大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程ワーキンググループ(第3回)議事録

1.日時

令和8年3月3日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

11F省会議室(WEB会議)

3.議題

  1. 基本的な考え方と具体的な論点について
  2. 自由討議

4.議事録

【貞広主査】  皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第3回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程ワーキンググループを開催いたします。
 それでは、まず、事務局から会議の開催方法について御説明をお願いいたします。
【大野教員免許・研修企画室室長補佐】  会議の進め方等について確認させていただきます。
 本日の会議は、ウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催いたします。御発言の際は、画面下部のリアクションボタンにある挙手ボタンを押していただき、併せてマイクをオンにし、御発言が終わりましたら、マイクをオフにしていただきますようよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。
 それでは、資料に基づきまして、事務局からまず御説明をお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】  それでは、資料に基づきまして説明をさせていただきたいと思います。
 主に資料の2に基づきまして説明をさせていただければと存じますが、前回から今回の間にもう一つのワーキング、教職課程のワーキングが開催されておりまして、そこで専修免許状の在り方等について御議論をいただいております。今回の議論に関して関連する部分もございますので、先にそこについて御報告させていただきつつ、資料2に基づいてと考えております。
 参考資料の2でございますけれども、もう片方の教職課程のワーキングについて、参考資料の2を御覧いただければと思います。1ページ目でございますが、全体として質の担保向上を図っていく中で、一番下の研修段階のところでございますけれども、中堅研においては、修士レベルの学修にも位置づけていくことで教師の資質能力を抜本的に向上させていくということで、修士レベルを目指していく大きな方向性が示されているわけでございます。
 関連でございますけれども、2ページの右下の部分でございますけれども、修士レベルの免許状の取得に必要な単位は現職勤務経験年数で代替することが可能とすることはどうかといったようなことも御提案を中間まとめ上いただいていたところでございます。
 これに関して、専修免許状の在り方について前回、教職課程のワーキングで御議論いただきまして、今回この教職課程のワーキングで基礎的な免許状について御提案をいただいていることを踏まえて、現行の専修免許状の単位数、また、現行ですと一種免許状からということになりますけれども、一種免許状から上進をする際に必要な勤務年数、必要な単位数、また、それを勤務経験で代替することの可否等について御議論をいただいたところでございます。
 参考資料3の2ページでございますが、専修免許状については現行の一種免許状との差異が、右のところ、真ん中あたりでございますけれども24単位必要となっておりまして、全体ですと83単位というのが現行でございます。
 また、次のページでございます。右側、別表の第3でございますが、各種免許状を持っている方がさらに単位数、勤務経験を積んで上位の免許状へ上進する場合でございますけれども、例えば中学校の免許状であれば一種免許状から専修免許状への上進ということが許容されており、ここは3年の勤務経験と15単位という設計になってございます。
 これらについては、もう片方の教職課程のワーキングでこの一種免許状と専修免許状の差異、先ほどの24単位でしたり、上進に必要な3年15単位ということは維持してはどうかという御議論が出ておりました。
 また、今御覧いただいている3ページのところでございますけれども、例えば一種免許状や二種免許状に対しては、その下位の免許状からの上進に際して、追加的な勤務経験をもって単位数を低減する措置がとられております。専修免許状に関しても制度創設された昭和63年以降、平成12年までは追加的な勤務経験を基に低減をすることが許容されておりました。ここで言いますと15単位でございますので、3年を超えて1年ごとに3単位ずつ、計9単位低減できましたので、15-9で6単位分でよかったというときがございました。ただ、これについては大学院での学修の重要性等を踏まえて、平成12年にその低減措置がなくなった経緯がございます。
 これについて今回の中堅研等を通じて最終的に修士レベルを目指していくというときに、これを改めて導入するかどうかというところについても御議論をいただいたわけでございますけれども、積極的に導入していくという声が多いような状況ではなかった状況でございました。というのが、もう片方のワーキングでの状況でございます。
 いずれにいたしましても、専修免許状ということを最終的に目指していくという大きな方向性について、改めてこのもう片方のワーキングでも確認がされたことを前提に、資料の2に戻らせていただきまして、資料の2の説明をさせていただきたいと思います。
 資料の2、今申し上げましたとおり、最終的なゴールといたしまして右下のあたりでございますけれども、専修免許状へ向けて、を目指していく図にしているところでございます。
 その下の吹き出しについて、教職課程のワーキングでも御議論いただいておりますが、最終的に専修免許状を目指していく際に上進にかかる単位数を勤務経験によって低減させることを、ここで認めるかどうかというところも一つ論点になろうかと考えております。
 いずれにいたしましても、専修免許状を目指して設計をした場合に、全体としてこのパターンの例ということをお示ししておりますが、これは1回目、2回目におけるワーキンググループで委員の皆様からいただいた意見をまとめると、一つの在り方としてこういうことがあり得るのではないかということをまとめた、まさに委員の御意見をまとめると、こういったあたりでしょうかというものでございまして、これでというよりは、まさにここから御議論をいただくものだと事務局としては認識をしております。
 まず、全体として1年目のところの下でございますけれども、特別免許状を何らか、関わらせる形での設計にしてはどうかということでございます。この授与するタイミングについては、様々御意見をいただいていたと認識をしております。冒頭に出す場合、このプログラムを修了する段階で出す場合、また、途中段階で出す場合、様々なパターンが想定されるかと考えております。
 それは各免許授与権者、任用権者と大学との関係でという場合もあるかもしれませんし、各、これを受講する学生との関係で個別に異なる対応があることもあるのかもしれませんけれども、いずれにしても何らか、このプログラムとの関係で特別免許状を絡ませる形で設計をすることを書かせていただいております。
 この特別免許状の授与が前であればあるほど、この後、申し上げますけれども、特別免許状から専修免許状へは25単位の上進に必要な単位数がございますので、免許状の授与が前であるほど、その後にこのプログラム上で学修した単位数を上進の単位数としてカウントしやすくなる要素がございます。
 一方で、特別免許状について、それを出すに当たり、例えば指導法や教育、または児童生徒理解等が一定程度、裏づけられて学修としてあったほうがより特別免許状を出しやすいということがあるのであるならば、それが裏づけ得るのではなく、まず、特別免許状を出すという要素になってまいりますので、裏づける学修というのは少なくなるわけでございます。
 一方、これの逆でございますけれども、特別免許状がより後半で出てきた場合でございますが、プログラムの後半になればなるほど、より特別免許状の前に学修する内容は多くなるわけでございます。一方で、必然的に特別免許状の後に得られる単位数というのは減ってまいりますので、最終的に専修免許状ということを想定するのであれば、必要なこの25単位というものをプログラムの中で取り切ることがより難しくなり、プログラムの後に例えば勤務しながら追加的に単位を取る等々が必要になる点が出てまいります。
 こういった点を踏まえて、どういった設計をしていくかというところでございますけれども、いずれにいたしましても通常の普通免許状とどの程度の同質性、もしくは同一性を特別免許状の付与に、授与に対して求めるかどうかというところが論点であるかと考えております。
 関連してでございますけれども、特別免許状と書いてあるところの上でございますが、一定程度、学ぶ内容として共通性があった部分として、この各教科の指導法に係る部分や教育、また児童生徒の理解等についての最低限の学びは必要であろうといったことは共通の御意見であったかと理解をしております。その学びがこの免許状の後であるか、先であるかは別としても、こういったことがプログラム上、必要であろうということの御意見であったと思っております。
 その上で、このプログラムをどういう状況で開設するかということでございますけれども、左下の部分でございますが、教師に最低限必要なことを身につけていくということを考えた場合に、これを既存の今の教職大学院の既に開設されている科目でカバーできると考えるのか、いや、それは難しいので新しくパッケージとして開設する必要があると考えるのか。それとも、これは特別免許状との関連もございますけれども、例えば学部の学修というものを、ここは学びに行くということで対応するということにするのか、そういったあたり、この学びはどこで開設されるものであるべきで、それは実現可能なものであるのかどうかといった点について御議論をいただく必要があると思っております。
 仮に学部で開設をした場合においては、右側の修士号との関連でもございますけれども、最終的に仮に30もしくは45単位が必要だということになった場合に、学部の単位であればそれは、カウントは当然できないことになりますので、そういった点も併せて御検討いただく必要があろうかと思います。
 関連でございますけれども、左上のあたりでございます。これらのプログラムに入る方をどういった方をターゲットにし、どうやって選抜をするのかというところでございます。このプログラムに入るに当たっては授与権者、そして同一の場合もありますけれども任命権者、そして大学が一体的に選考等を行うことを想定しております、といった御議論であったかと認識をしておりまして、その場合であっても、仮に任命権者が選考を行った場合に、もう既に選考を行って任用行為を行った方が入学をしてくるのか、それともプログラムを経た後に採用すると、そういった条件をつけて行うものなのかも多様だとも思いますし、採用された方を無給の状態で何らかの休業という形で大学院に出すのか、それとも給料を支給した形で大学院に派遣するのか、そこら辺も様々な方が想定されるわけでございます。
 議論で共通的にありましたのは、一定程度、採用ということが見通された形でこのプログラムに入ってくることが想定されるということであったかと記憶しておりますので、緑色の部分でございますけれども、一体的にという書き方をさせていただいております。その出口は様々で、いずれにあってもあるものかと考えております。
 また、この採用、そもそもプログラムを開く、何人ぐらいを入れるかというところも含めてでございますが、御案内のとおり、教職課程は基本的に現行ですと各大学が教職課程に関して申請を行い、それに対して認定委員会で審査をいただいて、答申を踏まえて認定するプロセスになっておりまして、基本的には大学側から、つまり言い方を変えればサプライ側からの考え方で設計がなされているわけでございますけれども、本プログラムに関して例えばこういった教科、こういった校種が足りていないといった方向性を踏まえて、デマンド側から一定程度、対象を決めてやることを想定するのかどうかというところも併せて御議論いただく必要があるかと思っております。
 また、この入学者選抜においては先ほどの中間まとめに戻らせていただきますと、参考資料の2の7ページが例えば中学校でございますが、現行と比較した場合に今回のこの中間まとめは科目の構成変更が一定程度なされております。すなわち一種免をベースに申し上げれば、今のこの共通で学ぶ59単位という状況から、4年制大学でいえばこの20単位という各大学が独自で設定をするこの20単位とともに、共通で学ぶ31単位ということで51単位という設計になってございます。
 全体としてのこの方向性を踏まえたときにということで戻らせていただきますと、資料の2でございますが、入学者選抜において一定程度、様々な方をターゲットにするお話であったかと記憶しておりますけれども、今回の改革、中間まとめにある内容を踏まえたときに、例えばどの部分について入学者選抜で確認をしてくるのか。例えば強み、専門性に係る部分、ここで言いますと20単位になりますけれども、部分を何らか確認をしてくるということにするのか、その裏返しとして、このプログラムの中ではどの程度学修してくるのか。通常のコースとの兼ね合いということも、この入学者選抜で何を見るかというところと関連してくるところかと考えております。
 あと2点でございますけれども下の部分でございますが、特別免許状から下、入職をするというところでございますけれども、先ほどお示しした上進の制度においては、中学と高校の免許については、現行でいう一種免許状への上進の制度というのはない状況でございます。例えば小学校ですと、特別免許状から一種免許状への上進が可能となっておりまして、一種免許状から専修免許状までの上進の単位数と特別免許状から専修免許状への上進の単位数の差分がちょうどこの特別免許状から一種免許状への上進の必要単位数として設定されているところでございます。
 そのときに現行、この特別免許状をどのタイミングで出すのかにもよりますけれども、専修免許状までは25単位3年が必要であるということを考えたときに、基礎免許状としてこのプラス何単位か、現行の制度をベースにすれば10単位分ぐらいになるわけでございますけれども、そういったものを間に挟む設計をするかどうかというところも、併せて御意見をいただきたいところでございます。
 最後になりますけれども、最終的に修士号を出すかどうかというところについてでございます。このプログラムで学ぶ内容がどこで学ぶか、先ほど申し上げたとおり、全て大学院でなのか、一部は学部でなのかにもよるとは思いますけれども、何らか大学院で学修した内容は修士号取得のための単位数としてカウントができる設計にするといった御意見があったかと記憶しております。
 一方、もう片方の教職課程のワーキングにおいても、修士レベル化というときに必ずしもその修士号を全ての人間が取得してくるというよりは、まずは専修免許状ということを目指していくのではないかといった御意見であった状況でございます。そういったことも踏まえた上で出口、今、専修免許状と設定しておりますけれども、修士号へ向けての単位数としてどうカウントし、どの程度、修士号へ向けていくのかというところも御議論かと思っております。
 何個か論点、特に吹き出しを中心に申し上げたところでございますけれども、これまでの議論を踏まえて一応一つのパターンとしてお示ししておりますが、様々な条件、御議論の論点を経て出来上がっていくものかなと感じているところでございます。御審議をいただければ幸いでございます。
 事務局からは以上です。
【貞広主査】  ありがとうございました。それでは、今ほどの御説明内容も踏まえまして、委員の皆様の御意見を頂戴したいと存じます。御意見のある方、Zoomの挙手ボタンを押していただければと存じます。こちらから御指名させていただきます。いかがでしょうか。
 ありがとうございます。鹿毛委員、お願いいたします。
【鹿毛委員】  事務局で非常に分かりやすく今までの議論を整理していただいたと思います。どうもありがとうございます。私からは大きく3つ申し上げたいことがございます。
 第一に、今日の資料1の具体的な論点の大きな1番と2番の全体に関わることですけれども、まず、修士レベル化でありますとか、あるいは、これからは多様な専門性、強みを持った先生方を養成するという大きな方向性についてまず確認したいと思います。
 まさに修士レベルの学修が教師の専門性に寄与すると考えたときに、探究的な学びということが学習指導要領でも強調されていますので、それを指導できるような専門性を身につける意味でも修士レベルの学修ということは非常に重要だと思います。ですので、新課程もそのような趣旨のもとでカリキュラムを考えるべきだということが原則になるのかなと思います。そうすると、カリキュラムのコンテンツみたいなところを細かく定めていくよりも、やはり探究的、研究的な学びを重視すべきだと思います。
 また、探究の指導が困難という声が、現場で聞かれることがあります、と申しますのが、総合的な学習の時間、探究の時間があるわけですけども、それを指導するにはどうしたらいいのかということで、これについては2の(1)にある社会人等の経験や専門性というところに関わるんですけれども、まさに探究をお仕事の専門性としてお持ちの方、研究職というのは一番分かりやすいんですけれども、例えばプロジェクトチーム等のお仕事で探究的な活動をされてきた方の専門性が評価されてもよろしいのかなと思っています。
 それから2の(2)ですけれども、学位との関係ということから申し上げますと、まさに多様性ということと共通性ということが両方求められると思うんですよね。そうしたときに、日本ではたくさんの多様な大学院で専修免許状を出していますけれども、その多様性を生かすことがまず大切で、その一部となるような修士レベル化であれば、既存の修士課程の一部がここの新課程に含まれることによって、まさに強み、専門性の部分、多様性の部分として、既存の科目が活用できるのではと思います。
 また、これは本ワーキンググループでも議論があったと思うんですけれども、既に各研究科に在籍している大学院生が特別免許状を取りやすくする意味でも、彼らの多様性を生かすという観点から、このカリキュラムの中の一部にカウントされるという仕組みにするというのも一案です。
 一方で共通性という観点からしますと10単位の部分ですよね。今、教職課程として提案されている指導法との教育、生徒児童の理解等の2つの領域に関して、これらは最低限、入職するに当たって重要だと思われている内容領域で、新課程では10単位が想定されていますけれども、そのカリキュラムを共通性として設置することになろうかと思います。
 ただ、これは、修士レベルということで学部段階の科目とはカリキュラムのレベルが異なりますので、ここのカリキュラムを具体的な内容項目を明記することで過度に規定していくことになりますと、各研究科でなかなかカリキュラムを組むのが非常に困難になるし、研究的、探究的な教員を育てる入り口がそのようなコンテンツ中心のカリキュラムになってしまうというのは、今後の中長期的な教員養成を考える上で果たしてよろしいのかなと思ったりいたします。
 修士レベルに即した形の大くくりの基準があってもよろしいかとは思うんですけれども、これは各大学の判断で科目の設置ができるような形にしたほうがよろしいかなと思ったところでございます。
 それから2の(2)のことに併せてですけれども、実習をどうするかということが問題になるんですよね。もう一つのワーキンググループでも教育の臨床研究という形が提案されているかと思うんですけれども、それは修士レベルに即した、旧来の教育実習とちょっと次元の違った形で研究的、探究的に、まさに理論と実践の往還を重視した科目の設置を模索すればよろしいのではないかと思った次第でございます。
 第二に、社会人等の履修のしやすさということ、具体的な論点の2の(3)に関することについてでございます。
 新課程を開設したとしても、実際に履修しやすくないと、これに入ってこられる方が少なくなる可能性が高く、それは非常に残念なことだと思います。
 ですので、一つは働きながら履修できるような制度設計にしたらどうかと思います。原案ですと1年間ないしは2年間みたいな形になっているんですけれども、2年以上の複数年度にわたってこの単位を取り足していくことが可能な全体として柔軟な制度設計をすることによって、一人一人のキャリアのデザインに応じてこの新課程を履修できるようにしたらよろしいのではないかと思っている点が一つです。
 もう一つは2の(3)についてですけれども、日本では国公私立の多様な大学で専修免許状を出していると思うんですけれども、まず我々、大学に勤務している者として考えるのは卒業生をあらためて母校でどのように教師教育をするのかということで、各大学で卒業生に対する配慮というか、フォローアップみたいな実践がされていると思うんですよね。
 その観点からしますと、卒業生を受入れやすくするということが非常に重要かなと思いますので、なおさら、より多くの大学院、研究科で卒業生を受け入れるようなことが重要な論点なのかなと思った一方で、新課程をフルの形でプログラム化できる大学というのが果たしてどのくらいあるのかという、現実問題もあると思います。
 ですから、全部で25単位でしょうか。そのカリキュラムを全て大学院レベルで設置できるかというと、教育学系の修士課程がある大学であればまだしも、例えば特定の教科の専修免許状の課程認定だけで、学部に教職課程があるような大学ですと、修士レベルのフルスペックな新課程を設けるのは非常に難しいという実態があるんですね。
 そこで、先ほどの入職の時期という論点がありました。素案にミニマムな10単位というのがありますよね。そこだけを切り離して、そこだけでも開設できるようにする2段構えで新課程を考えて、その共通部分だけを開設するとなると比較的ハードルが下がって、例えば特定の教科の専修免許状のみの課程がある私立大学であっても、フルスペックではなくて10単位だけということであれば比較的容易になるのではないか、例えば家庭科だとか音楽だとか、そういう非常に専門性の高い大学院があるにもかかわらず、卒業した後に母校で免許を取りたいという方のニーズにも応じられるのではないかなと思った次第です。
 最後に3点目なんですけれども、2の(4)、これはかねてよりディスカッションの論点になってきたことですけれども、教育委員会と大学院との連携をどうすべきかということでございます。これについては今回も提案がありまして、なるべく採用と一体化するということで、採用を前提としてこの課程に入ってこられるメリットというのは十分に理解できますし、それも制度的な一つの具体案として非常に重要だと思っています。
 一方で、原理原則的なことを申し上げて恐縮ですけれども、免許状主義という考え方がありまして、基本的には、日本はその立場に立ってきたと思います。特別免許状それ自体は、教育委員会の判断で授与されるものですけれども、これはかねてより議論があったとおり、勤務する場所は人によって違ったりするということもありますし、私学に勤務するということもあります。
 今回、特別免許状を新たに仕切り直しをするということであれば、この免許状主義ということに鑑みて、全国で通用するような免許としたほうがいいかもしれません。
 もう一つは、そもそも免許状主義というのは養成と採用を分離する原理でもありますので、そのことによって、どこでも勤めたいときに勤めたい場所で採用が可能になりますので、この原則という観点から、教育委員会と大学院の連携と考えたときに、一つは都市部で複数の大学や大学院がある場合、東京なんか典型ですけれども、東京のみならず大都市圏で教育委員会と連携するといっても、なかなか難しい現状があります。
 しかも、採用権者である教育委員会と大学とが協議する場合、お互い対等の関係で協議するのが原則だと思うのですけれども、どうしてもその先の採用ということを見据えた場合、カリキュラムの中身を協議する際に、なかなか対等に議論を進められない可能性が危惧されるところでございます。
 最後に学位と免許のつながりについて付け加えさせていただきますが、最終的には修士学位を目指すということを、これからの国の方針として大原則にされたほうがよろしいかなと思うのですが、とはいえ、その学位に至るプロセスは柔軟であってもいいかなと。
 一人一人のキャリアデザインに応じて、その都度、大学院に戻って、そこで単位を取りためるとか、働きながら学位取得するとか、そこは柔軟性を担保しながら、基本的にはまずは専修免許状を目指して、その先に修士学位を目指す、それが同時であってももちろんいいですけども、各人のキャリアデザインに応じて道を歩んでいくような柔軟な制度設計をぜひ求めたいと思っているところです。
 取りあえず以上です。ありがとうございます。よろしくお願いします。
【貞広主査】  ありがとうございます。多角的な観点から御意見をいただいたところです。ありがとうございます。
 ほかの委員の方々いかがでしょうか。
 では、松田委員、お願いいたします。
【松田委員】  
 今日御説明いただいた内容に関しては、修士化、専修免許へという出口へのプロセスということと、それと議論にもなっていた採用と養成の一体化、連携、そういうところが明確に位置づけられていて、かつ、制度的にも非常に柔軟な部分を含む立てつけになっていて、大枠、とてもいい形でまとめてくださったなという印象をまずは受けたところです。
 その上で何点か個別なところでの意見ですけれども、まず、先ほど鹿毛委員もおっしゃいましたが、教育実習あるいは実習を通した学びということをどう考えるかという点です。最初の構想では10単位程度というところの部分での学びを、パッケージ化する中でという議論もあるところなのですが、二、三日程度の学校への体験的な実習というような内容を検討してもいいのではないかなと感じるところがあります。
 それはストレートの学生もそうですが、以前、貞広委員もスクールリテラシーという言葉を使っておられましたが、もうちょっと何か言葉を使うとするとスクールエンゲージメントや、コミュニティエンゲージメントとでも言うんでしょうか。そういう学校の風土とか文化というものに触れて、そういうものにコミットすることを学ぶ教育実習的内容と、それと先ほども議論ありました、それを通して理論と実践を往還していくような、深めていく修士レベルでの議論につながる内容になるのではないかと思ったりするところがあるんです。ですので、あまり従来の教育実習という形で一くくりにするよりは、幾つか目的に応じて、多様な実習的学びを配置するような考え方ができないかなというのを一つ思いました。
 もう一つは、パッケージ的な学びを通じて特別免許状を出す学修において、これは最初の頃にもう話したのですけど、社会人特有のアンラーンの学びの体験というのでしょうか。そういうものが各大学でも、あるいは教育委員会でも検討されるといいなと思います。特に生徒理解や指導法というようなことも絡めて、この部分が学ばれることで、求める新課程の、ある種構造、体系性みたいなものがよりはっきりするかなと思いました。
 基本的にはこれ、特別免許状の議論だということも今日の御説明全体を通して何かすごくはっきりしたような気がしていて、基礎免許状、普通免許状というような全国に共通して授与されるものと、各都道府県ごとに先ほども地域差とか、少子化が進んでいる地域状況の違いなど千差万別に教員採用の背景がなってきている中で、柔軟に教員に多様な人材を採用することを促していく意味では、とても考えられ仕組みになっていると感じたところです。
 以上です。ありがとうございます。
【貞広主査】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、森田委員、お願いいたします。
【森田主査代理】  森田でございます。よろしくお願いいたします。私は鹿毛委員、それから松田委員の御発言と重なるところあるかもしれませんけれども、一つはこの間の議論ですと、特別免許状を使いながら最終的には専修免許状の取得を目指していくと、今回整理いただいたのはとても新しい考え方で必要ではないかなということ。
 それから教員養成部会等でもありましたけれども、特別免許状という制度がありながらも、実はなかなかそれが活用されていない実態もありますので、そういったことを踏まえて実質的にこの特別免許状というものがより活用できるような仕組みになっていくのはとてもよい仕組みではないかとお伺いをしておりました。
 その際ですけれども、これも以前のワーキングから私も発言させていただいていることですが、この社会人等をどこまで広げるかという議論になると思うのですけれども、いろいろと考えていくと、いろいろな制度が併存している中で、もう一つのワーキングのところではしっかりと標準免許状から専修免許状へのルートをつくって、そこで力をつけていくという議論を一方でしている中で、こちらの仕組みでは、広く、誰でも受け入れるようなコースのようなものをイメージしてしまうと、少しここの考え方が本来の趣旨とは違う形になってくるのではないかという点が少し気になっているところです。
 それから、これは鹿毛委員もおっしゃったように、実際にこういうものをつくっていくときに果たしてこれを設置する大学院が本当にあるのか、それからどこまで可能なのかということですよね。今日あったような指導法や基礎的な理解に関する最低限の学び、10単位程度というものを入れるとした場合に、例えば中高の全ての教科の指導法が展開できるような大学院が、どこまであるのかという問題もあると思います。こういったことを考えると、実現可能性みたいなところをしっかりと押さえておかないと、制度をつくったはいいけれども、実際にどこの大学も大学院も手を挙げないということになってしまう可能性があるのではないかと思っています。
 いろいろ話しましたが、このようなことをいろいろと考えていくと、今回のこの仕組みについてはある程度、対象を限定した上で、例えば入学者選抜のところにも今回の資料の2のところには大学と授与権者、任命権者が一体的に選考を行うとあるように、社会人等で特定の高い専門性を持っていて、その方に学校現場に入ってもらいたいという前提があって、その方が学びを深めていくような、そういうルートで制度設計をしたほうが現実的にはよいのではないかと感じています。
 そうしないと、繰り返しになりますけれども、併存して様々な仕組みがあるわけですから、そういったものとの矛盾、不整合みたいなことが生じてしまうのではないかと、この点はやはり気になっているところです。
 それから、もう一つは学部の科目を入れるか、大学院のみにするかといったお話もあったと思うのですけれども、基本的には大学院の科目でよいとは思うのですけれども、先ほど申しましたような基礎的な理解であったり、指導法であったりというところまで科目を広げようとしたときに、大学院だけでこのプログラムの履修者のためだけに新しく科目を起こすのは、現実的にはなかなかハードルが高いと思います。
 そういう点から考えますと、大学によって状況が違うと思いますので、全体として学部の科目を入れたほうがよいとするか、それとも各大学院の状況によってすべてを展開できるところは大学院科目だけでもよいし、学部の科目を使ったほうがよい大学については、ある程度学部の科目も使ってもよいというような、そういった柔軟な制度設計ができるような形にしておかないと、現実的にこれをできる大学院は少ないような気がいたします。そういったところを今後検討いただきたいというのが大きく言うと2点目になります。
 それから3点目のところで修士号について、もちろん最終的に修士号をとるのは非常に意味のあることなので、そこは大事だと思いますが、今回、まずは専修免許状というところを優先的に考えてよいのではないかと思います。
 修士号については、様々な修士号があるため、ここのルートで想定している修士号というのは多分、教育系の修士号だと思うんのですね。しかし、このルートで免許取得した人たちが理学や工学という修士号をとるケースも当然想定できると思いますから、全ての人が教育学系の修士号を取る制度設計を考えるよりは、まずは専修免許状を重視した制度設計にして、その先の修士号の取得というところは、いろんな専門性を高めていく修士号があるのだという前提で設計をしていったほうがよりよいのではないかと考えています。
 少しいろんな視点から話をさせていただきましたけれども、かなり限定をした人たちに対する仕組みとしていくというのが必要かなと考えます。
 それから、もう一つ限定ということに関して言えば、これも前回小学校も入れるのかという議論もあったと思うのですけれども、その点については、小と中高だと専門性が違いますので、今回については、まずは中高のところに絞った仕組みで実施してみて、将来もし様々なニーズが生まれてくるようであれば徐々に対象を広げていくように考えて、まずは限定したところからスタートするほうがよいのではないかと感じているところでございます。
 以上でございます。
【貞広主査】  どうもありがとうございます。実現可能性の観点からも重要な御指摘をいただいたところでございます。
 では、続きまして植田委員、お願いいたします。
【植田委員】  ありがとうございます。基本的には今、森田委員がおっしゃってくださったことに共通する考えを持っていることを前提としてお話をさせていただきたいと思います。
 まず、大前提として私自身が考えていることは、先ほど森田委員からもありましたけれども、現行制度と矛盾しない制度設計にするということがまず大切かなと思っています。それから、あとは学校や行政のニーズに合った制度にしていく部分と、それから先ほど皆様から御意見がありましたけれども、多様な専門性という部分と、それから教師としての質をどう担保していくのかという、質の管理をどうしていくのかというところのこの3つの視点から検討していく必要があるのではないかなと考えています。
 その上で、入り口と出口の部分と、その間にあるプログラムをどう設計していくのかという形で考える必要があるのではないかと思っています。そういう意味で今回、事務局が提示いただいた案は、すごくそれを考える上でとても基礎的な情報を入れていただいて分かりやすい図を作っていただけたかなと思って感謝しております。
 まず、大前提としては、私自身は今回の先ほどの御意見もありましたけど普通免許状の中での免許主義とはまたちょっと違う形での議論が必要ではないかと考えています。今回の議論としては特別免許状というところが議論になっているので、ある意味、現行の特別免許状とどう違いを持たせるのかということの議論が必要だと思いますけれども、ここではある意味、普通免許状とは違う特別免許状として設計をすべきではないかなと考えているのと。
 あとは、修士レベルという言葉と修士課程という言葉がいろいろと混在しているので、そこをきちんと整理する必要があると思います。私自身は修士課程を活用するというよりは、今の教職大学院を何らかの形で活用する制度設計を考えてもいいのではないかなと思っていて、それが修士課程になるのか、修士レベルになるのかというところはちゃんと整理しなければいけないかなと思っています。
 それから、もう一つが教育委員会との連携したシステムにすることが、今回のこの制度をよりよい、意義あるというか、先ほどの森田委員の言うところの実効性あるものにしていける一つのスキームになるのではないかなと考えています。そういうことを頭に描きながら発言をさせていただきたいと思います。
 そういう意味で1つ目の入り口という点でいうと、ここでまず具体的な論点とか、基本的な考え方のところでも示されていますけれども、多様な専門性を持った人材を教師として採用していくことで今までにないような豊かな学びを実現していくとか、教育の質を向上していくとか、一方で教員不足に陥っている部分をどう補っていくのかということの目的がこの議論の大前提にあったと思います。
 そうなったときに、誰でもどうぞというような仕組みにするのは、それは違うのではないかと思っていて、その意味では今回、基本的な考え方のところにも示されているような多様な専門性を持った社会人等というところの「等」をどう踏まえるかということだと思うのです。この多様な専門性を持った社会人等をどこに設定をしていって、どういう人をターゲットにした制度にするのかというところを明確にして、かなり限定的に制度設計をしたほうがいいのではないかなと思っています。
 そういう意味では、現行でも教職特別課程とか通信制など、多様なルートで教員になろうと思えば、いろいろな負荷はあるにしてもできる制度はあるので、そういうルートでは今まではなかなか賄えなかった部分の人材を、いかに教育界に入ってきてもらうのかということを想定したときには、現行の制度とはちょっと違う新たな制度設計をしていく必要があるのではないかなと考えています。
 そこで何らかの形で多様な人材の専門性をきちんと担保して、教育界として入ってきていただきたい、教師に足る人材であるということを判定できるような的確なスクリーニングのような仕組みを経た上で、入ってきた方を短期間に教師として育成していく仕組みを想定していくべきではないかなと思っています。
 多様な専門性を今回の議論の中心にしているので、様々な多様な専門性の質をどう担保していくのかというところが一番重要だと思うので、例えば前回お話をさせていただいたイギリスのように、学部を卒業していたら、その学部で学んだことの専門性はあると担保するような学士号をちゃんと取得しているということを一つの基準にするとか、あとは教員資格認定試験が既にあるので、そういうのを経た上で、教育に入ってくる人材としての適格性はあると判断をするなど、現行の制度で生かせるものがないかということを検討した上で、それでできないのであれば何らかの新たな制度設計するという議論も必要ではないかなと思います。
 それから、それによって教職課程というところでの教職の専門性とか、教科の専門性の部分を担保していると認定をして、その後、教授法とか子供理解とか、あとは一番重要なのは学校での現場、先ほど松田委員からもありましたけど、学校での実習とかを中心に置いたようなカリキュラムを組んでいくということが重要ではないかなと思っています。そういうカリキュラムに考え方に基づくプログラムを修士課程で提供するのはなかなか難しいと思うので、負荷をおかけしますけれども、私自身は教職大学院で新たなプログラムとして開講していただくような制度設計でもいいのではないかなと思っています。
 そのときに教職大学院だけでするのは難しいので、先ほど前提で申し上げた、きちんと教育委員会と連携したという形での制度設計で実習する場の確保であるとか、それから現職の先生方と交流するようなプログラムを組むなど、今までにないような多様なプログラム設計をすることが今回の新しい制度設計の中では実現できていくといいのではないかなと思います。
 それで、そのプログラムを修了した人が普通免許状ではない特別免許状を付与するという形にして、現行の今の特別免許状とはちょっと異なる形の特別免許状を提供する設計にし、名称もどうするかというところの検討も必要ではないかなと思います。
 それから出口のところでいうと、今申し上げたように教育委員会と連携する意味では、今の一般でやられているような広く提供するものではなくて、ある意味、そこは議論かと思いますけれども、少し計画養成的な部分の側面を持った制度にしてもいいのではないかと考えています。
 そういう意味ではその自治体において、これから重きを置きたいような教育課程を担う人材であるとか、または実際に今現状として不足している教科の人材であるとか、それから、一方で自治体が抱えている教育課題に対応できるような人材の確保というような、自治体とか学校現場が持っているニーズとか課題に応じた人材とか、必要な教科とか専門性のある人材を想定した養成、採用という仕組みをセットにしたプログラムとして設計をして、そのプログラムをきちんと修了したと認定をされた人は、修了した暁にはもう教員のポストがちゃんと用意をされている保障をつけるという制度設計にしてはどうかと思います。そして期間についても1年になるのか、検討が必要であると思います。
 出口が確保されているので、その課程に専念をしていただくとか、難しい方に対しては奨学金制度を準備するであるとか、あとは働きながらでもできるような何らかの仕組みにするとか、そこは、いろいろ制度設計はあるかと思いますけれども、出口をきちんと確保して、このプログラムを終わったらちゃんと教員になれるよという、そこの保障をつけておく必要があるのではないかなと思います。
 その意味で養成と授与主体と採用の主体というところのきちんと整理はしなければいけないと思うのですけれども、一つ、教職大学院というところでの担い手というところと、教育委員会との連携というところを検討してもいいのではないかなと思います。
 最後に、先ほど上進という点があったのですけど、今回のこの制度で言われる言葉として特別免許状を使いますけど、特別免許状は、学ぶ場は学部卒業後の教職大学院であっても、一種免許と同じ特別免許状とし、専修免許状ではない形で設計をした上で、今回議論になっている標準的な免許状として位置づけて、でも専修免許状には上進できるよ、でも、その専修免許に上進したい場合は、ほかの免許状と同じように修士課程の課程を修了した形できちんと同等の単位を取った上で専修免許状に上進をするような制度設計にしたほうがいいのではないかなと考えています。 以上です。
【貞広主査】  ありがとうございました。森田委員の御意見とかなり重なっているかなと思いながら、私も伺いました。ありがとうございます。
 ほかの委員の方々、いかがでしょうか。中村委員、もし御用意よろしければお願いいたします。
【中村委員】  中村です。非常に分かりやすいパターンをつくっていただいて、ありがとうございます。
 今の植田委員の考えとかなり似ているのですけれども、まずは教師として働くために質の担保って非常に大事なので、しっかり学んでもらうことは、私はいいことだと思っています。ですから、個人的にはこの図の上の25単位を取って、1年間しっかり勉強して、教育実習もきちんと行った上で教員になるのが一番いいのかなと思っています。
 あとは、先ほどの植田委員と同じですけれども、現行の特別免許状とこの特別免許状の違いをどこかに出すべきかな、と、思っています。何か名前を変える等とかしたほうがいいと思っています。
 それから、教職大学院はフルスペックで大体どこの大学でもつくっていますから、まずはそこを利用してこの制度を活用することが非常に分かりやすいと思います。教育委員会との関係も実際の養成と採用と研修というのは一体化すべきと考えたら、非常にこれから大事になってくると思うんです。特に中教審で話されているように、大学と都道府県との関係は、密接になっていかなければならないので、そういう意味でもこの教育というところでもしっかりやったほうがいいなと思っています。
 もう1点は、さっき森田委員がおっしゃいましたけど、最初は中高の免許だと思います。小学校でも専科制がありますから、そこには対応できるでしょう。小学校の免許も取得したければ、もうちょっと勉強していただくというところがこれから大事になってくるかと考えます。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。
 では、続きまして、もしよろしければ森山委員、お願いできますでしょうか。
【森山委員】  ありがとうございます。今までの先生方のお話の中に、私の考えもほとんど入っていますが、一応の整理のためにポイントだけでもお示ししたいと思います。
 一点目は、特別免許状を使用するか否かという点です。私は特別免許状を使用して、このプログラムを進めるというほうが良いと考えております。時期については、どの段階で授与するのかよってどちらもそれぞれメリット・デメリットがあると思いますが、少なくとも特別免許状は使用して、その上で単位について一定の軽減を図ることが必要かと思います。
 次に10単位の扱いについてですが、これが多いか少ないかというと必ずしも十分とは言えないかもしれません。しかし、その中で実習的な科目の単位は入れていただくほうがいいのではないかと考えています。
 といいますのは、学部在学中に、教職課程を履修していない状況で、免許を取った場合に、すぐに教員として教壇に立つことも十分想定できます。そのため学校現場である程度の時間を確保し、最低限、必修として位置づけた中での学びを準備する必要があるだろうと考えております。
 教育実習というと少し語弊があるかもしれませんが、何か名称を付した形で、事前・事後指導の要素を含めることも非常に重要だと考えています。単に学校に行けばいいというわけではなく、リフレクションも含めた、実習的な学校体験活動として位置づけ、どこかでこれを必修科目として開講することが重要ではないかと思います。
 入口と出口についてですが、当初は間口を広くするという考え方も、イメージとしてあったのではないかと思います。ただ、異なる経路を持っている人が入職するという観点からすれば、必ずしも入学段階で間口を広げる必要はなく、別の方法でも対応可能な問題ではないかと考えます
 間口を広げることは重要ですが、異なる経路を持つ人を学校の一員として、スタッフの中に入ってもらうという観点では、入学条件に、これまでよりも少し制約が加わったとしても、その目的が十分に達成できるのではないかと思います。
 大学への派遣についても、途中から派遣される方、1年間だけで来る方もいれば、実質的に2年間休職してくる方など様々なパターンがあると思います。こうした状況を踏まえ柔軟な形での対応が必要であり、いわゆる入学者についてもある程度柔軟に検討してもよいのではないかと考えています。
 例えば、免許を授与する場合の授与権者と、養成を担う大学側との関係についてですが、恐らく今回の連携というのは新たな方向性を示すものだと思います。そういう意味では、この連携の新たな姿を、まさに新しい教育課程の中に位置づけていくことには、しっかりとした意義があるのではないかと思います。
 大前提として新しい教育課程のもとで進めていくので、これまでになり新しい取り組みを行うべきでありある程度の革新性を持つことも十分に意味があると考えております。一方で、既存の制度とあまりにも乖離していますと、例えば、同じ免許状発行されるにもかかわらず、過度に特別な扱いとなることで逆に課題が出てくる可能性があると思いますので、その点、今回事務局で様々な意見を踏まえてとりまとめていただいた受講パターンは、ちょうど折り合いのつく形に設計がされていると思いました。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。森山委員がおっしゃったように決して簡単なバイパスコースをつくろうという議論をしているわけではなく、多様な専門性や御経験値をお持ちの方々にしっかりと入職をしていただく、ちゃんと質を担保したままで入職していただくということで、こういう御提案をいただいているところでございます。
 松田委員、お手が挙がっていますがどうぞ。
【松田委員】  先生方のお話を聞いていて1点だけ少し考えたいなと思いました。中・高校と小学校という校種の問題なのですけれども、中村委員とは小学校の授業研究で御一緒に回ったりとかしまして、小学校の現場というのはよく共有しているところがあると思うのですけれども、確かに中・高校において高度な専門性というところは社会人において生かしやすいんですけれども、実は小学校においても、むしろ多様なチームとしての教師集団みたいなことを考えたときには、むしろ、社会人が持っている資質能力というものが学校教育全般において、非常に大きな役割を果たす可能性があるのではないかというのが思うところなんです。
 ですので、あまり中・高校を先行してというような進め方といいますか、区分けの仕方はしなくていいのではないかなと思います。
【貞広主査】  ありがとうございます。松田委員、小学校の先生を想定する場合、最初に評価される多様な専門性や経験というのはどの辺りを想定できるイメージですか。
【松田委員】  今、思いついたところぐらいの話ですけれども、大きくは2つぐらい焦点があるかなと思っていて。一つは中・高校と同じように教科に連なる専門性というものです。もちろん小学校では教育内容が中・高校とは異なっているのですけれども、実は例えば生成AIとかICTとかというような、高度な情報技術が関わるような内容やその活用というのは各教科にばらまかれているわけですので、そういうところで小学校においても高い専門性が生かされるという部分はあるんじゃないかと思います。
 もう一つは、学校運営において様々な教科指導以外の部分での職能といいますか。そういうことに関わって、社会人が持っている高度で様々な知識や能力というのは、学校教育に対して非常に大きな力になるんじゃないかなと思います。そういうちょっとしたイメージを持っておりました。
【貞広主査】  ありがとうございます。全科というよりも小学校の段階でも特別免許状、教科別に出せるということですので、そういうイメージも広げるという際には持てるかもしれません。ありがとうございます。
 では、鹿毛委員、どうぞ。
【鹿毛委員】  私から2点お話ししたいと思います。
 先ほど森田委員、植田委員から、あるいは中村委員もおっしゃった実現可能性という観点からこの制度を考えるというのは大賛成で、新たにいろいろなことをやると混乱しますので、既存のシステムをどういうふうに運用していくのかという点が基本になるだろうなと思います。
 ただ、その上でなんですけれども、そもそも論みたいなところで申し訳ないんですけれども、なぜ、この新課程が議論されているかというと、教師の強み、多様性ということをこれからどういうふうに学校教育現場で生かしていくのかという中長期的な教員養成を考えなければいけないという大きな方針があると思うのですよね。いわゆる教師教育をどうするのかという大きな問題が背景にあるのだと思います。
 そのときに、共通性と多様性の両方が非常に重要だということなのですよね。そこで大学院ではかねてより理論と実践の往還ということが言われていますが、その点が重要だし、特に探究的、あるいは研究的な学びが教師の素養として必要だということ。
 そのような大きな流れの中で新課程では、共通性と多様性ということも含めて、まさにパッケージであり、そのコアなところが10単位、それに加えてカリキュラムをどうするかという流れから特別免許状に焦点化されているというのが我々の議論の現状だと思うんですよね。
 そこで考えたいのが出口の多様性と強みです。今回事務局から出していただいた10単位プラスアルファのところをどう考えるのかというのは一つ重要で、そこが従来の大学院でも用意できるのじゃないか。多様な大学院があるからこそ、出口のところの多様性、強みというのも育てられるのじゃないかというようなことが、もちろん、もう一つのワーキンググループでの専修免許状の議論もあるのですけれども、それと関連した論点はここだと思うのですよね。
 そうしたときに、先ほどから出ている採用を前提としたときに、養成と採用と研修の一体化ということもかねてより言われているし、その流れはよく理解はできるのですけれども、それだけではなくて、むしろ理論と実践の往還という観点から、どう考えるのかという、かねてよりここでも話題になっているように、現状にどう適応していくのかというのは非常に重要な問題なのだけれども、一方でこれからの学校教育をよい方向に変えていくにはどうしたらいいのかというような広い視野で理論と実践の往還をするような、探究的に実践していくような教師をどう育てるのかという大きな流れに新課程を位置付けたほうがいいんじゃないかなというのが個人的な意見です。
 そこで、共通性が求められる10単位だけではなく多様性のところも含めてプログラム化するときに、日本の多様な大学院が持つ潜在的な、例えば教科の専修免許状で既に認定されている科目もあるわけですから、そこと併せてプログラムを運用するような大学があってもいいかもしれません。共通性のところはもちろん大事なのですけれども、多様性のところが出口の強み、多様性に結びつくようなカリキュラムデザイン、あるいは制度のデザインが重要なんじゃないかと思っているのです。
 そのときに、採用と研修の一体化ということで養成を考えたときに、もちろん教育委員会との連携ということ、これを否定するつもり全くないのですけれども、とはいえ、大学との協議がどのようになされていくのか。そのときに多様性の部分がどれだけそこで担保されるのかということは、一つ論点として認識しなければいけないのではないかなと思うのですよね。
 これからの教員養成を考えたときに、この新課程を特別免許状ということで切り分ける考えもあるかもしれませんが、専修免許状のカリキュラムとつなげるという発想もあるわけなので、要請と採用の関係をあらためて考える必要があります。
 ですから、具体的な今日の論点の2の(4)のところの連携、協働というのはもちろんすべきなのですけれども、だからといって、どの程度そこのラインというのですかね、バランスというのですかね。つまり出口のところで多様性、強みというのを育成するのであれば、そことの兼ね合いということと、あと理論と実践の往還ということを本当に実現するのであれば、大学が持っているリソースというのは大学でしか学べない学びということだと思いますので、そことの関係で考えていくべきなのではないかということを一つ申し上げたいと思います。
 もう1点ですけれども、これは森田委員が先ほどおっしゃった、10単位の部分をどういうふうに現実的に運用していったらいいのかということ、これ、とっても悩ましくて、おっしゃるとおり、この10単位を新設して広く多くの大学院で手を挙げてもらうのはなかなか難しい可能性があるのですよね。
 そのときに、以前話題に出たと思うのですけれども、修士レベルをどう担保しながら、学部段階の科目を運用する可能性について知恵を出していく、そのことによって特別免許状につながるような、それは修士学位の単位としては認められないかもしれないけど何らかの形で枠外として扱うということによって運用できる基準を設けて進めていくということで、一種免許状の科目を活用することも検討したほうが、各大学での開設に向けた前向きな後押しになるんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【貞広主査】  ありがとうございます。委員の皆様から様々な御意見をいただきました。事務局でしっかり資料を精査しておつくりいただきましたので、今日、委員の御意見が重なる部分がありました。
 とりわけ鹿毛委員が出してくださったような残された検討事項というのがあるわけですけれども、おおむね、違っていたらまた御指摘をいただきたいのですけれども、別のワーキング等も含めて、基本的には全ての教員が専修免許を目指して様々な研修なり自己研修なりを積んでいっていただきたいけれども、いろいろな制度を用意して、いろんな山の登り方を想定することによって多様な人材に入ってきていただくという、そういうイメージだと思います。
 ただ、だからこそ、植田委員がおっしゃったように現行制度と矛盾しないであるとか、ここの課程についてはニーズに合っているとか、多様な専門性といったときにも出口でも入り口でもしっかりとクオリティコントロールしなきゃいけないとか、そういう部分であったと思います。
 現行制度と矛盾しないという意味では、特別免許状をかませる、これをどういう名称にするかということも御指摘いただきましたけれども、これをかませるというのはいいだろうというようなことは、委員の皆様から合意をいただいたところであったかと思います。その上でしっかりと学びを継続させていって、最終的に専修免許を目指していっていただきたいというルートでございます。
 あと、ニーズについては、今の鹿毛委員のお話にもありまして、教育委員会と大学の協議の在り方についてはかなり課題もあって、検討事項もあろうかと思いますけれども、他の制度の違いということを考えると、誰でもかれでも入ってきてくださいというようなルートというよりも、ニーズベースで、ディマンドサイドベースともいうのですかね。教育委員会と協議の上で、採用というところを想定して入ってきていただくことを想定するということですね。これはもう完全に開放制も含めて、別のルートとはむしろ違う意をしっかりと設けるということでございます。
 あと、多様な専門性の質のコントロール、これは入り口でどうするかというのは先ほどの協議のことも含めて、まだこれは継続的に検討するべきであろうかと思いますけれども、しっかりと何らかの、現行制度の活用も含めて、入り口もしっかりと質の保障をしていくこともお話をいただきました。
 フィージビリティの観点からも様々御意見をいただきました。これは、どこでこのパッケージプログラムを提供するかということとも重なっていますけれども、教職大学院なのか、修士課程も含めるのか、また、学部の授業の活用もできるようにするのか、も含めて、かなり柔軟な制度設計を認めるのかということもありましたけれども、先ほど鹿毛委員がおっしゃったように修士レベルを担保する知恵を出していくという、最初スモールスタートで、ちょっとフィージビリティに寄せていったとしても、少しずつ修士レベルを担保するような知恵を出していくという、そういう何というのですかね、仕掛けも入れておくことも一つ重要な点だと思いました。
 非常に雑駁なまとめで申し訳ありません。また御意見をいただければと思っているところでございます。まだ時間がありますので、委員の方々からもう少し御意見をいただけます。
 例えば今日、資料2のところに事務局で吹出しを出していただいているところで、一番右下のところにある勤務経験によって単位数を低減できるようにするということであるとか、恐らく一番難しいのが入り口のクオリティコントロールなのだと思いますけれども、植田委員からはイギリスの例を引いていただきながら、例えば特定の領域の学士号を持っていることにするとか、認定試験制度を使うであるとか、または、もっと多様な勤務経験みたいのを想定することもあろうかと思いますけれども、例えばこの辺りに何らかの御意見があれば、ぜひいただきたいところでございます。ほかでも結構ですけれども、いかがでしょうか。
 また、学校種の点ですね。基本的には中高でという御意見が多かったように思いますけれども、特別免許状を小学校の特定の教科だけでも出すことができますので、そうしたことを想定すると、小学校ということも一部見据えられるのではないかという御意見もいただいたところです。
 よろしいでしょうか。いかがですか。今の点に限らずでも結構ですが、この点はもっと検討するべきではないかというのが。
 鹿毛委員、どうぞ。
【鹿毛委員】  今の小学校の件なのですけれども、私、松田委員のご意見にかなり共感したところがありまして、この教員という仕事には、もちろん校種によって違いはあるんですけど共通する部分も結構あったりするのですね。学校の運営でありますとか、あるいは教育をどう考えるのかという基盤の上で実践をするであるとか共通していますし、むしろ小学校だからこそ、社会人等の経験が生きる部分は排除できないんじゃないかなと思うのですね。
 ですので、問題はその入り口の部分で、そこをどう担保するのかということさえ、条件がある程度、具体化されれば、必ずしも中高に最初から絞る必要はないのかなと思いつつ、ただ、中高を絞ったほうがやりやすいという森田委員のご意見はその通りで、そちらのほうがイメージしやすいですよね。
 ただ今回、小学校についても、むしろ多様性、共通性という大きな枠組み、さらには強みとか専門性という観点から、この新課程によって出口の多様性とかも重視されるのであれば、最初から中高に絞らなくてもいいのかなと思った次第です。
 あともう一つ、松田委員がかねてからおっしゃっていたアンラーンでありますとか、スクールリテラシーということ、それについての相対化が必要だといった論点が私は個人的には教師教育を考える上で重要な課題だと思っています。
 ですので、そういった観点から修士レベルというカリキュラムの内容について、先ほど御提案があったスクールリテラシー、風土や文化に触れ、その経験を基に理論と実践を往還するような、実習をどう考えるのかという問題でもあるのですけれども、そこを10単位に含めるのかどうなのかということは議論が必要です。
【貞広主査】  ありがとうございます。改めて、この10単位の中に何を入れるのかと、あれもこれも入れたいのですけれども、ここに優先的に何を入れるかということにもなりますね。ありがとうございます。
 では植田委員、どうぞ。
【植田委員】  ありがとうございます。その10単位のところではなくて小中か、免許の更新のところなのですけど、私は松田委員と今、鹿毛委員がおっしゃっていた部分と共通していて、私は別に中高に限定する必要はないかなと思っています。
 その点でいうと、先ほどの鹿毛委員もおっしゃっていましたけれども、入り口のところでの先ほど発言したことと関係する、こういう人材が必要だから、こういう人を想定してという選択肢を教育委員会なり、大学とかが選べるような制度設計で小中とか中高に限定とかという形ではない形にしておいたほうがいいかなと思っています。
 そういう意味では小学校においても教科の例えば体育に特化したいとか、もうちょっと運動能力を上げるみたいなところであれば、体育とかという教科に関係することもあるでしょうけれども、例えばちょっと不登校ぎみの子供たちへのとかという、そのケアですね。すいません、今、止まっていましたかね。
【貞広主査】  しばらく時間をおいてからとします。植田委員の今の御発言を承りますと、例えば通常、大学は募集要項という形で若干ふんわり出すのですが、どちらかというと公募書類に近いような書類なんですかね。今年はこういう人を入れますというような感じに、書き込むものが何種類か大学から出て、そこに手を挙げていただくような感じのイメージなのかなとも思ったり、単なるイメージですけれども。
 では、森田委員、お願いいたします。
【森田主査代理】  よろしくお願いします。小学校を入れるということに私は、反対しているわけではないのですけれども、実際のデータがあるかどうか分かりませんが、特別免許状は確かに小学校で教科ごとに出すことができるとはいえ、小学校の教科ごとに発行された特別免許状について、どの程度のニーズがあるのかという点が気になっています。単純に考えますと、採用する側からすると、少し採用しづらい側面もあるのではないかと感じておりまして、この辺りで実際にニーズがあれば特に問題はないと思いますけれども、ニーズとの関係もあるかなと思います。
 それから、なぜ私がまず中高と発言させていただいたかというと、御承知のとおり、今、同じようにもう一つのワーキングの下の作業部会として、小学校と中学校、高校で分かれた作業部会が動いています。それは、なぜかというと小学校と中学校、高校では専門性がやはり違うし、養成の仕方も違うだろうというご意見があったからでもあります。
 それから、これも言うまでもなく、例えば指導法関係の科目ですと現状の仕組みで言えば、小学校であれば、一種免許状取得のためには10教科全ての指導法を学ぶ必要があるように養成の仕方が異なるなかで、果たして小学校と、それから中学校、高校との間で共通の10単位のイメージができるのかどうかの不安があります。仮に小学校版と中学校高校版という2つを展開することになれば、それは設置する大学にも非常に負担となってくるので、気になったというのが一つです。
 それからもう一つは、共通性と多様性という鹿毛委員のお話は、すごく大事なポイントで今回の改革のポイントになっていると思うのですけれど、このプログラムに関しては逆に言うと、すでに多様性は持っているとして、入ってくる際に、もうそれは社会人の経験等で持っている人であるが、ただ、共通性の部分の学びがない人なので、そこをどう担保していくのかという仕組みではないかと思います。そのように考えたときに、この10単位だけが共通性の部分ということではなく、学部の科目も柔軟に含めて学ぶ基礎的な部分の10単位にプラスして大学院レベルの教職や教育学的な学びがひっついてくるのだというイメージで私は考えていたものですから、そういった発言をさせていただきました。
 ですから、そういう意味では、共通の10単位にプラスして学ぶ15単位程度のところに、教科の専門に関わるような科目がどんどん入ってくるイメージではなくて、そこは教育学な科目などで実力を高めていくようなイメージで考えたほうがよいのかとは思っています。
 それから最後になりますけど、入学者選抜のところで言いますと、学部のところのイギリスの例で学士課程の学びが前提というようなお話があったと思いますが、学士課程で学んだ内容と社会人経験で培った専門性がずれてくるケースはあると思います。そのため、この辺りは少し柔軟に考えつつ、教育委員会と大学がしっかりと連携をしながら、こういった専門性を持っている人であれば十分、学校現場に入っていただいても大丈夫だというようなことを連携しながら確認するようなことを検討したらよいかと考えています。
 以上でございます。
【貞広主査】  改めまして、共通性と多様性について整理していただきました。多様性は担保して入学をしてくる想定の制度ですので、いかに共通性として持っていってほしいものをしっかりと学んでいただくかという、その制度設定が必要だということでございます。
 先ほど小学校の特別免許状の授与の数に関わっては、参考資料3に資料があります。もしよろしければ事務局より御説明をお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】  事務局でございます。御指摘いただきました点について、何点か補足をさせていただきたいと思います。
 まず、今、特別免許状の関係でございますけれども、参考資料の3の11ページでございます。特別免許状についての概要でございますけれども、この授与件数のところ、全体合計で令和5年度611件という状況でございますけれども、そのうち小学校が109件という状況でございます。
 事例といたしましては、英語や情報等々となってございます。小学校も今度は総合的学習の時間で情報分野について学習する等々の御議論があるやに聞いておりますけれども、そういったものも含めて、こういった様々な分野に関してというところがあり得るところかと考えます
 参考で、あと2点、参考資料の4での4ページでございますが、現行の専修免許状から、特別免許状から専修免許状へ上進するときに何を学ばなければならないかというところについては、現行においてこの25単位分が必要でございますけれども、そのうちの10単位が各教科の指導法に関する科目と教育の基礎的理解に関する科目等と定められておりますので、そのときに今回の制度との関係でどうするかという論点になろうかと思っております。
 最後になりますけれども、今、御議論なったところでございますが、参考資料の2でございますけれども、強み、専門性の関係、また、教職課程のワーキングでも御議論をいただくところではございますけれども、12ページで今お示ししていますとおり、特に開放制の大学については、この学位課程との関連の中で強み、専門性ということを改めて位置づけ、この強み、専門性等を共通で学ぶ内容をセットで教職課程として認定をしていくことが御議論になっておりますので、こういった中で教職課程の一部である強み、専門性が学位課程の一部でもあることに今後の教職課程はなっていくときの、入学のときにどこを御覧いただくかというところの御議論かなと考えております。
 補足でございました。以上でございます。
【貞広主査】  補足の御説明をいただきまして、ありがとうございます。
 では、もう何人かの方々から御意見いただける時間がありますけれども、植田委員はいらっしゃいますかね。
【植田委員】  
 どこまで聞こえていたか、分からないのですけど、小学校においても体育とかの教科的な専門の部分とかもあるかもしれませんけれども、例えば不登校ぎみの子とかの保健室登校をしている子たちなどのケアの部分に関わっていうと、いろんなキャリアを積んで、例えば看護師さんであったりとか、そういう方たちのそういう専門性の部分とか、多様なバックグラウンドを持った方たちが小学校の先生として、その中で関わって、先ほどチーム学校というようなお話もありましたけれども、多様なバックグラウンド、専門性を持った方たちが一つの学校の教職員として関わるような体制を、今はサポートスタッフのような形で関わっていらっしゃる部分をきちんと教員として関わっていただけるような仕組みとしていくという制度に使うこともできるかもしれないので。
 そういう意味では先ほど森田委員がおっしゃったように求められる専門性は違うと思うので、中高であれば教科という部分がかなり求められてくると思いますし、小学校であれば教科とそれ以外の部分、中高でも教科以外の部分もあるかもしれませんけれども、そういう多様な人材を教育界に入れることを想定したときには、あまり免許の制度としては限定せずに多様な人たちが入れるような制度設計にした上で、でも、入ってくるときの質の担保のメカニズムをきちんとセットした上で考えていくことが必要だと思います。そして、その主体がどうなるか分かりませんけど、教育委員会とか大学側がこういう人材を入れるルートとして制度設計するような、やるほうの選抜であるとか、制度設計のところでの質コントロールがきちんとできるような仕組みをセットで設計することが必要ではないかなと思って、発言させていただきました。
 
【貞広主査】  ありがとうございます。ますます入り口の部分の質の保障というのをどうするかということが、とても重要な論点として浮かび上がってきているところでございます。
 鹿毛委員、どうぞ。
【鹿毛委員】  今、植田委員がおっしゃったことはそのとおりで、多様な人たちが教集団を形成することを目指すという大きな流れがありますよね。ですから、入り口のところで、例えば児童理解みたいなところの専門性の高い人が入ってくるというのはとてもいいんじゃないかなということと思ったことと。
 一つ質問も兼ねてなんですけれども、この特別免許状の新課程、25単位程度というところに、共通性のところはもちろんなのですけれども、多様性のところがどれだけここに入ってくるべきなのかというあたりが論点なんじゃないかなと改めて思ったところがあります。森田委員の話から思ったことなのですけれども。
 実際問題として、例えば、いろんな仕事をされてきて新たに国語の先生になりたいから、文学研究科の国文学の勉強したいということで修士課程に入ってくるような方がいらっしゃって、そういう方にとって現行の制度だと一種免許状を取った上で専修免許状を取得するという形になりますよね。
 そのときに、例えば10単位のところの共通性の部分だけ履修して、あとは専修免許状の課程認定を受けている国文学なり、そういうような科目でで、残りの単位を埋めることによって専修免許状にも近づくし、基礎免許状のところもカバーできるような新課程ということはあるのか、ないのか。
 つまり、それは専修免許状の単位と重なる部分もある新課程であると、そこの部分はそれぞれの大学院の既に専修免許状の単位認定がある科目を活用して専修免許状に近づくという、それがバイパスになってはいけないのは一方で大事な論点なんだけれども、そのような制度設計がありうるのかという点です。
 もしそうだとすると、ある教科の先生になりたいとか、そもそもそこの専門性を求めて大学院に進学する社会人等の「等」のところかもしれませんけれども、結構そういう方は相当数いらっしゃる可能性はあるのではないかなというあたりで、25単位のところで共通性ばかりが強調され、ちょっと分からなくなってきたところもありまして、補っていただきたいなと思ったところでございます。
つまり、共通性の部分はたしかに必要なのだと思うのですね。要するに基礎免許状を持ってないで、例えば国文学の大学院に入ってきた場合、専修免許状を取るためには一種免許状を取らなければいけないということになるわけですけれども、特別免許状を取るという場合、そこでの10単位は例えば共通性の部分で指導法と教育、児童生徒の基礎的理解の2領域を履修しなければいけないと思うのですけれども、残りの部分を既存の専修免許状に認定された科目を取ることによって、特別免許状の基準を満たしたうえで専修免許状と学位も取得できるというようなことが、あるいは、そこに差分の部分はあるのかもしれませんけれども、まずは特別免許状が出る形にはなるのかもしれないなと思ったところがあって。
 私の理解がちょっと追いついてないところもあるので、質問も兼ねて申し上げたところで、実際にそういうニーズもあるんじゃないかなと思ったところもありまして。
【貞広主査】  これは恐らく論点になるところですよね。51分の31の部分を想定して10プラス15の25としているので、多様性は20の部分なのですよね。それを、ここでどう考えるのかということだと思いますけれども。この点について、鹿毛委員はいかがですか。
【鹿毛委員】  既存のカリキュラムを運用するということであれば、専修免許状では教科の専門性、教科または教職に関する科目という形で認定をされていると思うんですけれども、既に教科に関する修士レベルの専門科目として専修免許状の単位が認定できますので、それを併せて取っていくことによって新課程の一部を充足できるということになるのか。
 逆に言えばその点によって修士学位と同時に専修免許状にも近づく新課程になりうるわけなのですよね。私はそのように柔軟に運用するのかなと思っていたものですから、逆にそれが教育委員会との連携ということで、そこの部分がそうじゃないということになってしまうとどうなのだろうと思っていて、先ほどのような発言してきたということの背景には、その思いがあるのですね。
 現状の専修免許状のシステムと連携させて、この新課程を運用すると、その25単位の中に既存のそういう教科に関する科目を強みや多様性として位置づけることも可能かと考えたのですが、この新課程の、そこがちょっと見えてないなと思ったということです。
【貞広主査】  分かりました。森田委員、先ほどおっしゃった共通性は、あくまでもこの10単位のところを想定しておっしゃっていたように思いますけれども、何か補足ありますか。
【森田主査代理】  私も明確な答えがあるわけではないのですけれども、私の意見としては、鹿毛委員のような想定はもちろんあり得るとは思うのですけど、それをここで想定してしまうと共通性として学ぶ教職関係の学修内容について、共通性が求められるとしながらも極論を言うと10単位だけでよくなってしまうように思います。多様な学びとして発展的・実践的な学びの部分に教科の専門科目もどんどん入れてよく、共通性部分が10単位のみになってしまうとなったときに、果たして既存の一種免許状なり議論中の標準的な免許状との関係からして、それでよいのかという話になってくるような気がしますので、今回のプログラムに関しては、私としては限定をして、教職や教育学関係の科目をベースに考えていくという前提のほうがよいのではないかなと個人的には考えているところです。
 以上でございます。
【貞広主査】  ありがとうございます。これは恐らく31足す20=51との同質性をどういうふうに担保するのかということの向き合い方によって、若干御意見が違ってくるところなのだと思いますけれども、ほかにこの点について、御意見ある方いらっしゃいますでしょうか。この点じゃなくても結構ですけど。
 鹿毛委員、どうぞ。
【鹿毛委員】  今の森田委員の話だと、要するに修士レベルの科目という発想をどう考えるのかということが論点だと思うんですよね。確かに単位数は少ないけれども、そこを高度な専門性を培う基礎、入り口みたいに考えたときに、先ほど松田委員がおっしゃった、例えば教育実習の発想を変えることによって、日数は少ないかもしれないけれども、そこは密度の濃い質の高いものをやるというように。現実的にどれだけできるのかという問題はあるんですけどね。
 その10単位という単位数だけではなくて、新課程の修士レベルとしての質をどう担保するのかというカリキュラムの水準の問題については本当によく考えないといけない部分だなと改めて思いました。
 新課程の在り方によっては開設される大学がかなり少なくなると思います。そうすると今までどおり一種免許状をまず取ってからというような履修の仕方が変化せず、多様な人が免許を取るためのハードルがすごく高いままで、大学院から教職課程を履修しはじめてなるべく早く先生になりたいという人の負担は変わりません。そこは解消されないということになるのかなと、一方では思いました。
 以上です。
【貞広主査】  ありがとうございます。修士レベルの学びが本当にどこでも確保できるということであれば、また、検討の余地もあるところかもしれませんけれども難しいですね。この辺りもちょっと総合的に聞き取っていただいて、残された議論については次回に送っていければなと思います。
 ただ一方で、今日、資料2で出していただきました受講パターンの、あくまでも例として出していただいているものですけれども、大枠はかなり委員の皆様から好意的な御意見をいただいたかと思います。選抜をどうするかとか、教科の中身をどうするかとか、どれぐらい縛りを緩くするのかとか、いろいろ幾つか残された課題がございますけれども、この資料については、基本的にはこれをベースに次回以降、考えていくような御了解をいただいたと思います。
 ここに至るまでに本当に様々な貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。次回以降も本日の議論を基に、さらに検討を進めさせていただきたいと思いますので、引き続きお力添えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では、本日の議事は以上とさせていただきます。最後に事務局より御報告お願いいたします。
【大野教員免許・研修企画室室長補佐】  次回のワーキンググループは現在、日程調整中でございますので、日程が確定いたしましたら、改めて御連絡いたします。
 本日は長時間にわたり、どうもありがとうございました。
【貞広主査】  どうもありがとうございました。これで終了いたします。
 
―― 了 ――