教育課程部会 体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(第7回) 議事録

1.日時

令和8年2月19日(木曜日)10時00分~12時30分

2.場所

ウェブ会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 体育・保健体育等の指導の充実等について(委員発表)
  2. 体育科・保健体育科における指導の改善・充実等について

4.議事録

【友添主査】 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会体育ワーキンググループを開催します。本日もよろしくお願いします。
さて、今日の議事でありますが2つございます。1つ目は、体育・保健体育等の指導の充実等についてです。本ワーキングでは毎回、各委員の先生方からそれぞれのお立場でのご発表をいただいていますが、今回は指導の充実という観点を中心に、柏原奈保委員、藤田委員、南委員、岩佐委員の4名の先生方にご発表をいただきます。2つ目は、体育科・保健体育科における指導の改善、充実に向けてです。これまでの議論も踏まえながら、指導の改善、充実に関して議論を深めてまいりたいと思います。
それでは議題1に早速入ります。体育・保健体育等の指導の充実等について、柏原奈保委員、藤田委員、南委員、岩佐委員の順にご発表いただいた後、全体で意見交換を行いたいと思います。では、初めに柏原奈保委員お願いいたします。

【柏原奈保委員】 横浜市立南台小学校の柏原奈保です。本日は小学校保健領域の学習についてお話をさせていただきます。小学校学習指導要領実施状況調査の委員もさせていただいていましたので、その調査の結果からと、それから横浜市の取組から考えることについてお話をさせていただきます。ではスライドをお願いします。私は日々子供たちの様子を見ていて、保健領域の学習が自分ごとになっていないなということを強く感じています。具体的には、学習が日常の生活や行動と関連づけて考えるものになっていないところが多いということ、それから学習したことを日常の場面で活用しきれていない子が多いということです。また子供たちの日々の状況を見ていると、以前と大きく変わってきているなというふうに感じています。人とのコミュニケーションに課題や不安を感じる子供が増えており、集団の中で過ごすことに不安を感じたり、人との付き合いに悩む姿も多く見たりするようになりました。不登校や登校渋りなども増えていて、心の不安定さを感じています。また子供によってはスクリーンタイムが増加したり、運動の二極化が顕著になってきたりしているのが現状です。スライドお願いします。では次に、令和4年度に行われ、今年度公表になった小学校学習指導要領実施状況調査、体育科保健領域の結果についてお話をします。調査の結果から明らかになった成果と課題はここに示したとおりですが、次のページ以降問題と併せて具体的にお話をさせていただきます。スライドお願いします。まず、相当数の児童、通過率がおおむね80%以上のものについてお話をします。知識及び技能の習得の観点から見ると、健康に良い環境を整えるための換気の仕方を選択する問題では通過率が93.9%でした。健康に良い生活を送るための睡眠の仕方を選択する問題では通過率が95.2%でした。心はいろいろな生活経験を通して年齢に伴い発達することを選択、説明した文章のうち、適切なものを選択する問題では通過率が82.3%でした。身近な生活における健康安全に関する基礎的な内容に関する問題は相当数の児童ができているというふうに見ることができます。思考力、判断力、表現力等の育成の観点から見ると、交通事故とその防止について、自転車転倒事故の発生の原因と人の行動、周りの環境に分類選択する問題の通過率は、人の行動についてが93.1%、周りの環境が90.7%でした。また生活行動が主な原因となって起こる病気の原因を考え選択する問題の通過率は87.5%でした。保健の学習で学んだ内容を分類・選択するという問題は相当数の児童ができているという状況でした。スライドお願いします。次に、課題があると考えられるもの、通過率がおおむね60%未満のものについてお話をします。知識及び技能の習得の観点から見ると、従来課題とされている事項では、人々の健康を守るために地域の様々な保健活動が行われている場所を記述する問題の通過率は40.8%でした。前回が19.6%なので上昇はしているのですが、まだ課題があると考えられる状況です。今回改訂で新設された事項では、けがの手当について、鼻出血の手当の正しい行い方を選択する問題は通過率が52.8%でした。日常生活において認識しにくい内容に関するものの通過率において課題があると考えられる設問がありました。思考力、判断力、表現力等の育成の観点から見ると、従来課題とされている事項では、心と体の密接な関係について、体から心への影響の具体例を選択する問題の通過率は59.4%でした。心から体への影響の具体例を選択する問題の通過率は39%でした。実際にどのような影響が起きているかということの具体例を選択するのがなかなか難しいという状況です。今回の改訂で新設された事項では、生活習慣病を予防するための適切な運動を考え、その理由を表現する問題の通過率が54.6%でした。理由を表現するということに課題がある状況が見えました。健康の原則や概念と具体的な生活、行動とを結び付けて考えるということに課題があると考えられる設問がありました。スライドお願いします。調査結果から見ると、身近な生活における健康・安全に関する基礎的な内容、授業で学んだ内容を分類・選択する力はおおむね身に付いていると考えられます。一方、保健の学習で得た健康の原則や概念、それと具体的な生活行動を結び付けて考えるということに課題があるというふうに見ることができます。また健康課題を発見する力は身に付いているものの、知識を活用して課題の解決に向けて考え判断し、表現する力が十分に身に付いていない様子が見えます。日常生活で認識しにくい内容については理解を深めるための指導の工夫が必要です。スライドお願いします。続いて横浜市の状況についてお話をします。単元の入口の学習で自らの健康課題の発見を促し、そこから始まる学習への見通しをもてるように工夫する授業は増えてきています。単元の学習の中で身近な生活や自分の状況を振り返りながら進めるような学習展開をする授業も増えてきています。一方で教科書の資料のみを使って学習するなど、子供たちが学習内容を身近なこと、自分ごととして学べていない様子が見られたり、課題を発見し、課題の解決を通して自らの健康について考え判断し、表現する学習が不十分な状況が見られたりしています。学習のまとめや振り返りなど、自らの生活や活かし方、健康課題を意識するような終末になっていないために、学習が日常の場面で活用しきれていないという状況も伺えます。また指導内容を漏らすことなく指導することに追われてしまうようなところも見られます。スライドお願いします。これらの状況を踏まえて改善に向け、どのような学習にしていったらよいかを考えました。まず具体物を用いた教材、身近な資料、身近な人の話、実習などで理解を深めることができるようにしていきたい。例えばけがの防止の学習で地域や学校の現状を示した写真やグラフなどの資料を用いて考えたり、心の健康や体の発育・発達の学習で自分が体験していないことについて教員や家族、上級生の体験談などを聞くことを通して、身近なことと捉えながら理解を深めたり、けがの手当で模擬実習をして理解を深め、技能として身に付けたりするような学習の改善が考えられます。また具体的な生活経験と授業で学んだことを結び付けたり、比較したりして理解できるようにすることも必要です。②(マル2)のカードのように、自分のこれまでの経験を思い起こしながら日常的に行っている不安や悩みへの対処の仕方を想起して学習を深めるようなもの、③(マル3)の板書のように、知っているけがの手当を児童に問い、それと比較しながら正しい手当について理解し、深めるような学習の工夫も必要です。スライドお願いします。さらに自分や身近なことから課題を見付け、解決に向けて考え、具体的に表現できるように、課題や発問の仕方を工夫したり、けがの防止で④(マル4)のように校内の状況を見て回ったり、GoogleEarthのようなウェブ上の資料、地図を使いながら自分の暮らす地域について見直し、けがや事故の防止を考えたりするような学習も考えられます。学習が自らの生活や行動に生きるように、⑤(マル5)のように学習カードや展開を工夫し、単元や毎時の学習の振り返り、まとめの欄に自分を振り返る、生活に生かすという視点で考えるようなことも大切にしていきたいなと思うところです。またICTの活用や、視点を明確にした意見交換、話し合いなどを通して自分の考えや取組を広げたり、深めたりできるような学習活動の工夫をしていく必要もあると考えます。スライドお願いします。今後ワーキンググループなど、こちらから考えることとしては、社会の変化に伴う子供の変容を捉えた資質・能力等への改善をしていくこと、それから特に専門家ではない教員が指導する可能性が高い小学校では指導者が理解しやすい資質・能力の示し方の工夫を図ること、そして子供たちが課題を発見し考え、解決に向かう学習過程の充実につながるような指導事例の提示をしていくこと、一人ひとりが学びを大切にした子供に委ねる授業の指導事例も提示していくことも必要かなと考えています。そして子供たちが生涯にわたって心身の健康を保持増進できるような主体的・対話的で深い学びの視点での授業改善、特に現場にいると深い学びを意識した取組の充実を目指していきたいなと考えます。

【友添主査】 学習指導要領の実施状況調査の課題抽出と横浜市の取組を経て、ご提言をいただきました。それでは藤田委員お願いいたします。

【藤田委員】 大阪教育大学の藤田です。私の方から、安全に関する学習についてご報告させていただきたいと思います。現在、大阪教育大学の方で学校安全、安全教育を担当しております。本日のワーキングにおきましては、私の方から安全教育、安全学習についての実践事例をご紹介させていただきたいと思っております。本学では、25年前に、附属池田小学校で事件が起こりまして、その事件6年目から4年間、同校の学校長を併任し、事件から得られた経験や教訓等をもとにしまして、我が国独自の安全に関わった教育・管理・連携を進める新たな学校の取組を創設し、現在、その普及に努めているところです。このセーフティプロモーションスクールという制度につきましては、すでに令和4年の「第3次学校安全の推進に関する計画」の中に明記いただいておりますとともに、また令和5年の「教育振興基本計画」の方にもセーフティプロモーションスクールの考え方を取り入れて、今後の充実を推進するというふうに明記いただいているところです。先ほど申しました「第3次学校安全の推進に関する計画」の中では、やはり地域と協働して学校安全に取り組む、また学校安全に関する保護者等の参加、さらには児童生徒の安全点検、専門的な視点からの安全点検の参加の構築、さらにヒヤリハット事例に関する校内での定期共有の状況が明記されており、学習指導要領中における「けがの防止」、また「安な社会生活」という内容の項目がこの中に盛り込まれているところです。そこで、実際に私の方で取り組んでおります活動、例えばこの「ヒヤリハットシステムを活用した安全な学校作り」につきましては、この登録システムを独自に構築いたしまして、現在我が国の小・中学校8校で活用いただいているわけですが、子供たち、保護者、地域の方が操作できる大型モニターと、GIGAスクール構想で子供たちが通信端末を使って、その場でヒヤリハットを登録できるシステムの運用を始めております。登録されたデータ、このような形で子供たちが登録をした結果が集約され、またそういった状況につきましては、集約整理しますと学年であったり発生時刻、ヒヤリハットの発見時、またそのヒヤリハットの原因と考えられる要因、そういったものごとに分類集計できるようになっております。こういった活動を、例えば附属池田中学校におきましては、生徒会活動の安全委員会の生徒が取りまとめ、子供たち同士でそのヒヤリハットについての情報共有を通じてけがの防止に努めているところです。またこのヒヤリハットのデータにつきましては、いわゆる保健体育科の授業の中で分析を行うとともに、さらにこのデータをもとに子供たち自身がこのようなピクトグラムを、美術科の協力等を得ながら独自で作成し、校内での掲示を行ってヒヤリハットの共有を図っていくという取組になっております。またそれ以外にも、このヒヤリハットデータにつきましては、高槻市の第三中学校等の方でご協力いただきながら、数学科の方でこの安全のデータについての指導案を作成いただいて実践を取り組んでいただいたり、また総合的な学習等の中でいろいろな領域で、この図の左側の方では各教科の中でこういったデータを活用するというふうな教育への展開を図っていただいているところです。また当然、中学校の技術・家庭科等におきましても家庭科の領域として、中学生と幼稚園児との実践という形での安全教育の充実に取り組んでいただいているところです。同じく高槻市の小学校におきましては、けがの防止につきまして、体育科保健領域の学習の中で気付いたヒヤリハットを含めたけがの防止を学習するとともに、さらに6年生では図画工作の中でそのけがの状況についての状況の分析に取り組んでいただくというふうな形で、けがの防止について小学校においても教科横断的な取組として展開いただいております。また千葉県の小学校におきましては、総合的な学習としてユニバーサルデザインを考える中で、廊下を道路と置き換えた形で、いわゆる事故の防止、子供たちの衝突による怪我の防止に関わる安全教育の実践に取り組んでいただいております。さらに上級生がこの1年生の子供たちの低学年の目線を工夫した調査を行って、それに伴う校内での掲示を行って事故防止の啓発を行っていくという取組を展開していただいています。さらに、総合的な学習における地域改造計画というふうなテーマで、安全教育について、小学校と幼稚園の連携であったり、また地域の方々にその地域の安全について教えていただく。そういった地域との活動連携にも展開が進められておりますし、またその小学校でも最初に申し上げました附属池田中学校で運用していただいているヒヤリハットシステム同じように活用していただいております。この小学校でも同じようにヒヤリハットデータを打ち込んで、子供たち自らの怪我の予防に対する気づきというものを高めているところです。さらに、小学校の保健委員会であるとか体育委員会の中で、子供たちの応急手当、心肺蘇生法の学習を含めた活動に参加したり、また体育委員会等であれば遊具における安全ということで、上級生が下級生を指導してくれています。このような活動実践は、現在中央教育審議会の方でも、いわゆる休憩時間等における教員の働き方改革の中において、休憩時間の対応というものが課題になっておりますが、この実践のような形で上級生と下級生が一緒に休憩時間を共有する、上級生が下級生に指導してくれれば、注意してくれれば、そのことによって怪我の防止にも繋がっていくことが期待され、学校内における安全な取組というものの充実につながるのではないかというふうに考えております。また当然、小学校においても、普通救命の訓練であったり、安全マップ、ICTを使った安全マップの作成であったり、マイタイムラインの作成、水難等における着衣泳、こういった活動なども学校において教科横断的に展開をいただいているところです。子供たち自身の安全点検という形で小学校、中学校、高等学校において安全点検を行っていただいて、高等学校の右側の写真、この学校には寮がありますので、寮の生徒たちが実際に寮の安全点検にも参加するという形で、教員の安全点検のみであらず、子供たち目線を入れてより客観的な安全点検への充実を図っていただいているところです。このような子供たちを巻き込んだ安全点検の充実を図ってまいりますと、このセーフティプロモーションスクールの活動を継続していただいている1期、2期、3期目の学校では、1つの期間が3年の中期計画・中期目標のサイクルで取り組んでいただいているのですが、長期にわたって継続して取り組んでいただくことによって、スポーツ振興センターへの災害共済給付の請求件数の抑制にも繋がる可能性があるということがデータとして示されているところです。先ほど触れました附属池田中学校におきましては普通救命講習を生徒を対象とした普通救命講習の充実を現在図っているところですが、この普通救命講習を使ってさらに生徒会が各部活動ごとに、今回示している事例はダンス部の生徒たちが主体となっておりますが、毎年担当クラブが交代して発表しております。発表担当が交代するわけですが、自分たちで部活動中に発生した事故対応の中でAEDを使った対応というものを考えてもらって、そしてその実践を発表し、それぞれの成果を共有しております。そういった活動の中で、例えばダンス部の生徒たちの活動であれば、構成する性別が女性が多く、倒れてAEDを実施する際には目隠しをしなきゃいけないということで、自分たちが着ているカーディガンでちゃんと他の人の目線を遮るというふうな配慮なども子供たちが自ら発案し実践してくれるという、そういった創造性を持った安全教育に繋がっていというふうに思っております。またこれは附属池田中学校で数学科で垂直二等分線の学習の中で、地域の地図に垂直二等分線の考え方を当てはめてAEDの配置状況と比べてみると、どの部分にAED設置の空白地帯があるのかを考える、それじゃあこういうところに今後AEDの設置が必要ではないかというふうな人間の命を守るための提言というものが数学科の授業を使っても展開ができるという事例で進めていただいているところです。さらに高等学校になりますと地域との連携というものが大変強くなってまいるわけですが、当然その中で応急担架の実習として、自衛隊等の協力を得ながら担架の活用方法を学んだり、小中の合同の一斉下校訓練での協力であったり、また高校生自らが最近はAI等を活用しながら防災カードゲームを開発し、それを使って小学校での教育に協力してくれています。この防災カードゲームにつきましては、この当該校で作成したものが地域のふるさと納税の返礼品になっているというふうな形で、さらに取り組んだ子供たちのやる気を促すというふうな活動に繋がっております。こちらの佐土原高校ではスマートフォンアプリを独自で開発し、これを無料でダウンロードできるような形で、実はこの防災アプリなどは宮崎の気象台との連携の中で進めているアプリになりますが、こういった災害時の対応、また交通安全、交通事故への対応のアプリなどもどんどん開発し、そして出前授業として小学生、中学生への安全教育の支援に従事してくれています。またすでにあるアプリを活用し、地元の小学校との合同訓練などに協力してくれているわけですが、やはりこういった活動を行うことによって、高校生にも安全な社会づくりに関わる実践に主体的に参加していくことの重要性が理解され、また今後の安全に関わる協力のネットワークの構築へ発展させる必要があるというふうな思いへ至ってくれているところです。またこういった活動を支援するためには地域としては、コミュニティスクールの学校運営協議会の活動が重要かと思いますが、この学校運営協議会の中で安全推進のための委員会を設置いただいて、その中でさらに熟議を通して地域参加型の登下校の安全を含めた活動へと展開いただいているモデルについて構築が進められている地域もあります。そういった中で実は石巻市などでは地域の防犯ボランティアの方による専門的な視点からの校内安全点検であったり学校内のパトロールであったり、また保護者の協力、交通安全協会の協力なども得られているところです。こういった家庭、地域も巻き込んだ安全に関する活動を展開していく、その出発点としてはやはり学習指導要領上に安全に関する学習を小学校、中学校、高等学校と明確に位置づけていただいて、教科横断的に展開いただくことが重要であると思っております。こういった安全に関する学習につきましては、やはり展開いただく主体となる学校にお願いしておりますのは、いわゆる安全安心の共感、協働を基盤として子供たちが10年、20年経って大人になり親になっていったとき、そのとき地域の次の安全安心を担う人材へ成長してもらわなければならない。その観点からやはり小学校における身近な生活における安全、中学校における自他の生活を守る安全、そして高校になって社会生活、安全安心な社会の構築、その実践に繋がっていくような、いわゆる長期的な見通しに基づいた系統性と持続可能性を持った安全教育を充実していく視点の学習指導要領への位置づけについての検討をお願いしたいというふうに考えているところです。私の方からの報告以上でございます。

【友添主査】 大阪の池田小学校事件は日本の学校における安全教育そのものを根本的に見直す大きな契機になったと感じています。ご発表では、特に校種横断、あるいは学校をまたいで、あるいは教科横断をしながらの安全教育の取組についてご提案、ご発表いただきました。後でまた議論を進めていければと思います。続きまして南委員、よろしくお願いします。

【南委員】 こちらのスライドは先日公表されました論点整理の3ページ目のスライドですけれども、ここから何を感じたのかというところから始めたいと思います。先ほどもありましたように各教科等を基盤とした学校教育活動全体で、カリマネというものが重要だということを感じたところです。さらにこれを、例えばがん教育の中に落とし込んだときに、こういったがん教育というものが主に体育科・保健体育科の中で学んでいるのですが、確かに指導の充実としては非常に大切だと思います。地域、学校によっては外部講師を活用したというところだけがクローズアップされがちですよね。それを、教科指導を活かして教科等横断的な指導、かつ教科等横断的な指導を活かして教科指導という、こういう視点が重要だというふうに考えているところです。例えば、A高等学校の方でがんについてのアンケートを実施したところ、子供たちがどのように回答したのかということをお示ししたいと思います。例えば、タバコを吸わないでいようと思っている子供たち、そう思わない子たちというのが示されています。例えば、適度に運動を行おうと思っている、そう思う、そう思わない子供たち、がん検診を受けられる年齢になったら検診を受けようと思うかどうか、これについてもこのようなデータになっています。例えば、どのような人が受診するべきかという、国が推奨しているものとして適切だと思うかどうかと、これはあくまでも1回目の調査ですので、この数字から何を読み取るのかということは指導する側の立場としても非常に重要な視点かなというふうに思っているところです。これは同じく論点整理の概要版8ページです。ここでお伝えしたいのは、この情報活用能力、構成する各要素のところでした。同じくA高等学校の方で2023年に実施した介入研究の結果があります。実はテーマが情報活用スキルとの関連というものを見たのですが、実質保健の知識、こういったところにはなかなか向上の優位性が見られなかったのですが、記録的な文書、こういった身近な素材、生活上の実感を伴う学習内容については非常に良い結果が出ました。つまり、子供が日常生活で認識しやすい話題を学習内容に入れていくなど、本来の保健の見方・考え方が働くようにするために必要な事項を整理していく必要があります。これは教えるべき内容がとても多いと感じてしまって、何をポイントに教えていいかわからなくなってしまう先生方をやはり救っていかなければならないと思います。こちらは私が拙い授業をする中で、一番大切にしてきたことは何かということです。今関先生がお書きになったものなのですが、この当時からこの保健の内容については、こういったところ非常に重要だよねということを、教える側、私自身として、ポイントを捉えたものであります。やはり自らの健康を管理し改善していく資質や能力を育成、この当時の学習指導要領の考え方ですので、こういった表現を使っているということであります。そして、精神疾患につきましては、これも現学習指導要領の改訂に関わってくださった水野先生がご講演をされたときに、お使いになったスライドを引用させていただいてます。こういった心の病気に関する調査をされました。実際に代表的な精神疾患については、学校の授業で取り扱う自信がないという先生方や、適切な教材があれば授業で扱いたいという、そういった前向きな回答もたくさんあったということがここからわかってきました。また同じようにイギリスの方ではどのように精神保健、これを教育しているのかという内容についての情報をいただきました。やはり現在行われている年齢、年次、こういったところで適切に知識などを提供していくことが資質の改善に繋がるのだということであります。また田村先生の方が教科横断的な考え方でいくときに、こういった探究というものをどのように捉えていったらいいのかということを述べていらっしゃるところから引用したものであります。やはり総合的な探究の時間というものが本当に注目されているわけですけれども、これを現場がどのようにしっかりカリキュラム・マネジメントをして教えていくのかということが重要だと思っています。探究というものにはいろんな解釈があると思いますが、皆さんもご存知のように4つのプロセス、こういったものをしっかり繰り返し、そしてスパイラルアップしていくということが同じように示されていまして、例えばこのような図をご覧いただきますと、よく見かける図だと思いますが、こういったところにきちんと学習の学びとか学習過程というものがきちんと反映されているかどうかということを見直していく必要があろうかと思います。いつも同じところをぐるぐる回るのではなく、確実に子供たちに身に付いている力というものを確認しながら進めていく必要があろうかと思います。もう一度再掲という形でお示しするのですけれども、やはり必要な事項をしっかり整理していくということがここでも重要だと考えています。そして汎用性の高い見方・考え方こそがこのスパイラルアップをしていく、この黒い線ですよね、黒い矢印、こういったところに繋がってくるんだと思います。やはり個人の行動選択、そしてそれを支える社会環境づくり、こういったところが非常に大切であるというヘルスプロモーションの考え方、こういったところを大切にしていきたいというふうに考えています。最後なのですが、これは私が教員として保健という授業を作るときに、本当に感動した言葉なんですけれども、やはり当時の和唐先生は子供のすでに知っている知識を揺さぶっていくということです。そんなこと知ってるよということではなくて、さらにそこから教員の方から発問というものをしっかり工夫することによって、また討論というグループ学習でもいいと思いますが、そういったところからしっかり組織していくことによって、子供の学びが変わっていくんだよということです。こういったところの考え方というのは今の私、学校経営でも同じように活用させていただいているところです。

【友添主査】 子どもの生活をどのように捉えるかという点で、柏原奈保委員と共通の問題意識を共有していると感じています。子どもの生活実態を踏まえた教育の在り方は、まさに喫緊の重要テーマであり、本日の議論でも大切な論点になるものと思います。続きまして岩佐委員、お願いいたします。

【岩佐委員】 高槻市立冠中学校の岩佐と申します。私は「小中高の接続の観点を踏まえた中学校保健体育の充実」と題しまして、高槻市での取組を中心にお話しをさせていただきます。まず高槻市は大阪府の北部に位置しております中核市で、市立の小学校が41校、中学校が18校ございます。本市における小中高の接続を踏まえた中学校保健体育科の課題です。小中の接続の観点からは、中学校の教員が小学校での学習内容を十分に理解できていないのではないかという現状があると感じています。子供たちが中学校へ入学すると、中学校の先生から「小学校でここまでは教えておいてほしい」というような声を耳にすることがあります。しかし、その背景には中学校教員が小学校の学習指導要領を十分に理解しないまま、自身の感覚で発言しているのではないかと感じる場面も見られます。次に教科指導における小中連携の課題です。例えば、本中学校区では学校運営面での小中連携は組織的に取り組んでいるものの、各教科の授業について連携という点ではまだまだ不十分だと感じています。子供たちのスムーズな接続を考えると、学校生活の中心である授業について小中の教員が話し合う機会の少なさを課題に感じています。続いて中高接続の観点からの課題です。中学校の教員は子供たちが卒業した後、高校の保健体育の授業でどのような学びをしているのかを知る機会がほとんどないため、その姿をイメージした授業づくりが難しいなと感じています。また小中の教員は同じ校区内でお互いの学校を行き来するような機会はあるのですが、やはり中高の間では設置者の違いということもあるのか、中高の教員が連携する機会の少なさや難しさがあると思っています。このような課題に対して小中接続を踏まえた高槻市の取組についてお話をさせていただきます。本市では高槻市教育研究会という仕組みを生かして取組を進めています。この研究会は高槻市立小中学校の教職員や市教委の指導主事によって組織されていまして、各教科等において主に学習指導要領に基づく教科、領域に関する調査研究を行うものです。本研究会を着実に推進するために、市内の全小中学校では水曜日を5時間授業として、毎月第2週目の水曜日が研究日として設定をされています。本研究会での中学校保健体育部では毎年研究テーマを設定して、年間の実施計画を立てて取り組んでいます。今年度は「共生の視点を重視した授業改善」をテーマに取り組んできたところですが、小中接続の観点から年に2回、小学校体育部と連携をしてお互いの授業を参観する計画を立てています。今年度は12月に中学校教員が小学校の授業を、1月に小学校教員が中学校の授業を参観しました。中学校では12月の小学校の体育授業を参観するにあたって、11月にはその領域の小学校での指導内容について理解を深めるための研究会を実施しました。今年度は小学4年のネット型ゲームの授業でしたので、小学校学習指導要領におけるゲームおよびボール運動の指導内容を正しく理解した上で、それらの系統性を踏まえて中学校での球技の授業改善について考えました。中学校教員からの意見では、「中学校で突然バレーボールの内容に入るのではなく、小学校でのプレルボールやソフトバレーボールなどを取り入れていってもいいのではないか、段階を踏んだ授業計画を立てたほうがいい」というような声が聞かれました。続いて1月には中学1年の体育理論の研究授業を小学校教員にも見てもらいました。小学校では体育理論の内容はありませんが、小学校での授業づくりの何かヒントになればとも考えて設定をしました。また、後の研究協議において小中の教員が共通の視点で話し合うことができるようにするために、事前に授業の視点も示した上で実施をしています。研究協議では共通の子供たちの姿を共有して検討できるように、同じ校区の小中の教員がグループとなって協議を行いました。さらに本校の1年生が教員のグループ協議に参加して、生徒の視点から授業に対する意見を伝え、その意見をもとに教員が授業について考え、話し合うことをしました。グループ協議の中では生徒からは水泳の授業を例に挙げながら、するだけでなく、みる、支える、知るなど、いろんな観点から授業に関わることで学習への参加の仕方が広がったことを先生方に伝えていました。このように同じ校区の小中の教員が協議することで、体育の授業での子供たちの学びの連続性を確認しています。協議を通してある中学校教員は同じグループにいた生徒の声を全体に紹介をしてくれました。それは、「体育があまり好きではないという2人の生徒でしたが、するだけではない関わり方があることを知ったことで、自分も活躍できることがわかり、この1年で体育が楽しいと思えるようになったこと、そしていろんな関わり方があることを学んで、仲間の良さに気づけたり、日常の他の場面でも活かせたりすることがあると話をしてくれたそうです。生徒から直接話を聞くことができて大変勉強になった」と意見を言ってくれました。また小学校教員からは次のような意見もありました。「小学校では体育理論の内容はないんだけども、小学校教員も『する』『みる』『支える』『知る』の関わり方を感じながら授業をしてきていると思う。小学校教員ができることはこんな関わり方があるよねと、小学校段階から授業に取り入れていくことで、中学校でまた違った学び方もできるのではないか。小学校でもできることはどんどん進めていきたい。」このように授業を実際に受けてきた生徒の声を聞いたり、直接質問したりすることで、授業で目指す方向性がより明確になり、生徒の実態を踏まえた授業づくりに活かすことができると考えています。また、小学校教員の考えを聞くことで、小中接続を意識した授業づくりにも繋がるのではないかと考えています。次に、中高の接続を踏まえた取組の可能性についてです。これまでに本市で実施してきた取組としては、年度当初に中学校教員が近隣の公立高校の授業を参観したり、中学校の研究授業の案内を市内の公立高校へ配布したりするなどして、高等学校の校長先生や保健体育科の先生方と授業について交流する機会が得られたものの、やはり継続的な取組に結びつきにくいというのが現状です。そのため、保健体育の授業に関して中学校と高校の先生方が継続的に連携していくためには、そのための仕組みが整えられるといいのではないかと思っています。最後に、小中高の接続の観点を踏まえた中学校保健体育の充実に向けて考えられることとして、まず小中の接続に関しては次の点が考えられます。特に大切なことは、やはり中学校教員が中学校学習指導要領の趣旨や内容を踏まえた授業づくりを行うことです。そして小学校での学習内容や系統性について正しく理解した上で中学校の授業づくりを考えること、また小学校における指導方法の工夫を参考にすること、そして小中の教員でお互いの授業を参観し話し合う機会を作ることなどが考えられると思います。中高の接続に関しては、中学校教員が高校での学習内容について、その全体像を理解しておくこと、また学習指導要領の内容を踏まえて中学3年と高校入学年次の指導について中高教員で共有する機会を作ること、さらに授業に関する中高連携を継続的に推進していくために、そのための仕組みづくりを進めていくことと考えています。小学校から子供たちを引き継ぎ高校に送り出す役割を担う中学校では、教科の目標である生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成するために、中学校教員として小学校や高校の学習内容についても把握し、両校種の先生方と交流する機会を持つことが大切ではないかと感じております。

【友添主査】 小・中・高等学校の体育という教科での接続に関する取組についてご発表いただきました。お話をお伺いしながら、小・中・高の体育・保健体育の解説書、これを1冊に合冊することで、全体像をより俯瞰しやすくなるのではないかと感じたところです。このあたりまた、後ほど意見交換で議論が深まれば興味深いと思います。
それではこれより意見交換に移りたいと思います。ご発表いただきました委員の皆さまへのご質問、ご感想等、ぜひ活発にお寄せください。時間の方ですが30分程度を予定しています。ご意見等ある方は挙手ボタンを押してお知らせください。それでは渡辺弘司委員お願いします。

【渡辺委員】 日本医師会の渡辺でございます。柏原奈保委員、藤田委員、それから南委員のご発表に関して簡単に意見を述べさせていただきたいと思います。まず柏原奈保委員がおっしゃられた、自らの課題が明確に理解できていない、つまり保健領域での学習が自分ごととなっていないということ、それに対応する、そういう状況になると、それに対応する意味づけが理解できないので、他人ごとのように感じて、結局実践できる能力が身につかない。これは全ての子供への教育に限らず、全ての健康教育に見られていることだと思います。自身の課題に対して自分の健康状況、つまり学校健康診断の情報とか、自分の睡眠時間、SNSの利用時間、そういった個人特有の情報を活用した学習であれば、少しは自分のこととしてインセンティブが働くんじゃないかなという気がいたします。また、委員がおっしゃられたその表現力というところなんですけど、私は学校医なので表現力がどういう意味かわからなかったんですけど、実践力というのも大事じゃないかなというふうに感じた次第であります。藤田委員がおっしゃられた学校における安全に関して、PTAを含めた地域の管理は非常に重要な視点であると私も思います。ただご存知のようにPTAに関しては、いろいろ課題があって、以前ほど活発な活動ができない地域が増えてきてますので、地域性という形で対応していただくのがいいんじゃないかなと思います。それから実践事例においては、保健の時間に限らず各教科において学校安全教育を推進するという、教科横断的なお考えというのは非常に素晴らしいと思いますし、賛同するところであります。ただ以前から申し上げておりますように、ヒヤリハットによる事例の対応というのは、ご存知のように航空機事故から生まれたセーフティーワンの考えであって、既存の悪しき点というのは非常に有用ではありますけども、以前にもお話したように、東日本大震災の津波や放射線障害のように、想定外の事態に対応にできる力であるセーフティーツールの能力をぜひ教育に加えていただきたいというふうに、これはお願いでございます。最後に南先生がおっしゃられた、本来の保健の見方・考え方が働くようにするために必要な事項を整理する必要があるというお考え、全くその通りというふうに思います。その中でお示しになられた、実際に使おうと思ったけどもがん教育のツールはあるけれども、精神疾患とかストレスに対するツールがないというのは非常に私も感じているところでございます。実際にこういう方針とか指針とかできても、学校の先生がそれを実践しようと思うツールがなければ、実際に対応できないので、これはスポーツ庁の方にお願いしても仕方ないかもしれませんが、文部科学省の方にはぜひ、精神疾患とかそのような系統的な年齢に合ったツールというのをやはり公的に作っていただければという、これは委員の先生じゃなくて文科省の方にお願いをしたいと思います。私の方からは以上でございます。

【友添主査】 ご質問というよりもご意見という形でお伺いをしました。また後ほどよろしくお願いします。それでは斎藤委員お願いします。

【斎藤委員】 4名の委員の先生方、ありがとうございました。初めに、岩佐委員のご発表にあった小中の連携については、私の地域でもかなり熱心に進められているは思いますが、高槻市の発表は大変参考になりました。一方で、中高の連携が難しいというのは私も感じていて、本県では研修センターで中高の教員の合同研修を行ったり、小中高合同の研究発表会等を開催したりしていますが、なかなか距離が縮まらないという印象も持っております。先ほど友添主査から学習指導要領を一緒にするというアイデアも出ましたが南委員や佐藤若委員のような高校の校長先生に、高校側から中高の連携についてどのようにお考えになられている、どういう印象を持たれているのかお聞きしたいと思いました。次に柏原奈保委員、南委員、藤田委員の発表では、やはり保健や安全教育は今重要な内容、現代的な健康課題の解決や、取り組まなければいけない安全教育などが大変多くあると思いました。特に安全教育については、学校教育全体で取り組む内容として教科横断的、また様々な教科が専門的に取り組まなければいけない内容をうまく分けていかないと、保健はカリキュラム・オーバーロードのような状況になってしまうのではないかなという懸念も持っております。柏原奈保委員の発表では、子供たちの生活に生きるような授業を展開されていましたが、一方で小学校の保健の授業は授業時間数が少なく、このような内容を実施するのは時間的な苦労があるのではないかという印象も持ってます。柏原奈保委員には、時間数と指導内容や、育成する資質・能力のバランスなどを学校現場ではどのように捉えているのかというのを質問したいと思います。また、南委員からは、先ほど教科横断的や、探究な学びというところまで発展したお話があったので、体育、保健体育にとどまらない指導の在り方や学習指導への示し方に対してどのようなご意見を持たれているのかをお聞きしたいと思いました。藤田委員の、安全教育は学校教育全体で取り組まれているという意見が大変参考になりましたので、保健に関する指導については、保健体育という教科でどこまでできて、どこから学校教育全体でなるのかというイメージをお聞かせ願いたいと思います。

【友添主査】 今、斎藤委員の方からお尋ねがありました件について、後ででも結構ですので、ご意見等ありましたらご発表の先生方お願いいたします。南委員どうでしょうか。

【南委員】 はい、ご質問ありがとうございました。まずですね、本校がありますのは滋賀県の田舎の地域なので、近隣の中学校や小学校との連携が非常にしやすい、こう地理的な有利性があったので、そこを私は着任してから大いに活用させていただいて、高校生が中学生とあるいは小学生と関わるようなそういった活動を取り入れたり、逆にこう来ていただいたり、もっと開かれた教育課程をするために地域の方にも参加していただけるようなそういった学校行事を計画して実施をしたりしているところです。いわゆる教育課程上にあります、予定にあるような時間割だけじゃなくて、特別活動も活用するっていうことは非常に重要な視点なのかなというふうに思っているところです。私が着目したのは高校で新しく取り入れられたがん教育や精神疾患を、どのようにしてこの教科教育の中できちんと教えていくのかっていうことがスタートしたばっかりですので、失敗ばかりですけれども、子供たちには確実にゲストティーチャーのやっぱりこう言葉が伝わってきて、いろんな意味でこう考え方が変わってきたとか、捉え方が変わってきたというそういった感想も現実あるので、そういった感触をしっかり手応えを感じながら進められているので、今後もしっかり取り組んでいきたいなというふうに思っているところです。本当にありがとうございます。

【友添主査】 ありがとうございます。他にご発表いただいた先生方、今、斎藤委員からのお尋ねについて何かご意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

【柏原奈保委員】 あ、じゃあ私の方からお話しさせていただいていいですか。

【友添主査】 はい、どうぞお願いします。

【柏原奈保委員】 やはり時数と指導内容を踏まえたうえで、、子どもが自分ごとになるような学習をと、すごく悩みながら現場で授業をしているのが実情です。特に指導内容が加わった怪我の予防の学習はなかなか4時間では苦しい。実際、横浜市の方は保健について研究している部会もあるのですけれども、そこでも今年の授業実践の中で4時間でやったけれども、やはり内容的には5時間じゃないと十分子供たちが活用しきれるような学習にならないっていうことで、だいぶ悩んでいました。ですので、そこをどうやってコンパクトに理解させるべきことを理解させて、その上で子供が考えるような時間を創出していくかという、本当に授業改善を考えていかなくてはいけないなと思って日々苦労しているところです。

【友添主査】 はい、柏原奈保委員ありがとうございました。他にご発表の先生方よろしいでしょうか。それでは中村委員お願いします。

【中村委員】 私の方では柏原奈保委員の方の発表に対して、私なりの感想と質問を1点お願いさせていただきたいと思います。まず本当に柏原奈保先生のおっしゃるご発表内容っていうのは私も共感しかなくて、保健領域の学習が子供たちにとっての自分ごとになってないという指摘が本当に今現場で感じているところです。例えば教科書の内容を知識として理解している、要は知識理解ですね、していても、健康の原則と自分の生活を結び付けて考えるところに課題があるということは、今後のやっぱり授業の在り方としても改善が必要な点だというふうに私も感じています。その上でスクリーンタイムの増加については、学校の学習目的におけるICTの活用というのがこれから進んでいくと思うんですけども、その部分と家庭での利用という部分を分けて整理をする必要があるのかなという上で、量だけではなくて目的や生活のバランスという視点が重要だと考えています。その上で自分ごととして捉えるのであれば、自分のスクリーンタイムなどをまずはパーソナルヘルスレコード、PHRとして可視化して、それを保健の教科内容と結び付けて、例えば視力の問題であったり心の問題であったりっていうところに展開していくという授業形態も考えられるのかなというふうに少し思ったところです。その上で1点質問なんですが、本当に教えていただければと思うんですけど、例えば柏原奈保先生のところで子供の健康とかそういった部分に関して、自分自身のデータを見て何か授業に展開したというような実践事例がありましたら教えていただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

【友添主査】 はい、柏原奈保委員いかがでしょうか。

【柏原奈保委員】 はい、ありがとうございます。自分のデータを使っているものは結構あるんですけど、自分の身長と体重の伸びとかっていうのは割と多く使っているところかなと思います。そこを入り口にしながら発育とか発達について考えるいうことは多くやっています。それから怪我の学習でも自分の最近になってからの怪我の状況っていうところをスタートにしながら学校ではじゃあどういうところでどういう怪我が多く起きてるんだろうっていうふうに広げたりして考えていくっていうようなこともよくやっているところですね。病気についてもまあ割と自分スタートっていうところは多くなっているかなと思いますが、終末がどうしても自分に向かないっていうところが課題なのかなと思っています。

【友添主査】 引き続いて意見交換を進めたいと思います。佐藤豊委員お願いします。

【佐藤豊委員】 3名の先生方お疲れ様でした。小中高それぞれ、それから保健体育と両方からの意見を聞かせていただいたので、まさに教育課程のところで言う我々のそのミッションであるいわゆる縦と横、スコープとシーケンスのところから考えるきっかけをいただいたと感想として思いました。友添先生言われたように小中高の指導内容の見える化が一番いいんですけど、それを20年前に指導内容の整理表を取り入れた際に皆さんがそのように言われましたが、順番が小中が先に出て高校が後から出てくるっていう関係上、高校には全部載せられてるんですよね。第2版から一覧表を追加することができたら対応できるのではないかと思いました。まず基盤として我々保健体育というものが何を教えていく教科なのかを先生方の話を聞きながら考えていく必要があって、保健と体育っていう両方が基盤になりますので、そこからカリキュラムマネジメントでいわゆる教科外のものに繋げたり他教科とも繋げたり、あるいは地域に繋げていくっていう横の広がりの視点と先生が言われた小中高の繋がり、岩佐先生とかもお話しされた小中高の縦の関係で見ていく必要があり、それがうまくいかない原因として、1つは県と市区町村の教育委員会の所管が違うことによって中高が繋がらない1番の原因になってることもあるので、例えばICT等を活用して先生方の学びのプラットフォームを充実させていくことや、あまり学習指導要領を読んでいただけていない方に対する対策の必要性という課題もあるので、どこでエラーが起こってるのかを分析したうえで解消できるといいかなと思いました。

【友添主査】 中・高の連携がなかなか体育のところ、体育だけじゃないと思うのですが進まないということですが、この辺り高校での教職のご経験がある先生方、佐藤若先生いかがでしょうか。

【佐藤若委員】 先ほど岩佐先生の発表を聞いて校種の接続が改めて大事だな実感したところです。特に中高の連携のところで岩佐先生の方からご提案等もあったと思いますが、まず1つは中3と高1の学習内容は同じなので、そこのところは高校の教員も理解してると思うんですけども、2年前に山形で全国学体研をした時に、やっぱり高校の教員は中学3年生のところだけでなく中1中2のところまで戻って、何を指導してきたのかを理解した上で高校生を指導していくことがすごく大事だと研究した先生方もすごく実感を持っていました。それから先ほど佐藤先生からもあったと思うんですけども、所管が違うというふうなこともありますが、山形県では小中高合同で研修を実施していたり、県の学体連等では小中高グループで研究討議をしながら情報交換も密にできるようになってきてるので、そういった積み重ねが大事だと思ってます。まうちは地域性もあるので中高連携はうまくできて思いますけれども、なお一層そういった視点を持って学校経営していくことも大事だと思ったところです。

【友添主査】 今日のご発表の3つが保健あるいは保健科教育や安全教育ということですが、ご専門のお立場から、この辺りいかがでしょうか。植田主査代理、よろしくお願いします。

【植田主査代理】 発表してくださった委員の皆様ありがとうございます。ちょっとお時間いただいてもよろしいでしょうか。特に今日は保健の内容なども多かったものですから、私の考えとか意見を述べさせていただきたいと思います。まず自分ごとにするということは保健ではとても大事なことです。これは小中高校全てでと思います。日常の生活とか行動と保健的な原理原則であるとかあるいは概念、そこをどう繋ぐか、あるいは相互に交流するかという双方向性をどう取るかっていうことをですね、ここを検討する必要があります。学習指導要領の改訂ということではあると、概念とか原則というところを示していくということになると思うのですが、例えば学習指導要領の本体ではそういったものが中心となると思うのですけれども、解説のところで日常の行動とか具体の生活行動とか具体に関わるようなものを何らかの形で提示をしていくっていうことは一つ考えられるのではないかと思いました。それからやはりそういったものを自分ごとにするためには知識の伝達だけではなくて方法ですね、そこを考えていく必要はありますし、また中高になってきますと意外と用語の暗記の授業に終わってしまうということもあるということもよく言われます。ですから授業を改善するということがとても大事なのですが、授業を改善する際の目標、内容、方法、評価というふうに考えた時、目標の部分とか内容の部分は学習指導要領で示していくことができます。方法のところってなかなか難しいのですけれども、やはり今日出てきましたように課題解決の方法であるとか、あるいは体験的に学ぶことであるとか、演習的に学ぶことであるとか、そして最終的に子供たちがなるほどとか、こういうことなのかと腑に落ちるような形に持っていくっていう、そういったところをどこで示すかっていうことは検討していく必要があるなと思いました。特に中高の方で言うと意外と覚えた用語をそのまま回答させるようなテストっていうのがまだあったりするものですから、そういった評価のところも改善していかなければなりませんが、これは学習指導要領が作成された後に検討する必要があるかなというふうに思います。藤田委員から特に教科横断的な必要性が謳われて、安全のところについては、まず体育科、保健体育科の内容もありますけれども、そこから数学、技術・家庭科、図工、それから総合的な学習等紹介されましたが、そういう教科横断的なところに発展させていくっていう、そういったプロセスがあるということで、そのこととそれからまたヒヤリハットのところでお話あったように現状をまずきちっと見て、それを分析して、そして対策を取る、これは先ほどの中村先生のご質問の中で保健の方でも取り上げることができるんじゃないかというふうに思っていたんですが、まず現状をきちんとデータなどで把握して、それを分析して、そしてその後の対策をどう考えていく、こういうプロセスっていうのはとても大事だなっていうことを感じました。また藤田先生のご発表で体験的に学ぶことで最終的に中高生が生徒会活動であるとか様々なことで環境を変える主体になっていく、これはセーフティプロモーションの1つの柱だと思うんですけど、これは南先生もおっしゃっていたヘルスプロモーションと同じような考え方で、保健においてもやはり特に上級生になればなるほどそういった環境を自ら変えていくような力っていうのが大事で、これまで検討されてきた保健の見方・考え方でも謳われているので、そこはやはり大事にしていく必要があるなというふうに感じました。教材についてですけれども、がんに関する内容は一定のまとまりで新しく教えられるということで補助教材などが国の方でも作られたりしました。精神保健でもそういうのが必要かもしれませんけど、あまり作りすぎると、先生が創造的に授業が造り出せないということにも繋がるので、どこまでを示して、あと先生方にどう力を高めていただくかっていうことはやっぱり慎重に考えていく必要もあるなと考えています。岩佐先生が小中高校の系統性のお話をなさいまして、これは保健においても全く同じだと思いますし、今議論している保健の方でも系統性を小中高校できるだけ分かりやすく示そうという検討を進めていますから、それをやはりこのワーキンググループできちんと固めて示していくっていうことは大事だというふうに思いました。以上です。

【友添主査】 いかがでしょう。あとお一人、どなたかご意見、ご感想等がございましたらお願いします。よろしいでしょうか。

【岡出委員】 ごめんなさい、私いいですか。

【友添主査】 はい、岡出先生、どうぞお願いします。

【岡出委員】 多分今ずっと言われてることの中で、私もう1回考え直さないといけないなっていうふうに思ってたのは、なぜ多分例えば自分ごとのところに落ちてこないのかっていう、多分そういう問題って考え直さないといけないんだろうなと思ってるんですよ。小学校、中学校、高校でも同じような概念等が子供さんたちに紹介をされる、あるいは色々な提供場面が紹介される、あるいは試行錯誤の場面が提供されてるけども、子供さんにはなかなか落ちないって、その理由は何だっていうこと多分なるんだと思うんですね。それはいろんなものを学習していく時にやっぱり基本的にどういう文脈の中で学習していってるのかっていうことがかなり問題になって、それは一気に汎用性の高いところには多分行かないと思うんですよ。なので、その授業を提供する時の文脈っていうのをどういうふうに作っていくのかっていうことも、指導内容等を提示する時には、これ体育も合わせてどっかでまた論議できればなというふうに思いました。以上です。

【友添主査】 日本の教育学の歴史を見てみると、大体教科主義あるいは経験主義、つまり科学の成果を重視するのか、それとも生活を重視するのか、あるいはその両方の兼ね合いや折衷でやるのか、こういうことが随分議論されてきたと思うのですが、ただ根本的に今の時代は生活そのもの、子供を取り巻く生活や環境そのものが非常に大きく急速に変貌を遂げていて、今までのような長い時間のスパンの中で徐々に生活が変わるわけじゃなくて、急激に生活の変化があるということ、こういうことをどう考慮していくのかっていうことが、教育における教科内容の決め出しには非常に大事になってくるだろうなと、岡出委員のお話をお伺いしながら感じていました。
最後お1人になりますが、ご意見ご感想をいただければと思いますが。それでは、意見交換はこれまでとさせていただこうと思います。柏原奈保委員、藤田委員、南委員、岩佐委員、ご発表ありがとうございました。いずれのご発表も学校現場における取組を踏まえた内容で、体育あるいは保健体育との学びの質の充実を図る上で多くの示唆があったと思いますし、これから会議の後半が始まりますが、その内容とも非常に関係した内容だと思います。非常に有意義な時間であったかと思います。

【友添主査】 それでは議題2に入ります。体育科・保健体育科における指導の改善充実に向けてです。まずは事務局よりご説明をお願いします。

【赤間 企画調整室長】 本日の資料は資料の2ですけれども、その前に1点ご報告をさせていただきます。参考資料の2という資料がございますけれども、こちらについては2月の2日に開催されました教育課程企画特別部会の資料でございます。これまで見方・考え方、それから目標、それから資質・能力の構造化というところでご議論をいただき、各教科の体育科も含めた、各ワーキングの状況というのをこの企画特別部会の方にご報告をさせていただき、ご議論をいただいたというところでございます。そこでの議論の内容をここで詳細にご説明することは割愛させていただきたいと思いますけれども、そこでの多岐にわたるご議論を踏まえて、資質・能力の構造化の状況を踏まえたさらなる検討の方向性ということで、これまで示されている総則・評価特別部会で整理をされていますチェックポイント等も踏まえて提示されている事項について精査をしていくというようなことの方向性が示されている状況であることをご報告申し上げます。
さて、その上で資料の2について本日の内容についてご説明させていただきたいと思います。体育科・保健体育科における指導の改善・充実に向けてということで、今日の議論の柱3つございます。1つ目については目標や見方・考え方等に用いている表現ぶり、こういったものの整理をしていく必要があるのではないかというところ、体育の方で言えば運動スポーツの楽しみ方関わり方、それから保健に関していきますと概念とか原則、こういった用語でございます。それから2つ目、各段階を見通した保健体育科の学習の充実についてということで、これは具体的には体育の内容になってまいりますけれども、中学校高等学校段階のさらなる検討、それから選択制の趣旨を踏まえた指導の改善充実、それから体育理論といった部分も含めてご議論をいただきたいと思っております。それから3ポツの保健学習の系統性については、前回お示しをした内容にいただいたご意見を踏まえて、さらにブラッシュアップをしたものをご提案させていただきたいと思っております。まず1つ目の柱でございますけれども、目標等に用いる表現の整理ということで3ページ目でございます。運動・スポーツの楽しみ方関わり方体育の関係でございますが、まず見方・考え方のところに今回運動・スポーツを多様な楽しみ方の視点から捉えていくということが入っております。それから体育の目標、知識技能の部分、これは小学校の部分を抜粋しておりますけれども、自他の運動との関わり方、こういったものを理解をしていくというような表現も入ってきております。その上で1つ目の丸のところにございますように、現行の学習指導要領ではこれらの言葉というのをどういうふうに用いているか、これは体育理論の解説の内容を引用させていただいておりますけれども、いわゆる運動スポーツの「する」「みる」「支える」「知る」などの多様な関わり方があるという表現、また楽しみ方に関して言えば、体を動かす楽しさ、運動やスポーツの特性や魅力に応じた楽しさ、人々と協働する楽しさ、等々の多様な楽しみ方があるというような表現、また自己に適した運動やスポーツの多様な楽しみ方を見つけたり工夫をしたりするというような表現もございます。その上で次の丸でございますけれども、現行の指導要領においてこの楽しみ方という言葉、これ主に運動やスポーツをするということによって得られる楽しさ、こういったものを表現しているということに加えまして、当然ながらこの「する」過程以外にも、様々な方法を組み合わせることによって、より豊かに運動スポーツに親しむことができるということも、当然表現をされているものだというふうに考えております。従前からこの運動スポーツについては「する」以外にも「みる」「支える」「知る」などの要素がある、そしてそれは現行の学習指導よりも反映されているわけでありますけれども、その上で、昨年の9月に施行されておりますが、改正スポーツ基本法、こういった動きの中で、スポーツに関しましてどう繋がるといったような要素っていうのも示されているというような状況もございます。こうした「する」「みる」等の各要素、その行動と結果としてのこの楽しさの享受というところが、直接的にこう関係をしているということもございますし、それぞれが様々な要素から運動スポーツの楽しさ、そういったものを含めたスポーツの価値とか意義とか、そういったものを見出していくということが、まさしく体育科の目標であります。この豊かなスポーツライフの実現という部分においては、まさに重要であるというふうに考えられることから、今回の学習指導要領改訂においては、この多様な楽しみ方という言葉にそれらを包含して、一体的に整理をすることとしてはどうかということをご提案させていただいております。それから1番下の丸については、関わり方という言葉でございますけれども、これは現行においては、「する」「みる」等々の要素、そういったものを指し示す文脈で用いられることがあるわけでありますが、今般の改訂においては、その資質・能力というものを再整理する中で、公正あるいは協力、責任等々の態度に関する要素、こういうものを運動との関わり方として再整理をしていくということであります。この態度に関する要素の具体的な知識、あるいは汎用的な知識といった部分に着目をして、子供たちになぜこういった態度が必要なのか、態度というかそういった関わり方が必要なのかということを本質的な理解を促していく、その中で自分や運動やスポーツとどう関わっていくのかという、そういった意思決定に繋がるような深い学びを実現しようとすると、そういった今回の改善の趣旨とこの関わり方ということの文言の使い方っていうのが、親和的に整理ができるのではないかというふうに考えてございます。その上で整理イメージということで、多様な楽しみ方、あるいは運動との関わり方というのを、ここに示したような内容で整理をしていってはどうかというようなご提案でございます。それから4ページ目、保健に関しての内容でございます。保健に関する概念と原則ということで、健康や安全に関する概念やそれに関わる原則に着目して捉えていくと、これが保健の見方・考え方に入っております。その上で現行の学習指導要領においてどういうふうなことが記載されているか、見方・考え方にかかる解説高等学校の部分に、保健に関わる原則や概念を根拠としたり活用したりしてというような内容が入っているというところでございます。その次の丸でございますが、もうこれまでの前半の議論ともまさしく軌を一にするわけでありますけれども、保健学習、これはその社会の変化に伴って、様々な現代的な課題というものも絶え間なく出現をしている中で、またその情報化が進む中で、子供たちが様々な情報に触れる、その中でその情報を取捨選択し、課題を解決していくために、適切に自己決定をしていく力を育んでいくと、これがまさにその保健学習の保健教育の肝でありますけれども、そのプロセスにおいてこの保健に関わる概念、それに関わる原則というものはまさにキーとなる要素であるというふうに考えています。具体的に、内容のまとまり、例えばその安全な社会の生活、これは高等学校の内容のまとまりでございますけれども、その中で概念原則っていうものがどういうふうに捉えられているかというところを紐解いてみますと、概念としましては事故の発生には、様々な人的な要因であったり、気象条件をはじめとする様々な環境要因が関連しているということを理解していくと、これが概念としてございます。それからそれに関わる原則といたしましては、安全な社会の形成には、様々な環境の整備と、それから適切な行動などの個人の取組、そして地域との連携、そういったものが必要であるということが、それに関わる原則として示されていると、こういったものを理解する中で、事故の発生をできるだけ防止をしていくというところを、考え、そして行動化に繋げていく、そういった学びの深まりや、汎用的な資質・能力に繋げていくところが、求められているというわけであります。その上で、下から2つ目でありますけれども、この概念や原則は、内容のまとまりによって、その性質がやはり異なっているわけでありまして、現行の学習指導要領の中には、この見方・考え方の中で、言及こそありますけれども、それぞれの内容のまとまりごとの概念が何で、それに対応する原則と何かという、具体的な対応関係が必ずしも明確となっていないというところもございます。そういった意味では、先生方にそういったところを意識して指導をすることに難しさがあったり、あるいは具体的な生活行動と結びつけた学びの深まり、まさしく前半の議論と全く軌を一にするわけでありますが、そういった指導についての課題が見られているというような状況もございます。こうした状況を踏まえまして、今般の改訂におきましては、引き続き、この見方・考え方の中で、概念や原則が学習の鍵になるということを適切に表現した上で、具体的な部分については解説において、例えば、それぞれの内容のまとまりごとに、概念や原則というものがどういうものを指し示すのかということを、噛み砕いて示していくということ、それから今回この資質・能力の構造化の中で、その学びの深まり深まった姿というのを高次の資質・能力という形で示していくということとしておりますけれども、そういったものを中心として、内容の特質に応じて分かりやすく示していくこととしてはどうかということです。これらを踏まえて、整理イメージ概念とか、あるいはそれに関わる原則というものについて、こういうふうな内容で皆様方と共通認識を図っていきたいというふうに考えてございます。それから、次2つ目の柱でございます。各段階を見通した体育・保健体育科の学習の充実ということで、こちらについてはこれまでもご議論いただいております、体育のいわゆる4-4-4の発達段階を踏まえた系統性を示した図であります。この4-4-4の考え方の中で、それぞれの段階の中で、要は階段のように、技能も含めたですね、様々なこう系統性というのが急に上がってくるということではなくて、子供の発達段階っていうのは連続性があるわけでありますから、その中でスロープのようにそれぞれの部分がこう接続していくという、指導に繋げていきたいというところであります。これまでの議論の中で、この4-4-4の部分をご議論いただいているわけですが、具体的にその4年間というものがどういう位置付けになるかということ、今回の改善の方向性も踏まえて、整理をさせていただいております。それがそれぞれのこの4年間の下のところに中ほどになりますが、点線枠囲みで書いている内容であります。最初の4年間、各種運動の基礎を培う時期というところに関して言いますと、神経系の発達が完成に近づく時期であります。その上で、子供たちの内発的な動機付け、こういったものに基づいた学習というものを、最大限取り入れていくと、そこでまさに運動遊びというものを通じて、そういったものを生かしながら学んでいくと、そして子供たちの好きとかやってみたいという欲求を丁寧に育みながら、生涯にわたって運動・スポーツに親しむ心身の基礎を豊かに育んでいく、そういった4年間にしていきたいという形でございます。それから緑色の帯の部分の4年間、ここは小学校と中学校がまさに接続する段階でございますけれども、筋骨格系、あるいは呼吸循環器系、こういったものが発達をしていきますと、その中で身体の充実に伴って、ダイナミックな動きができるようになってくる、そうして運動のスケールが広がっていくというようなことになっていくわけですけれども、さらにある程度、スポーツの文化とか理論とか、そういったものにも触れることができるようになる時期でもあります。まさに中学校からこう体育理論の学習も始まっていくわけでありまして、そのこれまでの動き、運動の実践、そういった経験を横断しながら、生涯にわたって豊かに働く資質・能力へと昇華をさせていく4年間というふうに捉えてございます。それから中学校3年生から始まっているこの4年間について、こちらは身体の発達がほぼ完成に近づいていくという中で、自らの状況に合わせて競技的なスポーツに挑戦をしていったり、あるいは理論を踏まえて運動やスポーツをより楽しんだりできるようになる時期と考えられます。そういった意味では、豊かなスポーツライフの実現というものを見据えて、自分にとっての運動やスポーツの価値や意義、そういったものを見出しながら、楽しみ方を考えながら選択をしていくと、そういった4年間であろうと、これらを通じてですね、子供たちの好きとか楽しいというものを丁寧に育みながら、まさに体育科の目標であるこの豊かなスポーツライフの実現というものに繋げていくと、こういったコンセプトを全体として整理をしております。その上で、下にさらなる検討の方向性ということで細かな事例でありますけれども、例えば上2つの丸につきましては、特にこの緑色の帯の部分、小学校5年生から中学校2年生の段階についてどういう方向性で考えていくかということを書いてございます。まさに運動技能も含めて、やはり個人差も含めて、色々出てくる、そしてまた子供たちの多様性というのも一層多様化しているというようなところでいきますと、やはりこう運動嫌いとか体育が苦手であるという意識が一番発生しやすい段階でもあるというふうに考えますと、全ての子供が安心して楽しく運動に取り組むことができる機会というのをやっぱり体育の授業の中で、しっかりと保障していく必要があるだろうと。特にこの小学校中学校という学校種が接続する段階であるというところの中で、突然中学校に入った途端に、過度な高度化ということではなく、やはりルール等を簡易なものとした運動を通した学びを基本として、滑らかにこう接続していく、そういったことを考えていってはどうかというところ、それを通じて中学校2年生までの段階で、多くの運動領域に豊かに経験できるようにしていくということを考えてはどうかというふうに考えてございます。それから3つ目の丸のところは中3からの4年間の部分になりますけれども、まさに運動スポーツを主体的に選択していく自己選択、そして生涯スポーツの楽しみ方に触れていくという意味で社会との接続をしていく部分、そして生涯にわたる自分にとっての運動スポーツの楽しみ方を考えていく、豊かなスポーツライフの実現、こういったことを基本的な考え方としつつ、技能の部分に関しては、過度な高度化にしている部分もあるのではないかという指摘も踏まえながら、技能の系統性というものを今一度見直していくと、そういったことによって、子供たちがよりこの運動やスポーツの楽しさを味わうことができ、卒業後もそういったものを豊かなスポーツライフに繋げて実現していくという、このまさしく選択制を用いる趣旨というものを踏まえた、指導が一層充実していくことができるのではないかというふうに考えてございます。その上で、下から2つ目のところでございますけれども、今言った改善のコンセプトはご説明したわけですが、こういったものが要は単に技能の水準を下げるというような改善の方向性というふうに取られるということ自体は、我々としても避けなければいけないというふうに思っております。そういった意味では、今回のコンセプトというものが、全ての子供たちの発達の段階に応じた豊かな学びを保障していくものであるということ、そして子供たちの好きとか楽しいとか、そういったものを丁寧に育みながら、まさに体育科の目標を実現していきましょう、そういった趣旨であるってことを十分に周知していく必要があるというふうに考えてございます。そのために先生方が実際に授業を展開していただけるような授業イメージが持てるような、方策というものを当然合わせて考えていく必要があるというふうに考えてございます。また最後の部分に関しては中高の体育理論に関して、これは後ほどご説明しますけれども、内容構成というものは基本的に現行の構成を考え基本としながら、改正スポーツ基本法の考え方、こういったものも取り入れながら検討していってはどうかということでご提案をさせていただいております。6ページでございます。選択制の趣旨を踏まえた指導の改善充実ということで、今回これは改善の大まかな方向性を検討するという趣旨で、当然具体的な内容は追って検討する前提でありますけれども、その大まかな方向性を議論する上で1つの運動領域の内容を切り出して、議論イメージを検討していただきたいというふうに思っております。まず現行のボール運動、球技の中のベースボール型の技能の系統性を今回お示ししてございます。上に指導要領の本文、告示にどう書いてあるか、あるいは各解説の例示でそれぞれの技能についてどういったものが例示されているか、そして横軸にそれぞれの発達段階、2年ごとの内容のまとまりで示しておりますが、そういったものをお示ししてございます。下の方に総括して我々の問題意識を書かせていただいておりますけれども、特に中3以降の段階、この赤枠の点線囲みの内容の部分になってまいります。ここがいわゆる選択制になっているわけでありますが、技能が洗練されていく姿というものが内容として盛り込まれていく、安定したバット操作であるとか安定したボール操作であるとか、そういった内容が盛り込まれていくわけですけれども、やはり色々な子供たちの多様性、様々な技能の程度の子供たちが安心してこういったものを選択しながら取り組んでいくということ、それから限られた活動時間の中で十分な指導と評価というものの実現可能性ということも含めてですね、そういった部分について困難な面があるのではないかというような問題意識も持ってございます。そういった意味ではこの選択制の趣旨が十分に生かしきれない状況に繋がるような状況も考えなければいけないのではないかというふうに思っています。その上で7ページ目でございますけれども、どのように改善をしていくかというイメージでございますが、この運動の技能の内容が過度に高度なものとなっていないかというところに関しては、まさしく今の多様性の中での子供たちの実態というのをしっかりとらえて考えていく必要があると思います。一方でその生涯スポーツの楽しみ方に触れていくという点においての部分も当然大事にしていかなければいけないわけでありまして、そういったところをバランシングしながら、慎重に見直しをしていく必要があるだろうというふうに思っております。いずれにしろ大事にしなければいけないのはこの4年間がこの選択制を用いる趣旨を踏まえた指導になっているか、そういったものを充実していくという方向で検討していく必要があるだろうと。そして2つ目の丸のところでございますけれども、そういった場合に十分に技能の水準に達している子供がつまらなくなると言いますか、そういった子はどうしたらいいのかというような議論になりがちだと思いますが、そこは当然のことながら発展的な内容に取り組むというようなことも当然考えられるわけであります。重要なことは子供たちの状況に応じて運動スポーツの魅力を様々な形で味わうことができるようなまさに指導上の工夫ということになってきますけれども、そういった余地があるものとしてこの内容というものを分かりやすく示していくということ、こういったことに我々も留意をしながら検討を進めていってはどうかというふうに考えてございます。その上で下のところですね、こう表でお示しをしておりますけれども、中学校1、2年生からの発達段階でお示しをしておりますが、1、2年生の部分に関しては基本的にこの指導内容の水準というものは基本に維持しつつ、必要に応じて当然運動領域の特性等々ありますので、そういったものを必要に応じて見直しをしてはどうかというふうに考えてございます。その上でこの選択制となっている赤枠囲みの4年間のところに関していきますと、中3から高1程度で示している内容については必要に応じて高2、つまり高校の入学年次の次の年次以降に位置づけるということも考えていってはどうかという形でイメージを提示させていただいているものでございます。それから8ページでございます。今度は体育理論の話でございますけれども、体育理論の内容についてご案内の通りであります。中学校において運動やスポーツの多様性、その意義や効果、安全な行い方、文化としてのスポーツの意義等々を学習し、高等学校においてはそれをさらに深めていくというような位置づけであります。現状改善イメージということで中ほど下にありますけれども、豊かなスポーツライフを実現していくというだけではなくて、スポーツ文化を創造していく主体となっていくということを考えていきますと、まさしく運動スポーツをするだけではなくて、「みる」とか「支える」とか「知る」とか、多様な楽しみ方の視点でこういったものを捉えられるようになっていくということ、それから文化や経済教育といった多面的な側面からこういったものを捉えられるようになっていくこと、そしてまさしくこの安全な行い方も含めてですね、適切にこういったものの理解を深めていくってことは引き続き重要なことでありまして、体育理論を学ぶ意義というのはまさにそういったところにあるだろうと。そういった意味で言いますと、現行の体育理論の構成要素そのものに関しては必要な要素というのはおよそこう満たされているだろうというふうに考えておりますが、次の改訂におきましては昨年改正をされましたスポーツ基本法、こういった動きもございますので、そういった改正法の趣旨等々にも留意をしながら、現行の構成を基本としながら必要な部分について検討を進めていったらどうかというふうに考えてございます。それから下から2つ目の丸のところ、この体育理論の学習というのがまさしく運動実践、体育、体を動かす領域との関連を図ることによって、この運動の特性や魅力を一層理解をする、あるいは運動やスポーツの価値というものをさらに深めるというところに大きく資するものになっているというのは疑いのない事実でありまして、まさしくこういった関連が図られるように意図的計画的にこういったものを取り扱っていくってことを推進していってはどうかということ。また保健体育科という教科としての一端もありますので、そういった意味での保健との関連についてもさらなる充実を図ることができないかというふうに考えてございます。また体育理論に関しては、教材研究とか授業モデル、そういったものに関しての事例というのが必ずしも多くはない、そういった意味では先生方がそういったものの実践事例に触れるという機会も必ずしも多くないというような状況がございます。そういった意味では、先生方が授業作りに役立てることのできる学習機会の充実に、我々も意を用いていく必要があるのではないかというふうに考えてございます。最後3つ目の柱でございます。保健の学習の系統性の改善イメージということで、これは前回お示しをしたものについて、ご意見を踏まえてブラッシュアップしたものでございます。下の方に改善の方向性3つほどお示しをしております。1つ目の丸については従前の通りであります。内容のまとまり相互の関連性が複雑になっていたり、取り扱う内容が広範になりすぎていたりしたものを必要に応じて細分化をし、それぞれの段階を見通した、系統的な指導がしやすいような整理に見直しているというところでございます。その上で、2つ目の丸、各段階における学びの順序性を整理していってはどうかということのご提案でございます。前回の会議の中でも中学校の心の健康、こういったものについては中学校に入ったできるだけ早い段階でそういった指導が必要なのではないか、あるいは中学校の傷害の防止に関しては、中学校1年生というよりは2年生の方がいいのではないかというようなご議論もあったと記憶しております。それらも踏まえまして、健康の大切さ等にかかる、基礎的な資質・能力を身につけながら、その基礎を元に少しずつ学習の範囲や深さを充実していく、そういったことができるように、まず健康な生活といった内容のまとまりについて学び、続いて体に関すること、あるいは心に関することについて理解を深めていくような順序性で整理をしてはどうかということで見直しを図ってございます。それから1番最後の丸でございますが、各段階における学びのイメージを一層即した表現に改善をしていくということで、上の表でいきますとこの黒い帯の部分でございます。小学校段階におきましては身近な生活に照らしながら、実践的な内容を学んでいく、その中で健康安全に関する基礎を培っていく、それから中学校段階においては抽象的な思考なども活用しながら、自他の健康安全に関する内容をより科学的に捉え直していく、そして高等学校段階においては社会との関わりや生涯を見通す視点も取り入れながら、総合的に健康安全について理解を深めるといった、学習イメージを端的に表現をいたしまして、こういった内容を合わせて周知を図っていきたいというふうに考えてございます。長くなりました事務局からの説明は以上でございます。

【友添主査】 これまでの議論を踏まえながら目標等に用いる表現の整理について、それから中・高体育の改善イメージ、さらに保健の学習の系統性改善イメージについてご説明をいただきました。これより意見交換を行いたいと思います。時間は40分ほどを予定しています。ご意見等がある場合には、可能であればスライドの何ページ目とご指示いただければ、共有できるかと思います。またご意見等を頂戴するときには挙手ボタンを押していただけえばと思います。佐藤豊委員お願いします。

【佐藤豊委員】 赤間室長、すごく分かりやすい説明をありがとうございました。趣旨が非常に伝わりました。ご説明を踏まえて3点述べたいと思います。まず、参考資料で出た総則・評価特別部会ですけれども、多分この専門部会からの意見もある程度フィードバックしていただけるという点からすると、知識・技能の語尾は、「分かる」となっているので、これ評価をする際に、技能の「できる」は、どのように落としてくれるのかっていう点で、体育などの技能を重視する教科では、「分かる」ことがゴールではなくて、同時に身体を用いて「できる」ことを重視して指導をしていますので、その点について考慮いただけないだろうかという点が1点目でございます。2点目、今日のところでいきますけど、多様な楽しみ方と関わり方のところのスライドのところでございます。基本的には賛成なんですけども、関わり方については、今回は、態度の内容が移動する関係でそう示さざるを得ないので、いいんですけど、これまで現行では、「多様な関わり方」という用語を多く使ってきているので、「多様な楽しみ方」にすると、これまでは「する」「みる」「支える」「知る」に加えて、「集う」と「つながる」を足すと「多様な楽しみ方」ですという説明では、少し弱いかなと思って、例えば体育理論ではライフスタイルとかライフステージとか、生活の様式とか年代によってという視点があるので、そういうところを通して、楽しんでいけるような資質・能力っていう意味での「多様な楽しみ方」のような形で、より深い解釈もできるのではと思います。解説作成時の協力者に、ある程度パイを投げて、学校の理解が進むよう検討を続けることで齟齬がなく進むのかなと思いました。確定じゃなくて、もう少し時間をかけて概念の整理をする時間が必要かなと思いました。3つ目、体育のところでさっきの技能の資料ですが、これ具体的にこうなると取られてしまうと高校では技能はできない子に合わせて教えなくていいといった間違ったメッセージが伝わらないようにっていうのは赤間室長の方も丁寧に説明していただいたと思うんですけども、444の3ステップで言ったら、一言で言うとですね、「運動が好きになる」、「できるようになる」、「多様に楽しめるようになる」っていう大きな枠組の中で時間をどう使ってどういう学習内容を展開しましょうかって言ったときに技能のみならずですね、思考力、判断力、表現力等や従来の学びに向かう力、人間性等で示していた内容をバランスよく育成を図ろうとしたときにどういう時間の取り方をしましょうかって考えた際に、トータルパッケージで言うと技能をもしかしたら現在より少し抑えてそれ以外の資質・能力の育成にしっかり時間を使うというのも必要なのかなっていう文脈かなというふうに思いました。高校において体育理論のところのところですけど、まずはしっかりと実施しているかって実施していくということが何よりも1番大事かなと思いまして、そのところのメッセージも同時に出していただいたのかなというふうに思います。僕も高校出身ですけども、体育理論や体つくり運動はやっぱりしっかりやるっていうことが最後多様な楽しみ、楽しめるようになる素養の完成だと思うので、その辺のところは子供たちのニーズからすると動きたいという欲求強いですけども、教えるべきところはしっかりと教えながらこう汎用的にそれらがこう連動しながら授業が充実されてくるといいかなと思います。すいません長くなりました。以上です。

【友添主査】 ありがとうございました。渡辺弘司委員お願いします。

【渡辺委員】 渡辺でございます。2点、1つ目の柱の4ページと3つ目の柱の9ページに関して意見を述べたいと思います。4ページに関しまして上から3つ目の丸に例えばというところで安全な社会生活というところの概念のところの要因に人的要因と環境要因などとなどが書いてあります。このなどというのはおそらく想定されるに突発性もしくは想定外のアクシデントを考えておられるのかというふうに推察されますけれども、このなどが何を意味するかが分かるような記述を今後ご検討いただければというふうに思います。それから3つ目の柱である9ページの系統、保健の系統性のイメージでございます。心の健康を中学1年生に位置付けていただいたことは賛成でございます。理由としては小学校と中学校では校舎や通学などの環境、人間関係を含め大きく環境が変わる子供が大半を占めます。精神的ストレスを抱えてる人は環境によって急変することは多く見られることであります。そうした状況を考えますと、中学校段階でもなるべく早い段階で悩みや不安への対応について学ぶべきと思います。その上で申し上げますと、不安や悩みについての対処法については1度学んだからそれで良いというものではなく、悩みや不安に対してどう対処して良いかなどは学習の後もできるだけ細やかに触れる機会があることを望ましいと思います。そうすることで子供たちは想定しない状況に置かれてる時もいざという時にどうしたら良いか、自らを考え行動に繋げることができると思います。保健は安全と同じく、単に知識を得ることがエンドポイントではなくて、アクシデントがあった時や不安を感じた際に自らが考え最適な選択ができる実践能力を身に付けることが大事ではないかと思います。そういった意味で心の健康を含めた健康に関する学習的な学習内容はですね、保健のみで学べば完結するということではなくて、教育活動全体で横断的な、今日も色々横断的なという意見がございましたけども、視点を持ちながら考えていく必要があると思います。最後にちょっと言い方が変なんですけど、この保健の系統図すごく見やすいですね。体育に比べて非常に見やすいという考え方もありますけども、なんか大雑把なという気がせんでもないです。体育の方は非常に細やかに書いてあるんですが、例えばこの保健の方は心の健康は中学1年生にブロックがあるとここで終わってしまうような誤解を生みかねないと思います。特に保健の方が簡素な書き方だと歪んでるわけではないんですけども、是非継続性があるというようなことを含めた、つまりスタートアップはこうであるけども継続したナッジ理論のような介入が必要だということをここの資料に書かなくて結構でございますので、今後の解説等でご検討いただければと思います。以上でございます。

【友添主査】 ありがとうございました。ご検討していただくようにします。岡出委員、お願いします。

【岡出委員】 2点だけです。保健のところの概念と原則っていうこの時の概念っていうのは何を指してるのかっていうのが、概念的知識だとか汎用性、具体的多いよね。具体的とかそういうことで今いろんな言葉がこう流れてると思うんですよ。それとの多分整合性っていうことはどっかで取った方がいいんじゃないかなっていうふうに感じましたっていうことがまず1点目です。これ体育の理論のところとかでも概念っていうものの捉え方が一定してるか、そうでもないところもあるような気がしてるので、そういう整理どっかでお願いできればなっていうふうに思いました。これはスライドの4だったと思います。あと1点は技能の高まりをどう見るのかっていうところ、スライドの6出していただいていいですか。これ、本文を見ていただくと、小学校の5、6年生のところと中高のところの文末が違ってるんですよね。小学校の文末のところは最後はゲームをすることっていうふうに示されていて、中学校以降のところはそのゲームをすることっていうこと自体は基本的に出てなくて、攻防することっていうふうに書かれてるんですけど、ゲームをすることっていうことは、ゲーム中のちゃんと判断ができるって、そのための知識をちゃんと習得して、それを使い切っていくっていうことが大事で、この、使い切る時の条件が変わるとある技術が易しくなったり難しくなったりしてしまうっていうことが当然起こると思います。時間制約とか人数が増えれば当然、判断のプレッシャーも大きくかかっちゃうので、結果的にできないっていう状態になってしまう。そういう意味ではこういう系統表を作る時に領域にもよると思うんですけども、判断っていうふうに言われているものも当然加味する必要あるなっていうふうに思ってますし、それを、実際に特に球技とか武道もそうだと思うんですけど、試合とかそういうとこで発揮できるようになるための条件をちゃんと整えていきましょうっていうメッセージはどっかで出した方がいいんじゃないかなっていうふうに思います。それは今誰も取り残さないっていう趣旨からすると、そこが結構大事になるような気がしました。

【友添主査】 はい、ありがとうございます。具体的には、いわゆる解説の議論かと思います。今日は、赤間室長の方からは提案趣旨をご理解いただくために具体物として、仮にお示しをするというような形での、扱いぐらいでイメージしていただければと思います。はい、金岡委員お願いします。

【金岡委員】 素晴らしい、内容と思うんですけども、9ページの、怪我の防止の点についてちょっと考えがあるんですけども、今日の前半の議論の中でも、なかなか自分ごととして捉えられないと、確かにがんや精神疾患についてなかなか自分ごととして捉えるっていうのは難しいかもしれませんけども、体育の授業あるいはスポーツ活動、部活動、それにおいて体をたくさん動かすことによって、体に何らかの故障が起きるっていうふうなことが、よくあると思います。実際、私スポーツドクターとして診療していて、そのような事例っていうのはたくさん起きるわけですね。ですので、前半の議論でもちょっと感じたとこなんですけども、スポーツセーフティっていう考えで安全な環境を作る、安全な状況にするっていうのはもちろん重要なんですけども、それに加えて何らかのコンディショニングがうまくいかない時に、その個人の体の中で体の使い方、あるいは準備運動が足りないとか、そのようなことによって起きる故障、使いすぎによる障害、それについてちょっとかなり手薄だなっていうふうに以前から感じているところです。その中でここの怪我の防止っていうところに怪我と故障の防止、それがつまり“傷害”っていうふうな意味合いになりますので、故障についてもある程度捉えていただきたいというふうに感じております。例えば6ページにあるバットを全身を使って振り抜くというふうな、上から右端の上の2つ目にありますけども、体全体を使ってバットを振り抜く、それがうまくできていれば腰への負担はそれほど起きないはずなんですけども、例えばバット振るのにもう腰の回旋だけで振っていると故障を起こしてしまうだろうと、そのような、ちょっとうまくいかなかった時にどういうことが起きるかっていうようなことも、すぐに何らかのエビデンスを持って教科書的な形で入れるっていうのは難しいとは思うんですけども、そういう故障が起きるっていうようなこともどこかで捉えていただけるとありがたいんじゃないかなと思います。以上になります。

【友添主査】 ありがとうございました。続きまして渡邉正樹委員お願いします。

【渡邉委員】 私からは2点ですね。まず、スライド4枚目をお願いします。保健に関する概念と原則が、このように具体的に示されたらとても良かったと思います。というのは、前の見方・考え方では、原則や概念が書かれてはいたのですけど、その中身が何だったのかよく分からなかったところがありましたので、こういう形でこれから進めていくのかなと思います。そうしますと、概念と原則の間には順序性が出てきますので、今まで、解説には、原則や概念というように、原則を先に書いていたんですが、やっぱりこれから概念や原則という順になっていくのかなと思います。それと、解説の中に「これは概念とは」「原則とか」って書いていくのかどうか、もしそれが書けないのであれば、それが伝わるような解説の書き方っていうのが、必要になってくるとに思いました。次、スライドの9枚目をお願いします。系統性のイメージを、細かくしたことで分かりやすくなった反面ですね、これに当てはまらないケースが出てきてしまってるので、そこをちょっと、検討していただきたいんですが、例えば中学校の「医薬品の正しい使用」は疾病の予防に入ってますけど、高校の「医薬品の制度と活用」は健康を支える環境づくりの方なんですね。つまり、この矢印は繋がってないんですよね。あと保健医療機関の内容もやはり同じような状況であるので、疾病の予防から矢印を、環境づくりの方にも1つ引くのか、あるいは高校の中の内容のまとまりの中身を再構成してくのかどうか、っていうのはそこの検討が必要だと思いますので、今のままですと全てにこれが当てはまるという形にはないので、そこの検討をお願いいたします。

【友添主査】 ありがとうございました。細川委員、お願いします。

【細川委員】 私の方からは2点お願いいたします。まず1点目は、5ページの、4-4-4のところこちらについては、やはり、体育学習の全体像を、見る上でとても重要かなと思って、ちょっとこだわっております。それぞれの時期を表すこと、言葉についてですけれども、最初の小1から4年生のところについて、前回、「運動の基礎」と言いますと、なんとなくこう身体的な面での技能のイメージがちょっと強くなってしまうのではないか、っていうことをちょっと発言させていただきましたけれども、今回、例えば、中頃にあります、点線内の囲みの言葉はとても素敵だなと思っているんですが、例えば、その言葉を生かして、各種の、運動に親しむ心身の基礎を培う時期とか育む時期といったような言葉にした方が、なんとなくこの小学校の4年間を表す言葉としては、ふさわしいかなと思ったところです。あと、真ん中について、2行目の「特にスポーツの、文化や理論の基礎に触れる」という言葉を足してくださったことは、とても良いなと思いました。実技や体育理論を通してこうしたことを学ぶということがしっかりこう位置づけられたことで、体育の学びの姿が見えるような、ただ運動するというだけではない形が見えたなと思いました。そして、スポーツの文化ということで、体育を文化に繋げていく、そしてまた選択制に繋げ、さらに障害者スポーツに繋がっていくような面で、この文化という言葉が入ったことも良いかと思いましたが、こう並べてみた際に、突然小学校5年から中学2年のこの時期の言葉がこうすごくハードルが上がってしまうような、突然なんかこう難しくなっているようなイメージに感じ取られるのではないかなということをちょっと危惧しているところでございます。皆様その辺りどのようにお考えかなというふうに思います。あと続きまして2点目は7ページの選択制以降の学習内容について、やはり選択制の授業で何を身につけるか、何を重視していくかということを考えた際に、やはりあまり技能の面が、多く記載されているのはカバーしきれないのではないか。それよりも子供たちが自分たちでどのように運動を企画運営していくかとか、自分たちで楽しむにはどうしたらいいかといった障害者スポーツに繋がるような力を身につけるということも重要になってくるかなと思いましたので、先ほど佐藤豊委員が技能を少し抑えて、他の資質・能力に時間を使うと言いますか、そういったことを大切にするのはどうかといったご意見あったかと思いますけれども、そういった方向で少し改善を進めていくという方向に賛成でございます。

【友添主査】 ありがとうございました。それでは前島委員お願いします。

【前島委員】 すごく分かりやすく整理されて見やすくなったなと思っています。まず資料3ページ目の前回ですね、この態度ですね、丸の5つ目、関わるという言葉を使うことの心配という話をしたんですが、これはやはり現場の先生たちに説明する時にはより丁寧に説明をする必要があるだろうと思います。心配が混乱にならないようにするということが大事ではないかと思います。2つ目はですね、5、6、7ページの系統図のものなんですが、小学校5、6の運動と中学1年2年生の運動をどういうふうに解説で示していくのかってことが大事かなと思っています。そして運動とスポーツ競技の違いをどういうふうに理解し、どういうふうに示していくのか。名前を変えたけれども内容が一緒ということにはならないと思いますので、この運動とスポーツの違いっていうのをしっかりと示していく必要があるだろうというところ、それから中1中2の運動から中3に繋げられるような、このなだらかなスロープ上の繋ぎ方っていうことも考えながら書いていくことが必要だろうと思います。

【友添主査】 それでは次、森委員お願いします。

【森委員】 2点お願いします。まずスライド4ですが、今回、概念と原則を整理して示していただきましてありがとうございました。私は、一般的な世の中で言われている原則と、学習指導要領上の原則に多少違いがあると思っています。例えば学習指導要領に書かれる原則は指導内容としての原則になるので、一つの原則であっても世の中で言われている原則と示し方が異なることも出てくるのではないでしょうか。その辺の指導内容としてまとめていく上での概念や原則については、そのことを前書きや注釈のようなものでどこかに示していかないと混乱が生じると思いました。これが1つ意見です。
2つ目が9枚目です。はい、全体は非常に分かりやすくまとめていただいたんですが、高等学校の「心の健康と対策」の対策というフレーズが気になりました。現在、心の健康は「精神疾患の予防と回復」という内容になっており、個人的・社会的な対策よりも社会環境を整える内容の方が示されていると思います。「対策」は個人としての内容も入ってきますので強い感じがするので、例えば「社会環境の整備」など心の健康の内容がイメージしやすい言葉にした方がいいのかなと思いました。下の「疾病の予防と対策」はいいと思いますが、心の健康は精神疾患だけでなく精神保健に関する内容も入ると思いますのでお話しさせていただきました。

【友添主査】 ありがとうございます。続いて岩佐委員、お願いします。

【岩佐委員】 私は8ページの体育理論のところです。体育理論の改善イメージの2点目、2つ目の丸のところです。改正スポーツ基本法のところでは、スポーツの果たす役割としての「集う」「つながる」というふうに捉えているのですが、現行の構成を基本としての検討ということについては、私はいいのではないかなと思っています。中学校では、「する」「みる」「支える」「知る」という、運動やスポーツの関わり方としては、中1の段階で指導をすることになっていますが、「集う」「つながる」という内容を含めていくという場合は、例えば中高で分けるなど子供たちの発達の段階も考慮しながら検討を進めていただけたら、ありがたいなと思っています。2点目です。同じく体育理論の改善イメージ、3つ目のところです。体育理論と各運動領域との関連を図った指導ということについては、先ほど少し発表の中でも、体育理論の内容を入れさせていただいたんですが、本校では、今年度1年間を通して、この関連を図った指導に力を入れてきました。その成果として、中1の子供たちの振り返りの記述に、「小学校まではすることだけだと思っていて、苦手なことがあると、できないで終わってしまっていたんだけども、上手な人を見て学んだり、友達に教えてもらったり、支えてもらったりして、できないをできるに変えられるように工夫できることを学んだ」とあって、このように考えることができる生徒が増えてきたなと実感をしています。このような子供たちの学びを見ていますと、やはり体育理論と運動領域との関連を図った指導や年間指導計画の工夫の重要性について、本校の教員自身が実感をしており、教員の学びにも繋がったと感じています。

【友添主査】 ありがとうございます。この後、柏原(聖)委員、藤原委員、南委員、植田委員、中村委員、佐藤若委員、日野委員、柏原奈保委員、大井委員、宇山委員までとしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、柏原(聖)委員、よろしくお願いします。

【柏原聖子委員】 私からは2点です。まず5ページのところなんですけれども、小中高の接続というか、4-4-4のところで、特に今回は中3からの段階ではのところが、詳しく記載されて、今後の方向性がすごく見えた感じてるところです。さらなる検討の方向性の3つ目のポツの生涯スポーツの楽しみ方に触れること、社会との接続のところのこの生涯スポーツの定義を、教えていただければと思います。いわゆる一般で使われてる生涯スポーツというと、多くニュースポーツなどが多く、当たるのかなというふうに思いますけども、この上の領域の中で、少し、触れていくというふうなことでいいのか、それとも生涯に渡りスポーツの楽しみ方に触れていくというふうなことなのか、そのあたりを教えていただきたいと思います。2点目は体育理論のところです。8ページなんですけども、体育理論は本当に大事だなと自分が高校現場で教えてる時も、子供たちが本当に今まではスポーツは勝つしかないとか勝つものだみたいな、そんなイメージをもつ生徒がいましたがスポーツを楽しむとかそういったところも、「する」「みる」「支える」「知る」を知ることによって、一層充実したな思います。先ほど岩佐先生とかもお話しされていたと思いますがその充実を図る上で、例えば体育理論の中でも「運動やスポーツの健康・安全」が2年生の高校のところでも入っています教師の中ではなかなかこう関連を図ると言っても、なかなかマッチしないところもあるのかもしれないので。実技と体育理論と、保健との関連をどのようにこう図るかについて、例えば、解説の中に具体的にこういった、関連の仕方があるなどというふうなことが書かれると、現場の先生がよく理解して指導計画などを作れるのではないかというふうに感じました。

【友添主査】 ありがとうございます。藤原委員、お願いします。

【藤原委員】 スライド5ページのところで少しお話しさせていただきます。小学校ではこれまで1、2年生で行ってきた運動遊びを3、4年生まで拡大する方向で話が進んでいますが、今回のこの5ページでは1年生から4年生までの各種の運動の基礎を培う時期になぜ中学年までが運動遊びなのかといったことが表の下部の点線で囲まれた部分に大変分かりやすく書かれてあって、ここが非常に重要だと感じています。3、4年生の学習が運動から運動遊びに変わることに対しては、現場の教員からは「ではどう授業を変えていけばいいのだろうか」「中学年でも運動遊びでいいのだろうか」といった不安や戸惑いが生じるであろうといったことがやはり予想されます。そのため、なぜ中学年までを運動遊びと位置づけるのかを現場の先生方がしっかりと理解しなければ、名称だけが変わっても授業そのものが変わらないということになりかねないと考えます。「神経系の発達が完成に近づく極めて重要な時期であること」「内発的動機付けを重視し、子供たちが夢中になって全力で取り組む運動遊びを通して学ぶこと」「子供たちの好き、やってみたいという欲求を丁寧に育て、生涯にわたる運動・スポーツに親しむ心身の基礎を豊かに育むこと」といったことについては、現場の教員にしっかりと伝わらなければならないと考えています。またさらなる検討の方向性の案として示されている下から2つ目の丸のところも非常に重要だと考えています。そこには「改善は単に技能の水準を下げるということではない」といったことを初めとして、「教師がこうした趣旨を踏まえた授業のイメージを持てるような方策が必要ではないか」といったことが書かれていますが、まさにその通りだと考えています。小学校の体育の授業は、やっぱり多くの場合学級担任が担当しています。必ずしも体育科専門の教員が行うわけではありません。そのような中で、運動遊びの「遊び」といった言葉だけに引きずられ、楽しく活動はしたものの、どんな力がついたのかが曖昧な授業になってしまうことは避けなければならないと思います。子供たち一人一人の運動経験や学習経験などの実態を踏まえ、この運動遊びが高学年の運動へどう繋がっていくのか、系統性も意識しながら遊びの要素を取り入れた学習を運動遊びの授業として進めていくことが大切で、そうすることで小学校1年生から4年生までの時期に身につけさせたい力や動き技能などをより確実に育成できると考えます。「楽しいな、もっとやってみたいな」と思えるような学びの積み重ねこそが生涯にわたって豊かなスポーツライフの実現に繋がるのだというメッセージを現場の先生方にしっかり届けていくことが重要だと考えています。

【友添主査】 ありがとうございます。南委員、お願いします。

【南委員】 私は9ページです。2つありまして、1つはですね、中学校で学ぶ内容を、この時間だけだよっていう、この時期だけだよっていうふうに限定するんではなくて、幅広く学習として取り扱うことができるような柔軟性を是非取り入れて欲しいというふうに思っていることが1つです。もう1つは、森委員の方がおっしゃった「対策」という言葉なんですが、やはりこの予防医学の中で見ると、やはり対策というものが、名前、言葉っていうのは含まれています。例えば、我々が学んでいる一次予防の中では、やはり健康の増進と社会的対策というふうにこう分けて定義されてますので、やはり予防は対策の中にあるよねということで言うんであれば、ちょっと言葉と使い方っていうのをまた工夫していただければありがたいなと思います。このことについてはお医者様の方からもご意見いただければありがたいです。

【友添主査】 まず植田委員、お願いします。

【植田主査代理】 8ページをお願いします。体育理論についてのところで、現状認識、改善イメージの丸の3つ目になります。1番最後に、保健との関連についてさらなる充実を図ることができないかということがありまして、体育理論、やはり「みる」「知る」「支える」っていうような、キーワードの中にある一定の部分については、やはり保健との関連が図れるのではないかというふうに思います。例えば、運動と骨、筋肉、あるいは骨粗しょう症の関係、それから運動と運動不足と病気とか、それから運動と心の健康とか、あるいは熱中症の問題とか、そういったこと、あるいは応急手当ても含みますが、そういったことは関連すると思うのですけれども、これらは体育理論との関連というよりむしろ1行目にあるような実際に体を動かす領域、実践ですね、こことの関連っていうのを図る可能性っていうのはあるのではないかと思っています。学習指導要領の、解説書の内容の取扱いというところがありますが、小学校の現行では体を動かすことで生涯にわたって骨や筋肉、そういったものを高める、発達させることができるっていうふうにしめしてありますが、それ以外はあまりありません。特に中学高校はないように思うので、そういったところでの関連を示していくっていうことは現場の先生にとって、メッセージとして伝わるのではないかというふうに思いました。

【友添主査】 ありがとうございました。中村委員、お願いします。

【中村委員】 私については4ページのことについて少し意見させていただきます。先ほどのやっぱり実践内容から現行の保健学習で行われている授業実践がやはりこう外在的な知識として扱われがちなのかなというふうに感じているところです。つまり児童生徒が自分の生活行動、意思決定と結び付けて学ぶ状態に届きにくい状況がある、これは本校においてもそうだと感じています。これは例えば授業における先生方が、自分ごとに捉えさせていける、言葉かけが必要なのだとは思うんですが、だとしたら指導要領そのものに先生方がその意識を持てるような記載というものも書きぶりに表していくことができないだろうかという、ここは私の思いでございます。例えば、概念が社会制度、環境ベースで説明されているように私は感じてしまうんですけれども、例えばそれが学習者本人の体験とか行動とか感情意思というような出発点から扱われていくというような、こう意識が向くような書きぶりにすることで、自分意識に持っていくことが必要だという先生方へのメッセージに繋がるのではないかというふうに感じています。もし可能であれば例えば今後、概念や定義そのものに自分を中心とした見方というような文言が内包されることで、内容の自分ごとかというものを先生が意識して、その指導要領の書きぶりを意識した先生方が授業において、実践していくことで、子供たちがこの保健領域について自分ごと化していくのではないかというふうに考えております。これについてじゃあどのような書きぶりがいいのかという、具体的な提案は、この後、メール等でさせていただければと思うんですが、可能な範囲でこの中に自分ごとということが意識的に入っていくような書きぶりもあると、先ほど出てきたようなご発表の素晴らしいこう内容が、内包されていくのかなというふうに感じているところです。

【友添主査】 ありがとうございます。佐藤若委員、お願いします。

【佐藤若委員】 私からは2点です。まず5ページのところなんですけれども、小中高の接続というか、4-4-4のところで、特に今回は中3からの段階ではのところが、詳しく記載されて、今後の方向性がすごく見えた感じてるところです。さらなる検討の方向性の3つ目のポツの生涯スポーツの楽しみ方に触れること、社会との接続のところのこの生涯スポーツの定義を、教えていただければと思います。いわゆる一般で使われてる生涯スポーツというと、多くニュースポーツなどが多く、当たるのかなというふうに思いますけども、この上の領域の中で、少し、触れていくというふうなことでいいのか、それとも生涯に渡りスポーツの楽しみ方に触れていくというふうなことなのか、そのあたりを教えていただきたいと思います。2点目は体育理論のところです。8ページなんですけども、体育理論は本当に大事だなと自分が高校現場で教えてる時も、子供たちが本当に今まではスポーツは勝つしかないとか勝つものだみたいな、そんなイメージをもつ生徒がいましたがスポーツを楽しむとかそういったところも、「する」「みる」「支える」「知る」を知ることによって、一層充実したな思います。先ほど岩佐先生とかもお話しされていたと思いますがその充実を図る上で、例えば体育理論の中でも「運動やスポーツの健康・安全」が2年生の高校のところでも入っています教師の中ではなかなかこう関連を図ると言っても、なかなかマッチしないところもあるのかもしれないので。実技と体育理論と、保健との関連をどのようにこう図るかについて、例えば、解説の中に具体的にこういった、関連の仕方があるなどというふうなことが書かれると、現場の先生がよく理解して指導計画などを作れるのではないかというふうに感じました。

【友添主査】 ありがとうございます。日野委員お願いします。

【日野委員】 今回指導の改善充実についてのがテーマでもありましたんで、今後のですね、改訂保健体育科の改訂の方針や要点に関わって、個別の資料というよりも全体的な話の意見等を述べさせてもらうと、5ページの方をお願いします。基本は、現場の先生方が無理なく質の高い指導を行える工夫改善が、これから求められるんじゃないかなと思っております。そうした際に1つが深い学びの実装ってのは言われてますので、今回もですね、単に技能の水準を下げることなくという形で示されているように、○○運動とした意図や意味、あるいは子供から見た緩やかな接続がより分かりやすく伝えていく必要があるんじゃないかなと思っております。技能の高度化を抑制することで、現場の先生方、中高の先生方の意欲を低下させないように、方向性としては個別の技能を易しくし確実な定着を図りながら、汎用性や転移可能な知識や技能の理解を深めたり、状況判断を伴う技能の発揮を、確かなものにして、より楽しさの質や学びの質を高めるための改善であるっていうことを伝えていく必要があるんじゃないかなと思ったところでもあります。さらに、高等学校の方のところで自分にとって運動やスポーツの価値や意義を見出しつつ楽しみ方を考えて選択するってあるんですけれども、選択制のところでやっぱり多様な楽しみ方を、生徒自身が主体的に作るとか広げていく経験や、自分自身の今後のキャリアも視野に入れながら、豊かなスポーツライフを実現するために、スポーツを自ら企画したり調整したりしていくような、そういう経験も重要になっていくんじゃないかなって思っております。そういった視点での、高等学校の最後のイメージを作っていくことも必要かなと思いました。そして2つ目に多様性の包摂とか言われてますので、方法的な視点からの多様性の包摂もあるんですけど、スポーツの価値や意義を目的的に学ぶ上で、体育理論と運動領域や実践との往還を図っていく、そのために例えば障害者スポーツやパラスポーツといった活動等も、組み込みながら、スポーツの価値や意義を目的に学習していくような内容等も踏み込んでいくのも必要じゃないかなと思ったところでもあります。最後にやっぱり1番重要なのは、実現可能性の確保ではないかなと思っております。よりシンプルにとか、より分かりやすくしていくんですけど、一方で学びの質の充実を図っていくところのメッセージを伝えていく必要があるんじゃないかなと思いました。以上になります。

【友添主査】 ありがとうございます。柏原奈保委員お願いします。

【柏原奈保委員】 2点お願いします。1点は5ページ目についてです。このように具体的な形を示していただいてありがとうございました。先ほど岩佐委員のお話にもあったように、私も小学校中学校での接続というところの重要性はとっても感じていました。今回文面の方にも「滑らかな接続」ということが表されていて、子供の状況を考えるとお互いの指導要領の理解だけにとどまらず、具体的な学習の方法とか、取り上げる種目だとか、それからルール等についても、接続を考えながら話をし、小中の授業を繋いでいく必要があるなというふうに思っています。今回「ルール等を簡易なものにした運動を通して」というようなことも示されていますので、このように書いていただけると小中の連携の必要性も生まれてくるので、是非現場の方にも浸透させていきたいなというふうに思いました。2点目です。2点目は9ページのものになります。9ページの方の保健の学習のことで、上の方に小学校の部分で実践的に身近な生活を中心としたっていうふうに書いていただいていることがとてもいいなと思いました。先ほどお話しさせていただいたように、やはりより小学生だからこそ身近なものを取り上げながら実践を通した学びの形態はとても大事にしたい。それが子供たちの自分ごととした学習に繋がるだろうというふうに思っています。ただ、より自分ごととして学習の質の向上を図っていくためには、やはり各指導者が指導の工夫をできるような、ゆとり、学習のゆとりが必要じゃないかなと思っています。ですので、質の向上を図るということを考えるのなら、もう少し指導内容の見直しを図りながら中学校でと考えるものなどを精選を図っていく必要があるのかなと思いました。

【友添主査】 ありがとうございます。大井委員、お願いします。

【大井委員】 他の委員と重なるところもありますけれども、2点お話しします。まず5ページですけれども、今日前段でもお話のありました校種間のですね、接続をより円滑に、しっかりと子供の学びを繋いでいくという意味においてもですね、このように分かりやすく整理していただいて、これをですね、現場に伝えることで、先生方がしっかり見通しを持ってですね、指導できるんじゃないかなというふうに思いました。で、特に中段の点線の部分で、4か年ごとのですね、その考え方を分かりやすく示していただいたことが、大変良かったなというふうに思っております。これをいかに教員に分かりやすく伝えていけるかというところがですね、大切かなというふうに感じております。2点目が、8ページですけれども、体育理論です。下段のポツの3つ目に、保健との関連についてさらなる充実を、ということでありましたけれども、すでに、運動やスポーツの意義や効果、それから安全な行い方っていうことに関する学習内容はですね、保健の学習内容と関わる内容が示されておりますけれども、よりそれらをですね、学んだことを結び付けて学びを深めていくっていうことをですね、意図的に教師が指導できるような、そういう示し方をですね、工夫できるといいんじゃないかなというふうに感じました。以上でございます。

【友添主査】 ありがとうございます。宇山委員、最後になりました。お願いいたします。

【宇山委員】 私からは端的に1点のみです。7ページお願いいたします。今回お示しいただいたこちらに関しては、競技をする立場の技能の系統性ということなんですけれども、多様なスポーツの関わり方を学び、経験することで豊かなスポーツライフを獲得していただくために、スポーツを例えば、「する」「支える」側っていうところの、そういった意味のスキルっていうところも、示していただいて、ちょっと系統性とかも検討いただけたらなと思っております。例えば、球技ボール運動っていうところでは、ボール運動を行う上で、発生する、事故だったりとか、あと、集団で行う上で揉め事になるような、その審判の判定の難しいところとかですね、そういったところも、1つのスキルとして、習得できるような、ものが1つ表としてあると、プレイヤー側としても、また指導者からしても、分かりやすいものになるかなと思います。1点のみです。

【友添主査】 ありがとうございました。多様で前向きなご意見やご感想をいただきまして、ありがとうございました。最後に私の方から1、2分お時間をいただいて、まだ出ていないことを少し確認とお話をさせていただければと思います。スライドの3ページをお願いします。体育の領域だけなのですが、結構大きなことを今日決めたように思います。関わり方と楽しみ方の関係について、私たちは新たな方向を打ち出したということです。つまり、多様な関わり方の結果、楽しさや喜びが生まれてくる価値、あるいは喜び、楽しさ、こういった価値が生まれてくる、これを生徒が享受し、これを味わうことが楽しみ方だという位置付けを確認しました。これはいわゆる態度で、今後は知識技能でこれを引き取っていく。ここはもう皆さんの了解が得られて、私もこれについては賛成です。で、ここで確認しておきたいのは何かと言うと、こういうその構造は順序性を持つということをここで確認しておきたいと思います。つまり、関わり方が先にあって楽しみ方が後から来るという、そういうその順序性をここで規定したということ。ここはやっぱり確認しておいた方がいいのかなと思います。これを確認しながら次、5ページでお願いしたいと思います。これも非常によくできています。で、1つ先ほど、岩佐先生が少し触れられたように、小学校5、6年生でいきなりそのスポーツの文化や理論の基礎に触れるっていうのは難しいよね。これ、中学校だけだって、別にどこにも書いてないので、多分ここの枠内にあるということは小学校の5、6年生もスポーツの文化や理論の基礎に触れる時期に該当するわけですから、小学校には残念ながら体育に関する知識といういわゆる領域もないですし、教科書もないです。こういったことがない中でスポーツの文化や理論の基礎に触れることをどこで保障するのかという、例えば体育館、運動場で、プールサイドでということなのかっていうことも含めて言うと、ここは少し、変えた方がいいのかなと思います。そして次ですけれども、中学校のところですが、これは8ページを少し開いてもらえますか。8ページの中学校は運動やスポーツの多様性、それから運動やスポーツの意義、効果、文化としてのスポーツの意義、これらを中学校でやります。ここではスポーツの文化的特性、現代スポーツの発展、運動やスポーツの効果的な学習の仕方、運動やスポーツの意義や効果と学び方、安全な行い方をやります。5ページに戻ってください。これについては特に高校でこれを体育理論と呼んでいいのかっていう領域名称ですね。むしろスポーツ理論というふうにもう今回変えてしまうという手は1つあるのではないかと感じました。さすがに中学校の1、2年生については体育・スポーツ理論、運動に関わる内容が含まれていますし、実技方面でもこれは運動教育やっていますので、ここは体育・スポーツ理論とおいても、いいのかなと感じたところです。上の青い字のところ、高校ですよね。卒業後も運動やスポーツに多様な楽しみ方で豊かに関わることができるようにする時期です。楽しみ方と関わることのいわゆる順序性、これがどうなっているのかという話です。楽しむことが先に来て、そして関わることが後に来るのか。先ほど私が順序性だって言ったのはここのところで、まず関わることによって、その結果楽しさや喜びを享受して、これらを味わうことが楽しみ方だとこの会議では整理したわけだから、これをもし丁寧に言えば、例えば、卒業後も運動やスポーツに多様に関わり、豊かな楽しみ方を享受できるようになる時期、あるいは享受できるようにする時期と置いた方が多分整合性が取れる、会議で規定したいわゆる関わり方と楽しみ方の整理で言えば整合性が取れるだろうなと思いました。それから最後ですが、中学校のところで言うと8ページもう一度お願いしたいと思うのですが、これは佐藤豊先生が、先ほど少しお話になっておられましたけれども、改正スポーツ基本法を含めて、ちょうど主にこのちょうど中学校の学習指導要領が実施に移されるのが令和13年度からで、ちょうどこの時には部活の地域展開の実施、いわゆる改革実行期間が終わります。ここから実は中学校の地域展開が本格的にスタートするわけですから、例えばこの中で、別な言い方をすると、違う形で例えばクラブのマネジメントの仕方だとか、地域においてスポーツのクラブを主体的に組織したり、自主的に運営する仕方みたいなことを入れていくことがあってもいいのかなと思います。ただこれはいわゆる作成協力者会議への伝言的なイメージになるのかなと思います。同様に先ほど佐藤若先生からもお話がありましたが、高校段階だともっとはっきりと例えばクラブの主体的な組織作りだとか、自主的な運営の仕方、これをしっかりと例えば高校段階ではスポーツの企画と運営という項目で学ばせていく必要があるのではないか。体育理論の内容が現状で十全かというと決してそうではない。社会の動きと世の中の動き、法の改正に応じて変わっていく必要があるだろう。体育には専門学科があるのですが、スポーツの概論ということでスポーツの企画と運営という単元がありますが、これを高校3年生に下ろしてきた方がいいのではないかと思います。それから専門学科についてはもう少し高次な内容に変えていく必要があるのではないかと思います。これは先ほど申し上げたように、いわゆる作成協力者会議のレベルのお話かなと思います。今雑駁に感じたところだけお話をさせていただきました。
さて、今日も長時間ありがとうございました。今日はこれまでの議論も踏まえながら、表現の整理の確認をしたところです。中・高の体育の充実の方策についてもご発表いただきました。そして保健の系統性についてもご意見をいただき、事務局の方で再度ご検討いただく宿題もいただいたかと思っております。今後も活発な意見交換のもとに丁寧に整理すべきところは整理しながら、実際の指導の改善充実の立場でさらに議論を進めていければと思っています。議題2はここまでとしたいと思います。今日十分にご発言いただけなかった委員の先生方もいらっしゃるかとも思います。追加のご意見等ございましたら事務局までお寄せいただければと思います。それでは本日の議事はこれまでにしたいと思います。次回の予定につきまして、事務局よりお願いをいたします。

【赤間 企画調整室長】 次回につきましては3月の27日金曜日午前10時からを予定しておりますけれども、正式には後日ご連絡をさせていただきたいと思います。

【友添主査】 はい、6分ほど超過をしてしまいました。申し訳ありません。以上をもちまして第7回体育ワーキンググループを閉会いたします。本日もどうもありがとうございました。

―― 了 ――

 

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