令和7年12月22日(月曜日)10時00分~12時00分
11F省会議室(WEB会議)
【大野教員免許・研修企画室室長補佐】 定刻となりましたので、ただいまから第1回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会、大学院における社会人等の免許取得に資する新教育課程ワーキンググループを開催いたします。
本日の進行は、主査選出等の議事までは事務局が行わせていただきます。
教育人材政策課室長補佐の大野と申します。よろしくお願いいたします。
本日の会議は、ウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催させていただきます。
本会議の模様は報道関係者と一般の方向けにライブ配信しております。なお、この議事の関係上、議事2以降、ライブ配信となります。
本来であればここで委員の皆様お一人ずつ御紹介させていただくところですけれども、時間の関係もあるため、委員名簿にて御紹介に代えさせていただきます。委員一覧は資料3にございますので、御確認ください。
【貞広主査】 それでは、ワーキンググループの立ち上げに必要な手続は終了いたしました。ここから議事を公開といたします。
このたび主査を拝命いたしました千葉大学の貞広でございます。よろしくお願いいたします。
昨年の12月に出された諮問、「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について」以降、本年1月より教員養成部会で議論が行われており、10月に論点整理として取りまとめを行いました。
当該論点整理を踏まえまして、別途設置されている教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループにおいて、先週中間まとめ案が議論され、主査一任となったところでございます。
引き続き、本ワーキンググループでは、大学において教職課程を履修しなかった社会人等の学び直しやキャリアアップの観点を踏まえ、大学院において教員免許状の取得が可能な新たな教育課程の在り方について、委員の皆様と議論させていただき、具体的な内容を検討してまいりたいと存じます。どうぞ皆様のお力添えをいただけますよう改めてお願い申し上げます。
よろしければ森田主査代理からも一言お願いいたします。
【森田主査代理】 よろしくお願いいたします。主査代理を拝命いたしました立命館大学、森田でございます。一言申し上げたいと思います。
今後の学校教育を考えたときに、このワーキングで検討をしていくことになります、いわゆる社会人の人たちを中心とした入職経路の拡幅ということについては、非常に重要なテーマであると考えています。新しい発想に立ちながらも既存の仕組みをうまく活用しながら、どういった形で新しい仕組みが構築できるのかということについて、委員の皆様と活発に議論をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
【貞広主査】 森田主査代理、ありがとうございました。皆様よろしくお願いいたします。
それでは、議事2に入ります。本ワーキンググループの進め方につきまして、改めて事務局より御説明をお願いいたします。
【大野教員免許・研修企画室室長補佐】 事務局より説明いたします。資料1を御覧ください。本ワーキンググループは、初等中等教育分科会教員養成部会運営規則第5条に定める審議組織として、令和7年9月19日に開催されました第155回教員養成部会において、その設置が承認されたものでございます。
会議の公開及び傍聴、議事及び議決、議事録の公開についても同規則に基づき行われます。
本ワーキンググループの設置目的及び検討事項は資料2、また、委員名簿は資料3にございます。
また、本ワーキンググループの今後の開催予定は資料8にまとめておりますので、御覧ください。
事務局からは以上となります。
【貞広主査】 ありがとうございました。本件に関しまして、御質問、御意見を承ります。いかがでしょうか。
特にございませんでしょうか。
ありがとうございます。それでは、本議事はここまでとさせていただきます。
次に、議事3に参ります。まずは事務局より、これまでの主な意見や今後議論するべき内容などについて御報告をお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 事務局、大根田でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料に基づきまして説明させていただければと思います。まず、資料の4-1を御覧いただければと思います。
先ほど主査からもお話ありましたけれども、昨年末の諮問に基づきまして、教員養成部会で御議論いただいた内容が10月に論点整理としてまとめられております。それが資料の4-1、概要でございますけれども、大きく3つ柱がございまして、①が指導要領等の改訂等も見据えた教職課程の在り方について、②が採用・研修の在り方、そして③が多様な専門性や背景を有する社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方という、3つの柱が立てられているわけでございます。
①に関しましては、別に行われております教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループにおいて、計4回御議論をいただいておりまして、その内容が中間まとめ案という形になっているわけでございます。本ワーキンググループは③のほうの内容ということになりますけれども、③に関して御説明する前に、①の関係を簡単に説明させていただいた上で、③に移れればと思っております。
①の内容、資料5でございますけれども、中間まとめ案ということでまとまっているものでございます。
1枚おめくりいただきまして、1ページ目でございますけれども、上の枠組みの部分でございますけれども、養成・採用・研修を全体を通じて質を伸ばしていくと、質を担保・向上させていくということ、そして、それぞれの強み専門性が伸ばせるような仕組みにしていくという大きな方向性が示されているところでございます。
その上で、養成段階につきましては、専門的な学修に基づく強み専門性を伸ばしながら、共通で学ぶべき内容も併せて再構造化・体系化をしていくという方向性が示され、また採用段階では、教師に必要な基礎能力が身についているかを測定し、研修段階においても、教職課程、勤務を通じて身につけた強み専門性をさらに伸ばしていくという機会を提供し、免許の上進が可能になるようにしていくという大きな方向性が示されております。
これをチームとして見た場合が2ページ目でございまして、各個人が同等の能力を身につけていくというものから、コアとしての基礎能力を身につけつつ、各教員が強み専門性を身につけていく。その様々な強み専門性を持った教師がチームとなることで学校教育全体の質を向上させていくという方向性がここでまとまっているものでございます。
これらを踏まえて、3ページに教職課程の養成段階での見直しのイメージがまとめられているわけでございますけれども、ワーキンググループでの主な意見というところでございますが、各学生が自らの目指す教師像というものを実現するために自律的にカリキュラムをデザインしていくということ、また、理論と実践が結合する中でのカリキュラムの全体の再構造化が必要であるということ、そして指導要領に対応するため、次期指導要領に対応するために教職課程自体も学生の深い学びが実装されていくことが必要だということ等々が示されており、また併せて追加的に学ぶべき内容として、学びを生かす観点で、学び続ける力、他の教員と協働する力、理論と実践の往還を通じた省察のトレーニングなどが必要であるということや、教師自身の強み・弱み、自らのメンタルや健康状態に向き合う内容というのも重要であろうという方向性が示されております。
そういった中で、下の青色の部分でございますが、全ての教職課程で学ぶべき共通の内容と各学生が自律的なカリキュラムデザインの下で強み専門性を身につけていくという2つの柱が示されているというのが大きな流れとなっております。
4ページでございますけれども、そういったことを踏まえて、上のところでございますが、3つのカリキュラムデザイン原理を示した上で、以下の①から⑥の大きな共通の方向性が示されているところでございます。
全体を通じて、既存の事項を再整理していくということ。その再整理の方向は、教科等の指導法と、教育、また、幼児、児童、生徒の理解という大きな2つの柱で考えていくということ。③の部分で示されている赤字の部分のような内容も追加していく必要があるということ。そして教育実習に関しましては、学校体験活動や特別支援学級・学校での実習を促進し、介護等体験も含める形にしていくということが示されているわけでございます。
併せて、デジタル・CBTも活用した事前事後学習の充実によって単位の実質化も図っていく必要があるということが示されており、①から⑥の方針を踏まえて、今後、このワーキンググループの下に設置される作業部会において、各学校種、免許種ごとに細かな単位数でしたり事項の詳細を整理していくということになっているわけでございます。
こういったことを踏まえて、現行の単位数等についても、構成の変更等について次のページ以降に学校種ごとに仮置きで書いているものでございまして、今後これから議論をさらに進めていっていただくということの方向性が示されているとともに、最後でございますけれども、12ページでございますが、強み専門性のイメージということを示しているものでございまして、強み専門性の例として、下の部分でございますが、様々な強みの在り方について御議論をいただき、その要素について次のページにまとめていると、そういった構成でございます。これがもう片方のワーキングでの中間まとめの案というものでございます。
関連で参考資料の2でございますけれども、参考資料2では今申し上げましたワーキンググループの関連の参考資料を載せておりますので、適宜御確認いただければと思います。学校種ごとの現行の免許の必要取得単位数についてまとめている表とともに、コアカリキュラムについての概要が6ページから、そしてその後8ページ以降でございますけれども、現行の教員免許制度の在り方についてまとめた部分がございます。それが9ページ、10ページということになっておりまして、現行に至る昭和24年の法制定以降の様々な改訂の内容が11ページから17、失礼しました、19ページ、そして最後21ページまで載せさせていただいているものでございます。併せて御参照いただければと思います。
資料4-1に戻りますけれども、今まで申し上げましたのが①に関連する部分でございました。今回のワーキンググループは③の関連でございますので、これらを踏まえてのということで③でございますけれども、主な議論の方向性ということで、特に1つ目の部分のチェックの部分でございますけれども、大学院段階における教職課程の在り方について、多様な学部出身者や社会人経験者が新しいプログラムを履修することによって標準的なレベルの免許状を取得できるような仕組みを考えていく必要があるのではないかという御議論をいただいているところでございます。
詳細に関して資料7を御覧いただければと思いますけれども、資料7は、その内容、詳細を書いておりますけれども、(4)という部分でございますけれども、1つ目の丸の部分が今の点、また、2つ目の丸の点でございますけれども、社会人であっても学びやすい履修の在り方、専門性について教員免許との関係性、修士号授与との関係性、質の担保の多様性の担保の両立などを念頭に置いて設計を慎重に進めていく必要があるのではないかということ。
また、その下でございますけれども、3つ目の丸、大学における免許取得の仕組みは、あくまで入職ルートの多様性と現場での教師人材の多様性の担保の観点から、多様な学部出身者や社会人経験者の参入に関する制度として考える必要があるのではないかと。こういった御議論を養成部会においていただいていたということがございます。
これらを踏まえまして、今回御議論いただくに際し参考資料として資料6について説明をさせていただければと思います。資料6でございますけれども、まず2ページでございますけれども、学部卒業後の免許状取得方法については様々な方法が現行もございます。ここでは大きく3つ書かせていただいております。
大学院における専修免許状の取得、そして教職特別課程、そして教員資格認定試験の3つでございます。
大学院における専修免許状の取得という一番上の部分でございますけれども、現行では大学院で設置されている教職課程を通じて取得できる免許に関しては、専修免許状に限られているという状況がございます。そのため、大学の学部で教職課程を履修していなかった場合は、大学院で開設されている科目に加え、学部の教職課程の科目も併せて履修をするということで、例えば中学校の専修免許状であれば合計83単位の取得が必要になるというものでございます。
こうした学習を2年間の中で両立していくということは大変なことでございまして、教職課程を履修していなかった方が大学院から免許取得を目指す上で高いハードルとなっているという状況がございます。
必要な単位数については、その下に表でまとめているところでございます。
2つ目のルート、詳細は5ページ目に書かせていただいておりますけれども、教職特別課程に関してでございます。教職特別課程は、免許状を取得する機会を拡充することを目的として、大学等により教職に関する専門科目を履修しなかった方が、大学等を卒業後、学部における教職に関する科目、いわゆる各教科の専門的事項以外の部分でございますけども、1年間履修することにより、一種免許状の取得が可能な課程でございます。
上述のとおり、修業年限が1年であるということで、比較的短期間で免許状を取得することができるものでございます。
一方で、教科に関する専門的科目、これが各教科の専門的事項ということでございますけども、については、学部段階で取得しなければならないため、学部段階で一切教職課程の科目を履修していなかった場合は活用ができないということでございます。
3点目が教員資格認定試験でございます。大学等で教職課程を取らなかった方が、教員者としてふさわしい資質を身につけ、教職を志すに至った方に対し、教職の道を開くということを目的として創設されているものでございまして、免許管理者である都道府県委員会に合格者が申請することで、普通免許状が授与されるというものでございます。
試験のみで免許が取得できる一方、限られた免許種しか今取得できないというものでございまして、全ての需要には対応できない現状がございます。
こういった制度がまずあるということでございます。その上で、まず、3ページからが大学院の関係でございますけど、教職大学院についての概要でございます。1のところで、その目的、機能について、2のところで、教職大学院の特性ということで、教職大学院と教員養成系の修士課程の違い等を表でまとめたものでございます。現状、そして振興策等をその下、書かせていただいているところです。
4ページにその教育課程についてまとめているものでございまして、修了要件を45単位以上で、共通の科目の部分の単位数はおおむね20単位ぐらい。実習についても書かせていただいていて、入学前の教職単位の認定は可能であるという制度設計になっております。
5ページのところは、教職特別課程についての概要、先ほど申し上げたものの詳細を書いているものでございます。
6ページ、7ページは諸外国における社会人等が教員資格を取る、得る仕組みをまとめたものでございます。ここではイギリス、イングランドとオーストラリアの例を示しているものでございます。
諸外国においては、上のところでございますけども、社会人等、教員養成課程を履修していない学位取得者等を対象として短期間の教員の養成プログラムが存在しておりまして、履修をすれば教員資格が得られる制度となっているものでございます。
イングランドとオーストラリアについて、それぞれ概要、参画ルートや仕組み等について、また、その割合等についてまとめたものがそのページ、そして、日本との比較をまとめたものが次のページということになっておりますので、御覧いただければと思います。
次、8ページでございますけれども、教員への転職希望者に対する調査を過去に行っておりまして、その概要をまとめたものでございます。条件が整えば教員として働いてみたいと回答した方に対し、教員への転職に当たっての懸念事項、要望事項を確認したものでございます。
御覧いただきますと分かるとおり、教員への関心がある方が懸念に思う事項、そしてまた、その逆として要望する事項として、金銭的な面、時間的な面での制約に対する懸念等が多いという状況でございます。経済的な部分の解決、そして期間の短縮、柔軟なカリキュラム等が望まれているということ、併せて、採用に関する懸念も一定程度示されているというところがございます。
その次のページ、9ページからが特別免許状に関してでございます。特別免許状に関しては、制度の目的というところですが、普通免許状を持たないけれども、知識、経験等を有する社会人等を教員として迎え入れるということで、事業権者である都道府県教育委員会が行う教育職員検定により授与する教諭の免許状というものでございます。
その該当教科を次にまとめておりまして、授与手続・授与要件というところでございますけれども、授与要件としては、担当する教科の専門的な知識・経験または技能があるということ、また、社会的信望・熱意と識見があるということが授与要件となっているところでございます。
この合否の決定に際しては、左側にございますけれども、学校教育に関する学識経験者等への意見聴取が必要ということになっているわけです。
授与件数については、年々増加傾向でございまして、令和5年度については611件という件数、事例については、外国語、情報科を筆頭に以下のような件数でございました。
その運用に関してというのが10ページ、11ページでございますけれども、現状では、優れた識見、知識、経験等を有する方を現場に迎え入れるという趣旨とする特別免許状による教師としての入職は、多様な背景、専門性を持つ方を積極的に取り込んでいくというための1つの方策として積極的な活用が望まれるという中で、平成26年に指針を策定するとともに、令和3年に指針の改訂を行い、またその下、2でございますけれども、一方で、制度趣旨が十分に理解・浸透していないケース、都道府県によっては消極的な運営となっているケースなどが散見される中で、令和4年度の答申において、こういった課題も踏まえた特別免許状に関する運用の見直しが提言されていて、それを踏まえ、特別免許状の授与に係る指針の改訂をさらに行ったというものでございます。
その内容が11ページでございますけれども、令和6年の指針の改訂ということでポイントをまとめたものでございます。
ポイントのところとして、まず、授与候補者の教科に関する専門的知識経験・技能の考え方について明確化したものということが1点。
また②というところ、真ん中でございますけれども、事業の前段階で指導方法・技術等に関し、普通免許状と同等性を過度に重視することがないようにということを明記しているところが改訂のポイントでございます。
こういったような改訂等を行ったのが令和6年度の内容でございました。
参考資料ということで13ページ、今申し上げてまいりました普通免許状のほかに特別免許状という制度、または普通免許状の中の取得の方法として、教職特別課程や教員資格認定試験等があるということについて説明をさせていただいたところでございます。
その後ろには、臨時免許状、そして、特別非常勤講師制度について、そして教員資格認定試験の概要もつけさせていただいているところでございます。議論で参考にしていただければと思います。
最後になりますけれども、これらを踏まえた資料7の一番下の部分でございます。当ワーキングで御議論をいただきたい論点ということを主に5点まとめさせていただいております。
まず、大学院における新しいプログラムの履修によって取得できる免許状というものがどのようなものであるかという点でございます。
2点目が、当該新プログラムにおける学修について、大学院修士課程の学修との関係も含め、どのような形で設置がされるべきであるかという点でございます。
3点目、どのような学生を対象とした制度設計とすべきか。
4点目、当該新プログラムにおいて学ぶ上での金銭的また時間的負担をどのように考えるべきかという点。
最後5点目でございますけれども、当該新プログラムにおいて免許状を取得した方の採用との関係をどのように考えていくべきかという点。
以上5点を御議論いただければという論点としてまとめたところでございます。
長くなりましたが、事務局からは以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございました。
この後、委員の皆様から御意見、御質問を承りますけれども、この後の進行でございますが、今、最後に御説明いただきました資料7の下に大学院における社会人等の免許得に資する新教育課程ワーキンググループで検討すべき主な論点を挙げていただいております。5つ挙げていただいておりますが、本日は第1回目でございますので、これらの論点のいずれでも構いません、御自由に御発言をいただければと思います。
それでは、御意見や御質問等があれば、会場の方も含めまして、Zoomの挙手ボタンを押していただければと思います。私のほうから順次指名させていただきます。なお、多くの方が挙手された場合は途中で区切らせていただくこともあるかもしれませんけれども、御発言等できなかった委員の方につきましては、事務局に御意見を寄せていただければ議事録に反映くださるということですので、あらかじめ御了承ください。
それでは、いかがでしょうか。
ちょっと初回でなかなか御意見、御質問出にくいかと思いますが、もしよろしければ、森田委員いかがでしょうか。恐らくメンバーの数からすると2回、3回と御発言いただけるのではないかと思います。
【森田主査代理】 よろしくお願いいたします。森田でございます。既存の仕組みをうまく活用しながらも、新しい発想で仕組みを構築していくことが必要ではないかと個人的には考えているところです。先ほどお示しいただきました資料7の論点に関わりまして、若干順不同になりますけれども、少し考えていることは、1つは、大学院の修士課程の学修との関係という点につきましては、やはり短期間といいますか、1年間程度の履修でということが前提かと思いますので、1年間の履修で教員免許も取得しながら大学院の修士号も取るというのはなかなか制度的にも厳しいのではないかなと思います。免許取得と学位取得は切り分けていったほうがよいのではないかと考えているというのが1点目です。
それから、ただ、その際に、やはり修士レベルといいますか、大学院レベルの科目を履修していくという、そういった方向性も大事かと思っていますので、こちらの新しい制度で取得した単位等については、いずれ大学院の修士を取る際に用いることができるような仕組みとして考えてみると、少し今とは違った新しい方向性が打ち出せるのではないかと考えているというのが2点目でございます。
それから、こういったことに関して先行して実施しているような専門職大学院、例えば、法科大学院等々あると思いますので、そういったところの実践事例なども参考にしながら、それを教職分野で行う際にはどういったことが可能かという視点で考えていくということも大事ではないかなと考えているということでございます。
少しまだまとまってない意見でございますけれども、最初の意見ということで、ありがとうございました。
【貞広主査】 ありがとうございます。ほかに関連してでも、別の御意見でも結構です。いかがでしょうか。
では、お二方、順番に御指名申し上げます。佐古委員、鹿毛委員の順番で御意見を承ります。では、まず、佐古委員、お願いいたします。
【佐古委員】 ありがとうございます。本学の教職大学院でも、学部で教職課程を履修していない学生を受け入れまして、3年間で免許を取る取組を行っております。ただいま説明があったように、大学院に入った後、学部の教職課程を取り直すというようなことになりますので、これは学生自身も、経済的なことと、それから時間的なことと、それから学習の労力という点で大きな負担になっておりまして、このような制度ではなかなか今回の教員養成部会全体で目的とするような多様な人材を教師に登用するということに結びつきにくいと日頃思っております。
したがいまして、できるだけ大学院レベルで学生の時間的あるいは経済的な負担が少ない方法で、優れた経験なり、専門的知識をお持ちの方を教壇に立たせるというか、立っていただくことが必要だと思っております。
そういう経験から言いますと、現在の我々がやっている仕組みも含めまして、前提となっているのは、大学院に入学した後も、学部で普通免許状を取るということが課せられるところに私は大きな限界があるかと思っておりまして、教壇に立つための仕組みとしては、先ほどの資料のほうに説明がございましたが、これまでの普通免許状の制度というか、そこにこだわらないというようなことが必要だと思っています。
言い方変えますと、これまで教員の養成は、学部段階で教職課程を履修した者が免許状を得て教壇に立つことを基本としていると思いますが、今回求められているのはむしろ、これ以外のルートで、しかも質が担保されるような仕組みを設計するということかと思っておりますので、そうすると、現状の学部段階で教職課程を修了して普通免許状を取るというルート以外のやり方を我々は構想すべきではないかと思っています。
もうちょっと踏み込んで言いますと、今日の資料にもありましたように、免許状の中には、普通免許状だけではなくて、特別免許状というのがありまして、これは今のところ非常に限定的に運用されているというところがあるかと思いますので、例えば学部段階で教職課程を履修した者が普通免許状を取っていくというルートと、それを取らなかった社会人等が新たに大学院レベルで免許状を取得していくチャンネルというかルートを整えて、特別免許状制度を見直して、そこに結びつけていくことによって、履修する時間とか、それから、学生の労力を軽減するという方向で考えることはできないのかなという、そんな思いを持っております。
以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。先ほど森田委員も新しい発想でとおっしゃっていましたが、佐古委員からも、全く別の発想で、今までのものとは違う、ただし質を担保しながらという御提案をいただきました。ありがとうございます。
では、鹿毛委員、お願いいたします。
【鹿毛委員】 最初の発言ですので、まず、大学院段階における教職課程の背景や意義といった点についてお話ししたいのですけれども、いわゆる生成AIの出現によって、人の学びだとか教育の在り方が抜本的に問われているという現状があります。人間ならではの学びや成長を支える学校教育を実現することが喫緊の課題であって、将来を見据えた新学習指導要領の検討が今進められています。それと表裏一体の形で教員養成の在り方が検討されているということがまず非常に意義深いと私は思っています。
これまでの議論の中で、「学びをデザインする高度専門職」というフレーズでこれからの教師像が語られています。要するに、教員養成の高度化ということが一層求められている中で、とりわけ学習指導要領が目指す方向性として探究的な学習が展開する教育実践が求められていて、教員自ら探究できる力量がその前提となっていると考えざるをえないということからしますと、大学院だからこそ学べる学び、あるいは大学院でしか学べない学びということを我々は意識しなければいけないという、そういう背景を理解した上で、教員養成のシステムやカリキュラムを考えていくべきではないかとまず思います。
このように考えたときに、理論と実践の往還ということが言われて久しいですけれども、その本質的な意味を、教師ならではの問題解決の思考プロセスの中でこそ、その往還が起こると捉えるべきで、例えば国文学とか、物理学とか、一見すると実践とは無関係な大学院の高度な内容を学んだ場合であっても、当人の意味づけ方によってはその学びが教師としての実践的な思考をインスパイアして、具体的な授業のよりよい在り方が思いつくといった理論と実践の往還につながることも大いにありうるわけです。このように考えると、実は一般に大学院での学びということ自体が、まさに教師としての探究、さらには学びをデザインする高度専門職としての教師を培う非常に豊かなリソースとしてすでに存在するのではないかとまず思います。
そう考えますと、教師という職業に固有な共通の専門性が一方で求められるんですけれども、日本の大学院教育は非常に多様であり、そこでの学びというものが実は教師の多様な力量形成にも寄与する豊富なリソースなんじゃないかなと思います。それとともに、まさに、今、子供たちの多様性を念頭に教育実践を行うということが強調されて、多様性の包摂ということが言われているわけですけども、だからこそ教員も多様であるべきだと考えますので、まさに本ワーキンググループで検討すべき大学院段階における教職課程の在り方を検討することは、時宜にかなっていますし、非常に意義深いものだと考えています。
ですので、提示された資料の中にも記されていますけども、多様な専門性や背景を有する社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方を検討することは非常に重要であるとまず思っていますし、それを大学院の教職課程という観点から多様な専門性を培うという方向で具体化していって、それを教員養成システムとして実現するということ。そしてそこに、社会人等が教職に参入しやすくするということを結びつけて考えるという、その前提をまず確認したいなと個人的には思っている次第です。
そういうふうに考えたときに、実は今後のキャリアをめぐる社会状況がどうなっているかというと、まさに生成AIの出現によって、今後、大卒、とりわけホワイトカラーの方々が失職するような事態がアメリカで起こっているという報道がございましたけれども、私は社会人を大学既卒者と限定してもいいと思うんですけども、そういう方々が、学校教育での教師という仕事を目指していただけるようなチャンスがこれからあるんじゃないか。教育というのは対人関係の専門職で、それが教師の魅力ですよね。しかも教師が自律的で創造的な仕事であるということに鑑みますと、実は教職の魅力を広くアピールすることによって、AIがこれから席巻するような社会において、対人関係職かつ教育専門職である教師にぜひなっていただきたいという方向で門戸を広げるというチャンスでもあるんじゃないかと思うんですね。
ただ一方で、先ほど佐古委員からもお話がありましたけれども、現実問題として教員免許状を取るにはいろいろなハードルがあるわけです。ですから、多様な専門性とか背景を持つ社会人の方々が教職に参入する上での教員免許状取得のハードルが高いという現状に対して、制度の弾力化が必要なんじゃないかなとまず思うわけです。
そうしたときに、先ほどお話があったとおり、私も教職課程の大学教員をしていますので、よく分かるんですけども、例えば大学院に入ってから教員免許を取りたいという場合、普通免許状、一種免許状の単位取得のために学部段階の授業の履修をしなければいけないわけですよね。そうすると、そもそも修士課程に入ってから先生になりたいと思う人たちは、ただでさえ修士論文を書くのが大変なのに、わざわざ学部段階の教職課程の授業まで取らなきゃいけないということで、現実的には非常に困難です。
ですので、そこのハードルを下げていくというシステムの改革が必要なんじゃないかなと思うんですね。
そこでなんですが、教師の力量を高めるための高度化ということはかねてから言われているわけですけども、そのためには、やはり大学院レベルの学修を促進することによって、さらに教師の力量を高めるという流れを進めて、教員養成を大学院へと重点を移していくということを本格的に考えなければいけないという局面に、現在、至っているんじゃないかと思っています。
大学院レベルの学修がなぜ大事かというと、理論と実践の往還を実現するためには、理論の学習が十全になされなければならないのに、ややもすると実践のほうが重視されすぎてきた実態があるかと思います。
そういうふうに考えると、大学院レベルの質の担保が重要になるわけですが、それでは、大学院レベルの教職課程をどうしたらいいのか。しかもそれを社会人の方々ができるだけ履修しやすくなって、そういう方々も含めて、教員を輩出するようなシステムをどうしたらいいのかという問題を考えたときに、具体的には、例えばですが、教職特別課程という1年間在籍することによって免許取得が可能になる制度がすでにあって、私の勤務している慶應義塾大学では長らくこれを開設してきました。ところが、実際に希望者はそれなりにいるんですけれども、教職専門科目を主に修得する課程ですので、教科に関する科目等それ以外の科目を修得済みの方のみが対象となる制度なんですね。そうすると、それに合致するような方、つまり出願できるような方自体が限定されてしまいます。
ですから、先ほど佐古委員がおっしゃったことに、私はとても賛成なんですけれども、普通免許状というところ、今、ほかの部会で検討が進んでいると思うんですけども、そこのところの条件を緩和するなどして、あるいは学士の学位さえあれば、その多様な専門性を認めるということによって学士レベルの教職課程の履修の少なくとも一部をクリアするというような新たな基準を設けることということで、大学院レベルの教職課程をスムーズに履修できるようにすることも有力な案になるのではないかと思います。
そこで、現在、教職特別課程というのは、学士段階、一種免許状取得のための制度ですけれども、それをむしろ刷新して、新たな制度として設置したらどうかなと考えています。つまり、そこでの設置科目を大学院レベル、修士レベルに相当するということにして、先ほど森田委員がおっしゃったように、教職特別課程の単位が、専修免許状の取得はもとより、さらには修士学位への接続を見据えるような制度に改めていってはどうなのかと思うんですね。
そうすると、その過程を履修する条件として、学部段階での幅広い多様な学修、まさにそれが開放制のメリットだと思うんですけども、学士学位をお持ちの多くの方々は教育学部以外のところでも専門の勉強してきているわけですよね。それを学士段階の学修として認めて、新たに大学院から教職課程を履修し始めることができるということを打ち出すということ、その1つの方策として刷新した教職特別課程を設けたらどうかなと思います。
それはどうしてかというと、やはりキャリアアップというんですかね、また大学に入り直して学部段階から学び直すというよりも、大学院レベルから教育について勉強する、あるいは教師になるために学習して、修士号も獲得できるとなりますと、キャリア形成という観点からの魅力も増すと思いますし、大学院から免許取れるんだ、しかも2年じゃなくて1年で取りあえず免許が取れる、さらに、それがゆくゆくは修士学位にもつながるといった接続性を見据えた制度設計が現実的なんじゃないかと思っています。
ですので、開放制教員養成の延長線上で考えたとき、現時点において全国の大学院も実はバラエティーがあります。いわゆる教職大学院に代表されるような教育実践探究型というんですかね、教育実践に力点を置いたカリキュラムは、今、全都道府県に設置されていますよね。そのシステムだけではなくて、実は、教育学、教育理論を学術的に探究するというんですかね、そういう教育理論探究型の大学院もあります。
さらには、意外と見落とされがちなんですけれども、現在、専修免許状は、理工学研究科だとか、文学研究科とか、そういうところでも取得可能です。それは教科内容探究型の大学院だといえます。
以上のように教職課程という観点から、大学院を大ざっぱに分類すると、教職大学院に代表されるような教育実践探究型と教育論自体に焦点化された教育理論探究型、そして教育内容自体を研究する教科内容探究型という3つのタイプの大学院のカリキュラムが既にあると考えられますので、新たなシステムをつくるというよりも、このような既存のシステムを組み合わせて、修士課程段階の教職課程を構想し、教員の質の向上、教職課程の高度化を目指したカリキュラムやシステムを構築するということが実は現実的なのではないか。そのことによってひとりひとりの多様な強みを活かして質の高い専門性を培い、その結果として多様な教師を輩出するような教員養成システムが実現できるんじゃないかと考えていて、実はそれが私は意外と近道なんじゃないかなと思った次第です。以上です。
【貞広主査】 ありがとうございます。多岐にわたる御意見をいただきました。御経験も踏まえてということで、かなり具体的な言及も頂戴したところでございます。
では、続きまして、オンラインから中村委員お願いいたします。
【中村委員】 おはようございます。ありがとうございます。山梨大学の中村でございます。
私は、この多様な人材を学校あるいは教育界に登用するということが非常に大事だというところを根本的に思っております。このことは、ずっと御議論されている大学院も同様ですが、やはり今、別の仕事をしている社会人の方が、教職課程を利用しながら教員として仕事ができる仕組みをきっちりつくることが大事になってきます。イギリスやオーストラリアといった、既に現存でやっているような仕組みも参考にしながら、つくっていく必要があるのではないかなと思っています。
教育課程をどうするかとかいうことになりますが、教員の転職希望者における調査のアンケートがございましたが、やっぱりこれを見ると、仕事をしながら、教育課程、教職課程で学ぶというところに対する不安があるとあります。しかし、学校というところで教員として仕事をしたいというふうな熱意も感じられる方が多いので、その仕組みをつくっていくことになると思います。
特に最後のほうの5番のこの課程で免許状を取得した方が採用はどうなるか、ここが結構社会人の方にはポイントだと思います。先ほど佐古委員のお話にもありましたけども、やはりこれからもっともっと教員養成課程と教育委員会との結びつきを強くしながら、こういった方々が履修するときに、教育委員会にも関わっていただく、あるいは教育委員会として採用のときにそういったところを見ながら採用していただく、そこまでの道筋をつくってあげるということが大事だと思っています。
金銭的な面はかなりこれから議論するところだと思いますけども、具体的に言うと、より多くの方々が学校というところで仕事をしていただき、いろんな経験を持った方々が子供と関わっていただくというところに今回の多様性な人材を登用するというところの大きな意味があると思っております。
以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。教育委員会との協力があらゆる場面で重要だと思います。幾つかの段階があるかと思いますけれども、必要だという御指摘と、金銭的負担への対応ということを御指摘いただきました。社会は多様ですので、学校の中も多様にというものが1つの我々が共有している方向性だと思います。ありがとうございました。
では、森山委員、お願いいたします。
【森山委員】 私のほうから、3点ほどになります。まず冒頭から、森田委員からも示されました点でございます。短期大学等においても、大学、いわゆる学士課程においても同等の免許状を取得するような仕組みに今回流れが変わるわけです。そうしますと、大学院の修士課程においても、必ずしも修士を修了することと免許状の取得を同様にしないというような柔軟な対応が必要なのではないかと思います。
とは言いながらも、恐らく、こういう形で履修を希望する方々のニーズは、大学院の修士課程のいわゆる修士号も、免許も必要だということで、恐らく片方では、この方々のニーズに応えることができないと思います。ただ、そうは言いながらも、ある程度、柔軟に2つを切り離すというような対応をしていくプログラムが必要なのではないかと思います。
やはり学士課程教育のベースを十分に認めて、そしてその上で免許取得がスムーズにいくような形のプログラムを開発することが必要だと思いました。それが1点です。
2点目は、やはり時間的という意味です。今回も、時間的負担、あるいは金銭的負担というところですけれども、これは一番大きなハンデになっていると思います。特に、仕事を続けながら、2週間、3週間という、まとまった時間で教育実習が実際には行われています。
この辺りのところは、今、分散化、あるいは、教育実習の実際の展開の仕方をいろいろと対応がなされてくるような方向で示されています。そういう形での解消ができたら、教育実習についてのハンデ、ある程度長期間まとまって時間を取るという社会人の課題解決につながるものと思います。これは大学院だけでなく、通信教育もそうです。会社で仕事をやりながらでは、教育実習の際に会社との都合がなかなかつかなかったり、あるいは業務上、学校が希望する時期と、折り合いがつかないということで1年延期をしたり、様々な状況があるようです。そういう意味ではやはり時間的な負担等の解消がある程度できたら、教員の免許状の取得に対する明確な方向が示せるのではないかと思います。
また、免許は取得しているという点では、免許を持っているという、大学院の、例えば、教職員大学院にはストレートマスターがいますが、金銭的にやはり厳しい。免許を持っているわけですから、例えば、積極的に学校に行って、少なくとも非常勤になる等により、教育現場では非常に力にもなりますし、金銭的負担の解消につながるのではないかと思います。そういうところの支援をしてあげるような仕組みを大学院の中にもある程度整えていただくことも必要だと思います。
3点目は、教員免許を持っていて、大学院に、いわゆる都道府県教育委員会からの派遣ではなくて見える方は、一応身分は保障されているわけですけども、金銭的な保障がもちろんないわけです。
ですから、その辺りのところにも、ある程度身分の保障に加えて、金銭的な支援の制度を整える等、自主的に大学院に行きたいという人たちに対しての支援も加えて必要なのではないかと思います。それによって様々な人材が大学院に来ることにつながり、最終的には多様な専門性を持つ教員が増えていくという流れになるのではないかと思いました。
以上3点、お示ししました。以上です。
【貞広主査】 ありがとうございます。では、続きまして、オンラインから松田委員、お願いいたします。
【松田委員】 おはようございます。既にいろんな先生方がお話しされていますので、幾つかちょっとばらばらと思ったことをお話しさせてください。
1つは、まず、今回の仕組みづくりに関して、少し期待するところというのがあって、もちろん学校現場、あるいは教育の様々な場面で、課題が本当に多様化していますし、山積していますから、そういうものに対応する多様な人材がやはり教育現場に入ってほしいということがまずあります。
でも一方で、やはりこれからの社会というのが非常に分かりにくい社会になっているので、学校発で未来の社会をつくっていくというようなことを考えたときに、課題を引き受けるというプル型のものだけではなくて、逆に学校から課題を生み出していく、打ち出していくというプッシュ型の動きというものが生じればいいなと思っています。ただ、現行、非常に学校現場は大変忙しい、本当にぎりぎりな状態というのもありますので、そういう中で、社会人という新しい人材の方々が、イノベーションとか、改革とか、そういうことを含めて、新しい風を学校に持ってきてくださるということに大変期待しているところがあります。その両面が期待していることです。
そういう中で、特に免許制度ということでいいますと、先ほども御紹介があったように、今、教育課程、免許制度等を新たに検討してくださっているんですけど、特に強み専門性に関わる内容という部分で、これを社会人の場合どう考えるのかということというのは、少し論点として、面白いな、あるいは重要だなと思っています。
もちろん社会人の方は、これまでにも大学で、各種専門の学びをなさった上で社会での経験も積まれているので、社会での経験というものと専門性というものを学校における学びの支援としてつなぐ部分に、何がしか今回の免許制度の検討で生まれる新しい学びが役に立って、個別で実践的な専門領域と教育の間にあるミドルの範囲が高度化し強化していく、つまり学校が抱える社会的課題の解決につながっていくというような、そういう免許制度の仕組みにつながっていけばいいのかなあと感じます。
その意味で、強みと専門性というのが20単位程度議論されているところかと思うんですけれども、その20単位の内容と単位数等がどう今のような話の中で構造化できるのかという、より具体的な検討というのは、1つ論点としてあるのかなと思っていました。
同じ点からまったく逆のことも同時に考えてみたいのですが、社会経験が豊かにあるという社会人の特性があるがゆえに、一方では、学校文化とか、教師文化とか、あるいは公教育という場が持つ独特の仕事の内容、雰囲気というのが学校にはある中で、うまく集団をつくって、先ほどもこれも御説明ありましたけど、凸凹なそれぞれが組み合わさって多様な教員集団をつくるということが目指されるわけなので、逆に、これまでの社会人の方の経験で構成されている指導観とか、子供観みたいなものを一旦アンラーンするということはとても必要なことじゃないかと思えるんです。
ですから、そういうような内容も、やはり振り返るような科目というんでしょうか。そういうようなものが含まれることはやはり議論してもいいんじゃないかなと思います。
近年進んでいる、部活動の地域展開の取り組みでは、いわゆるこれまで学校教員が担っていた部活動の指導を、地域の方が主体的になってということにも広げつつあるんですが、そういう中でも、やはり問題になるのがいわゆる旧来の課題のある指導観みたいな問題で、その辺りのところを少し免許の制度の問題として抱えていくのか、あるいは外側の問題として配慮することにとどめるのかというのはあるとは思うんですけれども、考えざるをえないのかなと思っていました。
最後に、免許制度自体というよりは、運用というようなところだと思うんですけれども、少し先ほどもお話ありました、具体の社会人の方々の転職という場面をちょっとイメージしたときに、社会人であるがゆえに、一定程度迷われたり、あるいは見極めるというような時間とか場が必要だなあというのをちょっと実感していて、そういうプロセスをどういうふうにこの免許制度との関係で、教育委員会あるいは学校現場がつくっていくのかというような、その辺りに関しての背景や動きの具体も少し確認をしておいたほうが、実際に生きて働く免許制度になるためには必要なのかなと思っていました。
その意味では、大学院自体も、運用に際して、地域に開かれたとか、あるいは現場という意味での学校界に開かれた形で教育を行えるほうが、よりいろいろな形でよりよく改善したり、あるいは実際に生かすという意味では必要なのかなと思っていて、例えば大学以外の組織との連携だとか、あるいはこれまでそういうキャリアパスを開発されようとなさってきたような知見を持たれている団体とか、そういうところとの連携というのは、より積極的に考えてもいいのかなと思いました。
実際に具体の社会人という層をイメージすると、恐らく多いのは、50歳から60歳ぐらいの、ある種セカンドキャリアのような形で転換されようとする方か、あるいは30歳代、40歳代の転職かというような、社会人といってもおそらく多様な層があって、それぞれで動きもやっぱり異なってくると思うので、その辺りを免許制度ということではどう考えるのかというのも多分議論になるのかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。では、植田委員、お願いいたします。
【植田委員】 国立教育政策研究所の植田と申します。よろしくお願いいたします。今まで御発言いただいた先生方とはちょっと立場が違うところに働いていることもありますし、私自身がイギリスの教育制度をこれまで研究をしてきたという経験をバックにした形での発言と御理解をいただければと思います。
まず、大前提としての教職のルート、入職のルートを多様化するということに対して私自身も大賛成ですので、その辺りをどういうふうにこれから持続可能な形での制度設計にしていくのかというところでいろいろと御議論できればなと考えております。
今回は初回ということでもありますので、細かな点というよりは、すごく漠然とした概要的なところでのお話になるかと思いますけれども、幾つか述べさせていただきたいと思います。
まず1つ目が、今回社会人をおおむね想定をした多様化というところでの趣旨の制度設計になるかと思いますけれども、その場合に、社会人といっても、先ほど松田委員からもありましたとおり、多様な層、多様ないろんな人たちがいらっしゃいますので、どういう人材をターゲットにした形の制度設計にしていくのかとか、何を目的にした多様化なのかという辺りの多様化というところの皆様の共通理解というか、何が政策的に求められるのかという辺りの議論をきちんとした上で、共通解を持った多様化の中でどういう制度設計をしていくのかという辺りをきちんと議論をしたほうがいいのかなというところを先生方の御発言を伺いながら思いました。
そういう意味では、今回求められている、多様化の路線で求められている層というのがどういう人たちなのか、その人たちが入ったときに学校現場でその人たちにどういう役割を期待するのかという辺りもきちんと考えていく必要があるかなというところを考えました。
それが1つ目でして、2つ目が、そのこととも関係しますけれども、やはり一番大切なのは、そういう方が入ってきて学校現場がすごくよかった、子供たちにとってもよかったと思えるような人たちが入ってきていただけるということが大切だと思うので、そういう方たちの質保証というか、質の担保をどうしていくのかという辺りについてもきちんと議論しておく必要があるかなと思います。
それは、その場合に、その方たちに求めているまさに多様性が何なのか、どういう役割を期待しているのかというところでの質の担保の在り方は変わってくると思いますので、そういう意味では佐古委員からもあったように、今の制度とはまた違う新しい役割を担うような別の人たちとして入ってきていただいたときには、やはりその方たちに求めている、教師としての役割の質というのは何なのかということをきちんと明確にした上で、そういう人たちの質をどう担保できるような養成をしていくのか、研修をしていくのか、採用していくのかという辺りが重要になってくるかなと思います。
それから3つ目が、今、教職を取り巻く環境はやはり厳しい。なかなか現役の大学生でも教職に就いてくれないとかという形での採用率が低いというふうな、受験率も低いという中で、新たにこういう制度をつくったときに、新しくキャリアを変えていこうという方たちにとって、どういうふうな魅力ある制度設計にしていくのかというところも重要ではないかなと思います。
そういう意味では、先ほどイギリスの制度の御紹介もありましたけれども、イギリスのそもそもの教職という、教員資格をとるというルート自体が、学部を卒業した後の1年間というPGCEであったり、SCITTなどの学校をベースにした制度であるというところをずっと見てきた経験から思うところは、やはり先生方、つまり教職に入ろうという方たちがちゃんと安心して教員養成課程を受講できて、その後ちゃんと教職に就けるという安心感がある制度だということがとても重要かなと思います。
そういう意味では、イギリスは学校ベースでの教員養成が半分以上という現状ではありますけれども、日本でそれが実現可能かどうかというのはこれから議論していくことかもしれませんが、やはり学校現場とそれから大学院とそれから教育委員会がきちんとタッグを組んで、自分たちの地域ではこういう人たちが足りないので、これだけのパイ、人数が必要なので、これだけの養成をするというような形での、ある程度スケールを見据えた上でどういうふうな制度設計をしていくのか。そして、大学とどう連携をしながら、それから、学校とどう連携しながら進めていくのかというような、どういう場で制度を設計していくことが、社会人の皆さんにとって魅力あるものになるのかというところだと思います。金銭的とか時間的負担というのもすごく重要な要素だと思うんですけども、そういうことも含めて安心して受講しよう、入職しようと思ってもらえるような制度にどうするのかというところの場をどう考えていくのかということも議論する必要があるかなと思いました。
以上3点です。よろしくお願いいたします。
【貞広主査】 どうもありがとうございます。一通り委員の皆様から御意見をいただいたところでございます。まだ時間ありますので、これから2回目に御発言いただくこともお願いしたいと思いますけれども、今、そもそも多様性というのをどう考えるのかというのをしっかりと押さえるべきだという植田委員の御意見いただきましたが、新しい風を入れていくという意味でも、その多様性は重要だというような御意見や、探究という観点から見ると、まさに大学院の学びが非常に重要なので、こういう課程を考えていくことが大変大事だという御指摘、または、入職者層を想定した制度設計をするということに当たっては、とりわけ教育委員会との関係性が、関係構築が非常に重要だということや、その中でも、時間コストや金銭コスト、また身分の保証ということを、場合によっては教育委員会と大学のほうが連携して考えていくということにもなるんでしょうか、その辺りの御指摘もいただきました。
また、ちょっと違う観点から、社会人経験が厚いからこそそのアンラーンが必要だという御指摘はちょっと目からうろこでございましたけど、確かにスクールリテラシーがあって、同僚性を構築していけるということが協働的な職場にしていけるというので非常に重要なので、これも大切な御指摘だと思いました。
また、そもそもの一番根本的なものですけれども、学位との連動の問題です。これは森田委員や鹿毛委員からも御紹介、御意見いただきましたけれども、今日御意見いただいた限りでは、修士という学位には直接は結びつかない資格というか、単位だけれども、将来的には大学院の単位として認めていくような方向性という、ちょっとそれぞれ違う言葉をいただきましたけれども、そういう方向性の御指摘をいただきました。イギリスの制度に若干近いイメージなのかなとは思いますけど、その一方で、イギリスはそこで普通免許を取らせるということなので、もう少し時間軸的には短く、別の局面も考えつつというような、そういうニュアンスの御提案だったように私には聞こえましたが、ちょっと私のほうで誤解がありましたら、雑にまとめておりますので、誤解がありましたらまた御指摘をいただければと思います。本当にどの論点ということにかかわらず、多岐にわたる御指摘をいただきました。
もう少しまだお時間ありますので、先ほどちょっと御遠慮されて御発言されなかったことであるとか、ほかの委員の方々の御意見を踏まえて追加でということがありましたらぜひ賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしくお願いいたします。では、森田委員、お願いいたします。
【森田主査代理】 森田でございます。すいません、2周目になりますけども。
【貞広主査】 お願いいたします、ぜひとも。
【森田主査代理】 委員の皆様のお話をお伺いしながら幾つか思ったところを発言させていただきたいと思います。多分今回の新しい仕組みではどこにターゲットを置くのかというのは大変難しい問題ではあるとは思いますけれども、やはり社会人の様々な経験を生かして、その方が学校現場で活躍いただけるというのが大前提ではあると思いますので、私は、一定程度の社会人経験があって、しかも何らかの専門的な活動されている人というのが中心的なターゲットになるのかなと思っています。
若干具体的な話になって恐縮ですけれども、そうしたときに、教職でいいますと、先ほど鹿毛委員がお話しになられたような、教職特別課程ですと、学部時代に教科に関する専門的事項を履修済みであること等、いろいろな制約があったりするわけです。また、社会人を、何十年か勤務されている方には、学部時代に学んだことと社会人としての経験の中で培われた専門的なことが必ずしもイコールでない方がおられると思うのです。そうしますと、学部時代まで遡って考えるということではなくて、その辺りは何か別の方法で力があることを確認するというようなことにした上で、やはり社会人の中で培われた専門性、強みというものが生かせるような、それを生かした仕組みということを考えたらどうかなと思いました。
それから、もう1点は、佐古委員も御発言あったように、どうしても私たちは普通免許状の枠組みで考えがちだと思うのですけれども、確かに特別免許状という仕組み等もあり、現状で言いますと、普通免許状は大学や大学院、特別免許状は教育委員会というように、ある意味では区切りがあるのが実態であると思います。そのため、この両方をにらみながら、例えば特別免許状的な免許の発行に大学や大学院もちゃんと関わっていくような、そういった発想での仕組みを考えるということもあるのではないかと感じました。
それから最後になりますが、教育委員会と連動というのは非常に大事になると思います。それは採用のことを含めても大事になると思うのですけれども、そういったときに、例えばですが、学校現場も非常勤講師等の講師以外にも、支援員等も含めて様々な形で学校現場において勤務する方法があると思いますので、教育委員会と連動しながら何らかの形で、若干給与といいますか、収入が得られるような形で学校現場に関わりながら、その勤務先での勤務と実習を連動させて行うことができるようなことを、もしも制度として考えることができれば、現場での収入を得ながら、実習というところの課題もクリアできるのではないかと思いましたので、そういった少し新しい発想での検討が必要ではないかと感じたという、3点でございます。ありがとうございました。
【貞広主査】 ありがとうございました。私自身も教員養成課程に身を置いておりますので、普通免許状の枠組みが身体化されておりまして、なかなか新しい発想って持ちにくいんですけれども、そこをあえて全く違う枠組みをつくるぐらいに踏み込んで考えるべきだという、再度、御意見をいただきました。ありがとうございます。
では、鹿毛委員、お願いいたします。
【鹿毛委員】 ありがとうございます。先生方のお話を聞いて非常に刺激を受けました。そこで、それにつながるような話をしたいなと思うんですけれども、まず、制約ですよね。社会人の方が教師になりたいと思っても、なかなか免許を取るのが難しいということは、経済的、あるいは時間的なものだとか、あるいは物理的な条件、履修の形態ですよね。これは多様化して、今テクノロジーがこれだけ発展している中で、通信制等でもかなりいろんなことができるようになっているという現状もありますので、例えば何年と年限を定めるのではなくて、履修単位を積み足していって、最終的に免許取得に至るというような、ひとりひとりのライフスタイルやキャリア形成の見通しに応じて学修を進めていけるような柔軟なシステムがこれまで以上にもっと開発されていいんじゃないかなと思います。
ですから、先ほど、特別課程の話をしましたけど、特別課程で修士レベルの科目を用意するとして、それを1年ではなくて、その課程の履修と並行して勤務を継続しながら、あるいは夜間開講だとか、集中開講だとか、通信制のスクーリングのようないろいろなやり方を組み合わせる等、個々人に合わせて柔軟に履修可能なシステムという点が1つ重要だということと、それと同時に、経済的なサポートも別途考える必要はあろうかと思います。
もう1点、先ほど松田委員のほうからアンラーンというお話があって、私もドキッとしましたし、そのとおりだなと思うところがあるんですね。それはどうしてかというと、多様性とも関わるんですけども、実は社会人の方々にも同じように学校とはこういうものだ、授業とはこういうものだという固定観念が、もしかすると我々教育関係者以上にあったりするという現実もあって、もちろん個人差はあるんですけども、松田委員が創造的であるべきというか、むしろ学校から世界を変えていくみたいなお話もされたと思うんだけど、私、すごく賛成で、これからの学校を構想する上で、先生が足りないからという、マイナスをゼロにするような発想ではなくて、創造的な教師を増やしていくというようなゼロをプラスにする発想のほうが魅力的ですよね。
そういうふうに考えると、いわゆるスタンダードを決めて適用するというような共通性を求める教師観というのを超えて、教育とは何かとか、そういう原理的なところをとことん考えるという経験が実は大事で、そのことによってアンラーンされるところがあると思うんですね。それこそ教育に関する諸学問がこれまで挑んできたところでもありますので、むしろアンラーンという意味から、大学院の教職課程を問い直すということが非常に重要なのではないでしょうか。自分の教育や実践の体験を振り返って意味づけ直すということは、実は現場ではなかなか難しいんですよね。その場にまず適応しなきゃならないし、待ったなしで仕事しなければいけない。だからこそ、教師が大学や大学院で学ぶ、さらには学び直す意味があるんじゃないかなって思います。
そもそもなぜ大学で、あるいは大学院で教員養成をするという大原則をこの国は守ってきたのかというところをもう一度見直して、むしろその今日的な意味もあろうかと思うし、実はその点社会人登用という論点を重ね合わせて何ができるかということを検討するという意味でも、アンラーンというキーワードは非常に重要だと思ったということと、多様性という言葉の背後にある論点として、多様であれば何でもいいのかというような問題提起があったと思うんですね。多様性が強みであるという点は、当然、教員としての強みであるという観点と重ね合わせて検討すべきだと思います。
そういう観点から社会人の強みは何だろう、教員の専門性と重なるところは何だろうと考えたときに、さらに今後の新たな教師像も含めてなんですけども、具体的に言うと、大学院、あるいは大学院レベルの教職課程を履修するハードルの高さを緩和する意味でも、先ほど森田委員がおっしゃったように、社会人の方々の学修や経験のどのところを認めていくのか。それを教員の専門性として認めていくのかという基準があれば、それを積極的に認めて、例えば大学院に入るときの条件としての単位認定、例えば多様な学部での学修を通じた教科という観点からの強みはもちろんですけども、それ以外の社会人経験として、それに該当するような強みという基準があれば、それをもって、あとは大学院の課程で、教職専門の力量を高めてもらうということで、ハードルを低くすることができるんじゃないかという、そこも論点かなと思いました。
以上です。
【貞広主査】 ありがとうございました。ほかの委員の方々いかがでしょうか。
では、佐古委員、お願いいたします。
【佐古委員】 ありがとうございます。いろいろ御意見をお聞きしていまして、若干今の流れと違うかも分かりませんが、新しく大学院で教職課程といいますか、教員免許を取れる仕組みを整えた場合、その対象者を一定の経験がある社会人にほぼ限定するかどうかという、この問題があると思います。これは、もう一方のワーキンググループでも御議論いただいているようですが、教師としてのコアとそれから専門性を備えた教員像という観点から考えると、社会経験はなくても、例えば文学研究科で、専門の勉強をしてきましたと。そこについては、教科内容に対しての深いものを持っていますと。だけど、研究者になるのではなくて、例えば高校の先生になりたいという方もおられると思います。しかし、学部の教職課程も取っていない方々に対して、そういう専門性を生かして、なおかつ本日の議論でいうと、チーム学校の一員として、それなりの強みを生かしつつ学校に貢献できるような教員になってもらうための基礎的な、教員としてのある意味で基礎的なトレーニングを含めての教職課程を大学院レベルで行うということも考えてもいいのかなと思いながらお聞きしていました。つまり、対象者の幅を社会人に限定するのか、一定の、社会人じゃなくても、ある種専門性があると認定できるような学生というのかな、そういう学修歴のある方々に広げるのかなということが1つあるかなと思って聞いておりました。
以上です。
【貞広主査】 ありがとうございます。この点は恐らく植田委員の御指摘とも重なる部分かもしれませんけれども、今後、ちゃんと時間を取って議論するべき点かと思います。ありがとうございます。
では、中村委員、どうぞ。
【中村委員】 お願いいたします。いろいろ御意見お聞きしまして、勉強になりました。1つは、特別免許状に関しましては、しっかり社会人の方で免許状を取るという方に対して、手当てをするというところもこの多様化の意味があるのではないかなと思っています。
各教育委員会で、今、教員育成指標をつくっていますから、その指標に基づいて、一番肝心なところの教員として必要な資質の部分、素養の部分というか、その部分はそんなに変わりはないでしょう。しかも、社会人の方というのは、社会に出て、あるいは今の佐古委員のようにいろんなことを経験されていると思いますから、ここは例えば試験等で対応していく
問題は、今まで特別免許状の弱いところというのは、実習をしていない、教育のことがよく分からない、あるいは担当教科のことをよく知らないところが最大の問題点であって、やはり年数をかけて、1年ないしは2年でしっかり学んでいただくということになると思います。特に先ほどから出ている理論と実践の往還に関しては、非常に大事なところなので、一年制にしてもしっかり実習の部分を多くしてもらうということが大事だと思っています。
やはり社会人の方が、教育委員会、大学、それから学校現場と本当に一体化しながら社会人の方の教員免許について、そこを保障していくという新たな仕組みをつくるということは今後大事になってくるのかなと思っています。
以上でございます。
【貞広主査】 どうもありがとうございます。
ほかの委員の方いかがでしょうか。よろしければ、少しまだ時間ございますが。森山委員、どうぞお願いいたします。
【森山委員】 今日、先生方のお話も伺いながら、やはり大学院の入り口が多様であるということが確認できました。例えば4プラス1の人もいれば、学士課程を4年で卒業して、加えて、修士を3年間かけて履修する制度もあります。
そういう意味では、修士の学位と免許取得を切り離して考える必要があるということを強く感じました。大学院の修士の学位(修士)を取得するための方法というのが、やはり人によって大分違います。現在も教育学研究科でも、実際には3年履修にしたいということで、最初から3年のプログラムを履修する形もあります。やはり、2つは切り離して考えるということが制度上も重要なのではないかと思いました。
具体的には、教員養成部会においては、大学院段階の新しいプログラムを履修することによって、標準的なレベルの免許状を取得できるような仕組みを考えていく必要があるとの意見が出ましたが、ここでの標準的なレベルの免許状とは実際に子どもへの教育を行う上で、十分な資質能力を備えていることを担保する免許状であると理解しておきたいと思います。
したがいまして、その上で具体的な在り方を考える際に、大学院段階の学びであることを踏まえますと、その学びが修士の学位、現在の専修免許状につながっていくものになるとよいのではないかと思います。
一方で、大学院において例えば1年間の学びの中で、これまで全く教職課程に触れてこなかったような学生が修士号と免許状のいずれも習得できるようにすることについては、実際に可能なのかどうか、このことについては、本ワーキンググループでの論議で丁寧に進めていく必要があると思います。例えば、本プログラムでの学びだけで完結するだけではなく、入職後においても大学院での学びを継続して、自らの強み専門性を深めていくことを通して修士号取得や、専修免許状の取得を目指していくといった仕組みも考えられるのではないかと思います。
以上です。
【貞広主査】 ありがとうございます。ほかの委員の方いかがでしょうか。
松田委員、どうぞ。
【松田委員】 ありがとうございます。今お話を伺っていて、特別免許状との関係というのは本当に論点が多いなと思いました。加えてちょっと別の視点で、なかなか教育委員会においても、特別免許状は、文科省のほうからも再三にわたって柔軟にとか、活用してくださいという通知を出されているんですけれども、なかなか広がりを見せにくいというのは、一方でやっぱり教員としての質の担保というところで、特に教師アイデンティティーみたいなもの、何かそういうものに関わるものが、付与時の教育委員会の判断のなかでなかなか見通せないというようなことも一部あるのかなと思うところがあります。
ちょうどOECDが少し前にティーチングコンパスというのを出しましたけど、その真ん中にあるアンカーの部分、錨の部分が教員アイデンティティーや新年というところなんですけど、社会人の方と接点を持ってやっていて、そこを育てるとか、そこを確認するというのは確かに難しい作業だなといつも思っています。それがもちろん免許ということなのか、入ってからの研修なのか、あるいはそこを採用という形で担保していくのかというのは、考え方もいろいろだと思うんですけれども、そういう課題も少し絡んでいるのかなと思って伺っていました。
以上です。
【貞広主査】 どうもありがとうございます。
ほかの委員の方々よろしいですか。
恐らく次回以降は、この論点に焦点を絞ってという議論になりますので、恐らく今日が一番意見出しやすいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
では、鹿毛委員、どうぞ。
【鹿毛委員】 3回目よろしいんでしょうか。
【貞広主査】 この後、鹿毛委員の後、佐古委員、植田委員に御発言それぞれいただきますので、よろしくお願いいたします。
【鹿毛委員】 先ほど佐古委員がおっしゃったことは重要だなと思って聞いていました。社会人の定義はすごく難しいと思うんですけれども、私はやっぱり学士という学位を念頭に置いていたところがあるんですよね。それで、我々の議論の対象というのは、教員免許を持ってない人ということですから、学士を持っているという辺りが基準となるかなと思います。
そうすると、学部段階で教員免許の取得をまったく考えておらず、大学院にそのままストレートで進学した人たちも当然社会人等という範囲に入るべきだし、むしろ、教師の専門性という観点からすれば、特に中等教育で考えますと、教科の専門性は非常に重要であり、これまではなかなか専修免許状の話が、国の議論でも論点にならなかったと思うんですね。むしろだからそこに光を当てるという意味でも、ストレートマスターの方々も社会人等というカテゴリに含めて、教員免許状を取りやすくするということを考えなければいけないんじゃないかなと思ったという点と、あと、先ほどアンカーという話が松田委員からありましたけれども、何で大学に教職課程あるのかという理由に関してなのですが、教職課程の授業では教育についていろんな視点から考えざるを得ないんですよね、レポートとか試験、あるいは授業中のディスカッションで。しかもその教育について検討する切り口というのがいろいろあって、そういう学修経験をとおして教育って何だろうという認識を深める学びというのは、教師の力量の確固たる土台になるはずです。実は学校に入職してからだと、先生たちそれどころではなくて、まさにアンラーンじゃないですけど、実際、自分自身や自分の実践を振り返るということがなかなか難しい。だからこそ、大学や大学院で学ぶ意味があるのかなと思っています。
ですので、まさにそういう学習経験を、社会人の方々、教員免許を持ってない方々に提供するということが教職課程の意義かなと、しかも専門性の高さという観点からすると、修士課程レベルでそれを提供することが課題になるのかなと思いました。
以上です。
【貞広主査】 ありがとうございます。では、佐古委員、お願いいたします。
【佐古委員】 私も3回目で恐縮ですが、よろしいでしょうか。私、特別免許状のお話をしたんですが、私がちょっと考えているというか、イメージしているのは、現行の特別免許状のような授与の仕方を取らないということです。先ほど御説明あったように、活用されている件数も限定的であるし、それから、どちらかというと専門性の認定が学校側や教育委員会側に任されているということがあって、その困難さがあると思います。むしろ、特別免許状という制度があって、そこでは、学部の教職課程の履修を前提としない免許状につながるルートがあるわけなので、これを大学院の教職課程といいますか、今の特別の課程というものに結びつけて、むしろ大学院の特別課程で取得できるというような方向でこれを大幅に見直したらどうかというようなイメージを持っています。その中にいろいろ教育委員会との連携とか当然入ってくると思うんですが、基本的にはやはり、今日も御議論ありましたが、一定の専門性があると思われる方々を対象にして、つまり教員となって十分に力を発揮できる素地を持っている方々を対象にして、その方々に教壇に立ってもらうためにチーム学校の一員としての役割を果たせるようなある種教育学的な素養と、それから実践的な内容を1年間ぐらいでパッケージにして、それを特別免許状という形で結びつけていくと。そんなことで、デュアルな免許制度という方向にしたらどうかというようなイメージがあります。
以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。今も実は特別免許状というデュアルシステムなんですけれども、なかなかそれが駆動しないという、その既存のシステムを活用してという具体的な御提案いただきまして、ありがとうございます。
では、植田委員、どうぞ。
【植田委員】 ありがとうございます。私自身は佐古委員のお考えにかなり近い部分があるのと、佐古委員がおっしゃっていた部分の御提案の点は私自身もきちんと議論しなければいけないと思っていたところです。
そういう意味で、やはり今の大学院で取れる専修免許状とも、普通免許状とも違う、いわゆる学士を取って、新たに大学院になるのか、大学院レベルと扱うのかですけど、そこで1年間で取れるものが、いわゆる新しい免許状になるのか、それが特別免許状になるのかとなったときに、今までの特別免許状とやはり違うものなので、いわゆる全く新しい選択肢を世の中に提示をするというふうな形の制度設計になるのかという辺りのきちんとした整理が必要かなと思いながらこれまでの議論を伺っていて、発言しようかなと思っていたら、佐古委員がまさにおっしゃっていただけたことなので、私自身はすごく佐古委員のお考えにすごく近いというところをお話ししたいと思います。
それから、もう一つが、松田委員から御発言があったアンラーンという部分です。私自身が今まで調べてきた中で、実際にイギリスでPGCEのコースとかで大学院で教えていらっしゃる先生とかSCITTに関わっていらっしゃる大学院の先生とお話しする中でおっしゃっていたこととすごく似ているなと思いながら伺っていました。
それは何かというと、学部できちんと自分の専門としている経済であったり、歴史であったり、英語だったりというような、学部段階で学んできたことが前提になりつつも、それで教職に入ってきてもらうというふうなときに、教える教授陣がとても大切にしていることが、専門的に学んできたことを子供たちにどう伝えていくのかとか、教えるということは何なのかとか、そこでの子供たちとのコミュニケーションはどういうふうに取るのかということをきちんと捉え直してもらわないといけないとおっしゃっていました。ただ自分の知識に基づいてこういう知識があるんだよという話をするのではなくて、それを相手が分かりやすく学んでもらえるようにするというスキルをきちんとつけさせるということが、自分たちのいわゆるPGCEのコースの教員としての使命だと思っておられるそうです。でも、そこがすごく難しい。けれども、それがいわゆる学部を卒業した後に受けてもらうということの意味だということをすごくおっしゃっていて、だから、すごく現場での実施を大切にするし、そのことで経験してきたことを大学院に戻ってきたとき、大学というか、PGCEのコースに戻ってきたときに、教授陣が受講生の経験を受講生の中でどうリフレクションをさせるのか、つまり、現場での経験をとおして、受講生たち自身が持っている専門的知識をちゃんと伝えて教えることができるような教員をどう育てていくのかということをすごく大切にしているというお話を聞きました。アンラーンの意味がまた違う部分もいっぱいあるかもしれませんけど、1つの側面としてそういうことがあると思います。教職課程というものをどういうふうに位置づけていて、そこでどういうふうな学びをしてもらうのかということの内容をきちんと考えるというのはすごく重要ですし、そういう意味で現場での経験をその期間にどれだけ積めるのかということというのはすごくイギリスでは重視をされているので、そういう機会をどういうふうに日本の制度設計の中で組み込めるのかというところの制度設計的な部分、そしてそのための条件整備的な部分もきちんと議論しなければならないと改めて思ったというところです。
以上です。
【貞広主査】 どうもありがとうございます。デュアルシステムというよりも第3の道かもしれないですね。今までの特別免許状ともまた違う、新しい免許の在り方ということでございます。
ありがとうございました。皆様に初回からたくさん御意見をいただきまして、大変ありがたく存じます。そろそろ終わりの時間も見えてきたんですけれども、もう一方かお二方ぐらいぜひということであれば御発言可能となりますが、いかがですか。
よろしいでしょうか。
委員の皆様から本当に様々な、そして貴重な多岐にわたる御意見をいただきました。初回ですけれども、かなり具体的な像も結べるような御意見も多々いただいております。引き取っていただきまして、今後の議論の資料等に御反映をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、少し時間早いんですけれども、本日の議事は以上でございます。
最後に事務局より御報告等をお願いいたします。
【大野補佐】 ありがとうございました。次回のワーキンググループが、資料8のとおり、2月9日の月曜日、15時より開催予定となっております。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【貞広主査】 ありがとうございます。
委員の皆様、本日はお時間を頂戴しまして、ありがとうございました。
では、本日のワーキンググループの議論は以上とさせていただきます。お疲れさまでした。
―― 了 ――