令和8年1月23日(金曜日)15時30分~18時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【土井主査】 それでは定刻となりましたので、ただいまから第4回社会・地理歴史・公民ワーキンググループを開催いたします。お忙しい中、ご参加いただきありがとうございます。本日は社会・地理歴史・公民における目標や見方・考え方、高次の資質・能力の在り方について、事務局より説明をいただいた後、意見交換を行う予定です。それではまず議題1について、事務局より説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】 はい、主任教育企画調整官の髙見です。まず資料の1の2ページ目をご覧ください。
本日の議題1は目標及び新たな見方・考え方についてです。これらにつきましては、前回第3回ワーキングにおいて議論いただきましたが、そこでいただいたご意見も踏まえ、事務局において修正を加えております。本日は前回いただいたご意見を踏まえた修正箇所を中心に、さらにご意見などあれば改めてご意見を賜ればと存じます。
3ページ目をご覧ください。社会科等の目標の在り方についてです。薄い青の背景の資料は前回ワーキンググループを元にした資料であり、前回からの修正箇所に黄色マーカーを付しております。
まず1ポツ、基本的な考え方として、前回会議では「自らの考え方を客観的に捉え直す力」としておりましたが、思考、判断、表現することを俯瞰して捉え直すクリティカルシンキングの視点をより明確にするため、「批判的に捉え直す力」と改めてはどうかと考えております。また、見やすさや分かりやすさの観点から、箇条書き等により簡潔な表記で示すこともここに追記いたしました。
続いて、2ポツの柱書きでは、地域社会から国際社会まで含めて、「持続可能な社会の形成」が一層求められることを示しておりましたが、科目の目標として適切であるのかといったご指摘をいただいたことを踏まえ、より普遍的かつ端的な表現とする観点から、「よりよい社会の形成に向けて」と記載を改めております。
また、右側3ポツ、知識及び技能では、前回ワーキンググループの資料では1つ目のポツにあるとおり、「知識の概念としての習得や深い意味理解」と記載してきましたが、言葉を精査する観点から記載の見直しを図っております。さらに3つ目のポツにおいて、小中学校においては「確かな」情報に基づき、「適切かつ」効果的に調べまとめる技能を身に付けること、高等学校においては「その妥当性を吟味しながら」調べまとめる技能を身に付けることについて、発達段階に応じてその書きぶりに違いを設けるに当たっての考え方を追記しました。
さらに思考、判断、表現のところ、4ポツのところでございますが、こちらについては1ポツの基本的な考え方と同様、「自らの考えを批判的に捉え直す力」の観点を追記するという観点で見直しを図っております。
続いて4ページをご覧ください。こちらは新たな「見方・考え方」の在り方についてです。
まず1ポツ、前回改訂時の整理にあるとおり、前回の改訂において社会科等においては「課題を追究したり解決したりする活動において、社会的事象等の意味や意義、特色や相互の関連を考察したり、社会に見られる課題を把握して、その解決に向けて構想したりする際の視点や方法」と整理されていました。
一方で、2ポツの今回の改訂に向けた方向性として、教育課程企画特別部会の論点整理では、従前の「見方・考え方」の側面の丸1、「各教科等の学びの深まり」は「高次の資質・能力」による資質・能力の向上によって一層具体的に示し、新たな「見方・考え方」は側面丸2、「各教科等を学ぶ本質的な意義の中核」に焦点化して、より端的に示していく方向で検討すべきこととされました。
社会科等においてもこれらの考え方を踏まえ、新たな「見方・考え方」を丸2、教科等を学ぶ本質的な意義の中核として、よりよい社会や幸福な人生を送る上で、必要となる資質・能力と関連付けて位置付けるとともに、従前の「見方・考え方」で示していた側面丸1、「各教科等の学びの深まりを示す事項」については、高次の資質・能力の中で具体的に示してはどうかと考えております。
その上で右側の部分、3ポツの社会科等における捉え方として、社会科が扱う事象や対象を「対象」、当該教科等固有の物事を捉える観点を「視点」、当該教科等の固有の考え方や判断の仕方を「方法」として位置付けた上で、新たな「見方・考え方」においては対象と抽象的な「視点」と「方法」を示すこととし、高次の資質・能力においては具体的な「視点」と「方法」を一体的に記載することとしてはどうかと考えております。
その際、前回のワーキンググループにおいてもご意見のあったとおり、従前、社会科等において「見方・考え方」として扱っていた事項は、既に現場においても広く浸透していることを踏まえ、新たに高次の資質・能力に位置付ける、「学びの深まり」を示す要素を呼称する際に、継続性を確保する観点から、例えば「社会的な視点や方法等」と呼称することとし、その際、「社会的な視点や方法等を働かせて」といった表現で表すこととしてはどうかと考えております。
続いて5ページ目をご覧ください。「見方・考え方」の見直し案の考え方についてです。4ポツの見直し案の考え方についてです。
まず、「(1)当該教科で扱う事象や対象」について、前回ワーキングにおいては、「社会的事象や言説」として示したところです。この点について、現実社会では、社会的事象に加え、「事象」を表象するものとして「言説」も含め多様な情報が混然一体となって存在するものであることから、「社会的事象や言説」として整理してはどうかと考えております。その際、米印に記載しているとおり、表象としての「言説」はあくまでも思考の契機であり、実際には「事象」との関連の中で扱うべきものであることに留意すること、「事象」とその事象についての多様な表現である「言説」は同次元でないことを前提とする旨を明記しております。
続いて「(2)当該教科固有の物事を捉える視点」としては、下の表にあるとおり、地理、歴史、公民の各分野において、新たな「見方・考え方」と高次の資質・能力の抽象度の違いを設けつつ、表現ぶりを区分けしてはどうかと考えております。
また、右側「(3)当該教科固有の考え方や判断の仕方」として、前回ワーキンググループにおいて「考え方」の観点が入っていないのではないか、といったご指摘があったことを踏まえ、課題を「多面的、多角的」に考えることを明確にしてはどうかと考えております。さらに、前回会議では「公正に判断」することについて評価に結びつくのではないか、といったご懸念をいただいたことを踏まえ、直接評価対象になるものではないことを米印として明確化しております。
続いて7ページ目をご覧ください。先ほど説明した考え方を踏まえた、具体的な目標と見方・考え方のイメージを7ページから10ページにかけて示しております。
まず7ページ、小学校の目標としては、柱書きにおいて「よりよい社会の形成に向けて」とする記載を追記するとともに、知識及び技能、思考力、判断力、表現力等、学びに向かう力、人間性等について、見やすく分かりやすくする観点から箇条書きにしております。
その上で知識及び技能については、小学校段階においても概念についての理解が重要ではないか、といったご指摘を踏まえ、「社会生活に関する概念」と記載を改めるとともに、思考力、判断力、表現力等については「自らの考えを批判的に捉え直す力」と記載を改めております。また、小学校の学年別目標を記載しないことについてもその考え方を明記したところです。さらに新たな「見方・考え方」についても、先ほど説明した整理に基づいて記載の見直しを図っております。
同様に、8ページにおいて中学校社会科の地理的分野、歴史的分野、公民的分野の各分野、また9ページにおきまして高等学校地理歴史科の地理総合、地理探究、歴史総合、日本史探究、世界史探究の各科目、10ページにおいて高等学校公民科の公共、倫理、政治・経済の各科目の目標と見方・考え方を示すとともに、11ページには見方・考え方の各分野・科目の一覧も示しておりますので、合わせてご確認いただければと存じます。議題1の説明は以上となります。
【土井主査】 議題1につきましては、今事務局よりご説明を行っていただきましたとおり、前回ワーキンググループでのご議論等を踏まえて修正、変更を行っていただきました。改めて確認していただく必要のある点がございましたら、議事の整理の関係で議題2と併せてご意見、ご質問をお願いしたいと考えております。
それでは引き続きまして議題2について事務局より説明をお願いいたします。
【髙見主任教育企画調整官】 はい、それでは資料2の2ページをご覧ください。本日の議題の2は高次の資質・能力についてです。
前回のワーキンググループでは高次の資質・能力の方向性や基本的な捉え方に加え、中学校社会科の地理的分野、歴史的分野、公民的分野の一部を資料として示し、ご議論いただきましたが、本日は小学校社会科、中学校社会科、高等学校地理歴史科、公民科の各分野・科目の具体的な案をご確認いただきながら、特に社会科全体の基本的な考え方や各分野等の特性を踏まえた記載の在り方などについてご意見等をいただければと存じます。
4ページをご覧ください。こちらは前回ワーキンググループで示した内容と同一ですが、1ポツの総則・評価特別部会での議論にあるとおり、「知識及び技能の統合的な理解」、「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」を示すことについては、「深い学びを実現する単元づくりのイメージを先生方が持てるようにするための役割」を担うものであり、チェックポイントとして枠内のAからDの視点が示されていること。また右側2ポツの方向性にあるとおり、深い学びを実現する単元づくりのイメージを先生方が持てるようにするため、原則、各分野・科目の各内容項目で構成することを掲げております。
3ポツの社会科における高次の資質・能力の基本的な捉え方です。まず、「(1)社会科等全体の基本的な考え方」は前回ワーキングで示したものと同一の内容ですが、表の中にあるとおり、「知識及び技能に関する統合的な理解」は単元指導計画において単元のねらいとなるものであり、思考・判断・表現に関わる学習の過程を通して集積・統合された概念的な知識や概念的な枠組みを用いた理解とすること。「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」は、基本的には社会的事象を捉える視点や方法を総合的に働かせた考察・構想の過程、形成される判断の基準、省察された表現を示したものとすることとしております。
その上で次のページになりますが、今回新たに(2)から(4)までの事項を追記しております。
まず、「(2)各分野等の共通事項」として、「知識及び技能の統合的な理解」と「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」については、各分野・科目の内容構成の特質に応じて示すこととし、一定の違いを許容すること。特に「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」については、各分野・科目の学習上の特性や系統性も踏まえて、考察、構想、表現の学習過程を段階的に示すこと。内容項目に該当事項がない場合、例えば67ページの公共の「C、持続可能な社会づくりの主体となる私たち」では、知識及び技能の白の部分、つまり内容項目に当たる部分が該当事項はございませんけれども、こういった場合においては「知識及び技能の統合的な理解」や「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」については記載しないこととしてはどうかと考えております。
さらに先ほどの資料に戻りますが、「(3)各分野等における個別事項」として、小学校では、発達段階も踏まえつつ、各学年の内容のまとまりごとに示すものとし、同じ枠組みと整理できるものについては、まとめて示すこと。地理の具体的な視点については、地理教育国際憲章を踏まえつつ、現場の分かりやすさを重視する観点から「位置や分布、人間生活と自然環境との関係、地域間の結びつき、スケール、変容等」を整理すること。歴史については、学習の対象となる時代ごとに区分をしていますが、その際共通の視点に基づいて知識、技能や思考、判断、表現を通した学びを行うことから、一定程度共通の記載とする一方で、近現代など現代との結びつきを意識した学習を重視すること。公民については、基本的な原理や概念枠組みの理解、それを用いた活用、分析、考察、課題について構想するという段階的な学習の構造を踏まえた整理とすることとしてはどうかと考えております。
また「(4)記載内容の充実に向けた観点」として、ぜひ本日ご議論いただく際にご参照いただければと存じますけれども、小中高等学校の各分野・科目間の系統性・体系性も踏まえた記載内容の整理、あるいは知識及び技能を統合的に理解した姿を明確にするための工夫、これには内容項目の要約や個別の知識、技能の列記を避ける記載とすることや、「重要」、「影響」、「変化」、「取組」などの実質的に意味することがより伝わるようにするための工夫、あるいは学校現場の先生方や一般の方が読んだときに真意がより一層伝わる表現とするための工夫、これにはできるだけシンプルな表現とすることや難解な用語を避けた記載とすることなどもあると考えております。加えて現在示している高次の資質・能力の案は、現行の内容のまとまりを基準に記載していることから、今後、学習内容に関する議論等も踏まえ、見直しを行うことも必要になるものと考えております。
続いて7ページをご覧ください。ここから先は高次の資質・能力の具体的なイメージとして、小学校、そして地理、歴史、公民の順に具体的な案をお示ししております。こちらをご覧いただきますと、青の網掛け部分には高次の資質・能力として、左側に「知識及び技能の統合的な理解」、右側に「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」を記載しており、白の部分は、現行の学習指導要領をもとに暫定的な内容を記載したものとなっております。今後、個別の学習内容については別途検討する予定で、その検討状況を踏まえて必要に応じて見直しを行うことを前提として、本日は、先ほど5ページ以降で説明した基本的な捉え方や、7ページ以降に記載している小・中・高等学校のそれぞれ地理、歴史、公民にございますけれども、高次の資質・能力について各分野等の特性を踏まえた記載の在り方について、ご意見等を賜ればと存じます。私からの説明は以上でございます。
【土井主査】 ありがとうございます。それでは意見交換に入りたいと思います。本日は主として議題2全体について皆様にご議論いただきたいと考えておりますので、できる限り委員全員にご発言の機会があるよう、1回のご発言は長くとも3分でおまとめいただければと思います。
また本日意見交換の時間を2時間程度予定していますが、長時間にわたりますので1時間程度を目安に短い休憩を取ることにしたいと考えております。
進め方につきましては、今回各教科・科目全体について高次の資質・能力の一覧をお示しいただきましたので、まず小学校、地理、歴史、公民の順にこの一覧の記載についてご議論いただき、最後に高次の資質・能力全体に関わることについて議題1の目標及び新たな見方・考え方に関する検討を合わせてご議論をいただきたいと考えております。ご発言の際には資料のどのページに関するご意見、ご質問であるかをご指摘いただけますと幸いに存じます。
それではご意見やご質問のある方は挙手ボタンを押していただき、私から指名させていただく形で進めたいと思います。まず小学校の部分の高次の資質・能力についてご議論・ご意見等のある方は挙手ボタンを押していただけますでしょうか。いかがでしょうか。
はい、それでは石井委員お願いいたします。
【石井(正)委員】 小中高の接続も上手に整理されていて、基本的には私はこの方向でいいんではないかなというふうに理解しております。ただ、分かりやすさという点でいくと、どうしても中高の文言を小でも使うと難しさを感じるところが何点かあったので、そこを中心にお話しさせていただこうと思います。
1つは7ページの小学校の目標についてです。この思考力、判断力、表現力の批判的に捉え直す力という、この批判的という言葉が小学校は全科教員ですので、社会科の専門ばかりではないので、そこの捉えが難しいんではないかなという印象を持っています。例えば、同じく揃えなくてもよいということであれば、少しその言葉を開いて自らの考えを見直し、深く考え、判断するというのは今まで使っていた言葉で表現できないものかということを考えました。
もう1つは、その下にある見方・考え方の地域という言葉です。中学校の地理で言う地域と小学校の社会科の地域ではその捉え方の違いが学習指導要領の中でもあると思います。小学校にこの地域という言葉がここに入ると、混乱というか違ったふうに捉えられてしまう可能性があるのではないかということを懸念しています。ですので、ここについては従前のような位置や空間的な広がりのほうが小学校としては分かりやすいんじゃないかと考えています。
もう1つ高次の資質・能力についてですけども、7ページになります。小学校の3年生の丸1のところです。知識及び技能に関する統合的な理解、これは共通なんですけども、その下にあるところは理解は書いてあるんですが、技能については書いてないです。これは全てにおいて共通していると思いますが、知識及び技能と書いてあるのに技能がないのはどうかというところはちょっと気になっているところです。個人的には技能もここに入れるべきではないか、例えば2つ目の丸で技能を触れるとか、この文の中に技能の文を織り込んで書くということは考えられないかということです。
それと最後ですけども、その右側の思考力、判断力、表現力の総合的な発揮の中の視点に着目して総合的に活用するってあります。この総合的に活用するということはどういうことなのか、以前はなかった言葉だと認識していますが、これによって社会科の学習がどう変わっていくのかというところを少しご説明いただけるとありがたいなと思います。私は個人的にはなくても済むのではないかなと思っているんですが、いかがでしょうかという点です。よろしくお願いいたします。
【土井主査】 それでは今の石井委員のご意見の中で最後に触れられた、「総合的に活用することで」という表現を入れていただいた趣旨についてご説明いただけますでしょうか。
【小倉調査官】 総合的に活用するということなんですが、この後半見ていただくと分かるとおり、考察と構想にかかっていきます。ですから総合的にこれまで学習してきた、いわゆる視点に着目して、それを総合的に活用することで考察し、構想するという意図を持って書いております。ただ、先生がおっしゃるように、なくても分かるということも考えられますので、今後ちょっと検討が必要かなというふうには思っているところです。
【土井主査】 石井委員、よろしいでしょうか。
【石井(正)委員】 分かりました。総合的にというところが解釈が必要だなというふうに考えました。
【土井主査】 それではそのほかの委員、いかがでしょうか。はい、それでは永田委員、お願いいたします。
【永田委員】 今、石井正広委員が言ってくださったことに関係してなんですけど、資料としては目標と見方・考え方の7ページ目を出していただけるとありがたいです。
批判という言葉のところで、石井委員が言ってくださった批判的というのは小学校の先生方の受け止めの難しさというのを私自身もすごく理解をしていて、例えば今、石井委員が見直しという言葉も言ってくださったんですけれども、もう1つの考え方としては、これは私が少し聞いてみたいのが、今回社会科、小学校の社会科だけにこの批判的というのが入ることになるのか、それとも私が他の教科を見ていたときに、理科とか算数の中でも小学校でも批判的という言葉が入ってくるような方向だったように見ていたので、例えば社会科だけでこれが入ってくると、本当に石井委員が言ってくださったような、ちょっとやっぱり心配が引き続きあるんですけど、これは社会科だけじゃなくて理科も算数もいろんな教科でも日本の小学校の教育の中で批判的という言葉がどうしても日本語で出ると強い言葉なので、誤解を生むことが今でも多いんですけど、批判的というクリティカルシンキングの中身を小学校の先生方にももう一歩踏み込んで理解いただきながら、社会科の中でもやっていただける機運が高まるようであれば、今、石井委員が言ってくださったような心配はあるんですけれども、他の教科の関係というか議論の状況ももしここで教えていただければありがたいなというのが1つあります。
もう1つ言うとしたら、ここはポイントになるのは物事の批判ではなくて、自らの考えの自己内批判ということなので、その批判のベクトルが外に向かうというよりは、子供たち一人一人の内に向かうということになるので、場合によってはこのクリティカルじゃなくてリフレクティブのほうですよね、反省的という捉え方もできると思うので、この批判という言葉と、例えば反省という言葉、振り返りという言葉を上手にうまく使って、本当は何て言うんですかね、日本語じゃない表現で言えたらもっと伝わりやすいんですけど、どうしてもやっぱり日本語の批判という言葉の文字面がやっぱり未だに結構抵抗があるので、その辺りをこの後も上手に何か議論していって、ただ考え方としてはこの批判という考え方がうまく入ってくるといいかなというふうに考えたりもしています。
関係して、例えばエンパシーという言葉なんかも本当は上手にこの辺りで使えたら、歴史とか公民に関しても地理に関してもそうなんですけども、本当はエンパシーという言葉をもうちょっと日本語に上手に訳せたら、石井委員がやっぱり心配されているようなところも本当はカバーできるのかなと思ったりしているところです。私からはとりあえずここまでとさせていただきます。
【土井主査】 それでは今ご質問のあったこの「批判的に」という文言について、他の教科、科目等でどういう形で使われているか、ご説明いただけますか。
【武藤教育課程課長】 教育課程課長の武藤でございます。今、全ての教科は手元にございませんが、例えば今ご紹介をいただいた理科に関しましては、使う方向で検討されております。例えば「自然や社会の事象、言説を自然科学的な視点から捉え、観察、実験の結果や科学的知見などに基づいて客観的、論理的、批判的に考察すること」と、こういう言葉を使いながら今議論をしております。
これら合わせて今度、教育課程企画特別部会等に各ワーキンググループのものを報告し、全体を並べてみた中で、それぞれのワーキンググループに必要な改善の視点みたいなものをまた議論いただくようにフィードバックをこれから考えたいというふうに思っております。以上でございます。
【土井主査】 それでは桑原委員、お願いいたします。
【桑原委員】 失礼します。お願いします。先ほど永田委員もご指摘された批判的という言葉に関して、この言葉を使うこと自体については、私自身はそれほど違和感がなくて、いい言葉だとは思います。ただ、自らの考えに対して批判的に捉え直すというのは、結構これは難しい。先ほど小学校の先生方がご理解するんだったらもう少し砕いてということもありましたけれども、もう少し言葉を補っていく必要があるかなと。先ほど理科の例をお聞きしましたけれども、批判的という言葉の前に何か言葉の説明があったと思いますけれども、そういったもう少し自分の考えを批判的にというのはどういう手順を踏むのか、そのときに何を手がかりにするのかとか、そういったことをもう少し補わないと非常に難しい。現場でこれを実際にやるという場合に難しさが伴うなという気がしております。これが1点です。
もう1点は、高次の資質・能力のほうで統合的な理解というものを小学校のほうで示していただいて、こちらはちょっと私もまだ考えが整理できてなくて印象、感想みたいになるんですけれども、高学年よりも中学年とかになっていくほど、これは統合的な理解と言えるのかなという気がするところが若干あります。その事実を、何て言うかな、1つ1つ挙げていってるだけになってはいないかというような感じがしまして、その事実を統合して理解させるものをここに書いていくべきなのではないかという気がしますので、知識としてももう少し個別の知識をある程度まとめたものがここに来なければならないのではないかという気がしております。もう少しちょっと検討していく余地があればご検討いただけたらと思います。以上です。
【土井主査】 それでは鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 今の話の流れと違う話題に入ってよろしければ発言しますが、よろしいでしょうか。
【土井主査】 はい、結構です。
【鈴木委員】 目標及び新たな見方・考え方に関することです。資料1のところが中心です。小学校、それから中学校、高等学校にも共通する部分があると思いますが、中学校の話を中心にしたいと思います。
目標の中で「よりよい社会の形成に向けて」という言葉がそこに入っています。この部分というよりは、内容としては非常に整理されていると思うのですが、通して読んだときに文章としての座りがあまり良くないという印象を持っています。「よりよい社会の形成に向けて」という部分については、「向けて」がどこにかかっていくのかということが気になります。その後の言葉にすぐかかるのであれば、また違う表記、表現があると思います。またその表現が場所を変えたほうがより伝わるのではないかと思います。この部分が小中高を通じて少し文章として座りがあまり良くないという印象を持ちました。これは事務局でさらに検討されるものかと思います。
2点目は思考力、判断力、表現力等のところです。それぞれ地理、歴史等々書いてある出だしのところです。これは高等学校のほうが特に印象が強いです。高等学校、地理歴史科の1行目のところを見ると、「地理や歴史に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連を」で1回読点で切っています。これも目標でも同じように読点で切っていますが、その後に助詞の「を」が続いていきます。二つ、三つ。そうするとやはり分かりにくさや伝わりにくさが増します。この「を」の使い方に関する意見です。
これは中学校の目標のところでも、部分、部分でそういうことが感じられました。例えば目標のほうでは、「資質・能力を」で読点にして意味が変わらないと考えるならば、「資質・能力について」というような表記があったほうがいいと思いました。この部分についてはそんなことを感じています。
【土井主査】 読点や表記についてはご検討をお願いしたいと思います。それでは井田委員、お願いいたします。
【井田委員】 はい、それではお願いします。また小学校のほうに戻らせていただきたいんですけど、資料1の7ページの先ほどのところなんですが、先ほど石井委員のほうから見方・考え方のところで地域の空間的な広がりというので位置や分布という元のほうがいいんではないかというご意見がありました。地域という言葉が小学校で使う場合と中高で地理で使う場合と若干ニュアンスが異なるってことも重々承知してるんですが、ただ「学びに向かう力、人間性等」のところを見ていただけると、「地域社会の一員としての自覚、我が国の国土と歴史」とか、「我が国の将来を担う国民としての自覚、世界の国々と共に生きていく」というように地域社会から日本、それから世界というように空間的な広がりを、地域としての空間的な広がりとして示してるので、ここでは小中高を統一するという意味でも地域でいいのかなと思ってます。
ただそこで「世界の国々の人々と共に生きていくってことの大切さ」という文言が「学びに向かう力、人間性等には入ってくるんですけど、「知識及び技能」のほうには世界に関してのことが全然触れられてなくて、今後小学校の社会科で世界をどう扱うかっていうのは今後の話にはなってくるんでしょうけども、世界っていうのが「知識及び技能」の中で全然触れられなくていいのかちょっと疑問です。
また、資料2の7ページ以降ですけど、そこでは「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」の欄で、「位置や空間的な広がり」が前のままで「地域の空間的な広がり」にはなってないのですが、これでよろしいでしょうか。以上です。よろしくお願いします。
【土井主査】 それでは唐木委員、お願いいたします。
【唐木委員】 はい、よろしくお願いします。私は資料1の小学校の7ページのところの一番下にある「多角的」っていうところについてです。ご承知のように小学校は「多角的」で、中高は「多面的・多角的」とあって、これは伝統的に社会科はそういう構造になっているのかなと思うんですけれども、ただ「見方・考え方」を見ていただいても分かるように、言説っていうことで資料を分析していくとか、あるいはこの空間や時間とかも公民の中に入ってきて、多分に多面的な要素が入ってきたときに、小中高の一貫性なんかを考えていくこともあり、もう小学校も「多面的・多角的」ってしてもいいのかなっていうふうに思うという意見です。
5ページのところのこの右側のところにもやはり「多面的・多角的」に考えるって、ここでは地理と歴史と公民ってことを前提にやっているわけですけれども、このあたり小学校でも多分に「多面的」を入れてつなげていってもいけるんじゃないかなって思います。見方・考え方とか目標が変わったときがいいチャンスというか、変わるときなのかなっていう気はしているという意見です。
【土井主査】 それでは杉山委員、お願いいたします。
【杉山委員】 資料1のこの11についてでもよろしいでしょうか。簡単な点ですが、緑の部分、中学校・高校の歴史のところですけれども、黄色ハイライトで新しくなったところで、「因果や現在とのつながり」となっているところです。「因果関係」だといいのですが、「因果」だと宗教用語になってしまうので、「因果関係」と明示したほうがいいと思います。多分資料2のほうなどでも多分この因果云々というのがつながってくるところがあると思いますので、その指摘のみお伝えします。
【土井主査】 そのほかの委員、いかがでしょうか。はい、それでは井柳委員、お願いいたします。
【井柳委員】 重複になる意見ですけれども、批判的な見方、捉え方というところの話ですけれども、小学校に関わらず批判的思考という言葉を入れることは非常に重要だと思いますが、英語のクリティカルシンキングという言葉が日本語の批判的という言葉にすぐに直結するわけではなくて、やはりこの批判的という言葉ですと先ほど強いという意味合いのことが指摘されていましたけども、批判するということだとクリティカルシンキングにある本来の意味、つまり論理的にきちんともう一度根拠に持って捉え直すということの本来の意味合いがちょっと伝わらない可能性もあるので、やはり理科のところで客観的、論理的などという言葉を付け加えてましたけれど、クリティカルシンキングということの本来の意味に沿った批判的という意味が伝わるような言葉を使うことは小学校に関わらず中高でも必要なのかというふうに私も思いました、ということを付け加えさせてください。
【土井主査】 そのほかいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
お出しいただいた意見の中で多く出されたのは「批判的」という文言で、ご指摘いただいたように日本語にした場合に様々な受け止めが出てくる可能性はあると思います。ただこれに代替する言葉として、例えば「反省的」とか「省察」とか「俯瞰的」とか、いろいろな言葉をご検討いただいているんですけれども、それらの言葉もそれぞれに誤解を招く余地があるなどの問題もあって、なかなか難しいところなんだろうと推察をいたします。
引き続いてご検討をいただきたいと思いますが、言葉としてこれに代わる適当なものがあるのか、また今日お出しいただいたように、さらに何か付け足したほうがいいんじゃないかというご意見もございますし、最終的にはこの言葉についてしっかり説明することで対応するというやり方もあろうかと思います。この点についてはまた引き続き検討させていただければと思います。
それでは時間もまいりましたので、小学校はこの辺にして、次に、地理についてご審議をいただきたいと思います。それでは地理の部分につきましてご意見、ご質問等あればお出しいただければと思います。いかがでしょうか。
はい、それでは池委員お願いいたします。
【池委員】 資料2の5ページ目のところですけれども、(3)各分野等における個別事項の中の2の地理のところなんですけれども、現行の指導要領ではですね、地理教育国際憲章の5つの概念そのものが示されていたわけなんですが、地域だとか場所ですとか、具体的な内容がなかなか想像しにくいようなものもありましたので、ここに示していただいた位置や分布以下ですね、5つの概念に整理していただいたっていうのは私は非常にいいんじゃないかなというふうに思います。
ただ最後の変容っていうことなんですけれども、私は地域変化のほうがいいかなとも思ったんですけれども、ここで言う変容の中には地域の変容だけではなくて、環境だとかそれぞれの地理的な事象の変容っていう意味も多分あるんじゃないかなと思いましたので、それを考えますとこの変容でもいいのではないかというふうに思いました。
【土井主査】 それではほかいかがでしょうか。はい、それでは吉水委員、お願いいたします。
【吉水委員】 今映していただいているところについて、池先生からもご意見ありましたけれども、私もこの変容という言葉を最初見たときには、「地域の」というようなことばを頭に付けたりしたほうがいいのかなと思ったんですけども、見ているうちにだんだんと馴染んできたという感じです。おっしゃるとおり、空間的な変容っていうこともありますし、社会的変容、経済的変容や、環境の変容など、様々な変容がこの中に含まれているということで、変容という言葉のままでいいのではないかなと思っております。
それからもう1つ、高次の資質・能力の具体のほうで、19ページからになりますかね。前回12月のときには地理の一部を示していただいていたんですけれども、この知識及び技能に関する統合的な理解のところが、「どのように」とか「どのような」というような問いかけの形式で記載されていたんですけども、今回はそういった文言が外れておりまして、今回の書きぶりのほうが私はしっくり来ているというところです。
【土井主査】 そのほかいかがでしょうか。はい、それでは森本委員、お願いいたします。
【森本委員】 私も今お2人の先生方が指摘された変容っていうところについて少し違和感を感じていたんですけれども、何回か見ていくうちに分かった気になってはくるんですけど、初めて見ると少しほかの4つの視点とは違和感があるような気がしました。地理の具体的な視点って言ったときに、見方・考え方のときにこの時間軸を入れて変化を見るという意味ではこの変容っていうのは非常に重要な視点だと私は理解するんですけど、それが位置や分布というような、そのほかの4つのスケールもそうなんですけど、それと並ぶとちょっとなんか違和感があるなっていうので、例えば時間的な変化、時間軸が入るんだっていうことが分かるような文言を付け加えてもいいのかなというふうに思いました。ただ先ほど申し上げたように何回か見ていくうちに馴染んだっていうのもあるので、だんだん馴染んでいけばいいのかもしれないというふうに考えております。
【土井主査】 それでは鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 資料2の19からです。中学校中心の話になりますが、ほかにも関連すると思います。まず全体的に現行の学習指導要領の記載内容を再整理したという形で、箇条書きになって非常に簡素化された印象で、分かりやすくなったと思います。
その中で表現もいろいろと整理されているところだと思います。これは歴史やほかにも出てきますが、「大観し」という言葉が「大まかに捉えて」というふうに言葉を開いている部分がある一方で、「大観し」をそのまま使われている部分もあるので、全部揃えるかどうかの確認も必要かと思いました。
それから先ほどの「変容」の部分は、20ページの「知識及び技能」のところにも出てきますが、現行の学習指導要領で使っている表現や内容から変えている部分があります。このような形に直したり、今回の検討の考え方に沿って言葉を選び直したりしている部分については、現行の学習指導要領とは違うという説明を協議の中で見えるようにしていくと良いと思いました。歴史の部分ではあまりありませんでしたが、公民などは、社会参画の視点で随分文章を加えたり変えたりしているところもあったと思います。今後の一つの資料づくりの中では、見えるようにしていただけるとありがたいと思いました。
【土井主査】 新旧対照表的なものをどこかで作成するということについてはまた考えさせていただきたいと思います。それでは小林委員、お願いいたします。
【小林委員】 私は高等学校の立場で地理総合、それから地理探究のほうを少しお話しさせていただきます。全体的に非常に見やすくなって、読みやすくなったと思います。それで、先ほどからお話しいただいているように、地理的見方・考え方は難解な言葉があって、どう捉えたらよいのかというところで思考が止まってしまったところがあるのですが、今回の見方・考え方は先ほど池委員からご指摘いただいたとおりですけれども、非常に分かりやすくなってきたと思います。特に人間生活と自然環境との関係や、地域間の結びつきですね、この辺が分かりやすくなったのではないかなと思っております。
それから変容なんですけれども、高等学校においては以前から学習指導要領に書かれており、学校現場においては馴染みのある言葉で、授業されている先生方にとってみてはそんなに違和感ないと思います。私からは以上でございます。
【土井主査】 そのほかいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
地理については分かりやすくなってきているというご意見が多いようですが、ほとんどの委員から「変容」という言葉にご指摘をいただきました。少し違和感はあるが理解できるんじゃないか、あるいはいろいろなことを考えるとこれがいいんじゃないかというご意見と、もう少しこういうふうに改めたらいいのではないかというご意見をいただきましたので、その点についてはまた少し検討をさせていただきます。
それでは引き続きまして歴史に入りたいと思います。歴史についてご意見がある委員がございましたらよろしくお願いします。杉山委員、何か地理に関してですかね。大丈夫でしょうか。
【杉山委員】 先ほどはちょっと失礼しました。進行を勘違いしていまして、これからのところについての意見でした。「因果」という今回の新しい用語についての指摘のみでした。
【土井主査】 はい、分かりました。それでは歴史のほうに移りたいと思います。歴史について何かご質問、ご意見があればお出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。はい、それではまず山内委員、お願いいたします。
【山内委員】 はい、ではよろしくお願いいたします。中学校の歴史的分野のところで34ページのところになります。今回ですね、この歴史との対話っていうことを全面的に出していただいて、賛同させていただけるところ、特に歴史を本当にどこで言っても異口同音に暗記するものっていうふうに思っている子供さんたちに対して、皆さん、先生方もひょっとしたらそう思ってしまっているかもしれないところですね。歴史学習としての導入単元として位置づけるっていうことでは、歴史から学ぶとか歴史に学ぶっていう意味を持たせる、歴史っていうこと自体に意味を持てるっていうことは非常に重要だなっていう単元で重視していいんじゃないかなっていうところがあるんですけれども、そうしたときに思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮のところで、最終的に特徴考察、例えば地域の史跡とか地域の文化財とかの特徴を考察して終わりっていうのはちょっともったいないような気が、もちろんそこのところをやっても構わないと思うんですけれども、一方でこの歴史を学ぶ意味って言ったときに、様々なスキル的なところも、やはり時期や年代とか、いわゆる時代とか、そういったようなことも一緒に学ぶっていうことも考えて、スキルも同時に手に入れるっていうところも考えていったときに、特徴に行ってしまうと、おそらくその調べて終わりっていう、その後の歴史とあまり差異がないような、せっかく歴史との対話をするっていうとこのある意味で窓口になるところで、少しもったいないかなっていうところがあって、例えば学びを見通し振り返る、このあとでずっと出てくる前の時代との比較っていうことが出てきたりとかするので、歴史の学びってこういうものだっていうことをサイクルを回すっていう意味での意味合いをかなり持たせていったらいいのかなっていうふうに思っていてですね、少し具体化していきますと、例えば環境とかっていうことを見ていきながらどんどん変化している、先ほどの変容っていうところにも歴史に関わってくるっていうこともあるかもしれませんけれども、関わりから考察とか理解をしていく、いわゆる時代比較とか環境とか状況とか、歴史っていうのは何と何をどういうふうに見ていくことによってどういったものが分かっていくのか、それが例えば現代とつながっているのかどうかとか、あるいは安易につなげることはどうかみたいなところも、サイクルを回していくっていうところの単元として少し考えていく必要があるのかな。ここは特徴っていうところに落とし込んでしまうと少しもったいないかなっていうところで考えたらいいのかなっていうことがあるんですね。
例えば時代比較とか環境とか状況って何回も言ってますけれども、そこのところをもう少し前面に出して、時代っていうことと変容みたいなところも、変化ですね、推移ですね、考えながらですねっていうことをもう少し全面的に理解していければいいのかなっていうふうに考えました。
そうして考えていくと、小学校のところで歴史を学ぶ意味っていうのもありますので、そことも関連づけていくっていうことも重要なんではないかなっていう、そこの小中の連携っていうことも少し考えていく、もう少しこのあたりのところは、この白いところ、具体的な知識・技能とか思考力、判断力、表現力みたいなところで、もう少し詳しく説明していく必要があるのかなっていうふうに考えているところでございます。
【土井主査】 それでは鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木委員】 はい、度々失礼します。今回、箇条書きで整理されたところは大変分かりやすくなったと思っています。それから歴史について、これは分野の特性の違いというところもあるので、全くイコールにはできないと思いますが、例えば「知識及び技能」のところでは、その内容項目について、例えば古代までの日本ならば、アのところでは「1世界の古代文明」、「2宗教の起こり」について、知識にかかるところを現行の学習指導要領から箇条書きに置き換えているということで、非常に見やすくなっていると思います。こうした書きぶりがほかの分野でも取り入れられると良いと思います。多くの中学校の教員は3分野を一人でやることが多いですから、学習指導要領の文章の読み取り方については、ほかの分野でも同じような読み取り方をすれば良いというように、繋がるところがたくさんあると助かると思います。
同じように今度は「知識及び技能」と「思考力、判断力、表現力等」のこの左右の並びを見たときに、歴史は内容がどんどん変わっていくところもありますから、「知識及び技能」のアと「思考力、判断力、表現力等」のアは、1対1関係になるというように読み取れますが、地理や公民になると、中単元全体でこの「思考力、判断力、表現力等」を育てていくというように、横に1対1関係ではなくて、もっと大きな枠組みで、単元全体で力を伸ばそうという読み取り方もできるところがあります。このへんが分野の違いもあるかもしれませんが、できれば地理・歴史・公民と書きぶりが似ていると、あるいは読み取り方が似ていると、非常に先生たちは助かるのではないかと思いました。でも、非常に見やすくなったと思います。現行の学習指導要領との関連性もしっかり押さえていることも感じました。
【土井主査】 全体を通じての分かりやすさという問題と、各教科・科目で単元の構成の仕方が異なる面があるものですから、それに即して理解していただく必要性と、どうバランスを取るかということだろうと思います。それでは次に韮塚委員、お願いいたします。
【韮塚委員】 よろしくお願いします。知識及び技能の統合的な理解の部分について、1点お願いいたします。具体的には、例えば37ページ、近世の部分になりますけれども、こちらを見てみると、背景になる部分、その後にですね、具体的に統一権力が形成されたこと、そしてその後の安定した社会が実現したことを理解するというふうに概念化されておるのかなというふうに読み取れます。
こうした表現に対して、次、この38ページをお願いします。38ページ、今度近代のほうになりますけれども、こちらを見ると、同じく知識・技能の統合的な理解の部分ですけれども、背景がありますね。背景に対して、日本の近代国家の形成、それから近代的な社会や文化の形成ということで概念化されている表現になっているんです。
こういったそれぞれの時代の特色的な概念をどういう文言で概念表現としていくのかが、ちょっと先ほどの近世の部分とこの近代前半の部分の表現の仕方にちょっと違いがあるなというふうに感じています。この近代のようにかなり文言として絞ってしまって、日本の近代国家とか近代的な社会・文化の形成といった表現でするのであれば、先ほどの近世についてもですね、近世的な社会や文化の形成等の表現で作れるのかなとも思いますし、あるいは逆にですね、もう少しこの概念を具体化した表現で近世のような表現にしたほうがいいのか、その辺をちょっと自分も今悩んでいるところなので、もしご意見があれば伺いたいと思って発言いたしました。以上になります。
【土井主査】 書きぶりをどのように調整していくかという点について、今韮塚委員からご指摘いただいた点も含めて、ご意見があればお出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。
【梅津委員】 先ほどの韮塚委員のご発言に対してですね、少し私、考えていることを添えさせていただきたいと思います。つまり、中学校の歴史的分野における統合的理解を促す概念のレベル、つまり知識の質のレベルと、高等学校の歴史総合及び探究科目で扱う知識・概念の質のレベルっていうのをどういうふうに関係づけるのかっていう事柄と、韮塚委員のご発言っていうのは絡まっているというふうに理解をしました。
その上でですね、中学校の歴史的分野の学習指導要領における知識目標の中核は、ご案内のとおりですけど、歴史の大きな流れをつかむということです。歴史の大きな流れをつかむために各時代の特色をつかみ、その各時代の特色を比較考察する中で、大きな歴史の流れを理解するということだと思うんですね。
となってきますと、前近代の各時代と近代以降をどのような知識・概念のレベルで捉えるのかというちょっと深い議論になると思います。先ほど韮塚委員が触れられた近代に関わる近代国家の形成っていうそのことはですね、むしろ歴史総合で扱われているような「近代化」を国民国家や立憲体制、工業化や世界市場といった概念レベルで捉えるような、概念の桁が一つ高いものであるっていうふうに理解をするわけですね。
それに対して、例えば、近世の時代の特色をつかむというときには、基本的には安土桃山時代を契機にして、江戸時代の時代の特色を、幕藩体制とか身分制度とか、あるいは海禁策とか町人文化とか、経済の側面で言うと、自給自足経済から商品経済へというような形で、いわゆる政治・経済・社会の各側面における近世社会の特色を、いわば時間的・空間的により狭い時代解釈としてつかんだうえで、近世社会を特色づける、こういう理解ですので、そうなってくると、ここの特に近代のところの書きぶりは、歴史総合で扱われる概念レベルで書き込まれているので、前近代の時代解釈レベルの知識の質と揃える必要があるのかないのか、そのへんのところを中学校から高等学校への展開も考えながら、捉える知識・概念のレベルについて少し議論しておく必要があるかなと思ってお聞きしておりました。
【土井主査】 それでは杉山委員、お願いいたします。
【杉山委員】 杉山です。今の話を伺っていて、私もちょっと気になったのは、中学については内容まで把握していないので確とは申せませんが、その青い欄のところの「統合的な理解」の書きぶりの密度が随分違うというのは私も感じました。例えば35ページのところですと、非常にシンプルで、「国家が形成され特徴的な文化が育まれた」、これしかなくて、どんな特質かは分からないわけですが、36、7ページだと、かなり詳しい、内容に立ち入った感じで要約されていると思います。
今議論になっていた37、8ページだと、今度は逆に38ページは、モダン、モダニティということだと思うのですが、非常にシンプルになっていて、「近代」の意味するところはここでは分からないわけです。近代と前近代とのギャップというのを今梅津委員も指摘されていて、確かにそうだと思うのですが、同じ前近代でも密度が随分違うなという感想を持ちました。
とともに近世に関して申せば、これはこのあとの高校の部分とも同じなのですが、「統一的な政治権力」という言い方が中・高とも使われていますが、「統一政権」と「統一的な政治権力」というのは少し意味が違うので、このあたりはまだ、指すところについて、どういう表現が良いか議論する余地があるかなと感じました。
【土井主査】 そうですね、今中学校の歴史的分野について、各時代区分で知識及び技能に関する統合的な理解の書き方の具体度が少し違うという点について、ご指摘いただいてご議論いただいているんですが、もし原案についてこれを意識的に書き分けておられるのであれば、その書き分けをしている理由等についてご説明いただくことは可能でしょうか。お願いします。
【藤野視学官】 視学官の藤野です。歴史を担当しております。今ご指摘いただいた点です。近代のところは実はやはり同じように歴史総合との棲み分けをどういうふうに考えていくかというところで、まだまだ課題があり、検討途中というところだと思います。
特に近現代の部分につきましては、歴史総合と中学・高校でつながっていく部分でありまして、それらのところの連続性をどういうふうに考えるかというところであると思います。一方、その近現代のほうも後半のほうですね、どちらかと言いますと、1900年代レベルの近代の後半の部分と、それから戦後と呼ばれるような時代と、もう2つほどあるんですが、そこらあたりはむしろ歴史総合とのつながりを意識しつつも、中学校ならではのある程度焦点化されたようなところということで、知識の部分は整理をしている特徴の部分になっております。ご指摘いただいたように、近現代の一番初めの部分、近代化の部分についてはまだまだ課題があるというふうに我々のほうも考えているところです。以上になります。
【土井主査】 時代ごとで次の高校段階との接続等の関係を踏まえて調整していただいているというご説明だったかと思いますが、今の点につきまして、委員の先生方のほうで追加のご意見等があればお出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。
よろしゅうございますでしょうか。既にご意見は伺っておりますし、引き続き検討するということですので、さらに何かお気づきの点等があれば、また改めてお寄せいただければと思います。そのほかの点について、歴史でいかがでしょうか。
よろしゅうございますでしょうか。はい、それではかなり順調に質疑が進んでおりますが、まだ休憩に入るには少し時間がございますので、公民に入りたいと思います。公民につきましてご意見等ございましたら、お出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。それでは、鈴木委員お願いいたします。
【鈴木委員】 先ほど発言したことと重なることもありますが、現行の学習指導要領の記載内容や表現などが変わっている部分、新たに付け加わったり順番を変えていたり、用語が変更になっていたりというところが見受けられます。そこはきちんと説明をしていかないと、教員に伝わりづらいと思いました。この表の中でそれは説明できないと思いますが、何らかの形で説明をお願いしたいと思います。
特に社会参画を意識した内容として新たに加わっている項目については、今回の改訂の方針の中では重要なところなので、そこは強調してほしいと思います。部分、部分を挙げれば細かくなってしまいますが、総論としてそんなことを感じていました。
それから細かいことですが、少子高齢化といったり人口減少社会と言ったりするなど、そういう違いなども同じように説明を必要とするところかと思いました。
【土井主査】 用語の統一の点については、詳細に検討させていただければと思います。そのほかいかがでしょうか。
それでは唐木委員、お願いいたします。
【唐木委員】 私は細かいところですけれども、1つ目はやはり言葉が、「統合的な理解」のほうの文末に「理解する」と「理解を深める」というのが入っているので、何か意味があるならばそのままお使いいただければいいのかなと思うんですが、深い意味がないならば統一したほうがいいのだろうということです。
あと、これは小学校のところで石井正広委員もおっしゃいましたけど、知識及び技能のところには技能に関することがやはり書いてない。これは歴史のほうも地理のほうも結構似たようなところがあるんですけれども、ここは何らかの説明を求められると思われます。そこで、私は現状でも構わないんですけれども、技能と書いてある以上は何らかの手は打たないとならないだろうということです。
最後は、この公民に関する表の一番下のところに「概念的な枠組みは一人一人異なっていることに留意する」という一文が入っていて、これは地理・公民にも入っていなくて、どうして公民だけ入っているんだろうというのがずっと気になっておりまして、これはぜひ説明していただきたいなと思います。
【土井主査】 それでは、最後にご指摘いただいた、「概念的な枠組みは一人一人異なっていることに留意する」という点が公民だけに入っている理由について、単に入っているだけなのかもしれませんが、何かあればご説明いただければと思います。いかがでしょうか。お願いできますか。
【磯山調査官】 調査官の磯山です。「概念的な枠組みが一人一人異なっていることに留意する」ということについては、現行の学習指導要領においても、生徒や学校の実態に応じて工夫していくということが明記されています。特に公民については、小学校・中学校・高等学校までの学びの連続性とか接続ということを考慮して、この概念的な枠組みというのが単なる概念的な理解だけではなくて、一人一人がいろんな経験を通じて獲得してきたことということを念頭において教材研究をしていく必要があるということがあります。
ですので、「概念的な枠組みは一人一人異なっていることに留意する」ということで、その枠組みから見えたときの現代社会がどうなっているのかということを大切にしてほしいというメッセージになっています。
【髙見主任教育企画調査官】 先ほど調査官が申し上げたとおりでありますけれども、ただ、その概念的な枠組みは、これ特に公民科においてはこういったことが求められるところでございますが、当然地理とか歴史の分野でも同様の考え方はあると思っておりますので、この辺の記述についても改めて工夫したいと思います。
【土井主査】 そのほかいかがでしょうか。
それでは永田委員、桑原委員の順番でお願いいたします。まず永田委員、お願いいたします。
【永田委員】 今、59ページが出ているんですけど、62ページを出していただければと思います。この62ページの公民的分野の最後のところ、Dの(2)の知識及び技能に関する統合的な理解の欄に文言が入っていないという点は、このあと高校のところでもお話が出てくると思うんですけど。そこに文言がある、ないは後でになると思うんですけど、例えばこれ公民の一番最後のDの内容項目の(2)にこれがあるのと、例えばこの公民のAの内容項目なので、ページでいけば59ページですかね,例えば59ページのこの(1)、(2)の後ろにさっきのDの(2)が来ることってあり得るのかどうかというのを、これは聞いてしまいます。
というのが、小学校の3、4、5年が今回この高次の資質・能力というときに、ちょっとそういう配置の仕方を現状してあるんですよね。小学校の3年生のところを出していただけると分かりやすいと思うんですけど。これはもう質問というか、この辺が今後どうなるかなんですけど。はい、これです。
小学校3年生の今、その(1)の丸1、丸2となっているんですけど、これは現行では(1)の丸1と丸2は一番最後に、単元の一番最後に来ているんですけど、同じように4年生の都道府県のところも今の現行ではその3年の入口と出口に来ているのを、高次の資質・能力のイメージの中では4年の一番最初のここに来ているんです。
だから同じような感じで公民的分野も、例えば高次の資質・能力をまとめるときに、今の現行のいわゆる内容構成の並びでこれをするのか、それとも場合によったら今のDの後ろにあるのがAのここの(2)の後ろに来るようなことはあり得るのかというのは、これは同じように実は地理のところもそうで、地理の地域構成のところと一番最後に来ている地域のあり方,この辺も地理的分野の中であちこちにあるのを高次の資質・能力をまとめるときに、内容の順列性はまた後の話になるにしても、こういうまとめ方というのはどうなのかなというのはちょっと今この時点で確認したくて。例えば公民の場合は今こういうところは何か議論とか考え方があるのかというのを、土井主査なのか磯山調査官なのか、ちょっと伺いたいなと思ったところです。
【土井主査】 まず私のほうから申し上げますと、後でまた磯山調査官のご意見も伺いたいと思いますが、基本的に単元を構成する際といいますか、単元ごとに授業をしていただく際に、どのような形で進めていただくかについて指針を示していくという方向ですので、実際に構成されている単元をばらして能力別に統合し直すというのは、ちょっと私の感覚では難しいかなという気がします。
公民の部分はまさに最後の単元で探究をまとめてすることになっているために、そこの部分については確認していただかなければならない知識・技能に関する事項がないことになっています。そもそも白の枠のところに記載がないものですから、高次の資質・能力も合わせて空欄になっているという、そういうふうに理解しています。磯山調査官、いかがでしょうか。
【磯山調査官】 もちろん必要に応じて検討すべきこともあるかなと思って、貴重なご意見として伺いました。一応ですね、公民的分野に大項目のDの(2)というふうに位置づけていますけれども、その総合的な発揮にも書かせていただきましたとおり、地理的分野、歴史的分野などの学習を活かすということに一応意味があって位置づけられているかなというふうに思います。もしそのような考え方をするのであれば、やっぱり公民単独で考えるというよりは、社会科全体の構造を踏まえてどうするかということを検討する必要があるかなと思います。
先に話すべきことだったかもしれないんですけど、基本的に中学校の公民的分野って第3学年に位置づいているにもかかわらず、実は公民的領域に初めて出会うんですね。なので、大項目Aというのは実は公民的な領域にとっては極めて大事だというふうに思っています。そのときに、これは公共と対比していてこれが適切な発言かは自信がないんですけれども、できたばっかりのときにはこの公共の扉が重すぎて開かないという指摘がたくさんあった中で、やっぱりこの中学校の公民的分野の大項目のAについては軽い作りにしたいなというのは多分基本的なコンセプトだと思っていますので、そのように考えられているということになります。
【土井主査】 永田委員、よろしいでしょうか。
【永田委員】 多分これが今後議論のまた大きなポイントになってくるのかなと思ってですね。今、磯山調査官言われた扉が重すぎて開かないというのと、あと扉からやっぱり子供たち、児童生徒を社会に送り出していかないといけないというところもあるので、このあたりが高次の資質・能力と、今後その内容を今度考えていくときの大きな考える材料にはなってくるのかなと思って、今、土井主査と磯山調査官のお考えを伺えてとても参考になりました。
【髙見主任教育企画調査官】 先ほど永田委員におっしゃっていただいたように、また次回以降、全体の系統性、体系性の議論をいただきますので、そういった中で今日お話しいただいた内容についてもより掘り下げてご議論いただけるというふうに考えているところでございます。
【土井主査】 はい、それでは桑原委員お願いいたします。
【桑原委員】 失礼します。社会への参画ということが一つ大きなポイントになっているわけですけれども、社会参画を視野に入れながらとか、今ちょうど62ページも出ておりますが、こういう表現になっていて、社会参画に向けての力をつけるんだというふうな表現にとどまっているかと思います。
現実的に中学校3年生で公民の勉強をする中で社会参画を現実的に行うというのは難しいというのは重々私も理解できるんですけれども、例えば地理で地域の調査をしたり、歴史で地域の歴史を調べたりする活動があるのに対して、公民における社会参画というのはその基盤を形成するのにとどまるということで、この社会参画という言葉が理念的な表現にとどまってしまっているというのが、果たしてこれでいいのかというところを少し思ったりはします。実際にやることはかなり難しいにしても、社会参画に向けた道筋をもう少し公民の中で持たせるような表現というか、今後より詳細に考えていく中でそれの道筋もつけるという考え方もあるかと思いますけれども、少し検討できたらなというふうに思います。
【土井主査】 そのほかいかがでしょうか。それでは山田委員、よろしくお願いいたします。
【山田(圭)委員】 すいません。遅れて入ってきてしまったので。今、資料2のほうの高次の資質・能力イメージのほうも検討に入っているということで。
【土井主査】 そうですね。今、具体的には公民について高次の資質・能力を議論していただいていますが、あるいは目標のところに絡めていただいても結構です。遅れてお入りということであれば前の分野について追加でご発言いただいても結構です。
【山田(圭)委員】 ありがとうございます。その64ページですかね、公共のほうの高次の資質・能力のまとめ方のところとかでちょっと気になったのは、この一番左上の(1)の青のところの知識・技能の統合的な理解の最後の締めくくり方が、「人間として成長しなければならないことを理解する」という言い方になっていて、これはまだ原案なのかもしれないんですけど、どういうものを高次の資質・能力として考えるかという基本的な考え方に関わるところかなと思っていて。「人間として成長しなければならないことを理解する」というのだともう結論が決まっちゃっている気がするんですよね。これを最終目標としてそれを理解させるという話になっちゃうので、むしろどうすれば成長できるのかとか、成長ってあんまり私好きじゃないので、例えば知識・技能の中の話で言えば、どうすれば自立した主体になれるのかを理解するみたいな形で、少しやっぱり自分自身の実際の生き方に繋がるような仕方でオープンに開く形で高次の資質・能力というのを表現していったほうが、ちょっとメタ的な話としても理解しやすいんじゃないかという。つまりあんまり結論を先取りするような形で理解する言い方は、できれば避けたほうがいいんじゃないかというふうに思いましたという意見です。
【土井主査】 今、山田委員におっしゃっていただいた点は、そのとおりかと思うんですが、ただ、どのようにして人間として成長しなければならないかという点については、むしろ考えることが大事で、理解につながりにくいのかなと思います。その意味では、どちらかというと思考力、判断力、表現力のほうで、どのようにすれば成長につながっていくのかを考えてもらうことにして、こちらのほうは理解なものですから、成長しなくてよいという結論も想定していないのが問題なのかもしれませんけれども、基本的には自分を高めていくということが前提で、高めていく必要があることを理解するとしています。その上で右の欄のほうで自立した主体は何かということを考えることにつながっていると思います。ただ、ご指摘の点は大事な点だと思いますので、検討させていただきます。
【山田(圭)委員】 今おっしゃられたことは十分理解したので、そうであればまさに知識の項目の中に出てきているものを総合的に勘案することで、どうすれば成長できるのかを理解するみたいな形で、例えば他者との対話を通じて他者を理解したり、自分の自立性を理解したりみたいな形で、それを統合する形で人間として成長する仕方を理解するという形であれば、知識・技能の話に繋がるのかなとは思いましたけど。はい、ありがとうございます。
【土井主査】 そのほかいかがでしょうか。
それではちょっと時間が微妙なところに来ておりますので、一応公民はこれでご議論いただくのを終了させていただくことにして、あと残りは全体にわたる点についてご発言いただく時間になると思います。休憩入れるかどうかとの関係で、全体についてご発言をしたいという希望の方、挙手ボタンを押していただけますでしょうか。
それなりの数おられるようだったら休憩に入ります。3名、4名。はい、それでは休憩に入りたいと思います。今から5分ですね。今、私の時計で59分ですので、5時5分前ぐらいから再開したいと思いますので、再開後ご発言をいただきたいと思います。それでは5分の休憩に入らせていただきます。
(休憩)
【土井主査】 それでは時間がまいりましたので、会議を再開させていただきます。今後ご発言をいただいていく上で、時間がもし足りなくなりました場合には、会議後ご発言いただく予定であった内容を事務局までメールにてお送りいただいた上で、後日議事録掲載という取り扱いにさせていただきたいと思いますので、ご了解ください。現在の進行状況ですと、全員にご発言していただけるかなと思います。
それでは最初、板倉委員からお願いいたします。
【板倉委員】 新たな見方・考え方と高次の資質・能力との差別化について、1点お話しさせてください。
資料1の4ページになるのですが、先ほど側面1、各教科等の学びの深まりを促す事項については、高次の資質・能力に具体的な視点と方法を記載するという説明があったかと思います。新たな見方・考え方で対象と抽象的な視点・方法を表して、高次の資質・能力で具体的な視点・方法を表すということで差別化を図っているのかと思う、その資料の右側を見ると、「比較・分類したり」は方法と位置づけるとありますし、次の5ページ、6ページの方法の欄にも内容項目の特性に応じて具体的な考察を記載するとなっています。
これを踏まえて資料2のイメージ案を見た場合なのですが、視点については大方具体的に表現されているように感じるのですが、方法については目的語によって対象が詳しくされてはいるものの、新たな見方・考え方と同じように単に「多角的に考え」、中高においては多面的も入りますが、そう記載されているところですとか、あと単に「考え」となっているところもあります。
例えば資料2の20ページ、中学校地理的分野②にあるように、新たな見方・考え方では「多面的・多角的に」と表していたものを、高次の資質・能力では「地域的特色や変容の過程と関連づけて多面的・多角的に考察し」というように方法が具体的に表記されていると、資料1の説明と資料2のイメージ案とが整合されているように感じます。
もちろん端的に示す観点から具体的に表すのは難しいというのはわかりますし、暫定版ということでしたので、今後検討する上では、本日の資料1のように新たな見方・考え方のあり方を説明するのであれば、高次の資質・能力の中で現在差別化が図られていない箇所について検討していく必要があると感じます。
【土井主査】 それでは次に頼住委員お願いいたします。
【頼住委員】 まず、資料2の70、73、75頁の倫理、政経の他教科との連携をはじめ、いくつかの点で意見がありますが、時間の関係で別途、資料をお送りします。私は言葉遣いで気になったところがありましたので、それについて少しご質問させて頂ければと存じます。資料1の11になりますけれども、見方・考え方の見直しイメージというところで、見直し案の最後のところがみな、「根拠に基づき公正に判断する」となっており、全ての社会科の見直し案の最後がこうなっております。それぞれの特性があると思いますが、それにもかかわらず最後が公正に判断することとまとめられているところに、やや画一的な印象が出てきてしまわないかと危惧の念を持ちます。また、公正ということにもいろいろな意味があると思いますし、公正と言ったときの正しさというのも様々だと思いますが、それがみなこの言葉で結ばれているわけです。このように全部揃えているということの意味などを少し教えていただければと思いました。よろしくお願いいたします。
【髙見主任教育企画調査官】 最後の部分が統一的な書き方になっているということにつきましては、社会科全体を通して、社会科、地理、歴史、公民を通してですね、全体的に見方・考え方の統一性を示したほうが、それはそれでまた一体性も生まれるんじゃないかということで、社会的事象等の言説で対象の部分と、考察の部分では統一しているところでございます。
ただ、それは各分野・科目の特性に応じてですね、書き分けるべきというご判断もあると思いますので、その点も含めてまたもし先生方からご意見等ございましたら、いろいろご提案賜ればと考えるところでございます。
【頼住委員】 承知いたしました。
【土井主査】 社会について公正な見方が定まると考えているわけではなく、様々な考え方、あるいは意見等がある中で、それを何かに偏ることなくバランスよく考えた上で判断するという、一般的な意味で用いておられるのではないかと思います。ただ、今ありましたように引き続き検討させていただければと思います。
それでは引き続きまして、小林委員お願いいたします。
【小林委員】 私、2点です。1つは細かいことなんですが、思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮の文末表現なんですが、地理と歴史は主に「何々することができる」という表現が多いんですが、公民は「何々する」が非常に多いんですね。これは公民と地理・歴史では、何か違いがあるのかというところです。
2点目です。高次の資質・能力という言葉がですね、前も先生方おっしゃっていたように、ちょっと腹落ちしないなというふうに思います。特にこれは単なる知識の理解ではなくて、統合的な理解であるし、総合的な発揮であるわけで、そういう意味で高次のと言っていることは説明を聞けばよく分かるんですけども、高次があれば低次もあり、低次が小学校であって高次が高校かみたいなミスリードを招くようなことになりはしないか危惧しております。
改めて小学校から高校まで社会科、地理・歴史、それから公民全部見渡してみると、例えば地理総合で身につけるべき資質・能力というようなネーミングのほうが落ち着くような感じがするんですが、一度ここについては教育課程企画特別部会で少し議論していただければありがたいなと思っております。以上でございます。
【土井主査】 2つ目の点はこのワーキンググループというよりは特別部会のほうでご審議いただくことになるかと思います。文末については基本的にまだ表現としてしっかり統一できていない点もございますので、今いただいたご意見踏まえて今後調整させていただきたいと思います。
それでは唐木委員お願いいたします。
【唐木委員】 たびたび申し訳ありません。資料2の4ページのところを開いていただけると、高次の資質・能力の役割が書いてあって、「深い学びを実現する単元づくりのイメージを教師が持てるようにする役割」というふうに書いてあります。その下のところのチェックポイントのCのところにも、やはり「深い学びを実現する単元づくりを助ける観点」というふうに書いてあります。この高次の資質・能力というのが、私まだ授業づくりの中でどういうふうに役立てられるのか、単元づくりの中でどのように役立てられるのか、もう少し具体的に言えば、学習指導案に実際に書くということはないんだろうと思いますけれども、どういうふうに役立てられるのかというのがちょっとまだ十分にイメージできません。内容的にはきれいに仕上がってきていて、見方・考え方に目標を含めて、この高次の資質・能力もきれいになっているのかなというふうに思うんですが、ちょっとこの役割がよくまだ理解できていなくて。
例えば7ページを開いていただけると、小学校が一番大単元と小単元で分かれているので説明しやすいのかなって思うんですけど、これ2つの小単元が1つの上に重なって高次の資質・能力の部分ができ上がっているわけですけれども、この青色の部分をじゃあそれぞれ授業を作るときにどういうふうに使うのか。例えば、ひょっとすると大単元を貫く問いみたいなものを作るときに、この高次の資質・能力を使うのかとか、そういう具体的な手立てとか方法みたいなことをいずれは説明していかなきゃならないと思うので、ぜひその辺りのこの活用方法みたいなところも含めて、次回以降検討していただきたいと思います。検討していく過程で、高次の資質・能力ってもう一度見直していくようなときが出てくるのかなという、そういう意見です。
【土井主査】 引き続きの検討になると思いますが、現段階でご説明していただける状況があれば、ご説明いただければと思います。
【髙見主任教育企画調査官】 資料の79ページをご覧いただければと思いますけれども、こちらのまさにこのCの部分をご覧いただけると思います。こちらにございますとおり、1つ目のポツのほうにございますが、いわゆる統合的な理解と、それから知識・技能、そして思考・判断・表現との総合的な発揮に関して参照した際に、単元を通じて児童・生徒が追究する本質的な問いを構想する上で参考になるかという視点、あるいはその下のほうにございますけれども、実際に論述・レポート・発表・作品制作等の単元を通じて児童・生徒が資質・能力を総合的に発揮しながら取り組む課題を構想する上で参考になるか、こういった観点で高次の資質・能力というのを位置づけるということをされているところでございます。
ただ、これについては例えば先ほど委員のお話にもありましたし、また前回の会議等でも議論ありましたけれども、例えば評価をどうしていくのかと、そういった具体的な方法についてまたこれからご意見をご審議いただくことになりますので、そういったものを踏まえながらですね、またこちらの全体の社会科全体としてどう考えていくのかということをご審議いただくことになるかと思っております。
それから合わせて78ページ、先ほどちょっと委員のお話ございましたが、この高次の資質・能力の言葉の使い方ということでございますが、これ左の下のほうにちょっと小さな字で書いているんですけども、今回その中核的な概念というのを高次の資質・能力で呼ぶことをあえて書いておりますけども、これらの用語のあり方につきましても、各ワーキングの具体的な議論も踏まえた上で、学校現場に趣旨が適切に伝わるものとなっているかという観点から継続的に検討されるということになっておりますので、こちらについても今後また全体の議論の中でご審議なさられるものというふうに捉えているところでございます。
【土井主査】 それでは引き続いて山内委員お願いいたします。
【山内委員】 先ほど発言させていただいたことも関わる点、あと先生方、いろんな委員の先生方のお話も踏まえてということで2点お話しさせていただきたいと思います。まず唐木委員からお話しいただいた技能みたいなところで、歴史的分野でどんなことが考えられるかなって考えたときにですね、例えば先ほど私が説明した歴史との対話の34ページ、資料2のところから見たりとかすると、例えば資料の見方みたいなのがですね、例えば言説ということが最初のところ出てきたと思うんですけれども、そういった資料の信憑性とか信頼性とか、例えば地域の歴史を扱うときにですね、二次資料から、後の時代に作られた資料から当たっていくようなときも結構考えられてしまうので、そういったところで一旦立ち止まって考えてみたりとかですね。
あとは地域同士のというか、またいろんな時代も違うかもしれません。空間とか時間とかの違いという、類似とか差異とかということでの見分けたりとかいうことも、かなり必要になってくると思いますし。あと歴史と言いますとやはり現代の感覚、現代の価値観、現在主義などと言われていると思うんですけれども、そうした感覚で考えてしまうということに対して、子供たちがどう向き合うかみたいなところもですね、かなり歴史的分野ならではの技能というのか、資質・能力って関わってくる、ほかの見方・考え方とも関連づけられると思うので、そういった辺りもですね、盛り込んでいただけると、先ほどの具体的な授業の作り方でのところで何をどう扱うかというところがもう少し先生方はイメージできるのかなという、そういったような立て付けになるのかなということをひとつ考えました。
それから地理的な分野のほうで、少し先ほど変容に関わるご指摘があって、時間軸のことをお話しいただいたかと思うんですけども、むしろ歴史のほうでは空間軸、例えば時代によって空間広がっていく、認識する広がり、もちろんいろんなところに遠くへ出かけたりとかするということも含めて、空間的な広がりということも、意識したりとか留意するということも加えていただけるとよいのではないでしょうか。例えば中世から近世に入ってきたときに、この時代の世界の関係はどう変わったのかみたいな問いが実際に作れたりとかもする、なぜ変わったのかみたいなことも問えるので、具体的な問いに繋がるようなことを考えたときに、時間と空間というのはかなり意識、それは地理でも歴史でも、あるいは公民でもそうかもしれませんけれども、つながり、分野のつながりということも少し踏まえて、授業づくり、先生方は地理とか歴史とかも分けずにやっていたりとか、分けずに1人の先生がやっている、先ほどの討議でもありましたけれども、それを考えると、つながりみたいなのも少し意識して示していけるといいのかなというようなことを考えています。
【土井主査】 それでは大村委員、よろしくお願いいたします。
【大村委員】 別件業務で休憩のときから参加しましたので、重複があったら誠に申し訳ありませんが、意見を述べさせていただきます。まず新たな見方・考え方と高次の資質・能力の関係の示し方は、様々な意見をもとにされながら、前回までと比べてとても整理されて分かりやすくなったなと感じています。そのような作業をしていただいて感謝申し上げます。その上で3点。
1点目は小学校についてなんですが、いろんなところに多角的にというふうに入っていますが、多角的だけが入っているのは、もちろん現行に寄せていることや発達段階を考えていることというのは分かるんですけど、例えば農業という社会的事象についての生産者や消費者の立場で考えるとかだけではなくて、生産者の立場で考えると、経済的な側面とそれまで受け継がれてきた地域の人間関係の側面とで葛藤が起きるということとか、そういう多面的に考察することなどは小学校でも十分あり得ると思っています。むしろ小学校は多角だけというよりも、多面性・多角性のレベル、質が上がっていくという段階性のほうがいいんではないかと個人的には感じています。絶対にそうしなければならないという強い思いではないんですが、単純に言葉が1つ増えるようなイメージではなくて、多面の中でもそれぞれが質が小学校と中学校でさらに上がっていくというほうがいいのではないかと思います。もっと言えば、総合的な発揮という時点で多面的な視点を持たざるを得ないのではないかなというふうにも、機能的に考えても思いましたので、意見とさせていただきます。
2点目が資料2の16ページの小学校の歴史についてです。歴史はあえてこのようにしたという経緯もこれまであることも理解しておりますので、歴史全体でまとめていることに異議はないのですが、同時に青色で示す意味がどこにあるかという問題が出てくるだろうと思います。それに関わって左側の統合的な理解は、今の表現は統合的になっているというよりは、下の具体的なたくさんある中の具体を一般化した言い方をするとこうなりますよという表現になっているのかなというふうに感じます。もともと統合的な理解というのは中核的な概念という表現で検討されていた時期もあると考えると、ここで言う小学校歴史学習なりの中核的な概念は何かを検討する必要があると思います。そうすると、あくまで小学校社会科が人物中心の大まかな歴史の理解だとしても、深い学びの実装という点から考えるならば、例えば人々の生活や社会が各時代によって変化または受け継がれてきたことを、先人たちの行動や外国との交流などの要因と関連づけて理解するなどの表現のほうがいいのではないかなというふうに感じました。
最後3点目ですが、資料2の67ページの空白部分について、空白であることが「なし」ということに捉えられないように、むしろ右のようなことをする上で課題に対する概念が必要であるということに対する言及が、指導要領でなくても解説の中に必ず必要だと思ったので、それを付け加えさせていただきます。総合的な学習の時間とかでは、課題に関わる概念を形成しとかいうふうに、あるいは課題の解決に必要な知識及び技能を身につけというふうに一般化されたような大きな書き方がされていますので、そういう表記をしなくてもいいと思いますが、ここは横線が引いてあるのは「ない」という意味ではないということが解説で示されるべきかなというふうに思いました。
【土井主査】 小学校については発達段階の問題もあり、なかなか表現するのは難しいところがあるかもしれませんけれども、今のご意見を踏まえて引き続きご検討いただければと思います。
では北川委員、よろしくお願いいたします。
【北川委員】 先生方と事務局の皆様のお仕事から学ぶことが大きくて、私はいわゆる外側からこれを見てどう思うかとか、それがどういう意味を持って次につなげられるのかなというのを考える係だと思っていて、すごく今までの先生方と違ってふわっとしたことを申し上げると思うんですけれども、それでちょっと失礼させてもらうと。
資料はすごく見やすくて、私にもここでこういうことをするんだなというのが分かるようにできてきているんですけれども、何かやっぱりそれを読むときの先生方へのモチベーションになって、楽しく学ぶ姿勢とか、今日は楽しく学んで、この子たちがつながっていくところとか、そういう考えを持つ場にするとか、そういう議論がもっともっとできるようにならないかなというような気がします。そういうエレメンツも少しずつ入れてあげると、この文章自体をより良くするとか、エレメンツをどんどん身につけようというのはすごく分かるのですが、先生たちの中にやっぱりそういうポジティブ、積極的であったり、楽しいエレメンツとか、そういうところをエンカレッジしてあげないといけないかなという気がしているので、文章の書きぶり自体に反対はないんですけども、なんかもっと人間的に、これは人間が関わり教えていくためのものだということを、振り返るときに考えるというのはどうかな、というのが1つサジェスチョンとしてあります。
それに関連して、なんでそんなふうに思っているかというと、これを読んで先生方が「そうか、そのように教える方針か」と理解されるんだけれども、じゃあ次にこれを読んだ先生が実際に教えたときに、そのクラスで個人個人が学んでいる姿がどれくらい想像できるかなって自分は考えていたんですね。考えていくうちに、今、その生徒「個人」というものが「日本で生まれて、日本で育って、日本で働く」というだけの人々ではなくて、いろんなバックグラウンドがあったり、いろんな技量や資質があったりとか、今後も日本とまたそして違うところで活躍するような人材になっていくわけで、そういう意味で言うと、このすべての社会の教科はやっぱりアイデンティティを作っていく場所で、それが違う人たちと今よく言われるダイバーシティなんですけども、違う人たちと一緒にそれを作り上げていく場所であるというのが現代のクラスルームで、分かりやすいところで言うと、先生方がクラスに行かれると、やっぱりもう100%そういう日本で生まれて日本で暮らす生徒というばかりじゃないクラスルームがたくさんあって、そういう中で、ダイバーシティを念頭に置いた学びというものを展開していく上で、じゃあそういうこれまでの「日本」人とは全然違うキャラクターの生徒にもこれは当てはまるんだろうかという読み方をしていくと、実は歴史というところの書きぶりがすごくやっぱり日本にくっついていて、地理というのがそれに比べてだいぶ離れていて、誰でも結構いろんな意味で空間を考えられたりとか、自分とその空間というところにすごく近くプログレッシブな形になっているのに、歴史というのはやっぱり日本というナショナルな基軸というものにすごくひっついていて、そういうことを考えると、今までの日本のかなり単一的なクラスルームは良かったんだけれども、そうじゃないところとなると、じゃあそれもう1回考えたほうがいいという文面もいくつかある気がするので、そういう意味でクラスルームで個が学ぶというところのイメージを作り上げた上で、もう1回文書を読むというのは皆さんで考えていきたいところかなと思いました。
最後にアプローチの面でちょっと思っているのは、今日最初のほうに英語の言葉で少しクリティカル・シンキングであったりとか、エンパシーみたいな言葉があったと思うんですけども、同じように、今この皆様が社会のワーキンググループとして考えられているものって、実は英語で言うと2つあって、1つはソーシャル・スタディーズって言い換えられるものと、もう1つはソーシャル・サイエンスという意味のことがあって。ソーシャル・スタディーズというのは、学生とか生徒が自分たちがやるように、なんていうのかな、手法としてソーシャル・スタディーズとしてまとめてあげて、それを実際に学生たちがやっていくというような、いわゆるティーチングのプロセスのことを言うんですけども、もう1つのソーシャル・サイエンスは、単的に言うと、例えば大学以降で科目として歴史とか地理とか、科目としてそれをスタディしていくという意味合いがあって。この文章はソーシャル・サイエンスのアナリシスをソーシャル・スタディーズにしようとしている部分がかなり多くて、そうなってくると、ソーシャル・サイエンスで学問的にはやりたいんだけども、それがじゃあソーシャル・スタディーズになったときに、必ずしも良いことにつながっていないというところ、しっくり来ていないところというのがあるような気がしていて。皆さんの先生方がおっしゃっているところの、これが文章的に議論の余地があるとか、これが本当に必要な技能なのかという議論の、なんかその中にエッセンスにあるものは、やっぱりソーシャル・スタディーズを見ている方々とソーシャル・サイエンスを見ている方々がいるんじゃないかなという気がしています。
なので、そのカテゴリー的にこれをどっちがいいとかいう話ではないんだけれども、そこの議論が2つ混じり合っているということを考えると、じゃあここの今のボックスで言うと、ソーシャル・スタディーズにあえてそっちをはめ込んだほうがいいなとか、この文章はソーシャル・サイエンスで大切にされているんだなというと、結構腑に落ちることもいっぱいあるなという気がするので、ちょっと見ていた立場からとして、いわゆるオブザベーションとして共有しようと思いました。3点申し上げたんですけど、私にとっても学びになっているので、いつもありがとうございます。
【土井主査】 最後の点は、小学校・中学校・高校の教育の目標をどう考えるかという点にも関わってくることで、ソーシャル・スタディーズという面、公民としての資質・能力を身につけていくという面と、それから大学に進学する子たちもいますので、その基礎を学んでもらうという面、特に高校段階になってくるとそういう面もありますので、そこをどうバランスを図って、趣旨を明確にするかというご指摘だと思います。その点を踏まえて検討させていただければと思います。
それでは黒田委員、お願いいたします。
【黒田委員】 批判的に捉え直す力について、私から3点申し上げたいと思っております。まず1点目、必要性についてなんですけど、初めに批判的に捉え直す力そのものを否定するものではない立場ではあります。現代社会を生きる上で必要とする力の1つであることについては、現場としても十分理解しております。ただ一方で、前回の議論もあったんですけど、必要な力であるからといって、すべてをそのまま目標や評価に入れていくということではないのではないかなというふうに感じています。教育の中には同様に大切にすべき力が数多くあると思っています。そのような中で、なぜ今社会科等の目標に批判的に捉え直す力をあえて明示的に位置づける必要があるのかについては、やはりもう少し丁寧に検討していく余地があるのではないかなというふうに考えております。
そもそもこの力が新たに位置づけられた背景とか根拠というのはどこにあるのかなというのをずっと考えております。学習指導要領実施状況調査をもとに分析してきていると思いますし、各種調査とか分析に基づく整理だと思うんですけど、あるいは理念的・感覚的な判断も入っているのかなというふうに現場としては考えてしまいます。これまで学びに向かう力・人間性等の中で、自己調整の一部として捉えられてきた要素が、評定のあり方に関する課題を背景として思考の側に整理されてきたという理解を私はしてきたんですけど、現在は批判的に捉え直す力として、またある種ぱっと見ですね、別物のように整理されているように見えます。どのような議論を経て、どのような根拠に基づき、なぜこの形で位置づけられたのかについては、国として現場が理解しやすい形で丁寧に説明していただくことが重要だと考えております。
2点目が現場への影響です。この力が新たに前面に位置づけられることで、現場ではやはり当然ながらその研究実践が急速に増えることが予想されています。そのこと自体意義がある側面もある一方で、これまで大切に積み上げられてきた思考のあり方とか、令和4年の学習指導要領実施状況調査等において課題として示された思考の深化が、やはり相対的に後回しになってしまうのではないかなという懸念も感じています。新たに加えることが必ずしも学びの充実に繋がるとは限らないという点についても、現場の立場から共有しておきたい視点です。
2点目の続きです。観点というか、思考の種類といいますか、考察・構想・表現というのが、私たちはずっと思考・判断・表現というふうに考えていました。これまでの思考の枠組みに、やはりこの力はさらに1つ新たな視点が加わるという受け止め方をしてしまいます。これは評価基準や指導計画全体に少なからず影響を及ぼすものであると思っています。すなわち現場にとって決して小さな変更ではないので、だからこそ1つ増えたというような感覚を持ってしまうことについて、十分な説明と現場との丁寧な合意形成が必要だと思っております。
最後は既存内容との重なりです。1つ付け加えるように見えるんですけど、今知識・技能にある妥当性を吟味するとか、信憑性を確認するといった内容と、批判的に捉え直す力との間に内容的な重なりも感じています。また、これが高次の資質・能力になるときに、どういうふうに表現されていくのかということについても、やはりまだ不明な点がたくさんあると思っています。
重ねて申し上げますが、必要性があるということは十分理解した上で、必要性があるからといって入れるということではなくて、必然性とか整理の妥当性について十分な検討・説明が必要ではないかなというふうに思っています。今日の議論をお伺いしながら、この批判的にというのが1番最後にぽつっと出ているんですけど、もしかしたら多角的・批判的とか、思考の1つ目のポツの中に入るとかであれば、思考・判断・表現の枠組みの中に、思考の部分に批判的というのが入るという整理であれば、結構理解できるんではないかなというふうには思いました。
【土井主査】 それでは杉山委員、お願いいたします。
【杉山委員】 世界史探究のところで。53から57ページ全体ですが、先ほど書きぶりという話が歴史でもちょっと出ましたけれど、特にこの世界史探究が、書きぶりがほかの科目と違って随分簡素なんですね。53ページは出だしですからいいとしまして、54から57ページにかけてが、ほかの歴史以外、あるいは歴史の中の科目で比べても、かなり簡略です。特に今映っている大項目B、編年・時代順で言うと1番最初の部分に当たるところは、「諸地域の歴史的な特質について理解する」、これでは大項目Bで言っていることと同じなんですね。
C・Dと進むにつれて、一応言い換えたようにはなるのですけれども、それでも例えば「交流・再編」が「地域の複合的・重層的なつながり」などのように、実質的にはただの言い換えにとどまっていまして、このあたり、書きぶりがかなりシンプルなので、真面目に読んでも意味が伝わりづらく、見ようによっては読み飛ばしていいように見えるのではないかと、ちょっと危惧するところです。
ただ、もちろん私も、歴史の科目の場合にこういったところに具体的な歴史の内容を書いてしまうのは良くないとも思っていますので、そういう方向に進めるべきとは思ってはいませんが、同じ抽象的であるにしても、ここはシンプルすぎて、やはり読んだときに受け止めづらいのではないか、それが一体どういう「統合的な理解」なのかというのが分かりづらいと感じました。
また、このB・C・Dといった大項目と対応しているぶん、例えば「交流・再編」というところで「複合的・重層的なつながりについて構造的に理解する」とあるのは、これはどの時代についても当てはまることであって、決してこの単元だけのことではないわけです。このあたり、ではどんなふうに内容を豊かにしたらいいか、今すぐに私も考えがあるわけではないですけれども、特に他科目等と比べても抽象的にすぎるのと、それからほかの時代にも当てはまってしまうものが書かれてしまっている、さりとてそこがその時代固有のものが書かれるところだと誤解されてもいけない。ですので、世界史探究の書きぶりを考える必要があるのではないかと感じました。
【土井主査】 それでは梅津委員、お願いいたします。
【梅津委員】 私のこれからの発言はですね、資料1の8ページ、9ページ、10ページを貫いて見たときにですね、思考力・判断力・表現力に関わる部分と、学びに向かう力・人間性に関わる部分で、今持っている問題意識を踏まえて述べさせていただきたいと思います。
思考力、判断力、表現力等のところでですね、これは現行の学習指導要領から用いられてきた用語ではあるんですけども、考察する力、選択・判断する力、そして高等学校においては構想する力ということで、今少なくとも3つの能力形成に関わる目標が出ていて、いずれも力という言葉で締めくくられているんですね。そうすると、当然ですけども、その力はその力を育成する授業によって培うしかないというのが当然の理解かというふうに思います。
その際にですね、私、資料2の中学・高等学校と、いわゆる高次の資質・能力についての表記のところを、とりわけ選択・判断と構想というのはどういうふうに関連づいているのか、扱われているのかという観点で、通して読んでみました。そうすると、少し腑に落ちない、ストンと落ちない問いが出てきたんですね。
それは何かというと、構想というのは「構想(選択・判断・提案)」と表現しうるものなのか、それとも「選択・判断・構想」ならべて、構想は選択・判断と接続するものの異なるレベルの学習方法の原理で、提案、あるいは代案の構成といったことを意味するのかというところで、特に資料2では学習方法として2パターンが混在して使われているのではないかというふうに思ったんですね。
資料2を通してみますと、主として構想という言葉が出てくるのは、地理や歴史においては最終の単元で、現代的な諸課題について地理や歴史で学んだことを活用しながら構想すると、こういう表記で出てくるんですけども、その際はですね、どちらかというと学んだことを活用しながら、これから現在・未来にわたって子供たちが直面する課題に対して、自分なりの意見をまさに提案をする、あるいは既存の案があるのであれば、それに対して吟味を加えた上で代案を提示するというような形で、提案・代案というような学習方法の原理と結びつけると、よく読めるような使い方がされているんですね。
ところが、公民的分野、あるいは公民系の高校科目のところを見ますと、考察・構想したあと公正に判断するという表現も出てきますし、また磯山調査官、ご苦労なさったと思うんだけども、例えば公共の1番最後の単元では、考察・構想し、さらに妥当性や効果、実現可能性を指標にして、さらにそれを明確化して議論をする、あるいは論述をするというような、1つの授業の形がより詳細に、より深掘りされた形で示されているんですね。
これが1点目の問いなんですけど、構想という言葉は中学校で考察に並んで表現されている選択・判断との関わりにおいて、どういう位置関係にあるのかということです。29年版、30年版でもちょっと私自身は少し曖昧だなっていうふうに思っておりまして、新要領が公開され解説が出ると、各出版社からは一斉に要領解説本が出てくるのがいつものことなんですけども、これも私、この会議に来る前に私の部屋にある何冊かの現行要領の解説本を読み比べてみても、それぞれの著者が要領に対するそれぞれの解釈で書いてるんですよ。
構想(選択・判断)と書いている人もいれば、選択・判断・構想という形で、学習方法のシリーズとして捉えて書いてあるものもありまして、ちょっとこのへんの議論、とりわけ今期の要領改訂議論では、教育課程部会が出してくださった論点整理のいの一番にフィーザビリティっていう言葉があって、実現可能性っていうのをより一層重視するんだということなので、構想を授業のレベルに落とし込めるように概念規定しておかないと、構想も何か探究と並んでマジックワードになってしまって、なんとでも解釈できるものになるのではないかと思っています。少なくともこの目標記述のレベルで、考察の次に中学校は選択・判断、高等学校は構想と並んでいて、しかしその使い方の実際は、構想はどちらかというと現代的な課題に対する提案なり代案を提示するという意味で使われているところが多いので、そのへんの関係性どうなるのかっていうのを少し明確にする必要があるのではないかっていうのが1点目の問いであり、問題意識でした。
2点目の問いはですね、学びに向かう力と人間性のところで、ここも特に高等学校の例えば総合科目においては追究という言葉があり、探究科目においては探究という言葉があるんですけども、探究も授業レベルではバリエーションを考えうることがすでに提案されている中で、目標記述の構文だけから見ると総合科目には追究という言葉を与え、探究科目には探究という言葉を与えるというのであれば、それは一見すっきりしているんだけど、「探究的な学び」というのが今次、そして次の要領も含めて重要な学習過程や方法の原理だというふうに主張がなされるのであれば、もう少しこの言葉遣いも目標や内容・方法に関わるところで使われるときは、ある程度の定義や用法も踏まえながら後に解説に活かすとかですね、そういうような配慮がいるのではないかなということです。
何か資料1の目標のレベルで使われている考察・選択・判断、考察・構想という並びと、資料2で実質的に資質・能力のレベルに落とし込まれて、各項目、単元レベルで使われているものと照らし合わせると、少し結びつきがしっくりこないところを感じましたので、今日この場で指摘をさせていただきたいと思います。
【土井主査】 一通りご意見をいただけたと思っております。私のほうからは特に具体的なことはございません。
ただ、まずは目標、新しい見方・考え方、あるいは高次の資質・能力等について、従来の用法とどう整理をしていくかという点については、何度かご議論いただいたところですが、いただいたご意見を踏まえて、ようやく社会科として方向性が見えてきたかなと思います。それに基づいて、高次の資質・能力についても具体的な記載の方向性が、回を重ねて、見えてきているのではないかと思います。
ただ、具体的な点につきましては、まだ分かりやすさをどのように工夫するかということや、それから科目間、あるいは科目の中でも項目間で具体性の程度をどのように調整していくかという課題もございますし、個別の用語をどう明確化して統一性を保っていくかという点など、まだ詰めなければならない点があろうかと思います。今後また事務局等で精査していただくことになろうかと思いますが、委員の先生方におかれましてもお気づきの点等があれば、今日ご発言いただけなかった部分につきましても、メール等で事務局にお寄せいただければ、ご検討いただけると思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは時間もまいりましたので、本日の議事は以上とさせていただきます。本日までにご議論いただきました目標、新たな見方・考え方、高次の資質・能力につきましては、一度私のほうにご一任をいただきまして、教育課程企画特別部会に社会、地理、歴史、公民ワーキンググループとしての現時点での案として提出させていただきたいと思っておりますが、それでよろしいでしょうか。
はい、ありがとうございます。なお、教育課程企画特別部会等での審議も踏まえて、今後引き続き議論を進めていくことになるものと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは最後に次回以降の予定につきまして、事務局よりお願いいたします。
【嶋田学校教育官】 それでは事務局からご連絡させていただきます。次回の日程につきましては、後日事務局より改めてご連絡させていただきます。
【土井主査】 それでは以上をもちまして閉会とさせていただきます。
―― 了 ――