教育課程部会 家庭ワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時

令和8年1月28日(水曜日)9時30分~12時00分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 家庭科等の資質・能力の育成について
  2. 高校の科目構成の在り方について
  3. 高次の資質・能力の在り方について
  4. その他

4.議事録

【杉山主査】  定刻となりましたので、ただいまから第4回家庭ワーキンググループを開催いたします。お忙しい中、ご参加いただきありがとうございます。本日は家庭科の資質・能力の育成などについて、事務局より議題ごとにご説明いただいたあと、意見交換を行います。
 それでは、議題1につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。
 【高見主任教育企画調整官】  おはようございます。主任教育企画調整官の高見です。まず本日は議題の1として、家庭科の資質・能力の育成について、議題の2として高校の科目構成の在り方について、議題3として高次の資質・能力の在り方について、ご審議いただければと存じます。
 まず議題の1、家庭科の資質・能力の育成について説明いたします。3ページをご覧ください。
 本日お示ししている資料ですが、薄い赤の網掛け部分、背景のところにつきましては前回の資料と基本的には同じ内容で、前回からの修正点を黄色マーカーで示しております。
 まず1の「家庭科の領域に関する整理」の(1)の米印の中でございますけれども、領域名として「環境」を用いないこととした理由を明確化するとともに、新領域「生活経営・消費生活(仮称)」の「生活経営」の名称が、日本家庭科教育学会や日本家政学会において、家庭経営や生活マネジメントを示すものとして広く使用されていることを明示しました。また、丸1、丸2のタイトルの表現の修正も行っております。
 さらに右側の2の「目標の整理」におきまして、参考として、空間軸、時間軸の視点を学校種ごとに記載しておりましたが、それぞれの視点の学習対象は、当該学校種の主たるものを明記したものであり、必ずしもここに記載されているものに限っているわけではない点を明確化しております。
 続きまして4ページをご覧ください。新しい「見方・考え方」について、右側のイメージをご覧いただければと存じますが、上段に前回会議で示した案、中段部分に前回のご指摘を踏まえて修正した案を、赤字を修正箇所として示しております。左側のポツの3つ目に考え方も示しておりますので、あわせてご確認いただければと存じますが、家庭科において生活をどのように営んでいくのか、という点を明確化する観点から「自分や家族の生活の営み」とするとともに、家庭生活が地域や社会とも関わり、関連で成り立っていることを明確にする観点から「地域や社会との関わり」を明記しております。また、多角的な視点だけでなく、総合して捉えることが家庭科固有の視点として重要であるということを踏まえ、「多角的・総合的に捉え」と記載を追加しております。さらに家庭科における考え方として主体性を重視する観点から、「主体的により良い生活を創り出すこと」を追記しております。
 続きまして6ページをご覧ください。こちらは小中高等学校の目標についてです。前回からの修正点としては、高校の思考力、判断力、表現力等の欄の部分でございますが、「実践を多角的・総合的に評価・改善すること」、また「科学的な根拠に基づいて論理的に表現すること」として、「総合的」「科学的」という記載を追記しております。7ページには現行の学習指導要領の目標を記載しておりますので、あわせてご参照いただければと存じます。
 改めて4ページに戻りたいと存じますが、こちらの一番下に記載のとおり、本日の議題1として、領域の整理、目標の在り方、見方・考え方について、前回ワーキングでの議論を踏まえた修正案について、改めてご意見をいただければと存じます。議題1の説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
 【杉山主査】  それでは議題1になります。今ご説明がありましたが、前回ワーキングから変更となった点について説明いただいておりますので、改めて確認したい点などがございましたら、ご意見、ご質問をお願いいたします。ご意見やご質問のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名をさせていただきます。ご発言の際は、資料のどのページに関するご意見、ご質問であるかを明言いただけますと幸いです。
 それでは議題1についてよろしくお願いします。では、大友委員お願いできますか。
 【大友委員】  おはようございます。よろしくお願いいたします。資料はスライド3の右の下の段の黄色い色をつけていただいたところを指しています。空間軸の広がりの中期として、「各視点の学習対象は当該学校種の主たるものを明記しており、必ずしも上記に記載しているものに限っているわけではないことに留意」と加筆をいただきましてありがとうございました。
 質問なんですが、ここでは必要に応じてになりますが、インターネットを通じて瞬時に社会とつながっている状況を踏まえた学習を排除するものではないということでよろしいでしょうか。
 【杉山主査】  大友委員ありがとうございます。インターネットを通じてというのは。
 【大友委員】  前回少しお話しさせていただきましたが、今は社会全体が瞬時に社会とつながっている状況になっていると思っています。前回他の委員からご発言がありましたけれども、すでに小学校でもオンラインゲームでの多額の課金ですとか、中高生のネット通販でのトラブルなどが生じていると思います。今後ますます子供たちがデジタル的な空間と関わることは増えていくことになると思いますし、低年齢化も進むと考えられます。もちろん主に情報の領域でこれらが取り扱われることになるとは思うのですが、家庭科の領域においても、こういったデジタルな空間との関わりを示すことを排除するものではないという考えでよろしいでしょうか。
 【杉山主査】  分かりました。この件についてはほかの委員の方からもご意見があればと思いますが、私の考えとしましては、基本的に学習指導要領には最低限押さえるべきことを示していくことになり、そこから広がっていくこと自体は押さえ込んでいるわけではありません。特にインターネット、情報機器を使った学習はどこの領域でも求められていることですし、インターネットを使っていろいろな調べ学習などを、GIGAスクール構想になってからどこの学校種もやっているかと思います。
 そこの広がりを家庭科の学習内容の中にどこまで書くかということは、今日の高次の資質・能力のあと、学習内容について今後具体的な検討をしていきますので、そこではここに書かれているように「必ずしも上記に記載されているものに限っているわけではない」ということを確認させていただいた上で、ご意見をいただきながら整理をしていきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
 それでは次、田中委員お願いします。
 【田中委員】  5ページです。右下の「上記の図は、イメージであり各領域の分量・時数を示すものではない」ですけれども、この図からは分量・時数は読み取ることができない図になっていますので、ここは「上記の図は、イメージであり各領域の学習順序を示すものではない」となるのではないかなと思いました。
 また、5ページの上の囲みの中の丸3に「順序」とか「重要性」ということが書かれているのでこの3領域には順序や内容の軽重があるのかなと思う方も出てくるのではないかと危惧します。なるべく端的に、丸3「衣食住に関する指導領域」は、「食生活(仮称)」「衣生活(仮称)」「住生活(仮称)」の3領域」と書くだけで良いのではないかと思いました。
 【杉山主査】  田中委員ありがとうございます。こうなっているいきさつは、過去の会議の中で「衣食住となっているので衣食住の順番にしたらよいのではないか」とか、「今まではC、D、Eが一つのくくりだったのが別々に立つことで・・・」といったご意見があったため、それを踏まえる形で今こういう表現にしています。最終的な考え方としては、いろんな考え方があると思います。
 ただ、田中先生のおっしゃった学習の順序というのは、学習指導要領の項目順に授業をするわけではないので、そこも踏まえつつ、最終的にどう表現するかはもう一度精査する必要があると思います。事務局から補足をお願いします。
 【高見主任教育企画調整官】  若干補足になります。先ほど主査も話したとおりでございますけれども、最終的に告示にしていくことを考えたときに、どうしても一定の並びは考えなければいけないということで、そのときの順序性としてここに書いております。ただ、実際に学習するときの順序というのはまた別の話になってきますので、それはまた追って整理をしていくことになると思います。
 それから右下に分量の話を書いておりますが、これを書いておかないと、面積自体が時数に見えるんじゃないかというご指摘を別途いただくところでございまして、先生からいただいたご指摘等々も踏まえながら、このあたりの表現ぶりは全体的に見直したいと考えております。
 【杉山主査】  田中委員よろしいでしょうか。それでは村上委員お願いします。
 【村上委員】  よろしくお願いいたします。3ページの左側のところですが、危惧していることをお伝えさせていただきます。米印の今回黄色の網掛けになっているところです。最後のところで「また名称の「生活経営」については日本家庭科教育学会および日本家政学会において、「家庭経営」や「生活マネジメント」を示すものとして広く使用されている」というふうに加えられました。まだ仮称ということではありますが、この生活経営ということが、これを書いたことによって一般的に広く使用されている言葉ですよということで、「生活経営・消費生活」という領域になるとするならば、小学校の立場からしますと非常に言葉が難しいなと思っています。
 生活経営という言葉には非常になじみがなく、家庭科を専門に勉強していない先生たちが家庭科を教えるときに、一体なんだろうというクエスチョンマークがつくと思われます。今まで小学校は「消費生活・環境」という言葉がだいぶ浸透して先生たちも使ってきているところですので、それが「生活経営・消費生活」となったときに、一体何を教えるんだろう、教えることがすごく増えるのかなというようなことを先生たちは思われるのではないかなと思います。
 生活経営の文言について調べてみると「生活資源の経営管理」とありますが、やはり小学生はまだまだ家族の一員としてより良い家庭生活をどう考えていくかという視点なので、自分で家庭を経営するとか管理するというところにはまだ及びませんので、この同じ領域のタイトルで小学校も一緒にやっていこうというのがなかなか厳しいなと感じております。
 【杉山主査】  あくまで今仮称となっています。生活経営という、今までなかった言葉を使っていますので、この言葉は何に基づいているのかという説明が必要ですので、「また」以降の文章を付けさせていただいています。今回領域を整理して一般の人に分かりやすく示すということが求められていますので、小・中・高を同じ領域で整理をしています。最終的に学習指導要領においてそれぞれの領域の名称を本当に全部同じにするのか、ベースは同じであるが各学校種に合わせた表現にするのかということは、別途考える必要があると思います。
 ワーキングの先生方には、生活経営という言葉に対して、もっと違う表現が適切だと思われる場合には、ご提案いただければと思います。なお、小・中・高の系統性を考えていますので、小学校で実際にマネジメントをするということではなく、そこにつながること、例えば小学校であれば生活時間の管理とか、中学校では自立につながる内容を考えています。特に生活経営に関しては小・中でたくさんの内容があるということは想定していませんが、最終的にはそこにつながるものはあるという考え方の中で整理しています。具体的にはどんな内容を小学校、中学校で扱うのか、それとも小学校では扱わないとするのかは、これから先の学習内容の検討のところでぜひ先生方からご意見をいただければよいのかなと思っています。
 それでは鈴木委員お願いします。
 【鈴木委員】  4ページの今回の新しい見方・考え方のところですが、先日改めて消費者教育推進法を読んでみまして、この新しい見方・考え方がまさしくこの消費者教育に通じるものであるなと感じました。特に定義とか基本理念がリンクしておりまして、基本理念には7項目あるのですが「消費者の自立を支援するため、消費者が、生活に関する知識を習得し、これを適切な行動に結び付けることができる実践的な能力を育成する」ですとか、「社会の形成に主体的に参画し、その発展に寄与できる消費者市民の育成」などと並べられています。ここに掲げられている「自分や家族の生活の営みを地域や社会との関わりの中で多角的・総合的に捉え、主体的によりよい生活を創り出す」という方向と、この推進法がマッチしていると思いますので、この方向で進めていっていただければ、と改めて強く思いました。以上です。
 【杉山主査】  ありがとうございました。ほかにご意見のある方いらっしゃいますか。今回議題1に上がっているものに関しましては、来週上部の会議にすべての教科から提出され、検討された後に意見が戻ってくるというものです。明日の午前中までが修正の期限だと聞いています。もし今の時点でお気づきになることがありましたら、検討し、修正をかけて提出することができますので、お願いいたします。
 前回のご意見は反映させていただいていますが、不十分な部分などありましたらそれでも結構です。よろしいでしょうか。それでは、今日は議題の2も3もございますので、次に進めさせていただいて、また何かあとでお気づきになることがありましたらご意見いただければと思います。
 それでは議題2につきまして事務局より説明をお願いします。
 【高見主任教育企画調整官】  議題2は、高校の科目構成の在り方についてです。9ページをご覧ください。こちらも前回のワーキングから変更した箇所のみをハイライトしております。
 まず1の「家庭基礎、家庭総合の科目の在り方」ですが、前回会議で社会参画の視点を入れるべきではないかというご指摘があったことを踏まえ、(1)の家庭基礎、家庭総合の趣旨・在り方についての中で、「主体的に社会に参画する意識の向上」という記載を設けるとともに、右側にあるとおり、家庭基礎と家庭総合の基本的な方向性を大きく整理し直しております。
 具体的には、家庭基礎については、「自立した生活を営む主体として社会に参画し、他者と協働しながら、よりよい生活を創り出すために必要な力の育成」を重視すること。家庭総合については、「自立した生活を営む主体として必要な力に加え、率先して家庭や地域の生活を支え、向上させる主体として、社会に参画し、多様な他者と協働しながらよりよい生活を探究的に作り出すために必要な力の育成」を重視することとしております。
 その際、家庭総合にある「率先して家庭や地域の生活を支え、向上させる主体」については、より広い視野を持ち、地域の当事者と交わりながら、自らの実践に基づいて家族以外の他者、第三者のよりよい生活を創り出すために適切なサポートやアドバイスなどを行うことができるものをイメージしたものとして位置付けてはどうかと考えております。補足になりますが、ここでイメージしているのは、例えば、お祭りなどで地域の方々が集まった際に、生活の知恵や経験を伝える方々が従前は広く地域社会にいらっしゃいましたけれども、このような地域の支えとなるような人が減少していく中で、そのような知見を持ちながら実践していく力を、家庭総合の総合的な学びの中でしっかり身につけていくといったことも一例のイメージとして挙げられるんじゃないかと考えております。
 続いて12ページをご覧ください。先ほど申し上げた家庭基礎と家庭総合について、現行と改善案を左右に示しております。前回ワーキングからの修正箇所を黄色マーカーで示しておりますので、補足イメージとしてご参照ください。
 10ページをご覧ください。ここからは基本的に今回新たに書き下ろした内容となります。まず2の「科目目標の在り方」として、先ほど説明した基本的な方向性を踏まえつつ、小中高等学校の系統性の明確化を図るという方向性を引き継ぐこと。空間軸、時間軸の視点から学習対象の広がりを明示することとしつつ、家庭総合については、自分の生涯や身の回りの地域にとどまらず、その先の世代の生活や環境まで視野を広げること。社会が複雑化・多様化する中で適切な判断を通じて社会・生活をよりよくすることができるようにするため、実践を「多角的・総合的」に評価・改善する観点を追記することとしてはどうかと考えております。
 具体的な案としては13ページの補足イメージ4をご覧ください。家庭基礎と家庭総合のそれぞれの目標の柱書きと、知識及び技能、思考力、判断力、表現力等、学びに向かう力、人間性等について案を記載しております。青字の部分が科目間の相違点となっております。
 10ページにお戻りください。右側の3の「生活の課題と実践(仮称)」、現行のホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動についてでございますが、(2)に記載のとおり、前回ワーキンググループにおいて、小中学校との系統性のつながりが図られるよう、高等学校においても各領域に位置付けること、内容の趣旨がより明確となるよう名称を見直すこと、学校現場における指導上の負担も考慮し、授業の構想に資する優れた指導事例の周知等を国が主体で行うこと等について、案を提示しご議論いただいたところでございます。
 11ページをご覧ください。(3)整理の方向性として、前回ワーキングのご意見等も踏まえながら、ここに掲げる整理としてはどうかと考えております。まず丸1にあるとおり、家庭基礎、家庭総合のいずれにおいても、「個人探究(ホームプロジェクト)(仮称)」と「協働探究(学校家庭クラブ活動)(仮称)」を実施すること。また、丸2にあるとおり、実施する領域については、実践の対象となる主題を焦点化することで生徒相互の学びが深まるよう、5つの主たる領域を選択しながら取り組むこととしてはどうかと考えております。
 その際の留意点として、米印で5点ほど掲げております。第1に、小中学校と同様に、高等学校における学習の見通しを持てるようにするため、Aの「家族・家庭生活(仮称)」において導入としての指導項目を新たに設け、その中で「生活の課題と実践(仮称)」に取り組む際の考え方を示すこと。第2に、実社会につなげた実践とするため、主たる領域以外のほかの領域の内容と適切に関連を図り実施すること。これは右の例の1にあるとおり、例えば主たる領域をAとして設定したときに、関連領域としてDを設定することなどのイメージを持っていただければと存じます。第3に、個人探究と協働探究において、同じ領域を選択してさらに深い実践を行ったり、異なる領域を選択して、実践の幅を広げながら実施することなどが考えられ、右のイメージ図で言えば、前者が例の1、後者が例の2のようなイメージになるものと捉えております。第4に、家庭基礎については、限られた時間の中で、個人探究で実践した領域の課題を、協働探究に発展させ、実践につなげることで、両方の実践を行いやすくするなど、円滑に実施するための様々な工夫が必要であると考えております。第5に、家庭総合については、4単位であることを踏まえ、より充実した取り組みとして、例えば年間指導計画の中に定期的な中間報告会を位置づけ、内容にブラッシュアップを図ったり工夫などを行ってはどうかと考えております。
 16ページには、「生活の課題と実践(仮称)」のイメージを補足イメージとして示しております。
11ページにお戻りください。一番下に記載しておりますが、本日の議題(2)として、論点1、家庭基礎、家庭総合の科目の在り方として、前回ワーキングでの議論を踏まえた修正案について、どのように考えるか。論点の2、科目目標の在り方として、論点1の方向性を踏まえつつ、科目目標の在り方について、どのように考えるのか。論点3、生活の課題と実践(仮称)でございますが、この在り方として、個人探究(ホームプロジェクト)と協働探究(学校家庭クラブ活動)の具体的な在り方について、どのように考えるかについて、ご意見をいただければと存じます。議題2の説明は以上です。よろしくお願いします。
 【杉山主査】  それでは議題2につきまして意見交換に移りたいと思います。全員にご発言の機会があるよう、1回のご発言は長くとも2分以内におまとめください。時間が足りなくなってしまった場合につきましては、会議後、発言いただく予定であった内容を事務局までメールでお送りいただいた上で後日議事録掲載する取り扱いとさせていただきます。ご発言の際は資料のどのページに関するご意見かを明言いただけますと幸いです。
 それでは、渡瀬委員お願いします。
 【渡瀬委員】  よろしくお願いします。資料12ページの家庭基礎の右側の改善案のところです。家庭基礎のほうで「自立した生活を営む主体として社会に参画し」とありますが、いきなりここで「社会に参画し」となっていて、家庭、地域などの身近なところの表現が飛んでしまっているので、ワンクッション、家庭や地域等のニュアンスをもつ言葉が入るといいのかなと思いました。
 2点目は16ページのところです。今回、(現行の)内容Dとされていたところが、それぞれのABCDにかかるような形に個人探究、協働探究という形で入っていくと思います。今、産業教育ワーキングのほうでも審議が進んでるところだと思うんですが、専門教科家庭のほうでもホームプロジェクトが入ってくると思われますが、そこでの表現の統一が必要になるかなと思いました。今「仮称」ということですので、今後全体で調整することになると思うんですが、専門教科側は「ホームプロジェクト」「学校家庭クラブ活動」というような名前を使ってくると思います。ですので、今後の調整で「ホームプロジェクト(個人探究)」という表現もあり得るのかなと思っておりました。以上2点です。
 【杉山主査】  渡瀬委員ありがとうございました。専門学科の話ですかね。田邉先生、お願いします。
 【田邊調査官】  お世話になります。専門学科を担当しております田邉と申します。専門学科のほうについても今後検討していく内容となっておりますので、そちらのバランス等も踏まえながら今後検討していきたいと思っております。またご意見いただけたらありがたいと思います。
 【杉山主査】  あと、家庭基礎の「社会に参画し」についてですが、確かに突然出ていますね。先生のご指摘はごもっともだと思います。基本的には、学習したことを生かして社会でも活躍できる人というのは家庭総合に求めていて、家庭基礎はまず自分の生活を中心にして、ただし周りを一切鑑みないということではなく、生活は地域や社会や環境とのつながりの中にあるということは大前提ですので、その関係を意識しながら自分の生活を営むことができる力ということを基本としています。そこからもう少し地域社会で活躍できるような人というのが家庭総合という理解の中でまとめていただいているのですが、確かに家庭基礎のこの表現は問題がありますので、渡瀬委員にいただいたご意見を加味して少し修正をさせていただければと思っています。
 それでは西𠩤委員お願いします。
 【西𠩤委員】  スライドの9ページをお願いいたします。こちらの家庭総合のところで、前回のワーキングの議論を踏まえて「率先して」という言葉が入ったかと思います。新たにイメージも米印で加えていただいたところかと思うんですけれども、この「率先して」という言葉がちょっと引っかかってしまって、場合によってはなくてもいいのかなと思いました。「家庭や地域の生活をとして支え、向上させる主体として」と書いてありますので。
この「率先して」というところが、今イメージで書かれていることにもつながっているんですけれども、家族以外の第三者のよりよい生活を創り出すために、なんかちょっと上からリードしていくようなイメージで書かれているかなと。リーダーシップの中でも特に上に立って引っ張っていくというイメージをすごくお持ちなのかなと思うんですけれども、リーダーシップにもいろんな形があるかと思います。自分の得意なものを生かしながら協働していく形で支え合っていくようなリーダーシップもあると思いますし、様々な形のリーダーシップがある中で、その中でも特に主導して引っ張っていく人を育てているというメッセージがすごく強いのかなと初め読んだときに思いました。
 なので、「率先して」というよりは、もっと主体的に関わっていくっていうことを、もしくは様々な形のリーダーシップをイメージできるような言葉にしたほうがいいのかなと感じたところです。家庭科に関しては、一人一人の生活が非常に多様で、それぞれが主体的に関わることで社会全体がいろんな価値観や柔軟性を持っていくことにつながると思っているので、それぞれの生活を起点にして様々なリーダーシップの形もあるということを少しイメージできるようにしたいなと思いました。
 もう1点、11ページのところになります。個人探究、協働探究という言葉が入ることで非常に位置づけがはっきりしたと個人的には感じましたので、分かりやすいなと思いました。細かいところでは右側の図なんですけれども、主たる領域、関連領域のところで鍵括弧で括っているものが、ぱっと見たときにその範囲を示してるようにも見えてしまうので、場合によっては鍵括弧がないほうが分かるのかなと思ったりいたしました。AとDということなのに、A、B、C、Dを範囲として見えるという、ちょっと見た目の問題なんですけれども、そこが気になりました。
 【杉山主査】  西𠩤委員ありがとうございました。鍵括弧というのは、AとDを結ぶその線のことですね。AとBを結ぶ線は問題ないが、AからDを結ぶ線は間にあるBもCも含んでいるようにも見えるということですね。図だけ見る人もいますので、誤解を生まない形で表現を今後検討していきたいと思います。ここは、AとDを関連付けてという意味で、間のB、Cは入っておりませんので。
 それと、9ページの「率先して」に関しては、前回のワーキングの資料で「生活向上を先導する力」というより強い表現になっていた部分を再検討し「率先して」という表現になっています。そこを省いてもよいのですが、13ページの目標の下の知識及び技能のところをご覧いただくと、限られた文言の中で家庭基礎と家庭総合の違いを出す必要があり、ここで「率先して」を使っています。9ページは方向性なので、「率先して」がなくても理解できるのですが、目標に直結する箇所は表組・枠の制約があるため、限られた文言で家庭基礎と家庭総合の違いを表す必要があり、その中で「率先して」という表現を用いています。ここを「率先して」という形で本当に分かるのかというご意見もよく分かりますので、違いを示す表現のアイデアをいただけると非常にありがたいと思っています。ここは非常に難しくて、事務方もこれまで検討してきた結果ですので、お知恵を拝借できればと思っています。
 それでは議題2と議題3につきましては、全員の先生方からご意見をお伺いしたいと思っております。田中委員よろしくお願いいたします。
 【田中委員】  11ページ、生活の課題と実践の在り方についてです。個人探究も協働探究も、「家庭科の学習過程」として、まずは生活の課題発見、そして解決方法の検討と計画、さらに課題解決に向けた実践活動、そして実践活動の評価・改善といった一連の学習活動を行うということでよろしいのでしょうかということをまず確認させていただきたいです。
 将来、生活課題に直面したときに、どう解決に向き合うか、そのとき知識よりも家庭科の一連の学習過程を思い出せるかが大切です。つまり、この探究の型をきちんと身につけさせることが重要と考えています。なので、個人探究と協働探究の組み合わせはとても良いと思っています。
 また、探究活動の質を上げるには交流活動が大事だと思います。1つのアイデアですけれども、この探究活動をジグソー法的な構造にしてはどうかと思いました。まず生徒はAからEの内容のどれかを探究する。次に交流の場で専門家として説明をする。そうすると他者の専門性を学ぶことになる。そのあとの学習では互いに教え合う。そうするとAからEが混じって多様な生活課題があることに気づくと思いますし、よりよい生活を創り出すための多様なアプローチを理解することにつながると思います。そして生活は多領域、多くの内容がつながっている、生活は総合的であることへの気づきも得られるかもしれません。
 実践をするとなると、夏休みを活用することになるのかなと思います。そうすると、まだ学習していない領域の内容を探究する生徒も出てきますが、先取りして知ることで、あとの授業が自分ごと化され、より積極的に参加するようなことも期待されるのかなと思います。1つのアイデアですけれども述べさせていただきました。
 【杉山主査】  探究活動のジグソー法的学習に関しては、ちょっと私が田中委員に説明いただいただけでは、完全に理解ができていなくて、すみません。具体的な進め方等については、特に家庭基礎の2単位の中で個人探究と協働探究を両方行うことを考えておりますので、そのためにはやり方をかなり工夫する必要がある。その中で田中委員ご提案のようなやり方が1つ考えられるのだと思います。
 それぞれが考えたことを意見交換することで違う視点を見つけたり、全部終わったあとに発表会をすることで新たな改善の仕方に気づいたりすることが大事です。個人が探究することも大事ですが、その過程における意見交換は非常に大事だと思います。
 それともう1つ、学習していない領域の扱いですが、小中の生活の課題と実践に関してはすでに学習が終わっているものとの関係性の中で実施することとしています。小中の場合には1学年で学習が終わるわけではないのですが、高校の家庭基礎の場合にどうするのかと。高校で学習していなくても、小中で学んだことを生かして行えばよいとすると、中学と高校の生活の課題と実践の違いをどう考えるのかという問題も出てきます。限られた時間の中でどのように実施するのかということを少し具体的に考えつつ、最終的には例示する必要があると思いますので、ご提案いただいたジグソー法的学習に関してもまた別途教えていただけるとありがたいです。
 それでは都甲委員お願いします。
 【都甲委員】  12ページをお願いします。現行の学習指導要領で、家庭基礎の目標には「科学」という文言が見当たらずに、2単位の短い時間で現実的には網羅的な情報を学習するにとどまっている様子が見られていて、家庭総合では「科学」という言葉が多用されつつ、調理や衣服製作の実習が充実してできるという印象でした。それをどのように変えるかという課題があって、基礎でも「科学」を入れて問題解決を充実させることにしたところで、ここの内容の違いが、文言は違うんだけどあまり見えないというのが私の印象です。
 家庭基礎は時間が半分なんですけれども、それならどうすればという問いの決定的な答えを私もまだ持ち合わせてはいません。田中委員の生徒の探究を共有できる場を作るということには賛成です。
 10ページをお願いできますでしょうか。左の真ん中あたりに「家庭総合については、時間軸と空間軸を広げて、自分の生涯や身の周りの地域にとどまらず、その先の世代の生活や環境まで視野を広げることとしてはどうか」というふうに書かれています。未来に広げるというご提案なんですけれども、原始的な生活にこそ基礎科学が分かりやすく反映されていますので、時間軸を過去にも遡って探究をより充実させることができるのではないかと思います。正直なところそれは家庭基礎でも学習することにしたいところですが、それを家庭総合ではさらに充実させてもらうということもできるかなと思いました。
 高校の家庭科は小中と積み上げてきたものの集大成としてさらに積み上げるところになりますので、基礎でも総合でも、昨日より今日の自分が少し充実して生きられて、その未来も見据えるような家庭科になっていくといいなと思います。ただ、現場の先生にも基礎と総合の違いが分かるように示していくというのがまだ課題だなと感じています。
 【杉山主査】  最終的には今日の議題3の高次の資質・能力と、今回は扱いませんがその下に紐づく学習内容を検討しないと、その違いは明確にはならないと思います。ただ、家庭基礎と家庭総合の違いが目標でも違うことが分かることが必要ですので、どういう表現であればその違い、特徴を出すことができるのかということに関しては、かなり知恵を絞らないといけないかなと思っています。
 それでは大久保委員お願いします。
 【大久保委員】  私も論点3の生活の課題と実践の在り方について意見を述べさせていただきます。先ほどもお話がありましたが、小中との系統性のあるつながりが図れるように、ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動の位置づけが、生活の課題と実践のように各領域に位置づけられる、各領域にぶら下がるような形になると理解しています。その整理自体は教科の学習とその実践を結びつけるという点で大きな意義があると感じているところですが、一方で重要になるのが、その実践が小中での家庭科の学びを踏まえてどのように発展していくのかという具体的なイメージを持って検討しなくてはいけないかなと考えています。
 小中学校では身近な生活の課題に気づいて、考えて、話して、試してみるというような、比較的身近で個人的な生活課題を中心に学習が積み重ねられてきています。高等学校においてもこうした学びの土台として、個人の生活から家族や地域、社会との課題、その上に視野を広げてより主体的で協働的な実践につなげていく段階であると考えると、どの領域の学習を基盤として、どのような生活課題を設定して、どのような実践や社会への働きかけにつながっていくのかという点を、先生方と生徒にもイメージできる形に示されることが重要でないかなと考えています。
 生活と課題と実践というのは、地域や家庭だけじゃなくて、付加的な活動にならないように、社会に向けて発信とか実践していく中核的な位置づけになるような活動になるように、小中高の系統性を意識して具体的な実践像が示されるといいのかなと思っています。そうすると高校でのことをゴールとして目指しながら、中学校でも指導することがスムーズになるのかなと思いました。
 【杉山主査】  大久保委員がおっしゃっていただいたように、小中高で家庭科はございますので、そこの関連性を考えつつ、中学校では小学校の学習内容を踏まえることはもちろんですけれども、先にある高校の内容を考えつつ中学校の学習を組み立てていただくことはとても大事なことだと思います。そこのつながり、系統性をはっきり示すことが求められていますので、そこを踏まえた上で議論をしていくことができればなと思います。
 ただし、家庭科の時間数が少ないので、限られた時間の中で何をしていくことができるのかを考えることが必要です。高校の学習で個人の知識も技能も中学校から1段アップしている状態ですので、中学校とは違う試みができるとも考えられますので、そこも合わせて整理をしていくことができればと思っています。
 それでは吉川委員お願いします。
 【吉川委員】  10、11ページあたりに関係するところと思うのですが、小中高での系統性ということはものすごく分かりやすく理解しやすくなる一方で、最終的に高校の家庭総合、家庭基礎という違いは改めてどういうことなのか、どういう違いを出していったらよりよく使ってもらえるようになるのかと悩みながら聞いていました。
 自分自身の生活を中心に課題を見つけ探究していくというところは家庭科の基本ですし、今回本当に自分ということに着眼していることが見えやすく書かれていると思います。特に空間軸、時間軸という視点が明確に出されていくことは、成長主体としての自分、子ども自身が課題を見つける上では本当に手がかりになる、授業者としても手がかりがたくさんあるかなと思っています。
 この中で、基礎と総合との違いで圧倒的に時間数が違うということと、かなりの生徒さんが基礎で学ぶというときに、基礎での探究の在り方、学びの時間数が違うためできることが限られてきますけれども、その限られた中で小中の積み上げをどう生かせるか。同じ内容でも高校段階では立ち位置が違い見え方も違っていくという積み上げとしての深め方もできますし、様々な内容を広げながら考えていくということもできます。そのあたりの事例の提示の仕方はものすごく大事になってくると思いました。
 魅力的なことはたくさん示すことはできるのですけれども、ただ本当に必要なものとか使えるものを、家庭基礎を学ぶ生徒の授業に生かせるようなモデル案、そういうものも作っていくってことがすごく大事になってくると思いますし、それが動き出せば逆に家庭科って面白いなって思えるような授業になるのかなと期待もするところです。なにせ総合と基礎との時間数の違いは圧倒的にあるので、その中で同じものっていうのはなかなか現実的ではないと思いながら話を聞いていました。
 【杉山主査】  吉川委員ありがとうございます。2単位と4単位で時間は倍ですが、8割が家庭基礎を選択しているということです。家庭基礎で学習する内容はもちろん家庭総合では行わなくてはならない。家庭総合はさらに倍の時間がありますので、そこに何をプラスして行うのであればより魅力的か、家庭総合を生徒に履修させたいと先生方が思うような魅力的なものを考えていく必要があると思います。
 特に時間数の限られている家庭基礎で最終的にどういう力をつけることを目指すのか、そのために必要な学習内容について十分な時間を今後使いながら検討していきたいと思います。
 それでは石島委員お願いします。
 【石島主査代理】  まず教科の在り方の方で、9ページのほうなんですけれども、家庭基礎と総合のところに「社会参画」という言葉がありまして、基礎で社会参画っていうのはちょっと荷が重いのかなというイメージも持たれるかと思うんですけれども、基礎と総合との違いというよりも小中との違いということで、中学校では地域や社会の中で考えていくという学習領域に入っているんですけれども、高校になりますとさらに社会に関わって主体的に関わっていくということで社会参画という言葉が入っているのかなと思うので、やはり基礎であっても入れていただいたほうがいいと思います。
 また、その違いとしてここに挙げていただいてるのが「他者との協働」ということですが、基礎でいうこの他者との協働っていうのは友達だったり地域の人だったりという身近な個人をイメージしやすいかと思うんですけれども、総合の「多様な他者との協働」っていうのは、それだけでなく行政とかNPOとか多様な社会の主体と関わりながら協働しながらというところで差別化されているのかなと認識しております。
 あと、米印のイメージのところなんですけれども、上から3行目「家族以外の他者のよりよい生活を創り出すための適切なサポート」というところがあるんですけれども、1行目の「率先して家庭や地域の生活を支え」という言葉があるので、個人の家族、家庭のことも入るのかなと思うので、書きぶりとしては例えば「家族以外の他者においても」とか、もしくは「家族だけでなく他者の生活」というような両方包含するような言葉にしていただいたほうが上の文章と合うのではないかと思いました。
 それから11ページの生活の課題と実践の在り方についてですけれども、なかなか基礎の中でホームプロジェクトにおいても学校家庭クラブにおいても実施率が低い、やりにくさがあるという中で、今回構造的にも変えていかなくてはいけないという使命もありまして、小中との系統でまず先生方にやりやすくしていただくというところを大切にされているということで認識しております。これに対してはいいと思うんですけれども、一方で実践されている非常に歴史的にも長い良い実践があります。
 戦後間もなく家庭クラブやホームプロジェクトが実践されてきたところで、子どもたちの自分の学びを社会に役に立てるということで一定程度の成果が上がっていると思います。最近他の探究学習が非常に重要視されているんですけれども、家庭科ならではの家庭科における探究というのは特徴的で、一線を画すものがあると思います。その背景は先生方がこれまで積み上げてきたものによると思うので、そういった意味では「学校家庭クラブ」とか「ホームプロジェクト」っていう言葉を1つの概念として大切にして位置づける必要があると思います。ほかの探究学習と一線を画すために教科名と領域名は残すような形で、そしてほかの専門家庭とともに発展できるように、「個人探究」や「協働的な探究」っていう言葉も合わせて表記されるといいのかなと思います。
 【杉山主査】  9ページの基本的な方向性のところに関しましては、表現の分量などの制限はありませんので、内容が共通理解できるような表現に変えていくことができます。今は子育ても子どもを産んだ人が子育てするだけではなく、社会で育てるということをこども家庭庁の施策でも示されています。子どもを産まない人も社会の中での子育てをどう理解するのか、そこに社会の一員としてどう関わっていくのかを考えていかなくてはなりません。
 そういうことも踏まえた上で、家庭総合では地域社会の中での営まれる生活に積極的に関わることのできる人を育てていくことができるとよいのではと思っています。
 それでは次に髙木委員お願いできますか。
 【髙木委員】  今お話しあった論点の1のところについては、私も最初に読んだときにこの「率先」という言葉がちょっと引っかかったところが実はあったんですけども、今説明を聞いて、押し付けてるみたいなイメージがちょっと強くなってしまわないかなという心配だけがちょっとあったんですが、そこの意図は分かりましたので、この後またそこはどうと検討していければいいのかなと思っているところです。
 それと3番の生活の課題と実践のところについては、なかなか実際的にどうやってやっていくかっていうのはその次の11ページのほうにあるかと思います。やっぱりここのところで先ほどお話がいくつか出てきましたけども、やってないところ、時期的なものを考えると全部終わってからやるってのはなかなか難しいんだろうなということは十分分かりますので、どっちを先にやるか、これも考え方いろいろだと思うんです。個人探究をやってから協働探究やるっていうやり方もあれば、逆に協働探究やってから個人にそこを結びつけていくっていうやり方もいろいろ出てくるんだろうなと思うので、そのあたりはちょっと自由度を取っておいていただけると逆にいいのかなと。ただ、国が例示するということでしたので、先にそれがあったほうが先生方は絶対やりやすいっていうのは間違いないかと思っています。
 あと名称については、いろんなお考えがあるし思いもあるというのは分かるところではあるんですけども、なかなか「学校家庭クラブ活動」っていう名称が、普通科の学校の中だとなかなか難しいというのも正直なところで、学校家庭クラブ連盟っていうものがあって、そちらのほうに加盟してるしてないとか、これ実は学校によって分かれるところではあるんですね。なので、そのあたりも含めるとなかなかこう一般的な言葉と結びついてしまうのはかえって難しい面もあるのかなという感覚は私個人としてはあります。ただ、それぞれやることの必要性ってものは非常に高いですし、あとはこのそれぞれの深さっていうんですかね、そこは限られた時間の中でやらなければいけないっていうところから、具体的なものを検討する際になるんだと思いますけども、そのあたりのところまで検討していっていただけると学校的にはやりやすいのかなというところで、方向性としては私は全然問題ないし、この方向でいければいいなと思ってるところです。
 【杉山主査】  髙木委員におかれましては、今回のワーキングの中で高校の学校現場として委員として入っていただいていますので、高校の中でのやりやすさということをきちっと検討していくことが、確実に実現していくことにつながると思いますので、またいろいろと現場のご意見とかも拾いつつご相談をさせていただければと思います。
 それでは次に鈴木委員お願いできますか。
 【鈴木委員】  まず11ページで先ほど西𠩤委員がおっしゃっていましたけれども、この図において私もこの結ばれているのは何かの範囲かと思って一見してつながっているのかなと思っていたので、先ほどのご説明を聞いてよく分かりましたということと、それから9ページの家庭基礎と家庭総合のところですが、先ほど都甲委員がおっしゃっていましたけれども、私も大きな違いがよく分からないというのが率直な感想でした。
 ただその上で、どちらにも「社会に参画し」ということで、社会に参画という言葉について先ほどご議論がありましたけれども、確かに高校で学校生活を送ってるときにはそれほど直接的には社会につながっていないんですけれども、18歳になると、成人になると親の同意がなくても携帯電話の契約ですとかクレジットカードの作成、アパートの賃貸契約など自分の意思で行うことができてしまいまして、それは社会に参画できるということになると思います。
 一方で未成年者取消権は使えなくなりますし、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も高まってくるので、自立した消費者として18歳になるまでに社会に参画する一員になるために、しっかり選んで行動する力というか、合理的意思決定ができる力を育む内容に、家庭基礎にしても家庭総合にしてもそういう内容にしていただければと思います。
 また、それから先ほど「率先して」という文言の使い方についてご議論がありましたけれども、実は先ほども申し上げました消費者教育推進法の消費者教育の推進に関する基本方針の中に、「社会の一員としてより良い市場とより良い社会の発展のために積極的に関与する力を育成する」云々という文言があって、ありふれた言葉ではあるのですけれども、例えば「積極的に」などという言葉はいかがかなと思いました。
 【杉山主査】  鈴木委員ありがとうございました。文言に関するご提案もこちらで検討させていただき、明日の午前中までにまとめる必要のある部分と関連するところについては相談した上で対応させていただければと思います。
 それでは大友委員お願いします。
 【大友委員】  今皆さんの意見を聞いていて、大変参考になりました。元々は教科の構成の在り方ということで、家庭基礎と家庭総合の違いをどういうふうにつけていくのかというのが過去のワーキングであったと思うんですけれども、9ページでお示しされているとおり、家庭総合についてははっきりとここで「よりよい生活を探究的に創り出すために」という力強い言葉がありますので、世の中の課題を解決していく力をつける、それを1人ではなくグループで、あるいは他者の意見を聞いて自分の意見も自分の言葉で発信して、長い人生を乗り切っていくための問題解決力をつけていくということに近づけていくんだなというふうに私としては理解しました。
 そうなりますと、とは言っても家庭基礎を選ばれている学校が過半ということになるので、家庭基礎でも家庭総合でも個人の探究もそれから協働探究も両方実施していくんだという方向であれば、やはり分かりやすい例示、それから自分だけではなくて他者にも意識とか興味を向けていける、特にこれは協働探究のほうになると思うんですけれども、自分が今まで気づいていなかった視点を他者や違う考えの人に向けることで視野が広がるような分かりやすい事例を個人探究でも協働探究でもお示しして、現場で教える先生方のイメージアップにつなげられたらいいなと率直に思いました。
 【杉山主査】  それでは村上委員お願いできますか。
 【村上委員】  私もやはりどうしてもこの家庭基礎と家庭総合の違いっていうところが分かりにくいと言いますか、その違いをどう一般の人にも分かりやすくっていうところが難しいなというふうに思っています。13ページにありますように目標がありますが、「率先して」ということを入れたにしても、この基礎と総合の違いはどうなんだろうっていうところが難しいと感じています。
 ただ、11ページにありますように科目構成の在り方についてこの具体領域イメージをいただけたことは非常に分かりやすいところでした。小学校の立場から、中学高校になって高校がゴールというときにどのような姿をイメージして小学校ではやっていけばいいのかというところで、やはりより具体的な実践像の例示があるとありがたいというふうに思っています。
 【杉山主査】  家庭基礎と家庭総合の違いを一般の人に分かっていただくためには、まずワーキングの中で共通理解する必要があります。これを読めば中身の違いが分かるというものを作成することを目指してさらに議論を進めていくことができればと思っています。
 それでは、一通りご意見をいただくことができましたので、次の議題3に行きたいところですが、ここで5分間の休憩を取らせていただいてもよろしいでしょうか。56分から再開させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 (休憩)
 【杉山主査】  それでは、皆さんお戻りいただいてるでしょうか。最後の議題3になります。まず事務局から説明をお願いします。
 【高見主任教育企画調整官】  議題3は高次の資質・能力の在り方についてです。18ページをご覧ください。前回ワーキンググループでは、小中学校段階の高次の資質・能力の在り方についてご議論いただきました。本日は、小中学校段階の高次の資質・能力について、前回会議を踏まえた修正案について改めてご審議いただくとともに、高等学校段階の家庭基礎、家庭総合の高次の資質・能力を新たに提示いたしましたので、合わせてご議論いただけると存じます。
 まず、左側1の「小中学校の高次の資質・能力」の考え方については、ピンクの網掛け部分ということで特に変更しておりませんが、念のための再確認として、1つ目のポツにあるとおり、深い学びを実現する題材づくりのイメージを先生方が持てるようにするため、領域ごとに構成した上で、「知識及び技能に関する統合的な理解」は各領域の学習内容における知識及び技能を習得した児童生徒が、それらの生活の中で生かす具体の姿、「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」は、各領域の学習内容における思考力、判断力、表現力等が育成された児童生徒が、実生活の場面において、課題解決を通して自分の生活を実践する具体の姿として整理されたところです。
 その上で前回のワーキングでの指摘を踏まえた具体的な高次の資質・能力の修正案を19ページと20ページ、こちら小中学校のものでございますけども、示しております。また、18ページに戻りまして、右側2の「高校の高次の資質・能力について」として、議題2でご審議いただいた家庭基礎と家庭総合の「各科目の在り方の基本的な方向性」を踏まえつつ、小中学校と同様の方針で高次の資質・能力を整理しようと考えております。
 まず、小中学校の高次の資質・能力については、例えば19ページにあるとおり、小学校の「家族・家庭生活(仮称)」の総合的な発揮において、「家族や地域の人々と協力し合う中で見いだした自分の生活の課題を解決し」とあったものを、「家族や地域の人々と協力し合う中で自分の生活上の課題を見いだし」と改めるなどの修正を行っております。
 21ページ以降は高等学校の家庭基礎、家庭総合の高次の資質・能力の案を示しております。例えば高等学校の家庭基礎では、A「家族・家庭生活(仮称)」の知識及び技能の統合的な理解として、「自立した生活を営む主体として、生活の中で自分にできることを考え取り組むことで、家庭や地域の生活をよりよくできることについて理解する」こと、思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮として、「家族や地域の人々と協力・協働する中で家庭や地域及び社会の生活上の課題を見いだし、自立した生活を営む主体として、よりよい生活を創造することができる」こととしております。
 22ページをご覧ください。家庭基礎のC「食生活(仮称)」では、知識及び技能の統合的な理解として、「自立した生活を営む主体として、科学的な根拠を基に、健康で安全な食生活や地域の豊かな食文化の大切さとともに、ライフステージに応じて食生活をよりよくできることについて理解する」こと、思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮については、「自分や家族及び地域における食生活上の課題を見いだし、自立した生活を営む主体として、生涯にわたって健康・安全で食文化を大切にしたよりよい食生活を創造することができる」こととしております。
 23ページをご覧ください。こちらでは家庭総合の高次の資質・能力の案を示しておりますが、先ほどの基本的な方向性の整理を踏まえ、「家庭や地域の生活を率先して支え、向上させる主体」であることを統合的な理解、総合的な発揮のいずれにおいても明記しているところであります。
 18ページにお戻りください。一番下にあるとおり、議題3高次の資質・能力の在り方についてとして、小中学校の高次の資質・能力の前回ワーキングを踏まえた修正案と、今回新たにお示しした高等学校の家庭基礎、家庭総合の高次の資質・能力について、ご意見をいただければと存じます。議題3の説明は以上です。よろしくお願いします。
 【杉山主査】  ご説明ありがとうございました。18ページの下に示されている論点1と論点2についてご意見をいただければと思います。全員にご発言の機会がありますよう、1回のご発言は長くても4分以内でおまとめください。ご意見、ご質問のある方は挙手ボタンでお願いします。
 くれぐれも今回は高次の資質・能力の部分を議論することになっております。その下に内容項目例が示されていますが、これは現行の学習指導要領のものを参考のために入れていただいています。基本的には学習内容例は高次の資質・能力に基づいて見直すと考えておりますので、この内容項目例についてはここでは議論しません。まずは高次の資質・能力、これも来週の会議のために提出しなくてはなりません。とりわけ高校に関しましては高次の資質・能力を今回初めて提示させていただいております。
 それでは、ご意見をよろしくお願いいたします。渡瀬委員、お願いします。
 【渡瀬委員】  よろしくお願いします。最初にですね、先ほど議題2のお話をしてるときに、2番目に申し上げたところが「議題3の内容にかかりますね」なんて申し上げて飛ばしたんですけど、よく考えたら議題2の内容は高校の科目構成とともに目標の内容が含まれていましたので、ここで議題2について1個だけ言わせていただいてもよろしいでしょうか。
13ページのところです。先ほど先生方からもご意見があった「率先」というところがやっぱり私も引っかかっておりました。「率先」という言葉を使われたのは、より踏み込んだアグレッシブな意味を出すために選ばれていたと思うのですが、扱いがちょっと難しい言葉だと思っています。
 また、家庭総合の目標の知識及び技能の文章中にも「率先」という言葉が入っています。それは「生涯にわたり生活を主体的に率先して営むために必要な科学的な理解」という箇所ですが、科学的理解に「率先」が係ることを含め、知識及び技能とはちょっとなじまない表現ではないか、ということが先ほど申し上げたかったことでした。
 では、議題3のほうに移らせていただきます。今日は高次の資質・能力に関わってのところを中心にということでした。資料21ページ、Aの「家族・家庭生活」の高次の資質・能力の「統合的な理解」、左上のところです。ここは高校に関する記述内容として、小中よりも高まっていないように思います。特に「自分にできること」という表現は、高校生には物足りないなっていう印象です。
 高校の家庭科はケア、ウェルビーイング、福祉についてより多く学んでいくことが一つ大きな特徴だと思うんです。高校の家庭基礎も家庭総合も自己と他者のウェルビーイングやケアについて学びますよね。なので「自分にできること」っていうことに終わらず、その自己と他者の福祉、あるいはウェルビーイングの実現を考え、というようなニュアンスが入ってくるとより高校での学びを表すように思います。すなわち、子供、高齢者、様々な障がいがある方等も含む共生社会や福祉、ウェルビーイング、ケアということに関わるような内容も資質・能力のところに入りうる、ということです。内容項目例につきましては、いろいろと思うところがございますが、今日はここまでということにさせていただきます。
 【杉山主査】  先ほど議題2のところで後にするとおっしゃっていただいてたところが、今お話しいただいた13ページの目標のところということですね。確かに目標のところをもう一度確認したところ、「率先して」が「科学的な理解を図る」にかかってるようにも読めますので、ここの表現は後でこちらでご相談をした上で修正をさせていただければと思います。
 それから21ページのAの統合的な理解「自分にできること」の部分を、高校で入ってくる社会との関わりの中での福祉的な視点を生かすような文言を入れるということですね。知識・技能の内容項目例の一番最初のところに「人の一生、自己と他者、社会との関わりと様々な生き方」とありますが、そこに関わる部分の視点を入れて、中学との違いをより明確にするということで検討させていただければと思います。
 では田中委員お願いします。
 【田中委員】  生活の営みにかかる見方・考え方である「協力・協働」「健康・快適・安全」「生活文化の継承・創造」「持続可能な社会の構築」、この言葉は明確にわかるように入れ込んでいくことが求められているのかということをお聞きしたい点と、あと領域を横並びに見たとき、それから小中高と縦に見たときに、今は入れ方があったりなかったりという部分があるので、この入れ方としてどういうふうに統一していくのか。あと「統合的な理解」と「総合的な発揮」の両方に書くのかという記述の仕方がわからなかったということ、そのあたりは統一して全部きれいに書いていくのかなということを思いました。
 あと高校は今回初めて読みましたが、ここは教員がイメージを持てるようにということですが、一文がとても長くて理解するのに時間がかかるという印象を受けています。これも端的に書かなくてはいけないのかなと思います。
 【杉山主査】  今回の資料を作るにあたりましては、教科調査官などが各先生方にもご意見をお伺いしています。今日は全ての領域を横並びに見ていただいていますので、田中委員のように気づかれたことは出していただければと思います。
 この高次の資質・能力は、複数の文章で示されていてもよいのか、それとも基本的には一つの文章で端的に示すことになるのか、少なくとも表の中に入ってくる文言になりますので、いくらかの制限がかかってくることが予想されます。
 それから、見方・考え方に以前は複数の視点を示していましたが、見方・考え方は端的に示すということになり、高次の資質・能力に視点を入れることにしました。 見方・考え方の視点を「統合的な理解」と「総合的な発揮」のどちらに入れるのかについては、「総合的な発揮」が適切なのではと考えました。「総合的な発揮」を確認していただければと思います。
 それでは次いかがでしょうか。西𠩤委員お願いします。
 【西𠩤委員】  私も田中委員と同じように現行の見方・考え方に入っている4つのところがどういうふうに全体に統一して入っていくのかなっていうところ、そこが少し不揃いな感じがしたところが気になりましたが、今のご議論でかなり明確になったかなと思います。
 それから全体を見たときにその中で「持続可能な社会の構築」っていう視点なんですけれども、環境という言葉は入ってくるのですけれども、特に生活などに関してはちょっとその言葉が弱いかなというか、あまり明確に現れてきていないかなというような、もしかしたら消費の方にそれを預けているのか、A、BとC、D、Eの構造によるものだとは思うんですけれども、その構造をはっきりした上で整理、全部に散りばめるのか、それともA、Bのところで押さえつつ、C、D、Eももちろんそうなんだけれども、どこが一番関係している領域なのかっていうこととも関係してくるかとは思うんですけれども、その構造がパッと見たときにわかりやすいような表現だと理解しやすいなと思ったりいたしました。
 特に現行の方は「消費生活・環境」という形で持続可能性の中に特に環境にクローズアップしたところがあったものですから、そこがなくなった、言葉としてなくなっているときにその持続可能性のところを、場合によっては環境だけに限らず人権のこととか、実際には家庭科では取り扱っていると思いますので、その持続可能性に関する内容をどうやって入れていくのかっていうのを考える必要があるかなと思いながら拝見いたしました。
 【杉山主査】  今日の議題1の資料の中で「環境」という言葉は領域の名称には明記しないことを説明しています。領域横断的な事項のため、全ての領域に環境の視点は入ると考えています。しかし、高次の資質・能力を見る限りにおいては、B以外の領域では「環境」の視点は見えにくい形になっているのは確かです。「環境」は大事な視点ですので、今後どのように示していくのか大事な検討事項とさせていただければと思います。
 それでは亀田委員お願いできますか。
 【亀田委員】  本日は遅れて入らせていただき、そしてまた途中で退出するということで本当に大変申し訳ございません。先ほど田中委員からのご意見を伺ってたんですが、実は西𠩤委員と全く同じことを思っておりました。本日まず高次の資質・能力のイメージのところで、やはり環境という言葉がこの領域の中では消えたこと、これについて消費生活は社会的関心が非常に高いから残すという点におけるその理由をお聞きすると、やはり環境という視点も社会的関心が非常に高いのではないかと、同じ理由でやはり大事な本当は言葉ではないかというふうに思っておりました。
 ただいろいろなご事情、領域横断的な事項だから領域とも関連づけるんだということでお話しあったとおりですが、やはりこの19ページ、20ページのイメージを見ますと、小中学校のBには環境の内容はありますが、A、C、D、Eの領域には今のところ見られないと。つまり領域横断的に指導すると位置づけるとすると、現行の内容のままでは指導されない、現場の方では指導されなかったということにもなりかねないのではないかと心配になります。ですので、今後の内容の見直しを図るときにも、ここにはしっかりと注視していきたいなというふうに考えているところでございます。
 また「生活経営」という言葉について前回のワーキングでも少し義務教育には違和感があるのではないかというふうに申しましたが、学会においてあるからという中でも、例えば理科の物理学、化学、生物学、地学というように学会だけではなくて、広く国民にも知られている名称であれば多くの人にとって馴染み深いものとしていいかと思ったんですが、ちょっと生活経営、やはり小学校の教員にとっては馴染みがなく戸惑いが出るのではないかと危惧しております。ですので、もしこのままの領域名でいくならば、しっかりと義務教育の先生方に混乱のないような現場へのきめ細やかな説明が必要かなというふうに考えているところであります。
 そしてすいません、一つ目のところの議論の一番にもう少し戻っていいというふうにお許しをいただいたかなと思うので、一番についてもご意見を申し上げさせていただきます。家庭科の資質・能力の育成のところの6ページのやはり一番下の新しい見方・考え方についてです。これも前回申し上げた意見を再度申し上げて恐縮なんですが、やはり「豊かな」という言葉を抜いたというところは、もう一度再考いただけないかなということで、今回はその理由を2点申し上げたいと存じます。
 1点目は教育基本法第3条です。「豊かな人生」と明記されているところがございます。「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ」云々とありますが、この豊かな人生というのはまさに乳幼児から高齢者まで人の一生についての生活の実践の力を育む、私たち家庭科こそこの理念を体現する教科なのではないかなというふうに考えているところでございます。現行の学習指導要領の前文にも「豊かな人生を切り拓き」というふうにありますし、ということです。
 2点目は情報・技術ワーキングに参加させていただいておりますが、この見方・考え方に「豊かな生活や社会の実現に向けて」というふうに検討されているところです。情報・技術ワーキングではAIについての議論もたくさん交わされていますが、家庭科においてもAIに任せればお掃除ロボットとか洗濯を畳むロボットも今出ておりますが、今後いろいろと最短、最適な生活が送れてくる中で、あえて手間をかけること、手料理とか手仕事の価値を再発見することの豊かさ、またAIが個人の思考を学習して先回りしておすすめを提示してくれたりもします。この情報社会において消費者教育についても、騙されないための知識だけではなくて、主体性を奪われないための知恵へとアップデートしていきたいなというふうに考えているところです。ですので、合理性を超えて何が自分を豊かにするのか、自分なりの主体的な豊かな生活を創り出す力が大切と考えております。高校にはちょっと残ってたかなって前回思ったんですが、今回高校からも削除ということで、もう一度ご意見を述べさせていただきました。
 【杉山主査】  ありがとうございました。生活経営に関しましては、議題1で同じようなご意見がありました。言葉の意味がわかりにくいということであれば、それに代わるより良い表現がありましたら、変えることも検討します。皆さんで知恵を絞り、よりわかりやすいものを検討できればと思っています。現在は系統性を明確にするために、小中高を同じ枠組みに当てはめていますが、学習指導要領の中で最終的にどのように示すのかは、全体の方針を確認した上で検討できればと思っています。
 それから「豊かな」に関しましては、今先生がお話しいただいたような説明書きがあれば「豊かな」を使うことには問題がないのですが、限られたスペースの中でできるだけ端的にと言われている中で、「豊かな」という言葉がどう解釈されるのか、特に家庭科においては本当の豊かさは何かを考えることがとても重要になってきます。現在の学習指導要領の中で「豊かな」という言葉を使用しています。しかし、目標などで「豊かな」という言葉を使うことは危険ではないかと考えています。誤解を得ないような表現を、端的な表現の中で示すことができれば、入れることもできるかと思いますので、検討させていただければと思います。
 環境に関しては、先ほどもご意見ありました。A、Bの領域は他の領域と基本的には並列ではないと考えています。家庭科特有の領域(内容)の構造を、今回の表に当てはめる方法で示すことができるのかどうか、どう工夫すればいいかを皆さんのお知恵を拝借できればと思います。
 それでは吉川委員お願いします。
 【吉川委員】  高校の高次の資質・能力という部分で、今回は初めてということで気づいたところで、先ほど渡瀬委員からもありましたが、高校はやはり多様な他者、例えば外国籍であったり高齢者であったり障害のある方も含む、様々な相手、他者と支え合う、関わり合いながら理解し生きていくというか、そこはやはり高校ならではのところとして求められると思いますし、非常に大事なところかと思いますので、様々な人との関わりや「共生」というような、文言が盛り込まれるといいなと思いました。
 【杉山主査】  ありがとうございました。今のご意見は家庭基礎においても家庭総合においても、例えば21ページ、23ページのAの「家族・家庭生活」の「総合的な理解」において、「共生」など他者との関わりを高校の特徴として入れてはどうかということでよろしいでしょうか。
 【吉川委員】  はい、そういうことです。
 【杉山主査】  わかりました。明日の午前中に修正して提出する必要がありますので、会議の後にこの領域のご専門である吉川先生にご相談させていただければと思います。
 それでは、村上委員お願いします。
 【村上委員】  私も19ページのところで、やはり環境についてちょっと気になっていたところです。今回「消費生活・環境」と言っていたところの環境が消え、環境はすべてに関わるというのはその通りだと思うのですが、やはりこの一覧として見たときにどこにもその環境が入っていないと、一般の方が見たときに抜け落ちてしまわないかなということが気になります。特にこのBの「生活経営・消費生活」というところで、やはり生活を営む上で環境に配慮し必要な資源をというような、何かこう環境のことが一言でも入っていただけると皆にわかりやすいのではないかと私は思いました。
 【杉山主査】  村上委員のご意見は、Bのところには「環境」という言葉を入れた方がよいということでしょうか。
Bは高校では「持続的かつ効果的に活用し」「生活を営む上で必要な資源を持続的かつ効果的に活用しながら」という言葉があり、環境的なニュアンスが入っているのかなとも思うのですが、もう少し環境の色合いを強く出したほうがよいのではないかというご意見と理解すればよろしいでしょうか。
 【村上委員】  現指導要領では、やはり「消費生活・環境」ということで、環境に配慮した生活というところで、身近な環境との関わりや環境に配慮した物の使い方の工夫ということが指導としてありましたので、そこがなくなってしまうわけではないので、少しここでも触れていただけたほうがいいなというふうに思いました。
 【杉山主査】  平成20・21年改訂の学習指導要領から「消費生活・環境」の内容が新設され、特に衣食住の生活の学習との関連が求められ、家庭科においては、環境の視点が大切であることが共通理解できているのではとも思っています。今回「環境」の視点を外すということではないので、どのように示していくのかを検討したいと思います。家庭科はいろいろなことに関連していますので、必要と思われることを入れ始めるとどんどん増えてしまうことも考えられます。最終的には調整させていただければと思います。
 それでは都甲委員お願いします。
【都甲委員】  私も繰り返しになってしまいますけど、家庭科の中で環境教育をしっかり扱うことも大事です。もちろん環境のために衣食住をしているわけではないので逆転しないような形は必要なんですけど、理科とか社会でやる環境教育とは違う、家庭科のアプローチをもっと世の中にわかってもらうことは重要かと思っていて、家庭科オリジナルの環境教育、持続可能な開発教育を意味のある形で提案していきたいです。
 それとはまた全然別のお話になるんですが、20ページの小中の表で、小学校、中学校の衣食住のほうの統合的な発揮の冒頭はほとんど「自分の」になっていますよね。高校に行くと急に「家族や地域の人々と」というような言葉になるんですが、段階的に小学校では「自分の」で、中学校からは「自分と家族の」として、高校の段階で「自分と家族と地域の」という表現にするという考え方はないのかなというのを感じました。家族は「家族・家庭生活」のAのところでやるから、そこと衣食住はどのように絡めながらやるかというのが難しいところもあるとは思いながら、そこが少し気になったというところです。
 【杉山主査】  人と環境の関わりに関しては、人の生活の仕方によって環境が変化してしまうことを意識しつつ、生活の仕方を考えていく必要があり、根本的に環境は生活のすべてに関わっているという前提に立っています。
 それから「自分の」という言葉については、高校では、「自分の」と書かなくても、全て自分との関係性のもとにあるという基本的な考えにあります。例えば食生活の場合、中学校で自分にとって必要な栄養量、それを満たす献立の考え方を学習する。その考え方を基に、高校では異なるライフステージで必要とされる栄養量を満たす食事について発展的に考えることができるようになる。「自分」を考えることから、家族、地域と広がるように整理をさせていただければと思います。
 では石島委員お願いします。
 【石島主査代理】  高校の基礎も総合もそうなんですけれども、やはり現在の見方・考え方を少し盛り込んでいくような形で言葉を入れていったらいいかなと思いました。まず吉川委員がおっしゃっていた「多様な」っていう言葉に関して入れる場所の案なんですけれども、Aの「家族・家庭生活」の総合的な発揮のところで、「家族や地域の「多様な」人々と協力・協働する中で」というようなところに入れてはいかがかと思います。
 また、持続可能性についてのことなんですけれども、持続可能性は環境だけでなく社会的な公正なども含みますので、先頭に持ってきて、Bの「生活経営・消費生活」のところの総合的な発揮のところの冒頭に、「持続可能な生活を営む上で必要な」というふうなところに文言を持っていったらいかがかと思いました。
 またC、D、Eのところで、主に活用するというところで「健康・安全・快適」という言葉が入ってたと思うんですが、食生活のほうでは現在「健康・安全」と書いてありますので、それでいいかなと思いますが、ちょっとこの文章「健康・安全で」の後に句点を置いたほうがいいのかなと思いました。
 またCとDに関しては、「健康・快適・安全」の3つを、生活のところで「安全」が抜けているので、住と同じように入れたらいかがかと思いました。構造的なところが明らかになってない中で文言だけをこういじるのも全体像としてちょっとわかりにくいところもあるんですけれども、なるべく揃えられるところは揃えて書き込んでいくと良いのではないかと思いました。
 【杉山主査】  石島委員ありがとうございます。Bのところの総合的な発揮の頭に「持続可能な」という文言を入れて、「持続可能な生活を営む上で」という言葉にして、後ろは「資源を効果的に活用しながら」にするということですね。ご意見としてお伺いしました。他の先生方の意見も含めて検討させていただければと思います。
 それでは、次は髙木委員お願いします。
 【髙木委員】  細かい文言というよりはですね、今回初めて高校の部分が出てきて、小中学校はすごく並んでいるのですごく変化が見やすいので、高校ちょっと別な感じになっているので見るのは忙しい感じはするんですけども、印象としてなんか高校の部分ってすごく長いなっていうのをちょっと印象を持ちまして、ほかの教科との絡みがあるという話だったんで、やっぱりこれ項目立てられたらいいなという感想を持っていたところです。特に総合的な発揮のほうがちょっとやっぱり長いなという印象がありまして、専門家ではないので、その細かい文言については、わからないんですが、ただ、ぱっと読んだときに、次から次へと言葉が出てくるんで、少し頭に入ってこないという感覚が実はありました。これうまくできると読んだほうとしてはわかりやすいのかなというところをお伝えしていければと思ったところです。細かいところについてはちょっと皆様のご意見がいろいろ気になるので考えさせていただければと思います。よろしくお願いします。
 【杉山主査】  高校の高次の資質・能力の文章が長く、読んだときに頭に入らないという点は、解決しなくてはならないと思いますので、もう少しわかりやすい形になるよう修正をしていきたいと思います。
 それでは大友委員お願いします。
 【大友委員】  私も細かい文言というお話ではないんですけれども、ここを見たらどういう力がつけられるのかという基本に立ち返ったときに、一般の人が見てもわかるポイントとして、Bの領域の書きようですけれども、家庭基礎の内容が家庭総合に包含されている、ベースは家庭基礎だということが一般の方が見てもわかるような、だからどういう力がつけられるのかという書き振りがよろしいのではないかと思いました。
 【杉山主査】  大友委員ありがとうございます。ご指摘の家庭基礎と家庭総合の違いがわかることは大事なのですが、まだ実現できてないところがあります。学習によって身につく力の違いがわかるように整理できればと思います。
 大久保委員お願いします。
 【大久保委員】  高次の資質・能力について、論点1になりますけれども、この修正案の大まかな流れについては最終的な判断もあるかというふうに思いますので、私としてはこのことについては賛同してます。18ページに書かれていますように、「高次の資質・能力について、深い学びを実現する題材づくりのイメージを教師が持てるようにするために」とあります。高次の資質・能力というふうに先生方が聞いたときに、学習内容が増えるんじゃないかという懸念もあると思いますので、この高次の資質・能力ってどういうことかっていうことをしっかり伝えていく必要があるのかなと思っています。
 私はこの高次の資質・能力について、この内容に示されてる一つ一つの学習が最終的にどのような子どもの姿、どのような力につながってるのかを可視化するための到達点じゃないかなというふうに捉えています。先日研究会の先生方にちょっとこの話をしたときに、何をこう目指していけばいいのかっていうことが明確になってよかったねみたいな話を聞きました。何が深い学びでどういう姿にしていけばいいのかっていうゴールイメージがわかったのかなと。なので、この学習がどのような価値判断につながって、どのような意思決定を可能にするのか、どのような行動を取る力を育てるのかっていう視点が、これから授業づくりとか評価についてどのように位置づくようになるのかということについても期待しているところです。
 また高校の今回提案いただきました高次の資質・能力について、小中高を通じた学びの連続性も担保されやすくなるかなと思うので、書き方についてはまたこれから吟味・整理する必要があるのかもしれないと思いましたが、その一貫した流れといったところについては、今回示されたことによって大変明らかになったというふうに思います。
 【杉山主査】  大久保委員がご指摘のように、高次の資質・能力を示すことによって最終的な学習後の姿が見えてくるとよいと思っています。その上ですべての子どもたちにとって最低限必要な学習内容を示すことができればと思っています。 それでは、鈴木委員お願いします。
 【鈴木委員】  1つ質問があるのですけれども、今ネットで簡単に海外のものも買えてしまうし、フェアトレードのことを考えるなどいろいろあると思うのですが、地球のことを考えてというか、世界のことも考えてというようなことは、「社会の生活上の課題を見出し」の「社会の生活上の課題」の中に含まれていると考えてよろしいのでしょうか。21ページの家庭基礎のところにも、23ページの家庭総合のところにも、「家庭や地域および社会の生活上の課題」云々っていうのがところどころ出てくるのですが、そこに世界のこととかそういったことも含まれると理解してよろしいのでしょうか。
 【杉山主査】  基本的には、高校になると空間軸のリミットを外しているので、幅広く入っているということになると思います。具体的には、例えば海外のものを購入する場合、情報教育が進むと情報は簡単に得ることができるようになりますが、その情報を正しく理解し、選択できるような力が大切なこととなります。
 家庭科では、商品の購入において、そのために必要となるお金のこと、商品を選択する際の環境への配慮など、生活の中で様々なことについて考えることを必要とします。高校では、鈴木委員のご指摘のような範囲も含まれることになるかなと思います。
 【鈴木委員】  ありがとうございます。それともう1点ですね、先ほどほかの委員のご意見でも「様々な人との共生」「多様な人々」というようなご意見があったかと思うのですが、確かにその21ページの総合的な発揮のところで「家族や地域の多様な人々」というようなところを付け加えていただければより良いのではないかと思います。
 【杉山主査】  多様なという点ですが、論点整理では「多様性」は家庭科に限らず全ての教科で求められています。日本の中には、いろいろな人たちが一緒に生活をしています。そのことについて、どこにどのように記載していくかは、考えていくことができればなと思っています。
 それでは一通りご意見をいただいたようです。何か確認しておくことありますか。大丈夫ですか。 一応こちらの現場のほうでも確認するのは大丈夫ということですので、先ほども申し上げましたが、明日の午前中までに必要なところを修正をかけ、教科ですべてで提出してくださいねって言われているところは来週の会議に向けて提出をすることになります。各専門の先生方の中で関わるところはもしかするとちょっと事務局のほうからご連絡してご意見をいただくことがあるかと思いますが、その点はご協力をお願いいたします。
 それでは、時間もまいりましたので本日の議事は以上とさせていただきます。本日までにご議論いただきました目標、新たな見方・考え方、高次の資質・能力に関しては、このあと専門の先生方には少しご意見もお伺いしながら、あとの調整は私と事務方にご一任いただき、教育課程企画特別部会に家庭ワーキングの現時点での案として提出させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。なお、教育課程企画特別部会などでの審議も踏まえ、今後引き続き議論を進めていくことに当然なると思いますので、今後も引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは最後に次回以降の予定について事務局よりお願いします。
【嶋田学校教育官】  それでは事務局のほうからご連絡させていただきます。次回の日程につきましては後日改めて事務局よりご連絡させていただきます。
【杉山主査】  それでは以上を持ちまして閉会といたします。ありがとうございました。

 
―― 了 ――