令和7年11月13日(木曜日)13時30分~15時30分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【隅田主査】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会、特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ第3回を開催いたします。
前回の議論では、制度構築に向けて基本的な考え方や留意点等について御議論いただいたところですが、本日は前回までの議論を踏まえ、特別の教育課程の対象となる教育活動等の考え方について御議論いただきます。
進め方として、まず議題について事務局から説明をし、角谷主査代理から御発表いただいた後、意見交換を行います。
議事に入る前に、前回、時間の関係で言及できなかった参考資料2につきまして、伊藤委員より簡単に補足説明いただきます。伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】 失礼いたします。伊藤でございます。京都教育大学でお請けしているお仕事について、少し紹介させていただきます。今年度から文科省の委託事業を、京都府教育委員会さんがプライムとなり「都道府県単位の学校と連携した相談支援体制の構築」ということで取り組ませていただいております。そのうちの特に相談支援の実務のところを私ども京都教育大学でお請けしています。
もともと京都教育大学は総合教育臨床センターというものを有しておりまして、セキュアな環境での情報管理であったりとか、相談を受け付ける窓口がきちんとあったりとか、そういう環境が整っておりましたので、そういったものを有効活用しながら今、やらせていただいています。現在、大体週に2件から3件ぐらい新規での御相談を受けながら、継続案件については継続しながらやっているところでございます。
もしかすると今日、似たような話も出るかもしれませんが、実は京都府というふうに一枚岩に言いましてもなかなか広く、京都市に近いところであれば、それこそ知能検査をすぐ受けられる環境があったりとかもするんですけれども、片や京都府は僻地のところもありますので、そういうところだとなかなか相談することができないとか、本当にいろいろな声を伺いながら今、やっているところです。
ただ、我々のスタンスとしましても、この実証研究そのものがそうだと思うんですけれども、何か我々がすごく、こういうふうに相談支援をしたらいいんだという正解を持っているというよりかは、どういったことがそもそも学校の先生方、保護者、そして児童生徒さんがお困りなのかというところ、各学校の文脈というものも踏まえながら、できることできないことを見定め、この2年間を通して都道府県単位というところで考えていったときに、どの程度相談支援体制というものをどのように組み立てていけばいいのかというところを、ある種、一緒にチャレンジしていただいていると感じることも多くあります。
今週も私、3件相談を受けてきましたけれども、詳しいことはお話しできませんが、5学年以上上のことをやっている子がいるんだけれどもどうしたらいいんだろうというような、要は本当に上のところの特別の教育課程をどのようにやっていったらいいんだろうという御相談もありますし、また逆にいわゆる知能検査では高い数字を出してきたんだけれども、保護者の方からするととてもじゃないけど何かあまりそういうふうには見えないんだけれども、どうやってこれは理解したらいいんだろうということとか、あと最近あったところでいくと子供自身にこの特性をどうやって説明したらいいんだろうかと。特異な才能が君にはあるんだよと言ったとしても、今困っていることも事実なので、全然それだと自己理解に繋がらないのではないかというような、本当にいろいろな相談を受けているところでございます。
できることは限りがありますし、ここからチャレンジしていこうかと思います。もし今日見ておられる中に京都府の方がいらっしゃればぜひ御相談いただければと思いますし、ほかの都道府県の方でも、もしこういう情報を知りたいということでしたら、ぜひ私たちは相談支援体制が広がることを願っておりますので、お問合せいただければと思います。すみません、お時間いただきました。以上です。
【隅田主査】 伊藤委員、ありがとうございました。前回の委員会で御紹介できず、大変失礼いたしました。今日はありがとうございます。
それでは、議事に入ります。事務局より御説明をお願いいたします。
【栗山教育課程企画室長】 失礼いたします。教育課程企画室長の栗山でございます。本日は、特別の教育課程の対象となる教育活動等の考え方についてテーマとするものでございます。
こちらは議論全体の見取図でございます。冒頭、主査からもございましたが、前回は丸1、制度構築の基本となる考え方や留意点を議論し、今回は教育活動の内容ということで、丸2に相当する部分、本日の議論の枠になっている部分について、議論を深めていきたいと考えているところでございます。その上で、また次回以降、丸3、特別な教育課程が実施される場所、丸4、対象となる児童生徒といったことを順次、議論していくという、今日の議論の見取図ということで御理解いただければと思っております。
それでは、内容に入っていきたいと思います。対象となる教育活動等の考え方に係る論点と方向性についてであります。まず、この特別の教育課程の位置付けについてであります。この特別の教育課程については丸1、特異な才能が発揮される分野や程度は様々なものがありますので、通常の教育課程での指導の工夫や柔軟化等を含めて、多様かつ多層的な教育活動により支援が可能な場合も、実際には非常に多いと想定をしています。したがいまして、まずは通常の教育課程における支援の可能性を検討して、その上で通常の教育課程のみでは支援が十分できない児童生徒を特別の教育課程の対象とすることを基本的な考え方とすべきではないかと考えております。すなわち、特異な才能を持つ児童生徒だからすぐに特別の教育課程となるということではないということでございます。
また、コメ(※)でありますけれども、対象とするかどうかの判断に当たっては、教育委員会や学校のみではなく、先ほど伊藤委員からも京都府における相談支援体制の構築の状況についてお話がございましたが、そうした相談支援体制の活用も大いに考えられますし、もう一つのコメ(※)にありますように通常の教育課程での支援に加えて、休日や長期休業中などに学校外でこうした児童生徒の活動の場が提供されている場合ももちろんございます。そうした場合にも相談支援体制を活用して、そういった活動の紹介を行うといったようなことも、教育課程外の話でありますけれども、考えられるのではないかということです。
丸2です。実現可能かつ持続可能な仕組みを創設する。これは前回も御議論いただいた制度構築の基本的な考え方でありますけれども、この考えを踏まえて、まずは一定数の事例を創出し、その上で運用上の成果・課題を踏まえて随時仕組みを改善し、徐々に事例を増やしていくこととしてはどうかと考えております。したがいまして、矢印にあるように、制度創設の当初から多数の学校で特別の教育課程が編成される想定は、必ずしもしていないということでございます。制度ができたから全ての学校でいきなり適用があるといったような前提ではないということでございます。
丸3、対象の児童生徒であっても特別の教育課程で実施する特性等に応じた高度な内容に係る部分、これを以下、仮称とありますが、対象活動と呼んでいきたいと思いますが、この対象活動の部分以外は他の児童生徒と共に基本的に通常の教育課程に基づく教育活動の中で学ぶことが前提でありますし、これは論点整理でも前回までの議論でも共通認識を図ってきた部分かと思います。したがいまして、全体として学年を飛び超えてしまう飛び級、あるいは早期入学といった、本来の学年よりも上位の学年、学校に早く在籍する、いわゆる完全早修といった形態を想定するものではないということも前提であると考えております。
下に特別な教育課程のイメージがございますけれども、この対象活動の部分が全体の教育課程の一部を占めていて、その対象活動以外は通常の教育課程と同様にしているということでございます。これがまず、位置付けとしての基本的な前提であると考えております。
その上で、この特別の教育課程の言わばコアとなる対象活動の考え方について、事務局としての御提案を申し上げたいと思います。今申し上げた特別の教育課程の位置付けを踏まえますと、各教育委員会や学校が当該児童生徒について、通常の教育課程では支援が困難で、対象活動の実施が適切であること。それに伴って相当する教科等、これを相当教科等と呼びますけれども、例えば中1の数学で相当教科等あれば数学を実施しなくてよいこと、これを過度な負担なく合理的に判断ができるということが必要であると考えています。
これを踏まえますと、矢印の下、まずは、これは制度創設当初はという趣旨ですけれども、日常的な見取りや心理検査等により一定の判断が可能と考えられる算数・数学や理科等の教科等、教科等でございますので今挙げた教科以外も排除している趣旨ではございませんし、場合によっては領域も入るということでありますけれども、いずれにせよこれは各教育委員会や学校がほかの教科等もやりたいということを、ことさらに妨げる趣旨でもないということになりますが、こうした教科等に関わる認知的な側面に着目して対象活動を学校内外で実施するということを基本に据えてはどうかと考えております。
なお、コメ(※)にございますように、例えばスポーツ分野のように既に教育課程外で高度な内容の教育活動が広く実施、利用されている実態があるものについては、教育課程内の対象活動として実施する、効果や意義も踏まえて対象活動の対象とするかどうか整理・検討が必要であるとしております。その上で以下のいずれも、丸1、丸2がありますけれども、満たす場合に対象活動の実施を可能とする方向で検討してはどうかと考えています。
なお、コメ(※)にありますように、以下は対象活動の前提でございますので、対象となる児童生徒をどのように考えていくかということ自体は別途、また回を改めて検討いたしますし、またこうした考え方を前提として児童生徒本人・保護者の意向を丁寧に確認する必要があるということは前提でございます。
そして、丸1、丸2でありますけれども、1つ目は特例の適用に伴って実施しないこととする相当教科等、先ほど私、中1の数学であればというふうに申し上げましたが、そうした具体の相当教科等で育成する資質・能力について、おおむね適切に身に付けられると判断ができる場合と考えています。ただその際、個々の指導事項ベースで網羅的に身に付いているかどうかを個別に確認することは現実的に困難な場合がありますので、この点に留意が必要です。
もう1点、丸2ですが、特異な才能のある児童生徒は、認知・発達の特性等から学習上・生活上の困難を抱えることもあるということを踏まえ、以下の観点等から当該児童生徒に対して対象活動を実施するほうが効果的であると総合的に判断ができる場合としてです。
以下の観点、(1)がまず対象活動を実施することで相当教科等の実施等に伴う学習上の困難の軽減・解消が期待できるかどうかとしています。先ほどの中1の数学の例であれば、当該児童生徒が仮に大学レベルの数学を理解できる状態にある場合、本日の角谷主査代理の御発表でもありますけれども、授業中、大変に退屈であったり、それに伴って学習を続けていくことが難しいといった学習上の困難があるわけでございます。そうした困難の軽減・解消が期待できるかどうかということ。
また、それだけではなく(2)学級での他の児童生徒や教師との関係構築の観点から効果的かどうか。生活上の困難の軽減・解消の側面でもございます。能力が高過ぎるあまり、例えばよく聞きますのが教師の誤りを過剰に指摘することがあったり、例えば他の友人との関係もそうしたことの中でうまくいかなくなったりする、こうした事例も指摘される中で総合的に判断をしていくイメージを持っているところでございます。
こういった考え方を踏まえて対象活動を実施する場合、以下のA、B、Cのパターンのように、相当教科等の一部または全部の内容、そして授業時数を実施しないことができることとしてはどうかということであります。対象活動を実施する代わりにそれに相当する分を実施しないという考え方でありますけれども、Aとして、総合的な学習の時間の一部、または全部が想定されると考えています。例えば特定の教科ではなく、その対象活動が教科等横断的であったり、相当教科等の特定が難しい場合ということも当然想定されると思います。こうした場合には総合的な学習の時間が考えられるということでございます。
B、各教科の一部、または全部ということ。先ほど数学の例を挙げましたけれども、特定の教科が特定できる場合にはこのBのパターンで考えていくということであります。そして最後、Cでありますが、総合的な学習の時間と各教科の一部、または全部を組み合わせた対象活動ということも想定されると思います。相当教科等の一部に加えて、相当性がない部分は総合で対応することが考えられます。いずれの場合も、コメ(※)でございますように、対象活動を特別の教育課程の対象となって受けることが入試対策になるようなことがないように、あるいは入試上のメリットになることは想定しないということが前提でございます。
次のページです。こうした考え方を踏まえまして、対象活動で実施する教育活動についてであります。特別の教育課程での対象活動は、通常の教育課程では支援が困難な児童生徒を対象とするものでありますので、学習指導の工夫や柔軟化、例えば生成AIを活用して個に応じた指導をその子にしてあげるとか、あるいは個に応じた高度な課題をその子供に設定してあげるとか、そういった工夫や柔軟化、あるいは調整授業時数制度のもとでの裁量的な時間を活用するといった、通常の教育課程でできる取組だけでは支援が十分にできないレベルの高度な内容を想定しているということであります。
具体的には、既に申し上げた内容も踏まえて、例えば以下のような教育活動が想定されるところ、これらを対象活動の対象とすることの適否についてどう考えるか、ほかに考えられる教育活動はあるかとしています。具体が下の点線で囲まれている部分でありますけれども、まず、部分的な上位学校種等に係る早修と書いています。先ほどから例にしていますが、例えば中1の数学であれば、中学校1年生が高等学校レベルの高校3年生の数学の内容を学ぶといった意味合いであります。また、大学教員等の支援を得た発展的な課題を対象とする個人探究。また、大学の科目の受講、大学・研究機関や民間等が実施するプログラムやコンテストへの参加、それに関わる事前指導、こういったことが例として挙げられると考えています。
ただ、最後の部分については、コメ(※)でございますように、大学や研究機関等が主体となる場合には、これは民間ももちろん含めてですが、主に研究的・探究的なものが想定されますので、一定の質を確保するための要件も整理していくことが必要であると考えておりまして、これはまた別の機会に検討をすることができればと考えているところです。戻りまして3つ目のポツ、これらを対象活動として実施する際、先ほど申し上げたA、B、Cのパターンのいずれかによって、相当教科等を適切に判断して実施することとしてはどうかと考えております。これが教育活動のイメージであります。
次、4番に行きまして、対象活動の実施方法についてであります。対象活動の実施方法として、当該児童生徒の状況や、在籍校や在籍校と連携できる高校・大学等の状況に応じまして、例えば以下のような形が考えられるが適否についてどう考えるか、ほかに考えられる実施方法はあるかとしております。先ほど申し上げた対象活動の例が左側の欄に例として記載されておりまして、それに組み合わせる形で実施方法の例をお示ししております。例えば一番上の欄であれば、部分的な早修に対して右側の実施方法として、相当教科等の時間に、高校等に例えば中学から移動して授業を実際に受講するといったようなケース、コメ(※)にありますように高校等が近接している場合など連携しやすい場合等を主に想定しておりますが、例えば中高一貫校などであれば非常に現実的なイメージができるかと思います。
また、2番目でありますけれども、個人探究、大学の講義、部分的な早修としておりますけれども、それに組み合わせるイメージで、相当教科等の時間に移動せずとも在籍校の空き教室、現在、多くの小中学校で空き教室が存在する状況があるかと思いますが、こちらにおきましてオンラインを活用して大学、オンラインであれば海外大学ということも射程に入ると思いますが、や高校等の講義・授業を受講するといったこと。あるいは、例えば大学附属の学校であれば来校した大学教員等、もちろん附属でなくても近くに大学があったりする場合には、大学教員等が実際に指導者となって実施するような場合もあるかもしれません。
3つ目、大学の講義、大学等が実施するプログラムやコンテストへの参加、部分的な早修、こうしたことを例にして右側でありますけれども、実施方法として相当教科等の時間に大学や研究機関、博物館や図書館等の社会教育施設等に移動して講義やプログラムを受講するといったこと。要件を満たした適切な教育活動を実施できる大学や研究機関が実際に近くにあったり、先ほど申し上げましたが附属のような学校でもこういったことはしやすいかと考えているところでございます。
コメ(※)にございますように、対象活動の実施に当たりましては大学等の外部機関と連携する場合のノウハウ、当然これが今十分ない場合もありますので、連携体制構築の在り方についても別途整理する必要があると考えております。また次のコメ(※)にありますように、大学研究機関等が実施する指導やプログラムによっては、授業日のみならず夏休みとか休業日にも実施するケースも想定されると思います。対象活動自体は教育課程の特例でもありますので授業日に実施するものと整理しつつ、多様で柔軟なプログラムの存在を念頭に、休業日部分と組み合わせて全体を構成するものもあり得るということで整理をするのではないかと考えています。
例えば、授業日の時はオンラインでいつも地方にて受けていましたけれども、例えば夏休みにまとまった時間、東京でも大阪でもあり得るかもしれませんが、実際に移動して一部プログラムを受けるといったような組み合せのプログラムがあり得るかと思います。そういうことを念頭に置いて申し上げた趣旨でございます。
最後、その他であります。ここまで申し上げてきた仕組みの詳細や実務に係る事項については、必ずしも制約や法令による事項ではなく、全般として運用の手引きで具体的に整理をしていくことを想定しているものでございます。また、次のポツ、既存の特別の教育課程として日本語指導や特別支援学級、通級指導等がございますし、また別のワーキングで検討している不登校児童生徒に係る特別の教育課程との関係につきましては、それぞれが別の特例である一方で、実際には児童生徒が重複することも想定されます。そうした場合の特例の円滑な運用の在り方については今後、検討を深めていく中で運用上の整理が必要ではないかと考えています。
最後のポツ、対象活動を実施するに当たっては以下のような点に留意といたしまして、1点目、対象となる特異な才能のある児童生徒を含め、子供たち一人一人の多様性が相互に認められる包摂的な学校・学級の文化や風土の醸成、特性等に係る理解の促進、こうしたことを当然やっていく必要性があると考えていますし、また当該児童生徒の発達に応じて、個性や特性等の認知的な側面以外にも当然配慮しながら進めていく必要があるということを書かせていただいています。
内容としては以上でありますけれども、次のページが今御説明したことを概観できるように御用意した、補足のイメージであります。こちらを御覧いただくと今御説明したことがまとめて記載してあるということでありますけれども、灰色の部分は今回対象活動を実施する特別の教育課程の2階部分になるわけですけれども、この1階と2階の役割分担について、通常の教育課程でできることはやった上で、それだけでは支援が十分できない場合に対象とするということを、上の部分で改めて整理をしているわけでございます。
つまり、このブルーの1階の部分でやれることはやっていくということが基本的な考え方であるということ。その上で2階の部分、ここが先ほど来、御説明をしてきた部分でございますけれども、こうした2階として必要な児童生徒には対象活動というものを実施していくといった関係性が一目して分かるように整理をさせていただいているところでございますので、改めて御確認をいただければと思っております。
以上が、本日、御議論をいただきたいと考えているところでございまして、冒頭申し上げましたように、どうしてもこの教育活動の考え方をこうして御提案する中で、一部、今後議論をする、実施される場所でありますとか、対象となる児童生徒のところと関わってくる部分がございますけれども、まず本日、この範囲で御議論を賜って、どんどん議論を積み上げながら仕組みの全体像が見えてくるような議論を進めていきたいと考えているところでございます。
それでは、事務局からは以上でございます。
【隅田主査】 栗山室長、どうもありがとうございました。
それでは、続きまして角谷主査代理より、特別の教育課程の対象となる教育活動を検討する上での留意点につきまして、先行研究の知見を踏まえて御発表いただきます。それでは、角谷主査代理、お願いいたします。
【角谷主査代理】 それでは角谷から、対象活動の考え方を整理する上での留意点として先行研究からの知見を、またそれが本日御説明いただきました資料の背景としてどのように位置付けることができそうなのか、考えたことを共有させていただきます。考える上でどのような形、塩梅でスタートを切っていくのがよいのか。学校の先生方がやらなくてはいけないとかやってはいけないという義務感や拘束感よりも、むしろ必要なときは活用できる安心感や前向きな気持ちを抱けるようにという点を意識いたしました。
本日、御紹介申し上げます研究は海外の研究ばかりです。この理由としまして大きなところでは、日本でも特異な才能のある児童生徒への支援や研究が広がりつつある一方で、教育課程に係る実証研究の蓄積はこれからだということ。また、日本でこれまで蓄積された研究結果が本日御紹介いたします知見と大きく反するわけではないという点がございます。特にスタートということで、日本の教育制度の背景や社会風土に親和的な形で検討する必要があるということが一方にございます。進みゆく方向を考える上で、直輸入はできませんが、海外の先行研究を参考にすることは有効だろうと考えました。
留意点としましてポイントはたくさんあろうかと思われますが、その中からこの4点を共有したいと思いました。1、対象活動において適切な、この場合は速いペースで、やりがいのある課題に、同程度の能力のある仲間と意気投合しての学習の実現を目指す。2、成功・功績ではなく自己実現、全人的発達を支援する。3、まずは最も必要としている子供に対象活動を届ける。4、「子供のほうが先生より物知り」「授業に退屈している」が即、「特別の教育課程を必要とする」に結びつくわけではない、の4点となります。
ではまず1点目、対象活動において適切な速いペースで、やりがいのある課題に、同程度の能力のある仲間と意気投合しての学習の実現を目指す、についてですが、特定分野に特異な才能のある児童生徒にとっての個別最適な学習環境というと、ここに含まれます3要素が必須の環境であるということは多く示されています。そのような環境を具体的にどう提供していくかというときに、早修と言われる方法もその一つに該当いたします。まず、これは飛び級だけを指し示す用語ではなく、本日詳細は割愛いたしますが、早修の中にも20種ほどございます。それら全体を総合的に見たときに、早修以外の方法よりも費用対効果の高い方法であるとよく言われます。
資料の中で、完全早修はしない、つまり飛び級はしないとされていますが、ほかにまだたくさんの早修方法がございますので、それらを活用して進めていくことになるだろうと理解いたしました。ただし、早修と形式的に言われている実践の効果を検証すると実に様々で、ピンキリというところです。つまり、教科書やドリルを勝手に先に進ませればよいというものでもなく、早修が効果を持つためには、先ほど申し上げました留意点にございます3つの要素を含む必要があるということになります。
特に3つ目の要素ですが、同程度の能力のある仲間と意気投合しての学習という点に関しまして、対象活動の中でも仲間を見つけられると、子供の社会的、人格的成長が非常に促進されること。さらにそのような場で仲間を見つけることができる可能性は高いと言われています。特異な才能のある子供たちは日常的に、年上あるいは大人を仲間として好む場合も珍しくないとされていますが、社会情緒面の発達を視野に入れると、発達のできるだけ早い時期に同年齢の仲間と出会えることが重要でもあり、通常の教育課程内で孤立しがちな子供たちが、対象活動の中でそのような機会を得られる場としてこの対象活動が機能するということが期待されます。
これらの知見は、資料中に対象活動で想定される教育活動例がございますが、これらの例以外に特に低学年の子供にとってどのような活動が該当するかということを考える際の原則となるかと思います。同時に入試対策を助長しないようにするための運用の原則として位置付けることもできるかと思います。また、対象活動を実施するほうが効果的であると総合的に判断できるかどうかの観点としまして、学級での他の児童生徒や教師との関係構築の観点から効果的かどうかとございますが、対象活動内での仲間との関係構築が実現すると、当該児童生徒の自信を高め、学級での関係構築にポジティブな影響を与えると期待できます。
次に2点目、成功・功績ではなく、自己実現、全人的発達を支援するという点についてです。何らかの功績を上げること、それ自体は決して有害ではないのですが、とかく才能のある子供と向き合いますと、成果を何よりも目指したくなってしまうということがよく起こります。それらは子供たちの自己実現や全人的発達の結果ついてくるときもあれば、そうでないときもある。あるいは、自己実現のためのステップの一つとしてあってもよい、必要なもの程度のものとする構えが重要かと思います。
例えば、その子が対象活動を受けるに値するかについて、あるいは対象活動の効果についての有力な判断材料として功績を位置付けるなどは、適していないと思っております。というのも、諸外国では優秀な、つまり高い功績を挙げる可能性の高い子供がギフティッドプログラムに推薦されてしまうために、授業の内容やペースがその子に合っていないことで困難を経験している子供がそのようなプログラムに推薦されず、引き続きその子に適さない教育環境にさらされ続け、問題が深刻化するという悪循環が解消されないという実態があるためです。また、ギフティッドと言われる子供においても、社会的にあまりにも高過ぎる期待を課せられることが彼らのバーンアウトの主要予測因子であるということも示されています。
本ワーキングでは、自己実現を大きく阻害するものが学校生活上の困難とそれに伴うネガティブな自己評価であり、その部分の解消を目指しているとも理解できるかと思います。有識者会議の段階からまた本日に至るまで困難の軽減解消が重視されているということは、先ほどの諸外国での課題を糧とした方向性だと理解しております。
続きまして3点目の、まずは最も必要としている子供に対象活動を届ける、についてです。これはどちらかといいますと、今後の検討課題にございます対象児の検討に関わることかと思いますが、本日の議論とも切り離せない留意点だとも思いましたので、ここで共有させていただきます。
通常の教育課程では自己実現が非常に困難である可能性が最も高い子供の一例としまして、ハイリー、さらにはエクセプショナリー、あるいはプロファウンドリー、ギフティッドと言われる子供たちがいます。このような子供たちは、諸外国においても、学校教育、さらにはギフティッド児向けの学校教育でのカリキュラムよりもさらに速いペースでの、高度な学習を必要とする子供たちであることがほとんどです。この点がマイルドリー、モデレイトリーと言われるギフティッド児と大きく異なる特徴です。
このハイリー・ギフティッド児の割合は一般に1,000から1万人に1人と言われています。この割合だけを見ますとほとんど対象者がいないという印象を受けそうなんですけれども、日本の小中学生が900万人といたしますと、900から9,000人の子供たち、幅がありますけれども、9,000人の子供たちが該当すると想定しますとかなりの子供たちがこのようなニーズを持っていると考えることができます。
ちなみにマイルドリー・ギフティッドと言われる子供たちは6から10人に1人程度の割合とされておりまして、諸外国においてもプロジェクトベースドラーニングといった探究的なグループワークなど、通常の教育課程内での対応可能性が示唆されております。また、モデレイトリー・ギフティッドと言われる子供たちは、標準とは異なる発達上のニーズが明確になるとされている子供たちです。飛び級などの対象となるのもこの範囲の子供たちからです。ただし、ギフティッドの研修を受けた教師による学習指導が可能で、学校という場での対応の工夫の範囲にはあると理解することができます。
論点と方向性への適用といいますか、そことの関わりということになるかと思いますが、一言で特異な才能のある児童生徒といいましても、その程度の観点からだけでも分散が非常に大きく、多様なニーズが想定されます。本日の資料にございます、制度創設当初は多数の学校での編成を想定していないということは、才能の分野だけでなく、その程度によってもニーズが大きく異なる子供が混在する中で、特別の教育課程がないと困難を抱える可能性が最も高い子供への対応からのスタートを想定していると理解いたしました。
これは、個人的な経験的感触も合わせてのことなのですが、例えばマイルドリー・ギフティッド児というのは、通常の教育課程内で特に総合的な学習の時間等の充実等により対応できるのではないかと考えております。
モデレイトリー・ギフティッド児ですと対象活動の必要性に大きく差が出るところだと思っております。また、公教育でどこまで求めるべきか、例えば学校で楽しく過ごせるようになるところまでを求めるのか、それとも才能をもっともっと伸ばすべきだとするのかなどのスタンスによっても対応の在り方が異なります。もちろんこのカテゴリーに該当する子供たち全てが困難を経験するわけではないのですが、諸外国の研究においては飛び級や個別化が推奨される対象となり、恐らくここが学校での困難が顕著に表れる子供として、その数が最も多いところだと想像しております。学校やケースによっては、新たに取り入れられようとしている通常の教育課程の柔軟化のシステムをフルに活用すると、少なくとも現在の制度下よりはニーズに応じやすくなるという感触でおります。同時に、ただ高度な教育環境を与えればよいというわけでもなく、通常の教育課程の中でギフティッドと言われるような子供に広く見られる社会情緒的な特性の理解や、ニーズの把握ができているかどうかが、困難の解消や事態の改善に大きく影響を及ぼします。対象活動の適用も選択肢の一つとしつつの、柔軟な対応が求められると考えております。
最後に4点目、「子供のほうが先生より物知り」「授業に退屈していること」が即、「特別の教育課程を必要とする」に結びつくわけではないという点です。諸外国における優秀なギフティッド、タレントティッドクラスと言われるクラスの先生の特徴といたしまして、幾つか明らかにされているものがありますが、その中に生徒と一緒に新たな発見を楽しみ、子供のほうが物知りであってもおびえない。休み時間の児童生徒の会話に心底感心しながら聞いているという特徴がございます。もちろん的確なタイミングで的確な発問や問いかけができることなど、教師側の日々の実践力向上が必須であることは確かではありますが、特異な才能のある子供のほうが物知りという状況はむしろ日常茶飯事で、それに対して教師たるもの知識で劣っていては務まらないという構えは、必ずしも適切ではないことが分かります。日本での総合的な学習の時間における教師の構えに近く、共に新たな発見を楽しむ姿勢が非常に重要になってくるかと思います。
海外では学業での退屈が子供に与える影響の検証も進んでおりまして、意欲減退、抑うつ、ドロップアウト等、ネガティブな結果と関連することが示されています。ギフティッド児の高校ドロップアウト率が20%という結果もございます。授業中も含めた学業全般の退屈、あるいは教科別では算数、数学や国語、外国語といった言語に関する教科での退屈の影響が主として検証されています。ただ、何らかの教科で退屈を経験したことのある児童生徒は98%にも上ることを示した研究もございますので、退屈している子供全てに対象活動をというものでもないと位置付けられるかと思います。
1階部分の充実と変革は、言ってみれば世界的な課題でもあります。その中で特異な才能のある児童生徒に対する通常の教育課程での指導の工夫や柔軟化等を含め、多様かつ多層的な教育活動による支援について具体的にどうすればよいのかの情報提供をしていくことが、やはり必須だろうと思います。そうすることで、限定的なところからスタートさせるという対象活動の位置付けがクリアに広がっていくだろうと思いました。
以上、留意点の中から4点、共有させていただきました。引用文献、最後に掲載いたしました。ありがとうございました。
【隅田主査】 どうもありがとうございました。
それでは、本日、少し時間がありますので、最初に主査の私から少しコメントをした後に、各委員の先生にコメント、質問等をお願いしたいと思います。
まず、重要な今回、提案がありました。まず事務局資料につきまして私が、2点、評価したいと感じた点を申し上げたいと思います。第1は、大学、研究機関、社会教育施設など、学校外の教育機関との連携、学びを教育課程上の制度として正式に高いレベルの学びを位置付けようとしている点です。たとえ初期段階では対象となる事例が限定されているとしても、制度的枠組みがこうして整備されることにより、今後、対象児童生徒の範囲や学習内容、方法が段階的に拡張されて、社会全体として教育支援のネットワークへと発展し得る、非常に重要な提案だと評価いたしました。
2点目は、通常の教育課程から特別の教育課程へという、2段階の教育枠組みが提案された点です。特別の教育課程の位置付けを考える際に、まず通常の教育課程の中でどの程度まで支援が可能であるかを検討し、それでも十分な支援が困難な児童生徒を特別の教育課程の対象とするという基本的方針が示されました。これは、対象となる児童生徒に対するラベリングに関わる誤解であるとか、特別扱いであることによる分断の助長といった懸念を抑え、包摂的で安定した制度運用を可能にするという点で、極めて妥当な方向性だと考えました。
それでは、角谷委員の御発表について、本日の御発表どうもありがとうございました。第1回の委員会資料に照らしますと、ギフティッドチャイルドのパラダイムで部分的な早修を特に中心とした内容であったと理解しております。現在、私たちが議論しているのは、個々のケースへの支援のみならず、教育制度そのもののデザインである点を踏まえますと、改めて今回思ったのは、今後は学級生活上の困難の改善というのが今日出まして、それは賛同するところですが、やはり全国で今文部科学省が議論することの意義として、地域格差でありますとか経験格差の解消という点からもこういう制度をつくっていくこと、それが果たし得る役割とか意義とかが明確になっていき、それが示されることが重要かと思いました。どうもありがとうございました。
それでは、もうお待ちになっているかもしれません。質疑応答、意見交換の時間に進みたいと思います。御質問、御意見のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきます。御発言は5分程度でおまとめいただけるとありがたいです。本日、坂本委員と伊藤委員におかれましては早退の御予定と伺っておりますので、坂本委員、伊藤委員の順に、先に御意見等を伺えればと思っております。では、坂本委員、お願いいたします。
【坂本委員】 ありがとうございます。よろしくお願いします。まず、角谷委員、本当に大変分かりやすくまとめていただいて、私もすごく考えを整理することができたと感じているところです。特に対象活動において仲間づくりの重要さの部分、すごくそのとおりだと感じました。こういった子供たちは学校生活の中で孤立しがちなのかなと考えていて、そういった困難さを抱える中で自己肯定感が下がってしまっているような子供たちが多いのかと思っています。
私の関わっている例えばかまくらULTLAプログラム、不登校の子供たちが集まる探究学習プログラムですけれども、ここではもう各学校で不登校になっているような子供たちが、たった2日間、3日間のプログラムなんですけれども、そこで同じような境遇であったり、あとは波長が合うといいますか、同じような個性・特性を持ったような子が集まるので、そこですごく仲間意識ができて、仲間と共に活動することで自信を持つ姿があったり、あとは不登校特例校、学びの多様化学校の由比ガ浜中学校でも、今までずっと不登校だった子たちが同じような境遇、同じような個性・特性を持った子が集まって、そこで初めて仲間と共に過ごす、仲間と共に何かを成し遂げていくという、そういった活動、経験ができてうれしいというような声も、私のところにも届いているところです。ぜひ、対象活動を定義していく中で、仲間づくりが行われていくように何かできるといいなというのを感じたところです。
本日の資料に関しまして3点、私から意見を述べさせていただきます。まず、相当教科の考え方についてです。今回パターンとしてA、B、Cというふうにまとめていただいていて、読み解くと結局どの教科を相当教科として定義しても問題ないというようなことになるのかと思っているんですけど、ぜひこの相当教科の考え方については柔らかい仕組みにできるといいと思っています。
相当教科の基本的な考え方ですと、例えば理科に特異な才能がある場合は、理科の授業は履修しなくても資質・能力を身につけることができるだろうから、相当教科として理科は授業を受けなくてもいいですよというようなことになると思うんですけども、理科にすごく才能があるので理科の授業は退屈だというパターンももちろんあるとは思うんですが、逆に理科の授業は得意だから興味関心もあるし、得意だし活躍できるから理科の授業は出たい。でも、例えば興味関心が偏っているのでほかの教科がもう受ける気にならないとか、あとは例えばコミュニケーションが苦手だからもう英語は出たくないとか、運動が苦手だから体育は出たくないとか、そういった困難さで不登校のようになったりというような、こんなケースもたくさんあるかと思っています。
そうなったとき、もちろんほかの教科もちゃんと受けるというのが理想ではあるんですけれども、今回の制度、子供たちの困難を解消して自分らしく学ぶということを支援するという意味では、この相当教科の考え方については柔軟な仕組みにできるといいのかなと思っているのと、あと学校側の運用面としても、例えば教科をきちんと確定した状態で何かをしないといけないような場合、例えば毎週何曜日の何時間目に相当教科に当たる授業があるからここで対象活動をしなければいけないというような縛りがあると運用が難しいのかなとか、あとは特別な教育課程を実施するに当たって詳細な授業時数を計算しなければいけなかったりとか、対象活動のこの活動があるからこの資質・能力のこの部分を補いますよ、みたいな、そういった詳細な実施計画をつくらなければいけないというようなことになってくると、学校におけるハードルはかなり上がってしまうのかというのを感じているところです。
あとはこのA、B、Cの中を見ても、特定が難しい場合は取りあえず総合でというような読み取りができてしまうのかと思うんですけれども、ここも角谷委員の御発表にあったように、こういった子供たちは探究学習であれば生き生きと学べるというような部分もあるかと思うので、総合学習を安易に相当教科として位置付けるというのも気をつけなければならないのかと感じたところです。
続いて対象活動の部分で、大学に行ったりとか、あとは実際に講師に在籍校に来てもらったりというようなことも想定されていまして、そういったことが可能であればすごくいいとは思うんですけれども、実際にこれをやろうとするとかなりハードルが高いのではないかと感じています。かなり地域差も出てくるだろうし、実際このやり方だとそれを享受できる子供たちというのはかなり限られてくると思っているので、ここはオンラインをいかに活用していくのかというのが重要になってくると思っています。オンラインの授業も、この時間に合わせてオンライン授業を大学の先生に実施してもらうとかになってくるとハードルが同じように高いと思っているので、なるべく通常の教育課程、時間割の中で実施できるようなパッケージ化をしたり、あとはオンデマンド型やっていくというのが大事なのかと思っています。
例えばある分野の高校・大学レベルの授業をオンデマンドで、ビデオでパッケージ化しておくであったりとか、あとは例えば大学とか研究機関、民間がプログラムとかを実施するに当たって、例えばロボットコンテストであったりプログラミングコンテストであったり、科学実験コンテストであったり、例えばその内容に関する1コマ40分程度のオンデマンドのビデオ、40分だったら一つの授業単位でいつでも見ることができると思うので、そういったものを何授業分か用意しておいて、それを見てインプットの時間として充てて、あとの残りの時間、アウトプットの時間としてコンテストとかに関するレポートをつくったり、アプリを開発したりとか、何らかの成果物をつくったりとかいう形でパッケージ化することで、年間の授業の教育課程の中で実施していくことも可能になると感じました。
ただ、オンラインで実施する中でも、対面で実施する場面というのもぜひ、先ほどの仲間づくりの意味も含めて、例えば夏休み、冬休みにどこかに集まってコンテストをやるとか、そういうのもできるといいと思っています。これは次から、場所の議論にもなってくるかと思うんですけれども、そういった対面で集まるときの受皿として、自治体単位等いろいろあると思うんですけれども、例えばスーパーサイエンスハイスクール、SSHだったらもう全国に200以上ありますので、この辺りがうまく受皿になり得ないかというのも、少し印象として持ったところです。
あとは、この対象活動にいかに子供たちを繋げていくかというところもかなり大きい問題になるかと思うので、先ほど伊藤委員から御発表いただいたような、京都府で今実証としてやっておられるような相談支援体制というのを全国規模で拡充していくことであったり、全国全て賄うのが難しければここもオンラインの仕組みも取り入れたりというようにしていく必要があると感じています。いずれにせよ、出だしに関してはかなり国がかじ取りをして行っていかないと、仕組みだけつくって各自治体お願いしますというのはかなり難しいとは感じています。
最後に、その他のところに運用の手引きの記述があります。これもぜひ柔らかいものにしていただきたいと思っています。外注してでもデザイン性の高いものというか、読みやすいものにして、それを手に取るハードルも下げていただきたいというのと、あとは手引きだけではなく簡単なリーフレットのようなものを用意して、まずはこういったことが原因で困っている子供たちがいるんだということを周知するというだけでも意義があることだと思いますし、特別な教育課程を実施するに当たってではなくて、1階の部分でいかに子供たちを包摂することができるかというようなことを学校や保護者、子供たち自身にも周知できるようなリーフレットのようなものがあるといいと感じました。まず今回、新たな仕組みをつくろうとしているところなので、そういった周知活動というのもかなり肝になってくると思いました。
長くなってしまいました。以上です。ありがとうございました。
【隅田主査】 どうもありがとうございました。やはり仲間づくりというのがその子の支えになるというところから始まりまして、相当教科に関しては柔軟性を設けてほしいということ、それと運用も自由度が高くないと難しいのではないか、対象活動に関しても、現実的に実現できるという点でいくとICT、バーチャルとリアルを組み合せながらやることになるんだろうということ。それと運用の手引きシンプルなリーフレットも含めまして、まずはみんなが手に取ってみたいと思ってくれるような、理解増進を進める必要があるという御提案だったかと思います。
ありがとうございました。
それでは、伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】 ありがとうございました。まず私も、先ほど坂本委員からもありましたけれども、仲間のところはすごく大事だと思っているということをお話ししておきたいと思います。あくまで感覚的なもので恐縮ではありますけれども、大学生ぐらいの年齢の学生がメンターに付くとうまくいくというケースが非常に多いと思っています。ただ、そういうリソースがある地域とない地域は圧倒的に格差が大きいので、どうしたらいいのかというところは思うところです。
まず事務局資料からですけれども、ついに中身に入ってきたという印象を、私も持っているところです。私、何でもかんでも制限不要だとは思っていない人間なんですけれども、子供たちのニーズはいろいろありますので、資料にもありましたけれども、多様かつ多層な支援の実現が可能になるようなシステムというものを構築していくことが求められると思います。
今日、角谷委員から海外の事例も御発表ありましたけれども、私自身もずっとイギリスの研究をさせていただいていて、イギリスは取り組んでいたギフティッドプログラムがどちらかというと格差拡大になってしまったということで、大きく方向転換しているという事例もございます。ただ、だからといってこれをやるべきではないというふうには全然思っていなくて、これまで提示されてきた、今回資料で提示いただいたような活動に参加できるか否かというのは、正直言うと今までは家庭任せというか家庭の資本に依存してしまうことが大きくあったのではないかと思うんです。それが今回議論を進めていく中で教育課程として位置付けられることによって、教育におけるエクイティ、今回包摂性という言葉で置き換えられていますけれども、この向上に繋がると感じているところで、そこは大いに期待したいと思っているところです。
場所の議論はまた後日ということなので、あくまでこれはコメント等もいただかなくても大丈夫なんですけれども、ただ同時にというところで私がどうしても気になることだけお話しさせていただくと、子供たちの様子を見ていると、学校外での教育活動が教育課程に位置付けられるというのは非常に魅力的なことだと思うんです。ただ他方で、教職課程等の履修を必要とする教員免許を持っている人間以外が担う部分があるということのリスクを、やはり私たちは考えないといけないということは、特に教育大に勤めている人間としては思うところです。
たまたま本日、私の所属する大学の附属学校園の公開研究会がございまして、午前中参加してきたんですけれども、先生方の有している、もはや言語化されていないところも含めてですけれども、本当にいろいろな専門性があって、それが子供たちの安心安全を担保しているということは確実にあると思うんです。なので、この安心安全の担保は考えないといけない、そこにはこども家庭庁で議論されているような日本版DBSの議論から始まり、またそのほかいろいろ子供を相手にするというときに留意しなければいけないところを、学校外だからといってそれが保障されないというのは大変なことになりかねませんので、まず子供たちの安心安全というところが担保されるという上でこういう制度設計があるんだ、そして必要なんだということを言っていきたいと思っているところです。
また、事務局資料の御質問にも繋がるかもしれないんですけれども、あくまで推測だと思うんですけれども、教育課程の位置付けについて、多数の学校で特別の教育課程が編成される想定はされていないということなんですけれども、きっと今この会議を御覧の方々の中には保護者の方であったり、児童生徒御本人、実際私、見ていましたという子供にも会ったことがあるんですけれども、からすると自分たちは対象に結局なるんだろうかというところが気になってしまうところだと思うんです。それが不安になるというところだと思うんです。きっとまず通常の教育システム、すなわち1階、2階構想の1階の充実というところが大事だということ。また、当然学校の先生方に教育委員会の皆さんにとってこれをやるのすごく大変だよねと思っていただく必要も私はないと思っていますし、そういうように思われないようにというところも含めて、今回このような表記をされているのかなと感じているところではありますし、私もそこはすごく賛成しているところなんです。
ただ他方で、私どもでやっている相談支援のところで、仮に1階の部分の充実というふうにしていくときも、何か本当に特別なことをやってくださいという足し算で何かやるというよりかは、この辺りはやめて行きませんかという引き算の発想でやることのほうが圧倒的に多くて、結果的に効率化とか負担の軽減に繋がるものまであるのかなと思っているところです。まさに過度な負担なくということも大事なんですけれども、先生方や教育委員会の方々にとってこの特別の教育課程が本当にスペシャルなものになってしまってやることが非常におっくうなものになってしまう、そんなことにはならないようにしていかないといけないと思っておりますということです。
続いて、対象活動の実施方法のところで中高の連携なども挙げられているんですけれども、これは多分私が今からお話しすることは特別な教育課程ではない気もするんですけれども、同一校種の横の連携の可能性も考えていいのではないかと思っております。というのも私、数年前から日本OECD共同研究というものに関わらせていただいているんですけれども、これは横の連携というものはもはや国内どころか国外までやるというようなものなんですけれども、地理的にどうしても満たすことの難しいニーズを有する子供たちが、本当にその場面で生き生きと学ぶようになるということはよく見てきました。
また、国内でも特に小規模校で、オンラインで活用して授業を共同実施するような事例があるということも聞いたことがありますけれども、これは例えば学校規模関係なしに実施したりとか、先ほど坂本委員からも少しありましたけれどもSSHであったりとかWWLであったりとか、そういう特徴のある学校の一部が開かれたりすることで満たされるニーズもあるのかと思ったというところ、ぜひ縦だけではなくて横というところは御検討いただいてもいいのかと思ったところでございます。
角谷委員の御発表の中で1点だけ、これはコメントだと思っていただければいいんですけれども、まずは最も支援を必要とする子供たちに着目するというところ、私は本当に同意するところで、これもまた今度の議論かと思います。この一例としてIQに基づくギフティッドの分類のような、ハイリーというのが出ていましたけれども、その話の中でよくあるのがIQの高低というもの、要はIQの数が学力とか学習する力とイコール関係ではないんですということは結構説明させていただくことが多い印象です。
今回、特別な教育課程で、あくまで学習上のところが結構強いと思うので、ここはIQ以外の側面というものも必要になってくるだろうなということを、今回の議論で思ったというところです。対象者の議論は一番最後だと思いますので、あくまで今回の資料のコメントということにさせていただければと思います。すみません、長くなりました。以上です。【隅田主査】 大変丁寧にありがとうございました。ほかの国で格差拡大に繋がって、方向転換した国もある中で、私も最初言いましたが、この機会、日本で議論がスタートした機会を逆に格差とかの解消に繋げること、そういう枠組みができれば我々としてとてもすばらしいと本当に思いますし、私も教育学部に勤めて教員研修パッケージをつくらせていただいた観点から、どういう方がこういう相手ができるのかとか、それは今日の事務局資料からもありましたが、今後の議論かと思います。
また、学校で現実的に実現できるのは何なのかというのもとても大事ですし、WWLとかの横の連携も一つ可能で、私も愛媛大の附属高校の校長をしていたときにWWLが採択されまして、あれは横の連携をつくらないといけないんですね。コンソーシアムをつくってやるようなことで、そういうのは出てくるかなと。子供が絞られたときに、どう繋げていくかといったときは、一つの学校とか地域に限らないことにはなるかとは思いました。
あとの観点の件、IQ以外も必要だろうなと、これは角谷先生、何かございますか。
【角谷主査代理】 そうですね。確かにそのとおりだと思っております。
【隅田主査】 これからの議論というか、これまでの委員会あるいは有識者会議の資料でも関連することはたくさん出ていますし、国内外の状況からいかに多面的かつ現実的に実現できるところ、そしてよりニーズがあるところにリーチできるかというのは、我々がこれから考えていって、議論が繋がっていくことかと思いますので、皆さん、引き続きどうかよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
では、栗山室長、お願いいたします。
【栗山教育課程企画室長】 御指名ありがとうございます。伊藤委員からお尋ねという形だったかと思いますので、少し補足をさせていただければと思うのですが、2ページ目のところで伊藤委員から御指摘あったのが、制度創設当初から多数の学校で特別な教育課程が編成される想定はしていないというところの趣旨かと認識いたしましたけれども、この議論を進める中で、例えば教育委員会、学校の関係者から、これは制度創設当初から全ての学校でこの制度を具体に実施しなければいけないんですかといったようなお尋ねをいただくこともございます。こうしたお問合せに対して、そういった趣旨のものではもちろんないんだと。あくまで編成・実施が可能なもので、必要とする子供たちに対してやっていく。そして今日の議論も含めてこの制度の趣旨からすれば、必ずしも当初から多くの子供たちに適用があるわけではないということを申し上げたもので、一定の数に制度的にキャップをはめるであるといった具体の制約を設けたいという趣旨での記載ではございません。
また、その上で制度設計上は過度な負担がないものにということ、これは論点整理からの前提ではございますけれども、一方で伊藤委員から御示唆があったように、私ども今回の次期学習指導要領の改訂におきましては3つの大きな検討の基盤となる方向性の1つとして「多様性の包摂」を挙げ、教育の包摂性に着目して全体の政策を考えているという現状がありますので、むしろこの特別の教育課程という仕組みが教育委員会や学校の皆様にとって、子供たちの困難を解決していくための言わば武器として、ツールとして使っていけるようにしていくことを当然志してこういった議論をしているものでありますので、実務上の負担は過度な負担なものがなく、しかしながら目の前にある子供たちの困難を解決する上で有力な手立てとなれば、結果として逆に負担が軽減されることもあるかと思います。
あと、通常の教育課程と組み合わせて、トータルでバランスのよいものにしていけるようにしていきたいというのが趣旨でございますので、念のため補足を申し上げます。また、横の連携についてはおっしゃるとおりでありまして、実務上、トライをされている学校と自治体をつないでいくといったことも当然、文部科学省としてしっかり検討していきたいと考えております。ありがとうございます。
【隅田主査】 栗山室長、どうもありがとうございました。伊藤委員、よろしいでしょうか。
【伊藤委員】 非常に心強い言葉だったと思います。ありがとうございます。
【隅田主査】 ありがとうございました。
それでは、ほかの委員の方で御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
五味委員、お願いいたします。
【五味委員】 お願いいたします。まず、事務局の資料を拝見させてもらって、長野県、特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業を進めているんですけれども、ここまで進めてきてみて、先生方が子供たちをよく見ているなということを改めて痛感しているんですけれども、先生はよく見ているということが子供とか保護者にも伝わっているから、この事業の説明とか参加がスムーズに進められているというような現状があるんですけれども、特別な教育課程での対象活動で想定される教育活動や実施方法を考えていく上では、こうした先生たちが子供たちをよく見ているという根本的な児童理解だとか生徒理解ということとか、1階に当たる通常の教育課程のところで学習指導の工夫などと連携していくということが、すごく重要だと感じているところです。
資料の中の3ページの2の対象活動の考え方のところで、3つの黒ポツの丸1、丸2いずれも満たす場合、対象活動の実施を可能とする方向のところの※印のところに、児童生徒本人、保護者の意向を丁寧に確認する必要があることに留意というところが書いてあるんですけれども、ここのところがすごく実は大事なところなのではないかと感じているところで、こういう表記があるのはとても大事なことだと思います。
運用の手引きを今後、作成していくという方向だと思うんですけれども、特別の教育課程における対象活動について示すことと同じぐらい児童生徒や保護者の意向の丁寧な確認だとか、通常の教育課程での学習指導の工夫等について具体的に記載していって、分かりやすいものにしていくということがとても大事なのではないかと日々事業を進めていく中でも今日のお話を聞く中でも感じたところですので、このようなところを考えていっていただけたらどうかと感じました。
角谷主査代理の資料のところで1点、今回議論するところとは違うところ、まだ向こう側の話になってしまうんですが、まずは最も必要としている子供に対象活動を届けるというところ、私もこれがすごく大切だと感じながらやっていて、この事業を進めていく上で教育委員会としての大きなモチベーションにもなっているわけなんですけれども、学校の先生方にこの事業をやろうというような話をしたときに、どうしても最も必要としている子供が特別支援学級の子供であったり、不登校傾向にある子供であったりという子供たちに目が向きやすいという印象を持っています。
ですので、通常の教育課程の中で学習をしている子供たちの中にも、こういった支援を必要としている子供たちがいるんだということが分かってもらえるような、先ほども述べた運用の手引きの記載のところを工夫していくことが大事なのではないかと感じたところです。短いですが、以上です。
【隅田主査】 どうもありがとうございました。まず、先生はよく見ていると、これは今日の事務局からの資料でもありましたが、学校での日常の見取りと検査となっていましたよね。先生が子供の行動を見てくれているかというのは、非常に根拠性が高いと私も思っています。これは重要な点です。だからこそ学校の先生もこういうのを理解して、関わっていただけるような制度設計とか説明を繰り返していくことが大事だと改めて思いました。
あと、2点目の学校と学校外の連携、これも、私も資料を出しましたが、そこをスムーズにしたいわけですよね。どちらでも行き来できるようなこととか、あと学校と家庭と社会が同じ方向を向くための目標というか目印、指針を出すことが大事で、本人と保護者にとって、学校だけではなくてもちろん本人、保護者にとって納得がいくとかやってよかったと思われる形にしたいのはもちろんですよね。
3点目の最も必要といったときに、特別支援に関わる児童生徒、不登校の児童生徒に関わることもありますが、通常の学級にもいますよということ、これは角谷先生の今日の御発表の中にあったのではないかと思います。もちろんだからといって通常の学級の子だけではなくて、これも栗山室長の資料の中にもあったんですが、例えば不登校に関わるワーキングでの議論とも重なる部分もありますし、才能と困難を併せ有する子のケースもございます。
ですから我々、あまり矮小化するよりは、むしろそういう子も含めて全部、特別な才能のある子の議論に含めたいじゃないかとは、私は思っているところです。その上で、まずは最もこういうニーズが高い子供、そして現実的に実現できるところ、そして学校、そして家庭、社会がある程度同じところを向く、現実的に実現できるところをこれから本当にみんなで考えていくと。あまり時間の猶予はないのかもしれませんが、頑張っていきたいと思うところでございます。
角谷委員、栗山室長、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
【角谷主査代理】 特別支援学級、不登校の子供のニーズがまず上がってくるというところに関しまして、確かにそのとおり、通常学級に適応しているように見えている子供の中にもいるだろうというお話は、確かにそうだと思いました。少し観点を変えて、もちろんニーズが高そうだと先生たちが捉えるのは特別支援の学級の子だったり、不登校の子だったりというんですが、そこを見る目としてこの対象活動に関わる部分としましては、対象活動を実施することでその困難が軽減、あるいは解消するかというところです。別の原因でそういう特別支援学級、あるいは不登校というところに位置づく子供たちもいますので、その辺りの先生の見取りというんですかね、大事だと思いました。解消、軽減されるかというところだと思います。
【隅田主査】 ありがとうございます。細かい議論でいきますと、最も必要、最もはどうするのか、必要は何なのかとか、やる前にやって効果があるかどうかって分かるのかとか、いろいろあるかもしれませんが、我々はまずある程度範囲を、周辺を明確にしつつも、できるかどうかを考えていく必要がございますので、対象の子供の議論はまたもう少し後で継続できればと思います。
ありがとうございました。五味委員、よろしいでしょうか。
【五味委員】 きれいに整理していただいて、ありがとうございます。
【隅田主査】 それでは、ほかの委員、いかがでしょうか。あとお2人かと。
【大島委員】 よろしいですか。
【隅田主査】 大島委員、よろしくお願いいたします。
【大島委員】 私、大島からよろしいでしょうか。本日、資料1として論点と方向性を整理していただきまして、ありがとうございます。4つに分かれて特別の教育課程の位置付け、そして2番目として対象活動、これは仮称ですけれども、考え方、で3番目として対象活動を実施する教育活動、4番目として対象活動の実施方法、こういうことを具体的にまとめていただきまして、非常によく分かりました。最後に図式化していただくことによって、この位置付けというのもさらに明確になったと思っております。
また、角谷先生も非常に実際の事柄としてどういうことを留意したらいいかというのが、なかなか大学にいる者としては分かりにくいところもあったんですけれども、非常によく分かりました。ありがとうございました。その上で2点ほど、もし可能であればコメント及び、質問も含めてあるかもしれないんですけれども、述べさせていただけたらと思っております。
ちょうど今、5番目が出てきているんですけれども、私たち東京大学としてはSTELLAということで、小学校の5年、6年から高校の生徒たちを、特に理数科に特化した優れた、あとやる気のある生徒さんというのを見ているところなんですけれども、それを見て感じるところは、比較的、小学校、中学校の場合にはピュアに、角谷先生がおっしゃっていた割と自己実現であったり、全人的な発達、本当に自分が興味を持ってそれを追求したいと、そういう思いが非常に大きく、その興味によって、だから例えば東大のプログラムにきているというところがあるんです。
ただ、高校になってくると大学との距離も近くなってきますし、あと大学の入試というのがもう目の前に来ているというところもありますので、成功・功績、こっちが結構大きくなってくるのかと思っています。そうなると、何が言いたいのかというと、初等中等教育での小学校、中学校と高校によって、対象活動の位置付けというのは変わってくるのではないかと思っております。なので、これから特に3番目であったり4番目の教育活動とか実施方法というのが具体的に整理されてくるのかと思いますけれども、ここで具体的にどういう形で運営していくかというのが、例えば大学側でもある程度明確になってくると非常にありがたいと思っています。それが1点目です。
2点目は、連携というのが本当に大事になってくるのではないかと思っています。それは、高校であったりとか、あとは教育委員会、そして場合によっては家庭との連携、その連携というのがある程度の意思疎通をしていかないと、先ほど仲間づくりであったりとか子供に対してそこがかえって不利益にならなかったりとか、そういうことを考えていく上ではなかなか、そこのピースが一つでも欠けると難しいということを感じたりしております。
連携って言葉で言うのは非常に簡単なんですけれども、そういう意思疎通であったりとか情報をどうやって共有していくのかとか、そういうのを具体的にやっていくとなると、そういう負担であったりとかも含めて、どうやっていくかというのは割ときちんと設計していかないと難しいのかと思っています。それに対して、では具体的にどういうことをしたらいいかというのが少しまだ分からないんですけれども、そういうところを一緒に考えていけるといいと思っています。
その点で角谷先生に御質問というかコメントにもなるかと思うんですけれども、角谷先生が示していただいたところは非常に重要だと思っています。一方で先ほど、大学ってどうしても高等教育なので、初等中等教育で例えば学習指導要領が何なのかというのも分からない先生というのがたくさんいるんです。なので、そういう中で具体的に、例えば本当に5ページに示されているような、対象活動としてこれから積極的に大学であったりとか民間で受け入れていくとなったときに、ある程度知らないとうまくいかないところもあると思うんです、いわゆる受入先として。
でも一方で、どこまで知ったらいいのかというのも難しいところなのかと思っていて、そういう具体的な学校現場以外の受入れの、学習する、実施する、教育活動で受け入れる場の人たちは今後どこまでこういうことを理解しておく必要があるのかということで、何かお考えがあれば教えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。私からは以上です。
【隅田主査】 ありがとうございました。1点目は学校段階とか年齢層によってかなり差があるだろうと。これは第1回の委員会で私も出しましたが、アメリカであっても小学校低学年とか、あと中学校、あるいは高校段階で主に採用されている方策も違うんですよね。そういう中で今回お示しいただいたのは、最初に戻りますが、早修の、部分的早修が中心だったんですけれども、ほかにも拡充もありますし、ディファレンシエーションも当然ありますし、多様なことがある中でもっとバラエティーを持って我々はこれから検討する、その中の一つだというのは間違いないかとは思います。御指摘のとおり高校生が大学に行くのと、小学校1年生で学校で学ぶ漢字を全部知っている子にどうするのかというのは、かなり違うという気がいたします。
2点目の連携につきましては相談窓口、最初に伊藤委員が紹介してくださったような大学の窓口ができていたりとか、愛媛大学も全国窓口をつくっていますし、才能教育センターもつくったりとか、こういうところがモデルとなりながら繋げる仕組み、もちろん大島先生のところも次世代育成オフィスがございますので、そういうところも先駆的なことをされている可能性もございます。そういう知見を集めながら考えていくんだろうなと思いながら聞かせていただきました。
あと、STELLAですね。私が言うのはあれですが、JSTの次世代科学技術チャレンジプログラムということで、Science and technology challenge program for next generationの略となっておりまして、東京大学は小中高型で採択されていると思います。そういうことを踏まえて、外部でやるときにどれくらい素養が必要なのかと考えたときに、何か角谷先生、御意見ございますかという質問だったと思います。いかがでしょうか。
【大島委員】 そうです。ありがとうございます。
【角谷主査代理】 ありがとうございます。受け入れてくださる側の負担感とかは少し置いておきますと、もちろん子供の全体的な発達の基本的なところは知っておいていただくといいかという気はいたします。どのぐらい負担かというのは別として。それだけではなくて、学習指導要領がどうのというよりは、私の立場からですとむしろこういった子供たちに広く見られる認知的・社会情緒的特性にどんなものがあるのかという辺りを知っておいていただくと、例えば今は黙っておくほうがいいのねとか、そういうささいなやり取りの中で大きな効果の違いが出てくると思いますので、そういった特性を知っておいていただくのが、そこは必須かという気はしております。ほかにもまだあるかもしれませんが、まず思いついたのはそんなところです。
【大島委員】 そうですね。なので、恐らく最低限押さえておくべきポイントって多分あると思うんですよね。なので、そういうところはある程度共通認識として持っていたほうが、例えば受け入れる教育の場、ここで言っている対象活動で実施する教育活動とか実施方法を、さらに円滑に進めるためには大事なのかと思って聞いておりました。ありがとうございました。
【隅田主査】 ありがとうございます。それに関わると、愛媛大学は才能教育論という授業を開講しておりまして、諸外国の状況、子供の特徴とか、あとカリキュラムのつくり方とか、方法、評価、そしてあと2Eに関わる子供とか、保護者対応のこととか、あと現代課題で格差の問題とか、そういうのも踏まえた上で実際にカリキュラムをつくって、授業に含めています。その経験もあって、令和5年、6年と研修パッケージをつくらせていただきました。十分ではないんですけれども、いい経験になりました。また、御批判いただければと思います。ありがとうございます。
【大島委員】 ありがとうございます。
【隅田主査】 それでは石川先生、お願いしてよろしいでしょうか。
【石川委員】 石川です。失礼します。まず、事務局資料についてですけれども、今回の論点について示された大枠に賛同いたします。例えば対象活動の教科等についてですけれども、現時点において教育委員会とか学校、現場が実施可否について過度な負担なく合理的に判断できるものとしては、まずは算数・数学や理科等の教科等が思い浮かびますし、この分野については今、大島先生からSTELLAの話が出ましたけれども、STELLAをはじめ様々な学校外での活動の受皿も一定程度存在するからです。
そして、角谷主査代理の御発表の中にもありました、学業において退屈を感じる教科の代表的なものの一つが算数・数学ということもありますから、算数・数学や理科等の教科等に係る活動をまず手始めに対象としてみようという点は理にかなっていますし、実現可能かつ持続可能な仕組みを創出するという観点からも妥当であると思います。
ただし、前回報告させていただきました韓国の例を見ても分かりますとおり、スタート時点の活動の内容というのは、その後の才能に対応する教育のイメージに大きな影響を与えますので、我が国では、例えば才能教育というのは理数系分野の教育なのだとか、あるいは今回の特別の教育課程の特定分野というのはイコール理数系分野なのだとかいったような誤解を与えないよう、きっちりと事務局資料にも示されておりますけれども、今後とも対象活動については十分かつ丁寧な説明を度々重ねていくということが必要になってくるかと思われます。
また、大島委員の御発言とも関わってくるのですけれども、事務局資料の中でも何度も示されております入試対策を助長しない運用とするというのは、強調しても強調し過ぎることはない重要な点かと思います。また韓国の話になってしまいますが、韓国では前回お話ししましたとおり才能教育制度が入試対策に利用されて、それを防ぐためにその都度細かく規定を変更していくということが繰り返されてきました。こうしたことが才能教育に対する社会や国民の誤解を生み出し、また才能教育の信頼性を損ねてきたこと、これは事実であります。
我が国がその轍を踏まないようにするためには、入試対策を助長しない運用とするということを最初から大原則として打ち出し、運用の手引き等にもそのことに留意した内容を記載することが大切ではないかと思います。その際に特に必要になってくるのは、まず教育委員会や学校といった現場に判断の裁量を与えることだと思います。そして、次に現場の判断を支える包括的な基準、例えば入試対策を助長しない運用とするといったようなことを、国が明確に示しておくことだと思います。
少し後ろ向きな想定に基づいた例になってしまいますが、例えば2階建て部分について実施してほしいという子供や保護者の意向があるのだけれども、このケースはどうしても入試対策を助長してしまう危険性があるとか、あるいはこのケースはほかの子供や教師との関係構築にむしろマイナスになってしまうと現場が判断できる場合に、きっちりと現場が、子供とか保護者、あるいは地域社会に対して、こういった国の大原則があるので、このケースについては、2階建て部分については実施できませんというような根拠を、国が現場に示してあげることが必要になってくるかと思います。
韓国のケースを見ても、幾ら一律に公平で公正な制度をつくろうとして国が規定や運用指針を細かく改訂していっても、新たな抜け道が必ず探し出されてしまいます。結局、いたちごっこになってしまうといった状況が、やはりあります。むしろ規定が細かく具体的であればあるほど、本来の趣旨とは違うように制度を利用しようという意図があった場合、抜け道を見つけやすい部分もございます。我が国がこういったことを避けるためには、国が現場を信頼して現場に判断の裁量を与えて、これを支える原則とか、あるいは包括的な基準といったものをはじめから明確に打ち出していくことが重要だと感じました。
続きまして、角谷委員の御発表についてです。留意点が4つ示されていましたけれども、4つともに共感いたします。まず1つ目の留意点、特に今回の論点に関わってくるような内容としては1、2だと思いますけれども、適切な速いペースでやりがいのある課題に取り組むことを可能とするような制度の実現を目指していくというのは、非常に大切なことだと思います。角谷委員からは、その一つの方法として早修が示されておりましたけれども、事務局資料でもありましたとおり、我が国には早修を含めて、そのほかにも様々な適切なペースでやりがいのある課題を実現するための学習方法というものがあります。したがって、どういった方法があり得るのかというものを包括的に考えていくということが、これからのワーキングの目標になってくるかと思います。
またその場合に、今後の議論になると思いますけれども、様々な方法、たとえば早修であったりとか、あるいは学校外の学びの場を提供するという場合にも、角谷委員が示された、同程度の能力がある仲間との意気投合しての、いわゆる協働的な学びというものを目指していくんだということは大事な点だと思います。教育課程にもとづく学びは、学校内はもちろんのこと学校外であっても、野放しにするのではなくてそこに協働性というものを求めていく、このことが結局は子供のよりよき学びに結びつくと思いました。
もう一つだけ、2つ目の留意点の成功・功績ではなく自己実現、全人的発達を支援するというのも非常に重要だと思います。この留意点の適用としては、先ほどから私が申し上げている入試対策を助長しない運用とするという点にも関わってくるのではないかと考えました。成功・功績というものを支援の目的にした場合、どうしてもその成功の意味するところが、例えばいい大学に行くといったものになってくると思うのです。そういったことを目的としてしまうと、運用がねじまげられて、入試対策を助長するように活用されてしまうケースが出てくる危険性があります。したがいまして、自己実現、全人的発達を支援するために行う特別の教育課程なのだから、入試対策を助長しない運用とするのが妥当なのだということを国がきっちりと示していく、こういったことが大切になってくると感じました。以上です。
【隅田主査】 石川委員、貴重な御意見、事務局資料と角谷委員の両方にいただきまして、ありがとうございました。事務局資料につきまして、分野のことが少し出ましたが、これもまずは本当にどんどんたくさんの教科とか学校種からこれをやってみたいという提案が来るのが理想であると思いますし、排除しているわけでは全くなくて、まず少し先行事例がありそうなところの例があったのではないかと思いますが、こちらも後から補足があったら栗山室長からしていただくことにして、あと現場に裁量を与えるというのは、まさにそれは現場の学校だけではなくて子供に裁量を与えるというか、自由な部分を与えることこそがある意味、才能のある子への支援というか、教育の一丁目一番地ではないかと思うんですよね。そういう点は重要なポイントだと。
ガイドラインをつくることは、これも繰り返し出ていて、不健康に急かされるというか、そういうことがないように、我々が気をつけないといけないことだろうと思いました。
あと、角谷委員への質問で、1つ目の子供にとって、児童生徒にとってやりがいのあることというのはいろいろな方法があるので、今日出た以外にももちろんたくさんあって、それを包括的に議論する必要があるというのは非常に重要なポイントだと思いました。
2点目の同じ能力がある子供で楽しいというのもあるんですが、それだけやっていますと多分麻痺してきて、さらに小さい差に過敏になっていく可能性があるんですよね。そういう意味では通常の学級でも包摂的に協力できる関係をつくっていくと。特に得意な子がいることによってクラスとか学校が共進化のように発展するようなことは十分あり得ますから、そういうのも含めてみんなで育てるというか、一人一人の強みを育みながら社会全体として、個性が輝くような協働的な学びができればと思いますよね。
3点目の成功・功績ではなくて自己実現、全人的発達というのは、これは繰り返すべきだという。これは角谷委員のスライドにあったとおりだと思いました。
それでは、栗山室長、角谷委員、補足ありましたらお願いいたします。では、角谷委員。
【角谷主査代理】 補足は特にないのですが、発表について意義を増していただき、ありがとうございました。
【隅田主査】 ありがとうございます。では栗山室長、お願いいたします。
【栗山教育課程企画室長】 ありがとうございます。何点か、御質問ということではなかったかと思いますが、御指摘に対して補足をさせていただきますと、大島委員から高等学校についてはまた小中学校と少し別に考える必要があるのではないかという御示唆があった関連で、制度論的にもまさにそう思っております。といいますのも、小中学校は申し上げるまでもなく授業時間を時数でコントロールしているような仕組みでございますけれども、高等学校は当然単位の仕組みになっていて、現行でも御案内のように学校外での大学における学びを含めて単位として認定する仕組みが既に存在していたり、さらに今般の中教審の議論でも高等学校の単位制について大幅な柔軟化の提案をされているところです。
こうした一般的な仕組みで可能な範囲というものが相当程度ある中にあって、今回の特別の教育課程がなければできない部分が実際に残るかどうかという言い方がいいか分かりませんが、高等学校の仕組みの検討が進む中で制度論的に整理をしておく必要があろうかと思っております。そういう意味では、現在、お示ししています事務局の案は、主に小・中学校を念頭に置いた案になっていますので、高等学校についてもまた議論を深める中で検討していくことができればと思っておりますのが1点目でございます。
また、石川委員から先ほど算数・数学、理科の教科名を挙げたことについて誤解がないようにという点、まさに御指摘のとおりと思っております。今回挙げましたのは、先ほど隅田主査からのお話もございましたし、また系統性等の観点から比較的取り組みやすいであろうという趣旨で列挙したにすぎないということでございますので、繰り返しになりますが、他の教科等を排除している趣旨ではないということと、またことさらに理数教育の振興自体を目的としてここに記載している趣旨ではないということでございますので、そこは確認でございます。
また、五味委員や坂本委員からガイドラインについて分かりやすくという御示唆があったかと思います。この点、そもそも今回、学習指導要領そのものについて分かりやすく使いやすくということも、前提として申し上げている中でございますので、このガイドラインについても教育委員会や学校においてこの特例を使ってみたくなるような、そんな在り方にしていけるように、様々な点に留意しながら作成を進めることになるだろうと、改めて感じたところでございます。以上でございます。
【隅田主査】 角谷委員、栗山室長、どうもありがとうございました。栗山室長がさっき言われた高校のところは確かにそうなんです。上位学校種の学習活動って出て、大学の連携が前提となるモデルが出たときに、本来であればそう考えると、K-12のような一貫した、幼児期から中等教育終了段階までを見通した制度を考えるところではあるんだけれども、もともと違う部分があると。我々は、栗山室長がほかのワーキングを見られていてそういう情報を出していただけるということで、他のワーキングも念頭に置きつつ、上位の学校種のことを考える上で高校も欠かせませんので、念頭に置きながら進める必要があるかと思いました。
あと角谷先生、さきほどの石川委員に関わって学校での協働というところで私が思ったのは、今回、同程度の能力がある仲間と書いてあるじゃないですか。もちろん能力が一緒だったらそれは楽しいんだろうけれども、興味関心が同じ仲間という考え方もあるんですよね。もちろん興味関心と能力が一緒だとさらによくなって、科学オリンピックなんかそれに近いんですけれども、興味関心が近い仲間であれば、私たちの学会でも初めて入る人もエキスパートの人もみんな楽しくできると。そういう意味でいくと普通学級での協働とか包摂を考えると、そちらは一つ軸としてあるのではないでしょうか。
【角谷主査代理】 ありがとうございます。確かに興味関心の軸というのはございまして、海外のサマープログラムなんかも、能力別ではなくて興味関心が同じ子供たちを集めれば活発に活動がなされるというような実践例も、確かにございます。ここで私が興味関心というその軸をあえて書かなかったのは、それはそれで集まる、要するに特定分野というので集まるだろうというところが一つ、対象活動ですね。
それで、こういった子供たちが常にどういった立場に置かれることが多いかといいますと、教えてあげる立場に立ちやすいというところが一つございまして、それも一つ意義があるんですけれども、いつもそういう立場ですとその子が知らないことを自分も分かったとか、友達とあうんの呼吸でそうだねそうだねといった学びがなかなかできないというところが一つございます。
ときには、興味関心が同じであれば新しい発見もどんな友達からも受けることはあるんですけれども、竜巻のような熱を持った学びというのがなかなか起こりにくいというところも一方にございまして、興味関心の軸を否定するわけではなくて、もちろんございますが、協調、同程度の能力という視点も非常に重要で、対象活動を考える上ではかなりここを強調してもいいのではないかという思いがございまして、この丸3の表記の仕方にしてみました。
【隅田主査】 ありがとうございます。今回の事務局提案の資料、A、B、Cと3種類あること、これもポイントかと。1つ目、総合的な学習の時間の一部または全部、2つ目が各教科の一部または全部、3つ目が総合的な学習の時間、各教科の一部または全部と、組み合わせることもできますから、それが学習生活上の困難の解消になるかもしれません。実際は続けてみると、長期的に見るとどっちの子がどうなるかというのは分からない部分もございますから、そういう点も含めてまた考えればと思います。
伊藤委員、手を挙げられていらっしゃるということで、お願いします。
【伊藤委員】 最初、坂本委員からあった点であったり、先ほど大島委員から学習指導要領の話をどこまで理解しておくのかという議論があったと思うんですけれども、たまたま昨日、総則の部会の報道とかを見ていると、デジタル学習指導要領みたいな、結構検索機能とかが上がってくるのかと思っていまして、学習指導要領を覚えるなんていうことは不可能だと、暗記するものではなくてリテラシーを身につけていくものだと思っておりまして、何かその辺りのデジタル系の話とか、もし栗山室長とかがここでお話しいただけるのであればお話しいただいてもいいのかなというのを思って、すみません、御提案させていただきます。
【隅田主査】 いかがでしょうか。
【栗山教育課程企画室長】 ありがとうございます。ちょうど昨日、伊藤委員の御指摘のように、総則評価特別部会にて先生お一人お一人のニーズに応じて学習指導要領を見ることができ、分かりやすく使いやすくしていくために、御提案をちょうどしたところでございますので、短時間で御紹介をさせていただきたいと思います。具体のデモを御用意しております。デモを流しながらの御紹介が一番イメージがつかめると思いますので、このようなものということで御紹介させていただきます。
具体的には、現在は紙とPDFファイルだけで見ることができる状態ですので、例えば特定の学年の特定の教科を選んだり、学年を横断して見比べたり、あるいは同じ学年で異なる教科を比べたりといったことになかなか手間がかかる状況がございますので、そういったことが容易にできやすいように、全体としてデジタルで大変操作性の高いものを実現したいと考えております。準備中でございますので、一旦、お返しをさせていただきます。
【隅田主査】 重要な御指摘、ありがとうございます。現場で実現できることをやろうとしたときに労力を効率的にできる部分はといったときに、私も知っている海外のサイトがあります。どの学年でどの内容でとか、どの単語を使うのかとかがもう瞬時に検索できるような。準備ができたようでございますので、お願いいたします。
【栗山教育課程企画室長】 こちらがイメージで、試作でございますのでこのとおりになるわけではありませんけれども、流していきたいと思います。
まず、これはホーム画面でございますけれども、小学校3年で理科を見たいというときに理科を選び、小3を選び、検索をするとぱっと出てくるといったような形。これだけでもPDFで見るよりも大分操作性が高まっていると思います。これだけではなくて、下の小学校3年生の部分に詳細というタブがあるのを御覧いただけると思います。現在は内容の解説や評価規準例については別の冊子でございますけれども、ここの詳細を押すとこれらが出てくるといったような形で、学習指導要領の情報だけではなく、ここにございますように評価規準例や内容の解説といったものも一瞬で表示できるような形にしたいと考えておりますし、さらに次にいきますと、理科で小6と中1を比べるということもできるようにと思っています。
実際に御覧いただきますとこのように左と右で並んでいる、こうすると学校種を横断的に、あるいは当然同じ学校種で学年を横断してもできるということでありますので、御活用いただければと。また、小学校3年生で算数と理科を比べるということも当然できるようにしたいと考えております。このように見比べることで、教科横断的な取組も非常にしやすくなるかと思います。次、今度は「季節」といったキーワードを入力することもできて、瞬時に検索結果が出ると。こうした特定の語句を軸として教科横断的な取組をしやすいと考えております。
また、系統表もこのように俯瞰的で見やすくなるといろいろな判断に資すると思います。そしてまた系統表の中で、これは理科のエネルギーに関する領域で、小学校3年生の「風とゴムの働き」を押しますと今度は具体の記載事項のところに飛べるということができる。さらに、それぞれの教科書の指導書からも、学習指導要領コードを教科書会社にお貼りいただいたりすると、そこから飛ぶこともできると思っていますし、コードの入力をしていくと該当部分に行く。また、その部分にコードが貼りつけられて、そのコードをコピーして関連サイトから、例えば非常に公益性の高いNHK for Schoolなどにも飛べるようにしておくと、これはあくまでNHKと本当にこうなるか交渉中でございますので今はできませんが、ここにコピーしたコードを入れると。そうすると、該当部分の動画を検索するといったようなこともできるようになります。
さらに、出力。表計算ソフト、文章作成ソフトで出力することができれば、現在PDFですのでコピペも難しい状況がありますけれども、このようにExcel等の表計算ソフトで自由に出力して活用することができると。例えば、これでは、独自につくった単元計画へのリンクを張ったり進捗と振り返りを自由に記載している、こんなイメージでございまして、伊藤委員の御示唆は恐らく、この特別の教育課程の取組をする上での様々な判断に資するという御趣旨で御指摘いただいたかと思います。以上でございます。
【隅田主査】 これはとても有用な仕組みができそうで、期待されるのではないかと思います。最新情報を御紹介いただきまして、どうもありがとうございました。
ほかに御質問等、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、委員の皆様、どうもありがとうございました。時間も参りましたので、本日の議事は以上といたします。
最後に次回のスケジュールについて、事務局よりお願いいたします。
【越田教育課程専門官】 次回は12月12日、15時半から17時半を予定しておりますけれども、正式には後日、連絡を差し上げます。以上です。
【隅田主査】 ありがとうございました。それでは、以上をもちまして閉会といたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
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