教育課程部会 特別活動ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

令和8年3月23日(月曜日)13時00分~15時30分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 学級活動について(学級経営、生徒指導、特別支援教育等)
  2. その他

4.議事録

【恒吉主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから第5回教育課程部会特別活動ワーキンググループを開催いたします。
 大変御多忙の中、御参加いただき誠にありがとうございます。
 本日は、進行資料の流れに基づき議事を進めますので、適宜御参照ください。
 議題に先立ち、事務局より発言の要請がありましたので、堀川学校教育官、よろしくお願いいたします。
【堀川学校教育官】  事務局でございます。本日の議事についてでございますけれども、当初、キャリア教育についても取り扱う予定ということで公表させていただいておりましたが、事務的な事情によりまして、主査とも御相談の上、次回の議題とさせていただきましたので御報告申し上げます。
 以上でございます。
【恒吉主査】  それでは、議題に移ります。
 本日は、事務局説明に先立ち、大村龍太郎委員、白松賢委員、八並光俊委員、特別支援教育ワーキンググループの奥住秀之主査代理から御発表いただく予定です。
 時間も限られておりますので、大変恐縮ながら、事前に御相談させていただいたとおり、おのおの8分以内で御発表をよろしくお願いいたします。皆様から御発表をいただいた後、事務局より御説明いただき、その後意見交換に移ります。
 各委員におかれましては、本日の議題についての御意見、コメントを、お一人5分以内でいただきたく思います。その後、御発表いただいた皆様からコメントをいただく流れを想定していますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、大村委員、よろしくお願いいたします。
【大村委員】  失礼いたします。それでは、画面を共有させていただきます。
 私からは、今日の議題と照らして、学級経営とはそもそも何なのか、そして特別活動、特に学級経営との関係を考えるということで少し発表させていただきます。時間も限られておりますので、かなり早口になって申し訳ないんですが、御容赦願いたいと思います。
 では、今日、大きく3つお話をします。1つは、学級経営とは何か。2つ目は、学級経営と学級活動との関係をどう考えるか。3つ目は、学級経営と学級活動との接続から見える留意点ということで、3つお話をさせていただきます。
 では、まず1つ目からです。学級経営というのは、誰もが大事だ、充実する必要があるというふうに語られますが、学術的に明確な一つの定義はございません。学習指導要領とか解説にも、「学級経営の充実」という言葉は多数出てきますが、そのものの明確な定義は示されていません。こういうふうに考えられるのではないかという説明にとどまっています。
 学級経営概念の多様性は、話し出すと切りがないのですが、例えば木原先生は、「学級教育の範囲」と関連的な整理で大きく3つに分類されています。あと、下村先生は、機能論か、領域なのか、機能なのかというところからまた3つに整理をされています。それから、本日も御出席いただいております白松先生は、それらを狭義・広義の学級経営ということで整理をされています。
 例えば、対象範囲的な面で見ると、学級経営というのは「教科指導」「特別指導」「条件整備」の3領域全てを学級経営に含めるような考え方から、いやいや、「条件整備」と考えるんだという一番下の狭いものまで、最も限定的な考え方まであったりします。
 そのことについて、白松先生は、大きく2つの潮流があるということで、1つがいわゆる教師が児童生徒をコントロールすることによる条件整備という考え方で、人間関係づくり、集団づくり、生活づくり等の「学級づくり」の側面、この2つを合わせて広義の学級経営というふうに整理をされていて、非常に分かりやすいなと思っています。
 さらに、白松先生は、「学級経営の三領域」ということで、人権を徹底するという「必然的領域」と、ルールやルーティン、プロデュースを明確にして過ごしやすくするという「計画的領域」と、学級ならではの問題解決や文化創造ということで「偶発的領域」というふうに3つに分けています。
 ここからさらに突っ込んでみると、学級経営がこれだけ多様な概念であるからこそ、「目的・目標、重点をどこに置くか」ということで、非常に多様に語られます。
 例えば、条件整備という教育活動の下支えを学級経営の目的なんだというふうにする立場。それから、いやいや、子供同士、教師の人間関係構築、子供一人一人の今の幸せな生活や安心・安全の保障なんだ。いや、自治的な集団、多様性を包摂するような「理想の集団の具現化」こそが学級経営の目的なんだというふうに、「今」の幸せとか安定とかを重視するようなことを学級経営の目的というふうに語られる場合もあれば、協働的問題解決力の育成とか、アドラーの言う共同体感覚の醸成だとか、互いの自由を尊重する態度の育成とか、市民性を育成するんだとかというふうに「何らかの資質・能力や観を育むこと」、つまり「未来」の安定とか、成長とか、幸せの重視という、より教育的な面に即したような目的で語られる場合もあります。
 なので、学級経営が語られるとき、いずれもが目的・目標として文脈に応じて顔を出してきます。そのどれに比重を置いているかによって、「学級経営の手立て」と呼ばれるものも異なってくることになります。
 それでは、特別活動とか学級活動とどう繋がることになるのかということを考えてみたいと思いますが、それが2番目です。
 学校・学級を「今」と「未来」の幸せを実現しようとする場所と定義するとしたら、学級経営は誰にとって何を志向するものかと考えると、「子供にとって」、「教師にとって」、「社会にとって」と横軸に取って、縦軸に「今の幸せ」重視なのか、「未来の幸せ・未来に繋がる成長」重視なのか。
 もちろんどちらも重要なのですが、子供にとっての「今の幸せ」だったら安心・安全とか、安定とか、居心地のよさとか、楽しさとか、喜び、そのためのケアとかということが重視されます。一方、「未来の幸せ」を考えると、適度な衝突を乗り越えるとかという経験を積むということが物すごく重要になってくるので、そのことまで含めると、いつも安心というわけではなくて、時にちょっとぶれが生じることをみんなで乗り越えるということが大事になってきます。
 教師にとっては、今が安定していれば、学校に来るのが教師も楽しいし、安心して授業ができる。一方で、教育者としての成長に繋がる壁とか、困難の経験を考えることは、適度な衝突とかが子供の中で起こったときに、多様な子供たちの中でどう共に生きていくかということを一緒に悩み考えるということが重要になってきます。
 社会全般にとっては、「今の幸せ」を考えると、とにかく今この子たちを安全に保障してください、幸せに生活させてくださいとなる。一方、未来のことを考えると、平和で民主的な社会のつくり手、市民としての育ちということを期待することになると思います。
 つまり、「今の幸せ」を考えると、さっきの目的・目標論でいくと、条件整備とか、今の状態を安定させるための手だてになりますが、未来のことを考えると、どんな力を、どんなことを経験させることによって育てていくのかというような考え方になると思います。
 そう考えると、学級活動というのは、当然今にも未来にも直接的に資することになりますが、内容(1)による合意形成とか、内容(2)(3)における集団で話合いながらも個々の意思決定を尊重するとかということが、特に子供たちにとって重要な活動になってくるということになります。
 さらに、今回の民主主義ということをキーワードに置いた改訂から考えると、社会にとって学級活動が教育的な重要性として特に関わるのがこの部分で、いわゆる未来の幸せをつくっていくための育ちのために学級活動と学級経営は密接な関わりがあるということになります。
 そう考えると、あと接続の面で見てみると、どうしても学級経営を語ってしまうときに、今この場が安定すること、いい学級になることにばかりに必死になりがちだし、もちろんそれも大事だし、未来に繋がることではあるのだけれど、より学級活動を意識したときに、丸2を意識することが、いわゆる未来の幸せに繋がる成長を意識することが学級活動の質を高めることになって、丸2の成長を高めることになります。特に、民主主義社会の担い手として、今と未来の両者を見据えた学級経営に直結するということになります。
 それと、これまでの議論の高次の資質・能力との関連を見てみると、今回の特別活動では「学びに向かう力・人間性」とか「主体的に取り組む態度」が最も重要というふうに取れる方向で進んでいますが、黄色の部分とかは特にそのような思考力・判断力・表現力を磨く経験も必要、学級の問題を取り上げたり、やりたいことを取り上げたり、そこの重視は必要なので、態度主義に陥らないようにやっていくことが学級経営にも直結していくと思います。
 そのような資質・能力をなすことによって身につけていくために、生活現実の課題見つけを重視して学級活動で取り上げていく。ただ、ここで言う「課題」というのは、負のイメージのようなものでないことに留意をする。
 話合いの方法自体が形骸化しないようにすることも大事だと思います。一定の型を示すことは必要だけれど、それをなぞること自体が目的化したような授業実践も散見されるので、そうではなくて、「対立や葛藤を乗り越え納得解や暫定解を形成し、それらをよりよく見直そうとする」というのは、「それが実現できる方法」と「態度」の掛け算でなされるので、この辺り、時数の柔軟化もうまく生かしていくといいかなというふうに思います。
 (2)と(3)については、こういう民主的な社会の形成者に重要な資質・能力となりますので、ここまでのような高次の資質・能力の育成の視点で学級活動が学級経営論で多様に議論される目的・目標のいずれにも繋がると思います。
 引用・参考文献は以上になります。時間を超過してしまって大変申し訳ありませんでした。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 それでは、続いて、白松委員、よろしくお願いいたします。
【白松委員】  それでは、本日はこのテーマで、学級経営と学級活動、先ほど大村委員は主として学級活動の(1)との関わりが中心だったかと思いますが、私は(2)(3)との関わりを中心に話させていただきたいと思います。
 1999年前後、学級崩壊という言葉で学級がうまく機能しない状況というのが社会問題化されたわけですけど、以降、20世紀の学級経営の在り方の行き詰まりがずっと報告されてきていると。TALIS2013年の調査においても、従来の学級経営の考え方や技能では困難が生じてきていることが分かります。
 それにもかかわらず、学級経営をきちんとしなければならないという学級経営ナラティブは先生方に重くのしかかっていまして、それが先生方の苦しさにも繋がっているときもあるということです。教え子からも、先輩からアドバイスをいただくけれどもなかなかうまくできないというような相談を、声としていただいたりもします。
 そこには、個人を責任単位とする学級経営論と同時に、教師中心型の主に管理統制型の学級経営論が先生や児童生徒に負荷の高いものであって、エコロジーではないということが示されているということです。エコロジーというのは、負荷がかかるかかからないかということを指して使っています。
 ティーチング・コンパスに示されているティーチャー・エージェンシーの概念に立脚すると、学級をうまくまとめるとか、児童生徒が指示に従うようになるというような結果を中心にした教師個人の力を問うナラティブではなくて、経験や学習、学校内外の資源を生かして誠実に向き合うというプロアクティブな過程を中心とする学級経営ナラティブへ転換する必要がある。
 同時に、個々の先生を下支えするようなサポーティブな学校経営の観点に立脚した学級経営ナラティブが求められていると考えられます。これを21世紀型と私は呼んでいるわけですけれども、ただ、先ほど大村委員の発表にもありましたが、学級経営論は多様性を今持っていますので、その多様性が集団エージェンシーや共同エージェンシーの発揮に課題を生じさせているというのも現状です。
 学級経営論の多様性は、しばしば学校内の学級経営観の混乱や葛藤に繋がっている場面も散見されるということです。これは、歴史的には大正新教育に端を発している全人教育を志向する学級教育と、授業のための条件整備の2つの学級経営観から、多様な学級経営論が生じてきた、これは先ほど大村委員も報告されたところになります。
 その混乱を整理しようと思ってつくったものがこの学級経営の3領域の図なんですけれども、2007年の初等教育資料で検討を始め、リバイスを繰り返しているんですけれども、主として、これは、どうすればうまくいくかということを書いたものじゃなくて、先生方の学級経営の力点が異なることを整理するということの目的としてこれを書かせていただきました。
 第1は、一番下の教室の秩序化という中でも、児童生徒の教育を受ける権利が享受できる安全性をつくる、これが学級経営の大きな力点だと考えておられる先生もおられます。第2は、真ん中で、学級指導や生活指導という言葉でよく使われてきたところなんですけれども、学習規律や生活規律を身につけさせるというところに力点がある先生もおられます。第3は、特別活動の実践者に多いんですけれども、児童生徒を主体とする学級経営という、この力点が3つあるということ。
 ただ、先生によって力点が異なるのですが、第1の必然的領域の指導のところの力点が先生によって異なる学校では、どこかで学級がうまく機能しない状況というのが生まれやすくなっているというのがフィールドワークをしてきてよく見たところになります。ただ、先ほども話しましたけど、規律の徹底というのは非常に難しくなってきておりますので、学習規律や生活規律を最小限化して子供たちの心理的安全性をつくるというところを学校全体でどの先生も必然的に実施するという学校経営としての学級経営実践というのが求められる時代になってきたと今回はここで書かせてもらっている。要は、学習規律や生活規律は大切なんですけれども、それを最小限化するというレス・イズ・モアによって、少ないほど教育効果が高いというところは、ここに学習規律・生活規律の焦点化をする場所というふうに話しております。
 第2の領域は、特別支援のユニバーサルデザインや発達支持的生徒指導の考え方に親和性が高いのですが、欧米の学級経営論では規律で生徒をコントロールするのではなく、習慣やスキルを育むための計画的な働きかけとしてルーティン化や手順化を重視するものが人気を得ています。そこで、ここを計画的領域と示しております。ここが規律から習慣・スキルへと変わっていく場所ということで、21世紀型の転換を必要としている場所というふうに示させていただいております。
 第3は、児童生徒の想像を超えるプラスの行動や言動に出会う場所、あとで八並委員の資料の発表があろうかと思うんですけれども、そこでは感動という言葉が示されていますが、特別活動は往々にしてそういう場面に出会った先生方の感動というのが語られるわけですけれども、そういうものが計画的に生まれる、計画的にはするんですが偶発的に生まれてくるということで、偶発的領域とさせていただいております。
 民主的教育実践を志向する世界的潮流に対しては、児童生徒の主体的な成長や創造的活動を醸成する学級活動は、計画的領域や偶発的領域にとって重要な場となります。このリバランスや再構成を、21世紀型モデルとして提案させていただいているところです。
 子供たちの多様性への対応はますます重要になると想定されますが、その中でも個々の自己指導能力を高める意思決定のプロセスこそ習慣やスキルの向上に重要な発達の場となります。これが、実施状況調査からも示されてきております。
 この図では、右上の児童生徒の姿は、児童生徒間で共同エージェンシーが発揮されている状況を示しますが、互いに学びや育ちを高め合い、深め合う自走する関係性が特別活動には期待されます。ただし児童生徒の集団が自走していたとしても、教師の指導性は非常に重要であるということで、そのときに主に用いられる教師の指導性をそこで書かせていただいております。
 児童生徒との共同エージェンシーの発揮の舞台として、週1時間ある学級活動を捉えることが学級経営にとって非常に重要と言えます。ただ、学級活動(2)(3)は、ともすると先生方の説教の時間になりやすいという問題があります。こうしなければいけないという説教になってしまう場ですね。こうしなければいけないというのが今まで増え過ぎてきていますので、それをできるだけ減らしていくという努力も必要ですし、あるいは教師が社会化したい題材を通して子供たちの学び合いを高めて、個人化した意思決定によって主体化する、この共同エージェンシーが自分軸を広げ、高めることになります。
 自分軸というのは、1人で生まれるわけではなく、周りの人と一緒に生まれてくるものということになりますので、自分軸は教師にとっても個人エージェンシーでなく集団エージェンシー、共同エージェンシーを包含したり、葛藤したりして形成されていると。
 その意味では、学級活動は、個人エージェンシーや集団エージェンシーとともに共同エージェンシーを発揮したり生み出したりする場であるということ、児童生徒と話し合い、自分や学級、学校をよりよくする時間を週1時間カリキュラムに持っている、これは非常に日本のアドバンテージだと思います。その意味では、学級経営にとってもとてもリーズナブルな時間と場所がカリキュラムに保障されているということです。これを充実することは、学級経営の充実にも繋がり得る時間であり、学級経営の核としての期待が寄せられるところだと考えられます。
 以上、ちょっと駆け足で説明をしてきましたが、学級経営の観点から学級活動、生徒指導、特別支援教育との関わりを意識しながら今日は報告をさせていただきました。
 以上です。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 続いて、八並委員、御発表をよろしくお願いいたします。
【八並委員】  日本生徒指導学会会長の八並です。本日は、プロアクティブ・発達支持的生徒指導の実践の要としての学級・ホームルーム活動というタイトルで発表させていただきます。
 私の専門は、生徒指導、スクールカウンセリングです。
 第1に、令和の生徒指導の特徴は何か。生徒指導は、学習指導と並ぶ重要な教育活動です。学習指導の知識基盤は学習指導要領であり、生徒指導の知識基盤は生徒指導提要です。
 また、生徒指導は、学校を核として、学校、家庭、地域、関係機関の行動連携による地域社会総がかりの生徒指導です。
 第2に、生徒指導提要のどこが大切なのか。生徒指導提要は、全校種の教職員を対象とした生徒指導の共通教科書、あるいは国家基準、すなわちナショナルスタンダードだと思っていただいて結構です。
 では、生徒指導とは何か。端的に申し上げると、生徒指導とは子供の主体的な成長・発達を支える教育活動だと言えます。また、子供の最善の利益を常に考えます。
 支え方という点では、2軸、3類、4層の重層的支援構造を示しています。生徒指導の支え方を、時間軸、課題性、対象から分類しています。
 特別活動は、課題未然防止教育と、子供の個性の発見やよさや可能性の伸長に重きを置くプロアクティブ生徒指導と、発達支持的生徒指導と深く関連します。
 生徒指導提要では学級・ホームルーム活動をどう位置付けたかというと、第1に学級・ホームの活動は発達支持的生徒指導を行う中核的な場であるということ、第2に子供の自己指導能力の育成を目指す教育活動であるとしています。
 なお、令和5年の教育振興基本計画において、発達支持的生徒指導の推進が明記されています。教育活動全体を俯瞰すると、生徒指導、特別支援教育、キャリア教育は三位一体であり、プロアクティブかつ発達支持的生徒指導の推進が今後の鍵となります。
 第3に発達支持的生徒指導の核心とは何か。私は、感動・発見・挑戦・創造のある授業や体験活動だと思っています。同時に、子供の社会性、例えばコミュニケーション能力、人間関係形成能力、共感能力などの社会情動的スキルの高まりを促す意図的な教育が重要となります。アメリカではガイダンスカリキュラムと呼ばれています。ここでは、ガイダンスプログラムと呼びます。世界的な流れとしては、社会性と情動の学習があります。
 極言すると、感動ある授業や体験活動こそが発達支持的生徒指導の肝であるということです。これは、大学の授業も変わりません。特別活動は年間35単位時間と限られていますが、1時間における子供一人一人の、あるいは学級での、学校全体での感動が全てを大きくよい方向に変えるエネルギー源となります。ただし、生徒指導の実践上の4つの視点を常に意識することです。
 次に、発達支持的生徒指導を展開する上での基盤は何か。
 第1の基盤は、学年初期の個と集団の理解ということです。私は、それをイニシャル・アセスメントと呼んでいます。授業や体験活動を立案する際に、子供の心理面、社会面、進路・キャリア面、健康面、家庭面の実態把握が必要だということです。このイニシャル・アセスメントに基づいて授業や体験活動を立案することが重要となります。
 第2の基盤は、ガイダンスプログラムによる段階的な社会情動的スキルの獲得と、支持的・信頼的・規範的学級・ホームルーム経営ということです。まず、子供の社会性にはばらつきがあるので、発達段階に応じた社会情動的スキル獲得のための意図的教育が必要となります。先導的取組は、横浜市の「子どもの社会的スキル横浜プログラム」があります。
 次に、特別活動における感動体験のある授業、あるいはいじめ・不登校等の課題未然防止教育、社会情動的スキル獲得のガイダンスプログラムによって、徐々に学級・ホームルームが生活集団から学習集団に変容していきます。それに伴い、学級・ホームルームに、支持的・信頼的・規範的な風土が醸成され、準拠集団化します。この特別活動の準拠集団化作用は、見落としてはならないと思います。
 また、特別活動の教育効果としては、学校へのアタッチメントと、ソーシャル・ボンドの形成が挙げられます。国立教育政策研究所の研究では、いじめ加害行為を抑止する要因として、子供の学校や教師に対する愛着や帰属意識、本研究では学校との繋がり因子と呼んでいますが、この学校との繋がりを強く子供が感じているほど、いじめ加害行為は減少するという相関関係が数量的に見いだされました。この研究からすると、特別活動は、学校や先生、友達が好きだ、学校は家庭に次ぐ第二の居場所だという愛着や帰属意識を高めるでしょう。換言すれば、特別活動は、絆づくり・居場所づくり効果の高い教育活動だと言えます。
 第4に、子供に望む生きる力とは何か。現行学習指導要領の第1章総則において、「児童・生徒の発達の支援」が新設され、生徒指導の充実が明記されています。子供に望む生きる力としては、基礎的・基本的な学力という認知的能力だけでなく、自己効力感、共感性、思いやりなどの非認知的能力の獲得が重要となります。生徒指導は、とりわけ学びに向かう力・人間性等に関わる非認知的能力の獲得に大きく寄与すると思います。そして、その実践の要が前述の特別活動だと思います。
 自己指導能力の定義は、ここに示したとおりです。ただし、私は自己指導能力の獲得の基礎に、善悪の判断力やその場に応じた善なる行為を選択・実行する善行力の育成が必要ではないかと思っています。
 第5に、学級・ホームルーム活動の際立つ特徴は何か。私は、特別活動は、相互作用的・らせん的・現実的・具体的・発達的な成長モデルが前提だと思っています。特別活動は、教師の自由裁量が大きく、子供たちの主体的な活動を行える最も余白のある統合的な教育活動です。とりわけ学級・ホームルーム活動は、現実的で、主として話合いを通じて「自己指導能力」と「民主的・相互扶助的自治能力」を多様な相互作用を通して発達的に獲得すると思います。
 参考資料として、文溪堂の隔月刊誌『道徳と特別活動』の雑誌論文と、椙山女学園大学教授の山田真紀先生が執筆された日本特別活動学会の特活通信第8号、9号です。
 以上で終わります。御清聴ありがとうございました。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 最後に、特別支援教育ワーキンググループより、奥住主査代理、お願いいたします。
【奥住主査代理】  特別支援教育ワーキンググループの主査代理を拝命しております東京学芸大学の奥住と申します。本日は、話題提供の機会を頂戴し、感謝申し上げます。
 早速ですが、「多様性の包摂に向けた特別活動への期待」という題目で話題提供いたします。
 初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)においては、多様性を包摂し、一人一人の意欲を高め、可能性を開花させる教育の実現が喫緊の課題であること、「正解主義」や「同調圧力」への偏りから脱却し、社会の分断や格差の拡大を防ぎ、共生社会を実現すること、そしてインクルーシブ教育システムの充実に向け、合理的配慮の提供を含め、一人一人の教育的ニーズに応じた質の高い特別支援教育の在り方を検討することなどが提起されています。
 そこで、特別支援教育ワーキングでは、多様な子供がいることを前提とした教室環境や学校経営、授業づくりの方策、過重な負担のない範囲で障害の状態に応じた対応を図るための合理的配慮の提供、交流及び共同学習のさらなる充実、基礎的環境整備の充実などについて議論を深めているところでございます。それらを踏まえ、本日は論点を2つ提案します。
 まず、学級における多様性の包摂です。これは、令和4年度に公開された通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の状況です。ここで、学習面または行動面で著しい困難を示す児童生徒の割合は、小・中学校で8.8%、高等学校で2.2%であることが示されました。この数字は、決して少ない割合ではありません。
 この状況を受けて、令和5年3月、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告が公表されました。幾つかあるポイントのうち、とりわけ重要なのは、障害のある児童生徒についてもまずは在籍する学級での支援が基本であるということを明確に定めたということです。
 このスライドからは、障害のある子供も含め、多様な個性や特性、生活の背景を有する子供が通常の学級で当たり前に学んでいることが分かります。
 また、このスライドからは、授業の理解について極めて幅広い状況であることも分かります。
 こうした現状を踏まえ、特別支援教育ワーキングでは、小学校等に在籍する障害のある子供たちの学習活動の充実に向けた方策として、重層的な指導・支援のモデルを検討しました。
 このピラミッド様のモデルの土台である第1層が「特別な教育的支援を必要とする子供たちも念頭においた学級全体での指導方法の工夫」です。そこには、多様性・包摂性を尊重した学習者主体の授業づくり、学級・集団づくり、教室環境の整備などが含まれています。
 以上から、学級内の多様性の包摂について3点を提案します。
 第1は、特別活動は、いわゆる学力などにとらわれることなく互いのよさを発揮することができ、各教科とは異なり、多様性の包摂自体が重要な目標の一つと言えます。
 第2に、重層的な指導・支援モデルにおける第1層については、学級活動において教師が十分意識することが重要であり、特別支援教育ワーキングでの議論を踏まえつつ記載の充実を検討していただきたく思います。
 第3に、多数派に合わせた環境だけでは授業や活動への参加が困難な子供たちがいるという視点、そして誰もが参加できる工夫を考えていくことの重要性を示してくださるようお願いいたします。
 これは、多様性・包摂性を尊重した学級づくりの取組事例です。時間の関係で説明は割愛しますが、後ほどにでもお目通しいただければ幸いです。
 続きまして、交流及び共同学習の充実に移ります。
 交流及び共同学習は、障害のある子供とない子供が共に参加する活動であり、相互の触れ合いを通じて豊かな人間性を育むことを目的とする交流の側面と、教科等の狙いの達成を目的とする共同学習の側面を有しています。特別支援学校学習指導要領はもちろんですが、小学校等の学習指導要領にも明確に規定されています。
 小学校学習指導要領を例に挙げると、総則には、「障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設け、共に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育むようにすること」と示されています。
 また、総則以外では、特別活動の第3、指導計画の作成と内容の取扱いにおいて、「障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を通して、協働することや、他者の役に立ったり社会に貢献したりすることの喜びを得られる活動を充実すること」と明記されています。
 しかしながら、スライドにある特別支援学校における交流及び共同学習(学校間交流)の実施状況を見ると、1年間の交流及び共同学習に参加予定がない児童生徒が何と半数近くに上ります。決して望ましい状況ではありません。
 以上、交流及び共同学習の充実について4点を提案します。
 第1に、特別活動は得意や苦手を含め、子供一人一人のよさを発揮することができ、学級活動、児童会・生徒会活動、クラブ活動、学校行事は、障害のある子供とない子供の交流及び共同学習の絶好の舞台です。
 第2に、交流及び共同学習では、障害のある子供とない子供が、相互理解という視点はもちろんですが、多様な子供がいるからこそ活動そのものが充実し、相互の学びもまた深まるという視点を重視した議論を進めていただきたく思います。
 第3に、同一校における特別支援学級と通常の学級との交流及び共同学習についても、特別活動において協働的な学びを進めることで、共に育つ中での成長が期待できます。その際には、先ほど提案した多様性・包摂性を尊重した学級・集団づくりの視点を重視していただければと思います。
 そして、最後になりますが、第4に、交流及び共同学習は総則記載事項であり、各教科等で充実させることが前提なのですが、とりわけ特別活動における実施は重要であるとして記載の充実を検討いただけないかということです。何とぞよろしくお願いいたします。
 ここから先の5枚のスライドは、特別活動における交流及び共同学習の取組事例です。時間の関係で説明は割愛しますが、いずれも魅力的な実践ですので、後ほど御確認いただければ幸いです。
 以上、簡単ですが、話題提供を終了します。御清聴ありがとうございました。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 では、続いて、事務局より資料1について説明をお願いいたします。
【堀川学校教育官】  事務局でございます。資料1に基づきまして、事務局資料を御説明申し上げます。学級活動について(学級経営、生徒指導、特別支援教育等)でございます。
 本日御議論をいただきたい事項は3点ございます。1点目は学級活動の内容について、2点目は特別活動と学級経営について、3点目は特別活動と生徒指導、特別支援教育との関わり等について、この2番と3番に関連をいたしまして本日御発表も賜っておるところでございます。
 まず、1点目学級活動の内容についてでございます。
 学級活動の項目に係る経緯でございますけれども、平成20年改訂の際には、小学校10項目、中学校17項目、高校18項目があったところでございますけれども、前回改訂におきまして、小中高を通じて(1)から(3)を共通化するとともに、小学校は10項目、中学校は11項目、高校は12項目として項目を統合・くくり化をいたしました。
 その上で、全体的な課題といたしまして、(1)から(3)の水準で共通化が図られたものの、アイウ等の小項目の水準では必ずしも十分に体系化されておらず、一見して学校種間の対応関係の把握が難しくなっていることも含め、目標をよりよく達成するという観点から内容の記載を再検討する必要があるということでございます。その際、SOSの出し方に関する教育や生命の安全教育等の現代的諸課題への対応を併せて検討する必要がございます。
 また、論点整理では、もろもろ記載をされている中で、特に最後の部分ですね、内容の精選を進めるといったことも含めて提言をされておりまして、これらを踏まえた検討が必要だという状況にございます。
 その上で、具体的論点でございます。
 まず、最初の活動内容の見直しについてでございます。学級活動(1)から(3)共通でございますけれども、現場の実態や必要性に応じた教師の創意工夫を促す柔軟性の確保、併せて「活動あって学びなし」を招かないこと、そういったところから項目間の違いや考え方を一層明確化して、シンプルで分かりやすい記載とする必要があるということ。
 このために、学級活動の(1)から(3)の項目名について以下のとおり見直しを図ってはどうか、また個別の記載についても、小中高の系統性を一層明確化する観点から内容の構成や記載の見直しを行ってはどうかという御提案でございます。
 こちら、補足イメージの1にも記載をさせていただいておりますけれども、(1)から(3)の記載について、学級や学校における生活の創造、(2)日常生活における自己の成長と健康安全、そして(3)将来に向けた自己の成長とキャリア形成という3つに見直してはどうかという御提案でございます。
 その上で、戻らせていただきます。(1)についてでございますけれども、アとウとの間に重複感があり、アとウいずれで実施するのかが判然としない、また「諸問題の解決」との記載が否定的な状況の改善に限定的に取られがちであるといった指摘がございます。
 このため、アについては、以下のグレーの部分のように、「学級における生活づくりへの参画」というふうに記載を整理することで、アについては学級内の幅広い課題、イについては学級内の組織や役割、ウについては学級を超えた学校の課題を取り扱うということを明確化してはどうかという御提案でございます。
 また、少子化が進展する中で、集団性を確保する必要も踏まえまして、(1)ウで学校の課題を取り扱う場合にも、例えば学年や異学年での話合い活動など、学級を超えて話合いを行う場合の取扱い、このことについては学級活動で育むべき高次の資質・能力に照らして判断することを明確化してはどうかという御提案でございます。
 次に、(2)、(3)についてでございます。こちらは、補足イメージ2から7に具体的な記載の御提案をさせていただいておりますけれども、全体といたしまして、特に中高について、(2)(3)の項目数が多く、教師が適切に実施すべき内容を把握することが難しい、こうした指摘もございます。このような中で、小中高の内容の系統性を一層高めるとともに、高次の資質・能力の構造化の議論も踏まえながら、現代的な諸課題への対応がより明確になるように見直しを図ることとしてはどうかと考えております。
 具体的な部分を、補足イメージを用いまして御説明させていただきます。
 まず、補足イメージ2でございます。高等学校のホームルーム、(2)の記載の見直しでございます。
 まず、一番左側が現行になりますけれども、現行のア、イ、ウの内容につきましては、次期指導要領の方向性(案)といたしまして、「ア 相互理解と尊重、よりよい人間関係」という項目に見直してはどうかと考えております。
 考え方でございますけれども、一番右の欄にございます。現行のア、イ、ウは個々別々に実践することは必ずしも現実的ではない面がある、こうした学校現場での指導の実情、そして高次の資質・能力の考え方を踏まえ、全体としてシンプルで分かりやすい記載となるように見直してはどうかという御提案でございます。
 次に、「エ 青年期の悩みや課題とその解決」につきましては、新たな「イ 生命の尊重と青年期の悩み」ということで、考え方でございますけれども、現代的諸課題への対応の一環として、性暴力の防止、自殺予防に関することについては本項目で取り扱うことを内容の取扱いで記載することとしてはどうかという御提案でございます。
 次に、現行のオでございますけれども、新「ウ 心身の健康と安全」といたしまして、シンプルで分かりやすい記載となるよう見直してはどうかと考えております。
 次に、補足イメージ3でございます。先ほどの高等学校と同じ考え方のものにつきましては、前述のとおりとさせていただいております。以下の資料についても同様でございます。
 旧ウでございますけれども、こちらについては、新「イ 生命の尊重と思春期の悩み」といたしまして、性的な発達については本項目において取り扱うということを内容の取扱いで記載してはどうかと考えております。
 旧オでございますけれども、新「エ 学校給食と食育」といたしまして、本項目を特別活動として実施することを明確化するという観点から、これまでは「給食の時間を中心としながら」と記載がございましたけれども、こちらを「給食の時間との連携を図りながら」と修正してはどうかと考えております。また、家庭科との連携や、栄養教諭等との適切な連携を図っていくこととしてはどうかという考え方を示させていただいております。
 次に、補足イメージ4、小学校の(2)についてでございますけれども、旧アにつきましては、引き続き新「ア 基本的な生活習慣」ということで、特に小学校における基本的な生活習慣の形成の重要性に鑑み、項目を維持するとともに、分かりやすさの観点から記載を見直しているところでございます。
 次に、旧ウでございますけれども、新「ウ 生命の尊重、心身の健康と安全」といたしまして、発達の段階を踏まえ、生命の尊重と心身の健康と安全は同一の項目として取り扱うこととしてはどうかと考えております。
 次に、補足イメージの5でございます。一番下の現行の欄のアとイにつきましては、新「ア 社会的・職業的自立と主体的な学習の調整」といたしまして、まず考え方でございますけれども、(3)全体として、高次の資質・能力の記載を踏まえ、記載の整理を行ってはどうかと考えております。とりわけ、2ポツ、学校図書館についてでございますけれども、今次改訂において全体として重視する必要があることは前提といたしまして、この点、総合ワーキングでは質の高い探究の実現に向けて学校図書館の一層の活用強化が必須であるということ、丸2各教科での探究的な要素を持つ学びの充実を図る中での学校図書館の活用も期待されること、丸3国語ワーキングにおいて、学習の基盤となる資質・能力である言語能力育成の3つの柱の一つとして、読書活動の充実に向け議論がなされていることや、教育課程全体での役割分担の観点も踏まえ、特別活動では主体的な学習の調整の一環として解説で取り扱うこととしてはどうかと考えております。
 次に、旧ウにつきましては、考え方の部分で、マナーやルールについて扱うだけの指導にとどまっている場合があるとの指摘も踏まえ、考えの深まりについて明示をすることで「考えを深め、行動する」ということで記載を修正させていただいております。
 旧エでございますけれども、一番右の考え方の部分で、単なる受験や就職の情報提供にとどまっている場合があるとの指摘も踏まえまして、行動することを明示するなど記載を見直しております。
 また、「在り方生き方」ということがこちらに入っておりまして、「生き方」の部分につきましては、特別活動全体と関わるものであることから、個別の内容としては記載しないという考え方をお示しさせていただいております。
 次に、中学校の(3)の見直しでございますけれども、こちらは高校と同じ考え方で見直しをしておるところでございます。
 最後に、補足イメージ7、小学校の(3)の見直しでございます。
 まず、アにつきましては、新「ア 希望や目標をもって生きる態度」ということで、こちらについてはシンプルで分かりやすい記載となるよう見直しをしております。こちらは、中高と小学校のアで、順番が、中高で言えばウに相当するものでございますけれども、小学校につきましては、発達の段階を踏まえ、現行の指導要領の考え方を踏襲する形で先頭に新アを置いているというところでございます。
 最後に、旧イでございますけれども、新ウということで、考え方でございますけれども、中学校、高校との接続を考慮しながら、思考・判断・表現の学習過程を中心とした記載に見直しているところでございます。
 内容については以上でございます。
 次に、特別活動と学級経営について御説明をさせていただきます。
 15ページ、学級経営に関わる現行指導要領の記載でございますけれども、前回改訂時には「学級活動における自発的、自治的な活動を中心として」「学級経営の充実を図ること」を明確化しております。現行の指導要領上、総則と特別活動のみに学級経営について記載がされているという状況がございます。
 そのような中で、学級経営に関わる文科省の整理でございます。まず、解説では、「学級経営の目標・方針に即して、必要な諸条件の整備を行い運営・展開されるものと考えられる」という記載がございます。
 また、指導資料においては、「学級経営とは一般的に」とした上で、事務的な業務、授業、環境整備、集団経営といったもろもろの「経営」を含む幅広い概念であり、このうち、「集団経営」の側面から学級経営が捉えられる場合も少なくなく、特別活動は「集団経営」と関与が深いといった記載があるところでございます。
 次に、具体的論点でございますけれども、1番、今次改訂における学級経営についてでございます。企画特別部会においては、柔軟な教育課程を編成したり、また個に応じた学習過程を充実したりする中にあって、「高次の資質・能力」に基づく構造化・表形式化、こうしたことが外してはならない教育課程の「軸」を明確化する役割を有しているということが、これは2月2日の企画特別部会でも議論をされているところでございます。
 学級経営につきましては、もとより普遍的に重要な教師の営みでございますけれども、とりわけ教育課程全体がより柔軟化していく中にあっては、構造化・表形式化と同様に、学級経営が安定した教育活動を実施していく上で欠くことのできない「軸」の一つであると言える。さらには、指導体制の面で、小学校では教科担任制が推進され、また先の道徳ワーキングでは「チームで行う道徳授業」についても議論がされている中にあって、こうした取組が全体として機能する意味でも、学級経営の重要性はさらに高まっていると言えるところがございます。
 そのような中、2番、学級経営の充実に向けた特別活動の役割でございますけれども、ただいま申し上げましたとおり、学級経営がその重要さを増し、教育課程上の位置付けを明確化しその充実を図っていくことが一層求められるという中にありまして、確かな時間数が配当され、子供たちの最も基礎的な生活コミュニティである学級における「生活づくり」等を内容とする学級活動は、学校の教育活動全体を下支えする「学級経営の核」であるということを明確化してはどうかという御提案でございます。
 3番、学級経営に関わる考え方の整理でございます。こちらは、補足イメージの1にもお示しさせていただいておりますが、学級経営は学級における担任の全ての仕事に関わる用語とされている一方で、その目指すものを広く捉えれば、学級という社会のウェルビーイングを実現することではないかといった指摘もございます。
 また、児童生徒の主観的幸福感にとって、友達との関係や教師のサポートが重要であるという分析結果、こちらは参考資料として30ページにお示しをしておりますので、併せて御覧いただければと思います。
 また、3つ目に、特別活動の3つの視点のうち、「社会創造」そして「自己実現」の2つについては、それぞれ「社会のウェルビーイング」「個人のウェルビーイング」の実現との関係で議論を重ねてきていただいているところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、学級経営が目指すものを学級全体のウェルビーイングの実現として広く捉えた上で、子供の主観的幸福感が「友達関係」「教師のサポート」と深く関係すること、また学級経営に関わる学術的な議論、そして教育基本法及び子ども基本法の規定等を総合的に勘案しつつ、バランスある学級経営の充実といった観点から議論を行い、示すべきイメージについて検討してはどうか。併せて、学級経営の充実を図っていくための研修の在り方等についても別途検討してはどうかということで、提案でございます。
 補足イメージ1をお示しさせていただいておりますが、こちらはあくまでもたたき台イメージということでございますけれども、学級全体のウェルビーイングの実現を目指していく上での経営の基盤を、子供と子供の人間関係、そして教師と子供の間の信頼関係として、その前提として教師の子供に対する指導というものがあると。そして、こうした学級経営の基盤を機能させていく上で、子供自身も学級経営の一部に関わるといった考え方をたたき台としてお示しさせていただいておるところでございます。
 次に、大きな3番、特別活動と生徒指導、特別支援教育との関わり等についてでございます。
 まずは現行の指導要領の記載についてでございますけれども、現行指導要領上、生徒指導については総則と特別活動において記載があり、学級経営の充実を図るに当たって生徒指導との関連を図るという記載がございます。
 また、生徒指導提要、令和4年に改訂されているものでございますけれども、2行目の後半でございますが、「特別活動が、生徒指導の目的を実現するために「中心的な役割」を果たすとともに、とりわけ学級・ホームルーム活動について、生徒指導を行う「中核的な場」である」としているところでございます。
 次に、20ページでございます。
 特別活動と特別支援教育に関わる現行指導要領の記載でございますけれども、現行指導要領上、障害のある子供との交流及び共同学習については、総則と特別活動においてのみ記載があり、特別活動では交流及び共同学習の充実を記載しているところでございます。
 また、障害について直接言及をしているわけではございませんけれども、学級活動の内容として、「自他の個性を理解して尊重」することを記載しているほか、指導計画の作成に当たって「互いのよさや個性、多様な考えを認め合い、等しく合意形成に関わり役割を担ようにすることを重視する」としているところでございます。
 次に、「裁量的な時間」についてでございますけれども、総則・評価特別部会において、裁量的な時間の「学習枠」の具体例といたしまして、「いじめ防止や安全」「ソーシャルスキルの育成」「人間関係の円滑化」「交流及び共同学習」「現代的諸課題に対応した教育活動を更に深掘り・充実」する活動等を挙げているところでございます。
 こうした内容につきましては、「学級経営」「生徒指導」「特別支援教育」との関係性も相まって、学級活動を中心とした特別活動内容としても取り扱うことが想定し得るものと言えるところでございます。
 そのような中で、具体的な論点でございますけれども、1番、特別活動と生徒指導との関係につきましては、特別活動(とりわけ学級活動)が、学級経営とも相まって、全ての児童生徒を対象に行う生徒指導の第1層(発達支持的生徒指導)の機能を教育課程上の「核」として担うものとした上で、特に学級活動(2)は、第2層(課題未然防止教育)の機能も担うといったイメージを明確化してはどうかということで、こちらは補足イメージ1のほうにお示しをさせていただいております。第1層、第2層との関係で、特別活動が教育課程上の「核」を担うとした上で、とりわけ第2層については学級活動(2)が担うといったことを明確化してはどうかということでございます。
 こちらは、米にも書かせていただいておりますけれども、特別活動が生徒指導の充実の機能を果たすに当たっては、児童生徒の主体的な活動と両立をさせて特別活動の目標の達成に繋げる視点、このことが不可欠であることに留意ということを注記させていただいておるところでございます。
 続きまして、生徒指導との関係の2ポツ以降でございますけれども、このことを具体化する観点から、現行のいじめ防止についての記載にとどまらず、(2)において自殺予防等に関わる事項を取り扱うことを「内容の取扱い」で明示してはどうか、このことは既に先ほどの御議論いただきたい事項1で既出でございます。
 また、COCOLOプランにおいて、校則の見直しの推進、また障害や国籍、言語等の違いに関わらず共生社会を学ぶ場にすること、そうしたことが示されている中にあって、特別活動が発達支持的生徒指導等の機能を「核」として果たしていくに当たっては、学校の風土の醸成等を通じていじめ防止や不登校への対応にも繋げていくことが重要ではないかということも記載をさせていただいております。
 次に、2番、特別活動と特別支援教育との関係についてでございます。こちらは、補足イメージの2を御準備させていただいておりますが、特別支援教育ワーキングにおける重層的な指導・支援のイメージ、こちらを踏まえまして、特別活動(とりわけ学級活動)が、学級経営とも相まって、第1層における「多様性・包摂性を尊重した生活づくり」の教育課程上の「核」を担うものとして明確化をしてはどうかという御提案でございます。
 第2層の部分につきましては、特別支援ワーキングでの議論を踏まえて、特別活動の役割を今後検討していってはどうかということで記載をさせていただいております。
 戻らせていただきまして、2番のうちの2ポツ以降でございますけれども、学級活動(2)の内容において、障害の有無を含めた自他の多様な個性や特性、背景を尊重することを明確化してはどうか、こちらは先ほどの論点、事項1の中で既出でございます。
 また、論点整理において、特別活動を「共生社会を実現する基盤」として位置付けるとしたことも踏まえまして、交流及び共同学習について多様な実践の蓄積がある学校行事や学級活動をはじめとする特別活動において一層を重視することとしてはどうか、その上で各学校が具体化する上での参考となる事例等について、参考資料として示すことを検討してはどうかということで御提案でございます。
 最後に、3番、特別活動と裁量的な時間との連携でございます。裁量的な時間の「学習枠」の具体例として、先ほども申し上げましたとおり「いじめ防止や安全」、そして「ソーシャルスキルの育成」「人間関係の円滑化」等が示されている中で、特別活動との関係を検討する必要がございます。
 このような中、特別活動において実施する活動につきましては、教師の創意・工夫の余地を確保することが重要である、また特別活動では、裁量的な時間とは異なり、目標に掲げる資質・能力の育成を目指すことが求められるといった違いが裁量的な時間との関係ではございます。
 こうしたことを踏まえまして、裁量的な時間において、「いじめ防止や安全」「ソーシャルスキルの育成」等々、特別活動と関わる活動に取り組む場合には、相互の役割分担や連携を図り、よりよく学習指導要領に定める目標の達成に資するようにすることを明確化してはどうかという御提案でございます。
 最後のポツでございますけれども、子供の意見表明や合意形成との関係では、年度途中に児童生徒の問題意識に基づき発議され、児童会・生徒会活動等を通じて合意形成が図られた活動を実施する場合に、あらかじめ計画することが困難であるために、実施のための時間を確保することが難しいといった課題が指摘されております。こうした場合に、教師の適切な指導の下で、裁量的な時間を活用しつつ、子供が主体的に「社会創造」を行う取組の在り方について今後詳細を検討していくべきではないかということで、こちらも御提案でございます。
 事務局からの説明は以上でございます。参考資料に、かなりたくさん資料をつけさせていただいておりますので、併せて御覧いただければ幸いでございます。
 以上でございます。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 それでは、ここまでの事務局説明と御発表内容を踏まえて、御出席の各委員から御意見をいただきたいと思います。御発言がある委員は、挙手ボタンを押していただきたいと思いますが、お一人5分以内で御発言をお願いいたします。
 なお、発言の際に配付資料にお触れになる場合には、何ページかを明示いただければ画面投影も可能ですので、御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、野村委員、お願いします。
【野村委員】  本日も、お忙しい中このように資料を整えていただきまして誠にありがとうございました。また、資料を共有していただいて、意見発表をいただいた先生方、大変勉強になります。本当にありがとうございました。
 私の感じた点につきまして、4点、申し上げます。まず、1つ目は、学級活動・ホームルーム活動の内容の構成についてです。ページで言うと7ページになります。
 内容ごとの小中高の系統性を明らかにしていただいただけでなく、文言を整理していただいたことで、学校で授業や指導に関わる皆さんがより確認しやすくなってよかったなと思っております。
 御説明にあったとおり、(1)の「学校」の文言がアにもウにも入っているということ、どちらで扱うのかがよく分からないという状況が多く見られていたと感じますので、それがこのように、アは学級の生活づくり、イは学級内の組織づくり等、ウは異学年の関わり等を扱うんだなというのが整理できたので、このような表記はとてもいいなと思いました。
 また、(2)(3)につきましては、特に中学校・高校で精選を図っていただいたことで、(1)の時間をより多く充てることができるようになったというのもとてもありがたいなと思っております。今回の社会参画意識の向上とか社会創造の視点を踏まえると、とても大切なことであるというふうに考えております。
 ただ、小学校でも、学活(2)(3)は内容が多く、年間指導計画作成の際に系統性を持たせるのが難しい面も実際ありますので、例えば(2)のエの食育、給食に関する内容をウの健康の中に含めるような形で統合すると、さらに精選に繋がってより取り組みやすくなるのではないかと思いました。
 2つ目は、学級経営の充実、生徒指導との関わりについてです。16ページには、「学級経営の核」であるということ、そういうふうに示していただいて、22ページには、生徒指導の内容で、同様に「核」となるというような示し方をしていただいているものがとてもありがたいと思います。現行の学習指導要領でも、学級活動の充実が学級経営に資するといった表現で書いてありますが、このように書かれていることでより特活の重要性が伝わるのではないかなというふうに思いました。
 また、17ページのところ、子供同士が人間関係を形成し、教師が子供と信頼関係を結ぶことができるようにするというのはこれまでも言われていて、示されているとおりなのですが、まさに基盤であります。その前提として、教師は子供たちを指導するものであるというものも触れていただいているので、教師のあるべき姿、その上でどのように関わりをつくっていくか、そして子供たちも巻き込んだ学級経営の充実というものがどのように進められればよいのかというのが確認しやすくてよいと思いました。
 3つ目は、裁量的な時間についてで、資料で言うと23ページになります。これまでソーシャルスキルトレーニング等に関わって、学活(2)の人間関係についての内容で取り扱うという様子も見られました。ただ、これは、どうしてもソーシャルスキルトレーニングの内容をそのまま学活の授業で行うということが少なからず見られて、学活の学習過程と合わないという課題がありました。それを、裁量的な時間に行って、その上で、関連して学活の(2)の授業で、よりよい人間関係を形成するための意思決定をする授業というものがきちんと展開できるようにすることで、より自己指導能力が高まることに繋がるのではないかなと思いました。
 4つ目は、様々お示しいただきました各地の学校の本日の内容に関わる取組事例についてです。とても勉強になります。ここに紹介していただいているものも、自分の学校で取り入れられるものはないか、また各地の学校で取り入れることができないか、そういったものも検討したいなと思いました。今後も、イメージが湧きやすくなるこのような資料の提示をぜひお願いできたらと思います。
 以上です。本日もありがとうございます。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。挙手いただけるとありがたいです。
 猪原委員、お願いします。
【猪原委員】  猪原です。ありがとうございます。
 御発表くださった委員の皆様、御関係の皆様、ありがとうございます。事務局の資料につきましても、大変整理されていて、非常に理解がしやすい資料となっておりました。
 既に御発言いただいているとおりなのですが、事務局資料の7ページ、学級・ホームルーム活動の内容の構成の見直し後の案ですが、非常に体系的に段階的に分かりやすくまとめられていて、大変価値があると思いました。
 前半の発表の中で共通しているところといたしまして、特に白松委員の資料の15ページにある、学級経営というのはコントロールではない、コントロールすることではないというご指摘が非常に大事で、話合いであるとか、また合意形成というようなことがやはり重視されていくことになると思っております。
 あと、奥住委員から資料の10ページで、多様性・包摂性を尊重してという、そういう文言が何度も出てきておりますが、そこでもやはり話合いというのが必要になると思っております。
 そうしますと、児童・生徒の皆さんの意見表明の機会の確保、あるいは合意形成の機会の確保ということが必要になりまして、やはり時間のかかることですので、それに十分な時間を割くということも必要になって、事務局資料の23ページの最後のところ、裁量的な時間の活用ということがやはり重要になってくるだろうなと思っております。
 意見表明というのが難しい児童生徒の皆さんもいらっしゃると思います。合意形成はそもそも難しいことではあるので、発言、意見表明をしやすくなるような心理的安全性の確保、これは教師ないしは学校の努力すべきところと思いますが、心理的安全性の確保とICTの活用などがうまく繋げられるといいと考えております。
 ありがとうございました。以上です。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 ここで、お時間に制約がおありになるということで、髙島委員、御発言をお願いできますでしょうか。
【髙島委員】  こんにちは。髙島です。御配慮いただきましてありがとうございます。
 ちょうどこの週末に、スタンフォードから来た先生と話していまして、その先生が言っていた話が、日本の小学校の掃除当番ってめちゃくちゃいいねと。そういう意味では、特活がまさに分断していく社会の中ですごく大事だということ、これは1回目の議論でもありましたけれども、本当に大事なんだなと改めて理解をしています。
 一方で、私が小学校のときを思い返すと、掃除って面倒くさいなという思いがやっぱり大きかったなという気もするんですね。そういう意味では、大事なのは何のためにやっているかというのをみんなで理解するということなんじゃないかなと思います。
 今回、私、改めて指導要領のこの部分を見まして、学級活動の内容でここまで細かく示されていたということに正直驚きました。取り上げればいいというものじゃなくて、意義を子供も保護者も含めて理解をした上で実践をするということが大事だと思います。
 その点でも、今回示されているような精選はとにかく大事だと思いますし、論点整理内でも言及がありましたので、ぜひここはこの方向性で進めていただければなと思います。
 あとは、メッセージがすごく大事だと思います。精選は、減らすとか薄くするみたいに見られる可能性もあると思うので、そうじゃなくて、これまでレス・イズ・モアの議論もありましたけれども、より意義を深めるために絞るということを、何でこうしているのかというところまでうまく発信できればなというふうに思います。
 具体的なところが、8ページ、新しい方向性、イの部分だと思うんですが、生命の尊重と青年期の悩みというところです。今回現代的諸課題への対応の一環として、性暴力の防止、そして自殺予防に関することについては本項目で取り扱うと、これは本当に大事だと思います。こういうことをホームルームの中できちんとみんなで話していくということはとても大事だと思いますので、ぜひここは入れ続けていただければなと思っています。
 その2ページ先ですかね、小学校のところがあると思うんですが、学校給食の話をどうするかという議論があると思います。ほかはアイウなので3つにしたほうが分かりやすいなという思いもあるんですが、小学校の給食に関しては、無償化の議論がこの間あって、まさに給食というものの持つ役割、単に栄養補給だけだよねというものではないというところはこれまでずっと議論されてきた話です。
 今回、給食の時間との連携を図りながら、健康や食について考え、行動を見直したり、望ましい食習慣を形成したりするということは、これは、私はある程度入れてもいいのかなというふうに思います。4つというところで、ちょっとずれる部分もあると思うんですが、給食って何のためにあるのかというところをみんなで考えるすごくいいタイミングでもあると思いますので、ぜひそこは、中身、何でこれをやるのかがうまく伝わるとうれしいなというふうに思っています。
 最後、23ページまで少し飛んでいただけますでしょうか。4つ目、「子供の意見表明や合意形成との関係では」というところ、年度途中に児童生徒の問題意識に基づき発議されて変えようといったとき、でも、既に決まっているのでなかなか時間確保できないんですという話は、よく学校現場から聞く話です。ぜひここは、裁量的な時間をうまく活用していただいて、まさに子供が主体的に社会創造を行っていく、そういう場にできればなと思いますので、ぜひここはうまく進めていただければと思います。
 以上です。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 次に、今村委員、お願いいたします。
【今村委員】  発言させていただきます。
 今回の見直しの方向性について、全体の学習指導要領の論点整理で示された子供たちを民主的で持続可能な社会のつくり手と位置付けというところの主体性を重視していくという点にとにかく振っていこうという方針に強く賛同しています。そのためにいろんなことを精選化していかなきゃいけないというところで、様々御議論があったかと思うんですけれども、私からは図書館に関する記述について触れさせていただきたいと思います。
 図書館は、生涯学習や社会教育の観点から重要な位置付けである一方で、既に国語とか、総合的な学習の時間とか、総合探究とか、様々なところで活用が進んでいます。先生方から、どうしても特活の時間が、先ほどの御説明にもありましたけど、「活動あって学びなし」にならないようにというコンセプトは今回とても重要ですので、活動としてどこかとかぶりがあるのであればそこは削っていかなければいけないと。特活の中で図書館利用を位置付けるのであれば、その意義を整理するか、ほかの教科との役割分担をして本来確保すべき時間との関係性を丁寧に検討する必要がある、そのお題にできるところなのではないかなというふうに感じています。これが1点目です。
 もう一つ、発言します。今回の構成案について、形骸化を懸念しています。学級や学校における生活の創造という枠組みは維持されているんですけれども、中身の表現が大きく変わっていないように見えまして、やることはこれまでと同じでよいというふうに受け止められてしまう可能性があるように感じました。
 特に、「生活上の諸課題の解決」という表現なんですけれども、この言葉のままだと、教師が課題を設定して、子供がそれについて話し合うという形になってしまうと、結果として表面的な問題処理にとどまってしまう可能性もあるのではないかなと感じています。
 今回の議論の背景として、生徒指導を問題の対応の時間にするのではなくて、発達的・予防的な営みに戻すという意図があるというふうに理解しました。その中心にあるのが特活であり学級活動であるという整理だと思うので、この点において、前回のワーキングのところで私のほうからプレゼンテーションさせていただいたルールメーキングの取組の中でも、子供たちが自分たちの違和感や問いから出発して、対話を重ねながら合意をつくっていくプロセスそのものが学びであるという実感があるということが各現場で感じられているということをお話ししました。それであれば、ここで行われるべきは問題の解決ではなくて、日常の中で子供自身が問いを持って関係性の中で学び合うことであるはずだと思っています。
 そのために、文言の修正案なんですけれども、「生活上の諸問題の解決」という表現を、「生活上の諸課題の発見と合意形成」といった形に見直すということを提案したいです。問いを立てる主体が子供であるということと、合意形成のプロセスを重視するというところ、この点をそういった表現の修正によって表現できるのかなと思います。
 もう1個だけ、すみません、申し上げたいんですけど、学習指導要領の核としての位置付けなんですが、学級活動の営みは単なる活動ではなくて発達的・予防的な生徒指導、教育課程の中核であるという点がとても重要だと思っているんですけれども、現状では生徒指導が問題の対応に陥りがちなので、本来の学級活動の中でこそ行われるべきものだというところをもっともっと強調していくのが大切だと思います。
 先生方からの事例発表にもあったんですけれども、多様な他者がいれば意見の衝突や葛藤は必ず生まれると。そして、これ自体が学びであるということを大村先生もおっしゃっていましたけれども、どうしても今学校現場がそこを避けようとしているという現実に照らすと、長期で見たときに子供にとってそれこそが学びであるという視点で学級経営のことを取り直していく、今回の全体的な方針をさらに後押ししていくような表現に変えていく必要があると思います。
 以上です。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 では、青木委員、よろしくお願いいたします。
【青木委員】  よろしくお願いいたします。
 まず、4名の先生方の御発表、どうもありがとうございました。そして、事務局の皆様には、資料をまとめいただきまして、感謝申し上げます。端的に分かりやすい内容に整理していただいたと思います。
 何点か意見とか感想とか質問を述べさせていただきます。細かな文言も含めてなんですが、細かな文言調整は今後されると思いますけれども、意見として聞いていただければと思っております。
 まず、学級活動(1)についてです。5ページとなりますが、アイウについては、アは学級の課題、イは組織や役割、ウは学校の課題となって、とてもすっきりしたと思います。
 (1)について、何行かあるところの最後の文章で、「判断する」と書いてあって、この文章を読む限りでは何をどのように判断するという意味なのか、ここの部分だけは分からなかったので教えていただければと思っています。「(1)ウで学校の課題を取り扱う場合にも」のくだりのところです。
 次に、学級活動(2)についてです。8から10ページで、それぞれの校種とも内容がまとめられてすっきり整理されたと思います。その中で、中高のア、小のイの相互理解と尊重というところがあると思うんですけれども、アの内容のタイトルのところで、細かいことなんですが、「相互の理解と尊重、よりよい人間関係」とするほうがよいのではないかなと思いました。「相互」というのは「理解」にも「尊重」にもかかっているので、「の」を入れたほうが人権尊重にも繋がって正確に伝わるなと思いました。「相互理解と尊重」だと、AとBというようにも読めてしまうので、「相互の理解と尊重」のほうがいいかなと思いました。
 それから、その下の狙いに当たる部分なんですかね、「男女の性別」というところで、男女を取って「性別」だけにするほうがよいのではないかと思います。性別を男女に限定しているとも捉えられるかなと思いまして、そのほうがいいかなと思いました。
 それから、「異なる文化」というのもその次にありますけれども、その頭に「国籍や異なる文化」と入れるといいのかなと思いました。なぜかといいますと、多様性の中には国籍も入りますし、特に高等学校はウの国際理解を統合したということもありまして、国内外の文化という意味でいうならば、「国籍や異なる文化」のほうが的確に伝わるのではないかと思った次第です。
 イの中学校、「生命尊重」についてですが、小学校と高等学校は「生命の尊重」となっているんですけど、中学校だけが「生命尊重」となっていて、恐らくこれは一字抜けてしまっただけだと思うんですが、「生命の尊重」というのがよいかと思いました。
 それから、中学校・高等学校の思春期の悩みの狙いになる部分に「悩みや不安」という文言がありますが、私はここに「心や体の」という、現行の学習指導要領の心や体の理解とか、それから悩みへのというようなことを、もし内容的にある程度引き継ぐのであれば「心や体の悩みや不安」というようにしてはいかがかなと思いました。そうつけるほうが、思春期や青年期の悩みや不安を表すというように思ったからです。
 この項目の考え方についてですけれども、これは高等学校を見ていただいたほうがいいかと思うんですが、ここで性暴力だとか自殺予防というのを入れていただくのは中学校・高等学校で非常に大切だと思いますけれども、現代的な諸課題の対応の一環としてというならば、「いじめの防止や不登校・性暴力の防止」というように、いじめの防止や不登校というのをやっぱり入れたほうがよいのではないかなというように思いました。児童生徒にとって、心と体の悩みとして、それは小学校も含めて外せないのではないかなと思った次第です。
 次に、(3)についてです。11から13ページになりますが、アの「学習の調整」という言葉がどうしても一般的に分かりにくいんじゃないかなと。これまでは「学習態度」という言葉だったと思うんですけれども、「学習の調整」というのが少し分かりにくいのではないかなと思いました。私は「学習態度」のほうが分かりやすいのかなと思います。
 学校図書館の活用については、これまで(3)に含まれていることでなくなることに多少違和感もありましたけれども、整理されたなと思いました。特別活動では、解説で取り扱う考え方が示されていますけれども、例えば学校図書館の利用について、特に年度当初などに学級担任だとか学校司書などが学校図書館の活用について学ぶという授業を行っておりまして、そういうのが、例えば特別活動の役割ということであれば、それも解説のほうで明確にしていくといいのではないかなと思いました。
 それから、イのところの「社会参画意識」、これは社会参画という言葉を使うと、3つの柱の社会創造との使い分けというものの疑問が発生するのではないかなというように思いましたので、解説等で何か一定の説明があるといいのかなと。学校や学級、小さな社会と捉えての創造、一般的な社会に対する参画・貢献というようなことかなと私は捉えたんですけれども、そういったような一定の説明が欲しいかなというところでした。
 最後、すごく細かいところで申し訳ないんですが、(3)のウの2行目、「収集する等」、これは漢字だと「トウ」と一般的には読んでしまうので、だから「収集する等しながら」というのは非常に読みにくいかなと思いまして、ここは平仮名の「収集することなどをしながら」とか、「収集するなどしながら」というようにしたほうがいいのかなと思いました。
 学級経営につきましては、大変重要な職務ですので、イメージ図も、それから明確化するということも大変大事なものだと思います。ありがとうございました。
 以上でございます。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 質問が1つありましたので、事務局のほうからお願いします。
【堀川学校教育官】  事務局でございます。5ページの部分、(1)のウの説明についての御質問がございました。こちら、論点としてその背景にございますのが、ウで学校の課題を取り扱う場合にも、学級活動なのだから学級で話合いを行わなければならないという、そういった議論から、文科省が指導を助言する場合にも、例えば半分以上の時間は学級で話合いをすることといった指導をしてきたといった実態がございます。
 そういった中で、半分以上は学級で話合い活動を行うようにといった杓子定規に時間で考えるのではなくて、学級活動として育みたい資質・能力の観点から、どうかということで、学級を超えた、例えば異学年での話合いを行ったり学年での話合いを行っている場合の取扱いについては、指導助言をする、解説をする、そうしたことをしていったらどうかという御趣旨でございます。
 以上でございます。
【青木委員】  ありがとうございました。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 では、二木委員、よろしくお願いいたします。
【二木委員】  二木です。よろしくお願いいたします。私からは、高等学校の部分の見直しが中心になるかと思っております。
 まず、8ページです。今までずっと学級活動で扱われることが広がってきたことを、ここで大きくシンプルに見直してくださったということは、学校現場としては非常に取扱いやすいかなという気がしております。
 学校では、様々な学校経営目標というものを設定して、年ごとに取組内容を決めたりしております。そういった中で、シンプルにしていただくということで、決められた枠の中で、今年はこういったテーマでいこうということを学年もしくは学校で取り扱いやすいかなと、そういう気がしておりますので、シンプル化というところは非常に歓迎したいところだと思っております。
 続いて、11ページです。今村委員も指摘されておりました学校図書館について、ここが非常にシンプルになったというところも歓迎したいと思っております。確かに特別活動としては、生徒会活動として、図書委員会として、図書館をどう活用するか、もしくは読んでいただくためにどういうキャンペーンをというような、そういった活動というところも当然触れられるかと思っておりますが、それ以外のところも、情報収集の場としてほかの教科・科目等も活用するということなので、特別活動だけで扱うものではないというところは非常に賛同したいと思います。
 前半のところで、皆さん委員の方に様々話をしていただいた中で、白松委員の中に含まれていた教師による力点が違うという、力点がばらばらだと学校全体がうまくいかない、そういった事例が多いという話をお聞きして、私も体感としてそのように思っております。そういった意味で、先ほどのシンプルに見直した中で、学校が主体性を持って、テーマを持ってホームルーム活動を運営していくということで、今言ったように力点がある程度そろうというところに期待したいと思っております。
 以上です。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 では、次に、望月委員、よろしくお願いいたします。
【望月委員】  御指名ありがとうございます。日本大学の望月です。
 ほかの委員の方もおっしゃっていたように、学級活動・ホームルーム活動(2)(3)の見直しについて、大枠や方向性をお示しいただきましたけれども、こちらに関しては賛同をいたします。
 私は、大学で教職を希望する学生たちに授業等で向き合っている立場でもありますが、その立場から見てもシンプルで分かりやすく、また学校種を超えた系統性も考慮した上で記述に配慮していただいた案だと考えます。特別活動は、教科等と比べて、大学生にとって指導法がつかみづらいところがあると思いますので、こうした形でシンプルな案を出していただくことは非常にありがたいと考えております。
 その上で、3点ほど申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、1点目ですけれども、今回御説明いただいた内容からも、今回この活動が「核」であったり「軸」であるというような位置付けが強調されていたように感じました。ただ、それだけでは少し漠然としているところもありますので、見直し案の考え方であったり、学習指導要領の解説等でも様々な教育活動との連携といったものを具体的に示してもよいのではないかと思いました。
 例えば、スライドの9ですが、中学校のオの食育という箇所で、「家庭科との連携を図る」という記載があります。このように、例えばですが、ウ、エのような箇所では保健体育の領域に足場をかけてもいいでしょうし、先ほど八並委員からも丁寧に御説明いただきましたけれども、生徒指導との関連を特に意識してもらいたいようなところでは、こうした見直しの中でも「特に」という形で加筆いただいてもいいのではないかと思いました。
 2点目は、今村委員、二木委員も御発言されていたところです。スライドの11になります。12、13も同様かと思いますが、「学校図書館等の活用」に関してです。資料のスライド27によれば、学校図書館等の活用に関しては昭和43年に記載が始まり、それ以降、見直しがされないまま今に至っているようです。図書館の機能も大分変わってきているというか、拡張してきているというところもあり、また子供たちの学びの場としてもいろいろな場が出てきているかと思いますので、今回のスライド11で示されているように、総合や国語と関連づけるというのは現状に合っているのではないかと考えます。
 このように考えると、情報や技術とも関連すると思いますので、こちらについても可能であれば記載をいただいてもいいのかなと思いました。
 そして、3点目ですけれども、スライドの13で案が示されている、「学級活動(3)の見直し」についてです。「将来に向けた自己の成長とキャリア形成」は私の専門でもありますが、次回のワーキンググループの議題に移りましたので簡潔に申し上げさせていただくと、「考え方」に記載されている「接続」という観点は非常に重要だと考えます。小学校、中学校、高校の接続をしっかりと意識して、先ほど髙島委員もおっしゃっていましたけれども、精選していく際にも落としてはいけないと考えます。
 今回、改めて、委員の先生方や事務局の資料から、学級・ホームルーム活動の主体は児童生徒であるということを強く感じました。白松委員からは、生徒が自分軸で自分のライフを自分でプロデュースするというような御紹介もありましたし、八並委員からも学級・ホームルーム活動での児童生徒の自己指導能力の育成というような言葉も出ておりました。
 そのように考えると、小学校、中学校、高校をしっかりと接続し、「何をしたのかだけでなく、子供たちが何を経験して、そこから何を考えて学んだのか」などについて自らの言葉や表現で蓄積していくことはとても大事だと、改めて思いました。
 成果とか知識の習得だけでなく、そこに至るプロセスのようなものも引き継いでいくということ、そしてこれは特別活動ですべきではないかと考えます。もちろん障害のある子供たちなど、多様な子供たちに対しての考慮やサポートは必要であることも申し添えさせていただきます。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 次が、川本委員、よろしくお願いいたします。
【川本委員】  玉川大学の川本でございます。本日も精査された資料を御提示いただき、心より感謝申し上げます。また、御発表いただいた4名の先生方におかれましても、貴重なご示唆をいただき、本当にありがとうございました。私のほうから、今回は主に5ページから7ページを中心とした学級活動に関する点について、意見を述べさせていただきます。
 まず、学級活動(1)について、7ページの箇所ですが、これまで用いられてきた「生活づくりへの参画」という表現は、子供が学級や学校における生活の形成に主体的に関わるという重要な視点を示しており、現場においても広く共有されてきた概念であると認識しています。そのため、これを単純に別の概念へと置き換えることについては、実践との連続性の観点から、丁寧に検討していく必要があると考えています。一方で、創造という方向性は、参画にとどまらず、生活そのものの在り方を問い直し、新たな生活を構想し、つくり出していく視点として重要であると捉えています。したがって、参画を基盤としつつ、その発展として創造へ繋げていく構造として、整理していくことが必要であると受け止めています。 また、「生活上の諸問題の解決」という視点も、これまでの実践において非常に重視されてきた重要な内容であり、子供たちが具体的な課題に向き合いながら合意形成を図るという、特別活動の中核をなすものです。したがって、これを削除するのではなく、問題解決を生活の創造へとつなげるプロセスとして位置付け直すことによって、実践との連続性を保ちつつ、新たな方向性を明確に示すことができるのではないかと考えています。
 続いて、学級活動(2)に関してですが、先ほどの白松委員のお話は大変示唆に富む内容であり、多くの気づきをいただきました。学級活動(2)では、27ページの参考資料にもありますように、昭和43年改訂から平成元年改訂まで存在していた「学級指導」の特徴が、現在の内容にも色濃く残っているように見受けられます。当時は、生活習慣や態度の形成とともに、学び方についても生活指導の一部として、一体的に扱われてきた経緯があります。そのため、現在の内容にもそうした連続性が見られるものと理解しています。
 一方で、その学び方に関しては、現在では学級活動(3)で扱われる内容となっていますし、現代においては、学び方は教科等の中でも体系的に扱われるようになっています。そのため、改めて役割分担を整理する必要があるのではないかと感じています。その上で、学級活動(2)の本来の役割は、個人ベースの民主主義を育成する中核的な領域にあると考えています。すなわち、共通の課題を見いだし、その要因を分析し、解決策を検討し、最終的に一人一人が意思決定を行うという、そのプロセスそのものが本質的な学びであると捉える必要があります。
 しかしながら、現状においては、生命の尊重、心身の健康と安全、食育に関することを含め、こうしたプロセスが十分に意識化されないまま、生活指導的な内容が形式的に扱われることによって、その意義自体が形骸化してしまう可能性もあるのではないかと思います。したがって、今後の改善においては、従来の生活指導的側面との関係を整理しつつ、共通課題の発見から分析、解決策の検討、そして個人の意思決定に至るまでのプロセスを重視する領域として再構成していくことが求められるのではないでしょうか。
 最後に、学級活動(3)についてですが、今村委員、二木委員、望月委員からもご指摘がありました「主体的な学習態度の形成と学校図書館等の活用」については、その重要性自体を否定するものではなく、むしろ教育全体の中で一層重視されている内容であると認識しています。学校図書館の活用が特別活動に位置付けられてきた背景には、かつてそれが単なる学習手段ではなく、自主的に学ぶ態度や文化的な生活を営む力といった生活指導的な意味合いを持っていたことがあると考えられます。また、社会教育との接続という観点からも、その意義は大きかったものと理解しています。
 一方で、現在では、先ほども申し上げたとおり、情報活用能力や探究的な学びが教科等において体系的に位置付けられており、学校図書館の活用は、主として学習活動の中で扱われる側面が強くなってきます。さらに、今回の改訂においては、特別活動の役割として、対話や協働を通して納得解を形成することや、多様な他者と関わりながら社会を創造していく力の育成といった観点が、これまで以上に重視されていると受け止めています。こうした方向性を踏まえますと、内容の精選という観点からは、特別活動においては、その本質的な役割により焦点を当て、教科等との役割分担を明確にしていくことが重要であると考えます。
 その意味で、学校図書館等の活用に関する内容については、その教育的価値を十分に認めつつも、主として教科等において扱うものとして整理し、特別活動においては、関係性の中での意思決定や役割の発揮、さらには社会参画、社会創造に関わる内容に重点化していくということが考えられるのではないでしょうか。これは、決して図書館利用を軽視するということではなく、その価値をより適切な領域において位置付け直すものであり、結果として、特別活動と教科等の双方の役割を明確にすることにつながるものと考えています。
 以上です
【恒吉主査】  ありがとうございます。
 それでは、次に、秦委員、お願いしたいのですけれども。
【秦委員】  ありがとうございます。皆さんと本当に同じ意見を持っている部分が多いんですけれども、事務局資料の6ページ、7ページ、これを2つ見たときに、非常にすっきりしたなという印象を持ちました。こんなふうに文言を精選していただいて、現場が分かりやすくしていただいたというのは非常にありがたいなと思います。
 中学校のほうを私は中心に述べさせていただくと、9ページ、ここもアとイを統合して、いろんな仲間との考え方とか、それから生き方なんかを理解していくということで、男女に関わらず、それから特別支援のところとも関係が深いと思うんですが、障害のあるなしであるとかというところら辺をまとめていただいたというのは、非常にここは道徳との関連なんかもやっていけるんじゃないかなというふうに思います。
 それから、同じページの学校給食と食育というところも、今までは、オの文章のところを見ますと、「給食の時間を中心としながら」というところを、「給食の時間との連携を図りながら」に文言を変えていただいている。というところで、業務にかかる3分類のところも、給食は教師の業務だけれども少し軽減できるんじゃないかというような御提案がされているところですので、そこら辺も「中心」と「連携」というふうに言葉は変わりましたが、栄養教諭とのティームティーチングなんかも食育の一環として学級活動の中でやっていく中で、給食だから担任というんじゃなくて、栄養教諭さんがどちらかというと授業の主担当になって食育の学級活動を行うという。そこら辺の授業の在り方なんかも、今まで以上に栄養教諭さんの出番といいますか、活躍を期待できるところかなというふうに思いましたので、こういうふうに直していただけるというのもいいなと思って見ておりました。
 それから、学校図書館の話題もたくさん出てきたかと思うんですけれども、キャリア教育とも関わるのかもしれませんが、学校図書館でこそ、いろんな活動を、これは学活だけにとどまらずいろんなところだと思うんですけれども、主体的・対話的で深い学びというものの中に、先人との対話といいますか、そういう部分も私は対話的な学びの中に入っていけると思います。ですので、もちろんインターネット等でも調べられるんですが、先人との対話というのは、学校図書館に限らず本から学ぶ、先人がどんな考え方をしたのか、どんなふうにいろんなことをやってきたのかというところも本から学べることが非常に多いかと思うので、精選で学校図書館等の活用という言葉自体はなくなるけれども、先人との対話という部分は何かしらの形で残していただけるとありがたいなと思っています。
 学級経営に関しても、4人の先生方から御提案等がありまして、非常に勉強になりました。ありがとうございました。
 以上です。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 皆様、とても時間を守ってくださって、実は最後の御発表の方々からのレスポンスと、主査代理からのコメントの前に、すごく皆さん急いでくださいましたので、何か追加コメントないし御発表された方の内容を受けてまたコメントがあるという方がいらっしゃいましたら、15分ぐらい余裕ありますので、ぜひ画面で挙手していただいて発言いただければと思います。
 大村委員、お願いいたします。
【大村委員】  それでは、2点、今日文科省から提案していただいたものについて感じたことをお話しさせていただきます。
 皆さんがおっしゃられていたことの重複になって申し訳ないんですが、7ページから13ページ目については、内容の再整理がとてもすっきりしていて非常にいいんじゃないかなと思いました。文言を省略したりすっきりさせたりした部分については、スリム化という意味と包含という意味の2つが多分入っていると思っていて、ここはなくしたわけではないけど包含したものですとか、ここはこれと一体化して考えましたということが分かるようにすれば十分伝わるし、すっきりしていてとてもいい方向ではないかなと思いました。
 一方で、同時に、スリム化というか、すっきりしたとはいえ、現場の先生方の現実を考えたときに、正直なところ35時間でどこまで充実できるかというのはまだ難しい面もあるだろうなと思います。
 例えば、特活にこだわっている先生方にたくさん出会ってきましたが、正直なところ35時間以上使っているだろうなというのに出会うことがたくさんあるというのが現実なんですね。別にそれを悪いと思っているわけではなくて、うまくほかの時間とすり合わせながらされているんですけど、つまりは35時間以上使っていたりとか、あと内容の取扱いの比重にかなり差があったりというのがあるのが、現実として、すごくこだわっている先生でもそういう状況があるということをよく話してくださいます。
 なので、例えば徹底的に話し合うためにもう少し時間を取ろうとか、1時間の予定だったけど2時間にしようというのはもう現実的に行われている。さらに、ソーシャルスキルトレーニングなども含めて、今まで時間を曖昧にしていた部分について、裁量的な時間の有効活用が重要になってくるだろうと思いますし、これらの内容について学校の実態に応じて軽重をつけるようにすることへの言及があってもいいのではないかなと個人的には思っています。だから、35時間の中で、子供の実態に応じて、ここはちょっとこの学校、この学級では重視をした、この部分はその分簡略化したということがある程度できるようにというようなメッセージがあってもよいのではないかなと思いました。むしろ充実のためにはそこを柔軟にさせてあげないと、先生方は結局全部やらないといけないけど、全部充実するというのは現実的な難しさがあるのではないかなと思ったのが1点目です。
 2点目ですが、16ページの学級経営との関連についてのところです。「最も基礎的な生活コミュニティである学級における「生活づくり」等を内容とする学級活動は」とあって、「学級経営の核」であることを明確化してはどうかというふうな表現、これは恐らくいろいろ悩まれたんだろうなと思って、「核」とか「要」とか「中心」とか、いろんな表現がある中で検討された結果で今「核」という言葉を使われているんだろうと思います。お察しします。
 私は「核」でも構わないと思うし、いろんな表現を検討されてこの後決めていただいたらいいと思うんですが、一個だけ気をつけておいたほうがいいかなと思ったのは、特別活動は領域としてきちんと目標・内容が位置付けられている領域なので、学級経営の充実自体が目的と捉えられないようにというのは十分気をつける必要があるかなと思いました。あくまで学級経営の充実に深く関与しながら、子供がこのように今を充実し未来に繋がる資質・能力が育まれていくんだという述べ方のほうが誤解がなくてよいのかなと思いました。
 いずれにしても、現場の先生方は、本気でやろうとすると時間がかかるというのがどうしてもついて回るので、その辺りを、裁量とか、あるいは軽重をつけるとかということによって充実させていってほしいということをメッセージとして発信していくことは、現場の先生方の充実にも繋がるし、安心にも繋がるのかなと思いました。
 以上になります。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 御発表の方、もし追加をされたい方がいらしたらお願いしたいと思います。
 ございませんでしたらば、京免委員、お願いいたします。
【京免委員】  京免でございます。まずは、丁寧な資料を用意していただいた事務局の方々及び貴重な報告をいただきました委員の方々に御礼を申し上げたいと思います。非常に多くのことを考えさせられましたので、そのことも踏まえながら少し意見あるいは提案のほうをさせていただけたらと思っています。
 まず、学級活動の内容に関する整理についてです。事務局資料の7ページのところになります。こちらですけれども、小中高を通して系統的に特別活動で目指す資質・能力を育てていくということが非常に重要であると思います。その点で、今回、(1)から(3)の内容というものがきちんと整理されて、対応関係が明確になったということは非常に意義があることだと思っています。
 そのことを前提として幾つか御提案ですけれども、まず1点目、(1)のアところについて、こちらは今村委員のほうから「諸問題の解決」はどうなのかというような御意見があったかと思いますが、今回の提案では「生活づくりへの参画」という表現で修正が図られているところかと思います。その意図するところは、おそらく今村委員と同じで、子供たち自身が問題を見つけて合意形成をしていくということ、そしてそれをつくり出していくということを指して「生活づくり」と言っていると認識しています。合意形成という文言も重要ではあるんですけれども、これはア、イ、ウ全てに関わっていることなので、アの中だけに入れるというのはなかなか難しいところもあるのかなということを感じた次第です。
 一方で、川本委員から御発言がありましたけれども、「生活づくり」という言葉自体は重要なものでありますので、ここに入れておくことには意味があると考えた次第です。
 続いてですけれども、(2)の内容についてですが、まずアのところです。現在は、「相互理解と尊重、よりよい人間関係の形成」となっているわけですけれども、これだと現行とあまり変わっていないように見えるのかなといったことが少し気になったところではあります。
 しかし、実際に見ますと、例えば高校で言いますと、現行版のイとウの内容というのも包含されています。多様な人間性、あるいは性、文化を理解し合って共生していくという、そういう内容になっています。そうであるならば、もう少しそういったところが含まれるように、例えば「人間関係と共生」といったような見出しでもいいのかなということを考えました。
 また、先ほど奥住主査代理から特別支援教育ワーキンググループでの議論に関する御発表もいただきましたけれども、特別支援教育との関係において、多様性・包摂性を考慮した生活づくりの核を学活が担って、それを(2)で具体化していくということであれば、なおさら「共生」という用語を見出しに示すことでそれを強調できるんじゃないかということを考えた次第です。
 ここで言う「共生」というのは、先ほど大村委員の御発表にもありましたけれども、その場でお互いに尊重して環境をつくるということだけではなくて、生涯にわたっていろんな人と関わり合って尊重して生きていく資質・能力をつけるんだ、そういったところを強調する意味でも「共生」という言葉を使えないかということを提案したいと思います。
 続けて、8ページで(2)のアのところの内容の記述になります。青木委員から発言があったところと全く同じところになります。「男女の性別」とありますけれども、「男女」をつける必要があるのかということです。性的少数者と言われる人たちが13人に1人いるということを考えると、「男女」をつけるということで、かえって学級活動の時間が包摂ではなく排除の時間になってしまうおそれもあるんじゃないか、このように考えました。そうではなく、(2)のアというのは、性の多様性を理解して、ALLYを増やしていって、そして共生していく、そういった時間になってほしいなと思うところですので、御検討いただけたらと思います。
 続いて(3)のところです。7ページのところになりますけれども、内容の順序について既に事務局から説明があったとおりで、半分納得する部分もあるんですが、もう一度少し投げ返してみたいと思います。
 私自身は、ア、イ、ウについて、特に実施の順序性とか重要度によって順位化しているものではないというふうに認識をしています。そうであるとしたら、より対応関係が明確になるように、例えば小学校の順序について、いわゆる御提案にあるところのアというのを最後に持ってきて対応関係を明確にするというのもあり得るのかなということを思いました。そうすることによって、いわゆる学びについて見通しを持って振り返っていく活動が「ア」として小中高で一貫することによって、接続が見えてくるのかなと、そう考えた次第です。
 なお、ここで言う学びというのは、狭い意味での教科の学習のことではなくて、学校で学ぶことそのものだというふうに認識をしているところです。
 続きまして、次のところ、学級経営、そして生徒指導、特別支援教育との関連性については、先生方の発表を通して非常により理解が深まったところです。白松委員、あるいは大村委員、八並委員の御発表にもあったとおりですけれども、学級経営も生徒指導もこれまで「教師」を主語に行われてきており、教師の責任はもちろん変わらないんですけれども、いかにそこに子供たちを巻き込んでいくか、参画させていくかが課題となっており、そのとき特別活動が重要な役割を果たすことが今回の提案でより明確化されたと感じました。
 最後になります。23ページのところです。裁量的な時間との連携についてです。
 裁量的な時間ですけれども、特別活動と関連づけながら積極的に使っていただくというようなことがぜひメッセージとして出せたらということを考えているところです。
 そういった観点から言いますと、現在の提案だと、「特別活動において実施する活動との間の役割分担や連携を図り」という表現になっています。「役割分担」と言ってしまうと、特別活動とは別個に「ソーシャルスキルの育成」などに資する学習があるというふうに読み取られかねないので、ここは「連携」だけでもいいのではないかと考えました。もちろんその下の米印にありますように、裁量の時間と特別活動の時間はイコールではありませんし、特別活動ですべきことは特別活動の時間でやることが原則ではあるんですけれども、そうは言っても、例えば子供の意思決定に繋がらないようなSSTというのはほとんど意味がないと私は思いますので、そういう意味では積極的に関連を図っていただけるようにメッセージで強調してもいいのかなと考えました。
 以上になります。ありがとうございました。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 私の説明がうまく伝わらずすみませんでした。実は、この後に、発表された委員の方々の本日の皆様のコメントを受けてのコメントの時間があります。私の不手際でどうもすみません。
 この後、八並委員、白松委員、先ほど御発表された内容ではない何か発表に対しての短いコメントがもしございましたら――短くなくても大丈夫かもしれません、もしよろしければ、八並委員、お願いできますでしょうか。
【八並委員】  生徒指導という立場からお話しさせていただきました。特に、今回、先ほど申し上げたように、「生徒指導提要」は、学習指導要領と併置の関係です。京免委員がくしくも言われたように、主語は子供です。子供がいかに主体的に自己を成長・発達させていくかという、そこに視点が置かれています。
 ただ、今のいじめに関しても、皆さんが思われているレベルではありません。大人がやる全ての犯罪行為を、子供たちがやるわけです。場合によっては、小学校中学年ぐらいから、わいせつ事案もあります。いじめ重大事態が起きれば、特別活動どころではなくなります。学校自体が崩壊します。その意味では、生徒指導の諸課題の未然防止を含むプロアクティブな生徒指導が非常に大事になります。
 今回、特に、事務局案にも反映していただいた発達支持的生徒指導が大切になります。白松委員からもあったとおり、例えばOECDのティーチャー・エージェンシーの考え方とオーバーラップします。その点も、考慮していただければと思います。
 また、情緒的でアカデミックじゃないと思われるかもしれませんが、やはり子供たちの感動体験の重要性です。例えば、35時間中1時間でも感動のある授業がなされれば、個と集団の変容に爆発的な影響力を与えます。私は、80年代の非常に学校や子供たちが大荒れのとき、特別活動を中心に教育困難校が立ちなおるという実践を見てきました。そのため、1時間の持つ授業の重みを大切にしていただけないかと思います。
 また、全国の学校を視察すると、静かなる学級崩壊が進んでいると思います。タブレットも使っている、子供も教室から出ていかない、では、本当に全員参加の授業かというと、そうではないように見えてしまう。特に、授業のストーリー性や授業の中での子供の喜怒哀楽が希薄な気がします。授業の中で子供も教師も笑う、泣く、考える、怒る、そういう授業がなかなか見受けられない。特に、学校の先生方の年齢層が大きく変わってきているので、若手教員の特別活動を捉え方は課題かなと思います。
 最後に、皆さんに強調したいのは、相手を知らずして授業ができますかということです。現代の子供たちは、特性、生育歴、家庭環境、性自認、国籍などもまさに多様です。その多様性をまず学年の初期段階である程度把握しなければ、授業展開も学級・ホームルーム経営も極めて難しいわけです。
 現行の学習指導要領は、生徒指導の充実で「児童・生徒の理解を深め」と書かれています。記載可能であれば、児童生徒理解を深め、特別活動や学級活動をやりましょう、という文言を入れていただけるとよいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【恒吉主査】  いろいろありがとうございました。
 そういたしましたら、次、白松委員、御発表されて、コメントないし事務局に対して何かございましたよろしくお願いします。
【白松委員】  お世話になります。八並委員が今おっしゃられた静かなる学級崩壊という概念はとても大切だと思っていまして、大村委員がおっしゃられるような教育としての学級経営の機能というのを考えるか。いわゆる未来に繋がる資質・能力の育成として考える場合はいいんですけれども、問題が起こらないというようなことを捉えてしまったときに、要は授業中、私たちもそうだったかもしれないけど、先生の授業を聞いているふりをする能力だけを身につけさせるというような学級経営になって問題が生じていないという場合は非常に大きな問題があると思っています。
 そういう点、特別活動自体が形骸化しない、学級経営も形骸化しないようにという御指摘に、八並委員が言われた児童理解・生徒理解というのは、私はとても大切だと思っています。特に、子供たちが持ち込んでくる文化的背景が多様であるということを想定して実践されている先生がどれぐらいおられるだろうかという点を考えたときに、どこかで、私も生徒指導との関連ということを、特別活動が意識する上では、児童理解・生徒理解の重要性というのを解説等でしっかり書き込む必要があるんじゃないかと思っています。特に、それは、奥住委員がおっしゃられたように、いわゆる多様性と包摂性ということが今回の学習指導要領の方向性として重要な点ですので、それを踏まえた記載というのがかなり強調される必要があるなというのを聞きながら思っておりました。
 あと、私が、全体的なものとしては3点ほど今日まとめとしては感じていたことだったんですけれども、1点目は、特別活動が教育課程を通じた深い学びの実装や多様性の包摂に対して、学級・ホームルームの基盤を通じて寄与するということと、それは民主的で持続的な社会のつくり手の育成を目指して行っていくということが非常に重要な整理だったかなというふうに思っております。その目的に向かって、学級経営、生徒指導、特別支援教育との関連を踏まえて学級活動の内容をリバランスし、その実現可能性を高めるという、その上で今回はすごくいい整理がなされたのではないかなと感じました。
 また、7ページにありますように、学級活動(2)の柱のスリム化というのは、学校の実態に応じて、八並委員の報告にもありましたが、発達支持的生徒指導や課題未然防止教育の理念を浸透させやすくできるのではないかということを感じたということ。また、奥住委員が指摘されるような文化的な多様性を包含した形で学級活動の実践例や実践の方向性を示していきやすくなるというポイントにもなるかなと思いました。ただ、実践の方向性をどうやって示すかというのは非常に重要な課題かなというふうに思っております。
 あと、川本委員が強く指摘されていますけど、学級活動(2)に関して言うと、一斉で題材を提供して意思決定をしていくというところの中に、一斉で提供することによる形骸化が起こらないような指導上の工夫というのは今後さらに留意する必要があると思いました。
 あと、もう1点は、実践を見ていて、意思決定のプロセスの重要性は自己指導能力の育成に重要ということを私は話しているんですけれども、一方、子供たちは、「目標を決めて振り返る」が過剰になると、振り返り疲れを起こしているという特活もたまに見ているんですね。私も、大学で学生たちに精査で振り返らせるんですけど、振り返らせば振り返らせるほど意欲が出ていく振り返りになればいいんですが、疲れていく振り返りになってはいけないと思いますので、この辺のバランス感覚というのもすごく研修等で大切なポイントかなと思っています。
 あと、3番で、二木委員もおっしゃられたんですけれども、学級経営、生徒指導、特別支援の核という表現は、カリキュラム特性を生かす上でもとても大切な表現だったと思うんですが、一方、教師の集団エージェンシーや児童生徒との共同エージェンシーが発揮できて初めてそれに意味を持ってくるということだと思います。そういう意味でいけば、学校経営上の工夫というのがとても大切になってくるので、この点も解説等で強調していく必要があるかなというふうに思いました。
 あと、最後1点は、細かいところなんですけど、8ページにありますように、「青年期の悩みや課題とその解決」の考え方のところで、「性暴力の防止、自殺予防」というのは髙島委員がおっしゃられたようにとても重要な教育課題だと思いますし、取り組む必要があると思っています。ただ、この表現で見たときに、性暴力を防止する、自殺を予防するカリキュラムをしなきゃいけないというふうに先生方が考えたとき、少しこういった性暴力とか自殺に関するリスクが予想される高校においては、先生方が非常に重く受け止めて難しい印象を持たないかというのもちょっと気になったところではあります。
 その一つとしては、この方向性について私は賛同しているんですけれども、例えば「性暴力の防止や自殺予防の啓発に関することについては本項目で取り扱う」という表現にすると、なお学校が取り組みやすくなって、学校現場全体で啓発教育を受けながら教師の側も意識を変えていくとか、そういうふうなものになるのではないかなとちょっと思いました。これは、非常に微妙な表現の問題で、どちらがいいか私も決めかねているんですけど、気になった点として最後付け加えさせていただければと思いました。
 私のほうからは以上です。
【恒吉主査】  ありがとうございました。
 最後に、大村委員、先ほどは私の伝える能力が低くて、先にお話しになってしまいましたけれども、テクニカルなことが多かったので、もし御発表に関するコメントとか、付け加えるものがございましたらどうぞよろしくお願いします。
【大村委員】  先ほど述べさせていただきましたので大丈夫です。
【恒吉主査】  よろしいですか。ありがとうございます。
 今日は、特別活動の中でもとても軸になるものの一つの学級活動を中心に考えてきて、私は教育の国際比較とかが専門ですので、いろいろ海外のこととかも連想しながら、実は特別活動に、今日議論したような議論というのは必ずしも限定されるものではなくて、私もよく教育について、アメリカとかですごく議論されていたので、要するに教育の役割というのは何だと考えたときに、一つはもちろんその時々の、あるいはちょっと未来の要請に応えていく。これは、保護者とかがすごく分かりやすいんですね。例えば、ICTがすごく活発にあれする、AIが出てくる、だから知らなきゃいけないと、こういうようなのはすごく分かりやすいわけですね。ただ、教育者として教育に立ち向かうときには、それだけではない。それだけですと、アメリカで議論になったときに、国際学力テストで順位を上げるとか、そういう話になりやすいわけですね。そうではなくて、教育というのはビジョンを立てて、将来目指すべき社会とか世界のビジョンを立てて、それに向かってまさに社会創造、世界創造していく担い手をつくっていくという面がある。今回は、民主主義の言葉だとか、そして社会創造という言葉が入ったりして、そうした面がすごく見えるようになっているんじゃないかと思います。
 日本の特別活動というのは、発表の中でも出てきたように、非認知的な能力も含めた子供全体の能力を捉えたり、あるいはカリキュラムの中に位置付けられているために時間があるというような、それだけじゃないですけど、いろいろな強さがあって、まさに狭い意味での勉強だけじゃない、学力だけじゃない部分というもの、多様性の包摂だとか、そういうものを対応し得るものであるという、それがすごく日本の教育の強さであると思うんですね。そういったところをまさに生かして、社会創造の部分も担い手を育成できればという願いが多分ここにも表れていると思うんですが、先ほど申し上げたように、その部分ですよね。
 要するに、現実的な要請に応えるというのは、保護者とかはすごく分かりやすいんですね。ところが、ビジョンとか、あとビジョンが特にはっきりしていない上に共有されていないとか、そういうことになりますと、それに向かった民主主義の言葉とか、そういうものが、言葉として出てきても浮いていくという、保護者の信頼とかサポートを得られないという。そして、多くの社会で、例えば受験体制とかがある社会でもって、そういった改革を入れようとするときに、どうしても現実のニーズ、点数を取らなきゃいけないとか、そういうニーズに押されていく姿を何度となく見てきた。もちろん現実の仕組みがそうなっている以上それに対応できないといけないんですけれども、同時にどうやってビジョンというか、社会創造の部分ですね、民主主義とか、そういった理念的なところを入れていくかというのはすごく大きな課題になっていて、教師のやりがいとも関連してすごく議論がされていたので、そういったことを今日は思い出しました。まさに教師のやりがいが、国際学力テストの点数を上げることだけでは教育の役割も矮小化されていくということで、今日はそれを思い出しました。
 とても、実りある議論が今日はできたと思います。皆様、時間を気にされてくださったので、ちょっと早めに終わるという画期的なことが起きました。ちょっと早く授業が終わった学生の喜びを思い出していただいて、本日の議事は以上とさせていただきます。
 最後に、次回以降の予定について、事務局よりお願いいたします。
【堀川学校教育官】  事務局でございます。次回の開催の日程につきましては、正式に後日御連絡をさせていただきます。
 以上でございます。
【恒吉主査】  では、以上をもちまして閉会といたします。ありがとうございました。

 
―― 了 ――

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