令和7年10月7日(火曜日)13時00分~15時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【総崎生徒指導室長】 定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ第1回を開催いたします。
本日は、大変御多忙の中、御参加いただき誠にありがとうございます。開会に当たりまして、文部科学省初等中等教育局児童生徒課長、千々岩より御挨拶申し上げます。
【千々岩児童生徒課長】 皆さん、こんにちは。児童生徒課長をしております千々岩と申します。
まず、皆様、大変お忙しい中、このワーキングの委員への御就任、そして、本日の御出席、誠にありがとうございます。
不登校の児童生徒数につきましては、皆様御案内のように、小中高合わせて令和5年度で41万5,252人というふうになっております。不登校の児童生徒数が増加傾向にある中で、校内外の教育支援センターなど、多様な学びの場の整備も進みつつあります。そのような背景の中、先日おまとめいただきました教育課程企画特別部会の論点整理におきましては、例えば校内外の教育支援センター等で行われている活動について、居場所機能のみならず資質・能力に繋がる指導の充実が必要ではないかといった問題意識などをおまとめいただいておりまして、個々の不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程の新設の検討の必要性といったものが述べられているところでございます。まさにこのワーキングでは、この特別の教育課程の具体の仕組みについて御議論いただきたいというふうに思ってございます。この特別の教育課程に課せられた理念というものを踏まえつつ、各委員の皆様方のこれまでの御実践を共有いただきながら、現場の実態を十分に踏まえた、まさにワークする仕組みといったものを皆様に御検討いただきたいと思っております。大変重要な検討となります。主査、主査代理、それから委員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
結びに、今回のこの特例の検討、不登校の子供たちの学びの充実にさらに寄与していくといったことを祈念しまして、御挨拶とさせていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 続きまして、教育課程課長、武藤より御挨拶を申し上げます。
【武藤教育課程課長】 皆さん、こんにちは。教育課程課長の武藤でございます。
本当にお忙しい中、伊藤主査、また黒沢主査代理はじめ、委員の皆様方、御参画いただきまして、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。
今回の検討に先立って、教育課程部会の企画特別部会、今日お加わりになっている貞広先生を主査とし、そして今村先生にも入っていただいております、ここで論点整理が取りまとまりました。そこで大きく3つの方向性というのが示されています。1つは、主体的、対話的で深い学びの実装と、それから多様性の包摂、そして今、千々岩課長からもありました実現可能性の確保、この3つというのを大きな方針にしながら、これから様々なワーキングで議論を深めていただくと。そして、それが来年の夏前ぐらいをめどに、それぞれおまとめいただくと、こういう今フェーズになっております。指導要領の改訂も後半戦に入っているということでございます。
このワーキンググループに関わってでございますが、このように、教育課程の基準であり、全国的に全ての学校がカリキュラムを編成するときの大綱的な基準が学習指導要領でありまして、その基準たる学習指導要領の議論と、そして、その議論を基準の例外措置を、まさに今回の不登校はそうなわけですけども、例外措置も組み込んで議論してきたということというのは、非常にこれまでと比べると画期的でございます。まさに貞広先生、今村先生はじめ委員の方々が、今、学校が向き合っている多様性、子供たち、本当に様々なお子さん、不登校はじめ様々なお子さんがいるわけですけれども、その多様性を個人の力に変えたい、そして社会の力にも変えていきたいと、こういう熱い思いの下で、論点整理もまとめていただきました。
その中で、それを踏まえて、1つ非常に象徴的な、多様性の確保という意味では象徴的な検討を行っていただくのがこのワーキンググループだと思っております。千々岩課長の下での児童生徒課と、それから教育課程課が一緒になって、事務局としてこのワーキンググループの熱心な御議論というのをお支え申し上げたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【総崎生徒指導室長】 議事に先立ち、本ワーキンググループの主査及び主査代理について御報告いたします。参考資料3の初等中等教育分科会教育課程部会運営規則に基づき、本ワーキンググループは教育課程部会の決定により設置されております。主査及び主査代理につきましては、奈須教育課程部会長より、伊藤美奈子委員を主査に、黒沢正明委員を主査代理にそれぞれ指名いただいておりますので、御報告申し上げます。なお、不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループの委員の皆様につきましては、参考資料4のとおり委員名簿を配付しておりますので、御覧いただければと思います。
本日の議事につきましては、事務局から本ワーキンググループにおける検討事項について説明をしました後、委員の皆様から御意見を頂戴するという流れで進行させていただきます。
まず、議事に入ります前に、伊藤主査から一言御挨拶をお願い申し上げます。
【伊藤主査】 今御紹介いただきました、神戸女子大学の伊藤と申します。よろしくお願いします。今回は、大変な重責に気を引き締めているところです。どうぞよろしくお願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 ありがとうございました。それでは、本ワーキンググループの進行は、これより伊藤主査にお願いいたします。
【伊藤主査】 では、これより議事に入ります。
本ワーキンググループの審議等については、参考資料3のほうにあります教育課程部会運営規則第3条に基づきまして、原則公開により議事を進めさせていただくとともに、第6条に基づきまして、議事録を作成し、原則公開するものとして取扱います。
それでは、事務局より、会議の留意事項を御説明願います。
【総崎生徒指導室長】 本ワーキンググループは、対面とウェブ会議を組み合わせた方式で開催しております。御発言の際は挙手ボタンを押していただき、ミュートを解除してから御発言願います。また、御発言が終わりましたら、再度ミュートにしていただくようお願いいたします。
事務局からは以上です。
【伊藤主査】 ありがとうございました。それでは、議題の1に移ります。
不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループにおける主な検討事項について、事務局より御説明をお願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 それでは、不登校児童生徒に係る特別の教育課程に関する現状・課題と検討事項につきまして、資料に基づいて御説明申し上げます。
まず、児童生徒課から現状・課題を御説明した後に、教育課程課から教育課程企画特別部会における論点整理も含めて検討事項、論点について御説明することとさせていただきます。
それでは、資料に基づいて御説明いたします。
1、不登校児童生徒の現状についてです。
皆様御案内のとおり、不登校児童生徒数につきましては年々増加傾向にあり、令和5年度の小中学校における不登校児童生徒数は約34万6,000人で、過去最多を更新しております。これに伴いまして、教育支援センターで指導等を受けている不登校児童生徒数も増加傾向であり、令和5年度に教育支援センターで指導等を受けた小中学生の数は3万365人、対前年度比で5,073人の増となっております。
こうした状況に対しまして、国においては、令和5年3月、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、COCOLOプランを策定し、不登校の児童生徒の全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整えるということを柱の1つとして取り組んでまいりました。その中で2、多様な学びの場の現状と課題にありますとおり、不登校児童生徒の状況に応じた多様な学びの場の整備が実際に進んできているところでございます。
多様な学びの場の整備について、少し詳しくお話しさせていただきます。
不登校児童生徒の心身や学習の状況については、一人一人様々で、しかも日々変化するものでございます。そうした様々な状態に合わせて学びに繋がることができるよう、例えば学校に行くことができるけれども、自分のクラスに入りづらい児童生徒のための校内教育支援センター、また、家から出ることはできるけれども、在籍する学校に行くことができない児童生徒のための学びの多様化学校、家から出ることはできるけれども、学校という場に行くことができない児童生徒のための教育支援センターやフリースクールなど、様々な民間団体等が提供している居場所などがございます。さらに、家から出ることができない児童生徒には、在籍校や教育支援センターの授業配信などを自宅で受けられるような環境整備や教育支援センターを主体としたアウトリーチ支援など、取り組んでいるところでございます。また、こうした多様な場での不登校児童生徒の欠席中の学習についても、可能な限り成績評価の対象とするなどの取組を促進しております。
このように、様々な学びの場の整備を進めている中で、今回の特例との関係で、特に次の3つの場について御説明をいたします。
資料左下、丸1、校内教育支援センターです。校内教育支援センターは、令和6年7月の時点で公立小中学校1万2,712校に設置されております。校内教育支援センターにおける指導体制面については、自治体の裁量で教員を配置する、国の補助を活用して支援員を配置するなどの取組が行われております。指導内容面では児童生徒の心身の状況に応じた支援に加え、教科指導が行えるよう時間割の調整をしている例も見られます。また、日常的な学びの場としての機能だけではなく、校内にあることで在籍級への復帰を円滑に支援したり、欠席日数の増加を防止したりする機能も果たしているとのデータもございます。資料左下に書いているとおりですが、本年6月実施の調査では、校内教育支援センターを利用した児童生徒のうち19.5%が在籍学級へ復帰、48.6%が不登校や不登校傾向の状況が改善、21.6%が学校内の日常的な居場所として利用することで欠席日数の増加を防止しているという結果が出ております。
資料右上に参ります。丸2、学びの多様化学校についてです。学びの多様化学校は、学校単位で不登校児童生徒のための特別の教育課程を編成、実施しております。令和7年4月現在、全国に58校が設置されております。この学びの多様化学校では、不登校児童生徒の状況に即した柔軟な教育課程を可能にする制度の下、例えば下学年の教科指導、体験活動やソーシャルスキルトレーニングの導入などを行っており、これによって、児童生徒が継続して登校できるようになるなどの成果が見られているところでございます。
丸3、教育支援センターについてです。校外の教育支援センターは、令和6年度の数字で、都道府県設置が39か所、市町村設置が1,704か所、計1,743か所が全国に設置されております。この教育支援センターにおける指導で学びの質を確保するための取組として、ほとんどの市町村では、教育支援センターでの指導状況を在籍校に共有しており、また、2割の市町村では、在籍校の授業の配信を実施しているとの実態がございます。
こうした現状を踏まえて、3、多様な学びの場における指導と評価の現状と課題についてまとめております。まず1点目は、校内外の教育支援センターが、不登校児童生徒の居場所として重要な機能を果たしていることはもちろんですけれども、子供によっては、学習の場として、学習意欲を高め、資質・能力の向上に繋がる指導を求めている子もいると思われます。その指導を充実させることが課題として挙げられます。これは、例えば遅れを取り戻したり、進学や原籍級復帰に繋げるなど、どのような指導が必要かも個々具体の子供に応じて様々ではございますが、現状においては、不登校児童生徒の個々の状況に応じた個別の指導計画がないため、組織的、計画的な指導が確保されていないケースがままあるという点が課題と考えられます。言うまでもなく、不登校児童生徒は日々状態像が変化しております。また、この状態も、必ずしも一定方向に動くわけではなく、行きつ戻りつ、学ぶ意欲が湧いてきたり、少し気持ちにブレーキがかかったりと揺れ動いているものかと思います。そうした中で、学びに意欲が向かいつつある子供たちについては、校内外教育支援センターや在籍級といった場で、その子に関わり支援する大人たちが、その子の状態を適切に把握し共有しながら、同じ方針を持って学習指導に取り組んでいくこと、それが重要かと思いますけれども、その方策が、現段階では確立できていないという課題があると認識しております。
次に、2点目として、特別の教育課程の制度がないため、下学年の内容を学んでいても、原籍級の教育課程に基づく評価を行わざるを得ない面がある。すなわち、実態を踏まえた柔軟な評価には一定の限界があるという点が挙げられます。例えば、不登校児童生徒が自分の学力に合わせて下学年の内容を一生懸命に学び、その中で着実に成長が見られているけれども、原籍級の学習内容にはまだ届かないという場合、原籍級の教育課程に基づく評価で見ると低い評定となってしまうため、子供自身がその評定を目にして、せっかく頑張ったのにという思いを抱いてしまったり、かえって学習への意欲を減退させてしまったりといったことが課題であろうと考えております。
そして、この2点目にもリンクする課題として、3点目ですが、中学校段階で不登校経験を有する生徒に対する高校入試の扱いについて、都道府県間で取組に差がある現状であるという課題がございます。例えば神奈川県では、調査書を用いず学力調査のみで選抜を行うなど、特別な入学者選抜を実施するという取扱いを全ての県立高校において実施しています。また、静岡県、京都府、佐賀県でも同種の取組が一部の学校で実施されています。茨城県では、家庭を含む学校以外の場において行った学習の状況が分かる資料を提出させて選抜資料として活用するという取扱いが、全県立高校で実施されております。こうした取扱いが一部で見られるところ、不登校児童生徒の進学として、その先に続く社会的自立を後押しする、よりよい在り方についても御議論いただければと考えております。
最後に、参考資料についても補足をいたします。
不登校児童生徒を取り巻く現状、COCOLOプラン、そして、多様な学びの場の整備に関しましては、これまで御説明をさせていただいたとおりでございますけれども、それぞれ詳細な設置状況や予算の資料をおつけしておりますので、適宜御参照いただければ幸いでございます。
参考資料の8ページで、改めての確認でございますけれども、不登校児童生徒の状態像は様々で、かつ変化することを踏まえまして、それぞれの状態に合わせて必要な支援も異なってくると考えております。だからこそ、多様な学びの場を整備するということが必要な中で、学びに向かいつつある子のための方策として、特別の教育課程という選択肢も準備するということが今回の議論の出発点と考えてございます。様々な学びの場の整備の状況、参考資料を御参考にしていただければと思います。
また、こちらの参考資料でございますが、校内外教育支援センター等だけではなく、自宅におけるICT等を活用した学習活動についても、指導要録上で出席扱いとするといった取組も行われております。
また、18ページの参考資料ですが、こちらの右下の取組例に記載しているとおり、不登校児童生徒の自宅でのプリント学習や実技教科の制作物作成の成果などを成績に反映するといった取組や、また、フリースクールで学校の課題や定期テスト等の適切な教材に取り組んでいる不登校児童生徒の学習成果について、成績に反映するといった取組なども行うことができることとしております。
繰り返しになりますが、これから御議論いただきます特別の教育課程につきましては、不登校児童生徒の個々の状況に応じた多様な支援の中のあくまでも1つの方策と捉え、校内外教育支援センターや学びの多様化学校に限らず、様々な場で学びたいと思った子に学びを継続させ、その成果もできる限り評価していくという取組については、本特例の議論とは別途、引き続き促進をしてまいりたいと思います。
参考資料の20ページでございますが、個々の不登校児童生徒に応じた特別の教育課程の編成・実施の在り方につきましては、今年度から既に研究開発の取組が進んでおります。資料20ページのとおり、東京都の14校の中学校内に設置されたチャレンジクラスや、広島県尾道市立因北小中学校と尾道市教育支援センターにおいて、授業時数を削減したり新設教科を設けたりといった、特別の教育課程の編成・実施の取組が進められております。特別の教育課程の内容については、学びの多様化学校や研究開発学校の先進的な取組を参考に御議論いただくことを想定しております。
私からの現状と課題の説明は以上でございます。
【栗山教育課程企画室長】 失礼いたします。教育課程企画室長の栗山でございます。
今、総崎生徒指導室長から現状と課題について御説明がございましたけれども、それを踏まえまして、本ワーキンググループにおける検討事項・論点について御説明を申し上げます。
こちらのページにございますように、まず、一番上ですけれども、個々の不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を必要に応じて編成・実施することをできるようにする仕組みについて、企画特別部会の論点整理を踏まえつつ、具体的に検討するということが本ワーキンググループの基本的な役割ということでございます。
その上で、まず、丸1の部分でありますけれども、具体的な検討事項の前に前提となる制度の構築の基本となる考え方や留意点について、ここでお示しをしております。
まず、1つ目であります。現在、校内外教育支援センター等で、不登校児童生徒や不登校傾向の児童生徒、以下まとめて不登校児童生徒というふうに略しますけれども、に対して行われている様々な学習活動の実態を十分に踏まえつつ、その上で居場所機能のみならず、引き続き居場所機能も重要ということでありますが、その上で資質・能力の向上に繋がる柔軟で効果的な指導をしやすくする、この観点を重視して、新しい仕組みを検討すべきではないかということであります。
その上で、その際、不登校により学習の遅れや進路選択上の不利益等が生じているといった指摘も踏まえ、不登校児童生徒の努力をできる限り価値付けて社会的自立を後押ししていく、この観点も併せて重視するということが基本的な考え方ではないかと思っております。
その上で、3つ目でありますけれども、新たな仕組みを創設するに当たりましては、現在行われている指導の実態を十分に踏まえて、教師や学校、教育委員会にとって過度な負担や負担感が生じないような制度設計にしていくべく、配慮して検討すべきではないかということ、そのように考えております。また、その上で米印の部分でありますけれども、新たな仕組みについては、校内外の教育支援センター等での学習活動の実態に着目をしたものであり、対象とならない児童生徒、仕組みの適用を希望しない児童生徒についても、その状況に応じた必要なサポートを行っていくことが前提であります。この点、先ほど総崎室長からも、繰り返し基本的な認識として御説明があったと思います。これが、丸1としての制度構築の基本となる考え方や留意点ではないかと考えております。
その上で、丸2から丸5までの論点がありますけれども、この丸2から丸5について、本ワーキンググループ第2回目以降で、順次、検討を具体的にしていくということになるというふうに考えております。
まず、丸2として、対象となる児童生徒についてであります。対象となる児童生徒について、特別の教育課程の対象となる児童生徒の考え方と、その対象者を判断するプロセスについて、どのようにすべきかということであります。そしてその際、不登校児童生徒の心身や学習の状況は日々改善、変化するということ、先ほどから何度も言及ございますけれども、これを前提としつつ、個々の児童生徒の状況に応じて柔軟に対象とするかどうかを判断できる仕組みとすべきではないかということであります。換言すれば、一律の基準で、形式的な判断のみによるものではないのではないかということであります。
この点、企画特別部会の論点整理におきましては、箱の中の記載にございますように、年間30日以上の欠席を1つの参考としつつ、具体の判断は学校や教育委員会が児童生徒の実態等を踏まえて総合的に行うこととする方向で具体の運用を検討すべきとしておりました。例えば、断続的な欠席や早退、保健室登校などが見られる等、不登校となる蓋然性が高いと考えられる場合等も対象になり得る方向で検討すべきということで、この点、学びの多様化学校と基本的に同様の考え方ということを示しておりました。
その上で、本ワーキンググループにおける具体的な論点と想定しておりますのを、下に記載をしております。1つは、対象となる学校種についてであります。その上で、対象となる児童生徒を判断する主体です。もちろん、学校だけでこの特例について運用することは難しいと思いますので、教育委員会等を含めて、どのように考えていくかということ。その上で、具体的な考え方、判断の方法、プロセスといったことであります。児童生徒のアセスメント、当然、これ、重要になってまいりますけれども、その在り方を含めて検討していくということになると考えております。
その上で、また米印でありますけれども、重要な前提を確認しておきますと、今回制度化を検討している特別の教育課程は、現に校内外の教育支援センターで指導を受けている児童生徒の状態を各学校等が把握し、特別の教育課程に基づく指導が効果的であるというふうに判断をした場合に編成・実施を可能とするという性質のものでありますので、これは保護者の方の求めがあれば実施義務が当然に発生するというような性質のものではないということについては、前提として留意が必要であると考えております。
これが、まず、丸2の部分であります。
次のページです。
次に、丸3として、特別の教育課程の内容・授業時数・指導計画などについてです。
特別の教育課程の内容としてどのようなものを対象として、対象となる教育活動に係る授業時数の取扱いなどをどのようにすべきかということであります。
論点整理では、箱の中にありますような記載でした。実態に即した望ましい教育環境を保障するために必要な範囲で柔軟に設定する方向で検討すべきではないかということであります。こうした大きな方向性については、学びの多様化学校と同様ではないかということであります。そして、柔軟性を損なったり過度な負担が生じたりしないよう配意しながら、校内外の教育支援センター等と連携して、個別の指導計画を作成する方向で検討すべきという記載でありました。これを踏まえて、本ワーキンググループにおける具体的な論点というものをここでお示しをしております。
特別の教育課程で実施される具体的な教育活動の整理についてであります。この点、学びの多様化学校の教育活動を参考としつつも、校内外の教育支援センター等の実態を考慮して検討する必要があるかと考えています。当然、学びの多様化学校については、学校として教育課程を編成・実施しているものでありますけれども、前提といたしまして、本特別の教育課程は個々の児童生徒に着目をして教育課程を編成・実施するという大きな前提、学校単位か個人単位かという違いもございます。当然、場所の違いもあります。そういったことも踏まえて考慮する必要があります。教育活動の例として挙げておりますのは、例の部分でございますように、例えば課題プリントを活用した個別学習、部分的な下位の学年あるいは学校種の学習、原籍級から授業配信をするといったこと、あるいはソーシャルスキルトレーニングといったこと、こうした教育活動等について、運用について検討していく必要があるかと思っています。
その上で、上記の具体的な教育活動について、学習指導要領上は、各教科あるいは領域について目標や内容が規定されておりますけれども、こうしたものとの関係での位置づけも含めて、どのように考えを整理し、また、留意点、あるいはそれに伴って授業時数についても、どのように取り扱っていくかということを検討していく必要があるのではないかと考えています。
また、これを踏まえて具体的な検討・実施のプロセスについてでありますけれども、学校や教育委員会における検討・判断、また校内外の教育支援センター等を連携して、個別の指導計画をどのように作成していくかといったこと、こうしたプロセスについてもイメージが持てるように整理をしていく必要があると考えています。
また、個別の指導計画については、改めてその目的もそうですし、誰が作成するのかといったこと、そして、何を記載するのか、記載すべき要素であります。また、指導計画の作成自体が自己目的化しては当然いけませんので、効果的に運用できる在り方はどういったものか。また、過度な負担、あるいは負担感が生じないような運用方法についても十分留意をする必要があると考えております。また、他の特別の教育課程等を比較した場合におきましても、不登校児童生徒については、特に心身や学習の状況が日々改善し変化するといった特徴もございます。こうしたことも勘案して、どのように検討していくかということ、大事であると考えております。
以上が丸3であります。
右側にいきまして、次が丸4であります。
丸4が、特別の教育課程が実施される場所と体制についてであります。
同じ文言が黒丸でございますけれども、論点整理では、この中でこのように記載されておりまして、特別の教育課程に基づく指導・支援が適切な場所で実施されることを担保するため、校内教育支援センターを含む学校の中のみならず、一定の要件、ここでは例えば地方自治体による設置などについてでありましたけれども、を満たした学校外の教育支援センターも対象とし、また、制度的に位置づけることもしつつ具体の運用を検討すべきではないかという旨が記載をされておりました。
これを踏まえて、本ワーキンググループにおける具体的な論点として、2点、記載をしておりまして、1点目が校内の教育支援センター等につきましては、居場所機能のみならず、繰り返しますが、居場所機能も重要ということでありますが、学級で学ぶことが困難な児童生徒が学校内で学習できる場として位置づけた上で、特別の教育課程が実施される場合の教師と校内教育支援センター支援員との連携方法を含めて、どのような体制の在り方であるべきかということであります。
そして、校外の教育支援センターが2つ目についてでありまして、校外の教育支援センターについても、特別の教育課程が実施される場として位置づけつつ、その場合の一定の要件、例えば先ほど申し上げたように地方自治体による設置、教師と教育支援センター指導員との連携方法などを含む体制の在り方などについて検討が必要であるというふうに考えております。
そして、最後、学習評価等についてであります。対象となる不登校児童生徒の学びをどのように評価すべきかということであります。
論点整理では、このように記載があるということで、指導要録上明確に位置づける方向で検討すべきということ。また、高校入試での特別の教育課程に基づく学習教科等の取扱いを検討すべきということであります。また、企画特別部会では、この点につきましては、こういう特例がなければ、現行の目標準拠評価に基づいて学習評価が行われることによって、実態として、1、あるいはバーといったような評定の記載の仕方になることについて、ともすれば、保護者あるいは児童生徒本人とも摩擦となるような事態があった中でこのような特例となれば、少なくとも個別の教育課程になりますので、当該児童生徒に係る目標というものが設定され、その目標との関係で、児童生徒の努力や頑張りというものが読み取られていく、そういう基本的な考え方に基づく学習評価になるということ、この点については、非常に前向きに御意見をいただいていたというふうに認識をしております。
その上で具体的な論点でありますけれども、例えば指導の記録、学習評価の方法・観点、指導要録における記載のイメージ、こうしたことについて一定程度具体的に検討していく必要があると考えております。また、このような学習評価となった場合に、特に中学校でこの仕組みが運用された場合、高校入試での特別の教育課程に基づく評定等の学習評価の取扱いについて、先ほど総崎生徒指導室長から、現行で学力検査や調査書について弾力的な運用をしている都道府県の事例についても御紹介がありましたけれども、そうしたことも含めて、どのように取扱いを考えていくべきかということを検討していく必要があるというふうに考えています。
以上、丸1から丸5の検討を踏まえまして、灰色の右下の部分でありますが、着実に制度の設計と円滑な実施を図るために、文部科学省として運用の手引きのようなもの、こうしたものも最終的には作成するということで教育委員会や学校における運用というものを円滑ならしめていくということ、重要であると考えているところでございます。これが検討事項と論点であります。
1件、補足をさせていただきたいと考えております。
今回の企画特別部会における論点整理でも議論されました柔軟な教育課程編成の全体像における本特例というものがどういった位置づけにあるかということについて確認をしていきたいと思います。こちらの資料は、企画特別委員会で論点整理で示された小中学校全体の柔軟な教育課程編成に係るイメージであります。御覧いただいているように1階、2階というお示しをしておりますけれども、まず、下のほうを御覧いただきますと、1階とありますが、この1階については、個々の児童生徒ではなくて学校です。学校単位での編成する教育課程の柔軟化の方向についての論点整理の内容であります。その上で、2階として個々の児童生徒に着目した特例の新設拡充についてお示しをしております。
1階について、時間の関係もありますので詳細には申し上げませんが、学校としての教育課程編成については、今般、調整授業時数制度という仕組みを創設することといたしまして、具体的には、御覧いただけますように、このブルーの各教科から一定の時数を、標準を下回って減ずることを可能とした上で、減じた分の時数を調整授業時数という呼称といたしまして、調整授業時数を例えば他の教科に上乗せをすることができる、あるいは緑の部分にありますように裁量的な時間といったものに充てることもできるという制度設計をお示ししています。この裁量的な時間につきましては、個々の児童生徒の個性や特性、背景に応じた柔軟な学習支援、評価や既存の領域に属さない学びの在り方に使うこともできる。例えば、ここではソーシャルスキルトレーニングでありますとか、あるいは基礎的、基本的な内容について、個々人の状況に応じた知識の習得等、丁寧にやっていくということも想定をされているわけでありますけれども、こうした裁量的な時間の中では、当然、校内の教育支援センターにいるような子供たちと一緒にみんなで学んでいくということも当然あり得るわけであります。また、裁量的な時間の一部につきましては、こうした柔軟な学びに加えまして、その一部について、授業改善に直結する組織的な先生方の研究や研修に充てることもできるという形で制度設計をお示しをしております。この具体の詳細につきましては、制度設計の詳細につきましては、別途総則評価特別部会で制度設計を進めるということになっているところであります。
その上で、2階という部分をお示しをしておりまして、この部分には個々の児童生徒に着目した教育課程編成の特例、具体的には通級指導、日本語指導、また、本ワーキンググループの扱う校内外の教育支援センター等に通う不登校児童生徒、また、別途のワーキンググループで制度設計を扱う特定分野に特異な才能のある児童生徒についてお示しをしております。通級指導と日本語指導につきましては、既に仕組みがございますので、この2つについては、より仕組みを拡充していくという方向性、例えば通級指導であれば、教科について、教科書等についてもその対象としていくといったこと、あるいは日本語指導についてであれば、さらに母語なども活用しながら、デジタル技術を活用して、より充実した指導ができるような仕組みにしていくといったことが示されているところであります。
こうした個々の児童生徒に着目した特例について、1階、2階と併せて検討していく。その際に、一番上の箱の2つ目の黒いポツでありますけれども、前提として留意すべきはこの2階の特例の適用がある児童生徒も1階で他の児童生徒とともに学びやすくなるなど、全体として包摂性を高める、1階か2階に分かれていくのではなく一緒に学んでいくということ、まさに多様性を包摂していくという大きな方向性を踏まえて制度設計をしていくということが前提でありますので、念のため申し上げます。
なお、2階の真ん中の部分、点線の上にありますように、米印でございますが、教育委員会による支援を前提として、学校を任せだけにしないということ。大学等の協力も得ながら、デジタル技術を積極的に活用して対応していく、この点については指導計画の作成運用等も入ってくると思いますけれども、こうした全体の考え方を整理しているところでございますので、御紹介を申し上げました。
こうした中で、本ワーキンググループで具体の制度設計を進めていければと考えております。
事務局からは以上でございます。
【伊藤主査】 ありがとうございました。それでは、本日は第1回目で初めての顔合わせの会になっておりますので、委員の皆様、お一人ずつから、今後、特に検討を進めるべきと考えていただいていますような事項や審議の進め方に対する御意見などにつきまして、御発言いただきたいと思います。
僭越ながら、私のほうから1人ずつ指名させていただきますので、お一人5分程度で御発言をお願いいたしたいと思います。では、御予定の都合等で、今日、途中退出される委員のほうから指名させていただこうかと思います。まず、貞広斎子委員より御発言をお願いできたらと思います。よろしくお願いします。
【貞広委員】 座長、御指名いただきまして、ありがとうございます。でも、終わりまで恐らくいられるように調整できましたので、順番に御指名をいただければと思います。申し訳ありません。ありがとうございます。
【伊藤主査】 じゃ、都合つけていただいたということですので、では、名簿の順番に、順番を変えさせていただきます。
では、まず最初が、我妻聡美委員より、御発言のほうをお願いできますでしょうか。
【我妻委員】 皆さん、こんにちは。白石南小中学校の白石きぼう学園の校長の我妻と申します。よろしくお願いいたします。
本校、令和5年に開校いたしまして、現在、小中学生で38名の在籍で進めております。2割は市外から、県外からの子供たちではありますが、開校当初より7割、8割の子供たちが今現在登校している状況です。学校は、最近居場所となりまして、学びの場になりつつあるかなと思っております。学校が楽しいという声が聞こえておりますので、このような状態で進めていければなと思っているところです。
現在、中学校を卒業した子供たちは、ここ2年で15名となりまして、全員希望の進学先に、今も通学しております。これからも子供たちのペースを尊重して進めていくつもりではありますが、今後継続を考える中で、学校の体制づくりですとか、それから評価はどうあるべきかというところは、開校当初から大変悩んできたところではあります。子供たちにとって何が必要なのかということは、全職員と考えてきているところですが、果たしてこれでいいのかというところなども改めて考えていきたいと思います。いろんな段階の子供たちがおりまして、一人一人に対応しなければいけない状況ですので、学びたいと思ったことをどう繋げていけばいいのかというところは本当に課題だと思っております。一番ありがたいのは、市の教育支援センターとの連携がうまくいっているということと、教育委員会のバックアップがありますので、そこのところは大変ありがたいところですが、これからも学びの多様化学校が続いていくという中で何が必要なのかというところを、改めて皆様から御指導いただきながらも進めてまいりたいと思っているところです。
どうぞよろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 どうもありがとうございました。
では、続きまして、猪股典生委員より御発言をお願いできますでしょうか。
【猪股委員】 こんにちは。私は、青森市教育委員会事務局指導課主幹兼主任指導主事を務めております猪股と申します。よろしくお願いいたします。
私は、教育委員会に勤めて今年で5年目となりました。教育委員会に入る前は、中学校で数学を指導しておりまして、放課後は部活動で野球を指導する普通の教員であったということでございます。ですので、私が学級担任を務めていた頃もありまして、その頃のことをちょっと振り返りますと、私の学級に不登校がいなかったかといえば、そういうことではなくて、実際に不登校の子供もいて支援していたものでございます。なかなか子供とうまくいかないときには、正直思っていた感情としては、私が学級担任でなければ、別の先生が担任であれば学校に来ていたのかなとか、そういうふうなことも考えていたときもございました。
そういったこともありまして、今現在、全国的に不登校の子供たちの数が増加傾向にあるということで、子供たちを支えていくということはもちろん重要なことであると思っているんですけれども、日常的に子供たちを支えている保護者を支えることもとても重要なことだと思っておりますし、それから、さらには、やはり私も同じような思いで普段子供たちと接している先生方を支えるということも、やはり重要なことじゃないかなと思っているところでございます。
そういう思いから、本市の取組としましては、令和4年4月、11月より、個別プログラムというものを作成、活用して支援に当たってまいりました。さらに、令和6年4月より、校内教育支援センターを全小中学校61校に設置して、いつでも困ったときには、その部屋も活用しながら、早期に対応できるようにということで努めてきたところです。それから、今年度、令和7年4月からは、小学校3校、中学校3校、計6校を不登校等特認校として指定して、これらの学校には、市内全域から入学、転入学を認めるという体制で転校生も受け入れているということでございます。平成8年4月に設置した校外の教育支援センター、いわゆる適応指導教室でありますけれども、そことも連携を図って対応を進めてきていたところでございます。
子供が、やはり学びたいと思ったときは、大きなチャンスかなというふうなことは感じておりまして、先ほどもお話ありましたけれども、学びたいと思った子供の本当に支えになればなと。うまく学習につなげていくその仕組みというのは、大切にしていかなければならないなと思っていたところでございました。実際問題、校内教育支援センターでも、本市においては支援を進めているところでありますけれども、実際に空白の時期があった子供については、下学年の教科指導、必要な状況もございます。そうしたときに、その下学年の教科指導という辺りを学びの多様化学校さんではどのように行っているものなのか、勉強させていただきたいと思っていたところでした。今後の支援の充実に向けて、ワーキンググループに参加している皆様方から多くのことを吸収したいと思っておりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 ありがとうございます。具体的にいろいろ御提案いただきまして、ありがとうございます。
では、続きまして、今村久美委員から、御発言をお願いできますでしょうか。
【今村委員】 御紹介いただきまして、ありがとうございます。貞広先生が最後までいられることになったんですけれども、私がちょっと途中で抜けなければいけないんですが、申し訳ありません。2時20分に退席させていただきます。
私は、これまで24年間、NPOの立場で子供の支援をする団体を運営してきました。不登校の関連で言うと、島根県の雲南市で公設民営型の教育支援センターを10年間運営してきたり、また、教育支援センターが立地的や人的資源が十分でない自治体を補うような、メタバースを使った教育支援センターのサポート機関としての「room-k」というシステムの運営などをしております。これまで、不登校の支援は制度の外でどれだけ工夫をするのかというやり方で取り組むしかなかった中で、今回このように大変踏み込んだ、教育課程の中で子供たちを承認してあげるという踏み込んだ施策を検討できることがとてもうれしいなと思って、この場に座れていることに、まず、とても心からの感謝を感じています。
論点として2つ申し上げたいと思います。
1つ目なんですけれども、まず、支援の現場で感じていることとして、子供たちは学校に行きたくないとしても、安心を取り戻していけば段階的に必ず自分を変えていきたいと思うようになるということです。最初は安心が必要だし、何もしたくないというふうになってしまうかもしれないんですけれども、そして、それは今日から学習に向かえますってぱきっといきなり学習モードになるというものでもないんですけれども、でも、その助走をしたり寄り添っていったりする人たちの支えがあれば、必ず人は変わりたいと思うようになる。その変わりたいというのが学びたいというものに変わっていくとても重要な要素だと思います。例えば雲南市の「おんせんキャンパス」では、温泉地区というところにつくった教育支援センターなんですけれども、今現在も、中学生でありながら小学校2年生からずっと不登校だった子が九九からやり直している子がいます。学校と教育支援センターであるうちのスタッフが連携しながら、どのように子供たちの学びをどの段階まで戻してやるかということを常に打合せをして、その学習内容を検討しています。ただ、学校の先生方はそこまで細かく実は見れないという現実もあるので、うちの教育支援センターのスタッフが、どちらかというと主体的に、カリキュラムを組んで、今は教育課程の中の学びではないんですけれども、支援内容を決めて支えて、できたところはこんなところだということを学校に随時報告するというやり方で運営しています。そういったことをしていると、これも学びたいと思ったところから九九を覚えるということ始めたというよりは、誰かが横に行って一緒に学ぶという支援の段階から学びを始めたことによって、結果的に今は、お互いいてもいなくても学ぶということができていたり、また、学校に戻って、校内の支援センターには自分の学びが遅れているということをみんなに見せたくないから入れないんですけれども、図書館では自分で学べるというようなことが起きていたりと、そういうことがあるので、とにかく誰かが心を支えるという機能を必ず前提に置いて、そこからどこかの段階で教育課程と呼べる段階に入ってくるので、できれば今回その対象となる教育課程、特別の教育課程をどこの段階からとするかというところが、この支援の段階から学びへの橋渡しの段階も含めるような在り方が、現実的に対象となる子供を見逃さないことになるのではないかと思っています。
重ねるんですけれども、学べるようになってから対象にするというよりは、学べるようになるように橋渡しをするところから対象にしていくような在り方、限りなく支援に近いんですけれども、学びというよりは、そこからを含めた設計が必要かなと思います。
2つ目なんですけれども、メタバースを使った支援の中で、全国の教育支援センターといいますか行政と連携をして支えをしているんですけれども、ケースがやっぱり私たちのほうにたまっていくと、1つの教育支援センターで、そのときスタッフになった方が経験できる子供のケースは数十人、もしくは1桁台になってしまうんですけど、全国のいろんなケースを同時に見ることができると、例えばこういう子にはこういう学びの在り方だったら無理がないとか、こういうタイプの子だったらここから始めようということのケースがたまっていくので、教育支援センターのスタッフの方々が入れ替わったとしても、その方々を結果的にサポートすることができます。私も対面で子供たちが外に出ていくきっかけがとても重要だと思っているので、地域の教育支援センターや学校の教育支援センター、もしくは民間施設も含めたほうが本当はいいかなと思いつつなんですけれども、そういったところで学ぶ、外に出て誰かと一緒に学ぶということは重要だと思うんですが、そこにいる人たち全員がカリキュラムを組むことのイメージを持てて、校長先生にこういった内容でどうでしょうと提案をできるようになるのはとても難しいことだと思うので、できれば校長先生にカリキュラム編成権があるという前提で、教育支援センターの方々と校長先生などがお話しする前提となるカリキュラムづくりみたいなことをつくるサポートセンターみたいなものが、自治体をまたいで設置されて成り立っていく仕組みなのかなと思っています。
ちょっと1点だけ、最後になんですけれども、現在のこの教育課程として認めるということが、将来にわたった進路選択のときに不利にならないようにというお言葉が先ほど栗山さんからありましたけれども、本当にそのとおりなんです。そのとおりなんですけど、もう一つ、それよりもこの通知表の斜線の斜線じゃなくなることの意義は、どちらかというと自分が自分を認めるということができなくなってしまう苦しいツールになってしまっているというのが、今の通知表の斜線なんです。それがあることで、今自分なりの頑張りをしているんだけれども、それは誰にも認めてもらえないことなのだということを証明されるようなツールが届いてしまっているので、もうそれがなくなるだけでも将来の進路選択に不利になる、ならないというよりは、今の自分を認めるためにも、今あなたが努力していることは、みんなでそれを応援して、堂々とそれを努力するということを支えているんだよということ、先生もそこを応援しているんだよということを示すツールとしての通知表に変わっていくので、そんなふうに変えていけるような仕組みになることがとてもうれしいなと思っています。
長くなりました。以上となります。
【伊藤主査】 ありがとうございます。長い間の実践の中からのいろいろな論点を具体的に挙げていただいたなと思っております。一つ一ついろいろ御質問したいこともあるんですが、進行上、次に行かせていただきます。
では、続きまして、金子京子委員ですね。どうぞ御発言よろしくお願いいたします。
【金子委員】 では、失礼いたします。皆さん、こんにちは。尾道市教育委員会の金子です。今年度から4年間、本市の小中学校及び教育支援センターにおいて、不登校児童生徒についての研究開発の指定を受け、取組を進めさせていただいているということで、今回ワーキングに参加させています。
研究開発の取組をスタートして、早いもので半年が過ぎておりますけれども、運営指導委員の先生方をはじめ、文部科学省や広島県教育委員会の支援、御指導いただきながら、今、チーム尾道で悩みながら全力で子供たちの成長を願い研究を進めているところです。
先日、学校から、昨年度、欠席が続いていた児童が4月から新たに設置した校内教育支援センターにおいて、新教科、はっさくタイムチャレンジで下学年の学び直しを行ったり、はっさくタイム表現の中で様々な体験活動等を行ったりする中で出席日数が増え、自分らしさを出して、友達や周りの大人たちの関わりを通して、笑顔で成長する姿が見られていると聞きました。本ワーキンググループの検討事項のこの5点、どれも今まさに本市で取り組んでいる内容でありますので、先行して取り組ませていただいている中での気づきを基に、この会の中でお話ができればなというふうに思っているところです。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、1つ目の制度設計の基本となる考え方とか留意点についてですけれども、校内外教育支援センターの位置づけは、まずは不登校、不登校傾向の児童生徒にとって、安全安心な居場所であるということは大前提でありますけれども、その上で、不登校、不登校傾向の児童生徒の個々の状態や実態に応じた資質・能力の向上に繋がる指導ができ、児童生徒の努力が正しく評価される、これは児童生徒の意欲の向上や成長にもつながっていきます。不登校、不登校傾向の児童生徒の実態は一人一人によって様々ですので、3の教育課程とも関わってきますけれども、ある一定の枠組みの中で、学習内容や時間、学習方法、学習場所、これらがどれも柔軟に設定できるという基本的な考え方がとても大切で大事だなと思っています。
また、今やってみて思っているところではありますけれども、過度な負担や負担感が生じないよう運用の手引を作成する方法というふうになっています。必要な様式、効果的な運用ができる解説なども含めた運用の手引き、これはぜひ作成していただきたいと思っています。
2点目の、対象になる児童生徒のところですけれども、今やっていて大事だなと思っていることは、子供たちのアセスメントということです。特別な教育課程の編成、これにもつながってまいります一番重要な点であると考えています。一人一人の子供たちをどう理解し、受容するのか。困り感をどう捉え、どのような支援が必要なのか、これらも含めてアセスメントするために、児童生徒に関わる様々な立場の複数の視点や観点から行っていきたい、これが大切だと考えています。
また、3つ目の特別の教育課程、これですけれども、アセスメントで把握した不登校児童生徒が抱える課題、本市、今現在整理している中では、心理面や社会面、学力面、これらの面で整理をしていますけれども、そのような課題、これを克服するための新設強化、これがやはり必要ではないかと考えています。一定の幅を持たせた緩やかな教育課程を設定しておくこと。新設教科の内容や段階を複数用意しておいて、児童生徒の興味関心、これらに応じて自己選択、自己決定できるようにして、小さな成功体験を積み重ねることで、次への意欲や成長につながっていくのではないかということを、今、考えながら取組を進めているところです。
先行して研究させていただいていますので、見えてきた成果、これらをしっかりとお伝えできるよう、さらに取組を進めていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 どうもありがとうございます。ぜひとも研究開発の成果のほうほうも聞かせていただきたいと思っております。では、続きまして、菊井雅志委員より、御発言よろしくお願いいたします。
【菊井委員】 ありがとうございます。京都府教育委員会の菊井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、この不登校児童生徒に係る特別な教育課程ワーキンググループの立ち上げに際しまして、事務局の皆さんの御尽力に深く感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
現在、私は京都府教育委員会で、義務教育課程の生徒指導教育相談のセクションにおります。特に我々のセクションに関わる仕事は、あまり明るい話題というのが多くなかったりとか、なかなか暗くなる方向の話題が多いと感じております。不登校児童生徒本人、それからそれに関わる先生方、それから支援員の皆さん、そして保護者の皆さんにとって、少しでも前向きになれる状況になるための議論を進めさせていただければありがたいなと思っております。
教育課程特別部会の中では、先ほど栗山室長のほうからも御説明がございましたが、2階部分の議論の中で、そこの中を見てみましても、通級指導、日本語指導、不登校児童生徒、特定分野に特異な才能のある児童生徒について取り上げられておりましたが、ここにお集まりの皆さんも十分御存じのことかと思いますが、複数分野にまたがって課題を抱えている児童生徒というのがたくさんあるかというふうには思います。
先日、特定分野に特異な才能のある児童生徒ワーキンググループを見せていただいておりましたが、その中で、京都教育大学の伊藤先生の御発言の中で、関わっておられる700名の児童生徒のうち半分が不登校というような御発言がございました。このような状況を鑑みますと、適切な表現ができているのかどうかはちょっと分かりませんが、いわゆるその2階部分はそれぞれが独立しているというよりも、フードコートのように、それぞれが必要なものをチョイスしていけるというか、いうようなイメージのものが好ましいのではないかということは考えております。もともと私は中学校の教員ですので、学校での経験の中で不登校生徒の担任をしたり、校内支援センター等で関わりをしてまいりました。今から20年以上前ですので、まだそんな不登校の子に対する支援センターの整備が進んでいないような、本当の初期の段階ではございましたが、その当時に不登校になり、家庭にずっといる生徒の担任をしておりました。その生徒は、進路選択が近づいてくる中で、自分はすぐにきっちりと学校に通うことは多分できないから、時間をかけて学べる定時制に進学したいと言って、定時制の高等学校に進学をします。その後、その子は、大学大学院に進学をして、自分は心理カウンセラーになりたいと言って夢をかなえたというような子がおりました。個別の事例を全体に適用できないということはもう十分承知をしておりますが、この生徒のように学びへのシフトが起きるということは往々にしてございます。学校内外の教育支援センターなどには、居場所としての機能と同時に、学びの場という機能もあり、先ほどもほかの委員からも御指摘がございましたように、それぞれの児童生徒の状態状況によって2つの機能、バランスというのは変えていく必要がありますし、理想的にはグラデーション化されていくものではないのかなと考えております。
その中で、本人が所属する学年の教育課程をそのまま適用して学習を進めることは難しいケースが多いことも事実ですし、児童生徒の努力に対して、その評価をしていくというのを従前の教育課程に沿ってするということは非常に難しいのが実情です。そのような視点から捉えますと、御提示いただきました検討事項論点というのは非常に的確であるだけでなく、そこで課題になろう点にも配慮されたものでもあるというふうな感想を持っております。これからの議論の中でお話が進んでいくかと、個別のことについては進んでいくかと思いますが、2点だけお伝えをさせていただきたいと思っております。
まず1点目は、学校現場の先生方に誤解を生まないような言葉の整理やメッセージの使い方というのがやはり重要になってくるのかなと思います。例えば、一般的に計画という場合と、教育課程での計画という場合のニュアンスの差です。教育課程で計画というと、基本的には年間指導計画にのっとって実施をしていく。端的に言いますと、計画に合わせていくというイメージが強くなりがちです。そこでのイメージの違いには、やっぱり細心の注意を払っていく必要があるのかなと考えております。
2点目は、十分に御配慮いただいているかと思いますし、資料からも感じておりますが、柔軟な教育課程を目指していく中で、不登校児童生徒に係る特別の教育課程が柔軟に運用できないことにならないように細心の注意を払う。決まりをというか、この方針を決めていく中でそこで縛られてしまうようなことのないようにするということが必要かなと思います。例えば、不登校の児童生徒が通う場所は1か所であるとは限らず、教育支援センター、SSR、教室を3ウェイで通っているケースもあります。このような児童生徒の状況や指導の様子に対応、それから情報を共有するということも前提としながら議論を進めていく必要があるかなと思っております。
不登校児童生徒に係る特別の教育課程については、全ての児童生徒に対しての議論に繋がるものであると確信をしております。私自身も、このような場を頂戴しましたことに感謝しつつ、皆さんの議論や、子供たちのお力になりますように、学びを進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 どうもありがとうございました。御提案とか言葉の使い方の注意など大事な点を出していただきました。ありがとうございます。
では、続きまして、工藤宏敏委員より、御発言をお願いできますでしょうか。
【工藤委員】 皆様、こんにちは。御紹介いただきまして、ありがとうございます。福岡県教育委員会高校教育課の工藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私の所属は高校教育課ということで、私自身も高校のほうで勤務をしておりました。理科を教えておりまして、教育委員会、飛び飛びですけども、教育委員会に参りまして、今年で8年目になります。連続ではありませんが、8年目になります。今お話を聞かせていただいて、また、現状と課題のお話を聞かせていただいて、義務教育の教育課程については、あまり明るくありませんので、どこまでお役に立てるかは分かりませんが、高校教育という立場で、特に接続とか、そういったところについて話ができればなと思っております。
福岡県といたしましては、本年度から、学びの多様化学校として小郡高校というところにみらい創造コースという、公立の学びの多様化学校を今年度からスタートしました。定員は40名で、40名入学しておりまして、今それぞれのペースで学びに向かっているところであります。課題はゼロではありませんが、比較的順調にいっております。これからまた課題が発生する可能性もありますので、そのことも含めて、このワーキンググループで共有させていただければなと思っております。
それと、私自身がこの主幹指導主事になる前に、博多青松高校という福岡県立の定時制単位制高校の校長をしておりまして、ここが、定時制単位制高校ですから、生徒の様子というのは、現状を考えると、多くの生徒は不登校を経験している生徒が非常に多い学校です。定時制課程と通信制課程を併置している学校で、定時制課程が約1,000名在籍しております。通信制課程は1,600名在籍しております。本当に様々な生徒がいて、入学してきたとき、または転校してきたときについては、不登校からようやく回復したとか、まだ不登校が回復できていないというような生徒も多いのですが、この博多青松高校の学びの中で本当に劇的に変わるというか、そういったものを目の当たりにしました。私自身も、ここの校長を2年間経験することによって様々な発見がありましたし、そういった観点からも、今回のワーキングの中で、何か接続という面、また、高校教育の教育課程という面でお役に立てればなと考えております。
少し短のですが、以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 ありがとうございます。高校入試の問題とか接続という切り口にも言及していただきました。ありがとうございました。
では、続きまして、黒沢先生です。黒沢正明主査代理より、御発言をお願いできればと思います。
【黒沢主査代理】 ただいま御紹介いただきました黒沢です。今回のワーキングの委員になったことを非常にうれしく思っています。また、主査代理という大役も仰せつかったので、少し気合入れて頑張らないとななんて思いも今しているところです。
私自身は、社会人としてはエンジニアでスタートをしていまして、15年ほどIT系の技術者として仕事をしまして、その後、別の会社に移って、そこでは経営戦略ですとか、あるいは商品企画ですとか、そういったことも経験して、どっちかというと会社のかじ取りなんかをずっとやってきたんですけども、その後、御縁がありまして、八王子の民間人公募を経て、学びの多様化学校の第1号であります八王子市立高尾山学園の校長に着任しました。12年間不登校の子たちと向き合ってきたんですけども、高尾山学園に来る子供たちというのは、軽い不登校ではなくて、もう全欠状態が続いて、最後どうにかならないかということでたどり着く子がとても多いんですけども、そういう全欠状態だった子が最終的に意欲を取り戻して高校に進学していくわけですけども、卒業生、僕自身で500名以上見送ってきましたけども、そういう子供たちを見送る中で学校の経営というのをずっと考えてやってきたところです。
私が着任した頃は、どちらかというと軸足が居場所というところに重きを置いた学校経営だったんですけども、これじゃ駄目だよねという話も教員とも話をしながら、どちらかというと進路とか学習とか、もちろん居場所の機能も持っているわけですけども、そういう方向に軸足を移しながら、進学率の向上ですとか、高校進学した後も、残ってくれないと意味がないので、そこの定着率の向上だとか、そういったものをKPIとして学校経営やってきまして、成果は出したとは、なかなか自分の口からは言いにくいんですけども、頑張って子供たち卒業していってくれました。あの全欠だった子があれだけ頑張れているんだよというところは、僕自身もいろんな方に御説明もできますし、いろんなとこでお話しできるかなと思っています。
現在は、豊島区のほうに、校長を退職しまして、現在は豊島区の教育委員会のほうで、不登校対策スーパーバイザーなんていう肩書の職業についています。今まで多様化学校の形をメインにやってきたんですけども、今年からは、校内教育支援センター、いわゆるSSRの助言ですとか、そこを巡回する先生の助言だとか、中にいる支援員さんへの助言だとか、一般教員に対する不登校を出さないための研修だとか、そういったことも今視野に入れて仕事をしておりまして、多様化学校の経験と、それから今、教育委員会でそういうことの経験と合わせ技で、今回のワーキングの中でいろいろ発言できたらなというふうに思っております。両方見てきたからこそ、言えることがあるんじゃないかなというふうに自分自身では考えているところです。
何よりも、不登校出さないというのが本当の一番の目的だとは思うんですけども、学校に行く楽しさをどうやったら子供たちが見つけられるのかとか、そういうことも重要じゃないかなと思っています。僕の持論なんですけども、500人卒業生、在校生も入れるとそれ以上たくさん見てきていますけども、潜在的にはどの子も、不登校とはいえども、学びたいという気持ちは持っているんです。持っていても、それがうまくいかないからなかなかうまくいかない。みんなと、友達とわいわいがやがややりたいという気持ちも、潜在的にはみんなどの子も持っているはずなんです。でも、それがうまくいかないから不登校。でも、環境と条件さえ整えてあげれば、この子供らしさというのがちゃんと戻ってくるといいますか、発揮できるような子供たちになりますので、ぜひそういう潜在的なものも引き出せるようなものにしていけたらなと思っております。
私からは以上になります。
【伊藤主査】 力強いお言葉、どうもありがとうございました。
続きまして、貞広斎子先生、大丈夫でしょうか。お残りいただき、ありがとうございます。では、すみませんが、御発言よろしくお願いいたします。
【貞広委員】 よろしくお願いいたします。御指名いただきまして、ありがとうございます。千葉大学の貞広と申します。
皆様の優れた実践を伺っている中で大変恐縮ですけれども、私、実践の経験は全くございませんで、公共政策、とりわけ教育政策や教育制度の研究をしております。そうした制度設計という観点から、こちらに関わらせていただくことになろうかと思います。また、教育課程企画特別部会の検討に参加をしておりますので、そちらとの接続というものも強く意識して参画させていただきたいと思います。
先ほど事務局からの御説明に、小中学校で不登校が34万人と、改めて御説明がありました。これも皆様には言うまでもありませんけれども、この数というのは例外的に学校になじめない子供がいるというレベルはもちろん超えています。また、それだけではなく、むしろ現在の学校のシステムにシステム自体のゆがみとか、社会や子供たちの生育プロセスとのミスマッチが存在するという子供たちからのメッセージとして読み取るべきだと考えています。多様なニーズに寄り添い、全ての子供の健やかな育ち、学びを保障して、社会的包摂を実現することは社会的責任であるということを再認識する必要があるというのは言うまでもないと思います。そういう観点から、こういうワーキングが新たにできたということも感慨深いものですし、そこの中に参加させていただけるということも大変ありがたいことだと思います。このワーキング、特出された不登校ワーキングというだけではなくて、先ほど教育課程課さんから1階建て、2階建てという教育課程の御説明ありましたけれども、この2階建てとしてカテゴライズされているこの2階建ての部分の包摂性が高められることによって、1階部分の居づらい思いをしている子供たちの包摂性、2階から1階を問い直していくような、そういう方向性もあるのではないかというふうに期待をしているところです。
一方、やはり公的な資金を使って公教育の枠組みの中で行うというふうになりますと、質の保証というものが問われるという点があります。ただ、質保証の厳格化を進めれば進めるほど、何というんですか、こうした多様な教育機会、多様な学びの場からも取りこぼされるような子供が増加するという、最も避けたいジレンマも生じますので、この点について2点申し上げたいと思います。それについては、スモールスタートということとシームレスということを2つ申し上げたいと思います。完璧とかいいものを求めるというのは、質保証だけではなく、恐らくここのワーキングで、全ての子供をとてもいい形で包摂しようと、あっちもこっちもどっちも全部うまくいくようにしましょうと、かなり高い目標を掲げて頑張るというようなやり方というのもあると思うんですけれども、こちらのワーキングも立ち上がったばかりということもありますし、本当に正面から向き合って教育課程から新しくつくるという取組も、これで初めてなわけですので、あんまりここのワーキングで高い球を投げていくということを強く意識するというよりも、今後の試行錯誤も想定をして、まずは千々岩さんからワークするという言葉がありましたけれども、とにかく最低限でも何らかの形でワークするものを立ち上げると。そこから試行錯誤して育てていくというような思考で考えるということも必要なのかなと思いました。これが1点目です。
2点目でございます。シームレスということに関してですけれども、室長の御説明の中に、学びに向かいつつある選択肢というフレーズがありました。これ、とてもいいなと私、思います。学びに向かいつつある。向かう日もあれば向かわない日もあるし、子供1人にとっても行きつ戻りつしていると。そういう意味では、資料の中に、資料1の8ページでしょうか、不登校児童生徒の多様な学びの場を校内教育支援センターからアウトリーチまで、グラデーションに伴ってかき分けていただいていますけれども、子供たち、この場を行きつ戻りつすることもあるわけですよね。先ほど菊井委員でしょうか、フードコートのようにいろいろというふうにおっしゃったんですけれども、どこかにずっといてというよりも、この場をシームレスに行きつ戻りつし、子供たちの状況変化を含み込めるような、そういう柔軟性を伴った教育課程ということも意識しつつということが重要かなと思いました。
最後に、今多様な教育機会、多様な学びの場の保証というのは、残念ながら、地域の財政力とか、地域の人口の集中の関係性などによって、かなり異なっていると思います。これは致し方ない部分もあろうかと思います。とりわけプライベートセクターの供給というのは、かなり人口が、ボリュームがないとなかなか成り立たないというところがあるので致し方ないところはあるんですけれども、子供は住む場所は選べませんので、どこの場にいても、何らかの形で、多様な学びにつながっていく、細くでもつながり続けるような地域による差をいかに解消していくかという視点も非常に重要だろうと思います。
以上、意見とさせていただきます。ありがとうございました。
【伊藤主査】 大事な観点を出していただきまして、ありがとうございます。先生に言っていただいたように、スモールスタートという視点も大事だということを痛感しました。ありがとうございます。
では、続きまして、鷲見佐知委員より、御発言のほうをお願いできますでしょうか。
【鷲見委員】 よろしくお願いいたします。岐阜市子ども・若者総合支援センターの所長をしております鷲見佐知と申します。「鷲見」と書いて、この辺りでは「すみ」というふうに読みます。これからどうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介を兼ねてなんですけれども、私自身はもともと教員でして、長い間、特別支援教育に携わっておりました。その中で、特別支援教育としての特別の教育課程というものも組んできましたし、個別の教育支援計画ですとか指導計画というのも長年つくってきたという経緯がありますので、今回このお仕事をいただきまして、その辺りとどう考え方が同じところがあるのか、または異なるのかというところも非常に興味を持って聞かせていただいているところです。その後、特別支援教育の行政職として市教委ですとか県教委としても仕事をさせていただいたということもあるんですが、その後、私自身は岐阜市立の草潤中学校という学びの多様化学校のほうで、校長として2年間、勤務をさせていただきました。これまた、特別支援教育と重なる部分も非常に大きいなと思いながらの2年間だったんですけれども、先ほど黒沢委員さんがおっしゃったこと、本当に私もこの2年間で感じていました。最初は、やはり特例校ということで、まずは居場所という理念がすごく強いものだったんです。私自身は、開校して3年目と4年目にそこで勤めたんですけれども、最初、居場所としての意味合いをずっと教員が重要視しているうちに、子供たちが持て余すようになってくるなというのを非常に感じました。それで、令和5年、6年といたんですけれども、やっぱりそこに子供たちって学びを欲しているんだということに、子供たちの声から何となく気づいてきたということもありましたので、私が何とか個別のニーズに沿うような、本当に一人一人が学びのプランを持てるような、そんな仕組みを取り入れましょうということで、実は草潤中学校では学びプランというものをつくってずっと展開してきたところであります。
とはいえ、本当に難しかったんです、正直なところを言って。子供たちの様相というのはグラデーションのように様々で、まだまだ学びに向かえない状況の子から、ものすごく進路を、進学を目指して一生懸命取り組む子まで様々で、どういったレベルの目標値を持たせればいいのかという辺りとか、本当に戻っていく辺りをどうやってつくっていくかというのも随分悩んだというところがあります。ただ、本当に大事なのは、なかなか子供一人一人の中に学びというものについて火が消えてしまっている子たちに、その火をまずともしてあげるところからなんです。一生懸命、フーフー吹いていくと、その炎が大きくなって、ともするといつでもその火は消えてしまうんですけれども、だんだんその火が大きくなると、自分でその火を大きくしていくことができるような印象を持ちます。
ですので、子供たちに付いた火というのをちゃんと持続したりとか、しかるべき方向に向かって燃えていけるような、つけてあげた翼を自分で羽ばたかせて飛んでいけるようにしてあげたいというのが、当時の草潤中の職員の願いだったということもありますので、今回の個別というか特別な教育課程というものが、子供に寄り添ったものであるということはもちろんのことだと思うんですが、それが教師のものだけにならないように、子供自身が手の届く、これならできるんだとか、これなら頑張れそうだとか、実行可能だ、このハードルなら飛べると思えるような、そんなカリキュラム、教育課程であって、それが教師にも子供にも見えるような、そんなものであるといいなというふうには個人的には思っています。ただ、先ほども御意見の中にあったように、やはり非常にどうしても年間計画という意味合いもあるでしょうし、計画を立てること自体に困難さがあるのじゃないかとか、運用していくことも、そんなに長期的にできるのかという非常に不安な部分もあります。ちょっとその辺りが、今後の話合いを通して、私の中でも解消して、よりよいもののスタートが切れることを願っています。
現在は、通称エールぎふで、岐阜市の市長部局がやっている校外の教育支援センターを含む、よろず岐阜市の子供たちの相談を賄っている大きな教育支援センターなんですけれども、やっぱりここならではの強みもあります。弱みもありますけれども、そういったところで、どのように不登校の子たちの教育課程に対して貢献ができるかなというのも、またひとつ、皆さんの御意見いただいたりする中で、私自身もちょっと考えさせていただきたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上になります。
【伊藤主査】 ありがとうございます。本当に学ぶということに対していろんな観点を御提供いただいたなと思っております。
では、最後になりましたか、藤田修史委員より、御発言のほうお願いいたします。
【藤田委員】 皆さん、こんにちは。東京都教育庁の指導企画課長の藤田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私自身、こちら、今教育委員会に参りまして、今年で15年目になります。それ以前は、都内の公立中学校で教員を19年間やっておりました。19年間担任をほとんどやっておりましたけれども、多くの学級で、やはり自分自身と向き合い、その中でなかなか前に進むことができずに、学校を欠席がちになってしまうようなお子さんもクラスに必ずおりました。その当時、まだスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、いわゆる専門職の方も学校にはおりませんでしたので、担任や学年主任、それから生活指導の主任等々と、一人一人に対してどのような支援の在り方が必要なのかということを、毎日本当に手探りでやっていたという覚えがございます。現在、こちら教育委員会では、私の担当業務といたしましては、教育課程、人権尊重教育、生活指導、安全指導、不登校施策と、非常に多岐にわたる教育課題の解決に資する部分を担当しておりますけれども、その中で、昨年度から東京都のほうでも不登校施策、かなり重点を置いてやっておりまして、令和5年度からは、いわゆる校内教育支援センターの新規設置の促進であるとか、昨年度からは中学校における不登校の巡回教員の配置、それから、冒頭に御紹介いただきました、いわゆるチャレンジクラス、不登校対応の校内分教室の設置等々、不登校の子供の状況に応じた支援の強化に現在取り組んでいるところでございます。
本日も、委員の皆様からいろんな御指摘をいただいておりますので、私も話をするとどうしても重複する部分はありますが、御容赦いただければと思うんですけれども、ちょっと私の中で一番大切にしていきたいなと思っているのは、いわゆる課題論点の中の2番目の対象となる児童生徒、こちらでございまして、そこを中心に、今やっている事業と絡めながらお話しさせていただければと思います。
御説明にありましたように、全国で不登校児童生徒の状況に応じた多様な学びの場、東京都のほうでも整備を進めておりますけれども、やはり不登校が長期化した場合に、多様な学びの場とつながり安心して生活できるようになって、さらに学習に向かうことができた場合、やはり下学年の内容に遡り学習に取り組むことができても、それがいわゆる評価に反映できないという部分がジレンマとしてあったのかなと思っています。
東京都で令和6年度から設置したチャレンジクラスにおきましても、昨年度は、設置校の教育課程ではなかなか生徒の実態と合わず、指導と評価が難しいというケースがございました。このことにつきましては、4月に行われました教育課程企画特別部会においても発表させていただいたところでございます。今年度は、新規設置の学校4校と合わせまして、14校でチャレンジクラス、スタートしておりますけれども、国の研究開発学校の指定を受けまして、在籍する一人一人の生徒の学習進度や実態に応じた特別の教育課程編成の在り方に取り組み、個々の得意、不得意を生かせるようにするなどの研究を実施し、多様な個性や特性、背景を有する子供たちを包摂する柔軟な教育課程の編成の制度化を実現するために、現在、知見を深めているところでございます。
この14校に設置したチャレンジクラスですけれども、現在200名以上の生徒が在籍しており、9月段階でも、在籍児童、在籍生徒が増加傾向にございます。生徒にアンケートで伺ったんです。チャレンジクラスに期待することは何かといったときに、やはり最も多かったのが、教科等の学習のサポート、これが半数近くの生徒がそのように答えております。それに次ぐものとして、友人関係づくりでありますとか、行事や体験などの充実、卒業後の進路に関する支援、こういったふうになっております。
実際、入級に当たりましては、学級を設置する教育委員会が、説明会や見学会等を行うと共に、生徒や保護者と丁寧に面談をし、アセスメントを行いながら、いわゆる通級といいますか、学級へ入る、そういった意思の確認をしておるところでございます。入級した生徒の不登校に至った理由は本当に様々かと思います。ただ、今まで委員の皆様からお話ありましたように、やはり何らかの理由で不登校に至ったお子さんにしても、いろんな要因はあると思うんですけれども、私は中学校の教員として見ている中で、その子たちに共通していることは何かといったときに、自分のことをやはりより客観的に見ているお子さん、また、自分と向き合っているお子さんが、どうやっていわゆる自分の壁を乗り越えたらいいのか、乗り越えることがしたらいいのかというところで、非常に困難を抱えているようなお子さん、これは共通項としてあるのかなと思っております。ですので、このチャレンジクラスでもそういうお子さんと丁寧に寄り添いながら、いわゆる伴走しながら、少しずつ学びに向かう力を蓄えて、今、実際には実績に登校できる生徒が増えたりとか、出席率も向上しております。また、これまでの学習の学び直しから前向きに学習に取り組むことができたなどの成果も得られております。
今まで皆様方のお話にもありましたように、とかく教育課程といいますと、やはり学校側からとか、教員の側からつくり上げていくものというふうに捉えがちかと思うんですけども、やはり冒頭の栗山室長の話にもありましたように、大切なのは個々の児童生徒に着目したという部分が一番肝になるのかなと思っておりますので、私どもも施策進めていく上で、1人の子供も取り残さず、どこともつながりを持たないお子さんがゼロになるように、今後も行政としてやれることをやっていきたいなと感じているところでございます。
また、チャレンジクラスの取組等々について、成果等をまとめながら御発表いただける機会がありましたら幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 ありがとうございました。今10人の委員の皆さんから御発言を頂戴しました。予定のお時間がまだ少し残っておりますので、私も主査ですが、自己紹介する暇があまりありませんでしたので、少しだけ、あまり長くならない形でお話しさせていただきます。私自身はもともと高校の教員で国語を教えていたんですが、その中で不登校の子に出会って、気がついたら心理の道に入っていたという流れがあります。
国との関わりで言いますと、2002年に「不登校問題に関する調査研究協力者会議」に関わったのが最初で、その後、確保法の議論にも加わりました。この法は、不登校への支援についてとても大きな指針だと思っているんですが、その後、今回も本当に大きな新しい局面に進んでいくところだと思っております。この過程に参加させていただくことになり、私自身も大変勉強になっているところです。現在は、大学で心理士になる学生たちの指導の傍ら、現場でスクールカウンセラーをずっと続けていたり、学びの多様化学校にも少し関わらせていただいたりしておりますので、本当に現場のいろんな声を今回の議論の中に生かしたいと切に思っています。
今10人の先生方のお話をお聞きしましても、不登校も本当に多様なんですが、今回の委員の先生方の背景とか御経歴とか思いとか、それもとても多様で、この10人の先生方の知見をたくさん取り込みさせていただいて、いい制度がつくれるといいなというのを実感しております。途中にもありましたように、居場所か学びかというのは二項対立では決してないなと思っていますので、今回のことが、いろんな子たちの声、あるいは親御さんの声とか先生方の声とか、現場の声をしっかりとすくい上げながら、新しい制度ができると、私自身もありがたいと思っております。
まだ時間のほうが残っております。私も先生方が出していただいた言葉、もう本当一つ一つ、5分と言わず、もっともっとお聞きしたいなというのが本音なんですが、多分先生方もほかの委員のお話聞かれて、この点もちょっと思い出したとか、ここは最初にぜひとも言っておきたいということがおありなんじゃないかなと思います。もし、さっき言い残したとか、あるいは新たにこの辺ちょっと言っておきたいということがございましたら、順不同で挙手いただきまして、追加の意見をお話しいただけるとありがたいと思います。先生方、いかがでしょうか。
先ほどのご発言にも、重要な言葉がたくさんちりばめられていて、一つ一つ、本当にもっと聞きたいと思っていますし、特に、今回教育課程に編成していくことについても、それががちがちの制度というふうになってしまうと、マイナス面とか、子供たちのしんどさにつながってもいけないし、現場の負担になってもいけないし、その辺を柔軟に、でも、子供たちにとって一番大切な方向は何なのか、子供の学びたいという気持ちをどうやったら、強制的に学ばせるのではなくて、子供たちが学びたい気持ちになったときに、その子が学びたいものを提供できるような、そういった仕組みがどうやったらつくれるのかということを私自身も考えていました。多分、今回の先生方の学びの多様化学校での取組であるとか、校内教育支援センターでの御実績とか、そのほかNPOの取組であるとか、本当に一つ一つがモデルになって、そこから新たなものにしていくということが今回のミッションになると思います。
今後、月1ぐらいの頻度で、委員会のほう、ワーキンググループのほうを続けていきますので、またそのときに、ぜひとも、今日言い足りなかったところも含めまして、御意見を頂戴できたらと思います。
では、本当にたくさんの御意見、ありがとうございました。予定よりは少し早いですが、本日の議事は以上とさせていただきたいと思います。
では、最後に、次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 次回以降の予定でございますが、参考資料5を現在画面に投影しておりますけれども、次回の会議は11月4日火曜日15時30分から17時30分、第3回は12月3日水曜日13時から15時を予定してございます。学びの多様化学校や研究開発学校の取組など、具体の取組について御発表やヒアリングなども、今後、お願いをしていきたいと思っておりますけれども、具体的な検討事項や論点、それから議事の進め方につきましては、後日正式に御連絡をさせていただきます。
【伊藤主査】 ありがとうございます。
それでは、以上をもちまして、本日の不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループを閉会とさせていただきます。どうも皆様、御協力ありがとうございました。また次回以降、よろしくお願いいたします。
―― 了 ――
初等中等教育局児童生徒課生徒指導室
電話番号:03-5253-4111(代表)