教育課程部会 情報・技術ワーキンググループ(第8回)議事録

1.日時

令和8年4月16日(木曜日)16時30分~18時30分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 中学校情報・技術科(仮称)及び高等学校情報科における個別の内容等について
  2. 柔軟な教育課程の工夫等について
  3. 今後の検討課題について

4.議事録

【堀田主査】  定時になりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の情報・技術ワーキンググループ第8回を開催いたします。今回も大変ご多忙の中ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 まず初めに、事務局に人事異動があったということですので、一言ご挨拶をお願いいたします。浅原参事官、お願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】  失礼いたします。4月1日付けで寺島課長の後任といたしまして、初等中等教育局参事官、デジタル学習基盤担当を拝命いたしました浅原と申します。堀田主査をはじめ、委員の皆様方におかれましては、本ワーキンググループにご参画をいただきまして、またこれまで精力的にご審議を進めていただいておりますことに、事務局といたしまして改めて御礼を申し上げます。
 なお、先ほど「参事官」と申し上げましたけれども、4月1日付けで初中局における組織体制に変更がございまして、学校教育の情報化に一層機動的に対応するため、組織の名称が学校情報基盤・教材課から参事官付デジタル学習基盤担当と変更になってございます。所掌業務に大きな変更はございませんけれども、組織の名称変更についてご承知いただければと存じます。引き続き、本ワーキンググループにおけるご審議が円滑に進みますよう、事務局一同取り組んでまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。
【堀田主査】  ありがとうございました。これからよろしくお願いいたします。
 それではまず本日の流れについてご説明したいと思います。本日は前半と後半に分かれておりまして、前半は中学校の情報・技術科、これは仮称ですけど、及び高等学校情報科における個別の内容等について、これまで何度か審議してきましたけども、それの集大成のような形でお話をいたします。後半では柔軟な教育課程の工夫等についてご議論をいただくということになります。
 具体的な進め方につきましては進行資料をご覧ください。まず資料1のうち、議題1としては資料1のうちの1ポツですね、中学校情報・技術科(仮称)の話を説明いただいた上でご意見をいただくと。そのあと高等学校の情報科についてのご説明をいただいた上でご意見をいただくという形になります。
 それから資料2に行きまして、柔軟な教育課程の工夫について事務局からご説明した上で意見をいただいて、議題3の今後の検討課題については事務局から説明する、審議の時間はありません。また今日は時間の制約上ですね、発言することがもしできなかった委員がいらっしゃいましたら、会議後に発言内容を事務局までメールでお送りいただくという、これいつものやり方でございますが、そのようにお願いしたいと思います。
 それでは早速議題に移りたいと思います。初めに議題1、中学校情報・技術科(仮称)及び高等学校情報科における個別の内容等についてのうちの、資料1の1ポツですね、中学校情報・技術科(仮称)個別の内容についてということで、まず相川室長補佐からご説明をお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  情報教育振興室の相川でございます。本日の議題の1つ目として、中学校情報・技術科(仮称)個別の内容について、具体的には総合実習(仮称)についてご審議いただければと存じます。
 2ページ目をご覧ください。まず今までの議論を確認できればと思っております。論点整理においては左側ですけれども、(3)4領域を横断する内容を含め、技術を活用して実生活・実社会の課題を探究的に解決する内容の充実を図るべきとされておりました。
 4ページ目をご覧ください。第5回ワーキングの資料でございますけれども、2ポツ、情報を基盤とした生産技術(仮称)において、既習の内容を踏まえ、技術の領域や分野にとらわれず、実生活・実社会の課題に対し最適な技術を判断・活用して探究的に解決する内容として、(4)総合実習(仮称)を設けるものとしておりました。
 5ページ目をご覧ください。総合実習(仮称)に関する現状と検討課題についてでございます。資料左側からですけれども、まず近代以降、自動車やコンピューターなどの技術はそれぞれ個別に発展し、経済や生活の基盤を支えており、義務教育段階においてこうした個別の技術を学ぶことには一定の合理性があったところでございます。一方、近年ではマルチモーダルAIやデータ基盤、センシング技術の進展により、デジタル技術とフィジカル技術が組み合わされた統合的な技術が社会実装される動きが加速しているところです。例えば、バーティカルAIであったり、フィジカルAIといった技術が多様な業種に広がりつつあるといったところでございます。このように統合的な技術は社会基盤の在り方を今後急速かつ劇的に変えていくことが見込まれ、すべての国民にとって不可欠の基盤的技術となることが想定されているところでございます。
 資料右側に移ります。義務教育段階からの理解の必要性と小見出しをつけておりますが、こうした社会経済を展望するときに、統合的な技術を用いて個人の思いや願い、意思を現実社会の中でどのように具現化するかを義務教育段階から学ぶことは極めて重要でありまして、それは好きを伸ばし得意を育むという今次改訂の方針とも重なると考えられます。このことはAI・DX等のスキルを駆使し、生産性の向上や新たなビジネスモデルを実装・改善するアドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成にも資するものと考えられるところです。
 また、現代社会では日常的に複数の技術が統合されたシステムを活用しているところでありまして、例えばスマートフォンがそうですけれども、これらは日常生活の利便性を支える基盤として広く浸透していますが、その仕組みを十分に理解せず利用している場合も少なくないと考えられます。そのような理解がないままだと、本来期待される機能を十分に引き出せず、意図しない結果や安全上のリスクを生じさせる可能性もあると考えられるところです。例えば、自動車の運転支援システムであれば、センサーや制御プログラム、ブレーキやハンドルの機構といった複数の技術が組み合わさったシステムであるところ、技術の仕組みと連動の仕方を理解せずに自動で安全に止まると過信すると、作動しない場面で対応が遅れ、事故に繋がるおそれもあるところです。義務教育段階から個別の技術にとどまらず、統合的な技術やシステムの概念、基本的な仕組みについて一定の理解を保障することが不可欠ではないかとさせていただいております。
 なお、ここまでのことは、9ページ目に補足イメージ1としてで資料をつけておりますので、9ページに飛ばさせていただきます。こちらの資料を補足させていただきますと、IoTのように既にある技術の統合に加えて、フィジカルAIであったり、AI・ロボティクスといったさらなる技術の統合が実装され、その市場が拡大していく見込みについても、この資料では加えて紹介しておるものになっております。
 一旦6ページ目に戻らせていただきます。こちら資料左側ですけれども、ここでは、総合実習(仮称)の教育課程の在り方についてまとめております。先ほど説明した現状認識を踏まえて、個別の技術領域に関する知識や技能の習得にとどまらず、それらを組み合わせて活用する力の育成を一層重視し、統合的な技術やシステムにかかる学習の充実を図る必要があるとしております。また、技術を統合する手法や統合的な技術により構築されたシステムの評価・活用について理解が必要としています。加えて、リアルな課題を設定し、学んだ技術を組み合わせてシステムを構築し、解決に導くまでの一連の問題解決の実践を学習に取り込むことが必要としております。
 資料右側に移ります。これまでの技術分野の学習は授業時数の制約も相まって、木材加工や栽培、電子工作といった体験的な学習にとどまる傾向があり、それらを自らの生活の中で活用したり、課題の解決に生かしたりすることにつなげきれてないという課題が指摘されてきたところです。これに対して今回検討している統合的な技術やシステムを対象とする総合実習(仮称)は、作る活動を通して知識の理解や思考した内容を表現・外化する機会を確保することを趣旨としたものと考えられるところです。これは個別の知識や技能を相互に関連づけて、それらを日常生活の中で活用するとともに、各技術領域で培われた思考力・判断力・表現力等を組み合わせて総合的に発揮し、未知の状況においても課題を解決できるようになる学習を抜本的に強化するものであるとしております。
 今回の学習指導要領改訂の議論においては、個別の知識や技能が相互に関連づけられて一般化されながら、統合的に理解される知識及び技能に関する統合的な理解と、複雑な課題の解決に向けて個別の思考力・判断力・表現力等を組み合わせたり、選択したりしながら総合的に働かせる思考力・判断力・表現力等の総合的な発揮という高次の資質・能力を学習指導要領に位置づけて構造化することで深い学びを実現しようとしているわけでございますけれども、その狙いを情報・技術科(仮称)で具現化する上で重要な役割を果たすものではないかとの認識を書いております。
 また、これらについては、13ページ目に補足イメージ3をつけております。こちらの資料の左側、灰色のところは、各領域・技術における高次の資質・能力と個別の知識・技能等との関係を概念図的に表しているものになっています。また、右側のピンク色のところは、総合実習(仮称)においても同様に高次の資質・能力と個別の知識・技能等との関係を表しています。真ん中の左から右側に出ている水色の矢印でございますけれども、各領域・技術で学んだ個別の知識や技能を活用して、総合実習(仮称)では組み合わせ方であったりシステムを学ぶことになると。また、総合実習(仮称)で学んだことが左から右側にオレンジ色の矢印で出ておりますけれども、生活等の場面で活用されたり、未知の状況における課題解決に生かされたりすることをより確かなものとするものとして、各領域・技術の学びにも効果を及ぼすイメージを示しております。これらが相まって上に向かっている矢印の通り、情報・技術科(仮称)全体で育成した力を他の学習や生活の場面でも活用できる、未知の場面でも課題を解決できることに生かされることが期待されるものと示しております。
 また戻らせていただきまして、7ページ目に移ります。総合実習(仮称)の内容にかかる検討の方向性についてです。資料右側をご覧ください。改善の方向性ですけれども、まず総合実習(仮称)は各領域の知識や技能を相互に関連づけ、それらを日常生活の中で活用できるようになるとともに、培われた思考力・判断力・表現力等を組み合わせて総合的に発揮し、未知の状況においても課題を解決できるようになる学習を抜本的に強化することを狙いとするとしております。この狙いを達成するためには、目的に応じて技術を選び、組み合わせて作る活動を通して、知識の理解や思考した内容の表現・外化を実践する機会を充実することが求められるとしております。
 また、総合実習(仮称)では統合的な技術であっても、それが問題解決や価値創造の手段として用いられる点は、個別の領域・技術のそれと変わらないといったことから、他の領域・技術と同様に技術の学習過程の考え方に基づいて学習活動を行うことが望ましいとしております。ここで言う技術の学習過程ですけれども、今まで情報・技術科(仮称)として議論していた、下にあります(ア)技術の原理と仕組み、(イ)技術による問題解決、(ウ)社会における技術の吟味と活用を指しております。
 これを具体化した場合のイメージについては、10ページ目に補足イメージ2としてつけております。今ほど説明してきた通りで、各領域・技術で学んだ知識や技能を関連づけて、技術の学習過程(ア)から(ウ)に沿って、仕組みの理解から始まり、課題の設定、構想、制作、評価、改善という流れで作る活動を行い、最後に技術を俯瞰して生活や社会の発展に向けた技術活用の在り方を考えるという学習過程が考えられるところです。これによりまして、情報・技術科(仮称)全体で育成した力を生活で生かし、未知の課題を解決する力としてより確かなものにできるものと考えております。
 また、11ページ、12ページ目では、この学習過程をもとにデザインした学習活動の具体的なイメージを2例ほど示しております。11ページ目の方を例にしますと、防災をテーマにして、逃げ遅れた人が自分の居場所を知らせるための救助ロボットといったシステムのモデルを作るため、複数の技術を統合するという学習活動の例となっております。こうした学習活動は資料左側にあります通り、先ほどの学習過程に基づきながら、仕組みの理解、課題の設定、解決策の構想、モデルの制作、評価・改善、技術の俯瞰を通して、こうしたシステムの有効性を確かめる力であったり、統合された技術の利便性と課題の両面を踏まえ、防災・減災に資する活用の在り方を考える力、技術を適切に活用しようとする態度を身につけることが期待されるとしております。12ページ目も同じようにイメージを示しておりますけれども、こちら題材が別ということで、趣旨としては同じ資料になっております。
 また、8ページ目に戻らせていただきます。こちらの資料の左側でございます。ここでは、指導上の工夫について整理をしております。複数の技術を関連づけて活用する課題に取り組むにあたっては、各技術の特性を踏まえて適切に選択し、どのように組み合わせるかを検討し、一体として機能させていくことが求められると。このため、単一の技術を活用する場合と比べ、構想段階の検討事項は多岐にわたると考えられる。制作・実装の過程でも、各部分の働きを確認したり、不具合の原因を特定したり、全体としての動作を調整したりするなど、試行錯誤することが不可欠と考えられます。評価・改善の段階では、個々の技術の働きにとどまらず、関係性や全体としての機能を踏まえた検討が必要となります。このように、複数の技術を統合して活用する力を効果的に育成するためには、試行錯誤や評価・改善の過程を繰り返し経験することが重要であり、生徒の実態によってはより多くの時間を当てることが学習の充実を図る上で有効な場合があると考えられます。このため、一連の問題解決の過程を十分経験できるよう、必要に応じて一定のまとまりのある時間を追加的に確保できるようにしてはどうかとしております。
 具体的には、各内容項目における問題解決の時間の一部を、系統性を損なわない範囲で総合実習(仮称)での問題解決の時間に位置づけるなど、弾力的に指導計画を編成することで、それを可能としてはどうかと提案しております。指導パターンのイメージをその下に2つ書いております。1つ目は、他の内容項目から時間を移行しないパターンで、これまでの授業で制作したものに新たな機能を加える学習活動を通じて技術の統合を学ぶものです。例えば、材料と加工で制作したプランターに土の乾き具合を通知するセンサー機能を加える、そんな例を挙げております。2つ目ですけれども、他の内容項目から時間を移行するパターンでありまして、統合的な技術を活用して新しいものを作り出す学習活動を通じて技術の統合を学ぶものとなっております。例示としては、学んだ技術を活用し、障害物を避け被災者を発見する救助ロボットのモデルを制作という例を挙げております。先ほどの学習活動のイメージでも出てきたものです。このように、様々な指導の展開のパターンが想定されるところ、柔軟に指導計画に組み込めるものとして実装することが重要だと考えられる。
 また、この指導上の工夫のイメージにつきましては、もう少しイメージがわかるように15ページ目に補足イメージ4の資料をつけておりますので、ご覧ください。先ほどの説明をもとにイメージにしたもので、学年を時間軸に表した資料になっております。上は、他の内容項目から時間を移行しないパターンで、下の方は、他の内容項目から時間を移行するパターンとなっております。下のパターンについては、各内容項目から系統性等を損なわない範囲で、総合実習(仮称)の文脈に位置づけ可能な問題解決を実践する時間等の一部を切り出すことで時間を捻出して総合実習(仮称)として行うことで、試行錯誤をしながら深い実践ができるような題材設定が可能になるものと考えております。
 また、8ページ目に戻らせていただきます。資料右側の個別の内容の考え方ということになります。技術の学習過程の考え方と前述の総合実習(仮称)で扱うべき学習活動の関係は、概ね次の通り整理できるものではないかとしております。1つ目のチェックですけれども、複数の技術を関連づけて組み合わせる手法や、それらが相互に関係して働く仕組みの理解、システムの機能・効率性・安全性等の観点から評価・改善する手法といった内容が、技術の学習過程における(ア)技術の原理と仕組みの理解、(ウ)社会における技術の吟味と活用に対応しているというふうに整理しています。2つ目のチェックですけれども、これらの知識及び技能を活用して、課題の設定から構想、制作、実装、評価、改善に至る一連の問題解決の過程は、技術の学習過程で言う(イ)技術による問題解決に対応しているものと、ここでは認識を示しております。この考えを踏まえ、総合実習(仮称)においても、他の内容項目と同様に、高次の資質・能力を構成する要素を整理した上で、その獲得に必要な具体的な学習内容を明確にすることとしてはどうかとしております。
 この整理を踏まえた個別の内容のイメージにつきましては、16ページ目、17ページ目に補足イメージ5として示しておるところです。今までご議論いただいてきた時と同様のフォーマットとしておりまして、右側には、学習指導要領の内容・記述のイメージのレベルのもので、左側には学習内容のイメージを示しております。16ページが知識及び技能に関すること、17ページに関しては個別の思考力・判断力・表現力等に関するものということになっております。
 また、8ページ目に戻らせていただければと思います。8ページ目の右下の、その他条件整備等といった小見出しがついているところでございます。まず、総合実習(仮称)を全国の中学校において実施可能とするためには、指導体制を含む条件整備が重要であると。このため、今年度、国において実施する免許法認定講習等に加え、各都道府県において策定済みの指導体制の改善計画が着実に実施されるよう、フォローアップを行う必要があるのではないかとしております。また、今年度から国が作成する過度な負担なく情報・技術科(仮称)の授業を実施するための動画教材等について、総合実習(仮称)も当然に対象としつつ、とりわけ総合実習(仮称)に関しては指導計画のイメージ等を含む現場の理解が一層深まるような参考資料とともに、パッケージとして国が示すことが考えられるのではないか。さらに、技術科教員が円滑に総合実習(仮称)を指導できるよう、全面実施までの間に国が研修プログラムを提供し、その受講状況について指導体制改善計画のフォローアップ等の中で確認するなどの支援を行うことも考えられるのではないかとしております。なお、研修については総合実習(仮称)に限るものではなく、情報・技術科(仮称)全体としても取り組んでいく必要のあるものと考えております。最後に、総合実習(仮称)を含む情報・技術科(仮称)の授業においては、各都道府県の実情に応じて外部人材を活用する方策等の検討も進めるべきではないかとこちらではしております。
 このページ以降は、補足イメージが集まったものとなっておりますけれども、先ほどの説明で触れなかったものについて紹介をさせていただければと思います。具体的には14ページ目がございます。こちらの方は、海外においてもIoTをはじめとしたデジタル技術とフィジカル技術の統合による問題解決型の学習活動が実施されている例を挙げております。また、18ページ目以降で、中学校情報・技術科(仮称)の表形式化のイメージをつけさせていただいております。
 総合実習(仮称)に関する事務局からの説明は以上となります。
【堀田主査】  結構大部にわたる話になりましたが、今まで議論してきたことの延長で、今回は特に総合実習(仮称)のところの必要性とかですね、持っていき方みたいなことが議論の対象になります。この後、皆さんにご発言ご意見をいただきますが、いつものようにですね、挙手ボタンを押していただいて、私から指名をさせていただくことにします。ただ、次の議題もありますので、30分弱ぐらいで終わらせたいと思いますので、ぜひ早めに挙手していただいて、コンパクトにご発言いただくよう、いつものようにご協力をお願いしたいと思います。また加えてですね、資料のどのページのどの内容に対するご意見かということを明言いただければありがたいと思います。ではいかがでしょうか。ご意見ある方、挙手をお願いいたします。
 ではまず田中委員から参りましょう。お願いします。
【田中委員】  NPO法人Waffleの田中沙弥果です。まず資料1の11、12ページの事例はとても理想的なので、全国の先生がこのような内容を実施できるといいなと思います。前回もお伝えしましたが、教える技術ありきにならず、生徒から見たらなぜこの問題、この活動に取り組むのかっていうような文脈が大切であることがわかるような記述になるとより良いかと思いました。また、事例の写真に女子生徒が取り組んでいる様子があるなどのジェンダーバランスを配慮している点もとてもありがたいです。今後、教材動画なども作成されると思いますので、ぜひ動画の出演者・講師のジェンダーバランスも考慮をお願いしたいと思います。一旦ここでストップします。
【堀田主査】  いつもながら配慮の必要な点をちゃんとご指摘いただきまして感謝しております。続きまして三浦委員、井手委員、大谷委員の順番で参ります。三浦委員、お願いいたします。
【三浦委員】  全日本中学校技術・家庭科研究会の三浦です。総合実習(仮称)に関して全体的なお話を差し上げたいと思います。まずは情報・技術科(仮称)での学びの集大成として、このような総合実習(仮称)が位置づけられたことを大変評価したいと思っています。また今回の改訂の中で深い学びを授業で具現化するためには、社会や生活で直面する未知の状況でも課題解決につなげていけるような質を高めることが重要とされています。まさに総合実習(仮称)に関しては、特定の情報技術や生産技術だけじゃなく、目的に応じて様々な技術を選んで組み合わせる活動を通しての学びなので、この狙いに即しているのではないかなというふうに考えています。
 その中で、先ほども話に出ましたが、11ページ、12ページにあるような学習活動のイメージ、これから8ページにある条件整備の中でもいろんな事例をご提供いただけるということですので、この辺りをたくさん出していただいて、現場の先生方が困らないような体制を取っていただければと思いますし、我々の研究会で行っている研究大会でも様々な実践事例が出ておりますので、この辺りも周知をする1つとして我々も協力していきたいと思っております。以上になります。
【堀田主査】  では井手委員お願いいたします。
【井手委員】  よろしくお願いします。井手です。10ページをお願いします。これまでの技術科は材料と加工、生物育成、エネルギー変換という生産技術の各領域で、それぞれの範囲にとどまっていることが多いという現状がありました。それを総合実習(仮称)という内容を明示的に位置づけたことで、生産技術を横断するのはもちろん、情報技術を基盤として問題解決を図るという学習の在り方が明確になったかと思います。この点に強く賛同いたします。
 加えてこうした統合的な技術による問題解決の体験は高等学校・情報科での問題解決の学習にも大きく繋がると考えます。義務教育段階で技術を組み合わせて課題を解く、こういった経験を積んでおくことは高校以降の情報活用能力の土台として非常に重要であると考えています。さらに、11ページ、12ページの学習活動のイメージによって総合実習(仮称)の具体的な姿がよく見えるようになりました。こうした例示がたくさんあることで現場の教員も単元設計をイメージしやすくなると思います。
 1点要望を申し上げます。この11ページ、12ページの各学習活動のスライドの右上あたりにですね、そのイメージ例がどの技術を統合しているかをアイコンなどで一目で判断できるようになるとさらに分かりやすくなるかなと思いました。例えば11ページであれば情報技術+材料と加工+エネルギー変換、といった組み合わせが視覚的に示されると教員が学校の実態に合わせて題材を選ぶ際の参考になるかと思いました。以上になります。
【堀田主査】  大谷委員お願いいたします。
【大谷委員】  堀田主査ありがとうございます。東京学芸大学の大谷です。本日は、情報・技術科(仮称)に新しくご提案いただいた総合実習(仮称)に関する意見を述べたいと思います。今回の総合実習(仮称)の提案に関しては、日本産業技術教育学会でもこれまで提案してきた内容ですので、基本的に賛同いたします。その上で、総合実習(仮称)について賛同する主な理由を3つ述べさせていただき、今後の総合実習(仮称)の考え方を具体化する上で重要な視点としてご検討いただければと思います。
 1つ目の賛同の理由は、2ページ目と5ページ目でアドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成に応えているという点です。これからの日本では、地域社会の豊かさを示す医療だとか介護、保育などの職場で最新の技術をうまく使いこなして、本当に住みやすい豊かな地域社会を作ることが大事になります。そのためには、義務教育の最終段階で多くの生徒が、例えば医療や介護などの地域の課題を取り上げて、総合的に技術を活用できるような学習に取り組んでもらいたいと思っています。そのためには、複数の技術を組み合わせてシステム的に考えられることが重要です。この考え方は、70年前に技術・家庭科が新設された時にも、近代技術を生活に落とし込む上で設置された総合実習(仮称)と共通する考えだと認識しています。今回もAIなどの最新の技術を生活に落とし込む上で重要な転換期に当たりますので、技術のシステム化を学ぶという視点の提案です。
 2つ目の理由は、第1回ワーキンググループで意見を述べさせていただいたSTEAM教育のデータの利活用を通した問題解決の重要性についてです。最新のSTEAM教育では、ビッグデータの収集、整理、分析、蓄積などを通して、情報通信の技術、Tの活用を取り入れて問題解決する学習が基本になります。この学習は、本ワーキンググループの初回から繰り返し示されている、小・中・高一貫した情報活用能力に関する赤色の枠で示した情報技術の活用の内容と共通します。この情報技術の活用を通して、総合的にリアルな生産技術の仕組みを考える学びは、まさに最新のワクワクするSTEAM教育の考え方です。また、この情報技術+生産技術のパッケージ化された学びは、そのまま総合的な学習(探究)の時間に活用できる中核の学びになるという視点です。
 最後の理由です。今回複数の技術を組み合わせる視点に加えて、10ページ目に示す総合実習(仮称)の学習過程を示している点です。この学習過程はまさにSTEAMにおけるEの問題解決のプロセスであり、実際に複数の技術Tを組み合わせて技術開発するE+Tのプロセスです。またここで扱う複数の技術Tは理数探究などで扱うデータの活用におけるツールや文脈としても生かすことができます。まさにその後の学びにおける教科横断の素地になります。これはインテグレーテッドSTEMの重要な考え方であり、総合的な学習、探究の時間に加えて今後の学校教育に求められる教科横断の学びの基礎になる考え方です。
 以上3つの理由が総合実習(仮称)の考え方を具体化する上でぜひ検討いただきたい視点です。私の方から以上です。
【堀田主査】  この後鎌田委員、岡本委員、蓮池委員の順番で参ります。お時間考えていただいてご発言いただければと思います。鎌田委員お願いします。
【鎌田委員】  よろしくお願いします。横浜国際高校の鎌田です。7ページをお願いします。7ページ、8ページに記載されています検討の方向性について大きく賛同します。この内容が実現できれば小・中・高の目標のつながりをより強固にできると考えています。
 ただこの総合実習(仮称)を実現するためには総合実習(仮称)の時間の十分な確保が絶対必要不可欠だと考えておりますので、十分な総合実習(仮称)の時間の確保をお願いしたいと思います。現行の高校の情報Ⅱにおいて、1章から5章までございましたが、5章に情報と情報技術を活用した問題発見・解決の単元がございますが、この章をやるにあたって実践されている先生方から話を聞くと、探究的な学びをすると十分な学習時間の確保が必要であると意見が上がっておりますので、おそらく総合実習(仮称)も同じような形になります。以前、春日井委員からも意見がありましたが、総合的な学びを行うと生徒たちから作業時間が足りないと意見が上がるケースがあるために十分な時間確保をお願いしたいと思います。
 また8ページに記載されていますように条件整備等の重要性についてですね、賛同いたします。こうした探究的な授業とか総合実習(仮称)の内容を行うためには教員の負担軽減や環境整備がこの記載があるように必要不可欠だと考えています。総合実習(仮称)の指導方法のみならずですね、その評価の在り方も十分に共有するとともに、AI等の先端技術を現場の先生たちが行えるような十分な環境整備を求めます。
【堀田主査】  岡本委員お願いします。
【岡本委員】  琉球大学の岡本です。私からは14ページの事例について、少しコメントをしたいと思います。このニュージーランドの事例ですけれども、太陽光パネルでエネルギーを確保してポンプを駆動するというような教材になっていますけれども、この事例のようにですね、エネルギーを自分たちで確保するような仕組みの中でどの程度のエネルギーでどんな機械が動かせるのかといったような学習というのはすごく重要かなと思っています。
 例えばこの例だと水の供給ということを1つ取ってもポンプというのはモーターが駆動ですけれども、このポンプを動かすためにどのぐらいのエネルギーと関係するっていうことを考えさせると。それをその仕組みの上でトータルの技術の仕組みを理解すると。またさらにですね、こういう仕組みを情報技術を活用して制御とか最適化するというような視点を含めた上で学習するというようなことが重要になってくるかなと思っています。私からは以上です。
【堀田主査】  続きまして蓮池委員お願いします。
【蓮池委員】  早稲田大学の蓮池です。8ページお願いします。先ほどの鎌田委員との意見とも結構共通部分あるんですけれども、やはりこの条件整備のところで実際に教える中学校の先生、技術を教える先生の育成が鍵になってくるんじゃないかなと思っております。5ページにもありますように、子供たちが好きであること、そこから得意を伸ばしていくということを進めていくにはやはり実際の教材であったり実習の内容の作り込みというのが重要不可欠になってくるんじゃないかなと思いますので、そういった事例をたくさん集めていただきまして、またそういった事例をどういう風に教育していけばいいのかという部分を実際教材でうまく活用していただければという風に思います。
 また今回の事例の中にもいくつかあるんですけれども、やはり高校のデータサイエンスとの繋がりを考えますと、データ分析も多く入れていただけると私としてはありがたいかと思います。
【堀田主査】  今度委員お願いします。
【今度委員】  今度珠美です。貴重な資料をありがとうございました。私からは総合実習(仮称)や高校における倫理的視点の実装と具体的な評価手法について意見を述べさせてください。
 資料1の3ページに中学校情報・技術科(仮称)の論点と方向性がありますけども、これに関連しデータサイエンスや生成AIを活用した価値創造においては技術的な活用にとどまらずデータに潜むバイアスへの気づきや人権プライバシー保護の視点が不可欠ではないかと考えます。生徒自身が自らのAI利用を振り返り、倫理的な妥当性や批判的思考力を客観的に評価できる評価尺度やルーブリックなどを実習プロセスに組み込むことなどを提言します。
 資料1の8ページにもある高次の資質・能力の整理の特性の理解や適切な取り扱いを実際の授業でどのように測定し評価するのかという具体的な解を示すことができるのではないかと考えます。私からの意見は以上です。
【堀田主査】  ではこの後亀田委員、白井委員、安藤委員の順番で参ります。亀田委員お願いします。
【亀田委員】  まず初めにこの度春の異動により能美市立寺井中学校校長を拝命しまして4月1日より着任しておりますことをご報告いたします。
 まず中学校で新たに検討されている総合実習(仮称)について事務局のご提案に賛同いたします。小学校との接続という点におきまして、中学校に総合実習(仮称)を設けることは小学校での情報の領域(仮称)における体験を、社会を良くしていく価値創造へと昇華させていく極めて重要な接続点であると考えました。小学校で親しんできた情報技術を中学校では材料エネルギーといった他領域の技術と組み合わせ1つのシステムとして統合する力へと高めること、これは小学校の総合的な学習の時間で培った問いを立て解決するという探究サイクルというのも一致するという風に思いますし、そういう出口としてしっかり中学校が受け止めることができるという風に考えております。
 ただ1点だけ15ページと21ページについて少し意見を申させてください。15ページの指導上の工夫のイメージを見ますと、それと共に21ページの表形式化のイメージとを対比して見てみました。そうするとこの21ページの方の下の部分に書いてあります内容の取扱いの部分です。「2(4)総合実習(仮称)の(イ)指導にあたっては1の(1)から(3)及び2の(1)から(3)までの内容、これとの関連を図る」という風に明記されており、この15ページの資料と合わせてみますと、2の(4)ではなくもしかしたら(3)のように見えてしまう可能性が現場にはあるんではないかなというような気がいたします。もし2の(4)として位置づけるとすると、もう少し現場へのその意図と言いますか説明があるといいのかなと感じた次第です。以上になります。
【堀田主査】  続きまして白井委員お願いいたします。
【白井委員】  大阪大学の白井です。スライド10をお願いいたします。総合実習(仮称)の設置について私も賛同いたします。各領域で学んだ知識や技能を横断的に活用する機会を設けることは各領域の学びの意義や理解の深化に繋がると思います。
 また生徒が日常生活の中で利用する技術の多くはデジタル技術とフィジカル技術を組み合わせた統合的な技術です。総合実習(仮称)のような機会を設け、実際にこうした技術の仕組みについて自ら手を動かし体験的に学ぶことは、デジタル化社会を主体的に生き抜くために不可欠な基礎的な素養の育成に繋がるものと考えます。さらに発展の早い情報科学技術分野への生徒の興味関心を育む良い機会にもなると思いました。
 スライド8をお願いいたします。スライド8において説明いただいた、指導体制を含む条件整備については、鎌田委員、蓮池委員のご発言と同じく喫緊の課題であると思いますので、是非充実に向けて引き続き推進いただきたいと思います。私からの意見は以上です。
【堀田主査】  それでは安藤委員お願いいたします。
【安藤委員】  もうすでに他の委員がご発言されていますように、私も総合実習(仮称)について全面的に賛同いたします。義務教育段階において、こういったSTEAMの概念が、実習と共に実現できるということは大変素晴らしいことだと思っております。
 その上ですいません、10ページ目の、総合実習(仮称)の考え方。大変分かりやすい図だなっていう風に思っているんですけれども、前回の資料でもですね、学習内容のイメージの情報のところで、アジャイルっていう概念を取り込んでいただいてます。ものづくり、つまり材料とか加工を行う場合には、最初にしっかり設計して進めていくというウォーターフォールは、大変分かりやすいんですけれども、総合実習(仮称)がウォーターフォールの流れになるんだという誤解に繋がることを懸念します。例えば課題の設定から評価・改善までが小さいスパンでぐるぐるこう繋がっているような、そういうアジャイルというもののイメージを示す図があってもいいんじゃないかなっていう風に思いました。
【堀田主査】  それでは最後に、森山主査代理にお願いいたします。
【森山主査代理】  兵庫教育大学の森山でございます。本日は総合(仮称)についてご提案・ご議論いただきまして誠にありがとうございました。私からは、この総合実習(仮称)についての所感ということで述べさせていただきます。資料16ページをお願いいたします。
 今回ご提案の、総合実習(仮称)、デジタル技術とフィジカル技術が組み合わさって、統合的な技術システムが、社会を支えるというのは、Society 5.0時代の技術観を体現した学習内容であり、皆様と同様に大きく賛同をいたします。私もやっております日本産業技術教育学会では、次世代の学びを創造する新しい学習内容として、こういうフィジカルな個別の技術体系を情報技術によって結びつけて技術システムを構築するという統合的な問題解決の重要性を提案しておりました。今回のこの総合実習(仮称)はまさにそのような技術システムの構築による統合的な問題解決ということを実現するものであり、その実践を大きく期待しているところでございます。
 資料14ページをお願いいたします。こうした統合的な技術のシステム化による実践というのは、この資料のようにですね、海外でも積極的に行われております。この事例の他にもですね、例えば韓国の学校では中学生が超音波センサーとAIカメラとレーザー加工機などを組み合わせて廃品回収を行うリヤカー向けの安全システムを構築したという実践例があったり、シンガポールの学校ではですね、AIを活用してリサイクル可能な素材を識別してロボットアームで回収容器に自動分別するシステムを構築したというような実践例、あるいはオーストラリアの学校ではですね、光センサーを用いて太陽光の光を感知してそれに応じて動作するアプリ操作型の自動ブラインドを開発したというような実践例などなど、海外ではこういったことが盛んに行われているという現状がございます。
 12ページをお願いいたします。こうした創造的な実践が日本でも展開可能になるという点ではもう本当に大きな進展だという風に感じております。この統合的な問題解決を進めていく上で極めて重要なのは生徒が単に複数の技術を組み合わせて作れるものを作るということではなく、学校やあるいは地域の方々などをユーザーとして、そのユーザーへの寄り添い・共感の気持ちを基盤にデザイン思考を働かせて課題を設定しプロトタイプを構築するという相手意識を持った問題解決を行うこと、それはつまりですね、情報・技術科(仮称)の学びの出口が誰かのためのソリューションを提案するということになるということだと考えています。こうした学びがですね、この情報・技術科(仮称)の見方・考え方にある包摂的で豊かな生活や社会の実現に向けて情報技術及び生産技術を適切に活用したり創造したりすることということにしっかり繋がるんじゃないかなと。さらにはそれがSTEAMを初めとした総合的な学習の時間でのメイク型の探究活動にも貢献するのではないかという風に大変期待をしております。そういった意味で非常に素晴らしいご提案をいただきましてありがとうございました。私からは以上でございます。
【堀田主査】  私どもこうやって議論をし続けてきたわけですけど、個別の領域ごとの内容は既存のものの組み直しみたいなところもありましたが、総合実習(仮称)については結構新しく、そしてこれの存在意義っていうのが今回の1つの目玉になるのかなと思いますし、知識・技能の統合的な理解や総合的な発揮に繋がる高次の資質・能力として非常に重要な存在がここにあるのかなと。時間がかかる等のご意見ございましたのでそれを踏まえて内容をしっかりと検討してまいりたいと思いますし、意見の中にもありましたが、小学校の情報の領域(仮称)と高等学校の情報科との接続みたいなこともこれからまた慎重に検討してまいりたいと思います。皆さんご意見たくさんいただきましてありがとうございました。
 続きまして同じく議題1の資料1ですけども2ポツの核となる教科等の目標や見方・考え方、高次の資質・能力について事務局よりご説明をお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  次の議題でございますけれども、核となる教科等の目標や見方・考え方、高次の資質・能力の整理について、続きということで本日審議いただければと存じます。資料1の23ページをご覧ください。
 まず資料左上でございますけれども、高次の資質・能力については前回もご議論いただいておりますけれども、個別の内容の検討を踏まえ、機能的に高次の資質を検証しつつさらなる資質・能力の深まりの可視化と分かりやすさ、シンプルさの一層の追求の観点から精査しスライド27から29に修正案を示させていただいております。また、個別の内容の進捗を鑑みまして、各内容項目の名称についても、より扱う内容を端的に言い表す名称とする観点から、資料右側記載の通り修正してはどうかと考えております。
 右側に具体的に書いておりますけれども、中学校情報・技術科(仮称)については、内容項目の名称を原則としてAとBという構成にしまして、Aには当該技術領域で学ぶ基盤となる原理や文脈を、Bにはそれらを活用した価値の創出の在り方を示すものとしてはどうかということで、この内容項目名を左から右に変える案を示しております。また、高校情報科につきましても、情報ⅠとⅡのそれぞれ(5)について、学習内容に即した形に内容項目名を修正した案としております。資料上、こちら全て(仮称)がつくものですけれども、ここでは便宜的に(仮称)を省略しておりますので、その点はご理解いただければと思います。
 27ページ目をご覧ください。実際に修正しているものになります。これより前のページはそのまま黒字ということで、前回から変わっておりません。この27ページ目以降、赤字、見え消しの部分が今回修正案としてご提示させていただいているものになります。27ページ目は、高次の資質・能力の「知識及び技能」の統合的な理解についてでございますけれども、全体的に修正を施しております。全体的な修正のポイントとしては、元々この高次の資質・能力の表し方が、原文が「何々をすることで何々を理解する」というような構文を基本としてそれぞれの高次の資質・能力を書いてきたんですけれども、これが資質・能力を指しているというよりも学習過程のように見える、「何々をすることで何々を理解する」というような学習過程を示しているように見えるため、それを改めようということで、それぞれ修正を施しております。
 また全体的により分かりやすい記載を追求するものとして修正を施しておりまして、個別に見ていきますと、例えばこちらの、中学校情報・技術科(仮称)の(2)情報の表現とデジタル化(仮称)というところございますけれども、「批判的」という言葉が、情報やデータから関係や意味を見出すことにかかる記載が元の文案でしたけれども、これを「情報を吟味し設計する」の吟味にかかるように修正した方が良いというご意見が前回ございましたので、それを踏まえた修正としております。また情報Ⅱの(5)PBLによる価値創造の実践(仮称)ですけれども、前回のワーキングで「一定の制約のもとでプロジェクトを通して情報システムを初めとする価値を創出するとともに、実装後のフィードバックを踏まえて改善を重ねるプロセスや、実装後も陳腐化しないように絶えずアップデートしていくプロセスを学ぶ」といった特性があるということを整理しておりましたので、それを踏まえてこちらの高次の資質・能力の表現もブラッシュアップした表現ということで修正させていただいております。
 28ページ目は、思考力・判断力・表現力等の総合的な発揮でございますけれども、こちらも先ほどの知識及び技能と同様の観点で修正を施しております。
 続いて29ページ目に移ります。中学校情報・技術科(仮称)に関しては、生産技術の関係がありまして、情報を基盤とした生産技術の高次の資質・能力を並べておりますけれども、各領域の技術が情報技術との関わりを強化するという観点を表出できるように修正をしております。なので、青色の「知識及び技能」にしろ、ピンク色の「思考力・判断力・表現力等」にしろ、情報技術の繋がりが表出するような表現を追求している形になっております。また先ほどご議論いただいた総合実習(仮称)改め「技術の統合(仮称)」についても、この一番下のところですけれども、名称を変えた上で整理した内容をもとに修正しております。
 このページ以降は、前回ワーキングまでの資料を添付しておるところですけれども、これまでのご意見を踏まえて、事務局の方で修正を施させていただいているところでございます。大部になりますので、全部の紹介は省略させていただきますけれども、例えば40ページ目、情報・技術科(仮称)の1ポツ、情報技術の個別の「思考力・判断力・表現力等」について、前回、AIの内容が個別の知識・技能では書かれているんだけれども、思考力・判断力・表現力等のところではあまり明示的になっていないといったご意見がございましたので、左側に、「AIを補助的に活用しつつ」というような表現を加えることで、修正を施しております。
 またもう1例でございますけれども、55ページ目、高校情報Ⅰの個別の思考力・判断力・表現力等ですが、左下に、AIの関係が明示的でなかったといったご意見もありましたところを踏まえまして、AIに関する記載を追記しているところでございます。これに関係してですけれども、AIの学習のイメージが湧きづらいといったご意見もございましたので、57ページ目に学習活動のイメージございますけれども、これを新たに、AIにクローズアップした学習活動のイメージを加えておりますので、こちらも紹介させていただきます。また、79ページ目の情報Ⅱの(4)先端技術と情報システムデザインですけれども、ここで言う「先端技術」という言葉のイメージが強くて、先端技術そのものを教えるだけのものというように誤解を受けるのでないかといったご意見がございましたので、「情報技術を組み合わせて新たな情報技術を生み出す方法」といったようなことも左側に追記をさせていただいております。事務局の説明はこちら以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。ただいま事務局からご説明があった資料の範囲で、また皆様からご意見をいただきたいと思います。挙手いただいて私の方で指名してまいります。
 ポイントは一旦これ、暫定的に領域名等ですね、あるいは書きぶりを一旦決めて、それからずっと内容の議論をしてきましたが、内容がある程度、縦横等調整が進んできた段階で、ここでちょっと、言い回しをより適切にするために変えていくと、まだ仮称ではありますけども、そういうご提案をいただいたということでございます。
 ご意見のある方、挙手をお願いいたします。では、萩谷委員から参ります。よろしいでしょうか。
【萩谷主査代理】  中学と高校の全体を俯瞰した上で個別の内容について指摘するのは今回が適切と思いますので、中学と高校情報Ⅰについていくつかコメントさせていただきます。
 まず、中学の1「情報技術(仮称)」の(1)が「プログラミングと自動化(仮称)」と名称変更されたことについては大いに歓迎いたします。ご検討いただきまして誠にありがとうございます。この名称と計測制御の関係について、考えを述べさせていただきます。32ページを見ていただければと思います。(1)プログラミングと自動化(仮称)ではプログラミングと自動化の一般論を学びますが、具体的な問題を解決するシステムとしては計測・制御システムを扱うと考えております。従ってここで扱う題材としては計測・制御システムが解決できるものを取り上げ、情報システムとしても特に計測・制御システムについて詳しく学ぶと考えています。
 プログラミングと自動化の一般論は高校への接続のために重要です。一方、計測・制御システムの方は、従来の技術科からの連続性という面もありますけれども、情報・技術科(仮称)においては生産技術への活用のために、特に重要と考えます。つまり、生産技術の方では情報技術を活用していくわけですけれども、その代わりと言ってはなんですが、情報技術の方では特に生産技術への活用という観点で計測・制御システムについて学ぶのだと考えています。
 計測・制御システムというと古臭いイメージを持つ人がいるかもしれませんが、組み込みシステム、IoT、さらにフィジカルAI、ロボットといった最先端技術のベースに他なりません。この点も含めて、なぜ計測・制御システムを扱うべきかについては、各所で明確に説明されるべきと思います。
 それから、情報Ⅰの方ですけれども、まず54ページの(1)情報システムの仕組みと社会の関わり(仮称)のbのところで、数理・データサイエンス・AI教育による追加のためだと思いますが、コンピューターや通信技術の発展と社会の変化、それから、コンピューターネットワーク・AIの発展と社会の変化とありまして、内容が完全に重複しておりますので、ご検討ください。
 次、58ページの(2)情報デザインとデザイン思考(仮称)では、デザイン思考がUIや情報デザインに限定された形で扱われています。一方、(5)では課題解決と価値創造の観点でデザイン思考はロジカルシンキングなどと合わせて扱われるべき内容ですので、(2)と(5)を連携させてデザイン思考を学ぶような授業計画を立てることが期待されると思います。
 次、61ページの(3)データ分析とモデル化・シミュレーション(仮称)では、現行の課程にもあるようなシミュレーション技法の分類、モデルの分類、モデルの比較といった基本的な内容は、当然ながら次の新課程にも含まれていると理解しております。
 次、64ページの(4)アルゴリズムとシステム開発(仮称)では、全体的に整理方法と設計方法を扱っています。このための具体的な指針は階層化と抽象化です。階層化については、64ページで単体テストと総合テストが追加されていますし、次の65ページの総合的な発揮のところに「問題の解決策を手順や条件に分解し、それらを組み合わせて情報システムを構想・実現」とありますように、課題をサブ課題に分解し、システムをサブシステムから構成するという階層化の基本的な考えが入っています。一方、階層化と比較しまして抽象化については明確ではないと思います。類似の機能を手続きやクラスとして抽出して独立させるという抽象化は、プログラムやシステムの改善のために重要な指針です。以上、階層化と抽象化については、今後の学習指導要領もしくは解説で明確に記載されることを期待しております。
 関連して、プログラムやシステムの改善の手法としては、先ほど意見の中にありましたけれども、アジャイルが広く受け入れられています。中学ではアジャイルの言葉が現れていますが、高校ではどうでしょうか。今後の検討が必要と思います。扱うとしても当然ながら(5)の方が適切かもしれません。
 最後、67ページの(5)PBLによる課題解決の実践(仮称)については、すでに他の項目のところでいくつか指摘させていただきましたので、省かせていただきます。以上でございます。
【堀田主査】  続きまして、泰山委員、白井委員、井手委員の順番で参ります。泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】  目標等の系統性についてですね、これまでの議論を踏まえて分かりやすく整理いただいてありがとうございます。資料で言うとページ24から26の辺りで、2点、発言をさせてください。
 まず1点目ですけれども、情報・技術科(仮称)ですけれども、目標の表記について、少し確認をいただけるといいかなと思っています。特に中核的な概念であると思われる技術の使われ方が、目標、見方・考え方、知識・技能、思考等で、それぞれちょっと微妙に異なっていることで、それぞれの関連が見えにくくなってしまわないかということを懸念しております。今お示しいただいている目標では、「情報や技術」と書かれていて、見方・考え方では「技術的視点」、次のページ、知識・技能では「情報技術や生産技術」、思考等に行くと「情報の観点」という風になっていて、少しずつ表記が異なっているように思います。もちろん意図的な使い分けの部分もあろうと思いますけれども、可能な範囲で表記の統一をすることで、中学校での目標の明確化、そしてそれぞれの資質・能力の関連が、分かりやすくなるんではないかと思います。
 2点目です。今回の中心的な検討課題ではないと思いますが、ページで言うと27以降になるかと思います。そこで示していただいているそこの部分の関連について、特に小学校からの接続についてというところで、気になっております。先ほど目標等で示していただいた24ページ、25ページ、26ページとなりますが、そこでは総合的な学習の時間全体のことが書かれていて、それが中学校の「情報・技術科(仮称)」、「情報科」という風に繋がっているわけです。そうするとやはりその、特に情報活用能力の体系化という視点で言うと、接続が見にくくなっているように思っています。今お示ししていただいている部分は、情報の領域(仮称)に限定した目標の書きぶりになっているので、接続は系統性が見やすいかなという風に思っています。このような、目標の書きぶりについては、特に小学校においては総合ワーキングが議論を主に担当することになるとは思いますが、特に情報の領域(仮称)について中高との接続を踏まえた表現、どのように系統性を見せていくかってことについては今後の議論が必要かなという風に考えています。すいません、以上になります。
【堀田主査】  白井委員、お願いいたします。
【白井委員】  大阪大学の白井です。スライド35をお願いいたします。現在高等学校のコミュニケーションと情報デザインで扱われている内容が今表示していただいています。(2)情報の表現とデジタル化で扱われることになりますが、高等学校から移行される学習項目が多いため、高次の資質・能力に反映されにくい点を懸念しておりました。今回名称を「情報表現とデジタル化」から「情報の表現とデジタル化」にしていただいたことや、高次の資質・能力の表現方法を変更していただいたことで、情報のデジタル化だけでなくコミュニケーションのための情報の表現も扱うことが少し明示されたように感じ、賛同いたします。
 ただ、もしさらに学習指導要領の学習内容のイメージに追求できるようであれば、d:情報の表現とデジタル化に共通する理解すべき基盤的な内容に知識及び技能として、情報の抽象化、可視化、構造化や色配色の効果、図表を用いた表現、レイアウトの基礎といった情報デザインの手法に関する基礎的な内容を取り扱うことを記載いただけると良いと思います。この学習項目で扱うUI設計の基礎となる内容ですので、情報デザインの考え方やプロセスに加え、基礎的な知識・技能も学習対象として明確に示されることが重要と思います。
 また、こうした情報デザインの基礎知識はユーザーインターフェース設計だけではなく、プレゼンテーションやポスターデザインなどにも共通して必要な内容が含まれます。新しい学習指導要領では探究的な活動やPBLなどで児童生徒が自分の考えを整理しまとめ発表する機会が多くあると思いますので、情報デザイン分野についても小中高を通じての接続性、系統性について引き続き検討議論が必要であると考えます。以上となります。
【堀田主査】  井手委員お願いいたします。
【井手委員】  中学校の内容について2点、お願いいたします。
 1点目です。32ページをお願いします。こちらの「プログラミングと自動化」の類型した要素左側ですねのCに「情報の2進数等での記憶装置への記録やIPアドレス等によるやり取りの自動化」が含まれております。これらはいずれも情報がデジタルで表現処理されているという基礎知識を前提とした内容です。また次のページをお願いします。こちらのBの中に「情報処理の手順を自動化する技術を正負の多様な視点から客観的に吟味し」という記述もあります。情報のデジタル化の仕組みをきちんと理解した上でこそ、その技術の便益とリスクを批判的に判断できると考えます。そのためにも、(2)情報の表現とデジタル化を、(1)プログラミングと自動化の前に移動することを提案します。そうすることで、P27や28にありますように、中学校と高等学校との対応も、現状よりもクリアになるかなと考えます。
 2点目です。23ページをお願いします。こちらの中学校の総合実習(仮称)の名称案として「技術の統合」という案が示されております。この名称について、1点懸念がございます。「技術の統合」という言葉だけでは、技術を統合すること自体が、目的であるかのような誤解が生じる恐れがあるかと思います。しかし、この学習の本来の目的は問題解決であり、情報技術と生産技術の各技術を統合することは、あくまでもその手段のはずです。そこで、例えば高等学校情報科の(エ)の発展を見据えて、「技術の統合による問題解決の実践」のように、「問題解決」という名称を中に明示していただくことを提案いたします。以上です。
【堀田主査】  この後、鎌田委員、福田委員、今度委員、岡本委員の順番で参ります。鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】  23ページ、そのままでお願いします。こちらの右上のところの情報・技術科(仮称)のところですけど、以前の検討課題を見ていますと、計測・制御のプログラミングとシステム化がですね、システム化という言葉が右側の情報を基盤とシステム化の方に変わっています。(1)と(3)の内容があまり個別の内容が変わってないのに、システム化が(1)から(3)に移ったのはなぜかっていうのが、今資料を見ている中で、理由が分からないのがちょっと1つ懸念材料です。
 続いて35ページの方お願いします。35ページのところの、Dのところの「情報の表現とデジタル化に共通する理解すべき基礎的な内容」のところの上から3つ目のポツのですね、「情報通信ネットワークで情報がやり取りされる仕組み」のところと、7ポツ目の「インタラクティブコンテンツの安全、適切なプログラムの創作と動作確認及びデバッグの技術」なんですけど、上のAのところに記載があるように、「情報やデータから新たな関係や意味を見出す」っていう内容よりも、ここは(1)にあたるプログラミングと自動化へのこの2つのポツの内容は移行が適切ではないかと思います。(1)のプログラミングと自動化では、「情報技術により情報処理の手順を自動化すること」と記載があるので、Dの3つ目と7つ目のポツは(1)の方が適切ではないかと思います。
 また、合わせまして35ページの同じくDの6ポツ目の「著作権を含めた知的財産権等」もですが、今この場にあるままだと「情報技術により、情報やデータから新たな関係や価値を見出すこと」という要素と繋がりますが、その内容よりも(3)のですね、「情報の信頼性や社会に与える影響に配慮しながら」という類型化した要素の方が合うため、この6ポツ目のところを(3)に移行してはどうかと思います。
【堀田主査】  福田委員、お願いいたします。
【福田委員】  よろしくお願いいたします。事務局の提案に賛同いたします。
 その上で、35ページをお願いします。こちらの内容項目の名称変更があり、(2)については「コンテンツとデータ」から「情報の表現とデジタル化」になっております。で、デザインやデータ活用については、項目名の表現からは外れましたが、高次の資質・能力を体現化する学習指導要領の記述イメージに具体的に明記されたことで、系統を立てて小分類をしっかり学ぶこと、あとは後ろの36、37の学習イメージとも紐づいて、現場の教員にとってはとても分かりやすく表されたと思っております。また、このことにより、デザインやデータ活用が小・中・高で系統的に学んでいくことがよりイメージとして分かりやすく示されたと思っております。
 さらに情報技術の全体についてですけども、それぞれの内容項目の学習イメージの中に、ネットワークや法律に関する学習が記載されていて、このことも情報活用能力育成のために基礎的な理解を段階的に身につけることで、小・中・高を通じた情報活用能力の系統的な育成と情報Ⅰへのスムーズな接続が図られると感じております。
 次に情報Ⅰですが、27ページをお願いします。28ページにも言えることですが、情報Ⅰの(5)のPBLの部分について、PBLを通してどのようなことを理解していくのか、どのようなことができるのかということについて、これまで学んだことのまとめとなる重要な部分ですので、こちらの今赤字で修正された表現は非常に現場の理解に繋がる分かりやすい記載になっていると思います。
 次に55ページをお願いします。知識・技能ではすでに明記されているAIについても、こちらの思考力・判断力・表現力等の方でさらに明記されて、57ページのところで先ほどご説明いただきました通り、AIに関する学習イメージが追加されましたので、さらにこちら現場の教員が授業展開のイメージを作りやすく、現場の理解につながっていくとても良い資料になっていると思いました。
【堀田主査】  今度委員、お願いいたします。
【今度委員】  私からは核となる目標と資質・能力について2点短く提言いたします。貴重な資料と解説をありがとうございました。資料1では23ページ、24ページに関連します。
 第1に、本教科における見方・考え方の核心に、技術の社会的影響をクリティカルに捉えるシチズンシップの視点を組み込んでいただきたいです。単なる情報の処理や活用にとどまらず、その技術が社会や人権にどのような価値やリスクをもたらすかを倫理的に吟味するプロセスをさらに加えていただくことが、情報の見方・考え方と考えます。
 第2に、育成すべき高次の資質・能力として、生成AIなどの高度な技術に対し、その妥当性や公平性を自ら問い直し、より良い社会の担い手として技術を再定義・再構成できる力を位置づけることを提案します。子供たちが単なる便利な道具の扱い手にとどまるのではなく、倫理的な判断を伴う社会の作り手へと成長するための、小・中・高を通じた一貫した教育の充実が明確になるのではないかと考えます。私からは以上です。
【堀田主査】  この後、岡本委員、春日井委員、田中委員、安藤委員の順番で参ります。岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】  私からは、29ページについて、コメントしたいと思います。
 このページで「情報を基盤とした生産技術(仮称)」の高次の資質・能力、かなり分かりやすくまとめていただきありがとうございます。特に、(3)の「エネルギー変換とスマート化(仮称)」なんですけれども、ここも、エネルギー変換と情報技術を、組み合わせて扱うというような方向性が示されており、これが重要だなと思いました。
 例えば、先ほどコメントしたんですけれども、ニュージーランドの実践例にもあったような、このエネルギーの制約を踏まえて、システムの、設計とか運用とかというのを、これを情報技術を活用しながら考えていくというような、学習ということにおいて、こういうような視点というのが、生きてくるのかなという風に思いました。はい、私からは以上です。
【堀田主査】  春日井委員、お願いします。
【春日井委員】  城西大学、春日井です。これまでのワーキンググループでの多くの意見を整理して、資料をまとめていただきまして、誠にありがとうございます。
 今回新たにご提案いただきました名称に関して、複数の、特に1の(2)の、「情報の表現とデジタル化」について、複数の委員から賛同の意見がありましたが、私はちょっと疑問の立場で意見を述べさせていただきます。
35ページお願いいたします。
今回ご提案いただいた「情報の表現とデジタル化」についてです。このご提案いただいた名称は統合的な理解のa・b・cと3つ書かれておりますが、いずれとも紐づいておりません。高次の資質・能力に表出していないdのところで、前回資料までは、「コンテンツとデータに共通する理解すべき基盤的な内容」となっておりました。特に、今回のご提案では、類型化した要素の名称が突然変更になり、これが、内容項目の名称になっているというところで、少し疑問を感じております。36ページの、総合的な発揮についても同様なことが言えます。
 27ページをお願いします。高次の資質・能力は、小学校、中学校、高等学校の接続についても検討をしてきたところです。今回のこの(2)情報の表現とデジタル化からの接続先が、高等学校の(2)情報デザインとデザイン思考、(3)データ分析とモデル化・シミュレーションとなっている点で、この高次の資質・能力の接続についても考慮する必要があるのではないかと思っております。特に、中学校のところで、デジタル表現となっているものが、高等学校の情報デザインに繋がるという、この矢印で示されているところで、デジタル化が情報デザインなんだというような理解にならないようにしていくことが必要ではないかと思っております。
 もう1度35ページをお願いいたします。ご提案いただいた、基盤となる原理や文脈と、あとそれらの活用を、活用した価値の創出の在り方を組み合わせて名称をつけるということではなく、35ページ、36ページに出てくるような、高次の資質・能力として、表出している要素をもとに、名称を再考していただく方が、これまでの議論を踏まえた名称になるのではないかと思っております。特に、「情報の表現」の方は良いと思うのですが、後段の「デジタル化」については、再考いただいた方がいいのではないかと思っております。
 それで、合わせてですが、このページのdの1ポツ目にあります、「情報の2値化、あと2進数等での計算といった、デジタルとアナログの違い」といったようなところは、(1)の「プログラミングと自動化」に示されている高次の資質・能力と相性がいいのではないかと思います。井手委員が順番の話をされていましたが1番の方に入れた方が、まとまりとして良くなっていくと思いますので、ご検討いただけたらと思います。以上になります。
【堀田主査】  田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  23ページお願いします。私も、こちらの中学校情報・技術科(仮称)の内容項目の名称についてです。
 この名称を2040年頃まで使い、この名称で学んだ子供たちが50年以降に活躍することを考えると、「自動化」「デジタル化」という表現は陳腐に響くのではないでしょうか。例えば(1)はプログラミングで行えることは自動化だけではないため、問題解決や価値創出が含まれるように、「プログラミングと問題解決」または「プログラミングと価値創出」にしてはいかがでしょうか。(2)については「情報表現と分析活用」など、批判的にデータを読み取って活用する内容を入れていただけるといいのかなと思いました。また(4)の「技術の統合」については、井手委員もおっしゃっておりましたが、「技術の統合による価値創出の実践」などにしていただきたいです。
 次に27ページをお願いします。情報Ⅱの(3)AIの倫理、法、社会の観点を考慮しつつ、利点を十分に生かした活用に繋がる、できることを理解するについて、「倫理、法、社会の観点を考慮しつつ、公平性、透明性、説明責任などの倫理的観点を理解する」に変更のご検討をお願いしたいです。
 次に29ページお願いします。(2)こちら情報と関係ないんですけれども、(2)生物育成とデータ活用について、生物の育成環境の調整には食料供給や環境保全に、「生物多様性の維持・回復」を明記することをちょっとご検討いただきたいです。同じく29ページの(3)エネルギーの変換とスマート化について、経済性などに配慮しつつ」を「環境負荷(CO2排出など)、経済性などに配慮しつつ」を明記することもご検討いただきたいです。ちょっと情報と関係なくてすいません。
 57ページの事例についてなんですけども、こちらの「データの偏りとAIの出力」の内容は、第6回のワーキングで議論した「AI自体を学ぶ学習内容のイメージ」と対応しているのか疑問です。高校の情報Ⅰに「データの偏りとAIの出力」を事例として入れていただいておりますが、第6回のワーキングの小・中・高体系的な図を見ると、この内容はもしかしたら小学校あるいは中学校段階でAIの依存やリスク、AIに頼りすぎないこと、出力には誤りがあること、偏りがあることを知るべきではと思いますので、こちら高校の情報Ⅰではなくって小学校中学校に入れていただくことをご検討お願いします。今後小・中・高でのAIの学習イメージをそれぞれ考えて比較することで、高校段階ではどんな学習内容が適当なのか考える必要があると考えております。
【堀田主査】  安藤委員お願いいたします。
【安藤委員】  23ページの名称について、コメントさせていただきます。
 色々ご意見があるところだと思いますけれども、私は今回ご提案いただきました名称は、仮称ですけれども、この教科の核心をつくキーワードを表出していただいて、普遍性のある表現だと理解しました。
 例えば、「21世紀の科学技術リテラシー像」にて、萩谷委員もメンバーだったと思いますけど、そこでは情報技術の根幹は情報を0と1で示すデジタル化と、それを演算で処理できる計算化、つまり、プログラムの自動化の2点に集約されるということが述べられています。そして、それらが統合されてシステムとして応用されると考えますと、やはり技術教育でこれまで扱われていた通り、ここでデジタル化と自動化、システム化ということがはっきりと言葉として表現されているということはとても重要なことと言えます。
 では、それをどのようにどこで指導するかっていうご意見も出ていたところで、私の考えとしましては状況的学習論が大切だと思うんですよね。知識はやっぱり実際にそれが使われる状況と切り離されると、例えば、どうしても試験が終わると忘れてしまうというような、不活性な知識になってしまうことを考えますと、計測・制御からのプログラミングによる自動化の必然性についてで言うと、IoT技術というのも当然入ってくるわけです。そうなると膨大なデータが手作業では到底扱いきれないということになります。じゃあこれをアルゴリズムによっていかに制御するか処理するかっていう必要性から学ぶことができます。
 一方で情報のデジタル化はやはりコンテンツとデータでは学習で扱う良さがあると思います。これ以前もお話ししましたけれども、宮城教育大学附属小学校の小学校1年生の事例で、解像度の違いからデータの量と精度の関係に気づくという実践報告がすでにでております。メディアの特性を学ぶ中で解像度だとか階調だとか、目に見える変化としてデジタル化を捉えるということは、学習者にとって非常に認知的負荷が低くて、本質的な理解を促すのではないかなという風に思います。その本質的な理解があることで標本化とか量子化という概念的な理解を助けることができるんじゃないかと思います。
 最後にこれらを統合して、倫理だとか権利だとかも含めた公益的なシステム化ということは情報技術の発展と社会として扱うのは違和感がないと思います。基礎から積み上げる線形的な学習も1つの考え方で理解できますが、現代の教育設計としては状況的学習が重視される傾向があると思います。それぞれの技術が最も生きる文脈で配置することが単なる知識の暗記ではない生きた情報技術に焦点化した情報活用能力の育成にも繋がるのではないかという風に思っております。以上です。
【堀田主査】  この後江間委員、森山主査代理ここまでにしたいと思います。ちょっと時間が押しております。ご協力をお願いいたします。江間委員お願いいたします。
【江間委員】  よろしくお願いいたします。私から3点ございます。
 まず1点目として27ページ目とか何箇所かにですね、社会的責任という単語が情報Ⅰとかにですね、出てきているところがあるんですが、この社会的責任って何なんだろうってことが少し分かりにくいのではないのかなと思って、いわゆるCSR的な企業の社会的責任からなるもので、いくつかリスト項目されて、その中にはきちんとアカウンタビリティとか色々なものが入っているんですけども、これが例えば他では例えば信頼とか倫理とかいろんな言葉でも使われているような気がいたしましたので、これ誰の社会的責任、社会的責任とは何をしたら責任を持つのかということが少し曖昧なのではないかなと思っていたので、他との整合性ですとか、あるいは先ほどコメントありましたような公平性とか信頼とかそういうようなところとの兼ね合いというのを少し整理いただくと、教科書を作る方とかあるいは先生方とかがですね、何を以て社会的責任に配慮したことになるのだろうかということで迷われなくて済むのではないかなと思いました。
 2点目でございますが、私、内閣府の人工知能戦略専門調査会の委員もしておりまして、そちらの中では4月9日に会議等ございまして人間力などを考えるというワーキンググループというのもございます。そこでヒューマンエージェンシーということで人がやはりきちんと意思決定して判断できることが重要であることをそういう人をAI時代育てていくことが大事だよねというリテラシーの議論もそちらでございます。内閣府の議論ともおそらく歩調を揃えながら文科省の方々もご参加されて議論されていると思うのですが、その中でこのAIのスキルを学習していくのと並行して、あえてオフラインでの学びの時間を作ることの重要性ということも掲げられているところです。情報の授業なのでオフラインにすること自体を積極的に使うということを言っているわけではなく、例えばAIで何か色々生成だったり学習だったり、いろんなことをやる。でもそれをAIじゃなくて人だけでやってみる。オフラインでやってみる。その比較どうなんだろう。そこで人が得意なこと、人がやるべきこと、AIがやるべきこと何なんだろうみたいなことを学習する時間というのが、小学校だったり中学校だったり、あることによって、そこでAIが得意なこと、人が得意なこと、というようなことも分かるのではないかなと思いますので、全部スキルの話だけではなく、オフラインでやることによって学べることみたいなのも、例えば事例の中などに盛り込んでいただけると、より技術が今後発展していく中でも対応できるような、カリキュラムとかにもいけるのではないかなと思っています。
 最後簡単にではありますが、結構絵に生成AIを使われてるのではないかなという風に思っていますが先ず隗より始めよじゃないんですけども、この資料自体に生成AIを使っている場合、生成AI使ってますみたいな一言とかどこかでエクスキューズあってもいいのかなという風に思いました。もし生成AI使ってなくてイラストレーターの方がいらっしゃるようでしたら、申し訳ありません。以上となります。
【堀田主査】  それでは森山主査代理お願いいたします。
【森山主査代理】  私からは2点、所感を述べさせていただきます。
 1点目ですけれども、先ほどから議論がございましたが、情報・技術科(仮称)の内容項目の表現の修正についてです。23ページをお願いいたします。今回はですね、内容項目の表現を、基盤となる原理と文脈、それから価値の創出の在り方という組み合わせで表現をしていただいたということで、私としては非常にとても分かりやすいという風に感じました。特に、内容1の「情報技術」につきましては、先ほど安藤委員のご意見にも賛同で、(1)が自動化、(2)がデジタル化、(3)がシステム化ということを、適切に表現していただいたということで、情報技術の概念を、生徒が理解しやすくなったという風に感じております。また生徒がこうした考え方を持つことで、「技術の統合(仮称)」で、情報技術をどのように生産技術と組み合わせて問題を解決するかといった学びに繋がるんじゃないかなという風に期待をしております。
 2点目は、「情報を基盤とした生産技術」の表現についてです。29ページをお願いいたします。分かりやすさという観点で生産技術と情報技術との関連付け、ということも含めて文言のご修正をいただきまして、いずれも了解性が高まったかなという風に思っております。
 その中で1つだけ少し表現の工夫をお願いしたいと感じたところがございます。それは(3)の「エネルギー変換とスマート化」の統合的な理解のところですけれども、原案の「エネルギーの変換・利用による活動の支援と」というところですが、この「活動の支援」の、「活動」という言葉がですね、何を指しているのかが少し分かりにくいといったことや、その後半の、「電力や交通等の」っていうところが、少しこのレイヤーの異なる単語が例示として使われているんではないかなと感じたりいたしました。これらを削除してですね、単に「エネルギーの変換・利用と情報技術を活用した効率化が生活や社会を支える基盤の利便性に繋がることを理解する」という風にした方が、むしろ分かりやすくなるのではないかなという風に、感じました。あるいは少し長くなってしまうんですけれども、エネルギー変換の技術の概念を開いて、「エネルギーを熱・光・動力・信号などに変換して利用することと情報技術を活用した効率化が云々」みたいな、表現ということも考えられるかなという風に思いました。まあ、そのような感想を持ったということでございます。私からは以上でございます。
【堀田主査】  たくさんの、検討課題やあるいはご意見、対案等いただきましてありがとうございました。事務局にご検討いただければというだけでなくですね、具体的にお示しいただいたことを大変感謝いたします。今回は、領域名が日持ちするのかとか、ちゃんと内容を包括できているのかとかですね、かといって短い言葉で、全部表すことは、難しいわけで、こういうようなことのトレードオフの中で、より適切なものに、検討していくということで、また皆さんにご相談差し上げるかもしれませんが、どこまで拾えるかはちょっとともかくですね、最善のものを、検討してまいりたいと思います。
 続きまして、残り時間ちょっと短くなっていますので、議題2に参ります。柔軟な教育課程の工夫等につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  本日の議題の3つ目として、柔軟な教育課程の工夫等についてご審議いただければと思います。資料2に移らせていただきます。
 資料2でございますけれども、前半は中学校情報・技術科(仮称)における、教育課程の工夫等について、後半は高校情報科における工夫等について分けて説明いたします。
 まず中学校情報・技術科(仮称)についてでございますけれども、資料上は2ページ目から8ページ目までは第5回の総則・評価特別部会の資料を添付しております。これは調整授業時数制度について総則・評価特別部会で議論された時の資料でございますけれども、調整授業時数制度の仕組みの方向性を1枚にまとめた資料が8ページ目となります。
 こちらの8ページ目について、調整授業時数制度の議論においては、その要件であったり、上限などの議論があったところでございますけれども、ここでは制度の概要に絞って、説明させていただければなと思っております。
 まず既存の教科から時数を減ずる調整をすることで、調整授業時数というものを設定することができるものとされております。このイメージでは、教科Bと教科Cというところから調整して、それぞれ調整授業時数を設定しているイメージとなっています。これらの授業時数を既存教科等に上乗せすることができるものとして、丸1の教科Aに上乗せするイメージが示されております。また、調整授業時数により新教科を新設することも可能であることを、丸2の教科の新設というところで、示しております。
 また調整授業時数を丸3裁量的な時間に充当することもできるものとされておりまして、この裁量的な時間につきましては、(ア)児童生徒の資質・能力の育成に特に資する教育活動と(イ)教師の組織的な研究・研修等の2つに充てることができるものとなっています。(ア)につきましては学習指導要領に定める教科等に該当しないものの、児童生徒の資質・能力の育成に特に資する効果的な教育プログラム等の教育活動を指しているもので、より具体的には総合的な学習の時間等で設定した個人探究課題の深掘りといった個に応じた学習過程の充実に資する取組であったり、情報活用能力の重点的な育成のための取組といった学習の素地を高める取組、あるいはいじめ防止であったり、ソーシャルスキルトレーニングといった取組にも使うことができるということで、そういった類型が示されているものでございます。(イ)につきましては教育の質の向上に直結する学校の研究・研修等の活動に充てられるものであり、質の高い授業を効果的に実施するための教材研究であったり、授業研究、教師の資質・能力の向上を図るための学校・教育委員会が企画する研修、児童生徒の理解の向上などを、学習指導上の課題解決に資する情報共有・協議であったり、学校と地域との連携体制の確保といった類型が示されており、そういったものに充てられるものを可能としているものとなっております。
 なお、標準授業時数が35コマ以下の教科等は、調整が可能な教科等、すなわち標準を下回って時数を設定してよい教科等の対象外となっております。制度の概要は以上となります。
 次の9ページ目をご覧ください。まず、1ポツの調整授業時数制度を活用した工夫の在り方についてですが、仮に現行の技術・家庭科1年次であれば70コマ、2年次70コマ、3年次35コマを前提として柔軟な教育課程の工夫等について検討する時、35コマ以上の時数を設定している1年次及び2年次で標準を下回って時数を設定することが可能となると考えられるところです。その上で情報・技術科(仮称)の意義に留意しつつ、教科等横断・探究的な学びを推進するためには、例えば情報活用能力の抜本的な向上を図る観点から、文理融合・文理横断・STEAMの学びを基盤としつつ、高等教育における数理・データサイエンス・AI教育への接続する工夫や、情報技術を使いこなし価値の創出を通じて問題の発見・解決に取り組む探究活動を深める時間を設定する工夫などが考えられるところです。これらを踏まえて以下のような既存教科等への上乗せ・教科の新設や裁量的時間の創出を行うことが、当該教科における柔軟な教育課程に繋がる工夫と考えられるのではないかと。また、国としてそうした工夫例を分かりやすく学校現場に伝えていくことを検討してはどうかと課題意識を示しております。
 これについては10ページ目に2つの工夫例を事務局より提案させていただいております。まず、左側にある例でございますけれども、総合的な学習の時間や情報・技術科(仮称)で創り出した価値を個々の興味・関心の高まりを踏まえて探究課題として深掘りする、情報活用能力を重点的に育成する時間を創出する例となっております。具体的には左下にイメージがございますけれども、情報・技術科(仮称)及び総合的な学習の時間から調整授業時数を設定し、それらを裁量的な時間として扱い、その時間を情報活用能力を重点的に育成する時間とし、探究課題を深掘りする例として示しております。
 また、右側にある例ですけれども、数理・データサイエンス・AI教育を見据えた学習内容を展開するため、数学科からデータに関わる内容を情報・技術科(仮称)に上乗せする例となっております。具体的には右下にイメージございますけれども、数学科から調整授業時数を設定し、情報・技術科(仮称)に上乗せして数学科として指導してきた数学的なデータの処理・解釈の仕方の理解に加え、情報・技術科(仮称)の指導においてそれらを実際に活用し、課題解決の方策として組み込む実践的な学習まで行うことが可能になると考えられる例を示しております。
 資料9ページ目に戻らせていただきまして、資料の右側についてですけれども、情報・技術科(仮称)の学習内容の学年区分等に関する考え方についてです。現行学習指導要領においては第1学年の導入において3学年間の学習の見通しを持たせる観点からAからDまでの領域について、各領域に触れることを示しておりますけれども、これ以外に技術の専門領域に関する学習順序や学年区分については明示していないといったところでございます。これは生活や社会において様々な技術が統合されて利用されている現状を踏まえ、技術分野は技術の領域性ではなく、問題の発見から設計・計画、制作・育成、評価・改善に至る一連の学習活動を重視していることによるものであり、ゆえに学習内容の配列を一律に規定せず、各学校の実態に応じて柔軟に構成できるとしております。これにより教師の裁量を確保し、柔軟な指導計画の作成や授業設計が可能となっているものとなっております。
 一方で領域共通の学習過程が十分に明確化されていないことなどから、教師の専門性や経験により指導内容に偏りが生じ、学習内容や指導の程度に差が生じる恐れがあるとの指摘もあったところです。今次の改訂におきましては、高次の資質・能力を新たに示すとともに、内容項目に共通する学習過程を明示したことにより、育成を目指す資質・能力がより明確となり、こうした課題の改善が図られるものと考えられるところですが、その上で学習順序については引き続き教師の裁量に委ねる考え方を維持することにより、教師の主体性の確保に加え、技術を統合的に活用する学習等を柔軟に構成することが可能となり、生徒の実情に応じた教育課程の編成が可能となるのではないかと提案させていただいております。また、こうした学習順序等に関する考え方や留意点については引き続き学習指導要領及び解説等において示していくこととしてはどうかとしております。
 続きまして13ページ目以降は、高校の情報科に関する教育課程の工夫等についてでございます。高校段階につきましても13ページ目から23ページ目までは総則・評価特別部会の資料を添付しておりますが、仕組みの方向性のイメージを1枚にまとめた資料は23ページ目になりますので、ご覧いただけますでしょうか。高校の制度の概要の議論においても要件や上限などの議論があったところですけれども、ここでは制度の概要に絞って説明をさせていただければと思います。
 高校においても教育課程がより柔軟化される方向ということで上には現行制度における教育課程のイメージ、下には新しい仕組みでのイメージが記載されています。1つ目のポイントとしましては、資料真ん中より左側に丸1というところありますけれども、「科目の柔軟な組み換えが可能になる」ということになります。これは各科目内容の一部または全部について他科目へ移行・統合する科目の柔軟な組み換えが可能になるもので具体的には理科の基礎科目を統合したり国語科と探究を組み合わせることで「組替え後科目」というものを設定することができる、そんな方向性が示されているところです。この「組替え後科目」が真ん中のイメージ図に出てきますが現行の必履修科目、選択科目、学校設定科目がございますけども、それとは別の科目として示されているところです。なお組み替えには要件があるとされておりまして「元の教科・科目の目標の趣旨を損なわない」、「教育課程全体として組み替え前と同様の成果が期待される」といった要件が示されているとこでございます。
 またこちら左側に丸2がございますけれども「1単位の計算が変わる」ものとされております。現在1単位は年間35単位時間とされているところ、新しい制度ではこの1単位を細分化して1単位17単位時間にするとされております。現行の1単位が新しい制度では2新単位に当たるというイメージとなります。これにより減単の調整などがしやすくなるものと考えられるところです。しかしながら、減単につきましては要件が示されておりまして、左下に丸3というところありますけれども、必履修教科にかかる科目については「合計が3新単位以下となる減単は不可」とされております。具体的には現行の情報Ⅰに関しましては必履修教科にかかる科目ということになりますので情報Ⅰは該当しないといったことになります。雑駁ですけど制度の概要は以上となります。
 また24ページ目をご覧ください。資料左側の検討の前提につきましては今ほど説明した単位の細分化と減単が必履修教科にかかる科目である情報Ⅰには適用されないということを記載しております。続いて科目の柔軟な組み替え例ですけれども、総則・評価特別部会の資料において示されている科目の柔軟な組み替えにかかる要件の方向性を踏まえつつ各学校が生徒の実態等に応じて情報科の科目を効果的に組み替える際の考えられる例について2つ示しているところでございます。これについては25ページにイメージを示しておりますのでご覧いただければと思います。
 25ページ目の左側に情報Ⅰと情報Ⅱを一体化した科目ということで左下にそのイメージがありますが、情報Ⅰ4新単位と情報Ⅱ4新単位を統合して組替え後科目として「総合情報」を設ける例を示しております。なお「7新単位」としているのは情報Ⅰ及び情報Ⅱを統合的に扱うことで学習の連続性を高めて活動の重複や分断を抑えて単位数の効率化を図ることが可能になるのではないかということであえて7新単位という工夫の例を示しております。
 また右側の例は、情報科と他教科の科目を一体化した科目の例となっておりまして、下にイメージもございますけども、情報Ⅰからデータ分析とモデル化・シミュレーション(仮称)の内容を取り出し数学Ⅰからもデータの分析、社会を読み解く数学(仮称)の内容を取り出して組み替えて「数理・データサイエンス基礎」という新しい2新単位の科目を設定する例を示しております。事務局からは以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。これは教育課程企画特別部会等でですね、話し合われていることを情報・技術や教科情報に適用する場合どうかっていう、そういう原案でございました。時間短くて大変恐縮ですけども、10分以内で議論したいと思いますので、ご意見ある方は挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。
 望月委員お願いします。
【望月委員】  10ページにあるような形で「情報活用能力を重点的に育成する時間」を調整授業時数制度を使って創出する例はとてもいいと思います。情報活用能力の育成にはこのように繰り返し活用していくことが必要であると思います。さらに、この時間に技術科以外の教員を含めて取り組むことで探究的な学びの充実に繋がると思います。他教科との連携もしやすくなると思います。
 また、技術の専門領域に関する学習順序について引き続き教師の裁量に委ねることについて賛成です。学習順序について教師の裁量であれば、「情報活用能力を重点的に育成する時間」での学習と時期を調整しやすくなり、より繰り返し学習する計画が組みやすくなると思います。以上となります。
【堀田主査】  この後、田中委員、鎌田委員の順番で参ります。田中委員お願いします。
【田中委員】  資料2の25ページお願いします。案1のように情報Ⅰと情報Ⅱを一体化させて「総合情報」を作ること自体はいいと思うんですけれども、このような科目を新設すれば7新単位だけあればいいというようなメッセージにならないようにお願いをしたいと思います。
 また、24ページの右下にある情報Ⅰを増単することにより、中学校情報・技術科(仮称)のうち情報活用能力育成に寄与する内容を学び直す学習を付加するような場合など、情報科を充実させる例も、現場に分かりやすく伝わるように工夫していただきたいです。
【堀田主査】  鎌田委員お願いします。
【鎌田委員】  25ページをお願いします。25ページの左下の「総合情報」のように示されるように、情報Ⅰと情報Ⅱの統合による価値創造が行えるような実践の案に賛同します。現行の情報Ⅰ、情報Ⅱを一体化した「総合情報」のような科目を新設することで、学習の連続性や効率化、また分断されがちな情報Ⅰと情報Ⅱの内容を再構成することができ、活動の重複を抑えることができると思うと同時に、単位数の効率化ができると思います。また、長期的なPBL等の実社会の課題解決、価値創造に取り組む上では、こうした科目が重要になるのではないかと思います。こうした内容の実現によって、MDASHのリテラシーレベルや応用基礎レベルへの接続も可能になるのではないかと考えています。
 一方、中学校の総合実習(仮称)と同じ意見となりますが、こうした授業を行うためにはですね、PBLの指導や評価の仕方、AI等の最先端技術を扱う高い専門性や環境整備が求められますので、中学校の総合実習(仮称)と同様に環境整備も合わせて進めていただければと思います。
【堀田主査】  ありがとうございました。泰山委員、お願いします。
【泰山委員】  10ページ目よろしくお願いします。こういう風に柔軟な教育課程の例が示されることは非常に重要だと思っていますが、だからこそ、非常に細かな点で申し訳ありませんが、タイトルを「情報活用能力を重点的に育成する」という風なタイトルにしちゃっていいのかというのが少し気になっています。事例の内容としてはとても良くて、情報・技術科(仮称)で勉強したことをさらに探究して、より良い課題解決につなげるという話なので、ここで想定しているどういう資質・能力を育てるための、柔軟な教育課程の工夫なのかということが明確に伝わるタイトルにしていただけるといいかなという風に思います。
【堀田主査】  井手委員、お願いいたします。
【井手委員】  お願いします。高等学校情報科について2点意見申し上げます。
 1点目です。25ページをお願いします。こちらに示されているような、柔軟な教育課程の工夫において、情報Ⅰと情報Ⅱを一体化した「総合情報」のような形をご提案いただいたことは大変ありがたいと思っております。情報Ⅰと情報Ⅱの重複を省いて、長期PBLを実現できる構成は、中学校の総合実習(仮称)で培った、技術を統合して問題解決する力、これを引き継ぎ、さらに深化する流れとして理想的であると思います。さらに中学校での統合的な学習経験が高等学校でのPBLによる課題解決や価値創造の質を大きく左右すると考えています。
 2点目です。27ページお願いします。こちらの情報Ⅱの単位数弾力化の方向性も支持いたします。PBLの改善サイクルを繰り返すほど学びが深まるという情報科の本質に叶った設計であると思います。ただしここの左下にありますように現行2単位相当の最低単位の場合でも価値創造の1サイクルを解決できる設計となっていることを学習指導要領解説等で明確に示し最低単位でも学びが中途半端になってはいけないということを現場の教員が意識をする必要がありますと考えます。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。その他にご発言のある方いらっしゃいますでしょうか。特になければ事務局にお返ししたいと思いますがいかがでしょうか。では事務局お願いします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  いくつか御意見を聞いていて説明が不足していたと思いました。失礼いたしました。今回示させていただいている例自体はあくまで事務局として現時点で考えられる例であると思っておりまして、こういった工夫例が示されることによって各学校で柔軟に教育課程を組んでいただくということを喚起させるものとして考えております。そのため例示に出てくるような名称もあくまで仮のものであって、各学校において工夫していただければと考えておりましたので、補足させていただきました。
【堀田主査】  ではここまでといたしますが私どもはやっぱり教育課程の基準に従ってずっとやってきた長い歴史がありますのでこれを柔軟化すると言った時に結構学校に裁量があり、学校に裁量があるってことはビジョンや現実を捉えた動きを作っていただくというそういう権限をしっかりとですね教育課程編成の主体として学校に持たせるということであります。そのために、私どもはあくまで例示をしているのであって、これを元に各学校が頑張っていただくんですけど、その頑張りやすくするためのいろんな例示を今しているということでございまして、このようにやらなければならないと言っては縛っているわけではございません。この辺りが分かりにくさもあるかもしれませんが、例示は多い方が、カタログはいっぱいあった方が選びやすいっていう風に考えられるということかと思います。
 それでは最後に、資料3の今後の検討課題につきまして、事務局よりお願いいたします。浅原参事官、お願いいたします。
【浅原参事官(デジタル学習基盤担当)】  情報・技術ワーキンググループとしての今後の検討課題についてご説明をさせていただきます。資料3の1ページ目でございます。これまでの検討経緯と明らかになった課題について、以下箇条書きの通りお示しをしております。
 まず1ポツ目でございますけれども、これまで本ワーキンググループでは、5点、情報活用能力の体系、情報活用能力の抜本的な向上が目指す姿、情報の領域(仮称)や情報・技術科(仮称)の目標や見方・考え方、育成すべき資質・能力、AIやメディアリテラシーを含む個別の学習内容について、検討を進めてきたところでございます。とりわけ個別の学習内容につきましては、新たな領域や教科を創設するという重要性も踏まえ、狙いとする資質・能力を確実に育成できるよう、具体的な学習内容のイメージまで落とし込んで整理を試みてきたところでございます。こうした中、全体として検討は進みつつある一方、各学習内容相互の繋がりやまとまりの整理は道半ばであり、情報の領域(仮称)や、情報・技術科(仮称)全体としてどのように学びが積み上がるのかが十分に明らかになっていないなどの課題が残っているのではないかと考えております。
 今後、教育課程企画特別部会及び、総則・評価特別部会における、小学校総合的な学習の時間への情報の領域(仮称)の付加、中学校情報・技術科(仮称)の創設に伴う標準授業時数の増加についての教育課程全体を見通した観点からの検討判断に資するためには、各学習内容と育成すべき資質・能力との関係を体系的に整理しつつ、最終的にどの程度の授業時数が必要となるのかの目安、またそのことにより他教科などがどのように裨益するのかを含めまして、新教科領域の必要性を明確な形で示すことが本ワーキンググループの責務ではないかとしております。
 このため、1つ目でございますけれども、教科としての目標を実現するために、各領域・内容項目が相互にどのような関係にあるのかの整理、2点目といたしまして、各内容項目の学習内容イメージを踏まえ、より具体化した内容のまとまりごとの整理を進めつつ、他教科等のワーキンググループやまた社会全体にも理解しやすい全体像を示してはどうかとさせていただいております。
 最後に今後のスケジュール案についてでございますけれども、教育課程企画特別部会が令和8年夏頃までに取りまとめを行うということを踏まえまして、本ワーキンググループでは、次回以降体系の明確化とまたそれを分かりやすく示す工夫について検討を進めるとしております。その際、両特別部会にも検討状況を随時報告してフィードバックを得ながら検討を深め、令和8年6月を目途に一定の結論を得て両特別部会に最終的に報告をするとしております。次回以降こうした方向性を踏まえて、またご審議をお願いできればと考えております。事務局からの説明は以上でございます。
【堀田主査】  それでは予定の時間が参りましたので、本日の議事は以上とさせていただきます。最後に次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  次回の情報・技術ワーキンググループは5月18日月曜日、16時半から18時半を予定していますが、正式には後日連絡いたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。それでは以上を持ちまして、本日の情報・技術ワーキンググループ第8回を閉会といたします。皆さんご協力ありがとうございました。失礼いたします。
  

 
―― 了 ――

村松委員提出意見(PDF:241KB)

お問合せ先

初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付
初等中等教育局教育課程課教育課程総括係
電話番号:03-5253-4111(代表)

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(初等中等教育局参事官(デジタル学習基盤担当)付)