教育課程部会 情報・技術ワーキンググループ(第12回)議事録

1.日時

令和8年7月30日(木曜日)16時30分~18時30分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 取りまとめ(案)について
  2. その他

4.議事録

【堀田主査】 皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報・技術ワーキンググループの第12回を開催いたします。本日もまた、大変ご多忙の中ご参加いただきましてありがとうございます。前回はこれまでの議論を踏まえまして、本ワーキンググループにおける取りまとめ骨子、これのイメージを議論いただきました。
 本日は前回とその後にいただいたご意見を反映させた、情報・技術ワーキングの取りまとめ案について提出しておりますので、これについてご意見をいただければと思います。具体的な進め方については、進行資料のほうをご覧いただければと思います。議題について、事務局よりご説明いただいたあと、いつものように皆さんにご意見の交換をいただきたいと思います。
 それでは、早速議題1に入ります。事務局よりまずご説明をお願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】 議題1、取りまとめ案についてでございます。前回の情報・技術ワーキング取りまとめ骨子イメージに関してのご意見等を踏まえまして、一部新たに書き加えるなどいたしまして、取りまとめ案をまとめましたので、ご議論をお願いできればと考えております。
 3ページ目になりますけれど、まず目次をご覧ください。これまでの議論の積み重ね、検討の経緯や、より一層の新教科領域の必要性や妥当性、さらには教育課程全体にもたらす意義について、一貫したストーリーのもとで分かりやすく伝わるよう、1ポツに基本的な考え方を加えた上で、情報活用能力を抜本的に向上するための具体的な方策を、2ポツ以降に説明する構造としております。
 4ページ目から基本的な考え方でございます。先ほど申し上げましたとおり、この基本的な考え方が前回からの大きな改善点となります。情報・技術ワーキングで議論してきた、各論に入る前の基本認識を取りまとめております。
 まず左側でございますけれども、AIなどの情報技術は飛躍的に発展し、社会経済のあらゆる活動や価値創造を支える基盤となっている。一方、SNSを介した偽・誤情報の拡散や、価値観の偏りの助長、またAIが人間の認知や意思決定に与える影響の拡大など、民主主義社会の分断を招きかねない課題も顕在化しており、情報技術の発展は世界的に大きな可能性とリスクの双方をもたらしている。
 また、2ポツでございますけれども、こうしたリスクの要因となる情報技術の負の側面を克服し、民主主義社会を支える基盤を確立することは、我が国の将来を左右する最も重要な課題の一つである。そのことによって初めて、情報技術の恩恵を最大限に生かし、新たな価値創造や生産性の向上、一人一人の豊かな人生を実現していくことができる。このために、学校教育において、すべての子供たちが情報活用能力を確実に身につけられるようにすることが不可欠である。
 3ポツでございますけれども、こうした観点から、大臣諮問で検討を求められた情報活用能力の抜本的向上について、論点整理では今次改訂を支える重要な柱と位置づけた。情報活用能力の育成は、子供たちに情報技術を適切かつ効果的に活用し、問題を発見・解決したり、自分の考えを形成したりしていく力を育むことになる。加えて、メディアリテラシーや情報モラルを発揮しつつ、各教科等の固有の学びをさらに深めることを通じて、教育課程全体の学びの質を高め、自らの人生を舵取りすることができる、民主的で持続可能な社会の作り手の育成を実現する礎となるものである、と大まかな背景を論じております。
 その上で、本ワーキンググループでは、この検討を着実に進め、教育課程の改善を図っていくための具体的方策について、関係ワーキンググループ等との連携も図りつつ、精力的かつ徹底的な議論を積み重ねてきたところ、その成果をここに取りまとめる。このことをまずお示しをしております。
 次に右側でございますけれども、どのように具体の検討を進めてきたのかをお示ししております。流れといたしまして、(A) 2040年代の社会像と、(B) その社会を支えるために重視すべき方向性を想定し、それを起点としてバックキャストする形で整理を行ってきたこと。具体的には、小中高を通じて育成すべき具体的な資質・能力を一体的に整理するとともに、高等教育への接続との整合を図りつつ、初等中等教育段階での体系性、系統性を確保するための教育課程の在り方について検討を行ってきたことをお示しするとともに、それに向けてワーキンググループで議論してきた改善方策、具体的には情報活用能力の位置づけ、情報の領域、情報・技術科の創設、情報科を含む情報活用能力育成の要となる教科等の内容や、各教科等との関係、学習・指導・評価の改善、条件整備について挙げております。2ポツ以降の各論では、これらを順に整理していくストーリーといたしました。
 5ページ目をご覧ください。ここでは、これまでのワーキンググループで議論をしてきました、想定される2040年代の社会像についてまとめています。一つ目のポツでは、医療、交通、金融、行政など身近な生活の様々な場面においても、情報技術の活用が一層進み、誰もがAIなどの情報技術を活用して業務の効率化や新たな価値創造、自らの思いや願いの実現を図ることが可能な社会が到来することが想定されること。
 二つ目のポツは、その一方で偽・誤情報の拡散やフィルターバブル、エコーチェンバー等により、情報空間における人々の価値観の偏りが生じ、民主主義社会の分断が進むことが懸念されることや、情報技術の利便性だけでなく、バイアスや依存、必要な学習過程の省略、認知的オフロードなどの負の側面を適切に理解し、情報を主体的かつ批判的に捉えながら活用すること、メディアリテラシーの重要性が一層高まること。
 三つ目のポツでは、労働市場の流動化やマルチステージ型社会への転換が進み、求められるスキルや働き方は絶えず変化することから、個人が生涯にわたり学び直しや職業選択を繰り返しながら、多様なキャリアを主体的に切り開くことがより一般的な社会が到来することが想定されること。
 また、四つ目のポツでは、深刻な少子化等により生産年齢人口の大幅な減少が見込まれる中、AI、ロボットの普及等によって産業・就業構造は大きく変化し、事務・販売・サービス分野では人材の余剰が生じる一方、AI、ロボット等を活用して新たな価値を創出する専門的・技術的人材の不足が懸念されるなど、人材需給の大きなミスマッチが生じる可能性があることをお示ししております。
 次に6ページ目でございます。左側では、5ページに記載しました、想定される社会を人間中心のものにしていくためには、情報技術の正負の側面を理解し、適切に活用できることが求められることから、すべての子供たちに一定水準以上の情報活用能力を育むために重視すべき方向性をお示ししております。
 一つ目は、日々の情報を見極め、揺るぎない健全な民主主義を支える主権者として、情報技術の正負の側面を捉え、日常にあふれる情報の真偽や偏りを吟味しながら、意見を形成したり、時には判断を留保したり、多様な他者と対話・協働したりできるようになること。二つ目は、社会の変化に積極的に対応し、探究し学び続けるアクティブ・ラーナーとして、情報技術を活用して自ら問いを立て、多様な情報を収集・整理・分析し、生涯にわたり主体的に学び続けることができるようになること。三つ目は、我が国の経済の維持・発展を担うアドバンスト・エッセンシャルワーカーとして、AIやDX等のスキルを駆使して生産性を高めるとともに、安全性・信頼性にも配慮しながら、現場で協働して課題を解決できるようになること。四つ目は、社会革新を生み出す世界トップレベルのイノベーターとして、多様な情報を統合して新たな価値を創造するとともに、AI等を活用した新たな仕組みやサービスを構想・実現できるようになることを掲げております。
 その上で、資料の右側ですけれども、これら四つの方向性は、いずれも論点整理で示された、情報活用能力の三つの構成要素である、情報技術の丸1活用、丸2適切な取り扱い、丸3特性の理解によって支えられていることから、丸1の活用を中核として、丸2、丸3がその発揮を支えるという関係性を基本的な枠組みとして、各要素で求められる具体的な資質・能力について、ワーキングでの議論のとおりお示しをしております。
 丸1の活用につきましては、情報技術を活用することで、自らの思いや願いを具体的な形として実現するとともに、誰もがその恩恵を享受できるよう、情報技術を活用して探究的に課題を解決し、新たな価値を創造することができる力を、すべての子供たちに育むことが不可欠である。そして、この活用する力が、これからの社会における自らの人生を舵取りするための基盤となるということ。
 丸2の適切な取り扱いにつきましては、偽・誤情報の拡散やそれに伴う社会の分断を防ぎ、情報技術が人間の認知や行動に与えるリスクや影響を踏まえ、適切に活用する力を育むことに加え、真偽不明な情報を主体的に吟味・判断・留保するメディアリテラシーそのものの抜本的強化が必要である。このため、情報技術のリスクを適切に判断し、ルールやマナーを守るとともに、他者や社会への責任を考えて行動できる力をすべての子供たちに育むことが不可欠である。
 丸3の特性の理解につきましては、情報技術が生活や社会、経済に広く浸透する中で、その本来の機能を十分に引き出したり、意図しない結果や安全上のリスクが生じることを防ぎつつ、適切な活用を十分に発揮するためには、情報技術の科学的な特性を理解し、課題の解決策を構想・表現できる力をすべての子供たちに育むことが不可欠である、とお示しをしております。
 次に7ページ目をご覧ください。6ページ目でお示ししました3要素につきまして、発達段階に応じてバランスよく着実に育成できるよう、ワーキンググループにおいて議論してきた、育成すべき資質・能力を、表のとおり各学校段階で体系的・系統的にお示しをしております。
 その上で、最後右側になりますけれども、高等学校卒業までにすべての生徒が、数理・データサイエンス・AIを日常の生活や仕事等の場で使いこなすことができるリテラシーレベルの資質・能力を身につけられるようになることで、高等教育との接続も含めた学校教育全体を通じて、情報技術の賢い使い手を育てるという裾野の拡大と、できる限り多くの情報技術を活用したイノベーションの作り手を育てるという、いただきの高まりを実現することができると考えます。このことによりまして、民主主義社会の分断を防ぎ、情報技術の恩恵を社会全体で持続的に享受できる基盤を確立するとともに、新たな価値創造や持続可能な社会の発展を支え、すべての子供たちが予測困難な時代を主体的に生き、自らの人生を舵取りしていく力を育むことにつながると考えます。
 そこで、こうした考えに基づき、2ポツ目以降、具体的な教育課程の改善についてお示しをしております。ここまでが、一貫したストーリーの下で分かりやすく伝えてほしいという前回のご意見を踏まえまして、冒頭に追加した基本的な考え方となります。以降は、前回の骨子イメージから変更した箇所などを中心に、相川補佐からご説明をいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】 続きまして、ここ以降、私のほうから説明させていただきます。前回、ワーキングの取りまとめ、骨子イメージの時点ですでに説明させていただいたこととも重複する部分がございますので、時間の都合も配慮しまして、適宜説明を省略させていただく箇所もございます。ポイントをかいつまみながら説明させていただければと存じます。
 飛びまして18ページ目をご覧ください。2ポツ目、新教科領域の創設ということで、資料左側、(1)前提としての情報活用能力の位置づけや課題、ということで、情報活用能力の教育課程上の位置づけについて、こちらで整理しております。情報活用能力が学習の基盤となる資質・能力と位置づけられていること、今次改訂では、情報活用能力としては情報技術の活用に絞って整理すること、情報技術の活用を各教科等のみならず、探究的な学びを支え、駆動する基盤として位置づけることを整理し、検討を進めてきたとしております。また、総則・評価特別部会においては、情報活用能力と言語能力について、両者の関係についても整理されていることを前提に検討を進めてきたとしております。
 資料右側でございます。情報活用能力に関する教育課程上の課題でございますが、こちら骨子イメージでも記載しておりましたので、説明は省略させていただきます。
 19ページ目をご覧ください。(2)新教科領域等の考え方についてでございます。なお、ここで言う新教科領域等は、小学校情報の領域、中学校情報・技術科、高校情報科を指しております。ここではまず、小学校情報の領域の構成の整理について記載しております。小学校総合を探究の領域、情報の領域の二つの領域から構成し、情報の領域が探究の領域や各教科との学びを基盤として支えるものとして位置づけたこと、情報の領域はミニ探究ユニットと情報ブロックで構成することの整理をしてきたことなどについて、こちらで記載しております。
 20ページをご覧ください。情報・技術科の領域構成でありますが、情報技術領域と情報を基盤とした生産技術領域の二つの領域から構成すること、両方の領域を一体的に捉え、両者を掛け合わせることにより、包摂的で豊かな生活や社会の実現を目指すものとして位置づけることなどについて記載しております。各領域における内容項目は、資料右側の記載のとおりとなっております。
 なお、右下のポツで、これまでの本ワーキングにおける検討を踏まえれば、情報の領域並びに情報・技術科及びその領域名は、その趣旨を適切に表していると言えることから、以後それぞれの名称として用いることとさせていただいております。ここについて、理由として米書きを打っておりますけれども、特に情報・技術科は、情報技術のみを扱う教科ではなく、生産技術を含む多様な技術を一体的に学び、それらを技術の統合を通して、領域横断的に技術による課題解決の構想・具体化を実践する機会を充実する教科であると。このため、情報技術科ではなく、情報・技術科という名称とすることが適当であるとさせていただいております。
 続きまして、21ページ目をご覧ください。高校情報科の科目構成でございます。まず、情報Ⅰを存置しつつ、情報Ⅰで培った基礎の上に、選択科目としての情報Ⅱを設置する考え方を維持することとすることが適当であると整理させていただいております。その上で、情報Ⅱについては、生徒や地域の実情に応じた特色・魅力ある教育課程の編成や、実社会の課題を探究的に解決する学習の充実を図る観点から、単位数を柔軟に配当できることが適当であるとし、一定の幅の範囲内で単位数を配当できるようにすることで、各学校の実情に応じたより深い課題解決や価値創造の実践を可能とし、ひいては2040年代の社会を支えるために重視すべき方向性、民主主義社会を支える主権者、アクティブ・ラーナー、アドバンスト・エッセンシャルワーカー、イノベーターにつながっていく、ということを考えられるとしております。
 なお、高等学校段階における情報活用能力の抜本的向上を着実に実現するためには、情報科で学んできた内容を総合的に活用し、実社会の課題に探究的に取り組む機会を充実することが不可欠であるところ、それを実践するための情報Ⅱの単位数を柔軟に配当できることとした趣旨が、学校現場において正しく理解され、その趣旨を踏まえた教育課程が編成される必要があるとしています。このため、単位数を柔軟に配当する際の考え方や学習過程、教育課程全体として、単位細分化により柔軟な設定が可能となる趣旨等について、学習指導要領や解説等で分かりやすく示すとともに、国において教育委員会及び学校現場等に対する丁寧な周知啓発を着実に進め、その趣旨の十分な理解と積極的な活用を促すことが必要であるとしております。
 22ページ目をご覧ください。新教科・領域等の体系整理の方向性については、小学校の情報の領域では、活用、適切な取り扱い、特性の理解の三つの構成要素を軸として内容を構造化することとし、中学以降の情報・技術科及び情報科では、情報活用能力を教科全体を支える基盤として位置づけつつも、教科固有の内容を中心に教育内容を構造化することが適当であるとしております。この構造化の考え方に基づき、目標、見方・考え方、内容及び学習活動のイメージを整理することとなりますが、内容の詳細は後半に出てまいります。
 資料右側でございますが、各教科等との関係でございます。情報活用能力の育成は、各教科等の中で個別に担うだけでは、体系的・系統的な育成が難しいだけではなく、各教科等において、情報技術の基本的な活用方法等の指導に時間を要し、教科固有の学びの充実にも課題が生じているとしています。このため、新教科領域等を情報活用能力の育成の要と位置づけ、タイピング等の基本的な端末操作やプログラミング、データ活用など、これまで各教科等で個別に扱われてきた内容を、体系的・系統的に育成することが適当であるとし、これにより、各教科等では情報活用能力が育成されていることを前提として、教科固有の学習に一層重点を置くことが可能となり、教育課程全体としての学びの質の向上を図ることができるものとしております。こちらは前回ワーキングでもご議論いただいたポイントでもございます。
一方で、情報活用能力は各教科等においても一層高められるものであり、情報活用能力の育成の要となる教科等と相互に補完し合う、往還的な関係として整理し、これらが教育課程全体として学びの質を高めるとともに、児童生徒の日々の学習や生涯にわたる学びを支えるとしております。
 飛びまして31ページ目をご覧ください。3ポツ、目標及び見方・考え方のあり方でございますけれども、こちらは前回の骨子イメージの記載とほぼ同様となっておりますので、ここでは説明を省略させていただきます。また、飛びまして39ページ目でございますけれども、こちら4ポツ、資質・能力の構造化のポイントでございますけれども、こちらにつきましても、前回の骨子イメージの記載から一部冗長な表現を修正したところでありますけれども、ほぼ同様の内容でございますので、省略をさせていただきます。
 また資料を飛びまして49ページ目に飛ばさせていただきます。こちら5ポツ、内容の改善のあり方というセクションでございますが、まずメディアリテラシー、AI、プログラミング的思考についてまとめておりますけれども、こちらも前回の骨子イメージの記載と基本的に変わっておりません。ここでの説明は省略いたします。
 50ページの右側まで移らせていただきます。情報活用能力育成の要となる教科等の学習内容ということで、体系整理の方向性の整理の考え方について記載しております。ここにつきましては、第9回ワーキングから前回に至るまで議論を重ねてきた体系整理のことでありまして、教科領域全体の構造から、内容項目、内容のまとまり、具体的な学習活動イメージに至るまで、一貫した考え方の下で体系を整理し、新教科領域の必要性や妥当性、必要となる授業時数の考え方についても、他教科等のワーキングや、広く国民に対して分かりやすく示すことを目指して議論してきたということを記載しております。
 続きまして51ページ目をご覧ください。先ほど申し上げたとおり、第9回のワーキングから議論してきた内容項目間の関係でありましたり、内容のまとまり間の関係、学習活動のイメージについても、もともと概念図を整理することでグラフィカルに整理をしてきたところでしたけれども、ここでは文章として表現する形にさせていただいております。小学校情報の領域について、ここでは整理をしておりますけれども、それぞれ補足イメージがあります。例えば、ここに関しましては、資料補足イメージの30、31、32とありますが、補足イメージ30でありますと内容項目間の関係でありましたり、補足イメージ31でいきますと内容のまとまり間の関係で、補足イメージ32以降は各学年の学習イメージということで、これら整理してきたものを、先ほどの51ページのところで文章として表現しているという形になっております。
 52ページをご覧ください。資料右側でございますが、情報の領域の指導上の工夫や環境整備について、ここで整理しており、例えば国が開発する教材については、学校現場と往復しながら、学校現場が使いやすいものを目指したり、陳腐化を防ぐ観点からアップデートを図るといったことを記載しております。また、この下には小学校低学年における情報活用能力の育成のあり方について記載しておりますけれども、こちらも前回の骨子イメージの記載と変わっておりませんので、ここでの説明は省略させていただきます。
 54ページ目をご覧ください。こちら中学校情報・技術科についてということになりますけれども、先ほどの小学校と同様に、内容項目間の関係でありましたり、内容のまとまり間の関係、学習活動のイメージについて、文章として記載しておるところでございます。
 55ページまで行きまして、55ページの資料右側でございます。指導上の工夫や環境整備についての整理の記載ということになりますが、情報・技術科におきましては、技術の統合を内容項目として設けるということになっておりますけれども、一定のまとまりのある時間を確保できるようにすることが適当であるとし、各内容項目における問題解決の学習との系統性を損なわない範囲で、その時間の一部を技術の統合の問題解決の時間として位置づけるなど、弾力的な指導計画の編成を可能とするという整理をしています。また、技術の統合の指導にあたり、教材の開発にとどまらず、指導計画や授業の具体的なイメージを示す参考資料、研修を組み合わせたパッケージの提供まで行うべきであることや、中学校担当教員への研修支援や、3Dプリンター等の教材の整備促進を図る必要についてここで記載しております。
 56ページ目をご覧ください。高校情報科につきましても、先ほどと同様に、内容項目間の関係、内容のまとまり間の関係、学習活動のイメージについて、文章で記載しております。
 57ページ目をご覧ください。先ほどの説明でもございましたけれども、情報Ⅱへ配当される単位数を弾力化することで、改善プロセスを継続的に行うことが可能になり、価値創造の実践につながること、この改善プロセスは、課題によってその内容や回数が異なるため、あらかじめ一定の回数を定めることができる性質のものではないことから、一定の幅の範囲内で単位数を柔軟に配当する際の考え方や、学習過程等について、学習指導要領や解説等で分かりやすく示すことが適当であるとの整理を記載しております。また、資料右側では、授業で活用可能な教材整備や研修支援、PC教室の環境維持に向けた周知啓発、活用可能な財源措置等に係る整理、単位柔軟化による指導の工夫や、情報Ⅱの設置率の向上に向けた周知啓発など、条件整備について進める必要がある旨を記載しております。
 58ページ目に進みます。こちら資料左側は、前回ワーキングで議論いただいた、各教科等の学びの充実と内容の精選への機運についての整理をここに記載しております。情報活用能力の育成を要となる教科等で体系的に行うことにより、教育課程全体の観点から、各教科等の学びの充実にも資することが期待されるところであります。具体的には、これまで各教科等で個別に指導してきた端末等の基本的な操作や、情報技術の活用方法、タイピングや映像メディアの操作、グラフの作り方、データ分析の方法等ございますが、これらについては、新教科領域において、発達段階に応じて体系的に学ぶことができることになります。
 これにより、例えば、ある教科で学んだスライド資料の作成方法が、他教科等での発表活動に十分生かされていない、などといったことが解消され、各教科等では当該内容を精選し、教科固有の学びを重点化することが可能となると考えられます。また、各教科等で扱われている特定の内容のうち、情報活用能力として体系的に育成することが適当な内容、プログラミングやデータ活用、産業と情報の関わりや、情報機器と健康との関わりなどにつきましては、新教科領域へ移行することにより、各教科等の役割分担をより明確にできると。また、特にメディアリテラシーにつながる教育内容については、国語科や社会科でも扱ってきておりますが、十分な指導ができていなかったところを、新教科領域において大幅な強化が図られることによって、そこでの学びが一層豊かになることが期待されると考えられております。これにより、各教科等において重複して扱う必要性が低下することで、内容を精選し、教科固有の学びを重点化することが可能となるとしております。なお、各教科等の目標や内容等の関係から、引き続き各教科等において扱うことが必要な内容は当然存在しますが、新教科領域との適切な役割分担を図ることにより、それぞれの教科等の学びを一層充実できるとしております。
 その上で、精選できる内容の具体の検討については、丸1、各教科等の内容のうち、情報活用能力の育成にも資する内容を整理した上で、丸2、新教科領域の学習活動との対応関係を踏まえ、移行の可能性を検討し、丸3、各教科等固有の学習をどのように重点化できるか、など、その効果を検討するという観点から、教育課程全体を俯瞰しつつ整理を進めることが適当であると記載しております。
 また、資料右側につきましても、前回ワーキングで議論いただいた、新教科領域に必要となる時数・実務に係る考え方についての記載でございます。これまで整理してきた新教科領域において、各学年ごとに必要となる具体的な学習内容や、各教科等の学びの充実や内容の精選へどのように寄与するか、といった点を踏まえ、教育課程全体の観点からの時数・実務の判断に資する考え方を、次のとおり整理しています。まず、情報活用能力の体系性、系統性を踏まえつつ、新教科領域における学習活動について、各学年ごとに授業コマ数をイメージできる程度の小さな単位まで具体的に整理をすると。その上で、個々の学習活動の項目数を試行的に積み上げ、新教科領域の内容を扱う上で必要となる授業時数の規模を検討する目安を示すこととしました。なお、個々の学習活動については、実際には1コマで扱えるものもある一方で、1コマ未満で扱えるものや、複数コマを要するものも想定されることから、必要となる時数・実務の検討にあたっては、さらに個別具体に精査することも必要であるとしています。
 よって、上記で示した授業時数の規模を検討する目安は、参考資料として位置づけ、年間の標準総授業時数を増加させないとの方針を前提に、教育課程全体の観点から総合的に検討することが適当であるとしています。なお、これにつきましては、総則・評価特別部会において報告されていることを申し添えます。
 資料59ページ目をご覧ください。(4)内容の精選についてでございますけれども、前回の構成イメージにも記載ございましたので、そちらと変わりませんので、ここでの説明は省略いたします。
 資料を飛びまして97ページ目まで移らせていただきます。6ポツ、学習指導・評価の改善・充実のあり方について、というセクションでございますけれども、こちらも前回の構成イメージと記載は変わっておりませんので、ここまでの説明は省略させていただきます。
 100ページ目をご覧ください。まず資料左側、条件整備に向けた取組についてでございます。情報技術に関する新たな専門性が求められているにもかかわらず、地域によっては技術科教員の不足など、指導体制上の課題が存在しているほか、当ワーキングの議論を通じて、さらなる条件整備に取り組む必要性が一層明らかになったところであり、国は責任を持って条件整備を進める必要があるとしています。既に着手している学習者用デジタル教科書・教材の開発や研修コンテンツの整備、全国規模の免許法認定講習の実施等を引き続き推進していくべきとし、これらに加えて、全ての小中高等学校担当教員の指導力向上に向けた大規模な研修でありましたり、3Dプリンター等を含む学習環境の整備策の検討、いわゆるPC教室の環境維持に向けた周知啓発、免許制度のあり方の検討などについて、具体的な実施計画やスケジュールを前もって明確にして、各自治体、学校のキャパシティを確保しながら推進していくことが重要であるとしています。このため、国は上記を含む条件整備に向けた着手すべき取組を情報活用能力の抜本的向上を支える指導体制改善プランに示すとともに、今後も順次必要な施策を追加するなどして、随時本プランの改訂を行っていくべきであるとしています。これを受けまして、同プランにつきましては、本日時点、文科省のほうで更新しておりますので、後ほど報告説明させていただきます。
 資料右側でございますが、新教科領域の先行実施の考え方についてでございます。こちらは取りまとめの時点で方向性を整理しておくべきものとして、新たに事務局提案として記載させていただいているものでございます。新教科領域は、全面実施となる小学校令和12年度、中学校令和13年度からの実施となると、社会変化が先行する中にあって、必要となる資質・能力の育成に遅れが生じ得ることから、現在国が進めている学習動画・教材等の開発が円滑に実施されることを前提に、全面実施を待たずして部分的な指導が可能となるよう、令和10年度以降、段階的に新教科領域を先行実施するための経過措置を講ずる方向で検討することが適当であるとしております。その際、小学校と中学校では全面実施時期が異なることに加え、小学校から先行して取り組むことにより、中学校への円滑な接続を図ることができることや、中学校で令和10年度から実施した場合であっても、その学年の生徒が高等学校へ進学する時点では、高等学校はなお現行学習指導要領の下にあることなどを踏まえる必要があると考えを示しております。このため、経過措置は先行実施に向けた条件整備を計画的かつ着実に進めつつ、小学校は令和10年度から、中学校は令和11年度から段階的に講ずる方向で検討することが適当ではないかとしています。なお、調整授業時数制度については、小中学校ともに令和10年度から先行的に実施される予定であるところ、本経過措置は、新教科領域の趣旨を踏まえた教育課程編成を行おうとする学校による同制度の活用を妨げるものではなく、各学校の実情に応じて先行的な取組が進められることも期待されるとしております。その上で、新教科領域における具体の経過措置の内容等については、今後国において精査することが求められるとしております。
 取りまとめ案の説明については以上となります。続いて、先ほど紹介しました資料2になりますけれども、情報活用能力の抜本的向上を支える指導体制改善プラン令和8年7月30日時点について、浅原より説明いたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】 資料の2になります。取りまとめ案の中でも、その重要性を示そうとしておりますけれども、我が国を担う全ての子供たちの情報活用能力を抜本的に向上するためには、その要となる小学校総合の情報の領域、中学校情報・技術科を全国の学校で確実に実施するとともに、高校「情報科」の内容の高度化に対応していくことが不可欠でございます。一方で、これらは教師に新たな専門性が求められる学習内容であるにもかかわらず、現状、地域によっては担当教員の不足をはじめとする指導体制上の課題があるほか、情報・技術ワーキングでの検討を通じて、さらなる条件整備を直ちに進める必要性が明らかとなりました。このため、国は学校現場に対応を委ねるのではなく、必要な教材開発、研修等の条件整備を責任を持って進める必要があります。そこで、次期学習指導要領の全面実施まで、国が先頭に立って、教育委員会、学校、関係機関等と緊密に連携し、具体的なスケジュールを前もって明確にして、各教育委員会、学校等が着実に実行できるよう、キャパシティの確保をしながら、施策を確実に推進することとして、いわば道しるべとなる本プランを更新いたしました。
 本プランは、下の部分になりますけれども、大きく3つの柱の下で、様々な施策を打ち出す構造としております。1つ目の柱は、全ての担当教員の指導力向上に資する研修等の充実として、令和9年度末までに国・教育委員会が連携し、教育委員会による全ての小学校担当教員への研修を促進・充実するとともに、令和10年度までに国として全ての中学校担当教員を対象に研修を実施するなどの研修の充実策を掲載しております。
 また、2つ目の柱、効果的・効率的な指導体制の確立といったところでは、今年度から実施をしております。教師が授業でそのまま活用可能な授業動画を含めた学習者用教材を開発し、実践・検証を踏まえ、随時アップデートすること。また、高校情報科の充実に向けた支援といたしまして、柔軟な教育課程編成に資する工夫や、事例の周知・啓発、伴走支援等について記載をさせていただいております。
 3つ目の柱ですと、全国どこからでも受講可能な免許法認定講習の実施などを掲載しております。なお、令和8年度の受講者につきましては、現在定員の600名を上回る656名の先生方が受講予定ということになってございます。
 今後、学校現場の状況や進捗を踏まえまして、必要な施策を順次追加し、本プランを継続的に改訂することによりまして、全国どの学校でも先生方が安心して指導できる体制の実現を目指したいと考えております。2ページ以降につきましては、相川補佐からご説明をさせていただきます。
【相川情報教育振興室室長補佐】 それでは2ページ目をご覧ください。本プランの目指すTo-Beということで、目指す姿として、教員の負担を減らしつつ、質の高い授業を展開するための総合的な支援が充実していること、また、臨免・免許外の教員をゼロとしていく姿を示しております。
 3ページ目をご覧ください。ここからは、1ページ目にございました3つの柱ごとの、全ての取組を記載しております。本ワーキングの議論を踏まえて取組を追加していますので、追加しているものにつきましては、「追加」というアイコンを付させていただいております。なお、様々な施策を追加しているところでございまして、ここでは全ての施策を紹介することは、時間の関係上難しいところでございますので、ポイントになる施策をかいつまんで紹介させていただければと思います。
 4ページ目に移ります。資料右側でございます。次期学習指導要領に則した環境整備でございますが、3Dプリンター等の教材の各自治体での整備状況把握、可視化を踏まえた多様な整備の工夫、整備促進策でありましたり、新内容を指導するための環境整備として、いわゆるPC教室のあり方等々について、学校のICT環境整備3か年計画を期間中に整備すること。また、PC教室の環境の維持に向けた周知啓発を行うとともに、活用可能な財政措置等についても整理検討するといったことに取り組むことを書いております。
 6ページ目に移らせていただきます。資料左上でございますが、地域の実情に応じた持続可能な指導体制を構築するための、実践自治体の指定を通じた特定期間での中学校情報・技術科の集中実施と組み合わせた複数校指導・遠隔授業等の実証、その成果の横展開や、教育委員会の伴走支援についても取り組むことを検討している旨、記載しております。
 また、資料右上でございますけれども、高校情報科の充実に資するよう、次期学習指導要領を見据えた高校情報科の柔軟な教育課程編成に資する工夫や、事例の周知啓発、伴走支援について検討している旨、記載しております。また、その下、次期学習指導要領を見据え、現行の情報Ⅱの指導内容に関する指導力の向上が図られるよう、研修動画の積極的な活用を周知したり、実際に情報Ⅱを設置する学校の指導事例等の周知啓発を通じた設置を促進することについて検討している旨、記載しております。また、資料右下でございます。AIの利活用に関するガイドラインを令和8年度中に改訂を行うとともに、これらの内容を周知できるよう研修等を実施することとしています。
 8ページ目をご覧ください。資料右上でございます。中学校情報・技術科のうち、特に情報技術領域を指導できる教員の不足といった課題等を踏まえ、平成15年度の高校情報科創設の際の取組を参考としつつ、情報・技術科を全ての中学校で着実に実施できるようにするため、教員の計画的な養成確保に資する免許制度のあり方等について検討している旨、記載しております。なお、追加の取組については「検討している」という表現がいくつか出てきておりますけれども、今後概算要求に至る取組もあると考えておりまして、概算要求後には当プランを改訂していくことも視野に入れているところでございます。
 9ページ目をご覧ください。主な施策のロードマップでございます。各柱ごとの主な施策のロードマップでありましたり、上のほうは研修の工程やコンテンツの作成状況について、線表として記載しております。研修につきましては、小中学校の工程が書かれておりますけれども、当然高校についても、指導力向上に資する研修支援などしていくことも視野に入れているところでございます。
 以上、審議まとめに関係しまして、本プランについては参考情報として説明報告をさせていただきました。事務局からの説明は以上になります。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは、この後に皆様に意見交換とさせていただきたいと思いますが、いつものように意見のある方は挙手ボタンをお願いしたいと思います。ご意見のある方に私から指名させていただきますけども、発言のお時間についてはバランスを考えていただきたいというふうに思います。
 また、ご発言の際には、資料のどのページに関するご意見であるかについて明確にしていただくと、事務局のほうとしてもありがたいというふうに思っております。できれば全員の方々に難しくなければご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、まず福田委員、お願いいたします。
【福田委員】 全国高等学校情報教育研究会を代表して出席しております、福田でございます。参考資料1をお願いいたします。
 本日は当研究会から提出いたしました意見書につきまして、初めに読み上げさせていただきます。
 次期学習指導要領における高等学校情報科情報Ⅰ、情報Ⅱの教育課程上の位置づけの明確化に関する意見。日頃より次期学習指導要領の改訂に向けたご尽力に心より敬意を表します。今回は情報・技術ワーキンググループにおいてご検討いただいてきた、小・中・高を貫く情報活用能力育成の体系及び情報Ⅰ、情報Ⅱの内容構成の高度化の方向性を大変高く評価しております。その上で、高等学校情報科の取り扱いについて、以下の点についてご検討いただけますと幸いです。
 情報Ⅰ、情報Ⅱの内容が、教育課程として確実に実現されるような表記としていただきたいこと。情報・技術ワーキンググループ資料令和8年6月25日付資料2では、情報Ⅱについて現行の標準単位数である2単位、4新単位時間を下限として、一定の上限までの範囲内で単位数を配当できる方向性が示され、仮に4単位、8新単位時間配当した場合には、応用基礎レベルのPBL学習を長期的に展開でき、生徒が実社会の課題解決に粘り強く取り組みながら、情報活用能力を実践的に深めていくことができるようになる、との考え方も例示されております。資料の例示を踏まえますと、上限程度の単位数、例えば8単位時間程度を配当した場合には、地域・産業と連携した長期的なPBLの実施、大学・企業等との連携や外部コンテスト等への参加、生徒個人の成果を卒業研究的にまとめる機会の確保など、より発展的な学びも可能になるものと考えております。
 一方、総則・評価特別部会資料令和8年7月8日付資料1の標準単位数の表では、情報Ⅱは他科目と並び4単位時間と記載され、標準単位数に幅を持たせるのではない形での弾力化の方法として、脚注米3が示されているところです。つきましては、情報活用能力の育成に係る高等学校の科目において、こうした単位数弾力化の考えを踏まえて、各学校が柔軟かつ確実に教育課程を編成できるよう、次期学習指導要領の総則や告示及び解説において、情報Ⅱの標準単位数に2単位、4新単位時間から、例えば4単位、8新単位時間のように一定の幅を持たせられることを分かりやすく明確にお示しいただくとともに、教育委員会、学校現場への周知の工夫にもご検討いただけますと幸いです。
 本会といたしましては、今後とも現場の立場から引き続きご協力させていただければと存じます。意見書は以上でございます。
 今回、事務局がご作成くださった資料につきましては、本研究会の意見を丁寧に受け止め、ご検討いただいております事務局の皆様に感謝申し上げます。今回お示しいただいた方向性については、情報Ⅱの単位数柔軟に配当できるという趣旨が示され、その趣旨を踏まえた教育課程編成を可能にしようとするものと受け止めており、高く評価しております。
 資料の57ページをお願いします。情報Ⅱの学びは、生徒の情報活用能力をより実践的に深めるだけではなく、発展的な学びや探究的な学びを支え、生徒一人一人の成果を卒業研究的にまとめる機会にもつながるものと期待しております。また、その学びの成果は情報科だけにとどまらず、他教科や教育課程全体に波及することで、学校全体の学びの充実にも寄与することが期待されます。そのため、高校における情報活用能力の抜本的な向上を実現するためには、情報科の学習指導要領の告示文や解説を読み、授業を担当する情報科教員だけがこの考え方を理解しているだけでは十分ではありません。教育課程の編成において実務を担う教務主任、編成の責任者である校長、さらには教育課程を所管する教育委員会など、多くの関係者がその趣旨を共通理解できることが重要です。今回は一目見て分かりやすく、使いやすい学習指導要領の実現を目指した改訂であると理解しております。ぜひ、この考え方が学習指導要領や告示、解説を含む教育課程全体を通じて分かりやすく示され、学校現場に確実に伝わるよう、引き続き周知や条件整備に国として積極的にご支援いただきたいと考えております。
 資料2をお願いします。最後に条件整備について申し上げます。資料にも記載いただいておりますが、高校情報科の新たな内容を着実に実現していくためには、学校現場を支える条件整備が重要であると考えております。具体的には、PC教室をはじめとしたICT環境の整備、情報科教員に向けた研修や教材の充実、高校で情報を担当する教員の免許状所有状況の改善に向け、そのような取組を引き続き進めていただきたいと考えております。また、情報科の単位数の柔軟化による指導上の工夫を可能とする環境整備や、情報Ⅱの設置率向上に向けた条件整備についても、学校や設置者に対する周知啓発を含め、ぜひ国として積極的にご支援いただきたいと考えております。こうした取組が進むことで、生徒の学びの充実はもとより、学校現場における情報教育の実践が一層促進されることが期待されます。また、それは情報教育を支える人材の育成や、情報科教員免許状を有する教員が力を発揮できる教育環境の充実にもつながるものと考えております。今後の情報教育を担う人材の安定的な確保や配置を進めていく上でも、こうした条件整備はなくてはならない重要事項であると認識しております。
 全国高等学校情報教育研究会としても、今回示された方向性の実現に向けて、学校現場の立場から引き続き協力してまいります。国におかれましても、学校現場への周知や条件整備を着実に進めていただきますことを期待し、発言を終わります。ありがとうございました。以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。福田委員のご発言にあったこの意見書については、私も主査として、これは現場の声を代表するものとして真摯に受け止めております。今回の取りまとめ案の中にも、これを受け止めた記述の修正がすでにいくつかございますので、その点についてはご了解いただいた上で、改めてご確認のご発言をいただいたものというふうに了解しております。ありがとうございました。
 続きまして、田中委員、その次、宇都宮委員、望月委員の順番でまいります。田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 今回、全体を通してなんですけれども、目標に包摂性やAIの倫理の話も学習内容に入れていただいたことは、大きな一歩だと思います。今後についてですけれども、現状、技術と家庭科を合わせた先生の男女比のデータはあると思うんですけれども、分野ごとの正式な統計はおそらくないのではないかと思います。家庭科の先生は女性が多いと思いますので、情報技術を教える先生の男女比が一体どれくらいなのか、ぜひ分かるようにしていただきたいと思います。
 また、小学校のプログラミング教育が必修化された際に、小学校の先生向けに研修を全国20都市で実施しました、みんなのコードで。小学校の先生は6割、7割を女性が占めるにもかかわらず、研修に来ていたのはほぼ男性でした。後から先生に聞いたところ、どうやら情報の研修は校長先生から促しがあって、現場の先生が行くようなんですけれども、情報という領域は男性が行くもの、体育も同じように男性、家庭科は女性というふうな、現場での性別におけるステレオタイプがかなり根強いようです。教えてくれる先生が女性だった場合、女子生徒はその領域に興味を持ちやすいデータもありますので、教員をロールモデルとしたとき、先生のジェンダーバランスはとても重要だと考えています。したがって、これから研修を実施される場合は、校長先生から女性教員に促しを実施するか、すべての研修に無意識のバイアス、ステレオタイプについて学べるような内容を入れていただくことをご検討お願いいたします。以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。宇都宮委員、お願いいたします。
【宇都宮委員】 この度は資料1、資料2に関しまして、このような内容をまとめいただき、私のほうも賛同しますし、まとめていただきましてありがとうございます。特に資料2に関して、私のほうからコメントさせていただきたく存じます。
 まず1ページ目において、学校現場に対応を委ねるのではなく、国が責任を持って条件整備を進めると明記されておりまして、さらに現場の状況や進捗を踏まえて、本プランを継続的に改訂するとされたことは非常に重要なことだと思っております。昨今、生成AIの変化が非常に激しく、この先も先がなかなか見通せない状況というのは継続するとともに、AIがインフラとしての重要性をますます高めてくるのではないかというふうに思いますので、国が継続的に条件整備を責任を持って進めるというところの大前提は非常に重要な点だと私も思います。
 それから、実際の教職員の皆様ができるだけ負担なく、新しい内容を継続的に学べるような環境をいかに整備するか、また子供たちに提供できる環境として実践的で更新しやすいハンズオン環境が重要だということは、これまでも何度かお伝えさせていただいた内容ではあるんですけれども、この点に関して5ページのところでは、教員が授業でそのまま活用できるような授業動画を含む学習用教材を開発し、実践検証を踏まえて年1回程度アップデートするということ。この年1回程度っていうのは非常に大変かとは思いますけれども、実際の世の中のスピード感には合っているかなというふうに思いますので、この教材の公表時期を事前に伝えた上で、先生方が視聴する時間を確保するということまで具体的に示されていて非常に良いなというふうに感じました。現場での実行可能性までを考慮された非常に良い内容だと私も賛同いたします。
 また、4ページ目のオンデマンド教材や研修情報を一元的に閲覧できるサイトの検討、それから6ページ目のAIガイドラインの改訂、それからAI活用が深い学びにつながる事例だけではなく、つながりにくい事例も示す。この事例っていうのが、AI領域において非常に分かりやすさという観点でも、自分事として理解するという観点でも非常に重要だと思いますので、意義のあるご活動だと思っております。以前お伝えさせていただいた趣旨もご丁寧に盛り込んでいただき、改めて感謝申し上げます。私自身もAIの観点から今後も可能な限り協力させていただければと思います。以上でございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは望月委員、お願いいたします。
【望月委員】 資料1についてです。取りまとめについて丁寧にまとめていただきありがとうございます。全体的に賛成です。
 特に22ページの右、(3)各教科等との関係の2つ目です。「各教科等で個別に扱われてきた内容を体系的・系統的に育成することが適当」ということが明記されていて良いと思いました。本市の研究開発学校でも、各教科で個別に扱われている内容を抜き出して整理するところから始めました。これらを繰り返し学び、できるようになることが重要だと思います。そして、各教科の学びで繰り返し活用していくことも重要だと考えています。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは白井委員、お願いいたします。
【白井委員】 資料2の1ページ目をお願いいたします。まず、情報・技術ワーキンググループでのこれまでの膨大な議論を取りまとめいただきありがとうございました。AIをはじめとする情報技術が飛躍的に発展し、変化の大きいこの時代において欠かすことのできない情報活用能力について、小・中・高等学校を通じて育成すべき資質・能力を一体的に整理するとともに、体系性、系統性を確保するための教育課程のあり方を検討できたことは大変意義があったと考えます。
 その上で、ここで取りまとめていただいた方針を実現するために、資料でお示しいただいている研修制度やICT環境の整備、効果的・効率的な指導体制の確立に向けた教材の充実や実践事例・ガイドラインの整備、そして中学校技術分野・高等学校情報科を担当する教員の免許状保有状況の改善、この3点を着実に進めていただきたいと思います。推進にあたっては変化の大きい分野でもありますので、ガイドラインや教員免許制度といった部分については、時期を逃さず見直していくことも重要だと考えます。この3点がうまく循環することで、先生方が安心して新しい方針のもと、児童生徒への指導に集中できるようになると考えますので、ぜひ実現に向けたお取組をお願いいたします。私自身も、自らの立場で協力できることをしてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。それではこの後、蓮池委員、井手委員、鈴木委員の順番でお願いいたします。蓮池委員、どうぞ。
【蓮池委員】 まずは資料の取りまとめ、ありがとうございます。情報活用能力の抜本的向上ということで、ワーキングで話してきた内容がうまくまとめられていて、内容に関して賛同いたします。
 資料1のほうでも最初にストーリーとして分かりやすく、この情報活用能力の抜本的向上がなぜ必要なのかというところをまとめていただいたことで、分かりやすくなったかと思います。実際に生徒が必要な能力、学んでほしい能力、持ってほしい能力というものもまとめられていて、こういったことができていくと、実際、将来は明るくなっていくんじゃないかなというふうに思います。
 生徒にそういった能力を身につけてもらうためにも、資料1で言いますと10ページ以降、あと資料2になりますけれども、やはり条件整備のほうが非常に重要になってくるかと思います。教員の方から実際に生徒にちゃんと伝わるということが必要になってきますので、そういった指導体制改善プランというのを今回改訂していただいて非常に良くなっているかと思いますので、ぜひ継続して実施していただければと思います。
 実際に私の専門であるデータサイエンスにおきましても、おそらく今後はAI等の発展もありますが、データそのものが本当にそういったデータがあるのかということであったり、データそのものの価値というものが、今後重要になってくるかと思います。
 今回の指導体制プランの中で、子供たちに学んでもらうためにデータの整備等々が必要になってくる可能性はありますので、そういったところが必要であれば、私のほうも協力させていただきます。ぜひ情報教育に関わる皆さん、周りの皆さんが、それぞれ情報活用能力や情報に対して思いを持っておられると思いますが、目指すべき方向性に向けてまとまって進んでいくことで、より良くなっていくのかなというふうに思います。以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。井手委員、お願いいたします。
【井手委員】 この度、小学校から高等学校までを通じた情報活用能力の抜本的向上を目指し、情報教育を体系的・系統的に整理できたことは、今回の学習指導要領改訂の最も大きな成果の1つだと思っております。取りまとめていただきました事務局の皆さまに深く感謝申し上げます。
 その上で3点申し上げます。1点目です。資料1の102ページをお願いいたします。本ワーキンググループで取りまとめた教育が全国で着実に実施されれば、児童生徒の情報活用能力は飛躍的に向上すると確信しています。その一方で、実現のためには、全国で一定水準の教育が行われることが必要不可欠です。そのため、指導体制改善プランは極めて重要であり、全国的・継続的な研修の実施をお願いしたいと思います。
 また、105ページには環境整備について記載がされておりますが、高等学校ではAIの仕組みや高度な活用を学ぶため、高性能なPCを活用できる環境が必要です。さらに、中学校では学校によって工具や工作機械などの整備状況に大きな差があるという現場の声も聞いております。こうした教育環境の格差の解消も進めていただきたいと思っております。
 2点目です。108ページの免許状所有状況の改善につきまして、現在、高等学校情報科の免許状所有状況は徐々に改善されてきておりますが、中学校技術科についてはより大きな課題を抱えていると考えております。免許状認定講習の継続的な実施や免許取得が可能な大学の拡充、さらには教職課程の充実などについて、短期的な視点と中長期的な視点の両面から引き続き検討していただきたいと思います。
 一方で、中学校技術科は高等学校情報科と異なり、工具を用いた加工や電気回路の製作などの実習があるため、安全面への配慮が不可欠です。そのため、単に免許状取得者を増やすだけではなく、安全指導までを含めた十分な専門性を身につけられる養成研修となるようお願いしたいと思います。
 最後に3点目です。高等学校では中学校との接続がより明確になるとともに、大学のM-DASHで扱われる数理・データサイエンス・AI教育との接続も強化され、探究のプロセスを重視した学びが一層求められています。こうした中で、情報Ⅱは57ページにありますように、生徒や地域の実情に応じた特色ある教育課程を編成し、実社会の課題を探究的に解決する学びを実現する上で大変重要な科目です。
 そのため、先ほど福田委員が発言されておりましたように、学校や生徒の実態に応じて情報Ⅱの単位数を柔軟に管理運用できることについて、情報科の教員だけでなく、教育課程を編成する教務主任や校長、教育委員会を含め、多くの関係者が共通に理解できるよう、学習指導要領や解説に分かりやすく示していただくことが重要だと考えています。
 また、その趣旨が学校現場に十分浸透し、各学校が特色ある教育課程を安心して編成できるよう、周知・啓発に加え、十分な条件整備にも引き続き取り組んでいただくことを期待しております。以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 事務局の皆さま、本当に膨大な論点をここまで整理していただいてありがとうございました。取りまとめ案には賛同いたします。
 特に資料1の20ページの教科名についての部分で、なぜ情報と技術の間に中黒点を置くのか、その趣旨を明記いただいたことに感謝申し上げます。
 その上で、放送メディアに携わる者として、教科名に関して申し上げたいと思います。私は長く放送メディアに携わる中で、書き言葉が話し言葉になると意味が伝わらなくなるということがよくありました。例えば、私立という言葉がありますが、私立と市立、これ書き言葉で成立していても、音で聞くと区別がつかないということがあります。
 今回の教科名でも、声に出すと「情報技術科」であり、中黒点は意識して言わない限りは消えてしまいます。そして、情報技術という音から多くの人が思い浮かべるのはITやICTです。つまり、話し言葉になった時点で、この教科の意図とは異なる姿で伝わってしまう、誤解される恐れがあります。
 新教科にとって教科名というのは、その内容を教育・学校現場、保護者や子供たちに誤解なく届けるための大切な入り口だと思っていますので、正しく伝わるように2点ご提案したいと思います。
 1点目は、その名称の趣旨は今、20ページの米注記に書かれていますが、これを本文に上げていただきたいということです。20ページ本文のなお書きの部分は、名称がその趣旨を適切に表していると述べるにとどまっていて、せっかくの教科の核心であり、定義そのものと言える部分がページ下の注記にしかないという状況で、もちろん資料を全部読めば分かるのですけれど、注記に置かれたものはなかなか読まれないと思います。
 本文に説明文として上げるのであれば、例えば「情報・技術科は、情報技術だけを学ぶ教科ではありません。生産技術を含む多様な技術を一体的に学ぶ教科です。だからこそ、情報と技術を中黒でつないでいます」といった、耳で聞いても分かる書き方にしていただきたいと考えています。
 あと、もう1点ですが、こうした説明を今後、文科省からの広報や解説資料においても、そうしていただきたいということです。そうすれば、我々メディアを通して、教育・学校現場もご家庭も子供たちも、この教科の目指すところを正しく共有できるんじゃないかと思います。最後に、メディアに携わる立場から、こうした解説や広報資料の作成でお手伝いできることがあれば、喜んで協力させていただきます。以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。ではこの後、泰山委員、三浦委員、安藤委員の順番でお願いします。泰山委員、お願いします。
【泰山委員】 まず、今日に至るまでの膨大な議論をこのように丁寧に整理をいただき、ありがとうございます。方向性について賛同いたします。私のほうは、これまで小学校を中心に、総合や教科における質の高い探究につながるための情報活用能力の育成というような観点で議論に参加をさせていただきました。
資料1の19ページ、お願いいたします。前提となりますが、小学校では情報の領域、総合的な学習の時間に位置づけられて指導されるということになっておりますので、その指導によって情報活用能力が育成され、そしてその育成された情報活用能力によって、総合的な学習の時間や教科における探究の質が高まっていくことが期待されると思います。その視点で見ると、今回まとめていただいた体系及び整理の仕方は、情報端末の特性の理解に基づきながら、それを適切に取り扱い、活用しながら探究を深めていくという意味で、非常に過不足のない内容になっているように感じています。
 合わせて100ページ目、お願いいたします。これまでの委員の皆さまもご指摘をいただいていたとおり、条件整備は非常に重要だというふうに思っています。いろんな小中高それぞれの校種で、これまでになかったようなことが始まっていくわけですから、それが全国の学校で円滑に進められるというために、指導体制の改善プランにすでに着手し始めていただいているということが実現可能性を高め、質の高い探究につながり、最終的に子供たちの資質・能力の育成につながっていくという観点から、非常に重要だというふうに思っています。
 このような指導が円滑に進められ、質の高い探究につながるように期待しておりますし、私個人としてもそれに尽力していきたいというふうに思っております。以上になります。
【堀田主査】 ありがとうございました。では三浦委員、お願いいたします。
【三浦委員】 事務局の皆さん、ワーキング取りまとめ案の作成と丁寧な説明、ありがとうございました。取りまとめ案に全面的に賛同いたします。
 今回の学習指導要領改訂は、昭和33年の改訂で誕生した中学校技術・家庭科にとっては、教科の新たな歴史を作る検討となったと感じております。社会の変化を見据えて、小学生・中学生・高校生の情報活用能力の向上は不可欠となっています。
 資料14ページ以降にあるように、小中高の学校間を貫く体系整理ができ、具体の学習イメージとともに、それぞれの学校段階終了時の資質・能力が明確化されたことは意義深いことであると確信をしています。その内容は、今の児童生徒が活躍する2040年の社会を見通し、さらに社会の変化にも柔軟に対応できる点なども画期的な検討ができたと評価いたします。
 また、次期学習指導要領の全面実施を迎えるまでには、教員の資質向上や環境整備等の課題があるかと思いますが、明確なゴールが示されたことで、全日本中学校技術・家庭科研究会としても、文部科学省や都道府県市教育研究会と連携して取組に協力をしていきたいと考えております。
 特に資料1の105ページや資料2の4ページにあるように、中学校技術・家庭科教員同士による指導力向上の研鑽機会の場、いわゆる横のつながりについては、全日本中学校技術・家庭科研究会の全国組織を活用して全面的に協力をしていきたいと考えております。発言は以上になります。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。それではこの後、安藤委員から、江間委員、大谷委員でまいります。安藤委員、お願いします。
【安藤委員】 特定のページではないんですけれども、最終回ということで、全般にわたるお話を最後コメントさせていただければと思います。これまでの議論を振り返りますと、本当に様々なお立場の委員の皆さまが、それぞれの建設的なご意見を出し合いながら、議論を積み重ねてきたと感じています。事務局の皆さん、委員の皆さん、本当に改めて感謝申し上げます。
 私自身は、情報や情報技術そのものに加えて、現実社会というアトムのフィジカルな世界と、仮想世界というこのビットのサイバーな世界、この2つの世界を小中高でどうつないで、どう扱っていくのかという視点から発言させていただくことが多かったかと思います。今回、技術・家庭科が分離すること、そして小学校に情報の領域ができること、これは日本の教育史から見ても大きな転換点だと思うんですけれども、そうした中でとても良い議論ができたんではないかと思っております。
 また、今回の改訂は、生成AIがまだ無かった時代から、生成AIが当たり前のように使える時代へ移り変わる、そのちょうど節目にあたる改訂でもあります。情報技術に特化した情報活用能力という観点でも、かなり重要なタイミングでの議論になったんではないかと思いますし、学校教育において「AIの発達によってプログラミングに関する学習が不要になる」と捉えることは適当でないという結論が、これからの日本の生活や社会にも少なからず良い影響を与えていくんではないかと感じています。
 そうした中で、なかなか落としどころを見つけるのが難しい場面もあったかと思いますけれども、事務局の皆さまに本当に丁寧に誠実に議論を取りまとめていただきました。今回の取りまとめをもって、堀田主査には答申に向けて仕上げへと進めていただければと思います。以上です。ありがとうございました。
【堀田主査】 激励ありがとうございました。では江間委員、お願いいたします。
【江間委員】 私も特にどのスライドということはなく、まずは事務局の皆さま、本当に取りまとめをありがとうございますということと、私自身も現場の方々のご意見としていろいろと勉強させていただきました。
 動きが本当に非常に早い中で、おそらくこの10年、15年の間で、またエージェンティックAIなど、AIがほとんどいろんなことができるようになってくる中で、なぜ勉強するのかとか、いろいろと生徒さんにも難しい問いを先生方が問いかけられるだろうこともある中において、やはり技術の話だけではなく、主体性の話とか権利の話とか倫理の話というのも非常に大事になってくるのかなと思っております。
 その中で現場の先生方の熱量といいますか、AIは熱を持たないところではございますので、現場の先生方がこのAI時代にこそやるべきことは何なのかということを、ご自身たちが把握した上でお話ができるというところで、現場の先生方のサポートをしていただくという今回の方針は非常にありがたいのではないかと思っております。ぜひ現場の方々にも、我々アカデミアの人間も適切に情報提供していったり、サポートできるような体制も整えていければいいかなとお話を聞いていて思ったところです。
 こちらとしても微力ながら、eラーニング教材や教師用教材も最先端のところを分かりやすく伝えていくことをやっていこうとは思っておりますので、ぜひ今後とも、AIの技術の面と同時に、動きゆく社会の中でどのような社会に私たち生きていきたいのかとか、AIとどのような関係性を結びたいのかということを、情報・技術という教科の中で、様々な先生方と一緒に議論をしていくような場に、この教科がなれば非常にいいことではないかとも思っています。本日はどうもありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。大谷委員、お願いします。
【大谷委員】 私のほうからも、12回にわたって皆さまといろいろ議論させていただいたこと、本当にお礼申し上げます。ありがとうございました。
 本日は情報・技術ワーキングのこれまでの審議経過をまとめていただいたということで、本当にありがとうございます。前回いただいた資料を踏まえて、資料1にございます、特に4ページの目次のところですね。この目次の内容にありますように、情報活用能力の抜本的向上に関する、まず基本的な認識から始まって、検討のための前提条件、それを踏まえた上での新教科・領域の創設を明確に示していただいています。さらに、その新教科・領域の創設に基づいて、これらの目標、見方・考え方の在り方や内容の改善の在り方についてまとめていただいています。
 今回こういう形でまとめていただいたことによって、この国の今後の再生のために、国民の情報活用能力を抜本的に向上する新たな枠組み、方策について、ワーキンググループとしての一定の指針が示されたものと私も認識しています。
 特に私に関係するところであれば、新設する資料1の53ページから記載されている情報・技術科の記載に関しては、小中高を貫く情報活用のサイクルとして、情報収集、整理・分析、活用のサイクルを技術的な問題解決の基盤的なエンジンに今回位置づけていると認識しています。このような情報技術の内容自身を、今回の中で強化することはもちろんのことだと思っていますが、それに加えて、デジタルと生産技術を融合して、日本の広い分野にわたって情報技術を活用して、その思いや願いを実現できる力を育成する新たな教科の枠組みが示されたと認識しています。
 このような意味で、「情報・技術科」と示されたものと理解していますので、先ほど鈴木委員からのご指摘もございましたように、そのような意味が正確に伝わることは大事かと思いました。
 最後に、資料2に関する条件整備についてですが、今回のまとめた内容に基づいて、現場で情報活用能力を育成するための授業実践の環境整備を進めていくかと思います。今現在の私が知っている状況では、例えば学校アカウントでのセキュリティの制限やアクセス制限などによって、十分に教材が提供できない状況が容易に予想されます。今後、せっかくいい教材が開発されても、うまく実際の現場で展開できないのではかなり残念ですので、そのあたりについての検討も含めて、実効性の高い学校での施策を進めていただけると良いかと思います。私のほうからは以上です。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。では村松委員、お願いいたします。
【村松委員】 事務局の皆さま、そして堀田主査をはじめ、委員の皆さま、ここまでの取りまとめ、本当にありがとうございました。全面的に賛成するところでございます。
 資料1の20ページです。先ほど鈴木委員、大谷委員からもご意見がありましたが、「情報・技術科」というのが情報技術のみを扱う教科でないということを明示すること、及びその呼称の工夫というのは、情報・技術科のこの改訂の趣旨をより正しく伝えられるという点でも必要なことかと思いました。
 資料2の1ページをお願いいたします。多くの委員の皆さまが発言されましたように、このプランにおいて、情報活用能力の抜本的向上を、学校や担当教員個人の努力に委ねるのではなく、国が責任を持って、研修教材、ICT環境、指導体制、免許制度を一体的に整備していく方針が明確に示され、ロードマップを示していただいたことは、各教育委員会や学校が準備を進める上で大きな意味があると考え、この方向に強く賛同します。新教科実現には、こうした理念や内容だけではなく、このような条件整備が不可欠であり、実現可能性の確保について具体的な施策に反映されたものと受け止めております。
 一方、今後はこうした施策を自治体の具体的な行動につなげる仕組みを、さらに明確にしていく必要があると考えます。私もアドバイザーとして参画しております学校DX事業の技術科版では、既に多くの自治体が、教員ネットワークの構築や、免許外・専門外担当者への研修、大学・企業との連携、技術室等のWi-Fi整備や3Dプリンター等のデジタル加工機の整備、次年度予算の検討などに向けて動き始めております。
 その中でも、令和10年度までの免許外教科担任等をゼロにする目標については、免許取得だけではなく、その後の継続的な研修や教員同士のつながりまで含め、また小中高の教員の連携も含めまして、ご支援する必要があると考えます。
 この方向をさらに強め、自治体を教材の研修の受け手にとどめず、地域の実態に応じて指導体制を設計する主体として位置づけ、国、自治体、学校、さらに企業、大学、学会等、外部機関との間で成果と課題を循環させていくことで、情報・技術科での生徒の学びが、全国どの学校でも確実に実現される指導体制改善になることを期待いたします。そして、その実現に可能な限り協力させていただきたいと思います。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。この後、春日井委員、岡本委員、鎌田委員、順番でまいります。春日井委員、お願いします。
【春日井委員】 改めて、資料の準備やワーキンググループの意見について調整していただいた事務局、堀田主査、活発な意見を交換させていただいたワーキンググループの委員の皆さまに感謝申し上げます。
 諮問で示された第三「これからの時代に育成すべき資質・能力を踏まえた、各教科等やその目標、内容の在り方」の1つ目の丸で示されている部分を中心に、本ワーキンググループで多面的な内容について十分な議論がなされ、しっかりした取りまとめになったと思います。本取りまとめ案について賛成いたします。
 今後の扱いについて意見を申し上げます。資料1の21ページをお願いいたします。左側の2ポツ目ですね、情報Ⅱの単位数を柔軟に配当できることが適当であり、一定の幅の範囲内で単位数を配当できるようにすること、3ポツ目で示されている情報Ⅱの単位数を柔軟に配当できることとした趣旨が、学校現場において正しく理解され、その趣旨を踏まえた教育課程が編成される必要があることが重要であると考えております。
 57ページをお願いします。1ポツ目から3ポツ目に書かれているこのような内容について、現在、DXハイスクール構想の実装が進んでおりますが、そことも関連するのではないかと考えています。共通教科として、アドバンスト・エッセンシャルワーカー、またはイノベーターの育成を担う点で、情報Ⅱは、N-E.X.T.ハイスクールの採択校でない学校が設置しやすいという意味でも重要な共通教科の科目になります。現在、DXハイスクールにより情報Ⅱの設置率が向上していますが、右側のポツに書かれているとおり、新しい情報Ⅱにおいても設置率の向上が引き続き課題になると思います。その中で、単位数を増やすような学校が増えていくというのは、とても貴重な存在になっていくのではないかと思っております。
 以前、私が勤務した学校での教育課程の編成において、現行の情報Ⅱを選択科目として設置することについて、多くの資料を用意して説明し理解していただいた上で設置に至りましたが、大変苦労いたしました。その経験から、福田委員が提出された参考資料1、それと併せて福田委員が発言しておりました意見に強く賛同いたします。重なりますが、教務主任、校長、教育委員会の理解は不可欠であると考えております。情報Ⅱに幅を持たせられることが、教育委員会、校長、教務主任、他教科の教員を含む共通の認識になるように、学習指導要領上で位置づけていただきたいと要望いたします。
 102ページをお願いいたします。お示ししていただいた内容だけでなく、さらなる充実を図るという、追加ということが書かれていることが、とてもありがたいと思っております。その一方で、黄色く囲まれた部分、1の全ての担当教員の指導力向上に資する研修等の充実に、小中の研修について含まれていますが、高校の教員を対象とした研修がここには書かれておりません。
 105ページ、お願いいたします。ここの一番下に小さく書かれていますが、内容が高度化する高校でも研修は不可欠になります。今日時点で確実な内容として公開できる資料になっていると認識しております。このような体制づくりや環境整備において、義務教育でないため高校が対象にならないということが多くありますが、このような体制づくり、環境づくりというところで、高校も含めて、可能な限り含めて検討していただきますようお願いいたします。
 戻りまして、79ページをお願いいたします。これまで中学校の情報・技術科の情報デザイン及びデータの活用に対して、繰り返し意見を申し上げました。小中高が連続して情報活用能力を向上できるようにするために必要だと思いますので、改めて着実な実施につながるようにお願いしたいと思います。
 様々な意見を申し上げましたが、協力できること、私も協力させていただきたいと考えております。我々の議論は今回で最終回となります。引き続き、答申に向けての集約や学習指導要領告示・実施に向けての準備があると思いますが、堀田主査、事務局にお預けいたします。引き続きよろしくお願いいたします。以上になります。ありがとうございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 ありがとうございます。琉球大学の岡本です。私からは、資料1の文章だと多分53なんですけど、おそらくイメージとしては77のスライドが分かりやすいかなと思っています。このスライドに関わらず、今回の取りまとめ、1年間にわたって議論してきたことが非常に丁寧に分かりやすくまとめられているかと思います。事務局の皆様、またワーキングのメンバーの皆様、本当にありがとうございました。
 この今示していただいている77ページにもあるんですけれども、中学校の情報・技術科ということで今回新たに変わったんですけれども、技術という教科そのものがもう改訂ごとに、他の教科に比べるとかなりアップデートしてきた教科になってるんじゃないかなと思っていたんですが、今回の改訂でまたさらにかなりのバージョンアップになっていて、この77ページに示されているように、情報技術の領域というのが、この3つですね、情報の表現とデジタル化、プログラミングと自動化、情報基盤とシステム化、この3つを一体的に学ぶ構成になっていると。これが重要になるんだなということを改めて感じています。
 これらの情報技術というのが、生産技術の基盤となっていると。これが課題、身の回りも含めて社会の課題解決をするための技術ということで、これを具体化して指導するという構成になっていることも、今回の改訂の意義というのをよく表しているなと考えています。さらに、小中高の情報教育の接続という観点からも、さっきの3つを切り離さずに学ぶという構成というのは重要になるというふうに考えています。私からは以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは、今挙手いただいている鎌田委員、亀田委員、今度委員の後、萩谷主査代理にお発言いただきたいと思います。鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】 改めまして、まずこれまでの議論をまとめ、膨大な資料を取りまとめていただいた堀田主査をはじめ、事務局の皆様に感謝申し上げます。
 それでは、まず3点お話しさせてください。21ページをお願いします。これまで福田委員、井手委員、春日井委員からもありましたが、21ページの左下のところですね、情報活用能力の育成に関わる高等学校の科目において、各学校で柔軟かつ確実に教育課程を編成できるようにこちらに記載していただいたこと、感謝申し上げます。特に左下のところですね、情報Ⅰを共通必履修としつつ、情報Ⅱの単位数を柔軟に配当できることとすることを明記していただいたところ、事務局に感謝いたします。
 括弧のところの、情報Ⅱの単位数を柔軟に配当できることとした趣旨が、学校現場において正しく理解され、その趣旨を踏まえた教育課程が編成される必要があるという記述は、現場の実情を的確に捉えたものだと考えております。この趣旨が学校現場で正しく理解されるためには、学習指導要領及び解説、告示と教育課程全体を通じた分かりやすい示し方が必要不可欠だと考えています。教育委員会、学校現場への周知、啓発も必要だと考えております。この点におかれましては、国に引き続きご尽力していただきたいと思います。小中で系統を立てて育成した高校での情報活用能力の抜本的向上につなげるためにも、ぜひお願いしたいところです。
 続いて77ページをお願いします。中学校の内容と高校の内容の連携についてお話しさせてください。こちらのほうには、現行の高校の情報Ⅰから中学校に降りてくる内容について記載があります。高校から中学校に降りる内容はプログラミングだけではなく、こちらに記載があるように情報デザインやデータの活用、情報通信ネットワークといった内容も中学校に降りていく内容です。こちらの1と3を見たときに、情報の表現とデジタル化と情報基盤とシステム化が位置づけられていますが、ぜひ教科書、教材開発、研修設計等の段階で、情報デザインやデータ活用、情報通信ネットワークがプログラミングと同じようにしっかり扱われるように配慮していただきたいと考えております。中学校の段階でここが着実に指導されれば中高の連携がしっかりとしていくと思いますし、現場にいる教員が小中高お互いの実践を共有しつつ連携していくことが抜本的向上につながると思いますので、現場の我々もお互いの実践を共有しつつ理解していくことが重要だと考えております。
 最後に105ページをお願いします。こちらのほうに記載している条件整備への継続的なご尽力について改めて感謝申し上げます。皆さんも申し上げていますが、指導体制改善プランを掲げて、PC教室の環境整備や教員研修のコンテンツ拡充、教員免許状の認定講習等を継続的に尽力していただけるというところを感謝いたします。抜本的向上の実現には、これらの条件整備は必要不可欠だと考えております。引き続きこうした取組に大きな期待を現場として持っていると同時に、過去にも発言させていただいていますが、生成AI等を生徒と教員が使おうとしたときに、ネットワーク回線やPC等のスペックでやりたい実践ができなくなるといった事態にならないように、ぜひ条件整備を進めていただきたいと思います。
 最後になりますが、本ワーキングでは小学校では情報の領域、中学校では情報・技術科、高校では情報ⅠとⅡを通じて小中高いずれでも抜本的向上を目指すための議論を積み重ねてきましたが、これが2040年の社会を見据えた我が国の情報教育に極めて重要であると考えていますので、引き続きよろしくお願いします。以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは亀田委員、お願いします。
【亀田委員】 まずはこれまでの審議を経て、現場に寄り添った最終取りまとめ案を分かりやすくご提示いただきました事務局の皆さま方に心より感謝を申し上げます。新教科領域の創設は、これからの時代を生きる子供たちの学びをより豊かにしていく上で必要不可欠のものであるというメッセージや、中学校の情報・技術科の名称としたことの趣旨が、現場や社会全体へ正しく伝わりますよう、今後とも丁寧なご発信を賜れますと幸いです。
 資料2の1ページ目や資料1の55ページ目にありますように、条件整備に関しまして、全国どこの学校でも安心して指導できる体制の実現を目指すとお示しいただき、教員の専門性やICT環境、そして教材開発にとどまらないパッケージでのご提供など、できる限りの支援策を講じてくださる方針には、大変ありがたいことと思っております。各委員からも、この実現に向けて協力を惜しまないというご発言が多数あり、学校現場を預かる者としては大変心強い限りです。
 この手厚いご支援をしっかりと受け止め、すべての地域、すべての学校の子供たちが確かな情報活用能力を身につけられるよう、現場をお預かりする当事者として、先生方や子供たちとともに一歩一歩着実に進め、尽力してまいりたいと思います。これまでどうもありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは最後に今度委員、お願いいたします。
【今度委員】 情報活用能力向上のための実現可能性について、ここまで丁寧なご準備を本当にありがとうございます。資料2の情報活用能力の抜本的向上を支える指導体制改善プランについても、現場の指導体制を支える力強い施策であると考えます。
 資料2の5ページ目にもありますように、全国どの学校においても確実に実施できる、教員が授業でそのまま活用可能な学習者用教材を活用ということで、またアップデートを図りながら使いやすく資質・能力の育成につながるものを目指すということで、本当に素晴らしいと考えますし、私も学校現場でこの周知にはしっかりと当たってご協力できることがあればと考えております。
 現在、連日教職員研修を行っていますが、現場の先生方が新教科領域の導入において不安をお感じになっておられるのは、生徒の多様なアウトプットをどのように見取り、どう評価するかという点です。次期学習指導要領では、プログラミングやAIの活用、情報デザインといった成果が1つではない探究的、実践的な学びが大幅に拡充されます。ですので、評価指標についても、ぜひ今後しっかりご議論いただけるものと考えております。資料にあります目指す姿を実現するために、評価の平準化もご支援いただけますようお願いいたします。改めまして、ここまでのご準備、ご議論、本当にありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは萩谷主査代理お願いします。
【萩谷主査代理】 資料1の7ページをお願いします。情報Ⅰにおいては、小中高の積み上げによる確かな情報活用能力に裏打ちされたデータ分析の学習が行われますので、すべての生徒が現在のMDASHのリテラシーレベルの資質・能力を身につけることが期待されます。そうしますと、今後ますます、特にAIに関しては、高等教育も含めて学校教育全体のさらなる充実が求められていくと思います。
 18ページをお願いします。情報技術の活用においても、特に生成AIの活用においては言語能力が重要となってきている中で、こちら、「言語能力の基礎の上に」という表現、これまでの資料にもあったかもしれませんけれども、この表現は極めて適切であり、歓迎しております。
 それから、資料2をお願いします。情報処理学会の会長としての発言で恐縮ですけれども、情報処理学会では7月24日に「中学情報・技術科(仮称)の支援」と題しまして、情報学を専門とする我が国最大の学会として、現職教員に対する研修等も含めて、体系的な情報教育の充実に向けて全面的に協力する旨を表明しております。
 最後になりますけれども、今回の取りまとめに至るまでの事務局と調査官のご尽力、各委員からの貴重なご意見、それらに対する事務局による絶え間のないご対応に対しまして、深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。では、森山主査代理お願いします。
【森山主査代理】 本日は取りまとめ案、そして指導体制改善プランについてご提案、ご議論をいただきましてありがとうございます。それでは資料1のスライドの3ページをお願いいたします。もう数多くの委員の皆さまが言及されたとおり、今回の取りまとめ案は、構成、内容ともにとても分かりやすく整理をしていただきまして、感謝を申し上げます。2040年の社会からバックキャストして、情報活用能力の抜本的な向上を図るということの重要性を、何より広く社会の皆さまにご理解いただけるようになったのではないかなというふうに思います。
 次にスライドの58ページをお願いいたします。昨今、某新聞報道をきっかけに、国語や算数を減らして情報をやるのかといった、誤った認識でのSNSでの議論がございました。しかし、事務局からのご説明がありましたとおり、今回の議論はあくまで特定の教科を名指しするものではなく、情報活用能力が学習の基盤としてすべての教科・領域に貢献・寄与するということと、そうした観点から教育課程全体のバランスを取って、総合的に時間数について検討するということだというふうに理解をしております。この点につきまして、本ワーキングにおきましても改めて認識を共有しておきたいというふうに思います。
 続きまして、資料2のスライドの9ページをお願いいたします。次なる課題として、実装に向けた条件整備のため、多くの委員の皆さまが言及されたとおり、このロードマップに基づく着実な取組が極めて重要となります。そうした観点で少しご紹介をさせていただきますと、この下から2つ目にございます「認定講習の大規模実施」というのは、「技術科教員ライセンスセミナー」と呼んでおりますが、日本産業技術教育学会と兵庫教育大学が連携して受託し、各都道府県、政令指定都市の教育委員会の全面的なご協力のもとで取組を進めております。現在、免許外で、あるいは臨時免許で技術科を指導している、あるいは指導する予定のある現職の教員を対象に、技術科の教員免許を取得していただくというもので、北海道から九州、沖縄まで、全国9つの支部で講習を実施いたします。先ほどご紹介がありましたとおり、全国から656名の申し込みがあり、まさにこの8月から講習を開始するところでございます。こうした取組を含め、担当教員の養成・研修、これを大学、そして学会としても、文部科学省や教育委員会との連携のもと、しっかりと進めたいというふうに思っております。スライドの2ページをお願いいたします。このスライドの2ページで示していただきました、このTo-Be、これを必ず実現してまいりたいというふうに思っております。
 最後に主査代理として皆さまにお礼を申し上げたいと思います。計12回にわたりまして、本ワーキングにおいては、情報活用能力という観点から、未来の子供たちにどんな資質・能力が必要なのかということを、本当に皆さまには真摯にご議論をいただけたというふうに思っております。堀田主査のリーダーシップのもと、大変よい議論ができたというふうに思っております。本当にこれまでありがとうございました。私からは以上でございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。皆さまからたくさんご意見をいただきましたが、いずれも確認的なご意見と、さらに良くするために協力したいという、そういうご意見が多かったかと思います。
 私、主査として一言申し上げたいと思うんですけども、私どものワーキングは、そもそも諮問に書かれていた情報活用能力の抜本的向上というかなり大きなお題を、それを受けて教育課程企画特別部会でしっかりとご議論いただいた上で、この情報の領域と情報・技術科、そして高等学校の既存の情報科の拡充ですね、内容も含めてですけど、そういうことについて任されて議論してきたわけでございます。結果として、小中高一貫するような体系的な教育内容を、教育課程的にどういうふうにするかということについて、取りまとめることができたと思います。
 今後について、やはり何より重要なのは、私ども時数をいただいて、これを実現していくということになりますので、着実な実施、成功が求められる立場でございまして、そういう意味でこの条件整備が何より重要でございまして、これについてわざわざ今日は資料2として、たくさんの条件整備の策を文部科学省のほうでご準備いただき、ご努力いただいていると。まだ予算獲得ができてないものもありますけども、これからもそれを努力いただくということをご宣言いただいたところでございますし、また、このことは指導体制の充実とも大きく関係してございまして、となると地方公務員である教員の採用等は、地方自治体の行政当局の皆さまのご協力なしにはこれは進まないということになります。
 そういう意味では、国が今回示すこのやり方につきまして、都道府県や各市区町村が理解できるような形に具現化して、アピールしていくということは、私どもに残された大事な使命かと思いますし、新領域、新教科等については、おそらく学習指導要領の全面実施の前に、前倒しの中で、経過措置の中で一刻も早く少しでもやれるところから準備したいという、そういう熱心な学校や先生方がいらっしゃると思います。そういう方々に対して、条件整備を早めに、できるところからになりますけども、早めに整備を進めていくということをしたいと思います。
 また、指導体制の1つとして、今日もご意見ありましたけれども、情報Ⅱの方向ですが、単位数を柔軟に配当するということについてのご意見がありました。これは、まだ情報Ⅱというのは設置率が十分に高い科目ではありませんけれども、私どものこの小中高の体系的な、抜本的な向上という意味での情報活用能力の最後の科目のところになります。この上は、あとは社会に出ていかれる方々や、あるいは高大接続で高等教育になりますので、そういう意味ではこの科目が、各高等学校がこの情報社会の中で高校教育を行っていくときに、それぞれの学校の特色をしっかりと出すということを念頭に置いて、どのように拡充できるかは様々かと思いますけれども、そういうようなことを受け止められる科目として考えてきたわけです。
 ワーキングでもそういう議論をしてきたわけですが、これは、全体の調整授業時数等の色んな仕組みの中で、どのように実現可能かについて、その具体について、国のこの考え方の趣旨やこの実現方法を丁寧に、今後もご意見ありましたけれども、今後も周知徹底をしていきたいと思いますし、その啓発に向けて、多くの自治体の方々に、あるいは各学校の校長先生に、教務主任に、もちろん担当の先生方に、あるいは外部人材としてお手伝いをいただこうと思っている皆様に、確実にこの趣旨が届くように、そして関係人口が増えるような形で、私どもとしてはプロモーションしていきたいというふうに思っているところでございます。
 主査として至らぬところはありましたが、皆様のたくさんのご意見を建設的にいただきまして、今日はようやく取りまとめ案、そしてこれに対してとりわけ大きな反対はなかったと考えておりますので、つきましては、このいただいたご意見について、このあと事務局と相談をしながら、多少の修正はあり得るわけですけれども、総則・評価特別部会や、あるいは1つ上の教育課程企画特別部会と調整をしながら進めてまいるというお約束の上で、主査の私にご一任いただくということにしたいんですけれども、よろしいでしょうか。
 ご賛同ありがとうございます。それでは、今日は予定の時間より多少数分早いんですけれども、皆様のご協力でここまでといたしたいと思います。事務局のほうから最後のご連絡をお願いしたいと思います。
【相川情報教育振興室室長補佐】 本日委員の皆様にご議論いただきました取りまとめ案につきましては、主査とご相談の上、今後教育課程企画特別部会においてご報告させていただく予定でございます。今後ワーキンググループ開催の必要が生じた場合には、改めてご連絡させていただきたいと思いますが、委員の皆様におかれましては、昨年の9月から約10か月にわたり熱心にご議論いただきましたことを深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。事務局からは以上でございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは以上をもちまして閉会といたします。もし何かあったら、ということでしたけれども、もう何もないことを願って、一旦、皆様の10か月にわたる熱心なご議論に対して、私からも御礼申し上げたいと思います。ご参画いただきましてありがとうございました。これで今日は閉会いたします。ありがとうございました。
 
 
―― 了 ――
 

お問合せ先

初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付
初等中等教育局教育課程課教育課程総括係
電話番号:03-5253-4111(代表)

Get ADOBE READER

PDF形式のファイルを御覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要な場合があります。
Adobe Acrobat Readerは開発元のWebページにて、無償でダウンロード可能です。

(初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付)