教育課程部会 情報・技術ワーキンググループ(第1回) 議事録

1.日時

令和7年9月25日(木曜日)18時00分~20時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 情報・技術に関する現状・課題と検討事項について
  2. その他

4.議事録

【相川情報教育振興室室長補佐】  定刻となりましたので、ただいまから、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報・技術ワーキンググループを開催いたします。本日は、大変御多忙の中、御参加いただき、誠にありがとうございます。
 開会に当たり、文部科学省初等中等教育局学校情報基盤・教材課長の寺島史朗より挨拶申し上げます。
【寺島学校情報基盤・教材課長】  学校情報基盤・教材課長の寺島でございます。本ワーキンググループの事務局を担当させていただきます。
 本日は、大変御多忙の中、また遅い時間にもかかわらず御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 先生方の日程調整、なかなかうまくいかずに、大変恐縮でございました。遅い時間での開催ということになりましたこと、まずおわびを申し上げたいと思っております。
 本日、この情報・技術ワーキンググループ、第1回ということでありますけれども、本日の午前中に教育課程部会が開催され、論点整理が取りまとまったところでございます。まさにこの論点整理が取りまとまったその日の夜、早速、この第1回の情報・技術ワーキンググループを開催させていただきました。
 その論点整理でも、情報活用能力の抜本的向上というのが一つの大きなテーマになっております。今回の学習指導要領改訂に関する議論の全体を見ても、この情報活用能力の抜本的な向上は非常に大きなテーマでございます。この論点整理の中では、情報活用能力を、情報技術の活用、適切な取扱い、それから特性の理解、この3つの側面から、そして小学校段階、中学校段階、高等学校段階と系統性を意識して学習指導要領を見直ししていくという方向性が示されております。まさに、このワーキンググループでは、この3つの観点から、そしてそれぞれの学校段階から、何をどのように取り扱っていくべきかということを議論していただくということになります。
 一担当課長としては、もちろんこの分野は非常に大事だと思いますけれども、一国民として、また、一人の保護者としても、この分野は大変重要だと思っております。そういった意味では、非常に注目度も高いところでございますけれども、それぞれの専門の分野の皆様がお集まりいただきましたので、それぞれの専門的な知見を忌憚なく御披露いただきまして、この情報・技術ワーキンググループで取り扱う分野がより良いものになるように、委員の皆様方の御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
 これから少し長丁場という形になると思いますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【相川情報教育振興室室長補佐】  続きまして、文部科学省初等中等教育局教育課程課長の武藤久慶より挨拶申し上げます。
【武藤教育課程課長】  御紹介いただきました教育課程課長の武藤でございます。
 今ほど寺島課長から大事なところを全てカバーしてもらったと思いますので、それほど付け加える点はないんですのですけれども、とにかく寺島から申し上げたように、この情報活用能力の抜本的な向上というのは極めて大きなテーマだと思っています。今回の全体の論点整理の中でも、教育課程の枠組みというか、教科等の構成の変更も伴うものであるという時点で極めて大きいですし、重要なテーマだと思っております。
 加えて、非常に変化が激しい領域でもあるということもあります。生成AIをはじめ、非常に大きなテーマでございますし、今回の論点整理の中でも、これから様々な理想を描いていくわけですが、その中で、実行可能性の確保というのを常にセットにして議論いただくというのが全体の方針でございます。
 この非常に変化が速いというところ、それから、先生方の負担ということも踏まえながら、本当に実行可能で、よい教育課程をこの情報の分野でもつくっていただくために、先生方のお力添えを賜りたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  議事に先立ち、本ワーキンググループの主査及び主査代理について御報告いたします。
 資料2の初等中等教育分科会教育課程部会運営規則に基づき、本ワーキンググループは、教育課程部会の決定により設置されており、主査及び主査代理につきましては、奈須教育課程部会長より、堀田龍也委員を主査に、萩谷昌己委員、森山潤委員を主査代理に、それぞれ指名いただいておりますので、御報告申し上げます。
 なお、本ワーキンググループの委員の皆様については、資料1の委員名簿を御参照ください。
 それでは、議事に入ります前に、堀田主査から一言御挨拶をお願いいたします。
【堀田主査】  このたび主査を拝命いたしました東京学芸大学の堀田でございます。皆さん、これからよろしくお願いいたします。
 今ほど寺島、武藤両課長からお話しいただきましたが、文部科学大臣から中央教育審議会への諮問事項の中には、情報活用能力の抜本的向上という、あまり聞かない形の言い回しが入りまして、これは非常に大きなことかと思っております。抜本的ということですから、従来のものに単なる内容の付け足しをするのではなく、大幅な見直しというのが期待されるということかと思います。
 例えば義務教育段階においては、GIGA端末が入ってもう既に5年たち、利活用が進んでいる地域では、これが様々な形で深い学びにつながるような学習活動を実現しているということが分かっておりますし、それが全国学力・学習状況調査の結果にも反映しているということが分かっております。このようなことから、日本中の全ての地域で、小学校、中学校、高等学校を通して、端末を用いながら学ぶということ、自律的な学びを保障したい。そのためには、小学校段階から何らかの形で情報活用能力の育成を着実に推進するような教育課程が必要ではないかというような議論がずっと続けられてきたわけです。
 詳細はこの後、事務局から御説明いただきますけれども、小学校には情報の領域というのが付加され、中学校には技術分野の再編を伴って大きく教育内容を改善するということになり、高等学校は高大接続も見通したさらなる充実が期待されるところで、私どものこのワーキンググループは、そういう意味では、人数も大きいですけれども、案件も多くございまして、この後、皆様には御苦労を、そして御負担をおかけすることになると思っておりますが、ぜひ一枚岩になりまして、この分野の充実にお力をお貸しいただければと思うところでございます。
 私からの最初の御挨拶は以上でございます。
【相川情報教育振興室室長補佐】  ありがとうございました。
 それでは、本ワーキンググループの進行は、これより堀田主査にお願いいたします。
【堀田主査】  それでは、これより議事に入ります。
 本ワーキンググループの審議等については、資料2にありますが、教育課程部会運営規則第3条に基づきまして、原則公開により議事を進めさせていただくとともに、第6条に基づき、議事録を作成し、原則公開するということにしております。
 また、事務局よりこれから会議の留意事項について御説明をいただければと思います。
【相川情報教育振興室室長補佐】  本ワーキンググループは、対面とウェブ会議を組み合わせた方式で開催しております。御発言の際は、挙手ボタンを押していただき、ミュートを解除してから御発言願います。また、御発言が終わりましたら、再度ミュートにしていただくようお願いいたします。
 事務局からの説明は以上になります。
【堀田主査】  オンラインの会議、皆さん慣れていらっしゃるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 それでは、議題(1)に移ります。情報・技術に関する現状及び課題と検討事項につきまして、事務局より資料6、7、8について御説明をお願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  情報教育振興室室長補佐の相川でございます。事務局として、資料6、7、8について説明申し上げます。
 まず、資料6についてでございます。今画面に映し出されているところかと思いますけれども、こちらの資料は、本ワーキンググループで審議いただきます情報・技術に関する現状・課題と検討事項を示したものですが、既に教育課程企画特別部会で議論がなされた上で、9月19日に論点整理(案)が資料5のとおり示されており、さらに、本日午前中の教育課程部会において了承され、このまま案取れとなっております。この論点整理において、情報活用能力の抜本的向上に関しましては、課題とともに改善の方向性について大まかなものが示されているところでございます。この論点整理を踏まえまして、改めて現状、課題、検討事項を整理し、この資料に落とし込んだということになっております。
 まず、論点整理における改善の方向性等について説明いたします。資料が飛んで恐縮ですけれども、この資料の8ページ目から御説明を差し上げられればと思います。
 こちらは情報活用能力の抜本的向上に係る課題をまとめた資料となっておりますが、情報活用能力を、丸1活用、丸2適切な取扱い、丸3特性の理解という3つの構成要素に整理・分類した上で、右側に課題を示している資料となっております。
 右側の具体的な課題がそれぞれございますが、丸1活用に関しては、小学校において教科等に明確な位置づけがなくて、地域や学校による差が大きい。探究の学習の過程において情報技術の活用が十分でないといったような課題意識がある。
 その下、丸2適切な取扱いに関しましては、メディアリテラシーについて学校の取組差が大きいのではないか。発信源の確認や複数媒体の比較、ファクトチェックなどは指導されているのかという課題意識。
 さらに、その下に、負の側面が急激なスピードで広がる中で、フィルターバブルやエコーチェンバーというような新しい影響であるとか、デジタルとアナログの適切な使い分け、長時間利用といったことに関する自己調整といったものも指導としてどうなされるべきか、それが十分なのかというところの課題意識があるところでございます。
 最後、丸3特性の理解ですけれども、小学校では扱われておらず、中学校でも技術分野の一部で取り扱われている状況、さらには、学校種を通じてですけれども、生成AI等の先端技術に関わる内容が明確に位置づけられていないといった課題意識が書かれているところでございます。
 次のスライドでございますけれども、情報活用能力の抜本的向上の方向性イメージということで、情報教育の教育課程の改善の方向性を一覧にした資料となっております。
 左側、小学校の現状でございますが、各教科等の学習活動で学ぶこととなっておりますが、具体にどこで何を学ぶのかといったことの明記は学習指導要領上、現状はございません。
 その下に改善の方向性を示しておりますが、一定の時間を確保して育成を図ることを示しております。より具体的には、総合的な学習の時間に情報の領域(仮称)を付加する方向性を示しているところです。
 その右側、中学校でございますけれども、現行では、技術・家庭科(技術分野)の一領域で情報の技術を学ぶこととしております。
 その下が改善の方向性ですが、情報の技術の領域の内容を深めるとともに、他の領域についても情報技術の内容を広めていくという改善の方向性が示されているところです。
 さらに右側、高等学校ですけれども、現在教科として情報科があるところですが、改善の方向性としては、小学校・中学校段階を充実する検討を踏まえて、内容を深めていくという方向性が示されているというところです。
 次のスライドに移ります。こちらの資料の上段は、情報活用能力の3つの構成要素の関係を整理したものとなっております。
 まず、丸1の「活用」については、情報活用能力の中核的なものと位置づけつつ、丸2「適切な取扱い」や、丸3「特性の理解」については、丸1を発揮するための構成要素であると整理しているところです。
 その下ですが、先ほどの整理に基づいて、発達段階ごとの学習活動を検討した場合、小学校段階では、体験的な活動を重視することから、丸1「活用」が中核となり、中学校段階以降では、各要素の内容を深めつつ、より抽象的・科学的理解を必要とする丸3「特性の理解」を一層重視するということが考えられるところです。
 それを具体的に図示したものが、以下の台形や平行四辺形のような図形ということになりますけれども、小学校では丸1「活用」の比重が大きく、中学校以降では丸2、丸3の比重も増え、高校では「特性の理解」がより比重を増してくるというイメージを表したものとなっております。
 次のスライドですけれども、特に中学校の技術分野の改善の方向性について示した資料となっています。
 先ほど説明でもございましたが、D情報の技術の領域を深めるとともに、A~C領域についても、3Dプリンタ、センシングデータ、シミュレータの活用等、情報技術との関連を強化するということが挙げられております。
 また、左側にも記載されているとおり、4領域を横断して課題を探究的に解決する内容の充実についても方向性が示されているところでございます。
 次のスライドですけれども、今までの説明をまとめたものという形になりますが、特に探究的な学びとの情報活用能力の関係性について整理した資料となっておりまして、探究・情報の双方の観点から大幅な充実を図ることなどを検討すべきとされているところでございます。
 次のスライドですけれども、論点整理の中では、情報活用能力の整備の方向性についても触れられているところです。
 この資料の真ん中より少し右側のところの下側に情報活用能力の見出しがございますが、ここでは2つの指摘が書かれておりまして、まず丸1ですけれども、現在、情報活用能力が「情報及び情報技術を活用」する力となっているが、言語能力との重複があるとの指摘があるということが1点。
 もう一つは、丸2、現代社会で情報技術を介さない情報活用に係る能力の育成は実践イメージが持ちにくいといった指摘がなされているところです。
 これを踏まえて、今般の情報教育の充実を契機に、「情報技術の活用」に絞って示すべきではないかといった方向性が示されているところです。
 なお、情報技術ではなく、情報の活用については、各教科等の特質に応じて指導していくべきといったことは同時に示されているところです。
 以上が論点整理における情報活用能力関係の抜粋の説明でございました。
 この論点整理を肉づけして文章にしたものがこの資料の前半のほうになるということで、資料を戻らせていただき、1ページ目になります。
 まず、情報・技術に関する現状と検討課題ということで、こちらのスライドは、左側1ポツのところで、現行学習指導要領のポイントと現状ということで、現行学習指導のポイントとしましては、各学校段階の総則において、情報活用能力を育成するため、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図ること、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、適切に活用した学習活動の充実を図るといったことが明記されたというところが現行のポイントとなります。
 さらに、小中高校段階に目を向けますと、特にプログラミング教育が小中高を通じて指導されるようになったということがポイントの一つとなっておりました。
 資料右側、2ポツ目のところ、他方、PISA2022調査でのICTを用いた探究型の学習頻度はOECD最下位であるとか、文部科学省で調査している情報活用能力調査の結果からは、いまだ十分とは言えないというような状況がある。
 さらに、我が国のデジタル競争力は他国の後塵を拝しており、負の側面等を指摘する声もあるといったところでございます。
 それらを踏まえると、情報活用能力の抜本的向上が求められるといった課題意識をこちらで書いているところでございます。
 次のスライドですけれども、2ポツ、小・中・高に共通する課題ということで、(1)情報活用能力の育成体系に関する課題ということで、先ほど説明にもございましたが、小学校では明確な位置づけがないということと、その次のポツでもありますが、小中高校を通じて体系が明確になっていないといった課題がございます。
 その次のポツでは、探究的な学習との十分な連携が図られていないのではないかという課題意識があるということになります。
 資料右側、(2)の指導内容に関する課題ですけれども、小学校、中学校では、コンピュータやネットワークの仕組みの理解やデータ活用が十分に扱われていない、生成AI等の先端技術に関わる内容が明確に位置づけられておらず、情報モラルやメディアリテラシーの育成については、学校による取組差が大きいのではないかといった課題が書かれております。
 その次のポツでは、高等学校についてですけれども、高等学校では、高等教育の数理・データサイエンス・AI教育やデジタルスキル標準に円滑な接続ができる内容の指導が十分ではない状況があるといった課題意識を書いております。
 次のスライドに移りまして、左上3ポツ、中学校情報・技術科(仮称)に関する課題ということで、先ほど申し上げた情報のD領域の指導では十分な時数が確保されていない状況がある。また、他の領域、ABCの領域がございますが、課題を設定し解決策を設計・計画する過程の指導が不十分というような状況、その次には、DX化の進む現代の製造や食料生産、エネルギー生産と供給等と乖離した指導の状況があるといった課題がございます。
 その次、4ポツで、高等学校情報科に関する課題ということで、必履修科目の情報Ⅰにおいては、データ分析、AI活用、長期的探究活動に十分な時間を割くことができていないといったことから、社会で必要とされるスキルとの間に隔たりがあるのではないか。
 その次のポツで、必履修科目以外の科目、例えば、情報Ⅱということになりますけれども、高等教育や産業界で必要とされる発展的スキルとは隔たりがあるのではないか。さらに、教員の情報学やデータサイエンス・AI等に関するスキル等に差があるといった課題があるのではないかということです。
 資料右側、5ポツ、指導体制・環境面に関する課題ということで、こちら表が入っておりますけれども、特に中学校の技術・家庭科(技術分野)の状況ですけれども、担当教員全体のうち、臨時免許状所有者であり免許外教科担任は、全体の25%を占めているというような状況がございます。そこからしますと、指導体制の改善を一層加速化させる必要があるのではないかといった課題意識がございます。
 その次のポツで、情報技術に関する教育内容は、技術の進展に伴い妥当性を失う可能性があるが、これを防ぐとともに教師の負担を可能な限り減らす仕組みを構築する必要があるのではないかという認識が書いてございます。
 次のスライド以降が、ワーキンググループにおける検討事項・論点ということになります。
 このスライドの左側は、全教科共通に検討していく共通課題を列挙しております。当ワーキンググループであれば、中学校情報・技術科(仮称)や、高校情報科において検討すべき事項を掲載しております。
 (1)中学校情報・技術科(仮称)、高等学校情報科を通じて育成する資質・能力の在り方・示し方ですけれども、「学びに向かう力・人間性等」や「見方・考え方」の新しい整理を踏まえた目標の示し方をどうするか。中核的な概念等に基づく内容の一層の構造化や、その過程における必要に応じた精選の在り方をどうするか。学習指導要領の表形式を活用した目標・内容の分かりやすい示し方をどうするか。
 (2)は、指導と評価の改善・充実の在り方についてということですけれども、デジタル学習基盤の活用や情報活用能力の育成強化を前提とした、「主体的・対話的で深い学び」の一層の充実を図るための方策をどう考えるか。効果的かつ過度な負担が生じにくい評価の在り方をどうするか。
 (3)は、柔軟な教育課程の在り方についてということですけれども、義務教育における調整授業時数制度や、高等学校における科目の柔軟な組替えを可能とする仕組みを前提とした場合に、考えられる教育課程・学習指導の工夫の在り方をどうするか。教育課程の柔軟化に伴って生じる課題とそれを防ぐための運用の在り方をどうするかといったところを検討事項として示しているところです。
 このスライドの右側、こちらが情報・技術ワーキンググループ固有の検討事項ということになると考えております。
 (1)、小中高校段階を通じた情報活用能力の体系的・抜本的な教育内容の充実の在り方ということで、まず、情報活用能力の資質・能力を整理する際には、情報活用能力が学習の基盤となる資質・能力としては、「情報技術の活用」に絞って示すこととなることを踏まえつつ、丸1、丸2、丸3との関係性を見据えながら検討してはどうか。
 次に、体系性ということで、小中高校段階を通じた情報活用能力育成の体系性を検討する際には、各学校段階の現在の指導内容を移動することも含めて検討してはどうか。次のポツで、高校段階では高等教育段階での接続を意識して、円滑に接続することを目指すことを念頭に、体系性を検討してはどうかといったところがございます。
 次のスライドでございます。
 左上、(2)、小学校段階の情報活用能力育成の改善及び教育内容の充実の在り方ということで、総合的な学習の時間に付加すべきとされた「情報の領域(仮称)」について、探究の特性が十分に発揮されること、各教科等の探究的な学びの深まりにも資することということに留意しつつ、情報活用能力の着実な育成が図られるよう検討してはどうか。また、低学年における情報活用能力の向上の在り方についても検討してはどうか。
 その下に四角囲みで強調しておりますけれども、小学校の総合的な学習の時間に付加する「情報の領域(仮称)」等については、生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループとの合同開催等により、集中的な検討が必要とさせていただいております。
 その下、(3)で、中学校情報・技術科(仮称)の改善及び教育内容の充実の在り方ということで、情報D領域を情報活用能力育成の主たる受皿として大幅に充実することを検討してはどうか。ABC3領域についても、情報技術との関連を強化することを検討してはどうか。右側、情報活用能力を活用して、AからDの4領域を横断した課題を探究的に解決する新領域の設置を含む内容の整理と充実について検討してはどうか。
 (4)、高等学校情報科の改善及び教育内容の充実の在り方ということで、必履修科目については、高等教育段階での数理・データサイエンス・AI教育やデジタルスキル標準に円滑に接続することを目指すことを念頭に、汎用的な内容を学習する観点から内容を検討してはどうか。また、必履修科目以外の科目については、高等教育や産業界で必要とされる発展的スキルとの隔たりを解消する観点から、先端技術・AI・データサイエンス等を探究的に学ぶ内容の在り方を検討してはどうか。
 (5)に、(1)から(4)を通じて議論すべき各論ということで、一つは、生成AI等の先端技術に関わる内容に関してどうするか。もう一つは、情報モラルやメディアリテラシーに関する内容を充実してはどうか。最後に、改訂後の教育課程の改善等(更なる変化への対応)に係る方策について検討してはどうかといったことを課題として書いております。
 課題として、最後のスライドになりますけれども、(6)、環境整備の在り方ということで、研修機会の拡充や環境整備の推進など総合的な支援の在り方を検討してはどうか。現場が手軽に使える動画教材などを国が提供することを検討してはどうか。地域人材や企業等との連携を検討してはどうか。教員養成課程の新設の促進や現在開設している大学への支援や、大規模な認定講習の実施などについて検討してはどうかといったことを検討事項・論点として挙げさせていただいているところでございます。
 資料6は、本ワーキンググループ用に作った資料になります。
 情報活用能力の体系性等を整理する際のイメージということで、先ほどの検討課題のところでも説明がありましたけれども、情報活用能力の資質・能力や体系性を整理するに当たっては、情報活用能力を構成する各要素、丸1、丸2、丸3との関係性を見据えながら検討してはどうか。
 その下の※書きにありますけれども、以下の表は、今後ワーキンググループにおいて体系性等を整理していくに当たっての大まかなイメージとして、各学校段階別、構成要素別に、情報活用能力と学習内容の例を事務局の試案として作成したものになっております。あくまで網羅的に整理したものではございませんので、今後具体の検討が必要という位置づけの資料となっております。
 簡単に紹介させていただきますと、右軸が小中高校ということで、縦軸が丸1、丸2、丸3というふうになっております。
 例えば、小学校の丸1、活用のカラムを見ていただきますと、四角囲みのところには、情報技術を学習や生活に生かす技能や、情報技術を目的や相手に応じて判断して活用できるといった、情報活用能力的なイメージを例示として記載しているところです。
 その四角囲みの下には、学習内容の例示として、インターネットでの情報収集、タイピング、表・グラフ、スライドの作成、クラウドでの共同編集といったイメージとして記載しているところです。
 また、中学校の丸3、特性の理解の部分であれば、情報技術の科学的特性と仕組みを理解しているといったことや、情報技術の活用、改善の在り方を考察できるといった情報活用能力的なイメージの例示があり、その下に、学習内容として、コンピュータ、データベース、AIの仕組みを扱うことや、アルゴリズム、情報デザインの基本の理解について学習内容として扱うことについて例示的に書いているところです。
 なお、中学校の丸3のところに、プログラミングが学習内容の例示として書かれておりますけれども、例えば、プログラミングは丸1の活用に入るのではないかといった疑問を持たれることもあるかと思います。このイメージでは、紙面の関係性もありまして、便宜的に丸3の特性の理解の側に入れておりますけれども、丸1や丸2の両方に関連しそうな学習内容もあり得るところでございまして、今後具体の検討の中では、書き分けできるものは書き分けるといったような工夫が必要になるものと思われております。
 以上が資料6の説明となります。
 続きまして、資料7の説明に入りたいと思います。こちらのほうは、情報・技術ワーキンググループの主な検討事項と今後のスケジュールということで、右側に候補日程等、スケジュール案を書かせていただいております。
 本日開催後、概ね月1回程度で進めていくイメージですけれども、図として記載しておりますとおり、小中高校段階を通じた情報活用能力の体系性等の検討から議論を始め、その後、小学校、中学校、高校の各教科等における教育内容等について検討していただくこととさせていただければと考えております。
 また、小学校については、第3回に生活・総合ワーキンググループとの合同開催を見込んではどうかということを書かせていただいております。
 最後に、資料8になります。もともと先ほどの資料6の説明の中でも指導体制の充実の必要性について論点として挙げておりましたが、こちらは情報活用能力の抜本的向上を支える指導体制の改善プランということで、次期学習指導要領の全面実施を待つことなく、令和8年度から逐次改革に取り組む姿勢を対外的にお示しする資料ということになっております。
 目指す姿に関しましては、真ん中にございますけれども、学習指導要領全面実施までに総合的な支援が充実しているということと、令和10年度までに臨時免許状所有者・免許外教科担任がゼロになっていることを目指しているといったところです。
 これに資する取組として、現在文部科学省として令和8年度概算要求をしている施策を含めて、下に、大きくは3つの取組を進めていくべきと考えております。
 かいつまんで紹介いたしますと、左側のローマ数字1でございますが、教員の指導力向上・負担軽減に資する研修動画等の充実、教員同士の連携、環境整備、ローマ数字2にございます指導体制の確立ということで、学習者用教材開発、外部人材活用、複数校指導・遠隔授業に係る調査研究といったものを推進する。
 最後に、右側のローマ数字3でございますが、免許状所有状況の改善ということで、免許法認定講習の大規模な促進であるとか、免許取得可能大学の増加といった施策の実現に向けて、概算要求や検討をしていくプランというふうになっておりますので、紹介させていただきました。
 私からは以上になります。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 たくさんの内容がありまして、一度に、しかも短い時間で今日、説明いただきましたので、負荷も高かったのではないかと思います。
 今日は第1回目で初めての回でもありますし、顔合わせの回という意味もございますので、委員の皆様お一人ずつから、ぜひこれから御意見をいただきたいところでございます。特に、今後検討を進めるべきと考えていらっしゃること、あるいは審議の進め方等に関する御意見についてお話をいただきたいのですが、その際、今後、資料7の右側にあるような形で進んでいくという前提で、「資料6のこのページなのですが」みたいな感じでお話しいただくと大変分かりやすく、位置づけやすく、ありがたく思うところでございます。ただ、時間が、今日は20名ほどいらっしゃいますので、一人3分厳守で進めさせていただきたいと思います。いろいろお話しされたいことはあるかと思うのですが、進行に御協力いただければと思うところでございます。
 それでは、名簿に従いまして、私のほうから順番に御指名させていただきます。出欠の関係で、後で指名することになる方もいらっしゃるわけですが、そういう状況の中で、まず安藤委員から順番に山脇委員までずっと進めてまいりたいと思います。
 それでは、最初に、安藤委員、よろしくお願いいたします。
【安藤委員】  どうもありがとうございます。広島工業大学の安藤と申します。よろしくお願いいたします。時間厳守でお話しさせていただきたいと思います。
 まず早速のですけれども、最初にページ番号ということでしたので、私、まず5ページ目の新教科の改善及び教育内容の充実の在り方についてというところでお話しさせていただきたいと思います。
 情報という言葉が非常に幅広いですよね。そういう中で、中学校の技術としては、主にこれまでデジタル化された情報を対象に、つまり、情報技術ですけれども、情報技術を対象にしてきていますので、今回、情報活用能力を情報技術に絞るという方針は、新教科の位置づけとしても明確にしやすいと思った次第です。
 この情報技術ということで言いますと、現在、特に情報システムでは、人間中心設計という概念が重要視されるようになってきています。中学校の情報技術で扱う内容にも、人の特性などに関する理解が求められるようになってきておりますので、新教科の中で扱うということを検討してはどうかなと思います。
 さらに、こうした検討を行うことは、技術科の従来の内容ABCのものづくりにおいても、中学生なりに、例えば、人間工学などの視点から設計を行うということにも寄与するのではないかなと考えております。
 続きまして、2点目は、ページ番号11に関してです。補足イメージというところではあるのですけれども、技術科でのものづくりというのは、実際に手を動かすフィジカルなものづくりということと、あと、サイバー、バーチャルなものづくりと両方ありますが、どちらもものづくりという点では同じ価値があるものとしてこれまで扱ってきております。解決策を導き出すということの出発点となるのは問いを生み出す能力ということのです。こういったものづくりの原点も、今、最近の生成AIでも問いを生み出すだとか、問いを言語化する能力ということが重要と言われています。その対比としても、こういった身体的行為を伴って創造的にものづくりをするという行為は、引き続き大切にしていきたいなと考えております。
 3点目、これは最後になりますけれども、こちらは全体的な期待感としてのコメントですけれども、情報のものづくりは、工業的な製造のプロセスと同じところと違うところもあるわけです。例えば、アジャイル的な開発というのは、情報の本質的な特性を生かしたものかなと思いますので、操作とか方法は陳腐化しやすく、そういったことも今回全面実施中に一部見直しが可能な指導要領の在り方が論点に入っていますので、何を見直していくかという議論がよいものになるように期待したいなと思います。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 続いて、井手委員、お願いいたします。
【井手委員】  よろしくお願いします。愛知県立旭丘高等学校の井手と申します。よろしくお願いします。
 資料は10ページが対応するかなと思います。ありがとうございます。
 まず、論点整理で示された方向性につきましては、全面的に賛同いたします。特に、情報活用能力の抜本的向上を図るに当たりまして、その情報技術に関する活用、適切な取扱い、特性の理解という3つの柱を小・中・高等学校を通じて系統的に捉える視点は、極めて重要だと考えております。
 このうち、活用については、現状、高等学校における探究的な学習の過程で情報技術を十分に活用できておらず、質の高い探究的な学びとは言い難い状況にあるかなと感じております。だからこそ、この活用を十分に発揮させるためには、2の適切な取扱いと3の特性の理解、これを小・中・高等学校の連続性を意識して系統的に育む必要があるかなと思います。
 そのためには、分かりやすい学習指導要領の策定はもちろんのこと、小・中・高等学校の教員が互いに参照可能な学習指導要領を整備することも重要だと考えております。
 また、文理を問わず、生成AI時代に不可欠な基礎的素養を育むためには、特定の教科にとどまらず、学校全体で全ての教科が横断的に情報技術の活用、適切な取扱い、特性の理解を取り入れて、併せて問題発見、解決の資質・能力を各教科の学習過程で重視することが求められていると思います。
 また、学習指導要領の設計に当たっては、日本学術会議による情報教育課程の設計指針や数理・データサイエンス・AI教育教科拠点コンソーシアムによるモデルカリキュラム、これらも参考にしながら、小・中・高等学校、さらには高大接続までを見据えた、一気通貫したカリキュラムづくりが極めて重要だと考えております。
 以上を通じまして、生成AIをはじめとする急速な技術進展に対応し、探究的な学びを支える情報活用能力を全ての子供たちが確実に身につけられるよう、論点整理で示された方向性の下、学習指導要領の改訂に臨みたいと思っております。
 以上です。よろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 続いて、少し飛びますが、大谷委員、お願いいたします。
【大谷委員】  堀田主査、ありがとうございます。
 皆さん、どうもこんにちは。東京学芸大学の大谷と申します。
 私のほうから自己紹介も含めて簡単にお話しさせていただければと思います。私は、技術教育とSTEAM教育について、これまで実践・研究を進めてきました。今回、その立場から御意見を述べさせていただければと思います。
 まず、STEAM教育の観点について今回の13枚目の資料との関係について述べます。STEAM教育の観点については、今回、取り上げる情報活用能力に関わる教科、小学校では情報の領域、中学校では情報・技術科、高校では情報科、そういった教科群と、総合的な学習あるいは探究の時間の学習を合わせて、全体で探究的な学びというものをどう包括的に考えていくかということと関わっていると感じています。その点について、この後、皆様と御議論できればと思います。それがまず1つ目です。
 それから、もう一つ、技術教育の視点から申し上げますと、今回、情報技術をどのように学習するかという点についてです。我々のこれまでの研究成果でも、情報に関わる学校での学習に関しては、例えば、女性の興味や自己効力感がかなり低いというデータも出ていますので、技術教育の視点から、どのように体系的な情報技術に関する教育をアクティブに展開させるのか、こういったことを皆様と一緒に議論できればと思っています。
 また、今回、技術教育の領域に関しては、生物育成の領域を担当させていただきたいと思いますので、それについても御議論できればと思います。 短めですけれども、本日はどうぞよろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 続きまして、春日井委員、お願いします。
【春日井委員】  よろしくお願いします。
 城西大学の春日井と申します。よろしくお願いいたします。
 ここまでの論点整理に関わって、取りまとめていただいた関係者の皆様には本当に感謝しております。この方向で進んでいくことにとても期待を持っております。
 全体的な話になりますが、9ページから11ページに関係しての話をさせていただければと思います。
 今、城西大学にいますが、この春まで高校で教員をしておりまして、そこで感じたことは、高校で情報を学ぶ前が切れていること、高校で情報を学んだ後、1年で終わってしまうというところが少し残念だなと思っていたところです。
 中学校、高等学校、かなり充実の方向で進んでいきますので、特に中学校の情報・技術科の中では、情報の分野が小学校から高校までつながるように、3年間を通して学習できるような形に進んでいってほしいなと考えているところです。
 また、高校の情報、かなり濃くなっていますが、情報Ⅰの内容が重いのではないかというような話を聞くこともあります。現行の学習指導要領がかなり柔軟な形で書かれているということで、教科書の執筆にも関わっていたのですが、これは情報Ⅰの内容かどうなのかというところで、かなり迷うことがありました。学習指導要領の形に持っていくときに、現行のものよりは具体的に内容を示していく必要があるのではないかなと思っております。
 その反面、逆に、情報を必履修科目だけで終わってしまうというのは残念だなと思いますので、特に学びたい生徒を中心に、3年間継続して大学教育までつながるような形で、例えば、情報Ⅰ、Ⅱ、Ⅲというような形でつながっていくような形で検討できないかなということで考えております。
 次の件は、資料がない話になります。共通教科としては情報Ⅰをやっていますが、専門学科では代替科目が認められています。現状の情報Ⅰと代替科目が少し釣り合っていないというか、内容として、データの活用など不十分なところがあるのではないかなと思っています。
 ということで、専門学科の代替科目を設置するのかどうなのか、設置する場合には、必履修科目とバランスが取れるようなことで検討が必要ではないかなと思っています。
 あと1点だけお願いします。これも資料がありません教育課程企画特別部会の第12回で今井委員が提出された記号接地のこと、情報の分野でも必要ではないかなと思っています。アンプラグドコンピュータサイエンスというのがありますが、色々な操作をして、一つずつ手順に従って操作をしていくとか、並び替えてみるとか、一見遊びのような活動が中学・高校の段階で記号接地につながっていくのではないかなと思っています。そういったところも考えていく必要があるのではないかと思っています。
 少し長くなりました。よろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 鎌田委員、お願いします。
【鎌田委員】  よろしくお願いします。神奈川県立横浜国際高等学校の鎌田と申します。
 先ほど井手委員からもありましたように、この急激な情報化社会の変革がある中で、情報活用能力の活用、適切な取扱い、特性の理解を小学校から中学校にかけてしっかり身につけて、体系的に身につけていく抜本的な向上というものに対して、全面的に支持をいたします。
 これからの情報化社会の中で、ますますこの情報活用能力は重要になっていきますし、高校でも情報Ⅰが必修化されてから、プログラミングやネットワーク、データベース等を学ぶようになってきましたが、やっぱりそこでもいろいろ課題が出てきておりますし、新しいことを学ぶときに、やっぱり指導体制をしっかりつくっていくということと、支援体制をつくっていくことも、今回のワーキンググループでしっかり話せていけたらなと思っています。
 具体的には2つありまして、まず1つ目は、小中高における事例の共有です。授業コンテンツであるとか、あと、資料12ページのところにある資料を拝見していますと、特に情報・技術科の上の矢印、この活用のところを、私も高校で情報の教員をやっていますが、授業の中で今やっている内容がどのように探究の中で生きるのかを意識して生徒に声をかけながら授業をしていますが、これを小中高で体系的にしていくこと、上下の繋がりというのが1つポイントになっていくのかなと思います。この事例とか教材とかを共有する仕組みがあればいいかなと思っています。
 もう一つは、横の繋がりなのですね。私も高校の教員をやっていますが、やはり中学校でどのような技術の授業で、どんな内容を学んでいるかというのはまだまだ可視化されていませんし、そういう事例を共有できるプラットフォームがあればいいかなというふうに感じています。
 国もいろいろ教員研修用教材とかを情報Ⅰを始める際に作ったり、あるいは、研修を実施したり、授業動画を作って教材を配信したりと、いろいろやってきておりますが、そういった支援をやるだけではなくて、本当に小学校から中学校の横の事例の可視化というのを進めていく部分も話し合っていきたいなと思っています。
 よろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 亀田香利委員、お願いいたします。
【亀田委員】  よろしくお願いいたします。石川県能美市教育委員会の、亀田と申します。
 まずは、先ほどの丁寧な御説明、誠にありがとうございました。
 私は、義務教育に携わる者、そしてまた、石川県という地方の教育行政に関わる者として、義務教育の現場の立場からお話をしたいと思います。
 まず、GIGAスクール構想で劇的に学びが変わっていること、これは本当に、私、教員人生の中でも劇的な変化であり、子供たちが、田舎にいても良質な情報にアクセスすることができるようになったこと、本当に感謝している次第です。
 そこで、資料の5ページについて意見を申し上げます。小学校段階の情報活用能力の育成の点です。
 そこにつきまして、まず、中ほどの2ポツ目、「小学校の低学年における情報活用能力の向上の在り方についても検討してはどうか。」という点に、大賛成であります。
 と言いますのも、能登半島地震の際に、低学年の子供たちの中に、能登で被災した子供たちがおりまして、能登から能美市に帰ってきて、その後、能美市内のクラスメイトの友達に対して、お父さんが撮った能登での写真をスライドに変えて、クラスメイトと共有するというようなことがありました。情報活用能力を災害時においても有効に発揮していった、そういう姿を目の当たりにし大変感動しました。
 低学年においてもそういう力があるんだということで、しっかりと情報活用能力の在り方を検討して、身につけるべきものを明確にしたいと思います。
 また、最近、AIの進展が激しいですが、インターネット検索するときに、AIがネットワークで上位に出てくることで、AIは使っていないつもりでも、いつの間にか自然に使っている状況が大人も子供も起こっているのではないかなと思います。その際に、そういう検索したときにもAIが回答してくれるものをどういうふうに扱っていけばいいのかという辺りも、低学年、中学年、高学年と、小学校からしっかりと身につけていったほうがいいのではないかなと思っている次第です。
 最後、もう1点だけ。14ページのところなのですが、後ほど議論もあるかと思いますが、構造化、表形式化する際に当たり、本市で情報活用能力のこれまでの体系表を学習指導案に位置づけるということをしっかりとやっていたところ、体系表をなかなか読んでくれなかった先生が、見るようになった、意識するようになりました。ですので、これらを整理した際に、各教科の中で構造化した形で位置づけられるといいなと思っております。
 私からは2点になります。以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、白井委員、お願いいたします。
【白井委員】  大阪大学D3センターの白井と申します。よろしくお願いいたします。
 私も、情報活用能力を育むために、小中高、段階を通じて体系的に学ぶという方向性に賛同しております。
 限られた授業時間の中で無理なくこの方向性を実現するためには、資料6の14ページ目、今表示いただいているところですけれども、こちらに示された情報活用能力を構成する各要素との関係性を見据えた整理が必要という点も、そのとおりだと思っております。
 今後具体的な検討を進めることになりますが、学校段階間のスムーズな連携や接続といった観点や、また、各学校段階の現在の指導内容の移動についても検討する必要があるということを述べられておりましたが、学習項目ごとにどの程度移動すべきか、また、移動したことで、それがより深い学びにつながるかといった観点から検討が必要になると思っておりますので、今後の委員会で議論、検討していければと思っております。
 また、生成AIの利活用については、重要ですけれども、児童生徒の発達段階や、情報技術の適切な取扱い、特性の理解に関する学習状況を踏まえて、慎重に議論する必要があると感じております。
 特に、文科省の初等中等教育局が策定した「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」にも書いてありましたが、小学校段階での児童が直接利用することについては、発達段階等を踏まえたより慎重な見極めが必要という見解に私も賛成しております。小学校段階では、よりリテラシー部分を重視して取り扱うことがよいと考えておりますので、この点についても委員の先生方と議論してまいりたいと思います。
 特に小学校段階の情報技術の活用については、先ほど亀田先生もお話しされていましたけれども、表示いただいている資料でもまとめてくださっているタイピングとか文章、表計算、スライド作成といった基礎的な能力や、コンピュテーショナル・シンキングの観点から、プログラミングに体験的に触れるといったことは非常に重要だと思っておりますので、読み書き計算と同じく丁寧に扱うのがよいのではないかと考えております。
 最後に、高等学校の情報科の学びについては、数理・AI・データサイエンス教育、私も本務校のほうで携わっておりますが、その接続も踏まえて検討することが重要と認識しておりますので、高大連携の観点からも、今後議論を深めていければと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  よろしくお願いします。ジャーナリストで、フジテレビの解説委員をしています鈴木款と申します。
 今、東京科学大学の大学院ですとか東京女子大学でメディアリテラシーの講義を中心に、小学生から中・高校生、大学生、そして社会人まで、メディアリテラシーを教えています。ですので、資料について御指摘をというようなお話だったのですが、メディアリテラシーという言葉が各ページにあるので、今回初回ということもありますので、簡単に私の自己紹介と、あと、私自身がなぜメディアにいながらメディアリテラシーをこうして教えてきたのかについてお話しできればと思っています。
 私がメディアリテラシーを学校で初めて教えたのは今から20年余り前でして、当時私はフジテレビの報道部署に異動したばかりで、政治討論番組のディレクターをしていたのですが、そのとき映像の編集の仕事をしながら、自分の編集の仕方次第で映像内の人物とか事象の印象が全く変わるということに気づきまして、これまで自分が真実を伝えていると思っていた映像が第三者の視点で切り取られているということに気づきました。そこで、テレビをそのまま信じてはいけないのではないかというようなことを次の世代に伝えなければと思いまして、小・中学校にゲスト講師としてお話しするようになったのがメディアリテラシーを教えたきっかけでした。
 しかし、当時はまだメディアリテラシーという言葉自体が一般的に知られておらず、私自身も、自分が教えていることがメディアリテラシーなのだということを知ったのはしばらく後でした。その後ネットやSNSが普及して、一方でテレビの視聴時間の低下が伴ってきまして、私が行ってきたメディアリテラシーの授業の内容というのも、だんだんとネットの活用に比重を置いたものになってきました。
 そして、この数年においては、特にテレビはオールドメディアというふうに言われているわけですが、SNSや動画サイトの利用時間、あと、影響力ですよね。これがどんどん増えてきていまして、特に若い世代を中心に、ネットの依存度が高まる中で、資料の中でも課題として挙げられていましたが、フェイクニュースですとか、フィルターバブル、エコーチェンバー、アテンションエコノミーといった問題が浮上してきて、皆さん御存じのように、アメリカをはじめ、日本でも現実の世界への影響というのが、本当に人々の命の危険なレベルまで達しているというのが今の状況ではないかと思っています。
 それで、私は報道現場のほうにいて、そうした状況を見ながら、だからこそメディアリテラシー、ファクトチェックの重要性というのがますます高まって、一方で、今、様々な大学で教えていても、こうした問題への認知度というのが、ほかの国に比べて、大変低くて、やはり子供の頃からデジタルとかメディアリテラシーの教育を行うということは急務だというふうに感じていて、これまでも文科省の方々に対してもその必要性を訴えてきたつもりでいます。
 今回、教育、報道現場で感じている危機感みたいなものをできるだけ皆様と共有して、本当に子供たちが今そこにある危機というのを乗り越えて、未来を生きるための力であるメディアリテラシーをつけるということに、誠心誠意尽力できればと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、泰山委員、お願いいたします。
【泰山委員】  中京大学の泰山と申します。よろしくお願いいたします。
 皆さんおっしゃったとおり、このような改訂は重要なことだと認識しております。
 僕のほうからは、資料5ページの検討事項及び12ページの図の内容に関連して、教科や総合における質の高い探究の充実という視点から少しお話をさせていただければと思っております。
 情報活用能力ですけれども、基盤となる資質能力として、総合や教科における探究で発揮されるということが想定されるのかなと考えています。今後のワーキンググループにおいては、中・高それぞれの専門教科の先生方も参加されていらっしゃいますので、教科における内容体系という視点で検討も進むと思いますが、そのような体系と、児童生徒の主体的な探究の基盤となる情報活用能力というのを両方にらんでいきながら検討する必要があると思っています。
 あわせて、情報活用能力の抜本的な向上という観点から考えれば、総合や教科において情報端末をたくさん活用するということが前提になるとは思いますが、それに併せて、やはり取り出して指導するという形の学習も非常に重要だと考えています。
 情報活用能力調査等々の結果を見ていますと、端末の活用頻度が必ずしも情報活用能力にはそのままはつながらないのではないかというような結果も出ているように思いますので、そういう意味では、どのような内容を指導対象とするのかということに加えて、それをどのような形で指導するのかというようなことも併せて検討する必要があるかなと考えております。
 あわせて、資料の13ページにあるような、これまでの情報活用能力を改めて焦点化して、内容を明確にするということに伴って、これまでの実践とどのように関連させていくのか、問題発見・解決能力が目標で重視される総合とうまく連携をしながら、学習の基盤、そして情報の体系ということを考えていく必要があるかなと考えております。
 以上です。よろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  NPO法人Waffleの田中沙弥果と申します。
 全国の女子やノンバイナリーの中・高生、大学生に向けてプログラミングやAI教育を提供するとともに、ジェンダーギャップ是正に向けた政策提言を行っている立場から議論に貢献していきたいと思います。
 日本の大きな課題は、学力は高いのに女子が理工系に進まないという現状です。例えば、国際学力調査PISAでは、日本の女子生徒の数学・科学のスコアはアメリカの男子よりも高いのにもかかわらず、理工系の進学率はOECD最低水準です。背景には、数学や理科の先生が男性中心であることや、学習内容が一部の生徒にしか興味を持たれにくい構造になっていることがあると考えています。
 プラン・インターナショナル・ジャパンの2025年の調査によると、プログラミングの授業を受けた後に関心を持った男子高校生は71.5%、女子高校生は49.5%でした。2020年にプログラミング教育が必修化されて、プログラミングを経験すること自体には性差はなくなったと思うのですけれども、その後の関心の持ち方には依然として大きな差があると考えています。このような男女間の差をなくすために、根本的な取組が必要だと感じています。
 情報活用能力についてのですけれども、まず、資料6の4ページの検討事項のところで、事務局にお伺いしたのですけれども、1の(1)で、中学校、高校段階での育成する資質・能力が検討事項となっていますが、小学校で育むべき資質・能力は検討する必要はないということでしょうか。生活・総合ワーキンググループで議論されるかもしれませんが、情報活用能力育成の抜本的向上という観点からは、こちらのワーキンググループとしての考えを持っておく必要があるのではないかと考えています。
 次に、資料6の14ページについて3点申し上げます。
 1つ目に、3つの整理の系統性です。どのようなテクノロジーも、活用、適切な取扱い、特性の理解全てが必要になります。例えば、AIを理解するためには、実際に自分がAIを使ったり、挙動の危険性を体験することが欠かせないと考えています。このように、適切な取扱いと活用によってその特性の理解が進むため、座学だけではなくて、実際の活動での学びが重要だと考えています。
 例えば、現状では、小学校でのプログラミング、AIに関する活用の例示がありません。今後書き分ける可能性もあるとのことですが、少なくともこの示し方だと、現場の先生には、小学校のプログラミングは特性を理解する活動だけ、AIは特徴を理解したりリスクについて教えるだけ、生活に生かすような活動で扱うものではないと捉えられるものではないでしょうか。
 また、小学校の活用について、現在の記載だと、何かをつくる観点が不足していることを懸念しております。この後、お話しするのですが、ジェンダーの観点でも、自分が何かをつくれるとか、仕組みをつくる体験を小学校段階からすることが重要であると考えています。
 2つ目に、ジェンダーの観点からの盛り込みも重要です。小学校からプログラミングが必修化となり、触れる機会の性差はなくなってきています。しかしながら、その後の関心の持ち方に男女の大きな差が残っています。なので、ギャップを解消するために、女子もつくる側に立つ意識を持てる設計が必要だと考えています。
 例えば、中学校でセンサがあるのですけれども、現状のジェンダーの課題を改善するためには、センサに対するジェンダーイメージが醸成される前の小学校段階で体験的な活動をする必要があるのではないかと考えています。
 また、音楽、図工など自分を表現する教科の中でテクノロジーを組み込むことで、幅広い層に関心を持ってもらえると考えています。実際、この前、私たち、音楽とプログラミングを掛け合わせたワークショップを開催したのですけれども、あっという間に定員を超えて、関心の高さに驚いたこともあります。
 3つ目に、学校段階の体系性です。高校段階までをゴールとした場合、小中で学ぶ内容が適切なステップになっていないように受け止めています。例えば、中学校の活用にはデジタルものづくりの技術がありますが、これにつながるような例示が小学校の活用にはありません。
 あるいは、中学校で簡単なプロンプトによる生成AIの利用と例示されています。しかし、小学校が検索エンジンなどを使う中で、自然と生成AIを学校の外でも日常的に使う場面が増えていくことを考えると、小学校でAIを活用する活動も考える必要があるのではないでしょうか。様々な学校段階の方がいる本ワーキンググループで今後議論できるとよいと考えています。
 いずれにしても、現在の情報教育では、小学校で何をどこまでやるのか決まっていない、中高の接続がうまくいっていないという課題があると認識しています。
 このイメージは試案ですが、ここでいい議論ができると、今回の情報活用能力育成の抜本的向上につながるのではないでしょうか。今後、表の横を見ても縦を見てもきちんと体系的になっていると思えるような整理にしていければと思います。
 長くなり申し訳ありませんが、これからどうぞよろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。質問等については、後ほどまとめてと思っております。
 それでは、萩谷主査代理、お願いいたします。
【萩谷主査代理】  情報処理学会の会長という肩書で出てきておりますので、恐縮ですけれども、まず情報処理学会の動向について少し紹介させていただきます。
 学会内でこのワーキンググループに密接に関わっておりますのは、情報処理教育委員会と初等中等教育分科会という2つの委員会なのですけれども、こちらの2つの委員会ともに、この教育課程企画特別部会の論点整理の内容について賛同しておりまして、学会からも意見表明を提案しているところです。
 特に、中学校段階で情報が明示された情報・技術科(仮称)が新設されることに全面的に賛成し、その際に、情報の技術は他の領域の基盤であることが明らかな教科名にふさわしい内容に再編されることを期待するとのことです。
 私も全く同じ意見で、11ページになるかと思いますけれども、さらに申し上げますと、この情報・技術科(仮称)を一つの科目と位置づけるならば、情報技術を各領域に応用するだけではなくて、各領域と情報技術の領域の様々な関連性を学ぶことが重要と思っています。これは安藤委員からもいろいろ御提案があったと思います。
 例えば、エネルギー変換の領域で、計算にはエネルギーが必要なこと、実際にデータセンターにおいて膨大なエネルギーが消費されていることなどが挙げられると思います。
 また、こちら、6ページになるかと思うのですけれども、中学校の科目に情報の名称が入ることにより、高等学校情報科との関連が明確になりますので、例えば、教職免許の取得に際しまして、教科に関する科目の中で、情報に関係する科目は、中学校と高等学校の間で共通化することを許容すれば、両科目の免許を取得する者が増加することが期待されるのではないかと考えております。
 最後に、4ページの情報活用能力育成の体系性についてなのですけれども、それぞれの資質・能力を主としてどの学校段階で育成するかを明確にすることが非常に重要であると考えております。もちろん各学校段階において前段階の学習を振り返ることは必要ですけれども、学校段階間の不必要な重複を避けることによって、小中高全体の内容を充実していくことができると考えております。その上で、目標とする資質・能力に照らしまして標準授業時間数の増加の必要性について議論すれば、最終的に、教育課程企画特別部会で御検討いただけるのではないかと考えております。
 以上でございます。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、蓮池委員、お願いいたします。
【蓮池委員】  早稲田大学の蓮池と申します。ふだんはデータサイエンスであるとか、意思決定を数学・情報的な立場から研究を行うオペレーションズ・リサーチという分野の教育・研究を行っております。
 そういった立場から、資料6の5ページになるかと思いますが、高等学校を含めた数理・データサイエンスのAI教育について幾つか意見を述べさせていただきます。
 昨今、データサイエンス、機械学習や生成AIも含めまして、物すごいスピードで進化しています。もう昨年の技術なんかは古いというような時代になっています。
 ただ、一方、そういったところの本質を見ますと、例えば、データをグループに分けたいということであったり、未知の状況の中で、あるデータが来たときに、こういった傾向があるんだなというふうな予測をしたりといったような本質的な部分があるかと思います。
 それぞれの段階におきまして、使えるデータや使える技法によって、できることであるとか、その段階ではまだ難しいこと、また、そこのどういった技術、どういったことができれば次の新しいことができるのかといったこと、そういった発見をうまく有機的につなげることによって、高校だけでなく、中学から含めたデータサイエンス教育が実現していけるのではないかなと思っていますので、そういったところでうまく御協力できればと思っております。
 また、世の中で実際に使われる場面になってきますと、結局、最終的には何かしら行動を起こす、何かしら活動を起こす、そういった意思決定につながってくるような内容かと思います。実社会におきましては、意思決定、単一的な目的や単一的な側面だけではなく、多目的、多方の角度で意思決定をしなければいけません。そういったときになりますと、生成AIや機械学習で出てきた結果のみをうのみにするのではなくて、いろいろな角度でそういったところを分析する必要があるのかなと思っています。こういったところに、人のこれまでのこういった情報活用能力というものが生かされていくのではないかなと思っておりますし、なぜそういった生成AIやそういったデータ分析から結果が出てくるのかということを理解しておく、本質を理解しておくことによって、そういった社会での要求につながってくるのではないかなと思っております。
 一方で、こういったデータサイエンス教育というのはなかなか難しいといいますか、数理のことが分かっている必要性があったり、そういった本質的なデータ分析の内容が分かっておく必要性がありますので、やはり6ページにありますように、実際に先生方にそういった技術なりそういった手法、教え方もそうかもしれませんし、色々なところを教授していくことも重要かと思いますので、そういったところで御協力できればと思っております。
 よろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、福田委員、お願いいたします。
【福田委員】  東京都立小平西高等学校の福田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私も論点整理の内容に賛同いたします。特に、やはり小学校、中学校からの体系的な積み上げ、非常に重要と考えております。早い段階から情報活用の基礎を学ぶことで、さらに高校での学びが深まり、高大接続に向けて、さらに色々なことがこれから考えられそうだなということで、大変期待しております。
 そのためにも、やはり重要になってくるのが、井手委員、春日井委員、鎌田委員も言っていましたけれども、先生方にとってやはり分かりやすい学習指導要領が必要で、そういう意味では、教育の現場での実効性が非常に重要と考えておりますので、先生方にどのように支援体制が組めるかということも重要になってくると思います。
 高等学校情報科では、今までのノウハウ、蓄積がございますので、鎌田委員からもお話がありましたとおり、やはり先生方のいろいろな実践経験、そちらを共有できるようなシステムづくり、こちらは非常に重要だと思います。
 また、先ほどお話がありました小学校低学年からの在り方の検討についても、大変賛成しております。生徒たちが最終的にはやはり楽しく学べることが、そこが重要かと考えておりますので、そこについても今後皆様と検討させていただければと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 三浦委員、お願いいたします。
【三浦委員】  東京都羽村市立羽村第一中学校長、全日本中学校技術・家庭科研究会で会長をしております三浦利信でございます。どうぞよろしくお願いします。
 本日は、丁寧な御説明ありがとうございました。
 大くくりな話になってしまうかと思うのですが、今回の学習指導要領改訂は、GIGAスクール構想下での初めての改訂作業でもありますし、AI等の急速な発展もあり、現在の社会的背景やこれからの子供たちに求められる力を考えると、このワーキンググループでの議論は重要かつ不可欠な内容だというふうに考えております。そこを踏まえて、自分の立場で2点お話をしたいと思います。
 1点目は、資料8になると思うのですが、今回の改訂では本教科の内容に大きな変化があると思われます。先ほど申し上げたとおり、重要かつ不可欠な内容だと考えております。この内容を確実に実施するためには、移行期間を待たずに、全国の先生方に新しい学習指導要領での授業づくりに必要となる力をいかに身につけてもらうかが大事だと思っています。
 昨年度、全日中技・家研で実施した全国調査でも、74%の先生が、都道府県や区市町村での研修の機会は十分に確保されているという回答がなされました。一方で、それらの研修に積極的に参加している先生方の割合は24.1%にとどまっています。研修の機会を充実することにとどまらず、積極的に参加を促す方法等を、我々全日中技・家研でも共に考えていきたいと思っております。
 もう1点は、資料6の14枚目の体系性のイメージの部分になるかと思います。
 中学校校長の立場から、小学校情報教育で取り扱う内容、言い換えれば、中学校に入学する際に身についている力が整理されるということは、大変ありがたいなと思っています。多くの中学校では、複数の小学校から生徒が入学してきます。それぞれの小学校ごとに身につけている力が異なるということが、情報・技術に限らず課題となっていました。今回の検討で、その内容が明確になればいいなと思っております。
 いずれにしろ、大変重要な内容を検討するチームの一員となりましたので、子供たちの未来、指導する先生方のことをしっかりと考え、検討していきたいと考えております。
 どうぞよろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 村松委員、お願いいたします。
【村松委員】信州大学の村松です。よろしくお願いします。
 私は、技術教育と、教育行政の立場から議論に参画させていただきます。また、特に技術につきましては、材料と加工、デジタルファブリケーションなどを中心に担当させていただきます。
 資料11ページをお願いいたします。
 先ほど安藤委員、それから萩谷委員からもお話ありましたけれども、私はここのところで、ABCの各従来の内容と情報・技術の連携、どのように関連させるのか、その関連の仕方が非常に重要だと考えております。例えば、エネルギーにしても、ハイブリッド車、電気自動車などが制御技術が入ったことによって高機能化したり、高性能化して新しく価値を生み出した、そんな形で連携しているのですけれども、その連携は単純に入るだけではなくて、段階があると考えています。
 今回、論点整理でも、縦と横の整理、あるいは中核的な概念の話がありましたけれども、その関連についても、そういった整理を丁寧に行って、学校現場に伝わるようなイメージをつくっていくことが大事かと思います。そこを丁寧にやらないと、例えば、3Dプリンタとか3DCADを入れたからオーケーみたいな、矮小化されてしまうような、そういうことを懸念しております。
 また、ここにあります4領域を横断する内容というのも大変重要だと思います。現在でも統合的な問題解決というようなことが3年生で設定されているのですけれども、これも情報・技術を軸に深めていくと、やっぱりここのキーになるのがシステム化ということで、情報・技術単独でやるのではなくて、組み合わせてシステムとして使うというところがポイントかと思います。
 6ページをお願いいたします。
 全体的な話になります。今回、中学校の技術科にとって、今回の大きな議論というのは、過去70年間で最大の変革だと思っています。変革への大きな期待とともに、特に学校現場では、教員不足とか環境整備、指導力への不安などがあるのではないかと思うのですけれども、三浦委員の御発言にもありましたが、資料8にあるような指導体制の改善案、ここに示されたこういうものがとても重要だと考えています。この点の議論を深め、つなげていくとともに、併せて小中高連携の仕組みや相互の可視化についても検討いただければと思います。
 今回の議論の中でも、小中高の連携、接続というのはとても重要だという、そして、その連携の重要性というのは皆さん誰もが認識しているところですけども、なかなかこれまでは具体化できませんでした。鎌田委員からも御発言がありましたが、提案されている教育内容を実現するためにも、小中高連携や接続ができる仕組みや相互に見える化できる仕組み、こういうものについても検討できたらと考えております。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、望月委員、お願いいたします。
【望月委員】 春日井市立中央台小学校教頭の望月です。よろしくお願いします。
 5月12日の教育課程企画特別部会で報告させていただいたように、本市の出川小と高森台中は、研究開発学校として年間35時間の情報の時間のカリキュラムをつくって、情報活用能力の育成を進めてきました。昨年度まで、市教委の担当指導主事として一緒に取り組んできました。
 資料6の4ページ検討事項2、(1)に関係することになると思います。
 情報の時間では、これからの時代の学習の基盤となる資質能力である情報活用能力の育成を目指しています。そして、高森台中学校区にある自校では、リーディングDXスクールの指定校として、今年度、そのカリキュラムの一部を取り出して、15時間の情報の時間に取り組んでいます。
 その様子は、例えば、小学校3年生ならグラフを作る体験をする。その後、算数でグラフが出てきたときに、1人1台端末を活用して、グラフを作ってみる。「あ、そういうこと?かくよりずっと楽」と体験しながら納得して、自分のものになっていっています。
 また、例えば、小学校1年生の情報の時間で写真の撮り方を体験する。その後、生活科の時間にアサガオの写真を撮るとき、図工の作品の写真を撮るときは、スムーズに撮れる。
 こんなふうに、情報の時間は何度も繰り返し体験しながら、資質・能力を身につけていくことが大事だと考えます。そして、どの教科でも使うものなので、教科の学びで本質に入りやすくなります。また、各教科の探究的な学びの深まりにもつながっていると捉えています。本校の子供たちも、クラウドを活用して他者参照したりアウトプットしたりして、自分の課題に向き合うような学びに変わってきました。
 さらに、先生たちの考え方も変わってきたと思います。例えば、「情報の時間で体験した写真撮影が今度の図工に使えるな」というように、横の繋がりを意識するようになりました。
 次は、資料6、5ページの検討事項2の(2)に関係するところになります。先ほど紹介したこれらの資質・能力が身についた出川小学校、高森台中学校の子供たちは、総合的な学習の時間に個人探究に取り組んで、自分の学びを充実させています。ですので、ここにあるようなことはとても重要なことと思います。
 これまでの取組から、ただ単にスキルとして教えるのではなくて、探究的な活動の中で資質・能力を育成していくことが重要だと考えています。
 以上となります。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 続きまして、森山委員、お願いいたします。
【森山主査代理】  失礼いたします。兵庫教育大学の森山と申します。一般社団法人日本産業技術教育学会という、小中高の技術教育や情報教育の研究をやっている学会の会長を拝命しております。また、今回、本ワーキンググループでは主査代理ということを拝命いたしまして、主査の堀田先生をしっかりサポートをしてまいりたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、皆様、随分御意見が出たので、繰り返しになるというところもあるかもしれないのですが、私からは3点申し上げたいなと思います。
 まず、資料6の11ページのほうをお願いしたいと思います。
 まず、中学校の「情報・技術科」(仮称)というところで、先ほど村松委員からも御意見ありましたけれども、「技術・家庭科技術分野」を拡充して単一教科化し、そして情報活用能力を育成する教科になっていくということで、大きな変革だなと思っております。
 生活や社会を支えるテクノロジーを理解して活用し創造するというのを我々は技術リテラシーと呼んでいますけれども、その中で、サイバー技術とフィジカル技術が融合して、Society5.0時代の技術観を体現した学びというのが実現できるという観点で大いに期待しておりますし、そういうふうにしないといけないなと思っております。
 その際に、これも村松委員がおっしゃったことと全く同じなのですが、単に3Dプリンタを使ったなどの表面的な活動にならないように、そういう情報技術の中核的概念が、フィジカルな材料・加工や生物育成、エネルギー変換といったほかの技術の中核的概念と結びつくことで、問題解決の可能性や創造性が飛躍的に拡大するんだということを子供たちが感じ取れるような立てつけというのを考えていく必要があろうと。
 そういう意味で、この「情報・技術科」におきましては、中核的概念を考えるということも非常に大変なことではあるのですけれども、それに加えて、それらの関連性とか構造化というのが重要になるのではないかなと思っております。こういったことをこれから議論できればなと思っております。
 2点目は、資料6、14ページの体系の件なのですけれども、小中高で体系性を生み出すという際の視点として2つあるかなと思います。
 一つは、小中高を貫く柱、貫く要素ということですが、先ほどありましたように、新しい情報活用能力は3つの丸1、丸2、丸3という要素がございますので、これが小学校から中学校、高校へと貫いているというのが改めて重要なんだということを確認したいなと思います。確かに、小学校は活用中心というところはあるので、そういった観点で力点の置き方は違うかもしれないのですけれども、各学校段階で3つの要素がちゃんとそろっているということが極めて重要だと思っています。
 その上で、2つ目の視点といたしまして、各学校段階の役割や段階性には特徴の違いがあるということを確認することかなと思っています。
 小学校の「情報の領域」は、「総合的な学習の時間」に付加するということで、「総合的な学習の時間」における探究との関わりの視点というのが重要になります。中学校では、先ほど申し上げましたとおり、情報技術とフィジカルなほかの技術との融合というのがまずあり、そこからの「総合的な学習の時間」での探究との関わりということが入ってくる。高校では、そのような「総合的な探究の時間」との関わりに加えて、高校卒業後の人生との関わりや、高等教育との接続といったような視点がありまして、これらは情報活用能力の高まりを何に生かしていくかという点で各学校段階ごとの特徴の違いがあるのではないかな、こういった特徴の違いがあるからこそ、情報活用能力の守備範囲の広がりだとか網羅性が担保できるのではないかなと思っています。それをどういった形で精緻化して落とし込んでいくのかということにつきまして、ぜひ皆様と議論をさせていただきたいなと思います。
 すみません。3点目をお話ししようと思ったのですが、もう時間がオーバーしているようなので、2点にさせていただきます。
 今後ともよろしくお願いいたします。
【堀田主査】  御協力ありがとうございます。
 山脇委員、お願いいたします。
【山脇委員】  ありがとうございます。
 スマートニュースメディア研究所の山脇と申します。我々の研究所では、メディアリテラシー教育の研究や実践、また、世論調査などを実施しております。今の職に転職する前は、30年余り新聞社のほうにおりました。
 私どもの研究所では、小中高校、大学、さらに社会人に対してメディアリテラシー教育についての講義や講演をしております。また、2つの県の県教委からの依頼で、学校の先生に対する研修も行っております。
 今回の論点整理を拝読して、とてもすばらしい、よく整理された資料だと思いましたし、方向性について御賛同申し上げます。
 ただ、私の専門との関係で言えば、メディアリテラシーという言葉をどのような意味で使っておられるのかが気になりました。世間一般では、メディアリテラシーと言うと、うそと本当を見分ける能力のように捉えられていることが多いと感じます。しかし、専門家の間では、その能力はいわゆる情報リテラシーに分類され、メディアリテラシーとは区別されて使われていることが多いと思います。今回の資料6の8ページ目、情報活用能力の資料の中で、丸2、適切な取扱いの具体的な例として、メディアリテラシーの例として挙げられているのが、発信源の確認とかファクトチェック等となっていますが、これはむしろ情報リテラシーと分類されることが多いと思います。
 では、メディアリテラシーとは何かというと、これは論者によって様々ですけれども、国際的には、メディアの特性を理解し、クリティカルに分析し、市民社会に参加したり異文化を超えて対話するという能力を指すことが多いと思います。情報リテラシーはもちろん重要なのですけれども、メディアリテラシー教育がもっと大きな取組であるということが必ずしも理解されていないように思います。メディアリテラシー教育では、クリティカルシンキングの能力は重視されますし、次期学習指導要領の根本的な方向性である対話や多様性の尊重とも密接に関わりがある概念だと思います。
 とはいえ、メディアリテラシーという言葉は、日本においても論者によって様々な解釈があるので、ここで無理に統一しなければならないと思うものではありませんし、私の考えを押しつけたいということでもございません。ただ、言葉の意味合いについてある程度共通理解を持っておかないと、メディアリテラシーを教えるカリキュラムの充実によって何を目指すのかという方向性が食い違ってしまいますし、現場の先生方も混乱するのではないかなと思います。
 ちなみに、メディアリテラシーは、民主主義の市民にとって重要なスキルだと考えます。独裁国や権威主義国においてもメディアリテラシーは大事ですが、そうした国のリーダーは、市民がメディアリテラシーを持つことを望んでおらず、国民を一方的に洗脳しようとします。近年、残念なことに、世界的に民主主義国の数が減っていて、2004年には民主主義国に住んでいる人の数というのは世界の人口の51%であったのが、2024年には28%まで減っているとする調査もあります。メディアリテラシーは「民主主義の砦」という言い方をされることもあります。
 今回の学習指導要領の改訂の大きな方向性とメディアリテラシー教育の充実は親和性が高く、同じ方向を向いているというふうに思いますけれども、メディアリテラシーという言葉が何を指しているかについて、このワーキンググループ内でも文科省内でもある程度共通理解を持つことが重要だと思いまして、その点をまず申し上げて、私の冒頭発言とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 今度委員が入室されていますね。今度委員、お願いいたします。
【今度委員】  ありがとうございます。
 私は、一般社団法人メディア教育研究室の代表理事をしております今度珠美と申します。本日は遅刻して申し訳ありませんでした。
 私は現在大学院の博士課程で研究もしていますので、自分の研究領域である人権教育、また、多様性への配慮などの視点も含めていきたいなと考えております。
 これまで先生方が御指摘された点も非常にうなずくところが多いのですけども、私としましては、やはり自分の専門である領域からも、例えば、情報技術に関しましては、どう使うか、どうなっているかということを考えるだけではなく、社会にどう影響を与えるか、そして、人間の尊厳や人権を守るという視点も考えていきたいなと考えています。
 資料で申し上げますと、資料6の8ページなどに書かれています、例えば、自他の権利や法を理解し、適切に情報を扱うなどといった項目に関しては、やはりここには基本的人権を明確に含めていきたいなと考えています。
 また、例えば、フィルターバブルやエコーチェンバーという項目もありますが、個人がだまされたりとか視野が狭くなるという視点だけではなく、こういったフィルターバブルやエコーチャンバーがいかにして他者への無理解や偏見を増長させるか、こういったことを学ぶ必要がある。そして、その上で、他者と異なる意見をすり合わせるような機会がどんどん少なくなっている現状の中で、多様な意見に触れることの重要性、他者の異なる意見と比較する機会をつくっていくということを考えていくことが大事ではないかなと思っています。
 また、AIに関しましては、AIは人間の役割を代替するのではなく、補完・拡張するツールだと考えていますので、AIの利用に関しては、倫理的な問題、これをしっかりと学んでいくことが大事ではないかと思います。例えば、AIを使うことで、社会的な影響を考えて、AIの技術の運用や利用に際してどのような考え方やルール、価値観を持つべきかを学んでいく。AIが及ぼす社会的・倫理的な影響について多角的に考察するような場面をつくっていくことも重要ではないかなと考えています。
 私の研究領域からお話しできることをぜひ議論に加えていきたいと思いますし、皆さんからも学んでいきたいと考えています。これから引き続き、よろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、宇都宮委員、お願いいたします。
【宇都宮委員】  本日は業務の都合で遅れて参加となりました。申し訳ございません。OpenAI Japanのソリューションエンジニアの宇都宮と申します。よろしくお願いいたします。
 私のほうでは、特にModel Providerの立場として、日本の企業様や、行政、そして教育の場で生成AIをいかに適切に活用いただくか、技術的な視点も踏まえて、今回参画させていただいていると認識しております。
 もちろん、OpenAI社としても、教育に対するスタンスは、日本に限らず、グローバルでも非常に慎重に考えているところでございます。生成AIの教育への適切な向き合い方というのは、グローバルでもかなり慎重に研究を重ねて、導入検討というのを進めているところでございます。ですので、今後、先生方とのお話を通じて、有意義な意見を皆様と交換できればと思っている次第でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 これで全員の御発言が終わったところでございます。御協力ありがとうございました。
 質問がありましたが、これを一旦事務局にお答えいただきましょうか。お願いいたします。
【相川情報教育振興室室長補佐】  田中委員からの御質問ですかね。田中委員から、4ページの1ポツの(1)の関係で、小学校の資質・能力は検討しないかという御質問があったかと思います。
 こちらの1ポツ(1)のところに関しましては、教科ごとに書いているところがございまして、教科ごとにワーキンググループが存在しております。小学校に関しては、総合的な学習の時間に情報の領域(仮称)を設けるということがありますので、こちらには明示的に記載していないというところではございますが、こちらの資料の右側、2ポツの(1)にありますとおり、小中高校段階を通じた情報活用能力の資質・能力を整理していく。その中で、小学校段階、中学校段階、高校段階それぞれの資質・能力というものを検討していくものと考えておりまして、小学校段階の資質・能力がそこで整理、特定できたところで、総合的な学習の時間のワーキンググループとも合同開催をしながら、総合的な学習の時間の中でも情報活用能力の資質・能力の関係も一緒に検討していくような形になるのかと考えているところでございます。
 以上です。
【堀田主査】  分かりました。それでよろしいですかね。
 あと、資料6の14ページについての質問というか、もっとこうしたほうがいいのではないかというのがありましたが、それは次の議題でございまして、皆さんがお話しいただきましたけれども、この情報活用能力の体系性等を整理する際のイメージ、これはあくまでイメージでして、要は、丸1、丸2、丸3という縦軸と、学校・発達段階を横軸に取ったときに、主にどういう考え方で、例えば、どんなものを教えていくかということを幾つかだけ書いたものであって、だから、ここにないからやらないと決まったというわけではもちろんありません。あくまでイメージをお伝えしようとしているものです。今日は、残り時間でこれの具体化について少し御意見をいただいて、次回に、もっと詳細な資料として、この情報活用能力の体系性について議論をするというような形につなげてまいりたいと思います。
 ここから先は、時間が20分ぐらいでしょうか、切るぐらいでしょうか、挙手をいただいた方に御発言をいただくという形になります。また、できれば挙手、つまり、御意見のある方には皆さん御発言いただきたいので、1人当たりの発言については、お時間を御配慮いただければと思うところでございます。
 それでは、いかがでしょうか。この資料6の14ページのことにつきまして御意見のある方、お願いします。
 まず最初に、大谷委員、お願いいたします。
【大谷委員】  堀田主査、ありがとうございます。
 それでは、今映っている14ページに示されている小中高の連続性の話についての意見です。上から活用、適切な取扱い、特性の理解についてですが、適切な取り扱いは、昔の態度の部分だと思いますがその枠組みの中をどのように考えたらよいかという点について私のほうで資料を3枚準備してきたので、画面共有することは可能でしょうか。
【堀田主査】  時間は短いですので、よろしくお願いします。
【大谷委員】  短時間でいきたいと思います。
 先ほどのSTEAM教育の観点から、小中高の情報技術の学習をどういう枠組みで展開したらいいかということについて、私の考えや意見を述べさせていただきます。
 STEAM教育に関しては、文科省のほうで2021年に実社会での問題発見・解決に関する教育について取り上げています。問題発見・解決に関する教育については1枚目の右側にある1番、2番に当たるSTEAMのAのありたい姿を探す、それから、3番、4番、5番の現状を認識して、問題を特定して、問題の原因を探究する。これらを踏まえて、課題を設定して、6番で課題解決していくという問題解決のプロセスを重視してきました。この中の赤枠で囲った3、4、5の部分に今回の情報通信技術を活用した探究のプロセスを活用していくことが大事だと感じています。
そういった3、4、5の探究のプロセスを展開させるときに、やはり先ほどの図にあった青色の部分の小中高の枠組みとオレンジ色の部分の枠組みを一体化して捉えて、情報活用能力に関わる教科と総合的な学習の時間の学習を合わせて、探究的な学びをどうやって包括的に考えていくかというのが非常に大事なのではないか思います。そのとき、コンテンツを単に羅列するのではなく、どういう観点で先ほどの1、2、3を展開していくかというところが、STEAM教育を展開する上で大事になります。
 先ほどのSTEAM教育における3、4、5の探究の学びを展開する上で、情報通信技術の活用を考えたとき小中高の発達段階の階梯で言うと、小学校の情報の領域では、教育基盤プラットフォームとしてのGIGA端末を活用したクラウドシステムを子供たちはしっかりと学んでいく。そして、それを基盤としてデータをどう分析できるかという基礎をつくることが大事だと感じています。
 それから、中学校の情報・技術科(仮称)、高校の情報科において、STEAM教育をバックグラウンドとしたCPSの活用が重要になると認識しています。ここで言うCPSは、Society5.0にあるサイバーとフィジカルの空間の相互システムにおいて、で、データの収集、蓄積、整理、分析を意味しています。これをどのように教科の中でしっかりやれるということが2つ目に大事だと感じています。
 これらができて初めてSTEAMの問題発見、解決能力の育成につながるので、STEAM教育という視点から、CPSを活用した能動的な情報活用能力育成の仕組みを作って頂きたいと思います。
【堀田主査】  大谷委員、このぐらいにしていただければと思います。
【大谷委員】  ありがとうございます。よろしくお願いします。
【堀田主査】  続きまして、安藤委員、お願いします。
【安藤委員】  よろしいですか。僕は画面共有は必要ございませんので、口頭でお伝えさせていただきます。
 2点あるのですけれども、先ほど春日井市の研発の話がありましたけれども、宮城教育大学の附属小学校も現在研発しているところです。この宮教大附属小学校の事例は、NPOのみんなのコードさんの協力を得て積み上げたものになっています。最初はコンピュータサイエンス科という名前でしたが、小学校段階では、やっぱりコンピュータサイエンスという知識を得ることは確かに大切なんだけれども、何か役に立つものを作りたいとか、自分たちの作ってみたいとか、挑戦したいという、何か作ることで気づくということを通して、それが情報技術の原体験として積み上げるということで、現在、情報科という名前で取り組んでいるところです。
 10ページに、小学校の情報・技術の特性の理解は確かに面積が小さいですし、活用を中核ということではあるのですけれども、今回のこの附属小学校の情報科の研発では、活用するにしても、情報技術の特性の理解とか、そのための知識・技能があることで効果的に活用されていることが実証されつつありますので、その辺りのことを、今回の情報活用能力の体系でも大切にすることがいいのではないかなと考えております。
 あと、短く2点目です。小学校では、現在5年生で正多角形のプログラミングとして、主にコンピュータの中で表現することと、あと、6年生の理科の電気の効率的な使い方の例示として、センサとかLEDでコンピュータと現実世界をつなぐプログラミングというのをしているわけですけれど、それは計測・制御の体験につながる活動というふうになっています。中学校の現状の技術科では、コンテンツのプログラミングと計測・制御のプログラミングの両方が取り扱われていますので、現在は、校種間が円滑に接続できているという点もありますので、この系統性は大切にするといいのではないかなと思っております。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、泰山委員、お願いします。
【泰山委員】  よろしくお願いします。
 この今共有いただいている表について、情報活用能力の体系という話と、情報教育の体系という話は、少し区別して考えることが必要かなと思っています。丸2、丸3については、情報教育の体系が示されるのが重要かと思っていますが、特に丸1については、基盤としての情報活用能力という意味で、中高においても、もちろん技術科・情報科を中心としながらも、各教科における探究において発揮されるべき資質・能力として体系を示していくという視点が重要かなと考えているところです。今後議論させていただければと思います。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 それでは、望月委員、お願いいたします。
【望月委員】  お願いします。
 どのようなことを追加していくかという点で、本市の情報の時間にしてきたことを基に、簡単に紹介したいと思います。
 1の部分については、小学校ではアンケート作成、表計算、動画撮影にも取り組んできました。特にアンケート作成は、情報を集める手段として、様々な場面で使えると思います。
 また、2については、小学校では肖像権や誹謗中傷についても取り上げています。写真や動画を活用したり、チャットを活用したりと、発信する機会が増えてくると、このような内容も必要になってくると思います。
 このようなことができるので、各教科の学びが探究的になると思います。
 以上となります。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 続きまして、村松委員、お願いいたします。
【村松委員】  それでは、よろしくお願いします。
 私のほうは、中学校の活用のところに絞ってお話しさせていただきます。主には、これは大まかなイメージであるということは先ほどの説明でいいかと思うのですけれども、ただ、このイメージが学校現場のミスリードにつながらないためにということで、内容の提案であります。
 まず、アンケートやセンサでの情報収集というのは、小学校、高校に向けてかなり具体化過ぎて狭くなってしまっている感じもありますので、例えば、これを情報やデータの収集・分析などにしたらと。
 それから、2点目、デジタルものづくりです。先ほどの話もありました、コンテンツを作ったり、プログラミング、それから、3Dプリンタとかのデジタルファブリケーションをイメージされていると思うのですけれども、ここも3Dプリンタとか矮小化されるようなことを防ぐためにも、例えば、ものづくりとデジタルの連携であるとか、デジタル化、アルゴリズム化、あるいはシステム化、こういったような表記を御検討いただければと思います。
 3点目、簡単なプロンプトに生成AIですけれども、実際、今AI系では、最近の中学校ですと、生成AIはまだ先端的ですけれども、それだけではなく、分類系の画像認識や音声認識を組み込んで問題解決するというのはかなり行われていますので、そういったものを踏まえると、例えば、AIの利用による課題解決というようなくくり方もあるのではないかと思いました。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 続いて、春日井委員、お願いいたします。
【春日井委員】  よろしくお願いします。
 12ページ、13ページとの絡みで1点お話しさせてください。
 この12ページだと、情報の領域、情報・技術科、情報科からほかの部分に活用という矢印が伸びております。次の13ページでは、学習の基盤となる資質・能力から各教科に向けての矢印が出ております。
 次の14ページに行っていただいて、今ここで掲載していただいている、特に中学校、高等学校の事例は、情報・技術科や情報科のかなり繋がりが強いような内容になっています。網羅的に整理というのは難しいとしても、こうやってまとめたものが独り歩きしていってしまうということはよくあります。この中の事例に、情報科だけではなくて、各教科で取り組むというような事例も載せていただくと、特に学校内で人数が少ない教科ということもあり先生方は孤独になってしまうこともありますので、学校全体で取り組んでいくんだというような資料にしていただくとありがたいと思います。
 以上になります。よろしくお願いします。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 この後、鈴木委員、萩谷委員を御指名しますが、そこまでとさせていただきます。
 では、鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】  よろしくお願いします。
 先ほど山脇さんからも指摘がありましたが、メディアリテラシーという言葉自体の定義というのがものすごく広く、人によっていろいろ違うところがあるので、これについては非常に気をつけなければいけないと思います。
 その中で、情報活用能力と言った場合に、メディアリテラシーという言葉は、メディアからの情報をどう受け、どう解釈していくかというふうに重点が置かれがちなのですが、今、本当に誰でも、子供たちも情報発信できるという時代になっている中で、その情報をどう発信していくのか。受けるだけではなくて、自らが発信することをどう教えていくのかというのも非常に大切でして、私自身も、小学校でも、今情報をどう発信していくかというような授業を実際行ったりしています。
 なので、今回、この資料の全般的な部分において、情報発信をどう教えていくのかというところについても今後考えていかれることがよろしいのではないかなと思ったので、ここで御提案させていただきます。
 ありがとうございました。
【堀田主査】  ありがとうございます。
 それでは、最後に、萩谷委員、お願いいたします。
【萩谷主査代理】  いろいろな意見が出ておりますが、私からは、進め方に関する意見です。網羅的に整理したものではなく、今後具体の検討が必要とは書いてあるのですけれども、やはりこのレベルで議論を深めていくのは少し危険ではないかと考えています。現行の中学校、高等学校の内容をある程度盛り込んだ形で議論を深めていくということが必要なのではないか。それが次回になるか、次々回になるか分からないのですけれども、御検討いただければと思います。
【堀田主査】  ありがとうございました。皆さん、大変貴重な御意見をそれぞれのお立場からいただいたものと認識しております。
 私は主査ですけれども、一言だけ申し上げると、私もメディアリテラシーとか研究してきたのですが、いろいろな立場で、政治的なこととか、こういうようなことと繋がりがちで世の中で使われてきた用語なので、政治教育の禁止とか色々なことがある学校教育においては、取扱いが難しかったという歴史があるかと思っております。しかし、今日、SNSの台頭とか、色々なことがありますので、やっぱりいわゆるメディアリテラシーをしっかり教えるということも大事かと思いますが、その用語をそのまま使うことの危険性や、あるいは、幅広で解釈が異なるという御指摘をいろいろいただいたので、かみ砕いた具体的な内容で示していくということが必要なのかなということを感じました。
 もう一つ、この今出ている表はあくまでイメージで、皆さんのこういう発言をある意味誘発するためのイメージとして事務局が作られたものです。今までの論点整理を御覧いただくと書いてありますが、小学校と中高は少し性格づけが違う形で今回教育課程上配置されるという見通しになります。
 小学校については、皆さん御意見いただきましたように、やはり体験的なことが重要で、その中で探究的な学びを体験的に行うということと、いわゆる情報活用能力、あるいは、それに伴う幾つかの知識、理解や、あるいは技能や、あるいはその取扱いの態度、こういうようなことについて、体験的に学ぶ中にどうやって落とし込んでいくか、あるいは、場合によっては、しっかりと享受するという意味で、しっかり教えることも必要なことがあるのではないか。特に光と影のことを考えますと、影のことをきちんと教えていくというのは、光を強くしていくためにも大事なことではないかという社会的な議論の中で、こういう体験的なということが入っております。
 そして、この小学校でしっかりと身につけた情報活用能力は、先ほどまでの図にもありましたように、各教科等に活用されると同時に、総合的な学習の時間で、さらに探究を支える技能として生かされていくと。
 加えて、今日、やはり教育内容として、コンテンツとしてしっかりと理解していただかないといけないようなデジタル、あるいは情報社会についての様々なことについては、中学校、高等学校の2つの教科で、指導体制には課題があると言いながらも、専門の教科免許を持った方が教えていくという内容としてどうあるべきかということですね。
 この体験的で何を知っているべきか、経験させるべきかという小学校と中高が今並べて書いてあるわけで、それで色々な齟齬も確かに出てくる部分があろうかと思いますが、ただ、体系的にどうするかというのが抜本的向上としては非常に重要であり、高等学校には、先ほど萩谷委員もおっしゃったように、既に教科として情報があり、ただ、その情報で教えていること、例えば、情報Ⅰで教えていることの中には、中学校までの間に十分にそのことを教える機会がないから高校の1年で初めて教えているようなものもあろうかと。つまり、適時性としては実はもっと下でもいいのではないかというようなこともあるかもしれないとか、あるいは、中学校の技術分野と言われている今の部分も、もう少し情報社会に対応した形で、先ほどSTEAM教育の話も出ましたけれども、STEAM教育の中核として、しっかりと再検討して、系統をつくっていくということも大事かもしれない。そのことと、小学校で体験的に学び探究的に使っていくという情報活用能力をどうつなげていくかという意味での体系性というのが、前半の議論で進んでいくことになるということでございます。
 ですから、この表は少し荒っぽいというのは私も承知した上で、今日は皆さんにこういう意見をいただくために事務局が用意し、こういうふうに出したということでございます。
 次回、第2回以降はしばらく体系性の話をしますが、まず前半に小学校のところをある程度はっきりさせて、そして、これは総合的な学習の時間等のワーキンググループと連携し、合意しながら進めていく部分がございますので、それを少し急ぎ、その後に中学や高等学校の具体的な教科の内容について検討していくという段取りで、ほかのワーキンググループとの連携もありますので、そういう形で進めていくということになってございます。御意見いろいろあるかと思いますが、進め方については、できるだけ皆さんの御意見を承りながら、事務局として資料を用意していただきながら進めてまいりたいと思っております。
 それでは、予定の時間が近づいておりますので、次回以降のことですが、これは事務局、何かありますかね。
【相川情報教育振興室室長補佐】  次回は、10月20日月曜日18時~20時を予定しておりますが、正式には後日、事務局より連絡いたします。
 以上です。
【堀田主査】  ありがとうございました。
 私どものワーキンググループはスタートしたのが早いほうでございますが、各教科等のワーキンググループはどんどん立ち上がっております。そんな中でも、例えば、昨日行われた英語のワーキンググループ、外国語のワーキンググループでも生成AIの話は結構出ていますし、ですから、学習基盤としてのデジタルみたいな話は各教科に大きく出ていまして、それらとの連携とか、情報活用能力という観点での連携とかいうのもこれから図っていかなければならない。そういう意味で、私どものワーキンググループは非常に重要なワーキンググループだと認識しております。たくさんの方々に御協力いただきながら、皆様の御協力をいただきながら、円滑に進めてまいりたいと思います。今日は発言時間も大変短く、大変恐縮でしたが、これからも御協力、何とぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の情報・技術ワーキンググループの第1回を閉会といたします。皆さん、御協力ありがとうございました。
 
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