令和8年1月29日(木曜日)9時30分~12時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【伊藤主査】 定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループの第4回を開催いたします。
本日は、不登校児童生徒に係る特別の教育課程の個別の指導計画等について審議を行います。
会議の流れですが、初めに事務局から説明の後、研究開発学校として不登校児童生徒に対する柔軟な教育課程の編成・実施に取り組まれているその状況につきまして、東京都の藤田委員と広島県尾道市の金子委員から、そして島根県の雲南市教育支援センターおんせんキャンパスにおける不登校児童生徒への支援の状況につきまして、今村委員から御発表いただく予定です。
各委員からの御発表の後に、それぞれ10分程度質疑の時間を設けさせていただいた上、最後に事務局から御説明させていただいた論点についての意見交換の時間を設ける予定でいます。どうぞ皆様よろしくお願いいたします。
それでは、まず最初に事務局より御説明をお願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 生徒指導室長の総崎でございます。本日、不登校児童生徒に係る特別の教育課程の個別の指導計画等について、ということで御議論をお願いいたします。
まず、ワーキンググループにおける検討事項・論点として、いつもお見せしております見取り図でございます。本日以降の議論として、赤字で左の上に書いておりますとおり、本日、特別の教育課程の指導計画等の在り方を検討する上での論点等を整理いたしまして、具体的な方向性については次回以降検討していきたいと考えております。
具体的な流れについて、より詳しくお伝えをしたいと思います。第2回ワーキンググループ、そして第3回ワーキンググループでは、本特例の対象となる児童生徒や特別の教育課程の内容、授業時数等の考え方について議論を行ってまいりました。今回のワーキンググループ以降ですが、これまでの議論を十分に踏まえた上で、不登校児童生徒にとって意義のある教育課程を学校現場が取り組みやすい形で編成・実施することができるように、個別の指導計画等に係る検討を行っていくこととなります。
具体的には、対象児童生徒の資質・能力の向上に繋がる特別の教育課程としていくことはもちろんでございますが、学校現場にとって実現可能な仕組みとしていくという観点から、個別の指導計画を作成するに当たって盛り込むべき要素や作成のプロセス、他の特別の教育課程との関係性等について整理を行っていく必要があると思っております。また、対象児童生徒の頑張り等が、適切に評価される学習評価の在り方についても整理していくことが重要でございます。
このため、今回はまず研究開発学校として不登校児童生徒に対する特別の教育課程の編成・実施の在り方について研究開発を進めている東京都及び広島県尾道市の取組状況、そして研究開発の過程での検討状況等について御発表をいただき、本特例を実施していくに当たっての課題や方向性についてより具体的な検討を深めていきたいと考えております。
加えて、校外教育支援センターにおける不登校児童生徒の指導・支援の実態に関し、雲南市教育支援センターおんせんキャンパスの取組・実践についても御発表いただきまして、学校外において本特例を実施する上での具体的なイメージの共有や今後の検討課題について明らかにしていきたいと考えております。その上で、第5回ワーキンググループ以降の議論におきまして、本特例に基づく個別の指導計画等の在り方に係る方向性を提示していくこととしたいと考えております。
それでは、これまでの議論を改めて振り返りたいと思います。個別の指導計画の在り方を検討する上でのこれまでの議論として、まず第2回ワーキンググループでは、対象児童生徒の考え方について御議論いただきました。本特例の主な対象児童生徒としては、学びよりも休養を優先すべき時期を除き、休み始め・回復期のいずれにも着目し、休み始めだけれども適切な伴走支援があれば学びに向かうことができる児童生徒や、心身の状態が回復してきた時期に学びに向かいつつある児童生徒を想定した上で、総合的に判断すること等を提案しております。その他特例の対象となる児童生徒について御議論いただいた内容については、次のスライドで改めて確認をしたいと思います。
特例の対象となる児童生徒のイメージは右の図に示しているとおり、赤枠で囲った部分ということで御議論をいただいているところでございます。
次に教育課程や教育内容の考え方については、第3回のワーキンググループを中心に御議論をいただきました。本特例で実施する教育活動としては、対象児童生徒の学びに向かいたい気持ちなどを十分に踏まえながら以下を御提案しているところでございます。
Aとして、各教科等の目標・内容に基づきつつ柔軟に実施する教育活動、右の図でいうと左のブルーの部分でございます。また、Bとして、各教科等には該当しない不登校児童生徒の実態に応じた特に効果的な教育活動、右の図の緑の部分を御提案しているところです。
また、授業時数については、丸1、不登校の期間や現在の出欠状況といった児童生徒の状態、丸2、学びへの意欲や求める支援といったアセスメントに基づく児童生徒の在り方、これらを総合的に勘案して個別の指導計画を作成する計画段階において、各学校長が適切な範囲で柔軟に授業時数を設定できるような仕組みとすること。また、その実施に当たっては、対象児童生徒の状態は変化しやすいことを踏まえて、授業時数や実施内容を状況に応じて適宜調整できることを前提とした柔軟な運用とするべきではないかということを御提案しております。いずれにしましても、組織的かつ計画的な指導ということが重要になってくるというところを確認させていただいているところでございます。
さらに、対象児童生徒についてのこれまでの議論、第2回、第3回での議論について補足的に整理をさせていただきました。まず第1に、論点整理においては、本特例の対象児童生徒については以下のとおり示されております。年間30日以上の欠席を一つの参考としつつ、具体の判断は学校や教育委員会が児童生徒の実態等を踏まえて総合的に行うこと。また、不登校となる蓋然性が高いと考えられる場合も対象になり得ること。この2点が示されているところです。
これを踏まえて第2回、第3回において、本特例の対象児童生徒についての考え方として以下の点について議論が行われてまいりました。
まず1点目、義務教育段階での不登校児童生徒を主な対象とすることを議論いただいております。なお、本特例の教育内容等の検討を深めていく中で、高等学校についても本特例の対象とすべきか否かは検討していくということで、まだ論点として残っている状態になっております。
2点目、学びより休養を優先すべき時期を除き、休み始め・回復期のいずれにも着目して、休み始めだが適切な伴走支援があれば学びに向かうことができる児童生徒や、心身の状態が回復してきた時期に学びに向かいつつある児童生徒、この2点を想定した上で総合的に判断することということが挙げられております。
また、特別の教育課程の主たる実施場所は校内外の教育支援センターとすること。そして、単に特定の授業の学習の遅れが生じているケースは本特例の対象にはならないということも確認されております。
また、各学校が特例の対象となる児童生徒を判断するにあたり、各教育委員会の支援が必要であることについても議論いただきました。各教育委員会においては、例えば手引きを踏まえて、所管の学校において特例の対象となる児童生徒の考え方等を予め整理したり、拠点となって特例を運用する学校を予め決めておいたりするなど、特例を実施するために必要な体制整備を図るとともに、各学校が当該児童生徒の状態把握を行うにあたり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の派遣支援や学習方針の検討・決定をするにあたって積極的に指導・助言を行うなど、各学校が円滑にこの特例を実施することができるよう必要な支援を行うこととするということを確認いただいているところでございます。
これらの議論を踏まえて、本日から特別の教育課程の個別の指導計画等に係る検討事項・論点について検討をいただきたいと思っております。
まずこの指導計画等について御議論いただく上で、1、指導計画・学習評価等の在り方を検討する上での基本的な考え方として、我々として議論の骨格となる考え方について整理をさせていただきました。
前述のように、第3回ワーキンググループまでの議論で、対象児童生徒や教育課程、教育内容について考え方を整理してきているところでございますが、個別の指導計画や学習評価の在り方を検討するに当たっては、現状においても校内外の教育支援センターで一定の計画性を持って学習活動が行われている中で、現行制度における隘路、険しい道というところでございますが、現行制度における隘路がどのようなものか、その上で今般の仕組みを創設することで、不登校児童生徒のために何を目指そうとしているのかというところを改めて確認させていただきたいと考えております。
まず多くの場合、通常とは異なる学習環境の中で状態が変化しやすく、学習に向かっていくことが難しいことが多い不登校児童生徒にとっては、単に的確な指導計画が作成・実施されれば良いということではなく、子供自身が計画の作成過程等において自身の学習目標の設定にも関わり、工夫して学習を進め、振り返る中で学びを積み重ね、経験として昇華させていくことで学習意欲や自己肯定感を取り戻していくという視点が極めて重要であるということを改めて確認をさせていただきたいと思います。
こうした視点から学習評価について考えますと、論点整理でも特別の教育課程の制度がないため、下学年の内容を学んでいても原籍級の教育課程に基づく評価を行わざるを得ない面がある。それはすなわち実態を踏まえた柔軟な評価には一定の限界があるということを述べられております。
現状におきましては、例えば学校に来ることが難しく、十分な学習の時間を確保することができなかったり、下学年の学び直しを行っているケースでは、通常の教育課程、つまり在籍学年の教育課程に基づく現行の学習評価では「1」や「-」といった評定の記載となってしまい、そのことが児童生徒、ひいては保護者の方の学習意欲や自己肯定感を低下させるといった指摘がございます。こうした評定が高校入試で活用される内申書に記載され、合否に影響するということも指摘の背景にございます。
こうした課題に対して現行制度においても積極的に学習成果を評価するための教師による丁寧な取組も行われておりますが、原籍級の教育課程に基づく評価である以上、日々状態が変化する中で懸命に学習を進めている場合であっても、当該在籍学年の教育課程に係る目標準拠評価では、その努力を受け止め、学びに向かいたい気持ちや学びに向けた頑張りを後押しすることには限界があるという実情がございます。
このため、在籍学年の教育課程とは異なる特別の教育課程に基づく学習評価を可能とすることで、上記のような隘路を可能な限り解消し、対象児童生徒の学習意欲や自己肯定感の向上に繋げ、資質・能力の育成、前向きな進路選択に寄与すべきということを考えております。
こうした改善を図るに当たって、前提として特別の教育課程に係る学習評価の指導要録での記載は、個別の指導計画で記載される指導内容に基づく評価と記載と表裏一体となるものでございます。このため、学習評価に先行して個別の指導計画の在り方について検討することが必要になってまいります。
ここで米印に書いておりますが、障害のある児童生徒について作成する個別の指導計画に指導要録の指導に関する記録と共通する記載事項がある場合には、当該個別の指導計画の写しを指導要録の様式に添付することで替えられる運用となっているということも、参考としていただきたいと思います。
また、校内外の教育支援センターや学校などの関係者間で不登校児童生徒の日々の状態把握について共通認識を持ちながら教育活動を積み重ねるということは当然重要でございまして、担任教員や支援員・指導員をはじめ不登校児童生徒に関わる者たちにとって、日々の指導を実現する上で一定の指導計画が必要なことは言うまでもございません。一方で、その観点のみであれば現行制度でも運用上一定の取組が行われている場合もございますので、隘路があるとまでは言えないと考えております。
本特例での個別の指導計画というのは、これまで申し上げたように子供自身が作成過程に深く関与し、学習意欲や自己肯定感を取り戻せるものにできるかという視点から在り方の検討が必要なものと考えてございまして、現在運用上作成されている多くの指導計画とはその意味で性質が異なってくるものと考えております。こうした新しい性質を有する「計画」の必要性を認識する場合に、国としてその実現可能性を考慮した在り方を仕組みとして提示しなければ全国的に運用していくことは難しいという意味で、この点で実質的な隘路が存在していると考えております。
なお、今申し上げたように子供自身が作成過程に深く関与していくこと、そして学習意欲や自己肯定感を取り戻していくという観点からの新しい性質を有する計画であるという観点から、この後の資料表記上、子供自身が関与するというところについて触れる際には、かぎ括弧「計画」という形で、その新しい意味合いの指導計画であるということを表現させていただいております。
以上のように、本特例について子供の学習意欲や自己肯定感の向上に繋げ、資質・能力の育成等に寄与するためには、個別の指導計画や学習評価についてこれまで申し上げた観点からの検討が不可欠でございます。そうした認識の下で、以下実務的に指導計画の必要性や視点を整理し、次回のワーキンググループでの具体的な方向性についての検討に向けて、議論を深めていきたいと考えております。
それでは、個別の指導計画の検討の視点と論点でございます。補足イメージ2として整理をさせていただきました。
まず個別の指導計画の検討の視点の丸1として、先ほど申し上げた新たな性質となってくる個別の指導計画であるというところ、対象児童生徒自身が計画の作成過程等に深く関与する視点というところを掲げております。対象児童生徒が学習意欲や自己肯定感を取り戻していけるよう、自身の学習目標の設定にも関わり、工夫して学習を進め、振り返る中で学びを積み重ね、経験として昇華させていけるような対応が必要となってくるということでございます。それを実現可能とするための論点として右に掲げております。対象児童生徒の思いを聴きながら計画に反映させた上で学習を進め、学びや経験の積み重ねとして、対象児童生徒本人が振り返り確認し、さらに学びを前に進めていくことができる仕組みとしていくことが必要であるという論点がございます。
丸2として実務的な観点での検討の視点でございます。効果的かつ効率的な計画とする視点でございます。不登校児童生徒の心身や学習の状況は日々改善・変化することを踏まえ、対象児童生徒の状態や本人の意向等を十分に踏まえた目標設定や学習内容・授業時数を調整し、学びに向かう気持ちや頑張りを維持・向上できるような対応が必要となってまいります。それを実現するための論点としては、不登校児童生徒の実態等は日々改善・変化することを踏まえると、対象児童生徒にとって効果的であり、かつ教職員にとっては効率的な計画であることが望ましく、例えば最低限計画に盛り込むべき事項を示すなど、できる限り簡素化した計画とすることが必要となってまいります。
3点目の検討の視点でございます。学習内容等を関係者が簡易に確認、共有、改善できる視点が必要になります。不登校児童生徒の学びの実態は様々でございます。例えば校内教育支援センターと在籍級の行き来をしている場合や、校内教育支援センターと校外教育支援センターを使い分けている場合などがございます。こうした対象児童生徒の状況の変化に応じたきめ細かな対応をするためには、対象児童生徒の学習内容等を関係者間で共有した上で組織的に取り組むことが必要になります。右の実現可能とするための論点としては、対象児童生徒への指導を行うに当たっては、複数の関係者による連携した指導の実施や継続的な指導が重要であることから、本特例の実施に当たっては関係者間が簡易に計画の内容を確認・共有・改善できる仕組みの下、運用することが必要でございます。
丸4として、柔軟かつ容易に対応できる視点を盛り込んでおります。対象児童生徒の中には、当初の計画通りに学習が進められなかったり、年度途中から学びに向かえるようになったりすることも想定されることから、目標の見直しや学習量の調整を柔軟かつ容易に行うことで、対象児童生徒の実態に応じた丁寧な対応が必要となってまいります。この対象児童生徒の実態に応じた対応とするためには、学校現場が可変的かつ随時に対応できる仕組みとすることが重要でございまして、計画の見直しや年度途中からの編成を、柔軟かつ容易に対応できることが必要になります。
最後に5点目として、対象児童生徒の頑張り等を積極的に評価できる仕組みとする視点も挙げております。対象児童生徒の学習状況に応じた学習評価を実施することで、対象児童生徒の学びに向かいたい気持ち、学びに向けて続けている頑張りといった側面を積極的に受け止め励まし、継続的な学びに繋げることが必要という観点でございます。対象児童生徒の学びに向かう気持ちや頑張りを評価することができるようにするためには、下学年等の学び直しや各教科等には該当しない教育活動に係る学習内容についても適切に評価できる仕組みとすることが必要でございます。
今申し上げました個別の指導計画の検討の視点に係る、それぞれの不登校児童生徒が抱えている悩みや状況、そしてこの特例を実施する学校現場が抱える懸念点というものを補足イメージ3として整理をさせていただきました。
左上が不登校児童生徒が抱えている悩みや状況でございます。緑の四角囲みで抱えていることが、子供たちの思いとしての例示でございます。また右下がこの特例を実施するに当たって、学校現場が抱える懸念点の例でございます。右のブルーの四角囲みの中が、学校現場、教員が抱える疑問点、懸念点の例示として挙げております。
左下から順に、先ほど申し上げた個別の指導計画の検討の視点を1から順に並べてございます。左下から矢印で登っていく形で1から5まで並べてございますけれども、米印で書いておりますとおり、1から5の順番というのは一例でございまして、個々の不登校児童生徒により対応が必要な内容やその順番といったものは異なってくるということにはご留意いただければと思います。
一例で申し上げますと、丸1の対象児童生徒自身が計画の作成過程等に深く関与する視点につきましては、例えば不登校児童生徒は「自分は勉強が苦手で今までうまくできなかったから、どのように勉強したらいいかわからないし、できる自信がない。」といった学習意欲の低下、自己肯定感の低下といったような悩みを抱えている状況というのが考えられます。またその子供たちに向き合う学校現場としては、右のブルーの中ですが、「対象児童生徒の思いをいつ、どのように反映し、振り返る活動や学びの積み重ねに繋げればいいのだろうか」といったような悩みが考えられます。
こういった不登校児童生徒が抱えている悩みや状況を具体的に想定しながら、丸1から丸5のこの視点に沿って個別の指導計画について検討をしていく必要があるということで考えております。
右上の丸の中に書いておりますが、子供自身が計画の作成過程に深く関与し、学習意欲や自己肯定感を取り戻せるよう、これらの視点を踏まえた個別の指導計画であるということを大前提に、5つの視点に基づいて個別の指導計画について今後御議論をいただきたいというところでございます。
それでは具体的に特別の教育課程の個別の指導計画についての検討事項・論点について述べてまいります。これまで申し上げた検討を踏まえまして、不登校児童生徒の心身や学習の状況と本人の意向等を十分に踏まえつつ、学校と校内外教育支援センターといった複数の場で連携して組織的かつ計画的な指導を実現し、これらを適切に学習評価に繋げていくためには、指導計画の在り方を検討する必要がございます。その際、対象児童生徒自身が計画の作成過程等に深く関与し、学習意欲や自己肯定感を取り戻せるものにできるかという視点から、その在り方の検討をする必要があります。一方、実際に仕組みを運用する教育委員会や学校、教育支援センターの過度な負担とならないよう十分に配慮することが必要でございます。
これらの考え方に基づいて、「補足イメージ3」先ほどの図で示したとおり、「不登校児童生徒が抱えている悩みや状況」と「本特例を実施するにあたり学校現場が抱えている懸念点」を踏まえて、指導計画に必要であると考えられる丸1から丸5の視点を実現するために、以下の点について更なる検討をしていく必要があるのではないか。またこの他に検討すべき課題はないかということで御議論をいただければと思います。
まず丸1の視点、対象児童生徒自身が計画の作成過程等に深く関与する視点でございます。四角の中は先ほど補足イメージ2で申し上げた内容ですが、再度読み上げさせていただきます。対象児童生徒が学習意欲や自己肯定感を取り戻していけるよう、自身の学習目標の設定にも関わり、工夫して学習を進め、振り返る中で学びを積み重ね、経験として昇華させていけるような対応が必要です。対象児童生徒の思いを聴きながら計画に反映させた上で学習を進め、学びや経験の積み重ねとして対象児童生徒本人が振り返り、確認し、さらに学びを前に進めていくことができる仕組みとすることが必要というこの観点から検討すべき論点として、対象児童生徒の関与の在り方等について挙げております。対象児童生徒の学習意欲や自己肯定感を取り戻せるものにしていくためには、どのように対象児童生徒自身も計画の作成過程等に深く関与させ、工夫して学びを進め、振り返る中で学びを積み重ね、経験として昇華させていくかを整理することが必要ではないか。またその趣旨や性質が、より学校現場にわかりやすく浸透するように、その名称についても検討してはどうかということを考えております。対象児童生徒の思いを、いつ聴いてどのように計画に反映すべきかといったプロセスについても、整理すべきではないかと考えております。
丸2の効果的かつ効率的な計画とする視点です。四角の中は省略させていただきますが、検討すべき論点の例示として指導計画に盛り込むべき要素等について挙げております。不登校児童生徒の状態や意向等を踏まえて、本特例による教育の活動の質を総合的に確保しつつ、効果的な指導・支援を行っていくため、国は最低限、指導計画に記載する具体的な要素や様式等について示してはどうかと考えております。一方で指導計画に記載する具体的な要素や様式等について検討を行う際には、不登校児童生徒の心身や学習の状況が日々改善・変化することや、指導に当たる関係者の負担、そして負担感を踏まえてできるだけ簡素化し、柔軟に変更可能な指導計画とする方向で検討すべきではないかということを挙げております。
また「児童生徒理解・支援シート」や支援計画でございますけれども、それとの関係も議論いただく必要がございます。不登校児童生徒の状態が日々改善・変化することを踏まえつつ、適切な指導を行っていくためには、個々の児童生徒ごとに不登校になったきっかけや不登校状態が継続している理由を的確に把握し、その児童生徒に合った支援策を策定した上で、指導に当たる関係者間で共有されることが重要でございます。このため、これまで国としては「児童生徒理解・支援シート」といった支援計画の参考様式を示してきているところでございまして、この様式を活用して各自治体や学校で不登校児童生徒の状態把握がなされている実態もございます。このため今回新たに指導計画を検討するに当たっては、支援計画との整理も必要となってくると考えております。
具体的には「児童生徒理解・支援シート」等については引き続き作成することを前提としつつ、新たに指導計画として記載すべき内容について不必要な重複や負担感がないように整理する必要があるのではないかと考えております。その際、「児童生徒理解・支援シート」についても改めて記載項目の整理を検討すべきではないかと考えています。
現行制度におきましても、この「児童生徒理解・支援シート」の作成のほか、障害のある児童生徒への支援や日本語指導が必要な児童生徒への支援に係る指導計画等が作成されている実態もございます。現在、新たに特異な才能のある児童生徒への支援に係る指導計画の在り方についても議論がされております。今後、複数の特例に重複して該当する児童生徒の存在も想定される中で、「児童生徒理解・支援シート」や個別の指導計画の在り方について、対象の児童生徒を包括的に支援し、教育の質を向上させるとともに、学校現場の過度な負担を軽減する観点から関係性を整理する必要があると考えております。
さらに、指導計画の作成プロセス等についても、指導計画は一般に学級担任や教科担任等が作成するものでございますが、不登校児童生徒の支援に当たっては教職員以外の支援員や指導員等が中心となって指導・支援に当たっているケースもある実態を踏まえて、本特例を実施するための計画の作成が、対象児童生徒が関与する中で、誰がいつどのようなプロセスで行うこととすべきかを整理する必要があると考えております。
丸3の学習内容等を関係者が簡易に確認・共有・改善できる視点についてでございます。四角の中は省略させていただき、検討すべき論点の例示でございますが、関係者間での確認・共有・改善については、不登校児童生徒の学びの実態は様々でございまして、多くの関係者が連携・協働の上、指導・支援に当たっている実態を踏まえると、対象児童生徒の状況の変化に応じたきめ細かな対応をするためには、関係者間でいつでも指導計画を参照でき、協働で修正できるようにするなど、様々な関係者が共通認識を持って継続的に連携しながら指導する必要がございます。このため、例えば指導計画の作成・運用・管理は電子媒体によるクラウド共有等の方法によることが考えられるのではないかと考えております。その際、適切な管理主体の下、個人情報の取扱いや守秘義務等の観点から適切な閲覧制限・修正権限の付与も含め、運用・管理の面に関しての課題に係る整理も必要ではないかと考えております。
また、指導計画の作成に当たっては、対象児童生徒の日々の状態変化や学習状況の把握が重要であることを踏まえ、関係者間で随時確認・共有しておくべき情報について一定の整理が必要ではないかと考えております。
丸4として、柔軟かつ容易に対応ができるという視点についてでございます。検討すべき論点は柔軟かつ容易な計画の見直し等ということで、対象児童生徒の実態に応じた丁寧な対応が重要である一方で、教職員に過度な負担がかからないようにするという観点から、どのような場合に計画の見直しを図る必要があるのかなどの考え方について一定の整理が必要と考えております。あわせて、対象児童生徒の状態変化や学習の状況の把握を踏まえつつ、柔軟かつ容易に年度途中に計画を見直したり、年度途中から特例を開始したりする場合における計画作成の手続きやプロセスについてわかりやすく整理することが必要と考えております。
最後の視点でございます。対象児童生徒の頑張り等を積極的に評価できる仕組みとする視点でございます。検討すべき論点の例示です。適切な学習評価として、一義的には対象児童生徒の学級担任、教科担任等が指導をした上で学習状況を見取り、学習評価を行うものでありますが、不登校児童生徒に対する指導・支援は教師に加え支援員、指導員等が指導・支援に当たっている実態もございます。この場合、学級担任や教科担任等が学習評価を行うに当たっては、どのような形で運用することとすべきかを整理する必要がございます。対象児童生徒が学びに向けて続けている頑張りといった側面を積極的に受け止め、励まし、継続的な学びに繋げるためには、対象児童生徒が取り組んでいる内容をどのように評価していくべきなのかということも御議論いただく必要があります。
また、第3回ワーキングで議論しているとおり、本特例に係る教育活動として下学年等の学び直しや各教科等には該当しない教育活動に係る学習内容、年度途中での学習内容の大きな変更などが想定されるところ、現行の評価にはなじまないこれらについてどのように評価していくべきか、というところも議論していただく必要がございます。
事務局からの説明長くなりまして恐縮でございますが、以上でございます。
【伊藤主査】 今の御報告に関しましては、また後ほど意見交換の時間を取りたいと思います。続きまして、藤田委員から、東京都における研究開発学校での取組状況について御発表いただきます。それでは藤田委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【藤田委員】 よろしくお願いいたします。東京都教育庁指導部指導企画課長の藤田でございます。東京都が独自に行っております中学校の不登校生徒のための学級、チャレンジクラスの取組、研究開発学校として取り組んでいる内容について発表いたします。
まずチャレンジクラスの概要を御説明いたします。各チャレンジクラスには正規教員を4人から6人配置し、ゆとりある生活時程の中で不登校生徒一人一人の実態に応じた学びに取り組んでおります。校内に設置するため校内施設の利用や通常の学級との交流が可能でございます。
事業を開始いたしました令和6年度、10校のチャレンジクラスに在籍した生徒の出席率が上昇し、一定の成果を得ております。一方で設置校の教育課程では、チャレンジクラスに在籍する生徒の実態と合わず、指導と評価の一体化に課題が生じる場合もございました。このことから、一人一人に応じた教育課程を編成する必要があると考え、この課題を解決するため、研究開発学校として取り組むことといたしました。
令和7年度新たに4校を追加し、現在都内で14のチャレンジクラスで、一人一人の生徒の学習進度や実態に応じた特別の教育課程編成の在り方を研究しております。
チャレンジクラスの研究課題は、個に応じた特別の教育課程の編成・実施及び個別の指導計画等に基づいた評価の在り方を構築する研究開発でございます。
各学校においては、一人一人の実態に応じた指導を工夫しております。例えば左側のところに実践事例で記載いたしましたけれども、学年の枠を超えた個に応じた習熟度別の学習、チームティーチングによる個に応じたきめ細かな指導、オンラインによる双方向授業、探究活動を通した「自己決定の場」の設定や体験的な学習の充実などです。
右側に行きますけれども、チャレンジクラスに入級した生徒の状況です。入級前に比べて出席状況が改善する生徒は約7割おります。生徒アンケートでチャレンジクラスに入って学習ができるようになったと回答した生徒は約8割に上ります。アンケートの自由記述では、チャレンジクラスで他者との関わりを持てるようになったという生徒の回答や、保護者からは学校生活の大切さを再認識したなどの回答がございました。各学校においては、生徒一人一人がこのような実感を得られるよう研究を進めております。
チャレンジクラスは基本的に設置校の教育課程に基づいて教育活動を行っております。チャレンジクラスとして独自に設定する授業時数・生活時程・新設教科などは研究開発学校として国の指定を受けた上で、設置者である教育委員会に届け出ています。その上で、生徒一人一人の実態に応じた指導や支援を行うため、個別の支援計画や指導計画を作成して教育活動を実施しております。
続きまして、個別の指導計画の研究についてお伝えいたします。これまでの研究を踏まえまして、研究開発に当たっては次の3点を基本的な考え方としております。
第1に、学習計画を子供自身が自己選択・決定するプロセスが大切であることから、指導計画と学習計画の一体化を目指していくというものです。そこでチャレンジクラスでは、個別の指導計画のことを学習者の視点に立って「学びのシート」という名称で開発を進めております。
第2は、学習指導に関わる学級担任や教科担任、学習支援員など関係者間の連携の取りやすさ、運用のしやすさを追求することです。学習や指導内容をデータベース化し、手軽に参照できるようにするなど、効率的に作成し運用できる方法を模索しております。
第3に、定期的に年間の全教科の教育活動、教育課程全体を見直して軌道修正することや、持続可能性に課題があるという認識に立つことです。そこで個別の指導計画は、単元等の短いスパンで可変的、即応的なものとして運用できるような方法で開発を進めております。生徒の心身の状態の変化や出席状況にも対応でき、教員の負担を減らし持続可能な運用を実現するために、本当に必要な要素等によりなるべくシンプルに構成することも大切な視点と考えております。
チャレンジクラスで研究開発を進める個別の指導計画について、イメージを具体化させたものです。出発点は生徒自身の「このような姿になりたい」といった思いや願いです。それを教師が受容的に受け止めて、教科等の指導の専門的な見地から学習内容や方法の選択肢を提示いたします。生徒自身が選び決めることを重視し、学習計画として生徒自らが学習の見通しを持てるようにしています。このように「学びのシート」は生徒と教員が共に作るものであり、計画変更にも対応できる形を目指しています。
「学びのシート」はその実施に合わせて、生徒の学習状況、心身の状況を把握し評価を行う根拠となるものにもしています。不登校を経験した生徒には特に学びに向かう力の伸長を重視する必要があることから、主に個の学習状況に照らした個人内評価によって、一人一人の学習を認めていきます。一方、学校の教育課程に基づき学習課題に取り組んでいる場合には、観点別学習状況の評価により数値化することも考えられます。
チャレンジクラスに入級する生徒については、学校内外の専門家や保護者と連携し、中長期的な視点で個別の支援計画を作成しております。個別の支援計画は、生活面を含む一人一人の状況を関係者が共通理解し、連携して教育的支援を行うために作成しています。学校が個別の指導計画を作成する上では、生徒一人一人の実態に応じた学習環境の設定や指導方法のために、個別の支援計画との関係性を考えることも大切だと考えています。
こうした基本的な考え方やイメージを共有し、毎月実施しておりますこのチャレンジクラスの連絡会で協議を重ねつつ、この14校がそれぞれに「学びのシート」の開発に取り組んでおります。
本日はその中から4校の事例を紹介させていただきます。この学校ではまずA中学校としておりますけれども、必要なことをシンプルに計画・運用する方向で取組を進めています。1年を前・後期に分け、中期的な目標や願いを基に、学習などの短期目標を設定しています。個別の指導においては、生徒の支援ニーズを参照しやすくするため、個別の支援計画である「学習・学校生活支援シート」と同じファイル内で管理しています。学習等の具体的な指導は、生徒の実態や考えを踏まえて計画し、その結果として短期目標に対する評価の欄を設けております。
次の事例です。ここでは生徒自身による自己分析欄を設け、面談により実態や願いを把握しています。本人や保護者の願い、目標、評価、振り返りまで、生活面と学習面を併記して作成しています。こちらでも前・後期で目標を設定し、評価は生徒と教員双方が記入するように工夫しています。次年度に向けた本人の思いや保護者の確認欄も設け、引継ぎ資料としても活用しやすいように作成している事例です。 こちらの中学校では生徒本人との面談を通して、各教科の短期目標を設定しております。また、各教科の単元名や目標内容、評価基準をデータベース化しておき、そこからデータを引き出して参照しながら作成できるようにしております。評価基準を基に、生徒による自己評価や次なる目標、教師のコメントも書けるようにしている事例です。
最後ですけれども、こちらの学校では生徒がオンライン上に入力した情報を基に面談を行い、学習内容を決定しています。学習面全般の本人の願いを短期目標として、各教科の目標や内容、方法の計画を立てています。各教科取り組む学習内容を保護者も確認できるように工夫しております。
このように各学校が工夫して「学びのシート」の作成に取り組む中で明らかになったことを、一覧にまとめております。左側成果でございます。生徒にとっては自らの学習の見通しを持ち、学習状況を振り返ることができるようになります。自ら選択し決定するため実現可能な目標設定になりやすく、学習の履歴が確認できるため達成感やさらなる学習意欲に繋がります。
教員にとっては個に応じた指導の記録としての蓄積ができる良さがあります。計画段階での受容的な関わりにより生徒理解の深まりや信頼関係の構築につながっています。また教員間で必要な情報を共有し、一貫した指導のための共通資料にもなっています。
右側、課題としては、生徒が自ら目標を立て学習内容や方法を決めるため、学習内容の決定には一定の時間等を要します。生徒が思い描く目標は指導者側から見れば簡単すぎたり難しすぎたりするため、本人が納得しつつ適切な目標設定を行うことや学習量の調整が必要となります。
教員にとっては学びの選択肢を提示する側として、教科等の専門性や提供できる指導技術の向上が重要となってきます。また特に心身の状況が安定しないなど指導途中で計画変更が必要な生徒への対応が難しい場合もあり、本人が学びに向かえる状態を見極め、安心して学習を進められるようにすることが課題として挙げられます。
個別の指導計画の作成に必要と考えることとしては、こちらに2つの大きなカテゴリーで分けて記載しております。まず項目としては学習者の基礎情報、指導の目標、内容や方法、そして達成状況を判断する評価基準、こちらが必要になってくるかと思います。これはあくまでも指導計画として成り立つために必要最低限と考えられるものです。
作成のプロセスとしては対象となる生徒の学び直しが必要な部分の把握など、教員がアセスメントを実施する必要がございます。そして学習者の自己決定の要素です。個別の指導計画は教師の一方的な考えでのみ作成するものではないと考えるからです。さらに保護者の理解です。多くの学校で保護者の思いを記載できるようにしたり確認できるようにしたりするなど、保護者が指導計画の作成や運用に関わる形を想定して開発しております。保護者の理解も得ながら個別の指導計画を作成し、指導や評価を行う必要があると考えています。最後に、個別の指導計画が個に応じた特別の教育課程の根拠となるためには、教育課程の編成者である校長の承認は必須と考えます。以上のように、個別の指導計画を作成するに当たっては、個別の指導計画をできるだけ簡素化し、作成プロセスを効率化する工夫が求められます。各学校が個別の指導計画を作成するための体制を整備できるよう、行政側からの支援も必要だと考えております。
最後に、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程における評価について、検討状況をお伝えしたいと思います。チャレンジクラスの教員に対して、不登校を経験した生徒の学習意欲に応えるフィードバックとして行っていること、有効だと感じていることを聞いたところ、本人が頑張ったことを文章で記述し、所見による評価を行う。授業内での声掛けなど、生徒の取組や成果をその場で認める。学習の成果物を掲示するなど、他の生徒に学習成果を知ってもらう、といった回答が上がりました。これらは、不登校生徒にとって学習への取組や成果が他者に肯定的に認められることの重要性を表しています。
以上のことから、特別の教育課程における評価の方向性として、次のような視点で整理することが必要ではないかと考えております。まず、個別の指導計画により実施された学習について、個人内評価が中心となるということです。次に、個別の指導計画が作成される部分については、評価規準や方法が明示されている必要があると考えられることです。そして、指導の内容により、学校の教育課程に基づいて評価を行うことも、柔軟に対応できるようにすることも大切だと考えております。
ここまで、研究開発学校としての研究の報告をいたしました。14校のチャレンジクラスに在籍する多くの生徒が学びに向かうことができているという事実は、安心して過ごせる環境設定や、一人一人の生徒に応じた指導や支援の大切さを改めて教えてくれます。不登校の子供たちの学びの意欲を学習に繋げ、学びを継続させていく指導計画の在り方を今後も追求してまいります。
また、そうした中で何を学び、できるようになったかということを、子供自身が成長の糧とできるような評価の在り方が求められると考えております。特別の教育課程の編成実施によって、個に応じた学びが公的に認められるような制度設計を期待し、私からの報告とさせていただきます。以上になります。
【伊藤主査】 それでは、ただいまの藤田委員の御発表に関しまして、10分程度質疑応答の時間を取りたいと思います。御質問や御意見のある方は、挙手ボタンを押していただきまして、私から指名させていただきますので、御発言をお願いいたします。なお、時間の都合上、御発言は端的におまとめいただきますようお願いいたします。それでは、どなたからでも挙手いただければと思います。いかがでしょうか。
貞広委員から手が挙がりました。お願いします。
【貞広委員】 ありがとうございます。最初に発言させていただきまして恐縮です。素晴らしい取組について御報告をいただきましたこと、藤田委員に改めてお礼を申し上げます。素晴らしい取組だからこそということで、いくつか御質問がございます。
このチャレンジクラスの最大の特徴は、正規の教員が4名から6名配置をされていて、かつその指導計画に相当する計画についても、この配置教員の正規の先生が対応して作成をされているというところだと、私なりには評価をしております。
その時に、1つ目の御質問ですけれども、子供たちの状況がもろもろ変わり、学ぶ場所も、場合によってはオンラインの学びを認めている桜堤中学の報告もございましたけど、色々子供たちの状況が変わる中で、あくまでも正規の配置をされた先生が作成し対応している意味をどのように評価をされているのか。色々な場所が動いてもやはりそのチャレンジクラスにいる正規の先生がしっかりと物事を把握して、ある意味ワンストップで全部見ているっていう状況もあるのではないかと思いまして御質問申し上げました。これが1点目です。
2点目は子供たちの進路に関わってということでございます。まだそんなに長期間の実施になっていないということですけど、この子供たちがどういうところに進学をしているのだろうかということに関わる質問として、東京都さんはチャレンジクラス以前に、チャレンジスクールとかエンカレッジスクールという高等学校での受け皿を既に先に作成をされた上で次に中学校というふうに手を着けていらっしゃると認識をしております。こうした高等学校の受け皿の存在というものが、子供たちの学びに与えている影響についてどのように評価をされているのかということを伺いたいと思います。つまりこういう受け皿があるからこそ安心してチャレンジスクールで多様な学びに取り組めているという実態もあるのではないかということも含めての御質問でございます。
【伊藤主査】 ありがとうございます。では、後ほど他の委員の御質問も含めまして、まとめて御回答いただきたいと思います。他に御質問等のある委員の方はいらっしゃいますか。
今村委員、お願いします。
【今村委員】 素晴らしい御発表ありがとうございました。1点だけ伺いたいんですけれども、この学習の内容についてなんですが、現時点で戻り学習をベースにされているのか、子供にとってはむしろ早く進みたいっていう子もいるのではないかと思うんですけど、そういった早修的なことは、この計画の中で認めて実施されているのか、この点を伺いたいです。
【伊藤主査】 ありがとうございました。他に御質問、鷲見委員からですね。お願いいたします。
【鷲見委員】 お願いいたします。今回のこの指導計画が子供と一緒に、すごく地に足の着いた運用をされているというふうに感じました。その中でなんですが、学校が4校、AからDまで例を挙げられていましたけれども、かなり幅広にその指導の内容の部分を記述するようになっていたと思います。ピックアップ的に書く学校もあれば、教科ごとに書いていく学校もあるということで、その辺りについてどこまでをこの指導計画に記述していくということを、東京都さんとしては求めてらっしゃるのか。また、いわゆる教科外のSSTのようなものを学ぶ、特別な内容についての表現というか目標あたりについては、どのように考えていらっしゃるのか。また、さらにこの作成については在籍している全員に対して作成をしているのかという点について教えていただきたいです。
【伊藤主査】 ありがとうございます。時間の関係もありますので、今の3人の先生方の御質問についてお答えいただければと思います。
まず最初に貞広委員からですね、子供たちの状況が変わる中で、この正規の先生方が評価する意味、意義ですね。それが1つ質問にありました。それから卒業後の子供たちの進路ですね。東京都の状況として、チャレンジスクールとかいろんな高校が受け皿としてありますが、それが安心感になってるのではないかということも含めての御質問だったかと思います。
それから今村委員からの御質問で、学習内容について戻り学習のことは書かれてるのですが、早修ですね、もっとやりたい、学びたいっていう子たちへの学習などについてはどうなのかという内容の御質問だったかと思います。
あと鷲見委員からですね、AからDの具体的な例を挙げていただいたんですが、記述内容ですね。どこまで記述するのかとか、あるいは教科ではなく体験を含めSSTなどの内容についてはどういうふうに扱っておられるのか、対象が全員なのかというご質問でした。藤田委員、もしお答えいただけるようでしたらお願いいたします。
【藤田委員】 御質問ありがとうございます。順にお話しさせていただこうと思います。まず貞広委員のから最初に御質問いただきました、やはりその教員が関わることの意味ですかね。実際にチャレンジクラスの方には教員、都として配置していますけれども、全ての教科というわけではありませんので、実際にはいわゆるチャレンジクラスを設置している学校の教員もですね、そこの指導計画に携わる場合もございます。例えば9教科全ていないわけでありまして、数学や英語はいるけれども国語はいないっていうような時には、いわゆる設置校の教員の方がそこに関わっているっていうこともあります。やはり教員が指導計画に携わることの意味っていうのは、やはり中学校の学習内容だけではなくて、その前提となる小学校の教育課程についてもそれぞれの教科の教員が理解しておりますので、どこの段階のところっていうものをしっかりと子供の学習状況を把握するメリットがあるのかなとは思っています。
それから進路のことについて御質問いただきました。非常に進路は多様です。実際6年度在籍していた10校の学校もですね、それぞれ都にあるチャレンジスクールに進学したお子さんもいれば、いわゆるエンカレッジスクール、また通常の学校に進学したお子さんもいます。ただ、ほぼ全てのお子さんが自分自身で学校見学などをして、自分は今までの学びをここだったら継続することができる、またそこでさらに自分を伸ばしていきたいっていう学校を選んで進学を目指したというような話も伺っております。
3点目、今村委員から御質問いただいた、いわゆる学習内容、早修的なものもということですけれども、それは実際に特定の教科、事例はございます。実際にはその教科外になってしまうかもしれませんが、プログラミングなどの学習なんかもやっていることもございますので、それを早修と言えるかどうかっていうのはまた評価が分かれるところかと思いますが、英語とかについてもやっているケースもございますので、全てが全ていわゆる戻り学習っていうわけではないのかなと思います。
最後、鷲見委員の方からお話しいただいた、いわゆる指導の内容をどこまで記述するかっていうことですけれども、これについては基本的に学習したことに対して、単元ごとであったりとか、いわゆる少し幅広な学習範囲について、それぞれ何がどういうふうに取り組んでいたのか、それについてどういうことができるようになったのかということで、教員の方が可能な限りで記述しているという実態がございます。いわゆる教科外の特設の教科設定をしているところもございますので、そういったところにはそれも積極的に取り入れて評価をしているという実態がございます。
あと在籍している生徒全員かという御質問だったかと思いますけども、基本的に入級していわゆる学びに向かう、そういう気持ちになっているお子さんに対しては、一人一人その状況に応じて計画を作成する、またそれに基づいて実施しているという状況でございます。以上でございます。
【伊藤主査】 御回答ありがとうございました。では、お時間になりましたので、一旦質疑の方は終了させていただきますが、後ほどまた意見交換の時間がございますので、もしありましたらその時にお出しいただければと思います。
では、続きまして、金子委員からですね、広島県尾道市における研究開発学校での取組状況につきまして、御発表いただきます。それでは金子委員、どうぞよろしくお願いします。
【金子委員】 よろしくお願いします。尾道市教育委員会の金子です。研究開発学校の指定を本年度から4年間頂いておりますので、本日は4月から現在まで、本市で取り組んでいる実証状況について発表させていただきます。よろしくお願いいたします。
発表内容はスライドの通りとなっております。
ではまず、研究体制と1年次の主な研究内容について説明をします。スライドの左上、研究組織図の通り、尾道市立因北小学校と因北中学校、それぞれの校内教育支援センター、本市ではスペシャルサポートルーム、SSRと呼んでいます。そして本市の校外教育支援センターの1つである「因島はっさく」、これが一体となって不登校支援の組織的な連携体制を整え、各校の研究担当を中心に、校内SSR担当教員や授業アシスタント、校外教育支援センター相談員や市のスクールソーシャルワーカー、これらが一体となって研究を進めてきております。
1年次である今年度は、研究体制を構築しながら、講師招聘をしての研修や先行視察等から学び、研究の方向性について試行錯誤しながら、悩みながら進めてきているところです。
スライド右側に今年度の主な研究内容を示しています。まず、不登校等児童生徒の実態を丁寧に見取り、分析を行い、不登校等児童生徒に必要となる資質・能力を明確にし、それらの育成のための教育課程の枠組みについて検討します。また、小中学校の各段階について、丁寧なアセスメントをもとに個別の支援計画・指導計画を作成し、学習状況の把握及び学習評価について試行しています。
具体的には、まず不登校児童生徒に必要となる資質・能力をスライドに示す4つに設定しました。自己肯定感、自立性、社会的につながる力、自己実現する力です。
1つ目の自己肯定感とは、自分には価値がある、そのままの自分でもよいと思える感覚で、失敗や弱さがあっても、それでも自分は大丈夫と思える心の土台であると捉えています。成功体験を積み重ね、「自分にもできた」を実感させることが必要であると考え、取り組んでいます。
2つ目、自立性とは、自分の気持ちやペースを大切にしながら、自分らしい方法で生活・学び・人との関わりを少しずつ選び取れるようになる力であると捉えています。自分で考え、選択・決定し、行動できた、を実感させるような場を仕組むよう取り組んでいます。
3つ目、社会的につながる力とは、他者や集団、社会との関係の中で、自分の思いや考えを持ちながら、他者と関わり、信頼関係を築いていく力であると捉えています。他者や社会とつながれた、を実感できる場を仕組むように取り組んでいます。
4つ目、自己実現する力とは、自分の内面を理解し、それをもとに自分らしい生き方や目標を主体的に描き、他者や社会と関わりながら実現しようとする力であると捉えています。自分の興味・関心のあることを見つけ、自分の思いを表現できた、と実感できることを積み重ねていく必要があると考えています。
これらの力は不登校児童生徒だけでなく、全ての児童生徒にとっても必要な力であると考えていますが、新設教科、体験活動やスクールソーシャルトレーニングを効果的に学ぶ「はっさく(表現)」と、つまずきの原点まで遡って学び直す「はっさく(チャレンジ)」、これらを含む新たな教育課程を編成・実施することで、この4つの資質・能力の育成を図り、不登校等児童生徒の社会的自立を目指して今取り組んでいるところです。
また、実施に当たっては実態把握が重要であると考え、「アセスメントワークシート」を独自に開発し、不登校等児童生徒の実態把握を丁寧に行っています。スライドには「アセスメントワークシート」に記入する項目を示しています。1から6の流れに沿って作成するように考えています。
まず不登校の様態、例えば情緒・心理的要因型なのか、学業・適応不全型なのかといった様態。後半の参考資料の中に様態の詳細を示しておりますけれども、尾道市で不登校児童生徒の状態をカテゴリーに分けているものを参考に、7つに分類しております。この7つの様態から、例えば「学校生活にやる気が出ない」などの相談があった児童生徒であれば、「情緒・心理的要因型」を選択しています。
次に2つのアンケート、学校適応感尺度「アセス」、これは尾道市では全校で実施しているものですが、この「アセス」と、この度、因北独自で作成したアンケート。これも参考資料の中に示しておりますが、先ほど説明した不登校児童生徒等に必要となる4つの資質・能力を測る質問項目のアンケート。この2つのアンケート結果と、児童生徒との関わりのある複数の支援者、例えば担任、教科担当教員、養護教諭、授業アシスタント、スクールソーシャルワーカーなどの支援者。今回は初めてこのシートを使ってアセスメントするということで、全教職員でアセスメントを行ったと聞いております。対象児童生徒ごとに教職員のグループを作り、担任を中心にアセスメントを進めたそうです。
この2つのアンケート結果と、実際の児童生徒の姿から受ける印象とのずれなどに気づきを出し合い、複数の者が一緒になって、日々の関わりの中で見せた対象児童生徒の発言や行動といったエピソードでの気づきを関連させながらアセスメントを行い、対象児童生徒の課題を特定します。このように児童生徒の状態を客観的に把握すること、また複数の教員等で実施することで、児童生徒の見取りの客観性が高まると考えています。
また、例えば「感情を表現することが難しい」や、「友達との関わり方に不安がある」、「学習面に遅れがある」といった課題の特定だけでなく、合わせて「なぜそのような傾向が見られるのか」、その要因も一緒に探っていくようにしています。そしてその課題の背景要因を、心理面、社会面、学習面のどこにあるのかを特定します。これによって編成する教育課程のカテゴリー、例えば心理面に課題のあるタイプの教育課程とするのか、心理面と学習面に課題があるタイプの教育課程にするのかというように、教育課程のカテゴリーを決定することとしています。例えば、心理面に課題がある場合は特に自立性を重点的に伸ばしていくために、体験活動を重視した新設教科「はっさく(表現)」の時間を取り入れた教育課程を編成する。または学習面に課題がある場合は、下学年の内容を学習する新設教科「はっさく(チャレンジ)」など、学び直しの時間を取り入れるといった考え方で作っています。
そしてこのようなアセスメントを基にしながら、個別の支援計画・指導計画を作成しています。スライドには個別のサポート計画の項目を示しています。上半分には児童生徒の状況や本人や保護者の意向を踏まえ、長期目標を設定するようにしています。下半分には指導の実際として短期目標と手立て、そして評価の具体、いつ、誰が、どこで評価するのかを決めるようにしています。より実態に応じた指導となるよう、2週間から1ヶ月程度で随時この短期目標や指導を見直すようにしています。
そしてここで大切にしていることは、アセスメントを踏まえて設定した長期目標を児童生徒、保護者と共有すること。そして誰が、いつ評価するかをはっきりさせておくことです。また短期目標は、児童生徒の状況や思いを踏まえ、育成する資質・能力を基に複数の支援者で検討して設定しています。そして児童生徒には設定した短期目標をそのまま伝えるのではなく、発達段階に応じて少し噛み砕いて、「〇〇ができるようになったらいいね」など、具体的な姿がイメージできるように伝えています。このように児童生徒と複数の支援者がスモールステップの目標を共有しながら、頑張ったことやできるようになったことを常に児童生徒に肯定的なフィードバックをしながら進めるようにしています。
また次に、個別サポート計画で立てた目標や評価を踏まえ、実際の日々の学習状況を把握するために、スライドに示している学習指導記録を一人一人に作成しています。スライドに示している項目は研究開発における評価項目にもつながっており、対象児童生徒の変容を量的、質的にも把握するように努めています。また、アセスメントを基に個に応じた教育課程を編成しても、実際の登校状況や児童生徒の状況は日々変化していきますので、年度途中で計画を見直すことが想定されます。その際にもこのような記録を取っておくことで、より個の実態に応じた根拠のある計画になるのではないかと考えています。
また次に、学習評価の試作についてです。2学期末には「『はっさくルーム』のあしあと」という記述での学習評価を実施しました。対象児童生徒の頑張りを認められるような記述の所見により、学期ごとに評価することとしています。児童生徒の変化や成長の過程を、児童、保護者、支援者及び教職員間で共有することを主な目的としていますが、校内SSRでの学習や体験活動を通して見られた児童生徒の様子や変化を、数値や到達度による評価ではなく、支援者の視点から言葉で伝えるようにしています。また記入時の視点としては、4つの資質・能力のルーブリックを策定していますので、それを活用し、具体的な児童生徒の姿に照らして支援メッセージを考えるようにしています。そして不登校児童生徒の保護者が「理解されている」という実感、「次の学期も頑張ろう」と思えるようなメッセージになるよう、共通認識して作成されたそうです。
スライドに例として一部を挙げていますが、実際は一人一人に先生方が手書きで、具体的なエピソードを交えて書かれたものを、声をかけながら渡されたそうです。あるお子さんは、抱きかかえるように持って、マスク越しでも嬉しそうな笑顔であったと言われておりました。子供たちの宝物になったのではないかと思います。改めてその子の頑張りを認め、評価することの大切さを実感しています。
最後に、4月から研究開発の取組を踏まえ、今後の特別の教育課程の編成・実施に向けてをまとめています。
まず教育内容については、教育課程の編成に当たっては、丁寧なアセスメントにより長期的・短期的な目標を設定した上で、日々状況が変わる不登校児童生徒の状態を踏まえて、柔軟に目標や取組内容を変更しながら実施できる仕組みが必要ではないか。不登校児童生徒の実態に応じた体験的な内容の教育活動や学び直しの時間を柔軟に組み合わせるなど、創意工夫できる仕組みが必要ではないか。
個別の指導計画について、これは実際の教育課程の運用に関連する点でもありますが、一律に総時間数を設定することは難しく、年度途中で見直しが図れることや、ゆるやかな段階により変更が可能となる仕組みが必要ではないか。学習指導要領に示された各教科等の目標や内容、授業時数をそのまま移行することは難しく、柔軟に内容の読み替えや時数の加減などができる仕組みが必要ではないか。
そして最後に学習評価については、現在、がんばりを認められるような記述の所見で評価をしておりますが、学び直しにより、下学年の内容を学習する「はっさく(チャレンジ)」での評価や、時数が減った中で取り組む当該学年の実施内容の評価についても、がんばりを認められるような記述の所見での評価を実施するなど、評定による一律の評価にならない仕組みが必要ではないかと考えております。
後半、スライド10から17は参考資料でございます。後ほどご覧ください。私からの説明は以上です。ありがとうございます。
【伊藤主査】 ありがとうございました。では、金子委員の御発表に関しまして、御質問や御意見のある方は、先ほど同様、挙手をお願いできればと思います。
はい。黒沢委員と工藤委員から挙がっていますが、まず黒沢委員、お願いいたします。
【黒沢主査代理】 御発表ありがとうございました。一生懸命取り組んでいるなというのがよく分かった発表かなと思っています。私から1点だけです。質問は、要因を色々分析するというアセスメントの中でやっていると思うんですけれども、複合要因になった場合の対応はどうなのかというところと、要因の中に家庭が要因になっている場合でのシートの書き方だとか、対応の仕方とかがあれば教えていただければなと思います。以上です。
【伊藤主査】 ありがとうございます。では、引き続きまして工藤委員からお願いできますか。
【工藤委員】 工藤です。御発表ありがとうございました。アセスメントから個別の指導計画の作成まで、本当に丁寧にやられているのがすごく分かりました。ありがとうございました。私からは3点お願いいたします。
まず1点は、1ページ目の研究組織図の中にありますように「アシスタント」がそれぞれの校内SSRに1名ずつ配置されていますが、このアシスタントの働きを教えていただきたいということ。
もう1つは、「アセスメントワークシート」の作成の手順が本当に丁寧に書かれていますが、最終的に6番目で個別の教育課程が出来上がるという理解だと思います。この手順を踏んで一人一人作っていくことになると思いますが、1人当たり大体どれぐらいの時間がかかるのかというところが気になりました。
それともう1つは、「因島はっさく」も同じような手順で個別の指導計画を作っていくとは思いますが、いわゆる校内教育支援センターと校外教育支援センターの、やりにくさというか、違いというか、そういったものがあったら教えていただきたいと思います。以上です。
【伊藤主査】 ありがとうございます。
早速、黒沢委員から出していただきましたアセスメントにつきまして、複合的な要因の場合はどうなるのか、家庭がその要因になっている場合についてどうされているのかという御質問が出ました。工藤委員から、研究組織の中でアシスタントさんがいるんですが、その方の働き、機能について教えていただきたいということと、ワークシートで丁寧に手順を追ってなされているのですが、それで1人当たりの時間どのぐらいかかるかということ、それから校内と校外の教育支援センターの違いや、やりにくさについた御質問が出たと思います。御回答の方お願いできますでしょうか。
【金子委員】 質問いただいてありがとうございます。まず黒沢委員からの御質問ですけれども、アセスメント、そうですね、状態ではなくて理由を探っていくということで、要因のところをしっかり考えようと思って取り組んでおります。要因も1つではなく様々複合的なものでありますので、それは色々な視点からですね、関わっている者が様々なところで考えているというところで、複数の支援者で色々な視点から複合的に考えているところです。
課題も心理面、社会面、学習面それぞれに分けていくのではなくて、心理面、社会面両面に関わっているお子さんとか、3つ関わっているお子さんとか、様々なところ、複合的なところの視点から見ていくようにしています。また、家庭にも背景があるというところもありますので、スクールソーシャルワーカー等も連携しながらそういうところも、あるいは個別での状況というところをしっかり関わりの中で見たエピソード等も含めながら、数字だけではなく見取った様子、それらも含めて合わせて考えているというところになっています。なかなか家庭にどう関わっていくかというところは難しいかなと思いますけれども、そういうようなところは担任であるとか、あるいは子供たちの発言等々も含めながら、どのような要因があるのかな、というところを丁寧に探っているという実態でございます。
また、工藤委員からの授業アシスタントの働きと位置づけですけれども、これは教員ではなくてアシスタントということで、今回各校に1名、国の予算でも配置させていただいておりますので、先生方が計画を立てて子供に支援する時に、一緒になってその支援を理解していただいて、共に関わってやっていただくというようになっています。ですので、特に任用にあたっては、教員免許を必須にはしておりませんので、先生方のサポートをしながら一緒に子供たちを見て支援をしていただくという位置づけとしています。
また、この「アセスメントワークシート」、どれぐらい時間がかかっているかということでございますけれども、今回初めて先生方このアセスメントシートを作成して、そしてみんなで関わっていますので、時間は少しかかったのではないかなと思っています。色々なところをこう話をしながら、いろんなデータを見ながら、その数値が見られるところから、じゃあそれはこういうエピソードもあるからここはどうなんだろうというような、アセスメントのものと行動エピソードを関連させながら色々先生方が話をされて作っていったと聞いておりますので、30分、1時間ぐらいかかるかもしれませんけれども、やり方に慣れてくれば、少しずつそういうところも早くなってくるのではないかと思っています。
また、「因島はっさく」にも作っているかということですけれども、これは「因島はっさく」の対象児童生徒にも作っておりますので、先生方がはっさくの相談員さんと一緒になって、学校で見られる姿、あるいははっさくで見られる姿、あるいは保護者から聞いている様子、そういうところも関連させながら共に一緒になって作っております。なかなか時間を取るのは難しいですけれども、定期的に連携をしたりもしておりますので、一緒になって作って、一緒になって支援をしていると聞いております。若干それぞれの子供の実態も違いますので、それぞれの難しさはあるのかなと思っております。はい。ちょっと十分回答にならなかったかと思いますけれども、以上です。
【伊藤主査】 どうもありがとうございます。もっと聞きたい先生方もいらっしゃるかもしれませんが、後ほどまた時間をとりたいと思います。
では続きまして、今村委員から、島根県雲南市教育支援センターおんせんキャンパスにおける不登校児童生徒への支援状況につきまして、御発表いただきます。それでは今村委員、お願いいたします。
【今村委員】 カタリバの今村です。本日は、島根県で10年間、雲南市という自治体と公民連携の取組で運営してきました教育支援センターの実例から、今回の特別の教育課程の編成・実施に向けて実感を持っていることについてお話をさせていただきます。
私たちが不登校の子供たちと向き合う時の基本的な考え方ですけれども、まず大前提として、全ての子供に特別の教育課程が必要だという前提には立っていません。まず居場所が確保されることが必要であり、安心・安全が何よりも重要だと思っている家庭の子たちも大変多くいるのが実情です。ですが、学習に向かうということをステップに置くことは、確実に子供たちに、次自分がどこに行ったらいいんだろうということの道筋を照らすことになるなというふうに感じています。また中には、学習をするということがその子の救いになるという子も確実にいると思っていますので、全ての子供たちに学習の教育課程や評価が必ず必要、通知表も必ず必要とも思っていないんですけれども、ただそういったことが救いになる子供たちがいるということがまず前提にあります。
そんな中でなんですけれども、本日はその教育支援センターおんせんキャンパスの概要をお話しさせていただきます。その上でですね、先ほどお話しした通り、まず居場所が必要だ、安心が必要だという子供たちの状況から、もう一度学ぶということに連れていくのか、というところの判断を、誰がどのようにできるんだろうということを、現状教育課程にスライドしているというわけで、定義はないんですけれども、学ぶということをサポートしていますので、居場所に来ている子たちをどう学ぶという状況にしていくのか、ということについてお話をさせていただきます。
次にですね、その教育課程と呼ばれるものが今後動かされていくのであれば、それは誰が決めていくんだろうということ、誰がその内容を詰めていくんだろうということ。これを私たちの立場としては、学校の先生たちに現状やっていただくのは無理であるという前提に立っています。教育支援センターの方でそういった内容を企画し、学校の先生に承諾をもらいながら、助言をもらいながら最終的に決定していただくのは学校であるんですけれども、基本的には教育支援センターの方でサポートするということをお話しさせていただきます。
最後にですね、学習評価です。先ほどのお話、事例も全てほとんどですね、記述による評価がいいというお話だったと思うんですけれども、そのような内容を私たちも感じていますのでお話をさせていただきます。
まず雲南市ですけれども、緊迫した財政の中で行革が様々行われていたという背景で、私たちが公民連携の取組を引き受けたという立場ですので、すごく財政的に充実した自治体の中でできた特別な事例という前提を持たずにですね、むしろ苦しい中ですごく頑張って取り組まれてきたという前提でお話を聞いていただければと思います。では野々村にバトンタッチします。
【認定NPO法人カタリバ(野々村)】 雲南市教育支援センターおんせんキャンパスの野々村です。よろしくお願いいたします。おんせんキャンパスの事例から、特別の教育課程編成・実施に向けて現場からの声をお届けできればと思います。
まずは、おんせんキャンパスの概要についてお話をします。ここではおんせんキャンパスの設置背景についてお伝えをします。おんせんキャンパスは設立から10周年を迎えました。約10年前は市内3か所に小規模ながら既存施設がありました。100名ぐらいの不登校児童生徒がいたんですけれども、合わせて1桁程度の利用者しかいない状態でした。その当時の教育長がどうにかしなければならないと動かれて、廃校を使い新しい教育支援センターを作ることになりました。その時にカタリバに声をかけていただき、官民連携による運営がスタートいたしました。
次に雲南市の規模感についてお伝えをします。雲南市の面積はほぼ東京23区と同じ面積を要しています。その中に小中合わせて21校が点在をしています。
次に、おんせんキャンパスの事業目的についてお話をします。よく学校復帰を目標とするか否かという話がありますが、おんせんキャンパスではまず子どもの安心できる場を作り、そして成長を促すことで社会的な自立を目指していっています。その社会的な自立のために様々な事業に取り組んでいます。
次に、おんせんキャンパスが大切にしている基本理念についてお伝えをします。家族の意向、学校の意向、それぞれ思いはありますが、おんせんキャンパスとしてはまず子どもを中心に考え、子どもの思いをしっかり汲み取り、家族、学校、おんせんキャンパスがチームとして支援できる状態を大切にしてきました。
次に、おんせんキャンパスの事業について説明をします。まず教育支援センター機能としてのおんせんキャンパス、家庭訪問や学校の別室登校支援を行うアウトリーチ、中学校卒業後の子どもたちの支援を行うユースサポート、保護者会やペアレントトレーニングを行う家族サポート、学校のケース会議等に参加をする学校サポートという5つの事業があります。
次に、おんせんキャンパスの体制と関係機関についてご説明をします。おんせんキャンパスは常勤職員7名と非常勤職員5名の合計12名で運営をしていますが、子どもの対応については常時5、6名のスタッフを配置して子どもを丁寧にケアできる体制を取っています。またおんせんキャンパスでは、市内の医療福祉といった専門機関や教育委員会、子ども政策局、健康福祉部といった他の機関と連携し、様々な視点から子どもたちに支援を行っています。
次に、おんせんキャンパスの利用者数の推移についてお話をします。当初は市内の不登校の子どもたちのうち約10%の利用率でしたが、2019年頃からは40%から50%の利用率に増加をしました。ここはやはり、おんせんキャンパスで待つだけではなくて、時には家庭訪問をしたり、保護者会を充実させるなどして、来れていない子どもたちにどうこのおんせんキャンパスに来てもらうかということを考えながら取り組んできました。
次に、居場所から教育活動へ、についてお話をします。前回の補足資料イメージ丸1のこの緑枠の部分について、おんせんキャンパスの取組を当てはめると次のスライドになります。
まずこのグレーの部分の居場所としての活用について、おんせんキャンパスでは安心・安全な居場所の提供を行っています。背景の理解に努め、まずはスタッフが子どもの個別対応を実施して、スタッフとの関係性を構築していきます。また赤枠の部分については、青色の学習プログラムや緑色の体験プログラムがあります。おんせんキャンパスとしては、このグレーの安心・安全な居場所があった上で、この青色のプログラムや緑色のプログラムがあると考えています。
実際に居場所から教育活動へつながった事例についてお話をします。中学校1年生の子どもの事例です。この子は運動、ボードゲーム、工作といった好きなものがたくさんありました。まずは本人のその好きなこと、強みを生かして、スタッフと関係性を構築していきました。そして自分の好きなことをできるサークル活動という時間に参加して、他の子どもたちとスポーツを通して関わりを増やしていきました。そういった他の子どもたちとの関わりが増えていくことでおんせんキャンパスにも慣れ、学習活動の挑戦が始まりました。当初は社会科だけでしたが、数学科などの他の教科に取り組むようになり、最終的な学習計画も立てられるようになりました。この学習に向かうタイミングについては、学校と入念に情報交換を実施して、どのタイミングで学習を進めるかについて入念に支援方針を決定しました。
この事例をもとに、特別の教育課程の対象とすべきかどうかの判断を誰がどのように行うかについてお話をします。まず教育支援センターは、子どもが教育支援センターを利用し始めたときに、子どもの状態や目指す姿を見立てます。アセスメントや「個別の支援計画」を作成し、子どもへの支援を実施します。その支援を実施した上で、定期的に子どもの様子を学校へ共有し、子どもの状態を学校と共通理解を図っていきます。その共通理解を図った上で、在籍校は特別の教育課程の対象とするかどうかの判断を行います。
このスライドの補足イメージが次のページになります。まず教育支援センターは、子ども、保護者との面談や在籍校からの情報収集を行い、個別の支援計画を作成します。この個別の支援計画を作成した後、子どもや保護者と計画の内容を確認し、合意を得た後、日々の支援に取組みます。また学校とは毎日の出席連絡や、子どものいいことや気になることの様子を日常的に学校報告をしていきます。また学校とは2~3か月に1回、定例で情報交換会を行い、子どもの状態について学校と共通理解を図っていきます。またこの情報交換会に合わせて、支援計画を2~3か月周期で更新をしていきます。このサイクルを回す中で、特別の教育課程の対象とするかどうかの判断を在籍校が行ってはどうかと考えます。現状この緑色のサイクルについては、おんせんキャンパスは実施ができています。特別の教育課程の実施に向けては、このオレンジ色の部分が必要になります。
次に、特別の教育課程の内容についてお話をします。この赤枠の内容になります。おんせんキャンパスにおけるブルーの部分については、個別の教科学習を中心とした学習プログラムがあり、緑色の部分は、スポーツ、コミュニケーションを伴うグループ学習や調理学習などの体験プログラムがあります。おんせんキャンパスでは学びの機会として大きく4種類のプログラムがあり、これを月単位で時間割を設定しています。この全体プログラムがありますが、どのプログラムに参加するか、子どもがどのプログラムに参加するかについては、スタッフと相談して子どもが自己決定を行っています。特にこの学習については、個別の学習計画を立てて個別学習に取り組んでいます。
実際に、おんせんキャンパスで個別学習計画をどのように立てているかについてお話をします。おんせんキャンパスでは毎月、子どもと学習面談を実施しています。この学習面談では、子どもの学習に対する気持ちや思いをしっかり汲み取り、今月の目標を一緒に設定しています。その学習面談に基づき、スタッフが学習計画を作成します。この学習計画は毎月学校に共有をしています。個別の学習計画では具体的な学習目標を設定しています。例えば2次方程式の計算ができるようになるという目標に対して、使用教材や学習方法を決定しています。
これらの事例をもとに、特別の教育課程の内容を誰がどのように作成するかについてお話をします。まず教育支援センターの現場からすると、子ども一人一人に個別のプログラムを作成することはかなり難しい現状があります。なので、まず教育支援センターは全体プログラムを作成します。全体プログラムとは、教育支援センター全体の活動計画のことを指します。その全体プログラムを作成した上で、教育支援センターは子どもの状態や意向を反映させた特別の教育課程の案を作成します。その案をもとに在籍校が特別の教育課程を作成します。また特別の教育課程の内容については、子どもが、「何をどこまで学ぶか」という具体的な学習目標を設定します。子どもの学習の進捗に応じた具体的な学習計画を作ることで、子どもが見通しを持って学習を進めることができます。
次に学習評価についてお話をします。学習評価をするに当たっては、日常的に子どもの様子を学校に共有する必要があると考えています。そのため、おんせんキャンパスでは日常的に子どもの頑張りを報告しています。学校には毎週活動報告という形で報告をしています。教科や単元に加え、子どもの良いところや頑張ったことを毎週記述をして学校に報告をしています。また学習計画の送付と同時に、毎月学習遂行結果を学校に報告をしています。例えば英単語を10個覚えることができたというような具体的な記述で共有を行っています。
これらの事例をもとに、学習評価を誰がどのように作成するかについてお話をします。まず教育支援センターは、子どもの頑張りや成長を学校に日常的に申し送りをします。子どもの成長について共通理解を図っていきます。その上で教育支援センターは、学期末等に子どもの頑張りを肯定的な記述でまとめ、その記述をもとに在籍校が学習評価を作成します。この学習評価については通知表別紙を作成し、本人に渡していきます。また、各教科等の評価材料が揃っている場合については、在籍校の判断により従来通り数値による評価を行ってはどうかと考えます。教育支援センターは居場所としての機能があります。なので、子どもは評価がないからこそ、のびのびと過ごせている面もあると思います。職員は「支援者の立場」です。なので、子どもが、職員を「評価する人」として意識することを避ける必要があると考えます。
最後に、特別の教育課程の実施に向けて現場からの思いをお伝えして終わりにしたいと思います。子どもを中心に考え、今の子どもたちの状態に柔軟に対応でき、子どもの小さい頑張りも認められ、特別の教育課程があることで子どもたちがより学びに向かえる ような、特別の教育課程の実施になることを期待します。
【今村委員】 ちなみにスタッフ体制なんですけれども、教員免許を持った人だけで構成するというのは、人材の確保的に無理というのが現在地です。ただ中には、今発表した野々村のように教員だった方が転職していただくというケースもありますが、全国的に教員も不足している中で、教員免許を持った人だけで教育支援センターを運営するというのはかなり難しい。だけども学校ときちっと連携する体制を組んで、こちらが向いている方向性と学校が向いている方向性を常に調整していけば、真摯にやり取りをしていけば、免許の所持のみにこだわらなくても、一緒に前を向いて子どもたちを応援していくことができるというふうに感じています。私たちからは以上です。
【伊藤主査】 はい、どうもありがとうございました。それでは、今のご報告、ご発表に関しまして、時間の関係で2名ほどの委員の先生方から御質問をお受けできればと思います。先ほど同様、挙手をお願いできますでしょうか。
我妻委員と猪股委員が挙がっていますので、では我妻委員からですね、お願いします。
【我妻委員】 丁寧な御説明いただきましてありがとうございました。本校は学びの多様化学校で、大変規模が小さいところではあるのですが、比較的連携がかなりできるところなんですけども、このような大きな規模のところで、校外の支援教育センターとの連携とても重要だなと感じておりました。2~3か月に1度など色々共有していただいているということと、それから色々な学校との情報共有がたくさんできているというところなのですが、学校側として共有いただいたところに大変ありがたさを感じていると思いますが、よりこの学校との情報共有がもっとこう必要であるとか、もっとこういうところがとても有効に動いているんだっていうところがもし伺えればと思いました。よろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 学校との情報共有について御質問いただきました。続きましてもう1人、猪股委員ですね。お願いします。
【猪股委員】 多くのことを学ばせていただいてありがとうございました。25ページの資料の中で、学習評価の事例があったかと思うんですけれども、1週間単位できめ細かな活動内容を報告していただいているということは、学校側として非常にありがたく、子供たちの賞賛の材料にすごくなるんじゃないかなということを感じました。
それで1つお聞きしたいことが、内容としましては9ページに飛ぶんですけども、9ページの内容で、緑の矢印で「一歩踏み出す機会の提供」と示されていたかと思います。これがどのようなことを指しているのか、この資料を見ますとグループ活動の下に一応例が載っているようにこう思うんですけれども、これで間違いないかその確認でございます。以上です。
【伊藤主査】 ありがとうございます。では、今お2人の委員から上がりました御質問についてお答えいただきたいと思うんですが、我妻委員から出ました学校との情報共有についてと、猪股委員から出ました9ページの一歩踏み出す機会の提供というところの具体例ですね。それについてお答えいただけますか。
【認定NPO法人カタリバ(野々村)】 はい。まず1点目の学校等の情報共有についてですが、まずこの雲南市の中では、教育支援センターやフリースクールといったもののような拠点は、このおんせんキャンパスのみになります。なので、学校等は、よりおんせんキャンパスと入念に共有をする必要があるというふうに考えておられると思います。
そしてこの有効に感じている点についてですが、やはり毎日の出席連絡等をしっかり学校と握って、やっていることです。そこの中でしっかり子供たちの良かったところや気になることを随時報告しながら、学校の先生と目線を合わせて、一緒に子供の支援をしているところが有効なところかなというふうに思っています。
【今村委員】 ただ課題としては、ツールがメールのみになってくるので、学校の代表メールの方に送る。で、学校はその生徒の今日の状況をプリントアウトして、先生はそれを読んで、また反応しなければいけないみたいなことが、実は報告が多いのも先生方も対応が大変という声も届いたこともあったりする中で、校外、校内の教育支援センターが学校と共に子供のことを見守る体制を組むのであれば、簡易的にやり取りできるグループウェアみたいなものがないと、日々の情報を共有するということ自体にコストがお互いかかるということは現場で感じています。
【認定NPO法人カタリバ(野々村)】 続いて一歩踏み出す機会の提供についてですが、先ほど指摘された通り、この下のグループ活動についての関連が大きくあります。やはり子供は、最初は個別の対応から始まりますので、徐々に他の子供たちと関わる、それから自分の今までやってきてなかったことを新たに挑戦する、そこについて一歩踏み出す機会の提供を我々は行ってきています。
【今村委員】 補足なんですけれども、雲南市の中で使わせていただいている場所が統廃合で廃校になった学校施設を使わせていただいています。そうするとその地域は学校がなくなってしまったので、このおんせんキャンパスが、かなりこう、へき地みたいなところにあるんですけれども、地域の方々がすごく子供たちのことを大切にしてくれていて。自分の集落からかなり遠いところから子供たちがここに集まってくるんですけど、言ってみればコミュニティスクールのような状態になっていて、お祭りの機会に子供たちが行ったりとか、田んぼを貸してくれたりとか、そういったこともこの学習、総合的な学習の時間的な意味合いを持てば、すごくその子が学習としていいソーシャルスキルを身につける機会になってるなというふうに思っています。
【伊藤主査】 はい、回答いただきました。ありがとうございました。
それでは、冒頭で本日審議を行う論点につきまして、事務局から説明がありましたが、今3名の委員から御発表いただきました内容や、各自治体とか学校における現状も踏まえまして、今日のテーマであります個別の指導計画とそれに基づいた学習評価の在り方につきまして、今から約30分弱になるかと思いますが、意見交換の時間を設けたいと思います。
先ほど御発表いただきました3名の委員の先生方への追加の質問とか御意見も含めまして、御質問とか御意見のある方は挙手でお願いできればと思います。その際に恐れ入りますが、1人2、3分で端的に御意見頂戴できればありがたいです。よろしくお願いします。どなたからでも挙手いただけますでしょうか。
黒沢委員から今お手が上がりましたので、黒沢委員お願いいたします。
【黒沢主査代理】 ありがとうございます。個別の支援計画ですとか、個別のなんとかっていうところはとても大切なんですけども、逆にここが核になってくはずなんですね。その時に子供たち本人がやっぱりそれにちゃんと、「僕はこれを頑張るんだ」とか、「私はこれをやりたい」とかっていう気持ちを反映させてくっていうのは、もう必須中の必須だと思うんですけども。ただそれをこうある程度やったとこで、いわゆるPDCAサイクルを回してくっていうのも必要だと思うんですね。その時に子供たちがどう振り返って、振り返ったから「じゃあ次こうするんだ」っていう、肯定的な気持ちにさせるための振り返りとか、あるいはそこに伴走者がいながら、強制するのではなくて、自らが「あ、自分は次はこうなりたい」、「自分はこういうふうに頑張っていきたい」っていう、そういう気持ちをうまく醸成してくっていうところが、すごく大切になってくるのかなと思います。
私も学びの多様化学校の校長をやっていた経験で、実は高尾山学園の中でも似たような仕組みを取り入れていたんですね。学期ごとに、学期の初めに子供たちと目標、学期の終わりにどうだったってこうやってくわけですけども、目標が大体立てられない子ばっかりでした。立てられる子は逆に不登校になってないんじゃないかなっていうくらい、目標が立てられないんですね。じゃあ何か書こうよって言うと、「朝起きる」とか「遅刻しない」とか「毎日学校に来る」とか、「これ目標なの?」っていうようなレベルからじゃないと、逆にスタートできないっていう、そんな子たちばっかり見ていきました。
ただその具体的に、その勉強ここまで頑張るとか、数学でこんなことやりたいとかっていうことは、ほぼほぼ言えないので、むしろ毎日学校に来ることの方が、大切なのかなっていうとこで、高尾山学園ではそれを認めてあげて、「じゃあ毎日頑張ろうね」、1学期終わったとこで「どうだった?」「うん、大体来れた。」「じゃあ次はもう少し来れるようにしようか」っていう。来てさえくれれば、あと通常の教育課程、教育活動の中できちんとこう単元別にしっかり学んでくってことができますし、むしろあんまり大きい目標よりも、小さなステップを上げることも大切なのかな。ただし小6とか中3の頃で、受験っていうことがこう頭の中にこう浮かび上がってくる子供たちは目標をしっかり書きます。「ここを頑張る」と、「ここでこういうふうにやりたい」と。そういうきっかけがないと、なかなかそうならないっていうのも実態として僕見てきましたので、やっぱりその辺りも考慮しながらやってくとよりいいんじゃないかなというふうに思います。
最後にあの今村さんに、ここまで頑張るんだったら学びの多様化学校1個作った方が早いんじゃないかなって。多様化学校の中におんせんキャンパス入れてくと、より良い連携ができるのではないかなんてことはちょっと感じました。以上です。
【伊藤主査】 はい、ありがとうございます。今、黒沢委員から、子供たち色々いろんなタイプの子がいる中で、その子の気持ちに寄り添って、振り返りながら次、こうしたいっていうところに繋げていくっていうことが大切だということが出されました。また、一方で毎日来ることで安心感を得た上で次の学びのステップに入っていくという子もいるので、その辺の小さなステップも大事だということ、それと、進路の節目の指導が大事とということも挙げていただきました。
今村委員からお手が上がっていますので、お願いします。
【今村委員】 温かい御助言をありがとうございます。雲南市の実情を考えるとですね、学びの多様化学校という形で在籍を変えるという形で受け入れる人数や募集定員がはっきりした場所を作るよりは、今の在籍校にいながら来てもいいし、学校にも帰れるという緩い場所を作ることの方が、結果的に包摂できるという財政的な事情があったかと思います。
実はこの学びの多様化学校というか、当時は不登校特例校でしたけど、当時10年前に教育長さんとディスカッションしていた時に、まさに教育機会確保法ができた直後だったということもあったので、不登校特例校にするかどうかって議論もあったんですけど。やっぱり在籍を変えてしまうと、在籍変えられなかった子たちを救えないという問題があったので、行政コストの支出の仕方として、100人の子供全員にリーチできるということを目指したのが、今回のこの教育支援センターという手でした。ただ高尾山学園みたいに、それも含めた学びの多様化学校という形があるということも学んでいるので、結果的にこれはお金と教職員の配置のリソースの問題もかなり大きいのかなというふうに思っています。スタッフは常に足りないという現状です。それは教職員も、地域の雲南市の教職員も足りないし、こういった支援スタッフも足りないというのがあるので、カタリバから、東京から移住してもらって仕事する人と、地元の人の採用と組み合わせながらなんとかやっています。
前半の黒沢先生の御提言に、私もちょっと近いものを、意図が違うかもしれないんだけど発言させていただいてもいいでしょうか。私もこの個別の指導計画という言葉が現場や子供たちにどう伝わってどう運用させてくのかなというところを、常々関心を持って見ていました。というのは、考えなくても次やることが決まっているのが学校で、考えなくても1時間目これ、2時間目これということが決まっているから、子供たちはある種、受動的に次のステップの中で、この枠組みの中で学ぶという姿勢を選ぶことができるというのが学校なんですよね、実態として。だけどもちろんそれに合わない子がいっぱいいるのは事実なんですけど、個別性を求められると、「やる、やらない」という判断を聞かれることが逆に、まさに黒沢先生の先ほどの、「やりたいことなんて特に出てこない」みたいな現状って、これは別に不登校のみならずあるんじゃないかなというふうに思ってます。
なので、おんせんキャンパスの方では、実は個別の支援計画の部分は、学習の部分だけは個別の時間にしているんですけど、それよりはみんなで取り組む時間の方に重きを置いていて。みんなでこれをやるというところに、いかに子供たちの楽しみを見つけながら、もう一度みんなの単位のものに参加しながら、個別なやりたいことを見つけていくという順番も実は効果的だということを感じているので、個別という言葉が、子供や学校に間違った伝わり方がしなきゃいいなというふうに感じています。はい、以上です。
【伊藤主査】 ありがとうございました。地域の現状であるとか、学びの多様化学校の特性ということもあって今回のおんせんキャンパスに至ったという経緯がすごくよく理解できました。
今お手が1人上がっておりますので、藤田委員からですね、御発言をお願いいたします。
【藤田委員】 ありがとうございます。私から、今日のお話、御意見いただいたことも踏まえて、私なりに整理したものを御発表させていただきたいと思うんですけども。
まずその支援計画と指導計画の関係ということなんですけども、やはりこれ整理することは非常に大切であるわけなんですけども、一方でそれを作ることが目的になってはいけないわけでありまして、先生方にとっても過度な負担にならないようにすることが重要かなとは思っています。
合わせて、今私、特定の分野に特異な才能を有するワーキングのにも委員として出させていただいているんですけども、やはり他の特例におけるいわゆる支援計画ですね、この指導計画と支援計画との関係についてもやはり整理が必要なのかなとは思っています。どこまで共通化できるかっていうのは今後検討が必要かとは思うんですけれども、今、都の方では支援計画については、国の「児童生徒理解・支援シート」、これをベースにして活用しておりますので、そういったものをうまく活用できるといいのかなとは考えております。
あとは子供の状況というところで、全部で200数十名、今チャレンジクラスに在籍していますけれども、その子供の状況は非常に多様なんですね。やはり休み始めであるとか、回復期とか、回復期にギリギリ入っているかなというお子さんも来ているような状況の中で、その子供の状況に合わせて作成できるようにするためには、計画自体も可変的である必要があるなというふうに思っているところでございます。
あと評価のことについては、今までいろいろな御発表がありましたように、子供の頑張りを積極的に受け止めて励ましていくということが必要だと思っています。必ずしも定量的な評価を行うということでもないようには感じています。不登校の子供たちの中には失敗を恐れるお子さんも多い中ですので、実態に合わせて評価を行う選択肢もあっていいのかなとは思います。
最後ですけれども、学習内容や児童生徒の状態などについてはですね、高校への進学後にも、小学校から中学校、中学校から上級学校、そういったところにしっかり引き継がれることが重要であると思いますので、指導計画、そういった引き継ぎもですね、活用可能にしていけるような設計ができるといいなっていうのは考えております。以上になります。
【伊藤主査】 ありがとうございます。たくさんお手が上がっておりますので、続きまして工藤委員お願いできますか。
【工藤委員】 はい、ありがとうございます。工藤です。本日は、本当に様々なことを理解させていただきました。個別の指導計画の必要性というのは強く感じておりますし、事務局の説明の中でも何度も「柔軟」というワードが出ておりましたので、やはり柔軟にこの個別の指導計画を作って、柔軟に対応していかないといけないなというところは強く感じました。
ただ、その個別の指導計画の柱となる部分は特別の教育課程かと考えております。最終的に評価をしないといけないという観点から、この特別の教育課程をどのように作るかということが大切になってくるのではないかなと考えております。私は唯一と言いますか、高校籍の人間であり、定時制単位制の高校と、通信制の高校を経験しております。単位制の高校ですから、先ほども話の中にありましたように決まった時間割はありませんので、これまで中学校で生活してきた生徒に対してゼロから時間割を作る作業というところから入っていきます。いわゆる一人一人の教育課程を作っていくというところになってきますが、先ほども黒沢委員からもありましたように、ある程度目標が決まっている生徒に関しては、教育課程を作るのは比較的スムーズに行くのですが、不登校を経験した生徒の場合は、かなり時間をかけて目標を立てながら、担当教員が一緒に考えながら1対1で作っていくところであります。すごく時間がかかるという印象がありますので、この小学校や中学校で特別の教育課程を作るに当たって、そこまで時間をかけるようなスキームになってしまうと、柔軟に対応できなくなるし、スピーディにも対応できなくなると考えます。簡単に教育課程を作ることはできないとは思いますが、できる限りスムーズに作ることができるような仕組み作りをしないといけないなと考えておりました。
また、先ほど今村委員からもありましたように、全体から個別に移るという考え方も少し検討する必要はあるのかなというところは強く感じたところであります。
あと2点あるのですが、1つは校内教育支援センターと校外教育支援センターの繋がりについてですが、特に校外教育支援センターとの接続、連携に関しては、これも最後の発表の中でもありましたが、例えばグループウェアを使いながら情報を交換するというような仕組み作りは必要かと考えております。今日の事務局の説明の中にも、12ページだったと思いますが、例えばクラウドを整備することによって、クラウド上で様々な情報のやり取りをするということはすごく大事なことかなと思っております。日々変化する生徒の状況をできるだけ早く掴んで、生徒の学びに生かすということはすごく重要なことだと考えております。
そして最後は、先ほど藤田委員からもありましたが、私は高校籍ですので、気になっているのは、小学校や中学校で行われている、個別の指導計画、支援計画、指導計画の接続というか、やり取りがなかなか、今の特別支援的な支援計画や指導計画についてもなかなか高校まで上がってこないという現状が、福岡県だけかもしれませんが、あります。この部分がスムーズに行けば、高等学校でも、入試に関してはちょっと今日は論点がずれるので話は避けますけども、不登校を経験した生徒が高校に入ってきた場合についても、そういった個別の指導にスムーズに繋げ、適切な指導ができたというような状況が多々あります。したがって、個別の支援や指導の継続という面での仕組み作りも必要かと考えております。以上です。
【伊藤主査】 はい、たくさんいただきましてありがとうございます。ではあと3人の先生が上がっておりますので、トントンといきたいと思いますが、まず我妻委員からお願いできますか。
【我妻委員】 はい、ありがとうございます。本校においては、教員以外の指導員が指導に当たっている場合が大変多いんですけれども、共有の仕方というところで、指導の内容ですとか児童生徒の心の心情とか変化などを、関係機関でも随時共有できるということはとても重要だなと感じています。本校では例えば指導員ですとか支援員の方がこう書いたノートを見せてもらって、それを記録したり、定期的に会議をしたりしております。給食を一緒に食べながら、「こんなことがあったよ」という話もするんですけども、本校のような小さな学校であればできるところも多いと思うんですが、各学校において共有するための時間を取るのはとっても難しいのではないかなと感じておりますので、そういう関係機関との認識を合わせるというところを大切にしなければならないなと思いました。
先ほど今村委員からもお話しいただきましたが、校外教育支援センターとの連携というのはとても大切だと思いますので、先ほどもありました通りクラウド化とか、それからデータの共有の仕組みを設計するのはとても大切だなと思っております。
それからもう1つ、柔軟な計画の見直しについてですが、あまり細かくしすぎてしまうと計画のためのものとか、記録するためだけのものになってしまって、体制を整えるっていうところに陥ってしまっては子供のためにはならないと思いますので、できるだけ簡単な形で記載できる形をこれから見つけていくことが大切だなと、改めてお話を伺って思いました。以上です。ありがとうございます。
【伊藤主査】 はい、ありがとうございます。ではですね、菊井委員ですね。よろしくお願いします。
【菊井委員】 ご指名ありがとうございます。まずは綿密な資料の準備、それから3つの事例ですね、それぞれご発表を非常に濃い内容で、ついていくのに必死というような感じでございました。ですので、それを2、3分でまとめるのはちょっと苦しいものがある上、教師ですので喋りすぎてしまうというところもございます。その意味でお時間少しお許しをいただければというふうに思います。
3つの事例なんですが、共通して当然のことながら子供の社会的自立っていうのを真ん中に置いて、そこに向かってどういうふうにしていくかというふうなところでお取組をしていただいてると感じました。ただその中で場所であったりとか、地域的な特色、それから子供の様子であったりとか、自治体の大きさなどの諸条件によりすごく多様な形ができてきてるということは、我々委員も自覚をした上で、今議論していることが、包括的なものにしていくっていうことは非常に重要なことだなということを感じた次第です。
その上で、お示しいただきました資料ですが、過去の話にも遡って恐縮ですが、まず4ページのところになります。4ページのところの右上の図です。休み始め、回復期っていうところで、特別の教育課程を組むことによって、右上のほうに矢印が、点線で矢印が出ています。パッとこの表だけを見た時に、この矢印が、このグラフ自体が右上に流れていくみたいな印象を持たれる可能性があると感じました。ですのでこれは、下がりきらないように上げていくとか、これ以上落とさないようにしていくっていうようなイメージですので、この矢印が直線的ではなくて、もうちょっと曲線的に回復させるみたいなイメージがあった方が、意図が伝わりやすくなるのかなというふうなところが1点あります。
それからそのページ右下の部分で、下の部分の「授業時数の考え方のイメージ」っていう欄がございますが、その左側の文章、特に1番最後の部分についてですね。「授業時数や実施内容を状況に応じて適宜調整する」ということを示されておりますので、授業時数だけに限ったものではなくて、授業時数とその内容ですね、量と質という2つの要素で考えていくっていうふうにした方が、教育課程という言葉に囚われすぎて時数をどう確保するか、みたいな議論に陥らないようにするためにも、そこの部分はそういうふうな書き方の方が実はいいのかなというのを、今日の議論も踏まえながら感じた次第です。その1番下の「これらを総合的に勘案し」の「これら」っていう言葉も、この丸1、丸2以外のものを想起させる危険性はあるので、切っちゃってもいいのかなというのが個人的な意見です。
8ページ、9ページの補足イメージについてですが、元々この教育課程を組むのは6ページの2つ目の丸の部分の最後、「学習意欲や自己肯定感を取り戻していくという視点が極めて重要」という部分が大切たと感じます。何を目指してその特別の教育課程を組むのかっていうところを考えた場合に、この8ページにある1番から5番のうちの5番っていうのは実はもっと強調されるべきなのかなというふうに感じております。この「頑張り等を積極的に評価する」ということをできるようになるために、この1番から4番の部分があるというふうなイメージで伝えた方が学校現場には伝わるのではないでしょうか。
特に今、まさに不登校の児童生徒に対してSSRであったりとか、教育支援センター、校外教育支援センターで取り組んでおられるような方々は、特別の教育課程を組まなくとも、これそれに準ずるようなことを今実際やっています。そうなった時に特別の教育課程を組むことのメリットというか、わざわざ特別の教育課程を組もうとなるのか。もう一歩進めて、それを組むことによって子供たちにとってよりプラスになるっていうのをどこで示していくのか。議論の中でテクニカルな部分の話にも入っていくかと思うんですが、その向こう側に子供たちをどういう状態にしたいのかっていうのが常に伝わるような形で我々も議論をしていかないと、枠は作ったけど活用できるのかっていうところは少し危惧をしております。ですので、我々も含めてそういう議論の展開をさせていただければありがたいなというふうに感じております。
不登校児童生徒の状況っていうのは日々当然変化をしておりますが、その変化に柔軟に対応しながら計画を変更していく必要っていうのは当然あります。先ほど皆さんのご意見でもありましたように、支援計画、指導計画の捉え方もそうですし、その後に例えば校外と校内がどう連携していくのか、それを共有するものを作っていく。その共有したものが指導計画とか支援計画に生かせる構造作りっていうのはすごく重要なのかなと思います。(校外と校内の)連携はしました、というのと、支援計画、指導計画というのは、やはり別々に動いていたりすることがあるので、それを一体的にどういう構造で見せていって、こうすれば学校の、先生方の、それから支援する側の負担を軽減しながら子供たちにとってよりプラスなものになっていきますよっていうのを、示せるのかというところが、今後我々も意識していかなければいけないとこかなっていうことを感じた次第です。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【伊藤主査】 力強いご意見ありがとうございます。では続きまして、金子委員ですね。はい、お願いできますか。
【金子委員】 今日発表させていただきました。ありがとうございます。今研究に取り組んでくださっている先生方とお話をしますとですね、個別の指導計画等の計画の必要性、重要性って本当にとっても感じていらっしゃいました。最初に目標設定することが難しいという話もありましたけれども、児童生徒と対話しながら本当に丁寧に目標設定をすることを大切に取り組んでおられます。
また指導計画の短期目標を設定する際にはですね、うちで定めている4つの資質・能力を意識して設定するようにしているということでした。そうすることで日々の学習や指導に当たってどういうところに焦点を当てていけば良いかということが明確になって、共通認識で支援に当たるということができる。あるいはそれがあるからこそ変化していく子供の姿を、変化を見逃さず適切に共通認識で支援することができるとも言われていました。そして変化に対応するためには定期的な見直しが必要である。そして誰が評価するのか、いつ評価するのかということをはっきりさせていく。そして目標を達成したら子供と一緒に喜んで、新しい短期目標を一緒に設定していく。そういう繰り返しを今、してくださっているので、それが児童生徒の意欲、自己肯定感の高まりに繋がっていると捉えています。
本市で現在取り組んでおりますけれども、SSRに在籍する児童生徒の表情が明るくなったとか、のびのびと過ごすようになった、あるいは登校日数や登校時間も増えて学びに向かう意欲が高まったというような手応えも感じておりますので、指導計画を大切にしながら、教育課程を編成するだけではなく、それが子供たちの指導支援に繋がっているということをしっかり考えていきたいなと思っています。ありがとうございました。
【伊藤主査】 はい、ありがとうございます。あとは、猪股委員と鷲見委員からも手が挙がっています。もっとたくさん色々あるかと思うのですが、時間の都合上、今挙手いただいています猪股委員と鷲見委員までとさせていただきたいと思いますので、ご了承いただければと思います。では猪股委員からお願いいたします。
【猪股委員】 今日も一日たくさん勉強させていただいてありがとうございます。私がちょっと考えていたこととしましては、8ページ「個別の指導計画の検討の視点と論点」という資料に関わってということになります。ここに示されていた内容、丸1番から丸5番については、これまでも様々ご意見があったと思うんですけども、1から5についてどれも重要であるというふうに考えております。
本市の取組と照らし合わせてちょっと考えたわけなんですけれども、本市では児童生徒理解のための「ケース会議活用シート」、それからその状態に応じた学習内容を記載するための「個別のプログラム」というものを用いて、効率的な学習指導に繋げていっております。実現していくためには、継続して対応していくためには簡易的な計画が必要ではないかなというふうなことを考えていたところです。そして情報を教職員間で共有しながら、継続した支援に繋げていくことが非常に重要であると思っております。
それから、この中では4番の部分に関わってくるのかなと思っておりましたが、本市で活用している「個別のプログラム」というものは、短期目標に当たるかもしれないんですけれども、1週間単位の計画になります。それで活用をしているわけなんですけれども、時間割りを変更する必要がなければ、それをそのまま1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と活用しているものでございます。ただ子供の実態を踏まえ、見直しが必要な場合は次週の予定を変更しているというものでございます。そういったことから長期的な見通しと、中期的な見通し、大切であると思いますけれども、短期的な見通しで持って対応していくということも必要なのではないかなというふうなことを考えておりました。
最後になります。この指導計画作成に当たっては、誰がそのプロセスについて整理していくのかということも重要であると思っておりまして、本市では対象児童への指導を中心に行っている、校長OBである校内教育支援センターのセンター長が、子供たちと共に計画を考えてうまくいっている例、報告を受けておりましたので、この後もそのように子供たちを見ていく人っていうのは、やはりこう大事にしながら対応していくことが必要ではないかなと思っておりました。以上です。
【伊藤主査】 はい、ありがとうございました。では、鷲見委員、お願いできますでしょうか。
【鷲見委員】 はい、よろしくお願いします。できるだけ端的にお伝えしようと思います。まず1点目なんですけれども、今回資料の6ページの方で、指導計画・学習評価等の在り方を検討する上での基本的な考え方として、特に上から2つ目ですね、2行目ですが、「単に的確な指導計画が作成・実施されれば良いのではなく、子供自身が計画の作成過程等において、自身の学習目標の設定にも関わり、工夫して学習を進め、振り返る中で、学びを積み重ね、経験として昇華させていくことで、学習意欲や自己肯定感を取り戻していくという視点が極めて重要」というふうに、ここに非常に明確に今回のこの特例の教育課程の意味合いと言いますか、そのことをここに明確に示されたということが、私にとってすごく賛同できる部分でありました。
やはり今回の特例が、子供にとって何がいいことあるのかな、例えば学びが少し計画的にできるとか、評価してもらえるっていうそういったメリットはあると思ったんですが、今回やはりその子供と一緒に作って、そして振り返るっていうところが非常に大事だと思います。そういうことで子供自身が不登校の状態にある自分自身ときちんと向き合って、今自分はどんなところにいるんだろう、これからどっちの方に向かっていくんだろうっていう、自己理解を進めながら自分の道をこう自分で作っていくっていう、そういう歩みが本当に社会的自立につながっていくと思うんです。そういった1つの方法としてこの特別の教育課程ということが有効に働くということであれば、今回の特別の教育課程の意味がすごくこうより強いものになると思いますので、この部分が記載されたということは私としてはすごくありがたいことだなというふうに思いました。
また2点目ですが、今度は8ページです。8ページにその視点と論点について1番から5番までまとめられています。個人的にはですね、その資料の中に支援計画と指導計画の関連性ということも出てきたんですが、ここではもう「対象児童生徒」というふうに書かれていますが、まず対象を絞り込むところからこの作業は始まっています。その対象児童が対象だよって言えるためには、その前のやはり支援計画の部分が必須だと思います。ですので、個人的にはその対象を見極めるための、その0番みたいなものがやはりあって、そこで「あ、この子は今学びに向かいつつあるんだ」とか、「今この子はどの状況にあるのか」というのをきちんと把握して、判断して対象として作成しますっていうその過程も1つとっても大事じゃないかなというふうに思いましたので、だからこそその「児童生徒理解・支援シート」等の活用も含めて、この辺りの連携というのはきちっとやっていかないと、計画だけが進んでしまうということがないようにしたいなというふうに思っています。
3点目です。同様になるんですが、資料の4ページまで戻っていただきますと、今村委員からの発表で、その居場所から教育活動へ移っていく際に、だんだんその安心できる場所から少しそこに学びに向かうようなアプローチをしたことで教育活動に参加できるといったようなスライドがあったかと思います。お子さんの例で、最初はおんせんキャンパスでゆっくり過ごしていた子がサークル活動に参加して、その後、社会だけでもやってみようかなって言って、その後、社会から数学へも広がっていたという事例があったと思うんですが。やはりその下の青と緑とグレーの表を見た時に、最初はグレーの部分だけでゆったりしている子が、子供によりますけれども緑の部分から参加できる子もいますよね。青の部分から頑張りたい子もいますし。その特例の教育課程を作る対象が、私としては休み始めの子は青から始まるかもしれないんですが、じっくり休み終えた子がまず、とっかかりとしては緑からスタートする子もいると思うんです。そういった場合に先ほどのサークル活動から始めた子というのはこの対象に入るのかどうか、緑だけ頑張っているっていう子が今回学びに向かっていると言えるのかどうか、みたいなことも含めて今後の討議の中で是非話題にしていただけるとありがたいなというふうに思いました。はい、以上です。
【伊藤主査】 はい、ありがとうございました。後半どんどん大事なところが論点として出されたと感じています。本当はこの場で色々議論したい気持ちはあるのですが、もう時間となりました。私もなかなか主査としてタイムキープに専念して自分の意見を言う機会とか時間がないのですが、色々こうだな、ああだなと昨日はたくさんメモを作って来たのですが、今日先生方の御意見をお聞きして、またそれを帰り道で見直してみたいと改めて思いました。
本当にありがとうございます。今日出ました論点をまた事務局の方で聞き取っていただきまして、次回の話し合いに加えていただければと思っております。
それでは予定しておりました時間を少々過ぎてしまいましたので、本日の議事は以上といたします。では次回のスケジュールにつきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【総崎生徒指導室長】 長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。次回のスケジュールにつきましては今画面に出しているとおりでございます。第5回のワーキング、2月24日火曜日1時から3時半で予定をさせていただいております。まだ現時点の予定でございますので、詳しい議題の中身も含めまして追って御連絡をさせていただきたいと思います。
【伊藤主査】 はい、ありがとうございます。それでは以上を持ちまして閉会といたします。本当にたくさんの御意見ありがとうございました。これで終わらせていただきます。
―― 了 ――
初等中等教育局児童生徒課生徒指導室
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