令和8年4月24日(金曜日)10時00分~12時30分
ウェブ会議と対面による会議を組み合わせた方式
【友添主査】 改めておはようございます。それでは定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会体育ワーキンググループを開催します。皆様、今日もよろしくお願いいたします。
今日の議題ですが、体育・保健体育の指導と評価の改善・充実についてということであります。次期学習指導要領に向けた検討の基本的な考え方として、令和7年9月に取りまとめられました論点整理において3つの方向性が示されました。それは、主体的・対話的で深い学びの実装、多様性の包摂、実現可能性の確保ということです。今日はこの3つの方向性を踏まえつつ、指導と評価の改善・充実について議論を深めてまいりたいと思います。
それでは早速ですが、議事に入ります。体育・保健体育の指導と評価の改善・充実についてです。今日はかなりボリュームがありますので、前半と後半に分けて取り扱ってまいりたいと思います。では事務局より前半の説明をお願いいたします。
【赤間企画調整室長】 事務局でございます。それでは資料に基づいて御説明させていただきます。次のページをお願いいたします。
本日の議論に関しては、前後半で2本立てになっております。前半に関しては、指導と評価の改善・充実に関する各要素ということで3つほど論点を立てております。それから後半につきましては、高次の資質・能力等を活用した指導・評価の改善・単元計画づくりということで論点を立てさせていただいております。さらに次のページをお願いいたします。
まず1つ目の柱の各論点でございます。昨年9月に示された論点整理を踏まえまして、以下の各要素をさらに検討していくということでお示しをしているものでございます。
まず(1)につきましては、余白を創出し教師の一層の創意工夫を促す学習内容の検討等ということで、まずこの議論の前提として、昨年の9月にまとめられた論点整理を踏まえた全体の設計というところを総則・評価特別部会の中で御議論をいただいているというところでございます。その中で各教科等のワーキンググループにおいて、個別の資質・能力の検討を行う際の方向性として、下の点線囲みで書かせていただいておりますが、こういった内容が示されております。
内容といたしましては、各教科のワーキングにおきまして、これまでの御議論の中で整理をしていただいた高次の資質・能力がございます。こういったものに基づきまして、より豊かな学習活動に繋がり、かつ系統性を損なわない範囲の中で精選可能な対象を慎重に特定をしながら、個別の資質・能力の整理というものも検討していくというところ。その際に表形式での示し方であるとか、高次の資質・能力の獲得に向けて主体的・対話的で深い学びの実現を図るための余白が十分にあるかといった視点からも検討をしていただきたいというようなオーダーをいただいております。
また2つ目のポツでございますけれども、この論点整理の中では、今回学習指導要領の構造化をしていくというこの趣旨を踏まえて、教科書の内容について統合的な理解、総合的な発揮、要は高次の資質・能力をつかみ取りやすくするものに精選をしていくことが必要であるということが提言されておりますけれども、教科書会社の方からは、そうした高次の資質・能力をつかみ取りやすい教科書が具体的にどういったイメージのものかというところのイメージがなかなか湧きにくいという声もいただいているということでありまして、総則・評価特別部会においては、下のような方向性ということで、各教科のワーキンググループにおきまして、この高次の資質・能力をつかみやすい教科書の在り方というところについても、内容の精選の在り方も含めて検討を行っていただきたいというようなオーダーをいただいているところでございます。
したがいまして、こうしたことを踏まえて、要は期待される資質・能力の着実な育成というところに向かいながら、教育課程の実施に伴う過度な負担というものを生じにくくしていく。そして教師と子供の双方の余白を創出し、その余白を前提として先生方の創意工夫というものが一層促される、期待される学習内容、教科書について、この体育ワーキングとしても考え方を整理検討することとしてどうかというふうに考えてございます。
それから(2)については、デジタル学習基盤のさらなる活用ということで、これまでの先生方の御発表の中でもいただいたような様々な活用があるわけですけれども、そのツールの活用についてのさらなる検討。
そして(3)については、これも全体の議論の中で検討されております調整授業時数制度等を活用した学習指導の工夫について、体育・保健体育としてどういうふうにこういったものを活用していくかというような整理でございます。
(4)の活動の場所、それから指導体制等の、この教育課程を実現していく上での環境整備につきましては、前回のワーキンググループの中で議論をいただいたというところでございます。
具体の中身に入ってまいりますけれども、4ページ目でございます。まずこの余白を創出し教師の一層の創意工夫を促す学習内容の検討ということで、いくつか記載をさせていただいております。まず1つ目のところ、多様性の包摂や一層の深い学びの実現に資するための余白を創出する学習内容の検討ということでございます。
まず1つ目のところでございますが、現行学習指導要領の中での学習内容の示し方、特にこれは運動領域の部分を想定している部分でございますけれども、〇〇運動ではこういった運動をしますというような形で具体的な運動等を限定的に示しているとも読み取れるような部分があるところでございます。具体的に、これは要はそれぞれの運動領域の中でねらいとする資質・能力を育むための媒介として、個別の具体的な運動の内容が示されているという趣旨のものでありますけれども、実際の指導の局面においては、こういった個別の運動というものをしなければならない、こういったものを習得させなければならないというその意識が非常に大きくなりまして、先生方にとっても子供にとっても負担になる。そしてその活動を通して、結局はどういうふうな学びというものを実現しようとしているかという視点が持ちづらいという面でありましたり、今回の改訂の中でも大事にしているわけですが、子供たちの内発的な動機づけ等を引き出していくための豊かな活動機会を確保していくとか、あるいは様々な多様性を包摂する授業を展開していくということに難しさが生じている部分があるのではないかというような問題意識を持ってございます。
2つ目のところでございますが、そういった意味では体育における運動・スポーツを通した学習が本来的に何を目指しているかというところでありますけれども、特定の種目の力、いわゆる競技力みたいなものを育てるということが当然目的ではありませんで、運動に取り組む中で様々な試行錯誤、目標達成というものをしながら、発達の段階に応じた動きであるとか、運動の行い方であるとか、あるいは今回態度に関する内容というものを知識・技能の中で整理をしておりますが、その運動との関わり方等々を学ぶことで、運動・スポーツの楽しさや喜びを味わうと、これがまさに体育の醍醐味であるということであります。
そういった意味では、この趣旨を明確化していく。要は、どのような資質・能力を育てることをねらっているのかということを的確に捉えた上で、余白を創出しつつ、全ての子供たちの深い学びに繋がる指導と評価というものを一層充実させていく必要があるだろうと。
その際に具体的に見ていきますと、学習指導要領におきましては、例えばですけれども、今回の改訂の中でも4・4・4の系統性という話の中で、神経系が完成に近づく時期である小学校1年生から4年生、これは運動の基礎を培う時期という位置づけにしておりますけれども、その中で高次の資質・能力というものを踏まえて、どのような動きを意図しているのかということを軸としながら、かつ幼児教育段階との接続にも留意した上で、身につけるべき資質・能力というものを分かりやすく示していく方向で検討することとしてはどうかというところが1点目。
それから小学校5年生以降の、多くの領域の運動を経験したり、スポーツを豊かに経験する段階であると、こういった趣旨を踏まえて活動のバリエーションがかえって狭まることがないような十分な留意もした上で、運動や種目の示し方をもう少し柔軟にしていくということも視野に入れながら、余白の創出や教師の創意工夫に最大限資する観点から慎重に検討していけばどうかというところでございます。
また、具体的な活動を必ずしも限定的に示さないということによって、逆に現場における指導のイメージが湧きづらくなるということも避けなければいけないというところでございまして、どのような活動を通して指導することが考えられるかというところに関しては、それを学習指導要領の中に具体的に書き込んでいくということよりは、指導参考資料なども活用しながら、現場の創意工夫を妨げない範囲で分かりやすく示していくということとしてはどうかというふうに考えてございます。また、高次の資質・能力につきましては、これまで企画特別部会の方にも御報告をさせていただいておりますけれども、検討の方向性や今後の議論も踏まえて、さらに検討を進めていくことを想定してございます。
それから2つ目でございますけれども、計画的な学習指導の一層の実質化ということで、各運動領域の学習につきましては、2年間の内容のまとまりという形で、この中で計画的に学ぶということが基本になっております。一方で、学校現場の実態を見ていきますと、例えば中学校1・2年生のボール運動の中で、この3つの型を2年間かけて学ぶという形になっているわけですけれども、1年生でも2年生でも同じ競技・種目をやっているとか、あるいはボール運動に限らないわけですけれども、特定の時期に特定の競技というのを必ず同じ年にやっているみたいなことがあったりするわけで、そういった意味では、この内容を2年間のまとまりで示しているという趣旨も踏まえて、より意図的・計画的な指導計画の立て方というものがあるのではないか。今回学習指導要領を構造化していく中で、そういったものをより一層分かりやすく示していく。そして国としても指導計画の例などを示していく際に、指導計画づくりにおける工夫についても積極的に発信をしていくということとしてはどうかというふうに考えてございます。
それから3ポツ目のところでございます。体育と保健の一層の関連を図った指導の充実、それからまた教科書の在り方ということでありますが、体育と保健の指導事項で共通性の高い部分というものがございます。例えば中学校1年生の保健、心の健康の中でストレスへの対処法の一つとして運動が示されているような部分。また中学校2年生の体育理論を見ますと、運動やスポーツの効果というところからアプローチをして、ストレス解消も含めて運動・スポーツが心身に及ぼす影響というものが取り扱われているという部分がございます。また学習指導要領や解説で示す以上に、教科書等で繰り返し丁寧に記載がされているような部分、例えば健康三原則に関する内容みたいなものは小・中・高を通じて学ぶわけですけれども、こういった部分に関してはかなり教科書の中で繰り返し丁寧に記載がなされていると。
そういった意味では、系統性の観点も踏まえながら、当該段階でどういった資質・能力を育てることを目指しているかにつきまして、幼児の資質・能力を踏まえて慎重に検討を行いながら、余白の創出、それから余白の創出による深い学びの実現に資する改善に繋げることとしてはどうかというふうに考えてございます。
次に、デジタル学習基盤のさらなる活用についてということでございますけれども、これまでの先生方のプレゼンテーション、意見交換の中でいただいたもの、それから我々として把握している限りのものということで、いくつかの事例を挙げさせていただいておりますけれども、体育の授業の中で動画を撮るとか、保健の中でそういったものを活用するというものは日常的になってきております。動画を撮って動きを確認したり、自身や他者の動きというものを振り返ったり、あるいは学習カードの内容を瞬時で共有して意見交換したりとか、あるいは一番下のところにあるようなかなり先端的な技術も含めて、いろいろなものが出てきているというような状況がございます。
右側、期待される効果ということで、これを効果的に活用しているところについて、こういったものがまさに実感されているわけですが、動きの質であったり、保健でいう概念や原則、こういったものを理解していく上での深まりというものに繋げられる部分もございますし、子供たちの思考の過程であったり、そういったものが瞬時に共有できる。また、それは先生方にとっても効率的・効果的な指導・評価というものを支えるものとして欠かせないツールになってきているというところでございます。
一方で、一番下のところでございますが、留意が必要と考えられることということで、これは体育に限らない部分も当然ございますけれども、機器操作が目的化しないことというところで、これはツールとしてこのデジタルというものを効果的に活用するということが当然前提になっているということ。それから児童生徒の身体活動量、これは体育の特に運動領域のところでは特有の問題になってくるわけですけれども、そういったものを具体的にどうやって確保していくのかということへの留意が当然必要になってきます。毎時間、毎コマこのICTを活用しなければいけないということでは当然なくて、それぞれの授業の中でどうやって効果的にICTを使うか、見取るかということを考えるという必要性があると。それからまた機器の活用のしやすさであったり、個人情報への適切な配慮、こういったものもトータルで必要であるわけでありまして、学習活動の確保、それから学びを支える手段としての効果的な活用、こういったものが留意すべき点だというふうに考えてございます。
6ページ、7ページは参考資料になりますけれども、体育・保健体育の授業におけるICTの活用の頻度ということで、これは経年で徐々に増えていっているという状況。また体育・保健体育の授業の中でどういった形でICTを活用しているか、動画を撮影して課題発見であったり、作戦を立てたり、動きの変容みたいなのを確認させるみたいなことはよく行われております。一方でデータを記録して見える化するとか、個人の目標を立てさせるというところに関しては、まだまだ伸びしろがあるのかなというふうに見受けられる点もございます。
それから7ページにつきましては、少し時点が古いのですが、令和4年3月ということで少し前のデータになりますけれども、体育・保健体育の授業のそれぞれの領域、どういった領域の中でこのICTを活用しているかということで、保健や体育理論も含めて記載をしておりますが、器械運動系、ダンス系、それから陸上運動系ということで、いわゆるクローズドスキルというところに近いようなものに関しての使用というものが、この時点では非常に多かったということでございます。
次に、調整授業時数制度に関連した内容でございます。全体の議論の中では、多様性を包摂していく教育課程を実現していく中で、この調整授業時数制度というものが検討をされているというところでございます。こちらについては各教科の標準授業時数というものが当然あるわけですけれども、その中の一定の割合の時数というものを捻出するような形で、中ほどにあるような既存の教科に上乗せをしたり、教科を新設したり、あるいは裁量的な時間ということで、子供たちの新たな学習の枠であったり、先生方の研修・研究の枠として充当するという枠組みが検討されております。ただこれは当然各教科の中での学びということも時数が割り当てられている中でそういった時数を捻出しながらやるということになりますので、当然融通無碍にできるということではなくて、下のところにありますように、それぞれについての要件であるとか、類型であるとか、上限をどのように考えるかということについて、まさに総則・評価特別部会の中で検討が行われているという状況でございます。
また次のページは、高等学校についても同様に教育課程を柔軟化していくという方向性、これは義務教育段階と同様に検討がなされておりまして、必履修科目、それから選択科目、学校設定科目について、それぞれ単位の計算の柔軟化であったり、減単の考え方であったりというものが柔軟に行われるような方向性で検討がなされているというようなところでございます。
こういったものを踏まえて、体育・保健体育科としてこういった制度をどういうふうに受け止め、活用していくかという観点で整理をさせていただいたものが10ページ目でございます。この制度を活用して体育・保健体育をいかに充実していくかという観点でいった場合に、いくつか活用のイメージというものを例示をさせていただいております。
例えばですが、1つ目のところにありますように、運動・スポーツの多様な楽しみ方、まさにこれは見方・考え方に結びついていくわけですが、そういったものや多様性の包摂を踏まえた学習を一層深められる取組ということで、従来型のスポーツということだけではなく、年齢、障害の有無を超えてユニバーサルにできるような新しいスポーツだったり、最新のテクノロジーを活用したような様々な立場・状況を超えてスポーツに挑戦をする、その中でスポーツの楽しみ方の視野を広げていく、そういった授業の展開。
2つ目ですけれども、外部の専門家・機関と連携をしながら運動・スポーツ・健康・安全についての深掘りをしていくような取組ということで、安全に関して防災部局との連携の中で個人・社会の両面からの安全対策についての学びというものを深めていく。
あるいは3つ目、実社会との接続であったりの中で体育・保健体育の学習をより探究的に深めるというところ、要は感覚的な理解にとどまらない手法ということで、トレーナーのような専門の方、あるいはその中で科学的なモニタリングみたいなものも行って、データ分析の中でより知見に基づいた取組の中で運動・スポーツというものを学んでいく。
それから4つ目のところにありますように、地域の特色や地域の人材を生かした取組ということで、地域ならではの自然環境であったり、その地域固有の例えば運動・スポーツ施設、そういったものがあればそういったものを活用しながら学ぶというような、運動・スポーツの捉え方の視野を広げるような取組。それから地域の保健部局とも連携をしながら地域ならではの健康課題への対応を考えるような授業展開も考えられるのではないか。
それから4点目、体育・保健の密接な関連を持たせた取組ということで、例えば心の健康の学習の中でストレスの対処法とかリラクセーションの方法を取り上げる際に、体つくり運動の中で学んだ運動などを、自分に合った運動を実際に試しながら考えるみたいな、体育・保健の一層の関連を図るような授業展開、こういったものも考えられるのではないかというふうに考えてございます。
留意が必要と考えられることについては、発展的な内容を取り扱うような場合には、当然それ自体を目的とするわけではなくて、子供たちの興味や関心、様々な状況を十分に踏まえながら活動機会を確保していく、そして一層学びが深まっていくということに十分留意しながら対応していく必要がありますし、他の教科における学習内容との重複にも当然考える必要がありますので、カリキュラム・マネジメントの視点というものが重要になってくる。さらにこの学習の広がり・深まりを考えていく上では、今般皆様方に御議論いただいております教科の見方・考え方や関係する高次の資質・能力、こういったものを検討に生かしていくことが必要ではないかというふうに考えてございます。前半の説明については以上でございます。
【友添主査】 前半としまして、今赤間室長から御説明をいただきましたように、指導と評価の改善・充実に関係する各要素について、具体的には学習内容、教科書、デジタル学習基盤の活用、調整授業時数制度の活用などについて御説明をいただいたところです。
それではこれより意見交換を行いたいと思います。時間は50分程度を予定しています。御意見がある方は、例えば学習内容、あるいは教科書、デジタル学習基盤の活用、調整授業時数制度など、先にどれについての御意見なのかということをお示しをいただければありがたいです。あるいは全体について網羅しながら御意見いただいても結構です。それでは御意見等をお聞かせいただければと思います。挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。
佐藤豊委員、どうぞ。
【佐藤(豊)委員】 よろしくお願いいたします。3つありますので、まず余白の創出の検討内容のところなんですけれども、高次の資質・能力という用語は、知識・技能と思考力・判断力・表現力の合体したものなのか、新たなスキルが出てきているといった誤解がないのかなというふうに思いました。保健体育科の課題としては、体育分野の具体的な学習指導要領の内容を検討する際に、なぜとか何のためにというところを強調して、本体に繋がっていくようにしっかりと内容を精選しましょうというような形で進めてきた方向性で良かったでしょうかが1つ目の質問です。
2つ目、デジタル学習基盤の活用のところは、学習評価のところに繋がっていくことなので、評価情報の効果的な収集、例えばチェックシート、先生が授業をしたときのそのチェックシートのデジタル化であるとか、ウェブ処理であるとか、そういうところはまだまだだと思いますので、そういうところが進んでいくと、先生方の負担感の減少と効果的な時間の活用になるのかなと思ったのが2つ目です。
3つ目、調整時間制度のところですけれども、余白ができますと、何か行事と区別がつかなくならないように、教科内容の確実な習得のための工夫として、例えば態度であるとか思考力であるとか、そういう期間の充実にしっかり使えるようになるといいなというふうに思いました。で、そこに合わせてですけれども、確認ですけれども、この時間が増える、余白ができるということはいいのですけれども、全体で余白を作ったときに、体育の場合は逆に時間数の削減というのは起こるのではないかなと思いました。義務教育と高校でそれぞれ出ていますけれども、どのぐらいの実際のところは時間数が削減されるのかなというのが、ちょっと皆さん関心を持たれていると思うので、分かればお教えくださいというところです。
【友添主査】 御質問そのものは、一番最初の高次の資質・能力とは何かということかと思っています。これは振り返ってみますと、中核的な概念という言葉が最初出てきたわけですけれども、新しい言葉を使うのはやめようということで新たに定義したところかと思います。事務局いかがでしょうか。
【赤間企画調整室長】 はい、今友添主査からお話いただいたとおりでありまして、知識・技能と思考力・判断力・表現力、それぞれについての内容というものが、中核的な概念という形で論点整理で示されていたものを、高次の資質・能力という形で整理を、現在総則・評価特別部会の方でしていただいていると、そういう状況でございます。
【友添主査】 佐藤委員、よろしいでしょうか。あと御意見ということで伺っております。よろしいでしょうか。
はい、それでは渡辺弘司委員、お願いします。
【渡辺委員】 渡辺でございます。私は事務局が今お示しになられた3点について簡単に1つ意見を述べたいと思います。
まず学習内容の示し方についてでございますけれども、特に私が保健の学習の立場から申し上げれば、保健の学習というのはカバーしなければならない範囲というのは非常に多うございます。やはり子供たちが何を学ぶかということよりも、どのような資質・能力を身につけることが必要であるか、発達の段階に応じた適切な時期に現実に役立つ実践力に繋がる資質・能力を身につけられるようにするという視点が重要であろうと思います。なお、保健の学習は大人からの情報伝達を行うだけではなくて、子供たちができるだけ学習内容を自分ごととして考える時間を確保していただくことが重要ではないかと思いますし、それが保健の深い学びに繋がるのではないかと思います。
2点目のデジタル基盤に関しましては、やはり保健に関してはPHRの利活用というのが重要でありまして、マイナポータルに自身のデータを取り込んで健康情報を教育に活用するという視点が重要ではないかと思いました。
それから3点目でございますけれども、調整授業時数制度でございます。これは佐藤委員も今おっしゃられたように、まず総枠はやはり必要であるという形ですね。やはり全体枠を削減されるというイメージではなくて、子供たちの身体の健康が学習の基盤になっているということをまず重視していただきたいと思っております。その上で、変化の激しい社会だからこそ、体育や保健をしっかり学んで、そうした学習内容を土台に一層学びを深めると、子供たちが自身の人生をたくましく生きていただくということがこれまで以上に必要ではないかと思います。学校医をはじめとする外部人材もうまく活用して、子供たちの状況を踏まえた学習活動の一層の充実に取り組んで、現場の方が取り組んでいただくことを大いに期待したいと思っております。以上、意見でございました。
【友添主査】 余白の創出は、言葉を変えて言えば、学習内容をどう精選していくかということと表裏の関係を示していると思います。今渡辺弘司委員がおっしゃったことで言えば、中学校1年生の保健の授業が18時間、それから中学校2年生が16時間、中3が14時間ということで、これ105時間の内数の時間ということで標準授業時数で決まっています。あるいは高校では、例えば2単位ということで、3年間で2単位ですので、1年生、2年生で通年で1コマやれば2学年で終わるということです。こういう大枠が決まっていて、なおかつここで余白を作っていこう、精選をしていこうということの御提案を今日いただいているわけでありますけれども、こういった全体と非常に今日のテーマは密接に結びついていると、その4つは全然分離独立したものではないということを最初に確認をさせていただければと思います。
斎藤委員よろしくお願いします。
【斎藤委員】 お願いします。私は、余白を創出する学習内容の検討について、意見を述べます。
余白の創出については、多様性の包摂や一層の学びの充実の実現を目指すものであり、余白の創出を考えることが体育の授業の時間数の削減に繋がるような意見ではないということを、最初に述べたいと思います。
事務局から示されている内容を拝見しましても、余白の創出を検討する際、精選する内容として技能に注目しているという印象を受けますが、私も余白を創出するために工夫するべきは、技能の内容の示し方なのではないかという認識です。教師が子供にできるようにさせたい内容は技能であるという意識がどうしても強いところに少し歪みがあって、3つの資質・能力をバランスよく育むという意味での学習指導要領の示し方は、今回しっかり検討していかなければいけないと思っています。その意味では、現行の(3)の内容を(1)に移すという方向性が今回示されたことは、大変大きなことだと思っています。
また、「何々をする」ということ示すのではなく、「何々をすることによってどんなことが身に付くか」ということを示すという事務局案には賛成ですが、一方で「すること」自体を軽視しないということも大事であると考えます。例えば、前回私がお話しした水泳は今、実施に難しさが生じてきた学校もある中で、ややもすると学校や教育委員会が水泳を「すること」をしなくても、安全の心得を押さえていればいいのではないかと考えるような誤解が生じていることもあります。今回、運動やスポーツの「多様な楽しみ方」が示される中であっても、それは「すること」を軽視していることではないということは、メッセージとしてしっかり示していくことが、本当に子供たちが豊かにスポーツに関わる、楽しむということに繋がるのではないかと思っています。
そういった点に配慮しつつも、余白の創出とそのための学習内容の精選については、これまで話し合った4・4・4の繋がりや12年間の学びの系統性を段階的にしっかりと整理することで、教員にも子供にも無理なく持続可能な学びとなる在り方を示したいという思いで検討を進めたいと考えます。私からは以上です。
【友添主査】 斎藤委員の今おっしゃっていただいた御意見は非常に重要な内容でもあると思っています。例えば動きで授業を構成するということで言えば、例えば取るとか投げるとか、あるいは相手をかわすとか、こういったことが基軸になってくる。つまり動きで学習内容を再構成するという御提案でもあります。
もう1つ大事な点ですけれども、もう1回確認しておかなければいけないのは、私たちの今までの議論では、最初の小学校の4年間は運動遊び、私の言葉で言えば遊びの教育をやると。つまりプレイ・エデュケーションをやる。それから中の4年間は運動の教育をやろうということ。最後の4年間はスポーツの教育とでも言えるように思います。真ん中の4年間の、特に最初の小学校5、6年生をということの御提案です。中学校1、2年生、ここについては御議論いただかなければいけないんですけれども、ここはグラデーションをつけながら高校のあるいは中3の段階へ、最後の4年間の段階へつないでいくことかなというふうに個人的には思っているところです。そういう意味で言うと、多分大きな転換になっていく可能性があるということ、ここを確認をさせていただければと思います。 金岡委員お願いします。
【金岡委員】 10ページの調整授業時数制度等を活用したという中の例として、3つ目のトレーナーを活用してというところがあるのに、私すごく感心しました。スポーツ科学の領域、様々な研究が日々行われていて、様々な知見が入ってきていて、最先端のトレーナーたちはそういう知見を持っていますので、そのような知見が学校の教育の場で何らかの形で生徒たちに伝わるというのは素晴らしい部分ではないかなというふうに思いました。
トレーナーですけれども、ここにも書いてありますように、優れたトレーナーということで、誰でもがいいというわけではないとは思いますので、日本スポーツ協会が認定しているアスレティックトレーナーがいますので、ぜひ活用していただければなと思います。コメントでした。
【友添主査】 渡邉正樹委員お願いします。
【渡邉委員】 はい、私の方からは余白の創出のことについて1点だけ質問です。
どういうことかと申しますと、資料で言うと4枚目の一番最後で、体育と保健の一層の関連のところです。先ほどの御説明ですと、体育と保健それぞれに関連している、あるいは共通しているような部分があるというお話でしたが、そうしますと、何か重複しているからどっちか取ってもいいんじゃないかみたいにも取れるような、私の方はそういうふうに理解したんですね。ですが、そうしますと、一層の関連の充実というようなことと、この余白を活用する、余白を創出するということと、何か矛盾するようにも聞こえてしまうんですね。
ここでも健康には運動、食事、休養、睡眠が関係しているというような話が少し上がっていますけれども、じゃあ保健ではここは食事、休養だけでいいの、休養、睡眠でいいのというふうにも少し理解できてしまうんですけれども、もうちょっとその辺の意図というか、詳しくお話しいただければと思いますので、その1点だけ質問させていただきます。
【友添主査】 繰り返し学習していかなければいけない領域と、隔年でもいいし、あるいは他教科と関連するということ、今回は提案の中に入っていませんが、他教科との重複を避けるということ、これも余白の創出に非常に大事なところかと思います。どうでしょうか。
【赤間企画調整室長】 まさにここのワーキングの先生方の御議論を踏まえながら検討していくということで、何か事務局の方で一定の方向性を持ってお示しをしているということではございません。要は体育・保健の指導内容で共通性が高い部分ということで、これ一例として挙げておりますけれども、重なっているので精査をする、要はいらないのではないかという議論をしたいということよりは、そういったものについて、全体のこの余白の創出という観点の中でどういうふうに整理をしていくかというところについて、それは系統性であったり、体育と保健というのが教科として一体になっているという全体の議論の中も踏まえて御検討をいただきたいという趣旨であります。
あと教科書の記述については、客観的に教科書の記述としてそういうふうな記述がなされているというケースがございますけれども、それについても具体的にこの系統性の観点とかそういったものを踏まえてどのように考えるかというところについては、まさに先生方の御意見をいただきながら検討していきたいというふうに考えてございます。
【友添主査】 渡邉委員よろしいでしょうか。
【渡邉委員】 はい、まだ少し理解しきっていないところがあるんですけれども、ただここの例で挙がっている健康には運動、食事、休養・睡眠の話ですけれども、例えば小学校などでは別に運動だけを取り扱っているわけではなくて、3年生では生活リズムというか、そういう話として取り扱っているわけで、何か運動だけがという話ではないですよね。中学校では運動だけ一つ取り出して指導するというのもありますので、やはりそれぞれの指導する場面によって少し取り扱い方が違ってくるのかなと思いますので、単純に保健の中に運動があるからどうだということではなくて、やはりその指導する内容と系統性をよく捉えてやっていく必要があるのかなと思います。
【友添主査】 学習内容の精選というのは、そう簡単にいかない、様々なことを検討していかなければいけないということで、今後また検討を重ねながらと思っているところです。
南委員お願いします。
【南委員】 私の方からは、まず4ページの「余白を創出し」というところです。この中で体育と保健の共通性が高い部分ということについて挙げていますが、保健の学習の立場から健康の保持・増進というところが関連してくると思っています。その中で回復についてはしっかり教えていく必要があると思っているので、体育理論の活用を例にすると、パラスポーツを取り上げなどの工夫があれば良いと思っていることが1つ。
もう1つは10ページの調整授業時数の制度等についてです。本来、地域との連携で健康教育、保健学習を推進していくことに私は大賛成で、ぜひ進めていきたいと思っているところですが、実際にどのように授業を展開する、学びをするかというと、対面とオンラインが考えられます。どちらも有用で、どちらも大事なのですが、小・中・高を見たときに学級とか学年によって授業成果って随分差があるんですよね。そういったところを十分に踏まえながら、この必要性をきちんと訴えていくというところが重要だと思っていますので、この既存の教科等に上乗せすることなど、裁量的な時間という言葉が現場に誤解のないようしっかりしていきたいと考えているところです。
【友添主査】 佐藤若委員お願いします。
【佐藤(若)委員】 はい、私の方は2点です。先ほどから上がっている余白を創出し教師の一層の創意工夫を促す学習内容についてのところで、2番目の計画的な学習指導の一層の実質化について、これ非常に大事なことだなというふうに思っています。現場でいろんな先生方とお話しすると、分かってはいるけれども、どのように落とし込んでやればいいか分からないというような先生方も多い中で、やはり指導計画に落とし込まないと学習内容というのは整理もされないし、明確化もされないのではないかというふうに思いましたので、積極的に発信できるような形にしていただければというふうに思います。
それから体育と保健のところについては、今も様々お話ありましたけれども、私は学習指導要領の解説のあたりで、例えばこの領域とこの領域は関係があるというようなことを書いていただくだけで関連付けになるかというふうには思いますので、今も書いてある内容もありますけれども、さらにこういった内容の関連があるよというような内容について書いていただけると、現場の先生方はやりやすいのではないかというふうに感じています。
2点目は調整授業時数制度についてですけれども、特に高校現場でいるととても少し不安に思ったところもこのフレーズを見たときに感じたところもあります。本当に言わずもがなというか、当たり前のことなんですけれども、体育の授業が必要だというように思われるような、やはり教科であり学習指導要領であり、そして現場の先生方の理解が本当に必要だなというふうに思っています。現場の先生がこのことについてしっかり理解できないと、この柔軟な教育課程を組むのは最終的には校長となると思いますけれども、そのところに意見が反映されなくなるのではないかと思いますので、そういったことも踏まえて、当たり前のことですが、現場の先生が理解できるような学習指導要領であってほしいというように思います。
その上で、その次のページの活用のイメージ、方向性というようなところがあるのかなというふうに思い、こういった魅力的な裁量的な時間や既存の教科に上乗せという具体的なイメージが記載されているのはとてもいいなというふうに思いました。
【友添主査】 一応全体の統一基調としては分かりやすくて見やすくて、しかも実際に活用できる学習指導要領を目指しているということが大前提だと思っているところです。御意見ありがとうございました。
続きまして植田主査代理お願いします。
【植田主査代理】 はい、私は余白の創出、デジタル学習基盤、調整授業時数制度等の活用、それぞれについて1つずつ御意見申し上げたいと思います。
まず1つ目の余白の創出のことについては、運動領域の〇〇運動では〇〇をするというような具体的な運動等を限定していると読み取れる部分があるという御説明ありましたけれども、こういったことは保健の方でも起こっていると思います。例えば内容であるとか健康課題であるとか、そういったものを教えるというふうになってしまっていて、ここは今回の議論で非常に大事なところで、本当に児童生徒が身につけるべき資質・能力は何かというところをきちんと概念で整理をしていくという作業が必要だと思います。
それで体育と保健の一層の関連のところ、先ほど佐藤若委員もおっしゃっていたことと非常に近いのですけれども、今回やはり分かりやすく学習指導要領を示すという点では、私も同意見で、体育と保健の関連する部分については小・中・高校とも示す必要があるのではないかというふうに思っています。ただし、その際に見方・考え方とか、あるいはそれを切り取る視点であるとか、そういったものにはやはり違いがあるので、そういったことが現場の学校の先生方に分かるような示し方をして余白を創出するということが必要と思っています。
それから2つ目のデジタル学習基盤ですけれども、保健の方に関連するものとして、例えば救急処置の動作を記録したり、それを見て評価をしたりとか、あるいは専門家、感染症であるとかがんであるとか精神疾患であるとか、性や発育・発達であるとか、そういった専門家が教室に来たり、あるいはデジタルを使って遠くからでも双方向で授業に参加するということも始まっています。あるいは学校の先生が保健の授業の中で子供たちの意見を吸い上げて、これまで黒板に書いていたものをデジタルの中で全部示してテキストマイニングをすぐにするというようなことも始まっています。ただ、こういったことは割と先進的な授業であって、なかなかまだ普及がしていないのではないかと思っています。ですから、これは学習指導要領ではないと思うのですけれども、モデル授業を創出してそれを普及していくということを学習指導要領ができた後に考えていく必要があろうかと思います。
3つ目の調整授業時数制度の仕組みに関係して、これも保健に関係してですが、保健の場合は総合的な学習の時間とか総合的な探究の時間であるとか、そういったものとカリキュラム・マネジメントしながらこれまで実践をしていて、児童生徒の資質・能力を高めるということができている事例があると思います。ですから、そういったカリキュラム・マネジメントをして、高次の資質・能力を身につけるためには、やはりそれなりの時間が必要であったり、実際に体験をしたりするということがとても大事になってきますので、こういったことをモデルとして示したり、何らかの形で学校の先生方に分かりやすい形で示せるとよいと考えます。
【友添主査】 続きまして中村委員お願いします。
【中村委員】 はい、中村でございます。私の方は本校が先取り研究していこうとなっておりますので、その事例も踏まえて余白の創出、それからデジタル学習基盤についてお伝えしたいと思います。
余白の創出または創意工夫によって精選するというような言葉がどうしても先生方には削減をするというようなイメージに捉えられがちなので、そこから議論が発生してしまうことが現場においてはありがちな状態になってしまいます。そうすると結果として何を削ったらよいのかというふうになってしまいがちです。ただ、そうではなくて本校では考え方として、今ある学習内容をどのように捉え直して再構成をするか、削るのではなくて、今あるものはやはり全て大切だよね、じゃあどうやって再構成するかというような視点でカリキュラム・マネジメントをしています。
例えば表現活動においても、表現活動をしながら動画教材を配信して家庭でも練習してみる。そうすると子供たちは休み時間で練習をしたりという風景も出てきたりして、また授業の時間というのは効率的に行うことができたり。また、授業で行った走力の授業についてはPHRを取って、それをそのままデータ化したものをその後の保健体育の方で使ったりという中で統合的に扱ってみたりというようなことをやっています。また、表現運動であった解放感や音楽というような関連からも、振り返り活動の中にストレスとの向き合い方というような視点を踏まえて、少し短いショートのストレスとの向き合い方というような時間を位置づけたりというように、かなり統合と分割と、それから新しい違う教科への置き換えというようなカリキュラム・マネジメントの方をしています。なので、体育の内容のこれまでを維持しながら、むしろ学びの濃度を高めていくというような視点でカリキュラム・マネジメントをしてみると、割と余白を創出するために体育を削ってほしくないという先生方も納得して進むことができたというような本校の状態があります。
その中で出てきたのが今度行事との兼ね合いです。行事をどうしても特に運動会、体育祭といったものを削るというような話題も上がってしまいがちですけれども、これらについても運動会そのものを行事として位置づけるのではなく、やはり体育の高次の資質・能力の発揮の場、統合的に発揮ができる場というふうに置き換えたときに、運動会そのもののプロセスは体育の学びであったり、学習指導要領の目的を達成するための時間というふうにしっかりと先生方が理解した上で行うことで、体育、そして行事というものの共存というものも図れたというのが私たちの学校として起こっています。
さらにデジタル学習基盤というところの取り扱いですけれども、どうしても授業の中で取り入れなければならないと思ってしまうと、活動時間だったりそういったものが逼迫されてしまうことが多々見られるのですが、本校としては場面として何を使うのか、どうしても必要なところだけに使う。もうそれ以外は活動に注力する。また、別のところで活動で生み出されたデータを今度はデータを分析するという別の時間で学習基盤を使って行うなどというように、座学のときのデジタルという場面も取り入れながら、体育の中で使うデジタル学習基盤の有効性というのを高めているので、常に使わねばならぬという感覚を場面で使うというところで、スポットで効果的に使うという考え方にすると、すごく楽になったなというような学校の現状があります。何かの一助になればと思っております。
【友添主査】 貴重な御提案だったと思います。
続きまして藤原委員お願いします。
【藤原委員】 はい、失礼いたします。2点についてお話させていただきます。
1つ目が余白を創出する学習内容の検討のところで、どのような資質・能力を育てたいのかを的確に捉えた上で、全ての子供たちの深い学びに繋げる指導と評価を充実させていくという方向性には強く賛同いたします。その中でも特に小学校1年生から4年生、いわゆる運動の基礎を培う時期において、どのような動きを意図しているのかを軸に身につける資質・能力を分かりやすく示すという考え方はとても意義深いものだと感じています。この時期の子供たちが内発的動機に基づき、多様な動きを試行錯誤しながら経験を積み重ねていくことは、将来運動やスポーツと主体的かつ豊かに関わっていくための重要な土台になると考えます。だからこそ、何ができるようになるかだけではなく、どんな動きをどのように試し、そこから何に気づいていくのかといった学びの過程を明確にすることが大切だと考えます。
その上で、さらに考えていただきたいのは、幼児教育段階との接続はもちろんのこと、小学校1年生から4年生で育てたい動きや行い方、関わり方が次の学年でどのように発展していくのかを見通した発達の連続性も示すことです。こうした見通しを示すことは、特定の運動や活動を画一的に位置づけるためではなく、教師が子供の実態や関心に応じて活動を柔軟に選択、工夫できる余地を広げる上で重要であると考えます。小学校1年生から4年生の学びが学年ごとに完結するのではなく、小学校5年、6年生、さらには中学校以降の学びへとどのように繋がり、深まっていくのかを示すことで、体育科の学びの系統性がより明確になるとともに、教師が何を教えなければならないかに縛られるのではなく、どのような学びを実現するかを基軸として指導を構想できるようになり、子供一人一人の深い学びを支える上で非常に重要であると考えます。
もう1点は、デジタル学習基盤のさらなる活用にあたっては、留意が必要と考えられると示されている内容を学校現場が十分に踏まえながら進めていく必要があると考えます。特に小学校段階においては、子供の発達の段階を十分に考慮したICT活用が不可欠であると考えます。そのため、担任個人の裁量に委ねるのではなく、活用場面やねらいを明確にした上で、学校全体で共通理解を図ることも重要であると考えます。加えて、6年間を見通した計画のもと、組織的かつ計画的に活用していくことも大切であると考えます。そういった際に、必要とする学校や教員が参照できるよう、参考となる取組の実践例などが状況に応じて活用できるようにしていくことも大事かなと考えます。
【友添主査】 あと藤田委員、岩佐委員、日野委員までとさせていただこうと思っています。そのあとの大井委員、森委員、岡出委員、宇山委員、吉田委員については、後半の部分で御発言の機会を用意させていただきますので、この点よろしくお願いします。
今、貴重な御提案をいただきました。運動、動きを軸に学習内容を再整理をしていくということは、小学校の授業風景を大きく変えることになるだろうと個人的にも思っているところです。あわせて、そういうこともあって御提案としては、指導参考資料を出してはどうかというような御意見も事務局から出ているところでもありますけれども、特に小学校の先生方、このあたりも踏まえて、後半の部分でもまた御発言をいただければと思っております。
柏原(奈)委員、よろしくお願いします。
【柏原(奈)委員】 はい、よろしくお願いします。気がついたこと4点お話させていただきたいと思っています。
調整授業時数の活用についてのことで、保健について先日私の方でお話させていただいたところでも、やはり時数とか内容とかにどうしてもとらわれてしまうところがあるというお話もさせていただいたかと思うのですけれども、その意味で調整授業時数を活用していくことで、より自分ごとになる、真の意味で自らの健康に生きるような保健学習の工夫が図れるのではないかなと思います。今、保健学習で課題になっているところが少しでも回復できればいいなと思っています。
2点目です。先ほども話題になっていた10ページの5つ目のところで、余白の創出について、心の健康のストレスの対処法として体つくり運動の学習というところですが、私はそこについてすごく理解をしていました。今までも単元配列の工夫をして心の健康と、それから体つくり運動の学習を繋げてやるようなこととか、関連を図ってやるようなことがいいというふうに言われていたのですが、なかなか現場を見ているとそういうふうに繋がっていないところが多いなというのが私の実感です。調整授業時数を活用することで、より関連を図りながら学習をしていく。そうする中で、体を動かすことが心の健康に繋がっていくというようなことを実感を伴ってできる学習になるのではないかなと。それが調整授業時数を活用するというだけではなくて、関連を図りながら学習をすることで、逆に言えば余白が生まれることにも繋がるかもしれないというふうに思うので、このような例が挙げられているのはとてもいいなというふうに思いました。
続いて3番目のところです。同じく調整授業時数の活用のことで、今回私たちの方で1年生から4年生までを運動・遊びでというふうにお話をさせていただいたと思うのですけれども、子供たちの授業の様子を見ていると、やはり子供たちに委ねながら運動・遊びとして学習を深めていくというふうになると、それなりにやはり時間が必要になるなというふうに思っています。ですので、教師が意図をもちながら子供に委ねて学習を工夫して深めていくようにということでは、こういうものを活用することで、より楽しみながら運動する経験というのが広がっていくなと思います。
最後です。8ページの調整授業時数制度の方向性についてというところで、活用の中に教師の組織的な研究とか研修というところが例としても出ているかなと思うのですね。裁量的な時間の充当のところで。小学校を見ていると、やはり専門家ではないので、実技研修とかをしながら、よりどういうふうに指導したらいいか、どういうものを学ばせていいかというのを教師自身が身につける必要があるのですけれども、その時間がなかなか取れないのが現状です。ですので、こういうふうな裁量の時間が生まれることは、教師の指導力を上げるという意味でもとても重要だなと思いました。
【友添主査】 藤田委員、お願いします。
【藤田委員】 はい、藤田です。私からは、調整授業時数制度の仕組み、方向性で資料8ページで、現在の授業時数特例校、また教育課程特例校制度を調整授業時数制度に統合して、調整授業時数を既存の教科に上乗せして実施することや、学校の必要に応じて新教科を設定することを各学校の判断により実施可能とするというふうに説明をいただいております。また、裁量的な時間に充当し、児童生徒の資質・能力の育成に資する教育活動を設定する可能性についても提案されているところです。
私は附属池田小学校長を併任したときに、教育課程特例編成の申請を行い、事件発生8年目となる平成21年度から生活科や総合的な学習の時間、特別活動の時間を用いて、附属池田小学校で新たな教科として安全科を創設し、1年生から6年生までの全ての学年で各学年年間35単位時間を用いて、小学校における安全教育の展開事例について提案させていただきました。現在は安全科の授業時数は年間15単位時間へ変更されておりますが、附属池田小学校で継続して安全科の授業時数を中心に、体育科や社会科、さらに他の教科領域と連携しつつ、カリキュラム・マネジメントの主体を踏まえ、各教科間における学習内容に配慮した教科横断的な安全に関わる教育活動が継続、展開されているところです。
そこで、今回の体育科、保健体育科の学習活動において、資料10ページの調整授業時数制度を活用した学習指導の工夫等についてで示していただいている、外部の専門家や機関等と連携し、運動・スポーツや健康・安全等について専門的知見等を踏まえた、高次の資質・能力の着実な育成を目指した教育効果の実効性を一層高める取組を進める中で、今回の調整授業時数制度を活用した指導計画づくりの検討の中に、カリキュラム・マネジメントの視点を踏まえつつ、教科横断的な安全に関わる子供たちの学びを深める学習活動の工夫の可能性についても、ぜひ本ワーキンググループでの検討に含めていただきたいと思っております。以上でございます。
【友添主査】 いずれにしても深い学びの実装をしていく上では、この制度をうまく活用していくことが非常に大事かなとお話を伺っていて感じていたところです。
続きまして岩佐委員、お願いします。
【岩佐委員】 はい、よろしくお願いします。私は4ページの教師の一層の創意工夫を促す学習内容の示し方というところで2点お話させてもらいます。
まず1の2点目のところには、学習指導要領において身につける資質・能力を分かりやすく示す方向で検討すること。そして2の1点目のところでも、学習指導要領の構造化を図る中で、2年間で計画的に学ぶ内容を一層分かりやすく示すとあります。学校現場としては、教員にとって分かりやすい学習指導要領となることは、授業の質を高める上で意義があることとして考えています。一方で、学習指導要領本体は法的な位置づけもありますので、目標や方向性を示して具体的なことは解説で示しているというふうに私は理解をしているところです。今回の分かりやすく示すということについて、そのことを学習指導要領本体の中でどこまで具体に記載をするのかということについても検討できればいいのではないかなと感じています。
2点目は、同じく4ページの2の2年間で計画的に学ぶ内容を一層分かりやすく示すことについて。例えば本校では中1、中2のところでは、子供の実態に応じて2年間の指導内容を振り分けて計画を立てているのですが、一層分かりやすく示すというのがどのようなイメージなのかなと少し思っています。例えば2年間のうちの各学年みたいなイメージなのかなと。御説明の中にもあったのですけれども、あまりに具体に示しすぎてしまうと、子供の実態を踏まえた教員の創意工夫というところが発揮しにくくなるのではないかという懸念も考えられますので、その点のバランスは大切なのではないかなというふうに考えています。
【友添主査】 日野委員、お願いいたします。
【日野委員】 失礼します。私も3つの柱に沿って意見を述べさせていただきます。
まず余白を創出するということですが、余白を創出し、その余白をどう活用するかが大切だと思っています。この点は学校の教育活動全体を通じて余白を創っていく動きがありますので、そうした中で体育としては、総則の3番目のところに体育・健康に関する指導の内容があると思うのですが、その内容をより充実させていく方向に働きかけていくことが大切ではないと思っております。特に身体活動を通した非認知能力の育成は体育の意義でもあるとともに、学校教育全体でも大切なところだと思っております。ウェルビーイングの実現が目指されていますので、そこにはまさに体育やスポーツが貢献していくところだと思います。余白を創り出してその余白を有効に活用していくためには、教科としての体育にとどまらず、学校教育目標としての体育への働きかけが重要ではないかと思っております。
2点目が体育自体の余白の創出ですが、それが体育の深い学びの実装や多様性の包摂に繋がっていかなければいけないと思います。私自身は余白というよりも余裕、時間の余裕や心の余裕をどう創出していくかが体育の授業の質の充実に繋がっていくと思っております。そのためには学習内容を精選するとともに、より汎用性のある内容を示していくことが重要で、その1つが高次の資質・能力のような形になるのではないかと思います。ただ新しいものが加わることで先生方の負担感が増えてしまうと逆行してしまいますので、どう分かりやすくしていくのかとともに、精選し汎用性のある内容について、より本質とか幹や中核にあるものをしっかり押さえておかなければいけないのではないかと思っております。そうした上で余白を創り、例えば生徒の主体性を生み出していくような時間や「つくる」という関わり方を生み出していく等、そういったモデルを示していくことも大切だと思っております。あと体育と保健、あるいは体育理論と運動領域というところも含めて、関連付けることが今までも言われてきたのですが、より具体的な合同単元や組み合わせ単元、いわゆる理論と実践を往還するような単元モデルを示していくこともこれからは重要ではないかと思っております。
2つ目のデジタル学習基盤の活用については、これからデジタル学習指導要領とかデジタル教科書、さらにデジタルワークシートとどんどん進んでいくと思うのですが、配慮が必要なことや懸念すべきこととして、やはり体育としてはアナログも大切なところがあるのではないかと思っています。感覚とか感じとかコツとか、そういったものもしっかり押さえながら指導していくことが大切だと思っております。
3点目の調整授業時数制度等の活用については、特に私は地方にいますので、これからはますます学校と地域のボーダレス化が進んでいきます。ある意味学校が地域創生の核になっていくようなところもあります。さらにコミュニティ・スクールがすごく広がっていて、いかに地域と繋がって教育活動をしていかなければいけないかということにもなっています。そういった中でこの授業時数制度をうまく活用しながら、より発展的な学びや多様な活動が可能になっていくのではないかと期待を込めております。ただ負担感が増えないようにするとともに、それらの指導と評価をどう位置づけていくのかがこれからの課題ではないか思っております。以上になります。
【友添主査】 それでは恐縮なのですがも、前半の意見交換はこれまでとしたいと思います。皆様、ありがとうございました。後半のところですが、大井委員、森委員、岡出委員、宇山委員、吉田委員、前半の積み残しという形ではありませんが、新たにまた御意見を最初いただきながら進めていければ思っています。教科書についてのご意見等が少し少なかったように思います。このあたりも我々身近な教科書の問題でもありますので、このあたりのご意見も賜われればと思います。今、手元の時計をご覧ください。11時5分ですので、11時10分に再開したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
(休憩)
【友添主査】 時間が参りましたので議事を再開します。前半のところで御質問、御意見を賜ることができなかった先生方から最初に御発表いただいて、その後室長の方から後半部分の説明をと考えております。まず続きまして、大井委員お願いできるでしょうか。
【大井委員】 2点お話をしたいと思います。まず資料の4ページですけれども、3番のところです。繰り返し丁寧に示されている部分ということで、保健の例が示されておりますけれども、学校段階が変わっても繰り返し学びを重ねることで理解が深まって、日常生活における実践力の育成に繋がるという側面もあろうかというふうに思いますので、内容を整理しつつも、系統性の観点を踏まえながら、それぞれの学校段階で育成を目指す資質・能力を一層分かりやすく示していくことが大切ではないかなというふうに考えたところです。
2点目ですが、デジタル学習基盤のさらなる活用についてです。学習効果を高めるための活用が、その例にありますとおりたくさん進んでいると思うのですけれども、子供たちが上手にこうしたツールを使いこなすためには、活用の積み上げが非常に重要であるというふうに思っておりまして、今後一層効果的に活用するためには、校種間、あるいは他教科との連携を図ること、そして子供の発達の段階に応じた系統的な活用や指導を一層進めることが必要ではないかなと感じたところです。以上でございます。
【友添主査】 続いて森委員お願いします。
【森委員】 7枚目のスライドのデジタル学習基盤についてお願いします。これからさらなる活用が進むというお話ではありますけれども、保健の立場から言うとそのことに対しての健康上の弊害は必ず出てくると思います。しかし、そのことが資料にまったく出てきていないというのが気になるところです。デジタルのさらなる活用に対する健康の問題などを児童生徒がどの程度理解しているかも含めて、デジタル化に対する注意点や配慮点などを何らかの形で体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループとしては示した方がいいのではないかと思います。
【友添主査】 岡出委員お願いします。
【岡出委員】 4枚目のところの2つ目ですね、計画的な学習指導の一層の実質化ということで、多分今までの次のところとも絡むのですけれども、多分授業中に出している活動がパフォーマンス課題だという認識を持って、多分単元計画とか本時案が作られていないのではないかと思うのです。実際にはそこで提供している活動というのは何かをちゃんと学習して、生徒も教員もそれを評価し続けていくための活動であり、その評価方法が多分セットになって提供されていくというのが本筋だというふうに思っているんですね。そういうことが見えてくると、多分今日あまり出ていないと言われていた教科書の作り方はもうちょっと変わっていくだろうなと。それによって単元時数から年間計画等が変わっていくのではないかなという期待をしています。以上です。
【友添主査】 吉田委員、お願いします。
【吉田委員】 私もこの4ページ目の余白を創出する学習内容の検討等について1点申し上げたいと思います。
小学校の体育科の目標の1つに基本的な動きや技能を身に付けるということがありますけれども、この基本的な動きと技能の違い、使い分けについて明確に示すことが必要ではないかと思っております。現行の解説にもそれぞれについての記載があって、一応書き分けられてはいるのですけれども、基本的な動きはややもすると技能より未熟な段階とか単純なものと捉えられるようにも思います。そうなると基本的な動きについてもできるできないというだけで評価になって、結果的にできないことをできるようにするという運動遊びとはかけ離れた指導になってしまう危険性もあると思っています。
運動技能はできるという形で習得した能力ですので、技能に関してできるできないの評価は理解できるのですけれども、基本的な動きは未熟な段階から成熟した段階への幅があって、未熟な段階だからといってそれをできないとは言わないと思いますし、今その子のできている姿を評価していくということが必要だと思っています。それはできないことをやらせるのではなくて、できることを繰り返して経験を積み重ねることによってその水準が高まっていくという姿勢が重要だからで、そうであるから現行の解説にもあると思うんですけれども、自らの力に応じて工夫したり選択したりするということが可能になりますし、子供も自分なりにめあてを持って次の課題に向かうことができると思います。
このことは教師の指導にも関わっていて、運動遊びを通して身に付ける基本的な動きについてできないと評価するのか、今できている姿を認めていくのかによって、子供に対する言葉がけや関わり方も変わってきますし、教材の考え方も異なってきます。以前、前島委員からの御発表で平等と公平というお話があったかと思いますけれども、運動遊びにおいても同じ場の設定の下で技能的評価をしてしまうことを危惧しております。どの子も公平にそれぞれの運動遊びの楽しさに触れられるようにするためには、教材や教具を画一的・単一的に使うのではなくて、個に応じた柔軟な使い方という発想も教師には必要になりますし、そこに教師の創意工夫の可能性が見いだせると思っております。ですので、遊びを通して身に付ける基本的な動きと、運動の特性に応じて身に付ける技能について誤解のないような丁寧な説明があると良いのではないかと思いました。
【友添主査】 貴重なご提案だと思います。特に運動学的な成果を踏まえながら動きをどう評価していくのかということは、学習指導の新たな根幹になってくるかと思いますので、今御提案いただいたことをしっかりと受け止めながら進めていく必要を感じているところでもあります。
続きまして宇山委員お願いします。
【宇山委員】 はい、私からは1点意見がありまして、デジタル学習基盤の活用のところで5ページのところになると思います。この一番下の丸ポツのところで、アプリケーション、それから生成AIというものに関してはかなりぼんやりとした広義な言葉だと思うんですけれども、VR技術というのは少し特定な感じがしていて、今世界的な動向で言うとARという領域がスマートグラスとかで普及しているので、そういったものが教育に入ってくる可能性もあるかなと個人的には考えております。なので、VRというところに特化するのではなくて、上位互換のXRというところの言葉を使って、括弧でVR、ARみたいにすると、使う教職員側がVRという言葉に引力があるので、少し広いところからどういう技術を活用していくのかというところを考えられるような形にしていただければなと思っております。
あとコメントとすれば、令和4年の少し昔のICTの活用状況のページですかね。これはおそらく器械運動系とかダンス系とかがICTが活用しやすいという形でこういう結果になっていると思うんですけれども、これがよりなだらかになるような授業展開になるように、またその中で使うのが目的になるのではなくて、やはりどういう目的のためにやっていただくという形で、運動や遊びをするためにこういうものを活用していただくということで、デジタル技術を活用するための運動や遊びにならないような、そういう注意書きみたいなところは必要かなと思いました。以上になります。
【友添主査】 はい、貴重な提案ありがとうございました。最後になります前半、柏原(聖)委員お願いします。
【柏原(聖)委員】 余白のことについて発言をさせていただきます。教科間の関連した内容や目標ということは、当然教科間で異なるわけですけれども、共通した内容を確認するためには全教科全領域を見渡していく必要があると思います。共通する内容については可視化していくことが必要になってくると思います。
その上で、教科書のことについて、申し上げさせていただきます。これはあくまでも探究型プロセスという方向に舵取りをしていくということが前提ですが、確かに教科書の内容を全部こなすとなると、1単位時間をかけて精一杯取り組んでも探究まで行き着かないというのが現状だと思います。そこで、例えば教材でがんを取り上げたときに、生活習慣病しか取り上げていない教科書会社もあります。感染や原発不明のがんを扱っていない現状にありますので、1つの教材から生活習慣病、感染症、そして原発不明ということが学べるような、教材の全容に着目した作りも必要なのではないかと考えました。本質を捉えたような教材というものが必要ではないかと考えます。
【友添主査】 体育・保健体育の指導と評価の改善・充実についてということの後半戦に入りたいと思います。まずは事務局より御説明をお願いします。
【赤間企画調整室長】 はい、それでは後半の部分の御説明でございます。今回の学習指導要領の構造化の中で、高次の資質・能力をシャープに整理をしていくという中で、ではそれを具体的に活用して現場の先生方がどういうふうに保健なり体育の授業というのを作っていくのか、そしてまたそれを単元計画に落とし込んでいくのかというところに関してのそれぞれのイメージというものを示しているものでございます。
まず12ページ目につきましては、小学校5年生、心の健康について保健の中で扱う事例でございますけれども、一番上のところに枠囲みで高次の資質・能力、こちらについてはこれまでの御議論の中で整理をいただいた知識・技能に関する統合的な理解、それから思考力・判断力・表現力に関しての総合的な発揮と、それぞれの内容を置かせていただいております。
その上で下に行きますと、下半分、半円を描くような形で先生方、それから子供の学習過程みたいなものを示した絵になっております。先生方の視点からすると、まさにこの学習指導要領に示されている高次の資質・能力を見て、心の健康の学習に関しての深い学びを実現する学習過程のイメージをつかんでいくという中で、例えば学習活動の中で課題や情報を自分ごととして捉えるような学習活動というものを設定していく。子供たちが健康や安全に関する課題を見つけながら解決を目指す学習をイメージしながら、自分ごととしてこれを捉えていくというところであります。そういったところに、例えばアンケート調査みたいなものを活用しながら、そういったものを自分ごととして理解をしながら学習を進めていく。
それから下の方に行きますと、課題の解決に向けた学習ということで、保健の学習の肝になっている着目すべき概念であるとか、それに関わる原則というものを拠り所としながら、具体的な解決方法というものを自己決定しながら考えていくというプロセス。そしてさらには進んで、課題解決に向けた学習の中で他者との協働といいますか、そういったところをICTを活用して、クラウドを活用してという形になりますが、互いの考え方を共有することをきっかけとして、自分の考えた対処の方法というものが適切なのかどうかということを見つめ直す、自己調整ですけれども、そういったプロセスというものもこの中に組み込ませながら、上の方に行きますと、まさに学習や生活経験などが心の発達に関係しているということを理解できる。そして不安や悩みへの対処の仕方が理解できると。さらには自分たちの状況に応じて自分に合った対処方法を選べるというところまで昇華させていくという姿。そういった意味では、この日常生活に生きる柔軟で持続的な資質・能力の育成にこの高次の資質・能力を活用した授業づくりというものが展開できるのではないかというふうに考えてございます。
それから次のページは体育の中のものでございますけれども、中学校1、2年生のボール運動、ネット型バレーボールということであります。資料の作り自体は基本的には同じでありますが、上の方に高次の資質・能力の内容というものがそれぞれ示させていただいておりますし、それから学びに向かう力・人間性等に関連する内容といいますか、これまでの態度の中で示されていた内容というものもこの中に書いております。
その上で下半分、これ同じような形で半円を描いておりますけれども、高次の資質・能力からそのボール運動の学習の特徴、特性というものを踏まえながら、先生方が授業展開をイメージしながら考えていくというところ。まさにバレーボールというネット型の攻防を楽しむ中で学びが深まっていくというところをポイントとして置きながら、授業展開の中で安心して取り組める工夫みたいなものもこの中で考えてみようかなというようなことが着想を得られるというところでございます。そして子供たちは様々なこのバレーボールの中での作戦であるとか様々なボールの操作の行い方等々の知識・技能を活用しながら、このバレーボールの学習というものに取り組んでいくと。
さらには右側に行きますと、ゲームをする中で様々な課題が出てくるというところで、みんなでこのさらにゲームを楽しむためにはどうしたらいいか、そのゲームの特性というのはどういうものがあるのかというところを仲間と協働しながら理解を深めていくというような学習のプロセスというところがございます。そういった意味で、この豊かなスポーツライフの実現にも繋がる実生活に生きる資質・能力の育成という形で、こういうふうなイメージが1つお示しできるのではないかなというふうに思ってございます。
次のページから、14ページ、15ページにかけては、この高次の資質・能力等を生かして、具体的に単元計画づくりにこういったものをどうやって生かしていくかということの参考のイメージとして、中学校の体育分野の先ほどのネット型バレーボールの例を通じてお示しをしているものでございます。
左側から始まっておりますけれども、今回の学習指導要領というのは構造化とともに、デジタルでこういったものを示していくというような全体の構成になっています。その中で目標や見方・考え方、そして高次の資質・能力が示された中で、個別の知識・技能であったり思考力・判断力・表現力といったものが示された、こういったイメージのデジタル学習指導要領というものが構成されると。
その中で下の方の赤枠囲みの吹き出しがございますけれども、先生方がこの学習指導要領の中にある高次の資質・能力というものを確認をしながらどうやって学習内容を組み立てていくのか、まさにその中からその攻防を展開してバレーボールの楽しさや喜びを味わうということをできるようにしていきたいというようなことをこの中から理解をすると。
そして右側に、では具体的にこの高次の資質・能力というものを踏まえて単元計画を考えていくというプロセスでございますけれども、赤枠囲みの中では、その単元の中で攻防を展開していく中での楽しさや喜びというものを味わうことができるように、用具を工夫したり、ルールを工夫したり、要はそのゲームを簡易化するような工夫というものを着想したり、あるいはこの簡易化したゲームの中でより課題解決に向けた学習過程を充実していくことができるなというようなことを着想したり、あるいは今回知識・技能のところに再整理をしておりますけれども、技能のことだけではなく運動との関わりというものも含めて知識についてもバランスよく理解できるようなこと、そして思考力・判断力・表現力の指導とも関連を図りながら生徒の学びの深まりというものが期待できるなというようなこと。そしてまた具体的にどの時間にどういったものを割り当てていこうか、そしてトータルの授業時数がどういうふうな時数で構成できるかというところをこの中で計画をしていくと。
そしてその上で今度は評価の計画ということで、一番下の赤枠囲みですけれども、安全確保に関する知識に関して単元の始まりの方で指導するとか、フェアプレーの知識の指導、あるいはリーグ戦での実現状況の観察、こういったものをそれぞれ適切な時数の時間のところに配置をしていくみたいなことをこの中で先生方が考えていくと、そういった流れになってございます。
15ページの方は、これを具体的に単元計画書というような形でイメージとして落とし込んだものになります。左側については教科の見方・考え方、それから高次の資質・能力の内容、それから単元の目標や評価基準というものをこの中にプロットをした上で、具体的に今この思考の過程の中で描いてきた指導と評価の計画にこういった内容を落とし込んでいく、学習活動であったり評価の観点であったり、そういった内容をこの中に落とし込んでいくというような形で形作っているものでございます。事務局からの説明以上でございます。
【友添主査】 それではこれより意見交換を行いたいと思います。時間の方は40分ほどを予定しています。ご意見等
ある方は挙手ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。
森委員お願いします。
【森委員】 15枚目のスライドをお願いします。今まで体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループは、学びに向かう力・人間性等を特に体育の方ではどのように位置づけるかを重要視して検討してきて、主に知識及び技能のところに位置づいたと認識しています。しかし、総則・評価特別部会の方の議論では、評価に関しては、学びに向かう力・人間性等の評価はそれが表出しやすい思考・判断・表現の過程で見取り、「思・判・表」に「◯」を付記するが知識・技能の方にはつかないという話になっていると思うのですね。これまでの本ワーキンググループの議論の経緯から考えると、体育・保健体育では両方に位置づかないとうまく評価できないのではないかと思いながらこの資料を見させていただいておりました。スライド15の4番の学びに向かう力・人間性等の「見取る姿」はこれから検討すると書いてありますが、その下の5番の単元の目標・評価規準には学びに向かう力・人間性等も含めた三つの目標や評価が示されないと目標として抜けが出てしまうのではないかと思うので、その辺をぜひ御検討いただければと思います。
そもそも3つの資質・能力は三角形でバランスよく示されてきましたので、少なくとも目標について知識及び技能や思考力・判断力・表現力等でなく、学びに向かう力、人間性等がバランスよくなっていないとおかしいと思うので、評価の〇の話も含めて総則・評価特別部会の委員である中村先生にぜひその部会で話題にしていただければ非常にありがたいなと思います。
【友添主査】 中村先生、補足等何かありますか。大丈夫ですか。
【中村委員】 はい、お役目を果たしたいと思います。
【友添主査】 はい、まだこれ検討課題でもあるわけですが、一応知識・技能の中で引き取っていこうということが規定の方針だと理解をしているところです。
渡辺弘司委員お願いします。
【渡辺委員】 渡辺でございます。高次の資質・能力を活用した授業づくりというコンセプトは大変重要なことだと思います。エンドポイントを意識した上でそれに至るプロセスをデザインするというのは非常に効果的でありますし、どうしても得てして知識や技能を教えるということが全てのようでございますけれども、やはり何を最終的に子供たちに学んでいただくかということがすごく大事なことだと思います。これまで以上のこうしたプロセスを現場の先生がやりやすくなる取組にしていただきたいと思います。
特に学習指導要領に書かれるのは難しいとは思うのですが、この12ページの保健の心の健康というポンチ絵を非常に分かりやすく、このような形で学習指導要領を作っていただけると分かりやすいかなと思います。今回は体育に関して具体的な単元づくりのイメージをお示しいただいておりますけれども、今後はできればぜひ保健に関してもイメージを示していただきたいと思います。以上でございます。
【友添主査】 斎藤委員お願いします。
【斎藤委員】 お願いします。12ページの保健の指導と評価の改善のイメージ図ですが、内容のまとまりの全ての内容を統合的に理解して、またそれを総合的に発揮するという最終ゴール、高次の資質・能力の育成を目指した単元計画が、大変よくできていると思います。現行の学習指導要領においてもこのような資質・能力の育成、深い学びを目指した保健の授業を実践している学校があります。本ワーキングで柏原(奈)委員が発表してくださったような学校は、本当に頑張っている、大変いい実践をされていると認識しているところです。しかし、このような内容を現行の時間数で実現していくことはとても難しく、各指導内容があって更にそれらを統合して理解する、総合的に発揮するための課題を新たに示すという時間をどうやって生み出すのか、これを全国で全ての学校で行うとしたら、教育課程の柔軟化の上乗せの時間数を前提に考えないと難しいのではないかと思ってしまいます。高次の資質・能力を育成するということ、深い学びを実現するということを、現行を踏まえて実装することを目指すならば、次はまさにそれを実現するための時間数を確保していかなければならないと思いますが、それができないのであれば、せっかくよくできている高次の資質・能力の育成を目指した単元計画であっても、それは絵に描いた餅になってしまうのではないかという印象を持ちます。
続いて体育ですが、事務局案は高次の資質・能力を領域ごとのものと全領域共通のものの2つを示していますが、私はこれに反対で、この2つを統合・総合するのが統合的な理解であり総合的な発揮なのではないかと思っています。
事務局案の示し方であると、理解であれば、運動の行い方を網羅的に理解している子供、運動の関わり方を全て網羅的に理解している子供が高次の資質・能力があるというような、全てをできるようにさせることが高次の資質・能力を育むことというような印象を、学校は持ってしまうのではないかと思います。むしろ、行い方と関わり方を関連付け、連動させて統合的に理解できるという力をつけるのが高次の資質・能力なのではないでしょうか。同様に、思考力、判断力、表現力等についても、行い方の工夫と共生の視点の工夫の両方を総合的に発揮できることこそが、私は高次の資質・能力ではないかと思っています。
そのような視点で単元計画を作成すれば、現在の学校教育で懸念されている全ての内容を網羅的に身に付けることが重要であるというようなミスリードにならないのではないかと思います。高次の資質・能力の内容については、ぜひ再検討する時間をいただきたいと思います。私からは以上です。
【友添主査】 言うまでもありませんが、今お示しをしているのはあくまでも御議論いただくための1つの例示だという御理解をいただければと思いますし、また今斎藤委員が言っていただいたように、こういった盛んな議論を生ましめるためにはいい素材を提供していると御理解いただければと思います。なお、参考資料の方ですね、お手元に委員の皆様にお配りしていますがも、16ページ以降に体育の高次の資質・能力のイメージ案ということで、全領域をお示ししているところでもあります。これからこの辺りも詰めていかなければいけないかなというところかと思っています。
佐藤豊委員お願いします。
【佐藤(豊)委員】 はい、お願いします。14ページの左側のところの構造のイメージなのですけれども、前半でも言ったんですけれども、高次の資質・能力の理解が非常に難しくて、統合的な理解と総合的な発揮というところの総合体になっているので、これ新しいスキルのように見えてしまうといいますか、中核的な概念というのは多分これ上に書いてあるところが今学習指導要領の本体レベルになると思うんですけれども、これは現行でも各領域を概念知として特定してきた経緯があり、技能の中核的な概念とか思考力・判断力・表現力の中核的な概念をこの総合的な理解のところに書いているんですけれども、これと思考力・判断力・表現力と一致させて1つの能力として捉えるというのは多分総則・評価特別部会では、教科書中心の授業で学期末の知識テスト評価というところの改善というところが課題としてあって、そこのところを変えていきたいという流れの中で今出てきているものだけど、体育の場合繰り返しになりますけれども、「分かること」と「できること」というのをそれぞれ大事にして、そのプロセスのところを中心とした学習だとしたときに、これ一体となって知識になってしまうとかなり体育らしさが消えてしまうところがあるので、そこの議論は体育として必要かなと思いました。
右側に書いてあるような例えば6時間目、7時間目というところの技能の学習と態度の学習が単元の中で密接に関係しながら3つの資質・能力を育てていこうというところは現行の国立教育政策研究所の参考資料等でも取り上げているところかと思います。
次のページのところですけれども、森先生も言っていましたけれども、5の単元の目標と評価規準は、少し違うところがあって、目標だと「~ができるようにする」という目標表記となるのであくまで参考であるという資料かと思います。特に指導と評価の計画に関しては、こういうふうに簡易に示してしまうと、今まで指導してきたことがなくなってしまいますので、これまでの体育が示してきたとおりしっかりと構造的に示していく必要があると思いますので、その辺のところは確認ですけれども、これ定型でこうなりますよということではないということでよろしいでしょうかというのが1つ質問です。
【友添主査】 すみません、最後のご質問のところもうちょっとはっきりと明確にお尋ね内容を教えていただけますか。
【佐藤(豊)委員】 フォーマットがこう出てきていますけれども、ここはあくまで全教科の中でのたたき台を参考に事務局の方で苦労されて作ったということであって、例えば指導と評価の計画、このフォーマットに変わりますよということではないですよねというところの確認です。
【友添主査】 事務局の方いかがでしょうか。先ほど私の申し上げたこととかなり近い話かなと思います。
【赤間企画調整室長】 はい、こちらについては各教科共通でこういうふうな形でイメージをお示しをするということで今回提案させていただいているものでありますので、必ずしもこの形で画一的に現場の中で行われなければいけないということを今の時点でお示しをしているということではありませんので、今後の議論の中で御検討いただければというふうに思っております。
【友添主査】 岡出委員お願いします。
【岡出委員】 すいません、ありがとうございました。今のご議論の中でもあるのですが、このもう1つ前に戻していただいていいですか。
はい、この上のところでは総合的な理解、総合的な発揮、で下のところを見るとゲームを通して課題解決に向けて取り組む、これ保健のところも課題解決のところあると思うんですけれども、ここのところに結果的に言うと学びの主体的な調整というのは多分関わるんですよね。で、それは総則・評価特別部会の話を聞いていても少しやはりよく分からなくて、気持ち的には落ち込んでいる子とか、もう私だめですというふうに言っている子たちはここに多分乗れないんじゃないかと思うんですよ。そういう子たちに対してどういう手を打つのかということに関してやはり教えてあげないといけない内容とはあると思うんですけれども、それが消えてしまっているような教科指導というのはあり得るのかというのは私ここずっと疑問に思ってはいるんですね。多分今の総則・評価特別部会のところだとそれが議論に乗らない理由がよく分からない。誰かがそういうことを言っておかないといけないのかなという気はしています。これは森先生が言ったのとよく似たところだと思うんですけれども、少し可能性があればそういうことも確認していただきたいなというふうに思いました。以上です。
【友添主査】 岡出先生、13ページの図で言うと、例えば岡出先生の今の御提案を反映させればどのような図であればいいということでしょうか。
【岡出委員】 これ本当はここの2つじゃなくてあと1つ入るはずですよね、森先生が言われたことも含めて言うと。そこが今のこのフォーマットで言うと表に出ない、なおかつ評価のところでもそこは丸つけるみたいな話になっているので、そういう構造の示し方でいいのかということをどこかで協議できないかという、そういう要望です。
【友添主査】 結局難しい話ですが、顕在的なカリキュラムでは見えないものが実はあって、むしろそこで落ちていくことの中にこそ大事なものがあるのではないか、それを工夫しながら拾い上げていくことが必要で、総則・評価特別部会の方はその辺りをいかが考えているのかということを事務局を経由してお尋ねしてもらいたいということでよろしいでしょうか。
【岡出委員】 はい、大丈夫です。
【友添主査】 南委員お願いします。
【南委員】 私からは2点あるのですけれども、1つは12ページにお示しいただいている中で、高次の資質・能力が示されていますが、小学校において教科担任制が進められれば、いわゆる体育の専科教員がこの保健領域についてもパッケージとして教えることが標準になるものと思っているのですが、これは質問です。そのほかにも可能性があるのかどうかということが1つ。
もう1つは、17ページ以降にあります参考資料のところですが、斎藤委員がおっしゃった切実な訴えですよね。これ、本当にうまく教えられるのか、全部教えられるか、といったときに、重要なのは国から教えるべき内容をあらためてどのように示していくのかということも必要と思っていまして、注目をしているというところです。
【友添主査】 事務局の方、何かコメントございますでしょうか。
【赤間企画調整室長】 はい、いただいたところについては、例えば1点目のところ、多分小学校体育専科の方が保健を教えるということは理論的にはあり得るというふうに思いますので、そういったことに関してもこういうふうなイメージというのは活用できるのではないかなというふうに思っております。
【友添主査】 前島委員お願いします。
【前島委員】 はい、よろしくお願いします。少し前半のところも言いたいことがあったのですが、少し後にします。後半のところだけを話しますが。
【友添主査】 構わないですよ。前半のところも言ってください。
【前島委員】 8ページのところです、裁量・調整授業時数なんですけれども、これすごい大きなことを学校に任されるなという気がします。体育・保健体育で教えるべきことをしっかり先生たちに確認しないと体育・保健体育の授業時間がほかの授業に移ってしまう事や行事活動時間に変えられてしまうということにならないように、しっかりと説明する必要があるだろうなと思いました。上乗せの部分と裁量的な時間にあたるというと目的を考えて教育課程を組む上ではしっかりと確認する必要があるだろうなというのが前半のところの意見です。
後半のところの部分については、学習指導要領が示す運動種目が現場ではいつの間にか必須のノルマのように扱えてしまうということで、例えば運動が苦手な子とか多様な特性を持つ子が置き去りにされているという課題があったと思うんですね。そうすると、13ページのところの学習を始めようのところに、教師の視点としてすべての子どもたちが取り組める環境作りを仕掛けていくというところが、示されていますが、こういう部分がすごく大事なところ第考えます。できるできないについて、「できる」はどのぐらいのことがでできると「できる」と考えるのか、合理的配慮をしてできても「できる」とするのか、分かるをどのぐらいの能力として幅を広げて捉えるのかというところの確認ってすごく必要だろうと思います。 運動技能の結果だけではなくて、自分の身体特性に合った動きを見つけようとするプロセスとか、仲間の特性を理解してどう工夫したかというその過程をすごく大切にしなければいけないなということです。多様性の包摂の部分についてはきちんとこの視点が学習の計画にあるのか、空間の工夫や用具の工夫やルールの工夫や評価の多面性ですね、どのぐらい評価にゆとりを持たせて幅を広げるのかというところなどもしっかり示しておかないといけないだろう。学習指導要領が示す種目はあくまでも種であり、それをどういうふうに育てていくかというのは目の前にある子どもたちの多様性に合わせていかなくちゃいけないだろうというふうに思いますので、そういった視点をぜひ大事にしたいと思います。
【友添主査】 先ほどの岡出委員の御発言と問題意識は同じものがあると感じているところです。非常に大切で大事な視点の御意見だったと思います。
続きまして佐藤若委員お願いします。
【佐藤(若)委員】 はい、14ページのところです。高次の資質・能力のことで、前々回も少しお話しさせていただいたと思います。佐藤先生が先ほどお話しされたことの内容と重複してしまうのですけれども、やはり統合的な理解のところですが、これを読んでみると、やはり知識の部分が主でというか、なかなかその知識と分かる・できるというところの棲み分けというよりも、その統合が私が理解できないなというふうに思っているので、ここの書きぶりについてまだまだ御検討していただければというふうに思っているところです。
右側のところについては、作成の順番をしっかり具体的に時系列的に書いていただいているので、現場の教員はこうやって評価まで作ればいいのかというイメージがすごく湧くような、そんなチャートのような形になっているので、大変分かりやすいなというふうに思いました。
あと最後ですけれども15ページのところです。ここでこれもあくまで例ということで先ほどお伺いしたのでいいかなとは思ったんですが、ここの部分で指導と評価の計画の部分、やはりもう少し細かく例示していただけるといいのではないかと。特に観点のところを見ると、知識・技能の「知」、思考力・判断力・表現力の「思」という形でぱっと見たところ、知識で全部評価するんですかというように見えてしまいがちだなと。さらにもう1回戻ると3番のやはり高次の資質・能力のところも統合的な理解となっているので、そんなように見えてしまうのではないかというぱっと見たところの感想です。今後も指導と評価の計画の形については御検討いただければというふうに思ったところです。
【友添主査】 あくまでもサンプルということで、いろいろ御不満はあるかと思うんですけれども、貴重な御提案ありがとうございます。
このあと細川委員、柏原(聖)委員、日野委員、岩佐委員までとさせていただこうと思います。ほかに御意見がある場合にはまた事務局の方にメール等で御連絡をいただければと思います。
細川委員お願いします。
【細川委員】 ありがとうございます。少しだけ前半に触れますけれども、前半ではやはり「学習内容の精選」についてどう考えればいいのか、それをどう示していくかが非常に重要だと思っています。その上で、その精選された内容については確実に身につけられるよう指導することが重要であり、そのためにはやはりある程度の時間が必要であること。と、それと絡めてやはり体育・保健体育の重要性というものをもっと強調して、しっかり授業していただくという方向に繋がるよう努力することが大事かと思います。
後半については、これまでの委員もおっしゃっておりましたけれども、やはり「高次の資質・能力」についてはこれから検討していくということはもちろん了解しておりますけれども、やはり基本とも思える重要な事柄ですので、やはり早く検討していくことが必要と思っております。
12ページ以降にお示しいただいた図については、現場の先生方がどのように授業や単元計画を考えていくかということをイメージしやすいものになっており、とてもいいなと思います。14ページの右段の教師の思考の流れがとても分かりやすいように思いますが、特にこの上から2つ目の赤で囲まれた部分の下の方に、子供が「基本的なボール操作とラリー継続の練習の意味を理解することにもつながるな」というように、子供に理解させるということを先生が心がけていることが分かるこの一文はとても大事だと思いました。体育が嫌いという子供、あるいは学生にその理由を聞きますと、「やらされている感じがする。」「なぜそれをやるのかが分からない」という返答がとても多いです。ですので、こうしたイメージ図などいろいろなところで、子供にきちんとその活動の意味を理解させることが大切だということを、先生方にこれまで以上に伝えていく必要があると考えているところです。以上です。
【友添主査】 柏原(聖)委員、お願いします。
【柏原(聖)委員】 前半に少し触れますが、大きく2点ございます。
1つ目は、やはり体育・保健体育でしかできないことの本質的意義を示すことが重要なのではないかと思います。先ほども御発言ありましたが、ウェルビーイングを目指して、知と技のバランスが取れた教科が体現できるというのは、体育の教科特性として非常に意義のある教科であり、心身ともに自己管理ができるようにするとともに、社会的な健康というものの確立を目指すということを仲間とともに協働する教科であり、問題解決を具体的に行える教科であるということを価値づけていく必要はあると思います。そして基礎基本として体と心の機能の発達を促していくとともに社会性を育む教科でもあることは、立ち戻る必要があると考えます。
2点目は、指導と評価の中で先ほど14ページを拝見いたしましたが、その中で、児童生徒の主体性ということを考えたときに、体育・保健体育で実現するためには児童生徒が自ら課題を見つけて仲間と関わりながら改善し続ける学習のプロセスがたどれるようにしないといけないと考えます。それに対して教師はデザイン力を身につけていく必要があると思います。パターン化された学習ではなくてデザインする力が必要であることは分かるようにしなくてはいけないということと、深い学びを実現するために質の高い遊び、今回小学校中学年に示された遊びを追究する必要があると思います。その上で遊びの延長線上におのずと身についた技能が次の学年で活かされ、次の段階へ進めるということが望ましいのではないかと拝見いたしました。
【友添主査】 日野委員、お願いします。
【日野委員】 失礼します。13ページの図の方ですけれども。
今回新しく高次の資質・能力が加わりまして、それをより分かりやすく表形式で、縦の関係と横の関係を具体的に示すようになったと思うのですが、特に私は高次の資質・能力の横の関係、矢印でぐるぐる回っているところがとても重要ではないかと思っています。学びの質を深めるために資質・能力の前についていた言葉です。生きて働く知識・技能、未知の状況に対応できる思考力・判断力・表現力を育んでいくためには、高次の資質・能力を連動して学んでいかないと、質の高まりになっていかないと思います。そのことをより分かりやすく強調したらいいと思っております。すなわち、総合的な発揮の場面で課題解決が育まれることで、知識・技能の統合的な理解が深まっていく、また、それらが深まることで総合的な発揮の思考力・判断力・表現力も高まっていく、この両方を一体的に育んでいくことが重要だということが、今回新しく提案されたところではないかと思います。単に技能が高次になっていくとか、思考力・判断力・表現力が高まっていくという縦の関係だけでなく、この横の関係のところをより分かりやすく説明していく必要があると思いました。
もう1点は単元づくりのところで何回か出てきているのですが、知識・技能の評価をどうしていくのかということです。従来の運動の行い方等にあった内容が新しく学びに向かう力・人間性等から移動してきました。運動の関わり方に関する知識・技能をどう評価していくのかとともに、先ほども議論がありましたけれども、従来の愛好的態度に関することは学びに向かう力・人間性等の方に残している状況でもあるので、できたら単元ベースではなくて、時間や心の余裕も持たせる形でもう少し長い幅でこの態度のところを見ていけるような単元イメージ、指導と評価の計画が今後示されていけばいいのではないかと思っております。以上になります。
【友添主査】 いわゆる態度の内容についてはもう一度単元計画の中でどのように引き取れるのかということは検討していかなければいけないだろうということの御意見と引き取りました。
最後になりますが、岩佐委員、お願いいたします。
【岩佐委員】 先ほどからも、高次の資質・能力の内容については、他の委員の方々からもありましたように、また議論がされていくということで、確認できたので少し安心しています。
私は12ページからのことについて、やはり保健体育が子供たちにとって重要な教科であるためには、教師だけではなくて、子供たち自身もその保健体育を学ぶ意義ということを理解することが大切だと思っています。子供たちがその意義を授業の中で感じるからこそ、やはり資質・能力というものが身についていくものだとも思っています。そういうことでは、12ページからお示しいただいたものは、高次の資質・能力を生かした指導と評価の改善というところでは、教員にとってもイメージのつきやすいものになっているなというふうに感じています。
ただ非常に単純なことなのですけれども、例えば14ページの単元計画づくりの参考イメージというものを現場の教員が活用して授業づくりをしていくためには、もう少し簡素化というか、私も14ページのことを読んでいくとすごく理解はできるんですけれども、現場の教員にとってはやはり簡素化してぱっと頭に入ってくるものじゃないと、これが十分にやはり活用されずに終わってしまうのではないかなという懸念がありますので、またそこも御検討いただければありがたいと思っています。
【友添主査】 意欲的にすべての先生が取り組むわけでは決してないということの現実の中では、できるだけ分かりやすくて、そして読んでいて楽しいと、そういう学習指導要領を目指していくべきだろうと思います。
それでは時間が参りましたので、意見交換はここまでとしたいと思います。今日は体育・保健体育の指導と評価の改善・充実を考える上で、現場の具体的な指導と評価のイメージにもいろいろお話を伺いながら、私自身考え巡らせておりました。建設的な議論が進められたかと思っています。
当たり前のことで言うまでもないのですが、学習指導要領が変わるということはまさに現場の授業が変わるということでもあります。私たちは今まさにこうした視点を何よりも大切にしながら引き続き議論を深めていければと思います。なおまだこのあと様々に御意見が浮かんだり、あるいはこうした方がいいのではないかということに考えが及ばれた方は、お手数をおかけしますが、事務局まで御意見をお寄せいただければと思います。
それでは本日の議事はこれまでとしたいと思います。次回の予定につきまして赤間室長から予定のほどお願いいたします。
【赤間企画調整室長】 はい、次回は6月の5日金曜日午前10時からを予定しておりますけれども、正式には後日御連絡をさせていただきたいと思います。以上でございます。
【友添主査】 それではこれをもちまして第9回体育ワーキンググループを閉会します。本日もありがとうございました。
―― 了 ――