教育課程部会 特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時

令和7年12月12日(金曜日)15時30分~17時30分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 特別の教育課程の実施機関や実施場所等の考え方について
  2. その他

4.議事録

【隅田主査】  定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会、特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ第4回を開催いたします。
 前回の議論では、特別の教育課程の対象となる教育活動等の考え方について御議論いただいたところですが、本日は前回までの議論を踏まえ、具体的な対象活動と実施場所等のイメージに関して委員からヒアリングを行い、特別の教育課程の実施機関や実施場所の考え方等について御議論いただきます。
 進め方として、まず議題について事務局から説明をし、五味委員、坂本委員、大島委員から御発表いただいた後、意見交換を行います。
 それでは、議事に入ります。事務局より、御説明をお願いいたします。
【栗山教育課程企画室長】  失礼いたします。教育課程企画室長の栗山でございます。それではまず、私のほうから、事務局の資料について御説明を申し上げます。本日は、特別の教育課程の実施機関や実施場所等の考え方についてでございます。
 次のページです。前回につきましては、対象活動、これは特別の教育課程で実施する特性等に応じた高度な内容に係る部分の実際の対象活動でございますけども、このイメージ、内容について御議論をいただいたところでございます。先ほど隅田主査からもございましたように、本日は具体的な対象活動や実施場所のイメージを持ちやすいような御発表を委員の方々からいただきますけれども、実施場所について、イメージを持ちやすいように、先立って、事務局資料の説明をさせていただくところでございます。
 内容としては、既にお示ししていた論点として、特別の教育課程が実施される場所ということで、この丸3の部分で表示をされていますが、この内容について、少し具体的にお示しをできればと思っております。コメ(※)の部分でございますように、今回、高等学校段階については、単位制の大幅な柔軟化の検討について、教育課程企画特別部会、あるいは総則・評価特別部会で全体として議論されている状況もございまして、そうした状況も踏まえて、本特例の適用の適否を検討いたしますので、本日は主に、義務教育段階を想定した検討内容となっているというのが前提となると考えております。
 次のページになります。まず、最初でございますけれども、1ポツにございますように、第3回のワーキンググループでの御議論を踏まえまして、この対象活動を、在籍校以外の機関が実施したり、あるいは在籍校以外の場所で実施したりするに当たっては、こうした機関や場所の在り方、当該機関が提供するプログラムの内容、あるいは指導者の在り方を一体的に捉えながら、対象活動として適切な質が総合的に担保されるということが重要であると考えております。これを踏まえて、対象活動を実施する機関や実施場所について、考え方を検討する必要があると考えております。実施する機関について、常に何らかの機関がこの対象活動を実施するということになるという前提の下で考えていきたいと思います。
 まず、この対象活動を在籍校以外の機関が実施する場合、対象活動実施機関等、以下、実施機関と呼びますが、この基本的な要件、考え方について、どのような要件を備えるべきかということ、以下の丸1から丸3を満たす機関等を対象とする方向で、さらに具体的な検討をしてはどうかと考えているところでございます。
 この点線の中が、実施機関が満たすべき基本的な要件についてでございます。
 1つ目に、対象児童生徒の特異な才能を発揮する分野に関連して、一定の専門性を実施機関が有しているということ。これが1つ目であると考えております。
 2つ目に、小学校や中学校という発達段階に応じた支援・指導の在り方、あるいは特異な才能のある児童生徒の特性の理解や支援の在り方。こうしたことについて、一定の理解に基づいて、対応する相当教科等、これは対象活動の実施に伴って実施しなくてよいことになる教科のことでありますけれども、この実施に伴って、学習上・生活上の困難の軽減や解消が総合的に期待できる対象活動を実施できるということ。そうした機関であるということ。これが2つ目ではないかと考えております。
 そして3つ目に、対象活動での学習内容や状況について、対象の児童生徒の原籍校と適切な連携を行うことができるということ。このことは、学習評価や最終的な卒業認定もするという観点、これも当然、原籍校が行いますので、その観点からも、把握が必要ということであると考えております。
 こうした3つの要件を基本的に満たしているということを前提としつつ、さらに具体的に考えていきたいと思います。
 その具体の内容が次のページでございます。先ほどの3つの基本的な要件、これを踏まえつつ、対象活動の一定の質を担保する観点から、具体の実施機関としては、当面、当面と申しますのは、この仕組みについては、実際に施行後、その状況を踏まえながら、どんどん改善していこうということをこれまでも御議論いただいておりますので、その意味で当面ということでございますけれども、以下のような主体を念頭に置いて、詳細は「運用の手引き」で整理するということの適否をどう考えるかということでございます。
 また、これらの実施機関については、必ずしも単独のみならず、複数の大学等、例えば、大学等が共同でプログラムを実施するといった場合など、複数の実施機関が連携して対象活動を実施するような場合も想定されるという前提だと考えております。その上で、実施機関として想定される主体について、この表に基づいて、幾つか御提案していきたいと思います。
 まずは、上位学校種として高等学校等ということが想定されると思っております。
 また、大学等も想定されるということ。この辺りは、前回の御議論でも出てきていた部分でございますけれども、具体的に考えますと、大学の中には短期大学や大学院も含むということでございまして、また、高等専門学校についても、研究や教育機能、高度なものを有している場合もございますので、対象になり得ると考えておるところでございます。
 また、コメ(※)が幾つかございますけれども、大学等がプログラムを実施する場合に加えて、大学等の一定の関与の下、大学等の教授、准教授、講師、助教といった方が個別に指導する、あるいは、研究室レベルで指導するといったようなこともあり得るのではないかと考えております。また、その際、大学院生の方、分野によっては、一部、学部生ということもあるかもしれませんが、そうした指導者の方に大学院生等が協力するということも想定され得るのではないかと考えております。また、場合によっては、大学等々、一定の関与の下に、いわゆる名誉教授の方々、大変な御知見をお持ちの方でいらっしゃいますけれども、こうした方が協力をしてくださるということもあり得るのではないかと考えております。また、我が国の大学等のみならず、外国の大学等も排除をされないと考えておりますが、前のページにございましたように、実施機関が満たすべき基本的な考え方の丸3でお示しをした、原籍校と適切な連携体制を構築できるかという観点からは、十分に留意が必要であると。ここがないがしろになってよいというわけではないということを留意する必要があると考えております。
 また、公的な研究機関として、研究開発法人、あるいは独立行政法人が設置する研究機関。こういったことが想定されると考えております。
 また、社会教育施設として、例えば博物館法に規定する博物館といったものは、主に想定されるのではないかなと考えております。
 また、現在でも一部民間団体がこうしたプログラムを提供されていることがありますけれども、そうした場合については、特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援について、一定の専門性、そして、実績を有していて、安定した持続的運営が実施できることを、過去の活動等から教育委員会等が適切に判断できる公益的な法人ということを記載しております。こうした一定の考え方が必要ではないかと考えております。
 以上に加えまして、社会教育施設や民間団体を念頭に置いて、こうした支援について、その当該機関自体は専門性を直接有しているわけではないけれども、一定の知見や実績は有していて、当該分野に係る専門性を有する機関等と十分な連携が可能な場合、例えばのイメージで申し上げれば、博物館が、他の大学等、専門性を有する大学と連携して実施機関として対象活動をやっていくということ、こういうことはあり得るのではないかなということも考えまして、その適否をどう考えるかということを記載しております。
 また、実施機関に対して、必要に応じて、専門性や学校現場での遠隔フォロー、遠隔で実施する場合に、学校現場のほうで支援をしていく、あるいは、高度な学びの場としての提供、プログラム自体は実施はしませんが、非常に高度な学びをするにふさわしい場を持っているような施設、そういった観点から支援を行う実施機関に対して支援を行う、連携機関というものは存在し得るのではないか。そして、実施機関ではない連携機関ということであれば、例えば、公立の社会教育施設、これは例えば図書館のようなものをイメージしていますが、図書館や民間企業の研究機関や専門性を有する部門、こうしたところも、実施機関に対して支援を行う連携機関としては想定し得るということが考えられるではないかとしています。
 以上が、実施機関の考え方としてお示しをしているものです。
 続きまして、そうした実施機関が実施する対象活動が実際に行われる場所についての考え方でございます。
 大きく申し上げれば、オンラインの活用、そして、実際に在籍校以外の場所でやるということが考えられると思いますが、まず、オンラインの活用に関してでございます。
 まず、考え方として、丸1、対象の児童生徒であっても、対象活動以外については、他の児童生徒とともに、基本的に通常の教育課程に基づく教育課程の中で学ぶことを前提とする。このことは、前回までの御議論で議論を進めていただいておりました。そういたしますと、在籍校を離れる時間は過度にならないということが必要でございますけれども、実施機関の指導者が在籍校まで来てくれて、対象活動を実施できるケースは限られると思いますし、また、適切な実施機関が存在するかということについては、地域によって状況も異なる。こうしたことを踏まえれば、対象活動の実施に当たりましては、在籍校において、オンラインの積極的な活用も想定されると考えております。
 その上で丸2、その際、小中学校段階では、実施機関の指導者とのやり取りをオンラインでするといった場合に、高度な学習を児童生徒のみで実施するということは、必ずしも容易ではない場合も想定されると思います。このため、発達段階等に応じまして、教員のほか、学習指導員や連携機関、先ほど申し上げた実施機関のみならず、連携機関のスタッフ等がオンラインによる対象活動に立ち会って学習を支援することもあり得るのではないかと考えております。こうした場合の留意点等についても、「運用の手引き」で整理してはどうかと考えているところでございます。
 その上で、やはりオンラインだけではなくて、丸1にございますように、大学が保有する設備や文献等のリソースを活用して対面実施するほうが効果的な場合など、対象活動のねらいや内容に応じて、在籍校以外の場所で実施するということも考えられると思います。この場合、例えば、小学生が大学や研究機関の実験施設で、危険な環境で学習をするといったことがないよう、やはり施設には様々な特徴ございますので、十分留意しなければいけないということあると思います。あるいは、施設の危険性はなくても、大学生と配慮なく同じ環境で、何も配慮なく学習するということは、様々な課題を生じ得ますので、そういったことがないように、必要に応じて保護者が同伴することも含めて、発達段階を踏まえた安全管理や対象機関の指導者に対する倫理面での啓発というものが適切に実施される必要があると考えております。教育委員会や在籍校が、安全管理等の状況を過度な負担なく適切に把握できるようにするということも含めて、具体的な考え方については、「運用の手引き」で整理してはどうかと考えているところでございます。
 また、観点が異なりますが、丸2、在籍校以外の場所に移動して対象活動を実施する場合の指導要録上の取扱いでありますけれども、対象活動自体は、教育課程の一部として実施するわけでございますので、出席扱いということ、これは多くの方に御理解いただけると思いますが、移動時間については整理をしておく必要があると考えておりまして、今回、移動時間を含めて全体として対象活動として捉えて、出席と扱うということを基本とできないかなと考えております。その上で、最終的には、これは運用上のものでもありますので、教育委員会の判断によって、適切に取り扱うということの適否について、どう考えるかというふうことでございます。なお、現在でも多くの学校現場におきまして、例えば、通級指導について、自校指導が困難な場合には他校通級といった形で実施している場合が多くございますけれども、その場合も、運用上、多くの場合は、この移動時間も含めて出席の取扱いとしているといった実態も存在していると承知しております。こうしたことも踏まえつつ、最終的には現場の実態を踏まえて、適切に判断するということだと考えております。
 加えて、対象活動を相当教科等の時間で実施することが困難な場合、例えば一日の時間割は、数学、国語、理科、社会といった複数の教科で組まれている日が多いわけでありますけれども、対象活動自体を特定の教科に紐づけるとすれば、例えば、数学に紐づいている対象活動、つまり数学が相当教科である対象活動の場合、実際に自校以外に赴く場合には、移動時間のみならず、対象活動自体の時間も一定の時間に及ぶことがありますので、1コマしかない日であっても、1コマしかないその数学の時間だけではやりきれず、理科や国語といったその時間の前後の授業にも及んでしまうことが想定されうると思います。そういった相当教科等以外の時間に対象活動を実施せざるを得ない場合について、もちろん移動時間も含みますけれども、そうした場合については、出席困難となる授業の発生による影響を最小限にとどめる、これは前提としつつも、当該時間も含めて対象活動として捉え、全体として出席と扱うということを基本としつつ、最終的には各教育委員会の判断により適切に取り扱うということの適否についてどう考えるかとお示しをしております。
 こうした運用上の整理も一定の方向性をお示しすることで、対象活動というものが運用しやすいようにしていきたいと考えているところでございます。
 次のページでございます。実施機関について先ほど具体を御説明いたしましたが、その実施機関で実際に指導に当たる指導者の考え方について、一定、整理をさせていただいております。
 主体に応じて、以下のような整理をすることの適否について、どう考えるかとお示しをしております。
 まずは高等学校についてでありますけれども、高等学校については、高等学校の当該教科の免許状保有者であること。その上で、現在、高等学校では、修士号はもちろんのこと、博士号を保有されている方、そうした専門性を持つ方も非常に増えてきている実態がありますので、こうした方が対象活動の実施で御活躍されるということも期待されるのではないかと考えております。
 また、大学等については、教授、准教授、講師、助教等ということで、括弧の中でお示ししたような法令上の用語でございますけれども、こうした方が想定されると考えております。
 また、研究機関、研究開発法人等の研究機関等については、当該機関において研究に従事をする者であること。
 また、博物館等の社会教育施設については、学芸員等の教育・研究に従事する者であること。
 また、民間団体については、特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援について、一定の専門性と実績を有する者であることを教育委員会等が適切に判断できる者であること。こうした考え方をお示ししております。
 また、こうした指導者の方に共通して必要なこととして、発達段階に応じた支援・指導の在り方、あるいは、特異な才能のある児童生徒の特性等の理解や支援の在り方等について、一定の理解が必要であると思いますので、こうした観点についてはまた、留意点を「運用の手引き」で整理してはどうかと考えております。また、コメ(※)の部分でございますが、性暴力防止対応を含む子供の安心・安全のために必要な留意事項についても、別途、「運用手引き」等で整理をしていくということが必要と考えております。
 最後にその他でございますけれども、第3回のワーキンググループの議論においてもお示しをいたしましたけれども、この特別の教育課程につきましては、「実現可能かつ持続可能な仕組みを創設する」という、制度構築の基本的な考え方を踏まえて、まずは一定数の事例を創出して、その上で、運用上の成果・課題を踏まえて、随時、仕組みを改善し、徐々に事例を増やしていくという、言わばスモールスタートの方向性を御議論いただき、その方向性で、ということになっているところでございますので、実施機関やこの実施場所等の在り方についても、運用上の成果・課題を踏まえて、随時改善を行っていくということが前提でありますので、そういった形で今日、御議論をいただければと考えておりますし、また、本日、あとに続く委員の皆様の御発表が、今お示しをした内容について、イメージをお持ちいただくのに非常にありがたい内容になっていると考えているところでございます。
 事務局からは、一旦以上でございます。
【隅田主査】  ありがとうございました。
 続きまして五味委員より、長野県での取組を踏まえて、具体的に対象活動を検討していく上での留意点や論点等につきまして、御発表いただきます。それでは、五味委員、お願いいたします。
【五味委員】  よろしくお願いいたします。長野県教育委員会事務局学びの改革支援課の五味和高でございます。
 私からは、長野県の取組から、本事業について考えていることをお話しさせていただきます。
 長野県では、特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業に、令和5年度より取り組んできました。令和5、6年度は、主に学校で個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を進め、全ての子供を包み込む通常学級での授業改善に取り組んでまいりました。その中で、特異な才能のある児童生徒への理解を含めた、教師のマインドチェンジを進めてまいりました。
 また、学校外では、一般社団法人Education Beyondさんと連携し、子供が興味あることやさらに学びたいこと、深く学べる場を整備しました。また、こうした学びの場について、情報発信を行いました。
 令和7、8年度は、「学校」と「学校外の学びの場」を包摂するプログラム、Beyond Schoolという名称ですけれども、これを開発し、授業の内容が簡単で学びの充実が得られない等の理由により、学習や学校生活において困難を抱える子供への支援体制の構築を進め、令和5年、6年の取組を基盤に考えながら、こうしたプログラムの在り方や、プログラムを学校の教育課程にどのように位置づけるのかを研究しております。
 Beyond Schoolの概要です。児童生徒の特性や興味・関心に応じ、オンラインでのチューターの伴走支援の下、高度な探究学習を実施して、学びの成果、チューターの記録等を協力校、保護者、県教育委員会で随時共有していきます。そうした取組や連携を通して、子供の困り感を解消しつつ、在籍校での指導改善にも繋げていきます。
 プログラムの流れですが、丸1、丸2のところ、県内の公立小中学校へ本事業について通知し、協力校の募集・決定を行って、協力校へのヒアリングを実施しながら、Beyond Schoolに参加する対象の児童生徒を決定していきました。丸3、丸4のところ、児童生徒の学びたいテーマを調査し、そのテーマに合ったチューターを募集しました。学びたいテーマや実施時間等を考慮して、児童生徒とチューターのマッチングを行いました。チューターの募集、説明、研修、マッチングについては、Education Beyondさんのほうで行っていただきました。丸5のところ、県教委がありますが、Education Beyondさんが中心になって進めていただいております。そして、11月の末にキックオフを参集で開催いたしました。現在、チューターによるオンラインでの伴走支援を受けながら、児童生徒が学んでおります。
 この伴走支援の部分を自由研究プログラムと呼んでいるんですが、その様子からお話をします。参加児童生徒の研究テーマ例を載せてあります。前回、第3回ワーキングで議題となった、対象活動と相当教科について関わって、例えば、表の一番下の赤枠の囲みのところ、「化学・分子のつくり エネルギー」をテーマにした研究は、総合的な学習の時間の一部、また、理科の一部としても判断することが考えられるのではないかと考えているところです。主に大学と連携して、大学の学部生や大学院生のチューターさんに入ってもらっています。
 対象となる児童生徒のみで高度な探究学習を実施することは、必ずしも容易ではなく、チューターさんによる伴走支援が有効ではないかと考えています。先ほど事務局のほうから、実施機関の指導者の考え方について説明がありましたが、一定の専門性のある学部生や大学院生による指導の協力を得ることも考えられるのではないかと思っているところです。
 最後のスライドになります。3点、取組の中から見えてきたことをお話しします。
 1つ目、オンラインで対象活動を実施する際の指導者・場所の確保の考え方についてです。オンラインで実施する場合に、例えば、理科の時間に隣の教室が空いていれば、理科の教員が隣の教室に巡視することも可能だと思うんですけれども、必ずしも隣の教室が空いているとは限らないといった点や、どういったスタッフがどのような場所で支援することがよいのかといった点で、対象児童生徒の学習を見守り・支援する体制の考え方について、知見が蓄積され、共有されると、教育現場は対応がしやすいのではないかと感じております。
 2つ目、学習成果の評価に向けた外部機関の指導者と学校の連携の在り方についてです。Beyond Schoolでの活動を対象活動として当てはめて考えますと、指導者がチューター、評価者が在籍校の担任の教員になると考えられ、この場合、指導者と評価者が異なることになります。この際の学習評価の在り方についても考える必要があると思います。目標、学習成果の見取りや学習評価に繋げるための連携の在り方について、整理が必要だと感じております。
 3つ目、特異な才能による「学習上・生活上の困難」の捉えの難しさと重要性についてです。Beyond Schoolでの取組においても、困り感があっても、必ずしも探究活動により学習上・生活上の困難が解消されるとは限らないと感じておるところです。特異な才能の特別の教育課程ではなく、ほかの特別の教育課程や、並行して検討中の不登校に関わる特例を活用する方が適している場合もあるのではないかなと感じているところもございます。対象活動により学習上・生活上の困難の解消が期待できるかどうかは、ケース・バイ・ケースであろうと思います。学校で判断するのが難しいので、国や大学、また、県教育委員会などが連携して、相談支援体制の整備を進めていくということが重要ではないかと感じているところです。
 長野県からの発表、以上になります。
【隅田主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして坂本委員より、鎌倉市での取組や事例などを踏まえ、考えられる特別の教育課程の実施イメージの例につきまして、御発表いただきます。坂本委員、よろしくお願いいたします。
【坂本委員】  よろしくお願いします。鎌倉市教育委員会の坂本です。
 私からは、「特別の教育課程」の実施イメージを少しお話しできればと思っています。今回の発表は、これまでの議論を基に、あとは鎌倉市でこれまで取り組んできた事例などを踏まえながら、考えられる特別の教育課程の実施のイメージを少し具体的にしてみたものです。課題を抱えている子供たちへの支援に効果的か、そして、学校の負担を増やさずに実現可能かという視点を大切にしました。
 今回、議論の解像度を上げていくために、実在する団体名などを挙げておりますが、これらはあくまでも「実現可能なモデルケースの1例」として描いたものになります。本資料に記載の事項については、制度創設時に実現すべきものとして提案しているのではなく、制度の効果的・円滑に実施するための具体的なイメージを共有するためのものですので、当然、決定事項ではないということを、あらかじめ御了承いただけたらと思います。
 それでは、話の前提、バックグラウンドとして、鎌倉市でどんな多様な学びの場づくりを取り組んでいるかお話をします。鎌倉市では、令和3年度から「かまくらULTLAプログラム」というものに取り組んでいて、令和5、6年度については、特定分野で特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業として、実施をしてきたところです。このプログラムは、子供たちの個性・特性を知るためのアセスメントを実施したり、鎌倉の地域特性を生かしたプログラムを実施する中で、子供たちが自分らしく学んでいく方法を見つけていくことを目的とした探究学習プログラムになっています。対象は、学校に通うのがつらいと感じている児童生徒が対象となっていて、毎年、「海のプログラム」と「森のプログラム」を2日間ずつ実施してまいりました。
 これは、実際の昨年度の実施の様子になります。海のプログラムでも様々な専門家を招きながら、子供たちの好奇心を刺激して、そういった学びを行ったり、森のプログラムのほうでは、鎌倉にある浄智寺を舞台に、子供たちは内省的な活動に取り組んでいっています。
 こういった取組から、この流れを汲んで、鎌倉市では不登校の子供たちのための学びの多様化学校として由比ガ浜中学校を開校いたしました。文部科学省の指定を受けて、柔軟な授業時数の設定であったり、新教科の設定など、特別の教育課程を実施しているところです。この由比ガ浜中学校のスクールビジョンは、「自分らしく学び、自分らしく成長できる学校」となっています。
 そして、校内フリースペースという取組も今、行っているところです。これは、文部科学省的には校内教育支援センターと呼んでいる取組で、今全国の自治体に広がっていると認識をしています。自分のクラスに入りづらい子供たちが、落ち着いた空間の中で自分に合ったペースで学習・生活できる居場所として、全ての小中学校に整備を行っています。子供たちが安心して過ごして、心のエネルギーを充電できる止まり木のような場所になることを目指して、この場には、子供たちを専属で支援する「まなびばサポーター」という支援員を配置しているところです。
 ここからが今日の本題になってきます。実際に特別の教育課程を実施して、対象活動に繋がっていくまでの、そのプロセスのイメージの例です。
 まず、ペルソナを設定して、Aくんと仮定をしています。これは、かまくらULTLAプログラムや由比ガ浜中学校で私が関わってきた子供たちからヒントを得て、架空で設定をしている子だと思ってください。
 このAくんはこだわりが強くて、人間関係も学校では少しトラブルが多くて、そういったものに困難を感じているような子です。一方、数学やプログラミングに高い能力と強い興味関心を持っていて、実際にゲームを自分で多数作成をしたり、今はアプリの開発に取り組んだりしている子になります。課題等は高い能力でこなすんですけども、「特異な才能がある」とまで言えるかは学校ではなかなか判断をしかねるというような状況にあります。特定の教科以外の学習に価値を見いだせずに、学校に行く意味はないと考えるようになって、友達もあまりいないということもあって、徐々に休みがちになっていったお子さんです。そういった不登校の生活の中で、かまくらULTLAプログラムに参加をして、「ファブラボ鎌倉」という鎌倉にある市民参加型の工房になりますが、こういった学校外の学びの場に繋がったりというのもあります。
 どうでしょう、こういった子供が、各自治体、数は分からないですけども、大なり小なり、見られるんじゃないかなと考えています。こういった学校に行かないという子供たち、不適応を起こしているんだという捉えではなくて、学校の枠にその子の学びや才能であったりが合っていない、ミスマッチを起こしているんだという捉え方を大切にしたいと感じているところです。
 こういった子供がいたときに、まず、保護者からであったり、学校からであったりが、まずは身近な市の教育委員会にある相談室、相談センターへ相談できるとよいのではないか。ここでは児童生徒の状況や困難について情報共有を行います。ただ、市町村の教育委員会でも、やはりその子に特異な才能による困難であるといった判断であったり、どういった支援がその場合必要かというような判断は、難しい場合が多いのではないかと感じています。
 そこで、市の相談員や指導主事が、特異な才能があると可能性を感じた場合は、都道府県の相談支援室や、全国に数か所設置される相談支援センターなどに繋げられるとよいのではないかと考えています。市町村によっては、相談体制がやはり脆弱な場合もあるので、専門的な見地からの助言を参考にできるよう、例えば、都道府県の相談担当や全国数か所の支援センターや、または大学による相談支援プラットフォーム、実際に愛媛大学の例であったり、京都府の取組であったりがあるかと思いますが、こういったものが増えていくとよいのではないか。また、こうした相談支援機関に、オンラインで相談できる体制ができるといいと考えました。
 そして、そういった専門機関の相談支援担当との面談であったり、またはWISC等の心理検査等の実施の結果、特別の教育課程の実施が効果的だというような助言を得られて、そこで、助言であったりプログラム紹介ができるといいかなと考えています。こういった専門的見地による多角的な見立てや助言が、保護者であったり、学校であったりの意思決定を支えることができると思います。例えば、県や大学などによる相談支援機関・プラットフォームに対象活動の内容や方法について、相談を受けられるようになるといいのではないかと考えています。相談担当は、国で作成した一覧等も参考に、様々なプログラムの情報を共有して、必要に応じて紹介できると、相談体制の弱い市町村を助けることになるのではないかと考えます。
 そして、市の教育センターであったり、学校、保護者、生徒Aくんを支援する人たちでケース会議を開いて、特別の教育課程の編成による支援、相談等を決定していけたらよいのでは。もちろん、そこは生徒本人の意思を最大限確認しながらというところが大事になってきます。
 そして、まずはやはり通常の教育課程の1階の部分で支援できることがないかというのを検討することが重要になってきます。その上で、特別の教育課程の編成に当たっては、学校は当該生徒が特異な才能があるか診断するというのは難しいので、学校は診断するのではなくて、特別の教育課程の編成による支援が、教育上、生活上の困難の解消に繋がるかという視点で検討するのが適当ではないかと考えます。専門家からの助言を必要に応じて受けつつ、特別の教育課程の実施を決定できるとよいと考えました。
 では、特別の教育課程を実施する際の対象活動になり得る、支援に資するプログラムのイメージとなります。例えば、A君を支援するためのプログラムとして、大学、民間団体、財団等が実施しているプログラム、以下、支援プログラムと呼んでいきますが、これらを対象活動として活用できるとよいのではないかと考えます。特異な才能のある児童生徒への支援については、専門性と実績があり、公益性のある団体が実施するプログラム、例えば、次世代科学技術チャレンジプログラム、STELLAのような大学が実施する研究プログラムであったり、世界レベルの難問に挑むような数学オリンピックであったり、情報オリンピックのようなもの。そして、未踏ジュニアやロートこどもみらい財団、孫正義育英財団のように、子供たちの学びを資金や環境面で支える取組などが有力な候補になってくるのかなと考えました。また、先ほど五味委員から紹介のあったEducation Beyondのような法人が、子供たちが学ぶ環境を整えてくれるというのも、非常に有効ではないかと感じました。
 そして、そういった支援プログラムを対象活動として活用するときに、今あるプログラムをそのまま活用というのはなかなか難しいのかなと考えていて、活用しやすいようにカスタマイズしてもらえるようなことがあると、大変ありがたいなと考えています。
 その中で、まずやはりオンラインの活用ですね。支援プログラムは、実地参加ももちろん、中にはあるといいなと思うんですけども、やはり、毎回実地参加というのは難しいので、特別の教育課程で活用しやすいように、任意のタイミングで取り組めるオンライン教材であったり、課題であったりがあると望ましいと思います。
 また、一定の要件を定めた上で、特異な才能のある子供たちを支援するのに効果的と考えられるプログラムをライブラリー化して、分野、対象学年、実施場所などで探せるようにして、それがホームページ等で周知してあるとよいのではないかと考えます。
 また、費用面では、義務教育として教育課程に位置づけして実施する以上、費用の徴収をするのは必ずしも適切ではないと考えます。これらのプログラムを支え、保護者から費用を徴収せずに済むような、ファンディング構造等が検討し得るとよいのではないかと考えました。
 また、この支援プログラムからは、学校長宛てに「活動報告書」、「活動認定書」のようなものを発行してもらって、それらを踏まえて対象活動の学習評価に繋げられるとよいのではと考えます。
 出席について先ほど事務局からもありましたように、対象活動については正規の授業という位置づけになってくるのかと思いますが、それ以外の部分でも、やむを得ない理由で相当教科以外の時間に支援プログラムを受ける場合は、指導要録上、当該時間を出席扱いにするべきだと考えました。
 実際に、具体的にどう実施していくかのイメージになります。Aくんの場合は、相当教科等の時間に、校内フリースペース、校内教育支援センターに移動して、そこで、主にオンラインで対象活動を実施していくことになるのではないか。その中で、実際にプログラムに参加をしたり、その支援プログラムの課題に取り組んだり、または、そのプログラムに関連する事項の講義をオンデマンドで受講したり。あとは、後述しますが、メンター・ジュニアメンターから助言を受けたり、メタバース空間を活用しながら仲間との交流ができたりできるといいなと思います。そして先生からは、指導というよりも、伴走支援を受けられるとよいのではないかと考えます。
 メンターについてです。全ての子供が、個人で全ての活動を主体的に取り組んでいくということは、やはり難しいかなと思います。対象活動の効果的な実施について、メンターからオンラインでアドバイスを受けることがいいのではないかと思います。そういった専門家と、うまく繋げられる仕組みが必要だと考えます。
 そして、ジュニアメンターですね。支援プログラムのOB・OGであったり、関連する分野の大学院生であったり等が、ジュニアメンターになるなどして、斜めの関係というのも効果的だと考えます。
 そして、在籍校の先生は伴走に徹して、指導自体は専門家に任せるというような仕組みになっていると、学校に過度な負担がかからないかなと思いました。
 最後に、メタバース空間ですね。メタバース空間を使って、同様の関心を持つ仲間と相談する環境を構築することも、学習上・生活上の困難を解消する上で有効と考えられます。この仲間づくりというのは、前回の会議の中で、一つキーワードとして出てきたのかなと考えています。今、全国でこういったメタバース空間を使った不登校支援の文脈での活用というのが、いろいろな自治体で進んでいます。
 この画像の「FAMcampus」というメタバース空間は、実際に神奈川県の不登校支援として神奈川県教育委員会が構築しているメタバース空間になります。このメタバース空間の中で、子供たちはオンラインで参加をして仲間と交流したりとかができるんですけど、特にこういったメタバース空間の中に部屋を用意することもできるので、例えば、該当プログラム専門の部屋を用意して、そこで、研究室のような感覚で、同じ志を持つ全国の仲間と、そして、メンターと交流であったり相談ができる環境というのを準備できるとすごく素敵だなと思っています。これによって、クラスに友達がいなくても、自分に所属する場所があるという安心感を醸成できるのではないかと考えました。
 最後になります。この特別の教育課程の実施によって、全ての子供たちが「自分らしく学び、自分らしく成長できる」社会へと、一歩でも近づけるといいなと考えております。今後も引き続きよろしくお願いいたします。
 以上になります。
【隅田主査】  どうもありがとうございました。
 それでは最後に、大島委員より、東京大学のSTELLA事業の取組を踏まえ、対象活動の実施機関等を検討する上での留意事項等につきまして、御発表いただきます。それでは、大島委員、お願いいたします。
【大島委員】  大島です。よろしくお願いいたします。
 では、本日は、UTokyoGSC-NEXT、ただいま御紹介ありましたSTELLAの事業として、東京大学の取組について、お話をさせていただけたらと思います。内容といたしましては、このような4つに対して、特に後半の2、3、4を重点的に説明したいと思っています。また、時間が限られていますので、この1番目のUTokyoGSCに関する説明に関しましては、参考資料に細かく書いてございますので、もし、お時間がありましたら、そちらも参考に見ていただけたらと思います。基本的には、皆様のお手元の資料4に従って、御説明差し上げたいと思っています。
 まず、STELLAの事業ですね。これに東京大学は採択されていますけれども、それのバックグラウンドとともに、この経験を通して、本日のグループの特別の教育課程の実施機関や実施場所との考え方、今後の運用手引の参考事例になればということで、東京大学に関わらず、共通した内容をなるべく抽出するようにしております。ただ、こちらにあるような事業を通してのプログラムになりますので、それに関しましては、留意いただけたらなと思います。
 このJSTのSTELLAプログラムはどういうプログラムかと申しますと、科学技術イノベーションを牽引する次世代の傑出した人材を育成するため、初等中等教育段階の小学校高学年から高校生において、理数系に優れた意欲・能力を持つ児童生徒を対象に、その能力等のさらなる伸長を図る多様な育成プログラムの開発・実施支援ということになっています。このような大学を中心として、このような突出した能力の小中高生、そこをほかの国内外の大学、研究機関とも連携しながらするというプログラムになっています。
 東京大学では、高校生を対象としたUTokyoGSCと、小学校高学年・中学生を対象とした東京大学ジュニアドクター育成塾、この2つを統合する形で、現在STELLAというものを運営しております。
 このプログラムとしては、このような形で、小学生、中学生と高校生を育成しているということで、基本的にはSTEAM型、いわゆる教科等横断的な視点を養っていただくということで、小学生にはこういうようなSTEAM型学習、そして研究活動、そして、高校生を対象に、この第2段階成長コース、第3段階発展コースとこういう形になっております。この第2段階では、小学生、中学生、高校生がお互いに交流しながら、授業を受けたりとかしているという状況であります。この第2段階の位置付けといたしましては、この第3段階では、実際に東京大学の研究室で研究を行っていただくという形になりますので、そのための準備段階という形で考えていただけたらと思います。
 このように、実施体制といたしましては、東京大学ほぼ全学、主に理数系を中心とした部局が中心となり、教育学研究科であったりとか、文系の研究科にも加わっていただきながら、こういう東京大学全体で取り組んでいるということと、また、外部機関は教育委員会であったりとか、企業、そして、NPOとして連携しているという形になります。
 この育成プログラム、詳細は参考資料にございますので見ていただけたらなと思います。大体人数であったり、どのような期間を通して、このような形でのプログラムの構成になっているという形になります。なるべく、中学校から高校には受験がありますので、そういうことも配慮しながら、一方で、高校生で交わるような形であったりとか、あとは、やはり東京大学の大学で研究いただくことになりますので、講義であったりとか、あとはワークショップを通して、どのような形で実際に研究を進めていくかということ。こういうようなプログラム構成としてなっていて、それに対しての評価なども行っています。時間の関係上、評価は今日は話しませんけれども、概要は、参考資料にございます。
 このようなSTELLAの大学において、2つ、参考になるところがあるのではないかなと思っています。
 まず1点目は、やはり教育プログラム・活動として、このような専門機関がどういうふうな形で教育に参加できるかということと、あと2つ目は、やはり連携ですね。どうしても、専門的な機関である大学であったり、研究機関が、初等中等教育に参加するためには、ある程度の連携も大切になりますので、その2点に対して、参考になる点としてまとめてございます。
 まず、教育プログラムといたしましては、児童生徒の興味・関心に重きを置いて、引き出し・育むということが中心になっております。特に発達段階に応じて、小学生・中学生と、高校生と、ちょっと違うアプローチをしております。
 まず小学生・中学生は、考え方や自ら問いを立てて協調して理解を深めるということで、アクティブラーニング型の知識構成型ジグソー法を中心に、オンラインであったりとか、対面を組合せするという形になります。研究もやっていただくということになりますが、やはりどちらかというと、成果を出すよりは、研究の楽しさを味わっていただくという。ここにちょっと1例がありますが、自分の興味を持ったものをいかに形にするというか、そういう楽しさを味わうということに重点を置いております。
 一方、高校生は、東京大学で研究を行うということが最終的なゴールになりますので、ある程度、自分の興味・関心がある、しかし一方で、それを研究という形にするためには、例えば、Research Questionの立て方、これは教材とかワークショップがありますので、それを参考にやっていただく。そして、教科等横断型の視野を養う。やはり高校とかできちんと授業は受けておりますので、それを縦軸だけではなく、横軸としてどうやって刺していくかということですね。そういうところを重点的にやっております。数学などの基礎知識のオンライン教材であったりとか、やはり実験に関連した安全教育、文献検索、英語論文の書き方、こういうこともオンラインのオンデマンドの教材を通して学びます。また、実際の大学の先生のお話を聞く、オンラインであったりとか対面を通して、研究についてのアイディアを養っていただくということになります。最終的には、研究室に所属して、研究を実行し、課題解決を行うということになりますので、そこは研究室の連携であったりとか、あとは、発表成果会にて、専門家、いわゆる指導した研究室の先生も来ていただいたりとか、受講生皆さんがディスカッションしたり、意見交換をするという、こういうような交流の場ということも設けております。このように、オンラインであったりとか、あとオンデマンドなども含めて、そして、対面を状況に応じて対応しているということで、参考にしていただけるんじゃないかなと思います。
 一方で、連携体制といたしましては、発達段階に応じて、小学生・中学生は、ある程度、地元密着型ということになっております。これは、川口であったり、日立を中心にやっていて、東京まで来るのに小学生・中学生は大変だということと、また、地元の小学校・中学校や、日立ではシニアの方がメンターに協力いただくなど、連携が、非常に円滑に行われているという形になります。また、受講している学生・中学生が、例えば、高校生の成果発表会とか中間発表に来ていただいて高校生と交わるという、そのような機会も設けています。そのときには、引率の先生であったり、保護者の方に引率していただきながら来ているという形になります。
 一方、高校は全国規模で、北は北海道、そして南は沖縄まで、オンラインや対面を組み合わせて、あと、オンデマンドの教材を受けながら行っています。一方で、こういう形で全国規模ではやっておりますけれども、高校であったり、やはり地元との連携もコンソーシアムを通じて、連携が非常に強くなっております。東京大学に来て実験するというのはしょっちゅうできませんので、例えば、高校の理科室の使用、高校との連携を通して行えるということであり、また、地元企業との連携というのも少しずつ増えているという形になります。実際に研究を実行する際の学内のサポート体制、これは運営委員会というのがございます。実際の研究室では、教員とともに学生がTAとして入っていて、あと、高校の先生と、こういう三位一体で連携しながらやっているという状況になります。研究費とか発表の支援であったり、大学生によるTeaching Assistantで、同窓会も今設定していますので、こういうサポートを通して、円滑に現在、学外(コンソーシアム)、学内(運営委員会)の連携体制の構築によって、円滑な運営が図られてると考えております。
 課題・留意点についてです。これに関しましては、やはり発達段階に応じた対応の理解というのは結構大事かなと思っています。もちろん教育的な配慮、発達段階に応じてどのような教育プログラムであったり、対応をするかということと、あとやはり心理的な配慮、特に心理的安全性の確保も重要です。大学に来る際には、高校生が大学生に交じって研究したりしますので、そういうことも配慮してあげたりするということは大事かなと思っています。周囲の理解としての学校・保護者・友達、これはやはり年齢が下がるに従って、このような理解や対応というのは、重きを置いたほうがいいかなと思っております。
 小学生・中学生はまた、個別対応は年齢が下がるに従って必要になってくるかなと思っています。学習環境もインタラクティブ性であったりグループワークなどの協調性、学習に関するフォローアップは、やはり小学生からだんだん、中学生は少し自立的にできますが、小学生に対する教育以外のフォローアップは比較的重きが増すと考えます。例えば、移動における保護者等の付添いであったりとかの安全性が該当します。
 高校生は、部活であったりとか授業であったりとか、あと入試、塾とかもありますので、スケジュール管理をしてあげるというのは結構大事かなと思っています。少し課題になりますが、総合型選抜入試を目的としている高校生が増加している傾向が見られる。この点は東大に少し特徴的なところもあるかもしれないです。コンテスト等などの実績づくりが目的化しているというところも見られるかなと思います。
 最後、今後の展望としては、特別の教育課程が実施される場所として、大学、企業などが探究学習に対して受け入れたりしていますので、そういう理解は深まっていると思っています。優秀な児童生徒が来るということは、ポジティブな効果というのを見受けられるかなと思います。
 ただ、受入れ体制は発展途上であって、特に持続可能な体制構築というのは大事かなと思います。負担感、特に時間的な負担感。どうしても土日対応になるということと、業務外となります。大学等の機関であった場合には、教員・研究員等の評価のインセンティブ・デザインなどが大事と思っております。
 そういうことを鑑みると、今、課外活動としての位置づけになっておりますので、こういう特別の教育課程の内容であったりとか、授業等に受入れ機関としての関わり方があったりとか、やはり問題があった場合にはどうするかということ。その観点から、対象になる児童生徒と外部機関のマッチングという意味でのコーディネートの機能というのは、大事かなと思っております。
 御清聴ありがとうございました。以上となります。
【隅田主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、質疑応答、意見交換の時間といたします。御質問や御意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名させていただきます。御発言は5分程度でお願いいたします。
 そこでよろしければ、まず初めに、御発表いただきました五味委員とともに、長野県の取組に御参画されている小林委員から、補足やコメント等いただければと思いますが、いかがでしょうか。
【小林委員】  隅田主査、ありがとうございます。皆様、こんにちは。前回、前々回お休みしてしまいまして、申し訳ございませんでした。
 では私も、長野県で五味さんと一緒にやらせていただいている立場からということで、2つ、大きくお話を伺いながら思っておりました。
 1つは、そもそも長野県さんでなぜこういう座組でやっているのかというのを、もう1回、引いた立場からお話しできればと思ったのと、それから実際に、五味さんたちと一緒に長野県で取組を始めさせていただいた上での、県教委さんの立場からではなくて、民間団体からとして見えてくる課題感。この2つを少し、5分以内ぐらいでお話しできればと思って拝聴しておりました。
 まず、今の座組について。長野県教委さんと、それから、チューターさんと、あと子供たちをマッチングするという形でやっているんですが、なぜそれをやっているのかっていうのを、もう1回、引いた立場からお話しさせてください。一つは、我々が4年ぐらい前からこの課題をやっている中で見えてきたこと、課題が幾つかあって、1つはやはり、もともと私たち都内で活動していたのですが、子供たちの選択肢とか情報量とかというのが、地方に行けば行くほどかなり少ないなと。なので、痛み(ペイン)は地方がすごく深いんじゃないかという仮説を持っております。ゆえに、今、私が長野県に住んでいるっていうのもあるんですけども、今回長野県さんとやらせていただけていることに、大変感謝をいたしている次第です。
 もう1つ、やはり子供たちの視点です。もともと私たちはジョンズ・ホプキンズ大学の「Center for Talented Youth」というプログラムを日本に持ってくるというようなこともやっているんですが、やっていて思ったのは、当然ながらお子さんたちの興味のあるテーマとか課題がものすごく多岐にわたっていて、なかなか、CTYでも100個ぐらいコースあるんですが、ここから選んでと言っても100個の中でも選べない、もっと違うことに興味あるからみたいな子が結構いる。隅田先生のKIDS ACADEMIAでもそうだと思いますけども、ものすごく多岐にわたる生徒たちの興味に対して、どうやったら本当に対応できるんだろうという課題感があったので、あえてこちらからプログラムをわたすということではなくて、お子さんたちのテーマをもらって、それに対して合致するチューターさんたちを、信州大学さんの協力を得てリクルーティングしてくるという逆方式をつくって取っているというのが、2つ目の大きな、課題感からするモデルに対する示唆ですね。
 3つ目は、先ほど坂本委員からもありましたけれども、最初はサマースクールとかだけやっていたんですが、夏とか冬だけじゃ困ると。通年苦しんでいるんですって言われたので、やっぱりオンラインだなと。特に長野県って結構広いので、信州大学さんだけでも3つキャンパスがあって、県内、子供もいろいろなとこにいるので、通年ってなるとオンラインしか解答がないんですよね。ですので、今回の文科省さんからの御予算の中で、あるいは県教委さんからいただいた予算の中でシステムを全部自社開発をして、マッチングをしつつ、1 on 1でできるシステムを開発したというのが、多分我々やってきた中での課題感から出てきた解答とか、今、ゆえにこの座組になっているということかなということをシェアさせていただきたいと思いました。
 後半は、今、実際に走り始めてどうかという課題感ですが、県教委さんから見た御立場としては、今、五味さんからお話いただいたとおりです。3つ目のポイントにかぶるところも私たちもあるんですが、一つはお子さんの同定ですよね。今回、学校さん、あるいは子供が困っている、ところから手挙がっているという状況なので、五味さんおっしゃっていましたけど、困っている要因が別のところにあるお子さんも交じっているのかなというのは、正直思います。角谷先生も、この間、11月29日に長野市にいらしていただき、見ていただいて恐らく同じ感想を持っていただいたんじゃないかと思うんですけども、やはりどうやって本当にこういうプログラム、特定の分野に特異な才能を持った子供たちを見極めるのかというのが、かなり課題感としてはあるのかなと。
 一方で、学校は困っていないけれども、子供が困っている。でも手を挙げなかったみたいなケースは、取りこぼしている可能性があって。どの子たちをどうやって、私、スクリーニングという言葉嫌いなので、同定していくか、相手に対していくことなのかというのは大きな課題だなと、長野県さんともども思っております。
 もう一つ、民間団体の立場からすると、チューターのクオリティー担保、先ほども栗山さんからの御発表の中にもありましたが、これをどうするかですよね。今回から、角谷先生にビデオを拝借して、それを全員のチューターに見てもらって、小テストをするというのを始めました。専門分野は持っていて当たり前。それに加えて、この特異な才能を持った子供たちの特性とか、その子たちはどういう特徴を持っているのかということを、ある程度理解した上で向き合ってほしいということをやっているので、そこの先生の動画を見て、テストするみたいなことを始めてはいますが、もっと精度を上げていきたいなと思います。あとは、若干リアクティブであるんですけども、チューター側、それから、子供さん側が毎回フィードバックをシステム上に上げてもらって、そこでちょっとフラグが立つと、対処できるようにはしています。今のところ満足度が高いので、介入する必要はなかったのですけども、今後、例えばトラブルとか満足度が低いとかというときには、リアルタイムで介入はできるようにシステムを組んでいるというのはやっています。それが2点目。
 最後に、やはり五味さんもおっしゃっていましたけど、学校との学びの連携はどうなのかなというのは、まだちゃんと御相談できてなくて、これから県教委さんとお話しできればいいなと思いますけども、ここで起こっている学びとか成長とかということが、きちんと学校現場の先生方に、できればリアルタイムにフィードバックされる仕組みを構築していきたいなというのは五味さんともお話しさせていただいています。何分まだ2週間目ですので、ようやく回り始めたという感じですが、1年たてば、もっともっと、学びは共有させていただけるといいなと思っております。
 本当に五味さんには、いつも本当にいろいろ柔軟に御対応いただいています。ありがとうございます。
 以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。お2人の、五味委員と小林委員と合わせて、すごく実像がよく分かったと思います。
 私、1つ、お2人に御質問したいんですが、民間が関わった一つのモデル例として今日御発表いただいたのですが、これから他のところでも同様にやろうとしたときの参考として、連携協定とか、何かこういう取組に係る契約書みたいなのを交わしているとか、そういうのはあるんでしょうか。 
【五味委員】  今年度は委託契約で連携しているというところあるんですけども、長年一緒にやらせてもらっているので、きちんとしたものはないんですけれども、仲よくやらせてもらっているというようなレベルなので、今、隅田主査からいただいたように、今後、継続的にやっていくにはどういう形が一番いいのかというようなところは、考えていきたいかなと思っているところです。
【隅田主査】  ありがとうございます。御実績があるからこそ、そういう次の一歩というか、制度化して継続していくための、また新しい何か取組をできるかなと思って聞かせていただきました。また、よろしくお願いいたします。
【小林委員】  隅田先生、私からもいいですか。
 そういう意味では、長野県さんとは実は令和5年、令和6年も、学校外でやらせていただいたんですけど、やっぱり今回県教委さんが入っていただいたことは本当に大きかったと思っていました。最初、実証協力校と手挙がらなかったらどうしようとどきどきしたんですけど。
【隅田主査】  たくさん挙がったんですね。
【小林委員】  そうなんですよ。初年度に10校とか来るというのは本当に県教委さんのおかげにほかならないと思いますし、何かあったときに県教委さんに電話かかってくるみたいなのが、ホットラインがあったっていうのはとても大きいと思うんですよ。
 加えて、やっぱり信州大学さん効果が大きかったです。信州大学さんも、もう私ずっと何年も前から皆さんにお世話になっているのもあるんですが、信州大学の各学部の学部長先生方が、そのテーマならうちの理学部のあいつだな、とか、歴史のその部分のその時代ならあの先生だねみたいな感じで、一緒にチューターさんを探してくださいました。子供達すごくスペシフィック(具体的)なテーマが多いので、それに合わせて、信州大学さんが大学を挙げてやってくださったのは、すごく大きかったなと思います。本当に県の皆様の御協力のおかげです。最後に、信濃毎日新聞さんがものすごく大きな記事書いてくださったんですけど、何年か前から1面でこの話題を何回も特集してくださっていて、やっぱりこの分野の子供がどういう子供かというのは、なかなか、世論の中で誤解があるところもあると思うんです、それが、実はこういう子なんですよというのを、かなり信毎さん書いてくださっているので、県内に少しずつ理解が広まりつつあるという、地元紙さんの御協力もすごくあるのかなと思いますので、本当に県を挙げて、皆様が御関心持っていただけることに、本当に心から御礼申し上げます。
【隅田主査】  ありがとうございます。ますます、今年度もまだ残りありますし、来年度も楽しみですね。また聞かせてください。ありがとうございました。
 それでは、ほかの委員の方で、御質問、御意見等ございましたら、挙手ボタンでお願いいたします。
 それでは、石川委員、お願いいたします。
【石川委員】  石川です。すばらしい御発表ありがとうございました。
 まず、事務局資料について、3点コメントをさせていただいた後に、御発表について、1点、コメントと質問をさせていただければと思います。
 まず、事務局資料の3ページの実施機関について想定される主体についてなんですけれども、やはり一番悩ましいのは民間団体についてだと思います。これまでほとんど才能教育の実践が行われてこなかった我が国の場合、特にそうだと思うんですけれども、実施主体として、非常にすばらしい実績のある民間団体もいらっしゃる一方、どうしても玉石混交になってしまうというのがあるかと思います。この点に関して、事務局案では、一定の専門性と実績を有することとか、また、公益的な法人であるといった一定の歯止めをかけている点は合理的なことだと思われます。実施機関に対するこういった一定の歯止めによって、対象活動が入試対策に利用されてしまったりとか、あるいは、対象活動が家庭の経済状況による教育格差に大きく左右されてしまったりといったことを抑止する効果が期待できるのではないかと思います。
 一方で、まずは一定数の事例をつくり出していって、その中で仕組みを改善していこうとするのであれば、教育委員会、学校側、そして、実施機関側にとって、腰が引けないような制度設計になっていることが大切だと思います。つまり、これから走りながら考えていこうということなので、まずは、現場や実施機関に走り出していただかないといけないということだと思います。したがって、現場や実施機関に、何だか厄介な感じがするなとか、あるいは、手を出さないほうがいいかなと思わせるようなものではなくて、これなら自分たちにもできそうだなとか、あるいは、自分たちも役に立てそうだなとか、思ってもらえるようにしないといけないということだと思います。
 そのためにはまずは、既に実績があって一定の要件が整えばすぐに走り出せるような機関、そして、それゆえ、現場や子供、保護者にとっても、一定の安心感がある機関を中心に実施機関になってもらい、徐々にその輪を広げていくという進め方がいいのではないかと感じます。例えば、今日御発表のあった3つの事例というのはまさにその実績のあるケースだと思いますし、隅田主査を中心に愛媛大学もすばらしい実績を上げておられます。ただ、現時点ではこういった実績のある機関というのは、どうしても我が国の場合限られてしまいますので、資料にある複数機関の連携とか、実施機関を支援する仕組み等を通じて、一定の質保証を図りつつ、実施機関の射程を広げていくというのが、有効な方法ではないかと思います。
 2つ目ですけれども、連携の在り方についてです。隅田主査からも御質問がありましたけれども、実施機関としてどういったものを想定するかといったもの以外にも、在籍校と実施機関の連携の在り方についても、児童生徒の状況とか、あるいは学校、地域の状況によって、多様になってくるのではないかと思われます。例えば、1つの学校と1つの実施機関の連携というものはイメージしやすいんですけれども、複数の学校と1つの実施機関の連携とか、あるいは、1つの学校と複数の実施機関の連携、複数の学校と複数の実施機関の連携といった形もあり得ると思いますし、こういった連携が地域を越えて行われるといったことも想定されます。様々な連携の在り方というものが想定されるんですけれども、本日の御発表の事例、あるいは、小林委員のコメントにありました事例なども活用して、具体的に運用の手引きで示すことが求められるのではないかと思います。
 3つ目ですけれども、連携に際しての児童生徒の情報提供についてどうするかです。例えば、児童生徒の興味・関心とか、学校での学びや生活に関する情報、成績とか成果物、あるいは各種検査の結果など、多くの情報が実施機関に提供されるほど、実施機関は適切なプログラムの開発、実施が容易になると思われます。しかし、実施機関への児童生徒の情報提供に関しては、個人情報の保護等の問題もございます。実施機関に、誰が何のためにどこまでの情報を提供するのかといった線引きとか、あるいは、情報提供に当たっての必要な手順や留意事項、特に個人情報の保護などについて、実際の事例なども踏まえつつ、運営の手引きで整理することが望ましいのではないかと思います。
 最後に、今日の御発表について、少しコメントと質問をさせていただければと思います。小林委員も既に御指摘されていたことですけれども、チューターやメンターの役割についてです。私が研究している韓国の才能教育でも、メンタリングというものが重視されておりまして、教師、専門家だけでなくて、学生や大学院生、そして、プログラムの修了生などがメンターとしてプロジェクトに参加して、対面とかオンラインを通じて、学習面、進路面、心理面での細やかなメンタリングを行っていると聞いています。特に坂本委員の御発表にあったジュニアメンターのような、自分の能力や興味・関心、あるいは特性が似ていて、それゆえに抱えるしんどさなども似ている、「ちょっと先行く人」の存在というのは、通常クラスの中でしんどさを抱える特才の子供にとって、学習面でも心理面でも、あるいは進路についても、大きな支え、目標になってくれるのではないかと思います。
 ただし、若いメンターの場合、経験の浅さ、専門知識の不足、あるいは、メンター自身が発展途上にありますので、人格的、情緒的な不安定さなどもあるでしょうし、メンティーとメンターの双方にとって、メリットになる部分ばかりでは必ずしもないと思います。
 対象活動の中に、坂本委員のおっしゃる「ナナメの関係」をどう取り入れていくのか、あるいは取り入れないのか。取り入れるとすれば、指導者の下で働く協力者としてのメンターの位置づけや役割はどういったものになるのか。それを考えるヒントとして、各委員の御発表の取組におけるメンターの具体的な役割とか位置づけ、あるいはメリット、デメリットについて分かる範囲でお教えいただければ幸いです。
 よろしくお願いします。
【隅田主査】  ありがとうございました。連携、運営、そして、伴走の3つ、大きくあったかと思いますが、まず、民間のことについて何か、事務局から補足等はございますでしょうか。
【栗山教育課程企画室長】  まさに、本日、事務局資料で記載をさせていただいた趣旨というのが、石川委員御指摘の観点からお示しをしたものが多いと思っているところでございます。先ほどの御指摘も踏まえまして、まさに腰の引けない制度設計という御言葉ございましたけれども、運用の手引きを含めて、具体的な整理をさらに進めていきたいと考えております。ありがとうございます。
【隅田主査】  ありがとうございました。運営のところで、安全も書かれていましたが、先ほど石川委員もお話ありましたように、倫理的なところ、あるいは、ハラスメントなども含めて、やはりこれは今、大学あるいは教育機関に必須とされているところですので、そういうことも、手引も含めて検討することになるのかなとは思います。
 あと、伴走につきましても、こちらも重要性が今日繰り返し指摘されたところだとは思います。御発表いただいた先生方、委員の方々から、何か伴走につきまして、追加で石川委員の御質問にお答えいただける方、いらっしゃいますでしょうか。
【坂本委員】  すみません、坂本です。御質問ありがとうございます。
 まず1つは、やっぱり専門的な知識を持った専門家が、メンターとしてその子の探究的な学びに伴走してくれるというのは大事なのかなとは考えているところで、私は結構、学校の立場で今回の制度をなるべく捉えようとしていて、特異な才能を持った子が学校の教育課程を外れた、さらにレベルの高い学びをしようとしたときに、それを指導するのが学校であるというのはかなり厳しいなと思っているので、何らかの形で、専門的な専門家からの指導を受けられるのがいいかなと思っていて、私がイメージをしたのは、例えば、例として挙げたような支援に資するようなプログラムに、それぞれにメンター制度といいますか、そのプログラムでメンターできる人を人材バンクのような形で持っていて、そういう方たちをマッチングしてくれるようなものがあるといいのかなとか、あと、長野県の取組もすばらしいなと思いました。長野県のほうは、どちらかというと、子供がこういうことをやりたいということに対して、うまくメンターをマッチングしていくというシステムだったと思うので、そういったやり方もすばらしいかなと思っています。
 また、ジュニアメンターについても同様に、ジュニアメンターは、メンターありきだと思って、ジュニアメンターだけで何かやろうとすると、先ほど石川委員から御指摘のあったようないろいろ課題も生まれてくると思うので、しっかりとしたメンターが伴走支援する中で、さらに、斜めの関係としてジュニアメンターも伴走できるといいのかなと思っています。申し訳ないですが、あくまでイメージでこういうことがあったら素敵だなというところで提案させてもらったというところであります。こんな感じでいかがでしょう。
【隅田主査】  ありがとうございました。
 それでは、野口委員から手が挙がっておりますので、野口委員に移したいと思います。よろしくお願いします。
【野口委員】  今、多分、小林委員が手を挙げていらっしゃったと思います、先に。
【隅田主査】  そうですか、すみません。小林委員、追加ありましたら。
【小林委員】  すみません。ありがとうございます。
 簡単に今の石川さんからの御質問の点で、子供たち、私たちのすごく小さなサンプルの中で恐縮ですが、アンケート取っていると、何に一番満足度があったかって3種類あるなと思っております。1つが知識そのもの。こんなことを知りたくて知れてよかったというそこですよね。もう1つは、実は探究の仕方、どこに行ったらリサーチペーパー読めるかとか、どんなふうにしたらリーチできるかとか、そういうことが自分でいろいろなことを深められるような、すべを身につけられたからうれしかったみたいな。だから次に自分のテーマが移ったとしても、どうやったら自分で調べていけるんだろうというのが分かるって、物すごく実は大きな満足度の要因であるようです。3つ目は実は、よく角谷先生もおっしゃっていますけど、自己肯定感ですよね。自分と似たような特徴をもつピア(仲間)に会って、自分だけじゃないじゃんと思ったり、あるいは真剣に自分の話を聞いてくれるあるいは相談にのってくれる大人、我々の場合はチューターですけれども、彼らと出会って、私は私でよかったんだと思えるのがすごく大きいようです。そういう意味では、メンターの人が必ずしもものすごい専門知識を持ってなければいけないかというと、そうでもないのかなと思っていて、石川さんや坂本さんがおっしゃった、ジュニアメンターなのか、斜めなのか、もうちょっと上なのか分からないですけど、いろいろなメンターの人の役回りってのがあるのかなと思っています。
 石川さんの御質問に戻ると、うちのチューターさんたちは真ん中ぐらいというか、大学院生とかなんですが、多分もともと自分がそうだったかもみたいなチューターさんも結構いるので、そうすると、その伴走プラス、「いや、分かる分かる。」「僕も学校で誰も話聞いて理解してくれなかったんだよ。」みたいなのとかも一緒にあったりするので、そのハイブリッド、というような感じかなと思っていますが、おっしゃるとおり、とはいえ、特に1対1でやっているときは、オンライン上なんですけど、やっぱり1対1なので、セーフガーディング上の問題があってはいけないということで、全部録画残しているのは、万が一トラブルが起こったときに、きちんと動画に戻って、何が対話されたのか、全て管理というか、振り返れるようにはしてはいます。
【隅田主査】  同じように御発表いただいた大島委員からも、御回答といいますか、御意見があるようです。
【大島委員】  すみません。時間が限られていますので、簡単に。
 先ほどのメンターとメンティーのことですが、私たちの非常に感じているところは、やはり今、コーディネーターの重要性です。その方は、例えば高校生も含めて、小学生、中学生のやりたいことと、例えば、東大の研究室を結びつける。その際に、かなりの対話をしています。なので、やはり専門家と高校生の思い、小学生、中学生の思いにはかなり差があるので、そこと結びつけるコーディネーターの役割というのは、非常に重要なのかなと思います。それだけ一言、付け加えさせていただけたらなと思います。
 以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。御発表いただいた3名から御意見をいただくことができました。ありがとうございます。
 それでは、お待たせいたしました。野口委員、お願いいたします。
【野口委員】  ありがとうございます。野口です。今日のテーマだけではなくて、どうしても丸4の対象児童の話にも入っていってしまうかなと思うんですが、御容赦いただけたらと思います。
 皆さん、御発表ありがとうございました。改めて、やはり実際にどういったことが行われているのかということを知ることによって、私もかなり解像度が高まってきたなと思っています。
 改めて皆さんのお話を伺って思ったことは、なるべくそれぞれの学校とか地域とか家庭の実態に柔軟に合わせられる制度にしていくということが、とても重要だなと思っています。例えば、五味委員や小林委員からも、特異な才能による困り感なのかどうかというところの判断がしづらいというお話がありました。五味委員からは、学校だけで判断するのは難しくて、相談支援体制が整っていることが重要という発言がありました。やっぱりこれまでも話にあったように、基本的に複合的なニーズのある方が多いのではないのかなと思います。Twice-Exceptionalに見られるように、いろいろなニーズが複合的にあったり、その中に例えば外国にルーツのある子もいたりとか、いろいろな子がいると思うんですよね。そうなってくると、窓口が違うとたらい回しにされちゃうみたいなことも全然考えられるわけで、そういったことがないようなものにしていきたいなと思いました。
 そういう意味では、カテゴリーごとの相談支援というよりは、もうちょっと包括的な相談支援みたいなものができる窓口が必要なのかなとか、また、そういった場から相談支援を受けたりとか助言を受けながら、やっぱり最終的にどうするかの判断は子供、保護者、学校で柔軟に決断したり、後は、変更できるような仕組みにしておく必要があるなと思います。これは通級による指導も今同じだと思うんですけど、通級による指導を、今の運用を見ていると、本当はすぐに学校としても子供としても利用したいけれども、教育委員会の判断待ちみたいなことがあったりするわけですよね。それって誰も得しないというか、すぐに使いたいって本人も学校も思っているんだったら使えるようにしたらいいと思うんですよね。そういう、今後、通級に関しても柔軟な運用というのが、特別支援教育ワーキングのほうで検討されていくと思うんですが、子供を制度に合わせるのではなくて、子供にとって柔軟に運用できるという余白が必要だと思っています。
 すみません、長くなって。あともうちょっとなんですが、子供と相談しながらじゃないと分からないと思うんですよね、どういう教育課程がいいのかって。なので、やってみなきゃ分からないと思うんですよ、子供も。聞いて分かるかって言うと分からないと思うので。多分、小林委員のところとかも、子供と相談しながら中身決めてて、ちょっと違ったとかあると思うんですよね。ちょっとここじゃないみたいな、あると思うので。そんな形で、子供と相談しながら決めていける。行く場所だったり、どういうところと連携するかみたいなのも、1回決まったらそれで絶対ずっとやらなきゃいけないとかじゃなくて、柔軟に変更できるみたいなところが、すごく重要だなと思っています。
 加えて、先ほどお話にもあったんですが、これ質問にもなるんですが、学校内で外部と連携する立場は誰なのかというところですよね。担任厳しいですよね。ということとかを踏まえたときに、実態は今どうされているのかというのをぜひお聞きしたいんですけれども、例えばですけど、これもジャストアイデアで、学習指導要領だけの話じゃないので本当にジャストアイデアなんですけど、例えば、今の校務分掌として配置されている特別支援教育コーディネーターをインクルーシブ教育コーディネーター的にして、より包括的に、かつ専任で、学校の多様性にまつわる支援体制をコーディネートできる存在として今後配置していくこととかも、検討していけるといいんじゃないかなと思うんですよね。
 外部連携が必要なのって、この特異な才能のある子たちだけじゃなくて、特別支援も放課後デイサービスとの連携が必要だし、外国にルーツのある子に関しても外部機関と連携が必要だしとか、とにかく外部機関との連携って、今回、不登校も当然そうですし、めちゃ必要になると思うんですよね。そういう体制を学校でどう整えていくのかというところも含めて、カテゴリーごとではない、より包括的な体制というのを組んでいけないのかなと思っています。
 そうすると、さっきのTwice-Exceptionalみたいな子がいたときにも、柔軟に、週の内1日はちょっと大学で授業を受けて、1日は通級行くとか、そういうことができると思うんですよね。縦割りになればなるほど結構ややこしくなって、面倒くさくなると思って。もうちょっと包括的に、学内でいろいろ調整ができたりするような体制整備だったりとか、そういう制度設計にできないのかなと思いました。
 今回、特才のこの特別の教育課程に関してはちょっと小さくスタートしていくということに賛成したいんですが、小さくスタートするときにも、特才のことだけにフォーカスしてスタートさせるというよりは、もうちょっと包括的に実態、何ですかね、学校全体の体制整備どうしていくみたいな観点も踏まえた上でやっていかないと、結局また縦割りになっちゃうんじゃないのかなと思っています。
 すみません、最後なんですが、これ、皆さんに聞きたいんですが、特別の教育課程を実施する場は、先ほどオンラインで隣の教室みたいな話がありましたが、隣の教室じゃないと果たして本当に駄目なのかということは聞きたいです。同じ教室内じゃ何で駄目なんですかというところですね。今、例えば、それこそ個別最適な学びと協働的な学びをしていて、自由進度学習とかやっている中で、それぞれ別々の目標、内容で結構やっている中で、その子はその子の内容をやるというのはありなんじゃないですかと。実際、隣の部屋空いてなかったりするみたいな話もさっきあったので、同じ教室は果たしてどうなんだろうというところとかも、ぜひ検討していきたいなと思っています。
 すみません、長くなりました。以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。特に御質問を、五味委員、坂本委員に、これまで学校で関わった場合の学校内の窓口コーディネーターの話と、オンラインといいますか、そういうことは学校の通常の学級でもできる部分があるんじゃないかという御質問だったと思いますが、いかがでしょうか。
 坂本委員、お願いします。
【坂本委員】  そうですね。本市の場合で言うと、数年前から、まず小学校のほうでは児童支援専任教諭という立ち位置の教諭をつけていて、持ち授業時数をかなり減らして、学校によっては工夫して、持っている授業もTTとかだけにして、いつでも、何かあったときに子供たちの支援のために動けるという教員をつけています。なので、こういった教員が全国に増えていって、そういった窓口の役割を果たしていけるといいんじゃないかなと思っていて、それに向けて、本市で言うと、市費で講師を配置して、その先生が本来だったら持つべき授業時数を後補充として持っているというようなところがあるので、これはぜひ国のほうで、こういった加配をどんどん増やしていってもらって、各学校が柔軟に支援に対応できるような仕組みが増えていくといいのかなというのは感じたところです。
【隅田主査】  ありがとうございます。
【坂本委員】  あと、隣じゃないと駄目なのかというところで、もちろん、例えば自由進度学習であったり、探究的な学習でそれぞれグループでやっているみたいな場面だと、本当に、その子が対象活動やっているよというのは全然オーケーだと思います。ただ、例えば、静かに担任の先生の話を聞きながら授業をやっているようなところで、1人だけオンラインでわあわあしゃべっているというのは、ちょっと現実的ではないかなと思うので、その辺は、柔軟にできるところは、先ほど野口委員から聞いて、なるほどな、そういうとこありだよなって思ったんですけども、今、個別最適な学びをやっている中で、その子は違うことやっているというのは全然ありかなとは思いました。
【野口委員】  ありがとうございました。参考になりました。
【隅田主査】  ありがとうございます。それでは、五味委員、お願いいたします。
【五味委員】  お願いします。長野県は、まず募集を全県に通知で投げたところから始まって、申し込まれた方が多様でした。校長先生、教頭先生、特別支援コーディネーターの先生、その該当生徒の担任の先生と様々だったんですけれども、野口委員おっしゃられたように、学校の窓口は誰がやるのかについては、考えていく必要があるのかなとは思いました。いい実践というか、いい取組を進めていくためには、一人の先生だけの窓口だと大変なのではないかと、進めていく中で感じています。やっぱり、校長先生、教頭先生、特コの先生、担任の先生が、みんなで連携してやっていってもらうと、進みやすいのではないか、と感じているところです。
 また、同じ教室の中でというところは、坂本委員と同じような話になるんですけれども、県内でも、単元内自由進度学習だとか、複線型の授業だとかというところは進みつつあるんですけれども、同じ教室内での実施となると学校にとってハードルが高くなると感じています。また、授業を実施しているタイミングでオンラインでつなぐ時間的なマッチングについては、難しさがあると感じているところです。同じ教室内で実施する可能性はあると考えていったほうがいいとは思いますが、現状、難しいところがあるかなと感じているところです。
 以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。やはり、負担を大きく増やさず実現できるところからというところで、柔軟に考えていければいいのではないかと思います。ありがとうございました。
 それでは、伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】  ありがとうございます。まず先ほどの野口委員のところで、調整可能性のところがすごい大事だなと思ったのと、ちょっと付け加えて、離脱できるようにしておかないといけないなと思っています。つまり、やめるということを認めるということ。ついつい、やり始めたんだったらやりなよと思ってしまう人が多い領域だと思うんです、教育の領域って。なんだけども、やっぱり違ったなというときに、その時間をほかのことに使えるというか、離脱できるようにはしておいてほしいなと思ったということがあります。
 また、先ほどのインクルーシブ教育コーディネーターの話も、私もあればいいなと思いますし、実際、私も京都府で相談支援やっていて、実質そういう役割やっているなと思います。例えば、日本語話者ではない子供が来たときに、外国語で対応してみて、これは本当に、外国語なんでギフテッドと言いますけど、ギフテッドなのか、それとも、いわゆる日本語の不自由さからくる困難さなのかみたいなところとかを見極めながら支援していかないといけないので、どうしてももう、カテゴリー別にやるのはちょっと限界が来ているんじゃないかなと思っています。私、オーストラリアでいたときに、ギフテッド&タレンティッドコーディネーターさんというのを学校に専任で置いている学校もあって、そういうのがあると全然違うなということを、まず先ほどのコメントへの感想です。
 その上で、今回の話で、制度全体のコーディネーターと、学校の運営のコーディネーターの、多分2種類が必要なんだろうなと感じたというのがありますので、簡単にお話しさせていただきます。お話を伺っていて思ったのが、フリースクールの出席認定の話とすごい似ているなと、感じています。というのも、例えば、今回のこの場所の考え方についてというところで、A小学校はB大学の活動を特別の教育課程として認めるんだけど、C小学校はB大学の活動を認めないみたいなことがあって本当にいいのだろうかと。でも、ただ、今フリースクールの出席認定ってそういうことだと思うんですよね、学校長の裁量で。そのときに結局、私が見ている子たちもそうなんですけど、僕、私は対象になるんですかというところになかなか応え切れない。で、結局運の問題だよねというふうになってしまう。これはやっぱり政策としてはあってはいけないことだと思うので、特に公教育、義務教育段階においてはあってはいけないことだと思うので、まず全体的なコーディネーターが必要だよねということが思います。その上で、学校の中での運営の仕方、先ほど野口委員からあったような、同じ場でできないのかという話であったりとか、いうことも必要です。坂本委員の資料で、2番の1ページ目のところですかね、議論の解像度を上げるためというところで、3ポツ目ですかね、課題等は高い能力でこなすが、特異な才能があるとまで言えるか学校で判断しかねる状況って、これがいろいろなところで起こっているんだと思う一方で、これ、せっかく今社会モデルの考え方普及しようとしているので、これも社会モデルで考えてみたときに、結局、ある種、特異な才能が発揮できるかどうかというのも環境に依存するよねということを思うんです。環境というか、その授業設計であったりというところ。もうちょっと言えば、例えば、私は地学というものを一切履修しないまま大学生になったんですけど、もしかすると地学にとてつもない才能を有している可能性は否定されないわけであって、でも、それを発揮するチャンスというものはなかったわけです。別に必要だったとは思ってないですけど。ただ、そのときに結局、何が言いたいかというと、学校外でいろいろな経験ができる、言ってみれば格差の問題に帰着しちゃうんですけど、これが、要はいろいろな経験ができる子は自分の才能を見つけられるんだけど、そうじゃない子たちからすると、自分の才能を見つける機会ももらえないというような話になってくると、結局、諸外国で問題になった格差拡大への傾倒になってしまうというところは、1個考えなくちゃいけないのかなと思ったというところがありました。
 ごめんなさい、最後に1個だけ。今日も質問を受けまくってて申し訳ないですけど、坂本委員、五味委員、あと藤田委員にお伺いしたかったのが、事務局資料の中の2ページ目で、学習内容や状況について原籍校と適切な連携を取れることというのが入っていて、これ大事だと思うんですけど、実際問題、どれくらいの情報が必要なのかなということは、考えておいたほうがいいかなと思っています。私自身、フリースクール的なものを運営していますけど、正直、学校によって求められる資料が全然違っていて、そこをどういうふうに、どの程度のものを求められるのか、もしそういうイメージがあれば教えていただければと思います。
 以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。先ほどの共有内容に関するあたり、最初の石川委員の御質問にもありましたが、情報セキュリティーとかも関わりますし、結構センシティブな部分もあろうかとは思いますが、既に行われている実践で、何かコメントできることがありましたら、お願いいたします。
【坂本委員】  この私の発表の中では、そういった支援プログラムであった実施機関から、活動認定書のようなものであったり、活動報告書のようなものであったり、そういった連携というか、そういったものを学校長宛てに提供できるといいのかなというところで、今日は提案させてもらいました。学校としては、学校で行っていない、学校の教育課程外でやっていることなんだけども、学校の指導要録上に評価とか評定をしていかなきゃいけない、さらに通知表とかにも反映させていかなきゃいけないというところで、一つは、こういった活動をしてこういった様子だったとか、こういったところで何々を発揮したとか、そういった具体的な文章表記でいいと思うので、そういったものをもらえると、学校では、学校であった活動と同じような形でそれを捉えて、評価であったりに反映はできるのかなと思っています。
 さらに言うと、これはかなり、私、実際には難しいところもあるかなと思いながら、こんなこともできたらいいなとちょっと妄想していたのが、例えば、その子が数学オリンピックに参加をしたと。数学オリンピックでかなりの成果を収めたとなったときに、その子は学校の数学の授業には全然出なかったけど、数学オリンピックでは成果があったというときに、学校の先生としては、数学の授業出てないから数学の評価ってすごく付けるの難しいと思っているんです。ただ今回の教育課程の中では、それを正規の授業扱いするというところで、数学オリンピックに取り組んだことを評価しなきゃいけないので、例えば、自動的にというか、数学オリンピックでこういう成績を残したら、評価のこの観点についてはAをつけるにふさわしいみたいな、そういったガイドライン的なものが、難しいというところも分かりながら発言しているんですけども、そういったガイドライン的なものがあれば、学校のほうは、迷うことなく、対象活動で行ったことを評価、評定であったりに反映することができるのかなとイメージをしています。難しい部分もかなりあるなとは分かりながらの発言ですが、イメージとしてそんなところを少し持ったところです。
【隅田主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、角谷委員、お願いします。
【角谷主査代理】  それでは、3人の委員の先生方、御発表ありがとうございました。とても大事だなと思う点、私自身も幾つかございまして、その点について申し上げさせていただきました後、本日提示されました資料に関わり、1点コメント申し上げさせていただこうと思います。
 まず、五味委員からの御発表では、事業の中での悩ましさでもあるとのことでしたが、やはり対象活動を実施することを通して、相当教科等の実施に伴う学習上、生活上の困難の軽減、解消が総合的に期待できるタイプの困難であるかどうかを見極めること、その点についての御指摘、大変重要だと私自身も思っております。その根本となる問題意識としましては、授業が難し過ぎて、早過ぎて、つら過ぎるというベクトルと同程度のつら過ぎるというベクトルが、授業が分かり切っていることばかりで、遅過ぎてつらいという、そういうベクトルにあるという認識が助けになるのではないかと思っております。2Eのことも考える必要がありますけれども、単純に困難と才能を併せ持つという観点で考えてしまいますと、一番懸念されるのは、その子の困難解消のために必要な手だてがなされないまま、ずっと時だけが経ってしまうということが起こり得るという点だと思っています。2Eの子の場合は、高度な学習の前に、もっと大きな障害等に起因する困難があって、それを解消しないと高度な学習が必要かどうかが分からない状態にあるということもあるので、単純ではないですが、高度な学習をすることで、既に知っていることばかりの授業に半ば強制的に座らされる状態から解放されるということが、あるいは、同じ次元で考える友達と出会うということが、困難の解決の糸口になるかどうかというのを見極めていけるようになるということが、やはりポイントかと思っています。私自身の経験で言いますと、そういった子供たちの社会情緒面も含めた特性を理解しますと、割と感覚的につかめる先生が少なくないのではないかなと思っております。
 次に、坂本委員の御発表を伺いまして、私自身、とても具体的な、実現可能性という意味でのイメージを持つことができました。ありがとうございました。特に、特別の教育課程での仲間との出会いの可能性につきましては、大きな示唆をいただいたように思いました。やっぱり年に数回、顔合わせのときと発表会のときだけ出会うのでは、ちょっと不十分ということがありまして、やはり日常性というのが大事で、それを可能にし得る方法を提示いただいたように思います。
 また、1階部分の充実の必要性にも触れられていましたが、これを私も強く思っております。日常的に子供と接する先生が学級でどのように対応していくのかというのは、授業の工夫、グループづくり、トラブルへの対処の仕方、声かけの方法など、かなり重要です。一方で、1階でどうしたらいいのかというのが分からないというのは多くの先生方の率直なところだと思いますが、この分からない状況のままに、本ワーキングの内容だけが注目されて取り上げられていきますと、1階を飛び越えて2階に行ってしまうという事態が生じかねないなということを少し心配しております。特別の教育課程に該当させれば、通常学級の在り方がこれまでどおりでもよいということにはならないという点は、常に押さえておく必要があると思います。一方で、やっぱり分からないというのがあると思いますので、1階での工夫が、どこかで直接的に明示される必要があるかなとも思っています。
 次に、大島委員からの御発表を受けまして感じたのは、小学生から高校生までの子供たちに適したプログラムの具体を教えていただいたように思いました。そして、プログラムを提供する側の課題は、挙げられていた課題はいずれも実際無視できないものばかりだなと思いました。そこをどうするのか、一つ一つ具体的に持続可能な方向で考えていく必要があると思いました。
 最後に、本日提示いただきました資料に関しまして、実際、実施機関として、グローバルなもの、外国のものも、要件を満たせばという条件付ですけれども、状況や必要に応じて活用できるものとして視野に入れられている点は大事だと思いました。特に理数科系以外のプログラムが、まだまだ日本国内では発展途上かなという感触を受けておりますので、その意味でも結構大事だと思いました。
 この点、資料の中では大学等の枠の中に、外国のプログラムの可能性が位置づけられてはいるんですけれども、私が読んでいた複数のギフテッドに関するハンドブックに紹介されている団体が、例えば、複数の国が参加している探究的活動の主催団体がNPOだったりもしますので、大学等には限定しなくてもいいのかなとは思っております。
 以上です。ありがとうございました。
【隅田主査】  ありがとうございました。1階部分のことも含めて、やはり関わるということとか、あと、いろいろな意味で柔軟性をということに関わるコメントもあったかと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、藤田委員、お願いいたします。
【藤田委員】  よろしくお願いいたします。本日、事務局のほうで、実施機関、対象活動を実施する場所等、指導者の考え方について、留意点も含めて整理いただいて、御提案いただいている内容について、私も幾つか留意する事項はあるかと思いますけれども、方向としてはよろしいのではないかなと思っております。
 一方で、児童生徒が在籍校以外の場所で活動したりだとか、また、オンラインで活動に参加するにせよ、やはり子供たちにとってよりよい学習の場とならなければならない、これが大前提かと思っています。そのためには、学習の場となる場所における質の保証、これはもちろんのことなんですけども、もう1点では、可変的なものであるということも前提なんですけれども、やっぱりミスマッチあってはならないというのが気をつけなくちゃいけない点だろうなと思っています。
 長野県教育委員会さんの取組においては、県の教育委員会さん、それからEducation Beyondさん、こちらのほうで子供の状況を把握して、適切な教育機関につなぐ、こういったことで質の保証をしていらっしゃることがよく分かりました。学校、それから市町村の教育委員会、都道府県の教育委員会、それぞれがどういう役割を担う必要があるかというのをやっぱり整理して、児童生徒を支援する体制を今後構築していく必要があると思った次第です。
 また、様々な特別の教育課程、今現在、日本語とか、それから特別支援という視点で特別の教科課程を編成・実施できていたりとか、今後、不登校に関する部分で特別の教育課程を編成・実施することが可能になるように今動いておりますけれども、いわゆる特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程については、やはりそれ以上に、子供の学習状況の把握であるとか、評価、これが私は重要となるんじゃないかなと思っています。ある意味、学校外に出る活動なので、出ているからそこにお任せということではなくて、しっかり情報共有する必要があるんじゃないかなと思います。
 一義的に、指導者が評価することにはなるかと思うんですけども、指導を受けた児童生徒が、何らかの場面で、指導を受けた内容についてアウトプットする場面、これは必ずあるかと思いますので、そういった場面に限らず、その都度都度、指導者、チューター、メンター、コーディネーター、また、在籍校の教職員、こういった人たちで、いわゆる学びの状況を共有していく、確認することが大切ではないかなと思っております。
 私からは以上になります。ありがとうございました。
【隅田主査】  ありがとうございました。今日の論点の3点目に関わる、やはりこれは、外部で自分が好きで受けているプログラムであると同時に、特別の教育課程であるということを踏まえると、外部なら外部と学校との連携こそがやっぱり欠かせないという、これはやはり重要なポイントかなと改めて思いましたし、不登校に関わるワーキングも進行しておりまして、お互い参考にしながらできる部分はかなりあるんじゃないかと。今日、伊藤委員からもフリースクールの話も出ましたが、そういう視点はあろうかと思います。どうもありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 私1つ聞いておきたいことがありまして、今回、対象となる子供と他の子供との関係の話を聞きたくて、その参考になりそうなということで、大島委員がされているSTELLAは、例えば第2段階に進むときに選抜が行われていると思います。でも、そのときに、選抜から漏れた子へのフォローアップとか、STELLA事業では実施機関に工夫を求めています。何かその、こういうフォローアップをしたとか、何かこういうのが効果的だったとかあったら、教えていただけますか。
【大島委員】  ありがとうございます。まず、2つございまして、小学生・中学生に関しては、実を言うと、行ったり来たりできるようになっているんです。なので、例えば研究段階に行った生徒さんが、もしちょっとまだ早いなってなったら、また学習のほうに戻れるという、そういう柔軟な対応をしています。
 隅田委員の御指摘にあった、第2段階というか、多分研究フェーズの研究室に配属になるときに、どうしてもこのSTELLAの関係上、選抜しないといけなくて、そこで残念ながら、どうしても40人から20人に絞るということで、20名の方が行けないという状況があって、そこはまた別途プログラムを用意して、まずは、いわゆる協調学習的なグループ活動で、もう自分の研究とは全然関係ないことを、皆さんで協調学習的にやるということをやっております。そこから若干名、また第3段階という、いわゆる研究室での研究に進めるというような形にしております。なので、やはりプログラムを終了したということが大事であって、選抜がもしできなかったとしても、それに応じた対応と、あとは、ちゃんとワンステージはクリアしたという、そういうアクノレッジ、はしております。
 ちょっとお答えになっているかどうか、分からないんですけれども。
【隅田主査】  ありがとうございます。限られた場面とか機会があったときに、そこに、残念ながらその時にたまたま選ばれなかったとしても、その子に特に才能がないというわけではないという、その辺りは大事なポイントかなと思いましたので。ありがとうございました。
 それでは、時間も参りましたので、本日の議事は以上といたします。
 最後に次のスケジュールについて、事務局よりお願いいたします。
【越田教育課程課専門官】  ありがとうございます。
 次回は2月3日、火曜日、10時から12時を予定しておりますが、正式には後日、御連絡いたします。以上です。
【隅田主査】  ありがとうございました。それでは、以上をもちまして閉会といたします。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

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