教育課程部会 生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループ(第5回)議事録

1.日時

令和8年3月10日(火曜日)16時30分~18時30分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 生活科におけるICT活用等について
  2. 総合的な学習・探究の時間における評価等について
  3. その他

4.議事録

【黒上主査】  4時半になりましたので、ただいまから第5回生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループを開催いたします。
 進行資料を御覧ください。本日は、「生活科におけるICT活用等について」と「総合的な学習・探究の時間における評価等について」、御審議いただきます。
 まず、議題1について事務局からの説明の後、意見交換を行って、その後、議題2について事務局からの説明の後で意見交換を行いたいと思います。
 本日の流れの説明は以上でございます。
 それでは、まず1つ目の議題です。資料1について、事務局より説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  主任教育企画調整官の髙見です。
 資料1の1ページを御覧ください。本日の議題の(1)は生活科におけるICT活用等についてです。このうち、論点1として、生活科の目標及び高次の資質・能力等について、論点2として、生活科におけるICT活用について御議論いただければと存じます。
 3ページを御覧ください。まず、論点1の生活科の目標及び高次の資質・能力等についてのうち、目標及び見方・考え方についてです。生活科の目標及び見方・考え方については、上の枠内にあるとおりでございますけれども、前回ワーキンググループでお示した案を基本としつつ、目標については、前回ワーキンググループにおいて、「学びや生活をより豊かにしようとする態度」としていた表現につきまして、起点が豊かであるとは限らないことから、「学びや生活を豊かにしようとする態度」と見直してはどうかと考えております。
 また、下の部分、見方・考え方については、前回ワーキンググループにおいて、「自分との関わりや、自分と他者との関係の中で捉え」としておりましたが、「自分」に重複感があることから、「自分との関わりや他者との関係の中で捉え」と見直してはどうかと考えております。
 続きまして、4ページを御覧ください。生活科の高次の資質・能力については、第4回ワーキンググループでも案をお示しし、御議論いただいた上で2月2日の教育課程企画特別部会において教科を通した議論が行われ、5ページ、6ページにあるように、更なる検討の方向性が示されたところでございます。特に5ページの2、分かりやすさ、シンプルさの一層の追究を一層進める観点から、先ほどのページに戻りますが、黄色のマーカーで示したように、左側の学校、家庭及び地域の生活に関する内容としては、「学校、家庭及び地域との関わりの中で、自分の生活が支えられていることへの気付きを深め、それらに親しみや愛着をもって行動できる」としてはどうかと考えております。
 また、中央の身近な人々、社会及び自然と関わる活動に関する内容としては、「身近な人々、社会及び自然との触れ合いの中で、自分のよりよい生活につながることへの気付きを深め、生活を楽しくしようとすることができる」こととし、右側の自分自身の生活や成長に関する内容としては、「これまでの生活や学びを通じた自分の成長の振り返りの中で、他者への感謝や自分のよさ、可能性への気付きを深め、意欲的に生活できる」といった形で見直してはどうかと考えております。
 続きまして、11ページを御覧ください。本日の議題(1)の論点の2つ目は、生活科におけるICT活用についてです。まず、左側(1)生活科におけるICT活用の現状といたしまして、1人1台端末の整備を背景として、体験活動や表現活動の場面でICTを活用する実践が広がっており、具体的には写真、動画撮影、変化や成長の記録、スライドや写真提示による発表、調べるための検索、デジタル図鑑の活用などが行われているところです。特に体験の記録や可視化、表現において活用されることが多く、子供一人一人の思いや願いを実現する手段として定着しつつあります。
 一方(2)、下の部分でございますが、ICT活用における課題といたしまして、第1に、ICTが体験を補助・促進する手段ではなく、活動の一部として目的化する場合があること、第2に直接体験で得られた気付きを十分に認識できていない場合があること、第3に写真や動画の提示にとどまり、言語による伝え合いや比較、問い直しが十分に行われていない場合があることなどが挙げられるところです。
 こうしたことも踏まえつつ、右側には改善イメージを示しております。まず、1の基本的な考え方として、生活科におけるICT活用は、身体性を伴う体験をより一層豊かにしていくためのものであり、直接体験を代替するものでないことを前提とした上で、ICT活用を生活科の本質的意義をより深化させ、体験・認識・表現の質を高めるための補助・促進する手段として位置付けてはどうかと考えております。
 その上で、2の改善の観点といたしまして、(1)にあるとおり、諸感覚の基盤の上に、撮影や記録によって、時間、空間を超えて対象をじっくり見たり、様々な視点から観察したりするとともに、改めて対象に関わる活動を取り入れることで体験の質を高めること、(2)にあるとおり、画像や動画の視聴によって対象を比較したり捉え直したりし、それらを言語化し対話によって考えを巡らすとともに、自分の変容や成長に着目したり振り返ったりすることで認識の質を高めること、(3)にあるとおり、音声や画像で簡便あるいは精緻に表現したり、思いや願いをもって交流したりすることで表現の質を高めることなどとしてはどうかと考えております。
 さらに、3の幼児教育・総合的な学習の時間との接続として、幼児期の遊びの中で育まれた探究の芽生えを、体験と表現の往還の中で自覚的に育て、生活科における記録・比較・交流を通して生まれる、「なぜ」「どうして」「確かめたい」という思いが総合的な学習の時間における探究へと連続することを意識し、生活科におけるICT活用を、生活科の本質的意義を支え、幼児期から総合的な学習の時間へと連なる学習の質の高まりを促進する学習基盤として位置付けてはどうかと考えております。
 12ページを御覧ください。先ほど申し上げました改善の観点を踏まえまして、体験の質の高まり、認識の質の高まり、表現の質の高まりの3つの視点から、生活科におけるICT活用のイメージを整理しております。
 続きまして、13ページを御覧ください。同様に、先ほど申し上げた幼児教育・総合的な学習の時間との接続の観点を踏まえ、それぞれの段階における活動がどのような連続性を持って繋がっているのかを整理して示しております。ここにあるとおり、幼児期の記録する、詳しく知る、表現する、やり取りするといった活動が、生活科においては、撮影・記録、比較・捉え直し・言語化、表現・交流といった形で行われ、総合的な学習の時間においては課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現といったプロセスで連続性を持って繋がっていく形で捉えていってはどうかと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。
【黒上主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、意見交換に移りたいと思います。御意見、御質問のある方は挙手ボタンをお願いいたします。御発言、お一人2分程度ぐらいでおまとめいただければと思います。
 なお、御発言の際には、資料のどのページに関する御発言であるかということをなるべく明言いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、成田先生、よろしくお願いいたします。
【成田委員】  成田です。よろしくお願いします。
 すごく簡潔にまとまってきたと思ったのですが、4ページの短い文章の修正案について私の中でこの「触れ合い」という言葉が気になりました。というのは、生活科においてここに記載されている資質や能力を伸ばすことは必要だと思うし、今からICT活用との兼ね合いで体験というものが実体化していくということになると思うのです。これは大変重要だと思うのですが一方で、今御説明いただいた11ページの改善イメージのところでは、体験の質を高めるとか、認識の質を高めるとか、表現の質を高めるという「体験と表現の往還」という言葉が使われています。これと比較して、どうしても「触れ合い」という言葉が少し体験としては薄いのかなと思いました。やはり特に幼児期から小学校低学年期における体験というのは、ただ触れ合う、他者と触れ合う、社会と触れ合うではなくて、もう少し大人から指導されるというか、叱責を含めた、行動を是正されるような体験・経験も入ってくると思い、それこそがICTでは補完し得ない部分かなと思うのでそのニュアンスは欲しいかなと思います。
 ICTはICTで体験の質を深めるとか高めるというところでは役に立つと思うんですけれども、その前に実体験として、他者と適切な言葉は見当たらないのですがディープに、じっくりと関わってきたということがあったうえで、それをICTで、例えば𠮟られたとか失敗したということをネットとかでしっかり検索して、どこに敗因があったか、失敗の原因があったかというのを深めていくような、そういう段階が必要で、それに対してこの「触れ合い」という言葉が適切なのかが気になりました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。触れ合いでもなく、体験でもなく、それに代替する包括するような単語があるかというとそうでもない感じもしますが、とすれば何か単語を付け加えるかについて考えていかないといけないかなという感じがしますね。
 次、伊藤先生、お願いいたします。
【伊藤委員】  お願いします。
 まず、3ページの目標と見方・考え方における前回のワーキンググループの案からの修正箇所についてですけれども、非常に適切な表現に修正されていると思いますので、これについては異論ございません。
 2つ目に、4ページ、高次の資質・能力の修正案ですが、全体としてはすごく洗練された印象を持ちました。例えば文末が何々できるというふうに、深い学びを実現している子供の姿が見える、アウトプット型に修正されていることとか、それから文全体の印象として、子供の姿や学びの様子をイメージしやすい平易な言葉でシンプルかつ明確に示されていることが現場の教員にとっての分かりやすさに繋がるだろうというふうに思いました。
 1点、分かりやすさの点で中央に示されている修正案の文脈が気になりました。両脇の修正案は一読して意味合いがスッと入ってきたんですけれども、中央の修正案が、「身近な人々、社会及び自然との触れ合いの中で、自分のよりよい生活につながることへの気付き」という、この文の流れが、読んでいると何が自分のよりよい生活に繋がるということなんだろうと、もう1回読み返して考えるような、そんな印象が残りました。個人的には、「触れ合い」という言葉は温かみのある直接交流というか、体験を示唆していて生活らしい言葉ではあるなと思いましたが、文の流れとして少し引っかかりを感じた次第です。
 最後ですけれども、生活科におけるICT活用については、11ページに示されている基本的な考え方の部分に大いに賛同いたします。
 また、改善の視点の記載内容なんですけれども、12ページのポンチ絵が現場の教員の理解を促す上では有効ではないかなというふうに感じました。この絵にあるように、様々な情報をインプットして、考えを巡らせて、またアウトプットするというプロセスは既に現場でも一定程度認知されています。一方で、生活科におけるICT活用というのは広がりつつはあるんですが、ICTを使う場面だとか方法が、各教員の経験則に基づいた限られた場面、あるいは方法にとどまっていたり、ICTの活用のよさを感覚的、結果的には捉えてはいても、意図的、計画的に活用し切れていないといった状況もあったりするのではないかと感じています。
 したがって、12ページの絵にあるように、既に知っている、学びのプロセスの図にICT活用の意義とか活用方法が上書きされて示されていると、教員にとって理解しやすく意図的、効果的なICT活用が現場で一層進む、その結果、授業の質の向上とか学びの深まりに繋がるのではないかなと思いました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 それでは、次、水川委員、よろしくお願いいたします。
【水川委員】  よろしくお願いします。
 今、伊藤委員もおっしゃいましたけど、私、12ページの図を中心にちょっと話したいと思います。12ページの図ってすごく学校現場でも分かりやすいと思うんだけど、この図の根底に、説明はなかったんですが、9ページにある生活科の本質的意義の再定義、ここのこの4つの本質的意義がベースにあって、それを深めるために、(12ページに戻って、)ICT活用というのが有効に働くんだという構造で見えるともっと分かりやすいなと思って、このページは、離れないほうがいいなと思っています。
 それで、12ページの図なんですが、とてもよくできているんだけど、若干弱いのが、トピック的なことによみとれ、リアルな体験というのをつないでいくと、それが子供にとっての探究のストーリーになっていくんだという側面がちょっと弱いんじゃないのかなと思うんです。子供の初めの課題に対しての気づきから、ずっと一番出口まで行ったときにものすごい発見を僕はしたんだというところへたどり着こうと思うと、このリアルな体験のストーリーの繰り返しにより、その子の探究力というのが鍛え上げられていくんだという説明にしたほうがいいと思っています。
 (1)の体験の質の高まりは、現実に、青虫の足の形なんて拡大しないと分からないので、そういうふうにも使えるだろうし、虫の名前を調べたかったら、ICTは体験の質を高めるために必然だと思っています。
 それから、2つ目の下の認識の質の高まりは、結局、虫の成長なんかを時系列で調べようと思うと、やっぱり、ICTの活用が必要なので、比較・検討とか、時系列を追って探究の過程を事実でつなぐと、学びによって新しいストーリーとか新しい気づきが生まれるという表現にしたほうがいいなと思っています。
 それから、最後の表現の質のところは、プレゼン能力の向上ということだけでなくて、実は自分の発見が誰かに伝わる喜びとか、その喜びを通じて自己肯定感が育まれるんだということが見えるような図になるといいなと思っています。
 以上です。
【黒上主査】  どうもありがとうございます。そうすると、その周りに他者をさらに置くような感じの図になりますかね。
 それでは、次、堀田先生、お願いいたします。
【堀田委員】  よろしくお願いします。
 11ページのところの現状の課題と改善イメージというのが、非常に対比されてよく分かります。現状と課題のところの(2)の丸1に、ICTが体験を補助・促進する手段ではなく、活動の一部として目的化する場合があると記述がありますが、目的化する場合があってもいいんじゃないかなと思います。それは14ページのところの小学校低学年の情報活用能力の育成イメージとして、基本的な操作、丸1の情報技術の活用の基本的な操作の部分で、1、2年生に機器・アプリケーションの基本操作が入ってくると目的化してもいいのかなと思いました。
 もう1点、13ページのところの幼児教育と総合的な学習の時間との接続で、幼児教育は4つだけではありませんし、生活科も3つだけではないので、「など」ということが書かれるとよいと思います。四角の網かけの中の5行目に「学習の時間へと連なる」と書かれていますが、幼児期の芽生え、ICT活用でその芽生えを生活科の中で連続性を持って総合的な学習に繋げていくと、しっかりと書かれたほうがいいと思います。連続性の必要性がある、と書いたほうがいいと思います。
 最後、15ページですが、幼児教育における「記録する」「詳しく知る」「表現する」「やり取りする」と書かれていて、小学校以降で生活科の中でどのようにしたらよいと留意点も書かれていますが、これは教師側への提示で、負の部分での活用がないようにしっかりとしないといけない、その部分をしっかりと子供たちにも伝え、教員側も理解しないといけないと強調してもよいと思いました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。活動の一部として目的化というのは、生活科専門の方々から見れば書いてほしい言葉かもしれません。だから、そのギャップをどう考えるかと、とても難しいなと思いますね。
 そうしたら、廣瀬委員、よろしくお願いします。
【廣瀬委員】  よろしくお願いいたします。
 まず、4ページになります。高次の資質・能力というところで、ここまで非常によくまとめていただいたかと思うんですけれども、語尾が「できる」というふうになっているんですけれども、生活科は小学校の低学年なので、「できる」というよりも、もしかすると「しようとしている」とか「できるようになる」など、そういう方向に向かっているというような言葉のほうが合っているのかなというふうな気もしました。
 それから、11ページ以降になりますけれども、全体的に身体性など、体験とか身体とか感覚がとても大切だということが非常によく分かる書きぶりになっていると思います。ICTを使うと認識が豊かになるというのは、ICT機器を使って記録すること自体にも意味があるんですけれども、記録したものから実物に迫り、本物を身体で体感する、その体験が繰り返されるようなことこそが生活科のICTの利活用になるということを感じました。ICTを使ったことでさらに次の体験が生まれてくる、これ以上に体験が豊かになるというところを確認していただければと思います。
 以上です。
【黒上主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、次、川越委員、よろしくお願いします。
【川越委員】  ありがとうございます。私から簡単に3点ほどお話ししたいと思います。
 1点目が、既に議論になった4ページのところになります。シンプルに分かりやすくするというのは非常にいいのではないかと思いました。また、先ほども議論されていた「触れ合いの中で」というところですが、高校生が対象になると、対話とかになるのかなと思いました。身近な人々や社会との対話というのは高校生や大人は使いますが、そういったニュアンスが入ってくるといいのかなと感じました。
 2点目が11ページのところになります。生活科におけるICTの活用というところで、ここの基本的な考え方にも明記されていますが、体験を代替するものではないというところと、子供たちの学びを深める補助的な役割としてICT活用するというのは非常に重要だと思いますので、その点がこのように明記されていてとてもいいのではないかと思いました。
 3点目は、12ページについて、この表現の質の高まりというところで、丸1、「文字や絵でなく音声や画像で簡便に表現する」とありますが、あえて「文字や絵でなく」と排除しなくてもいいかなという印象を持ちました。というのも、ICTを活用しながらも文字や絵も書けるということもあるので、いろいろな方法があるという点がうまく伝わるように表現されると、よりICT活用のイメージが広がるのではないかと思いました。
 私からは以上です。ありがとうございます。
【黒上主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、岩本委員、よろしくお願いいたします。
【岩本委員】  よろしくお願いします。
 3点、言葉をいかに分かりやすくよりシンプルにというところで発言させていただきます。まず、3ページ目の見方・考え方のところで、修正案が、ちょっとこれで読むと、他者との関係の中で身近な人々とか、社会とか、自然を捉えるというふうに読めなくもなくて、他者との関係の中で自然を捉えるってどういう意味だとか、社会を捉えるってどういう意味だというふうに一般的に読んだ教員だとかが理解が苦しむというようなところがあるのかなと思いますので、この表現の仕方、「自分との関わりの中で捉え」でもいいかもしれないです。身体や自分との関わりとかという、ちょっとここは要工夫というか、工夫が必要なのかなというふうに改めて、今、見て思いましたというのが1点目です。
 2点目は、4ページ目で、高次の資質・能力のところで再三出ていました「触れ合いの中で」というところですけども、これ、今までの話とかで総合すると、「関わりの中で」とか「関係の中で」という、よく生活科で使っているそういう単語でもいいのかなという、その中に触れ合いだとか対話という意味は当然入っているというところで、シンプルにしてもいいのかなと思いました。
 最後、11ページ、また、12ページにイメージ図がありますICTのところで、「体験の質」「認識の質」というのはいいなと思ったんですけど、この「表現の質」というところが、この生活科の4つの本質的意義とちゃんと対応して、それを補助するものだということをはっきりと分かるようにするのであれば、ここは、「表現の質」ではなくて、もしかしたら「関わりの質」という言葉のほうがぴったりくるのかなと思いました。
 この「表現の質」の中で書かれているところに、「多様に表現したり交流したり」ということがその中に内包されているというふうに出ていますので、表現って一つの一方通行の伝えることですけど、交流には双方向性のものがあり、生活科というのは対象との関わりだとか、あとは他者との関わりという一方通行でないもの、表現はその中の一つの重要な機能だというところですので、本質的意義との関係性をより分かりやすい言葉でといったら関わりというところでもいいのかなというふうに思いました。
 以上でございます。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 それでは、次、岸野委員、よろしくお願いします。
【岸野委員】  失礼いたします。2点申し上げたいと思います。
 まず、論点1について、スライド3、4での前回からの変更については、細かい文言等いろいろ出ておりますが、基本的には私は異論ないんですけれど、1点だけ、ちょっとそれとはまた別な角度といいますか、違う観点で、生活科における資質・能力の考え方について、幼児教育との繋がりを確認的にコメントさせていただけたらというふうに思います。
 現行の指導要領の解説の中では、生活科を通して育成することを目指す資質・能力の末尾には「基礎」というのがつけられていて、幼児期からの繋がりの中で、例えば感じたり、気づいたり、分かったりできるようになったりするということや、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりすることというのが挙げられていると思います。スライド9にありますように、本質的意義の再定義の中で挙げられてきた自分なりの実感とか働きかけというところが、まさにこうした幼児期からの繋がりとして重要なところだというふうに思います。
 ですので、今後、直接、今回のこれとは関係ないかもしれないんですが、解説などにおいても、この点については含みおきいただきたいと思って、このことを強調したい思いで改めてコメントさせていただきました。
 2点目は、論点2のICT活用についてですけれども、スライド11のように、生活科の本質的意義をより深めるために用いるということに私も賛同いたします。特に今回、体験の質、認識の質、表現の質というふうに、活用を見直す観点が明確にされたというところは大きな意味があるというふうに思いました。
 この観点について補足的に申し上げたいと思います。現在、ICTは生活科では撮影とか記録とかのところで使われることが多いと思うんですが、そこで強いのは、やはり視覚的なところと、また動画で撮れば聴覚的なところでして、逆に嗅覚とか味覚とか触覚などについてはちょっと残しにくいところがあるのかなというふうに思います。その意味で、やはり(1)の体験の質を高めるのところにある「諸感覚の基盤の上に」というところが大変重要だなというふうに思います。
 例えば朝顔なども、葉っぱを触ってみたら何かふわふわしている。よく見ると毛が生えているみたいで、そこをクローズアップして撮ってみたら、あ、こんなふうになっているんだというふうに発見して驚くというような、そういった状況をイメージして、このプロセスをイメージしました。そうやって関わりが深まる中で心が動く体験をしてこそ、認識とか表現の質というところにも繋がっていくのではないかなと思います。
 そう思うと、細かいところですが、(1)のところに「身体性の深化」というのだけが矢印の中にあるんですが、やはりここにも対象との関わりの深化というのも入ってくるのかなというふうにも思いました。
 また、例えば花や草の匂いとかの嗅覚とか、花のみつとかヨモギの草の味とかの味覚について、きっと子供たちは観察しているといろいろつぶやくことがあると思うんですが、先ほども申し上げたように、ICTを活用することで、かえってそういったところがそぎ落とされがちになるということも懸念されるなと思いますので、やはり使用するに当たっては、子供の姿をよく見取りながら、どういった状況で、何を狙いに、どういうふうにICTを活用するのかというのを、当たり前のことではあるんですけれども、やはりよく考える必要があるかなというふうに思いました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 それでは、木曽原委員、よろしくお願いいたします。
【木曽原委員】  ありがとうございます。全体的にすごくきれいに整理されているなというふうに思っている中で、先ほどから何回か話題になっていた4ページなんですけども、ひょっとすると、確かに真ん中の文章だけちょっと伝わりにくいのはそのとおりだなと思っていて、その理由をさっきからずっと考えていたんですけれども、左、ひょっとするとこの「関わりの中で」とか、何とかの中でという構文にこだわり過ぎるがゆえに、真ん中のところが、このまま読むと身近な社会、身近な人々や社会及び自然との関わり合いとか触れ合いというようなものがたくさんある中で、「自分のよりよい生活につながること」という、この「こと」がティップスみたいな、自分のよりよい生活に繋がる何らかのティップスみたいなものを見つけるみたいな感じに見えてしまって、小学生だとちょっとすごくトゥマッチな感じとか、そんな感じに受け取ってしまうのかなって、私はそんな印象を持ちました。
 なので、左側はどちらかというと、確かに関わりの中で、様々な関わりがあるから自分の生活が支えられているという事実っぽい、全体として事実っぽく受け取れるんですけど、真ん中はもうちょっと個別の事象を探しに行くみたいな感じに、何となくニュアンスとして僕には感じられちゃったので、ひょっとすると「中で」ということにこだわらないほうがいいのかもしれないって思いましたという、私、国語にそんなに詳しくないから半分感想になってしまって申し訳ございませんというのと、あと、これも既に触れられていましたけど、後半の12ページの絵が非常にきれいなので、12ページの絵の中に本質的な、本質的意義の4つが関連しているってところを一緒に表現してあげたほうが、この絵だけ見て非常に全体的な理解が進むような印象を持ちました。
 以上でございます。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 それでは、久野委員、よろしくお願いいたします。
【久野委員】  よろしくお願いいたします。
 先ほどから議論が出ている「体験」、「触れ合い」、「関わり合い」という言葉について、やはり身体性の文脈、それから直接体験から離れないようにということに気をつけたいと思いました。「触れ合い」と「関わり合い」は、同じように見えてやはり親密さとか身体性の距離感がやっぱり微妙に違うところがありますので、その面での微妙な違い、差異の言葉を意識したいと思っています。例えば体験という言葉も、今日、議論がありましたけれど、だんだんとある意味、無意識に主要な言葉として使われるようなってきたという、5回目になってそのようにとらえています。
 それから、11ページ、12ページのところにある認識の質という点で、生活科の本質的意義に基づいて理解するということと、それから離れずにということと同時に、認識という言葉は生活科の歴史の中で使われ方に変遷がありましたので、やはり高度な認知の力とか、知識の在り方のような方向に伝わらない説明が必要かと気をつけたいと思いました。
 同様に12ページのICT活用のイメージのところにも、認識の質の高まりとありますが、今、左から右へという一直線的な流れになっていますけれど、総合もそうですけど、行きつ戻りつということも大事なキーワードですし、その中で捉え直す、定義し直す、そういう迷いとか、不安とか、そういうところも経て表現し、表現した後でまた体験するとか、いろいろな循環性もありますので、そういうところも注意したいと思って読みました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございました。
 それでは、すみません、酒井委員、よろしくお願いいたします。
【酒井委員】  立命館宇治中高の酒井です。
 スライド11、お願いします。先ほどから多くの先生方が御発言されていますけれども、生活科における直接体験が重要なことは言うまでもありません。ICTはあくまでも補助、促進する手段であるというこの事務局の指摘はすごく大事だと思います。私もこのことを強くお伝えしたくて、発言させていただきました。
 その上で、ICT活用や情報活用能力の整理は、探究的な学びを支える基盤としてはすごく大事だと思っています。生活から総合、そして中高の総合へと繋がっていく中で、問いを深めたり、他者と共有したり、学びを振り返ったり、そういった中で情報活用能力が発揮されることが大事だとは思います。だからこそ、情報活用能力がどのような学びの姿として発揮されるのか、児童生徒の姿でもう少し具体的に考えていったらいいんだろうなと思いました。
 またもう1点、スライド14についてだけ補足させてください。これはこの会議の場だけの範囲ではないかもしれませんが、思ったことです。情報活用能力の育成イメージについて、慣れ親しむことから始めるこの順番に異論は全くありません。ただ、昨今の社会情勢や子供たちが育っている環境を考えると、適切な取扱いについてはより早期から必要かもしれないと感じています。この辺り、小学校現場の実態をもう少し調査した上で、具体的な手だてを考えることが必要な気がします。これは生活、総合ワーキングだけの範囲ではないことかもしれませんが、昨今、強く感じていますので発言させていただきました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 そうしましたら、佐藤委員、よろしくお願いいたします。
【佐藤委員】信州大の佐藤でございます。メディアリテラシーの古典といいますか、基礎基本の考え方には、メディアは体、身体を拡張するというものがありますけども、生活科でICT活用するというところの懸念というのは、拡張させることではなくて代替されてしまうことだと理解をしています。廣瀬委員がおっしゃっていましたけども、ICTを活用することでさらに体験したいとか、触れたいとか、実感したいとか、次の活動に繋がっていくということが非常に大事だと思っていまして、そういった言葉とすごく似ていると思った次第です。
生活科の学習が促進されていく、活動がきちんと促進されていく、質が高まったということを子供も教師も実感するような、そんなICT活用の工夫や着眼が非常に重要と捉えています。
12ページが大変分かりやすいという御意見がたくさん出ておりますが、具体的には例えば14ページの情報活用能力のところに、「植物の観察をする際に、写真を撮って保存する」ということが書かれておりますが、こうした事例を12ページのイメージに合わせて、より体験や表現や認識の質の高まりについて、具体的な実践が多数表現されていく、どこかに掲載されていくということが望ましいと考えております。こういった事例は、リーディングDXスクール事業等で多数ありますので、再整理して、この12ページで示されていけば非常に分かりやすく、誤解なく伝えられるのではないかと考えております。
【黒上主査】  ありがとうございました。
 大変いろんな意見が出ましたけれども、私の考えたことを言わせていただきます。まず、4ページに関しましては、この表の一番上のむしろグレーになっているところを見ると、一番左が「学校、家庭及び地域の生活」と書いてありますよね。2個目が「身近な人々、社会及び自然と関わる活動」とありますが、あまり違いがよく分からないところから発生している問題があるかと思います。(両者の)意味をよく考えてみれば、要するに周りの人が自分の生活に関わっているという話だと思うのです。修正案を見ても。
 そうすると、自然と社会を分けて書くほうが、つまり1個目、自然、2個目、社会というように分けて書く、そして3つ目が自分とかいうふうになると、自然認識、社会認識、自己認識の3つにきれいに分かれるかなと思ったのですけど、ここまで来てそんなこと言うかという話かも知れませんので、後でもう1回考えてみたいと思います。
 それと、P12の図がとても評判がよくてよかったなと思いますが、周りに書いてある「高まり」を、生活科で非常に大事にするのは、学びに向かう力との関係もありますね。これは,「工夫」という言葉だと思うのですが、工夫をすることで高まっていくということが分かるように、文言でもいいし、図に入れても良いかも知れません。ただ,図にするとサイクリック(cyclic:循環)になってしまいそうなので、文言としてどこかに「工夫」が入ってきたら良いのではと思いました。また御検討ください。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。資料2がありますので、そちらの説明をよろしくお願いいたします。
【堀川学校教育官】  事務局でございます。
 資料2を御覧ください。総合的な学習・探究の時間における評価等についてということで御説明をさせていただきます。30分ほどお時間をいただいて御説明をさせていただければと存じます。
 本日、御議論をいただきたい事項ですけれども、総合における評価について、そして2番に各学校で作成する計画等の内容の精選等について、3番に情報活用能力を発揮した探究の質の向上について、この3点について御議論をいただければと考えております。
 まず、1番の評価についてでございます。議論の前提でございますけれども、現行の指導要領については3観点で評価をし、総括的な評価として、児童にどのような力が身に付いたかを文章で端的に評価をするという形となっております。この具体的な運用にあたりましては、各学校で評価の観点を定めた上で、単元ごとに観点別の評価規準を作成して、単元を通じて評価場面を設定して、評価材料収集、評価をした上で年度末の総括的な評価に生かすといった取組を指導資料の中で御例示をしておりますけれども、なかなか現場の実感との間に乖離があるといった指摘がございます。
 参考として、7ページ、8ページに資料を入れておりますけれども、こちらは、小学校の多文化共生の関係の指導資料の例示でございます。この中で、単元の目標及び評価規準、目標の記載を細分化をして10要素程度で評価規準を作成して、それを指導の流れに沿って割りつけるような形で評価場面をそれぞれの要素について設定して、評価材料を収集するとして、単元ごとの評価結果を年度末に総括をして学習活動及び評価の観点を記入した上で文章で端的に記述をするといった形の、運用を例示しておるところでございます。こうした運用が、少し、現場でできることの実態との間で乖離があるのではないかといった指摘もあるところでございます。
 そのような中で、具体的論点(案)、まず1番でございますけれども、補足イメージの1から3を御覧いただければと思います。まず、補足イメージの1番、総合における知識・技能についてということでイメージをお示しさせていただいておりますけれども、各教科と総合を比較した際に、総合には目標、内容を各学校が設定するということ、また、知識は習得の対象ではなくて、学習者が設定した課題によって必要な知識が異なるという特質があるということ、また3点目に、探究のプロセスの中で必要な知識や方略をいかに効果的に活用して設定した課題を解決できるかが重要である、こうした特質があることを踏まえますと、総合の評価にあたっては、知識・技能をほかの資質・能力と分節して、評価規準を精緻に設定して個別に評価する意義が各教科と比較して薄いとはいえ、一体的に見取ることがよりなじむと言えるのではないかという御提案でございます。
 また、次のページの補足イメージでございますけども、第4回のワーキングの資料を一部更新させていただいております。「課題の質」「プロセスの質」、そして、前回まではこちらには「成果の質」というふうに書かせていただいておったんですけれども、「成果の質」というのが、委員の先生方から、成果物だけを見ればいいのかといったような誤解に繋がりかねないということで、むしろ創造や本人の成長というところをしっかり見ていくべきじゃないかということで、こちらの「創造(成長)の質」という言葉に変えさせていただいております。
 また、知識や方略のところに「情報」という言葉を入れたり、米印の1番のところを修正したりということで、前回の委員の先生方の御意見を踏まえて修正を施しているところでございます。さらに、発達段階に応じた探究の質の高まりということで議論をいただいてきたところでございまして、こちらも、その際に議論がありました、簡略化したもの、現場に分かりやすいものをという御意見もございましたので、今回、簡略化版も併せて御準備をさせていただきました。
 こうした質の議論とも整合をさせていく必要があるんじゃないかということで、そういったことも踏まえた総合における資質・能力の構成についてということで、4ページ具体的論点(案)3ポツ目の「その上で」以下でございますけれども、総合の資質・能力の構成については、初発の思考・行動・好奇心をはじめとする「自己の在り方生き方」に関わる学びに向かう力・人間性等、そして、探究のプロセスを通じて知識・技能を活用しながら課題の解決を行っていく思考力・判断力・表現力等が一体として、自己の生き方に繋がっていくものとして整理をしてはどうかということで、こちら、円形の図として整理をさせていただいております。
 資質・能力の捉えについて、補足イメージの3でございますけれども、道徳ワーキング及び特別活動ワーキングでは、このような形で、道徳科としては資質・能力を3つに分節することに、観点別に取り扱うことになじまないといった整理、また、特別活動については、学び向かう力・人間性等がとりわけ重要であるといった整理がこの図の形でされているところでございまして、総合もこれらとの特質の違いを見える化するというような形でこのような整理を試みているところで、今回の御提案事項の一つとなっております。今のお話が4ページの具体的論点(案)、1番の部分になります。
 続きまして、5ページを御覧いただければと思います。こちらのところの2番、総合評価の在り方についてでございますけれども、現行の仕組みといたしましては、各教科の評価については、観点別学習状況の評価と評定の両方を目標に準拠した評価として実施することとしております。一方で、総合の評価については評定を行わないほか、また観点別学習状況の評価についても、児童にどのような力が身に付いたかを文章で端的に記述するということとしております。すなわち、各教科のように、目標に照らして十分に満足できる状況と判断されるかどうか等ではなくて、児童生徒自身が身に付けた力に着目した評価を行うこととしているところでございます。
 その中で顕在化している課題といたしましては、このように総合では各教科と同様の目標準拠評価を採用していない一方で、各教科と同様に評価規準の設定を求め、3観点を10の要素、視点に分けた評価規準を単元ごとに作成する取扱いを先ほどお示しさせていただいたように例示をしているところでございます。こうしたことが相まって、細かな評価場面の設定、また評価材料の収集が必要となり、なかなか実態との間で乖離があると、こういったことが指摘をされておるところでございます。
 今般、企画特別部会において、学びに向かう力・人間性等の評価の在り方として、目標準拠評価ではなく資質・能力の特質に応じた評価を行う議論を深める中でも、過度な評価材料集めの抑制、そして一人一人のよさや成長を自然な形で肯定的に評価できる可能性、こうしたことについて議論をされているところでございます。
 こうした議論も踏まえました改善の方向性でございますけれども、総合における評価の在り方につきましては、現行の児童生徒にどのような力が身に付いたかを文章で端的に記述するという基本的な在り方については維持するとともに、より一層資質・能力の特質に応じた評価に改善をするという観点から以下の方向で検討してはどうかということで、こちら、補足イメージの4を御準備させていただいておりますので、こちらで御説明をさせていただければと思います。
 こちらでございます。補足イメージ4でございますけれども、1番として、評価の準拠点の論点がございますけれども、目標に照らしてそれぞれの児童生徒の成長に着目して評価をするとともに、総括的な評価のための細かな評価場面の設定や過度な評価材料の収集、こうしたことを求めることはしないということとし、探究のプロセスを通じて一貫した視点で継続的に見取ることとしてはどうかということ。
 そして2番、評価の視点の在り方ですけれども、先ほどの質の議論とも繋がりますけれども、3観点を10の要素、視点に分けた評価規準を作成するといった現行の取扱いは過度な負担感に繋がるということ、また、探究の質について「課題の質」、「プロセスの質」、そして「創造(成長)の質」という3つの要素を整理をして、観点別目標と整合するような形で議論をしていただいてきた、このことも踏まえまして、よりシンプルなものとしていってはどうかという御提案でございます。
 5ページに戻らせていただきまして、こちら、評価の在り方、改善の方向性の3ポツでございますけれども、1番、2番の見直しが指導の改善というものを阻害したり、活動あって学びなしの状況に陥ったりすることなく、より質の高い探究に繋がるように、評価の在り方の詳細については別途検討の上、分かりやすい形で現場に示すこととしてはどうかと考えております。
 続いて、3番、総合の評価における総括的な評価と形成的な評価等ということで、補足イメージの5を御準備させていただいております。こちら、補足イメージの5、15ページでございますけれども、総合の評価については、学習評価の趣旨、そして総合の特質を踏まえますと、総合評価については、それぞれの視点について評価の場面を限定して見取るのではなくて、一貫した視点で伸びを継続的・総合的に見取ることが重要であるといった先ほどの論点、そして学びを主体的に調整し、自己の在り方生き方に関わる探究を自律的に進めていけるようになることが目指されることを踏まえますと、教師による評価としては、形成的評価、そして児童生徒自身による評価としては、振り返り、自己評価や自己の考えや振り返りの共有・話合いといった総合評価の機会の設定、こうしたことをより一層総合において重視していくということと整理してはどうかという御提案でございます。
 参考資料のところにも学習評価に関わる様々な要望等々、西岡委員に昨年末の第3回ワーキングで御発表いただいた資料等々をおつけさせていただいておりますので、併せて御参照いただければと思います。
 次に、大きな論点の2番、各学校で作成する計画等の内容の精選等についてでございます。23ページでございますけれども、現行の指導要領では目標及び内容について、まず目標として育成を目指す資質・能力を示す、そして内容として育成を目指す具体的な資質・能力を示すということとした上で、全体計画及び年間指導計画の策定に当たっては、目標及び内容、学習活動、指導方法や指導体制、学習の評価の計画、こうしたことを示しております。
 また、指導要領の解説の中では、全体計画や年間指導計画について具体的な記載内容や記載例、こうしたものを示しているほか、単元計画についても作成のポイント等をお示しをしているところでございます。
 そのような中、具体的な論点でございますけれども、各学校において定める目標の在り方として、各学校が目標を定めるに当たって、指導要領の目標を含めるということになっておりますけれども、具体的に学校がどのような対応を取る必要があるのかということが必ずしも共通理解をされていないのではないかといった指摘がございます。また、第3回のワーキングの中で、各学校が総合の目標を定めるに当たって、学校教育目標に加えて、校長が定める学校運営に関する基本的な方針とも関連を図るということについて御議論をいただいてきているところでございまして、この具体の在り方についても検討する必要がございます。
 こうしたことを踏まえまして、学習指導要領の目標を踏まえ、各学校固有の事情を勘案して目標を定める際の視点として、重点化と付加、この2つを明確化して示すこととしてはどうか。重点化としては、各学校で重視する目標の内容を明示したり、記載を精選したりすること、また、付加としては、指導要領の目標にはない要素を加える、こうしたことを明確化して示すこととしてはどうかという御提案でございます。
 続いて2番、各学校において定める内容の在り方についてでございます。こちら、現状及び課題といたしまして、各学校が定める総合の内容については、全体計画の中で具体化をしていくこととしております。こうした計画の具体の在り方について、以下の指摘があるということで3点お示しをしております。
 全体計画において資質・能力の三つの柱をそれぞれ3から4の要素に細分化をして、学年ごと、単元ごとに記載することは全体計画の趣旨に比して微細なことを求め、全体像を捉えにくくしているほか、単元計画についても、評価規準を細かく作成をするということは、労力がかかる一方で、明確で系統的なものを作成することが難しいといった指摘、また2点目といたしまして、学習活動・学習方法・指導体制・評価、こうしたことについては具体の活動と紐付く必要があるために、単元計画の水準で具体化されることが望ましく、全体計画に記載する必要性が必ずしも高くないということ、また、評価計画については過度な評価材料集めを誘発しかねないものとなっているといった指摘があるところでございます。
 こちら、改善の方向性といたしまして、3点お示しをさせていただいておりますけれども、全体計画に示す総合の内容については、育成を目指す資質・能力を端的に記載することとしてはどうか、また2点目として、学習活動・指導方法・指導体制・評価については、単元計画レベルで記載することとし、全体計画への記載を必須とはしないこととしてはどうか、また、単元計画に示す評価については、現行の示し方の取扱いについて、知識・技能、思考・判断・表現、学びに向かう力を長期的かつ一体的に捉えるとともに、一人一人の資質・能力の変容を確かに捉えるために、目標に照らした視点を5要素程度で明示することとしてはどうかということで御提案でございます。
 こちら、補足イメージで図的にお示しをさせていただいておりますけれども、こちらが指導資料の中で文科省が示している全体計画の具体例でございますけれども、各学校が定める目標というのはこの上の青の四角のところにございまして、各学校が定める内容の部分が下のこの大きな四角でお示ししている内容になります。
 特に課題として指摘をされておりますのが、こちらの具体的な内容の部分について、この10の要素に分けて学年ごと、単元ごとに示していくといった在り方が、全体像を概括的に示す等の全体計画の趣旨に鑑みて微細なことを求めているんじゃないかといった指摘等があるというところでございます。そうしたところに鑑みまして、全体計画の記載内容の精選等ということで、特に育成を目指す資質・能力については端的に記載をしておくということが考えられるのではないかといった御提案をさせていただいているところでございます。
 また、単元計画、評価計画についてこちらの補足イメージ3でお示しをさせていただいておりますが、先ほども御説明の中にもございましたけれども、単元の評価規準について、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に取り組む態度を細かい要素に分けて、評価規準を作成することとしている中で、こうした三つの観点については一体的に見取ることとして評価に照らした評価の視点を5要素程度で、質の議論を踏まえたものとして明示することとしてはどうか、また、評価計画についても、過度な評価材料集めを抑制する方向で見直しをしてはどうかという御提案でございます。
 続きまして、大きな3番、情報活用能力を発揮した資質・能力の向上についてということでございます。こちら、32ページ、議論の前提でございますけれども、まず、丸1、論点整理及びこれまでのワーキングでの検討ということで、論点整理ではデジタル学習基盤を探究を支える基盤としても十分に機能させるといった議論がされていること、また、これを踏まえて、本ワーキングにおいて、情報の領域の具体的な在り方を検討してきていただいているほか、目標の柱書でも、総合の学習過程として情報活用能力を効果的に発揮した関係を位置付けるといったことを議論いただいております。
 また、丸2、情報ワーキングでの検討状況として、とりわけAIについて、実社会の様々な課題解決がAIの活用を前提としていく一方で、様々なリスクが指摘されており、また子供たちが日常的に触れることは避けられない、そうした状況があるところでございます。
 このような中で、情報・技術ワーキングでは、AIについて、丸1、過度な依存やバイアスに関するリスク、丸2、批判的思考やメタ認知等の学習過程への影響に関するリスク、また、認知的オフロード等々を踏まえまして、3点ございますけれども、利活用は資質・能力の育成に寄与するかどうかの観点から検討すべきであるとともに、利点の発揮とリスク低減を両立する形の実装が求められること、また、AIを使いこなす力、いわゆるAIリテラシーについては、核となる教科等で系統的に育成をして、各教科等の文脈で効果的に発揮をさせること、機能をさせるということ、3点目として、具体的な利活用のポイントについては、改訂を待たずしてガイドライン等で対応していくことが議論をされているところでございます。
 そのような中、また高等教育における答申についてでございますけれども、高等教育でいわゆるELSI問題やAIガバナンス、こういったことが論点となっており、昨年の2月の中教審の答申においては、AIをはじめとしたデジタル等の最先端の技術を使いこなし、真に人が果たすべきこと果たせる力というものを育んでいく資質・能力として議論がされているほか、情報やAIを適切に利活用する能力等は市民的素養として培うこと、このことが重要になっているといった議論がございます。こうした高等教育の議論も、初等中等教育における議論の中でも踏まえていく必要があるというところが前提としてございます。
 そのような中での具体的な論点の案でございますけれども、1番、デジタル技術の活用に係る考え方でございます。総合については、教育課程全体の中でもとりわけ実社会との繋がりを持って学ぶことができる領域であると言えること、また、デジタル技術を探究の基盤としても効果的に活用しながら、自己の興味・関心や問題意識を創造的に追求したり、思いや願いの具現化に取り組んだりするということは、総合の目標の具現化にも大きく貢献するものと言えるところでございます。
 こうしたことを踏まえますと、総合においては、直接的な体験や経験が基盤であるということを大前提とした上で、教育課程の中でも、とりわけ情報技術の積極的な活用が求められる領域であるということを明確化してはどうか。このことについては、教育課程全体を通じて、今次改訂で目指している「好きを育み、得意を伸ばす」といったことや、情活能力の抜本的な向上と相まって、探究的な要素を持つ各教科での学びを含めた、各教科の学びの充実に寄与することに繋がるのではないかという御提案でございます。
 2番、デジタル技術の活用に伴うリスクへの対応と核となる教科との連携についてでございますけれども、デジタル技術の活用には様々なリスクがあるところでございます。このことについて、学校教育全体の中で、必要な環境整備を前提といたしまして、情報活用能力の要素としての適切な取扱い、このことを踏まえることが重要でございます。
 こうした観点から、核となる教科、すなわち小学校で言えば情報の領域、中学校で言えば情報技術科、高校では情報科に当たりますけれども、核となる教科とのとりわけ緊密な連携が求められることなどの留意点を明確化してはどうかという御提案でございます。
 3番、総合におけるAIの取扱いでございます。こちらにつきましては、AIの活用について、こちら、偽の熟達、false masteryというものをお示しさせていただいておりますけれども、一見、高度に見える探究であっても実際には資質・能力の育成に繋がっていないといった事態が生じるおそれが指摘されております。また、先ほど情報・技術ワーキングでの議論にもございました、いわゆる認知的オフロードによる学習効果への低下リスクを含めて、負の影響を持つ可能性が議論されているところでございます。
 「また」以下のところは、参考資料、補足イメージを御準備させていただいておりますけれども、このように、これまでも低次の認知機能を活用した動詞、「言い換える」「文章を理解する」「記憶する」といった動詞については媒体に保存するとか、ノートに書くとか、辞書を引く、インターネットで検索するといったところで、デジタル技術、非デジタル技術でこれまでも代替をされてきたわけでございますけども、AIにつきましては、こちらにあるとおり、「仮説を立てる」「論じる」「関連付ける」といった高次の認知機能も代替ができるということで、そうしたことによって総合で目指す、とりわけ総合で目指す資質・能力の育成に繋がらないようなおそれもあるといった指摘もあるところでございます。そうしたことがこの2ポツでございます。
 こうしたことを踏まえまして、総合においてAIを活用する場合には、AIを通じて得られた情報の基となった一次情報の検証を徹底するといった対応を、こうした適切な取扱いに加えて、例えばプロセス、具体的には試行錯誤の履歴としての思考・判断の変遷や他者との議論・吟味などを重視するといったことや、口頭での表現、成果の要点等をその場で説明して質疑に耐えるといったことを求めること、またAIに代替しづらい現場体験、他者との協働、実験、観察等の経験を重視をするといったこと、またAIの活用について、自己の成長に自覚的であることといった対応を検討することが考えられるのではないか。実際には、技術の進展も早いものですので、詳細の検討は今後の検討に委ねてはどうかという御提案でございます。
 こうした論点を含めまして、AIの活用の在り方につきましては、技術の発展を踏まえた国内外の議論の動向、そして高等教育での検討状況も踏まえながら、学校教育全体におけるAIの活用の一環としたガイドライン等の形で望ましい活用事例や留意点を示すことが必要ではないかというふうに御提案させていただいております。
 参考資料でございますけれども、この中に国際バカロレアにおけるAIの活用に関する参考資料もつけさせていただいております。こちらの中で、これは主として高校段階を想定したものでございますけれども、基本原則といたしまして、学習に役立てる目的でAIを利用することが認められる一方で、自身の成果でないものを自身の成果であるように見せかける目的で利用することは認められない、そういったことが示されているほか、様々な事例に沿って、このような場合は可です、このような場合では不可ですといった、ブラックリスト、ホワイトリストのような形や、こういった場合には文脈にケース・バイ・ケースであるといったことも示されているところでございます。
 また、そうしたことを、こんなときはAIを使って大丈夫ということで、少し抽象化して、こういった場合には大丈夫、こういった場合には望ましくない、こういった場合にはケース・バイ・ケースであるといったことも示しておりますので、こうした国内外の議論も踏まえながら検討をしていくということが考えられるかというふうに考えておるところでございます。
 その他、様々な参考資料もお示しをしておりますので、併せて御覧をいただければというふうに思います。
 事務局から説明、以上でございます。よろしくお願いいたします。
【黒上主査】  ありがとうございます。
それでは、皆さん、御意見よろしくお願いいたします。
 では、山田委員、よろしくお願いします。
【山田委員】  京都市教育委員会の山田です。今回、総合的な学習の時間に関する評価について分かりやすく、使いやすくお示しいただきありがとうございました。学校現場の状況を踏まえて4点発言させていただきます。
 まず、ページ、5ページの総合の評価の在り方についてです。探究の学習プロセスを進めることで精いっぱいで、評価まで十分に手が回っていない学校、特に中学校では多いと思います。その中で顕在化している課題に挙げていただいています、現場が対応できる実態との間での乖離を解消する上で改善の方向性が示されている内容は大変効果的であると思います。1の目標に照らし、児童生徒の成長に着目して評価するとし、総括的な評価のために細かな評価場面の設定などを求めないということや、2のよりシンプルにすると明記し、重要な要素を整理するなどとされていることは、学校現場の状況に沿ったとても現実的な方向だと思います。
 2つ目になりますけど、15ページの補足イメージで示されている児童生徒の自己評価、相互評価と教師の形成的評価を総合において一層重視すると明記されているところも大変納得できます。総括的評価の文章評価については各校で工夫されていますが、端的にまとめきれないことも多いと思います。一方で、児童生徒の成長に着目しようと思えば、いろんな場面での児童生徒の様子を見取ることが必要です。解決の一例としてキャリア・パスポートの作成などとも関連させて、自分が何に興味を持ち、どのように活動したのかの記録を基に自己評価することなどは、自身の変容に気づく上で効果的だと思います。成長に着目する具体として大変分かりやすいと思います。
 3つ目です。気になるところですが、少し戻りますが、13ページのイメージ図の中段のところになります。上段の整理については理解できるのですが、中段の論点整理で示された「当事者意識を持って、自分の意見を形成し、対話と合意ができる」というのが特活に、また「「好き」を育み「得意」を伸ばす」が総合のところに示されています。総合的な学習においても、当事者意識を持って自分の意見を形成することは大切ですし、論点整理で示された内容は、教科を含めて全ての教育活動に当てはまる内容であると理解していたので少し違和感を持ちました。第3回のワーキンググループで示された総合、特活、道徳が果たす役割イメージが大変分かりやすかったので、それに合わせた形でいいのではと思ったりもします。
 最後、4つ目です。情報活用能力を発揮した探究の質の向上についてですが、ページ34の補足イメージに示されている高次の認知レベルでの学習活動など、AIの活用についての意見です。先日も学校現場から総合的な学習の時間の指導における教師の負担軽減のために、整理分析の場面で生徒にAIを利用できないかという相談がありました。生徒自身がしっかり考えることが必要な場面でAI頼みになってしまっては探究の意味をなさないと説明し、AIを利用しないように話をしたことがあります。
 活用によっては思考を深める有効なツールではあると思いますが、安易にAIを利用し、見栄えだけいい成果物を仕上げるようなことを防ぐためにも、今回の参考資料で示されているような説明が必要だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございました。
 それでは、岸野委員、よろしくお願いします。
【岸野委員】  失礼いたします。評価の論点について申し上げたいと思います。
 スライド5や6の改善の方向性について賛同します。評価のための評価ではなく、それぞれの子供が探究の過程でどのように成長してきたのかというのを継続的に捉えて、さらに探究を深めていけるように支援するということこそが評価として重要だというふうに思います。
 また、スライド6の子供自身による評価というところも、省察して、さらに探究が深まるようにデザインしていくと効果的になるというふうに思います。教師による評価とのずれも捉えることができて、お互いに見えていなかったところを補い合って価値づけ直すことや、また探究的な活動を共につくるということにも繋がるというふうに思いました。
 そうしたことを踏まえた上で、スライドの14について3点申し上げたいと思います。一つは、このイメージには母体となる活動の展開のところが書かれていないんですけれども、スライド19にあるような探究のプロセス、3つのサイクルの展開していく図があると思いますが、こうした長い探究の中でこそ、子供たちの資質・能力というのは育まれると思います。これは個別であったり、グループであったり、クラスや学年など、様々な形での探究の展開があると思いますが、その中にそれぞれの子供なりの探究の展開の筋というのが何重にも埋め込まれているのだというふうに思います。
 手前みそになりますが、福井大学の附属義務教育学校では、研究のサブテーマに物語るを問うということを掲げて、一人一人の探究の展開の物語や物語る行為そのものについて問い直しをしています。継続的、総合的に評価をするというときには、まずはそうした一人一人の物語を捉えるというところが前提としてあるのではないかなと思います。
 2つ目に、そう考えると、14に戻していただいたらと思うんですが、この図では、一人一人が5つの視点でどれだけ多く伸びたかという、ちょっと単線的で量的なイメージを喚起するように思ったんですけれども、より立体的に評価するイメージを提案できるとよいのかなというふうにも思いました。
 例えば小学校の実践で、校区の商店街に出かける中で店の人にインタビューをして、もっとたくさんの人が商店街に来てくれるようなポスターづくりをしよう、さらには地域を越えて来てもらえるように駅にリーフレットを置かせてもらおうなんていうふうに展開した実践を聞いたことがあるんですが、そこではあまり商店街のことを知らずに、関心も持ってなかったけど、こんな歴史があるお店があったんだというふうに心が動いて、もっとみんなに知らせたいというふうに思っておうちの人も来店するというような子もいれば、あるいは最初は商店街でごみ拾いでもしてきれいにしたらいいんじゃないなんていうふうに思っていたけれど、商店街の人の目線に立つと、訪れる人が増えることが大事なんだ、それならごみ拾いじゃ駄目だな、じゃあ、どうするといいんだろうというふうに課題の質を洗練させていく子というのもいます。課題が自分のものになって、質を洗練していく在り方というのはかなり多様ではないかなというふうに思うわけです。
 また、知識や方略といったところも、ある子はポスターの絵柄、ある子はキャッチコピーというように、これまでの学習や経験の中で身につけたことを発揮するありようというのも非常に多面的なものではないかなというふうに思います。そうした意味で、今、1、2のところしか申し上げませんでしたが、それぞれの視点で多様な子供たちのありよう、関わり方というのを立体的に捉えていくことができるといいのかなというふうに思いました。
 最後、3つ目に、今のこととも関連しますが、量的な変化だけでなくて質的な変化というのを捉える必要もあるかなと思います。そのためには、やはり子供の姿をしっかりと丁寧に捉えるということが重要だと思います。幼児教育では、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿というのをはじめ、子供の姿から育ちを捉えて、さらに育ちを引き出すための環境や援助を検討していくということを大事にしていますので、その意味で、評価の在り方における幼児教育からの繋がりということも、今後、共有していけると、ますます接続の繋がりのある、より探究的な学びというのが促進できるのではないかなというふうに思いました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。図は何かを捨象せざるを得ないところがあるので、なかなかうまく表現するのは難しいですね。
 次、山本委員、お願いいたします。
【山本委員】  よろしくお願いします。まず、私のほうからも3点ほどお話しさせていただければと思います。
 まず、今までの観点別の評価については、目標とか評価規準を教員一人一人がつくることで、指導要領の構造を知り、教員としての資質・能力を涵養するという点でも意義があったと考えているのですが、総合ができてから数年たった中で、学校の状況を見ると、形式化してきてしまっているのではないかと考えています。その中で、教師が自分で単元を見通した評価規準をしっかりとつくってしまうために、今まさに探究の議論されているような試行錯誤であるとか、または学び直しであるとか、そういうものが非常に生まれづらい形になってしまっているというところが一つ課題だと思っています。なので、今回の事務局提案のように、よりシンプルにしていくという方向性は今の時代に合っていると思っているところです。
 さらに、教師一人一人が、評価規準をつくるために、特に思考・判断・表現のあたりは、語尾が「比較する」とか、「表現する」とか、そういった他教科で書いているような語尾になりがちで、実はこういった評価規準というのは、学校現場で子供たちを評価するときに、結構、先生たち、分かりづらくなってしまっているというふうにも感じています。友達の意見を比較しながら自分の発言をすると、これ、比較して表現しているというふうに、それができる子はほかの教科もほぼほぼできてしまうような、さらに知識のところは、教師の考えた材でやっているわけですが、隣のクラスは違う材なので、そもそもこの知識というところの評価が必要なのかということを考えている教師もいたりして、かえって今、観点別評価の基準が、教員が評価する上でも分かりづらさになっているんじゃないかというふうに考えています。そこで、2点目としては、今回、提案いただいた事務局の探究の質を高める課題、プロセス、または成長の場面において評価するといったところにも賛成です。
 提案としては、さらにシンプルに、その3つの場面でしっかりと評価をしていくというようなメッセージを出してもいいと思っています。14ページのところですけども、一人一人の中にその問いが成立しているのか、自分とか他者にとってそれは意味があることなのかという観点は非常に教師にとっても評価しやすい観点かなと思いますし、特にこれからは学びのプロセスといったところで、一人一人がどういう学びのプロセスをたどって探究を進めているのかというところについても、これは質を高めると同時に非常に教師にとっても見やすい観点になるんじゃないかと思います。端末だけで調べているのか、それとも実際に取材したり、端末で調べたり、自分の既習の体験を通したり、いろんなそのプロセスで調べている子、さらには粘り強く何度も何度も挑戦している子、そういったそのプロセスの評価というのは、質を高めるとともに、やはり教師にとっても評価しやすい視点だと考えます。
 さらに、最後の成長のところについては、学んだことで終わってしまっているのか、学んだことが、自分の生き方とか、自己の成長にも繋げて考えられているのか、そういう点で考えたときには、非常に教師にとっても評価しやすい場面だし、基準にもなるんじゃないかと思います。こういったところで評価したものを、最後、一体的な評価の中で、どんな資質・能力がついたのかということで記述していくぐらいのシンプルな提案のほうが、多分、一人一人の教師にとっては評価しやすい形になるし、実際にトライアルとか、子供たちの様子をしっかり見ていこうという姿勢にも繋がっていくのかなというふうに思っています。
 最後に、今度、小学校のところで情報の領域というものが入ってくるのですが、この小学校の情報の領域の評価については、あくまでも総合の一部で、探究を支える位置付けとして付加されているということなので、別の評価の枠組みをつくるということではなくて、総合全体の評価の中で取り扱っていくというような考え方でもよいのではないかというふうに考えております。
 ぜひ御検討いただければと思います。よろしくお願いします。以上です。
【黒上主査】  ありがとうございました。
 それでは、伊藤委員、よろしくお願いします。
【伊藤委員】  資質・能力の構成についてですけれども、12ページの上段にあるように、学びに向かう力と思考・判断・表現力を一体として自己の生き方に繋がっていくという整理については非常に理解ができました。
 下段のイメージ図ですけれども、これが上の文章と比較してというか、重ねてみたときに、図ではくっきり分割的に示されていて、上の文章の「一体として」という言葉と少々ギャップを感じました。自分の理解不足もあるかもしれませんけれども、2つの資質・能力の境界線がもう少しなじむような見せ方のほうが、上の文意に沿うんじゃないかなと個人的には感じた次第です。
 次に、14ページ、15ページの総合評価の在り方の部分ですが、こちらはおおむね理解できました。評価の場面を限定して見取るのではなくて、つまりこの時間にこの観点で全員を見取るという形で今までは評価していたと思いますが、評価上、大事にしたいのは、一人一人の学習状況を継続的に観察する中で、その子、その子の思考過程とか、行動の理由とかを丁寧に追っていったり、個性の理解も深めたりして、それぞれの成長を見取っていくということなのだと理解しました。そうした評価のスタンスというのは総合の評価の在り方として適当であると思います。
 15ページの図も非常に分かりやすかったです。形成的評価と自己評価については、現場でもよく認知されているところですが、自分が注目したのは相互評価のところです。相互評価を総括的評価に反映するには、一層の現場での実践とか研修を積み重ねていく必要があるだろうというのが自分の肌感覚です。相互評価を総括的な評価に反映していく実践事例というのが、自分は、身近にあまり見かけることがありません。昨年度、視察に伺った学校では、この相互評価を小単元の区切りのところで、振り返りの場面でグループごとの話合いの形で行っていました。子供たちが学習のプロセスの中でのお互いのよさとか可能性を発見し合っていたり、それからそれぞれの児童が協働学習の中での自己有用感を得ているような表情とか言葉があったりして、非常に心に残っています。そういった実践を重ねていく必要があるなというふうに感じた次第です。
 最後に、23ページの各校で作成する計画の内容の精選についてです。こちらは、全体計画と単元計画ともに、現在、現場で感じている課題の改善に踏み込んだ大胆な見直しの方向性が示されているなと感じました。
 全体計画については、26ページの左側にあるような様式で、これまで現場では全体計画を作成してきています。そのことは、各学年で育成を満たす資質・能力を具体的に考えたりとか、学年を越えて共有したりするという意味では非常によさがあったなというふうに思っています。
 ただ一方で、作成に当たっては、学年の系統性を意識するあまり、言葉の操作にとらわれて本来の目的を見失ってしまったり、作成した全体計画を活用し切れなかったりという課題もありました。したがいまして、右のような、端的に示すという形は、いい方向性かなというふうに思っております。
 ただ、全体計画が実際に有効に機能するには、端的に記載するからこそ、そこの内容の質とか量をどのようにしていけばよいのかという点についてはまだちょっとイメージが持ててないんですけれども、現場でも一層吟味していく必要があるんだろうなということを感じました。
 長くなりました。以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 挙手されている方と残り時間を考えて、端的にお話しいただかなくよう御協力をお願いします。なので、これまでになかった話、御意見を中心にお話しいただければと思います。
 では、木曽原委員、お願いします。
【木曽原委員】  ありがとうございます。
 私、1点だけで、基本的な評価とか、シンプルにしていくって考え方に大いに賛成しているところでございます。その上で23ページなんですけれども、私、どちらかというと探究、これから頑張ろうとか、あまりうまくいっていませんという学校から相談を受けることが多くて、いろいろ相談を受けてみると、実はここの一番下に書いてある学校の教育目標ですとか育てたい生徒の像みたいなものを明確にして探究の目標を決めていくというのは、実はもう前回の学習指導要領からもう書かれていることなんですけれども、この部分が結構あまりまだちょっとやり切れてなくて、どちらかというと置きにいっているというか、何とか普通の探究っぽいことをしましょうみたいな感じになりがちなので、この一番下にある重点化と付加というのを強く明確化していくというのはすごくポイントになるんじゃないかなというふうに考えているので、もう既に前回の中で目標との関連というのは言われているんですけど、ここには非常にさらに明確化するといいんじゃないかなと思っております。
 以上でございます。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 そうしましたら、成田委員、お願いできますでしょうか。
【成田委員】  ありがとうございます。
 私も簡単にお伝えします。13ページの丸い図がどうしてもちょっと私の中でのしっくりこないです。この右側の総合の絵が特に気になります。左側の道徳のような感じで、知識と技能と思考力・判断力・表現力が人間性と一体化しているというイメージは非常に分かりやすいのですけれども、一番右の絵においては、学びに向かう力・人間性というのと思考力・判断力・表現力というのが、知識・技能というのに外側から、外側というか、全部を裏打ちあれながらつくられていく、そのイメージはいいのですが、青色と肌色の部分間の相互関係というのが必ずあるはずだと思うのです。これは高次脳機能というものが発達するにつれて、思考力が人間性をつくっていたりとか、判断力が学び、つまり学習能力を、学習志向性をつくっていったりするので、ちょっとここはあまりパキッと分割されるものでもないのかなと。その児童、その生徒そのものが一人一人少しずつ伸びて融合していくものかなと。
 それで言うと、14ページのこのAさん、Bさんを代表とする、この点と矢印という評価のイメージ図は一番やっていただきたい評価だと思っております。学校の評価を難しいとは思うのですけれども、1人の児童生徒の変化をグラフ化する、つまり成績を通年で思考力・判断力、そしてそこからの人間性の伸びとかを全部端的にグラフ化して示すと一番分かりやすいのかなと思いました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 それでは、小見委員、お願いできますでしょうか。
【小見委員】  みらいずworksの小見まいこです。よろしくお願いします。ほかの委員の方がおっしゃってないところを中心に発言させていただきます。
 1ページ目の、間違えました、6ページ目の児童生徒の評価の一層の重視についてです。児童生徒が自らの評価をしていくならば、学習の狙いを子供たちと先生が共有して合意しているということが重要ではないかと考えます。教師が設定した目標や評価方法を示すだけでなく、子供自身が自分は、今、何を学んでいるのか、どういった力を身につけたいのかというのを考え、目標や評価に納得していくことが大事だと思います。また、山田委員からも発言あったんですけれども、今までの自分を振り返り、自分なりの目標の視点を得たり、次の探究に繋げて学びを積み重ねていく意味でも、キャリアパスポートも有効的に活用できると考えました。
 2点目です。10ページの創造の質というところについてです。括弧書きで成長の質というふうにあるのですが、成長というのは丸1、丸2、丸3の全体として表出するものだというふうに私は捉えたため、ここで「成長」を入れると少し混乱を招くのではないかなというふうにも考えました。例えば探究を通じた内面の変化など、この成長というのと全体で見る成長というのが少し意味が違うということの補足や表記に工夫が必要ではないかというふうに考えました。
 3点目です。33ページのAIに代替されにくい現場体験や他者との協働を重視するという点です。これは非常に重要な視点だと思います。実際に探究の伴走をAIにさせて、任せるという高校の探究の授業を見たことがあります。AIに専門家としてフィードバックをしてくださいと問いかけると、確かに的確なアドバイスは得られるんですけれども、実際の外部の人と対話をしたり、協働したりするということが設計されていない探究学習でした。それだけに依存してしまうと、探究が社会やリアルな実感を持ったものと繋がっていかず、だんだん内向きになっていく可能性もあると感じました。安易に活用せずに、実際の人との対話、関わりとミックスさせて、心が動くですとか腑に落ちるといった場面もきちんと入れながら、場面に応じて活用するということはぜひ強調していただきたいと思いました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 そうしましたら、西岡先生、今、入られておられますので、資料も含めてお願いいたしたいと思います。
【西岡委員】  ありがとうございます。校務の会議の関係で遅れまして失礼しました。
 事前に御相談して許可をいただきましたので、ちょっと資料を提示しながらお話しいたします。
 今回、御提示いただいている資料に関しては基本的に賛成しているんですけれども、少し気になった点がございます。まず、スライド17について、目標に準拠した評価をいわゆる絶対評価と書いてあります。これは、昨年の9月の企画特別部会で使用されている資料なのでこの部会の資料ではないんですけれども、絶対評価は、長らく教師による主観的な評価という意味で用いられてきた関係で誤解を招く危惧がありますので、避けていただいたほうがいいと思いました。
 なお、総合でも、基本的には目標に準拠した評価を行うのですが、教科よりも長いスパンでの成長を目指すような目標が重視されること、また、個々の児童生徒が異なる課題を設定するため、具体的な評価の場面では個人内評価の様相を示すというふうに整理できるかと思います。
 次に、指導要録では文章で端的に記述するという方針(スライド5)に賛成しております。また、スライド10から12に示されている評価の観点は実際の参考になると思います。
 ただ、総合の場合は、各学校のカリキュラムや目標に合わせて評価の観点を設定することが重要ですし、研究系、行動系、創作系のそれぞれで重視すべき観点も変わってきますので、これらの観点は例示としていただくほうがよいだろうと思いました。
 続いて、スライド15で書かれている形成的評価、総括的評価、並びに27で書かれている過度な評価材料集めの抑制に関連して、改めてポートフォリオ評価法の活用をお勧めしたいと思います。ポートフォリオについては、実際の活用事例をウェブ上でも紹介しておりますので御参照いただけるとありがたいのですが、総合の場合、そもそもポートフォリオにまず資料を残すように指導することが重要です。また、ポートフォリオを使って対話する検討会が指導の場でもあり、評価の場にもなります。
 検討会については、調べ活動の時間にローテーションを組んで1対1で行う、またはグループ単位で対話をするという形で行われる場合が多いですけれども、クラス全体での共有化・話合いの時間に一斉指導の形で行うことも考えられます。
 なお、総合の場合、長期的に一貫した観点で評価することで成長を捉えるということはスライド19でも引用していただいたところなんですが、御参考までに、こちらは関西・北陸のSSHが共同で研究開発したルーブリックの例です。このような成長を長期スパン、1年以上かけて促し、捉えていくというようなことが行われるのが適切であろうと思います。
 このとき、課題が具体化した後で調査計画の立案や実施に進むわけではありません。つまり、課題の質と調査計画の立案や実施の質というのは連動しております。スライドの14の図については、そのように連動する観点もあるということを踏まえて整理していただいたほうがよいかと思いました。
 なお、児童生徒の作品をレベル別に分類するようなルーブリックづくりのワークは、先生方の観察眼を磨き、評価の水準をそろえる意味で大きな意義があるんですけれども、特に総合ではルーブリックを使うことが目的になってはならないと思っております。児童生徒の一人一人の問題意識や課題に即して探究の質を高めていくようなカリキュラム設計や指導がまずは重要だということを改めて強調しておきたいと思いました。
 以上です。ありがとうございました。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 廣瀬先生の学校もルーブリックを非常に長期的なイメージで使っておられますが、それも含めて廣瀬委員から何かありましたらお願いします。
【廣瀬委員】  笛吹高校の廣瀬です。よろしくお願いいたします。
 まさにルーブリック、様々な資質・能力を出したところでルーブリックを使わせていただいていますが、つくるまでには本当に生徒の実態を見ながら、またはどんな資質・能力を育てたいかということで教員が話し合ってつくったところです。
 本日、本当に全体的にはきれいにまとめていただいてありがたいと思いますが、やはり私も何点かちょっとお願いしたいところがあります。まず、12ページ、13ページの資質・能力の構成についてのイメージですけれども、円の図になります。3つの資質・能力が明確に表れて表現されていて、大いに納得ができました。横の特活と比較しても、知識・技能が多めにあるところ、また思考・判断・表現力等々、学びに向かう力が上下に半分ずつで構成されているところ、この際のところをどんなふうにするかは様々な御意見がありましたけれども、約半分ずつというところ、2分の1というところもなるほどというふうに感じたところです。
 知識・技能については、学ぶ対象が違うので、個の生徒によって異なってきます。でも、実際に知識・技能に裏打ちされてこそ、課題解決や問いの解明、思考力を発揮できるのだというふうに思っています。
 また、探究を進める中で、新たな知識や技能を獲得していく姿も当たり前に日常見ております。ですので、12ページには課題解決の手段として効果的に活用し、概念化することが大切というところもなるほどというふうに感じました。
 2番目に、ページ15ページになりますが、総括的評価と形成的評価についてです。総括的評価、評定に繋がる教師が行う総括の部分と、実際の指導や授業で行う形成的評価の部分とが何となく交ざり合っている感じがしました。評価のことは、総括的評価の話がずっと続いてきて、個人内評価にして視点を大事にしましょう、子供一人一人の伸びを進んで、形成的評価が進んでいた、そういうところに急に形成的評価が大事ですというようなことが伝わりました。
 形成的評価の書き方の上段のところ、そこで、まず総括的評価は見直した個人内評価を中心としたものということで、一旦、総括的評価を押さえていただき、一方で、具体的な授業、学習の場面においては形成的評価を行うので、というふうに分けていただけると、現場としては理解しやすいように感じました。どちらの評価も非常に大切だということが伝わるような書きぶりにしていただきたいと思います。
 3点目ですけど、24ページからになります。全体計画に示す総合の内容については、単元の目標を端的に記載するというふうにあります。シンプルになるのは非常に賛成です。一方、目標と、学校ごとに定めることができるこの内容というのが最も大切なところなので、シンプルになるのはいいんですが、育成を目指す資質・能力を端的に記載というところが極めて重要なので、ここを強調する必要があるのではないかと感じました。各学校で内容である全体計画を定めるときがとても大事だということ、ここがカリキュラムのコアなんだということ、そして学校が全力でここをつくる必要があるんだというところを主張できるようなのがいいのかと感じました。
 なお、現場では、全体計画を作成する過程で、実際に目標や内容、単元計画を考えるときには、この両脇にあります生徒の実態や保護者の願い、それから地域の実態、地域の願いなど、非常に重要になると思います。ぜひ解説等ではこの辺りも含めて書いていただければというふうに思います。道徳教育、キャリア教育の全体計画にも同様なものがありますので、この辺を書くことについては大きな負担にはならないのではないかと思います。
 あと、33ページのAIの取扱いですが、プロセス重視など、レ点があり、この辺り、非常に重要だというふうに感じました。
 最後になりますが、5ページ、一貫した視点で継続的に見取るというところがあります。これまでの評価の規準のときには、その評価のスパンが非常に短くて、数時間で1回とか、普通は指導要録に記載することを考えますとスパンは1年ということになるんでしょうか。1年ごとの内容、探究、各学校の学習活動を設計することこそが資質・能力の育成に重要になるという理解でよろしいのか、1年間で何らかの総括をするとなると、高校ですと視点というのは3年間で見るのか、1年ごとに目指すものを設定していけばいいのか、その辺ちょっとお考えがありましたらお伺いしたいと思います。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。本当は議論したいですけど、時間がないですね。
 何とか1人2分ぐらいでお話しいただけますか。水川委員、お願いします。
【水川委員】  よろしくお願いします。
 5ページに、「成長に着目して」ということと「一貫した視点で継続的に見取る」ということがあるので、やっぱり計画はねらいを明確にして極力シンプルにしていくという方向で整理されるのがいいんじゃないかと思います。
 ただ、そう考えたときにどうしても必要なのが、11ページのところの、前回、出たことなんですけど、課題の質の問題とか、プロセスが発達段階によってどう変わるのかということは見えるようにしたほうがいいと思います。この図ですけど、この「身近な関心」とか「他者の視点」とか「将来や社会にとって」が同じ中央に寄っていますが、実はこれ、行頭を変えるだけで、身近な関心は幼児教育のところにして、他者のところは小学校、中学校、将来や社会、中学校以降とか、行頭を変えるだけですごく読みやすくなると思うので、整理されたらいかがかなと思います。
 2点目は、13ページのところのさっきから話題になっているイメージ図ですが、図に表現すると、総合はこういうふうな表現も一つだと思いますが、皆さんの意見聞いていると、実はこの水色のところと肌色のところがゼブラになっているというか、お互いに行ったり来たりという考え方で整理したほうが、もっというと斜めゼブラぐらいで書いたほうがいいのかもしれないなと思いました。
 最後、3点目は次の14ページですが、ここは先ほども述べましたけれども、総合の核心というのはリアルとストーリー、そしてその過程を通して得られる納得解にあると僕は思っているので、ここの矢印のベクトルがそれぞれのところに出ていますけど、どの段階でどんな足跡とかストーリーがあって、そこにどんな気づきや納得が生まれたのかを成長という視点で表現するというふうに考えていくと、すごくこの図も現場で使いやすい、分かりやすい図になると思います。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 それでは、川越委員、お願いします。
【川越委員】  ありがとうございます。私から2点、お伝えさせていただきます。
 まず10ページの辺りになります。3番目の「創造(成長)の質」というところで、成果の質よりは、創造の質という言葉のほうがいいかなと思いました。ただ、成長の質というのが少し分かりにくいといいますか、誤解を招くような気がしました。それに代わるいい単語がぱっと浮かばないところですが、創造の質はある程度分かるかなと思いました。
 もう1点につきましては、23ページになります。こちらも既に出てきているところですが、各学校が目標設定する際の視点として、重点化というところと、付加のところを整理して示していくというのは非常に分かりやすくて必要ではないかと思います。恐らく評価規準を作成する際は、具体的な能力を設定した後に、必要な観点や、どうやって見取るのかというところに落とし込んでいくことになると思いますので、そこにも繋がる部分かと思います。
 この辺りが明確化されると、26ページの右側、育成を目指す資質・能力を端的に記載というところにも繋がってくるかと思います。この辺りを明確化して示すというのは非常に大事ではないかなと思いました。
 私からは以上です。
【黒上主査】  ありがとうございました。
 では、酒井委員、お願いします。
【酒井委員】  立命館宇治中高の酒井です。評価とICTについて、それぞれコメントさせてください。
 スライド5番をお願いします。評価については、事務局提案の改善の方向性に大変共感します。特にこの「過度な評価材料の収集を求めることはしない」、二重線か三重線で提案していただきたいというのが学校現場の切なる思いではあります。
 総合では、設定した課題によって知識や学びの内容が変わってきますので、あらかじめ決まったものを習得するのではない。だからこそ、プロセスを見取る形成的評価が重要、本当にそう思います。評価というときに、評定だけが評価ではないですし、生徒の目に直接触れることがない指導要録の記述だけが評価ではありません。そんなことは当たり前ですが、まだまだ学校現場でこの認識が広がっていない気が私はしています。生徒の学びや成長に繋がる評価について、今後、議論を深めたいと思っています。
 2点目が、スライド41番のICTについてです。改善イメージの「情報活用能力を効果的に発揮した探究」という言葉です。意図は分かります。ICT活用を促したいんのだと思いますが、情報活用が先に来ている気がします。探究の質が向上すると、結果的に情報活用能力が発揮されているはずだと思います。ここがうまく伝わったらいいなと思っています。
 最後に、参考資料のバカロレアの生成AIの資料は大変分かりやすいですので、このワーキングとかを待たずに、すぐにでも全国に参考資料として共有していただきたいなと現場として思いました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 では、佐藤委員、お願いします。
【佐藤委員】 信州大の佐藤でございます。2点、お伝えいたします。
1点目、道徳と特活と総合のイメージ図になりますが、比較して提示されることで、それぞれメッセージとして非常に伝わりやすくなった印象を受けました。各委員の先生方の御指摘あると思いますので、それに対しては改善の余地があるのかなとは思いますが、メッセージとしては非常に伝わりやすいです。
2点目、生成AIに関してです。先生方がおっしゃるとおりでして、思考の代替や外注ではなくてきちんとやっていかなきゃいけません。依存やバイアスや批判的思考やメタ認知、認知的オフロードの話、これを避ける手だてがきちんと示されておく必要があると認識しております。
一方で、生成AIによってこれまでなし得なかった深い学びとか学習活動も一部でもう見られるようになってきたというのも事実だと考えております。特に,活用するにしてもどういった場面、学習場面においても、どのようなバージョンを使用して、どんなプロンプトを入力しているかなどを,どのように使ったのかを明記するような指導も必要だと考えています。明記の仕方というのは様々ありますが、活用プロセスをきちんと可視化していくということをきちんと教えていく必要があると捉えています。
ファクトチェックに関して一次情報と関連しますが、どんなメディアで調べたとしても,きちんと引用・参考文献を示していく癖をつけていくことによってファクトチェックができるようになっていきますし,そうした活動を通して責任ある活用に繋がっていくはずです。
いずれにしましても、AIのガイドラインを遵守する中で、情報の領域できちんと情報活用能力を育成するということを前提とするということが、生成AIを活用していく上で非常に大事だと捉えております。
私からは以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 では、堀田委員、お願いします。
【堀田委員】  スライドの10番目で、創造(成長)の質となったことで非常に分かりやすくなったと思います。14のスライドで、Aさん、Bさんの表記がありますが、Aさん、Bさん、Cさんぐらいがあり、互いを比較しているのではないことを示すとよいと思います。また、教師と児童生徒がルーブリックをつくっての評価があるんだ、と明記したり、パフォーマンス課題があることで評価もしやすくなるんだ、と記述されるといいかなと思いました。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 それでは、岩本委員、お願いします。
【岩本委員】  お願いします。
 まず、10ページ、もしくは11ページのところです。これ、課題の質、プロセスの質で3つ目が創造の質、もう一声何かあったら、ちょっと創造の質というのが教員も生徒もイメージできるのかなと思ったので、成長なのか、成果なのか、変化なのか、いっそのこと学びの質みたいな、もっと分かりやすいもののほうがいいかなと、もう一声というところと、今回、やっぱり自己や他者、社会って、この3つで示していくというのは構造的に非常に分かりやすい、使いやすいと思いますので、例えばこれ、プロセスの質のところの順番もこれに合わせて、自己調整、他者との協働、知識や方略の活用みたいな、自、他、社会という、知識とか方略というのは社会的資産の活用の話ですので、みたいに分かりやすい順番とかも今後は意識していったほうがいいのかなというふうに思いますというのが10ページ。
 あと、12ページ、13ページは再三出ていたのですが、やはり上下でパッキリ分かれているというのはイメージが分かりにくいなというふうに個人的にも思いますし、特活との関係で、もし強調したいことが思考・判断・表現をより一層重要ということだったら、この特活の輪のつくり方の思考・判断・表現を相対的に面積を厚くするとか、ちょっとそういったようなところもあるのかなというところです。
 あとは、27ページです。簡素化するところの話は非常にいいな、すばらしいなと思って見させてもらいました。これ、3観点を一体的に見取ることとし、評価の視点を5要素程度で明示という、この5要素もまだ多くないかというふうに思いますので、これも先ほどの課題の質とプロセスの質と学びの質なのか、その3要素の中にそれぞれ自己、他者、社会とかというのもあるというぐらいで、3要素程度で、細かくしたい人はもっと細かくすればいいというぐらい、もう一声シンプルにしてあげてもいいのかなというふうに思います。
 最後、33ページ目。情報技術との話ですけども、ここの位置付け、デジタル技術の。これ先ほどの生活科のところであったような記述というのはすごく分かりやすかったと思うので、あの連続性で、あの一文もあってもいいのかなと。つまり、情報技術は探究の本質的意義をより深化させる、深化のための補助・促進する手段として位置付けみたいな、補助・促進する効果的な手段なんだという位置付けをまずはっきりさせて、もう目的は探究の本質的な意義だとか、もしくは資質・能力の育成という、この目的のための手段ですよねという位置付けした上で、でも、これ、効果的だから積極的に活用しましょうというところはあってもいいのかなと思いました。
 以上です。
【黒上主査】  では、久野委員、お願いします。
【久野委員】  よろしくお願いします。
 まず、9ページのところで、知識・技能について上のグレーの網かけのところの2項目、「知識は習得の対象ではなく」という行のところ、これ、その以降、課題によって異なるだけではなくて、学習者の中で形成されるというのが前回のワーキングの資質・能力の柱ごとの整理でもあったと思います。やはり一人一人の知識の構造が更新されていくという視点は重要な点ではないかと思っています。
 そして、2つ目、14ページですけれども、この評価の在り方についての「一貫した視点で」という、この表現、フレーズを大事にしたいと思っています。これ、2点目です。
 それから、3つ目、同じく14、15ページのところで、特に15ページのところになります。児童生徒の自己評価、相互評価と教師による形成的評価の重視ということには異論は全くありません。その上で、最終的に示す総括的評価についても、やはり教師から児童生徒へのラストメッセージになりますので、重要ではないかと考えています。それに実際に先生方が、評価について頭を悩ます部分というのはこの点だろうと思っています。
 総括的評価に、定型文を当てはめてしまうのではなくて、教師から児童生徒の活動に対する共感とか、本人の気がついていない学びの視点や本人の成長や価値、そういったものを児童生徒に戻す具体的なものになるようにできればと思っています。
 その際、西岡委員からありましたポートフォリオ評価も示唆に富むところがあります。ポートフォリオや学習ファイルに直接記載するような総括的評価、あるいは生徒からの相互評価も、次の単元や次の学年の学びの形成的評価に繋がりますので、この総括的評価について、過度に重視するということとかボリュームを持つということではなくて、ここも忘れてはいけない視点かなと思っています。
 以上です。
【黒上主査】  ありがとうございます。
 それでは、私の考えを述べますが、今回は、端的、シンプルがメインテーマですけど、ただそれが行き過ぎると生徒の評価、頑張ってよかったねとかいうような観察印象評価だけで終わってしまいそうで、それはちょっと困ると思います。
 そういう意味では、久野委員がおっしゃったように、何をどう頑張るかというイメージをどう伝えるかということと、それで何をどういうふうに考えたからよかったんだということが分かるような、そういう評価にしたいと思います。その際必要になってくるのはルーブリックではないかと思っています。ルーブリックには、評価の物差しという側面ももちろんあるのですけど、基本的にはコミュニケーションツールだと思っていて、それは教師と生徒の間で一体何をどういう方向で目指すのかということがコミュニケーションされるためのツールなのです。
 そのときに、標準ルーブリック(西岡先生がやっておられるような)を基にして評価するとなると、どうも子供の一人一人の活動にそぐわない感じがするので、標準ルーブリックを基にして、それを一人一人の子供が自分で当てはめて翻訳し直していくというような、そんなプロセスをイメージすることも大事かなと思っています。
 自己評価、総合評価に関しては、それに外部の方のオーセンティック評価も含めて、教師が見取れないものを見取るためのというか、見とれなかったことに気づくためのツールとして見ることもできて、そこにルーブリックがかむことで教師がどんなふうに見てほしいのかということをいろんな人に伝えるという側面もあるかなと思っています。
 評価に関しては、端的なのは良いのですけど、端的すぎると大学の調査書に何も書かれないような気がします。最近、(総合的な探究の所見欄に)詳しく文言評価が書かれるようになったので、それを選考の対象にできるようになってきました。そういう意味ではあまり(端的さを追究する方向に)行き過ぎないということも大事かなと思います。
 最後、ICT絡みでは、これまでICTを用いて検索すると情報が膨大に集まってきて洪水になっていました。それを処理する認知的負荷が大きいので、ここでAIをうまく使うと必要な情報に絞り込んでくれて出してくれて、それを基に考えるということがAIの活用方法としては良いと思うのですが、ただ、そこから先の推論をAIに任せたくないと多くの先生方は思っておられるように思います。
 しかし、AIに推論を任せると、論理的に、しかもしっかり情報、根拠を踏まえたアウトプットを出してくれます。そうすると、そこから(推論の仕方を)学ぶということもあり得るというふうに思うのですね。
 AIって、結構、どうその乱用を制御するかという視点で書くんだけど、生徒のマインドセットに、AIから学ぶということをどういうふうに伝えて落とし込むか、そしてそれを実際に実行させるかというような視点もこれから考える必要があると思います。そして,そういう使い方に適した領域がこの総合的学習・探究かというふうに思っています。そのようなこともこれから考えていけたらなと思います。
 今日、非常に内容が深くて大変でしたけれども、皆さんの御協力で何とかぎりぎり間に合いました。
 あと、今後の御予定、よろしくお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  次回の予定でございますけども、4月15日水曜日9時半から12時を予定しておりますけれども、正式には後日連絡をいたします。よろしくお願いします。
【黒上主査】  では、以上をもちまして閉会といたします。御協力どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
 水川委員提出意見(pdf:400KB)
 
 

 

 

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程第三係

電話番号:03-5253-4111(代表)

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