教育課程部会 家庭ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

令和8年3月10日(火曜日)9時30分~12時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 高校の科目構成の在り方について
  2. 家庭科の資質・能力等の在り方について
  3. 系統性・体系性の整理について
  4. その他

4.議事録

【杉山主査】  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第5回家庭ワーキンググループを開催いたします。
 お忙しい中、御参加いただきありがとうございます。
 本日は、家庭科の資質・能力の育成等について、事務局より議題ごとに説明いただいた後、意見交換を行います。
 それでは、議題(1)について、事務局より説明をお願いします。
【髙見主任教育企画調整官】  主任教育企画調整官の髙見です。本日は、議題(1)として高校の科目構成の在り方について、議題(2)として家庭科の資質・能力等の在り方について、議題(3)として系統性・体系性の整理について御審議いただければと存じます。
 まず、議題(1)高校の科目構成の在り方について説明します。
 3ページを御覧ください。
 高校の科目構成の在り方に関する論点で、前回からの追記修正箇所について黄色マーカーをしております。
 まず、左側、1ポツ「家庭基礎」「家庭総合」の科目の在り方についてですが、3つ目の丸にあるとおり、前回までの議論を踏まえ、改めて家庭基礎と家庭総合の基本的な方向性と目標、新しい見方・考え方について再整理してはどうかと考えております。
 4ページを御覧ください。
 前回からの修正箇所を黄色マーカーで示しておりますが、ピンク色の網かけ部分に記載した基本的な方向性の案として、家庭基礎は、「自らの生活を営み、家庭や地域の生活を支える力を育成する科目」として、「科学的根拠に基づく知識を基礎的に理解し、実践的・体験的な活動を通して、よりよい生活に向けて、生活上の課題を適切に捉え、改善のために判断し、実践する力を育成する」。家庭総合は、「家庭基礎で培う力に加え、多面的に生活を捉え、家庭や地域の生活を向上させる力を育成する科目」として、「科学的根拠に基づく知識を総合的に理解し、領域を横断した実践的・体験的な活動を通して、よりよい生活に向けて、生活上の複雑な課題を適切に捉え、改善のために判断し、実践する力を育成する」としてはどうかと考えております。
 5ページを御覧ください。
 先ほどの基本的な方向性(案)を踏まえまして、家庭基礎と家庭総合の学習イメージを整理しております。
 特に、家庭総合については、家庭基礎での学習に加え、これまでの学習と領域を横断した実践的・体験的な活動を通した問題解決的な学習を往還した学習を行うこととし、A領域からE領域をつなぐ現代的な諸課題について実践的・体験的な活動を通じた問題解決的な学習を行う領域を新たに設けることとし、F領域、ここでは生活探究というふうに仮称をつけておりますが、F領域としてつけてはどうかと考えております。
 3ページ目にお戻りください。
 2ポツの科目目標の在り方として、空間軸・時間軸の視点として、家庭基礎は自分の生涯や地域、社会を学習対象とし、家庭総合はさらに空間軸・時間軸を広げ、社会などの生活について俯瞰しながら問題を捉えたり、自分の生涯のその先の世代の生活まで視野を広げることを明示してはどうかと考えております。
 具体的なイメージとしては、6ページを御覧ください。
 先ほどの基本的な考え方や科目目標の在り方を踏まえまして、まず柱書について、「率先してよりよくしようと創造する」としていた表現を、「よりよくしようと適切に捉え、改善のために判断し、実践しながら創造する資質・能力」とするとともに、家庭総合については領域横断の観点を追記しております。
 また、知識・技能については、「科学的な理解」としていたものを、家庭基礎では「科学的な根拠に基づく基礎的な理解」、家庭総合では「科学的な根拠を踏まえた総合的な理解」と改めております。
 さらに、思考・判断・表現については、家庭総合において「領域を横断した実践」とするとともに、空間軸の広がりの観点から「生活を俯瞰しながら問題を見いだして」、時間軸の広がりの観点から「生涯やその先を見通して」と表現を見直しております。
 議題(1)についての事務局からの説明は以上となります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 では、意見交換に移りたいと思います。御発言の際は、資料のどのページに関する御意見であるかを明言いただけますと幸いです。一回の御発言は、長くても4分以内でおまとめください。
 なお時間が足りなくなってしまった場合については、会議で御発言いただく予定であった内容を事務局までメールにてお送りいただいた上で、後日議事録掲載する取扱いとさせていただきます。
 それでは、御意見のある方は挙手ボタンをお願いします。
 渡瀬委員、お願いします。
【渡瀬委員】  よろしくお願いします。第4回からちょっと間が空いたところで、つらつらと思ったことを少しだけ申し述べさせていただきます。
 今回の学習指導要領の改訂においては、何か新しいものが付加されるとか、そういったイメージを持たれがちというか、私もそう思っていたところがあったのですが、実は今回の改訂というのは、今の学習指導要領の中での家庭科のポテンシャル、教科としての力を上げるための実現化・実装化ということであり、何か奇をてらったことをするのではなくて、より確実に教科の目標を達成する、それぞれの生活の向上――ここでは生徒個人ということだけではなくて社会だったり、環境だったり、そういったトータルの生活の向上を目指すということが狙われているのかなと思います。
 そういった意味でも、小・中・高の系統性の整理や実践的・体験的な学習というのを、子供や生徒の身になるものというか、必要感を実感する教育課程を目指しているのかなと思いました。
 それを踏まえた上で、資料の5ページのところです。今回、家庭総合では、家庭基礎の上積みでF領域というものが新たに入ってくるイメージ図が挙げられています。
 ただ、そこでちょっと気になってしまったのが、図の中のF領域の冒頭にある「領域を横断した、実践的・体験的な活動を通した問題解決的な学習」という表現です。この領域を横断するというアイデアは、「生活というのはいろんなことで構成されているので領域横断もされるであろう」と、至極当然なところではあるのですが。但し、懸念されるのが、学習領域を横断することが目的化される危険性につながる、誤解を招く表現になり得るのではないかということです。領域横断は、手段であって目的ではないことを確認しておきたいと思います。
 もう一つ、F領域というのは、家庭基礎で学んだことや家庭総合での学習、(資料5ページの図の)グリーンのところを学んだ上で、その応用編として、テーマを先生が設定して生徒たちが対象に迫るというアイデアになっているんですけど、履修する最終学年の最後の方で一気に取り組むよりも、もうちょっと段階的に課題に迫っていくものなのかなと思うので、図の下の米印のところで、「上記の図はイメージであり、学習の分量・時数を示すものではない」に加えて、順序を示すものではない、という意味で「順序」という表現が入り得るのかなと思いました。
 そして、F領域のテーマ例が出されているんですけど、家庭基礎で学ぶことも含んでいるので、「もう一回同じことが繰り返される」イメージに結びついてしまうことがあるように思います。例えば、資料6ページの教科・科目の目標について、新しい見方・考え方という表現で、現行とは異なる「多角的」という大きな書き方になっているんですけど、ここで、現行で4つ挙げられている見方・考え方の視点に準じるようなものを示すことで領域横断的なアプローチを図ることもひょっとしたらあるのかなと思いました。
 以上です。よろしくお願いします。
【杉山主査】  渡瀬委員、ありがとうございました。
 今日お示ししている5ページ目の図に関しましては、渡瀬委員がおっしゃってくださったように、今の表現だと、「領域を横断した」という言葉が最初に来ているので、手段が強調され過ぎているということは確かにそうだと思います。
 ここは、全く新しい提案をしていますので、どういう内容を想定するのか議論を深め、最終的に家庭科として求めているものが正しく伝わる形にしたいと思います。
 テーマ例は現行の見方・考え方的なものとするということも確かにそうだなと思いました。今回、高次の資質・能力に見方・考え方の視点を入れていますが、検討させていただければと思いました。ありがとうございました。
【渡瀬委員】  ありがとうございました。現行学習指導要領の時に示されたお団子みたいなモデルにも、既にこのアイデアは入っていますよね。なので、それの言語化なのかなと思っていました。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 それでは、次に西𠩤委員、お願いします。
【西𠩤委員】  ありがとうございます。私も5ページの図のことについてお話しできればと思っているんですけれども、F領域というのが新しくできて、家庭科の各領域の学びが有機的に、それから多角的に、生活をよりよくして、つくり出すという目標に向かって実践されやすい形というのができているのがとても魅力だなと感じました。
 その上で、渡瀬先生のお話と近いかもしれないんですけれども、領域を横断するというところに関して、たしか第4回のときにA領域からE領域の位置づけを説明いただいていたかと思うのですが、第4回のときにA領域・B領域のところが生活の基盤に関する領域として示されていて、C・D・E、衣食住の部分ですけれども、こちらは、生活を構成する要素の代表選手として衣食住を置いている。領域の位置づけが、実はちょっと構造化されていて、A・Bのところで生活をつくり出す、生活経営をしていくという上の基本的な考えが示されますが、その中には、生活資源があり、その一部として、衣食住が実は位置づいている。このようなことが、特にF領域を行うことによってより実践的になると感じました。今A・B・C・D・Eというふうに個別のものとして、実際に図にするにはこのほうが分かりやすいのかもしれないんですけれども、このA・BとC・D・Eの領域の構造が、実はA・BとC・D・Eの位置づけが違うというところを忘れてしまうと、A・B・C・D・Eを、ばらばらのものをいっぱいやらなきゃいけないんじゃないかという誤解につながるのかなと思いました。なので、この表じゃなくて、多分前回のワーキングのほうの領域の話のところでしっかり押さえればいい話なのかもしれないんですけれども、改めて新しく出てきた5ページの図というのはすごくインパクトもあるかと思うので、そこのところで誤解がないようにするにはどうしたらいいかというのがちょっと気になったということになります。
 それと、次の6ページです。目標で、家庭基礎と家庭総合のところで黄色のマークが入っているところかなと思うんですけれども、ここが読みにくいといいますか、読んでみると、学習者が何をするかという主語のところは一致しているんですが、もともとの文は「生活をよりよくしようと創造する力」を育てたいという意図だったかなと思うんですけれども、高校の一番大きいところを見ると、「生活をよりよくしようと創造する資質・能力を育てる」とう文の構造になっているんですが、これが家庭基礎や家庭総合の欄では、「生活をよりよくしようと適切に捉え」となっており、何というか、目的語がちょっとぶれつつ、最後に「創造する」というところにつながっていくのが読みにくいです。主語はずっと統一しているんですが、「生活を創造する資質・能力」というのが骨格だとしたときに、ちょっとぶれてしまっています。「改善のために判断し」という部分もちょっと難しいかなと。
 それから、「生活を創り出す」というところなんですけど、「実践しながら」という内容が入ってきて、読んだときにちょっと混乱するような感じがいたしました。加えて、「実践しながら」と入っているものと、後ろにある「実践的・体験的な活動を通して」のところがかぶっちゃっているような気もして、ここのところの文章が捉えにくいなという印象を持ちました。なので、改善案を出せればよかったんですけれども、まずは読みにくいなというところを挙げ、骨格は「生活をよりよくしようと創造する資質・能力」ということなのかというところを確認させていただきたかったところになります。
 以上になります。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 目標・柱書の前回から修正を加えた黄色の部分が、いろいろと書き込んだことによって、意味が分かりにくくなっているのではないか、さらに重複している部分もあるのではないかという御意見と理解いたしました。
 このように並べてみると、まず小・中・高の違い、さらに家庭基礎と家庭総合の違いを示すことが求められます。そのために、言葉を増やしたり変えたりしていますが、もう一度全体を俯瞰して見ながら、どう表現すると素直に読み取れるようになるのか検討させていただければと思います。
 それから、5ページのイメージ図ですけれども、西𠩤委員にご指摘いただいたように、家庭科としては、AからE領域は横並びで、平面的に表せるものではなく、どちらかというと三次元的に領域は関わっていると考えているわけですが、どの教科も、領域は平面的に並んでいる形で示すことになっています。この図は、家庭基礎と家庭総合の違いを明確にするための図ですが、図中のA・B領域とC・D・E領域の違いも示すことができるよう次に向けて西𠩤委員にも御意見をいただきつつ検討をしたいと思います。ありがとうございました。
【西𠩤委員】  ありがとうございます。
【杉山主査】  それでは、鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】  ありがとうございます。今渡瀬委員と西𠩤委員のお話をお伺いして、なるほどと思ったのですが、私はF領域で示されている「領域を横断した、実践的・体験的な活動を通した問題解決的な学習」というのは、家庭科だからこそ実現できる学習だなと考えています。
 実は、その根拠になり得るものとして、最近私どもの消費者教育支援センターと生命保険文化センターが公表したアンケート調査があるんですが、それを御紹介しますと、これは高校1・2年生の3,000名余りを対象に行った調査で、3月5日にプレスリリースしたばかりなんですが、それには次のような結果が出ています。特筆すべきが、9割以上の高校生が「何をするにもお金が大切」と答えている一方で、「お金の管理は特にしていない」という回答が4割台半ばで最も多くありました。
 エシカル消費に関しても聞いているのですが、「気候変動は将来にとって切実な問題」と答えた生徒が8割近くいる一方で、「高校生が行動しても何も変わらない」と考える生徒が4割弱いました。また、「買物は商品・企業へのお金の投票だと思う」と答えた生徒も過半数に満たなかったということが明らかになっています。
 ここから言えることは、多くの高校生は社会課題の重要性というのは理解しながらも、自分の行動が社会を変えるという実感までは持ちにくいのではと思います。だからこそ、家庭科での実践的・体験的な活動を通した学習が、社会とのつながりを感じたり、自分の行動が未来につながることを実感したりするよい機会になるのではないかなと考えています。
 F領域の方向性は、そうした意味でとても意義があるのではないかと思っていて、家庭科が果たせる役割は非常に大きいと、感想的なことですが、そう考えています。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。調査結果を基にお話しいただいたのは、とても参考になりました。
 家庭科は、基本的に自分で自分の生活を見つめ、自分の生活を知り、その生活が周囲にどういう影響を与えるのかといったことも含め、自分たちの生活がどうあるべきかということを一人一人が考えることができる。そして、考えることがどこかの時点で終わるのではなく、生活している間ずっとそのことが続いていく。考え方は当然ライフステージによって変わる可能性はありますが、生活を考え続ける力をつけたいと考えています。家庭基礎でも必要なことですが、家庭総合は4単位であり、家庭基礎よりも時間がありますので、F領域において各領域における学習をより確実なものにしたいという考えです。消費行動が社会に与える影響はB領域で学ぶだけではなく、C、D、Eの学びとも重なり合う総合的な課題でもありますので、とても参考になりました。ありがとうございました。
 それでは、吉川委員、お願いします。
【吉川委員】  お願いします。様々な御意見を伺いながら、感想も込みでお話しさせていただくと、図にすることで見えるものと、書き込み切れないところもあること、改めて今回は家庭科の学習の積み上げ方というのを強調して、広く理解してもらえるようなきっかけになると、その可能性を感じながら資料を見ました。
 先ほど杉山先生もお話しされたように、生活について意識的に理解を進め、自分の成長とともに、生活の改善に向けて、問題意識をもち学習を通して働きかけ、改善していく、そしてアクションを起こしていくということが、学習を通して、小学校の家庭科、中学校の学習、その後、高校に向けて積み上げていくところが広く理解されない。もっと言うと、学習者にも、そして教員にもなかなか理解しにくいところ。その意味で、今回高校の家庭科の家庭基礎と家庭総合のどういう違いがあるのかというところ、家庭基礎の上の家庭総合の積み上げということが改めてどのような魅力があるのかというところを図の中で明確に強調して示したものと理解をしました。
 もちろん書き切れない部分、逆に誤解を与える部分というリスクもありながらも、F領域を置くことで、家庭総合の可能性、家庭基礎の学習を踏まえてさらに何ができるのかということを示す結果にはなっていると思います。
 私も、中学校の家庭科の授業を見せていただく中で、中学生が生活のことについていろいろ課題意識を持っているけれど、それについて、自分が学習を通して何かアクションを起こせるということになかなかつながらないという歯がゆさも感じるような場面がある。そういうことが、高校の家庭科の中で基礎を踏まえ、家庭総合の中で領域横断的なテーマの例も掲げられていますけれども、実践的な、あるいは体験的な問題解決に向けた具体的な学習のきっかけ、投げかけが図で示されていると思いました。
 それから、6ページの目標・柱書のところは、細かく書いたことで、黄色のハイライトの部分、逆に文章全体としては分かりにくくなってしまった部分があると私も感じているところで、端的にという中で、そぎ落とすこととより明確になることをもう少し私自身も考えたいと思いました。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。ぜひお知恵を。
 6ページの小・中・高の目標等については、学校間の違いを明確にしようとすると、説明が増えてしまう。増えることで分かりやすくなるわけではないということは重々承知をしているのですが、ここに関しても皆さんからもお知恵を拝借して検討をしたいと思っています。
 それから、5ページの高校のイメージ図についても、ありがとうございました。今回のイメージ図を出したことで、家庭総合は難しそうではなく、楽しそうだなとか、家庭総合でより深く学んでみたいなと感じられるとよいとお思っています。特に、家庭科の難しさは、家庭科で学習したことをそのまま、歳をとっても同じように使えるわけではなくて、変えていく能力を持っていなくてはいけない。いろいろな場面でどのように自分たちは考えていけばいいのかを、F領域での学びを通して、この図の黄色や緑の部分で学習したことに立ち返ることで学んできたことが深く理解でき、さらに応用することができるようになる。そして、全ての生徒が自分ごととして考え動くことができるということを目指したいなと思っています。そうするために、具体的な内容も示していかないといけないと思っていますので、また御相談をさせていただければと思っています。ありがとうございました。
 それでは、村上委員、お願いします。
【村上委員】  よろしくお願いいたします。時間もないので、一言感想となりますが、小学校の立場からしますと、家庭基礎と家庭総合が非常に分かりにくかったので、このような5ページの表にしていただいたことで、非常に自分の中でも整理ができてよく分かりました。小学校で基礎・基本をしっかり身につけさせて、ここを目指していくんだなというイメージができました。
 家庭基礎の「生活の課題と実践における探究的な学習」と、また今度新たに示されたF領域との違いというのも、非常にこの表で分かりやすいと感じました。ありがとうございます。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 村上委員におかれましては、高校の内容についてコメントいただきありがとうございました。今回のワーキングで小・中・高の系統性と強く言われているということは、小・中・高を通してどこを最終的に目指すのかをきちっと理解して、それぞれが役割を果たしましょうと言われていることでもあると思っています。村上委員に言っていただいたように、最終的には高校の内容も含めて家庭科の系統性を小・中・高の先生方に理解していただいて、実践していただくことができるようにしたいと思っています。ありがとうございました。
 それでは、大友委員、お願いします。
【大友委員】  よろしくお願いします。大友です。2点発言させていただきます。
 1点目は、家庭科の領域のA・BとC・D・Eの違いがあるという、これでいくと確かに表現の仕方というのは難しいけれども、4ページの内容面の整理の在り方のイメージの中で、家庭基礎と家庭総合のそれぞれのポチの2つ目のところに、「科学的根拠に基づく知識を理解し」という新しく加えていただいたワードのところなんですが、意図するところは、個人の思い込みや慣習ではなくて根拠に基づくということだと理解しているんですが、「科学的」とつくとどうしても一般的にそのように連想させるので、ある意味、それで、C・D・Eの領域というのはイメージどおりなのかもしれないんですけれども、Bの領域の金融経済教育においては、個人の置かれている状況ですとか、立場とか、あるいは外部環境の変化によって選択とか判断が変動することも多い領域であるという、この旨だけ付言をさせていただきたいと思います。
 それと、2点目なんですけれども、同じページになりますが、基礎と総合で「基礎的な理解」と「総合的な理解」と区別をされている点ですが、基礎と総合を区別する際は、一般的なイメージというか、連想させやすいということに基づいた考え方として使用されている中で、金融経済教育や消費者教育の領域においては、その性質上、基礎と総合で学ぶ深さ、バリエーションとか深さに違いはあっても、総合でしか学べない項目があるといったフレームワークになってしまい、金融リテラシーに差が出るというのは適当ではないのかなと考えました。基礎的理解と総合的理解の深さとかバリエーションの違いがあっても、項目としての差はなくて、家庭基礎と家庭総合のどっちも根雪のようにまたがる領域と捉えていただきたいなというふうに思いました。
 議題の1では以上になります。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 科学的根拠に関して、御指摘のとおり、生活におけるいろいろな事象が全て科学的根拠によって判断されるみたいなイメージを与えることは確かです。ただ、科学的な根拠も何も確認せずに、何となくうわさだとか雰囲気みたいなことで判断してしまうこともあるので、発達段階に応じて科学的な根拠とともに判断することができるだろうということもあり、高校でこの言葉が入ってきているわけですが、科学的根拠ということで全てが説明できるわけでは確かにないので、そこの表現も考えていきたいと思いました。
 ただ、後半で言っていただいたことが私はうまく理解できていないのですが、もう一度説明していただいてもいいですか。
【大友委員】  後半だと、項目のところの話ですか。
【杉山主査】  基礎的、総合的と言っても、内容としては変わらないと私もそう思っていて、例えば食では家庭基礎と家庭総合での学習内容はそんなに大きく変わるものではなく、深まりとか広がりは違うだろうと思っています。ただ、一般的に基礎や総合という言葉で使い分けをされていますが、もう少し適切な表現があれば教えていただきたいと思ったのです。
【大友委員】  分かりました。そこは、また検討させていただきたいと思います。
【杉山主査】  ご指摘いただいた部分に関しては、ぜひ検討できるといいなと思っています。違いをどうしていくかという話は、この後多分議題の3で具体的に内容の話も出てきますので、またそこでも御意見をいただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、田中委員、お願いします。
【田中委員】  まず、高校の科目構成の在り方について、5ページです。家庭総合F領域の生活探究は、生徒一人一人のウェルビーイングにつながり、よりよい社会におけるよりよい生活をつくり出すために、これまで学んできたことを総合的に発揮する姿を見取る部分かと思います。つまり、F領域は、家庭科の最終目標を実現する場であると思います。そうすると、F領域の生活探究で重要なのは、生徒が、またこの内容を学ぶのかとならないように、高校の探究の時間の内容との線引きを明確にする必要があるのではないかと思います。せっかく5領域を小・中・高と時間をかけて積み上げて学んできて、F領域が最後のピースになるかと思いますので、高校の探究の時間での内容は、それまでの家庭科の学習と重複しないように扱っていただくことをお願いしたいと思います。そして、もし家庭基礎で終了してしまう学校では、家庭基礎までの学習を探究の時間でつないでほしいと思います。
 また、非常に細かいことなんですけれども、この図は、今日は家庭基礎・家庭総合だけの図ですが、今後小・中・高等学校全ての学校段階を一つの図に表すことになるのではないかなと思います。つまり、図の上のほうほど家庭科の資質・能力を身につけていく姿かと思いますが、そのことを前提にすると、この図では、家庭基礎の黄色と家庭総合の緑色の部分に丸が2つずつあります。それぞれ、上の丸が学習指導要領のアの「知識及び技能」に相当し、下の丸が「思考力、判断力、表現力等」に相当するのかなと思いますが、そうすると、アの「知識及び機能」を活用して、イで考え工夫する。つまり、イの「思考力、判断力、表現力等」に必要な知識及び技能としてアがあるという構造かと思いますので、この2つの丸はそれぞれひっくり返し、イの「思考力、判断力、表現力等」をアの「知識及び機能」の上にもっていく必要があるかと思いました。
 また、家庭科が対象とする人間の生活は総合的なものですので、小・中・高等学校家庭科で学ぶだけではなく、他教科等で得た知識・技能、生活経験より得た知識・技能など全てを総合して考えることに最終的になってくるかと思います。反対に、他教科では、日常生活に結びつけた学習の方向に向かってきているように感じますけれども、他の教科等と重複することのないようにする必要があるのではないかと思います。
 そうすると、この図の中の「往還した学び」というところですけれども、高等学校家庭科の中で終わってしまっているような印象を受けなくもないかなと。一つの図にまとめ上げる作業というのは非常に難しいと思いますが、「往還した学び」を高校の家庭科の中だけで図に表現することがかえって難しく誤解を招いていかないかなというようなことを少し感じました。
 それから、6ページの科目目標の在り方については、西𠩤委員と吉川委員と同じことを感じました。そして、高校の目標について、全体、家庭基礎、家庭総合と3つあります。「思考力、判断力、表現力等」の欄でこの3つを見比べると、全体のものと家庭基礎が同じになっているかと思います。そうすると、家庭総合でつける力はプラスアルファなのかなというような、家庭基礎だけで「思考力、判断力、表現力等」はよいのではないかと思わなくもないので、今回家庭基礎と家庭総合の違いを明確に整理する際に、高校全体との目標の関係をどのように表現するのかということも決めておかなくてはならないのかと思いました。家庭基礎と家庭総合だけのほうが分かりやすくシンプルに思うんですけれども、高校全体の目標としてどのような書き方が求められているのか、教えていただければ幸いです。
 以上です。
【杉山主査】  田中委員、ありがとうございました。
 現行の学習指導要領でも、目標の部分は家庭科として全体のものとその下に家庭基礎と家庭総合のものがあります。
【髙見主任教育企画調整官】  ありがとうございます。我々も答えを持ち合わせているわけではないので、そこはぜひ先生方にも御意見を賜れればと思いますが、現行の学習指導要領におきましては、7ページに添付しておりまして、高校の欄を御覧いただきますと、今は基本的には同じ内容になっております。思考・判断・表現のところは、基本的には、高校の部分と家庭基礎については同じ内容になっているのではないかと思っております。家庭基礎がある程度最低限といいますか、必要なものということで考えますと、家庭総合はさらに上乗せするということとなりますので、高校に高い目標を置いてしまうとそことの不整合が生じるということは背景としてあったのではないかと思います。ただ、今後の話については、それにとらわれず、どういった形がいいのかということはぜひ先生方からもいろいろお知恵を賜れればと考えているところでございます。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 目標の点に関しては今御説明いただいたとおりです。
 田中委員にその前にお話しいただいた探究の話ですけれども、私がうまく説明できていないかもしれないのですが、基本的には家庭総合で行うF領域の生活探究は、生徒が勝手に学習するのではなくて、教師が意図的にすることを想定しています。生活の課題と実践は生徒たちが自分たちで課題を見つけて、例えばホームプロジェクトの場合は自分の生活の中で課題を見つけ、家庭で実践をするもので、教師がこれをしなさいというものではないはずです。しかし、F領域の場合は、やり方はいろいろあると思うのですが、生徒に自由にさせるというよりは教師が意図的にするということを考えています。
 AからEの全ての領域が関係し合って生活は成り立っているということをもう一度F領域の学びで確認をしつつ、各領域での学びに戻ってほしいという意図で置いています。そのため、ほかの探究とは少し違う部分はあると考えています。
 家庭基礎の中でも、Fのような関わりを可能であればしてよいと思いますが、2単位の時間の中で、どこまでを最低限すべき内容とするかは考える必要があると思っています。また、Fと他教科との関わりの示し方なども確認をさせていただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、次は、都甲委員お願いします。
【都甲委員】  よろしくお願いします。以前、6ページの表の中で、「科学」という言葉がないので入れてほしいと発言したのは私でした。狭い意味での自然科学だけでなく、社会科学、人文科学も含む総合科学をベースにしていただきたいという気持ちで申し上げました。家政学が総合科学であるということは私が言うまでもないと思うんですけれども、その背景があって申し上げた言葉だったということも申し添えたいと思いました。衣食住の文化と科学の両面を一緒に学んでほしいというふうに伝えたと記憶しています。
 そのときは、見方・考え方にも、家庭総合の「学びに向かう力、人間性等」のところにも「文化」という言葉が入っていたと思います。7ページに入っていました。しかし、言葉を資質・能力のほうに移してしまって、今度は「文化」という言葉が消えていることに気がつきました。
 一方で、4ページをお願いします。右側の改善案の新家庭総合の下、白丸の4番目には、「次世代への継承を重視する観点から、生活文化の継承・創造に関する内容を充実」という文章がありますけれども、5ページの図と6ページの資料にはほとんど反映されていないように感じております。和食とか伝統的な儀礼等も重要なんですけれども、衣生活においてですと、伝統染織をどのように生活に生かして継承していくかというのも課題だというふうに考えています。
 例えば、5ページの図の中で、F領域の5領域を横断するテーマ例に、生活文化の継承といったことも加えていただくのはいかがかなと考えました。九州におりますと、特にすごく多様な伝統染織が残っていて、これこそ日本に住む人たちが培っていた美意識が文字どおり織り込まれているものであり、伝えていきたいなと思うものです。家庭科の教科書で衣文化というと、中学校で浴衣を着てみる体験が象徴的なんですけれども、高校段階でさらに伝統染織について、製作工程とかも含めて探究してもらう機会があるといいかなと思います。
 研究の関係で産地を訪ねることも多いんですけれども、外国人の方が視察とか研修に来られていて、日本の伝統染織が世界から注目されている様子がすごく分かりますが、日本に住む人たちのほうがそのことを知らないというのが残念です。
 伝統染織に限らなくて、住んでいる地域、それから日本の文化、そういった伝統文化を継承するために、海外で行われている生活に関わる伝統文化を継承する取組と比較するなどとして、課題解決に向けたテーマ設定というのもあり得るのではないかと考えました。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。生活文化に関しては、今回のワーキングの中で基本的には強く入れるという話になっています。ただ、入れ方の問題で、全てにいれると全てが長くなってしまうので、例えば、この後出てきますが、高次の資質・能力のところには出ているはずです。どの部分にいれるのかは、最終的には整理をさせていただければと思います。
 4ページの家庭総合の4つの丸のところに生活文化の継承・創造と書いてありますけれど、実は家庭基礎でも生活文化は扱うという話になっておりますので、そこも含めてどういう形で文化を入れるのかを確認したいと思います。また、F領域のテーマ例については、渡瀬委員からも現行の見方・考え方から生活文化を入れてはどうかという御意見もありましたので検討できればと思います。
 それから、「科学」を総科学として広く捉えるということですが、私の誤解かもしれませんけど、私たちが生活の中で実際にいろいろな物事を決めていくに当たっては、実は科学的なことだけでは判断できない場合がある、そこに関わる様々な人の思いなど科学的ではない部分も含めて生活は成り立っているということの御指摘もあるのかなと私は理解していますが、またその辺も整理させていただければと思っています。ありがとうございました。
 では、石島委員、お願いします。
【石島委員】  よろしくお願いします。5ページのところでF領域を設けたという点で、とってもいいなと思いました。一つのテーマに対して掘り下げるということで、家庭科の学びの完成形のイメージが湧きやすいと思いました。
 まだ先のほうなんですけれども、5領域を横断するテーマ例のところで、どんなものなんだろうということで、説明前に申し訳ないんですが、16ページのほうで、「現代的な諸課題について」というようなことがF領域について書いてありまして、その内容がこれまでの学習と重複感も出ずに、食生活における現代的な課題とか、そういうふうに置くととてもいいと思いました。家庭科の学びを生かしていろいろな課題を解決していくというところで、いいと思いました。できるならば、約8割を占める家庭基礎などでもこういう学びまで持っていきたいなと思うところではございますが、家庭総合のよさをより表すという点ではとてもいいと思います。
 あと、細かいところなんですけれども、往還した学びの循環というところで、上側の矢印の終着点なんですけれども、これが「往還した学び」という丸いところで切れていてどこを指しているのかが分からないんですが、できたらピンクのところまで矢印があると、学びが往還した探究的な学習まで行くのかなと思いました。ちょっと細かいんですけれども、「往還した学び」のところを下げるとより循環性が出るのかなと思います。
 また、6ページなんですけれども、家庭総合、一番下の枠の「思考力、判断力、表現力等」の1行目、「生活を俯瞰しながら問題を見いだして」というところがありまして、生活を俯瞰するという視点はとても大切だと思います。ただ、家庭科の中では、全ての学習項目や課題を自分ごとにしていくというもう一つの側面もありますので、俯瞰だけでなく、課題を自分ごと化するとか、引き寄せてとか、そういうようなイメージの言葉が入るとよりいいのかなと思いました。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 図の書き方とか表現の仕方は、今日はとにかく全体像としてこういう理解でいいかということを決めないと先に進めないものですから、全体像としては御理解いただいたということで、細かい書きようというのはまた御相談させていただきながらよりよいものにしていきたいと思っています。ありがとうございます。
 それでは、あとはよろしいですか。
 よろしければ、次へ行きますか。では、議論が尽きないところではありますけれども、時間もちょうど1時間ぐらいたっております。なお、先ほど申し上げましたが、時間の制約上御発言できなかった場合には、今回の会議につきましては、会議後に発言内容を事務局までメールにてお送りいただければ議事録掲載するという扱いにさせていただきます。
 それでは、次の議題2につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】  お手元の資料、8ページを御覧ください。
 議題(2)は、家庭科の資質・能力等の在り方についてです。
 9ページを御覧ください。
 本ワーキンググループにおいては、これまで目標や見方・考え方、高次の資質・能力について議論を重ね、前回ワーキンググループで取りまとめた案を2月2日の教育課程企画特別部会において提示したところでございます。
 同部会におきましては、各ワーキンググループにおける資質・能力の構造化の検討状況が示され、論点整理で示された資質・能力の構造化の趣旨を踏まえた検討がなされ、ここに掲げた7つの観点について共通して精査を要することと整理されたところでございます。
 本家庭ワーキンググループといたしましては、右側(2)の検討の方向性にあるとおり、特に左下にあった7つの項目の丸1の資質・能力の深まりの可視化、丸2の分かりやすさ、シンプルさの一層の追求の観点を踏まえ、さらにブラッシュアップを図るとともに、先ほど議題(1)で御議論いただきました高等学校の家庭総合・家庭基礎の基本的な方向性の案を踏まえて再整理をしてはどうかと考えております。
 具体の修正イメージについては、14ページから16ページを御覧いただければと存じます。
 例えば、14ページのA、家族・家庭生活(仮称)でございますが、統合的な理解として、小学校では、「自分が家族の一員であることを自覚し、生活の中で自分にできることを考え取り組むことで、家庭生活をよりよくできることについて理解する」と前回ワーキンググループでは表現していたものを、「自分が家庭の一員であることを自覚し、生活の中で自分にできることを考え取り組むことが、家庭生活をよくすることにつながることを理解する」と改めております。
 また、高等学校段階では、家庭基礎で、「自立した生活を営む主体として」としていたものを「自立した生活を営む当事者であることを自覚し」と改めるとともに、「生活の中で自分にできることを考え取り組むことで」としていたものを「様々な人々の生活を理解して、共に協力し合うこと」と表現を改めております。
 また、家庭総合では、「生活上の課題」としていたものを、先ほどの基本的な考え方を踏まえまして「生活上の複雑な課題」と改めております。
 同様の修正を、新領域のBからEまで行っておりますので、改めて御確認いただくとともに、16ページにございますけれども、新たに設けることとした家庭総合の領域Fにつきましては、総合的な発揮として、「家庭や地域及び社会における生活上の現代的な諸課題について、課題を適切に見いだし、家庭や地域及び社会の生活を向上させることで、よりよい生活を創造することができる」としているところでございます。
 なお、15ページにお戻りいただければと存じますけれども、先ほど都甲委員から御指摘がありました「文化」という観点につきまして、例えばCの食生活のところ、中学校のところを御覧いただきますと、中学校の統合的な理解のところで、地域の豊かな食文化を大切にする、あるいは高等学校の家庭基礎のところで、科学的な根拠を基に地域の豊かな食文化を大切にするといった形で、そういった観点を各領域の中にも記載しているところでございます。
 簡単ではございますが、私からの説明は以上でございます。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 では、議題2につきましては、今事務局より御説明がありましたとおり、前回からの修正・変更点が説明の中心であったと認識しておりますので、改めて確認したい点などがございましたら御意見をお願いします。議題3とも関連してくる部分もございますので、後ほど御意見をいただくということでも構いません。いかがでございましょうか。
 西𠩤委員、お願いします。
【西𠩤委員】  ありがとうございます。衣生活の分野に関してコメントさせていただきたいと思います。
 15ページですけれども、衣生活で、まず中学校のところなんですが、「自分の衣生活上の課題を」とあるんですが、「自分や家族の」としていただけるといいかなと思います。住生活のほうでも、「自分や家族の」というふうに空間軸を小学校から中学校に向けて広げていたかと思いますが、衣生活のほうも「自分や家族」というふうに広げても内容的にも大丈夫じゃないかなと思ったので、場所としては、衣生活の総合的な発揮の部分の中学校なんですけれども、「自分の衣生活上の課題を見いだし」となっているところを「自分や家族の」という形で空間軸を広げてもよろしいのではないかというのが一つです。
 次は、高等学校の部分なんですけれども、これはいろんな意見があるかなと思うんですが、今「日本の衣文化を大切にし」と明確に書いていると思うんですけれども、とてもいいことだと思うんですが、一方で様々な背景の子供たちがいることを考えたときに、ここで「日本の」というふうにすごく限定した書き方をする必要があるのかという。書いたほうがより日本の文化を外さずやってくださるとは思うんですけれども、高等学校に関して言えば、特に、食生活に書かれているように、「地域の」というふうにしてもよいのではないかと感じたんですね。様々な衣文化の理解というところまで高等学校ではいけると思うので、「日本の衣文化」というふうにあえて書いているのか、前がそうだったからということだとは思うんですけれども、場合によってはもう少し幅広い観点を持って書いてもいいのかなと。先ほど都甲委員もおっしゃいましたけれども、日本の文化はぜひやりたいところだと思うので、あえて書いていると思うんですが、場合によっては「日本の」というところを「地域の豊かな」でもいいかもしれない。「地域の豊かな衣文化」、食生活のほうに寄せた形になるかと思うんですけど、そういうふうにしても日本の文化を十分に取り扱えるし、学校の実態に合わせて、様々な地域での文化ということに理解が深まるような高校らしい組立てができるかなと思ったというのが一つです。
 もう一つは、これも異論があるかもしれないんですけれども、高次の資質・能力を考えたときに、衣生活が衣生活に閉じないことがとても大事だなと私自身は思っております。つまり、先ほど議題1のところで、家庭科自体の目標を考えたときに、生活自体をよくしていくということ、よりよい生活を工夫したりつくっていくというところまでつなげたいんですけれども、前の議題の資料に戻ってしまいますが、6ページでの新しい見方・考え方で示していただいているように、「自分や家族の生活の営みを、地域や社会との関わりの中で、持続的なものとする視点から多角的に捉え、主体的によりよい生活を創り出す」というのが最終的に大事になってくるところかと思います。衣生活をよりよくしていくことで、最終的には健康とか安全とか、生活自体をよくしていくということにつなげたいということを考えると、高等学校家庭基礎・高等学校家庭総合の衣生活の統合的な理解――どっちにすればいいか、それも悩むところなんですけれども、少なくとも総合的な発揮のところで、衣生活をよくすることで、本当は衣生活に限らない生活に寄与できるというふうに捉えたほうがいいのではないかと思ったんです。なので、修正案としては、統合的な理解のところは、「健康・快適・安全な衣生活を送ることが」「衣生活をよりよくする」というととても当たり前のことになってしまうので、本当はもうちょっと先を目指した育てたい力だと思うので、「健康・快適・安全な衣生活を送ることが生活をよりよくする」というふうに捉えたほうが実際に近いのかなというのは思ったところです。
 例えば、すごく具体的なことを言うと、エシカル消費とかもそうだと思うんですけれども、よりよい衣生活を送ることで社会の課題を解決することにつながるわけで、そこのところに関して言うと、つまり衣生活だけを改善したわけではなく、社会課題を解決することにつながると。そこのところを、統合的な理解、総合的な発揮の最終地点が、衣生活にあえてとどめるのか、そうすると、すみません、長くなってしまいましたが、そこのところは、一文字の違いなんですけど、示し方としては大きな違いになるかなと思ったので、感想というか、述べさせていただきました。
 以上です。すみません、分かりにくい説明になってしまいましたが。
【杉山主査】  ありがとうございます。おっしゃっていることはよく分かりました。ただ、それをすると、多分ほかの領域もみんな横並びで、全て終わりが「生活を」になると思います。そうする方がいいのか、家庭科全体としてはどの領域も「生活をよりよくする」を目指しているということが分かれば、それぞれの領域ではその範囲で収めておくというのも一つの方法なのかなと思います。先生のお考えはよく分かりましたので、どちらがよいかはもう一度検討させていただければと思います。
 髙見さんからもお願いします。
【髙見主任教育企画調整官】  ありがとうございます。先ほど先生におっしゃっていただいた視点は、非常に大事にしていかなきゃいけないことだと思っております。ただ、今日の資料で申し上げますと、10ページを御覧いただけたらと思いますけれども、教育課程企画特別部会全体の中でも議論されている内容でございますが、特に1の資質・能力の深まりの可視化というところで、3つ目のポツにございますが、「指導を通じて学びが深まったときの児童生徒の姿をイメージできるよう的確に示せているか」ということで、これはある程度単元のまとまりということを想定したものであります。
 それから、もう一つは、2点目の分かりやすさ、シンプルさということも言われておりまして、そういった意味では、先生のおっしゃるように、まさにそういったことまでしっかり書いていったほうがトータルの学びとしては見えてくるところだと思います。けれども、やはり全体の分かりやすさ、シンプルさというバランスを考えたときには、見方・考え方、あるいは教科科目の目標、高次の資質・能力という、こういった縦の関係の中でトータルとしてどう見ていくかということも併せて考えていかなきゃいけないことだと思っております。そういったことも含めて、今後、このワーキングの後の議論になりますけれども、実際に告示、あるいは解説等で議論をいただくときには、そういった視点もしっかりと総合的に見ていくことが必要ではないかと考えているところでございます。ありがとうございます。
【西𠩤委員】  ありがとうございます。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 それと、中学校のところの「自分の」を「自分や家族の」に変更するというのは、内容がそれに沿っているようであれば変えることでよいかと思います。
 食は、中学校では中学生の栄養ということを、しっかりと理解することで高校で様々なライフステージでの栄養を理解できるという立てつけになっていますので、食生活の場合は「自分の食生活」としたいと思います。他の領域も、もう一度表現を確認をしていただければと思います。
 文化の話については、日本の文化を大切に思うとか、日本の文化を理解するためには、基本的には他文化との比較によってより明確になると私は思っているのですが、一方広げ過ぎると多様な文化を網羅的に扱ってしまう危険もあります。ここをどういう表現にしていくかも調整をさせていただけるとありがたいかなと思っています。
 今、西𠩤委員のほうから言っていただいたことは、ほかの領域でも関係することでもありますので、そういう視点でほかの先生方も見ていただけるとありがたいと思います。ありがとうございました。
【西𠩤委員】  ありがとうございます。
【杉山主査】  それでは、渡瀬委員、お願いします。
【渡瀬委員】  よろしくお願いします。14ページ、B領域のところです。用語選択等について2つあります。
 まず、用語選択のほうです。Bのところでは、やはり「資源」という言葉の伝わり方が気になります。一般的には、「資源」と聞くと、天然資源のことを思い浮かべられると思うんですね。Bのところでは、「環境」に関する内容もあるので、その視点も当然入ってくるんだろうとは思うんですが、今回、生活資源、いわゆるお金だったり、生活時間だったり、人間関係だったり、生活を営むためのスキルというのを総称して生活資源と言って、生活資源管理というのが一つ言語化されているかなと思うんです。よって、「資源」と表現することは、いわゆる天然資源、生活資源をダブルミーニングで使うという意味でのチョイスだったのか、それともそういうことじゃないのかという、そこが気になりました。
 中学校のところを読んでいくと、実は天然資源のイメージでも読めちゃうんですけど、そうするとすごく意味が狭くなっちゃう感じもあり、そこら辺の「資源」というところの伝わり方がどんなふうになるのか、ということをちょっと思った次第です。
 もう一つ、小学校のほうなんですが、「有効に」というところに黄色でハイライトをしていただいています。これは、なかなか高いハードルだなと思いました。なので、ほかのところの書きぶりで考えますと、そこのところは「認識し効果的に」というふうにしたほうが中・高とのつながりを踏まえると自然なのかなと思いました。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 「認識し効果的」については、総合的な発揮のところは「効果的に活用しながら」という言葉を使っているのでよいのではと思います。でも、あえてここは「有効に活用」と使い分けた理由がありますかね。
【渡瀬委員】  すみません、「有効に」というと、いきなり「有効に」ってなるので。
【杉山主査】  分かります。「有効に」という言葉が、小学生としてハードルが高いのではないかということもありますし、総合的な発揮のところでは「効果的」にという言葉も使っていますので、もう一度そこは見直すようにします。
【渡瀬委員】  よろしくお願いします。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 それから、「資源」は、確かに、家政学的とか家庭科的な資源ということをきちっと理解していれば自然的な資源だけではないということは理解できるのですが。例えば小・中・高で全部「資源」という言葉を使っていますが、小・中をちょっと別の言葉にするということもありなのかなと思いますが、私は今別案を持ち合わせていないので、またそこも渡瀬委員のお知恵も拝借しながら誤解のないような形にしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【渡瀬委員】  よろしくお願いします。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 それでは、大友委員、お願いします。
【大友委員】  お願いします。先ほどの基礎と総合の違いの一つにも関わってくると思うんですけれども、14ページに記載されているBの生活経営・消費生活の一番右の高校の基礎・総合の統合的な理解、下から2つ目の青色の箱の箇所になるんですが、家庭基礎は「生涯にわたって」、家庭総合は「生涯やその先を見通し」を現状使われている記載になっているんですけれども、目標のところでも議論をして示されていますので、「その先を見通し」ということが、次世代とか未来の社会全体の視点を取り入れていくということであるという趣旨で、家庭総合の学びがより深くなるということは理解しているんですが、この言い回しだと、家庭総合のほうの時間軸が多少伸びてしまうように感じました。そうすると、家庭基礎と家庭総合で、時間軸の違いに差をつけるというふうに捉えられてしまうのではないでしょうか。もっと言うと、時間軸というのは家庭基礎でも家庭総合でも同じであって、家庭総合で言う「その先を見通し」というのは、時間のことではなくて、社会全体を俯瞰していくもうちょっと広義の社会というふうには理解しているんですけど、この表現の仕方が時間軸と取られやすい。例えば、金融経済教育においては、「生涯やその先を見通し」というと、ライフプランの中では、自分の長い人生を生きた後の相続の話とかを連想されやすいものなので、そんなふうに思いました。
 そう思った中で、家庭総合と家庭基礎で、時間軸に差を付ける必要はないのではないかと気がついたので発言をさせていただきました。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 家庭基礎と家庭総合の時間軸の考え方、「生涯やその先を見通して」というところの理解の仕方は、もしかすると領域によって若干違うのかもしれません。食だと、例えば自分が生活している時間の範囲ではなく、もっと将来の例えば昆虫食のようなかなり先の食料問題をも想像して考えることも私は必要と考えます。そのため、時間軸が自分の人生よりもその先に広がっていくこと自体はあまり違和感がなく、家庭総合では、自分よりも後から生まれ育っていく人たちのことまで考えることをイメージしていたのですが、領域によっていろいろ解釈の仕方があるのかなというふうにも思います。
【髙見主任教育企画調整官】  先ほど杉山主査がおっしゃったことに尽きると思うんですけれども、確かに、全体の方針としては、家庭基礎と家庭総合の差の中で、時間軸・空間軸をさらに伸ばしていくべきじゃないかというのが、前回・前々回での御意見を踏まえて新たな視点として追加したというふうに捉えておりますが、個々に見ていったときにはもう少し精緻に見ていく必要あると思います。ですので、その辺り、全体の書き方については領域ごとにもう少し丁寧に見るような形で整理をしていきたいと思います。ありがとうございました。
【大友委員】  ありがとうございます。多分、この辺りの領域の捉え方の違いというのは、私も改めてそうだなと認識したところなんですけれども、金融経済教育においては、そこは差はないというふうに申し上げたいと思います。
 以上です。
【杉山主査】  Bの領域は、生活経営・消費生活で少し大きなくくりでもあるので、どういう言葉で示していくのが適切なのかをより深く検討できればと思います。今は視点を決めたら基本的にその表現を全ての領域に統一して入れるような対応をしているところはあるので、より丁寧に見て、より適切な表現にすることができればと思います。ありがとうございました。
 それでは、田中委員、お願いできますか。
【田中委員】  住生活です。16ページです。
 住生活では、小・中では見られなかった「健康」という言葉が高等学校に入っています。内容の整理はこれから具体的に進んでいくと思うんですけれども、「健康」というのはむしろ小学校の内容であり、高等学校はどちらかというと「持続可能な」のほうが内容的には合っているのではないかと思います。内容が具体的に整理された後に再検討ということでよろしいでしょうか。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。そこは、また整理をしていく中で御指摘いただければありがたいです。
 それでは、あとは大丈夫でしょうか。
 よろしければ、議題3がまだありますので、議題3が今の議題2とも関連していますので、議題3の中でまた議題2と結びつけてお話しいただくのもいいかなと思っておりますので、その次に行かせていただきます。
 では、議題3について、事務局より御説明をお願いします。
【髙見主任教育企画調整官】  事務局でございます。
 17ページを御覧ください。
 議題の(3)は、系統性・体系性の整理についてです。
 18ページを御覧ください。
 まず、1ポツ現状等にあるとおり、現行の学習指導要領では、小・中・高等学校の内容の系統性の明確化を図るとともに、問題解決的な学習については、計画、実践、評価・改善するという一連の学習過程を重視する方向で整理を行っており、一定の成果も見られるところです。
 また、第2回ワーキンググループにおきまして、少子高齢化や電子マネーの普及など、新たな時代の変化や生活文化の継承も念頭に置いた検討が必要となっていることを示したところです。
 さらに、昨年9月の論点整理で示されたとおり、中学校の技術・家庭科が、仮称でございますけれども情報・技術科と家庭科に分かれることが示されるとともに、高等学校の家庭基礎・家庭総合を再整理したことを踏まえて、内容の系統性・体系性を整理することが必要となっております。
 19ページを御覧ください。
 小・中・高等学校の系統性・体系性の見直しに当たっては、3ポツの整理の方向性の(1)整理に当たっての基本的考え方といたしまして、社会変化への対応等を踏まえた内容の充実を図る際、全体として学習内容を増加させず、一定の精選を図る観点から、網かけの部分のように考え方を整理したらどうかと考えております。
 具体的には、第1に家庭科の高次の資質・能力を育成するために必要となっているかという観点です。その際、調整授業時数制度により標準を下回って柔軟に時数設定がされる場合も考慮する必要があると考えております。
 また、第2に、小・中・高等学校の各内容の枠組みと対象の系統性・体系性が明確であるかという観点、特に校種間や科目間で重複している内容は、児童生徒の発達段階に応じ適切な学校種や科目に位置づけるよう再整理することが必要と考えております。また、他教科と重複する内容についても、真に必要な内容であるか等を踏まえて整理することも必要であると考えております。
 第3は、社会変化への対応や生活文化の継承の観点から真に必要な内容が含まれているかという観点。
 第4は、先ほど来御議論いただきましたが、高等学校の家庭基礎・家庭総合の基本的な方向性を踏まえた内容となっているかという観点です。
 続いて、右側、(2)具体的な内容の整理についてです。
 まず、丸1各領域共通の内容項目の整理として、新たに5つの領域で整理することとした上で、丸2領域ごとの内容項目の整理として、領域AからFまでの基本的な考え方と内容項目の系統性を掲げております。
 具体的なイメージにつきましては、21ページを御覧いただければと存じます。
 こちらは、小・中・高等学校を通じた新領域のAからFまでの構造を示したものでありまして、赤字は現行の学習指導要領から変更・追加する項目を掲げております。全体の新領域AからFについては、こういった形で新たに位置づけていってはどうかと考えております。
 22ページを御覧ください。
 ここでは、新領域のA、家族・家庭生活(仮称)でございますが、内容のイメージとして、先ほどの項目ごとに現行の学習指導要領をベースとした学習内容を青枠で知識・技能、赤枠で思考・判断・表現として示しております。
 また、事務局案の見直しイメージでございますけれども、一番下を御覧いただければと存じますが、「家族・家庭の機能」については、中学校と高等学校で内容が重複していることや、高校の各ライフステージの学習と関連づけることで効果的に学習することが可能となること等も踏まえて、中学校と高等学校における学習内容を整理することとしてはどうかと考えております。
 23ページを御覧ください。
 先ほどに引き続き、新領域Aでございますけれども、一番下の見直しイメージに記載のとおり、例えば高齢者関係といたしまして、地域の高齢者が占める割合が増えている現状等を踏まえ、高齢者との関わりなどで認知機能、身体機能、言語機能の低下や、そうした特徴に応じた関わり方の学習について整理してはどうかと考えております。
 また、家庭総合については、多様な世代の人々と実際に関わる活動等を想定した、(5)でございますけれども、世代を超えて支え合う地域社会という項目を設けてはどうかと考えております。
 24ページを御覧ください。
 新領域のB、生活経営・消費生活についてです。こちらも、先ほどと同様に現行の学習指導要領ベースで学習内容を示しておりますが、見直しイメージにあるとおり、生活設計関係としては、中学校においては、小学校の「家庭生活と仕事」と高等学校の「生涯の生活設計」をつなぐ学習内容を設ける方向で整理をするとともに、高等学校においては、社会保障や奨学金などの社会制度について、その活用の在り方についても学習する方向で整理してはどうかと考えております。
 また、消費生活・金融経済教育関係では、学校段階をまたいで一部重複する事項について、児童生徒の発達段階に応じて内容を整理しつつ、社会変動に応じた内容とするための見直しを図る方向で整理してはどうかと考えております。
 さらに、高等学校の家庭総合については、生活設計シミュレーション活動などを行う、(4)生活設計演習という項目を設けてはどうかと考えております。
 25ページを御覧ください。
 新領域C、食生活についてです。食生活については、見直しイメージにあるとおり、調理実習・実験関係として、高等学校家庭基礎では調理実習を通した理解、家庭総合では調理実験を通した科学的な理解を深める内容で整理することとし、家庭総合に(2)調理実験の項目を新たに設けるとともに、食文化関係として、郷土料理・行事食については、中学校では生活文化の継承の観点をより重視するとともに、高等学校でも生活文化の継承の観点から、「ライフステージに応じた食生活」に関する項目の中で「地域の伝統的な行事食や郷土料理」に関する内容を扱う方向で整理してはどうかと考えております。
 26ページを御覧ください。
 新領域のD、衣生活についてです。見直しイメージにあるとおり、衣服の再利用関係といたしまして、中学校の「衣服等の再利用の方法」は、衣服の計画的な活用方法の一つとして扱い、生徒が必要に応じて製作の学習を行う際に取り入れる方向で整理してはどうかと考えております。
 また、製作関係として、布を用いた製作については、小・中・高等学校の系統性も踏まえつつ、知識・技能を段階的に習得し、活用するように各学校段階で発達段階に応じて扱う内容を整理するとともに、高等学校の家庭総合では、(2)被服製作の項目を設け、実験的・体験的な活動である被服製作を通して、「ライフステージに応じた衣生活」をより質が高い深い学びをつなげていく方向で学習する内容を整理してはどうかと考えております。
 続いて、27ページを御覧いただければと存じます。
 新領域E、住生活についてです。こちらも、見直しイメージあるとおり、安全な住空間関係として、中学校の「家族の安全を考えた住空間の整え方」のうち、「家庭内事故の防ぎ方」については、幼児や高齢者の学習と関連させながら扱うことで効果的な学習ができることを踏まえ、高等学校で重点的に学習する内容とするとともに、防災関係では、高等学校の家庭総合では共生の観点を重視し、より質が高い学びへつなげる方向で学習する内容を整理すること。さらに、住環境関係では、住環境をよりよく整え、より総合的に住まい方を捉えられるようにする観点から、平面計画等を扱う内容として整理してはどうかと考えております。
 事務局の説明は以上でございます。
【杉山主査】  御説明いただきありがとうございました。
 議題3で取り扱う内容は、先ほどの議題1の5ページのイメージ図で示した内容で高等学校は実施するということを想定してこの枠組みをつくらせていただいています。21ページの高校の家庭基礎と家庭総合を御覧いただくと、項目は、家庭基礎と家庭総合は基本的には同じ、家庭総合では1項目加わっています。
 具体的には、22ページ以降については見直しイメージの案を御説明いただきましたが、表の中に書かれている知識及び技能、思考力、判断力、表現力の内容は現行の内容です。5ページの高校の全体像のイメージは今日皆さんに確認していただくのが初めてですので、こちらが確定すれば、これに伴って21ページ以降が動きますので、22ページの中身も新しい内容にこれからしていくということになります。
 基本的には、高校の家庭基礎と家庭総合に関しては、先ほど申し上げた同じ項目名のところは、基本的には原則中身は同じになります。家庭総合のところだけに加わる内容が、Aであると23ページの(5)のところで、そこまでは基本同じであるという考え方になります。
 そのために、今日の資料では家庭基礎と家庭総合の内容は少し違っているわけですが、そこを整理しつつ、原則内容は増やさない、精選することが求められていますので、本当の意味で何が必要なものなのか。それを考えるに当たっては、高次の資質・能力、要するに学習を通してどんな力をつけたいのか、その力をつけるために必要なものは何か。目指すものがあって、そのために必要な知識及び技能は何なのかという考え方に立って精選をしてほしいということになります。
 この先具体的に中身を新しい形に向けて精選していただくという作業をしないといけなくて、できれば次の会議でその案を出す必要があると思っていますので、この方針に対して御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 できるだけ御発言をいただきたいのですが、12時までの時間で可能な範囲で御発言いただければと思っています。よろしくお願いします。
 大久保先生、お願いします。
【大久保委員】  それでは、中学校の現場のほうからの立場で幾つか感じていることを述べさせていただきたいと思います。
 まず、領域Bの生活経営・消費生活ですが、先ほどの「資源」といった語句については様々な捉え方があると思いつつも、様々な要素があり表現についてはまだ検討の必要があると思います。中学校の「生活資源」というのは、お金も含んで、人や物、人間的なスキルという、様々な要素があると思いますので、それらを活用して生活が営まれているという理解が衣食住の学習の見方につながっていくという捉え方もできると感じています。「生活資源」という考え方を土台にすることによって、衣服の活用や食生活、そして住まい方、こういった内容を個別に学ぶのではなくて、生活をどのように整えていくかという視点で捉えることができるようになると期待をしているところです。
 授業の様子から、子供たちは生活資源を活用して生活が営まれているといったことについては、非常に関心が高いところです。家族のこととか、将来のこととか、すごく話題に広がりやすい内容でもあります。ただ、実践まで扱おうとすると、学びが深まるというより広がってしまうので、本来教えたい理解が薄まってしまうというようなこともあります。中学校ではまず生活の成り立ちを理解するという段階で位置づけて、高校の生活設計につなげていく整理は現場としても納得感があるかなと感じているところです。
 次に、D領域の衣生活のリメイクの扱いについてですが、布を用いた製作については、本来製作を完成させること自体が目的ではなくて、身の回りの生活を快適に、便利にして、資源や環境にも配慮しながら、自分や家族、そして地域の人の生活をより豊かにすることを目的にするものだと捉えています。
 そう考えると、リメイクは必ず全員行う製作内容というよりも、生活をよりよくするための一つの手段として位置づけるほうが学習の目的として合致するのではないかと感じているところです。製作の中で余った布を使いたいとか、衣服を再利用したいという生徒がいれば、それも認めていく形でいいのかなとも思います。
 最後に、領域Eの住生活ですけれども、中学校で、まず自分の今の生活、そして自分の家を快適で安全に整えるということを考える学習は、生徒にとっても最も実感を伴いやすいと感じています。自然災害を想定した住まい方の工夫、これはまさに自分ごととして考えやすい内容です。
 ただ、一方で、家庭内の事故については、幼児や高齢者を想定した内容が含まれているのですけれども、中学校の題材配列上で言うと、これらを十分に学習する前に扱うことになってしまうことがあり、現場としては想像に頼った理解になりやすい側面も少しあって、懸念しているところです。
 今回整理されていますけれども、高校で幼児や高齢者の学習を行うので、それを踏まえてライフステージ別の住居を考えるというように自然につながっていったほうがいいのではと、学習の効果の面を考えると妥当ではないかと考えています。
 感想で失礼いたしました。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 BとDとEの領域に関して、貴重な御意見をいただきました。内容も精選しつつ、そこの内容に関わっていらっしゃる大学の先生たちもいらっしゃいますので、その御意見も踏まえてBとDとEの領域の内容の精選を検討していただければと思います。
 特にBに関しては、中学校に今回新しく「生活設計」という表現で、小・中・高のつながりを意識して入れています。このワーキングでも当初は小・中のところで違和感があるという御意見が結構あったかと思いますが、大分ご理解いただくことができたのだと思います。小・中・高の系統性で学習が成り立っていますので、目指すところはどこであるかということを明確にしつつ、小・中で行うことは、基本やり過ぎないことが大切かと思います。ただ、つながっているという考え方はとても大事ですし、さらに今おっしゃっていただいた資源の使い方というのは、全体につながっているのだと思います。
 ここはもう少し先の検討になるかと思うのですが、今でも、例えばA・B・Cの中でAの(1)はガイダンスとして最初に扱うものとしています。さらに、高等学校では、Aの(1)が「生活設計」になっていて、それを最初に扱い、さらに最後で扱うということになっています。学習の順序について必要な場合には、最終的には学習指導要領に示すことになると思います。さらに大久保委員からもご指摘のあった領域間での内容との関連で学習の順序を考えた方がよい場合もあります。住領域の考え方は田中委員からお話いただければいいと思いますが、ほかとの学びとの関係性で、中学校に置いておいたほうがいいのか、高校にしたほうがいいのかということも今回もう一度見直しをしていただいて、精選・整理をしていただくことができればよいと思っています。ありがとうございました。
 それでは、次は西𠩤委員お願いします。
【西𠩤委員】  ありがとうございます。Dの衣生活のところ、26ページをお願いいたします。
 ここの表には現行の内容が入っているかと思いますので、今後また精選していくということになろうかと思います。小・中・高と系統的に深まっていく、広がっていくというところもよく見えると思いました。
 見直しイメージのところなんですけれども、先ほど大久保委員から御指摘のあったところになりますが、衣服の再利用関係の案が上がっています。中学校では、今、衣服のリメイクのことがやらなきゃいけないことのように思われているところがあるかなと思うんですけれども、私、衣生活の立場からも、実はリメイクってスキルが結構必要なものなんですね。資源、布地がどういうふうに余っているのかとか、形ですとか、そういうものが、再利用しようとしたときに、何を再利用するかというのも多様なものですから、リメイクというのは実はスキルが結構必要なものの一つでもあります。
 その思いというか、再利用する思いなどは非常に家庭科的でもありますし、重要なんですけれども、案にあるように、中学校段階の布を用いた製作に関してはリメイク必須にはせずに、快適でより豊かに暮らしていくときにどういう製作が必要なのかというところをより考えながら精選していくことで整理してよいのではないかなと、大久保委員と同じ意見を持ちました。なので、ここにあるように、計画的な活用方法の一つとして扱うという形で、製作に関しては必要に応じてという位置づけにすることに賛成です。
 それから、製作関係に関してのコメントも、ここに見直しイメージ(案)をいただいていますけれども、製作に関しては、最終的には生活の中でどういうふうに本当に生かされていくのかというのが必要になってくるかなと。手でものを作ることでつく力というのは非常にあるし、それから衣生活を自分でつくり出すことができるというところにも非常に大きい価値があると思っているんですけれども、実際に基礎的なスキルをしっかり小・中学校で身につけることで、それを子供たちに生活の中で、いろんな場面で繰り返し生かしてもらいたいというふうに思っています。
 なので、小・中でしっかりと非常に基本的なスキル、これも精選が必要かなと思っている面はあるんですけれども、例えばスナップつけとか、そこまで必要かなとか思うところもあるのですが、その辺りを精選しながら、小・中でしっかりと身について、そして生活の中で生かしていくことができるようにしていくといいなと思います。
 それから、家庭総合では、今案にありますように、被服製作という形で、身にまとうというか、服を作るというところはとてもいいなと思っています。これまで衣生活で学んできた知識・技能、それから基礎的なスキルなども、中学校までは布を用いた製作で必ずしも服を作っていないので、衣生活に生かすというところで、家庭総合のところの製作は被服製作という、身にまとうもの、身につけるもの、着るものを作っていくということがとてもいいなと思いました。
 以上になります。ありがとうございます。
【杉山主査】  ありがとうございました。先ほど大久保委員からご指摘いただいた再利用などに関しても御説明いただきました。
 製作ですが、今回内容の精選が求められている中で技能をどこまで求めるのかを明確にする必要があるのかなと感じています。例えば、製作を「しっかりと身につける」と言った場合、何を「しっかり」と呼んでいるのか。例えば、玉結び・玉どめがとにかくきれいにできることが求められ、高校になっても玉結び・玉どめをしなくてはならない生徒がいる。玉結びがきれいにできないとその先に進めないのか。きれいに仕上がるに越したことはないですがみんながそろってきれいにできることを目指すのか、授業後の評価に関わってくることだと思います。何ができていることを評価するのか。調理や製作のような実技では、できない子供たちにとっては負担感を感じるものとなります。実技の評価に関する点は、また御相談させていただければと思っています。
【西𠩤委員】  基礎的な技能に関しては、そんなにいっぱいはないと私は思っているんですね。そこのところで、あまりにも完成度にこだわってしまうと、そこができなくて、とても苦手に思ってしまって、今後やりたくないという子供を生まないようにすることもすごく大事かなと思っているんですけれども、なので、基礎的な機能をある程度選んでいく必要もある。
 それから今はいろんなデジタルツールとかもあるので、手元が見えるツールがあるというのはすごくは教師にとって助けになっているかなと思うんですが、教えるのは個別で横で見せれば一番分かりやすいんですけれども、それを一斉でやるというのは、先生方もとても御苦労があるかと思います。その辺りで、今は手元で見える教材ができてきているのが、かなり細かくゆっくり見ることもできるし、右利き・左利きの方も見やすいものが大分出てきている。ですので、その辺りのことを使いながら、何で玉どめ・玉結びが必要なのかとか、なぜ針目をある程度そろえていくと丈夫なものができるのかとか、その原理というか、なぜこれをやるのか、そしてどうしたら丈夫なものが作れるとか、目的に合ったものが作れるとか、自分たちの衣生活をよくできるのかということとよくよく結びつけながらやっていくと、最初はうまくできなくても、こうやりたいからスキルアップしようかなという思いが出てくると思うんですね。なので、詰め込まないで、基本スキルをしっかり、精選ということになるかと思いますけれども、やりつつ、そういうツールも使いながら効果的に学ぶことができるといいなと思っています。
 すみません、長くなりました。失礼します。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 今はICTが進んでいますので、昔に比べるといろいろなものを参考にしながらやるとか、一回止めるとか、戻すとか、そういうこともできますので、特に技能の部分ではICTを活用して、子供たちが理解しやすい方法を工夫していくことができればよいのではと思っています。基本的には、何回もやれば必ず上達はするはずですが、嫌になってしまうと何回も繰り返したくないので余計上達しないと思います。できるようになるためのサポートの工夫は必要なのかなと思いました。ありがとうございました。
【西𠩤委員】  ありがとうございます。
【杉山主査】  それでは、次は、渡瀬委員、お願いします。
【渡瀬委員】  よろしくお願いします。先ほど、事務局からの資料の18ページのところで、今議論になっております系統性・体系性の整理の判断基準として、右側のほうの空間軸・時間軸を改めてどういうふうにキャラクターづけられているかというような話もあったと思います。
 それが実現されているのが、今お話の出ている22ページ以降のところだと思うんですが、ぱっと見たときに、いわゆる時間軸・空間軸の広がりという部分が十分に表現できているのかなと思いました。それと、新たに学習内容が加わってしまったようなイメージを与えてしまう要素がちょっとあるのかなと思いましたので、資料5ページの家庭総合のグリーンの部分が、そうなっていないかを継続して見直したいと思ったところです。
 それと、家庭総合に加わる部分、新領域Aの家庭総合の「(5)世代を超えて支え合う地域社会」ですとか、あるいは新領域Bの家庭総合の「(4)生活設計演習」が、空間軸・時間軸で見たときに、いわゆる思・判・表の思の部分だけに特化していて、知識及び技能という部分とどうセットになっていくのか。そして、先ほど出てきたF領域ですね。今回F領域が入ってきたときに、むしろF領域的なスタンスがあるのかなと思ったので、その辺りを具体的に考える必要がある、と思ったところです。
 以上です。雑感でした。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 渡瀬委員の御指摘どおりなのですが、今の22ページ以降の表に関しては、中に書いてあるものは現行のものです。ただ、渡瀬委員におっしゃっていただいたように、5ページイメージ図では、緑の部分は家庭総合で増える部分です。例えばAで言うと、(5)の部分です。5ページのイメージ図と21ページ以降の各領域の項目と内容は照らし合わせて整理していく必要があります。Aであれば、(1)から(4)までは、基本的には左と右の家庭基礎と家庭総合は同じ。家庭総合で増える部分が(5)としたときに、時間軸と空間軸の広がりと、(5)という追加される緑色の部分と、その前の学習の黄色の部分がどう実際に行われるかということをよく想像しないといけないのです。22ページ以降の具体的な内容を整理していくと、もう一度5ページのイメージ図をもう一度丁寧に見直す必要が出てくるのではと今日いろいろと御意見をいただいていて思いました。ただ、イメージ図は、あんまり複雑にしてしまうと、分からなくなってしまうので、どこまでやるかということはありますが、渡瀬先生のご指摘はとても大事なことと思いました。それぞれの表を整理しつつ、5ページのイメージ図に立ち返りつつ調整をしていくことができるとよいなと思いました。ありがとうございました。
【渡瀬委員】  ありがとうございました。
【杉山主査】  それでは、田中委員、お願いします。
【田中委員】  27ページ、住生活です。中学校の「家庭内の事故の防ぎ方」については、先ほどもありましたように、幼児や高齢者の特徴を学んだ直後のほうが幼児や高齢者の特徴の内容を繰り返さなくてもよいので、時間的な無駄がないかと思っています。
 「家庭内の事故の防ぎ方」の学習は、まず人の特徴についての知識、それから住空間についての基礎的な知識、それから事故の種類についての知識の3つの知識を活用して事故の対策を考え工夫することが深い学びにつながると考えます。
 さらに、こども家庭庁から出ている「こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック」、これは非常によくできているなと思っておりますけれども、その中に子供の発達と起こりやすい事故についての表があります。その表の3分の2ほどが、1歳までの乳児の事故について書かれています。そのことも考えると、高等学校での学習にすることによって、乳児の家庭内の事故についても扱うことができると考えます。
 あと、中学校の地震災害の備えについてですけれども、高等学校でかなり書かれている内容ですが、これを中学校で集約してもよいのではないかと思っております。地震災害の備えについては、地面が揺れるという物理的な力が加わると住空間はどんな危険に遭遇するのか、その危険を減らして家族の生活を守るための工夫を考えるということですけれども、そのためには住空間の基礎的な知識と危険の種類の知識の2つを活用して、災害の備えについての問題解決、課題解決的な学習を行うことかと思います。
 もう一つは、空間軸の広がりに関連して、地域、つまり住環境についての学習をどうするかですけれども、高校よりも通学圏が狭い中学校において、地域を対象とした災害への備えについて学んで、地域の一員として地域の人と協力・協働しながら学習するということも考えられるかと思っています。
 また、地域の災害対策と住まいの中の災害対策の連続性においてもそのほうがよいのではないかと思います。
また、中学生のときから社会に参画する、そういう意識の向上をちょっとでも図っておくことも重要ではないかと思いますので、地震災害の備えは、中学校で地域まで空間を広げてもよいのかと思っています。
 それから、21ページになります。系統性・体系性の整理イメージです。住生活の(1)が「快適な住まい方」です。中学校は「安全で快適な住まい方」という項目名になっているんですけれども、これは小学校の学習との連続で、学習順序を考えると、「快適で安全な住まい方」になるのではないかなと思います。
というのは、同じ「快適な住まい方」でも、小学校は環境系の内容です。中学校は計画系の内容です。これらは、日常生活における住居の基本学習ですけれども、快適という視点で環境系と計画系を続けたほうが、同じ快適でも異なる視点があることに子供たちは気づくのではないかと考えますので、ここは「快適で安全な住まい方」としていただいきたいと思っております。
 また、現行高等学校の住生活の内容を見ると、全て網羅したような内容になっているんですけれども、発達段階を考えるとどうしてもそうなってしまうんだと思います。けれども、極端な整理の仕方かもしれませんが、今回の使命はスリム化ですから、重複はできるだけ避けることかなと考えています。以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 田中委員に、今住領域に関して整理をしていただきました。そういう整理が全体としてできていくとよいかなと。
 家庭科の中で小・中・高の整理をすることはよいのですが、実はさっき他教科との重なりという話もあったのですが、他教科との重なりは気をつけないと、こっちも減らして向こうも減らしたとなるとなくなってしまいますので、相手方の動向も確認をしないと、大変なことになってしまう場合もあるかと思います。まずは家庭科の中でどういう整理をして精選していくことができるかということを考えていただくことが、今お話ししていただいたようにできればと思っています。ありがとうございました。
 では、次は、吉川委員、お願いします。
【吉川委員】  ありがとうございます。領域によって見えるところというか、課題はそれぞれ違うなと思いながら伺っていました。
 基本的には、21ページのイメージとして、小・中・高の基礎と総合でどういう形で系統性が流れていくかというか、進んでいくかというところを見ながら、特にAのところについては、自分自身の成長軸とともに見ていく空間が広がっていくというところに重きが置かれているように配置の仕方を見ながら思いました。
 ただ、一方で、小と中に関してはすごく明確なんですけど、それが高校になったとき、特に高校の基礎と総合の中の置き方については、例えば乳幼児の話から高齢者の話、それから地域や共生社会、社会の広がりというところに持っていくところにおいては、特に項目の置き方というのはまだもしかしたら工夫できるのかなと思いながら、代案の明確な提示はできないんですけれども、改めて細かいところを考えていきながらもう少し整理もできるのかなと思いながら伺っていました。
 ただ、私自身としては、やはり自分自身も成長していくので、成長していきながら実際の生活課題としてAの課題を考えていくという立てつけにできるようにしていきたいなと思っていることと、それから高齢者が増えていくという、近い将来というか、すぐ来る先の話の中で、高齢者のことにも自分がどんな形で関われるのかなという基本的なところが言えた上で、共生社会ということが設定できればいいなというところを細かく書いていけたらいいなというふうに思いました。
 それから、先ほど住居の中で、乳幼児の発達のことを学んで家庭内の安全ということをセットで説明しやすくなるという考え方は、基本的には私も納得がいくところというか、同じように考えていて、逆に乳幼児の発達の話をするときには、発達するということは危険を伴うということの広がりでもあるので、発達のプロセスを追いながらけがのプロセスも追うという。というようなことも、子供の行動パターンが広がっていくのに合わせて話をするということは、発達の中ではどうしても重ねてやっているところなので、その中で家庭の安全の工夫というのが住居のところでも高校の基礎の中で話がされるというのは、学習の仕方としても効果的かなと思いました。
 今後、より詳細な内容の精選というのがまだまだできるのかなと思って見せていただきました。今日はこんなところでよろしいでしょうか。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 具体的に、Aのところは、とりわけ吉川先生にいろいろと案を最終的にはつくっていただくことになると思いますので、よろしくお願いします。
 先ほど田中委員のところでも、高校になれば乳幼児の特徴ということを扱うわけだから、その上で住居の部分を学ぶということがより分かりやすいということなので、学習の順序としては先にAの乳幼児をやってから住居ということになります。家庭科の場合は、領域間の関連性を意識しながら、授業計画を立てることが重要ですので、そういうことも含めて何らかの形できちっと示す、そうしないと今回学校を超えて内容を動かす意味がなくなってしまうので、気をつける必要があると思いました。ありがとうございました。
 それでは、鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】  ありがとうございます。私は、24ページの見直しイメージの生活設計関係のところで、中学校においては、小学校「家庭生活と仕事」と高等学校の「生涯の生活設計」をつなぐ学習内容を設ける方向で整理したらどうかということと、その下の消費生活・金融経済教育関係でも、社会変動に応じた内容とするための見直しを図る方向で整理してはどうかと書かれていて、この方向で整理していっていただければと思っています。
 というのは、高校生を対象としたアンケート調査で、先ほども申し上げましたけれども、9割以上の高校生が「何をするにもお金が大切」と考えている一方で、実際にはお金の管理を特にしていないという生徒が多いと。特に男子生徒が50%を超えていて、一方で「投資や資産運用でお金を増やしたい」と考える生徒が全体の40%台半ばで、男子では60%弱と女子との差が25ポイント開いている結果があります。
 この結果を見ますと、消費生活相談で男子の相談にお金もうけ系の内容が多いというのも納得できますし、投資と短絡的な投機との違いを理解しないまま、興味だけで楽をしてもうかるといった言葉に踊らされて被害が発生しているように感じています。
 なので、日常的な家計管理の意識を高める必要性や、投資詐欺などの被害に遭わないための注意喚起が重要だと感じてはいるんですけれども、これは高校1、2年生の調査結果ですので、高校に入る前の中学校の段階で生活設計、お金の管理というのはそのごく一部ですが、自分ごととして捉えられるような内容を入れていただければいいと思います。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございました。具体的に中身の整理をしていく中で、今いただいた御意見を参考にしながら進めていければと思います。
 それでは、亀田委員、お願いします。
【亀田委員】  ありがとうございます。また、本日も遅れての参加で申し訳ございません。私のほうからは、資料の19ページの整理の考え方、特に3番の社会変化、この観点から意見を申し上げたいと思います。系統性・体系性のイメージについて、この観点でということです。
 大きく2点ございます。まず、1点目は、デジタル学習基盤特別委員会に所属させていただいている者、そして情報・技術ワーキングに拝命を受けている者としての意見にもなるかと思いますが、まずは自分自身も現場でデジタルを有効活用してきた者として、1つ目、デジタル学習基盤の活用を大前提とした学習内容の見直しを図りたいという点です。個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実を通して、主体的・対話的で深い学びを目指しているわけですが、そんな中で、やはりデジタル学習基盤が大前提であるというふうに思います。
 先ほど、途中から入らせてもらって、西𠩤委員がデジタルでより手元が見られるようになったとか、個別のタイミングでというお話もありました。現場は、GIGAスクールが始まって、令和2年の11月ぐらいから、令和3年ぐらいからそのような現象は起こっておりまして、製作場面においても、製作過程を教師が師範で動画を撮って、それをクラスのクラウド上に置いておくと。そうすると、子供たちは、製作過程で、動画で自分のタイミングで何度も何度も確認をして、それこそ集合でこれまでやっていた手元を見せるところが個別最適なタイミングで見ることができると。そして、スピードも、自分のスピードに合わせて調整できるということで、非常にデジタル製作場面においても有効に働いております。
 そして、例えば食のほうでも、栄養バランスを取るときですが、即座にデータ化されてビジュアル化されると。グラフにも出ますし、レーダーチャートでも面白い色のついたようなものが出ます。
 ですので、この辺り、とってもデジタルが入って効率的になっております。そして、効果的になっております。理解も早いと。そうなると、ここから生まれる時間が余白として現在あるはずだというふうに私は捉えております。これまで教材・教具を作る教員の働き方もそうですし、子供たちが理解を要するときに、先生の説明が、実習場面で手元が見えないとか、そういうところが即座に見られるので、効率化されて時間が生まれています。
 この辺りの教育資源、時間的資源を再分配するということにおいて精選する、今掲げられているスリム化、精選ですね。どうしても社会の変化に対応すべく入れていきたい新たな内容と、そしてこれまでやってきたけれども効率化されているので時間短縮できている、この空いたところにしっかりと入れていきつつも、でも社会の変化とともに現代必要がなくなっているのではないかと思われるものは思い切って削減をしていくということも同時にやる必要があるというふうに考えております。
 ということで、デジタル化で生まれた時間をしっかりと使って必要な内容に充てていくと同時に、精選するということですが、実践的・体験的な学習を重視してきた我々家庭科としましては、社会変化を踏まえてどんな体験や実習を大切にするのかということも精査したいなと思います。
 例えば、すみません、もう意見が出ているのかもしれませんが、幼児とのよりよい関わり方とか触れ合い体験というのは、人口減少社会において幼児と触れ合う体験自体が実生活の中でほとんどないような状態になっている生徒たちですので、この現状を踏まえますと、生徒が将来家庭を担うといいますか、生活を営む上で大切にして残したい学びだというふうに私は個人的に考えております。
 こういうふうに、残したい学び・体験と、これは現代に合わなくなってきたのではないかという見直し、この両面がデジタル学習基盤における授業を構築する中で必要だということを考えております。
 大きく2点目です。今度は、デジタル社会です。デジタル社会における生活の変化そのものを踏まえた学習内容の見直しも必要だと思っております。
 例えば、技術革新が生活の定義そのものを変えているなというふうにつくづく感じています。生活DXといいますが、スマートホームとかAIエージェント、生活の中にもエージェント、企業だけではなく生活の中にも入ってくると思っておりまして、定型的な家事がAIとロボットによって自動化されるだけではなくて、これまで商品を選ぶ際にも、自分で選んでいるつもりが、いろいろ検索する中でリコメンドされてお勧めが来ると。主体的に選んでいるつもりでも、裏で動いているアルゴリズムによって自動的に選んでいる可能性もあるような消費生活の中で、さらに進化しまして、商品を選ぶ際にも自分のエージェントが自動的に選んでくれると、そして商品が届いてしまう、こういうようなことがもう起こっています。どんどんそれに拍車がかかるというふうに見通しが持てそうです。そうすると、生活を営む主体性とはどうなるのであろうか、この辺りからも家庭科教育の意義を見直していきたいなというふうに思います。
 そこで、AIとかそういうものを、ばらばらの道具としてではなくて一つの生活のシステムとして考える中で生活を営んでいく力を見直す必要があるのかなと。特に高等学校の中では、生活経営という名前で充実が図られていくと思いますので、この辺りが注目されるのではないかと思っております。私たちも注視していかないといけないかなと。
 そして、そこにつながる小・中はどうしたらいいのか。私、何度も生活経営という言葉で、すみません、いろいろ申し上げましたが、高校に接続していくためにどのような内容をやっていくといいのかということで、時代の変化とともに、精選とともにしっかりとした新しいものも入れていく、こういうことを考えていきたいなと思った次第です。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございます。
 デジタルに関しましては、どういう使い方ができるのかという事例をいろいろと見える形にしていくことが重要だと考えます。もう既にいろいろなものがあるのですが、それに気づいていない人たちもいますので。1人1台端末という環境が整っているわけですから、情報を知っていればもっと使えるはずなので、家庭科で使えるコンテンツをどこかで整理していくことで活用していくことができるのかなと思っています。
  今いただいた御意見は、社会がいろいろ変わっていく中でとても大事な部分だと思いますので、具体的な中身のところでどういう入れ込みができるのかとか、現実的に動かしていくための工夫みたいなところで考えさせていただくことができればと思います。ありがとうございました。
 では、村上委員お願いします。
【村上委員】  よろしくお願いします。私からは、まず21ページの補足イメージですが、先ほど5ページの図が非常に高校のイメージを持ちやすいというお話をさせていただきましたが、それと併せて21ページの補足イメージを見させていただくと、発達段階に合わせてより高度になっていくということが小学生の立場からしても分かりやすいと感じています。ただ、内容についてはまだいろいろ精選が必要なのかなと思います。
 そして、19ページについてです。3の(1)のすぐ下の黒ポチのところですが、「学習内容を増加させず、一定の精選を図る観点から」ということで、その下の整理の考え方1、ここで私が心配に思っているのは3行目ですかね。矢印のところです。「調整授業時数制度により標準を下回って柔軟に時数設定される場合も考慮する必要」というところで、もし授業時数が減った中でやっていかなくてはいけないのであれば、何を重視していくのかというところが非常に重要になると思います。
 そして、今亀田委員からもありましたように、デジタル学習基盤というのを大いに活用しながら、基礎・基本の最低限これは必要というところを小学校ではしっかり押さえていかなくてはいけないなと改めて考えたところでした。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございました。調整授業時数の話は、高見さんの方からご説明ください。
【髙見主任教育企画調整官】  先ほど調整授業時数の話が出ましたけれども、これについてはまた全体の会の中でも議論されているところでございますが、特に義務教育段階において、各学校の主体的な取組あるいは独創的な取組を行っていくということでそれぞれの教科間の時数を自由に組み替えることができるという仕組みを、一定の要件の下でということで今議論されているところでございます。
 そういった中で、一定程度標準を上回るあるいは標準を下回る場合も出てくるということで、それらのベースとなる、下回る場合の授業時数の設定の在り方というのを考えていかなきゃいけないということでこのような記載しているところでございます。
 ただ、先ほど亀田委員にもおっしゃっていただいたように、ICTが出てきたことによって、いろいろ授業の中で余白が出てきているという実態もございます。また、ここに書いてあるとおり高次の資質・能力というのが今回の改訂の大きな方向性として出ているところでございますけれども、そういった中でこれまでの個別の内容でなく概念的な理解ということをしっかりしていく中で、全体の精査、精選ということも並行して図っていく必要があるということでこういった記載しているといったところでございます。
 いずれにしても、この点についてはまた引き続き御議論いただく点かと思っております。ありがとうございます。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 それでは、時間に限りがありますので、今挙手をいただいている都甲委員までとさせていただきたいと思います。
 都甲委員、どうぞ。
【都甲委員】  ありがとうございます。26ページの下の緑色の部分のお話なんですけれども、そこに限らないお話ですが、「実践的・体験的な活動である被服製作を通して、『ライフステージに応じた衣生活』をより質が高い学びへと繋げていく方向で学習する」という文章があります。AからFの領域の内容の中には、「実践的・体験的な活動」というフレーズが出てくるのがここだけになっているんですけれども、もちろんD領域に限らず全ての内容において実践的・体験的な活動が内容に入ってくることになるんだろうと思います。
 家庭科に限らず、教育全体で体験活動の機会を創出することを重要視する方向になっていますけれども、何でも体験させればよいということではないはずです。亀田委員がおっしゃっていたとおり、家庭科独自の実践的・体験的な活動というのがどんな種類のものかというのをしっかり検討した上で、内容とかその割合を考えていく必要があると思います。
 高校の家庭科教員と話して出てきたことをお伝えすると、家庭基礎では製作の項目がないけれども、子供のおもちゃや衣服の手入れ・補修とかを絡めたりしながら製作の授業をしてしまっているのですが、やってはいけないのかなと感じることがあったというふうに言われたりもしました。布を用いた製作は手段で、衣生活の中だけで完結するものではないので、家庭基礎でもほかの領域と絡めながら実施することを否定するものではないということにしていただきたいなと思います。
 子供やお年寄りとの交流も、ただ触れ合えばよいということではないはずで、調理や製作を一緒にするなどの家庭科独自の方法論を生かした形で実践していってほしいところです。
 一方で、家庭科で体験することは具体的に何かと問われたら、普通の人は調理と製作を思い浮かべるはずで、それがアイデンティティでもあるはずです。女子のみの家庭科の時代は、体験ではなくスキルを身につけることが目的だったと思います。先ほど西𠩤委員と杉山委員のやり取りを聞いていてもそうなんですけれども、男女共修以降になって、付加価値をつくり出す体験、それから生産体験として意味を持つものになっているはずですが、分量や時間が激減してきた印象を持っています。結局、男子に裁縫なんてというジェンダーバイアスもちょっと働いていたのではないかというふうに思うところもあります。
 鈴木委員から、高校生がお金について不安を持っていて、特に男子が資産形成に関心が高いというお話もありました。これから家庭科に投資シミュレーション体験というようなものを入れましょうというような話もある可能性があると思いますし、高校生にお金のことをしっかり学ばせるということは重要だと思いますけれども、生産の体験とは性質の違う体験になってくると思っています。
 特に、高校の教科書を見ていると、調理・製作の時間を減らして、代わりに入ったいろんな体験があると思うんですが、家庭科として必要な体験はどのようなものかというのを精選する必要があるのではないかと思います。
 昨年に公開されたヘルシンキ大学の調査で、手芸のような生産的な趣味を持つ人は元気で長生きするという調査結果を目にしました。そのような活動の基礎を培う意味でも、生産的な体験を課題解決に結びつけるということを充実させた内容にしていっていただきたいと思います。
 以上です。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 基本的には、家庭科の時間数の中で最低限押さえるべきことが押さえられていて、少し余白があるのであれば追加で行うことは問題ないですが、そこをはっきりさせておかないと、本来すべきことをせずに、ほかのことをされるのは、それは子供たちにとって不幸になってしまうので、最低限保障すべきところはどこかを明確に示すという学習指導要領の大事な部分なのかなと理解しています。
 そういう意味で、精選をしていただいて、本当に必要なものは何なのかということで、今回大幅に家庭基礎と家庭総合は整理し直そうとしていますので、もう一度新たな目で見ていただき、議論をすることができたらよいと思っています。ありがとうございました。
 それでは、先ほども申し上げましたが、時間の制約上、御発言できなかったとおっしゃる場合には、会議後発言内容を事務局までメールにてお送りいただければ議事録掲載する取扱いとさせていただきます。内容については確認をさせていただくことになりますが。
 それでは、時間も少し過ぎておりますので、本日の議事は以上とさせていただきます。
 最後に、次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いします。
【嶋田学校教育官 】  それでは、事務局より御連絡させていただきます。
 次回の日程につきましては、後日事務局より改めて御連絡させていただきます。
【杉山主査】  ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして閉会といたします。ありがとうございました。


―― 了 ――

大友委員提出意見(PDF:137KB)PDF

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