教育課程部会 体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時

令和7年12月5日(金曜日)10時00分~12時30分

2.場所

ウェブ会議と対面による会議を組み合わせた方式

3.議題

  1. 体育・保健体育の系統性等について
  2. 体育科・保健体育科の「目標」等について

4.議事録

【植田主査代理】  それでは定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会「体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ」を開催いたします。本日は友添主査が御欠席でございますので、主査代理の私、植田が進行いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 でははじめに、事務局より会議の開催方式について説明をお願いいたします。


【赤間企画調整室長】  本ワーキングは、対面とウェブ会議を組み合わせた方式で開催してございます。御発言の際は、挙手ボタンを押していただきまして、ミュートを解除してから御発言をお願いいたします。また、御発言が終わりましたら再度ミュートにしていただくようにお願いいたします。


【植田主査代理】  ありがとうございました。

 本日の議事は2つです。

 議事1は「体育・保健体育における系統性等について」です。事務局と相談の上、本日は吉田委員、日野委員、森委員に御発表をお願いしています。今後、体育科・保健体育科の「系統性」やそれを踏まえた「高次の資質・能力」等についても議論を進めていくわけですが、それに先立ちまして、特に吉田委員からは幼児期と小学校段階の接続の観点、日野委員からは体育に関して、森委員からは保健に関して、系統性等について御発表いただき、議論を行いたいと思います。なお、本日は幼児教育ワーキングの事務局にも御参加いただいております。ぜひ、よい連携を図りながら議論を進められたらと思います。

 議事2は「体育科・保健体育科の『目標』等について」です。前回ワーキンググループでは「見方・考え方」や「学びに向かう力・人間性等の要素」について議論を行いましたが、今日はそれに加えて、教科の「目標」についても議論を行いたいと思います。

 それでは議事1に入ります。「体育・保健体育における系統性等について」、まずは先ほど御紹介しましたお三方から御発表を頂き、その後に全体で意見交換を行いたいと思います。

 では、最初は吉田委員から、特に幼児期と小学校段階の接続の点を踏まえての御発表をお願いいたします。


【吉田委員】  よろしくお願いいたします。東京学芸大学の吉田と申します。幼児教育ワーキングにも関わらせていただいておりますので、その議論の状況と、幼小の系統性について発表させていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、幼児教育ワーキングでの課題がこちらになりますが、2の幼小中高を通じた教育の改善・充実に関しては、論点整理を受けて2つの課題が示されております。また、下の赤枠、3、現代的課題への対応として、遊びの中で多様な動きを体験することの重要性や行い方の課題、また、全国調査において児童の体力合計点や運動時間に改善が見られないことなどが指摘されております。

 次をお願いします。運動習慣に関しては、こちらはスポーツ庁の調査ですが、上2つの帯グラフは入学前、幼児期の外遊びをする頻度と児童の運動実施状況との関連で、男女ともに幼児期に外遊びをよくしていた子は児童期も日常的によく運動しています。また、下2つの棒グラフは横軸に幼児期の運動実施頻度を取っていますが、男女ともに幼児期に外遊びの頻度が高いほど児童期の体力が高くなっています。つまり、幼児期の運動習慣・体力は高学年児童の運動習慣・体力と関連していることが示されていて、早期から、幼児期からの運動習慣の形成は重要であると言えます。

 次をお願いします。こちらは先ほどの課題を踏まえた内容の改善・充実の方向性で、3つ示されておりますが、3点目、赤枠の「様々な遊びの中で多様な動きを行う指導の充実」として、多様な動きを体験することと自発的に体を動かして遊ぶ機会の充実が挙げられております。

 次をお願いします。こういった内容の改善・充実を図ることで、ピンク色の4つ目の丸にありますように、小学校体育科における「運動遊び」等の指導との円滑な接続が図られるとあります。小学校以降との接続について具体的な教科名が挙がっているのはここにある体育科だけです。

 次をお願いします。また、学びに向かう力・人間性等に関しては、左側のピンクと水色の図のうち、下の3つの要素について幼児教育としての説明を検討しているほか、右の黄色っぽい「心情、意欲、態度」の図との関係、この位置づけ、説明を検討しているところです。心情・意欲・態度については、平成20年の幼稚園教育要領では、ねらいの説明として「生きる力の基礎となる心情、意欲、態度など」とされておりました。それが現行では3つの資質・能力が示されたことで、この心情・意欲・態度は学びに向かう力・人間性等で説明された経緯があって、黄色っぽい図に示す幼児教育として重視してきた点を踏まえて、どのように分かりやすく表現していくかが議論されております。

 次をお願いします。一方で、幼児期の運動の在り方については、2012年に文科省により幼児期運動指針が策定され、幼児期の運動発達の特性や運動の行い方が示されております。

 次をお願いします。運動の行い方については具体的に3つ挙げられておりますが、1点目に、多様な動きの経験が大切であることが示されております。また一番下ですが、小学校以降の運動や生涯スポーツの基盤の育成が重要であることの指摘もなされております。

 次をお願いします。これらを踏まえて、現行の幼稚園教育要領では「多様な動き」という文言が「健康」という領域で新たに示されております。また、同じ領域、「健康」では安全に関しての記述もありますが、ここにある「安全についての構えを身につける」とは、簡単に言えば幼児が分かってできるということです。つまり、遊びや生活場面において場に応じた動きができることであって、多様な動きを経験し身につけること、体の動きを調整できることは、単に運動やスポーツだけに関係しているわけではなく、子供の安全能力の一つの側面でもあって、自分の身を守ること、健康な体とも密接に関係していると言えます。

 次をお願いします。こちらは幼稚園教育要領の領域「健康」と小学校低学年のねらい・目標、内容を抜粋して作成したものです。文字が小さいので色で御覧いただければと思いますが、赤色の、動きや十分に体を動かすということ。青色の、遊び、運動遊び。またピンク色の、楽しさ、心地よさという心情的な面。それから緑色の、進んでとか何々しようとするといった意欲。この関連が両者で見られています。特に幼児期の多様な動きと低学年の基本的な動き、また、遊びであるという点においては、現行の要領上、体育科においてスムーズな接続が図られていると理解しております。

 次に、低学年の運動遊びについて、御専門の先生方を前に僣越ではございますが、次をお願いします。これまでの研究成果を少し御紹介させていただきます。こちらの図は、幼稚園4歳児から小学校2年生までの各学年に見られる動きの種類を比較したものです。1学期から3学期で各学期1回ずつ、幼稚園は運動遊びの中で見られた動きについて、小学校は学期間の体育授業全体を通して見られた動きを担任に評価してもらいました。

 一番下の赤枠、濃い色が高い頻度で見られた動きの割合ですが、4歳児から5歳児3学期にかけては観察される動きの種類が増えて多様な動きをしていましたが、1年生になると、1学期から3学期の全てでごく僅かな種類しか見られておらず、反対に全く見られない動きの割合、上の青枠の割合が高くなっていました。このことから、特に小学校1年生の体育授業時の動きの体験は制限されていて、幼児期に多様な動きを経験してこれらが身についていたとしても、小学校で十分に生かすことができていないのではないかと感じました。

 次をお願いします。こちらは少し前になりますけれども、ある小学校の先生が長期研修で1年間いらしていた際に行った研究です。目的は、小学校低学年の体育において遊びとしての運動を行うことの効果を検証することでした。遊びとしての運動ですが、自己決定の要素を十分に保障するということです。これについて簡単に御説明いたします。

 次をお願いします。遊びの捉え方についてはいろいろあると思いますが、ここでは指導理念と指導実践の2つの基準を満たす捉え方として、遊びを、自己決定と有能さの認知を追求するために内発的に動機づけられた状態と捉えています。

 この捉え方で指導理念の立場からは、自己決定的に行動することは、個性を育み、自立した人間を育てること。また、有能さを追求することは、個々の可能性を実現させ、自己の能力を向上させることであって、この2つは別々のものではなく、同じ内発的動機づけを異なる視点から表現していると言えますが、この自己決定と有能さの認知を追求する内発的動機づけは、吹き出しにありますように、全力を発揮するような行動と挑戦的な行動という2つの行動を引き起こすとされます。このことから、自分らしく自分の能力を向上させることを追求する内発的に動機づけられた遊びは、まさに教育の目指す姿そのものと言えると思います。

また、指導実践の立場から、つまりどのような指導方針が導き出されるかというと、このように遊びを捉えることで、運動を自己決定的に行わせることが基本方針ということになります。

 次をお願いします。ただし、自己決定していることは自発的・主体的ではありますが、内発的動機づけの自己決定理論では、自発性には幾つかの水準があって、最も高い水準を自己決定と言うため、みんながやっているから仕方ないからやろうとか、何々ちゃんと、お友達と一緒になどのような、水準でいうと低い自発的・主体的は自己決定とは言わない。つまり遊びではないということになります。また、自己決定というと、何でも好き勝手に子供にやらせることとか自由放任と思われがちですが、決してそうではなくて、幼児教育においては経験させたい内容があるわけで、その内容に基づいて指導されることになります。つまり体育の授業においても単元は決まっているわけですが、その枠組みの中で子供たちの自己決定を尊重していくことが指導の方向性となるわけです。

 次をお願いします。少し前置きが長くなってしまいましたが、そういった考えの下で、導入として幼児期に多くの園で行っている氷鬼を行い、主運動では忍者修行として、多様な動きを引き出すことを意図した工夫をして、そして子供たちが自己決定できるように指導に当たりました。

 次をお願いします。授業では動きを引き出すために用具の選定、動線を考慮しています。幼児教育でいえば環境を構成するということです。また、行い方を自由、子供の自己決定を尊重することで戸惑う児童もおりました。恐らくふだんは指示された活動をしていると思われます。また、教師はモデルとなったり例示したり称賛したりなど、子供に即した関わりをしています。これは幼児教育でも保育者は様々な役割を果たすことの必要性が解説に示されておりますが、そのような関わりをしておりました。

 次をお願いします。結果は、まず運動に対して当初は否定的な態度を示していた児童が、5時間の学習後、わずか5時間で好意的に変容していたこと。そして動きの質的な変容も認められております。このことから、低学年における遊びとしての運動は、体育の目標がより実現しやすい有効な学習活動であると結論づけております。

 次をお願いします。こちらは幼児の結果ですが、子供の自己決定を遊び志向として、子供中心か指導者主導かで得点化した遊び志向得点で比較したものです。左側の寒色系の2つのグラフはクラスの子供に見られる動きの割合と頻度ですが、いずれも遊び志向得点の高い群が低い群よりもクラスの子供が多くの動きを頻度高く行っています。つまり多様な動きを経験していることが示されています。

 また右の暖色系のグラフは運動能力を比較しておりますが、男女児ともに遊び志向得点の高い群が低い群よりも有意に運動能力が高くなっていて、遊びとして行うほうが運動発達にも効果的であることを示しています。

 次をお願いします。最後ですが、こちら上半分は小学校体育科の目標ですが、低学年の基本的な動きに関して、ある小学校の先生ができる・できないと評価していた点がすごく気になっています。運動技能はできるという形で習得した能力ですので、技能に関してできる・できないは理解できるんですけれども、例えば歩き始めの乳児の不安定でぎこちない歩きに対して歩けないとは言わないと思います。

 下の表は国研の資料からの引用ですが、低学年の評価は右下のような子供の姿を捉えていくと思います。この場合、連続して行うことができるに対して、連続して行うことができないではなくて、例えば1回できるとか、1方向に転がることができるとか、基本的な動きなので、できる姿を見取っていくこと、評価していくことが必要なのではないかと思っています。

 なぜなら、できないことをやらせるのではなく、できることを積み重ねることが重要だからで、そうすることで児童が自分なりに目当てを持って次の学習に向かうことができるし、教師は指導の改善を図ることができるからです。連続して行う前段階の姿を総じてできないとしているのかもしれないですけれども、できないと捉えてしまうこと、その表現に少し違和感を覚えています。単に私の理解不足なだけかもしれませんが、もしかしたら評価の仕方に関しての課題もあるのではないかと感じております。

 次をお願いします。最後、まとめ、私見になりますが、下の表に示しますように、幼小では教育のねらい・目標、教育課程などに違いはありますけれども、幼児期と小学校低学年に関しては、遊びを指導する点においては同じです。また、要領上では円滑な接続が図られていると考えています。そして、幼児教育ワーキングでは小学校体育科という具体的な教科名が挙げられて議論されているところです。

 2点目ですが、低学年の体育は、もしかしたら遊びとしての運動の理解、そしてそれが運動発達において効果的であることの理解が十分でないように感じています。もしそうであるとするなら、これらの理解を深めることでさらなる授業改善が期待できるのではないかと考えています。

 最後、これも私がたまたま関わった先生だけかもしれないですけれども、評価の仕方にも課題があるように感じています。評価は指導の改善とも密接ですので、遊びの理解に加えて、動きと技能の区別、あるいは知識・技能というラベル名に引っ張られて評価しているようにも見受けられますので、この点について分かりやすく伝えていくことも必要ではないかと思っております。

 畑違いの立場から的外れなところもあるかもしれませんが、以上です。ありがとうございました。


【植田主査代理】  吉田委員、ありがとうございました。特に多様な動きに関して小1の課題であるとか、それから内発的動機づけですね、そういった重要性であるとか、それから実践例も示していただいて、技能についての捉え方、こういったところも課題になること。大変ありがとうございました。

 それでは続いて日野委員から、体育の系統性等について御発表をお願いいたします。


【日野委員】  愛媛大学の日野と申します。よろしくお願いいたします。

 私からは体育、特に運動領域等における系統性について発表させていただきます。今後の議論に向けた視点等を挙げることができればと思っております。よろしくお願いいたします。

 これまでの議論でもこの運動に関して、例えば指導内容が過度に高度なものになっていないかや、評価は適切なものになっているかといった指摘もされてきました。また、ワーキンググループにおける検討事項として、幼児期からの発達の段階を踏まえた系統的な指導内容の在り方等も示されているところでもあります。

 現行の学習指導要領では、体育科・保健体育科の運動領域は、小学校から高等学校までの12年間の系統性を踏まえ、図にありますように、4年ごとのまとまりで体系化されております。小学校1年生から4年生が各種の運動の基礎を培う時期、小学校5年生から中学校2年生までが多くの領域の学習を経験する時期、中学校3年生以降が卒業後も運動やスポーツに多様な形で関わることができるようにする時期となっております。

 さらに、高等学校の学習指導要領解説では、3つの資質・能力ごとに具体的な指導内容の系統表が示されております。今のスライドが知識及び技能の一部になります。さらに、思考力、判断力、表現力等の系統表や、学びに向かう力、人間性の系統表が示されている状況でもあります。

 こういった状況を踏まえながら、ここからは今後の検討課題として、特に学校段階をまたぐ際の指導内容の系統性、つながりについて、次の3つのことを挙げさせていただきたいと思っております。

 まず1つ目は幼児教育と小学校教育の接続です。この点は先ほど吉田先生からも詳しく御説明がありました。幼児教育と小学校教育の円滑な接続は論点整理でも留意されているところでもあります。先ほどの系統図を見ると、まず小学校1・2年生は各運動領域の系統性のスタートに当たり、◯◯遊びやゲームという形で、発達段階を踏まえた内容が示されております。そして、その左側には幼児教育の学びが位置づきます。

 私は、この幼児教育と小学校1・2年生を、遊びを通して学ぶまとまりとして捉えることを提案したいと思っております。就学前の子供の経験は、幼稚園や保育所、認定こども園、あるいは未就園児など様々です。そのため、小学校1・2年生は系統的なスタートであるとともに、遊びを通した学びの集大成として、経験差をならし、基礎的な運動経験を保障する重要な時期になります。これまで幼小接続や幼小架け橋プログラムなどが進められてきましたが、今後も一層重視する必要があります。

 幼児教育では環境を通して行うことを基本とし、さらに小学校1・2年生では思考・判断として遊び方を工夫するという内容が示されております。そのほか、先ほどいろいろ資料もありましたけれども、具体的なプログラム等も数多く紹介されているところでもあります。

 イメージ図ですけれども、特に幼児期や小学校の低学年期は、多様な運動遊びの経験を通して、その後の運動を支える土台、根っこを育む時期として一層重視していく必要があると考えております。特に多様な経験の重要性を現場の先生方に伝えていく必要があると考えております。

 2つ目です。4・4・4のまとまりと学校段階の接続についてです。先ほども示しましたように、運動領域は内容を4年間掛ける3段階で構成されていますが、上部に当たる学習指導要領は学校段階ごとに示されて作成されている形になっております。

 そうした中で、まず小学校と中学校の接続についてです。小学校では主に運動遊びや運動、中学校ではスポーツという色合いが強くなっております。例えば小学校の陸上運動は中学校では陸上競技、小学校のボール運動は中学校になると球技になっていきます。これは私見ですが、小学校から中学校の移行で内容が急に高度化している場合があると感じております。いわゆる競技についての色が強くなってくる印象です。

 これは小学校高学年の解説の内容ですけれども、小学校高学年では、児童が取り組みやすいように、プレーヤーの人数、コートの広さ、プレー上の制限、用具等を工夫して、簡易化されたゲームを行うこととなっております。次のスライドは中学校の1・2年生の内容ですけれども、その解説には同様に、学習課題を追究しやすいように、プレーヤーの人数、コートの広さ、用具、プレー上の制限等、子供の実態に応じた学習環境の工夫が示されております。

 そういったその趣旨をより明確にするために、例えばですけれども、小学校5年生から中学校2年生までの4年間を、これは同じ内容に変更しているんですけれども、そういった形で統一するなど、より分かりやすく示していくことも一つの案ではないかと思っております。

 大切なのは、運動やスポーツを教えるのではなく、その楽しさや価値を子供が実感できるようにするというメッセージをいかに届けるかであり、この観点からも今後検討が必要ではないかと考えております。

 続いて中学校から高等学校へです。中3と高1は2年間のまとまりで内容が構成されており、次を見ていただくと、記述内容、これは器械運動のマットですけれども、中学校3年生と高校の入学年次は同じ内容になっております。学校をまたいでこれらの内容を指導することになるんですけれども、特に学校段階の変化に関わって学習者が変わることが想定されます。特に高等学校では生徒のこれまでの経験を把握した上での指導が不可欠になってきております。校種をまたいで内容が同じになっている状況でもあります。

 さらに、中3からは選択制が導入されていきます。卒業後も運動やスポーツに多様な形で関わることが言われております。技能の向上だけでなく、多様な関わり方を重視した指導をさらに進める必要があると考えております。

 そして3つ目です。その他になりますけれども、運動領域を柱にした内容構成についてです。体育では12年間、運動領域を柱にして並列のような形で内容が構成されております。これは例としてですけれども、陸上運動・陸上競技に関わってです。共通して「助走の勢いを生かして、踏み切って遠くへ跳ぶ、あるいは高く跳ぶ」ことを学習しております。この共通した内容を踏まえて整理すると、各学校段階では「助走から踏み切って跳ぶ」という柱で内容が構成されております。さらにそれを発達段階に応じて「リズミカルな」とか「力強く」とか「スピードのある」という形で、リズムやアクセント、スピードとした観点で発達の段階に応じて動きの質を高めていくことが示されているところでもあります。

 ただ、実践的な課題として、実際には同じ内容を繰り返し学習していることで内容の重複や重なりが見られたり、学校段階あるいは学年段階が上がるごとに指導内容が高度化してしまい、子供の実態との乖離が見えていることもあります。また、学校段階が上がると技能偏重になりがちで、新しいスポーツとの出会い、例えばですけれどもパラスポーツとかゆるスポーツといった経験ができる機会があってもいいのではないかと私自身は思っております。

 今後の検討の参考として、これは高等学校学習指導要領の体育編、スポーツ科とか体育科があるところの内容についてですけれども、内容構成が「スポーツ」という形になっていまして、その具体的な内容として、球技だと「ゴール型球技への多様な関わり方」という形の内容が示されております。また、「ターゲット型球技」も入ってきて、新しいスポーツとの出会いの機会も位置づけられております。このように示すことによって、より内容が具体化していくんではないかと思っております。

 最後に、今後の検討課題についてです。まず、これから学習指導要領の構造化・表形式化への対応が求められていきます。目標・内容を表にしていくときに、学校段階をまたぐ内容、4・4・4と学校段階をまたいでいるんですけれども、それをどのように整理していくのかが一つ大きな課題になってくるのではないかと思っております。

 そして、今後議論される高次の資質・能力、それから中核的概念をどのレベルで扱うかです。運動領域レベルで扱うのか、型や種目レベルで扱うのか、その辺りを整理していく必要があると思っております。

 最後に、実現可能性の確保です。理念や趣旨をどう分かりやすく伝えていくのか。特に現場の先生方が意欲的に取り組み、なおかつ趣旨・内容を理解しやすくするためにどうすればいいかということをこれから検討できればと思っております。

 以上のような点につきまして今後議論がさらに深まることを期待しております。今後の参考になれば幸いです。

 私からは以上で発表となります。


【植田主査代理】  日野先生、ありがとうございました。特に、体育の系統性で、学校段階をまたぐところをいかに円滑に進めていくのかというところかと思います。その際には発達の観点ももちろん必要だと思うのですが、運動・スポーツが持つ教育的意義であるとか、あるいは運動領域といった観点を十分に踏まえて検討していく必要があることがよく分かりました。ありがとうございました。

 それでは、次に森委員より、保健の系統性について御発表をお願いしたいと思います。


【森委員】  東海大学の森です。どうぞよろしくお願いいたします。

 私からは保健について、3つの視点で話をさせていただきます。1つ目は保健の系統性、2つ目は現代的な課題を踏まえた検討の方向性、そして3つ目が授業改善につながる学習指導要領の在り方です。

 まず1枚目のスライドですが、保健の体系化のイメージを示しています。縦の系統性だけで内容が決まっているのではなく、横の領域も踏まえて内容が決まっているので、このような形になっています。

 これが逆ピラミッド形に見えるのは時間数を表していまして、小学校は3年生から6年生までで24時間、中学校は48時間、そして高等学校は2単位で70時間と、時間数が内容に伴って増えていくような形を取っています。小学校については身近な生活に関わる内容、中学校では個人生活に関わる内容、そして高等学校では個人及び社会生活に関わる内容になっており、時間数もそれに伴って増えています。

 一番右側の吹き出しは内容のまとまりを示しています。見ていただければ分かるように、小・中・高等学校で似ている内容があり系統性が見えますが、先ほど説明させていただいたように、身近な生活、個人生活、個人及び社会生活とそれぞれの校種で扱う内容が違ってきますので、同じような内容のまとまりであっても実際に示されている具体的な内容は校種で違ってきます。

 それから、一番左側は学びの方向性を示していますが、小学校は身近な生活ということで「より実践的に」、中学校は個人生活については「より科学的に」。そして高等学校は社会生活が入ってきますから「より総合的に」理解することを目指します。最終的にその系統性を積み重ねて、一番上の「生涯を通じて自らの健康を適切に管理し改善していく資質・能力を育成する」ことを目指すという作りになっています。

 次のスライドをお願いいたします。こちらは内容のまとまりごとに大枠の内容項目が示してあります。系統性が矢印で小・中・高等学校のどこにつながっているかを分かるような形になっています。見ていただきますと、小学校の5つの内容のまとまりが、中学校では合わさったり整理されたりしながら統合されて4つに、そして高等学校も4つという形になっています。現在は系統性も重要視しているんですけれども、横の並びも重要視しながら整理されて、こういう結果になっています。

 時間数的にいうと小学校が一番少なくて、中学校、高等学校と時間数が増えていくので、今後は小学校よりも中学校、中学校よりも高等学校という段階で内容のまとまりが増えていくのが系統性としては理想的だと思います。例えば、「心の健康」が小学校の真ん中あたりにありますが、この「心の健康」が中学校では2番目の内容のまとまりに入っています。しかし、現在高等学校では一番上の「現代社会と健康」の内容のまとまりの中の一部として「精神疾患の予防と回復」という内容にとどまっています。小・中・高の系統性から言うと、「精神保健」とか「精神と健康」という形で独立して内容のまとまりをつくっていくのが良いのではないかと思います。また、高等学校の一番最後の(4)「健康を支える環境づくり」には、自然環境等と社会環境等が合わさって内容構成をしていますが、中学校を見ると(1)「健康な生活と疾病の予防」に社会環境が入っていて、(4)「健康と環境」に自然環境等が入っているということで分離しているんですね。こういった内容をこれから高次の資質・能力ということをまとめていく中で分かりやすく整理していくことが重要ではないかと思います。

 では次のスライドをお願いします。これはあくまでも大枠で、これが高次の資質・能力というわけではないですけれども、いろいろな歴史を踏まえて現在の内容のまとまりが決まってきていますので、これらの内容のまとまりを踏まえて高次の資質・能力をつくっていくのが方向性としてはよいのかなと思っています。その中で、先ほどお話ししたように、高等学校の「精神と健康」や中学校にある「社会環境」をどうしていくかという議論になっていくと思うんですけれども、そういった議論も今ある内容のまとまりを生かして系統性を踏まえて作成することができればと思っております。

 では次のスライドをお願いいたします。次が現代的な課題の多様化と複雑化を踏まえた検討の方向性についてですが、時間の都合上、2つに絞って話をさせていただきます。

 まず1つ目です。次のスライドをお願いします。社会の変化に対応した内容、これはあくまでも一例ということですが、説明しやすいのでこれを挙げさせていただきます。現在、高等学校学習指導要領に「精神疾患の予防と回復」が新しく示されましたが、その内容に関連して様々な現代的な課題がある中で嗜癖の話が出てきているんですね。嗜癖は物質依存と行動嗜癖とに分けられますが、物質依存は薬物乱用の内容の中に入っており、行動嗜癖は、解説上ですが「精神疾患の予防と回復」に示されています。このように新しい健康課題が整理されてうまく分類されていないようなところがあるんですね。ですので、こういった現代的な健康課題については根拠をもってしっかりと整理して位置づけることができれば、教員が分かりやすくなるのではないかと思います。

 では次をお願いいたします。二つ目がライフコースに応じた健康課題の変化に対応についてです。これに関連して、これまでも高等学校には「生涯の各段階における健康」で、思春期、結婚生活、加齢という段階で内容が示されてきました。厚生労働省で示しているライフステージの段階と違っているところがあり、この辺も整理する必要があると思います。

 また、このライフコースについては、左側一番上の吹き出しに書いてありますが、「胎児期から高齢期に至るまで人の生涯を経時的に捉えた健康づくり」ということですが、現在の健康状態が次世代の健康に影響を及ぼす可能性に関することを含んでいます。今学習していることが次の自分の健康につながっていくんだよというあたりをもう少しちゃんと伝えられるようにしていくと、高等学校の保健の授業もさらによくなっていくのではないでしょうか。このライフコースやライフステージについて検討していくのはすごく重要ではないかなと思います。

 最後に、授業改善につながる学習指導要領の在り方についてで、これは2点あります。

 では次のスライドをお願いします。1つ目ですけれども、知識及び技能と思考力・判断力・表現力等の往還についてです。私は様々な授業を見させていただいていますけれども、そこでは習得した知識を課題解決に役立てるという授業が結構多いですね。逆に、考えたり判断したりしたことがその概念の深い理解につながるようなことまではなかなかいっていないのが現状ではないかなと思います。ですので、今回この高次の資質・能力を表していく過程で、思考力・判断力・表現力等の総合的な発揮というものを考える際に、思考力・判断力・表現力等のほうから知識及び技能に働きかける方向性というかアプローチが指導要領上に出てくると、往還が具体的にイメージでき、授業改善につながるのではないかというのが一つ目になります。

 二つ目は、保健と体育の連携についてです。これについては御参加の先生方からたくさん連携するべきだという話がでています。このスライドは現行の小学校の学習指導要領とその解説の記載です。この記載が示されて、私は、小学校は保健と体育の連携が結構進んできたのかなと思っています。中学校、高等学校も保健と体育の連携について指導計画の作成と内容の取扱いでしっかりと書かれているんです。しっかり書かれてはいるんですけれども、小学校ほどなかなかそこが進まない感じを受けています。

 中学校、高等学校もちゃんと示されているのになぜそうなるのかなというと、関連する内容を羅列していてたくさんこういう関連がありますよという示し方をしているだけだからかもしれません。それよりは、特出しして、こういうことができるよねというようなことを書くと、例えば教科書などにそれが反映されるということが起こってきたりするのではないでしょうか。ですので、保健と体育の内容の羅列ではなく、小学校の様に特出しして具体的なことを示すことを検討した方が、これは解説レベルになるかもしれませんけれども、よいのではないか、そうすると学習改善につながるのではないかという意見です。活発な御議論をよろしくお願いいたします。

 以上です。


【植田主査代理】  森先生、ありがとうございました。保健の系統性についてたくさんの視点を紹介していただきました。特に時間数を踏まえて系統性を見せていくというようなことでしょうか。また、内容のまとまりを整理していく際に、現代的な課題の多様性とか複雑化、そういったものを踏まえた上で、整合性を取りながら整理していくことも御指摘があったかと思います。ライフコース、ライフステージの重要性、また知識・技能と思考・判断・表現の関連といいますかそういったこと、さらには保健と体育の関連について、小学校だけではなく、中等教育段階でも示してはどうかという御意見だったかと思います。ありがとうございました。

 それでは、お三方の発表が終わりましたので、これから意見交換を行いたいと思います。まず3人の委員の方への質問、感想、あるいは系統性等に関する問題意識の交流等、ぜひ活発に意見を交わしたいと思います。時間は30分程度とさせていただきます。御意見等ある方は挙手ボタンを押していただけましたらと思います。いかがでしょうか。

 もう挙がっていらっしゃいますね。それでは、まず渡辺弘司委員、お願いいたします。


【渡辺(弘)委員】  日本医師会の渡辺でございます。

 お三方の先生に簡単に質問を1個ずつさせてください。すぐ終わりますので、申し訳ありません。

 まず吉田先生に対してお聞きしたいところがあります。それは幼児から小学校低学年への運動・体育に関して行うときに、楽しさを強調するのか、効果は考えないのかという点でございます。というのは、私、前回申し上げたように学校医をやっておりまして、整形外科の医者から、幼児の柔軟性がすごく損なわれていると。幼稚園の時から柔軟性を持っていけば外傷が防げるんではないかという意見を聞いたことがございましたので、楽しさを重視されるのか、効果もある程度考慮されるのかということを教えていただければというのが一点でございます。

 それから日野先生に対してお聞きしたいのは、中学校以降の体育に関してスポーツ、スポーツライフが強調されることが多いように思います。スポーツの意味では、運動よりも競技性があるように思っておりまして、そうするとある程度のリスクがあるかなと思います。私は学校医をやっているので、例えば脱衣が問題になるように、社会の意識の変革がありまして、いろいろ保護者への配慮が必要になってきた段階で、運動・体育のリスクを考えたときと、それから先生方の体育に対する理念・理想を考えたときの、社会的意識の変革に対して配慮されることがあるかないかというお考えを一点教えていただきたいと思いました。

 最後に森先生には感想でございます。もしできれば、先生が最初に御挨拶の時に述べられたように、3ページにあったメンタルヘルスに対しての系統的な小中高の前倒しをしていただくような考え方を示していただくと大変うれしく思っております。やはり今の文科省の対応では十分な問題行動の抑制に至っていないように思っております。それからライフコースに即した健康課題の変化に対する対応は非常に重要だと思いますし、さらに先生が最後から2番目にお示しになられた知識及び技能から思考力・判断力・表現力へ行く一方通行ではなくて、フィードバックをしていってそれによって理解を深めるのは、私が以前お話ししたレジリエンスとか応用力につながる考え方だと思いますし、ぜひそういう考え方を進めていただきたいと思います。意見は以上でございますので、質問の2点、簡単に教えていただけるとありがたいです。

 以上です。


【植田主査代理】  渡辺弘司委員、ありがとうございました。

 それでは、まず吉田委員から御回答いただいてもよろしいでしょうか。


【吉田委員】  ありがとうございました。簡単に申し上げると、楽しさも効果も両方だと思っています。先ほど資料でお示ししましたけれども、幼稚園教育要領の中では「多様な動きを経験する中で、体の動きを調整するようにすること」となっていて、つまり遊びの中で楽しく体を動かす中で、偏った動きだけの経験ではなくて、いろんな動きを経験していく中で体の動きが調整できるようになってくる。その体の動きが調整できるということは、先ほど先生がおっしゃっていたようなもちろん柔軟性の側面もそこには含まれていると理解しております。


【植田主査代理】  ありがとうございます。日野委員、お願いいたします。


【日野委員】  失礼します。質問の意図が高尚で、まだ十分に理解できていないんですけれども。中学校以降も、運動領域もありますけれども、体育理論という形でスポーツの文化も含めて総合的に教えているところでもあります。それぞれのリスクや、あるいはそれぞれの意義や価値についても合わせてセットで教えていますので、そういったところを総合しながら先生方は指導されているんではないかと思っております。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございます。森委員には感想でしたけれども、何かありましたら一言お願いします。


【森委員】  いえ、細かい内容についてはこれから検討されることになりますので、引き続きよろしくお願いいたします。


【植田主査代理】  ありがとうございます。それでは5名ほどの方から手が挙がっておりますので、順に御指名します。南委員、お願いいたします。


【南委員】  失礼します。ありがとうございます。まず、御教示いただきました先生方、本当にありがとうございました。吉田先生と日野先生からの御教示を受け、私が感じたこと、今後期待することを、誠に僣越ですけれどもお話ししたいと思います。

 まず、令和4年11月に滋賀県で開催した第61回の全国学体研滋賀大会では、友添先生や日野先生をはじめ多くの先生方のお力によって成功裏に終えることができました。本当にありがとうございました。

 この大会では私は開催側で関わっておりましたが、大変興味深いことがございました。県内の幼稚園による実践において、子供たちの主体的な運動遊びについて本当に感動しました。もちろん主体的な取組にあっても場面設定の重要性は当然ですけれども、また、幼稚園と小学校低学年の接続がその後の体育・保健体育に大きく影響することも痛感しています。現在、私が勤務する県立学校においては、運動・体育を苦手としている生徒、特に女子生徒が多く見受けられます。短期的ではなく中長期的なスパンで考える上でも、次期改訂に関わり、ぜひとも幼小の接続に対する研究と実践が推進されることを期待しています。この件につきましては以上です。

 1点、森委員から御教示いただいた内容に対する質問です。非常に私、勉強になりました。特に御説明の中にあった、「例1はもとより、深く考えたことによってより理解が深まる」という点です。これにつきまして現場の教員としましては、例えばある単元で学んだことから、違う単元の中でこれをもとに深く考えたことによって、より理解が深まってきたということもあっていいのかなと思っていますが、御所見を頂ければと思います。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございます。それでは森委員からお願いいたします。


【森委員】  いろいろな考え方があって、例えば、同じ単元でも基礎となる知識を習得し、それで課題解決に活用する過程で身に付いた資質・能力が次の時間の知識につながるという考え方もあります。一方で、学びはやはりもっと複雑で、同じ時間でも課題について考えたことがより深い理解につながるなど、いろんな方向性があると思います。今回、事務局の説明にあった高次の資質・能力というものも知識等と思考力等の両方をうまく往還するように示されていますが、今までは、それら両方を示すところまでしか強調されてこなかった部分があると思うので、その両方を往還する矢印が具体的にどうなっているかということまで、示すかどうかは別にして、しっかりと考えていくのが重要かなとは思っております。答えになっていないですかね。


【南委員】  よく分かりました。ありがとうございました。


【植田主査代理】  よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは金岡委員から御質問等ございましたらお願いいたします。


【金岡委員】  お三方の先生方、丁寧にいろいろと御説明いただきまして、いろいろとよく分かりました。ありがとうございました。

 私は整形外科医の立場で、特にスポーツ障害、スポーツ外傷や使い過ぎ障害、そのようなことを扱う領域にいるんですけれども。やはりスポーツ・運動の一つの弊害、よいことはもちろんたくさんありますけれども、弊害としてやり過ぎによって様々な障害が起きてしまう。それが問題で、今、スポーツ庁でも運動・スポーツ中の安全確保対策という形で様々な専門家の先生方が集まって、それをどうやって減らしていくか、そのある程度ガイドライン的なものをつくっているところなんですけれども。

 今回この森委員にお示しいただきました小・中・高等学校の内容項目一覧の中で、けがの防止、傷害の防止、安全な社会生活という中にスポーツ障害のことは含まれていますでしょうか。


【植田主査代理】  ありがとうございます。それでは森委員からお答えいただけますか。大丈夫でしょうか。


【森委員】  金岡先生、ありがとうございます。スポーツ障害が明示された形にはなっていませんが、それを扱ってはいけない形にはなってはいないですね。これについては、傷害の防止ではなくどちらかというと「運動と健康」で扱っています。そこでは、健康に対する運動・スポーツの意義だけではなく、スポーツをし過ぎることによる障害についても健康な生活に関わる内容として教科書などで扱われています。でしかし、一つの課題ではあると思っております。

 以上です。


【金岡委員】  ありがとうございました。先ほど言いましたように、スポーツ庁で今そういうかなり系統立てたガイドラインをつくっていて、それをどのようにして社会に普及していくかという方策が話し合われているんですけれども。その中である程度そういうふうにまとまったものが出来上がった後には、学校のほうでも活用していただければいいなと今感じております。どうもありがとうございました。


【植田主査代理】  ありがとうございます。森委員からもあったように、今も保健の教科書レベルではそういったものが扱われていたりすることはありますし、保健と体育の関連ということで言うならば、スポーツ障害であるとか、あるいは熱中症の予防であるとか、様々なことがあると思いますので、ぜひ今後議論を深めていければと思います。ありがとうございます。

 それでは佐藤豊委員、お願いいたします。


【佐藤(豊)委員】  ありがとうございます。(金岡委員のご質問に対して)高等学校の体育理論に、運動やスポーツの技能、体力及びスポーツによる障害を取り上げています。

 今のご質問もそうですけれども、週30時間に変更となった際に、科目「保健」でいえば、生物や家庭科、社会科などの教科との内容の類似や重複に対して、指導内容の精選が図られてきました。その過程で、例えば、ドーピングに関しての取扱いでは、体育では、いわゆるフェアプレーを実技で取り上げ、体育理論では、不正行為は、スポーツの文化を破壊する行為という視点から指導し、保健のほうからは健康の視点からアプローチもしますし、体力は、体つくり運動では、体力の要素や高め方を学び、各領域では、それぞれの技能と関連させて必要な体力の理解を深めていくように、大事な知識に関しては角度を変え組み合わせていく形でカリキュラムがつくられています。今日は友添先生がいなくて、本来、友添先生がこういうことを言うところをお伝えすべきところかと思い、僭越ですがサポートさせていただきました。

 本題ですが、森先生が言ったように、体育といわゆる保健分野といいますか、体育と保健の関連を図って保健体育科として、いわゆる高次の資質・能力をどう考えていくかということがすごく重要と思っています。そういう意味では、いわゆる教育基本法に示されている「知・徳・体」のバランスの良い育成が基本理念であると考えられますので、そこに向けた高次の資質・能力という視点で考えていくといいのかなと思います。選出されている母体が それぞれですので、体育の専門とか保健の専門とかの分野からのアプローチをしがちですけれども、教える先生は体育科・保健体育科の先生お一人の方が両方の情報を得て生徒に伝えていく状況があるので、そういう中で分かりやすい整理が必要かなと。

 系統性という点で一番心配なのは、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう宝・人間性等は、関連させ高めていくことが大切だと考えられるので、それぞれの系統性を考えていくと、素養が分断しがちなので、より関連させて複合的に444の発達段階に適した示し方を検討するとイメージがつきやすいと思います。

また、幼小の連携も大事だと思います。遊びという大きな概念で低中のまとまりをつなぐとかもアイデアとしては有効かもしれません。444の発達の段階でイメージすると、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう宝・人間性等3つの資質・能力の育成するウエートを変えて考えるなど、子供たちの発育・発達にどのようなメッセージがいいのかという視点から見ていく必要があるのかなと思います。結果として体力が高まったり、結果として技能が身についたりということがいい時期と、かなり技能に特化してアクセスしていくのがいい時期もあるのかなと思います。

 4・4・4の話でいくと、幼稚園段階をこの考え方まで広げた場合、幼稚園の場合は30%から40%ぐらいの子が就学していて、それ以外の例えば保育園であるとか入っていない子が排他されないような形で1年生にうまくつながないと、むしろ逆効果になることもあるので、その辺はどう考えていくか。つなぎはすごく大事ですし、考え方として持つのは大事ですけれども、4・4・4というフレームの中と同じところでいくのがいいのかは議論の余地があります。

 最後に、体育の場合、高校で日野先生からの指摘があったように、どうしてもやっぱり技能指導になりやすいところがあります。その部分に関して、技能中心にこれまで歴史的に主としていた部分に対して、転換を図っていくことも大切で、いわゆる体育で教える指導って何なのかといったときに、多様な楽しみ方である「する、みる、支える、知る」というところの広がりを担保できるような授業のつくり方、内容の示し方があるのだろうなと思って、そこがより深まっていくといいかなと思います。

 中3と高1をあえて踊り場にして同様の内容を示しているのは、高校では、学力選抜選考で入学する制度であるため、試験学力は、学校ごとに異なります。そのため、共通性と多様性への対応ということが求められています。 あえて領域選択が始まる中3のところから、一旦、高等学校では、中学校で選択していない生徒も入ってきますので、もう一回同じ内容で整えてから高等学校の次の年次以降でという形の設計になっているということでございます。

 すいません、長くなりました。以上です。


【植田主査代理】  佐藤豊委員、ありがとうございました。補完も頂いてありがとうございます。日野委員、今のお考えに何かコメントはございますか。


【日野委員】  いえ、佐藤先生、うまくまとめていただきましてありがとうございます。


【植田主査代理】  そういった形で系統性を考えていくということですね。ありがとうございます。

 それでは渡邉正樹委員、お願いいたします。


【渡邉(正)委員】  ありがとうございます。私からは質問ではなくて意見ということで。森委員からお話がありました、知識・技能と思考力・判断力・表現力との関係です。一方通行ではなくて、その逆もあるだろうというお話ですけれども。

 それで気がついたんですけれども、このワーキングでも参考資料で配られましたけれども、学習指導要領実施状況調査で、中学校は心肺蘇生の成績があまりよくないことが出てきました。あの部分を考えますと、今のところ、実習を通してその技能を身につけるみたいなことになっているんですが、本来は例えば胸骨圧迫の深さとかテンポというようなことは、そこを思考力・判断力、表現力はちょっと違うかもしれないが、思考・判断を踏まえた上でその技能の習得に至るんじゃないかなとも思っています。それがないから、結局ただやるだけの授業になってしまうようなことがあり得ると思うんですね。ですから、私も思考力・判断力・表現力から知識・技能という流れはやっぱり非常に重要かなと思いました。

 もう一点が、内容のまとまりの整理、高校のお話が出ていたんですけれども、これから学習指導要領の改訂が行われると思います。今ある内容として、高校の科目保健最後の内容のまとまり「健康を支える環境づくり」のところに社会環境が出てくるんですけれども、これは今の「現代社会と健康」のヘルスプロモーションと重複しているんです。内容がまた出てきますし、最後のところで情報の活用とかヘルスリテラシーに関わるような内容が出てくるのは何か不自然な感じがしています。ですので、今後高校の改定をされるときには、「健康を支える環境づくり」も合わせて再整理を考えていただければと思っております。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございます。森委員からも再整理のお話が出ていたかと思いますので、その辺りは重要かと思います。

 それでは、時間が大分過ぎておりますので、今お手が挙がっているお三方で終了としたいと思います。まず岡出委員からお願いいたします。


【岡出委員】  ありがとうございました。手短にいきたいと思います。

 吉田先生から御指摘いただいた幼小の連携のところで私たちにとって一番問題なのは、多分、多様な運動というものをどう見ているかということだろうと思います。運動自体はやっぱり意図的に学習しないと身につかない、人間の場合は。他方で発達の適時性があるので、どの時期にどういう動きを身につけさせてあげるのかということは結構、やっぱり大事だと思うんですよ。今、子供さんたちは運動経験自体が偏っているので、そこをちゃんと、どういうバリエーションがあるのかということは、もう一回確認し直さないといけないかなとは思います。

 同時に、このことに関わってはやっぱり体力指標と混在して話をされることが多いので、速くとか強くとかの部分、それは動きそのものではなくて、動きを起こす能力の話になってしまっているんですけれども、それが混在して多分受け止められているようなところがやっぱりリスクとしてはあるなと、御指摘を踏まえて思いました。これは検討課題だなと思ったという意見だけです。ありがとうございました。


【植田主査代理】  ありがとうございました。吉田委員、何かコメントはございますか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは質問に移ります。前島委員、お願いいたします。


【前島委員】  3人の先生、ありがとうございました。私は特に吉田委員の発表にすごく興味を持ちまして、多様性の包摂というところから見ると、やはり小さいときからの体の使い方がとても大きく今後の運動やスポーツに影響するのではないかなと思います。

 そういった意味では、私たちが子供たちの発達段階のどこで何を、適齢期をしっかりと把握して、どういう動きを習得することがいいのかということをやっぱりきちんと分かっていなきゃいけないなと思います。これは幼児期の先生だけじゃなくて、小中高全ての先生が分かっていることがすごく大事で、子供のつまずきが本当に自己肯定感の低下や、運動やスポーツを諦めてしまうようなことになってしまうので、そういった意味では本当に幼児期の体の使い方、小さいうちの部分はすごく大事だなと思いました。ありがとうございました。


【植田主査代理】  ありがとうございます。重要な視点かと思います。

 それでは斎藤委員、お願いいたします。


【斎藤委員】  3人の先生方、ありがとうございました。私も感想のような内容となってしまいます。

 吉田委員がお示しくださった運動の発生頻度のグラフ、5歳児から小1への変化のところには本当に驚かされたと申しますか、ショックを受けたところがあります。このようなことが起こらないようにするための系統性の整備は、当たり前ですが、校種間の接続に着目していかなければならないということがよく分かりました。

 日野委員からは、中学校からは内容がスポーツになっていくというお話がありましたが、私が仕事で学校現場の先生と関わると、今の中学校の先生の中は、本当に小中連携を大事にされ、運動が苦手な子供たちも運動の楽しさに触れられるように、中学校の初期段階では楽しく運動をするということを重視した指導をしてくださっている先生がたくさんいます。そのような指導をしっかりとサポートできるような、円滑な接続を意識した学習指導要領の改訂を、今回は大切にしたほうがいいのではないかと思っております。

 小学校6年間の低中高の階段の段差が大きく、そこから上がって中学校のスポーツにつなげてしまっているような印象があるので、中学校1・2年生の段をもう少し滑らかに小学校につなげる、同時に小学校の6年間も滑らかに上がっていくような、そんな整理を意識して、本当に系統性を大事にした改訂を皆さんで意識して進めることが重要であるとを思いました。

 保健については、森委員が詳しく説明してくださり、大変分かりやすかったのですが、説明されると、やはり複雑さが却って強調されたような印象を持ちました。系統的につながっていることは分かるのですが、誰もが分かりやすくなるような整理と、難しさはありますが、体育と保健のつながりも明確にしていく。この辺りを皆さんで考えていきたいと思いました。

 以上です。


【植田主査代理】  斎藤先生、ありがとうございました。

 それでは、活発な意見交換をありがとうございました。特にお三方には大変貴重な御発表を頂きありがとうございました。本ワーキングの今後の議論につながる多くの重要な示唆が得られたと思います。また、幼小接続に関しましては、幼児教育ワーキンググループとの関連を図りながら引き続き検討を深めていくことが重要である点も確認されたかと思います。事務局におかれましては、今日の発表や意見交換の内容をぜひ今後の議論につなげていただけるよう、対応をお願いしたいと思います。

 それでは議事2に移ります。「体育科・保健体育科の『目標』等について」、まずは事務局より説明をお願いいたします。


【赤間企画調整室長】  事務局でございます。

 資料2に基づいて御説明させていただきます。本日の議論でございますけれども、前回まで御議論いただきました「見方・考え方」について、それから「学びに向かう力・人間性等」の要素について、こういったものを前回のワーキングを踏まえて改善イメージをお示しさせていただくとともに、見方・考え方の改善イメージを踏まえまして、小中高の各段階の「目標」を新たに御提示させていただきます。もちろん今後の内容を含めた今後の検討でありましたり、総則・評価特別部会との全体の調整も踏まえて、適宜往還しながらさらに検討を深めていくことを前提としてございます。

 次のページ以降が見方・考え方についてでございます。こちらの資料については企画特別部会の論点整理でお示しいただいているペーパーということで、従前から見ていただいているペーパーでございますが、今回の見方・考え方の全体の整理の方向性としましては、各教科等を学ぶ本質的な意義の中核に焦点化して整理していくことが示されております。

 また、前回の説明の中で十分できていなかったところもございますけれども、いわゆる学校教育の中でこういった見方・考え方が徐々に子供たちの中で明確になっていくことだけではなく、よりよい社会あるいは幸福な人生、こういった卒業した後のレンジも含めて今回の見方・考え方を射程に置いていることを改めて確認させていただきたいと思います。

 その上で、前回御提示させていただきました体育、保健それぞれの見方・考え方のイメージについて御説明をしてまいります。

 次のページをお願いいたします。まず体育の新たな見方・考え方のイメージということで、中ほどでございますけれども、前回のワーキングで示させていただきました見方・考え方のイメージがございます。その直下でございますが、網かけで前回ワーキングで頂いた主な御意見ということで整理してございます。上3点は体育と保健で共通するということで書いてございますが、見方・考え方はこれを独立で見てもなかなか適否がこれでよいのかが判断しづらい部分もございます。目標の議論、あるいはその先の高次の資質・能力の議論も含めて、必要に応じて立ち返りながら検討していくべきではないかといった御意見。

 それから2つ目に関しては、これは全体の方向性でもまさに示されているところでありますけれども、先生方が解説を読まずともこの内容をミスリードせずに理解できるような内容という形でブラッシュアップしていく必要があるのではないかという点。

 それから3点目につきましては、これまでも繰り返しいろいろな先生方から御指摘いただいておりますけれども、体育と保健を一体的に捉えながら検討していく必要性。これは教科としての存在意義でもありますけれども、そういったところを捉えながら検討する必要性ということを確認させていただいております。

 その上で、体育に関連する内容として4点、オレンジ色で示しておりますが、多様性の包摂という今回の改定の大きな方向性の一つでありますけれども、そういったところにもつながっていく点から考えますと、「する、みる、支える、知る」といった運動等との多様な関わり方を大切にしていく方向性は望ましいのではないかという御指摘を頂いたと思っております。

 それから2点目。前回お示しした案でいきますと、全ての人にとって自由な楽しみ方というこの「自由」という言葉については、学校現場においては様々な受け止め方があり得るのではないかという御指摘も頂いたところでございます。その表現の検討の必要性の御指摘があったと理解しております。

 それから3点目。見方・考え方の最後のところの閉じ方の部分でありますが、「自他の豊かな生涯の実現を目指す」という文言については、学校現場の指導のイメージに具体的につながっていくような表現がもう少し考えられないだろうかという御指摘。

 それから4点目。これは「運動・スポーツの価値」という表現の重要性についても御指摘があったかと思ってございます。

 その上で、下に改善のイメージということで、前回のものについて頂いた御指摘も踏まえながら、赤字で修正をしているものでございます。「運動やスポーツを、心身の充実に果たす役割や、『する、みる、支える、知る』などの多様な楽しみ方の視点から捉え」というところでございます。まずその「心身の充実に果たす役割」、これは文言そのものは変わってございませんが、これは見方・考え方単独ではなくて、この後御説明する「目標」の柱書きとも関連します。それを全体として見た上で御判断いただくところかなと思いますが、いわゆる「心と体を一体として捉え」ということが目標の柱書きの中に明確に入ってくることで考えた場合に、この「心身の充実に果たす役割」のところをより前に出して説明することも考えられるのではないかということで、こういった順序の入替えをしてございます。

 その上で、前回「自由な楽しみ方」についての御指摘を頂いたところに関しては、「する、みる、支える、知る」、これは今の学習指導要領の体育の中でも大切にされている言葉でありますが、こういったものがまさに現場に根づいていることも踏まえて、こういった多様な楽しみ方という捉え方で御説明させていただいております。

 それから3行目でありますけれども、「自他の豊かな生活及び活力あふれる社会づくり」ということで、個人のレベルそれから社会のレベルというところ、そういったところとのつながりを表現させていただくとともに、これは保健も共通でありますけれども、前回の御提示のところでは「目指すこと」という閉じ方になっていたわけですが、これは教科の目標との関係でどうなのかという御指摘も頂いたところ、「つなげること」ということで表現を置かせていただいているところでございます。

 次のページをお願いいたします。保健の新たな見方・考え方のイメージということで、資料の作りは同じになっております。中ほど、前回の御意見というところで、緑の部分が保健に関することであります。「原則や概念」という表現について、現場の先生方の理解のしやすさという観点から検討していくことが望ましいのではないかという御指摘があったと理解しております。

 また、健康や安全に関する原則や概念を理解しつつ、自らの生活や行動を見直していくことにもつながる要素が必要ではないかということ。

 それから体育でも共通にございましたが、自らに関することあるいは環境づくり、社会レベルというところになると思いますが、環境づくりに関することの記載について、理解のしやすい表記の工夫という御指摘。

 それから先ほど体育のところで先取りして御説明してしまいましたが、目標との関係で文末表現の工夫が必要ではないかといった点でございます。

 それらを踏まえて改善イメージとしてお示ししているものが下の部分でございます。「保健に関する課題や情報を、健康や安全に関する概念やそれに基づく原則に着目して捉え」ということで2行目に書かせていただいております。前回御提案させていただいた案、これは「概念」という言葉に一旦集約して御提示させていただきました。ワーキングの中でもいろいろ御意見があり、原則や概念がそもそも何を指しているのかが指導要領や解説などを見てもやや分かりにくいのではないかという御趣旨の御意見もあったと認識しております。

 例えばでありますけれども、小学校6年生の「病気の予防」で学ぶ概念は、病気は病原体や体の抵抗力あるいは生活行動、環境などが関わり合って起こることが概念の一つとされております。このことを踏まえた原則、こういったものは病原体の発生源をなくしたり、うつる道筋を断ち切ったりということで病原体が入るのを防ぐとか、体の抵抗力を高めておく、こういったことが原則ということだと理解してございます。

 原則については、内容のまとまりごとによっては必ずしも明確に示されていないところもございますけれども、子供たちに着目してほしい視点として明示しておくことが必要なのではないかと考えまして、ただその概念と原則の関係性、そこら辺を具体的に本体の中で、いわゆる「概念やそれに基づく原則」というところで表現させていただいているところでございます。

 御指摘のあった分かりにくさについては、今後「概念やそれに基づく原則」を高次の資質・能力を踏まえた内容の構造化の中で、より分かりやすく示していくことで改善を図れるのではないかと考えてございます。

 それから3行目の言葉の閉じ方、それから個人と社会のレベル、そういったところの分かりやすさからの表現の工夫をさせていただいているところでございます。

 続きまして、学びに向かう力・人間性等の要素イメージでございます。こちらについては、全体の議論の中で、この学びに向かう力・人間性等の要素を構造化して分かりやすく示していくところで全体の整理がなされております。左側にあるような「初発の思考や行動を起こす力・好奇心」とか「他者との対話や協働」「学びの主体的な調整」「学びを方向づける人間性」、その4つの要素によって整理をしていく。それを右側にあるような、大きく分けて2つにバランスよく内容を含めていくような整理が全体としてまとめられているところでございます。

 その上で次のページをお願いいたします。こちらも前回提示させていただいた新たな学びに向かう力・人間性等の要素のイメージ、これについて頂いた御意見を反映させていただいているものでございます。これは体育と保健で一本になることを前提で考えてございます。

 まず、主な御意見のところ。共通してあるところは、意欲とか主体性に関する要素をもう少し分かりやすく示してはどうか。あるいは2つ目でありますが、学びに向かう力・人間性等の要素を含めまして、目標を検討していく際に体育と保健の関連性を踏まえた視点が必要ではないかという点。

 それから体育に関してでございます。体育に関しては学びに向かう力・人間性等について指導内容が示されているという教科の特性、こういったところを踏まえまして、これまでの御議論の中で態度に関する内容を一部、知識・技能に再整理していく方向性を整理していただいているところでございます。こういった方向性自体は全ての教員にとって分かりやすさにつながっていく、あるいはより指導の改善につながっていくことが期待されるといった御意見を頂いた一方で、知識・技能の部分の指導内容が増えたとか、あるいは知識・技能ということで教え込みが必要なのかというところのミスリードが生じないような留意も必要ではないかという御意見も頂いたと理解してございます。

 それからオレンジ色の2点目でありますけれども、「運動やスポーツに関する愛好的な態度」という形で示されていた要素でございます。こちらについては引き続き学びに向かう力・人間性等に位置づけていくことになりますけれども、将来にわたって豊かなスポーツライフを目指していく観点からも、「たたえる」というような表現もありましたけれども、子供たちの多様な姿をこれまで以上に積極的に価値づけていくことが期待されるのではないかという御意見も頂いたところでございます。

 これら2点につきましては、今後の検討の中で、当然この目標の中の学びに向かう力・人間性等でどういうふうに記載していくかということだけではなくて、この3つの資質・能力の中で具体的にどういうふうに指導内容を整理していくのか、あるいはその学習評価の在り方をどういうふうにしていくのかということを、ある程度セットで考えていくことと両輪で考えていく必要があるんだろうと思ってございます。ここら辺については今後具体的なイメージもお伝えしながらさらに検討を深めていく必要があるんではないかというところを問題意識として、事務局として括弧書きの中で記載させていただいてございます。

 それから緑のところ。これは保健の関係でありますが、保健の学習の特性を踏まえ、学んだことを自身や他者の行動化につなげるといった要素を分かりやすく示していくことが重要ではないかという御指摘でございました。

 これらを踏まえまして、要素のイメージを大きく分けて2つ、丸1、丸2という形で整理させていただいてございますが、頂いた御意見を踏まえて、赤字で具体的な記載を追記させていただいているということでございます。

 続きまして、これらを前提として丸3、目標についての議論でございます。今回新たに提示させていただく部分でございます。

 次のページをお願いいたします。これはこれまでも提示させていただいているものであります。左側が各教科の目標の書き方、これは中学校国語の例でございますけれども、こういったものを右側にあるような、目標を表形式にして3つの資質・能力を明記すると。そして見方・考え方が直下に置かれるような、こういった全体の中で整理していく形になってございます。

 次のページが今後この新たな目標を検討していくに当たってのベクトル合わせの部分になります。現状認識の2つ丸、ここについては、全体の方向性等の中で確認している内容を書かせていただいております。目標の柱書き、ここの冗長さや分かりづらさみたいなところをどうやって解消していくか。あるいは学びに向かう力・人間性等についての要素の整理が必要でありますこと。

 3つ目の丸が体育科・保健体育科としての部分でございますけれども、現行の目標、これは小中高で系統性を意識した目標を定めているところ。それによって段階的な資質・能力の育成に必要な役割を果たしているところを確認させていただいております。

 その上で下半分、検討イメージでございますけれども、1つ目の丸。これは全体の方向性を踏まえまして、体育・保健体育を学ぶ本質的な意義、それから見方・考え方、こういったものにも留意した上で、新たな目標イメージを検討してはどうかと。目標だけではなくて、見方・考え方、そういったものも含めてセットで考えていくところ。

 それから2つ目の丸。心身の発達の段階を踏まえた小中高の系統性は引き続き当然のことながら重要であるところ。そして、現行の目標が担っているような段階的な資質・能力の示し方という視点は維持していくべきではないかというところを記載させていただいております。

 3つ目の丸、4つ目の丸については御提案という形になりますけれども、体育科・保健体育科の教科として目指す方向性そのものは学校種間によって異なるものではないのではないかと。このようなことが考えられるのであれば、目標の柱書きそのものについては小中高で共通的に示していくことができないだろうかというところが一点。

 それから、発達段階に応じた段階的な書き分け、これは従来から行っているものでありますが、そういったところについては資質・能力の柱ごとに行うことによって、より分かりやすい、あるいは学校種間を見通した資質・能力の育成にも資するような内容になっていくのではないかというところを考えてございます。

 それから4つ目、学びに向かう力・人間性等につきましては様々な要素・視点から捉えられることが指摘されておるわけであります。またその内容をこの目標の中で具体的に示していく際に、冗長にならず、現場にとっても指導イメージが湧きやすくという形を考えていきますと、既に表形式にはなっているわけですが、その中で箇条書を使うことも必要に応じて用いてはどうかということで、次のページ以降に体育科・保健体育科の教科としての新たな目標のイメージを示させていただいております。

 1つ目が小学校の体育科の新たな目標ということで、上半分については御案内のとおりであります。現行の体育科の目標、柱書きとそれから(1)(2)(3)と示されておりますが、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、それから学びに向かう力・人間性等についての記載があります。また、この内容が発達段階また学校種によって書き分けがされている部分を、下線を引いて強調させていただいておりますが、これは学校種によって書き分けがされている部分を書いてございます。

 その上で、小学校の改善イメージでございますけれども、中央にあります柱書き、これは共通にしてございますが、「心と体を一体として捉え、生涯にわたって心身の健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力について、かくかくしかじかの学習過程を通して、次のとおり育成することを目指す」という、これは小中高共通でこういう形で記載できないかということで御提案でございます。

 その上で、資質・能力の柱、一番左の知識・技能でございますけれども、「その特性に応じた運動の行い方」と「豊かなスポーツライフにつながる関わり方」、これは新出の言葉でありますけれども、これはまさしくこれまで御議論いただきました学びに向かう力・人間性のところでありました公正とか協力とか共生とか参画とか、そういった要素をこの「豊かなスポーツライフにつながる関わり方」ということで表現し、そういったものを理解し、あるいはそういったものの技能を身につけるようにするところで表現させていただいているところであります。

 それから思考力・判断力・表現力でございますが、こちらは上と比べていただきますと差分が見えてまいりますけれども、「課題を見つけ」「課題を発見する」というところでありますけれども、ここにつきましては、小学校に関しては「自己の課題を見つけ」、これは中学校・高校にいきますと「自他や社会の課題を見つける」という形でだんだん広がっていくわけですけれども、その部分のキャップを外しているところ、フラットに書いているところが変更点でございます。

 これは例えば小学校の段階でいきますと、子供の発達段階に応じて、自分だけの課題しか見つけられないかということであるかというと、そこは恐らく発達段階が上がっていくところでは他者の課題を見つけることも当然学習の中にも入ってくることを考えて、ここについてはキャップを外している形になってございます。

 それから思考力・判断力・表現力で、体育とか保健ならではの学習過程といいますか、そこを少し出していくことができないかということで、思考・判断の前提として、「運動に豊かに取り組んだり、課題を解決したりするために必要なことについて考え判断する」ところで少し記載を充実させているところがございます。

 それから学びに向かう力・人間性等についてですけれども、今回様々な要素を集約してこの中に記載していくと。それを箇条書も使いながらということでありますけれども、全体の議論の中でも大きく分けて2つに整理していくところで、それに対応するような整理の仕方ができないかということで、こういった整理をしてございます。

 まず1点目ですけれども、初発の行動とか他者との協働とか、あるいは自己調整、振り返りをしながら自己調整をしていく、その中で試行錯誤をしていく過程の部分を表現した部分でありまして、「運動との多様な関わり方や自己の心身の健康に関心を持ち、目的に応じた運動や健康についての課題解決に向けて、他者と協力したり自ら試行錯誤したりする態度を養う」というところで表現させていただいてございます。

 それから2点目につきましては、いわゆるこの上位につながっていく部分でありますけれども、「自己にとっての運動や健康の価値を見出しつつ、健康の保持増進や体力の向上を含む心身の充実を目指し、明るく楽しい生活を営む態度を養う」と。ここは現行の記載も生かしながら表現をさせていただいてございます。

 その下に米印で書いてございますが、これはまさに小中高共通でございますし、これまでも申し上げていることですが、今後、高次の資質・能力等も踏まえて、さらに議論を深める中で当然この目標についても、教科としての特性をより的確に表現する観点から、引き続き検討を行う必要があるだろうということを当然の前提としてございます。

 次のページが中学校でございます。上が現行の書きぶり、その上でした改善イメージ。柱書きについては共通でございます。

 それから知識・技能の部分に関しては、これは運動の行い方が「運動に関する技能」というところで中学校段階で書き方が変わっておりますけれども、これは従前どおりであります。その上で、先ほど申し上げましたような公正、協力等々の内容を「豊かなスポーツライフにつながる関わり方」という形で表現している。これは小学校・中学校共通でございます。それから従前の保健に関する書き分け、身近な生活とか個人生活とか、そういった部分については基本的にその考え方を踏襲しているところでございます。

 思考力・判断力・表現力も基本的には小学校と同様でありますが、その課題発見の部分のキャップを外しているところと、体育や保健ならではの思考の過程の記載を追記している部分。それから中学校段階の判断の部分での「合理的」というところ、これは従来からあるところですけれども、そこを発達段階のメルクマールとして入れているところでございます。

 それから学びに向かう力・人間性についても、先ほどと同様、大きく分けて2つの内容で整理しているところ。その上での書き分けの部分に関しては、まさに中学校段階は生涯スポーツというものに徐々に思考を持っていくところの中から「生涯にわたる運動との多様な関わり方」という表現。それから小学校段階から一歩進んで「自己の」から「自他の心身の健康」に関心を持っていきながら、課題解決に向けて他者と協力しながら、あるいは自ら試行錯誤するというような表現にしてございます。

 それから2つ目に関しても、基本的には同様な表現ぶりでございますけれども、現行の書きぶりを生かしながら「明るく豊かな生活を営む態度」という形で記載してございます。

 次のページをお願いします。高等学校でございます。下半分の知識・技能の部分、これも先ほどの中学校段階と同様になりますけれども、「運動に関する技能」と、再整理されております「豊かなスポーツライフ」につながる関わり方、これについての理解と技能を身につけるという形の表現。それから保健に関しての「社会生活」という言葉の使い分け、これについては現行の考え方を用いております。

 それから思考力・判断力・表現力についても、先ほど小中で申し上げたような課題発見の部分のキャップを外しているところと、ならではの表現ぶりを加えながら、「合理的、計画的に」が高等学校で付け加わってきますけれども、そういったものを生かしながら記載してございます。

 学びに向かう力・人間性につきましては、これも大きく分けて2つの要素、基本的に小中のものをベースにしながら、高等学校の差分の部分は「生涯にわたる運動との継続的で」という、「継続的で多様な関わり方」というところ。それから「自他の心身の健康」に加えて「それを支える社会づくり」、社会環境とのつながりを表現させていただいております。

 また2つ目のポツに関しては、全体的には同様でありますけれども、下線が少し漏れておりますが、2行目、いわゆる三次予防的な内容、健康の保持増進に加えて「回復」、こういった部分を高等学校の学習内容といいますか、目指す資質・能力として加えた上で、現行の記載も生かしながら「明るく豊かで活力ある生活を営む態度」という形で整理してございます。

 次のページ以降では、現行の目標を小中高並べて一覧で御覧いただけるように、さらにその次のページは新たな目標イメージを小中高並べて見ていただけるようなスライドにしてございます。

 事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。


【植田主査代理】  ありがとうございました。前回議論を行いました教科を学ぶ本質的な意義の中核としての「見方・考え方」、そして、教科において育みたい学びや生活に向かう態度や情意・感性としての「学びに向かう力・人間性等」の要素について、前回議論を踏まえたバージョン2について説明を頂きました。

 また、今回は体育科・保健体育科の小中高それぞれの「目標」の案についても説明がございました。これからの時間で意見交換を行いたいと思います。

 なお、赤間室長の説明にもございましたが、これらの議論は、目標、内容等の検討を進めながら、より洗練されたものにしていく必要があると思います。したがいまして、いずれの案についてもこの場で結論を出し切ることは難しいものと考えます。一方で、一気に全体を整理し結論を出し切ることも難しいものでありますので、前回に続きまして、委員間で議論を深めながら磨いていくような進め方が必要であろうかと思います。委員の皆様には、こういった前提に御理解を頂きながら、ぜひ活発な意見交換に御協力を頂けたらと思います。

 それではこれから40分程度、意見交換をしたいと存じます。御意見のある方は挙手ボタンを押していただけましたらと思います。いかがでしょうか。

 まず、お手が挙がっていらっしゃいますね。渡辺弘司委員、お願いいたします。


【渡辺(弘)委員】  いつも最初に質問して申し訳ありません。14ページで赤間室長に御質問があります。

 14ページの右下、学びに向かう力・人間性等の黒丸の2つ目です。2行目に「健康の保持増進や回復」で、句読点があって「及び体力の向上を含む心身の充実を目指し」という記載になっております。小学校・中学校は「健康の保持増進や体力の向上を含む心身の充実」は一連の文章になっているんですけれども、高校だけ句読点が入っております。柱書きにもちゃんと健康は体と心を意味することの明記はあるんですけれども、高校のところでこれが離れてしまうと、「健康の保持増進や回復」それから「体力の向上を含む心身の充実」というふうな読み方ができないわけではないような気がしますので、もし意図的な、明確な意義があれば別ですけれども、そうでなければ、この句読点がなくて「回復及び体力」という続いた文章にならないかなという希望があります。意見として申し上げます。

 以上です。


【植田主査代理】  いかがでしょうか、御回答はございますか。赤間室長、回答をお願いします。


【赤間企画調整室長】  ありがとうございます。私どもの意図としては、渡辺委員からもありましたとおり、健康の保持増進・回復と体力の向上、これらは全て心身の充実に含まれているという前提で記載しているところであります。記載の改善等々、必要な部分についてはさらにブラッシュアップをしていければと思っております。よろしくお願いいたします。


【植田主査代理】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 それでは岡出委員、お願いいたします。


【岡出委員】  ありがとうございました。いろいろ御検討いただきまして。3点、検討可能かどうか、お願いしたいかなとは思いました。

 1つ目は、見方・考え方に「楽しみ方」の言葉は残ったんですけれども、「価値」という言葉が多分消えていると思うんですよ。運動やスポーツを云々、多様な楽しみ方云々のところに多分「価値」という言葉が今なくなっているので。これは心身の充実に果たす役割に吸収されるかどうかということはあると思うんですけれども、スポーツの価値をやっぱりどこかに明示していただきたいなと思いました。これが1点目です。

 2点目は、柱立てを書いていただいたその文章ですけれども、小中高同じ文章で柱立てが入るところで、これは基本的に……。柱書きですね、すいません。同じ文章がこう来て、下が各学校で分かれていくことになるので、その違いの趣旨を明示する意味で、資質・能力を例えば発達の段階に応じて次のとおり育成することを目指す、そういう一言を足せないかなということが検討をお願いしたい2点目です。

 あと一点ですけれども、目標で運動だけに確かなっていたと思ったんですが、説明していただいたときに。運動とスポーツという組合せのところからスポーツは消えていたような気がしたんですけれども、ちょっと見落としていたらごめんなさい。あんまり混乱させても申し訳ないです。運動とスポーツというペアのところがどこか今、運動だけになっていたような気がして、そこをもう一回確認していただいて、できたらセットで出していただきたいかなと思います。その運動をこの要領のところでは別に競技スポーツと考えているわけではなかったと思うので、もう一度そこを入れていけないか検討いただきたいなと思いました。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございました。これについて、室長、いかがでしょうか。


【赤間企画調整室長】  ありがとうございます。まず見方・考え方のところでございます。運動・スポーツの価値という部分を入れられないかという御指摘だったと思います。恐らく、現行も「価値や特性」という言葉が出ているわけですけれども、今回、分かりやすい学習指導要領を標榜していく、実際の指導現場において指導のイメージができる、授業づくりにつながっていく学習指導要領を考えたときに、このまさに見方・考え方は非常に大事な要素になっていくと理解してございます。

 その上で、価値とか特性とか、そういったところに関連するところをできるだけひもといてここに表現できないかというところで、今回このような整理を試みさせていただいております。その価値の部分については、我々もスポーツ・運動の価値、健康の価値の重要性は理解してございまして、目標の中で、例えば学びに向かう力・人間性で「自己にとっての運動や健康の価値を見出しつつ」というところで少し表現させていただいている状況でございます。

 それから、目標の柱書きのところが恐らく共通になることによってその書き分けが資質・能力のところでオリジナルに書き分けていくことになりますので、しかも表形式という形になりますので、その精神性といいますか、考え方が柱書きに書けないかというところ。発達段階に応じてというところに関しては、恐らく各教科も全て共通になってくる要素はあるのではないかなというところもございます。あるいは全体としてどれだけコンパクトに示せるかというところもございますので、そういったところも考えながら表現ぶりを考えていければと思ってございます。

 それから運動・スポーツの部分は、ちょっと具体的に私も今すぐどこの御指摘のところかが理解できていないところがございますが、また改めて確認させていただいて、表現ぶりが記載で工夫ができるかは検討させていただきたいと思います。


【植田主査代理】  よろしいでしょうか。では検討をお願いいたします。

 次に中村委員、お願いします。


【中村委員】  みどりの学園義務教育学校教頭をしております中村です。本日、このような資料を御提示とこれまでのおまとめ、本当にありがとうございます。非常に学んでいるところではあります。

 では、私からはまず現場の教員として、教員ともいろいろな文言の捉え方だったりをたまに少し聞いてみたり、どのような印象を持つかというような、現場からの印象ということでお伝えさせていただきたいなと思う部分がありますので、よろしくお願いいたします。

 今回まず、資料の「体育の新たな『見方・考え方』イメージ」の4ページ、改善イメージのところで、「心身の充実に果たす役割」という部分が前に来たことがこちらとしてはすごくよかったと感じるところです。これはなぜかといいますと、やはり私たち学校教員は、学校教育法の中の心身の調和的発達という部分において、体育は心身、特に身体の発達という部分の中核を担うんじゃないかという捉えでいる部分が大いにあるかと思います。

 そういった部分とまた心身の充実というところ、やっぱりそこがこの教科、体育の柱になることが前に来たことによって、私たちとしても「ああ、そういう捉えでいいんだ」と思える部分についてはすごくよかったなと思っています。

 一方で、「する、みる、支える、知る」といった関わり方についてはやはり方法論と捉えておりますので、まず大事なものが「心身の充実」というところに来たことがすごくよかった部分。なぜそんなふうに感じたかというと、これまでの議論の中で「多様」という言葉が非常に多く出てきています。その「多様」も場面によって、子供の多様性なのか、それとも関わり方の多様性なのか、運動種類の多様性なのか、ということで「多様」という言葉がすごく前に見えてくる。もちろんこれは論点整理の中でいう「多様性の包摂」になぞらえてという部分だと思っているんですけれども。そうすると、やはり教員の中においては、学校体育はその関わり方の選択のような誤解を招くような印象を持つ者も出てきてしまうのではないかと感じていた部分が多少ありました。

 なので、多様性に対して対応していくことももちろん大切であったとしても、やはりその中核、柱にある部分が心身の充実だということがストレートに現場の教員に伝わっていくような書きぶりを随所に表していただきたいなと感じているところです。

 また一方で、これは私自身、学校自体がデジタル学習基盤をふんだんに活用した学校を目指していたり、その他の教科でも非常にデジタル学習基盤を使った1人1台端末の活用を多くしている学校であったり、自分もDX戦略アドバイザーみたいなものもやっている中で、ほかの教科においてはすごくデジタルを使う機会が多くなっていくと思っています。その中でやはり目の健康だったり姿勢だったり、人間という感性を健康な状態でデジタルと向き合うことが必要になっていくところにおいては、こういった部分を教科体育で担ってほしいなという思いもちょっとありまして、今回、心身の充実が柱に見えるような書きぶりを随所に置いていただいたことについては非常にありがたいと思っているところです。

 学校現場はなかなかしっかりと読み込む機会がないところですので、キーワードとなるものが非常に前に出てきてしまいますと誤解を招くおそれがある。となると、分かりやすい学習指導要領といった場合において、間違った捉え方が進まないような御配慮を頂ければと思っているところです。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございました。現場感覚からの貴重な御意見かと思います。

 それでは今9名ほどお手が挙がっていますので、進めさせてください。柏原委員、お願いいたします。


【柏原(奈)委員】  8ページの学びに向かう力・人間性等についてと、それから12ページ以降の目標についてお話をさせていただければと思います。

 8ページの学びに向かう力・人間性等については、赤ポツの1つ目のことについてです。教員に指導内容が増えたという誤解が生じないようにということでしたが、これについては、やはり大事に進めていただきたいなと思っています。

 前回の改訂の時に、たまたま教育委員会にいて態度のところを伝える立場でいたんですが、当初、運動にだけ態度の内容が示されていることを伝えたところ、とても戸惑いが見られました。けれども、この態度の内容を身につけていくことが体育の学習、運動領域の学習を進めていく上で必要なこと、土台となっていくことを、事例等を挙げながら丁寧に説明したことで、現場に理解が広がって浸透していった経緯があります。

 子供の状況を見ていても、やっぱり知識として理解した上で、それが態度に表れるという姿があると思いますので、それを考えると、知識に示されたことはとても納得だなと思いますので、運動・体育ならではの態度の大切さ、それを知識として理解することの大切さを丁寧に伝えていく必要があるなと思っています。

 もう一点は、新たな目標のところについてです。これはもしかしたら事務局としてのお考えがあるのかもしれないと思うので、教えていただけたらと思っているのですが。目標の柱書きに「体育や保健に関する課題の発見・解決」と書かれていて、「保健の課題」については何となく分かるんですけれども、体育の課題というところにちょっと違和感を感じています。これがもしかしたら、見方・考え方を踏まえた上で課題の発見や解決と進むんだとすると、「体育や保健」という表記なのかなとも思うんですけれども。これまでは「運動や健康に関する課題や発見」という捉え方をしていたなと思うので、そのあたり、何かお考えがあってこの表記なら、教えていただきたいなと思います。

 以上です。


【植田主査代理】  2つございましたが、2つ目の点について赤間室長からお願いします。


【赤間企画調整室長】  ありがとうございます。2点目の改善イメージの柱書きの中の「体育や保健に関する課題の発見・解決に向けた学習過程」という表現であります。こちらについてはまさに我々も直前までブラッシュアップを続けていたところですけれども。運動とか健康に関する課題の発見・解決というところが、下のそれぞれの資質・能力とのひもづきで言うとより適切かというところに関しては、我々もそうかなと思う部分はございますので、頂いた御指摘も踏まえて、表現ぶりについてはさらにブラッシュアップを続けていきたいと思います。御指摘ありがとうございます。


【植田主査代理】  ありがとうございます。健康の課題なのか、体育や保健というと学習課題と捉える場合もあろうかと思います。その辺の整理をぜひお願いします。

 それでは次、佐藤豊委員、お願いいたします。


【佐藤(豊)委員】  ありがとうございます。3つほど意見を述べさせていただきます。1つは、柱書きに、共通になるので、「次のとおり育成することを目指す」の前に「発達の段階に応じて」とかという、小中高の発達の段階に応じた内容であることの表記を入れたほうが良いのではと思います。

 2つ目は、見方・考え方で「『する、みる、支える、知る』などの多様な楽しみ方」となっていて、現行だと「多様な関わり方」になっているんですね。関わり方と楽しみ方の現行での使い方ですけれども、関わり方が153か所、楽しみ方が20か所、高校の解説で言うと検索できます。小学校・中学校で、中学校では1か所しか使っていません。小学校は出ていません。というのが現行学習指導要領解説の用語の使い方です。

 どういう意味かというと、「多様な関わり方」とは、「する、みる、支える、知る」という様々な関わり方を定義する際に使用しています。「多様に楽しむ」で使用している箇所は、「する」の中にも競技的にする、協働的にする、いろんな「する」のバリエーションがあるという使い方で使用しています。

ただ、現行でも1か所、「する、みる、支える、知る」で「多様に楽しむ」と書いてあるので、解説で概念を整理して、定義を示せば、事務局案でも説明はつくかかなとも思いますけれども、その辺どうしましょうかということが1つ。

 あと、先ほど来出ています「スポーツ」というキーワードですけれども、小学校では基本的には「運動」で、「スポーツ」はあまり出てこなくて「運動」でいっています。それから中学校でいくと「運動やスポーツ」というキーワードが126か所使用しています。高校にいくと「スポーツ」というキーワード、単独のキーワードだけで500以上使用しています。リアルタイムで検索をかけながらの発言ですので待つがっていたらすいません。

校種によって、中3からが「スポーツ」というカテゴリーと読んでいると、中学校は「運動やスポーツ」という書きぶりが多いので。今、全部、目標のところも「運動」でいっているので。ただ、これは文字が長くなっちゃってややこしいので、どうするかということはあるんですけれども、その辺は一応話題としては出しておきます。

 それから目標の知識・技能のところですけれども、知識と技能で読み取り方を間違えなければいいなと思って一応確認で。「その特性に応じた運動に関する技能や運動やスポーツにつながる関わり方及び社会生活における健康」、今、高校の記載を読んでいますけれども、「についての理解」なので、技能の知識と、豊かなスポーツにつながる関わり方の知識と、社会生活における健康・安全についての知識の理解で、それぞれが技能化すると読み取らなきゃいけないので、多分、現場の先生が読んだときに、誤解が生じやすい、読み取りづらい感触があるのかなと、ほかの方も見て思うかもしれないので、これも解説でしっかり書くのか、もうちょっと整理するのかという話が一つです。

 最後ですが、「学びに向かう力・人間性」の、2つ目のポツで整理されているのでいいんですけれども、現行以前までは、健康の保持増進、体力の向上、生涯スポーツの取組の3つのキーワードで保健体育科の目標を長い間示してまいりましたので、体育と両方、「見出しつつ」と書いてあるのでいけるかなとも思うんですけれども、その構造が崩れることに関しては、多分、大学等で研究されている方々はこのあたりの記載の変更する際は、慎重に審議すべきと感じると思いましたので、ここももし必要があれば論議していくといいのかなと思いました。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございました。本当にたくさんの視点を提示していただきましたが、よろしいでしょうか。

 それでは次、藤田委員、お願いいたします。


【藤田委員】  大阪教育大学の藤田です。

 今、示していただいております目標イメージ、整理いただきありがとうございます。大変見て分かりやすい状態になったかなと思って感謝しております。

 そこで安全を担当しています立場からのお願いになるわけですが。例えば今回の目標イメージでの思考力・判断力・表現力、また学びに向かう力・人間性等につきましても、現在いろいろな小学校・中学校・高等学校へお伺いした際に、現行の学習指導要領で教科横断的な活動ということで、安全の領域につきましても、いわゆる社会科、家庭科、また理科、総合学習に加えて、数学や美術科などの教育活動、さらには特別活動などの時間を活用しながら、子供たちがいろいろな活動をしてその成果を得るような取組が行われております。そういった中で、やはり子供たちの思考力・判断力や、また人間性等の育成にも十分関わっているかと思っております。

 そこで私からお願いという形になりますが、もし可能であればこの思考力・判断力・表現力、また学びに向かう力・人間性等のところで、例えば思考力・判断力であれば、最初に運動・健康・安全についての課題を見つけるとか、また人間性のところにつきましても目的に応じた運動や健康・安全についての課題解決に向けてという形で文言の統一性を図っていただければということで、ぜひ検討いただきたいと思っているところです。

 また加えまして、今回の学習指導要領の改定につきましては、今後、先ほど申しました他のワーキンググループとの関係性もあるかと思います。いろいろなところで現在、学習指導要領で安全の領域を取り入れていただいていますので、ぜひ事務局におかれましても今後教科横断的な活動の充実を図るために、各ワーキングとの調整等を通じて、ぜひ安全教育、安全管理の普及に御尽力いただきたいと思っております。

 以上でございます。


【植田主査代理】  ありがとうございます。安全について、体育の中での考え方とそれから他教科、横断的なところを含めたところとの関係性といいますかバランスですね、こういったところを考えていく必要があろうかと思います。ありがとうございました。

 それでは続いて斎藤委員、お願いいたします。


【斎藤委員】  ありがとうございます。私は、見方・考え方について意見があります。「『する、みる、支える、知る』など」という表記です。私は、「する、みる、支える、知る」は多様な関わり方を示す大事な言葉だとは思いますが、今回の見方・考え方には表記しなくてもよいのではないかと考えます。

 先ほど、佐藤豊委員から、多様な楽しみ方の複雑さについてお話をいただきました。今、多様な関わり方もまた「つくる/はぐくむ」などの広がりを見せており、ここで「する、みる、支える、知る」に言及するような示し方が必要であるのか。また、先ほど、事務局の説明でもあったように「する、みる、支える、知る」については、現場にもかなり浸透している状況もありますので、ここではなく、解説等で明記すればよいのではないかと思います。また、「など」に様々な要素を含ませているところがあるのかもしれませんが、見方・考え方において「など」というような曖昧な表現を残すは心配でもあります。

 次に、先ほどから話題になっている「及び」でつなぐ箇所です。前後の熟語を「及び」でつなぐのであればよいのですが、長い文章を「及び」でつなぐと、どことどこが並列されているのかが分かりづらく、読みづらいと思います。この表記の仕方については、今後検討していただきたいです。

 次に、体育の見方・考え方から「体力の向上」という言葉がなくなったことについてです。私はそれが、よいのか悪いのか判断できないと申しますか、戸惑っているところがありますので、委員の皆さんの御意見を聞きたいと思っています。恐らく「体力の向上」は「心身の充実」に含まれているのだとは思いますが、言葉がなくなることにハレーションなどがないのか、心配があります。

 続いて保健の見方・考え方についてです。対象が「保健に関する課題や情報」と提案されていますが、限定的な言葉になった印象を受ける一方で、実際それが何なのかが分かりづらいと思います。保健は、生活全般に関することを対象にしていると考えますので、現状の案に疑問を持っています。

 また、考え方として、「リスクの軽減や生活の質の向上」「健康・安全を支える環境づくり」という言葉が示されていますが、これを体育が考え方として示している「自他の豊かな生活及び活力あふれる社会づくり」と比べると、体育は自他に広がり、社会という大きなものを目指していますが、保健は規模感に差があるように感じます。同じ教科の体育と保健ですから、その辺りの合わせをしたほうがよいと思いました。

 最後に質問です。目標の思考力・判断力・表現力等の中に、「運動に豊かに取り組む」という言葉が加わりました。この「豊かに」は質的な高まりがイメージされますが、具体的にどのようなものを想定しているのか、事務局からもう少し説明いただきたいです。

 以上です。


【植田主査代理】  御意見と御質問をありがとうございます。それでは最後の質問について、事務局、いかがでしょうか。


【赤間企画調整室長】  ありがとうございます。ここのところも思考力・判断力・表現力に関しては、現行の示し方がかなりニュートラルに書かれているところを、できるだけ体育なり保健ならではの思考の過程を出せないかというところで、現在進行形でブラッシュアップしているようなところもあります。

 「運動に豊かに取り組んだり」というところ、課題を見つけて実際にその取り組み方を工夫していくとか、多分いろいろなプロセスがあるものを表現していくときに、どういうふうにまとめていくかというところに帰着するところだと思います。これで十分に表現できているかというところに関しては御指摘のとおりだと思いますので、より具体を明らかにしながら、ただその目標の中に書く際にどういうふうに表現するかというところに関しては、お知恵を頂きながら考えていければなと思ってございます。よろしくお願いいたします。


【植田主査代理】  ありがとうございます。

 それでは、今お手が7名ほど挙がっていらっしゃるので、その7名の方を優先してお話しいただきたいと思います。岩佐委員、お願いいたします。


【岩佐委員】  高槻市立冠中学校の岩佐です。資料と御説明、本当にありがとうございました。ほかの委員の先生方の御意見と重なる部分もあるかと思いますので、その辺はお許しいただけたらと思っています。

 まず、体育の見方・考え方の改善イメージについて、とても分かりやすくなったと私自身は感じています。特に最後の「活力あふれる社会づくりにつなげる」という表現は、抽象的な中にも体育が活力あふれる社会づくりに貢献できることがイメージできて、私はいいなと思っています。

 1点、確認しておきたいことは、佐藤委員からもありましたが、「『する、みる、支える、知る』などの多様な楽しみ方」のところです。「する、みる、支える、知る」は、現行の中学校の学習指導要領では多様な関わり方として内容に示されているかと思います。「する、みる、支える、知る」についての表現は分かりやすいと思っていますし、もちろんそれぞれの楽しみ方もあると私は認識しているんですが、この辺りをどのように解釈すればいいか、少し整理が必要かと思っています。

 続いて目標について、柱書きを小中高で共通に示したことはとても分かりやすいと個人的には思っています。そこで柱書きの「生涯にわたって心身の健康を保持増進し」の後の読点になるんですけれども、これはないほうがいいのかなと思っています。細かいところではありますけれども、「生涯にわたって」という言葉が「心身の健康の保持増進」と「豊かなスポーツライフの実現」という両方に係ってくる言葉だと思っていますので、ここの読点はないほうがいいと思っています。

 最後です。資質・能力では、知識及び技能の中での態度の内容に関して、中学校では「豊かなスポーツライフにつながる関わり方」とあります。「関わり方」という部分はもう少し直接的な表現のほうが先生方にとっては分かりやすくなるのではないかと思っているところです。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございます。内容的なこととか表現上のこと、この辺りは事務局で引き取っていただこうと思います。

 渡邉正樹委員、お願いいたします。


【渡邉(正)委員】  私から手短に要望を1点だけ。今ちょうど出ていますけれども、目標のところで、これは教科の目標なので体育と保健で分けているわけではないんですけれども、例えば高校の思考力・判断力・表現力で「合理的、計画的に」という言葉、これは現行の学習指導要領でも出ているんですけれども、学習指導要領の解説を読んでみますと、体育は結構「合理的、計画的に」について解説の中で書かれているんですね。「合理的、計画的な練習」とかそういう言葉が出てくるんですけれども。

 実は保健は、今日はここのスライドにはありませんけれども、科目保健の目標を見てみますと、「合理的、計画的」は目標には入っているんですが、解説には出てこないんです。それが毎回すごく気になっていて、教科として入れていて、かつ、科目としても言葉としてあるんだけれども、高校の保健における「合理的、計画的な」は果たして何を受けているんだろうということで、これは大学の授業で説明するときも非常に苦労するんですけれども。その点が気になっていました。

 ですので、これは教科としてこれをもう入れるということで、今後その科目あるいは中学だと分野で出てくるとしたら、その書き込みはどこがそういうこれを受けているのかは検討ですね。ぜひ今後これを行っていただきたいと思います。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございました。学習指導要領の解説を作る際に検討の視点とさせていただければと思います。

 続いて宇山委員、お願いいたします。


【宇山委員】  宇山です。ありがとうございます。

 皆様が既にたくさん触れられているところにはなるんですが、小中高と進んでいく中で、まず小学校の学びに向かう力・人間性等のところの2行目、最後のところに「明るく楽しい生活を営む態度」という表現がありまして、それが中学校また高校のところで「楽しい」というワードが抜かれていることに若干違和感を覚えております。

 恐らく、大人になっても何に対して楽しいと思えるのかというところの能力は幸福感につながって、最終的にはスポーツライフからウエルビーイングな人生というところにつながっていくと思うんですけれども。そこに対しては運動とかそういう価値、スポーツというものを私はどちらかというと普及するような立場で活動している中で、楽しい、エンジョイというところの気持ちを生活の中でいかに楽しいと思えることを増やせるかとか、ほかの人はもしかしたらその魅力に気づいていないけれども、自分はこれに対して楽しさを感じられるような能力をぜひこの教育課程の中で身につけていただきたいので、個人的には、中高のところでも「楽しい」という言葉を残していただけると、普及しやすいではないですけれども、本来の自分の人生の幸福と向き合えるような形になるのではないかと思っております。

 素人ながら意見させていただきました。失礼いたしました。


【植田主査代理】  ありがとうございます。系統性を考えながら、かつ、共通するところあるいは基本となるところも考える必要があるということでしょうか。ありがとうございます。

 それでは次、森委員、お願いいたします。


【森委員】  ありがとうございます。2点よろしくお願いします。

 まず1点目は、保健の見方・考え方に「原則」という言葉が復活してきましたが、これを高次の資質・能力をまとめていく中で明記していくという話になると、なかなか難しいと思いました。理科の法則と違いまして、保健でいう原則といわれているものは諸説あります。原則というものはこういうものだと文部科学省が判断して指導要領に示していくことになるとその根拠等を明確にしなければならず非常に難しい立場になるのではないでしょうか。原則については内容と合わせて検討していったほうがいいのかなと思いました。

 2つ目は目標についてです。今まで目標上で、「含む」という言葉は使っていなかったと思います。この「含む」という言葉を使うと、その前後の用語に上下関係や大小を表す形になって、「含む」の前にあるものは含まれるものなのでそもそもなくてもよいのではないか、基になるものだけでいいよねというような話にもなりかねません。できればこの「含む」という言葉を使わないでうまく表現できないかという意見でございます。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございました。内容とともに精査する必要性、それから表現上の齟齬が出ないようにということかと思います。ありがとうございます。

 続いて佐藤若委員、お願いいたします。


【佐藤(若)委員】  失礼します。南陽高校の佐藤若と申します。

 私も目標のところについて手を挙げたところでした。既に佐藤先生と岩佐先生からも話があった内容です。知識及び技能で今回、態度のところをこちらのほうに再整理ということで、「豊かなスポーツライフにつながる関わり方」というキーワードを基に表されているものだと思っております。小中高ともにということで思っているんですけれども。

 やはり現場の先生が見たときに、これが態度のことを表していることがうまく伝わらないのではないかと思っています。一方、学びに向かう力・人間性等のところには、これまであった「明るく豊かな活力ある生活を営む態度」ということで「態度」という言葉があるので、同じ言葉を使わないということで表記されたのかとは思いますけれども。ただ、これはもっと大きな再整理の内容だと思いますので、もう少し現場の先生方にも分かるような形でお願いしたいと思います。そして、その後の「それらに関する技能」というところが私も最初は読み込みがうまくできなくて、技能と言われると、そこを全部包括したものの技能というところまでうまく理解ができないなと思いましたので、その辺りを言葉の使い方等についてもまたさらに御検討いただければと思っております。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございます。その辺りの検討も進めてもらえればと思います。

 大分時間が進んでおりますので、大日方委員、日野委員、藤原委員のお三方まででお願いしたいと思います。それでは大日方委員、お願いいたします。


【大日方委員】  ありがとうございます。よろしくお願いします。大日方です。

 まず見方・考え方の体育の点ですけれども、現行の中である「自己の適性に応じた」という言葉が改善の中では使われなくなっているところ。多分、先生方は現行と改善を比較されると思いますので、ここがそれで適切なのかというところが一つ議論のポイントになるかなというところで、そこだけまず申し上げたいのが1点目です。

 続いて保健の改善イメージですけれども、保健に関しての課題意識として、こういったことは学んだけれども、なかなか自己の行動につながらないような課題が見えているように思います。ここに関して言うと、例えば「リスクの軽減や生活の質の向上」はまさしく行動ではあるものの、そこがこのまま現行のままで伝わりにくいということであれば、例えば行動と環境の両方につなげるような、自身の行動につなげるような表現を少し足したらいかがかなという案です。

 続いて目標についてお願いします。これを端的に見たときに、私が見たときは、やっぱり知識や技能がほとんどになるのかなというように見えてしまいました。なかなか先生方がおっしゃっているような「豊かなスポーツライフにつながる関わり方」に、態度がこれまでのものも含まれていることがやはり読み取りにくいなと理解しています。

 そういった中で、学びに向かう力・人間性にすごくたくさんのことが、丸が2つずつありますので少し分量が多いなと思っておりますが。特に自己の健康と運動の関わりを知るとか、他者と協働する方法を知る、方法という言い方はよくないかもしれないですけれども、協働するために必要な技能とか、そういったことも必要なんじゃないかなということで。むしろこういった言葉はどちらかというと知識及び技能の中に含めることで先生方の理解も進むのではないか、このように感じました。ありがとうございます。


【植田主査代理】  大きく分けて3点についてありがとうございました。

 それでは次、日野委員、お願いします。


【日野委員】  失礼します。見方・考え方について非常に分かりやすく丁寧にまとめていただきましてありがとうございます。

 資料の3ページに改めて見方・考え方の今回の捉え方が説明されていると思うんですけれども、恐らく、前回と今回は同じ「見方・考え方」という名称ですけれども、求めている内容が違うのではないかなという気もしているんですね。この図で見ると、資質・能力を身につけ、よりよい社会や幸福な人生に向けて、灯台のように照らすものみたいなイメージでされていまして、多分、資質・能力を身につけるときに何を身につけているのかということを方向づけたり見つけるものなので、僕はできるだけシンプルなほうがいいんじゃないかなと思ったところでもあります。

 先ほどの「体力の向上」を入れるかとか、より「する、みる、支える、知る」という具体的なものを入れたほうがいいかということもあるんですけれども、その資質・能力を見つけること自体は資質・能力であって、それをよりよい社会や幸福な人生に方向づけていく照らすもの、的確な方向を導くものとしての見方・考え方という捉えであれば、よりシンプルなほうがいいんじゃないかなと思いました。

 実際は違う内容を示しているので、本来なら違う言葉のほうがいいんではないかなと個人的には思ったりはしているんですけれども、そのようなことも含めて、現場の先生方に今回の見方・考え方は何を意味しているのかということをより分かりやすく伝えていくことが大切ではないかなと思いました。

 以上です。


【植田主査代理】  ありがとうございます。このワーキングだけではなくて、もう少し大きなところでの検討も必要かもしれません。ありがとうございます。

 それでは最後になりますけれども、藤原委員、お願いいたします。


【藤原委員】  失礼いたします。私は見方・考え方で1点だけ。先ほどもほかの委員の方々も言われておりましたが、「体力の向上」という言葉がなくなっているところで、恐らく、「心身の充実に果たす役割」に含まれているということなのですけれども。やっぱり言葉上、「体力の向上」というのが出てきていないというところで、学校現場としてその辺の体力面に対する重要性が薄まってしまわないかなというところだけがちょっと心配されるなと思って感じておりました。

 以上になります。


【植田主査代理】  ありがとうございます。「体力の向上」については御意見を求められていたのですが、ほかの委員から何かございましたらお願いいたします。岡出委員、いかがでしょうか。


【岡出委員】  ごめんなさい、そこで振られるとは思っていなかったので。


【植田主査代理】  失礼しました。


【岡出委員】  ごめんなさい。僕、さっき幼児のところでちょっとお話ししたんですけれども、「体力」という言葉があることのよさと、まずさがあると思っていて。体力テストの結果を上げるよみたいなところにばーっと走っちゃうのは怖いと思っているんですね。それを意図しているわけではなくて、ただ運動できるような資質・能力というふうに言うと、その運動のバリエーションとか体力と両方ちゃんと含み込んだ、いい表現があればいいかなとは思うんです。

 他方で、今皆さんが言われているように、対外的にいろんなメッセージを出すときには、この「体力」は結構大事なワーディングになっていることは了解しているんですね。だから、それも含めてちょっと考えさせていただきたいかなとは思います。逃げているわけじゃないんですけれども、ちょっと微妙なところがあるなと思っています。


【植田主査代理】  慎重に検討したいということですね。ありがとうございます。すいません、突然振りまして。

 まだ発言のない委員で大井委員、何か全体を通してでも結構ですが、ございましたらお願いいたします。


【大井委員】  ありがとうございます。目標のイメージに関しまして1点だけ述べさせていただきます。今回、小中高が共通の一本化のイメージということで、より一貫性・連続性のある指導が重要ということが伝わりやすい形になったかなと思っております。

 今日、前段でお話がありましたとおり、校種間の学びをどう円滑につないでいくかという視点からしますと、それぞれの資質・能力の発達の段階に応じた書きぶりの表現について、各校種の趣旨だとかそういうところがより分かりやすく、他の校種の教員も分かるような分かりやすい表現が求められるかなと感じておりました。

 以上でございます。


【植田主査代理】  ありがとうございます。それではもうお一方、細川委員、いかがでしょうか。


【細川委員】  ありがとうございます。少し考えていて発言の機を逸しておりました。

 お示しいただいた改善の方向性については本当に賛成しております。ありがとうございます。1点、見方・考え方について、何人もの委員がおっしゃっていましたけれども、2行目の「心身の充実に果たす役割や、『する、見る、支える、知る』などの多様な楽しみ方の視点から捉え」の部分についてどうしたらいいのかをちょっと考えておりました。

 「心身の充実」のほうを前に上げるのは、委員の皆様がおっしゃっていたように私も賛成ですが、「多様な楽しみ方」はやはり「関わり方」のほうがいいのではないかということと、運動やスポーツの非常に重要な価値的なものと、この「多様な楽しみ方」あるいは「関わり方」を「や」で並列に言葉として並べることがよいのかどうかについては、もう少し考えたいと思っております。

 以上です。


【植田主査代理】  どうもありがとうございました。

 それでは皆様、ありがとうございました。前回に引き続きまして、教科全体に関する大変重要な議論を進めることができたかと思います。意見交換の前に申しましたように、本日取り扱いました内容は、今後の議論の深まりの中でさらに磨きながら進めるような格好になろうかと思います。事務局におかれましては、本日の議論も踏まえ、次回以降の議論の用意をお願いしたいと存じます。

 もしこの時間で十分御発言し切れなかった委員がおられましたら、事務局まで御意見をお寄せください。

 それでは、本日の議事は以上とさせていただきたいと思います。次回の予定について事務局よりお願いいたします。


【赤間企画調整室長】  本日もどうもありがとうございました。

 次回につきましては12月18日、木曜日、16時からを予定しているところでございますけれども、正式には後日御連絡させていただきます。


【植田主査代理】  それでは皆様、御協力ありがとうございました。

 以上をもちまして第4回「体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ」を閉会いたします。お疲れさまでございました。

 

―― 了 ――

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