令和7年12月25日(木曜日)9時30分~12時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【杉山主査】 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから、第3回家庭ワーキンググループを開催いたします。お忙しい中、御参加いただきありがとうございます。
本日は、家庭科の資質・能力の育成、及び高校の科目構成の在り方について、事務局より説明いただいた後、意見交換を行います。
それでは、議題(1)について、事務局より説明をお願いします。
【髙見主任教育企画調整官】 皆様、おはようございます。主任教育企画調整官の髙見です。
本日は、議題の(1)として、家庭科の資質・能力の育成について。議題(2)として、高校の科目構成の在り方について、御審議いただければと存じます。
まず、前半の議題(1)家庭科の資質・能力の育成について説明いたします。3ページ目を御覧ください。
ここでは、家庭科の資質・能力の育成に関する現状と課題を整理しております。まず、1ポツ、1の家庭科の領域に関する課題といたしまして、現行の学習指導要領においては、例えば、生涯を見通した学習について、Aの「家族・家庭生活」において生涯の生活設計を考える学習が行われ、Cの「消費生活・環境」において、将来のリスク管理に関する学習が行われていますが、相互に関連した学習が行われにくいといった課題が挙げられるものと考えております。
続きまして、2の目標等に関する現状として、現行の学習指導要領では、小・中・高等学校の内容の系統性の明確化を図るとともに、問題解決的な学習について、一連の学習過程を重視する方向で整理を行っており、一定の成果も見られるところですが、今回、中学校の技術・家庭科が情報・技術科、これは仮称でございますけれども、それと家庭科に分かれ、家庭科として現行の目標を改めて、新たな目標を検討することが必要であるとともに、「学びに向かう力、人間性等」について、4つの要素により整理する方向を示すことを踏まえた見直しが必要となっております。
また、3ポツ、「見方・考え方」につきまして、現行の見方・考え方は、各教科等の学びの深まりを示す側面丸1と、各教科等を学ぶ本質的な意義の中核を示す側面丸2の2側面から説明されてきたところですが、側面丸1の「各教科等の学びの深まり」については、中核的な概念、これは、総則・評価特別部会において、高次の資質・能力という表現に変わっておりますけれども、その中で一層具体的に示し、新たな「見方・考え方」は、側面丸2の「各教科等を学ぶ本質的な意義の中核」に焦点化して、より端的に示す方向性が示されております。
さらに4の高次の資質・能力につきましては、先ほど申し上げた中核的な概念の新たな名称、言い方が変わっていますけれども、「深い学び」を実現する単元づくりのイメージを教師が持てるようにするための役割を担うものとした上で、各教科等の独自性を生かしつつ、共通に備えるべき要素や性質等を確保するためのチェックポイントといたしまして、18ページにございますけれども、AからDまでの4つの視点が提示されております。
4ページ目を御覧ください。先ほどの現状と課題を踏まえ、家庭科の資質・能力の育成に関する論点として4つの事項を掲げております。
まず、1の家庭科の領域に関する整理といたしまして、先に述べた現状の課題等を踏まえつつ、家庭科としての必要な概念の習得により一層つながるようにするため、(1)新たな領域構成の考え方として、丸1の生活の基盤に関する事項と、丸2の生活を構成する要素に関する事項に区分した上で、丸1の生活の基盤に関する事項のうち、生活を営む主体となる人に関する指導領域を「家族・家庭生活」、これは仮称でございますが、また、生活を営む上での営み方、マネジメントに関する指導領域として「生活経営・消費生活」、これも仮称でございますけども、こういった形にすること。
それから丸2、生活を構成する要素に関する事項としては、「食生活(仮称)・衣生活(仮称)・住生活(仮称)」とすることとしては、どうかと考えております。その際に(2)にあるとおり、領域の配列の考え方としましては、「生活の基盤に関する事項」の後に、「生活を構成する要素に関する事項」を置くこと。「生活の基盤に関する事項」の中では、生活の主体となる「人」に関する指導事項である、「家族・家庭生活(仮称)」を先に置くこと。「生活を構成する要素に関する事項」としては、従前の順序性や食育の重要性の高まりを踏まえ、食、衣、住の順とすることとしてはどうかと考えております。
なお、環境につきましては、領域横断的な事項であるため、新しいB「生活経営・消費生活(仮称)」を中心として、他領域とも関連づける形としてはどうかと考えております。
これらの補足イメージとして、6ページ目を御覧ください。左側が現行の家庭科、右側が改善のイメージとしているところです。
また、7ページには、縦に新たな領域のAからEの項目を掲げた上で、現行の学習指導要領は、それぞれどの区分に入るかを整理しております。これを御覧いただければ分かるとおり、例えば、新領域のB、生活経営・消費生活(仮称)においては、高等学校や現行学習指導要領のA(1)の「生涯の生活設計」や、C(1)の「生涯における経済の計画」、Cの(2)の「消費行動と意思決定」、Cの(3)の「持続可能なライフスタイルと環境」などが入る形を想定しております。
なお、中学校の米印のところにもあるとおり、現行のAの(3)「家族・家庭や地域との関わり」の一部が新領域のBに一部移行することなども想定されますが、今後、これらの精査も必要であると考えております。
4ページ目にお戻りください。2の目標の整理、右側でございます。現行の学習指導における内容の系統性の明確化の方向性を引継ぎつつ、空間軸・時間軸の視点から学習対象の広がりを明示するとともに、社会が複雑化・多様化する中で、実践を多角的に評価・改善し、生活をよりよくするために適切に判断する力を育成すること等の見直しを図ってはどうかと考えております。
具体の改善案は、8ページに補足イメージを示しております。前回のワーキンググループで示した案は赤字部分ですが、今回、新たに変更を加えた箇所を緑にしております。知識及び技能では、先ほど申し上げた領域の見直しを踏まえ記載を見直すとともに、高等学校においては科学的な視点を追加すること、思考力、判断力、表現力等については、多角的に評価・改善する視点を追記しております。
なお、9ページには、現行学習指導要領の目標を添付しておりますので、併せて御参照いただければと存じます。
続きまして、5ページ目を御覧ください。新しい「見方・考え方」の整理についてです。先ほどの現状と課題で申し上げたとおり、新たな「見方・考え方」については、側面丸2の各教科等を学ぶ本質的な意義という観点を踏まえ、家庭科の本質を示す事項に焦点化して、小・中・高等学校を通じて、統一的かつ端的に示してはどうかと考えております。
その上で、従前の「見方・考え方」で示していた、側面丸1の「各教科等の学びの深まりを示す事項」、例えば、「協力・協働」「健康・快適・安全」「生活文化の継承・創造」「持続可能な社会の構築」などについては、高次の資質・能力、中核的な概念というふうに従来は呼んでいたものでございますけども、この中において、構造化の中で内容に即して、その要素を示すこととしてはどうかと考えております。
具体の改善案は、11ページを御覧ください。中ほどにあるのが、現行の見方・考え方ですが、新しい見方・考え方として、一番下にあるとおり、自分や家族の生活を主体的に改善し、持続的なものとする視点から多角的に捉え、よりよい生活を創り出すこととしてはどうかと考えております。
5ページ目にお戻りください。議題の(1)の最後は、4の高次の資質・能力の整理についてです。高次の資質・能力については、「知識及び技能に関する統合的な理解」と、「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」として、深い学びを実現する題材づくりのイメージを、先生方が持てるようにすることが求められております。
このような視点を踏まえ、家庭科における高次の資質・能力としては、領域ごとに構成することとした上で、「知識及び技能に関する統合的な理解」は、各領域の学習内容における知識・技能を習得した児童生徒が、それらを生活の中で生かす具体の姿を明記すること。「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」は、児童生徒が実生活の場面において、課題解決を通して自分の生活を実践する具体の姿を明記する方向で考えたらどうかと捉えております。
具体のイメージにつきましては、12ページと13ページに記載しておりますが、例えば、12ページの新領域のA、家族・家庭生活(仮称)、Bの生活経営・消費生活(仮称)について、小学校と中学校、それぞれの高次の資質・能力の案を、緑と黄色の網かけ部分に記載しております。
具体的には、例えばでございますけども、一番上の左側でございます、Aの家族・家庭生活(仮称)の小学校におきましては、知識・技能の内容として、自分の成長の自覚や、家庭生活と家族の大切さが位置づけられておりますが、知識・技能統合的な理解として、自分が家族の一員であることを自覚し、生活の中で自分にできることを考え取り組むことで、家庭生活をよりよくできることについて理解すること、こういった形で記載してはどうかと考えております。
また、その右側になりますけども、思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮では、家族の一員として、家族や地域の人々と協力し合う中で見いだした自分の生活上の課題を解決し、よりよい生活に向けて工夫することができる、こういった形で示しております。
これらと同様に、新領域BからEにおける、小・中学校の高次の資質・能力の具体のイメージを、網かけ部分に記載しております。
5ページ目にお戻りいただければと存じます。以上を踏まえまして、本日の議題の(1)でございますけれども、下の青枠のところにございますとおり、論点1の「領域の整理の在り方について」、また、論点2の「目標の在り方」、そして論点3「見方・考え方」、そして論点の4、「高次の資質・能力」、これらについて、それぞれ御意見をいただければと存じます。
私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
【杉山主査】 御説明いただきありがとうございました。
それでは、意見交換に移りたいと思いますが、ちょっとその前に、私のほうから確認をさせていただきます。前回、見方・考え方や目標は、そこで議論しました。今回は内容の領域に関して、6ページ目で御説明いただきましたように、現行のA、B、C、Dを、A、B、C、D、Eとするという変更が提案されています。
家庭科では、歴史的に内容の区分についてずっと議論しています。平成20・21年の学習指導要領の改訂のときは、小中学校における内容の体系化と食育の推進を図るために、名称は異なりますが内容は、Aが家族・家庭生活。Bが食生活、Cが衣生活・住生活で、Dが消費生活・環境という形でした。
そのときに、AからDが横並びに並んでいるのではなく、構造的な関係性があるという説明があり、それを理解してきました。現行のものも、その理解に基づいていると思います。今回の提案においても基本的な考え方が変わったわけではありません。7ページ目の資料の指導項目も、これまでの内容の区分が若干変わっても、大きく変わるわけではないということを御理解いただけるかと思います。
さらに、本日の議題(1)の論点の4つ目にある高次の資質・能力を、今回の学習指導要領の改訂において、全ての教科が、小・中・高を通じて、12ページ、13ページに示す表組みの形で分かりやすく示すことが求められています。
この中で、「B衣食住の生活」という区分とするよりも具体的にそれぞれの内容を示すことが、より明確になるだろうという提案になっています。C、D、Eは同じ色で示していることからも、基本的な考え方が変わっているということではないということを、御理解いただければと思います。
それから、見方・考え方については、第2回でも取り扱っていましたが、そのときは、現行に近い形、全ての視点が並ぶ形で示されていました。先ほども御説明がありましたが、それぞれの視点、細かい具体的な視点については、高次の資質・能力のところに入れ込むという形で、見方・考え方は、もう少し端的に示すことになっております。今まで使っていた協力・協働、健康・快適・安全等の言葉は、ここにそのまま入れるのではないということになります。
今、事務局のほうで作成していただいたこの資料を基に、もう少しここは、こういう表現のほうが適切なのではないかとかという御意見を今日いただいて、これから先、全ての教科の検討結果が集められ、協議されることがこの先に予定されています。今日は、事務局のほうで作成していただいたこの資料を基に、具体的な御意見を、先生方からいただけるとありがたいと思っています。
それでは、意見交換に移りたいと思います。御意見や御質問のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名させていただきます。発言は、ミュートを解除してお話しください。
本日も多くの委員に御参加いただいておりますので、全員に御発言の機会がありますよう、1回の御発言は、長くとも3分以内でおまとめください。なお、時間が足りなくなってしまった場合については、会議後、発言いただく予定であった内容を事務局までメールにてお送りいただいた上で、後日、議事録掲載する取扱いとさせていただきます。
御発言の際は、資料のどのページに関する御意見、御質問であるかということを明言していただけますと幸いです。では、よろしくお願いします。
都甲委員、お願いします。
【都甲委員】 おはようございます。ありがとうございます。
領域の見直しに関して、原案に賛成いたします。新しい意見をたくさん言えるわけではないのですが、現行の指導要領では、衣食住が1つの柱になっていて、そのことにより、例えば、衣と住の距離が近くなって、温熱環境を整えるためには、重ね着と住居の断熱、エアコンなどをより複合的に組み合わせることが必要であるという視点が強まったというメリットもありました。
一方で、食生活、衣生活、住生活については、1つ前の学習指導要領から、さらに時間や内容が削られてしまったという印象も受けています。衣食住を分けるという御提案は、杉山主査からも御説明ありましたとおり、一見、昔に戻るようにも見えるかもしれません。しかし、家庭科は本来、衣食住の学習を充実した形で行う教科であるはずです。
先日の家庭科教育学会の例会で講師をしてくださった京都大学の先生も、家庭科に期待することは、衣食住の充実であるとおっしゃっていました。そうした充実を実現するためにも、学習指導要領の枠組みも、衣食住それぞれを独立させて検討していくほうがよいと考えます。
また、前回のワーキングでも申し上げたとおり、家庭科の意義は、調理や製作の実習を通して、衣食住の生活文化を学び、生活の中の付加価値をつくり出す力を獲得して、充実感を味わうことにあると考えています。そうした経験を積み重ねることで、家族に信頼され、自分の役割を理解し、頼られる存在になり得ます。結果として、自尊感情の形成にもつながる。それが、Aの家族・家庭生活にもつながっていくということですよね。
もちろん一部の子どもたちに、ヤングケアラーといった頼られ過ぎ問題があるとも承知しておりますけれども、家庭生活に必要なことを習得できていなくて、自信のない子どもたちが多いというふうに感じていて、今はそのことを話題にしました。
現代の子供たちは、自分の食べるもの、着るもの、住まう場所を自分で工夫しながら、生活を営むことができる力をつけてほしいと思います。そのためには家庭科の授業の中で、科学的な理論と実践を往還させ、イメージを具現化する技術を培うことが必要です。
最近、見学した縫製工場の企業が掲げていた、「手で考え、心を動かす」というフレーズは、家庭科の学びとも通じると感じ、社長さんともその点をお話ししました。料理をつくること、布の作品を縫うことといった体験を通して、材料や製造工程に関わるテクノロジーを理解できますし、現代の生活ではブラックボックス化しがちな生産の道筋についても、実感を伴って学ぶことができるはずです。言うまでもなく、消費者教育にもつながりますが、国が推進しているSTEAM教育のテーマとしても、もっと衣食住が取り上げられると思います。
包丁と針は、何万年も人類が使い続けてきた道具で、安全な使い方を習得して、指先を使って物を作る経験を重ねて、技術を磨き、それに関連する言葉も習得して、生活文化を次世代につないでいってほしいと切実に思います。衣食住を柱として独立させて、それぞれの、先ほどおっしゃっていた高次の資質・能力のイメージを表で整理することで、より分かりやすく、扱いやすくなるとも感じました。
現行の指導要領で、相互にリンクさせている部分を保持しつつも、枠組みとしては、衣食住を独立させた上で、今後の議論を進められればと思います。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。今、お話のありました時数の件ですが、6ページ目の下部に※印が入っておりますが、この図に関してはイメージであって、各領域の分量・時数を示すものではないと書かせていただいております。時数ではなく学習内容は、資料12、13ページの高次の資質・能力の表に記載されることになります。
それぞれの区分に関する今日の議論は学習内容の議論ではなく、高次の資質・能力です。なお、家庭科の全体の授業時数は、ここのワーキングの議論ではありませんので、ほかの部会に委ねておりますが、限りある時数の中で、どんどん拡大する傾向のある家庭科の学習内容を、小・中・高と考えていく必要があると思います。それは別途、議論をさせていただければと思います。
決してここは、区分別の時数の議論ではないことだけを御了解いただければと思います。ありがとうございました。
【都甲委員】 分けることで分かりやすくなるということは、分かりました。ありがとうございます。
【杉山主査】 ありがとうございました。それでは、亀田委員、よろしくお願いします。
【亀田委員】 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。私からは、6ページ、7ページの小・中・高の領域の見直しについて、お願いいたします。
事務局様からの御提案、あるいは、杉山主査のお話から、経緯については、ある一定の理解はいたしましたが、やはり私自身も、これは、ちょっと大きな変化に私自身も見えておりまして、恐らく現場の方もこれを目にしたときに、私も資料を読みましたが、やはり一旦は大きく動揺されるんじゃないかなと感じております。ですので、しっかりとその経緯、あるいはその根拠について、慎重にこの場でも審議を皆様と議論し、そして現場へ、こうなるのであれば、しっかりと説明することが大事であるかと感じております。大きな変化であるというふうに思います。
そこで、私からは、Bの生活経営・消費生活の生活経営という文言について、事務局の御提案からは、マネジメントという視点を盛り込むんだというお話がございました。これについて、義務教育に携わる行政の立場も含めてですが、御意見を申し上げたいと思います。
特に小学校段階というのは、これまでやはり子供たちは、まずお世話をしてもらっている立場であろうかと思います。つまり、家族や地域の人から大切にされているという安心感を土台にして、そして生活の営みについて、これに触れていく、そういう時期だと考えております。
経営という言葉に、やはり全体的な管理という俯瞰した、先ほどのマネジメントという視点ですが、こういう俯瞰した視点については、一瞬に唐突に見えるといいますか、そのように感じております。よって、小学生はまだ具体的には包丁使ったりとか、洗濯物を畳んだり、あるいはしまったりといった具体的な点の体験を通じて、達成感を得ているのではないかと、そういう段階というふうに捉えております。まずは、暮らしの点となるパーツに触れて、自分の手で何かができる喜びを知って、家族へのお手伝いの延長線上に、それらを統合していくような、つまり経営の視点が徐々にあらわれていき、育っていくというのが理想的かと考えます。
また、中学校段階においても、7ページになりますが、構成のイメージの中に、Aが見られないといいますか。となると、生活経営としての系統性について、もう1回慎重に審議といいますか、再考が必要なのではないかなと考えました。
もう1点、見方・考え方についてです。地域という言葉が目標にはありますが、ちょっと消えているというところで、空間軸の視点からも必要ではないかという点。
あと、持続的なものとする視点と多角的な視点と、何か視点が2つ重なっているような感じがしていて、これらも、もうちょっと考えたいなと思います。
あと、11ページの見方・考え方の「豊かな」という言葉がちょっとあらわれてないというところですが、AI時代においても、やはりこれからますます精神的な豊かさ、ウエルビーイング、幸せ、そういう精神的豊かさ、あるいは倫理的な豊かさ、サステイナビリティーも含めてですが、あるいはダイバーシティーの視点で社会的な豊かさ、あるいは創造的な豊かさ、自立してやっていく自分の手を動かす成功、こういうような、やはり豊かさがあらわれるといいのではないかなと思った次第です。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。マネジメントの件ですけれども、小・中・高を通して考えるときに、最終目標を想定しながら、そこにどう向かっていくかということなのだと思います。生活経営という言葉が、小学校の教科書に使われるということではなく、内容としては、資料の7ページにもお示ししていますが、「A(2)家庭生活と仕事」の内容が、最終的には、高校での生活設計につながっていくという理解の中で入れています。この区分の表現は、それぞれの段階に合うようなものとするのは非常に難しく、家政学で使用している領域の言葉の中で適切なものは何かということで、今、生活経営という言葉にしています。よりよい表現があれば、また御提案いただければと思います。
中学校の生活経営に関連する内容については、7ページの下部の米印に記載しているように、現行の「A家族・家庭生活」に含まれている部分の中があるのではと、現時点では、細かいところまで調整ができておりませんが、そこも含めて小・中・高がつながっていくような形にできればと考えています。御意見ありがとうございました。
それから、見方・考え方については、地域という言葉が入っていないなど、いくつか亀田委員からも御意見いただきました。ほかの先生方からも御意見をいただいて、検討することができればと思っています。ありがとうございました。
それでは、次に、大久保委員、お願いします。
【大久保委員】 よろしくお願いします。私は、中学校の現場の立場からちょっとお話しさせていただきたいと思います。まず、2つありまして、1つは、先ほど言った領域の件と、もう一つは、高次の資質・能力について、述べさせていただきたいと思います。
資料は、7ページのほうがいいかなと思うんですけれども、現在、消費生活・環境の内容の授業づくりに、今先生方と一緒に関わっているところです。その中でお金の使い方、そして、物の購入と、家庭での暮らしというのは、日常生活では切り離せない関係にあるということを、今は強く感じているところです。計画的な金銭管理の必要性については、収支のバランスを図るために生活に必要なものや、サービスのお金の流れを把握して、多様な支払い方法に応じた計画的な金銭管理が必要である。このことを理解していくことになるんですけれども、例えば、中学生の身近な商品を取り上げつつ、また、家族の立場や役割に応じて優先順位を考えていく。そういった活動の中では、家族の収入源や、また、家族みんなで使う生活費をより考えていくことで、お金の使い方が暮らしの質、また、家族の安心に直結することを、実感を持って理解を深めている場面を見ました。
こうしたことから、家庭内での役割とか分担、また、家族構成、収入とか支出の優先順位、そして意思決定に影響して、金銭管理の仕方や消費生活の在り方、こういったものに反映されると感じています。家族と家庭生活、そして消費生活を関連づけて指導できる生活経営の領域、名前のほうは、私もちょっとどうなのかな、なんていうところは思うんですけれども、そういったことと関連づけていくことで、生徒が生活全体のつながりを実感できるのではないかなと思います。
消費生活の授業づくりで生活を総合的に捉えたり、連続性とか重要性に気づかせるために、多分、現場の先生は、様々な工夫をしているところですけども、なかなかここら辺が、すごく難しいなと。家族と関わっていく、家計のことを考えていくということは、先の将来を考えることにもつながっていくと思うので、これにちょっと関連づけた、双方に関連づけている領域については、大変期待ができるんじゃないかと感じています。
それから高次の資質・能力についてですけれども、こちらについては、資料の具体的な場面で12ページを、例えば見ていただければと思います。生活をよりよくするための適切に判断する力といったところを捉えてはどうかという提案がありましたけれども、これまでは生活を工夫し、創造しようとする実践的な態度ということでされていましたけれど、生活をよりよくするということは、実際に幅が広くて、追求する視点ということが、ちょっと曖昧になっていた気がしておりまして、今回、この高次の資質・能力を御提案いただいた中で、より目指すべき姿・内容、この内容をすると、こういった姿になるのではないかというようなイメージを持つことができると感じました。
ここに、これまでの見方・考え方であった視点が、様々振り分けられているわけなんですけども、この辺が何か学習の目指す姿となって、先生方が、この内容を指導していくという流れということであれば、とてもイメージがつかみやすくて、授業づくりにも生かされるんじゃないかなということを感じました。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。大久保委員からは、領域についても、高次の資質・能力に関しても、今回提案しているものに関しては、肯定的で、よりよい形で進んでいくことができるのではないかという御意見をいただいたかと思います。ありがとうございました。
それでは、次に大友委員、お願いできますか。
【大友委員】 大友です。どうぞよろしくお願いをいたします。私のほうからは、ページ数でいうと、6ページの領域の見直しのところについて、お話をさせていただきます。
私としては改善のイメージで、新しく5つの分類に分かれたということは賛成で、特に生活経営・消費生活が一体となることによって、子供たちにとっては、関連性がはっきりして分かりやすくなって、理解が深まるのではないかと思っています。
具体的には、例えば、将来の生活設計、ライフプランニングには、進学、就職、結婚、出産、子育て、自宅を購入、介護、老後など様々ありますけれども、これらのライフイベントは、資金計画と密接に結びついていて関係しています。これらを別々に学ぶのではなくて、1つの領域で関連づけて学ぶことで、人生設計と経済的側面とが、密接に関わっていることをより深く学べ、実感をもって理解ができるのではないかと思います。
もう一つは、この生活経営という言葉が新しく出てきたんですけれども、この新しい言葉というのは、やはりより共通の理解を今後は深めていくという意味でも、もし、この定義みたいなものがあるのなら、ぜひ教えていただきたいというのが、領域についてのまず1点目です。
もう一つなんですけれども、今日の資料でいきますと4ページ目のところになるのですが、空間軸・時間軸の視点という、学習対象の広がりの明示のところなんですけれども、実は今、小学生であっても体験の空間軸が飛躍的に拡大していますので、自分や家族や家庭や地域社会など同心円的な空間軸の広がりだけではなくて、仮想空間も自分たちが生きる社会の一部として捉え、物理的な空間とインターネットによる空間的なつながり、仮想空間を往還させた学習対象を含めるということも、必要なのではないかというふうに思いました。
私からは以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。生活経営ですが、定義自体は多分いろいろあると思いますけれども、1つの定義の例としては、生活資源を総合的に管理・活用すること、生活資源とは、時間やお金や知識、人間関係とか、広い意味で生活資源と呼んでいますけれども、そういうものを管理したり、活用したりするといっていることを生活経営と呼んでいることが多いかと思います。皆さんでこの言葉を使って領域を表現していくのであれば、当然、共通理解をする必要があると思いますので、再度定義について確認させていただければと思います。
それから空間軸に関してですが、非常に難しくて、現実は仮想空間まで広がっていることは事実だと思います。ただ、最低限共通して全ての子供たちが学ぶ内容として学習指導要領にどこまで示すのかは、検討する必要があります。空間軸は、今までは実際の場面であり、仮想空間は、想定されていない中で動いてきていると思いますので、大友委員にいただいた新しい視点も含めて、別途検討ができればと思います。ありがとうございました。【大友委員】 ありがとうございます。
【杉山主査】 それでは次は、西𠩤委員、お願いできますか。
【西𠩤委員】 ありがとうございます。私からは、まず領域のことと、それから新しい見方・考え方について、思ったことをお話ししたいと思います。
まず、領域についてですけれども、大きく変化するように見えるので、最初は驚いたのですが、御説明を伺って整理して考えると、とても分かりやすいのかなと思いました。
まず、新しいAの領域ですけれども、人に関わるところになるかと思うんですけれども、家族・家庭生活という人に関わるところで、将来の地域社会の担い手として、そこがコアになっていくという家庭科らしいメッセージを最初のところに置いているというのが、すごく分かりやすいと思いました。それからBのところで、生活経営という言葉については、今、御議論があったところですが、家庭科の場合は本当に生活全般を対象にしているから、多角的な視点からの生活資源の生かし方というところをAもふまえて押さえている。
そしてその後で、これも、とても家庭科の非常に特徴だと思うんですけれども、家庭科ならではの実生活の衣食住という、一番実生活で具体的で分かりやすく、しかもコンテンツもかなり体系化されているものだと思いますけれども、そこをC、D、Eというふうに置いているということで、その構造が分かりやすいなというふうに、説明を伺ってすごく思ったので、全般的に領域に関しては、賛成意見を持っています。
なので、家族・家庭生活というのが、今後の家族・家庭で生活を良くしていくということとともに、地域社会の担い手として育てていくという、そういう豊かな社会をつくるためにも、家庭科は非常に重要であるということを打ち出せるのかなということを考えて、とても理解できたというのが1つです。
もう一点の、新しい見方・考え方というところですが、その観点から、この御案は、すごくシンプルで分かりやすいなとも思いつつ、地域社会に開いていくというイメージというのが少し見えにくいと感じました。この文言の中に入れ込むのかどうかというのは、また別の解説の中、解説というか説明の中に入れ込むのか、この文言中に打ち出すのかというのは、また別かもしれないんですけれども。何かこれだけ読むと、すごく自分とか家族生活だけに閉じている感じがしてしまいます。自分や家族生活は、家庭科の特徴ではあるのだけれどもそれらが地域社会につながっているから面白いので、自分と家族の生活というのが、地域・社会につながっているイメージをどこかに持たせられないかと。ここのところは、特に小・中・高と発展していくときに、小・中・高と空間軸を広げるということを意味すると思います。ただし、小学校の先生であっても、小学校では、自分と家族のところを学ぶ、特に注力して学ぶとしても、教える先生のイメージの中で、ちゃんと社会と地域に将来的につながっているイメージが形成できるといいんじゃないかなと。
具体的に、この新しい見方・考え方をどういうふうに変えたらいいのかなと思いながら考えたのですが、まだ具体的なアイデアが浮かばないのですけれど、意見としては、小・中・高を見通したときに、自分や家族の生活に閉じず、それがつながっているイメージを、どこかに持たせたいと考えたということになります。
あわせて、13ページのところになるかと思いますが、高次の資質・能力のイメージ、私は衣生活が専門なので、ちょっと衣生活のところも見ながら考えていたのですけれども、ほかの分野もそうかもしれないのですが、特に中学校から高校にかけて、社会の担い手としての家庭生活の学びによる資質・能力がどう広がっていくのかという部分が大切だと思いました。今回は高校がこれから議論になるから、ここには高校は載ってないということで御説明いただきましたけれども、高校のところの系統的に発展していくイメージが、この表の中にも見せられたらなと感じながら拝見いたしました。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。高校はこれからの課題なので、ぜひそこは検討したいと思っています。ありがとうございます。
それでは次に、村上委員、お願いします。
【村上委員】 よろしくお願いします。私からは、6ページの領域の見直しについて、お話しさせていただきます。
私も初めてこれを聞いたときに、A、B、Cが、AからEになるということで、何かすごく増えてしまうようなイメージがあり、ちょっと大きく変わるなと思ったのですが、いろいろな御説明を聞く中ですごく納得しまして、新しい改善のイメージをいいなと今は思っています。御説明にあったように、Aに関しては人に関すること、そして、Bは営み方に関すること、そして、生活を構成する要素に関することが、食生活・衣生活・住生活ということで、非常に分かりやすいと思います。
衣食住とまとまっていたときに、先生方が、それぞれの目指すものが本当に分かっているのかなあと思うようなこともありましたので、今回、また3つに分かれることで、もちろん食・衣・住をそれぞれ絡めながら学習するのは当然なのですが、それぞれが目指すところというのが、先生方に理解されやすいのではないかなと感じました。
小学校の場合は、どうしても家庭科専科の教員は少なく、担任や講師をやっている先生が教えてくださることもあるので、家庭科を専門に学んできた者ではない、もう本当に初めて家庭科をもつような人にも分かりやすいというのが、一番大事かなと思っています。例えば、食生活・衣生活・住生活というのも、私自身は家庭科を学んでいるので、普通の言葉なのですが、もしかしたら、家庭科を専門に学んでいない人が聞いたときに、イメージが本当に湧くのかな、どういうことを教えるのかイメージが湧くのかなというのも少し不安に思うところがあります。生活経営という言葉もそうなのですが、まだ仮称ということなので、この名前についてはこれからかと思いますが、本当に初めて家庭科をもつ人でも、分かりやすくイメージして教えることができるといいなと感じています。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。仮称ですので、領域の名称については、また、検討させていただければと思います。
それでは次に、田中委員、お願いできますか。
【田中委員】 まず、領域についてですけれども、御説明を伺って、衣食住の各領域、それぞれの目指すところに向かって、しっかり教えることができるのではないかという点で、非常に肯定的に見ています。
それから11ページの、新しい見方・考え方についてですけれども、家庭科の背景学問の家政学の定義から引用すると、学習対象は、家庭生活を中心とした人間の生活と書かれています。したがって、当該教科で扱う事象や対象については、家庭生活を中心とした人間の生活となると思いますが、端的に表すことが求められていますので、人間の生活、さらには短くすると「生活」になるのではないかなと思います。
次いで、当該教科固有の物事を捉える視点については、家庭科教育学会の家庭科の目標に「生活を総合的に捉え」と書かれていますので、最終目標を想定してですけれども、「総合的な視点から捉え」となるのではないかなと思います。ただし、小学校で総合的に捉えることは非常に難しいですし、小学校というのは、エレメンタリースクールですので、要素を学ぶ段階です。それでも、物事を別の角度とか立場から捉えて理解しようとすることは、家庭科にとってとても大事なことですので、少し言葉を補って「多角的・総合的な視点から捉え」とすることも考えられるのかなと思いました。
そして、当該教科固有の考え方や判断の仕方については、これは、よりよい生活をつくり出すに賛成です。ただ、家庭科の独自性の3本柱に、総合性、創造性、実践性があります。この実践性をどうするのかですけれども、ここに書かなくてもいいのかもしれませんけれども、「実践を通してよりよい生活をつくり出す」も考えられるのかなと思いました。あとは、他の教科と足並みをそろえて、どの程度、文章を短くするのかというふうなことになるのかと思いました。
それから、高次の資質・能力のイメージについては、おおよその方向が分かりましたので、細かいことは、高校のものが出てきた時点で検討になっていくのかなと思います。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。見方・考え方についても、具体的にお示しいただきありがとうございました。
それでは次に、石島委員、お願いできますか。
【石島主査代理】 よろしくお願いします。まず、領域の見直しについてですが、先生方がおっしゃっているように、非常にそれぞれの領域で行うことの目標が明確になるため、私もこの見直し案に賛成です。
また、見方・考え方についてなんですけれども、西原委員がおっしゃっているように、やはり社会との接続というところのイメージが出るような流れ、言葉が欲しいなと考えております。前回の「持続可能な社会の構築」という視点がありましたので、持続可能なものとするというところを、「持続可能な社会をつくる視点から」というような文言に少し変えていくと、社会づくりの担い手ということで意識できるのかなと思います。
また、高次の資質・能力につきましては、まだこれから細かいところをつくっていくということなのですが、領域Bの生活経営・消費生活の中での高次の資質・能力について、一言述べさせていただきたいと思うのですが、ここでは、生活経営につきましては、特に高校でいう生活設計などと、また、生活の資源などと組み合わせて学習ができればということで、Bの案を提案させていただいたところなのですが、消費生活と生活経営につきまして一番大切にしております、高次の資質・能力というのは、意思決定というところだと思います。ですので、例えば、資源を効果的に活用というところに、「選択・活用」とかそういったことで意思決定ということを、言葉なり、そのものを入れていただけたらと思います。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。
それでは、髙木委員、お願いできますか。
【髙木委員】 よろしくお願いします。基本的に、私は全体的には、この案のとおりでいいかなと感じました。今、話が出ていた見方・考え方については、いろんな御視点があるとは思うのですが、多分、小・中・高全部を合わせるという考え方になってくると、シンプルな言葉でいくしかないのかなという感じ方もするんですけども、今、いろんな話を伺っている中で、そういう視点もあるのかというところで、その辺りをどう入れられるのかなと。ただ、あんまり細かいこと言い出すと切りがないのかなというのもありまして、私がこれを最初に読んだときにすっと入ってきたので、家庭科ってこういうことやるんだなというのを、素人的な見方なので、あとは専門的な皆様のほうで見たときに、やはりこれは絶対にあったほうがいいというのがあるならば、そこを入れていくべきなのかなと思いました。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。
それでは、幾つか御意見をいただいていますが、私の意見を言わせていただいてもよろしいでしょうか。見方・考え方なのですが、9ページの現行の目標に、「生活の営みに係る見方・考え方」という表現があります。11ページの新しい見方・考え方では「自分や家族の生活を」となっており、対象が「生活」なのか、「生活の営み」とした方がよいのかということが気になっています。実際に私たちが家庭科の学習の中で扱う生活経営も食生活も生活をするに当たっての営みがあり、どんな生活が理想的なのかとかという学習ではなくて、生活をどうつくっていくのかということを考えることができることが大切なのではと思っています。
それから、その次に「主体的に改善し」と、いきなり改善があり、何かがあってそれを改善するというのは分かるのですが、基本的に生活に問題があるという前提に立っているような感じがしていて、ここに「主体的に改善し」という言葉が必要なのかなと思っています。
ここを、例えば「地域や社会との関わりの中で」ということを入れて、「持続的なものとする視点から多角的に捉え」とつなげることで、先ほどの地域や社会といっていること、家庭の中に閉じるのではなく、基本的には、家庭の生活は周りの地域や社会との関連性の中で成り立っていることを見方・考え方にも示すことができると思います。
「持続的なものとする」の部分は、「持続可能な社会とするか」というご意見もありますが、「持続的なものとする」という表現にすることによって、健康を維持するとか、安全を守るとか、広い意味で、いろんな意味合いの「持続的なもの」が入ってくるのであるとすれば、このままの表現でもよいのかなと思います。
さらに、「よりよい生活を創り出す」を「主体的によりよい生活をつくり出す」とすることもできるのかなと思っています。見方・考え方は端的にということですので、今日いただいた御意見を幾つか勘案しながら、仕上げていくことができればと思います。
それから、「豊かな」という表現を入れてはどうかというご意見もいただいたのですが、「豊かな」は、実は解釈がかなり難しくて、先ほどのお話にもありました精神的な豊かさなどいろいろな豊かさがあり、ウエルビーイングや幸福という言葉も家庭科の内容としては、すごく密接につながっているのだと思いますが、扱いは難しいと感じています。「実は原案では「豊かな生活」となっていたのですが、「よりよい生活」という形に修正していただいたという経緯がございます。
それでは渡瀬委員が途中から入っていただいています。今、議題(1)について御意見をいただいているところです。もし、事前に資料も御覧いただいていて御意見がありましたら、お願いできますか。
【渡瀬委員】
資料を拝見して、まず、領域構成のところですが、資料では大きく2つ(①生活の基盤に関する事項、②生活を構成する要素に関する事項)、細かく5つ(A~E)とあります。今回、Bの内容の一部が、Aからお引っ越しになり、この点が新たな、といいますか、多分ここが(改訂において)大きなポイントの1つになってくるのだろうと思います。
名称等については今後、ということですが、領域の名称をどう考えるか。資料では、①生活の基盤に関する事項、②生活を構成する要素に関する事項と示されていますが、BはAと一緒のくくり(生活の基盤に関する事項)に入るものなのか。現行の内容A・Cも、Bの内容をサンドイッチのように挟んで領域を横断するようなイメージかと思うんですが、今改訂もひょっとしたら、このような考え方もあるのでは、と個人的に思ったりしました。
見方・考え方につきましては、できるだけシンプルな表現を、ということでしたけれど、やはり先ほど、田中委員からもお話があったような「総合的」とか「実践的」という要素が言葉として入ると、家庭科の独自性が明示できると思いました。以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。鈴木委員、何かありましたら、よろしければどうですか。
【鈴木委員】 ありがとうございます。私も、大友委員や大久保委員の御意見とほとんど同様なんですけれども、生活経営と消費生活は、全体的には、この方向でよろしいんじゃないかなと思っています。
先ほど来、言葉はこれから変わるかもしれないということうですけれども、生活経営と消費生活って、やはり密接に結びついています。今、子供たちはSNSとか、ネット通販とか、キャッシュレス決済が普及していて、消費社会と向き合うのが、すごく早くなっていると思うんですね。なので、やはり小さいうちからお金の使い方というか、消費者力を高める、いってみれば消費者教育がますます重要になってくると思っておりまして、それにはやはり、家庭科での学びが重要となるのではないかなと思っています。
ほかの皆さんの御意見でもありましたけれども、資産管理というか家計管理というのは、家計管理というと言葉では難しいですけれども、家族と一緒に考えていくというのは、非常に大切なのではないかと。というのは、全国の消費生活センターには、やはり多重債務の相談というのが多いんですね。貸金業法が改正されて、一時のピークのときよりは少なくなってきているとはいえ、やはりなくなりません。その中身を見るとギャンブル依存などもあるんですけれども、それよりも、やはり圧倒的に生活設計ができていない。親が、生活設計ができていないということが見られます。自分の給与等を考えずにそれに見合わない派手な生活を送りたいがなどのゆえに、多重債務に陥るというようなところが見えます。
高校生は、高校卒業すると社会に出ていくわけで、社会に出て困らなくなるためにも、やはり金銭管理、資金管理というのが非常に必要で、それには、やはり小さいときからのお金の使い方の学び、もちろんお金だけではないんですけれども、生活全体を見通して考える力を身につけるのが大切だと思っていますので、言葉の使い方はともかくとして、この生活経営・消費生活というのが入るというのは、方向としては賛成です。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。いただいた御意見を基に、議題(1)の内容を整理して御確認いただけるようにしたいと思います。ありがとうございました。
渡瀬委員からご意見のあった順番の件も含めて、整理をさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは引き続き、次の議題(2)について、事務局より説明をお願いします。
【髙見主任教育企画調整官】 それでは、お手元の資料を改めて御確認ください。20ページを御覧ください。議題(2)は、高校の科目構成の在り方についてです。ここでは、高校の科目構成の在り方に関する現状と課題について整理しております。
まず(1)に掲げるとおり、現行の高等学校「家庭基礎」と「家庭総合」については、目標や学習内容に明確な差異が見いだしづらく、教科書の記述内容も大きな差異が見られない現状にあります。
また、(2)に掲げるとおり、社会情勢が変化する中で生活に直結した科目である家庭科においては、実践的・体験的な学習活動を通した問題解決的な学習をより一層図っていく必要があり、特にホームプロジェクト、学校家庭クラブ活動について十分な指導が行われていない、そういった実態もあるところでございます。
また、右上にあるとおり、家庭総合の趣旨が十分に学校現場に伝わっておらず、問題解決的な学習が十分行われていないといった課題が見られるところです。
(3)に掲げるとおり家庭総合については、複数年にわたって分割して履修する場合に連続した2か年の履修となっており、柔軟な教育課程の編成が困難であるといった課題も見られるところでございます。
21ページを御覧ください。ここでは、高等学校の科目構成の在り方に関する論点として、まず(1)の家庭基礎、家庭総合の趣旨・在り方として、社会が急速に変化し、個々人が地域や社会を構成する一員として自立したり、多様な人々と協働することが求められていることや、個人や家族の豊かな生活や持続可能な社会の形成に向けて、より一層、科学的な根拠に基づく理解や、問題解決的な学習を通した実践力の育成が求められている中において、各科目の趣旨を明確化してはどうかと考えております。
具体的には右側にございますとおり、家庭基礎を、高等学校卒業後に自立した生活者として地域社会の主体となり、豊かな生活を営むために必要な力を育成することを重視するとともに、家庭総合を、自立した生活者としての力に加えて、地域や社会の中で主体的に他者と関わり、助け合いながら豊かな生活を創造する人材として家庭や地域の生活を支え、生活向上を先導する力を育成することを重視してはどうかと考えています。
具体のイメージにつきましては、23ページを御覧ください。現行の家庭基礎、家庭総合が左側、改善案を右側に示しておりますが、先ほど申し上げたとおり、家庭基礎、家庭総合の位置づけを見直した上で、新しい家庭基礎については、小中学校からの学びの系統性を重視しつつ、これまでは、家庭総合にのみ記載のあった科学的な根拠に裏づけられた理解も重視すること。また、自立した生活を営むために、主体的に生活を創造する力を育成すること。
新しい家庭総合については、新しい家庭基礎の内容に加えまして、科学的な根拠に裏づけられた理解と実践的・体験的な活動を通した学びの往還によって、より質の高い探究的な学びへとつなげるとともに、広い視野で生活を捉え、多様な人々と協働しながら、より豊かな生活を創り出すこと重視してはどうか考えております。
22ページを御覧ください。(2)の実践的・体験的な活動を通した問題解決的な学習の充実として、ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動、これについては高等学校でございますけれども、現行のように独立した領域ではなく、中学校と同様に各領域の中に位置づけること。名称については、探究的な学びとして趣旨がより明確となる方向で見直すこと。国において授業の構想に資する優れた指導事例の周知に取り組むこととしてはどうかと考えております。
また(3)家庭総合の教育課程編成の柔軟化として、隔年での実施や、第1学年から第3学年までの連続した履修を認める見直しを図るとともに、隔年となった場合でも学びの支障が生じないよう、必要な留意事項を国として示すこととしてはどうかと考えております。
24ページを御覧ください。こちらは、先ほど申し上げたホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動の在り方のイメージということで示しておりますが、(1)にあるとおり、現行では領域のDとして位置づけられたものを見直し、新領域のAからEの中に位置づけることとした上で、ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動に相当する内容の両方を扱うこと。新領域AからEのうち、いずれかを選択して実施すること。その際には、他の領域との関連を図ることとしてはどうかと考えております。
また(2)にあるとおり名称についても、現行のホームプロジェクトや学校家庭クラブ活動の探究的な学びとしての趣旨や意義をより一層伝わりやすくするため、個人探究(ホームプロジェクト)、協働探究(学校家庭クラブ活動)と見直すこととしてはどうかと考えております。
さらに(3)円滑な実施のための支援として、授業の構想に資する優れた指導事例等の周知を、国が主体となって行うこととしてはどうかと考えております。
25ページを御覧ください。ここでは、左側に現行の家庭科が連続した2か年で行う必要があることを示しておりますが、右側の改善のイメージにあるとおり、例3あるいは例4のような形も可能としてはどうかと考えております。
22ページにお戻りいただければと存じます。以上、本日の議題(2)といたしましては、一番下の青の枠にあるとおり、家庭基礎、家庭総合の整理の在り方、そして、ホームプロジェクトや学校家庭クラブ活動など、問題解決的な学習の充実方策、そして教育課程編成の柔軟化、こういった視点について御意見をいただければと存じます。
私からの説明は、以上となります。よろしくお願いいたします。
【杉山主査】 ありがとうございました。それでは、意見交換に移りたいと思います。御意見や御質問のある方は、挙手ボタンを押していただき、私から指名させていただきます。発言時はミュートを解除してお話しください。
全員に御発言の機会がありますよう後半のほうが少し時間を長くとっておりますので、1回の御発言は長くとも4分以内でまとめください。なお、時間が足りなくなった場合につきましては、会議後に発言いただく予定だった内容を事務局までメールにてお送りいただいた上で、後日、議事録掲載する取扱いとさせていただきます。
御発言の際は、幾つか内容がありますので、資料のどのページに関する御意見、御質問であるかを明言いただきますと幸いです。それでは、いかがでしょうか。
西𠩤委員、お願いします。
【西𠩤委員】 よろしくお願いいたします。
まず、23ページの家庭基礎、家庭総合のところの整理なのですけれども、家庭総合のところで、より実験・実習なども充実させながら、地域・社会で生活を支えていくというリーダー的な力を養っていくということで、理念としては理解できるところではあるんですけれども、ちょっと懸念されることとしては、家庭基礎が、今、多くの学校で採用されている中、家庭基礎のところをあまりに基礎に寄せ過ぎると、非常に家庭基礎自体が細ってしまわないかというのが懸念として、今回の御案を見たときに感じたということがあります。
特に先ほど、家庭科の特徴である実践的というか、実験・実習みたいなところを家庭基礎から、特に衣食住のC、D、Eのところが基礎となったときに、ある程度の必要な実験・実習がなくならないようにというか、細らないようにというのをすごく考えないといけないかなと。多くの学校が採用している2単位もので、本当は4単位欲しいとかいろいろあると思うんですけれども、多くのところが、今は2単位を採用している現状を考えると、そこの家庭基礎の内容が細らないようにということを、すごく感じたところです。
それから、家庭総合のところで科学的、基礎も総合も科学的な根拠に裏づけられて理解していくというところで行っていくということだと思うのですけれども、特に総合のほうは深くなっていったときに、家庭や地域の生活を支え、生活向上を先導するというふうに今は書いてありますが、こういう生活の中の科学的な知見などを身につけていくと、例えば産業界においても、生活者の視点を持ったものづくりですとか、様々なことに応用ができていく内容だと思っています。何かその辺りを、家庭・地域という身の回りだけで収まる感じだけでなく、家庭・地域での生活の視点から社会をよくしていくというイメージも持っております。ちょっと理想論になってしまうかもしれませんけれども、家庭科で学ぶ科学的知識というのが、今後の社会の中で、生活者の視点を持ったものづくりとか、仕組みづくりなどにもすごく役立つかなと思うと、家庭総合のところの文言を考えるときには、そういう視点もあってもいいのかなと感じたということです。すみません。少し長くなりました。よろしくお願いいたします。
【杉山主査】 ありがとうございます。
それでは次に、髙木委員、お願いできますか。
【髙木委員】 すみません。よろしくお願いします。事務局の案の中にある家庭基礎、家庭総合の部分で、23ページの部分になるかと思うのですが、今、西𠩤委員のほうからいろいろとあって、基礎が細くなってしまうのはという話があったのは当然そうだと思いますし。とはいえ2単位でできることって、やはり限りがあるのかなというところでの、精選というのは非常に難しいんだろうなということは想像に難くないのですが、やはり、2単位というのを意識して、2単位と4単位って、結局、言い方を変えると半分なので、家庭総合の。半分の中で何をやっていくのかという視点でやっていただけると、充実したものになっていくのかなと。そしてその中に、科学的な根拠ってやつがやはりないと、ただやっているだけになってしまうのかなと。
普通科の多くの学校が家庭基礎を学んで、そこから家庭科を専門にしようという子たちがやはり生まれてくれないと、この後つらいと思うんですね。やはりそういった視点というのがあるとありがたいかなあと、私なんかは見てて思います。今、高校の家庭科の先生がちょっと少ないのが、正直いって現状なものですから、これは小中学校も一緒だと思うんですけども、そういった部分も含めて内容の精選ってやつをどう入れていくか。難しいと思うんですけども、そういう部分があるといいなと感じています。
あともう一点、次の24ページにある問題解決的な学習の部分。これも結局、今のこの教科書のつくりなんかは、指導要領の理念と教科書づくりってやつがどう結びつくかって難しい問題ではあるんですけども、今の状況ですと、やはり教科書の最後に、二、三ページ入っているだけという状況になっているのが、今の教科書の現状だと思うので、その辺りのところをどういうふうに入れ込んでいくかと。指導要領との関係だとちょっと難しいかもしれないのですが、やはりその辺りのところをやっているなど、どういうところまで求めているのかなと。
高校で、今、各学年が週に1時間から2時間程度やっている総合的な探究の時間というところでの、今は探究学習というのをやっていくわけなのですが、そことの関係で、何か全部が全部3学期にまとめるとなると、非常に学校としてもなかなか大変、生徒が実際には一番大変になっちゃうのかなというのもあるので、その辺りをどういうふうに入れていくか。その辺りのどこまで求めるかという部分についても、もうちょっと具体的にあるとありがたいかなと思ったりしています。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。具体的な学習活動に関しては、24ページの一番下のところにも記載されていますが、2単位でも4単位でも、その中で、この問題解決的な学習であるホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動という2種類を含んだ全体計画が重要なことなので、優れた指導事例等の周知を、積極的に行っていく必要もあると思います。 髙木委員は、高校の現場の立場として、資料の25ページ件に関してはいかがですか。
【髙木委員】 何とも言い難いなというのが正直なところでして、家庭総合を取る学校があるとすれば、やはり連続性があったほうがいいんじゃないのかなとは、私個人も思います。なので、どちらかというと例の3にあるほうが現実的なのかなと。ちょっと細かく分かれるけども連続でやれる。やはり、1、3というのはとてもやりづらいかなというのが、正直なとこかと思っています。教育課程上に入れるのも、必修であるならば、結果的にそれ取らないと卒業ができないという観点が生まれてきますので、そうなってくると、3年生にそれを落としたら、もう絶対に卒業できないよというのが入ってくるのは、あまり好ましくないという。実際にはそれあるんですけども、それがあまり多くなるのは好ましくないかなと思ったりしますし。ただ、そうすると例3も同じことになっちゃうかもしれないのですが、間が空く怖さというのはあるかなとは思っています。ただ、自由度を高めていただけるのは、学校としてはプラスのほうに働くんじゃないかなと感じているところです。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。今、「連続する2か年」という規定がついていますので、例3というのはあり得ないわけですけれども、学校の事情によっては例3はあり得る、例4は間があいてしまうので、難しい部分があるのではないかということでの御意見とお伺いしました。ありがとうございました。
それでは次に、渡瀬委員、お願いします。
【渡瀬委員】 よろしくお願いします。
「共通教科家庭」ですので、全ての生徒が学ぶ内容ということを踏まえて考えますと、資料21ページの右側の「高校卒業後」と記述された箇所は、高校卒業後だけではなくて、今も必要とされる学びとして、家庭基礎も家庭総合も捉える必要があると思います。また、資料23ページにありますけれども、家庭総合4単位を、より魅力的なものにしていくことが、今回の改訂の中で特に意識したいところです。もちろん家庭基礎の内容の質を担保するということも大切なのですが。資料23ページの2行目あたりに記述された「豊かな生活を創造する人材」に関わる学習内容として、生徒の周り(居住地域・学校所在地周辺)の生活を豊かにするような実習だったり、体験だったりを、家庭総合でははっきりと打ち出していく。それはアカデミックな科学的な裏打ちに基づく実験・実習も含まれます。例えば、学校で探究的な学びをする中で「頭の中では思いつくんだけれども実際はやれないとか、やらない」ということが指摘されることがあります。「実際に確かめない」ことが課題というわけです。別枠で「総合的な探究の時間」はあるんですけれども、そこでの学び方というところにも関わって、高校家庭科、とくに家庭総合では、しっかり実験・実習等の実践的・体験的な学習をやりますよというのを、より鮮明に打ち出せないかなと思います。
また、「文化」という点も重要かなと思っていまして。実際にこの科目を取ってくださる学校の所在地にも様々な文化があり、その地域の暮らしに高校生が目を向けて魅力を発見していく。そういった目的をもつ科目として、改めて「家庭総合」のプレゼンスを高め、打ち出していくことが考えられます。もちろん、地域の暮らしの文化を大切にする視点は高校生にとって必要になるのでは、とも思った次第です。
資料24ページの案ですが、個人探究、協働探究が前にくる名称であっても、それぞれホームプロジェクト、学校家庭クラブ活動が残るということですので、ここは家庭科の教科の中で行う「探究」の場として、ぜひ確保していただきたいところです。
時々、「総合的な探究の時間」の実践例を拝見する際に、「これって家庭科の学習内容じゃないですか?」と思ってしまうことがあります。もちろん、「総合的な探究の時間」の中で家庭科的なテーマに取り組むことは結構だと思うのですが、「このことは家庭科で学んだな」ということが、生徒につながっていく、残っていくように、家庭科の教科内でも「個人探究(ホームプロジェクト)、「協働探究(学校家庭クラブ活動)」は仕組みとして残していただきたいなと思います。
現在の案ですと、両方扱うこととなっていますが、ここについては、場合によっては少し、今後、検討していくということもあるかもしれませんが、個人的には、こういった学習機会が文言として残っていくことが必要かなと思っています。
最後にすみません、25ページです。こちらについて、家庭総合を柔軟に扱うという、例3のようなものについては、考えていただくのは大変いいなと思って伺っていました。共通教科家庭のほかに、専門教科家庭ってありますよね。専門教科家庭は、いわゆる生活産業に関わる職業人育成ということで、共通教科家庭とは、立ち位置が違います。実際に高校では総合学科や家政系の学科で、専門教科家庭の科目を開設していると思います。もちろん、生徒が生活産業に将来携わることを狙って、という目的もあるかもしれないですが、本当は「もうちょっと教育課程が柔軟だったら、家庭総合を複数年で分割履修できたのに」と思う学校もあるかもしれません。分割履修が可能になることで選択肢も広がりますし、多くの高校生が、豊かな体験的学習を展開する家庭総合を学べるチャンスが増えるのではないかと、個人的には思っています。以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。
それでは、次に、石島委員、お願いします。
【石島主査代理】 ありがとうございます。資料を共有したいのですが、よろしいでしょうか。
まず、高校の科目構成の在り方で、21ページの家庭基礎と家庭総合の違いをどういうふうにつけていくかというところなんですけれども、目指すところは、ゴールは同じなんですけれども、やはり学習方法や学びの深さが異なってくるのかなと思います。
ただ、家庭基礎の中でも、実践的・体験的な学習というのは、主軸として大切に取っておきたいと思いますので、従来どおりこの言葉は残すということで。総合に関しては、実践的・体験的な学習をするだけではなくて、理論との往還を通じて高め合っていくというような表現をしていくとか。あとは、小中との違いというのは、やはり社会への参画というところが、高校は違うと思いますので、社会参画の視点を育むのが基礎、社会参画できる資質・能力を育むのが総合といったような書きぶりにしてはいかがかということで、1つ提案があります。
また、学校家庭クラブのことなんですけれども、家庭科教員でも非常に誤解しているところも多いので、ちょっと整理させていただきますと、1つ目は、課外活動というものが主流と思っている方もいるんですけれども、そうではなくて、教育課程の家庭科の中に位置づく家庭科の学習ということです。また、家庭科の学びを生かした協働的な問題解決の学習、探究学習ともいいます。
ちょっとこれから3点、教育的な価値や、課題改善案などを簡単に示させていたいただきます。
まず、探究的な学びとしての価値ということで、家庭科の探究学習が体系化されています。小学校段階では、家族・家庭生活の課題と実践、中学校段階では、生活の課題と実践ということで、高校では、ホームプロジェクトで個人探究。そしてそれを、あともう一個、学校家庭クラブ活動で協働的な探究があります。
そういった意味でも、高校家庭科の中で生活実践や、持続可能な社会の担い手を目指すということで、この探究学習の完成形ということで、不可欠な学習であると考えておりますので、今後とも残していただきたいと考えています。
また、探究学習や総合的な学習でやるのとどう違うのかということも、よく質問を受けるんですけれども、まず、家庭科の中では、という生活の中で立てて、家庭科の学びを生かして生活の当事者として実践をする。家庭科の専門性によって成立する学習ということで、大きな違いがあります。この教科の学びを生かす、教科での学びを実生活に活用するということで、より学びの有効性・有用性を実感的に高めることができると考えています。
また、協働的な学びとしての価値としましては、今、盛んに言われています、ラーニング・コンパス2030の中でも新たに注目されている、コ・エージェンシー、協働性のある主体性ということ。そして学校家庭クラブでもそうなのですが、見通しを立て行動し、振り返る中で新たな価値を創造するというところで、非常に現在求められている資質・能力を育てられる学習形態だと思います。
また、今回の次期学習指導要領でも強化されていますが、各教科等横断的な取組としての価値も十分にあります。この横断的な取組を、自然に実装できる学習形態であると思います。教科横断は、単に教科を並べることではなく、テーマが起点となります。そういう意味でも学校家庭クラブは、様々な現代社会の課題や家庭科の学びをテーマにし、多面的な視点、教科横断の視点で捉え、生活課題・社会参画へとつなぐことができます。
一方、課題も幾つかありますので、御紹介させていただきます。
これは、最近調査したものですが、まだ途中なんですけれども、80名近い教員の協力を得られました。学校家庭クラブ活動の教育的な意義を感じている教員の割合は、66%と割と多くいます。そして、学校家庭クラブの活動がやりにくい理由としては、授業時間内に収めることが難しい。また、ほかの校務との両立や地域連携、授業時間数などといった、割と授業外でやることになる部分に対してやりにくいという理由が挙がっています。
また、自由記述で代表的な例といたしましては、授業の中で、全員で取り組むことが難しい。また、複数クラスで、授業内で、また地域の協力を得ながら、同じように活動するのが難しい。家庭クラブ連盟の活動と、学習指導要領に記載されている学習項目としての学校家庭クラブ活動との違いが不明確である。このような課題を示しています。
ですので、教育意義を感じる教員が66%いる一方、実施体制として、現状では希望者のみが課外活動をしている。また、部活動や委員会、ボランティアでの活動のみや、校内清掃などを実施している例があり、家庭基礎の履修者全員に対して授業として成立させることが難しく、限定的で代替的に実施されていることが多いということが分かりました。
これの改善案といたしましてですが、1つ、家庭基礎、前提といたしましては、生活課題の解決を目的とした協働的な探究学習として教育課程内、授業内に収めるという共通理解の下、授業例を後で示させていただきたいと思いますが、あくまでも授業内で収めるという方向で考えてみました。
また、これらの理解が進むように、教員の研修の充実などを挙げさせていただきます。アンケートの結果、やはり、学校家庭クラブ活動の実施に対する研修希望が多く、また、研修を受けている教員ほど、学校家庭クラブの教育効果を実感しているという結果もあります。
また、常勤教員の確保や家庭科教員、これは1人配置科目の教員というのは、様々な会議や委員会、学校施設管理を1人で担っていますので、そういった負担などの理解や、支援の拡充も併せてお願いしたいと考えています。
では、一番簡単な家庭基礎で実施できるのではないか、実施してきた授業例などを、お話ししていきたいと思います。
個人探究、ホームプロジェクトを協働的探究へ発展させるという授業の展開です。様々な展開例があると思うのですが、一番ミニマムなパターンです。ホームプロジェクトは、問題解決型学習のプロセスを各授業内で獲得するように指導します。これは、4月から夏休み前ぐらいの間に繰り返し授業の中で問いかけていくものなのですが、これをした後に家庭実践、これは、休日、ゴールデンウイーク、夏休みなどを中心に家庭実践で行ってもらいます。そして、班ごとに成果発表などを夏休み明けにやります。この成果発表を利用いたしまして、学校家庭クラブ活動の始まりと捉える考え方があります。
グループディスカッションを中心に行う方法なのですが、先ほどの成果発表のときに、各班で班員同士で発表し合った中で、テーマの中で、興味・関心の高いテーマを1つ選び、班のテーマを決めます。様々な視点で各班で発展させていくのですが、1つは、社会の課題として、どのようにつながるかということを考えたり、連携先や社会活動は、どんなものがあるかを考えたり、調べたりということをします。
その結果を各班でポスターをつくり、授業内でポスターを張って意見交換をしたり、プレゼンテーションを班ごとにしたりするというような発表形式などが挙げられます。
こういったことをすることで、教員が時間外に連携をしていくというような負担も減るのではないかという実践例です。学校家庭クラブ活動を別枠の活動ではなくて、家庭基礎の授業内に協働的な探究学習として位置づける方法ということです。生活課題の探究から、実践、振り返りまでを一体的に扱うことで、家庭科の学習内容を、より深めることができると考えています。
以上となります。
【杉山主査】 ありがとうございました。学校家庭クラブ活動について、具体的に御説明いただきました。 それでは、田中委員、お願いできますか。
【田中委員】 石島委員からの教育意義と課題と改善点の説明が、非常に分かりやすく、すっきりしたと思いながら、私は、あまり詳しくないので勝手なことを言うかもしれないんですけれども、家庭基礎も家庭総合も、実験・実習や科学的理解や文化は、非常に大切だと思っています。じゃあ、どこで家庭基礎と家庭総合の違いをつけるのかということを考えたとき、やはりどんな問題解決を成し遂げるかという点で、違いがあってもいいんじゃないかなと思いました。
家庭総合は、家庭基礎よりもさらに時間軸と空間軸を広げて、より総合的な視点から捉える。例えば、家庭基礎が、家族から独立して成人して、自分で判断して生活の課題を解決し、自立した生活を維持していこうという、そういった力をつけるのに対して、家庭総合は、家政学の創始者のエレン・リチャーズさんの言葉に、自分自身の家庭だけでなく、人間全体の生活の向上のためにあらゆることに目を向けることができることとありますが、生涯にわたる生活、約100年先の生活を見据えて、つまり時間軸を広げて、社会や地球環境への影響といった空間軸も広げて、問題解決をする組立てにしてはどうかなと思いました。
そうすると、家庭科を学べば学ぶほど一つ一つの要素、個別の事柄といったものをつなげて全体として大きく捉えたり、広い視野で全体像を見渡して判断したりすることができるようになる。科目の名前の意味するところも、基礎的な問題解決を成し遂げるのか、はたまた問題を総合的な視点で解決するのかということにもつながるかと思いました。
家庭科の学習内容の要素も、小学校から積み上げて、一つ一つきちんと学んでいくことの重要性も示すことができるのではないかということも思います。
それから、個人探究と協働探究についてですけども、非常に名前はしっくりきます。やり方としては、ちょっと細かいことになってしまうのですけれども、24ページの改善のイメージの米印のところをするとなると、AからEの全てを学んだ後に探究の学習に入るのか、それとも例えば、AとBを学んだところで個人探究しましょうとなるのか。その場合だと、他の領域との関連を図るのに、AとBしか関連が図れないことになってしまうので、それでよいのかなと思います。
あと、関連を図ることについては、Aは人について学ぶ内容で、家庭科の内容は、人が中心であるので、どの領域を扱っても人との関連になる。他の領域との関連を図ることの意味が、薄れないかなということも少し思いました。
あと、中学校と高等学校の探究のレベルが、同じというわけにはいかないと思います。繰り返しを避けるという意味においでも、家庭総合で扱う探究は、環境とか経済とか社会とかのつながりなど現代的な課題とより一層関連させて生活について考えさせてもよいのではないかなということを思いました。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。そうですね。中学校でも生活の課題と実践を実施していますので、そことの違いは重要なことだと思います。
24ページの米印のところは、家庭総合の場合は、25ページのように3学年にわたって授業を行っているときと、2学年で行っているときで、かなり違ってくるかと思います。どの段階で問題解決的な学習をするのかということもそうですし、A、B、C、D、Eという領域の内容を、教科書の区分に沿って領域別に授業していくのか、領域を超えて組み直し、領域横断的な授業を行うのかによっても、実施のタイミングや内容は異なってくると思います。大事なことは、先ほど何人かの委員がおっしゃっていましたが、家庭科で学んだことを生かした探究であることです。小・中の学習指導要領解説にも書かれていますけれども、その校種で学んだこととのつながりを意識しつつ、どういう形で実践していくことが適切なのかを考える必要があります、特にホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動は、今まではDとして、別建てされていたものを、AからEの中に入れるという案ですから、具体的に検討して、確認する必要はあると思いました。ありがとうございました。
それでは、都甲委員、お願いします。
【都甲委員】 ありがとうございます。原案につきましては、高校の家庭基礎と家庭総合の中身をどう差別化するというか、違う形にするかというのは取りあえず置いておいても、科学と探究、それから問題解決的な学習に接続する形を明確にして御提案いただいているということについては、期待を持って、肯定的に受け止めました。前回にも、科学という言葉が目標のところにないのではというようなお話もしましたし、現行のものは、家庭基礎のところには、科学という感じではなく基礎的な、それが中学校と変わらないのではないかというところが変わったというのは、期待を持てるところです。
高校家庭科が扱う内容は、人類が生き残るための、生活における知恵の集積ということなのではないかというふうに私は理解していて、現代においては、社会的に家庭科に消費者教育、少子高齢化対策が求められていて、社会に出る直前にその辺りをやるというのが、求められるところとは理解していますけれども、長い歴史の中で、寒さとか災害から身を守り命をつないで、文化や文明を人類が発展させてきたということを踏まえて、しっかり学習してもらいたいとも思います。御飯を炊く、布を織る。それから、住まいを整える。その辺りのバックグラウンドの熱とか、空気とか水分、材料、構造みたいな基礎科学が埋め込まれていることを学んでほしいというのが、私は衣生活が専門というところもあって、感じます。
2つ前の指導要領では、随所に「深入りしないこと」と示されていたのと対照的に、探究することで、他教科のとのつながりも見えてくる学習が実現できると思います。
まさに明日、大分県の高校の先生方に、家庭科の衣生活における探究的な学びということで、研修の講師をすることになっているんですけれども、例えば、糸を探究するだけでも、その構造が二重らせんでDNAを想起させるとか、その軌跡が三角関数のサインカーブとして捉えられるということや、産業革命が糸作りの機械化を契機に進展したというようなことに広げることもできることを伝える予定です。
加えて、糸が比喩的に用いられる文学作品や芸術作品が豊富にあって、糸を人生に重ねて語られてきた具体物であることに気づかせて、Aの家族・家庭生活のところにもつながっていくという話をしようと思っているんですけれども、高校段階では、生徒自身がこのようなつながりに気づいて、学びを深めていけるような家庭科になることを期待しています。その学びが、総合的な探究の時間の中にも接続していく形になるといいのではないかというふうには思います。
以前にも述べたんですけど、私は、かつて家庭一般の4単位必修の時代に、進学校で家庭科教員として勤務していました。在職中に学習指導要領の改訂があって、もう半分の時間になってしまってどうしようというような経験をしています。限られた時間の中でどう授業をしていくか、すごく悩んだことを覚えていますので、西𠩤委員の御発言にもありましたとおり、家庭基礎2単位という選択肢を残し、8割の学校がその選択をしているという状況の中で、どのように内容を整理し、科学、探究、課題解決の要素を加えながら更新していくか、先ほど、ホームプロジェクトや学校家庭クラブを充実させながらという御提案もいただきましたけれども、その辺りを整理していくことが、極めて大きな課題だなと感じております。
何か所感みたいなことになってしまいましたけれども、以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。
それでは、亀田委員、お願いできますか。
【亀田委員】 ありがとうございます。私からは3点、意見を申し上げたいと思います。
まず、24ページの事務局御提案の履修年次の在り方について、柔軟な教育課程の編成ということで規定を削除されていた、この件につきましては、非常に賛同するものであります。
また、25ページのほうの指導の在り方のイメージとして、改善のイメージ案、探究のほうが出ておりますが、これも小・中・高の探究学習の系統化を図った、体系化を図ったということで、この点についても大いに賛同するものでございます。
最後に、1つ意見、ちょっと代案といいますかを申し上げたいことは、23ページのところになります。23ページの新家庭総合のピンク色で囲まれたところですが、家庭総合の魅力をアップさせたいという意図でありますとか、この履修状況、高校がどちらを履修しているかというところにおいて、私たちも地元の高校生とかをいろいろ想像しながら、どうしたら魅力的なというふうに思っていたわけですけども、先ほど、渡瀬委員からもございましたように、やはり実験とか実習とかをしっかりやれるような時数がございますので、この辺りを充実させることですとか、あるいは、地域ならではの暮らしの在り方、そして地域ならではの文化というのがございますので、この辺りの魅力発見につながるような、そういうように充実したものになるといいなと思いました。
そこで、ここに書かれている文言の、すみません、最後のところの語尾に当たるのですが、「生活向上を先導する力を育成する」となっているところに、実はちょっとした違和感を持ちまして、自分の中で、どうしてこの違和感があるのかなと考えましたときに、社会、世の中で、地域の中で、何かよりよいものをスケールさせるときに、やはりファーストペンギン的なといいますか、先導する方ももちろん重要なのですが、マスとして広げる、スケールさせるときには、そこのフォロワーシップといいますか、そこに対して、協力・協働していく力というのが、非常に大事であると考えます。地域の中でやはり広げて、それをうねりとしていくためには、周りを巻き込んでいったり、共にみんなでやってこうというような、協力するような姿勢が大事だと考えると、代案を少しおこがましいですが出させていただくならば、例えばですが、「生活向上を共に育む力」でありますとか、「共に実装させる力」とか、あるいは「生活を共に高め合う力」とか、「生活を共に創り出す力」、創り出すとなると、また「創造する人材として」とあるので重複するとすれば、冒頭の3つぐらい申し上げたこの辺りが、地元の高校生をやはり描いてみたり、もちろん全国各地の高校生を考えたときに、先導する人も欲しいけれども、そこをフォローしていく、広めていく、こういう人材がたくさん育つといいなと思っている次第です。すみません。
私からは、以上になります。
【杉山主査】 ありがとうございます。ほかの委員の方は、いかがでしょうか。家庭基礎と家庭総合の内容面の整理ができないと、高次の資質・能力の検討に進むことができません。
村上委員、お願いできますか。
【村上委員】 よろしくお願いします。すみません。何かちょっと感想的なことになってしまうのですが、やはり小・中・高の系統性というのを考えるときに、小学校では、本当に楽しく基礎をしっかり身に付けさせたいなと思っていまして、それを中学でさらに応用し、深めてもらい、高校につなげ、高校で科学的な根拠に裏づけた理解ということをしていただけるのは非常にいいなと思っています。
そして、家庭基礎と家庭総合があるわけですが、高校でしっかりとそれらを履修させているかというと、学校によってかなり違うということもよく聞きます。いかにそれを履修してもらえるようにするのかというところで、本当に内容を魅力的なものにしていくことが大事だと感じています。
今、この家庭総合については、生活向上を先導する力というところの御意見がありました。先導する力だけではなく、共に育むとか、高め合うということが大事なのかなと感じました。すみません、感想的なことで。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございます。ほかはよろしいですか。
23ページの四角囲みの文章は目標ではなく、今日の課題は、先ほども御説明がありましたが、家庭基礎と家庭総合の目標や学習内容の違いがあまり明確ではないため、そこをまず議論していただいた上で、次に目標や学習内容を具体的にすることになります。高次の資質・能力の検討も控えています。今回のワーキングで初めて議論させていただいていますので、忌憚なく御意見をいただけるとありがたいと思っています。
家庭総合は時数としては家庭基礎の倍あるわけですけれども、現状としては、約8割が家庭基礎を実施していて、家庭総合が2割と聞いています。家庭総合がより魅力的なものになると、家庭基礎を選択している学校が何とか時間を調整して家庭総合ができるようになってくれたらと思います。ただ、家庭基礎を実施している学校も、生活者としての力を育てていくことも重要なことですので、家庭基礎でも裏付けられた理解を入れていますが、その上でこの2つの科目のすみ分けについて、ほかにも何か御意見がありましたらお願いします。なお、生活向上を先導するという表現は、ご指摘の通りもう一回議論をしたほうがよいと思います。
大久保委員、いかがですか。
【大久保委員】 私も中学校籍なので、この高校の2時間、4時間というのは、小学校は2時間やっていて2時間続きでできますけども、中学校は、1時間だけで調理実習やったり、実習やったりしているわけなので、本当にぜいたくというか、ぜいたくと言っちゃいけないんですけど、2時間あって羨ましい限りで。
やはり高校の家庭基礎、そして家庭総合ということで、特に家庭総合が、私もこの生活向上を先導する力、つまり、何かこれは地域のリーダーを狙っているのかなみたいに私もちょっと捉えたんですけれども、先ほど、様々な委員の皆様から、時間軸・空間軸を広げて、そして、ホームプロジェクトや学校家庭クラブの活動の充実を、4単位であると、本当にたくさん充実したものができるんじゃないかなと思います。この改善のイメージの中で生活の課題と実践が、より一層進むことの期待が、4単位の場合はすごくできるんじゃないかなと思いますし、先ほど、家庭基礎が細くならないようにというお話もありましたけど、私もそこは、留意しなくちゃいけない部分じゃないかなと思っていまして、皆様から、先ほど科学的な理解に基づいた、高校の家庭科で、中学校でできなかったことを、ぜひ実験や実習でさらに科学的に捉えられる、生活を科学的に捉えられるような力を身につけられるような家庭基礎にしていく方向性が理想なのかなと思います。すみません。中学校としては、そういうようなことを考えました。
以上です。
【杉山主査】 ありがとうございました。
大友委員、お願いします。
【大友委員】 ありがとうございます。専門外で一般的な、すみません、ちょっと所感みたいなものにはなってしまうと思うんですけれども、やはり8割の学校が家庭基礎を採用されているというのは、世の中的な8割って、もう大衆・大半だなというのが感想なんです。ですので、やはり薄くならないように広く、どうしても広くやる分、薄くなってしまうかもしれませんけれども、学ぶべきことは、しっかり家庭基礎で学んでいただいてと思ったのと同時に、倍の時間がある家庭総合というのは、組み方によっては、非常にバリエーションが多くできる。もちろん科学的な根拠に基づいた学習もそうなんですけれども、広く見渡す、将来の子供たちが広い世界に出て学べるような、こういった学習というのも取り込めるのではないかなと思いました。すみません。ちょっと感想になってしまいました。
【杉山主査】 ありがとうございます。鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】 ありがとうございます。私もちょっと専門外で、ホームプロジェクトですとか、学校家庭クラブ活動なりについての現状などを存じ上げないので、先ほどの御説明を聞いて勉強になりましたし、家庭科が非常に重要な教科であるという認識が、より強くなりました。
なので、どちらにしても、より魅力的な内容になればいいと思いますし、とにかく、社会に出て困らない力を身につけてほしいという内容になればよりよいと思います。
本当に感想的になってしまって申し訳ありません。
【杉山主査】 ありがとうございました。
それでは、今日、確認させていただいたのは、家庭基礎にも科学的な根拠ということを入れること。家庭総合は、時間数は倍あるわけですので、実験等の実践的・体験的な活動を通して、さらにそれが理論と往還するということが重要ということ。
なお、現行の学習指導要領では家庭基礎に関しても、総時数のうち半分以上を実験・実習に配当することとしていますので、そこは残します。ただ、2単位の中で全てを実施するに当たって、どういう工夫が必要なのか、今回は領域も少し変わりますので、その辺を整理する必要があります。最終的には、高次の資質・能力の表の中にそれぞれ学習内容が並んで示されることになります。より違いを明確に示すことが求められているので、そこを目指して、今日いただいた御意見を踏まえつつ、検討を進めていきたいと思います。
それでは、少し時間に余裕がありますが、休憩もなく続けておりますので、これで本日の議事は、以上とさせていただければと思います。
最後に、次回以降の予定について、事務局よりお願いできますか。
【嶋田学校教育官】 それでは事務局より、次回以降の日程について御連絡させていただきます。
次回の日程につきましては、後日、事務局より改めて御連絡させていただきます。
【杉山主査】 それでは以上をもちまして、閉会といたします。ありがとうございました。
―― 了 ――