令和7年12月15日(月曜日)13時00分~15時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【恒吉主査】 定刻となりましたので、ただいまから、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会特別活動ワーキンググループを開催いたします。
本日は、大変御多忙の中、御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、進行資料としてお配りしている流れに基づき議事を進めますので、委員の皆様におかれましては、適宜御参照ください。
それでは、事務局より、会議の留意事項を御説明願います。
【堀川学校教育官】 事務局でございます。本ワーキンググループは、WEB会議と対面を組み合わせた方式で開催をしております。御発言の際は挙手ボタンを押していただき、ミュートを解除してから御発言を願います。また、御発言が終わりましたら、再度ミュートにしていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
事務局からの説明は、以上でございます。
【恒吉主査】 ありがとうございました。
議題に入る前に、第1回、第2回の本ワーキンググループにおいて、御出席がかなわず、御挨拶をいただけないままとなってしまいました、猪原健弘委員より、御挨拶も兼ねて御発言をいただきたいと思いますので、猪原委員、よろしくお願いいたします。
【猪原委員】 御紹介くださいまして、ありがとうございます。音声届いていますでしょうか。東京科学大学のリベラルアーツ研究教育院に所属しております、猪原健弘と申します。第1回と第2回のワーキンググループは本務の都合により欠席となりましたので、周回遅れ気味なんですけども、頑張って議論に追いつきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
簡単な自己紹介と、少し遡る形になりますが、論点整理の資料の中で検討を深めたい点について述べさせていただきます。まず、自己紹介ですが、現在の私の所属の東京科学大学は昨年、東工大と医科歯科大の統合によって生まれました。私は東工大側にいたものです。私の学問的なバックグラウンドは、もともとは学士課程で東工大の理学部数学科で純粋数学の基礎を学んでおりました。大学院入学後に、数学を使って意思決定理論とか合意形成学、あるいは、紛争解決論、社会ネットワーク理論等の研究を始めまして、現在もこれらについての研究教育をしております。
ワーキンググループの検討内容と最も関係がある合意形成につきまして、2011年にほかの12名の先生方と一緒に合意形成学というタイトルの書籍を出版させていただきまして、その後も合意形成についての教育研究を進めております。今回、このワーキンググループに参加させていただけておりますのは、合意形成についての文脈での貢献を期待されてのことではないかと認識しております。もちろんほかの意思決定や紛争解決、社会ネットワークの理論の側面での貢献もできるのではないかと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
論点整理の資料につきまして、議論を深められればと考えておりますことが2点あります。資料は共有しませんが、まず、1点目は、6ページ目にある文言で、納得解の形成とか安易な多数決の回避、少数意見の吟味などの用語や意味、あるいは、その教育実践の仕方について考えていければなと思っています。これらについては、先ほど自己紹介の中で触れました社会的選択理論であるとか集団意思決定理論というのが、理論名で言うとそういうふうになるんですが、あるいは社会ネットワーク理論、そして合意形成学にいろいろと蓄積がございますので、それらを児童生徒の皆さんや先生方に御活用いただけるようにできるといいのではないかと考えております。また、意見表明であるとか合意形成を進めるに当たって重要となります心理的安全性の確保のために、デジタル学習基盤、あるいはクラウド環境といったものの整備と活用も有効なのではないかと考えております。
2点目ですが、論点整理の101ページから103ページの子供の主体的な社会参画に関することになります。ここではクラウド環境の活用であるとか意見の可視化、少数意見の吟味、及び3つの機会、意見表明の機会、合意形成の機会、参画の機会の充実などが触れられております。指導技術が未成熟であるとか、地域社会の受皿の不足なども指摘されておりまして、これらについても合意形成学等の蓄積の活用やクラウドツールの開発、利用などを通じて、教員の皆様の指導技術向上や地域社会の受皿の確保に繋げられることができるのではないかと考えております。
以上、これから頑張って追いつきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【恒吉主査】 猪原委員、ありがとうございました。
それでは、議題1に移ります。特別活動に関する目標・内容の構造化などについて、事務局より説明をお願いいたします。
【堀川学校教育官】 事務局でございます。そうしましたら資料を御覧ください。特別活動に関する目標・内容の構造化等について(2)ということで、こちらの資料に基づきまして、事務局より御説明を申し上げます。
まず、1番、目標・内容の構造化についてでございます。こちらにつきましては、前回この資料で、画面表示させていただいている資料の中のブルーの部分、検討項目1、目標の柱書き及び検討項目2、見方・考え方について御議論をいただいたところでございます。本日はここでの御議論を踏まえた修正案とともに、赤字の部分、検討項目丸3、内容の表形式化の具体的な形式、検討項目丸4、資質・能力の柱ごとの目標、検討項目丸5、高次の資質・能力、これらについて御議論をいただければと考えております。
まず、検討項目丸1、前回資料の修正、目標の柱書きでございます。こちらにつきましては、前回の御議論の中で「民主主義」という言葉を目標の柱書きとしてしっかりと位置付けるべきという御議論を複数の委員の皆様から御意見をいただきました。そうしたことを踏まえた修正案、1ポツでございますけれども、改善に関わる論点整理の記載を用いて、「確かな民主主義や共生社会の担い手として求められる、よりよい社会を形成しようとする資質・能力について」ということで修正を施しております。
次に、検討項目丸2、見方・考え方についてでございます。こちらにつきましては、前回配付資料を投影させていただいておりますけれども、「人間関係形成」、「社会参画」、「自己実現」というこれまでの三つの視点を踏襲する形で、それを少し構造化した資料をお示しさせていただきましたところ、複数の委員の先生方から、例えば、自己実現と社会参画、ここが同列に扱われていることに対して違和感があるとの御意見、また、人間関係形成が、社会参画や自己実現に対する平面的な基盤と整理されていることに対して違和感があるといったことを含め、様々な御議論をいただきました。そうした御議論を踏まえまして、修正案を御準備させていただいたのがこちらでございまして、「人間関係形成、社会創造、自己実現」という3つの柱として、「社会参画」を「社会創造」というように修正をし、また、人間関係形成の部分も平面的な基盤ということではなくて、往還する関係としてお示しをさせていただいておるところでございます。それに伴って、少し修正の趣旨を含めまして、中身についても追記をしておりますので、御説明をさせていただきます。
まず、人間関係形成の部分でございますけれども、学校という身近な社会において子供たち一人一人が主体的によりよい人間関係を形成していくという視点として、具体的には安心して意見を表明したり失敗したりできる心理的安全性の確保等が、コミュニティの合意形成、個人の意思決定のみならず、各教科等における協働的な学びの基盤としての役割を果たしていくということ、一方で、社会創造や自己実現の視点を有する様々な活動を通じて、人間関係についても往還的に高まっていくということ。その上で、ここで言う、人間関係形成とは同調的な人間関係ではなくて、多様性を個人及び社会の力に変えていく視点を含むものであるという留意点をお示しさせていただきました。
次に、「社会参画」を「社会創造」と変えた左上の部分でございますけれども、子供たち一人一人が学級や学校という身近な社会の形成者として、合意形成を図るプロセスを通じてよりよい社会を創造していくという視点、このことが社会のウェルビーイングを子供たち自身の力で実現をしていくということに繋がること、そして、自己実現の観点と往還的に高まっていくということを記載させていただいております。「参画」を「創造」というように言葉を変えた意味、趣旨についてでございますけれども、一つには、民主的で持続可能な社会の創り手の育成ということが、今回の改訂全体にとって極めて重要な考え方として論点整理で示されている中で、そのことに特別活動がしっかりと役割を果たしていくということを明確化できるのではないかというのが1点。もう1点には教育振興基本計画――こちら、35ページに参考資料をつけさせていただいておりますので、御覧をいただければと思いますけれども――、こちらにおいても、個人と社会のウェルビーイングの実現という2040年以降を見据えた形でということでまとめられておりますけれども、個人と社会のウェルビーイングの実現ということが基本計画の考え方として何度も出てくるところでございます。こうした考え方とも整合する形で、特別活動の考え方についても整理ができるのではないかというのが、もう1点でございます。
8ページに戻らせていただきます。その上で右上、自己実現の視点につきましては、子供たち一人一人が自己の生活上の課題と向き合い、その解決に向けて主体的に意思決定を行うプロセス、これを通じて自己の生き方や在り方に繋げていくという視点でございます。このことは個人のウェルビーイングを子供たち自身の力で実現していくことに繋がる、そして、社会創造の視点と往還的に高まることなどをお示しさせていただいております。このように修正をすることで、前回の議論でいただきました社会創造と社会参加と自己実現が並列で語られることに対する違和感、そういったものを解消するとともに、議論を昨今の議論と合わせるような形でアップデートをさせていただいたというものでございます。
次に、丸2、見方・考え方でございますけれども、こちらは先ほどの三つの視点の見直し、これを踏まえて、「社会参画」の部分を「社会創造」という言葉に置き換えさせていただいております。
次に、内容の表形式化の具体的な形式でございます。こちらにつきましては、まず、議論の前提ということで、左上部分でございますけれども、総則・評価特別部会におきましては、並列パターン、並行パターンという2つのパターンを示した上で、現行でも知識・技能、思考力・判断力・表現力等、それぞれごとに内容を示していない特別活動等における内容の示し方は各ワーキングでしっかりと検討してほしいということで示されているところでございます。前回改訂時の議論、左下でございます。前回改訂時には、目標につきましては、資質・能力の三つの柱に沿って整理をした一方で、内容については、この柱に沿った整理を行っていないというところでございます。また、特別活動の特質として、学習集団の形成、深い学びへの寄与、学級・学校文化の形成への寄与といった教育課程上の役割があることが整理をされているところでございます。その上で、具体的論点の(案)ということで右側でございますけれども、特活の目標において三つの柱に分けて規定をした意義としては、「観点別評価により、学習状況を分析的に捉えることができること」、また、「目標準拠評価を通じて、指導と評価の一体化を図ることができること」等が挙げられる中で、その上で、目標につきましては現行でもそのようにしているように、分けて観念ができますので、引き続き「知識・技能と思考力・判断力・表現力等を分けて示すことが考えられる」のではないかということ。また、内容につきましては、引き続き、すなわち現行通り、「知識・技能を思考力・判断力・表現力等と独立して示さないことが適当と考えられる」とした上で、その理由について3点、以下に書かせていただいております。
チェックの1つ目、確かな民主主義の担い手の育成や共生社会の実現に向けた基盤を提供する領域として、よりよい社会を主体的に形成しようとする力を育む、この特活の意義や役割、「なすことによって学ぶ」という特活の方法原理、こうしたことを踏まえますと、「他者との対話や協働」、「学びの自己調整」を中心とした「学びに向かう力・人間性等」を実践的に育む、このことがとりわけ重視される特質を有しているということ、そして、この「学びに向かう力・人間性等」とは合意形成や意思決定といった、思考力・判断力・表現力等を発揮する過程で表出をすること。そして、一方で、知識・技能につきましては、学問体系に基づき、あらかじめ明確に整理できるものではなく、知識・技能を内容として示し、それらの習得に向けて指導をするというよりも、子供の主体的・実践的な活動を通じて、他の資質・能力と一体的に育むということが求められること、このことを理由として示させていただいております。
このことにつきまして、まず、補足イメージを用いて、イメージを御説明させていただければと思います。まず、こちらでございますけれども、思考力・判断力・表現力等と知識・技能を分けて観念できる一方で、資質・能力の構成につきましては、この図のとおり、整理したらどうかということです。学びに向かう力・人間性等の部分で、よりよい社会を主体的に形成しようとする力を育むという意義や役割、これに鑑みますと、とりわけ重要と言えるのではないかということ。そして、思考力・判断力・表現力等につきましては、合意形成、意思決定といった思考・判断・表現が想定されているわけですけども、このことが「なすことによって学ぶ」といった特別活動の方法原理に関わるものであること、そして、知識・技能につきましては、分節的に観念ができるわけですけれども、習得に向けて指導するというよりも、他の資質・能力と一体的に育むことが求められるということで、こうした円での整理ができるのではないかということでイメージを示しております。
これを、さらに学びに向かう力、それぞれの資質・能力の要素の関係性について、お示しをしているものが次のページでございます。こちら、まず、知識・技能につきましては、よりよく合意形成や意思決定を行ったり、協働的に実践したりするための行動の仕方等ということで大変重要であります。その上で、特出して習得に向けて指導するのではなくて、思考、判断、表現の過程で一体的に育成をするものであるということ。そして、思考力、判断力、表現力等、すなわち合意形成や意思決定、この学習過程を舞台とし、これは演劇に仮に例えれば、この学習過程を舞台として、とりわけ重視される資質・能力、演者という者が学びに向かう力・人間性等というように例えることができるのではないかということで、イメージとしてお示しをさせていただいております。このイメージが、本日の後半で御議論をいただく予定の評価の議論とも関わってくるところでございます。演者が具体的にどのような要素となってくるか、具体的な要素については、この後、後半でまた改めて御議論をいただければと考えております。
資料を戻らせていただきまして、11ページでございます。11ページの青の三角の下の部分でございますけれども、特別活動の内容を表形式で規定をしていくということに当たっては、現行と同様、知識・技能と思考力・判断力・表現力等を分けて記載することはせず、学びに向かう力・人間性等が一体として表出することが期待をされる思考・判断・表現の学習過程を中心に記載をすることとしてはどうかということで、補足イメージ3で御準備をさせていただいております。こちらでございます。こちらの右側の四角の中に書かせていただいておりますけれども、内容につきましては、中学校の特活の現行の記載をベースとして作成をしております。内容につきましては、これまでと同様、知識・技能と思判表を分けて記述することはせず、具体的な記載ぶりについては、活動固有の思考・判断・表現の学習過程、このことを中心としたものとなるように、中心としたものになっているかという視点から、必要に応じて記載ぶりを検討することとしたらどうかということで、御提案をさせていただいております。
次に、資質・能力の柱ごとの目標についてでございます。こちらは柱書きの部分については、前回の議論、前回のワーキングで御議論をいただきました。本日はこの知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等の三つの柱に沿って御議論をいただければと考えております。まず、(0)「目標の柱書」のイメージでございますけれども、論点整理の議論や、そして柱書につきましては、プラス記号の下の部分ですけれども、資質・能力の趣旨や学習過程を端的に示すものでありますので、小中高で書き分ける必要性が薄いのではないかということで、現行どおり、小中高で書き分けない案として、前回、御議論いただいた上での修正を反映させたものをお示しをさせていただいております。
次に、(1)「知識及び技能」のイメージでございますけれども、こちらも論点整理の関連の記載、そして、プラス記号の下のところで、知識・技能の質的側面を分析的に検討することはなじみにくいということを踏まえますと、発達段階に応じて書き分けを行う意義は小さいのではないかということで、小中高、現行どおり、共通の記載として1ポツ目、自己の生活や身近な社会、人間関係という三つの視点、この視点から、これらをよりよくすることの意義について理解をする。2ポツ目、多様な他者とよりよく合意形成、意思決定を行ったり、協働的に実践したりするための行動の仕方を身に付ける。これらを知識・技能の案としてお示しをしております。
次に、思考力・判断力・表現力等に入る前提として、先ほど更新させていただいたもの、ここの中で合意形成や意思決定、これが社会創造や自己実現にそれぞれ関わる思考・判断・表現のプロセスとして想定されていることを確認させていただければと思います。その上で、(2)思考力・判断力・表現力等のイメージでございますけれども、論点整理の関連の記載を引用させていただいた上で、プラス記号の下の部分ですけれども、思考力・判断力・表現力等の質的側面を分節的に検討することにはなじみにくい。このことを踏まえれば、発達段階に応じて書き分けを行う意義は小さいだろうということで現行同様、小中高を横串で共通の記載ぶりということで、以下、2点を示させていただいております。1ポツ、自己の生活や身近な社会、人間関係、すなわちこの三つの視点についての課題を見いだし、根拠を持って自分の意見や立場を形成し、表現することができるようにする。2ポツ、多様な個性や特性、背景を有する他者の考えや価値観を尊重し、対立や葛藤を乗り越えながら合意形成や意思決定を行い、実践を通して価値の創造を行うことや振り返りを通して新たな課題を見いだすことができるようにする。
次に、学びに向かう力・人間性等の要素でございます。こちら、確かな民主主義の担い手の育成や共生社会を実現する基盤ということで、合意形成や意思決定の過程で表出する学びに向かう力・人間性等についての考え方を整理するということで、その要素について整理をさせていただいております。まず、前提として、企画特別部会の議論を御紹介させていただければと思いますので、40ページを御覧ください。こちら、40ページでございますけれども、大変失礼いたしました、総則・評価特別部会での議論でございました。訂正させていただきます。こちら、第2回の総則・評価特別部会の資料でございます。まず、学びに向かう力・人間性等の要素というものが、左下から、これは企画特別部会で整理されたものでございますけども、左下、初発の思考や行動を起こす力・好奇心、右下、他者との対話や協働、そして真ん中、学びの主体的な調整、そして一番上の学びを方向づける人間性、この4つの要素に整理をされているところでございます。その上で、下の3つについては下部となっておるところでございますけれども、学習過程で表出しやすい傾向がある外的な側面、そして一番上の学びを方向づける人間性、この要素については、学習過程で表出しにくい傾向がある内的な側面、そのように整理をされているところでございます。
そのことを踏まえまして、これらの要素について、特別活動でどのような要素が考えられるかということを整理のイメージとしてお示しさせていただいたのが、こちら21ページの資料でございます。こちらの中で、まず、左下の初発の思考や行動の部分に該当するところと当事者性、具体的には役割への主体性や責任感、そして課題への主体性ということで整理させていただいております。また、丸2、右下の他者との対話や協働の部分で協働性、これを対立・葛藤への対処への主体性、それと多様性の尊重、包摂への主体性、この2つの要素で整理をさせていただいております。そして、真ん中にありました学びの主体的な調整の部分を自律性として、省察による思考や感情、行動の自己調整、そして一番上にございました学びを方向づける人間性の部分が、在り方生き方として、主体的な社会創造、自己実現ということで、その要素を整理させていただきました。その具体的な説明については、文章で右側に、端的に記載をさせていただいておりますけれども、ブルーの矢印の部分、例えば、一番上の部分で申し上げれば、好きや得意から社会との調整へ、そして協働性の部分では、単純な葛藤からより複雑な葛藤へ、一番下の在り方生き方の部分では、自己の生き方についての考えから自己の在り方生き方についての自覚へということで、とりわけ発達段階に応じて、今後、目標の記載ぶりを書き分けていく必要があると考えられる要素について、矢印で記載をさせていただいているところでございます。
そちらを先ほどの4つの企画特別部会で示された4つの要素に当てはめたものがこちらでございます。中学校の特別活動のイメージの告示文になっていく目標への記載ぶりというものを想定して、記載をさせていただいたものをこちらでございます。まず、1番、初発の思考に対応する部分として、自己の生活や身近な社会の課題解決に主体的に関わり、社会との関係において役割を担おうとする。丸2、右下でございます。多様な他者との対立や葛藤を乗り越え、対話や協働を通じて納得解を形成しようとするとともに、多様な個性や価値観の包摂に主体的に関わる。丸3、中心でございますけれども、省察により思考や感情、行動を調整する。一番上、丸4、人間としての生き方についての考えを深め、主体的によりよい社会の創造や自己実現を図ろうとする、こうした4つの要素で整理をさせていただきました。
これを小学校、中学校、高等学校のそれぞれに対して当てはめたのがこちらになります。こちらについては、プラスの下の部分に書かせていただきましたけれども、とりわけ重視される資質・能力であり、小中高で目指す資質・能力の高まりについて、発達の段階に応じて現行どおり書き分ける意義があるのではないかということで理由を示させていただいた上で、中学校においては、先に申し上げました4つの要素でお示しをし、小学校、高校については、下線部の部分を先ほどの矢印の部分に対応するものとして、記載ぶりに変化をつけた形でお示しをさせていただいております。
次に、ただいま御説明を申し上げた要素を、先ほどの舞台と演者という演劇に例えた資料について、内容を入れ込んだものがこちらになります。イメージといたしましては、当事者性ということで役割や責任感、課題への主体性を発揮し、多様な他者と協働しながら、対立や葛藤への対処の主体性、多様性の尊重や包摂の主体性を発揮しながら、課題と向き合い、その中で、自分の省察により、自己の思考や感情、行動を自己調整し、その中でまた見つかった課題と当事者性を持って関わっていく、そうしたことを繰り返していく中で在り方や生き方という一番上の資質・能力に繋がっていくというようなイメージでお示しをさせていただいておるところでございます。
なお、米印で一番下のところに書かせていただきましたけれども、協働性の要素でございます多様性の尊重や包摂への主体性、こうしたものが合意形成や意思決定の学習過程、ここでいう舞台の部分をさらに支えて強固にしていく、そうした関係があるということにも留意が必要だということで注記をさせていただいておるところでございます。
次に、高次の資質・能力でございます。こちらにつきまして、まず、左側の議論の前提でございますけれども、深い学びを実現する単元づくりのイメージを教師が持てるようにする役割ということで、総則・評価特別部会でも議論をされております。その上で、教科ごとの特質に応じて検討が行われる必要があり、チェックポイントを示した上で各教科等ワーキングで検討を深めていくこととされております。このチェックポイントとして、A、B、C、Dの4点が示されております。その上で、特別活動における高次の資質・能力について、右側でございますけれども、特別活動においては、知識・技能、思考・判断・表現ごとに内容を示していない。そして、学びに向かう力・人間性等がとりわけ重視されての特質、こうしたことを踏まえますと、特別活動独自の高次の資質・能力について検討する必要がございます。その上で、特活における高次の資質・能力につきましては、2つポツで1つ目、各活動の具体的な学習過程において、どのような学び向かう力・人間性等を育むか、これを明確にすることで指導の改善や充実に繋がることが期待できること。そのことが深い学びを実現するイメージを持ちやすくするという高次の資質・能力の役割に資すると考えられること。これらを踏まえまして、学習過程とその過程で表出することが期待される学びに向かう力・人間性等、これらを一体的に表現することとした上で、チェックポイントに示された観点を踏まえて記載ぶりを検討してはどうか。その上で、高次の資質・能力の粒度につきましては、各活動等ごとということを基本としつつ、学習過程が特に異なると考えられる、例えば学級活動の(1)及び(2)と(3)といったように、特に異なると考えられる場合には個別に位置付けるということで考えてはどうかという御提案でございます。
また、現行学習指導要領上、活動ごとに設定をされている目標につきましては、高次の資質・能力が目標と内容との間に位置付くという性質がありますので、重複が生じることを踏まえ、統合する形で整理をしてはどうかという御提案させていただいています。補足のイメージで、具体的な書きぶり等を御説明させていただきます。まず、高次の資質・能力として、中身の柱書きの部分で、例えば、これは学級活動の(1)の部分ですけれども、丸丸を通して以下の資質能力を育むということで学習過程を示し、その上で、高次の資質・能力として考えられる、先ほどの学びに向かう力・人間性等の外的に表出しやすいと整理をされている下3つの要素をそれぞれ記載させていただいております。同様に、(2)、(3)につきましても、これら2つをまとめて一つとして、丸丸を通して以下の資質能力を育むとした上で、(2)、(3)に固有の学びに向かう力・人間性等の三つの要素を書き分けて記載をするという形で記載をさせていただいております。
このことが、左側の学級活動の目標とございますけれども、今、活動別に目標が記載をされているところを、その中に丸丸を通してというように学習過程の記載になってございますので、高次の資質・能力の記載と重複が見られることから、これらについては統合をするということで整理をしてはどうかという御提案でございます。この記載の高次の資質・能力の示し方について御了解をいただきましたならば、ほかの活動についても同様に、このような形で整理ができればと考えておるところでございます。
次に、特別活動の評価についてでございます。こちら、まず、議論の前提でございますけれども、現行指導要領では、目標準拠評価を知識・技能、思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度のそれぞれについて行うこととし、総括的な評価としては十分満足できると判断される場合に丸で評価するということとしております。この運用に当たっては、各学校で評価の観点を定めるということとした上で、また、以下でございますけれども、観点別内容のまとまりごとに評価基準を作成し、学期や年間を通じて顕著な事項を見取り、丸を記録した評価補助簿を作成し、評価の総括に生かすという取組を国のほうで例示をしておりますけれども、国が示す評価の在り方と現場との実態の間に乖離があるのではないかといった指摘もあるところでございます。
こちら、45ページに参考資料をお示ししておりますので御覧をいただければと思います。こちら、現行学習指導における特別活動の評価についてということでお示しをさせていただいています。まず、左側に評価の観点や内容のまとまりごとの評価基準作成手順ということで、丸1、丸2、丸3、丸4という手順で内容のまとまりごとに特別活動の評価基準を各学校が作成をすると。その上で、評価補助簿の例ということが右側でございますけれども、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、そして主体的に学習に取り組む態度、この三つについて、小学校の学級活動の例でございますけども、それぞれに評価基準を具体的に作成をした上で、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、それぞれについて、一人一人の子供ごとに、それぞれの評価基準に照らして、丸をつけて評価材料のメモを記載して作成をしていく、そのことを学級活動や児童会、生徒会活動やクラブ活動や学校行事というそれぞれに対して作成をして、最後にそれをまとめて丸をつけるかどうかという総括的な評価に生かすといった手法が、例として紹介をされているという状況がございます。そんな中で、こうした実態が現場の実態との間に乖離があるのではないかといった議論もあるところでございます。
そういったことも踏まえまして、右側でございます。特活における評価の在り方でございます。今般の改善において、確かな民主主義の担い手の育成、共生社会の実現の基盤、そうした整理に伴いまして、学びに向かう力・人間性等がとりわけ重視されるようになる、このことを踏まえますと、資質・能力の要素を分節して、目標準拠評価を行うことになじみにくくなる。また、学びに向かう力・人間性等については個人内評価とすることで、過度な評価材料集めを抑制しつつ、多様な子供たち一人一人のよさや成長を自然な形で見取り、肯定的に評価できるようになることが期待される。こうしたことを踏まえまして、資質・能力の三つの柱に分節した目標準拠評価は行わず、思考・判断・表現の過程で表出する学びに向かう力・人間性等について、一体的に個人内評価を行い、多様な子供たち一人一人のよさや成長を自然な形で認めるようにするとともに、総括評価については、特に成長が顕著な場合に記号を付記するなどして評価を行うこととしてはどうか。括弧書きで、なおと書かせていただいておりますけども、こうした方向性は教育課程全体の方向性とも親和的であり、さらなる詳細については、教育課程全体に関わる総則・評価特別部会の議論等を踏まえて検討とさせていただいております。
その上で、教師の指導の改善や児童生徒が次の学びに向かうことができるようにするといった学習評価の趣旨、とりわけ重視される学びに向かう力・人間性等が学習の過程で表出をするということ。そして、総括的な評価として目標準拠評価ではなく、個人内評価として評価を実施する意義を踏まえますと、教師による評価としては形成的評価、すなわち見取りを踏まえた適時の声掛けや指導、支援等、そして児童生徒自身による評価として自己評価、すなわち振り返りや総合評価、すなわち自己の考えや振り返りの共有や話合いといった活動、こうしたことを重視していくことを整理してはどうかということで御提案をさせていただいております。
補足資料を用いまして、具体的に御説明をさせていただければと思います。こちら、柱書きは今し方、申し上げた説明と同じでございますので、図について御説明をさせていただきますけれども、現行におきましては、知識・技能、思考・判断・表現、そして、主体的に学習に取り組む態度、それぞれについて目標準拠評価を行い、評価材料を集め、そのことを総括して、評定はしないけれども十分満足できると判断される場合に丸で評価をするという形で整理をされております。これを新しい今回の御提案では、思考・判断・表現の過程で知識・技能、思考・判断・表現、そして学びに向かう力・人間性と一体的に表出をする。その中で、とりわけ重要である学びに向かう力・人間性等について個人内評価を行い、評定は引き続きせず、そして、特に成長が顕著な場合に記号を付記するなどして評価ということで記載をしております。ここで記号とさせていただいておりますのは、学びに向かう力・人間性等に関する教育全体に関する評価について、今後、引き続き総則・評価特別部会等で議論が行われる予定となっておりますので、そことの混同を避けるために、現時点では記号を付記するという説明とさせていただいておるところでございまして、そちらの議論を踏まえて、在り方については具体化していければと考えております。
最後に、こちら、先ほどの御説明資料の後段の部分で評価の全体像でございますけれども、右下の部分が総括的評価として、個人内評価として、記号を付記するとして評価するものでございます。そのこと以外にも、学習の過程で行う形成的評価、そして児童生徒自身で行う自己評価や相互評価がある中で、右下の総括的評価ももちろん重要ではあるんですけども、特に特別活動においては、形成的評価や子供自身が行う自己評価や相互評価、そういったことを重視していくことを明確化したらどうかということで御準備をさせていただいております。
米印でございますけれども、教師による評価に当たっては、子供たち一人一人のよさや成長についての見取りのみならず、グループや学級など集団についての見取りも重要であることに留意ということで、特別活動に特に必要となる視点についても付記、補足をさせていただいておるところでございます。
長くなり失礼をいたしました。事務局からの説明は以上でございます。
【恒吉主査】 ありがとうございました。
それでは、本日御出席の各委員から、今の事務局説明について、御意見をいただきたいと考えております。御発言がある委員は挙手ボタンを押していただきたいと思いますが、できるだけ多くの委員に御意見を頂戴したいと考えておりますので、お一人、3から5分程度で御発言をお願いいたします。なお、御発言の際に、事務局から説明があった資料に触れる場合は、どの資料の何ページか明示いただければ、事務局における画面投影も可能となりますので、御協力よろしくお願いいたします。
では、挙手ボタンで。今村委員、よろしくお願いします。
【今村委員】 今村です。本日、途中退席をしなければいけないので、初めに発言をさせていただこうと思いまして、手を挙げさせていただきました。まず、御説明いただきまして、ありがとうございました。私からは3つ、3分ですよね。3分以内ということで、急ぎでお話ししたいと思います。
まず、1つ目なんですけれども、たくさんの御説明をいただきましたけれども、とにかく今回は特別活動を確かな民主主義や共生社会の担い手を育む領域と位置付けて、合意形成や意思決定を学ぶということが、この特別活動の意味なのであるということ、ここだと理解しました。現状、学校では特別活動の狙いが活動の時間というように認識されているので、行事とか係活動とか話合いとかも、いろんなことをやらなきゃいけない時間、何を学ぶ時間なのか曖昧なまま運用されているという実態がありまして、ここに対して何を目的にするというところをめちゃくちゃシンプルにして現場に伝えるということが重要だと思うので、合意形成、意思決定をとにかく学んでいくことで、民主社会、共生社会のなり手を育むんだということをシンプルに下ろしていくということが、先ほど思考・判断・表現の学習過程の舞台という表現でも御説明ありましたけれども、そのように現場にシンプルに伝えていくことが重要かと思いました。
2つ目なんですけれども、評価の簡素化は私も賛成です。賛成なので、これは実現していただきたいんですけれども、ただ、そうするとどうしても今でもただでさえ、特別活動の学校での優先順位が低いという状況が現実的にある中で、評価を簡素化するだけだと評価しなくてもいい活動と受け取られてしまって、そうするともっと評価が、もっと力を入れなくていい時間となってしまうということもあるので、何を大切に見取って、何を言葉で返す時間なのか、先生がすべきことは言葉掛けのところなんだということを、これもまたシンプルで強いメッセージで下ろすことが重要だと思いました。なので、今までは評価の議論でどうやって記録するのかとか、教師がエビデンスを集めるとか、そんなことをやらせてしまって大変だったというところを振り返ると、シンプルな評価にすることは大切なんですけれども、どんな言葉掛けで生徒にフィードバックするのか、話合いでの一言とか葛藤の場面での支えとか、振り返りへの問いを立てるとか、そういったことこそが重要だということを下ろしていただきたいということを思いました。ただ簡素化だけではないということ、教師の声掛けが大切だということを同時に伝えていただきたいです。
3つ目なんですが、とにかく現場の先生方がお忙しいので、今、質のところ、評価もなくなって、合意形成と意思決定の質のところに重きを置かれるということが改めて発信されるわけなんですけれども、それがどうすれば学校運営の中で実現可能になるのかというところが、これは次の会議からの議論になるかと思いますが、とても重要かと思いますので、方向性はこれで良いと思いますので、とにかく実現可能にしていくということを次回以降、深めていけたらと思いました。
私からは以上です。
【恒吉主査】 今村委員、ありがとうございました。非常に大事な点をおっしゃっていただいたと思います。シンプルで明確に、先ほど3分以内とおっしゃいましたが、3分から5分程度ですので、一言何かを付け加えになりますか。
【今村委員】 大丈夫です。次回以降、頑張りましょうということでよろしくお願いします。
【恒吉主査】 すみません。ありがとうございました。次、野村委員と八並委員が手を挙げていらっしゃいますので、その順番でよろしくお願いいたします。では、野村委員、よろしくお願いします。
【野村委員】 よろしくお願いいたします。本日も大変お忙しい中に、このような資料を整えてくださって本当にありがとうございました。感じた点を早口ですが、申し上げます。
まず、5ページです。右側上段の資質・能力の趣旨にある表現についてなんですが、ここに目標のところで、「確かな民主主義は共生社会の担い手」というところがありますが、ここは「担い手」ではなく「創り手」のほうがよいかな、または「民主主義の担い手、共生社会の創り手」というようにするのはどうかなと思いました。その理由はこの後、8ページのところで併せて申し上げます。
続いて、8ページになります。これまで「社会参画」という言葉で示されていたところが「社会創造」になっております。資料を見ただけでは何だろうと思いましたが、お話を伺ってなるほどと思いました。参画には「今ある社会に参画する」というようなイメージがあるのかなと思います。既存の社会、これからの社会という枠組みで考えると、持続可能な社会の次に担い手が来るのか、創り手が来るのか、そこは大きく変わってくるかなと思います。私が所属している埼玉県特別活動研究会でも、研究主題を「持続可能な社会の創り手を育成する特別活動」としていました。その際も、決定する際にも担い手か、創り手かという議論になったときに、担い手は既存の社会を担うものだと、創り手はこれまでにない社会を創るというところが大きく違うだろうということに至りました。創り手の方がこれからの社会やよりよい生活をつくっていく当事者意識をより感じるかなと思います。そう考えると、社会参画から一歩進んだ社会創造という言葉は、集団を維持するだけでなく豊かな生活を創るという、これまで特別活動で大切にしてきた理念にも通じるものかなと思います。
34ページにあるOECDにおける態度や諸価値・非認知能力の構造の資料の中のマーカーのところの3つあるうちの一番上、「新たな価値を創造する力」というところにも通じるものかなと思いますので、ここは社会創造という言葉、創造という言葉、いいなと思いました。
続いて、これもいきなりそういうことを目指すというのはなかなか難しさもありますので、これまでは参画であった、そこが社会創造になったときにはどのような段階を踏んでいくのかとか、どのように関連するのかということについても示されていくといいのかなと思いました。
続いて、9ページです。右側の中段の「教科固有の考え方や判断の仕方」のところですが、「自他のよりよい人生や社会に繋げること」とありますが、ここは「よりよい人生や社会生活」というようにして、「自他の」という3文字を外すのはどうかなと思いました。「他」となると、その子供によってすごく社会を狭く捉えてしまったり、他のところに含む人の存在を狭めてしまうようなことも考えられるかなと思ったので、ここはそういうのを外してみるのはどうかなと思いました。
続いて、11ページになります。具体的論点の中段右側、中段、「なすことによって学ぶ」という方法原理について触れていただいております。これは、これまで特別活動で大切にしてきた考え方なので、こういった改訂を経ても大切にしていただけるのはとてもありがたいなと思っています。結果主義ではなくて経過主義、過程主義を特別活動だけでなく、学校経営の中にも位置付けていく必要があると私は感じておりますので、そういう点ではこのように示していただいているところはとてもありがたいなと思っています。
あと、24ページになります。ページ飛びますが、合意形成、意思決定のところです。ここもいろいろな授業に関わらせてもらっている中で感じるのは、事前、本時、事後と一連の活動がある中でも、授業は合意形成とか意思決定という本時の活動の目指すところが一連の活動のゴールでもあると捉えてしまっているような話がよくあります。学級活動で行う話合いは、話合いのための話合いではなくて、実践のための話合いなので、合意形成、意思決定の先に何があるのかということを見通した指導や支援を行っていくことが必要だと思います。その時間、その活動を通して育成を目指す資質・能力は何なのかというところを見通して指導していくというところにも繋がるなと思いますので、このような図で段階を示していただいていること、目指すところは合意形成、意思決定にとどまらないというところを示していただいているのはとてもありがたいなと思いました。
続いて、27ページになります。目標と内容の示し方の案の右側についてです。ここも高次の資質・能力として示されていただいているので、どのようなものが備わるように指導すればよいのかというのが分かりやすいなと思いました。ただ、読み手の解釈に任せてしまうと様々な捉え方になってしまうので、どのようなことを意図しているのかというのも解説などで示す必要があるのかなと思います。また、どの学年でもいきなりここを目指すわけではなく、最終的にこういうものが備わるようにしていくということを伝えるのも必要なので、分かりやすい表現や段階ごとの大まかな内容、具体例などもどこかで示せたら良いなと思います。
続いて、評価のところです。これ、評価の形成的、特に32ページです。形成的評価、自己評価、総合評価を重視というのはとても取り組みやすく、また、子供に寄り添うものなので私は良いなと思います。授業に関わらせていただくと、指導案の事前の活動のところでも、計画委員で議題の選定を行うという、そこの部分だけでもより望ましい議題を選んでいる観察、発言、思考・判断・表現といったように書かれているものがよくあります。よくありますが、実際に話を聞いてみると、これ先生、本当にできますか、やっていますかというと、いや、ちょっと難しいというところが現実的なんです。なので、もう評価に追われてしまっている。だけども、し切れない。しなきゃいけないのは分かるけど、し切れないというのが現実的な状況があります。であれば、このようにシンプルにポイントを絞って見取っていく、それを確実に伝えていくということを示していただけたのは、より取り組みやすく、また日常の関わりの中でも価値づけることに繋がるのかなと思います。
個人内評価というお話もありましたが、そこはよさや伸びを見つけて伝えていく、そういったところを、また自分の中でも成長や変容を確認できるようになるという点でとてもいいなと思います。ただ、評価については、先ほど今村先生もおっしゃっていましたが、教師の主観による評価になると、する、しないとかすごく極端だとか一面的なといったことも出てきてしまいます。その難しさが出てきますので、また、経験の浅い教員も適切に評価を行うことができるように、どこかに例示など、今後の評価資料等を作成するのであれば例示などでお示しいただけたらなと思います。
最後に、これは本日の資料にないのですが、目標等に関わってのお願いになります。可能ならば、以前、平成20年改訂までの特別活動目標にあった「望ましい集団活動を通して」という言葉のもつ意味合いや大切さを解説のどこかでも触れていただけたらありがたいなと思います。望ましい集団というものがあるのかとか、同調圧力を生むといった考えから前回の改訂から示されなくなったものですが、この言葉のも意味合いというのは個を生かす集団活動というものなので、その考えとは与しないものであると思っています。御一考いただけたらありがたく思います。
長くなってしまい、申し訳ありませんでした。以上です。
【恒吉主査】 野村委員、ありがとうございました。では、八並委員よろしくお願いします。
【八並委員】 よろしくお願います。日本生徒指導学会の八並です。今回も緻密な資料作成をありがとうございます。
私のほうからは、今回御提案の8ページの三つの視点の再整理、更新版の社会創造について、個人的な見解を述べさせていただきます。結論としては、社会参画から社会創造へのシフトというのが必要で、キー概念として、社会創造力というのは必須だと思っています。今後、四半世紀を見通したときに、明らかに社会状況が私たちとは全く異なるということを認識する必要があると思います。
国土交通省の2050年の人口動態を見ると、日本の総人口は約1億人まで減少すると推定されています。これはちょうど私が小学校6年生時、1970年の総人口と等しいです。しかし、その年齢分布は大きく異なります。65歳以上の人口が1970年は7%に対して、2050年は38%まで大幅に増加します。また、14歳までの若年人口は、1970年は24%に対して、2050年は11%と半減するという状況です。そのため、総人口が同じ1億人でも、年齢分布が全く異なります。ということは何が今後起きるかというと、あらゆる社会的な負担が現在の子供たちと、未来の子供たちにのしかかるというのは、もう火を見るより明らかです。
他方、学校現場に目を向けると、前回も申し上げましたが、いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待、あるいは薬物乱用、自死などは増加の一途です。そのため、こうした生徒指導上の諸課題をどうやって食い止めていくかというのが重要になります。
恐らくですが、今後、経済格差、地域格差、あるいは教育格差の拡大と、家庭環境の多様化、複雑化が進みます。なおかつ、子供たちの学力、特性、あるいは国籍等も多様化していくだろうと思われます。その中で、持続可能な共生社会をつくり、維持していくには、これまで発言してきましたが、子供たちの多様性の受容力と既存の考え方にとらわれない革新的な発想、つまり創造力が求められると思います。
現在と未来の子供たちにとって必要な力というのは、非認知的能力とともに、東京大学の石黒千晶先生が言われていますが、拡散的思考、もしくは発散的思考と呼ばれている思考が重要になると思います。英語ではダイバージェントシンキングといいます。つまり、拡散的思考、もしくは発散的思考というのは、一つのテーマや問題に対して固定概念にとらわれずに、多様な視点から数多くのアイデアだとか解決策を自由に見いだす思考方法のことです。
このダイバージェントシンキング、DTと略しますけど、DTが創造性の基盤になっていくわけです。その意味では、私は特別活動というのは特に、初回にもお話ししたように、発達的生徒指導の実践の要であると思います。特別活動は、自己指導能力の獲得だけではなく、DTの獲得の絶好の場だと思います。新しい価値の創造やアイデアなくして、社会の維持や革新は、私は不可能だと思っています。社会参画という言葉は、御説明がありましたが、既存の社会への適応感が強く、受動的な印象を与えます。これから日本国民全員が未体験の変動する社会で生きることを想定すると、自ら多様な他者と協力して、よりよい社会を創り出そうとする能動的な思考と行為が大切な気がします。その意味で、社会創造という用語を、私は支持したいと思います。
以上です。ありがとうございました。
【恒吉主査】 八並委員、どうもありがとうございました。では、手を挙げていらっしゃる猪原委員、その次に大村委員、その次、また青木委員からも手が挙がりましたので、そのお三方、お願いいたします。最初に猪原委員、よろしくお願いします。
【猪原委員】 東京科学大学リベラルアーツ研究教育院の猪原です。よろしくお願いいたします。本日のワーキンググループの資料について、合意形成との関連で2点申し上げます。
1点目は8ページの三つの視点の再整理のところで、更新版において、自己の形成であるとか個人の意見の形成というものの位置付けについて、次のような理解でよいかという確認になります。今回の再整理のポイントは、三つの視点の間が往還の関係にあるということが示された点だと思います。つまり、社会創造と自己実現、人間関係形成という3つが互いに往還的に高まっていくという考え方であると理解しております。一方、人間関係形成の基礎となるのは個人であったり、自己であったりするわけです。自己実現における意思決定というキーワードが見えますが、その基礎となるのは個人の意見、ないしは意思決定論のほうでは選好、preferenceというような言葉を使いますが、それでありまして、また、社会創造の中での合意形成の基礎となるのは個人による意見表明、ないしは、表明される意見であると考えられますけども、ただ、8ページの図の中には個人、自己であるとか個人の意見、意見表明という、それの形成についての記載がないわけです。なので、そこで確認となりますが、これら三つの視点それぞれの基礎となる個人、ないしは自己であるとか、あるいは個人の意見、意見表明、ないしは表明される意見というのは、この図の中では三つの視点それぞれに位置付けられていて、個人や自己、ないしは個人の意見や意見表明、表明される意見というのも三つの視点の中の往還を通じて高まっていくという、そういう理解でよろしいかと、そういう確認でございます。これが1点目です。
2点目は12ページになります。特別活動における資質・能力の構成における知識・技能についての考え方についてです。学びに向かう力・人間性等という真ん中の丸ですが、これを最も中心的な資質・能力と位置付けること、及び、左の部分にあるとおり、「なすことによって学ぶ」ということが特別活動の方法原理であり、合意形成や意思決定という活動を通して思考力・判断力・表現力を育むという構成については、このとおりで良いと考えております。そして、右の部分で、知識・技能は内容の習得に向けて指導するというよりも活動を通じて育むとありまして、これも特別活動の方法原理に従う考え方であると思います。
一方で、具体的な活動としての合意形成や意思決定につきましては、合意形成学や意思決定理論において知識・技能の蓄積がありますので、それらを児童生徒の皆さんであるとか先生方が、必要に応じて活用できるようにしておくとよいのではないかと思います。もちろん合意形成や意思決定は児童生徒の皆さんが主体的に行うわけですけども、いつも円滑に進むとは限らないわけです。なので、場合によっては行き詰まってしまって教員からの支援というのが必要になるかもしれません。そういった場合の教員の方が用いる支援策としてのリソースを合意形成学や意思決定理論の蓄積を活用して作成しておいて教員の皆様に提供しておくと、教育実践に有用なのではないかと感じております。
指導して育むべき知識・技能とは異なりまして、教員の皆様が児童生徒の皆様の合意形成や意思決定の支援をする際に用いる知識技能という位置付けであります。そして、合意形成や意思決定の活動を、このような知識・技能の支援を得ながら行った児童生徒の皆さんは、その知能・技能が結果的に育まれていくと想像しております。
このように考えております。どうもありがとうございます。
【恒吉主査】 ありがとうございます。では、事務局のほうからもし今の質問、最初の、お願いいたします。
【堀川学校教育官】 猪原委員、ありがとうございます。御質問につきましては、個人の意見、選考、意見表明、こうしたものが三つの視点それぞれに位置付けられているということで、この資料にはないけれどもそのようなことでよろしいかという御質問だったかと思います。資料を共有させていただきます。
その御質問については、端的に申し上げればイエスということかなと思っております。自己の意見の形成等につきましては、それぞれの視点に関わることだと認識をしており、その上で、それぞれの視点が思考力・判断力・表現力等の具体的な改善イメージの中で、三つの視点についての課題を見いだし、根拠を持って自己の意見や立場を形成し、表現できるようにする。こうしたところで具体的な記載の中にも生み出されるような要素となっているかなと思いますということを付記させていただいて、回答とさせていただければと思います。以上です。
【猪原委員】 承知いたしました。ありがとうございます。
【恒吉主査】 ありがとうございました。では、大村委員、よろしくお願いいたします。
【大村委員】 失礼いたします。まずは、非常に整理してよく検討された資料を出していただいてありがとうございます。非常に分かりやすくなっていて、納得できるところがたくさんありました。
まず、大枠として、目標に民主主義という言葉を入れられたというのは大賛成です。単なるシチズンシップではなくて、民主的シチズンシップを育んでいくというこれからの教育を大事にしたときにとてもいい方向かなと思いました。
以下は、気づいたことや意見として聞いていただきたいことを幾つか述べさせていただきます。
まず、資料の8ページについての整理について2点です。先ほどから出ております、社会創造、自己実現、人間関係形成の3つの整理のところなんですが、社会創造という言葉を新しく使われていることについていろいろ御意見が出ていて、私も社会創造という言葉を使うこと自体に反対というわけではないんですけれども、すてきな言葉だと思うんですが、少し意識はしておく必要があるかなと思ったのは、例えば社会科とか総合でも社会参画という言葉が使われますが、その場合、社会参加と社会参画は明確に違うものとして位置付けられています。社会参加というのは、既にある場に入ることですけれども、社会参画というのは、意思決定や形成に関わること、つまり、参加ではなく参画に踏み込めるかということをこれまでは大事にされてきたので、社会参画という言葉が使われてきたんだと思います。そう考えると、社会参画を単なる参加と捉えているから社会創造にするんだというのは誤解を招かないかなと思っております。
社会創造という言葉を使っていくのも、今後の検討で採用されても構わないかとは思うんですが、その場合も、それは社会参画、つまり意思決定や形成、社会の形成に関わるという社会参画の意味合いもきちんと含まれているということを大事にしておかないと、例えば他教科等で社会参画という言葉を使われ、このまま残った場合にそれとの差異とか、それとの関係はどういうことなのかということについては、気を付けておかれる必要があるのかなと思ったということが1点目です。
もう1点が人間関係形成(基盤)と書かれているところに、心理的安全性の確保というのがあります。これ、とても大切なことだと思うんですけれども、よく学級経営とかでも同じことが言えるんですが、心理的安全性の確保という表現を見たとき、教師が手だてを打って、そういう場をつくらなければならないという印象がどうしてもあります。もちろんそれも大切なことです。ケアの視点とかでも。ただ同時に、ここで三つの視点の再整理としてこれが書かれているということは、心理的安全性の確保ではなくて、確保ができる子供を育てようとしているという、いわゆる心理的安全性をその場で確保するだけではなくて、そういうのを確保するためにすることができるような資質・能力を育んでいくんだというような意味合いが分かるような表現というのはとても大切なことなのではないかなと思いましたので、その点についても、お伝えさせていただきます。
次ですが、資料13ページ、または24ページの三つの柱の関係性についてです。これについても非常によく考えられていて、なるほどと思ったんですが、同時に違和感もあったのは、「とりわけ重視される資質・能力」、恐らくいろいろと御検討されて、「とりわけ」という言葉を使われていると思いますので、この中で、学びに向かう力・人間性をとりわけ重視しますということなんだろうと思うんですが、同時に、世の中を見ていてもそうなんですが、合意形成とかは物すごく難しくて、なかなか一般の中でも合意形成ができているところはなかなか見受けられないというか、非常に質が高い思考を要するのではないかと考えています。そう考えると、それはあくまでも舞台であって、演者としてとりわけ重視されるのは学びに向かう力・人間性というのは分からなくはないんですけれども、同時にそういう思考や判断や表現をできるようにするという資質・能力の育成も、学びに向かう力・人間性と同様に重視されるべきものだと思いますので、この書きぶりについては、また御検討があると思いますけれど、学びに向かう力・人間性等はとても重要なのは間違いないけれど、思考力・判断力・表現力のところは非常に特別活動で、それをなすことによって磨き上げていくということの大事さというのも重視していただく必要があるのかなと思いましたという点です。
残りの2点については、非常に賛同するということで一言付け加えさせていただこうと思いますが、資料の21ページ、当事者性、協働性、自律性、在り方生き方ということで示されておられますが、非常にこれはよく御検討されたんだと思いました・学びに向かう力・人間性等の特別企画部会にて示された図とも非常に連動していて、しかも、いずれも民主的に学校、いずれは社会を形成していく人間形成として重要だと思いました。
最後に、評価についてです。評価の、ページがちょっとあれでしたが、評価のところです。評価についても非常によくお考えいただいて、非常に分かりやすい整理になっていると思いました。ここで非常に強調しておきたいのが、一般では評価と評定がごちゃ混ぜになっている。評定のことを評価だと捉えている一般の世の中の状況があるので、あくまで評価というのは子供の学びをよりよいものにしたり、教師の指導改善を促す重要な教育行為であって、点数付けとか順位付けのことではないんだということを、ここでも十分そのことを踏まえた示され方がしていると思いますので、そう考えると特別活動の特質を考えると、非常にこの評価の仕方というのは賛同に値するなと思いましたので、最後それをお伝えさせていただいて、終わりにしたいと思います。
時間を取っていただいてありがとうございました。以上になります。
【恒吉主査】 大村委員、どうもありがとうございました。指摘をいただきまして、ありがとうございます。次は、青木委員、よろしくお願いいたします。
【青木委員】 よろしくお願いいたします。今回も資料を作成していただき、ありがとうございました。大変分かりやすい資料で、感謝申し上げます。
3点ございまして、1点目は8ページの三つの視点の整理についてでございます。皆様からもお話がありましたが、先ほど事務局からもお話がありましたように、前回、三つの関係性について私も意見を述べさせていただきました。その上で、人間関係形成と、ほかの視点が往還と示していただいたことで関係性が非常に分かりやすくなったと思いました。ありがとうございました。また、人間関係形成が基盤となっていることについては、特別活動として人間関係に重きを置くということはとても大切であると認識しておりますので、そこはとても良いと思いますけれども、今回、今まで並列で整理されてきた3つのものが、人間関係形成という視点を基盤とするということなので、その理由だとか根拠などを解説等で示していく必要があるというように感じました。
それから2点目ですけれども、同じく8ページの三つの視点の再整理のところで、社会参画を社会創造としていくという方向性についてですが、社会創造という言葉のほうが児童、生徒の主体性が育まれるというように期待されるとも感じ取れますけれども、一方で、小学校段階では参画のほうが身近なイメージではないかというようにも感じました。積極的に反対するものではありません。社会創造という言葉もとてもいい言葉だと思います。解説等で、これまで示していた参画も一つのステップであって、例えばボランティアや地域清掃なども含めて、それぞれのグレード感が示されると良いと思います。学級や学校などの身近な集団を社会と捉えて主体的に関わって創造していくということは大切である、そういう趣旨を解説で示していく必要があると思います。今ほど大村先生の御指摘もありましたので、そういったところも解説等で触れられるといいと感じました。
3点目については、これは感想になりますけれども、評価についてです。32ページの今後の評価については、これまでの評価について様々、困難な部分もあったと認識しているところですけれど、評価材料を収集する労力というよりも、学習過程における子供への声掛けだとか支援など教師の形成的評価を重視する方向性がとてもよいと思います。特別活動は評価がしにくいというように思われがちですけれども、子供たちの活動の状況を把握して、できたことを称賛し、できないことを支援し、その繰り返し、つまり、指導と評価の一体化が児童生徒の自尊感情を高めて成長に繋がっていくと思います。できたところをそのときに子供たちに声掛けをしてあげて褒めてあげる、そういうことが成長に繋がっていくと思います。なので、それでも難しい部分があったり、先ほどの委員からのお話でも、評価しなくていいようなことを、勘違いを生んでしまってもいけないので、どのような評価ができるのか、声掛けだとか支援だとか、そうした例などを示していけると良いのではないかというように思いました。
以上3点ですが、あと1点だけ、これは言葉について細かいことなのですが、21ページ以降に何度か登場する省察(セイサツ)とも省察(ショウサツ)とも読むのでしょうか。丸3の要素のところですけれども、セイサツ、ショウサツ、先ほど事務局ではショウサツというようにお読みでしたけれども、これまで特に告示文ではあまり見ない言葉で、なじみのない言葉、これまで自分自身が特別活動の指導等をしてくる中で、あまりなじみのない言葉というように感じた次第です。内省とか自己評価とか振り返りとかというのと同じような意味合いで使われているのか、もう少し、意義も含めての言葉なのかというところを教えていただければなと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
【恒吉主査】 ありがとうございました。最後のところは事務局から一言、求めていらっしゃいますか。最後の、青木委員、何か一言。
【青木委員】 そうですね、セイサツ、ショウサツという言葉を使われた意図などがありましたら。
【恒吉主査】 すみません、事務局の方、よろしくお願いいたします。
【堀川学校教育官】 事務局でございます。省察という言葉を本資料で使わせていただいている背景には、例えばOECDなんかの国際的な議論の中でリフレクションという言葉を使われていますけど、そのことを意図として使用させていただいているところでございますけれども、今いただいた御意見も踏まえて、言葉遣いをどうしていくかということは改めて事務局のほうでも検討させていただければと思います。以上です。
【恒吉主査】 ありがとうございました。では、二木委員、よろしくお願いいたします。
【二木委員】 よろしくお願いいたします。岡山の二木と申します。事務局の提案、いろいろありがとうございました。前回の事前打合せのビデオを拝見したことと、改めて今日、短時間ではありますけれども、まとめを聞いて、よりよく理解できたかなと思っております。そのような中で今日、一番最初に今村委員さんが特別活動に第三者として、外から見ていたらどういうような思いがあるかということ、これは学校現場として本当に痛感しております。実際には何のためにやっているのか分からないであるとか、評価を簡素化をしていくと、教科として軽んじられているのではないかなという、そういった懸念が学校現場にもありますし、私自身も感じているところではあります。
そういった中で、私からは評価の在り方について、ページとしては、特にはここだというところはないんですけど、31、32ページあたりがそれに当たるのではないかなと思っております。評価の在り方をどのように教師側が持つかということ、簡素化ということではなくて、教師がどのように生徒に関わっていくかの大きな関わりの一つのチャンスかなあというように私は捉えております。よく言われている指導と評価の一体化という観点から見ると、ここは大きく、どのような観点で我々が授業に臨むかということで変わってくる可能性があるかと思っています。
そういった中で、一つはこの中にはそういった具体的な例というところまでは出てないかもしれないんですけれども、今、各学校で1人1台端末というものを持っているかと思っています。ICTであるとか1人1台端末の有効活用というものが一つ大きな手段になるのではないかなと思っております。今、ここで示されている、できたら丸であるとかそのようなことを、例えば、1人1台端末で教師がぽちぽちやっていくと、そういったイメージではなく、教育振興基本計画にも書かれておる誰1人残さないとかということで、今日クラスの全員の意見を集めるのに非常に有効な手段だと思っています。そのためには、クラス全員に教師がどのように発問をしながら意見を回収していくか、これは心理的安全性の自由な発言の場、誰からも非難されない、恥ずかしがらないという、そういった観点にも繋がってくるかと思っておりますし、中には発言が活発な子と、そうではなくて、なかなか人前で話ができない中に、自分はこういう考えを持っているんだという意見の集め方、そのようなところに踏み込めると思っております。
また、今現在、学校に来られていないけれども、病気療養中等で学校外にいながら、それでも自分の意思決定であるとかそういったところには参画していくと、そういった遠隔の参加というところも促せると思っておりますので、そういった活用というところが、この中では示されないかもしれませんけれども、解説等でそのような連携というものを強化していただけたらありがたいかなと思っております。それ以外には、キャリアパスポートであるとかワークシート、もしくはポートフォリオというものをしっかり大切に並行して、評価の一材料としていくということが書き込まれていくということを望んでおります。
以上です。
【恒吉主査】 ありがとうございました。非常に貴重な御意見だと思います。評価に関して複数の御意見が出ておりますので、ぜひ参考させていただきたいと思います。では、望月委員、よろしくお願いいたします。
【望月委員】 日本大学の望月でございます。資料の取りまとめ、御説明、ありがとうございました。私からは3点の意見を述べさせていただければと思います。
まず、意見の1点目ですけれども、ほかの委員の方々も着目されている資料のスライド8についてです。三つの視点について再整理というところですけれども、こちらについては、私もほかの委員の方々と同様、基本的に賛同をいたします。ほかの資料では、「社会参画」という言葉がまだ多く残されている状態であることから、「社会参画」という視点を基盤に残しつつ、お示しいただいたような背景の下で、そのメッセージも込めて、あえて「社会創造」という言葉を三つの視点の一つとしてクローズアップしたと理解しております。
もう一つ、もともとの資料では「人間関係形成」から片方の矢印で「基盤」だったと思うのですが、それが括弧として「基盤」となり、それぞれ「社会創造」「自己実現」と往還的という表現に変わったというところです。こちらに関しても、実際の場面等を私も見させていただいた中で、こちらのほうがより現状に近いでしょうし、望ましいと考えます。
意見の2点目は、スライドの12に関するところです。こちらについては、前回のワーキンググループの中でも、道徳と総合と特活が果たす役割や、その関係性について取り上げていただいたかと思います。丸ポツの2つ目の中の小さな括弧の中の部分ですけれども、資質・能力の構成についても、道徳や総合で挙げている資質・能力の議論を踏まえて、そことの関係性も意識しながら提示していくべきではないかと強く思いますので、こちらのほうの検討は改めてお願いをしたいと思います。
意見の3点目は、スライドの32に関するところです。教師や児童生徒自身による評価について示していただいております。特別活動の特質を生かし、評定ではなくて、特別活動の評価として示すということを出すためにも、自他との対話や振り返りはとても重要だと思います。その際には、先ほど二木議員もおっしゃっていましたけれども、現行の学習指導要領からキャリアパスポートが入っておりますので、この目的も意識した上で教師や児童生徒が取り組んでくれることを願っております。
以上3点の意見となります。
【恒吉主査】 望月委員、ありがとうございました。では、副主査の前に川本委員、よろしくお願いいたします。
【川本委員】 はじめに、本資料の作成に当たり御尽力いただいた事務局の皆様に、心より感謝申し上げます。特別活動に関わる多面的な論点をここまで丁寧に整理していただき、また本日の議論の土台として、極めて示唆に富む内容をご提示いただいたことに、深く敬意を表します。
まず、特別活動の本質をどのように捉えるかという点について、個々の活動に先立って明確にしておきたいと考えております。私は、特別活動とは、学級という小さな社会を子供たち自身が段階的によりよくしていく中で、経験を通して民主的な社会を形成していくために不可欠なプロセスを、体験的に学ぶ領域であると位置付けています。今回の資料の22ページに示されているスパイラルの図は、まさにその本質を示唆するものとして捉えています。社会は一気によくなるものではなく、段階的に発展していく性質をもっています。そして、子供たちは社会発展のプロセスを、まずは最も身近な共同体である学級や学校において経験していきます。学級は多様な価値観、役割、ルール、協働、意思決定といった社会に必要な基盤的要素が凝縮された、いわば社会の縮図といえます。そのような場において子供は、話合いが円滑に進まない段階を経験し、意見の相違に揺れ動きながら葛藤や調整を重ね、合意形成を図っていきます。さらに、やがては自ら課題を見いだし、改善していく段階へと成長していきます。すなわち、学級は社会のミニチュアであると同時に、社会の発達メカニズムを体験的に理解している場でもあると捉えています。以上の点を踏まえると、スパイラル図は単なる図示ではなく、よりよい社会とは段階的に生成されるものであり、その生成プロセスを子供たち自身が経験することにこそ、社会形成の学びが宿るというメッセージが内包しているものと考えています。特に、スパイラルという構造そのものに十分な焦点が当てられてこなかったように感じられたため、改めてその意義を明確にしたいと考え、このような意見を述べさせていただきました。
また、こうした段階的発達を支えているのが、資料21ページに示されている、学びに向かう力・人間性等だと考えております。当事者性、協働性、自律性、在り方・生き方の4つの力はいずれも、学級という集団が段階的に成熟していく過程において不可欠となる基礎的能力であり、子供が学級の課題に自分事として関わり、多様な他者と協働しながら、自らの判断と責任を持って行動し、自己の在り方を見詰め直していく力として理解することが適切であると考えています。これらの力は、社会の多様な場面で不可欠とされる基礎的資質でもありますが、特別活動において特に重要なのは、それらが日常の共同生活の中で、実践的な必要性に迫られる形で発揮・形成されていく点にあると考えています。机上での理解にとどまるのではなく、日々の生活の中で生じる葛藤や調整、協働的な取組、さらには自らの判断と責任が問われる具体的な局面を通して、これらの力が発揮され、段階的に形成されていくことこそが、特別活動の独自性であり、その教育的意義であると捉えています。
なお、少し前後しますが、7ページ、8ページ、19ページに示されている「社会創造」へと転換する案について意見を述べさせていただきます。理念としての社会創造は極めて魅力的であり、特別活動の方向性とも非常に整合するものだと考えております。一方で、その抽象度の高さゆえに、現場において混乱が生じたり、概念がスローガン化したりする懸念も否めないと考えています。民主主義の学びは本来、「社会を理解する」ことから「参画する」ことへ、さらに「創造へ向かう」という段階を踏んでいく必要があると考えております。こうした段階性を踏まえるならば、いきなり「創造」を前面に掲げるとのではなく、資料21ページの表等を中心に、他の箇所においても丁寧な意味付けを行いながら、段階的に導入していくことが適切ではないかと考えております。
続いて、資料26ページ及び27ページに示されている、高次の資質・能力をどのように位置付けるかという点について意見を述べさせていただきます。
今回の資料では、話合いだけでなく、実践や振り返りを含めた一連の活動を通して学びが形成されるという視点が示されており、この方向性は特別活動の本質に照らしても妥当なものと受け止めております。その上で、個人的に強調したい点は、「話合い-実践-省察」という循環そのものを、個々の能力要素を並列的に捉えるのではなく、子供が自らの生活を更新していくための包括的・高次の資質として位置付ける視点です。話合いがいかに円滑に行われたとしても、実践や省察を伴わなければ、学級の実質的な変容には繋がりません。むしろ、これらが往還して循環し、循環していくプロセスを、子供自身が主体的に回していく力こそが、特別活動において育成すべき中核的な能力であると考えております。このような視点を、資料27ページに示されている高次の資質・能力の整理と整合的な形で、さらに明確に位置付けていくことで、特別活動の独自性が一層鮮明になるのではないかと考えております。
最後に評価に関して申し上げます。今回御提示いただいた資料29ページから31ページの整理につきましては、特別活動の評価に関する論点が非常に明瞭にまとめられており、今後の議論を進める上で、大変重要な土台になると受け止めております。一方で、今回の資料では、学習評価の枠組みと接続を適切に意識しながら整理がなされているものの、特活が本来重視してきた、生活の共同体の中子供が段階的に成長していくプロセスを、どのように把握していくかという観点については、今後さらに明確にしていく余地があるのではないかと感じております。特別活動においては、子供が当事者として課題に向き合い、仲間と協働し、ときに自らを調整しながら成長していく、その過程そのものが学びの核心であると考えています。したがって、評価においても、行動の可否を測定的に捉えるのではなく、子供一人一人の内側で生じる変容を、総合的かつ発達的に把握していくという視点を、今回の整理の中でより一貫した形で明示していくことが望ましいのではないかと考えております。資料でお示しいただいた方向性を生かしつつ、特別活動の独自性をより鮮明に位置付けるための評価の在り方について、今後さらに議論をさらに深めていければと考えております。
補足として、気になった点を一点申し上げます。野村委員から御提示があった「望ましい集団活動」という表記につきましては、その背後に置かれている、集団や組織が成立するための基礎的要件、すなわち「望ましい集団活動の条件」が示されている点に重要な意義があると受け止めております。この点は、特別活動の本質的理解に関わる重要な論点であることから、今後、改めて議論を深めていただくことが適切であると思っております。
以上です。少し長くなりましたが、ありがとうございました。
【恒吉主査】 ありがとうございました。いろいろなところ、重要な点を挙げていただいたと思います。副主査に行く前に、最後にお一人、手を挙げていらっしゃらない、秦委員から何か、よろしくお願いします。
【秦委員】 いつも何か気後れしてしまって、すみません。こうやって3回目の委員会を迎えたわけなんですけれども、私自身が教員としてやってきたことが何となく、いろんな形で整理されていっているなというふうにして、特別活動への私自身の深い理解にも繋がっているなと思って、本当にそれが皆様方のいろんな御意見というのも本当に勉強になるなと思っています。ありがとうございます。
まず、8ページなんですけれども、往還にしていただいたことが、本当に私も自分が実践、いろいろ特別活動を実践している中で、往還という表現があっているなというように実感をしています。年度始めに大体、特別活動、学級にしても、生徒会、児童会にしても新しい集団が年度始めに組織されて、子供たちがいろいろ活動を通して人間関係が深まったりとか、もちろん自分が属している集団で、どう自分がリーダーとして活躍する子もいれば、下支え的な、みんなを僕のこういうことで支えていけるんだとか、学校全体の非常にこういう小さい仕事だけども、すごく頑張ってやれてよかったみたいな感想を年度終わりに書く子もいるので、そういう点では自己実現とか、あと演者という表現なんかもありましたが、それぞれがそれぞれの役割をやって自己実現していく。そして集団が社会参画か、社会創造かという御意見いろいろ出ていましたけれども、最初、年度初めの集団が校外に出なくても、年度終わりには、また非常にすばらしい集団になってということを考えると、創造という子供たちが属している組織そのものが創造というか、また生まれ変わるというか大きくいいものになっていくという点では、そういうふうに社会創造って捉えれば、社会創造という言葉もぴたっと来るのかななんて私自身は思いました。
それから、次の9ページですけれども、右下のほうに、各教科との見方・考え方を総合的に活用と、総合的に活用というところが、総合的にといってもなかなか理解ができない経験の浅い先生方もいるので、総合的に活用というのが、例えば、民主主義について社会科で学んだこととかをこんなふうにというようなことなんか、具体的に解説のほうには記述していただけるといいのかなあと思いました。
それから、21ページですけれども、生き方・在り方という言葉だけを取り上げますと、丸4番ですけれども、やはり道徳との関連というのが不可欠だなあと思ったので、道徳との関連というのをまたいろいろ記述していただけるといいんですが、これを一番出だしのところに生活上の実践を通じてと、これは非常に特活としての生き方・在り方の考えを深めるということに繋がるのかなと思って、すばらしい書き方をされているなと思いました。
それから、27ページですけれども、事前のお話にも私が質問したところですけれども、高次のというところがやはり、高次って高いという言葉を使われると、とても何か高いレベルでの力を子供たちにつけないといけないのかなと、何となく現場の先生が稀に誤解というか、間違った考え方といいますか、そういうように取られるとよくないなと思うので、あくまで高次のという表現は、これは特別活動の部会だけの話じゃないかもしれませんが、その右側に資質・能力を育成することを目指すということが、こっちの高次の資質・能力というところに当てはまってくると思うので、あくまで高次の資質・能力というのは、資質・能力ベースに目標を書き改めたものであって、育成を目指す資質・能力なんだというところら辺を、またどこかで記述をしていただけるといいのかなと思いました。
それから、最後、32ページ、この評価が目標準拠評価でなくなったというのは、何となく非常に、特別活動は子供たちも本当に場所だけでも広い範囲で活動したりとかするので本当に評価が難しい、本当に自分のクラスの子がどこまで育ったのかというのがなかなか見取りも難しい部分もあるんですけれども、そういう目標準拠評価じゃなくて、あくまで個人内評価で評価してきましょうというようなところは、現場はとても助かると思いますし、自己評価とか相互評価を大事にする。それから、それを見とった上で教員が形成的評価をするというところら辺を大事にしていこうというのは非常に、本当に指導と評価の一体化という点でも良いなと思いました。例えばキャリアパスポートなんかで、まだまだ多分、自分のキャリアパスポートをいろんな書いたものをつづっていく、それを振り返るということまではやっている学校もあるかもしれませんが、なかなかお互いのキャリアパスポートを見合うというところまでは活動が進んでいないかなという気もするんです。そうすると、お互いのキャリアパスポートなんかも見合って、誰々ちゃんはこういう活動を通してこんな感想を持っている、こんなふうに思ったんだということも、自分もというようなとこら辺の話合いなんかもできるようになってくると、キャリアパスポート、ますます有効なものになるし、子供たちの変容というのを、またそれが形成的評価で教員が声掛けして、さらにブラッシュアップしていくというような活動ができると評価をやっていく意味も本当にあるなと、指導に、またそうやって生きていくなという思いもしました。
すみません。以上でございます。
【恒吉主査】 ありがとうございました。では、お待たせいたしました。白松委員、よろしくお願いします。
【白松委員】 お世話になります。愛媛大学の白松です。どうぞよろしくお願いいたします。本当に今回、ドラスティックな大きな変更や提案があるものをここまで分かりやすくまとめていただいたということに対して、非常に強い敬意と感謝をまずは表して話をしたいと思っております。基本、おおむね私は今回のものに関して全面賛成しているものではあるのですけど、その中でも少し掘り下げておいたほうがいいかなというところに対して、4点、意見を述べさせていただければと思っております。
まず、1点目は8ページの青木委員から指摘があった並列構造から立体構造への変化ということで、人間関係形成を基盤とするという、この図についてというのはおそらく青木委員が言われたような質問という、懸念は多分学校からも出てくるだろうと思うのですが、私自身は特別活動の望ましい集団活動、これは川本委員や野村委員もおっしゃられていたのですけど、それは目的かつ方法原理であったというのが特別活動の前提だと思っています。そうなれば、人間関係形成というのを望ましい集団活動を基盤としつつ、社会創造や自己実現の活動を通してさらに高め、成熟させる。それができることによって往還として、また人間関係形成が深まっていくという、そういう流れという、まず、人間関係形成を基盤に置くというのは、私はまず、しっくりくると思いながら見ていました。
もう一つは、心理的安全性を子供も先生も実感できないと、社会創造や自己実現というのは、非常により多く行うことが困難ですので、そういう意味でいけば、人間関係形成を基盤として、それを2つの活動を通してさらにまた高めていく、往還関係にしていくという、この図が私はすごく適切かなと思っています。問題としては、人間関係形成を、例えば仲がいい人間関係形成のように幼く捉えてしまうというのが非常に問題があると思いますので、個人が、あるいは集団が、あるいは学級が、ということになるんですけど、課題を見つけて、人の好き嫌いとかということを超えて、誰とでも協働して解決を目指す人間関係形成を常に目指し続けていくということはすごく重要なポイントだと思っております。
2点目ですが、12ページ、13ページの資質・能力の構成については、かなり思い切った形なんですけども、この形だと特別活動の特質が良くあらわれているんじゃないかなと思っております。知識・技能が子供の主体的・実践的な活動を通して、ほかの資質・能力と一体的に育むことが求められる、この点は特別活動としてもとても重要だと思っています。34ページのOECDのラーニングコンパスに示されるコンピテンシーとかで言えば、態度と価値に結びつけられた知識や技能というのが、特別活動の子供たちの活動にはとても大切なので、それが行動と振り返り、見通しの過程の中で身に付いたり、深化・拡充される、こういったことが強調できているので、とても私はこれについていいなと思いました。ただ、おそらくいろんな、実際どういうものが知識や技能なのというような質問というのは多分、先生方から出てくると思うんですけど、これは学習指導要領を実践に実装していく際に、特別活動研究において掘り下げて、こういったことが探究されていく必要があるかなと思っております。そういった研究の発展にも繋がればということも思いました。
3点目は、資質・能力の柱ごとの目標について、20ページ、21ページということになります。ここは少し私、賛成なんですけども、懸念点は対立や葛藤を乗り越えという表現が行われています。もちろん対立や葛藤を乗り越えていくということを目指すという前提についてはとても重要だし、私も理解しているんですけども、先生方がどのように受け止めて実践されるだろうかという点については懸念がありまして、乗り越えさせなければならないというような正解主義が生まれてこないかという懸念です。そうなってしまうと、乗り越えさせるためには、どこかで誰かに我慢させなきゃいけないみたいな、そういう実践が同調圧力みたいになってしまう、そういう危惧がないかということが気になっていまして、民主主義というのは不一致というのがとても大切だと言われていますので、対立や葛藤はあって当たり前で悪いことではないということが、まず前提として共有される必要があるだろうということと、今の私たちには乗り越えられないものがある。ただ、これに向き合い続けていくことで将来乗り越えていきたい、そういったような取組がとても大切なので、乗り越えるという言葉が独り歩きしちゃわないかなということが実践上は気になっていたということです。
私としては、23ページの下の表に小学校、中学校、高校で書きぶりを少し変えてみるというのも一つの手かなと思いました。例えば小学校では、「多様な他者との対立や葛藤に向き合い」としてしまう。中学校では、「対立や葛藤に対処し」、高校では「乗り越える」という、こういう流れで見ていくと、向き合うことのまず、重要性をしっかり体感していくところから始まっていくという流れにもなるかなということは思いながら見ていたということです。この辺は実践を想定したときの懸念という点になります。
4番目の29ページ、31ページ、32ページの評価ということですけど、これは評価の簡素化が特別活動の軽視に繋がらないかという問題が出ていたと思うんですけど、簡素化ということではなくて、特別活動の評価が指導に十分生かされていたかという問いとして捉えることが大切かなと思っています。私は特別活動の評価については常々、特別活動を通じて、先生方には児童理解を深めてほしいと願ってきました。児童生徒が相互評価をするような場面においては、発達支持的な声掛けのある相互支援的な人間関係に繋がってほしいと思って、実際に関わってきています。そういう意味でいくと、個人内評価を重視するということが、特別活動の実践に対して指導との一体化に還元されるということが最も重要な点だと思います。これは大村委員もおっしゃられていましたが、実装する場面では児童生徒にとって発達支持的な関わりが学校に広がることに繋がるということが一番重要なポイントかなと思っています。これはキャリアパスポートとかの議論とかも少し出ていたんですけど、これは後の回に議論されることになろうかと思いますので、その回で検討できたらと思いますが、今回は、むしろ指導と評価の一体化のポイントで取っていくというほうがいいかなと思っています。
あと、9ページの教科固有の見方・考え方とか、26ページ、27ページの高次の資質・能力の示し方なんかは児童生徒の主体的な姿が見えるので、私はすごくシャープになってすっきりした印象で見させていただきました。
以上です。
【恒吉主査】 ありがとうございました。では、京免委員、よろしくお願いいたします。
【京免委員】 京免でございます。まずは、非常に多岐にわたる議論の中でいろんなアイデアを生かして丁寧に資料をまとめていただいた事務局の皆様に深く感謝申し上げたいと思います。私も総論としては、非常に今回の御提案に賛同するところです。その上で、4点ほど、コメントのほうさせていただけたらと思っています。
まず、1点目ですけども、8ページのところになります。三つの視点の再整理というところです。既に多くの先生方から御意見が上がったところではありますけども、私も社会創造とするということについては、現場の先生方へのメッセージという意味では、大きな意味があるかなと感じているところです。大村委員からも発言がありましたけども、参加、参画、あるいは創造というのは、学術的にも多義的なもので定まった定義はないという認識をしています。そういった中で、あえて参画からなぜ創造に変えるのかということを少し考えてみますと、これまで特別活動、社会参画ということを掲げてはいたものの、なかなか実際のところは既存の枠組みをつくり変えていくという方向性にいってこなかった。そういったところがあるのであれば、あえてそれを変えてみようという意味合いでメッセージで打ち出すことには意味があるのかなと感じているところです。
さらには、ほかの教科等のとの違いというところでいきますと、特別活動はリアリティーを持った実際の生活の中で、子供たちがコミュニティをつくっていく活動であり、なすことによって学んでいくというところを特色があることを踏まえると、ほかの教科とはまた違ったというところで、社会創造を使うことにも意味があるのかなと考えております。まず、こちらが1点目になります。
あと、自己実現のところに関しては、以前の議論で、この言葉、もっといい言葉がないのかという議論もあったかなと思いますけども、社会創造と往還をして考えるというように取れば、バランスは取れているかなと思いますし、自己実現という言葉が残ることでウェルビーイングとのつながりであったり、キャリア教育とのつながりも意識しやすいという意味では、この言葉が適切なのかと考えているところです。
続いて、2点目になります。9ページのところになります。こちらは野村委員のほうから御発言があったところで、3つ目のポツのところです。自他のよりよい人生や社会生活に繋げるというところで、「自他の」というのをつけてしまうと少し狭く捉えられる懸念があるので、これを取ってはどうかという御提案かと思います。そのこと自体は、私もそういった可能性、懸念は確かにあるなということを深く理解しつつも、私自身はあえてここに「自他の」とつけることにも意味があるかなと感じているところです。「自他の」を取ってしまうと、おそらく「自己の」というように解釈される可能性が高い。しかしながら、特別活動におけるキャリア形成の特徴というものは、学級、学校というコミュニティの中でお互いに支え合いながら、もう少し大胆に言えば、キャリアというものを個人の責任だけに帰さずに、お互いに支え合いながらつくり上げていく、そういったところに特徴があるのかなと思いますと、残してもいいのかなというのが私の意見です。ウェルビーイングとの関連で言いますと、日本社会に根差したウェルビーイングの協調的な要素をここに盛り込むことには、一定の意味があるのではないかと考える次第です。
続いて、3点目です。3点目が、主に23ページのところになります。23ページの部分で、学び向かう力・人間性等のところが学校種によって書き分けのほうがされています。ここを見たとき、少し気になったのが、大きく4つ、箇条書で書かれていると思うんですけども、箇条書の2つ目のところ、ここに関して小学校と中学校のところで同じ書きぶりになっているというところが気になりました。この表の上にもありますように、小中高で目指す資質・能力の高まりが、発達段階に応じて高まっていくんだということを示すためには書き分けをしたほうがいいのではないのかと考えています。こちら、白松委員のほうからも御提案があったかと思いますけども、書き分けの仕方としてはいろんな可能性があると思います。2ページ目にありますような、21ページのところにある葛藤というところに注目しますと、高等学校段階は「複雑な葛藤」となっていて、中学校段階が「葛藤」となっている、小学校段階が「単純な葛藤」とはなかなか書きにくいと思いますので、「身近な葛藤」とか、あるいは「日常生活における葛藤」とかというところで書き分けをしていくというのも一つの案かなと思います。
一方で、先ほどありましたように、乗り越えるというところに注目するというのも一つ、可能性としてはあり得るなと思っているところです。白松委員は「向き合う」という言葉を使われましたけども、私自身は実は「受け入れる」というようなことを少し考えていました。なぜかといいますと、今こうした葛藤とか対立を回避しようとする、回避しようというのは、きちんとその問題に対処して回避をしていくのではなくて、その対立自体に目をつむって、それがなかったかのようにしてやり過ごしてしまう、そういったことが起きてはしないか。もっと言えば、子供たちがこういった対立を恐れて「優しい関係」、お互いを傷つけ合わないように空気を読む関係になっているという現実があるのではないのか。そうすると、まずは受け入れるということが重要なのかということを少し考えた次第です。ただ、これは言葉に必ずしもこだわっているということではなくて、さっき冒頭に申しましたように、学校種を上がっていくにつれて高まっていくというところが、ぜひ示せるように、御検討のほういただけたらということを思っています。
最後、4点目になります。4点目が評価のところになります、ページで言うと、32ページのところになります。これも多くの先生から御意見が出たところです。とりわけ、冒頭に今村委員からは、個人内評価というところに総括評価を持っていくというところによって、評価が軽視されはしないか、そういった懸念が示されたところであります。これに関しては私も非常に同感で、そう受け止められない工夫が必要かなということを強く感じている次第です。その上で、少し御提案したいのは、この図なんですけども、様々な評価が図示されているんですけども、その関係性というものをもう少し整理されてもいいのかなということを思った次第です。例えば、図の上のほうにありますのは児童生徒自身による評価と書いてありますけども、これは評価という言葉を使ってしまえば評価なんですけども、どちらかと言えば振り返りとか、お互いの認め合いということなんだと思います。これは学習評価そのものではないということになります。この部分を、形成的評価をする際に教師が見取っていくということが重要になります。かつてのような到達度評価をやめるということは、これまで以上にこうした子供たち自身の記述というものを丁寧に見取っていくということが求められてくる。そういったところを、ぜひ図に示せたらなと思うところでありますし、さらに学習評価のところで言いますと、下のところ、形成的な評価と総括的な評価が少し離れているようにも見えるので、総括的な評価で個人内評価をやるということは、逆に言えば、形成的評価というものを積み重ねて、その積み重ねの先の中に個人内評価があるんだというところも示していただけたらなということを思っているところです。特に形成的評価というところをしっかり先生方にやっていただかないと、最後の個人内評価というものが何となく先生の印象論で、あるいは、生活態度みたいなところだけを捉えて評価されるということになってしまうので、そうならないような工夫があるといいのかなということを感じました。
以上になります。どうもありがとうございました。
【恒吉主査】 京免委員、ありがとうございました。髙島委員がお入りになりましたので、ぜひ3分から5分ぐらいの間にお願いいたします。髙島委員、よろしくお願いいたします。
【髙島委員】 お世話になります。髙島です。すみません、遅くなりまして。よろしくお願いいたします。私も大きく分けて4つお話しできればなと思います。
まず、5ページ、開いていただけますか。5ページ、そして三つの視点のところでも、今回、社会参画という言葉が変わってきたと。これは、私は本当にいいなと思います。これはふだん市役所で仕事をしていても感じるんですが、いわゆる市民参画みたいなことも言ったりするわけなんです。それには市民に「参画をさせてやっている」みたいな、ちょっとした、何かそういう響きを感じるところがずっとありまして、その点で社会参画、多分そんな意味はないんでしょうけども、既にある社会に参画させてやるじゃなくて、一緒につくっていこうとするというように変わってきたのは、これはすごくいい言葉の変化なんじゃないかなと思っております。同時に、確かな民主主義や共生社会の担い手としてということで、民主主義という言葉が入ったというところも、これは前回の議論にも基づくものではないかなと思うんですが、とてもいい変化だなと思っています。この目標、これは言葉がなぜ変わったのか、どういうものを目指すのかということがしっかりと現場に伝わることがとても大事だと思います。これはずっと私も話している話ですが、特活ってよく分からない授業というか、子供にとっては一休みのように思われているみたいなこともあると思いますので、ぜひここの、なぜ今回これを掲げているのかということは、ぜひコミュニケーションをしっかり取っていただけたらなと思っております。
8ページをお願いします。三つの視点のところもすごくよくなったなと思っております。まず、番号が外れたというところで、どっちが先とかじゃなくて往還をしていくんだというところが明確になったことはよかったなと思いますし、社会創造という言葉になったのもすごくいいなと思います。今回、私が個人的に好きだなと思った文章が、社会創造と自己実現の中にある話で、「自己の視点」なき「社会の視点」は同調や奉仕の強要になりかねないと、一方で、「社会の視点」なき「自己の視点」は独りよがりになりかねないと。ここを行き来するというところを、まさに鍛えていくというところは特活においてとても大事なことなんじゃないかなと思います。どっちだけに寄るんじゃなくて、これは往還していくというところ、ここをぜひ、往還というところは強調していただけたらなと思っております。
その下の人間関係形成のところの中に赤字で、「多様性を個人及び社会の力に変えていく視点」を含むところに留意しましょうということなんですが、まさにこういうところも特活から発信していきたいなと思いますし、このように考えると、これ本当に特活というのは民主主義の担い手、社会の担い手をつくっていくという今回の指導要領の改訂においても改訂の中心ではないかなと考えているところです。
続いて、24ページにいっていただけますでしょうか。ありがとうございます。今回、24ページの上のところにある学びに向かう力・人間性等のところを今回、とりわけ重視される資質・能力を演者と位置付ける、これは面白いなと思って見ておりました。今回、企画特別部会の中で結構こだわって議論されていたのが学びに向かう力・人間性等のところかなと思います。とりわけ図をどうするかというところに結構こだわって議論がありました。議論の中で出てきたのは、これまでの学びに向かう力・人間性等というのは、とりわけ昔でいう粘り強さとか自己調整みたいなところが過度にクローズアップされていたかなと。だからこそ、そこだけじゃなくて、まさにスパイラルで4つに整理しながら、これを上がっていくんだというところを大事にするというのが今回の特別部会の議論だったかなと思います。その中で、真ん中の自律性のところかなあと思うんですが、省察による思考や感情、行動の自己調整というところが書かれています。ここで恐らく意識しているのは21ページのところにいろいろ書いていると思うんですが、どちらかというと、自己の思考や感情、行動の調整、つまり、目の前の活動に対する子供の自分自身の主体的な調整というところが含まれていると思うんですが、これは少しメタに見ると、特別活動の授業全体をどのように自己調整していくのか、子供主体でみんなでどうやってつくっていくのかというところにも繋がるのではないかなと思います。ここについても、特別活動って正しい1個のゴールや正解、理想の授業みたいなことがあるわけでは必ずしもないと思いますので、ここはぜひ主体的な調整を子供と先生、一緒になって行われることを期待したいなと思っています。
最後、29ページの評価のところを少しだけ話して終わりにしたいと思います。京免先生、先ほどおっしゃっていた評価の言葉遣いという話はそのとおりだなと思います。大きな方向性はいいなと思っているんですが、結局評価って何かというのをみんなで意識し直すことがとても大事かなと思います。これは学校の先生もそうなんですが、保護者と、あと何より子供も含めてみんなで評価って何だっけということを考えるというのはとても大事なんじゃないかなと思います。最近ルーブリックの話とかもほかの教科でありますけれども、これもまさに、特活の授業の中で評価って何かと話すのがいいかどうか分かりませんけれども、いわゆるあゆみとか通知表だけが評価じゃないよねというところはしっかりと強調できればなと思います。その点で今回、教師による評価として形成的評価、つまり、適時の声掛け、指導・支援というところで、あゆみの点数というわけじゃなくて、日頃からのフィードバックというところもすごく大事にしたいというところはいいなと思いますので、評価というと点数みたいなイメージがある日本社会ではありますけれども、そういう広い意味での、人それぞれのやる気を引き出したりとか、前向きに次のステップに進めたりするための、そんな後押しとしての評価というものがあるんだよというのは、ぜひ広まればいいなと思っております。
総じて、今までの議論をすごくいい形でまとめていただいたなと思いますので、これからどう具体的にしていくかというのは、今後の議論においてとても大事だと思っております。ただ、ここまでこういう話をしていて、こういう全体像で進もうとしているところは、ぜひ今の段階からいろんな形で、現場に降りていくということも大事だと思いますので、そこら辺の発信は引き続き、同時並行で進めていただければ幸いです。
以上です。
【恒吉主査】 ありがとうございました。これで全員御発言されたと思います。今日は特別活動のまさに特質、本質に関わるような議論でしたので、これからも度々重なる議論がされていくと思います。
ここの時代から1世代というのは、非常に日本の世界の中での位置付けも、もちろん少子高齢化の話が出ましたけれども、大きく変わっていく、社会が変わっていく時期に当たっていると思います。ですから、多分例えば葛藤というものが出てきましたけれども、教室の内部が多様化していって、例えば途中から入ってくる生徒も多くなるというような状況が多分起きてくるわけですけれども、そうした中では葛藤の中身も、その結果、合意形成のプロセスにも、また新たないろいろなものが加わっていくのではないかと思われます。本当に今日はいろいろな議論ありがとうございました。少しオーバーしてしまいまして、申し訳ございません。それでは、本日の議事は以上とさせていただきます。
最後に、次回以降の予定について事務局からお願いいたします。
【堀川学校教育官】 年明け以降の開催日程の詳細につきましては、後日、正式に連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
【恒吉主査】 それでは、以上をもちまして、閉会といたします。ありがとうございました。
―― 了 ――
電話番号:03-5253-4111(代表)