令和8年6月25日(曜日)13時00分~15時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【堀田主査】 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の情報・技術ワーキンググループ第11回を開催いたします。本日も大変ご多忙な中、ご参加いただきまして誠にありがとうございます。
本日の議題ですが、2つございまして、1つ目は小学校総合的な学習の時間(情報の領域(仮称))、中学校情報・技術科(仮称)、高等学校情報科、これらの体系整理についてという、これはずっと継続審議してきたものでございます。2つ目がこのワーキングの取りまとめに向けた検討についてということになります。
概ねの時間配分等はそこにある通りですが、実際は皆さんの意見の様子で時間は変わるかなと思っております。具体的な進め方は、まず議題1につきましては、事務局からご説明をいただき、それから意見交換をすると。議題2についても同様のやり方で進めるという形にいたします。
それでは早速、議事に入りたいと思います。まず初めに議題1ですね、もう繰り返しませんが、体系整理についてということで、事務局よりご説明をお願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】 事務局でございます。今主査からお話ありましたように、議題1で3つの論点を扱いたいと考えております。
まず前回に引き続きまして、論点1といたしまして、情報の領域や情報・技術科の学びがどのように積み上がっていくのか。前回ワーキンググループでの委員の皆様のご指摘を踏まえまして、具体的な学習活動のイメージをブラッシュアップして体系整理を進めるということでございます。また論点2といたしまして、新領域・教科によりまして、各教科等の学びがどのように充実するのかということの深掘り。その上で、今回は新たな論点3つ目といたしまして、これまでの議論を踏まえた授業時数の規模の目安について、その考え方を検討したいと考えております。
まずそれでは論点の1つ目でございます。体系整理についてでございます。ご覧いただいている資料は、前回のワーキングでもお示しをいたしました6月1日に開催されました総則・評価特別部会の資料の再掲になりますので、割愛をさせていただきます。
また3ページ、4ページ、こちらも前回から大きな修正はございません。情報活用能力の抜本的な向上を検討するにあたって、2040年の社会像からバックキャストして新教科・領域の目標や内容を検討するという方向性をお示ししたものになります。その上で引き続き、小学校総合の情報の領域については、情報活用能力の体系的な整理に基づきまして体系を構造化し、また中学校の情報・技術科につきまして、また高校の情報科につきまして、情報活用能力の体系と教科固有の内容を統合して構造化し直すという方向で検討を進める、そういったことでございました。
5ページ目、6ページ目、こちらも前回から大きな修正はございませんけれども、前回ワーキンググループにおけるご意見を踏まえまして、一部表現を修正させていただいております。
7ページから10ページ目でございます。ここからが本日メインの1つとなってまいります。前回ワーキンググループにおきまして、それぞれの学年でどのような学習活動を展開するイメージなのか、精緻に積み上げてまいりましたけれども、こちらにつきましては、特に体系性や系統性の確保という観点から、各委員からも様々ご意見を頂戴いたしまして、黄色マーカーの箇所の通り修正をさせていただいております。
例えば、左上の情報技術の適切な取り扱い、丸3安全・メディア理解のa受け取る情報の特徴といった点につきまして、まずSNSを含む全ての情報は再構成されたり、切り取られたりしているということをしっかりと理解することが重要でございまして、その上で偽・誤情報といったものも無数にあり、中にはその区別のつかないものというものもございます。安易に情報を鵜呑みにせず、立ち止まって考えたり、場合によっては活用したり発信したりしないという、そういった判断をすべき時もあるといったことを、発達段階を踏まえて段階的に学んでいくというような構造になるように修正を図っております。
また、同じく適切な取り扱いの丸3、安全・メディア理解のbのところで、各学年とも長時間利用等の健康との関わりに関する学習活動を配列しております。こちらも発達段階に応じた系統性をより意識しつつ、かつ第3学年から健康や生活への影響を知り、自分ごととしてしっかりと付き合い方を考えられるようにすることを重視して修正をしております。
また特性の理解、右側になりますけれども、その点につきましても丸4デザイン、丸5データの扱いといったところを中心に、発達段階に応じたよりふさわしい学習活動であること、また学年間の系統性を踏まえたものとなること、単に情報技術を使うことが目的になればいいというような学習ではなくて、体験的な活動を支える内容を学ぶことができるということが分かるように修正をしております。
また加えまして、AIに関する学習につきましては、小学校段階においてはまず適切な取り扱い、特性の理解を学んだ上で、活用を通した体験的な学びを深める方向性が示されているということを踏まえまして、発達段階に応じて適切に学習できるよう修正を図っております。
なお、情報技術活用の各ミニ探究ユニット例につきましては、スライドの11から14でより具体的なイメージをお示しをさせていただいております。できるだけ分かりやすくイメージできるものとしておりますけれども、こちらにつきましても今後予算事業等を通じた教材の検討過程でさらなる具体化を図っていきたいと考えております。
次に中学校の情報・技術科についてでございます。15ページから17ページにつきましては、前回と同様の資料でございますけれども、一部前回のワーキングにおけるご意見を踏まえ修正をしております。
18ページ、こちらがメインとなってまいります。情報の領域と同様に、前回ワーキングにおけるご意見、体系性・系統性といった観点から様々ご指摘を頂戴いたしましたので、それらを踏まえて黄色マーカーの通りに修正をさせていただいております。時間の関係もございますので、すべてではございませんけれども、いくつかご紹介をさせていただきます。
まず18ページでございますけれども、第1学年情報の表現とデジタル化でございます。高次の資質・能力を踏まえたものとなっているか検証すべきといったご指摘を踏まえまして、そこに至る学習活動イメージであることをより明確化するように全体的に修正をさせていただいております。
次に情報Ⅰとの系統性を意識しまして、情報Ⅰの内容項目にありますモデル化・シミュレーションに繋がる学習活動などが配列されるようにした方が良いというようなご指摘も頂戴いたしました。その点を踏まえまして、例えば左下になりますけれども、丸3、a.情報・データの特性におきまして、天気予報など身近な予測モデルを元に、データから見つけた傾向や関係を元に条件を変えた時にどのような変化が起こるかを予測するといった修正を行っております。その他の内容のまとまりにつきましても、モデル化・シミュレーションに繋がる学習活動を表出させるようにしております。
また、情報技術の適切な取り扱いに関わる学習活動につきまして、小学校からの系統性を踏まえまして20ページでございますけれども、プログラミングと自動化の丸2、a.情報やプログラムの基本的な考察におきまして、ユーザーの興味を強く引き続けるよう設計されたアプリのアルゴリズムなどが人に与える影響、例えば有用なものだけではなく依存症を引き起こすようなものもあることを知るといったことが考えられますけれども、そうしたことを明らかにするような修正を行っております。
同様に22ページの第3学年情報基盤とシステム化の民主主義社会におけるメディアの役割でございます。右側になりますけれども、民主主義社会においては健全な情報空間を作り出すことが重要であるということを踏まえまして、メディアの特性、情報技術の民主化で誰もがメディアに情報の公開が可能となっていること、AIは信頼できる情報とそうでない情報の両方を学習していることを踏まえ、情報技術とメディアの役割について話し合い、それらが民主主義社会で果たす役割をまとめる、といった学習活動イメージに修正をしております。
最後になりますけれども、23ページの第3学年技術の統合では、情報・技術科で育成した力が生活のみにとどまらず、社会でも生かされるようにすべき、というご指摘を踏まえまして、下のところにございますコンセプトの文章に「社会」という文言を追記する修正を図っております。
以上、ご説明申し上げました。これらの整理で、情報の領域及び情報・技術科として、十分な学習活動イメージを網羅的に示すことができたのではないかと考えているところでございます。委員の皆さまには細かにご検討・精査をいただきましたことを厚く御礼を申し上げます。
24ページからでございます。今回も情報の領域や情報・技術科のさらなる深掘りを中心に検討しておりましたので、高校情報科につきましては、前回から大きな更新はございませんけれども、小・中の検討に合わせて体系性や系統性というものが確保された学習内容であるということを引き続き確認する必要があると考えております。
続きまして、2つ目の論点でございます。新領域・教科による各教科等の学びの充実についてでございます。こちらは前回お示しした資料になりますけれども、前回ワーキンググループにおきましては、新教科・領域で体系的・系統的に情報活用能力を育成することによりまして、教育課程全体の観点から、他教科等の学びの質の向上にどのように資するのか、2つの観点から整理をするとなったところでございます。
1つ目の観点につきましては、各教科等は端末等の活用方法に関する内容を精選することが可能になるのではないかという点。また、2つ目は、特定教科固有の内容を精選することが可能になるのではないかという点でございます。この観点に基づきまして、具体的な内容は本日のワーキンググループで整理をすることとしていたところでございます。
今回、この2つ目の点、特定の教科固有の内容の精選について深掘りをしましたのが、29ページ目のスライドになります。ここでは、オレンジの特定の教科固有の内容を中心に、具体的に他教科から新教科・領域に一部移行することが可能と考えられる主な事項を掲載しております。
まず、移行にあたっての考え方でございますけれども、グレー枠内にございますが、まず1点目、現行学習指導要領における各教科等の固有の内容のうち、情報活用能力の育成にも資するものを特定する。そして2点目といたしまして、論点1で示した具体の学習活動イメージを踏まえて、新教科・領域ではどのような形でその1点目の内容を扱えるかということを検討する。そして丸3、内容の精選によりまして、各教科等において教科固有の学習をどのように重点化できるかなど、その効果を検討する。そういった流れでお示しをさせていただきました。
例えば、小学校の算数第5学年のプログラミングについてでございます。現行学習指導要領におきましては、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身につけるための学習活動を行う場合には、正多角形の作図に関連して繰り返しや規則性を学習することとなっております。これにつきましては、情報の領域におきまして、プログラミング的思考や情報技術を活用したデータの収集・整理・可視化ということが体系的に扱えるということになりますので、改訂後につきましては、算数では図形の性質や規則性の理解、データの特徴や傾向を元にした統計的な問題解決など、算数固有の学習に重点化することが可能になると考えられます。
また、下のブルーのところでございますけれども、端末等の活用方法におきまして、基本的には現行学習指導要領に明記されていないような内容も含めて、新教科・領域に新たに記載することで、他教科等の学びの充実に寄与するものと考えております。
例えば、小学校国語第3学年のタイピングにつきましては、現行学習指導要領におきましても関連の記述が国語にございますけれども、これからは情報の領域に委ねることが可能となり、各教科等におきましてはローマ字入力によるタイピングの習熟や、各教科等の端末を活用した学習活動の高度化といったものが期待できると考えております。
こうした考え方に基づきまして、今後告示を見据えまして、各教科等との調整の上、さらなる具体化を図っていく必要があると考えておりますけれども、いずれにいたしましても、新教科・領域が他教科等への学びの質の向上に資するという点はしっかりと押さえておきたいポイントだと考えております。
30ページ以降、30から33ページまででございますけれども、各教科から新教科・領域への移行が考えられる内容といったものを抜粋した参考資料となってございますので、本日ご説明は割愛させていただきます。
34ページでございます。前回と同様になりますけれども、改めて条件整備について押さえておきたいというふうに思います。より一層新教科・領域の学習内容イメージが明確化したこと、また総則・評価特別部会でもご指摘いただいておりますように、条件整備に関する必要性・重要性というものがより一層増しております。本資料を再掲いたしまして、一部更新をさせていただきました。
改めて、現状のプランを踏まえまして、現在取り組んでいる施策として教材開発・実証・免許法認定講習などが挙げられるほか、同プランに基づきまして今後取り組むべきこととして外部人材の効果的な活用に着手することなど、2ポツの2つ目の黒丸の点に明記・追記をさせていただいております。
また、本ワーキングにおいて新たに見えてきた課題といたしまして、教員の指導力向上に資する研修支援や新しい内容を指導するための環境整備等につきまして、どのような事柄をいつまでに検討するべきかといった点を前回から一層具体にお示しをさせていただいております。これらについて、ワーキングの取りまとめまでに更新することを予定しているプランの中で一体的に進めてまいりたいと考えております。
最後になりますけれども、3つ目の論点となります。今回新たな論点でございますけれども、新教科・領域の授業時数の規模の考え方についてお示しをさせていただいております。
新教科・領域に必要となる授業時数の目安につきましては、年間の標準総授業時数を増加させないという方針を前提に、教育課程全体の観点から検討・判断されるべきものであるということから、本ワーキンググループとして具体的な授業時数をお示しするものではございませんけれども、今回整理いたしました体系や学習活動イメージ等を踏まえた授業時数の規模の考え方というものを以下の通り整理をさせていただきました。
まず、枠内の1つ目のポツでございます。新教科・領域の必要性や妥当性を平易かつ分かりやすく説明するため、体系整理において各学年の学習活動のイメージをできる限り小さな単位で整理しました。その結果を元に、試行的に各学年のポツレベルの学習活動を積み上げてみますと、小学校第3学年では28項目程度、第4学年では27項目程度、第5学年では31項目程度、第6学年では30項目程度、中学校第1学年では65項目程度、第2学年では66項目程度、第3学年では32項目程度の学習活動が想定されるところでございます。これらにつきましては、新教科・領域で扱う学習内容のおおよその規模感を把握する際の1つの参考になるものと考えられます。
2つ目のポツでございますけれども、この学習活動イメージは内容をできる限り小さな単位で示したものになります。従いまして、実際の授業におきましては、1つのポツを1コマで扱う場合もあれば、また学んだ内容を関連付けて活用できるよう複数のポツを1コマで一体的に扱う場合もございます。また、1つのポツであっても知識・技能の習得のみならず、それらを活用したり、活用して考察したり、まとめたりする、そういった活動まで含めて行う場合には2、3コマ程度を要することもあり得るという風に考えております。例えば、情報の領域におけるミニ探究ユニット、情報・技術科の情報技術の領域における問題解決の活動など、探究的・実践的な学習といったものにつきましては、ポツの単純な積み上げではなくて、一定のまとまりを持った時間が確保されるように考慮する必要があるというふうに考えられます。
このように、各ポツの学習活動につきましては、1コマで扱えるものもある一方で、1コマ未満で扱えるもの、複数コマを要するものというものも想定をされるところでございます。そのため、必要となる授業時数の検討にあたりましては、さらに個別具体に精査することが必要であると。そして、今回整理したポツの積み上げというものは、新教科・領域で扱う学習内容の規模を把握するための参考資料というふうに位置づけた上で、新教科・領域の創設により期待される各教科等の内容の精選の効果等も踏まえながら、教育課程全体の観点から総合的に検討することが必要ではないかとしております。
こうした考え方につきまして、本ワーキンググループといたしまして、教育課程企画特別部会及び総則・評価特別部会にご報告をしてはどうかと考えているところでございます。事務局からは以上でございます。
【堀田主査】 1ページに示されているように、浅原参事官のご説明にあったように、論点は3つございます。
論点1については、何度も皆様にご提示して、だんだん精緻化されてきた資料、それについて前回のワーキングでたくさんご意見いただきましたので、今日は黄色いマーカーが多めになっております。
前回のワーキングの後に私どもの方で検討を進め、そしてその上で事務局から皆さんにさらに事前に資料をお送りしまして、その資料に対してまた事前にご意見をいただいたものも、できるだけ組み込んでございます。というわけで、ちょっと黄色だらけではありますが、委員の皆さんのご意見を随分と含み込んだ資料として、今日は提示させていただいているというのが、これが論点1でございます。
論点2は、これも前回も話題にしましたが、他の教科との連携ですね。今のところ、この情報の領域とか情報・技術科がない段階で、他の教科で行われているそれに関するような学習内容、これを今回は情報活用能力の抜本的向上の中核となる領域や教科として新しく設置しますので、こちらでやれることがこういうことがあるだろうということを集めたものでございまして、これによって一種の体系的な指導ができることと、もう1つは各教科等では各教科等のならではの部分をしっかりと押さえていただくということが、連携関係としてできるだろうということでございます。
論点の3番は時数の話ですが、これの規模の考え方についてご提案いただいたということでございます。
これから皆様にご発言をいただくところでございますけども、いつものように挙手ボタンを押していただいて、それからご発言をいただければと思います。また、いつもお願いしているところでございますが、今回で言えば論点のどれ、ページで言うと何ページのどこというふうに言っていただいて、その上でご発言いただいたら、大変私どもとしてはありがたく思っております。随分と議論を積み重ねてまいりましたので、あと少しというところだと理解しておりますので、ご協力何卒よろしくお願いいたします。
それでは、挙手のある方、挙手ボタンをよろしくお願いいたします。まずは萩谷主査代理からまいりましょうか。
【萩谷主査代理】 論点1に関してでございます。中学の情報・技術科では複数箇所、特に23ページの「技術の統合」のところで、モデルとシミュレーションの語を明確に表出していただき、感謝申し上げます。中学において意識的にモデルに触れて、その操作を経験することにより、高校の情報Ⅰでのモデル化とシミュレーションの学習がスムーズに始められると期待されます。
20ページのところですけれども「ユーザーの興味を強く引き続けるよう設計されたアプリのアルゴリズム」という記述については、例えば6ページのメディアリテラシー関連のところで単にアルゴリズムとだけ書かれているところを、詳細に説明いただいたと理解しております。
また、前回も発言いたしましたが、メディアリテラシーやAIの内容が充実したことについては歓迎しております。補足になりますが、先日公開されたOECDのEmpowering Learners for the Age of AIにおいては、AI時代の市民教育は倫理教育だけでは足りず、AI技術の仕組み・応用・システム設計に関する理解が学習対象として位置づけられています。EUのDigComp 2.2においても、AIを含む新興技術への理解は市民のデジタル能力の一部として位置づけられています。総じて、メディアリテラシーを現代化するためには、AIを含む情報技術の仕組みへの一定水準の理解、すなわち技術知が不可欠であることを示唆しています。
本ワーキンググループの文脈でこのことを言い換えますと、メディアリテラシーとともに情報技術の特性に関する理解も充実させるべきことを意味しており、これまでの議論はまさにこうした最新の国際的な動向と軌を一にしたものと考えております。以上でございます。
【堀田主査】 それではこのあと村松委員、安藤委員、泰山委員の順番でお願いいたします。村松委員、どうぞ。
【村松委員】 ここまでのワーキングでの議論、丁寧に整理していただきましたこと、ありがとうございました。
まず23ページお願いします。先ほどのご説明にもありましたが、前回までの議論を踏まえ、情報・技術科における「技術の統合」の位置づけについて、生活の問題だけではなく、社会の問題の発見・解決までを含めて整理していただいた点に感謝申し上げます。この方向性というのは、これまで学校現場で少なからず見られた「持って帰って役に立つ作品を作る」といった、矮小化されたものづくりの捉え方を超えて、生活や社会をより良くするために情報や技術を活用して仕組みや価値を創造し、課題を解決する力を育成するという新しい教科目標の趣旨にしっかり繋がるものだというふうに受け止めております。
次に28ページ、情報の領域や情報・技術科における各教科との学びの充実、また29ページの移行可能と考えられる内容の整理の方向についても強く賛同いたします。今回の整理では、情報活用能力の育成を新教科・領域で担うことによって、各教科の授業が単に効率化されるだけではなく、育成された情報活用能力により教科固有の内容をより深められる可能性が示されています。この点は非常に重要だと考えます。
情報活用能力の抜本的向上というのは、情報の領域を設ける、あるいは情報・技術科を創設するといったこと自体が目的ではなく、教育課程全体の学びの質を高めるための基盤整備であると理解しています。その点からも本ワーキングの提案は、各教科等における学習活動の高度化、そして教科固有の深い学びの充実の双方に寄与すると考えます。今回の改訂が目指す「深い学び」の実装にも大きく貢献し、情報活用能力の抜本的向上を通し、各教科の学びを実社会の課題解決と価値創造へ接続する改革として、大きな意味があると考えます。
さらに34ページの条件整備の方向性、35ページの授業時数の規模の考え方についても大変重要な提案だと受け止めています。新しい教科・領域を構想する際には、理念や内容の整理だけではなく、さまざまな条件の整理が伴わなければ学校現場で実現することは困難です。その意味で今回示されている条件整備等の提案は、次期学習指導要領改訂の重要な柱でもある「実現可能性の確保」に直結するものだと考えます。
次期学習指導要領を学校現場で実効性ある形にしていくためにも、今回の提案に強く賛同するとともに、今後は指導体制、教材、教員研修、デジタル加工機等の条件整備など、こういったものを一体的に検討いただき、具体化・実現に向けて引き続き取り組んでいただきたいと思います。
【堀田主査】 では安藤委員お願いいたします。
【安藤委員】 まず論点1についてお話しさせてください。5ページや7ページから10ページに示されています、この活用に向かう矢羽の大きさに注目しました。未だに利用にとどまる学校もある中で、この図は7ページにも関わって、「適切な取り扱い」と「特性の理解」を関連付ける重要性を鮮明に示していますよね。単なる操作の習得ではなくて、こういった三者が一体となって初めて総合的な情報活用能力が育まれるという本質が明快に示されているという点に感謝申し上げます。
続いて、参考資料にはなるんですけれども、40ページの学習内容のイメージを拝見すると、各学年の特性の理解や活用の中にプログラミングというものがごく自然に散りばめられているという点が、極めて良いと思いました。現行の学習指導要領では、初導入ゆえにプログラミングが特出しされていたと理解していますが、今回の改訂では学習の前提としてその重要性をより本質的に示してくださったものと理解しています。直接体験して初めて気づくコンピューターの特性が非常に重要になりますので、これが全国の学校の実施で確実に実施されることを強く期待したいと思います。
続いて論点2についてです。29ページなんですけれども、この図においてもプログラミングが多く例示されているということは、それがもう教科横断の媒介として、いかに強力かということを示しているのではないかと思います。単に同学年での連携にとどまらず、例えばプログラミングでキャラクターを動かす体験の中に座標や正の数・負の数、角度とか論理演算といった要素が自然と含まれます。児童生徒が後にこれらを学問として学ぶ際に、かつてのプログラミングで作るという実体験が原体験として働き、深い納得や理解へ繋がるということが可能になるかと思います。各教科の学びをより豊かに、楽しみに迎えるための土壌となるという点を強く反映できているなと思います。
続いて論点2についてです。宮城教育大学の研究開発学校の調査では、情報科の学びが確実に他教科に波及していることを示している資料があります。低学年の操作習得から始まって、高学年では、理科でのプログラミング活用や社会科での情報の真偽の判断など、各教科の学びを深めるツールとして実感されていることが示されています。著作権とか情報モラルも具体的に身につけていって、情報科が単なる操作スキルの枠を超えて、情報を批判的に扱う力とか、日常の安全な情報活用の育成に直結しているという点にもご注目いただきたいなと思います。以上になります。
【堀田主査】 泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】 論点1、情報活用能力の体系及び論点2、各教科等との関連について発言をさせていただきます。
まず、能力の体系と指導事例を非常に明確に関連付けて整理をいただきありがとうございます。抜本的向上に向けた非常に明確な体系が整理されたように思っております。特に8ページ以降になると思いますが、小学校「情報の領域」について発言をさせていただきます。
現在、総合的な学習の時間の中で位置づけて指導されることが想定されておりますが、それが当該学年の、まずは総合、そして教科における質の高い探究とどのように繋がっていくのかという関連が明確であるという点で非常に重要だと思っています。
例えば、第4学年に示していただいておりますが、ここでは少し客観的なデータを根拠に考察するという活動が想定され、第5学年になりますと探究の対象が広まっていくことに伴って、受け手を意識した情報発信で、第6学年になってくると、批判的にその実社会の課題を解決していくというように、その学年で指導された情報活用能力が具体的にどのような活動に繋がるのかということが非常に明確であり、そのために必要な情報活用能力が過不足なく整理されているように感じておりますので、この体系について賛成をいたします。
併せまして、34ページで示していただいているような教材や研修、実際にこれを全国の学校で実現可能な形で進めていくための整備というのも併せて非常に重要だと思っておりますので、こちらも明確に示して整理いただいているという方針に賛同をいたします。以上になります。
【堀田主査】 では、このあと白井委員、井手委員、鈴木委員の順番でお願いいたします。白井委員、どうぞ。
【白井委員】 資料を取りまとめていただきありがとうございます。スライド1をお願いします。論点1、2について発言させていただきます。
まず論点1についてです。本資料は、各領域・内容項目の相互の関係や内容のまとまりごとの整理を進めつつ、他教科等のワーキンググループや社会全体にも理解しやすい全体像を示すことに主眼があるものと理解しています。その意図の通り、2040年頃の社会を踏まえた重視すべき方向性に向けて、各学校段階・学年ごとに何を学ぶべきかが体系的にまとめられており、関係性も含め具体的にイメージしやすくなったと感じております。今回の修正も含め、ご提示いただいた資料の方向性に賛同いたします。
次に論点2についてですが、スライド28をお願いいたします。まずは情報の領域や情報・技術科による各教科等の学びの充実について、すべての教科等に共通する観点と特定の教科等の観点から整理する点について、改めて賛同いたします。また、スライド29の各教科等から移行可能と考えられる内容の整理についても適切だと考えます。
新教科・領域で扱うことは、適切な役割分担を通じて情報活用能力の育成を加速させるとともに、各教科等が固有の学習をより深められるようにするものと理解しています。1から3の考え方に基づくこうした方向性に賛同いたします。
【堀田主査】 ありがとうございました。井手委員、お願いいたします。
【井手委員】 論点2に関しまして、こちらの29ページについて賛同をするとともに発言させていただきます。
今回の改訂では、小学校に「情報の領域」、中学校に「情報・技術科」が新設されることで、こちらの資料に示されているように、これまで各教科で個別で扱われてきた情報活用に関する内容の一部を新たな領域・教科へ移行することになります。その結果、各教科においては内容の精選が可能になりますが、その際に重要なのは、単に空いた時間で教科固有の内容を増やしたり学習内容を広げたりすることではなく、情報の領域や情報・技術科で育成された情報活用能力を各教科の学習の中で積極的に活用して、各教科の学びそのものをより深く、より質の高いものへと発展させることであると考えます。
その意味で、30ページ以降に表記されている「当該教科等に期待される効果」、こちらは非常によく整理されたものであり、重要な視点であると思います。この観点を各教科の関係者に十分理解していただくとともに、新設される領域・教科の意図や狙いを各教科と十分に共有し、教育課程全体を通じて情報活用能力の育成を図るという視点を、今後さらに明確に示していく必要があると考えます。以上です。
【堀田主査】 鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 事務局の皆さん、まずはこれだけ複雑な内容を体系立てて、しかも分かりやすくまとめていただき、本当にありがとうございました。前回・前々回のワーキンググループで私が申し上げた点について、ほぼすべて丁寧に拾い上げ、反映いただいたことに、一つ一つ御礼を申し上げたいと思います。
まず5ページ・6ページですが、情報技術の適切な取り扱いについて、「他者や社会への責任を考え」という言葉を加えていただきました。「社会的責任」については、小・中・高を貫く情報の中核的な概念でして、その入り口となる小学校の段階から中学校と同じ言葉で示していただいたことの意味は、とても大きいと感じております。
次は10ページと20ページです。10ページの第6学年の「安全・メディア理解」、20ページの第2学年の「自動化を批判的に考える」についても、「アルゴリズムが興味を引く、強くひきつけるよう設計されている」という、「依存」や「没入」に繋がる設計上の特性を明示していただきました。これは子供たち自身がその特性を理解する上で欠かせない視点だと考えています。
次は34ページです。条件整備のところで、「指導体制改善プランの中から外部人材の効果的な活用についても着手する予定」と明確に書き込んでいただきました。このように本当にきめ細かく反映していただき、改めて御礼申し上げます。
そして37ページですが、「AIを使いこなす力の育成」として、小・中・高の流れが見える形で整理していただいたことも、現場の先生方にとっても大きな助けになると思います。
その上で特に35ページ、「授業時数の規模の考え方」について申し上げたいと思います。授業時数そのものは、教育課程全体の中で両特別部会がご判断されるものというラインをしっかり守りながら、それでもポツの積み上げという形で規模感を可視化されたのは、非常に難しく繊細な作業だったと拝察しています。しかも一つのポツが必ずしも一コマとは限らず、「一コマ未満で扱えるものもあれば、ミニ探究ユニットのようにまとまった時間を要するものもある」と添えていることで、他のワーキンググループ、ひいては国民に対する説明の説得力を持つものだと感じました。
ここはまさに新教科・領域の必要性を分かりやすく示す要の部分だと思っています。ぜひ事務局の方々、引き続き頑張ってください。どうぞよろしくお願いします。
【堀田主査】 ありがとうございます。応援のエールまでいただきました。続いて、鎌田委員、春日井委員、望月委員の順番でお願いいたします。鎌田委員どうぞ。
【鎌田委員】 論点1について発言いたします。4ページをお願いします。
今回の2040年の社会像から逆算して、小・中・高と体系を構造化した今回のアプローチは、情報活用能力の抜本的向上というこのワーキングに課せられた課題に応えるものだと考えています。これまでのワーキングで小学校から高校3年生まで系統立ててと求めてきましたが、小・中・高の資質・能力が一覧として可視化されたことに加え、小学校でミニ探究ユニット、中学校で技術の統合(仮称)、高校の情報ⅠのPBLによる課題解決の実践、情報ⅡのPBLによる課題・価値創造の実践と、探究的学びが小・中・高で縦軸として構造化されたことを高く評価しますし、賛同いたします。
続けて20ページの提示をお願いします。プログラミングの書きぶりのところで、20ページの上のところを見ると、丸1のところでまず仕組みを知ること、で、丸2のところで批判的に考えた上で、丸3、丸4で問題解決をすること、で、さらにその中で丸3の左下のアルゴリズムとコンピューターの働きを確認してから、丸4の課題設定・制作へ入るという流れが非常にいいと思います。
第9回ワーキングでも私の方から、生徒がプログラミングでAIを使った授業の報告をさせていただきましたが、生徒から「最初からAIを使わなかったからこそそのすごさを理解できた」とありましたように、こうした生徒の学びを保障する設計になっているとこの流れから確認できますので、この設計を支持します。
【堀田主査】 では春日井委員お願いいたします。
【春日井委員】 18ページをお願いします。中学校のデータの活用について、前回意見を申し上げた点を踏まえてご検討いただき、またそれで資料を大幅に修正いただいたこと、感謝申し上げます。
小学校ではデータをファイルとして残したり共有する学習活動や、データを分かりやすく表現する活動がデータの扱いとして示されています。中学校において、データを適切に蓄積したり、そのデータを分析することによって価値が生まれたり、課題を解決できるということに有用であることを学んで、高等学校においてより深くデータを活用することを学んだり、機械学習やAIの仕組みへの理解、またその学習活動につなげていけるのではないかと考えております。丁寧にご修正いただいた件、改めて感謝申し上げます。今回整理していただいたような学習活動を通して、小学校・中学校・高等学校の接続が十分に図られることを期待しております。
続いて論点2をお願いします。29ページ以降の意見になります。33ページまでにわたって、他教科との関係を整理していただきありがとうございます。これまで、数多くの取組について、小学校・中学校で実践がなされてきました。各校種において、これまでの指導経験を、仮称「情報の領域」や仮称「情報・技術科」に生かしていただけるということを期待しております。また、情報の領域や情報・技術科で学んだことが、他教科の固有の学びに繋がることで、うまく機能して学びの質が向上するよう、今後の具体化に期待しております。すべての論点について発言はいたしませんが、今回ご提案いただきました三つの論点について賛成いたします。以上になります。
【堀田主査】 では、望月委員お願いいたします。
【望月委員】 論点2について発言します。29ページの各教科等から移行可能と考えられる内容の整理について賛成です。
例えば、特定の教科固有の内容である算数の多角形については、「情報の領域」でプログラミングに取り組むことで、プログラミング的思考を子供たちが繰り返し学ぶことができるようになります。算数においては、子供たちがプログラミングの操作にとらわれることなく、教科の内容をより重点的に学ぶことができると思います。また、ローマ字入力についても32ページにあるように、国語のローマ字の学習と切り離すことで、3年生の冒頭で学び、反復することができ、早い段階で他教科での活用ができるようになると思います。以上となります。
【堀田主査】 ではこのあと亀田委員、岡本委員、大谷委員、山脇委員と、多分ここまでかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
【亀田委員】 まずは事務局の皆さまにおかれましては、これまでの多角的な議論を踏まえ、新教科・領域の体系整理を、ここまで修正を繰り返しながら、精緻にかつ丁寧におまとめいただきましたことを、心より感謝申し上げます。事務局の方向性に強く賛同する中で、学校現場をお預かりする者として、意見を3点申し上げたいと存じます。
1点目は、論点1の4ページからお示しされている、小・中・高を通じた体系についてです。泰山委員も小学校を例に挙げられておりました。また、鎌田委員も同様におっしゃっていたように、これまで我々が議論を重ねてきた、小・中・高等学校におけるそれぞれのつながりについて、このあとの5ページ以降の資料で、さらに修正を繰り返し、詳細に整理されて、格段に解像度が上がってきたと感じております。とても分かりやすく整理されてきたのではないかと感じているところであります。
子供たちが小・中・高を通じて、どのように情報活用能力を積み上げていくのか、その学びの軌跡が明確に見える体系になったと受け止めているところでございます。小学校におけるミニ探究ユニットの具体についても、事例が示されたことは大変有意義であると考えております。新しい領域が始まる際に、現場の教員が最も必要とするのは、具体的にどう授業を組み立てればよいのかという実践のイメージかと思います。今回の具体的なステップの提示は、現場の教員にとって大きな支えになると考えております。
2点目は、論点2について、29ページから33ページに挙げられております、各教科から移行可能と考えられる内容の整理についてです。このように整理されたものを拝見しますと、新教科・領域が果たす役割の大きさを感じているところです。現在、情報技術の民主化が急速に進んでおり、誰もが高度なテクノロジーに触れる時代となったからこそ、この新教科・領域で育まれる情報活用能力が基盤となり、他教科等における探究的な学びの質の向上に、またあらゆる学びを豊かに飛躍していくという、極めて重要な役割を担う教科・領域であると、この整理を拝見し、改めて強く感じております。
最後3点目です。論点3の35ページ、授業時数の規模の考え方についてです。事務局からご提案のあった授業時数の規模の考え方につきましては、現場の状況に応じた柔軟な授業展開や、カリキュラム・マネジメントへの配慮がなされていると感じております。学校現場の実態に即した妥当なご提案であると賛同いたします。学校現場をお預かりしている当事者として、私はこの新しい学びの実効性をしっかりと高めていけるよう取り組んでまいりたい、そのように思っているところでございます。
【堀田主査】 岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 私からは1点だけ。論点1についてですね、スライド21ページお願いします。生産技術のほうの「エネルギー変換とスマート化」の部分ですけれども、ここで黄色のマーカーで示していただいている「エネルギーの総量」という文言を入れていただいたというところで、やっぱり単に機器を動かすとか仕組みを理解するという学習にとどまらずに、必要なエネルギー量とか、それを踏まえて安全性・効率性、これらを踏まえて解決策を評価・改善するというような位置づけにしていただいたということを感じています。
特にエネルギー変換とスマート化ということを考えると、情報技術をちゃんと使って制御とエネルギー変換を結びつけて考えるということが重要になってきますので、今回の修正によってますますこのエネルギー変換の学習が情報技術関連ともしっかり接続しやすくなったかなと感じています。私からは以上です。
【堀田主査】 大谷委員、お願いします。
【大谷委員】 本日は小・中・高の体系整理についてまとめていただきありがとうございます。前回、この体系整理に関して全面的に賛同するとともに、小・中・高の情報活用能力に関するつながりの点に意見を述べさせていただきました。それを踏まえた上で、本日は論点1について、15ページからの情報・技術科の内容の確認と感想を述べさせていただければと思います。
中学の情報・技術科では、今回の一連の議論を通して、情報技術領域と、それから情報を基盤とした生産技術領域で内容を構成すること、さらにこれらの学びを踏まえて「技術の統合」の学びを新たに取り入れ、最終的に未知の課題を解決する力を育成できる枠組みを提案しています。
今回このような学びの枠組みが示されたことによって、情報技術領域では新しいデジタル化の学習に対応した授業がここで実践できること、さらにこれを通して小・中・高の一貫した情報活用能力の向上が期待できることが、まず大きな進展かと思います。また、その内容を基盤とした生産技術の学習によって、デジタルとものづくりが融合した、これからの日本を作っていく新たな学びが期待できるようになりました。
さらにこれらの領域の学習を基礎として、技術をうまく統合させて未知の課題解決に取り組む学習が期待できるようになります。これは無から新しいものを生み出す大きな力になると信じています。このような情報活用能力の育成を基盤とした重層的な学習が、このあとしっかりとそれぞれの領域における教材提供と授業実践に繋がることが大事かと思います。私も本内容に関して、情報・技術科の授業実践に落とし込めるように責任を果たしていければと思います。以上、論点1について今回全体を振り返っての確認と感想になります。
【堀田主査】 それでは最後に、山脇委員お願いいたします。
【山脇委員】 議題1について全体的な感想を述べさせていただきたいと思います。私はスマートニュースメディア研究所でメディアリテラシー教育の研究や学校での実践を行っております。このため、このワーキンググループでもメディアリテラシーについて発言してまいりました。
主査をはじめ委員の皆さま、そして文部科学省の皆さまのご尽力で、メディアリテラシーの重要な要素がこの報告書の中にさまざまな形で盛り込まれ、新しい方向性が明確に示されたことに、心より感謝したいと思います。
昨年の教育課程部会の論点整理で、次期学習指導要領の方向性として、現代を「予測困難な時代」と位置づけ、「自らの人生を舵取りする力」が不可欠となりつつあると記されています。また、SNSや生成AIの負の側面の影響、社会の分断の可能性も指摘される中、「主体的に社会参画する民主的な社会の作り手の育成」も喫緊の課題だと記されており、まさにそのとおりだと考えます。
メディアリテラシー教育は、この未来の予測が困難な時代において、子供たちが自らの力で情報を集めて評価し、主体的に判断して自己決定しながら人生を切り開いていくことを目指すものであり、社会の分断を緩和し、民主主義を守っていくことにも資するものだと思います。次期学習指導要領で目指されていることとの親和性は非常に高いと考えます。そうしたメディアリテラシー教育が小学校から高校までの教育の中でしっかりと位置づけられていくことを、また、それによって日本で学ぶ子供たちが自らの人生を舵取りする力を身につけ将来が豊かになることを、心から願っております。これまで大変ありがとうございました。
【堀田主査】 皆さまから、たくさんご発言をいただきました。特にこれから修正するべきというようなご意見は特にございませんでしたし、私どもとしても皆さんのご意見を随分取り入れて細かく精査してきたつもりでございます。
このあと、議題2にまいりたいと思いますが、特段もうご意見はよろしいでしょうか。
はい、ありがとうございました。それでは、論点1については精緻化が進み、論点2については他教科との裨益について、私どもとしての考えは検討済みということで、論点3についても授業時数を決めるのは私どものワーキングではありませんけども、その考え方について私どもなりの組み立て方みたいなことを整理したということとさせていただきまして、これを今後、総則・評価特別部会や教育課程企画特別部会に上程するという形で私どもとしては動いてまいりたいと思います。ご協力ありがとうございました。
では、議題2にまいります。私どものワーキングもそろそろ取りまとめをしなければなりませんので、この取りまとめに向けた検討について事務局からご説明をいただきたいと思います。お願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】 議題2では情報・技術ワーキングの取りまとめに向けた検討として、情報・技術ワーキング取りまとめ骨子イメージについてご審議いただければと存じております。なお、今回初めて議題として挙げているものですので、本日の議題1の議論の結果については次回以降にこの取りまとめに盛り込む予定ですので、次回ワーキングでも継続審議いただくことを想定しているものでございます。
資料3ページ目をご覧ください。こちら、取りまとめ骨子イメージの目次でございますけれども、全体の構造を説明させていただきます。その前に大前提として、基本的には情報・技術ワーキングで重ねてきた議論を網羅的に集約するという方向性で、事務局のほうでこのイメージを作成しております。
この前提のもと、章立てレベルで構造を見ていきますと、1.現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性では、現行学習指導要領における情報活用能力全体と中学校技術・家庭科技術分野、高校情報科の現状の成果、現状の課題を整理し、それを踏まえた改善の方向性をまとめておるところでございます。
改善の方向性については、情報活用能力の育成により目指す姿をバックキャストで示し、資質・能力の整理、小・中・高の体系性の整理を行いながら、各教科等の役割分担についても整理しております。また、ワーキングでは各論として方向性を議論いたしましたメディアリテラシー、AI、プログラミング的思考についてもここで整理しております。さらに小学校総合的な学習の時間の情報の領域(仮称)と中学校情報・技術科(仮称)、高校情報科の改善の方向性についても整理しております。
続いて2.目標及び見方・考え方の在り方ですけれども、中学情報・技術科(仮称)、高校情報科の目標の在り方の整理を行い、続いて見方・考え方の整理をこちらに記載しておる流れになっております。
続いて3.資質・能力の構造化のポイントでございますけれども、学習指導要領の構造化として表形式化の形式を並列式としたこと、各校種の資質・能力の整理の考え方をここでまとめて示しておるところになります。
続いて4.内容の改善の在り方ですけれども、小学校総合的な学習の時間の情報の領域(仮称)、中学校情報・技術科(仮称)、高校情報科ごとに、先ほどの議題1でご議論いただいた体系の整理の今までの議論も一部踏まえまして、内容の充実の在り方を整理しております。
なお、本ワーキングとしての新教科・領域の授業時数の規模の考え方であったり、新教科・領域における各教科との学びの充実については、本日の議題1を踏まえて、次回以降の資料において記載を盛り込みたいと考えております。
また、(2)内容の精選については、前回ご議論いただいた各校種の資質・能力を踏まえた内容の精選の考え方と、教科書の内容の精選の方向性について整理をしております。
最後に、5.学習、指導、評価の改善・充実の在り方についてですけれども、構造化や内容の見直し等も踏まえ、深い学びの実装に向けてどのような改善・充実を狙っていくのかという観点で、一つは柔軟な教育課程の工夫等について、ICTの効果的な活用による深い学びについて、効果的な学習評価の在り方について、それぞれ整理を記載しつつ、最後にはこの改訂の方向性を支える条件整備の必要性について記載するといった、全体構造としておるところでございます。
次の4ページ目ご覧いただければと思います。ここからは取りまとめ骨子イメージの具体的な記載について、ポイントのみ取り上げて順次説明をさせていただければと思っております。
(1)現状の成果でございますけれども、情報活用能力の現行学習指導要領上の位置づけ等の現状とその成果について記載をしているページでございます。
5ページ目、技術・家庭科技術分野及び、右側の高校情報科に関しまして、現行学習指導要領上の現状、成果について記載しておるところになります。
6ページ目、(2)現状の課題についてですけれども、まず情報活用能力についてでございます。2040年代の状況は十分に見通しがたいものの、以下のような指摘があるということで、いくつか矢羽根がポツ並んでおりますけれども、一つは少子化等によって生産年齢人口が不足することでありましたり、AIロボット等の活用を担う人材が不足するというミスマッチの可能性の指摘が一点ございます。また、生成AI等による偽・誤情報の拡散であったり、社会の分断を誘引・拡大し、民主主義を危険にさらす恐れがあることなどを、こちらでは挙げさせていただいております。
また、小・中・高校を通じた情報活用能力の育成に関しましては、課題として、指導内容が不十分であること、小・中・高を通じた育成体系が不明確であること、条件整備が不十分であるといった課題をこちらのほうで顕在化されているということで書かせていただいております。
7ページ目でございます。技術・家庭科技術分野の現状の課題として書かせていただいておりますけれども、コンピューターやネットワークの仕組みの理解であったり、データ活用が十分に扱われていないことや、生成AI等の先端技術に関わる内容、メディアリテラシーの育成について、その内容が厳しいと、取組の差が大きいというような課題を挙げております。
さらに、材料と加工であったり、生物育成、エネルギー変換の領域に関しましても、問題を見出して課題を設定し、解決策を設計・計画する過程の指導が不十分であったりとか、DX化との絡みの関係が、実際の指導とは乖離しているといった課題をこちらに挙げております。
左の下のほうに条件整備の観点として挙げておりますけれども、中学校技術・家庭科技術分野に関しましては、臨時免許状所有者でありましたり、免許外教科担任の多さというところがございまして、十分に指導体制が整備されていないといった危機感があるということで課題として挙げさせていただいております。
資料右側、情報科の現状の課題としましては、高等教育の数理・データサイエンス・AI教育やデジタルスキル標準に円滑な接続ができる内容の指導が十分ではない状況があるといったことなどを、課題として挙げさせていただいております。
資料8ページ目に移ります。改善の方向性についてでございます。
まず情報活用能力に関してということで、目指す姿とございますけど、今までのワーキングでも議論しておりました目指す姿としましては、2040年代の社会を想定しますと、4つの姿があると。1つは「民主主義社会を支える主権者の育成」、もう1つは「探究し学び続けるアクティブラーナーの育成」、もう1つは「アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成」、もう1つは「世界トップレベルのイノベーターの育成」ということで、こういった姿を今までも議論、整理してきたところでございます。
その上でこれらに繋がる情報活用能力をすべての子供たちに育み、情報技術の賢い使い手を育てる広い裾野とともに、できる限りの情報技術を活用したイノベーションの作り手を育てる高い頂という方向で、教育課程及び関連施策を改善する必要があるということを記しております。具体的に申し上げれば、高校卒業生全員に対し、数理・データサイエンス・AIを日常の生活や仕事等の場で使いこなすことができるリテラシーレベルの学習を保障する枠組みを構築するなどが必要、適当とされております。
資料右側でございます。情報活用能力の資質・能力の整理についてでございますけれども、情報活用能力、そして育成すべき資質・能力を体系的に整理するイメージというものを今まで整理してきたというところでございまして、補足イメージの3というものでございますので、併せてご参照いただければと思っております。
資料の9ページ目にまいります。体系性の検討についてでありますが、情報技術の丸1活用を中核的な構成要素とし、丸2適切な取り扱い及び丸3特性の理解を、丸1活用を支える構成要素として位置づける前提のもと、小・中・高校について整理してきたといったことをここで記載しております。
矢羽根のポツがいくつか並んでおりますけれども、まず1つ目、小学校段階では丸1活用を中心として体験的な学習活動を重視しつつ、丸2適切な取り扱いや基礎的な丸3特性の理解の着実な育成を図るものとしております。
なお、生成AIの活用については、丸2、丸3を学ぶ上で、丸1活用を通した体験的な学びを深める方向性を整理してきたことをこちらで書いております。
他方、中学高校に関しましては、丸3特性の理解を身につけることを一層重視し、丸1活用を通じて課題を解決できるようにすることと整理しております。
資料右側に移りますが、これらその上で、小学校に関しましては、丸1、丸2、丸3の枠組みを前提に、情報活用能力の体系的な整理に基づいて「情報の領域(仮称)」の体系を構造化することとし、中学高校については小学校段階で育成された情報活用能力を基盤として、情報技術の適切な取り扱いや特性の理解をより専門的・体系的に高めていくことが必要であることから、丸3特性の理解をはじめとする情報活用能力の体系的な整理と情報・技術科(仮称)や情報科固有の内容を統合して体系として構造化し直す必要があるとしております。
続きまして各教科等の役割分担についてでございますが、情報活用能力は主として新教科・領域等において育成することを支えるとともに、各教科等の文脈で効果的に機能させることで情報活用能力の一層の向上に、各教科等の学びにも資するという往還関係を整理してきたところでございますので、それについて記載しておるところでございます。
10ページ目にまいります。ここでは今まで議論してきた中での各論について説明しているものでございます。
まず1つ目はメディアリテラシーについてということで、メディアリテラシーを情報活用能力の構成要素として位置づけたとしています。情報メディアの特性が受け手に及ぼす影響を踏まえ、情報を社会的・文化的背景の中で吟味し批判的に評価したり発信したりして社会参画する考え方や態度として整理をしてきた。またデジタル社会の具体的な状況に適切に参画・対応できるようになるためにはクリティカル・シンキングが必要であることから、メディアリテラシーは各教科等で育まれたクリティカル・シンキングを新教科・領域等において総合的に働かせながら育成するものと位置づけることが適当としております。その上で、丸2適切な取り扱いの一環として明確化し体系的に育成することが適当としております。
続いてAIについてでございます。AI技術の進展と社会実装が急速に進んでいる中、学習効果の向上が期待されるといった効果もある一方で、その特性やリスクへの理解が不十分なまま利用することで、AIへの過度な依存や認知的オフロードなども招くといった課題をまず書かせていただいております。
資料右側に移りますけれども、これらを踏まえつつ、AIを使いこなす力を単なる操作機能ではなくて、AIを適切かつ効果的に活用し問題を発見・解決したり自分の考えを形成したりしていく力と捉えて、新教科・領域等において内容項目横断的にAIに関する学習内容、AI自体を学ぶ、AIを活用して学ぶという2つの観点で扱うことが適当であるというふうにさせていただいております。また各教科等ワーキングでの検討であったり諸外国の議論、学校現場における実践の蓄積等を踏まえて学習指導要領改訂を待たずしてガイドライン等で対応することが必要であるともしております。
続いてプログラミング的思考についてでございます。プログラミング的思考については、目的や課題を構想しAIへの指示やプログラミングを通じて解決策を実現するとともに、生成・作成したものを論理的・批判的に評価・改善し、責任を持って活用するまでを含む一連の考え方として発展的に捉え直したというところでございます。それに関しましては小学校に限らず中学高校においても育成すべきものとして整理をしたといったことをこちらでは記載しております。
資料11ページ目にまいります。まず、情報の領域(仮称)の改善の方向性についてでございますけれども、情報の領域につきましては、探究の領域(仮称)と情報の領域(仮称)の二つの領域に設定することにしております。さらに、丸1活用、丸2適切な取り扱い、丸3特性の理解の三つの視点で内容及び各校種の資質・能力を整理していくということを記載しております。また、情報の領域(仮称)については、情報ブロックとミニ探究ユニットで構成することなどを今まで整理してきたことを記載しております。
一番下のポツ、小学校低学年についてでございます。基本的な操作を中心に、丸2適切な取り扱いや丸3特性の理解については、各教科等において基本的な操作を体験的に学ぶ中で、発達の段階を踏まえつつ一体的に学ぶことが必要であるとの整理をこちらで記載しております。
資料右側でございます。情報・技術科(仮称)の改善の方向性についてということです。領域として情報技術(仮称)と情報を基盤とした生産技術(仮称)という二つの領域で内容を構造的に整理したことでありましたり、各領域・技術の知識や技能を相互に関連付けて活用するとともに、思考力・判断力・表現力等を総合的に発揮し、未知の状況においても課題を解決できるようになる学習を抜本的に強化するために、内容項目として技術の統合(仮称)を新設することなどについて検討してきたわけですけれども、それらについて記載しております。
こちらの一番下の最後のポツ、こちらは事務局からの提案の記載となっております。「なお、これまでの新教科・領域における検討を踏まえれば、その趣旨を適切に表す名称として『情報の領域』、『情報・技術科』はふさわしいものと考えられることから、今後は仮称を外してはどうか」と考えておるところでございます。
資料12ページ目にまいります。情報科の改善の方向性についてでございますけれども、高等教育における数理・データサイエンス・AI教育等の円滑な接続を見据えた内容再整理を検討してきたところでありますが、情報Ⅰを共通必修科目として維持するとともに、その基礎の上に選択科目として情報Ⅱを設置することとし、さらに情報Ⅱについては探究的に解決する学習の充実を図る観点から、単位数を柔軟に配当できることが適当であるといった整理を記載しております。
資料13ページにまいります。各教科の目標の在り方でございますが、情報・技術科、情報科につきましては、それぞれ補足イメージというものを後ろのほうにつけております。今まで議論してきたものということになりますので、補足イメージの21でありましたり、補足イメージ22がこれに該当するものということでございます。こちらについては、詳細な説明は時間の関係から省略させていただきます。
資料14ページ目も、同じく見方・考え方でございますけれども、情報・技術科と情報科の見方・考え方については、同じく今まで議論してきた補足イメージがございますので、補足イメージ23と24のほうを併せてご参照いただければと思います。
なお、この見方・考え方に関しましては、中学高校とも、当該教科固有の考え方や判断の仕方においては、誰もが情報技術を活用して参画できる包摂的な社会を志向することが適当であるといった記載もこちらにはさせていただいております。
資料15ページにまいります。学習指導要領の表形式化の形式につきましては、並列パターンとすることとしております。また、高次の資質・能力につきましては、こちらも今までたくさんの議論をいただいたところでありますけれども、補足イメージ25と26に、それぞれ中学情報・技術科と高校情報科の高次の資質・能力の資料をつけておりますので、詳細については時間の都合上、省略をさせていただければと思います。
17ページ目でございます。内容の充実についてというところですけれども、こちらはまさに議題1でご議論いただいた内容でございますので、こちらに添付している取りまとめに添付する各補足イメージについては、資料1と同じものを入れることを考えておりますので、ここでは詳細な説明は省略させていただければと思います。
18ページ目の高校情報科についても同じでございます。
資料19ページ目でございます。内容の精選についてですけれども、中学校情報・技術科の情報技術領域については、高次の資質・能力の形成に真に必要な内容を見極めるとともに、小学校から高等学校までの系統性を踏まえながら体系性を整理してきたところであり、その積み上げが、内容は自ずと精選されたものとして考えられるのではないかといったことを記載しておるところです。
その下、高校情報科につきましては、発達段階に応じた内容の移行や重複の解消を図りつつも、AIやデータサイエンスに関する内容は充実し、総じて教科全体の学習内容の総量が現行を上回らないように留意をしてやってきたと。その上で、高次の資質・能力の形成に必要不可欠であり、小中学校と系統性が担保された内容のみで構成するように検討してきたため、こちらも内容の精選が図られたものと考えられると整理を記載しております。
資料右側でございます。教科書の内容の精選の方向性でございますけれども、まずもって学習指導要領の内容について、高次の資質・能力の形成に必要な内容へと精選を図ることに伴って、教科書に掲載する学習内容も精選が可能になるのではないかということを記させていただきつつ、また教科書そのものについては、個別の知識や操作方法を網羅的に示す構成ではなくて、課題解決や価値創造の文脈の中で、必要な知識・技能を扱う構成としていくことで、精選が図られるのではないかということを記しております。
資料20ページ目にまいります。柔軟な教育課程の工夫等についてでございますけれども、情報・技術科の調整授業時数制度の活用としましては、既存教科等への上乗せでありましたり、教科の新設や裁量的時間学習枠の創出を行うことが考えられ、これらについて、国においては工夫例を分かりやすく学校現場に伝えていくことが必要であるというふうにしております。
資料右側、高校情報科についての単位制度柔軟化の活用についても、科目を効果的に組み替える工夫例でありましたり、情報Ⅰを増単位することにより、中学校情報・技術科のうち情報活用能力育成に寄与する内容を学び直す学習を付加する工夫例なども考えられるところでありまして、国においてこういった工夫例を分かりやすく学校現場に伝えていく必要があるといったことなどを記しております。
資料21ページでございます。ICTの効果的な活用による深い学びにつきましては、2ポツ目ございますけれども、まず丸1として、学習過程を充実する手段としてのデジタル学習基盤の活用に加えて、丸2学習の対象としてのデジタル学習基盤の特性の理解ということで、情報活用能力育成ならではの観点で整理をしておるところでございます。
資料22ページ目にまいります。効果的な学習評価の在り方につきましては、改訂後速やかに検討していくものとしておりますけれども、具体的には学びに向かう力・人間性等の見取る姿(仮称)の明確化でありましたり、高次の資質・能力を活用した単元計画作りに寄与する参考イメージ、内容のまとまりごとの評価規準例や、効果的な形成的評価の例といったものを示していく必要があるというふうにしております。
形成的評価に関しましては、1人1台端末の活用でありましたり、ルーブリックの活用事例について、好事例として資料右側に挙げておりますけれども、こういったものも参考にしつつ、形成的評価の例を示していくことを記しております。
最後、資料23ページでございますけれども、条件整備についてということで、こちらも議題1で議論していただいておりますので、こちらでは詳細な説明は省略させていただければと思います。
24ページ目以降は、今まで議論してきた補足イメージをこちらに添付する形として、まとめ上げているものになっております。
併せて、最後に参考資料を1点、紹介させていただければと思います。参考資料1というものがございまして、こちらのほう、令和6年度高等学校学習指導要領の実施状況調査の結果ということで、これは情報科情報Ⅰに関しての調査結果の暫定版といったところでございます。
詳細の説明はしませんけれども、この2ポツのところに、明らかになった成果、課題がございますけれども、課題だけ紹介させていただきますと、「実現するためのアルゴリズムを考えたり、情報デザインに配慮して考えたりするなど、情報と情報技術を用いた問題発見・解決の過程における思考力・判断力・表現力等の育成には課題があると考えられる」というふうにされているところでございます。
こちらについては、今まで高校情報科における議論をしてきた中での課題意識と照らしても違和感のないところかなというところでございますが、併せてご参考いただければと思います。事務局の説明は以上でございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。丁寧にご説明をいただきましたが、私どもこれからまた意見交換をしてまいりたいと思います。これは情報技術ワーキング、これまで11回やっているわけですけども、これの取りまとめを報告するものでございまして、各教科等のワーキングが同様のものを作るということになります。
私どもの方のワーキングは新しい領域や教科等の創設もありますので、ちょっとほかのワーキングに比べたら、おそらく分量もちょっと多いものになっているのかなというふうに思っておりますが、だからこそ私どもが議論してきたことに抜け落ちがないか、そういう観点からご覧いただいてご意見をいただければと思います。
今日の段階で確定させるものではございませんので、皆様の忌憚のないご意見をいただいて、また事務局が修正を加えていくという形にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、挙手をいただいて、ご意見のある方々のご意見がなくなったら、今日はここまでというふうにしたいと思います。挙手ボタンをお願いいたします。
では萩谷主査代理、田中委員の順番でまずまいります。お願いいたします。
【萩谷主査代理】 これまでのワーキングの議論の重要な部分をもれなくまとめられていると思います。事務局には感謝申し上げます。
AIを含めた技術の進歩と教育について、やや観念的な意見を述べさせてください。言うまでもなく、木材や金属などの物理世界の材料を道具を使って加工することから得られる身体的な達成感の教育的効果は甚大です。プログラミング教育においては、試行錯誤しながらデバッグを行ってプログラムを完成させるという達成感が得られます。そして、AI時代においては、AIも活用して試行錯誤しながら課題を設定して解決し、価値を創造するという達成感が得られます。
本ワーキングでは、プログラミング教育の議論なども通して、まさに技術の進歩に沿うように、物理世界で得られる身体的な達成感から最先端の技術に即した達成感までを経験できるように学習内容を積み上げることができていると考えております。
【堀田主査】 ありがとうございました。大きな視点からご意見いただきまして、ありがとうございました。それでは、田中委員お願いいたします。
【田中委員】 こちらの資料のページ14について、今回目標に掲げられた包摂的な社会について明記いただきありがとうございます。
今日閣議決定される予定の女性版骨太においても、工学部の女子学生比率を18パーセントから36パーセントにするという目標が掲げられる見込みです。特に日本は情報技術分野で女子が進路やキャリアとして選びづらい構造があります。
今回、包摂性が思想として入ったことは大きな一歩だと考えており、義務教育においてこの情報技術の授業がインクルーシブなものになっていくように、教材や教員のジェンダーバランスも今後ご検討をお願いいたします。
【堀田主査】 この後、鈴木委員、井手委員、春日井委員の順番でまいります。鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 今回こちらの資料も、大変多岐にわたる分野についてまとめていただいて、本当にありがとうございました。その上で1点、改めてご提案といいますか、お考えをお伺いしたいこともあります。
11ページですが、現行の成果・課題を踏まえた改善の方向性の中で、先ほど右下一番下のところで事務局からご提案いただいた「仮称を外してはどうか」ということのご提案についてです。私は名称から「仮称」を外す方向性については賛成いたします。
ただその上で、情報・技術科のこの中黒について、1点提案させていただきたいと思っています。理由は2つです。
一つはその中黒があることで、情報と技術が別々の二つの分野であるかのような印象を与え、あえて両者の分断を感じさせてしまうのではないかと思っています。
もう一つは、中黒で区切られた「技術」が現行の技術・家庭科の技術分野を想起させて、本ワーキンググループが目指してきた情報と技術を一体的に捉える先端的な学びという趣旨が伝えにくくなるのではないかと思っています。
そこで中黒を外して、「情報技術科」としてはいかがでしょうか。情報と技術が融合した新しい教科であることを名称そのものが端的に表せると考えています。これまでの議論の中で、自分の中でもずっとモヤモヤしていたことで、今回その仮称を外すとご提案いただいたので、改めてこちらからも意見を述べさせていただきました。
【堀田主査】 井手委員お願いいたします。
【井手委員】 初めに、これまでのワーキングでの議論を踏まえて非常に丁寧に取りまとめていただきありがとうございます。情報活用能力の体系化や小・中・高を通じた接続について大変よく整理されていると考えます。
7ページの条件整備の観点について意見を申し上げます。資料では中学校技術・家庭科技術分野において、臨時免許状所有者が588名、免許外教科担任が1,867名と、極めて深刻な状況が示されております。一方、高等学校情報科についても、臨時免許状所有者が47名、免許外教科担任が97名おり、依然として改善が必要な状況であると理解しております。
今回の改訂では、小学校の情報の領域、中学校の情報・技術科、高等学校の情報科、またこれには情報Ⅱの単位数の柔軟化等も含めて、これらを通じて情報活用能力の体系的な育成を目指していますが、やはりその実現のためには、まずは教員の確保・育成が前提となります。特に中学校では情報に関する内容の大幅な充実が想定される一方で、現在の技術科の教員配置の状況を考えると、学習指導要領の改訂だけでなく、教員養成、免許制度、現職研修を含めた総合的な方策を同時に検討する必要があると考えます。
また、今後中学校における情報教育の充実を図る上では、これまで高等学校情報科で蓄積されてきた知見や専門性をどのように生かしていくかという視点も、条件整備の重要な論点の一つになるのではないかと考えます。
【堀田主査】 では、この後、春日井委員、森山主査代理の順番でまいります。春日井委員、お願いします。
【春日井委員】 取りまとめの段階に入りましたので、改めて感謝申し上げたいと思います。本資料に掲載されていないような資料も含めて、これまでのワーキンググループでお示しいただいた膨大な資料をまとめるとともに、多くの意見を検討した上で、毎回のワーキンググループにご提案いただきました事務局の皆さん、およびこのワーキンググループを取りまとめていただきました堀田主査に改めて感謝申し上げます。
今回の本ワーキンググループでの議論の大きな特徴は、24ページの補足資料、補足イメージ1ではないかと思っております。学校での指導は近視眼的になることが多くありますが、2040年代の社会を想定して、児童や生徒が将来どのように活躍するかといった在り方を示しながら、具体的に学校ごとの目標や内容項目を検討してきたことはとても意義があったと思います。実際に指導する先生方にも、このような視点で指導していただけるよう、研修などでもご活用いただけることを期待しております。
私は高等学校における情報科の充実の視点でお話をすることが多かったのですが、今回の議論でメディアやAIをはじめ、専門の各委員の皆様の視点でバランスが取れた必要な要素が含まれる形での、小学校、中学校、高等学校の接続ができたのではないかと考えております。高等学校での情報Ⅱの単位数に幅を持たせていただいたことで、小学校から高校3年生まで情報の学びを継続できる点の意義は大きいと思います。大学進学をする人にとっては、大学教育への接続にも対応できているのではないかと考えております。
今後、先生方を対象にした研修などにおいて、今回整理した高次の資質・能力が身につくような学習について、実際の授業に近い形で研修を実施するなど、着実な実施ができるようにお願いいたします。
23ページをお願いします。先ほど議題1でも提案がありましたが、条件整備については現状を鑑みると絶対不可欠です。高等学校の情報科が初めて実施されてから20年以上経過していますが、今振り返ってみると、改めてやはりそう思います。
今後、新規で始まる小学校での情報の領域、中学校での情報・技術科、継続される高等学校の情報科、それぞれの着実な実施となるよう条件整備がこのように取りまとめとして記載された意味は大きく、改めて着実に進めていただければと思います。以上になります。よろしくお願いいたします。
【堀田主査】 では、村松委員お願いいたします。
【村松委員】 ここまでのご議論のまとめ、ありがとうございました。本当に丁寧にまとめていただきましたことに感謝申し上げます。
11ページお願いいたします。先ほどもご説明いただきましたけれども、名称として情報の領域、そして情報・技術科についての仮称を外すことについて賛同いたします。
情報・技術科(仮称)となったことで、例えばネットなどでは一部「すべて情報の学びになるのでは」といった、そういった誤解も流れたりしたことを見聞きしておりました。しかし、ここまでのワーキングでのご提案を見れば、従来のものづくりと情報技術の二項対立ではなく、個別の技術領域の知識や技能の習得にとどまらず、それを関連付けて活用するというより高度な学びとして構築されているということが伝わってくるかと思います。
先ほど「情報技術科」というご意見もありましたが、現実社会の技術を見ても、社会の中で情報技術のみではなく、従来のものづくりと情報技術が相互に関連することによって様々な技術が構成されています。そういった点も踏まえると、私は情報・技術科で仮称を取るという事務局のご提案について賛同いたします。
また、14ページですね。先ほど田中委員からも包摂的な社会ということの言及がありましたが、インクルーシブとともに、すべての子供たちが情報技術や生産技術を使いこなして、その社会課題の解決や価値の創造に参画できる社会という示し方、この新教科の方向性を明確に位置づける観点からも大変高く評価できると思います。私の方からは以上です。
【堀田主査】 それでは最後に、森山主査代理お願いいたします。
【森山主査代理】 ワーキングの取りまとめ案ということにつきまして、ご提案をいただきまして誠にありがとうございます。私からは、今回の取りまとめ案につきまして意見と、それに基づくお願いを1点させていただければと思います。
3ページ目の目次をお願いいたします。今回の取りまとめ案ですが、これまでのワーキングにおける検討の内容が幅広く盛り込まれておりまして、そうした意味で内容そのものについては本当に適切に整理をしていただいたなと思っております。
今回の学習指導要領改訂の議論におきましては、新たに創設される教科・領域というのが、このワーキングで検討をしてきた小学校の総合的な学習の時間に付加する情報の領域、そして中学校の情報・技術科ですね、これらのみということであることを踏まえますと、このことについて広く国民の皆様の理解を得ることや、教育課程全体にこれらの教科・領域がもたらす意義や効果ということを十分に説明するのはとても大切だと思っております。
特に、このワーキングの取りまとめ案の役割というのはとても大きく、その示し方や構成の工夫によって、これまでの議論の意義がより伝わりやすくなるのではないかなと思っております。そうした観点から本日お示しいただいた取りまとめ案を拝見させていただきますと、現状ではこれまでの議論が個別的には記載されておりますけれども、それらを貫く考え方や意図が必ずしも十分伝わる構成になっているかというと、大変申し訳ないのですが、そうはなっていないと言うと言い過ぎかもしれませんが、さらなる改善の余地が十分にあるのではないかなということを感じました。
これまでこのワーキングでは、2040年代の社会像というのを見据えて、そこからのバックキャストから育成するべき資質・能力の在り方を検討し、個別の学習内容を検討し、指導体制や教材の条件整備など、非常に精力的に議論を進めてきたと思っております。
特に、年間の標準総授業時数を現在以上には増加させないという諮問で示された方針のもとで、新たな教科・領域を設けるということの必要性や妥当性を丁寧に説明できるように、具体的な学習活動のイメージというところに至るまで、非常に精緻に検討を進めてきたと思っております。さらにはそれが教育課程全体の中で、他の教科や領域での学びの質の向上にどのように資するのかという観点についても丁寧に議論を積み重ねてきたと思っております。
本日の議題1で示された内容につきましても、そうした検討の成果が十分に反映されているからこそ、ほぼすべての委員の皆様から強くご賛同をいただいたのではないかなと理解をしております。
そういった観点で、事務局におかれましては大変お手数をおかけいたしますけれども、次回のワーキングに向けまして、これまでの議論の積み重ねや検討の経緯がより伝わるように骨子案のブラッシュアップをお願いできたらなと思っております。
これまで議論してきた内容のポイントというのは、すでに網羅していただいていると思いますので、より一層新しい教科・領域の必要性や妥当性、さらには教育課程全体にもたらす意義や効果について、一貫したストーリーのもとで分かりやすく教育関係者や国民の皆様に理解していただけるように、取りまとめ案の改善をお願いできればと思っております。すみません、長くなりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上でございます。
【堀田主査】 主査代理の森山先生から非常に大きな宿題をいただいたところでございまして、そういう観点から言えば確かに、私どもは各教科のバージョンアップみたいな議論というよりも、世の中全体の中で新しい教科や領域を作っていくためにどのように考えていくかというところからずっと議論してきたわけで、そういうストーリーをしっかりと国民の皆様に伝えるという、そういう役割でこの取りまとめを見直すということを今一度やってはどうかというご提案だったと思います。そのように頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
私からも一言だけ、何度もご意見出ましたが、条件整備のところですね。23ページになりましょうか。ここがこれから非常に重要になり、そしてまた注目もされるところかと思います。
この後、何とかこの小学校も中学校も高校も教育内容が充実するということが、内容の充実という意味ではなされたとしても、それの実現可能性、フィージビリティですね。これは論点整理にも最初の方で示されていますけども、それを考えたときに、ここに書いてあるような、特に内容が高度化する中学校等においては「それどこの教室でやるんですか」とか、「どんな機材を使ってやるんですか」みたいなことが、必ずしもGIGA端末だけではできない部分があろうかと思います。
また、先生たちの新しい内容に対する研修や、あるいはその先生たちが比較的容易に教材研究ができるようにするための様々な教材等、これを組織的に提供するというようなことも行われなければいけないと思います。また授業研究をはじめとする、特にその内容に精通した方々のリード、これは学会との連携が非常に重要かと思いますし、このようなこともあります。
また少し幅広に見れば、こういう教科が子供たちの情報活用能力育成に入ってくるということは、教員の情報活用能力、あるいは教員の校務DX等、教員の働きやすさと先生たちがこのデジタルの良さを体感されやすい職場環境みたいなことと、この教科、新教科・領域がうまくいくかどうかっていうのは、私はだいぶ関係があるんじゃないかなというふうに思います。
実現可能性の観点からもですが、今のようなことを今後条件整備としてどのように打っていくかということについては、予算等もかかることですのでそう簡単ではありませんが、各都道府県や市町村等の自治体の皆様のご協力も得ながら、各学校の先生方が夢を持つような、そういう形で2030年、31年に向けて進んでいければと思うところでございました。
たくさんのご意見をいただきまして、今日は両方とも重たい議題でしたけども、前半の議題については随分と完成度が高くなったと。後半の議題については取りまとめの内容的には特に問題はないけども、ちょっと体系を少し見直してはどうかということをいただいたということでございました。
今日用意した議題は以上になりますが、ほかに何か皆様言い残したことなどはございますでしょうか。
特になければ、少し早いですが、ここまでとさせていただきたいと思います。最後に次回以降の予定につきまして、事務局よりご連絡をお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】 はい。次回の情報・技術ワーキンググループは7月16日木曜日10時から12時を予定していますが、正式には後日連絡いたします。
【堀田主査】 それでは以上をもちまして、本日の情報・技術ワーキンググループの第11回を閉会といたします。皆様ご協力ありがとうございました。
―― 了 ――
福田委員提出意見(PDF:220KB)
初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付
初等中等教育局教育課程課教育課程総括係
電話番号:03-5253-4111(代表)