令和7年10月22日(水曜日)15時00分~17時00分
3F2特別会議室(WEB会議)
【森津専門官】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループを開催いたします。
本日の進行は、主査選出等の議事までは事務局が行わせていただきます。教育職員政策課専門官の森津と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議は、ウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催させていただきます。本会議の模様は、報道関係者と一般の方向けにライブ配信をしております。なお、議事の関係上、議事2以降がライブ配信となります。
本来であれば、ここで委員の皆様お一人ずつ御紹介をさせていただくところですが、時間の関係もあるため、委員名簿にて御紹介に代えさせていただきます。委員の一覧は、資料3を御覧ください。
【秋田主査】 それでは、ワーキンググループの立ち上げに必要な手続を終了いたしましたので、ここから議事を公開といたします。
このたびは主査を拝命いたしました秋田でございます。一言申し上げます。昨年12月に出されました諮問「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について」以降、本年1月より教員養成部会で議論が行われておりまして、9月には論点整理として取りまとめを行いました。
引き続き本ワーキンググループにて、教育の質を維持・向上させるための教員の採用や研修とも一体となった養成課程の在り方について、委員の皆様と活発に御議論をいただき、具体の内容を検討してまいりたいと考えておりますので、どうぞお力添えのほどをよろしくお願い申し上げます。
それでは、森田主査代理からも一言いただけますでしょうか。
【森田主査代理】 よろしくお願いいたします。主査代理を拝命いたしました森田でございます。
本ワーキンググループにつきましては、先ほど秋田主査からお話がございましたような、今後の教職課程でありますとか、免許制度等について、具体的な見直しの方向性を検討するという、非常に重要な役割を担っているというふうに考えています。委員の皆様と活発に議論を行っていきたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【秋田主査】 森田主査代理、ありがとうございます。皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、議事2に入りたいと思います。本ワーキンググループの進め方について、改めて事務局より御説明をお願いいたします。
【森津専門官】 事務局より説明いたします。資料1を御覧ください。
本ワーキンググループは、初等中等教育分科会教員養成部会運営規則第5条に定める審議組織として、令和7年9月19日に開催された第155回教員養成部会において、その設置が承認されました。
会議の公開及び傍聴、議事及び議決、議事録の公開についても同規則に基づき行われます。
本ワーキンググループの設置目的及び検討事項は資料の2に、委員名簿は資料3にございます。
また、本ワーキンググループの下には、幼児教育、特別支援教育、養護教諭・栄養教諭の作業部会が設置されており、それぞれの免許状の在り方や養成・採用・研修の在り方等について審議を行うこととなります。
また、令和7年12月までとなっておりますが、本ワーキンググループの今後の開催予定は資料6にまとめております。
事務局からは以上です。
【秋田主査】 事務局ありがとうございました。
本件に関して何か御質問はございますでしょうか。御質問があれば、挙手をいただければと思いますが、特にお手が挙がっていないと思います。
それでは、本議事はここまでにさせていただきたいと思います。
それでは、続きまして、議事の3に入ります。まずは事務局より今までの主な意見や今後検討すべき、議論すべき内容などについての御説明、御報告をお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。教員免許・研修企画室長の大根田でございます。よろしくお願いいたします。
当ワーキンググループでの検討事項につきましては、先ほど御紹介させていただいた資料2に書いてございますけれども、ここでは資料の4及び5を踏まえて御説明をさせていただければというふうに存じます。
まず、資料の4でございます。御議論いただく前提といたしまして、教職課程、また、免許、そして、大学院の課程等に関する検討資料として資料4を準備させていただいております。詳細につきましては、適宜、参考資料の1も御覧いただきながらというふうに思いますけれども、まず、教員免許状としては、下のところ、赤の部分でございますけれども、専修免許状、一種免許状、二種免許状、それぞれがございまして、それぞれで必要な単位数等が法令上定められているところでございます。
また、教職課程のコアカリキュラムの内容を含めるということが必要となっており、併せて小学校、中学校では介護等体験の必要等が定められているところでございます。これらを踏まえて教職課程の認定が行われ、大学における教員養成が行われているところでございます。
行われる場としては、主に2種類ここで書かせていただいておりますけれども、一般の学部学科等、いわゆる開放制における養成と、教員養成を主たる目的とする学部学科等での養成、大きく2種類書かせていただいております。それぞれにおいて特徴をそれぞれの下に書かせていただいているところでございます。
また、こういったさらにその先でございますけれども、養成だけでなく、採用、そして研修、これらが一体的に運用されているというものでございます。
これらを前提とした上で、右側のところでございますけれども、まず1つには、これは諮問等とも関連しているところでございますが、学校教育における今日的課題として、教師の不足や教員採用倍率の低下、また、不登校、日本語指導、特別支援教育等への対応等の状況があるということ。
併せて、関連しつつでございますけれども、次期学習指導要領の改訂に向けた基本的な方向性等として、1つには深い学びの実装、多様性の包摂、そして実現可能性の確保ということ、また、それ以外にも、ここで書かせていただいているような基盤となる考え方が示されているという、これらを踏まえて教員養成、これからどうしていくかというところを考えていく必要があるというところでございます。
また、併せて、高等教育全体のお話として、その下でございますけど、右下でございますが、高等教育における今日的課題というものを幾つか観点として示させていただいております。例えば、2040年には大学の進学者数が約27%減少する等々、今日的な課題も踏まえた高等教育、大学における教員の養成ということを考えていく必要があるというところも、併せてここで示させていただいているところです。
また、養成の関係以外では、採用におきまして、右上のところでございますけれども、教員採用選考に係る第一次選考の共同実施に関する議論も進められているところでございます。こういった中で、教員養成の在り方等について御議論を賜るというものでございます。
これらを踏まえまして、資料の5でございますけれども、今日御議論をいただきたく考えております点について、資料の5にまとめさせていただいております。大きくは1枚目、1ページ目の上の部分でございますけれども、これからの学校教育に欠かせない学び続ける教師の育成でしたり、チーム学校ということを実現していく上で、教師のライフステージに応じた職能開発、また、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成が不可欠であるというときに、教員養成課程で身につけるべき資質能力、また、教職課程において学ぶべき内容はどういうものであるかというのを、大きな問いとしてお示ししているところでございます。
これらを踏まえて、2つ柱を立てております。1つは、教員養成段階で身につけるべき資質能力についてというもの、また、2つ目は、次のページで書かせていただいていますけれども、教員養成段階で学ぶべき内容、学び方、それらを担保する方策についてというものでございます。
それぞれにつきまして、これまで教員養成部会で御議論を賜り、それを踏まえて論点整理がまとめられておりますので、今日の御議論の前提として、どのようなことが論点整理上まとめられているかということを抜粋した内容を、ここで御紹介させていただきたいと改めて思います。
まず、1の教員養成段階で身につけるべき資質能力についてでございますが、抜粋した内容、特に下線を中心に御紹介させていただきたいと思いますけれども、1つ目の丸のところ、全ての教職課程で学ぶべき共通性のある内容と、各大学の独自で学ぶ多様性の双方の保証が重要であると。その中で、高度専門職業人として、また、学びに関する高度専門職としての教師の質の向上と量的確保、この両立を目指す必要があるということ。そして、2つ目ですけれども、学び続けることができる教師を育成していく必要があると。この大きな方向性、2点、示されているところでございます。
併せてでございますが、3番目でございますけれども、下線のところ、3つ目の丸の3行目以降でございますけれど、教師の育成というのは、教育職員免許法等で定めている教職課程の中だけではなくて、各大学等が育成する教師像を明確にした上で、大学全体の学びの中でなされるべきであって、それはその学びにおいては、共通で学ぶ内容は厳選しつつ、学生が自らの強みや専門性を高められる、そういったカリキュラムとすべきではないかという御意見をいただいているところでございます。
また、先ほど資料の4でも少し触れさせていただきましたが、教員養成学部学科、一般学部学科、また、教職大学院、一般大学院の組合せ等、複数のルートが存在する中で、それぞれのルートでどういった強み・専門性が育成できるかということも考えつつ、修士までを全体として捉えていく必要が、重要じゃないかという御意見もいただいているところでございます。
また、最後ですけれども、社会の変化に伴った学びの在り方の変化にも対応できるような柔軟な設計とすべきという御意見もいただいているところでございます。
これらの意見を踏まえまして、論点として、次のページでございますけれども、今日、具体的にこの1の内容で御議論をいただければと思っている内容を、3点ほどまとめさせていただいております。
まず、1点目でございますけれども、全ての大学の教職課程で共通的に身につけさせるべき資質能力と、各大学等の独自性、また、学生の意欲などに応じて学ぶ内容も含めた学位課程全体で身につけるべき資質能力、これをどのように整理するかという点が1点目でございます。
2点目は、養成・採用・研修。それぞれのプロセスを通じて、教師の資質能力を連続的に向上させていくために、教員養成段階で身につけたものを、採用選考、また、研修の段階でどのように測り、そして、伸ばしていくべきかという論点でございます。
これら特に2点目を実現する上で、最後の3点目でございますが、免許制度の在り方、また、大学と教育委員会等との連携の在り方というのもどのように考えていくべきかと。以上、3点を、1の関連の論点としてまとめさせていただいているところでございます。
次に、2でございますけれども、2は、1との関連の中ででございますが、教員養成段階で学ぶべき内容、学び方、そして、それらを担保する方策についてでございます。ここについても養成部会での議論、それを踏まえた論点整理の内容を改めて紹介させていただければというふうに思います。
まず、1つ目でございますが、1つ目の丸でございます。下線部を中心にと思いますけれども、どのような内容を共通的に履修すべきかということを検討するとともに、主体的な学修や実践的な学修を取り入れるなど、大学等における教育方法についても深化をさせる必要があるのではないかという点。
2点目は、学習理論、例えば、人はいかに学ぶかといった学習理論に基づくアクションリサーチでしたり、協働的な省察、また、授業研究への参加等、また、学習科学の基礎的な理論に基づく実践的な研究に参画することが、学び続けるプロになる基盤づくりになるんじゃないかという点について御指摘をいただいているところでございます。
併せて、3点目の丸でございますが、AI・データサイエンスを活用することが有効であり、必要なのではないかという点等についても御指摘をいただいているところです。
また、先ほど資料4でも御紹介をさせていただきましたが、同時期に諮問され、論点整理がまとめられている学習指導要領の関係につきましても、4つ目の丸でございますけれど、学習指導要領の改訂の議論との連携を深めながら考えていく必要があるのではないかという点について触れられています。
その際にはということで、3ページでございますけれども、教員養成のフラッグシップ大学の先導的な取組の成果や知見を踏まえ、教育現場の課題に応じた科目の充実を図ることが必要ではないかという点について御意見をいただいているところでございます。
5点目と6点目でございますけれども、5点目は、デジタル学習基盤を前提とした教育方法が身につく教育課程が必要ではないかという点、また、6点目は、早期から多様な児童生徒等を対象にした実践的な機会を充実していく、そして、理想を実現するための手だてを学ぶ機会を創出することが必要ではないかといった御意見をいただいているところでございます。
その下、幾つかまとめて御紹介ができればというふうに思いますけれども、まず、必要な知識等の習得に関して、オンデマンド、確認問題等の活用によって、自習でも学修・確認ができるようにすることや、実際の対面の授業や確認問題では、実技や演習、議論などの活動が充実するということが重要ではないかという点。
関連してですけれども、その次の丸、デジタルを活用することで、普段から場所や時間を選ばずに学ぶことができるということ、そういった学修方法が必要ではないかという御指摘。
その次もですけれども、学生が学びたいときに学びたい内容をマネジメントできるCBTのような仕組みを生かした学びということも考えられるのではないか。
また、基本的な法令や指導方法等の知識について、デジタルを活用して習得・確認できるシステムを構築すれば、学び方を柔軟にした上で、教職課程の在り方を含めた大学等の教師養成の仕組みを、質を落とさずに再構築することにつながるのではないかという御指摘をいただいているところでございます。
主な点について御紹介させていただきましたが、2の関係では、それらを踏まえて論点として、やはり3つまとめさせていただいています。4ページでございます。
1つ目でございますけれども、全ての大学の教職課程で共通的に学ぶべき内容として、現行の規定にないが新たに追加すべき内容はどのようなものであるかというのが1点目でございます。
また、関連して、一般教養、括弧で書かせていただいていますけれども、具体的には免許法施行規則第66条の6に定められる科目でしたり、介護等体験の在り方は併せてどうあるべきかという点。
また、3点目は、教職課程で学ぶべき内容を効果的・効率的に学生が習得できるようにするため、また、教員養成の質を確保するために、オンデマンド教材でしたり、CBTの活用を含め、どのような点に留意する必要があるかという3つの論点についてここでまとめさせていただいております。
以上、大きく分けると、1、2それぞれについて論点を3つまとめさせていただいており、今日はこれらの点について御議論を賜れればと考えております。
以上でございます。
【秋田主査】 大根田室長、御説明をどうもありがとうございました。
それでは、この後でございますが、資料5の「教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループで検討すべき論点」に示す論点ごとに意見交換を行い、その内容を基に、次回のワーキンググループでより具体的な検討を進めたいと考えております。
それでは、まず、今日は2点あって、1のほうの教員養成段階で身につけるべき資質能力について、御意見や御質問があれば、ぜひお願いいたします。
なお、多くの方が挙手された場合は、途中で時間の関係で区切らせていただき、御発言ができなかった委員は、後ほど事務局に御意見を寄せていただければ、議事録のほうに追加をさせていただきますので、御承知おきをいただければと思います。
それでは、いかがでございますでしょうか。委員の皆様のほうから順に手を挙げていただけましたら、指名をさせていただければと考えているところでございます。いかがでございますでしょうか。
それでは、私のほうからお願いをさせていただいて、口火をどなたかに切っていただくことにいたしましょうか。いかがでございますか。
それでは、森田主査代理、いかがでございますか。
【森田主査代理】 よろしくお願いいたします。森田でございます。まず、少し大きな視点になるかもしれませんけれども、やはり議論を進めていくときの前提として、養成と、それから採用、研修という視点もございましたので、どこまでが養成で担うべきことで、どこからが研修が担当すべきことだというところは、少し念頭に置いて議論をしていかないと、全て養成のところにいろいろ詰め込んでしまうということになってしまうのではないかなというのがありますので、その前提は教員養成部会でも出ておりましたが、必要ではないかなというふうに感じるのが第1点です。
つまり、教師の職能成長というものを生涯にわたるという視点から捉えた上で、やはり養成のところではどこまでが本当に一番基礎的な部分として必要なのかというところから議論をしていくということが、まず前提として大事になっていくのだろうというふうに考えています。
それから、もう一つは、少しこれも具体的ではないのですけれども、各大学等の独自性といったときに、やはり教員養成系の大学学部と、それから、一般の開放性の学部というのは、独自性とか専門性ということも違ってくると思いますので、そこは先ほどの資料4の図にもございましたような、それぞれの課程認定を置いている、教職課程を置いている大学がそれぞれの強みとか専門性を発揮できるような、それぞれの大学の中での強み・専門性というものが教職課程の学びの中で生かせるような、そういった形での整理ということを考えていくということが重要ではないかなというふうに思っております。
例えば、教員養成系のところでありますと、やはりどちらかといえば、教育学部でありますとか、教職系の科目が当然多くなるわけですので、そういったところで指導要領に関してもっと深く学んでいくような学びでありますとか、それから、開放制のところですと、開放制と一言で言っても、学部によっていろいろでございますけれども、例えば、心理でありますとか、福祉でありますとか、それから、当然のことながら、それぞれの教科の専門というところを中高の免許だったら高めていけるということもございますし、また、ICT等も非常に得意にする学校等ございますので、そういったところが得意分野が生かせていけるような、そういったような仕組みにしていくとよいのではないかなというふうに考えております。
少し具体性がないのですけれども、最初の発言とさせていただきます。
【秋田主査】 森田主査代理、ありがとうございます。口火を切っていただきまして、3点の御発言をいただきました。養成だけではなくて、生涯を見たときに基礎的な部分を養成課程が担うということでどうかというお話も賜りました。ありがとうございます。
それでは、今、白水委員、真島委員がお手を挙げてくださっておりますので、白水委員、お願いいたします。
【白水委員】 何となく次に当たりそうな気もしましたので、自分で挙手をさせていただきました。
今回の1点目の論点が、教員養成段階で身につけるべき資質能力ということなんですけれども、今、教職課程に入ってくる学生さんが、これから30年40年かけてずっと使えるような資質能力を要素的に考えていこうとすると、なかなか厳しいところがあるかなというふうに思います。
そう考えたときに、身につけるべき資質能力の内容の要素を考えていく考え方以外に、これで学んだことがどういう役割を果たすか、ある種、機能というんでしょうか。どういう先生をつくっていくかという観点で考えていく方向性もあるかなというふうに思います。
そのときに、やはり学校で先生が働いていくというふうに考えますと、1つは、この学び続ける力というのは、具体的に学ぶ内容が変わったとしても、恐らく二、三十年にわたって先生を支えていく大きな力になるんじゃないか。あるいは、学校というのが存続していくんであれば、共に教職員集団として働くというのが今回の大きなテーマですので、ほかの先生方と協働しながら学び続けていく力、さらには、この中に出ておりますけれども、AIですとか情報技術、大きく言うと、そのツールを使いこなしながらどうやって学び続けていくかというようなところが大きく大事になってくるのかなというふうに思いました。
そのように考えたときに、簡単な整理なんですけれども、今まで一種二種という言い方は、どうしても二種がデグレードした、一種の質を落としたような感じになると思うんですけれども、そうではなくて、二種の今対象にしているようなコアな共通基礎は何かということを考えながら、そこにプラスしてどういう専門性が必要かというのを、もう少し多様に選べるようにしておく。ただ、コアのところは、さっき私が申したように、いろいろな考え方ができると思いますけれども、共に人とも、あるいは機械とも相互作用しながら学び続けるというようなことは根幹として必要になってくる。そういうものを切り出していって、何が共通基礎か、コアエッセンシャルかというのと、何が専門分化したところに残るかということを考えていけるといいのかなというふうに思いました。
以上でございます。
【秋田主査】 白水委員、ありがとうございます。何がどうすべきかというところで要素的に考えるのではなく、機能的に考えていき、コアのエッセンシャルの、共通の基礎プラス、何が多様な形で必要になるのかというところで、人と共に学ぶところとツールで学ぶところを考えていく。また、一種二種というような表現ではない形での在り方というのを考えていってはどうかという御示唆をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、真島委員、お願いいたします。
【真島委員】 お願いします。私のほうからは、2点お話をさせていただきたいと思っております。
1点目は、養成段階で身につけるべき資質能力、共通的に身につけるべき資質能力という観点からです。その観点から考えますと、共に学びをつくるとか、共に授業をつくるというような資質能力というのは、教職課程で身につけるべき資質能力ではないかなと思います。
これ、幼稚園ですと、それが授業というよりも園児の環境とか、そういったものを共につくるということになるかもしれませんし、養護教諭の課程ですと、またそれが授業だけではなく、学校全体のそれぞれのいろいろな行事とか、あるいは、養護の先生が果たすべき役割のところでつくっていくというところ、その場合は養護の先生は、ほかの担任の先生とか、いろいろな職員の方も含めて共につくるというところの視点がより一層充実していかなければいけないですし、地域のお医者さんとか、学校医の先生とかとも連携をしてというところも、共につくるという意味に関わってくるかなと思います。
先ほどのCBTとか、デジタルでできるところはできるようにしていきましょうということと同時に、大学で、教員養成大学とか、あるいは教職課程で学生さん同士が共に学ぶということの意味や価値はどこにあるのかといったときに、やはり学校現場は職員集団で機能を果たしているので、組織としてどうやってその役割を果たしながら、自分の持っている能力や持っている個性というものをチームとしていかに発揮するかといったところが非常に重要になってきますし、大学という場で学ぶというのは、授業で勝負するというふうに、教科の場合はそのようによく言うんですけれども、そういった教科専門の能力と同時に、それをどうやって同じ職場の教員集団となる仲間というものを、一緒に切磋琢磨する仲間とか、同じ学び合う仲間とか、あるいは、自分たちがよりよい授業をつくっていくとか、よりよい学びを生徒とともに、児童とともにつくっていくといったときに、どのように学びや授業をつくっていくのか。そういうクリエートしていくというところというのは、共通で身につけていくべき資質能力ではないかなと思っています。
なので、単純にドリル的にいろいろな基礎的な知識理解をするだけではなくて、仲間と協働する学びというところから、どうやって自分たちで学びをクリエートしていくのかとか、どうやって授業なり、そういった外部の方との連携も含めてつくっていくのかといったところは、大学でこそ身につけるべき資質能力ではないかなと思います。
それが1点目と、もう1点目は、教員の養成と採用、研修というところの一体化を視野に入れたり、あるいは、森田委員がおっしゃっていただいたように、生涯にわたる職能を経験として身につけていくといったことを考えると、幾つか教員の研修の在り方とか考え方がすごく大事になってくるかなと思っていまして、それは、1つは、教職大学院の議論がこの後恐らくあると思うんですけれども、大学院だけではなくて、研修の在り方がもっと幅広く、今、自治体によっては、夏休みとか、あるいは1年の間で好きなときに大学の先生のところに行って研修を受けるという制度が自治体の中にはあるところもあると思うんですね。そうすると、教職大学院まではなかなかちょっとハードルが高くて行けないけれども、そういった自治体が派遣してくれて、1年間、自分が学びたいと思う先生のところに行って学ぶことができる制度というのを各自治体が広げていくと、研修というものが、法定研修とか、そういった研修だけではなく、自分の研究という部分をかなりしっかりとサポートできるような体制というのも、学び続けるということを支援する体制の一つだと思いますし、もう一つは、制度上で、昔は夏休みというのは3週間とか4週間、すっかり休めるというのが夏休みで、学校の先生は、特に社会科で言えば、海外に行って、ヨーロッパとか中国とかアメリカとかいろいろなところに行って、自分がいろいろなところに行ってきたことを基にまた社会科の授業で還元するとか、そういったことの知見を基にまた授業づくりをさらに豊かにするというような経験ができることが、やっぱり教職の魅力の一つだったと思うんですね。
なので、法定研修はもちろん大事だと思うんですけど、あと、学校内でやる研修とか、夏季研修とか、いろいろな研修はあると思うんですが、それだけではなくて、もっと自由に、海外も含めていろいろなところにしっかりと旅行に行けるとか、あるいは、自分で没入して本を読めるとか、自分の中で経験したい、いろいろな教科によっては、音楽の素養とか、芸術の素養とか、様々、そういった自分の教科の専門性とか、あるいは教科外のいろいろな知見を深めたいといったときに、そういったことをかなり柔軟にバックアップするような、先生ってそういうことができることって魅力だよねというのを、やっぱり実習生なり学部生なり、あるいは高校生なりが、「先生ずるい」って言ってもらえるぐらいのずるさをもってして、すごい、先生ってそんな夏休み中、ある意味遊びまくっているんだと言われるぐらいの余裕と楽しさというのを、先生が夏休みが終わった後に、みんなに生徒さんとか児童の子供たちとかに一緒に語り合えたら、先生っていい仕事だなとか、こんな楽しい職業なんだとか思ってもらうということが、最も教職の魅力にとって非常に重要ですし、先生方もそういった、教師になってよかったなと思う瞬間というのが、そういう自分の本当に望んでいる学びとか、没頭したい学びとか、魅力を自分で追求できるとか、そういう自由さというか、自分の幅を広げたり深めたりできるような、経験知を高められる、そういうことが制度として確保されているということが、学び続けることができる教師を育てていく研修、生涯かけて育てていくという意味では、非常に重要なのではないかなというふうに思っています。
私からは以上です。
【秋田主査】 真島委員、ありがとうございます。大きく2点のことをお話しくださいました。
1点は、やはり共に学ぶということが、大学で行われることが、これから共に授業をつくるとか、学校でも、例えば養護教諭のような方の場合、それぞれの専門性を生かしながらも、それをチーム学校の中でいろいろな連携をしていく。学外ともですけれども、そういうようなことの経験につなげていくことが重要であろうということで、いわゆるCBT的な、ドリルで的なものだけでは得られない部分を、やはり大学の生の教職課程の中でやっていくということが重要なのではないかという御指摘を賜りました。
また、2点目としては、研修の内容の在り方として、法定研修や、決まった校内研だけではなくて、それぞれの教員が自己選択してやっている、学びたい先生のところで学ぶなどのいろいろな、これまでに自治体が行われているような取組をうまく広げて、生涯を通し、自身が学ぶことを楽しめることによって、教職の魅力としてそれをまた発信していくことができるといいのではないかという、ちょっと言い方が違ったかもしれませんが、そういうこれからの在り方について2点の御指摘を賜りました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、田中委員、それから森山委員と、続けてお願いしたいと思います。
【田中委員】 それでは、田中でございます。真島委員さんと少し意見が似ているかもしれませんけれども、専門職としての息が長く、あるいはキャリアアップしていくためにも、心身共に健康でなくてはならないと思うんですね。
その意味においては、科目の中に、教師自身が自分を見詰めるというか、自分自身のメンタリティーとか、あるいは健康状態というんですかね。そういったことを見詰めるような科目を置くというのはどうなんだろうと思ったんですが、それはちょっとあんまり合わないのかなと思いながら、ならば、やっぱり研修なのかなと思いながら、バーンアウトしないというか、教育現場は集団で行う教育の方法もあれば、子供とのやり取りもある。あるいは、保護者とのやり取りもある。今では地域とのやり取りもあって、いろいろなところでストレスがありますし、どこでつまずいて、どういうふうな悩みを抱えながら現場で大変な思いをしながら教育しているのかというのが分からないままにいて、あるときバーンアウトするとか、いや、もうこんなんやってられないから辞めてやるみたいになってしまうと、せっかくの専門性を高めていくこともできませんし、キャリアアップすること、学び直すことにもエネルギーがついていかないと思うんですね。
そういった意味で、自分自身が本当に楽しく生き生き、自分がどうして教員になったのか、あるいは教えることをどのように思っているのかということを、メンタリティー的にも振り返るような研修とか、自分を見詰め直すような、そういった時間を置くことが、真島委員がおっしゃるような、サバティカル的な、海外に行って違うものを見るということもあるかもしれませんが、しっかり自分のメンタリティーに向き合わないと、そこの分析が甘くなっちゃって、目先の判断で自分をごまかしながら頑張って、結局、頑張り切れなくて辞めますみたいなのはとてももったいないので、そういった研修等々、あるいは、それが教育方法として、教育の理念とか、教育相談とか、それは子供や家族に対しての方法は学ぶんですが、自分自身への投資としての学びというのが少ないように思うので、そういったところを考えていくのも資質能力として重要なのではないかなと考えます。
以上でございます。
【秋田主査】 田中委員、ありがとうございます。自分を見詰め直すような、それを科目にするのか、研修にするのか、やはり自分をしっかりと見つめていくような時間が取れる形にしていくことが、生涯学んだり、メンタルヘルスを維持していくことに大事というお話をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、森山委員、お願いいたします。
【森山委員】 ありがとうございます。森山です。ちょっとこれ、論点2とも関わる点でもあるわけですが、大枠として最初にお話をしたいと思います。
1点目は、やはり教職課程の、例えばカリキュラムということを最終的には考えるわけでしょうけど、その場合にやはり構造化を図らないといけないということが出てくると思います。その場合、例えば、今の教職課程のカリキュラムもそうですけれども、教育の理論的なものと、そして実践的なものが、いろいろな形で大学に、特色の中で大きくクローズアップされるところもあるでしょうし、あるいは必修的な内容として位置づけられているような実践的科目はあろうかと思います。
この2つというか、双方がやはり結合して、その結果として養成段階の、例えば実践的指導力でもいいですし、あるいは資質能力でもいいと思うんですが、それが育まれるという形で、学士課程の中で今位置づいているものはそのようなものではないかと思います。
そうしますと、やはり現在も、これ、育成指標なんかでも、例えば、勤める前の段階でこのようなものはあってほしいとか、そういう育成指標の中でも資質能力を問うていますが、ある程度、やはりこのところを、生涯を通して育まれる資質能力の位置づけを、養成段階としての位置づけはどういうことかということで、その中で全体を通して、例えば、共通的に身につけるべき資質能力は何なのかということにフィードバックするというか、そのような形も一つ考えられるのではないかなというふうに思いました。
以上です。
【秋田主査】 ありがとうございます。構造的に捉えていくというところで、いわゆる理論と実践というところで、どのような形でそれを統合的に考えていくのか。育成指標とのつながりというようなところでも、養成課程で何を担うべきかを考えていくべきというお話をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、杉谷委員、そして、その後、勝野委員とお願いしたいと思います。杉谷委員、お願いいたします。
【杉谷委員】 ありがとうございます。私からは、主に大学教育の観点から少しお話しさせていただきたいと思います。
従来から単位制の実質化ということはずっと言われ続けておりまして、そうなると、どうしてもやっぱり教職課程は、特に開放制では履修単位数が多くなってしまって、なかなか授業中の時間と、プラス授業外でじっくり学ぶ、省察するというふうな実感すらも十分に取れない可能性があるかなと思います。
今後のことを見据えても、既に始まっている探究的な学びを教えるというふうな観点からいってもそうですし、先ほどからお話がありますように、学び続ける教員を養成するという観点からいっても、大学教育での学びをしっかりするということがとても大事なことではないかなと思います。
高等教育の研究でも学び習慣仮説というのがありまして、やはり大学教育の中でしっかり読書なり、学ぶ機会があると、生涯にわたってそういった機会を自分自身で設けて満足していくというふうな、そういった行く末と連動したような、そういった成果が上がるというふうな話もございます。
ですので、何が重要かといいますと、これ、学位課程全体で考えたときも、やはり学生自身が主体的に学んでいく。具体的には、ゼミナールとか卒業研究というふうな形になるかと思うんですが、もしそれに相当するものがない場合は、そこの部分を教職のどこかしらで対応できる。教職を学びつつ、そういった深い学びを学生自身が十分にできる機会というのを設けていただけたらなというふうに思っております。
ですので、授業科目とのバランスがなかなか難しいところだとは思いますが、むしろ学生の学びというものに重点を置いて、カリキュラムを構築していくということができないものかなというふうに考えておりました。
まずはここまでとさせていただきたいと思います。
【秋田主査】 ありがとうございます。大学教育の御専門のお立場から、単位の実質化というところで、授業内だけではなくて、授業後の省察等も含めて、教職課程の中でどういうふうにその科目で考えていくのかというところで、特に学習指導要領の中でも探究的な学びが言われている中で、そうした経験を大学全体の中でどのようにそれを保証していくのか。それが重要であろうという御発言をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、勝野委員、お願いいたします。
【勝野委員】 ありがとうございます。今、杉谷議員がおっしゃられたことも、私もとても共感をしております。
それで、やはり論点整理のところの文言にもありましたように、教職課程というのは教職課程だけで存在しているものではなくて、大学、まずは学士段階でいえば、学士段階の大学全体の教育カリキュラムの中に位置づいているという視点はとても重要だというふうに思います。
それで、白水委員が先ほどおっしゃられた、学び続ける力、協働する力ですとか、人だけではなく物やAIといったようなものとの関わりの中で学んでいく力、あるいは、探究する力といったものも、教職課程だけで身につけさせるとか伸ばすという考え方、これは非常に狭いと思うんですね。
むしろそうした学び続ける力、探究する力、協働する力というのは、学位課程の中に埋め込まれた広い意味での教職課程の中で、一般教養ですとか、教科の専門というものと併せて一緒に培っていくものだという発想が、基本的には非常に重要だというふうに思っています。
そういう意味では、現在の教職課程の大ぐくり化というのは、その方向に1つ進んだのではないかなというふうには思っています。例えば、教科及び教科の指導法に関する科目というところでは、その辺りもしっかり結びつけるといいますか、教科専門と、いわゆる指導法に関わるような教職の専門のところを結びつけるということを試みているわけですし、大ぐくり化ということ全体が多分そういう方向性で進んだということだと思います。
白水委員が要素ではなく機能というふうにおっしゃったのは、非常にやはり重要な観点かなと思っていまして、これから2つ目の論点のほうに移っていくに当たっても、要素を考えてしまうと、結局、どの科目、何単位みたいな発想になってしまうわけですけれども、大事なのは、むしろそうした要素もちろんありながら、それをどうつないでいくかという要素間の関係性ですとか、それは先ほど森山委員さんがおっしゃった構造ということにつながるのかもしれませんけれども、そうした構図みたいなもの、要素にこだわるのではなく、むしろ要素間の関係ということをしっかり考えながら、いわゆる資質能力というものを展望していくという発想がとても重要ではないかなというふうに思ったということです。要するに、要素というよりは、それぞれの、いわゆる要素というものもいいんですけれども、それをつなげていくだとかという発想が重要ではないかということです。
それから、もう一つは、これは真島委員さんがおっしゃられたことで、2番目の論点ですけど、やはりこれも私もすごく共感して伺わせていただいておりまして、養成課程だけで教師の力、育成というのは済むものではなくて、その後、もちろん現職研修の問題がありますけれども、せっかく養成課程で、まさに学び続ける力ですとか、協働する力ですとか、探究だとかということを大事にするのであれば、生涯を通じて学ぶというところも、やはりそこは一本しっかりとした基本的なコンセプトみたいなもので通すということはすごく大事だなというふうに思っていまして、ですので、研修のところで本当に個々の教員の自主的な学びということをバックアップするような、それが芸術であったり、直接的には教科を教えるということに一見すると関わらないようなものであったとしても、それが教養として生きるですとか、学び続ける力、学ぶ力として生きるだとか、教師自身の探究として生きるというところはとてもあるので、そういった視点はすごく大事だなと思って聞いていました。
そことちょっとだけ関わってくるのは、もう1点だけなんですけれども、これはこの次の段階での議論になるんだろうと思いますが、やはりいわゆる研修というところであっても、大学院での学びというのは重要な観点になってくる。とりわけ養成段階だけで議論することは多分不可能なので、研修と同時に、大学もあるいは大学院も深く関わりながら、まさに生涯学び続ける教師という観点を展望しながら、その中の一部として養成課程というのを位置づけていくという、そういう視点も大事ではないかなというふうに思いました。
以上です。ありがとうございます。
【秋田主査】 勝野委員、ありがとうございます。3点、御発言をいただきました。
1点目は、やはり要素ではなく、大括り化をしたり、構造化し、その要素間の関連を、つながりをどう考えていくのかというところを大事にしていくことの必要性、また、その中で大学全体で、教員養成というのを、狭義ではなく広義に考えていくことの必要性、また、2点目としては、研修というところに関して、自分で自主的な研修というような形のものの重要性、そして、それが養成だけではなく、3点目には、大学院ともつないで学び続ける教師という、学ぶとか、探究する、協働するというような資質を養成で身につけたものを、さらに大学院の段階でもそれを発展していくような形の連続性を、全体として筋を通していくというようなことの必要性を御発言いただきました。ありがとうございます。
今、私のほうからは、真島委員がまだお手を挙げておられるようにも見えるんですけれども、もう一度御発言が1のほうでございますでしょうか。ないですね。
【真島委員】 はい。大丈夫です。
【秋田主査】 ありがとうございました。
それでは、1の論点につきましてはここでよろしゅうございますか。それでは、いろいろ議論を出していただき、ありがとうございました。
それでは、次に、2の教員養成段階で学ぶべき内容、学び方、それから、これらを担保する方策について、意見や御質問があればお願いしたいと思います。
こちらについても、さっきと同じなんですけど、多くの方が挙手された場合には、時間の関係で切らせていただくこともあり、その場合は議事録のほうに掲載させていただきたいというふうに考えてございます。
ぜひ論点2につきましても、今の論点1でいろいろ闊達に御発言いただきましたことの延長であったり、繰り返しにはなるかもしれないところもありますけれども、どうぞそれぞれのお立場から御発言をいただけましたらと考えております。
それでは、論点2につきましていかがでございますでしょうか。
どなたかが口火を切っていただけると。ありがとうございます。森山委員、お願いいたします。
【森山委員】 それじゃ、まず最初にお話しさせていただきたいと思います。まず、2点ほどお話をしたいと思います。
1点目は、いわゆる学士課程教育自体の単位の仕組みは、やはり授業プラス、授業外の学修を2倍して、それでこの単位が成り立っているわけですけども、その辺りからしますと、やはり教職課程の、特に開放制の教員養成の場合は、とにかく別表扱いで大量の科目を、それで教職の課程の科目を実習する必要があるということで、結構オーバーな形になっているというのが現状だと思います。
ですから、そういう意味では、やはり縮減、ある程度精選するのも大事ですけれども、もう一つは、学士課程教育の中にある程度、卒業単位の中にある程度組み入れたような形で、まさに学士課程教育、今日も諸先生方からもお話がありましたように、学部学科全体のカリキュラムの中で教員の養成がなされているわけですので、そういう意味では、ある程度のところは、できる限り学部学科の卒業単位の中に組み入れるということも一つの考え方ではないかなと思います。
減らす、例えば精選するということによって1単位になっちゃったとか、そういうような、先ほど以来、そういうことではないというふうに考えています。私も根底にそういう考えがあります。
そういう意味では、やはり単位の実質化も含めた上で、今のような一つの考え方として、学部学科の卒業単位の中にある程度のところを認定するというか、単位認定するということが必要なのではないかなという。それを前提としないと、なかなかこれ、整理がつかないのではないかなというのが一つです。
それから、もう1点は、この論点の中にも介護等体験というのが出ております。この介護等体験の位置づけなんですけれども、議員立法という性格があるとは思いますけれども、現在、弾力的に実施できるようにはなっております。ある程度の対応が大学によって、大学の中で、例えば、ほかの介護等の中で特別支援関係だけに行くというような形とか、あるいは、その辺りのバランスとかもある程度柔軟化が図られて実施はされています。ただ、必修ですけれども、実際に必修化されていますから単位化されているけど、単位化されていない大学もあったり、これはいろいろな形が今、実際の大学の状況で違いがあると思います。
この辺りのところも含めて、やはり介護等体験をもう少し有機的なものといいますか、決して施設等での実習の体験が悪いとか、そういう意味ではないんですけど、ある程度の学士課程の中での基礎的な免許、教員免許にかかってのところでの、ある程度、変更といいますか、少し検討がなされる必要があるのではないかなというふうに思います。これはやはり大事な観点かとも思いますので、一応、ちょっとピックアップしてお伝えいたしました。
以上です。
【秋田主査】 森山委員、ありがとうございます。2点の御指摘をいただきました。
1点目は、単位の実質化というようなところとも絡んで、学部学科の卒業単位の要件の中に、教職課程の一部なりを単位を組み込むことができないのかという御意見でございます。そうするといいのではないかということでございます。
また、2点目としては、介護等体験が、柔軟化はされているけれど、大学によってこれが単位化されていたりしていなかったりするというようなところもございますので、もう一度、この在り方については、今見直して検討していくことが必要ではないかという御指摘を賜りました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、白水委員、お願いいたします。
【白水委員】 今の森山委員の御発言に非常に近い内容についてでございます。全部で2点ございまして、1点目は、この2番目の内容をどうしていくか。学び方、担保する方策という、この全体のテーマは非常によいと思うんですが、論点のほうが結構、丸1が現行の規定にないが新たに追加すべき内容はどのようなものかですとか、66条の6、あるいは介護等体験はどうあるべきかという、今、森山委員も触れておられましたけれども、論点が少しばらついているかなという印象がございます。
そう考えますと、今の教職課程に構造がないというわけでは全くないと思うんですけれども、今ある科目の関係とかをどうやって再構造化していくか。その観点で、先ほどから要素主義に陥らずに、要素の全体の関係をどう考えていくかという中で、例えば、憲法というのは最高法規ですから、ほかの教職の法規とどう関わっているかですとか、介護等体験というのが、実習に性質的には近いですけれども、それをどういう目的でやるのかというあたりで全体を組み入れていくような再構造化をしていけるといいんじゃないか、そんなふうに考えております。
そう考えたときに、3点目も少し再構造化した上で整理がしていけるといいなというふうに考えておりまして、オンデマンド教材でスタンプラリー式に学ぶという意味では、非常に効果的にやれているように見えて、実は長い目で見ると、全然残っていないという、そういう学び方の特徴もあるかもしれませんので、全体をどういうふうにこの要素を関連づけていくと、いい学びにつながっていくかというので、単位の実質化も含めて考えていけるといいんじゃないかというふうに考えます。
2点目に入るんですが、教職課程の再構造化という観点ですけれども、先ほどからありましたように、学士課程と連動できるといいんじゃないか、あるいは、大学全体の教育の中に教職課程が位置づいているというのは本当におっしゃるとおりですし、私も部会ではそのように自分でも発言したんですけれども、実績を考えたら、そうはできないという大学もたくさんありますでしょうし、各大学とも経営的にいろいろ大変だというときに、やはり教職課程の中での学生の学びが、大学あるいは学士課程で至れり尽くせりで、いろいろな要素の関係とか構造化をしてくれていないときにも、自分からいろいろなものを関連づけていくような学び方というのをしっかり教職課程の中で担保しておく。そんな必要があるんではないかなということを考えました。
実際に学び続けるといったときには、学習科学の中では、未来の学びのための準備として現在の学習過程を考えるという捉え方があるんですけども、未来に学ぶための準備というのは一体何が一番効くかというと、学んでいる最中に周りのリソースとか他人をいろいろ使って、自分だけで考えるんじゃなくて、いろいろなものを使いながら学ぶというのが、将来、未来に向かって学ぶ準備になっていくと考えたときに、教職課程からうまく発信するような形で、ほかの学士課程の学びを自分で学びに結びつけるというような態度を養っていくというのは非常に大事かなというふうに思いました。
以上でございます。
【秋田主査】 白水委員、どうもありがとうございます。
1点目は、まず、論点2のほうは、少し論点そのものがばらけているのではないかというような御指摘も賜りました。その中で、やっぱり再構造化をしていくことによって、ただ単なる、さっきスタンプラリーと言われましたけれども、そういうものではなく、深く学べるような再構造化を行っていく。介護等体験も含め、それが必要ではないかということです。
また、2点目として、全体としてどのような形で、学生自身が自分で学士課程の学びと教職課程をどう関連づけて学んでいくのかということが、未来の学び方を学ぶところにつながっていくような、そういう形があり得るのではないかというお話をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、杉谷委員、お願いいたします。
【杉谷委員】 ありがとうございます。主に3点申し上げたいと思います。これまで先生方がおっしゃっていることともかなりつながってくるんですけれども、1点目は、やはりどうしても単位数等を考えると、日本の大学教育の授業科目が非常に多くて、それを履修するだけで学生は目いっぱいな状況になりがちかなと思います。
ですので、精選するということが必要になってくるかと思うんですが、ただ単純に精選するというだけではなくて、これまでもお話がありましたように、要素等をきちんと見定めた上で、うまく科目を統合して内容を盛り込んでいく必要があるのかなというふうに考えております。精選とともに統合ということはずっと言われていることかと思いますので、教職課程においても重要なことではないかなと思います。
2点目は、こちらのほうにオンデマンド教材の活用ということが出ているかと思うんですけれども、確かにオンデマンドの教材ですと、時間、場所を選ばずに、便利なところがあるかと思いますが、やっぱりそこの成果というのをしっかりチェックできるような仕組みというのが必要になってくるかなと思います。
1つはCBTの活用ということがあるかと思いますが、それとともに、それこそほかの授業科目の反転学習的な利用方法として、授業外の学習を促す上で、オンデマンド教材を予習しつつ授業に臨んで、そこで学んだ内容を確認したり活用したりというふうな、場合によっては、それによって単位数が変わってきたりということも出てくるかもしれませんけれども、そういったやり方も考えられるのではないかなというのが2点目でございます。
いずれにしても、オンデマンド教材は、ともすると、倍速で見て、何か知識がぱっと入っていくだけに終わりかねないので、きちんと何かしらそれを活用する、習得するというところと結びつけてチェックするシステムが重要かなと思います。
3点目は、申し訳ありません、論点1と関わるようなところかなと思うんですけれども、学んだ内容を担保するという意味では、それこそ学位プログラム全体で4年間で学んだ成果とともに、ちょっと大変になるかもしれませんが、それこそ採用が決まった学生に、4年生の段階で、時間のあるときに、もう少し研修を受ける機会が増えると、決まるのがぎりぎりという場合もあるでしょうけれども、しっかり知識、それから技能を定着させて、それから、これから仕事に臨むんだという、気を引き締める意味でも、もう少し研修等を4年生の段階で機会が増えるといいのではないかなというふうに思ったりしております。
以上でございます。
【秋田主査】 ありがとうございます。3点のことを御指摘いただきました。
1点目として、やはり単位の精選と、それからの結合、統合という問題、そして、2つ目として、オンデマンド教材をただ出すだけじゃなくて、その成果をチェックしたり、活用したり、反転学習のような形で別の使い方をしながら利用していくというようなことの必要性、また、3点目としましては、採用が決まった後の4年生が研修等をより受けていくような、そういう形も考えられるのではないかという御指摘をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、森田委員、お願いいたします。
【森田主査代理】 よろしくお願いいたします。私も、先生方がおっしゃっていたような教職課程の、今、様々なあるものを再構造化していく。これ、多分、学習指導要領の作成の過程でも似たようなことはされていこうとしていると思うんですけれども、歩調を合わせるという意味ではないんですが、そういった、今あるものを、本当にそれでいいのかということを少し構造化していくというのが大事かなと。
現状で言いますと、教職課程の、例えばコアカリキュラムでありますとか、それから、先ほど話題にあったような教員育成指標とか、その前提の大臣指針とかございますし、現在議論が進んでいる採用試験の共通化というようなことにも関わってくるかもしれませんが、それぞれが何か縦につながっているようで実はつながっていなくてというか、それぞれの構造といいますか、前提にしているものが若干違ったりしますので、その辺りをちょっと縦につなげてみたときに、どういったところに現状、課題があるのかというところを見ながら、構造化の一つの視点にするというのはどうかなというふうに少し思ったところでございます。
それから、先ほどの内容のところで言いますと、これも今後議論が必要だというふうに思いますけれども、やはりこの数年間、フラッグシップ大学がかなり先導的な試みがされていますので、そういったフラッグシップ大学でされている内容でありますとか、それから、先導的に開発されて一定の効果が出始めているような科目、そういったものも少し新しく入れる内容というところで視野に入れて検討してはどうかというふうに思っているというのが2点目でございます。
それから、先ほどの1の論点と重なってしまうかもしれませんけれども、そういったことを踏まえつつ、各大学等の強みや専門性をやはり担保していくような柔軟なカリキュラムということを考えた場合に、少し具体的な内容から離れてしまうかもしれませんが、免許等の関係で言いますと、そういったものを現時点ではなかなか免許としては表現できていないといいますか、どういった強みや専門性を持っているのかというのが、なかなか免許状としては表現されていませんので、例えば、もちろん中高であれば、教科等を中心にした免許になるというのはそうなんだと思うんですけども、そういうところに少し自分が持っている強みや専門性というものを付記できるような、何かそういうような新しい仕組みというものも併せて検討していくといいのではないかなということです。
それから、最後になりますけれども、こういったことをやっていくと、結果的には、各大学の自由度が高まっていくと、いろいろな形のものが出てくるし、それがよしとするという形になっていくと思うんですが、その際に、現時点での、例えば課程認定等で、しっかりと学位課程と教員養成というのがどうつながっているのかというのはしっかり確認していくということが大事になってくると思いますし、それから、同時に、これも少し話が膨らんでしまいますが、それぞれの課程、大学が強み・専門性を生かしていくんだというところを前面に出していった際に、現在行われているような、例えば、特定分野に強みや専門性を持つ大学、学部であったり、それから、小学校でいいますと、いわゆる専科指導を優先的に実施しているような学部学科等に、いわゆる教員養成を主たる目的としない学部学科でも幼小の免許を置けるという、特例措置を置いています。
そことの関係で言いますと、それぞれの先ほど申しましたような課程が専門性をもっときちんと担保していく。しかも、それも学位プログラムとの関係で前面に出していくということがありますと、現在、それはあくまでも特例として認めているようなことと若干矛盾してくるというか、そごが出てくるような気がしますので、現在、特例的に認められているようなものも正面から認めていくというような、そういったことも少し視野に入れて検討していくということも、重要な論点になるのではないのかなというふうに考えています。
以上でございます。
【秋田主査】 どうもありがとうございます。構造化というところで、養成から、大学だけではなくて、採用と研修も含めて、縦につないで現状を検討してみたときに、何がまた必要なのかというようなところをもう一度見直す視点になるのではないか。また、2点目として、フラッグシップ大学の内容、先端的な内容等を、今後また入れる検討もしていく必要があるのではないかということ。また、3点目として、各大学の強みや専門性が免許状の中で何が強みになっているのか付記するなど、見える化をしていくことの必要性。そして、4点目としては、学位プログラムとの関係で、強みを生かしていくときに、課程の中で今は特例としているようなものを、どのように特例だけではなくて扱っていくことができるかを、全面的に考えていくということの必要性をお話しいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、勝野委員、お願いいたします。
【勝野委員】 ありがとうございます。他の委員の先生方がおっしゃっていたこととあまり違ったことではなくて恐縮なんですけれども、やっぱりこれまでの御議論、御意見を聞いていると、1つは再構造化という、要素は大事だけれども、要素の連関とか関連性というふうなことを考える視点ということが強調されていたかと思いますし、もう一つは、その要素ごとというよりは、やはり学びの深さというものをすごく大事にしたほうがいいのではないかという御意見もあったと思って、私も本当にそこに賛成です。
それで、そうしたことを踏まえた上で、個別に論点の丸1にあるように、今、私のほうでどういうものを新しく付け加えるべきか、追加すべきかということはなかなか申し上げられないんですけれども、むしろその再構造化とか深い学びということを、どう学位プログラムの中に位置する教職課程として構築していくのか。まさに再構造化していくのか、深い学びを実現していくのかというところは、結局のところ、かなり各大学が裁量を持ってやるべきことだし、やらなければいけないことなのではないかなというふうに思うんですね。
どうしても今の体制というのは、教員養成の質保証というふうなことがすごく大事であることはよく分かって、ただ、それがともすれば、先ほどの一番前半の論点のところでも出てきましたけれども、やっぱり要素、これがあるかないかという形での課程認定になってしまう。これが含まれているか、この要素が含まれているかどうかというふうな形になってしまうことが多いと思うんですけれども、すぐにというわけにはいかないかもしれませんけれども、やっぱり方向性としては、それぞれの大学がそれぞれの大学の学位プログラムだとか、どういう人材養成をしていくのかという観点に立って、その中で教員養成、どういう教師を育てていくのかということもしっかり位置づけて、それぞれの大学が自分たちの大学の、あるいは学部学科のでもいいのかもしれませんけれども、再構造化ということを考えて、それをしっかり理念として打ち出していくということ、そのキーワードとしては、要素間の関連ですとか、あるいは深い学びをどう担保するのか、後押しをしていくのかという視点で移っていく、これからその方向に進んでいくというのがいいのではないかなというふうに思いました。これがちょっと抽象的な言い方なんですけれども、1つです。
それで、教員養成のフラッグシップ大学のお話もありましたけれども、やっぱりそこは一つ大きな参考にそれはなるんじゃないかなというふうに思ったところです。
もう1点は、具体的なところで、介護等体験のお話を森山委員さんがおっしゃっていたかと思うんですけれども、私も介護等体験に関しては、一定の大きな意義を持っていたかというふうに思いますけれども、現時点では、介護等体験で得られる学生の体験の質ですとか、それから、それに続く省察だとかというふうなことを、ほかの学びですとかでもって代えられないかどうかという視点もやっぱり大事かなというふうに思っています。
ですので、介護等体験に関しては、一遍、必修化というところを見直してもいいのかなというふうには個人的に思っているということを付け加えさせていただきます。
以上です。
【秋田主査】 ありがとうございます。2点のことを御指摘いただきました。
再構造化を行っていくということ、従来の課程認定の質保証の在り方から、各大学がどのような人材を育成したいのか、その中でどういう教師を育てたいのか、各大学がそこを明確にして再構造化をしていくことが必要なのではないか。
また、介護等体験につきましては、代替がほかでできないのか、必修の見直しについての御意見をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、真島委員のほうからお願いいたします。
【真島委員】 お願いします。今、先生方、お話しいただいたこと、まさにそのとおりだなと思いながら聞かせていただきました。特に筋を通すというところはすごく大事だなと思いまして、筋を通すというのは、どこからどこまでの筋を通すのかというのは非常に重要な観点かなと思っていまして、今回の中教審の教員養成部会は、新学習指導要領と両輪で進めていきますよといったことを打ち出していただいているということも鑑みますと、やはり小中高の児童生徒に求める資質能力というか、そういったものを育みたいというところを、やはり養成段階においても、あるいは研修段階においても、それをきちんとできる教師というものをまずは育まないと、当然、そういう子供たちを育てられないということになるので、そこはやっぱり筋を通すというのであれば、そこは筋を通すべきではないかなと思いますし、それから、養成段階から研修段階、採用、研修を通して筋を通していくというところでも、勝野委員からもお話しいただいたように、自主的研修から、大学院の学びから、探究、協働みたいなところの、全体を通して筋を通していくということというのは分かりやすいというか、ぶれない軸をきちんと教員養成に設けるというのはすごく大事で、なぜかというと、やっぱり多様な専門性を有するといったときに、じゃ、何でもいいのかとか、多様であればどうでもいいのかというふうになってしまいがちな部分もあるかと思うんですけど、でも、軸として大事な部分をしっかりと持っていますよといったところで、そこに軸を置いた上で様々な多様性というものも認めていくというような、そういった関係性というのはすごく大事ではないかなと思うので、杉谷委員さんからも、探究的な学びのお話とか、先ほどしっかり学ぶということが学び続ける教員の第一義的に重要なことで、読書をするとか、学部段階でしっかり学ぶということが、当然、教師になって以降も学び続けるということの素養になってくるというところは本当にそのとおりだなと思いますし、先ほどの再構造化の議論の中でも、白水委員からは、学生自身が自分で学びを結びつけていくことも大事ですよというお話があって、それはすごく大事なことだと思いますし、それは子供たちにも学びの地図を、学習指導要領って学びの地図ですよ、自分たちでこの学びを自分が学んでいくということをつなげていくような学習をしていきましょうねと言っている以上、教員養成においても、もちろん自分が学んでいくカリキュラムとか、自分が学んでいく授業というものがどうやってつながっていくのかな、学士課程全体でとか、あるいは、自分が学んでいく専門性というものがどのように教職課程と結びついているのかなということを考えるというのはとても大事なことだなと思う一方で、それを大学教員が意識化してできていますかとか、あるいは先ほどの議論の中であったように、大学がどういう教師を育てるのか、学位プログラムとしてどういう教師像を描いて、そのためにどういう学びを構造化して、学生とともにそういった授業をつくっていくというところを展開していくのがとても重要ですよというお話があったかと思うんですけど、そういう意味では、物すごく大学教員の質というものが問われてくるかなと思います。
今までみたいに、自分の専門性だけができればいいですよとか、採用されたときは、自分の研究とか自分の専門が業績として評価されて採用されてくるので、そういう教職課程とどう結びつきますかとか、どんな教師を育てるためにこの学士課程がありますかという発想で皆さん採用されているわけではないと思うんですね、一般大学の中では。
そこをあえて広義の教員養成を行うということは、それは各大学の教員一人一人に、あなたの行っている専門の教科が、どのようにあなたの大学が置いている教職課程の目指すべき教師像とどう関連して、どういう意味をなす専門的な教科として位置づくのですかということを、やはり学生に求めるのであれば、教師のほうも大学の教員のほうもそれをきちんと説明ができるとか、一緒になって描けるとか、よりよい在り方ということを一緒になって考えられるようなスタンスがとても大事になってくるのかなと思うところであります。
そうすると、やはりさらに一歩進めば、大学全体の内部質保証の問題とか、SD、FD関係でどうやって大学教員の質も高めていくのかといったこともセットで考えていく必要があるのかなということも思いました。
非常に再構造化とか、深い学びを実現していくということの根幹的なものってすごく大事であると思うんですけど、そこは逆に言うと、すごくハードルが高いし、レベルが高いことで、それを今の大学の教員一人一人がしっかり自覚して、そこにきちんと自分がコミットする姿勢を持っていくという、そういったことも併せて必要になってくるのかなというふうに思いました。
以上です。
【秋田主査】 ありがとうございます。まず、1点目として、構造化であったり、学習指導要領との連動の中で、教師のこれからの在り方を構造化していったり、それから、養成・採用・研修、それから大学院というようなところに関してもぶれない軸をつくることによって、多様な専門性を有する教員を、といっても、そこの通すべき筋というんでしょうか。それは何を求めているのかということは明確にしていくことが必要であるというお話をまずいただきまして、続きまして、2点目としては、今度は大学の中で、生徒、学生自身が自分たちで、学士課程の中で教職課程と自分の学びを横につないで関連づけて価値づけたりできるようになるということとパラレルに、今度は大学の教員自体が、学士課程と教職課程の中を、広義の教職課程の中でどのような教員を育てたいのかということについて、やはり構造化して自分たちで御説明ができるような形に位置づけていくという、構造化の議論ということをお話しいただいたのではないかと考えております。
今、1巡というか2巡、お話をいただいてまいりましたが、今、それぞれの委員の皆さんのお話を聞いて、さらに何か続けてということがございましたら、まだ少し時間がございますので、いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
田中委員、ありがとうございます。
【田中委員】 田中でございます。創意工夫を生かした柔軟な教員養成を実現するためにというところで少し思うところがあるんですけれども、免許状を取得するに当たっては、カリキュラムの枠としてあって、大学が独自に設定する科目というところにかなり単位数も当てられていて、そこで教員として共通に学ぶことと、大学で学んだことによって強みとか独自性というところが出てくるんだと思うんですが、さらにその中に、個々の学生さんが、ここで学んだけど、この中でも私はここがもっと強いんだとか、私は将来こういったところにも幅を広げて勉強していきたいんだというような、その学修成果の蓄積が示せるような単位構造というのはできないのかなと考えたんです。
そうすると単位が増えてしまうということで、そうじゃなくても今、学ぶ学生さんは忙しいから大変だという話で、単位を少し減らしていこうという話があるんですけれども、もう少し自分の足跡として、あるいは自分がどこにこだわって高校の数学の免許を取ったんだとか、英語を取ったんだとかというのが、卒業研究というところで表れるのかもしれませんが、もう少しそれを単位の中で、あるいは学びのプロセスの中で示せるような工夫をすると、それが大学院へ行って学ぼうとかということにもなるのかなというふうに思って、自分の強み、自分がここを強調して今まで単位を履修してきましたというのが、もう少しこの免許状の取得の単位取得の中で可視化されるような構造というのはできないのかなというふうに考えた次第でございます。
【秋田主査】 ありがとうございます。今お話しいただきました、大学がそれぞれの独自性を科目として示していくだけではなく、その中で個々の学生が、自分の学びの足跡であったりを免許状や履修というところで示す方法というのは、手だてが打てないんだろうかという御意見をいただきました。ありがとうございます。
まだ予定された時間には若干時間がございますが、さらに皆様の御発言を聞いて、加えたいというようなことがありましたら、どのようなことでも結構でございますので、またお手を挙げていただけたらと思いますが、いかがでございますでしょうか。
ありがとうございます。白水委員、お願いいたします。
【白水委員】 2巡目の口火も切りたいと思います。ちょっと1回目の論点に戻って、田中委員の自分のメンタリティーを振り返るみたいなところの話で思った話からスタートしたいんですけれども、そのお話を聞きながら、やはりどこかで一人一人が自分をリフレクションする。OECDのキー・コンピテンシーの第1期のやつの真ん中にリフレクティビティーというのが入っておりますけど、ああいうことを思いながら、今回私が考えているのは、少し時代も変わって、こんなことが必要じゃないかなみたいなことを、それに対比しながら思ったことでございます。
一言で言いますと、リフレクティビティーみたいなものをしっかり自分にかけながら、一人一人が自立した個として育っていくというのはすごく大事なんですけれども、その一方で、時代的になかなかそうはできなくなっているような学生も多いと考えたときに、例えば、メンタリティーのことでいうと、非常に大事になってくるのがヘルプシーキング、専門用語で言うと。自分のほうでこれは無理だと思ったときに、周りに助けを求められるような、そんな時代にだんだんなってきているんじゃないか。
そう考えたときに、話は結構飛ぶんですが、先ほどの真島委員の大学の教職課程、あるいは学士課程、あるいは大学の教員に求められるということをかなりしっかり自覚しながら進んでいってほしいというのは本当におっしゃるとおりだと思う一方で、そのスタンダードは維持したまま、それを例えばこういうのをメッセージを出していったときに、まずい、そこに到達していないという大学教員がいたときに、いろいろなリソースを使ってでもそこに到達していこうという、その足場はたくさん自分で見つけたり、周りにも支えてもらいながら、ただしスタンダードは落とさないという、こういう周りのリソースを使ったりするような、そんな過程というのを考えていけるといいんじゃないか。
非常に平易に言うと、一人じゃないんだよということを子供にも教えたいんだとすると、大人も一人じゃないんだとか、周りにいろいろ使えるツールもあるんだみたいなことをうまくやりながら、ただ丸投げをするんじゃなくて、自分が主体として生きていく。それが人間の学びであり、賢さなんだみたいなものを、かなり意図的にいろいろなところで、子供と子供、あるいは大学教員と大学教員、あるいは学生と学生、あるいは大学同士が助け合いながら何とかやっていくということを、一つの大きな裏テーマにしていけるといいんじゃないかなというふうに自分が考えているということを、お話を聞きながら自覚した次第でございます。
以上です。
【秋田主査】 ありがとうございます。自分のメンタリティーをリフレクションする、リフレクティビティーということを御指摘いただき、そして、現代の学生というところでの援助要請、ヘルプシーキングであったり、それから、大学教員もまたいろいろなリソースを、大学教員個々だけではなくて、周りのリソースを使いながらというところでは、例えば、大学間でいろいろな援助をお互いにし合いながら、どういう学生を育てていきたいのかとか、そういうことの自覚化を図っていくというような、それによって質は落とさず、しかし、周りからの資源はいろいろ受けながら、それを達成していくということの重要性をお話しいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、杉谷委員、お願いいたします。
【杉谷委員】 ありがとうございます。先ほどの真島委員、それから、ただいまの白水委員のお話と関連してきます。恐らくもうちょっと先の議論かなと思って申し上げなかったんですけれども、やはり大学教員の研修、FD活動に当たるかと思いますけれども、なかなかやっぱり規模の小さい大学などでは、実現していくのも難しい部分もあるかと思いますので、まさしく大学間連携で何らかの形で進めていく可能性というのを模索される。特に国立大学さんなど、潤沢な資源もおありかと思いますので、核になって進めていかれるのがいいのかなというふうに個人的には思っております。
また、大学のほうでは、教育関係の共同利用拠点というのがございまして、FDに関しましてもそういった共同利用拠点がございます。現在、その拠点の在り方というのも検討中のところもあるようですけれども、例えば、医学教育など、そういうふうな専門的な教育に関する研修の場なども用意されておりますので、不思議と教職教育に関してのそういった利用拠点というのはこれまでなかったかと記憶していますので、何かしらそういうふうな大学間連携で他大学に提供する場というのがつくっていければ、非常に望ましいのかなというふうに考えて、お伝えしようと思いました。
以上でございます。
【秋田主査】 杉谷委員、ありがとうございます。ただいま大学間連携ということで、共同利用ということが可能だという,教職課程の分野でも大学教員そのものの研修として可能だということの情報もいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、森田委員、お願いいたします。
【森田主査代理】 ありがとうございます。今までの委員の先生方のお話を聞きながら、幾つか感じたところだけお話しさせていただきます。
まず1つは、繰り返しになって恐縮ですけれども、強みとか専門性を生かしていくということを考えたときに、やはりどこが共通で、本当に教員養成を主たる目的とする学科、学部等々と、いわゆる開放制のところで、どこが共通の求められる、どこまでが必要なんだというのは大事な議論かなというふうに思っているところではありますけれども、その上で、これはちょっと私自身が開放制の大学にいるから思うのかもしれませんけれども、教員としての必要な力というのは、教職科目だけで育つわけではないというのをちょっとどこかで私たちは持っておかないと、何か全てが教職、教職したという言い方が適切かどうか分かりませんが、教職を全面に意識したものだけの中で教師としての力というのは育つわけではなくて、もしかすると、教職をあまり意識していないものであっても、学生たちがそこで徹底的に学んだり、大学がそれぞれの大学の持ち味を生かしながら質を上げていくという、そういった学びの中で教師としての力も育成されているんだという、そういうこともあるかもしれませんので、その辺りは各大学がしっかりと自覚をしていくという。大学内で見える化していくという作業が必要かというふうに思いますけれども、どこかで私たちはそういった視点を持っておかないといけないんじゃないかなというふうにちょっと感じたというのが1点です。
それから、もう一つは、最近、大学分科会の関係で、学士と修士をつなげた5年一貫のような話が出てきておりますけれども、勝野先生おっしゃられたような、生涯にわたって大学院まで見通していくと。学士を出た後に数年間勤務した後に大学に戻るというパターンもありますけれども、今後、いろいろなところで5年一貫のようなことが出てきた場合に、そこに対してどういう免許の仕組みがあり得るのかというのも一方でやはり考えておかないと、5年一貫にしてしまうと、免許がより一層複雑になって取りにくいということになってもいけませんので、その辺りも視野に入れた議論が必要かなというふうに感じたということです。
以上、雑駁な意見ですけれども、2点ほどです。ありがとうございました。
【秋田主査】 ありがとうございます。大事な御指摘で、教師は狭義の教職課程だけで育つわけではなくて、大学それぞれの強みを一緒に学びながら、学生が意識しているかどうかではなくて、それで教師が育っていくのだという自覚を大学そのものが持っていくことの必要性、また、2つ目として、修士、博士の一貫の場合の免許の在り方というようなところも、現在の大学院の在り方等の動向等を踏まえながら考えていくことの必要性を御指摘いただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、真島委員、お願いいたします。
【真島委員】 お願いします。今、田中委員が最初におっしゃっていただいた、メンタリティーを見詰める科目とか心身の健康といったところを、新しい科目やあるいは研修にというお話があったと思うんですね。そのお話というのは、先ほどの白水委員や勝野委員のお話ともちょっとつながってくるかなと思っていまして、森田委員のお話ともつながるんですけど、教職科目だけで育てるのではない、広義の学士課程全体で育てていくんですよといったときに、再構造化とか、そういったつなげていく力というものがやっぱり非常に重要になってきます。
となったときに、最初の田中委員がおっしゃっていただいた、自分の特性って何だろうとか、自分という人間性というのはどこに強みや弱みがあり、自分の持っている力とか、あるいはこれからつけていきたい力とか、どんなことに自分として興味関心を持っていてとか、いろいろな自分というものにきちんと向き合っていったり、あるいは、いろいろな授業を受けていく中でも、そこに自分という人間と、それぞれの経験とか、あるいは授業とか、そういったものを結びつけていきながら、自分が将来どういう教員、理想とする教員ってどういう教師なんだろうとか、自分がどういうふうな教職課程を、これから教員人生を歩んでいきたいんだろうかとか、そのために、先ほどすごく大事なお話を白水委員がおっしゃっていただいたんですけど、誰に助けを求めたらいいんだろうとか、どういうヘルプを声を上げたらいいんだろうとか、どういう人たちとチームになったり、あるいは自分の力が発揮できる部分と、力を補ってほしい部分と、そういったところが一体どこにあるんだろうということを向き合う時間というんですかね。そういうのは、新しい論点のところに出ている共通的に学ぶべき内容として、現行の規定にはないが新たに追加すべき内容というところの部分にも関わってくるんじゃないかなというふうに思いました。
こういう授業が大学教員が実践できるかとかと言われちゃうと、これもまたFDが必要ですとかというふうになってくるかもしれないんですけど、でも、先ほども白水委員が、大学の教員だって全部ができるわけではないので、いろいろなリソースを使いながら、あるいはいろいろな人たちの助けを借りながら、みんなで助け合っていくというようなことをしていけばいいんですよという、そういうことも含めて、大学の先生も、いろいろなほかの大学の先生とか、あるいは他大学の先生とか、大学間連携とか、大学間ネットワークみたいなところもお話があったと思うんですけど、そういったところでお力をそれぞれ借りながら、今、これからの教職課程の機能を強化しつつ、質を落とさない、質を向上させていくといったことになったときには、やっぱりキーワードとしては、助け合いとか協力とか、そういったこともすごく重要になってきていますし、助けを求める声を上げられる人になるというのは、バーンアウトしない存在というものをつくっていくとか、あるいはチームとしてしっかりと、うまく組織としても自分の居場所をきちんとつくっていくとか、仲間をつくっていくという上でもすごく大事になってくるので、そういうことを学ぶ時間というのを、どういう形になるか分からないんですけど、そういう時間を持てると、今回新しく軸を学ぶということと、多様性を包摂していくという部分とともに、こういう自分自身と向き合うとか、見詰め直すとか、あるいは自分の特性を生かして、いろいろな人と補い合いながら連携をどうやって広げていったらいいんだろうとかといったことも考えていく時間というのがあると、豊かな時間というんですかね。そういうことにもつながると思いますし、私も実際に今年、探究学習を学部の学生と一緒にやったんですけれども、そのときの一番最初の授業のところでは、自分の特性を知るということで、いろいろな項目でチェックしながら、自分という人間の思っていた特性って何だろうとか、自分のよさとか強みとか、持っているコミュニケーションスキルとか、いろいろなことを設問項目を生かしながら調べていって、最後の授業が終わった後の振り返りをしたときに、深く学生が自分というものをもう一回見詰め直してリフレクションをしていたのがすごく印象的で、こういうふうに授業の中に組み込んで、最初と最後とかだけでも組み込むことによって随分違うんだなということも、実体験として学んだところもありますので、何かそういうことも、要素というか、そういう授業というものがうまく先ほどの要素と要素をつなぐものとしての役割というか、機能を果たしていけるといいのかなというふうに思いました。
以上です。
【秋田主査】 ありがとうございます。まさに自分を見つめたり、向き合うというような時間を保証していく。それから、人に援助を求められるとか、そういうことに関連する新たな科目がこれからの探究であったり、深い学びであったり、いわゆる質を落とさず、質を向上させながら教員養成をつくっていくために、これからの学びに必要なのではないか、そのために、大学もまたネットワークや連携が必要ではないかというようなところについてもお話をいただきました。ありがとうございます。
それでは、この後、勝野委員、森山委員までで打ち切らせていただきたいと思います。
勝野委員、お願いいたします。
【勝野委員】 ありがとうございます。具体的なところで、今回、論点の丸3に上がっている、オンデマンド教材やCBTの活用を含めたというところですけど、活用もというふうなところですが、これも既に先ほどお話がありましたように、要するに、オンデマンド教材とかCBTって、非常に使い方によっては大変意味のある有意義なものだと思うんですけれども、必ずしもそうならない場合もあるということは実感としてもあるわけなんですね。
こういったものを新しくといいますか、これまで以上に活用していく、取り入れていくというのは、単に時間を節約するだとかという視点ではなくて、やはり高い学びを、あるいは豊かな学びを実現するための手段だという位置づけ方をしっかりする必要があると思っていて、そう考えると、反転学習のお話も先ほどありましたけれども、実は時間としては、従来の授業の形、こういったオンデマンド教材ですとかCBTというものを使わない従来型の授業よりも、かえって時間は必要になるということも実はあるのではないかなというふうに個人的には思っているところです。
ですので、オンデマンド教材、CBTでも、やはり多少時間は逆にかかっても、深い豊かな学びを実現するという視点で導入していくという方向性を確認しておくということがやっぱり大事なんじゃないかなというのが、この点について思ったことです。
それから、もう1点だけ、自分を見詰め直したり、人とどう関わっていくのか、自分が教師になっていく上で、教師になったときにも、ヘルプシーキングができる、仲間と一緒に協働できるということを、そういったものを資質を身につけていくということはやっぱりすごく大事だと思います。
それを新たな科目としてというふうに入れるかどうかというあたりに関しては、むしろやはりそういった何か新しい科目をというよりは、教職課程の全体を貫くような、そういう理念と実践といいますか、そういう理念をちゃんと持ちつつ、それが教職課程全体の中でどの科目においてもそれが通底しているような、そういう教職課程の在り方というのが個人的にはいいのではないかなというふうに思いました。
以上です。
【秋田主査】 ありがとうございます。CBTについて、むしろ豊かな学びや深い学びを実現するための反転学習であったり、使い方ということを検討し、示していくというような形での導入というのが必要ではないか。
また、2点目といたしましては、自分を見詰めるというような、あるいはヘルプシーキングの科目を、単に科目を新たにというよりは、教職課程全体を通してそれを貫くような理念と実践の在り方というような形で考えていくというのはどうかという御発言をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、森山委員、お願いいたします。
【森山委員】 ありがとうございます。私のほうから2点、簡単に申し述べたいと思います。
1点は、やはり先ほども出ておりました大学間連携等の件、これ、やはり大学の教職課程の質向上とか、あるいは担保するという中で、横のつながりをもう少し弾力化してできるような形にするといいのではないかなと思います。
具体的に、例えば、教職アライアンスといいますか、質保証のための、そういう少し横のつながりの中でそれぞれの教職課程が充実をしていくという、そういう形も一つ、弾力化する中であるのではないかというふうに思います。
それから、2点目は、今日の論点の1の丸3に書かれている、これ、大事なことで、ちょうど今日はあまり話は出ませんでしたけど、大学等と教育委員会、あるいは学校も含めてというふうに思いますが、学校との連携についてです。これはやはり今回の論点でも必要不可欠なことじゃないかというふうに思います。
といいますのは、やはり理論と実践の中で、往還の中で、教職課程は今それで動いているわけですので、その中でやはり大学等と教育委員会、学校との連携については、教育実習が一番の眼目となると思いますが、その辺りのところを含めて議論するべきではないかというふうに思います。
それと、それに関わって、先ほど採用が決まった段階で、杉谷先生のほうからお話があったかと思うんですけど、採用内定した後のところでの研修、何かのフォローができないかというお話でしたけど、私も非常にこれ、賛成というか、非常に同感をしておるところです。
やはりそこで養成段階と研修段階といいますか、教育委員会側の一体的な形で教員の質の向上を図るということについては、そこは重要な意味を持っているんじゃないかなというふうに思います。
以上です。
【秋田主査】 ありがとうございます。3点の御指摘をいただきました。大学間の連携、アライアンス。そして、2点目としては、今日、ちょっとなかなか皆さんの御議論には出てこなかった、大学と教育委員会や学校との連携の在り方というところについて、教育実習を軸にしながらも、そこの在り方をもう一度見直していくこと。そして、3点目としては、採用内定後の4年生の次への研修の在り方という御議論をいただきました。
初回から委員の皆様には、本当に様々な貴重な御意見を頂戴しまして、ありがとうございました。
私自身も、自分を見直すということで伺っていて、ティーチング・コンパスが今回、教師の知識の一番冒頭に、教科の内容や方法よりも前に自己についての知識というものが上がっておりまして、やはり自分を見つめるとか、自分を振り返るということが重要だということが、教員養成部会のほうでティーチング・コンパスの話があったときに、シンガポールでもそれを第一にした教員の資質能力のところに上がっているというような話もございました。
今後また今日の議論をさらに、次回にはより具体的な検討に付すような形で事務局にお考えいただけたらと思っております。本日の議論も基にしまして、次回はさらに検討を進めてまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
本日の議事は以上でございます。
最後に、事務局より御報告をお願いいたします。
【森津専門官】 事務局より御報告いたします。次回のワーキンググループにつきましては、資料6に提示させていただいておりますとおり、11月19日水曜日10時より開催予定としております。
以上です。
【秋田主査】 皆さん、本日は長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。
それでは、本日は以上とさせていただきます。お疲れさまでございました。どうもありがとうございました。閉会といたします。
―― 了 ――
■会議終了後に頂戴した御意見
(白水委員)
・例えば、オンデマンド教材を使った反転学習(授業時間外に動画やテキストを事前学習し、授業時間に学友と対話しながらその理解を深め実践への活用性を見つけるような学習)は単位の実質化の好例となる。