教育課程部会 情報・技術ワーキンググループ(第10回)議事録

1.日時

令和8年6月8日(月曜日)16時30分~18時30分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 小学校総合的な学習の時間(情報の領域(仮称))、中学校情報・技術科(仮称)、 高等学校情報科の体系整理について(続き)
  2. 内容の精選の考え方について

4.議事録

【堀田主査】  それでは定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報・技術ワーキンググループ第10回を開催いたします。本日も大変御多忙の中、御参加いただきまして誠にありがとうございます。
 本日の議題ですが、2つでございます。1つ目は小学校総合的な学習の時間に付加される情報の領域(仮称)、中学校情報・技術科(仮称)、高等学校情報科、この3つの体系整理について、これは継続の審議内容でございます。もう1つは内容の精選の考え方についてということでございまして、ただいま映っておりますけれども、具体的な進め方につきましては進行資料を御覧いただければと思います。
 まず資料1につきまして、事務局から御説明をいただいた上で、皆様から御意見をいただき意見交換をいたします。また、その後資料2について事務局から御説明をいただいた上で、皆さんと意見交換をしたいと思います。特に資料1につきましては、ずっと継続で審議してございまして、だんだん資料が精緻になっておるところでございますので、細かくなった分御意見もあろうかと思いますので、忌憚のない御意見をいただければと思います。
 それでは議題に参ります。まずは議題1です。もう長いので繰り返しませんが、体系整理についてということで、事務局より浅原さん、御説明をお願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】  それでは私より冒頭20分強お時間いただきまして資料について御説明をさせていただきます。議題1では2つの論点を御議論いただければと考えております。
 まず1点目は、主査から今御紹介ございましたように、前回に引き続きまして、より精緻に小学校総合的な学習の時間の情報の領域、また中学校情報・技術科の学びがどのように積み上がっていくのか、体系整理を進めるということでございます。もう1つは、新たに他教科等がどのように飛躍するか、つまり新領域、教科により各教科等の学びがどのように充実するかということの御議論もお願いできればと思っております。本日は1つ目の論点がメインとなってございます。
 2ページ目でございます。まず1つ目の論点の体系整理につきまして、前回のワーキンググループでの議論の結果を6月1日に開催されました総則・評価特別部会に御報告をいたしまして、新教科・領域の創設に必要な授業時数を検討するための基礎として、教育課程全体の学びの質の向上に繋げる観点から、必要かつ十分なものになっているか御議論をいただきました。
 特別部会での御意見でございますけれども、具体的には資質・能力ベースの考え方に基づき、目指す社会像や人材像からバックキャストして、教科の目標や内容を具体化している点については、必要な授業時数を検討する上で、一定の客観性に繋がるのではないか、といった検討の方向性について、概ね御理解をいただく御意見がありました。
 一方で、引き続き検討が必要な事項といたしまして、小学校では教科担任制が一般的ではなく、1人の教師が複数の教科を担当していることから、どのように全ての先生が情報の領域を安心して指導していけるようにするかが課題である。また、中学校では情報に関する内容の比重が高まる中で、ものづくりを通して培われる感覚や経験、試行錯誤しながら学ぶ過程の重要性が損なわれないようにすべきである、といった御意見。また、情報に関する内容の充実にあたっては、教材や授業動画等の整備を進め、情報分野を専門としない教員であっても適切に指導できる環境を整えることが重要である、といった御意見。また、新たな教科・領域については、他教科等の学びをどのように支え、どのように充実させるのかを分かりやすく示していく必要がある、といった御意見をいただいたところでございます。
 こうした御意見を含めまして、さらに情報・技術ワーキングにおいて御議論をいただき、次回以降の総則・評価特別部会に改めて状況を御報告させていただきたいと考えております。
 資料でございます。3ページ目、4ページ目になりますけれども、前回から大きな修正はございません。情報活用能力の抜本的な向上を検討するにあたりまして、2040年の社会像からバックキャストして、新教科・領域の目標や内容を検討する方向性をお示しをしているものになります。
 その上で、4ページ目になりますけれども、引き続き小学校総合情報の領域については、情報活用能力の体系的な整理に基づいて体系を構造化し、情報・技術科、高校の情報科につきましては、情報活用能力の体系と教科固有の内容を統合して構造化し直す方向で検討を進めている、という状況でございます。
 5ページ目、6ページ目でございますけれども、こちらも前回から大きな修正はございませんけれども、前回のワーキンググループや総則・評価特別部会における御意見等を踏まえまして、一部表現を修正したりしている、というものになります。
 7ページ以降になりますけれども、ここからが本日お示しする新規の資料になります。前回、小学校の情報の領域の内容は参考資料31ページのとおり、第3学年から第6学年までを1枚で表しておりました。これによりまして、全体像を大まかに把握することはできたわけですけれども、それぞれの学年で何をやるのかというところまでは精緻にお示しできていなかった、ということになります。
 そこで、今回は学年ごとに分解をいたしまして、さらに精緻に学習活動、あくまでイメージでございますけれども、学習活動を積み上げた資料になります。これによりまして、発達段階にも留意しながら学習活動を並べることが可能になったと考えておりますし、また、各学年の学習活動のイメージにつきましては、5ページ目にお示しをしました情報技術の活用、適切な取り扱い、特性の理解、この3つの関係図とリンクさせる形で配列をしております。
 具体的な構造や趣旨につきまして、8ページの第4学年を例に御説明をさせていただきます。まず内容の説明に入る前に前提でございますけれども、情報の領域を付加する総合的な学習の時間全体の構造は、総合ワーキングと合同開催いたしました第3回情報・技術ワーキングにおいてお示ししたように、現行の総合における探究との関係におきまして、情報の領域を一定の独立性を持ったまとまりとして位置づける観点から、探究の領域と情報の領域、2つの領域から構成されるということになっております。
 その上で、情報活用能力が各教科等も含めた探究的な学びを支え、駆動させる基盤として位置づけられていることなどを踏まえまして、2つの領域の関係は、情報の領域が探究の領域の学びを基盤として支えるものと位置づけられているところでございます。
 また、情報の領域の構成といたしましては、探究的な学びの特質が十分に発揮されるように配慮をしつつ、探究的な学びと一体的、重点的に指導するとともに、情報活用能力の着実な育成も図る観点から、ミニ探究ユニットという一定のまとまりを持ち、探究的な学びのプロセスにおいて情報活用能力の諸要素を学びつつ、実際の課題解決等に活用する小単元と、また情報ブロックという情報に関する基礎的な内容、主に情報技術の適切な取り扱い、特性の理解を学ぶ小さなまとまりを設けることとしております。
 先生方は、このミニ探究ユニットと情報ブロックを組み合わせながら、指導計画を立てていくことになりますけれども、こうした新たな領域の指導にあたりまして、過度な負担なく授業が実施できるよう、全国の学校で使うことができる動画教材の開発実証をすでに始めておりますけれども、今後さらに指導力向上、負担軽減のための必要な環境整備を加速していく予定でございます。
 こうした前提のもと、第4学年の学習活動のイメージを8ページのとおり検討をさせていただきました。まず、資料の構造といたしまして、上の段に主に情報技術の適切な取り扱いや特性の理解で構成される情報ブロックを体系的に並べております。下の段にはミニ探究ユニットの例を示しております。これらの関係ですけれども、上の段の各情報ブロックで学んだことを総合的に活用して、ミニ探究ユニットで設定したリアルな課題を解決しながら、生活や将来に繋がる力を育むものと考えております。
 次に、それぞれの内容項目の中の学習活動のイメージをいくつか御紹介させていただきます。まず、左上が情報技術の適切な取り扱いになっております。お示ししておりますように、適切な取り扱いでは法や制度、倫理、安全、メディア理解といった内容のまとまりで分類をしているところでございますけれども、それらが各学年できちんと触れられるように配列をしております。
 第4学年では、例えば丸2の倫理では、ルールを守る大切さとして、自分や他人の情報を安易に公開しないことなど、インターネット上の自分の行動が社会にどのような影響を与えるのかについて考えるような学習活動をイメージしております。
 また、丸3の安全、メディア理解では、受け取る情報の特徴として、同じ情報でも発信者の伝え方によって受け手の印象が変わることを確かめたり、偽情報、誤情報の存在を知り、情報を鵜呑みにせず立ち止まって考えたり、真偽がはっきりしない情報は活用しないことも含めて考えるといった学習活動をイメージしております。
 なお、今御紹介いたしました受け取る情報の特徴の掲載箇所に線で囲んだ学習活動がございますけれども、これは下の段のミニ探究ユニットで取り上げる単元例の中で、探究のプロセスに位置づけて学ぶことが可能なものという意味でお示しをしております。
 次に、右上の情報技術の特性の理解です。お示ししておりますように、特性の理解では丸1情報及びコンピュータ、丸2AI、丸3アルゴリズム・プログラミング、丸4デザイン、丸5データの扱い、丸6コミュニケーションとメディア、丸7社会的役割といった内容のまとまりで分類をしております。これらにつきまして、発達段階を踏まえて触れられるように配列をしているところでございます。
 第4学年では、例えば丸1情報及びコンピュータではSNSの種類や基本的な仕組みを調べて、便利な点や問題となり得る点を整理する学習活動、丸3のアルゴリズム・プログラミングではセンサーやスイッチで動く機器を調べるとともに、簡単なプログラミングを体験したりする学習活動、丸5のデータの扱いでは共同編集や閲覧、編集の権限設定を体験し、目的に応じて安全にデータを共有する方法などを知る学習活動をイメージしております。
 次に下の段になりますけれども、情報技術の活用でございます。第3回ワーキンググループでお示ししましたような情報領域の指導の工夫例や情報ブロックの体系性を踏まえますと、あくまでも仮のイメージではございますけれども、概ね各学年2つ程度のミニ探究ユニットを配置できると仮定して資料を作成しております。
 その上で、例えば右側のデジタル技術の正と負の側面を踏まえたマイルールを作ろうとなってございますけれども、こちらでは探究のプロセスに合わせて、まず自分たちの端末の使用傾向を調べて問題を見出し、マイルールを作ることを課題として設定をする。その後、インターネットを活用した情報の収集、クラウドを活用した情報の整理、分析を通してマイルールをスライドにまとめるといった流れの小単元をイメージしております。
 ここで大事なのは、探究の各プロセスを進めていく上で必要となるインターネットを活用した情報の調べ方や、クラウドの機能、表計算ソフトやスライド作成ソフトなどの操作の仕方、SNSの拡散の仕組みなど、こういったものはミニ探究ユニットに組み込まれた情報ブロックとして学ぶ時間を設けるということです。
 資料上で申し上げますと、各学習活動の右側に青色や緑色で示された項目で、これらは上の段の破線の学習活動を指しております。このように、教師が指導計画を立てていく上では、自身の考えるミニ探究ユニットの題材に即して、情報ブロックを自由に組み合わせることができるようになっていくことが望ましいと考えております。
 これが小学校の情報の領域の学習活動のイメージの詳細でございます。各学年同様の構造となっておりまして、系統性も担保するよう、見比べられるようにしております。あくまでこれらは仮のイメージでございまして、現在、国が進めている教材開発実証の予算事業等の検討過程で、さらなる具体化を図っていく予定でございます。
 なお、7ページの第3学年においてのみ、情報技術の活用の一番下にございますけれども、ミニ探究ユニットとは別に、基本的な操作としてキーボードで文字入力する基本的な方法等を学ぶタイピングと、各教科等で活用するクラウド上の汎用的なアプリケーションの基本的なアクセス方法や簡単な操作をまとめて学ぶクラウドの使い方を独立して学習することをイメージしております。第3学年の初期で基本的な操作をしっかりと学び、その後活用やその他の学習活動において練度を高めていくことを想定しております。
 1点、このタイピングに関係をいたしまして、国語ワーキングの検討状況を御説明申し上げたいと思います。第3回の情報・技術ワーキングにおきまして、小学校低学年における情報活用能力の育成イメージといたしまして、タイピングによる文字のキーボード入力については、例えば国語科において、小学校2年生で文字を書くことの学習の一環として、ローマ字による文字入力を体験してはどうか、と事務局から御提案をいたしまして、御議論をいただいたところでございます。
 この点につきましては、国語ワーキングでも検討をいただくことになっておりましたけれども、しかしながら、国語ワーキングにおきましては、第8回ワーキングの議論におきまして、多数の委員から慎重に検討すべきという意見が出たと伺っております。今後、国語ワーキングにおいて取りまとめに向けた議論の中で検討を行う予定であり、また国語科におけるICT活用についても引き続き検討すると伺っておりますけれども、小2から文字を書くことの学習の一環でローマ字による文字入力を体験することを盛り込むことまでは難しい状況となっていることから、情報の領域の第3学年においてしっかりと学習することとしてはどうかと考えております。
 続きまして11ページでございますけれども、11ページから14ページにつきましては、ここではミニ探究ユニットのイメージをより具体的に御理解いただけますように、第3回ワーキンググループですでに示したユニットの例を改めて、先ほど御説明した資料とリンクするように再構成をしたものでございます。詳細な説明は割愛させていただきますけれども、こちらを御覧いただくことでさらにミニ探究ユニットのイメージが分かるのではないかと考えております。
 続きまして15ページから17ページでございますけれども、中学校情報・技術科についてでございます。15ページから17ページ、前回と同様の資料でございます。新教科を構成する領域、内容項目や内容のまとまりの関係性等を捉えた資料となってございます。
 18ページでございます。ここから本日お示しする新しい資料となってございます。前回、情報・技術科の内容は参考資料38ページから41ページのとおりお示しをしておりましたけれども、学習順序等が把握できない構造になっておりましたので、今回新たに学年ごとの大まかな順序性も含めて、改めて学習活動のイメージをお示しをしております。
 具体的な構造や趣旨につきましては、18ページ、19ページの第1学年を例に御説明をさせていただきます。第1学年では、情報技術領域からは「情報の表現とデジタル化」、生産技術領域からは「材料加工とデジタル制作」を学ぶものとして仮定して設計をしております。
 まず、18ページの「情報の表現とデジタル化」でございます。情報・技術科は、どの内容項目も技術の学習過程を重視して学習内容を配列することを意識をしております。まず、仕組みを知る段階といたしまして、内容のまとまり丸1「情報のやり取りに関する特性を知る」、また、丸2「安全に情報を扱う」をこの2つのまとまりを置きまして、両者は一体的に理解するものとして整理をしております。これは情報活用能力の構成要素で言えば、適切な取り扱いや特性の理解に該当するものになります。
 ここでは、例えばデータ分析の手法や情報がデジタル化される仕組み、AIの特性やリスク、フィルターバブルやエコーチェンバーといったメディアの特性や影響、SNS等で得る曖昧な情報は判断を留保するといった対策などについて学習することを想定しております。
 次に、問題解決、技術を俯瞰し考える段階として、内容のまとまり丸3、丸4「情報を批判的に吟味する」、また、「情報を分かりやすく表す・伝える」を置きまして、丸1、丸2で学んだことを総合的に活用して、丸3、丸4での実践を通して、未知の状況でも課題を解決できる力とするような関係をお示しをしております。
 この内容項目では、主にデータの扱いやデザインを中心に学ぶことから、丸3、丸4で扱う単元例として、ここでは「情報を伝えるアプリを作る」そして「分析したデータを利用するアプリを作る」といったものを配置をいたしまして、それぞれ技術の学習過程に沿って内容のまとまりを学んでいく流れを表しております。
 例えば、「情報を伝えるアプリを作る」では、まず前提となる情報デザインの考え方を学んだ上で、情報のデザインの分かりにくさからユーザーが困っていることがないか調査をし、それを解消するアプリケーションの制作を課題として設定をします。その後、具体的なアプリケーションを構想、設計し、実際に制作をしてみる。
 その際、メディアリテラシーを働かせる観点から、アプリケーションの制作の各工程において、一歩引いてユーザーに不必要な情報や誤った情報を提供するようなものになっていないかなど、批判的に吟味する必要性なども学ぶこととしております。こうした過程を経てアプリケーションを完成させ、発表会をするなど、そういったものを通しまして、さらなる改善を考えたり、また情報デザインを活用した課題解決やその考え方について、実際に身の回りの生活や社会で生きている場面を想起しながら、望ましい活用の仕方などを考えることまでを一連の流れで学ぶことを想定しております。
 なお、これらの単元例につきましては、一般化するためにあえて抽象的な表現を用いて記載をしておりますけれども、実際は中学校1年生という発達段階に応じて、端末を使ってできる水準の学習活動となるよう設計されることが望ましく、またそうした内容となるように今後さらに精査をしていきたいと考えております。
 次に、19ページでございます。「材料加工とデジタル制作」ということでございます。まず、生産技術領域で大切なことは、情報技術を基盤とする場合であっても、これまでの技術教育で重視してきたものづくりを通して、試行錯誤しながら問題を解決する手応えや実感を失わないようにすることです。
 その上で、生産技術領域の内容項目は、よりシンプルに技術の学習過程の考え方に沿って学習活動を配列いたしました。まず、仕組みを知る段階では、材料とその加工の技術について、例えば木質材料や金属、プラスチック等の材料の特性や構造、それぞれの加工の方法、AI等の情報技術の導入と相まって、現代の材料と加工の技術は高度化していることなどを学ぶこととしております。また、単なる網羅的な知識のインプットではなく、次の問題解決の段階に必要な内容が重点的に教えられることが望ましいと考えております。
 次に、問題解決の段階でございますけれども、これまで同様、技術を使って問題解決する実感、手応えを得る観点から学習活動を配列しております。特に材料加工とデジタル制作では、構想段階までは端末を用いて積極的に3D CADなどを活用し、何度も試行錯誤しながら設計することができるようにし、その後の制作においては端末を使った設計を踏まえて、実際に手を動かしてものづくりを体感してもらい、評価・改善をして完成させる。
 その後、俯瞰し考えるという段階では、問題解決での実践を原体験のみで終わらせずに、こうした技術が身の回りの生活や社会でどのように実装されているのかを考えたり、今後この技術が発展していく上で自身や社会がどのようなことに気をつけるべきかを考えたりする学習活動を行うことを想定をしております。
 同様に21ページになりますけれども、第2学年で行う生物育成とデータ活用、エネルギー変換とスマート化におきましても、問題解決の実感、手応えを大事にしつつ学習活動を配列するように構成をしております。
 次に23ページ、技術の統合でございます。技術の統合につきましては、今回新たに設置する内容項目でございますけれども、ここでは情報・技術科の集大成として、これまで学んできた各技術を統合して生活で生かし、未知の課題を解決する力としてより確かなものにするということを目的として学習活動を配列するよう意識をしております。
 具体的には、ここでは仕組みを知る段階として、身近な生活や社会を支える製品やサービス、システムは、これまで学んできた各技術が組み合わさっていることについて、その負の側面とともに学ぶ。問題解決の段階では、これまでの各技術で制作した作品に別の技術を活用して新たな機能を付したりして、より生活に役立つものを作ってみる、そういった体験をしてみる。そして俯瞰し考える段階では、3年間の学習を振り返って、技術の利用者や開発者の立場に立って、技術全体を総括的にまとめる学習活動といったものを想定をしております。
 24ページから27ページですけれども、今回は情報の領域、情報・技術科のさらなる深掘りというものを中心に検討いたしましたので、高校情報科につきましては前回から更新はございませんけれども、小中の検討に合わせまして系統性が担保された学習内容であることを引き続き確認する必要があると考えております。
 長くなり恐縮でございます。続きまして2つ目の論点でございます。28ページですけれども、新領域・教科による各教科等の学びの充実についてでございます。総則・評価特別部会におきましても、新教科・領域が他教科の学びをどのように充実させ、どのように支えるのかといった点を明確に示すことが必要と指摘がなされたところでございます。
 28ページのとおり、具体的にどのように各教科等の学びに資するか、2つの観点を整理をしております。1つ目は、各教科等は端末等の活用方法に関する内容を精選することが可能になるのではないかという点です。これまで各教科等において個別に指導してきた端末等の基本的な活用方法について、改訂後は新教科・領域で体系的に扱うことにより、教科等の文脈に依存することなく習得できるようになるのではないかという点です。このことにより、例えばある教科で学んだスライド資料の作成方法が、他教科等での発表活動に十分生かされないといったことの解消が期待をされ、また各教科等において当該内容を精選することが可能となるのではないかと考えております。
 2点目でございますけれども、特定の教科固有の内容を精選することが可能になるのではないかという点でございます。現在、特定の教科等において扱われている内容のうち、新たに整理した情報活用能力としての資質・能力の育成に必要な内容につきまして、改訂後は新教科・領域で扱うことによりまして、当該教科等において重複して扱う必要性が低下することから、内容の精選が可能となるのではないかと考えております。この2つ目の点に関する具体的な内容につきましては、次回の情報・技術ワーキングにおいて整理をさせていただきたいと考えております。
 29ページ目でございます。最後になりますけれども、前回同様、改めて条件整備についても押さえておきたいと思います。今回、より一層、新教科・領域の学習内容イメージが明確化したこと、また、総則・評価特別部会での御指摘のとおり、条件整備に関する必要性がより一層増していくことが想定されることから、本資料を再掲し、また一部更新を図っております。
 改めて、現状のプランにおきましても、今後取り組むべき施策として、教材開発や実証、技術科の免許法認定講習等の支援、外部人材の活用推進等を挙げており、そのうち、教材開発、実証や免許法認定講習などは今年度から予算事業として実施をしているところでございます。
 さらに、教員の指導力向上に資する研修支援や新内容を指導するための環境整備、具体的には、いわゆるPC教室の在り方等について、現行のICT環境整備3か年計画期間中に整理を行い、また、3Dプリンター等の教材の各自治体での整備状況の把握、可視化を踏まえた多様な整備の工夫、整備促進策の検討も一体的に進めてまいりたいと考えております。
 なお、プランにつきましては、本ワーキンググループの取りまとめまでに更新版を御報告をしたいと事務局としては考えているところでございます。長くなりましたが、御説明以上でございます。
【堀田主査】  詳細な説明ありがとうございました。この後議論に入りますが、私からも付け加えをしておきたいと思います。資料の2ページを提示いただけますか。先ほど浅原参事官からも御紹介いただきましたけれども、この総則・評価特別部会におきまして、この情報・技術ワーキングの主査として、私から御報告をいたしました。
 私どもの検討が、諮問に書かれていた情報活用能力の抜本的向上という大きなお仕事を引き受けてやってきたことであることや、また、小学校においては総合的な学習の時間の探究の領域を下支えする情報活用能力として情報の領域が位置づいているということ。一方で、中学校では情報・技術科を新設することになるわけですから、これらの内容との接続の観点から、この情報の領域の内容、学習内容については検討しなければならないこともあるということ。高等学校でももうすでに情報科はございますけれども、小学校や中学校のいわゆる情報活用能力の育成が進めば、高等学校の情報科の内容もずいぶん様変わりするだろうと。このことと、高大接続を見越した社会で役に立つ情報活用能力ですね。このことと、高等学校での教育内容がどういうふうになるかということを丁寧に議論している最中であること。
 これらの内容は、必要かつ最低限のものをずっと組み立てて系統性を今担保しようとしている一方で、例えばメディアリテラシーとかSTEAM教育とか、この分野に関わりの強い様々な社会的な課題との目配りも忘れずにやっているということを御報告してまいりました。
 皆様のおかげで少しずつ教えるべき内容の精査が進んでいて、今日もずいぶん詳細になった資料をいろいろ御意見いただきながら事務局から今日御説明いただいたわけですが、ここから先ですね、これについて皆様にさらに御意見を賜りまして、より一層細かく詰めていくというのが今日のお仕事でございます。
 時間は比較的ございますので、できるだけたくさんの方に御発言いただきたいと思います。いつものように私から指名させていただきますが、挙手ボタンで意見の表明をしていただき、一方で御発言につきましては、たくさんの方に御発言いただくという観点から、どんな長くても3分以内に収めるよう御配慮いただければと思います。
 また、資料も細部にわたってきておりますし、細かい話になってきておりますので、資料のどのページに関する御意見、あるいは修正意見、あるいは質問等であるかということを御明言いただけますと幸いでございます。
 それでは参りましょう。御意見のある方、挙手ボタンをお願いいたします。
 ちなみに、あと何回かまだわかりませんけれども、ずいぶんとこの審議は後半に来ておりますので、大きな改善はもう難しくなってきていて、もしこう修正したほうがより精度が高くなるのではないかという、そういう発言の仕方にお願いしたいと思うところでございます。
 たくさん挙手されてますので、順番に私のほうから指名してまいります。この後、まずは泰山委員、望月委員、山脇委員、まず3人いきたいと思います。泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】  はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。まず、丁寧に整理をいただいてありがとうございます。3点発言をさせてください。
 1点目、7ページ目をよろしくお願いいたします。こちらで示していただいているとおり、前回からメディアリテラシーという言葉が昨今の議論を踏まえて明確に位置づけていただいたということについては非常に重要な点かなと思っております。
 一方で、この図にあるようなメディアリテラシー、そしてそこに関連するクリティカルシンキングについて、適切な取り扱いのみにかかっているように見えることで矮小化されてしまわないかということが懸念をしています。メディアリテラシーは当然他の領域の要素とも関連するということがあると思いますので、それ以降、示していただいているような内容のところで、情報収集やメディアの仕組みの説明のところにメディアリテラシーに関連するようなことの説明を追記いただくということを検討いただけないかということ。もう1点、この図で言うとクリティカルシンキングについてですが、この枠の中にはめてしまうことによって非常にちっちゃく見えてしまうのではないかと思っていて、例えばこの枠を、この点線を双方の矢印の上ぐらいに置いていただくことで、情報活用能力を下支えするような教科横断的な能力として示すなどを検討いただけないかというところが1点目です。
 2点目です。8ページ目、次のページをお願いいたします。こちらについても非常に具体的に整理されてイメージが持ちやすいように思っています。特に私が重要だと思うのは、この資料にあるように基本的な操作が情報技術の活用の中でもミニ探究ユニットとは別にしっかり習得、練習する時間が確保されるということがイメージとして示されるのが重要だと考えています。
 そういう意味で言うと、4年生以降も同じように習得が必要なスキルというのがあるのではないかと考えています。例えば、4年生はアンケート作成やスプレッドシートやドキュメント、スライド。5年生で言うと動画編集、プログラミング。6学年で言うと生成AIのツールの使い方などのような操作の習得の時間というのを同じように明記できないかというふうに考えています。
 長くなりますが、3点目です。29ページをお願いいたします。このような整理がとても重要だと思いますし、この整理の方向性には非常に賛同いたしますが、特に丸1の中には端末等の使い方以外にも、特にこういうメディアリテラシーのように情報の領域の内容ではあるんだけれども、それを指導することによって探究の質が高まると考えられる指導事項も含まれるのではないかなと思っていて、そこがこれまで各教科の中では指導しにくかった。だからこそ情報の領域や情報・技術科で特に時間を確保するという理由なのではないかと考えています。そのあたりの要素を追加いただくということを検討いただけないかと考えています。以上になります。
【堀田主査】  では、望月委員、お願いいたします。
【望月委員】  28ページ、各教科への裨益について賛成です。段階1のように、すべての教科等に共通のものを小学校の場合であれば情報の領域で学ぶことで、各教科では繰り返しの活動となり資質・能力の向上に繋がると思います。また、各教科の内容を深く学ぶことに繋がると思いますし、本市の研究開発学校でも時間的な余白を生むことができています。
 段階2においても前回のワーキングでプログラミング的思考について広い捉えになりました。よって、正多角形等で体験するのではなく、新たなプログラミング的思考を情報の領域で学ぶといいと思います。
 ただ、段階1について教師が情報の領域の学びを他教科に横展開していくことを意識していかないと、ミニ探究ユニットなどの教材を単に教えるだけになってしまう恐れがあります。特に、中学校の教師は小学校の情報の領域で子供たちが何を身につけてきたのかを理解していなければいけませんし、情報・技術科以外の教師が情報・技術科で学んでいることを理解している必要もあると思います。そのため、教員研修が必須であると思います。以上となります。
【堀田主査】  山脇委員、お願いいたします。
【山脇委員】  学年ごとの詳細なイメージを示していただきありがとうございます。「資料1」22ページ目「②情報技術のリスクに対処する」で、「民主主義社会におけるメディアの役割」という非常に重要なことが書かれています。この中で、「AIによる偽・誤情報などが含まれることを踏まえ」とありますが、偽情報や誤情報はAIによるものだけではないので、やや危険な書き方かなと思います。また、民主主義社会との関わりが不明確なように感じました。
 民主主義社会を健全に保つためには健全な情報接触が必要だという中で、SNSの情報は手軽で便利だけれども、事実確認がされていないものも多く含まれており、 事実の確認作業について努力しているメディアの情報とは、特性の違いがあることを理解することは大事であると思います。また、全体主義国家・権威主義国家では情報が自由に流通せず、人権侵害も含めて様々な問題が生じていることを含め、報道の自由や民主主義におけるジャーナリズムの意義の示唆もあってよいのではないかと 思います。この内容は中3で初めて出てきますが、中1ぐらいからスタートしても いいのではないか、と思いました。
 次に、18ページ目、中学1年の「②安全に情報を取り扱う」というところです。aの中で「新聞や雑誌とニュースアプリの表示とを比較してエコーチェンバーを体験し」とありますが、「エコーチェンバー」は、同じような意見に触れ続けると同じような考え方になるという意味で使われる言葉です。インターネットが広がる前、テレビを視聴している人の中でもそうしたことが起きることが知られていました。また、ニュースアプリには、新聞やテレビなどのマスメディア情報も多数配信されています。新聞とニュースアプリを比較しても「エコーチェンバー」の体験にはあまりならないと思います。むしろ、「エコーチェンバー」と「フィルターバブル」という言葉を区別して使っていただいたほうがいいのではないかなと感じました。
 それから、10ページ目。小学校6学年、情報技術の適切な取り扱い、「③ 安全・メディア理解」の中で、アルゴリズムのことが書いてありますが、アルゴリズムは1社1社違っているし、更新もされていて、常に一定のものではありません。アルゴリズムの良い点についての理解も必要ですし、先ほど申し上げた「エコーチェンバー」がインターネットの中だけではなく、現実社会でも十分起きうるということを理解しなければいけないと思います。
 また、「b. 情報の信頼性を確かめる」についてですが、世の中には、努力しても信頼性を評価できない情報・曖昧な情報もたくさん流通しているので、その点の理解が重要だと思いました。
9ページ目、小学校5学年の情報の適切な取り扱い、「③ 安全・メディア理解」 の中で、「SNSや報道メディアから発信される情報を比較し」とありますが、そもそもSNSはプラットフォームであり、報道メディアもSNSを利用しています。あまりここを比較しても意味がなくて、「情報プラットフォームとしてのSNS」と「報道メディア(報道機関)」の違い、そこに流れる情報の性質の違いを理解するというような形が大事かなと思います。また、その下の段に「表現の工夫やプライバシーへの配慮、「いいね」などの受け手の反応が与える影響など」とありますが、SNSは「利用者が見たくなる仕組みである」というようなことをお伝えするのがいいかなと思います。
8ページ目、小学校4学年、情報技術の適切な取り扱い「③安全・メディア理解」中で、「SNSと対面での情報交換を比較し」とありますが、偽情報は、SNSや口コミで広がり、そこは地続きであることが多いです。そのため、単純に「SNSと対面を比較する」ということだと不足があるのではないか、という点を指摘したいと思います。
最後に、7ページ目、小学校3学年、情報技術の取り扱い「③安全・メディア理解」の中で、「切り取られた文章や画像、それらを組み合わせたものを例に」とありますが、すべての情報というのがそもそも切り取られて再構成されていることへの理解がまず大切なのではないかなと思います。どうぞよろしくお願いします。
【堀田主査】  ではこの後村松委員、井手委員、蓮池委員の順番でまいります。村松委員、お願いします。
【村松委員】  今回の提案は、2040年の社会像を見据えて、AIの普及とか労働市場の変化、それから偽情報、誤情報の拡散などを背景に情報活用能力の抜本的向上を目指すもので、大変意義があると考えます。特に本提案が単なるICT活用技能の習得にとどまらずに、AI時代において情報を吟味したり、多様な意見と対話したりしながら判断し、新しい価値を創造していく力を育成していこうという点は、今回の学習指導要領改訂が最終的に目指す自らの人生を舵取りすることができる民主的で持続的な社会の作り手をみんなで育む、こういったことにも大きく貢献するのではないかと考えます。
 論点1についてです。5ページで、情報技術の活用、適切な取り扱い、特性の理解の3観点が相互に関連しながら探究を支えとした構造というのは、分かりやすく探究の中で必要となる情報活用能力を育成する考え方にも納得感があります。その際特にワーキングでこれまでも議論されてきたように、AIやアルゴリズムの仕組みや限界を理解し、体験を通して適切に活用する力を重視することが重要だと考えます。
 例えば9ページ、学習イメージ、5学年ですね。AIを体験するといったところでも、AIが判定を間違える場合などを確かめることですとか、10ページ、第6学年でAIの仕組みを知るというところでAIの様々なシーンによる結果を比較して得意不得意を知るとか、結果を確認することを大切に考える、あるいはその下のミニ探究ユニットで生成AIの特性やリスクを理解して創作するといった例というのは非常に適切であると言えます。
 AIを使うこと以上に、AIには限界や曖昧があることを理解して情報やAIを批判的に捉える視点を育成することを、小学校段階から明確に示していくということは、この情報活用能力育成に対する社会的な納得感あるいは、AI活用に対する不安の軽減にも繋がるのではないかと思います。
 19ページ、中学校の材料加工とデジタル制作ですね。材料と構造を工夫して制作する段階のところで、デジタルのみならず手を使った学びが適切に位置づけられている点も、技術の本質的な学びという側面、また学校現場での先生方の不安の払拭という観点からも評価できるのではないかと考えます。
 1点、23ページです。技術の統合の課題の設定のところですね。自分が生活の中で気にしていることという例示がありますが、第3学年という段階を考えると、例えば生活や身の回り社会等、より社会をも意識した示し方というのもあるのではないかと考えました。
 論点2については、他教科との関係で総則・評価特別部会のみならず国民の理解を得るためには、この提案が単純に情報技術の内容を増やすだけではなくて、すべての教科の学びを高度化、生成するためにその基盤を整えるということの説明が非常に大事だなということをお話を聞いていて感じたところであります。
 28ページの例示であります。全教科に共通のスキル例が示されています。それのみならず、その下の特定の教科の観点として、例えば国語における論証や情報の信頼性、社会における主権者教育理解や数学におけるデータ分析、総合的な学習における探究活動など各教科の内容の関わりも示すことで、この情報活用能力の育成というのが各教科の探究の学びや高度化さらには授業の効率化、精選に繋がることがより伝えられるのではないかと考えました。
 最後に御提案いただきました条件整備はこの改訂実現のためにも必須事項と考えますので、ぜひ実現をお願いしたいと考えます。
【堀田主査】  井手委員、お願いいたします。
【井手委員】  28ページをお願いします。本提案の方向性に賛成いたします。情報活用能力の抜本的向上において、新教科・領域の役割は極めて重要な位置づけにあると考えます。現行の学習指導要領において、多くの高等学校では情報Ⅰが1年次に履修され、その学習内容が情報活用能力の基盤として機能しており、探究活動を通じて他教科の学びの質の向上に寄与しています。
 その際重要なのは、デジタル学習基盤を新教科・領域に引き取ることで他教科での活用が減るということではなく、むしろ他教科においてもそれを前提により深い学びへと発展させていく点にあると考えます。小中高のすべての教員が、各段階でどのような情報活用能力が求められるのか見通しを持ち、現在の授業をその全体像の中で捉えることが重要であり、今回の改訂における一気通貫した情報活用能力の育成という考え方は意義が大きいと考えます。
 そのためにも、現場の教員が校種や教科にとらわれず参照できる学習指導要領および情報活用能力育成の体系的な枠組みを整備し、それをいつでも気軽に確認できる仕組みが必要になります。こうした体系化により、端末等の基本的な活用方法や情報活用能力としての資質・能力の育成に必要な内容を新教科・領域に整理しつつ、各教科ではそれを前提にデジタル学習基盤を活用したより深い学びが展開され、学びの質の向上に繋がると考えます。
【堀田主査】  蓮池委員、お願いいたします。
【蓮池委員】  今回も資料の作成ありがとうございました。3ページをもとにまずは全体の意見をさせていただきます。先ほど村松委員の御発言にもありましたが、2040年の社会の想定であったり、目指すべき方向性からバックキャストしまして、段階的にメディアリテラシーやAIリテラシー、データリテラシーもそうですけれども、そういったものを身につけていく。実際の実例を通して活用したり問題解決の流れを学んで、最終的には複雑な社会における意思決定や価値創造に繋げるような流れで内容が組まれていることにはすごく賛成いたします。
 今回7ページから始まります小学校中学校の内容に関しまして、精緻になって精査されていただいたことも賛成いたします。その後の高校に関しては、事務局の御発言にもありましたが、やはり小学校中学校の資料の内容から比べるとまだまだ精査が必要な部分もあるのかなと思います。
 現状の見え方からすると、高校の内容がただ単に小中に降りてきて、高校が高大接続、ひいては社会との接続の部分で広がって、情報活用能力の抜本的向上に繋がっているようにはなかなかまだ見えにくい部分がありますので、このあたり最後の確認といいますか、精査をお願いしたいところがございます。
 特に25ページに関しまして、今回もキーワードになっていますがAIに関しましても、AI、今単独で柱になっておりますが、データサイエンスであったりコンテンツデザインであったり、情報システムデザインもそうですけど、AIなどの知能情報技術が横串となって実際に活用されていく部分にはなるかと思いますし、実際にAIそのものが学ぶべき対象であるとなっているかと思いますが、小学校中学校と様々なAIの流れを学んでいく中で、最後この情報Ⅱの段階でAIとして何を学ぶべきなのか、何を最後伝えるべきなのかという点に関しましては、実際に最後の精査が必要じゃないかなと思っております。
 実際にデータサイエンスの分野で言いますと、このあとの上にPBLの価値創造が付いていますけれども、データを実際にどういって使うかというところは事象ベースであったりとか、実際のどういった場面で使うかというところの想定が必要になってくると思います。そういった意味でも29ページにあります通り、教員を手助けするような資料の作成であったり、教員の研修であったりしたときにも、やはり事例であったり場面というものの多様性をできるだけ確保してあげて、そういった研修や教材資料作りに生かしていただければと思います。
【堀田主査】  この後白井委員、鎌田委員、今度委員の順番でまいります。白井委員、お願いします。
【白井委員】  資料の作成・ご説明いただきありがとうございました。まずスライド1をお願いいたします。今回、事務局が整理くださった資料では、情報の領域(仮称)、情報・技術科(仮称)、情報科それぞれの段階での学習内容と育成すべき資質・能力との関係が、具体的な事例も交えながら整理体系化され、全体像が理解しやすくなったと思います。特に、具体化された内容のまとまりによって、学校段階や教科等の特性を踏まえ、各領域・科目で何に重点を置くべきか、どこまで扱うべきかという理解が深まり、接続性が明確になったと考えます。教育課程全体の学びの質の向上に繋げる観点からも、必要な方向性が示されていると考えます。
 続いて、スライド28をお願いいたします。他教科等の学びの質の向上にどのように資するかについては、端末等の活用方法に関する内容と特定の教科固有の内容の精選という観点から整理することに賛成いたします。情報活用能力は、これからの時代を生きるすべての子供たちに必要な能力です。この資料にも記載のとおり、情報活用能力の育成において新教科・領域が果たす役割は極めて大きくなると考えます。
 最後に、スライド29でお示しいただいた体系整理により明らかになった条件整備についてですが、ぜひ国がイニシアチブを取って積極的に進めていただくことを期待いたします。
【堀田主査】  鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】 3ページをお願いします。先ほど村松委員と蓮池委員が言ったようにこちらの取りまとめの部分に賛同いたします。特に3、4ページのところは丸1の2040年代の社会の想定、丸2重視すべき方向性、丸3育成を目指す資質・能力、丸4体系化整理に向けた観点が示されており、情報活用能力の抜本的向上の必要性が整理されています。これは本当に現場にとってすごいありがたいことです。やはり将来こういう社会になるからこそこういう力が必要だという整理がされていると、出発点から逆算してカリキュラムを作ろうとしているメッセージが伝わりますし、現場としてもなぜこれを学ぶのかというのを生徒や周りに説明しやすくなりますので、非常に良い整理だと思いますし、この考え方を今後もぜひ貫いてほしいと思います。
 29ページをお願いします。こちらに書かれている内容から2点お願いします。まず1点目です。矢印の下2つのところですね、新内容を指導するための環境整備と3Dプリンター等のところなんですけど、やはり今回のこの指導要領改訂は中学校も高校もそうなんですけど、プログラミングやデータ分析、AIを使った学習内容が非常にこれまで以上に増えてきますので、度々私の方から発言させていただいておりますが、やっぱり環境整備が十分でない状況では実現は難しいかと考えています。
 現場では実際にパソコン教室がなくなってしまって思うような授業できない学校や、プログラミングをやろうとしてもiPadしかなくてやりづらい学校、共有サーバーがなくなってしまいましてウェブサイトや動画編集ができなくなった学校等の話を伺っておりますので、こういった内容を高度化するからこそ、こういった環境整備を示すという部分に関しては現場として非常にありがたく思います。
 それと同時にもう1点御発言させてください。中学校と高校のさらなる連携の重要性について述べさせてください。今回の体系整理が進むにつれて、やはりこれまで以上に中学校と高校の連携が重要になると考えています。前回の第9回ワーキングでも資料に示されていますように、中学校のプログラミングの指導について課題があると答えた都道府県が64%ありますし、高校の現場の情報科教員の59.8%が中学校とのプログラミングにおける接続が十分でないと回答がありますので、これらの数字は現行でもうまく中学校と高校の接続ができてないことを示していると考えています。
 今後この内容をさらに高度化することから、やはりこの中高の接続の課題を解決することが重要じゃないかと考えています。高校の情報Ⅰですね、今後の新しいものに関しては丸1から丸5までありますが、(1)では中学校までの学習外を概念的に理解する単元として位置づけられていますが、後続の(2)から(5)を扱う時間が圧迫されるようなですね、やっぱりしっかり積み重ねできてないと(1)に多く時間を割くことになりますので、やはり今まで以上に中高の接続を意識していく必要があると思います。
 提案として、接続を自主的に機能させるためにカリキュラムの設計に加えて、中学校と高校の教員がお互いの学習状況を把握できる仕組みづくりや、プログラミングの経験を高校や中学校がお互い確認できるような引き継ぎの仕組み等も、プラットフォームの整備として検討していただけないかと思います。
【堀田主査】  今度委員、お願いいたします。
【今度委員】  大変丁寧な資料の御提示、そして御説明をいただき、誠にありがとうございました。資料1の3、5、6ページに関連し、メディアリテラシーの批判的思考を本格的に発揮するために、情報活用能力における批判的思考力の定義を明文化したいと希望いたします。
 単なる論理的思考や真偽判定にとどまらず、生成AIが生成した回答も1つのメディアであるという前提も踏まえ、批判的思考力とは、AIは事実を検索しているのではなく、確率的に言葉を紡いでいるだけであるという前提に立つ力、そして自分の入力がAIのバイアスを増幅させたり、都合の良い答えを誘導していないかと自問する力、正しいかどうかだけではなく、その出力が特定の属性への偏見を再生産していないか、誰かの権利を侵害していないか、社会的な影響を評価する力、そしてAIだけで完結させず、一次情報や専門知と掛け合わせて情報の確からしさを測る力であると示すことが大事だと考えます。
 また、批判的思考力が未発達、批判するための知識技能が未成熟な小学校段階においては、AIの直接的な体験は抑えるべきと考えます。まずはアンプラグドな活動を推奨すべきで、家庭利用における保護者との連携や、他者への尊厳を守るといった教科の枠を超えた土台作りに徹するべきではないかと考えます。私からは以上です。
【堀田主査】  この後鈴木委員、安藤委員、萩谷委員の順番でまいります。鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  まず3ページお願いします。アドバンスドエッセンシャルワーカーなのですが、前回申し上げた地方経済に限定しないということで、「我が国の」と反映いただきました。今年の骨太の方針で引き続き踏襲されるのか、注目しています。
 5ページ目お願いします。小学校の適切な取り扱いに、「社会的責任」の観点を入れてほしいというお願いです。「ルールやマナーを守って安全に活用できる」となっていますが、「他者への責任」という観点は中学や高校では示されていますが、その入り口になる小学校で抜けているように見えます。小中高を一貫して「社会的な責任」は情報の中の中核的な概念で、ぜひ小学校の段階から同じ言葉を立てていただきたいと思います。
 具体的には、現行の「ルールやマナーを守って安全に活用できる」を、「ルールやマナーを守り、他者や社会への責任を考え、安全に活用できる」とできないでしょうか、御検討ください。
 次はスライド8と9ページです。AIを教える範囲の学年別の分解をいただき、ありがとうございます。前回生成AIの利活用について、教育現場での生成AIの取り扱いガイドライン改訂の動きに合わせたワーキンググループとしての一定の目安、指針の形で示すのはいかがかとお話ししましたが、今回学年別に分解していただきました。
 ただ一方で、今後ますます生成AIの利活用がこれからの教育現場で重要事項となる中で、生成AIの利活用に特化した小中高の流れのスライドがあるといいなと思いました。御検討ください。
 次はスライド20と39になりますが、これも前回お伝えしました「アルゴリズムの依存性、中毒性」を明示する件です。スライド20の丸2のAでアルゴリズムが人の認知へ与える影響とありますが、「依存性」「中毒性」という観点が明示されておらず、前回もお伝えしましたが自民党のPTでも問題視されている論点であり、生徒自身がより特性や影響を理解するためにも、アルゴリズムの影響として「依存や没入を生みやすい設計上の特性」があるということをぜひ明示していただければと思います。スライド39においても、認知的特性に「依存性」「中毒性」に繋がる特性を含むということも明記していただけるといいと思います。
 最後に29です。先ほど総則・評価特別部会の方からも教員や教材についての御意見がありました。また先ほど浅原参事官から外部人材についてのお話もありましたが、これも前回お伝えしましたが「外部専門家の授業への参画」や「外部講師の確保」を選択肢として明確に位置づけ、本プランの更新に盛り込むことを改めて御検討ください。
【堀田主査】  それでは安藤委員お願いいたします。
【安藤委員】  今回のご提案の構造化ということ全体に関わることについてお話しできればと思っております。よろしくお願いいたします。これは本ワーキングにとどまらない重要な意味があるのではないかと思っております。
 まず最初に申し上げたいのは、どれほど言葉で説明表現しようとしても、その元となる情報が構造化されてなければそこから必要なものを取り出すことができない、もしくは困難だということになります。これは例えば、現行の学習指導要領でも丁寧には書かれてるものの、分かりにくさを感じてしまうという課題と通じるものもあるかなと思っております。
 情報を構造化することの重要性というのは、例えばプログラミングですと配列やデータベースなどを扱うときが典型です。現在の大人、教員も含めてですが、言語化の訓練は積んでいても、データの構造化の意義を十分に体感できてない方も多いのではないかと思います。例えば今学校DX戦略アドバイザーもしておりますけれども、やはりSociety3.0の時代に培われた、紙の上で人間が見て理解できることを目的とした情報がそのまま情報システムに持ち込まれてることが、コンピュータで作業するにはかえって手間が掛かっていることがあるのです。例えば、セルが結合されていることでコピーしたデータが貼り付けられないなどです。小さいことでもこうした手間が重なって、教師の多忙解消の障壁だったり教育DX推進を妨げる大きな原因になってるかなと思うんですよね。
 ですから今回の体系的なプログラミング教育が実現したり内容が構造化して示されることによって、デジタルデータとしても使用しやすくなり、今後のDXの推進にも寄与するのではないかと期待しております。
 さて私たちがこれまで議論してきた内容というのは、学習の基盤である情報活用能力そのものなわけですよね。これが小中高と整理構造化されたことで、何をどの段階で育成するのかそれをどう機能させるのかという問いに明確に答えられるようになったと認識しております。全国の自治体や学校におけるカリキュラム編成のDX化というものもここから本格的に進んでいくと思いますし、高校までにこの力が育成され社会で発揮されることでSociety5.0の時代に活躍できる人を増やせると思いますし、負の影響を受ける人も減らせるんじゃないかと思っております。
 続いて、資料5ページになります。資料5ページでは情報の特性を科学的に理解すること、限界を踏まえた活用ができるということのメディアリテラシーの必要性について書かれてます。大人からはよく今の子供たちは何も教えなくても使いこなしてるよね、という声を聞いたりしますがこれ、なんとなく使えてるという状態を見誤ってる見取りだと思います。直感的操作との背後にあるのは無意識に行動を誘導されるという負の側面でもありますので、やはりこういった情報デザインに関することを知って意図してコントロールする力、意図して使用しないと判断する力も重要になるかなと思っております。私から以上になります。
【堀田主査】  萩谷主査代理、お願いします。
【萩谷主査代理】  まず7ページ目から10ページ目の小学校に関してですけれども、特にこのメディアリテラシー教育の充実はインターネット上のメディアや生成AIに対して包括的な制限などはせずに、初等中等教育において積極的に推進する方向性を確実にするものと理解しております。
 また情報技術の特性の理解についてですけれども、情報ブロックによって7分野が十分に網羅されていることは大いに歓迎しております。小学校だけではなくて小中高と各分野の連続した積み上げが着実に行われています。
 例えばプログラミングは小学校の3、4、5、6年すべてで扱われており、中学校でも中心は20ページのプログラミングと自動化ですけれども、18ページでもアプリの作成、22ページでもシステムの制作がありまして、すべての学年で扱う形となっています。
 ただしモデル化とシミュレーションについては、前回も発言しましたが、情報技術の特性の理解の7分野の1つになっていないため高校のみでの扱いになっています。しかし中学校では19ページの材料加工のところですけれども3D CAD、それから21ページのエネルギー変換のところですけれども回路シミュレーターのように、むしろ生産技術のほうにモデル化とシミュレーションの内容があります。情報技術のほうでも何らかの言及があると良いと思います。
 また技術の統合のところ、例えば解決策の構想の段階でモデル化とシミュレーションを行なうことも考えられると思います。
 最後になりますけれども、全体的に小中高で育成すべき人材像を念頭に体系的な教育課程が設計されていると思います。例えば、AIについてですけれども、さらに精査が必要という御意見もありましたけれども、情報Ⅱで仕組みの理解に至り、そこに到達するまでの小中の積み上げが体系化されています。最終的に、高校を卒業する段階でAIの仕組みを理解しつつAIを活用できる人材が育成されることが期待されます。以上です。
【堀田主査】  ではこのあと大谷委員、福田委員、春日井委員の順番でお願いいたします。大谷委員、お願いします。
【大谷委員】  本日は小中高の体系整理についてまとめていただきありがとうございます。前回、体系整理の内容がよくまとまっており、今後の授業実践のイメージが湧いた旨を発言させていただきました。本日はワーキンググループも残りわずかとなってきましたので、今一度、全体の体系を見渡して最終の確認をさせていただければと思います。
 資料1の4ページ目をお願いします。ワーキンググループの最初もこのページにある小中高の系統性の議論から始めたかと思います。今回の資料1では、このページ以降にかなり小中高の詳細な内容が示されていますので、その内容を踏まえた上で、本ページの赤と緑と青の内容の系統性をもう一度確認できればと思います。
 特に、小中高を通してどんな情報活用の力が身につくのかに注目しますと、小学校ではコンピュータをまず使って、デジタルデータの情報を扱ってみるんだと。それから中学校になったら、まとまりのデータ数が増えた情報をうまく処理できるようになると。さらに高等学校では多様なデータの情報を精緻に処理できることが大事になるのかと思います。
 今回この小中高の系統的な議論を通して、デジタルデータの情報を子供たちが巧みに操れるようになる学びの枠組みを小中高一貫して提案できたことは大変意義があることかと思います。このデジタルデータを活用する力は学校のすべての教科の学びにも生かせますし、ネットワークを介して流れてくる大量情報を国民の誰もがうまく処理できる力というのは、これからの社会で生きていくすべての基礎になるものと信じています。
 ぜひ、小中高それぞれの段階で担当する先生がこのデジタルデータの情報を子供たちがうまく扱えるように導いてもらう、指導上の対策や学校の整備ですね、こういうところを充実してもらいたいと思います。例えば小中の連携では、中学校ではデータ数が多くなることに対する対応だとか、それから高等学校では多様な情報の内容を扱おうかということに対するレベルの変化に、スムーズに対応できる工夫が必要かと思いますので、そのあたりの連携も重視して、今後進めていったらいいのではないかなと思います。私のほうから以上です。
【堀田主査】  福田委員、お願いします。
【福田委員】  資料3をお願いします。将来の社会像から逆算した教科の内容や目標を定めるアプローチについては、客観的に必要性や妥当性を示す観点から非常に望ましい整理の仕方であると考えております。そういった意味でこの大量の資料作成、また御説明ありがとうございました。
 また資料7以降については小学校の情報の領域から、内容のまとまりごとの学年ごとの具体的な学習イメージが示されたことにより、小学校から高校までの学びの繋がりや段階が教育現場にとって共有しやすい形になってきていると考えております。
 資料20をお願いいたします。これは今後の話になっていくと思うのですが、例えば中学校第2学年丸1のAの2ポツのところになりますが、2行目に「2進数」と書いてありますが、例えばウェブページ作成を学ぶですとか、例えば色の仕組みの理解ですとか、デジタルの仕組みを知っていくということになると、おそらく16進数や、その扱いも必要になると思います。またネットワークのところで言えばプロトコルであるとか、18ページの丸1番のDのところでは、デジタル化する仕組みのところでは標本化、量子化、符号化などの学習が高校の現行の情報Ⅰから入ってくることになると思いますが、高校の学びに繋がるように今後、解説等に書かれていくことと理解しております。
 資料28をお願いします。こちら各教科の学びの充実についてですけれども、それぞれの情報の領域、情報科については、当然、情報活用能力育成の核となる教科ではありますが、他の教科でも情報活用能力が学びの文脈の中で適切に深い学びとして発揮されて使われていることが大切であると思いますので、今後の検討が非常に重要になってくると考えております。
 次資料の29をお願いいたします。第3回第4回で教員研修やPC教室の現状について発言させていただきましたが、条件整備について教員の指導力向上のための研修ですとか、そのための支援教材、動画教材の作成、また環境整備について明示していただきありがとうございます。
 特に環境整備については、新しい情報Ⅰの学びを実現するためには、1人1台端末では実現不可能であり、高性能なパソコンを備えたパソコン室の整備などが必要になってきます。また高校生の情報活用能力を抜本的に向上するためには、必要不可欠である、そういう条件整備であると考えております。例えば高性能なパソコンを備えたパソコン教室が今後、常時使えるようになっていくことで、情報の授業時間だけではなく様々な場面での活用が進めば、例えば探究的な学びにも結びついていくことと考えております。私からは以上です。
【堀田主査】  春日井委員、お願いします。
【春日井委員】  膨大な資料を丁寧に取りまとめていただいたことで、具体的なイメージが分かるようになりました。本当にありがとうございます。
 特に今回は小学校の学習内容が明らかになったことで、学年が進行することによって継続的に学び、複数の領域を徐々に学んでいく様子がとても分かりやすくなったと思います。全体のボリューム感についても、お示しいただいた内容で適切だと考えております。改めての発言になりますが、ミニ探究ユニットの学び方についても重要だと考えております。これらのことで情報活用能力の抜本的な向上に繋がるものと期待しております。
 続きまして、校種間の接続を考えたときに18ページで気になる点があります。18ページをお願いします。第8回のワーキンググループまでに、高次の資質・能力について、「情報技術により情報やデータから新たな関係や意味を見出す」、「分析結果や考えの分かりやすい表現につながるということ」や、「情報やデータの分析結果を判断し表現したり」というような文言で整理されてきました。
 18ページの一番下に示された単元例丸2で、分析したデータを利用する例が示されております。調査したデータを分析して問題を定めていますが、その前提となる仕組みの理解のところで、デジタル化の特性や表現になってしまっていて、接続が十分でないように見えます。
 また、アプリ制作の段階でデータを利用するとありますが、調査したデータを活用するイメージというのが持ちにくく、別のデータを活用しているのではないかというように見えます。適切に授業を構成しないと、アプリ制作の部分が主眼になって、データの分析が十分でない学習になるのではないかと危惧しております。
 高次の資質・能力として示されたデータの分析に関する資質・能力の向上に資するような学習活動として具体化することが、中高の接続に繋がると考えておりますので、御検討いただけたらと思います。
 28ページをお願いします。丸1については、精選できるものと期待しております。丸2の特定の教科の観点について、精選とあります。他教科のことになるので、具体的な意見は控えますが、同じ色で示された現行の学習活動が算数および理科だけになっており、これを精選した結果何も残らないというのはなく、42ページにあるように各教科等で効果的に機能するような扱いになることを期待しております。
 あと1点、29ページお願いします。他の委員からも多く意見がありましたので繰り返しませんが、前回の資料よりも踏み込んだ記述になっておりますので、とても期待しております。ぜひ整備をよろしくお願いします。以上になります。よろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ではこれから三浦委員、亀田委員、森山主査代理、ここまでとなるかと思います。よろしくお願いします。三浦委員。
【三浦委員】  全日本中学校技術・家庭科研究会の三浦です。よろしくお願いします。丁寧な説明ありがとうございました。
 資料の19ページ以降に、情報・技術科についての内容のまとまりごとの学習イメージが提示されました。これについては、今度の改訂以降も取り扱う題材であったり順序は、それぞれの先生方に任される部分を残していただいているところから一歩踏み込んで、例示ですけれども学習イメージが示されたことは、大変ありがたいと思っています。
 これはこの後再三話題になっている改訂までの間の教員研修とかにおいても、研修で扱う内容、とりわけ全国の先生方からどんなところが変わるんだろうという不安の声も多く上がっている中で、一定のイメージが出されたことは、大変ありがたいと思っています。内容も少し今後も整理されていくかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
 2点目は、28ページ、各教科等の特性を踏まえた深い学びというところについて、情報・技術科をはじめとする小中高のところでいろんな教科に散らばっているものをまとめるというところについては大いに賛成です。
 一方で、例えば中学校であれば情報・技術科が受け取った部分について、それを受け取っているがために、それぞれの教科においてはもっと特性を踏まえた深い学びがストレートにできるようになっているはずですので、そのあたりもこのワーキングでやることではないと思いますけれども、ダイレクトに深い学びに繋がるような端末の利用等について、教科ごとの取り扱う内容等を整理していただければと思います。私からは以上です。
【堀田主査】  亀田委員、お願いします。
【亀田委員】  遅れて途中からの参加となりまして、申し訳ございませんでした。まずは体系整理について丁寧におまとめいただきました事務局の皆様方に感謝を申し上げたいと思います。
 そこで私からは、資料の構造や文言について、現場の視点から2点、少し意見を申し上げたいと思います。まず1点目は7ページから10ページまでの小学校の内容のまとまりを構成する学習内容イメージの構造についてです。
 こちらの構造図なんですが、4ページや5ページの図と繋がりのある形に揃えてはいかがでしょうかと思っております。具体的には、小学校、体験的なものを重視して活用を重視ですので、まず緑色の7ページとか10ページのところですが、緑色の適切な取り扱いと青色の特性の理解を下の部分に配置し、赤色の下にあるところを上の部分に、情報技術を活用、上の部分に配置することで前後のページとの整合が取れてすっきりと現場にとっても分かりやすくなるのではないかと感じます。議論や指導の際にもより共通理解が図りやすくなるのではと考えております。
 もう1点、2点目は10ページの文言についてです。資料の中にインターネット検索という言葉がございますが、ほかのページも出るかと思いますが、例えば現在6年生、このページの小学校6年生などはすでに生成AI等の活用を前提とした学びを進めていくことになりますので、インターネット検索という表現単体だけでは子供たちの情報収集あるいは探究のリアリティ、この実態を十分にカバーしきれないのではないかと考えます。そこでより実態に即した記述とするために、ここに例えばAI検索、文言はちょっとまた吟味していただければと思うんですが、そういうAIで検索するというような言葉も合わせて付け加えていただくなど御検討いただけますと幸いです。以上となります。
【堀田主査】  森山主査代理、お願いします。
【森山主査代理】  本日の御提案また様々な御議論、誠にありがとうございました。スライドの3ページをお願いいたします。思いおこせば、このワーキングでは論点整理で示されました日本の社会の未来を見据えた情報活用能力の抜本的な向上との必要性ということに基づいて、これまで検討してきたわけですけれども、この画面の中に出ておりますこの主権者、アクティブラーナー、イノベーター、アドバンスドエッセンシャルワーカー、こうした4つの人材像がかなりの具体性を持って今回学習のイメージとして示していただいたということかと思います。
 例えば16ページをお願いいたします。この16ページを見ますと、先ほどの4つの人材像とこの学習のイメージというのがうまく整合しており、それぞれに、この学習はこの人材像に繋がってるなというのがしっかり読み取れるという意味で、非常に納得感があるなと感じました。
 今回はイメージですので、細かな点はこれからさらに精度を高めていく、学習指導要領の解説等に向けてですね、精度を高めていく必要があるというのはありますけれども、逆に言えばこれらの内容をやらないことには目指す4つの人材像は実現できないんだということを改めて強く実感いたしました。
 次、18ページをお願いいたします。中学校情報・技術科の学習のイメージについて確認させていただきますと、情報技術のほうでは1年生からこのスライドにございますようにかなりそれなりに高度な内容から入ることができるようになったということでございます。これはまさに小学校に情報の領域が設置されるということで、中学校段階のスタートラインがより深いところから開始できるということを表しているかなと思います。そうした意味で先ほど中高の連携というお話がございましたけれども、同一中学校区内のですね、小中学校の連携というのがこれから極めて重要になってくるなということを感じました。
 続きまして19ページをお願いいたします。情報を基盤とした生産技術のほうですけれども、少し細かくなりますが3点述べさせていただきます。
 まず材料と加工のところで様々な加工機器というのが出てきますけれども、ここのところではですね、ハンズオンによるいわゆるものづくりに加えて、学校の環境にもよりますが3Dプリンター、レーザー加工機などのデジタル加工機も含むものであるということを確認したいと思います。
 またスライドの21ページをお願いいたします。エネルギー変換のところですけれども、今回は問題を解決するところというのが電気回路の場合ということの例ということで、例えば情報技術の活用では回路シミュレーターといったことが出てまいります。これは例えば題材がロボティクスのような場合はリンクやギアなどの機構の設計というのも必要になりますので、回路シミュレーターに加えて力学的なシミュレーターが活用されるというふうに、ここでの情報技術の活用は広く生産現場で活用されているCAEですね、コンピューター・エイデッド・エンジニアリングの考え方というのが位置づいているということを確認したいと思います。
 また画面左側の生物育成についてですけれども、今回新しくデータの活用という要素が加わりましたけれども、これは農業の生産現場や試験場での研究開発などではすでに広く行われていることでございまして、作物というのは生き物でありそれには必ず個体差があります。最適な生物育成の方法を考えるためにはこの個体差によって生じる分散を統計的に処理して育成条件による効果を明らかにするというのは極めて重要で、そういう意味で今回の改訂では生徒がデータを活用してより科学的に生物育成技術の最適化ということに挑戦することができるようになったということであり、実はこのこと自身はですね、これまでの生物育成の技術の延長線上に位置づいているものなんだということを改めてここで確認したいと思います。
 続きまして15ページをお願いいたします。先日の総則・評価特別部会でものづくりにかかる学習が減るのではないかといった御懸念の御意見があったというお話がございましたけれども、今回の事務局の御提案でお分かりのとおり、ものづくりにかかる学習というのはこのようにもしっかりと位置づいております。むしろここに情報技術を組み合わせることでより科学的なアプローチからのものづくりが学べるようになります。
 ただ、ものづくりにかかる学習の重要性というのは御指摘のとおりでございまして、このような学びが生徒にとって工業あるいはその背景学問である工学あるいは農業や農学など広い意味でのものづくりに関わる産業や学術への関心や動機づけを高めるという効果も期待できるのではないかと思います。そうした観点も含めまして、これらの学習内容の重要性を改めて確認したいと思います。
 最後に29ページでございます。これで終わりたいと思いますが、条件整備につきましては、本当にこれは頑張らないといけないなと実感しておりまして、今から、大学、学会あるいは研究会などでできることを考えしっかり進めていくということが大切だと改めて感じました。
 また学習環境につきましては必要な条件をできるだけ早い段階で明確にすることができましたら、それに向けた産学官の連携も進めやすくなりますし、特に情報の領域、情報・技術科に関しましては、情報科もそうですが学習環境の条件によって実践できることがかなり変わってまいります。これは教科書を作成する上でも重要な情報ということになりますので、そうした観点での御検討を引き続きお願いできれば大変ありがたいと思いました。私からは以上です。
【堀田主査】  今日はたくさんの御意見をですね、たくさんの方々からいただきました。私もちょっと2つだけ押さえておきたいと思います。資料の10ページをお願いしていいですか。
 これ浅原参事官が先ほど4年生を対象に御説明されましたが、これ6年生のページで、3つの要素と言いましょうか、そういうものがある中で、例えば左側の上の適切な取り扱いも一番上は拡散とか炎上とかプライバシー侵害の話ですし、丸3番のところは動画サイト、投稿サイトの体験をしながら、これもなかなか難しいですけどエコーチェンバーとかそういう話があり、不正アクセスの話もここにあります。右側に行くとアルゴリズムの話、少し下になりますが丸6番のところのメディアの特性、ここにもフィルターバブル、エコーチェンバー、この違いについてこうしたほうがいいという山脇委員の意見もありましたけれども、こういうような内容を扱います。
 なかなか難しい内容をですね、3年生から積み上げてくると6年生だとこのぐらいのことをということになります。実際小学校で学んでいる6年生の例えば算数の内容もまあまあ難しいですし、社会科で扱っているような公民的なこととかも結構難しいことやっていることを考えれば、内容はおそらく理解できると思いますけど、となれば余計にですね、3年生からしっかりと積み上げてくるということが大事であり、それが中学校に接続すると今森山主査代理の意見ありましたけれども、そこが大事なのかなと思います。
 そうするとこれらをですね、担任の先生が御指導されることが多いかと思いますが、そういう小学校で、すべての学校で確実にこれが指導されるための条件整備、先ほどから何度も出てますけれども、国はもう予算を取ってですね、これらの教材をしっかりと作成する、開発するということで、もう動き始めていらっしゃいますので、そこに非常に大きな期待がかかるということです。
 そして願わくばそれは、先生たちの負担がさほど増えないような、できれば子供によっていろいろ興味や理解も違いますから、自分たちでどんどん学んでいけるようなそういうタイプの教材として提供されれば、自然と子供たちはですね、それを使って学んでいき、全体のリテラシーが上がるというようなことも期待できるかなと。つまり教材が非常に重要でそれが子供を自走させる形になるといいなという願いをちょっと申し上げました。
 もう1つだけ28ページをお願いしてよろしいでしょうか。ここでですね、これからこの他教科等への影響等についてはまだまだ議論すべきことがありますが、左側の現行の中で各教科等の中にあることを、今回は情報活用能力の育成の中核的な教科・領域の私たちが今検討しているところで頑張ってやりますよという、このことが各教科等では情報に関する学びをしなくていいということになるわけではないと。
 むしろ逆で私どものところで基本的なことはしっかりと経験させますので、各教科等の学びではそれを応用して、各教科等の学びをより深める形で、そしてより探究的に学べるようにするんだということであるということがうまく誤解なく伝わるようにこれから努力していかなきゃいけないなということを感じたということでございます。
 いずれにしてもですね、皆様のおかげでずいぶん精緻な形になりました。また、事務局にはこれから今日の意見を踏まえてずいぶんとまた御修正をいただくこともあろうかと思いますし、そうやって出来上がった私どものワーキングの、一旦出来上がる体系をですね、今度は総則・評価特別部会にもう一度上げて、そして各教科等のワーキングから上がってきたものと調整していただくようなことになります。
 そういう中で、私どもとしてはこれは絶対と思っているものがそうでもない形になる可能性だって別にないわけではないわけでして、全体の授業時数は増えないわけですから、そういう状況の中でこれから調整が進んでいくということを今一度確認しておきたいと思いました。
 長い議題1が終わりまして、これから議題2ですね。内容の精選の考え方についてということについて、資料2になりますね。相川室長補佐から御説明をいただければと思います。お願いします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  事務局でございます。資料2でございます。ここではですね、内容の精選の考え方について、御審議いただきたく存じております。資料2、2ページ目を御覧ください。
 こちら論点整理の抜粋でございますけれども、左上ですが、論点整理においては学習指導要領の構造化について生成AIが飛躍的に発展する中、個別の知識の集積にとどまらない概念としての習得や深い意味理解を促し、学ぶ意味、社会やキャリアとの繋がりを意識した指導が一層重要であること。
 そのため学習指導要領において各教科等の本質的理解、すなわち高次の資質・能力ということですけれども、それの獲得に重点を置いて、学校段階や教科等の特性を踏まえつつ、そのために必要な学習内容を検討したり、必要に応じた精選の上で構造化すべきという方向性が示されておりました。
 ここに高次の資質・能力を基に構造化するイメージが書かれておりますけれども、総則・評価特別部会では学習指導要領の構造化を図ることで学習指導要領等に示す個別の学習内容について、各教科等の本質的な理解の獲得を重視する観点から真に必要なものかという視点から見直す大きな契機となるとも指摘されているところです。
 また論点整理においては教科の主たる教材として、学習指導に重要な役割を果たす教科書についても学習指導要領の構造化の考え方を踏まえ、教科書の内容は教科等の中核的な概念等をつかみやすいものに精選するという方向性が示されていたところです。
 資料左下側に移りますけれども、ここでは教科書の現在の在り方について記載されているところです。現在の教科書は、学習に必要な情報の大半を網羅していたり、多数の用語・キーワード等の豊富な事実的知識やその確認問題が記載されているものになっているとされています。
 そして、教科書の指導で授業が完結するものであると指摘されているところです。これによって本来児童生徒に資質・能力を身につけることを目的に指導すべきところを依然として教科書を教える実態もあるというような課題意識が示されているところです。
 これについて改善の方向性として、中核的な概念と、すなわち高次の資質・能力の獲得に資する内容に重点化し内容を精選すべきとされているところです。またこれによって教科書を教えるから教科書で教えるという方向に改善すべきということが示されているところです。そして、これにより探究学習や裁量的な時間の確保に繋がるのではないかとされているところでございます。
 また論点整理では教科書で得た理解を広げたり深めるための多様な情報を得る手段として、そのほかの教材を活用するという役割分担を考えていくことが必要であるとされているところであり、児童生徒の関心等に応じた多様な教材活用、紙に加えデジタル学習基盤がインフラとして機能することも想定されているところでございます。
 これらの論点整理で示されたことを前提としつつ、本ワーキングにおいては中学校情報・技術科、高校情報科の高次の資質・能力を踏まえた内容の精選および教科書の内容の精選の方向性について検討いただければと思います。
 資料飛びまして5ページ目を御覧ください。まず高次の資質・能力を踏まえた内容の精選についてでございます。まず中学校情報・技術科についてです。
 資料左上の1ポツ目、情報技術領域は情報技術に関連する内容を抜本的に強化するため、新たに加える内容については各内容項目の統合的な理解、総合的な発揮の形成に必要不可欠な学習内容だけを積み上げて配列すること。
 また、小学校の総合的な学習の時間、情報の領域や高校情報科との系統性が担保された学習内容であること。これについては第2回ワーキングで情報活用能力の体系についても御議論いただいてきたところでございます。
 この2つの方針で真に必要な学習内容を見極めるよう検討を進めてきたところであり、こうしたプロセスにより結果として精選された内容が積み上げられていると考えております。
 本ワーキングにおいては情報・技術科の目標、見方・考え方、高次の資質・能力、個別の内容ともに何度も御議論いただいたところですが、この議論の過程において本当に必要なものをゼロベースで筋肉質になるように積み上げてきたものと考えております。
 また情報技術は加速度的に進化し、学習活動の内容も絶えず刷新され得るため、学習指導要領の内容の陳腐化を防ぐ観点から個別の情報機器やソフトウェアに関する内容ではなく、それらを活用した問題解決や価値創造の考え方や方法等を重視して内容を構成することとしたことも内容の精選に資すると考えております。
 次に情報を基盤とした生産技術領域においても同様に技術の進展に伴い材料や工具、加工方法等は標準化が進み、従来は用途に応じて多様な種類や手法を細かく使い分ける必要があったものについてもより汎用的な材料や工具等によって対応できる場面が増えており、資料右上に移りますけれども、個別の材料等に関する知識を網羅的に習得することの重要性は相対的に低下している。
 目的や条件に応じて適切な技術を選択・活用する、問題解決や価値創造の考え方等の重要性が高まっていると考えています。
 こうした観点と高次の資質・能力の形成に真に必要な内容とする観点から内容の精選を図る必要があり、具体には以下の内容等の精選に向けて検討するとしております。
 1つ目としましては、高次の資質・能力との関係を踏まえた精選として、例えば材料や加工の科学的な原理・法則などについては理科との役割分担を踏まえ、必要最小限にとどめることを今後検討できると考えられるのではないかとしております。
 特に生産技術については、材料やその生物、エネルギー自体の科学的な性質などを知らないと、それを最大限に使いこなせず、結果的に最適な手法やアイデアを生み出せないかもしれないという観点から、前提としてこうした科学的な原理・法則などを学んできた経緯がございますけれども、今回高次の資質・能力を設定することを踏まえて、より技術としては問題解決であったり価値創造に重きを置くこととなることから、その科学的な原理・法則自体に関する内容は理科との役割分担の中で精選し、それによって技術では一層問題解決・価値創造に重きを置くことができるのではないかと考え、今後の検討可能性として提案させていただいているものでございます。
 2つ目は現代の生産技術の進展に合わせた精選として、例えば制作に必要な図としての等角図や第三角法といった図法の習得方法は、情報技術の進展等を踏まえ見直すよう検討できるのではないかと考えております。
 こちら現在においては、CADを用いればこれらの図法は自動で行われるものであって、手書きとしての技能を学ぶ必要が相対的に薄くなる一方、そもそもこれらの図法についての理解は今後も重要であるということは補足させていただければと思います。この点、AIのブラックボックス論と同様と考えております。
 資料6ページ目を御覧ください。高校情報科についてでございます。資料左上。情報活用能力を小中高を通じて一貫性を持って体系的に指導できるようになることを踏まえ、高等学校情報科の一定の内容について発達段階の違いに留意しつつ、情報・技術科(仮称)へ移行する方向で検討を進めてきたところです。
 さらに現行学習指導要領における内容の重複の解消を図る観点から、内容項目の整理・見直しも合わせて行ってきたところです。
 一方で情報活用能力の抜本的向上が目指す人材イメージや高等教育における数理・データサイエンス・AI教育との接続も踏まえ、主としてAIやデータサイエンスに関する内容を新たに加える方向で検討を進めてきましたが、その内容については上記の見直しも踏まえ、教科全体の学習内容の総量が現行を上回らないよう留意してきたところでございます。
 その上でこれらの見直しを踏まえつつ、具体的な教科体系や内容の検討にあたっては情報・技術科(仮称)の整理と同様に、高次の資質・能力の形成に必要不可欠であり、かつ小中学校との系統性が担保された内容となることを前提にして内容を検討してきたものと考えております。
 このことから、高校情報科においては引き続き体系全体の整理を進めるとともに、高次の資質・能力を踏まえた必要不可欠な内容の精選に向けて、次のとおり情報・技術科(仮称)へ移行できる内容等の精選に向けて検討するということとしてはどうかと考えております。
 資料右側に、精選する内容例として、情報・技術科(仮称)へ移行する方向で精選する内容の例として、例えばデジタル化やコンピューターネットワークの仕組み、情報デザインの基本、データの種類や分析方法などに関してだったり、もう1つ、複数の内容項目で重複があったことから解消を図る観点で整理する内容の例としては、例えばハードウェア等のコンピューターの仕組み、情報セキュリティを確保するための基礎的な方法や考え方について、ここでは例示しているところでございます。
 最後に資料7ページ目御覧ください。教科書の内容の精選の方向性についてでございます。
 まず資料左上では教科固有の課題を挙げております。まず中学校、技術・家庭科技術分野につきましては、特に経験の浅い教師ほど教科書に記載の内容のうち、計画した題材で真に扱うべき内容の取捨選択ができずに網羅的に教えようとしてしまう。本来重視すべき問題解決や技術を俯瞰して考えるための学習活動の時間を圧迫しているとの指摘もあるところです。
 続きまして高校情報科に関しましては、とりわけ座学中心の傾向が高い。その実際の授業形態は教科書の内容の指導で完結させてしまうような、まさに教科書を教えるものとなっている場合もあるところです。
 情報・技術科、情報科ともに、今次改訂においては探究的・実践的な学びを重視させていく中にあって、教科書の内容もこうした学びに寄与し、高次の資質・能力を踏まえた教師の単元づくりに生かすことができ、教科書で教えることを実現するものである必要があると考えております。
 次に精選の方向性でございますが、まずもって、学習指導要領の内容について高次の資質・能力の獲得に真に必要なものへと精選が図られることに伴い、教科書に掲載される学習内容の総量についても一定の縮減が見込まれると考えております。
 もっとも、その場合においても教科書会社における編纂の参考となるよう、学習指導要領の解説において精選後の取り扱うべき内容が明確に示されている必要があるとも考えております。
 また、情報・技術科(仮称)、情報科は問題解決・価値創造を行うような探究的・実践的な授業をより一層充実していく方向性となっていることを踏まえれば、教科書の内容や構成についても一定の工夫が求められると考えております。
 資料右上に移ります。現在の教科書構成として見受けられるもののうち、まず先に個別具体的な材料、工具・機器やソフトウェアの操作方法、用語等を文脈なく網羅的に説明していて、知識や原理のインプットから入るものが、そういった紙面構成をしているものが見受けられるところです。
 そのあとにそれらの実生活での活用例を章末や巻末に示すといった教科書構成とされているような例が見受けられるというところでございます。これらの場合ですと、知識や技能のインプットはできても、それが何のために使われるのかいまいち分からないまま終わるということになりかねない部分があります。
 なので、最初にその情報や技術によってどのような課題を発見・解決し、どのような価値を創造できるのかといった目的や活用場面を示した上で、課題発見・解決・価値創造の過程で必要となる材料、工具・機器やソフトウェアの操作方法、用語等を必要な範囲に絞って扱う教科書の構成としていくことが必要ではないかと考えております。
 これによりまして教科書に掲載すべき内容についても精選が図られて、高次の資質・能力の獲得を目指す単元づくりの流れに沿って教科書で教える授業が期待されるのではないかと考えております。
 今の提案につきましては、本資料右下に、高校情報科情報Ⅰのですね、情報デザイン、デザイン思考(仮称)の工夫例を挙げているところでございます。
 さらに、特に情報技術はその変動性を踏まえ、具体の学習活動等は学習指導要領ではなく、解説や国が作成する教材等で対応していくことを検討しているところでございますけれども、こうした情報技術の変動性を踏まえれば、教科書のみで内容を完結させるのではなくて、国・民間が作成する教材等も含めた多様な教材と連携しながら、技術の進展に応じて学習内容を更新しやすい構造としていくことも必要であろうと。
 今後国が作成する教材等については教科書会社に積極的に情報提供していくなどの検討が考えられるとしております。事務局からの説明は以上でございます。
【堀田主査】  これから皆さんの御意見をいただきますが、ちょっと時間が押していて大変申し訳ございません。
 私のほうでちょっと確認しておきますけれども、今のこのスライドですね、これは各ワーキングで、このことを議論することになっています。内容は各教科等で確実に精選するということになっているんですね。
 それは構造化に伴いですね、どのように、ある意味縮減できるか、無駄を省けるかということの議論があると。私どもで言えば、情報の領域についても、あと新設される教科についても、本当にこれが必要だというものを積み上げて作ってきたということもあるので、例えば中学校の情報・技術科で言うと、精選するものというのはそんなにはないと。ただ、今更これはちょっとというのはあるので、そこをなくしましょうと。あるいは他の教科とうまく連携しましょうということが提示されていると。
 高校情報については、中学校に情報・技術科ができるので、そこに下ろすものとしてはこういうものがありますよねと。あとは社会の現実に合わせるためにこういうことをやる必要がありますよねということを今御説明いただいたということです。
 ですので、私どもの教科の議論でありつつも、すべての教科等でこのことは審議されているということを御了解いただいた上で、この資料について皆様何か御意見があるかということを今から賜ってまいりたいと思います。
 同じようにですね、挙手をいただいて、指名してまいりたいと思いますが、御意見がある方は挙手をお願いいたします。残り時間を考えると皆様大変短くお話しいただく必要がございますので、何か読み上げのようなことではなくてですね、本当に何ページのここ、こうだと思いますというふうに短くお願いいたします。今度委員お願いします。
【今度委員】  私から手短にお話をしたいと思います。資料2の7ページに関連し、経験の浅い先生が教科書を教える現状や教員不足への対策として、コンテンツの更新だけではなく、指導評価の構造そのものを変革する具体策が必要とも考えます。
 専門教員が不足している現状において、教師が技術の最新知識をすべて抱え込んで正解を教えるという従来の指導スタイルは持続不可能であり、現場の負担感を増大させますので、必要なのは教員がファシリテーターとなり、生徒とともにクリティカルに問い直す授業構造の提示。高度な技術解説は国や民間が提供するデジタル教材に委ね、教員はこのシステムで不利益を被る人はいないか、人権や公平さは担保されているかといった本質的な問いを投げかける役割を担う。経験の浅い先生であっても、授業全体の質を高く保ちながら安心して課題解決型学習を展開できるようになるとも考えます。
 また、資料2の2ページにも示されている調整授業時数制度を指導体制の強化に連動させる提案は、実務を弾力化して生み出された研究・研修等の枠を、単なる校内研修にとどめず、教員への端末配備が進んだ現状では、教員の情報活用能力を高度化する意味でもよりプッシュ型の研修ができるのではないかと考えます。
 大学や研究機関、専門家と同時にサポートする遠隔ハイブリッド授業支援体制の構築も提案し、現場の教員が日々の生活のファシリテーションや形成的評価を担い、最新のAI技術や倫理的な論点に関する専門的なインプットや高度なアドバイスは専門家が補完するという仕組みも考えることが大事だと考えます。
 また、指導要領は10年ですが、AIの進化や社会環境変化に伴い、変化が予想される中で、生成AIガイドラインと接続した内容や設計となっているかも考えていただきたいです。
【堀田主査】  皆さん御協力をよろしくお願いします。村松委員。
【村松委員】  7ページ目の、教科書を教えるからの脱却について強く賛同いたします。情報・技術科について言えば、依然として技術科が木立て、文鎮の製作といったイメージで捉えられることも少なくありません。今回の内容の精選やそれを踏まえた新しい教科書というのは、そのような情報・技術科の学びの本質や、情報技術を活用して社会課題の解決に取り組む姿を広く社会に示す絶好の機会ではないかと考えています。
 新しい教科書は課題として示されたように、個別内容の学習を重視する構成から、ここまで議論されてきた問題解決やデザインプロセスを重視した構成へと発展していくことが求められると考えます。これは世界で重視されているSTEAMや、エンジニアリングデザインプロセスの考え方とも符合します。
 その点におきまして、こういった情報技術を学ぶから情報技術を活用しながら新しい価値を創造する学びへ展開していく、そういった内容の精選、そして教科書構成が期待されます。
 一方で、AIとかデジタル技術が発展する時代だからこそ、実際に書く、作ると測るといった体験の価値は重要になるので、教科書もフィジカルな体験とサイバーの空間の学びを往還しながら本質的な理解に繋がる構成としていくといったことが必要ではないかと考えます。
【堀田主査】  宇都宮委員お願いします。
【宇都宮委員】  御説明いただきありがとうございます。私も全体的にこの、教科書を教えるものではなくて、教科書で教えるというところに賛同いたします。
 5ページ目の個別の機器やソフトウェアではなく、問題解決や価値創造の考え方を重視するという方向は非常に重要だと考えております。
 また6ページ目の、高校情報科でAIやデータサイエンスを充実させ、実際に比較や誤りを見つけるハンズオン型の学習というところも非常に重要だと考えます。
 そこに伴って、7ページ目の教材の考え方なんですけれども、特に経験の浅い教師ほど、教科書を教えるというふうになりがちというようなお話があったかと思いますけれども、特にそのAIに関しては今後10年、想像がつかないほど変革していくと思われます。その中で、どの先生でも扱いやすいデジタル教材や演習環境ということを整備していくことがより重要になるのではないかと思い、そちらを提案いたします。以上でございます。
【堀田主査】  春日井委員お願いします。
【春日井委員】  今回の提案について賛成いたします。このページの、教科固有の課題、2つ目の授業形態についての改善について、必要だと考えております。
 そのために、授業を担当する先生方のマインドを変える必要があるのではないかと思っております。資料1で、指導力向上に資する研修の支援について検討されていましたが、先生方が教科書で教える授業の実践をやっていけるような教員研修となるように支援していく、そういった検討も必要ではないかと考えております。以上になります。よろしくお願いします。
【堀田主査】  大谷委員お願いします。
【大谷委員】  重要な点に絞って申し上げます。今回の改訂では中学校の情報・技術科は新設の教科を想定していますので、教科書の紙面については大きく変化することが予想されます。教科書会社にとっては今回のような教科の新設を受けて、教科書の紙面を思い切って変えたいと思っていても、現場の先生における教科書選定を考えますと、大きく変えにくいというジレンマがございます。
 また、現行の教科書の内容に関しては、これまで蓄積してきた知識や技能に関するコンテンツの内容の整理がうまくできてない部分もあり、資質・能力育成における思考・判断・表現を促したり、深く考えさせる学びの内容に重点を置いた教科書紙面づくりがしにくいという状況にありました。
 先ほど申し上げましたように、教科書会社のジレンマをこうやって払拭できるような今回の内容の精選の考え方については全面的に賛同いたしますので、しっかりと内容の精選の趣旨が多くの現場の先生や教科書選定の場面においても伝わるような工夫が必要かと思いました。
【堀田主査】  時間来ておりますが大変申し訳ありません。あと3人ですので全員の意見を拾いたいと思います。この後井手委員、鎌田委員、萩谷主査代理まで、お話しいただければと思っております。では井手委員お願いいたします。
【井手委員】  2ページをお願いします。学習内容の精選は、単なる削減ではなく、本質的に必要な内容を各段階に再配置することに意義があると思います。
 その上で、従来のような一斉授業を前提とするのではなく、生徒が主語となり、教員は伴走者として学びを支援するという、教師が持つ授業観への転換が重要であると考えます。
【堀田主査】  鎌田委員お願いします。
【鎌田委員】  7ページをお願いします。春日井委員、井手委員と同じ意見で重なる部分はありますが、教科書の内容の精選の方向性に賛同します。
 情報科の教員の中には教科書が終わらない、教科書を全部教えなきゃいけないと考えている教員が一定数いる中で、ここに示されているように教科書を教える形から教科書で教える形へのシフトは正しいと思います。
 ただ1点だけ申し上げると、教科書の形だけが変わっても教える側が何が大切かという認識が変わらなければ同じことになりかねません。新課程への移行にあたっては情報科担当教員の指導力向上に関する支援と研修と合わせてですね、充実していくことが大切かと思います。
【堀田主査】  萩谷主査代理お願いします。
【萩谷主査代理】  大学入試の観点から発言させていただきます。今回の改訂は高次の資質・能力の育成を目標としたものですが、このことは共通テストなど、些末な知識を問うのではなく、高次の資質・能力を問おうとしている昨今の大学入試と方向性を共有しています。
 教科書の内容の精選が入試問題を制限するという懸念があるかもしれませんが、内容が精選され、中核的な概念や課題解決の方法論がしっかりと記述されるほうが入試問題の幅は広がると考えられます。
【堀田主査】  予定の時間を超過して大変申し訳ありませんでした。今、いくつかの委員から出ましたように、教科書を教えるのではなくて教科書で教えるというふうに、これは昔から言われていることなんですけど、そのためには教師側の意識が非常に重要だと。これについては関連学会等の御協力をいただきながら、啓発を進めていくことが必要かと思います。
 加えてこれは教科書を使わなくていいという話ではないということもまた押さえていくべきことかなと思っております。
 時間ちょっと過ぎて申し訳ございませんが、本日の議事はここまででございます。次回以降の予定につきまして事務局から御連絡をお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  次回の情報・技術ワーキンググループは6月25日木曜日13時から15時を予定しておりますが、正式には後日連絡いたします。
【堀田主査】  いよいよ大詰めになってきておりましてですね、このワーキングの取りまとめについても次回でもう議論を始めたいと思っておりますので、皆様、そのおつもりでよろしくお願いいたします。
 それでは今日は少し延びてすいませんでした。以上をもちまして本日の情報・技術ワーキング、閉会といたします。
 
 
―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付
初等中等教育局教育課程課教育課程総括係
電話番号:03-5253-4111(代表)

Get ADOBE READER

PDF形式のファイルを御覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要な場合があります。
Adobe Acrobat Readerは開発元のWebページにて、無償でダウンロード可能です。

(初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付)