教育課程部会 体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

令和7年12月18日(木曜日)16時00分~18時30分

2.場所

ウェブ会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 多様性を包摂する体育授業等について
  2. 体育科・保健体育科の「高次の資質・能力」等について

4.議事録

【植田主査代理】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会「体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ」を開催いたします。
本日も友添主査が御欠席ですので、主査代理の植田が進行いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
では初めに、事務局より会議の開催方式について説明をお願いいたします。

【赤間企画調整室長】 本日もよろしくお願いいたします。
本ワーキングは、対面とウェブ会議を組み合わせた方式で開催をしております。御発言の際は、挙手ボタンを押していただき、ミュートを解除してから御発言をお願いいたします。また、御発言が終わりましたら、再度、ミュートにしていただくようにお願いいたします。

【植田主査代理】 ありがとうございました。
本日の議題は2つです。議事1は「多様性を包摂する体育授業等について」です。事務局と相談の上、本日は、大日方委員、前島委員、細川委員に御発表をお願いしております。前島委員の御発表の際には、横須賀市教育委員会の福地指導主事にも事例紹介の部分で御発表いただきます。
多様性の包摂につきましては、現在、進められている各教科等のワーキングの議論に先立って取りまとめられた「論点整理」において、「改訂議論を貫く3つの方向性」の一つとして示されているところです。特に体育は、身体を媒介に運動等を通じて学ぶという特性があり、子供たち一人一人の状況等を踏まえた授業の在り方というのは欠かせない視点であります。これらに関する御発表の後、意見交換を行いたいと思います。
議事2は、「体育科・保健体育科の「高次の資質・能力」等について」です。前回ワーキングでは、「見方・考え方」や「目標」等について議論を行いました。本日は、それらを振り返りつつ、さらに高次の資質・能力について議論を行いたいと思います。
それでは、議事1に入ります。「多様性を包摂する体育授業等」について」、最初は大日方委員から御発表をお願いいたします。

【大日方委員】 よろしくお願いいたします。改めまして、本日、お時間いただきましてありがとうございます。
ちょっと私のほうでどういったものが皆さんの議論のお役に立てるかなというように考えたときに、自身の障害当事者としての保健体育の授業をどのように受けてきたのかというようなことと、少し渋谷区の教育委員会で見聞きした事例というようなところでお話しさせていただくのが一番いいんじゃないかなということで準備をしてまいりました。
では、私自身のまずお話ですけれども、義足や車椅子を使いながら公立の一般校で学んだというところで、どのように参加してきたのかということ、そして2つ目、渋谷区の教育委員会で出会った中学生のお話を少しさせていただきます。
今回、お話しさせていただくのは、自分自身がスキーヤーとしての半生を語る本を1冊出したんですが、そのときにやはり改めて見ると、体育の授業というのは非常に自分のスポーツ人生に大きく影響したなというところで、まとめたものから少し取らせていただいたものです。
私は3歳のときに交通事故に遭ったんですが、6歳で義足をつけて歩くことができるようになりました。という中で、スポーツとの出会いということを考えてみると、幼稚園のときに非常に運動への肯定感情というのを多く持てたなというように思っています。幼稚園、僅か半年しか在籍はできなかったんですけれども、鉄棒に非常に夢中になりまして、友達がやっていた逆上がりであるとか前転といったようなところ、ぜひ一緒にやりたい、遊びたいというような思いでやっていくうちにコツを身につけることができて、小さいからということもあったんだと思いますが、大人が想像する以上に多くの運動に取り組むことができたというような思い出があります。
また、運動会にも参加をぜひしましょうということで、鉄棒の演技を、演目を披露するものというのを先生がつくってくださったということと、一緒にできるものということで、親子で二人三脚に出場したんですけれども、義足ってなかなか左右そろえて歩くことは難しいんですけれども、どっちの足を母と一緒に手をつないで結んだらより歩きやすいかとか、どのようにリズムを取ったらいいかみたいなことを挑戦して、楽しくできたというのが非常に最初に運動と関わるときに肯定的な感情というのを持てた、非常によい思い出になります。
ここを見ると、幼児期の運動遊びとか、好き、得意を伸ばすとか、体の使い方のコツをつかむ、先生や親の他者との関わりであるとか励ましというのはすごくよかったなというように感じています。
小学校になりますと、実はちょっとここが難しくなりまして、当初、学校の見学というところを勧められたりとか、危ないからやめましょうみたいなこととかというところがありましたけれども、できる範囲で工夫するとか、まさに野球なんかは、子供同士で遊ぶときに、特別なルールをつくったら一緒に遊べるんじゃないかというようなことを経験するというようなことができていました。
この中で、やはり特に低学年の頃は運動遊びというところの延長で、木登りしたり自転車遊びというような、遊びの中も含めて体の動作というものを身につけてきましたし、これが結果的には体のバランスを取る、全身を使って滑るというチェアスキー、スキーのような、競技をしたことがない、スポーツとしては高校生になってから、私、初めてスキーをしましたけれども、考えてみると、小学校の体育、幼稚園での運動遊び、そういったものが非常にいい影響というものを持ってくれたなというように感じています。
一方で、実際、中学のときというのは体育、非常に手ごわかったなというように思っております。やはりなかなか違いが、体の機能の制約による運動の違いというところが顕著に現れてきて、どんなに走っても最も遅いタイムであるとか、サッカーのシュートというのも、これ、実は私にとっては非常に難しいながら何とかやろうというような形で体育への参加をしていたんですが、なかなか達成感とか肯定感というのが得にくい現状がありました。
そういった中で、最も困ったのが高校進学のときです。体育の授業というところの評価が、評定、いわゆる評定がなかなか、ものがなくて、成績が、教師の価値観によっては3とか4とかつくんですけど、そうでないとなかなか2とかが、それしかつけられないんですみたいなようなことで、ちょっと学校の先生たちとも、これ、困ったなということで相談したなんていうような、こんな思い出もあります。
非常に進学にやっぱり影響するということであったりとか、学習面の負担とか、こういった、それだけ、中学校のときになると、特に系統的な指導というのが過度に高度になっているものというのが、ひょっとしたらなっているんじゃないか、あるいはどんなふうに、障害がある子供、多様性がある子供を包摂するときに評価をしていったらいいのかみたいなところは少し書き加えるといいんじゃないかななんていうことを今回のを見ていても考えております。
続いて、2つ目のケースなんですけれども、これ、今、ロサンゼルスの大会を、パラリンピック出場を目指している若いアスリートの話になります。渋谷区でこの生徒さん、小学校、中学校卒業しておりまして、私、教育委員会として視察の中で出会いました。生まれたときから歩くことが難しい障害で、車椅子で生活をしている中で、バトミントンを、体育の授業だけではなく、学校の部活動でも参加していたところをたまたま出会うことができまして、日常用の車椅子でプレーしておりましたけれども、競技用の車椅子を貸与したところ、非常に大きな資質を開花させて、運動能力も伸びたというようなところ。これ、御本人がいろいろと渋谷区のインタビューで、広報紙で語ってくれています。
友達と一緒に部活動に入ったとか、お姉さんの影響でバドミントンをやりたいと思ったみたいなことであるとか、体育や部活動なんかもどんどんやれることをやろうと思って話をしたみたいなこととか、家でできることは運動はやったなんていうことを言っているところを見ると、スポーツ用具の活用であるとか人的なサポートといったようなところが非常に重要だったなというように思っています。また、こういう彼女の姿勢を見る限り、まさに豊かなスポーツライフを実現する資質・能力といったところが小学校、中学校でしっかりと養われていて今があるんじゃないかなというように感じています。
私からのまとめになりますけれども、運動嫌い、苦手な意識を持っているという子供をとにかく減らすこと。今、10%ぐらいのお子さんがまだこういった、あまり運動得意じゃないよというようなことがあると思いますけれども、そういった子供が自己の成長を感じられる、そういう体育にしていくということ、そして、それに当たっては、系統的な指導内容というものが過度になっていないかとか、柔軟な学びというものをより選択できる工夫がどこができるのではないかといったようなことを、今後、議論できるといいのかなというふうに思います。
2つ目としては、今回のこの発表させていただくのに当たって、学習指導要領の解説編、いろいろ見せていただきましたけれども、非常によくできているなというように感じました。特に通常学級において、一人一人のニーズに合った配慮というところについて具体的に記載されているところというのはすぐれているので、ぜひいったところの記載の充実ができるといいというふうに思いました。
友寄さんのケースを見ますと、用具の工夫、時によっては貸出し、スポーツ用具、車椅子であるとか義足、そういったものの貸出しなんかもできると、非常にできることが増えるのではないかというようなこと、あるいは視覚に障害がある、見えづらさを感じているようなお子さんも、一緒に走る人がいれば走ることを楽しむことができるなんていうことを考えると、人的な支援というのも考えられるのではないかなというふうに思います。
そして、3つ目ですけれども、やはり体育の評定というところが進学等にも影響を与えるというところについて、知識・技能、思考力、判断力、表現力というこの評価において適切に、単にスポーツの技術だけではない評価というものは、もうここでも十分議論されているところだと思いますけれども、そういった点が誤解のないようにしっかりと伝わっていくこと、そこが大切かなというように感じております。
ありがとうございました。以上です。

【植田主査代理】 大日方委員、ありがとうございました。御自身と、それから関わられた経験を踏まえて体育の大切さ、あるいは在り方、それから豊かなスポーツライフを実現する上での重要なポイントであるとか、一方で課題、そういったところを簡潔にまとめていただきました。ありがとうございました。
それでは、続きまして、前島委員、横須賀市教育委員会の福地指導主事より御発表、お願いいたします。

【前島委員】 よろしくお願いします。私からは、「多様性の包摂への願いをこめて」ということで、前半は私のほうからこのことについて話をし、後半は、私が長年勤務し、事業研究や実践を一緒に行ってきた横須賀市立小中学校の事例を横須賀市教育委員会、福地真一指導主事に発表していただきます。
まず初めに、授業を行う子供への理解を広げ、深め、抱えている背景も含めた実態把握をし、それを基に支援や指導の方法を考えていくことが大切だと考えます。自分が抱いている学級に在籍している子供たちのイメージや固定概念を再点検し、正しく把握できているかを見直すことが大切だと考えます。そして、一次的支援として基礎的環境整備等を行い、2次的支援などの合理的配慮を少なくできるようにすることができれば、障害のあるなしに関係なく、学びにくさのある子供も含めて、代替方法などを使用することで誰もが学べるような授業ができるのではないかと考えます。
特に思春期の子供たちは、障害があるから物や人というような支援に対して抵抗を示すこともありますので、当たり前にそこに代替手段がある、みんなが使えるようになっていれば抵抗なく活用できるのではないかと思います。例えば、学びのユニバーサルデザインの考え方のように、多様な方法をデザインすることなどが枠組みとしてあります。
私がこのように考えるように至ったのは、大体、今から25年ほど前、保健体育の授業で創作ダンスの授業を行っていたときに、移動する場所が分からなくなってしまった生徒がいたこと、また研究授業を参観したとき、多くの先生方が見ているところで2分間ミスをせずにパスキャッチを続ける課題が自分のせいでできないという生徒の表情を見たとき、心が痛くなってしまいました。また、運動会や体育祭の種目である大縄跳びの練習の際、いつも縄に引っかかってしまう生徒は、自分を責め、大縄跳びに参加しないことや行事を休むという選択をしてしまうこともあります。子供のつまずきの背景を正しく理解していれば、つらい思いや苦しい思いをさせることがなかったのではないか、指導者の理解不足は子供を傷つけてしまったのではないかと考えます。
当時、悩んでいた私は、学校内の専門家であるスクールカウンセラーや地域の研究機関である特別支援教育総合研究所に相談したところ、正しい支援を受けられずにいる発達障害の子供が通常の学級に在籍していること、障害は本人にあるのではなくて、活動や参加をできにくくさせてしまっている環境にあるという社会モデルの考え方を教わりました。そのアドバイスを基に指導や支援を工夫することで、子供たちの笑顔が増えていきました。子供たちへの理解が足りずに苦しい思いをするようなことが、今後、起きないように、今、目の前にいる子供の実態をできるだけ広く深く把握することが大事だと考えます。
2007年4月に特別支援教育が本格的に実施されました。理念に、全ての子供たちが対象であり、共生社会の形成に向けて重要な意味を持っていると示されています。通常の学級において、学習面か行動面に困難のある生徒は8.8%と報告されています。小学校の通常学級には12%以上在籍している学年もあります。その中に、発達性協調症のように、まだあまり知られてない発達障害の子供もいる可能性があります。痛いから、ばかにされるから、練習あまりせずに本番に入るから、苦手な人向けの練習方法を教えてもらえないからという理由で運動が嫌いになってしまう子供もいます。
また、通常の学級に在籍し、通級指導教室で指導を受けている子供もいます。年々その数は増加しています。自治体によって人数に差はありますが、今後、制度が見直されるということが論点整理でありましたので、通級指導教室を設置する学校が増えてくることが予想されます。それにより、特別支援学級から通常の学級へ在籍を移し、一定の時間、通級指導教室で自立活動や各教科の指導を受けることを選択する子供が増加するということが考えられます。
また、別の調査ですが、特別支援学校へ入学できる要件を満たしている子供たちの中に、特別支援学校や特別支援学級ではなく通常学級で学習している子供もいます。また、他の調査で、学校の授業を受けている中で、早過ぎる、簡単過ぎる、遅過ぎると感じている子供たちが2割程度います。公立高校学校は統廃合が進み、公立中学校と同様の多様性が生まれやすくなっています。このように、特に問題がない、何とかやれている子供たちの中にも多様性が存在しています。
論点整理において、合理的配慮について理解や提供が不十分であることや、通常の学級において障害等のある子とない子が同じ目標や内容に取り組むことに課題があると示されており、今後、多様性を包摂した学校教育を実現するためにも、障害の社会モデルの考え方や捉え、基礎的環境整備を図ることが重要と示されています。実態把握を正しく行い、指導や支援に向けて、学校の中にある資源を生かして具体的に計画し、1次的支援を拡大することなどの環境を整え、多様性を包摂する仕組みづくりが大切であると考えています。
次に、横須賀市の事例を発表します。

【横須賀市教育委員会】 それでは、ここからバトンタッチをさせていただきます。横須賀市教育委員会保健体育課の福地と申します。本日は、大変貴重な会に携わらせていただきまして誠にありがとうございます。
それでは、お時間も限られておりますので、横須賀市の事例、幾つか紹介させていただきますが、かなり駆け足でお話しさせていただきますことをあらかじめ御了承ください。
本市の紹介はスライド御参照ください。
本市では、小中学校で主に2つの研究会が存在し、このような活動をしております。本日は、この合理的配慮、ここの事例を紹介させていただきます。
先ほど前島先生よりもお話がございましたが、やはり1次的支援をどのように拡大していくか、ここが非常に大切な視点だと私自身も感じております。当然、1次的支援にて全ての子供たちを救えるわけではなく、そこから先が個に応じた2次的支援ということになります。本日は、この2つに絞ってお伝えをいたします。
近年、個の支援という観点からアダプテッドの考え方が様々な場面で見られるようになり、一つのトレンドになっているというふうに感じます。アダプテッドとは、皆さんも御承知のとおり、個人個人の何らかの特別なニーズに合わせてルールや用具を修正、変更、追加したりして、誰もが運動やスポーツを楽しむことができるようにするという考えとなります。ダイバーシティとインクルージョン、これらをつなぐ観点や技術の一つがアダプテッドと言われております。
それでは、これより1次的支援の拡大、2次的支援の強化という視点で2つの事例を紹介いたします。まずは小学校第4学年の高跳びの内容になります。発達段階も考慮し、それぞれの場が一体どういった課題に応じた場なのかを分かりやすく見える化し、子供たちが理解できるように支援をしました。用具についても、通常の高跳び台ではなく、カラーコーン、体育棒などの、そういった用具の工夫を図り、また通常のバーからゴムに変更して子供たちの恐怖心を取り除くなどの工夫も行い、このように課題に応じた場をどれだけ多く設定できるか、かつ子供がその趣旨をきちんと理解しているかというところにこだわりました。
活動が進むにつれ、当然、このようなケースが生じてきます。自分の動きのイメージと実際が一致しにくい。実際、跳躍をしてみて、果たして自分ができているのか、できていないのかが、そういった判断が曖昧、こういったケースがあると思います。こういった課題を持つ児童に対して、2次的支援として、端末の遅延機能カメラを活用して自分の動きを確認できるように支援しました。試技後、十数秒後に自分の跳躍を端末上にて確認することができます。この実践、振り返り、実践というサイクルが非常に効果的であったというふうに感じております。
単元の初めから、全児童を対象にこういった機能を取り入れることも可能でしたけども、そうすると、跳ぶことよりも見ることに意識が行ってしまうことが予想されたため、あえて今回は2次的要素にいたしました。
続いて、中学校1学年のマット運動の事例です。先ほどと同様に多くの課題解決の場を設定し、各場所に高さや傾斜をつけた工夫を講じました。そして、もう一つのこだわりは、そういった課題解決の場がランダムにちりばめられているという点です。よく端から順に、初級、中級、上級と難易度が上がっていくような場づくりがされることがありますけども、そうなると、端にいる、イコール一番できないところにいるというふうに、本人も周囲もそういう見方になってしまうと。当然、やっている本人、自己肯定感も低くなっていくと。そのため、子供が端から順番どおりに進んでいかない環境ではなく、自分の課題に応じて自由に場を選択できるような場づくりというところを心がけました。
その中で、空間認知が苦手な生徒や言語説明、動画説明だけでは理解することが難しい生徒に対し、着手や着地場所を示し、視覚的な支援、また手順の構造化を図りました。それらの効果については、もう皆様には説明不要だと思いますので割愛をいたします。
まとめになります。全体に対する1次的支援のポイント。このように考えました。子供にとって、安心・安全な環境か、選択肢が多い環境か、さらには自分のペースで取り組める環境か、こういった要素が大切だと感じています。
続いて、各個人に対する2次的支援のポイント。いかに個の特性・ニーズに対応しているか、個別のサポートが保障されているか、そして、それらが単なる場の提供にとどまらず、その子たちの成功体験や達成感につながっているか、こういったところがポイントだと考えます。
また、個に応じた支援という点では、冒頭触れましたアダプテッドの視点、ここも大いに関係すると考えます。現在、学校現場でも、このアダプテッド、物すごく意識されて取り組んでいる様子がうかがえます。しかしながら、アダプテッドという言葉ばかりが先行し、正しい解釈がなされていないケースも見られます。
アダプテッドとは、全体への支援なのか、個別の支援なのか、はたまた支援イコール全てがアダプテッドとして捉えられていないか、そういった整理が十分でない状況もうかがえますので、正しい内容について周知を図っていく必要性を感じているところです。
横須賀市の事例紹介は以上になります。ありがとうございました。

【前島委員】 以上で終わります。

【植田主査代理】 ありがとうございました。多様性を包摂する仕組み、あるいは支援について、どのようにすれば多様性を包摂することができるのかという具体的な方法とか工夫、これを具体的な事例も示していただきながら見せていただきました。そして、また、その重要な視点についてもお知らせいただけたと思います。ありがとうございました。
それでは、続きまして、細川委員より御発表をお願いいたします。

【細川委員】 埼玉大学の細川と申します。よろしくお願いいたします。
私は、多様性の包摂ということで、誰もが楽しく共に学べる体育授業に向けて、経験的に、現在、考えていること、またお伝えしたいことをお話しさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、先ほど冒頭で御説明がありましたけれども、多様性の包摂というのは、改訂論議を貫く3つの方向性の一つとして掲げられていて、多様な子供たち一人一人の意欲が高まり、可能性が開花し、個性が輝く教育の実現を目指すものであるとされています。そして、それはやはり個人と社会のウエルビーイング、共生社会の実現につながるものとしてとても重要な視点であると思います。
これを受けて、このワーキンググループでも検討事項・論点の一つとして、誰一人取り残さず資質・能力を育む柔軟な教育課程、そして学習指導の工夫の在り方が取り上げられているところでございます。
現行の学習指導要領とその解説では、この多様な子供たちへの指導に向けては、ここに挙げましたように、運動が苦手な子供や意欲的に取り組めない子供、また障害のある子供などへの配慮や、中高では、さらに体力や技能の程度、性別や障害の有無などに関わらず、多様な楽しみ方を共有することができるよう留意することといったことが記載されております。
このように、指導の工夫とともに、周りの児童が様々な特性を尊重するよう指導すること、違いに配慮して状況に応じた行動を取れるようにすることなど、仲間の特性や違いを認めて共に活動できる態度の育成が大切であることが示されています。
そして、この態度の育成として学習内容に具体的に挙げられているのが、「学びに向かう力、人間性等」における「共生」という事項になるかと思います。このように、一人一人の違いに応じた動きなどを認めようとする、大切にしようとするという態度がその内容になっております。
この「共生」について学ぶのに、効果的な領域の一つとされている表現運動系ダンス領域を例にして、ここからお話をさせていただきたいと思います。
こちらに挙げておりますのは、障害のある子供とない子供6人による活動の例です。子供たちが自分たちでアイデアを出し合って物語をつくり、プロローグとエピローグだけ決めて、あとは自由に体で表現をする、練習が終わるごとに意見交換を行い、最後に発表するという流れは、通常の小学校では大きな発表会までは持っていきませんけれども、指導のねらいや活動の流れは同じですので実践例として取り上げてみました。
これはみんなで話合いをしている場面になります。作品「キャンディ・レイン」の流れですけれども、まず初めに作品内容についての朗読がありますが、これは障害のある子供とない子供1名ずつが担当しておりました。ある子供が母親から大好きなキャンディをもらい、大切にしまっていたところ、そのキャンディがなくなっていることに気がつき、町に探しに出てみると、世界中のキャンディがなくなっており、ほかの子供たちも探していたという説明があります。そして、キャンディを探しに遊園地や動物園に行く場面になり、探し疲れた女の子のところに親子鳥が現れて「森へ」と告げて去っていくという流れになっています。
右上の写真、一番前にいる車椅子の子供が主役の女の子を演じていますが、この写真では両手を伸ばしているのが分かりますが、映像だと恐らくこのように手を伸ばすことが容易ではない中、渾身の力を込めて手を伸ばしながら上体を大きく動かしていることが伝わってきました。また、真ん中の写真は、4人で連なって大きな蛇に変身しているところです。車椅子での滑らかな移動を生かして、みんなでうねりながら動く様をうまく表現していました。
そして、女の子が森に入っていく場面になりますが、ここはこの女の子一人でソロで踊る場面になっています。やっと一つ目のキャンディを見つけたとき、目の前に空まで続く大きな木があり、右の2枚の写真のように、それを精いっぱいの力で上ろうとして、キャンディを取ろうとしている動きに続いていきます。表情でも見事に表現しているのが分かります。そして、メンバー以外の多くの子供たちも見つかったキャンディを持って登場し、ラストを迎えます。
この発表が終わった後、この6人の子供たちは指導者のところに来て、この活動をもっと続けたいと訴えたそうです。それで、活動が、その後も続いたそうです。
そして、指導者の言葉ですが、最初の6人は、障害のある子もない子もそれぞれに一緒に身体表現をすることの心理的葛藤を乗り越えてきていたのですが、既に一緒の世界ができているところに後から入ってきた子供たちは、その世界にごく自然に溶け込むことができるのです、これがあるべき姿だと感じましたとインタビューで話しています。
この実践例より分かること、気づくことですが、まずはやはり目の前の子供たちと一緒に活動してみることが大切だと思います。学習指導要領等で内容として示されていても、教員自身が苦手だからとか、分からないとか、経験がないということでなかなか実践につながらないケースも多くございますので、まずは実践してみてほしいということをあえてここで強調して申し上げたいと思います。
そして、ルールや決まり、競争のない、例えば表現系ダンスでは、障害の有無に関わらず、また技能の程度に関わらず、共に活動しやすいのかと思います。そのため、実際に多くの実践例を見ることができます。話合いの場でも、作品の中でも、誰でも活躍でき誰でも主役になれること、そしてみんなで仲間とともに自由に生み出す活動は、まさに主体的、対話的で深い学びと言えるのかなと思います。
一人一人の体、もちろん心も、その多様性は能力の差ではなくて、個性になり、生かし合うことができるということ。私たちは多様なほうが表現の幅が広がって面白いと捉えていますけれども、差ではなくて違いであり、違いはよさや個性と言い換えることができると思います。サポートし合い、共に踊る中で息が合っていき、互いの違いを体を通じて感じることができるということは、体育だからこそ可能になる、とても大事なところであると思います。
よく「みんな違って、みんないい」と言います。これは、一つの課題に対して、そのアイデアや表現する動きは自由であるということです。ですので、時折、「みんな違って、みんないい」だと評価できないんですか?、楽しければいいんですか?という質問をいただくことがあるのですが、どんな動きや表現にも共通するよい動きというのはあるんですね。先ほどの主役の女の子のように、彼女は全身を使って精いっぱいの大きな動きで表現をしており、それは技能としても本当にとてもすばらしい動きを見せてくれています。
つまり、よい動きと評価できるということに関して、表現活動の場合は障害の有無は関係なく、その子にとっての精いっぱいというところで見ることができるということをお伝えしたいために、実践例について写真を見ていただき、詳しくお話しさせていただきました。だから、技能をやっぱり求めなきゃいけないよという意味ではなくて、共に活動する中で、障害の有無は関係なく同等に活動できる例もあるということをお伝えしたいために、この表現系ダンスの実践例を取り上げました。
こうした表現系ダンスの指導の特徴として私たちは、一人一人のよいところをまずたくさん見つけて褒めるということをしています。まず、踊っているということ自体は、すでに「できる、できている」ということなので、その「できる」ところからよりよくするためにはどうすればよいか、もっとこうしたら? という視点でアドバイスをしています。先生が、今日の課題だったらこんな動きだよね、こんな表現をするだろうという予測のゴールに向かわせるのではなくて、課題に対する自由な発想を認めて、子供から動きや表現を引き出すということを大切にしており、一人一人のよさ、個性を認めるということが活動の中心にあります。こういったことが他領域にも生かせるところがあると大変うれしいです。
最後に、多様性の包摂という視点を大切にしたこれからの体育の授業に向けて、現時点での私見ですけれども、重なりますが、まずは共に活動する機会を持つということ、やはりお互い知らないということが一番の壁なのかなと思います。ですので、先ほど大日方先生が幼少時のときの経験が大事だったということをおっしゃっていましたけれども、やはり小さいうちから共に活動することが当たり前になるようにということが大事かなと思います。多様な子供たちが共に活動しやすい領域から、まず始めてみませんか?と思っています。
表現運動系ダンス領域もそうですが、ちょっと思っていることは、技能を問わず全学年必修の体ほぐしの運動がもっと生かせるのではないかなと思います。学習指導要領実施状況調査で、体ほぐしの運動の意図が子供たちに伝わっていないような調査結果が出ていることがとても私は残念に思っているのですが、例えば「共生」の視点をこれまで以上に体ほぐしの運動に託してみてもいいのかなと。指導のねらいを明確にした上で、例えばここに示しましたボッチャなどの新しい種目や、その要素を参考にした活動などを取り入れてみるのはどうか。また他クラス、異学年交流の機会なども取り入れてみるのはどうかなど、夢を描いております。
そういった活動で、一人一人の好き、得意を発見すること、そして、そもそも得意な児童生徒を伸ばすことも忘れないようにと思っております。
最後のページになりますけれども、やはり高等学校における選択制の授業はやはりもっと工夫していくべきだと思っております。多様な子供たち一人一人が自分がやりたいと思う領域や内容を選び、選んだ領域、内容について、自分たちで活動を工夫して企画運営できるような、そういう授業というのはやはりとても大事なのではないか、その子供が生涯にわたって運動していく上でとても大事なのではないかと思います。
また、学校内だけでなく、やはり可能な範囲で他校種の児童生徒や地域の団体との運動を通じた交流の場を設けること、そうして多様性の枠をより広げて、今、ここにいるメンバーでいかに共に楽しんで活動できるかを工夫する活動を体験的に学ぶこと、また生涯スポーツとしての活動の様子を知るということも大事なことかと思います。
そして、何より教員の意識を変えていくことが私は大事だと思います。どんなにすばらしい授業を工夫して場を設定しても、教員の意識次第で壊れてしまうことがあると思います。私は、スポーツを否定するという意味ではなく、ただ全てを競技スポーツ的なイメージとか考え方からはちょっと脱却する方がよいと思っています。例えば、ここまでできるようにしようという技を設定したり、何か一定基準での「できる」、「できない」や競争、勝ち負けにこだわり過ぎたりせず、一人一人の「できる」ことからスタートする。そして、新たに「できる」、よりよく「できる」を可能にするような視点を持つということ。また結果だけではなくてプロセスにある運動の楽しさを味わわせること。もちろん今も指導されていると思いますけれども、その楽しさにより気がつかせるということが、生涯にわたって運動を続けることにつながっていくように思っています。結果として体力が高まるという考え方が大好きなんですけれども、結果として技能が高まるというのもあるのかなというようなことも思っています。
最後の、一人一人のよさ、個性を知り、認める。思い込みをなくす。工夫した授業を行っても、意識が変わらなければ、教師の一言で授業は壊れるので注意、ということについてです。例えばですが、跳び箱運動で、先ほども例に挙がっていました自分の課題に合った技を工夫された場を選んで練習するということはよく授業で行われていますけれども、そのときに「何々跳びができない人は何々でもいいよ」といった言葉は模擬授業をする大学生が本当に悪気なく言ってしまう言葉なのですが、「できない」からそれより簡単な技を選ばなければならないのではなくて、自分がもう少し頑張ればできそうな技、できるようになりたい技を選ぶというポジティブな選択をできるような言葉がけにするだけで、どれほどその授業の意味が変わってくるかなと思うんですね。
なので、簡単にしてあげている、やってあげているという意識ではなくて、一人一人の子供、誰もが精いっぱいを目指すことのできる場の工夫をする、課題を選択させるというような、そういう教員の意識というものもとても大事なこれからの基盤になっていくのかなと思っています。
現時点で考えておりますことは、以上です。ありがとうございました。

【植田主査代理】 細川委員、ありがとうございました。現在の学習指導要領の整理をしていただいて、また表現運動での実践例、それを通しての分析と、そこを通してこれからの方向性、また視点を紹介していただきました。
それでは、ありがとうございました。3人の先生方の委員の方々への質問、感想あるいは多様性の包摂に関する問題意識の交流等、ぜひこれから活発に意見を交わしたいと思います。時間は、ちょっと時間が押しております。30分弱かと思いますけれども、想定しております。御意見等ある方は挙手ボタンを押していただければと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、まず渡辺弘司委員、お願いいたします。
【渡辺(弘)委員】 日本医師会の渡辺です。まず、先生方の御発表、ありがとうございました。
まず最初に申し上げたいことは、多様性を包摂する体育授業の推進は、私も非常に賛成でございます。その上で、医療者としてちょっと危惧していることと、もう一つは中教審の委員として危惧している点を述べたいと思います。
と申し上げますのは、障害、多様性というのはいろいろな場合があるということです。障害は、今、前島委員が出されたような発達障害だけではございませんで、一般校において身体障害、知能障害、感覚障害などで、様々な合理的配慮を必要とされる方がおられる、バリエーションが非常に大きいということを言いたい。
その中で、今の学習指導要領を読ませていただいたんですけど、解説にも具体性がないということは、逆に言うと学校の先生に裁量権がすごく持たされている。言い方を換えると、責任がすごく大きくなっているように思います。
一方、個人の情報を十分得られない、個人情報保護もあり、その中で個別最適な学びを学校の先生がやろうとした場合に、現在の学習指導要領の解説では十分できないのではないかと。個々に対して対応するのに、大変忙しい教師の働き方改革というのを中教審でやっている中で、今、御発表なさっていただいた細川先生とか前島先生たちはそれだけのキャパがあったんだと思うんですけど、それを学習指導要領に書くということは、皆さんに同様のことを求めるというような印象が出てくるんじゃないかということを危惧しました。
特別支援教育の中の体育というのはどこまで具体性があるのかというのを、特別支援教育のワーキングがあるって言ったのでそれを見たんですけども、具体的な指導方法の記載がないということは、学校の先生の裁量権が大き過ぎるような気がします。
なので、もしこれを進めていただくんであれば、ぜひ、今後、解説にもっと具体的な対応を書いてあげないと、学校の先生が非常に苦労されるんじゃないかと思ったので、医療者の立場からそれを発言させていただきました。
細川先生、具体的ないろんな障害の方を対象として対応されておられたようなので、具体的にやっぱり書かないと、ある程度、解説が厚くなると学校の先生、読んでくれなくなるとは思うんですけども、ある程度書いてあげないと、逆に学校の先生がお困りになるのかなということを危惧して発言させていただきました。
細川先生、御意見、教えていただくとありがたいです。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。
細川委員、何かございますか。お願いいたします。

【細川委員】 多くのそういう方の指導の経験があるのかというようなお話でしたが、多分、前島先生とかほかの先生方のほうが経験あるかなと思うんですけれども、そういった本当に具体的にどのように実施していくかということに関して、今まではやはり、私が取り上げた事例もそうなんですけど、目の前にそういう子供が現れたときに、その先生がこの子と一緒に踊るには、あるいは運動するにはどうしたらいいだろうかという、そういうところから始まっているので、やはりそれは気持ちと余裕とやらなければならないという、そういう余裕がないとなかなかこれまで難しかったようなところかなと思っています。
そういったことに関して、今回、教員にゆとりを持たせるといったこととか、教育課程の弾力化とか、少しやりやすい環境には近づいているのかなと思いますけれども、私自身、やっぱり負担に関しては課題と思っているところなので、また引き続き一緒に考えさせていただけたらと思っております。
すみません、具体的なお答えになっておりませんけども、ありがとうございました。

【植田主査代理】 ありがとうございます。本当に今日はすばらしい実践事例なども紹介していただきましたので、そういったものを全国の多くの先生にどう学習指導要領で示していくのか、表現していくのかということは課題だというふうに思います。ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
宇山先生、お手が挙がっていらっしゃいますのでお願いします。

【宇山委員】 すみません、失礼いたします。

【植田主査代理】 宇山委員、お願いします。

【宇山委員】 3名の委員の皆様、ありがとうございました。
先ほど渡辺委員のほうから多様なというところの障害の種類が幾つかあるというところと、それから学校の先生方の対応の仕方に裁量が大きいのではないかということで警笛を鳴らしていただいたところなんですけれども、私も本当にいろんな学校にお邪魔させていただく中で、ジェンダーのところについて、こちらも恐らく多様の中に入ってくるところ、いろんな団体がこういう形で進めればいいんじゃないかなということで指標を与えられたりとか、また様々なメディアで取り上げられているというものを拝見しておりますが、そういった中で、どういう形であれば、恐らく小学校3年生、4年生ぐらいから体の発育、発達の差が出始めて、また高校生ぐらいから大きくまた変わっていくという流れ、いろんな文献とか調査をされていると思うんですけども、この学習指導要領の中、また指針のところにどういう表記をしてあげれば、同じく学校の現場のほうの裁量に委ねられている部分としてサポートできるかということも、ちょっと皆様で考えていただきたいかなと思っております。
私も、先々週行った小学校では、フェンシングの体験なんですけれども、あらかじめ体験するグループを決めておいてくださいということを学校側に投げているんですけれども、そのときは、ある一校は男女ばらばらで、もう本当に適当に人数だけ合わせてという形。次の、先週行ったところは、今度は男子だけ、女子だけというところで、男子生徒同士が対戦できるような形で実施をしていました。もちろんそれぞれメリデメあると思うんですけれども、先生方が困らないような、また社会に、今の社会の形に即したやり方を見つけていければと思います。
よろしくお願いします。

【植田主査代理】 ありがとうございます。多様性をどう捉えるか、渡辺委員もおっしゃっていたように様々な視点から捉える必要があるということと、ジェンダーの視点を体育、運動の世界でどういうふうに考えていったらいいかという視点かと思います。ありがとうございます。
それでは、岡出委員、お願いします。

【岡出委員】 ありがとうございました。障害を抱えている子供さん、御指摘あったようになかなかいろんな子供さんたちがおられるので、個別の対応というふうな話になっていくと、先生方、なかなか追いつかないという、多分、そういう状況は起こるだろうなというふうには思うんです。
他方で、多様な人たちと一緒にどうしていくのかということを考えるというところが、教員個人でできることと教員個人ではできないこと、これは多分、整理されていく必要があるかなと思います。
御指摘あったように、多様性のところには、ジェンダーの問題もそうですし、エスニシティというか、そういう問題も当然出てくると思いますし、今、やっぱりいわゆる外国出自の子は当然多くなってきていますので、そういうことに対してどう検討するのかということもどこかに記載は必要になってくるのかなというふうには思います。同時にできることもあるかもしれないですが、これはちょっと多様性の捉え方の問題かなというふうには思いました。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。
それでは、続いて前島委員、お願いしてよろしいでしょうか。

【前島委員】 ,特別支援学校幼稚部 教育要領,小学部・中学部学習指導要領の自立活動に6区分27項目の内容が示されており、この内容がとても参考にななります。自立活動の示されている具体的な手立てなどをうまく活用しながら指導・支援に活かしていけると良いと思います。今、チーム学校と言われていますので、先生たちだけで全ての支援を行うのでは限界があります。地域のリソースを活用していくということもすごく大事だと思いますので、そういった仕組みを学校全体でつくっていくということも大事なのではないかなと思います。
以上です。よろしくお願いします。

【植田主査代理】 ありがとうございます。先ほどの岡出委員とともに個人でできることとそうじゃない、ほかですべきこと、その辺りの整理というのが必要かということかと思います。また、具体例も紹介していただきましてありがとうございます。
次に、南委員、お願いします。

【南委員】 失礼します。ありがとうございます。
細川先生が最後におっしゃった教員の余裕をどう生むのかということについては、私のようないわゆる学校経営者の立場としてもっと真剣に考えなきゃいけないなというふうに思っています。やはり一律的な指導にならないように、子供たちが、一人一人が全力で取り組めるような、やる気を持って取り組めるような、そういう学習活動ができるように、さらにしっかり、本校も含めてですけども、やっていきたいと思います。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
中村委員、お願いいたします。

【中村委員】 みどりの学園義務教育学校教頭の中村でございます。
本当に細川先生や前島先生の御発表を聞いて、こういうふうにやると子供たちが楽しく、そして身体を通して体育に接することができるんだろうなというのをすごく学んだところです。一方で、やはり先ほども出ていましたように、本校でも1クラスやっぱり37人、36から37人、内数を入れてということなんですけども、の子供たちを、今、教員が1人で体育をしているという実態があります。そうすると、もちろん多様性に対応するということは大切なんですが、先ほどのような教具をどのように準備をするのかといったところも非常に、今、先生方も悩まれているところです。
そういったところで、例えば、先ほどのテンプレートのように、こういうような教具を用意して、こんな場をつくっていくとこんな活動ができますよというのが、一定程度、広く共有できたり、先ほども、本校でもやっているんですが、一つの種目に対して地域の方からの人的リソースを使うというような方法も、何かヒントになることが、学習指導要領ではなくてその外側でもいいですので、先生方のお知恵になるように発信していただければありがたいなと思うところです。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。学習指導要領だけではなくほかでもということですね。具体例、特にグッドプラクティスのようなものを示していくということかと思いました。
大日方委員、お願いいたします。

【大日方委員】 ありがとうございます。先生方の御意見を聞きながら、少し追加でお話しさせていただければなというふうに思いました。
まず、ジェンダーのお話が出ましたけれども、先日、ちょっと渋谷の小学校の6年生のバスケットボールの授業を見ましたら、やはり子供たちの、男女によってかなり発達に違いがあるなというところではありましたけれども、これをグループ分けすることによって、先生がいろいろ考えられてグループをつくったり組合せを考えているというようなところの工夫をされていて、男女共習が、今、原則になっていると思いますけれども、そういったところの工夫をしっかりと先生側が、子供のスキルであるとか、運動の身体的な特徴というところも含めるといいんじゃないかなということを一つ感じました。
それから、渡辺委員から御指摘があった個別の対応の難しさというところはおっしゃるとおりだと思うんですが、私自身の経験からすると、先生が一緒にどうすれば体育の授業に参加できるかということを大人が考える、一緒に考えるという姿勢を持ってくれることで、随分とこれ、実は進むものがあるなというように感じています。
また、子供自身と先生が、ここを共通のゴールにしようねというようなことを一緒に考えることができると、子供自身もすごくやる気を持っていけるかなというふうに思いました。自身の経験でも、30メートル走を1人で走り切るというところを、共通の目的、頑張ってやろうということで先生と取り組んだなんていう、そんな思い出もあります。
また、地域のリソースというところは、先ほど車椅子の貸出しの話もありましたけど、これ、まさに車椅子、地域で持っていたものを貸出しをしたというところで、どんな解決があるのか、この子にとってこんなことを、車椅子、競技用の車椅子があるともっと動けるかもしれないよというようなことを、ある意味、外部の、教育委員ではありますけれども、そこに気づいてつなぐことができたという、一つの役割だったと思いますので、ちょっと自分たちだけで完結しようと思わずに、広く地域と行政にも解を求めていくというような、そんな取組なんかも入れられるとひとついいんじゃないかなというように感じました。
以上です。

【植田主査代理】 様々なアイデア、視点、紹介していただきましてありがとうございます。
それでは、佐藤豊委員、お願いします。

【佐藤(豊)委員】 ありがとうございます。
先生方の発表、非常に参考になるとともに、現行の学習指導要領の理念に従って、それが広がってきているなって感じがしました。特に様々な意見がある中で、学習指導要領の本体で取り上げることと解説で示すこと、それから、指導資料や様々な教材、それらが、今後作成されていくと思うので、今、いただいたご意見を整理していく必要があると思いました。
もう一つ、先生方のご発表の中で、教師だけではなくて、学ぶ子供たちも含めて、世の中が持っている慣習的な感覚というんですかね。そこにアクセスしていかなきゃいけないなというのが一番思うところです。例えば、共生の指導とか、態度の指導をするときに、外発的に具体的な所作などの形を教えてしまうと、授業の手法は広がるんですけど本質が広がっていかないということもありました。なぜ共生社会なのかとか、何をもってどういう姿勢がまさに共生なのかというのを考えさせるような機会の充実や、なんのためにというメッセージを広げていくといいなと思いました。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。非常に貴重な御意見だと思いました。
日野委員、お願いいたします。

【日野委員】 失礼します。御発表ありがとうございました。
今後の検討の視点の一つとしてなんですけども、多様性を包摂して議論していく場合に、現在の学習指導要領の改訂以降、第3期スポーツ基本計画で「あつまり、ともに、つながる」や、改正スポーツ基本法で「集まる」「つながる」など、新たなスポーツの価値や機能が再定義されて拡張されてきているんじゃないかなと思うんですね。そういったことを踏まえながら、スポーツの価値とか考え方自体をどう伝えていくのかというのが重要じゃないかなと思っているところでもあります。
それに関わって、やっぱり体育理論、中高だと体育理論の一層の充実、さらに思考、判断等も含めた、知識だけじゃなくて思考も含めた充実や、体育理論と各運動領域とのつながりみたいなのも、より今後、充実を図っていく必要があるんじゃないかなと思ったところでもあります。
さらに、共生に関する、今回、「知識・技能」のほうにも入ってくるというところでもありますので、競って争うって書く競争と、共に創るって書く共創って、同じ言葉、「きょうそう」なんですけども、多分、競って争う競争は、多分、授業の狙いは運動に関する知識や技能になってくるかも分かりませんし、共に創る共創は、ここではあまり技能は求められなくて、まさに共生に関する知識や技能が学習の中核的な内容になるんじゃないかなと思ったりもしていますので、そういった内容に即した授業のイメージやつくり方みたいなものを提供していくと、現場にはより受け入れやすくなるんじゃないかなと思ったところでもあります。
あと1点、障害者スポーツやアダプテッドスポーツ等に関わりまして、教師の知識や技能も育んでいかなきゃいけないという視点で、実はあまり教員養成段階で扱われてないこともあるんじゃないかなと思いまして、ここの議論ではないんですけど、もっと免許法そのものも含めて、養成段階からそういった知識や経験を育んでいったり、教材を提供できるようなものがだんだん生まれてくればいいかなと思っているところでもあります。
私からは以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございました。スポーツの価値や考え方の転換であったり、また、それが社会を変えていくということにもきっとつながっていくと思いますし、こういう体育の重要な視点だというふうに思いました。また、競争と共創ということはまさにそうで、今日、いろんな事例がありましたけれど、そういったことを考えていく分かりやすい言葉だなというふうに感じた次第です。
それでは、そろそろ時間ですので、意見交換はここまでとさせていただきたいと思います。
大日方委員、細川委員、前島委員、それから福地指導主事、本日は大変貴重な御発表をいただきありがとうございました。特に体育の学習の特性等を踏まえた重要な示唆がたくさんありました。また、意見交換において交わされました議論には、子供たち一人一人の個性や特性、あるいは背景等を踏まえた授業改善につながる多くのポイントであるとかアイデアをいただけたように思います。本日の議論も踏まえまして、授業改善や指導の充実という観点から、さらにワーキングとして検討を進めてまいりたいと存じます。
皆様、どうもありがとうございました。
それでは、議事2に進みます。「体育科・保健体育科の「高次の資質・能力」等について」、まずは事務局より説明をお願いいたします。

【赤間企画調整室長】 それでは、資料2に基づいて御説明をさせていただきます。
「体育科・保健体育科の「高次の資質・能力」等について」ということで、1ページ目が、これ、本日の議論についての全体のフローチャートでございますけれども、上半分、丸1と書かせていただいておりますが、前回ワーキングまで御議論いただいておりますけれども、「見方・考え方」や「目標」について、これらの議論を踏まえた改善のイメージというのを提案をさせていただきます。
それから、丸の2、こちらがどちらかというと今回の議論の中心部分になりますけれども、内容の部分に関連をいたしまして、「体育の運動領域の系統性」について、それから保健も含めて、表形式による構造化や高次の資質・能力について、体育・保健における検討のイメージというものを御提案させていただきたいというふうに思っております。
まず、「見方・考え方」「目標」についてということでございます。3ページ目が、前回ワーキングにおける御意見も踏まえた体育・保健のそれぞれの新たな見方・考え方のイメージでございます。
体育に関しては、右側のほうに第4回ワーキングにおける主な御意見ということで書かせていただいております。「する、みる、支える、知る」といった具体的な記述について、幅広い関わり方を包摂するものとして表現するというようなことも考えられるのではないかということ。あるいは、運動やスポーツとの関わり方等については、関わり方、親しみ方、楽しみ方といったいろいろな記載が考えられるのではないかというような御指摘をいただいたところでございます。
それを踏まえまして、体育の部分に関しては、左側、矢印書かせていただいておりますけれども、前回お示しをしたものに関しては、「「する、みる、支える、知る」などの」というところ、これ、「多様な楽しみ方」というところにかけて書かせていただいておったところを、できるだけいろいろなものを包摂できるような書き方ということで、「多様な楽しみ方の視点」という形で記載を簡潔にさせていただいているというところでございます。
それから、下半分、保健に関してでございますけれども、右側の箱のところにございますように、まずは文章の結びの表現に関して、これはできるだけ体育と共通的なほうが理解が進むのではないか、社会づくりとか環境づくりというところだと思いますけれども、それから概念、それから原則については、必ずしも一対一の対応関係にならないということもあり得るのではないかということを踏まえて、表現の工夫は考えられないだろうかというような問題提起もいただきました。
それらを踏まえまして、改善イメージということでございますけれども、2行目、「健康や安全に関する概念やそれに関わる原則」、元は「それに基づく」というふうな形で、概念と原則がある種かなりひもづいた一対一の対応のように見えるところを、「それに関わる原則」という形で表記を整えさせていただいております。
それから、社会づくり、環境づくりのところに関しては、記載そのものは異なっているわけですけれども、環境づくり、これは保健の中の学習の中で個人に関すること、それから社会、そして自分の身の回りの環境というところも含めて環境づくりというところが位置づいているところもありますので、今回、ここの部分については記載を変更せずに、前回のとおり「環境づくり」というような形にさせていただいてございます。
それから、4ページ目でございます。4ページ目は、前回、提案をさせていただきまして御議論いただきました「新たな「目標」のイメージ」というところでございます。一番上の箱の部分でございますけれども、前回、御提案させていただいたように、小学校、中学校、高等学校が、校種を通じて、柱書きの部分については統一的な記述が可能ではないかということで提案をさせていただいていたものでございます。
それについて、赤字の部分が修正点でございますけれども、前回、2行目のところが、これは「体育や保健に関する課題の発見・解決」というふうに書いておりましたけれども、それぞれの教科の対象にしている事象等々、そういったものを書いたほうが正確なのであろうということで、「運動や健康に関する課題発見・解決」というような修正をするとともに、知識・技能、思考力、判断力、表現力、学びに向かう力・人間性というこの3つの資質・能力の中で発達段階の書き分けをしていくという方向性については御了解いただけたというように思いますけれども、それを柱書きの中にも明確にしたほうがよいのではないかということで、「発達段階に応じて」ということを記載をさせていただいております。
その下の資質・能力に関してでございますが、左側が「知識及び技能」ということになりますけれども、それらについて、前回のワーキングの中では、今回、知識・技能のところに再整理を試みようとしております公正、協力等々の、そういった内容を小学校、中学校、高等学校通じてしっかりとそこに位置づけているということが分かるような記載の工夫ができないだろうかというような御指摘をいただいたところでございます。
この記述で十分かというところは御指摘あろうと思いますけれども、小学校、中学校、高等学校それぞれについて、「自他の運動への関わり方」、あるいは「自他の運動への豊かな関わり方」、それから高等学校においては「生涯にわたる自他の運動への豊かな関わり方」ということで、ここにそういった内容を込めているというところを表現させていただいてございます。
それから、一番右側、「学びに向かう力・人間性等」に関しては、2つ目の丸の部分でございますけれども、体力の向上や健康の保持増進というものを含めた心身の充実というような表現ぶりであったわけでございますけれども、健康の保持増進と心身の充実ということの関係性等々、御指摘をいただいたところでございます。そこについては、体力の向上と健康の保持増進というものを、2つパラレルで書くというような整理、高等学校に関してはここに回復という要素が入ってまいりますけれども、そういった形で記載を、整理をさせていただいてございます。
続きまして、ここから先が新しい御提案になってまいりますけれども、5ページ以降の内容でございます。まず、全体の総則・評価特別部会等々での全体の各教科共通で検討すべき内容として示されている内容について御説明させていただきます。
まず、論点整理におきましては、この分かりやすく使いやすい学習指導要領の実現というものを通じて深い学びの実装を図っていくという観点から、この学習指導要領に示されている内容につきまして、この時点では、論点整理の時点では、「中核的な概念等をもとに表形式で構造化を図る」というような方針が示されていたところでございます。
2ポツのところで、表形式化の具体的な考え方ということで示されている内容でありますけれども、個別の知識・技能、それから個別の思考力、判断力、それぞれにつきまして、児童生徒の中で相互に関連づけられ、構造化されて深い理解や習得に至った際の資質・能力の姿、こういったものを示していくことが重要であるということ。それから、資質・能力の一体的な育成というものを可視化していくという観点で、知識・技能に対応して一体的に育成を目指す思考力、判断力、表現」、こういったものを並列して記載していくというようなことが考えられるのではないかということで、これらを表形式で示すと下のような内容になっていくというところでございます。
また、今回の構造化に当たっては、総則・評価部会の議論中でも、新たな用語の提起というところにはできるだけ慎重であるべきであろうという御議論の中で、論点整理の段階での表現ぶりを右側にあるような赤字のとおり、できるだけ可能な限り現行に既に用いられている言葉を使いつつ構造化するという観点から、「知識・技能に関する統合的な理解」、あるいは「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」というような形で統一化されているというようなところでございます。
具体の表形式のイメージが7ページ以降にございます。1つ目のパターンが並列パターンということで示されている内容でございます。左側に知識・技能に関すること、右側に思考力、判断力、表現力、こういったものが位置づいた上で、それぞれの学年で学習、指導する内容というものが、個別の知識・技能であったり、思考力、判断力、表現力というふうな形で位置づけられているものでございます。
どちらかというと知識・技能に関しての系統性というものが明らかな教科において、この知識・技能に関する内容の、資質・能力の深まりというものを可視化しながら、その上で、一番上のところにあります「知識・技能に関する統合的な理解」と、この内容のまとまりを通じて獲得してほしい統合的な理解というものを示していくというような内容。また、それに対応する思考力、判断力、これはその資質・能力を一体的に育成していくというところを可視化していくものになりますけれども、そういったものが対応したものが右側に、個別の思考力、判断力としてあり、それらを最終的に、この知識・技能を活用しながら総合的に発揮をしていく、複雑な課題を解決できる力というものを示していくというようなつくりになってございます。
それから、8ページ目は並行パターンということで、教科によってはこういうふうな示し方もあるのではないかということで、2つ目のパターンが示されてございます。こちらについては、どちらかというと教科として、思考力、判断力、表現力、その部分に重きが置かれているというか、例えば言語系の教科、国語でありますとか外国語というところでいきますと、例えば文法とか公文とか、あるいは語彙とか、そういった部分の知識・技能というのは、話すこと、書くこと、読むこと等々の、この思考力、判断力、表現力を支える基盤になっているものだというふうな捉え方ができるということで、どちらかというと思考力、判断力、表現力の資質・能力の深まりというものを、横の系統になりますけれども、学年段階で示しつつ、それらを知識・技能が支えるという形で示していくというやり方もあるのではないかということで、こういったものを教科の特性に応じて各ワーキングのほうで検討してほしいというような形になってございます。
9ページ目でございます。9ページ目につきましては、先ほどの表形式の形の話だけではなくて、そもそも中核的な概念、これ、高次の資質・能力という形で言い換えられておりますけれども、そういったものを可視化していく目的というところが整理をされてございます。
これについては、先ほど御説明の中でもさせていただきましたけれども、まさに個別の知識・技能や思考力、判断力、表現力の深まりを可視化していくこと、それらの一体的な育成を可視化していくということ。それらによりまして、資質・能力の関係性の理解、それらに基づいて、それらを一体的に育成をする単元づくり、深い学びを具体化しやすくする方策というものを考えていくということでございます。
これによって、それらの深まりの可視化を通じて深い学びを実現する単元づくりのイメージを先生方が持てるような、そういうふうな役割を担うものとして、この高次の資質・能力の可視化というものをしていくという形になります。
それらを具体的に各教科の中で抽出をしていくという形になったときのチェックポイントというものが全体の整理の中で示されている、これが10ページ目でございます。大きく分けて4点ございますけれども、1つ目、これは当然でございますが、目標の達成に資するとか、あるいは各教科等の本質的な意義の中核、すなわち「見方・考え方」に照らして適切なものであるということ。それから、当然でございますけれども、要素となる個別の資質・能力の深まり、こういったものを示すことができているのかどうかということ。それから、まさにこの深い学びを実現する単元づくり、こういったものに資する、参考になるものになっているのかどうか。あるいは、4点目のとおり、経験の浅い先生方も含めて、分かりやすい、使いやすいものになっているか、あるいは学校種、学年、発達段階に即して妥当なものになっているかという点でございます。
これら、御説明をした内容を、11ページ、次のページになりますけれども、論点整理の中で示されている資料に、その後のいろんな議論を踏まえてこれをリバイスしたものというものがこの一枚紙になります。今まで説明した資質・能力の深まりというもの、それから資質・能力の一体的な育成、こういったものを下のような構造化によって明らかにしていくというところでございます。
12ページからが、具体的に、今度は体育・保健体育についての具体的な提案になってくる部分でございます。
まず、13ページをお願いいたします。13ページについては、「体育科・保健体育科の運動領域等の系統性の改善イメージ(案)」ということでございます。下半分に記載をしているのは、もう既におなじみでございますが、体育の運動領域における系統性の図、それの改善イメージがその下に書かれているところでございます。この考え方、前提となる考え方を上の部分で書かせていただいてございます。
左側のところが、課題意識といいますか問題意識というところでございますけれども、これまでの御議論の中でもありましたとおり、幼児期からの発達段階を踏まえた指導の系統性というところ、それに関しては、幼少の遊びを通した学びの接続を一層充実をしていくということでありましたり、あるいは小学校段階の遊びを通した学びの実質化ということを図ることはできないだろうかというところが一つの問題意識でございます。
また、小学校、中学校という学校種をまたぐ際も含めまして、中学校、高等学校において指導内容が過度に高度化をするということをできるだけ解消していくということができないだろうかというところが1つ目の問題意識でございます。
それから、2つ目の丸でございますけれども、この黄色、緑、青の4、4、4のいわゆる発達段階を捉えた内容のまとまりの捉えというものに関しては妥当であるという御評価をいただいている一方で、対応する指導内容が必ずしもそういった考え方と一致していない部分があるのではないかというところで、4年ごとの段階を生かしながら、豊かなスポーツライフの実現につなげる体育の学習として、より効果的な整理を図ることができないだろうかという点でございます。
これらを踏まえまして、右側、改善の方向性でございますけれども、まず、幼児期の遊びを通した学びの成果でありましたり、4年ごとの発達段階の捉え方、こういったものを踏まえつつ、小学校の4年生までを遊びの要素を取り入れた学習等をしていくということによりまして、各種の運動の基礎を培う時期というところ、まさに児童が他者と関わったり自ら試行錯誤しながら体を動かしたり運動したりするよさや喜びを味わうと、これらを通じまして、生涯を通じて多様に運動に親しむ基礎をより豊かに育む指導の一層の充実につながっていくのではないかというところでございます。
それから、2つ目の点でございますけれども、緑のところの4年間ですね。真ん中の4年間なりますけれども、小学校からの接続というところを意識しまして、領域名、これを運動というところで統一をしていくということによりまして、小学校、中学校の学校段階が変わった際にも円滑な接続が図られる、そして、中高における指導内容の過度な高度化の解消というものにもつなげていけるのではないかということを考えてございます。
それから、3つ目のところでございますが、中3以降の4年間に関しては、まさしく先ほどの御説明、プレゼンテーションの中でもありましたけれども、自身で選択をして学ぶことを通して、生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現につなげていくということを目指す段階であると。こういったところに立ち返っていくとすれば、まさしくこの学びを実質化する、実質的なものにしていく意味でも、中2までの学習を、その基礎となる運動をバランスよく十分に経験していただくということにするということと、中3以降も過度に高度な指導内容にならないようにするということを意識をしつつ、運動、スポーツの豊かな関わりの機会を確保していくことが重要であろうというように考えてございます。
それらを踏まえて、下の表のところ、小学校の3、4年生に関しましては、1、2年生と同様、この4年間の全体の中で、体づくりの運動遊び等々、遊びというような形の領域名にしているという部分と、緑の部分でございますが、こちらについては運動という形で領域名を統一をしているというところでございます。
続きまして、14ページが体育の表形式による構造化、それから高次の資質・能力のイメージ案ということで、今回、初めて提案させていただく内容でございます。
まず、体育の学習につきましては、それぞれの運動領域ごとの特性を踏まえまして、自身の動きや仲間との関わり方等々を工夫する中でできることが増えていく、ゲーム展開が充実していく、運動のよさや喜びを味わうことができると。そういった意味では、それぞれの運動領域ごとに、その特性を反映した知識・技能とか思考力、判断力、表現力というものを分かりやすく示していくということが、まさしく今回のこの構造化、あるいは高次の資質・能力を示していくという意味で、指導の充実につながっていくのではないかというふうに考えてございます。
それから、2つ目の丸でございますけれども、今回、知識・技能に再整理を試みております運動やスポーツにおける公正、協力、責任等々、この運動への関わり方ということで仮称にしておりますが、こういうものに関する内容につきましては、全ての運動領域でその学習を支え豊かにする性格を有するものであるというふうに考えられるものだというふうに考えますので、当然、先ほど表現活動の中で勝ち負け等々ということが現れるものではないというような話もあったように、各領域の特性を踏まえて取り扱うということを前提といたしまして、全ての領域共通で示すこととしてはどうかということで御提案をさせていただきたいというふうに考えてございます。
今回、お示しをするのは、小学校のボール運動系という運動領域を一例にしましてお示しをさせていただいております。また、この中で、個別の知識・技能、個別の思考力、判断力、表現力ということで、指導内容、学習内容としてグレーの網かけ部分で書かれている内容、これらについては、あくまで今回の議論の参考のために高次の資質・能力と対応する内容のイメージ、こういったものを指導要領本体、告示の内容でありましたり、あるいはより詳細に例示等々が入っております解説の内容なども部分的に取り入れて、イメージとして概略を示しているものでございます。
このような示し方で、運動領域ごとに、今後、ほかの領域についても内容を示していく、そして他の領域のそういった内容も振り返りながら引き続き検討を行うという想定で書かせていただいております。
上側については、ボール運動の内容に関しての知識・技能を左側に取り、それらの1、2年生、3、4年生、5、6年生という学年相当の内容を個別の知識・技能として位置づけた上で、それらを、知識・技能を統合的に理解をしているという姿として赤枠囲みで書かせていただいているような内容でお示しをさせていただいているもの、それらに対応する個別の思考力、判断力についても、右側に示している内容を前提としまして、一番上の赤枠囲みのところで個別の思考力、判断力、表現力の総合的な発揮されている姿として書かせていただいているものが、この赤枠囲みの内容でございます。
それから、先ほど申し上げましたとおり、公正、協力、責任、共生等々、新たに知識・技能の内容として再構成をしようとしている内容につきましては、全ての運動領域に共通する内容として、下半分のところで位置づけさせていただいてございます。
一方で知識・技能に対応した思考力、判断力、表現力の在り方については、まさに今後、検討が必要なものというふうに考えてございまして、これについてはあくまで現段階の案ということで御理解をいただければというふうに思います。
続きまして、15ページ以降が保健に関しての内容、御提案でございます。16ページにお示しをしておりますのは、保健における、現在の学習指導要領の内容に基づく内容の系統性を参考にお示しをしてございます。幼児期の学びからの関連性もございますし、小中高ということで、それぞれの内容のまとまり、ありますけれども、そういったものが学校種をまたいでつながっていっているというのが保健の学習の系統性の特徴でございます。
これはあくまで現在の系統性でございますので、保健そのものの系統性については、今後、別途検討が必要だという前提の上で、17ページ以降、17ページのところに保健の表形式による構造化、高次の資質・能力のイメージ案ということで、事務局提案をさせていただいてございます。
まず、一番上のところ、改善イメージについてでございますけれども、丸の1つ目、保健に関しては内容のまとまりごとの知識・技能と思考力、判断力、表現力、それぞれの内容が特質、内容の特質等を踏まえたものになっているというところがございます。そして、健康や安全に関する概念やそれに関わる原則というものが、内容のまとまりによって性質も異なってくるということでございます。
そういった意味では、各まとまりで示す知識・技能、思考力、判断力、表現力というものは、それらの内容のまとまり、それらの内容の特質に応じて分かりやすく示していくことが必要なのであろうというふうに考えてございます。
それから、2つ目の丸につきましては、先ほどの系統表の中でお話をさせていただきましたが、まさに保健の学習に関しては、発達段階を踏まえて、学校段階をまたぎながら共通性のある内容を系統的に取り扱っているというところに特徴がございます。したがいまして、この高次の資質・能力の検討をするに当たっては、学校段階ごとの内容というものをやっぱり系統的に見通すことというのが必要ではないかというふうに考えてございます。
今回、お示しをしているのは、中学校の2年生で指導する傷害の防止というところを中心に書かせていただいておりますけれども、こういった点を踏まえて、小学校5年生、それから、その後の高校1年、あるいは2年相当で学習する内容の系統性というのを見渡した上での表形式でのお示しをしているというところでございます。
左側が知識・技能、それから右側が思考力、判断力、表現力というつくりは、体育と同様、いわゆる並列パターンという形でありますけれども、同じような示し方になります。そして、学校種をまたぎながら、それぞれの個別の知識・技能、思考力、判断力、表現力というものの深まりというものを示しながら、一番上の赤枠囲みのところで知識・技能の総合的な理解、それから思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮した姿というものをこのような表記で記載をさせていただいてございます。
長くなりました。事務局の説明は以上でございます。

【植田主査代理】 ありがとうございました。
これまで検討を進めてまいりました、教科を学ぶ本質的な意義の中核としての「見方・考え方」、そして小中高校の「目標」のさらなる改善イメージについて説明がありました。
「目標」等の検討は、前回も申し上げましたとおり、振り返りながら練っていくということで、お気づきの点があれば御発言をいただけましたら幸いです。また今回は、前回の議論を踏まえた「体育運動領域の系統性の改善イメージ」について、さらに体育科・保健体育科の高次の資質・能力についても提案がありました。高次の資質・能力は、今後、教科全体について検討を進めていく必要があることを踏まえまして、本日は体育・保健の構造化の捉え方も含めて意見交換を行えたらと考えます。
それでは、大体40分程度の時間を確保しまして、意見交換を行いたいと思います。もう手が挙がっていらっしゃいますが、御意見等ある方は挙手ボタンを押していただけましたら幸いです。
それでは、まず、佐藤豊委員、お願いいたします。

【佐藤(豊)委員】 ありがとうございます。端的に意見述べていきます。
「目標」のところですけども、前回の意見を反映させていただきましてありがとうございました。「目標」のところ、小中高のところですけども。
そのときに、赤のところ、「自他の運動への関わり方」というところは、小中高で同じ文言を使っているので、例えば小学校の場合は、知識・技能というよりも技能で書かれていて、中高の場合は学習指導要領では知識の部分は、技能関連のみでなく、特性などの文化的な知識も含めた知識の整理になっているので、少しトーンを変えていただくとよりいいかなと思いました。そこが一つ目です。
2つ目は、高次の資質・能力についてですけれども、中核的なこれまで概念といったところがそのまま変わったというよりは、僕自身の理解なんですけども、中核的な概念の小中高を通してそれを覚えておけば卒業した後も有用な概念ということで、概念的な知識、あるいは、コアコンセプトという捉え方をしていました。
ですので、この部分というのは、例えば保健で言えば内容のまとまりの知識であったりとか、体育であれば、球技の例で出ていましたけど、球技の型を越えての知識もあるのかもしれないですけど、スペースとか高低、強弱とか球の変化みたいなもので攻めたり、それを守ったりする攻防といった形にしておくような形が、中核的な概念と言われるもので、深い学びにつなげるということになるかと思いました。一方で、高次の資質・能力は、思考力、判断力、表現力等も含む認知的領域の整理ですので、中核的学年の名称変更とはとらえにくいので、それをどう整理するかというのを構造化するということになるのかと思います。構造化自体は反対じゃないんですけど、用語の使い方が、中核的な概念ということと、多分、高次の資質・能力は、この2つの能力が合わさった新たな定義というふうに捉えて論議をしていったほうがいいのかなと思ったのが2つ目です。
3つ目、運動の領域の一覧表のところを提示いただいたんですけど、ありがとうございます。これですけども、できればこの表を示すときに、保健とのつながりや体育理論というのも体育のほうの学習に入っていますので、それも示した中で全体像を見ていく形で、これだけ単独で活用されていくと体育は、運動学習がやはり一番なのではと誤解を与えてしまいますので、ぜひ体育科・保健体育科という教科の中で運動領域の変更の検討案が示されるよう修正したほうがいいんじゃないかなと思ったところがあります。
最後ですが、小学校の例の高次の資質・能力の提示ありがとうございます。これも学習指導要領の構造が違うので、小学校のバージョンに対しては何ら異論ないんですけど、中学校か高校で一例出していただくと、より混乱なくイメージが広がると思います。ぜひ、次はこれ、中学校バージョンも含めて、球技の系統性みたいな形でどうでしょうかというふうに進んでいっていただくといいかなと思いました。
以上です。長くなりました。

【植田主査代理】 失礼しました。4つほどの視点、紹介していただきました。何か事務局、ございますか。承ったということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、次、南委員、お願いいたします。

【南委員】 ありがとうございます。
今の御説明、よく分かって、資料もきちんと整理されているなと思って、ありがたく思っているところです。
最初に保健のことなんですが、私、第4回のワーキングが終わった後に、ちょっと事務局のほうにもお願いをしていたというか、御意見は伝えたんですけども、4ページには「健康の保持増進及び回復」という言葉があるんですけども、これ、やっぱり少なくとも中学校にも記載してほしいと考えているんですね。回復はけがの防止は、この後、17ページにも出てくるんですが、当てはまりますよね。だから、正直言えば小学校にも入ってほしいです。様々な健康課題が考えられますので、保健の「見方・考え方」にも関わるのではないかなと考えています。
以前、森委員のほうから、系統性を踏まえた精神疾患においては、心の健康って中学校にも必要という御発言があったと記憶しています。なおさら「回復」が欲しいなと思っています。
次に、体育のところなんですが、これ、13ページですね。実は、遊びでや運動という言葉できちんと整理されているこの表は、非常に見やすく、よいと思います。改正されたスポーツ基本法の中でのスポーツの価値の再定義では、指導者による暴力、パワハラ、セクハラ、こういったことは駄目だよということが明確に禁止されているところですけれども、スポーツを人と人をつなぐ社会的インフラと位置づけていたり、地域社会の絆育成、ウエルビーイング、心身の健康への貢献が明文化されていたり、スポーツの定義としても大きなポイントだったと考えます。
その中で、やはり中学校や高等学校の体育分野、科目体育において、領域体育理論、これ、非常に重要だと思っていて、次期学習指導要領の目標においても、生涯にわたって心身の健康の保持増進、豊かなスポーツライフの実現、資質・能力の育成を引き続き目指さなきゃならないと思っています。確かに単なる名称の変更とか系統性を踏まえた整理だけではなくて、指導のイメージ、先ほど少しありましたように、現場の教員がどのように指導していくのがよいのか、ということがイメージできるように、やっぱり児童観、生徒観、教材観、こういった研究が学校現場でしっかり進められるようにしていく必要があると思いますので、引き続き事務局のほうでもいろいろ整理とか、新しいことを入れていただくというようなこともお願いしたいと思います。
以上です。

【植田主査代理】 意見いただきまして、ありがとうございます。
岡出委員、お願いします。

【岡出委員】 ありがとうございました。私も意見だけということになります。2点あります。
今日、前半の多様性の論議等も踏まえ、あるいはこの系統表のものも踏まえて、やっぱり「見方・考え方」のところに価値という言葉を入れられないのかなということはずっと考えています。体育のほう、例えば「運動やスポーツの意義や価値を」とかって、先にポンと入れることができないのかなという可能性はちょっと検討いただきたいなと思います。そうしないと、今日、お話があったように、多様性云々、スポーツ見直さないといけない云々というところがうまく引き取られていかないのかなというのが一つの懸念事項です。
2つ目は、今、系統表のところで見せていただきました発達の段階というのをどういうふうに捉えるのか、もう一度、みんなでちゃんと論議しておかないといけないのかなと思いました。というのは、体育のところ等でも、基本的に今日も過度な高度化のお話がありましたけども、大体、身体的な能力の発達と、あるいはパフォーマンスの高まりというところだけで系統がつくられているように見えたりするんですけど、実はそうではなくて、子供さんたちの情緒だとか社会性の発達だとか、多分、そういうものを踏まえながら内容をつくっていくということだと思うんですよ。
特にこれで言うと、小学校4年生ぐらいの子供さんたちって、運動の、多様な運動を一番習得しやすい時期であり、神経系のところで言うとほぼ完成期に位置づくような、そういう年代がこの4年生ぐらいまで。そうすると、やっぱり動きの幅を広げてあげるべきで、そこがあって次の段階みたいな、そういうふうな段階のイメージを、先ほどお話があったように、発達の段階というものを踏まえてうまく説明していただけるようになるとうれしいかなというふうに思いました。
すみません、以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。2点、御意見あったかと思います。
渡辺弘司委員、お願いいたします。

【渡辺(弘)委員】 ありがとうございます。お願いと、それから質問でございます。
1点、お願いのほうは16ページでございますけども、体育に比べまして、保健のほうの系統性を策定していただくのが遅いんだろうなというか、大変お時間がないので大変だったなと思うんですけど、これが正確にできないとやはり次の議論に発展しないし、先ほど意見が出ました4ページの「目標」のイメージというところも、恐らくこの系統性がどのようになるかということによって変わってくるんじゃないかと思いますので、ぜひ体育のように、運動のように、できるだけ早くこの系統性に対してのお考えをつくっていただいて、お示しいただき、次の議論に発展していただきたいと思いますので、ぜひその議論を早く進めていただきたいというお願いが1点でございます。
質問は17ページですけども、丸2、上から四角の丸2の一番下にあります。「教師の授業づくりに当たっては、デジタル学習指導要領のイメージを踏まえ、系統性を見通した指導」というのは、体育には入っていなくて、保健のところに「デジタル学習指導要領のイメージを踏まえ」ってあるんですけども、ちょっと具体的なイメージが湧かないので、もし時間がありましたら、どういうものをデジタル学習指導要領のイメージと捉えたらいいのかというのを教えていただくとありがたいかなと思って質問しました。
以上でございます。

【植田主査代理】 失礼しました。それでは、1つ目はお願いということで、これは今後、別途検討ということで急ぎつくっていくということですが、2番目の質問、もし事務局、ありましたらお願いします。

【赤間企画調整室長】 2点目のところ、17ページ、保健の2つ目の丸の3行目のところの内容だと思います。これは、体育ではなくて保健になぜこれをこういうように示しているのかというところでございますけれども、体育の場合、まず学習指導要領のつくりとして、小学校、中学校、高等学校という学校種ごとの立てつけになっているというのが基本になっているということでございます。その上で、体育であれば、小学校の中の発達段階、系統性というのが小学校は小学校の中である程度見えるわけでございますけれども、保健の場合は、例えば傷害の防止という内容については、中学校2年生に位置づけられている内容になってしまっているので、その前後の小学校5年生や高校1、2年生で習う内容とのつながりというところ、それらも見据えないと、この高次の資質・能力を抽出していくということがなかなか難しいというところでございます。
学習指導要領の単位で見た場合に、傷害の防止ということに関しては中学校2年生のところで示される内容でありますし、そういったものを、今、総則部会の中でも、まさに学習指導要領をデジタル化していって、いろんな活用の仕方をしていくということのイメージというのがまさに議論をされています。そういった要はデジタル学習指導要領というものが実現をされていきますと、いわゆるそれぞれの学校種の先生がそれぞれの学校種の学習指導要領を見るということだけではなくて、こういったような形で小学校、あるいは高等学校の学習指導要領の内容というものをデジタルの中で一覧にして確認をするようなことというのが、まさしくこの図表に示しているようなことがデジタルの中でできるようになっていくというようなことも踏まえて、こういった表をお示しをしているというところで記載をさせていただいている内容と御理解いただければと思います。

【植田主査代理】 ありがとうございます。ちょっと他の部会といいますか、そういうところでの内容も踏まえてということになろうかと思います。ありがとうございます。
それでは、次、森委員お願いいたします。

【森委員】 おまとめいただきまして、ありがとうございます。
具体的に、教科の構造図みたいなものが出てくると、いろいろとそご齟齬が出てくるのかなと思って見ていました。学校に分かりやすく伝えていくことが重要になると思うので、高次の資質・能力が内容に位置づく際に、「目標」の資質・能力とこの高次な資質・能力との関係性をわかりやすく伝えていくことが必要なのかなと思っています。また、保健の17枚目ですよね。これを見ていただければ分かりますように、もともと思考力、判断力、表現力等はコンピテンシーベースでできているのであまり違和感はないのですが、保健の知識自体はもともとコンテンツベースでできていたので、高次の資質・能力のところで、知識・技能をコンピテンシーで表すその下の個別とのつながりが分かりにくくなると思っています。
これだけ見ると、知識・技能の個別の資質・能力と、高次の資質・能力とのつながりが本当に現場に伝わるのかなと心配はしています。
もう一つは、体育で言うと、例えば下側に出ている「何々~している」という表現を見ると、評価基規準に近い表現になっているように見えるので、評価規準と何が違うのかが気になりました。最終的には、評価まで見通して確認していくというような作業をしたほうがよいと思いました。
植田先生、この辺、どういうふうにお考えになっているのかというのをぜひ聞かせていただければありがたいです。
以上です。

【植田主査代理】 森委員、ありがとうございます。今、コメントできるとすると、今、表形式のパターンが示されていて、その中に落とし込む作業をまずやっていると。森委員おっしゃっていたように、内容のまとまりというものと、これ、前にもたしか何回目かにおっしゃっていたように思うんですが、そういったものと、こういう概念、概念と、今、使いませんけれども、そういう系統性、そういったものの系統性と、そこをやっぱりうまくミックスさせながら、かつ現場に分かりやすくどう表現していくかということが課題であるということは同感であります。この辺り、また少し検討というか議論を進めていって、まとめていく必要があるなというふうに思いました。
ありがとうございます。よろしいでしょうか。
それでは、渡邉正樹委員、お願いいたします。

【渡邉(正)委員】 私のほうからは2点です。
まず4枚目をちょっと出していただきたいんですけど、よろしいですか。4ページ目です。
前回のこの委員会の中で、会議の中でも、藤田委員から御指摘があったと思いますけれど、健康と安全の表記、知識と技能に関しては、「健康・安全」って書かれているんですが、思考力、判断力、表現力、学びに向かう力・人間性では「健康」としか書いてありません。しかし、小中高を通して安全の内容というのは全て独立した内容のまとまりとして構成されていますので、やはり「健康・安全」という言葉で全部統一していただくのがいいのではないかと思います。安全は運動のほうにも関わることなので、非常に重要なんで、やっぱりそれを表に書いていくということが大事かと思います。
次、17枚目お願いします。ありがとうございます。今回、傷害の防止のところが一つ例として挙がっておりますけれど、ちょっと前から気になっているというところでもあるんですが、中学校の傷害の防止、知識・技能の中で4つあるうちの3番目になりますが、「応急手当を適切に行うことによって、傷害の悪化を防止することができること」というのがあるんですけれど、この「適切」という言葉なんですが、高校のほうは適切の内容が具体的に出ているので分かるんですけれど、このところは、やはりもうちょっと言葉を換えたほうがいいのではないかと。
というのは、今回のこの参考資料のほうに、学習指導要領の実施状況調査の結果が一部載っておりますけれど、その中に、中学校の保健の内容で成績があまりよくなかったのが、心肺蘇生法の胸骨圧迫に関する内容だったんです。つまり、心肺蘇生法の原理原則というものを十分に理解しないで、ただ漫然と心肺蘇生法を実施しているようなことがうかがえる結果が出てきたわけです。
ですので、ここは、単に「適切」ではなくて、例えば「傷害の悪化を防止する原則に基づき応急手当てを行う必要があること」というような言い方のほうが、より問題解決につながっていくんではないかと思います。
ですから、思考力、判断力、表現力のほうも、ちょっと文章を変えて、例えば「状況に応じて傷害の悪化を防止する応急手当ての方法を応用すること」、あるいは「当てはめること」みたいな言い方ですね。今は「傷害に応じて」って言っていますけれど、実際の授業では、まず技能を身につけた上で、例えば傷病者がいる場面でどういうふうにそれを応用していくかという話を取り上げていますので、「状況に応じて」という言い方のほうがいいのかなと思います。
この「適切な」という言葉というのはたくさん解説にも出てくるんですけれど、よく分かる部分もあれば、何となく便利だから使っているような感じの表現も結構あるんだと思いますね。ですが、そこはやはり現場の先生にもよく伝わるような表現の仕方で書いていただくのがいいのかと思います。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。ちょっと表現上のこととか、今日は例示ということですのでそこにとどめたいと思うのですが、参考にしたいと思います。
それでは、岩佐委員、お願いいたします。

【岩佐委員】 冠中学校の岩佐です。御説明ありがとうございました。資料も本当にお時間のない中で整理もいただいて、また御提案もいただいて本当にありがとうございます。
私は、13ページの運動領域等の系統性の改善イメージの案について、今の段階でのお話にはなりますが、私が率直に感じていることを2点、お話をさせていただきたいと思います。
まず1点目は、4年間のこのまとまりの中で、領域の名前をそろえているというように一見見えるのですが、もしそういうことであれば、私自身は4年間の中でも発達の段階にはやはり差があるというふうに思っていますので、私自身は領域の名前をそろえる必要はないと考えています。
2点目です。小学5、6年生から中学1、2年生の領域です。この領域の名前を運動としていることについてですが、御説明もいただいたとおり、その意図としては理解をしているところですが、やはり課題もあるかと思っています。小学校5年から中学校2年までの運動というものがもし同じような内容だとした場合に、現行の学習指導要領で言いますと、例えば表現運動を取り上げてみますと、中学校で入ってくる現代的なリズムのダンスというものが、中1、中2では経験しないままに中学3年生のダンス領域での実施ということになってくるかと思います。要するに、中学校1年生、2年生から中学校3年生への系統性も十分に検討する必要があると思っています。
私自身は中学校の立場ですので、現段階では領域の名前を変えるということよりも、系統性とか、それぞれの発達の段階での指導内容をしっかり見直していくということに注力をするべきではないかなというふうに考えています。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。系統性、発達段階に関わっての御意見だったかと思います。ありがとうございました。
次、斎藤委員お願いいたします。

【斎藤委員】 よろしくお願いします。私は、まずは「見方・考え方」についてです。これまでのワーキングの意見等を踏まえて、更に改善案を出していただき、ありがとうございます。前回の案にあった「する、みる、支える、知るなど」という表記がなくなり、これまでは「多様な関わり方」としていたものを、「多様な楽しみ方」という表記にしたことについて、賛成です。
一方で、4ページの公正、協力、責任、共生、健康・安全といったこれまで体育の態度として指導していた内容を、知識及び技能に移した際の名称が、今度は「関わり方」となっているということは、正しく伝えければ、学校等は混乱するかと思います。今までは「関わり方」というと、「する、みる、支える、知る」に直結していたので、今後は「する、みる、支える、知る」などのことは「楽しみ方」、「公正、協力、責任、共生、健康・安全」などのことは「関わり方」と表記することをしっかりと理解することが大切だと思います。
次に、13ページです。岩佐委員から御指摘があった内容ですが、私はこの領域名を変えることが、4年間のまとまりを大切にする大変強いメッセージになると思います。先ほど岩佐委員が言われた、系統性をしっかりと捉えなきゃいけないという御意見には、強く賛成です。私もそうあるべきだと思っておりますが、それを含めても、やはり領域名をこのように変えることで、中学校1・2年は小学校の段階で学んでいる内容は継続して、多くの領域の学習をする、経験する時期として捉えていること。また、小学校は低学年からの運動遊びを中学年でもつなげていくことで、子供が自分たちで運動の楽しさや喜びを追究しながら運動に関わっていくこと、これらの各4年間の段階が分かりやすく示されると思います。
本日、発表があった「多様性の包摂」の意味でも、小さな階段を2年ごとにどんどん上がっていくよりは、4年間を一まとまりにすることで、全ての子供が運動遊びを、そして運動をしっかりと楽しむ、学ぶことができるようにする今回の領域名の変更案に、私は賛成します。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。
それでは、中村委員、お願いします。

【中村委員】 中村でございます。二巡目になりますので、端的にお伝えしたいと思います。
私も、P13の領域のところについて、少しここは感想のような、アイデアのようなお話として受け止めていただければと思うんですが、本日の御発表にあったような共生スポーツの観点で、現行にあるスポーツの種目を想起させるような領域名の中における技能の向上からの脱却というのが、これからの次世代の体育に求められてくることというふうに私のほうは捉えているところです。
だとした場合に、もし一般の教員がこの領域目を見たときに、さほどに現行の運動領域という、これまでの行ってきた題材、スポーツの題材と大きく変わらないという内容については工夫等の余地があるというふうに考えるところなんですが、例えば共生、スポーツの中で身体を通して行う運動において関わり合うというようなことを、楽しみを積み重ねていくということを考えたときに、新しい形態のスポーツというような視点が見えるような、何かここに領域名なのか、もしかすると包含されているんだとは思うんですけれども、見えていくことによって新しいスポーツをやってもいいんじゃないか。
もしくは、うちなんかはAIなんかを使っていますので、アダプテッドスポーツの発展形になるように、例えばみんなが楽しめるスポーツ、何か新しいものを考えていかないかのような探求的な学びというのも、少しアイデアとしては本校でも取り組んでいるところなんですね。そういった観点で、この系統性の中に、この領域名の中に何か視点として先生方にメッセージが伝わるようなネーミングがあるといいのかなというふうに思った、これはもう感想となります。よろしくお願いいたします。

【植田主査代理】 ありがとうございます。何かそういった表現ということですね。
それでは、藤原委員、お願いいたします。

【藤原委員】 失礼します。私は、運動領域等の系統性の改善イメージについて、少しお話しさせてもらいたいと思います。
小学校1年生から4年生の時期は、各種の運動の基礎を培う時期として、特に3、4年生の運動が運動遊びという名称に変わっています。また、小学校5年生から中学校2年生までの4年間は、多くの領域の学習を経験する時期として、中学校1年生の陸上競技等が陸上運動という形に整理されています。4年ごとのまとまりで分かりやすく整理されていると感じていますが、小学校におきましては、3、4年生の運動遊びという変更については、現場では、多分、大きな反応があるのではないかなと考えていますし、丁寧な説明が必要になってくるだろうなと考えています。
特に小学校の6年間だけのまとまりで考えたときには、4年生となるとやっぱり微妙な段階かなと考えています。例えば4年生ぐらいになりますと、これも領域によると思うの ですけども、器械運動系など、マットとか跳び箱などでは、多くの子供たちは技の獲得に向かい始める時期かなと自分では思っています。その中で、名称が運動遊びに変わることで、現場の先生がやっぱり遊びながらもっといろんな動きを楽しめばいいという方向のみで授業を進めてしまったら、せっかく主体的に、また意欲的に学習に向かい始めた子供たちの学習意欲をそいでしまうことになってしまわないかなということを心配しています。
そう考えると、4年くくりでまとめられた、すごく分かりやすく整理されているので難しいとは思うの ですけども、もしかしたら領域によっては、4年生から運動として扱うような領域があってもいいのかなと個人的には思っています。
ただ、今回、このように3、4年の学習内容を運動から運動遊びに変えようとする背景には、多分、これまで子供の発達や成長の段階に合わない中で、無理に運動に合わせたり
挑戦させたりするような現状があったための改善策なのかなとも考えています。そう考えたときには、運動遊びという学習の意味を今まで以上に現場の教員がしっかりと理解した上で、体育の学習を進められるようにしていくことが大事になってくると思います。
運動遊びでは、ねらいとする動きを遊びの要素を取り入れながら取り組み、様々な動きを体験し、その動きを習得する過程で3つの資質・能力を偏りなく育成していくことが、運動遊びの中でも大切にされなければならないと思っていますし、遊びの教育的価値というものを現場に分かりやすく、いま一度、明確に示していくことが大事かなと思っていますし、そのことが現場の子供の育成を図るとともに、混乱を防ぐことにもなるのではないかな というふうに考えています。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。名称変更により様々な影響が考えられるので、そこを現場にやはり浸透していく方策をということかと思いました。ありがとうございます。
柏原委員、お願いします。

【柏原(聖)委員】 私のほうからは3点、意見を申し上げたいと思います。
まず、1点目は4ページのスライドです。こちら、前回、私は欠席いたしましたので重複していたら申し訳ありません。「体育科・保健体育科の新たな「目標」のイメージ等 全校種(Ver.2)」の中の「知識及び技能」の「自他の運動への豊かな関わり方」と朱書きがありますが、これは、ここで「自他」という記載が必要なのかどうかということです。逆に運動への、「自他」を削除して、「運動への豊かな関わり方」でもよいのではないかと思います。各領域の特性を鑑みますと、「自他」を入れることによって、運動への関わり方の評価がやりにくくなる可能性があると感じました。
2点目は13ページのスライドです。先ほど来、御意見が出ていますが、体育運動領域の系統性の改善イメージ案につきましては、4年ごとの組立てを分かりやすくすることと、それから運動、競技として捉えることの弊害から脱却して愉しむ要素を入れていくことは十分に理解でき共感します。運動に親しむ素地を培う意図があることも理解ができましたが、3、4年生の神経系の発達が遂げられる時期にあって、「運動遊び」に修正されることによって、「遊び」という言葉から目的を持たない活動であるとか、楽しければよいと捉えられる可能性があると危惧します。意図する「遊び」を定義を示した上で、現場に分かりやすく浸透できるようにする必要があると思います。
先ほど何人かの委員がおっしゃいましたが、領域の中では「遊び」という言葉が果たして適しているのかということが一つと、もう一つは、この言葉が多用な解釈や誤解を生むことは避ける必要があると考えます。
3点目は8ページです。お示ししていただいているのは並列パターンですが、並行パターンとなったとしたら、たらればですが、上段が思考力、判断力、表現力になっており、下段が知識及び技能にとなっております。なじみやすいのは、上段が知識及び技能、下段が思考力、判断力、表現力の並びがなじみやすいと感じました。

【植田主査代理】 3点についてありがとうございました。2点目は特に藤原委員と近い意見だったように思いましたけれども、1つ目の「自他」のことについては、事務局、何かございますか。

【赤間企画調整室長】 ありがとうございます。
まさに共生や公正など、これまで体育の指導内容として大変重要にしてきたものというものを知識・技能に再整理をするということで、それを端的にどういうふうに表現するかということは、我々自身もいろいろ頭を悩ませながらやっているところであります。
その中で、自分のことだけではなくて他者のことも含めてということで「自他」という言葉を用いさせていただいておりますけれども、そこはあくまで評価のこととか、いろんなことを兼ね合わせたときに、そういった言葉があることがいいのか、悪いのかというところ、そういったところも含めて総合的に考えていく必要というのも先生のおっしゃるとおりあると思いますので、そういったところも含めて、どういった表現がより適正かというところについて、引き続き考えていきたいというふうに思っております。

【植田主査代理】 ありがとうございます。
それでは、柏原委員、お願いします。

【柏原(奈)委員】 では、私のほうからは、2点お話をさせていただきます。
1点目は、先ほどから皆さんがおっしゃっている13ページの系統のところです。これまでにいろんな議論を重ねてきた中で、やっぱり幼稚園、保育園と小学校の接続のところが大きな課題になっていて、1、2年生の運動遊びの考え方、それを踏まえた授業づくりというのが十分に浸透し切れていないのではないかということが話題になってきたかなと思います。今度、3、4年生の名称を変えることで、そのことが解消されるかというと、そこにはあまり大きな改善が見られないのではないかなというふうに私は感じています。
ただ、今日、御提案のあった4年生までの子供たちがやりたいということを大切にした授業づくりとか楽しさを十分に味わってほしいというお考えはすごく分かるので、それを踏まえて、3、4年生のほうを、例えば器械運動にしてしまうとすごく領域の、競技性が強いということでしたら、例えば「器械・器具を使っての運動」にするとかというふうするなど、やはり「遊び」を外して、でも、競技性を抑えたような名称というのを考えていくべきかなと思っています。
それから、もう1点は、13ページで示されている「態度」の部分、「態度」を、今回、「知識・技能」に置き換えている部分です。これについては、何かあれば教えていただきたいと思っているんですが、14ページの下のところで、「小学校【全ての運動領域共通】」として知識・技能が示されているんですけれども、ここで一番最初のところに1年生、2年生、3年生、4年生両方、「規則を守り誰とでも」というふうに示されているんですね。「規則」って、私たちの捉えでは割とルールに寄っているような、すごく縛りがあるものだって捉えていて、これまではボールとか、それからボール運動とか、それからゲームのときには「規則」という言葉を使ってきたけれども、ほかのものについては「きまり」というふうな言葉を使ってきて、ルール的なものではない、みんなが安全に運動するためのみんなで決めた「きまり」みたいなものを含むというふうに捉えてきているんだけれども、今回、「規則」として全領域共通でとしていることはどういうふうな意図があるのかお聞きしたいなと思いました。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。
それでは、2つ目の、これ、グレーは参考のためにという先ほどお話でしたけれど、いかがでしょうか。事務局、お願いします。

【赤間企画調整室長】 柏原先生、ありがとうございます。
2点目のところは、今回、お示ししているのはあくまで御参考という内容ですので、いろいろな領域に書かれている内容を統合していく中で、文言が統合されている部分があるということを御理解いただければと思います。
ありがとうございます。

【植田主査代理】 今、お手が挙がっているちょっと3名の先生かと思います。大分時間も迫ってまいりましたので、その3名の先生、まずお願いしようかと思います。日野委員、お願いします。

【日野委員】 失礼します。時間も限られています。まず、系統性のところがあったと思うんですけど、改めてですけども、発達の段階に対応したまとまりで構成されていて、学校段階が変わっても円滑な接続をするということで、やっぱり子供の立場から、子供目線からどうつながりを持っていくのかというところ大切かなと思ったところでもあります。
今回、領域名称の変更が提案されているんですけども、これってとても大きくて、学校現場にはすごくインパクトがあるんではないかなと思ったところでもあります。ただ、具体の内容についてはまだこれからの検討ではないかなと思いますので、この内容についてどうしていくのかというところも含めて検討していかなきゃいけないかなと思いました。
例えば中学校を○○運動にするのは、恐らく正規のルールや条件にこだわることなく、その運動の本質的な特性や楽しさに触れるようにするという意味合いではないかなと思いますので、そういったものって実は現行のものをベースでも十分語れるんじゃないかなと思いますので、そういった現行の内容の趣旨や内容をしっかり分かりやすく伝えていくということを通じて、看板はちょっと変えていくんですけど、したらいいかなと思ったところでもあります。
一方で、小学校の1年生から4年生のところ、〇〇遊びにするということについては少し慎重な検討が必要かなと個人的には思いました。運動の基礎を培う時期という点ではまとまってはいるんですけれども、現行では、低学年、1、2年生は経験を通じて運動の楽しみ方を工夫する、中学年では自己の能力に応じて運動の行い方を工夫するという、その中でもちょっと内容も違っていますし、特に、今、幼保小の接続、先ほどもありましたけど幼保小の接続とか架け橋ということで、1、2年生と幼稚園等とのつながりを強調するというところで、現行の、低学年の〇〇遊びというところっていいんじゃないかなと個人的には思っているところでもあります。
2点目が、表形式化するところの高次の資質・能力のイメージのほうなんですけど、恐らく今回の提案は、どのような表形式化にしていくのかということと、高次の資質・能力の書きぶりをどうしたらいいかということが御提案ではないかなと思うんですけど、まず、今回、示していただきました並列パターンについては、私は分かりやすくていいんじゃないかなと思ったところでもあります。
ただ、今後、今回、ボール運動でゴール型、ネット型、ベースボール型、出ているんですけど、これ、陸上だったら短距離走、リレー、ハードル、幅跳びみたいになっていくのか、その辺りの、柔道である武道、柔道、剣道、相撲みたいになっていくのかによって、高次の資質・能力はどういうイメージで書いていけばいいのかなというところが一つ気になっているところでもあります。それぞれ教科の領域の独自性みたいなのを出していくみたいな形になるのかなと思ったんですけど、並べてみるといいんではないかなと思いました。
それで、高次の資質・能力の書きぶりとか内容なんですけども、例えば今回、「統合的な理解」というふうに整理されていて、その書きぶりが最後は何とかを「理解している」という言葉になっているんですけど、どうも知識的なイメージがちょっと強くなり過ぎているんじゃないかなという気もしまして、例えばその前に参考で出た縦横の表のやつのとこの数学の例は、関数を使えば未知の状況を予測できるという例になっているんですよね。色つきの、すみません、何ページかな。それです。それの統合的な理解の例は、「関数を使えば未知の状況を予測できる」という形になっていて、ここ、「理解できる」というところのイメージというよりも、個別の知識や、統合してこういうことができますよみたいなところなので、ここの辺りの書きぶりをどうするのかというのは改めて確認したらいいかなと思ったところでもあります。
今回のところにおいても、すみません、先ほどの資質・能力のイメージに戻るんですけど、例えば知識・技能の中で「ゲーム展開を工夫することにより」というふうな言葉があると、これ、思考・判断のイメージがあったりとか、最後の語尾の「自他がその活動を通じた喜びや楽しさを一層味わうこと」というのは、これ、多分、どの領域にも共通している言葉じゃないかなという感じもしていて、そもそもこの高次の資質・能力の内容というのはどう押さえたらいいのかというのが、まだちょっと十分確認、僕もイメージできてないんですけど、先ほどの中核的な概念というようなイメージで言うと、ゴール型、ネット型、ベースボール型を学習して、何を学習しているのというのを核心をつくような言葉の意味になってきたらいいんじゃないかなというふうに思ったところでもあります。
改めて、統合的な理解というところの理解がちょっと十分まだできてないとこもありまして。

【植田主査代理】 そうですね、ありがとうございます。ちょっと時間がなくなってきているので、今のところなどは本当に、確かに「統合的な理解」と書いてありますけれども、こちらのほうは思考力、判断力、表現力であったりする、ここは違いますね。知識・技能のほうですよね。これ、ちょっと間違えてはないですね。ごめんなさい。私がちょっと理解していませんでした。ちょっとその語尾の表現というのはやはり検討が必要ですね。
それから、ほかにも、佐藤委員とか森委員とおっしゃっていたことが近い部分があったというふうに思いました。この辺りは本当に慎重に検討が必要だと思います。ありがとうございます。
すみません、最後、ちょっと切ってしまったようになってしまって失礼しました。
それでは、佐藤若委員、お願いいたします。

【佐藤(若)委員】 すみません、時間のないところで端的にです。
何度も私、申し上げている内容になりますが、4枚目のところです。4枚目。先ほども斎藤委員のほうもお話しされていましたけれども、知識・技能のところの多様、すみません。違います。態度の部分を表していただいたところの「自他の運動への豊かな関わり方」というふうにまとめていただいたというようなことで、前回ともまた変わってよいフレーズになってきているんだなというふうにも感じている反面、また、学びに向かう力・人間性のところでは、こちらは「多様な関わり方」という文言のところもありまして、そこについての関心を持ち、最後は態度を養うということで、何度も申し上げて申し訳ないんですけども、一般の人が見たときに、一般の教員が見たときにこの違いや、違いと、本当にこの関わり方というふうなことの、「多様な」という言葉をどのように使い分けするのかということについても、もう少し御議論いただければ幸いだというふうに思います。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。
それでは、吉田委員、お願いします。

【吉田委員】 ありがとうございます。
私もここの4ページの目標のところなんですけれども、「知識及び技能」の前半の知識の部分になるんですが、小学校の運動の行い方は理解できるんですけれども、中高の技能とあるところがちょっと不自然に感じています。ここは、こうやったらうまくいくとか、そういった正しい運動のやり方を言っているのであれば技術になると思うので、知識として理解する、分かるであれば、ここは技能ではなく技術のほうが適当ではないかと思いました。
それから、もう1点、上の共通の部分、「発達の段階に応じて」とあるところなんですけれども、小学校では2学年ごとのくくりで弾力的にもともとなっていますし、13ページに示していただいているような4、4、4のまとまり、時期のまとまりで示されていると思います。こちらの13ページのほうでも、黄色から緑、緑から青への矢印も次に刺さっていて、区切られた段階、ステップというよりは、つながりのあるもののように思っています。そう考えると、「発達の段階」というよりは「発達の過程に応じて」というほうが適しているのではないかと思いました。直前に「学習過程」というふうにあるので、ちょっと言葉が重なってしまうんですけれども、「発達の段階」よりは「発達の過程」のほうがいいのではないかと思いました。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。
それでは、大井委員、それから金岡委員、まだ少し意見いただいてなかったかと思うんですが、全体を通してでも結構ですし、何かございましたらお願いいたしますか。
まず、多い委員、お願いしてよろしいですか。

【大井委員】 大井でございます。よろしいでしょうか。

【植田主査代理】 はい。

【大井委員】 ありがとうございます。
今日、前段の部分でも教員の意識を変えるというお話があったかと思うんですけれども、そういった視点から見ますと、今日、事務局に御提案いただいた内容について、非常に効果的な御提案じゃないかなというふうに感じたところです。
13ページの運動領域の系統性の改善イメージのところで何名かの委員から御意見ありましたけれども、私も中学校の立場から、この中1、中2のところの運動領域の名称を5、6年とそろえていくというところの方向性については、前の委員の御意見と同様に、教員に対するインパクトが非常にあるんじゃないかなと、意識を変えていくことにつながるんじゃないかなというふうに感じております。系統性の内容をしっかり分かりやすく整理していくことが重要かと思いますけれども、名称を変えることについては賛成の立場であります。
あと、14ページ、17ページの表形式による構造化に関しましても、資質・能力の深まり、そして一体的な育成ということについての教員の意識を高めていくということには大変有効ではないかなというふうに思っておりました。
17ページの保健に関してですけれども、現在、解説のほうでも資質・能力の系統表というのは出ていますけれども、中学校の解説においては小と中までのつながりしか示されておりませんので、高校までこのように示されることが、つながりをしっかり意識して教員が指導することにつながっていくんじゃないかなというふうに感じております。
以上でございます。

【植田主査代理】 ありがとうございます。特に教員の意識を変えるということで、日野委員のお言葉を借りると看板を替えるという、その看板も大事なんですけれども、それをフォローする何か具体的なものというか、そういったものもやっぱりここで考えていかねばならないということかと思います。ありがとうございます。
それでは、最後になりますけど、金岡委員、お願いしてもよろしいでしょうか。

【金岡委員】 すみません、発言できてなくて。
私の立場からちょっと気になったところとしては、16ページのけがの防止から、傷害の防止から安全な社会生活。整形外科領域では、この、“傷害”という言葉を使うと、それは、いわゆる怪我・外傷に加えて使い過ぎ障害も含めるようなニュアンスになるところがありまして、まだちょっと我々の領域の中でも統一されてないところでもあるんですけども、けがを受けるのであれば“外傷”にしたほうがいいのかなというふうには思いました。
以上です。

【植田主査代理】 ありがとうございます。中学校の場合は、けがだけじゃなくて交通事故ですとか様々なものも含むので総合的に考えていく必要があると思います。貴重な御意見ありがとうございました。
それでは、皆様、ありがとうございました。教科全体に関する議論がかなり進んでまいりました。特に高次の資質・能力については、冒頭申し上げましたとおり、今後、さらに教科全体について検討を進めていく必要があろうかと思います。
また、本日、14ページでしたでしょうか、系統性のところ、かなり意見をいただいたように思いましたので、全体はもちろんですけれども、事務局のほうで、本日の議論を踏まえ、次回の用意をお願いしたいと存じます。
もしこの時間で十分に発言し切れなかった委員がおられましたら、事務局まで御意見をお寄せいただければというふうに思います。
それでは、本日の議事は以上としたいと思います。
次回の予定について、事務局よりお願いいたします。

【赤間企画調整室長】 次回は、年明け、来年1月16日金曜日10時からを予定しておりますけれども、正式には後刻、御連絡をさせていただきます。

【植田主査代理】 ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、第5回体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループを閉会いたします。
年内はこれで最後ということになります。来年も引き続きよろしくお願いいたします。皆様、どうぞよいお年をお迎えください。本日はありがとうございました。失礼いたします。

―― 了 ――

 

お問合せ先

スポーツ庁政策課企画調整室

(スポーツ庁政策課企画調整室)