令和8年4月17日(金曜日)16時30分~19時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【杉山主査】 それでは定刻となりましたので、ただいまから第6回家庭ワーキンググループを開催いたします。お忙しい中ご参加いただきありがとうございます。本日は家庭科の資質・能力の育成等について、事務局より議題ごとにご説明いただいた後、意見交換を行います。なお、本日は議題1と議題3で3名の委員よりご発表いただくことになっています。
初めに議題1に関連して、能美市立寺井中学校長、亀田委員よりご発表いただきたいと思います。それでは、亀田委員、お願いします。
【亀田委員】 どうぞよろしくお願いいたします。まず初めに、昨年度から少し所属が変わり、寺井中学校長の亀田となりました。どうぞよろしくお願いいたします。まずはこのような貴重な機会をいただきましてありがとうございます。私の方からは、デジタル学習基盤を活用した学習の充実についてということで、事例も踏まえて少しお話をさせていただきます。
大きく3点お伝えしたいと思いますが、まず1つ目、ICT端末の活用の実態や効果、意義ということで事例を少しご覧ください。1つ目の事例です。小中学校を主にご紹介したいと思うんですが、現在GIGAスクール構想が始まって5年少し経ちました。小学校1年生の春にはchromebookを貸与し、まずは写真とか動画撮影など簡単なことからスタートする、こういうようなのが全国ではないかと思います。そして、本市においては、夏、秋頃にはなんと両手でローマ字入力する児童も1年生から始まっているということで、本市はそれを止めてはいないです。子供がやりたいと思ったらローマ字表を与えて、ローマ字表を見ながら打つという子が続々と増えてくるのが大体1年生の夏とか秋頃になっています。ですので、この度、2年生ぐらいからローマ字入力を行ってはどうかということが、情報・技術ワーキングでも、あるいは国語ワーキングのほうでも意見が出たかと思いますが、こういうような実態が現場ではもうすでに起こっていたというところから起因するものであるのではないかと思っているところです。
友達の考えを参考にしながら自分の考えを深めていく姿が多く見られております。他者参照と言われておりますが、いろんな画面の中で共同編集をしていますので、どの子がどういう意見を持っているかということを子供たちがよく見ていて、そして自分の意見に生かしていく、こんな姿です。アップにしてみますと、様々な子供が自分の付箋のところにマークが付いている状況です。この中から同じ考え、あるいは違う考えの人を見つけて、どちらと対話するほうが自分の考えが深まるか、学びになるかということを子供自身が目的に応じて選んで交流に向かっています。目的を明確にした他者参照が実現しているところです。
つまり、相手を選んでこのように動いて、そして自分が意見が深まるところを目指していくというような形になっています。また別の事例です。協働的な学びとしてはチームで作戦を練る、こういう姿が低学年からも生まれておりまして、自分のチームの戦術といいますか、これをみんなでやっているところです。
では次に参ります。家庭科の具体的な事例としまして、いくつかご紹介いたします。大きく2つです。まず、これは住居のほうですが、これかつて自分が実践した事例なんですが、自分の部屋、どの家具の配置が好きですかということで、家具の配置について見つめながら子供たちがまずは選んでいくと。そしてそのことを、実はスライドを用いてデジタル化した実践事例なんですが、この後アナログ時代のものと比較してご覧いただきたいと思ってますが、まずデジタルのほうです。これを選んだ後、次のスライドをご覧ください。アンケートフォームにて子供たちと教師が瞬時にどれを選んだ生徒が多いのかということをグラフ化もできますし、そしてその理由も入力することによってみんなですぐに共有ができます。そうすると生徒に安全の視点がないことが右下に書きましたが分かってくると。窓とか本の取りやすさを中心に選ぶ子がかつて多かったです。そこで次のスライドにあるように、もしもということで動画を視聴して、このような震災が起こった場合、どうなるんだろうかということでもう一度自分の部屋を見直すと。
そして見ると、ベッドの頭の上に何か倒れてくる、あるいはタンスが倒れて出口を塞いでしまうということで、安全という見方・考え方を働かせ、スライドの図形、家具を動かしながら配置を考え、改善をするという実践になります。
昔はGIGAがないときはこのようにワークシートに画像を撮って貼り付けてみたいなことをやっていました。ここに写っている写真はお菓子箱で少し縮小した模型を作って、家具の配置を自分自身が作った模型となっています。
では子供たちがどのようにしていたかというと、付箋で選んだものの理由を書いて、そして黒板にABCどれを選んだかを貼っていって、投票のようにして見える化をしていた。このような実践です。そして改善する際もベッドとか机とかのパーツを用意しまして、切り取って一人一人の封筒に入れて全員配布をしていました。こんな実践がかつてありましたが、先ほど冒頭にお見せした通り、デジタル化され、スライド、アンケートフォームによって非常に効率化されました。
次の実践になります。エプロンの製作です。GIGAの以前はこのように各過程において、工程においてサンプルを掲示していました。このようにいろいろなエプロンを製作するにしてもゴールを明確にする製作プロセスの実物提示をしておりました。そして説明するときには教卓に児童生徒を集めて説明をしていました。こんな実践がGIGA前だったかと思います。
それがプリント等になりますと、一人一人の個人の振り返りは紙でやっていましたし、グループの中でやはりみんなで協力し合って助け合って製作しようなんて言って、チームリーダーを作りながら、どこまでみんなが山を登って到達しているかということをなぞらえてチームで進捗状況を確認していました。
エプロンの実物の片付けと同時にそのスライドをクリアファイルに入れて、チームごとにそれを管理して、教員も把握しやすくしていました。これがGIGA前でした。
ところがGIGAが始まってから、令和3年度の実践なんですが、教師が作成した動画をクラウド上に置いておきまして、子供たちが必要なときに繰り返し再生で確認をするということで、個別最適な学びが実現しております。
このように様々な工程で各教科と関連付けながら説明動画を自作しながら置いてきました。そうすると何クラスもある場合には、これ一つを取っておけば全クラス活用できますし、生徒にとっては家でも視聴可能ということで、個別最適な学びが学校でも家庭でもシームレスにつながり合ってできるということが起こっております。
また、デジタル学習基盤で教材の配信の効率化もできております。クラスのところに上げる。そして成績、次のスライドですが、評価等も次のスコアで集計していくことが簡単になりました。紙での進捗把握からデジタルへと変わっております。
最後になります。このように様々な場面でデジタル化が進んでおりますが、今後の家庭科における活用のイメージとしましては、大きく次の生成AI時代だというふうに思っています。生成AI時代における活用をやはり促進していきたいと考えます。基本・原則としまして人間中心のAI活用として、ご覧の通りしっかりと確認しながら使うということで、まずオリエンテーションを充実しながら進めていきたいというふうに思います。
小学校の例です。家庭科において小学校の例は、例えばですが、本立てのアイデアを出し、AIと対話をしながら作成するですとか、カスタムAIを作りまして整理・整頓のシミュレーションをする。AIはロールプレイなども非常に有効ですので、ロールプレイをしながらやるということになります。あと、画像の生成も精度が上がっておりますので、画像を生成してもらって、ビフォー・アフターのイメージを持って家庭での実践を行うということもできるのではないかと思います。買い物の疑似体験もロールプレイとしてやれるのではないかと考えます。
中学校の実践事例も同様に、これもロールプレイになりますが、カスタムAIを使いながら幼児との関わりを事前にシミュレーションするということで、適切な声かけや遊びをAIとの対話を通して見通しを持って実習に臨む、こんなこともできるのではないかと思います。あと、地域の食文化、消費者の権利と責任等もご覧になってください。
最後になりますが、実践的・体験的な活動とデジタルの調和ということを家庭科の中では目指すといいのではないかと考えている次第です。実習前の見通しを持つこと、あるいは試行錯誤する過程を可視化させること、そしてそれを互いに評価し合い、成長を実感していくことも可能ではないかと考えます。また、個別最適な学び、先ほどたくさんの事例を出しましたが、これには本当に有効だと考えております。
最後になります。デジタル学習基盤を活用した学習の充実ということで、クラウドや端末を学習の基盤として自在に使いこなすということ、衣食住の実践的・体験的な活動における情報の可視化・共有、多角的な分析、試行錯誤、これがより良い生活を工夫し、創造することができる自立した生徒という資質・能力の育成に資するものというふうに考えております。以上になります。
【杉山主査】 ご意見などにつきましては、事務局説明後に行わせていただきたいと思います。それでは、議題1について事務局より説明をお願いします。
【嶋田学校教育官】 学校教育課の嶋田でございます。私の方から資料1についてご説明させていただければと思います。資料1の1ページ目をご覧ください。本日は議題1といたしまして、デジタル学習基盤を活用した学習の充実について、議題2といたしまして評価等の在り方について、議題3として系統性・体系性の整理についてご審議いただければと存じます。
まず議題1、デジタル学習基盤を活用した学習の充実について説明させていただきます。資料3ページ目をご覧ください。現状といたしまして、括弧1、家庭科における問題・解決的な学習について示している通りでございます。家庭科では自ら課題を設定し、解決に向けて取り組む問題・解決的な学習を通じて資質・能力の育成を図ることとしております。この中では一連の学習過程を重視する方向で整理しており、一定の成果も見られるところでございます。また、括弧2、デジタル学習基盤の活用に関する課題についてですが、記載にある通りでございます。デジタル学習基盤を活用した授業改善は一定程度進んでおりますが、地域間・学校間の格差が大きく、学習指導要領の記述が不十分であることや、ICT活用が教具的発想にとどまっている状況が見られるところでございます。このようなことを踏まえまして、論点整理では今後各教科等においてデジタル学習基盤が常に利用可能であることを念頭に検討することが必要であることが示されているところです。
さらに括弧3、AIなどデジタル技術の発展に関する課題について、デジタル技術の発展に伴い生活環境が大きく変化する中、家庭科においてはデジタル技術の操作や活用そのものの習得を目的とするのではなく、実践的・体験的な活動を通して資質・能力を育成する観点から、いかにデジタル技術を効果的に活用するかが課題になるとともに、生成AIについてはその特性を踏まえながら情報収集・活用を行っていくことが求められております。
このようなことを踏まえ、改善の方向性といたしまして、括弧1のデジタル学習基盤を活用した学習の充実において示しているところでございます。家庭科においては1人1台端末を問題・解決的な学習の中で必要な学習基盤として位置づけ、学習指導要領の見直しを行ってはどうかと考えております。その際、実践的・体験的な活動を重視する家庭科では、その活動を重視する観点から、例えば丸1で書かせていただいているように、調理や製作等の実践活動の様子を動画撮影し分析するといったことや、丸2といたしまして画像等を活用し実践活動前後の様子を比較するといったこと、丸3といたしまして3Dを活用し住居の間取りを計画するなどの活用を進めてはどうかと考えております。さらに児童・生徒が主体的に学習を調整できる環境を整え、その実現を図っていく上でもデジタル学習基盤は重要であることを認識し、適切に活用した学習活動の充実を図っていくことが必要と考えております。
また、括弧2のAIの活用の考え方といたしまして、1つ目の丸にある通り、情報・技術ワーキングにおいて別途議論がなされているところでございます。2つ目の丸にある通り、家庭科におけるAI活用についても最終的には生徒が自ら考え判断し、成果物を自らの言葉で説明し、最終的には自らの責任を持つという考え方の下、問題解決的な学習を展開するとともに、それらの評価方法の改善を図る観点から活用していくことが重要ではないかと考えております。その際、米印にある通り、今後の技術発展など情報・技術の変動や陳腐化の可能性を踏まえた対応を行っていく必要があることも留意が必要と考えております。
4ページ目をご覧ください。ここでは一連の学習過程におけるデジタル学習基盤の活用のイメージを示しております。こちらも併せてご確認いただければと思います。例えば問題発見・課題設定の場面では、自分の食事記録や課題設定に向けた意見交換、資料の収集などを記載させていただいております。解決方法の検討と計画の場面では、AIを活用した情報収集・整理、実践的・体験的な活動の記録や計算、シミュレーションといったものを書かせていただいております。実践活動の場面においては、実践活動の記録やコメント等の収集・既習事項の確認といったことを記載させていただいております。また、実践活動の評価・改善の場面では、実践前後の比較・発表、取組の共有、AI等を活用した評価といったことを記載させていただいているところでございます。
このようなデジタル学習基盤を積極的に活用することで、生活をより良くしようと工夫・創造する資質・能力をより一層高めていく方向で検討を進める必要があると考えているところでございます。事務局からの説明は以上でございます。
【杉山主査】 それでは意見交換に移りたいと思います。事務局よりご説明いただきました議題1、およびご発表いただきました亀田委員へのご質問を含めた意見交換の時間とします。皆様にご発言の機会があるよう、1回のご発言は長くとも2分以内でおまとめください。また、ご発言の際は資料のどのページに関するご質問であるかを明言いただけますと幸いです。なお、時間が足りなくなってしまった場合については、会議後発言いただく予定であった内容を事務局までメールにてお送りいただいた上で、後日議事録掲載する取扱いとさせていただきます。
皆様にご意見いただく前に、本日欠席をされております髙木委員より事前にご意見をいただいておりますので、事務局お願いできますでしょうか。
【嶋田学校教育官】 それでは、髙木委員より事前にデジタル学習基盤を活用した学習の充実についてご意見をいただいておりますので、代読させていただきます。活用することは良いことだと思うし、生徒にとっても有益なものと思います。本校での活用例としては、被服の授業において教員が事前に撮影した映像を用いて実習の指導を行っております。手元を拡大して撮影しているので、遠くから見るよりも細かいところが見え、また各自が繰り返し見ることができるので、生徒にとっては実習のポイントが分かりやすい状況になっていると思います。以上でございます。
【杉山主査】 それではご意見などのある方は挙手ボタンをお願いします。では大久保委員お願いします。
【大久保委員】 それでは私も中学校の実践例を踏まえながらお話しさせていただきたいと思います。先ほど亀田委員のご発表、本当にありがとうございました。私もこのデジタルの活用は、学習過程を大切していく上でも、問題解決の流れを支える上でも非常に有効ではないかというふうに感じております。
例えば私が目にした実践ですが、課題設定の場面では自分や家族の生活を振り返る際にデジタル付箋を用いて気づいたことをキーワードごとに分類します。そうすることによって生活の中で課題や必要感みたいなものが見えやすくなって、生徒が自分に必要な作品や製作課題を主体的に決定することにつながっています。また、解決方法の検討や計画の場面では、学習カードをデジタル化して製作計画を立てさせています。デジタルであることで途中での変更・修正がとてもしやすくて、教師からの助言もその都度取り入れることができて、柔軟にやり取りすることができます。
また、実践の場面では毎時間学習状況を作品の写真や今日の成果、次の目標、そして困ったことをそのデジタルの学習カードに記録させます。これによって生徒の学びの積み重ねを振り返りやすくなるということもありますし、教師にとっても一人一人の状況把握がしやすくなります。特に困ったことについての教師のコメントは個別の指導、助言が可能になって、生徒が粘り強く課題解決に取り組むことにもつながっているかなと思います。家庭科の教員は、全校生徒を担当する場合も多いために、学習状況をデジタルで把握することは指導の充実とともに効率化の両面で意義があると考えています。
さらに評価・改善の場面では、クラウド上で友達の学習カードを見られるということになりますので、生徒同士の対話がとても活発になるなと感じています。このようにデジタルの学習基盤の活用については、単なる便利さや効率さだけにとどまらずに、生徒が主体的に課題を設定して解決して、そして振り返り改善していく学びを支える大きな価値があるものだと考えています。
【杉山主査】 大久保委員、中学校での事例ということでご発言いただきました。私も中学校の研究授業でICTを活用されているのを拝見しました。被服製作でしたが、生徒によって進捗状況が違うのですが、全ての生徒の状況を先生が確認することができるようになっていました。でもそれだけではなく、大久保委員がご発言いただいたように、生徒同士でもそれを確認することで、情報を共有し、対話することで学びがより深まるという事例をご紹介いただきました。では次、村上委員お願いします。
【村上委員】 私は小学校の立場からというところなのですが、まずは亀田委員の発表を見させていただいて、非常に分かりやすく、本当に良い活用をされているのがすごくよく伝わりました。小学校の方でも、例えば本校の例になりますけれども、ペア学習で調理をして相手の調理の様子を撮ってあげる、それを振り返りをして、改善点はどういうところだったかというのを見合うということをしていますが、やはり自分の姿を客観的に見ることで、どういうところが良かったのか、どういうところが改善すべきだったのかというのが非常に客観的に見られるというところもICTの良さだなと思っています。
また亀田委員からもありましたけれども、以前は非常にアナログで移動教室へ行く、洋服を考えようなどというときにも、本当に紙ベースで少し着せ替えのようにやっていたようなことが、今非常にデジタルで選んで、これを付けてみたらどうだろう、いや、こちらとこちらの組み合わせではどうだろうというのを画面上で考えられるというのが非常に具体的で分かりやすい活用ができる素晴らしいところだなと感じています。
【杉山主査】 村上委員には小学校の実践をお話しいただきありがとうございました。それでは次に鈴木委員お願いします。
【鈴木委員】 私どもでは毎年度学校現場で活用できる優れた教材を表彰するという事業を行っております。近年は動画教材ですとかウェブ教材の応募が大きく増えてきています。実際、昨年度、内閣府特命担当大臣賞や消費者庁長官賞を受賞した教材はいずれもウェブや動画を活用した教材でした。その選考に当たって教材の評価に携わった現場の先生方からは、今の子供たちはこうしたデジタル教材でなければなかなか興味を示さないという声が多く寄せられています。このことからも子供たちの学びをより効果的なものにするためには、こうしたデジタル学習基盤を活用した学習の充実が今後ますます重要になってくると教材選考の事務局を運営する立場から考えております。
【杉山主査】 鈴木委員は、表彰活動をされているということで、最近の傾向をご紹介いただきました。いろいろな形で小学校、中学校、高校としてICTを使われている事例はあるのだと思います。先ほど事務局からご説明いただいたICT活用に関する課題で学校間の格差が大きいと報告されています。全ての学校が同じように活用していくことができるようにするためには、今日亀田委員からご紹介いただいた事例や実際の教材を共有することが大切と考えます。教材を作るのには結構時間がかかるかと思いますので。例えば科研費などを活用してICT教材の開発をされている大学の研究者もいらっしゃいます。文部科学省もStuDX StyleでICTの活用事例を紹介していることが今日の資料にも掲載されています。鈴木委員の表彰活動に応募された教材の情報を公開していただくことで、実践の助けになるのではと思いました。
【鈴木委員】 続けてですが、その教材については私どものホームページにも載せておりますし、消費者庁の消費者教育ポータルサイトというところがあり、そこにもたくさん載っておりますので、そういったところを活用していただければと思います。
【杉山主査】 田中委員、お願いします。
【田中委員】 デジタル学習基盤を活用して時間を短縮させてより充実したものにすることができるというのは大変素晴らしいなと、先ほどからいろいろな実践をお聞きして思っておりました。一方で、4ページの活用のイメージの右側の例を見ると、大きく2つに分けられるかなと思います。1つはどの教科でも使用できる共通のツール、それからもう1つは教科の内容特有のものかと思います。共通のツールは既に活用されていると思いますし、もっといいツールが現れてもすぐに先生方は習得されるかと思いますが、問題は家庭科の内容に特化したものです。特に生活経験が浅い子供たちが生活の問題を見つけるためには生活をイメージさせないといけない。イメージできないことを考え工夫することはできないので、イメージすることは大事かと思います。昨年度、中学校の住生活の内容でVR映像を作成して、附属でそのVR疑似体験の実践を行いました。効果は顕著に見られたのですが、作成には時間とエネルギーとお金がかかって、この度は工学部の建築学科の方に作成していただいたのですが、やはり作成技術があったとしても、学習の狙いにマッチしたものを作らないと効果は半減します。誰がどうやって作るのか、その教材を作成する人側の連携システムみたいなものが整っていると、子供たちの学習内容が今後変化していっても教材はどんどん出てくるかなということを思います。なので教材作成の仕組みができることが、デジタル学習基盤の推進、後押しに重要なのではないかということを少し感じました。
【杉山主査】 VR映像を使っての実践のご紹介をいただきました。実際にVR映像を作るのも、それを使うにもそのための機器が必要になり、実際には費用も時間もかかるということだと思います。いろいろな技術を使うと、多様な教材を作ることができますが、教科の学習目的に合致する教材でなくてはならず、教材を開発する技術者と教科のことがよく分かる教員などが一緒に教材を創るシステムを構築することが非常に重要というご指摘でした。それでは、西𠩤委員お願いします。
【西𠩤委員】 亀田委員をはじめとしまして、すごく充実した事例を伺うことができて嬉しく思っています。衣生活に関しては布を用いた製作ということで、かなり細かい手の動きなどもあるものですから、教師の手元の示範を動画で見せたりですとか、それからゆっくりやったり繰り返し見たり、それから場合によっては利き手の違う子供たちのことを教えるので、結構利き手が違うと教える側もとても苦労するんですけれども、そのようなことも可能に、もうすでになっている面もあるかなと思います。
それで先ほど田中委員もおっしゃっていたんですけれども、教材の質というところを今後はやはり考えていく必要があるなということも同時に思いまして、デジタル教材で非常に良くなる面がたくさんあるのとともに、場合によっては実物のサンプルと組み合わせるという形で、例えば布を用いたものだったら実際のものと組み合わせたらよりはっきり分かる、画面の中だけじゃなくて触っていくとか、裏返してみるとか、そういうようなこともやはりあって初めて理解できるということもたくさんあるかなと思いまして、この教材の質というところについて意見、感想を持ちました。
【杉山主査】 被服製作、衣生活のところが西𠩤委員ご専門でいらっしゃいます。実際に触ってみて気がつくことが多々ありますので、デジタル教材を実物と組み合わせる形で使うというのも大切な視点だと思いました。それでは吉川委員お願いします。
【吉川委員】 大変興味深い事例を先ほどは報告いただいて、ここまでできるんだなと改めて感動しながら見せていただきました。デジタルの活用の中身もすごいですけれども、どうやって授業の中で活用していくかという先生方の意図も説明しながらお話をいただいたので、非常に効果的な使い方だなとか、改めてデジタル教材って子供に与える影響が大きいなと、やはり教育効果として大きなものがあるなということを感じました。一方で改めてこれだけ影響力があるので、どう活用するかとか、教師の側がどういう意図を持って、どういう効果を狙って使うかということが非常に重要になると思いました。教材が良くなればなるほど、どのデジタル教材があればいいものができるかというとそうではない。あくまで子供たちがどう学ぶかということだと思いますので、どう使うかということが、だからこそ大事になるなということを改めて思いながら拝見しました。
先ほどデジタルと実物との特徴の違いと言いますか、使い方のより良い使い方ということも非常に重要だなと思ったのは、私は保育や発達ということが専門であるので、身体的な感覚というのもとても大事なので、子供と手をつなげば子供の手の大きさは分かったり、温度が分かったり、皮膚感覚が分かったりとか、対面すれば背の高さが違えば、これだけ体の大きさの違いがあるんだとか、デジタルでも非常に臨場感というのは感じることはできるけれども、人として接することで分かるというか、持って分かる、匂いもそうだと思うのですけど、実際に触ったりしないと分からないというものも、要所、要所使いながらデジタルの教材というのを共有しながらどう使うかというところを目指していくことが本当に重要だなと思いました。勉強になりました。
【杉山主査】 実物とデジタル教材ではそれぞれよいところがあるのだと思いますので、どっちかに集約していくということではなく、それぞれの特徴を生かしながら活用していくことができればよいのではと思いました。では亀田委員お願いします。
【亀田委員】 皆様の意見を伺って、すいません、再度お伝えしたいことが出ましたのでお願いいたします。本当に先ほどから言っています、デジタルとの調和と言いますか、その実物とデジタル。先ほどのミシンの製作のところでも、実はデジタル化されて動画は配信してはいますが、実は教卓のところには実物のサンプル、それぞれの製作過程のサンプルは実は置いてあったんです。今回スライドには入れてないですが、こういうようなものが中学校の方の実践事例の方で、動画で撮ったとしても、それを子供たちに配信していたとしても、実は実物に、皆様おっしゃった通り、西𠩤委員がおっしゃったように実物のサンプルに触れる、布を裏返してみる、これは非常に大事なことだと思っておりまして、ですので一番最後のスライドで私が申し上げたかったのが、実践的な体験的な活動はやはりAI時代においてさらに際立って大事な価値を持ってくると思っております。ですので、より重要さを増す実践的・体験的な活動とデジタルが調和されるといいなと、指導の中で、子供たちの学びの中でと思っている次第です。ですので、決してデジタル化されたらそれでいいというふうには思っていないということで、最後のスライドをまた見ていただくとありがたいなと思った次第です。
もう1点なんですが、実は教師の意図というものがちゃんと教材にこもる必要があるとか、吉川委員がおっしゃったように、田中委員がおっしゃったように、ちゃんと教科の狙いとか目標に合致したものになっているかというこの辺りなんですが、実は本当に生成AIの進展が目覚ましくて、本当に1か月、2か月で進展がどんどんどんどんアップデートされていく状態があります。学習指導要領がデジタル化されているので、そのPDFをしっかりとAIに読み込ませて、あるいはデジタル教科書も出ておりますが、そういうデジタル化されているような資料等をAIに読み込ませておいて、狙いから逸れないようにしっかりと教材をカスタマイズさせていく、あるいは指導案にもこのところで狙うべきはここだということをブレずに、学習指導要領がAIのバックにいることによって、つまりカスタマイズされたAIをしっかりと構築することによって、それが達成できるということに今なってきております。そういうものを活用している先生も徐々に増えてきているのではないかなと。
ただ、事務局のご説明にもありましたように、活用の仕方にはやはり各地で差があることは否めません。ですので、我々は少しでも良い実践を広めていく、先ほど主査からもいいものを共有していくとありましたが、そういうプラットフォームの中でより良い実践、あるいはより良い教材を、皆さんの業務を改善する、校務DXにも通じるような視点においても、みんなでいいものを共有することが、こういうことがデジタル、クラウドだからこそ全国どこにいてもできるんじゃないかなと思っている次第です。以上になります。皆様、貴重なご意見ありがとうございます。
【杉山主査】 では渡瀬委員お願いします。
【渡瀬委員】 一言だけ感想を申し上げます。デジタル教材は、シミュレーションなど、時間がかかる学習活動を短時間で体験できるという教材としても優れた部分があると思いながら、亀田委員の今日ご報告の資料25枚目にあった「人間中心のAI活用」というスライドのように配慮が必要だと思いました。家庭科のこれからの学習では、「本当にそうなのかな」とか、「自分の生活ではどうなんだろう」という、問い直しがより求められると思います。後の方で評価の話が出てくると思うんですが、「さらに考える」場面をうまく使いながら、実のある学びにつながっていったらいいなと思いました。
【杉山主査】 生成AI使うとすぐに答えてくれてしまうので、それをそのまま受け入れるだけでは考えないので、渡瀬委員がご指摘のように、私たちは自分の生活について考える力をすごく大事にしていると思うので、そこは少し注意深く考えていきたいと思いました。都甲委員お願いします。
【都甲委員】 7ページの右上にもありますし、これまでの議論の中でも出てきたところだと思いますけれども、デジタル学習基盤の活用については、学校や地域間の格差が大きいという課題もあるようですので、事例の共有をすることもそうですし、文科省が運営されている「たのしくまなび隊」のようなサイトの家庭科教材もさらに充実させていただきながら、活用方法の良い事例をさらに共有できるようになるとよいと思います。ただ、自由時間も常にスマホを見て生活しがちになっている子どもたちに、家庭科ではデジタル端末から手を離して、充実した調理実習にしても、製作実習にしてもできるようにするというのがまず前提で、そこにデジタル教材を活用することでより良くするというのが求められると思います。それもこれまで出てきたお話ですけれども、実習だけでなく実験などもリアルと組み合わせる形にしていただきたいなと思います。実験の動画があれば、もう実験の動画を見せるだけで終わってしまうのではないかという懸念もあります。亀田委員のご発表の中にもありましたけど、本当にデジタルとリアルの調和が大事だなと感じています。製作などの「手を使う実習、実験」が必要不可欠な家庭科でこそ、デジタル学習基盤を有効に活用していきたいと思うところですけど、製作の授業で既存の動画教材を視聴して実習に取り組むだけではなくて、先ほどは亀田委員のご発表の中では、児童・生徒が実習している様子をお互いに撮影して改善につなげるというのがありましたけれども、私が前に聞いたことあるところでは、下級生のために動画教材を作ったりするというような活動も聞いたことがあります。児童・生徒の主体的な活動を後押しするような活用ができると良いのではないかと思います。
【杉山主査】 大友委員お願いします。
【大友委員】 亀田委員、大変貴重な資料と内容をありがとうございました。現場の今の実情がよく分かりました。教材の話をさせていただきますと、私の所属している金融経済教育推進機構でも、子供たちの発達段階に応じた年齢にふさわしい各種動画を揃えさせていただいています。例えば、アニメーションを使った3分とか6分といった短いものから、10分、20分というような長いもの、あるいは動画に学習指導案を付けて、そのまま現場の先生がお使いいただけるように工夫した動画もホームページの方に載せていますので、よろしければぜひ一度ご覧いただけたらと思います。私の方からは以上です。
【杉山主査】 そろそろ次の議題2の方に移りたいと思います。資料について事務局より説明をお願いいたします。
【嶋田学校教育官】 それでは事務局の方から資料についてご説明させていただきます。
まず17ページをご覧ください。議題2は評価の在り方等についてでございます。
まず21ページの資料をご覧いただければと思います。現行の学習指導要領下では、学びに向かう力・人間性等のうち、感性や思いやり等については目標に準拠した評価や評定になじまないとして、個人内評価で扱うこととし、それらを除いた主体的に学習に取り組む態度を目標に準拠した評価の対象としたところでございますが、理解が難しく、目指す資質・能力を適切に反映した評価となりにくいといったことや、負担が重いなどのご指摘があったことを踏まえまして、昨年9月の論点整理においては、教育課程全体を通じた個人内評価として行う方法に改めることにより、過度な評価材料集めを抑制しつつ、多様な子供たち一人ひとりの良さや成長を自然な形で見取り、肯定的に評価できるようにすることが示されたところでございます。
その際、教育課程全体を通じた個人内評価を基本としつつも、思考・判断・表現の過程で学びに向かう力・人間性等の各要素のうち、具体的に見取ることができる要素が特に表出した場合には、思考・判断・表現の観点別評価に丸を付記する方向で検討すべきこととされたところでございます。
続きまして、資料の24ページをご覧いただければと思います。24ページですが、論点整理を踏まえまして、8月30日の総則・評価特別部会において議論が重ねられ、学びに向かう力の評価における丸の付記の具体的な運用方法について、教科ごとに示す見取る姿、各箇所をできるだけ長い期間を通じ、全体として継続的な発揮を見取ることとされたところでございます。
それでは資料の方に戻りまして、18ページの方をご覧いただければと思います。先ほど申し上げたような全体の議論を踏まえ、改善の方向性の2つ目の丸でございますけれども、家庭科においても具体的な見取る姿を学習指導要領改訂後に検討していくこととしてはどうかと考えているところでございます。
本日はその検討に先立って、学びに向かう力の3要素に沿って見取る姿のイメージを示させていただいております。まず、初発の思考や行動・好奇心については、自分自身の生活を見つめたり振り返ったりする中で、生活をより良くしたいという願いを持ち、自分事の課題の設定に繋げようとしていること。
学びの主体的な調整といたしましては、生活の課題解決に向けて、今まで自分の取組を振り返ったり、学習したことを活用している生活場面を想起したりしながら、生活をより良くするための改善工夫を重ねていること。
対話や協働につきましては、実践的・体験的な活動を通じた生活の課題解決の中で、児童生徒同士、家族や地域の人々等との対話や協働により、自分の考えや取組を多角的な視点から捉え直していることなどを掲げてはどうかと考えているところでございます。
本件については先ほど申し上げた通り、学習指導要領改訂後に詳細を検討していくこととなりますが、現時点で留意すべき点等がございました、ご意見等をいただければと思います。事務局からの説明は以上でございます。
【杉山主査】 それでは意見交換に移りたいと思います。では、どなたかご意見がある方は挙手ボタンをお願いします。田中委員お願いします。
【田中委員】 評価のことは専門ではないのですけれども、初発の思考や行動・好奇心についての文章が、より積極的に関わっていく、探究する姿が表現されるといいのかなと思います。また、学びの主体的な調整についても、より調整していくニュアンスが伝わるような表現になると、評価する側としては分かりやすくなるのではないかということを感じました。
【杉山主査】 子供たちが積極的に取り組む姿を見取るような文言にしてはどうかということでした。では、渡瀬委員お願いします。
【渡瀬委員】 資料18ページに示された「学びに向かう力」の3要素を見ると、学習過程の中でそれぞれ少しタイムラグがありながらも、家庭科の学習の中でこれらの力がどう実現していくか、今後この3つの力の関係性みたいなところが整理されていくという捉えでよろしいんでしょうか。今日の時点では、文言修正ではなく、3要素それぞれの具体イメージを見るレベルのところなんでしょうか。どちらかというと質問になってしまいますが、よろしくお願いします。
【杉山主査】 資料の20ページをご覧いただくと、今、渡瀬委員からお話しいただいた、現行の主体的に学習に取り組む態度の評価は上のグラフですね。渡瀬委員がご指摘の学習の自己調整と粘り強さがこのような関係にあるという説明がされてきました。それが下の改善のイメージということで、初発の嗜好や行動を起こす力・好奇心と学びの主体的な調整、他者との対話や協働が下の3つの丸になっていて、それが相互に関係し合って、学びを方向づける人間性につながるという図の中で説明されていると理解しています。
最終的には評価自体は学習指導要領の改訂の後に本格的に議論されるわけですけど、ここであえて見取る姿というものを出して議論するということなので、そこに関して事務局から何かコメントいただけますでしょうか。
【渡瀬委員】 先程述べた18ページの「学びに向かう力の3要素」における「見取る姿」の説明と20ページの下にある「改善イメージ」の図に示された4つの要素との対応が分かるようで少し分からない感じがしたのでお伺いした次第でした。
【杉山主査】 このWGでは今まで評価の議論をしてきませんでした。他のところで議論されていて見取る姿が家庭科においても確認する必要があるということで今日議題としているのですが、なかなか理解が難しいところなのではと思います。事務局から何かコメントできることありますか。
【栗山教育課程企画室長】 失礼いたします。教育課程企画室長の栗山でございます。今、お尋ねもございましたけれども、少し3月30日の総則・評価特別部会でお示しをしました評価の考え方、少し補足をさせていただければと考えているところでございます。
先ほどご指摘がございましたように、今画面に映っておりますのは、昨年9月の論点整理段階の資料でございまして、この段階におきましては、学びに向かう力・人間性等という現行の資質・能力の概念というものが、必ずしも要素間の関係性というものについて明らかではなかったのではないかという問題意識の下に、ここでございますように4つの要素ということを整理していくと。その上で、このページには書いておりませんが、この矢印がお互いに出ているように、相互に往還して育まれていく中で、最終的には学びを方向づける人間性というところにも育まれていくのではないかといったことが論点整理段階で示されていた内容でございました。
その上で、これを学習評価の中でどう見取っていくかということが評価の課題になったわけでもございますけれども、28ページをご覧いただきますと、学習評価全体については、問題意識として形式的かつ過度な評価材料集めを抑制しながら、多様な子供たち一人ひとりの良さや成長というものを肯定的に評価できるように、見取ることができるように、実質化を図っていくということのために、どのようにしていくかということの中で、総合所見欄等における記述というものと組み合わせて、このページにございます、学びに向かう力・人間性等の丸の付記ということを思・判・表の過程の中で見取りするという提案がなされたわけでございます。
しからば、この丸の付記というものを、どのような考え方でするかということが論点として残っていたわけでございますけれども、25ページでございますけれども、左側の下にありますように、この見取るものとしては、学習過程で表出しやすいものとして下の3つについて注目が集まったわけでございますけれども、この下にパラグラフがございますように、仮にこれを見取るときに、具体的にどうしていくかというときに、他の観点別評価と同じように、知識や技能、思考・判断・表現と同じように評価基準を設定して、その達成したと認められる場合に丸をつけるという場合には、評価の仕方がABCから、丸ありとなしというふうに2段階に変わっているだけじゃないかといったような、結局形式的かつ過度な評価材料集めがなくならないんじゃないかと、程度の問題じゃないかとなってしまったら、やはり勤勉さや実践の評価にとどまりがちな評価から脱却して、学びに向かう力の育成に資する学習評価を実現するという今般の改善の趣旨が没却されてしまうのではないかと。
しかしながら、一方で、では自由に丸をつけてくださいということでありますと、丸をつけるための評価の着眼点が全くなければ、妥当性・信頼性を確保できないばかりか、学習や指導の改善に生かされず、学びに向かう力の育成に繋がらない恐れがあると。この両者目配せしながら、どのような見取り方をすれば、学びに向かう力を見取ることができるかということで出てきたのが、見取る姿であるということでございます。
この見取る姿について非常に大きな特徴となりますのは、教科等ごとにその在り方を示していくということとしているところでございまして、また加えまして、右側の2つ目にあるように、一定の年度のまとまりごとに示すということも考えられるものの、学年ごとである必要もない場合も考えられるという部分でございますが、単元のまとまりごとに見取る姿を示すといったようなことはせずに、長いスパンで子供たちの育ちや伸びというものを見ていこうという趣旨の下に設定するとされたところでございます。
これがまた学習指導要領の改訂後というふうに主査からもお言葉ございましたけれども、それは各教科等の目標から学びに向かう力のこの3要素の抽出をするという考え方になることから、目標が決まらないと、この見取る姿も十分な議論ができないという考え方になっているところでございます。
従いまして、この3つそれぞれに対応したこの中学校数学の例にございますように、それぞれに対応した文言というものを教科等ごとにお示しをするものの、もとより、この学びに向かう力・人間性等の要素のこの3つはお互いに往還をし合いながら育成されるという性質のものでもありますので、関係をしながら育てられるというのが前提になろうかと思っているところでございます。
今回、事務局資料にて学習指導要領の改訂後に検討するもののお示しをしましたのは、おそらく家庭科として、学習指導要領の目標が完成しなければ作りきれないものの、少しイメージを先行して作って、より豊かな議論ができるように、まさに家庭科としての学びに向かう力というものを見取りやすく、豊かに見取りやすくなるようにするには、どういった文言を探っていくべきかということを、少しこの柔らかい段階で試行的にご議論いただくためにご提示をされた段階ということかと思っているところでございます。一旦補足は以上でございます。
【渡瀬委員】 若干先走ったことをお伺いしてしまったようです。18ページの(家庭科)の「見取る姿」について家庭科ならではのキーワードを入れていただいているように思いました。ありがとうございました。
【杉山主査】 では、西𠩤委員お願いします。
【西𠩤委員】 私も今のご説明のところとも関連するかもしれないんですけれども、今「家庭科の」というふうにしているかと思うんですけれども、この見取る姿というのはどのくらいのスパンで考えればいいのかということで、今、家庭科全体でイメージをご提案いただいたものかなと思うんですけれども、もしかしたら田中委員のご感想とも近いのかもしれないんですけれども、少し自分事にとどまっているかなというような印象を持ちました。それで、場合によってはその空間軸、時間軸を小中高と広げていくという家庭科の特徴のところに関係してきて、場合によっては小学校、中学校、高等学校という形で、この見取る姿というのはかなり変わってくるのかなというような感想を持ちました。
【杉山主査】 今日示していただいているのは学校段階のものではなく、全体としてということです。実際の評価に当たっては当然学校段階で違ってくると思います。ですけど、今日は、家庭科としてという割と広い視点で提示をしていただいていますので、より検討が進んでいく中で、西𠩤委員のご指摘の学校段階別に見取る姿が議論されていくことになるかと思います。
【栗山教育課程企画室長】 何度も申し訳ございません。今の主査のお言葉に少しだけ補足をさせていただきますと、先ほど私、25ページのところで西𠩤委員のご指摘に関わってということでございますけれども、25ページの右側の第2パラグラフにございますように、ではどのスパンで検討するのかということに関して記載のことで申し上げると、各教科等について一定の年度のまとまりごとに示すことが考えられるが、つまり1年ごとに記載が違ってくるという学年ごとに、少なくとも学年ごと単位であるということ。しかしながら学年ごとでもないかもしれないと、1年ごとにその差異を示すということが難しい場合も十分にあろうかと思います。
ですので、そこはまさに小中高の発達段階や特性も踏まえながら、端的に申し上げれば何年ごとに示すのか、どういう差異を作っていくと、家庭科における学びに向かう力の育ちというものを的確に表現できるのかということをいずれご検討いただくということになろうかと思います。その上で、主査ご指摘ありましたように、今回お示しした1つのものだけお示しをしているのは非常にざっくりと、小中高を横断してイメージとなるような、本当に原案中の原案のような文言をお示しをさせていただいたということかと思いますので、まさに西𠩤委員ご指摘の通りかと思っております。以上でございます。
【杉山主査】 この評価に関しては、学習指導要領の改訂後に詳細に議論されることであり、このワーキングでは家庭科全体としての見取る姿をざっくりと確認するという理解でよろしいですか。
【栗山教育課程企画室長】 全く主査おっしゃる通りかと思っております。ここで指導要領の改訂後に本来発達段階を踏まえた文言も含めて検討するものであるにもかかわらず、今回お示ししてますのは、さらに今回の目標についても、今後さらに文言を最終的に解像度高く検討していく中で、当然この目標から見取る姿というものを抽出していくということを考え、またこの見取る姿が最終的には一人ひとりの先生にとっては、丸をつけるかどうかで最もある意味で関わりが深いものになるものを考えますと、目標の文言を精査する上でも、一旦ざっくりとでもイメージを作ったほうが良いのではないかという趣旨に立ってご用意したものに過ぎないと言いましょうか、現時点でのトライだと考えております。
【杉山主査】 目標に関してはこのワーキングにおける重要な事項ですので、そことの関係性で示されているということがよくわかりました。亀田委員、いかがですか。
【亀田委員】 先ほどの栗山室長のご説明、本当に詳しくいただいてありがとうございました。私の方から学びの主体的な調整のところの見取る姿のイメージについて、これは適切かどうかご検討をまた皆さん、あるいは事務局でいただけたらと思うんですが、情報・技術科の方で、今家庭科と分かれる状態ですけども、技術の方ではどちらかというとこれまでの現行でも、このあたりの見取る姿のイメージとして、改善工夫のあたりで試行錯誤というような見取り方が重視されていたように思っております。
家庭科の学習指導要領の現行も試行錯誤的なところの文言はないんですが、実践を何か評価しながら他者からの意見を踏まえて、対話、協働を踏まえて学びを主体的に調整していくその姿を見取るとなると、改善工夫だけだとすごくより良い方ばっかりに行くように印象を受けていまして、決してより良くなることも失敗もあると思うので、そこを試行錯誤しながらそのプロセスが現れていくんじゃないかなと。そこを学びに向かう力として、これまでも見取ってきたような感じがしております。なので、もしかしたらきれいな改善とかきれいな工夫で成功に導くだけではなく、試行錯誤しながら失敗も含めて、そこから学び取って調整していく、主体的に調整していく学びというのが自分の現場の実践で少し感じていましたので、もしかしたら試行錯誤という言葉を情報・技術科のようにここに加味してもいいのではないかなと思った次第です。また少し皆さんとご検討できればと思っております。
【杉山主査】 若干表現は違いますが目標のところに、今日の資料では55ページ、工夫・改善を重ねるという表現を入れています。亀田委員のご発言の失敗も含め、1回工夫・改善して終わりということではなく、さらに生活をよりよくしたいと試行錯誤することが入っているのではと思いました。村上委員、お願いできますか。
【村上委員】 まだまだ本当にこれからというところだと思います。いろいろご説明をいただいたのですが、やはりどうしても丸をつけるというところの、丸の実際のつける方法ですとか、丸の評定への影響というところが、私自身も少しまだイメージが持てなくて難しいなと思うところで、やはり小学校は本当に担任の先生や講師の先生なども評価をしていくというところで、説明責任が評価にはありますので、先生方も困るだろうなというイメージですので、より分かりやすい表現というのを今後ご検討いただけたらと思っているところです。
【杉山主査】 本格的には多分学習指導要領の改訂後にその辺も含めて追求していただけるといいかなと思います。それでは、そろそろ次の議題3に移らせていただければと思います。議題3に関連して、大友委員、鈴木委員よりご発表いただきたいと思います。初めに金融経済教育推進機構理事の大友委員からご発表いただきます。それでは、大友委員、お願いします。
【大友委員】 大友でございます。本日はこのような発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。金融経済教育の推進に携わる者として、家庭科における金融経済教育について意見を述べさせていただきます。
2ページをお願いします。本日はこの6項目についてご説明をさせていただきます。
金融経済教育の必要性が高まった背景の一つには、社会、外部環境の変化、2つ目には家庭生活の変容があると考えております。成年年齢の引き下げにより、金融トラブルに遭遇する蓋然性が高まっているだけでなく、ここ数年インフレ局面に転換していますので、預貯金だけで運用していきますと、資産が年々目減りをしていくことになります。また、新卒で入社し、定年まで勤め上げ、退職金と年金で暮らすといった標準的なモデルが崩れ、転職、副業、フリーランス、起業、リスキリングなどキャリアも多様化してきています。このように社会の変化や人生の選択肢が広がっており、その多くにお金に関する判断を伴うことから、お金に関する知識や判断力である金融リテラシーを身につけることの重要性、必要性が高まっています。
次は金融経済教育の現状と課題についてです。私どものJ-FLECというのは英語名の頭文字を1つずつ取った略称ですけれども、18歳から79歳の3万人を対象とした金融リテラシー調査や、以前金融広報中央委員会が高校1年生3千人を対象としたいわゆる「15歳調査」の結果からいくつかご紹介をさせていただきます。金融リテラシー調査によると、これまでに金融経済教育を受けたとの認識がある人の割合は8.7%にとどまっています。また、金融経済教育は学校で行うべきとのご意見が約7割と、学校における金融経済教育を求める声や期待が高いということが伺えます。
金融経済教育の効果としては、金融経済教育を受けたと認識している学生の正答率は、そうでない学生の正答率よりも高くなっています。また、そのような学生はお金の長期計画など、望ましい金融行動を取る割合も高いという結果が得られています。金融トラブルについて見ますと、正答率が低い層は金融トラブル経験者の割合が高い傾向があることが伺えます。
「15歳調査」においても、学校の授業でお金のことについて教えてほしいとの意見が8割であり、学校における金融経済教育を求めていることがわかります。
12ページからは、金融経済教育でどのような金融リテラシーを身につける必要があるのかをご説明します。金融庁において金融経済教育の在り方についての検討が行われ、2013年に4分野、15項目に及ぶ最低限身につけるべき金融リテラシーが示されました。その後、最低限身につける金融リテラシーを年齢層別に体系的かつ具体的に記した金融リテラシー・マップが作成されました。私どもとしましては、この金融リテラシー・マップに基づき、最低限身につける金融リテラシーを身につけてほしいと考えていますが、現行の学習指導要領や解説では記載が十分でない内容もあります。第1回の家庭ワーキングにおいて、金融経済教育におけるライフステージに応じた指標においては、学習指導要領との整合性を持続的に図っていく必要があるとの検討課題も示されているとおり、金融リテラシー・マップと学習指導要領との整合性を図っていく必要があると考えております。
15ページから17ページまでは、金融リテラシー・マップの主な内容と学習指導要領を比較し、記載が十分でないと考える事項を赤字で示しています。19ページ以降で各項目の学習内容についてさらに具体化して説明しますので、ここでの説明は省略をさせていただきます。
19ページは、先ほどの金融リテラシー・マップとの比較で、記載が十分でないと考える事項について、学校種ごとに学習内容等を示したもので、新たに扱ってほしい学習内容等を赤字で示しております。19ページ、20ページでは、新たな学習指導要領に求める最低限身につけてほしい学習内容等の全体像をお示ししており、各項目の詳細は21ページから28ページに記載しています。なお、説明時間の関係から今日は項目を絞って説明をさせていただきます。
家計管理に関する学習ですが、ニーズとウォンツという考え方は、限られた資源を有効に活用、配分するための重要な視点であるとともに、収支のバランスを図る家計管理の基礎となる考え方ですので、早い段階から身につける必要があると考えています。例えば、小学校でお金の大切さを学習する際に、この考え方も加えていただきたいと思います。また、中学校では貯蓄や資産形成の意味、必要性についても扱っていただくと、高等学校での学習への繋がりが良くなると思います。
確定拠出年金の普及やNISA、iDeCoの利用が広がっていることを踏まえ、高等学校ではこれらの制度の概要や意義について扱うとともに、税制面での優遇制度であることを理解するため、金融商品の取引に係る税金や手数料についても扱う必要があると考えます。また、中学校ではこのような国民の資産形成を支援する制度があるということも扱っていただくと、高等学校での学習への繋がりが良くなると思います。
新たに家庭総合に設けられる方向で検討されているF領域等における探究課題として、金融商品を活用した資産形成とその社会的意義といったテーマを例示することで、より深い理解に繋げていくことができると考えております。
最後になりますが、金融経済教育の目的は、生涯にわたって自身のウェルビーイングの実現に向けて、自らがお金に関する選択、判断を行うために必要な生活スキルを身につけるための教育です。社会の変化とともに、子供たちの発達段階に応じた金融経済教育の必要性や意義が高まっています。特に小中学校における学習内容のさらなる充実や、高校においてより実践的な内容を扱うことは欠かせないと考えております。J-FLECでは引き続き学校現場を支援し、金融経済教育の充実に協力をしていきたいと考えています。別添資料として、金融リテラシー・マップとJ-FLECの標準講義資料を付けさせていただいております。標準講義資料は金融リテラシー・マップに基づいて作成されており、これがまさに高校生に最低限身につけていただきたい学習内容と言えると思います。お時間のあるときにぜひご覧いただければと思います。以上で私の発言を終わります。誠にありがとうございました。
【杉山主査】 大友委員、ありがとうございました。それでは、続いて、公益財団法人消費者教育支援センター専務理事の鈴木委員からご発表いただきます。それでは、鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】 消費者教育支援センターの鈴木です。本日はこのような貴重な機会をいただいてありがとうございます。それでは、資料に沿ってご説明させていただきます。
そもそも消費者教育とは何かということですが、消費者教育の基本となるのが、2012年に施行されました消費者教育の推進に関する法律、消費者教育推進法です。この法律では、消費者教育を消費者の自立を支援するための教育及び啓発と第2条で定義しています。
では、この自立した消費者とは何かということですが、3ページをお願いします。自立した消費者とは、合理的に判断して被害に遭わない力を持つこと、そして社会の一員としてより良い市場や社会づくりに関わること、この2つを備えた消費者を育てる。変化が激しい社会をより良く生きていくための力を身につけるのが消費者教育の役割だと考えています。ただ、現状ではこうした消費者教育が子供たちに十分浸透しているとは言えないのではないかと思っています。特に自分の生活と社会、社会課題が繋がっているという実感がまだあまり持てていないように感じています。
飛びますけれども、11ページをご覧ください。前回もご紹介いたしました生命保険文化センターと私ども消費者教育支援センターが共同で実施した高校生の消費生活と生活設計に関するアンケート調査でも、何をするにもお金は大切と答える生徒が90%いる一方で、お金の管理は特にしていないという生徒が約45%いました。また、気候変動を深刻だと感じている生徒は約80%いるのですが、自分が行動しても社会は変わらないと考える生徒も40%を超えています。そして、買い物は企業へのお金の投票だと思うも、過半数に届いておりません。つまり、社会課題の重要性は理解していても、自分の行動が社会に繋がるという実感が持ちにくいという状況が見て取れます。
こうした状況を踏まえて、系統性と体系性の整理について意見を述べさせていただきます。消費者教育は家庭科での学びに繋がるといいますか、家庭科だからこそ系統的に学べると思いますので、消費者教育推進法を踏まえて作られた消費者教育の体系イメージマップと関連づけてはどうかと考えました。戻るんですが、4ページをお願いします。このマップが消費者教育の体系イメージマップです。このマップが前回の第5回ワーキングで提示された資料の中で、Bの生活の経営・消費生活の内容イメージと繋がるのではないかと考えました。
このBの生活の経営・消費生活(仮称)の1と2がありましたけれども、この1と2を接続する感じにして、消費者教育の体系イメージマップの中の重点領域の一つである生活の管理と契約に該当する内容としてはどうでしょうか。小中高で生活の管理、契約、消費行動の自立と段階的に深めていく構造が良いのではないかと考えています。特にデジタル化や契約の多様化など、生活の変化を踏まえた見直しが必要ではないかと思っております。
また、前回ワーキングの提示資料の中の括弧3、家庭生活と環境というのがありましたけれども、その家庭生活と環境については、消費者教育体系マップの消費者市民社会の構築に該当する内容としてはどうかと考えました。SDGsや環境配慮、エシカル消費など、社会的消費の視点も発達段階に合わせて育てていくことが大切だと思います。
なお、消費者教育体系マップの重点領域には、情報とメディア、商品等の安全という項目もありまして、情報とメディアについては、キャッシュレス決済やEC、ネット上での取引ですとか、SNS広告、生成AI情報など、デジタル化が生活のあらゆる場面に広がっていますし、消費行動に直結する部分が多いため、これまで以上に学習内容を充実させる必要があるのではないかと思います。また、商品等の安全については、現状では十分に扱われていない印象がありますので、この消費領域に新たに位置づけるか、食、衣、住の各分野でしっかり扱って、事故防止やリスク管理、適切な商品選択に繋がる学びを確保することも必要だと思います。
前回資料にありました見直しイメージ案については、中学校については小学校と高校を繋ぐ内容を設けてはどうかと書かれていましたが、その方向に賛成です。中学生は将来のキャリアや自立について考え始める時期ですので、自分の将来像や働き方、生活の組み立て方など、生活設計の基礎を学ぶことが大切だと思います。続いて、高等学校の社会保障や奨学金などの社会制度について、その活用の在り方についても学習する方向で整理してはどうかということですが、社会保障や奨学金を単独で扱うのではなくて、長期の生活設計の中で位置づけることが重要ではないかと思います。社会保障でどこまで保障されるかを理解しないと、不要な保険契約に繋がることもありますし、奨学金は高校生にとって身近で、将来の生活に大きく影響しますので、学ぶ意義は大きいと思います。ただ、制度の詳細は他の教科で扱って、家庭科では生活の中でどう選択するかに焦点を当てる方法もあるのかなと思います。
最後になりますが、学校段階をまたいで重複の整理をしてはどうかということですが、重複することの整理には賛成ですが、発達段階に応じて繰り返し学ぶ必要がある内容もあると思いますので、慎重な見直しが必要だと思っております。また、社会の変化に合わせて内容を更新することも大切ですが、同時に社会が変わっても、消費者に必要な普遍的な知識をしっかり身につけられるようにすることも重要だと考えています。私からの説明は以上です。
【杉山主査】 鈴木委員、ありがとうございました。2名の委員のご発表に対しまして、ご意見等ございましたらお願いします。よろしいですか。では、この後まだ議題3が続きますので、ここで5分ほど休憩を取らせていただければと思います。6時10分まで休憩とさせていただきます。その後、議題3について事務局よりご説明いただくことになります。よろしくお願いします。
( 休 憩 )
【杉山主査】 それでは、議題3につきまして、事務局より説明をお願いします。
【嶋田学校教育官】 それでは、議題3につきまして、事務局の方からご説明させていただきます。資料29ページをご覧いただければと思います。議題3、系統性・体系性の整理についてでございます。30ページをご覧いただければと思います。ここでは、小中高等学校の系統性・体系性の整理に関する論点として、第5回ワーキングで示した現状とこれまでの議論を整理しているところでございます。なお、変更箇所につきましては黄色マーカーをしているところでございます。31ページから32ページにおいてもいくつかの記載の見直しを行っておりますが、後ほど別の資料でご説明させていただきます。
33ページをご覧いただければと思います。こちらは今回新たに提示する資料として、4ポツ、内容等の在り方をお示しさせていただいているところでございます。まず、(1)社会変化への対応と生活文化の継承の両立といたしまして、少子高齢化や電子マネーの普及など、社会変化に伴い家庭生活も変化しているため、家庭科として本質的に重要な内容について改めて整理していく必要があると考えております。その際、利便性を優先した生活普及により失われつつある家庭・地域の生活文化の継承も念頭に置いた内容等の在り方を検討する必要があります。これらを踏まえ、前回ワーキングでご議論いただいた整理の考え方の丸3で示した社会変化への対応や生活文化の継承の観点から、真に必要な内容といたしまして、ここに掲げております5つの観点を踏まえて検討してはどうかと考えているところでございます。
その上で、(2)具体的な改善の方向性として、ここで掲げる学習を充実する方向で検討することとしてはどうかと考えているところでございます。第1に、少子高齢化社会等を踏まえた家族・家庭の在り方として、高齢者との関わりなどで認知機能、身体機能、言語機能の低下や状況に応じた関わり方の学習や、青年期の段階から自らの健康状態や生活習慣を整えるための学習を明記させていただいているところでございます。第2に、生涯を見通した生活設計の在り方として、社会保障や奨学金など社会制度の活用の在り方に関する学習を明記させていただいております。第3といたしまして、デジタル化時代における消費者教育の在り方として、キャッシュレス化への対応やリスク管理を踏まえた家計管理の充実など、自立した消費者の育成を目指した学習を明記させていただいております。第4といたしまして、社会変化への対応や生活文化の継承等を踏まえた食生活、衣生活、住生活の内容の在り方として、食を巡る生活環境は引き続き変化していることを踏まえ、生活文化の継承の観点をより重視した学習や、持続可能な衣生活を営む観点や生活文化の継承の観点をより重視する学習、総合的に住まいや住環境を整える観点や生活文化の継承の観点をより重視する学習などを充実してはどうかと考えているところでございます。
一方で、31の3の1、(1)整理にあたっての基本的な考え方でも示したとおり、全体として学習内容を増加させる一定の精選を図る観点から検討を行うことも必要と考えており、42ページから53ページで内容のイメージにおいて、家庭科の高次資質・能力を育成するために必要な内容となっているかの観点や、丸2、小中高等学校の各内容の枠組みと対象の系統性・体系性が明確化されているかといった観点から整理した内容の一覧を34ページから36ページに表として示させていただいているところでございます。
この資料につきましては、基本的には42ページから53ページの整理した内容を一覧にしたものとなっておりますので、具体的な検討につきましては42ページから53ページの資料でご検討いただければと思っておりますけれども、1つ例示で見方を示させていただくと、34ページの高等学校新A領域丸1の内容項目Aの括弧2につきましてでございますけれども、家庭基礎の現行の指導項目といたしましては、乳幼児期の心身の発達と生活、親の役割と保育、子供を取り巻く社会環境、子育て支援、乳幼児と適切に関わるための基礎的な技能が明記されているところでございますが、これにつきまして整理後におきましては、乳児の心身の発達と生活、乳児との適切な関わり、子育て支援と福祉となっていることを確認できるとなっていることを資料として示させていただいているところでございます。
それでは40ページをご覧いただければと思います。こちらは小中高等学校を通じた系統性・体系性の整理のイメージとして、第5回ワーキングにおいて掲げた内容となっております。なお、40ページから53ページにつきましては、前回議題のワーキングのご議論を踏まえつつ、いただいたご意見等の趣旨等も専門家の先生方に確認させていただきながら、調整させていただいて資料とさせていただいているところでございますので、ご承知いただければと思います。
それでは41ページをご覧いただければと思います。先ほどの40ページのものについて、事務局において改善のイメージについて修正箇所を黄色マーカーで示しているところでございます。まずAの領域名を家族・家庭と生涯発達(仮称)、Bの領域名といたしまして生活の経営と消費生活(仮称)、Fの領域名といたしまして総合生活実践(仮称)に改めております。また、各事項につきましてもより系統性をイメージできるよう表現を修正しております。
42ページをご覧いただければと思います。ここからは各領域の内容イメージを掲げており、本資料では前回ワーキングで示しているものがベースとなっておりますが、前回ワーキングで示したものから移動するものを青字、整理するものを緑字で示しているところでございます。
43ページをご覧ください。こちらが領域A家族・家庭と生涯発達(仮称)の内容のイメージとなります。新規のものを赤字、より適切な表現に変更したものをピンクハイライトで示しております。主な修正事項といたしまして、例えば42ページの高等学校(1)生涯発達と現在の自分にある人の一生、青年期の課題、家庭総合のみにある意思決定の重要性を精選し、43ページの高等学校(1)生涯発達と社会との関わりにある生涯発達ステージとの課題とさせていただいているところでございます。
44ページ、45ページをご覧いただければと思います。引き続き領域Aの家族・家庭と生涯発達(仮称)の内容のイメージとなっております。主な修正事項といたしましては、例えば44ページの高等学校(3)高齢者の生活福祉にある高齢者の尊厳と自立生活の支援や介護、家庭基礎のみにある高齢者を取り巻く社会環境、家庭総合のみにある高齢者福祉を整理し、45ページの高等学校(3)高齢者の生活福祉にある高齢者の尊厳と自立とさせていただいているところでございます。
46ページ、47ページの方につきましては、こちらについても領域Bといたしまして生活の経営と消費生活(仮称)の内容のイメージとなっております。修正事項につきましては、先ほどご説明させていただいたような形で修正させていただいているところでございます。
資料の方48ページ、49ページをご覧いただければと思います。こちらの方につきましては領域Cとしまして、食生活(仮称)とその内容のイメージとなっておりまして、修正事項といたしましては、先ほどご説明したような形でこちらの資料も修正させていただいているところとなります。 資料の方50ページ、51ページをご覧いただければと思います。引き続き領域Dの衣生活(仮称)の内容のイメージとなっております。修正の方向性といたしましては、先ほどご説明させていただいた方向で修正させていただいているところでございます。
52ページ、53ページをご覧いただければと思います。こちらの方はEの住生活(仮称)の内容のイメージとF総合生活実践(仮称)の内容のイメージとなっているところでございます。修正の方向性といたしましては、先ほどご説明したような形で修正させていただいているところでございます。事務局からの説明は以上でございます。
【杉山主査】 この後ご意見をいただきますが、1つだけ確認をさせていただきます。今日の資料の58ページに、今回、家庭基礎、家庭総合、高校に関してはどういうふうに整理するのかを、第5回ワーキングで提案させていただいています。この提案に基づいて先ほど説明していただいた内容のイメージを整理しております。今回の資料で家庭基礎と家庭総合が同じ内容になっているのは、基本的なところは共通で、家庭総合の場合には58ページの緑の部分がプラスされるという考えです。41ページの項目立てで、家庭基礎と家庭総合を比べていただくと、AからEの領域で家庭総合では1つの項目だけ増えており、この部分が緑に値します。さらに58ページの水色の部分がF領域で41ページでは一番下の示しているF領域という構造になっておりますので、それをご理解いただき、今日の資料をご覧いただければと思います。
それでは議題3につきまして、今日ご欠席の髙木委員よりこちらもご意見をいただいておりますので、事務局よりお願いできますでしょうか。
【嶋田学校教育官】 それでは、髙木委員の方からご意見いただいておりますので、代読させていただきます。今回の資料では小中高の段階ごとに内容が変わっていく様子が見える形になっていると思います。内容や文言はこれから修正が入ってくるのでしょうが、内容が広がっていく段階ごとにレベルアップしていく雰囲気は感じられて良いと思います。意見は以上でございます。
【杉山主査】 それでは、ご出席の先生方からご意見等のある方は挙手ボタンでお願いします。皆様にご発言の機会がありますよう、1回のご発言は長くとも2分以内でおまとめください。よろしくお願いします。
【鈴木委員】 先ほど私が前回の資料で括弧1と括弧2を接続してはどうかというようなことを申し上げたと思いますが、今回の資料を拝見すると、それが括弧1と括弧2が繋がっている形にしていただいているような気がして、こちらの思いが通じたのかなと思って良かったと思っております。
【杉山主査】 それでは大久保委員お願いします。
【大久保委員】 それでは私も2点述べさせていただきたいと思います。まずBの生活の経営と消費生活についてです。特に(1)の家庭生活と生活資源マネジメント、これについては重要な内容だなと思う一方で、少しイメージが持ちにくい部分があると感じています。今までなかったことが新しくあるということなのでそうだと思いますが、特にA領域から移動した家族と家庭の機能、これはB領域の知識及び技能として何を押さえるのか、そしてまた家族の構成員の役割とか、状況、これを金銭や生活時間の生活資源のマネジメントとどう結びつけて捉えるのかはもう少し整理が必要なのかなと感じました。
生活資源というと金銭とか時間が中心に見えますけど、そうではなくて、家族の役割分担とか人との支え合いみたいな、家庭内にあるもの、さらには地域や社会のサービスも含めて生活を支える資源として広く捉えることなのかなと思います。その上で知識・技能としては家族や家庭にはどのような機能があるかを理解して、自分や家族の生活の中で誰がどのように役割を担ってどんな資源を使うのか、使われているのかを具体的に把握して整理できることが大事なのかなと感じています。
この(1)の思考・判断・表現の内容ですけども、自分や家庭の生活資源を活用した暮らし方、生活の仕方を考え工夫すること、これはとても重要だと感じています。できればこの(2)の家庭・地域の消費生活・環境の知識・技能を習得した上で、課題を設定して解決方法を考えて科学的に評価・改善の流れで学習すると、この生活の課題を解決する力に繋がっていくのかなと、少しその順序性が気になるところです。この思考・判断・表現の部分は3年間の家庭科のまとめとして学んできた衣食住とか、消費生活、また家族と家庭生活もそうですけど、学びを踏まえて、自分や家族の生活全体を見直してより良い暮らし方を考える内容として位置づけてもいいのかな、A(1)のガイダンスと同じような感じで、こちらは3年間の終わりの内容として捉えてもいいのかなと思いました。
それからDの衣生活についてなんですが、(2)の小学校が生活に役立つ布を用いた製作、中学校が生活を豊かにする布を用いた製作と、発達段階に応じた違いを示そうという点はよくわかります。ただ中学校でいうこの生活を豊かにするものが具体的にどのような製作品・作品を想定しているのかというのが少し見えにくいように感じました。小学校では多分実用性のあるものというイメージが比較的持ちやすいですが、中学校では使いやすさだけじゃなくて、心地よさとか美しさとか自分らしさみたいなことを含めて生活をより良くするものとして捉えていくのがいいのかなと感じています。
そういう意味では中学校の製作品は使って終わるだけではなくて、製作後に実際に使ってみて使い心地とか改善点とかも振り返ったり、友達からの助言を受けてより良いものに改善したりする、そういった学習過程を入れていくのも良いのかなと感じました。評価・改善の場面をきちんと位置づけることで生活を豊かにする布を用いた製作という内容がより具体的になって小学校との違いも明確になると感じました。
【杉山主査】 B領域に関しては、渡瀬委員からも後でコメントいただければともと思いまが、少し私からお話させていただきます。ガイダンスと最後のまとめという家庭科全体の学習の流れについてです。基本的に学習指導要領は学習の順番を示しているわけではないですが、家庭科では学習の見通しを立てさせるために現行の学習指導要領ではA(1)をガイダンスとして最初に履修させることとしています。今回現行のAの内容をAとBの領域に分離していますので、ガイダンスがA(1)のままでよいのかということを検討する必要がありますが、現時点でその点はあまり詰められていません。とにかく内容をまず整理することが第一と考えて、今回は内容を整理したものについて議論していただいています。
さらに高校に至っては、現行のA(1)は科目の学習の導入として、さらに科目のまとめとしても扱うこととなっています。この点については、次回までに学習の順番に関わる部分は整理をして示すことができればと考えています。吉川委員お願いします。
【吉川委員】 新Aのところは生涯発達というキーワードで整理されていると思います。私が気になったのは33ページですけれども、①で、少子高齢化社会を踏まえたところですね、家族・家庭の在り方というところで、社会の変化の中で高齢者について目にすることも多いので、高齢者についての理解が必要ということで、ここ書いてある、とても大事なんですけれども、少子高齢化社会を踏まえた家族・家庭の在り方なので、他者に対する関わりという意味では高齢者だけではなく、子供同士とか、小さな子供への関わりということも非常にできなくなっているというところが大事かなと思うので、高齢者に特化した形で書かれているので。ただ少子高齢化社会を踏まえた家族・家庭の在り方ということで書くのであれば、高齢者だけではなくて、他者との関わりの範囲に入る小さな子供への関わりということもできなくなっているというか、弱くなっているというところが反映される文言が少しでも入るといいなと思いました。以上です。
【杉山主査】 それでは西𠩤委員お願いします。
【西𠩤委員】 私からは資料で言うと、例えば38の資料をお願いいたします。今回衣食住の部分で、今までは例えば衣生活でしたら、衣生活を改善することで衣生活が良くなるというような文言だったところが、今第5回ワーキングからの修正箇所として、より良い生活という形で生活衣食住ともにより良い生活を工夫し創造することができるというような形で、それぞれの衣生活だと衣生活だけに戻るのではなく、生活全体に戻るというような修正がなされたことに対してとても私はいいなと思っておりまして、と言いますのはBのところで生活の経営ということが入った時に、この衣食住のそれぞれの要素もその生活を経営していく上で非常に重要であるということをBにも戻していけるというところがとてもいいなと思っております。
それから先ほど大久保委員にご指摘いただきました、小学校、中学校のところで生活を豊かにするという、豊かにするってとてもいい言葉だなと思っているんですけれども、そこの具体化というか小学校と中学校どう違いを出していくのかというところは大きな課題かなと思うんですが、例えば小学校では、できるだけその基礎的な製作の技術というところをしっかり身につけていただきながら、楽しみながら技能に触れていくことが大事だと思っています。基礎的な製作の技術を身につけていくことができて、しかも実用性のある、生活の中に生かされていくようなものを作っていく。中学校では衣服の学びの中でも社会生活上の機能というような形で個性を表すことも学んできています。それからそれまでに小学校では健康や安全に関する保健衛生上の機能や動きというようなことも学んでいますので、そういうところを総合して中学校では考えることができます。またライフサイクルのことも学習内容として入ってくるので、持続可能性のことも意識しながら学んだことから考えて豊かさというところを、いろんな学校によってもいろんな子供たちによってもいろんな課題設定があると思うんですけれども、自分自身で「豊かさ」というのを考えて製作計画を立てていくという、少し積み上げていくことができるようなイメージが持てるといいな、とこれを見ながら考えました。きちんとした説明になってないかもしれないんですけれども、そのような感想を持ちました。
【杉山主査】 それでは都甲委員お願いします。
【都甲委員】 大久保委員、西𠩤委員からもありましたが、41ページ、衣生活の製作の部分の表現について発言します。現行では小中とも「生活を豊かにする」となっているのを、小学校で「生活に役立つ」というように、1つ前の学習指導要領の文言に戻すというご提案になっているところについてです。
私自身は、個人的には小学校の先生方と共に「役立つ」だけでなく、製作を楽しんだり使うことも楽しんだりするようにというのが「豊かさ」と繋がるとして研究してきたところですので、少し残念に思うところが正直ありますけれども、西𠩤委員からのご説明にもありましたようなことで、小学校では基礎を固め、中学校でさらに発展的にという表現としてはこのような形なのかなということも思っております。感想のようなことで申し訳ありませんけれども、以上です。
【杉山主査】 では石島委員お願いします。
【石島委員】 まず33ページお願いします。33ページの論点整理のところで、具体的な改善の方向性で挙げていただいている中で、丸2番と丸3番についてご意見を述べさせていただきます。生涯を見通した生活設計の在り方ということと、デジタル化時代における消費者教育、金融経済教育を含む在り方というところで、この部分非常に特に丸3番は今までもなかなか自分事に落とせないとか、行動に反映しないとか、そういう課題があったところだとは思っています。
ぜひこの2つを一緒にすることによって、消費者市民的な視点を持って、生活を見通した生活設計の中で自分事として、どう消費生活を送るのかというような、また持続可能な社会を目指すのかということを一緒に考えていくといいのかなと思います。特に金融教育などは長期的なビジョンもありますし、子供たちの価値観などの意思決定をきちんとする上でも、やはり持続可能な社会を目指した中での、資産形成とか、そういったものをトータルで考えられるような姿になっていってもらえたらなと思っています。
次に46ページです。46ページ見ていきますと、領域の中でBの生活経営、消費生活というのが今回の非常に大切な要になっているのかなと、このカリキュラムの要になっているのではないかと感じています。Aである人がC、D、Eの衣食住の生活をどのように生活をデザインしていくのかというところで、Bのところが要になっているという印象がありますので。37ページなんですけれども、家庭科の高次の資質・能力のイメージというところで、Bの統合的な理解、総合的な発揮、この部分に持続可能な社会を志向してとか、持続可能な社会を目指してなどというような少し包括的な言葉を高次の概念として入れていくといいのではないかと思いました。
【杉山主査】 それでは村上委員お願いします。
【村上委員】 私も41ページのところで都甲委員や大久保委員、西𠩤委員からもありましたが、この衣生活のところで小学生は生活に役立つ、中学生は生活を豊かにというところの「役立つ」と「豊かに」という違いが、なんだろうというところが少し難しいなと思いました。
今日たまたまタイムリーに本校の専科の家庭科の先生がお話ししていたのですが、5年生でオリエンテーション的な授業で生活に役立つものをどういうものを作ってみたいかなというようなアンケートをした時に、「役立つって何、生活に役立つってどういうこと」とイメージが湧かない子供が非常に多かったという話を聞き、そうですね、小学生が生活に役立つものを作るというのはもしかしたら少し難しいイメージかなと思いました。
小学生の場合はとにかく役に立たなくても、役に立たなくてもという言い方も変ですけれども、楽しくしっかり基礎・基本を身につけて、マスコットでも少しした小物でもいいけれども、しっかり繰り返しやる中で玉止め、玉結びなどを身につけて、自分がもっと作りたいというような気持ちを持たせる、家庭科の裁縫を嫌いにしてしまって中学に行かせないように、とにかく楽しく製作できるというところが大事かなと思っています。そしてごめんなさい、繰り返しになりますけど、「役立つ」と「豊かにする」の違いが少し分かりにくいなと私は個人的には感じています。すいません、感想的になってしまいました。
【杉山主査】 村上委員ありがとうございました。衣生活のこの部分に関しては、小中が今両方とも「生活を豊かにする」になっていて、小と中の違いが分からないとなので、そこは基本的に変えてくださいと私からも、衣生活の専門の先生方にもお話をし、どのような表現が適切かを検討していただいたのですが、非常に難しくて、悩んでいるところです。基本的には違いが分かるようにしたいと思っていますので、ぜひお知恵を拝借できればと思っています。では渡瀬委員お願いします。
【渡瀬委員】 58ページをお願いします。私から3つございます。まず1つ目ですが、高等学校の家庭基礎、家庭総合における「生活の課題と実践」と家庭総合のF領域の捉えが誤解を招きやすい、という点です。その理由として、以前F領域は「探究」という言葉を名称の一部に用いていたことから、「生活の課題と実践」の中の「個人探究(ホームプロジェクト)」や「協働探究(学校家庭クラブ活動)」と目的や方法が同一だと見なされる可能性があるためです。それが、今回の資料で「総合生活実践」という名称が提案されることによって、教員の関わりや教科の学びを総合的に捉えながら実践活動をしていくというF領域の特徴が明確になったと思います。ただし、F領域ではどのような実践活動ができるか等、今後さらに詰めていく必要があると思ったということが1点目です。
2点目です。先ほどもご意見があったところで、例えば高校の新領域Bにある生活設計ですが、こちらは現行学習指導要領の内容Aで、学習の最初と最後に扱うことになっています。例えば、ライフイベントなど、自分の生き方をどうしたいかを俯瞰した上で、どんなもの/サービスを購入したいか、どのようにリスクに対処するか、結果、どんな生活を送っていきたいか等、色々と包括的な内容を含んでますよね。また、小学校などで、現行学習指導要領の内容Aにおいて学んだことができるようになったことを俯瞰する場面(ガイダンス)もありますよね。そうやって見ていくと新領域Bは各学校段階で様々なタイプの「俯瞰(見通すこと)」ができるんだなとお話を聞きながらすごく思いました。そうなると現行の内容Aの「俯瞰(見通すこと)」の機能を新領域Bに入れ替えてもいいのかなと思ったというのが2点目です。即ち、全体を俯瞰することとは、どう生きるか、自分はどういうことを選んでいくか、どう生活をマネジメントするか、ということですね。
3点目は、37ページの「家庭科の高次の資質・能力のイメージ」の表中にある領域Aの領域名でもある「生涯発達」ということがより分かるような表現が必要だということです。この点について継続して考えていけるといいなと思いました。以上3点です。よろしくお願いします。
【杉山主査】 今渡瀬委員からご指摘のありました58ページのF領域に関してはその内容に関して詳しい話ができていません。なぜかと言うと、まずはA、B、C、D、Eの内容が決まらないとF領域に入れないと考えていたからです。ただF領域を提案するに当たってイメージを持っていただくことは必要だと思って示させていただいています。次回はもう少し具体的にF領域の内容を示すことが必要と思っております。
それからF領域の名称ですが、「探究」という言葉を使うと生徒が自ら課題を設定するという意味合いが非常に強く、生活の課題と実践との違いもわかりにくくなっていました。F領域では、基本はAからEまでの領域に跨るようなテーマを設定し、教師が関わりながら学習が進み、そこまでに学習してきたことをもう一度振り返ってほしいということを意図しています。次回までに学習例を精選して示すことができるようにしたいと思っています。また委員の皆さんにもいろいろとご意見をお伺いすることになるかと思います。
それと学習の順番の件ですが、Bを学習の導入として扱うとしたら、AとBの領域をひっくり返すということも考えられます。ただ、小学校と中学校の現行のガイダンスの内容が、自分の成長と家族から始まっていることも配慮し、次回までに整理をさせていただければと思っています。田中委員お願いします。
【田中委員】 Aに出てくる言葉である家庭という言葉ですけれども、これは家族の生活の場となるかと思います。Eの住まいも家族の生活の場です。そしてAの地域とEの住環境、これも対象が非常に似ています。これらの違いをどのように子供たちの頭の中ですっきりさせていくかということは、今後、細かいところで、これはAで、これはEでというような詰めが必要ではないかと思います。両者をどう繋げていったらいいのかということを検討していく必要があると感じています。
【杉山主査】 実際には1人の児童生徒がこのAからEまたはFまでの領域で学ぶことになりますので、それぞれの領域で言葉の使い方を明確にしないと子供の中では少し困惑してしまうことも当然起きてきますので、それぞれの領域の中で小中高の繋がりを整理していただいた後に、少し領域を跨ぐ形で言葉の使い方を確認させていただければと思います。
それではあとはよろしいでしょうか。よろしければそろそろお時間ですので、議論が尽きないところでございますが、時間の限りもありますので、これで終わりにさせていただきたいと思います。先ほども申し上げましたが、時間の制約上ご発言できなかった場合に関しましては、今回の会議につきましては会議後発言内容を事務局までメールにてお送りいただければ議事録掲載する取り扱いとさせていただきます。それでは、本日の議事は以上とさせていただきます。最後に、次回以降の予定につきまして事務局よりお願いします。
【嶋田学校教育官】 それでは事務局より報告させていただきます。次回の日程につきましては後日事務局より改めてご連絡させていただきます。
【杉山主査】 それでは以上をもちまして閉会といたします。ありがとうございました。
―― 了 ――