きな方向性であると認識しております。
本日午前中に教職課程のワーキングがございましたが、状況として少し報告をさせていただきますと、先ほどの論点整理が出た後、中間ワーキングが4回開催という中で、中間まとめが1月にまとまったところでございます。その中間まとめの内容を踏まえて、小学校や中高それぞれの作業部会で具体的な設計の御議論を年度末に向けていただいておりました。それがまとまったことを踏まえて、その内容を含めて、二次まとめとして、たたき台としてまとめさせていただいたのが、今お手元にある参考資料3でございます。本日午前中にこれを中心的に御議論いただいたというものでございます。これらも踏まえて、全体の設計との整合性の中で、本新教育課程についても御議論いただくということかと思っておりますので、適宜、参考資料3も御覧いただきながらと思います。
戻らせていただきますけれども、1ページ目のIIのところ、大学院新教育課程についてというものでございます。1から14までございます。
まず1のところでございますけれども、もともと1ということで書いてあったものはそのまま書かせていただいておりますが、前回は、これは特別免許状ということで、取得できる免許状は特別免許状としてというお話を書かせていただいておりましたけれども、今回後述させていただくとおり、いわゆる既存の特別免許状であるのか、それともそれとは別の何らか新たな免許状とするのかというところがあろうかと思っております。それを踏まえて、ここでは「特別な免許状(仮)」ということで置かせていただいている点が前回と異なる点でございます。
2のところでございます。もともと2ということでお示ししていた内容をさらに詳細に書かせていただいているものでございます。新教育課程の設定は、全国的な教員免許の取得状況等を踏まえて決定していくというもので、例えばということでイメージですけれども、審議会等における答申等に基づいて、必要な免許状の校種や科目等を決定するなどの方法が考えられるのではないかということ、また当該決定に基づき、一つの方途としては公募を実施し、教育委員会と大学の協議の中で大学の申請を踏まえて決定することでしたり、もしくはそもそも実施する大学を指定するということを含めて、2という形で少し詳細を書かせていただいているものでございます。
3でございます。これはもともと5ということで書いていたもので、そのまま載せさせていただいているもので、変更はございません。
4でございます。これは新しい内容でございますけれども、これまでの御議論を踏まえた場合にということでございますが、当該新教育課程は、公募に基づいて行われるプログラムであるということを考えた場合に、修士号取得に係り入学前の既修得単位の認定ができるという側面もあるということを踏まえると、現状の制度でいうところの大学における直接養成と大学等において実施される講習の両方の性格を有するということになるのではないかという整理のことを少し記載させていただいております。
5でございます。5から7までは、これまで前回お示しした4、3、6それぞれの内容をそのまま記載しているものでございます。改めて申し上げますと、科目等履修生とするということ、社会人に限定せず、幅広く学修することを許容するというものであるということ、また基本的に1年のコースとして大学院に開設するものであり、既存の開設科目の利用も可とすること、開設主体は広く主体となり得ること、この受講者を決めるに当たっては、入学者選抜とともに、任用権者が選考も併せて実施し、当該課程の修了等の後採用される者をあらかじめ決めていくということを書いているところは、前回と異ならないものでございます。
また併せて、次のページでございますけれども、8、これも前回の7と同じ内容でございます。入学者選抜は大学が行うものではあるけれども、普通免許状取得において新たに位置づけられる「強み専門性」に係る学修を通じて身につけられる資質能力と同等の資質能力が、勤務経験等を通じて身についているかどうかということを入学者選抜を通じて確認した上で入学を許可するという制度設計を改めて記載しているところでございます。
9でございます。これはもともと8にあった内容を基本的に踏襲しておりますが、一方で単位数のところは、後で資料の3ページ目も適宜御覧いただきながらとも思いますが、全体の単位数を合計いたしますと35単位程度となるのではないかと考えられたところ、「35単位程度」と書かせていただいております。また、その後、少なくともこのプログラムで学ぶべき内容として、教科等の指導法と、教育及び児童生徒理解に係る科目を含めること、これは前回と同様でございますが、これらとともに、現場での実習的な体験/学習も含まれること(中心とすること)についても、前回複数御意見を賜っておりましたので、そこを追記しております。また、これらは何らかの特別な免許状の前に学修することが必要ではないかという御意見だったかと思いますので、そのことも追記しているところでございます。
次の10でございますけれども、これも基本的に前回の9をそのまま踏襲しているものでございます。プログラムの設計は多様であるということで、大学側と教育委員会側の協議で選択的に様々選ぶことができるというものでございます。
(1)のところ、特別な免許状(仮)を授与するタイミングも複数あると。ただ、前回のときにはプログラム当初という案を書かせていただいておりましたが、このプログラムに関してはプログラム当初は適さないのではないかという御意見がありましたので、そこは削除しております。
(2)と(3)は前回と全く同じでございます。2つの学修に関しては、(2)のところでございますけれども、それを学部・大学院どちらでも開設できること、この授与後の学修の内容はどうするかというところも多様であるということを書いております。
11でございます。これは新しい内容でございますが、前回、事務局より少し既存の制度について御説明させていただきましたが、その利用ということで、当該新教育課程は、履修証明プログラムとした上で、職業実践力育成プログラムとして教育訓練給付金の対象としていくということが妥当ではないかということで、そのことも明記しているところでございます。
12は前回の13と同じでございます。ここで取った単位については修士課程の単位としてカウントしていくということも可能な中で、将来的に修士号の取得も可能とするという設計にしております。
13でございます。ここは、冒頭申し上げましたこの免許状の位置づけによって変わってくるところではありますので、両論を書かせていただいているところではございますけれども、特別な免許状(仮)のものが、現行の特別免許状をベースとしつつも、例えば国による授与であったり、全国的な通用性など、現行の特別免許状と異なる制度設計の在り方についても、さらに検討を進める必要があるということで、この点は前回いただいた御意見を踏まえて追記しているところでございます。その制度設計によって、以下の点も異なってくると認識しております。例えば、専修免許状の取得をゴールとするということで前回お示ししておりましたけれども、特別免許状の在り方によっては、それがゴールとなるということも許容されるのではないかという点でしたり、例えば対象校種でございますけれども、中学校、高等学校を念頭に設定しておりますけれども、特別な免許状の設計によっては、小学校も対象校種とすることもあり得るのではないかということで、ここは設計によって道筋も変わってくるところかと考えております。前回の10から12の辺りをまとめて少し詳細に書き下しております。
そして、全体を通じてでございますけれども、14のところでございます。教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループにおけるもう片方のワーキングの議論の状況も踏まえ、整合性が取れるような詳細な設計を行っていく必要があるということで、参考資料3も踏まえた上で御検討いただけたらというものでございます。
以上、1から14でございますけれども、これを図に落としたものが3ページ目でございます。これまでの議論を踏まえますと、大きく2つのパターンについての御議論であったかと認識しております。
3ページ目をお願いできますでしょうか。ありがとうございます。パターンAが、いわゆる既存の特別免許状を利用するパターンということで書かせていただいております。パターンBと書かせていただいている下のものが、もう一つの考え方として、新たに今の既存の特別免許状とは異なる機能を有するものを出口として、その前提としての学修というものを行うということを書かせていただいております。これまでの御議論は大きく言えば2論あったかと認識しておりますので、図も2種類書かせていただいているところでございます。
ここまでが大学院新教育課程の設計に係るこれまでの御議論を踏まえたものでございますけれども、前回におきましては、その他多様な専門性や背景を有する社会人等が入職しやすくなる既存の様々な制度と併せて御議論いただく中でいただいた御意見もあったと認識しております。それについても本ワーキングのまとめとして書かせていただいているところでございます。4ページ目でございますけれども、大きく5つございます。
まず、教職特別課程についてでございますが、3つ書かせていただいております。1つは、教職特別課程で学修するための前提となっている、教科に関する科目の取得については、今回御議論いただいている新教育課程と並びを取った見直しをする必要があるのではないかという点。また、1年の課程としているところは、1年を超えるということも可能としつつ、BP、ここで言っているBPとは先ほど申し上げました職業実践力育成プログラムでございますけれども、この対象とすることという御意見もいただいております。また、対象となる校種も、幼稚園や小学校にも拡大することが可能ではないかという御意見もあったかと認識しております。
併せて、2番目でございますけれども、対人関係職としての教師ということを念頭に置いた場合に、通信制における学修の在り方、また教員資格認定試験の在り方についても検討を行う必要があるのではないかということ。
また、大学内や大学間の連携、これについては二次まとめの中にも記載されているものでございますけれども、それだけでなく、通信制と通学制とのパッケージ化・連携の図り方というところも併せて考える必要があるだろうということ。
また、学部段階での単位修得の負荷を考えたときの教職大学院の在り方についても議論をしていく必要があるという点。
そして最後、5でございますけれども、小学校における専科指導がより行えるように、普通免許状における小学校の専科免許も認めていく必要があるのではないかという点。
こういった点についても御指摘をいただいたと思いますので、併せて記載させていただいております。
最後になりますけれども、関連でございますが、資料2がございます。資料2は、新しく追記しているというよりは、これまでの御議論の参考となる様々な既存の制度等についてまとめているものでございますので、併せて御利用いただければと思います。
事務局からは以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。前回の委員の皆様から頂戴しました御意見を整理した形で資料としておまとめいただいています。今日はこちらをベースに、さらに具体的なつくり込みのところでしょうかね。概略は大分固まってまいりましたので、どう破綻なく矛盾なくつくっていくかというところについてでしょうか、御意見をいただければと思います。もちろん、その他の社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方についても御意見をいただきたいと思っております。
では、どなたからでも結構です。Zoomの挙手ボタンを押していただければ、私から指名させていただきますが、いかがでしょうか。
今回、特に受講パターンの例、パターンAとパターンBと2つ明記していただいたところは大きく今までと異なる部分かと思いますけれども、これについての御意見もぜひいただきたいと思いますが、もちろん御質問も含めてということでございます。
では、佐古委員、どうぞ。
【佐古委員】 ありがとうございました。パターンAとパターンBに整理されたということで私としても分かりやすくなって、ありがたいと思っています。
1点、パターンA、これは、これまでにもあった特別免許状を取得する新ルートをつくりましたという理解の仕方で構わないでしょうか。
もう1点は、このパターンAの図の説明のところに、授与権者・任命権者と大学が相談して、何をどれだけ学ぶかを決めるという文言がありまして、これは柔軟といえば柔軟ですが、例えばこれがAさん、Bさん、Cさんとそれぞれ違う、経験も経歴も、あるいは大学での学修状況も違うとなったときに、これはオーダーメイドで一人一人こういう形になっていくんだろうかというのは、私は大学として仮にこういうものを担当しなければならなくなったときに非常に不安になりまして、その辺は何をどれだけ学ぶか決めるというのは、一定程度各大学が構想し、プランニングするという方向でよろしいんでしょうか。質問といいますか、そうしてほしいと思うんですが、よろしくお願いします。
【貞広主査】 御意見と御質問がミックスされた御意見だったかと思います。究極的には、一つの大学の中にパターンAの人とパターンBの人といて、その中身も異なるというオーダーメイドのシステムも想定されるんだけれども、という御質問ですね。
【佐古委員】 そのようなシステムはないでしょうねという質問です。
【貞広主査】 もし事務局のほうで現時点でお答えできるようでしたら、お願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。まず1点目につきましては、まさに既存の特別免許状を前提として制度設計をしていくということを想定しているものでございます。
2点目との関連は、まさにこれも委員の皆様の御議論の下でだと思いますけれども、事務局として想定しておりましたのは、大学としてパターンAなのかBなのかというところをある程度選んでいただくというものだとも思いますし、選ばれた中では、個々の学生に応じてというものではなく、一定これをやるということを決めていただいて御対応いただくということを事務局としては想定しておりました。そこはまたこの中での御議論かと思いますけれども、事務局としてはそういう想定でございました。
以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。実装できる現実的な可能性も踏まえると、ということもあろうかと思います。
ほか、いかがでしょうか。
鹿毛先生、どうぞお願いいたします。
【鹿毛委員】 私からもお聞きしたいんですけれども、まず、今までの議論の中で、既存の特別免許状のシステムを残すのか、残さないのかという論点もあったと思うんです。まずそのことを確認したいんですが、例えば私立学校に特別免許状というものがかなり授与されているという実態があり、ニーズに応じているという現実があると思うんです。
教育委員会とプログラムを組むということになりますと、一定程度、公立学校に着任するということが前提になるということが想定されます。そうすると、このパターンAというのは、これは確認になるのかもしれませんけれども、今までの特別免許状のシステムというものを残した上で新たにこのパターンAをつくるという話だったと思うので、まずその点が質問したい点です。
もう一つなんですけれども、パターンBというのは、現行の特別免許状だと勤務地がかなり限られてしまい、全国的に通用するような免許状の方が望ましいのではないかという意見があったということが踏まえられていると思うんです。ここが今回新しく出てきたところなので、もうちょっと詳しく御説明いただきたいと思うんですけれども、これは国の課程認定基準みたいな条件を満たして、授与されるという形なのか、あるいはそれ以前に教育委員会との協議を経てそういうカリキュラムが組まれていくのかということ。
さらに言うと、ちょっと危惧しますのが、中等教育の教員養成の場合、教職大学院を持っていない多くの一般大学も実際には免許を出しているという現状があるので、パターンAで手を挙げるような大学というのは基本的に限られてしまうんではないかと思うんです。その場合、例えば特に私立大学の場合、その大学所在地と希望勤務地が違ったりするということもままあると思うので、開放制の理念に鑑みますと、パターンBでこの課程が新設されるとなると、どれだけのニーズがあるか分からないんですけれども、教育委員会との協議を経ずに、比較的多くの大学がいわゆる一般的な課程認定と同じような形で申請するということもあり得るのかなとも思ったんですけれども、もしかしたら私の誤解もあるかもしれませんので、改めましてパターンBについて御説明いただければと思いました。
【貞広主査】 ありがとうございます。2つ御質問をいただきました。パターンBのほうは、確定というわけではないですけれども、基本的に国が出すという想定なんですか。質問の1つ目からお願いします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。まず1つ目の御質問の点でございますけれども、前回御議論いただいたときには、既存の現行の特別免許状を前提とした上で、その名称等について分ける必要があるのではないかといった形で案を提示させていただいておりました。それはまさに、今の特別免許状を利用するとはいえ、現行の特別免許状の出し方とは異なるものであるということを踏まえたものであったと思っております。
その点については、仮にパターンBのようなものが導入された上でのパターンAであったとしても、その点は変わらないところかと認識しておりますので、それはもちろんこの中での委員の皆様の御議論の結果次第ではございますけれども、仮にA、Bが並び立った案という話であったとしても、Aの場合においてもそこのところは変わらず、現行とは少し分けた何らかの措置が要るということだと認識しております。
2点目については、まさに全体の設計、委員の皆様の御意見次第のところもあろうかと思っているところもございます。これまでいただいていた御意見、どちらかというとパターンAをベースに4回目までは提示させていただいておりましたけれども、これまでの御議論で出ていた意見を踏まえると、パターンBのようなものもあり得るのではないかということで今回提示させていただきました。
そのときのパターンBの在り方というのは、まさに委員の皆様の御意見に沿って設計していく必要があろうかと思っておりますけれども、前回いただいた御意見を踏まえると、例えば国による授与もあり得るのではないかといった御意見も出ていたと認識しておりましたし、また全国通用制もあり得るのではないかと、それは私の事務局の理解では一定の学修を裏づけているという、特にこの35単位であれば、それだけの学修を裏づけているのであれば、県の中に閉じる必要はないのではないかといった御意見もあったかと思います。
この辺り、事務局として前回の意見を踏まえて書かせていただいているつもりではございますが、そこの点はまさに委員の皆様として、ここはそういう意味ではなくてとか、いろいろあろうかと思いますので、そこを御議論いただく中でBも見えてくるのかなとは考えているところでございます。
私からは以上でございます。
【鹿毛委員】 今、室長のお話でよく分かったんですけれども、むしろIIIの論点ともかなり関わっていると思うんです。社会人等で教員になりたいという人が、いろいろなメニューがあって、そのルートから御自身に合った形で免許が取りやすくなるということが非常に重要だと思うんです。今回の大きな流れとして、「強み専門性」というところがはっきりすれば、それを担保した形でいろいろな設計ができるというところまで進んできていると思うんです。
そのときに、例えばパターンBが新しく今回提案されたわけですが、専修免許状、修士レベル化という大きな狙いの中で、これがどう位置づくのか、ここがゴールになったときに修士学位がどうなるのかというのは、まず一つ大きな論点かなと思うんです。
また、教職特別課程とどのように切り分けていくのか。教職特別課程は基礎免許状に該当する課程ですけれども、それに加えて修士課程に入っていくことになると、そのルートは非常に長い道になる一方で、特別免許状のパターンBの場合、そこがゴールになって、それ以上の免許はないということになると、ショートカットのようなイメージです。逆に言えば、その35単位の質を修士レベルに対応させたカリキュラムが必要になると思うんです。
その辺の切り分けという点については、このワーキンググループだけでなかなか議論しづらくて、改革の全体を俯瞰してみたときに、教員の質を担保するという大きな狙いを実現し、それが修士レベル化ということと表裏一体の形で進むということが大きな目的だと思うんです。そのような全体のデザインの中にパターンBがどう位置づくのかというのはちょっと分からないし、室長のお話でも、まだこれからというところもあるので、より広い視野から協議していければと思った次第です。
【貞広主査】 ありがとうございます。これはパターンAのほうも既存の特別免許状とは違うものという認識というお話だったので、こんな感じなんですが、特別な免許状(仮)A、特別な免許状(仮)Bがあり、(仮)Aのほうは当該授与権者・任命権者の枠内だけで通用する特別な免許状(仮)Aで、特別な免許状(仮)Bのほうに限っては、国が授与して全国で通用すると、そういう整理でいいんでしょうか。すみません。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。結論としては、そういったことを想定するということではないかと思っております。もちろん、最終的に様々法制的なところもあろうかと思いますので、どういった設計になるかというところは法制的に検討する必要があろうかと思います。
まず、先ほどAとおっしゃったところ、ここも既存の特別免許状の枠組みは使いつつも、名称を変える等々の何らかの区別はする必要があるというのは、前回の御議論でもあったかと思っております。その上で、パターンBのほうについては、既存の枠組みを超えた機能の御提案でございましたので、そうすると少なくとも今の特別免許状とは違う制度を設計する必要が出てくるというものであるかとも考えております。
先ほど鹿毛委員からいただいた点も併せてと思いますけれども、パターンBに関しましては、図で御覧いただけますとおり、在職の後、それがどうつながっていくかというところはまだ記載していない状況でございます。
現行制度のところを御覧いただきますと、現行の一種免許状に関しては、3年の勤務プラス15単位が、そして既存の特別免許状に関しては、3年の勤務プラス25単位が、それぞれ専修免許状への上進に必要な単位数ということになってございます。この新しい特別な免許状というものを仮に想定したときに、学修が一定程度、例えばここの図で言いますと35単位あるというときのこの新たな特別な免許状の後に勤務とどれくらいの単位数があれば専修免許状につながってき得るのかというところは、その設計によって組合せで考えなければいけないというところが1点。
もう1点は、参考資料3でございますけれども、本日の午前中にも御議論いただいたところでございますが、例えば中学校の免許を御覧いただきますと、19ページになりますけれども、全体として56単位を4年制の大学で学修して免許を取得するということが想定されるという議論に現状なってございます。共通で学ぶ部分を再構造化しつつ、36単位とともに20単位の計56単位が必要であるという議論でございますので、例えばこの新課程との関係で申し上げれば、入学者選抜の際に「強み専門性」に係る部分、ここは何らか身についているということを判断した上でということになりますと、残りが中学校でいえば36単位分ということになりますので、そことAであれBであれ、設計が妥当な関係性にあるかというところがポイントになってくるかと考えておりますし、先ほどお話のあった教職特別課程も同様に、56単位、そして20単位はそのうち強みであるというところを前提に、鹿毛委員のおっしゃったとおり、現状をどう変えていくかというところを併せて並行で考える必要があるということかなと思っております。
以上です。
【貞広主査】 事務局からは以上でよろしいですか。大丈夫ですか。
では、ほかに御発言いただける委員の方はいらっしゃいますでしょうか。いかがでしょうか。
では、松田委員、どうぞ。
【松田委員】 ありがとうございます。今のパターンAとパターンBのところをもう少し教えてください。今の御説明だと、新たな特別な免許状A、Bという形になるという、結論的にはそういう整理だったと思うんですけれども、もちろん一方では、ちょっと言い方が適切かどうかは分からないですけれども、既存の特別免許状の活用促進のための仕組みとしてパターンAがあって、新たな特別免許状というのはパターンBを指すという整理も恐らくあり得ると思うんです。後者の整理のほうがメリットがあるとすれば、現状、特別免許状は教育委員会にとっては授与するのが非常に重い仕組みになっていると。つまり、教育委員会が本当に100%判断しないといけませんので、そこがいろいろ仕組みを整えられることで使いやすくなるという側面はあるんじゃないかと思うんです。
一方、パターンBが必要になる場合というのは、先ほどの地域を超えるとか、あるいは専門的な領域の偏在といいますか、そういうことに対しての対応とか、趣旨が現代的な部分があって、説明の仕方としては、後者の説明のほうが受け止める側は受け止めやすいかなという感想は持ったりするんですけれども、その辺りはどのようにお考えになられますか。
【貞広主査】 これは考え方ですよね。参入障壁を下げるということのほうが、AとBの距離がすごく出るので、制度としていいのか悪いのかということですよね。
事務局の御意見はいかがでしょうか。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。非常に難しい御質問ではございますけれども、おっしゃるとおり、今の案は両義的に書かせていただいているところがございます。すなわち、既存の特別免許状という制度を使うかどうかという点で線を引いた場合には、まさにパターンBがそうではないものでございますので、そこのところで線が引かれるということでございます。新たな特別な免許状というものはこちらであると。
一方で、その前提として、今、委員から御指摘のありましたとおり、既存の特別免許状を出す上での能力の推定における困難性というものを学修によってどう補っていくかというところがパターンのAにはあるという要素があります。一方、既存の特別免許状がパターンAの導入によってこういった学修がないとできなくなるということになりますと、既存の特別免許状を出すことのメリットが減じられる懸念もあろうかと、そういった御意見もあったかと思います。そのときに、既存の特別免許状とは異なる、少なくとも名称等については異なる形にしたほうがいいのではないかという御意見がありました。その意味で、既存の特別免許状と完全に一致するものではなく、このプログラムを前提とした何らかの付与ということで線を引くのであれば、このAもBも広く新たな特別な免許状ということで書かせていただいているような節もございまして、その意味で少し両義的な書き方をさせていただいているところがございます。
以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。この辺りは意見が恐らく分かれるところかもしれませんけれども、松田委員は、障壁を下げるという意味で、AとBの間に線を引いたほうがいいのではないかという御意見でしょうか。
【松田委員】 そうですね。この制度が動き出すときに、なぜそうするんだという議論に対してどういう応じ方が想定できるのかなということがあって、内在的な合理性ということではなくて、教育課題に対して対応していくというところを言おうとしたときに、どちらに説得力があるのかなどということをちょっと思ったところです。
それと、今のお話で確かにと思ったのは、特別免許状、現行の授与の仕方とここでいうパターンAの授与の仕方が出たときに、それを同じ特別免許状として授与の仕方に幅ができたんだという説明をするのか、あるいは違うパターンのものになったのかとか、その辺の仕組み自体は同じなので、たてつけだけの問題かもしれませんけれども、意外と全体の理念みたいなことで問われるところはあるのかなと感じました。
【貞広主査】 そうですね。多様な社会人の参入ということを担保するのがどっちかということなんでしょうかね。パターンをたくさん用意したほうがいいのか、それとも既存の制度の障壁を下げてというほうがいいのかという考え方だと思いますけれども。私などは単純に、多様なということは、多様な制度を充実したほうがいいのかなと思ったりもしていたんですけれども、いろいろなお考えがあるんだなと勉強になりました。ありがとうございます。
鹿毛委員、いかがですか。
【鹿毛委員】 先生方の発言が一巡する前にすみません。今のことに関連してなんですけれども、松田委員のお話を伺って思ったのは、パターンAとパターンBというのはそもそも発想が違うのかなと思っています。今までの我々の議論の流れからすると、パターンAというのはそれぞれの地域でどの教科の教員が足りないというような、地域の教育委員会のニーズベースに基づく特別免許状の仕組みであって、松田委員がおっしゃるように、これまでは専門的なところという要件を担保するような第三者による判断が求められるというハードルが高かったということで、その数は臨時免許に比べるとかなり少ないですよね。
だから、そのハードルを下げるという意味で、我々の議論が進んできていて、既存の特別免許状の制度も残しつつ新たな特別免許状ということでパターンAが提案されたという背景があると思うんです。そうしたときに、パターンAとBの違いというのは、大学院課程が入ることによって修士レベル化に一歩踏み込んだ点に差があるということなのかなと思った次第です。
ただ、今、主査がおっしゃった多様性については、実は入り口の多様性だけではなく、大きな教員養成改革の流れからすると、出口の多様性ということも重視すべきだと思うんです。そうすると、パターンAの場合はどちらかというと、教育委員会が養成と採用の一体化、しかも研修を見据えてということになるとそれらを前提とした採用になりますので、出口の多様化という観点からすると少しトーンダウンするかなと思います。入り口のところの多様性というのはいいんですけれども。それに対してパターンBというのは、もしかしたら発想が違っていて、ほかのルートと同様に、入り口の多様性と同時に出口の多様性というところも、各大学がこのカリキュラムを工夫することによって、大学の強みとかということも反映して、運用できるような仕組みになり得るのかなと感じたところもございます。そうすると、松田委員がおっしゃった制度の趣旨が、そのAとBというのはちょっと質的に違うという理解をするのも一つの考え方かなと思った次第です。
【貞広主査】 ありがとうございます。
今の点でも結構ですし、今の点に限らず、ほかの点でも結構ですが、先生方、いかがでしょうか。
植田委員、どうぞ。
【植田委員】 ありがとうございます。まだちょっと頭の中が混乱しているので、的確な発言ができるか分かりませんが発言させていただきます。今、松田委員がおっしゃってくださったところは、私もそこはきちんと整理したほうがいいなと思っていたところです。
それは、一番初めの頃の御説明に、特別免許状があまりきちんと出せておらず、その理由というのが、教育委員会が専門性というか教職、最後の部分の3番目の項目がなかなか認定できないからであり、そこを何とかする必要があるという課題が一つあったように記憶をしていて、そういう部分でいくと、そこに大学院というものが絡むことによって、そこできちんと専門性を担保できるから特別免許状を出しやすくするための新たな制度を検討するということだったように思います。そのことを考えたときには多分パターンAなのかなと思っていて、そうすると教育委員会側ときちんと協議をして、こういう人が欲しいとか、こういう人が足りないから、そういう人にも合った特別免許状を出す。そのために、専門的な部分に関してはもうきちんと確保できているから、大学院の方で、教員としてその専門性を生かせるような教え方であるとか子供理解であるとかという教職の専門性に関わる部分をきちんと担保してほしいという制度設計にする趣旨で私としては捉えていました。そう考えたときにどういう制度設計がいいのかなと思っていました。
その一方で既存の特別免許状はパラレルで残し、新たな特別免許状をつくるという議論に今は多分なっていると思うのですけれども、そうなったので何か話がややこしくなってきたのか、私が今そのことですごく混乱しているところです。今回の特別免許状は何をターゲットにした、先ほど鹿毛委員もおっしゃっていましたけれども、その設置目的の部分をどこに置くのかというのが、多分いろいろな理由を合体させた設置目的にしてしまっているようなところが混乱の原因のように思いますので、そこをきちんと明確にしたときに、どういう制度設計がいいのかということを考える必要があると思います。前回の議論に戻ってしまうかもしれないんですけれども、そもそもなぜ、制度を新たに設けなくてはいけないのか、何が満たせてないのでこういう制度を新たに設けなければいけないのかというところの立てつけというか、今回の制度の位置づけをきちんと明確にすることで、AのパターンがいいのかBのパターンがいいのかというところの議論が少し整理できるのかなと思って今お話を伺っていました。
先ほど特別免許状を今回のような形にしてしまうとなかなか出せなくなるかもしれないという一方の課題があるという事務局の御発言があったと思うんですが、それはそれですごく理解はできるので、そうなったときに、では今回の制度の位置づけをどういうものにするのかということが問われると思います。ある意味、今までいろいろなものが制度としてある中で、それですら賄えないというか、確保できなかったような多様な人を、しかもそれを短期に養成していって、かつ教員としての質も担保した人を養成していくというルートを新たに設ける必要があるからだというところの立てつけの目的を明確にする。その上で、それだからどういう制度が必要なのかというところでの制度設計をしないと、今いろいろなものがあるので、それを使えばできる人たちがここに入ってきてしまっても意味がないと言ったら語弊がありますけれども、新たに設ける必要は全然なくなってしまうと思います。既存の制度では救えないけれども、今の教職界には必要な人が入ってくることができるというか、入ってきてもらえるようなルートとしてこの制度をどう設計するのかというところの議論が必要だと思います。今まで議論が出されてきたものを合体するとさっきのようなルートAとBのパターンになるというのはすごく分かったのですけれども、ではそもそもこういう制度を設けなければいけないことは何だったのかという方から考えたときに、この制度の今の位置づけでいいのかとなったときに、何か今日はすごく正直、混乱をしてお話を伺っていました。
そういう意味で、資料にある13番目のところが気になっています。全国的な通用性をどうするのかというのは、パターンAとBで全然違ってくると思うのですけれども、大前提として教育委員会ときちんと議論をして制度設計をすると考えたときには、それは教育委員会のニーズベースになっているので、そうすると全国的通用性を持たせる必要は全然ないと思います。教育委員会内である意味完結するような制度設計でいいと思うのですけれども、それに全国的通用性を持たせなくてはいけない意味合いとは何なのかというところが私自身はなかなか見いだせなかったので、全国的通用性を必要としなくてはいけないという部分がもうちょっと、どういう意図でその辺を設定されようとしたのかという辺りを伺いたいです。
まだきちんとまとまっていない段階で発言してしまいすみません。
【貞広主査】 いえいえ、大丈夫です。詳しくは事務局からも応答していただきますが、そもそもは、多様な専門性を持つ社会人の方に、今までよりも障壁は低く、ただし質は担保した上で参入していただきたいという、これが前提の趣旨だったように思います。そういうことで、今までの特別免許状ではない、特別な免許状という形で何らかの形で対応できるということだったと思いますし、新たな特別免許状パターンBについては、教職課程の配置自体の偏在ということと、教員ニーズが全国的にあるということのミスマッチを解消するということから、私立の学校も含めてということで出てきたように思うんですけれども、この辺り、事務局で追加がありましたらお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。まさに今、主査におっしゃっていただきましたとおり、目的は、多様な社会人の方に、質も担保しつつ、既存の様々な、もう片方のワーキングで御議論いただいている内容とも整合性が取れる形で、一方で短期で取れる枠組みというのをどう設計するかという御議論であったというのがスタートであったと認識しております。その中で、特別免許状という既存の制度をどのように組み合わせていくかという御議論の中で、特に今のもう片方のワーキングの御議論も含めて考えれば、「強み専門性」の部分を確認しつつ、それ以外の特に指導法や教育の基礎的児童生徒の理解に関するところに関しては少なくとも学んでくる形の設計が要るであろうと、こういったところまでは共通のお話であったかと考えております。
その上で、この免許状に関して、既存の特別免許状を前提として付与した上でさらに専修免許状につなげていくというルートについて御議論いただいてきたわけでございますが、一方でこのワーキングでの御議論の中では、一定程度の学修ということを事前に付与の前にすることによって、特別免許状というのは、既存の特別免許状と異なる機能を付与するということも必要ではないか、できるのではないかといった御意見もいただいていたという状況であったと認識しております。そのときにいただいていた御意見を踏まえると、パターンAとして書かせていただいているものとは別のパターンの御意見もあったと認識しておりましたので、いただいた御意見を踏まえると、パターンBのようなものもあるのではないかと書かせていただいたというところでございます。
したがって、そこの点については、まさに委員の皆様でパターンBの形についても御議論いただけたらと思っておりますということと、パターンBについては、その機能によってのところもございますけれども、誰が授与権者になるのか、その機能はどの程度の範囲になるのか、裏返してどれくらいの学修が事前に必要なのか、それの帰結としてこの免許状から仮に専修免許状に必要な単位数はどの程度なのかも異なってくると思いますので、パターンBというものをそもそも許容するのか、そのときにどういった設計があり得るのかというところの委員の皆様の御意見によって変わってくるところかなと考えております。
以上でございます。
【貞広主査】 丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございます。
私の個人的な、捉えとしては、両方の御意見が、専門性を持っているのだから、もうとにかく早く現場にという御意見もある一方で、いや、そんなことはなく、35単位はしっかりと修得した上で現場にという、2つ御意見があったかと思いますし、どこに収束するというわけではなく、この両論のものを任命権者が選択してくださるという方向性の議論になっていたように思いました。
植田委員、今の事務局の応答で、追加で御意見がありましたら伺えればと思いますが、少し時間を設けたほうがいいですか。
【植田委員】 ありがとうございます。とてもよく分かったのと、あと私自身が理解していたのとそんなに違っていなかったのだというのがはっきり分かったので、ありがとうございました。
すみません。私自身の捉えというのは、すごく極端な言い方をするかもしれないですけれども、別にパターンBは要らないんではないかというか、Bで含まれていることとAで含まれていることを合体することはなぜできないのかなというのが、私自身が資料を見たときに思っていたところです。
今、貞広主査もおっしゃっていましたけれども、早く出したほうがいいという御意見と、きちんと学修した上で出てほしいという意見があるというところは、私自身もそういう2つの御意見があったなというのは理解していたのですけれども、私はどちらかといえば後者のほうの立場なので、専門性はあるけれども、専門性だけではなくて、それをちゃんと教えるテクニックというか、質と技術を身につけた上で教壇にたつために、1年間において実習とかをきちんとした学修を経て教壇に立つということが重要だと思います。教科とか業務についての専門性の部分については、入り口のところできちんとチェックをし、その部分は最小限で大丈夫という人を入学させて、その残りの単位のところで、実習を大変重視した学修をしてもらった上で、1年間で教職についてもらうという仕組みがよいのではないかと思います。専門性の部分については、教育委員会がきちんとその自治体の中で必要なものを判断した上で、こういう人が欲しいからこういう専門性について明確にした上で、入学してもらうという形になると思います。
地元のベースなのかオンラインなのか、そこは多分いろいろ議論があると思います。先ほど偏在の問題もあるとおっしゃったので、そこのやり方は多分きちんと議論しなければいけないかと思います。
大学院のほうできちんとその専門性を担保するような教職としての学修を35単位きちんとやってもらった上で、1年後に特別な免許状を取得して教職に就いてもらうというパターンの想定を考えていたので、そういう意味で、あえてAなのかBなのかというものをつくらなくても、それを合体した形のパターンの一つでいいのかなと思っています。なので、逆にAとBをすごく明確に分けられたので、なぜ2つになってしまったのかというところで逆に混乱してしまったので、質問にもなっていないような質問をしてしまいました。すみませんでした。
【貞広主査】 いえいえ、ありがとうございます。もともと一緒になっていたんですよね。Bを特出ししただけという言い方はあまり適切ではないかもしれないんですけれども、Aパターンの特別な免許状を出すタイミングが、最初のほうから後ろの35単位分のところまで可変的だったところの、35単位をしっかりと修得してからにしてくださいというものだけパターンBとして特出しされたような感じになっているんだと思います。
ありがとうございます。
では、森山委員、中村委員の順番で御意見を伺います。
森山委員、どうぞ。
【森山委員】 ありがとうございます。
本件についてはパターンAとBが示されていますが、整理してみると、一見異なるようでありながら、ある程度一本化して捉えられる部分もあると感じています。
というのも、教員養成においては、専門性の多様さと養成人数の多さを踏まえ、異なる形態によって育成していくことが前提になっていると考えられるからです。例えば、今回は学校種や教科別といった観点は明示されていませんが、実際にはそうした要素が加わってくるはずです。
そのように考えると、専門性は多様に捉えられるべきものであり、それを前提とした特別免許状に関わる大学院新教育課程であると理解できます。すなわち、多様性については受講者自身の専門性によって担保し、共通性についてはプログラムの中で学ぶという構造になっていると言えるでしょう。
この観点に立てば、AとBは期間などの違いはあるものの、基本的な要素やベースは共通しており、全体としては同じ枠組みの中で整理できるのではないかと思います。
一方で、特別免許状については、授与権者が都道府県教育委員会に限られている点が課題としてあります。そのため、政令指定都市のように任命権はあっても授与権がないケースなど、制度上整理すべき点が存在します。
そうした課題への対応として、パターンBでは、既存の仕組みを入口として活用しつつ、国による授与という新たな枠組みを導入する可能性が示されており、新たな展開の一つと位置づけられます。
やはり全体を見ると、A・Bともに専門性の多様性を前提とし、共通部分も共有しているため、対立的に捉えるのではなく、もう少し統合的に理解することが適切ではないかと考えます。
【貞広主査】 ありがとうございます。本来私が申し上げなければいけない御意見をいただきました。ありがとうございます。
では、中村委員、どうぞ。
【中村委員】 ありがとうございます。2つに分けていただいたのが分かりやすいと思いました。基本的にパターンAのずっと1年間に伸びているのがパターンBということですので、そこは説明の仕方でいいと思います。
今まで特別免許状の課題というのは、全く実習をせず、教育のことがよく分からなくて入ってきてしまっているというところが問題だと思うので、今回のこの免許状の出し方というものは非常に分かりやすいなと思っていますし、今までの問題点を解決すべき方法だと思っています。
資料2の22ページですか、基本は、今までは、4年間実習をして免許を取っていくというやり方ですが、それが短期間で、長くても1年でできるというところが一番のメリットだと思っていますし、金銭的な面も、奨学金とか、そういうものを使っていけばいいのかなと思っています。
国の免許というのは、私が多分発言したと思いますが、これはいろいろなパターンが考えられる。先ほど主査がおっしゃったように、私立の場合などのことも考えたり、あるいは企業の場合でも転勤していて本人の所在地ではない赴任先でとれるという可能性を考えたり、そういう意味でいうと、全国的な通用性というところで国が授与できるような雰囲気があってもいいのかなと感じていました。
以上です。
【貞広主査】 ありがとうございました。
では、森田委員、どうぞ。
【森田主査代理】 ありがとうございます。森田でございます。私もまだまとまっていないところもあるのですけれども、一つは、言葉の使い方的なところの確認といいますか、ぜひ検討いただきたいという意見なのですけれども、文章で書かれている概要のところで、例えばこのプログラムを履修する学生は科目等履修生にするとか、履修証明プログラムで対応するとかという書き方がされていますが、一方で、図とか文章の中では、「入学者選抜」という言葉になっているので、「入学者」とか「入学者選抜」という言葉は誤解をもしかすると招くかもしれないと思いましたので、そこは文言の調整をいただいたほうがよいのではないかと思います。
それから、これまでの委員の先生方の意見と重なってしまうかもしれませんし、前回の議論と重なってしまうかもしれないのですが、鹿毛委員がおっしゃったような、例えば現状では、特別免許状の発行というのは割と私立学校の教員に対して発行されることが多いとすると、そのルートは多分残さざるを得ないだろうと思います。ただ、それと同時に教育委員会と連携したこのプログラムも走っていくとすれば、私立学校の教員になるときには何も学修しなくても特別免許状は当然出るし、こちらのように公立学校をめざし教育委員会と連携をしていくプログラムに入ると、特別免許状はもちろん出るのだけれども、特段の学修なく取得できる場合と、全く同じ特別免許状になってしまいます。この辺りが制度的にといいますか、考え方として果たしてよいのかどうかという議論から特別な免許状という話になってきたのではないかと私は理解しているところです。
ただ、そういったときに、この図で言いますと、黄色の丸の部分です。いつのタイミングで免許状を発行するかというところが、これからの議論になると思いますが、自治体によって若干早めに出すところと遅めになるところといろいろなパターンがあって、それは多様性があってよいだろうという話になってきたと思うのです。その一方で、このBのほうのパターンが出てきたというのは、これも私の理解なのですが、例えば全国的に通用するような免許状として、地域による偏在の問題などもクリアしていくようなことを考えたときに、例えば国が関与して免許を発行していくようなことにするのであれば、年中といいますか、いつのタイミングでも申請すれば常に免許が出る形の上側のパターン、つまり発行のタイミングの黄色が常に動くようなパターンのものは、現実的に制度設計ができるか疑問に思います。国が出すようなパターンを考えるのであれば、少なくとも1年間の学修をしっかりと終えて、そのタイミングで免許状が発行される。その代わり全国的に通用するような免許になる。そんなイメージで書かれていたような気がします。もしかすると少し違うパターンがあるのかもしれないとは思うところもありますが、AとBとの違いというのは今お話ししたようなところにあるのではないかなと考えています。
すみません、少しまとまりませんが、私の捉え方です。以上でございます。
【貞広主査】 とんでもないです。サポートしていただきまして、ありがとうございます。
全体的に委員の皆様から御意見をいただいたところでございますが、ぜひ追加で御意見がありましたら、またはほかの委員の方の御意見を聞いた上で、いや、こういうことではないかという御意見がありましたら、ぜひお聞かせいただければと思いますが、いかがでしょうか。
佐古委員、どうぞ。
【佐古委員】 ありがとうございます。いろいろ先生方の御意見をお聞きしまして、私はAとBはかなり質が違うと思って聞いていました。Aのほうは、先ほども説明がございましたけれども、現行の特別免許状というものの付与の仕方の幅を広げて、特別免許状という枠の中で特別免許状を取得できる人たちを増やしていくということによって、多様な専門性を持つ人を教壇に立たせるという趣旨であると理解しています。その点でよく分かるような印象を持っているのですけれども、ただそれは特別免許状の範囲の中ですから、所在地の教育委員会と大学が連携して、その教育委員会のニーズに合う者に限定してでも構わないという趣旨は理解できます。Bのほうは、これは相当違っていて、授与権にしても今のプランでは国に移していくということになると、全国的な通用性はあるんだけれども、そうなってくると、地元の教育委員会との連携ということの質も変わってくるだろうし、相当これは質の違った免許状になるだろうと思って聞いていました。また、それはあっても構わないと思っています。
結局のところ、Bのほうは、これはまだ私もよく分からないんですが、入学者選抜の段階で、ある教育委員会がこの人はいいだろうという判定をした上で、その人の学修歴等を勘案した上で、大学とすれば、今、教員免許状の改正のところで議論されているように、コアの部分と得意分野の部分があって、得意分野についてはもう修得済みという認定があって、コアの部分については1年間かけてやりましょうということで、だからそういう意味では、学部段階の教職免許状とほぼパラレルな考え方で整理できるような動きだと思います。それをもって、しかし学部の教職課程ではないので、特別な免許状を出しましょうという趣旨ではないかと思います。
これはそういう意味では、あまり当該の教育委員会に、あえてこの言葉を使いますけれども、縛られずに、その人が転勤をしたり、あるいは何らかの都合で所在地を離れた教育委員会の学校に就職するということがあったとしても、それは通用するようにしましょうということで、相当これは趣旨の違ったものであると考えていましたので、AとBを合体するというのは、私自身の今の理解では、何か無理があるような気がしています。
いずれにしても、当初の大きな枠組みとすれば、多様な専門性を有する人たちにできるだけ質の担保をしながら教壇に立ってもらうという趣旨からすると、Aもあってもいいし、Bもあってもいい、そのような考え方で、どちらもそれぞれ特徴があるし、Bのほうは特に前回の委員会で、この会議でも出ましたけれども、地域的な偏在であるとか、あるいは今も私が申し上げましたように、受講者あるいは入学者の就職先の自由度というところから見ても、こういうことがあると、教員になってみようかなと思う方の層も増えると思うので、その点ではAもあってもいいしBもあってもいい、そんな立場でおります。
以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。
では、松田委員、どうぞ。
【松田委員】 ありがとうございます。お話を伺っていて、パターンAとパターンBというのは、いわゆる特別なという「な」入り免許状のAとBでも確かにいいなという面が、お話を聞いていて、逆に感じました。というのは、いわゆる現行の特別免許状があって、この「な」入りのAとBがあるということは、確かに貞広主査がおっしゃるとおりに、バージョンがいろいろあって、多様な人が入りやすくなると。
そのときに、この話を社会人の側からどう見えるのかなと思って聞いていたんですけれども、パターンBの場合は、どっちかというと、じっくり準備型みたいな感じになって、パターンAのほうは、即転職するぞという動きとして捉えられるんだなと。社会人の方の状況に合わせて、最初の障壁というところが、バージョンが変わって、それぞれに対応できる仕組みになっているという見え方がすごくしたので、ああそうかと自分で勝手に納得していました。
あと1点です。パターンBのときの国による授与という議論なんですけれども、これは教育大学協会でも以前、こういう議論ではないんですけれども、そもそもの普通免許状全般の国家資格化ということでプロジェクトで議論をやったことがあって、そのメリットはすごくあったんだけれども、難しい面とか、そういうところも出て、そういう議論の全体の中で、ここでのみ国による授与ということがうまく突破できるのかどうかというのは、もうちょっと論点を探りながら考える必要があるなと思いました。
これは別件の些末なことなんですけれども、先ほどの教育プログラムといいますか、BPの対象になるというものですが、以前にそういうことをやったことがあるんですけれども、これは省を超えた関係でのやり取りになって、非常に条件が高かったんです。それに応じてという形で運用を考えないといけない部分があったので、そこは事前に議論を精緻にしていくということは必要だなと思いました。
【貞広主査】 ありがとうございます。
パターンBについては、本当に実装できるのかどうかと、あまりにも新しい形なので、我々がやろうといっても、もしかしたらできないかもしれないというところもありますけれども、実装を考えていただくのは事務局なので、その辺りは自由に意見を出してもいいのかなと思っています。
では、鹿毛委員、どうぞ。
【鹿毛委員】 今、先生方のお話を聞いてようやく分かってきたところがありまして、パターンBをパターンAのある意味一部として捉えるのか、パターンBは全く発想の違うものと捉えるのかというところがすごく大事な論点かなと思います。私は後者というか、最初の発言もそのつもりでしたんですけれども、佐古委員もおっしゃったとおり、ここを新たな発想で考えてみることも必要かと思います。今日の参考資料にあるもう一つのワーキングで話されていることと表裏一体の形で、大きな目標はまさにその二次まとめ概要の一番上に囲まれている、多様な専門性を有する教職員の質と量の確保ということが大きな狙いとしてあって、そのために社会人等の入り口を広げようということで我々のワーキングも始まったと思うんです。
ですから、大きな理念としては、多様な専門性を持った教員が学校に入ることによってこれからの学校教育がよりよいものになるという、そのためにこの制度設計をしているんだと思うんです。そうしたときに、このパターンBの可能性をそういう観点から考えていくということが非常に建設的なのかなと思っていました。
と申しますのが、先ほど松田委員がおっしゃったとおり、じっくり準備型というんですか、そこの違いというのがあって、まさに我々が今まで詰めてきたパターンAというのは、むしろ個別の地域によるニーズベースで、これまで特別免許状がなかなか出せなかった要因である第三の要件というものを、大学院科目の受講で10単位は少なくとも取ってもらうことによってクリアし、早めに入職することが可能になると同時に、教育委員会による養成と採用と研修の一体化という道筋の中にこれが組み込まれるというところが特徴的であって、それは一定の意味があるだろうということで、この制度設計について詳しく我々は議論してきたと思うんです。
ただ、その一方で、我々の議論の中で見えてきた問題というのは、既存のいろいろなシステムがあるんだけれども、それらとの関係でこのパターンAを相対化して、全体の教員養成の枠組みの中での一つのルートとして、つまりワンオブゼムとして捉えようという方向性が前回のワーキンググループの一つの結論だったと思うんです。そのように考えたときに、パターンBもワンオブゼムとしてあり得るのかということ、それがこれからの論点になっていくと思うんです。
そのときに、実は先ほど中村委員がアンケートに着目されていたと思うんです。私もこういう調査があったということで非常に興味深く見たんですけれども、調査の母数が2,600人の就職希望者のうち実に463名が、条件が整えば教員として働いてみたいと回答されているんです。2割弱の人が実は条件が整えば先生になりたいと思っていらっしゃるんだなということがまず分かったということ。さらに、仕事との両立や経済的な問題が大きな壁になっているということ。教員免許の取得に数年かかるということで、もっと効率的に取れたらいいんではないかとか、その調査には具体的なニーズや取得困難な理由が挙げられていて、実のところ、一般に就職したいという人に教職に就きたい、教員になりたいという人のニーズは一定数あるということを踏まえれば、そのハードルを下げるということこそが非常に重要だと思ったんです。
そうしたときに、パターンAだけだと即戦力という発想だけになります。私の勤務先では特別課程だけではなくて通信制もあり専修免許状の課程もあります。そこでの受験生とか、実際に社会人から何年か経て教員になりたいという卒業生たちのニーズを聞くと、実際は働きながらということで、まずは通信制に入ってとかいうケースも多く、そうすると免許取得までの道のりがすごく長いんです。と同時に、すぐに教員に就きたいかというとそうでもなくて、まずは資格を取って、しかるべきタイミングでなりたいというニーズもあるんです。そのように考えると、社会人から教員になりたいという人のニーズをパターンAだけでは満たせないということは認識したほうがいいと思います。
それに加えて、パターンAの場合、先ほどから申し上げているように、養成と採用と研修の一体化ということを念頭に教育委員会と大学が協議することになります。採用が前提になりますので、そういう教員養成の在り方はもちろんあっていいんですけれども、もっと出口の多様性ということ、あるいは我が国の開放制教員養成のもとで、いろいろな大学が多様な人材を実際に中等教育を中心に送り込んでいて、この国の学校教育が成り立っているということを踏まえますと、さらにそれを充実させるとともに、入り口と同時に出口の多様性ということを保証するような、しかもハードルを低くして、現社会人の人たちが参入しやすいような方向性ということを考えていくということを具体化した案の一つがパターンBなのかなと、まだ課題はいろいろありそうなんですけれども、そのように位置づけられるかなと思ったんです。
その上で、今日の内容のIIIで幾つか挙げられていることについてなんですけれども、まず教職特別課程とか通信制とか教員資格認定試験という形が前回も議論になったと思うんですけれども、実は今も社会人の方々が教員になりやすくなるシステムということで、既存の枠組みがあるわけです。このような制度を組み合わせるなどしていろいろなパッケージを大学側が用意することによって、いろいろなニーズに応えることができるんではないかということを考えたいと思います。
そのときに教職特別課程になぜ多くの大学が参入しにくいのかという理由については、前にも発言したんですけれども、実は教科に関する科目の単位を修得済であることという条件が非常に厳しくて、そもそも出願条件にかなわないんです。今回、強み専門性と同等ということで、そこの部分を学士課程で学んできているとなると、その単位相当分が何らかの形で認定されることによって、それ以外の教職課程を特別課程として用意するだけで、多くの大学が特別課程を開設できる可能性が高まるのではないか。つまり、新教職課程、普通免許状については多くの大学で開設されるでしょうから、それをそのまま特別課程として開設できることになります。問題は強み専門性の部分です。そこと同等という認定さえクリアすれば、教科に関する科目が修得済という従来の高いハードルはなくなります。
特別課程あるいは通信制については、この表も資料として出ていますけれども、実は取得できる免許教科に偏在があるんです。例えば、理科を取得できる通信制の大学は一つもないです。おそらくその理由は、理科の教科には4領域あって、生物とか地学とか物理とかの実験科目がそれぞれ必修になっているため、通信制での学修が難しいからです。このように、通信制だと教師の質の担保あるいは適性判断という観点から、その学修形態が非常に限られていまして、対人関係職としての教員養成をするに当たって、通信制という教師教育のあり方それ自体が果たして適切かということをよく考えなければいけないのではないかという時期に私は来ていると思います。
そういうことを併せて考えますと、通信制とか教員資格試験についても検討が必要です。教員資格試験につきましては、試験で2種免許が取得可能だということですが、情報に関しては1種を認めています。果たして教員の質の担保というところでその条件を満たしているかという観点からしますと、通信制にしても資格認定試験にしても歴史的な意義はあったと思うんですが、今この機会に、教員養成のカリキュラム全体のパッケージ化という観点から、例えば相互に補完的な役割になるような形で組み合わせることによって、質の担保が可能になるような制度について考える意義はあるのではないかなと思います。
以上を踏まえると、先ほど私が触れました、これから先生になりたいという人たちのニーズということも踏まえつつ、既存のシステムを改善して彼らのニーズとマッチングさせることによって、より多くの人たちが学校教育界に参入できるようなシステムを実は既存の枠組みを改善することによって構築できるんではないかということが大きな論点だと思います。
あと1点だけ申し上げたいのは、パターンBと教職特別課程の関係性についてです。ここをよく考えなければいけなくて、実は特別課程というのは、先ほど言ったように、これから普通免許状を授与するシステムとして非常に良い制度だと思う一方で、例えば理学部等で理科についてきちんと学んできた人に対してあらためて実験科目などを教職課程の必修だからといって履修させるというのは今でもカリキュラム上、不自然です。だけれども、今回の改革で教科に関する必修科目の要件がなくなれば、教科を問わず、近隣の大学の特別課程で免許状を取れるような仕組みができるので、とてもいいんじゃないかなと思います。その一方で、もしパターンBができたときに、これが修士レベルの課程であるという点が問題になります。そこで10単位を共通科目として大学院レベルの科目として開講されることになると、特別課程ではなく最初からこっちに入ったほうがいいんではないかとか、あるいは既存の大学院生がここでその科目を足すことによって修士レベルの免許が取得できるとなると、労力といったら変な話なんですけれども、特別免許課程に入るのだったらばパターンBに入るほうが近道だということになりかねません。ただ、修士レベル化というこれからの教員養成のあり方を見据えたときに、むしろパターンBみたいな流れを推進するという考え方もあるかもしれません。
ただ、ではそれが中期的に本当にいいのか。基本的に学部段階に在籍しているときにきちんと基礎免許状を取って、さらにその上で2年間の修士レベルの科目を取って、専修免許状を出すという現行のパターンと比べて、パターンBがどのように位置づくのか。逆にショートカットになってしまって、その質の担保というところがおろそかになってしまうということを一方で危惧いたします。
以上です。
【貞広主査】 ありがとうございます。重い宿題をいただきました。
では、中村委員、どうぞ。
【中村委員】 ありがとうございます。パターンAについて、既存の特別免許状は全くこういうことを学ばないで出しますよね。これをやったときに、10単位はここで出していくということであれば、これは矢印が左のほうにずっと行っているんですけれども、実際にはそうではないということですね。この矢印はどこかで、一番分かりやすいのは半期、前期だけとか、あるいはクォーター制を取ってもその4分の1、クォーター制はなかなか難しいと思います。なので、そこの部分、これは何か矢印が矛盾していると考えます。
【貞広主査】 点線の左側はないんではないかということですね。
【中村委員】 そう、ないんです。その黄色から始まるというところで、繰り返しますけれども、前期、後期でやるとしたら、前期をやらなければいけないなということです。
以上です。
【貞広主査】 そうですね。ありがとうございます。もっと分かりやすくなるかもしれません。
植田委員、どうぞ。
【植田委員】 ありがとうございます。先生方のお話を聞く中で、なるほどそうだったのかというところがはっきりしたので、何か私自身の前提がもしかしたら先生方と違うのかもしれないという思いになりました。さきほど鹿毛委員からも教職特別課程とどう整理するのかというお話があったと思うのですけれども、既に社会人経験をされたりとか、いろいろなパターンで教職に入っていけるルートが日本にもそれなりに幾つかある中で、今回そこでも救えない人たちを救う制度を設計するという前提になったときに、どれだけのパイというのでしょうか、どれだけのキャパシティーを想定した制度をつくっていくのかというところが、もしかしたら私と先生方でちょっと考えが違うんだなということが分かりました。
私自身は、いろいろなパターンがあるので、そこにいろいろな方たちが入っていかれたらいいと思うのですけれども、もしかしたら先生方は結構、どの県にもこの制度があって、どの大学でもこの制度がどこかのコースにあるみたいな形を想定されているのかなとお話を伺って思いました。先ほど貞広先生も、いわゆる偏在の問題や教科の問題をおっしゃっていました。いわゆる教職免許状を取るときのこういうルートがあったほうがいいというニーズがあるのにできない県があったり、できない場所があったりするということの問題はあるとは思うのですけれども、今回の制度は、ある程度、かなり限定された制度として設計をして、今の既存のルートでは賄えない人たちを賄うためのある意味特別な制度設計にしないと、いろいろなところで、既存の制度と絡んでくるように思います。それこそ制度の不整合がいっぱい出てきそうな気がするのです。
なので、どれだけのキャパシティーを持った制度として設計をするのかというところを明確にしないといけないと思います。全国どこでもできますという、今までの普通免許ではない特別免許というところの位置づけで、そのニーズはあるところで量に出していいのかという制度にすると、先ほどの鹿毛委員の話ではないですけれども、普通免許を取るところの質をきちんと担保できるようなところに力を注いだほうがいいんのではないかという議論になると思います。なので、キャパシティーをどれだけ想定した制度としてやるのかというところでの議論が必要ではないかと思います。前回発言をさせていただいたような、ある意味オルタナティブなルートとして制度設計するのか、それとも既存のルートと並行して走るというか、同じような位置づけの制度としてこの制度を設置するのかというところで、他の制度との整合性がちょっと変わってくるように思うので、キャパシティーをどのくらいにするのかというところの議論が必要かなと思いました。
【貞広主査】 大変重要な点を御指摘いただきました。オルタナティブな制度という点については恐らく緩やかな合意があるんですけれども、規模感に関しては、御指摘のとおり、また事務局にもお考えがあろうかと思いますので、事務局のほうで何か現時点で応答はありますでしょうか。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。主査御指摘のとおり、全体としてはオルタナティブな制度と、言い換えれば、現状の大学学部において免許を取得するという原則のルートというのは、これまでどおり原則として、大枠として維持しながらの限定的な例外的なものであるという認識でまずおります。したがって、これが中心的なルートになるということは想定していないものでございます。
さらに、今回概要のところで書かせていただきましたけれども、2のところでございますが、全体的なこの取得状況を踏まえて、特に足りていない分野に限定的に考えていくものということを想定したものとして書かせていただいております。したがって、どういったところでこの免許状がパターンAかBか両方かというところはあるにしても、いずれにしても、全体的に不足しているところ、配置が足りていないところ等を少し念頭に置いた上での設計ということになるので、いずれにしても、これが中心的なものにはなり得ない、あくまで補完的な限定的なものということが前提となっているという認識でございます。
事務局としては以上です。
【貞広主査】 ありがとうございます。一通り先生方から御発言はいただいたのですけれども、この点はどうしてもという方がいらっしゃいましたら御指名申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
具体的になればなるほど、これはどういうことになっているんだと我々は疑問を持つものですので、事務局への問いかけが多くなったような回でございましたけれども、今日は、基本的には資料1を中心に御議論をいただきました。資料1の3枚目が一番分かりやすいかと思いますけれども、受講パターンの例を出していただいていまして、これは、パターンAとパターンBが全く違うものですという御意見から、緩やかに地続きのグラデーションだという御意見まで複数あったかと思いますので、この場でどっちという結論を出すというよりも、両並びでという形で進めていったほうがいいのかなというのが現時点での着地点かなと思います。
一方、他の制度も含めて教員養成全体の方向性との整合性を図る必要性とか、さらにもっと実装するに当たっては詰めなければいけない、また矛盾を来さないような部分で検討しなければいけない論点というのは残っています。
こちらで御提案なんですけれども、私どもWGで集中的に議論するということも大事なんですが、とりわけ全体の方向性との整合性ということを考えますと、教員養成部会においてもこちらのワーキングの議論とともに御審議をいただく必要もあるかなと思います。したがいまして、大変恐縮でございますけれども、本日いただきました意見については、先ほど申し上げたとおり、両論併記の必要があるようなところは、そういう形で教員養成部会のほうに上げますので、私と事務局の御相談の上、適宜反映させるということで、できれば御一任いただきまして、一度教員養成部会にこれまでの審議をまとめた言わば中間的な報告として報告をさせていただき、御意見をいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【貞広主査】 ありがとうございます。それでは、そういう形で事務局と相談をして進めさせていただきます。
今後は、本ワーキングの大学院新教育課程の概要案という題になるのでしょうか、この中間的な報告として一度確定させまして、その上で教員養成部会へ報告させていただくという段取りで進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
本日も大変貴重な多様な御意見をいただきまして、ありがとうございます。改めて御礼を申し上げます。
本日の議事は以上とさせていただきます。
最後に事務局より御報告をお願いいたします。
【大城法規係長】 次回のワーキンググループにつきましては、今後の審議状況等も踏まえまして、今後、委員の皆様にお諮りすることが生じましたら、また調整させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【貞広主査】 では、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。
―― 了 ――