大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程ワーキンググループ(第4回)議事録

1.日時

令和8年4月10日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

11F省会議室(WEB会議)

3.議題

  1. 大学院新教育課程の概要(たたき台)について
  2. 自由討議

4.議事録

【貞広主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから第4回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程ワーキンググループを開催いたします。
 本日もお忙しい中、御参集いただきまして、ありがとうございます。
 それでは、まず、事務局から会議の開催方式につきまして御説明をお願いいたします。
【大城法規係長】  会議の進め方等について確認させていただきます。
 本日の会議は、ウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催いたします。御発言の際は、画面下部のリアクションボタンによる挙手ボタンを押していただき、併せてマイクをオンにし、御発言が終わったら、マイクをオフにしていただきますようお願いいたします。
【貞広主査】  ありがとうございます。
 それでは、まず資料に基づきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】  事務局、大根田でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず資料2に基づきまして、お話をさせていただければと思います。第1回から、社会人含めて多様な方々に教員免許を取っていただくための新課程について御議論をいただいてきたわけでございますけれども、改めてこれまでの議論を踏まえて御議論をいただくに当たって、全体の設計が現状どうなっているかというところも確認させていただきながら、御議論を改めて賜れればと考えております。
 その関係で、資料2でございますけれども、まず一枚おめくりいただきますと2ページでございます。いわゆる普通免許状の取得に関しまして、学部卒業後の免許状の取得方法というのは、ここで書かせていただいている、大きく4つほどございます。
 一つは、大学院において専修免許状を取得するということで、学部段階での教職課程を併せて履修していくものでございますけれども、大学院で設置されている教職課程を通じて取得できる免許は現状、専修免許状となっておりまして、学部段階で教職課程を履修していない場合において、ここで免許状を取得しようとした場合においては、大学院で開設される科目に加えて学部段階の科目も履修していくということで、現状で言いますと、中学校ですと83単位の取得が必要であるということになるわけでございます。
 行ったり来たりになりますけれども、3ページのところに、それぞれの学位と、教員免許に必要な単位数が示されておりますけれども、例えば、今申し上げましたとおり、中学校の専修免許状ですと83単位が必要と、こういった設計になっているわけでございます。
 これが一つのルートということでございますけれども、2ページ目に戻りまして、2つ目のルートが教職特別課程によるもの。なお、3つ目が、その下、教員資格認定試験、そして、4つ目が通信制大学ということで書かせていただいております。
 教職特別課程、詳細は5ページのところにございますので、適宜また御確認いただきながらと思いますけれども、この免許状の取得機会の拡充ということを目的といたしまして、大学等において教科の指導法に関する科目及び教諭の教育の基礎的理解に関する科目等を履修しなかった方が、大学等を卒業後、最短で1年間履修することで免許状が取得可能な課程を言うものでございます。
 制度設計5ページのところにございますけれども、この場合において、上のところでございますが、教科に関する専門的事項に関しては別途、通常の教育課程において修得している必要がある設計になっているものでございます。これができた背景というのは昭和62年の答申に基づいたものでございまして、大学において教職課程を取らなかった者が教員免許状を取得する機会の拡充をするという観点で、昭和63年の免許法改正で設置されたものであり、要件としては、その下でございますけれども、中学校、そして、高校の教諭の免許、もしくはこの特別支援学校教諭の免許ということで、開設できる主体として、中学校、高校の教諭の免許状の認定課程を有する、または、特別支援員の免許状の認定課程を有することが要件となっているものでございます。開設状況等についても記させていただいております。これが教職特別課程でございます。
 3つ目が教員資格認定試験でございます。教員資格認定試験については、次、6ページに詳細ございますけれども、大学等で教職課程を履修しなかった者で、教育者としてふさわしい資質を身に付け、教職を志すに至った者に対し教職への道を開くことを目的として創設されているものでございまして、試験に合格した場合において都道府県教育委員会に申請すると免許状が授与されるというもので、これは試験のみで免許が取得できるというものでございます。
 一方で、開かれているものが、幼稚園、小学校、高校の情報ということになっているわけでございます。現行の状況等について受験者数等については、そこで6ページに書かせていただいているような設計になっているわけでございます。
 また、通信制大学でございますけれども、7ページでございます。大学の通信制課程での教員免許状の取得ということで、通信制課程においても教職課程認定を受けている課程において、学位の取得とともに必要単位数を修得すれば、教員免許状の取得が可能であるということで、中・高の教員免許状の通信制の教職認定課程を有する大学というのは、以下、令和6年4月1日現在というものでございますけれども、そこにお示しをしている状況でございます。現状において普通免許状の取得に係る学部卒業後の免許の取得方法というのは、2ページ目にお示しした1から4、4つのパターンがあるというものでございます。
 これらも含めてでございますけれども、9ページに行っていただきますと、社会人等が多様な人材として活用――多様な社会人に活躍いただくという観点で言えば、いわゆる教師として、普通免許状の取得に関しては様々なルートがあり、また、別途、特別免許状、臨時免許状の制度もあるということで、臨時免許状、特別免許状については、その後に詳細、状況を記させていただいております。それ以外の免許を持たないルート、方途についてもそこにまとめている状況でございます。
 改めてこういったところも確認させていただきました上で、新課程についてということでございますけれども、資料1でございます。前回までに御議論いただいた内容、そして、前回、受講パターンの例をお示しさせていただきましたけれども、いただいた御議論を踏まえて、文字化した場合にこういった内容、論点があるのではないかというところを書き出したものがこのたたき台というものでございます。
 1ページ目から御覧いただきつつ、その内容が3ページ目のパターンになっておりますので、適宜見比べながらと思いますけれども、まず1点目でございます。社会人等が大学院における新教育課程を修了するということで取得できる免許状というのは、現行で言うところの特別免許状ではないかという御議論ではあったかと理解しております。その上で、新教育課程と勤務年数を組み合わせる中で、上進という形で、最終的に専修免許状の取得が可能となるという設計の御議論であったかと考えております。現行の特別免許状を前提とした場合には、現行、専修免許状までの上進においては、25単位の取得と実務経験3年以上ということになってございますので、特別免許状が付与された後に、これらの要件を満たした場合には特別免許状にたどり着くと、主にそういった設計の御議論と認識しております。
 2点目でございますけれども、前回も公募というお言葉もいただいていたことも踏まえて書かせていただいておりますが、まず教育委員会と大学が連携して考えていくという新教育課程というお話であったかと考えております。その上で、何らかの公募的な枠組みに対して大学側が申請し、それに対して何らかの認定があり、この新教育課程が行われるといった設計という御議論であったかという点、改めて御確認、御意見をいただきながらというところかと思っております。
 また、この公募的設計がどういう意味合いなのかというところについても併せて御議論をいただく必要があるのではないかと考えておりますけれども、この認定における何らかの前提として、ここでは全国的な教員免許の取得状況等という書き方をさせていただいておりますけれども、前提となる状況についても、どういった主体がどういった形で把握し、お示しをしてというところもまた御議論の論点ではないかと感じております。
 3でございますけれども、当該新教育課程は基本的に1年間を念頭に置くものとして、大学院において開設するものということで書かせていただいております。既存の開設科目の利用も可能とするものであり、また、開設主体としては、教育大学院とともに、教育学研究科等、幅広く主体となり得るということで御議論であったと思っております。
 4点目でございますけれども、当該、新教育課程において学修する学生の所属でございますけれども、科目等履修生ということであったかと記憶しておりますが、その点についても改めて御確認、御議論をいただければと考えております。ここに応募できる、アプライできる主体としては、いわゆる社会人、勤務経験のある方を含めて、そこに限定せずに、既に大学院に在籍している学生も含めて、当該プログラム、新教育課程で学修するということが許容されるという御議論であったかと考えております。
 2とも少し絡むところでございますけれども、この新教育課程の設計に当たっては、申請をする、開設をする主体が大学であるという前提で、大学が任用権者、免許授与権者と協議した上で、その協議内容に基づいて申請を行うということを書かせていただいております。あくまで設置主体、開設主体、そして、申請主体は大学ということで、その上で教育委員会、事業権者としては、少なくとも都道府県教育委員会、また、任用権者との協議が要ると、必要であるという設計で書かせていただいております。
 6番目でございますけれども、受講者を決めるに当たってというところでございますが、大学側がどういった方にこのプログラムに入っていただくかを決めるということを行うとともに、任用権者側が任用に係る何らかの選考も併せて実施して、要すれば、採用するかどうかということに関する何らかのプロセスを併せて踏んだ上で、ある方が採用されるということを決めて、その上で、このプログラムの入学選抜を決めていくということを併せて行っていくというお話であったかと考えております。この方が実際働き出す、もしくは採用されるタイミングについては、修了後、途中、様々なパターンがあり得るということも併せて付記しております。
 7番目でございますけれども、どういった方に新教育課程を受講していただくかということを決める主体は当然各大学でございますけれども、普通免許状の取得、これはまた別途、教職課程のワーキングで、今、改正の議論を続けていただいておりますが、そちらでの単位数、学ぶべき事項等との関連もある中で、普通免許状取得における、また、ここで強み、専門性を学修するということに、20単位程度ということになっております。そういったこととの見合いの中で、ここにかかる学修について、身につけられる資質能力と同等の資質能力が学部段階での学修だったり、勤務経験等を通じて身についているということを確認することがあって、入学が許可されるといった設計にするということが、今回の別途行われている教員免許の見直しの強み、専門性等との並びの中で必要ではないかということで、7として立てさせていただいているところでございます。
 また、この当該指針、次のページでございますけれども、8でございます。当該新教育課程は少なくとも、いわゆる教科等の指導法や教育及び児童生徒理解に係る学修が何らか含められた形であるべきであるという点が8の部分でございます。これらを前提としつつ、9でございますけれども、その上でのプログラムの設計の在り方というのは、以下に示しているような多様な在り方が許容されるものであるという御議論であったかと考えておりまして、ここは開設される大学と協議をされる教育委員会等との中で、様々な選択肢があり得るものとして、以下、列挙しております。
 まず特別免許状が授与されるタイミングについて、プログラムを修了する段階でという場合もあれば、一定のプログラムが修了した段階で、途中で授与する場合、場合によっては、最初に授与してからプログラムを行う場合、様々なパターンが想定されるのではないかということがまずマル1。マル2は、この特別免許状の授与前に学修するべき内容というものはどういった内容で、それはどれくらいの単位数であるかという点でございます。3つ目は、この教科等の、先ほどの8との関係ですけれども、教科等の指導法と教育及び児童生徒理解に関する科目、これを学部段階で開設するのか、それとも、大学院において設定するのかという点でございます。
 その上で、特別免許状が授与された後に学修する科目、最終的にこれが上進につながる単位数ということになるわけでございますけれども、その内容については、組合せの中で様々なパターンが想定されるということで、協議の中で様々なやり方を許容するということで書かせていただいておりますけれども、マル4とマル3といいますか、上の8との関係で言えば、仮に特別免許状を出す授与前に教科等の指導法や、教育及び児童生徒理解に係る学修をしている場合においては、現行、特別免許状から専修免許状の上進には、これらの学修を含めるということが法定されておりますので、こういった場合には、それらは不要であるといった例外が要るのではないかということも併せて付記しております。
 10のところでございますけれども、全体の設計は、先ほど申し上げた1との関係で、特別免許状というものがありつつ、最終的には専修免許状ということをゴールとして想定しているところでございますけれども、仮に9のところの設計のやり方によっては、最終的に特別免許状の授与というものがゴールになることもあり得るものであるということも書かせていただいております。
 11のところでございますけれども、現行のところ、前回も申し上げましたが、現行ですと、特別免許状については小学校でも専科が認められており、一方で、普通免許状については、小学校は専科はない、全科であるという前提のときに、仮に特別免許状がゴールということであれば、このプログラムの対象校種として念頭にあるのは中高であるということでございますけれども、専科ということであれば、小学校もなり得るということを書かせていただいているものでございます。
 12でございますけれども、級の組み方、様々あるわけでございますが、この現行の特別免許状の制度を仮に利用するに当たっても、何らか名称を変える等の検討が要るのではないかということを書かせていただいたのが12でございまして、最後、このプログラム自体が終了する段階で、すぐに修士号に直接行き着くものではないものの、ここで学修した単位をもって、この後、修士課程に進みたいという場合においては、いわゆる入学前の取得単位の認定という形を通してという意味であると理解しておりますが、カウントすることを可能として、最終的に修士号につなげていくことも可能とするものでございます。
 今まで申し上げました1から13の内容をある程度まとめた形でお示しをしているのが3ページ目の図ということでございます。前回の図をベースに、これまでの御議論を踏まえて、1から13、まだ様々な論点ございますけれども、書かせていただいたものを図と併せてお示ししているところでございます。したがって、冒頭から申し上げている既存の新課程以外の教職特別課程等々、制度との関係の中で、新課程自体、また、それとの関連で、既存の制度をどのようにしていくことが全体として、社会人を含めた多様な方々に、学校に免許状を持って入ってきていただくのによいことであるかという点を御議論いただけたらと考えております。
 事務局としては以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。御説明いただいたことに基づきまして、皆様の御意見を頂戴したいと思います。今、資料1のところには大学院新教育課程の概要、たたき台としておまとめいただいていまして、こちらは今まで委員の皆様から頂戴した御意見を適切に集約して、おまとめいただいていると思います。その一方で、いまだ、こちらは言わばラフスケッチのような段階でして、委員の皆様から、このたたき台自体、またはこのたたき台を基に具体的な制度設計を行っていくに当たっての留意点等、幅広く御意見をいただきたいと思います。
 また、御説明の冒頭でもありましたけれども、今回、改めまして、このワーキングでの議論の前提も含めて御確認をいただきました。既に社会人の入職に資する様々な免許取得の制度が存在する中で、このワーキンググループでは、あくまでも大学院において免許を取得できるプログラムを創設することを議論しているんですけれども、とはいえ、それは全体の社会人の入職に関する様々な制度の枠組みの中での議論でございますので、そうした制度も含めた全体像の議論も必要だと思っております。つきましては、大学院の新課程についての意見はもちろんのこと、既存の制度についても、とりわけ本日御説明をいただきました制度についても、ぜひ御意見を頂戴できればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、どなたからでも結構です。いかがでしょうか。Zoomの「手を挙げる」ボタンを押していただければ、こちらから御指名申し上げます。いかがでしょうか。どうぞオンラインからでも御遠慮なく手を挙げていただければと思いますが、いかがでしょうか。
 佐古委員、どうぞお願いいたします。
【佐古委員】  ありがとうございます。これまでの議論をよく整理していただきまして、分かりやすく示していただいたと思っております。ありがとうございます。
 ただ、1点ちょっと混乱しているところがありまして、これは意見というよりも質問ですが、このパターンの例示の中で、1年目のところで、各授与権者の判断で、新課程での学修の前に免許状を授与することもあり得るということがあって、そうなってくると、このような方々がいるとすれば、この新課程をその時点で履修する必要がないということになるんでしょうか。それとも、学修前に免許を取得しても、特別免許を得られても、この1年目にあるような新課程のパッケージを履修するということが義務づけられるのかどうか、教えていただければと思います。お願いします。
【貞広主査】  事務局、お願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】  ありがとうございます。先ほどの資料1の2ページ目の9のところとも関連する部分かもしれないんですけれども、まさに様々なパターンが考えられると思います。教育委員会側と大学側、特に任用権者側と、大学の中でどういった設計にするかというところとの関係もあるのかなと思います。先ほど申し上げましたとおり、入学者選抜というか、誰が入ってくるかを決めるに当たっては、任用権者が何らかの先行行為をするということが想定されるのではないかということを書かせていただきましたけれども、この出口も様々であろうかと思います。つまり、最初からもう、このプログラムが始まる段階から選考の結果として任用されるのか、プログラムを修了することを要件として任用するということを内定のように出すのか。特別免許状が出るまでは少なくとも任用しないのか。これまでの議論を踏まえると様々なパターンが想定されるのではないかと感じておりす。途中で出す場合、最後まで出さない場合、様々あろうかと思いますけれども、どの段階で任用してどういった設計にしていくのかというところは組合せといいますか、どこで出すとしても、このプログラムを修了することをもって採用するからねとするのか、様々な組合せがあるのかなと思っております。そういった様々な組合せを許容するかどうかも含めて御議論だとは思っておりますけれども、これまでの御議論を踏まえると、いろいろな任用タイミング、授与タイミング、リアルな勤務の開始タイミングはあるのかなとは思いましたので、そこは任用権者と大学側の御議論の中でなのかなというふうに事務局としては認識しておりました。ここは御議論かと思います。
【貞広主査】  ありがとうございます。平たく言うとこういうことですかね。10単位すら取らずに特別免許を出す場合もあれば、教育委員会によっては、10単位まではとにかく取ってください。その段階で特別免許を出しますというところもあれば、いやいや、35単位を取らないと特別免許を出さないよという教育委員会もあればということで、そこは大学との協議で様々ですという理解でよろしいですか。
【大根田教員免許・研修企画室長】  結論としては、おっしゃるとおりでございます。
【貞広主査】  恐らく佐古委員は、それだとまずいのではないかという御意見なのではないかと推察しながら伺いましたけれども、いかがでしょうか。
【佐古委員】  御配慮ありがとうございます。今の貞広主査のおまとめでもありますけれども、これは採用選考を兼ねて、プログラムの新課程の受講の可否を決めるという話だったと思うんですが、それで仮にも受講の可否を決める段階で、特別免許状を授与するということになるとすると、これは実質的に新課程を受講しなくてもいいということになってしまいますよね。
【貞広主査】  どうぞ。
【大根田教員免許・研修企画室長】  ありがとうございます。現行の特別免許状というものを前提として設計をした場合でございますけれども、御案内のとおり、現行の特別免許状は、こういった何らかの単位を取るということは要件となっておらず、教育職員検定をベースとして、各事業権者が判断をする設計になってございます。それを前提としたときに、どのタイミングで授与がなされるかというところはまさにこの授与権者としての判断があろうかと思いますけれども、一方で、ここも授与権者のお立場によっても違うのかと思いますが、現行の制度において授与を最初からするという対応の御判断になる授与権者もいれば、何らかの学修を裏づけたほうが特別免許状を出し得ると判断される自治体、授与権者もい得るということかと思いますので、本当に授与権者、自治体等によって判断が違うであろうというところでこういった話をしているところでございまして、特別免許状をそもそもこの制度と関係なく、これまでどおり特別免許状は出せるというところは並行であるという前提でこの設計をしておりますので、その意味においては、新課程を経るということと関係なく、今までどおりのいわゆる特別免許状が指針に基づいて各事業権者が出していくということは許容される設計なんだというふうに事務局としては認識しております。
 その上で、例えば一定の学修、かなりの学修をしてから出したい、途中で出したい、出すけれども、何らかの学修を大学でしてきてほしい、いろいろなニーズがあり得るだろうということで、様々なパターンを許容するということではないかと書かせていただきましたが、さすがにこの新課程というものに限って言えば、最初から出すのは違うのではないかというのも含めて、御議論のところかなとは感じております。
 以上です。
【貞広主査】  ありがとうございます。その上で、佐古委員、例えば最低でも10単位は取ってからのほうが望ましいとか、そういう制度設計のイメージですか。
【佐古委員】  今、室長がおっしゃったように、この制度ができたとしても、現行の特別免許状制度は維持されるわけですよね。そうすると、あらかじめ任用が予定されていて、直ちに教壇に立つということを考えるならば、現行の特別免許状制度にのせれば、おっしゃっているように、こういうプログラムなしで、免許状を取って教壇に立つ道がすでにあるものと考えられます。ここでわざわざ新課程というものを設けて、それ以外のルートを整備しようということなので、私は、それとは区別する意味で、名称のことも後々出るかもしれませんが、ある程度の課程における学修というものを前提として、特別免許状を付与するということのほうが、仕組みとすれば整理できるように思っています。
 あえて言うと、そのときに、10単位という主査のお話もありましたけども、これは任用を予定された者という非常にユニークな形での養成課程ですが、そうすると、これは任用を予定されている者が教壇にスムーズに立てるような、つなぐような意味合いのある課程だと思っています。この観点から、1年目の課程の教育内容はとても重要だと思っています。これは単位数ではなくて内容としてです。これまで御議論があったように、必要最低限、必要な学びという趣旨の中には、やはりある程度の実習的な内容、あるいは実習を通しての指導というものがあったほうが望ましいように思います。もちろん資格試験のように、実習を経ないものもありますけど、あれは採用選考がかかりますので、一定程度の実践的能力の確保ができますけども、この場合にはそうではないので、ある程度実習的な内容を含んで、それを通しての指導を含めて10単位というような形を示したほうが趣旨としても分かりやすいかなと思っています。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。私のほうで勝手にやり取りにしてしまいまして、申し訳ありません。現行の特別免許状よりも、制度的な質保証として、少なくとも実習を含めた10単位程度は保証という御意見ということで承りました。
 佐古委員、よろしいですか。ありがとうございます。
 では、続きまして、中村委員、お願いいたします。
【中村委員】  ありがとうございます。非常に分かりやすく論点をおまとめいただきまして、ありがとうございました。今の佐古委員の御意見には全く同感しておりまして、やはり最低でも10単位ぐらいの実習を入れたカリキュラムを受けてから免許を出すということがこれまでの特別免許状の欠点というか、マイナス点をカバーすることができるのではないかと思っています。
 3つほどお話をしたいと思います。
 1点目は、2番です。「新教育課程は、教育委員会と大学が連携した上で、大学からの申請に基づき」というところがありますが、ここは地方と都市部と大分違うと思います。特に山梨のような地方の大学と教育委員会は、非常に密接に関わっているんですね。例えば、今、山梨大学は実務家教員といって、現職の校長、教頭は4名、3年間限定で来ています。交代でも来ています。それから、校長先生をお辞めになられた方が約15名です。これは教職大学院の客員教授、それから、教職支援室という、教員採用試験のための、あるいは教員になるための支援をする部屋にも来ていまして、さらに別途、特任教授が4名おりますので、数えたら23名です。そうすると、山梨大学の正規の教員というのは今80名ぐらいですから、4分の1は現職の実際に教育現場で活躍をされている方、あるいは活躍をされた方が来ているという状況です。
 やはり2番に書かれているような教育委員会、大学が連携した上でというところは、私は非常に大事だと思っていますし、大学が全てをやるというよりは、やはり教育委員会と大学が話し合った上で、公募的な形で申請するのが一番いいのでは、と考えております。しかし、地域によって状況が異なるため、差異はあると思います。
 2点目は、2番の後ろのほうに書かれている全国的な教員免許の取得状況についてです。今、都道府県単位で行われている教員免許の免許授与者ですね。これを、大きな改革で国全体のものがあってもいいのかなと考えています。そういうことも今後考えながらこの制度を活用していくのも大事なのかなと思っています。細かな資料を私は持っていませんが、全国規模で教員を流動できる仕組みとか、あるいは国全体で免許を出すという制度がもうそろそろあってもいいのかなと考えています。
 3点目は、4番で書かれています。大学院の学生が社会人に限定されないで取るということは、教員の不足を回避するために非常に大事なことだと思っておりまして、履修証明プログラムを利用しながら、在籍されている大学院の学生も取得できるような、そういった考え方、制度も大事なのかなと思っています。
 あと細かなところで、先ほどの佐古委員の意見にも関係しますが、後ろ2枚目の、やはり9番です。実習は必ず、この免許を取得する前に受けるべきだと、これは非常に大事だと思っております。準じまして、何度も発言していますけども、やはり名称を特別免許状ではなくて、他の名称を考えていく必要もあるのかなと言ってはいますが、自分で考えてもなかなかいいイメージが出てこないのですが、また今後考えるべきなのかなと思っております。
 長々すみません。以上でございます。
【貞広主査】  とんでもありません。ありがとうございます。中村委員、私のほうから更問いして申し訳ないんですけれども、私も実習は事前にぜひ実施したいと思っているところで、先生と意見が重なっているところですけど、実習のボリュームはどの程度というイメージや想定をお持ちでしょうか。
【中村委員】  例えば山梨大学だと、実習期間を設けず、毎週、1日は実習に行くような形です。
【貞広主査】  なるほど。それで長期にするという。
【中村委員】  そうですね、例えば、1日だけではなくて、1日半という形で校種を変えるということも必要なのかな、と考えております。現場に慣れるという意味で言うと、いろいろなところを経験したほうがいいので、そういうやり方もいいのかなと思っています。
【貞広主査】  なるほど。ボリュームも方式も少し通常の普通免許を取る実習とは違う形で、学校をよく知っていただくという、そういうことを念頭に置いてという設計ですね。ありがとうございます。とてもよく分かりました。
 ちょっと大胆な2番目の御提案もございましたので、これも引き取らせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 では、鹿毛委員、どうぞ。
【鹿毛委員】  事務局のほうで、我々の議論を丁寧に具体化していただいたと思っています。大筋において妥当な案になったと思っているところでございますが、そもそも教師の多様性や強み、専門性を活かした教員養成の仕組みという大きな観点からすると、新しく特別免許状を衣替えをするというこの仕組みは、どちらかと言うと入り口のところの多様性に留意しているわけですが、出口のところの多様性というのも一方で大事かなと思っています。その観点も含めて、留意事項だと思ったことを申し上げたいと思います。
 今、中村委員からもありましたように、例えば大学と教育委員会が密に関わりがあるというような地域と、そうでないところがあるという実態があると思うんですね。例えば、もう採用が決まっているという前提で大学院が引き受けるということになりますと、養成と採用の一体化のいい面と、課題になる点の両面があるのではないかと思います。やはり任命権者である教育委員会が大学あるいは大学院と対等の立場で協議をするということがどれだけ保障されるのかという点が懸念事項です。資料2の14ページ目にある実際のデータを見ますと、実は、私立学校で特別免許状が多いということが分かりますし、12ページの都道府県別を見ますと、やはり東京都でありますとか、都市部で多いという傾向がございます。そういうふうに考えますと、かなり大学の数が多い都市部などで、個々の大学が対等な立場で協議するということがどれだけ現実的なのかという点は非常に危惧するところでございます。
 今回、多様性と共通性の両方が重要であるということが提言されているわけですが、育成指標といった基準が各教育委員会によって策定され、それに基づいて研修がなされているという現状があるので、ここで提案される新しい仕組みによって養成が採用、研修と一体化し、そこでの養成が、その土台として位置づけられたときに、教育委員会と大学間の対等な協議、さらには多様性のある教員を輩出するという目的、つまり出口の多様性という点が気になります。そのような観点から、私立の場合、例えば、自分の学校でこういう免許の教員を決め打ちで採用しなければならないという事態が生じたときに、教育委員会を通して特別免許状が授与されるというようなケースも多いと思うんですけれども、もしそうだとすると、公立であればまだしも、私立の場合は、それぞれ建学の理念がある中で、このような新特別免許状のシステムが果たしてうまくいくのか懸念があるのと同時に、一方で、既存の特別免許状と切り分けて、公立に限ってこういう新しい形にするというのも一案です。
 ただ、その場合、こちらの新特別免許状というシステムのほうが、修士レベルの専修免許状への近道ということになりますと、公平性の観点から問題も生じますので、システム全体を見渡したときに、いずれのルートであっても専修免許状が取得しやすいような制度設計が求められていると思います。
 以上です。
【貞広主査】  どうもありがとうございます。今日のたたき台の2の部分を実装する、いろいろなことと矛盾せずに実装することが非常に難しい。慎重に制度設計しなければいけないという御提案でした。最後の公平性に関するところも含めて、例えば既存の教職特別課程について、併せてこういう改革というか、制度設計を少し変えることの必要性という、暗にそういうことをおっしゃっていたのかなと思いますけど、もし具体的にアイデアをお持ちでしたらお示しいただければと思います。
【鹿毛委員】  最初に大根田室長からも新特別免許状のみならず、改めて全体をというお話がありましたよね。我々が具体化してきた新特別免許状を、あくまでも一つのルートとして相対化し、幾つかのルートを丸ごとまとめて見たときに、我々の大きな目標であります、多様な専門性を背景として有する社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度という、3本目の柱にこれを位置づけることができるのだというスタンスが大事だと思います。全体として特別課程も含めて考えているところがございますので、後ほどにでもコメントしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
【貞広主査】  どうもありがとうございます。鹿毛委員のお言葉そのままでなくて申し訳ないんですけれども、全体の中で、複数の制度がある中で適切にすみ分けしつつ、かつそれぞれの制度で公平公正であるという、そういう制度設計をするに当たって、既存の制度をどう改善し、これをどう構築したらいいのかということについては、後ほどまたぜひ御意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。
【鹿毛委員】  ありがとうございます。
【貞広主査】  先ほど中村委員からいただきました、プログラムの履修証明のようなイメージですという御意見ありましたけど、これについて事務局から補足があるということですので、お願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】  ありがとうございます。先ほど資料2の後半を省いてしまいましたが、履修証明のお話もいただきましたので、少し補足させていただければと思います。資料2の24ページを御覧ください。
 先ほどの資料1の中で、科目等履修生ということを念頭でしょうかという問いを立てさせていただいておりましたけれども、仮に科目等履修という場合においても、現行において、学校教育法体系の中で履修証明のプログラムということが可能と、現状なっているわけでございます。この履修証明プログラムの関係においては、24ページでございますけれども、現行、職業実践力育成プログラムの認定制度というのがございまして、一定の要件、そこで「認定要件」と書かせていただいているところでございますが、こういった要件を満たしている場合において認定が行われるといったスキームになってございます。
 次に、25ページでございます。教育訓練給付金もリンクする設計、この教育職業実践力育成プログラム、いわゆるBPと言われるBP認定制度とがリンクしている形になってございまして、上の枠囲みのところでございますけれども、このBPの中で一定の基準を満たして、厚労大臣の指定を受けた講座については、120時間以上かつ2年以内のプログラムについては、専門実践教育訓練給付金の支給対象となるといった設計になっているわけでございます。
 専門実践教育訓練給付金については、次の26ページの左側にお示しをしております。給付内容というところを御覧いただきますと、受講費用の50%、6か月ごとの支給でまず上限、年間40万ということがあり、また、併せて追加給付のところのマル1、マル2、それぞれの要件を満たした場合に20%、10%というところが追加されるということで、合計しますと80%がカバーされると、こういった設計になっております。もちろん今回の設計のやり方自体が御議論の対象かと思いますけれども、仮に科目等履修でということになった場合においては、先ほどお話のあった履修証明プログラム、そして、それがBPとなって一定の要件を満たすと、教育訓練給付金ということもカバーし得る余地があるということを併せて補足させていただいた次第でございます。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。今日のたたき台には、明示的にはありませんでしたけれども、受講者の負担の問題や支援の問題をどうするかというのは、初回から皆さんから御意見いただいているところですので、こういうところで接続可能かもしれないというのは福音だと思います。本学でも看護学研究科などは手を挙げて活用しているのではないかと思いますが、なかなか教育学部では適合しなくて活用できなかったんですけど、新しい制度であれば、こういう接合もあるということで御説明をいただきました。ありがとうございます。
 では、続きまして、オンラインから植田委員、どうぞ。
【植田委員】  資料を丁寧にまとめていただいて、論点がすごく明確になったと思っております。ありがとうございます。
 私からは、細かなことというよりは、先ほど全体の前提事項についても発言してよいということでしたので、少し今回の新しい仕組みを考える上での前提として、改めて確認しておきたいということで発言させていただきたいと思います。
 まず1つ目としては、今回の制度という発端が先ほども先生方からもありましたけれども、多様な社会人等をということを前提として、早期に教職に入っていただけるようなルートを設計するということであったかと思います。その意味で特別免許状を新しい形で活用するということになっていたかと思います。ここでは多様な社会人ということが初めからの議論でどういう人を想定するのかというところが議論になっていたかと思いますけれども、この多様な社会人ということをどういうふうな視点で捉えていくのかということが重要であると思います。
 その点から考えたときに、今、鹿毛委員の御発言を踏まえて貞広委員からもおっしゃっていましたけれども、既存の制度と、どう矛盾しないのかということと同時に、既存の制度では拾えなかったニーズをどう実現していくのかという観点からも考えていく必要があるかなと思います。そうすると、既存には、先ほど事務局からの御説明にあったとおり、大学の教職課程を経ずとも、いわゆる普通免許が取れるルートというのが多様にあるということが分かっています。そういう中で、これらの既存にある多様な制度と今回の制度がどういうふうなところで違うのかということをきちんと整理した上で、新しい制度がどういう特徴を持つのか、どうしてその新しい特徴が必要なのかということをきちんと明示した上で、その制度において満たすことができるニーズは何か。その結果として、どんな意義が現行の学校教育を取り巻く環境の改善に寄与するのかというところの前提をきちんと明示した上で、こういう制度が必要であるというところを示していくということが重要ではないかと思っています。
 その観点から考えたときに、先ほど、どういう方を対象にするのかという意味では、大学院、大学に在籍している人を対象とするのかしないのかという点で言うと、やはり既存の制度で、大学、大学院に在籍している方が拾える制度があるのであれば、今回の制度においてはかなり限定的にした上で制度設計をしてもいいのではないかと私自身は考えています。
 次に、2つ目として、ずっと私が発言させていただいている中で、どういうふうに質保証を考えていくのかということをきちんと前提として考えていく必要があると思っています。その点で言うと、入り口と出口というところでの質管理の仕組みということを考える必要があるのではないかと思います。
 養成のプログラムという点では、大学院や教職大学院が関与するということで、一定の質というのは担保できると思うのですけれども、そもそもその新しい制度の中に入ってくる人の多様な人材といったときの多様性をどう評価して、今回の制度が任用と直結するということを前提とした場合に、教職に入る人として本当に妥当な方なのかということをどういうふうに入り口の段階で判断をするのかという制度設計が必要ではないかと思います。
 多様な人材という言葉の裏には多様な社会経験に価値を置くという意味合いがあると思うので、その価値をどういうふうに評価をするのかというのは難しいですけれども、例えばイギリスのように、学部を卒業していることで基礎学力はあるということを保障するとか、社会人経験とか学部での専門性というのが教職課程、教職に就いたときの求められる専門性と合致するということを前提とした強みや専門性があると判断するというような、明確な、ある意味、限定されたことになりますけれども、明確な基準を設けた上で入学してもらうという明確な入り口の基準というものをきちんと設定できるような仕組みにしておくことが必要ではないかと思います。
 それから、1年という短期間での学習と実習になるので、教職に入ったときにきちんと能力が満たされているところで言うと、ほかの委員も強調されていたように、やはり実習を中心にしたプログラムを設計しておくことが必要だと思います。けれども、その大前提としては、教科や担当する職務に関する専門性は既にあるということを大前提とした人材の入り口でのスクリーニングのようなものが重要ではないかと思います。
 出口の管理という点で言うと、先ほど御意見もありましたけれども、やはりどういうふうな基準を設定するのか、それを誰が設計をするのかということと、その基準に基づいて、その方がちゃんと質を担保した方であるということを誰が判断するのかというところの仕組みをきちんと明確にしておくことが重要ではないかと思います。その際に、これまでの大学や大学院を経て教職免許を取られたという方と同じ基準でいいのかということの是非も検討する必要があるのではないかと思います。そういう意味では、このプログラムで養成される教師に求められる資質能力は何なのかとか、そこに違いを持たせることの意味合いは何なのか。持たせないのであればどういうふうな基準でするのかという判断する基準をきちんと検討するということが必要ではないかと思います。
 最後に3つ目として、やはり多様な人材に参入していただくというインセンティブをどう設計するのかという点をきちんと議論しておく必要があると思います。制度をつくったものの、絵に描いた餅のように誰も使わないという制度になってはいけないと思いますので、どういうふうな人がきちんと入ってこられるような制度として、きちんと実装可能な運用メカニズムをつくっておく必要があると思っています。
 そういう意味では、資格社会であり、転職する文化があり、転職の前提として資格取得が必要であるというイギリスの特徴は日本とは違いますが、高等教育機関以外での学校ベースでの養成が多数を占めているイギリスにおいても、金銭的な支援であるとか、情報提供において、情報へのアクセスを簡便にするであるとか、出口での確保をするというところは重視することによって、社会人を経た人たちが教職に就くということの数が増大してきています。そのことを考えると、今回の制度設計において、先ほどの制度のお話もありましたけれども、金銭的な面での支援とか情報提供の充実とか出口の管理ということが重要ではないかと思います。
 特に出口の管理という点では、やはり教育委員会との連携は必須ではないかと私自身は考えています。今回の制度がメインルートではなくて、ある意味、オルタナティブな制度として、制度設計をした上で、各自治体が自治体内の状況や進めたい教育改革を鑑みたときに、制度設計が選択できる制度として設計していくという方向性での検討も必要ではないかなと思います。
 最後に、今回はやはり特別免許状というところが既存の特別免許状と紛らわしい部分があると思うので、今回の新課程のものについては、既存の特別免許、普通免許ではない新しい特別免許状というふうに制度設計するのであれば、名称変更も含めて、違う特別免許状という形での制度設計の検討もする必要があるのではないかなと思っています。
 今後の検討についての前提事項として検討が必要ではないかなと思う点について発言させていただきました。
 以上です。
【貞広主査】  ありがとうございます。それぞれとても貴重な御意見だったと思います。そもそもなぜこの制度をつくって、なぜこういう制度が必要なのかということをしっかりと明確化するということ、私も本当に重要だと思います。また、オルタナティブな制度という表現をされていましたけれども、恐らく別の言葉で、皆さん、同じことをおっしゃっているのかなと思います。既存の制度では拾えないけれども、ぜひ先生になっていただきたい人を他の制度と矛盾なく拾うことで、入職していただけることができるような制度をつくるということですね。
 最後のほうにおっしゃったインセンティブについては、個人のインセンティブだけではなく、課程をつくってくれる大学へのインセンティブという、もう少しさらに難しい難題が待っております。この辺り、どうするかということも御意見があればぜひお寄せいただければと思います。ありがとうございました。
 では、続きまして、森山委員、お願いいたします。
【森山委員】  ありがとうございます。これまで多くの意見を集約し、おまとめいただいたことにより、私自身も論点の整理ができました。特に、大学院新教育課程の受講パターンの例については、全体像のイメージが明確に示されたものと思います。
その上で、意見を述べさせていただきます。
 まず、現行の特別免許状と比較して、より明確な単位数等を示すことが必要であると考えます。この点については、既に複数の委員からも意見が出ておりましたが、私自身も同様に、その明確化が差別化につながり、本課程の位置づけが一層明らかになるのではないかと思います。
 次に、単位の内容についてですが、これについても多くの委員から意見がありましたように、実習を取り入れることが重要であると考えております。特に、実習の形態や実施場所については、どこで、どのように実施するのか、また期間を含め、いろいろな状況を考慮しつつ検討していくことが望ましいと思います。その際、分散型の実施も含めて、制度として位置づけていくことが必要ではないかと感じました。
 さらに、全体に関わる点として、本課程は養成と採用の一体的な改革の中に位置づけられる大学院の新課程であると理解しております。教育委員会と大学とが連携し、従来の制度とは異なる新たな試みとなる点に意義があると思います。一方で、先ほど鹿毛委員からも御指摘がありましたが、私立学校への進路という点については、引き続き課題が残る可能性もあると考えます。
 私自身、この新課程だけを見れば、現時点ではいくつかの課題があるとは思います。ただし、既存の制度を含め、多様性を有する質の高い教職員集団の形成を目指す上で、全てにおいて完全な制度は存在し得ません。一定の焦点化を図りつつ、新しい制度は新しい制度としての強みを生かすとともに、既存の制度についても全体のバランスの中で必要な修正を行いながら進めていくことが重要であると考えます。
 そのような方向性が示されるのであれば、本新課程も制度として十分に機能し得るものになると考えます。多様性をすべて包含する制度ではないかもしれませんが、多様性を有する一つの制度として適切に位置づけられるものと考えます。全体の中での位置づけを明確にしつつ、既存制度の長所を生かしながら進めていく方向性が、今回示されているのではないかと思いました。
 以上です。
【貞広主査】  ありがとうございます。先生の御意見に、全体の中の一つの制度という位置づけがありましたけど、まさに大事な観点で、今日の皆様の御意見の柱になっている部分かなとも承りました。どうもありがとうございます。
 それでは、森田委員、お願いいたします。
【森田主査代理】  よろしくお願いします。森田でございます。本日、御提案いただいたもの、御整理いただいた内容については、基本的にほぼ異存はなくて、これまでの議論を丁寧にまとめていただいたかなと思っております。その上で、これまでの委員の先生方との御発言と重なる部分はあると思うのですけれども、例えば特別免許を発行するタイミングについて、その前提としては、やはり経済的な面で、早く現場に出て給与がもらえるような形にしたほうが、社会人の方が入りやすいのではないかという視点が一つあったと思います。
 ですから、そういう問題も考えますと、先ほど室長から御説明いただいたような、こういうプログラムにおいて、履修証明プログラムなども念頭に、教育訓練給付金などをうまく活用できるような仕組みとして制度設計をしていくということとセットで考えると、特別免許を発行するタイミングも少し後ろにずらせるのではないかと思います。履修にあたっては科目等履修生となることが前提ということでございましたので、科目等履修生であれば、いわゆる大学院での奨学金については、各大学が独自に支給しているものを含めて、その対象になりにくいのではないかと思います。そういうことを考えたときに別の枠組みのこういう給付金を受給できるような仕組みがあると、社会人の方が、ある意味で転職といいますか、職を変わる一つのきっかけになるのではないかなというのが一つです。
 それから、そういうことを考えた場合に、改めて今日の資料などを拝見しながら具体的なことを考えていくと、多分これまでの議論というのは、都道府県単位などで、それぞれの自治体のニーズとそのニーズに応える大学が自治体の中であって、ニーズに応えられるような社会人の方が、自治体の中に基本的にいるということを暗黙の前提としたような議論だった気がするのです。しかし、現実的に考えていったときに、果たしてこの前提は全国でうまくいくのか疑問にも思います。例えば隣の自治体であれば、ある教科に関する教員になりたいという希望者がいたとしても、そこの自治体の中にはそういったニーズがないとか、逆に、ニーズはあるが、その地域の大学がこの新課程に手を挙げにくい状況であるというようなことが現実には起るのではないかと感じています。
 そういったことを考えたときに、この制度のメリットといいますか、あえてこの制度によって教員免許を取得するメリットということを考えたときに、最初のころのワーキングの中でも御議論があったように、取得できる免許が、ほかの免許と違うとか、もう少し広い範囲で通用するような免許とするとか、それから、ある地域で社会人をされている方がそこの地域の大学で学んで、例えば御自身出身地に戻って、そちらで教員をやりたいというような、いろいろなニーズに応えられるような制度という視点も念頭に置いておかないと、先ほど言ったように、それぞれの自治体の中で全てがうまく完結すればうまくいくと思うのですけれども、実際にこの新しい仕組みをつくったとしてもその辺りを考えておかないと、手を挙げる大学も少なく、使いにくい制度になってしまわないかということが気になります。
 それから、先ほどご説明があったように、今日の資料を改めて見て、現状で発行されている特別免許状は半数以上が私立学校であることを考えれば、私立学校に対して、今の特別免許状発行の仕組みは継続していかなければならないと思います。しかし、そうすると、私立学校で勤務する人たちは今の特別免許の仕組みを使ってスッと免許取得ができるけれども、公立学校では教育委員会と組んで、このプログラムを取らなければならいということになった場合に、そういうところでも矛盾が出てきてしまうような気がします。そういった面からしても、この新課程で取得できる免許は広く通用するというような、既存の仕組みとは違ったものとして制度設計していくことでメリット感を出していくということも必要ではないかと思います。また、地域でのニーズと手を挙げる大学にずれが生じたような場合も含めて考えたときに、やはり広域で通用する免許について考えることに必要ではないかなと少し感じたということでございます。
 以上、2件、思っているところでございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。
 2つ目の問題提起、とても重要なのですけど、そうすると、今日のお示しいただきましたたたき台の2番目の項目の、先ほどの大学と教育委員会の連携の組合せが、大学1に対して教育委員会が複数あるという、そんな制度設計のイメージになりますか。
【森田主査代理】  はい。そういうことも含めて考えていかないと、一つの自治体の中の一つの大学というような、一対一のような関係で考えていくと、実際のニーズに対応することは難しいのではないかなと少し感じたということでございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。
 資料2の12ページとか13ページを見ると、想定される人材に偏在があるのではないかというところがありますので、森田委員の御提案はとても重要だと思います。どこの地域でも、この新しい課程を使って、必要な教員を確保するという意味では、たたき台の2についてはやはり難しいですね。課題が幾つか出ています。
【森田主査代理】  例えば東京を例にすれば、東京にある大学と地方の教育委員会が組んでプログラムをつくるということもあり得ると思うのですけれども、その際に、今の特別免許状のしくみで考えれば、組んだ先の地方の自治体で免許が発行されるということになりますよね。その自治体の中で通用する免許でなければなりませんから。そうすると、こういった自治体と新課程を設置する大学の所在地がクロスするような組合せがどんどん広がっていったときに、とても複雑な仕組みになってきて、大学としても耐え切れなくなってくるのではないかと。
【貞広主査】  はい、そうだと思います。
【森田主査代理】  そうすると、別の免許状という言い方がよいかどうか分かりませんが、特別免許状だけども、通用する範囲がより広い免許とすることなども考えていかないと、現実的な対応が難しくなるのではないかなと思ったので発言させていただきました。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。まさにすみ分けという意味でも、別のオルタナティブとして設計するという意味でもということだと思います。私も本学に照らして考えると、5つとか6つの教育委員会と連携してこういうプログラムを走らせられるかというと、甚だ心もとないところがありますけれども、その辺りも、どうしたら大学のリソースを、質を担保しつつ、あまり過重な負担がかからない形でできるかということも考える必要があるかもしれません。ありがとうございます。
 松田委員、お願いいたします。
【松田委員】  ありがとうございます。もう既にいろいろな先生方の御意見が出ていますので、そのとおりだなと本当に思って聞いていたんですけど、1点、最後のことに関しては、一方で受講者がどこにいるのかという問題も非常に大きな問題だと思います。それは同じように考える必要があるかなと思いました。
 今日のおまとめ非常によく分かって、先生方の御意見もよく分かったところがあります。特に2番とか9番とか、どちらかというと、ある種、余地が残っている内容と言うんですか。そこが議論にもなりましたけれども、今回の取組としては、そこが逆に非常に斬新なところというか、面白いところだと強く思います。特に大学院に入学するというポイントと、それと免許が授与されるというポイントと、それと職場に任用されるというポイントの、つまり、入学と授与と任用という3つの要素がどう組み合わさっているかという話になっていると思うんですけど、今までは、入学して、授与して、任用するという直線型でしか考えてこなかったということだと思います。それを短くするとか長くするとか、あるいはどこでやるという議論が、これまでの免許をめぐる問題の割と大きな部分を占めていたと思うんですけど、今回、9番とか2番ということが出てきたことで、入学と授与と任用というのが、ある種、リニアではなくて、サークルとかスパイラルみたいなですね。つまり、その3つの関係の取り方というのが一定程度、現場に合わせてとか、これも現場というのもいろいろな現場があるんですけど、サプライサイドとディマンドサイドという議論もありましたし、それが質と量の両面で需要と供給という両面かもしれませんし、あるいは制度と個人という両面かもしれませんし、あるいは、今もお話ありましたけど、全国と地域という両面かもしれないと思うんですけど、そういうものがスパイラル型で運用されることで、ある種、マージナルな部分ではあるんだけど、特別免許ですから、現実的にはそれが非常に力になる仕組みになる可能性を非常に秘めているというような議論になっているのではないかと思うんです。
 ですので、例えば10単位を最低取るということを前提にするのかとか、もしそれがないとすれば、今までの特別免許とどう違うのかというような議論というのはあるとは思うんですけど、ただ、それも入学と授与と任用の組合せ方の違いということで考えたときには、一定程度、何かこう、はっきりとした考え方が取れるのではないかというふうには思って聞いていました。
 また、実習の内容というのは本当におっしゃるとおりだと思っていて、入り口のところで、実習というものが設定されるというのも考え方としてはあるのかなと思っていて、実際に社会人のキャリアパスみたいなプロジェクトをやっていると、よく話題に出る学校リテラシーや、そもそも教員に対する適性みたいなものを御自身でもどう理解するかという問題があったときに、非常に短期でも、2日とかそれぐらいの期間でも、周りからの評価や、あるいは御自身の振り返りというところで、一定の方向性が出てくるときというのはよく感じるんですね。ですので、例えば、大学の入学ということのハードルの在り方として、何か入門的な1単位があって、そこで短期の実習があって、クリアしていったら次に進むけど、自身でリタイアするだとか、そういうような許容度があったほうが実際には運用がしやすいだろうなと思って聞いていたようなところもありました。
 以上です。
【貞広主査】  ありがとうございます。今の最後の御提案も、うなずいて聞いている委員の方は私だけではなかったように思います。
 これで、たたき台等については、一通り御意見はいただいたのですけれども、これにつきまして、ほかの委員の方の御意見も聞いた上で、再度という方がいらしたらぜひ御意見いただければと思いますが、いらっしゃいますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、先ほど、あらかじめ鹿毛委員にお願いをしていました既存の制度の制度改革の設計の方向性について御提案の御意見をいただければと思います。お願いいたします。
【鹿毛委員】  御指名ありがとうございます。我々のミッションは、多様な専門性を背景とした社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方という大きなテーマのもとで、大学院新課程を検討することでした。また、これからの教員養成をどうしたらいいのかといったさらに上位の課題を踏まえ、教師の多様性を生かすような教師集団を形成するという目的も示されていたと思います。入り口のみならず出口も多様な教員養成の仕組みを考えているという観点こそ重要です。
 さらに、教員養成と教育課程の改革を両輪でやるという、両者を表裏一体のものとして考えるという今回の改革全体に鑑みると、これからの教員養成には、ただ答えを教えるのではなくて、子供たちの主体的で探究的な学びを実現するような実践を展開できるような力量を身につけてもらうという大きなミッションがあると思います。そうしたときに、大学において教員養成をするということの意義を再確認することが大切になります。これはグローバルに重要性が指摘されていると思うんですけれども、リサーチャーとしての教師、つまり研究的実践者がこれからますます求められます。外部からの要求に応じるということも必要かもしれませんが、むしろ現場の問題を発見して、それをクリエーティブに解決するような方向で具体的な実践を展開できるような教員養成を目指すのだという点を、教育課程の改革の方向性と表裏一体のものとして考えることが必要だと思うんですね。だからこそ、教師の多様性、多様な専門性が問われていると思うんです。
 そう考えたときに、我々が議論してきた特別免許状のシステムですね。先ほどからいろいろと問題も指摘されてきたようにも思うんですが、ただ、養成と採用の一体化という観点からこの新しいシステムを具体化したところがあるので、これをむしろオルタナティブとして相対化して、先ほど植田委員の話にもありましたけども、それはそれでワンオブゼムとして捉えるべきだと思いました。オルタナティブということで、別の選択肢というか、いろいろなルートがありうるという発想が重要、既存の枠組みを積極的に活用することによって、全体として、3番目の柱の目的にかなうような制度設計をするということを今後考えていくべきだと思います。
 オルタナティブということはメインストリームがあるということですけども、これは従来の4年制の大学教育を通して教員養成をするシステムで、それは別の会議で議論がされていると思いますし、修士レベル化ということで、専修免許状の修士課程2年間を加えた4年間プラス2年間という方向性がやはりメインのシステムとして今回、特に目指されていると思うんですね。オルタナティブとしては、最初に、大根田室長からお話がありましたけども、既存の枠組みを刷新すると言えばよいでしょうか。例えば、私の勤務校で設置している教職特別課程になぜ少人数しか集まらないかなどといった実態を振り返りつつ、なるべく多くの大学にこの課程を開設していただけることになれば、先ほど森田委員がおっしゃったことと関係しますが、ここで取得できるのは普通免許状、一種免許状ですから、どこの地域でも使えるというものですよね。学部レベルあるいは大学院レベルも含めてかもしれませんが、社会人等が入りやすくなるような制度に教職特別課程を改善することによって、社会人経験を経た教職志望者がどこの地域にでも就職できる可能性が開かれます。私の勤務校には学部と大学院修士課程、教職特別課程のほかに通信教育課程にも教職課程が設置されています。私はそれらの全部を担当しているのですが、それらの受講生の中には、課程修了後、すぐに先生にはならないけど、とりあえず資格をとりたいという方も結構います。ですから、すぐにというよりも、中期的なキャリアのプロセスを見通して、教員免許を取りたいというニーズもあろうかと思いますし、それも許容すべきだと考えます。
 とりわけ中等教育教員養成という観点からすると、多くの私学が課程認定を受けているという実態があります。そうすると、出身地や、就職を希望する場所と違う地域の大学に通っている多くの人が中等教育の教員免許を取っている。あるいは卒業生が母校で教員免許を取りたいというニーズや、大学のほうもぜひ卒業生を迎え入れたいといった流れもあって、そういう意味で卒業生が社会人として就職した後に教職を志望したときに戻ってこられるような制度も、多様な教師を養成するという観点から望ましいと思います。
 それともう一つは、やはり働きながら免許を取得したいというニーズもあると思うんです。これはアンケートにも現れていますよね。経済的な事情もあって、働きながら免許を取れるという制度だったらいいとか、先ほどご紹介があった経済的な支援の話、ぜひBPにも組み込んだ形で、後押しできるような制度であるといいなと思いました。
 もう一つは、生成AIによってホワイトカラーが職を失うという予測がある中で、先ほど植田委員からも基本的な条件という話もありましたが、私もやはり大卒というのは一つの基準になろうと思いますので、中期的には、そういうような大卒の方々が転職先として、対人関係職というか、人間関係を大切にする専門職として教師という仕事を選びたいという人が増えてくる可能性もあるのではないかと思ったりします。
 以上のことを踏まえて、今後の中、長期的な視野に立って考えると、既存の制度を刷新することによって、広く潜在的にある社会人等の教員志望のニーズを取り込んで、今まではハードルが高くて教員免許を取得することは大変だと思っている方々に、いろいろなオルタナティブがあることを提示することを通して、また大学に戻ってきていただいて、教員免許を取得して、教員になっていただくということを考えたらいいのではないでしょうか。まず一つは、教職特別課程の刷新ということです。これは私の勤務校で既にやっているのですが、なかなか人が集まりません。説明会には一定数の志願者が集まるのですが、出願条件が厳しいということもあり、説明会には来ても条件を満たさないのでお断りするようなことがよくあります。現行の特別課程に出願する条件は、資料にもありますとおり、教科に関する科目に関して、一般的・包括的科目も含めて、履修を終えていることが原則なのですが、ほとんどの志願者にとって一般的・包括的科目を含めて終えているというのは非常に難しいんです。つまり、一般的・包括的科目というのは、各専門の学科の必修であることもあるんですけども、それだけで充足しないことも結構ありまして、それによってお断りせざるを得ないというような実情もございます。
 ですから、今回、教職課程に強み、専門性という領域が提案されていて、それを学士課程の中の幅広い科目で満たすということになれば、その科目の中から一定の基準の習得を条件としてそれらを大学が認定して特別課程の出願条件を満たすというように条件を緩和するのも一案だと思います。
 もう一つは、今、教職特別課程は1年間の課程なので、ほとんどすべての方が仕事を辞めて入学されます。これはかなりハードルが高いです。
【貞広主査】  ぎゅうぎゅうですね。
【鹿毛委員】  そうなんです。ですから、やはり免許を取りたいという方が、BPの制度との関係もあって年限には限度があるのかもしれませんけれども、せめて2年間、できれば複数年度にわたって履修できるような特別課程だと、出願しやすくなるのではないかということです。
 もう一つは、新しい教職課程として提案されている指導法の領域についてです。そこに教科の専門性に関する事項の内容が入っていると思うんですね。それらを学部段階で一定の単位数を修得していれば、その領域の科目の履修を一部免除され、取得すべき単位数が緩和されることによって免許が取りやすくなるのではないかと思ったりもしています。
 あとは、教職特別課程は今、中等教育の免許状のみの設置ですけれども、中等教育の課程を持っている大学だけではなくて、幼小とかの校種であるとか、養護や特別支援といった免許種にも広げるというように、特別課程で取得できる免許状の種類を増やすことによってこの課程を開設できる大学が増えていくといいのではないかと思うんですね。せっかく制度をつくっても、今は2大学のみで、以前はもうちょっと多かったんですけど、この特別課程を開設する大学がだんだん減ってきているんですよね。これは非常に残念ですので、多くの社会人等が出願しやすいようにこの特別課程の制度を刷新することによって、なるべく多くの大学がこれに手を挙げるような仕組みになるとよいと思います。都市部だけではなく、地方であってもより多くの大学で手を挙げてくだされば、通える範囲で履修ができる方も増えていいんじゃないかなと思ったところでございます。
 以上は教職特別課程についてですが、2点目は、これも私が勤務校で実際に担当している通信制に関わることです。通信課程では、レポートを書いて提出して合格し、さらに試験に合格して単位を取得するというのが基本になって、あとはスクーリングという対面授業とあわせて履修を進めていくんですけれども、御存じのとおり、今、レポートを生成AIが作文してくれるような世の中になっています。これも大きな問題ですが、そもそも教師は対人関係職としてリアルなコミュニケーションをする仕事ですし、あるいは先ほど申し上げたような探究する教師あるいは研究的な実践者を育むという意味においても、この通信制という学修形態には、あくまでも個人的な意見ですけれども、専門職の養成課程として限界があるのではないかと感じています。例えば、教職実践演習といったスクーリング科目など、対面で指導する機会をなるべく増やすようにしていますけれども、なかなか十分な指導ができず、ひとり一人の適性判断も困難です。このような学修形態も含めて、どのように通信制の教職課程を刷新していくのかということは大きな問題です。また、資格認定試験は、試験によって免許を授けるということですけれども、合格率のデータを見ますと、2割とか3割とかそのぐらいのところが多く、かなり厳しいですよね。ただ、試験によって、出口のところの質保証ができるのかというのは甚だ心もとないのではないかというのが重要な論点だと思います。通信制と資格認定試験という既存の仕組みを多様な専門性や強みを生かすという趣旨と重ね合わせつつ刷新していくということも一つの方向性として重要なのではないかと思っています。
 3点目ですが、今、特別免許状について小学校教員にも広げるという話がございました。これまでもこの会議で話題になったと思うんですけれども、例えば小学校の教科別免許の可能性についても論点だと思います。例えば英語がよく話題に上るんですけれども、中等教育の教員養成では英語のみならず、理科、音楽など専門性の高い教科の学修をしています。実際に教科担任制が小学校でも実施されつつあるという中で、あるいは多様な興味をもつ子供たちが専門性の高い教師に出会うことで、得意分野を延ばし個性が育まれる可能性も開かれるということで、小学校の教科別免許を積極的に推し進めることを通してもっと多様な専門性を持った社会人を教育界に誘うことがでるのではないか。教科の専門性が高い社会人の側にも小学生に教えたいというニーズが少なからずあるかもしれませんので、初等教育にも教科別免許を導入するというのも重要な論点だと思います。
 最後に4点目ですけれども、既存のシステムを刷新することと、それらを組み合わせることを同時に考えてもいいのではないかということです。いわば教職課程をパッケージ化するような仕組みづくりを検討したらいいのではないかということですね。例えば、私の勤務校は、通信と通学の両方の課程、あと、教職特別課程も持っています。それらを組み合わせることによっていろいろな履修パターンが想定できるんですけども、実際には、同じ大学であっても、課程認定上、通信課程と通学課程は別扱いで、それらをパッケージ化するのがすごく難しい状況です。むしろ大学間連携のシステムのほうが進んでいますけれども、大学間のみならず、大学内でも教職課程のパッケージ化という観点から、より多くの大学がいろいろな仕組みを組み合わせる方向で工夫して、各地域で多様な人たちを多様に育むとによって、強みと専門性を兼ね備えた教員養成という大きな目的を実現する方向に向かうような制度設計をしていけるのではないかと思った次第です。
 以上です。
【貞広主査】  ありがとうございます。なかなか、思いつきもしないような制度設計の方向もお示しいただきまして、伺いながらわくわくしました。ここのワーキングはあくまでも大学院新教育課程のワーキングですけれども、メインストリームに対する幾つかのオルタナティブの一つ、全体の中の一つの制度として、適切に制度設計への意見をまとめていくには、既存の制度をどう変えていくのかということも含めてじゃないと、なかなか提言できないということで、ぜひそちらのほうも引き取っていただいて、これは事務局のほうで教員養成部会等に引き取っていただくようなことになりましょうか。
【大根田教員免許・研修企画室長】  ありがとうございます。今、主査におっしゃっていただいたとおりかと思っておりますので、新課程の出口をまとめていく中で、併せて事務局として、いただいた御意見を併せて考えるべき内容としてまとめさせていただいて、全体を養成部会に御報告していくということかと思っております。
【貞広主査】  ありがとうございます。今日、全体の中の一つの制度とか、オルタナティブとか、すみ分けとか、いろいろな文言が出てきましたけれども、やはりそれに通底しているのは、既存の制度とどのように整合させるのか。もう整合させた上で初めてつくれるというような御意見だったかと思います。ぜひ横も目配りしながらという形でお願いできればと思います。ありがとうございます。
 今、鹿毛委員から、まさに複数の課程を動かしていらっしゃる当事者の観点からも含めて、視点からも含めて御意見をいただきました。これも含めて、追加で御意見がある方がいらっしゃいましたら承ります。いかがでしょうか。
 では、佐古委員、お願いいたします。
【佐古委員】  ありがとうございます。鹿毛委員、ありがとうございました。あまり教職特別課程のことを分からなかったのですが、いろいろな課題があるなということが分かりました。お話を聞きながら、今、主査のほうから様々な教員になる道がある中でという話をされたと思うんですが、そのことの関連で、少し御考慮いただきたい点として、本学もやっておりますし、かなりの数の教職大学院で、教職大学院でゼロから免許を取得できる取組をやっています。これも結構な数の受講者がおります。要は、大学院で学部の教職課程を取り直すという方法を用いて、相当数の学卒者、ないし、社会人がそこで現実学んでおりますので、そのことも、先ほどの主査のお話のように、課題として挙げていただければありがたいと思っています。
 多様な社会人が、教員になる道のところで、恐らく大きな問題は、経済的な問題と時間がかかることだと思います。教職大学院で、学部の教職課程を学び直そうとするときの労力が大変大きいという課題があります。社会人なり、既に大学を卒業した者に対する教職大学院における学び直しの教職課程というもののあり方を、そのような観点から考えていただければ、教員への入職の幅が広がるのではないかと思います。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。佐古委員、想定されているのは、全く免許を持っていない方が入られたケースですか。それとも、例えば中高の免許を持っている先生が小学校の免許を取りたくてという場合もあって御苦労されているようですけど、それも含めて検討いただきたいという御意見でしょうか。
【佐古委員】  やはりゼロからです。
【貞広主査】  ゼロからのということですね。
【佐古委員】  やはり学部を卒業されて企業などにお勤めになっておられて、実際にそういう方を指導をしたこともあるんですけども、やはり企業よりも教員になりたいという気持ちが強くなってきて、だけど、教職課程を履修してこなかったと。そこからやり直すというときに、学部に入り直すということは難しいということがあって、大学院で学び直すことができればという御希望がある方も一定程度おられると思います。そういう方に対して、大学院で教職課程を学び直すということについての制度なり、考え方なりを検討してもよいと思います。
【貞広主査】  ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、全体を通じて、もし事務局からコメントがありましたら。何かありますか。
【大根田教員免許・研修企画室長】  ありがとうございます。まさに今回いただいた御意見が、今回、たたき台ということで、幾つかの論点というのに近い形で事務局として御議論いただければと思っていたところについて、共通性を持って御議論をいただいたかと認識しておりますので、これをさらに落とし込んだ形にさせていただくとともに、新課程だけでなく、現行の制度についても併せて少しまとめさせていただいた形のほうが最終的に養成部会へお返しいただくということであればよいのかなとも思っておりまして、そこも含めて、少し資料としてまとめさせていただくのかなと感じております。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。恐らく結構な御苦労をおかけすることになるかと思いますけれども、できればそういう形でおまとめいただければありがたく存じます。
 それでは、現時点でお手が挙がっている方、いらっしゃらないということと、かなり焦点化して議論が進んだかと思いますので、少し時間は早いですけれども、会議を閉じるということでもよろしいでしょうか。
 本日も委員の皆様から様々な重要な、かなり踏み込んだ御意見も頂戴しまして、ありがとうございます。本日の議論を基に、事務局からまた資料をおつくりいただきまして、検討を進めたいと思いますので、引き続き御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では、本日の議事は以上となります。最後に事務局より御報告お願いいたします。
【大城法規係長】  ありがとうございます。次回のワーキンググループにつきましては、資料3にお示ししておりますとおり、4月30日木曜日の16時より開催予定となっております。本日は長時間にわたりありがとうございました。
【貞広主査】  ありがとうございました。        

―― 了 ――