教育課程部会 特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ(第7回) 議事録

1.日時

令和8年3月24日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 指導計画・学習評価や対象児童生徒の考え方等について
  2. その他

4.議事録

【隅田主査】  定刻になりましたので、ただいまから、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ(第7回)を開催いたします。
 第5回の議論では、特別の教育課程を実施するための指導計画・学習評価等に係る論点等について御議論をいただいたところですが、本日はこれまでの議論を踏まえ、引き続き指導計画・学習評価や対象児童生徒の考え方に係る論点等について、御議論いただきます。
 進め方として、まず、議題について事務局から説明をした後、相談支援体制の在り方に関して私と伊藤委員から発表を行い、意見交換を行います。
 それでは、議事に入ります。
 事務局より御説明をお願いいたします。
【栗山教育課程企画室長】  失礼いたします。
 教育課程企画室長の栗山でございます。
 それでは、御説明をさせていただきます。本日は、指導計画・学習評価や対象児童生徒の考え方に係る論点等について御説明を申し上げます。
 まず、具体的な本日の議論の対象でございますけれども、まず、教育課程の内容・授業時数・指導計画等に関して、第5回の前回の御議論を踏まえまして、更に具体的なイメージについてお示しできればと思っております。
 また、それに加えまして、今回の固有の論点といたしまして、対象となる児童生徒の考え方とその対象者を判断するプロセスというものをどのように考えるかという点について事務局として案をお示ししたいと考えております。
 まず、ここからしばらくはこれまでの議論のポイントについてまとめているものでございますので、具体的な御説明については割愛をさせいただきます。適宜御参照いただければと思います。
 基本的な考え方について、対象活動の考え方について、対象活動の実施機関等の考え方について、対象活動を実施する場所等の考え方について、実施機関の指導者の考え方についてなど、これまでのワーキンググループで多くの御議論を積み重ねていただいてきた議論の上に、さらに本日、指導計画・学習評価等について御議論をいただければと考えるところでございます。
 ここからは指導計画・学習評価等の在り方を検討する上での考慮すべき視点ということでまとめておりますが、前回のお示しした資料に対して、前回の御議論を踏まえた検討等について、修正部分を黄色ハイライトでお示しをしておりますので、主にこの部分について御説明を申し上げようと考えております。黄色ハイライトがない部分に関しては、原則として前回と内容が変わっていない、実質的に変わっていないという部分でございます。
 まず、このページについては、考慮すべき視点について、前回から基本的に変えていないというものでございます。指導計画等の在り方を検討する上では以下のような観点に考慮すべきではないかとして、1、2、3の観点をお示ししております。
 丸1として、特異な才能の伸長や困難の解消に寄与する効果的な指導計画とする必要性の観点、また、丸2として、学習内容等を関係者が効率的な確認・共有・改善できる必要性の観点、また丸3として、適切な学習評価ができる必要性の観点についてお示しをした上で具体の検討をしていくということでございます。
 それを踏まえて、指導計画に盛り込むべき要素について、前回御議論いただいたところでございます。これについて、前回原案についておおむね御議論をいただいて妥当というところでございますけれども、前回の御議論を踏まえて修正した部分が何点かございますので、御説明させていただきます。
 上から3つ目のポツについてでありますけれども、指導計画の作成に当たっての考え方といたしまして、対象児童生徒や保護者の意向も踏まえつつ生じている困難等の解消に寄与するとともに、好きを育み、得意を伸ばすということを含む才能の伸長につなげられるかという観点から検討する必要があるという点。また、そうした視点からは、指導計画の作成に当たって本人の関与を重視しつつ、希望する対象活動の具体的な内容にとどまらず、その目標設定や必要に応じて学習改善等につなげる形成的な評価のプロセスを含めて記載する方向で検討してはどうかと追記しております。
 また、前回の御議論を踏まえまして、通常の学級も含めて教育課程全体で包括的に支援を行う観点から、指導計画には対象活動に関する記載のみならず、通常学級での学習指導等における支援の在り方や留意点等も必要に応じて記載するということも重要ではないかとしております。以上を踏まえて、具体は「運用の手引き」で整理することとしてはどうかとしております。
 記載項目例も、これを踏まえた修正を加えておりまして、(1)については、丸3の部分に、学習上・生活上生じている困難等の状況、程度について、存在している場合は、心理検査の状況等も含めて記載するということ。
 また、丸5でありますが、対象活動や通常学級での学習指導等に係る児童生徒本人の希望といったこと。
 また、(2)、通常学級での学習指導等における支援の在り方、留意点についても記載する旨、追記をしているところでございます。
 また、これを踏まえて、補足イメージについても、必要に応じて併せて追記をしているところでございます。
 次に、指導計画の作成・運用・管理の在り方についてでございます。前回もお示ししていたクラウド活用等の在り方について2点ほど技術的な修正を加えておりまして、1つは、電子媒体等により、クラウド共有等の方法によることを原則ということをお示ししておりました。このこと自体は変更ございませんが、もちろん紙媒体による運用自体も妨げるものではないという趣旨を念のため明確化しております。
 また、コメ(※)の部分でありますけれども、クラウド共有等の在り方については、市町村など自治体単位で運用するシステムやICT環境、アクセス可能な情報に係るセキュリティーレベル、個人情報の取扱い等に係る規則等が異なることもございます。そういうことを踏まえつつ、円滑な対応ができるよう、適宜調整が必要であるという旨についても念のため記載をしているものでございます。
 その上で、他の特例との関係の整理も含めた、指導計画の運用の在り方について、大幅に記載を追記しているところでございます。前回のワーキンググループの段階におきましては、複数の特例に重複して該当する児童生徒、特異な才能の本特例のみにかかわらず、他に新設を検討している校内外の教育支援センターに通う不登校の児童生徒、あるいは日本語指導、特別支援の通級や学級に通っている児童生徒、こうした児童生徒について複数に重複して該当する可能性はあるわけでございますけれども、実施機関による適切な指導を確保する上では、本特例に係る指導計画のみならず、他の特例に係る指導計画に関する情報共有や連携を行うことが望ましく、それがあり得るということも踏まえて、こうした場合にも過度な負担が生じないようにしつつ、各教育委員会等の参考となる運用の考え方を整理したらどうかということについて御議論いただき、御賛同いただいておりました。
 これを踏まえまして、具体の方向性について追記をしたものでございます。他の特例に係る現状としては、各学校におきまして、障害のある児童生徒、日本語指導が必要な児童生徒、不登校児童生徒の支援等それぞれのために、現状におきましても、指導計画や「児童生徒理解・支援シート」といった支援計画に相当するような資料を作成・活用されている実態がございますが、それぞれの計画等で相互に重複する記載が現状あったり、計画等を相互に連携して俯瞰して機能させるということが難しいという課題も現状ございます。
 こうした中、今次の改訂におきまして、別途の指導計画を要する特異な才能のある児童生徒、あるいは不登校児童生徒に係る特例を新設する方向で検討が進んでいるわけでございますが、こうしたことを踏まえますと、教師の過度な負担・負担感を生じさせないようにすることはもとより、児童生徒をできる限り包括的に支援し、教育の質の向上につなげるために、これらの計画等を1つの電子ファイルで一体的に運用することができる様式、これを仮称として、「2階シート」と呼称させていただきたいと思いますが、これを国として示し、2階における複数の特例に重複しても、俯瞰的に当該児童生徒への支援ができるようにすべきではないかと考えております。具体の様式については、運用の手引き等で示すことを想定しております。
 またその際、不登校児童生徒に関して現在作成されている「児童生徒理解・支援シート」は、支援のために連携する医療機関・福祉機関等との情報共有に活用されたり、あるいは、障害のある児童生徒に係る個別の教育支援計画と類似の機能を果たしている側面がございます。こうした機能は、特異な才能のある児童生徒、不登校児童生徒に係る新設特例でも同様に必要なものとも考えられますので、「2階シート」につきましては、指導計画のみならず、支援計画の機能も取り込むということが有意義ではないかと考えているところでございます。
 この「2階シート」では、児童生徒に関する情報を重複なく確認できる共通シートと、それぞれの特例ごとの固有の事項を重点的に記載できる個別シートで構成し、俯瞰できるようにしつつ、具体の様式については今後検討してはどうかと考えているところでございます。
 国として様式を示す「2階シート」は、あくまで参考の様式でございます。したがいまして、各教育委員会が更に必要に応じて編集して活用する、カスタマイズするといったこと、あるいは地域の実情に応じては、既に様式を作成されているものについて引き続き使いたいといったようなこともあろうかと思います。そういったことをもちろん妨げるものではないものとして御提示をしてはどうかと考えているところでございます。
 今申し上げたことについてもう少し具体的なイメージをお持ちいただけるように作成した補足イメージがこちらでございます。上の箱の部分については、今し方、私が御説明したことをかいつまんで記載をしているところでございます。
 御説明申し上げたいのは下の部分でありますが、改めて俯瞰していくと、こういった現状になっているではないかと考えています。例えば、先ほど御説明した「児童生徒理解・支援シート」、これは支援計画に相当するものでございますけれども、実態としては、不登校児童生徒のための作成・活用といったもの使用されているものでございます。
 それ以外につきまして、例えば、緑の真ん中の部分でありますが、法令上、特別支援学校、特別支援学級、通級指導を受ける児童生徒について、個別の教育支援計画と個別の指導計画の作成というものが義務となっている現状もございます。
 また、右側の紫の部分でありますが、日本語指導について、特別の教育課程を編成する場合、個別の指導計画を作成しているといったような状況もあるわけでございます。
 こうした中、例えば個人について着目した場合に、Aさんということについて見ていくと、例えばこの方が、通常の学級に在籍しながら通級指導を受け、また不登校の児童生徒でもある場合について考えますと、まず丸1の「児童生徒理解・支援シート」を作成し、また、通級指導に関しては、個別の教育支援計画と個別の指導計画の3つを作成するということになるわけでございます。
 そうしますと、教師の側から見た場合、丸1と丸2のAについて、当該児童生徒に関する基本的な情報について、いずれも支援計画の機能を持つものでございますので、重複があり、非効率な場合がある。作成自体にも負担があるなといった、教師のコメントを付しているわけでございます。
 また、違うパターンで、Bさんが、通常学級に在籍しつつ、特別な支援を必要とし、また日本語指導が必要な児童生徒でもある場合。その場合は、丸2のA、丸2のBに加えて、丸3の日本語指導のための指導計画が作成されるわけでありますが、丸2のBと丸3について、特別支援の観点を踏まえた通常の教科等の指導と日本語指導の計画を別々に作成することに現行の仕組みではなりますので、連携した指導がしづらい側面があるのではないか。教育活動全体を俯瞰した関係者と連携したり、一体的な指導・支援が難しくなる場合があるのではないかといった教師のお声を掲載しております。
 こうした言わば隘路となっている側面、これを先ほど申し上げたように解決していくためにも「2階シート」というものを御提案したいと考えています。
 具体的には、まず共通の支援計画相当の資料として、「児童生徒理解・支援シート」というものを改善しつつ、上の共通の部分でありますが、特別の教育課程の編成が必要な場合を含め、個別の指導・支援が必要な場合は、児童生徒に関する基礎的な情報を記載する「児童生徒理解・支援シート」、これを共通的に作成していくということ。
 その上で、個別の指導計画に関しては、個別の児童生徒ごとに、編成する特別の教育課程の内容に応じた様式を作成することとしてはどうかと考えております。
 複数の特別な教育課程を編成・実施する場合は、本様式で記載の重複を避け、俯瞰して連携できるようにしつつ、それぞれの特例ごとの様式では固有の事項を重点的に記載して作成することを想定しているわけでございます。
 この2階部分に属する特別な教育課程の仕組みについて4つほど記載をしているところでございます。
 日本語指導については、既に国としてお示ししている様式ではございますので、その様式例を改善することになるわけでございますが、ほかの3つについては、現状、国として様式例をお示ししているものではございませんので、新規作成するという方向で検討するということにもなろうかと考えているわけでございます。
 このように支援計画相当のシート、それに加えて、それぞれの指導計画に重点的に記載をするようなシート、これを組み合わせて一体的に運用できるような「2階シート」というものの様式例を国としてお示しをすることによって、先ほど申し上げたように、より教師の過度な負担・負担感を生じさせないようにしつつ、できる限り一人一人の児童生徒を包括的に支援し、教育の質の向上につなげていきたいとと考えているわけでございます。これが具体的な「2階シート」に関する提案でございました。
 次に、相談支援体制等の在り方についてでございます。本日、隅田主査と伊藤委員からも、文部科学省の事業で、現在、御実証いただいている具体の在り方についても、この後御発表いただく予定でございますけれども、ここで、前回の御議論を踏まえつつ、2点ほど記載を追記しているものがございます。
 まず3つ目についてでございますけれども、相談支援体制の構築の在り方については、前回のワーキンググループにおいても、国の支援の在り方について検討する旨、御議論いただきました。その際、我が国におきまして、特異な才能を持つ児童生徒に係る相談実績、あるいはその支援に関する専門的知見について蓄積の途上にあるということを踏まえますと、指導計画作成に係る負担の軽減、あるいは指導計画の質の向上、それを支えていくためにも、相談支援で生成AIを補充的に活用することについてどう考えるかということを追記させていただいております。
 なお、この点については、別途、新設の特例について御議論いただいている不登校児童生徒のワーキンググループにおいても、同趣旨の御意見等を既にいただいているところでございます。
 また、最後のポツ、その際でありますが、「実施機関の立場からも」と書いておりまして、対象児童生徒への効果的な対応、適切な教育的配慮に関して、必要に応じて、学校や教育委員会のみならず、相談支援体制を実施機関のほうも活用できるということもあり得るのではないかということをお示ししております。
 なお、括弧で別途、発達段階に応じた指導や支援の在り方、特異な才能のある児童生徒の特性等の理解や支援の在り方等について、実施機関が対象活動を実施する上で必要な留意点については手引き等でお示しをするということを整理しているわけでございますが、個別の対応にあたって、必要に応じてこうしたことも可能にすべきではないかということを追記させていただいているところでございます。
 これが相談支援体制に関するところでございました。
 次に、学習評価についてでございます。学習評価につきましては、前回のワーキンググループにおきまして、1ポツの下線部にございますように、学級担任や相当教科等の教科担任が学習評価を行うに当たりまして、具体的にどのような学習活動を行い、どのような学習成果があったのか等の情報を、実施機関の指導者等から提供を受ける必要があるために、指導計画の作成段階で、在籍校と実施機関の指導者との間で、得たい情報や実施機関が逆に提供可能な情報を共有し、情報共有をどう受けるかということをあらかじめ整理しておくことが望ましいとしておりました。
 その具体についてでございますが、学習評価を行う上で必要な情報を可能な限り収集しつつも、学校・実施機関双方にとって過度な負担とならないようにするという観点、それを踏まえまして、具体には丸1、論述やレポート、作品等の児童生徒の学習成果や、プログラムの実施状況をまとめたものなどの提供を受けるといったこと。
 あるいは丸2、クラウド等を活用し、実施機関の指導者等に対象活動で児童生徒の学習状況等を指導計画やその添付別紙等に記入してもらい、最終的な評価者である学級担任や教科担任等がオンラインで参照できるようにするといったこと。
 あるいは丸3、面談・打合せを通じて、児童生徒の学習成果について情報提供を受けるといった多様な情報共有の在り方を想定しながら手引き等で例示をすることが必要であると考えております。
 また、コメ(※)として記載しておりますが、学習評価を行う上で必要な情報提供を受ける際、例えばオンラインでの指導の様子を録画して、それを生成AI等でその概要を整理するといったこと、それによって担任等が簡単に確認できるようにするといった効率的な手法を使うといったこともあり得るのではないかと考えております。
 こうした方法によって集めた情報について、相当教科等の評価の扱いについて整理を具体的にした部分が丸丸2でございます。
 特異な才能のある児童生徒を対象とした特別の教育課程については、通級・日本語指導の既存の仕組みと異なりまして「相当教科等」という概念がありますので、学習評価の検討に際しては対象活動の評価の在り方に加えまして、相当教科等の評価をどのようにすべきか課題となります。
 この相当教科等の学習評価の在り方を検討する上では、特別な教育課程を編成している以上、相当教科等については、対象活動のみ評価するという考え方もございますが、課題も生じますので、相当教科等全体の観点別評価・評定の実施を前提に学習評価の在り方を検討すべきと考えております。
 その課題とは、相当教科等の全部を対象活動で代替するとは限らず、一部にとどまる場合もある、多いかもしれないということを既に御議論いただいておりました。
 また、相当教科等の観点別評価・評定を行わない場合に、高校入試等で不利益を生じさせる場合も、可能性もあろうかと思います。
 一方、不利益を生じさせないようにするために、評定等不記載の説明として特異な才能の特例活用を調査書等において記載するということを仮にした場合は、前回御議論いただきましたように入試対策等にならないように特例活用をむしろ調査等においては不記載とする方向で考えようということと矛盾するということにもなろうかと思います。これを踏まえて具体を考えなければいけなく、次のページでございます。
 具体の運用の御提案でございますけれども、相当教科等の観点別評価・評定の実施に際しては、対象児童生徒が相当教科等の一部または全部の授業に参加していないことを前提にしつつ、過度な負担とならないように配慮して、どのように評価・評定を行うべきかを検討する必要がございます。
 まず、評価規準につきましては、相当教科等の観点別評価・評定を行う場合、特例の対象とならない児童生徒と異なる評価規準で学習評価を行うことといたしますと、同じ観点別評価・評定の評語でもその趣旨が児童生徒により異なると、煩雑であるとともに、別途評価規準を設定する教師側の負担も大きいことがございますので、在籍級における相当教科等の既存の評価規準をそのまま活用することとしてはどうかと考えております。
 次に、どのような評価材料を用いて評価を行うか検討が必要でございますが、この点、対象活動は相当教科等で育成する資質・能力についておおむね適切に身につけられると判断できる場合に相当教科等に代えて実施するものでございますので、対象活動の学習内容が相当教科等で実施しないこととする個々の学習内容と直接的な関連が強くない場合であっても、相当教科等の目標に関連した活動とすべきものであり、当該活動での学習成果は、相当教科等の学習評価等で評価材料として参酌し得るものではないかと考えております。例えば相当教科等で四則演算を扱うということの代わりに対象活動で微分等を学習した場合、四則演算の資質・能力を見取ることも可能ではないかと考えるわけでございます。
 更に、対象活動を実施する前のアセスメントの段階で、相当教科等で育成する資質・能力が既に身についているということを判断できる材料があれば、その内容も参酌するということも考えられるわけでございます。
 以上のことから、相当教科等の評価に当たりましては、先ほど丸1で述べました情報共有等により把握した対象活動の学習成果、論述やレポート、作品等の評価材料や、実施機関からの情報共有の内容でございますが、それに加えて、必要に応じて事前のアセスメントで得た材料、こういったことも踏まえつつ、在籍級における既存の相当教科等の評価規準を踏まえて、観点別評価・評定を行うといったことを基本とするということになろうかと思いますが、そのことについてどう考えるかということを御議論いただければと考えております。
 なお、対象活動の学習成果等を活用して可能な限り柔軟に観点別評価・評定につなげることを基本としつつも、対象活動で得られる評価材料や事前のアセスメントで得た材料のみでは判断が困難であると、説明責任を取ることが難しいと仮に判断する場合には、必要に応じて在籍級での単元や学期末の評価課題など共通的にやっているもの、これを児童生徒も受けてもらい、その内容も参酌するということも考えられるかもしれません。
 最後に、対象活動に係るフィードバックでございますが、丸3で検討いたしましたように、対象活動に係る学習評価につきましては、相当教科等の観点別評価・評定の形で考慮されることを考えれば、対象活動自体について別途総括的な評価・評定を行う必要はないと考えられますが、当該児童生徒が特別な教育課程の下で熱意を持って取り組んだ学習について、積極的に価値付けて、形成的な評価としてのフィードバックを行うということは重要なことと考えております。
 そのため、相当教科等の観点別評価・評定とは別に、指導計画の「学習状況の記録」欄等に担任教師からのフィードバックのコメント等、形成的な評価に該当するものでありますが、積極的に検討されるべきではないかと考えているところでございます。
 また、丸5、指導要録や調査書における取扱い等について前回御議論をいただいた内容がございますけれども、2ポツと3ポツ追記をしております。
 指導要録本体に、この本特例の対象となることを記載せず、個別の指導計画の写しを別紙として添付して運用とする場合でも、別紙を調査書上どのように扱うのかについては、学校や教育委員会ごとに対応が分かれ、意図しない形で活用される可能性もあり得るということもございますので、手引き等では調査書と別紙の内容も活用すべきではない、添付する別紙の内容も活用すべきではない旨も明確にしてはどうか。これは技術的な点ではございますが、追記を念のためしております。
 その上で、これ前回の御議論を踏まえまして、現行でも、指導要録の総合所見欄の中で、例えば学校内外におけるボランティア活動など社会奉仕、体験活動、表彰を受けた行為や活動等、必要に応じて記入している実態がございます。そういった中で本特例を適用している場合でも、特別の教育課程の編成の実施については記入しないとした上で、対象活動として取り組んだ学習活動、例えば大学等が実施する中高生向けのプログラムに参加した、あるいは大学や民間等が実施するコンテスト参加のために何とかに係る探究的な学習を実施したといったこと自体については、従前と同じように、必要に応じて記入することは差し支えないこととしてはどうかと考えております。これも前回御議論いただいた方向性かと思います。
 最後、その他でございますけれども、本特例の実施に当たりましては、特異な才能のある児童生徒の才能の伸長と困難の軽減に向けた支援の特徴や在り方について、教育委員会・学校における理解の浸透が非常に重要である一方で、その取組は緒に就いたばかりと言える状況でもございます。
 現在、今後の教職課程や教員免許制度の在り方を議論する中央教育審議会の教員養成部会の教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループの中間まとめにおきましては、全ての教職課程で学ぶべき内容として、教育における多様性の包摂が追加されているとともに、学生が選択する強み・専門性に係る内容の例として「特異な才能のある児童生徒の才能の伸長と困難の軽減」というものが挙げられています。参考資料に実際の資料がございます。
 今後、こうした議論の動向も踏まえつつ、現職教員に向けた研修の充実についても国や教育委員会において検討が必要なのではないかと考えているところでいます。
 最後に特例の対象となる児童生徒の基本的な考え方についてでございます。前提として、令和4年の有識者会議の審議まとめにおきまして、何らかの特定の基準のみにより選抜された子供たちに対して特定のプログラム等を提供することは、特定の子供たちのラベル付けすることになりかねない。あるいは、選抜のための過度な競争を発生させたり、入学者選抜への活用などの狭い範囲のみで才能が捉えられることになったり、経済的状況やプログラムへの参加機会の格差が生じたりする可能性があるといったこと。
 あるいは一定の定義による線引きは、特異な才能のある児童生徒そのものが同級生等から異質な存在として捉えられかねない懸念も生じ、学校現場が分断されたり、特異な才能のある児童生徒が差別の対象になったりしないよう留意することが必要といった懸念を踏まえまして、何らかの特定の基準や数値によって才能を定義し、定義に当てはまる児童生徒のみを特異な才能のある児童生徒と取り扱うことは行わず、特異な才能のある児童生徒の資質・能力や興味・関心、抱える困難を丁寧に把握して、それぞれの環境状況に応じて、それぞれの児童生徒に適した対応を柔軟に講じることが必要という整理をいただいたことに十分留意する必要があろうかと思います。
 この考え方、当然本ワーキングのこれまでの検討に重なるものでございますので、特別の教育課程の編成・実施の対象とするということは、ラベル付けや特定の基準や数値による定義への該当ではなく、環境や条件に応じた、それぞれの児童生徒に適した対応の一つとして位置付けた上で、上記の懸念を最小化できるようにプロセスを検討する必要があろうかと思います。
 こうしたことを踏まえまして、判断に当たりましては、日常的な見取りや、心理検査、ヒアリング等を踏まえつつ、認知的な側面に着目して、その認知・発達の特性等から、学習上・生活上の困難を抱えている場合に、通常の教育課程では支援が困難であり、対象活動を実施するほうが効果的であるかどうかについて、教育委員会や学校として総合的に判断することが妥当ではないかと考えているわけでございます。
 そうした方を踏まえまして、プロセスのイメージをお示ししたいと思います。
 主に相談支援体制を活用しながら、教育委員会・学校が、丸1、教育委員会・学校は、学校生活全般における日常的な見取りを踏まえて、当該児童生徒に対して必要に応じてWISC等の心理検査等を行うなどによって、算数・数学や理科等の教科等に係る認知的な側面に着目しつつ、具体的にどのような学習上・生活上の困難が生じているのかについて整理をする。
 また、丸2、学習上・生活上の困難に対して、まずは、通常の教育課程での指導の工夫や柔軟化等を含めて、多様かつ多層的な教育活動による支援の可能性を検討する。その上で、(1)、(2)、(3)の観点から、対象活動を実施するほうが効果的であるかを総合的に検討・判断して、実施について教育委員会と学校で合意をするということ。
 具体的に(1)は、そもそも本人が実施を希望し、実現可能性がある活動かどうかといったこと。その上で、(2)、(3)、既にワーキングで御議論いただきましたが、対象活動を実施することで、相当教科等の実施等に伴う学習上の困難の軽減・解消が期待できるかどうか、また学級での他の児童生徒や教師との関係構築の観点から効果的かどうか。生活上の困難の軽減・解消の側面でございます。
 なお、コメ(※)でございますように、(2)と(3)、これはいずれも満たすことを要件化する趣旨ではなく、いずれの観点からも検討した上で総合的に判断することを必要とする趣旨でございます。
 また、対象とするといったことを上記のポツで判断した場合であっても、現実の問題として、対象機関、実施機関との調整の結果として、対象活動の実施が困難であることが判明する場合も当然あろうかと思います。特別の教育課程の実施が教育委員会、学校にとって義務となるものではないということも改めて確認をさせていただこうと思います。
 最後に、事例のイメージとしてお示しをしているものですので、御参照いただければと思います。あくまでこれは事例でございますが、小学校4年で、算数や理科、特に生物分野に強い関心があり、言語理解も突出し、今、大学が実施する理科プログラムに参加しながら、大学教員のサポートを受けながら自分で探究的な学習を進めていると。
 全体的に理解力が高く、授業の内容ほぼ全て理解でき、授業中は退屈で、苦痛もある。また、生活上も、厳密な論理性にこだわりが強く、同級生の間で摩擦が起きやすい。不登校の期間もあって、保健室で登校もしているといったような仮定でございます。
 まず、アセスメントのイメージがこのページでございます。先ほど御説明したような流れに沿って、アセスメントがされていく具体的な流れが御覧いただけるかと思います。
 特に下の箱では、児童生徒や保護者と面談、また、必要に応じてWISC等の心理検査をもとに実施しているということ。
 当然、面談については、教育委員会、相談支援体制の専門家が同席することもございますし、また、心理検査については、教育委員会の関係機関で実施できることもございますし、保健センターや児童発達支援センターといった首長部局が所管する機関あるいは民間の機関、検査体制のある大学で実施されることもあろうかと思います。
 例として、幾つかのポツについて項目示しておりますが、こういったことについて面談で整理をしながら、下の矢印でございますように、算数全般、理科の生物分野に強い関心があってと、先ほど御説明したような子供の状況がある。こういうことが整理をされていくイメージをお示ししているわけでございます。
 また、このアセスメントを通じた上で、対象児童生徒の判断をしていく、先ほど御説明したような丸1、丸2の検討を総合的にしていくということで、下のように丸1、丸2と、教育委員会・学校が通常の教育課程においてどのような指導の工夫や柔軟化が可能であるかを検討する。主に算数、理科の授業の中で当該児童生徒に対して発展的な課題や、GIGA端末を活用した探究課題を設定するといったことをしたところ、例えば理科についてはかなり困難が軽減されたが、算数についてはなかなか十分それがうまくいかない。学校での授業を受けることに対して意欲がわかない状況が続いているので、通常の教育課程における支援は難しいと。
 そういったことに対して、面談の状況や見取りを踏まえて、算数の知識・技能、思考、判断、表現力等の状況も踏まえながら、小学校の段階で算数で4年生の段階の全部を相当教科等とするといったことをまず検討する。
 そういったことの中で、学校のみではなかなか実施機関の判断がつかないので、相談支援体制にも相談しながら、大学が実施するプログラムへの参加を念頭に検討するといったこと。またそれを児童生徒、保護者も望んでいるといった意向を確認する。
 そういった中で、相談支援体制と本人や保護者と面談の場を持って、自宅からの距離も踏まえながら、ある大学のプログラムへの参加、そこで課された課題探究に取り組むといったことを決めていく。
 さらにそういった中で、大学が設定する領域から探究テーマを設定して、ここにございますように実際の学びを進めていく。そうした中で困難の解消が期待でき、また、コミュニケーションの関係でも効果的であるといったことを判断し、実際の対象活動に移っていく。こうしたイメージをお示ししているところでございます。
 大変長くなりましたけれども、本日、一旦御説明は以上でございます。
【隅田主査】  どうもありがとうございました。具体も含めた包括的な御説明、本当に資料の準備、敬意を表します。
 続きまして、私の方より、令和7年度から実施している相談支援体制に係る取組の状況や取組を踏まえた相談支援体制の在り方に関する示唆について発表をさせていただきます。
 本日、私の発表は、「多様な才能を包摂する相談支援と柔軟な教育接続」につきまして、現場で実際に寄せられた相談と試行してきました支援を紹介しながら発表させていただきます。
 まず、現実といたしまして、こうした相談は既に全国から寄せられています。愛媛大学教育学部附属才能教育センターは、2025年4月に設置され、今年度、令和7年度の文部科学省事業にかかり、延べ71件、49名分の相談が寄せられました。
 年齢は、幼児から高校生まで、地域も14都道府県に及び、小学生が最多でございました。
 ここで重要なのは、才能のある子供が一部の大都市圏や特定の学校だけにいるのではないということです。
 また、相談は保護者だけではございません。センターを設置しまして、最初は保護者からの相談が多かったわけですが、秋頃から教員や教育委員会からの相談も増え、冬頃からは教員や教育委員会の紹介による相談が増えてまいりました。教員、教育委員会など現場で悩みながらも支えようとしている大人たちが確かに存在しています。
 つまり、課題は、ニーズがあるかどうかではなくて、そのニーズを受け止めて、適切な支援につなぐ公的な動線が十分にあるかどうかでございます。
 本ワーキンググループで共有されている基本的な考え方は極めて重要です。先ほど事務局からの説明にもございましたが、焦点は、誰を特別に取り出すかではございません。そうではなく、特異な才能に係るニーズへの理解を広げて、多様性を包摂する柔軟な教育課程、環境を整備することです。
 有識者会議のまとめでも、選抜型の特別プログラムを目指すのではなく、才能のある児童生徒を含む全ての子供たちが、多様性を認め合い、高め合える指導・支援が基本であること。そして困難に着目し、解消を図るとともに、個性や才能を伸ばすことが示されています。
 学校教育で本当に必要なのは、ラベル付けではなくて、支援の質を上げることです。学校現場の分断や子供への不必要な線引きを避ける意味でも、この基本方針を中心に据えるべきだと考えます。
 では、なぜ特異な才能に係る相談支援体制が必要なのでしょうか。現場では子供の姿がしばしば一面的に見えます。しかし、才能と困難は共存したり、そもそも1人の子供の中でつながっているものです。例えば、全体像をつかむのが早く、数字やパターンに強い。一方で、人の表情や場の空気を読むことが苦手な子。俳句やアナウンスでは高く評価されながら、不安感が強く、感情のコントロールに苦労している子もいます。
 そうした二面性や才能伸長に対応できる相談支援体制が未整備です。保護者は、話は聞いてくれるが、その先がないと感じる。教員は、強みの支援の仕方がイメージできない、学校としてどこまで対応すべきか判断しづらいと悩む。
 つまり、問題は、悩みや相談そのものがないということではなく、相談が学校における支援体制の整備や授業の改善、継続支援に結びつきにくいということです。
 そのために必要なのが、多様性・専門性・継続性を担保する支援体制です。愛媛大学教育学部附属才能教育センターは、才能教育、教育学、特別支援医学、心理学、各教科教育学、校種別教育など他領域の研究者、教員から成るチームで構成されています。
 特定の学問分野の学びの深まりを支える視点も必要ですし、心理的、社会的な側面の視点も必要です。
 相談支援は、窓口単体で成立するものでもありません。愛媛大学では、キッズアカデミア、ギフテッド・アカデミア、研修パッケージの作成、そして一般向けポッドキャストなど、常時的な情報発信と学びの機会を提供しています。
 保護者にとっては、孤立しないための知的・心理的支えであり、教員にとっては、見立てや実践の理論と実例を得る場であり、教育委員会にとっては、研修や体制整備に繋がる知見の蓄積です。
 大切なのは、相談が困ったときだけの受皿ではないという点です。相談、実践、研修、発信が循環する基盤を持つことが政策的にも重要だと考えます。
 更に支援の質を高めるためには、単独機関ではなく、ネットワーク型の基盤が有効です。本センターでは、お茶の水女子大学と連携協力に関する協定を締結し、国内外の客員教授、客員研究員とも連携しています。お茶大の先生方と連携しながら、中高生の研究指導や海外での研修機会の相談に乗っているケースもあります。
 子供が自分の住んでいる地域によって選択肢が少ないという状況は本来あってはなりません。同時に、学校現場も自分の学校だけで抱え込む必要もありません。大学や外部機関との接続は、学校の責任を外に出すことではなくて、学校の指導、支援の質を高めるための補助線です。政策としても、地域差を超えた教育機会の提供を見据え、広域連携を制度設計に組み込む発想が求められます。
 相談支援の質的向上に入口の整備は効果があります。私たちは児童生徒の特性に関わる簡易のプロファイルの事前提出と相談開始時の説明書、同意書を整備しました。その例です。
 相談の現場では、保護者の切実な思いが先に立ち、学校側の記録が断片的で、子供本人の強みの情報が十分共有されていないことも少なくありません。だからこそ、最初にある程度核となる必要状況を整理することが、何に困っているのか、何が強みなのか、誰とつながっているのかを見失わないために重要です。
 同じ算数が得意な子供であっても、日常生活において抽象的な思考が表出しているのか、算数、数学分野のコンテストに出場しているのか、それともより具体に小学3年で算数検定3級に合格しているなど、状況は異なり、対応を考える上で重要な情報です。
 次に重要なのが、相談の入口と出口の接続も含めて整備することです。子供を固定的な特性で分類するのではなく、何に困っているのか、何が伸ばせそうか、環境のどこを調整すべきかを整理し、指導・支援の次の方向性を明確にします。
 そのために、例えば領域固有性、教材・指導法、心理・社会面、認知・行動特性等の観点から見立てを行い、支援の出口として、身近な学びの環境調整、学びの環境の拡大調整、学びの環境の深化調整につなげると分かりやすいように思います。
 例えば生物に強い関心があって、独自に環境調査を行っている子供、既に県内で100種程度の確認をしており、関連分野の専門家の紹介に関する相談がありました。この子供はフリースクールに通っていました。
 このケースについては、生物教育を専門とするセンター教員を交えて面談を行い、その子の成果を共有してもらうとともに、関連が強い学術団体や教育・研究イベント等の情報を提供しました。丸2の学びの環境拡大調整、専門家や仲間とのつながりづくりに関する支援です。
 別な子供は、算数について理解は早いが、ケアレスミスが多い、やりたがらないこともあるということから、困り事が才能に関する行動かどうか分からないという相談でした。
 お話を聞いていると、授業中、学びのペースや好みが周囲と異なることも分かりました。また、それは全ての教科ではなく、一部の教科であることも分かりました。御本人も、保護者も、まずは学校生活のリズムを整えたいという御希望もあり、学校の授業中にチャレンジ問題を用意していただくとか、繰り返しの問題であっても少し難易度の違うものを用意していただくなど、学校の先生と相談することからスタートすることにいたしました。丸1の身近な学びの環境調整、特性に合った学び方や活動の提案支援です。
 ここでの要点は、選抜ではなく接続です。学校内の支援がよいのか、外部資源につなぐべきか、専門支援が必要か、暫定的でもありますが、それを整理する枠組みがあることで、保護者も教員も動きやすくなります。
 これは令和7年度文部科学省事業で本センターが実施したベースライン調査の結果です。重要なのは、我が国の学校現場において、児童生徒の強みを認め合い、個性や才能を伸ばす土壌はあると思われることです。もちろん教室で1人の教員ができることを拡張して、教員連携による取組、外部専門家との接続はまだ限られているかもしれません。
 こうした取組の判断が、教員個人に委ねられるのではなく、制度的に支えられ広がるよう、教員養成、研修と結びついた政策課題として位置づけることが重要です。
 実際、学校内でできることは少なくありません。こちらも令和7年度文科省事業に関わり本センターが行った事例です。
 小学校理科、ものの溶け方の事例では、実験器具を工夫して、時間を生み出し、教科書の枠内に閉じず、子供自身が設定した問いを追究できるよう、実験時間を確保し、報告会を行いました。
 その結果、理科分野で非常に知識が豊富な一方、普段は他者と衝突しやすい子供が、一緒に取り組む児童の指摘に応じて方法を検討し直し、協力しながら実験する姿が見られました。
 休み時間も活用できました。言語に強い関心・能力を持つ児童の特性を教員が受け止め、ほかの教員も交えてドイツ語の活動につなげた事例です。本人の満足感が高まり、周囲の友達からも肯定的な反応が生まれました。
 ポイントは、授業や学校生活の中に深まりや広がり、表現の選択肢を増やすことです。そのことが学級全体の学びの質を高めながら、才能のある子供を包摂することにつながります。
 もう一つ重要なのは、強みが見えやすい場を学校全体で用意することです。左の事例、運動で競う行事だけではなく、自分の得意な学習面でも力を発揮する場があってもよいのではないかと思っていた児童のケースです。
 総合的な学習の時間において、学級を解体し、複数学級混合のグループで企画を考え、その子供の問題意識や構想力が学年全体の学びへと転化されました。提案された新しいクラスマッチの形は、学年で最も高い評価を受け、実際の行事へと繋がる予定です。
 右の事例は、中学校の特別活動での取組です。異学年交流と共生をテーマに予算配分から企画実施までを経験することを通し、地域貢献や世代間交流、文化体験、スポーツ体験へと学びが広がりました。
 才能のある児童生徒への指導と支援とは、教科学習の高度化だけではありません。デザイン力、創造性、社会への関心、参画、貢献意識が発揮される場づくりもまた重要な視点です。
 学校だけでは満たしにくい学びの機会を学校外プログラムや外部専門家との接続で補完することも重要です。
 左は小学生の研究事例です。学校の探究活動を大学の専門家に接続しました。子供の学びが専門性の高いものへと発展し、その児童は現在も研究を継続しています。
 右は、算数・数学に高い関心を持つ子供に対して、キッズアカデミアでオンライン特別プログラムを実施した例です。難易度の高い課題への取組でしたが、満足度は非常に高く、1つの問題を長時間粘り強く考えたり、自分の考えを一生懸命言語化しようとしたり、友達の発想を称賛したりする姿が見られました。
 本ワーキンググループの議論に関わり大事なのは、学校の学びと往還できる形で位置づけ、学校へ還元することだと考えます。そうした制度が整備されることによって、学校外接続は、一部の家庭の私的な努力ではなく、教育課程に位置づけられ、意味のある公的支援の一部となります。
 オンラインの活用は、地域差の縮減という点で大きな可能性があります。広域で才能や個性を伸ばす支援が可能となり、キャリア選択、女子の参加促進、エコシステム形成の期待も実証されています。
 一方で、多数の分野で質の高いメンターを確保することは共通の課題となっています。それでも、地方に住む子供、同世代の仲間やロールモデルに出会いにくい子供にとって、オンラインは単なる便利な手段ではありません。それは、自分の問いや特性を分かってくれる誰かに出会う機会であり、将来像を描くための窓でもあります。
 ここで、本センターが今年度行った継続的な支援の具体例を示しています。通級の小学生について、教員が知識量の豊富さや能力の高さを認めつつも、衝動性や友人関係、一斉授業での扱いに悩み、相談につながったケースです。
 記録の共有、現状把握、校内支援の提案、校内調整・試行・フィードバック、そして学校外支援との接続を学校教員とセンター教員がチームで継続的に行いました。その結果、得意分野をクラスで共有したり、新たな友人関係が生まれ、大学教員によるプログラミング特別講義が本人の大きな喜びになりました。プログラミング特別講義を担当した大学教員も、すごくよかった、また行いたいと言ってくれています。
 この過程は、学校教員自身が当該児童の生活上の困難な部分を解消しつつ、才能を伸ばす視点や方策を獲得し、また学校としてもタブレットの使用や特別講義など、従来の学校のルールを柔軟化することにつながりました。
 改めてこの事例が示すのは、子供の困難を減らすことと個性や能力を伸ばすことは繋がるということです。本人、学校、家庭、学校外をつなぐ継続的な支援があって初めて子供の表情が変わり、教員の見方も変わり、学校の体制が柔軟化され、周囲の子供にも波及していきます。
 最後に論点、方向性3点整理いたします。
 第1に、入口の枠組みの整理です。説明・同意、簡易プロファイル、相談を一体として位置づけ、支援の見立てと継続性を担保することにつながります。
 第2に、出口。すなわち支援の選択肢の整理・体系化です。学校内支援、学校外接続、継続的な支援、専門支援を整理することで、教員の研修・校内体制整備、外部連携の具体像が明確になります。
 第3に、教育課程の柔軟化に係る運営基盤の確立です。守秘と共有の設計を整え、学校内外を往還する支援の質を担保する必要があります。
 結論として申し上げたいのは、特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援は、一部の子供のための特別な制度ではなく、日本の学校教育が多様な学びをどう包摂するかを問う試金石であるということです。一人一人の子供の強みと困難を丁寧に見立て、それを学校教育の制度の中に持続可能な形で埋め込んでいく。そのために、相談支援と教育接続の基盤整備をぜひ政策として前に進めていただきたいと思います。
 以上で私の発表といたします。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、伊藤委員より、同様にこれまで実施されてきた相談支援体制に係る取組の状況や取組を踏まえた示唆について御発表いただきます。
 それでは、伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】  皆さん、おはようございます。よろしくお願いします。伊藤でございます。
 私からは「多様性の包摂に向けた相談支援の取組」ということで15分ほどお話をさせていただこうと思います。よろしくお願いいたします。
今日お話しさせていただくことですけども、令和5年から6年にかけては、民間団体のNPO法人ROJEでの取組、これは全国規模でのもの、現在行っているのは令和7から8年、文科省の委託事業で、京都府教育委員会が受託者で、さらに再委託先で京都教育大学、都道府県単位の取組となります。
 情報公開の観点からホームページで発信していますので、もしよければ、細かいことはそちらを御覧ください。
 まず内容からいきたいと思うんですが、もともと令和5、6年度の事業では保護者・教職員向け相談支援機能でしたので、保護者向けのものからまず御紹介をしていきます。
 非常に難しいところとしまして、いわゆる特定分野に特異な才能があるとは一体何なのかということで、ないしはギフテッドとされるようなお子さんって何なんだろうって、どういうことなんだろうということについての共通認識をまず持っていただく必要がありますので、入門編として、「はじめての親の会」を毎月、実施しました。今も実施していまして、次の次で50回目です。最初のほうはアンケート取ってなかったので、もう分からなくなっているんですけども、アンケート回答者でいくと765名、今いらっしゃる状況です。
 この入門編が終わった後、継続親の会ということで、毎月、トピックを決めて勉強会やったりとか、後でもちょっと御紹介しますけども、公開相談会という形で、御自身のお困り事、いわゆる専門家、ほかの人も聞いている形で相談してもいいよというようなことをやっていたりとかしています。
 また、相談支援のところで非常に難しいのが、「今」困っているんですよね、保護者も子供も。なんだけど、病院に行ったら、半年待ちですとか、教育センターに行ってもなかなか待ち時間が長いというときに、とりあえず、どこかで吐露できたり、ほかの保護者の方とつながれるというところで、お仕事とかで使っておられる方多いかもしれませんが、Slack、チャットサービスを使ったピアサポートというものもやっております。
 次、教員向けですね。このときは、毎月テーマ別で教員向けの勉強会を実施していました。人数の多寡もありましたけども、参加者数178名、また、ケース会議という形で、実際にケース会議自体は学校でいろいろ行われていますけど、そこに我々が入らせていただいてというところを5校程度で実施をしていました。
 実際どうやっていたのかというところ、仕組みのところも大事だと思うので、簡単に御紹介しますが、このような形でやっています。大事なことは、専門家が専門的な支援に集中できることということで、しっかり事務局を置きまして、いわゆるバックオフィス的な人をきちんと雇った上で、教職員支援ユニットと保護者支援ユニットという形で分けて、ここを連携しながらという形でやっておりました。
 また、参考情報としまして、別に教職員、保護者向けの事業をだけをやっていたわけではございません。コロナのときからやっていましたので、オンラインでの子供の居場所、いわゆる特定分野に特異な才能のある子供たちの支援。左上はメタバースというものを使い、でも、中にはなかなか音声でのコミュニケーション苦手なお子さんもいらっしゃいましたので、Discord、チャットサービスみたいなものですけれどもこれを使って子供たちが交流できる場をつくっていったりとか、不登校のお子さんも結構多かったんですけど、このオンラインでの居場所で会った大人、大学生のお兄さん、お姉さんが中心ですけども、会えるんだったら外出てもいいかなということで、対面イベント最初やったらすごい人気で、それを今も続けていたりとか、あと、今渋谷区代々木のところで、いわゆる対面の居場所というものも運営させてもらっています。今日のフォーカスではないので詳しいことは飛ばしていきます。
 令和7年から8年年度に実施しているものとして、大学の取組というところで、もともと私ども京都教育大学には、学びサポート室というものを設置させていただいております。
 何をやっているんですかというと、いわゆる特別支援学校のセンター的、機能的なものを大学にも置きますというような感覚でして、いわゆる地域や附属学校の相談に乗りますよという室をつくっているところです。私もここに採用していただいた人間なので、運がよかったという言い方をしますけども、そもそもなぜ京都教育大学で相談支援ができたのかというと、子供たちであったり保護者、教職員を支援する枠組みや機能があったということは非常に大きいです。
 更に右下を見ていただきますと、知的ギフテッド教育支援部門と言われるものがもう既にございまして、私がここに着任したということもあって、比較的相談支援体制を構築するところは楽に行ったかなと思います。
 その上で、文科省事業として何をしていましたかというと、このようなチラシを京都府内の市立学校と国立学校全てに配りました。あと、幼稚園、保育園にも配って、こども園にも配っていますけども、このようなチラシを配って、随時都道府県内の御相談に乗るというところです。
 右側を見ていただきますと、相談支援体制ということで、うちの室長の小谷と私が載っておりますけども、先ほどお示ししたように、4つの部門がありますので、そこの教員は、随時連携をしながらやっていたり、右下のところでは、今、東京大学の医学部附属病院のほうにお勤めの田尻先生であったりとか、先ほど御紹介しました民間団体にも協力してもらいながらやっています。これも実はもともと連携しているところとうまくやりながらやっているというところだなと思います。
 また、大学の取組をどのようにやっているのということでいうと、このような流れでやっています。これもホームページにありますので、御覧いただければと思います。
 できる限りどういうお子さんが来ているのかというところの解像度を高めていきたいので仕組みのところはさくさく行ってしまいますが、現状、2025年の4月から大学のほうでは本格的にお受けすることを始めまして、保護者本人からの発達相談170件、これ延べ人数なので、実際120件ぐらいなのかなと思います。研修会40件。その他、この後お示ししています保護者向けの親の会とか子供の居場所とかもやっています。そっちが265人ほど御参加いただいている状況です。
 当然私1人で受け切れるものではありませんので、ほかの室員に対応してもらっているというのも含みます。
 何でこれだけ受けれるのという話でもあるんですけども、そもそも物理的環境が大学に非常に整っていたというところがございます。大学内に相談室が6室、子供が遊べるプレイルームも2室用意としていますけども、もともと公認心理師、臨床心理士のコースがございましたので、そこを使わせていただいているというところも大きいです。
 また、右側の写真は、オンラインの相談も一応乗れるように環境を整えていただいたり、電子カルテについても整備をしていただいているところです。今日、栗山室長からもありましたけど、いわゆるクラウドでの情報共有というところの可能性もいろいろ感じながらやっています。
 基本的に大学の既存環境を活用することで、やっぱり相談支援体制というものをつくっていくときに、大学とかで、私もまだ大学2校目ですけども、やろうと思ってもなかなか本当にこれはできるのかというところからどうしても及び腰になってしまうことも多いんですけども、いやいや、今あるこれとこれとこれを使わせていただければどうにかなりますというように、いかにハードルを下げるかというところも含めて、実証ですので、既存環境の活用ということは積極的にやっているところです。
 またその他、これはちょっと委託事業の中身から若干ずれてしまっているので、紹介するか迷ったんですけども、月に1回から2か月に1回程度ぐらい同じような特性のある子供たちが集まる場を設けて大学生スタッフと遊んだり交流したりしています。
 これ自体は、教育大ですので、学校の先生になる学生が7割ぐらいです。そういう学生たちが、いわゆる特異な才能のある子たちってどんな子たちなんだろうということを学ぶ実践の場にもなっていますし、実はこれ裏番組で、保護者向けの親の会を私が中心になって実施をしています。やっぱり保護者の方ってなかなか家庭での子供の様子しか知らなかったり、ついつい怒ってしまったりとかということがあることに悩まれている方もいらっしゃって、大学生との関わりの中でちょっと違う顔をしている子供たちとかを見てもらうことによって、ペアレントトレーニングというほど偉そうなことは言いませんけども、いろんなことを持って帰っていただけていたりします。
 個人的には学校に行けていない子も多いですので、左側のように例えばクリスマスであればクリスマスっぽいことをちょっとやってみたりとか、学校で本来体験できるんだけども、できなかったところ、補えることは補いたいなと思っています。
 ということで、子供たちの解像度を上げていきましょうということでデータをお示ししていきたいと思います。
 まず、どういったところの御相談が多いかって、先ほど隅田委員からもありましたけど、小学生の相談が多いなというところはまずあります。すいません、申し忘れましたけれども、ここから先は、どうしても相談って月によって、大小、多寡、多い少ないがちょっと出てきますので、揺れができるだけ出ないよう、2年間まとめてやっているROJEの方のやつだけでやっています。
 小学生がまず多いです。男の子、女の子でいくと、男の子のほうの相談が多いですというところであります。
 居住地を見ていきます。居住地、関東が多いところは人口比で当然といえば当然なのですが、意外と海外からの問合せもあるなというところがあるなというところもございます。
 また、よくこの手のテーマの話をしていくと、いわゆる自称ギフテッドじゃないかみたいな話とか、この子はギフテッドなんだけど発達障害だとか、一体どういう観点からそれを言っているのか私疑問に思うことがあるんですけども、という御指摘が入るんです。
 ただ、実は、私たちのところに御相談に来られる方って、大体75%ぐらい、つまり、4人に3人は、どこかであなたのお子さんもしくはあなたたちが見ているお子さんというのはいわゆるギフテッド特性があるんじゃないか、特定分野に特異な才能があるんじゃないかというふうに、第三者、特に医者とかスクールカウンセラーが多いんですけど、から指摘されて初めてそれに気がついて、でもどこに相談したらいいか分からなくて相談しに来るという、そういう流れが多いんだということも知っておいていただけるといいのかなと思います。
 抱えている困難や特性も御紹介したいと思います。毎回アンケート取っていましたので、こうやって出せるんですけども、やっぱり左側見ていただくと特徴的なのはいわゆる知的好奇心ですよね。75%以上のお子さんがそういう特性を持っているというところで、一方で右から3番目、繊細さ、これも75%ぐらいです。やっぱりいろんなことを吸収できるということが、すなわち、いわゆる嫌な情報とかも吸収してしまって、非常にセンシティブというか、そういうことを感じているお子さんもいらっしゃいますし、一番右側を見ていただくと、半分ぐらいが不登校と。これもどうにかしないといけないよねというところも含めてお持ちしました。
 また、よく、いわゆるIQ130とかということも言われますけども、本当にいろんなパターンのお子さんがいらっしゃいます。私、あえてこれ持ってきたのは、とはいえ、パターンによって困難の類型化もできるよねと思っているというところで、今後私たちこれをやっていこうかなと思っているんですね。それこそ先ほど栗山室長から生成AIの活用とかの話も出てきましたけども、ある程度妥当なデータというものを読み込ませるという意味でも、一定のパターン化ということは進めていこうかなと思っているところです。
 また、対応事例の御紹介をしていきたいと思います。これSlackですね。チャットサービスを使ったときに、上側の保護者の方がこういう御相談をされて、下でこういうふうに回答されている。これは保護者同士のやり取りですね。
 でも、下の方見ていただくと、やっぱり我々、相談支援で提供させていただいた情報を学校に持っていって、学校とのコミュニケーションの材料にするということを使ってくださっていたりとか、先ほどちょっとペアレントトレーニング的な話もしましたけれども、保護者の方にほかの大学生スタッフと関わっている様子なんかを見ていただきながら、こんな関わり方ができるもしれませんねというようなことをやっていたりもします。
 また、公開相談会、先ほどもこれ申し上げましたけども、やっぱり同じような悩みを持っているお子さんたち、保護者の方も多いですので、公開してもいいよという大前提でお話をしています。知能検査の結果、心理検査の結果を見せていいんですかねとか、特定分野に特異な才能があるということを学校の先生にお伝えしてもいいですかね、偏見を持たれませんかねみたいな話で、こういうふうにしていますよというような、本当に個別具体なこともやっております。ここまでが民間団体の御紹介です。
 時間の関係で、今度大学のほうに行かせていただこうと思います。大学のほうは非常に特徴的なのは、京都教育大学出身の京都府の先生も一定数いらっしゃるので、より相談されやすいこと。学校の先生からの相談というのはやっぱり大学のほうが多いなということは感じています。
 1事例目は保護者からの問合せです。急に学校に行き渋るようになって、調べていくと、たどり着きました。病院に行こうとしても、病院、12月に相談に来られた方ですけども、検査は7月ですと言われたと。そしたらそんなの困るからということで、うちに来られて、うちでも検査も取らせていただきました。知っている学校でしたので、学校との連携も開始させてもらって、今、順調にやっているというようなところです。
 また、先ほど隅田委員からもありましたけども、学校側でこの子、特異な才能ある子じゃないのかなというような気づきを得て相談に持ってくるというケースもあります。養護教諭とかSCさんがアセスメントを行っていく中で大学のほうがいいかねというようなところでやりまして、本当にこの学校さんは柔軟に対応してくださいましたので、合理的配慮の枠組みを使って支援をしてくださいました。一番右側に書いていますけども、「みるみるうちに回復し」というふうにスクールカウンセラーさんが言ってくださって、よかったなと思うところです。
 また、学校向けの研修だけではなくて、市町村単位の研修なんかで特異な才能のある児童生徒についての情報提供をもらったときに、うちの子もそうとかというふうになって、そこから相談につながっていくというようなケースもあります。やはり窓口があるって大事だなと思っています。
 ちょっと時間の関係で御紹介できませんが、利用者の声、こんなふうに民間団体のほうにも届いていますし、本当に御紹介したかったんですが、今回の指導要領改訂、結構いろんなところから期待されていますということを現場にいると思いますというところです。
 すいません、最後に1分だけ、ちょっと延ばさせてもらって、多様性の包摂という観点からの提案ということで行かせていただこうと思います。
 これ文科省の資料そのまま、ちょっと改変して持ってきたんですけども、まず大前提としては、右側にお示ししているとおり。私は1階の包摂性の拡張が大事だと思っている人間です。1階と2階の間の点線のところをいかに押し上げていくのかということができるのかということが一個大事かなと思いますし、逆に2階で学んだことを1階に生かしていく。そういう流れということも、要はフィードバックだと思っていますけども、ここも相談支援機能によって媒介可能ではと思っています。
 下のところに書いているところではございますけども、既存の都道府県・市区町村教育委員会の発達相談・地域支援機能と連携しなければ、結局、言ってしまえば私が今いなくなったら京都教育大の相談支援機能ってなかなか続かなくなってしまいます。自分がいなくなってもどうにか続くように、ということも含めて、持続可能性を担保するという意味でいえば、既存の仕組みもうまく連携しつつ、学校の先生に直接研修するんじゃなくて、京都府でいえばセンター的機能を果たしている地域支援センターで研修させてもらう、こういうふうなことをやっていかないといけないかなと思っています。
 また、社会モデルの考え方、非常に大事だと思っています。結構子供たちが必要だとしていることって特別なことではないことはとても多いです。
 さらに、地域性を含んだ学校文化への理解ということなくして、こちらの相談支援で押しつけるわけにはいきません。ですので、この際、今、京都府と一緒にやらせていただいて、正直とてもやりやすくていい。教育委員会と連携した地域の教員養成大学というインパクトは大きいなと感じています。
 また、野口委員が特別部会のところで御発表されていた3層支援のモデルからもこの相談支援を考えることができると思います。やはり第1層、多様な子供がいることを前提とした授業・学級づくりというところで、そもそもいわゆる特異な才能のある子たちへの支援を必要としているんだ、支援の対象外をつくらない体制をつくっていくということが大事だなと思いますし、別にどの子にもかかわらず、子供の声をしっかり聞いていくということも大事だと思っています。特異な才能がある児童生徒という、この表現自体のせいで支援要らないよと思ってしまうこともあるけど、むしろ苦手なことも多いということ。
 また、第2層支援というところでといくと、これは1階部分がメインになるかなと思うんですけど、ここにお示ししたようなことができていたりとか、でも、とはいえ、やっぱり今困っている子たちへのアプローチを忘れてはいけない。やはり2階も大事だと思っています。特に今日お話ありましたけど、「2階シート」(仮称)の策定の支援なんかというところを私今もやらせていただいているところですけども、こういったところで2階の支援ということも充実させることは相談支援でできるなと思っています。
 下に書いていますけども、今困っている子供がいる以上、2階の役割は大きいですし、ただ同時にそこに行くまでにできることもいっぱいあるということを感じながら日々やっております。
 表紙にメールアドレスを書いていますので、何か気になることがあれは、お問合せいただければと思います。終わります。
【隅田主査】  どうもありがとうございました。それでは、最初の事務局資料も含めまして、質疑応答、意見交換の時間といたします。
 御質問や御意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私の方から指名させていただきます。それでは、よろしくお願いいたします。野口委員、お願いします。
【野口委員】  野口です。事務局の皆さん、資料をまとめていただいて、また隅田委員、伊藤委員も具体的な相談体制についてお話しいただきありがとうございました。
 まず、個別の計画について、通常の学級も含めて支援や留意点について記載していただくとか、御本人の希望についてもしっかりと記載いただく。また、「2階シート」として、複合的なニーズに応えられるような、そういった実現可能な方策を考えていただき本当にありがとうございます。
 やはり「2階シート」において通常の学級における留意点が書かれることによって、先ほど伊藤委員からもありましたが、2階部分の知見を1階部分の包摂性を高めるために活用することが可能になると思います。
 もう1点、特別の教育課程の対象の子供をどう判断するかというプロセスも、今回お示しいただきました。通常の学級でできることを十分に実施した上で、それでは不十分である場合に特別の教育課程の編成を検討するといったプロセスです。
 本来は、特別支援教育、通級や支援学級も同様のプロセスであるべきなのですが、一方で現状は通常の学級で先生が大変だから通級、支援学級というような形で、通常の学級における工夫を充分に実施する前に通級や支援級を検討するといった判断がなされている学校も少なくないです。
 その結果、御存じのとおり、通級や支援学級に通う子供たちが爆増していて、全体として教員不足を招いているといった事態が現状起きています。
 本制度においても同様に、対象活動をすれば、あるいは外部にお願いしたら、通常の学級を変えなくても子供が「落ち着く」「困難さがなくなる」といったような誤解を招かないような建付けや啓発がとても重要だと思います。
 そうならないためには、まずは通常の学級において、社会モデル、本人が今の通常の学級の「ふつう」に合わせるんじゃなくて、今の通常の学級の「ふつう」の在り方ということを社会モデルの視点に立って見直していく。多様性を包摂していく方針や、その手だてというのをより具体的にしていくということがとても重要だと思います。
 先ほど隅田先生の学校内における指導や支援の事例など、非常に具体的な知見ですばらしいなと思いました。今すぐに通常の学級でできることというのはたくさんあるかと思いますので、それが追加的な負担ではない形での実践知を共有できるとすごくいいなと思っています。
 現在、特別支援教育ワーキンググループの方では、重層的支援・指導構造といった形で多層的な構造を示すことによって、通常の学級における包摂性を高めていきましょうと検討しているところです。
 まさに先ほどお話しいただいたプロセスというのは、重層的な支援・指導構造と同じことかなと思います。「2階シート」の件も含めて、別々に記載をするのではなくて、やはり共通化させられる部分は共通化して、指導要領や解説等に記載をしていただけないかなというところです。
 また最後、これはちょっと指導要領を超える内容になってしまうと思うんですが、やはりそのためには通常の学級における多様性の包摂が可能となる指導体制や支援体制を整えるということがポイントかと思います。
 結局、場を分けたら支援、資源が増える。場を分けたら人がつく、お金がつくという、そういう構造、あるいは、場を分けたら指導や支援が柔軟にできるといった現状の構造は、子供のためと言いながら、結果的に通常の学級における負担軽減のための排除につながってしまいます。このような構造を変えるべく、次期学習指導要領においては、通常の学級における調整授業時数などの柔軟性が確保されることは非常に大きいことだと思います。
 それに加えて、先ほどの隅田委員や伊藤委員からの相談支援の体制というのを各自治体に整えていくというのもすばらしいと思います。
 一方でやはり土台の包摂性、学校の包摂性を高めるために、やはり学内にキーパーソンが必要なのではと私は思います。例えば現状の特別支援教育コーディネーターをインクルーシブ教育コーディネーターとして専任化するなど、今後の体制整備というところについても是非検討していけるといいかなと思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。
【隅田主査】  野口委員ありがとうございました。最初からこのグループで、野口委員も意見を述べられているように、1階と2階とセットでと。1階を充実させることでかなり解決できる部分もありつつ、オプションで、しかもそれが往還できるというのはとても、御支持をいただいていること、更に具体的に御意見いただいたと思っております。
 最後のコーディネーターの件も、これまでも御意見いただいていて、私、今日最後に教員養成と研修と言ったのは、コーディネーターもいいんですが、私がやってみた感覚だと、全ての先生に知ってもらいたいことがまずあるかなと。
 その次に、例えば、子供を担当する先生が知ってほしいこととか、あと、これ教育課程の柔軟化でありますと管理職判断が結構ありますから、管理職として知っておいてほしいこともあるかなとか、幾つか段階はあるかと思いますが、やはり全体として先生方の専門性を高めていく方向というのは大切かなと思いました。ありがとうございました。
 では、続きまして、角谷委員、お願いいたします。
【角谷委員】  御発表ありがとうございました。私からはまず事務局からの資料1に関しまして、4点コメント、その後、隅田先生と伊藤先生の御発表に関連して1点御質問申し上げたいと思います。
 まず資料1に関してですが、1点目は、シート6の3番目の黒ポツにございます指導計画の作成に当たっての留意事項に関しまして、困難の解消と通常のカリキュラムでは対応不可能なレベルの好きや得意を伸ばすことが両輪であり一体的であるということ。具体的に言いますと、知的充足が情緒的安定をもたらすという点などは、対象となる児童生徒の考え方とも関わる部分で非常に重要だと思いました。
 つまり、一体的であるという部分は、今後の相談支援体制も含めて、当該児童生徒に果たしてこの方法が適しているのかどうかを見極める総合的な判断の上でも鍵となる部分だと考えております。また、本人の関与を重視する方向というのは非常によいと思いました。
 次、2点目ですが、「2階シート」の仕組みは、子供を1人の人格を持つ存在として理解、支援するという方向を強めて、とても実際的だと思いました。
 そして、その中の個別の指導計画の部分につきまして、形成的な評価のプロセスですとか、通常学級での学習指導等における支援の在り方や留意点等を含めることなど、記載事項は、前回の議論も反映されていまして、とてもいいのではないかと思いました。
 3点目といたしまして、シート11の相談支援、シート12の学習評価、シート22の1階部分での個に応じた指導に当たり、生成AIを補充的に活用するということに関しまして、もちろん個人情報の保護等留意すべきことはたくさんあるかとは思いますが、もろもろの対応を行う上で、情報へのアクセスにおける地域格差ですとか、煩雑な事務的な作業の回避をはじめ、多くの物理的な壁、また心理的な壁を低くしてくれる可能性のある大変意義の大きなことと思いました。
 4点目は、シート13の学習評価に関わりまして、在籍級における相当教科等の既存の評価基準をそのまま活用するという方向性に関してです。教師側の負担軽減の観点から資料2は記されておりますけれども、子供にとってもこの方針は適切だと考えております。というのも、これまでのギフテッド教育がなされている諸外国において、通常学級をベースとした早修等のプログラム評価の課題はいろいろあるのですけれども、その中で対象となる児童生徒に標準より高い基準を設けてしまうと、課題が山積みになるということも併せて並行して起こり、子供自身がチャレンジしなくなるということが生じます。そのために評価基準はあくまで所属クラスの標準的な基準がよいとされているというところです。
 事前アセスメントや単元テストの活用を評価材料とするという点も、特に知識習得の確認レベルでは非常に効率的で理にかなっていると諸外国でも確認されておりますので、必要に応じて迷わず活用していただいて、より高度な学びの場をできる限り保証してあげるとよいだろうと思っております。
 続きまして、隅田委員と伊藤委員の御発表に関連してですが、隅田先生の資料にございました入口と出口の共通枠組みの整理ですとか、伊藤先生の御発表にありました持続可能性はとても重要だと思いました。それらの観点と関連しまして、相談支援に当たる専門家が少ないだけでなくて、個々の専門や色がございます。色があることで、利用者が相談先をケースによって選べる、オンラインということもあり、そういうよさがあると思いますが、一定程度共通の枠を設けることで、複雑さとか相談先による極端な食い違いを防ぎ、また持続可能性につながる可能性も感じました。
 お二人にお伺いしたいのは、最初に相談に来られる方が保護者の場合と先生の場合があるかと思いますけれども、最初の相談者が保護者だった場合に、相談機関として直接、学校にコンタクトを取るとか、あるいは、学校外の専門的な機関、実施機関に相当する機関にコンタクトを取るですとか、そういったことがあるのか、そういったときに難しい点とか工夫点ございましたら、差し支えのない範囲で教えていただけたらと思います。
 以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。最初の2点は、野口委員からの御意見にも近かったんじゃないかと思います。事務局からの提案への御賛同かと。後半2点は、評価に関わるところで、こちらも事務局提案に対して、諸外国の状況から見てもいいのではないかという御意見だったかと思います。ありがとうございます。
 御質問に関しまして、私のほうは、保護者からまず来て、学校教員に関わりそうな場合、その内容に関してなんですが、保護者に相談しています。この内容は学校の先生にお伝えしてもいいですかと。それも内容に応じてですね。保護者のほうで、構いませんというケースもあれば、いや、まだちょっと心配なのでとかということもあったりして、保護者と相談して決めております。
 伊藤先生、いかがでしょうか。
【伊藤委員】  ありがとうございます。厳密に言いますと、実は今受けている実証研究自体が、学校と連携したという枕言葉がついていますので、保護者が最初に求めている誓約事項の中に基本的に学校と連携しますということは入れています。ただ、これ難しいのが、保護者の方が例えば私のところに相談に来ました。学校と連携、嫌だというケースってほとんどないんですね。どちらかというと学校と話をしてほしいというケースのほうが多くて、ただ、ここで急に保護者の話だけ私が一方的に聞いて学校に行くと、学校からすると、何か来たという話にやっぱりなってしまうことのほうが多いと思うんです。
 ですので、私は、先ほど画面共有でお示しした目立つチラシ、それを保護者の方にもお渡しして、絶対各学校に配っています。なので、多分先生見たことあると思うから、これ、今度の面談のときに先生に持っていってもらって、実は私ここに相談しています。もし学校もこの連携の中に入ってくださるのであれば、学校から大学に電話してもらえませんかとお願いをしてもらって、学校からコンタクトを取っていただくようにしているんですね。
 そうすると、学校の中でも1回考えるプロセスを置くこともできますし、どうしても学校の働き方改革の流れとかで、私たちと勤務時間が合わなかったときとかもあるので、学校の御都合のいい時間に学校からお問合せをいただいて、それで相談に応じていくというところかなと思っています。
 基本的に学校の先生方、子供たちのために何かしたいと思ってくださる方が圧倒的に多いですので、そこの思いを受け止めながら一緒にやっていく、そっちのほうがうまくいっているなという感覚を持っております。
 以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 では、ほかの委員で御意見、御質問等ありましたらお願いいたします。
 大島委員、お願いいたします。
【大島委員】  ありがとうございます。本日の資料の取りまとめ及び隅田先生そして伊藤先生も非常に示唆に富んだ御発表いただきまして、ありがとうございます。
 コメントと質問も混ざった形でコメントさせていただきます。1点目は、隅田先生の御発表にありましたように、やはり学校の学びと往還できる形で位置づけ、学校に還元する、この点というのが非常に大事と思いました。今日の発表を聞いていて、どの視点で特異な才能のプログラムを見るかでかなり変わってくると思いました。まず、実際の対象者である子供、それに対して社会がどのように対象になる制度を育んでいくかということと思います。
 その中で、いわゆるDEIに関連した今の議論は転換期を迎えていると思います。その中で、実際にこの対象となる生徒が、大体何人ぐらいなのかなということをある程度把握しておくことは大事と思います。
 というのは、どうしても、何をもって特異というかというのを、今日議論がありました。現行は、おおよそ1学年100万人ぐらいです。その100万人の生徒さんに対して、今議論が起こっている生徒、対象となり得る人、それが実際にどういうプロセスで最終的に対応していくのかということです。そういうことをある程度きちんと把握しないと社会の賛同を得ることは難しいと思います。ある一定の人に対して特別にこういう対応しているんじゃないかという。それはどうしても学習者という個人に対応してきますので、そういうことをある程度払拭するというのは大事と思います。
 今想定されている対象となる生徒、様々な窓口にいらっしゃる方も含めて、隅田先生がおっしゃっていたような、どれぐらい、またどのような人が対象になるのか。
 一方、対応する先生も、このような対象になる生徒が、毎年一定の割合でいるのか、若しくはそれが何年かに一度なのか、そういうふうな生徒さんに対応するとなったときに、先生方がどのような形で関わっていく必要があるのか、様々なプロセスも示していただいたと思います。
 先生方を特別な形で支援していくのか、若しくは、特異な才能を持つ思われる生徒に対応するとなったときには、受入れとして、先生としても認知しておく必要があるということです。そうなったときに、その確率って大体どれぐらいなのか、幅広く全体の先生が知っておく必要があるのか。そのようなセンサーが立っている先生もいらっしゃれば、そうでない先生もいらっしゃる。センサーが立っていた先生に幸運なことに会えた人は良いが、そうじゃないとどうなるのか。窓口も大体どれぐらいあって、意識の高い保護者がそういうところに行けることというのが全国でどれぐらいあるのかとか。やはりある程度のリソースと現在の生徒、そして学校、その対応というのもリソースとして整理していくということが、今後の持続可能な形にしていくことが必要と考えられます。、生徒、そして学校、コミュニティーがうまく回るためにも必要と思います。
 また、そのような定量的なデータがあるのか。もしなければ、やはり今後のことも考えてデータを取っていく必要があると思います。それが質問とコメントになります。
 あと2点目は、いろいろプロセスがあるのかなと思いますが、伊藤先生もおっしゃったように、類型化していくということは今後大事になり、全部をやっていける生徒さんなのか、場合によってはうまくいかないという場合もあると考えれます。そのときに、どのポイントは押さえておくべきがなのか。そうでなければ、また別のところに行けるのか。本日の隅田先生、伊藤先生の御発表にもありましたように、様々な例が出てきているのかなと思いますので、成功例とともに、うまくいかなかった例も含めてまとめていただけると有効とではないかと思いました。
 2点、私からのコメントと質問になります。
【隅田主査】  ありがとうございました。これもそれぞれ答えたほうがいいかもしれませんね。私から行きましょうか。最初のスケールのイメージについてですね。例えば、国際的によく言われている、こういう能力が高い子の行動特徴みたいなのが幾つかありまして、それで自分たちのクラスでどれぐらい、30人学級だったらどれぐらいの割合該当しそうな子がいそうですかというのはベースライン調査でしています。
 そうすると、意見は割れるんですが、10%ぐらいはいるんじゃないか。例えば30人だったら3人ぐらいはそういう傾向がありそうな子がいるんじゃないかというのが回答の中では多かったです。
 ただ、じゃあ、次のステップとして、その中で現状困っている子がどれぐらいかとか、あるいは先生が対応できないぐらいに突き抜けている子はどれぐらいいるのかとなると、それは更に減ってきますので、まだ現状としてどれぐらいかという目安の具体的な定量はちょっと示しづらいかなというのがございます。
 相談案件も、私も数を挙げたんですが、愛媛大学、まだ今年、相談案件をやり始めたところで、伊藤先生はかなりたくさんの数値がありましたが、やはり相談案件のカウントの仕方もちょっと迷うところがありまして、例えば、教育委員会から相談があって、1件だけど、実際相手は6人ぐらいが対応して相談されているようなケースは、6と見るのか、1と見るのか、もう1回会ったときどうするかとか、なかなかまだ定量的にお示しできる自信がない段階です。
 ただ、リソースについては、文科省の授業で、令和5年、令和6年で、そういう窓口とか、イベント等について、団体について、ユーミックスさんが資料を整理をされていまして、文科省の報告のところにも載っています。そういう整理はこれからも継続してやる必要があると思っています。
 あと、類型化と、あと、うまくいかないようなケースですね。これ私のセンター内でも定期的にケース会議を開いていまして、いろんな先生から意見をいただくのと、まだこれも最初、初めてですけど、昨年、私、伊藤先生のところに訪問させていただきまして、こういうお互いやっていることをすり合わせたりとか、困った案件をすり合わせる、話し合うような、そういう機会を持ちながら全体の質を上げていく必要があるのかなと思っているところです。
 伊藤先生、いかがでしょうか。
【伊藤委員】  ありがとうございます。まず、前者の御質問についてです。私も隅田委員とちょっと同じような感覚です。大体10%ぐらいの感覚かなという気は正直しています。ただ、私の見ているいわゆる10%のお子さんの中に、大島委員たちがやっておられるSTELLAのプログラムとかに行っている子たちが完全に含み込まれているかというと、全然、多分どちらかというと含み込まれていない子たちを私は見ている気がしています。
 なので、そういう意味でいうと、今回の2階の特別の教育課程を必要とする、若しくは活用可能なお子さんという点でいうと、もう少し上振れするかなとは思います。
 ただ、先ほど隅田委員からもありましたけども、そのうち本当に真に2階が必要なお子さんとなると、1階で対応できる部分のほうが私は圧倒的に多いと思っていますし、今まで百何件相談を京都でも受けている中で、外のリソースを活用したほうがいいですねというケースってまだ1件もないですね。
 なので、そういう意味で言うと、あくまで基準値としては、10%ぐらいが、可能性がある子たちとして見つつ、ただ、2階の部分、本当に外に行ってやらなければいけないなというところについては大分少ないかなと。なので、今回もそんなに多くのケースが出てくるとは限らないよという話をされているのは、そういうところかなと思っているところです。
 後者のところ、いろんな事例というところについても、積極的に発信できることは発信していこうかなと私も思っている次第です。なかなか難しいところでいくと、失敗したケースというものをつくるわけにはいかないのが相談支援の難しいところですので、失敗しないようにしつつ、どうしても無理だなと思ったところをどうするかというところかなと思っています。
 また、先ほど隅田委員からもありましたけども、いろんな情報が今、まず一方で、やっぱりこれ、私自身も言われたことがあってちょっと心苦しいなと思うのが、1階建て、2階建て構想の議論というのが、いわゆる都市部の結構情報を手に入れられる御家庭像を前提にしてしまっているのではなかろうかということは、やっぱり私自身はちょっと自覚はしておかないといけないなと思っています。
 その点において言うと、本当にユニバーサルというか、地域環境を問わずできる支援、本当に核となるところは、先ほど角谷委員がおっしゃっていた、みんなが共通して持っておかないといけない相談支援の専門性というところになると思いますし、そこは積極的に発信していかないといけないかなと思います。
 ちょっと質問とずれているかもしれません。以上です。
【大島委員】   ありがとうございます。時間取るつもりはないのですが、何が言いたいかというと、この取組、個人的にはすごい大事だと思っています。一方で、このような取組は、それを支えるコミュニティー、あるいは現場の先生が受け入れないと、難しいというところもあります。
 その中で、伊藤委員もおっしゃっていましたけど、特異な才能という言い方も問題なのかもしれないですが、受入れにポジティブに思わない方もいらっしゃると思います。
社会でそうような人たちをきちんと育てることの重要性を広めていくということは、大事だと思います。、そのためには、自分が担任をしている30名の生徒たちがどういう状況になっていて、先生としてどのように関わっていくのかということを、ある程度感覚的にでも理解しておくことは大事と考えます。
したがって、実際の教育現場で浸透させていくかということも同時にやっていくということが重要なのではないかと思い、質問させていただきました。
【隅田主査】  ありがとうございました。一度、実際に話を聞いていただけると随分変わりまして、私、研修パッケージをつくったときも、2年目、最後の8本目は、教員養成の学生にそれまでのパッケージを試してみて、学生が自分はこんなに変わったんですという生のコメントも入れてみたんですよ。
 ですから、実際に先生方に届けば、そういう子がいて、何とかしてみたいと言ってくれる先生はいらっしゃって、実際にうまく方向性が合うといいかなと思っているところですが、栗山室長、手を挙げられていまして、いかがでしょうか。
【栗山教育課程企画室長】  ありがとうございます。事務局から大島委員御指摘の点についての補足でございますけれども、大島委員御指摘のように、さらなる理解の浸透が必要という点で、本日ございましたように、教職課程、あるいは現職教員の研修も含めて、文部科学省・教育委員会で連携をしながら取組を進めていく。これは大前提でございますし、また、これまでの議論の念のための確認ということで申し上げますと、本日も、対象となる子供たちについてもラベル付けや特定の基準や数値の定義への該当にならないようにという考え方に立脚して、また我が国で十分この分野の知見が蓄積されてないことも踏まえながら進めていくといったことの認識の下に、このページの基本的な考え方の丸2にございましたように、実現可能かつ持続可能な仕組みを創設するという制度構築の基本的なところを踏まえて、まずは一定数の事例を創出していく、スモールスタートをしていくと。その上で、運用上の成果、課題、まさに大島委員の御指摘は課題に該当してくるのかなと思いますが、仕組みを改善しながら事例を増やしていくという制度にしていただいておりますので、そういった理解の下にしっかり進めていければと思っているところでございます。以上でございます。
【隅田主査】  ありがとうございました。全国の先生がやってみたいと思っていただけるような提案ができればと思う次第です。坂本委員、お願いいたします。
【坂本委員】  お願いします。まず事務局のほうからかなり具体的に煮詰まった資料を提供していただきありがとうございます。今まで議論してきたことがどんどん反映されて、形になってきているなというのを感じています。
 あと、愛媛大学と京都教育大学の相談支援プラットフォームとしての取組も、こんなにもノウハウというか、知見というか、溜まってきているんだなというところも感銘を受けているところです。
 私としては、やはり大分活動等が具体的になっていく中で、評価をどうしていけばいいのかなというのを、学校の立場で考えたときに難しいなというのを感じているところでして、そういった意味で、今回、事務局の資料の中に、相当教科の評価を、対象活動が直接関連が強くない場合でも、対象活動の学習成果を相当教科の学習評価の評価材料として参酌できるというような表現していただいていて、ここすごく一歩進んだなと感じているところです。
 ここのところを学校現場としてはこれからかなり心配するところだと思うので、ここを更に一歩踏み込んでというか、具体的な例とかも相当数示しながら、柔軟に学校のほうが評価に困らないような制度に是非やっていっていただければというところです。
 あと、生成AIの活用についても今回触れられていて、すごくいいなと感じているところで、私は生成AIの活用という面では、相談支援の入口としても何か活用できないかなと考えていて、今回、相談支援プラットフォームで、今、愛媛大学、京都教育大学あるんですけども、オンラインでといっても、やっぱりそこに相談に関わるまでというのは一定ハードル高いのかなというのを感じていて、まず、今までたまったノウハウとか、そういったものを学習させた特化型のAIをセキュアな環境で、国として整備をして、まずは学校とか保護者とかが生成AIに対して何か相談をすることができたり、そしたら生成AIのほうからアセスメントをしてくれたり、あとは、1階部分でこういった支援が考えられますとか、そういったものを提示してもらったりですね。本当に2階の特別の教育課程が必要な子については、そこからリアルな相談支援プラットフォームにつながっていくような、そういったものが整備できるとすごく相談支援の入口としてはいいのかなと感じたところです。
 ここからちょっと2点質問をさせていただきたくて、事務局の方で、スモールスタート、教育課程は図っていくんだということをおっしゃっていただいていて、それはすごくいいなと思っているんですけども、実際どのような形でスモールスタート。要は、たくさんの保護者とかからうちの子に特別な教育課程を受けさせたいというような相談があったときに、どういったハードルを、ハードルを設けるのかちょっと分からないんですけど、どういったふうにその辺りコントロールしていくのかということが1点目の質問です。
 2点目が、伊藤委員からの資料をできれば開いていただければと思うんですけども、伊藤委員の資料の中の15ページですね。今まで相談があったお子さんの学年別の資料があって、これはすごく興味深いなと感じていて、明らかに多い学年と小学校5年生あたりからぐっと下がっていく様子が見られていて、この辺り、伊藤委員のほうはどういったふうにこれを分析というか、なぜこういった傾向になっているのかとか、実際に特別な教育課程が始まったときに、やっぱり同じような割合で教育課程を実施する子供たちが出てくるのかとか、その辺り、どういったふうに見られているのか、この辺りを教えていただけたらと思います。
 以上です。ありがとうございます。
【隅田主査】  ありがとうございました。前半の評価に関しては、恐らく今回の事務局案で現場の負担はかなり軽減されて接続がいいようにという提案に対する御賛同かと思いますし、AIも、この部会だけではなくてほかにも使えるような仕組みかなと思っております。
 御質問の2点、これは伊藤委員にお尋ねし、スモールスタートに関しては事務局に回答いただきましょうか。伊藤委員いかがでしょうか。
【伊藤委員】  御質問いただきありがとうございます。確かにそうですね。明らかに多い学年があるなと私も見ていて思います。これはあくまで何も根拠もない、私の相談支援の感覚として聞いていただければと思いますが、まず、小学校2、3、4年生で何で相談が増えるか、この辺りが何で多いかというと、基本的にそこで困ることが多いからだと思います。これも今回お出ししていませんけど、私のところに相談の来る方というのは、どうしても、いわゆる2Eと言われる、高い才能、高い知能を持ちながらも発達障害的傾向を持つお子さんが多いというところを踏まえていったときに、感覚なのでこの場で言うべきじゃないかもしれませんけど、大体小学校1年生ぐらいの勉強って、それこそ持っている知能とか才能でクリアできちゃうことが多いんです。だんだん2年生、3年生、4年生ぐらい、特に2年生から3年生の間の生活という非常に具体なところから理科、社会というだんだん抽象化されていく中で、そこで困難が出てくるというお子さんというのも一定数やっぱりいるというところかなと思います。
 ただ、これは学校にもよるんです。いわゆる規律重視的な幼稚園、保育園というのも一定数私はあると思っていて、そういうところ、みんな同じ行動をしないといけないという幼稚園、保育園とかだと、やっぱり未就学の時点から不適応が起きることもあるし、結局、社会モデル的な考え方でいったときに、いわゆる教育内容とか指導方法というところに影響を受けているところが多いかなとまず思います。
 じゃあ、何で小5、小6、中1、中2、中3となってくるとだんだん今度割合減ってくるのかというところでいくと、だんだん5年生以降になってくると、自分で自分が何に困っているかということを言語化できるお子さんが増えていくわけなんですね。そうすると、その時点でいわゆる医療機関に自分からつながりに行くことができたりとか、保護者の方が、これだったらここに相談だなとか、子供自身が先生と交渉できたりしてくるわけなんです。要は自己理解というものが進んでくるところだから、どうしても割合としては、なかなかまだ言葉とか態度で説明がしにくい小学校中学年から低学年、そして未就学のところが増えてくるというところは感覚としてあるかなと思います。
 すいません、何のエビデンスもない私の感覚のお話でした。以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。それでは、スモールスタートの部分、お願いいたします。
【栗山教育課程企画室長】  お尋ねありがとうございます。まず、この仕組みについては、これまでの議論でもありましたように、特定の基準や要件に該当すれば自動的に対象になるという性質の仕組みではまずないといったこと。その上で、何らかの相談があった場合に、教育委員会や学校において、実施義務が発生する性質のものではないといったこと、こういったことを確認してまいりました。このことは明確に今後とも制度を創設した上で整理をしていくのがまず大前提でございますので、そういった性質のものであるということ。また、これも先ほども御議論ございましたけれども、やはり知見が十分ではない中で、数少ない事例をまず制度創設当初は生みながら、知見を積み重ねながらだんだんと具体的な広がりというものをもたらしていくということが重要であると考えておりまして、また、2ページにございますけれども、実態として、当初、適用があると想定されるということで申し上げますと、先ほどの今日の隅田委員や伊藤委員の話にもございましたけれども、実際この特例の2階部分ということで適用される子たちが、そこまで当初から想定するのが多いかというと、そうではない。かなり高度な内容と丸3で書いてありますけれども、こういったものを想定して仕組みを運用していくということだと思います。
 ですので、こうした考え方をしっかりと明確に整理をしていきながら、徐々に事例を積み上げる。つまり、当初から御希望があれば自動的にそういった一定の仕組みの対象になるといった性質のことではないという形で整理していけるように考えているところでございます。
【隅田主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 では、続きまして、藤田委員、お願いいたします。
【藤田委員】  本日はありがとうございました。私からは事務局提案で出されました10ページ、「児童生徒理解・支援シート」、この点と絡めて何点かお話しさせていただければと思います。
 まず、「児童生徒理解・支援シート」、これが一本化されて、そこでそれぞれの子供の困り感に応じて、いわゆる指導計画を積み上げていくというところは、やはりこれまでそれぞれ分化していた中で、子供や保護者も困り感をどこに相談したらいいのかといったときに、適切な相談窓口を保護者の方もよく分からない中で相談したところ、また次の機関に回されてしまうという、往々にしてあったかと思いますので、まず、理解・支援シートをとにかく一本化して、それを関係機関につないでいけるようにするということは非常に有効ではないかなと考えております。
 それともう1点は、これに基づいて指導が行われて、実際に指導記録として残されるものがいわゆる要録ではないかなと思うんですけれども、そういった部分で要録が唯一のいわゆる公的な子供にとっての学習記録になるかと思いますので、これについては、しっかり制度を構築することで、子供の学習履歴がいわゆる在籍した学校だけではなくて、上級の学校にも引き継がれる部分というのは、非常にこの制度を構築することによって実現できることが子供たちにとって何より一番いいことかなと思います。
 ただ一方で、やはりもう一度ここで、やっぱり私いつも戻るのが、この制度が誰の何のための制度なのかといったときに、子供のための制度であるということと、いわゆる学習上、生活上の困難を抱える子供のための制度である。これをやはり共通理解していく必要があるのかなと思っています。
 事務局資料の14枚目のところで、そういったところも含めてお書きいただいたのではないかなと思うんですけれども、14ページ目の4つ目の丸ポツのところで、やはり大学や高等学校にも入試における取扱いについて国として一定の要請をするなどの対応も考えられる。これをしっかりといわゆる全ての教育者の中で共通理解しておかないと、また制度を違った形で運用していくということになっていくのかなという風に心配しているところございますので、丸ポツの4つ目のところについては、是非しっかりと進めていく必要があるかなと思っております。
 以上になります。
【隅田主査】  ありがとうございました。この新しい事務局から提案のシートのところは、これは本当に部会を超えて流れがよくなるというか、支援の体制ができる提案と、皆さんから肯定的な御意見をいただきました。本当にありがとうございます。
 あと、学習記録と入試の取扱いに関しましては、これは手引きでも書いていくことにはなろうかと思いますが、事務局から何度も丁寧に説明していただいているところでございまして、我々の共通理解にすべきと思いました。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、伊藤委員、お願いします。
【伊藤委員】  ありがとうございます。すいません、私から2点事務局資料へのコメントと1点、先ほど大島委員からの御質問でちょっと答え忘れたことがあったので、さくっとやらせてください。
 まず1つ目で、事務局資料の生成AIの活用のお話が出ていると思います。結構今の議論の流れ的には悪くないなという流れかなと思っているんですけども、相談支援を受けている身からするとちょっと怖いなと思うところも正直あって、生成AIってよくも悪くもとても寄り添ってくれるじゃないですか。人ではないですけど、あれ。そのときに結構困った状態で生成AIに相談すると、どんどんどんどん不安をかき立てられるというか、困難感が増長してくる。そういう状況で、実は生成AIからアウトプットされた資料を持ってこられる方が一定数いるんですね。
 なので、実はそこまでいってしまうと、そこから紐解いていくのが結構大変だったりするので、私的には、生成AIよりかは、それこそ入口のところ、チャットボットぐらいで収めていただくのが、今のところの生成AI、市販というか、パブリックにある生成AIをもし活用するのであれば、そこぐらいまでにしておいたほうがいいかなというのが感覚として思いますというところです。
 もう1個のほうは、ほかの委員からもありましたけども、「2階シート」のところ、私も賛成です。というのも、結局、特異な才能のある子で困っている子たちというところでいったときに、どうしてもほかのところにまたぐケースが圧倒的に多いですし、それと同時に、1つのシートになっているときに、この子はどのシートを使ったらいいのか分からないというときに、要は、いろんなものを参照できる観点というもの、それ自体が非常に先生方にとって大事なことかなと思います。
 個人的に「2階シート」という名前は非常に気に入っているんですけども、1階の先生方にも是非使ってほしいですし、いわゆる診断とか、カテゴライズされていないお子さんであったとしてもきっと役立つものなので、うまいことそこの運用のレベルでいいようになったらいいなと思っていますということです。
 最後に、大島委員から、せっかく今回の相談支援体制の御紹介もさせていただきましたので、少しだけ付け加えますと、隅田委員からも結構、私、件数受けられているという話をしていただいたんですけども、ここで私、大学の教育義務とか業務をだいぶ他の先生方と比較して免除されています、正直言うと。多分ここにいらっしゃる大学の先生方、誰よりも私は授業のコマ数少ないと思いますし、来年からちょっと1個だけ仕事入っちゃいましたけど、今までも委員も入ってなかったので、大分動きやすくなっています。
 その上でどのぐらいネットワークをつくっていくときに必要かなと考えるのが、相談を受けるだけでいいのであれば、関西地方ぐらいまでだったら私相談を受けられる。ただ、今、京都府でやらせていただいているように、学校に行って1個ずつケース会議に入るとか、学校と対応を繰り返しながら月に1回継続的に伴走していくとかということをやるのであれば、やっぱり1都道府県ずつぐらいが必要なところかなというところで、さっきの相談支援につながれるか、つながれないかというところで、つながるようにするためにはやっぱりそのぐらいの拠点が必要かなと思いますということで、御回答は大丈夫ですので、以上としたいと思います。
【隅田主査】  ありがとうございました。
 続きまして、五味委員、お願いします。そして次、石川委員でお願いいたします。
【五味委員】  お願いします。隅田委員、伊藤委員のお話のところで今年を振り返って感じたところを申し上げますとと、本県の取組で協力校には参加したのですが、プログラムには参加しないと判断した子供が何名かいました。
 該当する学校に訪問し、その子供が通常の授業を受けている様子を見たところ、課題の難易度が選べたり、授業の追究方法が選べたりするというような取組がみられました。参加しないとした子供は、特別なプログラムみたいなところに参加せずに、通常の学級での授業でよいという気持ちがあり、プログラムに参加しないと判断したのではないかと1年間を振り返って思いました。
 本会でも議論があった、1階の拡張が大事であるというところは強くうなずけるところと思います。是非そういったところを先生方や教育委員会等に周知していくということはとても大事なことと考えております。
 もう1点、今、特別の教育課程を検討しているところなんですけれども、1年間取り組んできて、学校では事態は既に起こっているということを感じました。既に授業内容が簡単過ぎて充実感が得られなくて困難を抱えている子供たちが不登校傾向になってしまったり、意欲がさがってきたりしまっているような現状があると感じております。そういった子供たちを目の前にして現場の先生方は、既存の教育課程の中で何とかできないかと模索されたり、工夫したりしている姿がたくさんありました。
 ある学校では、通級指導教室を利用して、学習意欲の向上に向けた活動で対応できないかと考えたり、、通常学級の授業の工夫で何とかならないかと取り組んだりしています。事務局の資料にある「2階シート」や1階と2階の重なる部分が大事だというところも同じ話だと思います。そうした方向性がとても大事だと学校現場の様子を見てきて思ったところであります。以上です。
【隅田主査】  どうもありがとうございました。大島委員の質問にも少し関わるのですが、今年、今年度ですかね、長野県で五味先生のグループが授業をされましたら、地域の学校が、地域でかなりやってみたいという手を挙げてくれるところがあったんですよ。そう考えますと、困っていたりとか一緒にやってくれる学校はまだまだ増えていくんじゃないかと思いますので、引き続き、成果発信と波及を御協力いただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、石川委員、お願いいたします。
【石川委員】  ありがとうございます。それでは事務局資料について簡単にコメントさせていただきます。私も伊藤委員と同じで、「2階シート」というのはとてもいいなと感じました。私が諸外国の才能教育を見ていて感じるのは、「2階シート」というのは、児童生徒の才能を過度に国家の競争力向上の資源とみなすような才能伸長の在り方や、あるいはいかに効率的に専門分野の高度人材養成につなげていくかということのみに焦点を当てているような才能伸長の在り方からはなかなか出てこない発想ではないかということです。
 「2階シート」は、他の様々な児童生徒と同じように、特才児童生徒についても学びのベースを学校に置いて、個々の児童生徒の資質・能力、置かれた状況や環境を考慮しつつ、困難解消に着目して支援していこうという発想から出てきたものといえます。隅田委員や伊藤委員の御発表にもありましたとおり、こういった包括性や包摂性を志向する才能伸長の在り方というのは、学校とか学級とか子供が学ぶ場の環境自体を改善・整備していくことにつながるものです。そして環境の改善あるいは整備というのは、これもお二人の委員の御発表にありましたように、何か新しいものをつくっていこうというよりは、今あるものをうまく組み合わせることで適切な支援につなげるための公的な動線をつくっていこうということだと思います。こうした姿勢や方向性は、才能伸長に限らず、我が国の教育の長所や強みを育てていくことにもなるのではないかと思いました。
 1階部分の通常の教育課程と2階部分の特別の教育課程によって複層的に支援していこうとか、「2階シート」と児童生徒理解・支援シートのように個別のものと共通のものをうまく組み合わせて活用していこうとか、更にそうした複数の教育課程やツールを一体的に運用することで全体としての効果を得ていこうといった発想には、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」という我が国の学校教育の理念が反映されているように感じます。具体的なツールのレベルに至るまで学校教育の理念が貫かれているというのは、非常にすばらしいことだと思いました。
 今後の課題としては、「2階シート」等のツールについて、現場の先生方にとっていかに使いやすく、カスタマイズしやすいフォーマットにしていくかということだと思います。そのためには現場の声を聞くことが大事だと思います。以上です。
【隅田主査】  どうもありがとうございました。実装部分まで含めた今回提案があったわけですが、国際的な文脈から見ても日本らしさが出ているという御意見、心強く思いました。ありがとうございます。
 それでは、一通り委員の方々から御意見をいただいたと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、時間も参りましたので、本日の議事は以上といたします。
 最後に次回のスケジュールについて事務局よりお願いいたします。
【越田教育課程課専門官】  次回は4月21日火曜日、10時から12時を予定しておりますけども、正式にはまた後日御連絡差し上げます。
 以上になります。
【隅田主査】  ありがとうございました。それでは、以上をもちまして閉会といたします。
 
―― 了 ――

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