令和8年6月18日(木曜日)9時30分~12時00分
WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式
【酒井主査】 定刻となりましたので、ただいまより第13回外国語ワーキンググループを始めます。本日は取りまとめに向けた検討について主な議題として審議を行います。議題が1つですので、意見交換の時間を前半と後半で区切り、間で休憩を挟みたいと思います。本日も皆様全員ご発言いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは議題1に移ります。まず事務局よりご説明をお願いしたいと思いますが、髙島委員におかれましては本日9時45分頃にご退席と伺っておりますので、よろしければまず髙島委員より一言お願いできればと思います。
【髙島委員】 酒井先生ありがとうございます。市議会の本会議があり、先にお時間をいただきまして恐縮です。改めて主査の先生をはじめ委員の皆様、事務局の皆さん、長期間にわたりありがとうございました。
もう英語は別に学校で勉強しなくてもいいんじゃないか、AIで全部できるよね、そう思う人は結構少なくないんじゃないかなと思います。ただ、私は今こそ英語、外国語をちゃんと学校で学ぶべきだと思っています。なぜかというと民主主義を守るためです、というのが第1回の冒頭に私が発言した内容でした。改めて9か月を振り返って、この部分がまさにきちんと議論されたワーキンググループだったかなと思っています。
今回、新しい学習指導要領の大きな方向性は、生涯にわたって主体的に学び続け、多様な他者と協働しながら自らの人生を舵取りすることができる、民主的で持続可能な社会の創り手をみんなで育むということでした。この民主的で持続可能な社会の創り手という部分が本当に大事だと思っています。今回の指導要領の改訂は、史上初めて生成AIが普通にある時代の学びを考える改訂です。9か月前の第1回のときにも、生成AIで勉強すればもう家で1人でやればいいよねという時代なんじゃないかという話をしましたが、9か月経ってますますこの感覚は広がっているように思いますし、我々が想像する以上に生成AIの進化は進んでいるなと思います。
だからこそ、教育に関わる人たち全員、我々全員が学校は本当に何のためにあるのかということをきちんと考えなければいけないと思いますし、これを先生一人ひとり、そして教育に関わる全員が自分の言葉で語れるということがとても大事なのではないかと思っています。
私自身は、学校は学び合うということに大きな価値があって、もっと言うと民主主義を実践的に学ぶ場であるということに価値があるのではないかと考えています。特に公立の学校の場合、本当に教室は多様化していると思います。似たような場所に住んでいるというだけで同じ場で学ぶ、学力であったり国籍であったり、親の家庭環境であったり、そういうものに関わらずいろんな子供たちが一緒に学んでいく公立の学校だからこそ、そこで対話を通じて他者との違いを認め合い、お互いの自由を尊重し合いながら学び合う場であってほしいと私は考えています。
そうなると外国語は極めて大事だと思います。このワーキンググループをずっと聞いてくださっていた方はきっと理解していただけるのではないかと思うのですが、まさに多様な人の中でどう学び合うのかを共に考える教科だと思いますし、お互いの、それこそ他者への深い理解もそうですし、もっと言うと自分の深い理解にも繋がるのが外国語なのではないかと思います。
今回議論した最も重要な部分は、AI時代に外国語を学ぶ本質的意義に詰まっているかなと思います。言葉、文化、コミュニケーションの深い理解を育むことと、自分の考えが磨かれて思考が深まり、人間関係が豊かになるというこの2つですね。これらが重要なのは、まさに多様な人の中で学ぶ、生きるということを支える要素が外国語に詰まっているということだと思います。
ぜひこの本質的意義について、指導要領の改訂はだいぶ先だと思いますけれども、今からでもまったくもって通用する内容だと思いますので、ぜひここは早めに発信していただきたいです。指導要領改訂を待たずに全国の外国語を教える先生、学ぶ子供たちが「なんで外国語をやっているかというとこの2つだよね」ということをきちんと自分の言葉で語れる、そんな環境をぜひ作っていただければと思います。
新しい学習指導要領で外国語を学んだ子供たちが地域社会の中で多様な市民と共により良い社会を作ってくれることを心から期待しています。私もそのために尽力したいと思います。ありがとうございました。
【酒井主査】 まさに髙島委員がおっしゃられたことは、私たち全員がそのような思いでこの第13回まで会議を経ているのかなと思いながら伺わせていただきました。それでは、事務局より議題1についてご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【田井 外国語教育推進室長】 外国語教育推進室の田井でございます。資料についてご説明をさせていただきます。
取りまとめの案につきまして、前回のご意見を踏まえた修正を行っております。なお、現行の言語の働きにつきましては、前回のご議論を踏まえて資料を修正いたしまして、取りまとめ案にスライドを追加しております。まずその部分についてご説明をさせていただきます。
スライド41をご覧いただければと思います。現行の言語の働きにつきましては、前回コミュニケーションの類型(意図)と言い換える案をお示ししたところですが、類型という文言は趣旨が伝わりにくいとのご指摘が複数ございましたので文言を改めております。この点、コミュニケーションの機能という文言も趣旨に沿うと考えましたけれども、概念的な文言はなるべく避けるべきとの指摘もあることから、コミュニケーションの意図(仮称)とし、具体的な文言は引き続き告示の作成プロセスの中で検討していく形にできればと考えております。
次に指導要領における位置づけにつきまして、内容に位置づけるべきとのご意見もいただきましたけれども、指導計画の作成と内容の取り扱いに位置づける方向性についておおむね了承いただけたものと考えております。その中で指導計画の作成と内容の取り扱いのうち、指導計画の作成、内容に関する事項、教材に関する事項のどこに位置づけるかについては様々ご意見いただいたところでございます。この点、次期指導要領が現行のような項目立てになるかどうかも不明であることから、指導計画の作成と内容の取り扱いに位置づけるべき要素を示し、どのように位置づけるかは告示の作成プロセスの中で検討することとしたいと考えております。
また、前回資料では、別表で示す事項につきまして教材に関する事項のみに位置づけられているように見えたため、右側に配置をし、指導計画の作成と内容の取り扱い全体にかかることを明確にいたしました。位置づけるべき要素につきましては、コミュニケーション活動における取り扱い、コミュニケーション活動を支える活動における取り扱い、教材に関する取り扱いの3つに整理をしております。
まずコミュニケーション活動における取り扱いとして、コミュニケーション活動を行なうにあたっては、別表のコミュニケーション活動の例、コミュニケーションの場面の例、コミュニケーションの意図の例を参照することとしております。その上で、前回資料と同様に、伝える内容や順序を意識しながら既習の知・技を駆使することの重要性を述べ、例としてコミュニケーションの意図に例示しているような事項を軸として、内容や順序を意識して知・技を活用する例を示しております。なお、こちら発信のみの例示になっているため、解説では受容の例も示す予定でございます。
次にコミュニケーション活動を支える活動における取り扱いを位置づけております。表現は前回資料と同様でございますが、同じ語彙や表現、文法事項等でも使用される場面や状況などに応じた様々な意味や使い方があることを意識し、使えるようにすることの重要性を述べ、can youを例としてコミュニケーションの意図に例示している様々な意味があることを示しております。また次の丸で、似たような意味や使い方がある既習事項を整理し使えるようにすることも、知識をコミュニケーションで使える知識・技能とするために重要であることを示し、例としてコミュニケーションの意図に例示する事項のうち「依頼する」について、様々な既習の表現を使うことを示しております。
次に教材に関する取り扱いとして、教材の中でコミュニケーション活動を取り扱う場合においては、別表を参照し、それに必要な知識・技能を取り扱うことを位置づけております。なお前回、コミュニケーションの場面を例示する必要性はないのではないかという点についてもご意見をいただいたところでございます。この点も含めまして赤字米印で示しているとおり、指導要領本文や解説の構成や文章、小学校、高等学校の記述、別表の文言や例示につきましては別途告示や解説の作成にあたって検討する予定でございます。コミュニケーションの意図については以上でございます。
続いて取りまとめについてご意見を踏まえて修正した部分をご説明いたします。
まず、スライド3をご覧いただければと思います。修正部分は水色で着色をしております。まずAI時代に外国語を学ぶ本質的意義の最低限を踏まえた改善の2ポツ目でございます。外国語を学ぶ意義として整理した観点のうち、後半の自分の考えが磨かれて思考が深まり、人間関係が豊かになることについて、このことが重要である趣旨をしっかりと記載すべきとのご意見を踏まえまして、スライド11の外国語を学ぶ本質的意義の整理の文言を用いて、外国語を介して多様な価値観を理解することなどにより、自分の考え、意見の形成、整理が促進されるとともに、多様な他者と直接意思疎通することが可能となる旨を追記いたしました。
次に英語運用能力に関する社会全体の課題を踏まえた対応について、英語は日本語と比較した際に、文構造や音声の特徴など異なる点が多い旨の記載は必要ないのではないかとご指摘をいただき、こちら削除も検討いたしましたけれども、当該論点は言語間の距離や実生活で英語を使う機会の少なさなどの制約についても客観的に捉えた上で、それを踏まえて対応可能な方策を検討していく趣旨のものであるため、記述としては残させていただきつつ、本ワーキンググループの見解ではなく、そのような指摘もあるという客観的な記載とさせていただきました。また、同じ部分で授業時間の限界や英語を使う機会の少なさは社会の課題ではなく英語教育の課題ではないかとご指摘をいただいたところでございますが、授業時間は他の教科とのバランスで決まっていることや、英語を使う機会の少なさは学校外の状況も含むことから社会全体の課題として整理をさせていただければと思います。
次に発信力強化の1つ目の丸、外国語でコミュニケーションを図る意欲等の育成においても、先ほどの外国語を学ぶ意義で追記した外国語を介して多様な主張や価値観等に触れる趣旨等を追記し、記述を充実いたしました。
次に、右側の上から3つ目の丸につきまして、日本がEFL環境との認識は古いのではないかとのご指摘をいただいたことを踏まえ、本ワーキンググループにおける見解ではなく、これまでそのような考えもあり研究がなされてきたという客観的な記載に修正をいたしました。
次に上から5つ目の丸のAI活用について、特定の手法が有効であるといった記載は各教科の記載にはなじまないのではないかとのご指摘を踏まえ、有効であるとの記載は削除いたしました。この点はこれ以降の記載でも同様に修正をしております。
次にスライド5をご覧いただければと思います。左側の下から2つ目の丸について、言語の働きが資質・能力そのものではないとの記載については、資質・能力との関係も深いため、そのように言い切れないのではないかとのご指摘を踏まえ、活動において取り扱う事項であるに改めております。また、先ほどご説明しましたとおり、コミュニケーションの類型はコミュニケーションの意図に改めております。また、右側の上から3つ目の丸につきまして、知・技の統合的理解の説明が抽象的であるとのご指摘を踏まえ、定義を記載いたしました。
次に、段階的な指導、校種間接続について、全学校段階で学習したものを含む既習事項や話題等を発達の段階に応じて繰り返し扱うことの重要性を強調すべきとのご指摘を踏まえ、2つ目の丸に追記をいたしました。また、一番下の矢羽根に、高校では中学校における学習内容の習熟を図る旨を追記いたしました。また、右側の話題活動について、相手に質問する等の相手意識を加えるべきとのご指摘をいただいておりましたが、相手に配慮することについては他の部分についても記載があるため、ここでは発信を中心に記載する整理とさせていただければと思います。
次にその下の科学的知見や学習方略の活用について、知見を活用すべきなのはここに掲げられている学問分野に限らないのではないかとのご指摘を踏まえ、この部分は特に自己調整学習や学習方略について記載しているという趣旨が明確になるよう記載を見直し、特に関連する学問分野を挙げているという整理といたしました。
次にスライド7をご覧いただければと思います。AIを含むデジタル学習基盤の活用の2つ目の丸について、AI活用が目的化しないような記載とすべきとのご指摘を踏まえ、資質・能力の育成を図ることが目的である旨を追記いたしました。次に右側の多様な外国語について、多様な外国語を学ぶことが重要である理由を記載すべきとのご指摘を踏まえ、1つ目の丸に追記いたしました。また、3つ目の丸についてご指摘を踏まえ、駐日外国公館に記載を修正いたしました。
次にスライド8をご覧ください。内容の精選について、CEFRを参照した話題活動の見直しについて、CEFRを参照する趣旨を明確にすべきとのご意見を踏まえ、各校種で育成する資質・能力の段階を示すためという前回改訂の趣旨を追記いたしました。また、右側の中学校の話題の見直しについて、社会的な話題でも生徒が自分と関連づけられるように工夫して扱うことも可能であるという趣旨を記載すべきとのご指摘も踏まえ「生徒が自分と関連づけて捉えられるように指導上の工夫ができるものを中心に例示」と修正いたしました。
次にスライド9をご覧ください。活動を通した指導の3つ目の丸、コミュニケーション活動とコミュニケーション活動を支える活動を往還しながらの文言については、各単元や授業で必ずコミュニケーション活動を行わなければならないという印象を与えるため、特に高等学校には当てはまらないのではないかとのご指摘をいただきました。一方で、現状高等学校では言語活動が必ずしも十分ではないため、よりその必要性を示すためにも往還の文言を記載すべきとのご意見もいただいております。この点、今回は特に高等学校の論理・表現で言語活動が十分ではないとの課題認識があることを踏まえ、往還の文言は残させていただければと思います。また、一番下の丸でございますが、生成AIの文言は、ご指摘を踏まえAIに統一しております。
また、右側の高校の選択履修科目の履修免除について、本制度が過度な競争につながらないよう配慮すべきとのご指摘を踏まえ、選択履修科目を選択科目等の履修に振り替えるほうが資質・能力の育成の観点で大きく上回る成果が期待できることが要件である旨の制度趣旨を追記いたしました。
次にスライド10をご覧ください。指導体制、環境整備の丸2、教員研修について、授業改善に繋がるような研修とすべきとのご指摘を踏まえ、その旨を追記いたしました。本文の修正は以上でございます。
次にスライドについて修正箇所をご説明させていただきます。
まず、外国語を必修とする本質的意義のスライドにつきまして、右側の2つ目の丸は、人間関係の質・量が豊かになり、得られる情報も増えるとしていましたところ、情報が増えるのみでは本質的な意義の中核とは言い難いのではないかとのご指摘を踏まえ、多面的視野に繋がるに修正をいたしました。
次に、社会全体の課題と学校教育における対応の方向のスライドについて、左側の1つ目、必要な学習時間は到達したい水準で異なりに対応した部分の記載が下のポツにはないのではないかとのご指摘をいただいたところ、この記載は後半の学校教育だけでは時間に限界を修飾する記述であるため、その旨を明確化いたしました。
続きましてスライド19をご覧いただければと思います。構造化のイメージについて、コミュニケーションの類型としていた部分をコミュニケーションの意図に修正しております。
次に、スライド21をご覧ください。小学校外国語活動と外国語の接続について、前回のご指摘に基づく修正ではございませんが、課題の記載が不十分だったため追記をしております。外国語活動から外国語への接続に加え、5、6年の外国語の中でも読むこと、書くことについては慣れ親しみから基礎的な技能につなげる指導の必要があり、その部分にも言及しております。
次に、小学校、中学校における接続連携のスライドについて、小中接続に関する記載が不十分であったため、次のスライド23の記載に合わせて修正をしております。次に、スライド23では、本文に追加した記載について本スライドにも反映しております。
次にスライド26をご覧ください。高校の外国語科目の改善イメージについて、何を選択履修科目、選択科目とするかの記載が不十分だったため、この点追記しております。先ほどのスライドの続きでございますが、右側の一番上の丸は、本文への追記に合わせて追記した部分でございます。右の下2つの丸は、第5回の論点資料に記載していた要素が落ちておりましたので、記載を追加いたしました。
最後に、スライド54をご覧ください。各教科で作成することとなっております、統合的な理解、総合的な発揮を生かして単元を構成するプロセスのイメージについて、中学校を例として作成し、資料として追加しております。一番上の総合的な発揮、統合的な理解を踏まえつつ、その下の単元の目標に向かって、下から上にコミュニケーション活動とコミュニケーション活動を支える活動を往還しつつ、知・技と思・判・表を一体的に育成するプロセスのイメージをお示ししております。
前回ご議論いただきました現行の言語の働き、コミュニケーションの意図に関する要素についても、例えば右側の中ほど、相手から聞き出す際の表現等の意味や使い方の理解や、左側の中ほどの相手から情報を聞き出す、分かりやすく伝えるために伝える順番を考えて伝え合う、理由などを伝え合うといった部分に位置づけております。合わせて解説等でしっかりと趣旨が伝わるようにしていきたいと考えております。取りまとめのご説明は以上でございます。
なお、スライドのうちスライド46から50の構造化の各校種の個別の知識・技能、思考力・判断力・表現力等の記載や、その他のスライドにあります指導計画の作成と内容の取り扱いに記載している事項につきましては、現時点のイメージをお示ししているものでありまして、今後の告示の作成プロセスの中で引き続き検討していくものであることを改めて申し添えたいと思います。
加えて、今回参考資料1といたしまして、令和7年度の英語教育実施状況調査の結果をお示ししております。こちらは英語教育の現状を把握し、国や自治体の施策改善に生かすため、全国の教育委員会、公立学校にご協力をいただいて毎年実施しているもので、本ワーキンググループの開始と同時に公表となっております。
スライド2をご覧いただければと思います。平成25年度の調査開始以来、国の目標水準以上の英語力を有する生徒、一定の英語力を要する教師の割合は増加をしております。左側が生徒の英語力でございますが、中学校においてCEFR A1レベル相当以上の生徒の割合は前年度調査における52.4パーセントから54.6パーセントに増加をしております。また、高等学校においてCEFR A2レベル相当以上の生徒の割合は51.6パーセントから52.4パーセントに、B1レベル相当以上の生徒の割合も21.2パーセントから23.9パーセントに増加をしております。
次に右側の教師の英語力でございますが、中学校の英語の教師のうち、外部検定試験によりB2レベル相当以上を取得している教師の割合は46.2パーセントから58.5パーセントに増加をしております。また、高校においてB2レベル相当以上を取得している教師の割合は82.2パーセントから84.4パーセントに増加しており、C1レベル相当以上は23.5パーセントから25.6パーセントに増加をしております。
次のスライド以降の詳細な結果につきましては、この場でのご説明は省略させていただきたいと思います。
最後にスライド16をご覧ください。高等学校につきまして、生徒の英語力と諸要素の関係を相関分析した資料でございます。昨年度から調査項目を精選した関係で、今年度は高校のみ分析を行っております。これらの教師の英語力、教師の英語使用、ICTの活用、ALTの参画の取り組みについては、生徒の英語力と一定の相関があるという結果となっております。
これらの要素につきましては、本ワーキンググループにおいてもその推進方策について論点とし、ご議論いただいた部分でありまして、取りまとめ案においても教師の英語力、ALTとの協働については指導体制、環境整備の部分に、教師の英語使用については活動を通した指導の部分に、ICTの活用についてはデジタル学習基盤の活用の部分に位置づけているところでございます。参考資料1については以上でございます。
なお、参考資料2として、国語ワーキンググループと外国語ワーキンググループにおける検討状況についてまとめております。こちらも参考としてご覧いただけますと幸いでございます。資料のご説明は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。
【酒井主査】 それではこれより意見交換の時間としたいと思います。まず前半、1ページの「1、現行の成果課題を踏まえた改善の方向性」から、4ページ、「2、目標および見方、考え方の在り方」までについてご意見等がございましたらお願いいたします。前回ご審議いただきました言語の働き、すなわち今回で言うところのコミュニケーションの意図(仮称)に関する部分については後半で議論したいと思いますのでお願いします。それではご意見等がございましたら挙手ボタンよりお願いいたします。米野委員お願いします。
【米野委員】 様々な意見を丁寧に汲み取っていただきまして大変ありがとうございます。スライド3についてですが、AI時代に外国語を学ぶ本質的意義の最低限を踏まえた改善の2ポツ目のところで、青マーカーが付いているところについてですが、ここも修正していただきありがとうございます。「両面から整理」という両面という言葉がなくなったので、非常によくなったと拝見したところです。
一方で、ちょっと個人的な意見ですが、現状だと「多様な価値観を理解すること等により自分の考え、意見の形成、整理が促進されるとともに、多様な他者と直接意思疎通することが可能となる等」のその次です。「自分の考えが磨かれて思考が深まり、人間関係が豊かになること」ということで、思考が深まったことによって人間関係が豊かになるというふうに読み取れるのが、ちょっと実態と違うのではないかなという感覚がありまして。実際はその外国語を用いて交流をすることによって人間関係が深まったり、言葉の背景にある文化とか価値観を知ることで、例えば相手を尊重するようになって良好な人間関係が築きやすくなるといった、そういったことが実際の人間関係に資するもの、プロセスなのかなと考えます。
ですので、例えばなんですけど、そこについては「自分の考えが磨かれて思考が深まったり、人間関係が豊かになったりすること」というふうに、その結果としてそうなるということではないような示し方もあるのかなと拝見したところです。以上でございます。
【酒井主査】 ありがとうございます。それでは藤田委員お願いします。
【藤田委員】 今、米野委員が指摘されたところと同じ場所ですけれども、確かに米野委員がおっしゃったとおり、ここが因果関係のようになった、そのように読み取れるかもしれないというのは、お話を聞きながら確かに思いました。と同時に「深まり」という形で、これも並列というふうに取ることも可能なのかなと思っていて、基本的には書いたときの意図としては、この並列の意図で書かれているのだろうと思いますけれども、もしも工夫が可能であれば、私は基本的にここの部分で、多様な価値観を理解することと、その意思疎通で自分自身の考えが磨かれるところ、その両面のところがきちんとこのように明示されているというところでいいかなと思いました。
と同時に、同じ文書の冒頭の部分なんですけれども、本質的な意義について「外国語を学び、外国語による」という形で始まっています。ここがちょっと単数形と複数形を明示的に表さない日本語という言語の特質にもあるのかもしれませんけど、この外国語というのが単数なのか複数なのかという部分で、ひょっとするとここは、このあとの文言とかにも関わってくるのかもしれません。ここのところで、例えば外国語イコール英語ではなくて多様な言語ということを指すのであるならば、その下の部分で「多様な価値観」とか「多様な他者」みたいな形で、いろんな国のいろんな考え方を持った人は英語話者だけではなく、世界中どこでも英語だけ使えばいいよという話では多分ないと思います。そういう意味ではここのところでも「多様な」とか「様々な」とか、そこの表現はいろいろあると思いますけれども、そのような言葉が一言付くだけで変わってくるのかなともちょっと感じました。とりあえず以上です。
【酒井主査】 続けていかがでしょうか。亘理委員お願いします。
【亘理委員】 今の3ページのこの本質的意義のところですけども、米野委員がご指摘になったように、並列の読みと順接というか、因果的な読みがあるという誤読の余地があるというか、曖昧な読みの可能性があるというのは解消したほうがいいのかもしれません。しかし私は、現状の「自分の考えが磨かれて思考が深まり、人間関係が豊かになる」というのはままでいいと思っていて、どういうことかというと、まず先に「自分の考えが磨かれて思考が深まり」のほうは、多様な主張や価値観、感性の接触、受容ということが矢羽根のところに書いてあって、単純に英語のメッセージを整理するとか、論理的に言いたいことをまとめるということだけではないと思うんですね。そうすると、自分が外国語と見なしているものとか、外国と思っているものが自分の内側に入ってくるというようなことも含めて思考が磨かれるということを表現していると思うので、そういう意味ではこのままでいいのではないかと。で、さらにその人間関係が豊かになるというのも単純に国際的な知り合いがたくさんになるとかそういうことではなくて、自分でよそ者だと思っているものが自分の内側に入ってくるという、そういう意味での人間関係が豊かになるということです。外国に知り合いが多いということで言うと、じゃあ国内に一生いた人は人間関係が豊かじゃないのかという、おかしなことにもなるので、そういう意味ではないというふうにちゃんと解釈をすれば、このままでもいいのではないかと思った次第です。
【酒井主査】 細田委員お願いします。
【細田委員】 先ほど来、米野委員がおっしゃっていたことで、私も同じことを考えていて、まず本質的意義については「外国語を学び」のところですけれども、その3行下のところにやはり「多様な価値観を理解する」ということは、やはりここも多様な外国語の話者というところと密接に結び付けたほうが、読み手としては納得感が高まると思いますので、多様な価値観ということに対して、やはり「様々な外国語を学び」とか、とにかく何か外国語も複数だということが明確になったほうが、読み手としては深く読み取れるんじゃないかなと思いました。
それからもう一つは、これもやはり同じように最後から2行目のところですが、「自分の考えが磨かれて思考が深まり、人間関係が豊かになること」といって、どうしても深まったことによって人間関係が豊かになるという因果関係が強く意識付けられちゃう可能性があるので、例えばここを「自分の考えが磨かれて思考が深まるとともに、人間関係が豊かになること」というような、因果関係がある場合もあるし別の場合もあるというような形で、ちょっと取りうるような表現というのもいいのかなと思ったところでございます。
【酒井主査】 川﨑委員お願いします。
【川﨑委員】 細かい文言のところで5つございます。まず、スライドに1と記載があるページです。現行学習指導要領では対話的な活動を「授業は英語で行うことを基本とした」というところは、このままの記載でも良いと思うのですが、9ページのスライドには教師による補助的な日本語使用の可能性も補足してありますので、この1ページだけを目にすると、以前も話題に上がったと思うのですが、もしかしたら「英語で全部行わなければならない」と先生が萎縮してしまう書きぶりなのかもしれないと感じました。補助的な日本語使用も可能であるということが補足であるともしかしたら安心なのではないかと感じました。ただ、簡潔に書くという観点では現状のままでも良いと感じます。
次に、スライドの3ページと記載があるページです。外国語の運用能力の育成の2ポツ目で「使用頻度の高い重要な語彙や文法等を繰り返し扱うことで」のところに関しては、単に繰り返し扱えば良いということではなく、様々な文脈や話題の中で繰り返し扱うことが言語の定着を促しますので、もし冗長でなければそのような記載のほうが、より今までのディスカッションの具体化になるのかなと感じました。
次に、スライドの6ページ目です。話題活動のところに関して、現在は発信活動の充実についての記載がメインでありますが、読んだり、聞いたりすることを通じた気づきや理解の深化も言語の定着には重要だと考えますので、例えばですが「児童生徒が興味・関心のある話題に触れながら外国語による表現や考え方への理解を深め、その理解を基盤として話したり書いたりする活動を充実させる」のような、受容に関しても記載があるほうがよいのではないかと感じました。もし,発信だけをメインに記載する目的のページであれば、受容についての記載は必要ないとは思いますが、発信だけではなく、やはり受容である読む、聞くも、言語習得には重要な要素になると考えますので、そのような記載があるほうがよいのではないかと感じました。
次に、スライドの7ページ目です。日本語と外国語の違い等について理解することに関する内容を充実させるという記載がありますが、「母語や自国の文化のメタ認知を促すために日本語と外国語の違い等について理解する」について、これは言語の違いの理解についての記載だけで十分なのかと感じました。言語能力だけではなく、異文化コミュニケーション能力についても話し合われてきましたので、日本語と外国語の言語的特徴や、その背景にある文化、価値観、コミュニケーションのあり方の違い等について理解する、のような記載があるほうが、より明確なのではないかと感じました。
もう一点です。7ページ、同じページです。AIを含むデジタル学習基盤の活用の2点目です。「外国語教育においてAIを適切に活用することにより、外国語の学習過程の一層の充実」と記載があります。この「学習過程の一層の充実」について、最近では、SNSやニュースでも、デジタル化の是非について様々な議論がされているので、たとえば、個別最適化や反復学習など、具体的な利点を挙げられるのであれば、この「学習過程の一層の充実」が具体的に何を意味するのかが、よりわかりやすくなるのではないかと感じました。細かい点ばかり恐縮ですが、以上です。
【酒井主査】 事務局より、外国語の学習過程の一層の充実についてはちょっと説明を加えていただこうと思っております。また、議論ですけど、4ページの目標および見方、考え方の在り方までが前半で話すということですので、それ以降の話はまた後半で再度できればいいかなと思ってますので、皆様よろしくお願いします。それでは臼倉委員お願いします。
【臼倉委員】 スライドの3枚目をお願いします。すごく細かい表現について1個だけ気になったのでコメントをします。
左上の「AI時代に外国語を学ぶ本質的意義の」という項目の1つ目の丸の3行目、「AIに代替されるべきではない人間が大切にすべき資質・能力の」というところなんですけど、この「AIに代替されるべきではない」というのがちょっと個人的に引っかかっていて、代替されるべきではないというよりは、代替され得ないということもあるのかなと思ったんですよね。なので「AIに代替されるべきではない、あるいは代替され得ない」とか、されるべきではないだけだと、なんか私たちが「AIでできることなんだけど、それを人間でもやろうよ」みたいな。そのことも大事ですよね。でも、このワーキングの議論の中では、AIを使った例えば翻訳アプリとかを使ったコミュニケーションだけでは代替できない部分があって、それがまさに異文化理解とか他者の個人的なことを踏まえたコミュニケーション、相手を思いやるとかっていうのが今のAIの技術ではまだそういったところが不十分ではないかという議論があって、そここそ人間の教員が介入して、あるいは学校の教育現場での授業を通して育んでいくべきだなんて話が出てたと思うので、ちょっとここの文言について検討いただけるといいかなと思いました。
【酒井主査】 バトラー委員、お願いします。
【バトラー委員】 同じ3ページ、右側の外国語の運用能力の育成の2番目のところですね。語彙とか文法の用法を精選、重点化するという部分ですが、ここをもう少し表現を和らげることはできないかなとちょっと思いました。というのは、「指導すべき」というふうになってしまうと、今度逆にここに載っていないものは教えてはいけないのかとか、教科書に載せてはいけないのかとか、入試で出してけないのかという、そういった議論も出てくるかと思います。それから、この指導要領が30年から施行されるということで、言語はどんどん変わっていくっていうことを考えると、何かこう目安みたいな、ちょっと和らげるような表現になっていると時代に合っていくのかなというふうに思いました。
【酒井主査】 先ほど藤田委員がご指摘になった多様な外国語というところですけども、当然複数の外国語を視野に入れていくということは、ここのワーキングの重要な要素かなと思いますけども、まずは1つ目の外国語の学び始めも含めているということを考えると、複数に縛るのがいいのかどうか。外国語をまず取り上げて、それがだんだんと広がっていくというようなところを含められるといいなと、藤田委員のご意見を伺いながら思いました。
それでは、先ほどの外国語の学習過程の一層の充実について事務局より説明をお願いします。
【田井 外国語教育推進室長】 外国語教育における学習過程としましては、現行の指導要領の解説に記載がされておりまして、コミュニケーションの目的、場面、状況の理解、目的に応じて情報や意見を発信するための方向性の決定、コミュニケーションの見通しを立てること、また、目的達成のために具体的なコミュニケーションを行なうこと、言語面、内容面で自らの学習のまとめと振り返りを行なうというような過程が示されております。
また、ここの整理につきましては、今後解説を執筆していく中充実させる可能性がありますけれども、こういった一つ一つのプロセスの中で適切にAIを活用することによって、よりこういった過程、プロセスが充実していくというような趣旨で書かせていただいておりますので、特定の使い方を推奨するというよりは、この過程の中でいろんな適切な使い方を、AI事業なども行なっておりますので、実証していってその好事例をその都度更新していくというような形で発信していくことが良いのではないかと、現時点では考えているところです。
【酒井主査】 川﨑委員よろしいでしょうか。
【川﨑委員】 はい。具体的にありがとうございます。
【酒井主査】 そのほかご意見いかがでしょうか。関谷委員お願いします。
【関谷委員】 スライドの3枚目、右側の資質・能力の構造化の部分です。2つ目の点の「各学校段階で確実に身に付けさせるべき事項」というふうにあります。ここも、小学校では確実に身に付いているはずである、これ「身に付く」ということはちょっとこちらもきついかなと思っていますが、他教科等でここは必ず指導して身に付けてくるというような積み重ねの意味と、外国語の場合の、状況は理解している、知識としては理解しているけれども活用できないというような部分をどのように書き表すのが良いのかなと思っています。ちょっと代替案は思いつかないですし、これがこのままのほうが良いのかというところもちょっと分からないんですけれども、実際に構造化させてみたときに「ここまでは指導してきています」と指導して理解はしたものとして考えてはいるけれども、中学校で受け止めたときに「ここは身に付けているはずではないか」というような教員側の理解に立たないような表現がよろしいかと思います。ご検討いただければと思います。
【酒井主査】 続けていかがでしょうか。よろしいでしょうか。工藤委員お願いします。
【工藤委員】 以前もどこかでお伝えしたことがあるかどうかちょっと定かではないんですけど、外国語という言葉と英語という言葉がこの1ページから4ページ、それ以降も含めて混在していて、外国語ワーキングなので外国語でスタートしているはずですけど、英語と記載しているところと外国語と記載しているところ、そこらへんの整合性はどうしたらいいのかなと。基本は英語のことを話していると思うので、初めからずっと英語でいいかなと思いつつも、例えば3ページであれば、左上に改善の方向性があって「AI時代に外国語を学ぶ本質的意義の最低限を踏まえた改善」というのがあって、これずっと議論してきたんですけど、基本的に英語を学ぶ本質的意義を考えていたのか、それとも英語も含めた色んな外国語を考えてきたのか、もしかしたら発言されている先生それぞれ別々だったのかもしれませんが、ここは一応外国語になっていますよね。
で、次のところが「英語運用能力に関する」と英語の話が書いてあって、今度発信力強化がその下にあって、その下は「外国語でコミュニケーションを図る」とあって、右側に行くと、今度は「外国語の運用能力の育成」があるんだけど、EFL環境で英語の話が出ていたりして、このへんって指導要領をこれから具体化するときに影響があるとは思えないんですけど、頭から読んでいってどこからが英語で、どこまでが外国語全体のことを話しているのかみたいなことは、ちょっと分かるようにしたほうがいいかなと個人的には思いますが、ところどころ部分的な修正で済むのかもしれませんけど、一応その外国語なのか英語なのかというところ、次のページも4ページもそうで、左上は「外国語の目標の在り方」とあって、左下は「英語の目標」で変わっているんですけど、中身を見ると外国語のままでもいいような気もするんですけど、そのあたりちょっとどうするかというところ、これでいいということであればこれでいいのかもしれませんけど、ちょっと混裁しているところでやや違和感があるところがあるかなと思いました。
【酒井主査】 1ページ目のスライドの右下に趣旨は書かれていますけど、事務局のほうで説明お願いしたいと思います。
【田井 外国語教育推進室長】 この点、前回ご指摘をいただきまして整理をしたつもりでしたが、ご説明が不足しておりまして失礼いたしました。
1ページの右下の1つ目の米印にございますけれども、この取りまとめでは基本的に英語以外も含む外国語のあり方について記載をしているという認識でございます。ただ、指導要領の中でも英語については特に目標・内容が定められておりますので、そういった具体的な英語の目標・内容に関する記述ですとか、英語教育実施状況調査など、英語を対象とした調査結果に基づく記述、また、英語に特化して記載している部分については「英語」という記載をさせていただいているところでございます。
具体的に少し例を申し上げますと、先ほどの3ページの部分でございますが、基本的に外国語を学ぶ本質的意義というような形で外国語について記載をしておりますが、その下の「英語運用能力に関する」というところは、英語に特化して記載をしていますが、その他の部分は基本的に外国語全般について記載をしているというふうに認識をしております。
また、次の4ページ目でございますけれども、指導要領の構造が、まず外国語の目標があってそれから各言語というふうになっていて、英語だけが具体的に目標・内容が示されておりますので、最初の外国語の目標は外国語科全体の目標、その下の英語の目標というのは英語の目標と指導要領の構造上なっておりますので、そのように書き分けて記載をさせていただいているというところでございます。以上でございます。
【酒井主査】 説明ありがとうございました。工藤委員いかがでしょうか。
【工藤委員】 その趣旨を踏まえて、多分小中高で今後作っていくということになるかなと思うので、ありがとうございました。
【酒井主査】 続けてご意見いかがでしょうか。布村委員お願いします。
【布村委員】 3ページのところの右側お願いしたいんですけれども、先ほどバトラー委員と関谷委員から話があった2点目のこの「べき」のところ、私もちょっと気になったなと思いました。今回、どちらかというと既習のものを繰り返し使ったり、うまくそこの3ページ目の右側の2点目の最初にある「使用頻度の高い重要な語彙や文法等を繰り返し扱う」という、これやっぱり繰り返し何度も何度も使って、それで徐々に定着させていくというところのほうを焦点化したかなと思っているんですね。
そう考えたときに、そのあとに「指導すべき語彙が」だったり、その3ページの下一番下のところに「各学校段階で確実に身に付けさせるべき事項」というふうに、「べき」というふうに入ってしまうと、「もう前のところでやったから二度と使わなくて、もうできているものとして次は扱うんだ」というふうな、ちょっとまた本来の繰り返し使って徐々に定着させていくという趣旨と、ちょっと違うメッセージにこの「べき」というワードがあることで伝わってしまうのではないかという懸念点があるなと思ったので、もう少し言葉を柔らかくして、もっと何度も何度も同じこと、同じことってわけじゃないですけども、いろんな文脈の中で同じ語彙が学校間を変えても何度も出てきて、それで徐々にこう定着していくんだというような発信につながっていくんだというところが見えると少しいいかなと感じました。
【酒井主査】 この3ページ目の右側の2点目については、その語彙とか文法そのものをしっかり理解するというよりは、語彙もいろいろな使われ方をしたり組み合わせがあったりというところ、ただ単にその単語を覚えただけで使えるわけではないので、深い学び、深い習得の語彙習得を目指していく、文法のほうもそういうニュアンスだったかなと思いますので、ちょっと表現についてはもしかしたら検討をさせていただければというような形になるかと思います。続けていかがでしょうか。
それでは少し予定より早いんですが、ここで休憩を取りたいと思います。休憩の後に後半の議題についてご意見いただければと思います。それでは10分ほど休憩を取りたいと思いますので、再開を10時30分でお願いしたいと思います。再開を10時30分です。よろしくお願いします。
( 休 憩 )
【酒井主査】 それでは時間となりましたので、引き続き意見交換を行います。後半は5ページ「3、資質・能力の構造化のポイント」から、10ページ「5、学習指導評価の改善充実の在り方」まで、ご意見等がございましたら挙手ボタンよりお願いいたします。髙木委員お願いします。
【髙木委員】 2点ございます。1点目は些末なポイントで大変恐縮なんですけれども、スライドの5ページをお願いします。右側の統合的な理解についての定義のところなんですけれども、右側の3ポツ目のところです。
スライドには「外国語で聞く、読む、話す、書くことに向けて様々な音声や語彙表現、文構造および文法などを学ぶことで、英語による理解や表現の質が高まることを理解している姿」というふうになっているんですけれども、これを例えば目標として掲げたときに、今話したようなこと自体に習熟することではなくて、これがすごく大事なんだということを理解している、つまり1個上のメタレベルの話になってしまうんではないかなと思いました。
僕の読み違いであれば申し訳ないんですけれども、ここで目指しているところは、例えば音声、語彙表現、文構造、文法といったものに習熟して、それらを自由に使いこなせるようになることであって、その重要性を「理解していること」が目標になるのではないんじゃないかなと思いました。なので、例えば「理解や表現の質を高めている姿」といった表現に直していただくのが良いのかもしれないなと思ったのが1つ目です。
もう1点はAIの活用についてなんですけれども、スライドの7ページをお願いします。左下の「AIの適切な活用も明示的に位置づける」というところなんですが、今回の改訂でAIの活用が学習指導要領に明確に位置づけられることになるわけですけれども、個人的には有効な手段になり得ると思っているんですが、指導要領に記載する際には、学習で活用する上でのリスクを理解して、人間の教師とAIとの役割分担を意識しながら、目的を持って活用するべきだという点を強調したいなと思いました。
現場で日々児童生徒と触れ合っている先生方にとっては釈迦に説法かもしれないんですけれども、指導においてはあくまでAIではなくて人間の教師が主導であって、目的に基づいた活用が大切だということについてはもっと強く押し出してもいいんではないかなと感じています。
というのも、昨年度AIを活用した英語教育強化授業にアドバイザーとして関わらせていただいて、AIを活用することの目的化というのが怖いなと感じています。日本の先生方はすごく真面目なので、指導要領にAI活用が明示されると、言わなくても「使わないと」というふうな雰囲気になりそうに思います。AIに慣れる初期段階は、ある程度目的化は致し方ない部分もあるかと思うんですけれども、ほかにも有効な教授方法や学習方法がある中で、今回明示的に位置づけられたことは、何が何でも使ってほしいということではなくて、使っていいよ、ただし学習者のためになるように活用してくださいねという意図が伝わるようにしたいなと思います。
少なくとも今これを議論している僕たちというのは、AIがない時代に苦労して外国語を身に付けている経験がありますよね。この新しい学習指導要領で学ぶ子たちは、英語学習の初期段階ですでにAIがあって、自分がした学習上の苦労を次の世代にもしてほしいということではないんですけれども、自ら手を動かす中でたくさん失敗したり、なかなかうまくいかない経験があるからこそ、AIの活用が効果的になるんだと思いますし、今議論している新しい学習指導要領が目指すところを実現するためには、AIがあっても外国語を学ぶことを続けてもらいたい。そのためにはやっぱり人間の教師の役割がより重要になると思っています。
なので、今回お出しいただいた文言の中では「適切に」ということが記載されてますけれども、児童生徒を教える先生方が目的意識のない状態でAIを活用することは、例えばメタ認知が下がってしまったり、AIの言うことを無批判に受け入れてしまうなど、ネガティブな効果を生むリスクも孕んだものになる可能性があるので、そういう活用は本意ではないよということを強調しておきたいです。長くなりました。
【酒井主査】 日向端委員、お願いします。
【日向端委員】 今の髙木委員のご指摘のあったAIを含むデジタル学習基盤の活用のところについて、私も一つ意見があります。スライド7ページですね。
今の内容だと、どうしてもデジタル学習基盤のメインがAIのように少し受け止められるような分量じゃないかなと思ってしまっています。やっぱり外国語教育の場合、私小学校ですけども、例えば教室の外にいる人たちとの交流というものも、このデジタル学習基盤だからこそ可能になっているということかなと思います。
どうしても教室の中でやっているとコミュニケーションの相手が特定、限定されてしまう中で、外にいる人、じゃあ隣の学校と交流してみようとか、そういうのだけでも非常に目的、場面、状況を作りやすいということもあって、外国語教育ならではのデジタル学習基盤の活用があるかなと思っております。ですからこのデジタルを活用して人との繋がりをより促進するみたいな、そういう側面も少し書き加えていただけるとありがたいなと思っています。
【酒井主査】 鈴木委員、お願いします。
【鈴木委員】 髙木委員とか日向端委員がAIについてお話しされたので、私もAIについて1点だけあります。スライド9の活動を通した指導の一番下の丸のところかなと思っているんですけれども、AIの位置づけについてです。
取りまとめ案を読むと、日本語や児童生徒の母語使用と合わせてAI活用に触れられていて、私はAIは単なる翻訳とか母語使用の延長としてではなくて、対話相手、添削、言い換え、教材作成、振り返り支援など、多様な機能を持っていると思います。
したがって単に英語を簡単に作れるツールだよということではなくて、やっぱり児童生徒が自分で考えて表現を試して、AIの出力を比較、検討して、修正して再表現するという、そういうプロセスを支えるものとしてしっかり位置づけてほしいなと思っています。
【酒井主査】 1点目ですけども、AI時代における外国語の意義の再定義のところでも、そういう批判的な力というのはとても大事な要素だと思いますので、重要な点をご指摘あったかなと思います。鈴木委員ぜひお願いします。
【鈴木委員】 少し一、二分かかってしまうかもしれないんですが、同じスライド9の活動を通した指導についてです。私の専門である第二言語習得研究の観点から残り3つお話しさせていただきたいと思います。
内容、方向性については、第二言語習得研究の観点からも大筋良い方向に進んでいると思いますので、どちらかというとそれを実際の現場の先生たちが実装する際に、やはり気をつけておかなきゃいけないポイント3つ申し上げたいなと思ってました。
まずはコミュニケーション活動とコミュニケーション活動を支える活動についてなんですけれども、こちらはやはり段階的にどうしてもこのように出すと切り離して考えてしまっていることもあり得るかなと。なので往還するものとして明確に示す必要があるかなと思っています。まず語彙や文法を教え込んで、そのあとコミュニケーションするよという理解に戻ってしまうと、やっぱり今回の趣旨が弱まってしまうかなと思います。むしろやはり意味のある言語使用の中で、児童生徒が言いたいことと言えないことの差に気づいて、必要な語彙、表現、文法に焦点を当てて、フィードバックを受けて再度使うという循環を、今後解説等できちんと示していただきたいなと思っています。
続いて、練習という言葉を本文で使わないという方針は、これまでの議論を踏まえて理解しています。ただし第二言語習得研究や認知科学、学習科学の観点からだと、やはり目的のある反復、間隔を置いた再利用、フィードバックを受けた修正、そして徐々に自動化していくという観点は不可欠です。練習という言葉を避ける場合でも、やはり同じ表現を単に機械的に繰り返すのではなくて、やはり目的、場面、状況を変えながら再び使って理解から使用へ繋げていく学習プロセスを、丁寧に解説してほしいなと思っています。
最後が授業を英語で行なうということに関してですが、これは委員の皆さんも全員ある程度共通理解があると思うんですけども、イングリッシュオンリーというふうに受け取られないことが大切かなと思っています。英語に十分触れて英語を使う機会を保障することはとても大事なことです。一方で、やはり理解の確認、活動の見通し、学習方略の指導、情意面の支援などのために、日本語や児童生徒の母語を計画的、限定的に用いることは、学習を支えるリソースとして位置づけるべきだと考えられます。大切なのは日本語の使用の可否ではなくて、なんのために、どの程度使い、どのように英語使用に戻していくか、そういうことを丁寧に解説等で示していっていただきたいなと思っています。以上です。
【酒井主査】 ありがとうございました。それでは、藤田委員お願いします。
【藤田委員】 先ほどから7ページのAIの部分の話がずっと出ていると思うんですけれども、少し1ページ前に戻って6ページの最後のところなんですけれども、科学的知見や学習方略の活用というところの1ポツ目なんですけれども。要するにここで高校を卒業したあと自分でどうやって勉強していいのか分からないと、そのへんのところを手当てしていく必要もあろうという意見のところだと思うんですね。
ここに関して、外国語学習って当然我々学習指導要領の議論をしているので、学校の中でどうするかっていう話を中心に当然ここまで進めてはきているものの、やはり外国語学習というのは生涯学習であるということを考えたときに、学校を出たあとにどうしていくのか、あるいは実際学校に在学中であっても教室の外に出たときに自分たちでどうするのかという部分にもう少し着目をしていってもいいんじゃないだろうか。要するにそうなると先生の手が届かないということにもなる、だから指導という観点から少し離れてしまうのかもしれませんけれども。
そうなったときに、それこそ今までずっと出てきたAIの活用という部分がやはり大事になってくる。これまでだと、例えば作文を自分で書いたとしても、誰か先生に添削してもらわないと正しいか正しくないかがよく分からない。だから自習が難しいみたいな形でできなかったところが、AI活用することによって自分一人でも学ぶことができるような時代になってきた。やはりそこらへんの位置づけをここの学習方略みたいなものと関連付けながらきちんと身に付けさせていく。それを在学中に子どもたちが身に付けていけば、卒業したあとも自分一人でも先生が仮にいなくても勉強を続けるというようなことができると、そのへんの視点のところもある程度ここの中で入れられるといいかなと少し思いました。
【酒井主査】 ありがとうございます。内田委員お願いします。
【内田委員】 まずは取りまとめありがとうございます。本当に分かりやすく全体をバランスよく取りまとめていただいているなと感じております。
8ページのところなんですけど、語彙のところで少し書き方注意というところなんですけど、1ポツ目左側ですけど、「複数の既存のコーパスを参照するなどして」というところの、「既存の」というのは多分なくてもいいのかな。新しく作る可能性もあるのでということと、ここが「作成し推奨する」になっているんですけど、誰に対して何を推奨するのかというのが少し分かりにくくなっていて、今のだと多分推奨するというのは出版社に対して、教科書でリストのものを使ってくださいね、ということになるのかと思うんですけど、前半のリストの作成までを依頼するとも取れるので、ここの文言を、前半に関してはおそらく文科省側というか、新しく語彙のほう、ワーキングのほうで作るのかなと思いますので、少しそこの読み方というところは注意していただければなと思います。
そもそも語彙が何を指すかというところは少し注意をしなきゃいけないのかなと考えていて、これ少し今言及していいかどうか分からないんですけど、補足資料の2のところ、12ページですね。12ページのところで、語数が出てくることは出てくるんですけど、注のところでワードファミリーというところが出てきます。なので、何を一語と考えるかというところは少し意識をしておかないと、出版社によってぶれてしまうということもあり得ると思うので、そこは考えておく必要があるのかなと思います。
もう少し言うと、例えば複合語とかをどうするか、table tennisみたいなやつですね。教科書のリストには結構上がってたりするんですけど、こういうものを一語として数えるのかどうかとか、そのあたりも含める必要があるかなと思います。
ちなみにこの右下のワードファミリーのちっちゃい中のところに、「という単位」の「う」が抜けているので、「とい単位」になっているので、少しそこも確認してください。
ついでに誤植ついでに、さっき7ページ目少し見てたと思うんですけど、見てたときに右側の、間違い探しなんだと思うんですけど、ニーズの「ニ」にすごい違和感があるように見えたんですよね。これ多分漢数字の二になっているんじゃないのかなという気がしてて、PDFでニーズで検索をしたらここヒットしないんですよね。なので多分これ漢数字の二になっている気がするので、修正をしていただければと思います。
【酒井主査】 我々委員が細かく資料を見ているところの調査になったかなと思います。細田委員お願いします。
【細田委員】 何人かの委員の皆様方からご意見がありました、7ページのAIを含むデジタル学習基盤の活用のところで、私自身はこのAIの適切な活用をというあたりのところに大変重要な意味があるなと思っていまして。
髙木委員が昨年そして今年、AI英語と文科省の補助金でやっているこちらのことについても言及されたんですけれども、昨年のAI英語のときに、採択された自治体で使っていたところの子どもたちの意見の中で、「たくさん練習するならAI、コミュニケーションするなら人」ということが書かれておりました。子どもたちの多くの意見だと思います。
やはり目的がある繰り返しの練習についてAIを活用すると、かなり効果的に子どもたちの英語運用能力も高まってくるという実態は、これはもう間違いなくあると思います。本当にAIを適切に有効に使いますと、英語教育が画期的に景色が変わるということは、今いろいろな学校、いろいろな自治体で実感しているところだと思いますので、このAIの適切な活用というあたりのところに、学習指導要領が発出されたあともいろんな形でフォローしていくと、やっぱり日本の英語教育は大きく変わっていくんじゃないかなと思います。
もちろんAI時代に外国語を学ぶ本質的意義というのが私たちのこの議論のスタートでもありましたので、AIに飲み込まれない、授業の中でも適切な活用の仕方ということが英語教師側にもしっかり伝わるような、そういう学習指導要領の発出後のフォローも大切になってくると思っているところです。
もう一点ございます。これは9ページの左側の、これも先ほどから何人かの委員の方から意見があったところですが、教師による補助的な日本語使用のところですが、これ大変授業改善を一生懸命やっているたくさんの先生方とお声を聞いてみますと、現行の学習指導要領で自分たちはいわゆる昔のグラマートランスレーションの授業から、言語活動を、自分がクラスルームイングリッシュを一生懸命使いながら授業を展開してきたというあたりのところに、大変自負もあり、そのことによって英語教育がだいぶ前進したという実態もあるわけですけれども。確かにイングリッシュオンリーでないというのは伝わっていくことは大切だと思うんですが、英語の授業において日本語使用が我々が意図している以上にクラスの中に復活してしまう、つまり振り子の揺り戻しが起こってしまうということについては、そうあってほしくないなという気持ちが強くあります。
ですから、ここにありますようにAIの活用も含めた英語学習における児童生徒の母語使用について参考となる考え方を解説で示していただくこととか、その前の段階の表現集、クラスルームイングリッシュ等や動画等を提供するという、これからご準備をされていくんだと思いますが、このへんのところで適切に我々の意図が伝わるような、そういう方向を強く望みたいと思います。
【酒井主査】 バトラー委員、お願いします。
【バトラー委員】 私は7ページをお願いいたします。7ページの左の上、文化理解等についてなんですけれども、今非常に日本の教室が多様化しているということで、その多様性の包摂や多文化共生という文言がここに入ってきたというのはとてもいいことだと思います。ただ、次のところで「母語や自国の文化のメタ認知を促すために日本語と外国語の違い等について」となっており、ここの書き方は、日本語を母語とする子どもの視点だけで書かれている形になっていると思うんですね。マジョリティーの視点でマイノリティーを扱っている。
つまり多様な文化や言語を持った子どもたちの言語は外国語なんだというようなメッセージになりがちなので、ここでは「外国語」という言葉を使わないような形で何か表現ができないかと思います。
2番目のポチについても同じことで、「外国語の能力などの特性を」というふうに言わないで、例えば複数の言語であるとか、多言語といった、何かその「外国語」という言葉を使わないような方針で書いていただけると、多様な文化、言語を持った子どもたちを排除しないような形の書き方になるんではないかなと思います。
【酒井主査】 亘理委員、お願いします。
【亘理委員】 バトラー委員の今のご指摘に強く賛同した上で3つほどお話したいんですが、まず6ページ、ページ順にいきたいと思います。
6ページの話題と活動のところに国語ワーキンググループとの接続で「外化」という言葉が出てきます。ここの話題活動のところでは、話すことや書くことによる外化を中心とした発信力強化の観点からというふうな記述になっているのが若干気になるんですね。
というのは、上の高校の科目というところではやり取りも書いてあって、つまりここの議論では発信とコミュニケーション、英語コミュニケーション発信といったときの発信にはやり取りも含まれますという理解で我々は「発信」という科目名に着地したと思うのですが、こちらの外化のほうだと「話すことや書くことによる外化」という書き方になっています。
国語ワーキンググループとの参考資料のほうを見ると、外化の説明は「書く、話すなどの活動を通じ知識理解や頭の中で思考したことを表現すること」という、あくまで個人的な認知の問題として一旦外に出すことでその思考が深まるというようなものとして捉えられているんですね。
それをベースに話題や活動をこういうふうに書いてしまうと、私が危惧するのは、プロダクション表現や書くことをひたすらやらせることが必要だというふうになってしまって、やり取りが後ろに退いてしまうとすれば、もともとここで議論している趣旨とはずれてしまうと思うんですね。
加えて、本質的な意義のところで我々はその外化の認知的な側面だけではなくて、社会的な側面として「伝わらないもどかしさや失敗を乗り越えるレジリエンス」という議論を重ねてきたので、この話題や活動の充実を図るときに、自分が言いたいことだけではなくて、相手が何を聞きたいと思っているのか、相手が何を読みたいと思っているのかということも踏まえて外に出すということを我々は議論してきたはずなので、国語ワーキンググループの狭い外化の定義でこの話題、活動を推進することのリスクを気にしたほうがいいと思ったのが1点目です。
2点目は、8ページの文法事項の見直しのところなんですけど、中学校の文法事項のうち使用頻度の高いものを本文で具体的に明示し、指導対象の焦点化、難易度の適正化を図るとあって、使用頻度の高いものを明示することは別に問題はないんですが、この書き方だと先ほどの並列化、順接化みたいな話で、指導対象の焦点化、難易度の適正化を使用頻度に基づいて図るように読めるんですね。
だけど使用頻度が高いからといって易しいということにはならないですよね。ごく単純な例を言えば、冠詞なんてものすごく使用頻度は高いですけど、日本語を母語とする学習者にとってはものすごく難しいので、あんまり使われないから難しいとか、よく使うから易しいというのは誤解ですし、必ずしも使用頻度が高いから学ぶべきだというのは違うと思うんですね。概念的に学びやすいとか学びにくいということもあるので、使用頻度だけで考えないほうがいい。むしろここまでの議論してきた他のこととの組み合わせで言うと、児童生徒が表現したいもの、あるいは受容したいと思うものに即して、コミュニケーション活動とそれを支える活動との関連で、指導対象の焦点化、難易度の適正化を図るというほうが、筋としては理にかなっていると思います。
最後もう一つ9ページなんですけど、鈴木委員からも指摘がありましたけど、往還に関してコミュニケーション活動を支える活動について注意したほうがいいなと思うのは、ここの9ページに書けるのか補足資料のほうに書くべきなのか分からないですが、目的のある繰り返しの点で、コミュニケーション活動と支える活動が常にピンポンのように行ったり来たりという印象にはならないようにしたほうがいい。つまりコミュニケーション活動に向かわない支える活動はないんだけど、その支える活動にもいくつか段階があって、ステップスを踏んでいく、少しずつコミュニケーション活動に近づいていくために支える活動の内容を充実させていくというそのステップスみたいなことがちゃんと見えるような書き方にしたほうがいいというのが3点目です。
【酒井主査】 工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 2点あります。1点目は、何名かの方がすでにおっしゃっているAIに関するところなんですけども、今あるこの取りまとめの中でたくさん追加することは難しいと思うんですけど、少しなんとか入れていただきたいなと思うこととしては、校種に応じてとか発達段階に応じてということを入れていただくといいかなと思います。
やっぱ小学校を考えたときに、生成AIをどんどん活用してというのはなかなか少し考えにくい部分があったりするので、かなり限定的になるかなと思いますし。ただ高校の場合はもしかしたら、高校生が一人で生成AIを使ったり、生成AIが組み込まれたアプリなんかを使って家庭学習でしていくことは結構考えられることなので、やっぱ校種に応じてとか発達段階に応じてということを、何箇所かにAIが書かれているところに組み入れていただくといいんではないかなと思います。
なんで小中高、同じような書きぶりにはならないほうがいいのかなと思います。これについてはもしかしたら外国語だけじゃなくて全体的なガイドラインがまた更新されていったときに、校種の関係とか発達段階の関係が出てくるかもしれないんで、それに準じる必要はあるかなと思いますけど、今外国語の中でできることはそれかなと思うので、十文字くらい加えるだけかなと思うので、可能かなと思います。
もう一つは、8ページの右側のこの中学校の文法事項および話題の見直しというところで、中学校が少し盛りだくさんになっているので厳選しようということは、語彙も含めて大事なところかなと思うんですけど、今ここの書き方を普通にとらえると、つまり「中学校の文法事項のうち使用頻度の高いものを本文で具体的に明示する」ということなので、同じ感覚かちょっと分からないですけど、私のこの感覚だと現状のものから減るんじゃないかなという印象があって、明示されるものが中学校の文法事項として。
仮にそうやって減った場合、その減ったものは高校に行くのかなということを考えたときに、高校のことは何か書いておかなくていいのかと。高校に行ってしまうと、高校がまた盛りだくさんになるので、高校のほうも厳選するみたいなことで、もしかしたら今ある小中高で扱っている文法事項すべてが、高校卒業段階でカバーしないということもあるのかどうかという議論は、これまでしたかどうかし少し記憶にないんですけど、中学、高校のそれぞれのこれからの指導要領作成のところで議論することなのかもしれないんですけど、一応全体的な大事なところだなと思うので、ここの「使用頻度の高いものを本文で具体的に明示する」というのが、低いものは書かないということなのか、これが高いよというふうにして今あるものを高い順に並べるとかそういうものであって、文法事項が中学校の今の現行のものから減るということでなければ、高校のほうは影響を受けないんですけど、これが減るという感じであれば高校が影響を受けてきたりするかなと思うので、高校のことを一つ何か入れる必要があるのかなと思いました。少し私の理解が間違っていたら申し訳ありません。
亘理委員がおっしゃったように、使用頻度というのはすべてのものをカバーしているわけじゃなくて、重要度と使用頻度はまた少し違うというところもあるので、そこの書きぶりが非常に難しいかなとは思います。語彙のところは「使用頻度等に基づく」と書いてあるので、頻度だけじゃなくて見直すんだろうということはあると思うんですけど、文法のほうは今「頻度が」と書いてあるので、頻度だけで見た場合、どういう根拠でその頻度を出していくのかというところが、少しここだけだと見にくいなと思いました。
【酒井主査】 高校との関係をもし準備できるのであれば、事務局からご説明いただければと思います。文法の事項の焦点化についてですけれども、多分今までの議論では、文法事項そのものをなくすとかいう話ではなくて、その中に出てきている用法であるとか組み合わせ方というものをできるだけ使用頻度の高いものを学ばせていくという、そういうような議論であったので、例えば定冠詞や冠詞の類いは使わないわけではなくて、その中で使用頻度の低いようなものについては検討するという、そういう意味で考えるべきなのかなと私は捉えていたんですけども、事務局のほうで説明をお願いしてもよろしいでしょうか。
【田井 外国語教育推進室長】 こちらは第8回で出させていただいた論点でございますけれども、酒井主査が言及いただきましたように、文法項目そのものを中学校から高校に移すということではなくて、例えば資料に挙げさせていただきましたのは受身の例なんですけれども、受身の中でも、現行の教科書に助動詞プラス受動態とか、現在進行形、現在完了形といった少し難易度が高いと思われる用法も掲載されているという実態がありますことから、例えば受身であれば現在、過去、未来などという形で、指導要領本文に明記をいたしまして、このぐらいまでを扱うという目安を示すことも考えられるのではないかというご提案をさせていただいております。
また、実際には告示の作成プロセスの中で専門的な検討が必要ではないかと思っております。そこに挙げてないものは、中学校の教科書には出づらくなるといいますか、出してはいけないということにはもちろんならないんですけれども、高校の教科書で初めて出てくるということは考えられるかと思いますけれども、そもそも高校の教科書で文法の特定の用法というものがあまり明示されてはいないということになっておりますので、その点を今後どうしていくかというところは、また高校のほうの指導要領の作成プロセスの中で検討していくことが必要になると思っております。以上でございます。
【酒井主査】 ご説明ありがとうございます。それでは臼倉委員お願いします。
【臼倉委員】 スライドの5ページをお願いします。これの右側の統合的な理解、総合的な発揮というところの1つ目の黒丸の文章を少し改めて読んでいて、注意したほうがいいかなと思ったことが1点あるのでコメントしたいと思います。
少し重箱の隅をつつくみたいなふうになってしまうんですけども、日本語の理解という単語の使い方について少し引っかかりました。今右側の一番上の黒丸のところの最初の3行に、知・技と思・判・表の話が書いてあって、最初の2行を見ると「外国語における知・技は話や文章の中で音声や語彙表現、文構造や文法等を理解し(知識)、活用できる力(技能)」と書いてあるかと思います。
このときの理解というのは、聞いて読んで意味を理解するレセプティブスキルのことでは当然なく、もっと広いことを指しているわけですけれども、どっちかっていうとナレッジみたいなことなのかと思うんですが。でもその2つ下の黒丸の「統合的な理解については」というところでは、日本語を読むとなんとなく理解対表現みたいな感じで、レセプティブスキルとプロダクティブみたいな形で理解という単語が使われていると。
日本語の理解という単語の定義が幅広いのでしょうがないと思うんですけども、もしこうやって比べたときに、一番目の黒丸のところの知・技というものが、知識のほうがなんとなくレセプティブで、活用、技能のほうがプロダクティブみたいに、もしかしたら誤解をされてしまうんじゃないかと、今更ではあるんですけど、今回新しい指導要領の解説で知・技と思・判・表をしっかりともう少し丁寧にしようということを私たちがやっていく中で、改めてこの資料を見ると少しそういう誤解が生じてしまうんではないかということを思いました。
関連してですね、同じその理解という単語についてもう一個気になっている場所が、次の6ページのスライドをお願いしたいんですが、6ページのスライドの右側の話題活動というところの、1つ目の黒ポツの一番下にある米印の「外化」というところの説明文ですね。ここにも理解って言葉が出てくるんですが、ここを見ると「書く、話すなどの活動を通じ知識の理解や頭の中で思考したことを表現すること」と書いてあって、これもさらっと読んだらなんとなく理解はできてしまうんですが、このときこの知識の理解というのが、例えば語彙とか文構造とかの理解というふうに置き換えたときに、これって結局何がどういう状態になっていたら児童生徒が語彙とか文構造とかを、何がどうできれば知識を理解したというふうに見なせるのかということが意外と分かんなくなっちゃってるなと。
ともするとメタ言語的知識みたいな、そういうような知識を持っていることだというふうに誤解されてしまうと、とんでもないことになってしまうなと。もちろんメタ言語的知識を持っていることが含まれてもいいと思うんですけども、それを言っているわけじゃないというようなことを少し説明し、ちゃんと理解してもらうためには、先ほどの5ページ目の一番最初の知識と技能を分けて説明する説明文のところで、少し理解という言葉の使い方を気をつけないと、レセプティブ対プロダクティブというので知識と技能を分けているのですよというふうに誤解されたくないなと思いました。
【酒井主査】 ありがとうございます。それでは関谷委員お願いします。
【関谷委員】 4点お願いします。まずスライド7枚目のAIの部分ですけれども、こちらも先ほど多くの委員の先生たちからいろんなご意見あったところですが、私も今学校に行っているにあたり、やはりAIと学習基盤が混在して活用の方法がよく分からなくなっていらっしゃる先生がいるので、改めて学習者、それから指導者、指導の場面と評価の場面とそれぞれ活用するところがあると思いますが、それを整理して、ここでなのかまた別表なのか、整理していただけると分かりやすいかなと思います。
続いてスライドの8ページ目の、新出語彙の見直しで基盤語彙リストの部分なんですけれども、こちらに前も議論したかもしれませんが、単語だけではなくて、ぜひ言語の働き、コミュニケーションの意図に応じた表現を入れると良いかなと思っています。この段階で言うべきことではないかもしれませんが、お願いしたいと思ってます。または、このコミュニケーションの意図、よく川﨑委員がおっしゃっていただいている、対話を続けていくためのいろんな表現がまだまだ浸透していないというところも踏まえますと、学習指導要領内の、あるいは解説の中にそういった表現が入っているとですね、指導者にとっては非常に参考になるので、そういったものをこの語彙リストなのか、あるいはコミュニケーションの意図を整理したところに入れていただけると、指導するほうがやりやすいかなと思っています。
続いて3点目は同じスライドの右側の文法事項のところになります。こちらもかねてより、学習指導案の目標がどうしても文法事項になる傾向があるという話はさせていただいたところなんですけども、文法事項とコミュニケーションの意図を繋げるというところをですね、どこかでやっていただきたいなと思っていて、先ほどの中学校の文法事項の整理の中でも使用頻度のお話が出てきたかと思いますが、こちらももしかするとコミュニケーションの意図で整理をするとできるのかなと思いました。そのあたり少し一工夫で現場の感覚が変わると思いますので、お願いできればと思います。
最後に4点目といたしまして、多様性の包摂という関係から、これ少しここでもないかもしれないんですけれども、現在通常の教室の中に入っている様々な支援の必要な生徒さんたちがいらっしゃって、先生方はやはり悩まれています。話す時間でなかなかやはり話せない子がいて、そういった子どもたちに対してどういった目標設定をしていくのか。そういったことの何か記載をどこかにしておくと良いかなと思いました。それは違うところに参照するというような形でもいいかと思うんですけれども、外国語の担当の先生たちがまずはこの学習指導要領を見ると思いますので、そういった意味で、これまでも学習指導要領の中に入っていたかと思いますが、今回の資料の中にはないので、どこかに記載していただければいいのではないかと思います。以上です。
【酒井主査】 ありがとうございました。先ほど内田委員もご指摘ありましたけれども、複合語をどのように扱うのか、そして今の指導要領の項目によると、語だけでなく連語、慣用表現といった見出しもありますので、そういったものもどうしていくのかということにつきましては、基盤語彙リストの作成の際にはぜひ参考にして欲しいと思いました。それでは、米野委員お願いします。
【米野委員】 少し違う観点でお話したいと思います。スライドの10ページ、今後良い学習指導要領ができて、告示、解説作成のプロセスに入ってくると思うのですが、同時にいろんなレベルで、どのようにその趣旨を周知、そして円滑に実施していくかというところが非常に大事になるかと思います。
そういった中で、その教員養成と教員研修ですね、左側のところ、非常に大事なところだと思います。丸2の教員研修のところ、前回なかった「継続的な授業改善」という文言を今回入れていただいて、大変丁寧にご意見を汲み取っていただいて感謝申し上げるところです。
やはり特に公立学校の教員は、人事異動で様々な学校を経験します。大きく環境が変わるわけですので、その教員としては、授業改善を意識的に行っている人がほとんどだとは思うんですが、教員個人に任されているところがあって、授業改善については、児童生徒の実態をまずしっかり様々な方法で把握して、課題を焦点化してですね、授業改善の計画を立てて、子どもたちや同僚の力を借りながら実践をして、授業への自分の省察を繰り返して授業を改善していく、こうシステムのような、そういう手法を身に付けているかいないかというのは、やはり非常に大きいのではないかなと考えます。授業改善力というかですね、その手法、これを身に付けることは非常に大事ではないかなということを改めて強調したいと思います。授業改善を進める中で、子どもたちと授業の目標を共有するということは、子どもたちが主体的に学ぶという意味でも非常に大事なのではないかなと思います。
あともう一点なのですが、このたび学習指導要領を分かりやすく使いやすいものにするということを方針に掲げているわけですけども、また、デジタル化についても予定されているわけですが、よく行政文書や現行の解説を見ると、例えば「Iの(3)のアに準ずる」とかですね、あるいは中には「IIの(3)のエの(ア)で示しているように」などという表現が多用されるわけなんですが、今だと遡って見ていく必要があり、実際そんな時間はなかなか学校ではないので、リンクを貼っていただいてぽっと飛べるようにといった工夫をご検討いただきたいと思います。前回の協力者会議で解説作成の会議に参加させていただいたときに、このお願いをしたときは面白い話だなと笑われてしまったことがあるんですよね。実際そういった使いやすさについてもぜひご検討いただきたいと申し上げたいと思います。
【川﨑委員】 1点だけございます。体調の都合で、息が切れておりまして、聞き取りづらいかもしれません、すみません。
スライドの8ページ目についてです。文法事項の見直し右側の1ポツ目です。中学校の文法事項のうち使用頻度の…と記載の箇所について、とても分かりやすいです。その前の記載について、「生徒がコミュニケーションにおいて重要な文法を理解し、それらを使って英語を理解でき」という記載が、これまでの話し合いの内容とは少し方向性が異なるのではないかと感じております。
重要な文法を理解して、それからそれを使って英語を理解したり、伝えたりしましょうという順序にしますと、従来の学習のように、文法を理解できていない場合は、使う前にもっと文法を教えなければならないというような、先生の意識になってしまうのではないかと思いました。本来は、「生徒が英語に触れる中で重要な文法や表現に気づき、理解を深め、それらを活用して、英語を理解したり伝えたい内容を伝えられる」というような文言のほうが良いかと感じました。このページは、話題の見直しについてなので、書き振りについては大事なポイントではないかもしれないのですが、この書きぶりですと先生が教えるときに、やはり重要な文法を理解させないといけない。そして、理解できていないから、もっと教えないといけない、というようなプロセスに見えてしまう可能性があります。そこを、英語を触れる中で気づいていくというような方向性も示すような書きぶりにしてはどうかと感じました。
【酒井主査】 ありがとうございます。それでは、布村委員よろしくお願いします。
【布村委員】 よろしくお願いいたします。8ページをお願いしたいんですけど、右側の話題の見直しのところで、今回社会的な話題に関しては、中学校において身近な社会的な話題にしたところで、こうなんか下方修正のように少し印象になってしまうと嫌だなと思っていたところに、ここに「生徒が自分と関連付けて捉えられるような指導上の工夫」というふうに、自分と関連付けて身近に社会的な話題を捉えて話をするというようなニュアンスの文言を入れていただけたので、本当に良かったなと思っています。
やはりここのところが肝かなというか、自分に関連付けて当事者意識を持って英語を使って対話をするというところのイメージがこういったところに随所に言葉で入ってきているので、良かったなと思っています。
2点目が、9ページ目ですね。最後左側の一番下の日本語の使用に関して、ここで教師による補助的な日本語使用ということをわざわざ入れなければいけないかどうかっていうところなんですけれども、おそらくもうこのあとにどういう使用であればということの説明がもちろん解説で入っていくんだろうと思うんですけれども、最近見た授業の中でも英語話して日本語必ず入れなさいというふうに指導を受けている実習生がいたりとかするところで、これが補助的な日本語使用ですというようなところに勘違いしてもうすでに取り扱ってしまっている先生方がいるというところで、生徒たちは先生が日本語を必ず言うので日本語が出るまで待ってて、結局英語を聞こうとしていないというような現実が、現実の授業の中で出てきているところがありますので、教員の英語の使用量に関しては徐々に増えているところはあるとは思うんですけれども、あえてここに「教師による補助的な日本語使用」ということを明記することでやっぱりいいんじゃないかというところでの揺り戻しにならなければいいなと。
むしろ、4ページにありました見方・考え方のところでノンバーバルコミュニケーションも表現の工夫だよということに入れていただいたと思うんですけれども、少し間違った英語でもいろんなノンバーバルのコミュニケーションを少し補助に使いながらなんとかして拙い英語でも伝えようと思って、でもあれこれなんて英語で言うんだっけというふうに本人が気づいて、それでまたそこで先生これ英語でなんて言うのと聞く、そういうところが多分補助的な日本語の使用なのかなと思うんですけれども。それでまた違うインプットがあって、それで新たな表現、自分の言葉としてそれを使ってもう一回2回目のタスクをしてというような、そういう往還じゃないですけどコミュニケーションが何回も何回も同じコミュニケーションが複数回行われて、どんどんどんどん自分の英語になっていくというような授業がいいかなと思いますので。ここに日本語の使用、補助的な日本語の使用、もちろんこのあとにどういうものが適切なのかということ説明あるとは思うんですけれども、ここだけを捉えてやっぱり日本語使っていいんだ、うちの生徒たちは英語ができないから日本語使っていいんだという安易に捉えられてしまうことを非常に懸念しています。
3つ目なんですけど、往還に関してですね、コミュニケーション活動とコミュニケーション活動を支える往還、ほんとにここの文言だけどなかなかすぐ見てどういうことなのかというのが理解しにくいところがあるのかなというところで、たくさん補助の資料を作っていただいてありがとうございます。
本当に一番最後のその今回付け加えていただいた54ページ目の、この単元を構想するプロセスを付けていただいたのは、イメージとして非常によく分かるなと思っています。特にコミュニケーション活動、左側にコミュニケーション活動があって右側にコミュニケーション活動を支える活動というものがある、この2つもすごく分かりやすいんですけれども、私は一番上にパフォーマンス課題がしっかりあって、ここのゴールに向かって授業を組み立てていくんだというところが、このページで非常に分かるなと思いまして、すっごくこの資料を作っていただいたことに感謝したいと思います。
学習活動の順番が、9時が一番最初になっているよう、今までの指導案の書き方と順番が逆になっているんですけれども、なるほどなと少し思いました。というのは、ゴールに向かっていろんな要素を毎回の授業の中でコミュニケーション活動とコミュニケーション活動を支える活動とか往還させながら組み立てていって、最後ゴールにたどり着く、ゴールのところでパフォーマンス課題をしっかりやるというところがイメージできるなと思いました。
バックワードデザインじゃないですけれども、ゴールから考えて何ができるようになるかということのステップをまた一時間目から考えるという意識、今まで授業を作ってそういうふうに作るんだよというふうに言っても、なかなか1、2、3、4限目と最後の9時間目がこう繋がっているという例があまりないというか、最終的なゴールはこれだよと言っている割には、パフォーマンスのテストとかそういうゴールが何ができるというところの確認の評価の場面が全くない授業だったりとかということが非常にあったものですから、そういうところでこの最後に上にパフォーマンス課題が、ここに向かって授業を組み立てていくんだというところのイメージを作っていただけて本当にありがたいなと思ってます。以上です。
【酒井主査】 𫝆井委員お願いします。
【𫝆井主査代理】 先ほど布村委員がおっしゃったこととかなり内容が重なるんですけれども、まず1点目ですけれども、9ページの英語で教えることですね、については、なかなかそれを推奨する、あるいは日本語の使用は必要なんだという声が両方やっぱりある中で、表現の仕方が難しいところだなと改めて思ったところです。
多くの方がおっしゃっているように日本語の必要性はあるんだけれども、布村委員がおっしゃったように補助的な日本語使用をというふうにこういう形で明確に謳ってしまうことの影響というのは、おっしゃったご指摘非常に分かるところなので、その補助の仕方ということを日本語使用だけでなく、例えばジェスチャーであるとか他の視覚資料であるとか、そういったことについて言及しておくのも一つかなと思いましたし、それについて参考となる考え方を解説で示すというのは、よりそこを詳しく表記することで、先生がずっと英語を喋っているってことじゃ全然ないんですよということを、適切な英語使用、適切な母語使用というところについて明示していく必要はあるかなと改めて思いました。
もう1点目は、往還のことなんですけれども、この往還がなかなか我々にとってこれまで難しい課題だったことの一つの要因としては、思考力・判断力・表現力が知・技ほど明示的な、こういうことを教えるんだというところが、十分に明確になっていないということではないかなとも考えられます。
これまでの議論の中で総括資料を見ますと、非常に重要なキーコンセプトというのは提示されていますよね。思・判・表は目的・場面・状況がある、その目的を遂行する活動であると言われていますけれども、その目的・場面・状況が具体的に何なのかですとか、それだけではなくて、話題の議論もありましたし、それから活動、ずっと本日も議論している言語の働きというかコミュニケーションの意図ですね。これらをいかに組み合わせながら言語活動をデザインしていくことで、思・判・表の体系性だったり段階性だったりというものを示していくことが改めて大事なのではないかと。そうすることで知・技と思・判・表の往還というものが、コミュニケーションとコミュニケーションを支える活動の往還というのが、明確にできるのではないかなと思った次第です。
あともう1点なんですけれども、亘理委員がおっしゃっていた外化については、私も少し英語における外化の捉え方というのは少しまた他教科とは違うかなとは思ったところです。というのは、臼倉委員がおっしゃっていた知識の理解というこの言葉の意味の捉え方も確かにおっしゃること分かるなと思いました。ここで言っている知識の理解というのは、おそらく内容面での物事についての知識の理解や自分が考えたことを表現するということだと思う、私はそう理解しました。まず頭の中に自分が考えたことがあって、知識の理解があって、それを表現するというふうにアウトプット的に捉えてしまうと、少し外化の本来のもう少しの意図ですとかが伝わりにくいなと。私の理解では、亘理委員がやり取りを強調したというところは、自分の思考というものは外化されて、それが他者によって受け止められて返ってくること、この往還によって初めて形成されるという、そういう性質のものであるということを考えていくと、元あるものを外へ出すという、アウトプット頑張りましょうということではないんだという意味も込めて、この外化については捉え方、継続的に議論していく必要があるかなと思いました。長くなりました。
【酒井主査】 江原委員お願いします。
【江原委員】 スライドで言うと5ページなんですけれども、本当にいろいろな委員の方々の発言に対してお話したいことがあるんですけど、1つだけ申し上げます。
統合的な理解、総合的な発揮です。これはコンセプトとしてはとても大事だと思っているんですけれども、外化の話もそうなんですけれども、こういう構造化をするプロセスで非常に難しいなと思うのは、各科目共通の枠組みの中でじゃあ外国語はどうするかというプロセスで出てくるので、外国語だけ違うよ、と言うと他の科目の先生方に怒られるんですけれども、知識の内容を見ても、他の科目とは違い外国語における知識というのが、例えば音声、語彙、表現、文法構造という粒度も違うものですし、その粒の種類も違うんですよね。だから、外化についても、統合的な理解、総合的な発揮についても、外国語を教える人が分かりやすいように落とし込む必要があると思うんです。
具体的には例えば5ページの上の知・技の話ですけれども、これはやはり4技能における知識ですよね。4技能に活用するための知識だし、活用できるって言っても技能になっている語彙というのは瞬時に想起できるからこそ、読む速度も速くなるということもあるわけですよね。そういうところを確認しておく必要がある。
そのときに、そこの下に行った3つ目のポツなんですけれども、統合的な理解というのが、限りなく理解というものに寄ってしまっている気がするんですね。よく読めば分かるんですけれども、ここでやはり知・技、そして思・判・表について、今までいろいろ、こういうふうに教えてこういうふうに評価するということを説明し理解を得てきたところで、この統合的な理解が、そういう理解を促進しているのかどうかということについて検討する必要があるかなと思いました。
あまり歯切れが良くないかもしれないんですけれども、申し上げたいことは、新しい概念が入ってきたときに、それは現場の先生にとって今後の指導に役立って、「あ、そうか分かった」というような働きをしないといけないと思っているものですから、こういう発言をさせていただきました。
【酒井主査】 外化のところですけど、おそらくいろいろ思考を形成していくときには、聞いていろいろやり取りを通して、またそのやり取りを通しながら自分の考えがこうシェイプアップしていくような側面もあるかと思いますので、本当に皆さんご指摘のところというのはそのとおりだなと思いました。
大体挙手が上がりきったかなと思いますので、本日の議事は以上とさせていただきます。本日の議論を通じてですね、若干文言等再修正する指摘を受けたところもあります。また告示や解説の中で実現すべきというようなご意見もあったかと思いますが、取りまとめ全体についてはおおむね賛同いただいたかなと思います。また今日はご発言が𫝆井主査代理だけでしたけども、コミュニケーションの意図というような整理の仕方についても、特にご意見がなかったということは、受け入れていただいたのかなというような判断をしたいと思います。
本日の議論を踏まえた資料の修正と、教育課程企画特別部会に対する報告資料の作成につきましては、私、主査と主査代理の𫝆井主査代理にご一任いただければと考えておりますが、よろしいでしょうか。
それでは一任いただきましたので、事務局と作業を進め、最終的な取りまとめを行いたいと思います。もし本日この場で伝えきれなかったことや会議後に追加のご意見等がございましたら、追って事務局までご連絡いただければと思います。事務局においては追って締切等のご連絡をお願いしたいと思います。
本日の会議の終了時刻12時を予定しておりますが、まだ時間がございますので、よろしければ最後に皆様から一言ずついただければと思います。1分ちょっとぐらいだと思いますけれども、ご発言いただければと思います。言い残したことや今後に向けた期待等、お願いしたいと思います。それではよろしければ挙手ボタンよりお願いします。
すいません、ここ間が空いてしまうと皆さん発言できなくなってしまいますので、積極的にお願いします。日向端委員お願いします。
【日向端委員】 言い残したことはないんですが、この今までの議論を通して、ほんとに皆様のいろいろなご意見とかですね、考え方で、いいものが取りまとめができたんじゃないかなと思っております。私自身ほんとに大変勉強させていただきました。ここで話し合われたことが今後の日本の未来というかですね、子供たちの未来に繋がるものだと確信してますので、まずは現場のほうでも私自身も伝えていきたいなという思いであります。ほんとにありがとうございました。
【酒井主査】 臼倉委員お願いします。
【臼倉委員】 これまでどうもありがとうございました。このワーキングが始まったとき冒頭で、学習指導要領をもっと分かりやすいものにするんだというようなお話があって、それに向けてお仕事をさせていただいて、分かりやすいものにしようという私たちの意図はいろんなところで反映されているなと感じたので、裏方で頑張っていただいた事務の皆様にも感謝を申し上げたいと思います。
それと同時にですね、少し不思議な感じなんですが、これから始まるなという気持ちも今していて、これで終わりじゃなくてまさにこれから始まるんだなという気持ちで今おります。
最後に、学習指導要領が新しくなると、現場の先生方とか皆さん関係者の方が文言に踊らされることがあるというか、こういうふうに書き換えられたんだからこうしなきゃみたいに、指導要領に踊らされてしまう現場みたいなものを今まで見てきたということを考えると、これからの私たちの仕事としては、常にですけども、地に足をつけた英語教育の実現ということも、新しい改革を目指すと同時に足元をちゃんと見ていくということもやっぱり引き続き同時に主張していきたいなという思いも強くしました。どうもありがとうございました。
【酒井主査】 江原委員お願いします。
【江原委員】 よろしくお願いします。早口で話します。この検討会では本当に一つ一つの課題の洗い出しと対応について丁寧に議論を重ねてきたと思います。例えば言語活動の定義が曖昧という課題に対しては、コミュニケーション活動とコミュニケーション活動を支える活動という、定義自体が名前になったような、そういう変更をしました。高校の科目の改編についても議論を重ねて、私もいろいろ思いはあったんですけれども、やはり新しい時代に向けて、とにもかくにも発信力を鍛えなければ、ということでそうなったなと思ってます。
発信力の指導は受け持つ生徒の人数にもよりますけれども、教師にとって本当に時間や手間が必要になります。生徒側のニーズややる気なくしては発信力の育成もままなりません。そういったなかで、教師側の心身ともに健康な生活も重要です。大学入試の影響もあります。そういう社会文化的な学校教育環境の制約も考慮した上で、実行可能な指導指針が出てくるといいなと思ってます。ありがとうございました。
【酒井主査】 藤田委員お願いします。
【藤田委員】 これまで長期間にわたって本当にいろいろな議論をさせていただきまして、本当に感謝申し上げます。
いろんな話をしてきたわけですけれども、元々ここの指導要領の改訂にあたっては、英語を使って何ができるようになるのかというところが一番最初の目的意識だったと思うんですけれども、今回のこの議論の中でもCEFRによってレベル分けみたいな話も出ている一方で、ほんとを言うと、そういうレベルであるとか、あるいは各種のテストの点数であるとかそういうことに縛られることなく、一人一人の子供たちが自分が言いたいことが言えるようになる、自分が達成したいことが外国語を使ってできるようになるという、そこらへんのところを目指した教育というところに実践が届いていくといいなと考えております。
その中でも、今回の資料、さっき少し言い忘れたんですけど、最後の54ページにあったこのイメージ図の中にも、これまで指摘のあったこの意図の部分ですよね。ここらへんの位置づけというのが、いわゆる活動と知識だけではなくて、そこを繋ぐ役割としての意図の部分を今回のイメージの中に入れていただけたというのは、おそらく現場の先生方にもどういうふうなことをどういう形で使っていけばいいのかということが非常に明確になったのかなと思います。こういうところも本文あるいは解説の中でもっと生かしていければいいかなと思っております。ありがとうございました。
【酒井主査】 亘理委員お願いします。
【亘理委員】 全体を通じての感想は、「揉めませんでしたね」ということです。なんだったら我々の人間関係が豊かになってしまったという。そう思っているのは私だけかもしれないんですけど。総論賛成、各論反対ってよく言うじゃないですか。私は、逆がいいと思っていて、各論賛成、総論反対の状況でいろいろがぶつかり合うというのが本質的意義を作るときにも重要かなと思っていたんですけど、ここに集まった人たちは外国語教育に関して割とパースペクティブを同じにしているところが多くて、議論はスムーズに進んだのかなと思っています。
とすると逆側で、十分に包摂できていなかった可能性があって、この取りまとめ資料に盛られた考え方から漏れている人たちがいるかもしれない。今後そういう人たちから取りまとめ資料について理解を得ていくことが重要という意味では、臼倉委員がおっしゃったとおり、これから始まるんだなと思いました。
昨日見に行った授業で、クラスの中でディスカッションをするという活動があったときに、部活で怪我をしてしまった生徒の親と部活のコーチという立場で意見を言い合うという活動があって、生徒がやったあと先生がそれを拾うところで、インタビュースタイルだったんですけど、そのときに先生が“Would you tell us more? ”と、生徒が言った発言に、「さらに言いたいことない?」というのを投げかけたんですよね。そうしたらその生徒が、割とみんなが言っているようなのではない意見として“I don't want another victim. ”という、別の犠牲者を出したくないんだみたいなことが出てきたんですよね。 “Would you tell us more? ”という、自分が言いたいことを言う一方じゃなくて、相手からもっと言いたいことはないかというのを引き出せるような外国語教育が今後実現していけるといいなと思っていて、その点で酒井主査の「全員に発言してほしい」というこのワーキンググループの運営の方針もそうですし、事務局の皆さんが資料を毎回丁寧に作ってくださって、我々の“Would you tell us more? ”を引き出そうとする、このワーキンググループの運営の仕方にとても感銘を受けて13回参加できました。ありがとうございました。
【酒井主査】 それでは工藤委員お願いします。
【工藤委員】 これまでありがとうございました。事務局の皆さん、資料も毎回丁寧に整えていただいてありがとうございます。そして主査の酒井先生、副主査の𫝆井主査代理、どうもありがとうございました。お二人とも多分もっと言いたいことがたくさんあったんだろうなというところはあるので、今後また発信していっていただければなと思います。
いくつかポイントはあるとは思うんですけど、言語活動という言葉を使わなくなるというのは私自身もアップデートしていかなきゃいけないなと。これまで、今日もあるんですけど午後、英語科教育法の授業とかで、毎回言語活動という言葉を何度も何度も言っているところが違う言葉に入れ替わるということで、指導要領上は私も少しコメントしたことあるんですけど、これが効果的だみたいなことはあまり言わないとは思うんですけど、でも効果的だと思っているからそういうふうに切り替えたわけなので、我々がこれから発信していくところでは、なんでコミュニケーション活動とそれを支える活動に分けたことが意味があるかという良さを伝えていかなきゃいけないと思うので、指導要領上はニュートラルに書くしかないんですけど、これからまだ先ですけど、研修等でいろいろ先生方と議論をするときになぜこの2つに分けてそこを往還することが意味があるのかというところに、それぞれの言葉で意味づけしていく必要があるかなと思うので、今度そちらのほうでまた勉強していきたいかなと思っています。
短かったのか長かったのか今振り返るとよく分からないんですけど、皆さんとはまだこれからもいろんなところで接することがあるかなと思いますので、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。
【酒井主査】 川﨑委員お願いします。
【川﨑委員】 事務局の皆様と委員の皆様の豊富な知識と経験に毎回、大変感銘をうけておりました。ほんとに皆様素晴らしい方々が集まっている中に仲間に入れてもらえてすごく嬉しかったですし、刺激になりました。
私自身はビジネスパーソンに教えることが多いのですが、やはり皆さん文法が完璧じゃなきゃ話せないですとか、単語が完璧じゃなきゃ僕はだめだと言って、大切な会議であまり発言できなかったんですと教えてくれたりします。そういうマインドセットのところからほんとに悩まれている方が多いんですが、本来持っている個人個人の意見ですとか、価値観ですとか、そういうのを英語でシェアし始めると、海外の方にほんとにリスペクトされるようなことを達成できているんですよね。
なので、先生も、生徒さんたちも、皆さん自分の意見に自信を持っていただいて、様々な方々とのコミュニケーションで感化されていく中で、ほんとにこれからだと思いますので、日本の皆さんが世界に羽ばたいていけるというのがすごく楽しみでありますし、このような環境にいさせていただきまして、ほんとにありがとうございました。
【酒井主査】 バトラー委員お願いします。
【バトラー委員】 私もあっという間の9か月間だったなと思います。貴重な経験をさせていただいて、本当に実りのある9か月だったと思います。
今、学習指導要領の位置づけといいますか、役割というのが非常に変化していて、その役割が改めて問われている時代なんじゃないかなと私は思います。教室の多様化をはじめとして、またAIが入ってきたりということで、どんどんどんどん目まぐるしく社会のニーズも変わってきていますし、子供たちのニーズも変わってきています。こうした状況の中、やはりこれからフレキシビリティ、つまり柔軟性というのがすごく大切で、この指導要領をこれから施行していくにあたっても、できるだけ柔軟なマインドというのを持ちつつ、そしてまたボトムアップの声というのを広く受け入れるような、そういう形で進めていけたらいいなと思います。ありがとうございました。
【酒井主査】 細田委員、お願いします。
【細田委員】 まずもって事務局の皆様、主査、副主査、そして委員の皆様、本当にありがとうございました。
この長い、回を重ねる議論の中で、委員の皆様が非常に知識が豊かで、違う分野というかところで大変詳しい方もいっぱいいらっしゃったので、まず委員の皆様のご発言を理解するところからということで、汗をかきながらでしたけれども、大変有意義な13回でございました。
そもそもこの会議が「AI時代に外国語を学ぶ本質的な意義は」というところから議論が始まったんですけれども、私は学校で学ぶことの本質的な意義に迫っていける議論ができたのではないかと思っているところでございます。
日本の学校がこの150年間ほとんど同じシステムで存在してきているわけですけれども、今もバトラー委員がおっしゃっていたようにAIなど、そしてそこで学ぶ子供たちの多様性、そういったものがどんどん私たちに学校とはということを問うてきたわけですけれども、私自身がこの子供たちが世界のどこかを支えることができる一人になるために、子供たち一人一人が多様な他者と豊かにコミュニケーションができる、そんな力をこの新しい学習指導要領でつけていくことができたら、これ以上幸せなことはないなと思っております。皆様、本当にありがとうございました。
【酒井主査】 関谷委員、お願いします。
【関谷委員】 まず初めに本当に皆様ありがとうございました。前回の改訂の趣旨が、言語活動重視の授業改善であったり、また生徒の英語力の向上に確実に繋がっているということ、そちらも実感しているところであります。学習指導要領の改訂の趣旨、これから学校現場に浸透していくまでにはやはり時間もかかりますし、先生方に正しくこの趣旨を理解していただくことの必要性を改めて感じているところです。
先日小学校の6年生の授業を見に行ったらですね、調べ学習をした児童が、まず調べたことを発表したんですけど、そのあとほかの児童の発言を聞いていく中で、みんなの意見を聞いたらもっと話したいことが増えて話せるようになったということを振り返りシートに書いておりまして、非常にこういった体験を各時間で子供たちが体験していくことというのが非常に重要だなと思います。
このあと学習指導要領が学校に広まっていく中で、先生方には各学校で生徒の実態に合った学びをご自身でデザインしていただくことが必要だと感じておりますので、そういった余白の意味合いを残してご説明をしていきたいなと思っております。ぜひ皆様で協力して取り組んでいければと思いますので、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。
【酒井主査】 布村委員、お願いします。
【布村委員】 9か月間お世話になりました。本当に毎回学びの多い会議で私もすごく勉強になりました。
前回は高等学校のほうの解説に関わらせていただいたんですけど、全体のこういう小中高流れてという話には少し加われなかったところがありました。今回、やっぱり小中高というふうに全部をまとめて外国語教育というところでお話しさせていただけたのは本当に良かったなと思っています。
特にコミュニケーションを取るということ、今関谷委員が言ったように教室の中の誰かが言ったことが面白いなと感じて、そしてコミュニケーションを取ることのその体験というのは、とか感じ方というのは、私小学校から繋がっているものだと思うんですね。そこで培った態度とか意識というものは、ずっと中高と続いていくもので、そういうものがベースにある生徒を例えば高校で受け持ったときに、より高度なコミュニケーション活動がほんとにしやすくなるんですね。なのでそういう部分で今回、小学校からコミュニケーションのどういうものを大切にするのかというところを一緒に先生方と考えられたのはすごく良かったなと思っています。
言語活動をコミュニケーション活動とコミュニケーションを支える活動に、よりコミュニケーションが豊かな、授業の中でコミュニケーションが豊かになる場になっていくように、ほんとにこの改訂がなるんじゃないかなと思っています。先生方ありがとうございました。
【酒井主査】 内田委員お願いします。
【内田委員】 まずは皆様ほんとにありがとうございました。とても難しいタイミングでこの委員をやったなと思っています。AI時代、それから多様化の時代ということで、ほんとにまさに時代の転換点で我々この2030年以降というなかなかまだ見通せないときに、難しい仕事をやったなと思っています。おそらく確実に外国語とは何かというか、あと教育とは何か、あと教師の役割、このあたりはもう変わっていくのかなと思ってますので、それに向けた大きな土台を作ることができたのかなと思っています。非常に難しかったんですけど、頭を使うべきときに頭を使えたのかなと個人的には思っています。
時代を反映してすべてオンラインの会議だったんですけど、一度皆さん対面でお会いしてという機会もあればなと願っていましたけど、どこか学会等でお会いできればなと思っています。
最後に1点だけ26ページの指摘をしたいんですけど、まさかと思ってさっきのニーズのニの漢数字で全部検索したら、26ページの3ポツ目のコミュニケーションのニが、これも漢数字の二になっていました。ほかのところは大丈夫なんですけど、このページ、3ポツ目右側の青字のところをですね、このニだけが漢数字の二になっておりましたので、そこだけ修正していただければと思います。すいませんがよろしくお願いします。
【酒井主査】 すいませんありがとうございました。それでは鈴木委員お願いします。
【鈴木委員】 まず推進室の皆様、調査官の先生方、そして酒井先生、𫝆井主査代理、そして委員の皆様に心より感謝申し上げます。
取りまとめの案の方向性は第二言語習得研究の知見と整合していると思っています。特に使ってみる、足りないものを学ぶ、もう一度使う、そういうようなコミュニケーション活動とコミュニケーション活動を支える活動の往還を明記したことは、高く評価したいなと思っています。また語彙や文法等を精選して、科学的知見やAI活用も視野に入れている点は、現代的でとても重要な方向性だと思っています。この案が現場に伝わりやすく、実効性のあるものになるよう心から願っています。これまでどうもありがとうございました。
【酒井主査】 米野委員お願いします。
【米野委員】 これまでいろいろな業務でお世話になった先生方とまたご一緒させていただき、本当に貴重な機会に参加させていただきました。心から感謝申し上げます。
地方の教育行政に関わるもの、それから地方の学校教員としての立場から発言をさせていただいたつもりです。これまでにない画期的な取組が示されておりますので、今後もフォローをしていきたいと考えております。
最後になりますが、毎回取りまとめにご尽力いただいた事務局関係者の皆様に心から感謝申し上げます。委員の皆様、どこかでまたお目にかかれることを楽しみにしております。ありがとうございました。
【酒井主査】 𫝆井主査代理お願いします。
【𫝆井主査代理】 委員の皆様、本当にどうもありがとうございました。
私、外国語ワーキングに加わるにあたって実現したいことがいくつかあったんですが、そのうちの一つが、知・技と思・判・表というものの間といいますか、間を埋めることと、それから思・判・表の定義を小中高一貫させることだったんですけれども、そこについてこの議論が深められたことは非常に良かったんじゃないかなと自分自身も思っています。本当に思いがけないいろんな議論の展開があって大変勉強になりました。ありがとうございました。
先ほどの発言でも申しましたけれども、思・判・表というものについて、より学校の現場の先生方に具体で見える形にしていくことがこれからの課題だと思っています。そうすることで先生方も取り組みやすくなりますし、限られた時間の中でこれを目標として達成しようというふうに学校の先生方が諦めずに取り組んでいただけるようなものを作っていくことが、これから協力者会議等で行いたいことの一つかなと思っています。本当にありがとうございました。お疲れさまでした。
【酒井主査】 皆さん発言しましたでしょうか。それでは最後に私からも一言お礼を申し上げたいと思います。
9月24日に第1回が始まった際にですね、3年生から外国語活動が入った、いわゆる外国語教育のシステム、制度の中で初めての改訂を迎えたわけです。前回のときには実態がどうであるかということがなかなかつかめないままの制度設計だったと思うんですが、今回はですね、いわゆる各種調査による子供たちの実態、教育の実態、それから研究の成果ですね、それから皆さん方のいわゆる現場、学校で何が起きているのか、どういう先生たちがどういう実践をされているのかということを踏まえた上で、様々な意見交換をすることができたと思っております。皆さんの建設的なご意見、それから鋭いご意見ですね、ほんとに感謝したいと思います。
またそれを支えてくださった資料ですね、膨大な研究の取りまとめ、それから調査の取りまとめ等々ですね、ほんとに精密に作っていただいた事務局の方にもお礼申し上げたいと思っております。
今にして思うと、見方・考え方を相互理解を図ることとしたのはほんとに有意義だったなと思っております。先ほど亘理委員の話でもないですけども、お互い違う考えを持っていたとしても相互理解を図るということで、その先に第三の道というか、主張して終わりではなくて、その先になんか道を探すことができたなというのが、この外国語ワーキンググループの意見交換の特徴だったかなと思っています。
これが小中高の外国語教育でも実現されるように、また子供たちにもそういう他者との関わり合いがあるんだということを知ってもらえるように、具体化を図れるようにしていただけるといいかなと思っております。ほんとに長い間ありがとうございました。
それでは最後に、事務局よりお願いしたいと思いますが、課長お願いします。
【武藤 教育課程課長】 13回の長きにわたり素晴らしい先生方に集まっていただいて、素晴らしい議論していただいたと思っております。
私もこのワーキングに関わるにあたっていろいろ問題意識もあったんですけども、12ページにですね、そのことが結構色濃く入っております。社会全体の期待とか認識と、それから今現状とのギャップということであります。
長年思ってきましたけど、ほんとに日本の英語教育の先生方、それからそれをサポートしてくださっている先生方が、連綿と努力をし、そして着実に改善を積み重ねてきたんだと。様々リソースも限られている中で、そういうことをしてくださってきたんだと思うんです。
ただ一方で、社会の期待というものがそれなりにあって、率直に申し上げると、非常にフェアではないような批判にさらされてきたのが我が国の英語教育だったんではないか。このようにも言えると思っておりまして、今回のこのご議論の中でですね、あんまりフェアではないというようなことも含めて、現実は本当はどうなっているんだというところまで深掘っていただきながら、じゃあどんなことができるのかという、こういった前向きな議論も多々していただいたのかなと思っております。
その中に例えば先ほども出てきた用語のこと、実はずっと使われてきたけれども同床異夢だったような用語もあれば、あるいは語彙のリストみたいに、あんまり今までタッチしてきてなかったようなことも含めて、相当深掘った議論をしていただいたのかと思っています。
また、今回の改訂の三本柱の一つである実現可能性の確保というところについても、幅広く行き届いたご議論をいただけたのかというふうに感じて、感謝をしております。現時点での最適解というか、それから納得解というか、こういったものをまとめいただいたのかなと思って感謝しているところでございます。
一方でですね、先ほど亘理先生からありましたように、この議論からもしかしたら漏れている観点がないのかということですね。ここについてはこれからこのワーキングのあと、まだ続くわけですね。私どもとしても多方面に目を配りながらですね、もしそういったものがあるのかないのか、あるとしたらどのようなことが考えられるのか。常にこれは意を用いていきたいというふうに思いますし、またバトラー先生からありましたようにフレキシビリティが大事だということであります。
今回の議論において最大の不確定要素はやっぱりAIだったんだと思っておりまして、これからどんどんAIも進んでいくという中で、私どもとしてもフレキシビリティも確保しながら次に繋げていきたい。
最終的には先生方のこの素晴らしい議論をですね、英語の先生方5万人、それから小学校も入れればもっと多いわけですけども、その一人一人にこの思いが伝わるように、これから先も進んでまいりたいと思っております。本当に長い時間ありがとうございました。
【田井 外国語教育推進室長】 改めまして、本日はどうもありがとうございました。
先ほど酒井主査から言及いただきましたとおり、本日の議題に関するご意見等がございましたら、後日事務局宛てにいただければと思います。この場でいただいたご意見等を含めまして、酒井主査、𫝆井主査代理とともに取りまとめに向けた作業に入らせていただき、教育課程企画特別部会に報告をさせていただきたいと思います。また、今後、ワーキンググループの開催の必要が生じた場合には、改めてご連絡させていただきたいと思います。
昨年の9月から9か月、13回にわたりまして議論を重ねていただき、大変ありがとうございました。外国語ワーキンググループは特に開催回数も多く、また多岐にわたる論点についてご議論いただいたところでございますが、酒井主査、𫝆井主査代理をはじめ、委員の皆様におかれましては、ご自身の専門性、現場でのご知見を踏まえて、各会において建設的なご意見をいただき、議論を深めていただきましたことに心より感謝を申し上げます。
主査からも言及いただきましたけれども、他の委員のご意見を尊重しながら建設的に議論を重ねていただいたことは、次期外国語の指導要領が目指すコミュニケーションによる相互理解に向かう姿勢を体現していただいたと思っております。皆様にご議論いただきました方向性は、今後指導要領や解説の作成にあたり、しっかりと形にして、関係者にその趣旨も含めて届けていけるようにしたいと思います。改めて貴重なご議論を本当にありがとうございました。以上でございます。
【酒井主査】 ありがとうございます。それでは以上を持ちまして閉会といたします。委員の皆様には長期間にわたる審議にご参画いただきましてありがとうございました。
―― 了 ――
■会議終了後の追加意見
【髙木委員】
膨大な資料を毎回わかりやすくまとめてくださった事務局の皆様と、酒井主査をはじめ刺激的な議論をしてくださった委員の皆様に、心より感謝申し上げます。一般の教員である私がこのような機会に関わらせていただいたことを、たいへん光栄に思っています。
今回議論した新しい学習指導要領が、日々教室で奮闘しておられる先生方や、外国語を学ぶ学習者のみなさんにとって、「これだったら頑張れる」「挑戦してみよう」と思えるものになっていれば、これほど嬉しいことはありません。
そして、ここで鍵となるのは、私を含めた現場の教師が、示された方向性をどのように受け止め、教室でかたちにしていくか、というところだと考えています。この新しい学習指導要領で掲げられた目標や内容をしっかりと噛み砕きながら、外国語学習が一人ひとりの豊かな人生を支える一助となることを目指して、全国の先生方とともに、教室で実現していくことに力を尽くしてまいります。
電話番号:03-5253-4111(代表)