教育課程部会 情報・技術ワーキンググループ(第4回)議事録

1.日時

令和7年12月8日(月曜日)16時30分~19時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 情報活用能力の抜本的向上が目指す姿について
  2. 中学校情報・技術科(仮称)及び高等学校情報科における目標と見方・考え方について
  3. その他

4.議事録

【堀田主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報・技術ワーキンググループの第4回を開催いたします。本日もまた、大変御多忙の中、御参加いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は前半と後半に分けて進めたいと思っております。前半は、資料1に基づきまして、情報活用能力の抜本的向上が目指す姿及び各教科等との関係について御議論をいただきます。後半は、資料2を基に、中学校情報・技術科(仮称)、高等学校情報科、この二つの教科に対する目標及び見方・考え方等について御議論いただければと思っております。
 時間は2時間半取ってございますけれども、時間に限りがありますことから、意見交換の時間については、前半については30分、後半についてはそれぞれの教科に対して40分ずつを割り振っております。会議全体を通じて皆さんの御協力でもし時間が最後に余るようでしたら、会議の終わりの方でそれまで発言できなかった委員の皆さんから御意見を賜れればと思っておりますし、もし時間が余らなかった場合については、会議後に発言内容を事務局までメール等でお送りいただければ、議事録に掲載するという取扱いをさせていただきたいと思います。
 それでは、議題に移ります。初めに、議題1、情報活用能力の抜本的向上が目指す姿につきまして、事務局より資料1の御説明をお願いいたします。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  学校情報基盤課長の寺島でございます。それではまず最初に、私が資料1に基づきまして前半について御説明をしたいと思います。
 1ページをおめくりいただきたいと思います。今日の議論の位置付けを確認しておきますと、一番上の灰色の部分でありますけれども、前回第3回の本ワーキングにおいては、生活・総合ワーキンググループと合同開催ということで、主に小学校の総合的な学習の時間に付加する情報の領域の在り方あるいは小学校低学年における育成の在り方を議論したわけでございます。
 今回の議題は、この真ん中のピンクのところでありますけれども、今回議題を二つ用意してございます。議題2と書いてあるところですが、今回は中学校情報・技術科、高等学校の情報科の目標、見方・考え方これを中心に御議論いただきたいと思いますけれども、それの前提として、議題1のところで、情報活用能力についてそれが身に付くことによってどのような人材が育成されるのか、どのような社会が実現できるのか、こういった点を議論した上で議題2を議論していただくということにしたいと思います。そして、この後でありますけれども、一番下、青いところ、今日の議論も踏まえて、次回では中学校情報・技術科、そして高等学校情報科、この議論を続けていきたいと思っております。
 それでは、次のページ、まず、議題1、情報活用能力の抜本的な向上が目指す姿ということであります。このペーパーでございますが、左の青いところが検討課題ということありますけれども、今回なぜこういう課題を設定したのかという背景が少し書いてございます。一番左上の一つ目のポツにありますように、これまで情報活用能力として育成すべき資質・能力の整理を行ってきたところでありますけれども、この左下にございますように、これまでこのワーキングの中でも、例えば1ポツにありますように、12年間の情報活用能力の育成の結果として、どんな子供の姿を目指していくのかということとか、二つ目のポツにあるように、社会にどう影響を与えるのか、人間の尊厳や人権を守るという視点も考える必要があるのではないか、また、最後のポツ、いわゆるメディアリテラシーを含む情報活用能力に関するカリキュラムの充実によって何を目指すのか、こういったことも議論すべきではないかという問題提起もなされましたので、今回こういった課題設定をさせていただきました。
 右のピンクのところ、今後の検討の方向性というところであります。上のところ、2040年の社会の想定ということで、もちろん2040年代の状況は十分に見通し難いというところはありますけれども、例えば以下のような指摘がなされているところであります。
 一つ目の三角、そもそも、生産年齢人口が約1,100万人不足する事態が生じるのではないかということとか、あるいはAI・ロボット等の活用によって業種の中での人材のミスマッチが起こる可能性があるのではないか、こういった指摘がされております。
 また、二つ目の三角でありますけれども、偽情報・誤情報の拡散、こういったことをはじめとして、情報・技術の負の側面が人々の価値観を偏らせる、あるいは社会の分断を誘引・拡大し、民主主義を危険にさらすおそれがあるのではないか、こういった指摘もなされているところでありまして、こういった指摘を相当の危機感と切迫感を持って捉えないといけないのではないかと思っております。
 また、三つ目の三角でありますけれども、労働市場が流動化し、スキルの動向あるいは社会のニーズがより流動的になる、こういった状況において、柔軟に学び、そして働くという姿勢が一層求められるのではないかと、こういった社会が想定されるということでございます。
 こういった社会を想定したときに、次のところでありますけれども、全ての子供たちに情報活用能力を育んでいく必要があるのではないか。それはなぜかというと、全ての国民が情報技術の賢い使い手になる必要があるのではないかということです。この賢い使い手の中には、ただ技術を活用するということだけではなくて、民主主義社会の担い手になるということとか、主体的な学び手になると、こういった側面も含まれると思いますけれども、全ての国民がこういった賢い使い手、担い手になる必要があるのではないかということであります。これは山に例えれば、裾野を広げる、こういった必要があるのではないかということであります。
 一方で、情報・技術を活用してイノベーションの創り手も育てる必要性があるのではないかということです。これも山に例えれば、頂を高くすると、こういった必要があるのではないかということでございます。こういった取組が遅れていくと、例えば雇用不安とか、新たな知や価値が生まれなくなるのではないか、あるいは経済や民主主義が揺らいでいくのではないか、これからを生きる若者が自らの人生を舵取りすることが困難になるのではないか、こういったことが生じるのではないかということであります。
 これに対応するためには、情報活用能力の抜本的な向上を、この次の三角、四つありますけれども、こういった四つの側面からしっかりと捉えていくべきではないかと考えております。
 具体的には次のページ、4ページ目を御覧ください。4ページ目の一番最初の囲みの丸に書きましたように、先ほど申し上げたように、全ての子供たちが情報活用能力を獲得することによって、よき創り手、賢い使い手、そして主体的な学び手とならなければ、先ほど申し上げたような課題が生じてくるのではないかということであります。
 こういったことを見通して、情報活用能力を向上させる目的を四つの側面から整理してみたというのがこの下のところであります。ここに四つ掲げましたけれども、この四つも、左側の二つと右側の二つ、大きく分けると二つの側面から考えられるのではないかと思います。
 左側の二つのところは、どちらかというと、先ほど申し上げたような産業構造とか社会システムが変化する、そういったことに対応して、我が国の経済とか社会の発展を支える人材が必要であると、こういった社会・経済の観点からの要請という側面からこの二つは捉えられるのではないかということであります。
 一方、右側の二つの側面は、一人一人が個人として社会の変化に取り残されることなく、豊かな人生を送るために、基礎的なツールとして情報活用能力を身に付ける、こういった側面。そして、こういった能力を身に付けた個人が集まって、確かな民主主義社会を維持・発展させていくと、こういった要請から想定される期待が二つあるのではないかということであります。
 まず、左側の二つの期待1、期待2のところから御説明いたします。これらが求められる背景として、資料の5ページを御覧いただきたいと思います。この1にありますように、2040年には生産年齢人口は約1,100万人不足するという予測がある一方で、2番目にありますように、事務、販売、サービスなどの従事者に約300万人の余剰が生じる一方で、専門的・技術的職業のうちAI・ロボット等の活用を担う人材が約326万人不足するというミスマッチの可能性が指摘されております。
 また、3のところにありますように、労働力のシフトが起こることを見通していくと、いわゆるアドバンスト・エッセンシャルワーカー、こういった人材の育成、あるいはイノベーションを創出する人材の育成が急務ではないかということで、ございます。このために、全ての子供たちに情報活用能力の抜本的な向上を図ることで、我が国の持続的な成長を支える打ち手になるのではないかということであります。
 4ページにお戻りください。そういったことを背景にして、期待1でありますけれども、世界トップレベルのイノベーション創出人材を輩出するということです。その下に小さな字で書いてありますけれども、2行目真ん中のところから、新たな知や価値を生み出す力の源泉として情報活用能力を育成して、イノベーションを創出する人材の素地としていく、こういったことが期待されているのではないかということです。
 その下、期待2でありますけれども、地方経済を維持するアドバンスト・エッセンシャルワーカーを養成するということで、下の2行目の後半からでありますけれども、AI・DX等のスキルを駆使し、生産性の向上や新たなビジネスモデルの実装・改善に資する情報活用能力を育成することで、我が国の持続的な成長を支える人材の素地としていく、こういった側面があるのではないかということです。
 右のところで期待3でありますけれども、社会の分断を防ぎ、確かな民主主義の担い手を育成するということです。これも背景を少し説明しますと、資料の6ページでございます。1ポツにありますように、世界経済フォーラムの報告でも、いわゆる偽情報・誤情報の拡散というのは世界的に見ても大きなリスクとして捉えられております。また、2ポツあるいは3ポツにありますように、情報や情報技術を正しく理解し適切に行動していかないと、価値観の偏りとか社会の分断ということ、ひいては民主主義を危険にさらすおそれがあると、こういったことが指摘をされているわけであります。
 このために、情報活用能力の抜本的な向上を図って、社会にあふれた情報の中から真に必要な情報を吟味し適切に取り扱う力、これを養うことで、自ら意見を形成し、多様な他者と対話や合意を図るといった確かな民主主義を担う力が養成され、社会の分断を防ぎ得るのではないかということでございます。
 また4ページに戻っていただきまして、こういったことを背景にして、期待3の小さな字で書いてあるところ、2行目の後半ですが、情報技術を適切に用い、情報を吟味のうえ意見を形成、多様な他者と対話を図ることができる確かな民主主義を担う人材の素地としていく、こういうことが求められるのではないかということです。
 最後、期待4でありますけれども、社会の変化に取り残されず、自らの人生を舵取りし、探究し続ける力を育成する必要があるのではないか。これも少し背景を7ページで御覧いただきますと、1ポツにあるように、今後マルチステージの人生モデルに移っていくということが想定されるわけであります。また、3ポツにありますように、企業の観点からしても、スキルベースの組織へのシフトということが今後想定されるだろうということであります。一方で、2ポツにありますように、現実、今身に付いているスキルとこれから求められるスキルの間にまだまだギャップがあるということとか、日本の社会人が個人の自己啓発を行っていない割合が高いと、こういった現状もあるわけでありまして、このために情報活用能力の抜本的な向上を図ってより学び直しを後押しし、人生の舵取りをする力、こういった力を身に付ける必要があるのではないかということであります。
 それが4ページに戻りますと、期待4に書いてありますけれども、小さなところの字の1行目の最後から、生涯にわたって自らの人生を舵取りし、実り多きものとするために、情報技術を適切かつ効果的に使いこなして、探究心を発揮し学び続ける人材の素地としていく必要があるのではないか。この四つの側面から、情報活用能力の抜本的な向上の必要性を捉えるべきではないかと考えております。
 このために、8ページでありますけれども、では、こういうことを目指すために学習指導要領上でどういうふうに考えていけばいいのかということを整理したのがこの図ということであります。下の図を少し見ていただきますと、小学校、中学校、高等学校のところで白抜きで書いてあるところが現状ということです。これまでも議論してきたように、小学校では指導要領上、情報を扱う部分の明記がないという問題、中学校では技術科の1領域にとどまっているという問題、そして高校の情報科では、右の矢印に吹き出しが書いてありますけれども、現行の情報Ⅰではデータの扱いとかあるいはAI等の内容が十分ではないので、例えば数理・データサイエンス・AI教育プログラムのレベルで言うところのリテラシーレベル、こことのギャップがかなりあるのではないかと。
 こういった現状認識の下で、それぞれ小中高のピンクから赤くなるところでありますけれども、今議論しているようなところをそれぞれ向上させることによって、高等学校を卒業する時点では、少なくとも情報Ⅰを学んだ生徒、これは必履修科目でありますけれども、情報Ⅰを学んだ生徒は、このリテラシーレベルの概観はみんな履修していると、こういった状況を作りたいということであります。そして、それが高等教育に繋がって、高等教育でのリテラシーレベル、応用基礎レベル、エキスパートレベル、こういったところに繋がっていくのではないかということであります。
 まとめますと、この四つの観点から、情報活用能力の抜本的な向上というのは不可欠で、そして、それを指導要領上表すとすれば、小中高、こういったカリキュラムを作って、このリテラシーレベルを全員が概観するというところでもっていきたいと、こういったことで今議論をしてはどうかという御提案でございます。
 すみません、長くなりましたが、2ポツは相川の方からお願いします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  続きまして、各教科等の関係ということで、こちらを説明させていただきます。資料10ページ目を御覧ください。左側の検討課題についてですけれども、論点整理において、情報活用能力を各教科等における探究的な学びを支える基盤と位置付けるべきとされたこと、小学校総合的な学習の時間情報の領域(仮称)、中学校情報・技術科(仮称)、高等学校情報科が、情報活用能力育成の中核的な教科等となり得ることなどを踏まえ、各教科等が情報活用能力の育成にどのように関わるのかについて、イメージを共有する必要があると考えております。
 資料右側ですけれども、情報活用能力の育成に係る各教科等の役割分担として、情報活用能力の育成は、主として小学校総合的な学習の時間情報の領域(仮称)、中学校情報・技術科(仮称)、高等学校情報科、これらをまとめて「核となる教科等」と言わせていただきますけれども、この核となる教科等において情報活用能力を育成し、各教科等の学びを支えるとともに、各教科等の文脈で効果的に機能させることで情報活用能力の一層の向上にも資するという往還関係として整理してはどうかというふうに提案させていただいております。
 次のページに補足イメージを示しております。こちらは、資料上部が情報活用能力の核となる教科等と情報活用能力の育成の関係性のイメージを示したものになっております。左上のイメージのとおり、小学校で教科等に明確な位置付けがないこと、そもそもデジタル学習基盤を前提としていない現行学習指導要領であることなどから、全体として育成のイメージが薄いものとして描いております。それが次期学習指導要領では、核となる教科等が出来、また、デジタル学習基盤が前提となることから、育成することが明確になるイメージをお示ししております。
 また、資料下半分については、その育成された情報活用能力が各教科等で効果的に機能するかどうかという観点でイメージを示しております。左下のイメージでは、育成が薄いため、情報活用能力も必ずしも効果的に機能できていないというイメージを示しつつ、右側では、育成が盤石になれば、各教科等で情報活用能力が効果的に機能し、さらにそれが情報活用能力の練度を高め、往還するというイメージを示しております。そういった概念整理になるのではないかと考えておるところです。
 資料一つ戻りまして、10ページ目です。このような考え方に基づけば、GIGAスクール構想で整備されたデジタル学習基盤の下、情報活用能力の主たる育成を核となる教科等で責任を持って担うことにより、そのほかの教科等にも大きく裨益し、全体最適に繋がるのではないかといった整理をここでは提案させていただいております。
 以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。この後、委員の皆さんの御意見を賜りたいと思います。先ほども申し上げましたように、まず、これについての議論の時間は30分弱ぐらいしかございません。たくさんの方々にできるだけお話しいただきたいので、1回の発言はできれば2分、どんなに長くても3分を超えないように御協力をお願いしたいと思います。また、御発言の際は、御発言の希望がある方は挙手ボタンでお示しいただきまして、私の方から順次御指名差し上げたいと思います。
 それでは、御意見がある方、よろしくお願いいたします。
 では、大谷委員、泰山委員、萩谷委員の順番で参ります。大谷委員からお願いします。
【大谷委員】  堀田主査、ありがとうございます。これまで情報活用能力の育成の体系に関する議論が中心でしたが、今回はそもそも情報活用能力をなぜ育成するかという大枠の話について検討する機会と受け止めましたので、主に御提示いただいた資料の4ページ目にある4つの期待に関して意見を述べさせていただきます。
 4ページ目の期待1から4については、社会からの要請に関わる人材育成の内容かと察しましたので、これは情報教育や技術教育の以前からある社会からの要請の特徴がこれらの期待に表れており、こちらはそのとおりかと思っています。一方でこのような人材育成の内容に関しましては、第6期科学技術基本計画においても、人材育成において問題発見・解決的な学びの充実が示されていますので、なぜ情報活用能力を抜本的に向上する必要があるのかについては、この情報活用能力が問題発見・解決のための基盤的エンジンになるからだと私は認識しています。日本のSTEAM教育の推進においても、情報活用能力がその基盤にあると思っています。
 また、今回の参考資料2の数理データサイエンスの資料の内容にも示されていますように、これらの数理データというのは実社会だとか実生活で児童や生徒が気付いた問題、主にここでは社会課題を指していると思いますけれども、それに目を向けることが大事かと思います。この後議論します課題2の内容についても、中高の目標にも問題発見だとか解決の内容が含まれていますので、是非、実社会や実生活における問題を発見・解決する基盤的エンジンとしてこの情報活用能力を抜本的に向上する必要があるのだという趣旨を入れていただけると、各教科で担う役割も見えてくるかと思いますので、是非この辺りを御検討いただきたいというのが意見になります。
 私の方からは以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。それでは、泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】  よろしくお願いいたします。情報活用能力を社会における発揮の姿から描くということと、各教科との関連を整理して示すということについては非常に重要な整理だと捉えております。その上で2点お話をさせてください。
 1点目は、8ページ目の補足イメージ5に関連して、小学校情報、そして中学校情報・技術科、高等学校情報科の系統性を示す必要があるのではないかという点です。今回お示しいただいたものでいうと、高校における情報活用能力が発揮された姿というのは非常に明示されているのですけれども、特に小中においては、学校の学びにおける基盤としての要素が強くなる一方で、では、高校のリテラシーレベルに到達するために、小中でどのように子供の姿をイメージすればいいのかということが明記される必要があるのではないかというのが1点目です。
 2点目です。11ページ目です。各教科との関連や区別についてということです。今回検討しているような、それぞれの発達段階・校種において核となる教科が立ち上がるというのは非常に重要ですが、一方でそこだけでやっていればいいという誤解を生まないという視点も非常に重要だと思っています。そのためには、やはり学習の基盤となる領域での指導と各教科の学びとの繋がりが把握しやすいような示し方、これが重要かなと思っています。つまり、核になる時間で指導される情報活用能力はどういったものなのか、それが各教科のどのような活動で発揮され得るのか、さらに、そういう時間が設定されていたとしても、教科の内容として指導される情報活用能力としてまだ残るものは何なのかみたいな、その辺りの関係の明示が必要なんじゃないかなと感じております。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。萩谷委員、お願いいたします。
【萩谷主査代理】  6ページ目についてですけれども、2の偽・誤情報の拡散の構造的な要因として共同体に関係したメディア的な要因が挙げられていますが、例えば犯罪目的で生成AIも活用して意図的に偽の情報を送信したり拡散したりすることが恒常的に行われているところで、そのような観点と情報セキュリティの重要性についてもここに記載していただきたいと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。それでは、この後、蓮池委員、山脇委員、井手委員の順番で御指名いたします。蓮池委員、お願いします。
【蓮池委員】  蓮池です。8ページをお願いします。高大連携であったり、社会とのデータサイエンスとの関わりに対してコメントさせていただきます。
 情報活用能力の抜本的向上ということで情報Ⅱの方の内容が応用基礎レベルまで進出しているということは多分意欲的なことだとは思うのですけれども、一方でここまでやってしまうと、ただ単に手法の羅列であったり、ただソフトウエアを使うだけということになって、そうなっていくと、恐らくその後の育成する人材像に多分繋がっていかないのかなと思っております。
 実際にモデルを作って、実際に試してみて動かしてみて、結果を出すというところを恐らく情報Ⅰの方ですることになるとは思うんですけれども、情報Ⅱの方は、そこに対してモデルの吟味であったり、分析内容から改善であったりといった、いわゆる情報リテラシーレベルをより深める、MDASHのリテラシーレベルを深めるというふうな行為の方が、恐らく将来目指すアドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成であったり、土台がしっかりしてくると、その上に立ついわゆるエキスパートの育成にも繋がってくるかと思います。
 また、こういった教育をするためには、やはり先生方がこういったデータサイエンスの内容を理解していただいて教育に繋げていくような仕組みが必要になるかと思います。先生方は、やはりプログラミングや情報リテラシーの方の教育でもそうかもしれませんが、特にやっぱりデータサイエンスの方の教育がまだまだ浸透してない部分があって、子供たちもそれが伝わってない部分があるかと思いますので、そういった部分をしっかり育成していくような機能とともに、リテラシーレベルをしっかりと固めて大学へ接続する、社会へ接続することが重要なんじゃないかなと思います。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。それでは、山脇委員、お願いいたします。
【山脇委員】  ありがとうございます。4ページのところをコメントしたいと思います。今回、目指す姿が示されたのはよかったと思いますし、「民主主義」という言葉が入ったのも非常によかったと考えております。
 ただ、「世界トップレベルのイノベーション人材」とか、「地方経済を維持するアドバンスト・エッセンシャルワーカー」という言葉が引っ掛かります。文部科学省自らTier1とTier2を区別しているような感じがいたしますし、「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」という言葉もあまりなじみがないように思います。まずは「民主主義の担い手」というのが第1に来るべきだと思いますし、そのほかのワーキンググループでも重視されているクリティカルシンキングの力をつけつつ情報・技術にもなじんでいくことによって、結果的にグローバルに活躍する方も、地方で活躍する方も出てくるのではないでしょうか。もう1点、そもそも「情報活用能力の抜本的向上」というタイトルについてですけれども、前回も申し上げたように、大量の虚偽情報が流れる中で「情報の不活用」とかネガティブ・ケイパビリティも大事だと思います。情報活用能力の中に「適切な取扱い」が入っているのが今までの考え方だと思うのですけれども、なかなか読み取りにくいと感じております。
 その後もいろいろ考えたのですけれども、もちろん情報を活用する能力は重要ですけれども、そもそも、情報にどう対応するかという部分が重要だと思いますので、「情報活用・対応スキルの抜本的向上」とか「情報活用・吟味スキルの抜本的向上」と言い換えるではいかがでしょうか。「能力」というのが先天的なものを含む言葉ですので、鍛えれば伸びる「スキル」という言葉に言い換えた方が、その後の中学、高校における目標にも生きるのではないかと思います。生産技術やコンピュータースキルは活用すればするほど伸びると思いますが、情報については、まず「対応する」、「吟味する」という部分が重要だと思いますので、そういった言葉を入れることによってイメージが分かりやすくなるのではないかと思います。
以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。それでは、井手委員、お願いいたします。
【井手委員】  よろしくお願いします。1点、8ページについて御意見申し上げます。文理の枠を超えて高校生全員に対して数理・データサイエンス・AIを日常生活や仕事等で使いこなすことができるリテラシーレベルの学習を保障する枠組みを構築することは、情報活用能力の抜本的向上に向けた重要な取組であると認識しております。さらに、将来的な柔軟な教育課程編成の促進を見据えまして、高度な情報活用能力の育成を可能とするよう、応用基礎レベルまでの学習を展開できる仕組みを構築することも重要な取組であると感じております。のではないかと思います。
 一方で、蓮池委員も御発言されたように、この図からは、高等学校情報Ⅰの学習内容がリテラシーレベルを全て包含しているかのような印象を与える可能性があります。また、情報Ⅱにおいては、応用基礎レベルの半分以上の内容を学習しなければいけないという誤解を招きかねません。同様の理由で、中学校技術科が現行の高等学校情報科のほとんどの内容を含むようになるのではないかという誤った認識を持つ危険性もあります。これは小学校においても同様です。赤枠は、上位の校種で学習する内容の全てを表しているわけではないということですが、多くの教員は図に示された面積に対して非常に敏感です。視覚的に受け取る情報が誤解を促す可能性が高いと考えています。つきましては、実現可能性という観点から、図中の面積について下方修正いただくことを御提案申し上げます。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  よろしくお願いします。まず、4ページですが、前回の第3回で私は情報教育は民主主義の存続を支える教育基盤だと発言しまして、そういった意味で「期待丸3」が入ったのはすごくよかったと山脇委員もおっしゃっていましたが、私もそう思います。ただ、ここの文言の中で「社会の分断の可能性」というのがありますけれども、社会の分断がもう加速しつつあるという認識を明記する必要があると思いました。
 あと二つです。「期待丸2」ですが、エッセンシャルサービスや地方経済を強調する意図は読み取れるんですけれども、やはり本来対象というのは都市部を含めて全国全ての産業であるべきだと考えています。もし地方・エッセンシャル領域にしぼって期待したいのであったら、その理由、次のページの3ポツ目にAI時代のホワイトカラー余剰と現場労働力不足というようなことが書かれているのですけれども、そういったものを本文に反映しないと、意図が読み手に伝わりづらいのかなと思いました。
 あと、8ページですけれども、リテラシーレベルというその語感、印象ですけれども、やはり基礎知識のレベルと捉えられる可能性があると思います。その中で、このリテラシーレベルのゴールがデータサイエンスやAIを使いこなすことができると示されているので、中学段階でどのレベルまでのイメージがあるのかちょっと分からないのかなと。なので、せっかく情報・技術科というものを充実させるのであれば、基礎知識レベルを正式に設定して、例えば中間到達点として、ルールとかマナーとか、仕組みとか制度を理解するというレベルの、要するに、リテラシーレベルのもう一つ下のレベルがあってもいいんじゃないか、そういうものを明示する必要があるのではないかなと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。鎌田委員、お願いいたします。
【鎌田委員】  では、鎌田です。よろしくお願いいたします。
 8ページの点について意見を述べさせていただきます。おおむね、不安感とか誤解を招くというイメージについては、先ほど井手委員が述べた意見と全く同意見で、ほぼ同じです。それのところに付随して、高校情報のリテラシーレベルと、さらに情報Ⅱに関しては応用基礎レベルまで上げるというのは、情報活用能力の抜本的向上を目指す上では確かにそこのレベルを目指すのは十分分かるのですけれども、ただ、現場感として、今この段階から準備をしてやっていこうというときに不安を感じています。その不安を払拭するためには、やはり相当なてこ入れが現場には必要だと感じております。
 現場から感じているのは、やはり情報Ⅰ・Ⅱが応用基礎レベルまで接続するのであれば、まず研修の充実とか、パソコン教室の充実とか、条件整備を整えていかないとかなり厳しくなるのではないかと感じています。高校も、小中高も全部そうですけれども、1人1台端末が入ってから、コンピューター教室がなくなった、1人1台端末に代替する形で進んでいる都道府県もありますけれども、回線の問題とか環境の問題を考えたときに、応用基礎レベルまで十分な話をできる環境の整備というのは必須になるので、そこのところをまず保障していくことが一つです。
 もう一つが、指導体制です。各都道府県の方で教員研修等を担っていますが、いろいろな手だてで県の研修等をサポートしていく体制が必要じゃないかと思います。また、情報Ⅰが始まった際は教員研修用教材と研修を国の方が作り、県の方で研修を実施しましたが、そのときの問題点や足りなかった部分を分析して、今後の抜本的な向上に向けて、高校のみならず小中高どのような手だてが打てるのかというのを考えていただきたいと思っております。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。それではこの後、春日井委員、宇都宮委員の順番で御指名いたします。挙手が必要な方は急いでお願いいたします。
 春日井委員、お願いいたします。
【春日井委員】  よろしくお願いします。まず、4ページをお願いします。ありがとうございます。期待の丸1ですが、世界トップレベルのイノベーションを創出と書いてあって、何か特別な子供に対してのものと受け取られそうな危惧を持っております。イノベーションを応用していくような人材とか、また、普及していくような人材といった裾野の広さも必要だと思いますので、その素地を育成していくことも触れられるといいのかなと思っています。丸2のアドバンスト・エッセンシャルワーカーの養成についても、同様に思っております。これらを育成するためには、情報活用能力の丸3の特性の理解に対応して、ここ伸ばしていく必要があるんだろうと思います。
 期待の丸3は、情報活用能力の丸2の適切な取扱い、丸4は丸1の活用に対応しておりますので、順番としては、情報活用能力の丸1が基盤という位置付けになっていたかと思いますので、丸4、3、2、1若しくは丸4、3、1、2の順で示していくのがよいかなと考えております。
 続いて、8ページお願いいたします。ここについては、蓮池委員、井手委員、鎌田委員がお話しされたとおりかなと思っておりますが、右の方には概観と書いてありますが、左の赤い方も、誤解されないように概観と分かるように示していただくのがいいかなと思っております。
 体系性については、どちらかというと数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラムに即してこちらは書かれていて、以前の議論では、情報学参照基準なども参考にしておりましたので、全体を俯瞰したような体系性を整えていけばいいのかなと考えております。
 以上になります。よろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。では、宇都宮委員、お願いいたします。
【宇都宮委員】  宇都宮です。よろしくお願いいたします。
 今映していただいている8ページ目、たくさんの委員の先生方からコメントをいただいているところと私も共通するところがあるのですけれども、まず、リテラシーレベルというところからだんだんエキスパートレベルに上がっていくという構造そのものはすばらしいと思いますので、AI for everyoneというか、みんながAIを使いこなせるといいますか、使えるようになるということを前提に考えるというところは深く共感しているところでございます。
 そこで、基本的なツールというのを、AIを学ぶというよりはAIをツールとして使って、誰でも使えるようなツールがあるからこそ、理解のレベルがそれぞれいろいろなレベルまで理解していたとしても、誰もが使えるという状態に持っていく。先生方が深いところまで理解してとなると、先生方が理解して、さらに学生に提供するということでステップがたくさん増えてしまうと、どんどんAIの技術が進化していったときに、キャッチアップと技術の進化というところでギャップが生じかねないなと思っているので、そこのギャップを縮めていくようなツール作りとか環境作りというところが非常に重くなってくるような印象を持っております。
 あとは、数理とデータサイエンスを日常の場で使いこなすというのは、結構リテラシーレベルとして求められるのがそれなりに高いなと思っておりまして、そういったものを、今、AIを使うと使いこなせるようになるのだという二段構えがあるのかなと思うところでございます。
 あと、情報セキュリティの誤情報に関するお話があったかと思いますけれども、こちらに関しては、6ページ目ですかね。6ページ目に関しても、日本が特にここの理解が不十分というところで、ここもやはり偽情報とは何かというものはどんどんやっぱりアップデートされていくものだと思っておりますので、どちらかというと、どういうものが偽情報かという見方だけではなくて、なぜ人が誤情報に引き寄せられてしまうかとか、構造的なリスクがあるのかというようなところの概念そのものも学習というところに取り入れていく必要があるのかなと思った次第でございます。
 以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。皆様の御協力で御発言の挙手はここまでさせていただきます。
 説明の追加を事務局に少ししていただきたいと思います。事務局、お願いします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  事務局でございます。資料の8ページ目、先ほど委員の何名かからこちらについて御意見いただいたところでございます。特にリテラシーレベルと高等学校情報科の部分のところを補足させていただきますと、リテラシーレベルの色が大学・高専段階の内容としての深みを表しています。情報科に関しては色が薄くなっているということで、必ずしも高校段階と大学・高専段階で同じ深みのことをやるわけではないということは補足させていただければと思っております。当然ながら、今後、高校の内容についてまた詳しく議論をいただくといったときに、このMDASHのモデルカリキュラムとの関係性等も明確にしていく中で、一体どこまでの範囲を示しているのかということは今後また審議いただきたいと考えておるところでございます。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。ここまでとしたいと思いますが、皆さんからたくさん御意見いただきまして、より誤解が生まれない表現等についてまた事務局と私の方で検討してまいりたいと思います。ただ、先ほどのアドバンスト・エッセンシャルワーカーは政府の骨太の方針とかで使われている用語でして、そういう意味で政策の一貫性みたいなこととの関係もございます。このMDASHのカリキュラムも同じことでございます。より説明をしっかりと付け加える形で、御理解いただけるようにしてまいりたいと思います。御協力ありがとうございました。
 それでは続きまして、次の議題に参ります。資料2の1ポツ、2ポツ、こちらもありますけれども、事務局より御説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  教育課程課の主任教育企画調整官の髙見と申します。
 資料2を御覧ください。本日の議題の二つ目といたしまして、中学校の情報・技術科(仮称)、こちらと高等学校情報科における目標と見方・考え方について御審議いただければと存じます。
 2ページ目を御覧ください。情報・技術科(仮称)における現状と課題を整理しております。まず左側、1ポツ、現行の教育課程の考え方といたしまして、一つ目の黒丸にございますとおり、技術・家庭科は、社会の変化や要請に応じる形で男女共修化や情報領域の必修化、問題解決の重視等の変遷を経てきたこと、三つ目の黒丸にございますとおり、技術分野については、技術革新を牽引する素地となる資質・能力の育成をねらいとして、各技術の重要な概念に基づいた指導内容とするとともに、情報・技術の内容を充実すること、技術による問題の解決を通して資質・能力を育てること、第3学年で統合的な問題を取り扱うことなどを規定しているところです。
 また、右側、2ポツの現代の情報・技術を取り巻く状況として、一つ目の黒丸にございますとおり、テクノロジーの社会実装を加速するとともに、それらを使いこなす人材の育成が必要であること、いわゆるデジタル技術の民主化によって、一人ひとりの思いや願い、意志を具現化し得るチャンスが拡大していること、今後の労働需要が変化する中で、ジェンダーギャップにも留意しつつ、初等中等教育段階からのSTEAM教育の充実を図る必要があること、技術に関わる倫理の問題が一部顕在化することなどを掲げております。
 続きまして、3ページ目を御覧ください。3ポツ、技術・家庭科(技術分野)の成果と課題といたしまして、まず一つ目の黒丸にございますとおり、技術分野の学習について生徒は好意的な意識を持ち、有用性を感じている傾向にあること、また、二つ目でございますけれども、実践的・体験的な活動に伴い習得した基礎的な用語や操作の理解、プログラミング結果を評価・改善・修正する力の育成などで成果が見られる一方、三つ目の黒丸にございますとおり、教科の目標と分野のねらいが乖離していること、各分野の技術に共通する重要な概念の理解や新たな発想に基づく技術の改良や応用、考える力といった資質・能力の育成に課題があること、教員の指導面でのデジタルものづくりの活用を十分行えていないことなどの課題も見られるところでございます。
 そういった中、6ページ目まで飛んでいきますけれども、1ポツ、目標・内容等の検討に関する基本的な方針といたしまして、本日は目標の柱書と新しい見方・考え方について御審議いただいた上で、次回以降、資質・能力の柱ごとの目標や高次の資質・能力、それを踏まえた個別の内容について御審議いただければと考えております。
 その上で、右側、2ポツの目標の柱書の整理といたしまして、まず一つ目の黒丸にございますとおり、新たに創設する情報・技術科(仮称)に求められる役割としては、技術でものを生み出し、生活や社会の問題を発見・解決する素養を身に付けること、情報活用能力の育成を主たる受け皿として、情報技術に関連する内容を強化すること、こういったことを掲げた上で、目標の柱書に記載する資質・能力の趣旨として、情報技術によって生活や社会の問題を発見・解決するという情報活用能力の側面と、技術によるものづくりなどの価値創造を通じて問題を発見・解決するという技術科固有の側面を合わせて示すとともに、学習過程につきましては、情報技術を実践的・体験的に学ぶという情報活用能力の育成に資する側面と、情報技術を基盤とする生産技術を実践的・体験的に学ぶという技術科固有の側面を合わせて示すこととしてはどうかと考えております。その際、小・中・高等学校を通じて情報活用能力を育成することとされていることから、後ほど説明する高校情報科の目標との関連も意識する必要があると考えております。
 このような考え方に基づきまして整理した新旧の教科目標の柱書を補足イメージ1として9ページに示しております。こちらを御覧いただきますと、上の部分が現行の技術・家庭科(技術分野)の目標、それから下の部分が改訂案を示した内容でございます。この改訂案におきまして、先ほどの考え方に基づいて、情報や技術でものを生み出し、生活や社会の問題を発見・解決する資質・能力について、情報技術やそれを基盤とした生産技術に関する実践的・体験的な活動を通して、次のとおり育成することを目指すと、こういった形で文言として考えていってはどうかと捉えているところでございます。この下の知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性については、また次回以降のワーキングで御検討いただければと考えているところでございます。
 それから続いて、7ページを御覧いただければと思います。こちらは新しい見方・考え方についてです。3ポツの新しい「見方・考え方」の整理といたしまして、左側の三つ目の黒丸にございますとおり、社会や生活の中で技術を使いこなして生活や社会をよりよくするとともに、それらの技術を発展させることが、情報・技術科(仮称)を学ぶ意義であるとともに、技術が人間や環境に想定外の影響を及ぼすおそれがあることを理解する必要もあることを踏まえ、前提となる状況認識として掲げております。
 その上で、右側の(2)整理に当たっての基本的考え方といたしまして、新しい見方・考え方では、まず一つ目の黒丸でございますけれども、当該教科で扱う事象や対象として、生活や社会の問題を中心に扱うこと、また、二つ目の黒丸でございますけれども、当該教科固有の物事を捉える視点として、情報技術や生産技術が人間や環境に想定外の影響を及ぼすおそれがあることを踏まえ、技術との関係で正負の両面を含む多角的な視点で捉えること、また、三つ目の黒丸にありますけれども、当該教科固有の考え方や判断の仕方としては、豊かな生活や社会の実現に向けて、情報技術や生産技術を適切に活用したり、技術そのものを創造したりすること、こういった考え方で整理してはどうかと考えております。
 補足イメージ2といたしまして、10ページ目にございますけれども、現行と改訂後の案を示しております。現行のものが上でございますけれども、改訂案のところを御覧いただきますと、先ほどの考え方に沿って、生活や社会における問題を技術との関係で正負の両面を含む多角的視点から捉え、豊かな生活や社会の実現に向けて、情報技術及び生産技術を適切に活用したり、創造したりすること、こういったことを軸に御意見をいただければと考えているところでございます。
 続きまして、8ページ目を御覧ください。こちらは、今度は新しい領域構成の方向性ということでございます。まず、(1)の領域構成につきましては、情報技術をより広範かつ深く学ぶ必要性が格段に高まっており、独立の領域を設置する必要があること、また、現行の、AからCの技術分野でございますけれども、AからCまでの生産技術は引き続き不可欠な技術であり、生産技術と情報技術は相互に補完し合う関係にあること、情報技術と生産技術を掛けあわせた学びが一層重要であること、また、現行の生産技術の3領域は、多様化・複雑化する生活や社会の中で横断的に学習を進めることが不可欠であること、こういったことを踏まえまして、下のところでございますけれども、生産技術を支える情報技術(仮称)の領域を設置するとともに、生産技術間も横断的・探究的に学ぶことを重視する観点も踏まえた、情報を基盤とした生産技術(仮称)、この2領域に改善することとしてはどうかと考えております。
 こちらの補足イメージにつきましては、12ページに領域の改善イメージを示しています。先ほど申し上げたとおり、左側が現状でございまして、右側が新たな改善のイメージでございます。下の情報技術(仮称)、そして情報を基盤とした生産技術(仮称)ということで、その中には材料と加工の文脈、あるいは生物育成の文脈、エネルギー変換の文脈、こういった形で全体像として整理してはどうかと考えているところでございます。
 続きまして、また8ページ目にお戻りください。(2)の内容項目の構成といたしまして、小中高を通じた情報活用能力の主たる受け皿としての位置付けである中で、学習内容の体系性を重視する必要があること、学習内容が高度化する中で、技術の原理や仕組みを知り、技術を使った問題解決を実践し、その技術を評価するといった学習過程の定着が図られていない課題に向き合う必要があり、技術の学習過程を重視する必要があることなどを踏まえまして、内容項目を構成するに当たっては、扱う技術の範囲を明確にして漏れなく必要な学習内容を指導できるようにするという学習内容の体系性を重視する視点と、教師が情報・技術科(仮称)の本質的な意義を掴みやすいよう、技術の学習過程を重視する観点、この二つの観点からバランスのよい構成の在り方を検討してはどうかと考えております。
 補足のイメージとして、補足イメージ4でございますけれども、13ページに内容項目の構成イメージを示しております。こちら、左側が学習内容に着目した構成要素(案)ということで、情報技術(仮称)、それから情報を基盤とした生産技術(仮称)それぞれの領域についてその構成要素として掲げるとともに、右側は学習過程に着目した構成要素(案)ということで整理しておりますので、後ほど審議の御参考としていただければと存じます。
 私からの説明は以上でございまして、続いて、相川の方から説明いたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  説明者を切り替えさせていただきまして、画面共有させていただきます。
 資料の続きでございます。高等学校情報科に関する現状課題と目標、見方・考え方についてということで、資料16ページ目を御覧ください。高等学校情報科における現状と課題を整理しております。
 まず左側、1ポツ、現行教育課程の考え方として、高等学校における情報活用能力の育成の中核を担う教科として位置付けられていること、平成30年改訂では共通必履修科目として情報Ⅰを設けたこと、情報Ⅰにおいて培った基礎の上に、問題の発見・解決に向けて情報システムや多様なデータを適切かつ効果的に活用する力やコンテンツを創造する力を育むといった観点から選択科目情報Ⅱの内容を規定していることなどについて示しております。
 また、資料右側、2ポツ、情報科に対する社会からの期待に関係することとして、我が国のデジタル競争力は他国の後塵を拝していること、高等教育においては数理・データサイエンス・AI教育を充実させていること、高等学校段階においては、ICTを用いた探究型の学習頻度がOECD最下位であること、令和7年度入試より大学入学共通テストに情報Ⅰが追加されたことなどについて示しております。
 続きまして、17ページ目を御覧ください。3ポツ、情報科の成果と課題として、情報の科学的な理解に裏打ちされた情報活用能力を育むことが可能となるよう教育課程が改善された一方、授業の形式について、協働的な学びに生徒のニーズがあるものの、教師による説明中心の授業展開になっていること、指導内容に対して授業時数が足りないと感じている教師が多いこと、学校規模等の関係から、情報科の教員が複数校を指導する場合もあること、一部の学校では実習に対応できる環境等が十分に整備されていないこと、情報Ⅱの開設率は増加傾向にあると考えられるが、一方で自治体間の開設率の格差があると考えられること、また、以前のワーキングにおいても課題として整理しているところでございますけれども、指導体制であったり環境面等に関する課題があることなどについてお示ししております。
 資料飛びまして、20ページ目を御覧ください。1ポツ目、目標・内容等の検討に関する基本的な方針として、本日は目標の柱書と新しい見方・考え方、科目構成について御審議いただいた上で、次回以降、資質・能力の柱ごとの目標や、高次の資質・能力、それを踏まえた個別の内容について御審議いただければと考えております。
 資料右側、2ポツ、目標の柱書の整理を御覧ください。今後、デジタル技術の発展によって多様な個人の思いや願い、意志を具現化し得るチャンスが生まれていくことを踏まえると、情報活用能力はこれまでのように問題発見・解決に資するのみならず、一層価値の創造を支えていくことになると考えられる。
 このことを踏まえると、目標の柱書として示す資質・能力の趣旨としては、生活や社会の情報に関する問題を情報技術で解決するという側面と、データ化されてない新たな情報を発見し、情報技術の力も使って可視化し、新たな価値の創造を支えていくという側面を合わせて示してはどうか。
 また、学習過程に関しては、論点整理における情報活用能力の整理として、高校段階ではより抽象的・科学的な理解を必要とする情報技術の丸3、特性の理解を一層重視することが示されていることを踏まえて、その科学的な理解を学ぶとともに、それに基づき探究的に活用する学習活動を実施することを示してはどうか。
 なお、論点整理において、小中高を通じて体系的・抜本的に情報活用能力を育成する方向性が示されていることを踏まえ、中学校情報・技術科(仮称)の目標との関連も意識する必要があると提案させていただいております。
 このような考え方に基づいて整理した新旧の教科目標の柱書を補足イメージ1として24ページに示しておるところでございます。上は現行の目標でございますけれども、下に改訂案ということで、生活や社会の情報に関する問題を情報技術で発見・解決したり、価値を創造したりする資質・能力について、情報技術を科学的な理解に基づき探究的に活用する活動を通して、次のとおり育成することを目指すとしております。
 また、21ページ目を御覧ください。3ポツ、新しい「見方・考え方」の整理とありますけれども、まず(1)として前提となる状況認識を示させていただいております。Society5.0時代においては、身の回りにある多くのものに情報技術が活用され、こうした社会の課題解決には情報技術が不可欠であることから、情報活用能力を備えたよき創り手、賢い使い手でなければ、思いや願い、意志を具現化することはできない。このことを踏まえると、情報技術を使ってあらゆる事柄を情報として捉え直し、生活や社会における問題の解決や価値の創造に資するよう再構成することを通じて、生活や社会をよくすることを考えることが情報科を学ぶ意義と考えられるというような認識を書かせていただいております。
 続いて(2)整理に当たっての基本的な考え方として、先ほどの認識の上で、見方・考え方において示す当該教科で扱う事象や対象については、中学校情報・技術科(仮称)との関連も踏まえつつ、技術が加速的に進展していく将来を見据え、現行同様、生活や社会に限らないあらゆる事象に作用し得ると考えてよいか。当該教科固有の物事を捉える視点については、情報そのものや当該情報と別の情報との間にある関係・構造・意味などの繋がりを見付けることが問題の発見・解決や価値の創造に資するという考え方を踏まえ、現行の情報科固有の視点を維持してはどうか。
 次、当該教科固有の考え方や判断の仕方については、中学校情報・技術科(仮称)との関連を踏まえつつ、情報の負の側面にも配慮して豊かな生活や社会を実現するという目的のために、情報技術を適切に活用して問題を発見・解決したり、価値を創造したりすることを考えてはどうか。その上で、新たな見方・考え方の書きぶりについては、分かりやすさを重視し、短く端的に示す必要があると提案させていただいております。
 今の説明につきましても、補足イメージ2として25ページに示させていただいております。こちらも上部は現行の見方・考え方、下が改訂案ということになっております。読み上げますと、改訂案に関しましては、事象を情報とその結び付きの視点から正負両面を含め多角的に捉え、豊かな生活や社会の実現に向けて情報技術を適切に活用し、問題を発見・解決したり、価値を創造したりすることという提案をさせていただいております。
 また、資料戻らせていただきまして、22ページ目を御覧ください。4ポツ、新しい科目構成の方向性についてということになります。前述の新しい目標の柱書や見方・考え方を踏まえつつ、今後の議論に向けて先行的に科目構成や内容項目の変更の方向性及びそれにより想起される内容の概観を示してはどうかと提案させていただいておるものです。なお、詳細は内容等とともに次回以降も検討することを考えておるところでございます。
 まず、(1)科目構成の案としましては、抜本的に充実する中学校情報・技術科(仮称)に内容を一部移行するが、一方で高等教育の数理・データサイエンス・AI教育のリテラシーレベルを概観できるよう内容を充実することを踏まえると、共通必履修科目の指導内容の分量は現行と大きく変わらないことが見込まれることから、引き続き情報Ⅰを存置し、生徒が興味関心を持って学べるよう実践的・探究的な内容を充実させてはどうか。
 選択科目は、引き続き情報Ⅰで培った基礎の上に情報Ⅱを設置する考え方としてはどうか。
 その上で、現場のニーズに応じて、より高度な情報活用能力の育成を図れるようにし、生徒や地域の実情に応じた特色・魅力ある教育を実現するため、情報Ⅱは各学校において、実社会の課題を探究的に解決する内容を充実させられるよう、一定の幅の範囲内で単位数を配当できることとしてはどうかということです。
 なお、情報Ⅰの内容が一定程度刷新されること、情報Ⅱの単位数が一定の幅の範囲内で配当できることとすることを踏まえると、教師の負担を減らすとともに、指導力の向上を図る支援や環境整備など指導体制の改善も併せて検討する必要と、課題認識についても記載しておるところでございます。
 今の説明については、補足イメージ3として26ページにイメージを示しております。情報Ⅰについては現行の分量ということになりますけれども、情報Ⅱになると一定の幅の範囲内で単位数を配当できることとしてはどうかというイメージをこちらの方で書かせていただいております。
 また23ページ目に戻らせていただきまして、現行の内容項目というところでございます。現行の内容項目については、AIやデータの扱いについて学ぶ内容が不十分、探究的・実践的な学びが不十分、一部内容、例えば情報やコンピューター等の内容について複数の項目で扱っているため重複が発生しており、体系性が不明確といった課題があるところでございます。
 現状の課題、先ほどの3点について改善しつつ、第2回情報・技術科ワーキングにおいて整理した体系を基に引き続き扱うべき内容項目を高度化することを踏まえていくと、例えば右に記載があるような内容構成を組み替えることを検討してはどうかといった提案をさせていただいております。なお、情報活用能力の抜本的充実として、小中との系統性がより一層重要となることを踏まえ、情報科では引き続き学習内容を基に分類する構成としてよいかとさせていただいております。
 こちらに関しましても、27ページ、28ページ目に内容構成の改善のイメージを示させていただいております。先ほどピンクペーパーの方で説明した課題等を踏まえて、こういった内容構成の改善のイメージが考えられるのではないかということを事務局案として書かせていただきつつ、こちらに関しては飽くまで「仮称」も付いておりまして、次回以降まだまだ議論する余地のあるものという認識でございます。
 事務局からは以上になります。
【堀田主査】  御説明ありがとうございました。一定のお時間を取って御説明いただきましたけれども、新設される情報・技術科についての目標や考え方と、高等学校の情報科、これは大きく充実する方向で検討することになっておりますが、これについてということで、今両方の教科について御説明をいただいたところでございます。
 これから一つずつ議論していきますけれども、両方一緒に御説明した背景には、この二つがそれぞれの教科の個性を持ちながら体系として繋がっていくという必要があるために、まずは両方御説明いただいたということでございます。もちろんその前に小学校には情報の領域が総合的な学習の時間に付加されるということがありますので、これとの関係もこれから私たちは今後検討していかなければならないということでございます。
 という前提の下で、まずは中学校の情報・技術科の目標や見方・考え方について御審議いただければと思います。先ほどまでと同じように、挙手をいただいた方から私の方で指名をさせていただきます。多分御専門の方々はいろいろ言いたいことがあると思いますが、時間だけは御協力いただければと思います。それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。
 それでは、村松委員、田中委員、三浦委員の順番でまずお願いいたします。村松委員からお願いします。
【村松委員】  信州大の村松です。技術の観点から目標及び領域構成について意見を述べさせていただきます。
 まず、9ページの目標についてです。生産技術というふうに明示したことは私はとても大きいと評価しています。これは男女共修の流れから、学校現場でも多々見られた、家で役立つといった矮小化された生活技術の学びから明確に線引きをしたと捉えられます。ここで言う生産技術というのは、工場の中のような限定的なものではなく、ものを生み出す社会的な営みであり、技術の学びに社会的な視点を重視したものと理解しています。
 次に、「ものを生み出し」と明示したことと、「実践的・体験的な活動」を残したことも評価したいと思います。内容A、B、Cを残したことにも関わりますが、物と触れ、手を動かし、体で感じる学びというのは非常に重要です。技術の学びというのは、あるべきものを探究する設計科学、言い換えれば、未来を作る学びとしての教育の中で必要不可欠です。そして、未来をデザインするためには、AIの記号接地問題としても指摘されるように、ただ頭で考えるだけでは不十分で、現実の物や課題に向き合い、試行錯誤しながら手と体を使って確かめる必要があります。そういった点からも、この「ものを生み出し」「実践的・体験的な活動」による技術の学びというのは、民主的で持続可能な社会を作る担い手の育成に寄与します。この点は今後の検討でも大事にしていただきたいと考えます。
 1点、課題としては、「情報技術を基盤として」の部分です。情報技術は既存の生産技術を代替するものではなく、拡張するものというふうに捉えます。「情報技術を基盤として」自体はもちろんよいとは思いますが、単に情報技術による代替と捉えられないような配慮、これが必要かと思います。例えば目標の「それを基盤とした生産技術」を「それを基盤に拡張した生産技術」とするような、そういった表記の工夫が必要かと思います。
 最後、ページ2、現状と課題です。ジェンダーギャップにも配慮しつつ、初等中等からのSTEAM教育の充実を図るというのは、この点は是非今後も大事にしていただきたいと思います。5月の論点整理の議論においても指摘されたように、STEAM教育の充実には情報・技術の学びが大きな柱となります。情報活用能力の充実中で今後もSTEAM教育の視点を大事にしていただけたらと考えます。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  NPO法人Waffleの田中沙弥果です。まず、前回発言した育成したい人物像のゴールを提示いただき、ありがとうございます。高校にも共通する部分をまとめて4点発言します。
 1点目に、スライド2でジェンダーギャップについて明記されたのはありがたいです。更に言うならば、経済的な文脈というよりも、今回の指導要領改訂の3本柱の一つの多様性の包摂、エクイティーに繋がる論点であると考えています。今回の改訂案全体を通じて、この課題感を政策の各段階、目標設定、内容設計、実施評価で一貫して反映させることを強く提言します。
 2点目に、スライド10、改訂案に、「豊かな生活や包摂社会の実現に向けて」と明確に包摂性を入れていただきたいです。日本は特に理工学系の女子学生比率がOECD諸国の中で極端に低いという課題から、まず国の目標として明確に包摂的な社会を目指すことをスタンスとして持つことが最も重要です。スライド25の高校においても同様の検討をお願いいたします。
 3点目に、スライド13、右側の学習過程に着目した構成要素(案)がいいと考えています。これまで多くの女子生徒から中高の情報の授業について意見を聞いてきましたが、学習内容に着目した構成の学習では、技術そのものについて学ぶことが中心となってしまい、実社会との繋がりや自分との関係性が見いだせず、情報技術は難しい、情報技術は男性がやるものと思いがちです。だからこそ実際にものづくりをすることが重要です。自分の手を動かして問題解決するエンジニアリングプロセスを学ぶことが明確に分かる右側がよいと考えています。アドバンスト・エッセンシャルワーカーを養成する意味でも、これまで情報とは関係がなかった層も、情報を活用することを自分事化してもらうために右側のプロセス重視の方がよいと思います。
 学習内容、学習過程を両立した構成要素の見せ方の案としては、例えば計測制御のプログラミングのシステム化に、情報及びコンピューターの仕組みを理解し、プログラミングで課題解決、評価するというように書くのはどうでしょうか。各学習内容において、原理と仕組みの理解、手法を知識として理解するだけではない問題解決の体験、実践に対する評価と社会での活用方法の理解の三つの学習過程が必要であることが分かることを明記することが重要だと考えます。
 4点目に、スライド3に技術を横断的に活用して一人一人の実生活・実社会の課題解決を行う取組が不十分と現在の技術の課題として挙げられているように、知識習得ばかりに重きが置かれ、どう実社会に生かすのかについて不十分です。小中高どの段階でも活用・実践・探究の学習体験が不可欠な理由としては、AIがこれから普及する社会では、知識習得だけではなくて、その知識を使って習得するソフトスキルである分析思考、クリティカルシンキング、問いを立てる力、何かを生み出すプロセスを完成できる力が重要となるからです。共通テストで「情報」があるからテストの問題を解くためだけの知識習得をするとならないことが必要だと思います。
 残りはメールで連絡します。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。三浦委員、お願いいたします。
【三浦委員】  羽村第一中学校、全日本中学校技術・家庭科研究会の三浦です。丁寧な説明ありがとうございました。
 資料2の8ページ左側について意見を述べさせていただきます。企画特別部会の論点整理でも領域の再編成が示されており、情報活用能力の抜本的育成の基軸を担う情報領域も含めた新しい領域構成の方向性について2点で賛成の意見を述べさせていただきたいと思います。
 1点目は、情報技術以外の、先ほど村松委員からもお話ありましたが、現行の学習指導要領でのA、材料と加工の技術、B、生物育成の技術、C、エネルギー変換の技術の学習を引き続き不可欠な技術として明確にしていただいたことです。さらに、それぞれの技術をそれぞれ単独で扱うのではなく、横断的かつ探究的に学習を進めるとしていただいたことで、今の研究活動の中でも、この内容はAなんだろうかとか、Bなんだろうかというような話がよく出てきます。今回のこの表現によって、そこが横断的かつ探究的な内容だということで捉えられてよかったと思います。
 2点目は、先ほどの情報技術以外の技術を「ものづくり」ではなく「生産技術」と表現したことについてです。「ものづくり」という表現であれば平成10年改訂の学習指導要領との区別が付きにくいなと思っていたところですので、「生産技術」と表現していただいたことで区別化が図れたと思っております。ただ、「生産技術」というワードについては、今なじみが薄く、しっくりこない感じがありますが、教科新設という意識化のためにもよかったのではないかと考えています。
 発言は以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。萩谷委員、お願いいたします。
【萩谷主査代理】  9ページ目及び10ページ目に関連しております。情報技術の特性の理解の中に「社会的役割」という用語があるのですけれども、私も含めて情報分野の者にはなじみがなく、違和感を感じておりました。資料の一部から、情報システム分野に対応していると想定されましたので、第2回のワーキングでは別の文言がよいのではないかと発言いたしました。
 その後、中学の議論が本格的に始まりまして、社会的役割は、情報技術だけではなく技術全体を貫く概念であるということが明らかになってきました。10ページ目では「正負の両面を含む多角的視点」と表現されています。現行の学習指導要領でも、社会からの要求、安全性、環境負荷や経済性、環境との関わり、持続可能な社会などと明記されています。
 したがって、社会的役割は、ELSI、Ethical、Legal and Social Issuesそのものではないかと考えられ、「社会的役割」という用語を継続して使用するにせよ、ELSI、さらに、RRI、Responsible Research Innovationとの関連を明記して、社会的役割が何を意味するかを説明する必要があると思います。
 設計・企画の段階からきちんと倫理や社会、安全といったことをデザインしていくという考え方がバイデザインです。ELSIのIの代わりにConsiderationsを用いる人もいるようですので、配慮という言葉にバイデザインの考え方を入れて、例えば社会的配慮設計というような用語も考えられるかもしれません。
 また、別のコメントですけれども、10ページ目の「創造したりする」のところです。こちらはやや唐突な感じがあります。現行の学習指導要領では、「工夫し創造する」という文言で統一されているようです。この文言を継承することも考えられると思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  まず、9ページですが、この目標の改訂案について、「情報や技術でものを生み出し」というのは、これは「もの」というのは価値のことを言っているのだと思うので、これは変えた方がいいかなと思います。
 あと、第5回でブレークダウンしていくことになるのでしょうが、実践的・体験的な活動というのは、やはり安全で倫理的に活用しながら、社会的影響とか公共性、あとリスクとか多様性についても目を向けたということが必要なんじゃないかなと思います。
 あと、10ページ目の新しい見方・考え方ですが、「多角的・多面的」という表現がよく出てくるんですが、やはり批判的に捉えるということが必要じゃないかなと思っています。また、「豊かな社会」という言葉ですが、先ほども言いましたけれども、高度成長時代とはちょっと違うので、やはり持続可能で、先ほど田中委員もおっしゃいましたが、包摂的な社会の実現に向けてというような言葉が必要じゃないかなと思っています。
 あと、12ページです。3ページにもありましたけれども、情報の領域で十分な時数が確保されていないと。現行の時数設計を見ると、技術・家庭で175コマといううち情報領域というのはかなり限定的であることを踏まえると、内容の抜本的向上を掲げるのであれば、時数への反映と領域内配分の再検討というのは避けられないと思うのですが、いかがでしょうか。ちなみに、この12ページの真ん中の図を見ると、情報技術の領域が半分近くを占めているように見えるのですけれども、文科省としては今そういうイメージなんでしょうか。後でまたお答えください。
 あと、14ページの中学校のところで、「メディア特性が受信・発信に与える影響を理解する」という言葉があるのですけれども、それに対応する思考力とか判断力の育成の部分がないので、「情報の信頼性や意図を批判的に読み解くことができる」という表現を追記することで整合性が高まると思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、情報・技術科というのがあって、情報・家庭科というのが設置されないというのは何か理由があるのかというのをちょっと聞いてみたいと思いました。家庭科というのは、衣食住とか環境、消費、あとライフデザインとか、情報技術との統合というのはまさに豊かな生活・社会の実現として重要だと思いますので、これまでもこうした議論があったのであれば、またその経緯を伺いたいと思います。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。御質問等については、後ほど事務局に回したいと思います。
 それでは、泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】  よろしくお願いいたします。中学校・高校段階の検討においては、特に学習の基盤となる領域と教科としての専門体系というこの二つを同時に検討していく必要があると考えています。そういう意味では今回お示しいただいた、情報・技術科における情報技術領域ということと、この後議論になると思いますが、情報Ⅰのように基盤の部分と体系的な部分が区分されて示されるということが非常に重要かなと考えております。
 技術科については、13ページ、補足イメージ4について意見を述べさせていただきます。そのように考えると、学習内容と学習過程、両方への注目、バランスというふうに書かれていますが、それが重要だと思っていますが、特に学習の基盤となる領域である情報技術領域においては、学習過程による整理がほかの教科との関連を検討する上で重要ではないかと思われますし、内容体系をある程度専門性を持って指導していくというような領域においては、学習内容に着目した構成要素というふうに示すのが体系的な指導のためによいのではないかなと考えたところです。
 すみません、意見になります。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。では、春日井委員、お願いいたします。
【春日井委員】  お願いします。10ページをお願いします。ありがとうございます。当該教科固有の物事を捉える視点のところで意見を述べさせていただきます。書き出しが「技術との関係」となっておりますが、現在の検討で教科の名称が情報・技術科という仮称となっております。また、過去のワーキングで井手委員だったかと思いますが、小中高で一気通貫の情報活用能力の育成という発言もあったかなと思いますので、中学校技術のここの書きぶりを「情報・技術の関係で」というふうにできないでしょうか。詳しい理由は後ほど高校情報の際に述べたいと思いますが、情報の観点がない情報技術というのもあり得ますので、そうならないためにも、「情報・」と入れていただきたいと考えております。
 以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。皆さん御発言を短い時間でまとめていただいて感謝しております。
 それでは続いて、大谷委員、お願いいたします。
【大谷委員】  堀田主査、ありがとうございます。本日は教科の改編を視野に入れた目標や見方・考え方について議論する重要な回ですので、そもそもの教科の在り方に関する大枠の意見を二つ述べさせていただきます。
 今回、中学校で情報活用能力を抜本的に向上させる上で、情報技術の特徴を踏まえた改編が必要だと思っています。この技術は、これまでの社会にある我々の技術の上に重なるように発達する特徴があるため、全ての技術に影響を与える側面があるということです。したがって、今回の情報活用能力を抜本的に向上させるには、情報活用のプロセスをしっかり学習できる領域をまず作ることが大事かと思います。これが今回の12ページにあります情報技術(仮称)の領域に当たるのでしょうか。そこに対応しているのではと私は感じました。さらに、その情報技術とこれまでの技術を重ねることによって、より生活や社会が便利になるということです。これは12ページの情報を基盤とした生産技術(仮称)でしょうか、これに当たるものと理解しています。その点では今回の中学の改編は理にかなったものと理解しています。
 第3回のワーキンググループでも述べました、情報活用できるプロセス、いわゆる情報を収集して整理・分析してというサイクル、これをしっかり素振り練習して活用できるようにすることが大事だと述べました。是非、高校でも情報活用のサイクルを駆使して、より多くなるコンテンツの内容、いわゆる情報技術の特性の理解が単に共通テストの勉強内容にならないよう、サイクルをしっかり回した上で、その中で深い理解に到達する構成を検討してもらいたいというのが意見になります。
 もう一つ、私の専門は技術教育ですので、情報・技術科の目標に関して、この時代に合った資質・能力をどう考えるかということについての意見です。技術科ではこれまで70年にわたって、中学生に物を生み出す生産的態度をどう育成するかを大事にしてきました。これは今、日本の子供たちに絶対的に足りない、思ったことを形にできる力だと私は認識しています。また、この生産的態度というのは、物を形にする過程で試行錯誤による粘り強さだとか、それから実行・調整する態度も養います。また、中学生が物を生み出す創造活動の中で、自分の可能性に挑戦して成長することにも繋がる重要な探究の態度だと認識しています。
 今回この情報活用能力を、先ほど言いましたように基盤的エンジンにして新たにものを生み出す活動を行って、総合的な力で問題を発見・解決する態度を養うことが、今の日本の子供たちにとって大きな力になると信じています。まさにこれはSTEAM教育で大事にしたい力の育成と一致しています。是非、この後中教審で議論になっている縦横の関係を踏まえて資質・能力の詳細を検討していくかと思いますので、この目標がぶれないような検討をお願いしたいというのが二つ目の意見です。
 私の方から以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。安藤委員、お願いいたします。
【安藤委員】  ありがとうございます。2点お話しさせていただきます。
 10ページ目、ここの改訂案ですけれども、丁寧に御説明いただいたので、よく理解できました。下に書かれています注釈が大事かと思いました。その上で、技術との関係で正負の両面を含む多角的視点ということが、これまで技術科のトレードオフの中で最適解を導くという視点をより明確に示したものなのだということが分かりましたので、それについて賛成したいと思います。その一方で、この下の補足の部分、この解説が今後大事になってくるかと思いますので、最適化であることがわかるように学習指導要領だとか解説とかでしっかりフォローしていく必要があるかなと思いました。
 2点目です。13ページ目のところです。この二つの領域構成については、ほかの委員からもありましたように私も賛成します。私が賛成する理由としましては、現実世界と仮想世界、これはアトムを原理とするのとビットを原理とする二つで構成されているということで考えると、この大きい二つの枠組みというのは、今後の教育の方向性あるいは社会の方向性から見ても妥当なのではないかと思ったということです。
 あとは、小さく書かれているところで、計測・制御のプログラミングとシステム化、プログラミングというキーワードがあります。こういった内容の詳細については今後議論することになると思うんですけれども、平成26年に文科省の事業で諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究というのも出ていますので、情報技術として情報をどう扱うかということがどういうふうに妥当なのかということの参考になるかなと思いました。
 あと、最後ですけれども、連日、フィジカルAIとかロボティクスのニュースがどんどん最近入ってくるようになっていますので、計測・制御というセンサとアクチュエータを用いるフィジカルの内容はシステム化に非常に重要かなと思っています。それに加えて、システム化においては、人間が監視・制御する側にコンテンツとかUIに関することもありますので、コンテンツに関わるプログラミングということも示していただけるといいのかなと思いました。
 以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。今度委員、お願いいたします。
【今度委員】  ありがとうございます。遅刻して申し訳ありませんでした。私は、全体の枠として意見を述べさせていただきます。
 まず、中学校における情報・技術科における位置付けです。ここでは新設される情報・技術科は、技術による問題解決と価値創造を目標としています。ELSIとメディアリテラシーを、技術を形にする際の設計図の一部として組み込んではどうかと考えました。
 まず、一つ目です。現状の課題は、技術や機能性が優先され、社会的な影響評価が後回しにされがちです。提案として、情報を基盤とした生産技術の領域において、機能的要件と同等にELSI要件を評価指標として設定してはどうかと考えます。
 また、二つ目です。現状の課題は、情報の受け手としての被害防止に偏りがちであり、発信者としての倫理観や社会への影響力の自覚が不足していると考えます。提案として、コンテンツ製作などにおいて、自分の発信・製作物がクラスや地域の印象や世論をどう変えるかを検討する。また、倫理的視点として、誰かを傷付けたり排除したりする表現が含まれていないか。つまり、インクルーシブな視点。そして、シチズンシップの視点として、その情報が学校や地域社会の合意形成を助けるものか、分断をあおるものかなどを考えるということが必要ではないかと考えます。
 また、高等学校情報科における位置付け、ここでも高校の情報科でもELSIとメディアリテラシーを、デジタル社会を支える社会基盤として扱ってはどうかと考えます。
 まず一つ目として、現状の課題として、AI活用などで技術的な手法の取得が先行し、バイアスや公平性の議論、倫理的利用の議論が不十分になりがちです。提案として、情報ⅠとⅡのデータ活用はシステム設計の単元でELSIを設計思想として位置付け、AIモデルを構築する際、例えば学習データの偏りがどのような差別的バイアスを生むかを検証するなど、技術的に可能でも社会的に許容されないシステムとは何か議論するべきだと考えます。
 また、例えば情報Ⅰでは、SNSでの炎上やフェイクニュース拡散の事例などを分析し、社会全体への影響や人権についても議論する。情報Ⅱでは、例えばAIなどで作成した場合、特定の属性の人を誤認識しないか、学習データに偏りはないか、このAIシステムは、一部の人間だけではなく社会全体の幸福の総量を高めているかなどを検証する。技術的な制度・スキルだけではなく、倫理的な妥当性を評価軸に加えるべきと考えます。
 そして、二つ目です。メディアリテラシーを民主主義の土台にする。現状の課題として、フィルターバブルやエコーチャンバー現象の知識はあるが、それが民主主義に与える深刻な影響までの洞察が弱いと考えます。提案として、メディアリテラシーを個人のスキルから民主主義社会を維持するための知識へと向かう。例えば倫理、シチズンシップの視点として、プラットフォームのアテンションエコノミーがいかに人間の認知バイアスに繋がり、社会分断を加速させるかなどを構想的に分析するなど考える。
 また、三つ目として、図書館とICTの相互補完的な学びのデザインも提案したいと考えます。速い思考のデジタルと遅い思考のアナログの統合です。端末の日常化が進む中で、ELSIや倫理的判断に必要なディープシンキングの場として図書館を再定義する。情報活用能力を育むプロセスにおいて、時にはデジタルの速度を落とし、アナログの深さにもひたる時間を設ける。相互補完的な学びのデザイン、ハイブリッドインクワイアリーも必要ではないかと考えます。情報の使い手から情報社会の構築者への視座の転換、単なるスキル取得ではなく、どのような情報社会を構築すべきか考えていくべきではないかと考えます。
 私からは以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。今、中学校の情報・技術科の検討をしておりますので、今の今度委員には高校の部分まで、あるいは全体の部分までお話しいただきましたので、また後ほどのときにほかの方々の意見を続けて伺いたいと思います。
【今度委員】  申し訳ありません。
【堀田主査】  現在、現在挙手いただいている方は3名で、ここまでとさせていただきます。
 それでは、山脇委員、お願いいたします。
【山脇委員】   ありがとうございます。6ページ、目標のところが重要だと思いますので、それに関連して発言したいと思います。そもそもなぜ学習指導要領が10年ごとの改訂が必要かというと、やっぱり社会が大きく激変していることに対応しなければならないと思うんですね。そういう意味でいうと、情報についてこの10年間の大きな変化は、メディアリテラシーの観点でいうと三つあると思っています。
 一つは、とにかく膨大な情報が世の中に流通していることです。今(2025年)、世界で流れる情報が181ゼタバイトと言われていますがこの十数年で数十倍になったといわれています。2点目として、偽・誤情報が民主主義を脅かしていること。民主主義国に住む人の数がもう少数派になっているという話は前回いたしました。3点目、生成AIが驚異的な発展をしているということです。活用していくということは重要ですけれども、真偽が見分けにくい動画の氾濫など様々な弊害もあるわけで、この辺りを取り扱っていかねばなりません。
 それらを大きな目的の中で位置付けるべきだと考えていますが、この6ページからはそういったことが読み取れないんですね。基本的にはものづくりや生産技術の部分が中心となっていて、現在の膨大な情報量にどう対応するかとか、吟味するかというスキルの部分が目的の中に入っていないという点が最も気になるところです。それは、10ページとかの目的、見方・考え方、ここにおいても、情報の「活用」だけではなくて「対応」や「吟味」の要素をしっかりと盛り込んでいく必要があるのではないかと思います。それが今回の次期学習指導要領において強調されるべき点ではないのかと考えます。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。井手委員、お願いいたします。
【井手委員】  お願いします。13ページについて意見を申し上げます。情報・技術科(仮称)で取り扱う領域として、情報技術(仮称)を基盤として、情報を基盤とした生産技術(仮称)で構成する案が示されました。その上で、左側に示されているように学習内容に着目した構成要素、右側に示されているように学習過程に着目した構成要素の二つの観点から整理することは、非常に重要だと思います。
 泰山委員と同じ意見にはなりますが、改訂案では、現行の学習内容のA、B、Cの領域は、情報を基盤とした生産技術(仮称)という位置付けとなりますため、情報技術(仮称)については、個別の名称を設定するのではなく、右側の案のように学習過程に着目した構成要素として整理することが適切であるのではないかと考えます。情報技術(仮称)は、特定の領域の内容として学ぶというよりも、問題を見いだして課題を設定し、解決案を設計・計画するための基盤として位置付けることで、その学習意義が明確になると考えるためです。
 一方で、情報を基盤とした生産技術(仮称)については、左側の案のように、学習内容に着目した構成要素として整理することが望ましいと考えます。生産技術に関する知識・技能は、材料と加工、生物育成、エネルギー変換などの実践的な活動を通じて習得されるため、学習内容の軸で体系化することで、生産技術の原理や仕組みについて効果的に学習しやすくなると考えるためです。
 以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。それでは最後に、森山主査代理、お願いいたします。
【森山主査代理】  失礼いたします。兵庫教育大学の森山でございます。事務局の御説明、また、委員の皆様の御議論、誠にありがとうございました。私からは2点所感を申し上げたいなと思います。
 まず、資料2の9ページの目標の柱書についてです。とても分かりやすく表現されていると感心しております。これまで、技術教育、海外ではテクノロジー・アンド・エンジニアリングエデュケーションとか、デザイン・アンド・テクノロジーエデュケーションとか呼ばれますけれども、いずれも国際的に技術リテラシーの育成を目標に掲げております。技術リテラシーといいますのは、テクノロジーで新たなものを創造する技術イノベーションの力と、社会におけるテクノロジーを民主的に舵取りしていく技術ガバナンスの力という二つの力を育成することが大切とされております。このような力は情報技術、生産技術両方の学びにおいても大切ではないかなと思います。
 そうしたときに、今回の柱書を拝見したときに、前半の「情報や技術でものを生み出し」というところは技術イノベーションとの関わりが、後半の「生活や社会の問題を発見・解決する」というところは、イノベーションに加えて技術ガバナンスにも関わる内容が解釈できまして、とても分かりやすいなと思いました。
 また、このことは次のページの見方・考え方の方にもしっかり表現されているなと思いました。見方・考え方、資料2の10ページの方ですが、前半の「技術との関係で正負の両面を含む多角的な視点から捉え」という表現がございますけれども、ここはトレードオフの概念も含む技術ガバナンスの重要な観点が示されているのではないかなと。そしてまた、後半の「情報技術及び生産技術を活用したり、創造したりする」という部分ですけれども、ここはまさに最適な設計を生み出すイノベーションの観点が見てとれるかなと思いました。
 特にこの「創造」というキーワードがとても私は大切だなと思っております。一般に創造といいますと新しいものを生み出すことですけれども、ここには社会にとっての創造と、特に教育においては自己実現としての創造という二つの観点が含まれていると思います。特に最近の創造性研究の社会・文化的アプローチでは、コミュニティー、あるいはフィールドと呼びますけれども、そういったコミュニティーとの相互作用の中で生まれる新しさというものが大切だと言われております。こうした新しさへのチャレンジの中で、創造的思考力や創造的態度などが育まれていくと。
 情報・技術科(仮称)では、これはまさに設計科学を背景学問としておりますので、エンジニアリングデザインプロセスを働かせて子供たちが小さなエンジニアのように新しいものを生み出すことにチャレンジする。そういった中で、Hand、Head、Heartの頭文字を取って3Hといいますけれども、手と頭と心をフルに使って、イノベーティブなマインドやスキル、あるいは問題解決能力を醸成するということに繋がっていくのかなと思いました。
 このことが前のページの目標の柱書の方で「実践的・体験的な活動を通して」という表現にも繋がっており、情報・技術科(仮称)が目指す資質・能力のイメージがうまく表現されているのではないかなと思いました。今後具体化していく中で、内容構成の在り方、資質・能力の三つの柱といったところを具体化していかないといけないということで、今後の議論に期待していきたいと思います。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
【堀田主査】  ありがとうございました。皆さんの御協力で御意見はいろいろ賜われたと思います。先ほどチャットにも入っておりますが、発言できなかった方につきましては、後ほどメール等でお寄せいただければと思います。
 それでは、事務局への質問等がございましたので、お願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  先ほど鈴木委員の方から御質問があった件について、事務局よりお答えいたします。12ページのところですけれども、こちらで、今回新たに情報・技術科(仮称)で扱うということでございますけれども、その時数の話、あるいはこの面積がどうなんだといった御質問があったと思います。
 まず、時数の話ですけれども、中学校情報・技術科(仮称)を創設することに伴う標準授業時数の増加につきましては、これは論点整理の中でももう既に示されているところでございますが、年間の標準総授業時数を現在以上に増加させないという方針を前提としながら、教育課程全体を見通した観点から検討を行うということとされておりますので、今後そういった形で審議が進められていくと思うと承知しております。ただ、実際中身をどういったことにしていくかにつきましては、この資料のところに書いておりますけれども、次回以降このワーキングで引き続きしっかりと御審議いただければと考えております。
 それから、この面積ですけれども、これはあくまでも全体の構造のイメージ、領域の構造のイメージを示したことでございますので、この面積が実際の内容の割合あるいは授業時数の割合を示したものでないということでございますので、その点は御留意いただければと存じます。
 それから、最後に情報・技術科(仮称)に加えて情報・家庭科はないのかという御質問があったかと思います。今回情報・技術科(仮称)ということで取り扱うことにしましたのは、情報技術を重点的に扱う教科ということで今回このような位置付けにしているところでございます。当然、家庭科も含めてほかの教科でもこういった情報に重なる部分は多々出てくるわけでございますけれども、家庭科の審議におきましてはまた、そういった情報技術が進展する社会の中においてどういった家庭科教育の在り方が必要なのか、そういったことが別途検討されていくものと承知しているところでございます。
 私から以上でございます。
【堀田主査】  補足ありがとうございました。情報活用能力は、各教科等横断的に身に付け、発揮されるということになっておりまして、私どもは今、その中核となる教科・領域等の教育内容を検討しているところでございます。ほかの教科、各教科等のワーキングが並行して動いておりますが、そちらはそちらで必要な情報活用能力、関係する教科の内容と関係する情報活用能力についての検討が進んでいるところだと承知しております。
 皆さんの御協力で、続きまして、高等学校情報科の時間とさせていただきたいと思います。高等学校情報科の目標、見方・考え方等につきまして、御意見をいただければと思います。同じように挙手をいただきまして、しつこいようですが、お時間については御協力をよろしくお願いいたします。
 それではまず、鈴木委員、田中委員の順番で参ります。お願いいたします。
【鈴木委員】  お願いします。高等学校ですが、これまでも、やはり探究活動に十分な時間を割くことができないという現状が指摘されていました。またあと、一方の見方として、高校生というのは選挙権年齢に近いという、そういう特性を踏まえまして、探究的活動を教育の中核に据えた上で、社会参加の面からの文言が目標と見方・考え方双方に必要じゃないかなと思っています。
 例えば、24ページの目標ですけれども、柱書は次回に持ち込みたいというお話なのかなと思いながらも、もし柱書の中にもう少し具体的に書き込むのであれば、やはり社会的責任とか倫理の視点を踏まえた上で、情報セキュリティやリスク、あと利便性・信頼性を適切かつ、またここでも批判的に評価・判断して行動できる力を育成することを目指したいというふうにしたいなと思いました。
 また、25ページの見方・考え方ですが、これも先ほど言いましたように、豊かな社会というよりは、やはり持続可能で包摂的な社会というような言い方の方が、これからの未来に向かう上でより具体的なのかなと思っています。
 最後に、情報教育についてちょっと全般的に一つだけお話ししたいのは、決して技術の習得だけにとどまらずに、やはり人権とか公共性、民主主義を支える教育だと私は思っています。そのために時数、体系、評価方法も含めて、教育制度全般を視野に入れた再設計が今後求められていくんじゃないかなと思っております。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございます。田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  NPO法人Waffleの田中沙弥果です。
 1点目に、中学のスライド2で触れているジェンダーギャップの問題は、高校段階でも存在することを意識していただきたいです。
 2点目に、中学、高校の両方ですけれども、両方を通じて、全体的にAIの扱いが不足しているのではないでしょうか。どの国も自国の競争力向上、経済発展のためにAI教育を国家戦略として位置付けて推進する中で、AIが一つの章立てになっていないことに危機感を感じます。資料1の目指す姿でも、AI時代の人材育成との観点からも、高校の履修科目の情報ⅠからAIを系統的に扱う必要があると考えます。
 具体的には、スライド28で、情報Ⅰの(1)でAIを独立の項目にする必要があると考えています。難しかったとしても、(1)で学んだAIの基本を(2)から(5)で利活用していくんだと思いますが、そのことを明示的に書く必要があるのではないでしょうか。逆に情報Ⅱの(3)は現在、AIとなっていますが、全体でAIを扱うという整理であれば、ここではAIで何を学ぶのかにフォーカスし、例えばAIの仕組みについて具体的な名称を考える必要があるのではないでしょうか。
 3点目に、サイバーセキュリティの扱いも明示する必要があると考えます。国際社会では、AIと同様にサイバーセキュリティについて大きく扱われているので、内容の御検討をお願いします。
 4点目に、情報Ⅱの(1)は、データサイエンスを扱いたいのか、情報社会の概念的なことを扱いたいのかちょっと分かりづらいと思います。前者なら、データサイエンスと社会の関わり、後者なら、データサイエンスにかかわらず、社会課題と情報技術、先端技術とするのはどうでしょうか。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。続きまして、蓮池委員、お願いいたします。
【蓮池委員】  蓮池です。24ページ、25ページの目標と、あと、見方のところで発言させていただきます。
 目標のところで「生活や社会の情報に関する問題」とあって、情報に関する問題というのはやはりちょっと引っ掛かるところがあるかと思います。生活や社会の中に様々な問題がある中で、情報とどう結び付いているのか、情報とどう関係があるのかということを見いだした上で、そこに情報技術を用いて発見・解決、問題解決をするというふうな形にしていただくのがいいのかなと思います。そちらが見方の方ではその方の形になっておりますので、そういった形でうまくリンクさせて反映させていただければと思います。
 二つ目ですけれども、その下にあります「情報技術を科学的な理解に基づき」というふうなことで、恐らくしっかりと考えた上で、方法論も含めて考えた上で探究活動を行うということになっているのかと思います。AIの件は、先ほどから様々な委員がおっしゃられていることに同意いたしますし、統計的なもの、数理モデルやシミュレーションから出てくるようなデータに関しましても、これもやはり批判的といいますか、しっかりと吟味する必要があるかと思います。そういった能力をしっかりと身に付けてもらうことが、恐らく情報Ⅰ、情報Ⅱ、高校情報では必要になってくるかと思います。
 また、そういったことを教えられるようなやっぱり教員が少ないことが、17ページにありますとおり、教員は授業は足りないけれども、生徒さんの方は授業は足りているというふうなところになっているのかと思います。やはり教員の力量を上げていくことが今後の高校情報に必要不可欠かと思いますので、その辺り御検討いただければと思います。
 蓮池からは以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。この後ですが、春日井委員、泰山委員、鎌田委員、井手委員の順番で参ります。春日井委員、お願いいたします。
【春日井委員】  よろしくお願いします。25ページをお願いします。25ページの改訂案に示されている、現行から引き続きになりますが、「事象を情報とその結び付きの視点から捉える」という見方・考え方、これは情報技術を活用する上では重要だと思います。
 先ほどの中学校の方とも繋がる話になりますが、この点を踏まえて、前の24ページ、すみません、お願いします。ここの柱書のところで意見を述べたいと思います。先ほど蓮池委員がお話しされたように同じような違和感を持っておりまして、ここで問題と情報の結び付きを明確に示していく必要があるのではないかなと思っております。そうでなければ、情報活用能力の中核的な構成要素として、丸1の情報技術の活用というのを挙げておりますが、これが探究的な学びを支えて駆動させていく基盤に繋がるという、そういう位置付けだったかと思いますが、その位置付けが弱くなると考えております。この点を踏まえて、資質・能力の趣旨の部分の書きぶりの提案をしたいと思いますが、「情報の視点で捉えた生活や社会等の問題を情報技術で発見・解決したり、創造したりする資質・能力」としてはどうかなと思っております。御検討いただけますとありがたく思っております。
 続いて、17ページをお願いします。17ページの右の表のところですが、令和6年度の調査で、臨時免許状所有者、あと免許外教科担任は83人と少ない感じで書かれておりますが、以前公開された資料によりますと、令和2年5月の段階では1,210人になっておりました。このことや、あと、情報Ⅱの開設率の格差を勘案していくと、第1回ワーキンググループで私は情報Ⅰから情報Ⅲというような発言をしましたが、今回御提案いただきましたこの26ページに示されている、大幅に内容を増加させないで、情報Ⅱの中で一定の幅の単位数を配当することによって3年間通して学習可能とする、この案でやむを得ないのではないかと思っております。
 そうとはいえ、望ましい形ではないと思っておりますので、研修コンテンツ作成をしたりとか、外部人材を活用するだけではなくて、指導する先生方に対して、探究的な学びや、実践的な学びとして、PBL学習を経験できるような研修を悉皆でやるぐらいの勢いで実施していくことを検討する必要があるのではないかと思います。また、今後、内容の更なる拡充というのは将来的な課題としていただければと思っております。
 以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】  ありがとうございます。25ページの見方・考え方のことについて発言をさせていただきます。今回、情報とその結び付きという視点を引き続き用いるということで整理をいただいているわけですけれども、情報活用能力の定義がこれまで「情報と情報技術」という枕言葉から始まっていたものが、情報技術に焦点化されたというようなことの対応、どのように繋がるのかという検討が必要かなと思っています。高校になって内容が高度化するからこそ、学習対象が情報技術だけではなく情報そのものになっていくというようなことももちろん考えられるとは思うんですが、とはいえ、情報活用能力の定義の焦点化と今回の「情報とその結び付き」という用語との関連、これが違うのか、繋がっているのか、不可なのかこの辺りの関連について説明しやすいように表記を検討する必要があるのではないかなと思ったところです。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。鎌田委員、お願いいたします。
【鎌田委員】  よろしくお願いします。24ページをよろしくお願いいたします。24ページを見たときに、情報を教えている身としてやはり違和感を覚えます。どこに違和感を覚えるかといったら、今までの情報の中では、問題の発見・解決に向けて「情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し」とありますように、問題解決のために情報と情報技術というふうに記載がありますように、教科情報は情報技術のみを教える科目ではなく、情報そのものを生徒と一緒に学んで、それを問題の発見・解決に生かすという科目ですから、今の現状の文言だと、生活や社会の情報に関するという部分と情報技術が何か切り離されたような感覚になるので、文脈としては、生活や社会の問題を情報や情報技術で発見・解決のようになると、まだすとんと落ちるかなと思います。
 高校の情報では、ほかの委員も発言されていますが、情報技術のみならず、メディアリテラシー、情報セキュリティ、著作権などの法律や情報モラル、情報デザインの考え方や問題解決のプロセスとか、モデル化とシミュレーションにおけるモデル化とか、情報そのものをどう扱うかということを学びますので、それを問題の発見・解決に生かしているという部分が変わるという部分にちょっと違和感を覚えます。
 先ほど泰山委員からの発言もありましたが、「情報と情報技術」という書きぶりから、情報技術のみなるという部分に関してはなぜそうなるのかというのをどこかで整理していく必要がありますし、やっぱり問題発見・解決のためには、情報と情報技術というものが今までの情報の流れからすると適切ではないかと考えています。
 2点目、26ページをお願いいたします。こちらの方で先ほど春日井委員から話があったように、幅を持たせるという部分に関してはおおむね賛同でありますし、情報活用能力の抜本的向上を掲げている以上、高校1年生から3年生まで高校において系統立てで学ぶ幅があるというのは非常にいいことだと思っています。ただ、ここに記載がありますように、指導体制の改善が必要というふうに右側に記載がございますが、今までほかの委員もおっしゃっていますけれども、抜本的向上に繋がるために研修等のコンテンツの充実も重要ですけれども、もう一つ、田中委員からもありましたけれども、AIについて学ぶというふうになるのであれば、AIについて、特に学習内容、教材、コンテンツ等も、常に内容が劇的に変化すると思いますので、そこに継続的な支援が必要だと考えています。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。井手委員、お願いいたします。
【井手委員】  よろしくお願いします。こちらの26ページについて意見を申し上げます。情報Ⅰで培った基礎の上に選択科目としての情報Ⅱを設置する考え方を維持する点、さらに、生徒や地域の実情に応じた特色・魅力ある教育を実現するために、情報Ⅱについて4単位までの幅を設けるようにする点に強く賛同いたします。生徒の特性に応じて探究的な学びを一層深めたい等のニーズがあることを踏まえますと、各学校の判断において実社会の課題を探究的に解決する内容を充実させられるよう、柔軟なカリキュラムを組める体制を整えることは極めて重要なことだと感じます。
 ただし、情報科の教員不足や教員のスキル不足などにより、情報Ⅱの設置に前向きではない学校や自治体が少なくないことも事実です。そのため、情報Ⅱの設置を各学校の裁量に委ねるだけでは、地域や各学校間での格差が拡大するという懸念がございます。特に情報科の授業が、探究的な学びやAI・データサイエンスの実践と密接に結び付くことを踏まえますと、教員の専門性と指導力の確保は制度設計上最重要課題であると考えています。この課題を解決するためには、教員養成から現職教員研修までを一貫して支援する仕組みを強化するとともに、大学や企業、自治体と連携した学習資源の共有体制を構築し、学校単独で情報Ⅱを成立させる負担を軽減することが持続可能な情報Ⅱを展開する上で極めて重要であると考えています。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。続きまして、福田委員、お願いいたします。
【福田委員】  すみません、後から入りましたので、話が皆様と重複してしまいましたら、大変申し訳ございません。
 まず、スライド22をお願いいたします。スライド22の一番下のポツのところで、今皆様からもお話がありましたが、情報Ⅱの単位数が一定の幅の範囲で配当できることとするというところについて賛同いたします。先ほども皆さんも御指摘いただきましたスライド26になるかと思いますけれども、その状況を大変分かりやすく示していただき、この幅がまず出来たということは、学校によって様々な状況がありますので、体制がこれで取りやすくなり、学校の特色も打ち出しやすくなると思います。さらに、情報Ⅱにつきましては、設置について拡充されていくべきと考えておりますので、更に様々な支援体制が必要になるかと思いますので、今後の課題であると思います。
 次に、スライド22にお戻りいただきまして、同じ部分の2行目になりますけれども、スライド8で示された内容の高度化が起こると、やはり教員の指導力向上に係る支援が非常に重要になってまいります。皆様ももうもしかしたらお話しいただいたかもしれませんが、動画やテキストの提供などもこれからも是非支援をお願いしたいところですが、それだけではなく、学校を支えているのはやはり各地区の指導主事でございますので、例えばNITSなどを通して実際に学校の支援・指導をしている指導主事についても、情報をただ指導主事に伝えていくというだけではなくて、指導主事が学習指導要領の内容・趣旨をしっかり理解できるような体験的な学びへの支援体制も考えていただきたいと思います。また、環境整備につきましても、パソコン教室がもう既にない地域などもあると聞いておりますので、是非そういったことも併せて、国からの支援、指導体制が大変重要な検討課題だと思いますので、是非そこを検討いただきたいと思っております。
 あと、スライド24ですが、皆様ももしかしたらお話しされたかと思いますが、情報科の目標についてです。「生活や社会の情報に関する問題」というふうに書かれているのですが、そこについて少し違和感を覚えております。情報科は、様々な事象について問題を発見したり解決したりする、そういう教科であると思っておりますので、是非そこについては明確に、情報そのものを評価に繋げられるように目標に明記していただければと思います。
 私からは以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。安藤委員、お願いいたします。
【安藤委員】  ありがとうございます。資料の27や28に関係することですけれども、先ほど田中委員からもサイバーセキュリティの話がちょっと見えないというお話があったと思いますが、私も全く同感です。それに加えまして、中学校であれば計測制御だとか、最近の言葉で言えば、フィジカルコンピューティングとかIoTに関することも、やはりこの2ページからどう読み取っていいのかということが少し見えにくいことをちょっと心配しております。
 小学校のプログラミング教育という点の系統性でいうと、小学校のプログラミング教育はコンピューターをブラックボックスにしないとか魔法の箱にしないというような表現で必修になったということ。先ほどの資料にあったように、現実世界と仮想世界の相互作用で今現実の世界が成り立っていると考えると、プログラミングが現実の動作を制御できるんだということとか、センサとアクチュエーターを通じてコンピューターは物理世界と繋がるのだということについても、そういうことを学習の過程に入れたい高校さんが、じゃ、この中でどこの中身と関連して進めたらいいんだということが現状見えないことが心配ですので、今後そういったことについても示し方について御検討いただけるといいかと思います。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。森山委員、お願いいたします。
【森山主査代理】  失礼します。森山です。私の方からは、中高の接続という観点での所感を短く述べさせていただきたいなと思います。
 本日の議論で、高校の情報科についてはこれまでの実践の成果を踏まえつつ、数理・データサイエンス・AI教育の流れで拡充するというのが本日示されたかなと思います。これに対して中学校の情報・技術科(仮称)の方は、サイバー空間を支える情報技術とフィジカル空間を支える生産技術の両輪からSociety5.0時代の技術観を体現する方向での刷新がなされたと捉えております。
 この両者の間には、新しい価値を生み出す、あるいは新しいものやシステムを生み出すといった、創造的な探究の力となる情報活用能力というものが貫いているということをここで改めて確認したいなと思いました。こうした共通の柱とそれぞれの固有の役割を確認しながら、中高連携したカリキュラムをどのように構成していくのかということが大切だなと感じました。そういった観点で、中学校情報・技術科(仮称)の情報技術の内容構成と、それから高校情報Ⅰの内容構成との関わりをうまく説明できるというか、表現できるような整理があるとより分かりやすいかなと思いました。
 一方でこれを学校現場に実装するに当たりましては、もう各委員から指摘がさんざんございましたけれども、小中高それぞれの指導体制をどう強化するかということで、教員養成の在り方、免許保有者を増やす施策、それから現在の教員への研修の推進、やるべきことがたくさんあるなということで、これにつきましては自分自身思いを新たにしたというところでございます。
 以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございます。続きまして、宇都宮委員、お願いいたします。
【宇都宮委員】  この中学校、高等学校段階におけるというところの資料全般におけるAIというものの立ち位置に関してのコメントをちょっと述べさせていただければと思います。
 今、前提として、数理・データサイエンス・AIというふうに横並びになっている中で、少し数理・データサイエンスとAIというものの性質の違いがやはりあるのかなと思っております。こちらの資料全般を拝見しておりますと、やっぱりAIというのが、基本的には学習におけるツールといいますか技術であったり、インフラに近い領域に来ているという前提で書かれているのかなと思うのですけれども、一方でカリキュラムという方の組立てでいうと、やはりAIを学ぶということとAIを使うというものが少し混在した形になっているのかなというふうな印象を受けたりします。
 なので、数理・データサイエンスというものは、どちらかというと思考の基礎とか判断の対象というものに対して、AIは例えばモデルカリキュラムで言うオプションの例えば統計とかアルゴリズムとか時系列データの解析とか画像認識とかそういったものを学ぶツールとしてのインフラみたいな立ち位置もあるかと思うので、初学者が初めて見たときに、AIは一体どういう立ち位置にあるのかとか、どういうときにAIをそもそも使ってよいのかみたいなところを、基本的なところを考える上で少し混乱のないようにAIというものの立ち位置を学ぶということと、それから使って更に学ぶ力で、AIを更に使って自分自身を強化するみたいなことで明確に切り分けていくような定義の仕方ということも御検討いただけるとよいのかなということでコメントさせていただきました。ありがとうございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。それでは、最後になりますが、萩谷主査代理、お願いいたします。
【萩谷主査代理】  高等学校情報科に関して、非常に多くの貴重な御意見をありがとうございました。先ほど森山委員から中学と高校の体系性について御発言がありましたけれども、私からも幾つか述べさせていただきます。
 全体的に、中学と高校で非常に系統立って、しかも高校でより高度になっていくというところが、この目標と、それから見方・考え方によく表現されていると思っております。例えば、中学では「生活や社会における問題」とあるところを、高校では「事象」と一般化されております。それから、中学では「多面的視点」、高校では「多角的に捉え」と表現されていますけれども、先ほど社会的役割に関連して発言させていただきましたが、その社会的役割の観点が継承されています。
 そして、より重要なのが、中学校においては「技術を創造する」という表現であったところが、高校では「価値を創造する」という、より一般化・汎用化されているというところが重要だと思います。さらに高校では、科学的な理解が学習過程に追加されているということです。また、中学では「実践的・体験的」とあったところが、高校では「探究」という言葉が使われています。
 それから、価値創造というところも資質・能力のところで明記されております。その点について少しコメントさせていただきます。高校においては価値創造が資質・能力のところに記載されているのですけれども、なかなか価値創造を明確な能力と捉えることは容易ではないかと、つまり、学習過程として位置付ける方が適切ではないかと考えています。
 また、情報と情報技術に関しては、多くの委員、蓮池委員、春日井委員、泰山委員、福田委員、鎌田委員と御発言がありましたけれども、春日井委員から「情報の視点」という言葉が提案されていますように、私も例えば「情報の観点」という文言を用いることを提案したいと思います。
 以上、まとめますと、一案ですけれども、全体で、生活や社会の問題を情報の観点により捉え、情報技術を用いて解決する資質・能力について、情報技術の科学的な理解に基づき探究的に活用して、新たな価値の創造を目指す活動を通して次のとおり育成することを目指すというように、価値創造は学習過程の方に移動した目標の記述の仕方もあるかと考えております。
 ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。たくさんの意見をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、事務局に一度お回ししたいと思います。
【相川情報教育振興室室長補佐】  先ほど何人かの委員から御指摘いただいていた24ページの高校情報科の目標について、情報に関する記述のところが、現行ですと「情報と情報技術」と明記されているところ、情報との関係性が一部不明確ではないかというような御指摘をいただいたと考えております。今回、情報活用能力が「情報及び情報技術を活用する力」から「情報及び」が外れる、論点整理でそういった整理がなされているわけですけれども、その趣旨は「情報及び情報技術を活用する力」となっているのが言語能力と重複があるという指摘があるのが1点と、もう一つは、現代社会で情報技術を介さない情報活用に係る能力の育成の実践イメージが持ちにくいということが論点整理のところで言われていたところでございます。
 それらも踏まえまして、今回、高校「情報」の目標に関しまして記述ぶりを検討させていただき、このような改訂案とさせていただいたところですけれども、いずれにせよこれに関しては、本日いただいた意見等を踏まえながら今後も検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。皆さんの御協力で時間がうまく入りまして、もしまだ御発言したいという方がいらっしゃいましたら、議題1のことでも議題2のことでも構いませんので、2人ぐらい取れるかなと思うんですけれども、どうしても発言したい方がいらっしゃいましたら、挙手をお願いできますでしょうか。
 特にないようでしたら、またメール等で事務局にお寄せいただくという形にしたいと思いますが、春日井委員、お願いいたします。
【春日井委員】  1点だけ、すみません、22ページに関連してです。4つ目の一番下のポツになりますが、高校の現場にいたときに、機材を買いたいとかそういうときになかなか予算が取れないというようなこともありましたので、支援として、今、DXハイスクールでかなり多額のお金を付けていますが、毎年とは言わないけれども、時々機材等が整備できるような予算措置なんかもあるとありがたいなと思ったところです。よろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。岡本委員、お願いいたします。
【岡本委員】  ありがとうございます。先ほどちょっと時間がないということだったので、中学校の情報・技術科(仮称)に対する意見です。資料でいうと、2の12ページだと思います。ありがとうございます。中学校技術というのが、今までいろいろものづくりを通して各分野でやってきたというところなんですけれども、今回の情報を強化するという動きには全体的にもちろん賛成なんですけれども、残ったA、B、Cの領域というのが、やっぱり我々の日本の国の現状、例えば資源が少ないだとか、食料自給率、あとはエネルギー自給力を上げなければいけないとか、そういったリアルな社会情勢をちゃんと把握した上で、物を作るときに設計というものを通して把握した上で、本気でSociety5.0を、社会実装をちゃんとしていくというようなことをやっていくのであれば、義務教育で最低限のこのタイミングでやっぱりしっかり情報技術というのをちゃんと拡張技術として学んでいくというようなところは、しっかりこの今の御提案いただいたところでやっていけるのかなと思っています。
 私からの意見は以上です。
【堀田主査】  岡本委員、ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。では最後に田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  ありがとうございます。1点だけ。スライド17の授業の形式について、生徒は協力的な学習が好きと回答している割合が多いが、教師による説明が中心の授業展開になっていると書かれているんですけれども、実習活用や探究的な学びの時間がないというのは中学でも今後同じだと思うので、どう解決できるかという観点で今回改訂していきたいなと思っています。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。武藤課長、お願いします。
【武藤教育課程課長】  教育課程課長の武藤でございます。今日は本当に多岐にわたる御意見をありがとうございました。
 私の方から、先ほど鈴木委員あるいは山脇委員から様々御指摘あったところについて、特に民主主義を支える基盤というか、そういったことを教育課程全体も視野に入れながら設計していくべきだと、こういう貴重な御指摘があったところでございます。まさに御指摘のとおりで、このことを情報・技術科(仮称)であったり、あるいは高等学校の情報科ないしは情報活用能力だけでこれを受け止めるのは到底難しいところでございまして、まさに御指摘のように教育課程全体を通じて見ていくところだと思っています。
 全く一例で申し上げれば、今日御議論いただいた見方・考え方につきましても、例えば算数・数学を学んだ人であれば、きちんと数字に着目していく、あるいは統計的なところを見ていくということも当然あるんだと思いますし、あるいは科学、理科を学んだ者であれば、科学的根拠に着目していくと、こういったこともあったりするんだと思います。さらに、主権者としての様々な行動、振る舞いにつきましては、特別活動みたいなところもあるんだと思っておりまして、これは教育課程全体を担当する立場として、総則・評価特別部会も含めて全体として、私ども事務局としてもしっかりと目配せをして、ここで出た御意見もうまく反映できるように努めてまいりたいと、このように考えたところでございます。
 以上です。
【堀田主査】  大変ありがとうございます。それでは、少し、私も主査として一言申し上げたいと思います。
 言おうと思っていたことの一つ目は、今、武藤課長がおっしゃったことでございまして、教育課程全体として捉えていくべき広範な資質・能力のどの部分を私どもが担当しているこの情報・技術ワーキングで担っていくのか、各教科等の特性や、今後検討される時数との関係、体系の中でどうしていくのかという、そういう吟味をしていくということが重要であろうと。及び、ほかの教科等で盛んに検討されていく内容との連携を考えていくことが重要であろうということを一つ目に申し上げようと思っておりました。
 二つ目ですが、私は、政府の要請あるいは社会、世界的な要請としてのSTEAM教育がやっぱり今日極めて重要なんじゃないかと思っております。ただ、これは現行では、主に高校の理数探究でうまくこれを引き取るとか、あるいは総合的な学習あるいは探究の時間でしっかりやるということになってきているんだと思いますが、今回の教育課程の改善の段階で、例えば中学校の新設される情報・技術科あるいは高等学校の情報科でこれをどこまで視野に入れて内容に取り込めるのかということについてはやっぱり要検討の部分もあろうかと思っております。
 例えば、中学校の情報・技術科は、義務教育段階の最終段階で我が国の児童生徒にどこまでどういう体験を保障するのかという観点があるかと思いますし、高等学校はいろいろな高等学校改革の中に今ありまして、学校の特色をはっきり出していく時代にあります。そういうときに情報Ⅱをどのようにお使いいただけるのか、あるいは専門高校等の話は今日はあまり出ませんでしたけれども、こういう関連科目とどのように中学校の情報・技術科と繋げていくのかみたいなことについても考えていく、絵を描いていくということが大事かと思っております。
 最後にもう一つ、これは大変申し上げにくいんですけれども、必ずしも従来の教科の考え方そのままの延長にできるかというと、それは分からない部分があるということでございます。これは例えば、現行の学習指導要領では小学校算数にプログラミング教育が入ってきたり、小中学校の算数・数学にデータの活用みたいな分野が入って領域が再編されたり、そういうことがありましたけれども、場合によってはその教科教育のオーソリティーが「こういうのはちょっと算数としては」みたいな言い方をされる時期が、もう今はないと思いますけれども、一定時期ありました。こう考えると、各教科等のエキスパートの方々の持ち合わせていらっしゃるノウハウをどのように新しい枠組みに組み直していくかという検討の仕方が重要なのかなと思います。
 また、今日たくさん意見が出ましたが、指導体制の問題、人員の問題とか、あと予算の問題等は必ずしも文部科学省だけで解決できるものではありませんので、この中教審としてどのようにこの指導体制の改善等を予算のところまで意見できるかというのは限界はあろうかと思いますが、方向観はしっかりと文部科学省の方に示していただくというようなことをお願いしてまいりたいと思っております。
 主査としての発言は以上でございます。
 それでは、皆さんの御協力で無事に時間内にはまりましたので、本日の議事はここまでとさせていただきたいと思います。
 最後に、次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  次回の情報・技術ワーキンググループは、1月9日金曜日13時~15時半を予定しておりますが、正式には後日連絡いたします。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。開催時間の変更につきましては、皆さんに御協力いただきまして、ありがとうございます。次回もまた盛りだくさんの内容が予定されておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、情報・技術ワーキング(第4回)はここまでとさせていただきます。どうも御協力ありがとうございました。

 
―― 了 ――

江間委員提出意見(PDF:168KB)
亀田委員提出意見(PDF:220KB)
白井委員提出意見(PDF:307KB)

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初等中等教育局教育課程課教育課程総括係
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