令和8年5月18日(月曜日)16時30分~18時30分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【堀田主査】 定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報・技術ワーキンググループ第9回を開催いたします。本日も大変ご多忙の中、ご参加いただきましてありがとうございます。
本日の議題は3つでございまして、1つ目が学習評価の在り方について、2つ目がプログラミング教育について、3つ目が小学校総合的な学習の時間(情報の領域(仮称))、中学校情報・技術科(仮称)、高等学校情報科、これらの体系整理について、この3つでございます。具体的な進め方については進行資料をご覧いただければと思います。
議題ごとに事務局からご説明いただいた上でご意見をいただきますけれども、時間配分についてですが、おおむね議題1と議題2はそれぞれ説明も含めて30分程度、議題3は約60分というふうに見込んでおりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは議題に入ります。初めに議題1、学習評価の在り方についてです。事務局よりご説明をお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】 情報教育振興室の相川でございます。本日の議題の1つ目として、学習評価の在り方についてご審議いただければと存じます。
まず2ページ目をご覧くださいませ。論点整理および総則・評価特別部会における学習評価に関する議論を確認できればと思っております。論点整理におきましては、3つの論点について課題や方向性について示されていたところです。
まず資料左下、論点丸1にあります主体の評価の改善についてでございますけれども、目標に準拠した評価であるところ、客観的・定量的な評価材料が必要となりがちであるが、振り返りやノート記述の確認だけでも大きな手間であり、良い点を前向きに評価するのが難しいといった課題があったところです。これにつきましては、初発の思考や行動、学びの主体的な調整、他者との対話や協働が特に表出した場合、「思・判・表」の観点別評価に丸を付記すること。目指す資質・能力を適切に反映した評価となりにくい、負担が重いとの指摘がある「学びに向かう力・人間性等」については、教育課程全体として個人内評価とすることといった改善の方向性が示されていたところです。続きまして3ページ目でございます。こちらは今説明した改善の方向性をイメージとして示した図表となっております。下段が新しい観点別評価のイメージとなっております。
さらに資料を飛ばさせていただきまして、29ページ目をご覧いただければと思います。こちらは論点整理以降の総則・評価特別部会の資料でございますけれども、「学びに向かう力・人間性等」の丸の付記の運用に関する資料となっております。丸を付記するということの指導要録レベルでのイメージは右下にあるとおりで、付記された丸は「思・判・表」の育成状況の程度を評価する中で一体的かつ必然的に勘案されるため、「思・判・表」の観点別評価を介して評定に影響を与えるものと整理すべきとされているところです。
また、丸を付けるための評価の着眼点を全く示さないと妥当性・信頼性が確保できないばかりか、学習や指導の改善に生かされないということから、学びに向かう力の3要素を思考力・判断力・表現力の過程で教師が見取るための具体的な児童生徒の姿、これを見取る姿(仮称)と言いますけれども、これを各教科等ごとに示す必要があるのではないかとされているところです。また、これは学習指導要領の改訂後、速やかに検討して示していく方向性が示されているところでございます。
この見取る姿(仮称)のイメージにつきましては、この資料の上段に記載しているものとなっております。また下段の緑色の箇所でございますけれども、学びに向かう力は直接観察が難しい情意面の表出を見取るものであることから、長いスパンで全体として見取り、見取る姿(仮称)に即した行動が徐々に増え、様々な学習場面で安定して表出するようになった「継続的な発揮」を見取ることができたことをもって丸を付けるという方向性が示されているところでございます。
また、資料最初のほうに戻らせていただきまして、2ページ目。資料上部にあります論点丸2、評価の頻度やタイミングについてでございます。評価材料が多く、課題の消化や記録の確認に時間が取られ、学習や指導の充実に繋がらない、学習評価のほとんどが評定に向けて行われる傾向があり、学習や指導の改善に結びつきにくいなどの課題があるところ、負担の重い記録に残す評価の精選の方策、負担の重い評定の頻度を見直しつつ学習改善等に生かす評価を充実させる方策が論点となっていたところです。そして、それぞれデジタル技術活用によって改善する可能性についても指摘されていたところです。
その後の総則・評価特別部会においては、こうした方向性を踏まえて、現在文部科学省や国立教育政策研究所が示している「記録に残す評価のあり方」を見直し、学習改善等に生かす評価の充実に繋がるシンプルで分かりやすいプロセスを整理する必要があるとして、評価事務のうち必ずしも意義が十分でない取組をスリム化することや、学習の途中で適切なアセスメントとフィードバックを行い、指導の調整と学習の調整を促す形成的評価の充実のために、学習指導要領解説においては基本的な考え方を示しつつ、評価参考資料で効果的な形成的評価の例などを示していく必要があるのではないかといった方向性が示されているところです。
資料右下をご覧ください。論点丸3、中核的な概念等との関係とありますが、高次の資質・能力を学習評価においてどのように取り扱うのかといった論点でございます。これについては総則・評価特別部会において、仮に高次の資質・能力を評価するとなると、定量的・客観的な評価のために具体的な学習の文脈や個別の知識・技能の統合的な理解等から切り離され、抽象的な概念の暗記を問うような課題等による評価が行われる恐れであったり、育成したい資質・能力の本質をシンプルに示すために、高次の資質・能力において「何をどの程度」といった到達水準を示していないため、具体的な評価規準の設定が難しい場合が多いと考えられると。そのようなことなどから、当面は高次の資質・能力の育成状況自体について一律に直接的な評価を行うことは求めず、高次の資質・能力は各学校における単元構想を含む指導と評価の計画や実施の質を構造的に支える役割を果たすものとして整理してはどうかといった方向性が示されているところです。これに関わりまして、国として高次の資質・能力等を生かした単元計画づくりの参考イメージを各教科等ごとに示していくことが重要ではないかともされているところです。
また、各学校での単元の評価規準の設定を支援するため、国で示している各教科等の内容のまとまりごとの評価規準例は、高次の資質・能力を踏まえて可能な限り学びの深まりを意識した記載ぶりとなるよう検討することで、学習評価の改善にも資するのではないかといった方向性が示されているところです。ここまでが論点整理における学習評価の課題、論点と総則・評価特別部会での議論の確認でございました。
資料を飛びまして、8ページ目でございます。ここからは情報・技術ワーキングとしての検討となります。資料左上、1ポツ、検討の方向性の総論ですが、今ほど説明した3つの論点に沿ったことを検討課題として挙げているところです。次のポツですけれども、一方、これらは学習指導要領の改訂後に速やかに検討していくべきとも示されていることから、本ワーキングにおいて一定の結論を得るのではなく、あくまでも将来の検討に資する指針となるような示唆を示すこととしてはどうかと考えております。次のポツ、その上で現行の技術・家庭科技術分野や情報科等の学習評価に関する課題については、改訂後も生かすことが可能な改善に資する方策を検討してはどうかとしております。
右側の2ポツ、総則・評価特別部会の方向性を踏まえた示唆ということで、見取る姿(仮称)についてでございます。「学びに向かう力・人間性等」にかかる見取る姿(仮称)については、先ほどの説明にもありましたとおり、学習指導要領の改訂後、速やかに検討して示していく方向性が示されているところですけれども、それにあたっての示唆を示していければと考えております。
まず1ポツ目ですが、特に情報・技術科(仮称)は通常3年間を通して指導する教科であることから、まずどの程度の期間ごとに見取る姿(仮称)のイメージを示すかについて検討する必要がある。この点、情報・技術科(仮称)の内容項目の配列、どの領域の技術から学ぶのかについては、教師の主体性を確保し、技術を統合的に活用する学習など柔軟な教育課程編成を可能とするため、教師の裁量に委ねる方向で整理している。その上で、各内容項目内の学習活動は、いずれの領域技術においても共通の学習過程(ア)から(ウ)の過程に基づいて行うものとして整理している。このため、形成的評価を行う際には、各内容項目ともこれらの学習過程の各段階に沿って共通の観点で評価することが可能ではないかと考えられる。同じような考え方に基づいて、学びに向かう力の3つの要素の継続性についても、学習過程の各段階に沿って見取ることが可能と考えられる、としております。
いずれにしましても、シンプルかつ教師の負担を少なくする観点から今後見取る姿(仮称)の検討を進めるべきところ、例えばこの状況を踏まえれば期間については各学年ごととし、各学年末に実施する総括的評価の際に、「思・判・表」の目標準拠評価における丸の付記を実施することなどが考えられますが、こうした点も含め改訂後に速やかに検討を進めていくことが必要と考えております。あわせて、現在検討している情報・技術科(仮称)や情報科の目標から学びに向かう力の3要素を抽出したものをもとに、見取る姿(仮称)そのもののイメージについて、学習指導要領の改訂後速やかに検討し示すこととしてはどうかと考えております。
9ページ目をご覧ください。高次の資質・能力を活用した単元計画づくりについてでございます。総則・評価特別部会において、当面は高次の資質・能力の育成状況自体について一律に直接的な評価を行うことは求めず、各学校における単元構想を含む指導と評価の計画や実施の質を構造的に支える役割を果たすものとして整理する方向性が示されているところです。そこで、画一的、硬直的な実践を押し付けるものとはならないように留意しつつ、国として高次の資質・能力等を活用した単元計画づくりの参考イメージを示すということが求められるとしております。以上を踏まえ、第7回情報・技術ワーキングで参考資料として示しておりました単元計画づくりの参考イメージについて、より現場の理解が深まるよう、どのような工夫ができるか検討する必要があるのではないかと考えております。これにつきましては、資料の12ページ目から15ページ目にイメージを添付しておりますので、あわせてご参照いただければと思います。これらを今後より分かりやすい形にしていきたいという趣旨でございます。
また、国が示すこととなる内容のまとまりごとの評価規準例につきましては、総則・評価特別部会で示されているように、現在検討している高次の資質・能力を踏まえて、可能な限り学びの深まりを意識した記載ぶりとなるよう検討し示していくことが求められると考えております。また、情報・技術科(仮称)や情報科はより探究的な要素を強めることを踏まえ、効果的な形成的評価の例については、他教科の評価の改善方策なども踏まえて検討し、今後示していく必要があるのではないか、これについては次のページで説明いたします。
10ページ目をご覧ください。中学校技術分野の評価にかかる現状、課題と改善の方向性についてでございます。1ポツ、現状でございます。1ポツ目は、特に技術科と家庭科という異なる免許を持つ教員が1つの教科を指導する中で、両分野をどのように総括して評価するかについて、明確な方針が十分に共有されておらず、評価の方法にばらつきが生じていると指摘しております。2ポツ目でございます。現行の学習指導要領では、生徒が自らの課題に応じて製作・制作・育成に取り組む学習が推奨されているが、評価の難しさを理由にそのような課題設定が十分に行われていない場合も見られる。特に成果物が生徒ごとに異なることなどから、公平な評価に対する難しさが指摘されているところです。
2ポツ、課題でございます。このような状況を踏まえると、形成的評価の充実をはじめとした評価方法の改善が求められること、そのため、課題解決の過程や取組の要素を重視した評価の在り方など、評価の考え方や方法の共有を一層進めていく必要があると考えております。
資料右側に移りまして、情報・技術科(仮称)の評価の方策についてです。情報・技術科(仮称)においては、技術の学習過程の考え方に基づいて学習活動を行うことや、「技術の統合(仮称)」を新たに設け、ものを生み出すプロセスを重視しているところです。こうした学習内容の改善の動きを踏まえると、学習評価においても実践的、探究的な探究学習の中で課題解決の過程や取組の要素を重視した評価を行うことが必要と考えております。特に形成的評価の観点としては、個々の学習状況を適切に把握して、製作等の過程の中で生徒に適切なフィードバックを行うことができるよう、学習過程に着目した評価を行うことが求められる。
その際、生徒の思考の過程を可視化することが有効であり、例えば1人1台端末を活用して問題解決の過程を記録共有するといったことや、ルーブリックなどを用いることで、必ずしも一律ではない成果物ができた場合でも一定程度共通の観点で評価できるようになるのではないかといったことを考えております。これにつきましては、資料の16ページ、17ページに、現行学習指導要領下で行われている1人1台端末環境を活用して思考を可視化した学習評価の例を補足イメージとして添付しております。こちらにつきましては、デジタルワークシートなどを生徒が記入し、クラウドで共有することで、教師が生徒の状況を把握し、形成的評価を返すなどの例を示させていただいております。
また、10ページ目に戻らせていただきます。このページの冒頭に紹介しました、本教科が家庭科と分離し、独自に観点別評価及び評定の総括を行うこととなることを踏まえると、今後国が示す学習評価に関する資料等においては、その総括の考え方についても丁寧に示していくべきではないかと考えております。なお、前提として、これらはあくまで工夫の一例でございまして、これらに限らず評価の工夫は今後検討していく必要があると考えております。
続きまして、11ページ目をご覧ください。高校情報科の評価にかかる現状、課題と改善の方向性についてです。1ポツ、現状でございます。現状として、定期考査等による評価が中心であったり、座学中心の傾向が見られると指摘しております。2ポツ目、課題ですが、状況を踏まえれば、問題を発見・解決する学習や探究的な学びに対応した評価については十分に浸透しているとは言い難いと。特に1人1人が異なる課題に取り組む実習や、過程を重視した学習活動に対する評価が試行錯誤段階にあって、レポート作成や発表等のパフォーマンス課題による評価も進んでいないと。
このような状況を踏まえると、探究的な学びにおける評価の在り方について、具体的な方法や基準等の共有を図り、実習や課題解決の過程を重視した評価や多様な表現活動を評価に位置づける取組を一層推進していく必要があると考えております。
資料右側、情報科の評価の改善方策につきましてですけれども、情報科では新たにPBLによる課題解決であったり、価値創造に関する内容項目を設けることにしておりますけれども、こうした学習内容の改善の動きを踏まえ、学習評価においても探究的、実践的な学習の中で課題解決や価値創造の過程を重視した評価を行うことが必要と考えております。特に形成的評価においては、1人1人が異なる課題に取り組む実習の過程を適切に見取るために、例えばあらかじめ評価の観点等を生徒に共有することが有効であると考えられ、これによって教師は適切なタイミングで助言や指導を行うことができ、生徒は単元の目標に向けて学習を調整しながら取り組むことができると考えられます。また、ルーブリックなどを用いることについても記載しております。
こちらにつきましても、資料の18ページ目、19ページ目でございますが、現行学習指導要領下でも行われている各時間ごとの評価の観点をあらかじめ生徒に示すことによって、形成的評価がしやすくなる例であったり、ルーブリックの活用によって生徒ごとに異なる成果物でも一定の基準の下で評価を可能としている例を補足イメージとして付けておりますので、あわせてご参照いただければと思います。なお、前提として、これらはあくまで工夫の一例でございますので、これらに限らず評価の工夫は今後検討していく必要があると考えておるところでございます。事務局からの説明は以上になります。
【堀田主査】 それでは、ただ今の事務局からのご説明をもとに、これから15分以内ぐらい議論いただければと思います。また、いつものようにご意見のある方は挙手ボタンを押していただきまして、私のほうで指名差し上げたいと思います。
今日もこのワーキングの委員全員にご出席いただいておりますので、様々なお立場からご発言いただきたいと思う次第ですが、いつものように発言につきましては2、3分以内ということでご協力をお願いしたいと思います。加えて、ご発言の際には、資料の何ページのどこの部分についてのご意見、ご質問であるかということを明言いただければありがたいと思っております。
挙手ある方、お願いいたします。まず、望月委員から参ります。お願いいたします。
【望月委員】 8ページの「各内容項目とも学習過程の各段階に沿って共通の観点で評価することが可能」というところに賛成です。どの内容項目にも共通する学び方を繰り返し学ぶことによって、資質・能力の向上に繋がっていくと思います。
さらに、1人1台端末やクラウドを活用することによって、成果物ができる途中での適切な形成的評価ができ、子供たちもお互いに参考にし合うことで学び合うことができると思います。以上となります。
【堀田主査】 続いて、亀田委員、白井委員の順番で参ります。亀田委員、お願いします。
【亀田委員】 まず、事務局からお示しいただいた改善の方向性には全面的に賛同いたします。私からは、10ページの改善の方向性について、デジタル学習基盤の可能性を踏まえて意見を申し上げたいと存じます。
生成AIを使えば、今や整ったレポートやプログラムが数秒で出力できる時代ですので、最終的な成果物だけを見て能力を測るのではなく、見えにくい学習の過程、プロセスを適切に把握し評価していくことは何より重要だと感じております。1人1台端末を活用すれば、子供たちがどう問いを立て、どう試行錯誤したかという学びの足跡をしっかり可視化することができると考えます。さらに、その複雑なプロセスの分析をデジタル学習基盤や生成AIがデータ面からサポートしてくれることで、先生方が1人で評価の負担を抱え込むことなく、子供たち1人1人へタイムリーで温かなフィードバックを行うことが可能になると考えます。これは多忙な現場の先生方を支える心強い仕組みだと思います。
だからこそ、GIGAスクール構想における1人1台端末の有効活用が大きな前提となります。端末が日常の学びの中で当たり前に活用され、プロセスが蓄積されて初めて、この学習評価の形が実現するのではと考えます。成果物だけでなく、プロセスを価値づける評価へと転換することで、子供たちはもっと深く探究してみようという前向きな主体性を持つことにも資するのではと思います。先生方の伴走とのびのびとした子供たちの成長を支えるためにも、端末の有効活用を大前提とした評価の改善を進めていきたいと事務局のご提案を伺い考えた次第です。
【堀田主査】 それでは、白井委員、お願いいたします。
【白井委員】 スライドの11ページをお願いいたします。
高等学校情報科の評価の改善方策として、探究的、実践的な学習の中で課題解決や価値創造の過程を重視した評価を行う必要がある点に賛成いたします。新しい学習指導要領における学びの多くは、知識習得にとどまらず、学んだ内容を課題解決や価値創造につなげるものになっており、形成的評価が重要になると考えています。
形成的評価にあたっては、こちらのスライドの右側に書かれておりますとおり、評価の観点等を明確にした上で生徒と共有し、理解を促すことが重要になると思います。一方で、評価の観点をどのように設計するか、また見取った状況に応じて生徒をどのように支援していくかといった指導の方法については、先生方が悩まれる点だと思いますので、情報科においても各学習領域における評価方法の具体化や評価の考え方、方法の共有を一層進めていく必要があると考えます。
【堀田主査】 では、このあと蓮池委員、井手委員、泰山委員の順番で参ります。蓮池委員、お願いいたします。
【蓮池委員】 今見せていただいている11ページで、私もコメントさせていただきます。
情報科における課題改善方策について賛同いたします。特にデータサイエンスの観点から言いますと、データがたくさんあった場合であったとしても、思ったとおりの仮説の結果にならない、ポジティブな結果にならないということは日常茶飯事と言いますか、そちらのほうが逆に言うと多いケースかと思います。よって、データの分析を行った上で、その思考過程であったり、どういった分析を行ったかという過程を重視して評価していただけることが重要かと思います。
最終成果物がネガティブな結果であったり、肯定的な結果でなかったとしても、その考えた過程というものが非常に重要なのがデータサイエンスの特徴かと思いますので、そういったところを評価規準に入れていただくようなことになっていくと、非常にありがたいかなと思います。以上です。
【堀田主査】 井手委員、お願いいたします。
【井手委員】 資料1の10ページ、11ページに示された改善の方向性について、全面的に賛成の立場から意見を申し上げます。
今回の改訂では、中学校情報・技術科(仮称)の「(4)技術の統合」、高等学校情報科の「(5)PBLによる課題解決の実践」がそれぞれ設けられることになっています。これらの領域は従来の各領域の学習とは性格が異なり、いずれも探究的、実践的な活動が中心となり、評価の在り方について大きな懸念を持っています。先日、日本産業技術教育学会が主催の技術教育ラウンドテーブルに参加いたしましたが、私が参加したグループの中でも、この「(4)技術の統合」分野の評価の難しさが大きな話題になりました。参加者からは、評価のイメージとしては総合的な学習の時間のような文章・記述による評価が近いのではないかという意見が多く出た一方で、それを数値化したり、観点別評価に落とし込むイメージが湧かないという声が相次ぎました。
本資料には、ルーブリックの活用や1人1台端末を用いた問題解決の過程の可視化など、具体的な方向性も示されており、大変参考になります。ただ、現場での実装を考えると、特にこれらの探究的な新しい領域については、誤った形成的評価、総括的評価が行われるリスクが高いと懸念しております。つきましては、なるべく多くの評価事例、とりわけ「(4)技術の統合」や「(5)PBLによる課題解決の実践」に特化した具体的な評価事例を早期に示していただき、現場での混乱や誤った評価の運用が生じないことを強く要望いたします。
【堀田主査】 泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】 今回の検討の対象外ではあるとは思うのですが、特にこの小学校の情報の領域(仮称)の視点から発言をさせていただきたいというふうに思っています。
今回ご提案として、中高の評価について検討されておりますが、ぜひ小学校の情報の領域(仮称)についても、質の高い探究につなげるための情報活用能力が十分に評価、育成されているかについて、個々の児童の評価が非常に重要になると考えています。これは主に総合ワーキングの検討課題だというふうに思いますが、これまで探究の領域で評価されてきたこの探究の質だけではなくて、今回情報の領域(仮称)として設定されている情報技術の知識・技能がしっかりと習得され、それが適切に発揮されているのかということをしっかりと評価する枠組みについて、今後検討が必要ではないかと考えておりますので、ぜひご検討をお願いできればと思います。
【堀田主査】 では、このあと今度委員、宇都宮委員、春日井委員、安藤委員の順番で参ります。今度委員、お願いいたします。
【今度委員】 資料ありがとうございました。資料でお示しいただいた改善の方向性に強く賛同いたします。評価の目的は、子供たちの指導と学習の改善にこそあるべきと考えます。
現場への導入にあたって懸念されるのは、総合実習やPBLといった多様な成果物を伴う学習において、形成的評価をどのように教員の過度な負担にせずに実装するかという点です。ここで重要なのは、評価の主体を教員側だけにとどめず、子供たち自身の中に自己調整の力や倫理的エージェンシーを育む評価デザインを取り入れることと考えます。
具体的には、生徒が自らのAI利用や情報デザイン、システム設計のプロセスを主体的に振り返り、軌道修正できる自己評価・総合評価用の共通ルーブリックをカリキュラムに標準実装することを提言いたします。このルーブリックの評価規準には、単に技術をうまく使えたかというスキル面だけではなく、使用したデータやAIのアウトプットに不正・不公平なバイアスや人権、プライバシー上の問題がないか、社会的な影響を考慮できているかといった倫理的・市民的側面のチェックポイントをあらかじめ明示して含めます。
これによって、生徒は事前の見通しを持って主体的に探究を進めることができ、教員側もすべてのプロセスを一人で抱え込んで見取る必要がなくなるのではないかと考えます。結果として、事務局案が示す負担軽減と目指す倫理的判断力を伴う確かな学びの充実を現場で同時に両立させることができるのではないかと考えました。よろしくお願いいたします。
【堀田主査】 宇都宮委員、お願いいたします。
【宇都宮委員】 今回の改訂に強く賛同いたします。ほかの委員の先生方からもご指摘があったとおり、資料の10ページ、18ページ等でご指摘のあるルーブリックの活用は大変有効だと考えております。成果物や探究テーマが多様になる情報技術の学び、またAI技術が進化していくことによって、その評価の観点をきちんとアップデートして共有するということは、先生方のご負担を軽減することにも通じますし、生徒の自己調整を促していく形にもなる重要な基盤になると考えます。
その上で、ルーブリックにはどの学習過程の証拠を見ているかという根拠をセットで示すと、成果物の完成度だけによらない、より豊かな評価になると考えます。ルーブリック自体を固定的な採点表ではなく、実践を通じて育てていく、改善していくというプロセスも、進化の速さを考えると非常に重要なものだと考えます。創造性や倫理的な判断、協働の質、試行錯誤の深さなど、さまざまな評価軸を通じて定期的に振り返り、アップデートしていくことが重要かと思われます。
また、16ページ、17ページのデジタル記録生成AIの活用においても大きな可能性を感じております。学習ログを整理して、教員が変化や成長を見取りやすくする補助として活用することに大きく賛同いたします。
【堀田主査】 続いて春日井委員、お願いいたします。
【春日井委員】 今回ご提案いただいた方向性に賛成いたします。11ページをお願いします。
右側3ポツ目の評価の観点等を生徒に共有することは特に重要だと思っています。これまでのワーキンググループでは、高次の資質・能力について生徒にも分かりやすく示す方向で議論を進めてきましたので、評価についても具体的に記述して、生徒が自分でも評価できるように示すことができると良いと思っています。今回の資料は教員が評価を行う視点でまとめられていますが、事務局説明にもあったとおり、生徒が自己調整を行いながら学習を進める上でも重要だと考えています。
16ページをお願いします。右側のイメージ2のところで、形成的評価としてコメントを返すことについて書かれていますが、このようにコメントを返すことができるといいのですが、高校で情報科を担当していたときには、学年の全生徒を担当していて、十分にできなかったことを反省しています。先ほど亀田委員がおっしゃった意見のように、ICTを活用することで負担を減らすことができると思います。先生方に過度な負担とならないようまとめていただくと、適切なタイミングで必要な評価を行うことができるのではないかと思っています。中学校の資料をもとに意見を述べましたが、高等学校についても同様に考えております。以上になります。
【堀田主査】 では、このあと安藤委員、田中委員、ここまでにさせていただきたいと思います。安藤委員、お願いいたします。
【安藤委員】 安藤です。10ページ目ですね、生徒の思考の過程を可視化するということについて賛同いたします。
生成AIやプログラミング的思考を機能させるということに関わるんですけれども、どのように生成AIと対話して認知的にオフロードをせずに思考を深めたり、あるいは問いを立てていくのかということ。そうした学習の状況はプロンプトと生成AIからの応答の変化を学習データとして指導する側が分析することで、把握するができると思います。
ただ、そのときに言語化されたものだけしか見ないということにならないようにすることが大事です。やっぱりその場にいる教師、これまでの学習の取り組みを見てきた教師しか言語に現れてこない背景を読み取ることができないので、教師の役割がより重要になるという、そういう提案にもなるなと考えます。
【堀田主査】 田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 スライドの10ページのところで皆さんのコメントをいろいろお伺いする中で、ちょっと情報共有みたいなところをさせていただければと思いました。
先日、テクノベーションガールズという国際ビジネスアプリコンテストの審査をやっていたんですけれども、いわゆる6か月間探究の学習で課題解決・プロダクトを作って解決していくという観点で、倫理的なところをどういうふうに見たかと言いますと、例えばデータプライバシー、アクセシビリティ、環境への影響、特定グループへの偏見・危害などの複数の観点について具体的な考察と対策が示されているかどうかだったりとか、倫理的な目線で多角的に検討されて設計や機能に反映されているかどうか。AIの使い方についても、使用するAIツールはどのように生成AI活用を開発の過程でどう使ったかをちゃんと説明できるかどうかという点と、AIの成果物と人間の創造性をうまく融合してプロダクトの質の向上に生かせられているかどうかという観点を見ていたので、そういった情報提供というところでした。
【堀田主査】 貴重な情報ありがとうございました。ご意見ここまでとさせていただきますが、時代背景からいって、求められる資質・能力が大きく変わってきておりまして、ならば評価すべきこと、あるいは評価する方法も当然変わるので、私どもが今まで馴染んできたやり方と異なっていくということに対する戸惑いは現場にはたくさんあろうかと思いますが、これも、だからといって戻すというわけにもいかない話かと思いますので、今日の端末、あるいは端末のログ、クラウドの情報をどううまく使って適切に評価していくかという、しばらくは模索も含めて私どもで検討していかなきゃいけないところかなと思います。国からどこまで基準が出せるか、それをもとに各教育委員会等でどういうふうにルーブリックのようなものを検討されるか、あるいは現場で目の前の子供たちの実態をよく知った教師がどうやって評価するかという、このあたりちょっと壮大な取り組みになりますけれども、大事なことかと思っておりますので、一生懸命取り組んでまいりたいと思います。皆さん、ご意見ありがとうございました。
続きまして議題2にまいります。「プログラミング教育について」というタイトルになります。資料2について事務局よりご説明をお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】 事務局でございます。資料2を提示させていただいております。本日の議題の2つ目として、プログラミング教育についてご審議いただければと存じます。
2ページ目をご覧ください。まず、プログラミング教育に関する現状と検討課題でございます。資料左側ですが、1ポツ、プログラミング教育の現状として、前回改訂におけるプログラミング教育充実の経緯を記載しております。前回の学習指導要領改訂の際は、人工知能が飛躍的に進化する中で、人間には目的を構想し、創造的に問題解決を行うという強みがあって、その育成はこれからの社会が求められる人材像とも合致する。また、身近な機器の多くがプログラミングによって動作していることを理解し、それらを魔法の箱ではなく、プログラミングを通じて人間の意図した処理を行わせることができるものであることを理解することは現代において不可欠であるといった観点から、小中高を通じたプログラミング教育の充実を図っておりました。
また、特に小学校段階におけるプログラミング教育とは、子供たちにコンピューターに意図した処理を行うように指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても時代を超えて普遍的に求められる力としてのプログラミング的思考などを育成するものと位置づけられたところです。なお、プログラミング的思考とは、自分が意図する一連の活動を実現するためにどのような動きの組み合わせが必要であり、1つ1つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけばより意図した活動に近づくのかといったことを論理的に考えていく力と整理してきたところです。
資料右側でございますけれども、前回改訂の議論の土台となった有識者会議においては、プログラミング教育では先ほどのプログラミング的思考という思考力・判断力・表現力だけではなく、身近な生活でコンピューターが活用されていることであったり、社会におけるコンピューターの役割や影響を理解するといった知識・技能であったり、コンピューターの働きをより良い人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養する「学びに向かう力」なども育成するものであるとされておりました。これらを踏まえて、小中高校でのプログラミング教育に関する学習内容が学習指導要領において記載されているといったところでございます。
3ページ目にまいります。プログラミング教育の課題ですけれども、小中高校を通じて学習内容や指導の在り方にばらつきが見られるとともに、問題の発見・解決にプログラミングを活用する学習が十分に行われてない状況が見られる。また、体験的な活動の不足や既習内容との接続の不十分さによって理解の定着にも課題が見られるといった指摘をしております。
資料右側ですけれども、検討事項として2点挙げております。1つ目は、現行の課題やAIなどの技術革新を踏まえ、プログラミング教育はどのような方向性で充実すべきか、その際プログラミング的思考との関係はどのように整理するか、プログラミング教育の実施において情報活用能力の育成の核となる教科等と各教科等との関係をどのように整理するか、このような2点を検討事項として挙げております。
4ページ目をご覧ください。まず1ポツ目、プログラミング教育の考え方について記載させていただいております。近年では自然言語によってAIに指示し、簡易なプログラムやアプリケーションを生成できる環境が広がっていると。これによって、これまで技術者が担っていたような自動化やシステム化についても、利用者自身がAIを活用しながら実現できる場面が増加している。このように、今後は誰もがAIを活用して自らの業務の効率化や生活の利便性の向上を図ることがより日常的になっていくことが見込まれ、これがいわゆるアドバンスト・エッセンシャルワーカーに必要な素養にも繋がってくると考えられると。
一方で、AIによって生成されたコードやシステムには誤りや不適切な処理が含まれる場合もあり、その活用にあたっては人間が目的や状況に応じて適切に判断することが必要となる。また、AIによって人が自ら細かな作業を行わずとも課題解決を進めることが可能となっていく中、人間には生成された内容を判断し、責任を持って意思決定を行う力がこれまで以上に求められるとの指摘がある。これらを踏まえれば、AIの発達によってプログラミングに関する学習が不要になると捉えることは適当ではない。むしろ、コーディングに自然言語を用いる場合であっても、目的に応じてAIに適切に指示することや、作成、生成したコードや解決策の妥当性を論理的かつ批判的に検討して評価・改善していくことが一層重要となると考えられるところです。
資料右側に移ります。さらに、コーディングをはじめとするプログラミングの工程をAIに任せられるようになることに伴い、人間にはプログラミングによって何を実現したいのかを構想することや、生成・作成したものを責任を持って判断し、問題解決することなど、全体を見通して考える役割がこれまで以上に求められることになる。これらの素養は、自分が意図する一連の活動を実現するために論理的に考えていく力として整理されてきたプログラミング的思考と方向性を同じくするものではないか、としております。
その上で、AI活用を前提とした情報社会に対応するため、従来のプログラミング的思考において含めてこなかったプログラミングによって何を実現したいのかを考える最初の段階であったり、生成・作成したものを責任を持って判断し、問題を解決する最後の段階までを含めた一連の考え方として、プログラミング的思考を発展的に捉え直すこととしてはどうかと考えております。こちらにつきましては、7ページ目に補足のイメージを付けさせていただいておりますのでご覧ください。
資料の上側でございますけれども、現行のプログラミング教育のフローを示しております。これは文部科学省で作成しております小学校プログラミング教育の手引きに基づいて作成しているものですけれども、フローとして、まず1番左が丸1、問題を見出すことから始まり、丸2、順序を考える、丸3、命令記号に置き換える、丸4、組み合わせを考える、それを丸5で試行錯誤しながら改善する。これによって問題解決をしていくというようなフローになっております。このうち丸2から丸5をプログラミング的思考の範囲であると、この手引きにおいては捉えてきたところでございました。
しかしながら、AI技術の進展やバイブコーディングの普及によって、丸2から丸5の工程はAIの活用により省力化できるようになってきたことと、一方で人間には何を実現したいのかを構想し、生成・作成したものを責任を持ってどう判断するかを含め、全体を見通して考える力がこれまで以上に求められるということを踏まえると、以下に示しているフローのように、プログラミング的思考について従来の考え方を発展的に捉え直して、プログラミングによって何を実現したいのかを考える最初の段階や、生成・作成したものを責任を持って判断し、問題を解決する最後の段階までを含む考え方としてはどうかと考えております。
具体のイメージとしては、AIを活用する場合のプログラミング教育のフローをイメージした場合、最初に丸1、実現したいことを構想し、丸2から丸5のフローを経て、丸6の責任を持って判断し、問題を解決するという流れを示しております。なお、AIを活用する場合でも成果物の検証・改善や責任を持って活用するためには、コーディングをはじめプログラムを構成する仕組みや方法を理解することも引き続き求められることや、改訂後のフローは主に高等学校段階を想定したものであり、小学校・中学校においては内容や難易度を調整しながら発達段階に応じてプログラミング教育を実施することを想定していることを、こちら留意点として付しております。
また、これらの整理に関連して、30ページに参考資料として付けている資料がございますので、こちらをご紹介させていただければと思います。こちらですけれども、民間AI企業が発表したレポートの概要となっておりますが、2026年におけるエージェント型コーディングの8つのトレンドを紹介し、人間の役割がコードを書く実装者からAIエージェントを指揮して、その出力を評価・検証して戦略的な方向性を示すオーケストレーターに変わるとの指摘をしているものになっています。より具体には、人間の専門性を解くべき問題を定義することに集中させて、ソフトウェア開発はコードを書くことを中心とする活動からコードを書くエージェントを統括することを基盤とする活動へ移行しつつあるとされています。また、高いリスクを伴う業務においては能動的な監督と検証が必要である。より定型的なコーディングタスクにはAIに委任できる一方で、人間は依然としてコードをレビューしているといったことが指摘されておりますので、併せてこの議論のためにご参照いただければと思っております。
資料を戻りまして、4ページ目に戻らせていただきます。右が最後のポツですけれども、プログラミング的思考は、これまで主として小学校におけるプログラミング教育の考え方として整理してきたが、先ほど申し上げたように、何を実現したいのかを構想し、生成・作成したものを責任を持ってどう判断するかを含め、全体を見通して考える力がこれまで以上に求められることから、プログラミング的思考を発展的に捉え直すことを踏まえれば、小学校に限らず中学校・高校においても同様に育成を目指すべきものと考えられるところでございます。
続いて5ページ目をご覧ください。従来のプログラミング的思考を発展的に捉え直す方向性に合わせたプログラミング教育の内容についてですけれども、具体的には、従来のように情報処理の手順を理解し、コードを正しく作成することを重視するよりも、情報処理や情報システムの仕組みを踏まえながら設計・試作・検証・改善を行い、生成・作成したものを判断する一連のプロセスを重視する方向へと、さらに発展させていくべきではないかと考えております。ここでも留意点ですけれども、AIを活用する場合にも成果物の検証・改善や責任を持って活用するためには、コーディングをはじめプログラムを構成する仕組みや方法を理解することも引き続き求められるのではないかと考えております。
このことから、各学校段階における具体の学習内容は、例えば小学校段階ではプログラミングの体験を通して情報処理の基礎的な手順を身につけ、コンピューターを目的に応じて動かせることに気づかせる。中学校段階では、その仕組みとしてアルゴリズムやデータ構造について理解するとともに、データやセンサー等を活用した情報システムをプログラムによって構想する。高校段階では、情報Ⅰにおいてはプログラミングを用いて要件定義、設計、実装、テスト、改善までを含めたシステム開発を行い、さらに情報ⅡにおいてはAI等の先端技術を活用した課題解決、価値創造に関する学習へと発展させていくといったことが考えられるところです。具体的には、資料の右側にピンク色の囲みのところに各学校段階のイメージを記載させていただいております。
また、このような学習内容は、情報処理の基本的な手順の理解から情報システムの構想実現、さらに課題解決や価値創造へと段階的に発展していくものであるため、現行の小学校段階における教科等横断的な取り扱いではなく、育成の中核となる教科等を位置づけて、学習内容、資質・能力の系統性を踏まえながら体系的に指導していくことが望ましいと考えられるところです。資料右上ですけれども、技術やサービスの進展等を踏まえて、タイムリーに見直しが行われるように、具体的な内容はできる限り学習指導要領解説や教材ガイドライン等において示すこととして、予算事業等も含めて対応してはどうかと考えております。
続いて資料6ページ目でございます。3ポツ、各教科との関係についてです。プログラミング教育が情報活用能力の向上に寄与することも踏まえ、情報活用能力の育成の核となる教科等で責任を持って実施することとし、そこで身についたプログラミング的思考等の力を各教科等の文脈で効果的に機能させることで、各教科等の学びを支えるという関係と整理してはどうかと。これらに伴い、他教科での扱いについては今後精選する方向で検討してはどうかと考えております。具体的には、各教科等における以下のような学習活動が行われる場面において機能できるようになることが期待されるということで、ここでは小学校の理科、中学校の数学、高等学校の地理のイメージ例を挙げているところでございます。また、これに関連しまして、8ページ目の補足イメージも関係しておりまして、こちらの概念イメージも併せてご参照いただければと思います。
9ページ目以降は参考資料ということで、現行学習指導要領におけるプログラミング教育の各種データなどを付けておりますので、併せてご参照いただければと思います。事務局からの説明は以上となります。
【堀田主査】 それではまたご意見を賜りたいと思いますが、皆様挙手をいただいて、またご指名させていただきます。15分弱ぐらいになりますので、ご意見のある方は早めにお願いいたしますし、また発言には時間厳守でお願いいたします。萩谷委員、お願いいたします。
【萩谷主査代理】 7ページのプログラミング教育に関してですが、こちら世界的に見ても最先端のプログラミング教育の方向性を示していると思います。大いに賛同いたします。29ページと30ページの資料も示唆しているところですが、AI分野では研究開発と産業応用が一体的に急速に進歩していますので、教育も同時並行的にアップデートせざるを得ません。7ページの方法論を展開しながら教育方法や教材を開発しつつ、それらの検証も同時に行う必要があり、文科省の支援の下で多様な関係者が協力する体制が求められていると思います。
【堀田主査】 では、このあと宇都宮委員、村松委員、鎌田委員の順番で参ります。お願いいたします。
【宇都宮委員】 ご発表ありがとうございます。私もこの資料7ページ目のプログラミング的思考の発展的に捉え直す。この従来のプログラミング教育のフローを実現したいことを構想するというところから、責任を持って判断し問題を解決するというところまでを捉えてプログラミングという考え方に大きく賛同いたします。
弊社の立場からしても、生成AI時代に重要なことというのはコードを1文字ずつ書けるということではなくて、やはりこの何を実現したいのかを定義をして、実際にそれを実行して、それを検証して継続的に改善していくというフローそのものが非常に重要になってくると考えます。また、生成AI時代にAIが生成したものを人手で全部検証をしていくということ自体もほぼほぼ難しくなってくる。コードが肥大化して難しくなってくることかと思いますので、検証する手段があるということを学んだ上で、こういった授業の中では実際に実装者からオーケストレーターになることそのものがプログラミング思考だということを学んでいただき、さらにAIに指示して作られたものがきちんと意図するものになっているのかというものを検証することが非常に重要だということを学んでいただくこと。
それから機能だけではなくて、社会的にこれが倫理的にも社会的影響を含めて作るべきものを作っているのかといった倫理的な面も含めてのオーケストレーターといった立場を盛り込んでいただけると良いのではないかと思います。総じて、このプログラミング教育を書くという教育から仕様化する、検証する、改善するというところまで広げていただくということに強く賛同いたします。
【堀田主査】 村松委員、お願いします。
【村松委員】 ご提案ありがとうございました。4ページで示していただいたように、AI時代においてプログラミング教育は不要になったのではなく、改めてその重要性が再認識されると考えます。7ページをお願いします。
ご提案のAI時代でのプログラミング教育の在り方を再整理し、プログラミングの学びを通して何を実現したいのかを考え、課題解決に活用することにこれまで以上に重点を移すという方向性は、技術による問題解決の考え方とも整合している点を高く評価し、賛同いたします。また、小中高を通して体験からアルゴリズム理解、システム設計、価値創造へと発展させる構成というのは系統性を明確に示したものとしても評価します。さらに、生成、作成したものを責任を持って判断とあるように、生成AI時代に求められる社会的・倫理的観点から判断する力にも言及されている点は重要だと感じています。
一方で、AI活用を前提とすることには一定の注意も必要ではないかと考えています。AIによってプログラムを簡単に生成できる一方で、生徒自身がアルゴリズムを考えたり、デバッグを通して原因を分析したりする経験が不足するということも懸念されます。もちろんこの点は資料の中でもプログラムを構成する仕組みや方法を理解することの必要性、またその他イメージ説明などで抑えられてはおりますけれども、基礎的なアルゴリズム理解や生徒自ら試行錯誤しながら改善する学習経験を十分に保証することの重要性というのはより強調しても良いのではないかと考えます。
その一例として、例えば改訂後のイメージの星印の補足において、AIを活用する場合にも発達段階に応じてアルゴリズムを自ら考える活動や、デバッグ等を通して原因を分析し改善する活動など、試行錯誤しながら課題解決を行う学習を重視する。こういったような表記も考えるのではないかと思います。
【堀田主査】 鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】 7ページ目の改訂後のイメージの米印の上のほうですね。AIを活用する場合にも成果物の検証、改善や責任を持って活用するためにはコーディングをはじめプログラムを構成する仕組みや方法を理解することも引き続き求められると記載がありますが、この部分に大きく賛同しますし、現場からのお声として補強させていただきます。
実は昨年度、本校のプログラミングのモデル化とシミュレーションをプログラムで行う授業において、生徒たちに生成AIを使わせながらプログラムをしましたが、最初のところは生成AIを使わずにプログラムの基礎、基本を身につけてからAIを使わせました。そうした中で生徒から集約された振り返りのコメントを紹介させていただきます。生徒たちから上がった声として「プログラミングの原理が全く分からない人が最初からAIを使っていたら何の学びにもならなかった。」「最初はAIを使わずに自分でエラーを探し直すことにもまだ意味があると思った。」「最初からAIを使わなかったからこそ、よりAIのすごさや良さを理解することができた。」「AIを用いることでとても楽になり、やることが減ったが、学びが少ないと感じた。ただAIに任せてしまうと何も得られない」といった声が上がっています。
一方、AIを使いながら応用課題を課題解決していったあとの生徒の声として、「最初にPythonの作法や基礎知識を学んでいるときは全部AIに任せればいいと思っていたが、実際に応用問題を解く中で基礎知識を使ってAIの情報を判断することができた。」「AIを使うときは全部任せるのではなく、部分的に使うのが最適だと思った。」といった意見が上がっています。最初はAIなしにプログラムを書く作業をしていて、内容や意味がよく分かってなかったけど、回数を重ねるごとにAIに言っていることの意味が分かったという意見がありました。
これは単に基礎が大切だと教員が生徒に言ったのではなく、生徒がAIとやり取りしながらAIの言っているコードを認識するためにはプログラムの基礎知識が大切だといった意見がありますので、こちらのほうにありますようにコーディングをはじめプログラムを構成する仕組みや方法を引き続き学んでいく重要性を現場からの声として挙げさせていただきたいと思います。
【堀田主査】 このあと安藤委員、今度委員、望月委員、白井委員の順番で参りますが、時間限られておりますのでご協力をお願いいたします。安藤委員、お願いします。
【安藤委員】 3点、お話しさせてください。
まず4ページ目です。このプログラミング的思考について書かれている部分ですね。プログラミング教育の手引や教育の情報化の手引にも、プログラミング的思考の育成には必ずコンピューターを用いるということがこれまで強調されています。これはコンピューターがそもそもデジタルな機械で、はっきりと区別できる情報を扱うという根本的な原理を、プログラミングではないと体験できないというような理由から、プログラミング的思考を育成するうえでコンピューターを扱う必要性というのを述べていたんじゃないかと思います。
ですから、人間であれば解釈が求められるような指示、例えば少し大きくとか言ったときに、人間であれば文脈から判断して、これはキャラクターのことではなくって音のことで、今の環境音を考えると音量はこれくらい大きくするってことなのかなっていうことを解釈できますけども、コンピューターはこうした文脈や空気、副詞とか形容詞とかそういうことを理解できないので、数量で示す必要があるということがプログラミングの場面で必要になってくるということです。
ところが、生成AIとのやり取りができるようになって、こういった情報技術の仕組みが一層気づきにくくなりました。コンピューターというそのものを理解したり、あるいは魔法の箱にしないっていうためのプログラミングを体験する中で、こういった抽象概念を論理的にといいますか、相手の解釈によって結果が変わらないように構成する思考力がより一層必要になってくるという点で、このプログラミング教育の今のご提案ですね、賛成したいというふうに思っております。
2点目です。例えば3ページで現状の課題を指摘していただいております。例えばそのことを受けて5ページ目等でもですね、情報活用能力を学習する内容をガイドライン等でフォローするということをご説明いただきましたけれども、現状の課題を解決する上ではやはりベストエフォートではなくて、きちんと出口を保証、つまり6年間で、そして中学校の3年間で少なくともどのレベルまでやるのかということを明示する必要があるんではないかなというふうに思います。現状ですと、中学校とか高校に入学してきた生徒の足並みがあまりにも違うので、スタートのところで困難が生じているということがあるかなというふうに思います。
そして3点目も5ページですけれども、5ページ目で中学校と高校で同じくアルゴリズムという言葉が入っているかと思います。ただ、このアルゴリズムという言葉は同じでも意味しているものは多分違うなと思って聞いておりました。例えば高校のアルゴリズムだと、並べ替えのバブルソートとかヒープソートとか、そういうもうすでに名前のついたものを学習するという、そういうイメージも強いかと思いますけれども、中学校でイメージしているアルゴリズムはその前段階のそういう意味かなというふうに思います。
具体的には、中学校でのアルゴリズムとは、目的を果たすために手順のまとまりが必要で、その目的によっては何が最適な処理なのかということが変わるんだなっていうことに気づいたり、この処理にはこういう定番の処理があるんだなっていう気づきを経て、高校に接続できるとスムーズなんではないかなというふうに思いました。以上になります。
【堀田主査】 お時間の関係もありますので、皆さんご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。今度委員、お願いします。
【今度委員】 資料の方向性に全面的に賛同いたします。AI倫理や情報教育の視点から申し上げますと、これからのプログラミング教育のゴールは、デジタル技術を使う段階を超えて、実社会の課題に対して技術をいかに適切に社会実装し、責任を持って運用するかというシステム思考と倫理的検証力へと再定義されるべきとも考えます。
AIが自動コードを生成してくれる時代だからこそ、人間の役割は開発の初期段階における、これは誰のためのシステムか、誰の尊厳や人権を守るためのものかという人間中心設計や要件定義のプロセスにシフトしていきます。
そして何より重要なのは、AIが生成したプログラムやシステムに対して、データセットに偏りや公平性の欠如はないか、他者の基本的人権や法的権利を侵害していないかをクリティカルに検証し、責任ある判断を下す力とも思います。
プログラミング教育を単なる効率化のツール習得に終わらせるのではなく、技術の背後にある構造を問い直し、自律的にコントロールする倫理的エージェンシーの育成の場として、プログラミングの要件定義と運用の検証、責任の要素を、高次の資質・能力の評価項目の中核に位置づけることを提言いたします。
また、5ページの学習内容のイメージの箇所で、小学校では簡単な課題解決に取り組む、情報システムの仕組みをプログラムで表現し、動作を確認したり改善したりするという表記がありますが、生徒自身が課題解決、課題設定をして、その課題を解決する作品、プロダクトを作り切る体験を小学生からやっていく必要があると考えています。作品、プロダクト作りの体験がないと、どう使って価値を出すかというゴールには至らず、むしろ旧来的な正しく作れるかという教育にとどまる可能性が高いように思いました。
【堀田主査】 望月委員、お願いいたします。
【望月委員】 8ページ下のプログラミング的思考と各教科との関係について賛成です。核となる教科でまず学んでから、他教科で何度も繰り返し学習することで、問題を解決するために発展的に捉えたプログラミング的思考を子供たちが機能させることができるようになっていくと思います。以上となります。
【堀田主査】 ご協力ありがとうございます。白井委員、お願いします。
【白井委員】 スライド7をお願いいたします。AI技術の進展に伴い、人間にはプログラミングによって何を実現したいのかを構想することや、生成、作成したものを責任を持って判断し問題を解決することなど、全体を見通して考える役割が、これまで以上に求められるという点に賛成いたします。そのため、こちらで示された従来の考え方も大切にしつつ、発展的に捉え直す必要があるという新たなプログラミング的思考の考え方についても賛同いたします。
一方で、村松委員、鎌田委員もご指摘されましたとおり、こちらの改訂後のイメージの米印の部分で注意点として示された、コーディングをはじめプログラムを構成する仕組みや方法を理解することも引き続き求められるという点も重要だと考えています。各学校段階ではこれまでの学びを踏まえて発展的な学習を進めていくことになりますので、特にこの基礎的な内容については、各学校段階で求められた学習内容について学び漏れがないように着実に進めていただけるようにする必要があると思いました。以上となります。
【堀田主査】 福田委員、お願いします。
【福田委員】 資料7についてですが、AIがコードを書く時代だからこそ、先ほど白井委員や鎌田委員もご指摘されていました米印のところ、AIを活用する場合も、しっかり人間が仕組みや方法を理解していかないと使いこなせない領域が広がってきていると思います。そういった意味で、事務局のこちらのご提案に強く賛同いたしております。
AIを使いこなす側に回っていくためにも、ご提案いただいたプログラミング教育は非常に重要な情報活用能力の向上に繋がる大事な教育だと思っております。小学校段階から発達段階に応じて、ある程度ゴールイメージを想定しながら細かく設定できればいいのではないかと考えました。
【堀田主査】 このあと田中委員、森山委員、亀田委員まで取りたいと思いますが、時間の関係ありますのでご協力をお願いいたします。田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 教育課程におけるプログラミング教育の方向性について賛同いたします。プログラミング教育の価値の再定義を行ってご説明いただいたことは、世の中に広く広まってほしいなと思いました。
先ほど今度委員もおっしゃっていた点、私も賛同しておりまして、作品やプロダクトを実際に作る体験が不可欠だなと思っておりまして、価値創造をする場合にはやっぱりそういったプロダクトを開発する経験を経てじゃないとなかなか難しいなと思いますので、従来の正確に作ることのみを目的とした教育にとどまってしまう危険性を私も感じております。
スライド8の各教科の関係性の図で2点あります。1点目は、青色の文字で書かれている核となる教育において、プログラミング的思考を育成する、というところが上にあるべきで、オレンジ色の文字は還元ですので下に書くべきかと思います。2点目は、右側の小学校算数と理科を例に挙げていただいておりますが、このような活動は情報の領域(仮称)ができたあとも各教科で実施されるべきだと思いますので、情報技術が世の中全体に関係あることを伝えるために、理科とか算数ではなく図工や音楽など、一見繋がりをイメージしにくいテーマを追加で示すこともお願いします。
【堀田主査】 森山委員、お願いします。
【森山主査代理】 資料7ページでお願いします。今回の議論でプログラミング的思考を発展的に捉え直したということで、事務局のご提案に全面的に賛同いたします。
私はですね、現実世界の問題をコンピューターで解決できる問題へと変換して、それをプログラミングなどを通してクリエイティブに解決する、そういった力を育成することがとても大切だというふうに日頃考えておりまして、今回のプログラミング的思考はまさにそのような方向での改善であり、中学校の情報・技術科(仮称)で言いますと、領域1の「情報技術」の中だけではなくって、領域2の「情報を基盤とした生産技術」、特に(4)の「技術の統合」においてもプログラミング的思考を発揮できるんじゃないかということで大いに期待をしております。
資料の5ページをお願いいたします。今回、こうしてプログラミング教育の小中高の体系が明確になりましたので、今後はその積み上げが極めて大切だと思っております。小学校で着実にプログラミング教育を行うということが極めて重要で、それが中学校情報・技術科(仮称)の学びに接続し、さらには高校へと繋がってまいります。特にこれまで中学校で扱ってきた3つの処理構造や、あるいはフローチャートによる表現、こういったものが小学校でのプログラミング教育で扱う学習内容として今回示していただいたということで、小学校段階での問題解決のレベルを高めるとともに、中学校段階のスタートラインが明確になったというふうに思います。
そういった観点で、小学校「情報の領域(仮称)」でのプログラミング教育の実践、充実ということが極めて重要ということで、そのことに大いに期待したいというふうに思います。私からは以上です。
【堀田主査】 では最後に亀田委員、お願いいたします。
【亀田委員】 事務局のご提案、大変素晴らしく全面的に賛同いたします。特に4ページの方向性について意見を申し上げたいと存じます。
現在、自然言語で簡単にコーディングできてしまうことから、AIが出した問題点に気づかなかったり、気づいても修正できないことが起こって、特にセキュリティ、倫理面の良し悪しを正しく判断しないまま世の中に出してしまうといった問題をよく耳にするようになりました。非常に危険かと思います。ですので、AI時代であっても構造の理解や妥当性を論理的かつ批判的に検討することが一層重要と考えます。
プログラミング教育は事務局のご提案のとおり、プログラミング的思考を発展的に捉え直すこととし、AIという新しい道具、パートナーを手にしつつ、中身を理解し批判的に検証できる子供たちを育てる場へと進化させることに強く期待いたします。
【堀田主査】 皆さんからたくさんのご意見をいただきまして、プログラミング的思考の捉え直しについてご賛同いただいたというふうに思います。細かいことはまだいろいろありますけれども、AIがこれだけ発展して、それをうまく使えるという時代に、だからこそ原体験としてのプログラミング体験が望まれるということもまた皆さんご指摘いただいたことかというふうに思います。これらを押さえて再度確認してまいりたいと思います。
では最後に資料3にまいります。資料3は小学校の情報の領域 、総合的な学習の時間の情報の領域ですね。中学校の情報・技術科、これいずれも仮称ですけれども、高等学校情報科、これらの体系整理につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当) 】 それでは資料3につきまして、事務局よりご説明をいたします。1ページ目、現在ご覧いただいております資料につきましては、前回ワーキンググループにおきまして、総合的な学習の時間の情報の領域(仮称)、中学校情報・技術科(仮称)全体としてどのように学びが積み上がるのかが十分明らかになっていないなどの課題が残っているということを確認させていただいたものになります。また、今後標準授業時数の増加についての教育課程全体を見通した観点からの検討・判断に資するよう、各学習内容と育成すべき資質・能力との関係などについて体系的に整理をするとされているところでございます。
今回でございますけれども、黄色のハイライトのところでございます。1点目、教科としての目標を実現するために、各領域、内容項目が相互にどのような関係にあるのかの整理。また、2点目といたしまして、各内容項目の学習内容イメージを踏まえ、より具体化した内容のまとまりごとの整理を進めつつ、分かりやすい全体像を示してはどうかというふうになってございます。今回の資料はその全体像をお示しするというものになります。なお、前回のワーキングの時点では、小中の体系整理というものを念頭に置いておりましたけれども、小中高を通じた情報活用能力の抜本的な向上という観点から、高校の情報科につきましても同様の整理をさせていただきたいというふうに考えております。
次のページになります。体系の整理の前に、本ワーキンググループで議論をしてまいりました情報活用能力の抜本的向上の必要性を改めて整理をさせていただいた資料となってございます。1ポツ、2ポツにつきましては、基本的に第4回ワーキンググループで整理をいたしました情報活用能力の抜本的向上が目指す姿を再整理しているものでございますけれども、2ポツ、育成すべき人材の各ポツにつきましては、やや踏み込んでより具体的に整理をさせていただいております。
その上でございますけれども、3ページ目、育成を目指す資質・能力というところに繋がるということでお示しをさせていただいております。2ポツの育成すべき人材にとって必要な素養と、それから学校教育で育成を目指すべき情報活用能力、それらが延長線上にあることをお示ししております。これら1から3を踏まえまして、4ポツの部分でございますけれども、改めて分かりやすく各教科等の体系の全体像を示すにあたりまして、左側、小学校では初めて探究的な学びや情報技術の活用に取り組む段階でございまして、発達段階を踏まえても体験的な活動を通して一体的に育成することが効果的であるということから、情報技術の活用、適切な取り扱い、特性の理解、この枠組みを前提に情報活用能力の体系的な整理に基づきまして、情報の領域の体系化を構造化することとしております。
一方で右側、中学校・高校では、小学校段階で育成された情報活用能力を基盤として、情報技術の適切な取り扱いや特性の理解をより専門的、体系的に高めていくことが必要ということから、特性の理解をはじめとする情報活用能力の体系的な整理と、教科固有の内容を統合して各教科の体系として構造化し直すこととしております。
4ページ目でございます。以下、具体的なご説明となりますが、まず全体といたしまして、体系を構造化する資料につきましては、目標、領域、内容項目、内容のまとまり、学習内容イメージと各階層の関係などを分かりやすく捉えられるように意識をして作成をさせていただいてございます。まず、小学校総合的な学習の時間の情報の領域(仮称)についてでございますけれども、4ページから6ページ目にまとめております。目標につきましては、よりよく課題を発見解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力について、情報活用能力を効果的に発揮した探究を通して育成することを目指すということで、総合ワーキンググループのほうでも検討が進んでいるところでございます。また、領域につきましては、総合ワーキンググループと本ワーキンググループとの合同会議の中で、情報の領域(仮称)について探究の領域を基盤として支えるものとして位置づけるということとされているところでございます。
また、内容項目につきましては、情報活用能力の体系的な整理に基づくことから、情報技術の活用、適切な理解、そして特性の理解の枠組みをそのまま用いまして、その上で各内容項目の趣旨につきましては、第2回の本ワーキンググループにおける情報活用能力として育成すべき資質・能力を体系的に整理するイメージ、参考資料ですと22ページ目になりますが、そちらの小学校の記述を踏まえ、より分かりやすくするという観点から加工したものを記載させていただいております。その上で、真ん中にございますけれども、体験的な活動を重視し、活用を中核としながら、適切な取り扱い、特性の理解と相まって培うことで、探究の領域を支える情報活用能力を総合的に育成することを目指す、そうした関係としております。
5ページ目でございます。次に、内容のまとまりを整理させていただいております。内容のまとまりという単位は、今回初めてお示ししておりますけれども、これも第2回の本ワーキンググループの議論を踏まえて提示をさせていただいているものとなります。まず左側、活用につきましては、丸1から丸5、課題の設定からまとめ、表現というところまでの探究のプロセスの中で、課題解決に向けた各段階で必要な情報技術の活用方法や技能を身につけるというコンセプトのもと、具体的には探究のプロセスの各段階の中で情報技術を使った方法などを学ぶことを想定しております。また、情報技術の丸5の基本的な操作につきましては、探究のプロセスに位置づけられるものはこの中で学びつつ、位置づけることが難しいものについては、活用に限らない各学習活動の中で柔軟に学ぶことが望ましいというふうに考えております。
真ん中の適切な取り扱いにつきましては、法や制度、倫理、安全・メディア理解を偏りなく相互に関連付け、メディアリテラシーや情報モラルを身につけ、正負の側面に対処するというコンセプトのもと、具体的にはルール、権利、個人情報、マナー、責任ある利用、メディアとの関わり、情報の特性、セキュリティ、健康影響など、幅広く学ぶことを想定しております。なお、第2回ワーキンググループの時点では、法や制度、倫理、安全の三つの分野で整理をしておりましたが、その後のメディアリテラシーに関するワーキンググループでの議論等を踏まえまして、情報技術の負の側面に抜本的に対処するという観点から、メディア理解として、内容のまとまりとして表出をさせているものでございます。
右側の特性の理解につきまして、こちらにつきましては、発達の段階に応じた様々な分野の仕組みや科学的な特性を偏りなく多面的に理解するというコンセプトのもとで、具体的にはご覧いただいておりますような、丸1から丸7までのこの七つの分野をもれなく学ぶことを想定しているところでございます。
次のページになります。5ページ目までに整理をしてきました内容項目や内容のまとまりの関係というものを踏まえまして、これまでのワーキンググループで整理をしてきました学習内容のイメージを改めて一部代表的なものを例示としてお示しをさせていただいているところでございます。まず活用につきましては、本ワーキンググループで整理をしてきたとおり、基本的にミニ探究ユニットとして学ぶことといたしまして、適切な取り扱い、特性の理解につきましては、探究のプロセスに位置づけられるものについては、ミニ探究ユニットの中で学び、位置づけることが難しいものについては、情報ブロックとして独立した形で柔軟に学ぶこととしております。
次のページでございます。情報・技術科(仮称)について、各領域、内容項目間の関係を整理したものになります。まず目標につきましては、情報や技術でものを生み出し、生活や社会の問題を発見、解決する資質・能力について、情報技術やそれを基盤とした生産技術に関する実践的、体験的な探究活動を通して育成することを目指すと位置づけたところでございます。また、領域につきましては、情報技術と、そして情報を基盤とした生産技術の二つに分けることとしたところでございます。
内容項目につきまして、情報技術につきましては、(1)情報の表現とデジタル化、(2)プログラミングと自動化、(3)情報基盤とシステム化の三つで構成をして、情報を基盤とした生産技術につきましては、(1)材料加工とデジタル制作、(2)生物育成とデータ活用、(3)エネルギー変換とスマート化、(4)技術の統合と四つで構成することとしております。なお、いずれも仮称がつくということであることにご留意いただければというふうに思います。それから、これまで情報技術の内容項目につきましては、(1)と(2)を逆にお示しをしておりましたけれども、これまでの委員のご意見を踏まえ、(1)と(2)を反転させているということもお伝えをさせていただければと思います。
情報・技術科(仮称)につきましては、中学校段階における情報活用能力の育成の主たる受け皿とし、情報技術に関連する内容を強化すること、技術でものを生み出し、生活や社会の問題を発見、解決する素養を身につけることの二つがあることを整理しております。これを踏まえまして、情報技術の領域では、三つの内容項目を三位一体として扱う関係というふうに整理をしております。これは、情報活用能力の育成というものを、技術の文脈では、この下の緑の米印のところにございますけれども、情報をデータとして捉えて表現し、データにより特定の処理を自動化し、これらの技術を組み合わせ、システムとして活用するという、デジタル社会において情報技術が機能する構造を段階的、統合的に学ぶことを指す、と捉え直すことができるというところによるものでございます。
一方、情報を基盤とした生産技術につきましては、技術でものを生み出し、また、生活や社会の問題を発見、解決する素養を身につけるという役割を果たすべく、三つの内容項目が独立しつつも、それぞれでものづくりによる問題解決能力を向上させることを目指す関係というふうに整理をしております。また、情報技術領域と生産技術領域につきまして、デジタルを活用して構想された新たな価値や実生活、実社会を支えるものや、その仕組みとして具体化するという関係にあるということになってございます。また、外化を通じて、この価値の構想と具体化を実践する機会を充実することを目的といたしまして、今回、生産技術領域の中に、仮称でございますけど技術の統合という内容項目を新たに設置したところであり、この趣旨は前回ワーキンググループで確認させていただいたところでございます。
8ページ目でございます。情報・技術科(仮称)の内容のまとまり間の関係について整理をさせていただいております。各内容項目とも、まず技術の仕組みとして科学的な理解や適切な取り扱い方を学び、その上で問題を解決したり、その技術が社会でどのように活用されているか、俯瞰して考えたりすることで、その内容項目の狙いを果たすという関係性として整理をしております。そして、これらはいずれも資料、下にございますけれども、冒頭に整理いたしました情報活用能力の育成にも寄与するものとして整理をさせていただいております。
次のページお願いいたします。9ページ目から11ページ目でございますけれども、こちらにつきましては、8ページ目までに整理をしてきました内容項目や内容のまとまりの関係というものを踏まえまして、これまでワーキングで整理してきました学習内容のイメージというものを改めて、一部代表的なものを例示としてお示しをさせていただいております。
12ページをお願いいたします。情報技術の領域と同様に、情報を基盤とした生産技術の領域につきましても、内容のまとまりを整理させていただいております。ここでも先ほどご説明しましたように、技術の学習過程の考え方、仕組みを知る、問題を解決する、俯瞰して考えるといった過程の考え方に沿ってシンプルに整理をさせていただいております。
13ページ目お願いいたします。12ページ目で整理しました内容のまとまりの関係を踏まえまして、これまでワーキンググループで整理してきた学習内容のイメージを改めて、一部代表的なものを例示として、こちらもお示しをさせていただいております。
14ページ目お願いいたします。高校情報Ⅰについてでございます。内容項目間の関係を整理した資料になります。目標は、生活や社会を情報の観点から捉え、情報技術で問題を発見・解決したり、価値を創造したりする資質・能力について、科学的な理解に基づき情報技術を活用する探究活動を通して育成することを目指すと位置づけたところでございます。科目につきましては、共通必履修科目としての情報Ⅰで培った基礎の上に、選択科目としての情報Ⅱを設置する現行の考え方を維持しております。
情報Ⅰの内容項目につきまして、五つの項目で整理をしております。一つ目が情報の仕組みと社会との関わり。二つ目、情報デザインとデザイン思考。三つ目がデータ分析とモデル化、シミュレーション。四つ目がアルゴリズムとシステム開発。五つ目がPBLによる課題解決の実践ということでございます。それぞれの役割、関係といたしましては、まず1、情報の仕組みと社会との関わりにつきましては、情報技術を活用した課題解決の前提として、ネットワークやAI等の共通的な技術や情報社会におけるルールやマナーなどを学ぶものとしております。また、2から4につきましては、この情報社会では一口に情報技術を活用すると言っても多様な手法がある中で、高校生の発達段階を踏まえて、情報技術を活用してどのように課題を解決するかという観点で、大まかに類型化をし、それぞれの仕組みや方法等を学ぶこととしております。なお、これは現行も概ね同様の考え方で捉えられているものというふうに考えております。
その上で、情報Ⅰにおきまして、より探究的な学びを充実する方向性から、新たに5、PBLによる課題解決の実践というものを位置づけて、中学校や情報Ⅰで学んだ情報技術を統合して、課題解決プロセスを実践する機会を充実できるようにしたものでございます。なお、それぞれの内容項目における内容のまとまりは、枠内に記述をさせていただいております。
15ページでございます。情報Ⅱ、内容項目間の関係をお示ししております。こちらにつきまして、5点ですね。社会課題とデータサイエンス、コンテンツデザイン、AI、先端技術と情報システムデザイン、PBLによる価値創造の実践という5つの項目で整理をさせていただいております。なお、先ほどの情報Ⅰと合わせまして、こちらすべていずれも仮称でございます。
それぞれの役割、関係といたしましては、(1)から(4)は、情報Ⅰの(2)から(4)と同様に、情報技術を活用してどのように課題を解決するかという観点で、大まかに類型化し、それぞれの仕組みや方法等を学ぶこととしております。その上で、高等教育における数理・データサイエンス・AI教育との関係を踏まえまして、AIやデータの扱いについて学ぶ内容を抜本的に充実するという観点から、新たに1にデータサイエンスの内容を、また(3)にAIを加えたものでございます。そして(5)、情報Ⅰ、Ⅱで学んだ情報技術を統合して、課題解決、価値創造のプロセスを実践する機会を充実するものとして位置づけております。なお、情報Ⅱにつきましては、本ワーキンググループでご議論いただきましたように、単位を弾力化し、一定の幅の範囲内で単位数を配当できることとする方向で検討をしておりまして、これらにより探究的な学びをさらに充実させることも可能としているところでございます。
16ページ、17ページは、内容のまとまり間の関係と学習内容のイメージをお示ししております。これまで整理してきました内容項目の役割や関係を踏まえ、内容のまとまり間のシンプルな関係性と、これまでのワーキンググループで整理をしてきました学習内容のイメージの一部、代表的なものを例示としてお示しをさせていただいているところでございます。以上が体系整理に関する資料に関するご説明でございます。
最後になりますけれども、これら情報の領域(仮称)、情報・技術科(仮称)、情報科の条件整備の方向性についてご説明をさせていただきます。1ポツ目でございますけれども、ご説明させていただきましたように、今般の体系の明確化ということによりまして、教科等における教育内容の充実、再整理というものが、かなり広い範囲に及ぶということが明らかになったというふうに考えております。全国の学校で着実に実装するためには、学習指導要領の改訂を待つことなく、指導体制や教材、教員研修等を含む条件整備について、国が先頭に立って積極的に進めていくことが急務であるというふうに考えております。
2点目でございますけれども、現在の対応策と今後の事項でございます。国におきましては、令和7年9月に、情報活用能力の抜本的向上を支える指導体制、体制、改善プランというものを策定しておりまして、令和8年度から逐次取り組んでいるところでございます。本プランに基づきまして、すでに教材開発、また実証、技術科担当教員の確保に向けた認定講習、動画教材の作成等にも着手をしているところでございます。加えまして、本ワーキンググループにおける議論等を通じまして、本プランでは対応が不十分な以下の検討事項も明らかになっているというふうに考えております。
例えばということで、点線の中に例示をさせていただいております。作成中の情報の領域に係る教材を指導できるよう、小学校教員の指導力向上に資する研修の支援。また、中学校担当教員の指導力向上に資する研修の支援。また、指導計画や授業の具体的なイメージを示す参考資料、研修を組み合わせたパッケージの提供。動画教材の作成、研修の支援。また、新内容を指導するための環境整備といたしまして、いわゆるPC教室の、パソコン教室の新たな教室の在り方などの整理。また、3Dプリンター等の教材の各自治体での整備状況の把握、可視化を踏まえた整備支援策の検討。こういった検討事項があるものというふうに考えております。従いまして、本ワーキンググループの取りまとめに合わせまして、改訂後の内容を着実に実装するための条件整備に係る取組について、どのような計画、スケジュールで整備を進めていくのかという点を含めて整理をし、本プランの更新等によって打ち出すべきではないかというふうにさせていただいております。こちらが条件整備の方向性としてお示ししている資料になります。事務局からの説明は以上でございます。
【堀田主査】 丁寧に説明いただきまして、ありがとうございました。非常に重要な資料になっております。これまで私どもが何度か部分的に様々に議論してきたものを整理統合していただいたというものでございまして、これについて今から20分ちょっとご意見交換をさせていただきたいと思います。何度も申し上げてすいませんが、お時間限られておりますし、皆さんにできるだけ発言いただきたいので、早い人から挙手いただいて、時間管理よろしくお願いいたします。山脇委員から参ります。お願いいたします。
【山脇委員】 5、6ページ目の総合情報の領域(仮称)が体系された図表についてコメントしたいと思っております。これは昨年9月、教育課程企画特別部会の論点整理の中で、情報活用能力を活用、適切な取り扱い、特性の理解の三つの枠組みで整理したものに対応していると理解しております。
論点整理では、「適切な取り扱い」の中に情報モラルと、メディアリテラシーが含まれていると記されています。メディアリテラシー教育に取り組んでいる私としては、そもそも「適切な取り扱い」という言葉に違和感があって、そのことは文部科学省の方々にもお伝えしてきました。「適切な取り扱い」という言葉は、情報モラル的な用語で、あたかも「適切な取り扱い」の方法の知見なり、正解というのが存在していて、それを教師の方が教える、というニュアンスがあるように思うためです。また、たとえ文部科学省として「適切な取り扱い」という言葉にそのような意図を込めていなくても、そう読めるため教師の方々がそう思ってしまう可能性が少なくないように思います。
1月のこのワーキンググループにおける私のプレゼンで、情報モラル教育とメディアリテラシー教育の本質的な違いについてご説明いたしました。
情報モラル教育は、知識や技能を持っている大人が、その知識や技能を持たない子供に対してトラブルの対処の仕方を教え、子供を社会の悪影響から守ろうとするというものであり、子供を保護するという発想があると思います。
それに対して、メディアリテラシー教育は、子供たちが未知の状況に直面したときに、自ら情報を集め、情報を評価し、主体的に判断して自己決定をすることを目指しており、いわば子供をエンパワーメントする教育です。クリティカル・シンキングをベースに置くこのような教育が、虚偽情報が溢れ、AIの進展を含め目まぐるしく変わる現代において必要性が高まっているものと思います。
もちろん、情報モラル教育を否定するものではなく、それ自体は意義がある教育だと思っております。ただ、現在のような変化の激しいVUCAと言われるような時代においては、両方の教育をしっかりとバランスを取りながら教育現場で実施することが重要だと考えます。今回、「適切な取り扱い」の中で、情報モラル的な法や制度、倫理、安全という三項目の中にメディア理解を入れていただき、また具体的なメディアリテラシーの要素も体系的に入る形になっており、両方のバランスを示していただいたことはとても良かったと思っております。
「情報の適切な取り扱い」の仕方、正解は日々変わりうるものです。昨日までの正解が、今日はもう正解でなくなってしまうような世の中です。例えば、子供が発信する場合も、相手が誰なのかによって適切さは大きく変化します。何が適切なのかという正解を教師の方が一方的に教えるのではなく、子供たちがクリティカル・シンキングを働かせ、何が適切なのかを自ら考え、主体的に判断していく力をつける手助けをするメディアリテラシー教育が広がることを願うものです。
【堀田主査】 この間、山脇委員にはたくさんやり取りさせていただきまして、ありがとうございました。このあと、鎌田委員、村松委員、望月委員、鈴木委員と、これ十何人は手挙げてらっしゃいますので、ご協力よろしくお願いいたします。鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】 時間もありますので、手短にいきます。
5ページの真ん中のところの情報の適切な取り扱いの三番目の安全・メディアの理解のところについて意見を述べさせていただきます。こちらに安全・メディアの理解と記載がありますが、この状態だと安全教育とメディアの理解が並列に扱われているように見えてしまうために、メディアの理解の概念はもっと広いものなので、誤解を招きかねないかという心配があります。例えば、右側の情報技術の特性の理解のところの六番にコミュニケーションやメディアがありますけど、この内容は情報技術の活用にも、情報技術の適切な取り扱いにも大きな影響を与える領域だと考えております。
メディアの領域も同等にここに閉じられたものではなく、情報技術の活用から特性の理解に広く影響するものですから、三番目の安全・メディアの理解と並列して書いてしまうと、メディアの理解イコール安全の隣にある安全教育の一部と誤解を受け取られないか心配しておりますので、かえって小学校の教育現場において学習の幅が狭まってしまわないかという懸念があります。
二点目です。14ページのところをお願いします。高校、中学校の構成内容について共に賛同いたします。特に情報Ⅰ、情報Ⅱですね、高校の実習ベースでプロセス重視の授業を進めていく部分については大きく賛同いたします。ただ、何度も申し上げていますが、P18にありますように、条件整備のほうを合わせて進めていただきたいと思っている中で明記していただきまして、ありがとうございます。また、これと同時にですね、高校の学習内容がかなり中学校に降りていってしまうために、中学校の支援のほうも引き続きしていただきたいと思います。
【堀田主査】 村松委員、お願いします。
【村松委員】 ご提案ありがとうございました。7ページお願いします。今回のご提案は全体に大変よく整理されていると評価できますが、特にここの技術の統合は大事な内容だと考えます。従来の技術分野では材料加工や生物育成など個別に学ぶ形がどうしても中心になりがちでしたが、このように、多様な技術を相互に関連付けながら社会課題を解決する学習を到達点として示しているということは、未来を作る技術教育としても大変重要な方向であると高く評価、賛同いたします。ここにある作る活動を通して価値を構想、具体化する学習というのは、ぜひ全国の学校で実践できるようにしたいと思うとともに、そのためにも最後にご説明いただいた条件整備は着実に進めていただきたいと考えます。
12ページお願いします。ここで示されている技術を統合してシステムを設計、構築するなど、技術の統合が技術の問題解決プロセスの中に位置づけられている点も評価できます。一方で、技術の統合が単にセンサー等を組み合わせた表層的な活動にとどまらないようにする配慮の必要性も感じました。例えば、本提案では何を統合するか整理されていますが、どのように統合的思考を育成するかという方法論については、学習内容イメージで一定示されてはいるものの、今後さらなる具体化が必要だと思います。この点は今後の指導要領の解説や教材例等を通して整理されていくことを期待したいと思います。
もう一点、情報技術を基盤とした生産技術において、ものづくりの身体性が弱くなることの懸念が学校現場にはあるのではないかと思います。提案でもデジタルも活用してと記載されており、配慮があると理解はしていますが、例えば材料加工とデジタル制作においての表記で、安全性に配慮しつつ材料の性質や構造を生かし、情報技術を用いた設計や手加工、加工機を活用した試作、製作を通じてより良いものを製作するように、手加工も入れることでデジタル技術と身体的な加工体験を往還しながら学ぶという形を示す表記も考えられるのではないかと思います。私から以上です。
【堀田主査】 望月委員、お願いします。
【望月委員】 4ページの図について、大きくは賛成です。丸1情報技術の活用の<内容のまとまり>について、基本的な操作がほかの内容と同列になっています。5ページ左の情報技術の活用の図と同様に、基本的な操作を土台のように表すとよいのではないかと思います。
18ページの2の点線内について、教員の指導力向上に資する研修の支援、パッケージ、整備支援策、大変ありがたいです。特に教員の指導力向上については、研修を始めてから多くの教員に広まっていくまでに時間を要します。次期学習指導要領実施までに準備できるよう早めの対策が必要であると思います。以上になります。
【堀田主査】 続きまして、鈴木委員、泰山委員、井手委員の順番で参ります。鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 これまで議論をここまでまとめていただいて、本当にありがとうございます。私から何点かあるんですが、手短にいきたいと思います。
まず2ページ目ですが、この育成すべき人材について、第4回でも議論したかと思うのですが、アドバンスト・エッセンシャルワーカー等の地方経済の維持発展を担う人材という記述について、この人材像というのは地方に限らず、我が国の経済全体を支えているものであって、なぜ地方経済と限定するのかなと。地方経済と限定するのではなくて、「地域をはじめ、我が国全体の発展を担う人材」というような表現に修正してはいかがでしょうか。
4ページ目です。この丸2の「適切な取り扱い」の中ですけど、これもこれまでも何度か議論されていることですが、特に今年になってから、様々な子供たちを取り巻くネットやSNSの事案が起こっています。なので、今後求められる情報モラル、特に他者や社会への責任という観点を文言として加えられないのかというふうに思っています。具体的には、「ルールやマナーを守って安全に」というところに、「社会への責任を持って活用できる」と加えることを、今一度ご検討ください。
6ページ目です。この6ページ目の中のイメージですが、AIに関しては、第5学年から生成AIの理解を深めるような構成になっていますけど、先月、高市総理大臣が経済財政諮問会議の中で、教育現場での生成AIの取り扱いを定めたガイドラインを速やかに改訂するよう松本文科大臣に指示されたと思います。こうした政府の動きを踏まえて、AIについて小学校の段階でどこまで、どの深さで教えるのかというのを、学年ごとの範囲の目安を、このワーキンググループで一定の指針の形で示すことはできないでしょうかというご提案です。
次は、8ページ目について一点ありまして、プログラミングと自動化の中の丸2の「自動化を批判的に考える」に関してですが、このアルゴリズムには依存性とか中毒性が非常に問題になっていまして、自民党のPT、「情報社会において子供・若者を守るプロジェクトチーム」でも問題視されていまして、明確に学ぶ内容として位置づけて記述するべきではないかと考えています。これについてもご検討ください。
最後に18ページ、2の検討事項ですが、教員研修の支援というだけではやはり広範な内容の充実、短期間で対応するには、限界があるんじゃないかと考えておりまして。外部専門家の活用、専門人材の授業への参画や、外部講師の確保を条件整備の選択肢として明確に位置づけて、本プランの更新の中に盛り込むということをご検討されてみてはいかがでしょうか。
【堀田主査】 続いて泰山委員お願いします。
【泰山委員】 ページとしては5ページお願いいたします。まず小学校から高校まで、体系的な具体例と構造を整理いただいてありがとうございました。基本的な方針としては賛同いたしますが、特にこの小学校領域においてですね、適切な取り扱いと特性の理解が、その質の高い探究および体験に繋がっていくという、こういう整理が非常に重要だというふうに思っています。
一方で、ここで示されています内容項目の表現について、今、例えば情報技術の活用で言うと、身近な課題を解決できるということが語尾に置かれているんですが、この情報の領域(仮称)の対象となるのは、質の高い探究を支えるための基盤、かつ中高に繋がる情報活用能力だということを考えれば、このあたりの表現を情報活用能力に焦点化した表現に修正いただくということを検討できないかというふうに思っています。
例えば、丸1の活用の部分をちょっと順番を入れ替えて、身近な課題の解決に向けて情報技術を用いて必要な情報を集めて整理し、分かりやすく表現できるや、丸3、特性の理解であれば、身近な課題の解決を構想、表現するために情報技術の基本的な仕組みを理解することができる、などのように、探究の領域との違いが分かるように、表現の修正を検討する必要があるかなというふうに考えております。以上になります。
【堀田主査】 続きまして井手委員、お願いします。
【井手委員】 2点、端的に2点申し上げます。
1点目ですが、先ほど鎌田先生も言及されておりましたが、5ページになります。小学校の情報の領域(仮称)に記載されている安全・メディア理解という表記についてです。メディア理解は、本資料においても特性の理解の内容のまとまりに、コミュニケーションやメディアとして登場しているように、情報技術の適切な取り扱いだけに収まる概念ではなく、情報技術の活用から特性の理解まで、幅広い領域にまたがって学ぶべき重要な概念です。安全・メディア理解という一括りの表記のまま整理が進むと、小学校でのメディア理解の学習が、適切な取り扱の狭い文脈でしか扱えない、あるいはそのように現場に受け取られてしまう危険性があると考えております。
2点目です。5ページの情報技術の特性の理解に、情報教育課程の設計指針を参照している旨が明記されております。先週5月12日に、日本学術会議情報学委員会より、情報教育課程の設計指針の改訂版が公開されました。今回の改訂では、人工知能が新たなカテゴリーとして追加され、小学校から大学にかけてのAIに関する学習内容が体系的に整理されております。今後、情報・技術科(仮称)、情報科のより具体的な学習内容の議論に入っていく段階において、この改訂版を積極的に参照していただくことを期待しております。
【堀田主査】 では、春日井委員、白井委員、今度委員の順番で参ります。春日井委員、お願いします。
【春日井委員】 資料9ページお願いします。ここまで具体的な小中高としてのイメージを整理していただいてありがとうございます。その上での意見になります。前回の資料と内容のまとまりが異なっているため、学習活動の一連の流れとして捉えにくくなっているような気がします。
前回のワーキンググループでの意見に近いものになりますが、このページの内容は、高等学校情報Ⅰの(2)情報デザインとデザイン思考、および(3)データ分析とモデル化とシミュレーションに繋がることが検討されていましたが、これらの内容が埋もれてしまったかのように見え、特に前回資料でのデータの管理と活用、およびユーザー視点の情報デザインの学習活動のイメージが捉えにくくなってしまったように思います。あくまでもこの資料はイメージとなっていますが、小学校から中学校、中学校から高等学校へと学習が繋がるように充実をさせていただきたいと考えています。
続いて18ページをお願いします。今回、小学校、中学校、高等学校と継続して情報活用能力の育成を図ると、論点整理を受けて議論が進んできました。何度もお金がかかる話をして恐縮ですが、実施には学校や学校設置者の努力だけでは実現は困難です。点線の囲みのような予算がかかることの事業化は不可欠だと考えています。ハードウェアの整備とともに、研修、教材提供などが含まれているのはとても良いことだと思います。さらにその上で、特に研修の効果が上がるよう、校務負担軽減など環境整備も必要ではないかと考えています。以上になります。よろしくお願いします。
【堀田主査】 白井委員、お願いします。
【白井委員】 スライド5をお願いいたします。小中高を通じて体系整理の方向性案を示していただきありがとうございます。他教科のワーキンググループや社会全体にとっても理解しやすい全体像を示すためにも重要な資料になると思いました。
先ほど井手委員からもご発言がありましたが、社会全体の理解を推進するという観点から、5月12日に日本学術会議情報学委員会情報学教育分科会から「情報教育課程の設計指針(第二版)」が公開されていますので、本指針との対応関係や参照状況について記載いただくのはどうかと思いました。
こちらのスライドの情報技術の特性の理解のところの米印も書かれていますとおり、第2回情報・技術ワーキンググループですでに本指針の第一版を参照いただいているところですが、例えばスライド6などの例示する学習内容のイメージについても、最新版の設計指針を参照し調整いただくと良いように思いました。
本指針では、初等中等教育および大学共通教育、専門基礎教育、普遍的事項の教育で扱うべき学習内容、学習水準が体系的に整理されており、様々な場面で活用されていると伺っておりますので、可能な範囲でご検討をいただけますようお願いいたします。
【堀田主査】 皆さん、お時間ご協力よろしくお願いいたします。今度委員、お願いします。
【今度委員】 私からは一点提言させていただきます。資料、非常に重要なアプローチありがとうございます。
体系整理にあたり一点提言いたします。6ページと合わせ、参考資料の30ページでは、メディアリテラシーを適切な取り扱いの一環として整理する案が示されています。これを単なる個人のリスクを避けるための禁止事項や情報モラルの枠内に閉じ込めるべきではなく、情報の領域全体を貫く一本の核として捉えるべきは、デジタル・シティズンシップ、すなわち鈴木委員も言われますように、人権を尊重し、公の利益と公正な社会の創出のためにデジタル技術を主体的にどう用いるかという主権者としての資質と考えます。この視点に立ち、子供たちの倫理的判断力と主体的な社会参画の意識、エージェンシーの深まりを縦軸に置くことで、小中高の地続き系統性が可視化されると考えます。
小学校段階では、日常のデジタル利用におけるプライバシーの保護と他者への尊厳、配慮の基礎を学ぶ。また、中学校段階では、生成AIアルゴリズムの仕組みを科学的に理解した上で、データバイアスや不平等にクリティカルに気づく力を育てるなど。このように、人権教育と主権者教育を包含したデジタル・シティズンシップを体系の軸に据えることで、ばらばらに見えがちな各学習内容が、なぜこの学校段階でこの学びが必要なのかという確かな柱となると考えます。このリテラシーと倫理的実践のカリキュラムマップもご提示ください。
【堀田主査】 このあと大谷委員、萩谷委員、岡本委員、田中委員、福田委員、森山委員と六人の方にご発言いただきたいと思っておりますが、お時間もうございませんが、多少はみ出すことをお許しください。では、大谷委員お願いいたします。
【大谷委員】 本日は小中高の体系整理について、その全体像の資料を示していただきありがとうございました。今回の資料は、教科としての目標を実現するために各領域の相互の関係が整理されていて、どのように学習を進めていけばよいかだいぶイメージが湧きました。
特に私が関係します情報・技術科(仮称)において、12ページをお願いします。この12ページに示されている(2)の生物育成の内容についてのイメージです。これまでの技術科で行われている生物育成の学習では、よくミニトマトだとか小松菜の栽培の実習を行ったりします。このような実習は、これまで技術科が大事にしてきた実践的、体験的な学習が含まれており、生産的に物を生み出す重要な学習になっています。一方で、現場ではとかく実習作業にばかり目がいってしまって、どんな小松菜やミニトマトを育てたいのかということについて不明確なまま、ただ作物を育てる学習に陥る場合がありました。
今回、生物育成の学習をデータ活用と結びつけることによって、情報技術領域で学習したデータの構造だとか、分析の方法などを生かすことができます。12ページ目の生物育成とデータ活用のところに記載されています丸1の内容のところでしたら、気象情報などのデータを例えばAPIを通して取得したり、どのような気象条件で小松菜やミニトマトを栽培したらよいか理解する学習が具体的にイメージできます。また、丸2の場面では、環境を調整して計画的に作物を栽培するために、取得した気象データなどを使って育成計画を立てて、実際に小松菜やミニトマトを栽培する学習がイメージできます。丸3の技術を俯瞰し活用の在り方を考える資質・能力を高める場面では、もっと良い活用の在り方を考えるために、実際に体験したデータ活用の学びを生かして最新のスマート農業について考えることができます。
もちろん9ページ目に示してある情報の表現とデジタル化の内容にある、丸1から丸4のメディアリテラシーの内容を含む内容は、そのまま生物育成のところにも取り入れることができるので、生物育成の学習で具体的事例を通して広く学ぶことができます。今回まとめていただいた資料によって、体系的な学習のイメージを持つことができますし、生物育成とデータ活用を結びつけることによって、もっと収穫量を増やす小松菜の栽培だとか、より甘いミニトマトの栽培などに関する学習ができますので、このような目的を持った学習は、生徒のより技術を活用しようとする高次の資質・能力の育成に必ず繋がりますので、今回のお示しいただいた体系的な整理に全面的に賛同いたします。
【堀田主査】 萩谷委員、お願いします。
【萩谷主査代理】 まず8ページ目で、(2)の丸2ですけれども、鈴木委員も言及されていましたが、このアルゴリズムという言葉がやはり分かりにくいと思いました。こちら一般のアルゴリズムではなくて、レコメンドのアルゴリズムのような自動化されたシステムの中で、人間の認知を時には悪意を持って誘導するような、そういうアルゴリズムを意味していると理解しております。今後、そのような意味が明確になるように、資料の中で明確になるようにしていただければと思いました。
それから14ページで情報・技術科と情報Ⅰの関係性が示され、15ページでは情報Ⅱと情報Ⅰの関係性が示されています。同様に、小学校の情報の領域と情報・技術科の関係性が示されると良いと思いました。また、いずれの関係性においても、具体的な内容のレベルで小中高の積み上げが示されることを期待しております。
特性の理解については、7分野それぞれの中身まで検討する必要があると思います。一例として、モデル化とシミュレーションはデータの扱いに含まれていますが、7分野の一つとして表出していないこともありまして、中学での扱いがほとんどないということが明らかとなっております。
それから最後、18ページの条件整備についてなのですけれども、特に新内容を指導するための環境整備になるかと思いますが、情報Ⅰの探究的な学びを実質化させるために、高機能のPCの整備をお願いできればと思います。例えばAIのモデルをローカルに動かすといった、そういうことは個人のタブレット端末では難しく、高機能のPCが必要と思います。
【堀田主査】 岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 私からは13ページのスライドをお願いします。生産技術領域のエネルギー変換とスマート化の場所になります。そのうちの丸2のエネルギー変換、利用する仕組みを作るというところの学習、主に指摘をしたいと思いますけれども、このエネルギー変換とスマート化の方向性というのが、情報技術を基盤とするということで重要だと私も思っています。
この設計と製作、評価、改善の過程で、「回路」とか「機構」という文言はあるんですけれども、やっぱりその先のエネルギー、スマートシティとかスマート化、これをIoTとか考える上では、その便利さを支えるエネルギー量というのがどうしても重要になってきますので、このB「解決策の構想」、であとCの「製作」、Dの「評価、改善」、このどこかにですね、エネルギーの利用量とか効率を踏まえるような趣旨を入れていただければ良いかなと思っています。私から以上です。
【堀田主査】 田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 こちらの資料については、全体的にどのページが中学校で、どのページが高校なのかというのが分かりづらいのと、小中高でどう学びが繋がっているのか分かりませんでした。なので、小学校から高校まで体系的に整理された図というのは、第6回のときのAIの資料である資料2-3のAIに関する現状と検討課題についてのページ5の資料2-3のAIに関する現状と課題のその見せ方だと認識しております。
または、第2回のときのちょっと資料1の情報活用能力としての育成すべき資質・能力の体系的な整理のページの17のような形で整理していただくと、小中高すべての先生にとって体系性が分かりやすくなると思いますので、作成をぜひお願いしたいと思います。
【堀田主査】 福田委員、お願いします。
【福田委員】 資料9をお願いします。他の委員もおっしゃっておりましたが、やはりデータの活用について、また、情報デザインについて部分を少し記載していただければと思います。例えば、丸1番の「データの集め方と整理の仕方を学ぶ」のところですが、データを集めて表やデータベースにといきなり飛んでいるように見えます。小学校では情報の収集、整理、分析と記載がございますので、やはり中学校でもデータの収集、データの分類、整理などをしていただくと、高校段階の3番、情報Ⅰの(3)、データ分析とモデル化、シミュレーションの1のデータの活用に繋がっていくと思います。
また、情報デザインにつきましても、9ページの丸4番ですけれども、情報デザインについて学ぶとありますが、こちらについても小学校の丸3番、特性の理解のところでデザインが入ってきており、中学校段階ではやはり抽象化や構造化、可視化など、作り手と受け手の情報の捉え方が同じになることが重要だと思いますので、そちらについてもぜひ記載いただき、情報Ⅰの(2)、情報デザインとデザイン思考に繋がるように体系を整理していただければと思います。
資料18をお願いします。こちらにつきましては、研修等について心配していたところですが、明確に記載いただきありがとうございます。また、PC教室に関しては、現在、様々なところで1人1台端末を使用して高校の情報の授業に対応しているところもありますが、今後はやはり高性能なPCが必要だと思います。PC教室の在り方につきましても記載いただきありがとうございます。ぜひ高性能なPCを入れていただけるようになっていくと良いと思っております。
【堀田主査】 それでは最後に森山委員、お願いいたします。
【森山主査代理】 私からは中学校情報・技術科(仮称)について2点述べさせていただきます。資料の8ページをお願いいたします。
今回示していただいた各領域の各内容はですね、どれが欠けても全体として資質・能力の形成にはたどり着けない、過不足のない構成というものをしっかりと示していただいたというふうに感じております。各内容がテクノロジーの仕組みを知り、問題を解決し、俯瞰して考えるという共通の学習過程で整理されているとともに、情報技術の学びが生産技術の学びを支え、さらには両者が統合する高度な問題解決に至るというように積み上がっていくという点で、情報・技術科(仮称)という教科の趣旨から見て極めて妥当性のある構成を示していただいたというふうに思います。
続きまして7ページをお願いいたします。それと同時に、こうした学びの方向性は2040年の社会に向けてですね、様々に掲げられている科学技術政策や、あるいは成長戦略を担う人材の育成、あるいは新しい技術立国を支える民主的な社会の作り手を育成するという観点からも、これは必ず実施するべき極めて重要な教育内容だというふうに本日の提案を拝見して改めて確信をいたしました。そういった観点で引き続き皆様のご検討をよろしくお願いできればというふうに思います。私からは以上です。
【堀田主査】 皆さんご協力ありがとうございました。今回は上手に整理していただきましたが、内容が細かくなってより精緻化された分ですね、一覧化が難しくなりまして、そのことについていろいろご意見を賜ったということもございます。
私としても小中高のですね、この分野の系統性というのは非常に重要かと思いますが、一方で、小も中も高も別教科等になっているということがまたこの分野の悩ましいところでして、教科等によって性格付けがいろいろ違う部分もございますので、そんな中でどうやって系統性を担保するかというのは、描き方も含めてですね、これからもさらにきちんと考えてまいりたいと思いますし、デジタル学習指導要領がこれをうまく表せるような一つのポイントになるのかなというふうにも考えているところでございます。
評価の問題との繋がりもありますので、着実な育成がされるようにこれからも考えてまいりたいと思います。いつもですね、お時間について細かく申し上げて大変恐縮だったんですけども、今回も時間の制約上で発言できなかったという場合がもしございましたら、皆さんご発言いただきましたけど、もしございましたら事務局までメールでお送りいただければと思います。
いつもですと、ちゃんと時間内にうまく終わるこのワーキングだったんですが、今日はどうしてもちょっとだけオーバーさせていただきまして、大変申し訳ございませんでした。今日の議事はここまでとさせていただきます。次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】 次回の情報・技術ワーキングは6月8日月曜日16時半から18時半を予定しておりますが、正式には後日連絡いたします。
【堀田主査】 それでは以上を持ちまして、第9回の情報・技術ワーキングを閉会といたします。皆さんご協力ありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付
初等中等教育局教育課程課教育課程総括係
電話番号:03-5253-4111(代表)