令和8年3月17日(火曜日)10時00分~12時00分
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【伊藤主査】 定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループの第5回を開催いたします。
本日は、不登校児童生徒に係る特別の教育課程の個別の指導計画の方向性につきまして、前回のワーキンググループの論点整理を踏まえまして、審議を行いたいと思います。
では初めに、事務局から説明の後、事務局からの説明を踏まえた意見交換の時間を設ける予定でいますので、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局より御説明、よろしくお願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 皆様おはようございます。生徒指導室長の総崎でございます。
それでは、資料に基づいて御説明をさせていただきます。
2ページ目、ワーキンググループにおける検討事項・論点として、毎回のワーキングで確認しております、見取り図でございます。本日は、特別の教育課程における個別の指導計画等の方向性について御検討いただきます。これに基づく学習評価に係る具体的な方向性については、次回の検討とさせていただいております。
3ページ目、これまでの議論のポイントと今回のワーキンググループの進め方ということでまとめてございます。これまでの議論の中で、「具体的には」と書いておりますが、特例の対象となる児童生徒や特例の対象となる教育活動、授業時数などの考え方について、参考資料をそれぞれつけておりますとおり御議論をいただいてきたところでございます。
前回のワーキンググループにおきましては、この特例における個別の指導計画に係る基本的な考え方、そして個別の指導計画に必要であると考えられる視点について、丸1から丸5のとおり整理をさせていただいたところでございます。本日は、個別の指導計画の方向性について検討を行うということで、具体の議論に入ってまいりたいと思います。
4ページ目、個別の教育課程、そして指導計画の必要性という点について、まず確認的に皆様に御議論のおさらいをさせていただきたいと思います。「教育課程、指導計画の位置づけ」として、通常の教育課程に関して、中学校学習指導要領の解説総則編を抜粋した記述を持ってきております。「教育課程は各教科、道徳科、総合的な学習の時間及び特別活動、教育内容というものについて、それらの目標やねらいを実現するように、教育の内容を学年段階に応じ授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画であり、それを具体化した計画が指導計画であると考えることができる。学校における実際の作成の過程においては両者を区別しにくい面もあるが、指導方法や使用教材も含めて具体的な指導により重点を置いて作成したものが指導計画であると言うことができる。」とされてございます。
一方で、不登校の児童生徒については、学習に向かうこと自体が困難なケースが多かったり、下学年や下学校種の学び直しが必要なケースもあるといった特性がございます。こういう中で、通常の教育課程での指導が困難な場合が多いという現状がございます。
その中で、不登校児童生徒が学びに繋がるように支援していくことの重要性というものもあることを鑑みれば、本人の関心や学習の定着状況等を踏まえた取り組むべき教育内容と、それに基づく目標やねらい、また、学習に向き合える時間などの状態を踏まえた授業時数に基づく指導を実施する必要があるということで、こうした点を踏まえた個別の教育課程の編成が必要になってくると考えているところでございます。
そして、個別の教育課程を編成するからには、それを具体的な指導に繋げるための指導計画についても、編成した教育課程を具現化するものとして個別に作成することが求められるということから、個別の教育課程、指導計画が必要であると考えているところでございます。
続きまして、この個別の教育課程の編成に当たって、不登校児童生徒の特性を踏まえて配慮すべき事項や具体的な個別の指導計画に盛り込むべき要素について、検討してまいりたいと思います。
この特例における個別の教育課程・指導計画について、整理させていただいております。まず前提として、この特例の対象となる不登校児童生徒に対しても、制度的に質が担保された学校教育に基づく学びを保障する必要があるため、本特例においても、学習指導要領に示す教育課程の基本的な考え方自体は共通して当てはめて考える必要があると考えているところでございます。
その前提を踏まえますと、少なくとも、教育課程の根幹をなすものとして、教育内容、目標やねらい、授業時数などは、本特例における教育課程においても根幹をなすものであり、これらを具体的な指導に繋げる指導方法を含めて、指導計画において不可欠な構成要素といえるのではないかと考えております。
その上で、不登校児童生徒の多くについては、十分な学びの時間を確保できていない、下学年や下学校種の学び直しを必要とするケースもある、学習に向かえる時間に制限があるなどの特性があることを踏まえますと、教育内容、目標やねらい、授業時数の弾力化の必要性があると考えております。
この弾力化については、計画に落とし込む期間も含めた弾力化が必要と考えておりまして、具体的には年度を通した作成に限らず、児童生徒が取り組むことができる期間を柔軟に設定していくということが必要になってくると考えているところでございます。その際に、通常の教育課程の学びに繋げる観点を意識しつつ、学習指導要領の内容との整合を図ることも必要だと考えております。
次に、通常とは異なる学習環境の中で、状態が変化しやすく、学びに向かうことが難しい不登校児童生徒にとっては、子供自身が自身の学習目標の設定にも関わり、工夫して学習を進め、振り返る中で、学びを積み重ね、学習意欲や自己肯定感を取り戻していくという視点が極めて重要と考えているところです。したがいまして、児童生徒が計画の作成過程にも深く関与した上で学びを積み重ね、教師はその学びに伴走しながら必要な指導を行うという、児童生徒と教師がそれぞれの視点から活用することを前提とした、新たな性質を有する指導計画というものが必要ではないかと考えております。
また、児童生徒が学びのサイクルというものを実感する観点から、不登校児童生徒にとって学びにおいて意識したい視点の設定や、取り組んだ学びへの振り返り、児童生徒の学びや在籍する学校や学級で再び学びたいという本人の思いを後押しするためのフィードバック等が必要であり、指導計画にこうした新たな要素を加える必要性があると考えているところでございます。
これを踏まえまして、この特例における指導計画は、児童生徒の視点では「自身の学習」を見える化するもの、教師の視点では「学習への伴走の過程」というものを見える化するものとして整理してはどうかと考えております。また、こうした指導計画の位置づけや趣旨というものを適切に浸透させるように、この特例における指導計画の適切な名称というものについても整理してはどうかと考えているところでございます。
その上で、指導計画に盛り込む要素としては、学びにおいて意識したい視点、順序を含めた教育内容、目標やねらい、指導機関や教材を含んだ指導方法、授業時数、振り返り、フィードバックが考えられるのではないかとしているところでございます。
6ページ目、本日の議論の全体像について、補足イメージとしてまとめているものでございます。本日、御議論いただきますのは、個別の指導計画に盛り込むべき要素とプロセスとなっております。指導計画に盛り込むべき要素につきましては、先ほど確認した7つの事項について、上段の四角の中に枠囲みで記載をしているところでございます。また、指導計画の作成のプロセス、そして、その作成した指導計画に基づいて指導を実施し、振り返りやフィードバックを行い、また、指導計画の見直しを行っていくというこの流れについて、資料の下段で図にまとめたところでございます。
この流れの中で、先ほど申し上げた7点の指導計画に盛り込むべき要素、青い四角囲みで囲っている部分、「「学びにおいて意識したい視点」」の設定」や「授業時数・指導内容・指導方法等の設定」、そして指導を実施した上での「本人の振り返り・フィードバック」といった段階での取組について指導計画に落とし込んでいくといったことを想定しているというところでございます。
このポンチ絵につきましては、最後に全体の振り返りとしてまた戻ってまいりたいと思いますけれども、以下の資料につきましては、この指導計画に盛り込むべき要素、7つの要素と、指導計画作成から指導の実施などの流れ、プロセスというものについて、基本的な考え方、制度としての考え方をどのように整理したかというところを書かせていただいているものでございます。
それでは、具体に個別の指導計画に盛り込むべき要素として、まず「学びにおいて意識したい視点」について御説明をさせていただきます。この特例につきましては、不登校児童生徒の学びに向かいつつある気持ちを十分に受け止め、適切な学びに繋げていくことを目的としたものでございます。この点を考えますと、「何を学ぶか」という視点のみならず、「どのように学ぶか(どのようなことを意識すれば学びに向かいやすくなるか)」といった視点が極めて重要になってくるものと考えております。
その上で、子供自身が自身の計画作成に十分関与しながら見通しをもって学びを進め、振り返り、成果を味わい、次の学びへの意欲を高めるといった不登校児童生徒の学びのサイクルというものを実感させる視点というものが重要になってくると考えております。
この点については、通常の教育課程について、「総則・評価特別部会」においても、多様な特性等を有する児童生徒が主体的・対話的で深い学びを実現できるよう、「個に応じた学習過程」を充実させていく中で、学習前の見通しを持つ段階、そして学習中の攻略を工夫しながら学習を進める段階、学習後においての学習の成果を外化し振り返って次の学習に繋げる段階の3段階のプロセスを児童生徒が円滑に行うことができるような教師の指導や支援が重要であるという点が示されてございます。
こうしたいわゆる自己調整学習のサイクルを自律的に循環させ、学びを深めていくといった視点は、不登校児童生徒の学びとも親和性が高いと言えるのではないかと考えております。さらに、不登校児童生徒の特性を踏まえますと、通常の学習過程と比べて、より細やかで小さなステップを積み重ね循環させていくということが重要である点に留意が必要と考えておりまして、この特例における不登校児童生徒の「学びのサイクル」の考え方の重視というものについて、下のマトリックスで示させていただいているところでございます。
一番左に、「個に応じた学習課程」の3段階を示しております。これをより細やかで小さなステップとして、「不登校児童生徒の「学びのサイクル」の考え方を踏まえた観点例」として書かせていただいております。それぞれ「学びの「目標を立てる」観点」や「学びを「始める」観点」、「学びを「進める」観点」や「学びを「続ける」観点」、「学びを「振り返る」観点」や「「新たな学びに繋げる」観点」といった、この観点に基づき、具体のそれぞれの子供たちの状態に合わせて、「学びにおいて意識したい視点」として、個別具体的に子供たちの指導計画の中に記載をしていくということを想定しております。
「学びにおいて意識したい視点」の記載例は、マトリックスの一番右に記載しているとおりでございますが、例えば「1日1回は自分から机に向かうようにする」や「20分間は集中して学習に向かうようにする」といった記載をすることが想定されると考えております。
なお、「学びにおいて意識したい視点」ですけれども、不登校児童生徒の多様な状態を踏まえますと、全ての観点について計画当初から書き上げることはなかなか難しいと考えておりますし、必ずしも順序を伴って記載するものでもないと考えているところでございます。マトリックスの下に米印で書いておりますとおり、児童生徒の状態に応じて、必要な観点から記載をするイメージで捉えているところでございます。
こうした「学びにおいて意識したい視点」というものを個別の指導計画に記載することで、教師と児童生徒が学びにおいて意識したい視点を共有し、児童生徒が学習を円滑に行っていくことを助けていくということを考えております。
この「学びにおいて意識したい視点」につきましては、発達段階や学習の進捗度に関わらず設定できる点や、現在の自分自身と向き合いながら小さなステップから設定できるといった点から、自己選択や自己決定が比較的容易であり、また、それを振り返ることに対する心理的な抵抗感も比較的少ないものと考えております。このため、「学びにおいて意識したい視点」というものを計画の中に要素として位置付けることで、子供自身の学習への関与を支援することにも繋がっていき、学習意欲等を向上させることも期待できるのではないかと考えております。
また、「学びにおいて意識した視点」の設定にあたっては、教師が児童生徒とどのようなやりとりを経て設定したかということも併せて記載しておくことも有効と考えているところでございます。記載に当たってのより具体的な考え方については、運用の手引で示すこととしてはどうかとさせていただいております。
続きまして、「教育内容、目標やねらい、指導方法、授業時数」についてでございます。この項目の必要性についてでございます。まず、不登校児童生徒の実態に照らして、過大な目標や学習計画を立ててしまうと、かえって学びに向かう意欲を低下させてしまうといった指摘もあるところでございます。このため、教育内容というものについては、一定の考え方を整理した上で、計画段階では柔軟な運用、例えば、標準授業時数を下回る時数の設定などについても可能とするといったことで整理をさせていただいているところでございます。
この特例においても、通常の教育課程との関係性を十分に勘案し、可能な限り幅広い教科等の内容を取り扱うことや、そのために必要な時数を確保することが望ましいということはございますが、一方で、不登校児童生徒が様々な背景や理由により学びに向かえていないという実態を踏まえますと、通常の教育課程の教育内容や授業時数をそのまま適用するということには限界がございます。
こうした双方の視点を十分に踏まえて、この特例を活用した学びが、通常の教育課程の学びにも繋がっていくと考えられる場合には、計画作成段階において、弾力的な運用を認めるべきではないかとしているところでございます。その上で、教育内容や時数の弾力化をどこまで可能とすべきかについては、学びの多様化学校や、研究開発学校の取組も踏まえて、運用の手引での整理も含めて引き続き検討が必要ではないかと考えているところでございます。
さらに、指導計画は随時見直していくことを前提としまして、計画当初から児童生徒の実態に照らして過大な目標や多大な内容が盛り込まれることのないよう留意していくこと、そして計画に落とし込む際には、児童生徒の実態に即して見通しが立てられる範囲で記入していくことということも意識する必要があると考えているところでございます。
具体的な内容とその考え方についてです。まず、「授業時数」でございますが、総授業時数については、「不登校の期間や現在の出欠状況といった児童生徒の状態」と「学びへの意欲や求める支援といったアセスメントに基づく児童生徒の在り方」を総合的に勘案し、本人や保護者の意向等も踏まえて柔軟に設定するということを第3回のワーキンググループで確認させていただいております。その上で、教育内容ごとに授業時数を割り振り、指導計画に記入することで、教師や児童生徒の双方が見通しを持って指導・学習にあたることができるのではないかと考えおります。
次に、「教育内容、目標やねらい、指導方法」についてでございます。既に第3回ワーキンググループで整理をさせていただいたとおり、この特例で対象となる教育活動は、A、「各教科等の内容に基づきつつ、柔軟に実施する教育活動」、B、「(各教科等には該当しない)不登校児童生徒の実態に応じた、特に効果的な教育活動」、この2つに分類されると整理しているところでございます。こちらについて、本人の興味関心も踏まえつつ、教育内容を設定していくということを想定しております。
さらに、複数の教師や指導員・支援員が指導にあたるということを想定していることから、指導の一貫性や統一性を図っていくため、指導計画においても教師や指導員等が共通認識を持ちながら指導にあたれるよう、その内容を落とし込んでいく必要があると考えているところでございます。
こうした点も踏まえつつ、指導計画に記載する教育内容の考え方や粒度について、整理をさせていただいております。まず、Aの「各教科等の内容に基づきつつ、柔軟に実施する教育活動」については、内容を「単元などの内容のまとまり」ごとに整理するということによって、限られた学習機会の中でも、どの学習領域に取り組んでいるのかを明確にし、一定の体系性を持った指導の実現が可能となるのではないか、また、評価との関係性を整理しやすく、指導と評価の一体化を図ることにも繋がるのではないかと考えております。その際の記載の粒度については、例えば、一定の授業時数を目安として設定した上で、むしろ、内容のまとまり全体で記載することで、学習の柔軟性や指導の実現可能性の向上に資する側面があるのではないかと考えております。
さらに、「単元の内容のまとまり」ごとに整理することは、例えば下学年の学習内容を取り扱う場合などにおいても、既にその学年で整理された「単元などの内容のまとまり」を参考にしながら整理することが可能になりますので、計画作成に係る教師の負担を抑えることにも繋がっていく、そういった効果も考えられるのではないかと考えているところでございます。
その上で、「単元などの内容のまとまり」ごとに記載していくことが難しいケースにつきましては、児童生徒の状態に即して実現可能な内容の単位で記載することが考えられますけれども、こうしたケースの記載内容の具体については、運用の手引で示すこととしてはどうかとしております。
次に、Bの「(各教科等には該当しない)不登校児童生徒の実態に応じた、特に効果的な教育活動」についてです。こちらにつきましては、不登校の子供たちの状態や学習環境に照らして個別に必要な活動を設定していくこととなりますので、その内容が多岐にわたり、一律に記載の考え方や粒度を整理するということは困難でございます。この点を踏まえまして、具体の記載例などについては運用の手引で丁寧に示していくこととしてはどうかと考えているところでございます。また、教育内容を検討するとともに、目標やねらい、指導方法についても、児童生徒の状態に応じて一体的に検討、設定することとしてはどうかと考えております。
最後にまとめておりますとおり、記載に当たってのより具体的な考え方については、運用の手引で示すこととしてはどうかと考えているところでございます。
次に、「振り返り、フィードバック」という項目についてでございます。この特例におきましては、子供が自身の計画作成に十分関与し、学びのサイクルを実感することが重要でございますので、指導計画についても、児童生徒が自身の学習を見える化するものとして活用するということを想定してございます。
不登校児童生徒の実態を踏まえますと、十分な学びの時間を確保できていないなどの背景から、学習内容や学習方法でつまずきが生じることが多く、このため、教師や指導員等は、こうした児童生徒のつまずきを含めた学習の過程をより丁寧に見取りながら、改善の見通しや意識すべき点などを示すことで、児童生徒の学びを支えると同時に、その頑張りや成果を励まし、価値づけることで自己肯定感を維持・向上させるといった視点が重要になってまいります。
また、児童生徒の視点からも、教師や指導員等のフィードバックを受けながら、自らの学習状況を振り返り、自身の課題や成長を認識するとともに、それを踏まえて学習を調整・改善しながら取組を進めていくことで、学びのサイクルを実感し、学習を行うための基盤を整えていくことが重要になってまいります。
このように、教師と児童生徒のそれぞれの視点から学習の過程に特に着目し、つまずきや伸びを教師と児童生徒の間で共有しながら、学習・指導の改善に繋げていくという考え方はいわゆる形成的評価の考え方と共通するものでございまして、不登校児童生徒については、こうした形成的評価の考え方を一層重視しながら、学習を支援していくという視点が極めて重要なのではないかと考えているところでございます。
その上で、不登校児童生徒が細やかで小さなステップを積み重ね循環させていくといった「学びのサイクル」を意識し、この学びを着実に実現していく観点から、形成的評価の考え方に基づく振り返りやフィードバックも含めた学習の過程を指導計画の中に明記していくことで、児童生徒が自身の学びを自覚しながら取組を進め、達成感や自己肯定感を向上させることに繋がるのではないかと考えております。
このような考え方に基づいて、学習の過程や教師の伴走の過程を見える化する個別の指導計画において、自身の「学習の振り返り」や教師からの「フィードバック」というものを要素として位置付け、より学習の過程に着目した指導の実現を図ることとしてはどうかと考えております。さらには、こうした「振り返り」や「フィードバック」を通じて教師や指導員等と児童生徒がともにこれまでの取組や成果、課題等を把握し、指導内容や方法を見直していくことで、より児童生徒の状態に即した適切な指導計画を作成していくことにも繋がるのではないかと考えています。また、将来的には再び通常の学級で学ぶという選択肢も含めて、今後の学びの場に係る検討に繋がっていくのではないかと考えているところでございます。
具体的な内容とその考え方、下に記載をしているところでございます。児童生徒の観点から「振り返り」については、「学びにおいて意識したい視点」及び「教育内容」等を中心に児童生徒の視点から振り返るということが考えられるのではないかとしております。また、児童生徒の負担を加味しながらも、できる限り自分の言葉での振り返りを促すことが望ましいのではないかと考えております。
「フィードバック」については、教師や指導員等による児童生徒に向けた言葉として、記載していくことが重要ではないかと考えているところでございます。米印に記載しておりますとおり、不登校児童生徒の中には、自己肯定感が低下しており、「評価」という行為自体に心理的な抵抗感を覚えている場合があるといった指摘もございますので、計画において示すフィードバックについては、前者の視点、つまり自己肯定感を向上させる視点により重点を置いて運用されていくことが重要ではないかと考えております。
こうした整理を踏まえまして、この特例において具体的な学習評価をどうしていくかという点については、次回のワーキンググループにおいて検討予定でございます。
最後に、指導計画の作成のプロセスについて説明をさせていただきます。まず、四角の中で囲んでおりますとおり、プロセスの検討に当たって前提となる基本的な考え方の整理を御説明いたします。法令上、教育課程は、各学校において編成することとされております。また、教育委員会は、学校の管理者として教育課程が適切に編成・実施されているかを把握し、必要な指導・助言を行う責務を有しております。こうしたことから、一般的に各学校で作成した教育課程は教育委員会に届け出ることとされております。
また、例えば、「特別の教育課程」により日本語指導を行う場合については、必要な事項を盛り込んだ指導計画を作成し、作成した指導計画について、所管する教育委員会に提出することとされてございます。この特例における特別の教育課程も、教育課程である以上、最終的には対象児童生徒の教育課程全体に責任を持つ学校が編成する必要があります。また、日本語指導に係る特別の教育課程と同様、指導計画は所管する教育委員会へ届け出ることが必要ではないかと考えているところでございます。
また、作成に当たっては、まず、学校内で対象児童生徒の指導を実務的に担っている学級担任が指導計画の作成を主導することが考えられますけれども、この特例においては、主として校内外の教育支援センターで指導が行われるケースが想定されることを踏まえて検討する必要がございます。この点については、例えば、校内教育支援センターに配置されている教師が、校内外教育支援センターで学習する児童生徒の指導計画の作成を主導したり、日頃指導を行っている指導員が担任教師と密に連携した上で計画作成を主導したりするなど、学校の体制や実態に応じて適切な者が計画作成を主導し、最終的には、担任教師が確認の上で、学校として計画を作成するということも可能とすべきではないかと考えているところでございます。その際、指導計画作成に係る負担の軽減や指導計画の質の向上を支える観点から、生成AIを活用することについても、どのように考えるか議論が必要と考えております。
なお、これまで整理してきたとおり、この特例における指導計画は、児童生徒と教師がそれぞれの視点から活用するものとして整理をしております。このため、指導計画の作成のプロセスの検討においても、児童生徒がどのように関与すべきかといった視点を十分考慮すべきではないかと考えているところでございます。また、児童生徒の実態に応じて柔軟な特例実施が可能となるように、年度途中の特例開始や終了といったことも視野に検討を進めるべきではないかということも、このプロセスの検討に当たって前提となる基本的な考え方として整理をさせていただきました。
こうした点を踏まえて、以下、具体的なプロセスについて整理をしてございます。時間もございますので、大まかな流れを確認させていただきますと、まず、0番として、計画作成に当たって必要な実態把握を行う必要がございます。計画の作成、各項目の記入に先立って、学級担任をはじめとする関係者が児童生徒の実態を丁寧に把握する必要がございます。また、児童生徒の実態把握につきましては、既に学校の現場で行われている、例えば「児童生徒理解・支援シート」等を活用した丁寧な状態把握といったものとの関連性や、特異な才能のある児童生徒への特別の教育課程について議論がされていることなども踏まえた、他の特例においての整理なども含めての参考様式や記載内容の整理というものが必要になってくると考えているところでございます。
丁寧な実態把握をした上で、具体の指導計画の作成に入ってまいります。指導計画の作成に当たっては、(1)「学びにおいて意識したい視点の設定」、そして(2)として、「授業時数・教育内容・指導方法等の設定」がございます。そして、こうして設定・作成した指導計画につきまして、学校長の承認を経て教育委員会等に届け出るというプロセスを(3)番として書かせていただいております。
なお、この届出につきましては、この特例における指導計画は児童生徒の状態に応じた柔軟な見直しを前提としていることを踏まえまして、この計画を見直した際の届出の要否というものについて、学校現場の負担も十分に勘案した上で、その見直しの範囲や程度に応じて、各教育委員会等においてどのような場合に届出をすることとするのか、具体の運用の判断を行っていくべきではないかと考えているところでございます。
指導計画を作成し、その指導計画に基づいた指導の実施、そして本人の振り返り・フィードバック、その上で指導計画の見直しといったプロセスを考えているところでございます。この点、(3)の「指導計画の見直し」のところでございますけれども、先ほど来、整理をしているとおり、この特例においては指導計画を柔軟に見直していくということが重要でございます。この見直しのタイミングとしましては、教師や指導員等の視点から児童生徒の目標達成や学習の進捗が見られた場合はもちろんでございますが、当初設定した目標や教育内容の実施が進まず、目標の変更が必要な場合などについても想定されるところでございます。
こうした際に、通常の教育課程の学びに繋げる観点や児童生徒の学習意欲、自己肯定感を向上させるといった観点を踏まえ、以下に記載しているような視点で見直しをすることとしてはどうかと考えているところでございます。指導計画を見直す際の視点については、その下に具体に書かせていただいた例のとおり考えているところでございます。
最後に、改めまして資料の最初に説明をさせていただきました補足イメージのほうに戻りたいと思います。改めてですけれども、本日、御議論いただく内容ですが、指導計画に盛り込むべき要素と指導計画作成、そして指導の実施、振り返り・フィードバック、見直しといったこのプロセスについて御議論をいただくということを考えております。上の四角の中にまとめておりますとおり、指導計画に盛り込むべき要素としては、学びにおいて意識した視点、順序を含めた教育内容、目標やねらい、指導期間や教材を含んだ指導方法、そして授業時数、振り返り、フィードバック、この7点が少なくとも必要ではないかと考えているところでございます。
さらに、指導計画作成のプロセスの前提となる基本的な考え方として、右にまとめているとおりでございます。指導計画は、学校の体制や実態に応じて適切な者が作成を主導し、最終的には担任教師が確認の上で学校として計画を作成することも可能とすべきではないか、また、指導計画作成のプロセスでは、児童生徒がどのように関与すべきかといった点を十分に考慮すべきではないか、児童生徒の実態に応じて柔軟な特例実施が可能となるよう、年度途中の特例開始や終了も視野に検討を進めるべきではないかということでございます。
具体の指導計画作成までの流れ、そして指導の実施、振り返り・フィードバック、見直しの流れについては、下の図に示しているとおりでございます。
ここまで不登校児童生徒の支援・指導の実態を踏まえた上で、現状での取組についての課題や隘路を解決するための制度の考え方というものを整理させていただきました。学校現場や教職員の皆様方の過度な負担が生じないようにという点も留意しつつ、実現可能な制度としていくといった観点で、本日、御議論いただければと思っております。
事務局からの説明は以上とさせていただきます。
【伊藤主査】 どうもありがとうございました。
それでは、これから意見交換の時間を設けたいと思います。今、お話しいただきました事務局からの説明を踏まえまして、特に指導計画に盛り込むべき要素とか、あるいは作成のプロセス等につきまして、御意見や御質問のある方は挙手をお願いできればと思います。いかがでしょうか。
黒沢先生、お願いします。
【黒沢委員】 丁寧な説明ありがとうございました。大変よく理解できたところでございます。私から3点ほど、少し最初にお話をさせていただければなと思います。
まず、プロセスの流れとしてはよく考えてこられていいんじゃないかなというふうに僕自身も思っているところなんですけども、その中でまず0番の実態把握というところは少しだけ意見を言わせていただきたいなと思っています。本人が、今、自分自身の学習の状況だとか、学びの上での自分の立ち位置とかをしっかり本人が理解するということは大切だと思うんです。ただ、そこがあまりあからさまにやると、自分はあれ? これしかできてないんだとか、あれ? こんなんじゃ駄目だぞとか、自己肯定感がマイナスに働くようなことがないような配慮はしていただきたいなというふうに思うので、この辺り、恐らく手引きの中で実例含めて示されると思うんで、ぜひ自己肯定感が下がらないような実態把握というところをぜひお願いしたいなというのが1点目です。
2点目は、プロセスの中で、子供たちの学びというところを単元ごとのまとまりで、粒度はそのくらいでまとめていくと、とてもいいんじゃないかなとは思っております。ただ、子供自身が単元と言われてもぴんとくる子ってほぼいないと思うんですよね。ですので、教員のほうは単元はよく分かっていると思うので、教員がよくもう子供の状況を見ながら設定していく、子供に分かる言葉に落とし込みながら単元を設定していってあげるというのが必要じゃないかなと思います。このときに、学年行ったり来たりするような単元もあるかなとは思いますけども、ここら辺あたりも手引で分かりやすく示してあげると、現場が困らないんじゃないかな。これが2点目です。
最後、3つ目ですけども、フィードバックのところです。フィードバック、とても大切だと思います。自分はここまでできたんだとか、ここまでやれたんだとか、ここまで頑張れたんだという、そういう自己肯定感に直結するような部分というのは、僕はフィードバックから生まれるんじゃないかなと思っているんですけども、そのときに、当然、ふだん先生方やっているんですけど、日々の励ましも含めて、今日、よく来れたね、ここまで目標あったけどここまでできたね、すごいね。おだてるってわけじゃないんですけど、しっかりできたことというのを評価してあげるというのがまず必要じゃないかなと。
あわせて、未達だったときも、未達だったねとか、これ、できなかったねではなくて、未達なりの評価の仕方、あるいは励ましの仕方ってあると思うんです。この辺りも手引の中でも示されると思うんですけども、やっぱりフィードバックすることで逆にイメージが悪くなっていく、こうならないように、子供たちへの十分な配慮をお願いしたいなというふうに思っているところです。
私から以上です。
【伊藤主査】 ありがとうございました。今、大事な点を挙げていただきましたが、一つ一つ整理せずに委員の皆さんの意見をまずお聞きしたいと思います。
では、続きまして、今村委員、お願いいたします。
【今村委員】 発言させていただきます。今回の資料についてはとても丁寧に検討していただいて、今、既に今回の審議の状況は、全国の先生方から実は大変不安の声もたくさん出てきている状況になっていることも踏まえて、誰がこの計画を立てるんだろうというところに対して、担任だけがやるのではないと、担任中心、担任の先生の関与は必要だけれどもみんなでやっていくんだという、関係者と調整しながら作成するという書き方に変えていくというところが、ひとつ現実的にできるかもしれないというふうに思える御記載になっていっているのではないかと思いました。まず、そこからかなと思います。
また、振り返りやフィードバックを計画の中に位置づけたということも非常に大事だと思いました。学力の評価より、今、黒沢先生もおっしゃっていましたけど、まずは今日ここに来たよね、頑張って来たね、いすに座ったよねということをまずとても大切な努力というふうに認めていくということ、これが学習なのかと言われてしまうと、私はそれは学習なんだというふうにきちんと位置づけてもいいのではないかと思うんですけれども、様々な意見はあると思います。ただ、評価的コメントよりも励ましとか伴走者としてのフィードバックというところが中心になってくるというところが、継続的にその子自身が長い学校の学齢期を越えて長い人生を歩んでいくときに、取り戻していきたい自信を獲得していくことになると思うので、そこ自体にとても価値があると思います。
そういった中で、先ほど、では、現実的にどうやっていくんだというところで2点あるんですけれども、1点はAIの活用ということを言及されていましたけれども、まさにそういったことも含めて積極的に活用していくべきだと思います。このAIの活用については、AIがいいのか、機械学習でもいいかもしれないんですけれども、とにかくオリジナルに全ての学校でその子の現在地でこの辺の学力、学習をさせるということをつくるというのは大変、一から考えるのは大変というところがあるので、AIといっても、レベル感で言うともうAIドリルみたいなものを使うということ、今、この子の学力レベルこの辺りということを示してくれるようなものも既にあるので、そういったことを使うというところもあるかもしれませんし、もう一個重要だなと思うのは、面談の記録みたいなものを実はAI議事録で書き起こすようなことを支援者の方々ができるようにしてあげるということもとても重要だと思います。
それも、兼ねての2つ目なんですけれども、実現可能性を上げていくために、AIでも、AIのみならず情報共有の仕組みをどのように整えるかというところがとても重要です。多数の人たちがその子一人に関わって、学習計画や支援計画を見直せる状況にするということは、現在、手元、メモで、各自のノートでその子のことを記載しているかもしれないものが、みんなで共同して、共有していくという状況にしていかなきゃいけないということです。
今、私たちも関わっている東京都のとある自治体では、スクールソーシャルワーカーの方々が取っているメモ、その子の面談記録は基本的にスクールソーシャルワーカーの手元のノートに置いてあるという状況で、それを書き起こすという時間もありませんし、書き起こして学校に共有するという前提もないという状態で、それはどうやって誰がするんですかという状況になっています。
それぐらい、今、現在地でも、SSWの方が支援の面談情報が学校に共有されるということ、また教育委員会に共有されるということ自体もハードルが高いという現在地の中で、確実に指導計画の前に支援のスタンスでその子の現在地を確認するというところが重要になるので、そういう意味でも、校務支援システムが拡張するのか分からないんですけれども、とにかくクラウドで情報共有できる仕組みということを急ピッチで整えないと現実的にできない。
前回も、私たちもプレゼンさせていただきましたけど、メールで、電話やファクスでその子のことを共有するというのはもう本当に大変なことですし、メールで送るということにしても、支援センターでの様子をメールで送るということにしたとしても、担任の先生は、それを毎回プリントアウトして、その子のファイルを作ってスクラップするんですかということも大変だという感想になっているというのが現在地の中で、やっぱり日々変わっていくその子の発見を、多様な支援者の人たちがみんなでクラウドに書き込んでいって、最初につくった計画とはまた違うその子の顔によって次の計画を更新するというような形でやっていかないと、きっと今回のプランは実現できないので、ツールがとても重要になってくると思います。
なので、ごめんなさい、長くなったんですけれども、AI活用は当然重要で検討すべきですし、それよりも実は情報共有の仕組み、クラウドを使って情報共有をしていきながらその子を支える伴走体制というのが重要だと思います。
以上です。
【伊藤主査】 ありがとうございます。具体的なツールについての御意見も頂戴しました。
では、続きまして、我妻委員、お願いいたします。
【我妻委員】 それでは、簡単に3点ほどお話をさせていただきたいと思います。
いただきました事務局提案の大部分は、本校で実践してきた考え方と近いなと考えておりました。制度としての考え方は丁寧に整理いただきつつも、現場での柔軟な運用を見越した形になっているというところがとても重要だなと感じています。
白石きぼう学園でも、児童生徒によって進むペースややり方も様々ですので、一律にそろえるという考え方がなじまないということは、これまでも発言したとおりでございます。計画については、要素として必要なものは提示していただきつつも、これを踏まえて、現場でどう柔軟に設計していくかというところが、今後、検討が進められることだなと感じておりました。
2点目です。7ページに資料を示していただきましたが、「学びにおいて意識したい視点」のところにも記載がありますが、不登校児童の子供たちは、より細やかで小さなステップを積み重ねて循環させていくということが子供のやる気に繋がっていくと思います。本校の子供たちを見ていても、ここは大変強く感じるところです。当たり前なのですが、子供たちの学びを認めるものであって、子供たちにとって窮屈な制度にならないようにしたいなと思いました。
それから、3点目です。指導計画の柔軟な見直しの考え方を14ページでお示しいただいております。聞かせていただきまして、ここもなかなか一律に考えていって成立するということは大変難しいことだなとは思いました。本校でも、柔軟な見直しのタイミングですとか、そういうきっかけについては、何度も見直しを図って進めているところではあります。子供たちの実態によっても様々ですので、現場の先生がこの見直しについてスムーズに行っていくことができるように、今後、作成される手引の中でも、本校の例えば例などもお示しさせていただきながら、いろんなところで情報をお互いに共有できるようにしていきたいなと思いました。
以上です。
【伊藤主査】 すみません、どうもありがとうございました。
複数の手が挙がっておりますが、続きまして、菊井委員さん、お願いいたします。
【菊井委員】 失礼いたします。まずは、今回の資料につきましては、教育課程そのものの位置づけ、それから特別の教育課程の必要性までを概観できる整理された資料だというふうに感じております。御提示ありがとうございます。議論の前提条件が示されて、我々が意識すべきこと、それから考慮すべきことというのを把握した上で議論が進んでいくかと思いますので、非常にありがたいなと感じております。
指導計画のプロセス等々につきましては、基本的な部分、全く異論はございません。その上で、私からは大きく3点意見を述べさせていただきたいなというふうに思います。
まず、1点目です。資料7ページ辺りの議論になるでしょうか。児童生徒が自ら学習に向かう際、教師の伴走や支援が重要だということは当然のことであるというふうに考えております。しかし、例えば学習の目標を設定するということは、実は非常に高度なことであり、児童生徒が目標を設定できない場合も往々にしてあるというふうに思われます。その際、児童生徒の様子や状況に合わせて目標等を提示、提案するということも教師の伴走や支援の在り方の一つということをしっかり伝えていく必要があるのではないかなというふうに感じました。
次は、2点目になります。資料の9ページから10ページにかけて、個別の指導計画等に係る方向性の部分、具体的な内容とその考え方についてでございます。特に10ページの部分の(A)の考え方につきまして、現在、学校では、必ずしも教科書準拠ではなく、学習指導要領に基づいて、単元など、内容や時間のまとまりを見通した学びを実践しているケースが見られます。また、今回の論点整理の中でも、そのような実態に合った創意工夫を通して、児童生徒の状況に応じた教育課程の在り方について議論がされているところです。そのような学校現場の実情や今後の教育課程の在り方の方向性も鑑み、一定の体系性を持った指導が行われていくということは非常に望ましいことではないかなというふうに感じました。
最後、3点目でございます。校内外の教育支援センターでは、支援員や指導員が指導に当たっているケースも非常に多くあります。全てを学級担任や教科担当が担うことは現実的ではなく、支援員や指導員も含めて連携・協働しながら取組を進めることが重要であるというふうに考えます。
こうした点を踏まえると、13ページにある「学級担任や指導員等が連携の上」という表現や、学級担任はもちろん、「教科担当や指導員等との十分な連携の上」とあるように、最終的には学校が判断するとしても、その過程については支援員や指導員任せにならないように配慮しつつ、柔軟に支援員や指導員の方々が関与していくということができる仕組みとしておく必要があるかなというふうに感じました。
私の意見としては以上でございます。
【伊藤主査】 どうもありがとうございました。
では、続きまして、金子委員さんからお願いいたします。
【金子委員】 失礼します。よろしくお願いいたします。私からは4点、お願いできればと思います。
まず、1点目です。本日、事務局から提案があった内容は、本市で取り組んできた内容と本当に重なる点も多く、今回、さらに盛り込むべき要素の視点やポイントがとても分かりやすく整理していただいているなというふうに感じました。本市の研究1年目の成果としては、例えば校内教育支援センターに在籍する児童生徒の表情が明るくなり、伸び伸びと過ごすことができるようになったとか、登校日数や登校時間も増えて、学びに向かう意欲が高まってきた、原籍学級に戻って学習できるようになったというような成果も出ておりますので、今回、御提案のあった計画の方向性については、児童生徒が学びに繋がるようにして支援していく際に大切にしたい、そして有効な視点だなというふうに思っています。また、その上で、今後、先生方にとっては、過度な負担がなく、そして児童生徒にとっては効果的なものになるようにしていかなければならないというふうに思っております。本市においても、この点については、研究開発の2年目に向けてしっかりと研究、深めていきたいと思っている点でもあります。
次に2つ目として、資料の4ページに、個別に教育課程を編成するには、「具体的な指導に繋げるための指導計画についても」というように記載がありますけれども、計画をつくって終わりではなくて、活用されるもの、また具体的な指導を児童生徒にとっても成長に繋がるためのものになるようにしなければならないと思います。
そのために、尾道市でも最初から過度な目標を設定するのではなく、育成したい資質・能力に繋がるような短期目標を児童生徒とやり取りをしながら設定し、振り返り、児童生徒が頑張った点などを支援者から肯定的にフィードバックをするというサイクルをスモールステップで繰り返していくこと、そしてそれを児童生徒の支援に関わる支援者全てが共有できるようにしながら取り組んでいます。このようなサイクルを通じて、児童生徒の意欲の向上や自己肯定感の高まりに繋がって、多くの児童生徒が学びに向かうことができるようになっています。
資料11ページの事務局から提案にあった振り返りやフィードバックなどの考え方についても、尾道市の実態に即した内容となっており、事務局が挙げられる要素はどれも必要な観点であると考えます。
ただ懸念点、3つ目として懸念点としては、小まめな振り返りやフィードバック、これも計画に記載するとなると、計画が膨大なものになってしまわないかという点です。本市でも、初めは個別サポート計画にいろいろなものを記入していくようにしていましたけれども、記入する内容が多くなり、日々の記録や振り返りなどは別の様式に記入するというように途中で変更して取り組んできていますので、今後、目標や内容を見直す頻度や計画に記載が必要な分量や内容についても、手引などで議論を深めていくことが必要ではないかと考えます。
そして、最後に、資料の12ページに生成AIについて記載がありました。先ほど今村委員からも出ていましたけれども、現場の負担感を考えた場合、アセスメントや児童生徒の学習の定着状況、本人、保護者の意向等を踏まえて、どのような指導計画が考えられるかということを、生成AIなども活用しながら学校が検討していくことができると、学校の現場の負担感の軽減にも繋がるのではないかと思いますので、これも重要な視点だと思います。
以上です。
【伊藤主査】 ありがとうございました。
では、続きまして、猪股委員からも手が挙がっております。お願いいたします。
【猪股委員】 猪股です。よろしくお願いいたします。私からは、3点お話しさせていただきたいと思います。まず1点目は、指導計画に盛り込むべき要素に関わって、丸1として「学びにおいて意識したい視点」ということが示されていたかと思います。このことについて、教師が児童生徒とどのようなやり取りを経て設定したかを記載するということについては、資料としては8ページの丸の2番、丸の2つ目に関わってくることかと思うんですけれども、教師が児童生徒とどのようなやり取りを経て設定したかを記載するということは、必要なことであると感じています。このことを書くことによって、学校では、管理職も含めて子供のニーズに沿った指導・支援が行えているかどうか、組織的に把握、確認、対応することができると考え、より適切な支援に向かっていくのではないかなというふうに考えていたところでした。
2点目は、11ページの内容に関わってということでございます。形成的評価の考え方を一層重視しながら学習支援をしていくことは重要であると感じております。青森市においても、不登校児童生徒の中には自己肯定感が低下している子供がいることを踏まえ、頑張りや成果を認めて称賛し、自分にもできるんだという気持ちを持たせたいというふうに考えて対応しております。学びに向かえる時数や教科を少しずつ増やしていったり、在籍学級との交流を少しずつ取り入れて慣らしていったりということをしている中で、以前、発表させていただきましたように、校内教育支援センターの利用者の中から在籍学級に復帰する児童生徒も見られてきている状況です。
青森市においては、校内教育支援センターにおいて、個別の学習プログラムを組んで子供たちと向き合うよう努めた結果、学級担任が一人で抱え込むことなく、組織的に対応し、学級担任にとって負担感の軽減に繋がっているように感じております。現在、検討している特例の形は、現場でも実現可能なものであると感じていたところです。
3点目なります。3点目は、12ページに関わることについてです。過去のワーキンググループでも発表させていただきましたが、青森市では、特認校として6校を指定し、そこに教師を配置しています。その際、個別のプログラムの作成などは、基本的に配置している教師が学級担任と連携の上、主導しているという実態がありますことから、12ページに記載していただいているとおり、本特例における指導計画の作成に当たっても、こうした学級担任以外の教師や指導に当たっている指導員などが主導するような現場の状況に合わせた運用を可能とするべきではないかというふうに考えていたところです。
以上、3点です。
【伊藤主査】 具体的な御提案をありがとうございました。
では、引き続きまして、工藤委員からも手が挙がっております。よろしくお願いします。
【工藤委員】 よろしくお願いいたします。私から大きく2点、話をさせていただきたいと思います。
1点目は、今日の事務局の提案にもありました内容についてですが、皆さんと意見は同じですけども、6ページ、7ページ辺りにまとめられているプロセスについては特に異論はありません。よくできた形だと考えております。ただ、ローマ数字の1番からローマ数字の2番の流れについては、この形がうまく回るようになった生徒というのは、比較的学びに向かい始めた生徒や、通常の教育課程に戻りつつある生徒なのかなと思っております。
7ページの事務局の説明にもありましたように、最初の学習目標の設定については、ここが一番難しいところかと考えます。不登校の生徒が目標を立てるということはすごく難しい状況にあるのかなと思いますので、ここが不十分といいますか、若干教師主導になっても次の学びの段階に進むことができるような仕組みというか、7ページの一番下に、「児童生徒の状態に応じて、必要な観点から記載をするイメージ」とに書いておりますように、学びから始まり、振り返りやフィードバックに移って、ようやく目標を立てることができるようになった。というようなサイクルであってもいいのかなと考えております。
7ページに「より細やかで小さなステップを積み重ね、循環させていくことが重要」であると書いていますように、本当に小さなサイクルからどんどん大きなサイクルになっていくというか、深まっていくという考え方が大事かなと思っておりますので、初めのうちは生徒が十分にこの指導計画に関与できないかもしれないけども、しっかりと先生方が対話しながら進めることができるよう、手引きでのお示しをしていただければなと考えております。
もう1点は、今後に向けての提案になるのですが、私は高等学校の担当ということになると思いますが、この個別の指導計画または特別の教育課程は接続という面に関しても非常に助かるなと考えております。今、高等学校への接続の段階、いわゆる入試の段階で不登校の生徒をどのように引き受けるかというか、不登校の生徒の、学びをどのように高等学校で引き継いでいくかということが大きな課題になっております。福岡県においても、不登校であっても学びを諦めないということを前提に、入試において様々な特例を設けています。
その特例の入試を経て入ってきた生徒が、中学校時にどのような状態であったかというのが、いわゆる調査書等ではなかなか見えないところがありますので、このような個別の指導計画、特に生徒の振り返りやフィードバックがはっきり分かるようなものが中学校から高等学校に引き継がれるということがすごく大事かなと思っております。中学校の学びが高等学校の学びにつながる。つまり、高等学校に入った後にどこまで学び直しをする必要があるのかということを、高等学校の先生が理解した上で次の学びにステップアップするための個別の指導計画となれば、高等学校としてもすごくありがたいと思います。
そのときに、先ほどからも意見がありましたが、記載内容をある程度精選していかないといけないのではないかなと思ったりもします。膨大な資料が中学校から高等学校に上がってくると、なかなか焦点が絞られないところがあると考えます。共有の仕方についても、クラウドで共有することの必要性など、今後、考える必要があると思います。
【伊藤主査】 どうもありがとうございました。高校への接続という新しい視点も出していただきました。
では、鷲見委員からも手が挙がっております。よろしくお願いします。
【鷲見委員】 よろしくお願いします。私からは3点お願いします。
まず1つ目ですが、4ページに、「教育課程、指導計画の位置づけ」というところで、現在の教育課程の位置づけというものをここにきちんと記載していただいた上で、本特例にあるというように御説明をいただきました。今回の提案は、不登校の児童生徒の実情に本当に寄り添って、現場で実際に実践されていたりとか、また実現性の高い形でそれ以降の資料を提案していただいているということについては、本当に皆さんがおっしゃっているようにありがたいなというふうに考えています。
そう考えたときに、現場で、既に不登校児童生徒に対しては比較的柔軟な形で指導や支援を行っていると思うんですが、今回、やはり特別の教育課程を編成していくというメリット、子供にとって、「あ、この計画立ててもらって本当にありがたい」、「この計画に自分は乗っかっていくとすごくいいんだ」というような、「つくってください、私に」と思えるメリットというものが、その下の必要性の中に、やはりもっとアピールするような形でここに記載されるとやっぱりいいんじゃないかなというふうに思いました。どうしてもこの計画を改めてつくるということは、先ほどの御説明もあったように、つくってさらに教育委員会まで届けてということは、そこにそれなりの責任というものが生じてくるというものは私も理解できるところです。
さらに、つくる側の負担もそれなりにある中で、やはりつくるということが、一人一人の児童生徒にとってよかったと思ってもらえるのはなぜか、あたりのところがさらに明確にされるといいなというふうに思います。
2つ目の丸、1つ目の、「本特例における個別の教育課程や指導計画の必要性」の1つ目の丸にあるように、やはり児童生徒、不登校の児童生徒は学習に向かうこと自体がやはり困難ですし、これから勉強を始めようかなというふうに、そんな気持ちが芽生え始めたとしても、一歩、次の階段を上るためには、どうしてもそこに大人の支援とか後押しというのがどうしても必要になるということは私も重々理解しています。ですので、そこを価値づけて、やっぱり方向性を示してあげて、学びに繋げていってあげたい、それがとても有効なんだよ、だから個別の教育課程というのが必要なんだ。さらに今後の議論に出てくると思われる評価とか高等学校への進学に対しても、これがものすごくメリットがあるんだというようなことをさらに強調して書いていただけると、学校側も支援員もその作成の非常に苦労とか、また情報の共有とか、たくさんあるにしろ、今、つくらない子が苦労していることと比べてもとても有効なんだということをぜひアピールしていただけるとうれしいなというふうに思いました。これが1点目です。
2つ目は、「学びにおいて意識したい視点」です。7ページにございますように、ここに御説明があるように、やはり私自身も子供が何をもって学びに届いていくのかとか、教師側がどんな配慮が必要かというところは、もうすごく必要不可欠な部分であるなというふうに感じています。こちらの内容は、恐らく支援計画のほうにも記載されてくる部分にもなるのじゃないかなというふうに考えます。そういったときに、どっちに書いておくことがより利便性が高いのかとか、その書き分け等についてもまた一定の整理が必要かなとは思います。
もう一つは、一番下に表がありますが、この表の水色の部分の記載をずっと読ませていただきますと、どうしても今、前向きに取り組みたいと思っている子供たちの前向きな目標が書かれていることが多いかなと思うんですが、経験上、なかなか前向きな目標ばかり設定できる子ばかりでもないということもありますので、逆に子供はやる気満々でも、教師の側が少しできなかったときの逃げ道をつくってあげられるような書きぶりもちょっと必要じゃないかと思いますので、例えば学習に向かう時間はそのときの状況に合わせて自分で決めるとか、早めに休憩するとか、そういった自分で調整できるような目標もここの記載例の一つに、今後、入れておかれると、多くの方が見られたときの参考になるのじゃないかなというふうに感じました。
3つ目です。校外教育支援センターの立場からの感想となります。12ページにありますように、本当にこれを学級担任の方だけが作成していくというのは、もう基本的にはもう難しいだろうなということは想定されますので、多くの関係者が連携し合って作成していくというのは非常に私も賛成するところであります。ただ、どうしても立場的に、校内の支援センターの方と、エールぎふのような校外の支援センターの職員を、その課員をイメージすると、やはりエールぎふの職員は、教員免許はあるんですけれども、やはり現場での指導経験が薄かったりとか、やはり教育課程全体を見渡したような意見を持つとか、子供と調整をしていくというのが難しい者もいるんじゃないかなというふうに想定されますので、不安が大きい部分はあります。
一部のパーツを担うことはできると思いますので、十分協力して参画したいというふうには考えますが、やはり校内教育支援センターを利用する児童生徒と違って、校外を利用する者は学校と一定の距離感を取りたいとか、ちょっと学校に対する拒否感を持っている親子が多いこともありますので、そういった意味で中心を担いにくいだろうなというふうには考えます。学校側の作成も難しいだろうなということも想定されます。
ですので、この辺りの、しかも毎日顔を合わせているわけではないので、学校の関係者と、小まめでしかも柔軟な計画ということを更新していく作業とか、あと、それをどのように学校と共有していくかというその辺りについても、もう少し検討を進めていきたいなというふうに考えています。
以上、3点です。
【伊藤主査】 ありがとうございました。
では、今村委員からも手が挙がっていますので、続きましてお願いします。
【今村委員】 再度発言させていただきます。
どのページにということを具体的に御提案できないんですけれども、保護者に今回のプランの共有とどのように一緒の伴走者として巻き込んでいくのかというところの記載は見当たらなかったなというふうに思っています。補足の資料のほうに保護者と子供の意向というような表記はあったんですけれども、保護者をどのように捉えるかというところです。
実際のところ、やっぱり不登校になると、支援センターとか学校で過ごす時間よりも家庭で過ごす時間が非常に長くなる可能性があるということと、新たな特別の教育課程をつくったとしても、やっぱり家庭にいる時間と併用するということはしばらく続くのかなと思ったときに、大変難しいんですけれども、保護者の方とできるだけ、一緒の方向性を向ける状況をつくるということは、結果的に子供の自律にとってとても大切なことだと思います。
私たちの組織で関わるときには、事業にもよるんですけど、ペアレントメンターという形で保護者の方にもメンターをつけて、孤独になっていたり学校に不満を強く訴えているような保護者の方にも前を向けるような支援をするということを重視していまして、こちらが解決、実は保護者の考え方が少し前を一緒に向けるようになると、子供たち自身の考えを、背中を押せるような声かけを家庭でしてもらえるようになるので、すごく学習に向かいやすいということがあります。
なので、すごく学校に不信感を持ってしまっているような保護者の方も多い中で難しいとは思うし、学校の先生全てがそれをやれという形にしてしまうとちょっと重くなってしまうかもしれないんですけれども、でも、この指導計画を一緒に共有して、できるだけ一緒の方向性を向いて応援するんだということが保護者にも共有されることはとても有効であると思うので、そういったことも何かガイドラインに補足をされるなり、そういった形にするとより効果的になると思います。保護者の自己肯定感が上がることが、とても子供にとって有効だということをお伝えしました。
以上です。
【伊藤主査】 大変大事な視点、ありがとうございました。
では、今、今日御出席の委員からはたくさん御意見頂戴したんですが、本日は残念ながら欠席されています藤田委員から事前に寄せていただいた意見が、コメントがありますので、それにつきまして総崎室長から代読いただけるかと思います。お願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 藤田委員からいただきました御意見について、代読させていただきます。
まず、資料7ページについてでございます。「学びにおいて意識したい視点」の説明にあるマトリックスについてですが、通常の場合の個に応じた学習課程は、学習前、学習中、学習後という流れがありますが、不登校児童生徒に関しては、下の米印に書いてあるとおり、「児童生徒の状態に応じて、必要な観点から記載をするイメージ」という点が重要になってくると考えています。不登校児童生徒の場合は、子供によってスタート地点が異なって、必ずしも順序性が前提にはならないことがあると考えています。
不登校児童生徒の状態によっては、例えば分からないことを調べてみるという学習に取りかかってみて、それが進む中で、じゃあ、来週はこのくらいの時間をかけて調べた内容をもっと深掘りしてみようかなといった目標を立てる、学習前の段階に戻るということも実態として見られるということを感じているところです。
また、同じマトリックスに関して、目標を立てる観点というのがございますが、具体的には、教職員が児童生徒の状態を把握し、その子の困り感がどこにあるのかというアセスメントと一体的に困り感に応じて取り組めそうな内容を教職員側から提案をして、児童生徒の自己選択、自己決定を経て目標として固めていくといったプロセスになっていくのではないかと感じたところでございます。
次に、10ページについてでございます。教育内容について、AとBの分類がございますが、特にこのBの「(各教科等には該当しない)不登校児童生徒の実態に応じた、特に効果的な教育活動」については、具体的には東京都で取り組んでいるチャレンジクラスや学びの多様化学校において、新設の科目として設定されている、例えば探究的な学習であったり、体験学習であったりといったものを指すと考えているところです。この点については、現場がより具体的な内容をイメージしやすいように、手引きなどなどにおいて具体の教育内容についてしっかりと例示を挙げていくということが必要になってくると考えているところです。
最後に、11ページについても御意見をいただいております。11ページの振り返りやフィードバックについてです。児童生徒の振り返りや教職員からのフィードバックについては、記録に残しているかどうかという点は別として、現状においても必ず行われているものだと思っております。それを個別の指導計画に記載をしていくという点については、学校現場、教職員が過度の負担感を感じることがないように、丁寧に説明していくことが必要だと考えているところです。
以上、3点の御意見をいただきました。
【伊藤主査】 ありがとうございました。
では、今日はちょっと時間にゆとりがありまして、まだ少し時間が残っているんですが、ちょっと私も、今日、先生方、委員の皆さんの意見をお聞きしまして、一つ一ついろいろ感じるところ、そうなんだという気づきのところ、いろいろありました。ちょっとだけ私からも意見言われていただこうかなと思ったんですが、今日、御提案いただいた事務局からの方向性とか、理論的な要素とか、その辺は本当に大事なところであり、かつ現場が混乱しないように、負担感が過度にならいようにという、実現可能性というのをすごく加味していただいて出していただけたというのを実感しています。
その上で、まだ難しい点もあるかなというところで、委員からも出たんですが、例えば黒沢先生からの実態把握、0番の、あの辺が難しいというのは、私も、ふだん、カウンセラーとして不登校の子たちと関わっていましても、表面上は勉強なんてというふうにはすに構えていながら、でも、関係ができてくると、言語化ができるようになると、やっぱり勉強、本当はしたいんだな、この子はとか、学ぶことがすごく大事なんだなというのが感じられる子もいたりして、そこの判断というか理解が簡単ではないなというのを痛感しているところです。それがまず1点。
あと、私もカウンセラーとして出会う子たちのかなりの割合の子は、自分で目標が立てられないとか、あるいは学びに対して深く関与はできないとか、自己調整的に学習を進めていくという力はやっぱりまだない子たちが多いなというのを痛感するところなんです。ただ、そういう子たちがそういう力が全くないのではなくて、やっぱりそこに、そこの場における安心感とか、あるいはそれを支えてくれる大人の関与といったらいいんでしょうか。幾つか出てきましたが、先生方の伴走という、そういう力があることで可能になるんじゃないかなというのはすごく感じているところです。
事務局からの御提案にも幾つも言葉が出てきましたが、対話ということが出ていまして、やっぱり先生方が子供たちにうまくその子の特性とか、やる気とか、気持ちとか、そういうのを把握して、その子に合った言葉がけをしていただく対話を通して、子供の気持ちを少しずつ変えていくということは可能なのかなと思う一方で、対話がすぐにできるんじゃなくて、出会ってすぐに対話はできないので、そこに至るまでの教師なり支援員と子供の関係づくりと言ったらいいですかね。その関係をつくるというプロセスが前段階としてすごく必要になるなということと、それから教師もやっぱり孤立しちゃいけないなというのは常々感じているところです。
ですので、担任一人が責任負うのではなくて、今回の御提案にも盛り込まれていましたが、教科担当の先生とか、あるいは支援員の方とか、チームを組んでやっていく。その中には、外部の教育センターとか、教育委員会とか、そういうところからのサポートも要るのかもしれませんが、子供を支えるために、教員側、大人側も支えられるという、そういった重層的なチームの構造というのが特に不登校の支援には大事だなというのを痛感しているところです。
それだけすごく大変なというか、大事な役割なんですが、それが大事なんだけど、現場が過度に負担を抱えることになっては、ただでさえ忙しい状況で、ほかの子にも手が回らない、全て教育が止まっちゃうということになってはいけないので、その辺りを解決するためにも、今日はAIをどうするかとか、クラウドを使うとか、あと人の問題も出ましたかね、青森の実践からも、やはりそういう特認校でしたっけ、そこに人をつけることでやっぱりうまく回るということもあるとすれば、今、校内教育支援センターをつくるところまで随分全国的に進んできましたが、人の配置がようやく進み始めているところで、そういう人をどういう人を入れるか、どれぐらいの頻度で入れるかというのは、まだまだそれぞれ試行錯誤の段階かなと思いますので、その辺りも同時に検討していかないといけないし。
あと、高校の接続というところからの御意見も、工藤委員ですかね、いただきましたので、ちょっとこれは今の議論ではなくて、もうちょっと先の議論になるのかもしれないんですが、高校への接続とか入試の問題、先ほどの御意見では、特例の入試が不登校にはあってという御発言もありましたので、そういったところとも連動しないと考えにくい部分があるのかなというのはすごく痛感したところです。
あと、もう一つ、教師を支える、先ほど言いましたが、もう一つ支えないといけないのが、やっぱり保護者かなと、今村委員が最後に言っていただいたとおりで、私も保護者の面接をたくさん受けておりますが、親御さんも孤立化して不安で見えなくなっているというところもあります。そういう焦りが子供を変に追い詰めてしまったりとか、親が潰れてしまったりとか、そういったケースもやはりありますので、そういう親御さんも含めて、親御さんと一緒に支援計画つくるとか、そういった形での親御さんの記述というのはあるんですけれども、一緒につくっていただくだけではなくて、親御さんもやはりそういう支えられるべき立場もあるかなと思いますので、そこのところ、どうやってしていったらいいのか。それは、今回の教育課程を考えるという中心的なテーマではないのかもしれないんですけれども、やはりどこかでしっかりと考えていかないといけないテーマだなというのは痛感しているところです。
いろいろありますが、ちょっとこの辺で私の意見は止めさせていただきまして、まだ20分ほどですか、時間残っておりますので、前回の第4回のワーキンググループにおきましては、指導計画の検討に当たりまして、不登校の児童生徒が抱える悩みとか、その状況を踏まえた内容をするとともに、学校現場の負担とか、負担感を十分に踏まえた検討が必要であるというところが整理されてきたところなんですけれども、今日のテーマから、さらに前回のことも踏まえましてでも結構ですので、もし追加で御意見とかありましたら、先ほどちょっと言い落としているとか、もうちょっとこの辺も言いたいということもおありかなと思いますので、どこからでもお出しいただければと思います。お願いします。
菊井委員からお手が挙がりました。お願いいたします。
【菊井委員】 再度の発言で失礼いたします。
今、議論を進めています特別の教育課程のお話ですが、新たに特別の教育課程を組むということになりますと、実際の作業量もさることながら、感覚的、心理的な負担感、特に教員サイドの負担感が伴うものだというふうには想定されます。そのような観点も含めて、学校現場に過度な負担をかけないように、個別の指導計画を作成するに当たり、既存の資料をうまく活用していくこと、またそれをしっかりとここで議論や手引、ここでの議論や手引で示していくことが重要であろうと感じております。
私が京都府におりますので、京都府内の状況で申し上げますと、それぞれ支援員などが日報を作成するとか、児童生徒が振り返りシートを作成しているとか、それに対して担当がコメントを返しているとか、あるいは家庭訪問、それからケース会議を開催したときには必要な記録を取るなど、ふだんから様々な記録がそろっている状態だというふうに思います。
先ほどAIの活用であったりとかクラウドでの管理ということもありましたが、そういうことも含めて個別の指導計画を作成する過程では、例えば児童生徒に対してフィードバックするときに、こうした既存の資料を活用することが可能ですよとか、こういうふうな活用例がありますよということを示していくことで、学校側の実務的な部分だけではなくて心理的な部分、この両面の負担軽減に繋がっていくのではないかというふうに思いますし、そういう視点を盛り込んで議論を進めていくということが、今後、フィージビリティを考えたときには非常に重要な観点になるかなということを感じました。
以上でございます。
【伊藤主査】 ありがとうございます。とても具体的な視点を頂戴しました。
新たにつくるとなると、すごく現場の負担感、負担そのものより大変だという気持ちのほうが先に立って混乱するということもあるんですけど、今、御提案いただきましたように、今既になされていること、あるいは蓄積された情報とかやり方というのをここに使っていくというか、応用しながらよりよいものにしていくという視点はとても重要だなというふうに聞かせていただきました。ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうかね。
多分、今日は冒頭から委員それぞれの御意見、とても力強い御意見をたくさん頂戴できたかなと思います。
では、今回はこの辺りで会議のほうは終了したいなと思います。
ここで、次回のスケジュールにつきまして、事務局から御説明お願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 本日の御議論いただきましてありがとうございました。
次回につきましては、後日、御連絡をさせていただくということにしたいと思いますので、改めて御連絡させてください。よろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 委員の皆さんももし次回までに、この点、後から言い残したとか、あったということがありましたら、事務局のほうにメールでもお寄せいただければと思います。
それでは、以上をもちまして閉会といたします。本日はどうもありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局児童生徒課生徒指導室
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