令和8年1月9日(金曜日)13時00分~15時30分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【堀田主査】 皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報・技術ワーキングの第5回を開催いたします。本日もまた大変御多忙の中、御参加いただきまして、ありがとうございます。
本日は、大きく2つの議論がありまして、前半では、メディアリテラシーについて、後半では、中学校情報・技術科(仮称)、及び高等学校情報科、この2つの教科における目標、内容、高次の資質・能力について御議論いただきます。具体的な進め方につきましては、進行資料を御覧ください。
まずは議題1、メディアリテラシーについて、関連した知見を有していらっしゃる3名の方々に10分程度ずつ御発表いただくことになります。3名の方々というのは今度委員、鈴木委員、山脇委員ということになります。その後、御発表いただいた委員への御質問を含めた意見交換の時間を取りたいと思います。
また、続きまして、議題2でございますが、資料3及び資料4につきまして事務局から説明していただいた上で、中学校と高校とに時間を分けて意見交換させていただきます。なお、今日も2時間半取ってございますけども、時間には限りがありますことから、議題2の意見交換の時間は、中学校が30分、高校が30分という形で区切らせていただきます。
ただ、全体として仮に時間が余るようでしたら、また、最後に議題1、議題2全体の御意見をいただきますし、それでも時間切れでありましたら、会議後に発言内容等を事務局までメールでお送りいただければ、議事録に掲載する等の取扱いをさせていただきます。
それでは、議題に移りたいと思います。初めに議題1です。メディアリテラシーについてということでヒアリングをいたします。御存じのとおりですが、メディアリテラシーにつきましては、大臣からの諮問文においても論点の一つとして挙げられております。したがって、これは極めて重要な案件でございまして、本日はそこのメディアリテラシーに大変造詣の深い3名の方々に御発表いただくということになります。
まず、初めに、一般社団法人メディア教育研究室代表理事の今度委員から御発表いただきます。それでは、今度委員、よろしくお願いいたします。
【今度委員】 ありがとうございます。それでは、私からまず発表させていただきます。画面を共有いたします。では、こちらで発表していきたいと思います。
本日の私の発表の概要は以下のとおりです。本提案は、学校教育が想定する子供の庇護された社会と年齢非配慮で不確実な実際のサイバー空間とのギャップを前提にしています。情報の急速な格差、錯綜は大人も子供も同時に直撃します。単なる遮断や規制ではなく、事業者の資質・能力、判断、説明、合意形成を高め、児童生徒とともに情報を扱うすべ、伴奏、判断育成と転換することも提案していきたいと考えています。
まず、メディアリテラシーの概念の整理を行います。ここでは特に国際社会におけるメディアリテラシーについて整理したいと思います。まず、UNESCOのメディアリテラシーです。民主主義・人権・市民参加と結びつけた「メディア情報リテラシー」として提案されていますが、そこでは、AIや市民性などと接続し、偽情報・ヘイトスピーチに対応する、こういったことが提案されています。また、Competence Framework for Citizensでは、メディアリテラシーはメディアの民主社会における役割と機能を理解することを要素として明記しています。ちなみに、DigCompは3.0になっていますが、まだ終えていないために今2.2としています。
また、ワシントン州では、メディアリテラシーは、「メディア・メッセージに関わる批判的思考を可能にするスキル」と定義しています。ちなみにUNESCOのメディア情報リテラシーの定義には、オンラインにおけるヘイトスピーチやネットいじめと闘う方法の理解や、平等・表現の自由、異文化対話や平和を促進するためにメディアやICTに関わる能力などが含まれています。
この人権と民主主義の観点でのメディア情報リテラシーの役割として、市民が情報を検索・アクセス・批判的評価・利用できる力に加え、ヘイト・ネットいじめへの対処、倫理・平等・表現の自由・対話・平和の促進まで含む相互に関連した能力とも位置づけられています。つまり、民主主義を支える実装基盤を整えるものと役割を示しているわけです。
次に、英国メディア教育における4つの概念を紹介したいと思います。ここでは著名なメディア研究者、デビット・バッキンガムが継承する、4つの概念と提案する学びについて紹介したいと思います。
バッキンガムは、メディアは私たちに透明な「世界への窓」を提供するのではなく、メディアを媒介とした世界のひとつのバージョンを提供している。メディアは現実を提示するのではなく、それを「再提示」すると示しています。そして4つの概念としては、メディア言語、メディア表象、そしてメディア制作、メディアのオーディエンスを示していますが、それらそれぞれにどのように学ぶのかということを具体的にこのように提案しています。
時間がありませんので、ちょっと一つ一つ紹介はいたしませんけども、後ほど資料見ていただきたいと思います。デビット・バッキンガムは4つの批判的概念を継承し、4つの概念を骨格に、これからは、データ、アルゴリズム、プラットフォーム権力を横断視点として追加することを提案しています。授業は常に誰がどのように何のためにどんな仕組みで意味がつくられるのかを問うということです。さらにバッキンガムはメディア教育は、生徒の既存の経験や知識から出発するが、それを超えるための挑戦とも述べています。
さらに、メディア教育は全ての子供の教育上の権利であり、市民として社会に参加する力を系統的に育てる基盤教養として位置づけています。つまり、メディアリテラシーはカリキュラムの終焉ではなく、中核へ位置づけるべきであると述べていると言えると思います。
続いて、アメリカにおけるメディアリテラシー教育です。アメリカでは主にデジタル・シティズンシップ教育教材の中で、メディアリテラシー教育が提案されています。これは、ハーバード大学大学院Project Zeroが研究提案するカリキュラムとなっていますが、特徴的なのは、小学校低学年から高校まで系統的に学びが展開されているということです。
具体的にはこのようなカリキュラムが提案されています。例えば小学校4年生では、創造する側の権利と責任。また、小学校5年生でオンラインニュースの読み方。そして、信頼できるニュースを読むなど、さらに中学校に上がると、ニュースの批判的な見方であるとかデマとフェイク、そして高校では確証バイアスやクリックベイト、そしてフィルターバブルなどを具体的に扱っていきます。また、ヘイトスピーチなども扱う教材なども数多く提案されています。
このように、メディアリテラシーは広範な社会問題に対する個人主義的な解決策として提唱されてきました。アメリカでは特に2016年の大統領選挙を機に、メディアリテラシーの重要性が高まりました。それは、メディアが社会の分断や差別や偏見につながっていくからです。しかし、社会における暴力、差別は多様かつ複雑な原因を持ち、メディアだけに引き起こされるものではありません。バッキンガムはメディアがもたらす問題は、そのほとんどが固有のものではなく、多くの社会的環境にまたがる問題の延長線にあると述べています。そして、メディアリテラシーにおける批判的思考とは常に自分自身の先入観、解釈、結論に疑問を投げかける内省的なプロセスであるとも述べています。
さらに、倫理学者の小林は、メディアリテラシーはメディアに関する理解だけでは不十分で、社会に関する知識、教養、洞察力が前提なのではないかとも述べています。つまり、知識がなければ、情報を見極めることは難しいということです。人権の観点の知識がなければ差別であると見極めることも難しいということです。
そして、外山は、バイアスをなくすことは難しいが、自覚するだけでも状況は大きく変わるとも述べています。「自分にはバイアスがある」という前提で物事を考える。AI時代こそ、人間自らが現状について想像力を働かせ、問いを立て、考え続けることの重要性を提案しています。
そして西垣は、生成AIは、ユーザーの過去の質問の傾向を学び、答えを最適化していく。生成AIやSNSの中では、人々が同じような意見ばかりを見聞きし続ける「エコーチェンバー」に閉じ籠もるようになる。そうすると異なる意見にも耳を傾け、共通点を探す「民主主義」が成り立たない可能性もあるとも述べています。
このようなことを踏まえ、これからのメディアリテラシー教育に関しては、このような提案を行いたいと考えます。学習目標の定義の提案として権利、判断、参画の3本柱を提案したいと思います。この枠組みはメディア情報リテラシー、市民参加、権利の教育及び4概念、言語・表象・生産・受け手と整合します。
また、教科横断、科目横断の授業例としては、例えば表象の倫理と公共性を学ぶ場合にはプライバシー、表現の自由のバランスを具体的事例で検討したり、ファクトチェックについて学ぶときは、視聴、根拠、証拠の分解や一次資料の確認について学ぶ。また、多様性について学ぶときは、少数者の表象やステレオタイプの解体など、また、ニュースのつくり手になる制作について学ぶ場合は、編集倫理や取材の合意、透明性などを学ぶ必要もあると考えます。
これからの情報活用能力におけるメディアリテラシーの重要と考えられること、それはデジタル・シティズンシップと人権教育の観点から統合的な能力が必要だと考えます。個人の危険回避のための教育から権力、表象、生産、受け手を横断する批判的で創造的な市民教育へとかじを切ること。つまり、防波堤づくりより航海術を学ぶということです。バッキンガムも継承する4概念プラス現代論点、データ、アルゴリズム、プラットフォーム、生成AIを骨格に読む、書く、熟議する授業とパフォーマンス評価を標準化する。これが人権と民主主義を実質的に支える次世代のメディアリテラシー教育につながるのではないかと考えます。
私からの発表は以上です。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。続きまして、ジャーナリストであり、フジテレビ解説委員の鈴木委員から御発表いただきます。鈴木委員、よろしくお願いいたします。
【鈴木委員】 お願いします。こちらで大丈夫でしょうか。
今、御紹介にあずかりましたジャーナリストでフジテレビ解説委員の鈴木款と申します。よろしくお願いします。
今日は、「なぜメディアリテラシー教育が必要なのか」を総務省などの調査資料と、実際に私が行ってきた授業の実例を織り交ぜてお話ししたいと思っています。本題に入る前に、少しだけなぜ私がメディアリテラシーと関わるようになったのかお話をしたいと思います。
私は、20年以上前からメディアリテラシーについて様々な学校で教えてきましたが、そのきっかけとなったのは、私が番組ディレクターだったとき、映像の編集作業をしていて、これまで真実だと信じていたテレビの映像が実は事実ではあるけど、映像の送り手の意図が入っていて、今で言う切り取られた一部の映像だということに気づいたことでした。当時はまだネットがない時代で、映像といえばテレビ。子供たちが、一日視聴する時間は平均3時間を超えていて、テレビの見過ぎが問題になっていた時代に、私は「テレビを疑え」という授業をやっていまして、当初は「この人は何を言っているんだ」という反応も実際多かったです。
しかし、今にして思えば、当時一般的に知られていなかった「メディアに対するクリティカルシンキング」を伝えていたということになるのではないでしょうか。その後、インターネット、スマホが普及しまして、SNSや動画配信サイトによって、子供たちが情報を受け取る側だけでなくて発信する側ともなり、生成AIが登場して、メディアリテラシー、クリティカルシンキングを持つということがさらに重要になったと言えると思っています。
前置きはこの辺にしまして、ここから本題に入りたいと思います。今、私は東京科学大学と東京女子大学で非常勤講師としてジャーナリズムを教えていまして、その講義の中や、ほかにも小中高校から大学、そして社会人向けにメディアリテラシーを教えています。
その中で授業の冒頭にこんな質問をまず投げかけます。「一日何時間ネットを使っていますか」と。今、お聞きの皆さんも大体、私はこのくらいだなというふうにお考えじゃないかなと思うんですけど、子どもたちの手が挙がるのは2時間から4時間か、4時間以上、中には8時間という子どももいまして、「何をしているんですか」と聞いてみると、「推し活でずっと推しの動画を追いかけている」という答えが返ってきて、なるほどなと思いました。
実際にこれは総務省の調査ですが、ネットの利用時間は平日で平均4時間となっています。そのうち10代だと4時間のうち大体2時間ぐらい動画投稿とか共有サービスを利用していて、半分近くを占めています。具体的に言うとユーチューブなどになりまして、あとポイントとして挙げられるのは、いわゆるテレビ世代と言われている50代以上のネット利用も、ここ数年で右肩上がりとなっているという状況があります。
では、次にいきまして、これも総務省の調査ですが、あらゆるメディアの中で「ネットをなぜ選ぶのか」と理由を10代に聞いてみますと、まず、速報性においてほかのメディアを圧倒しているというのは分かるのですが、一方で「世の中の出来事や動きについて、信頼できる情報を得る」ということになると、意外とネットが低いということが分かります。この背景にあるのは、10代はデジタルネイティブ世代と言われているわけですが、ネットの情報を無条件に信じていないのが見てとれるんじゃないかと思います。つまり感覚的にネットの情報に対して懐疑的で批判的な態度があると思いますが、そうするとそもそもメディアリテラシーの教育はそんなに必要ないんじゃないかという声になるかと思うのですが、ここで実際に安心できない理由ということから御説明したいと思います。
この後、資料を幾つか飛ばします。すみません、後でまた見ていただければと思います。2024年に起きた能登半島地震では、SNSの動画サイトを中心に多くのフェイク動画や画像が拡散しました。この今お見せしているのは、その中のほんの一例なわけですが、先日のアメリカによるベネズエラへの軍事攻撃においてもフェイク動画や画像が世界的に拡散していて、NHKがニュース内でシェア拡散に注意喚起を行ったり、鳥取・島根で起きた地震においてもフェイク動画が拡散したことから、昨日のフジテレビのニュースでも取り上げたんですけど、鳥取県が関連動画のモニタリングを行って注意を呼びかける事態になっています。
特に、最近はもう生成AIを使って作成したと見られるフェイク動画が多く、もう真偽の見分けが、我々みたいな映像のプロであってもつきにくくなっています。いずれにしてもこうしたフェイクは、次の資料ですが、いわゆる有事のときに拡散しやすいということが分かっています。ロシアによるウクライナ軍事侵攻開始や、コロナの感染急拡大、先ほど言ったような能登半島地震やベネズエラへの軍事攻撃とか、やはり人と社会が不安な状況になると、人は今すぐ役立つ答えとか、不安を説明してくれる物語というのを求めがちで、そういうときにフェイクニュースがどんどん拡散していく状況になります。
こうしたことから、私がメディアリテラシーの授業を行うときには、「一体誰がフェイクニュースを拡散しているのか」を話すと同時に、子どもたち誰もが情報発信や動画の作成や発信ができる今だからこそ、メディアリテラシーが必要だというお話をしています。
そしてメディアリテラシーというのは先ほどの今度委員のお話にもありましたけど、やはり情報の真偽を見分ける力だけではなくて、フェイクによって被害を受けないように自分やほかの人たちを守るという「命の安全教育」であると考えられますし、民主主義を支える「デジタル・シティズンシップ教育」であるとも言えます。具体的な学びとしてどうしていくかですが、私は以下の3点、技術的スキルと思考力と倫理感を育てることが大切だと思っています。
技術的スキルについて言うと、これも総務省の調査の中であったのですが、日本はほかの国に比べて情報発信源を確認する頻度が低く、ファクトチェックそのものの認知度についてもほかの国に比べて圧倒的に不足しているという状況があります。
こうしたことを受けて授業の中では、例えばファクトチェックの方法について、具体的な事例を挙げながら子どもたちに議論して学んでもらうというようなことをやっています。あともう一つ、ネットの特性を理解することについてですが、例えばその用語の認知率について言うと、日本においては非常に認知されておらず、さらに言うとそういうネットの特性に対してほかの国に比べて無自覚、無意識であるということが明らかになっています。
実際、授業の最初にそれぞれの言葉、フィルターバブルやエコーチェンバーについてどのくらい知っているのか聞いてみますと、大体大学生だと「知っている」と答えるのが1、2割程度、小学生はほぼゼロ、中高生でも1割程度というような形になっています。
先ほどお伝えした10代がネットを無条件に信じていないという傾向があるのにもかかわらず、「なぜネット情報に対して懐疑的で批判的でなければいけないのか」、その理由自体をまだ分かっていない、言語化できていないというのは、とても残念な状況じゃないかと思っています。
授業では、ネットの特性についてまず自分事として捉えてもらうために、こうした質問から始めることがあります。実際に、「自分の日常の行動や感情がネットの特性によってどんな影響を受けているのか」、「その特性とは具体的にどんなものなのか」を考えてもらう。とにかく自分事であるためにまず資料の中で「1から5のうち、あなたはどれに当てはまりますか」と聞くと、大体2つか3つは当てはまってくるわけですよね。そうした当てはまっている自分が、例えばフィルターバブルといった場合に、自分は1と2だと思った自分は実はここだったんだなとか、どんどんフィルターバブルやエコーチェンバーという片仮名言葉が自分事になっていく、ネットのこうした特性に気づかずにいたことを自覚することから、子どもたちにより深く理解してもらうというようなことをやっています。
ほか、高校生ですが、既に選挙年齢に達していたり、また、近いことから、選挙の際にネットで何が起こっているのか、その理由はなぜなのかということを考えてもらう授業もやっています。先ほど申し上げた、メディアリテラシーというのはデジタル・シティズンシップ教育であること、まさにこの選挙とネットを考える際に、これは実践的な授業となるんじゃないかと思っています。
最後に情報・技術ワーキンググループだけでなく、メディアリテラシーはほかの教科ともぜひ連携をして深めてほしいと思っています。ここに挙げた国語であったり社会・公民であったり、道徳・特別活動・総合学習についても、こういうようなポイントをそれぞれお示ししていますので、今後のワーキンググループの議論の中でさらに深めていただければと願っています。
以上、私からの発表を終わりにします。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。
続きまして、スマートニュース株式会社スマートニュースメディア研究所所長であり、帝京大学経済学部の客員教授の山脇委員です。それでは、山脇委員、お願いいたします。
【山脇委員】 どうぞよろしくお願いいたします。
本日は情報爆発時代、そして偽情報時代において、メディアリテラシー教育が強く求められているという点についてお話をしていきたいと思います。
まず、現状について、先ほど鈴木委員のほうからもお話ありましたけれども、少しだけ整理いたします。大人にとっても、もちろん子どもにとっても、生成AI等でますます虚実が見極めにくい状況になっていると思います。端的に言いますと巨大企業、巨大SNSのプラットフォーマーと一個人が、大人も子供も含め、一対一で向き合っています。閲覧数などに応じて経済的利益を得られる、いわゆるアテンション・エコノミーの中で、刺激的な情報というのが見られがちになります。そういったことから御存じのようにオーストラリアなどでは、SNSを16歳未満の子どもたちに禁止するというような動きが出てきています。
日本は、SNSそのものを若年層に規制するという動きまでにはなっていません。だからこそ、メディアリテラシーや情報リテラシー教育が非常に重要になっていると思うものでございます。
これは非常に有名な研究ですけれども、虚偽のニュースというのが真実のニュースよりも6倍早く広がるということがマサチューセッツ工科大学の研究で明らかになっています。先ほど申し上げたように、本当かどうかよりも刺激的なコンテンツが、しかも経済的動機に基づいて投稿されて、うそでもいいから広まれば収入が入るという状況になっています。
メディアリテラシーは、今回の学習指導要領で大きな目標になっている「民主的で持続可能な社会の創り手」になるために、必要なスキルだと考えております。そういう意味で言うと、鈴木委員、今度委員もおっしゃっていましたが、クリティカルシンキングということがやっぱり重要になってきて、そのクリティカルシンキングに基づく「情報対応スキル」、これはメディアリテラシーの一部と考えてよいと思いますが、これまでのワーキンググループでも発言させていただいたことがありますけれども、この「情報対応スキル」が非常に重要なのではないかと思っております。
クリティカルシンキングは、批判的思考というふうに日本語で訳されていますが、人を批判することが主眼ではなくて、「内省的、熟慮的な思考」、「自分は間違っていないのかな」と振り返ること、それが批判的思考、クリティカルシンキングの本質であると、この分野の専門家である京都大学の楠見名誉教授もおっしゃっておられます。
クリティカルシンキングに基づく具体的な行動としては、一旦立ち止まって考えるとか、賛否両方の立場から考えるとか、あるいは目的とか状況とか相手の文化、価値観も含めて判断する、といったことが大事な要素ということになると思います。
そして、先ほど申し上げた「情報対応スキル」の位置づけについてですが、これまでの論点整理、あるいは総則・評価特別部会等でも大きな話題になっていたと思いますが、言語能力と情報活用能力、この2つの大きな能力が相補的であり、お互いに関係していると言われてきていると思います。「情報対応スキル」はこの両方の能力にまたがるスキルであり、場合によっては、間に落ちている部分も埋められるスキルであると考えております。
つまり、情報を多角的に分析するとか、社会的な文化的な背景、さらに自分のバイアスも含めて理解する。情報を活用することだけではなく、偽情報を活用してもしようがないわけなので、活用しないこと、曖昧さに耐える力、ネガティブ・ケイパビリティ的な要素もここに入ってくる。これは、いわゆる「学校知学力」だけじゃなくて、ふだんの生活でも必要となる、「生活知学力」です。子供たちはスマホとまさに家で向き合っていますから、そのときにどのような使い方をするかということも含めた生活知学力の向上につながる大切なスキルであると考えます。
これを論点整理の土俵に当てはめて考えてみますと、投影資料をみていただきたいのですが、言語能力と情報活用力両方にまたがる、あるいは間に落ちている部分を拾えるものであり、広く言うとクリティカルシンキングの一部と考えることができます。それは教科側の視点から考えると、情報・技術だけではなくて国語とか社会とかその他の教科とも関係している。その他の教科のワーキンググループでもクリティカルシンキングの重要性ということが言われているというふうに伺っておりますし、そういう意味でも整合的だと考えております。
「情報対応スキル」と言ってもよく分からないな、という御意見があるかもしれませんので、もう少し具体的に説明します。いまお示ししているのは、スタンフォード大学のシビックオンラインリーズニングテストとの中で出てくる写真です。ヒナギクの花がいくつかうつっていますが、左側の花が奇形であることが分かります。タイトルとしては「Fukushima Nuclear Flowers」と銘打たれています。これを見て、アメリカの高校生たちの多くが、間違った判断を下した。「これが放射能汚染の証拠である」と、この奇形の花の写真だけを見て判断する人がかなり多かったのです。
情報について、適切な評価ができなかった。つまり、先ほどの写真を見て、これが放射能の汚染の影響であると考えることは、クリティカルシンキング的な発想ができていないのです。このスキルは、言語能力にも必ずしも当てはまりませんし、情報活用能力にも当てはまらない、間に入っているような力だと思います。この画像のヒナギクは、帯化といわれる奇形ですけれども、別に帯化という理科的な知識がなくても、「ちょっと待てよ」「これは放射能とは限らないのでは」と、立ち止まって考えるような能力がまさにこの生成AIの時代において、ますます必要となっていると考えます。
我々研究所と埼玉県戸田市教育委員会さんと共同で、メディアリテラシーの効果測定というのを実施したのですが、そこで、この問題を出題したことがあります。小学校5年の児童に、メディアリテラシーの授業を7回やる前後で、この問題も出題したところ、多くの子供たちが最初、放射能の影響だと判断したのですが、7回の授業をやった後のほうでは、それを放射能の影響と断定しないようなクリティカルシンキングの力が伸びていた、ということが分かりました。
ちなみに戸田市での授業というのは、情報の特徴を理解する、クリティカルシンキング、メディアの仕組みについて理解する、まさにこの「情報対応スキル」を意識したものですが、特別授業だけではなく、算数、理科、国語、社会、それぞれの教科の中でも実施しました。授業内容は、大学の先生の監修を得ながら、授業自体は小学校の先生と共同で作り上げました。
あまり時間がないので、海外の例については、詳細はスライドを見ていただければと思います。イギリスにおいても、クリティカルシンキングの強化が新しいカリキュラムに入っておりますし、カナダやフィンランドでも、学齢別にクリティカルシンキングを民主主義社会の参加のための非常に大事なスキルとして位置づけ教育をしているという状況になります。
我々研究所でも、先生方が無料でダウンロードできるようなメディアリテラシーの授業実践例をつくっております。実践例で紹介している授業では、「クリティカルシンキング」「情報の特徴を理解する」「メディアの特徴を理解する」ことを学ぶことができ、そして、いずれの授業においても、プロセスや多様性の理解を重視し、明確な正解がない、という特徴があります。小中学校、高校、大学と、それぞれの学齢にあったものを用意しています。また、教科も様々です。より詳しくお知りになりたい方は、書籍(「メディアリテラシー」(時事通信社)、「SNS時代のメディアリテラシー」(筑摩書房)をご覧いただくか、我々の研究所のホームページでも有識者の方々による論考などを無料で見ることができます。
最後に1点だけ、情報モラル教育とメディアリテラシー教育の違いという点に触れたいと思います。情報モラル教育というのは、知識を持っている人が持たない人に対して教える、知識を持つ大人が知識を持たない子供を「守る」というような、ある種の「保護主義的な観点」があると思います。
それに対して、メディアリテラシー教育はどのような未知なる状況下でも、主体的に子供たちが判断して自己決定できるようにする。言わば、「子供のエンパワーメント」という発想に立っています。これは学習指導要領の改訂にあたって重視されている「自分の人生を舵取りすることができる力」ということに直結すると考えております。
また、最後になりますけれども、情報活用能力の中で、3点、活用、適切な取扱い、特性の理解というのがあったと思いますが、「適切な取扱い」の中に情報モラル教育が位置づけられています。情報モラルですから、「こういうことをしてはいけませんよ」というようなことを教えていくということになりがちです。それ自体は大事なことだと思いますが、現在は情報をめぐる環境は急速に変化しており、例えば生成AIへの対応も変わっていくという中で、「これはダメ」という基準も変化します。子供たちが主体的に対応できるような能力が重要ですし、「何が適切か」ということも含めて子供たちが考えていかなければならない世界になっていますので、その意味においても、メディアリテラシーの一部である「情報対応スキル」、クリティカルシンキングということが非常に重要だと思います。クリティカルシンキングは、いろんな教科にもまたがりますけれども、情報の一丁目一番である、この情報・技術ワーキンググループの中でしっかり取り組んでいくべきテーマではないかと考えております。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは、御発表いただいた委員への御質問を含めて、意見交換の時間としたいと思います。いつものように挙手ボタンを押していただきまして、私のほうから指名させていただきます。限られた時間ですので、手短にお話をいただければと思う次第でございます。御意見ある方、御質問ある方は挙手をお願いいたします。
最初に萩谷主査代理、お願いいたします。
【萩谷主査代理】 ありがとうございます。3人の委員の方々には非常に簡潔に、ただし、要点は押さえてメディアリテラシーについて御説明いただきまして、誠にありがとうございます。
私からは質問です。生成AIに関して、何か所かで御参照があったと思うのですけれども、AI、特に生成AIは、メディアリテラシーにとってどのように捉えるべきか、単なるツールなのか、それとも、生成AIに対するメディアリテラシーといったものが今後必要になっていくのか、いかがでしょうか。
【堀田主査】 今の御質問でしたけども、ほかにも同様の御質問等あるかもしれませんので、後ほど三人の先生方には一言ずつお答えいただければと思います。
それでは、泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】 よろしくお願いいたします。まず、3名の先生方、御報告ありがとうございました。先生方が主張されるメディアリテラシーの重要性であるとか、そういった能力が情報の時間だけでなく、各教科またがって指導されるべきだという話、教育課程全体を通して育成を目指す資質・能力だということについては、私も同様の思いを持っております。
一方で、本ワーキングの議論の対象となります、例えば小学校で言うと情報の領域だとか中高でそれぞれあるわけですけど、そこの中で具体的にどういう指導が重要かということについて、御質問させていただければと思っています。例えば小学校であれば中学年以降、総合の中で情報の領域ということが指導されることが想定されているわけですけれども、そこで具体的にどういうような内容の指導があれば、それがほかの教科とつながって、全体的なメディアリテラシーの育成につながっていくのかといったようなお考え等あれば、お聞かせいただけるとありがたいなと思います。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。村松委員、お願いいたします。
【村松委員】 3人の委員の皆様からの、本当に今お話あったように参考になり、ありがとうございました。まず、今度委員が言われたメディア情報リテラシーの定義のところであります。人々が新しい情報、デジタルコミュニケーション環境の中で利点を最大に生かし、害を最小限に抑えるというのは、これは技術の側で考えますとテクノロジーを学ぶ上で非常に重要な概念である、トレードオフともつながる、そういうようなところだなと思いました。
また、この社会的、包摂的、創造力というので、テクノロジーを「自分のため」ではなく、「社会や他者のため」に建設的に利用するというのは、ここも非常に大事なところで、技術の吟味、活用の観点からも大切にしたいところだと。また、これを教科目標案に示されている多様な他者との発想とか価値観を尊重し協働していく、こういったところにもつながるのではないかと考えました。
もう一つ、鈴木委員からお話のありましたメディアリテラシーと他教科との連携、これ非常に重要であります。先ほど泰山委員からお話もありましたが、この中核となるここの教科だけでやるのであれば、やはり情報・技術にフォーカスして学ぶことを特にここでは掘り下げていくことが必要ではないかと考えます。その点で、鈴木委員が出された具体的な学びの提案の一つとして、この技術的スケール(ファクトチェック)のお話もいただきました。ファクトチェックはもちろん重要で取り組んでいく必要があると思いますが、その背景にある技術的な仕組みを理解するというようなことが中核となるここの教科でしかできない学び、大事にしなければいけないことかと思いました。
その点、山脇委員のほうで色々な例示をいただきましたが、イギリスのケンブリッジ大での疑似体験の事例であったり、フィンランドでのアルゴリズムの仕組みを学ぶ事例等参考になりました。同時に、本日示されたユーザー側の立場からの視点のみならず、この教科で情報システムをつくる側の視点からも、こういったことについて実践的、体験的に学んでいく必要があるのではないかと考えました。これは教科目標で示されている包摂的で豊かな生活や社会の実現に向けて、こういうところにもつながっていくのではないかと考えました。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】 横浜国際高校の鎌田です。お三方、御発表ありがとうございます。3点ありまして、まず、今度委員が9ページの資料で示されている、米国でのコモンセンス財団のコンテンツ拝見したんですけど、こうした小中高、系統立てて学ぶようなコンテンツがあれば、AIによる変化にもウェブ上のコンテンツで改良も加えられますので、非常に効果的で小中高の系統立てた実践に可視化されて非常にいいと思いました。
2点目は今度委員、鈴木委員からお話がありましたように、こうしたメディアリテラシー教育は教科横断で学ぶべきという意見に対して、全く同意です。一つの教科だけがやるものでなく、様々な教科で教科横断的に学んでいって進めていかないとうまくいかないであろうというふうに感じています。
3点目ですが、最後の山脇委員の37ページの資料に提示がありましたように、情報モラル教育の保護主義的な学び方ではなく、子供のエンパワーメントを上げる教育の方向性というのには御指摘のとおりだと思います。メディアリテラシーを机上の空論だけで終わらせないためには、この子供のエンパワーメントを引き上げるような実践であるとか、そういった学びを小中高から系統立てて学んでいく重要性があると思っております。
また、そういったコンテンツをウェブ上でつくっていって、発信していければよりよい学びにつながると思いますし、また、現場の先生方にそれをどうお伝えしていくのかという、現場の先生への下ろし方というのも今後、考えていく必要性があると感じました。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。安藤委員、お願いいたします。
【安藤委員】 安藤です。よろしくお願いします。私は技術科との関係を考えながら興味深くお話をお聞きしました。質問ではなくて考えたことをお話しさせていただきたいと思います。
村松先生からトレードオフという言葉があったんですけれども、これって二律背反する要素をどうバランス取るかということですので、先ほどあったように、この3名の方の発言の中に共通する要素があったなと私も思ったということです。あとメディア研究所からのお話では、正解がないとかプロセスや多様性の理解の重視という話が口頭であったかと思いますけれども、このことについても技術科として、条件とか環境に応じて仕組みをどう最適化していくかということが、この技術科の芯とも言えるものですので、非常に理解しやすかったなという点を思いました。
総じて、立場によって解釈が異なるという点について強調されていたかと思います。これはバイアスというものが影響しているわけですけれども、ものづくりをするときにも、つくり手の意図、設計モデルと使い手の思い込みというこのメンタルモデルのずれというのが、使いにくさの原因になるということも考えると、この辺りの主張されているところも、技術科に通じるものがあるなと思いました。
もともとその情報活用能力の3要素の2つというのが、課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に種々判断、表現処理、その受け手の状況などを踏まえて発信、伝達できる能力ということとか、あと情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価改善するための基礎的な理論と方法の理解というふうに定義されていることを考えると、メディアリテラシーとしてお話ししていただいたものというのは、これまで技術教育が大切にしてきた文脈の延長線上にあって、子供たちの情報活用能力を根本から引き上げる鍵になると言えるのではないかなと考えました。
以上になります。
【堀田主査】 ありがとうございました。春日井委員、お願いいたします。
【春日井委員】 よろしくお願いします。3名の委員の先生方から御発表いただきまして、ありがとうございました。今回の説明を伺いながら、情報活用能力と言語能力について、それぞれの面で検討をしていく必要があるのではないかなと考えました。村松委員と意見が重なる部分が多いですが、述べさせていただきます。
以前、高校の教員をして情報を担当していたときの実践について述べてから、情報活用能力の面で意見を述べていきたいと思っております。実践として機械学習による分類というのを扱ったことがあります。その学習を通してアルゴリズムの偏見につながるというような考えに至ったような生徒もいました。仕組みを知ったことでそのように考えたようです。
また、商品のパッケージのデザインから情報発信者の意図を考えさせたり、情報デザインをすることと併せて、情報発信時の意図を考えさせたりという、そんな工夫をしたことも思い出しました。このような経験から、情報活用能力の3つの要素として整理されました活用、適切な取扱い、特性の理解はそれぞれ独立しているのではなくて、相互に関連している面が多いと考えています。
現行の高校の情報科では、全ての教科書にメディアリテラシーという用語が掲載されて、エコーチェンバーであるとか、フィルターバブルといった用語なども掲載が進んでいるような状況です。今後の検討では、中学校、高等学校に進むに従って、特性の理解を熱く学習するということが論点整理で示されていますので、その中核を担う教科である中学校の情報・技術科(仮称)、高等学校の情報科においては、情報の特性の理解について、体系的に学習することと併せて、適切な取扱いについても考えていくといったような工夫ができるのではないかと思っております。
あと全ての教科を通して身につける資質・能力として、言語能力と情報活用能力が位置づけられているということですので、ほかの教科でも、メディアリテラシーが向上するような学習について、検討していく必要があるのではないかと思っております。
以上になります。ありがとうございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。井手委員、お願いいたします。
【井手委員】 よろしくお願いします。今ほどありましたメディアリテラシー教育の説明に対して少しだけコメントさせてください。
これまで学校教育、とりわけ情報の授業では、情報モラルや情報リテラシーとして一定の取組がなされてきました。しかし近年、生成AIの急速な発展により、画像や動画、音声まで含めた高度なフェイクニュースが容易に作成、拡散されるようになり、従来の教育の延長線上では対応し切れない状況が現場で生じております。また、今後も新しい情報技術やメディアの形態は次々と登場することが予想されます。
そうした変化のスピードを考えると、学習指導要領に記載された内容だけで全てを網羅することは現実的ではございません。だからこそ先ほど皆様の資料にありましたように、メディアリテラシーについて単独の教科として固定的に取り扱うのではなく、教科横断的、また、単に横断的に取り扱い、生徒が日々変化する社会の出来事に柔軟かつ適切に対応できるクリティカルシンキングの育成を重視しなければいけないと強く感じております。例えば、情報の授業においては、実際のニュース記事やSNS投稿、生成AIによる画像、動画などを題材に、誰がどのような意図でつくった情報であるのか、なぜ拡散されやすいのか、自分が発信者になると何が起こるのかといったことを検討させる活動を情報モラルやメディアリテラシーの単元だけではなく、情報デザインやプログラミング、データの活用などの単元を横断して、継続的に行うことが理想的であると考えます。
このように、小中高の系統的なメディアリテラシー教育、かつ教科横断的なメディアリテラシー教育を中学校の情報・技術科、また、高等学校の情報科が中核となって支えていくことが、これからの学校教育には不可欠であると考えております。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。あと、お二人挙手されていますので、そこまでお話を伺ってから、三人の先生方にコメントをいただこうと思います。
大谷委員、お願いいたします。
【大谷委員】 堀田主査、ありがとうございます。東京学芸大学の大谷でございます。
私のほうからは、今回先生方から御説明いただいたメディアリテラシーの内容に関しては、大変重要な内容かと思いました。今回の御説明を踏まえて、私のほうからは意見というか、感想を述べさせていただきます。
この内容ですが、これまでも幾つかの意見がありましたけども、これまでの中学校技術分野の内容において、技術の評価・活用に関わる思考活動に対応する力かと察しました。特に山脇委員の資料にございました、楠見先生のクリティカルシンキングについては、技術の評価活用で重要になる内容であることは、我々の研究成果でも既に発表しており、大変重要な視点かと思いました。
特に今回の資料では、全て情報通信技術を活用したメディアのポイントになっていますので、そのような技術リテラシーに関しても、従来の技術の評価・活用の力を育成する内容で発展的に取り扱うことができるのかと思いました。このような技術の評価・活用の学習においては、我々の研究でも理科、社会で育成される力を活用して、技術のプラスとマイナスの側面を考えながら評価・活用することが大事になることが、これまでにも明らかになっていますので、そのようなことからも考えますと、今回御提案のメディアリテラシーの内容は、情報活用能力を育成する教科を中心としながらも、やはり複数の教科で複合的に育成していくものかと察しました。そのほうが多様な視点で物事を見る視点が育つのかなと思います。
ただ、今回のメディアが情報通信技術に特化していますので、このメディアの技術的な仕組みの理解だとか本質的な部分の内容、学びについては、このワーキングで扱うべきかと思いました。今回の御説明は、そのように捉えていいのかという点も含めての意見です。
私のほうからは以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。宇都宮委員、お願いいたします。
【宇都宮委員】 ありがとうございます。OpenAIの宇都宮でございます。先生方から非常に示唆の富んだ御発表、ありがとうございました。私のほうからは感想というか意見を述べさせていただきます。
先ほど、井手委員もお話しいただいたように、生成AIの作画ですとか動画のファクトチェックといったところが、かなり現時点でも困難になってきており、今後もそのクオリティというのがどんどん上がってくると、現在の指導要領に記載された上でのファクトチェックというのを生徒さんたちに求めるというのはなかなか難しいという状況で、アルゴリズムもそうですけれども、どんどん仕組み自体は変わっていく前提で、どちらかというとほかの先生方とも同じなんですけれども、生徒さんたちが社会の関係の中で自分自身がどう判断してというのも、ほかの方々とのコミュニケーションを通じてですとか、自分自身がSNSとか生成AIのつくり手になったときに発信者になり得るという体験を通して学ぶというような、そういうインタラクティブな学びというのも必要なのではないかなと思います。
それが情報にとじず、ほかの国語、社会、道徳といったほかの教科とも関わることかと思いますけれども、なかなか自分が発信者の主体になるというか、関係性を自分が情報を受け取る立場としてどう判断するかだけではなくて、それをどうクリティカルに判断してとか、ほかの人たちとのコミュニケーションを通じて、どう捉えるかとかどう発信してそれがどう影響するかといったところの仕組みも、このワーキングの中で捉えていく必要があるのではないかなというふうに感じました。
以上でございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは、今度委員、鈴木委員、山脇委員の順番で一言ずつ、もし質問に答えられるようでしたらそちらもお願いいたします。今度委員、お願いします。
【今度委員】 ありがとうございました。では、幾つかお答えしたいと思います。簡潔にお話をいたします。
まず、AIについて何人かの先生から御指摘いただきました。おっしゃられたように、AIの画像を見極めるということも今非常に難しくなっています。ですから、現在はやはりまずはAI倫理教育を行っていくこと、これもメディアリテラシーの一部であると考えています。また、生成AIの中では、エコーチェンバーと状態になりやすいという問題も起きています。こういった問題もしっかり考え、倫理的な視点でも学んでいく必要があると考えています。
また、活用時の説明の可能性、出典表示などについても、取り上げていく必要を感じています。また、系統的な学び、教科横断、科目横断についても何名かの先生方から御指摘などをいただきました。この生成AIエデュケーションの中では、小学校低学年から情報の見極め方であるとか、それから、創造する側の権利と責任、また、ニュースの見極め方などを学んでいきます。こういったカリキュラムをつくっていくことは非常に重要だと考えています。
また、中学校、高校においては、どう学ぶかということとともに評価もとても重要な視点になってきます。例えば権利や倫理、根拠性、多様性、公共性などについて、どういうふうに観点を見いだしていくのか。そして、表現の自由、保護のバランス、出典、手続の透明性などについてもしっかり学び、それをどう評価していくのかということも検討していくことが必要ではないかと考えています。
ここではやはり先ほど申し上げた4概念の授業化、教材研究、そして、生徒参画で責任ある活用指針と公開、こういったことを整理していくことも求められていくのではないかと考えています。
私からは以上です。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 ありがとうございます。やはりいろいろな調査を見ていると従来のデジタルネイティブの世代というのは、非常にネットに対してある程度の距離感があるのですが、今回お話しできなかったんですけど、逆に50代以上のテレビ世代の人たちが、非常にリテラシーが低くて大変なことになっているというのはあります。やはり今の子供たちのネットに対する距離感みたいなのをとても大切にしていかなければいけないと、まさにエンパワーメントしなければならないと思っています。
先ほど御質問がありました具体的な指導に関して言うと、私はまずネットというのは常に自分の生活環境の中に、もう1日4時間利用しているわけですから、その中でできるだけ自分事にして、具体的に特性なり何なりを説明して、さらに、授業の中で具体例を挙げて、実際にフェイクであったりとかSNSの使い方であったりをやっていくということがとても必要じゃないか、小学生から大学生までそうじゃないかなと思っています。
私もメディア業界にずっと身を置いていまして、この二十何年間の間に環境が激変している、テクノロジーも含めて、状況はあります。例えば生成AI画像についても、ロシアのウクライナ侵攻が始まったときにゼレンスキー大統領が降伏を呼びかけるという映像が世界的に拡散したことがありましたが、そのときは顔をすげ替えたぐらいの映像であったので見る人が見れば分かった。しかし最近の映像を見ていると、もう本当に映像のプロでも見分けがつかないという状況になっているので、それに対して必要なのはリテラシー、特に安易に拡散しないであるとか、もう一度疑ってかかるであるとかそういう能力が必要で、本当にこのメディアリテラシーというのは、子どもたちが未来を生きるための武器というくらいの気持ちで、私もこれから先の議論に取り組んでいきたいと思っています。ありがとうございました。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは、山脇委員、お願いいたします。
【山脇委員】 ありがとうございます。いろいろ貴重なコメントをいただいて大変勉強になりました。ありがとうございます。
まず、生成AIについてですけれども、まさに今まで話に出ていますように、もう簡単に見抜けないわけですよね。だから、情報の真偽を見極めようとする力を教えることも大事なのですが、同時に、「見極められないことが非常に多い」ということ自体を教えなければいけないと思います。
そもそも、ずっとクリティカルシンキングをしていくと、疲れてしまいます。また、クリティカルシンキングは、「情報をうのみにしない」ということはあるんですけれども、接する情報について「全部疑え」ということになると、全部信じられないというニヒリズムになりかねません。これは、むしろ社会としては非常に危険なことにもなるで、どういった情報を信じていくべきか、ということも同時に教えていかなければならない、非常に難しい状況に入っていると思います。
「送り手の意図」の話が出ていたので、少し触れたいと思います。送り手の意図がどうかというのを考えてみることは大事ではありますが、意図を完全に見抜くことは、できないんですよね。高校や大学の入試問題に新聞記事が使われ、筆者はどういう意図で書いているのでしょうという設問に対して、書いた記者が正解を答えられないというような話もあります。送り手の意図は、そもそも完全に見抜くことはできないということを理解したほうがいいと思います。
メディアリテラシーの研究者の中には、送り手の意図は、宅配便のようにそのまま受け手に届くものではない。情報の受け取り方は、受け手のバイアスなどが入ってくるので、受け手によって変わってくる、ある種、化学反応のようなものだ、とおっしゃっている方もいます。私もその通りだと感じます。つまり、自分のバイアスも入っているのに、それが送り手がどうだと決めつけること自体が、ある種危険なことでもあります。そういう意味で言うと、「情報技術の活用能力」は非常に重要ですが、情報技術をどれだけ突き詰めても解決できないことがある、技術の中で解決できないことがあるということを同時に教えていかなければならないと思います。
鈴木委員が、テレビも、ある種の切取りがあるというお話をしていますし、よく、マスメディアは印象操作している、と、問題になることがあります。もちろん、マスメディアが非常に不公平な情報の切り取りをする場合は批判されてしかるべきですが、情報とはそもそも切り取ってしか伝えられないものではあります。具体的な授業例に落としてお伝えすると、例えば一つの記事、いろんな要素が含まれている記事に見出しをつけてみましょうという授業を行っています。ポジティブな見出し、ネガティブな見出しを、それぞれの生徒につけてもらう。両方、同じ記事に基づいた見出しなのですが、その見出しによって全然記事の印象が異なってくるということを、子供たち自身が意識することができるわけです。
メディアリテラシーの基本ですけれども、情報とは、そもそも切り取ったり、再構成したりしてしか伝えられないものです。あらゆる人が、ふだんから情報伝達の際に、ある種の印象操作をしているとも言えるわけでして、そういったことを子供たちに自覚してもらうことが重要だと考えております。
以上です。ありがとうございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。たくさんの意見をいただき、また丁寧に御回答いただきました。私のほうで、少しだけまとめたいと思うんですけども、まず、メディアリテラシーという用語は、先ほども申し上げたように、かねてからこれは重要なことだと言われてきたし、世界的にいろんな国でいろんな形で教育されていることです。大臣から中教審に渡された諮問の中に書いてある言葉ですから、私たちはこれを正面から受け止めて議論しているわけですが、この情報・技術ワーキングの役割としては、特に情報・技術を含む技術に対する仕組みの理解を中心とし、それによって生じるこの適切な活用の仕方について、態度面も含めて、どのように育成していくかということが中核なのかなと思います。
今おっしゃったような技術の理解、仕組みの理解が重要だというのはどの委員もおっしゃいますけど、それでも見抜けないんですよという、これをジャーナリストの人たちがおっしゃるということの、このことの難しさですね。私たちは全てを疑うわけにもいかないし、どうしたらいいのかというのは非常に難しい問題ですが、私たちのワーキングでもこのことはちゃんと考えていくべきことかと思いました。信じられない世の中になったら困るし、だからといって信じられる世の中をつくっていきましょうみたいな、明るいことを言うだけでも難しいし、この辺りは非常に難しいことだと思いながら伺いました。
山脇委員の資料の13ページに学習指導要領で言うところの、学習の基盤となる資質・能力のところがあります。これは総則・評価特別部会でも議論されているところですけども、言語能力と情報活用能力、これはメディアリテラシーの文脈でお話しすると、情報・技術を用いていろんなところからやってくるネット情報とかそういうものは、多くの場合、言葉で書かれているのみならず、写真だったり映像であったりその組合せだったりします。これをどのように読み取るか、場合によっては読み解くかみたいなところまで求めるということになるわけですが、それを情報活用能力と言うのか、言語能力と言うのかともかく、いずれにしてもこれは大事な能力なんだと思います。
それをそういう力を身につけていくために国語には国語らしい教え方や学ばせ方があるだろう、社会には社会らしい、数学には数学らしいものがあるだろう。これは各教科等の中で広く学習をしていかなければならないということだと思います。
改めて諮問に戻ると、諮問文にはこう書いてあります。「生成AI等の先端技術等に関わる教育内容の充実のほか、情報モラルやメディアリテラシーの育成強化について教科等間の役割分担を含めどのように考えるか」というふうなことになっています。私どもの教科等の役割をしっかりと踏まえつつ、ほかの教科等のワーキングでもこのことは随分議論されていますので、そういうところと連携しながら、検討をさらに進めてまいりたいと思います。
今日は専門家の方々に貴重な御発表いただきまして、大変ありがとうございました。おかげで内容のことを詳しく理解することができました。本当にありがとうございます。
それでは、何か急ぐようで大変申し訳ありませんが、もう一つの議題も大変重要でございますので、議題2のほうに移りたいと思います。資料3及び資料4につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】 主任教育企画調整官、髙見です。本日の議題の2つ目として、中学校の情報・技術科(仮称)と高等学校情報科における目標と高次の資質・能力等について、御審議いただければと存じます。まず、初めに資料の3を御覧ください。
中学校情報・技術科(仮称)における目標、内容と高次の資質・能力について説明いたします。5ページ目を御覧ください。
まず、1の目標・内容等の検討に関する基本的な方針にあるとおり、本日は資質・能力の柱ごとの目標、各領域の内容項目、高次の資質・能力の3点について御審議いただければと存じます。
6ページを御覧ください。ここでは、中学校情報・技術科(仮称)の目標のうち、知識・技能と思考力、判断力、表現力についての案と考え方を示しております。
9ページには、現行指導要領との新旧を示しておりますので、併せて御覧いただければと存じます。まず、左側の知識・技能についてですが、今回の改訂では、前回御審議いただいたとおり、領域の区分を「情報技術(仮称)」と「情報を基盤とした生産技術(仮称)」に刷新するため、獲得すべき知識・技能の表現は「情報技術や生産技術」に改めるとともに、情報活用能力の充実に伴い、理解する事項として「特性及び適切な取扱い」に改めること。
情報技術や生産技術を、価値を創造する手段として活用できるようになることを目指す観点から、「情報技術や生産技術でものを生み出す方法」という視点を付加すること。
「生活や社会、環境との関係の理解」については、引き続き活かすこととしてはどうかと考えており、具体の案を黄色の網かけ部分に記載しております。
また、右側の思考力、判断力、表現力については、情報技術の負の側面が顕在化している状況に鑑み、「生活や社会の問題を技術の観点から正負の両面を含め多角的に捉える」観点を盛り込むこと。
価値を創造する手段として扱えるようになることを目指す趣旨から、「仕組みや価値を創造」する力を養うことを明確化するとともに、課題を設定して解決策を構想し、試行錯誤しながら具体化し、評価・改善する過程については、引き続き活かすこととしてはどうかと考えており、同じく具体の案を黄色の網かけ部分に記載しております。
続いて7ページを御覧ください。目標のうち、学びに向かう力・人間性等についての案と考え方を示しています。学びに向かう力・人間性等については、4ページに記載のとおり、学びにおいて好奇心を持って初発の思考や行動を起こし、他者との対話や協働を経ながら学びを主体的に調整し、次の思考や行動につなげていく態度を、「当該教科等の学習で育みたい学びや生活に向かう態度」とするとともに、人生や社会との関わりにおいて育みたい情意や感性、学びを方向づける人間性を「当該教科等の学習で育みたい情意、感性」として示すこととされたところであります。
これを踏まえまして、この7ページの左側にあるとおり、まず1の「学びや生活に向かう態度」として、初発の思考や行動を起こす力・好奇心については、日常的に見たり使っている技術に着目し、その役割や仕組みを知ること、ものを生み出し問題を解決しようとすることへの好奇心を持つ態度。
また、他者との対話や協働については、多様な他者と協働し、互いの立場を尊重するとともに、その発想を活かしながら解決に向かう態度。試行錯誤の改善を繰り返し、よりよい解決に向かおうとする探究する態度を養うことをしたらどうかと考えており、具体の案を黄色の網かけ部分に示しております。
また、右側2の「情意・感性」として現行の趣旨を引き継ぎつつも、包摂的で豊かな生活や社会を実現するため、情報技術や生産技術の在り方を責任を持って多角的に判断し、進んで活用、創造しようとする意思や感性を育むこととしてはどうかと考えております。
8ページを御覧ください。前回御審議いただいた見方・考え方について、御意見を踏まえて、この考え方、黄色のマーカーでございますが、再整理するとともに、11ページを御覧いただければと思いますけども、11ページにあるとおり、技術的な視点から正負両面を含め多角的に捉えること、「包摂的」で豊かな生活や社会の実現に向けて、情報技術や生産技術を適切に活用したり、創造したりすることを掲げております。
続いて少しページが飛びますが、19ページを御覧ください。情報・技術科(仮称)の内容項目に係る検討事項と論点です。
まず、1の「内容項目の構成の考え方」として、前回ワーキンググループにおいては、学習内容を重視する観点と学習過程を重視する観点から、バランスのよい内容項目の在り方を検討することとされ、ここに掲げる御意見をいただいたところでございます。
現行の技術分野のA、B、Cの領域は、生産という共通性があるものの、技術による問題解決の対象ごとに学問が分化して発展してきた背景があり、専門的内容が独立して存在する特徴があります。
一方、今回の改訂に当たっては、小・中・高等学校を通した情報活用能力の体系性と系統性を明確に示すことが求められており、小学校においては、情報技術の活用、適切な取扱い、特性の理解という枠組みを踏まえて整理すること。高等学校情報科の内容項目は、学習内容に基づき分類する構成とすることとされております。
このようなことを踏まえ、右側に記載のとおり、情報・技術科(仮称)の内容項目は、「情報技術(仮称)」と「情報を基盤とした生産技術(仮称)」で構成し、その下に位置づけられる項目の中で、学習過程を分かりやすく明示してはどうかと考えております。
具体的には学習活動として、技術の原理と仕組み、技術による問題解決、吟味と活用として、順序性をもって示すとともに、それぞれの下に個別の「知識・技能」や「思考力、判断力、表現力等」を列挙する階層構造としてはどうかと考えております。
また、この学習過程を分かりやすく捉えられるようにするため、見出し化するとともに、的確な用語で共通性を示してはどうかと考えております。
23ページを御覧ください。先ほど申し上げた内容項目の具体的な改善イメージといたしまして、赤字の部分を御覧いただきたいと存じますが、現行の形式を改め、新しい内容項目にあるとおり、見出し化を図りつつ、共通性を持たせた形にしてはどうかと考えております。
20ページを御覧ください。続いて具体の内容項目の整理についてです。まず左側、(「情報技術(仮称)」領域)の内容としては、情報活用能力として従前整理した各要素を漏れなく配置することができるよう、情報技術によって情報処理の手順を自動化することなどのハードウエア等を中心とする内容である「計測・制御のプログラミングとシステム化(仮称)」。また、情報技術によって情報やデータから新たな関係や構造、意味を導出することなど、ソフトウエアを中心とする内容である「コンテンツとデータ(仮称)」、また、情報技術が生産技術の基盤となり、社会を支えていることや技術を扱う際の留意事項を中心とする「情報技術の発展と社会(仮称)」として内容を整理することとしてはどうかと考えております。
また、右側、(「情報を基盤とした生産技術(仮称)」領域)の内容としては、現実の社会や生活において技術を適用させる場面は「材料・加工」「生物育成」「エネルギー変換」の3つにおおむね分類されるとともに、情報はいずれの分類においても基盤となることから、材料と加工の技術によって形をつくることなどを扱う「材料と加工(仮称)」、生物育成の技術によって環境をつくることなどを扱う「生物育成(仮称)」、エネルギーを変換、伝達、利用する技術によって仕組みをつくることなどを扱う「エネルギー変換(仮称)」に分類するとともに、多様化、複雑化する生活や社会の問題に対応できるよう、横断的かつ探究的に学習を進めるための内容項目として、(4)にございますとおり「総合実習(仮称)」を新たに設けることとしてはどうかと考えております。なお、これらの具体の内容項目の名称は、今回の提案においては、第4回の資料で用いたものをそのまま提案しており、あくまでも仮称ということで御留意いただければと存じます。
続いて21ページを御覧ください。3ポツ、表形式化の具体的な形式の整理として、今回の改訂に当たっては、分かりやすく、使いやすい学習指導要領の実現を通じて、「主体的・対話的で深い学びの実装」を図る観点から、表形式化で構造化を図る方針が示されており、情報・技術科においてはその特性を踏まえ、15ページにあるような並列パターンとして表形式化してはどうかと考えております。
続いて、こちらの4ポツの高次の資質・能力の整理です。個別の知識や技能、思考力、判断力、表現力等の「深まり」を示すものである「高次の資質・能力」、これは論点整理では中核的な概念等とされておりましたが、これらを各領域の内容項目単位で示すこととしてはどうかと考えております。
具体のイメージとして、24ページと25ページを御覧いただければと存じますが、まず、24ページでは、第1の領域である「情報技術(仮称)」について、内容項目ごとに高次の資質・能力である知識及び技能の統合的な理解と思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮と想定される学習内容のイメージを掲げております。
例えば内容項目の「(1)計測・制御のプログラミングとシステム化」では、知識及び技能の統合的な理解として、「情報技術により情報処理の手順を自動化することで、人の判断や活動を助け、利便性を高められることを理解する」こと。思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮として、「情報技術の正負の側面に配慮しつつ、自動化する情報処理の手順を設計し、人の判断や活動を助ける仕組みを表現できる」こととしております。
同様に(2)、(3)及び25ページ赤字の部分でございますけれども、内容項目ごとの高次の資質・能力の案を掲げておりますので、これらの記載事項についても後ほど御意見をいただければと存じます。
なお、高次の資質・能力を検討するに当たっての全体的な考え方については、16ページから18ページに記載しておりますので、併せて御参照いただければと存じます。
続いて、高等学校の情報科における目標及び高次の資質・能力について、相川補佐より説明いたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】 情報教育振興室の相川でございます。画面共有をお願いいたします。
資料4の5ページを御覧ください。1ポツ、目標・内容等の検討に関する基本的な方針にあるとおり、本日は資質・能力の柱ごとの目標、科目の目標、高次の資質・能力の3点について御審議いただければと存じます。
続いて、右側2ポツ、目標の柱書の整理を御覧ください。こちらは前回ワーキングの資料の再掲でございますが、黄色のハイライト箇所が修正箇所となっております。前回目標の柱書については、生活や社会の情報に関する問題を情報技術で発見解決するという案でありましたけれども、こちらについて御意見いただいておりましたので、今回、「生活や社会を情報の観点から捉え」という表現に修正しております。また、評価の柱書等、各科目の柱書を一貫性の観点から統一するとさせていただいております。
続いて6ページ目をお願いいたします。ここでは、高等学校情報科の目標のうち、知識・技能と思考力、判断力、表現力等についての案と考え方を示しております。なお、11ページ目にも、現行学習指導要領の新旧を示しておりますので、そちらのほうも併せて御覧いただければと思っております。
6ページの説明をそのまま続けさせていただきます。まず、左側の知識・技能についてですが、分かりやすくイメージできるよう内容を一部具体に列挙する形を引き続き活かす。その上で、情報科として獲得を目指す知識及び技能が、情報技術の仕組み、情報の特性といった原理や、情報技術を活用して問題を発見・解決する方法、これらに関する法規や制度、マナー、個人が果たす役割や責任、社会に及ぼす影響等であることは、現行の情報科の考え方と通ずるのだから、第2回ワーキングで検討した情報活用能力の体系を踏まえて整理してはどうかと考えており、具体の案を黄色網かけ部分に記載しております。
また、右側の思考力、判断力、表現力等につきましては、情報科として育成を目指す思考力、判断力、表現力等が生活や社会等のあらゆる事象を情報の観点から捉えて、情報技術の活用により、新たな情報への再構成を通して、問題の発見・解決を遂行する力であることは、現行の考え方と通ずるのと、そういった認識を示した上で、情報技術の負の側面が顕在化している状況等を考慮して、情報技術による問題解決や価値創造を考える必要性をより鮮明に表現するため、事象を「正負の両面を含め多角的に捉える」ことに改めるとしております。
また、情報活用能力育成の主たる受皿であることの表明として、情報活用能力の構成要素、丸1活用、丸2適切な取り扱い、丸3特性の理解を踏まえ、「情報技術を科学的な理解に基づき、適切かつ効果的に活用」と記述するなどしてはどうかと考えており、具体の案を黄色網かけ部分に記載しております。
次に、7ページをお願いします。目標のうち、学びに向かう力・人間性等についての案と考え方を示しております。まず、丸1学びや生活に向かう態度として、初発の思考や行動を起こす力・好奇心については、情報技術を活用した問題解決や価値創造は、生活や社会を情報の観点から進んで捉え、事象に関心を持つことを端緒とすることから、こうした行動につながる態度と規定してはどうか。他者との対話や協働については、情報技術を活用した問題解決や価値創造は、そもそも受け手にとって価値あるものでなければならず、多様な他者との協働や他者の視点を取り入れることが効果的であることから、これらを意識する態度と規定してはどうか。学びの主体的な調整については、情報技術を活用した問題解決や価値創造は、まさに見通しを持った試行錯誤、評価・改善を重ねることによって進められるものであり、引き続き大切にしたい考え方であるため、現行解説の記載を活かして規定してはどうかと考えており、具体の案を黄色網かけ部分に示しておるところです。
また、丸2、情意・感性としては、現行では「情報社会に主体的に参画する態度」として表現されていることを活かしつつも、今後、情報技術がより生活や社会に浸透し、誰もが思いや願い、意思を具現化し得るチャンスを生み出す側面と、デジタル化の負の側面の双方を捉え、誰もが社会的な責任を持って情報技術を活用し、社会の中で主体的に行動できるようになるべきという趣旨を明確化してはどうかと考えており、具体の案を黄色網かけ部分に示しておるところです。
8ページ目をお願いいたします。前回御審議いただいた見方・考え方について、中学校情報・技術科(仮称)と同様に、持っている個性や特性によらず、全ての子供たちが情報技術を使いこなし、社会に参画することを通じて、包摂的な社会を目指すという趣旨も付加するように修正しておるところでございます。
9ページ目、お願いいたします。科目ごとの目標の整理についてです。情報Ⅰで培った基礎の上に情報Ⅱを設置する考え方に基づき科目が設定されることを踏まえると、知識及び技能、思考力、判断力、表現力等については、内容の系統性を意識した書き分けが必要であると。
一方で、目標の柱書と「学びに向かう力・人間性等」については、教科としての一貫性を踏まえ、教科の記述と各科目の基礎と統一してはどうかと考えており、以下の整理を提案しておるところでございます。
まず、情報Ⅰの目標についてです。知識及び技能については、分かりやすくイメージできるよう目指す内容を一部具体に列挙する。また、情報Ⅰにおいて列挙する内容は、共通必履修科目であることを考慮しつつ発達段階を踏まえた基礎的なものとする。
その上で、第2回ワーキングで検討した情報活用能力の体系を踏まえて列挙すべき内容の記述を整理するということとしてはどうかと考え、具体の案を黄色網かけ部分に記載しておるところでございます。
思考力、判断力、表現力等については、生活や社会等のあらゆる事象を情報の観点から捉えて、情報技術の活用により分析・整理し、新たな情報への再構成を通して、問題の発見・解決や価値創造を遂行する力と位置づけつつも、情報Ⅰは共通必履修科目であることを考慮して、「問題の解決や価値の創造につなげる力」としてはどうかと考えており、具体案を黄色網かけ部分に記載しております。
10ページをお願いいたします。続いて情報Ⅱの目標についてです。情報Ⅱにおける知識及び技能につきましても、内容を一部具体に列挙すると。また、情報Ⅱにおいて列挙する内容は、情報Ⅰで培った基礎の上に成り立つ発展的なものにすると。
その上で、第2回ワーキングで検討した情報活用能力の体系を踏まえて列挙すべき内容の記述を整理するということとしてはどうかと考え、黄色網かけ部分に案を示しておるところです。
思考力、判断力、表現力等につきましては、教科としての目標と同様に位置づける。その上で、情報Ⅱは情報Ⅰで培った基礎の上に設置されることを考慮し、情報を単に論理的に分析・整理するのみならずに、その構造にも着目すべきことであることや、情報Ⅱでは実生活や実社会の問題の解決や価値の創造を繰り返し実践することから情報Ⅰの差異を示すといったことを考えておりまして、具体の案を黄色網かけ部分に記載しております。
16ページ目をお願いいたします。今説明した教科の目標、科目としての目標、見方・考え方をまとめたものでございます。教科目標の差分については赤字にしておりますので、併せて御参照いただければと思っております。
飛びまして、24ページ目をお願いいたします。こちらの1ポツ、表形式化の具体的な形式の整理につきましては、情報科は、内容項目ごとに固有の知識及び技能とそれに対応する固有の思考力、判断力、表現力等を示しやすいため、学習指導要領は並列パターンで表形式化することとしてはどうかと考えておるところでございます。
続いて2ポツ、高次の資質・能力の整理についてですが、高次の資質・能力はその深まりを示すことから、科目ごとに内容を項目単位で分かりやすく示してはどうかと考えております。
なお、現時点では、個別具体的な学習内容が整理されていないため、内容項目ごとに想定される学習内容例に基づき暫定的なイメージを検討することとしており、今後、個別の学習内容の検討が進んだ段階で、必要に応じて見直しを図ってはどうかと考えております。
25ページ目をお願いいたします。赤字の箇所が高次の資質・能力のイメージの案となっております。こちらが本日中心に御議論いただく箇所というふうに考えております。情報Ⅰを上段に、情報Ⅱを下段に並べて整理しております。例えば情報Ⅰの(1)を例に取りますと、まず内容項目として(1)情報の仕組みと社会との関わり(仮称)とあり、その下に概要を記載しております。こちらは前回ワーキング資料から暫定的に据えたものでございます。
この概要の下に、想定される高次の資質・能力のイメージ、さらにその下には想定される学習内容のイメージを記載しておりますが、こちらも、網羅性を現時点では担保しているものではございません。なお、この表の構造はおおむね中学校情報・技術科(仮称)と同様になっております。
(1)情報の仕組みと社会の関わり(仮称)の高次の資質・能力のイメージを例示的に紹介させていただくと、知識及び技能の統合的な理解については、情報技術の仕組みや社会との関係を全体的に捉えることで、安全や社会的責任に配慮して情報活用できることを理解する。
思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮については、生活や社会を支える情報技術の正負の側面に配慮し、社会的責任を考慮して情報を活用できると案を書いておるところでございます。
これと同様に、(2)から(5)まで情報Ⅱも同様に、高次の資質・能力の案を掲げておりますので、これらの記載事項についても後ほど御意見いただければと存じます。
事務局から説明は以上となります。
【堀田主査】 ありがとうございました。今、2人の方から中学校と高等学校のそれぞれの説明をいただきました。
今日の議題は、議題2は、中学校、高校それぞれの目標及び高次の資質・能力等についての議論、審議でございます。ですから、目標と高次の資質・能力、今画面に出ているところ、赤いところです。これを中心に御意見をいただきたいと思います。ほかの御意見も出るかもしれませんが、審議を一つ一つ重ねておりますので、そこのところをお気をつけいただいて御発言いただければと思います。
なお、ちょうど今画面に出ているので申し上げますが、この赤い字のところが今日のメインですけども、その上の領域というか単元というか、そういうものはまだ暫定であり、その下の学習内容のイメージもまだ暫定です。ですから、能力のイメージを議論し、今後、細かいことがいろいろ決まってくると、この能力のイメージも修正がまた入るかもしれない。枠組みも変わるかもしれないという前提の下で、取りあえずはまず高次の資質・能力のイメージをある程度はっきりさせましょうと。これを中学、高校と、順番に今から議論しますが、系統性を保ちながらやっていくというのが今日の私たちの仕事でございます。
それでは、最初に中学校の情報・技術科のほうから約30分ほど審議をしたいと思います。例のように御意見をいただきたいので、挙手をいただいて、御意見は簡潔にお願いしたいと思います。特にその分野の専門でやられている先生方、委員の皆様、ぜひ御意見賜りたいと思いますし、また、中学に対しては高校から、高校に対しては中学からも御意見をいただければと思いますし、また、小学校の様々な経験がある方も、小学校の情報の領域との接続等の観点からもいただければと思いますし、その他のそれぞれの御専門の立場から、御意見いただければというふうに思っております。では、よろしくお願いいたします。
早速ありがとうございます。山脇委員、お願いいたします。
【山脇委員】 どうもありがとうございます。先ほどのプレゼンとも関係する内容となりますが、6ページ、24ページにコメントをいたします。6ページの右側の「思考力、判断力、表現力」の箇所、「情報技術の負の側面が顕在化している状況に鑑み、技術や人間や環境に想定外の影響を及ぼす、技術による課題解決を考える必要性をより鮮明に表現するため」というところに、私は違和感があります。先ほどのプレゼンでも申し上げたように、技術だけでは解決しない問題があるわけなので、情報技術の問題を情報技術の中だけで解決しようとするのではなく、先ほど3人それぞれのプレゼンにおいても、いずれもクリティカルシンキングを重要視ということを申し上げているわけで、ほかの国語等でもクリティカルシンキングのことが話題になっていると聞いていますけれども、もちろんこの一丁目一番地である情報・技術ワーキンググループの中でも、あるいはこういった目標の制度の中でも、クリティカルシンキングというような用語や発想がないと、今の問題が情報技術の進歩で完結するかのような印象を与えてしまうと思います。その点はかなり強い違和感を持っております。
24ページの、例えば「コンテンツとデータ」の箇所にも、同様の印象を受けました。「情報技術の正負の側面に配慮しつつ、情報やデータの分析結果を判断し表現したり、利用者にとって分かりやすい情報を設計し表現したりできる。」とあります。もちろん情報システムは大事です。ですが、そういう情報技術の中だけでは解決しない問題、もっと言うと、いわゆる生産技術とか情報技術といった時の、いわゆる技術の面における「情報」という言葉の意味、私が先ほど申し上げた情報対応スキルという時の「情報」の言葉の意味は、違う面があると思うんですね。後者である「情報への対応」も今求められているので、そこに対して、クリティカルに考えていく能力、この情報・技術科の中学、高校の目標の中にぜひ入れるべきだという風に考えております。そのことをご提言したいと思います。よろしくお願いします。
【堀田主査】 ありがとうございます。
続きまして、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 NPO法人Waffleの田中沙弥果です。まず、前回の論点であった情報・技術科(仮称)における見方・考え方に包摂性を入れていただき、心より感謝申し上げます。日本社会での情報分野の格差を義務教育から是正できることは非常に大きな変化につながると考えます。
今回、中学、高校両方の見方・考え方に包摂性を入れていただいたので、包摂的で豊かな生活や社会を目指すためには、そのつくり手になり得る子供たちが公平性、多様性、倫理性を評価する態度は当然に有していなければならないと考えますので、どこかに記載をお願いいたします。
そして、中学の資料3のスライド24について、高次の資質・能力のイメージの(1)~(3)それぞれの概要には「問題解決等」などと書かれているんですが、(1)、(2)の「総合的な発揮」のほうには、やっぱり「表現する」しか書かれていないので、(3)に書かれている、「問題を解決するための情報システムを構築し表現、評価・改善できる」を(1)、(2)にも記載いただきたいです。
同じスライドについて、もし(1)計測・制御のプログラミングから(2)コンテンツとデータ(3)情報技術の発展と社会の(1)、(2)、(3)が左から学びの順番を示している場合、最初に情報と社会で自分と情報社会の関係性を見いだすことを先に学んだほうが学びの動機につながると思います。例えば、事務局案の(3)のうち、「社会とのつながり」を冒頭に入れて、多様な情報技術の組合せを最後に持ってくる4部構成とすることも御検討いただきたいです。
資料3の同じ中学のスライド24及び、ちょっと高校にもかかるんですが、高校のスライド25の情報ⅠⅡの高次の資質・能力のイメージを見ると、AIの扱いが小さく見えます。中学も同じなんですけど、中学のスライド24でも、AIはやっぱり電気のようなインフラのようになっていくことを考えると、中学も高校の情報Ⅰの学習項目の中にもAIを入れるべきではないでしょうか。
そして、その入れる際にただ利用者としてAIを取り扱うのではなくて、AIを活用してプロダクトを開発するということを入れていただきたいです。
私から以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。ただいま、あと9人挙げていらっしゃいます。皆さん、手短によろしくお願いいたします。それでは、井手委員、お願いいたします。
【井手委員】 よろしくお願いします。資料の24ページ、25ページをお願いいたします。こちらの内容項目につきまして、情報技術を3つ、生産技術を4つに整理しているという点は、教科の全体像を捉えやすくするという意味で賛成いたします。特に現行の材料と加工、生物育成、エネルギー変換の名称を踏襲しているということは、現場の混乱を最小限にとどめるという点で大きく賛同いたします。
一方で、情報技術の3つの単元の並びにつきましては、先ほど田中委員も言われましたように、学ぶ順序という観点から懸念がございます。現在の案では、計測・制御のプログラミングが最初に置かれておりますが、中学生にとっていきなりプログラミングから入ることは心理的な負担が大きいと考えます。情報や技術に苦手意識を持つ生徒をここでさらに増やしてしまうのではないかという大きな不安を抱きました。
内容は別として、単元名だけで考えるのであれば、情報技術の発展と社会、コンテンツとデータ、計測・制御のプログラミングとシステム化の順、すなわち今と逆の順番がよいのではないかと考えます。社会や身近な生活との関わりから入り、次にコンテンツやデータの分析を扱った上で、最後にプログラミングへと進むほうが、生徒にとって学びの必要性を感じやすいのではないかと感じました。
さらに重要なのが、高等学校情報科との系統性が、この構成からは必ずしも明確に読み取れないという点です。中学校で学んだ情報技術が高校の情報Ⅰでどのように発展、進化していくのかという見通しを示さなければ、校種をまたいだ指導の一貫性を保つことが難しいと考えます。小中高一気通貫した情報活用能力の体系性の構築のために、中学校段階での内容配置や授業についても、高校情報科との接続をより意識した整理が求められると考えております。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。安藤委員、お願いいたします。
【安藤委員】 安藤です。ありがとうございます。先ほどメディアリテラシーのお話をいただいたところで、今のお話を聞けたことで、教科としての具体的な姿を考えられるようになってきたかなと思いました。ありがとうございます。
まず、8ページ目のところで、これは過去の資料ではあるんですけれども、今の2つのお話を踏まえると、例えば「正負の両面を含む多角的視点で捉える」ということについては、先ほどお話ししましたように、どう最適化するかを考えるということなんだろうなというふうに理解できます。また、今回の情報・技術科(仮称)で言うと、人間中心というキーワードがあったかと思いますけど、それは利用者自身が設定変更するなどのカスタマイズが重要だったり、人によって優先される機能ものが異なるという点です。これは、これまでの技術分野のプログラミングではあまり行われてこなかった多角的視点で技術を最適化する機能、例えば、ユーザーが設定変更できるような機能を提供するなんていうプログラミングも考えられるかなと思いましたので、前半とのつながりで学習内容がイメージできたという点です。
あとは24ページ目です。今日のメインの高次の資質・能力に到達するということを考えますと、先ほど少しありましたが、プログラミングをどう扱うかというのが鍵なんだろうなと思います。基本的には小学校も画面だけじゃなくて、フィジカルコンピューティングを扱って進学してくると思いますけれども、小学校の体験を通して、中学校では役に立つというものをつくるということが、高次の資質・能力として書かれている趣旨なのかなと思いました。
そう考えると、プログラミングというのは言語によってできることが全く異なるので、そういった状況で何ができるかというのが分からないわけですよね。そのプログラミングの言語の理解というのがなければできないので、完成図としての設計が最初はなかなかできないわけです。
ただ、情報・技術科の考え方としては、結局何を解決したいのかという課題は設定できますので、まず、そのための基本機能を小さく設計して、小さくつくって、そこから必要な機能を設計、制作、評価を繰り返すという学習過程は、まさにこの情報の特性、変化させやすいとかそういう情報の特性を生かした過程ですし、スモールステップでも学べますし、生徒の発達段階にも合うので、小さな成功体験を積み重ねられますから、主体性の育成もできるかなといういい面があるかと思いますので、私としては、今回の高次の資質・能力の提案というものについては、賛成しております。
以上になります。
【堀田主査】 ありがとうございました。村松委員、お願いいたします。
【村松委員】 よろしくお願いします。スライド8枚目の見方・考え方について、安藤委員からもお話ありましたが、この方向も非常に賛成ですし、また、前回出していたSTEAMのところ、黄色のところ、ここもこういう形で位置づけていただいたことも評価したいと思います。
24枚目、情報技術をお願いいたします。(3)情報技術の発展と社会のところで、「情報システムを構築」して、あるいは「情報システム評価・改善する」というようなことで、入れていただきました。現行の学習指導要領でも、システム化については、記載はされているわけですけども、こういう高次の資質・能力として技術にとって非常に重要な概念である技術を組み合わせて、複雑な要素を組み合わせて仕組みとするこのシステムというこの考え方、これを明記いただいたということは非常に評価できるかと思います。
若干検討いただけたらという点は、計測・制限のプログラミングとここでシステム化ということで、ここには入っているのですが、高次のところでは、仕組みとなっています。これは多分(3)との関係で、情報システムとの混在を避けたというようなことかと理解しておりますけども、現行の学習指導要領でも計測・制御システムというのは表記もされていますので、表記の工夫で区別もできるのではないかということを考えました。
続いて(2)のコンテンツとデータについて、ここもコンテンツあるいはデータにフォーカスしたので、例えば「情報を設計」というようなことにされている、こういうふうに解釈しておりますけども、概要のところでも、このネットワークのアプリの開発もあるので、計測・制御に同様に考えるならば、例えば「情報を設計」の部分が、情報を表現し、システムでちょっと混在が難しければ、プログラムを設計できるとか、幾つか表記の工夫で、そこのところが整理できるのではないかなと考えました。
続いてスライド25枚目、情報を基盤とした生産技術をお願いします。こちらの総合実習の方で明確に「安全性や環境負荷、経済性等に配慮しつつ、多様な技術を組み合わせ、問題を解決するための仕組みを構築できる」という形で示していただきました。
ここの最初の部分のところでは、現在の見方・考え方の最適化の考え方に当たるもの、こういうものを大事にしつつ、多様な技術を組み合わせるこのシステムの仕組み、システムについて言及している。情報システムとの混在、関連のところがあるので、なかなかこちらのシステムと書くのが難しいのではないかと思うのですけども、何かこの仕組みとかシステム、情報システム、こういうものをうまく区別できるようなよい表記の工夫があれば、御検討ください。
それから(3)エネルギー変換のところでも、エネルギーを変換することで、人の作業を助け、発送電や社会基盤の利便性等につながるということで、技術のエネルギーと社会との関係を明示した点も評価したいと思います。
検討いただきたい点が1点です。材料と加工のところです。「生活につながること」、「生活に役立つこと」とされています。これは履修が想定されている学年段階等を考慮してではないかなというふうには拝察するのですけども、教科の見方・考え方では、「生活や社会における問題」としていますので、ここは統一を図る意味でも生活というのを、生活や社会と統一するのがいいのではないかと思いました。
また、この生活に役立つというのが、これは前回のワーキングでお話しさせていただきましたが、再び学校現場で従来の課題であった矮小化されたものづくり主義にミスリードされないか、そういったことも若干懸念としてあります。
最後、感想です。スライド24で出てきた情報技術の順序性のところです。いろいろな御意見、なるほどと思いました。個人的にはこのハードウエアとかエネルギー変換との考え方を考えると、1と2が逆になって、2と1という、そういう考え方もあるのかなと。プログラミングについては、段階的にやっていくというようなことで考えると、指導の工夫で対応できるのではないかと思いました。全体的には非常によい御提案だと考えております。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。残り時間迫っておりますので、途中で切らせていただくことになるかもしれません。皆さん、手短に御協力をお願いいたします。
春日井委員、お願いします。
【春日井委員】 よろしくお願いします。資料の説明ありがとうございます。24ページをお願いします。
小中高のつながりについては、井手委員と同様に考えていますので繰り返しは避けますが、この順でいく場合に、(1)について少し提案というか、お伝えしたいと思います。小学校段階よりも、情報技術の特性の理解について深くなるということを踏まえる必要があると思っております。そこで、情報技術の仕組みを理解することで、適切に情報技術を活用したり、課題を解決することにつなげるといったような観点を加えていく必要があるのではないかと思っております。
あと、(3)については、この順で進めるのであれば、恐らく情報活用能力の思考力、判断力、表現力に示されている部分とつながると思いますので、その対応がちょっと分かりにくいかなと思いますので、もう少し表現を工夫していただけたらと思います。
以上になります。ありがとうございます。
【堀田主査】 ありがとうございます。鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】 よろしくお願いいたします。先ほど井手委員、田中委員からありましたように、こちらの今記載してあるページの順番に関しては、井手委員と全く同じ意見です。社会とのつながりを学んでから、内容に入っていかないと手段を学んでいるだけじゃ社会とどうつながっているかというのがなかなか気づきにくいですし、まずは社会との関わりを学んでから、中身に入っていったほうがいいのではないかというのは、お二人の意見と全く同意見です。
次のページに切り替えていただいてよろしいでしょうか。こちらの次のページの4番の総合実習の件について御意見させてください。こちらの総合実習の文言を見たときに、これまで小学校と高校の内容を見たときに、小学校から中学校、高校まで情報活用能力を抜本的向上を考えたときに、探究学習への活用という矢印がありましたけど、小学校は探究への活用がありますし、高校においても情報Ⅰ、情報Ⅱでそれぞれ探究への単元が設置されていますけど、探究的な活動の学ぶ場面がありますけど、中学校においてもこの総合実習のところは、こちらの資料の20ページと23ページのコメントにありますように、既習の学習の内容を踏まえ、技術の領域や分野にとらわれず、実社会・実生活の課題に対して、最適な技術を判断・活用して探究的に活用する内容というふうにありますので、ぜひこちらの文言で探究的という文言を入れてまとめていただければと思います。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。大谷委員、お願いします。
【大谷委員】 ありがとうございます。私のほうから、時間もないということなので、本日の議論が高次の資質・能力育成について検討する段階に来ているという内容なので、こちらについての意見です。
今回の中学校については、24枚目、25枚目に、その高次の資質・能力の内容が示されているかと思います。その内容について、しっかりと確認しておきたいのですが、今回私はある程度この内容がうまく表現されているというふうに評価しています。
何でかといいますと、今回の説明された資料の中で、小中高一貫した情報活用能力育成のための体系を作成していると思いますが、これは、先ほどの高次の資質・能力を育成することが全ての教科で大事になっていることと対応しています。すなわち深く概念を理解しているからこそ、それを活用できる学びができるので、これを展開するためには、もう少しページを戻っていただいて23枚目の内容です。23枚目の内容のところで、各内容項目の中に、(ア)から(ウ)の学習過程について順序性をもって展開している点がとても大事かと思っています。
ここがとても大事なポイントだと思っています。今。それを踏まえた上で(イ)のところで、エンジニアリングデザインプロセス、我々はEDPと呼んでいますけども、これを通して実際に問題解決に取り組んで、技術の原理と仕回、(ア)のところで、先ほどのコンテンツの内容について,その技術の原理と仕組みを探究します。ここは社会の側面を取り入れながら探究するというのは、私も皆さんの意見に賛成かと思います組みを活用して情報技術、それから、それに伴う生産技術が何であるかを体得する活動を行います。さらに,体得した力を使って(ウ)で技術を評価、活用する学習の流れが示されています。
先ほどの技術を乗り越えた内容がメディアリテラシーのところではあるとの話がございましたが、私はこの技術の適切な評価が論理的に理解できているからこそ、それを乗り越えた内容との違いが理解できるのではないかと思います。ぜひ,その点を踏まえて,先ほどあったようなメディアリテラシーの御指摘の内容を発展的に広げて扱ってもらいたいと思います。
この(ア)から(ウ)の流れがしっかり学習できれば、高次の資質・能力が育成できるかと思いますので、ぜひその方向で進めていただきたいと思います。
最後に、同様の考え方でいくと、高校の情報科は中学校のように(ア)から(ウ)の学習活動を展開しながら、知識・技能、思考、判断、表現を高める高次の展開ができるようになっているかについて、もう少し工夫できる点があるのではないかという印象を持ちました。基本中学の内容に関する意見になります。
私のほうから以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】 ありがとうございます。私からは、25ページですかね。資料3の生産技術のほうで、エネルギー変換と総合実習のほうで、仕組みという言葉を使って捉えているというところは、現場での先生方が分かりやすくイメージを持っていただけるかなと思っていて、評価というか、ありがたい記述かなと思っています。
一方で、エネルギー変換の技術自体も、情報基盤としたエネルギー変換技術ではあるんですけど、エネルギー変換そのものも情報技術を支える要素にもなっていますので、授業をやっていくときにどうしてもプログラミングだとかAIだとか、そういうことを活用しながらやっていくというところですので、相互補完的に学習できる内容になっているかと思いますし、ここでも、先ほど村松委員からもありましたけれども、やっぱり社会基盤との関係をしっかり考えて、セットアップしていただいているというところは意味のある方向性だなと思っています。
私からは以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。あと5人、先生が手を挙げていらっしゃいますが、大変恐縮ですけど、時間の関係で、この後、亀田委員にお話しいただいた後に森山委員まで、森山委員にお話しいただいて、この2人で大変恐縮ですけど、止めさせていただきます。ほかの御意見につきましては、大変恐縮ですが、メール等でお寄せいただければと思います。では、亀田委員、お願いいたします。
【亀田委員】 よろしくお願いいたします。24、25ページの整理については、先ほど井手委員、鎌田委員もおっしゃったように同様に感じております。
次に、9ページの目標の整理についての思考力、判断力、表現力のところに「価値の創造」という文言が入ってきたことについて意見を申し上げます。これは、高校も同様かと思います。現在、技術科を担当している現場の教員からは、課題を解決するということとか、技術の活用を最適化するというところを中心に授業が展開されてきた中、これまでの授業で生徒が出してきたアイデアがどんどん社会に実装され、実際の生活の場面で当たり前のようになってきた中で、生徒がさらなる問題を見いだすことが以前より困難になっているという声を聞きます。こうした中、AI等の技術が出てきたということで、AIを活用することでさらにアイデアもたくさん出て、より高度な学びへと深めることが可能となっているということもお聞きします。
そういうことを踏まえますと、やはり思考力、判断力、表現力のところに、「価値の創造」ということが明記されたことは大変重要であるというふうに考えております。ものづくりの価値創造においても、単に設計図どおりに製品を完成させるのではなくて、生活や社会の課題に対し、技術の見方・考え方を働かせて、「何のためにつくるのか」とか、「自分や他者、社会にとっての新たな意味や豊かさ、これが価値の創造だと思いますが、これを具現化すること、これらを学習の中で実現することが大事であると捉えていますので、明示されたことに強く賛同いたします。
以上になります。
【堀田主査】 ありがとうございました。それでは、最後に森山主査代理、お願いいたします。
【森山主査代理】 失礼いたします。森山でございます。
本日は、今回は柱ごとの目標、それから高次の資質・能力につきまして、御議論いただきまして、ありがとうございます。私のほうから、感想めいたコメントということでお話させていただきます。資料3の9ページ、今出ているところですけれども、柱ごとの目標、いずれの柱についても非常に納得感のある形でまとめていただきまして、ありがとうございました。
ここでは特に思考力、判断力、表現力等のところに着目をして、感想を述べさせていただきます。3つ丸がございますが、この3つの丸の中で、1つ目の丸の中には技術を多角的に正負の両面から捉えるということが述べられています。これは先ほどの議論にもありましたけれども、我々学会のほうでは、技術ガバナンス力などと言いまして、テクノロジーの社会的影響評価とそのかじ取りをしていく、ここにはクリティカルシンキングも関係しますし、メディアリテラシーやAIリテラシーにも関わるような見方・考え方ということも入ってくるかなというふうに思っています。
その後ろ、2つ目の丸と3つ目の丸、ここには、探究的な解決方法の構想・具体化、それから仕組みや価値の創造といった表現、という要素が入っています。学会のほうでは、技術イノベーション力に関わる能力ということで、工学的な問題解決で新たなものや価値を生み出す、ものを開発する力ということで重視しております。
特に2つ目の丸の「検証等を通じて」というところがありますけれども、この中には、アイデアの発想であったり仮説を設定したり、モデル化やプロトタイピングなどの試作、あるいはシミュレーションといった多様な活動が含まれるかなと思います。これは学会のほうでは、シーズの探究という言い方をしています。そうすると1つ目の丸で、社会との関わりの視点で多角的にニーズや制約条件を探究し、2つ目の丸で試作等の活動を通してシーズを探究し、そして3つ目の丸で実際に人為的成果物として、仕組みや新しい価値を創造していくというふうなトリプルループ的な構造の探究というものが、この思考力、判断力、表現力等のところに表現されているのではないかというふうに捉えられ、大変すばらしいなと思っております。
先日、生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループのほうで、探究の概念の整理というのがございました。その中にも「価値の創造」という言葉がキーワードとして入っておりましたし、インクワイアリーから始まって、ディスカバーに向かう探究、メイクに向かう探究、そしてアクションに向かう探究という、3つの探究のモデルというものが示されたわけですけれども、今回、情報・技術科で育成するこの資質・能力、情報活用能力とこの技術イノベーションの力が、こういった総合的な学習の時間の中での探究にも、しっかりと働かすことができそうだなということで、非常に期待感を高めたというところでございます。
続いて高次の資質・能力についてです。24ページのほうをお願いいたします。こちらのほうはある意味、直接子供たちに形成してほしい中核的な概念や方略であり、現場の教員にとっても理解しやすいようにしなければならないということで、できるだけ分かりやすい表現にしなければならないと。大変難しい作業の中で、よくここまでうまくまとめていただいたなというふうに感心をしております。領域1の情報技術のほうは、中学生という発達段階を踏まえつつ、高校情報とのつながりがうまく表現できているなというふうに感じました。領域2のほうも次のページになりますが、4つの生産技術の概念をうまく表現していただいた上で、総合実習のところで情報の概念とも結びついて、システム化されていくということがうまく読み取れるような形になっていて、すばらしいなと思いました。
今回お示しいただいたこの高次の資質・能力を考えるために、その外側にある内容項目とか学習内容のイメージとかを、冒頭堀田主査が御指摘いただきましたけれども、仮置きしてここまでやってきました。ここから先はこれを主人公にしながら、この高次の資質・能力が適切な構造でうまく配置できるような内容構成の詳細というのを詰めていくことが非常に大事なんだなということを感じました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。発言できなかった皆さん、大変申し訳ございませんでした。続いて、高等学校の情報科に関しまして御意見、意見交換を20分ちょっとでしょうか、行いたいと思います。こちらも同様に挙手いただいて、手短に御発言をお願いしたいと思います。では、蓮池委員、お願いいたします。
【蓮池委員】 蓮池からは2点、意見を述べさせていただきます。
資料のほうの16ページをお願いいたします。情報ⅠとⅡの知識及び技能のところで、情報Ⅰのほうは「情報技術と社会とのかかわり」、情報Ⅱのほうは「社会の発展にもたらす影響」というふうにして書かれておりますが、情報Ⅰにおいても情報Ⅱにおいても正負の両側面を見て考えるという思考が入っておりますので、情報Ⅰのほうにもやはり関わりとその影響について書いていただいたほうがいいのかなというふうな思いがあります。
そして情報Ⅱのほうは、そういった影響リスクを踏まえた上で、情報技術を最大限持続可能な社会に生かすためにどういうふうに発展していくために、そういった情報技術をどう使うかという部分にフォーカスを当てていただけるといいのかなと思いました。
2点目ですけれども、26ページをお願いいたします。26ページですけれども、ありがとうございます。データ分析、モデル化の部分、情報Ⅰのほうになりますけれども、現在書かれている赤字の部分に関しまして、やはりデータのところだけ、つまり統計的な手法であったりデータ分析のところは、メインとなっているように見えます。
やはりデータ分析だけではなくて、意思決定、問題解決においてはモデルをつくること、シミュレーションを構築することも重要になっておりますので、やはりその赤字の部分にできれば、例えばデータや問題の構造を整理・分析してみたいな形で、モデル化・シミュレーションの構築といったようなニュアンスを含めるような形の文章をつけていただき、総合的な思考力、判断力等の発揮の部分に関しましても、例えば正負の側面に配慮しつつ、データや問題の構造を活用して、傾向や結果を予測するなどの問題行動をうまく入れ込むような文章にしていただけると大変ありがたいかと思います。
蓮池からは以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 NPO法人Waffleの田中沙弥果です。
先ほどのに重ねてになるんですけれども、中学でも申し上げましたが、見方・考え方に包摂的を入れていただいたので、包摂的で豊かな生活や社会を目指すためにはそのつくり手となり得る子供たちが公平性、多様性、倫理性を評価する態度を当然に有していなければならないと考えますので、高校においてもどこかに記載をお願いいたします。
2点目に、資料4の今投影いただいている26ページの情報Ⅱの(3)AIの内容は、偏りやバイアスを生む特性やそれが社会に与える影響の内容を想定されていると思いますので、全員が学べる情報Ⅰに入れていただきたい内容です。また、理解に比重がかなり置かれ過ぎていて、AIを実際に用いる活動が弱い印象を持ちます。AIを利用して問題解決、価値を創造する活動があることも分かるような記載をお願いいたします。
以上です。
【堀田主査】 では、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 ありがとうございます。まず、全体的な印象、先ほど中学のところで発言できなかった部分も含めて、高校についても言えることなんですが、中学の資料の中で言うと「正負の両面含め多面的に捉えた」というところにメディアリテラシーやクリティカルシンキングが含まれるというお話だったんですけど、あの表を見たときにメディアリテラシーやクリティカルシンキングという言葉がないことに非常に違和感を私は覚えていまして、やはり情報技術というのはその技術の習得だけにとどまらず、人権ですとか公共性ですとか民主主義を支える教育だと思っていますので、これについては時数ですとか体系とか評価方法も含めて、生産技術との教科全体のバランスというのを視野に入れた再設計が求められるんじゃないかということを強くお伝えしたいと思っています。
その上で、中学、高校で一貫した情報教育をやる場合に、やはり高校の情報Ⅰの学習項目と中学の技術の学習項目の接続が少し理解できないところがありまして、ちょっと印象的に言うと、全体的に「旧来的な」という言い方がいいのか分かりませんけど、生産技術の領域にとらわれ過ぎているんじゃないかという印象を私は持っています。
あと先ほどのメディアリテラシーのお話の中でも、生成AIについて相当な議論が行われたと思いますけど、ここの場合ですと、これも印象であるんですけど、情報Ⅱのほうに割とAIのことは偏っている感じがして、情報Ⅰの学習項目の中にAIというのは、もう少し領域的に広げていってもいいんじゃないかな、もう少し大きく取り扱ってもいいんじゃないかなと思いました。ここで、以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。春日井委員、お願いします。
【春日井委員】 よろしくお願いします。御説明ありがとうございます。方向性はおおむね賛成です。1点だけ意見をお願いします。
25ページ、高次の資質・能力のところですが、一般的な語句を使っているために、恐らく想定して書いている意図とは異なる解釈になってしまうのではないかということを懸念しております。特に情報Ⅰの(2)情報デザインとデザイン思考のところになりますが、想定されるイメージはまだ想定ではあると思いますが、かなりギャップが大きいような気がしていまして、想定している資質・能力のイメージのところに到達しない、そういったことも許容されてしまうような気がします。
22ページのDの分かりやすさの観点との兼ね合いということで、児童生徒にとっても分かるというような、そういったことが書かれていると思いますが、高校段階については、中学校段階までで学習として想定しているような用語を一部許容して表現できないか、そういったことを検討していただけたらと思います。
以上になります。ありがとうございます。
【堀田主査】 ありがとうございました。泰山委員、お願いします。
【泰山委員】 よろしくお願いいたします。前回発言させていただいたことと重なりがあるんですけれども、情報活用能力の定義が情報技術に焦点化されたことを、高校においてその育成の中核的な役割を担う情報として、どのように受け止めて表現するのかということについて検討が必要かなと思っています。
例えば、資料4で示していただいている11ページ目の目標の記述とかにも、やはり情報と情報技術という言葉が並立して用いられております。もちろんこれまでの情報科の教科特性から見れば重要なことであり、当然なことであると思いますので、情報科の目標から情報という言葉を抜いたほうがいいという主張ではないわけですけれども、一方で、小中学校において、情報技術ということを焦点化して鍛えられてきたことを改めて高校において、情報と情報技術に広げるということについては、発達段階の系統性がクリアに伝わるように、説明、表現が必要になるのではないかなと思っています。これについては、今後の課題としてぜひ検討をいただければと考えております。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。白井委員、お願いいたします。
【白井委員】 ありがとうございます。大阪大学の白井です。
資料4の25ページをお願いいたします。ありがとうございます。「(2)情報デザインとデザイン思考(仮称)」についてコメントさせていただきます。「デザイン思考」という言葉は、デザイナーたちがデザインを行うプロセスで実施している思考を、より幅広い問題に適用する思考法のことで、デザイン分野のみならず、現在、ビジネス戦略から様々な社会課題まで活用されています。
生成AI時代には、こうした価値創造的な能力の育成が重要ですので、改訂に当たり、デザイン思考を組み込まれたと認識しております。デザイン思考は、「人間中心設計」の考え方を基盤としておりますが、「知識及び技能の統合的な理解」の項目における「情報の受け手」という箇所に、人間中心の重要性が反映されていると拝察いたしました。
人間中心設計の考え方は、AI時代において特に重要になると考えています。今後学習内容の詳細を検討していくことになりますが、この部分をしっかりと扱っていけることを期待しております。
また、「思考力・判断力・表現力等の総合的な発揮」においては、「情報技術の正負の側面に配慮しつつ」といった文言が追加されていることにも賛成いたします。今後、情報デザインの分野でも生成AIを扱っていくことになると思いますが、単に生成AIの使い方を学ぶのではなく、例えば「(1)情報の仕組みと社会との関わり(仮称)」で学んだ内容を適宜振り返りつつ、演習を行っていくなどして、情報技術の正負の側面に配慮しつつ、総合的に学んでいけるよう検討していくことが重要であると考えています。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございます。井手委員、お願いいたします。
【井手委員】 よろしくお願いします。高等学校情報科の目標並びに高次の資質・能力のイメージ、こちらの基本的な流れにつきまして、大きく賛同いたします。
こちらの提示で、1点だけコメントさせてください。先ほど白井委員も言及いただきましたデザイン思考についてです。こちらの中の2番目の中に、「デザイン思考の考え方」というものが、この2番の情報デザインとデザイン思考にのみ位置づけていられるように読み取れる点が気になりました。実際にはデザイン思考は情報デザインだけではなく、プログラミングにおける試行錯誤や改善、データの活用における問いの設定や可視化など、全ての単元で発揮される能力であり、情報・技術科におけるエンジニアリングデザインプロセスにも通ずる概念だと思っております。
現在の表現だと、デザイン思考イコール情報デザイン固有の能力と誤解されるおそれがありますため、特定の単元に閉じるのではなく、情報科全体を通じて横断的に働く問題解決のアプローチであることが分かる表現にしていただければ非常にありがたいと思います。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございます。鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】 よろしくお願いします。先ほど白井委員と井手委員と述べたことと全く同じで、同じページの2番の情報デザインとデザイン思考のところです。お二人の意見とほぼ重なる部分でありますが、デザイン思考というものは情報科における問題解決の中で、ほかの単元にまたがる範囲ですので、そのように書きぶりを今後検討していただきたいと思うのが1点と、もう一つは、中学校の技術におけるコンテンツとデータとの関連も密接にしていけたらいいなと考えております。中学校で扱うコンテンツとデータにおけるユーザー視点のデザインである部分と、ここで扱うそのデザインという部分が違う意味で捉えられてしまわないようにしていくことと、デザインという考え方、文字一つ取っても業界によっていろいろ考え方とか切り口とかアプローチが違うものですから、中学校と高校で、この部分を検討していくときに今後すり合わせが非常に重要になってくると思います。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございます。今度委員、お願いします。
【今度委員】 今度珠美です。私からは、先ほど田中委員もおっしゃっておられましたけども、どこでAIを扱うのかが見えにくいということを指摘したいと思います。例えばですけども、情報Ⅰで基礎概念、情報Ⅱで発展、社会実装、そして様々な教科横断で倫理、リテラシーという役割分担を明示して、そして評価可能な倫理やリテラシー目標、公平性、透明性、説明責任などを設定すべきではないかと考えます。
また、中学校からの系統性も、各先生方が御指摘されるように、必要であると考えています。全てに言えることですけども、例えばここでAIを取り上げますと、中学校の情報技術で、AIアルゴリズムの入門概念、負の側面も含めた多角的理解を行う、そして高校情報Ⅰでは、その中学校で学んだ入門の可視化、そしてアルゴリズムAIの論理的、倫理的な分析、そして、高校情報Ⅱでは、構造的分析と社会実装、例えば法や制度について学ぶ、このように系統性を持たせて提案していくことも必要ではないかと考えます。
私からは以上です。
【堀田主査】 では、この後、福田委員、宇都宮委員、最後に萩谷主査代理におまとめいただきたいと思います。福田委員、お願いします。
【福田委員】 福田です。よろしくお願いいたします。
私も、他の委員の皆様もおっしゃっていたとおり、情報Ⅰの(2)、情報デザインとデザイン思考のところが気になりました。デザイン思考は、他の単元にも広がっていく考え方になります。そうしたときに、ここに閉じたような書きぶりになっているような感じがいたしましたので、もう少し、ほかの単元でも何か表現の工夫ができないかと思いました。
また、春日井委員がおっしゃった、高次の資質・能力のイメージについてです。いろいろな立場の方が読んだときに、単元ごとに分かりやすく表現していただいていると思いますが、下に書いてある学習内容のイメージとギャップを感じられるところもあるのではないかと思いました。そのため、イメージについてはもう少し言葉を足すなどして、伝えられたらと思いました。
【堀田主査】 ありがとうございました。宇都宮委員、お願いします。
【宇都宮委員】 ありがとうございます。OpenAIの宇都宮でございます。ほかの先生方からも御指摘がありましたとおり、AIというのをこの情報Ⅰ、Ⅱの中でどう扱うかというところに関して、コメントさせていただきます。
全体を通して、特に情報Ⅰのほうは、情報とは何かですとか、安全性を考慮した情報との付き合い方といった理解が中心になってくるかと思うんですけれども、やはりAIを扱うということに早期に慣れるとすると、まず生成AIがインフラ的に扱われるに当たり、生成AIのできることというのがどこまでなのかというのを最初にイメージできないと、何となくAIというところで、イメージで情報Ⅰの(1)ポツ2で1のところで、「AI等の先端技術の利点と限界」というふうに書かれていますが、ここを最初にしっかりと学ぶことで、AIってこういうことなんだというのが理解できて、その上で、例えばAIのツールを使って、データサイエンスを学ぶ、アルゴリズムを学ぶとかといったことができるようになるのかなと思います。
今、仮で書かれている次のページの、27ページになります。AIの具体的な理解のところで、機械学習とかというと、最近はなかなか機械学習という単語もあまり聞かなくなってきたかなと思いますけれども、例えば教師なし学習とか生成AI時代だと、なかなかあんまり扱わなくなってきたり、ここまでやると難しいかなといったところも含まれておりますので、より実践的に学べるように生成AIを扱いながら、実践といいますか、実習をしながら体得できるようなところがあるとよいのかなと思いました。
すみません、もう一度、26ページ目のほかの先生方からもコメントいただいております2番目のデザイン思考に関しては、私もほかの先生方と同じく非常に重要なポイントだと思っております。ここがほかの単元とつながりを持つような形でというと、恐らく問題解決のための一つのアプローチということで、例えば社会の問題とデザイン思考といったように、何を解決するためのデザイン思考なのかといったところが、もう少し分かりやすく書かれると、本当にプログラミングもそうですし、社会課題もそうですし、そういったものを解決する手段なんだということが分かるのではないかなと思ったので、その点を御検討いただければと思います。
以上でございます。ありがとうございます。
【堀田主査】 では、最後に、萩谷主査代理、お願いします。
【萩谷主査代理】 まず、最初に、高等学校の目標において、情報の観点の文言が追加された点については、私も含めた委員の意見を反映していただいて感謝申し上げます。
中学校の24ページ、それから高等学校の25、26ページの高次の資質・能力イメージについて、単純化の弊害を恐れずにここで最後に俯瞰してみたいと思います。
中学校の1.情報・技術(仮称)の(1)では、情報技術によって自動化が可能なことを学び、高等学校の情報Ⅰの(1)では、情報技術の全体像と社会との関連性を理解するという流れになっています。
中学校の(2)では、ユーザーのためにデータを表現することを学び、高等学校の情報Ⅰの(2)では、ユーザーの体験を創出することを学び、情報Ⅱの(2)では、さらにユーザーに価値を提供するという流れになっています。
高等学校の情報Ⅰの(3)では、分析から予測ができることを学び、情報Ⅱの(1)では、さらに判断ができるようになるという流れになっています。中学校の(3)では、情報システムの存在意義について学び、高等学校の情報Ⅰの(4)では、情報システムが要素に分解できることを学び、情報Ⅱの(4)では、要素として、情報技術以外の先端技術も加わります。
最後、高等学校の情報Ⅱの(3)では、AIの基本原理を学び、そこからなぜ問題が生じるか、それを回避・統御するためにはどうすればよいかを理解するとなっています。
以上のように、学習内容がまだ明確でない状況でありますが、また、特に順序に関してはいろいろな議論がありましたけれども、中高を通して一貫した体系的な構成になっていると考えています。
今後、この構成等を基に、学習内容を演繹的に検討するというのが、事務局の意図ではないかと思います。今後、具体的な個別の学習内容の議論となったときに、帰納的に高次の資質・能力も修正していくものだろうと認識しておりますので、現在の意見については課題として受け止めつつ、今後のワーキングで個別の学習内容を考えるときに、議論を含めて深めていけるとよいと思います。例えば、先ほどちょっと時間がなかったんですけども、中学校の情報技術の(1)では、自動化が主軸になっておりますので、これに基づいて、今後学習内容が展開されることを期待しております。
あと、最後になりますけれども、前回、価値創造は資質・能力ではなく、学習過程に位置づけたほうがよいと発言しましたけれども、このたび高次の資質・能力をまとめる段階となりまして、資質・能力としての価値創造が妥当であると認識いたしました。今後も、ぜひ資質・能力としての価値創造がより具体的な形で明確化され、記載されていくことを期待しております。
以上です。
【堀田主査】 ありがとうございました。
皆様からたくさんの御意見をいただきまして、本日御議論いただきました、目標と高次の資質・能力等につきましては、私どものワーキングの上位の部会になります教育課程企画特別部会に、現時点でのたたき台として私どものワーキングから、提出するということになります。
その際、本日いただいた御意見を多数ありましたので、それらを踏まえながら事務局と丁寧に相談したいと思いますし、また、本日のこの議論は、次回以降に個別の内容等を含めまして、引き続き、具体的な議論に入ってまいりたいと思います。
これに当たりまして、皆さんに少し主査としてお願いがあります。1つ目は、事務局、頑張ってこれをつくっておりまして、皆さんに何度か事前にも説明し、当日を迎えてございます。委員のみなさんからの発言の中に、ここが問題ではないかとか、工夫が必要ではないかとかというふうにおっしゃいますが、それでは具体的にどうすればいいかを各委員がみんなで知恵を合わせて、より良くしていきたいわけですので、ぜひ具体的な代案含めてご発言をしていただけるとありがたいなと思います。
代案を全部入れられるとはもちろん限らないんですけども、今日、この後何か提案等ありましたら、メール等で事務局にお寄せいただきますと、私どももそれを取り入れやすくなるなと思います。
また、もう一つですが、9月25日に出た論点整理で、総授業時数はもうこれ以上増やさないということになっております。一方で、各教科等で様々な議論が今展開されていますが、その各教科等にあとこれも入れるべきじゃないか、あれもやったほうがいいんじゃないかという御意見は、実はたくさんあると承知しておりまして、そんな中で各教科の役割みたいなことを考えながら、何をこそ入れるべきか、残すべきかというのはかなり厳密な議論が丁寧に行われているところでございまして、先ほど具体的な御意見をくださいと言いましたが、それが全部入るわけでもないというところも御承知おきいただいた上で、できるだけ具体的な御意見を私どもにお寄せいただきまして、私、主査として、主査代理のお二人と一緒に事務局と丁寧に調整しながら、あるいはほかのワーキングあるいは上位部会と調整しながら進めてまいりたいと思いますので、これからも御協力を何とぞよろしくお願いいたします。
最後に次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】 次回の情報・技術ワーキンググループの開催については、後日連絡いたします。
なお、1月27日火曜日9時半から、第4回生活・総合ワーキンググループが開催され、小学校の情報の領域(仮称)を含む目標等についても扱われる予定であり、情報・技術ワーキンググループの委員の皆様は、オブザーバー参加が可能となっております。こちらについても、正式には後日事務局より連絡させていただければと思います。また、本日、ネットワークトラブル等ございまして、不手際がございましたことをおわび申し上げます。
私からは以上です。
【堀田主査】 これをもちまして、本日の情報・技術ワーキンググループの第5回を閉会といたします。皆さん、御協力ありがとうございました。
―― 了 ――
鈴木委員提出意見(PDF:258KB)
福田委員提出意見(PDF:264KB)
望月委員提出意見(PDF:214KB)
初等中等教育局学校参事官(デジタル学習基盤担当)付情報教育振興室
初等中等教育局教育課程課教育課程総括係
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