教育課程部会 体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(第11回) 議事録

1.日時

令和8年7月10日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

ウェブ会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 議論の取りまとめに向けた検討について

4.議事録

【友添主査】 こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会体育ワーキンググループを開催します。皆さま、本日もよろしくお願いします。
東京は非常に暑くて、もう夏が来たかのような暑さです。今日の議題は、議論の取りまとめに向けた検討についてです。
前回、本ワーキンググループの取りまとめの骨子案についてご議論をいただき、委員の皆さまから様々なご意見をいただきましたが、その方向性については概ねご賛同いただいたものと思います。
今回は前回の皆さまのご意見を踏まえて、取りまとめ案を事務局にて用意していただきましたので、これをもとにさらに議論を深めてまいりたいと思っています。
また、事務局から求めがありましたので、主査代理の植田先生と主査である私のほうから、全体の議論を振り返りながら、あるいは次期学習指導要領への願いを込めながら、委員の一人としてプレゼンテーションをさせていただきたいと思います。
これで、体育ワーキンググループに所属する委員は全員が2回ずつプレゼンテーションしたことになります。
今日はこうしたプレゼン、そして取りまとめ案を踏まえつつ、活発な議論を行いたいと思います。
それでは議事に入ります。議論の取りまとめに向けた検討について、まずは植田委員と私のほうから発表させていただきたいと思います。
その後、事務局から取りまとめ案についてご説明をいただき、全体を通して意見交換を行いたいと思います。植田委員と私の発表に関する質疑につきましても、この全体意見の交換の時間に賜りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
では、まず植田委員のご発表をお願いします。

【植田主査代理】 はい。皆さまこんにちは。植田でございます。それでは、私の発表をさせていただきたいと思います。
タイトルは「新時代の保健教育への期待」です。今回の報告に、利益相反に相当する事項はございません。さて、次期学習指導要領に向けた基本的な考え方の中で、主体的・対話的で深い学びの実装、多様性の包摂、実現可能性の確保が示されました。
体育・保健体育という教科は、内容の関連度合いの濃淡はあったとしても、体育と保健の一体化によって、豊かな人生、豊かな社会づくりに貢献するものと言えます。
このうち、特に保健に関する時間や活動は、体育科・保健体育科における保健教育、保健指導、特別活動、ならびに関連教科、特別の教科 道徳、さらには総合的な学習、あるいは総合的な探究の時間に分けられますが、それらは関連しつつ、かつそれぞれの特徴を踏まえて展開されます。
今回のワーキンググループでは、学校で保健を学ぶ本質的な意義を踏まえて、保健・安全における改善の方向性が、学齢期の健康や安全に関する課題の克服、リスクの軽減、生涯を通じて身体的・精神的・社会的に良い状態で豊かな生活を送る上での基礎を培うこと、健康等に関する概念やそれに関わる原則の習得、生涯にわたる健康・安全等に関する適切な意思決定や行動選択をする力、学習内容を主体的に受け止め、日常生活で行動化する実践力へ繋げること、保健や安全に関するより良い社会を含む環境の創造に主体的・協働的に参画できる力を育てることと示されています。
また、社会・学校の状況等を踏まえて、絶え間なく変化しつつ多岐にわたって存在する健康課題に対応できる資質・能力、自然災害、SNSや犯罪に伴う被害や性犯罪、性暴力等の課題などの危険に対する対応力、安全で安心な社会づくりの資質・能力の育成、外部人材の活用や外部機関との連携、またそれに関わって教師の負担への対応や効果的な活用方法等についての検討、さらに小中高校の内容についてスパイラル構造で資質・能力を育成することとなっているが、改めて検討が必要である、といったことが示されています。
ここではまず、主体的・対話的で深い学びの実装について、少し掘り下げて見ていきたいと思います。
右にありますように、育成を目指す資質・能力というのは、1つ目が生きて働く知識・技能の習得、それから2つ目として未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成、そして3つ目として学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養、こういったものが示されています。
これらの資質・能力を保障する上で、主体的・対話的で深い学びが求められるわけです。
さて、公益財団法人日本学校保健会では、児童生徒の健康管理・健康づくり推進委員会を設けて、動画づくりを進めてきています。
実際の授業を30分程度にまとめて、指導案や資料などとともに提示をしています。制約上、教科書等が用いられないことを考慮する必要があるのですが、これらは参考にできるものと考えております。
例えば、小学校5年生の体育科保健領域の「心の健康」の授業の様子です。まずテキストマイニングをしまして、教室の子供たちがどんなことに不安や悩みを持っているかを調べて、それから全国調査の結果と比較をしていきます。
さらに、そういったことに対して今どんな対処をしているのかということをタブレットの中に入力して、モニターで出して、全体で共有をします。
そして、学校の校長先生や他の先生がこういったときにどんなことをしているのかということを紹介し、そういったことを踏まえた上で、自分はどんなことができるのか、具体的な事例として、将来のことや、人前で緊張する時、あるいは友達とうまくいってないような場面を設定して、そのときの対処をそれぞれが考える、というような授業展開です。
さらに、それをグループ間で意見交換していきます。この際には、友達の話を聞いて「いいな」と思うものを自分にも取り入れたいと考えたり、あるいは自分の考えと比較して新たな考えを生み出したり、生き生きとした会話が展開されました。
そして、最後には実際にどんなことが行えそうかなということを表明して授業は終了する、というものです。
それから、これは中学校2年生の「傷害の防止」、応急手当の意義と実際の授業の様子です。応急手当が必要な場面にもし出くわしたらどうできるというクラスでのアンケート結果が紹介されます。
89.7%の生徒が「救助したいけれども何もできない」という回答を示した上で、その後に実際に、まずはペットボトルを使って、心肺蘇生法の基本的なことを、タブレットで自分の様子を録画しながら授業が展開されます。
そしてその後に、グループに分かれて、訓練用の人形を使って実習をするグループ、またその周りでその実習を観察して評価するグループ、さらには別のところでAEDの使い方を学ぶグループ、さらには全体を振り返るグループに分かれて、ローテーションしながら授業が展開されました。
こういったことをしていきますと、かなりの応急手当の実際の技能までが身につく、また理論も身につく、ということになろうかと思います。
2021年でしたでしょうか、鎌倉の中学校で、クラブ活動のときに指導者の先生が倒れて、そのときに中学3年生が実際に心肺蘇生をして命を助けたという事例があります。
2年生のときに実習を通して学んでいたということが、生徒が新聞で表明していましたけれども、そういうことに繋がるように思います。
次は中学2年生の、これは生活習慣病などの予防の単元ですけれども、がんに関する指導の様子です。
まず、がんについてのイメージですね。そういった調査をした上で、がん経験者の外部講師の方に来ていただくのですけれども、まず保健体育の先生が基本的な知識を押さえておいて、それから外部講師に話をしてもらいます。
この外部講師の方は、告知されたときの葛藤であるとか、闘病の様子であるとか、あるいは家族への思い、ちょうど教室にいる中学生と同じぐらいの年齢のお子さまが2人いらっしゃったようなんですが、そのお子さまの様子を話してくださったり、そして現在、いきいきとボランティア活動されているといったお話をされます。
そういうことにより、興味関心を十分に高めた上で、今度は文部科学省の補助教材がホームページ上にありますので、中学生はその補助教材にタブレットを使ってアクセスをします。
そして自分の興味関心に基づいて調べて、グループで交流して、最後には最初に思っていたイメージとどんな違いが出たかということを共有する、というような授業です。
さらに、この授業は中学2年生のものですが、特別活動の性情報への対処を学ぶ授業でした。
失恋して出会いを求めているときに、知らない人からダイレクトメールが来て、最終的には性被害に遭ってしまうというようなものを、シナリオで中学生が考えていくものです。
もちろん、そういったシナリオを考えた上で、どういうふうに対処したら良かったのかということもグループで考えていきます。
さらにそれをグループでこういうのを作りまして、クラスで発表し交流していくというような授業です。
大変真剣に考えてシナリオを作り、どうしたらいいかというのをみんなで話し合って検討する、そういった授業になります。
こういった指導事例を見ていきますと、先ほどの主体的・対話的で深い学び、具体的な工夫とか仕掛けがうまく組まれているということが分かります。
主体的・対話的で深い学びを3つに切り分けて考えることがいいかどうかは、少し別に考えなきゃいけないのですが、ここではあえて3つに区切ってみますと、まず主体的な学びとして、児童生徒が課題について当事者意識を持って捉えることができているという、そういった工夫・仕掛けがあります。
そして現在、そして将来の自分にも関係することだと感じることができる、そういったものもあると思います。
授業の中で自分の考えや意見を持つことができたり、もっと知りたい、もっと調べたいというような意欲を持ったりするような、そういった工夫・仕掛けが必要です。
対話的な学びは、グループでの作業を通じて他者の考えや意見を聞くことができる場面、また他者の考えや意見を聞くことによって、これまでの自分の考えを深めたり、新たな考えを生み出したりすることができる。
また、教室や学校内にとどまらない外部講師などの情報に触れることによって、新たな考えを広げる、そういった工夫とか仕掛けが見られます。
深い学びとしては、基礎・基本となる知識を踏まえた上で、さらに疑問を想起したり、その課題を自ら、そして仲間と探究することができる、あるいは考えたことや応用できそうなことを言葉や文字で表現したりすることができる、こういった工夫・仕掛けが必要ではないかと、事例を通して感じました。
今回のワーキンググループでは、ここにありますように、保健の学習の系統性の改善イメージが明確に示されました。
まず、その内容のまとまりの相互の関係性を非常にシンプルに示しているというところに特徴があると思います。また縦の緑のラインですけれども、健康な生活に始まって、体から心、そして他の応用的な問題を考えていくというような流れもあります。
上に「身近な生活を中心とした、個人の生活を中心とした、個人及び社会生活における」という文字がありますけれども、このような形で小学校、中学校、高等学校の内容を、まさにスパイラルに学んでいくことが今回明確に示されていると思います。
さて、保健における多様性の包摂に関わって、このワーキンググループでは十分に検討してきていないところがあるのですが、実は、保健の内容というのはこれまでも「共生」というようなキーワードを中心にして、こういった問題を当たり前のように検討してきています。
例えばがんに関する指導の経験から申しますと、小児がんの当事者であるとか、そういう既往のある児童生徒がいる場合とか、家族にがん患者がいる児童生徒、家族をがんで亡くした児童生徒がいる場合、こういった当事者がいるということを前提で授業が行われます。
これはがんの内容に関わらず、様々な疾病や事故、そういったときにも、やはりこういったことを前提として授業が行われています。
また、プライバシーに配慮しながら、授業内容について事前に伝えて相談をした上で授業を行うということも行われています。
最終的には、その児童生徒が「この授業を受けて良かった」とか「こういう授業があって良かった」と当事者として思える授業を、私たちは創り出していくことが必要かと思います。
こういう経験を踏まえて、例えば外国にルーツを持つ児童生徒、これは生活習慣や文化が違うわけですね。それから心身の発育発達の個人差。
また、児童生徒の興味・関心の違いなどもあります。こういったことを考慮する。先ほど保健教育の特徴と連携の図を出しましたけれども、こういった授業というのは、どちらかというと集団での指導ということが多いと思います。
このような集団での指導を補完したり、あるいは充実・発展したりするような、個別指導ですね。こういうものを実施したり、あるいは場合によっては健康相談や専門機関との連携を進めていくといったりすることを、これからもっと進めていく必要があろうかと思います。
こういったことを踏まえて多様性の包摂を、保健では考えていく必要があろうかと思います。さて、小学校の実施状況調査で、こういった問題が示されています。
これはワーキンググループの資料の中にも登場したものです。心身相関に関わるもので、意外と通過率が低かったものです。例えば、体育の運動領域の「体ほぐしの運動」ですね、こういったものを実際にする中で、何か体が軽くなったり、あるいはやる気が出たりということを実感するということは多くあると思います。
そういったことと保健のこの内容をリンクさせて共有していくというようなことをして、またそれ以外のところを学んでいくということをすると、またこのような通過率は変わってくるんじゃないかと考えています。
さらに、エネルギー産生あるいは供給の仕組みと、無酸素運動、有酸素運動、こういったシステムを学んで、これは高校レベルになるかもしれませんけれども、そのことを学んだ上で、実際に有酸素運動がどういうふうに健康に影響するのか。最近の研究では、有酸素運動が免疫を高め、がんを予防するというようなデータまで出てきています。
実際にこういった身体活動、とりわけ1週間に117から586分の有酸素運動が、10種類のがんに関連する死亡率を減少させるというようなこと、あるいは有酸素運動が炎症と免疫老化を抑制して、キラーT細胞だけじゃなくて全体的な免疫力も向上させるということも明らかになってきていて、こういったことを学びながら、実際に体育と保健の内容を連携させていくということも、これから必要と考えています。
始めのほうにも述べましたけれども、このように体育と保健の関連を一体として考えたり整理したりしていくことによって、最終的に豊かな人生、豊かな社会づくりに貢献できるということを改めて述べたいと思います。
右下に書いていますけれども、例えば米国のニュージャージー州とかマサチューセッツ州では、最近Comprehensive Health and Physical Educationというような言葉が使われています。
包括的な保健体育とか、総合的な保健体育というふうに訳せるかと思います。またSHAPE America、保健体育の教員の組織ですけれども、そういったところで保健と体育のスタンダードが並べて紹介されて、一体感が図られている動向がありますので、こういったことも意識しながらこれから考えていくということも必要かと思っています。
私の方からの発表は以上とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

【友添主査】 はい、ありがとうございました。
それではよろしいでしょうか。私の方から発表させていただきます。スライドの方お願いいたします。
はい、ありがとうございます。
今、植田先生のお話をお伺いしながら、いろいろ考えていました。今回このような機会をいただく中で、具体的な授業論でお話ししようか、あるいは教科論でお話ししようか、あるいはもっと大きなプリンシプルの立場からお話ししようか、様々な語り口があるかと思ったんですけれども、毎回委員の先生方の熱心なご提案や議論をお伺いしていて、これからの子供たちにとっての体育の意味や意義といったことを非常に深く考えることが私自身多くあったように思います。
今日はせっかくの機会ですので、身体性を軸に教科論の立場から、なぜAI時代の今、私たちは体を動かすのかという本質的な問いに立ち返って、少し考えたことをお話しさせていただければと思います。
スライド2をお願いします。
言うまでもありませんけれども、教育は社会と乖離して成立はしません。教育の一領域である体育・保健体育もまた、社会の要請と無関係に存在することはできません。
この問題意識は、最初の私のプレゼンでも申し上げたところです。
スライドをご覧ください。右上の錦絵というものですが、1877年、明治10年に鹿児島の西郷隆盛軍と明治の新政府軍が戦った西南戦争の様子です。
政府軍は最新の重火器、このスライドに示していますが、イギリス製のスナイドル銃を輸入して対応したようです。これを用いれば内乱は短期間で鎮圧できると高を括っていたようですが、実際には終結まで約8か月を要したということです。
その理由の一つとして、政府軍の兵士がイギリスから輸入された約4キロの銃を十分に扱えなかったということが挙げられると思います。
当時の日本人の平均体重を少し想像していただければと思います。つまり、銃が重くて操作に必要な身体能力が不足していたということです。
また、当時の日本人の歩行様式は、右手・右足前、左手・左足を前に出して歩く「なんば歩き」でした。今のような近代的な歩行をするようになったのは、実は体育で歩き方を変えていったわけですよね。
このなんば歩きについてですが、私は柔道を専門でやってきたんですけども、小学生時代に柔道を始めたとき、このなんば歩きを徹底して仕込まれたことがあります。
ただ、このなんば歩きをやったらどういうことが起こるかというと、隊列を組んで行進することが難しいんですね。
隊列が乱れて、結果として西郷軍の武士との一対一の白兵戦に持ち込まれたということなんですね。官軍の兵士たちは刀を持って戦うことを経験したことがない人たちでしたから、武士階級と戦うと非常に苦戦するのが当たり前です。
こうした出来事は、近代国家として出発した日本にとって、西洋列強に伍していくには近代歩行や隊列行進、戦闘に加えて労働に耐えうるような身体づくりが急務であることを、時の政府に突きつけたと思います。
労働生産に適した体力の育成、そして国家の基盤を支える強健な母体の育成は、軍備の観点からも、国力を形成するという観点からも不可欠な課題になったように思います。
このように近代日本における体育・保健体育の成立は、社会の要請と密接に結びついた必然的なプロセスであって、教育が社会と連動して発展するという原理の典型例でもあったと思います。
次をお願いします。
明治政府は労働力と軍備を整えるために国民の身体形成を喫緊の課題と捉え、西南戦争後、体育教師の養成に着手をしています。
とりわけ、西南戦争のような国家的な危機は、近代的身体の必要性を時の政府に強く突きつけ、優秀な体育教員の育成を一層推し進める契機となったということです。
スライドにお示しをしていますのは体操練習場、これは現在の筑波大学の体育専門学群の源流になりますが、ここでは西南戦争の翌年、1878年、明治11年ですが、千代田区にいわゆる体操練習場が造られて、修業年限は2年で教師教育が始まりました。
カリキュラムは、正課実技の体操術、正課外のスポーツ的な戸外運動などに加えて、さらに船の櫓を使った操舟術まで、これは開国日本、海の国日本ということだと思うんですけども、こういうものまで極めて実践的な構成でした。
理論は医学が中心で、ここには当時の劣悪な衛生環境と国民の身体形成などを直結させる発想が見て取れます。こうした教育体系の中で、身体を鍛える体操と身体を守る衛生が結びつき、今日の保健体育、つまり教科としての体育と保健の原型が形作られていったと考えられます。
次をお願いします。
日本の初代文部大臣の森有礼、彼が兵式体操を導入したのは有名な話ですが、同時に大正時代になると、大正デモクラシーブームの中で生まれた自由教育運動の影響で、遊戯が奨励されたり、子供の自発的な遊びや運動が教育の中に初めて取り入れられるようになりました。
他方、小学校が国民学校と名前を変えていった戦時下では、1941年、昭和16年には教科の名前も体操科から体練科、体を練る科に変わり、教育が心身の育成から国家目的に直結するようになりました。
次のスライドお願いします。
戦後の体育授業なんですが、アメリカの体育の模倣から始まっています。戦後の民主化を受けて、スポーツが教材の中心になり、子供たちの生活に基づいた自発的な活動を促す「New Physical Education」と言われている新教育運動の中から派生した体育版、新体育運動が、日本では生活体育という名前のもと、日本の各地の実践を席巻していきます。
1960年前後からは、前の1964年の東京オリンピックの影響もあって、基礎的な運動能力の不足が指摘され、技術の系統的な指導と運動能力、体力の向上が改めて教育目標に強く掲げられました。
その後、経済成長期が終わる頃を境に、欧米から入ってきた「みんなのスポーツムーブメントの影響を受けて、運動の楽しさを味わわせることを主眼に置いた「楽しい体育」という考え方、あるいはその実践が普及し、生涯スポーツへの関心を育む体育が登場するようになります。
次をお願いします。
ご承知のように、現代の体育は資質・能力の3つの柱を一体的に育成すること、ICTの活用による課題の客観的な分析や論理的な運動の理解、生涯スポーツの実現が目指されています。
次をお願いします。
さて、現代社会は言うまでもなく、AIとアルゴリズムが人間の認知活動を代替して最適化する時代になっています。しかし、情報空間に深く没入するほど、私たちの生身の身体は世界との繋がりを失いがちになり、リアリティが希薄になります。
今、体育が向き合うべき課題の一つは、この文明的な危機とも言える「身体の不在」だと思っています。次をお願いします。
身体は単なる肉体という機械ではありません。ここに写真を挙げていますが、フランスの現象学者メルロ・ポンティが述べたように、身体は世界を感じ取って意味づける主体の根源です。
AIがどれほど高度な推論を行っても、汗をかいて、他人と触れ合って、重力に抗う、この生きた身体の経験を代わりに行うことはできないということです。
ここには人間だけが持つ身体的な叡智、Physical Wisdomと言っていいものがあると思います。次をお願いします。
これからの体育ですが、技能の習得の場を超えて、AIには到達できない身体的な叡智を育む場として再定義される必要があるかもしれません。
自らの身体を制御して、不確実な運動空間の中で即興的に最適解を見出していく、このプロセスこそ、身体を通した人間固有の学びの本質があるように思えてなりません。
次をお願いします。
私たちの生活で重要な位置を占め出したAIは、予測可能なモデルを好むのですが、運動・スポーツは常に不確実性に満ちています。思い通りにならない身体、予測できない他者の動き、この不全感を克服して他者と協働していく過程で育まれる非認知能力は、子供たちが未来を生き抜くレジリエンスの基盤となるように思います。
次をお願いします。
体育が子供たちにとって重要なのは、デジタルな仮想空間では得られない確かな自己の身体的実在感をもたらすからです。自分の限界を知って、他者との距離を測り、痛みを共有する、こうした身体的な対話を通して、子供たちは確かな自己アイデンティティを形成していきます。
次をお願いします。
社会が体育に求めるのは、競技者の育成ではなくて、自らのウェルビーイングを身体的に舵取りできる市民の育成です。身体という自己の根源を使いこなし、能動的に世界に関わることができる力、言葉を変えて言えば、先ほど申し上げている「身体のリテラシー」が求められています。
次をお願いします。
これからの体育に求められるのは、技能の正解を教え込む授業から、子供が自分の身体で考える経験を積み重ねる授業への転換だと思います。
具体的には、動きを試し、違いを感じ取る時間の確保、ペアやチームで協働し、相手の身体性を読み取りながら動きを調整する課題の設定、ゲームや運動の中で予測不能な状況をあえて作り、その場で判断する経験、授業の最後に身体で感じたことを短い言葉で振り返らせ、学びとして定着させる。
こうした経験の連続が、AIに代替できない身体的叡智と身体的リテラシーを育む授業になるように思います。これを踏まえれば、現場に求められるのは、子供の経験の質的な設計への転換です。
子供たちが自らの身体感覚を言語化し、他者の身体性と共鳴し合う、そのような探究的な身体学習が求められるように思います。
次をお願いします。
ここまでをまとめてみますと、体育という教科は、あるいは教育は、単に運動・スポーツを教える場ではなくて、そしてまた体育を教える先生方は、単なる運動・スポーツの指導者を超えていく必要があるのではないでしょうか。
デジタル社会におけるリアリティのある生の実現に向けて、重要な使命があるように思えます。子供の「できた」という喜びの裏にある、身体の躍動を感じる、研ぎ澄まされた感性を大切にしていただければと思います。
AIが子供たちの認知を支える時代にあって、体育は体で考える力を育む唯一の学びの場です。子供が試し、感じ、仲間と動きを作る経験は、AIには代替できない、人間固有の成長を支えます。
今、私たちは身体が世界への入り口を開き、AIがその入り口の奥行きを広げるという、新しい学びの構造を模索し始めています。
身体経験とAI経験の往還が生まれることで、子供は世界を身体を通して理解し直し、より深く繋がることができると思います。その土台には、何よりも現場の先生方の実践と、教育委員会の継続的な支援が重なり合うことが不可欠です。
まもなく、次期学習指導要領は新しい学びへと確かな一歩を踏み出します。子供が身体を通して世界と繋がる力を育む体育を、これからも作り続けていければと思います。
ありがとうございました。
それでは、続きまして事務局より取りまとめ案について説明をお願いします。よろしくお願いします。

【赤間企画調整室長】 資料の1-3に基づいてご説明をさせていただきます。
前回第10回の会議におきましては、取りまとめ案の骨子案をお示しし、それに対してご意見をいただいたところでございます。
本日は、いただいたご意見も踏まえながら修正したものを、ご用意をさせていただいております。黄色いマーカーでハイライトしている部分が基本的な修正箇所でございます。
全体的に、表記の揺れでありますとか、細かな文言の使い方、そういったものの適正化というところの修正を全体として行っているという部分がございます。
その上で、内容的に関わるご意見、発言の中での修正というところを、それぞれご説明させていただきたいと思いますが、例えば3ページまでいきますと、「学校で体育や保健を学ぶ本質的な意義」ということで、左側、体育の1つ目のポツのところでございますけれども、身体や外界に運動を通して学ぶというところの中で、協働的に学ぶという部分の特徴性、こういったところをしっかりと示していく必要があるのではないかというご指摘を反映してございます。
また、3ページの右側でございますが、「本質的な意義を踏まえた改善の方向性」の中で、目標や内容の系統性を見直していく際に、これをすべての教師に分かりやすく示していくと。これは、全体を通じて言える内容であるということで、こういったものもしっかりと位置づけさせていただいているというところでございます。
また、5ページ目まで飛びますけれども、5ページ目の体育の一番下のあたりですけれども、今回その「知識・技能」を中心として再整理をすることとした、この「運動との関わり方」について、体育のすべての学習活動と関わりがあるものであるということ、その学習を支え豊かにする性格を有するものであるということを踏まえながら、指導内容として各領域の特性も踏まえながら、分かりやすく示していく必要があるのではないかというご指摘を踏まえた修正でございます。
また、5ページの右側、保健に関連する部分でございますけれども、「幼児教育段階を含む小学校低学年までの様々な活動」とありますが、これは前回、系統性の議論の中で、小学校低学年の部分の保健に関する部分の、あるいは健康・安全に関する部分の内容というものが少し抜け落ちているように見えると。これは、体育科として健康や安全を指導するという形になっていないということが関係しているわけでございますが、低学年の中でも関連する学校教育活動全体の中で、この健康や安全に関する学習というのはしているということで、そういったことも踏まえながら記載を修正させていただいているというところでございます。
また、7ページまで飛びますが、7ページのあたりで、右側の下のあたりでございますけれども、「体育理論」を「スポーツ理論」に見直すというところに関しまして、2つ目の丸のあたりでございますけれども、なぜこの領域名をスポーツ理論に改めるのかというところの考え方、それはその指導内容としても、ここにありますような、豊かなスポーツライフを実現する上で必要となる運動・スポーツに関する科学的知識を含む多面的な理解や、文化に関する事柄、こういったものを中心としながら学んでいく、そしてまた改正スポーツ基本法にも留意をしながら改善を図るという中で、こういった形での「スポーツ理論」というような領域名に改めるという考え方を明確にさせていただいたというところでございます。
また、8ページ目の左側でございますけれども、まず体育と保健の連携の部分、これ先ほど植田主査代理の方からもお話があった部分ですけれども、この体育と保健の関連を図っていくということの必要性といいますか、観点がどういう観点なのか、児童生徒が運動・スポーツとの関連を含めた健康等に関する理解を深めながら、生涯にわたって健康を保持する資質・能力を一層着実に身につけさせるようにする観点から、こういったものの関連を図っていくということ、そしてその指導の充実を図っていく観点から、今回この関連を図ることが有効と考えられる指導内容というものを、分かりやすく示していくということを検討しているわけでございますけれども、その趣旨として、これは現場において見通しを持った指導をしやすくするためという趣旨でありましたり、これを示すことによって現場の創意工夫を妨げないというところにも留意をしながら整理をしていこうというところをお示ししているものでございます。
また、その下の高等学校専門学科「体育」、これを「スポーツ」というような形で見直すというところに関しましては、1つ目の丸にありますように、スポーツの推進及び発展に向けた資質・能力を養うということを目指しているその趣旨、性格をより的確に表現するという観点から、教科名を「体育」から「スポーツ」に改めることとしているところでございます。
また、指導内容についても、「する」ということだけではなくて、「みる」「支える」「知る」などの多方面からの学習を深めていくということを念頭に置いているわけでございます。
その意味では、3つ目の丸のところにありますように、専門学科「スポーツ」における学習、こういったものを実質化させていくという観点からは、科学的な知見や文化的特性、こういうものを踏まえながら、実技や演習等の活動を豊かに組み込みながら指導をすることが重要であること、単により高度な運動技能等を習得するような指導に陥ることがないようにと、そういった十分な留意も必要であるということを記載をさせていただいたところでございます。
また、8ページ目の右側でございます。「健康・安全に関する指導の充実」というところでございます。1つ目の丸のところにありますが、これは児童生徒がこの学習内容を主体的に受け止めながら学びを深めていくというところに、自身の生活経験との往還というようなこと、こういった重要性も記載をさせていただいたところでございます。
また、8ページ目の一番下のところになりますけれども、児童生徒の一人一人の発達の状況に応じた指導が必要な事項につきまして、保護者の理解を得つつ、外部の専門家等の協力も得ながら個別の指導等で取り扱うということ、また、学習指導要領においては現場における指導をためらわせることがないような記載を検討すること、また、指導の参考になる手引の充実、あるいは医療関係者等の外部専門家の活用の促進策の検討についてもあわせて期待されるということ、こういったものもご意見を踏まえて記載をさせていただいたところでございます。
また9ページ目でございます。9ページ目の余白の創出の関係でございますが、下の丸印でございますけれども、この余白を創出する、余白を作るということが具体的に何に繋がっていくのかということをしっかりと示したほうがいいのではないかということで、その創出された余白を活用することによって、この学びの質をさらに高めるための活動を豊かに行うことができるというところ、そういったところを記載をさせていただいたところでございます。
また、右側の「教科書の改善を視野に入れた内容の見直し等」というところで、ここについても個別の知識等の指導に偏るということではなく、探究的な学習、こういった学習活動、プロセスの充実を図ることによりまして、バランスの良い資質・能力の育成が図られるという観点についても記載をさせていただいたというところでございます。
また、10ページ目でございますけれども、左側、体育・保健の「深い学び」の実装に向けて、これは前回「実現に向けて」という書き方をしておりましたけれども、全体の改訂の方向性の中で、この「深い学び」の実装を図っていくという言葉にまず合わせていくということと、それから3つ目の丸のところで、この「知識・技能」を活用してということだけではなくて、この「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」、こういったものが行き来をしながら、往還をしながら深い学びを実装していくということ、そういったものをしっかりと位置づけていこうということについて、ここに記載をさせていただきました。
それから、多様性の包摂に関すること、1つ目の丸のところにありますけれども、環境づくりが重要であるというようなご指摘を踏まえた修正を加えているところでございます。
また、10ページ目の右側、デジタル学習基盤につきまして、この学習基盤のさらなる活用というところへの期待、いわゆる一層この「主体的・対話的で深い学び」を充実をしていく、そしてこれが児童生徒、それから教師双方において、この学習基盤をさらに活用していくことが期待されるということ、そしてこの活用していくということが、子供の状況を踏まえながら、学習状況、思考過程、感覚等を可視化をしていきながら、学ぶ機会の確保であるとか、学習活動の充実を支えることにも強みがあるというところ、こういったところをより具体的に表記をさせていただいたところでございます。
また、ハイパフォーマンススポーツの関係の記載もございました。ここに関しては、そういったスポーツに取り組むアスリートの方の、思考の過程ですね、競技について理解を深める、そして自らについても客観視をし、課題に向けて試行錯誤をしていくという、この思考のプロセスもより具体的に表記をさせていただいたというところでございます。
また、11ページ目、左側、水泳授業に関して、ここにつきましては、実技の指導に関してのご意見もいただいたというところでございます。
そこの重要性について記載をさせていただいているというところでもございますし、また下のところ、持続可能な水泳授業を実現するというところの中で、各学校の自前のプールということだけではなくて、集約化・複合化して整備をされたような、地域のプールを活用するということも視野に入れた検討ということ、そしてまた一番下のところにあります指定管理者制度の活用であるとか、管理業務への民間事業者の委託というところ、これはまさしく教師の負担軽減等の観点というところも含めて、記載を充実をさせていただいたというところでございます。
また、11ページの右側でございますけれども、調整授業時数制度等の活用ということで、こちらについても体育や保健についても、こういったものの活用というものが考えられるという議論をいただいたわけですが、これがただ単に活動量とか内容を増やすということではなくて、体育や保健の学びの質をさらに充実させるという観点からの枠組みであり、その活用が期待されるのであるということを明確にさせていただきました。
また、外部の専門家、外部機関との連携ということの中で、より一層多角的に子供たちがこの理解を深めていくということに関しても、記載を充実をさせていただいたというところでございます。
12ページ以降は補足イメージということで、前回も提示をさせていただいたイメージが連なっているというような形になってございます。
前回の、ご指摘を踏まえて修正をした主だった箇所については以上でございます。事務局の説明、以上でございます。

【友添主査】 はい、赤間室長、ありがとうございました。それでは、ここで一旦、中入りを設けたいと思います。
5分ほど休憩をしたいと思いますので、今お手元の時計ご覧ください。13時43分だと思うんですけれども、48分、細かいですが、48分にもう一度参集いただければと思います。
一旦ここで休憩に入ります。よろしくお願いします。

(休憩)

【友添主査】 はい、時間が参りましたので、議事を再開したいと思います。よろしくお願いします。ここからは、今ご発表いただきました植田委員、あるいは私の発表、事務局からのご説明を踏まえて、質疑応答、意見交換を行いたいと思います。
これまでも本ワーキンググループでは、毎回ご参加の全委員からご発言をいただいてきたところですが、今日もぜひ全員からご発言をいただければと思います。
議論全体を振り返ってのご発言などもありましたら、ぜひ遠慮なくいただけたらと思います。会議全体を振り返ってのご発言でも結構です。
なお、例えば取りまとめ案に関するご意見であれば、どのページのどの箇所についてかを、まず最初にお示しをいただいた上で、全体で共有しながら議論できればと思っていますので、この点ご協力をお願いします。
それでは、どうでしょうか。皆様の方から挙手をいただければと思います。
はい、佐藤豊委員お願いします。

【佐藤(豊)委員】 すみません、よろしくお願いします。
長きにわたり、事務局とりまとめありがとうございます。まず全体の感想ですけど、今回、ウェルビーイングの実現という、教科全体の目標に向けての改訂が進められてきたのかなと思います。
ただ、企画特別部会で論議された中では、我々この体育のワーキングの意見が、果たして十分伝わっていたのか、その中で、体育の、友添主査が先ほどご発表されたような趣旨が、教科全体のゴールとして十分伝わるとよいとの思いがあります。
ぜひこのあと特別部会での各部会の報告があって、直接座長にお話いただける機会があれば、ぜひ友添主査にご出席いただいて、先ほどのプレゼンを再度、全体の他の教科の方々にもお話いただけるような機会がいただけたら、この会としてはありがたいなと思ったところが1点目でございます。
2点目ですが、具体的な取りまとめの内容に入らせていただきますと、6ページで、特に4-4-4の説明をしてるところが3か所ありまして、6ページと7ページと20ページに記載があるのですけども、4-4-4の一番最初に入ってるところが、発育発達曲線の説明になっていて、多分これ、一番短い文章がもしこのあと改訂の方向性の趣旨で引用された時に、ここの文章が引用されますと、発育発達のところで4-4-4を捉えてくださいというメッセージに見えてしまうと思ったときに、昭和53年頃の改訂みたいな形で、中学校はもう持久走やってればいいよ、高校は筋トレやりなさいみたいな形のメッセージととらえられると、趣旨が違うかな思って、20ページの表のところ見せていただきますと、はい、この下のところの、あ、今のとこですね、21ページ、1個手前ですね改善の方向性のとこには、4-4-4のところ、趣旨がわかりやすく方向性が書かれているので、こちらのような文章が引用されたほうが、技能のみではなく、発育発達によっての重点が変わってくると思うんですよね。
技能を、しっかりと身につける段階にフォーカスしたほうがいいところもあれば、例えば小学校低学年で初めから技能のみに着目してしまうと、発育発達の早い段階で、体育嫌いになる子がいるので、楽しさをしっかりと伝えなきゃいけないし、高校に行ったときには、むしろもう技能の目標が、ある程度もう無理だというふうに思う生徒さんもいらっしゃるので、そのときに、多様な楽しみ方を見出していけるような学習を展開していったほうがいいと思うので、何かそういう辺の重点がうまく入っているような、体力だけではない柱で書かれたらいいんじゃないかなと思いました。
最後、7ページ、すいません、もう一度戻っていって、先ほど説明があったスポーツ理論のところなんですけど、このページ数が僕が言っているのと違うのか、あ、はい、ここのページですね。
ここ、中高ともスポーツ理論っていう提案なんですけども、中学校3時間、高校が6時間あります。中学校の3時間だと、今でも結構内容は、いっぱいで、先生方、やっぱりその理解する内容をさせるのに、かなり厳しい状況があるかなというのはあるので、内容の精選も必要だとは思うんですけど、中学校段階、特に「○○運動」っていう名称を今度変えることからすると、体育の授業の基盤となるような知識をしっかりと授ける3時間としていただくには、体育理論のままのほうがいいんじゃないのかなと思います。
高校に行ったときに、より卒業後のスポーツをより主体的に自身が広げていく、あるいは関わっていくことを学びますよということで、高校に行ったときにスポーツ理論っていう名称のほうが、より改訂の方向と合ってるのかなと思ったので、その点が、そこまでが、意見としてお伝えしたいところでした。
以上です。

【友添主査】 はい、ありがとうございます。昔から私の発表に佐藤先生だけが褒めてくれるパターンが結構あったなって、今、振り返ってました。
ありがとうございます。で、ちょっと19ページお願いできますか。
佐藤先生がおっしゃったことでいうと、例えば発育発達論で身体的な側面を重視してというのは、現行の4-4-4制はそこにやっぱりフォーカスしているように読み取られがちなんですね、現行のものは。
ただ今回はそうじゃないという、もっと包括的なところで記載をしているわけで、例えば、このボックスのですね、神経系の発達が完成に近づく時期というところありますよね。
ここをこれで区切ってしまうと、あたかも身体的発達が中核だという印象を一番初っ端に与えてしまうので、ここは例えば「神経系の発達が完成に近づく時期であり」って次の文章に繋げる。それは真ん中の、例えば5年生、6年生、中2までのところがそうなっているように、あるいは高校段階もそうなっているように、ここは区切らないで繋げたほうが、多分誤解がないだろうと思うんですね。
いかがですかね、こういう発想は。
あ、佐藤先生、いかがでしょうか。

【佐藤(豊)委員】 はい、ぜひ事務局のほうで、誤解のないように修正を図っていただけたら大変ありがたいです。

【友添主査】 ありがとうございます。もう1点、中学校段階のスポーツ理論を体育理論に戻したほうがいいんじゃないのかというご意見がありました。
これに関して何かほかに、先生方、もしご意見があれば、今、少し発言していただければと思うんですけど、どうでしょうか。
岩佐先生、どうですか。

【岩佐委員】 はい、ありがとうございます。私も、佐藤委員のお話に繋がるところなんですけども、体育理論をスポーツ理論にというお話の中で、これまで自分の中でもずっと考えてきた1つではあります。ご説明にあったように、趣旨については私も賛成はしているんですけども、やはり中学校では、従来の体育理論という名称が学習の実態に合っているんじゃないかなと思っています。
体育理論は、中学校から学びがありまして、体育に関する知的な内容で、特に中学校1、2年生の学習内容というのは、体育の運動領域での学習内容と深く関わっているかと思います。
そして、生徒は日頃から「体育」という教科の名前で学習していることもありますので、体育理論という名称のほうが、運動領域との繋がりを子供たちも教員も捉えやすくて、学習内容についても自然にイメージしやすいのではないかなと思っています。
以上です。

【友添主査】 先生は、身体運動の教育、もう少し幅広く言うと、まさに体育の教育をやるという意味で言えば、そこの理論的な側面を強化したということで、スポーツ理論という形の名称よりも、体育理論のほうがふさわしいのではないかと聞き取りました。
これについては、事務局のほうともご相談しながら検討させていただくということで、預からせていただくという形を取らせていただければと思います。
ありがとうございます。続きまして渡辺委員お願いします。

【渡辺委員】 すみません、私のほうからは、取りまとめ案全体に対して、3つの意見と、要望というか、お願いをしたいと思います。
まず最初でございますけども、健康に関する学習は、子供たちが自分の健康を自分で管理していける自主自律の力の育成に繋がることが重要であると思っております。
そういう学習を実現するためには、留意すべき点が3つあると思っております。1つは、子供一人一人の発達の段階を柔軟に受け止めた学びであること。
2つ目は、学習内容を自分の生活経験などと繋げつつ、本文にも書いてございますけども、主体的に受け止めながら学びを深めていくこと。
そして3つ目は、保護者や関係機関の理解や協力を得ながら、学校医を含む専門家をうまく活用しながら指導の充実を図ることであります。
今回の取りまとめ案では、こうした内容が盛り込まれておりますので、ぜひこれが現場でしっかりと形になるように、まずはこの趣旨を踏まえた学習指導要領の改訂を進めていただきたいと思います。
その上で、改訂後には趣旨の周知、それからがん教育のような指導参考資料の作成、それから外部専門家の活用促進策の検討もぜひお願いしたいと思います。
2つ目でございますけど、3月の私のワーキングのプレゼンテーションでもお話をさせていただいたのですけれども、子供のメンタル不調に対する対応を考える場合に、不安というものが何かが分からないと、「不安になったら相談してください」と言われても、具体的な行動や相談に結びつかないと申し上げたと思います。
つまり不安とはどういうものかを自分なりに理解して初めて、相談などの対応ができると思っております。様々な健康課題についても自分ごととして学んで理解を深めなければ、現実的なものとして考えることは難しいということであります。
子供が自分には関係がないと思うと、学ぼうとする意欲が湧かずに知識に結びつきません。これでは将来においても役に立ちにくいということになってしまうと思います。
3点目でございますけど、一律で表面的な知識を教え込めばよいということではなくて、しっかりと子供たちの人生において役に立つ指導が必要であります。
教育は知識を習得させるだけでなく、自分自身で考え対応できる能力、友添主査が述べられたときに「不測の事態に対応する能力」とも先ほどおっしゃったと思うんですけど、そのような力を身につけさせることが目標と思います。
学校、家庭、地域、関係機関、専門家などの子供たちの教育に関わる様々な立場が有機的に連携し、子供たちの発達の段階を含む様々な状況を踏まえながら、自分の健康を自分で管理していける実践力の育成に繋げることができるよう、この取りまとめ案を踏まえた実効的な取り組みを力強く進めていただきたいと、最後に申し上げて、私のほうの意見とさせていただきます。
事務局の方、よろしくお願いいたします。

【友添主査】 ありがとうございました。事務局へのエールという形でお伺いをしたところであります。ありがとうございました。続いて南委員お願いします。

【南委員】 はい、ありがとうございます。まず植田主査代理、友添主査、ご発表ありがとうございました。事務局の皆様におかれましても、迅速で適切なお取りまとめ、本当にありがとうございます。
さて、植田主査代理のスライド28ページについて感想を申し上げたいと思います。
高等学校の科目保健においては、複数の資料を突き合わせて1つの考えを導き出す思考力・判断力が必要だと考えています。
今回、有酸素運動とがん予防の関係性を実証した論文をご提示いただいたわけですが、学校現場の先生方には、このような研究を複数活用して、身体活動と健康の保持増進、回復の有用性を思考・判断できるような授業展開を期待したいです。
また、そのような教員を養成していきたいと思います。以上です。ありがとうございました。

【友添主査】 植田主査代理、何かコメントはございますか。

【植田主査代理】 そのとおりだと思います。ありがとうございます。

【友添主査】 それでは、続きまして渡邉委員お願いします。

【渡邉委員】 はい、よろしくお願いいたします。私からはですね、高次の資質・能力のことについて、意見と、あと1つ質問させていただきたいと思います。
ページ28、補足イメージの17をちょっと出していただけますか。はい。保健については、その前のところでですね、これまでと同じように、この系統性というものをスパイラルに示すというのが出てたと思うんですけど。
この高次の資質・能力が示されたことで、それがより明確に見て取ることが可能になったのかなと思います。今回これを作成するのは大変だったと思いますので、ご尽力に大変敬意を表したいと思います。
ですが、気になる点が少しだけあって、この高次の資質・能力は内容のまとまりに応じて並べているという形に作られているわけなんですけれど、必ずしもそれがこの保健の学習内容のすべてを網羅してるわけではないんですよね。
例えば、今このページを出していただいたのは、小学校で「健康と環境」「健康を支える環境づくり」というところが何にも入ってないわけですけれど。実は小学校3年生では環境のことを、そして6年生では地域の保健活動のことを学んでますし、全くやってないわけではない。
だけど、この形にすると消えてしまうわけです。ですから、これはそもそもすべての学習内容を網羅してるわけではないというようなことが、伝わってほしいと思います。
系統性を優先して作られてますから、すべてを整理したものではないだろうと思いますが,誤解されないかなというのが少し危惧されるところです。
とは言っても、これは現場の先生にとっては非常に分かりやすいですし、これまで以上に他の校種ではどういうふうなことを学んできたかという資料の意味では有益なものだと思うんですけれど、こういう資料が中教審の答申には載るのかなとは思うんですが、現場の先生には正しく伝わるかどうかが気になります。
つまり、学習指導要領やその解説にどういう形で反映されるのかなというところが、もしかしたらまだ決まってないかもしれませんけれど、もしお分かりでしたらちょっとそのへんのところをお話しいただければと思います。
これが1つの質問ってことです。以上です。

【友添主査】 ありがとうございます。事務局のほうからお願いします。

【赤間企画調整室長】 はい、ありがとうございます。端的に言うと、まだ何かがガチッと決まっているものではないというところ。また、この高次の資質・能力の一覧というものも、素案というところでありますので、具体的にこれをですね、どういうふうな形で示していくか。
当然、ワーキングの取りまとめの資料としてはこういったものが入ってくるわけですけれども、全体としてどういうふうに示していくのか、あるいは指導要領ないし解説の中にこういったものをどういうふうに載せていくのかということが決まっているということでは明確にはありませんので、いただいたご意見も踏まえながら、どういうふうなことができるのかについては考えていきたいと思っております。
ありがとうございます。

【友添主査】 ありがとうございました。1つの手としては、注釈にその旨を明記しておく必要があるかもしれないですね。独り歩きしてしまうと「すべてだ」という理解をされかねないので、そうじゃない系統性に着目した場合、抜粋すればこういうような形になっているということを、注釈あたりで触れる手も1つあるのかなと感じています。
柏原(聖)委員お願いします。

【柏原(聖)委員】 はい、植田主査代理、友添主査、ご発表ありがとうございました。お二人のご発表を伺いまして、時代の潮流や変化と展望というものを改めて認識いたしました。
その中で8ページでございます。
簡潔にまとめてくださっていますが、健康課題が絶えず、変化する。
複雑化、多様化している現状を踏まえて考えたところ、指導の改善や充実を図り、学びの質を高めていくということが求められているかと思います。
学習指導要領は、すべての学校において教育の方向性を示す大綱的な基準であることから、関係法令等を含む社会の要請にも留意する必要があることを、あらかじめ言及しておくことが望ましいのではないかと思います。
例えば、先ほどのご発表の中にも関連してくるとは思いますが、自殺対策基本法では、心の健康の保持に係る教育及び啓発の推進等が規定されております。
学校教育における心の健康に関する学習の充実は、社会的にも求められております。
教育課程内に限定されるものではありませんが、こうした社会の要請を踏まえつつ、今後さらに指導の改善、充実を図ることが重要であると考えます。
また、保健に関する学習は、正確で適切な知識に基づく意思決定や行動選択、そして実践力を育むことを目標としておりますので、言い換えれば、子供たちが将来、生涯にわたり自身の健康を継続的かつ適切に管理し、人生における可能性を最大化するための学習であるとも言えます。
近年、女性の健康管理も一層注目されておりますが、重要なことは、単なる知識理解にとどまらず、自らが考え、自らが判断、あるいは選択し、人生の可能性を切り開いていく資質・能力を育む学習を軸に据えることだと考えます。
こうした観点を明確に示していただくことで、指導の改善、充実に繋がっていくのではないかと感じました。これが1点目でございます。
2点目です。2点目は、様々なご意見があり、必要な内容が反映されたものであるということは認識いたしました。
ただ、書き込みすぎて分かりにくくなったようにも感じる箇所があります。
経験の浅い教員や、体育科、保健体育科を専門としない教員でも分かるように、表現を簡潔かつ平易にしていただきたい。
例えば9ページです。「余白の創出」の観点等を踏まえた内容の見直しでございますけれども、本文の5行目ですが、「運動等の楽しさや喜びを味わったりすることがそのであることを踏まえ、小4までに…」という箇所があります。
これは、誤植かもしれませんが、確認をしていただくことと、9行目まで句点が全くないという文章が2つ続いておりますので、どこかで文章を切っていただくことで分かりやすくなるのではないかと思います。
さらに文章を磨いていただいて、分かりやすい表現にしていただければと思います。そして18ページも同じことが言えると思いました。
「総合的な理解」と「総合的な発揮」も、簡潔な文章になるように精査していただければと思います。私からは以上です。

【友添主査】 はい、今いただいたご意見、趣旨を汲み取りながら、もう一度事務局のほうで精査していただくようにお願いしたいと思います。
ありがとうございます。
続きまして、佐藤若委員お願いします。

【佐藤(若)委員】 はい、よろしくお願いいたします。4点ほどお話させていただきたいと思いますので、ページ数申し上げます。
まず、7ページをお願いします。
12年間を見通した運動・スポーツを通した学習は本当に大事なところだと思っておりまして、今までも審議の中でも、たくさんご意見があったかと思っております。
特に、中3からの、卒業後も、運動・スポーツに多様な楽しみ方で豊かに関わることができるようにする時期については、3点あると思うんですけども、運動・スポーツを主体的に選択するという「自己選択」、それから、生涯スポーツの楽しみ方に触れること、社会との接続、生涯にわたる自分にとっての運動・スポーツの楽しみ方を考えるということで、3点出てると思いますけども、2つ目の「生涯スポーツの楽しみ方に触れる」こと「その社会との接続」というところの言葉と楽しみ方のところがもう少し具体的に書いていただけると分かりやすいなと思っております。2点目は、体育科、専門学科のところです。前回の最後に、友添主査のほうから、この体育科をスポーツ科への名称変更について指名をいただきまして、なかなかうまく答えられなかったことで、宿題だと思っておりました。スポーツ科ということにすることについて、賛成というか、良いことだと思っております。ただ、懸念されることとしては、1つの専門科目に特化して、技能を中心に高度な授業を展開されることです。専門学科の目的は「スポーツを推進・発展する」ということで、この趣旨がしっかり理解されるような、スポーツについての「する」「みる」「支える」「知る」という多様な学習方法を深めていくということが、しっかりと現場に届くようなにして欲しいと思ってます。その意味で、加えていただいた内容につきましては、とても重要なことだと思いますので、ぜひ、このような形で進めていただければと思ってます。
3点目は11ページです。水泳授業の在り方のところで、下のポツの「持続可能な水泳授業を実現する」というところですけれども、大事なところだと思って読んでいたときに、すいません、これ、多分、言葉が消えてしまったのかなと思われる、2つ目の矢印のところですけども。「民間事業等に連携して指導する際には、安全面や学校の授業における指導の……」というふうに、多分「指導の趣旨を踏まえた対応が必要になる」ということではないかと。本当に細かいところですけれども、言葉を追加していただければと思ってます。今、いろんな、プールの水泳授業の環境改善については、この民間事業の連携は欠かすことができない1つの要素だとは思っておりますけれども、ここに書かれてるように、その民間の指導者の方々に丸投げということではなく、学校の先生も一緒にTTでしっかりと指導していくというような趣旨が、しっかりと書かれていたほうがいいことを望んでおります。
最後は22ページです。高次の資質・能力の、運動の関わり方の内容について、前回お話しさせていただいた部分につきまして、系統性ということで、ここのところに「より良い社会作りに繋がる」という、とてもいいワードをいただいたと思っております。この態度を指導する上で、このウェルビーイングというか、こういったワードが載ってることで、より先生方が、こういった態度面について指導する、学習させるということが明確になってると思いましたので、最後は感想です。以上です。

【友添主査】 はい、ありがとうございます。系統性の問題なんですけれども、中学校3年生が一応義務教育の最終学年ということで、一応そこで完成体を示さなければいけないということで、「社会との接続」という言葉が生まれてきたのかなというふうにも感じながら読んでいたのですが、このあたりも含めて、事務局のほうでもう1度精査をしていただくという形で進めたいと思います。
ありがとうございました。

【前島委員】 よろしくお願いします。9か月にわたって議論を進めてきて、いろんな方の話が聞けてすごく勉強になったなと思ってます。
本日も、植田主査代理と友添主査から、非常に深い学びをいただき大変勉強になりました。ありがとうございました。
今回の学習指導要領の改訂では、多様性の包摂が1つの大きな柱になってるというところでは、今後どのように授業が変わっていくのかについてすごく楽しみにしています。
私からは10ページの多様性の包摂のところの、環境に関わる言葉です。
この表現の仕方は、この隣にある「活動場所や指導体制の整備」という、環境も含まれるとは思いますが、「基礎的環境整備」ということです。
学校があらかじめ全体に整えておく環境という土台がしっかりあることによって、個別の合理的配慮がスムーズにいくということです。
これは先ほど植田主査代理が、当事者がいる中でどう授業を行っていくのかというところや、友添主査が他者の身体性を共鳴し合うことなどがありましたが、多くの子供たちの中には多様な子供がいるという前提で受け入れる、受け止めるという環境や風土を作るということも、この環境に含まれていると思いますので、ここの示し方について、きちんと説明をしていただくことが必要ではないかと考えます。
前回もお話ししましたが、学習指導要領にどう示していくのかと、これから議論されると思いますが、指導計画の作成と内容の取り扱いなどに、もし環境についての言葉を入れていただくならば、解説等にもさらに広げて説明していくことに繋がると考えます
多様な子どもたちがいるという前提で授業が繰り広げられていくような、そんな環境を整えていけるように、これからも進めていただければなと思います。
ありがとうございました。以上です。

【友添主査】 ありがとうございます。ご指摘のほう、事務局のほうで受け止めていただければと思います。よろしくお願いします。
日野委員お願いします。

【日野委員】 はい、失礼いたします。まずは、これまでの審議内容を大変分かりやすく整理していただきまして、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。なお、事務的な確認になると思うのですが、いくつかの箇所でまだ体言止めの表現、例えば「〇〇整理」や「〇〇重要」という箇所が残っていたり、指導内容と学習内容という表記がいくつか見られていたりするので、最終的な整理をお願いできたらと思います。
私からは、審議のまとめについての1か所ですけど、7ページの12年間を見通した運動やスポーツを通した学習についてのところになります。
今回「4・4・4」というまとまりの中で、特に前半の「4」と中の「4」は領域名称の変更などがあるのですが、中3からの「4」も、今後、社会に繋がる意味ではとても重要な論点と思っております。
そういった中で、〇の2つ目の項目ですけど、「生涯スポーツの楽しみ方に触れること(社会との接続)」とあるのですが、そこに「多様な」という視点を加えると、今回の改善の強調点としてよりわかりやすくなると思っております。
今回、中3以降は、指導内容の高度化を見直す視点は挙げられているのですが、それだけにとどまらないで、例えば障害者スポーツ、アダプテッドスポーツ、ゆるスポーツなどの趣旨や考え方を踏まえて、共生社会に向けて多様なスポーツとの出会いを、社会に接続する段階の中で感じて学ぶということは、すごく重要ではないかと思っております。
見方・考え方の「多様な楽しみ方」という視点とも繋がると思いますので、「生涯スポーツの多様な楽しみ方に触れること」という表現を提案したいと思っております。
2つ目は、その次に書かれている「生涯にわたる自分にとっての運動やスポーツの楽しみ方を考えること」という記述です。ここでは、「自分にとっての」となっているのですが、他者とか社会との関わりを含めた視点も重要ではないかと思っております。
ウェルビーイングの実現が大きな方向性として示されているなかで、自分自身のウェルビーイングとともに、他者や社会のウェルビーイング、特に幸福な人生や豊かな社会に向けた取り組みとなっていますので、そこも「自分にとってや豊かな社会に向けての運動・スポーツの楽しみ方を考える」と整理すると、全体の方向性ともより繋がるのではないかと思いました。
中3以降の4年間についても、運動領域に関する名称や枠組みそのものは変更しないのですが、このような観点や考え方で内容を整理することで、より深い学びの実装に繋がるのではないかと思っております。
以上です。

【友添主査】 ありがとうございます。ご指摘の点、事務局のほうでまた検討していただければと思います。藤原委員お願いします。

【藤原委員】 はい、失礼します。ここまで本当に長きにわたりまして、たくさんのことを学ばせていただきましたことは、また現場の校長として大変うれしく思っております。
本当にありがとうございました。また、事務局の皆さまにおかれましては、これまでの話し合いをこのような形でまとめていただきましたこと、本当に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。私は2点お話しさせていただきます。1つ目が10ページの「多様性の包摂」のところです。
前回の骨子案より、「環境作りが重要であることに留意すべき」という文言が加わったことは、とても大事な言葉が加えられたなと考えています。
私たちはこれまでも子供を運動に当てはめるのではなく、子供の実態を捉えて、一人一人が今ある力から学びを始め、少し頑張ればできそうな課題に向かいながら、学びを深めていく学習や授業作りを進めてきました。
しかし、すべての先生が同じ考えのもとで体育の授業作りを行えていたかというと、まだ課題が残っていたのも現状です。今回「環境作りが重要」という文言が加わったことによって、今一度改めて、体育の授業作りには、多様な子供がいることを前提に授業を計画し、人的、また物的、心理的等の環境を整えることで、誰一人取り残されることなく、すべての子供が運動の楽しさや喜びを味わい、自らの良さや可能性を伸ばしながら、互いに学びを深め合える授業を進めていくことが大切であるということが、現場の先生方にしっかりと伝わっていけばいいなと考えています。
2点目は11ページの水泳授業の在り方についてです。一番下の項目では、プールの管理に関して、「教師の負担軽減等の観点から」という文言が加えられています。
学校現場の立場からすると、非常に重要な文言を加えていただいたと考えています。今、本校ではまさに水泳学習を行っているところですが、学校のプールの管理は本当に大きな労力を要する業務の一つです。
本校では6月初旬から7月の下旬までのおよそ1か月半、水泳学習を実施しております。その期間を通して毎日、水質管理や水位調整、機械整備、設備の確認など、様々なプールの維持管理業務が発生します。
これらの業務については、体育主任を中心に、担任や管理職等が連携しながら日々対応していますが、休日に出勤して管理を行わなければならない場合もあります。
教師が教師にしかできない業務に専念し、子供たちのためにより良い授業作りや教材研究の時間を確保するためにも、プールの管理業務の民間委託が少しでも進むよう、国のほうからも後押ししていただけるとありがたいなと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

【友添主査】 はい、現場からの貴重なご提案ありがとうございました。その方向については事務局とも共有を進めていきたいと思います。
よろしくお願いします。岡出委員お願いします。

【岡出委員】 どうもありがとうございました。ご苦労様でした。手短に2点だけお願いしたいかなと思っています。1点目は、10ページのところの、包摂に関わるところなんですけど、この1つ目のポツ、2つ目のポツを見てると、今日、植田主査代理が言われた「保健の授業のことはここには入ってこないのか」という、そういう印象をちょっと与えるような気もして、これ多分、体育の授業のことだけを言うわけなんですかね。
保健の授業のことは言わなくていい。それでちょっと気にかかりましたので、今日のご提案があったことを踏まえると、どう表記するのかを検討していただきたいかなと思いました。
これ1点目です。2点目は、11ページの評価のところですよね。学習評価。これ、2つ目のポツのところの最後のこの文章、「留意する指導と評価イメージについてさらに検討する必要がある」ということで、今後検討されるということで残されてるんですけど、2つ気にかかっていて、1つは、ずっとお願いをしてたと思うんですけど、基本的にここのところは、その、指導したことを評価するということを、やっぱり強調はしていただきたいかなとは思っています。
で、それが2つ目のところに関わってきて、その評価・総則部会のところで、いわゆる今回の「学びに向かう力・人間性等」のところが、評価の対象から外されていくということ自体は、基本的にそこに指導内容がないような印象を多分与えてるからじゃないかと思っていて、今回のこちらから挙げたことが、評価・総則特別部会のところでどういうふうに受け入れられていくのかもちょっと見えないので、ここのところに関しては、もう少し何か、書き方がないのかなと感じています。
これ可能であればご検討いただきたいと思います。はい、以上です。

【友添主査】 ありがとうございます。1点目の多様性の包摂のところ、確かに、書きぶりでは運動学習を中心に書いてあるので、保健についてはやはり一貫していく必要があるかもしれないです。
ここも事務局のほうで検討をしていただければと思います。2点目は指導と評価の一体化をずっとやってきたわけですから、このあたりをしっかりと体育から発信していかなければ、誤解されてしまう可能性がありますね。
ありがとうございました。
続きまして、斎藤委員よろしくお願いします。

【斎藤委員】 お願いします。私も、これまでのワーキングの話し合いがすごくしっかりとまとめられた取りまとめになっているなと思って、本当に事務局の皆さまに感謝申し上げたいと思います。
ありがとうございます。私が今感じてる点を発表させていただきますと、まず最初に5ページかな。
左下の「学びに向かう力・人間性等」の公正、協力、責任、参画等の内容が、運動の関わり方として知識・技能を中心に再整理されたというのは、これすごい重要な内容だと思ってまして。ここで示されてるとは思うんですけれども、すいません、マーカー部分じゃないんですが、その理由が「指導と評価の具体化を図る観点から」って、ちょっとなんかさっぱりした示し方になっちゃってるような気がして。これって結構大きなことだから、もうちょっと、ここで変えたんだよという理由が今後の指導にもすごく関わってくるところだと思うので、読み手にその意図がもう少し、簡潔ではなくしっかりと伝わるような文章にしたほうがいいんじゃないかなというようなところを感じました。
改めて読んでみると、なんかちょっとすっきりしすぎてて、「それってどういう理由?」というのがちょっと分かりづらいような印象を持ってしまいました。
続いて、7ページの左の黒ポツの2つ目の「運動遊び」、これについても今回「4-4-4」の最初の「4」ですごく重要な内容になってくると思うんですけれども、ここの文章、黄色のマーカー部分で整理されたところで、ちょっと読んでいると、主語が児童なのか教師なのかがちょっと分かりづらい文章になっている印象があります。
自己決定するのは多分児童なんでしょうけど、指導の意図をしているのは教師で、で、児童が内発的に動くという、なんかちょっと1つの文章に誰が何をするのかが混ざってるような感じで分かりづらくて。きっと運動遊びに関してこれから語られるときに、ここの一文ってすごい重要になってくると思うので、読み手にしっかりと伝わるような整理をしていただけたらなと思いました。
隣の3つ目、12年間の見通しのところの1つ目のポツなんですけれども、12年間の見通しの小5から中2の部分、ここも今回すごく重要な点だなと思ってるんですが。12年間を通してすべての児童生徒の発達の段階に応じた豊かな学びを保障し、「好き」「楽しい」を丁寧に育みながら、生涯にわたって真摯に健康保持増進し豊かなスポーツライフを実現することに繋げるというところが、ちょっと抽象的で。今回ここの小5・中2の塊の部分は、すべての児童生徒が安心して運動に取り組めることが重要であることを踏まえることとか、運動を通して学びを基本にするというのはすごく的を射てると思うんですけど、以降のまとめ方がどこの「4-4-4」にも通ずるようなところにふわっとまとめちゃった感じがして、ここの4年間の重要性をもうちょっとここの一文でしっかり示せるようにしたらいいんじゃないかなという印象を持ちました。
最後です。9ページなんですけれども、右の黒ポツの上のほうのところで、指導内容が過度に積み上がりすぎないようにという点、今回重要な点だと私は思ってるんですけれども。子どもが十分な技能の水準に達してる場合には、発展的な内容に取り組むことが考えられるというところが、なんか結局「技能が」という話にまた戻っちゃってるような文章になってる気がして。先ほどから佐藤豊委員や日野委員がおっしゃられたような、豊かな関わり方に関することで、ここは発展的な内容に示していければいいんじゃないかなと思うんですけど、結局「技能が十分だと発展的」という言い方はちょっとミスリードになっちゃうような気がするので、もう一度再検討していただけるといいなと思ったところです。
すいません、雑駁ですが私から以上です。

【友添主査】 はい、貴重な点ばかりだったと思います。これについても検討を重ねて、もう一度どこかの形でフィードバックができればと思います。
はい、続きまして中村委員お願いします。

【中村委員】 はい、緑の学園義務教育学校教頭の中村でございます。このたびの議論に参加させていただくだけでも、この体育ということの大切さをより学ぶことができて、大変ありがたい機会をいただいたと思っております。
その上で、本当に雑駁な感想になってしまいますが、お伝えさせてください。今回の取りまとめでは、身体を媒介に協働的に学ぶこととか、AI時代だからこそ身体を通して学ぶ意義というもの、それから社会共生の作り手の育成など、体育の本質的な価値がこれまで以上に時代に即した形で分かりやすく整理していただけたなと思っております。
私自身、これから保護者などにも、なぜAI時代だからこそ体育なのかというものを正しく伝えていきたいと思っています。
なぜなら、現時点でやはり本校は、体育の授業やプール等は見学という児童も多くなってまいりました。
まだまだこの体育の大切さといったところも含めて、保護者や地域の方にも伝えていきたいので、そういった際に、次期学習指導要領等に、今私たちが大切にしている「身体というセンサー」を通して私たちが非認知能力を育て、他者との関わりを身体を通してやり取りできる素敵な教科であることを伝えるために、明確に明示していただけるということはとても心強いなと思っておりますので、このように表記していただけたこと、大変ありがたいと思っております。
一方で1つ、私のほうからも気になるのは、現在のこの体育という教科においては、非常に教科の専門性もあることから、先生方への負担ということも会議の中でも出てきたものと考えております。
また小学校では体育を専門としていない先生方も多いので、やはり体育の目的、そういった、もちろん身体を通しての動きという専門性を伝える場としては、これから外部人材やそういった機関との連携ということを考えていくのは大変重要なことだと思っています。
一方で、この外部人材という方々が、本当にこの体育の目的を正しく理解し、それを子供たちに適切に伝えるような授業の場のデザインだったり、設計ができるかといったところにおいても、実はその体育理論にも繋がると思うのですが、人を教育するという側面から見た体育科の在り方といったものを正しく理解していただいている外部人材なのかどうか。
やはり学校は先生という教育者じゃないと難しいという部分もたくさんある中で、研修体制というものであったり、そういったところが伝えられる何かコンテンツといったものの、合わせての教育環境設定というのも必要なのかなと感じたところです。
さらに言うと、先生方が専門的じゃないということも踏まえて、教職課程の段階から、体育が目指す資質・能力や、それからAI時代における体育の役割、存在意義というものを学ぶ機会というものを、ぜひ教職員大学や教育課程といった中に位置づけて、よりよく体育の役割を理解して、そして現場の先生たちが正しく子供たちとともに体育の授業を作っていけるような、そういった世界観を私としては大変期待しています。
本当にこのたびこういった機会に携わらせていただきまして感謝しております。私から以上です。

【友添主査】 ありがとうございます。蛇足ながら、部活の地域展開の中では、今年度から認定地域クラブ活動制度が始まっていて、その中で指導者養成という、あるいは指導者の認定も重要なキーファクターに入っていますので、そこでは具体的な実技指導はもちろんもうされているということで、それに加えて教育的な指導ということの、いわゆる学習機会を設定するということですので、まだすぐにとはいかないですが、時間の経過とともに指導者の育成がうまく機能していけば、体育の先生方も含めて、もう少し地域人材との連携がうまくいく時代が、もうすぐ来るようにも思っています。
ありがとうございました。続きまして森委員お願いします。

【森委員】 皆さんと一緒に仕事をさせていただきまして、大変ありがとうございました。
大変勉強になりました。今日の友添主査、それから植田主査代理のお話も非常に勉強になりました。
8ページをお願いします。健康安全に関する指導の改善充実が5つある中で、体育科、保健体育科に関わるものが上2つ、それから全体に関わるものが下3つということで、おまとめいただいて、非常に分かりやすくなったと感じております。
その中で2点あるのですけれど、1点目は、総則1の2の(3)に関することです。これからこれがどうなるかは分からないんですが、現在の学校における体育・健康に関する指導の、健康に関する指導の部分は、ここに記載が載せられていると判断しているのですが、一方で、学校における体育に関する指導については、全体的に教科の内容が中心であって、教科横断的な指導が、話し合われてこなかったのではないかなと思います。
そこで、岡出委員が言われたように本WGの考えが伝わるようにすることが重要で、少なくとも友添主査は、ぜひ総則・評価特別部会のほうに参加できるような道筋を作っていただければと存じます。前回の中教審でも後半、当時の事務局の人たちが懐が非常に深くてですね、友添主査が部会に入っていましたが、今回の事務局も懐は深いと思いますので、例えばこの部分の総則が大きく変わるとなったときに、体育・保健体育の立場から話ができる人が入っていたほうがいいのではないかなと思いました。
それが1点です。それからもう1点は、デジタルに関連する話です。ここの部分に書くか、または10ページに書くかになるのかもしれないのですが、保健の立場から言うと、デジタルが進んでいく中で、当然健康影響というのは出てくると思うんですね。
諸外国においても子供に対する規制が始まってる国がどんどん出てきている中で、まったく何も言わないでデジタルを進めるという形になるのが怖いと思いました。
ですので、少なくとも保健として、健康に関する影響を考えるというものが1つ入っていたほうが、安心であると思いました。
以上です。

【友添主査】 ご指摘ありがとうございます。続きまして宇山委員お願いします。

【宇山委員】 はい、お願いします。すいません、皆様の思いがすごく入ってるなということを読み込んでいたら、最後になってしまいました。
申し訳ございません。私も本当に感想ですが、取りまとめの10ページの右上ですね、2ポツ目のハイパフォーマンススポーツの取り扱いについてのところなんですけれども、おそらく、私であるとか、今日ご欠席されている大日方委員の役割のところかと思うんですけれども、ただアスリートの知見をそのままダイレクトに入れるというよりかは、今、スポーツ基本法からの第3期スポーツ基本計画の中で打ち出されているライフパフォーマンスに接続するというような表現が入っているのかなということで、すごくありがたく思っております。
また、先ほど中村委員のご発言にもありましたように、外部人材の取り扱いについて、私も今、外部人材としていろんな学校で、つい先月ですね、私事なんですけれども、100校を超えまして、またこれからも学校にお邪魔をさせていただくという形になっております。
私のほうも活動しながら、いろんな課題感とか、もっといいやり方というものを、学校、それから教員の皆様と直にコミュニケーション取りながら作り続けていかなければいけないということで、まだまだ勉強し続ける分野だと思いますので、今回一旦区切りと聞いておりますけれども、また今後、様々なところでご一緒させていただくことありましたら、またご指導いただければと思います。
ありがとうございました。

【友添主査】 ありがとうございました。
まだご発言いただいていない大井委員、柏原委員、吉田委員、ご意見、ご感想でも結構です。いかがでしょうか。

【大井委員】 あ、大井でございます。よろしいでしょうか。

【友添主査】 はい、お願いします。

【大井委員】 はい。今日も本当にありがとうございました。
全体を通じた感想ということで、一言だけお話しさせていただきます。まず、これまでの議論に参加させていただきまして、これから保健体育で目指すべき指導の在り方について、本当に深く考える機会をいただいたなと。
そして、皆様のお話から大変勉強させていただきました。本当にありがとうございます。
どの子供にも着実に資質・能力を育んでいくためには、やはり今回の中で「多様性の包摂」ということが1つ大事なポイントかなと改めて感じたところです。
いろいろな子供がいるということを前提として授業を構築していく、指導を充実させていくことが大変重要だと思いました。
今日も植田主査代理のプレゼンテーションの中でも、多様性の包摂の部分で、その児童生徒が授業を受けて良かった、こういう授業があって良かったと思える授業作りを、というお話がございました。
体育、保健両方の面で、やはり子供たちがそのように思えるような授業を、これから現場の先生方と一緒に作っていきたいなという思いを新たにしたところです。
本当にありがとうございました。

【友添主査】 ありがとうございます。
柏原委員、いかがでしょうか。
吉田委員、いらっしゃいますか。いかがでしょうか。

【吉田委員】 はい、ありがとうございます。
はい、たくさんのご意見を集約してお取りまとめいただきまして、本当にありがとうございました。
まず1点感想ですけれども、取りまとめ案の5ページの右側の保健の1つ目の黒丸についてです。
1行目から3行目にかけてのハイライトの箇所、「幼児教育段階を含む小学校低学年までの」と加筆していただいたところですけれども、保健領域、健康安全に関しても、運動領域同様に幼児期からの接続を踏まえて系統性を捉えて、それを示していただいたことは大変ありがたいことと思いました。
それは植田主査代理のご発表にもありましたように、体育と保健は切り離せないですし、幼児期においては特に運動と保健が密接に関連しているからです。
20ページの補足イメージ9の方でも、左下に吹き出しで説明を追記していただいています。
このページの1番左側に参考として幼児期における学びがあることに加えて、この吹き出しでも「幼児教育段階を含む小学校低学年までの」と記載されたことで、この図においても、ここで分断されずに幼児期も含んだ系統性が理解されやすくなったと思いますし、幼児教育側から見ても、健康安全に関して今まで以上に小学校以降に対しての見通しを持った指導を行うことができるようになっていくと思います。
また低学年に保健はないですけれども、保健は3年生になって始まるものではなく、低学年段階においても中学年以降の保健での学習に繋がる、あるいはその基盤となる学びを、他の教科での学習や生活全体を通して、改めて意識して捉えることができるのではないかと思いました。
これは感想です。それからもう1点、5ページの左側の2つ目の黒丸です。
ここ、変わってなかったので、もしかしたらあまり触れないほうがいいのかなとも思ったんですけど、やっぱり気になるのでちょっと申し上げます。
2つ目の黒丸の1行目後半から2行目にかけて、「神経系の発達が完成に近づく小4まで」という表記があるんですけれども、多分、スキャモンの発育曲線で言うとそういったことが言えるのかなと思うんですが、ここにある「神経系」というのは一律に完成するわけではなくて、「神経系が完成する」という表現はあまり用いられないんじゃないかなと思います。
確かに運動の調整や協調性、平衡性、感覚と運動の統合といった機能は児童期前半までに急速に成熟していくので、だからこそこの時期に動きが身につきやすいということになると思うんですけれども、成人期にかけても成熟していく側面はあるので、ここの「神経系の発達が完成に近づく」という表現が適切か、今一度ご検討をお願いできればと思いました。
今回このワーキングに関わらせていただいて、私は保健体育の方は専門ではないですけれども、今日の植田主査代理、友添主査のご発表も大変勉強になりました。
ありがとうございました。

【友添主査】 はい、ありがとうございます。折々重要なご指摘をありがとうございました。今日のご指摘も含めて、事務局の方で検討させていただこうと思います。
これで全員の先生方に一度ご発言をしていただいたということであります。事務局の方から、今日が最終回ということで一言ご挨拶を、とのことですので、少しお時間をいただいてご挨拶をさせていただければと思います。
11回の会議を重ねてきたということでもあります。これを全部トータルすると1日を超えてしまう時間、私たちは議論をし、会議をやってきたわけなんですが、9か月に及ぶ長い期間、皆様の多角的な視点と現場に寄り添った熱い議論に、また、会議に向けての様々なご準備を献身的に行ってくださった事務局の皆様に心からお礼申し上げたいと思います。
毎回、Zoomの画面越しに見える先生方のお顔から元気をいただいておりました。
おかげさまで、本日無事に取りまとめの一区切りを迎えることができたかと思っています。このワーキンググループにおける議論の最大の成果は、これからの激しく変化する社会を見据えて、学校で体育や保健、健康安全を学ぶ本質的な意義と価値を今一度明確にできた点にあると思っています。
また体育においては、特に特定の種目の競技力を高めるだけではなく、すべての子供たちが運動の多様な楽しみ方を味わえる場としての重要性を再確認できました。
さらに今回、「学びに向かう力・人間性等」に含まれていた態度に関する(今日もお話が出ましたけれども)要素・運動の関わり方として、知識・技能を中心に構造化、再整理したということは、大きくは全国の学校で奮闘されておられます先生方の指導と評価の難しさを解消して、現場の授業改善を力強く後押しするものになると感じております。
また、小1から高3までの系統性の見直し、とりわけ小学校の低・中学年において、遊びの要素を取り入れた「運動遊び」として再整理したことから、さらに高学年以降の技能が過度に高度化しないように見直すことで、現場にどうしたら余白が作り出せるのか、ここに苦心をしたということも懐かしい思い出です。
また、最後、前島委員がよく強調されておられましたけれども、誰も取り残さない多様性の包摂、あるいは「好き・楽しい」の好循環を生み出す基盤、そういったものが、少なくとも現行のものよりも前に進んだかと思っております。
ここは、佐藤若委員からもお話がありました。高校の専門学科「体育」を「スポーツ」へと改称し、社会課題解決の担い手を育てる軸だというふうに、私自身も理解をしてきましたけれども、この軸を明確にしたことも大きな一歩だったと思っています。
他方、植田主査代理のご専門であります保健や安全に関しては、健康や安全に関する概念、あるいはそれに関わる原則を整理し、実生活と往還できるスパイラルな系統性を示し得たことで、日常生活における意思決定能力だとか、実践力、そしてより良い社会作りに主体的・協働的に参画できる力を育む授業のデザインが可能になるように思います。
子供たちが生涯にわたって心身の健康を保持増進して、豊かなスポーツライフを実現し、ウェルビーイングな人生を舵取りしていくための素晴らしい道しるべが、委員の先生方とともに、今日ここの場にいらっしゃいますが、大杉総括官、赤間室長、吉田戦略官、それから調査官の3人の先生方の献身的なお支えがあればこそ、でき上がったと思っております。
最後になりますが、個人的なことで申し訳ありませんが、途中体調を崩して多くのご迷惑をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げ、そして委員の先生方並びに事務局の皆様に改めて感謝を申し上げて、私からのまとめのご挨拶とさせていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。
さて、本ワーキンググループの取りまとめ案については、今日も様々に、重要なご指摘をいただいております。
一方で、大きな方向性、取りまとめ案全体については、概ねご賛同いただけたかと思っています。
つきましては、本日の議論を踏まえた資料の修正と、その後の教育課程企画特別部会に対する報告資料の作成につきましては、私と主査代理の植田主査代理にご一任いただけるでしょうか。
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、責任を持ってそのように取り進めていきたいと思います。
植田主査代理、事務局と一層ご相談をしながら進めていくという形で、最終的な取りまとめを行いたいと思っています。ありがとうございます。
もし本日この場で伝えきれなかったこと、あるいは会議のあとに追加のご意見等がありましたら、いつもどおり追って事務局までご連絡をいただければと思います。
それでは、本日の議事はこれまでとしたいと思います。本日を含めて、体育ワーキンググループは長々やってきましたけれど、非常に実りの多い議論だったと思っています。
ご多用の中、本当にお忙しいところご出席をいただきまして、ありがとうございました。
それでは最後に事務局よりお願いします。
大杉総括官からのご挨拶をいただければと思います。

【大杉総括官】 はい、ありがとうございます。大杉でございます。友添主査、植田主査代理はじめ、委員の先生方におかれましては、11回にわたる熱心なご議論、本当にありがとうございました。
10年に1度のこの改訂の営みでございますけれども、この周期に当たるというのは、赤間室長も吉田もですね、それから調査官の先生方も含めてですけれども、大変ではあるけれども、本当にやりがいのある、こうしたお仕事を今回先生方と一緒にさせていただけたことを、心からうれしく、また誇りに思います。
指導要領の改訂のみならずですね、スポーツに関する注目が非常に今、関心が高く集まっております。
で、そうしたこともあってですね、スポーツ庁の色々な関連の仕事も、大変ありがたいことに忙しくさせていただいております。
今、友添主査にもご協力いただいております基本計画ですね、こちらの第4期に向けた動きもございます。
で、この中では今、狙いとして、スポーツの楽しさで人や未来の可能性を引き出して未来を切り開いていこうと、スポーツの振興のその先にある、まさに指導要領が目指していく、より良い社会、より良い人生作りというようなことも本当に重なってくるかと思いますけれども、基本法で掘り下げていただいたスポーツの意義や価値、それがまた今回、こういった形で、体育・保健を学ぶ意義や価値を掘り下げた上での改訂の在り方、これをしっかり噛み合わせながら、次の時代にふさわしい教育の内容をご一緒に作り上げていく、こうしたプロセスを引き続き続けさせていただければありがたく存じます。
ぜひ、今後とも引き続きご助言いただきながらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。本当に今回はありがとうございました。

【友添主査】 はい、総括官ありがとうございました。素晴らしいご挨拶だったかと思っております。
それでは、赤間室長のほうから、今後のワーキンググループの開催等について周知方お願いいたします。

【赤間企画調整室長】 はい、ありがとうございます。先ほど友添主査からもありましたとおり、本日の議事に関するご意見等ございましたら、追って事務局にもご連絡をいただけたらと存じます。
この場でいただいたご意見等も含めまして、友添主査、植田主査代理とともに、取りまとめに向けた作業に入らせていただきまして、教育課程企画特別部会のほうにご報告をさせていただきたいと思っております。
今後のワーキンググループの開催につきましては、その必要が生じた際に改めてご連絡をさせていただければと思っております。
昨年10月から約10か月にわたりまして、先生方には多大なるご協力を賜りましたことを、誠に感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。今後も引き続きよろしくお願いいたします。

【友添主査】 はい、ありがとうございました。それでは以上をもちまして、本日のワーキンググループを終了といたします。委員の皆様には長期間にわたる審議にご参画いただき、誠にありがとうございました。
お手元の時計をご覧ください。ちょうど3時であります。ぴったりの時間で終わるということは、ご協力をいただけたということだと思っております。
ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。


―― 了 ――

 

お問合せ先

スポーツ庁政策課企画調整室

(スポーツ庁政策課企画調整室)